JP2023536681A - 抗体を定量化するためのハイスループット及び質量分析ベースの方法 - Google Patents

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Abstract

試料中の標的タンパク質を定量化するための液体クロマトグラフィーフリーの方法が提供される。一実施形態は、試料中の標的抗体を定量化するための液体クロマトグラフィーフリーの方法であって、試料に標識内部標準抗体をスパイクするステップと、試料中の抗体を消化して、ペプチドを生成するステップと、ペプチドを分画するステップと、標的抗体を、1つ以上のイオントラップ及び2つ以上の四重極質量フィルタ及びエレクトロスプレーイオナイザーを含有する直接注入MS2システムを使用して定量化するステップと、を含み、方法が、液体クロマトグラフィーフリーである、方法を提供する。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により組み込まれる、2020年6月9日に出願された米国仮特許出願第63/036,679号の利益及び優先権を主張する。
本発明は、概して、抗体を定量化するためのシステム及び方法に関する。
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された配列表を含み、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。2021年6月2日に作成された、当該ASCIIコピーは、064752_032PCT1_SL.txtと名付けられ、サイズが622バイトである。
抗体ベースの治療薬の開発のためには、動物血清/血漿試料中の薬物分子の信頼性のある定量化が、毒物動態学的及び薬物動態学的研究を支持するために重要である。液体クロマトグラフィー連結タンデム質量分析(LC-MS/MS)方法は、リガンド結合アッセイ(LBA)と比較して、方法開発時間、特異性、選択性、多重化の実現可能性、及び広いダイナミックレンジにおけるその利点に起因して、複合的な生物学的マトリックス中の治療用ペプチド及びタンパク質を定量化するためにますます適用されている。しかしながら、従来のLC-MSベースのアッセイはしばしば低いスループットに悩まされており、例えば、LC-MSを使用して1日当たり100個のみの試料が処理され得る。
したがって、本発明の目的は、試料中のヒトモノクローナル抗体(mAb)を定量化するためのより効率的で高感度のシステム及び方法を提供することである。
本発明の別の目的は、1日当たり100個超の試料中のタンパク質濃度を定量化し得るシステム及び方法を提供することである。
試料中の標的タンパク質を定量化するための液体クロマトグラフィーフリーの方法が提供される。一実施形態は、試料中の標的抗体を定量化するための液体クロマトグラフィーフリーの方法であって、試料に、標識内部標準抗体をスパイクするステップと、試料中の抗体を消化して、ペプチドを生成するステップと、ペプチドを分画するステップと、標的抗体を、1つ以上のイオントラップ及び2つ以上の四重極質量フィルタ及びエレクトロスプレーイオナイザーを含有する直接注入MSシステムを使用して定量化するステップとを含み、方法が、液体クロマトグラフィーフリーである、方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、分画の前に、ペプチドに、標識FcペプチドVVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号1)をスパイクするステップを更に含む。一実施形態では、ペプチドは、逆相固相抽出によって分画される。標識内部標準抗体及び標識Fcペプチドは、典型的には、重同位体で標識される。いくつかの実施形態では、重同位体は、13C、15N、及びHからなる群から選択される。一実施形態では、標的抗体は、ヒトモノクローナル抗体である。
更に別の実施形態は、生体試料中のタンパク質薬物生成物を定量化する方法であって、試料に、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する既知量の重同位体標識ペプチド標準をスパイクするステップと、試料中のタンパク質薬物生成物をペプチドに消化するステップと、ペプチドを、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するペプチドを保持する条件下で分画するステップと、タンパク質薬物生成物ペプチド及びペプチド標準を含有する試料を、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するペプチドの存在について、MSシステムを使用して分析して、システムを較正するステップであって、MSシステムが、1つ以上のイオントラップ及び2つ以上の四重極質量フィルタ及びエレクトロスプレーイオナイザーを含む、分析するステップと、試料中に存在するタンパク質薬物生成物の量を、ペプチドの存在に基づいて定量化するステップと、を含み、方法が、液体クロマトグラフィーを利用しない、方法を提供する。タンパク質薬物生成物は、抗体若しくはその抗原結合フラグメント、融合タンパク質、又は組換えタンパク質であり得る。いくつかの実施形態では、薬物生成物イオン及び質量タグ付きペプチド標準イオンを定量化するためのデータは、異なるMSスキャンにおいて取得される。上記のように、ペプチドは、洗浄としての15~25%アセトニトリル及び20~30%アセトニトリル溶出を使用する逆相固相抽出を使用して分画される。一実施形態では、20%アセトニトリル洗浄及び24%アセトニトリル溶出が使用される。
一実施形態では、方法は、試料を消化する前に、タンパク質薬物生成物の試料に、重同位体標識タンパク質薬物生成物をスパイクするステップを更に含む。
いくつかの実施形態では、試料は、血液又は血清を含有する。血液又は血清は、ヒト又は非ヒトであり得る。一実施形態では、血清は、サル血清である。
一実施形態では、開示される方法は、1~1000μm/mLのダイナミックレンジ及び1~2μg/mLの定量化下限(LLOQ)を有する。
更に別の実施形態では、開示される方法は、自動化ハイスループット方法である。
本明細書に開示される例示的な方法のワークフローの模式図である。 本明細書に開示される例示的な方法のワークフローを示す図である。 内在性及び内部標準(IST)ペプチドの連続的並列反応モニタリング(PRM)取得を示す例示的なグラフである。 PRMのための内在性及びISTペプチドの広範囲同時単離を示す例示的なグラフである。 2重化(2-plexed)PRM取得を示す例示的なグラフである。 1μg/mLでの広範単離PRMを使用して取得した内在性及びスパイクインした(spiked-in)ペプチドy14++の質量スペクトルグラフである。 1μg/mLでの2重化PRMを使用して取得した内在性及びスパイクインしたペプチドy14++の質量スペクトルグラフである。 図7B~7Dにおいて試験した生成物イオンを示す表である。 ブランク試料又は目的のmAbの10μg/mL試料中の内在性並びにスパイクインしたy8+及びy14++生成物イオンの質量スペクトルである。 ブランク試料又は目的のmAbの10μg/mL試料中の内在性並びにスパイクインしたy8+及びy14++生成物イオンの質量スペクトルである。 本明細書に開示される例示的な方法からの段階的アセトニトリル(ACN)勾配溶出の模式図である。 ACN段階的勾配にわたるVVSVペプチド分布パーセントを示すグラフである。 様々なACN溶出ウィンドウ(18%洗浄、24%溶出;18%洗浄、26%溶出;20%洗浄、24%溶出;20%洗浄、26%溶出)を使用してVVSVペプチド強度を示すグラフである。 18%ACNで洗浄し、24%ACNで溶出したOasis SPEプレートにおける(図9A)、及び20%ACNで洗浄し、24%ACNで溶出したStrata X-SPEプレートにおけるy14++生成物イオンの相対的存在量を示す質量スペクトルグラフである。 種々の濃度の重ペプチドにわたる重ペプチドシグナルの強度を示す較正曲線である。データを、1/xの重み付けでの線形回帰モデルとして当てはめた。 重mAb内部標準をスパイクした試料についての種々のタンパク質濃度にわたる正規化された応答を示す較正曲線である。データを、1/xの重み付けでの線形回帰モデルを使用して当てはめた。 抗体濃度を検出するための開示される方法を使用したQC試料分析を示す表である。 血清ブランク(図13A)及び血清+内部標準mAb(図13B)中の内在性及びSILペプチドの相対的存在量を示す質量スペクトルグラフである。 様々なロットのサル血清を使用してLLOQの決定を示す表である。 サル血清中の種々の濃度のmAb1にわたる相対的応答(図15A)及び強度(図15B)を示す較正曲線である。 QC試料分析の結果を示す表である。 洗浄体積の増加がLLOQを改善することを示す棒グラフである。X軸は洗浄体積を表し、Y軸は1μg/mL mAbでの応答/ブランクを表す。
I.定義
本開示は、それ自体が変動し得る、本明細書に記載される組成物及び方法並びに記載される実験条件に限定されないことを理解されたい。また、本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることから、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のためのみであり、限定することを意図するものではないことを理解されたい。
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様又は同等の任意の組成物、方法及び材料は、本発明の実行又は試験において使用され得るが。言及される全ての刊行物は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書において別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに相反しない限り、特許請求される本発明の説明の文脈における(特に特許請求の範囲の文脈における)「a」、「an」、「the」という用語、及び同様の指示物の使用は、単数及び複数の両方をカバーすると解釈される。
本明細書における値の範囲の記載は、本明細書において別段の指示がない限り、単に、範囲内に入る各別個の値を個別に指す省略法として作用することが意図されており、各別個の値は、それが本明細書において個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。
「約」という用語の使用は、およそ+/-10%の範囲の記述された値の上又は下のいずれかの値を記載することが意図され、他の実施形態では、値は、およそ+/-5%の範囲の記述された値の上又は下のいずれかの値の範囲であり得、他の実施形態では、値は、およそ+/2%の範囲の記述された値の上又は下のいずれかの値の範囲であり得、他の実施形態では、値は、およそ+/-1%の範囲の記述された値の上又は下のいずれかの値の範囲であり得る。先の範囲は、文脈によって明らかにされることが意図され、更なる限定を意味することはない。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書において別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに相反しない限り、任意の好適な順序で行われ得る。本明細書で提供される任意の及び全ての例、又は例示的言語(例えば、「など」)の使用は、単に、本発明をより良く明らかにすることが意図され、別段の請求がない限り、本発明の範囲に対して限定を課すものではない。本明細書におけるいかなる言語も、任意の非請求要素を本発明の実行に不可欠であると示すものとして解釈するべきでない。
「タンパク質」は、ペプチド結合によって互いに連結された2つ以上のアミノ酸残基を含む分子を指す。タンパク質は、ポリペプチド及びペプチドを含み、グリコシル化、脂質付着、硫酸化、グルタミン酸残基のガンマ-カルボキシル化、アルキル化、ヒドロキシル化及びADP-リボシル化などの修飾もまた含み得る。タンパク質は、タンパク質ベースの薬物を含む、科学的又は商業的対象のものであり得、タンパク質には、とりわけ、酵素、リガンド、受容体、抗体及びキメラ又は融合タンパク質が含まれる。タンパク質は、よく知られた細胞培養方法を使用して種々のタイプの組換え細胞によって産生され、一般に、遺伝子操作技術によって細胞中に導入され(例えば、キメラタンパク質をコードする配列、又はコドン最適化配列、イントロンなしの配列など)、そこでそれはエピソームとして存在し得るか又は細胞のゲノム中に組み込まれ得る。
「抗体」は、ジスルフィド結合によって相互接続された4つのポリペプチド鎖、2つの重(H)鎖及び2つの軽(L)鎖、からなる免疫グロブリン分子を指す。各重鎖は、重鎖可変領域(HCVR又はVH)及び重鎖定常領域を有する。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2及びCH3を含有する。各軽鎖は、軽鎖可変領域及び軽鎖定常領域を有する。軽鎖定常領域は、1つのドメイン(CL)からなる。VH及びVL領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる、より保存されている領域が散在する、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる、超可変性の領域に更に細分され得る。各々のVH及びVLは、アミノ末端からカルボキシ末端へ、以下の順序で配置された、3つのCDR及び4つのFRで構成される:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。「抗体」という用語は、任意のアイソタイプ又はサブクラスのグリコシル化及び非グリコシル化の両方の免疫グロブリンへの言及を含む。「抗体」という用語は、組換え手段によって調製、発現、作製又は単離された抗体分子、例えば、抗体を発現するようにトランスフェクトされた宿主細胞から単離された抗体を含む。抗体という用語はまた、1つより多い異なるエピトープに結合し得るヘテロ四量体免疫グロブリンを含む、二重特異性抗体を含む。二重特異性抗体は、一般に、参照により本出願に組み込まれる、米国特許第8,586,713号に記載されている。
「Fc融合タンパク質」は、そうでなければ天然において一緒には見出されない、そのうちの1つが免疫グロブリン分子のFc部分である2つ以上のタンパク質の一部又は全部を含む。抗体由来のポリペプチドの種々の部分(Fcドメインを含む)に融合した特定の異種ポリペプチドを含む融合タンパク質の調製は、例えば、Rath,T.,et al.Crit Rev Biotech,35(2):235-254(2015)、Levin,D.,et al.Trends Biotechnol,33(1):27-34(2015))によって記載されている「受容体Fc融合タンパク質」は、Fc部分に結合した受容体の1つ以上の細胞外ドメインを含み、これは、いくつかの実施形態では、免疫グロブリンのCH2及びCH3ドメインがそれに続くヒンジ領域を含む。いくつかの実施形態では、Fc融合タンパク質は、1つ以上のリガンドに結合する2つ以上の異なる受容体鎖を含む。例えば、Fc融合タンパク質は、例えば、IL-1トラップ又はVEGFトラップなどの、トラップである。
「液体クロマトグラフィーフリー」という用語は、液体クロマトグラフィーの技術が、開示される方法及びシステムにおいて利用されないことを意味する。
II.抗体を定量化するためのハイスループット及び質量分析ベースの方法
試料中、例えば、非ヒトマトリックス中のタンパク質薬物生成物を定量化するためのシステム及び方法が本明細書に開示される。一実施形態では、タンパク質薬物生成物は、抗体若しくはその抗原結合フラグメント、融合タンパク質、又は組換えタンパク質である。抗体は、典型的には、モノクローナル抗体である。動物血清/血漿試料中のタンパク質薬物生成物分子の正確で信頼性のある定量化は、タンパク質ベース及び抗体ベースの治療薬の開発中の毒物動態学的及び薬物動態学的研究を支持するために重要である。別の実施形態は、試料中のmAb、典型的には、ヒト抗体を定量化するための、液体クロマトグラフフリー(LCフリー)の、並列反応モニタリング(PRM)ベースの質量分析(MS)方法(図1)を含む、ハイスループットのシステム及び方法を提供する。別の実施形態は、試料中の総ヒトmAb定量化のための、ハイスループット分析のためのナノスプレーベースの直接注入(試料当たり<1分、クロスラン(cross-run)混入ゼロ)及び内部対照としてのFc領域からの普遍的代用ペプチド(VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号1))を利用する方法を提供する。
例示的な液体クロマトグラフィーフリーの方法は、タンパク質試料をペプチドに消化することと、配列番号1などの代用ペプチドのアミノ酸配列を有する重同位体標識ペプチド標準をスパイクインすることと、試料を分画することと、1つ以上のイオントラップ、2つ以上の四重極質量フィルタ、及びエレクトロスプレーイオナイザーを含有する直接注入MSシステムを使用して試料を分析することと、を含む(図2A)。
更に別の実施形態は、試料中の抗体濃度を定量化するための液体クロマトグラフィーフリーの方法であって、試料に内部標準、例えば、標識抗体をスパイクするステップと、試料中の抗体を消化して、ペプチドを生成するステップと、ペプチドを、例えば、固相抽出を使用して、分離するステップと、試料中の抗体の量を直接注入MSシステムを使用して定量化するステップと、を含む、方法を提供する。一実施形態では、直接注入MSシステムは、1つ以上のイオントラップ、2つ以上の四重極質量フィルタ、及びエレクトロスプレーイオナイザーを含む(図2B)。
更に別の実施形態は、試料中の標的抗体を定量化するための液体クロマトグラフィーフリーの方法であって、試料に標識標準抗体をスパイクするステップと、試料中の抗体を消化して、ペプチドを生成するステップと、ペプチドを分画するステップと、1つ以上のイオントラップ及び2つ以上の四重極質量フィルタ及びエレクトロスプレーイオナイザーを含有する直接注入MSシステムを使用して標的抗体を定量化するステップと、を含む、方法を提供する(図2C)。
方法及びシステムの更なる詳細は、以下の節において提供される。
A.消化
一実施形態では、目的のタンパク質又はタンパク質薬物生成物、例えば、抗体又はその抗原結合フラグメント、融合タンパク質、又は組換えタンパク質は、典型的には、96ウェルプレート中でペプチドに消化される。一実施形態では、標識内部標準ペプチド、例えば、配列番号1を、標的抗体を含有する試料中にスパイクし、次いで、試料をタンパク質消化に供する。別の実施形態では、標的抗体を含有する試料に、標識標準抗体をスパイクし、次いで、それを消化に供する。
タンパク質を消化する方法は、当該技術分野で知られている。タンパク質は、タンパク質分解酵素での酵素消化によって又は化学物質での非酵素消化によって消化され得る。タンパク質を消化するための例示的なタンパク質分解酵素としては、トリプシン、ペプシン、キモトリプシン、サーモリシン、パパイン、プロナーゼ、Arg-C、Asp-N、Glu-C、Lys-C、及びLys-Nが挙げられるが、これらに限定されない。完全な消化を確実にするために、タンパク質分解酵素の組み合わせが使用され得る。タンパク質を消化するための例示的な化学物質としては、ギ酸、塩酸、酢酸、臭化シアン、2-ニトロ-5-チオシアノベンゾエート、及びヒドロキシルアミンが挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態では、方法の消化ステップは、Beckman CoulterからのBiomek(登録商標)FX Automated Workstationにおいて96ウェルプレートを使用して行われ、これは、今日の研究環境に重要な速度及び性能を提供する。フレキシブルプラットフォームは、マルチチャンネル(96又は384)とSpan-8ピペッティングとを組み合わせるシングル及びデュアルピペッティングヘッドモデルにおいて利用可能であり、ハイスループットワークフローに理想的である。
一実施形態では、試料を8M尿素で希釈し、還元条件下で1~10の比率で一晩トリプシン処理する。例示的な還元剤としては、2-メルカプトエタノール及びジチオスレイトール(DTT)が挙げられる。一実施形態では、試料を10mM DTTを用いて還元する。
B.分画
消化後、試料を分画に供して、消化されたペプチドを分離する。一実施形態では、試料を、内部標準ペプチド(VVSVLTVLHQDWLNGK、(配列番号1))の保持、及び方法感度の改善のための他の干渉の大半の除去を可能にする条件下で分画する。一実施形態では、分画は、固相抽出、特に、96ウェルプレート中での逆相固相抽出を使用して行われる。
1.固相抽出
固相抽出(SPE)パラメータを、Oasis HLB逆相30mgプレート、Oasis HLB逆相10mgプレート、Strata-X逆相10mgプレート、Strata-X逆相2mgプレート、Strata-XC強陽イオン交換ミックスモードプレート、及びStrata-XA強陰イオン交換ミックスモードプレートを含むいくつかの市販のSPE製品を比較することによって探索した。
洗浄及び溶出パラメータを、消化した試料に対して、市販のプレート上で、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%アセトニトリル(ACN)を使用して調べた(図8A)。図8Bは、段階的溶出プロファイルを示す。図8Cは、示される洗浄及び溶出濃度のACN下で質量分析によって決定した内部対照ペプチド強度を示す。20%ACN洗浄と24%ACN溶出が最適であると決定した。
Oasis HLB逆相10mg 96プレート(図9A)とStrata-X逆相10mgプレート(図9B)との間の溶出プロファイルの比較もまた行った。データは、2mg Strata-X逆相プレートが、6.31E3の最も強いシグナルを提供したことを示す(図9B)。表1は、消化した試料を分画するための例示的なSPEパラメータを示す。
Figure 2023536681000002
C.質量分析
一実施形態では、分画されたペプチドは、エレクトロスプレーイオナイザーを備えた、1つ以上のイオントラップ及び1つ以上のハイブリッド四重極質量フィルタを含有する質量分析システムを使用して定量化される。例示的な質量分析システムとしては、ナノスプレーイオン化を開始するためのTriVersa NanoMate(登録商標)システムを備えたPRMモードのThermo Q Exactive(商標)Plus質量分析計が挙げられるが、これらに限定されない。このシステムは、複合的なマトリックス中の低存在量の分析物のより正確な定量化のために前駆体の選択及び伝送を改善する先進的な四重極技術(AQT)を有する。システムはまた、完全な定性的信頼性で再現性のある定量化を供給するための、洗練されたデータ非依存的取得(DIA)及び並列反応モニタリング(PRM)を有する。最後に、システムは、ノイズを低減し、メンテナンス間隔を延長する先進的なアクティブビームガイド(AABG)を有する。
一実施形態では、定量化データは、内在性及びISTペプチドの連続的PRM取得を使用して取得される。いくつかの実施形態では、2重化PRM取得が使用される。生成物イオンを定量化するためのデータは、異なるMSスキャンにおいて取得される。
1.内部標準ペプチド
MSは、重同位体標識内部標準ペプチドVVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号1)を使用して較正される。いくつかの実施形態では、内部標準ペプチドは、13C、15N、及びHで標識され、例えば、1つ以上のLys残基が同位体で標識され得る。配列番号1は、全てのヒトIgGアイソタイプ中に存在し、酵素消化から確実に生成され得る。配列は、いかなる他の動物種においても見出され得ず、良好なMSイオン化効率を有する。いくつかの実施形態では、内部標準ペプチドは、試料中のタンパク質の消化の前に又はそれと同時に、分析される試料中にスパイクされる。
図10A及び10Bは、配列番号1を使用して較正曲線を示す。MS分析のためのHCD衝突エネルギーを、重同位体標識内部標準ペプチドを使用して較正して、定量化使用に意図されるフラグメントイオンのための最良のシグナル強度を達成する。
2.内部標準抗体
いくつかの実施形態では、MSシステムは、重同位体又は質量タグで標識された抗体を使用して較正される。いくつかの実施形態では、重同位体は、13C、15N、及びHからなる群から選択される。例示的な内部標準抗体は、1つ以上のLys残基上でC13及びN15で標識される。一実施形態では、SILu(商標)MAB Stable-Isotope Labeled Universal Monoclonal Antibody Standard(human)が使用され得る。
図11A及び11Bは、標識内部標準抗体を使用して較正曲線を示す。図13Aは、ブランクのスキャンであり、13Bは、ブランク中の内部標準を用いたスキャンを示す。図13Aについては、1つのロットのサル血清をトリプシンによって消化し、続いて、オフラインSPEクリーンアップを行った。次いで、PRM方法を使用してMSによって分析した。内部標準についてのシグナルは非常に低い(4.27E2)。図13Bについては、10μg/mLの内部標準をサル血清中にスパイクし、次いで、トリプシンによって消化し、続いて、オフラインSPEクリーンアップを行った。次いで、PRM方法を使用してMSによって分析した。見てのとおり、内部標準についてのシグナルは1.97E4である。この実験は、ブランクのサル血清が内部標準についての干渉を含まないことを示す。
3.精度及び正確性
図12は、品質管理分析から得られたデータを示す。4つのレベルのNISTmAb、Humanized IgG1k Monoclonal Antibody(Sigma-Aldrich)を、1~600μg/mLでサル血清中にスパイクした。各レベルについて、6つの試料を独立して調製した。全ての試料をトリプシンによって消化し、SPEによってクリーンアップした。全ての試料をMSによって分析した。較正曲線に基づいて、検出された濃度を計算した。正確性を、名目上の濃度で割った、平均の検出された濃度を使用することによって計算した。精度を、各レベルでの6つの試料の相対標準偏差(RSD)%を使用して計算した。
4.選択性分析
図14は、様々なロットのサル血液を使用した定量化下限(LLOQ)の決定を示す。この実験を、この方法のマトリックス効果を評価するために行った。6つの異なるロットのサル血清を購入し、次いで、1μg/mL及び2μg/mLのNIST mAbを別々に各ロットのサル血清中にスパイクした。NIST mAbを含まない各ロットのサル血清(ブランク)のシグナルもまた検出した。次いで、1μg/mL及び2μg/mLからのシグナルの、ブランク試料からのシグナルとの比率を計算した。比率は、FDAからの方法適格性の要件に基づいて、少なくとも5であるべきである。また、正確性を、名目上の濃度で割った検出された濃度を使用して計算した。正確性は、食品医薬品局(FDA)からの方法適格性の要件に基づいて、LLODについて80~120%以内であるべきである。
5.包括的適用性の評価
図15Aは、この方法において生成された較正曲線を示す。1μg/mL~1000μg/mLの様々な濃度のNISTmAbをサル血清中にスパイクし、次いで、各試料に10μg/mLの内部標準をスパイクし、続いて、トリプシン消化及びSPEクリーンアップを行った。全ての試料をMSによって分析した。各試料の強度を、ISを使用して正規化し、次いで、名目上の濃度と共にプロットした。図15Bは、1μg/mL~50μg/mLのズームした領域を示す。示すように、曲線は低濃度範囲で全ての点によく当てはまる。図15Cは、図12と同様のデータを示す。唯一の違いは、ここではmAb1をNISTmAbの代わりに使用したことである。mAb1はIgG4であり、NISTmAbはIgG1である。データは、この方法がIgG1及びIgG4の両方に好適であることを示す。
図16は、洗浄体積の増加がLLOQを改善することを示す棒グラフである。X軸は洗浄体積を表し、Y軸は1μg/mL mAbでの応答/ブランクを表す。データは、SPE中に洗浄体積を増加させることが、LLODを改善し得ることを示す。1μg/mLのNISTmAbをサル血清中にスパイクし、試料をトリプシンで消化した。SPEステップ中に、他の手順を同じに保ちながら、プレートを様々な体積の洗浄緩衝液で洗浄した。洗浄体積を100μL~600μlに増加させたときに、ブランクと比較した試料における応答の比率は、4未満~6超に増加した。比率は、FDAからの方法適格性の要件に基づいて、LLODについて少なくとも5であるべきである。それで、洗浄体積を増加させることによって、LLODは1μg/mLに改善された。
D.目的のタンパク質
一実施形態では、目的のタンパク質は、タンパク質薬物生成物であるか、又は原核若しくは真核細胞における発現に好適な目的のタンパク質である。例えば、タンパク質は、抗体若しくはその抗原結合フラグメント、キメラ抗体若しくはその抗原結合フラグメント、ScFv若しくはそのフラグメント、Fc融合タンパク質若しくはそのフラグメント、増殖因子若しくはそのフラグメント、サイトカイン若しくはそのフラグメント、又は細胞表面受容体の細胞外ドメイン若しくはそのフラグメントであり得る。複合体中のタンパク質は、単一のサブユニットからなる単純ポリペプチド、又は2つ以上のサブユニットを含む複合多サブユニットタンパク質であり得る。目的のタンパク質は、バイオ医薬製品、食品添加物若しくは保存料、又は精製及び品質標準に供される任意のタンパク質生成物であり得る
いくつかの実施形態では、目的のタンパク質は、抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、モノクローナル抗体、多重特異性抗体、二重特異性抗体、抗原結合抗体フラグメント、単鎖抗体、ダイアボディ、トリアボディ若しくはテトラボディ、二重特異性四価免疫グロブリンG様分子(二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD-IG)と呼ばれる)、IgD抗体、IgE抗体、IgM抗体、IgG抗体、IgG1抗体、IgG2抗体、IgG3抗体、又はIgG4抗体である。一実施形態では、抗体は、IgG1抗体である。一実施形態では、抗体は、IgG2抗体である。一実施形態では、抗体は、IgG4抗体である。別の実施形態では、抗体は、キメラヒンジを含む。更に他の実施形態では、抗体は、キメラFcを含む。一実施形態では、抗体は、キメラIgG2/IgG4抗体である。一実施形態では、抗体は、キメラIgG2/IgG1抗体である。一実施形態では、抗体は、キメラIgG2/IgG1/IgG4抗体である。
いくつかの実施形態では、抗体は、抗プログラム細胞死1抗体(例えば、米国特許出願公開第2015/0203579A1号に記載される抗PD1抗体)、抗プログラム細胞死リガンド-1(例えば、米国特許出願公開第2015/0203580A1号に記載される抗PD-L1抗体)、抗DLL4抗体、抗アンギオポエチン-2抗体(例えば、米国特許第9,402,898号に記載される抗ANG2抗体)、抗アンギオポエチン様3抗体(例えば、米国特許第9,018,356号に記載される抗AngPtl3抗体)、抗血小板由来増殖因子受容体抗体(例えば、米国特許第9,265,827号に記載される抗PDGFR抗体)、抗Erb3抗体、抗プロラクチン受容体抗体(例えば、米国特許第9,302,015号に記載される抗PRLR抗体)、抗補体5抗体(例えば、米国特許出願公開第2015/0313194A1号に記載される抗C5抗体)、抗TNF抗体、抗上皮増殖因子受容体抗体(例えば、米国特許第9,132,192号に記載される抗EGFR抗体又は米国特許出願公開第2015/0259423A1号に記載される抗EGFRvIII抗体)、抗プロタンパク質転換酵素サブチリシンケキシン-9抗体(例えば、米国特許第8,062,640号又は米国特許第9,540,449号に記載される抗PCSK9抗体)、抗増殖分化因子-8抗体(例えば、米国特許第8,871,209号又は同第9,260,515号に記載される抗GDF8抗体(抗ミオスタチン抗体としても知られる))、抗グルカゴン受容体(例えば、米国特許出願公開第2015/0337045A1号又は同第2016/0075778A1号に記載される抗GCGR抗体)、抗VEGF抗体、抗IL1R抗体、インターロイキン4受容体抗体(例えば、米国特許出願公開第2014/0271681A1号又は米国特許第8,735,095号若しくは同第8,945,559号に記載される抗IL4R抗体)、抗インターロイキン6受容体抗体(例えば、米国特許第7,582,298号、同第8,043,617号又は同第9,173,880号に記載される抗IL6R抗体)、抗IL1抗体、抗IL2抗体、抗IL3抗体、抗IL4抗体、抗IL5抗体、抗IL6抗体、抗IL7抗体、抗インターロイキン33(例えば、米国特許第9,453,072号又は同第9,637,535号に記載される抗IL33抗体)、抗呼吸器多核体ウイルス抗体(例えば、米国特許出願公開第9,447,173号に記載される抗RSV抗体)、抗分化抗原群3(例えば、米国特許第9,447,173号及び同第9,477,173号、並びに米国特許出願第62/222,605号に記載される抗CD3抗体)、抗分化抗原群20(例えば、米国特許第9,657,102号及び同第20150266966A1号、並びに米国特許第7,879,984号に記載される抗CD20抗体)、抗CD19抗体、抗CD28抗体、抗分化抗原群48(例えば、米国特許第9,228,014号に記載される抗CD48抗体)、抗Fel d1抗体(例えば、米国特許第9,079,948号に記載される)、抗中東呼吸器症候群ウイルス(例えば、米国特許出願公開第2015/0337029A1号に記載される抗MERS抗体)、抗エボラウイルス抗体(例えば、米国特許出願公開第2016/0215040号に記載される)、抗ジカウイルス抗体、抗リンパ球活性化遺伝子3抗体(例えば、抗LAG3抗体、又は抗CD223抗体)、抗神経成長因子抗体(例えば、米国特許出願公開第2016/0017029号並びに米国特許第8,309,088号及び同第9,353,176号に記載される抗NGF抗体)、並びに抗プロテインY抗体からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、抗CD3×抗CD20二重特異性抗体(米国特許出願公開第2014/0088295A1号及び同第20150266966A1号に記載される)、抗CD3×抗ムチン16二重特異性抗体(例えば、抗CD3×抗Muc16二重特異性抗体)、及び抗CD3×抗前立腺特異的膜抗原二重特異性抗体(例えば、抗CD3×抗PSMA二重特異性抗体)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、目的のタンパク質は、アブシキシマブ、アダリムマブ、アダリムマブ-atto、ado-トラスツズマブ、アレムツズマブ、アリロクマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、バシリキシマブ、ベリムマブ、ベンラリズマブ、ベバシズマブ、ベズロトクスマブ、ブリナツモマブ、ブレンツキシマブベドチン、ブロダルマブ、カナキヌマブ、カプロマブペンデチド、セルトリズマブペゴル、セミプリマブ、セツキシマブ、デノスマブ、ジヌツキシマブ、デュピルマブ、デュルバルマブ、エクリズマブ、エロツズマブ、エミシズマブ-kxwh、エムタンシンアリロクマブ、エビナクマブ、エボロクマブ、ファシヌマブ、ゴリムマブ、グセルクマブ、イブリツモマブチウキセタン、イダルシズマブ、インフリキシマブ、インフリキシマブ-abda、インフリキシマブ-dyyb、イピリムマブ、イキセキズマブ、メポリズマブ、ネシツムマブ、ネスバクマブ、ニボルマブ、オビルトキサキシマブ、オビヌツズマブ、オクレリズマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オマリズマブ、パニツムマブ、ペムブロリズマブ、ペルツズマブ、ラムシルマブ、ラニビズマブ、ラキシバクマブ、レスリズマブ、リヌクマブ、リツキシマブ、サリルマブ、セクキヌマブ、シルツキシマブ、トシリズマブ、トシリズマブ、トラスツズマブ、トレボグルマブ、ウステキヌマブ、及びベドリズマブからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、目的のタンパク質は、Fc部分及び別のドメインを含有する組換えタンパク質(例えば、Fc融合タンパク質)である。いくつかの実施形態では、Fc融合タンパク質は、Fc部分に結合した受容体の1つ以上の細胞外ドメインを含有する、受容体Fc融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、Fc部分は、IgGのCH2及びCH3ドメインがそれに続くヒンジ領域を含む。いくつかの実施形態では、受容体Fc融合タンパク質は、単一のリガンド又は複数のリガンドのいずれかに結合する2つ以上の異なる受容体鎖を含有する。例えば、Fc融合タンパク質は、トラップタンパク質、例えば、IL-1トラップ(例えば、リロナセプト、これは、hIgG1のFcに融合したIl-1R1細胞外領域に融合したIL-1RAcPリガンド結合領域を含有する、米国特許第6,927,004号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)、又はVEGFトラップ(例えば、アフリベルセプト若しくはziv-アフリベルセプト、これは、hIgG1のFcに融合したVEGF受容体Flk1のIgドメイン3に融合したVEGF受容体Flt1のIgドメイン2を含む、米国特許第7,087,411号及び同第7,279,159号を参照されたい)である。他の実施形態では、Fc融合タンパク質は、ScFv-Fc融合タンパク質であり、これは、Fc部分に結合した抗体の1つ以上の抗原結合ドメイン、例えば、可変重鎖フラグメント及び可変軽鎖フラグメント、のうちの1つ以上を含有する。
実施例1.
材料及び方法:
較正標準(1、2.5、5、10、25、50、100、250、500及び1000μg/mL)並びに品質管理(QC)(1、3、60及び600μg/mL)を、NISTmAbのストック溶液(10mg/mL)から、対照サル血清を用いた段階希釈によって調製した。選択性分析のために、2つの研究室品質管理(LQC)試料を、NISTmAb、ヒト化IgG1kモノクローナル抗体を、1μg/mL及び2μg/mLでスパイクインすることによって、6つの異なるロットのブランクサル血清について各々調製した。20μLの各標準試料に、200ngの重同位体標識mAb(IS-mAb)をスパイクした後、トリプシン消化に供した。各試料を変性させ、還元し、トリプシンで一晩消化し、続いて、96ウェル固相抽出(SPE)プレートを使用してクリーンアップした。SPE洗浄及び溶出条件を、標的ペプチド(VVSVLTVLHQDWLNGK、(配列番号1))を保持し、方法感度の改善のために他の干渉の大半を除去するように最適化した。各試料を、ナノスプレーイオン化を開始するためのTriVersa NanoMateシステムを備えたPRMモードのThermo Q Exactive Plus質量分析計でのMS分析に導入した。データを、各試料について45秒間持続する多重化PRM方法を使用して取得した。
結果:
定量化分析のための普遍的代用ペプチドを探して、FcペプチドVVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号1)を、その良好なMS感度、抗体治療薬において一般的に使用されている2つのヒトIgGサブクラス(IgG1及びIgG4)における存在、並びに全ての一般的に使用される動物種からの非ヒトIgGにおける不在のために選択した。方法開発中に、トリプシン消化条件、SPE条件、PRMパラメータ、及びフラグメントイオン選択を全て最適化した。SPE条件は、代用ペプチドの大半を保持しながら、大部分の干渉を除去するために不可欠であった。PRMパラメータ及びフラグメントイオン選択は、良好なデータ正確性及び方法感度への鍵であった。
試験物品としてNISTmAb(IgG1サブクラス)及び内製mAb4(IgG4サブクラス)の両方を使用して、較正曲線の良好な直線性を、1~1000μg/mLの試験した範囲で達成し得る。この方法の選択性を、6つの異なるロットのサル血清を使用して評価し、定量化下限(LLOQ)を、様々なサル血清中で1~2μg/mLであると決定した。加えて、この方法の精度及び正確性を、4つの異なるQCレベル(1、3、60及び600μg/mL)で、95%~105%の正確性及び<6%のCVで試験した。最後に、試料当たり<1分の分析速度及びクロスラン混入ゼロで、この方法はハイスループット環境で容易に適用され得る。
方法評価を通じて、このLCフリーのPRM-MSベースの方法は、2~1000μg/mLの定量化範囲で、動物血清中のヒト化治療用mAbのハイスループットで包括的な定量化に好適であると実証された。
上述の明細書において、本発明をその特定の実施形態に関連して記載し、多くの詳細を例証の目的のために提示してきたが、本発明には追加の実施形態を受ける余地があること、及び本明細書に記載される詳細の特定のものは本発明の基本原理から逸脱することなしにかなり変動され得ることが、当業者には明らかとなる。
本明細書で引用される全ての参考文献はそれらの全体が参照により組み込まれる。本発明は、その趣旨又は不可欠な特性から逸脱することなしに他の特定の形態で具現化され得、したがって、前述の明細書ではなく、添付の特許請求の範囲を、本発明の範囲を示すとして参照されたい。

Claims (19)

  1. 試料中の標的抗体を定量化するための液体クロマトグラフィーフリーの方法であって、
    前記試料に、標識内部標準抗体をスパイクすることと、
    前記試料中の前記抗体を消化して、ペプチドを生成することと、
    前記ペプチドを分画することと、
    前記標的抗体を、1つ以上のイオントラップ及び2つ以上の四重極質量フィルタ及びエレクトロスプレーイオナイザーを含有する直接注入MSシステムを使用して定量化することと、を含み、前記方法が、液体クロマトグラフィーフリーである、方法。
  2. 分画の前に、前記ペプチドに、標識タグ付きFcペプチドVVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号1)をスパイクするステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ペプチドが、固相抽出によって分画される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記固相抽出が、逆相固相抽出である、請求項3に記載の方法。
  5. 標識内部標準抗体及び質量タグ付きFcペプチドが、重同位体で標識される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記重同位体が、13C、15N、及びHからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記標的抗体が、ヒトモノクローナル抗体である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 質量分析システムが、タンデム質量分析システムである、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 生体試料中のタンパク質薬物生成物を定量化する方法であって、
    前記試料に、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する既知量の重質量タグ付きペプチド標準をスパイクすることと、
    前記試料中のタンパク質薬物生成物をペプチドに消化することと、
    前記ペプチドを、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するペプチドを保持する条件下で分画することと、
    前記タンパク質薬物生成物ペプチド及びペプチド標準を含有する前記試料を、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する前記ペプチドの存在について、MSシステムを使用して分析して、前記システムを較正することであって、前記MSシステムが、1つ以上のイオントラップ及び2つ以上の四重極質量フィルタ及びエレクトロスプレーイオナイザーを含む、分析することと、
    前記試料中に存在するタンパク質薬物生成物の量を、前記ペプチドの存在に基づいて定量化することと、を含み、前記方法が、液体クロマトグラフィーを利用しない、方法。
  10. 薬物生成物イオン及び質量タグ付きペプチド標準イオンを定量化するためのデータが、異なるMSスキャンにおいて取得される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記ペプチドが、逆相固相抽出を使用して分画される、請求項9に記載の方法。
  12. 前記逆相固相抽出が、洗浄としての15~25%アセトニトリル及び20~30%アセトニトリル溶出を使用する、請求項4又は11に記載の方法。
  13. 前記試料を消化する前に、タンパク質薬物生成物の前記試料に、重同位体標識タンパク質薬物生成物をスパイクすることを更に含む、請求項9に記載の方法。
  14. 前記タンパク質薬物生成物が、抗体若しくはその抗原結合フラグメント、組換えタンパク質、融合タンパク質、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1又は9に記載の方法。
  15. 前記試料が、血清を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記方法が、1~1000μm/mLのダイナミックレンジを有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記方法が、1~2μg/mLの定量化下限(LLOQ)を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記方法が、自動化ハイスループット方法である、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記方法が、試料当たり1分未満の分析速度を有する、請求項18に記載の方法。
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