JP2023534987A - Sars-cov2スパイクタンパク質に由来する免疫原 - Google Patents

Sars-cov2スパイクタンパク質に由来する免疫原 Download PDF

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Abstract

本発明は、治療用抗体の作製及びワクチン開発に有用な重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(「SARS-CoV2」)免疫原に関する。そのような治療用抗体としては、ヒトSARS-CoV2 Sタンパク質に特異的に結合し、SARS-CoV2を中和するために機能する、ヒト抗体及びその抗原結合部分が挙げられる。本発明はまた、ヒトSARS-CoV2 Sタンパク質に特異的に結合する抗体及びその抗原結合部分を作製する方法に関する。

Description

配列表
本願は、電子フォーマットの配列表とともに出願されている。配列表は、2021年7月21日に作成された、サイズが873KBであるA-2657-WO-PCT_SeqList_07212021_ST25という名称のファイルとして提供される。電子フォーマットの配列表における情報は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
COVID-19の出現により、SARS CoV-2のスパイク(S)糖タンパク質は、中和抗体及びワクチン開発のための一般的な標的である。SARS-CoV2は、表面上に発現されるスパイク(S)タンパク質を介して標的細胞の感染を媒介する。SARS CoV-2スパイク糖タンパク質は、ホモ三量体として存在し、各プロモーターは、N末端ドメイン(NTD)、受容体結合ドメイン(RBD)、及びS2サブユニットからなる。NTD及びRBDは、大きいS1サブユニットの一部であり、宿主細胞上のACE2に結合した後にS2サブユニットから解離する。これは、全体的な立体構造変化を誘導して、宿主細胞へのウイルスの侵入をもたらす。Sタンパク質三量体における3つのRBDは、「オープン型」及び「クローズ型」立体構造で存在する場合があるが、「クローズ型」立体構造においてはACE2への結合が立体的に妨げられる。したがって、クローズ型立体構造は、融合前状態として記載される場合が多く、オープン型立体構造は、S1の不安定性及び解離につながる融合後状態の開始であると考えられる。
天然のS糖タンパク質の動的な性質及び融合前と融合後の状態の間の構造的遷移は、融合前標的化のための課題となる。Sタンパク質の動的な性質により、Sタンパク質をRBD-down、「融合前」立体構造に安定化し、それをさらに駆動する必要性及び関心がある。本発明は、安定性の増大及び立体構造の均一性の所望の結果を達成するいくつかの候補を生成するためのS1とS2サブユニット間の実行可能なジスルフィドを記載する。
ある特定の態様では、本開示は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2スパイク(「SARS-CoV2 S」)ポリペプチドを含む免疫原を提供し、ポリペプチドは、
a)配列番号1のV382C及びR983C;
b)配列番号1のA520C及びK41C;
c)配列番号1のS383C及びD985C;
d)配列番号1のD614C及びT859C;
e)配列番号1のT547C及びN978C;
f)配列番号1のA570C及びV963C;
g)配列番号1のP665C及びL864C;
h)配列番号1のF562C及びP225C;並びに
i)配列番号1のP589C及びF855C;
からなる群から選択される残基に対応するアミノ酸置換の1つ以上の対を含み、
ポリペプチドは、配列番号1と90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、及び98%同一である。
ある特定の態様では、本開示は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2スパイク(「SARS-CoV2 S」)ポリペプチドを含む免疫原を提供し、ポリペプチドは、
a)配列番号1のV382C及びR983C;
b)配列番号1のA520C及びK41C;
c)配列番号1のS383C及びD985C;
d)配列番号1のD614C及びT859C;
e)配列番号1のT547C及びN978C;
f)配列番号1のA570C及びV963C;
g)配列番号1のP665C及びL864C;
h)配列番号1のF562C及びP225C;並びに
i)配列番号1のP589C及びF855C
からなる群から選択される残基に対応するアミノ酸置換の1つ以上の対を含む。
ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、残基D614C、T859C、T547C及びN978Cに対応するアミノ酸置換を含む。
ある特定の実施形態では、ポリペプチドはさらに、
a)配列番号1のK986P及びV987P;
b)配列番号1のR682G、R683S、及びR685S;
c)配列番号1のR682S、R683G、及びR685G;
d)配列番号1のR682G、R683S、R685S、K986P及びV987P;並びに
e)配列番号1のR682S、R683G、R685G、K986P及びV987P
からなる群から選択される残基に対応するアミノ酸置換の1つ以上の群を含む。
ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1と少なくとも97%の配列同一性を有する。
ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1と少なくとも98%の配列同一性を有する。
ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1と少なくとも99%の配列同一性を有する。
ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号13~21からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号4~12及び44~61からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、免疫原のC末端に結合される三量体形成ドメインを含む。
ある特定の実施形態では、三量体形成ドメインは、配列番号84又は配列番号85のアミノ酸配列を含む。
ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号23~40及び63~80からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
ある特定の態様では、本開示は、SARS-CoV2ポリペプチドに特異的に結合する抗体を生成する方法であって、非ヒト対象に本発明の免疫原並びに薬学的に許容される送達媒体及び/又はアジュバントを投与することを含む方法を提供する。
ある特定の態様では、本開示は、対象においてCOVID-19を治療する方法であって、治療有効量の本発明の方法によって生成される抗体及び薬学的に許容される送達媒体を対象に投与することを含む方法を提供する。
ある特定の態様では、本開示は、ヒト対象において免疫学的反応をもたらすことができる組成物であって、本発明の免疫原並びに薬学的に許容される送達媒体及び/又はアジュバントを含む組成物を提供する。
本発明は、前述の態様及び本発明の実施形態のいずれかの組み合わせを企図する。
SARS-CoV-2スパイクタンパク質がどのように2つの主要な立体構造:融合前及び融合後状態を示すかを描写する。 様々な操作されたジスルフィド及びそれらがスパイク三量体内のどこに位置するかを描写する。 RCC1の位置及び構造の設計を描写する。 RCC2の位置及び構造の設計を描写する。 RCC3の位置及び構造の設計を描写する。 RCC4の位置及び構造の設計を描写する。 RCC5の位置及び構造の設計を描写する。 RCC6の位置及び構造の設計を描写する。 RCC7の位置及び構造の設計を描写する。 RCC8の位置及び構造の設計を描写する。 RCC9の位置及び構造の設計を描写する。
本明細書では、別段の定義がない限り、本発明と関連して使用される科学用語及び専門用語は、当業者によって一般に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈上異なる解釈を要する場合を除き、単数形の用語は、複数形を含むものとし、複数形の用語は、単数形を含むものとする。一般に、細胞及び組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学並びに本明細書に記載のタンパク質及び核酸の化学及びハイブリダイゼーションに関連して使用される命名法及び技術は、当該技術分野でよく知られ、且つ一般に使用されているものである。
別段の記載がない限り、本発明の方法及び技法は一般に、当該技術分野でよく知られる従来法に従って実施され、また、本明細書全体を通して引用され論じられる一般的な参考文献及びより特定性の高い参考文献に記載されるとおりである。例えば、Sambrook et al.Molecular Cloning:A Laboratory Manual,second ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989)及びAusubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Associates(1992)、並びにHarlow and Lane Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1990)(参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。酵素反応及び精製手法は、製造者の説明に従って、当該技術分野において一般に達成されるように、又は本明細書に記載したように実施される。本明細書に記載される分析化学、合成有機化学、並びに医薬品化学及び製薬化学と関連して使用される命名法、並びにそれらの実験室的な手順及び手法は、当該技術分野でよく知られるものであり、一般的に使用される。化学合成、化学分析、医薬調製、製剤化、及び送達、並びに患者の治療のために標準的な手法が使用される。
以下の用語は、別段の指示がない限り、以下の意味を有すると理解されるものとする。
用語「ポリペプチド」は、天然又は人工タンパク質、タンパク質断片及びタンパク質配列のポリペプチド類似体を包含する。ポリペプチドは、単量体又は多量体であり得る。
用語「単離されたタンパク質」、「単離されたポリペプチド」又は「単離された抗体」は、その起源又は派生物の起源のために、(1)その天然状態ではそれに付随する天然に会合した構成成分と会合していないか、(2)同じ種由来の他のタンパク質を含まないか、(3)異なる種からの細胞によって発現されるか、又は(4)天然に存在しないタンパク質、ポリペプチド又は抗体である。したがって、化学的に合成されるか、又はそれが天然に由来する細胞とは異なる細胞系において合成されるポリペプチドは、その天然に会合された構成成分から「単離される」ことになる。タンパク質はまた、当該技術分野でよく知られるタンパク質精製手法を使用して単離することにより、天然に会合した構成成分を実質的に含まないようにされ得る。
タンパク質又はポリペプチドは、試料の少なくとも約60~75%が単一の種のポリペプチドを示すとき、「実質的に純粋である」か、「実質的に均一である」か、又は「実質的に精製されている」。ポリペプチド又はタンパク質は、単量体又は多量体であり得る。実質的に純粋なポリペプチド又はタンパク質は通常、約50%、60%、70%、80%又は90% W/W、より一般的には約95%のタンパク質試料を含むことになり、99%を超えて純粋であることが好ましい。タンパク質純度又は均一性は、タンパク質試料のポリアクリルアミドゲル電気泳動に続いて、当該技術分野でよく知られる染料によるゲルの染色時に単一のポリペプチドバンドを可視化することなどの当該技術分野でよく知られるいくつかの手段によって示され得る。特定の目的のために、HPLC又は精製のために当該技術分野でよく知られる他の手段を使用することによって、より高い分解能が提供され得る。
本明細書で使用する場合、用語「ポリペプチド断片」は、アミノ末端及び/又はカルボキシ末端の欠失を有するが、残りのアミノ酸配列が、天然に存在する配列中の対応する位置と同一であるポリペプチドを指す。いくつかの実施形態では、断片は、少なくとも5、6、8又は10のアミノ酸長である。他の実施形態では、断片は、少なくとも14、少なくとも20、少なくとも50、又は少なくとも70、80、90、100、150若しくは200のアミノ酸長である。
用語「免疫原」は、その分子が外来のものである健康な動物の免疫系に提示されるとき、その分子又はその分子を提示する細胞、若しくは他の生物体に対していくつかの形態の免疫応答を誘発することになる分子、多くの場合、ポリペプチドを意味する。
用語「抗原」は、免疫応答の少なくとも一部が、免疫原に対する抗体の産生からなる免疫原を意味する。
単離された抗体の例としては、SARS-CoV2 Sタンパク質又はその一部を使用してアフィニティー精製された抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体、インビトロでハイブリドーマ又は他の細胞株によって合成された抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体、及びトランスジェニックマウスに由来するヒト抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体が挙げられる。
ある特定の実施形態では、抗SARS-CoV2 Sポリペプチドに対するアミノ酸置換は、(1)タンパク質分解への感受性を低減し、(2)酸化への感受性を低減し、(3)タンパク質複合体を形成するための結合親和性を変化させ、且つ(4)そのような類似体の他の物理化学的又は機能的特性を与えるか又は修飾するが、その立体構造及び免疫原として作用するため能力を依然として保持するものである。類似体は、天然に存在するペプチド配列以外の配列の様々なムテインを含み得る。例えば、単一又は複数のアミノ酸置換(好ましくは、保存的アミノ酸置換)は、標準的に存在する配列(好ましくは、分子間接触を形成するドメインの外側のポリペプチドの部分)でなされてもよい。保存的アミノ酸置換は、親配列の構造的特徴を実質的に変化させてはならない(例えば、置換アミノ酸は、親配列中に存在する免疫グロブリン結合ドメインを構成する逆平行βシートを変化させてはならないか、又は親配列を特徴付ける他の型の二次構造を破壊してはならない)。一般に、グリシン及びプロリンは、逆平行β-シートにおいて使用されないであろう。当業者に知られているポリペプチドの二次構造及び三次構造の例は、Proteins,Structures and Molecular Principles(Creighton,Ed.,W.H.Freeman and Company,New York(1984));Introduction to Protein Structure(C.Branden and J.Tooze,eds.,Garland Publishing,New York,N.Y.(1991));及びThornton et al,Nature 354:105(1991)(参照により本明細書に組み込まれる)において記載される。
「抗体」が本発明に関して本明細書で参照される場合、それは通常、その抗原結合部分もまた使用され得ることが理解される。抗原結合部分は、特異的な結合についてインタクト抗体と競合する。一般に、Fundamental Immunology,Ch.7(Paul,W.,ed.,second ed.Raven Press,N.Y.(1989))(全ての目的のためにその全体が参照により組み込まれる)を参照されたい。抗原結合部分は、組換えDNA手法により、又はインタクト抗体の酵素的若しくは化学的切断により生成され得る。いくつかの実施形態では、抗原結合部分としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fd、Fv、及び相補性決定領域(CDR)断片が挙げられる。ポリペプチドに対する特異的な抗原結合を与えるのに十分な抗体の少なくとも一部を含有する一本鎖抗体(scFv)、キメラ抗体、ダイアボディ及びポリペプチドもまた作製され得る。
N末端からC末端まで、成熟軽鎖及び重鎖可変ドメインの両方が、領域FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3及びFR4を含む。本明細書の各ドメインに対するアミノ酸の割り当ては、Kabat,Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1987及び1991))、Chothia & Lesk,J MoI Biol.196:901-917(1987)又はChothia et al,Nature 342:878-883(1989)の定義に従う。
本明細書で使用する場合、Fd断片は、VH及びCH1ドメインからなる抗体断片を意味し;Fv断片は、抗体の単一のアームのVL及びVHドメインからなり;且つdAb断片(Ward et al,Nature 341:544-546(1989))は、VHドメインからなる。
「ポリヌクレオチド」という用語は、本明細書で参照される場合、リボヌクレオチド若しくはデオキシヌクレオチドのいずれかの、又はいずれかのタイプのヌクレオチドの修飾形態の、少なくとも10塩基長のヌクレオチドのポリマー形態を意味する。この用語には、一本鎖形態及び二本鎖形態が含まれる。
本明細書で使用する場合、「単離されたポリヌクレオチド」という用語は、ゲノム、cDNA、若しくは合成起源又はこれらのいくつかの組み合わせのポリヌクレオチドを意味し、その起源により、「単離されたポリヌクレオチド」は、(1)「単離されたポリヌクレオチド」が天然に見出されるポリヌクレオチドの全て若しくは一部と会合していないか、(2)天然では連結されていないポリヌクレオチドに作動可能に連結されているか、又は(3)比較的大きな配列の一部として天然には存在しない。
本明細書で使用する場合、「天然に存在するヌクレオチド」という用語は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドを含む。本明細書で使用する場合、「修飾ヌクレオチド」という用語は、修飾又は置換された糖基などを有するヌクレオチドを含む。本明細書で参照される「オリゴヌクレオチド結合」という用語は、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、ホスホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート(phosphoroanilothioate)、ホスホラニラデート(phosphoraniladate)、ホスホロアミデートなどのオリゴヌクレオチド結合を含む。例えば、LaPlanche et al.,Nucl.Acids Res.14:9081(1986);Stec et al,J.Am.Chem.Soc.106:6077(1984);Stein et al.,Nucl.Acids Res.16:3209(1988);Zon et al.,Anti-Cancer Drug Design 6:539(1991);Zon et al..Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach,pp.87-108(F.Eckstein,Ed.,Oxford University Press,Oxford England(1991));米国特許第5,151,510号明細書;Uhlmann and Peyman,Chemical Reviews 90:543(1990)(これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。オリゴヌクレオチドは、所望により検出用の標識を含み得る。
「作動可能に連結された」配列は、目的の遺伝子と連続する発現制御配列及び目的の遺伝子を制御するためにトランスで又は距離を置いて作用する発現制御配列の両方を含む。本明細書で使用する場合、「発現制御配列」という用語は、ポリヌクレオチド配列であって、それらが連結されるコード配列の発現及びプロセシングを実現するために必要なポリヌクレオチド配列を意味する。発現制御配列としては、適切な転写開始、終結、プロモーター及びエンハンサー配列;スプライシング及びポリアデニル化シグナルなどの効率的なRNAプロセシングシグナル;細胞質内mRNAを安定化する配列;翻訳効率(すなわち、コザックコンセンサス配列)を高める配列;タンパク質安定性を高める配列;並びに所望される場合、タンパク質分泌を高める配列が挙げられる。このような制御配列の性質は宿主生物によって異なり、原核生物では、このような制御配列は、一般にプロモーター、リボソーム結合部位、及び転写終結配列を含み、真核生物では、一般にこのような制御配列は、プロモーター及び転写終結配列を含む。「制御配列」という用語は、その存在が発現及びプロセシングに不可欠である全ての構成要素を最低限含むことが意図され、その存在が有利である追加の構成要素、例えば、リーダー配列及び融合パートナー配列もまた含み得る。
「ベクター」という用語は、本明細書で使用する場合、連結されている別の核酸を輸送することができる核酸分子を意味する。いくつかの実施形態では、ベクターは、追加のDNAセグメントが連結され得るプラスミド、すなわち、DNAの環状二本鎖断片である。いくつかの実施形態では、ベクターは、ウイルスベクターであり、追加のDNAセグメントは、ウイルスゲノムに連結され得る。いくつかの実施形態では、ベクターは、ベクターが導入された宿主細胞中での自律複製が可能である(例えば、細菌の複製起点を有する細菌ベクター及びエピソーム哺乳動物ベクター)。他の実施形態では、ベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞への導入時にこの宿主細胞のゲノムに組み込むことができ、それにより宿主のゲノムとともに複製される。さらに、ある特定のベクターは、それらが作動可能に連結されている遺伝子の発現を指示することができる。このようなベクターは、本明細書においては、「組換え発現ベクター」(又は単に「発現ベクター」)と称される。
用語「組換え宿主細胞」(又は単に「宿主細胞」)は、本明細書で使用する場合、組換え発現ベクターが導入されている細胞を意味する。「組換え宿主細胞」及び「宿主細胞」は、特定の対象細胞だけでなく、そのような細胞の子孫も意味する。ある特定の改変が変異又は環境的影響のいずれかに起因して後続世代において生じ得るため、そのような子孫は、事実上、親細胞と同一であり得ないが、依然として本明細書において使用される用語「宿主細胞」の範囲内に含まれる。
本明細書で参照される「選択的にハイブリダイズする」という用語は、検出可能且つ特異的に結合することを意味する。本発明に従うポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、及びその断片は、非特異的核酸への検出可能な結合の認識できる量を最小限にするハイブリダイゼーション及び洗浄条件下で、核酸鎖に選択的にハイブリダイズする。「高ストリンジェンシー」又は「高ストリンジェントな」条件を使用して、当該技術分野で知られ、本明細書で論じられるとおりの選択的ハイブリダイゼーション条件を達成することができる。「高ストリンジェンシー」又は「高ストリンジェントな」条件の一例は、一方のポリヌクレオチドが、42℃のハイブリダイゼーション温度で12~16時間、6X SSPE又はSSC、50%ホルムアミド、5Xデンハルト試薬、0.5% SDS、100μg/mlの変性し、断片化されたサケ精子DNAのハイブリダイゼーション緩衝液中において膜などの固体表面に付けられ得るあるポリヌクレオチドの別のポリヌクレオチドとのインキュベーションに続く、IX SSC、0.5% SDSの洗浄緩衝液を使用する55℃での2回の洗浄である。また、Sambrook et al,上掲,pp.9.50-9.55を参照されたい。
ヌクレオチド配列の文脈における用語「配列同一性パーセント」は、最大の一致に関してアラインメントされるときに同じである2つの配列における残基を意味する。配列同一性比較の長さは、一続きの少なくとも約9個のヌクレオチド、一般的には少なくとも約18個のヌクレオチド、より一般的には少なくとも約24個のヌクレオチド、典型的には少なくとも約28個のヌクレオチド、より典型的には少なくとも約32個のヌクレオチド、好ましくは少なくとも約36個、48個又はそれ以上のヌクレオチドに及ぶものであり得る。ヌクレオチド配列同一性を測定するために使用され得る当該技術分野で知られるいくつかの異なるアルゴリズムがある。例えば、ポリヌクレオチド配列は、Wisconsinパッケージバージョン10.0、Genetics Computer Group(GCG)、Madison、WisconsinにおけるプログラムであるFASTA、Gap又はBestfitを使用して比較され得る。例えば、プログラムFASTA2及びFASTA3を含むFASTAは、クエリー配列と探索配列の間の最も重複する領域のアラインメント及び配列同一性パーセントを提供する(Pearson,Methods Enzymol.183:63-98(1990);Pearson,Methods MoI.Biol.132:185-219(2000);Pearson,Methods Enzymol.266:227-258(1996);Pearson,J MoI.Biol 276:71-84(1998);参照により本明細書に組み込まれる)。別段の指定がない限り、特定のプログラム又はアルゴリズムのための既定のパラメーターが使用される。例えば、ヌクレオチド配列間の配列同一性パーセントは、その既定のパラメーター(6のワードサイズ及び
スコアリングマトリクスのためのNOPAM因子)とともにFASTAを使用して又は参照により本明細書に組み込まれるGCGバージョン6.1において提供されるとおりのその既定のパラメーターとともにGapを使用して決定され得る。
ヌクレオチド配列に対する参照は、別段の指定がない限りその相補体を包含する。したがって、特定の配列を有する核酸に対する参照は、その相補配列を有するその相補鎖を包含すると理解されるべきである。
本明細書で使用する場合、用語「配列同一性パーセント」及び「配列相同性パーセント」は互換的に使用される。
核酸又はその断片を参照する場合、用語「実質的な類似性」又は「実質的な配列類似性」は、別の核酸(又はその相補鎖)と適切なヌクレオチド挿入又は欠失とともに最適にアラインメントされる場合、以下に論じられるとおり、FASTA、BLAST又はGapなどの配列同一性の任意のよく知られるアルゴリズムによって測定した際に、ヌクレオチド塩基の少なくとも約85%、好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約95%、96%、97%、98%又は99%においてヌクレオチド配列の同一性があること意味する。
ポリペプチドに適用される場合、「実質的な同一性」という用語は、2つのペプチド配列が、プログラムとともに提供されるとおりの既定のギャップ加重を使用するGAP又はBESTFITのプログラムなどによって最適にアラインメントされた場合、少なくとも70%、75%又は80%の配列同一性、好ましくは少なくとも90%又は95%の配列同一性、より好ましくは少なくとも97%、98%又は99%の配列同一性を共有することを意味する。ある特定の実施形態では、同一ではない残基位置は、保存的アミノ酸置換によって異なる。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、類似の化学的特性(例えば、電荷又は疎水性)を有する側鎖R基を有する別のアミノ酸残基によって置換される置換である。一般に、保存的アミノ酸置換は、タンパク質の機能特性を実質的に変えない。2つ以上のアミノ酸配列が、保存的置換によって互いに異なる場合、配列同一性パーセントを調整して、置換の保存的性質を上方に補正してもよい。この調整を行うための手段は当業者によく知られている。例えば、Pearson,Methods MoI.Biol.243:307-31(1994)を参照されたい。同様の化学的特性を有する側鎖を有するアミノ酸の基の例としては、1)脂肪族側鎖:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、及びイソロイシン;2)脂肪族-ヒドロキシル側鎖:セリン及びスレオニン;3)アミド含有側鎖:アスパラギン及びグルタミン;4)芳香族側鎖:フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファン;5)塩基性側鎖:リジン、アルギニン、及びヒスチジン;6)酸性側鎖:アスパラギン酸及びグルタミン酸;並びに7)硫黄含有側鎖:システイン及びメチオニンが挙げられる。保存的アミノ酸置換基は、バリン-ロイシン-イソロイシン、フェニルアラニン-チロシン、リジン-アルギニン、アラニン-バリン、グルタミン酸-アスパラギン酸、及びアスパラギン-グルタミンである。
或いは、保存的置換は、参照により本明細書に組み込まれるGonnet et al,Science 256:1443-45(1992)において開示されるPAM250対数尤度マトリクスにおいて正値を有する任意の変化である。「適度に保存的な」置換は、PAM250対数尤度マトリクスにおいて非負値を有する任意の変化である。
アミノ酸位置又は残基は、2つの配列が最適にアラインメントされるときに互いに「対応する」と言われる。互いに対応するそのような残基は、同じ付番位置にある場合が多いが、N末端が短縮されたポリペプチドがその野生型対応物と比較される場合など、常にそうとは限らない。多くの場合、互いに対応する残基は、互いに同じアミノ酸、又は保存的アミノ酸になる。しかしながら、バリアント又はアイソフォームの間のアラインメントを含むある特定の状況では、残基は互いに異なる場合があり、保存的アミノ酸ではない場合がある。
ポリペプチドに関する配列同一性は通常、配列解析ソフトウェアを使用して測定される。タンパク質解析ソフトウェアは、様々な置換、欠失及び保存的アミノ酸置換を含む他の改変に割り当てられた類似性の尺度を使用して、配列を対応させる。例えば、GCGは、「Gap」及び「Bestfit」などのプログラムを含み、それらをプログラムによって指定されるとおりの既定のパラメーターとともに使用して、異なる生物種由来の相同ポリペプチドなどの密接に関連するポリペプチドの間、又は野生型タンパク質とそのムテインとの間の配列相同性又は配列同一性を決定することができる。例えば、GCGバージョン6.1(University of Wisconsin、WI)を参照されたい。ポリペプチド配列はまた、FASTAを使用して、既定の又は推奨されるパラメーター(GCG バージョン6.1を参照のこと)を使用して比較することもできる。FASTA(例えば、FASTA2及びFASTA3)は、アラインメント及びクエリー配列と探索配列との間で最も重複する領域の配列同一性パーセントを提供する(Pearson,Methods Enzymol.183:63-98(1990);Pearson,Methods MoI.Biol.132:185-219(2000))。本発明の配列を種々の生物由来の大多数の配列を含むデータベースと比較する場合の別の好ましいアルゴリズムは、プログラムとともに提供されるとおりの既定のパラメーターを使用するコンピュータープログラムBLAST、特に、blastp又はtblastnである。例えば、Altschul et al,J.MoI.Biol.215:403-410(1990);Altschul et al,Nucleic Acids Res.25:3389-402(1997)を参照されたい。
ヒト抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体及びその特徴付け
一実施形態では、本発明は、ヒト化抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体を提供する。別の実施形態では、本発明は、ヒト抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体を提供する。いくつかの実施形態では、ヒト抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体は、トランスジェニック動物がヒト抗体を生成するようにゲノムがヒト免疫グロブリン遺伝子を含む非ヒトトランスジェニック動物、例えば、齧歯類を免疫化することによって生成される。
SARS-CoV2 Sタンパク質への抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体の結合親和性
本発明のいくつかの実施形態では、抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体は、高親和性でSARS-CoV2 Sタンパク質に結合する。
SARS-CoV2 Sタンパク質への抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体の結合親和性及び解離速度は、当該技術分野で知られる方法によって決定され得る。結合親和性は、ELISA、RIA、フローサイトメトリー、BIACORE(商標)などの表面プラズモン共鳴によって測定され得る。解離速度は、表面プラズモン共鳴によって測定され得る。好ましくは、結合親和性及び解離速度は、表面プラズモン共鳴によって測定される。より好ましくは、結合親和性及び解離速度は、BIACORE(商標)を使用して測定される。当該技術分野で知られる方法を使用することによって、抗体が抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体と同じKDを実質的に有するかどうかを決定することができる。実施例Vは、抗SARS-CoV2 Sタンパク質モノクローナル抗体の親和性定数を決定するための方法を例示する。
抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体によって認識されるSARS-CoV2 Sタンパク質エピトープの同定
別の実施形態では、本発明は、受容体、特に、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)へのSARS-CoV2 Sタンパク質結合を阻害するか、遮断するか、又は低減する抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体を提供する。別の実施形態では、本発明は、細胞中へのSARS-CoV2 Sタンパク質に媒介されるウイルス侵入を阻害するか、遮断するか、又は低減する抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体を提供する。別の実施形態では、本発明は、ウイルス及び細胞膜の融合を阻害するか、遮断するか、又は低減する抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体を提供する。別の実施形態では、本発明は、ウイルス量を減少させる抗SARS-CoV Sタンパク質抗体を提供する。別の実施形態では、本発明は、SARS-CoV2感染に起因する症状又は状態を重症度において任意の期間阻害するか、遮断するか、又は低減する抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本発明は、SARS-CoV2感染に起因する症状又は状態を、重症度において1日、1週間、1ヶ月、6ヶ月、1年、又は対象の残りの寿命の間、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100%阻害するか、遮断するか、又は低減する抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体を提供する。ある特定の実施形態では、本発明は、先行する実施形態の任意の組み合わせを実施し得る抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体を提供する。
抗体及び抗体産生細胞株を生成する方法
免疫化
いくつかの実施形態では、ヒト抗体は、SARS-CoV2 S免疫原により、そのゲノム内にヒト免疫グロブリン重鎖及び軽鎖遺伝子座の一部又は全てを含む非ヒト、トランスジェニック動物を免疫化することによって生成される。一実施形態では、非ヒト動物は、XENOMOUSE(商標)動物である。(Abgenix,Inc.、Fremont、CA)。XENOMOUSE(商標)マウスは、ヒト免疫グロブリン重鎖及び軽鎖遺伝子座の大きい断片を含み、且つマウス抗体産生において欠陥のある操作されたマウス系統である。例えば、Green et al,Nature Genetics 7:13-21(1994)並びに米国特許第5,916,771号明細書、同第5,939,598号明細書、同第5,985,615号明細書、同第5,998,209号明細書、同第6,075,181号明細書、同第6,091,001号明細書、同第6,114,598号明細書、同第6,130,364号明細書、同第6,162,963号明細書及び同第6,150,584号明細書を参照されたい。また、国際公開第91/10741号パンフレット、国際公開第94/02602号パンフレット、国際公開第96/34096号パンフレット、国際公開第96/33735号パンフレット、国際公開第98/16654号パンフレット、国際公開第98/24893号パンフレット、国際公開第98/50433号パンフレット、国際公開第99/45031号パンフレット、国際公開第99/53049号パンフレット、国際公開第00/09560号パンフレット、及び国際公開第00/037504号パンフレットを参照されたい。
別の態様では、本発明は、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含む非ヒトトランスジェニック動物をSARS-CoV2 S免疫原で免疫化することによって、非ヒト、非マウス動物から抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体を作製するための方法を提供する。上で引用される文献において記載される方法を使用してそのような動物を作製することができる。これらの文献で開示される方法は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,994,619号明細書に記載されるとおりに改変され得る。米国特許第5,994,619号明細書は、ブタ及びウシに由来する新規の培養内部細胞塊(CICM)細胞及び細胞株、並びに異種DNAが挿入されているトランスジェニックCICM細胞を生成するための方法を記載している。CICMトランスジェニック細胞を使用して、クローン化されたトランスジェニック胚、胎仔、及び子孫を作製することができる。米国特許第5,994,619号明細書はまた、異種DNAをそれらの子孫に伝達することができるトランスジェニック動物を作製する方法を記載している。本発明の好ましい実施形態では、非ヒト動物は、哺乳動物、特に、ラット、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウシ又はウマである。
XENOMOUSE(商標)マウスは、完全ヒト抗体の成体様ヒトレパートリーを産生し、抗原特異的ヒト抗体を生成する。いくつかの実施形態では、XENOMOUSE(商標)マウスは、酵母人工染色体(YAC)におけるヒト重鎖遺伝子座及びカッパ軽鎖遺伝子座のメガベースサイズの生殖系列配置断片の導入によりヒト抗体V遺伝子レパートリーのおよそ80%を含有する。他の実施形態では、XENOMOUSE(商標)マウスはさらに、ヒトラムダ軽鎖遺伝子座のほぼ全てを含有する。開示が参照により本明細書に組み込まれるMendez et al,Nature Genetics 15:146-156(1997),Green and Jakobovits,J.Exp.Med.188:483-495(1998)、及び国際公開第98/24893号パンフレットを参照されたい。
いくつかの実施形態では、ヒト免疫グロブリン遺伝子を含む非ヒト動物は、ヒト免疫グロブリン「ミニ遺伝子座」を有する動物である。ミニ遺伝子座アプローチでは、Ig遺伝子座由来の個々の遺伝子を含めることにより、外因性Ig遺伝子座が模倣される。したがって、1つ以上のVH遺伝子、1つ以上のDH遺伝子、1つ以上のJH遺伝子、ミュー定常ドメイン、及び第2の定常ドメイン(好ましくは、ガンマ定常ドメイン)が、動物への挿入のためのコンストラクトを形成する。このアプローチは、とりわけ、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,545,807号明細書、同第5,545,806号明細書、同第5,569,825号明細書、同第5,625,126号明細書、同第5,633,425号明細書、同第5,661,016号明細書、同第5,770,429号明細書、同第5,789,650号明細書、同第5,814,318号明細書、同第5,591,669号明細書、同第5,612,205号明細書、同第5,721,367号明細書、同第5,789,215号明細書、及び同第5,643,763号明細書において記載される。
別の態様では、本発明は、ヒト化抗SARS-CoV2 S免疫原抗体を作製するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、非ヒト動物は、抗体産生を可能にする条件下で下記のとおりのSARS-CoV2 S免疫原で免疫化される。抗体産生細胞を、動物から単離し、骨髄腫と融合してハイブリドーマを作製し、目的の抗SARS-CoV Sタンパク質抗体の重鎖及び軽鎖をコードする核酸が単離される。その後、これらの核酸は、非ヒト配列の量を減少させる、すなわち、ヒトにおける免疫応答を低減するために抗体をヒト化するために、当業者に知られ且つさらに下で記載されるとおりの手法を使用して操作される。
ある特定の態様では、本開示は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2スパイク(「SARS-CoV2 S」)ポリペプチドを含む免疫原を提供し、ポリペプチドは、
a)配列番号1のV382C及びR983C;
b)配列番号1のA520C及びK41C;
c)配列番号1のS383C及びD985C;
d)配列番号1のD614C及びT859C;
e)配列番号1のT547C及びN978C;
f)配列番号1のA570C及びV963C;
g)配列番号1のP665C及びL864C;
h)配列番号1のF562C及びP225C;並びに
i)配列番号1のP589C及びF855C;
からなる群から選択される残基に対応するアミノ酸置換の1つ以上の対を含み、
ポリペプチドは、配列番号1と90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、及び98%同一である。
ある特定の態様では、本開示は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2スパイク(「SARS-CoV2 S」)ポリペプチドを含む免疫原を提供し、ポリペプチドは、
a)配列番号1のV382C及びR983C;
b)配列番号1のA520C及びK41C;
c)配列番号1のS383C及びD985C;
d)配列番号1のD614C及びT859C;
e)配列番号1のT547C及びN978C;
f)配列番号1のA570C及びV963C;
g)配列番号1のP665C及びL864C;
h)配列番号1のF562C及びP225C;並びに
i)配列番号1のP589C及びF855C
からなる群から選択される残基に対応するアミノ酸置換の1つ以上の対を含む。
ある特定の実施形態では、免疫原は、上のa)~i)に示されるとおりのアミノ酸置換の対の2つ以上を含み得る。ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、残基D614C、T859C、T547C及びN978Cに対応するアミノ酸置換を含む。
ある特定の実施形態では、免疫原は、フューリンによるSARS-CoV2 Sポリペプチドの切断を抑制することができる置換を含み得る。そのような置換としては、配列番号1のR682、R683、及びR685に対応する残基を置換が挙げられる。ある特定の実施形態では、ポリペプチドはさらに、
a)配列番号1のK986P及びV987P;
b)配列番号1のR682G、R683S、及びR685S;
c)配列番号1のR682S、R683G、及びR685G;
d)配列番号1のR682G、R683S、R685S、K986P及びV987P;並びに
e)配列番号1のR682S、R683G、R685G、K986P及びV987P
からなる群から選択される残基に対応するアミノ酸置換の1つ以上の群を含む。
ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1と少なくとも97%の配列同一性を有する。
ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1と少なくとも98%の配列同一性を有する。
ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1と少なくとも99%の配列同一性を有する。
ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号13~21からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号4~12及び44~61からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、免疫原のC末端に結合される三量体形成ドメインを含む。
ある特定の実施形態では、三量体形成ドメインは、配列番号84又は配列番号85のアミノ酸配列を含む。
ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号23~40及び63~80からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
ある特定の態様では、本開示は、SARS-CoV2ポリペプチドに特異的に結合する抗体を生成する方法であって、非ヒト対象に本発明の免疫原並びに薬学的に許容される送達媒体及び/又はアジュバントを投与することを含む方法を提供する。
ある特定の態様では、本開示は、対象においてCOVID-19を治療する方法であって、治療有効量の本発明の方法によって生成される抗体及び薬学的に許容される送達媒体を対象に投与することを含む方法を提供する。
ある特定の態様では、本開示は、ヒト対象において免疫学的反応をもたらすことができる組成物であって、本発明の免疫原並びに薬学的に許容される送達媒体及び/又はアジュバントを含む組成物を提供する。
動物の免疫化は、当該技術分野で知られる任意の方法によるものであり得る。例えば、Harlow and Lane,Antibodies:A Laboratory Manual,New York:Cold Spring Harbor Press,1990を参照されたい。マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウシ及びウマなどの非ヒト動物を免疫化するための方法は、当該技術分野でよく知られている。例えば、Harlow and Lane、上掲、及び米国特許第5,994,619号明細書を参照されたい。一実施形態では、SARS-CoV2 S免疫原は、免疫応答を刺激するためのアジュバントとともに投与される。例示的なアジュバントは、完全又は不完全フロイントアジュバント、RIBI(ムラミルジペプチド)又はISCOM(免疫刺激複合体)を含む。そのようなアジュバントは、ポリペプチドを、限局性沈着においてそれを捕捉することによって急速な分散から保護し得るか、又はそれらは、免疫系のマクロファージ及び他の構成成分に対して化学走性である因子を分泌するように宿主を刺激する物質を含有し得る。好ましくは、ポリペプチドが投与されている場合、免疫化スケジュールは、数週間にわたって広がったポリペプチドの2回以上の投与を含むことになる。
SARS-CoV2 S免疫原による動物の免疫化の後、抗体及び/又は抗体産生細胞は、動物から得ることができる。いくつかの実施形態では、抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体含有血清は、動物から血を採るか又は動物を屠殺することによって動物から得られる。血清は、動物から得られたものをそのまま使用してもよいし、免疫グロブリン画分は、血清から得られてもよいし、抗SARS-CoV Sタンパク質抗体は、血清から精製されてもよい。
いくつかの実施形態では、抗体産生不死化細胞株は、免疫化された動物から単離された細胞から作製される。免疫化後、動物は屠殺され、リンパ節及び/又は脾臓B細胞は、当該技術分野で知られる任意の手段によって不死化される。細胞を不死化する方法としては、それらを癌遺伝子でトランスフェクトすること、それらを腫瘍ウイルスで感染させること及び不死化細胞を選択する条件下でそれらを培養すること、それらを発癌性化合物又は変異性か化合物に晒すこと、それらを不死化細胞、例えば、骨髄腫細胞と融合すること、並びに腫瘍抑制因子遺伝子を不活性化することが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、Harlow and Lane、上掲を参照されたい。骨髄腫細胞との融合が使用される場合、骨髄腫細胞は、好ましくは、免疫グロブリンポリペプチドを分泌しない(非分泌細胞株)。不死化細胞は、SARS-CoV2 Sタンパク質、その部分、又はSARS-CoV2 Sタンパク質を発現する細胞を使用してスクリーニングされる。一実施形態では、最初のスクリーニングは、酵素結合免疫測定法(ELISA)又は放射性免疫測定法を使用して実施される。ELISAスクリーニングの例は、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第00/37504号パンフレットにおいて提供される。
抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体産生細胞、例えば、ハイブリドーマは、下でさらに論じられるとおり、選択され、クローン化され、且つロバストな増殖、高い抗体産生及び望ましい抗体の特徴を含む望ましい特徴についてさらにスクリーニングされる。ハイブリドーマは、同系動物、免疫系を欠く動物、例えば、ヌードマウスにおいてインビボで、又は細胞培養においてインビトロで増殖され得る。ハイブリドーマを選択し、クローン化し、増殖させる方法は、当業者によく知られている。
一実施形態では、免疫化された動物は、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現する非ヒト動物であり、脾臓B細胞は、非ヒト動物と同じ種に由来する骨髄腫細胞株に融合される。より好ましい実施形態では、免疫化された動物は、XENOMOUSE(商標)マウスであり、骨髄腫細胞株は、非分泌マウス骨髄腫である。さらにより好ましい実施形態では、骨髄腫細胞株は、P3-X63-Ag8.653(American Type Culture Collection)である。例えば、実施例Iを参照されたい。したがって、一実施形態では、本発明は、(a)本明細書に記載される非ヒトトランスジェニック動物をSARS-CoV2 S免疫原で免疫化すること;(b)トランスジェニック動物にSARS-CoV2 S免疫原に対する免疫応答を開始させること;(c)抗体産生細胞をトランスジェニック動物から単離すること;(d)抗体産生細胞を不死化すること;(e)不死化された抗体産生細胞の個々のモノクローナル集団を作製すること;及び(f)SARS-CoV2 Sに向けられる抗体を同定するために不死化された抗体産生細胞をスクリーニングすることを含む、SARS-CoV2 Sタンパク質に向けられるヒトモノクローナル抗体又はその断片を産生する細胞株を生成するための方法を提供する。
別の態様では、本発明は、ヒト抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体を産生するハイブリドーマを提供する。一実施形態では、ハイブリドーマによって産生されるヒト抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体は、SARS-CoV2 Sタンパク質のアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、抗SARS-CoV2 Sタンパク質モノクローナル抗体は、ウイルス感染の抗体依存性の増強を媒介しない。一実施形態では、ハイブリドーマは、上記のとおりのマウスハイブリドーマである。他の実施形態では、ハイブリドーマは、非ヒト、ラットなどの非マウス種、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウシ又はウマにおいて生成される。別の実施形態では、ハイブリドーマは、ヒトハイブリドーマである。
本発明の一実施形態では、抗体産生細胞は、単離され、宿主細胞、例えば、骨髄腫細胞において発現される。さらに別の実施形態では、トランスジェニック動物は、本明細書に記載されるとおりのSARS-CoV2 Sタンパク質免疫原で免疫化され、初代細胞、例えば、脾臓又は末梢血液細胞が、免疫化されたトランスジェニック動物から単離され、所望の抗原に特異的な抗体を産生する個々の細胞が同定される。それぞれの個々の細胞からのポリアデニル化mRNAが単離され、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)が、可変領域配列にアニールするセンスプライマー、例えば、ヒト重及び軽鎖可変領域遺伝子のFR1領域の大部分又は全てを認識する縮重プライマー並びに定常又は連結領域配列にアニールするアンチセンスプライマーを使用して実施される。次に、重及び軽鎖可変ドメインのcDNAがクローン化され、任意の好適な宿主細胞、例えば、骨髄腫細胞において、重鎖及びK又はλ定常ドメインなどのそれぞれの免疫グロブリン定常領域を有するキメラ抗体として発現される。参照により本明細書に組み込まれるBabcook,J.S.et al.(1996)Proc.Natl.Acad.ScL USA 93:7843-48を参照されたい。次に、抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体が、本明細書に記載されるとおりに同定され、単離され得る。
ある特定の実施形態では、SARS-CoV2 S免疫原を含む医薬組成物は、ワクチン宿主においてSARS-CoV2 Sへの免疫応答を誘発するために使用される。本発明のSARS-CoV2 S免疫原を含有する医薬組成物は、COVID-19の予防及び治療のためのワクチンとして使用され得る。
さらに、組成物は、薬学的に許容される送達系において担体及び/又は他の添加剤を含有し得る。したがって、SARS-CoV2 S免疫原を含有する組成物は、アジュバント、薬学的に許容される担体又はワクチン製剤中で慣例的に提供される免疫学的アジュバントを含む他の成分を使用して医薬ワクチン製剤として製剤化され得る。免疫性アジュバントは、「特定のワクチン抗原と組み合わせ使用されるときにそれ自体で任意の特定の抗原作用を有さずに抗原特異的免疫応答を促進するか、延長するか、又は増強するように作用する任意の物質」として定義される。油、アルミニウム塩、及びビロソームを含む広範な使用における多くの既知のアジュバントが存在する。リン酸アルミニウム(例えば、Adjuphos)及び水酸化アルミニウム(例えば、アルハイドロゲル)を含む2つの一般的な塩が、ヒトワクチンにおける最も一般的なアジュバントである。ミネラル塩を選択し、利用するミネラル塩の好ましい濃度又はその組み合わせを決定するための方法は、当業者によく知られている。
本発明においてアジュバントとしても使用され得る他の成分としては、リポシン、サポニン、スクアレン、L121、Emulsigen、モノホスホリルリピドA(MPL)、QS21、ISA35、ISA206、ISA50V、ISA51、及びISA720並びに他の有効なアジュバント及び乳化剤が挙げられる。特定の実施形態では、送達媒体及びアジュバントは、Montanide(商標)ISA51(油中水型エマルションの生成のための植物油及びオレイン酸マンニドで構成される油ワクチンアジュバント組成物)、Tween(登録商標)80(ポリソルベート80又はポリオキシエチレン(20)モノオレイン酸ソルビタンとしても知られる)、CpGオリゴヌクレオチド、及び/又はその任意の組み合わせである。別の実施形態では、医薬組成物は、アジュバントとしてのエマルシゲン又はエマルシゲンDとの水中油中水型(すなわち、w/o/w)エマルションである。
ワクチンとしての医薬組成物は、速放性又は徐放性製剤として製剤化され得る。さらに、医薬組成物は、免疫原封入及び微粒子との同時投与による全身性又は局所性粘膜免疫の誘導のために製剤化され得る。そのような送達系は、当業者によって容易に決定される。
本開示のSARS-CoV2 S免疫原を含有する様々なワクチン製剤は、SARS-CoV2感染及びCOVID-19の防御及び治療に有効である。
本発明はまた、SARS-CoV2 S免疫原をコードする核酸分子を包含する。一実施形態では、核酸は、本発明のSARS-CoV2免疫原をコードする。
本発明は、本発明のSARS-CoV2免疫原をコードする核酸分子を含むベクターを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明のSARS-CoV2免疫原は、SARS-CoV2免疫原をコードするDNAを、DNAが転写及び翻訳制御配列などの必要な発現制御配列に作動可能に連結されるように発現ベクターに挿入することによって発現される。発現ベクターとしては、プラスミド、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、カリフラワーモザイクウイルス、タバコモザイクウイルスなどの植物ウイルス、コスミド、YAC、EBV由来エピソームなどが挙げられる。DNAは、ベクター内の転写及び翻訳制御配列が、SARS-CoV2免疫原の転写及び翻訳を調節するそれらの意図された機能を果たすようにベクターに連結される。発現ベクター及び発現制御配列は、使用される発現宿主細胞と適合するように選択される。DNAは、標準的な方法(例えば、抗体遺伝子断片及びベクター上での相補的制限部位のライゲーション、又は制限部位が全く存在しない場合での平滑末端ライゲーション)により、発現ベクターに挿入される。
好都合なベクターは、操作される適切な制限部位とともに機能的に完全なSARS-CoV2免疫原DNA配列をコードするものである。ポリアデニル化及び転写終結は、コード領域の下流の天然の染色体部位で生じる。組換え発現ベクターはまた、宿主細胞からのSARS-CoV2免疫原の分泌を促進するシグナルペプチドをコードし得る。DNAは、シグナルペプチドがSARS-CoV2免疫原のアミノ末端にインフレームで連結されるようにベクターにクローン化され得る。シグナルペプチドは、免疫グロブリンシグナルペプチド又は異種のシグナルペプチド(すなわち、非免疫グロブリンタンパク質由来のシグナルペプチド)であり得る。ある特定の実施形態では、MFVFLVLLPLVSSQCV(配列番号86)のアミノ酸配列を有するシグナルペプチドは、本発明のポリペプチド配列のいずれかのアミノ末端に融合される。ある特定の実施形態では、MDMRVPAQLLGLLLLWLRGARC(配列番号87)のアミノ酸配列を有するシグナルペプチドは、本発明のポリペプチド配列のいずれかのアミノ末端に融合される。他の実施形態では、MAWALLLLTLLTQGTGSWA(配列番号88)のアミノ酸配列を有するシグナルペプチドは、本発明のポリペプチド配列のいずれかのアミノ末端に融合される。さらに他の実施形態では、MTCSPLLLTLLIHCTGSWA(配列番号89)のアミノ酸配列を有するシグナルペプチドは、本発明のポリペプチド配列のいずれかのアミノ末端に融合される。本明細書に記載されるポリペプチド配列のアミノ末端に融合され得る他の適切なシグナルペプチド配列としては、MEAPAQLLFLLLLWLPDTTG(配列番号90)、MEWTWRVLFLVAAATGAHS(配列番号91)、METPAQLLFLLLLWLPDTTG(配列番号92)、METPAQLLFLLLLWLPDTTG(配列番号93)、MKHLWFFLLLVAAPRWVLS(配列番号94)、及びMEWSWVFLFFLSVTTGVHS(配列番号95)、及びMGILPSPGMPALLSLVSLLSVLLMGCVAETGTQC(配列番号96)が挙げられる。他のシグナルペプチドが当業者に知られており、例えば、特定の宿主細胞における発現を促進又は最適化するために、本発明のポリペプチド鎖のいずれかに融合されてもよい。
抗体鎖遺伝子に加えて、本発明の組換え発現ベクターは、宿主細胞内でSARS-CoV2免疫原の発現を制御する調節配列を保有する。調節配列の選択を含む発現ベクターの設計が、所望のタンパク質の発現のレベルなど形質転換されることになる宿主細胞の選択のような要因に依存し得ることは、当業者によって理解されるであろう。哺乳動物宿主細胞の発現のための好ましい調節配列としては、哺乳動物細胞内で高レベルのタンパク質発現を誘導するウイルスエレメント、例えば、レトロウイルスLTRに由来するプロモーター及び/又はエンハンサー、サイトメガロウイルス(CMV)(CMVプロモーター/エンハンサーなど)、サルウイルス40(SV40)(SV40プロモーター/エンハンサーなど)、アデノウイルス、(例えば、アデノウイルス主要後期プロモーター(AdMLP))、ポリオーマ及び天然の免疫グロブリン及びアクチンプロモーターなどの強力な哺乳動物プロモーターが挙げられる。ウイルス調節エレメント、及びその配列のさらなる記載については、例えば、米国特許第5,168,062号明細書、米国特許第4,510,245号明細書及び米国特許第4,968,615号明細書を参照されたい。植物のプロモーター及びベクター、並びに形質転換の記載を含む植物において抗体を発現させるための方法は、当該技術分野で知られている。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,517,529号明細書を参照されたい。細菌細胞又は真菌細胞、例えば、酵母細胞においてポリペプチドを発現させる方法もまた、当該技術分野でよく知られている。
SARS-CoV2免疫原DNA及び調節配列に加えて、本発明の組換え発現ベクターは、追加の配列、例えば、宿主細胞内でのベクターの複製を調節する配列(例えば、複製起点)及び選択マーカー遺伝子を保有し得る。選択マーカー遺伝子は、ベクターが導入されている宿主細胞の選択を容易にする(例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,399,216号明細書、米国特許第4,634,665号明細書及び米国特許第5,179,017号明細書を参照のこと)。例えば、通常、選択マーカー遺伝子は、ベクターが導入されている宿主細胞に対して薬物、例えばG418、ハイグロマイシン又はメトトレキサートへの耐性を付与する。好ましい選択マーカー遺伝子としては、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)遺伝子(メトトレキサート選択/増殖を伴うdhfr-宿主細胞における使用のため)、neo遺伝子(G418の選択用)、及びグルタミン酸合成酵素遺伝子が挙げられる。
SARS-CoV2免疫原をコードする核酸分子及びこれらの核酸分子を含むベクターは、好適な哺乳動物、植物、細菌又は酵母宿主細胞のトランスフェクションのために使用され得る。トランスフェクションは、ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための任意の既知の方法であり得る。哺乳動物細胞への異種ポリヌクレオチドの導入のための方法は、当該技術分野においてよく知られており、デキストラン媒介性トランスフェクション、リン酸カルシウム沈殿、ポリブレン媒介性トランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リポソームへのポリヌクレオチドの封入、及び核へのDNAの直接マイクロインジェクションが挙げられる。加えて、核酸分子は、ウイルスベクターによって哺乳動物細胞に導入され得る。細胞を形質転換する方法は、当該技術分野でよく知られる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,399,216号明細書、同第4,912,040号明細書、同第4,740,461号明細書、及び同第4,959,455号明細書を参照されたい。例えば、アグロバクテリウム属(Agrobacterium)媒介性形質転換、遺伝子銃形質転換、直接注入、エレクトロポレーション及びウイルス形質転換を含む植物細胞を形質転換する方法は、当該技術分野でよく知られている。細菌及び酵母細胞を形質転換する方法もまた、当該技術分野でよく知られている。
発現のための宿主として入手可能な哺乳動物細胞株は、当該技術分野でよく知られており、American Type Culture Collection(ATCC)から入手可能な多くの不死化細胞株を含む。これらは、とりわけ、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、N50細胞、SP2細胞、HEK-293T細胞、NIH-3T3細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、アフリカミドリザル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞癌細胞(例えば、Hep G2)、A549細胞、及びいくつかの他の細胞を含む。どの細胞株が高い発現レベルを有するかを決定することにより、特に好ましい細胞株が選択される。使用され得る他の細胞株は、Sf9又はSf21細胞などの昆虫細胞株である。SARS-CoV2免疫原をコードする組換え発現ベクターが哺乳動物宿主細胞に導入される場合、免疫原は、宿主細胞内での免疫原の発現、又はより好ましくは、宿主細胞が増殖する培養培地へのSARS-CoV2免疫原の分泌を可能にするのに十分な期間で宿主細胞を培養することによって生成される。SARS-CoV2免疫原は、標準的なタンパク質精製方法を使用して培養培地から回収され得る。植物宿主細胞としては、例えば、タバコ属(Nicotiana)、シロイヌナズナ属(Arabidopsis)、ミズクサ、トウモロコシ、コムギ、ジャガイモなどが挙げられる。細菌宿主細胞としては、大腸菌(E.coli)及びストレプトマイセス(Streptomyces)種が挙げられる。酵母宿主細胞としては、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、サッカロミセス・セレビシア(Saccharomyces cerevisiae)及びピキア・パストリス(Pichia pastoris)が挙げられる。
さらに、産生細胞株からの本発明のSARS-CoV2免疫原の発現は、いくつかの既知の手法を使用して増強され得る。例えば、グルタミン合成酵素遺伝子発現系(GS系)は、ある特定の条件下で発現を増強するための一般的なアプローチである。GS系は、欧州特許第0 216 846号明細書、同第0 256 055号明細書、同第0 323 997号明細書及び同第0 338 841号明細書に関連して全体的に又は部分的に論じられる。
別の態様では、本発明は、診断方法を提供する。SARS-CoV2免疫原を使用して、インビトロ又はインビボで生体試料においてSARS-CoV2 S抗体を検出することができる。一実施形態では、本発明は、必要とする対象においてSARS-CoV2抗体の存在又は位置を診断するための方法を提供する。
SARS-CoV2免疫原は、ELISA、RIA、フローサイトメトリー、組織免疫組織化学、ウエスタンブロット又は免疫沈降法を含むがこれらに限定されない従来のイムノアッセイにおいて使用され得る。本発明のSARS-CoV2免疫原を使用して、ヒト由来のSARS-CoV2 S抗体を検出することができる。
本発明は、生体試料を本発明のSARS-CoV2免疫原と接触させること及び結合された抗体を検出することを含む生体試料においてSARS-CoV2 S抗体を検出するための方法を提供する。一実施形態では、SARS-CoV2免疫原は、検出可能な標識で直接的に標識される。別の実施形態では、SARS-CoV2免疫原は標識されず、SARS-CoV2免疫原に結合することができる第2の抗体又は他の分子は標識される。
好適な標識としては、様々な酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質及び放射性物質が挙げられる。好適な酵素の例としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、又はアセチルコリンエステラーゼが挙げられ;好適な補欠分子族複合体の例としては、ストレプトアビジン/ビオチン及びアビジン/ビオチンが挙げられ;好適な蛍光物質の例としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリド又はフィコエリトリンが挙げられ;発光物質の例としては、ルミノールが挙げられ;好適な放射性物質の例としては、125I、131I、35S又は3Hが挙げられる。
別の実施形態では、本発明は、本発明のSARS-CoV2免疫原を使用して生成される抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体を、それを必要とする患者に投与することによってSARS-CoVを中和するための方法を提供する。本明細書に記載される抗体の種類のいずれかは、治療的に使用され得る。様々な実施形態では、抗SARS-CoV Sタンパク質抗体は、ヒト抗体である。
いくつかの実施形態では、患者は、ヒト患者である。或いは、患者は、SARS-CoV2で感染した哺乳動物であり得る。抗体は、獣医学の目的のためにSARSで感染されたか又はヒト疾患の動物モデルとしての非ヒト哺乳動物に投与され得る。そのような動物モデルは、本発明の抗体の治療上の有効性を評価するのに有用であり得る。
一実施形態では、本発明は、治療有効量の本発明の抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体を対象に投与することによって、対象においてSARS-CoV2感染及びそのような感染に起因する状態又は障害の治療、治療の補助、予防又は予防の補助の方法を提供する。
抗体は1回投与され得るが、より好ましくは複数回投与される。抗体は、1日3回~6ヶ月以上毎に1回投与され得る。投与は、1日3回、1日2回、1日1回、2日毎に1回、3日毎に1回、週に1回、2週毎に1回、1ヶ月に1回、2ヶ月毎に1回、3ヶ月毎に1回及び6ヶ月毎に1回などのスケジュールで行われ得る。抗体はまた、ミニポンプを介して連続的に投与され得る。抗体は、口、粘膜、頬側、鼻腔内、吸入、静脈内、皮下、筋肉内、非経口、腫瘍内又は局所経路を介して投与され得る。抗体は、局所的に又は全身的に投与され得る。
抗SARS-CoV Sタンパク質抗体を含む治療用組成物は、例えば、経口、経鼻、経腟、頬側、直腸、眼を介して、又は肺経路を介して、当業者によく知られることになる様々な薬学的に許容される投与形態で対象に投与され得る。
例えば、抗SARS-CoV Sタンパク質抗体は、経鼻吸入デバイスを使用して鼻側経路を介して投与され得る。これらの例は、鼻側塗布のための市販の粉末システム(例えば、Fisons Lomudal System)のために既に利用される。他のデバイスの詳細は、薬学文献において見出され得る(例えば、Drug Delivery Devices Fundamentals and Applications,TyIe P.(ed),Dekker,New York,1988におけるBell,A.Intranasal Delivery devicesを参照のこと)。
抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体は、凍結乾燥粉末製剤において腟に投与され得る。抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体は、腟アプリケーターにおいて投与されてもよく、腟内に入ると、抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体を含む製剤は、アプリケーター上においてシリンジ型ピストン又は同様の放出機構を押すことによって放出される。或いは、抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体は、粉末デバイスを使用して粉末として製剤化され、腟坐薬若しくはペッサリー又は腟錠剤又は腟ゲルに製剤化されてもよい。
抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体はまた、ゲル製剤において眼に投与され得る。例えば、投与の前、抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体を含有する製剤は、凍結乾燥された抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体調製物を含有する1つの区画及び生理食塩水を含有する他の区画である2つの区画の単位用量容器中に好都合に含有され得る。塗布の前に、2つの区画が混合され、ゲルが形成され、続いて眼に投与される。
抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体のための他の送達経路としては、粉末吸入器又は定量噴霧式吸入器を使用する経肺経路を介するもの、錠剤又は頬側パッチに製剤化される頬側経路を介するもの、坐薬に製剤化される直腸経路を介するもの;及び錠剤、カプセル又は小丸薬の形態における経口経路を介するもの(組成物は、胃、小腸又は結腸を介して薬剤を投与し得る)が挙げられ、これらの全ては、当業者によく知られる手法に従って製剤化され得る。
抗体は、1回、少なくとも2回又は状態が治療されるか、和らげられるか又は治癒されるまでの少なくとも一定期間投与され得る。抗体は一般に、上記のとおりの組成物の一部として投与されることになる。抗体の投与量は一般に、0.1~100mg/kg、より好ましくは0.5~50mg/kg、より好ましくは1~20mg/kg、さらにより好ましくは1~10mg/kgの範囲である。抗体の血清濃度は、当該技術分野で知られる任意の方法によって測定され得る。
別の実施形態では、本発明の抗体は、他の治療剤と組み合わせて対象に投与される。一実施形態では、追加の治療剤は、それら自体でSARS-CoV2感染の症状を治療してもよく、任意選択により、抗体の効果と協同する場合がある。投与される追加の薬剤は、感染を治療するために当業者によって選択され得る。
抗体と追加の治療剤の同時投与(組み合わせ療法)は、抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体及び追加の治療剤を含む組成物を投与すること、並びに一方が抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体を含み、他方が追加の治療剤を含む、2つ以上の別々の組成物を投与することを包含する。さらに、同時投与又は組み合わせ療法は一般に、抗体及び追加の治療剤が互いに同時に投与されることを意味するが、それはまた、抗体及び追加の治療剤が異なる時期に投与される場合を包含する。例えば、抗体は、3日毎に1回投与され得る一方で、追加の治療剤は、1日1回投与される。或いは、抗体は、追加の治療剤による治療の前又は後、例えば、患者が追加の薬剤による療法に失敗した後に投与され得る。同様に、抗SARS-CoV2 Sタンパク質抗体の投与は、他の療法の前又は後に投与され得る。
抗体及び1つ以上の追加の治療剤(組み合わせ療法)は、1回、2回又は状態が治療されるか、和らげられるか又は治癒されるまでの少なくとも一定期間投与され得る。好ましくは、組み合わせ療法は、複数回投与される。組み合わせ療法は、1日3回~6ヶ月毎に1回投与され得る。投与は、1日3回、1日2回、1日1回、2日毎に1回、3日毎に1回、週に1回、2週毎に1回、1ヶ月に1回、2ヶ月毎に1回、3ヶ月毎に1回及び6ヶ月毎に1回などのスケジュールで行われ得るか、又はミニポンプを介して連続的に投与され得る。組み合わせ療法は、口、粘膜、頬側、鼻腔内、吸入、静脈内、皮下、筋肉内、又は非経口を介して投与され得る。
ある特定の態様では、本開示は、必要とする対象においてSARS-CoV2媒介性障害の症状を治療するか、予防するか又は軽減する方法であって、対象に先行する実施形態のいずれか1つによる抗体又は抗原結合部分を投与する工程を含む方法を提供する。
ある特定の実施形態では、異なる結合特異性を有する抗体は、いくつかの中和エピトープを同時に標的化し且つエスケープ変異体の出現を予防するために組み合わせて使用され得る。ある特定の実施形態では、中和エピトープは、S1若しくはS2、他のSARS-CoV2タンパク質、又はSタンパク質受容体の領域を含み得る。ある特定の実施形態では、中和エピトープは、S1 RBDドメイン中又はRBDの上流にある。
ある特定の実施形態では、複数のウイルス株に対する結合特異性を有する抗体は、複数のウイルス株を同時に標的化するために組み合わせて使用され得る。ある特定の実施形態では、抗体は、単一の株又は複数の株を発見し得る。いくつかのSARS-CoV2株が記載されており、当業者に知られている。
本発明がより十分に理解され得るように、以下の実施例が記載される。これらの実施例は、単に例証のためのものであり、いかなる形でも本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
実施例1
コロナウイルスSタンパク質及び他のウイルスのコイルドコイル領域中のプロリン変異は、発現レベル及び安定性を向上させることが示された。しかしながら、クライオEM試験は、全ての分子うちのおよそ50%が、「up」立体構造において1つのRBDを依然として維持していることを実証しており、これらの方法が融合前状態においてSタンパク質を安定化させる際に部分的にしか成功していないことを示唆している(図1)。構造に基づく合理的な設計を使用して、S-タンパク質の異なるドメイン間で共有結合性のジスルフィドを設計した。RBDが「up」立体構造に移行する能力を制限するという明確な目標のために、ドメイン内及びプロモーター間にジスルフィドを形成する可能性を有する9個の二重システイン変異が同定された。
これらの変異は、クローズ型CoV-2 S外部ドメインの最近のクライオEM構造(pdb:6VXX)を走査することによって同定された。簡潔には、<6.5ÅのCβを有してドメイン内又はプロモーター間に存在する全ての残基対は、ジスルフィド対として計算的にモデル化され、エネルギーのポテンシャルについてスコア化され、元の構造への摂動を最小化したバリアントを強調した。バリアントは、スコアによって選別され、9個がさらなる評価のために選択された(図2)。これらの9個のジスルフィドバリアントは、3つの広範なクラスターに分類することができた:RBDのNTDへの連結、RBDのS2への連結、及びSD1/SD2のS2への連結。
これらの試みは、融合前の安定化されたウイルスタンパク質へのさらなる開発のための戦略となる。本明細書に記載されるジスルフィドは、SARS-CoV-2 Sタンパク質に特異的であるが、この方法は、他のコロナウイルス及び好ましい立体構造が望まれるタンパク質(ウイルス又は他のもの)に適応させることができる。
実施例2
免疫化及びハイブリドーマ生成
5マイクログラムの精製されたSタンパク質を、Titemax Goldアジュバント(Sigma)中で乳化し、6~10週齢のIgG2K XenoMouse動物を腹腔内で免疫化した。アジュバントとしてTiterMax Gold又はアラム(Sigma)を使用してその後のブーストを逐次的に実施した。動物が抗S抗体応答を起こしたとき、PBS中の最終ブーストが実施され、4日後に脾臓及びリンパ細胞が収集され、P3骨髄腫細胞と融合され、HPRT+ハイブリドーマが、標準的なプロトコル(Davis)を使用してヒポキサンチン-アザセリン(HA)において選択される。
ハイブリドーマ上清は、対照としてのOVA-V5-HISに対するカウンタースクリーンとともにS-V5-HISに対するELISAによってS反応性について個別にスクリーニングされる。S-V5-HIS(Tor2)に対して試験されるときに0.7を超えるOD値をもたらすハイブリドーマ上清はさらに、ELISAによって様々なS1-Ig断片に対して試験される。
配列表
配列番号1
>ECD SARS_CoV_2_Sタンパク質(1-1208)
Figure 2023534987000002
配列番号2
>全_長_未改変SARS_CoV_2_Sタンパク質(1-1273)
Figure 2023534987000003
配列番号3
>COV2_S_(K986P_V987P)
Figure 2023534987000004
配列番号4
>COV2_S_(A570C_V963C_K986P_V987P)
Figure 2023534987000005
配列番号5
>COV2_S_(D614C_T859C_K986P_V987P)
Figure 2023534987000006
配列番号6
>COV2_S_(K41C_A520C_K986P_V987P)
Figure 2023534987000007
配列番号7
>COV2_S_(P225C_F562C_K986P_V987P)
Figure 2023534987000008
配列番号8
>COV2_S_(P589C_F855C_K986P_V987P)
Figure 2023534987000009
配列番号9
>COV2_S_(P665C_L864C_K986P_V987P)
Figure 2023534987000010
配列番号10
>COV2_S_(S383C_D985C_K986P_V987P)
Figure 2023534987000011
配列番号11
>COV2_S_(T547C_N978C_K986P_V987P)
Figure 2023534987000012
配列番号12
>COV2_S_(V382C_R983C_K986P_V987P)
Figure 2023534987000013
配列番号13
>COV2_S_(A570C_V963C)
Figure 2023534987000014
配列番号14
>COV2_S_(D614C_T859C)
Figure 2023534987000015
配列番号15
>COV2_S_(K41C_A520C)
Figure 2023534987000016
配列番号16
>COV2_S_(P225C_F562C)
Figure 2023534987000017
配列番号17
>COV2_S_(P589C_F855C)
Figure 2023534987000018
配列番号18
>COV2_S_(P665C_L864C)
Figure 2023534987000019
配列番号19
>COV2_S_(S383C_D985C)
Figure 2023534987000020
配列番号20
>COV2_S_(T547C_N978C)
Figure 2023534987000021
配列番号21
>COV2_S_(V382C_R983C)
Figure 2023534987000022
配列番号22
>COV2_S_(K986P_V987P)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000023
配列番号23
>COV2_S_(A570C_V963C_K986P_V987P)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000024
配列番号24
>COV2_S_(D614C_T859C_K986P_V987P)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000025
配列番号25
>COV2_S_(K41C_A520C_K986P_V987P)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000026
配列番号26
>COV2_S_(P225C_F562C_K986P_V987P)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000027
配列番号27
>COV2_S_(P589C_F855C_K986P_V987P)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000028
配列番号28
>COV2_S_(P665C_L864C_K986P_V987P)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000029
配列番号29
>COV2_S_(S383C_D985C_K986P_V987P)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000030
配列番号30
>COV2_S_(T547C_N978C_K986P_V987P)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000031
配列番号31
>COV2_S_(V382C_R983C_K986P_V987P)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000032
配列番号32
>COV2_S_(A570C_V963C)三量体_タグ_2
Figure 2023534987000033
配列番号33
>COV2_S_(D614C_T859C)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000034
配列番号34
>COV2_S_(K41C_A520C)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000035
配列番号35
>COV2_S_(P225C_F562C)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000036
配列番号36
>COV2_S_(P589C_F855C)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000037
配列番号37
>COV2_S_(P665C_L864C)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000038
配列番号38
>COV2_S_(S383C_D985C)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000039
配列番号39
>COV2_S_(T547C_N978C)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000040
配列番号40
>COV2_S_(V382C_R983C)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000041
配列番号41
>ECD SARS_CoV_2_Sタンパク質(1-1208;R682G_R683S_R685S)
Figure 2023534987000042
配列番号42
>全_長_未改変SARS_CoV_2_Sタンパク質(1-1273;R682G_R683S_R685S)
Figure 2023534987000043
配列番号43
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_K986P_V987P)
Figure 2023534987000044
配列番号44
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_A570C_V963C_K986P_V987P)
Figure 2023534987000045
配列番号45
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_D614C_T859C_K986P_V987P)
Figure 2023534987000046
配列番号46
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_K41C_A520C_K986P_V987P)
Figure 2023534987000047
配列番号47
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_P225C_F562C_K986P_V987P)
Figure 2023534987000048
配列番号48
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_P589C_F855C_K986P_V987P)
Figure 2023534987000049
配列番号49
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_P665C_L864C_K986P_V987P)
Figure 2023534987000050
配列番号50
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_S383C_D985C_K986P_V987P)
Figure 2023534987000051
配列番号51
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_T547C_N978C_K986P_V987P)
Figure 2023534987000052
配列番号52
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_V382C_R983C_K986P_V987P)
Figure 2023534987000053
配列番号53
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_A570C_V963C)
Figure 2023534987000054
配列番号54
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_D614C_T859C)
Figure 2023534987000055
配列番号55
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_K41C_A520C)
Figure 2023534987000056
配列番号56
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_P225C_F562C)
Figure 2023534987000057
配列番号57
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_P589C_F855C)
Figure 2023534987000058
配列番号58
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_P665C_L864C)
Figure 2023534987000059
配列番号59
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_S383C_D985C)
Figure 2023534987000060
配列番号60
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_T547C_N978C)
Figure 2023534987000061
配列番号61
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_V382C_R983C)
Figure 2023534987000062
配列番号62
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_K986P_V987P)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000063
配列番号63
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_A570C_V963C_K986P_V987P)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000064
配列番号64
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_D614C_T859C_K986P_V987P)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000065
配列番号65
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_K41C_A520C_K986P_V987P)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000066
配列番号66
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_P225C_F562C_K986P_V987P)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000067
配列番号67
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_P589C_F855C_K986P_V987P)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000068
配列番号68
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_P665C_L864C_K986P_V987P)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000069
配列番号69
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_S383C_D985C_K986P_V987P)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000070
配列番号70
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_T547C_N978C_K986P_V987P)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000071
配列番号71
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_V382C_R983C_K986P_V987P)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000072
配列番号72
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_A570C_V963C)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000073
配列番号73
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_D614C_T859C)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000074
配列番号74
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_K41C_A520C)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000075
配列番号75
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_P225C_F562C)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000076
配列番号76
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_P589C_F855C)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000077
配列番号77
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_P665C_L864C)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000078
配列番号78
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_S383C_D985C)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000079
配列番号79
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_T547C_N978C)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000080
配列番号80
>COV2_S_(R682G_R683S_R685S_V382C_R983C)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000081
配列番号81
>SEQ128430_-_融合前-安定化_三量体_タグ SARS_CoV_2_S-タンパク質(1-1208,R682G,R683S,R685S,K986P,V987P),三量体形成ドメイン,HRV 3Cプロテアーゼ部位,G,His8,SA,Strepタグ,GGGSGGGGSGGSA,Strepタグ
Figure 2023534987000082
配列番号82
>SEQ128430_-_融合前-安定化_三量体_タグ SARS_CoV_2_S-タンパク質(1-1208,R682G,R683S,R685S,K986P,V987P),三量体形成ドメイン,HRV 3Cプロテアーゼ部位,G,His8,SA,Strepタグ,GGGSGGGGSGGSA,Strepタグ
Figure 2023534987000083
配列番号83
>COV2_S_(K986P_V987P)_三量体_タグ_2
Figure 2023534987000084
配列番号84
>フィブリチン三量体形成ドメイン
GYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFL
配列番号85
>三量体_タグ_2
GGGSGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGLEVLFQGPGHHHHHHHHSAWSHPQFEKGGGSGGGGSGGSAWSHPQFEK
配列番号86
>シグナルペプチド
MFVFLVLLPLVSSQCV
配列番号87
>シグナルペプチド
MDMRVPAQLLGLLLLWLRGARC
配列番号88
>シグナルペプチド
MAWALLLLTLLTQGTGSWA
配列番号89
>シグナルペプチド
MTCSPLLLTLLIHCTGSWA
配列番号90
>シグナルペプチド
MEAPAQLLFLLLLWLPDTTG
配列番号91
>シグナルペプチド
MEWTWRVLFLVAAATGAHS
配列番号92
>シグナルペプチド
METPAQLLFLLLLWLPDTTG
配列番号93
>シグナルペプチド
METPAQLLFLLLLWLPDTTG
配列番号94
>シグナルペプチド
MKHLWFFLLLVAAPRWVLS
配列番号95
>シグナルペプチド
MEWSWVFLFFLSVTTGVHS
配列番号96
>シグナルペプチド
MGILPSPGMPALLSLVSLLSVLLMGCVAETGTQC
配列番号97
>リンカー
GGGSGGGGSGGSA

Claims (14)

  1. 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2スパイク(「SARS-CoV2 S」)ポリペプチドを含む免疫原であって、前記ポリペプチドが、
    a)配列番号1のV382C及びR983C;
    b)配列番号1のA520C及びK41C;
    c)配列番号1のS383C及びD985C;
    d)配列番号1のD614C及びT859C;
    e)配列番号1のT547C及びN978C;
    f)配列番号1のA570C及びV963C;
    g)配列番号1のP665C及びL864C;
    h)配列番号1のF562C及びP225C;並びに
    i)配列番号1のP589C及びF855C
    からなる群から選択される残基に対応するアミノ酸置換の1つ以上の対を含む、免疫原。
  2. 前記ポリペプチドが、残基D614C、T859C、T547C及びN978Cに対応するアミノ酸置換を含む、請求項1に記載の免疫原。
  3. 前記ポリペプチドがさらに、
    a)配列番号1のK986P及びV987P;
    b)配列番号1のR682G、R683S、及びR685S;
    c)配列番号1のR682S、R683G、及びR685G;
    d)配列番号1のR682G、R683S、R685S、K986P及びV987P;並びに
    e)配列番号1のR682S、R683G、R685G、K986P及びV987P
    からなる群から選択される残基に対応するアミノ酸置換の1つ以上の群を含む、請求項1又は2に記載の免疫原。
  4. 前記ポリペプチドが、配列番号1と少なくとも97%の配列同一性を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の免疫原。
  5. 前記ポリペプチドが、配列番号1と少なくとも98%の配列同一性を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の免疫原。
  6. 前記ポリペプチドが、配列番号1と少なくとも98%の配列同一性を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の免疫原。
  7. 前記ポリペプチドが、配列番号13~21からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の免疫原。
  8. 前記ポリペプチドが、配列番号4~12及び44~61からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項3に記載の免疫原。
  9. 前記ポリペプチドが、免疫原のC末端に結合される三量体形成ドメインを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の免疫原。
  10. 前記三量体形成ドメインが、配列番号84又は配列番号85のアミノ酸配列を含む、請求項9に記載の免疫原。
  11. 前記ポリペプチドが、配列番号23~40及び63~80からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項10に記載の免疫原。
  12. SARS-CoV2ポリペプチドに特異的に結合する抗体を生成する方法であって、非ヒト対象に請求項1~10のいずれか一項に記載の免疫原並びに薬学的に許容される送達媒体及び/又はアジュバントを投与することを含む方法。
  13. 対象においてCOVID-19を治療する方法であって、治療有効量の請求項11に記載の方法によって生成される抗体及び薬学的に許容される送達媒体を前記対象に投与することを含む方法。
  14. ヒト対象において免疫学的反応をもたらすことができる組成物であって、請求項1~10のいずれか一項に記載の免疫原並びに薬学的に許容される送達媒体及び/又はアジュバントを含む組成物。
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