JP2023535404A - 組換えシルク組成物及びその製造方法 - Google Patents

組換えシルク組成物及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023535404A
JP2023535404A JP2023504243A JP2023504243A JP2023535404A JP 2023535404 A JP2023535404 A JP 2023535404A JP 2023504243 A JP2023504243 A JP 2023504243A JP 2023504243 A JP2023504243 A JP 2023504243A JP 2023535404 A JP2023535404 A JP 2023535404A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silk
composition
recombinant
particles
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023504243A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2022020212A5 (ja
Inventor
リンジー レイ
ジョシュア タイラー キトルソン
Original Assignee
ボルト スレッズ インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ボルト スレッズ インコーポレイテッド filed Critical ボルト スレッズ インコーポレイテッド
Publication of JP2023535404A publication Critical patent/JP2023535404A/ja
Publication of JPWO2022020212A5 publication Critical patent/JPWO2022020212A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
    • A61K8/18Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
    • A61K8/30Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds
    • A61K8/64Proteins; Peptides; Derivatives or degradation products thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
    • A61K8/02Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by special physical form
    • A61K8/0241Containing particulates characterized by their shape and/or structure
    • A61K8/0279Porous; Hollow
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q19/00Preparations for care of the skin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q19/00Preparations for care of the skin
    • A61Q19/10Washing or bathing preparations
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K2800/00Properties of cosmetic compositions or active ingredients thereof or formulation aids used therein and process related aspects
    • A61K2800/20Chemical, physico-chemical or functional or structural properties of the composition as a whole
    • A61K2800/28Rubbing or scrubbing compositions; Peeling or abrasive compositions; Containing exfoliants

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Birds (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Insects & Arthropods (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

本明細書に開示されるのは、とりわけ、皮膚を水分補給、洗浄、防御、解毒、テカリ防止、及び/又は角質除去するように、安定な粉末から形成された組換えスパイダーシルク組成物である。【選択図】図1A

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月23日に出願された米国仮出願第63/055,894号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本開示は、とりわけ、皮膚を水分補給、洗浄、防御、解毒、テカリ防止、及び/又は角質除去するように、安定な粉末から形成された組換えスパイダーシルク組成物に関する。
背景
シルクは、スキンケア及び化粧品等の用途における使用に望ましい多くの品質を有する構造タンパク質である。最近の技術により、様々な宿主生物を使用して、様々な組換えスパイダーシルクポリペプチド及び組換えスパイダーシルクポリペプチドに由来するポリペプチドの拡張可能な生産がもたらされた。しかしながら、全長シルクベースの固体又は半固体組成物等の望ましい配合物を得るために、回収された組換えシルク粉末を溶液中で大規模に水和することの困難さは、重大な課題となっている。
シルクを組み込んだほとんどの化粧品及びスキンケア製品は、小さなアミノ酸鎖へと加水分解されたシルクを使用している。しかしながら、分解されたシルクタンパク質の断片を含むこれらの組成物は、シルクの望ましい特性を喪失する。更に、有害な溶媒の使用は、皮膚への接触を意図したシルク配合物に使用するには望ましくない。
セリシン枯渇カイコシルク(本明細書では「シルクフィブロイン」と称される)を生成する新しい方法により、全長(すなわち、加水分解されていない)シルクタンパク質を組み込むことに成功した様々なスキンケア製品がもたらされたが、シルクの自己凝集特性が、これらの製品の貯蔵安定性に影響を与える可能性がある。具体的には、全長シルクフィブロイン分子は、凝集して溶液中に沈殿する傾向がある。更に、これらのプロセスは拡張可能ではないため、商業的に実行可能ではない。組換えスパイダーシルクポリペプチドは、シルクフィブロインと同様の二次構造及び三次構造を形成するため、化粧品及びスキンケア配合物における使用にも同様に望ましいが、自己凝集による同様の安定性の問題を示す可能性もある。
したがって、有害な溶媒を使用せず、美的価値を向上させ、全長シルクタンパク質の望ましい特性を維持する、長い貯蔵寿命のために組換えスパイダーシルクポリペプチドの安定性増大させる(例えば、原材料の保存)、並びに様々な材料形態のシルク配合物(例えば、化粧品及びスキンケア配合物)の安定性を増大させる、拡張可能な方法が必要とされている。
概要
いくつかの実施形態において、シルクベースの組成物を製造する方法であって、中空コアを含む組換えシルク粒子と溶媒とを混合し(組換えシルク粒子が溶媒の担体として機能する)、それによって組換えシルク粒子をシルクベースの組成物に変換することを含む、方法が本明細書に提供される。
いくつかの実施形態において、組換えシルク粒子は、上記外側シェルに開口部を含む。いくつかの実施形態において、組換えスパイダー粒子は、乾燥粉末の形態である。いくつかの実施形態において、上記組換えシルク粒子と溶媒とを混合すると、中空コアが膨張する。
いくつかの実施形態において、溶媒は、水性溶媒、アルコール、油性溶媒、又はシリコーンを含む。いくつかの実施形態において、溶媒は、水、グリセリン、脱イオン水、オリーブ油、ペンチレングリコール、又はシリコーンである。いくつかの実施形態において、組換えシルク粒子は、溶媒の担体である。
いくつかの実施形態において、組換えスパイダーシルク粒子は、溶媒と混合されると膨潤する。いくつかの実施形態において、外側シェルの直径は、組換えシルク粒子が乾燥しているときは5μm~25μmである。いくつかの実施形態において、外側シェルの直径は、溶媒と混合されると最大120μmまで膨潤する。いくつかの実施形態において、外側シェル厚さは、組換えシルク粒子の直径の20%未満、15%未満、又は10%未満である。
いくつかの実施形態において、組成物は、複数の組換えシルク粒子を含む。いくつかの実施形態において、組換えシルク粒子は、上記溶媒中1%~10%重量/重量の濃度で上記組成物中に存在する。
いくつかの実施形態において、組換えシルク粒子は、組換えスパイダーシルクを含む。いくつかの実施形態において、組換えシルク粒子はポリペプチドを含み、ポリペプチドは配列番号2を含む。いくつかの実施形態において、組換えシルク粒子はポリペプチドを含み、ポリペプチドは、配列番号2の連結反復単位を少なくとも2つ含む。
いくつかの実施形態において、組換えシルク粒子は、少なくとも1重量%の濃度のポリペプチドを含む。
いくつかの実施形態において、組換えシルク粒子は水不溶性である。いくつかの実施形態において、組換えシルク粒子はビーズである。いくつかの実施形態において、粉末は噴霧乾燥される。
いくつかの実施形態において、シルクベースの組成物を製造する方法は、組換えシルクポリペプチドを含む組成物を噴霧乾燥して、上記組換えシルク粒子を含む乾燥粉末を形成することを更に含む。いくつかの実施形態において、シルクベースの組成物を製造する方法は、シルクベースの組成物又は組換えシルク粒子に染料を添加することを更に含む。いくつかの実施形態において、シルクベースの組成物を製造する方法は、シルクベースの組成物又は組換えシルク粒子に界面活性剤又は湿潤剤を添加することを更に含む。
いくつかの実施形態において、シルクベースの組成物は、化粧品又はスキンケア配合物である。いくつかの実施形態において、シルクベースの組成物は、引き締め、弾力性、全体的な皮膚の健康、創傷治癒、及び/又は皮膚の外観を改善する。
いくつかの実施形態において、シルクベースの組成物の皮膚への適用は、酸化ストレスを低減する。いくつかの実施形態において、酸化ストレスは、基礎レベルの酸化ストレス、青色光照射によって引き起こされた酸化ストレス、汚染によって誘発される酸化ストレス、UVAによって誘発される酸化ストレス、及びUVB酸化ストレスからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、シルクベースの組成物の皮膚への適用は、皮膚の表面のテカリを防止する。
また、いくつかの実施形態において、シルクベースの組成物を製造する方法であって、以下の工程:中空コアを含む組換えシルク粒子と溶媒とを混合する工程であって、組換えシルク粒子が溶媒の担体であり、組換えシルク粒子がポリペプチドを含み、ポリペプチドが配列番号2の連結反復単位を少なくとも2つ含み、それによってシルクベースの組成物を形成する、工程を含む、方法も本明細書に提供される。
また、いくつかの実施形態において、シルクベースの固体又はヒドロゲルを製造する方法であって、以下の工程:中空コアを含む組換えシルク粒子と溶媒とを混合する工程であって、組換えシルク粒子が溶媒の担体として機能し、それによってシルクベースの組成物を形成する、工程、シルクベースの組成物を表面に適用する工程、及びシルクベースの固体又はヒドロゲルを形成するためにシルクベースの組成物を乾燥させる工程を含む、方法も本明細書に提供される。
いくつかの実施形態において、表面は、皮膚、毛髪、又は爪を含む。いくつかの実施形態において、上記乾燥させたシルクベースの組成物は、上記表面上にバリアを形成する。いくつかの実施形態において、バリアは実質的に均一である。
いくつかの実施形態において、シルクベースの固体又はヒドロゲルは、ビーズである。いくつかの実施形態において、シルクベースの固体又はヒドロゲルは、フィルムである。いくつかの実施形態において、シルクベースの固体又はヒドロゲルは、化粧品又はスキンケア配合物である。
また、いくつかの実施形態において、シルクベースの配合物を製造する方法であって、以下の工程:シルクタンパク質粉末及び溶媒を含むシルクベースの配合物を提供する工程であって、組換えシルク粉末が、中空コアを含み、かつ溶媒の担体である、工程を含む、方法も本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、組換えシルク粉末は、溶媒の担体である。
いくつかの実施形態において、シルクベースの配合物を製造する方法は、シルクベースの組成物又は組換えシルク粒子に染料を添加する工程を更に含む。いくつかの実施形態において、シルクベースの配合物を製造する方法は、シルクベースの固体又はヒドロゲルを形成するためにシルクベースの配合物を乾燥させる工程を更に含む。
いくつかの実施形態において、シルクベースの配合物を製造する方法は、シルクベースのエマルジョンを形成するためにシルクベースの配合物をエマルジョンに混合する工程を更に含む。いくつかの実施形態において、シルクベースの配合物を製造する方法は、シルクベースの固体又はヒドロゲルを形成するためにシルクベースのエマルジョンを乾燥させる工程を更に含む。
いくつかの実施形態において、シルクベースの配合物を製造する方法は、濃縮されたシルクベースの配合物を形成するために添加剤とシルクベースの固体又はヒドロゲルとを混合する工程を更に含む。いくつかの実施形態において、シルクベースの配合物を製造する方法は、シルクベースの配合物中に凝集したシルクを形成するためにシルクベースの配合物を凝固させる工程を更に含む。
いくつかの実施形態において、シルクベースの配合物は、ゲル相を含む。いくつかの実施形態において、シルクタンパク質粉末は、組換えスパイダーシルクを含む。いくつかの実施形態において、組換えスパイダーシルクは、全長シルクタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、シルクベースの配合物は、スキンケア又は化粧品配合物である。いくつかの実施形態において、アルコールは、グリセロールである。いくつかの実施形態において、油性溶媒は、遊離脂肪酸を含む。いくつかの実施形態において、遊離脂肪酸は、オリーブ油、ブドウ種子油、又はトリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、シルクベースの配合物は、皮膚若しくは水との接触時、又は穏やかな摩擦時に分散する。
また、いくつかの実施形態において、外側シェルと中空コアとを含む組換えシルク粒子を含む組成物も本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、組換えシルク粒子は、溶媒の担体を形成するように適合される。いくつかの実施形態において、組換えシルク粒子は、粉末形態である。いくつかの実施形態において、組換えシルク粒子は、組換えスパイダーシルクを含む。
いくつかの実施形態において、組成物は皮膚を角質除去する。いくつかの実施形態において、組成物は染料を更に含む。
また、いくつかの実施形態において、組換えシルク粒子及び溶媒を含む組成物が本明細書に提供され、組換えシルク粒子は、外側シェル及び中空コアを含む。いくつかの実施形態において、組換えシルク粒子は、溶媒の担体である。
いくつかの実施形態において、組成物は、界面活性剤又は湿潤剤を含む。いくつかの実施形態において、中空コアは、溶媒によって膨張する。いくつかの実施形態において、組成物は、化粧品又はスキンケア配合物である。いくつかの実施形態において、組成物は、皮膚を洗浄する。
また、いくつかの実施形態において、シルクタンパク質粒子溶媒を含むシルク化粧品又はスキンケア製品も本明細書に提供され、シルクタンパク質粒子は、中空コアを含み、かつ溶媒を担持する。
いくつかの実施形態において、シルクタンパク質粒子は水不溶性である。いくつかの実施形態において、シルク化粧品又はスキンケア製品は、固体、ヒドロゲル、又はフィルムである。
また、いくつかの実施形態において、半固体を含む組換えシルク化粧品又はスキンケア製品が本明細書に提供され、半固体は、分散した非凝集組換えシルクタンパク質と溶媒とを含む。
いくつかの実施形態において、半固体は、皮膚との接触時に残留物を除去する。いくつかの実施形態において、半固体はヒドロゲルである。
また、いくつかの実施形態において、中空コアを含む組換えシルク粒子を含む組成物も本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、組換えシルク粒子は角質除去剤である。
また、いくつかの実施形態によれば、中空コアを含む組換えシルク粒子を含む組成物を皮膚に適用する工程を含む、皮膚の外観を改善する方法も本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、組成物は、約1重量%の組換えシルクタンパク質を含む。
いくつかの実施形態において、改善された皮膚の外観は、皮膚のハリ(firmness)/ふっくら感(plumpness)の増加、弾力性の増加、全体的な皮膚の健康の改善、水分補給の増加、創傷治癒の改善、酸化ストレスレベルの低下、汚染によって誘発される酸化ストレスの低減、UVA又はUVBによって誘発される酸化ストレスの低減、並びにそれらの任意の組み合わせを含む群から選択される少なくとも1つの結果を提供する。
いくつかの実施形態において、表面を洗浄する方法であって、フィルム又はビーズを形成するために、中空コアを含む組換えシルク粒子を含む組成物を表面に適用する工程、及び表面からフィルム又はビーズを除去する工程を含む、方法が本明細書に提供される。
また、いくつかの実施形態によれば、シルクベースの組成物を製造する方法であって、組換えシルク粒子を含む乾燥粉末を形成するために、組換えシルクを含む組成物を乾燥させる工程を含む、方法も本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、組換えシルク粒子は、外側シェル及び中空コアを含む。
また、いくつかの実施形態によれば、組換えシルクタンパク質を含む乾燥粉末を含む組成物も本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、乾燥粉末は、中空コアと外側シェルとを含む組換えシルク粒子を含む。いくつかの実施形態において、組換えシルク粒子は、担体として作用するように適合される。
前述、並びに他の目的、特徴、及び利点は、添付の図面に示される、本発明の特定の実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
乾燥状態の18Bポリペプチド配列(配列番号1)を有する無傷の及びひび割れた組換えシルク粉末粒子(「18B粉末」又は「18B」)の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す。 光学及び偏光顕微鏡による、水和状態の中空シェルの形態を示す。 様々な異なる溶媒に再懸濁された18B粉末の光学顕微鏡画像を示す。 乾燥状態の18B粉末1g、及び水溶液に飽和曝露した後の18B粉末1gの画像を示す。 水、酸性繊維染料、及び本発明の様々な実施形態に従って生成された18B粉末の混合物を示す。 最終粉末状態にある、及び皮膚に適用した後の、染色された18B粉末を示す。 クリームエマルジョンに添加された異なる濃度の染色された18B粉末を示す。 染色した18B粉末を4℃で6ヶ月保存した後の染色堅牢度の安定性を示す。 18B粉末溶液を皮膚に適用し、乾燥させ、表皮層の皮膚表面に薄く均一なバリアを形成する模式図を示す。 本発明の様々な実施形態に従って基板に18B粉末溶液を添加する模式図、及び2mg/cmの表面積当たりの質量で基板に適用されたときに、合体して厚さ約1μmの薄いフィルムになる乾燥した1重量%の18B粉末溶液のSEM画像を示す。 溶液の濃度、体積、及び表面積に応じて変化するフィルムの厚さを示す。この画像は、4cmの領域に分注された1重量%溶液の様々な質量差を表している。 染色された2重量%の18B粉末溶液を2mg/cmで適用し、乾燥させる(21℃及び湿度40%の周囲条件で5分間乾燥)前及び後の皮膚の画像を示す。 タンパク質を蛍光標識することにより可視化された18B粉末タンパク質バリアの画像を示す。 18B粉末タンパク質バリアに対する繰り返し摩耗の影響を調査するための実験計画を示す。 素肌(「対照」)と比較した、摩擦なし、100回の摩擦、及び600回摩擦の繰り返し摩耗を受けた18B粉末タンパク質バリアの画像を示す。 ウェットワイプを1回~5回通過させた後の皮膚上の18B粉末タンパク質バリアの画像を示す。 複数回の通過後のウェットワイプの画像を示す。 カーボン粒子に対する18B粉末溶液の影響を調査するための汚染等級試験の結果を示す。 カーボン粒子に対する18B粉末溶液の影響を調査するための汚染等級試験の結果を示す。 対照と比較した、加水分解されたシルク及び18B粉末溶液を使用して、ポリウレタン材料又は人工皮膚上で行われた汚染洗浄の画像を示す。 対照と比較した、1%及び2%の18B粉末溶液を使用して毛髪に対して行われた汚染洗浄の画像、並びに洗浄後に得られたすすぎ水の画像を示す。 黒色アイシャドウの上から皮膚にこすり付けた18B粉末、黒炭、及び米ぬかを含む様々な乾燥物質の画像、並びに水ですすいだ後の画像を示す。 対照及び他の標準的な成分と比較した、皮膚模倣物に対する角質除去剤として使用される18B粉末の顕微鏡画像を示す。 対照及び加水分解されたシルク溶液と比較した、代用皮膚に対する洗浄剤として使用された10重量%の18B粉末溶液を示す。 18B粉末を含まない洗浄剤配合物(図8Eに概説されている成分リスト)と比較した、洗浄剤添加剤として使用される様々な濃度の18B粉末溶液を示す。 本発明の一実施形態による18B粉末洗浄剤の成分リストを示す。 皮膚のハリ及び弾力性に対する2重量%の18B粉末溶液の平均改善率を示す。*t=0週でのベースライン測定値と比較した、t=12週での基礎スキンクリーム中の2重量%の18B粉末のp<0.05。 8週間にわたる、顔中央部のリフトアップ、弾力性、ハリ、及び全体的な皮膚の健康的な外観に対する2重量%の18B粉末溶液の統計的改善のグラフを示す。*=空のビヒクルと比較した2重量%の18B粉末溶液のp<0.05。 対象が2重量%の18B粉末溶液を4週間使用した後の主観的なパネリストアンケートに関する皮膚の結果のグラフを示す。*=空ビヒクルと比較した2重量%の18B粉末溶液のp<0.05。 引っかき傷を作ってから48時間後のケラチノサイト創傷スクラッチモデルの光学顕微鏡画像、並びに100μg/mLの18B粉末を用いて及び用いずに細胞をインキュベートした後の創傷閉鎖のコンピュータ処理による定量を示す。 引っかき傷を作ってから24時間後の線維芽細胞創傷スクラッチモデルの光学顕微鏡画像、並びに様々な濃度の18B粉末(25μg/mL及び50μg/mL)を用いて及び用いずに細胞をインキュベートした後の創傷閉鎖の定量を示す。 様々な濃度の18B粉末(25μg/mL及び50μg/mL)を用いて及び用いずに細胞をインキュベートした後の、遊走する線維芽細胞による創傷領域のパーセント被覆率の定量を、陽性対照と比較して示す。 異なる溶媒に再懸濁された18B粉末の追加の光学顕微鏡画像を示す。 画像分析によって決定された様々な溶媒中の粉末直径の比較を示す。 様々な溶媒中の粉末直径対累積率(%)のグラフによる比較を示す。 サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定される、様々な組換え18Bタンパク質粉末溶液の溶解度の定量を示す。 溶解度結果の表を示す。 4日目及び8日目の時点での、未処理、空のビヒクル、及び5%組換え18Bタンパク質サンプルのエクスビボ組織の組織学的断面を示す。点線は、元の創傷部位の位置(左の点線)及び創傷閉鎖の程度(右の点線)を示す。 4日目及び8日目の時点でのサンプルの平均表皮舌状部長さ(μm)の定量結果を示す。データは、平均±標準偏差としてプロットされる(**=p<0.01、*=p<0.05)。 青色光照射を用いて及び用いずに、8-OHdGが染色された未処理、空のビヒクル、及び2%組換え18Bタンパク質サンプルのエクスビボ組織の組織学的断面を示す。 平均8-OHdG染色表面%±標準偏差としてプロットした(**=p<0.01)、青色光照射を用いた及び用いない組織学的結果の定量を示す。 汚染への曝露を伴う及び伴わない、Nrf2が染色された、未処理、空のビヒクル、及び2%組換え18Bタンパク質サンプルのエクスビボ組織の組織学的断面を示す。 汚染への曝露を伴う及び伴わない、Nrf2発現の定量結果を示す。データは、平均標準±偏差としてプロットされる(**=p<0.01)。 IL-1αが染色された、汚染への曝露を伴う及び伴わない、未処理、空のビヒクル、及び2%組換え18Bタンパク質サンプルのエクスビボ組織の組織学的断面を示す。 汚染への曝露を伴う及び伴わない、IL-1α発現の定量結果を示す。データは、平均±標準偏差としてプロットされる(**=p<0.01)。 UVBへの曝露を伴う及び伴わない、細胞生存率を視覚化するためにマッソントリクロームで染色された、未処理、空のビヒクル、及び5%組換え18Bタンパク質サンプルのエクスビボ組織の組織学的断面を示す。 UVBに曝露されて日焼けした細胞の総数を定量した結果である。データは、平均±標準偏差としてプロットされる(*=p<0.05)。 UVBへの曝露を伴う及び伴わない、チミン二量体を染色した未処理、空のビヒクル、及び5%組換え18Bタンパク質サンプルのエクスビボ組織の組織学的断面を示す。 UVB照射によるチミン二量体発現の定量結果。データは、平均±標準偏差としてプロットされる(**=p<0.01)。 UVAへの曝露を伴う及び伴わない、Nrf2が染色された、未処理、空のビヒクル、及び5%組換え18Bタンパク質サンプルのエクスビボ組織の組織学的断面を示す。 UVA照射によるNrf2発現の定量結果を示す。データは、平均±標準偏差としてプロットされる(数=p<0.1)。 空のビヒクルと比較した場合の、18B粉末の皮膚へのテカリ防止効果を示す。
詳細な説明
本発明の様々な実施形態の詳細は、下記説明に記載されている。本発明の他の特徴、目的及び利点は、説明から明らかになるであろう。本明細書で別段の定義がない限り、本発明に関連して使用される科学的及び技術的用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。更に、文脈に別段の必要性がない限り、単数形の用語には複数形が含まれるものとし、複数形の用語には単数形が含まれるものとする。「1つの(a)」及び「1つの(an)」という用語には、文脈上別段の指示がない限り、複数の指示対象が含まれる。一般に、本明細書に記載される生化学、酵素学、分子及び細胞生物学、微生物学、遺伝学、並びにタンパク質及び核酸化学、並びにハイブリダイゼーションとの関連で使用される専門用語及びそれらの技術は、当該技術分野で周知であり、一般的に使用されるものである。
定義
別段の指示がない限り、以下の用語は以下の意味を持つものと理解されるべきである。
シルクタンパク質に関して本明細書で使用される「安定性」という用語は、シルクタンパク質の自己凝集によるゲル化、変色、又は濁りを形成しない製品の能力を指す。例えば、米国特許公開第2015/0079012号(Wray et al.)は、全長シルクフィブロインを含むスキンケア製品の貯蔵安定性を高めるための、グリセロールを含む湿潤剤の使用を対象としている。米国特許公開第9,187,538号は、最大10日間貯蔵安定性である全長シルクフィブロインを含むスキンケア配合物を対象としている。これらの刊行物は両方とも、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
「ポリヌクレオチド」又は「核酸分子」という用語は、長さが少なくとも10塩基のヌクレオチドのポリマー形態を指す。この用語には、DNA分子(例えば、cDNA又はゲノム若しくは合成DNA)及びRNA分子(例えば、mRNA又は合成RNA)、並びに非天然ヌクレオチド類似体、非天然ヌクレオシド間結合、又は両方を含有するDNA又はRNAの類似体が含まれる。核酸は、任意のトポロジー的立体配座であり得る。例えば、核酸は、一本鎖、二本鎖、三本鎖、四重鎖、部分的に二本鎖、分岐状、ヘアピン状、環状、又は南京錠の立体配座であり得る。
別段の指示がない限り、一般的なフォーマット「配列番号」の下で本明細書に記載される全ての配列についての一例として、「配列番号1を含む核酸」とは、その少なくとも一部分に、(i)配列番号1の配列、又は(ii)配列番号1に相補的な配列のいずれかを有する、核酸を指す。2つの間の選択は、文脈により決定される。例えば、核酸がプローブとして使用される場合、2つの間の選択は、プローブが所望の標的に相補的であるという要件によって決定される。
「単離された」RNA、DNA又は混合ポリマーとは、その天然の宿主細胞において、天然のポリヌクレオチドに天然に付随している他の細胞成分、例えば、天然に関連しているリボソーム、ポリメラーゼ、及びゲノム配列から実質的に分離されているものである。
「単離された」有機分子(例えば、シルクタンパク質)とは、それが由来する宿主細胞の細胞成分(膜脂質、染色体、タンパク質)から、又は宿主細胞が培養されていた培地から実質的に分離されているものである。この用語は、生体分子が、他の全ての化学物質から分離されていることを必要としないが、ある特定の単離された生体分子は、ほぼ均一に精製され得る。
「組換え」という用語は、生体分子、例えば、遺伝子又はタンパク質であって、(1)その天然に存在する環境から除かれているもの、(2)自然界ではその遺伝子が見られるポリヌクレオチドの全部若しくは一部分に会合していないもの、(3)自然界では連結していないポリヌクレオチドに作動可能に連結されているもの、又は(4)自然界では生じないものを指す。「組換え」という用語は、クローン化DNA単離物、化学的に合成されたポリヌクレオチド類似体、又は異種系によって生物学的に合成されたポリヌクレオチド類似体、並びにそのような核酸によってコードされるタンパク質及び/若しくはmRNAに関して使用され得る。
生物のゲノム中の内在性核酸配列(又はその配列のコードされたタンパク質産物)は、この内在性核酸配列の発現が変化するように、内在性核酸配列に隣接して異種配列が置かれている場合、本明細書では「組換え」とみなされる。この文脈において、異種配列は、その異種配列がそれ自体内在性(同じ宿主細胞又はその子孫に由来する)、又は外因性(異なる宿主細胞又はその子孫に由来する)であるかどうかにかかわらず、天然では内在性核酸配列に隣接していない配列である。例として、プロモーター配列は、宿主細胞のゲノム中の遺伝子の天然プロモーターを(例えば、相同組換えによって)置換して、この遺伝子が変化した発現パターンを有するようにすることができる。ここで、この遺伝子は、それに天然に隣接している配列のうちの少なくともいくつかから分離されているため、「組換え」となるであろう。
核酸もまた、それが、ゲノム中の対応する核酸に対する、天然では生じない任意の改変を含有する場合に「組換え」とみなされる。例えば、内在性コード配列は、それが人為的に、例えば、ヒトの介入によって導入された挿入、欠失又は点変異を含有する場合に「組換え」とみなされる。「組換え核酸」には、異種部位で宿主細胞染色体内に組み込まれた核酸、及びエピソームとして存在する核酸構築物も含まれる。
本明細書で使用される「ペプチド」という用語は、短いポリペプチド、例えば、典型的には約50アミノ酸長未満、より典型的には約30アミノ酸長未満のものを指す。本明細書で使用される用語は、類似体、及び構造機能を模倣し、したがって生物学的機能を模倣する模倣物を包含する。
「ポリペプチド」という用語は、天然及び非天然の両方のタンパク質、並びにその断片、変異体、誘導体、及び類似体を包含する。ポリペプチドは、モノマーであってもポリマーであってもよい。更に、ポリペプチドは、その各々が1つ以上の別個の活性を有する多数の異なるドメインを含んでよい。
「単離されたタンパク質」又は「単離されたポリペプチド」という用語は、その起源又は誘導体源という点で、(1)その天然の状態ではそれに付随する天然での会合成分と会合していないか、(2)自然界では見られない純度で存在し、その場合、純度は、他の細胞物質の存在に関して判定可能であるか(例えば、同じ種からの他のタンパク質を含まない)、(3)異なる種からの細胞によって発現するか、又は(4)自然界では生じない(例えば、それは自然界に見られるポリペプチドの断片であるか、あるいはそれは自然界では見られないアミノ酸類似体若しくは誘導体、又は標準ペプチド結合以外の連結が含まれる)、タンパク質又はポリペプチドである。したがって、化学的に合成されるか、又はそれが天然での起源となる細胞とは異なる細胞系で合成されるポリペプチドは、その天然での会合成分から「単離されている」。ポリペプチド又はタンパク質は、当該技術分野で周知のタンパク質精製技術を使用して単離することにより、天然での会合成分を実質的に含まないようにしてもよい。このように定義した場合、「単離された」とは、そのように記載されたタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、又はオリゴペプチドが、その天然の環境から物理的に除かれていることを必ずしも必要としない。
「ポリペプチド断片」という用語は、全長ポリペプチドと比較して、欠失、例えば、アミノ末端及び/又はカルボキシ末端の欠失を有するポリペプチドを指す。好ましい実施形態において、ポリペプチド断片は、その断片のアミノ酸配列が天然に存在する配列での対応する位置と同一な連続配列である。断片は、典型的には、少なくとも5、6、7、8、9又は10アミノ酸長、好ましくは少なくとも12、14、16又は18アミノ酸長、より好ましくは少なくとも20アミノ酸長、より好ましくは少なくとも25、30、35、40又は45アミノ酸、更により好ましくは少なくとも50又は60アミノ酸長、更により好ましくは少なくとも70アミノ酸長である。
タンパク質をコードする核酸配列が、第2のタンパク質をコードする核酸配列と同様の配列を有する場合、タンパク質は第2のタンパク質に対して「相同性」を有するか、又は「相同」である。あるいは、2つのタンパク質が「同様の」アミノ酸配列を有する場合、タンパク質は第2のタンパク質に対する相同性を有する。(したがって、「相同タンパク質」という用語は、2つのタンパク質が同様のアミノ酸配列を有することを意味するように定義される。)本明細書で使用される場合、2つのアミノ酸配列の領域間の相同性(特に、予測される構造類似性に関して)は、機能における類似性を意味すると解釈される。
タンパク質又はペプチドに関して「相同」が使用される場合、同一ではない残基位置は、保存的アミノ酸置換によってしばしば異なることが認識される。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が同様の化学的特性(例えば、電荷又は疎水性)を有する側鎖(R基)を有する別のアミノ酸残基によって置換されているものである。一般に、保存的アミノ酸置換は、タンパク質の機能特性を実質的に変化させない。2つ以上のアミノ酸配列が保存的置換によって互いに異なる場合、パーセント配列同一性又は相同性の程度を上方に調整して、置換の保存的性質について補正してよい。この調整を行うための手段は、当業者には周知である。例えば、Pearson,1994,Methods Mol.Biol.24:307-31及び25:365-89(参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと。
20種の従来のアミノ酸及びそれらの略語は、従来の使用法に従う。参照により本明細書に組み込まれる、Immunology-A Synthesis(Golub and Gren eds.,Sinauer Associates,Sunderland,Mass.,2nd ed.1991)を参照のこと。20種の従来のアミノ酸の立体異性体(例えば、D-アミノ酸)、非天然型アミノ酸、例えば、α-,α-二置換アミノ酸、N-アルキルアミノ酸など、及び他の非従来型アミノ酸も本発明のポリペプチドのために好適な成分であり得る。非従来型アミノ酸の例として、4-ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタミン酸、ε-N,N,N-トリメチルリジン、ε-N-アセチルリジン、O-ホスホセリン、N-アセチルセリン、N-ホルミルメチオニン、3-メチルヒスチジン、5-ヒドロキシリジン、N-メチルアルギニン、並びに他の同様のアミノ酸及びイミノ酸(例えば、4-ヒドロキシプロリン)が挙げられる。本明細書で使用されるポリペプチド表記法では、標準的な用法及び慣例に従って、左側末端はアミノ末端に対応し、右側末端はカルボキシ末端に対応する。
以下の6つの群は各々、互いに保存的置換であるアミノ酸を含有する:1)セリン(S)、スレオニン(T);2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);4)アルギニン(R)、リジン(K);5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アラニン(A)、バリン(V)、及び6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)。
パーセント配列同一性と呼ばれることもあるポリペプチドの配列相同性は、典型的には、配列分析ソフトウェアを使用して測定される。例えば、Sequence Analysis Software Package of the Genetics Computer Group(GCG)、University of Wisconsin Biotechnology Center、910 University Avenue,Madison,Wis.53705を参照のこと。タンパク質分析ソフトウェアは、保存的アミノ酸置換を含む、様々な置換、欠失、及び他の改変に割り当てられた相同性の尺度を使用して、同様の配列を一致させる。例えば、GCGには、「Gap」及び「Bestfit」などのプログラムが含有されており、これらをデフォルトのパラメータにより使用して、密接に関連するポリペプチド間、例えば、生物の異なる種からの相同ポリペプチド間など、又は野生型タンパク質とその変異タンパク質との間の、配列相同性又は配列同一性を決定することができる。例えば、GCGバージョン6.1を参照のこと。
特定のポリペプチド配列を、異なる生物からの多数の配列を含むデータベースと比較する際に有用なアルゴリズムは、コンピュータプログラムBLASTであり(Altschul et al.,J.Mol.Biol.215:403-410(1990);Gish and States,Nature Genet.3:266-272(1993);Madden et al.,Meth.Enzymol.266:131-141(1996);Altschul et al.,Nucleic Acids Res.25:3389-3402(1997);Zhang and Madden,Genome Res.7:649-656(1997))、特にblastp又はtblastnである(Altschul et al.,Nucleic Acids Res.25:3389-3402(1997))。
BLASTpの推奨パラメータは以下の通りである:期待値:10(デフォルト)、フィルタ:seg(デフォルト)、ギャップを開くためのコスト:11(デフォルト)、ギャップを拡張するためのコスト:1(デフォルト)、最大アライメント:100(デフォルト)、ワードサイズ:11(デフォルト);説明の数:100(デフォルト)、ペナルティマトリックス:BLOWSUM62。
BLASTpの推奨パラメータは以下の通りである:期待値:10(デフォルト)、フィルタ:seg(デフォルト)、ギャップを開くためのコスト:11(デフォルト)、ギャップを拡張するためのコスト:1(デフォルト)、最大アライメント:100(デフォルト)、ワードサイズ:11(デフォルト)、説明の数:100(デフォルト)、ペナルティマトリックス:BLOWSUM62。相同性について比較するポリペプチド配列の長さは一般に、少なくとも約16アミノ酸残基、通常は少なくとも約20残基、より通常は少なくとも約24残基、典型的には少なくとも約28残基、好ましくは約35残基を超える。多数の異なる生物からの配列を含有するデータベースを検索する場合、アミノ酸配列を比較することが好ましい。アミノ酸配列を使用するデータベース検索は、当該技術分野で既知のblastp以外のアルゴリズムによって測定することができる。例えば、ポリペプチド配列は、GCGバージョン6.1のプログラムであるFASTAを使用して比較することができる。FASTAは、クエリー配列及び検索配列の間の最良の重複領域のアラインメント及びパーセント配列同一性を提供する。Pearson,Methods Enzymol.183:63-98(1990)(参照により本明細書に組み込まれる)。例えば、アミノ酸配列間のパーセント配列同一性は、参照により本明細書に組み込まれるGCGバージョン6.1で提供されるFASTAをそのデフォルトパラメータにて使用して決定することができる(2のワードサイズ、及びPAM250のスコアリングマトリックス)。
本明細書及び以下の特許請求の範囲全体を通して、「含む(comprise)」という単語、又は「含む(comprises)」若しくは「含む(comprising)」などの変形は、記述されている整数又は整数群を含むが、他の任意の整数又は整数群を除外しないことを意味すると理解される。
本明細書で使用される「ガラス転移」という用語は、物質又は組成物の硬い、堅い、又は「ガラス状」状態から、より柔軟な「ゴム状」又は「粘性」状態への転移を指す。
本明細書で使用される「ガラス転移温度」という用語は、物質又は組成物が、ガラス転移を受ける温度を指す。
本明細書で使用される「溶融転移」という用語は、物質又は組成物のゴム状の状態から、規則性の低い液相への転移を指す。
本明細書で使用される「溶融温度」という用語は、物質が溶融転移を受ける温度範囲を指す。
本明細書で使用される「可塑剤」という用語は、ポリペプチド配列と相互作用して、ポリペプチド配列が三次構造及び結合を形成することを防止し、並びに/又はポリペプチド配列の移動度を増加させる任意の分子を指す。
本明細書で使用される「粉末」という用語は、顆粒形態で存在する組成物を指し、水又はセラム等の溶媒と複合体形成又は凝集していてもしていなくてもよい。「乾燥粉末」という用語は、「粉末」という用語と互換的に使用され得るが、本明細書で使用される「乾燥粉末」は、単に造粒された材料の全体的な外観を指し、別段の指示がない限り、材料が複合体形成又は凝集した溶媒を完全に含まないことを意図するものではない。乾燥粉末は、噴霧乾燥、凍結乾燥によって、及び/又は当該技術分野で既知の方法に従って生成することができる。
「担体」という用語は、表面の水和、表面の洗浄、表面の防御、表面の解毒、表面の角質除去、表面の改善、着色、並びに/あるいは、皮膚、毛髪、又は爪等の表面への水、グリセリン、アルコール、シロキサン、油、湿潤剤、皮膚軟化剤、閉塞剤、活性剤、及び/若しくは化粧品補助剤を含むがこれらに限定されない様々な添加剤又は溶媒の送達に使用される組換えタンパク質を指す。本明細書で使用される担体は、外側シェル及び中空コア、例えば18Bタンパク質を含む。
本明細書で使用される「化粧品」という用語は、メイクアップ、ファンデーション、スキンケア、ヘアケア、及びネイルケア製品が含まれる。
本明細書で使用される「メイクアップ」という用語は、ファンデーションを含む顔に黒及び茶の色を残す製品、すなわち、マスカラ、コンシーラー、アイライナー、アイブローカラー、アイシャドウ、ブラッシャー、リップカラー、粉末、固形エマルジョンコンパクト等を指す。
本明細書で使用される「ファンデーション」という用語は、皮膚の全体的な色を均一にするために化粧品会社によって作り出されるか又は再導入される液体、クリーム、ムース、パンケーキ、コンパクト、コンシーラー等の製品を指す。
本明細書で使用される「スキンケア製品」という用語は、皮膚の処理をする若しくは手入れをするために、又は何らかの形で保湿する、改善する、若しくは清潔にするために使用されるものを指す。「スキンケア製品」という語句によって想定される製品には、クリーム、ミスト、セラム、クレンジングジェル、アンプル、接着剤、パッチ、包帯、歯磨き粉、無水閉塞性保湿剤、制汗剤、脱臭剤、パーソナルクレンジング製品、粉末洗濯洗剤、柔軟仕上げタオル、閉塞性薬物送達パッチ、マニキュア液、粉末、ティッシュ、ワイプ、無水ヘアコンディショナー、シェービングクリーム等が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「たるみ」という用語は、真皮エラスチン、筋肉及び/又は皮下脂肪の喪失、損傷、変質、及び/又は異常の結果として生じる皮膚の弛緩、緩み等の状態を意味する。
本明細書で使用される「処理する」又は「処理」という用語は、状態(例えば、皮膚状態)の処理(例えば、症状の軽減若しくは排除及び/又は治癒)及び/又は予防若しくは抑制、あるいは症状の緩和を指す。
例示的な方法及び材料を以下に記載するが、本明細書に記載のものと同様又は同等の方法及び材料も本発明の実行に使用することができ、当業者には明らかとなるであろう。本明細書で言及される全ての刊行物及び他の参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。矛盾がある場合、本明細書が、定義を含め、優先される。材料、方法、及び例は、単なる例示であり、限定することを意図するものではない。
組換えシルクタンパク質
本開示は、合成タンパク質性コポリマー(すなわち、組換えポリペプチド)から合成された繊維を含む本発明の実施形態を記載する。好適なタンパク質性コポリマーは、2016年8月45日に公開された米国特許公開第2016/0222174号、2018年4月26日に公開された米国特許公開第2018/0111970号、及び2018年3月1日に公開された米国特許公開第2018/0057548号に論じられており、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態において、合成タンパク質性コポリマーは、シルク様ポリペプチド配列から作製される。いくつかの実施形態において、シルク様ポリペプチド配列は、1)シルクポリペプチド配列に由来する反復ドメインを混合及び一致させることによって生成されるブロックコポリマーポリペプチド組成物、並びに/又は2)工業的に拡張可能な微生物からの分泌によって、有用な成形体組成物を形成するのに十分に大きなサイズ(およそ40kDa)を有するブロックコポリマーポリペプチドの組換え発現である。ほぼ全ての公開されているシルクポリペプチドのアミノ酸配列からの配列を含む、シルクの反復ドメイン断片から遺伝子操作された大きな(およそ40kDa~およそ100kDa)ブロックコポリマーポリペプチドは、本明細書に記載される改変微生物で発現させることができる。いくつかの実施形態において、シルクポリペプチド配列は、成形体形成が可能な、高度に発現及び分泌されるポリペプチドを産生するように一致させ、設計される。
いくつかの実施形態において、ブロックコポリマーは、シルクポリペプチド配列空間にわたるシルクポリペプチドドメインの組み合わせ混合から遺伝子操作される。いくつかの実施形態において、ブロックコポリマーは、拡張可能な生物(例えば、酵母、真菌、及びグラム陽性菌)で発現及び分泌させることによって作製される。いくつかの実施形態において、ブロックコポリマーポリペプチドは、0以上のN末端ドメイン(NTD)、1つ以上の反復ドメイン(REP)、及び0以上のC末端ドメイン(CTD)を含む。実施形態のいくつかの態様では、ブロックコポリマーポリペプチドは、100個超のアミノ酸の単一ポリペプチド鎖である。いくつかの実施形態において、ブロックコポリマーポリペプチドは、その全体が参照により組み込まれる、国際公開第WO/2015/042164号、「Methods and Compositions for Synthesizing Improved Silk Fibers」に開示されているブロックコポリマーポリペプチドの配列と、少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるドメインを含む。
いくつかのタイプの天然スパイダーシルクが、同定されている。天然に紡がれたシルクの各タイプの機械的特性は、そのシルクの分子組成と密接に関連していると考えられている。例えば、Garb,J.E.,et al.,Untangling spider silk evolution with spidroin terminal domains,BMC Evol.Biol.,10:243(2010);Bittencourt,D.,et al.,Protein families,natural history and biotechnological aspects of spider silk,Genet.Mol.Res.,11:3(2012);Rising,A.,et al.,Spider silk proteins:recent advances in recombinant production,structure-function relationships and biomedical applications,Cell.Mol.Life Sci.,68:2,pg.169-184(2011);及びHumenik,M.,et al.,Spider silk:understanding the structure-function relationship of a natural fiber,Prog.Mol.Biol.Transl.Sci.,103,pg.131-85(2011)を参照のこと。例えば以下である。
房状(AcSp)シルクは、適度に高い強度と適度に高い伸張性とが組み合わされた結果、高い靭性を有する傾向がある。AcSpシルクは、多くの場合、ポリセリン及びGPXのモチーフを組み込む大きなブロック(「アンサンブル反復」)のサイズによって特徴付けられる。小管状(TuSp又は円筒状)シルクは、適度な強度及び高い伸張性を有する、大きな直径を有する傾向がある。TuSpシルクは、それらのポリセリン及びポリスレオニンの含有量、並びにポリアラニンの短い管(short tract)によって特徴付けられる。大瓶状(MaSp)シルクは、高い強度及び適度な伸張性を有する傾向がある。MaSpシルクは、MaSp1及びMaSp2の2つのサブタイプのうちの1つであり得る。MaSp1シルクは、一般に、MaSp2シルクよりも伸張性が低く、ポリアラニン、GX、及びGGXモチーフによって特徴付けられる。MaSp2シルクは、ポリアラニン、GGX、及びGPXモチーフによって特徴付けられる。小瓶状(MiSp)シルクは、適度な強度及び適度な伸張性を有する傾向がある。MiSpシルクは、GGX、GA、及びポリAモチーフによって特徴付けられ、多くの場合、およそ100のアミノ酸のスペーサーエレメントを含有する。鞭毛状(Flag)シルクは、非常に高い伸張性及び適度な強度を有する傾向がある。Flagシルクは通常、GPG、GGX、及び短いスペーサーモチーフによって特徴付けられる。
各シルクタイプの特性は、種ごとに異なり得、異なる生活様式を送るクモ形類動物(例えば、定住性のシロアリモドキと放浪性のサシガメ)又は進化的により古いものは、上記の記載とは特性が異なるシルクを産生し得る(クモ形類動物の多様性及び分類の説明については、Hormiga,G.,and Griswold,C.E.,Systematics,phylogeny,and evolution of orb-weaving spiders,Annu.Rev.Entomol.59,pg.487-512(2014);及びBlackedge,T.A.et al.,Reconstructing web evolution and spider diversification in the molecular era,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,106:13,pg.5229-5234(2009)を参照のこと)。しかしながら、天然シルクタンパク質の反復ドメインに対する配列類似性、及び/又はアミノ酸組成類似性を有する合成ブロックコポリマーポリペプチドは、天然シルクポリペプチドから作製された対応する成形体の特性を再現する特性を有する、一貫した成形体を商業規模で製造するために使用することができる。
いくつかの実施形態において、推定シルク配列のリストは、関連用語、例えば、「スピドロイン」「フィブロイン」「MaSp」についてGenBankを検索することによって編集することができ、それらの配列は、独立した配列決定努力によって得られた付加的な配列とともにプールすることができる。次いで、配列をアミノ酸へと翻訳し、重複エントリーについてフィルタリングし、手動でドメイン(NTD、REP、CTD)へと分割する。いくつかの実施形態において、候補アミノ酸配列を、ピキア(コマガタエラ)パストリス(Pichia (Komagataella)pastoris)における発現のために最適化されたDNA配列へと逆翻訳する。DNA配列を発現ベクターへと各々クローニングし、ピキア(コマガタエラ)パストリスへと形質転換する。いくつかの実施形態において、成功した発現及び分泌を示す様々なシルクドメインを、続いて、組み合わせ様式でアセンブルし、成形体形成が可能なシルク分子を構築する。
シルクポリペプチドは、非反復領域(例えば、C末端及びN末端ドメイン)が隣接する反復ドメイン(REP)から特徴的に構成される。一実施形態において、C末端ドメインとN末端ドメインとの両方が、75~350アミノ酸長である。反復ドメインは、図1において示されるように、階層的構造を示す。反復ドメインは、一連のブロック(反復単位とも呼ばれる)を含む。ブロックは、シルクの反復ドメイン全体にわたり、時には完全に、かつ時には不完全に(準反復ドメインを構成する)反復される。ブロックの長さ及び組成は、異なるシルクタイプ間で、及び異なる種にわたり変化する。表1Aは、選択された種及びシルクタイプからのブロック配列の例を列挙し、更なる例は、Rising,A.et al.,Spider silk proteins:recent advances in recombinant production,structure-function relationships and biomedical applications,Cell Mol.Life Sci.,68:2,pg 169-184(2011);及びGatesy,J.et al.,Extreme diversity,conservation,and convergence of spider silk fibroin sequences,Science,291:5513,pg.2603-2605(2001)に示される。場合によっては、ブロックは、規則的なパターンで配置され、シルク配列の反復ドメインにおいて複数回(通常2~8回)出現する、より大きなマクロ反復が形成され得る。反復ドメイン又はマクロ反復の内部の反復したブロック、及び反復ドメイン内の反復したマクロ反復は、スペーシングエレメントによって分離されていてもよい。いくつかの実施形態において、ブロック配列は、グリシンリッチ領域、続いてポリA領域を含む。いくつかの実施形態において、短い(約1~10)アミノ酸モチーフは、ブロックの内部に複数回出現する。本発明の目的のために、異なる天然シルクポリペプチドからのブロックは、円順列を参照せずに選択することができる(すなわち、別様にシルクポリペプチド間で同様の同定されたブロックは、円順列のために整列しなくてもよい)。したがって、例えば、SGAGG(配列番号494)の「ブロック」は、本発明の目的のために、GSGAG(配列番号495)と同じであり、またGGSGA(配列番号496)と同じであり、それらは全て、まさに互いの円順列である。所定のシルク配列について選択される特定の順列は、他の何よりも利便性によって決定され得る(通常Gにより始まる)。NCBIデータベースから得られたシルク配列は、ブロック及び非反復領域へ区分化され得る。
(表1A)ブロック配列のサンプル
Figure 2023535404000003
Figure 2023535404000005
本発明のある特定の実施形態による、ブロック及び/又はマクロ反復ドメインからの繊維形成ブロックコポリマーポリペプチドは、参照により組み込まれる国際公開第WO/2015/042164号に記載されている。GenBankなどのタンパク質データベースから、又はデノボ配列決定によって得られた天然シルク配列は、ドメイン(N末端ドメイン、反復ドメイン、及びC末端ドメイン)によって破壊される。繊維又は成形体への合成及びアセンブリの目的で選択されたN末端ドメイン及びC末端ドメイン配列には、天然アミノ酸配列情報、及び本明細書に記載の他の改変が含まれる。反復ドメインは、シルクのタイプに依存して通常1~8個、代表的なブロックを含有する反復配列へ分解され、これは、重要なアミノ酸情報を獲得し、一方、アミノ酸をコードするDNAのサイズを、容易に合成可能な断片へ縮小させる。いくつかの実施形態において、適切に形成されたブロックコポリマーポリペプチドは、少なくとも1つの反復配列を含む少なくとも1つの反復ドメインを含み、任意選択的に、N末端ドメイン及び/又はC末端ドメインに隣接する。
いくつかの実施形態において、反復ドメインは、少なくとも1つの反復配列を含む。いくつかの実施形態において、反復配列は、150~300のアミノ酸残基である。いくつかの実施形態において、反復配列は、複数のブロックを含む。いくつかの実施形態において、反復配列は、複数のマクロ反復を含む。いくつかの実施形態において、ブロック又はマクロ反復は、複数の反復配列にわたって分割される。
いくつかの実施形態において、反復配列は、DNAアセンブリ要件を満たすために、グリシンにより始まり、かつフェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)、システイン(C)、ヒスチジン(H)、アスパラギン(N)、メチオニン(M)、又はアスパラギン酸(D)により終わることはできない。いくつかの実施形態において、反復配列のうちのいくつかは、天然配列と比較して変更され得る。いくつかの実施形態において、反復配列は、ポリペプチドのC末端に対するセリンの付加などにより変更され得る(F、Y、W、C、H、N、M、又はDでの終止を回避するため)。いくつかの実施形態において、反復配列は、別のブロックからの相同配列により不完全なブロックを埋めることによって改変され得る。いくつかの実施形態において、反復配列は、ブロック又はマクロ反復の順序を再配置することによって改変され得る。
いくつかの実施形態において、非反復N末端ドメイン及びC末端ドメインは、合成のために選択され得る。いくつかの実施形態において、N末端ドメインは、例えば、SignalP(Peterson,T.N.,et.Al.,SignalP 4.0:discriminating signal peptides from transmembrane regions,Nat.Methods,8:10,pg.785-786(2011)によって同定されるような、リーディングシグナル配列の除去によるものであり得る。
いくつかの実施形態において、N末端ドメイン、反復配列、又はC末端ドメイン配列は、アゲレノプシス・アペルタ(Agelenopsis aperta)、アリアツプス・グロスス(Aliatypus gulosus)、アフェノペルマ・セエマニイ(Aphonopelma seemanni)、アプトスティチュス(Aptostichus)種AS217、アプトスティチュス種AS220、アラネウス・ディアデマツス(Araneus diadematus)、アラネウス・ゲンモイデス(Araneus gemmoides)、アラネウス・ベントリコスス(Araneus ventricosus)、アルギオペ・アモエナ(Argiope amoena)、アルギオペ・アルゲンタタ(Argiope argentata)、アルギオペ・ブルエンニチ(Argiope bruennichi)、アルギオペ・トリファシアタ(Argiope trifasciata)、アチポイデス・リベルシ(Atypoides riversi)、アビクラリア・ジュルエンシス(Avicularia juruensis)、ボスリオシルタム・カリフォルニカム(Bothriocyrtum californicum)、デイノピス・スピノサ(Deinopis Spinosa)、ジグエチア・カニティエス(Diguetia canities)、ドロメデス・テネブロスス(Dolomedes tenebrosus)、エウアグルス・チソセウス(Euagrus chisoseus)、エウプロセノプス・アウストラリス(Euprosthenops australis)、ガステラカンタ・マンモサ(Gasteracantha mammosa)、ヒポチルス・ソレリ(Hypochilus thorelli)、ククルカニア・ヒベルナリス(Kukulcania hibernalis)、ラトロデクタス・ヘスペルス(Latrodectus hesperus)、メガヘクスラ・フルバ(Megahexura fulva)、メテペイラ・グランジオサ(Metepeira grandiosa)、ネフィラ・アンチポジアナ(Nephila antipodiana)、ネフィラ・クラバタ(Nephila clavata)、ネフィラ・クラビペス(Nephila clavipes)、ネフィラ・マダガスカリエンシス(Nephila madagascariensis)、ネフィラ・ピリペス(Nephila pilipes)、ネフィレンジス・クルエンタタ(Nephilengys cruentata)、パラウィキシア・ビストリアタ(Parawixia bistriata)、ペウセチア・ビリダンス(Peucetia viridans)、プレクトレウリス・トリスティス(Plectreurys tristis)、ポエシロセリア・レガリス(Poecilotheria regalis)、テトラグナタ・カウアイエンシス(Tetragnatha kauaiensis)、又はウロボルス・ディベルスス(Uloborus diversus)に由来し得る。
いくつかの実施形態において、シルクポリペプチドヌクレオチドコード配列は、アルファ接合因子ヌクレオチドコード配列に作動可能に連結され得る。いくつかの実施形態において、シルクポリペプチドヌクレオチドコード配列は、別の内在性又は異種の分泌シグナルコード配列に作動可能に連結され得る。いくつかの実施形態において、シルクポリペプチドヌクレオチドコード配列は、3X FLAGヌクレオチドコード配列に作動可能に連結され得る。いくつかの実施形態において、シルクポリペプチドヌクレオチドコード配列は、6~8個のHis残基等の他のアフィニティータグに作動可能に連結される。
いくつかの実施形態において、組換えシルクポリペプチドは、アルギオペ・ブルエンニチ種等のMaSp2に由来する組換えスパイダーシルクタンパク質断片配列に基づいている。いくつかの実施形態において、合成された繊維は、2~20個の反復単位を含むタンパク質分子を含有し、各反復単位の分子量は、約20kDa超である。コポリマーの各反復単位内には、約60超のアミノ酸残基があり、多くの場合、多数の「準反復単位」に組織化されている60~100個の範囲のアミノ酸である。いくつかの実施形態において、本開示に記載されるポリペプチドの反復単位は、MaSp2ドラッグラインシルクタンパク質配列に対して、少なくとも95%の配列同一性を有する。
良好な機械的特性を有する繊維を形成するタンパク質性ブロックコポリマーの反復単位は、シルクポリペプチドの一部分を使用して合成され得る。これらのポリペプチド反復単位は、アラニンリッチ領域及びグリシンリッチ領域を含有し、長さが150アミノ酸以上である。本開示のタンパク質性ブロックコポリマーにおいて反復として使用され得るいくつかの例示的な配列は、その全体が参照により組み込まれる、共同所有のPCT公開第WO2015/042164号に提供されており、ピキア発現システムを使用して発現することを示していた。
いくつかの実施形態において、シルクタンパク質は、反復単位(反復単位は150超のアミノ酸残基、及び少なくとも10kDaの分子量を有する);少なくとも80%のアラニン含有量を含む、6つ以上の連続するアミノ酸を有するアラニンリッチ領域;少なくとも40%のグリシン含有量及び30%未満のアラニン含有量を含む、12個以上の連続するアミノ酸を有するグリシンリッチ領域、のうちの少なくとも2つの出現を含み、繊維は、550cN/tex超の弾性係数、少なくとも10%の伸張性、及び少なくとも15cN/texの最終引張強度からなる群から選択される少なくとも1つの特性を含む。
いくつかの実施形態において、組換えシルクタンパク質は、反復単位を含み、各反復単位は、2~20個の準反復単位を含む配列に対して、少なくとも95%の配列同一性を有し;各準反復単位は、{GGY-[GPG-Xn1-GPS-(A)n2}を含み、式中、各準反復単位について、Xは、SGGQQ、GAGQQ、GQGOPY、AGQQ、及びSQからなる群から独立して選択され;n1は、4~8であり、n2は、6~10である。反復単位は、複数の準反復単位から構成されている。
いくつかの実施形態において、3つの「長い」準反復には、3つの「短い」準反復単位が続く。前述のように、短い準反復単位は、n1=4又は5のものである。長い準反復単位は、n1=6、7、又は8のものとして定義される。いくつかの実施形態において、短い準反復のうちの全てが、反復単位の各準反復単位内の同じ位置に、同じXモチーフを有する。いくつかの実施形態において、6つのうちの3つ以下の準反復単位が、同じXモチーフを共有する。
追加の実施形態において、反復単位は、反復単位内で、同じXを続けて3回以上出現させない準反復単位から構成されている。更なる実施形態において、反復単位は、準反復単位から構成されており、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20の準反復は、反復単位の単一の準反復単位において、同じXを3回以上使用しない。
いくつかの実施形態において、組換えシルクポリペプチドは、配列番号1のポリペプチド配列(すなわち、18B)を含む。いくつかの実施形態において、反復単位は、配列番号2を含むポリペプチドである。これらの配列は、表1Bに提供される。
(表1B)組換えタンパク質及び反復単位の例示的なポリペプチド配列
いくつかの実施形態において、記載される組換えシルクポリペプチドから形成された繊維の構造は、ベータシート構造、ベータターン構造、又はアルファヘリックス構造を形成する。いくつかの実施形態において、形成された繊維の二次、三次、及び四次タンパク質構造は、ナノ結晶ベータシート領域、非晶質ベータターン領域、非晶質アルファヘリックス領域、非結晶マトリックスに埋め込まれたランダムに空間的に分布したナノ結晶領域、又は非結晶マトリックスに埋め込まれたランダムに配向したナノ結晶領域を有すると説明される。理論に拘束されることを意図するものではないが、スパイダーシルク内のタンパク質の構造特性は、繊維の機械的特性に関連すると理論が立てられる。繊維の結晶領域は繊維の引張強度に関連付けられている一方で、非晶質領域は繊維の伸張性に関連付けられている。大瓶状(MA)シルクは、鞭毛状シルクよりも強度が高く、伸張性が低い傾向があり、同様に、MAシルクは、鞭毛状シルクと比較して、結晶領域の体積分率が大きい。更に、スパイダーシルクタンパク質の結晶領域及び非晶領域の分子動力学に基づく理論モデルは、結晶領域が繊維の引張強度に関連付けられ、非晶領域が繊維の伸張性に関連付けられているという主張を支持している。更に、理論モデリングは、RPFの機械的特性に対する二次、三次、及び四次構造の重要性を支持する。例えば、ランダム、平行、及び直列の空間分布におけるナノ結晶ドメインのアセンブリと、非晶質領域内の絡み合った鎖間、及び非晶質領域とナノ結晶領域との間の相互作用力の強さの両方が、得られた繊維の理論的な機械的特性に影響を及ぼした。
いくつかの実施形態において、シルクタンパク質の分子量は、20kDa~2000kDa、又は20kDa超、又は10kDa超、又は5kDa超、又は5~400kDa、又は5~300kDa、又は5~200kDa、又は5~100kDa、又は5~50kDa、又は5~500kDa、又は5~1000kDa、又は5~2000kDa、又は10~400kDa、又は10~300kDa、又は10~200kDa、又は10~100kDa、又は10~50kDa、又は10~500kDa、又は10~1000kDa、又は10~2000kDa、又は20~400kDa、又は20~300kDa、又は20~200kDa、又は40~300kDa、又は40~500kDa、又は20~100kDa、又は20~50kDa、又は20~500kDa、又は20~1000kDa、又は20~2000kDaの範囲であり得る。
組換えスパイダーシルクポリペプチド粉末の不純物及び分解の特徴評価
異なる組換えスパイダーシルクポリペプチドは、タンパク質によって形成される二次及び三次構造の強度及び安定性に基づいた、溶融温度及びガラス転移温度などの異なる物理化学的特性を有する。シルクポリペプチドは、モノマーの形態で、ベータシート構造を形成する。他のモノマーの存在下で、シルクポリペプチドは、ベータシート構造の三次元結晶格子を形成する。ベータシート構造は、ポリペプチド配列の非晶質領域から分離しており、かつ散在している。
ベータシート構造は、高温で非常に安定しており、ベータシートの溶融温度は、高速走査熱量測定により測定した際におよそ257℃である。Cebe et al.,Beating the Heat-Fast Scanning Melts Silk Beta Sheet Crystals,Nature Scientific Reports 3:1130(2013)を参照のこと。ベータシート構造は、シルクポリペプチドのガラス転移温度を超えてもそのままであると考えられているため、組換えシルクポリペプチドのガラス転移温度で見られる構造転移は、ベータシート間の非晶質領域の移動度の増加によるものであると仮定されている。
可塑剤は、非晶質領域の移動度を増加させ、潜在的にベータシート形成を妨害することにより、シルクタンパク質のガラス転移温度及び溶融温度を低下させる。この目的に使用される好適な可塑剤には、水、並びにグリセロール、トリグリセロール、ヘキサグリセロール、及びデカグリセロールなどのポリアルコール(ポリオール)が含まれるが、これらに限定されない。他の好適な可塑剤には、ジメチルイソソルバイト;アジピン酸(adiptic acid);ジメチルアミノプロピルアミンとカプリル酸/カプリン酸とのアミド;アセトアミド、及びそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
シルクポリペプチドの親水性部分は、湿気として空気中に存在する周囲の水を結着し得るため、ほとんど常に水は存在しており、結着した周囲の水は、シルクポリペプチドを可塑化し得る。いくつかの実施形態において、好適な可塑剤は、単独、又は水若しくは他の可塑剤との組み合わせのいずれかで存在するグリセロールであってもよい。他の好適な可塑剤は、上で論じられている。
加えて、組換えシルクポリペプチドが発酵によって産生され、そこから組換えシルクポリペプチド粉末として回収される場合、可塑剤として作用するか、又はさもなければ三次構造の形成を阻害する不純物が、組換えシルクポリペプチド粉末中に存在し得る。例えば、残留脂質及び糖は、可塑剤として作用し、したがって、三次構造の形成を妨げることにより、タンパク質のガラス転移温度に影響を与え得る。
組換えシルクポリペプチド粉末又は組成物の純度及び相対的組成を評価するために、様々な確立された方法が使用され得る。サイズ排除クロマトグラフィーは、相対的なサイズに基づいて分子を分離し、その全長のポリマー及びモノマー形態の組換えシルクポリペプチドの相対量、並びに組換えシルクポリペプチド粉末中の高分子量、低分子量、及び中分子量の不純物の量を分析するために使用することができる。同様に、迅速高速液体クロマトグラフィーは、組換えシルクポリペプチドのモノマー形態等の、溶液中に存在する様々な化合物を測定するために使用され得る。イオン交換液体クロマトグラフィーは、脂質及び糖などの不純物を含む、溶液中の様々な微量分子の濃度を評価するために使用され得る。質量分析法などの、様々な分子のクロマトグラフィー及び定量の他の方法は、当該技術分野で十分に確立されている。
実施形態に応じて、組換えシルクポリペプチドは、組換えシルクポリペプチド粉末の他の成分に対する、モノマー形態の組換えシルクポリペプチドの重量による量に基づいて計算された純度を有し得る。様々な例において、純度は、組換えシルクポリペプチドのタイプ、並びに組換えシルクポリペプチド粉末を回収、分離及び後処理するために使用される技術に応じて、50重量%~90重量%の範囲であり得る。
サイズ排除クロマトグラフィー及び逆相高速液体クロマトグラフィーはどちらも、全長組換えシルクポリペプチドの測定に有用であり、処理前及び処理後の組成物中の全長シルクポリペプチドの量を比較することにより、処理ステップが組換えシルクポリペプチドを分解したかどうかを判断するための有用な技術となる。本発明の様々な実施形態において、処理前及び処理後の組成物中に存在する全長組換えシルクポリペプチドの量は、最小限の分解を受ける可能性がある。分解の量は、0.001重量%~10重量%、又は0.01重量%~6重量%、例えば、10重量%又は8重量%又は6重量%未満、又は5重量%未満、3重量%未満、又は1重量%未満の範囲であり得る。
組換えシルク組成物
実施形態に応じて、組換えシルク組成物中の組換えシルクポリペプチド粉末の、重量による好適な濃度は、1~25重量%、1~30重量%、~70重量%、10~60重量%、15~50重量%、18~45重量%、又は20~41重量%の範囲である。
理論に拘束されることを意図するものではないが、本発明の様々な実施形態において、組換えシルク組成物を誘導することは、モノマーの組換えシルクポリペプチドの、その結晶ポリマー形態への凝集を防止すること、又は処理の後期に、組換えシルクポリペプチドの、その結晶ポリマー形態への転移を制御することが望ましい用途において使用され得る。他の実施形態において、そのような誘導は必要とされない。
1つの特定の実施形態において、組換えシルク組成物は、組換えシルクポリペプチドを第2のポリマーとブレンドする前に、組換えシルクポリペプチドの凝集を防止するために使用され得る。別の特定の実施形態において、組換えシルク組成物は、組換えシルクポリペプチドがそのモノマー形態で基剤中に存在する化粧品又はスキンケア製品の基剤を作り出すために使用され得る。この実施形態において、基剤中に組換えシルクポリペプチドをそのモノマー形態で有することにより、皮膚との接触時に、又は様々な他の化学反応を介して、モノマーの、その結晶ポリマー形態への凝集の制御が可能になる。
様々な実施形態において、組換えシルクポリペプチドの分解を最小限に抑えるか、又は完全に防止するために、組換えシルク組成物が加熱される温度が最小限に抑えられる。特定の実施形態において、組換えシルク溶融物は、120℃未満、100℃未満、80℃未満、60℃未満、40℃未満、又は20℃未満の温度に加熱される。多くの場合、溶融物は、処理中に10℃~120℃、10℃~100℃、15℃~80℃、15℃~60℃、18℃~40℃、又は18℃~22℃の範囲の温度になる。他の実施形態において、組換えシルク組成物は加熱されない。そのような実施形態において、組換えシルク組成物を形成するために熱の存在は必要とされない。
組換えシルクポリペプチドの分解の量は、様々な技術を使用して測定され得る。上に論じたように、組換えシルクポリペプチドの分解の量は、存在する全長組換えシルクポリペプチドの量を測定するためのサイズ排除クロマトグラフィーを使用して測定され得る。様々な実施形態において、組成物は、それが成形体に形成された後、6.0重量%未満の量で分解される。別の実施形態において、組成物は、分解の量が、0.001重量%~10重量%、8重量%、6重量%、4重量%、3重量%、2重量%、若しくは1重量%、又は0.01重量%~6重量%、4重量%、3重量%、2重量%、若しくは1重量%の範囲であり得るように、成形後に4.0重量%未満、3.0重量%未満、2.0重量%未満、又は1.0重量%未満の量で分解される。別の実施形態において、組成物中の組換えシルクタンパク質は、実質的に分解されない。同様の実施形態において、組成物中の組換えシルクタンパク質は、少なくとも1日、1ヶ月、1年、又は5年の期間にわたって実質的に分解されない。
いくつかの実施形態において、組換えシルク組成物は物理的に安定である。様々な実施形態において、組成物は、長期間その材料形態、例えば粉末のままであり、長い貯蔵寿命を有する。長期間の使用において、組換えシルク組成物は実質的に安定なままである。
本発明のほとんどの実施形態において、組換えシルク組成物は粉末である。いくつかの実施形態において、組換えシルク組成物は噴霧乾燥される。他の実施形態において、組換えシルク組成物はフリーズドライ又は真空乾燥される。「噴霧乾燥」及び「噴霧乾燥された」という用語は、本明細書では簡潔性のために使用されるが、当業者は、フリーズドライ又は凍結乾燥及び真空乾燥が、必要に応じて噴霧乾燥の代わりになり得ることを理解するであろう。これらの組成物は乾燥状態で保存することができる。
18Bタンパク質は、水性スラリーよりも乾燥形態でより安定している。いくつかの実施形態において、噴霧乾燥された組換えシルクは、以下のように得られる:抽出された組換えシルクを含むスラリー組成物が、乾燥ステップの間、冷却された状態で維持される。得られた粉末の水分含有量が厳密に制御される、背の高い形状の噴霧乾燥機にポンプで送られる。タンパク質粉末は吸湿性であるため、水分の再導入を最小限に抑えるように最終的な粉末の収集及び梱包が行われる。梱包材の設計は、水分及び光への曝露を最小限に抑えるべきである。
いくつかの実施形態において、細胞培養物からの組換えシルクポリペプチドの回収及び分離は、以下のように行われる:i)抽出及び分離、ii)限外濾過による尿素の除去、iii)沈殿による洗浄、iv)塩の除去及びタンパク質の濃縮、並びにv)噴霧乾燥。
いくつかの実施形態において、組成物をフリーズドライするために、組成物が固化するまで冷却し、減圧下に置いて、組成物中のほとんどの揮発性成分を昇華させる。固体残留物は、微粉末を形成するためにミリングを必要とする単一の塊を形成し得る。典型的なフリーズドライ粉末は、多孔性の不規則な形状の粒子を含み、容易に水和する。フリーズドライは強い熱を必要としないため、揮発性成分を含む粉末の生成に使用される。いくつかの実施形態において、組換えシルク組成物は、約-100℃未満の温度で急速フリーズドライされる。
組換えシルク組成物の形成後、組換えシルク組成物の結晶化度が増加し得、それによって組成物が強化される。いくつかの実施形態において、組換えシルク組成物は、同じままであるか、又は減少する。いくつかの実施形態において、X線結晶構造解析によって測定した場合の組換えシルク組成物の結晶化度指数は、2%~90%である。いくつかの他の実施形態において、X線結晶構造解析によって測定した場合の組換えシルク組成物の結晶化度指数は、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、又は少なくとも7%である。
本発明のいくつかの実施形態において、組換えシルク組成物は固体又はフィルムである。いくつかの実施形態において、組換えシルク組成物は粉末である。いくつかの実施形態において、固体又はフィルムは実質的に均質であり、光学顕微鏡によって検査した場合、材料が介在物又は沈殿物を少量有するか、又は全く有さないことを意味する。いくつかの実施形態において、光学顕微鏡を使用して複屈折を測定することができ、これは、組換えシルクの三次元格子へのアライメントの代わりとして使用することができる。複屈折は、光の偏光及び伝搬に依存する屈折率を有する材料の光学特性である。具体的には、複屈折によって測定される高度の軸方向秩序は、高い引張強度に関連付けることができる。いくつかの実施形態において、組換えシルクの固体及びフィルムは、最小限の複屈折を有する。様々な実施形態において、固体はビーズである。いくつかの他の実施形態において、固体は角質除去剤として機能する。組換えシルク固体は、皮膚に優しいスキンスクラブの形態であってもよい。いくつかの実施形態において、材料の形態は、ロール、ペレット、シート、又はフレークである。
いくつかの実施形態において、組換えシルクタンパク質は、中空コア及び/又はシェルを含む。いくつかの実施形態において、組換えシルクタンパク質は、直径約1μm~約30μm、約5μm~約20μm、又は直径約10μm~約50μmの範囲であり、水中の組換えシルクタンパク質は、直径約20~約80μm、約30μm~約70μm、又は直径約40μm~約100μmの範囲である。
溶媒
いくつかの実施形態において、シルクポリペプチドは、1つ以上の溶媒に曝露され得る。そのような実施形態において、中空コアは、液体水自体の形態で、又は液体水溶液として、液体水を含有するエマルジョンとして、又は水性分散液として、液体水又はグリセリン等の溶媒を含有する。ある特定の実施形態において、組換えシルク組成物は、少なくとも1重量%の組換えシルクポリペプチド、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約15重量%、又は約20重量%の組換えシルクポリペプチドを含む。いくつかの実施形態において、組換えシルク組成物は、グリセリン中の約25重量%の溶液を含む。
いくつかの実施形態において、溶媒は水である。理論に拘束されることを意図するものではないが、組換えシルクポリペプチドを水等の溶媒に曝露すると、膨張又は膨潤した組換えシルクポリペプチドが得られ、タンパク質が水等の溶媒を含有する担体として機能する。これらの組成物は乾燥状態で保存することができ、水中に浸漬した後、部分的に再水和可能であり、膨張粒子の液体又は半液体の水性懸濁液を直接形成する。
いくつかの実施形態において、組換えシルクタンパク質は、中空コアの一部を膨張させることができる。いくつかの他の実施形態において、組換えシルクタンパク質は、シェルの一部を膨張させることができる。溶媒が水であるそのような実施形態において、組換えシルクタンパク質はヒドロゲルに変化する。溶媒が水である他の実施形態において、組換えシルクタンパク質はペーストに変化する。様々な実施形態において、組換えシルクタンパク質組成物を更に処理するために、熱及び/又は圧力を加えることができる。
いくつかの実施形態において、溶媒は、一般に、組換えシルクポリペプチドの総重量に対して55~90重量%の範囲の割合で存在する。この範囲には、60、65、70、75、80、及び85重量%を含む全ての特定の値及びその間の下位範囲が含まれる。いくつかの実施形態において、組換えシルクタンパク質は、様々な異なるpHレベルの水、グリセリン、アルコール、シロキサン、及び油を含む様々な溶媒に不溶性である。
いくつかの実施形態において、溶媒は水性タイプである。そのような実施形態において、溶媒は水である。溶媒は、6~12の範囲のpHを有し得る。いくつかの実施形態において、溶媒はpH6を有する。いくつかの他の実施形態において、溶媒は、0~5、2~7、4~9、6~11、8~13、又は10~14の範囲のpHを有する。
他の実施形態において、溶媒は、比較的短い乾燥時間を得るために、様々な揮発性有機溶媒の混合物を含む。いくつかの実施形態において、溶媒はアルコールである。溶媒には、水、エチルアルコール、トルエン、塩化メチレン、イソプロパノール、n-ブチルアルコール、ヒマシ油、オルガノポリシロキサン油、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド及びテトラヒドロフランが含まれる。
いくつかの実施形態において、オルガノポリシロキサン油は、揮発性、不揮発性、又は揮発性及び不揮発性シリコーンの混合物であり得る。この文脈で使用される「不揮発性」という用語は、周囲条件下では液体であり、(1気圧下での)引火点が約100℃以上のシリコーンを指す。この文脈で使用される「揮発性」という用語は、他の全てのシリコーン油を指す。好適なオルガノポリシロキサンは、広範囲の揮発性及び粘性に及ぶ多種多様なシリコーンから選択することができる。好適なシリコーンは、1991年12月3日に発行された米国特許第5,069,897号に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。ポリアルキルシロキサン、アルキル置換ジメチコン、ジメチコノール、ポリアルキルアリールシロキサン、及びそれらの混合物を含む群から選択されるオルガノポリシロキサンが使用され得る。ポリアルキルシロキサン、ジメチコン及びシクロメチコンが使用され得る。
いくつかの実施形態において、溶媒は植物油及び硬化植物油である。いくつかの実施形態において、溶媒は遊離脂肪酸である。植物油及び硬化植物油の例としては、ベニバナ油、ヒマシ油、ヤシ油、綿実油、メンハーデン油、パーム核油、パーム油、落花生油、大豆油、菜種油、亜麻仁油、米ぬか油、松油、ゴマ油、ヒマワリ種子油、前述の供給源からの部分及び完全硬化油、並びにそれらの混合物が挙げられる。動物性脂肪及び油、例えばタラ肝油、ラノリン、並びにアセチル化ラノリン及びイソプロピルラノレート等のそれらの誘導体を使用することができる。ポリプロピレングリコールのC-C20アルキルエーテル、ポリプロピレングリコールのC-C20カルボン酸エステル、及びジ-C-C30アルキルエーテルもまた有用であり、その例には、PPG-14ブチルエーテル、PPG-15ステアリルエーテル、ジオクチルエーテル、ドデシルオクチルエーテル、及びそれらの混合物が含まれる。
本発明の組成物は、ペトロラタム、ラノリン及びラノリン誘導体、ステロール(例えば、エトキシル化大豆ステロール)、高分子量ポリブテン及びカカオバター等の半固体炭化水素を実質的に含まなくてもよい。本明細書で使用される「実質的に含まない」とは、半固体炭化水素の濃度が10%未満、又は5%未満、又は2%未満又は0%であることを意味する。
化粧品配合物としての組換えシルクタンパク質
様々な実施形態において、組換えシルクタンパク質は、シルク化粧品又はスキンケア製品(例えば、皮膚又は毛髪に適用される溶液)に配合される。具体的には、組換えシルクタンパク質は、化粧品又はスキンケア製品の基剤として使用され得、組換えシルクポリペプチドが、基剤中にその単量体又は低結晶形態で存在する。いくつかの実施形態において、組換えシルクタンパク質は、化粧品又はスキンケア製品の基剤として使用され得、組換えシルクポリペプチドが、基剤中に半結晶形態で存在する。そのような実施形態において、組換えシルクポリペプチドは、その単量体形態では基剤中に存在しない。
ほとんどの実施形態において、化粧品配合物は物理的に安定である。そのような実施形態において、組換えシルクタンパク質及び任意の他の成分は、その配合物中に長期間留まり、長い貯蔵寿命を有する。長期間の使用において、組換えシルク組成物は実質的に安定なままであり、成分は配合物中に沈殿しない。
本発明の組成物は、対象の皮膚、爪、毛髪又は粘膜に組成物を接触させることにより、シルクタンパク質を皮膚、爪、毛髪又は粘膜に適用するために使用され得る。好ましくは、本発明の組成物はヒト対象に使用される。
ほとんどの実施形態において、化粧品配合物は、化粧品が適用される対象宿主に対して非毒性又は非アレルギー性である。組織を永久的に染色せず、水性洗剤による通常の洗浄によって除去することができる、毛髪及び表皮接触用の化粧品組成物を生成することも当該技術分野において望ましい。
様々な実施形態で論じられる固体、フィルム、エマルジョン、ヒドロゲル、及び他の材料形態は、実施形態及び配合物の所望の効能に応じて、様々な湿潤剤、皮膚軟化剤、閉塞剤、活性剤、及び化粧品補助剤を含有し得る。いくつかの実施形態において、組換えシルクタンパク質は担体として機能する。いくつかの実施形態において、組換えシルクタンパク質は、皮膚、毛髪、又は爪等の表面に1つ以上の薬剤を送達する担体である。
いくつかの実施形態において、組換えシルク組成物中の可塑剤の重量による好適な濃度は、1~60重量%、10~60重量%、10~50重量%、10~40重量%、15~40重量%、10~30重量%、又は15~30重量%の範囲である。いくつかの実施形態において、可塑剤は、グリセロールである。いくつかの実施形態において、可塑剤は、トリエタノールアミン、トリメチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、スクロース、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸である。
水が可塑剤として使用される場合、組換えシルク組成物中の水の重量による好適な濃度は、5~80重量%、15~70重量%、20~60重量%、25~50重量%、19~43重量%、又は19~27重量%の範囲である。水が別の可塑剤と組み合わせて使用される場合、それは、5~50重量%、15~43重量%、又は19~27重量%の範囲で存在し得る。
いくつかの実施形態において、好適な可塑剤には、ポリオール(例えば、グリセロール)、水、乳酸、アスコルビン酸、リン酸、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエタノールアミン、酸アセテート、プロパン-1,3-ジオール、又はそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。様々な実施形態において、可塑剤の量は、組換えシルクタンパク質の純度及び相対的組成に応じて異なり得る。例えば、高純度の粉末は、可塑剤として作用し得る低分子量化合物などの不純物が少なく、したがって、より高い重量パーセンテージの可塑剤の添加を必要とし得る。
いくつかの実施形態において、組換えシルク組成物は湿潤剤又は皮膚軟化剤を含む。本明細書で使用される「湿潤剤」という用語は、水分子と結合を形成する吸湿性物質を指す。好適な湿潤剤には、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ペンタリエン(pentalyene)グリコール、トレメラ抽出物、ソルビトール、ジシアンアミド、乳酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アロエベラ抽出物、アルファヒドロキシ酸、及びピロリドンカルボキシレート(NaPCA)が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「皮膚軟化剤」という用語は、皮膚表面のひび割れを埋めることによって、皮膚に柔らかい又はしなやかな外観を提供する化合物を指す。好適な皮膚軟化剤には、シアバター、カカオバター、スクアレン、スクアラン、オクタン酸オクチル、ゴマ油、ブドウ種子油、オレイン酸を含有する天然油(例えば、甘扁桃油、アルガン油、オリーブ油、アボカド油)、ガンマリノール酸を含有する天然油(例えば、月見草油、ルリジサ油)、リノール酸を含有する天然油(例えば、ベニバナ油、ヒマワリ油)、又はそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
「閉塞剤」という用語は、水分を保持するために皮膚表面にバリアを形成する化合物を指す。場合によっては、皮膚軟化剤又は湿潤剤は、閉塞剤であり得る。他の好適な閉塞剤には、蜜蝋、カヌバ(canuba)蝋、セラミド、植物蝋、レシチン、アラントインが含まれ得るが、これらに限定されない。理論に拘束されることを意図するものではないが、組換えシルクポリペプチドが水分子を引き付けるように作用し、また湿潤剤としても作用するため、本明細書に提示される組換えシルク組成物のフィルム形成能力が、水分保持バリアを形成する閉塞剤を作り出す。
「活性剤」という用語は、スキンケア配合物又は日焼け止めにおいて既知の有益な影響を有する、任意の化合物を指す。様々な活性剤には、酢酸(すなわち、ビタミンC)、アルファヒドロキシル酸、ベータヒドロキシル酸、酸化亜鉛、二酸化チタン、レチノール、ナイアシンアミド、他の組換えタンパク質(全長配列として、又は部分配列若しくは「ペプチド」に加水分解されたている)、銅ペプチド、クルクミノイド、グリコール酸、ヒドロキノン、コウジ酸、l-アスコルビン酸、アルファリポ酸、アゼライン酸、乳酸、フェルラ酸、マンデル酸、ジメチルアミノエタノール(DMAE)、レスベラトロール、抗酸化物質を含有する天然抽出物(例えば、緑茶抽出物、松の木の抽出物)、カフェイン、アルファアルブチン、コエンザイムQ-10、及びサリチル酸が含まれ得るが、これらに限定されない。
「化粧品補助剤」という用語は、界面活性剤、乳化剤、保存剤及び増粘剤を含むがこれらに限定されない、商業的に望ましい特性を有する化粧品製品を作り出すために使用される、様々な他の薬剤を指す。
後述するように、様々な実施形態において、組換えシルクタンパク質は、分散可能な半固体又はゲル様構造を形成し得る。組換えシルクタンパク質がスキンケア配合物に配合される様々な実施形態において、組換えシルクタンパク質は、皮膚の表面上で分散可能な液体に変化するゲル又はフィルム等の不可逆的な三次元構造を形成し得る。
様々な実施形態において、組換えシルクタンパク質は、水に懸濁され(「水性懸濁タンパク質」)、化粧品又はスキンケア配合物に組み込む(すなわち、配合する)ことができるフィルム、ゲル、又は基剤を形成することができる。実施形態に応じて、水性懸濁タンパク質中の水に対する組換えシルクタンパク質の量は異なり得、組換えシルクタンパク質中の添加剤に対する組換えシルクポリペプチド粉末の相対比も異なり得る。いくつかの実施形態において、タンパク質組成物は、10~33重量%の組換えシルクポリペプチド粉末を含む。いくつかの実施形態において、水とは異なる溶媒が使用される。いくつかの実施形態において、組換えシルクタンパク質を水に懸濁して、1~40%が組換えシルクタンパク質であり、60~99%が水である水性懸濁タンパク質を作り出す。特定の実施形態において、タンパク質組成物を水に懸濁して、10重量%が組換えシルクポリペプチド粉末であり、30重量%が添加剤であり、60重量%が水である水性懸濁タンパク質を作り出す。特定の実施形態において、タンパク質を水に懸濁して、6重量%が組換えシルクポリペプチド粉末であり、18重量%が添加剤であり、76重量%が水である水性懸濁タンパク質を作り出す。特定の実施形態において、タンパク質を水に懸濁して、10重量%が組換えシルクポリペプチド粉末であり、90重量%が水である水性懸濁タンパク質を作り出す。
実施形態に応じて、水性懸濁タンパク質は、水に再懸濁する際に、任意選択的に加熱及び撹拌され得る。いくつかの実施形態において、水性懸濁タンパク質を加熱及び撹拌することにより、水性懸濁タンパク質中で組換えシルクポリペプチドの相転移が起こり得る。具体的には、水性懸濁タンパク質を加熱及び撹拌すると、遠心分離によって評価される3つの異なる相が得られる:1)遠心分離後の上清とは異なるゲル相、2)遠心分離後の上清から濾過することができるコロイド相、及び3)上清からコロイド相を濾過した後に残る溶液相。組換えシルクポリペプチドの分解を防ぐために水性懸濁タンパク質を長時間加熱に供してはならないという条件で、加熱、撹拌及び遠心分離の様々な組み合わせを使用することができる。特定の実施形態において、タンパク質は、90℃で5分間穏やかに撹拌され、16,000RCFで30分間遠心分離される。
様々な実施形態において、組換えシルクタンパク質の供給源を提供するために、水性懸濁タンパク質の様々な相(すなわち、コロイド相、ゲル相及び溶液)又は水性懸濁タンパク質のいずれかを化粧品又はスキンケア配合物に組み込むことができる。実施形態に応じて、水性懸濁タンパク質は、スキンケア配合物に組み込む前に、加熱して又は加熱せずに撹拌に供され得る。任意選択的に、水性懸濁タンパク質は、遠心分離及び/又は濾過によって上記の相に分離され得る。実施形態に応じて、スキンケア配合物は、エマルジョン(例えば、クリーム又はセラム)又は主に水溶液(例えば、ゲル)であり得る。ある特定の実施形態において、組換えシルクタンパク質は、水性再懸濁せずに、上記の化粧品、スキンケア、又はヘアケア配合物のいずれかに組み込まれ得る。これらの組成物では、ホモジナイザー又は同様の機器を使用して、組換えシルクタンパク質が組成物中に均一に分布されることを確実にすることができる。
いくつかの実施形態において、水性懸濁タンパク質を、加熱及び撹拌に供し、次いで平らな表面に流延し、乾燥させてフィルムにすることができる。いくつかの実施形態において、水性懸濁タンパク質を、加熱及び/又は撹拌に供することなく、平らな表面に流延し、乾燥させてフィルムにすることができる。そのような実施形態において、水性懸濁タンパク質を平らな表面に流延し、追加の処理に供することなく、乾燥させてフィルムにすることができる。いくつかの実施形態において、水性懸濁タンパク質をエマルジョンに組み込み、次いで平らな表面に流延し、乾燥させてフィルムにすることができる。実施形態に応じて、様々な異なる乾燥条件を用いることができる。好適な乾燥条件には、真空を用いた及び用いない、60℃又は80℃での乾燥が含まれる。真空を使用する実施形態において、15Hgが好適な量の真空である。他の乾燥方法は、当該技術分野で十分に確立されている。
様々な実施形態において、水性懸濁タンパク質のみを含むフィルムは、低い溶融温度を有する。様々な実施形態において、水性懸濁タンパク質のみを含むフィルムは、体温(約34~36℃)よりも低い溶融温度を有し、皮膚との接触時に融解する。理論に拘束されることを意図するものではないが、組換えシルクポリペプチドは、半固体構造(すなわちフィルム)を形成するのに十分な分子間相互作用を形成するが、この構造は皮膚接触時に可逆的であり、皮膚表面に分散した後に再形成することができる。様々な実施形態において、フィルムは、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)によって測定されるように、組換えシルクタンパク質又は組換えシルク粉末と比較して結晶化度が低減している。様々な実施形態において、水性懸濁タンパク質を含むフィルムは、皮膚との接触時に融解しない。そのような実施形態において、フィルムはバリアとして機能する。様々な実施形態において、フィルムは低密度の疎水性フィルムである。フィルム又はバリアは、厚さ約1μm~約50μm、約10μm~約30μm、又は厚さ約20μm~約40μmの範囲であり得る。皮膚との接触時に、表皮層の表面にバリアが形成され、皮膚表面への強固な非特異的接着が実現される。いくつかの実施形態において、フィルムの厚さは、組換えシルクタンパク質の濃度及び適用表面積に応じて変化する。
いくつかの実施形態において、バリアは長期間持続し、風、湿度、刺激の強い添加剤、汚染、摩耗、汚れ、及び油脂を含む、1つ以上の環境ストレス要因を防ぐ。バリアは、手による少なくとも100回の摩擦、少なくとも200回の摩擦、少なくとも400回の摩擦、少なくとも600回の摩擦、又は少なくとも800回の摩擦に相当する摩耗に耐えることができる。
1つの特定の実施形態において、水性懸濁タンパク質又はタンパク質をエマルジョンに組み込み(例えば、ホモジナイズし)、次いで平らな表面に流延し、凍結乾燥して多孔質フィルムを作り出すことができる。実施形態に応じて、フィルムを-80℃で30分間凍結することを含む様々な技術を凍結乾燥に用いることができる。他の凍結乾燥技術は、当業者に周知である。
様々な実施形態において、上述のフィルムは、局所スキンケア剤として使用することができる。このフィルムは、皮膚に直接適用されてもよく、再水和させて、皮膚に取り込まれる分散可能な粘性物質を形成することができる。本明細書で論じるように、様々な皮膚軟化剤、湿潤剤、活性剤、及び他の化粧品補助剤をフィルムに組み込むことができる。このフィルムは、皮膚に直接適用されてもよく、皮膚との接触により皮膚に吸着するか、又はフィルムを皮膚に軽く擦り込んだ後に皮膚に吸着する。いくつかの実施形態において、フィルムは、皮膚に直接適用されてもよく、追加の摩擦又は接触なしに皮膚に吸着する。いくつかの実施形態において、水溶液に再懸濁したタンパク質を顔に適用し、次いでミストを介してプロピレングリコール等の凝固剤に曝露して、ゲル化可能なマスクを形成することができる。
実施形態に応じて、流延されるフィルムは、平らなフィルム(すなわち、表面のばらつきがない)であってもよいか、又は微細構造を組み込んだ金型に流延されてもよい。特定の実施形態において、皮膚の表面を刺して活性剤の送達を助けるマイクロニードル構造を組み込んだ金型に流延されるフィルムである。
別の実施形態において、水性懸濁タンパク質は、化粧品として使用されるエマルジョンに添加され得る。エマルジョンは、皮膚又は毛髪に適用されてもよく、次いで乾燥時に皮膚の表面にフィルムを形成させることができる。以下に論じるように、様々な皮膚軟化剤、湿潤剤、活性剤、及び他の化粧品補助剤をエマルジョンに組み込むことができる。
いくつかの実施形態において、組換えシルク組成物は、クリーム、ローション、及びゲル等の液体又は半固体であってもよい。本発明で有用な組成物は、当該技術分野で既知の多種多様な製品形態にすることができる。これらには、粉末、ローション、クリーム、ゲル、パッチ、セラム、アンプル、粉末、スティック、スプレー、軟膏、ペースト、ムース、軟膏、液体、エマルジョン、フォーム、又はエアロゾルが含まれるが、これらに限定されない。これらの製品形態は、以下で更に論じるように、溶液、エアロゾル、エマルジョン、ゲル、固体、及びリポソームを含むがこれらに限定されない、いくつかのタイプの添加剤を含んでもよい。本発明の組成物及び方法において活性である化合物は、当業者に既知の任意の手段によって局所的に送達され得る。
いくつかの他の実施形態において、組換えシルク組成物は、基礎化粧品組成物、例えば、化粧水、クリーム、エッセンス、クレンジングフォーム及びクレンジングウォーター等の洗顔料、パック及びボディオイル、ファンデーション、口紅、マスカラ、及びメイクアップベース等のカラー化粧品組成物、シャンプー、リンス、ヘアコンディショナー、及びヘアジェル、石鹸等のヘア製品組成物であってもよい。化粧品配合物は、本明細書に記載の組換えシルク組成物を、任意選択的に、化粧品組成物を調製する分野で一般的に使用される少なくとも1つの担体及び/又は添加剤と一緒に使用して、当該技術分野で既知の任意の方法で調製することができる。
いくつかの実施形態において、組成物は、少なくとも1つの化粧剤を含む。化粧剤の例には、皮膚軟化剤、湿潤剤、着色剤、顔料、芳香剤、保湿剤、粘度調整剤、及び任意の他の化粧形成剤が含まれる。1つ以上の化粧剤を化粧品組成物に含めることができる。別の実施形態において、皮膚柔軟剤、皮膚浸透増強剤、着色剤、芳香剤、乳化剤、及び増粘剤を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で既知であり、本明細書に記載の追加の活性成分も使用することができる。また、化粧品組成物は、物理的特性を改善する目的で、香料、色素、殺菌剤、抗酸化剤、保存剤及び保湿剤、並びに無機塩及び合成高分子物質を更に含んでもよい。
組成物は、ローションを介して局所的に送達することもできる。水中油型及び油中水型のローション及びクリーム等の単一エマルジョンのスキンケア調製物は、化粧品の分野で周知であり、本発明において有用である。水中油中水型等の多相エマルジョン組成物も、本発明において有用である。一般に、そのような単相又は多相エマルジョンは、必須成分として水、皮膚軟化剤、及び乳化剤を含有する。
本発明の組成物はまた、固形配合物(例えば、ワックスベースのスティック、固形石鹸組成物、粉末、ビーズ、角質除去剤、又は液体若しくは粉末を含有するワイプ)に配合することもできる。
本発明の組成物は、ゲル(例えば、好適なゲル化剤を使用した水性ゲル)として配合することができる。水性ゲルに好適なゲル化剤には、天然ゴム、アクリル酸及びアクリル酸ポリマー及びコポリマー、並びにセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース)が含まれるが、これらに限定されない。油(鉱油など)に好適なゲル化剤には、水素化ブチレン/エチレン/スチレンコポリマー及び水素化エチレン/プロピレン/スチレンコポリマーが含まれるが、これらに限定されない。そのようなゲルは、典型的には、そのようなゲル化剤を約0.1重量%~5重量%含む。いくつかの実施形態において、そのような組成物には、組換えシルクタンパク質、水(Aqua)、C14-16オレフィンスルホン酸ナトリウム、グリセリン、カカオベタイン、安息香酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、グルコン酸カルシウム、ヒアルロン酸ナトリウム、プロパンジオール、キサンタンガム、グルコノラクトン、及びグルタミン酸二酢酸四ナトリウムが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、組成物は、洗浄洗剤、石鹸、セラム、又は化粧水を含む。特定の実施形態において、セラムは水性ベースである。別の特定の実施形態において、化粧水はアルコールベースである。
本発明において有用な組成物は、エマルジョンとして配合され得る。組成物がエマルジョンである場合、組成物の約1%~約10%又は約2%~約5%が乳化剤を含む。乳化剤は、非イオン性、アニオン性又はカチオン性であり得る。好適な乳化剤は、例えば、INCI Handbook、pp.1673-1686に開示されている。ローション及びクリームは、エマルジョンとして配合され得る。
更に別のタイプの組成物は軟膏であり得る。軟膏は、動物油若しくは植物油又は半固体炭化水素の単純な基剤を含み得る。軟膏は、約0.1%~約2%の増粘剤に加えて、約2%~約10%の皮膚軟化剤を含んでもよい。増粘剤として、セルロース誘導体(メチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース)、合成高分子量ポリマー(例えば、カルボキシビニルポリマー及びポリビニルアルコール)、植物ハイドロコロイド(カラヤガム及びトラガントガム)、粘土増粘剤(例えば、コロイド状マグネシウムアルミニウムシリケート及びベントナイト)、及びカルボキシビニルポリマー、カルボン酸ポリマー、架橋ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、キサンタンガム、並びにそれらの混合物が挙げられる。
本発明において有用な組成物は、前述の成分に加えて、皮膚、毛髪、及び爪に使用するための組成物に従来から使用されている多種多様な追加の油溶性物質及び/又は水溶性物質を、その分野で確立されたレベルで含有し得る。
本発明の組成物は、皮膚に直接適用され得るか、又はワイプ、スポンジ、ブラシ等の他の送達器具に適用され得る。組成物は、皮膚の上に放置する、皮膚から拭き取る、又は皮膚から洗い流すように設計された製品に使用することができる。
いくつかの実施形態において、組成物は、皮膚のハリ/ふっくら感の増加、弾力性の増加、全体的な皮膚の健康の改善、水分補給の増加、創傷治癒の促進及び/又は改善、汚染防御の改善、皮膚科学的老化の低減、皮膚脆弱性の減少、コラーゲン及び/又はエラスチンの喪失の防止及び回復、皮膚萎縮の防止、細胞の代謝回転の促進/加速、遺伝子発現の増加、皮膚のきめの改善、小じわ及びしわの防止及び減少、皮膚の色調の改善、皮膚の厚さの向上、毛穴のサイズの減少、皮膚の変色の最小限化、皮膚の光沢の回復、疲労の兆候の最小限化、皮膚バリア機能の改善、皮膚の乾燥の最小限化、色素沈着過剰の防止、軽減、又は処理、皮膚のミトコンドリア機能の改善、角質除去の改善、毒性の減少、皮膚のテカリ防止、酸化ストレスレベルの低下、汚染によって誘発される酸化ストレスの低減、UVA又はUVBによって誘発される酸化ストレスの低減、並びにそれらの任意の組み合わせ等、皮膚の外観を改善する。
様々な実施形態の組成物は、汚染物質及び他の刺激物に対して防御する。その結果として、ニキビ、酒さ(大人のニキビ)に関連する発赤、及び他の炎症状態等の多くの皮膚状態を、化粧品配合物の適用によって積極的に管理することができる。
凝固剤
いくつかの実施形態において、本明細書で生成されるシルクベースの組成物は、凝固剤に曝露される。これにより組成物の特性を変化させて、シルクベースの組成物におけるシルクの制御された凝集を促進することができる。いくつかの実施形態において、シルクベースの組成物は、凝固剤に浸漬される。いくつかの実施形態において、シルクベースの組成物は、凝固剤のミスト又は蒸気に曝露される。一実施形態において、水性タンパク質組成物は、凝固剤を含むか、又は凝固剤に浸漬されるか、又は凝固剤と混合される。いくつかの実施形態において、フィルム等のシルクベースの固体又は半固体は、凝固剤を含む蒸気に浸漬されるか又は曝露される。いくつかの実施形態において、メタノールが有効な凝固剤として使用される。
いくつかの実施形態において、イソプロパノール、エタノール、又はメタノール等のアルコールを凝固剤又は溶媒として使用することができる。いくつかの実施形態において、60%、70%、80%、90%、又は100%のアルコールが凝固剤として使用される。いくつかの実施形態において、硫酸アンモニウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、又は20~60℃の温度で有効な他のタンパク質沈殿塩等の塩を凝固剤として使用することができる。
いくつかの実施形態において、以下の化学物質のクラスを含むがこれらに限定されない、水、酸、溶媒及び塩のうちの1つ以上の組み合わせを、凝集剤として使用することができる:ブレンステッド・ローリー酸、ルイス酸、二元水素化物酸(binary hydride acid)、有機酸、金属カチオン酸、有機溶剤、無機溶剤、アルカリ金属塩、及びアルカリ土類金属塩。いくつかの実施形態において、酸は、希塩酸、希硫酸、ギ酸又は酢酸を含む。いくつかの実施形態において、溶媒は、エタノール、メタノール、イソプロパノール、t-ブチルアルコール、酢酸エチル、プロピレングリコール、又はエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態において、塩は、LiCl、KC1、BeC1、MgC1、CaC1、NaCl、ZnCl、FeCl、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、及び硝酸、硫酸又はリン酸の他の塩を含む。いくつかの実施形態において、凝固剤は、2.5~7.5のpHである。
他の添加剤
いくつかの実施形態において、本明細書で生成されるシルクベースの組成物は、他の添加剤に曝露される。これにより、皮膚と相互作用するにつれて、組成物の特性を変化させることができる。いくつかの実施形態において、シルクベースの組成物は添加剤に浸漬される。いくつかの実施形態において、シルクベースの組成物は、添加剤のミスト又は蒸気に曝露される。一実施形態において、水性タンパク質組成物は、添加剤を含むか、又は添加剤に浸漬されるか、又は添加剤と混合される。いくつかの実施形態において、フィルム等のシルクベースの固体又は半固体は、添加剤を含む蒸気に浸漬されるか又は曝露される。いくつかの実施形態において、シルクベースのゲルは、中空粉末形成の前に添加剤に曝露される(例えば、シルクベースのゲル及び添加剤は一緒に噴霧乾燥される)。
添加剤は、それ自体が不活性であり得るか、又は独自の皮膚科学的利点を有し得る。添加剤はまた、本明細書に記載の必須成分と物理的かつ化学的に適合性であるべきであり、本発明の組成物に関連する安定性、有効性又は他の使用利益を過度に損なうべきではない。本発明で利用される添加剤のタイプは、組成物に所望される製品形態のタイプに依存する。いくつかの実施形態において、添加剤は酸性繊維染料である。
顔料は、皮膚への適用に所望される色を実現するために、化粧品配合物に頻繁に添加される。そのような顔料は既知であり、所望の着色を達成するために必要な濃度は容易に決定することができる。顔料は、無機であっても有機であってもよい。無機顔料には、酸化鉄(赤、黒、褐色)、マンガンバイオレット、ウルトラマリン(緑、青、ピンク、赤、又は紫の硫酸アルミニウム)、アクアマリン、銅粉、雲母、粘土、シリカ、及び二酸化チタンが含まれる。米国FDAによって化粧品としての使用が認定された有機染料は、一般に、「D&C」という接頭辞と、色及び数字の接尾辞とを有する(例えば、D&C緑3番)。
本発明のある特定の実施形態は、無水顔料重量ベースで、約0%~約30%、約1%~約20%、約2%~約15%、又は約5%~約15%の着色剤を含有する。これらは通常、アルミニウム、バリウム、カルシウムの塩又はレーキである。染料は、約0%~約3%の濃度で存在し得、真珠光沢剤等は0%~約10%の濃度で存在し得る。組換えシルクタンパク質と組み合わせたそのような染料は、安定であり、長い貯蔵寿命を有する。そのような組成物の貯蔵寿命は、約6ヶ月、約1年、又は約2年であり得る。いくつかの実施形態において、そのような組成物の貯蔵寿命は、少なくとも5年であり得る。
組成物に使用される顔料、着色剤、又は充填剤粉末に関して特定の制限はない。それぞれが、体質顔料、無機白色顔料、無機着色顔料、パール剤等であってもよい。具体例として、タルク、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、シリカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、ウルトラマリン、ポリエチレン粉末、メタクリレート粉末、ポリスチレン粉末、シルク粉末、結晶セルロース、デンプン、雲母チタン、酸化鉄雲母チタン、オキシ塩化ビスマス等が挙げられる。
追加の顔料/粉末充填剤には、有機粉末、例えば、ガム、チョーク、フラー土、カオリン、絹雲母、白雲母、金雲母、合成雲母、レピドライト、黒雲母、リチア雲母、バーミキュライト、ケイ酸アルミニウム、デンプン、スメクタイト粘土、アルキル及び/又はトリアルキルアリールアンモニウムスメクタイト、化学修飾ケイ酸アルミニウムマグネシウム、有機修飾モンモリロナイト粘土、水和ケイ酸アルミニウム、ヒュームドアルミニウムデンプンオクテニルスクシネートバリウムシリケート、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、金属タングステン酸塩、マグネシウム、シリカアルミナ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼成石膏)、リン酸カルシウム、フッ素アパタイト、ハイドロキシアパタイト、セラミック粉末、金属石鹸(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、及びステアリン酸アルミニウム)、コロイド状二酸化ケイ素、及び窒化ホウ素;有機粉末、例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、シクロデキストリン、ポリメタクリル酸メチル粉末、スチレンとアクリル酸とのコポリマー粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ(四フッ化エチレン)粉末、及びカルボキシビニルポリマー、セルロース粉末、例えば、ヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウム、モノステアリン酸エチレングリコール;酸化マグネシウム等の無機白色顔料が含まれるが、これらに限定されない。他の有用な粉末は、1997年11月18日に発行されたEl-Nokalyらの米国特許第5,688,831号に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。これらの顔料及び粉末は、独立して又は組み合わせて使用することができる。
シルクタンパク質に加えて、本発明による組成物は、フィルム形成物質を更に含むことができる。フィルム形成物質の例として、セルロース誘導体、ニトロセルロース、アクリルポリマー又はコポリマー、アクリル、スチレン、アクリレート-スチレン及びビニル樹脂、ビニルコポリマー、ポリエステルポリマー、アリールスルホンアミド樹脂及びアルキド樹脂が挙げられる。
いくつかの実施形態において、組成物は、両性界面活性剤、リン脂質、又はワックスを含んでもよい。
他の添加剤の例として、カンナビジオール、発泡性界面活性剤、色素脱失剤、反射剤、もつれほぐし/ウェットコーミング剤、アミノ酸及びその誘導体、抗菌剤、アレルギー抑制剤、抗ニキビ剤、老化防止剤、しわ防止剤、殺菌剤、鎮痛剤、鎮咳剤、鎮痒剤、局所麻酔剤、脱毛防止剤、発毛促進剤、発毛阻害剤、抗ヒスタミン剤、抗感染剤、炎症抑制剤、制吐剤、抗コリン剤、血管収縮剤、血管拡張剤、創傷治癒促進剤、ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質、脱臭剤及び制汗剤、医薬品、皮膚軟化剤及び皮膚保湿剤、皮膚引き締め剤、ヘアコンディショナー、毛髪柔軟剤、毛髪保湿剤、ビタミン、日焼け剤、美白剤、抗真菌剤、脱毛剤、シェービング剤、外用鎮痛剤、香水、抗刺激剤、痔疾用剤、殺虫剤、ツタウルシ製品、ウルシ製品、火傷薬、おむつかぶれ防止剤、あせも剤、メイクアップ調製物、ビタミン、ハーブ抽出物、レチノイド、フラベノイド、感覚剤、抗酸化剤、スキンコンディショナー、ヘアライトナー、キレート化剤、細胞代謝回転エンハンサー、日焼け止め、抗浮腫剤、コラーゲンエンハンサー、並びにそれらの混合物が挙げられる。
好適なビタミンの例として、チアミン、ニコチン酸、ビオチン、パントテン酸、コリン、リボフラビン、ビタミンB6、ビタミンB12、ピリドキシン、イノシトール、カミチンを含むビタミンB複合体;ビタミンA、C、D、E、K及びそれらの誘導体、例えばビタミンAパルミテート及びプロビタミン、例えば(すなわち、パンテノール(プロビタミンB5)及びパンテノールトリアセテート)並びにそれらの混合物が非排他的に挙げられる。
日焼け止め剤の例として、アボベンゾン、ベンゾフェノン、ボルネロン、ブチルパバ、シンナミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、パバ、メトキシケイヒ酸カリウム、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オクチルメトキシケイ皮酸、オキシベンゾン、オクトクリレン、サリチル酸オクチル、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ヒドロキシプロピルアミノ安息香酸エチル、アントラニル酸メンチル、アミノ安息香酸、シノキサート、メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン、アミノ安息香酸グリセリル、二酸化チタン、酸化亜鉛、オキシベンゾン、パジメートO、赤色ワセリン、及びそれらの混合物が挙げられる。
組換えシルク組成物と組み合わせる添加剤の量は、例えば、添加剤が皮膚、毛髪又は爪を透過する能力、選択された特定の添加剤、所望される特定の利益、使用者の添加剤に対する感受性、使用者の健康状態、年齢、並びに皮膚、毛髪、及び/又は爪の状態等に応じて異なり得る。要するに、添加剤は「安全かつ有効な量」で使用され、これは、所望の皮膚、毛髪、又は爪の利益をもたらすか、又は処理される特定の状態を修正するには十分に高いが、健全な医学的判断の範囲内で、妥当なリスク対ベネフィット比で、重大な副作用を回避するのに十分に低い。
本明細書に例示的に開示される発明は、本明細書に具体的に開示されていない構成要素、成分、又はステップを欠いた状態で好適に実施され得る。本発明の性質及びそれを実施する方法を更に説明するために、いくつかの例を以下に示す。しかしながら、本発明は、その詳細に限定されるとみなされるべきではない。
実施例1:組換え18Bポリペプチド粉末の形態
FLAGタグを有する組換え18Bポリペプチド(配列番号1)を、様々なロットの大規模発酵により生成し、回収し、乾燥させて粉末にした。サンプルの調製の詳細を以下に示す。
具体的には、国際公開第WO/2015/042164号「Methods and Compositions for Synthesizing Improved Silk Fibers」(その全体が参照により組み込まれる)に開示されるように、遺伝子改変酵母細胞が組換え18Bポリペプチドを産生し、それを好気性発酵槽で培養した。この例では、使用した発酵槽の容量は3,000L~26,000Lの範囲であった。発酵は72時間実行したが、このプロセスには温度シフトが含まれ、最初の5~8時間はバッチ段階を30℃に維持し、グルコース供給がトリガーされたときに25℃に下げた。発酵プロセスは15g/Lのバッチのグルコースで始まり、最初の5~8時間以内に消費された。グルコースが枯渇した後、酸素摂取速度(OUR)が115mmol O/L/時間に達するまで指数関数的な供給がトリガーされる。次いで、OURを115~120mmol O/L/時間に維持するために、それに応じて供給速度を調節した。エタノールの蓄積は、呼吸商を約1.02に維持することによって制限した。更に、溶存酸素も撹拌カスケードで5%の飽和に制御した。72時間の発酵後、死滅した酵母とその代謝産物を含む使用済み培地とともに、18Bポリペプチドを含有する全細胞培養液(WCB)が生成された。8M尿素をWCBと組み合わせて、18Bポリペプチドを水相に可溶化した。次いで、遠心分離によって水相を細胞から分離した。溶解したシルクタンパク質を含有する遠心分離液を濃縮し、限外濾過によって洗浄して尿素及びいくらかの不純物を除去した。10重量%の硫酸ナトリウム溶液を用いた2回の沈殿ステップによりタンパク質を更に精製した。いずれの場合も、標的タンパク質を沈殿させ、次いで重相での遠心分離によって回収した。塩を洗い流し、限外濾過又は精密濾過によってタンパク質を濃縮し、水中のタンパク質固体スラリーを得た。次いで、スラリーを噴霧乾燥して、最終的な18B粉末形態にした。
噴霧乾燥は以下の通りに行った:冷却した残余物を、二流体ノズル又は空気圧ノズルを介して背の高い形状の噴霧乾燥機に供給した。噴霧化されたタンパク質スラリーを高温乾燥空気で同時に乾燥させ、タンパク質粉末の大部分をサイクロンで収集した。サイクロンの出口温度は99℃±2℃に、相対湿度は<12%に制御した。これらの条件により、サイクロンで収集された粉末が、確実に3重量%以下の水分に維持されるようにした。サイクロンで捕捉されなかった粉末は、バグハウスで収集された。
乾燥機の運転パラメータは、収量を最適化し、20μm超であるが50μm未満である中央粒子径を生成するように制御した。これらのパラメータには、噴霧ノズルにおける空気対液体供給速度比(ALR)、高温空気入口温度及び流速、並びに残余物の固体濃度が含まれるが、これらに限定されない。標的パラメータからの逸脱は、不十分な乾燥、乾燥機壁への堆積による大幅な粉体損失、又はバグハウスへの大幅な粉体損失につながる可能性がある。
サイクロンの後、粉末を60メッシュのふるいにかけて大きな粒子を除去した後、回収し、最終製品として袋詰めした。粉末が冷却する間、湿った周囲空気への曝露を最小限に抑えるよう注意を払った。
バグハウスから収集される粉末は、水分含有量が概して3%超であり、18Bタンパク質含有量が低いという点で、サイクロンと比較して品質が不十分なことが多い。したがって、サイクロン生成物とは別にバグハウス粉末を回収した。
図1Aに示すように、乾燥状態及び水和状態の18B粉末は、中空粒子として存在する。この形態は、走査型電子顕微鏡(SEM)及び光学/偏光顕微鏡の両方によって明らかになった。SEMでは、二次電子によって材料の形態を評価するために集束電子ビームを使用した。電子ビームをラスターパターンで走査して、1mm~10nm、又は10倍~100,000倍の倍率スケールで顕微鏡写真を収集した。SEM法では低真空(1~10torr)を使用するため、生物学的サンプルを脱水又はスパッタコーティングする必要がない。
偏光顕微鏡も使用して粉末の形態を調べた。光学画像及び偏光画像は、4倍対物レンズを備えたLeica DM750P偏光顕微鏡を使用して取得した。顕微鏡は、補完的なPCベースの画像分析Leica Application Suite、LAS V4.9に結合した。偏光顕微鏡の場合、検光子/ベルトランレンズモジュールは、モジュールの下部ロッカーを右(「A」位置/検光子を入れる)に反転させることにより係合し、検光子/ベルトランレンズモジュールの上部ロッカーが確実に左に反転されるようにする(「O」位置/ベルトランレンズを取り出す)。この設定により、偏光子及び検光子を通過する光の許容される振動方向が90°に配向された光学アライメントの状態である「交差偏光モード」での分析が可能となった。
図1Aは、乾燥状態の無傷の粉末粒子と、ひび割れた粉末粒子のSEM画像を示す。粉末粒子がひび割れて穴が開くと、視認できる中空コア及び薄膜の外側シェルが明らかになった。無傷の粉末粒子の直径は、およそ100μmの直径であった。
図1Bは、水和状態にある18B粉末の中空シェル形態の光学及び偏光顕微鏡画像を示す。粉末粒子の外縁のみにマルタ十字が観察された。固体粒子は、粉末粒子の厚さ全体にわたってマルタ十字を示すであろう。
18B粉末の分解を評価するために、18B粉末を様々な溶媒に曝露した。目視検査並びにサイズ排除クロマトグラフィー(HPLC-SEC)及び逆相(RP-HPLC)によって決定されるように、18B粉末は水に不溶性であった。この例では、18B粉末を1~10重量%で溶媒に分散させた。溶液を22℃で24時間インキュベートした。4℃で15分間、16,000RCFで遠心分離して粉末をペレット化した。上清をペレットから注ぎ出した。HPLC-SEC及び逆相を用いて、上清及びペレットの両方を18B粉末含有量について測定した。HPLC-SECでは、サンプルを5Mグアニジンチオシアネートに溶解し、Yarra SEC-3000 SEC-HPLCカラムに注入して、分子量に基づいて成分を分離した。屈折率を検出モダリティとして用いた。18B凝集体、18Bモノマー、低分子量(1~8kDa)の不純物、中分子量の不純物(8~50kDa)、及び高分子量の不純物(110~150kDa)を定量した。関連する組成は、質量%及び面積%として報告された。全てのタンパク質の>90%が、互いの約7%以内でdn/dc値(屈折率の応答係数)を示すと仮定して、BSAを一般的なタンパク質標準として使用した。ポリ(エチレンオキシド)を保持時間標準として使用し、BSAキャリブレータをチェック標準として使用して、方法の一貫した性能を確保した。その結果、18B粉末は水に不溶性であった。
逆相高速液体クロマトグラフィー(「RP-HPLC」)を使用して、粉末中の18Bポリペプチドモノマーの重量を測定した。5Mグアニジンチオシアネート(GdSCN)試薬を使用してサンプルを溶解し、Agilent Poroshell 300SB C3 2.1×75mmの5μmカラムに注入して、疎水性に基づいて成分を分離した。検出モダリティは、215nm(360nm参照)でのペプチド結合のUV吸光度であった。18B-FLAGモノマーのサンプル濃度は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC-HPLC)を使用して18B-FLAGモノマー濃度が事前に決定されている18B-FLAG粉末標準との比較によって決定した。高レベルの非分解18Bモノマーが観察された。
実施例2:様々な溶媒中での組換え18Bポリペプチド粉末の膨張
実施例1に記載の方法に従って生成された18B粉末は、粉末を分散させるために使用された溶媒に応じて異なる膨張又は膨潤をもたらした。18B粉末は、水性溶媒、油、又はシリコーンを含む様々な溶媒に分散させることができる。
粉末粒子は、粉末を分散させるために使用された溶媒に応じて膨潤の違いを示した。図2Aは、溶媒を含まない18B粉末と比較した、pH6の水及びグリセリンを含む様々な異なる溶媒に再懸濁された18B粉末の光学顕微鏡画像を示す。光学顕微鏡画像は、18B粉末を異なる溶媒に1重量%レベルで懸濁して撮影した。溶液を作製するために、粉末をはかり上で集めてから50mLのコニカルチューブ等の混合容器に注ぎ入れた。次いで、ピペットを使用して溶媒を粉末の上に分注した。次いで、混合容器を、手で、ボルテックスで、又はプラネタリーミキサーで激しく振盪した。18B粉末懸濁液の液滴をガラススライドにロードし、ガラスカバースリップで覆った。光学顕微鏡画像は、10倍対物レンズを備えたLeica DM750P光学顕微鏡を使用して取得した。顕微鏡は、補完的なPCベースの画像分析Leica Application Suite、LAS V4.9に結合した。
図2Bは、乾燥状態の18B粉末及び水溶液への曝露後の18B粉末の写真を示す。18B粉末は著しく膨張し、水中で自重の約6~10倍になった。粉末直径パーセントの定量も水中で増加した。ImageJソフトウェア及びパーティクルアナライザー機能を使用して、粉末直径の定量を実施した。乾燥粉末の直径は5~25μmの範囲であり、水中の水和粉末の直径は20~80μmの範囲であった。
実施例3:染色した組換え18Bポリペプチド粉末の作製
実施例1に記載の方法に従って生成された18B粉末の染色を評価するために、製造業者の指示に従って酸性繊維染料を調製し、18B粉末と混合し、5分超インキュベートした。余分な染料を洗い流すために、サンプルを4℃で15分間、16,000RCFで遠心分離した。上清を注ぎ出すと、染色された粉末がチューブの底でペレット化した。脱イオン(DI)水をペレットに添加し、ペレットを再懸濁した。上清が透明になるまで、このプロセスを数回繰り返した。
図3Aは、水、酸性繊維染料、及び18B粉末の混合物を使用した、染色された18B粉末作製の模式図を示す。そのような混合物は、鮮やかな色を容易にかつ迅速に吸収した、染色された18B粉末をもたらした。
図3Bは、18B粉末が最終粉末状態で染色され得ることを示している。18B粉末は、噴霧乾燥又は最終粉末状態の前にも染色した。皮膚に直接適用された着色粉末のスラリーは、鮮やかな色を示した。
図3Cは、クリームエマルジョンに添加された異なる濃度の染色された18B粉末(0重量%、1重量%、及び2重量%)を示す。明らかに、染色された18B粉末はクリームエマルジョンに色を加えることができ、鮮やかさは18B粉末の濃度によって決定された。
図3Dは、4℃で6ヶ月保存した後の染色された18B粉末の染色堅牢度の安定性を示す。4℃で6ヶ月間保存した後、浸出は見られなかった。
実施例4:組換え18Bポリペプチド粉末からのフィルムの形成
実施例1に記載の方法に従って生成された18B粉末からのフィルムの形成を評価するために、穏やかに振盪しながら18B粉末をDI水中に1重量%で分散させることによってシルク溶液を調製した。ポリジメチルシロキサン基板にフィルムを流延し、周囲条件(22℃、湿度40%)で一晩放置した。フィルムがひび割れた後にSEMで画像化した。酸性繊維染料は、実施例3に記載の方法に従って調製した。
図4の模式図は、1重量%の18B粉末溶液等の水和溶液としての18B粉末が、皮膚上で乾燥して、表皮層の表面に、皮膚に対してしっかり密着した(すなわち、皮膚表面に対して強力な非特異的接着がなされる)薄く均一なバリアを形成し、そうすることで皮膚に防御を提供できることを示している(「18B粉末バリア」)。18B粉末は、真皮最外層の重要なバリア機能を補強及び強化するバリアとして機能する。この機構モデルは、皮膚が汚染、摩耗、汚れ、及び油脂等の環境ストレス要因によって危険にさらされている、そのようなバリアのない皮膚と比較されている。
図5Aは、この実施例に記載される方法の模式図、及び2mg/cmで皮膚に適用されたときに合体して約1μm厚の薄いフィルムになる乾燥1重量%の18B粉末溶液のSEM画像を示す。水和した18B粉末が乾燥すると、図5Aの矢印によって示されるように、粒子は明らかに合体して薄膜になった。
図5Bは、溶液濃度及び表面積に応じて変化するフィルムの厚さを示す。50mg/cmで皮膚に適用された乾燥1重量%の18B粉末溶液は、厚さ約10μmのフィルムを生じた。250mg/cmで皮膚に適用された乾燥1重量%の18B粉末溶液は、厚さ約20μmのフィルムを生じた。500mg/cmで皮膚に適用された乾燥1重量%の18B粉末溶液は、厚さ約30μmのフィルムを生じた。
図5Cは、繊維染料で染色された2重量%の18B粉末溶液、並びに染色された2重量%の18B粉末を2mg/cmで適用し、結合していない色を除去するために洗浄する前及び後の皮膚の画像を示す。具体的には、2重量%の18B粉末溶液を2mg/cmで皮膚に適用したときに、均一なコーティングが観察された。
実施例5:長期持続性バリアとしての組換え18Bポリペプチド粉末
実施例1に記載の方法に従って生成された18B粉末の長期的な利点を評価するために、図6Aに示されるようにタンパク質を蛍光標識することによって18B粉末バリアを視覚化した。
図6Bは、18B粉末バリアに対する繰り返し摩耗の影響を調査するための実験計画を示す。蛍光標識された18B粉末バリアを皮膚に適用し、10分を超えない時間乾燥させた。200gの質量を白いコットンワイプの上に載せ、指定された回数だけ手の甲の上で引きずった(すなわち「摩擦」)。
図6Cは、素肌(「対照」)と比較した、摩擦なし、100回の摩擦、及び600回の摩擦の繰り返し摩耗を受けた18B粉末バリアの画像を示す。18B粉末バリアは、繰り返し摩耗を受けた後でも、皮膚にしっかり密着していた。画像から分かるように、18B粉末バリアは、100回の摩擦後、更には600回の摩擦後でも、実質的にほぼ無傷で可視化することができる。
図6Dは、ウェットワイプを1回~5回通過させた後の皮膚上の18B粉末バリアの画像を示す。示されるように、18B粉末バリアは、最小限の洗浄後に水で容易に除去された。
図6Eは、1回目、2回目、4回目、及び5回目の通過を含む、最小限の穏やかな複数回の通過後のウェットワイプの画像を示す。示されるように、ウェットワイプは、わずか数回通過するうちにシルクベースのバリアを完全に除去した。調査結果は、シルクベースのフィルムが、日常的な皮膚の消耗を模倣する繰り返し摩耗に耐えることを示唆した。フィルムを除去するために激しい摩擦又は刺激の強い溶媒は必要なかった。これは、フィルムが経時的に蓄積しなかったこと、又は不快な外観をもたらさなかったことを意味する。また、フィルムは、皮膚の天然のバリア機能を乱すこと(例えば、毛穴の詰まり)もなかった。これらの利点は、18Bタンパク質バリアが摩耗に対して堅牢であっただけでなく、容易に拭き取れたことを強調するものであり、これは、いくつかのポリマーに共通する問題である経時的蓄積が見られなかったことを意味するものであった。
蛍光シルク粉末を生成するために、18B粉末をホウ酸バッファと(25mgの18B粉末を5mLのバッファに)組み合わせた。NHS-フルオレセイン(3mg、Thermo Fisher)を300uLのDMSOに溶解した。216uLのDSMO-染料溶液をシルク溶液と組み合わせた。この混合物を1時間インキュベートした後、24時間水に対して透析した。透析された溶液を回収し、4℃で20分間、16,000RCFで遠心分離した。上清を注ぎ出し、更に水を交換した。ペレットを再懸濁するために、激しく振盪することによってペレットを取り除いた。遠心分離及び上清交換のステップを合計で更に4回繰り返した。得られたシルクペレットを凍結乾燥し、粉砕して粉末にした。次いで、18B粉末を再懸濁してDI水中2重量%のシルク溶液を作製し、手の甲の領域に2mg/cmで適用し、5~10分間乾燥させた。手の甲の領域は、青色光(467~498nm)で18Bタンパク質バリアを励起し、反射光を513~556nmフィルタで観察することによって画像化した。キャプチャされた画像を、18Bタンパク質バリアの強度を評価するために白黒に変換した。皮膚からの18Bタンパク質バリアの洗浄性を評価するために、手の甲の領域上でウェットワイプ(Water Wipes)を複数回通過させた。通過させるごとに新しいウェットワイプを使用した。各通過の後、手の甲及び各ワイプを画像化した。
実施例6:汚染洗い流しを改善するための組換え18Bポリペプチド粉末の使用
実施例1に記載の方法に従って生成された18B粉末の防御上の利点を評価するために、汚染等級試験を行った。18B粉末は、汚染洗い流しの改善に利益をもたらしたことが明らかになった。
この試験では、フィッツパトリックのスキンタイプI、II、III、又はIVの35~56歳の合計5人の女性対象が試験に登録された。5人の対象全員が試験手順を成功裏に完了した。ベースライン時又は適用後及びすすぎ前に、熟練の技術者が各対象の右又は左前腕の1.5インチの試験部位に印を付け、およそ0.3グラムの被験物質又は2重量%の18B粉末水溶液を指定された1つの試験部位に適用し、10分間空気乾燥させた。被験物質は、DI水及び1%の保存剤(Biotinistat)で調製した。次いで、環境汚染物質又はカーボンを、被験物質を含む試験部位に噴霧し、残りの未処理の対照試験部位にも噴霧した。技術者は、以下に示すように、各試験部位が少なくとも顕著なレベル3の目に見える汚れのスコアを有するように、各試験部位を覆うのに十分な量のカーボン又は汚れを適用した。スコアは、両方の試験部位で等しくなければならなかった。次いで、技術者及び対象による目に見える汚れの評価を記録した。適用後/すすぎ前の評価の後、技術者は各試験部位をぬるま湯で45秒間すすぎ、評価を繰り返した。評価スコアの減少は、目に見える汚れの改善又は減少を示した。増加は悪化を示した。
この試験で使用された等級レベルは以下の通りであった:0=汚れなし、1=わずかな汚れがある、2=中程度の汚れがある(中程度に目に見える)、3=目立つ汚れがある(よく目に見える)、及び4=重度の汚れがある(非常に目に見える)。
図7A及び7Bは、カーボン粒子に対する18B粉末溶液の影響を調査するための汚染等級試験の結果を示す。18B粉末が2重量%でDI水に懸濁された、この第三者による二重盲検ビヒクル対照臨床試験では、18B粉末溶液は、ベースラインと比較して技術者によって観察された、目に見えるカーボン粒子に対する90%の改善を示し、平均等級レベルは0.4であった。これらの調査結果は、ベースラインと比較して技術者によって観察された、目に見えるカーボン粒子に対する40%及び45%の改善をそれぞれ示した未処理部位及びビヒクル対照部位とは対照的であった。未処理部位の平均等級レベルは2.4であり、ビヒクル対照部位では2.2であった。この結果を踏まえると、18B粉末溶液は、皮膚上で通気性バリアを形成し、環境ストレス要因に対する重要な防御として機能した。
図7Cは、対照と比較した、加水分解されたシルク及び18B粉末溶液を使用して、ポリウレタン材料又は人工皮膚上で行われた汚染洗浄の画像を示す。具体的には、1重量%の18B粉末溶液を人工皮膚に2mg/cmで適用し、次いで乾燥させた。その後、2.5mg/cmのカーボン粒子を表面に刷毛塗りした。最後に、人工皮膚をすすぎ、軽く叩いて乾燥させた。加水分解されたシルクとは異なり、18B粉末は汚染吸着に抵抗する能力を示した。代用皮膚にコーティングされた18B粉末は、より長期のフィルム形成、最小限の汚染吸着、及び改善された汚染洗い流し特性を示した。
図7Dは、対照と比較した、1重量%及び2.5重量%の18B粉末溶液を使用して毛髪に対して行われた汚染洗浄の画像、並びに洗浄後に得られたすすぎ水の画像を示す。18B粉末は、すすいだときの皮膚及び毛髪からの汚染の除去を改善した。1重量%及び2.5重量%の2つの18B粉末の溶液を毛髪に適用した。次いで、10mgのカーボンを添加した。すすいだ後、すすぎ水を16,000RCFで15分間遠心分離し、観察した。毛髪の色及びすすぎ水中のカーボン粒子ペレットのサイズを調べると、18B粉末の付いた毛髪は、18B粉末含有量の増加に伴って汚染除去の増加を示したことが明らかであった。
実施例7:洗浄剤へと配合された組換え18B粉末
実施例1に記載の方法に従って生成された18B粉末の洗浄効果を調べるために、黒色アイシャドウ(Lancome)、18B粉末、及び標準的な洗浄剤を使用して試験を行った。黒色アイシャドウ(Lancome)を前腕領域に均等に塗布した。18B粉末、黒炭、及び米ぬかを含む小さじ3/8の角質除去剤をアイシャドウに適用した。その領域を薬指で時計回り及び反時計回りに20回こすった。「角質除去剤なし」と表示されたサンプルは、角質除去剤を用いずにこすったが、「未処理」のサンプルはこすらなかった。次いで、各領域を水道水で45秒間すすいだ。図8Aは、黒色アイシャドウの上から皮膚にこすり付けた18B粉末、黒炭、及び米ぬかを含む様々な乾燥物質、並びに水ですすいだ後の画像を示す。乾いた状態で皮膚にこすり付けたとき、18B粉末は、炭黒及び米ぬか等の標準的な成分と比較して、メイクアップ(例えば、黒色アイシャドウ)を効果的に落とした。
洗浄剤としての18Bの柔らかさを調べるために、2g/mmの平面と白いテフロンテープとの間に角質除去剤を置き、角質除去剤がテフロンテープの表面を完全に覆うようにして(テフロンテープの表面は直径1cmであり、使用した角質除去剤の量はおよそ小さじ1/4であった)、黒い背景を覆った。テフロンは非常に柔らかいため、角質除去剤等の硬いものに曝露されると伸びて薄くなり、それによって黒い背景が露出した。テフロンテープの表面を、反射モードの光学顕微鏡で画像化した。図8Bは、対照並びに米ぬか、竹の茎、及びホホバビーズを含む他の標準的な成分と比較した、代用皮膚に対する角質除去剤として使用される18B粉末の顕微鏡画像を示す。18B粉末は、効果的に洗浄する一方で、極めて柔らかいという点で独特であった。18B粉末は、白色テフロンを通して見える黒がはるかに少ないことから判断されるように、標準的な成分よりも研磨性がはるかに低かった。
洗浄溶液としての18B粉末溶液の使用を調査するために、18B粉末をDI水に添加することによって純溶液を調製した。人工皮革(ポリウレタン材料)の2cmの領域をカーボン粒子(直径5μm)でコーティングした。余分な粒子を払った。200μlの溶液をその領域に適用し、直交する4方向全てに合計14回こすった。サンプルは、流れるDI水で45秒間すすぎ、軽く叩いて乾燥させた。図8Cは、対照及び加水分解されたシルク溶液と比較した、代用皮膚に対する洗浄剤として使用された10重量%の18B粉末溶液を示す。具体的には、試験した条件には、陰性対照(汚染物質を加えない)及び陽性対照(汚染物質を加えるが、洗浄しない又はこすらない)、水、こするが洗浄剤はなし、10重量%の加水分解シルク溶液、及び10重量%の18B粉末溶液が含まれる。注目すべきことに、加水分解されたシルクと比較して、18B粉末は代用皮膚からより効果的に汚染物質を除去した。
基剤ゲル洗浄剤配合物中の18B粉末の洗浄効果を調べるために、黒色アイライナー(Sephora)を前腕に塗布し、10分間乾燥させた。前腕を水道水下に45秒間維持した。被験物質100μlをアイライナー上の幅1cmの領域に適用した。被験物質を上下に合計14回こすった。最後に、流れるDI水下で45秒間サンプルをすすいだ。図8Dは、18B粉末を含まない水と比較した、洗浄剤として使用される様々な濃度の18B粉末溶液を示す。具体的には、18B粉末は、基剤ゲル洗浄剤配合物に添加された後でも洗浄を改善した。更に、洗浄効果は必ずしもシルクの濃度に比例しなかった。この実施例で使用された18B粉末溶液は、0重量%、1重量%、2重量%、及び5重量%と濃度が異なっていた。図8Eは、この実施例で使用される18B粉末ゲル洗浄剤の成分リストを示す。
実施例8:組換え18Bポリペプチド粉末のアンチエイジング効果
実施例1に記載の方法に従って生成された18B粉末のアンチエイジング効果を調査するために、臨床試験を行った。この試験には、以下で更に説明するように、専門家による等級付け、機器による評価、及び主観的なパネリストアンケートを使用した、第三者による二重盲検ビヒクル対照臨床試験(n=33)が含まれていた。2重量%の18B粉末配合物をビヒクルのみの対照と比較した。この試験に使用された配合物には、2重量%の18Bシルク成分に加えて、次の成分が含まれていた:水、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、オリーブ油グリセレス-8エステル、グリセリン、ココナッツアルカン、メチルグルセス-20、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムコポリマー、トコフェロール、グリチルリチン酸二カリウム、ココ-カプリル酸/カプリン酸、ペンチレングリコール、クロルフェネシン、カプリリルグリコール、EDTA二ナトリウム、フェノキシエタノール。
図9Aは、皮膚のハリ及び弾力性に対する2重量%の18B粉末溶液の平均改善率のグラフを示す。*=ベースライン測定値と比較した2重量%サンプルのp<0.05。Cutometerを使用してハリのR0及び弾力性のR5を測定する機器測定では、12週間でベースラインを超える統計的改善が示された。R0は、力に対する皮膚の受動的挙動を表すパラメータであった。R5は正味の弾力性を表すパラメータであった。皮膚のハリは、2重量%の18B粉末配合物について、ベースラインと比べて平均10%の改善を示した。皮膚の弾力性は、2重量%の18B粉末配合物について、ベースラインと比べて平均25%の改善を示した。ビヒクル対照は、ベースラインを超える統計的改善を示さなかった。*=ベースライン測定値と比較した2重量%の18B粉末溶液のp<0.05。
図9Bは、8週間にわたる、顔中央部のリフトアップ、弾力性、ハリ、及び全体的な皮膚の健康的な外観に対する2重量%の18B粉末溶液の統計的改善のグラフを示す。専門家による等級付けでは、顔中央部のリフトアップ、ハリ、弾力性、及び全体的な皮膚/健康的な外観において、空のビヒクル対照と比較して統計的な改善が見られた。*=ベースライン測定値と比較した2重量%サンプルのp<0.05。
図9Cは、対象が2重量%の18B粉末溶液を4週間使用した後の主観的なパネリストアンケートに関する皮膚の結果を示す。主観的なパネリストアンケートでは、ハリ、たるみ、小じわ及びしわ、皮膚の引き締まり、並びに皮膚の全体的な健康の領域において、4週間で空のビヒクル対照と比較して統計的改善が示された。ハリ、たるみ、小じわ及びしわ、皮膚の引き締まりの領域では、平均約20%の改善が見られた。皮膚の全体的な健康の領域では、平均約10%の改善が見られた。
この試験は、単純なスキンクリーム配合物(「空のビヒクル」)及び2重量%シルク含有量の単純なスキンクリーム配合物(「2%シルク配合物」)の2つのフェイシャルスキントリートメントの12週間、二重盲検、ビヒクル対照単項評価であった。パネルサイズは、サンプル当たり33人であった。空のビヒクルの場合、平均年齢は59±6歳であり、フィッツパトリックのスキンタイプはII、III、IV、及びVであった。2%シルク配合物の場合、平均年齢は58±6歳であり、フィッツパトリックのスキンタイプはI、II、III、IV、及びVであった。機器による評価は、0週目(「ベースライン」)、4週目、8週目、及び12週目の、Cutometer(MPA 580;Courage+Khazaka、Cologne Germany)を含んでいた。Cutometer MPA 580(Courage+Khazaka、Germany)は、皮膚表面に吸引力を加え、皮膚をプローブの開口部に引き込み、光学測定システムを使用して浸透深さを決定することにより、皮膚の粘弾性特性を測定した。皮膚の弾力性は、R5(Ur/Ue)パラメータを使用して報告され、皮膚の弾力性が高まるにつれて、この値が増加する。皮膚のハリはR0(Uf)パラメータを使用して報告され、皮膚が硬くなるにつれて、この値が減少する。臨床的等級付けは、ベースライン時並びに4週目、8週目、及び12週目に行われた。全ての等級付けは、頭上の照明、及び必要に応じて照明付きの拡大ループを使用して、全ての対象に対して同じ部屋で行われた。各時点で同じ照明条件を確保するために、自然光を部屋から遮断した。ビジュアルアナログスケール(VAS)は、直接測定できない様々な症状の強度又は頻度、主観的特性又は態度を測定するために、臨床研究で一般的に使用される。VASは信頼性の高いスケールであり、単純な序数スケールよりも小さな変化に敏感である。VAS項目に回答するとき、専門の評価者は、2つのエンドポイント又はアンカー回答の間の線(10cm)に沿った位置を示すことによって、記載内容への同意レベルを特定した。単純なVASを使用して有効性パラメータを評価し、10cmの水平線の両端を左(最良)から右(最悪)に配向された極限値として定義した。処理に対する対象の認識と、処理の4、8、及び12週間後の皮膚への影響を正確に測定するために、主観的なアンケートが使用された。質問は、5段階スケールを用いて記載事項に対する対象の同意を求めるものであった。
実施例9:組換え18Bポリペプチド粉末の創傷治癒効果
実施例1に記載の方法に従って生成された18B粉末の創傷治癒効果を評価するために、創傷スクラッチモデルを使用した。創傷スクラッチモデルは、試験材料の細胞遊走誘導能のインビトロでの定性的推定を提供した。最初のモデルでは、皮膚の表皮に見られる主要な型であるケラチノサイトを使用した。正常ヒト新生児表皮ケラチノサイト(HEKカタログ番号102-05n、Cell Applications、San Diego,CA)を、96ウェルプレート中のケラチノサイト増殖培地(KGM;最適増殖条件)又は(10%KGM/90%DMEM;準最適増殖条件)でコンフルエントになるまで増殖させた。その後、10μlピペットの先端を使用して単層に引っかき傷をつけ、次いですすぎ、試験材料(滅菌蒸留水で100μg/mLに希釈した18B粉末)とともに48時間、2連でインキュベートした。実験終了時に、細胞をトリクロロ酢酸で固定し、スルホローダミンBで染色した。顕微鏡写真は、EVOS 5000イメージングシステム(ThermoFisher Scientific、Waltham,MA)で撮影した。Celleste 5.0ソフトウェア(Thermofisher)を用いて引っかき傷の閉鎖を分析した。
図10は、引っかき傷を作ってから48時間後のケラチノサイト創傷スクラッチモデルの光学顕微鏡画像、並びに100μg/mLの18B粉末を用いて及び用いずに細胞をインキュベートした後の創傷閉鎖の、コンピュータ処理による定量を示す。18B粉末(100μg/mL)を用いて及び用いずに細胞をインキュベートし、創傷閉鎖の程度を分析した。創傷閉鎖の定量は、18B粉末処理サンプルで創傷閉鎖の増加を示したが、これはコンピュータ処理による定量を介して、創傷内のノイズ蓄積の増加によって示された。
2番目のモデルでは、線維芽細胞が使用された。正常ヒト新生児皮膚線維芽細胞(aHDF p.4カタログ番号106-05a、Cell Applications、San Diego,CA)を、12ウェルプレート中のDMEM(Invitrogen、Carlsbad,CA)+10%FBS(Sigma、St.Louis)及びPen/Strep/Fungizone溶液(Lonza、Switzerland)で初期サブコンフルエントまで増殖させた。実験当日、培地を1重量%のウシ胎児血清のみを含む培地に交換し、20μlピペットの先端を使用して細胞培養物に引っかき傷をつけ、すすぎ、滅菌蒸留水で25μg/mL及び50μg/mLに希釈した18B粉末とともに24時間2連でインキュベートした。水及び10重量%のウシ胎児血清に曝露した細胞を、それぞれ陰性対照及び陽性対照とした。実験終了時に、細胞をトリクロロ酢酸で固定し、スルホローダミンBで染色した。顕微鏡写真は、EVOS 5000イメージングシステム(ThermoFisher Scientific、Waltham,MA)で撮影した。Celleste 5.0ソフトウェア(Thermofisher)を用いて引っかき傷の閉鎖を分析した。
図11Aは、引っかき傷を作ってから24時間後の線維芽細胞創傷スクラッチモデルの光学顕微鏡画像、及び様々な濃度の18B粉末(25μg/mL及び50μg/mL)を用いて及び用いずに細胞をインキュベートした後の創傷閉鎖の定量を示す。18B粉末(25μg/mL及び50μg/mL)を用いて及び用いずに細胞をインキュベートし、創傷閉鎖の程度を分析した。
図11Bは、様々な濃度の18B粉末(25μg/mL及び50μg/mL)を用いて及び用いずに細胞をインキュベートした後の、遊走する線維芽細胞による創傷領域のパーセント被覆率の定量を、陽性対照と比較して示す。水のみの24%と比較して、陽性対照は53%の引っかき傷の被覆率が得られた。遊走する線維芽細胞による損傷領域の被覆率の定量は、Cellesteソフトウェアを使用して行った。50μg/mLの18B粉末サンプルは、18B粉末処理サンプルで約12%改善された引っかき傷の被覆率を示した。25μg/mLの18B粉末処理サンプルでは、5%のわずかな増加が測定された。このモデルは、創傷治癒能力の用量依存性を示唆した。
実施例10:様々な溶媒中の組換え18B粉末の更なる膨潤特性
実施例2に記載したように、粉末粒子は、粉末を分散させるために使用された溶媒に応じて膨潤の違いを示した。異なる溶媒に粉末を0.062%重量/重量レベルで懸濁することによって、光学顕微鏡画像を撮影した。粉末懸濁液の液滴をガラススライドにロードし、ガラスカバースリップで覆った。粒子径データ及び光学顕微鏡画像は、金属顕微鏡、プログラム可能な電動ステージ、オートフォーカス機能、高解像度CCDカメラ、及びBettersize粒子サイズ測定ソフトウェアを備えたBeVision M1粒子分析装置で撮影した。円形の走査領域は、10倍対物レンズを使用して半径0.5cmで設定した。
脱イオン(pH6のDI)水及びPBS(7.2pHのリン酸緩衝生理食塩水)は、粉末を同様に膨張又は膨潤させ、粒径の50%は50μm未満であり、最大直径はそれぞれ118μm及び116μmであった。対照的に、ペンチレングリコール、シリコーン、及びグリセリンは、粒子をあまり膨潤させず、粒径の100%が75μm未満であった。オリーブ油は異なる挙動を示し、粉末直径の50%が30μm未満であったが、最大粒径は、DI及びPBS中の粒子のものと同様に116μmであった。これらの調査結果を、粒径の100%が60μm未満であるそのままの状態の乾燥粉末と比較した。
図12Aは、美容及びパーソナルケア配合物に使用される様々な異なる溶媒に再懸濁した後に光学顕微鏡で見た代表的な粉末の形態を示す。
図12Bは、画像分析によって決定された様々な溶媒中の粉末直径の定量を示す。図12Cに示されるように、データは、直径ビン当たりの粒子の累積率として表形式及びグラフ形式で提示された。
実施例11:組換え18B粉末の溶解度
様々な濃度の組換え18Bタンパク質粉末をDI水に1~10重量%で分散させた。その溶液を22℃で24時間インキュベートした。組換え18B粉末は、4℃で15分間、16,000RCFで遠心分離してペレット化した。上清をペレットから注ぎ出した。上清を5Mチオシアン酸グアニジンに溶解し、Yarra SEC-3000 SEC-HPLCカラムに注入して、分子量に基づいて成分を分離した。屈折率を検出モダリティとして用いた。組換え18B(18B)凝集体、18Bモノマー、低分子量(1~8kDa)の不純物、中分子量の不純物(8~50kDa)、及び高分子量の不純物(110~150kDa)を定量した。関連する組成は、質量パーセントとして報告された。全てのタンパク質の90%超が、互いの約7%以内で屈折率の応答因子であるdn/dc値を示すと仮定して、BSAを一般的なタンパク質標準として使用した。ポリ(エチレンオキシド)を保持時間標準として使用し、BSAキャリブレータをチェック標準として使用して、方法の一貫した性能を確保した。
図13Aは、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定される、様々な組換え18Bタンパク質粉末溶液の溶解度の定量を示す。全長18Bタンパク質分子は、50.6kDa~78.1kDaの領域に見られた。18Bタンパク質の凝集体は113.2kDa付近に見られ、18Bタンパク質の短いバージョンは2.6kDa~50.8kDaに見られた。これらのタンパク質種は全て、抽出物中の18Bタンパク質の溶解度の計算に使用された。水性抽出物中で測定された18Bタンパク質の量は溶液濃度に対応しており、最大溶解度に達しなかったことを示している。DI水中の10%重量/重量の18Bタンパク質粉末は、ほぼ懸濁能力の上限であったことに留意されたい(すなわち、DI中の18Bタンパク質が10%重量/重量を超えると、粉末は完全に湿潤しなかった)。図13Bは溶解度結果の表を示す。組換え18Bタンパク質粉末は、HPLC SECによって決定されるように、DI水中で限定された溶解度を示した。タンパク質の11%未満が水性溶媒に分配された。
実施例12:組換え18B粉末の創傷治癒効果の促進
フィッツパトリック分類に基づくフォトタイプIIの41歳の白人女性に由来する腹壁形成術からヒトの皮膚を得た。平均直径11mm(±1mm)の合計21個のヒト皮膚外植片と、サイズ10×15mmの21個の長方形の皮膚外植片とを調製した。外植片は、湿潤した5%CO雰囲気中、37℃の培地中に維持した。0日目に、直径2mmのパンチを使用して、バッチの各外植片の中心に機械的創傷を与えた。創傷後0日目、1日目、4日目、及び6日目に、空のビヒクル(PBS+0.9%Botanistat保存剤)及び組換え18Bタンパク質サンプル(PBS中の5%組換え18Bタンパク質+0.9%Botanistat保存剤)又は空のビヒクルサンプル(PBS+0.9%Botanistat保存剤)を、2mg/cmの表面積に基づいて局所的に適用し、小さなスパチュラを使用して広げた。未処理の対照外植片は、培地の更新を除いて、何の処理も受けなかった。1日目、4日目、及び6日目に培地の半分(1ml)を交換した。0日目に、各処理条件から3つの外植片を回収し、2つの部分に切断した。サンプルの半分は緩衝ホルマリン溶液で固定し、半分は-80℃で凍結させた。4日目及び8日目に、各バッチから3つの外植片を回収し、同じ方法で処理した。緩衝ホルマリンで24時間固定した後、Leica PEARL脱水オートマットを使用してサンプルを脱水し、パラフィンに含浸させた。次いで、Leica EG 1160包埋ステーションを使用してサンプルを包埋した。Leica RM 2125 Minot型ミクロトームを使用して厚さ5μmの切片を作製し、次いで、その切片をSuperfrost(登録商標)組織学的ガラススライドにマウントした。
Leica CM 3050クライオスタットを使用して、凍結サンプルを厚さ7μmの切片に切断した。次いで、切片をSuperfrost(登録商標)及びシラン処理したガラススライドにマウントした。顕微鏡観察は、Leica DMLB又はOlympus BX43顕微鏡を使用して行われた。写真は、CellSens保存ソフトウェアを備えたニューメリックDP72 Olympusカメラでデジタル化した。表皮及び真皮構造における細胞生存率及び創傷閉鎖の測定は、マッソントリクローム、ゴールドナー変法に従ってパラフィン切片を染色した後に行った。
その結果、組換え18Bタンパク質は、創傷部位の細胞遊走を増加させることにより、エクスビボのヒト皮膚モデルにおける創傷閉鎖の加速を支持した。ヒト皮膚外植片に傷をつけ、組換え18Bタンパク質サンプルで8日間処理した。
図14Aは、エクスビボ組織の組織学的断面を示す。組換え18Bタンパク質は、4日目及び8日目の両方の時点で、表皮の長さの程度について、空のビヒクル及び未処理の対照より優れていることが示されている。図14Bは、組換え18Bタンパク質が、空のビヒクルと比較して4日目に表皮舌状部の長さの68%の増加を誘導したことを示す(**=未処理及び空のビヒクル対照と比較してp<0.01)。8日目に、組換え18Bタンパク質は、空のビヒクルと比較して、8日目に表皮舌状部の長さの42%の増加を誘発した(*=未処理及び空のビヒクル対照と比較してp<0.05)。
実施例13:組換え18B粉末は、基礎レベルの酸化ストレス及び青色光照射によって引き起こされた酸化ストレスを低減させる
フィッツパトリック分類に基づくフォトタイプIIの52歳の白人女性に由来する腹壁形成術で、平均直径12mm(±1mm)の27個のヒト皮膚外植片を調製した。外植片は、湿潤した5%CO雰囲気中、37℃の培地中に生存状態で維持した。この試験は、ドナーからの書面によるインフォームドコンセントの後、手術の残留物から得られた生検材料に対して行われた。0日目、1日目、及び4日目の青色光照射の30分前に、組換え18Bタンパク質サンプル(PBS中の2%組換え18Bタンパク質+0.9%Botanistat保存剤)又は空のビヒクルサンプル(PBS+0.9%Botanistat保存剤)を2mg/cmの表面積に基づいて局所的に適用し、小さなスパチュラを使用して広げた。未処理の対照外植片は、培地の更新を除いて、何の処理も受けなかった。1日目及び4日目に培地を半分更新した(ウェル当たり1mL)。4日目に、青色光照射が予定されていた外植片を、1mlのHBSS(ハンクス平衡塩類溶液)に入れ、Solarbox(登録商標)デバイスを用いて63.75J/cmの線量で3時間青色光を照射した。未処理の非照射対照外植片は、照射プロセス中、暗所で1mLのHBSS中に維持した。照射の最後に、全てのバッチを培地に戻した。サンプルを犠牲にする準備ができたら、サンプルを回収して2つの部分に切断した。サンプルの半分は緩衝ホルマリン溶液で固定し、半分は-80℃で凍結させた。緩衝ホルマリンで24時間固定した後、Leica PEARL脱水オートマットを使用してサンプルを脱水し、パラフィンに含浸させた。Leica EG 1160包埋ステーションを使用してサンプルを包埋した。Leica RM 2125 Minot型ミクロトームを使用して厚さ5μmの切片を作製し、その切片をSuperfrost(登録商標)組織学的ガラススライドにマウントした。顕微鏡観察は、Leica DMLB、Olympus BX43、又はOlympus BX63顕微鏡を使用して実現した。写真は、celSens保存ソフトウェアを備えたニューメリックDP72又はDP74 Olympusカメラでデジタル化した。表皮及び真皮構造の細胞生存率は、マッソントリクローム染色、ゴールドナー変法の後に、ホルモール固定パラフィン包埋(FFPE)皮膚切片で観察された。細胞生存率は、顕微鏡観察によって評価した。PBS-BSA 0.3%で1:400に希釈したモノクローナル抗8-OHdG抗体(Gentaur、参照番号50-MOG、クローンN45-1)を用いてFFPE皮膚切片で8-OHdGの免疫染色を行い、Vectastain Kit Vector アビジン/ビオチン増幅システムを使用して室温で一晩インキュベートし、酸化すると紫色に染色するペルオキシダーゼの基質であるVIP(Vector laboratories、参照番号SK-4600)によって明らかにした。免疫染色は手動で行い、顕微鏡観察によって評価し、画像分析によって半定量した。
画像分析による半定量は以下の通りに行われた:最初に、染色を検出し、染色に対応するピクセルを選択した。これをマスク1に割り当てた。次いで、ROI(すなわち、表皮層)の選択を描画によって選択し、別のマスク2に割り当てた。次に、マスクのオーバーラップ(すなわち、免疫染色及びROIがオーバーラップする場所)をマスク3に割り当てた。最後に、染色(すなわちマスク3)によって覆われた表皮(すなわちマスク2)のパーセンテージを計算し、「染色表面%」と名付けた。図15Aは、組換え18Bタンパク質が、核内酸化のマーカー(8-OHdG)の減少によって測定される酸化ストレスの基礎レベルを低減させたことを示す。更に、組換え18Bタンパク質は、青色光によって誘発される核内酸化(8-OHdG)も低減させた。核内及びミトコンドリアDNAの酸化は、この塩基のイオン化ポテンシャルが高いため、グアニン残基で最も容易に起こる。8-オキソ-2’-デソキシグアノシン(8-オキソ-dG)又はヒドロキシデオキシグアノシン(8-OHdG)は、ヒトにおいてフリーラジカルによって誘発される酸化損傷の主要な形態の1つである。ヒドロキシルラジカルとグアニン塩基のC-8位の二重結合との相互作用により、8-OHdGが生成される。この安定な酸化修飾DNA産物は、DNAへの酸化損傷の程度を反映するのに広く使用されてきた。
図15Bは、2%組換え18Bタンパク質の単純な溶液(PBS及び0.9%Botanistat保存剤に懸濁)が、未処理サンプルと比較して8-OHdG染色の37%の減少、及び空のビヒクルと比較して42%の減少をもたらしたことを示す(p<0.01)。青色照射は、未処理対照の8-OHdG染色の18%増加を誘発し(p<0.01)、一方、2%組換え18Bタンパク質溶液で処理したサンプルは、青色光照射の未処理対照と比較して8-OHdG染色の43%の減少、及び青色光照射した空のビヒクルと比較して42%の減少を経験した(p<0.01)。
実施例14:組換え18B粉末は、汚染によって誘発される酸化ストレスを低減する
フィッツパトリック分類に基づくフォトタイプII-IIIの59歳の白人女性に由来する腹壁形成術で、平均直径12mm(±1mm)の35個のヒト皮膚外植片を調製した。外植片は、湿潤した5%CO2雰囲気中、37℃の培地中に生存状態で維持した。この試験は、ドナーからの書面によるインフォームドコンセントの後、手術の残留物から得られた生検材料に対して行われた。
0日目、3日目、及び4日目の汚染物質曝露の前に、組換え18Bタンパク質サンプル(PBS中の2%組換え18Bタンパク質+0.9%Botanistat保存剤)又は空のビヒクルサンプル(PBS+0.9%Botanistat保存剤)を2mg/cmの表面積に基づいて局所的に適用し、小さなスパチュラを使用して広げた。未処理の対照外植片は、培地の更新を除いて、何の処理も受けなかった。培地は、1日目に半分更新し(1ウェル当たり1mL)、汚染物質への曝露後、4日目に完全に更新した(1ウェル当たり2mL)。4日目に、汚染曝露が予定されていた外植片を、1ウェル当たり900μlのHBSSを含むPolluBox(登録商標)システムに配置し、合計3mLの全汚染溶液を使用して、0.9%NaClを含む(1mlの汚染溶液当たり150μlのNaCl 0.9%)多環式芳香族炭化水素+重金属の混合物を1.5時間噴霧することによって曝露した。未処理の対照外植片は、1mLのHBSS中に維持した。汚染物質への曝露の最後に、全ての外植片を2mLの新鮮な培地に戻した。サンプルを犠牲にする準備ができたら、サンプルを回収して3つの部分に切断した。1つ目の部分は緩衝ホルマリンで固定し、2つ目の部分は-80℃で凍結させ、最後の部分はRNA Later(登録商標)に入れた。緩衝ホルマリンで24時間固定した後、Leica PEARL 脱水オートマットを使用してサンプルを脱水し、パラフィンに含浸させた。Leica EG 1160包埋ステーションを使用してサンプルを包埋した。Leica RM 2125 Minot型ミクロトームを使用して厚さ5μmの切片を作製し、その切片をSuperfrost(登録商標)組織学的ガラススライドにマウントした。Leica CM 3050クライオスタットを使用して、凍結サンプルを厚さ7μmの切片に切断した。次いで、切片をSuperfrost(登録商標)及びシラン処理したガラススライドにマウントした。顕微鏡観察は、Leica DMLB、Olympus BX43、又はOlympus BX63顕微鏡を使用して実現した。写真は、celSens保存ソフトウェアを備えたニューメリックDP72又はDP74 Olympusカメラでデジタル化した。表皮及び真皮構造の細胞生存率は、マッソントリクローム染色、ゴールドナー変法の後に、ホルモール固定パラフィン包埋(FFPE)皮膚切片で観察された。細胞生存率は、顕微鏡観察によって評価した。Vectastain Kit Vector アビジン/ビオチン増幅システムを使用して室温で1時間、PBS-BSA 0.3%-Tween20(0.05%)で1:400に希釈したモノクローナル抗ホスホ(S40)Nrf2抗体(Abcam、参照番号ab76026、クローンEP1809Y)を用いてFFPE皮膚切片でNrf2の免疫染色を行い、ペルオキシダーゼの紫色の基質であるVIP(Vector Laboratories、参照番号SK-4600)によって明らかにした。
顕微鏡観察により免疫染色を評価した。Vectastain Kit(Vector)、アビジン/ビオチン増幅システムを使用して室温で1時間、PBS-BSA 0.3%-Tween20(0.05%)で1:200に希釈したモノクローナル抗IL-1α抗体(Novus Biologicals、NBP2-45400、クローンOTI2F8)を用いてFFPE皮膚切片でIL-1αの免疫染色を行い、ペルオキシダーゼの紫色の基質であるVIP(Vector Laboratories、参照番号SK-4600)によって明らかにした。
顕微鏡観察により免疫染色を評価した。免疫染色は手動で行い、顕微鏡観察によって評価し、画像分析によって半定量した。画像分析による半定量は以下の通りに行われた:最初に、染色を検出し、染色に対応するピクセルを選択した。これをマスク1に割り当てた。次いで、ROI(すなわち、表皮層)の選択を描画によって選択し、別のマスク2に割り当てた。次に、マスクのオーバーラップ(すなわち、免疫染色とROIがオーバーラップする場所)をマスク3に割り当てた。最後に、染色(すなわちマスク3)によって覆われた表皮(すなわちマスク2)のパーセンテージを計算し、「染色表面%」と名付けた。
その結果、組換え18Bタンパク質は、細胞の抗酸化システム及び炎症の汚染によって誘発される発現を低減させた。酸化ストレス下では、細胞の抗酸化システムがトリガーされる。すなわち、核因子赤血球2関連因子2(Nrf2)が、リン酸化によって活性化され、細胞質から核に移行する。核内に入ると、Nrf2は、抗酸化システム全体のマスターレギュレーターである抗酸化応答要素(ARE)又はヒト抗酸化応答要素(hARE)の位置でDNAに結合する。また、酸化ストレス下では、炎症カスケードがトリガーされる。表皮では、インターロイキン1(IL-1)が、ケラチノサイトの増殖、免疫及び抗菌反応、炎症、並びに脂質合成を調節することができる。一般に、IL-1は、炎症の発生、並びに発熱及び敗血症の促進に関与している。この試験では、IL-1αを調べた。
図16Aは、汚染物質への曝露を伴う及び伴わない、未処理、空のビヒクル、及び2%組換え18Bタンパク質サンプルのエクスビボ組織の組織学的断面を示す。図16Bは、PBSに懸濁された2%組換え18Bタンパク質及び0.9%Botanistat保存剤の溶液が、未処理(49%少ない、p<0.01)及び空のビヒクル (40%少ない、**p<0.01)サンプルと比較して、汚染に曝露された場合にNrf2発現(染色表面%)の有意な減少をもたらしたことを示す。汚染に曝露された未処理のサンプルは、未処理の非曝露サンプルと比較して68%の有意な増加を示したことに留意されたい(p<0.01)。また、空のビヒクルは、汚染に曝露されたときに未処理のサンプルと比較してNrf2発現を減少させたが(15%少ない、p<0.01)、2%組換え18Bタンパク質サンプルよりもはるかに低い程度であったことに留意されたい。
図16Cは、汚染物質への曝露を伴う及び伴わない、未処理、空のビヒクル、及び2%組換え18Bタンパク質サンプルのエクスビボ組織の組織学的断面を示す。図16Dは、空のビヒクルと比較して、2%組換え18Bサンプルが、汚染に曝露されたときに、未処理(19%少ない、p<0.01)及び空のビヒクル(26%**p<0.01)サンプルと比較してIL-1α発現の有意な減少を誘発したことを示す。汚染に曝露された未処理のサンプルは、未処理の非曝露サンプルと比較して47%の有意な増加を示したことに留意されたい(p<0.01)。
実施例15:組換え18B粉末は、UVA/UVBによって誘発される酸化ストレスを低減する
フィッツパトリック分類に基づく表現型IIの52歳の白人女性に由来する腹壁形成術で、平均直径11mm(±1mm)の30個のヒト皮膚外植片を調製した。外植片は、湿潤した5%CO雰囲気中、37℃のBEM培地(BIO-ECの外植片培地)中に生存状態で維持した。0日目、1日目、及び4日目のUV照射前に、組換え18Bタンパク質サンプル(PBS中の2%組換え18Bタンパク質+0.9%Botanistat保存剤)又は空のビヒクルサンプル(PBS+0.9%Botanistat保存剤)を2mg/cmの表面積に基づいて局所的に適用し、小さなスパチュラを使用して広げた。未処理の対照外植片は、培地の更新を除いて、何の処理も受けなかった。培地は、1日目に半分更新し(1ウェル当たり1mL)、4日目に完全に更新した(1ウェル当たり2mL)。4日目に、UVシミュレータVibert Lourmat RMX 3Wを用いて、4MED(最小紅斑線量)に相当する18J/cmのUVA線量で「UVA」バッチを照射した。「UVB」バッチは、UVシミュレータVibert Lourmat RMX 3Wを使用して、2MED(最小紅斑線量)に相当する0.3J/cmのUVB線量で照射した。未照射のバッチは、暗所でHBSS中に維持した。照射の最後に、全ての外植片を2mLの培地に戻した。サンプルを犠牲にする準備ができたら、サンプルを回収して2つの部分に切断した。1つは緩衝ホルマリンで固定し、もう1つは-80℃で凍結させた。緩衝ホルマリンで24時間固定した後、Leica PEARL 脱水オートマットを使用してサンプルを脱水し、パラフィンに含浸させた。Leica EG 1160包埋ステーションを使用してサンプルを包埋した。Leica RM 2125 Minot型ミクロトームを使用して厚さ5μmの切片を作製し、その切片をSuperfrost(登録商標)組織学的ガラススライドにマウントした。Leica CM 3050クライオスタットを使用して、凍結サンプルを厚さ7μmの切片に切断した。次いで、切片をSuperfrost(登録商標)及びシラン処理したガラススライドにマウントした。顕微鏡観察は、Leica DMLB、Olympus BX43、又はOlympus BX63顕微鏡を使用して実現した。写真は、celSens 保存ソフトウェアを備えたニューメリックDP72又はDP74 Olympusカメラでデジタル化した。表皮及び真皮構造の細胞生存率は、マッソントリクローム染色、ゴールドナー変法の後に、ホルモール固定パラフィン包埋(FFPE)皮膚切片で観察された。Vectastain Kit Vector アビジン/ビオチン増幅システムを使用して室温で1時間、PBS-BSA 0.3%-Tween20(0.05%)で1:400に希釈したモノクローナル抗ホスホ(S40)Nrf2抗体(Abcam、参照番号ab76026、クローンEP1809Y)を用いてFFPE皮膚切片でNrf2の免疫染色を行い、ペルオキシダーゼの紫色の基質であるVIP(Vector Laboratories、参照番号SK-4600)によって明らかにした。免疫染色は、自動スライド処理システム(Autostainer、Dako)を使用して実行し、顕微鏡観察によって評価した。PBS-BSA 0.3%-Tween 20 0.05%で1:1600に希釈したモノクローナル抗チミン二量体抗体(Kamiya、参照番号MC-062、クローンKTM53)を用いてFFPE皮膚切片でチミン二量体の免疫染色を行い、Vectastain Kit(Vector)、アビジン/ビオチン増幅システムを使用して室温で1時間インキュベートし、酸化すると紫色のシグナルを発するペルオキシダーゼの基質であるVIP(Vector laboratories、参照番号SK-4600)によって明らかにした。免疫染色は手動で行い、顕微鏡観察によって評価し、画像分析によって半定量した。
画像分析による半定量は以下の通りに行われた:最初に、染色を検出し、染色に対応するピクセルを選択した。これをマスク1に割り当てた。次いで、ROI(すなわち、表皮層)の選択を描画によって選択し、別のマスク2に割り当てた。次に、マスクのオーバーラップ(すなわち、免疫染色及びROIがオーバーラップする場所)をマスク3に割り当てた。最後に、染色(すなわちマスク3)によって覆われた表皮(すなわちマスク2)のパーセンテージを計算し、「染色表面%」と名付けた。日焼けした細胞の数を定量するために、好酸球性細胞質及びアポトーシス核を有する細胞の数について組織像を計数した。
その結果、組換え18Bタンパク質は、表皮へのUVA/UVB曝露に関連する負の効果、すなわち細胞生存率、チミン二量体の発現、及びNrf2の発現を低減した。紫外線は、DNAのチミン塩基及びシトシン塩基の二重結合によって吸収される。この追加されたエネルギーが結合を開き、隣接する塩基と反応できるようにする。隣接しているのが別のチミン又はシトシン塩基である場合、2つの塩基間に共有結合を形成することができる。
図17Aは、UVBへの曝露を伴う及び伴わない、未処理、空のビヒクル、及び5%組換え18Bタンパク質サンプルのエクスビボ組織の組織学的断面を示す。図17Bは、5%組換え18Bタンパク質(PBS及び0.9%Botanistat保存剤に懸濁)が、UVBに曝露されたときに、未処理及び空のビヒクルサンプルと比較してかなり良好な細胞生存率をもたらしたことを示す。組換え18Bタンパク質サンプルは、未処理(40%少ない、*=p<0.05)及び空のビヒクル対照(39%少ない、*=p<0.05)と比較して、日焼けした細胞の数を低減させた。組換え18Bタンパク質は、UVB曝露によって誘発される変化から若干保護した。
図17Cは、UVBへの曝露を伴う及び伴わない、未処理、空のビヒクル、及び5%組換え18Bタンパク質サンプルのエクスビボ組織の組織学的断面を示す。図17Dは、5%組換え18Bタンパク質(PBS及び0.9%Botanistat保存剤に懸濁)が、未処理及び空のビヒクル対照と比較して、チミン二量体の発現低減をもたらしたことを示す。5%組換え18Bタンパク質は、未処理の対照と比較して49%、空のビヒクルと比較して32%のチミン二量体発現の有意な減少を誘発した(**=p<0.01)。UVBを照射した未処理のサンプルは、チミン二量体の発現を示さなかった未処理の非照射サンプルと比較して、チミン二量体免疫染色に対して陽性の20.4%の表皮表面を示した。
図17Eは、UVAへの曝露を伴う及び伴わない、未処理、空のビヒクル、及び5%組換え18Bタンパク質サンプルのエクスビボ組織の組織学的断面を示す。図17Fは、5%組換え18Bタンパク質(PBS及び0.9%Botanistat保存剤に懸濁)が、UVAへの曝露後にNrf2染色の発現低減をもたらしたことを示す。UVA照射は、非曝露サンプルと比較して、表皮における活性化Nrf2の発現の有意な増加を誘発した(40%以上、p<0.01)。5%組換え18Bタンパク質は、UVAに曝露されると、空のビヒクル(26%、*=p<0.1)及び未処理の対照(53%、p<0.01)と比較してNrf2発現の減少を示した。また、空のビヒクルは、UVAに曝露されたときに、未処理のサンプルと比較してNrf2染色を減少させたが(36%少ない、p<0.01)、2%組換え18Bタンパク質サンプルよりも程度は低かった。
実施例16:組換え18B粉末のテカリ防止効果
9人を対象とした治験では、対象の3分の2において、2%の18Bタンパク質配合物と比較して、空のビヒクル配合物では光沢度がベースラインから大幅に増加した。
治験前の来院では、潜在的に資格のあるボランティアが清潔な顔(化粧なし)で到着し、額が油っぽいかどうか視覚的にスクリーニングされ、資格があると考えられる場合、同意プロセスを完了した。対象は、フィッツパトリック分類に基づく表現型I~IIであり、Sebumeter(登録商標)で測定した額の皮脂量が中程度から重度の18~65歳(両端の年齢を含む)の女性で構成されていた。候補者は、包含/除外基準を満たす健康な女性のプールから募集した。包含基準は以下の通りであった:a)18~65歳の女性;b)フィッツパトリックのスキンタイプI-II;c)インフォームドコンセントフォームを読み、理解し、署名することができた;d)Sebumeter(登録商標)による測定で額に中等度から重度の皮脂があった;e)清潔な顔(最後の洗顔以降、メイクアップ又は局所的な製品が適用されていない)でPSV/DOTの来院のために到着する意思があった;f)来院中、帽子、かつら、又は他の頭を覆うものを着用せず、髪が額にかからないようにヘッドバンドを着用すること又は提供されることに同意した;g)全ての治験要件及び制限に従う意思があり、従うことができた。
除外基準は以下の通りであった:a)面接で決定されたときに妊娠中、授乳中、又は妊娠を計画中であった;b)スキンケア製品、化粧品、保湿剤、日焼け止め、香料、又はIP中の任意の成分に対して既知の過敏症又はアレルギーがあった;治験の妨げとなるであろう任意の入れ墨、あざ、傷跡、引っかき傷、ほくろ、又は他の欠陥が試験部位にあった;d)脂性肌以外の顔面の皮膚状態(例えば、乾癬、湿疹等)があった;e)治験来院前の30日以内にCOVID-19感染が確認された、又は疑われる病歴があった;f)治験来院前の14日以内にCOVID-19感染者と接触した;g)個人又は個人の家族の一員が、治験来院前の14日以内に海外旅行をした;h)治験来院前の2週間以内に、以下の自己申告によるCOVID-19の症状のいずれかを経験していた;i)現在別の治験に参加している、又はこの治験期間中に別の治験に参加する予定である;j)Dermico Labの従業員、請負業者、若しくは近親者、治験責任医師、又は治験依頼者であった;j)治験責任医師又は正当に任命された代表者が、皮膚反応又は試験結果の解釈に影響を与える可能性があると考えた他の状態又は要因。
額の3つの部位から光沢度のベースライン(BL)測定値を収集した。2つの部位(各目の上に1つ)を無作為に処理し、鼻梁の上の中央の部位は対照として機能するように未処理のままにした。空のビヒクルクリーム配合物及び2%の18Bタンパク質配合物の2つの生成物を試験した。ビヒクル対照には、以下の成分が含まれていた:水(>50%)、カプリル/カプリン酸トリグリセリド(5~15%)、オリーブ油グリセレス-8エステル(1~5%)、グリセリン(1~5%)、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムコポリマー(1~5%)、フェノキシエタノール(0.1~1%)、カプリリルグリコール(0.1~1%)、クロルフェネシン(0.1~1%)、トコフェロール(0.1~1%)、EDTA二ナトリウム(0.01~0.1%)。
処理手順は以下の通りであった:マイクロピペットを使用して、指定された4cm×4cmの試験部位におよそ32mgの治験薬を適用した。清潔な指サックを使用して製品を試験部位に広げ、完全に吸収されるまでマッサージした。対象は管理された環境でおよそ30分間待機し、光沢度の測定を繰り返した。
表面の光沢は、この表面に照射された光の直接反射を測定することによって表した。GL200プローブヘッドでは、平行な白色光が0°の角度で鏡に送られ、鏡はそれを皮膚表面に対して60°の角度で反射した。光の一部は同じ角度で直接反射され、光の一部は表面に吸収され、散乱し、様々な角度で反射された。直接反射された光は、光センサーに到達するように別の鏡で反射された。拡散散乱光も、皮膚の上で、皮膚に対して0°の角度で配置された異なるセンサーによって測定された。この拡散散乱光により、様々な個人の皮膚の構造、明るさ、及び色による変動を制限又は排除しようとする拡散散乱補正(DSC)が可能となった。
図18は、組換え18B粉末が、空のビヒクルと比較した場合、皮膚にテカリ防止効果を与えることを示している。

Claims (127)

  1. シルクベースの組成物を製造する方法であって、以下の工程:
    組換えシルク粒子と溶媒とを混合する工程であって、前記組換えシルク粒子が外側シェルと中空コアとを含み、前記混合によって前記シルクベースの組成物を形成する、工程
    を含む、方法。
  2. 前記組換えシルク粒子が、前記外側シェルに開口部を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記組換えシルク粒子が、乾燥粉末の形態である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記溶媒が、水性溶媒、アルコール、油性溶媒、又はシリコーンを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記溶媒が、水、グリセリン、脱イオン水、オリーブ油、ペンチレングリコール、及びシリコーンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記組換えシルク粒子が、前記溶媒の担体である、請求項1に記載の方法。
  7. 組換えスパイダーシルク粒子が、前記溶媒と混合されると膨潤する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記外側シェルの直径が、前記組換えシルク粒子が乾燥しているときは5μm~25μmである、請求項1に記載の方法。
  9. 前記外側シェルの前記直径が、前記溶媒と混合されると最大120μmまで膨潤する、請求項8に記載の方法。
  10. 外側シェル厚さが、前記組換えシルク粒子の直径の20%未満、15%未満、又は10%未満である、請求項1に記載の方法。
  11. 前記組成物が、複数の組換えシルク粒子を含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記組換えシルク粒子が、前記溶媒中1%~10%重量/重量の濃度で前記組成物中に存在する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記組換えシルク粒子が、組換えスパイダーシルクを含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記組換えシルク粒子がポリペプチドを含み、前記ポリペプチドが配列番号2を含む、請求項1に記載の方法。
  15. 前記ポリペプチドが、配列番号2の連結反復単位を少なくとも2つ含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記組換えシルク粒子が、少なくとも1重量%の前記ポリペプチドを含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記組換えシルク粒子が、水不溶性である、請求項1に記載の方法。
  18. 前記組換えシルク粒子が、ビーズである、請求項1に記載の方法。
  19. 前記粉末が噴霧乾燥される、請求項1に記載の方法。
  20. 前記組換えシルク粒子を含む乾燥粉末を形成するために、組換えシルクポリペプチドを含む組成物を噴霧乾燥する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  21. 前記シルクベースの組成物又は前記組換えシルク粒子に染料を添加する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  22. 前記シルクベースの組成物又は前記組換えシルク粒子に界面活性剤又は湿潤剤を添加する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  23. 前記組換えシルク粒子と溶媒とを混合する工程が、前記中空コアを膨張させる、請求項1に記載の方法。
  24. 前記シルクベースの組成物が、化粧品又はスキンケア配合物である、請求項1に記載の方法。
  25. 前記シルクベースの組成物が、引き締め、弾力性、全体的な皮膚の健康、創傷治癒、又は皮膚の外観を改善する、請求項1に記載の方法。
  26. 前記シルクベースの組成物の皮膚への適用が、酸化ストレスを低減する、請求項1に記載の方法。
  27. 前記酸化ストレスが、基礎レベルの酸化ストレス、青色光照射によって引き起こされた酸化ストレス、汚染によって誘発される酸化ストレス、UVAによって誘発される酸化ストレス、及びUVB酸化ストレスからなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
  28. 前記シルクベースの組成物の皮膚への適用が、前記皮膚の表面のテカリを防止する、請求項1に記載の方法。
  29. シルクベースの組成物を製造する方法であって、以下の工程:
    中空コアを含む組換えシルク粒子と溶媒とを混合する工程であって、前記組換えシルク粒子が前記溶媒の担体であり、前記組換えシルク粒子がポリペプチドを含み、前記ポリペプチドが配列番号2の連結反復単位を少なくとも2つ含み、前記混合によって前記シルクベースの組成物を形成する、工程
    を含む、方法。
  30. シルクベースの固体又はヒドロゲルを製造する方法であって、以下の工程:
    中空コアを含む組換えシルク粒子と溶媒とを混合する工程であって、前記組換えシルク粒子が前記溶媒の担体として機能し、前記混合によってシルクベースの組成物を形成する、工程、
    前記シルクベースの組成物を表面に適用する工程、及び
    前記シルクベースの固体又はヒドロゲルを形成するために、前記シルクベースの組成物を乾燥させる工程
    を含む、方法。
  31. 前記表面が、皮膚、毛髪、又は爪を含む、請求項30に記載の方法。
  32. 前記乾燥させたシルクベースの組成物が、前記表面上にバリアを形成する、請求項30に記載の方法。
  33. 前記バリアが、実質的に均一である、請求項32に記載の方法。
  34. 前記シルクベースの固体又はヒドロゲルが、ビーズである、請求項30に記載の方法。
  35. 前記シルクベースの固体又はヒドロゲルが、フィルムである、請求項30に記載の方法。
  36. 前記シルクベースの固体又はヒドロゲルが、化粧品又はスキンケア配合物である、請求項30に記載の方法。
  37. シルクベースの配合物を製造する方法であって、以下の工程:
    シルクタンパク質粉末及び溶媒を含むシルクベースの配合物を提供する工程であって、組換えシルク粉末が、中空コアを含み、かつ前記溶媒の担体である、工程
    を含む、方法。
  38. 前記組換えシルク粉末が、前記溶媒の担体である、請求項37に記載の方法。
  39. 前記シルクベースの組成物又は前記組換えシルク粒子に染料を添加する工程を更に含む、請求項37に記載の方法。
  40. シルクベースの固体又はヒドロゲルを形成するために、前記シルクベースの配合物を乾燥させる工程を更に含む、請求項37に記載の方法。
  41. シルクベースのエマルジョンを形成するために、前記シルクベースの配合物をエマルジョンに混合する工程を更に含む、請求項37に記載の方法。
  42. シルクベースの固体又はヒドロゲルを形成するために、前記シルクベースのエマルジョンを乾燥させる工程を更に含む、請求項41に記載の方法。
  43. 濃縮されたシルクベースの配合物を形成するために、添加剤と前記シルクベースの固体又はヒドロゲルとを混合する工程を更に含む、請求項40又は42に記載の方法。
  44. 前記シルクベースの配合物中に凝集したシルクを形成するために、前記シルクベースの配合物を凝固させる工程を更に含む、請求項37~43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記シルクベースの配合物が、ゲル相を含む、請求項37に記載の方法。
  46. 前記シルクタンパク質粉末が、組換えスパイダーシルクである、請求項37に記載の方法。
  47. 前記組換えシルクが、全長シルクタンパク質を含む、請求項46に記載の方法。
  48. 前記シルクベースの配合物が、スキンケア又は化粧品配合物である、請求項37に記載の方法。
  49. 前記溶媒が、水性溶媒、アルコール、油性溶媒、又はシリコーンを含む、請求項37に記載の方法。
  50. 前記アルコールがグリセロールである、請求項49に記載の方法。
  51. 前記油性溶媒が、遊離脂肪酸を含む、請求項49に記載の方法。
  52. 前記遊離脂肪酸が、オリーブ油、ブドウ種子油、又はトリグリセリドを含む、請求項51に記載の方法。
  53. 前記シルクベースの配合物が、皮膚若しくは水との接触時、又は穏やかな摩擦時に分散する、請求項37に記載の方法。
  54. 外側シェルと前記外側シェル内の中空コアとを含む、組換えシルク粒子
    を含む、組成物。
  55. 前記組換えシルク粒子が、溶媒の担体を形成するように適合される、請求項54に記載の組成物。
  56. 前記組換えシルク粒子が、粉末形態である、請求項54に記載の組成物。
  57. 前記組換えシルク粒子が、組換えスパイダーシルクを含む、請求項54に記載の組成物。
  58. 前記組換えシルク粒子が、前記外側シェルに開口部を含む、請求項54に記載の組成物。
  59. 溶媒を更に含む、請求項54に記載の組成物。
  60. 前記溶媒が、水性溶媒、アルコール、油性溶媒、又はシリコーンを含む、請求項59に記載の組成物。
  61. 前記溶媒が、水、グリセリン、脱イオン水、オリーブ油、ペンチレングリコール、及びシリコーンからなる群から選択される、請求項79に記載の組成物。
  62. 組換えスパイダーシルク粒子が、前記溶媒と混合されると、乾燥している場合と比較して膨潤する、請求項59に記載の組成物。
  63. 複数の組換えシルク粒子を含む、請求項59に記載の組成物。
  64. 前記組換えシルク粒子が、前記溶媒中1%~10%重量/重量の濃度で前記組成物中に存在する、請求項63に記載の組成物。
  65. 前記外側シェルの直径が、前記組換えシルク粒子が乾燥しているときは5μm~25μmである、請求項54に記載の組成物。
  66. 前記外側シェルの前記直径が、前記溶媒と混合されると最大120μmまで膨潤する、請求項65に記載の組成物。
  67. 外側シェル厚さが、前記組換えシルク粒子の直径の20%未満、15%未満、又は10%未満である、請求項54に記載の組成物。
  68. 前記組換えシルク粒子がポリペプチドを含み、前記ポリペプチドが配列番号2を含む、請求項54に記載の組成物。
  69. 前記組換えシルク粒子がポリペプチドを含み、前記ポリペプチドが配列番号2の連結反復単位を少なくとも2つ含む、請求項54に記載の組成物。
  70. 前記組換えシルク粒子が、水不溶性である、請求項54に記載の組成物。
  71. 前記組換えシルク粒子が、シェルを含む、請求項54に記載の組成物。
  72. 前記粉末が噴霧乾燥される、請求項54に記載の組成物。
  73. 皮膚を角質除去する、請求項54に記載の組成物。
  74. 前記組換えシルク粒子が染色されている、請求項54に記載の組成物。
  75. 外側シェルと中空コアとを含む組換えシルク粒子、及び
    溶媒
    を含む、組成物。
  76. 前記組換えシルク粒子が、前記溶媒の担体である、請求項75に記載の組成物。
  77. 前記組換えシルク粒子が、前記外側シェルに開口部を含む、請求項75に記載の組成物。
  78. 前記組換えシルク粒子が、粉末の形態である、請求項75に記載の組成物。
  79. 前記溶媒が、水性溶媒、アルコール、油性溶媒、又はシリコーンを含む、請求項75に記載の組成物。
  80. 前記溶媒が、水、グリセリン、脱イオン水、オリーブ油、ペンチレングリコール、及びシリコーンからなる群から選択される、請求項79に記載の組成物。
  81. 組換えスパイダーシルク粒子が、前記溶媒と混合されると膨潤する、請求項79に記載の組成物。
  82. 前記外側シェルの直径が、前記組換えシルク粒子が乾燥しているときは5μm~25μmである、請求項79に記載の組成物。
  83. 前記外側シェルの前記直径が、前記溶媒と混合されると最大120μmまで膨潤する、請求項82に記載の組成物。
  84. 外側シェル厚さが、前記組換えシルク粒子の直径の20%未満、15%未満、又は10%未満である、請求項79に記載の組成物。
  85. 複数の組換えシルク粒子を含む、請求項79に記載の組成物。
  86. 前記組換えシルク粒子が、前記溶媒中1%~10%重量/重量の濃度で前記組成物中に存在する、請求項85に記載の組成物。
  87. 前記組換えシルク粒子がポリペプチドを含み、前記ポリペプチドが配列番号2を含む、請求項75に記載の組成物。
  88. 前記ポリペプチドが、配列番号2の連結反復単位を少なくとも2つ含む、請求項87に記載の組成物。
  89. 前記組換えシルク粒子が、水不溶性である、請求項75に記載の組成物。
  90. 前記組換えシルク粒子が、シェルを含む、請求項75に記載の組成物。
  91. 前記組換えシルク粒子が、ビーズである、請求項75に記載の組成物。
  92. 前記粉末が噴霧乾燥される、請求項75に記載の組成物。
  93. 界面活性剤又は湿潤剤を含む、請求項75に記載の組成物。
  94. 前記中空コアが、前記溶媒によって膨張する、請求項75に記載の組成物。
  95. 化粧品又はスキンケア配合物である、請求項75に記載の組成物。
  96. 皮膚を洗浄する、請求項75に記載の組成物。
  97. 染料を更に含む、請求項75に記載の組成物。
  98. シルクタンパク質粒子溶媒を含むシルク化粧品又はスキンケア製品であって、前記シルクタンパク質粒子が、中空コアを含み、かつ前記溶媒を担持する、シルク化粧品又はスキンケア製品。
  99. 前記シルクタンパク質粒子が、水不溶性である、請求項98に記載の組成物。
  100. 前記シルク化粧品又はスキンケア製品が、固体、ヒドロゲル、又はフィルムである、請求項98に記載の組成物。
  101. 半固体を含む組換えシルク化粧品又はスキンケア製品であって、前記半固体が、分散した非凝集組換えシルクタンパク質と溶媒とを含む、シルク化粧品又はスキンケア製品。
  102. 前記半固体が、皮膚との接触時に残留物を除去する、請求項101に記載の化粧品又はスキンケア製品。
  103. 前記半固体が、ヒドロゲルである、請求項101に記載の化粧品又はスキンケア製品。
  104. 皮膚の外観を改善する方法であって、以下の工程:
    前記皮膚に請求項54~103のいずれか一項に記載の組成物を前記皮膚に適用する工程
    を含む、方法。
  105. 前記組成物が、約1重量%の組換えシルクタンパク質を含む、請求項104に記載の方法。
  106. 前記組換えシルクタンパク質がポリペプチドを含み、前記ポリペプチドが配列番号2を含む、請求項104に記載の方法。
  107. 皮膚の前記改善された外観が、皮膚のハリ(firmness)/ふっくら感(plumpness)の増加、弾力性の増加、全体的な皮膚の健康の改善、水分補給の増加、創傷治癒の改善、酸化ストレスレベルの低下、汚染によって誘発される酸化ストレスの低減、UVA又はUVBによって誘発される酸化ストレスの低減、並びにそれらの任意の組み合わせを含む群から選択される少なくとも1つの結果を提供する、請求項104に記載の方法。
  108. 表面を洗浄する方法であって、以下の工程:
    フィルム又はビーズを形成するために、請求項54~103のいずれか一項に記載の組成物を表面に適用する工程、及び
    前記表面から前記フィルム又はビーズを除去する工程
    を含む、方法。
  109. シルクベースの組成物を製造する方法であって、以下の工程:
    組換えシルク粒子を含む乾燥粉末を形成するために、組換えシルクを含む組成物を乾燥させる工程
    を含む、方法。
  110. 前記組換えシルク粒子が、外側シェルと中空コアとを含む、請求項109に記載の方法。
  111. 前記組換えシルク粒子が、担体として作用するように適合されている、請求項109又は110に記載の方法。
  112. 組換えシルクタンパク質を含む乾燥粉末を含む、組成物。
  113. 前記乾燥粉末が、中空コアと外側シェルとを含む組換えシルク粒子を含む、請求項112に記載の組成物。
  114. 前記組換えシルク粒子が、担体として作用するように適合されている、請求項112又は113に記載の組成物。
  115. 組換えシルク粒子を含むシルク粉末を製造する方法であって、以下の工程:
    精製されたシルクタンパク質溶液を得る工程、及び
    前記シルクタンパク質溶液が3重量%以下の水分になるまで、高温の乾燥空気で前記溶液を噴霧することによってシルク粉末を形成する工程であって、前記シルク粉末が組換えシルク粒子を含む、工程
    を含む、方法。
  116. 前記シルク粉末からより大きな粒子を除去するために、前記シルク粉末を濾過する工程を更に含む、請求項115に記載の方法。
  117. 前記組換えシルク粒子が、20μm~50μmの中央粒径を有する、請求項115又は116に記載の方法。
  118. 前記組換えシルク粒子が、外側シェルと中空コアとを含む、請求項115に記載の方法。
  119. 外側シェル厚さが、前記組換えシルク粒子の直径の20%未満、15%未満、又は10%未満である、請求項118に記載の方法。
  120. 前記組換えシルク粒子が、前記外側シェルに開口部を含む、請求項118に記載の方法。
  121. 前記組換えシルク粒子が、溶媒と混合されると膨潤する、請求項115に記載の方法。
  122. 前記溶媒が、水、グリセリン、脱イオン水、オリーブ油、ペンチレングリコール、及びシリコーンからなる群から選択される、請求項121に記載の方法。
  123. 前記組換えシルク粒子が、組換えスパイダーシルクを含む、請求項115に記載の方法。
  124. 組換えシルク粒子がポリペプチドを含み、前記ポリペプチドが配列番号2を含む、請求項115に記載の方法。
  125. 前記ポリペプチドが、配列番号2の連結反復単位を少なくとも2つ含む、請求項124に記載の方法。
  126. 前記組換えシルク粒子が、水不溶性である、請求項115に記載の方法。
  127. 前記組換えシルク粒子が、ビーズである、請求項115に記載の方法。
JP2023504243A 2020-07-23 2021-07-16 組換えシルク組成物及びその製造方法 Pending JP2023535404A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202063055894P 2020-07-23 2020-07-23
US63/055,894 2020-07-23
PCT/US2021/042084 WO2022020212A2 (en) 2020-07-23 2021-07-16 Recombinant silk compositions and methods of making thereof

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023535404A true JP2023535404A (ja) 2023-08-17
JPWO2022020212A5 JPWO2022020212A5 (ja) 2024-01-10

Family

ID=79729427

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023504243A Pending JP2023535404A (ja) 2020-07-23 2021-07-16 組換えシルク組成物及びその製造方法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US20240050352A1 (ja)
EP (1) EP4185604A2 (ja)
JP (1) JP2023535404A (ja)
KR (1) KR20230042091A (ja)
CN (1) CN116406246A (ja)
AU (1) AU2021313080A1 (ja)
CA (1) CA3185777A1 (ja)
MX (1) MX2023001039A (ja)
WO (1) WO2022020212A2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA3236811A1 (en) * 2021-11-02 2023-05-11 Lindsay WRAY Cosmetic and personal care compositions comprising recombinant silk

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2774588B1 (fr) * 1998-02-11 2000-05-05 Oreal Composition cosmetique ou dermatologique contenant au moins une proteine de soie d'arachnides naturelle, recombinante ou un analogue
AU2003202949A1 (en) * 2002-01-11 2003-07-30 Ali Alwattari Methods and apparatus for spinning spider silk protein
US20150164117A1 (en) * 2012-07-13 2015-06-18 Tufts University Encapsulation of fragrance and/or flavors in silk fibroin biomaterials
WO2018053204A1 (en) * 2016-09-14 2018-03-22 Bolt Threads, Inc. Long uniform recombinant protein fibers
US20200306163A1 (en) * 2017-09-27 2020-10-01 Evolved By Nature, Inc. Materials comprising recombinant silk and methods of preparing the same
US20190169242A1 (en) * 2017-10-31 2019-06-06 Bolt Threads, Inc. Methods of Generating Recombinant Spider Silk Protein Fibers
CA3102837A1 (en) * 2018-06-04 2019-12-12 Cocoon Biotech Inc. Silk-based product formulations and methods of use
CA3107153A1 (en) * 2018-08-10 2020-02-13 Bolt Threads, Inc. Composition for a molded body

Also Published As

Publication number Publication date
WO2022020212A3 (en) 2022-03-24
CA3185777A1 (en) 2022-01-27
EP4185604A2 (en) 2023-05-31
MX2023001039A (es) 2023-04-20
CN116406246A (zh) 2023-07-07
AU2021313080A1 (en) 2023-02-23
WO2022020212A2 (en) 2022-01-27
US20240050352A1 (en) 2024-02-15
KR20230042091A (ko) 2023-03-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102513930B1 (ko) 화장료 용도의 아니고잔토스 플라비두스 추출물
JP5312795B2 (ja) 肌の状態と外観を改善するための組成物及びその使用方法
CN102470160B (zh) 抑制肌肉收缩的化合物
Ito et al. Evaluation of the effects of chitin nanofibrils on skin function using skin models
Narda et al. Novel facial cream containing carnosine inhibits formation of advanced glycation end-products in human skin
CN109152724B (zh) 掌状红皮藻和茉莉的协同提取物、包含该协同提取物的组合物及其用途
CN101969917A (zh) 抗皱用组合物和皮肤外用组合物
JP2018515485A (ja) 皮膚の外観を改善する方法及びニコチンアミドリボシドを使用したそのための組成物
US20240050352A1 (en) Recombinant silk compositions and methods of making thereof
KR20160091300A (ko) 피부 노화 징후의 출현을 방지 또는 지연시키기 위한 활성제로서의 브라소카틀레야 마르셀라 코스 난초 추출물의 용도
EP2473517A1 (fr) Peptide activateur de la transglutaminase et composition cosmetique ou pharmaceutique le contenant
KR101321346B1 (ko) 인체유래 줄기세포 배양액 추출물을 포접시킨 리포좀을 함유하는 화장료 조성물
KR101047873B1 (ko) 인체유래 줄기세포 배양액 추출물을 포접시킨 리포좀을 함유하는 화장료 조성물
EP4329521A2 (en) Collagen compositions and methods of use thereof
JP2004067552A (ja) コラーゲン産生促進剤、及びこれを含有する化粧料
CA3236811A1 (en) Cosmetic and personal care compositions comprising recombinant silk
JP7144878B1 (ja) エラスチン産生促進のための剤
TW202404999A (zh) 重組角蛋白及其生產
US20060286655A1 (en) Modified KAP polypeptides and use thereof
CN102665664B (zh) 美发产品的制备方法
TW202346319A (zh) 用於增進蛋白質之表現、溶解度及純化之組合物及方法
EP4376951A1 (en) Animal-free cosmetic collagens
JP2009234936A (ja) 植物由来ポリアミン含有抽出物を含有する化粧品組成物
KR20240063026A (ko) 피부 개선용 복합체
CN113082192A (zh) 胶原蛋白与脂肪干细胞的组合物在制备药物或者化妆品中的用途

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20231124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231226