JP2023536068A - クレノラニブの結晶形態およびそれを用いる方法 - Google Patents

クレノラニブの結晶形態およびそれを用いる方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートの新規結晶多形およびその調製方法に関する。本発明はさらに、一つ以上の形態を含有し、適宜一つ以上の適当な医薬担体を含有してもよい医薬組成物に関し、疾患の治療において本発明の結晶多形を用いる方法にも関する。【選択図】なし

Description

関連出願
本出願は、2020年7月20日提出の米国仮特許出願シリアル番号第63/053,921号に対する優先権の利益を主張する。
本発明の技術分野
本発明は、1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン,モノベンゼンスルホネートの新規多形相ならびにその調製および精製方法に関する。本発明は、少なくとも一つの多形相を含有する医薬組成物、または一つの実質的に純粋な多形相を含有する組成物における、かかる形態の使用にも関する。
化合物1(「クレノラニブベシル酸塩」とも呼ばれる)は、FMS様チロシンキナーゼ3(FLT3)および血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)チロシンキナーゼの強力かつ選択的な阻害剤である(Lewis, Lewis et al. 2009, Smith, Lasater et al. 2014)。これらのキナーゼは、複数の増殖性疾患で変異するか、または異常に発現し、これらのキナーゼを標的とする医薬剤は、かかる疾患の治療にいくらか成果を挙げている。FLT3は、急性骨髄性白血病で一般に変異し、このサブグループを治療するための開発中の薬物(クレノラニブベシル酸塩など)が近年成功している(Wang 2019)。PDGFRは、多数の増殖性疾患(固形腫瘍癌など)で変異するか、または異常に発現し、PDGFR経路を介するシグナル伝達は、血管新生(増大する腫瘍に栄養分を供給するために新たな血管が形成されるプロセス)において重要な役割を果たす(Heldin, Lennartsson et al. 2017, Tsioumpekou, Cunha et al. 2020)。血管新生を標的とする薬剤は、血液供給を断ち切り、腫瘍増殖の阻害に役立つ。
Figure 2023536068000001
化合物1およびその薬学的に許容される塩は、米国特許番号第7,019,147号および米国特許番号第7,071,337号に記載される。化合物1を製造するための工程および方法は、米国特許番号第7,183,414号に記載される。増殖性疾患の治療における化合物1およびその薬学的に許容される塩の使用は、米国特許番号第9,023,880号および米国特許番号第9,101,624号に記載される。
本発明は、化合物1のいくつかの新規多形相の発見に基づく。それぞれの多形相は、いくつかの異なる解析法(これらに限らないが、X線粉末回折ピーク、FT-IRスペクトル、またはそれらの組み合わせなど)により一意に特定することができる。特定される新規多形相の具体的な生化学的性質もまた本明細書に詳述され、それは特に、多形の安定性、溶解度、吸湿性、およびその他の性質に関する。
いくつかの実施形態において、本発明は、1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートの新規結晶形態であって、前記結晶形態が、7.1、14.8、および18.3の回折角(2Θ±0.2)のうちの一つ以上でピークを含む粉末X線回折パターンを有する、結晶形態を包含する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、7.1、14.8、18.3、24.3および26.9の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、7.1、14.8、16.0、17.5、18.2、24.3、25.3、および26.9の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、7.1、14.8、16.0、16.8、17.5、18.2、19.7、21.4、24.3、25.3、および26.9の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、7.1、8.0、9.6、11.4、11.8、13.9、14.5、14.8、15.5、16.0、16.3、16.8、17.5、18.2、18.7、19.3、19.6、19.7、20.0、20.3、20.9、21.4、21.8、22.6、24.3、25.3、25.9、26.9、28.1、29.5、29.9、31.0、32.3、33.4、および34.3の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、無水である。さらなる態様において、前記結晶形態は、264℃の融解開始点を有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、約1479、1271、1185、1033、824、751、728、690、612、および564cm-1でピークを含むFT-IRスペクトルを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、非吸湿性である。もう一つの態様において、前記結晶形態は、90% RHで約0.9%の質量取り込みを有する。さらなる態様において、前記結晶形態は、偏光顕微鏡法により複屈折性の棒状形態を有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、実質的に純粋である。
他の実施形態において、本発明は、1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートの新規結晶形態であって、前記結晶形態が、5.3、18.7、および23.0の回折角(2Θ±0.2)のうちの一つ以上でピークを含む粉末X線回折パターンを有する、結晶形態を包含する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、5.3、12.8、15.5、18.7、および23.0の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、5.3、12.8、15.2、15.5、18.7、23.0、および24.2の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、5.3、12.8、15.2、15.5、17.2、18.7、20.3、23.0、23.5および24.2の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、3.3、3.5、3.8、5.3、6.1、6.4、8.0、8.5、8.8、8.9、9.6、10.5、11.1、11.5、12.4、12.8、13.1、13.3、13.7、14.0、14.2、14.5、15.9、15.2、15.5、16.2、17.0、17.2、17.6、18.1、18.7、19.3、19.8、20.3、20.9、21.3、22.0、23.0、23.5、23.7、24.2、25.0、25.6、25.8、26.4、26.6、27.4、28.3、28.6、29.1、29.4、30.9、31.5、31.7、31.9、32.0、32.2、32.8、33.8、34.8、および39.9の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、半水和物である。もう一つの態様において、前記結晶形態は、約174℃の融解開始点を有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、約1480、1187、1124、1016、821、750、728、693、613、および563cm-1でピークを含むFT-IRスペクトルを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、わずかに吸湿性である。もう一つの態様において、前記結晶形態は、90% RHで約1.5%の質量取り込みを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、偏光顕微鏡法により高複屈折性の棒状形態を有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、実質的に純粋である。
他の実施形態において、本発明は、1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートの新規結晶形態であって、前記結晶形態が、15.8、19.8、および21.7の回折角(2Θ±0.2)のうちの一つ以上でピークを含む粉末X線回折パターンを有する、結晶形態を包含する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、12.6、15.8、19.8、20.5、および21.7の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、10.1、12.6、15.8、19.8、20.5、21.7、23.2、および26.7の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、7.4、10.1、12.6、15.8、18.5、19.8、20.5、21.7、22.8、23.2、および26.7の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、2.1、3.0、6.3、7.4、7.9、8.7、10.1、12.1、12.6、13.2、13.4、13.9、14.9、15.8、16.3、16.5、16.7、16.9、17.3、17.6、18.5、19.1、19.3、19.8、20.5、20.8、20.9、21.7、22.0、22.4、22.8、22.9、23.2、23.8、24.3、24.5、25.1、25.9、26.1、26.7、27.0、27.4、27.6、28.2、28.9、29.9、30.1、30.6、31.0、31.4、および31.9の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、無水である。もう一つの態様において、前記結晶形態は、約251℃の融解開始点を有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、約1509、1169、1015、954、821、799、749、728、613、および562cm-1でピークを含むFT-IRスペクトルを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、わずかに吸湿性である。もう一つの態様において、前記結晶形態は、90% RHで約1.5%の質量取り込みを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、偏光顕微鏡法により高複屈折性の棒状形態を有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、実質的に純粋である。
他の実施形態において、本発明は、1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートの新規結晶形態であって、前記結晶形態が、4.8、22.6、および23.8の回折角(2Θ±0.2)のうちの一つ以上でピークを含む粉末X線回折パターンを有する、結晶形態を包含する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、4.8、13.7、20.6、22.6、および23.8の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、4.8、7.5、13.7、18.2、20.6、22.6、および23.8の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、4.8、7.5、13.7、18.2、18.4、18.9、20.0、20.6、22.6、および23.8の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、4.8、6.3、7.5、9.3、11.6、13.4、13.7、14.5、15.2、15.4、15.6、16.7、17.3、17.8、18.2、18.4、18.9、19.4、20.0、20.2、20.6、20.9、21.3、22.6、22.9、23.8、24.4、24.8、25.3、26.2、27.4、27.8、28.1、28.3、28.4、28.9、29.3、29.8、31.0、32.1、32.6、33.3、および34.2の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、溶媒和物である。もう一つの態様において、前記溶媒和物形態は、N,N’-ジメチルアセトアミド溶媒和物である。もう一つの態様において、前記溶媒和物形態は、アセトニトリル、酢酸ブチル、またはエタノール溶媒和物である。もう一つの態様において、前記結晶形態は、約241℃の分解開始点を有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、約1479、1272、1184、1033、824、751、728、690、612、および564cm-1でピークを含むFT-IRスペクトルを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、吸湿性である。もう一つの態様において、前記結晶形態は、0%から10%のRHで1.5%の質量取り込みを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、偏光顕微鏡法により定義される形態を有さず、低複屈折性である。もう一つの態様において、前記結晶形態は、実質的に純粋である。
他の実施形態において、本発明は、1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートの固体形態であって、前記形態が、アモルファスである、形態を包含する。
他の実施形態において、本発明は、1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートの結晶形態、またはその水和物または溶媒和物、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を包含する。
他の実施形態において、本発明は、治療有効量の化合物1の結晶形態を投与することを特徴とする、疾患に罹患する対象を治療する方法を包含する。一つの態様において、前記疾患は、増殖性疾患である。一つの態様において、前記増殖性疾患は、ホジキン病、骨髄腫、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、急性未分化型白血病(AUL)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、前リンパ球性白血病(PML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、成人T細胞性ALL、三血球系骨髄異形成を伴うAML(AMLITMDS)、混合型白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性疾患(MPD)、多発性骨髄腫、胆道癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、CNS癌、結腸癌、結腸直腸癌、食道癌、胃癌(gastric cancer)、食道胃接合部(GEJ)腺癌、胃腺癌、ステージIIIB胃腺癌、ステージIV浸潤性胃腺癌、転移性食道腺癌、神経膠芽腫、頭頸部癌、肝細胞癌、肝臓癌、肺癌、黒色腫、非小細胞癌、上咽頭癌、神経内分泌癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎癌、唾液腺癌、小細胞肺癌、扁平上皮癌、皮膚癌、胃癌(stomach cancer)、精巣癌、甲状腺癌、胸腺腫、子宮癌、またはその他の腫瘍から選択される。
他の実施形態において、本発明は、1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートを1,1-ジメトキシメタンまたは1-ブタノール中で懸濁させ、その後、沈殿するまで攪拌または振盪することを含む、結晶形態を調製する方法を包含する。
他の実施形態において、本発明は、1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートを98.5% エタノール/1.5% 水(%v/v)中で懸濁させ、その後、沈殿するまで振盪することを含む、結晶形態を調製する方法を包含する。
他の実施形態において、本発明は、1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートを99% エタノール/1% トルエン(%v/v)中で懸濁させ、その後、沈殿するまで振盪することを含む、結晶形態を調製する方法を包含する。
他の実施形態において、本発明は、1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートをN,N’-ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸ブチル、またはエタノール中で懸濁させ、その後、沈殿するまで振盪することを含む、結晶形態を調製する方法を包含する。
本発明の特徴および利点のより完全な理解のために、添付の図とともに、本発明の詳細な説明を参照されたい。
図1は、PIXcel検出器付きのPANalytical X’pert proで実施した、無水フォームIのX線粉末回折パターンを示す。 図2は、10℃/分の加熱速度で、RC90冷却器付きのTA Instruments Discover DSC 250示差走査熱量計で実施した、無水フォームIのDSCサーモグラムを示す。 図3は、Bruker ALPHA P分光計で実施した、無水フォームIのフーリエ変換赤外分光法スペクトルを示す。 図4は、相対的に湿度を10%刻みで上昇させながらSurface Measurement Systemsの天秤で実施した、無水フォームIのDynamic Vapor Sorption等温線プロットを示す。 図5は、交差偏光レンズ付きのOlympus BX50顕微鏡を用いて撮像した、無水フォームIの偏光顕微鏡画像を示す。 図6は、PIXcel検出器付きのPANalytical X’pert proで実施した、半水和物フォームIIのX線粉末回折パターンを示す。 図7は、10℃/分の加熱速度で、RC90冷却器付きのTA Instruments Discover DSC 250示差走査熱量計で実施した、半水和物フォームIIのDSCサーモグラムを示す。 図8は、Bruker ALPHA P分光計で実施した、半水和物フォームIIのフーリエ変換赤外分光法スペクトルを示す。 図9は、相対的に湿度を10%刻みで上昇させながらSurface Measurement Systemsの天秤で実施した、無水フォームIIのDynamic Vapor Sorption等温線プロットを示す。 図10は、交差偏光レンズ付きのOlympus BX50顕微鏡を用いて撮像した、半水和物フォームIIの偏光顕微鏡画像を示す。 図11は、PIXcel検出器付きのPANalytical X’pert proで実施した、無水フォームIIIのX線粉末回折パターンを示す。 図12は、10℃/分の加熱速度で、RC90冷却器付きのTA Instruments Discover DSC 250示差走査熱量計で実施した、無水フォームIIIのDSCサーモグラムを示す。 図13は、Bruker ALPHA P分光計で実施した、無水フォームIIIのフーリエ変換赤外分光法スペクトルを示す。 図14は、相対的に湿度を10%刻みで上昇させながらSurface Measurement Systemsの天秤で実施した、無水フォームIIIのDynamic Vapor Sorption等温線プロットを示す。 図15は、交差偏光レンズ付きのOlympus BX50顕微鏡を用いて撮像した、無水フォームIIIの偏光顕微鏡画像を示す。 図16は、PIXcel検出器付きのPANalytical X’pert proで実施した、無水フォームIVのX線粉末回折パターンを示す。 図17は、10℃/分の加熱速度で、RC90冷却器付きのTA Instruments Discover DSC 250示差走査熱量計で実施した、無水フォームIVのDSCサーモグラムを示す。 図18は、Bruker ALPHA P分光計で実施した、無水フォームIVのフーリエ変換赤外分光法スペクトルを示す。 図19は、相対的に湿度を10%刻みで上昇させながらSurface Measurement Systemsの天秤で実施した、無水フォームIVのDynamic Vapor Sorption等温線プロットを示す。 図20は、交差偏光レンズ付きのOlympus BX50顕微鏡を用いて撮像した、無水フォームIVの偏光顕微鏡画像を示す。 図21は、PIXcel検出器付きのPANalytical X’pert proで実施した、無水フォームI(上部)およびエタノール/水スラリーから得たアモルファス形態(下部)のX線粉末回折パターンを示す。
本発明の詳細な説明
本発明の様々な実施形態の製造および使用が以下に詳細に論じられるが、本発明は、さまざまな具体的状況で具体化することができる多数の適用可能な発明概念を提供することが理解されるべきである。
本明細書で論じられる特定の実施形態は、本発明を製造および使用する具体的な方法の一例にすぎず、本発明の範囲を定めない。
本発明の理解を促すために、複数の用語が以下で定義される。本明細書で定義される用語は、本発明に関連する分野における通常の知識を有する者により一般に理解されるような意味を有する。例えば、「一つの(a)」、「一つの(an)」および「その(the)」などの用語は、単数の実体のみを指すことを意図しないが、その具体例が説明のために用いられることがある全体的な集合を包含する。本明細書における用語は、本発明の具体的な実施形態を記述するために使用されるが、それらの使用は、特許請求の範囲で説明されるものを除き、本発明の範囲を定めない
定義
本明細書で使用される「化合物1」という用語は、化合物クレノラニブ(1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン)またはそのベンゼンスルホン酸塩を指す。本明細書では、「化合物1」、「クレノラニブ」、および「クレノラニブベシル酸塩」が互換的に使用される。
本明細書で使用される「多形」または「多形相」という用語は、同じ化合物の異なる結晶形態を指す。これらの形態には、無水形、水和物、半水和物、または溶媒和物が挙げられるが、これらに限らない。これらの形態は、弁別的な特徴(例えばX線粉末回折パターンなど)によって別の形態と区別される。
特定のアモルファス形態、結晶形態、または多形相に関して本明細書で使用される「実質的に純粋な」という用語は、その形態が、その化合物の任意の他の形態の重量10%未満で、好ましくは5%未満で、好ましくは重量1%未満で不純物を含むことを意味する。
本明細書で使用される「2シータ」または「2Θ」という用語は、回折パターンにおける一般的な測定単位を指し、入射ビームと反射ビームの間の角度である。本明細書に開示される新規多形相の説明に用いられる2Θ値は、その形態を特徴付けるために用いられる実験条件を指すと理解されるべきである。これらの実験条件は、本明細書に詳述される。
回折角θの、または回折角θの2倍(2θ)のピーク値は、例えば、器差または測定条件のばらつきによる、小さな測定誤差を示すことがある。したがって、ある実施形態において、XRPDパターンの特性ピークは、°2θ±0.2°の値を有する。ある実施形態において、XRPDパターンの特性ピークは、°2θ±0.1°の値を有する。ある実施形態において、XRPDパターンの特性ピークは、°2θ±0.06°の値を有する。
本明細書で使用される「アモルファス」という用語は、定義される3次元の構造秩序を欠いているか、または短距離の秩序しか持たないか、またはその両方である固形物質を指す。アモルファス物質は、少ない数のブロードなピークを示す代わりに、シャープで明確なピークがほとんどないか全くない、散漫な性質のXRPDパターンを示す。
本明細書で使用される「結晶の(crystalline)」という用語は、明確に定義される3次元の秩序を有する固形物質を指す。結晶質は、異なる多形相と弁別的な、複数のシャープで明確なピークを有するXRPDパターンを示す。
本明細書で使用される「無水の」という用語は、結晶性で、格子構造内に水または溶媒を含まない固形物質を指す。
本明細書で使用される「水和物」という用語は、結晶性で、結晶格子構造中に化学量論量または非化学量論量で水を取り込む固形物質を指す。
本明細書で使用される「半水和物」という用語は、結晶性で、2分子の化合物1ごとに1分子の水を格子構造内に取り込む固形物質を指す。
本明細書で使用される「溶媒和物」という用語は、結晶性で、格子構造内に溶媒分子取り込む固形物質を指す。ある実施形態において、1分子の化合物1ごとに1分子の溶媒が格子構造内に存在する。ある実施形態において、2分子の化合物1ごとに2分子の溶媒が格子構造内に存在する。
本明細書で使用される「XRPDパターン」という用語は、本明細書で定義される実験条件下で化合物1の形態をX線粉末回折にかけたときに観察される回折パターンを指す。
本明細書で使用される「FT-IR」または「フーリエ変換赤外分光法」という用語は、本明細書で定義される実験条件下で化合物1の所与の形態から観察される赤外線スペクトルを指す。
本明細書で使用される「複屈折性の(birefringent)」という用語は、本明細書で詳述されるような、物質の屈折率が偏光に依存しているために、偏光フィルター付きの顕微鏡を通して見るとコントラスト像が見える現象を指す。
本明細書で使用される「吸湿性」という用語は、湿度にさらしたときに水蒸気を吸収または放出する化合物1の形態の能力を指す。吸湿性の形態は、通常のまたは高湿度の条件で水を吸収する。これは物理的特性に影響を及ぼし、具体的な形態を医薬組成物および長期安定性に適さない状態にし得る。
本明細書で使用される「DSC」という用語は、相転移(例えば融点)およびその他の事象(例えば溶媒または水分子の損失および形態の再結晶など)を決定するために使用される示差走査熱量測定を指す。開示される新規多形相を特徴付けるために使用される実験条件は、本明細書に詳述される。
本明細書で使用される「TGA/DSC」という用語は、新規多形相の水和/溶媒和状態を決定するために使用される、同時の熱重量分析および示差走査熱量測定を指す。開示される新規多形相を特徴付けるために使用される実験条件は、本明細書に詳述される。
本明細書で使用される「疾患」という用語は、具体的な徴候または症状をもたらす、対象(ヒト対象など)における障害を指す。
本明細書で使用される「増殖性疾患(proliferative disease)」または「増殖性疾患(proliferative disorder)」という用語は、多細胞生物に害(すなわち不快感または平均余命の減少)をもたらす、多細胞生物における一つ以上の細胞のサブセットの過剰な細胞増殖を指す。増殖性疾患は、異なる種類の動物およびヒトで起こり得る。本明細書で使用されるこれらの用語は、腫瘍性疾患またはがんを包含する。本発明で治療される増殖性疾患の限定されない例には、白血病、骨髄腫、骨髄増殖性疾患、骨髄異形成症候群、特発性好酸球増多症候群(HES)、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、CNS癌、結腸癌、食道癌、頭頸部癌、肝臓癌、肺癌、上咽頭癌、神経内分泌癌、卵巣 癌、膵臓 癌、前立腺癌、腎癌、唾液腺癌、小細胞肺癌、皮膚癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、子宮癌、および血液悪性腫瘍が挙げられる。
本明細書で使用される「組成物」という用語は、特定の成分を特定の量で含む生産物、ならびに特定の量の特定の成分の組み合わせに、直接的または間接的に由来する任意の生産物を指し、一例を挙げれば、組成物は、疾患の治療に十分な量のクレノラニブまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ベンゼンスルホン酸塩)を含む。
使用される医薬組成物は、哺乳動物における疾患の治療に使用できる製剤の調製を促進する、添加剤または助剤(例えば、安定化剤、希釈剤、分散剤、懸濁化剤、および/または増粘剤など)などの一つ以上の薬学的に許容される担体を含有することがある。投与経路の選択は、当技術分野で既知の技術、担体、および同伴角(explements)を用いる適切な製剤を特徴付けるであろう。適当な医薬担体には、不活性な希釈剤または充填剤、水および様々な有機溶媒が挙げられる。医薬組成物は、必要に応じて、追加の成分(例えば風味剤、結合剤、添加剤および同類のものなど)を含む場合がある。それゆえ、経口投与のために、様々な添加剤(例えばクエン酸など)を含む錠剤は、様々な崩壊剤(例えばデンプン、アルギン酸および特定の錯ケイ酸塩など)と一緒に、および結合剤(例えばスクロース、ゼラチンおよびアカシアなど)と一緒に利用されることがある。さらに、滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクなど)は、打錠の目的にしばしば有用である。同じような種類の固体組成物もまた、軟および硬ゼラチンカプセル中で利用されることがある。好ましい物質には、したがって、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。水性懸濁液またはエリキシルが経口投与にとって望ましい場合、その中の活性化合物は、希釈剤(例えば水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、またはそれらの組み合わせなど)と一緒に、様々な甘味剤または風味剤、着色物質または色素、および必要に応じて、乳化剤または懸濁化剤と組み合わされることがある。
「薬学的に許容される担体またはアジュバント」という用語は、ここに提供される化合物と一緒に患者に投与されることがある担体またはアジュバントを指し、これらは、その薬理活性を損なわず、治療量の化合物を送達するのに十分な用量で投与される場合に非毒性である。
ここに提供される医薬組成物に使用されることがある、薬学的に許容される担体、アジュバントおよびビークルには、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、自己乳化型ドラッグデリバリーシステム(SEDDS)(例えばコハク酸d-α-トコフェロールポリエチレングリコール1000など)、薬の剤形に使用される界面活性剤(例えばTweensまたはその他の同様の高分子送達マトリックスなど)、血清タンパク質(例えばヒト血清アルブミンなど)、緩衝物質(例えばホスフェートなど)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば硫酸プロタミンなど)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸塩、ワックス、ポリエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられるが、これらに限らない。シクロデキストリン(例えばα-、β-、およびγ-シクロデキストリンなど)、または化学修飾誘導体(例えば2-および3-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンなどのヒドロキシアルキルシクロデキストリンなど)、またはその他の可溶化誘導体もまた、本明細書に記載される化学式の化合物の送達を強化するのに有利に使用されることがある。
「希釈剤」という用語は、送達の前に目的の化合物を希釈するのに使用される化合物を指す。希釈剤は、より安定な環境を提供できるため、化合物を安定化するのにも使用され得る。緩衝液(pHを制御または維持することもできる)中に溶解した塩は、当技術分野で希釈剤として利用され、例えばリン酸緩衝生理食塩水が挙げられるが、これに限らない。ある実施形態において、希釈剤は、圧縮を容易にするために組成物の体積を増やすか、またはカプセルに充填する混合物を均質にするために十分な体積を生み出す。かかる化合物には、例えば、ラクトース、デンプン、マンニトール、ソルビトール、デキストロース、微結晶セルロース(例えばAvicel(登録商標)など);第二リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム二水和物;リン酸三カルシウム、リン酸カルシウム;無水ラクトース、噴霧乾燥ラクトース;アルファ化デンプン、圧縮性の糖(例えばDiPac(登録商標)(Amstar)など);マンニトール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、スクロース系希釈剤、粉砂糖;硫酸水素カルシウム一水和物(monobasic calcium sulfate monohydrate)、硫酸カルシウム二水和物;乳酸カルシウム三水和物、デキストレイト;加水分解穀物固体(hydrolyzed cereal solids)、アミロース;粉末セルロース、炭酸カルシウム;グリシン、カオリン;マンニトール、塩化ナトリウム;イノシトール、ベントナイト、および同類のものが挙げられる。
「崩壊する」という用語は、胃腸液と接触したときの、剤形の溶解および分散の両方を包含する。「崩壊剤(Disintegration agents)または崩壊剤(disintegrants)」は、物質の破砕または崩壊を容易にする。崩壊剤の例には、デンプン、例えば、天然デンプン(例えばコーンスターチまたはジャガイモデンプンなど)、アルファ化デンプン(例えばNational 1551またはAmijel(登録商標)など)、またはデンプングリコール酸ナトリウム(例えばPromogel(登録商標)またはExplotab(登録商標)など)、セルロース(例えば木材由来の製品など)、メチル結晶セルロース(例えば、Avicei(登録商標)、Avicel(登録商標)PH101、Avicel(登録商標)PH102、Avicei(登録商標)PH105、Elcema(登録商標)P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tia(登録商標)、およびSolka-Floc(登録商標))、メチルセルロース、クロスカルメロース、または架橋セルロース(例えば架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(Ac-Di-Sol(登録商標))、架橋カルボキシメチルセルロース、または架橋クロスカルメロースなど)、架橋デンプン(例えばデンプングリコール酸ナトリウムなど)、架橋ポリマー(例えばクロスポビドンなど)、架橋ポリビニルピロリドン、アルギネート(例えばアルギン酸またはアルギン酸の塩(例えばアルギン酸ナトリウムなど)など)、粘土(例えばVeegum(登録商標) HV(ケイ酸アルミニウム・マグネシウム)など)、ガム(例えば寒天、グアー、ローカストビーン、カラヤ、ペクチン、またはトラガカントなど)、デンプングリコール酸ナトリウム、ベントナイト、天然スポンジ、界面活性剤、樹脂(例えばカチオン交換樹脂など)、シトラスパルプ、ラウリル硫酸ナトリウム、デンプンと組み合わせたラウリル硫酸ナトリウム、および同類のものが挙げられる。
医薬組成物は、滅菌注射用製剤、例えば、滅菌注射用水性または油性懸濁液の形態である場合がある。この懸濁液は、適当な分散剤または湿潤剤(例えば、Tween 80など)および懸濁化剤を用いて、当技術分野で既知の技術に従って製剤化されることがある。滅菌注射用製剤は、非毒性で非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁液、例えば、1,3-ブタンジオール溶液である場合もある。利用されることがある、許容されるビークルおよび溶媒には、マンニトール、水、リンガー溶液および生理食塩水が挙げられる。さらに、滅菌固定油は、溶媒または懸濁化剤として従来の方法で利用される。このために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドなどの、任意の無菌性の固定油が利用されることがある。脂肪酸(例えば、オレイン酸およびそのグリセリド誘導体など)は、注射剤の調製に有用であり、天然の薬学的に許容される油(例えば、オリーブ油またはヒマシ油など)、特にそれがポリオキシエチル化されたものも同様である。これらの油剤または油懸濁液もまた、長鎖アルコール希釈剤もしくは分散剤、またはカルボキシメチルセルロースもしくは薬学的に許容される剤形(例えばエマルジョンおよび/または懸濁液など)の製剤に一般的に使用される同様の分散剤を含むことがある。その他の一般的に使用される界面活性剤(例えばTweensまたはSpansなど)および/または薬学的に許容される固体、液体、またはその他の剤形の製造に一般的に使用されるその他の同様の乳化剤もしくはバイオアベイラビリティ増強剤もまた、製剤のために使用されることがある。
本明細書に記載される製剤に有用な「風味剤」および/または「甘味剤」には、例えば、アカシアシロップ、アセスルファムK、アリターム、アニス、リンゴ、アスパルテーム、バナナ、ババロア、ベリー、カシス、バタースコッチ、クエン酸カルシウム、カンフル、カラメル、チェリー、チェリークリーム、チョコレート、シナモン、風船ガム、シトラス、シトラスポンチ、シトラスクリーム、綿菓子、ココア、コーラ、クールチェリー、クールシトラス、チクロ(cyclamate)、チクロ(cylamate)、デキストロース、ユーカリ、オイゲノール、フルクトース、フルーツポンチ、ジンジャー、グリチルレチネート、甘草(リコリス)シロップ、ブドウ、グレープフルーツ、ハチミツ、イソマルト、レモン、ライム、レモンクリーム、グリチルリチン酸モノアンモニウム(monoammonium glyrrhizinate)(MagnaSweet(登録商標))、マルトール、マンニトール、カエデ、マシュマロ、メントール、ミントクリーム、ミックスベリー、ネオヘスペリジンDC、ネオテーム、オレンジ、セイヨウナシ、モモ、ペパーミント、ペパーミントクリーム、Prosweet(登録商標) Powder、ラズベリー、ルートビア、ラム、サッカリン、サフロール、ソルビトール、スペアミント、スペアミントクリーム、イチゴ、イチゴクリーム、ステビア、スクラロース、スクロース、サッカリンナトリウム、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、マンニトール、タリン、シリトール(sylitol)、スクラロース、ソルビトール、スイスクリーム(Swiss cream)、タガトース、タンジェリン、タウマチン、トゥッティフルッティ(tutti fruitti)、バニラ、クルミ、スイカ、セイヨウミザクラ、ウィンターグリーン、キシリトール、またはこれらの風味成分の任意の組み合わせ、例えば、アニスメントール、チェリーアニス、シナモンオレンジ、チェリーシナモン、チョコレートミント、ハチミツレモン、レモンライム、レモンミント、メントールユーカリ、オレンジクリーム、バニラミント、およびそれらの混合物が挙げられる。
「滑沢剤」および「流動促進剤」は、物質の粘着または摩擦を防止するか、減少させるか、または抑制する化合物である。代表的な滑沢剤には、例えば、ステアリン酸、水酸化カルシウム、タルク、ステアリルフマル酸ナトリウム、炭化水素(例えば鉱油など)、または硬化植物油(例えば硬化ダイズ油(Sterotex(登録商標))など)、高級脂肪酸およびそのアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩、例えばアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、グリセロール、タルク、ワックス、Stearowet(登録商標)、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ポリエチレングリコール(例えば、PEG-4000)またはメトキシポリエチレングリコール(例えば、Carbowax(商標)など)、オレイン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ベヘン酸グリセリル、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸マグネシウムまたはナトリウム、コロイダルシリカ(例えばSyloid(商標)など)、Cab-O-Sil(登録商標)、デンプン(例えばコーンスターチなど)、シリコーン油、界面活性剤、および同類のものが挙げられる。
「可塑剤」は、マイクロカプセル化物質またはフィルムコーティングを軟化させてそれらを脆くするのに使用される化合物である。適当な可塑剤には、例えば、ポリエチレングリコール(例えばPEG 300、PEG 400、PEG 600、PEG 1450、PEG 3350、およびPEG 800など)、ステアリン酸、プロピレングリコール、オレイン酸、トリエチルセルロースおよびトリアセチンが挙げられる。いくつかの実施形態において、可塑剤は、分散剤または湿潤剤としても機能し得る。
「可溶化剤」には、例えばトリアセチン、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、ドクサートナトリウム、ビタミンE TPGS、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、エタノール、n-ブタノール、イソプロピルアルコール、コレステロール、胆汁酸塩、ポリエチレングリコール 200~600、グリコフロール(glycofurol)、トランスキトール(transcutol)、プロピレングリコール、およびジメチルイソソルビドなどの化合物および同類のものが挙げられる。
「安定化剤」には、例えば任意の抗酸化剤、緩衝剤、酸、防腐剤および同類のものなどの化合物が挙げられる。
「懸濁化剤」には、例えばポリビニルピロリドン(例えば、ポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、またはポリビニルピロリドンK30)、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(S630)、ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコールは、約300から約6000まで、または約3350から約4000まで、または約7000から約5400までの分子量を有し得る)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースアセテートステアレート(hydroxymethylcellulose acetate stearate)、ポリソルベート-80、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ガム、例えば、トラガカントガムおよびアカシアガム、グアーガム、キサンタン(キサンタンガムなど)、糖類、セルロース誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリソルベート-80、アルギン酸ナトリウム、ポリエトキシ化ソルビタンモノラウレート、ポリエトキシ化ソルビタンモノラウレート、ポビドンおよび同類のものなどの化合物が挙げられる。
「界面活性剤」には、ラウリル硫酸ナトリウム、ドクサートナトリウム、Tween 60または80、トリアセチン、ビタミンE TPGS、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート、ポロクサマー(polaxomers)、胆汁酸塩、モノステアリン酸グリセリル、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの共重合体、例えば、Pluronic(登録商標)(BASF)、および同類のものなどの化合物が挙げられる。いくつかの他の界面活性剤には、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリドおよび植物油、例えば、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油;並びにポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびアルキルフェニルエーテル、例えば、オクトキシノール10、オクトキシノール40が挙げられる。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、物理的安定性を高めるため、またはその他の目的のために含まれることがある。
「増粘剤」には、例えば、メチルセルロース、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、カルボマー、ポリビニルアルコール、アルギネート、アカシア、キトサンおよびそれらの組み合わせが挙げられる。
「湿潤剤」には、オレイン酸、モノステアリン酸グリセリル、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、オレイン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ドクサートナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドクサートナトリウム(sodium doccusate)、トリアセチン、Tween 80、ビタミンE TPGS、アンモニウム塩および同類のものなどの化合物が挙げられる。
ここに提供される医薬組成物の局所投与は、望ましい治療が局所適用により容易に到達可能な領域または臓器を対象とする場合に有用である。皮膚に局所的に適用する目的で、医薬組成物は、担体中に懸濁または溶解した活性成分を含む適当な軟膏とともに製剤化される。ここに提供される化合物の局所投与のための担体には、鉱油、液体石油、白色ワセリン(white petroleum)、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックスおよび水が挙げられるが、これらに限らない。あるいは、医薬組成物は、担体中に懸濁または溶解した活性化合物を適当な乳化剤とともに含む適当なローションまたはクリームとともに製剤化され得る。適当な担体には、鉱油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が挙げられるが、これらに限らない。ここに提供される医薬組成物は、肛門坐薬製剤により、または適当な浣腸製剤中で、下部腸管に局所適用されることもある。局所経皮パッチもまた包含される。
ここに提供される医薬組成物は、経鼻エアロゾルまたは吸入により投与されることがある。かかる組成物は、医薬製剤の技術分野で周知の技術に従って調製され、ベンジルアルコールもしくはその他の適当な防腐剤、バイオアベイラビリティを高めるための吸収促進剤、フッ化炭素、および/またはその他の当技術分野で既知の可溶化剤または分散剤を利用して、生理食塩水溶液として調製されることがある。
本明細書で使用される「治療有効量」という用語は、治療される疾患または障害の症状の軽減といった、研究者、獣医、医師またはその他の臨床医により求められている対象において生物学的または医薬的反応を引き起こす、活性化合物または医薬塩の量を指す。
本発明の化合物は、全身的に、例えば、経口、静脈内、皮下、筋肉内、皮内、または非経口で、対象に投与されることがある。本発明の化合物は、局所的に対象に投与されることもある。
本発明の化合物は、本発明の化合物の標的組織との接触を望ましい時間範囲で維持する目的で、徐放性または速放性に製剤化されることがある。
経口投与に適する組成物には、固体形態(例えば丸剤、錠剤、カプレット、カプセル、顆粒、および散剤など)または液体形態(例えば溶液、エマルジョン、および懸濁液など)が挙げられる。非経口投与に有用な形態には、滅菌した溶液、エマルジョンおよび懸濁液が挙げられる。局所投与に有用な形態には、軟膏またはクリームが挙げられる。直腸投与に有用な形態には、坐薬が挙げられる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される固体剤形は、錠剤(懸濁液錠剤(suspension tablet)、速溶錠、噛むことで崩壊する錠剤(bite-disintegration tablet)、速崩壊錠、発泡錠、またはカプレットなど)、丸剤、散剤(滅菌包装散剤、分注可能な散剤、または沸騰散など)、カプセル(軟または硬カプセルの両方、例えば、動物由来のゼラチンまたは植物由来のHPMCから作られるカプセル、または「スプリンクルカプセル」など)、固体分散体、固体溶液、生体内分解性の剤形、放出制御製剤、パルス放出剤形、多微粒子剤形(multiparticulate dosage forms)、ペレット、顆粒、またはエアロゾルの形態である場合がある。他の実施形態において、医薬製剤は、散剤の形態である。さらに他の実施形態において、医薬製剤は、これに限らないが、速溶錠などの錠剤の形態である。さらに、本明細書に記載される医薬製剤は、単一のカプセルとして、または複数のカプセル剤形で投与されることがある。いくつかの実施形態において、医薬製剤は、2、または3、または4のカプセルもしくは錠剤で投与される。
本明細書に記載される固体剤形での使用に適している担体には、アカシア、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、マルトデキストリン、グリセリン、ケイ酸マグネシウム、カゼインナトリウム、大豆レシチン、塩化ナトリウム、リン酸三カルシウム、リン酸二カリウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、カラゲナン、モノグリセリド、ジグリセリド、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、スクロース、微結晶セルロース、ラクトース、マンニトールおよび同類のものが挙げられるが、これらに限らない。
本明細書に記載される固体剤形に使用される適当な充填剤には、ラクトース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶セルロース、セルロース粉末、デキストロース、デキストレイト、デキストラン、デンプン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート(HPMCAS)、スクロース、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール、および同類のものが挙げられるが、これらに限らない。
本発明の化合物の1日投与量は、成人1人あたり、1日50から500mgと幅広く変化することがある。経口投与について、組成物は、好ましくは20、60、80、または100ミリグラムを含む錠剤の形で提供される。本発明の化合物は、1日あたり3回以上、好ましくは1日あたり3回のレジメンで投与されることがある。投与されるべき至適用量は、当業者により決定されることがあり、使用される本発明の多形相、投与方法、投与時間、製剤の強度、病状の詳細によって異なるものである。患者特性に関連する因子(例えば年齢、体重、および食事など)は、投与量の調節を必要とするであろう。
化合物1の調製について参照されることがある一般的な合成法は、米国特許番号第5,990,146号(1999年11月23日発行)(Warner-Lambert Co.)およびPCT公開出願番号WO99/16755(1999年4月8日公開)(Merck & Co.)WO01/40217(2001年7月7日公開)(Pfizer,Inc.)、米国特許出願番号US2005/0124599(Pfizer,Inc.)および米国特許番号第7,183,414号(Pfizer,Inc.)に記載され、関連する部分が参照により本明細書に組み込まれる。
新規多形相を特徴づけるのに用いられる実験条件
それぞれの特定される新規多形結晶形態は、当技術分野で使用される従来の方法を用いて特徴付けられた。かかる特徴付けのために用いられた実験条件の詳細な方法は、本明細書に詳述される。
特定される多形相のX線粉末回折(XRPD)パターンは、PIXcel検出器(128チャンネル)付きのPANAlystical X’pert Proで、サンプルを3と35°2Θの間で走査して実施した。物質を穏やかに粉砕して任意の凝集体を除去し、KaptonまたはMylarポリマーフィルム付きのマルチウェルプレート上に載せてサンプルを支えた。マルチウェルプレートを次に回折計の中に置き、CuK放射線(αλ=1.5460Å;α=1.54443Å;β=1.39225Å;α:α比=0.5)を用いて、透過モード(ステップ幅 0.0130°2Θ、ステップ時間18.87秒)で実行して、発生装置の設定を40kV/40mAにして解析した。データを描出し、HighScore Plus 4.7デスクトップアプリケーション(PANalytical,2017)を用いて画像を生成した。それぞれの形態についてのピーク値は、それぞれの特定されるピークの相対強度とともに以下の表にまとめられる。
ピーク位置(2Θ)およびピーク強度は、異なる装置および実験条件の間でいくつかのばらつき(一般に±0.2度)を示すものであるということが、当業者により理解されるものである。したがって、ピーク位置が本明細書に記載される場合、当業者は、かかる数字がこのばらつきを包含するように意図されるということを理解するであろう。さらに、当業者は、ディフラクトグラムパターンおよび本明細書に開示されるピーク表の両方に示される相対的なピーク強度もまた、装置ならびにその他の外的因子(例えば結晶化度、好ましい配向性、およびその他)の間で異なるものであるということを理解するであろう。
熱重量分析/示差走査熱量測定(TGA/DSC)は、様々な特定される多形相の相転移点および分解点ならびに水和/溶媒和状態を決定するために用いられた。およそ5~10ミリグラムの物質を、前もって重さを量ってある蓋のないアルミニウムパンに添加し、TA Instruments SDT 650 Auto-Simultaneous DSCに載せて、室温で保持した。サンプルを次に10℃/分の速度で30℃から400℃に加熱し、その間、サンプル重量の変化が熱流応答とともに記録された(DSC)。窒素は、サンプルパージガスとして、200cm/分の流速で用いられた。当業者は、周囲の実験室条件がこれらの測定値にわずかなばらつきを引き起こすことがあるということを理解するものである。
示差走査熱量測定は、安定な多形相の融点を決定するために用いられた。およそ1~5ミリグラムの物質をアルミニウムDSCパンに量り取り、アルミニウム蓋で密閉せずに塞いだ。サンプルパンを次にRC90冷却器付きのTA Instruments Discovery DSC 2500示差走査熱量計に載せた。サンプルおよびリファレンスを10℃/分の走査速度で240℃に加熱し、得られた熱流応答を観察した。サンプルを20℃に再冷却し、その後全て10℃/分で325℃に再び加熱した。窒素は、パージガスとして、50cm/分の流速で用いられた。当業者は、周囲の実験室条件がこれらの測定値にわずかなばらつきを引き起こすことがあるということを理解するものである。
フーリエ変換赤外分光法は、特定される安定な多形相に対して、これらの形態をさらに特徴付けるために行われた。これらの実験は、Bruker ALPHA P分光計で実施された。十分な物質を分光計のプレートの中央に置き、分解能は4cm-1、バックグラウンドスキャン時間は16スキャン、サンプルスキャン時間は16スキャン、データ収集は4000から400cm-1でスペクトルを得て、得られたスペクトルを透過率に基づいて生成した。OPUSバージョン6コンピューターソフトウェアを用いて、スペクトルを解析および生成した。
Dynamic Vapor Sorption(DVS)は、安定な多形相の吸湿性を決定するために用いられた。およそ10~20ミリグラムのサンプルをメッシュ蒸気収着天秤皿に置き、Surface Measurement Systemsの、内在するDynamic Vapor Sorption天秤に載せた。サンプルを10%刻みで、40~90%まで相対湿度(RH)を上昇させ、各ステップにおいて、台の重量が一定になるまで(dm/dt 0.0004%、最小ステップ時間30分、最大ステップ時間500分)、25℃でサンプルを維持した。収着サイクルの終了後、同じ手順でサンプルを0%RHに乾燥させ、その後第2の収着サイクルで40%RHに戻した。2つのサイクルが行われた。収着/脱着サイクルの間の重量変化をプロットし、サンプルの吸湿性を決定できるようにした。次にXRPDを任意の残った固体に対して、過程の間に多形相が変化したかどうか判断するために実施した。
結晶化度(複屈折性)の存在は、偏光顕微鏡を用いて決定された。交差偏光レンズ付きのOlympus BX50顕微鏡およびMoticカメラを用いてサンプルを撮像した。Motic Images Plus 2.0を用いて画像を取り込んだ。20X対物レンズを用いて全ての画像を記録した。
化合物1の新規多形相
多形フォームI
化合物1の多形フォームIは、ベシル酸塩の無水結晶形態である。化合物1の生産方法は、米国特許番号第7,183,414号に詳述される。多形フォームIは、環境条件下で振盪させながら、およそ5容量の溶媒を10mgのアモルファス化合物1に添加することにより、化合物1のベシル酸塩のアモルファス形態を1,1-ジメトキシメタンまたは1-ブタノール中にスラリー化することで生産された。次に環境温度および40℃の4時間周期でおよそ24時間、サーマルサイクリングを用いてスラリーを熟成させ、その後、遠心分離で固体を分離し、24時間、40℃のオーブンで乾燥させた。初期の溶解度スクリーニングの後、サーマルサイクリング熟成後の湿り固体、および乾燥固体をXRPD解析して、多形フォームIのみが存在することを確認した。
フォームIは、本明細書で特定されるアモルファス形態およびその他の多形相と比較して、いくつかの予想外の利点を有する。無水形態と同様に、フォームIは、溶媒和形態または水和形態に関連することがある潜在的な不純物の影響を受けない。さらに、フォームIIIは、競合的なスラリー条件下で最も熱力学的に安定な結晶形態であるが(すなわち、フォームIIIの種子がスラリー中に存在する場合、フォームIはフォームIIIに変化する)、フォームIは、分解開始の温度がより高く、90%RHで0.9%の質量取り込みを示す非吸湿性であり、これにより、この形態は、変わりやすい条件下での長期保存ならびに医薬組成物および医薬品形態(例えば錠剤など)のための加工により適している。フォームIは、流動性および打錠性を向上させている。フォームIは、低用量および高用量製剤の両方で乾式造粒に適する混合特性も有する。これは医薬製品の製造中での溶媒の必要性を制限し、溶媒からのコンタミネーションの可能性を制限し、添加剤のレベルに対する活性薬の高い比率を維持する。さらに、フォームIが、シーディングしなければフォームIIIに変化せず、分解開始の温度がより高く、長期保存のための環境条件で安定であるように、フォームIは、様々な形態(例えば錠剤またはカプセルなど)の標準的な医薬組成物に理想的に適している。
結晶フォームIは、図1に示されるXRPDパターンにより特徴付けられた。表1は、本明細書に詳述されるように、CuK放射線付きのPANAlytical X’pert Proで測定したフォームIについてのXPRDパターンの、ピークの位置(2Θとして表す)および相対強度を示す。
Figure 2023536068000002
Figure 2023536068000003
結晶フォームIもまた、DSCによって特徴付けられた(図2)。TGA/DSCは、融解および分解現象に関連して、264℃で開始し、268℃でピークとなる小さな吸熱現象、その直後にシャープな発熱現象を示した。融解および分解は、TGAで測定された2.5%の質量減少を伴った。
赤外分光法(FT-IR)は、化合物1のフォームIをさらに特徴付けるために用いられた。図3は、フォームIのFT-IRスペクトルを示す。波数(cm-1)として示されるピーク位置の完全なリストおよびその相対強度は、表2に記載される。
Figure 2023536068000004
Figure 2023536068000005
フォームIのDynamic vapor sorption試験は、図4に示されるように、この新規多形相が90%相対湿度でおよそ0.9%の質量取り込みを示す非吸湿性であることを示した。DVSサイクル中またはDVS後に形態変化は見られず、これは、この形態が安定で、水を取り込む傾向がないことを意味し、医薬組成物の加工、保存、安定性、および環境条件下での長期保存後の有効性の維持において、重要な技術的優位性を示す。
化合物1の多形フォームIは、偏光顕微鏡を用いてさらに特徴付けられた。フォームIは、複屈折性の棒状形態を示し、律速凝集が観察された。律速凝集は、化合物の溶解度を改善することで、医薬組成物にとって有利な特徴を提供する。代表的な画像は、図5に示される。
いくつかの実施形態において、本発明は、1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートの新規結晶形態であって、前記結晶形態が、7.1、14.8、および18.3の回折角(2Θ±0.2)のうちの一つ以上でピークを含む粉末X線回折パターンを有する、結晶形態を包含する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、7.1、14.8、18.3、24.3および26.9の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、7.1、14.8、16.0、17.5、18.2、24.3、25.3、および26.9の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、7.1、14.8、16.0、16.8、17.5、18.2、19.7、21.4、24.3、25.3、および26.9の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、7.1、8.0、9.6、11.4、11.8、13.9、14.5、14.8、15.5、16.0、16.3、16.8、17.5、18.2、18.7、19.3、19.6、19.7、20.0、20.3、20.9、21.4、21.8、22.6、24.3、25.3、25.9、26.9、28.1、29.5、29.9、31.0、32.3、33.4、および34.3の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、無水である。さらなる態様において、前記結晶形態は、264℃の融解開始点を有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、約1479、1271、1185、1033、824、751、728、690、612、および564cm-1でピークを含むFT-IRスペクトルを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、非吸湿性である。もう一つの態様において、前記結晶形態は、90% RHで約0.9%の質量取り込みを有する。さらなる態様において、前記結晶形態は、偏光顕微鏡法により複屈折性の棒状形態を有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、実質的に純粋である。
他の実施形態において、本発明は、1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートを1,1-ジメトキシメタンまたは1-ブタノール中で懸濁させ、その後、沈殿するまで攪拌または振盪することを含む、結晶形態を調製する方法を包含する。
多形フォームII
化合物1の多形フォームIIは、ベシル酸塩の半水和物結晶形態である。化合物1の生産方法は、米国特許番号第7,183,414号に詳述される。多形フォームIIは、環境条件下で振盪させながら、およそ5容量の溶媒を10mgのアモルファス化合物1に添加することにより、化合物1のベシル酸塩のアモルファス形態を98.5% エタノール/1.5% 水(%v/v)中にスラリー化することで生産された。次に環境温度および40℃の4時間周期でおよそ24時間、サーマルサイクリングを用いてスラリーを熟成させ、その後、遠心分離で固体を分離し、24時間、40℃のオーブンで乾燥させた。初期の溶解度スクリーニングの後、サーマルサイクリング熟成後の湿り固体、および乾燥固体をXRPD解析して、多形フォームIIが存在することを確認した。
フォームIIは、本明細書で特定されるアモルファス形態およびその他の多形相と比較して、いくつかの予想外の利点を有する。半水和物と同様に、それは、水溶液において溶解度がより高く(フォームIIは、無水フォームIおよびIIIと比べて中性pHの水溶液により溶けやすい)、これにより、フォームIIは経口液体または局所溶液などの製剤により潜在的に適している。粘膜炎に関連する口内炎を有する患者、胃腸に問題を抱えている患者、またはその他の理由で錠剤もしくはカプセルを飲み込むことが不快であるか、もしくは飲み込むことができない患者は、経口懸濁溶液(oral suspension solutions)から恩恵を受けることがある。
結晶フォームIIは、図6に示されるXRPDパターンにより特徴付けられた。表4は、本明細書に詳述されるように、CuK放射線付きのPANAlytical X’pert Proで測定したフォームIIについてのXPRDパターンの、ピークの位置(2Θとして表す)および相対強度を示す。
Figure 2023536068000006
Figure 2023536068000007
Figure 2023536068000008
結晶フォームIIもまた、DSCによって特徴付けられた(図7)。TGA/DSCは、それぞれ水の損失および分解現象に関連する、124℃で開始し、130℃でピークとなる大きな吸熱現象、その後の174℃で開始し、186℃でピークとなる大きな吸熱現象を示した。熱分解は、165℃で観察され始めた。融解および分解は、TGAで測定された2.8%の質量減少を伴い、0.7当量の水の損失に関連した。観察されたフォームIIの分解点は、フォームIのそれよりも有意に低く、これは、それがより不安定であることを意味する。
赤外分光法(FT-IR)は、化合物1のフォームIIをさらに特徴付けるために用いられた。図8は、フォームIIのFT-IRスペクトルを示す。波数(cm-1)として示されるピーク位置の完全なリストおよびその相対強度は、表4に記載される。
Figure 2023536068000009
Figure 2023536068000010
フォームIIのDynamic vapor sorption試験は、図9に示されるように、この新規多形相が90%相対湿度でおよそ1.5%の質量取り込みを伴い、吸湿性がわずかであることを示した。DVSサイクル中に形態変化は見られず、これは、この形態が安定で、水を取り込む傾向がないことを意味し、医薬組成物の加工、保存、安定性、および環境条件下での長期保存後の有効性の維持において、重要な技術的優位性を示す。
化合物1の多形フォームIIは、偏光顕微鏡を用いてさらに特徴付けられた。フォームIIは、角柱状形態を有する、小さくて高複屈折性の薄片を示した。律速凝集は、化合物の溶解度を改善することで、医薬組成物にとって有利な特徴を提供する。代表的な画像は、図10に示される。
他の実施形態において、本発明は、1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートの新規結晶形態であって、前記結晶形態が、5.3、18.7、および23.0の回折角(2Θ±0.2)のうちの一つ以上でピークを含む粉末X線回折パターンを有する、結晶形態を包含する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、5.3、12.8、15.5、18.7、および23.0の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、5.3、12.8、15.2、15.5、18.7、23.0、および24.2の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、5.3、12.8、15.2、15.5、17.2、18.7、20.3、23.0、23.5および24.2の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、3.3、3.5、3.8、5.3、6.1、6.4、8.0、8.5、8.8、8.9、9.6、10.5、11.1、11.5、12.4、12.8、13.1、13.3、13.7、14.0、14.2、14.5、15.9、15.2、15.5、16.2、17.0、17.2、17.6、18.1、18.7、19.3、19.8、20.3、20.9、21.3、22.0、23.0、23.5、23.7、24.2、25.0、25.6、25.8、26.4、26.6、27.4、28.3、28.6、29.1、29.4、30.9、31.5、31.7、31.9、32.0、32.2、32.8、33.8、34.8、および39.9の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、半水和物である。もう一つの態様において、前記結晶形態は、約174℃の融解開始点を有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、約1480、1187、1124、1016、821、750、728、693、613、および563cm-1でピークを含むFT-IRスペクトルを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、わずかに吸湿性である。もう一つの態様において、前記結晶形態は、90% RHで約1.5%の質量取り込みを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、偏光顕微鏡法により高複屈折性の棒状形態を有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、実質的に純粋である。
他の実施形態において、本発明は、1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートを98.5% エタノール/1.5% 水(%v/v)中で懸濁させ、その後、沈殿するまで振盪することを含む、化合物1の結晶形態を調製する方法を包含する。
多形フォームIII
化合物1の多形フォームIIIは、ベシル酸塩の無水結晶形態である。化合物1の生産方法は、米国特許番号第7,183,414号に詳述される。多形フォームIIIは、環境条件下で振盪させながら、およそ5容量の溶媒を10mgのアモルファス化合物1に添加することにより、化合物1のベシル酸塩のアモルファス形態を99% エタノール/1% トルエン(%v/v)中にスラリー化することで生産された。次に環境温度および40℃の4時間周期でおよそ24時間、サーマルサイクリングを用いてスラリーを熟成させ、その後、遠心分離で固体を分離し、24時間、40℃のオーブンで乾燥させた。初期の溶解度スクリーニングの後、サーマルサイクリング熟成後の湿り固体、および乾燥固体をXRPD解析して、多形フォームIIIが存在することを確認した。
フォームIIIは、本明細書で特定されるアモルファス形態およびその他の多形相と比較して、いくつかの予想外の利点を有する。無水形態と同様に、フォームIIIは、溶媒和形態または水和形態に関連することがある潜在的な不純物の影響を受けない。さらに、フォームIIIは、競合的なスラリー条件下で最も熱力学的に安定な結晶形態である(すなわち、フォームIIIの種子がスラリー中に存在する場合、フォームIはフォームIIIに変化する)。さらに、フォームIIIは、フォームIIよりも分解開始温度が高い。無水形態と同様に、フォームIIIは、特定の環境条件下で形態変化を起こす(特に脱溶媒和し、続いて無水結晶形態に変化する)半水和物フォームIIおよび溶媒和フォームIVの両方と比較しても利点を有する。
結晶フォームIIIは、図11に示されるXRPDパターンにより特徴付けられた。表5は、本明細書に詳述されるように、CuK放射線付きのPANAlytical X’pert Proで測定したフォームIIIについてのXPRDパターンの、ピークの位置(2Θとして表す)および相対強度を示す。
Figure 2023536068000011
Figure 2023536068000012
結晶フォームIIIもまた、DSCによって特徴付けられた(図12)。TGA/DSCは、251℃で開始し、255℃でピークとなる小さな吸熱現象、その直後に発熱現象を示した。融解および分解は、TGAで測定された1.7%の質量減少を伴い、およそ0.2当量の過剰なエタノールの損失に関連した。観察されたフォームIIIの分解点は、フォームIのそれよりも低かった。
赤外分光法(FT-IR)は、化合物1のフォームIIIをさらに特徴付けるために用いられた。図13は、フォームIIIのFT-IRスペクトルを示す。波数(cm-1)として示されるピーク位置の完全なリストおよびその相対強度は、表6に記載される。
Figure 2023536068000013
Figure 2023536068000014
Figure 2023536068000015
フォームIIIのDynamic vapor sorption試験は、図14に示されるように、この新規多形相が90%相対湿度でおよそ1.5%の質量取り込みを伴い、吸湿性がわずかであることを示した。DVSサイクル中に形態変化は見られず、これは、この形態が安定で、水を取り込む傾向がないことを意味し、医薬組成物の加工、保存、安定性、および環境条件下での長期保存後の有効性の維持において、重要な技術的優位性を示す。
化合物1の多形フォームIIIは、偏光顕微鏡を用いてさらに特徴付けられた。フォームIIIは、高複屈折性の棒状形態を示した。代表的な画像は、図15に示される。
他の実施形態において、本発明は、1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートの新規結晶形態であって、前記結晶形態が、15.8、19.8、および21.7の回折角(2Θ±0.2)のうちの一つ以上でピークを含む粉末X線回折パターンを有する、結晶形態を包含する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、12.6、15.8、19.8、20.5、および21.7の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、10.1、12.6、15.8、19.8、20.5、21.7、23.2、および26.7の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、7.4、10.1、12.6、15.8、18.5、19.8、20.5、21.7、22.8、23.2、および26.7の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、2.1、3.0、6.3、7.4、7.9、8.7、10.1、12.1、12.6、13.2、13.4、13.9、14.9、15.8、16.3、16.5、16.7、16.9、17.3、17.6、18.5、19.1、19.3、19.8、20.5、20.8、20.9、21.7、22.0、22.4、22.8、22.9、23.2、23.8、24.3、24.5、25.1、25.9、26.1、26.7、27.0、27.4、27.6、28.2、28.9、29.9、30.1、30.6、31.0、31.4、および31.9の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、無水である。もう一つの態様において、前記結晶形態は、約251℃の融解開始点を有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、約1509、1169、1015、954、821、799、749、728、613、および562cm-1でピークを含むFT-IRスペクトルを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、わずかに吸湿性である。もう一つの態様において、前記結晶形態は、90% RHで約1.5%の質量取り込みを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、偏光顕微鏡法により高複屈折性の棒状形態を有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、実質的に純粋である。
他の実施形態において、本発明は、1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートを99% エタノール/1% トルエン(%v/v)中で懸濁させ、その後、沈殿するまで振盪することを含む、化合物1の結晶形態を調製する方法を包含する。
多形フォームIV
化合物1の多形フォームIVは、ベシル酸塩の溶媒和結晶形態である。化合物1の生産方法は、米国特許番号第7,183,414号に詳述される。多形フォームIVは、環境条件下で振盪させながら、およそ5容量の溶媒を10mgのアモルファス化合物1に添加することにより、化合物1のベシル酸塩のアモルファス形態をN,N’-ジメチルアセトアミド中にスラリー化することで生産された。次に環境温度および40℃の4時間周期でおよそ24時間、サーマルサイクリングを用いてスラリーを熟成させ、その後、遠心分離で固体を分離し、24時間、40℃のオーブンで乾燥させた。初期の溶解度スクリーニングの後、サーマルサイクリング熟成後の湿り固体、および乾燥固体をXRPD解析して、多形フォームIVのみが存在することを確認した。フォームIVは、化合物1をアセトニトリル、ブチルアセテート、またはエタノールなどの追加の溶媒中でスラリー化しても得ることができ、これは、それが構造的に等しい溶媒和物である場合があることを意味する。
フォームIVは、本明細書で特定されるアモルファス形態およびその他の多形相と比較して、いくつかの予想外の利点を有する。エタノールを用いて得られる構造的に等しい溶媒和物と同様に、それは、溶解を必要とする製剤、例えばエタノール、またはその他の医薬的に安全な極性溶媒(例えばグリセロール、プロピレングリコール、またはイソプロピルアルコールなど)を用いる経口懸濁液または局所溶液など、に適することがある。粘膜炎に関連する口内炎を有する患者、胃腸に問題を抱えている患者、またはその他の理由で錠剤もしくはカプセルを飲み込むことが不快であるか、もしくは飲み込むことができない患者は、経口懸濁溶液から恩恵を受けることがある。
結晶フォームIVは、図16に示されるXRPDパターンにより特徴付けられた。表7は、本明細書に詳述されるように、CuK放射線付きのPANAlytical X’pert Proで測定したフォームIVについてのXPRDパターンの、ピークの位置(2Θとして表す)および相対強度を示す。
Figure 2023536068000016
Figure 2023536068000017
結晶フォームIVもまた、DSCによって特徴付けられた(図17)。TGA/DSCは、144℃で脱溶媒和に関連する大きくて非常にブロードな吸熱現象を示し、続いて182℃から再結晶が観察された。241℃で開始する2番目の大きくて非常にブロードな吸熱現象は、分解現象に関連した。融解および分解は、TGAで測定された13.3%の質量減少を伴い、およそ1当量のDMAの損失に関連した。
赤外分光法(FT-IR)は、化合物1のフォームIVをさらに特徴付けるために用いられた。図18は、フォームIVのFT-IRスペクトルを示す。波数(cm-1)として示されるピーク位置の完全なリストおよびその相対強度は、表8に記載される。
Figure 2023536068000018
Figure 2023536068000019
フォームIVのDynamic vapor sorption試験は、この新規多形相が第1サイクルの間に9.4%の質量減少を伴って脱溶媒和することを示した。図19に示されるように、脱溶媒和形態は、吸湿性により、湿度0%から10%で1.5%の質量取り込みを有することが分かった。DVSサイクル後に実施されたXPRDは、フォームIVが高湿度にさらされるとき、半水和したフォームIIに転換することを示した。
化合物1の多形フォームIVは、偏光顕微鏡を用いてさらに特徴付けられた。フォームIVは、低複屈折性であり、定義される形態を有さなかった。代表的な画像は、図20に示される。
他の実施形態において、本発明は、1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートの新規結晶形態であって、前記結晶形態が、4.8、22.6、および23.8の回折角(2Θ±0.2)のうちの一つ以上でピークを含む粉末X線回折パターンを有する、結晶形態を包含する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、4.8、13.7、20.6、22.6、および23.8の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、4.8、7.5、13.7、18.2、20.6、22.6、および23.8の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、4.8、7.5、13.7、18.2、18.4、18.9、20.0、20.6、22.6、および23.8の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態の粉末X線回折パターンは、4.8、6.3、7.5、9.3、11.6、13.4、13.7、14.5、15.2、15.4、15.6、16.7、17.3、17.8、18.2、18.4、18.9、19.4、20.0、20.2、20.6、20.9、21.3、22.6、22.9、23.8、24.4、24.8、25.3、26.2、27.4、27.8、28.1、28.3、28.4、28.9、29.3、29.8、31.0、32.1、32.6、33.3、および34.2の回折角(2Θ±0.2)でさらなるピークを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、溶媒和物である。もう一つの態様において、前記溶媒和物形態は、N,N’-ジメチルアセトアミド溶媒和物である。もう一つの態様において、前記溶媒和物形態は、アセトニトリル、酢酸ブチル、またはエタノール溶媒和物である。もう一つの態様において、前記結晶形態は、約241℃の分解開始点を有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、約1479、1272、1184、1033、824、751、728、690、612、および564cm-1でピークを含むFT-IRスペクトルを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、吸湿性である。もう一つの態様において、前記結晶形態は、0%から10%のRHで1.5%の質量取り込みを有する。もう一つの態様において、前記結晶形態は、偏光顕微鏡法により定義される形態を有さず、低複屈折性である。もう一つの態様において、前記結晶形態は、実質的に純粋である。
他の実施形態において、本発明は、を包含する。1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートをN,N’-ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸ブチル、またはエタノール中で懸濁させ、その後、沈殿するまで振盪することを含む、化合物1の結晶形態を調製する方法を包含する。
アモルファスフォーム
化合物1の製造方法は、米国特許番号第7,183,414号に詳述される。アモルファス化合物1は、図21に示されるXRPDパターンにより特徴付けられる。
他の実施形態において、本発明は、1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートの固体形態であって、前記形態が、アモルファスである、形態を包含する。
他の実施形態において、本発明は、1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートの結晶形態、またはその水和物または溶媒和物、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を包含する。
他の実施形態において、本発明は、治療有効量の化合物1の結晶形態を投与することを特徴とする、疾患に罹患する対象を治療する方法を包含する。一つの態様において、前記疾患は、増殖性疾患である。前記増殖性疾患は、ホジキン病、骨髄腫、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、急性未分化型白血病(AUL)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、前リンパ球性白血病(PML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、成人T細胞性ALL、三血球系骨髄異形成を伴うAML(AMLITMDS)、混合型白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性疾患(MPD)、多発性骨髄腫、胆道癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、CNS癌、結腸癌、結腸直腸癌、食道癌、胃癌(gastric cancer)、食道胃接合部(GEJ)腺癌、胃腺癌、ステージIIIB胃腺癌、ステージIV浸潤性胃腺癌、転移性食道腺癌、神経膠芽腫、頭頸部癌、肝細胞癌、肝臓癌、肺癌、黒色腫、非小細胞癌、上咽頭癌、神経内分泌癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎癌、唾液腺癌、小細胞肺癌、扁平上皮癌、皮膚癌、胃癌(stomach cancer)、精巣癌、甲状腺癌、胸腺腫、子宮癌、またはその他の腫瘍から選択される。
参考文献
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Claims (59)

1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートの結晶形態であって、前記結晶形態が、7.1、14.8、および18.2の回折角(2Θ±0.2)でピークを含む粉末X線回折パターンを有する、結晶形態。
前記粉末X線回折パターンが、7.1、14.8、18.2、24.3および26.9の回折角(2Θ±0.2)でピークを有する、請求項1に記載の結晶形態。
前記粉末X線回折パターンが、7.1、14.8、16.0、17.5、18.2、24.3、25.3、および26.9の回折角(2Θ±0.2)でピークを有する、請求項1に記載の結晶形態。
前記粉末X線回折パターンが、7.1、14.8、16.0、16.8、17.5、18.2、19.7、21.4、24.3、25.3、および26.9の回折角(2Θ±0.2)でピークを有する、請求項1に記載の結晶形態。
前記粉末X線回折パターンが、7.1、8.0、9.6、11.4、11.8、13.9、14.5、14.8、15.5、16.0、16.3、16.8、17.5、18.2、18.7、19.3、19.6、19.7、20.0、20.3、20.9、21.4、21.8、22.6、24.3、25.3、25.9、26.9、28.1、29.5、29.9、31.0、32.3、33.4、および34.3の回折角(2Θ±0.2)でピークを有する、請求項1に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、無水である、請求項1から5のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、264℃の融解開始点を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、約1479、1271、1185、1033、824、751、728、690、612、および564cm-1でピークを含むFT-IRスペクトルを有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、非吸湿性である、請求項1から8のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、90% RHで約0.9%の質量取り込みを有する、請求項1から9のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、複屈折性の棒状形態を有する、請求項1から10のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、実質的に純粋である、請求項1から11のいずれか1項に記載の結晶形態。
1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートの結晶形態であって、前記結晶形態が、5.3、18.7、および23.0の回折角(2Θ±0.2)でピークを含む粉末X線回折パターンを有する、結晶形態。
前記粉末X線回折パターンが、5.3、12.8、15.5、18.7、および23.0の回折角(2Θ±0.2)でピークを有する、請求項13に記載の結晶形態。
前記粉末X線回折パターンが、5.3、12.8、15.2、15.5、18.7、23.0、および24.2の回折角(2Θ±0.2)でピークを有する、請求項13に記載の結晶形態。
前記粉末X線回折パターンが、5.3、12.8、15.2、15.5、17.2、18.7、20.3、23.0、23.5および24.2の回折角(2Θ±0.2)でピークを有する、請求項13に記載の結晶形態。
前記粉末X線回折パターンが、3.3、3.5、3.8、5.3、6.1、6.4、8.0、8.5、8.8、8.9、9.6、10.5、11.1、11.5、12.4、12.8、13.1、13.3、13.7、14.0、14.2、14.5、15.9、15.2、15.5、16.2、17.0、17.2、17.6、18.1、18.7、19.3、19.8、20.3、20.9、21.3、22.0、23.0、23.5、23.7、24.2、25.0、25.6、25.8、26.4、26.6、27.4、28.3、28.6、29.1、29.4、30.9、31.5、31.7、31.9、32.0、32.2、32.8、33.8、34.8、および39.9の回折角(2Θ±0.2)でピークを有する、請求項13に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、半水和物である、請求項13から17のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、約174℃の融解開始点を有する、請求項13から18のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、約1480、1187、1124、1016、821、750、728、693、613、および563cm-1でピークを含むFT-IRスペクトルを有する、請求項13から19のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、わずかに吸湿性である、請求項13から20のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、90% RHで約1.5%の質量取り込みを有する、請求項13から21のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、高複屈折性の棒状形態を有する、請求項13から22のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、実質的に純粋である、請求項13から23のいずれか1項に記載の結晶形態。
1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートの結晶形態であって、前記結晶形態が、15.8、19.8、および21.7の回折角(2Θ±0.2)でピークを含む粉末X線回折パターンを有する、結晶形態。
前記粉末X線回折パターンが、12.6、15.8、19.8、20.5、および21.7の回折角(2Θ±0.2)でピークを有する、請求項25に記載の結晶形態。
前記粉末X線回折パターンが、10.1、12.6、15.8、19.8、20.5、21.7、23.2、および26.7の回折角(2Θ±0.2)でピークを有する、請求項25に記載の結晶形態。
前記粉末X線回折パターンが、7.4、10.1、12.6、15.8、18.5、19.8、20.5、21.7、22.8、23.2、および26.7の回折角(2Θ±0.2)でピークを有する、請求項25に記載の結晶形態。
前記粉末X線回折パターンが、2.1、3.0、6.3、7.4、7.9、8.7、10.1、12.1、12.6、13.2、13.4、13.9、14.9、15.8、16.3、16.5、16.7、16.9、17.3、17.6、18.5、19.1、19.3、19.8、20.5、20.8、20.9、21.7、22.0、22.4、22.8、22.9、23.2、23.8、24.3、24.5、25.1、25.9、26.1、26.7、27.0、27.4、27.6、28.2、28.9、29.9、30.1、30.6、31.0、31.4、および31.9の回折角(2Θ±0.2)でピークを有する、請求項25に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、無水である、請求項25から29のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、約251℃の融解開始点を有する、請求項25から30のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、約1509、1169、1015、954、821、799、749、728、613、および562cm-1でピークを含むFT-IRスペクトルを有する、請求項25から31のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、わずかに吸湿性である、請求項25から32のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、90% RHで約1.5%の質量取り込みを有する、請求項25から33のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、高複屈折性の棒状形態を有する、請求項25から34のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、実質的に純粋である、請求項25に記載の結晶形態。
1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートの結晶形態であって、前記結晶形態が、4.8、22.6、および23.8の回折角(2Θ±0.2)でピークを含む粉末X線回折パターンを有する、結晶形態。
前記粉末X線回折パターンが、4.8、13.7、20.6、22.6、および23.8の回折角(2Θ±0.2)でピークを有する、請求項37に記載の結晶形態。
前記粉末X線回折パターンが、4.8、7.5、13.7、18.2、20.6、22.6、および23.8の回折角(2Θ±0.2)でピークを有する、請求項37に記載の結晶形態。
前記粉末X線回折パターンが、4.8、7.5、13.7、18.2、18.4、18.9、20.0、20.6、22.6、および23.8の回折角(2Θ±0.2)でピークを有する、請求項37に記載の結晶形態。
前記粉末X線回折パターンが、4.8、6.3、7.5、9.3、11.6、13.4、13.7、14.5、15.2、15.4、15.6、16.7、17.3、17.8、18.2、18.4、18.9、19.4、20.0、20.2、20.6、20.9、21.3、22.6、22.9、23.8、24.4、24.8、25.3、26.2、27.4、27.8、28.1、28.3、28.4、28.9、29.3、29.8、31.0、32.1、32.6、33.3、および34.2の回折角(2Θ±0.2)でピークを有する、請求項37に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、溶媒和物である、請求項37から41のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記溶媒和物形態が、N,N’-ジメチルアセトアミド溶媒和物である、請求項37から42のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記溶媒和物形態が、アセトニトリル、酢酸ブチル、またはエタノールである、請求項37から43のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、約241℃の分解開始点を有する、請求項37から44のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、約1479、1272、1184、1033、824、751、728、690、612、および564cm-1でピークを含むFT-IRスペクトルを有する、請求項37から45のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、吸湿性である、請求項37から46のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、0%から10%のRHで1.5%の質量取り込みを有する、請求項37から47のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、定義される形態を有さず、低複屈折性である、請求項37から48のいずれか1項に記載の結晶形態。
前記結晶形態が、実質的に純粋である、請求項37に記載の結晶形態。
1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートの固体形態であって、前記形態が、アモルファスである、形態。
請求項1から51のいずれか1項に記載の結晶形態、および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
治療有効量の請求項1から51のいずれか1項に記載の結晶形態を投与することを特徴とする、疾患に罹患する対象を治療する方法。
前記疾患が、増殖性疾患である、請求項53に記載の方法。
前記増殖性疾患が、ホジキン病、骨髄腫、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、急性未分化型白血病(AUL)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、前リンパ球性白血病(PML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、成人T細胞性ALL、三血球系骨髄異形成を伴うAML(AMLITMDS)、混合型白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性疾患(MPD)、多発性骨髄腫、胆道癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、CNS癌、結腸癌、結腸直腸癌、食道癌、胃癌(gastric cancer)、食道胃接合部(GEJ)腺癌、胃腺癌、ステージIIIB胃腺癌、ステージIV浸潤性胃腺癌、転移性食道腺癌、神経膠芽腫、頭頸部癌、肝細胞癌、肝臓癌、肺癌、黒色腫、非小細胞癌、上咽頭癌、神経内分泌癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎癌、唾液腺癌、小細胞肺癌、扁平上皮癌、皮膚癌、胃癌(stomach cancer)、精巣癌、甲状腺癌、胸腺腫、子宮癌、またはその他の腫瘍から選択される、請求項54に記載の方法。
1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートを1,1-ジメトキシメタンまたは1-ブタノール中で懸濁させ、その後、沈殿するまで攪拌または振盪することを含む、請求項1に記載の結晶形態を調製する方法。
1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートを98.5% エタノール/1.5% 水(%v/v)中で懸濁させ、その後、沈殿するまで振盪することを含む、請求項13に記載の結晶形態を調製する方法。
1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートを99% エタノール/1% トルエン(%v/v)中で懸濁させ、その後、沈殿するまで振盪することを含む、請求項25に記載の結晶形態を調製する方法。
1-[2-[5-[(3-メチル-3-オキセタニル)メトキシ]-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]-8-キノリニル]-4-ピペリジンアミン モノベンゼンスルホネートをN,N’-ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸ブチル、またはエタノール中で懸濁させ、その後、沈殿するまで振盪することを含む、請求項37に記載の結晶形態を調製する方法。
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