JP2023533855A - イソキノリン化合物およびそのAhR不均衡の治療への使用 - Google Patents

イソキノリン化合物およびそのAhR不均衡の治療への使用 Download PDF

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ダーマヴァント サイエンシーズ ゲーエムベーハー
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Abstract

【解決手段】本発明は、式(I)の新規化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を対象とする。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を含む医薬組成物もまた記載される。本発明はまた、炎症性疾患または障害などのAhR不均衡に関連する哺乳動物における状態を治療するための式(I)の化合物の使用も対象とする。【選択図】 5C

Description

本出願は、2020年7月16日に出願された「ISOQUINOLINE COMPOUNDS AND THEIR USE IN TREATING AhR IMBALANCE」という名称の米国仮出願番号63/052,561の利益および優先権を主張する;および2020年7月16日に出願された「ISOQUINOLINE COMPOUNDS AND THEIR USE IN TREATING AhR IMBALANCE」という名称の米国仮出願番号63/052,574、それらの内容は参照によりその全体としてここに組み込まれるものとする。
様々な実施形態は、化合物および組成物、並びにそのような化合物および組成物を投与することを含むAhR不均衡に関連する状態、AhR媒介疾患および炎症性疾患の治療および予防のための方法を提供する。本明細書に記載の化合物は、アリール炭化水素受容体(AhR)に結合して活性化し、炎症性疾患状態の治療に有用なAhR依存性サイトカイン調節を有する新規クラスの抗炎症性化合物を提供する。
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物を対象とし、
Figure 2023533855000002
式中
およびRの各々は、独立して、OH、OR、およびHからなる群より選択され、ただし、RおよびRの少なくとも1つは-OHまたは-ORであり、
は、独立して、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、アリールC1-6アルキルおよびアシルからなる群から選択され、
は、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたC4-6シクロアルケニル、ハロ、シアノ、-C(O)OR、-NR10、-S(O)NR10、-C(O)R11、-OR12、-S(O)13、および任意に置換されたヘテロサイクリルからなる群から選択され、
は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択され、
およびR10の各々は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群より選択され、あるいは代替的に、RおよびR10は、それらが結合する窒素原子と共に5~7員環状飽和または不飽和環を形成し、
11は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シロアルキル、-NR10、および-OR12から成る群から選択され、
12およびR13の各々は、独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、および任意に置換されたC3-6シロアルキルからなる群より選択され、
は、H、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置換されたC1-6アルキル、ハロゲン化アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択され、
nは、0、1、または2の値を有する整数であり、
sは、0、1、または2の値を有する整数であり、
tは、0~6の値を有する整数であり、
は、H、ハロ、任意に置換されたC1-6アルキル、-C(O)OR14、-C(O)NR1516、アリール、および-C1-6アルキルアリールからなる群から選択され、
14は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択され、
15およびR16の各々は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、および任意に置換されたC3-6シクロアルキルからなる群より選択され、
代替的に、R15およびR16は、それらが結合する窒素と共に5~7員環状飽和または不飽和環を形成し、
は、H、ハロ、シアノ、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、-(CR1819COOR、-(CR1819OC(O)R、-(CR1819NR10、-(CR1819C(O)NR10、-(CR1819NRC(O)R、-(CR1819S(O)NR10、-(CR1819COR11、-(CR1819CH(O)、-(CR1819OR12、-(CR1819S(O)13、任意に置換された複素環、および任意に置換された複素環C1-6アルキルから成る群から選択され、および
18およびR19の各々は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群より選択される。
いくつかの実施形態は、からなる群から選択される化合物
Figure 2023533855000003

その塩、溶媒和物もしくは水和物、を対象とする。
いくつかの実施形態は、式(1)の化合物
Figure 2023533855000004

を対象とする。
いくつかの実施形態は、式(1)の化合物
Figure 2023533855000005

またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、を対象とする。
いくつかの実施形態は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその水和物の薬学的に許容される塩溶媒和物を指向する。
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物、またはその塩溶媒和物もしくは水和物が記載され、
Figure 2023533855000006
式中
およびRの各々は、独立して、OH、OR、およびHからなる群より選択され、ただし、RおよびRの少なくとも1つは、OHまたはORであり、
は、独立して、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、およびアシルからなる群から選択され、
は、任意に置換されC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたC4-6シクロアルケニル、ハロ、シアノ、-C(O)OR、-NR10、-S(O)NR10、-C(O)R11、-OR12、-S(O)13、および任意に置換された複素環から選択され、
nは、0、1、または2の値を有する整数であり、
は、Hであり、
は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択され、
およびR10の各々は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択され、代替的に、RおよびR10は、それらが結合する窒素原子と共に、5~7員環状飽和または不飽和環を形成し、
11は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シロアルキル、-NR10、および-OR12からなる群より選択され、
12およびR13の各々は、独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、および任意に置換されたC3-6シクロアルキルからなる群から選択され、および
は、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置換されたC1-6アルキル、ハロゲン化アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択される。
本明細書のいくつかの実施形態は、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物を説明する。
いくつかの実施形態は、AhR不均衡に関連する哺乳動物における状態を治療または予防する方法であって、本明細書に記載の任意の化合物または医薬組成物の治療上有効な量を哺乳動物に投与する工程を含む、方法を記載する。
いくつかの実施形態は、対象における炎症性障害を治療または予防する方法であって、本明細書に記載される任意の化合物または医薬組成物の治療的有効量を対象に投与する工程を含む、方法を記載する。いくつかの実施形態では、炎症性障害は、乾癬、アトピー性皮膚炎、白斑、にきび、新生血管(乾燥)AMD、新生血管(湿潤)AMD、ブドウ膜炎または他の炎症性眼疾患、放射線皮膚炎、COPD、ぜんそく、多発性硬化症(MS)、および炎症性腸疾患からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、炎症性疾患は、乾癬またはアトピー性皮膚炎である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物または医薬組成物は、局所的に投与される。
いくつかの実施形態は、それを必要とする対象における乾癬またはアトピー性皮膚炎を治療または予防する方法であって、対象に有効量の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、または水和物を投与する工程を含む、方法を記述する。
いくつかの実施形態は、式8の化合物
Figure 2023533855000007
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を調製するための工程であって、
a)式5の化合物
Figure 2023533855000008
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を調製する工程であって、
1)2,6-ジヒドロキシアセトフェノンまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物をアルキル化して、式2の化合物
Figure 2023533855000009
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を形成させる工程と、
2)式2のケトンまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物をグリニャール試薬で処理し、次いで酸性条件下で水を除去して式3の化合物
Figure 2023533855000010
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を形成する工程と、
3)式3の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を水素化して、式4の化合物
Figure 2023533855000011
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を形成する工程と、および
4)式4の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物をボリル化し、式5の化合物を形成する工程と、を含む、前記調整する工程と、
b)式6の化合物
Figure 2023533855000012
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を調製する工程であって、イソキノリン-3-オールをトリフレート剤で処理する工程を含む、前記調製する工程と、および
c)式6の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を式5の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物とカップリングさせて式7の化合物
Figure 2023533855000013
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を形成させる工程と、および
d)式7の化合物を脱メチル化し、式8の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を形成する工程であって、ここで、工程aおよびbは、異なる反応容器において、いずれの順序でもまたは同時に行うことができる、前記形成する工程と、を記載する。
図1A~Cは、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールのBioMAPプロファイルを、タピナロフ(tapinarof)およびF1CZと比較して示す図である。図1Aは、1.0μM、0.33μM、0.11μM、および0.037μMの濃度の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの単独のBioMAPプロフィールを示しており、図1Bは、1.0μMの濃度で、0.11μM、および0.037μM、図1Bは、FICZ(330nM;濃い灰色)と重ねた1μMでの2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールのBioMAPプロファイル(薄い灰色)、図1Cは、タピオナルド(1μM;濃い灰色)と重ねた1μMでの2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールのBioMAPプロファイル(明るい灰色)である。陰影をつけたグレーの部分は正常な変動幅を表す。通常の変動範囲外の一般的な分析物は、注釈が付けられる。 図2A~図2Cは、初代ヒト末梢血CD4+T細胞におけるIL-17Aタンパク質分泌、およびT細胞およびケラチノサイトの細胞生存率に対する2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの効果を示す。図2Aは、Th17偏光条件下で、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール(三角)およびタピナロフ(丸)によるヒト末梢血CD4+T細胞におけるIL-17Aの用量依存的抑制を示す図である。点は、6人の複合ドナーのTh17と比較したタンパク質の最大発現率を表す、各処理につき3生物学的複製。エラーバーは、平均の標準誤差を表す。図2Bは、Th17偏光条件下、5日間にわたる2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール(ダイヤモンド)およびタピナロフ(丸)の濃度増加下でのヒト末梢血CD4+T細胞の細胞生存率を示す。データは、3~9の実験データ点からの平均±標準誤差である。図2Cは、ヒト初代ケラチノサイトにおける細胞生存率を示す。日間、濃度の増加した2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール(三角)およびタピナロフ(丸)で処理した後に、細胞生存率を定量化した。エラーバーは10-15生物学的複製の平均±標準誤差を表す。 図3A~3Bは、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの標的関与が、エックスビボヒト皮膚においてAhR標的遺伝子、CYP1A1を誘導し、IL-17A発現を減少させることを示す。健康なドナーの皮膚サンプルを液体/空気界面培養システムに入れ、1または10μMの2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール(白)またはGSK3038548A(灰)で24時間前処理した後、Th17偏光条件でさらに24時間培養した。図3Aは、qRT-PCRを用いた24時間後のCYP1A1 mRNA転写物の相対的発現を示す図である。図3Bは、qRT-PCRを用いた24時間後のIL-17A mRNA転写物の相対的発現を示す。データは、3または4生物学的複製物からの平均値±標準誤差として表される。統計的有意性を決定するためにスチューデントのt-検定を使用した、p<0.05。 図4は、異なる濃度のクリーム製剤1およびゲル製剤1における2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの局所標的係合を示す。液体/空気界面培養システムに置かれた健康なドナーの皮膚サンプルを、10μM 2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールまたは1μM FICZを培地に含むか含まないか、または製剤中の表示濃度で24時間局所適用させた。CYP1A1 mRNA転写物の相対的発現は、4人の個別ドナーからの4生物学的複製の平均±SEMのプロットとして報告される。 図5A~図5Fは、乾癬のイミキモドマウスモデルにおける臨床スコアおよび表皮の厚さに対する2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの効果を示す図である。2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールはIMQ治療の前に3日間塗布された。次に、60%エタノール性局所溶液中のIMQおよび2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールを、削った背中に順次(最初にIMQ、次に2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオル、1~2時間後)、0.3%で4日間(図5A~5B)または0.図5Aのプロットにおいて、菱形はビヒクル(60%EtOH 40%水)+バニクリームを、四角はビヒクル+イミキモド(5%)を、×は0.3%2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオル(60%EtOH 40%水)+イミキモド(5%)を表す。他の線は、本願とは関連性がないので、特定しない。図5Bにおいて、表皮の厚さは、処置の最終日に採取した背部皮膚の組織切片で測定した。三角形のバーは、ビヒクル(60%EtOH 40%水)+バニクリームを表し、楕円形のバーは、ビヒクル+イミキモド(5%)を表し、実線のバーは、0.3%2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオル(60% EtOH 40%水)+イミキモド(5%)を表す。図5Cプロットにおいて、菱形はビヒクル(60%EtOH 40%水)+バニクリームを表し、四角はビヒクル+イミキモド(5%)を表し、×は0.1%2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオル(60%EtOH 40%水)+イミキモド(5%)を、円は0.3%2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオル(60%EtOH 40%水)+イミキモド(5%)を表し、◎は、2-イソプロピン(2%)-2-イソキノリン-(1)-5-イルベンゼン・3-ジオル・(60%)+イミキモノ(5%)の組み合わせを示す。図5Dにおいて、表皮の厚さは、処置の最終日に採取した背部皮膚の組織切片で測定した。三角形のバーは、ビヒクル(60%EtOH 40%水)+バニクリームを表し、楕円形のバーは、ビヒクル+イミキモド(5%)を表し、四角いバーは、0.1%2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール(60%EtOH 40%水)+イミキモド(5%);および実線バーは0.3%2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール(60%EtOH 40%水)+イミキモド(5%)を表わす。図5Eでは、0.1%クリーム製剤1(四角)、0.5%クリーム製剤1(×)、および1%クリーム製剤1(星)を用いて第2の9日間IMQ試験を実施した。0%クリーム製剤1+バニクリームは菱形で表され、0%クリーム製剤1+イミキモドは丸で表される。図5Fにおいて、表皮の厚さは、処置の最終日に採取した背部皮膚の組織切片で測定された。三角形のバーは、ビヒクル(0%クリーム製剤1)+バニクリームを、楕円形のバーは、ビヒクル+イミキモド(5%)を、四角形のバーは、0.1%クリーム製剤1+イミキモド(5%)を、実線のバーは、0.5%2クリーム製剤1+イミキモド(5%)を、星のバーは、1%クリーム製剤1+イミキモドを示す。 図6A~図6Eは、DFNBマウスモデルにおける真皮および表皮の厚さに対する2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの効果を示す図である。図6Aは、実験設計の概略を示す。マウスを1日目にDNFBに感作し、5日後から2~3日ごとにDNFBにチャレンジさせた。2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの局所製剤は、5日目から毎日適用した。図6Bは表皮の厚さの測定値を示し、図6Cは60%エタノール溶液(60%EtOH、40%水)中の1%2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールまたは0.3%2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの局所適用に対して、一日に二度(BID)皮膚の厚さの測定値を示す。図6Bおよび6Cにおいて、四角いバーは、溶媒(アセトン/オリーブ油(4:1 容量:容量)+ビヒクル(60%EtOH、40%水))を表し、ダイヤモンドバーは、(アセトン/オリーブ油(4:1容量:容量)+ビヒクル(60%EtOH、40%水)中の)0.15% DNFB、スターバーは0.15%DNFB(アセトン/オリーブ油(4:1 容量:容量)+1%2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールのエタノール溶液(60% EtOH、40%水))、実線バーは0.15%DNFB(アセトン/オリーブ油(4:1 容量:容量))+0.3%2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールのエタノール溶液(60%EtOH、40%水)、六角棒は0.15%のDNFB(アセトン/オリーブ油(4:1容量:容量)中)を表す。図6Dは表皮の厚さの測定値を示し、図6Eは0%クリーム製剤1または0%クリーム製剤1の1日1回の局所適用に応答した真皮の厚さを示す。図6Dおよび6Eにおいて、四角い棒はアセトン/オリーブ油(4:1容量:容量)+ビヒクル(60% EtOH、40%水)を表し、菱形の棒は0.15%DNFB(アセトン/オリーブ油(4:1 容量:容量)中)+ビヒクル(60%EtOH、40%水)を、丸い棒は0.15%DNFB(アセトン/オリーブ油中)を、丸い棒は0.15%DNFB(0% EtOH、40%水)中)を表す。15%DNFB(アセトン/オリーブ油中(4:1 容量:容量))+0%クリーム製剤1、実線バーは0.15%DNFB(アセトン/オリーブ油中(4:1 容量:容量))+0.3%クリーム製剤1、六角バーは0.15%DNFB(アセトン/オリーブ油中(4:1容量:容量))と0.05%クロベタゾールクリームとを表しています。統計的な有意性を判断するために一元配置分散分析を使用した。p<0.05,***p<0.001,n=12/各処置群。 図7は、塗布後16時間で表皮(バーセットの四角いバー)および真皮(バーセットの実線のバー)に送達された異なる1%製剤中の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの量を示す図である。棒グラフは、3人のドナーから15~18回繰り返した2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの平均量±SEMを表す。サンプルはUPLC-MS/MSで分析され、LLOQは80pg/mLであった。 図8は、異なる製剤の塗布後16時間にわたる、受容液中の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの累積量(ng)を示す図である。四角は1%クリーム製剤3、丸は1%ゲル製剤4、アスタリスクは1%ゲル製剤3、単一の垂直線は1%クリーム製剤4、記号(線)なしは1%クリーム製剤5、三角は1%クリーム製剤6、菱形は1%クリーム製剤7、太いXは1%クリーム製剤2を示す。線は、3人のドナーからの15~18回の複製からの2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの累積平均量±SEMを表す。サンプルはUPLC-MS/MSで分析し、LLOQは80pg/mLとした。 図9は、異なる製剤の適用から16時間後に真皮に送達された2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの量を示す。棒グラフは、3人のドナーからの13-16の複製からの2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの平均量±SEMを表す。サンプルはUPLC-MS/MSで分析され、LLOQは80pg/mLであった。 図10A~図10Bは、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの異なるゲル製剤について適用後16時間後に表皮(各製剤の角棒)および真皮(各製剤の実線棒)へ送達される2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの量(μg)を示す図である。棒は、3人のドナーからの15~18の複製物±SEM(図10A)および1人のドナーからの7~10の複製物±SEM(図10B)からの2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの平均量に相当する。サンプルは、80pg/mLのLLOQでUPLC-MS/MSによって分析された。 図11は、異なるゲル製剤について、塗布後16時間における受液中の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの累積量(ng)を示す図である。ゲル製剤4(菱形)、ゲル製剤1(三角形)、ゲル製剤2(四角形)について、3人のドナーから15~18回の複製±SEM(N46822-2)からの2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの累積量を記載する。ゲル製剤4(アスタリスク)およびゲル製剤3(ブロードX)について、1人のドナー±からの7~10複製からの2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの累積量を記述する。サンプルは、80pg/mLのLLOQでUPLC-MS/MSによって分析された。 図12A~図12Cは、ラットにおける単回投与後の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの平均(SD)血漿濃度時間プロフィールを示す。図12Aにおいて、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールは静脈内投与(1mg/kg)される。図12Bにおいて、実線の四角は、30%Captisol中の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの10mg/kgの皮下投与、開いた四角は、30%Captisol中の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの25mg/kgの皮下投与について表わす。実線の三角形は、30%Cavitron中の10mg/kgの2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの皮下投与、開いた三角形は、30%Cavitron中の25mg/kgの2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの皮下投与であることを表す。図12Cにおいて、実線の円は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの1%クリーム製剤1(20mg/kg)の局所投与を表し、図12Cの開いた四角は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの1%ゲル製剤1(20mg/kg)の局所処分を表し、この図12Cに示すように、2-イソプロピル-5-イル-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール(20mg)の局所処分を表す。 図13A~図13Bは、ミニピッグにおける単一の局所投与後の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの個々の表皮/真皮上部および真皮濃度時間プロフィールを示す。図13Aにおいて、実線、開丸は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの1%クリーム製剤1で処置したミニブタ被験者1の表皮/上部真皮であり、ダッシュ線、開丸は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの1%クリーム製剤1で処置したミニブタ被験者1の真皮である。実線、実円は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの1%クリーム製剤1で処理したミニブタ被験者2の表皮/真皮上部;および破線、実円は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの1%クリーム製剤1で処理したミニブタ被験者2の真皮である。図13Bにおいて、実線、実線円は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの1%ゲル製剤1で処理したミニブタ被験者100の表皮/真皮上部、破線、実線円は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの1%ゲル製剤1で処理したミニブタ被験者100の真皮である。実線、開丸は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの1%ゲル製剤1で処理したミニブタ被験者百二の表皮/真皮上部;および破線、開丸は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの1%ゲル製剤1で処理したミニブタ被験者百二の真皮である。 図14A~Bは、単一局所投与後の異なる時点における深さプロファイリングおよび皮膚MALDI IMSを示す。ミニピッグにおける1%クリーム製剤1(図14A)および1%ゲル製剤1(図14B)。
アリール炭化水素受容体(AhR)は、転写因子bHLH-PASファミリーのメンバーであり、細胞質リガンド活性化転写因子として、多様な内因性および外因性分子を感知し、複数の生物活性を介在させることが知られる。最近、AhRが炎症反応を調節する高度に保存された経路であることを示す証拠が得られ、したがってAhR経路は炎症性疾患の治療の重要なターゲットとなる可能性がある。
AhR は、ケラチノサイト、線維芽細胞、メラノサイト、皮膚免疫細胞など、皮膚の様々な種類の細胞で広く発現する。ケラチノサイトでは、AhRシグナルがフィラグリン、ロリクリン、およびホルネリンなどの表皮分化遺伝子の発現を制御し、皮膚バリア形成を促進する。さらに、AhRは、Th17とTreg T細胞のバランスに影響を与えることで、自然免疫と適応免疫の両方の応答の制御因子として重要な役割を果たすことが示される。IL17などのTh17関連サイトカインは、乾癬などの炎症性皮膚疾患の免疫病態に寄与する。そのため、近年、炎症性皮膚疾患の治療や予防のための標的としてAhRが注目されており、同時に、より優れた局所治療の必要性が強調されている。
本明細書に記載されるような、アリール炭化水素受容体(AhR)に結合して活性化する化合物は、炎症性疾患状態の治療に有用なAhR依存性のサイトカイン調節作用を有する新規な抗炎症化合物のクラスを提供するものである。
このように、AhR活性化の有益な効果は、炎症性疾患状態の治療における新たな治療介入を提供する。皮膚疾患、特に慢性炎症性皮膚疾患のより良い局所治療に対する必要性が存在する。好適には、ヒト皮膚の細胞を含む複数の細胞型においてアリール炭化水素受容体(AhR)に結合して活性化する化合物は、炎症性疾患状態のための新規かつ有用な治療法を提供することになる。したがって、本発明は、その治療のためのAhR依存性サイトカイン調節を有する新規なクラスの抗炎症性化合物を提供する。
定義
本明細書で使用される用語「a」および「an」は、言及された構成要素の「1つまたはそれ以上」を指すことが理解されるべきである。単数形の使用は、特に断らない限り複数形を含むことは、当業者には明らかだろう。
用語「約」は、当業者によって決定される、指定された特定のパラメータの許容範囲内を意味し、これは、部分的には、値の測定方法または決定方法、すなわち、測定システムの限界に依存することになる。例えば、「約」は、所与の値の10%の範囲を意味することができる。例えば、約55%とは、45%~55%を意味する。
本明細書において、「アシル」は、カルボニル基-C(O)-を介して結合したアルキル基またはアリール基を意味する。例えば、アシルには、C1-6アルカノイルが含まれる。代表的なアシル基としては、アセチル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
本明細書において、「投与する」および「投与」という用語は、健全な医療行為において、所望の治療効果を提供するような方法で化合物またはその医薬組成物を患者に送達する任意の方法を意味するために使用される。いくつかの実施形態では、化合物は、医薬エマルジョン組成物中にある。
本明細書で使用される場合、用語「アルコキシ」は、指定された数の炭素原子を含む-O-アルキル基を意味する。例えば、C1-6アルコキシは、少なくとも1個、多くても6個の炭素原子を含むアルコキシ基を意味する。本明細書で使用される「アルコキシ」の実施例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、プロプ-2-オキシ、ブトキシ、ブト-2-オキシ、2-メチルプロプ-1-オキシ、2-メチルプロプ-2-オキシ、ペントキシまたはヘキシルオキシがあるが、これだけに限定されるものではない。
本明細書で使用される場合、「アルキル」は、指定された数の炭素部材原子を有する一価の飽和炭化水素鎖を指す。例えば、C1-6アルキルは、1~6個の炭素部材原子を有するアルキル基を意味する。アルキル基は、直鎖状であっても分岐状であっても良い。代表的な分岐アルキル基は、1つ、2つ、または3つの分岐を有する。アルキルとしては、メチル、エチル、プロピル、(n-プロピルおよびイソプロピル)、ブチル(n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、およびt-ブチル)、およびn-ペンチル等が挙げられる。
「アルキレン」とは、1~6個の炭素原子を有する直鎖または分枝状の炭素鎖であり、2つの結合部位を有するリンカーを意味する。C1-6アルキレンリンカー基の実施例としては、-CH-、-CHCH-、-CHCHCHCH-、-CHCH(CH)CH-などが挙げられるが、これらに限定はされない。
本明細書で使用される用語「および/または」は、このようにリンクされたリストの個々の要素を加法的に、また代替的にカバーし、これらの要素は「および」またはそれぞれ「または」で選択的にリンクされていると理解されるようにするものである。さらに、単数形で使用される用語は、もちろん、複数形も含む。
本明細書で使用される用語「適用する」は、健全な医療または化粧品の実践において、皮膚科学的障害、状態、または外観に肯定的な効果をもたらすように、局所用組成物を対象に送達する任意の方法を指す。
本明細書で使用する場合、用語「アリール」は、フェニル、ナフチルなどの置換または非置換の炭化水素芳香環を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アリールアルキル」または「アラアルキル」は、特に示さない限り、ベンゼンまたはナフタレンなどのアリール環および接続するC1-6アルキル部分を指し、例えば-(CHフェニル、ここで、nは1~6である。
本明細書で使用される場合、用語「本発明の化合物(複数可)」または「本発明の化合物(複数可)」は、本明細書で定義される化合物の、任意の形態、すなわち、任意の塩または非塩形態(例えば、遊離酸または塩基形態として、または塩、特にその薬学的に許容される塩)およびその任意の物理形態(例えば、非固形形態(例えば、液体または半固形形態)、および固体形態(例えば、非晶質または結晶形態、特定の多形形態、水和物形態(例えば、モノ-、ジ-および半水和物)を含む溶媒和物形態)、ならびに種々の形態の混合物などである。
本願を通じて、様々な実施形態の説明は「を含む(comprising)」言語を使用するが、いくつかの特定の例では、実施形態は、代替的に「から実質的になる(consisting essentially of)」または「からなる(consisting of)」言語を使用して説明することができる。
本明細書で使用される「皮膚科学的に許容される賦形剤または希釈剤」という用語は、本明細書に記載の外用組成物に使用するための組成物中に存在する任意の不活性成分を指す。
「有効量」、「薬学的有効量」または「治療的有効量」は、投与時に治療効果を有するのに十分な活性成分の量、例えば、それが投与される状態の改善または変化を引き起こす量を指すために本明細書で使用される。有効量は、治療される特定の状態、状態の重症度、治療の期間、状態の進行段階、臨床状態に影響を受ける体表面積(局所投与の場合)、および組成物の特定の成分によって変化する。その量は、障害、疾患もしくは状態またはその症状の1つ以上を治療するため、および/または疾患もしくは障害の発生を予防するために十分であり、標準的な臨床技術によって決定することができる。任意の所与の例における適切な量は、当業者には容易に明らかだろうし、日常的な実験によって決定することが可能だろう。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、一般に、患部に局所的に適用され、すなわち、臨床的異常が顕在化している皮膚領域への局所的な適用である。
本明細書で使用する場合、用語「ハロアルキル」または「ハロ置換アルキル」は、ハロ原子で置換された、特定数の炭素原子を含む直鎖または分枝状の飽和炭化水素鎖を意味する。例えば、ハロC1-6アルキルは、炭素原子あたり1~3個のハロ原子で置換された、少なくとも1個、多くても6個の炭素原子を含む直鎖または分枝状のアルキル基を意味する。本明細書で使用される「ハロアルキル」の実施例には、フルオロメチル、ジフルオロメチル、およびトリフルオロメチルが含まれるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で使用される場合、用語「ハロゲン」および「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素、ならびにそれぞれフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨウ素を含む。
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール部位」、および「ヘテロアリール」は、酸素、窒素および硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む単環式の5~7員不飽和炭化水素環を意味する。ヘテロアリール環の実施例としては、フリル、ピラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、オキサチアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルおよびウラシルが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用する「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール部位」、および「ヘテロアリール」という用語は、酸素、窒素および硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む縮合芳香環も意味する。縮合環の各々は、5個または6個の環原子を含んでも良い。縮合芳香環の実施例としては、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリジニル、アザインドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、キノキサリン、ナフチリジニル、シノリニル、プリンチル、およびフタリジニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアリールアルキル」は、(他に定義されない限り)上記に定義されるC1-6アルキルが、他に示されない限り本明細書でも定義されるヘテロアリール部分に結合していることを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロシクリカルキル」または「ヘテロシクリルアルキル」は、(他に定義されない限り)上記に定義されるC1-6アルキルが、他に示されない限り本明細書でも定義される複素環部位に結合していることを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「複素環」または「ヘテロシクリル」(それ自体または「ヘテロシクリルアルキル」などの任意の組み合わせ)は、1つまたは複数の環がN、O、S、またはS(O)qからなる群から選択される1つまたはそれ以上のヘテロ原子を含み、qが0または1もしくは2の値を有する整数の飽和または部分不飽和4~10員環系を意味するために本明細書では用いられる。実質的例としては、テトラヒドロピロリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル(硫黄部分の酸化物を含む)、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル(硫黄部分の酸化物を含む)、またはイミダゾリジニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において、インビトロ皮膚浸透試験で使用する場合、「表皮」という用語は、熱分離処理により分離された角質層および基底膜までの組織または層を含む。
500ミクロン(±100ミクロン)または750ミクロン(±100ミクロン)の厚さのエックスビボヒト腹部皮膚を用いたインビトロ皮膚浸透試験で使用されるように、用語「表皮」は、洗浄/テープストリッピング手順後に熱分離して得られた最上/最表層であり、用語「真皮」は下層のことである。
本明細書で使用される場合、用語「独立して」は、複数の置換基が多数の可能な置換基から選択される場合、それらの置換基が同一であっても異なっていても良いことを意味する。すなわち、各置換基は、言及された可能な置換基の群全体から別々に選択される。
「変調する」または「調節する」という用語は、特定の活動の量、質または効果の増加または減少を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「オキソ」は二重結合した酸素部分を表し、例えば、炭素原子に直接結合している場合、カルボニル部分(C=O)を形成する。
本明細書で使用される場合、用語「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、ラジカル-OHを意味することが意図される。
本明細書では、「スルフィニル」という用語は対応するスルフィドの酸化物S(O)を意味し、「チオ」という用語はスルフィドを、「スルホニル」という用語は完全に酸化されたS(O)部分を意味するものとして用いられる。
本明細書において、「任意に」という用語は、その後に記載される事象が発生してもしなくても良いことを意味し、発生する事象と発生しない事象の双方を含む。
本明細書で使用される場合、「任意に置換された」は、本明細書で特に定義されない限り、部位が、独立して、ハロ、例えば、臭素またはヨードで1回以上、例えば、1~3回任意にフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード、ヒドロキシ、ヒドロキシ置換C1-3アルキル、メトキシまたはエトキシなどのC1-3アルコキシ、ハロ置換C1-3アルコキシ、例えばメチルチオ、メチルスルフィニル、またはメチルスルホニルなどのS(O)C1-3アルキル、NR2223と置換されていても良く、ここで、R22およびR23は、独立してHまたはC1-3アルキルから選択されるか、またはR22およびR23がそれらが結合している窒素と共に、任意にO、NまたはS、C1-3アルキル;C3-7シクロアルキル、またはC3-7シクロアルキルC1-3アルキル基、例えばシクロプロピルメチル、ハロ置換C1-3アルキル、例えばCFCFH、またはCF、フェニルなどの任意に置換されたアリール、またはベンジルもしくはフェネチルなどの任意に置換されたアリールC1-3アルキルから選択される追加のヘテロ原子を含む5から7員環を形成するか、ここで、これらのアリール含有部分は、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシ置換C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、S(O)C1-3アルキル、アミノ、モノ、およびジ置換C1-3アルキルアミノ、C1-3アルキル、またはCFで1ないし2回置換されていても良い。さらに、本発明の化合物は、さらなる置換に依存して、他の互変異性形態で存在し得ることが、当業者には理解されるだろう。本明細書に記載された化合物のすべての互変異性形態は、本発明の範囲内に包含されることが意図される。本発明の名称付き化合物へのいかなる言及も、名称付き化合物のすべての互変異性体および名称付き化合物の互変異性体のいかなる混合物も包含することが意図されると理解される。
本明細書で使用される場合、「患者」は、成人、10代、および子供(例えば、小児患者)を含むヒトの患者を含む。小児患者は、18歳未満のティーンエイジャーを含むことができる。本明細書における子供は、12歳未満である。
本明細書において、「薬学的に許容される」とは、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、または他の問題もしくは合併症なしに、合理的な利益/リスク比に見合った、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適している化合物、材料、組成物および剤形のことを意味する。薬学的に許容される」および「皮膚科学的に許容される」という用語は、動物、特にヒトに使用するために、規制当局によって承認されるか、薬局方または他の一般に認められたガイドに記載されていることを意味する。
「その薬学的に許容される塩」という用語は、患者への使用に安全かつ有効であり、所望の薬学的活性を有する塩を指す。薬学的に許容される塩という用語に包含される塩は、本発明の化合物の非毒性塩を意味する。このような塩には、親化合物をその酸塩または塩基塩にすることによって修飾した化合物が含まれる。
本明細書で使用される場合、用語「皮膚浸透」は、化合物、好ましくは式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩が、角質層を通って皮膚の表皮および/または真皮に拡散することを意味する。
特定成分を「実質的に含まない」とは、特定成分が約1重量%未満である組成物を指す。特定の成分を「含まない」とは、特定の成分が存在しない組成物を指す。
本明細書で使用する場合、基に関する用語「置換された」は、基内のメンバー原子に結合した1つ以上の水素原子が、定義された置換基の群から選択された置換基で置換されていることを示す。「置換された」という用語は、そのような置換が、置換された原子および置換基の許容される原子価に従っていること、およびその置換が安定な化合物(すなわち、転位、環化または脱離によるような変換を自発的に受けず、反応混合物からの単離に耐えられるほど堅牢なもの)に帰結するという暗黙の規定を含んでいると理解されるべきである。基が1つ以上の置換基を含んでも良いと記載されている場合、基内の1つ以上の(適宜の)メンバー原子が置換されていても良い。さらに、基内の単一のメンバー原子は、そのような置換が原子の許容原子価に従う限り、2つ以上の置換基で置換されていても良い。適切な置換基は、各置換基または任意に置換された基について本明細書で定義される。
用語「局所」送達または「局所」投与は、皮膚障害または疾患の皮膚症状を直接治療するために、薬物の薬理効果を皮膚表面または皮膚内に実質的に誘導することを意図して、薬物を含む製剤を皮膚に適用することを指す。用語「局所」投与には、経皮投与、吸入投与、眼・オトガイ投与も含まれる。「局所」投与はまた、乾癬病変部および破れた皮膚への適用を含むがこれに限定されない、角質層への適用および角質層を介した拡散を指す。
本明細書で使用する「治療する」または「処置」という用語は、障害、障害の症状、障害に続発する疾患状態、または障害に対する素因を治癒、緩和、軽減、改善、発症の遅延、予防、または改善する目的で、障害を有するまたは障害を生じる危険性のある対象に化合物または薬剤を投与することである。治療は、状態または障害が完全に治癒されることを意味する必要はない。有用な医薬組成物、例えば医薬エマルジョン組成物は、本明細書では、状態または障害の重症度を軽減し、それに関連する症状の重症度を軽減し、患者のQOLに改善をもたらし、または状態または障害の発症を遅延、予防、もしくは抑制することのみを意味する必要がある。治療法は、医学および薬学の分野で認識されているように、臨床的有用性を有するために、集団、例えばアトピー性皮膚炎患者の集団すべてのメンバーにおいて有効である必要はない。
濃度、量、溶解度、および他の数値データは、本明細書において範囲形式で提示されることがある。このような範囲形式は、単に便宜的かつ簡潔に使用され、範囲の限界値として明示的に記載された数値だけでなく、その範囲内に包含されるすべての個々の数値または小範囲も、各数値および小範囲が明示的に記載されているように含むように柔軟に解釈されるべきであることが理解される。本明細書で使用される数量、パーセンテージまたは割合、およびその他の数値を表すすべての数値は、すべての場合において「約」という用語によって修飾されるものと理解されるものとする。
例えば、0.1~5ng/mlの濃度範囲は、0.1ng/mlと5ng/mlという明示的に言及された濃度限界だけでなく、0.2ng/ml、0.8ng/ml、1.0ng/ml、2.2ng/ml、3.6ng/molといった個々の濃度、0.3~2.5ng/ml、1.8~3.2ng/mlなどのサブレンジを含むように解釈すべきだろう。この解釈は、範囲の広さや記載される特性に関係なく適用されるべきである。
本明細書に記載された濃度範囲、百分率範囲または比率範囲は、特に断らない限り、その範囲内の任意の整数およびその端数(例えば、10分の1および100分の1)の濃度、百分率または比率を含むと理解されるものとする。
本明細書で使用される他の用語は、当技術分野で周知の意味によって定義されることが意図される。
本明細書を通じて提供される式(I)、式(Ia)および式(II)の様々な基および置換基の代替定義は、1つまたはそれ以上の化合物種のグループと同様に、個々に、本明細書に開示される各化合物種を特に説明することが意図される。本発明の範囲には、これらの基および置換基の定義の任意の組み合わせが含まれる。
化合物
いくつかの実施形態において、本開示は、式(I)の化合物
Figure 2023533855000014
またはその塩、溶媒和物もしくは水和物を記載する。
式(I)の置換基RおよびRの各々は、独立して、OH、OR、およびHからなる群より選択される。ただし、RおよびRの少なくとも1つはOHまたはORであることを条件とする。
式(I)の置換基Rは、独立して、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキルおよびアシルからなる群から選択される。
式(I)の置換基Rは、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたC4-6シクロアルケニル、ハロ、シアノ、-C(O)OR、-NR10、-S(O)NR10、-C(O)R11、-OR12、-S(O)13、任意に置換された複素環、からなる群から選択される。
式(I)の置換基Rは、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択される。
式(I)のRおよびR10の各々は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群より選択される。あるいは、置換基RおよびR10は、それらが結合している窒素原子とともに、5~7員の環状の飽和または不飽和の環を形成する。
式(I)の置換基R11は、独立して、水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シロアルキル、-NR10および-OR12からなる群より選択される。
式(I)の置換基R12およびR13の各々は、独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、および任意に置換されたC3-6シロアルキルからなる群より選択される。
式(I)の置換基Rは、H、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置換されたC1-6アルキル、ハロゲン化アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択される。
式(I)の下付き文字nは、0、1、または2の値を有する整数である。
式(I)の下付き文字sは、0、1、または2の値を有する整数である。
式(I)の下付き文字tは、0~6の値を有する整数である。
式(I)の置換基Rは、H、ハロ、任意に置換されたC1-6アルキル、-C(O)OR14、-C(O)NR1516、任意に置換されたアリール、および任意に置換された-C1-6アルキルアリールからなる群から選択される。
式(I)の置換基R14は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択される。
式(I)の置換基R15およびR16の各々は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキルおよび任意に置換されたC3-6シロアルキルから成る群より選択される。あるいは、R15、R16、それらが結合している窒素と共に、5~7員環の飽和または不飽和環を形成する。
式(I)の置換基Rは、H、ハロ、シアノ、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シロアルキル、-(CR1819COOR、-(CR1819C(O)R-(CR1819NR10、-(CR1819C(O)NR10、-(CR1819NRC(O)R、-(CR1819S(O)NR10、-(CR1819COR11,-(CR1819CH(O)、-(CR1819OR12、-(CR1819S(O)13、任意に置換された複素環、および任意に置換された複素環C1-6アルキルからなる群から選択される。
式(I)の置換基R18およびR19の各々は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、塩は、薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、RおよびRの各々は、独立して、OHである。いくつかの実施形態では、RおよびRのうちの1つはOHであり、他はHである。一部の実施形態では、RおよびRの一方はOHであり、他方はORであり、一部の実施形態では、RおよびRの両方はORであり、各Rは任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキルおよびアシルからなる群より独立して選ばれる。一部の実施形態では、Rは、任意に置換されたC1-4アルキルである。いくつかの実施形態において、Rは、メチルまたはエチルである。他の実施形態では、Rは、NR2223で置換された任意選択的に置換されたC1-4アルキルである。いくつかの実施形態では、R22およびR23の各々は、HおよびC1-3アルキル、例えば-(CHNHからなる群から独立して選択される。いくつかの実施形態では、RおよびRの各々は、メトキシである。いくつかの実施形態では、RはOHであり、RはORであり、Rは置換されたC1-6アルキルである。いくつかの実施形態では、RはOHであり、RはORであり、RはNR2223で置換されたC1-6アルキルである。いくつかの実施形態において、RはOHであり、Rは-O(CHNHである。
が任意に置換された部位である場合、置換される部位は、例えば1、または2回、1~3回任意に置換されることができ、独立して、ハロ、ヒドロキシル、ヒドロキシ置換-C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、ハロ置換C1-3アルコキシ、-S(O)1-3、ここでmは、0、1、または2の値を有する整数であり、-NR2223であって、ここでR22およびR23は、独立してHまたはC1-3アルキルから選択されるか、またはR22およびR23がそれらが結合している窒素と共に、任意にO、N、またはS、C3-7シクロアルキル、CFCFHまたはCFなどのハロ置換C1-3アルキル、または任意に置換されたアリールから選択される追加のヘテロ原子を含む5から7員環を形成し、ここでアリール部分はまた任意にハロ、ヒドロキシル、ヒドロキシ置換-C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、-S(O)1-3アルキルによって1~2回置換されても良く、ここでmは0、1または2の値を有する整数であり、アミノ、モノおよびジ置換C1-3アルキルアミノ、C1-3アルキル、またはCFであっても良い。
いくつかの実施形態において、Rは、任意に置換されたC1-6アルキルである。いくつかの実施形態において、Rは、NR2223で置換されたC1-6アルキルである。いくつかの実施形態において、Rは、NHで置換されたC1-6アルキルである。いくつかの実施形態において、Rは、-(CHNHである。
いくつかの実施形態において、Rが任意に置換された部位である場合、その部位は、独立して1回以上、例えば、1~3回置換されていても良い。いくつかの実施形態では、部位は、ハロ、ヒドロキシ、C1-3アルコキシ、C1-3アルキル、アリールまたはアリールアルキルで独立して1~3回任意選択的に置換されていても良い。
いくつかの実施形態において、Rは、任意に置換されたC3-6アルキルおよび任意に置換されたC3-6シクロアルキルからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、C3-6アルキルは、イソプロピル、n-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、2-メチルブチル、n-ヘキシル、などである。いくつかの実施形態では、アルキルは、イソプロピルまたはt-ブチルである。いくつかの実施形態では、C3-6アルキルは、イソプロピルである。いくつかの実施形態では、C3-6シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。いくつかの実施形態では、C3-6シクロアルキルは、シクロペンチルである。
いくつかの実施形態では、R、ヘテロ環である。
いくつかの実施形態では、R、イソプロピルである。
一部の実施形態では、Rは、H、ハロ、ヒドロキシル、C1-3アルコキシ、任意に置換されたC1-6アルキル、ハロゲン化アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、Rは、H、ハロ、ヒドロキシル、C1-3アルコキシ、任意に置換されたC1-3アルキル、およびハロゲン化アルキルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Rは、Hおよびハロからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、R、Hおよびブロモからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R、Hである。
一部の実施形態では、Rは、H、ハロ、任意に置換された-C1-6アルキル、-C(O)OR14、-C(O)NR1516、アリールおよび-C1-6アルキルアリールからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、Rは、H、ハロ、任意に置換されたC1-6アルキル、C(O)OR14、およびC(O)NR1516からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Rは、H、ハロ、任意に置換されたC1-6アルキル、およびC(O)OR14からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、Rは、Hおよび任意に置換されたC1-6アルキルからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、Rは、H、C(O)OR14、およびC(O)NR1516からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、R、任意に置換されたC1-3アルキルである。Rが任意に置換された-C1-6アルキル部分である場合のいくつかの実施形態では、-C1-6アルキルは、独立して1~3回、ハロ、ヒドロキシル、C1-3アルコキシ、ハロ置換C1-3アルコキシ、-S(O)1-3アルキルと任意に独立して置換され、ここで、mは0、1または2の値を有する整数であり、-NR2021、ここで、R20およびR21はHおよびC1-3アルキル、ハロ置換C1-3アルキル、例えばCFCFH、またはCF、あるいはアリールからなる群から独立して選択される。いくつかの実施形態では、R、Hである。
いくつかの実施形態において、Rは、Hからなる群から選択される。-(CR1819COOR、-(CR1819C(O)NR10、-(CR1819NR10、任意に置換C1-6アルキル、-(CR1819OR12、-(CR1819S(O)13。いくつかの実施形態では、Rは、H、-(CR1819COOR、および-(CR1819C(O)NR10からなる群から選択され、tは0、RはH、R10は任意で置換されたC1-6アルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、H、-COOH、-COOCH、および-CONH(CHNHからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、R、Hである。
いくつかの実施形態では、tは、0、1、2、または3の値を有する整数である。いくつかの実施形態では、tは0である。
いくつかの実施形態では、RおよびR10の各々は、Hおよび任意に置換されたC1-6アルキルからなる群より独立して選択される。
いくつかの実施形態において、R11は、H、および任意に置換されたC1-6アルキルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、R12およびR13の各々は、Hおよび任意に置換されたアルキルからなる群から独立して選択される。
いくつかの実施形態では、nは0または2である。いくつかの実施形態において、nは0であり、いくつかの実施形態において、nは2である。
いくつかの実施形態では、R18およびR19の各々は、Hおよび任意に置換されたC1-6アルキルからなる群から独立して選択される。
いくつかの実施形態は、式(I)の化合物
は、OHおよびORからなる群から選択され、Rは、任意に置換されたC1-6アルキルであり、
は、OHおよびORからなる群から選択され、Rは、任意に置換されたC1-6アルキルであり、
は、任意に置換されたC1-6アルキルであり、
は、H、-(CR1819COOR、-(CR1819C(O)NR10からなる群から選択され、ここで、tは0であり、RはHおよび任意に置換されたC1-6アルキルから選択され、RはHおよびR10は任意に置換されたC1-6アルキルであり、
はHであり、および
は、Hまたはハロである、化合物を記載する。
いくつかの実施形態は、式(I)の化合物
は、OHおよびORからなる群から選択され、ここでRはアルキルであり、
はOHおよびORからなる群から選択され、ここでRはNR2223で置換されたC1-6アルキルであり、ここでR22およびR23は、独立してHおよびC1-3アルキルからなる群から選択され、
は、任意に置換されたC1-6アルキルであり、
は、H、-COOH、-COOCH、および-C(O)NR10からなる群から選択され、ここで、RはHであり、およびR10はアミノ置換C1-6アルキルおよび-(CHNHC(O)O-t-butylからなる群から選択され、
はHであり、および
は、Hおよびハロからなる群から選択される、化合物を記載する。
いくつかの実施形態は、式(I)の化合物
は、OHおよび-OCHからなる群から選択され、
は、OH、-OCH、および-O-(CHNHからなる群から選択され、
は、C1-6アルキルであり
は、H、-COOH、-COOCH、-C(O)NH(CHNH、および-C(O)NH(CHNHC(O)O-t-ブチルからなる群から選択され、
はHであり、および
は、Hおよびブロモからなる群から選択される、化合物を記載する。
いくつかの実施形態は、式(I)の化合物であって、
は、OHおよび-OCHからなる群から選択され、
は、OH、-OCH、および-O-(CHNHからなる群から選択され、
、イソプロピルであり、
は、H、-COOH、-COOCH、-C(O)(CHNH、および-C(O)NH(CHNHC(O)O-t-butylからなる群から選択され、
はHであり、および
は、Hおよびブロモからなる群から選択される、化合物を記載する。
一実施形態では、本開示は、式(Ia)の化合物
Figure 2023533855000015
またはその塩、溶媒和物もしくは水和物を記載する。
式(Ia)の置換基R1aおよびR2aの各々は、独立して、OH、OR7a、およびHからなる群より選択される。ただし、R1aおよびR2aの少なくとも1つはOHまたはOR7aであることを条件とする。
式(Ia)の置換基R7aは、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキルおよびアシルからなる群から選択される。
式(Ia)の置換基R3aは、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シロアルキル、任意に置換されたC4-6シロアルケニル、ハロおよび任意に置換された複素環から成る群から選択される。
式(Ia)の置換基R6aは、H、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置換されたC1-6アルキル、ハロゲン化アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニルおよび任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択される。
式(Ia)の置換基R5aは、H、ハロ、任意に置換されたC1-6アルキル、-C(O)OR14a、-C(O)NR15a16a、任意に置換されたアリール、および任意に置換された-C1-6アルキルアリールからなる群から選択される。
式(Ia)の置換基R14aは、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から独立して選択される。
式(Ia)の置換基R15aおよびR16aの各々は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキルおよび任意に置換されたC3-6シロアルキルから成る群より選択される。あるいは、R15aおよびR16a、それらが結合している窒素と共に、5~7員環の飽和または不飽和環を形成する。
式(Ia)の添え字s'、0、1、または2の値を有する整数である。
式(Ia)の添え字t'、0~6の値を有する整数である。
式(Ia)の置換基R4aは、H、ハロ、シアノ、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シロアルキル、-(CR18a19aCOOR8a、-(CR18a19aOC(O)R8a、-(CR18a19at'NR9R10,-(CR18a19at'C(O)NR9a10a,-(CR18a19at'NR9aC(O)R8a,-(CR18a19at's(O)NR9a10a,-(CR18a19at'COR11a,-(CR18a19at'CH(O),-(CR18a19at'OR12a,-(CR18a19at'S(O)s'13a、任意に置換された複素環および任意に置換された複素環C1-6アルキルからなる群から選択される。
式(Ia)の置換基R18aおよびR19aの各々は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群より選択される。
式(Ia)の置換基R8aは、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から独立して選択される。
式(Ia)の置換基R9aおよびR10aの各々は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群より選択される。あるいは、置換基R9aおよびR10aは、それらが結合している窒素原子とともに、5~7員の環状の飽和または不飽和の環を形成する。
式(Ia)の置換基R11aは、独立して、水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シロアルキル、-NR9a10aおよび-OR12aからなる群より選択される。
式(Ia)の置換基R12aおよびR13aの各々は、独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキルおよび任意に置換されたC3-6シロアルキルからなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、式(Ia)の塩は、薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、R1aおよびR2aの各々は、独立してOHである。一部の実施形態では、R1aおよびR2aの一方はOHであり、他方はHである。一部の実施形態では、R1aおよびR2aの一方はOHであり、他方はOR7aであり、一部の実施形態では、R1aおよびR2aの各々は独立してOR7a、ここで、各R7aは独立して、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、およびアシルからなる群より選ばれる。いくつかの実施形態では、R7aは、任意に置換されたC1-4アルキルである。いくつかの実施形態では、R7a、メチルまたはエチルである。
いくつかの実施形態では、R3aは、任意に置換されたC1-6アルキル、および任意に置換されたC3-6シクロアルキルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R3a、任意に置換されたC3-6アルキルである。いくつかの実施形態では、R3aは、イソプロピルである。いくつかの実施形態において、R3aは、任意選択で置換されたC3-6シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、シクロペンチルである。
一部の実施形態では、R3aは、任意に置換されたC3-6アルキル、および任意に置換されたC3-6シクロアルキルからなる群から選択され、R1aおよびR2aはそれぞれ独立して、OHである。いくつかの実施形態では、R3aは、任意に置換されたC3-6アルキル、および任意に置換されたC3-6シクロアルキルからなる群から選択され、R1aおよびR2aの各々は、OH、OR7a、およびHからなる群から独立して選択され、ただし、R1aおよびR2aの少なくとも1つはOHまたはOR7aである。別の実施形態では、R3aは、任意に置換されたC3-6アルキルおよび任意に置換されたC3-6シクロアルキルからなる群から選択され、およびR1aおよびR2aの一方はOHであり、他方はHである。
いくつかの実施形態では、R4aおよびR5aの各々は、独立して、Hおよびハロから選択される。
いくつかの実施形態では、R4aはHであり、R5aは、H、ハロ、任意に置換されたC1-6アルキル、C(O)OR14a、およびC(O)NR15a16aからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、R5aはHであり、R4aは、H、ハロ、任意に置換されたC1-6アルキル、C(O)OR14a、およびC(O)NR15a16aからなる群より選択される。
一部の実施形態では、R3aは、任意に置換されたC3-6アルキルおよび任意に置換されたC3-6シクロアルキルからなる群から選択され、R1aおよびR2aは共にOHであり、R4aおよびR5aの各々は、Hおよびハロから独立に選択される。
いくつかの実施形態において、R3aは任意に置換されたC3-6アルキルであり、R1aおよびR2aの各々はOHであり、R4aおよびR5aの各々は独立してHまたはハロである。
一部の実施形態では、R6aは、H、ハロ、ヒドロキシル、C1-6アルコキシ、任意に置換されたC1-6アルキル、ハロゲン化アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群より独立に選択される。いくつかの実施形態では、R6aは、H、ハロ、ヒドロキシル、C1-3アルコキシ、任意に置換されたC1-3アルキル、およびハロゲン化アルキルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R6aは、Hおよびハロからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、R6aはHである。
いくつかの実施形態では、R6aはHおよびハロからなる群から選択され、R3aは任意に置換されたC3-6アルキルであり、R1aおよびR2aの各々はOHであり、およびR4aおよびR5aの各々は独立してHおよびハロからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、tは0であり、いくつかの実施形態では、tは0、1、2、または3である。
本発明のいくつかの実施形態は、
Figure 2023533855000016

またはその塩、溶媒和物もしくは水和物からなる群から選択される化合物を対象とする。
本発明のいくつかの実施形態は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール
Figure 2023533855000017

またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物を対象とする。
いくつかの実施形態では、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、は固形物である。いくつかの実施形態では、固体は、結晶性固体である。いくつかの実施形態では、固体は非晶質固体である。いくつかの実施形態では、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールは、非溶媒和結晶である。いくつかの実施形態では、単離された2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールについて記載する。いくつかの実施形態では、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールは、水和物である。いくつかの実施形態では、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールは、有機溶媒和物である。いくつかの実施形態では、単離された2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール有機溶媒和物を記載する。いくつかの実施形態は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールアセトニトリル/水溶媒を記載する。いくつかの実施形態は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールアセトン溶媒和物を記載する。いくつかの実施形態は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールN,N-ジメチルホルムアミド溶媒和物を記載する。いくつかの実施形態は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール1,4-ジオキサン/水溶液を記載する。いくつかの実施形態は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールブタノンソルベートを記載する。いくつかの実施形態は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールテトラヒドロフラン/水溶液を記載する。いくつかの実施形態は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールのエチルアセテート溶媒和物を記載する。いくつかの実施形態は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールジメチルカーボネート溶媒和物を記載する。いくつかの実施形態は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールジメチルスルホキシド溶媒和物を記載する。いくつかの実施形態は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール1-ブタノール溶媒和物を記載する。いくつかの実施形態は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールテトラヒドロフラン溶媒和物を記載する。いくつかの実施形態は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールメチルt-ブチルエーテル溶媒和物を記載する。
本発明は、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物の様々な異性体、およびそれらの混合物も含む。異性体は、同じ組成および分子量を有するが、物理的および/または化学的性質が異なる化合物である。構造の違いは、構成(幾何異性体)または偏光面を回転させる能力(立体異性体)であって良い。本明細書に記載される任意の実施形態による化合物は、キラル中心とも呼ばれる1つ以上の非対称中心を含んでも良く、したがって、個々のエナンチオマー、ジアステレオマー、または他の立体異性体形態、またはそれらの混合物として存在しても良い。そのような全ての異性体形態は、その混合物を含め、本発明内に含まれる。キラル中心はまた、アルキル基のような置換基中に存在しても良い。式中、または本明細書に例示される任意の化学構造中に存在するキラル中心の立体化学が特定されない場合、構造は、任意の立体異性体およびそのすべての混合物を包含することが意図される。したがって、1つ以上のキラル中心を含む、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物は、ラセミ混合物、エナンチオマー的に濃縮された混合物、またはエナンチオマー的に純粋な個々の立体異性体として使用することができる。エナンチオマーの不均等な部分を含む混合物は、RまたはS化合物のいずれかの「エナンチオマー過剰」(ee)を有すると説明される。混合物中の1つのエナンチオマーの過剰は、しばしば%エナンチオマー過剰と表現される。エナンチオマーの比率は、エナンチオマーの混合物が平面偏光を回転させる程度を個々の光学的に純粋なRおよびS化合物と比較する「光学純度」によって定義することも可能である。化合物はまた、本明細書に記載の化合物の実質的に純粋な(+)または(-)エナンチオマーであり得る。一部の実施形態では、組成物は、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物の実質的に純粋なエナンチオマー、すなわち、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の1つのエナンチオマーを含むことができる。特定の実施形態では、組成物は、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物の実質的に純粋なエナンチオマーであって、1つのエナンチオマーの少なくとも99.5%であるエナンチオマーを含んでも良い。
本明細書に記載された任意の実施形態による化合物の個々の立体異性体であって、1つまたはそれ以上の非対称中心を含むものは、当業者に公知の方法によって分解することができる。例えば、そのような分解は、(1)ジアステレオ異性塩、錯体または他の誘導体の形成によって、(2)例えば酵素的酸化または還元による立体異性体特異的試薬との選択的反応によって、または(3)キラル環境、例えばキラルリガンドが結合したシリカなどのキラル支持体上またはキラル溶剤の存在下で気液または液体クロマトグラフィーによって実施することができる。当業者は、所望の立体異性体が上述の分離手順の1つによって別の化学的実体に変換される場合、所望の形態を遊離させるためにさらなる工程が必要であることを理解するだろう。あるいは、特定の立体異性体は、光学活性な試薬、基質、触媒または溶媒を用いた不斉合成によって、または不斉変換によって一方のエナンチオマーを他方に変換することによって合成され得る。さらなる実施形態は、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物のプロドラッグ、すなわち、哺乳動物対象に投与された時に、本明細書に記載される任意の実施形態による活性化合物をインビボで放出する化合物を含む。プロドラッグは、代謝変換によって薬理学的に活性な薬剤に変換される薬理学的に活性な化合物、より典型的には不活性な化合物である。本明細書に記載される任意の実施形態による化合物のプロドラッグは、修飾がインビボで切断されて親化合物を放出し得るように、化合物中に存在する官能基を修飾することによって調製される。インビボでは、プロドラッグは、生理学的条件下で容易に化学変化を起こし(例えば、加水分解されるか、または天然に存在する酵素(複数可)によって作用される)、薬理活性薬剤を遊離させることになる。プロドラッグは、ヒドロキシル基、アミノ基、またはカルボキシ基が、それぞれ遊離のヒドロキシル基、アミノ基、またはカルボキシ基を再生するために生体内で切断され得る任意の基と結合している、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物を含む。プロドラッグの例としては、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物のエステル(例えば、酢酸塩、ギ酸塩および安息香酸塩誘導体)、または生理的pHにされたときまたは酵素作用によって活性親薬剤に変換される任意の他の誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。適切なプロドラッグ誘導体の選択および調製のための従来の手順は、当技術分野で記載される。
本発明の化合物のあるものは、1つまたはそれ以上の当量の酸(化合物が塩基性部分を含む場合)または塩基(化合物が酸性部分を含む場合)と塩を形成することができる。本発明は、その範囲内に、すべての可能な化学量論的および非化学量論的な塩の形態を含む。
本発明の化合物が塩基性部位を含む場合、所望の塩の形態は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸での遊離塩基の処理、または、酢酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸など、またはグルクロン酸、ガラクツロン酸などのピラノシジル酸、またはクエン酸、酒石酸などのα-ヒドロキシ酸、またはアスパラギン酸、グルタミン酸などのアミノ酸、または安息香酸、ケイ皮酸などの芳香族、またはプトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸などのスルホン酸と組み合わせたものなどなどの有機酸で処理を含む、当該技術分野で公知の任意の適切な方法によって調製することができる。
適切な付加塩は、無毒な塩を形成する酸から形成され、実施例としては、酢酸塩、p-アミノベンゾエート、アスコルビン酸塩、アスパルテート、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、ビスメチレンサリチル酸塩、重硫酸塩、酒石酸塩、ほう酸塩、カルシウムエデート、カムシレイト、炭酸塩、クラブラネート、クエン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、エタンジスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ホルメート、フマレート、グルセプト、グルコン酸、グルタメート、グリコレート、グリコリルサニル酸、ヘキシルレソルシン酸、臭化水素塩、塩酸塩、二塩酸塩、フマル酸水素塩、リン酸水素塩、ヨウ化水素塩、ヒドロマレイン酸塩、ヒドロサクシネート、ヒドロキシナフトエート、イセチオネート、イタコネート、ラクテート、ラクトビオネート、ラウレート、マレート、マンデレート、メシレート、メチル硫酸塩、モノポタスマレート、ムケート、ナプシレート、ナイトレート、N-メチルグルカミン、シュザレート、オキサルテート、オキサロアセテート、パメラ、メシレート、メシレイト、ナプシルテート、ナプシルテート、ナプシエイト、ナプシエイト、ナプシエイト、メシレイト、メシレイト、メシレイトオキサロ酢酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミット酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/第二リン酸塩、ピルビン酸塩、ポリガラクチュロン酸塩、プロピオン酸塩、サッカレート、サリチレート、ステアレート、サブアセテート、サクシネート、硫酸塩、タンネート、タートレート、テオクレート、トシレート、トリエチオデート、トリフルオルアセテート、およびバリレートなどが挙げられる。
他の例示的な酸付加塩としては、ピロ硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオレート、オキサレート、マロン酸塩、スベレート、セバケート、ブチン-1,4-ジオアート、ヘキシン-1,6-ジオアート、クロロベンゾアート、メチルベンゾエット、ジニトロベンゾエート、ヒドロキシベンゾエート、メトキシベンゾエート、フタレート、フェニルアセテート、フェニルプロピオネート、フェニルブチレート、ラクタート、ガンマ-ヒドロキシブチレート、マンデレート、およびスルホン酸塩(キシレンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ナフタレン1スルホン酸、およびナフタレン2スルホン酸など)が挙げられる。
本発明塩基性化合物が塩として単離された場合、その化合物の対応する遊離塩基形態は、無機または有機塩基、好適にはその化合物の遊離塩基形態よりも高いpKを有する無機または有機塩基での塩の処理を含む当技術分野に公知の任意の適切な方法によって調製され得る。
本発明の化合物が酸性部分を含む場合、遊離酸を無機または有機塩基、例えばアミン(一級、二級、または三級)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物などで処理することを含む当技術分野に公知の任意の適切な方法によって、所望の塩を調製することができる。好適な塩の例示としては、グリシン、アルギニンなどのアミノ酸から誘導されるセライト塩、アンモニア;一次、二次、三次アミン、環状アミン、例えばN-メチル-D-グルカミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、エチレンジアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンのような環状アミンの塩類。ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、リチウムからなる無機塩などが挙げられる。
塩基性部位と酸性部位の両方を有する本発明の化合物は、双性イオン、塩基性部位の酸付加塩または酸性部位の塩基性塩の形態であって良い。
医学におけるその潜在的な使用のために、本発明の化合物の塩は、好ましくは、薬学的に許容される塩である。適切な薬学的に許容される塩は、当業者に知られる。
これらの薬学的に許容される塩は、化合物の最終的な単離および精製の際にその場で調製しても良いし、精製した化合物を遊離酸または遊離塩基の形態で、それぞれ適切な塩基または酸で別途処理することによっても調製することができる。
特定の実施形態において、本発明の化合物は、酸性官能基を含むことができ、したがって、適切な塩基で処理することにより、薬学的に許容される塩基付加塩を形成することが可能である。このような塩基の実施例としては、これらに限定されないが、a)ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、および亜鉛の水酸化物、炭酸塩、および重炭酸塩、およびb)脂肪族アミン、芳香族アミン、脂肪族ジアミン、およびメチルアミン、エチルアミン、2-ヒドロキシエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、およびシクロヘキシルアミンなどのヒドロキシアルキルアミンなどの第1、第2、および第3アミン類がある。
特定の実施形態において、本発明の化合物は、塩基性官能基を含むことができ、したがって、適切な酸で処理することにより、薬学的に許容される酸付加塩を形成することができる。適切な酸には、薬学的に許容される無機酸および有機酸が含まれる。代表的な薬学的に許容される酸としては、塩化水素、臭化水素、硝酸、硫酸、スルホン酸、リン酸、酢酸、ヒドロキシ酢酸、フェニル酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリック酸、マレイン酸、アクリル酸、フマル酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸、安息香酸、タンニン酸、ギ酸、ステアリン酸、乳酸、アスコルビン酸、メチルスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、オレイン酸、ラウリン酸等が挙げられる。
本発明はまた、本発明の化合物の1つの薬学的に許容される塩を、本発明の化合物の別の薬学的に許容される塩に変換することを提供する。
本明細書に記載される任意の実施形態による化合物は、固体または液体の形態で存在しても良い。固体状態では、結晶性もしくは非結晶性の形態、またはそれらの混合物として存在しても良い。当業者は、薬学的に許容される溶媒和物が、結晶化中に溶媒分子が結晶格子に取り込まれる結晶性化合物から形成されても良いことを理解するだろう。溶媒和物は、エタノール、イソプロパノール、DMSO、酢酸、エタノールアミン、または酢酸エチルなどの非水性溶媒を含んでいても良いが、これらに限定されず、結晶格子に取り込まれる溶媒として水を含んでいても良い。結晶格子に取り込まれる溶媒が水である溶媒和物は、通常「水和物」と呼ばれる。「水和物には、化学量論的水和物のほか、水の量を変化させた組成物も含まれる。本発明は、このような溶媒和物も全て含む。
本明細書に記載される任意の実施形態による化合物の塩の溶媒和物を含む、結晶形態である本明細書に記載される任意の実施形態による化合物の溶媒和物について、当業者は、結晶化の間に溶媒分子が結晶格子に取り込まれる薬学的に許容可能な溶媒和物が形成されても良いことを理解するだろう。溶媒和物は、エタノール、イソプロパノール、DMSO、酢酸、エタノールアミン、およびEtOAcなどの非水性溶媒を含むことができ、またはそれらは、結晶格子に取り込まれる溶媒として水を含むことができる。結晶格子に取り込まれる溶媒が水である溶媒和物は、通常「水和物」と呼ばれる。水和物には、化学量論的水和物だけでなく、可変量の水を含む組成物も含まれる。本発明は、このような溶媒和物を全て含む。
当業者は、さらに、その様々な溶媒和物を含む結晶形態で存在する本明細書に記載の任意の実施形態による化合物が、多形性(すなわち、異なる結晶構造で発生する能力)を示し得ることを理解するだろう。これらの異なる結晶形態は、典型的には、「多形」として知られている。本発明は、そのような多形体をすべて含む。多形は、同じ化学組成を有するが、充填、幾何学的配置、および結晶性固体状態の他の記述的性質が異なる。したがって、多形体は、形状、密度、硬度、変形性、安定性、および溶解特性などの異なる物理的特性を有する場合がある。多形体は、典型的には、異なる融点、IRスペクトル、およびX線粉末回折パターンを示し、これらは識別のために使用され得る。当業者は、例えば、化合物の製造に使用される反応条件または試薬を変更または調整することによって、異なる多形体を製造し得ることを理解するだろう。例えば、温度、圧力、または溶媒を変化させると、多形が生じることがある。また、ある条件下で、ある多形が自発的に別の多形に変換されることもある。
主題の発明はまた、同位体標識された化合物を含み、これは、1つ以上の原子が、自然界に通常見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置換されるという事実以外、本発明の化合物に記載されるものと同一である。本発明の化合物およびその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物に組み込むことができる同位体の例。には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素、および塩素の同位体、例えば、H,H,11C,13C,14C,15N,17O,18O,31P,32P,35S,18F,36Cl,123Iおよび125Iが含まれる。
本明細書に記載された任意の実施形態による化合物、および前述の同位体および/または他の原子の同位体を含む前記化合物の薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物は、本発明の範囲内である。本発明の同位体標識化合物、例えば、H、14Cのような放射性同位体が組み込まれたものは、薬剤および/または基質の組織分布アッセイに有用である。トリチウム、すなわち、H、および炭素14、すなわち、14Cの同位体は、調製の容易さおよび検出可能性の点で、特に好ましい。11Cおよび18F同位体は、PET(ポジトロン放出断層撮影)において特に有用であり、125I同位体は、SPECT(単一光子放出コンピュータ断層撮影)において特に有用であり、脳イメージングにも有用である。さらに、重水素などのより重い同位体、すなわち、Hでの置換は、より大きな代謝安定性、例えば、インビボ半減期の増加または投与量要件の減少から生じる特定の治療上の利点を与え得、それゆえ、いくつかの状況において好まれ得る。本明細書に記載される任意の実施形態による同位体標識化合物は、一般に、容易に入手可能な同位体標識試薬を非同位体標識試薬に置き換えることによって、以下のスキームおよび/または実施例に開示される手順を実行することによって調製することができる。
本発明はまた、単離された化合物を包含する。単離された化合物とは、混合物中に存在する化合物の少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも80%を表す化合物をいう。
本明細書に記載された任意の実施形態による化合物は、医薬組成物における使用を意図しているので、それらはそれぞれ、例えば少なくとも60%純粋、より好適には少なくとも75%純粋、好ましくは少なくとも85%、特に少なくとも98%純粋(%は重量対重量ベース)である、実質的に純粋な形態で提供することが好ましいことは容易に理解されるであろう。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物は、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%純粋である。化合物の不純物調製物は、医薬組成物に使用されるより純粋な形態を調製するために使用することができる。
医薬組成物
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物、その薬学的に許容される塩、その溶媒和物、またはその水和物;および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物を記載している。医薬組成物は、製薬技術において周知の方法で調製することができ、局所的な治療が望まれるか、全身的な治療が望まれるか、および治療される部位に応じて、様々な経路で投与することができる。
本明細書の任意の実施形態に記載の化合物が、バルク物質として投与されることが可能であるが、化合物を医薬製剤で提示することが好ましく、例えば、活性剤が、意図される投与経路および標準的な医薬慣行に関して選択される医薬的に許容される担体と混和された状態で存在する。
特に、本開示は、本明細書に記載される任意の実施形態による少なくとも1つの化合物の治療有効量、および任意に、薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール
Figure 2023533855000018
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物、および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物が記載される。
いくつかの実施形態では、N-(2-アミノエチル)-3-[3,5-ジヒドロキシ-4-(プロパン-2-イル)フェニル]イソキノリン-6-カルボキサミド
Figure 2023533855000019
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物、および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物が記載される。
いくつかの実施形態では、3-(3-アミノプロポキシ)-5-(イソキノリン-3-イル)-2-(プロパン-2-イル)フェノール
Figure 2023533855000020
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物、および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物が記載される。一実施形態では、塩は、トリフルオロ酢酸塩
Figure 2023533855000021
である。
治療方法
白斑は、メラノサイトが選択的に破壊されることによって生じる色素脱失の疾患である。メラノサイトでは、AhRが太陽光線UVBと皮膚の色素沈着を結びつけている。AhR遺伝子の特定の変異型に関連した白斑のリスク低下が報告されており、さらに著者らは、AhRの変異型がAhr転写活性を促進し、SP1転写因子との相互作用を促進し、ヒトにおけるAhR発現とIL-10産生を増加させることを見出した。
AhR活性化リガンドは乾癬患者の病変部皮膚の炎症を抑制し、AhRアンタゴニストはこの疾患を悪化させることが示される。FICZを介したAhRシグナルはイミキモド誘発マウスの炎症を抑制し、AhR欠損マウスはWTコントロールと比較して疾患の増悪を示した。また、ケラチノサイトが炎症反応に関与していることが示唆されたことも特筆される。
また、AhR経路の活性化は、職業や環境中の異種生物にさらされた後、アトピー性皮膚炎などの炎症性皮膚病変や、炎症性疾患の増悪をもたらすことが示される。AhRアゴニストであるコールタールは、主要な皮膚バリアタンパク質の発現を完全に回復させることが示された。
早期ドライ型加齢黄斑変性症(AMD)は、高齢者の視力低下の主な原因である。ヒト網膜色素上皮細胞におけるAhR活性およびタンパク質は加齢とともに減少し、AhR(-/-)マウスは視機能の低下とドライ型AMD様の病態を呈する。また、別のグループは、Ahr(-/-)マウスが網膜下にミクログリアの集積と網膜色素上皮細胞の局所的な萎縮を示し、これはAMDで観察される表現型であることを示した。
Malek研究室は、AhRがウェット型AMDにも関与していることを発見した。彼らは、AhR(-/-)マウスに実験的に誘発した脈絡膜新生血管病変において、イオン化カルシウム結合アダプター分子1陽性(Iba1(+))のミクログリア細胞の数が多く、コラーゲンIV型の沈着量が多い病変があることを示したが、これらはすべてヒト湿性AMDでも見られる事象である。
AhRの作動または拮抗が、疾患の重症度や進行に影響を与える可能性のある適応症は、他にも数多く存在する。また、過敏性腸疾患(IBD)、大腸炎、クローン病などの腸の炎症の治療など、他の疾患状態においてAhRを標的とすることが有益であるという証拠も増えてきている。また、AhRは、MSCの動員や免疫抑制活性を調節することにより、アレルゲンによる炎症から肺を保護する上で重要な役割を果たすことが示される。
アトピー性皮膚炎(AD)は、強いそう痒を伴う、慢性の再発性炎症性皮膚疾患である。アトピー性皮膚炎の原因は多因子性であり、遺伝的要因、環境要因、皮膚バリア機能の低下、免疫反応の低下が最も主要な要因である。免疫反応の低下は、IgE産生の増加を伴うT-helper type2(Th2)細胞の活性化によって特徴付けられる。また、皮膚病変部ではeotaxin-3、IL-2、IL-5、IL-13の過剰発現が見られる。また、アトピー性皮膚炎の炎症成分は、主にTh2型T細胞活性化経路によって媒介されると考えられているが、慢性アトピー性皮膚炎の皮膚病変では、T-helper type 1(Th1)駆動経路への移行が報告されている。アトピー性皮膚炎は、他のアトピー性疾患を持つ家系に発症することが多く、遺伝的な関連があるとの仮説が支持される。
アトピー性皮膚炎は、皮膚バリア機能の低下が病態形成の重要な要因の一つである。アトピー性皮膚炎に特徴的な症状として、痒み、灼熱感、苔癬化、紅斑、滲出液、痂皮、糜爛、鱗屑などの感覚を伴うことがある。アトピー性皮膚炎は、目に見える皮膚病変を持つことに伴うスティグマと、睡眠不足につながる強く絶え間ないかゆみの両方から、しばしばQOLに大きな影響を及ぼすことがある。
現在、アトピー性皮膚炎には根治的な治療法がありません。小児および成人の患者さんでは、疾患を安定させ、再燃の回数と重症度を減らすことが治療の第一の目標である。患者には、急性増悪時の治療と、持続的な場合は長期の維持療法が必要である。アトピー性皮膚炎では、かゆみの症状緩和と同様に、皮膚の炎症に対する外用療法が疾患管理の重要な要素となっている。複数の外用療法の選択肢があるが、高い有効性と成人および小児に許容される安全性プロファイルを兼ね備え、治療期間の制限なく広い体表面積に適用できる外用療法が依然として必要とされる。アトピー性皮膚炎の急性増悪に対しては、一般的に局所用コルチコステロイド(TCS)が標準的な治療法として使用される。しかし、TCSは局所的および全身的な有害事象(例えば、皮膚萎縮や全身性曝露のリスク増加)の可能性があるため、一般に長期間の使用には適していない。特に、小児のアトピー性皮膚炎に対する現在の治療選択肢は、長期使用(2~4週間以上)や顔や睫毛間などの敏感な部位への適用に関する安全性の懸念を考慮すると、限定的である。
いかなる理論にも拘束されることを望むことなく、本明細書に記載の実施形態による化合物は、局所コルチコステロイド(TCS)および局所カルシニューリン阻害剤(TCI)とは異なる作用メカニズムを有すると考えられ、TCIより優れた有効性を有する改善された安全プロファイルを有すると期待される。本明細書に記載の実施形態の化合物は、以下:TCSに十分に反応しない;TCSに不耐性である;またはTCSに適応しない(例えば、病変部位または治療期間に起因する)といったことで小児に利益をもたらすだろう。安全な局所治療のための有効な選択肢を有することは、全身治療への移行を遅らせ、治療に関連する重大なリスクおよび患者への費用を制限することができる。
尋常性乾癬は、遺伝的要因、環境要因、全身的要因の相互作用によって生じる慢性の自己免疫性炎症性皮膚疾患で、白人人口の2-3%が罹患している。免疫系の異常が病態に関与しており、異常な細胞浸潤、炎症性メディエーターの産生、および角化などが含まれる。このプロセスの核となるのが、Th17型サイトカイン(IL-17A、IL-17F、およびIL-22)であり、(i)ケラチノサイトの過増殖とケモカインの生産を促進し、(ii)白血球のさらなる動員を永続化させる。
本明細書に記載される実施形態による化合物は、軽度から中等度の乾癬の治療のために使用され得る。重度の乾癬に対する多数の新しい生物学的治療の選択肢があるが、軽度から中等度の疾患を有する患者に対する治療の選択肢における最近の革新は限られている。TCSによる治療には大きな禁忌(長期使用や敏感な部位での使用)があるため、安全で効果的な局所治療は、軽度から中等度の乾癬患者にとって非常に大きな利点となる。
したがって、本発明は、上記の疾患または障害に関連する障害の治療方法であって、それを必要とする対象に、本明細書の任意の実施形態に記載の少なくとも1つの化合物を、したがって有効な量で投与する工程を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、AhRの不均衡に関連する状態を予防または治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする対象におけるAhR媒介性疾患を治療または予防する方法であって、前記対象に、有効量の、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物;若しくは本明細書に記載の任意の実施形態による医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、別の治療剤と組み合わせた式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、別の治療剤と組み合わせた、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
いくつかの実施形態は、以下のような障害:臨床移植(臓器移植、急性移植または異種移植または同種移植(火傷治療で採用されるような)拒絶反応など)、臓器移植、心筋梗塞、脳卒中などの際に生じる虚血または再灌流傷害からの保護、移植耐性誘導;関節炎(関節リウマチ、乾癬性関節炎または変形性関節症など);多発性硬化症、潰瘍性大腸炎およびクローン病を含むIBD;ループス(全身性エリテマトーデス);移植片対宿主病;接触性過敏症、湿疹、遅延型過敏症、およびグルテン過敏性腸症(セリアック病)などのT細胞媒介性過敏症;乾癬;接触皮膚炎(ウルシによるものを含む);橋本病;シェーグレン症候群、バセドウ病のような自己免疫性の甲状腺機能亢進症;アジソン病(副腎の自己免疫疾患);自己免疫性ポリグランデュラー病(自己免疫性ポリグランデュラー症候群として知られる);自己免疫性脱毛症;悪性貧血;白斑;自己免疫性低比重症;ギランバレー症候群;その他の自己免疫疾患;糸球体腎炎;血清病;ウチカリア;呼吸器アレルギー(喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎)、皮膚アレルギーなどのアレルギー性疾患;強皮症;菌状息肉症;(急性呼吸窮迫症候群、虚血再灌流障害などの)急性炎症反応;皮膚筋炎;大毛症;慢性光線性皮膚炎;湿疹;ベーチェット病;掌蹠膿疱症;壊疽性膿皮症;セザリー症候群;アトピー性皮膚炎;全身性硬化症;およびモルフェアを治療または予防するための方法を記載し、本明細書に記載の任意の実施形態による有効量の化合物、または薬学的に許容できるその塩、若しくは薬学的組成物を投与することを含む、任意の実施形態による、本明細書に記載の任意の実施形態による、有効量の化合物を投与する工程を含む。
いくつかの実施形態では、それを必要とする対象におけるアレルギー性疾患もしくは障害、炎症性疾患もしくは障害、または自己免疫疾患もしくは障害を治療または予防する方法であって、前記対象に有効量の本明細書に記載の任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を投与する工程を含む、方法が記載される。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、別の治療剤と組み合わせた式(I)もしくは式(Ia)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物の化合物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、別の治療剤と組み合わせた、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
いくつかの実施形態は、それを必要とする対象における炎症性疾患または障害を治療または予防するための方法であって、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物または医薬組成物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物の有効量を前記対象に投与する工程を含む、方法を説明する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、別の治療剤と組み合わせた式(I)もしくは式(Ia)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物の化合物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、別の治療剤と組み合わせた、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
いくつかの実施形態では、炎症性疾患または障害は、炎症性皮膚疾患または障害である。いくつかの実施形態では、炎症性皮膚疾患または障害は、慢性炎症性皮膚疾患または障害、ニキビ、乾癬、酒さ、または老化した皮膚である。いくつかの実施形態では、慢性炎症性皮膚疾患は、皮膚炎、例えばアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、エスセトラ性皮膚炎、または脂漏性皮膚炎である。
いくつかの実施形態では、炎症性疾患または障害は、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹性皮膚炎、または脂漏性皮膚炎およびニキビからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、炎症性疾患または障害は、乾癬、アトピー性皮膚炎、およびにきびからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、炎症性疾患または障害は乾癬である。いくつかの実施形態では、炎症性疾患または障害は、アトピー性皮膚炎である。いくつかの実施形態では、炎症性疾患または障害は、にきびである。
いくつかの実施形態は、それを必要とする対象における皮膚科的状態または障害を治療または予防する方法であって、前記対象に、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物または医薬組成物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物の有効量を投与する工程を含む、方法を説明する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、別の治療剤と組み合わせた式(I)もしくは式(Ia)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物の化合物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、別の治療剤と組み合わせた、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
いくつかの実施形態では、皮膚科的状態または障害は、皮膚疾患である。いくつかの実施形態では、皮膚疾患は、1)持続的な炎症、細胞動態、および分化の皮膚障害(例えば、乾癬、乾癬性関節炎、剥離性皮膚炎、バラ色粃糠疹、扁平苔癬、窒化苔癬、または汗孔角化症);2)表皮の凝集、小胞および水疱性の皮膚障害(例えば、天疱瘡、水疱性天疱瘡、後天性表皮水疱症、または掌蹠膿疱症);3)表皮付属器および関連障害の皮膚障害(例えば。毛髪障害、爪、酒さ、口腔周囲皮膚炎、または毛包症候群);4)表皮および付属器腫瘍などの皮膚障害(例えば、扁平上皮癌、基底細胞癌、ケラトアカントーマ、良性上皮性腫瘍、またはメルケル細胞癌);5)メラノサイトの障害(例えば、色素障害、アルビニズム、低メラノースおよび高メラノース、メラノサイト性母斑、またはメラノーマ);6)真皮の炎症性および腫瘍性障害の皮膚障害(例えば、滲出性紅斑、好酸球、顔面肉芽腫、壊疽性膿皮症、悪性萎縮性丘疹症、真皮および軟組織の線維性病変、またはカポジ肉腫);7)皮下組織の障害(例えば、脂肪織炎または脂肪異栄養症);8)反応性の変化を伴う皮膚障害(例えば、蕁麻疹、血管拡張症、移植片対宿主、アレルギー性接触皮膚炎、自家感作性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、または脂漏性皮膚炎);9)機械的および物理的要因による皮膚変化(例えば。熱傷、放射線皮膚炎、角質、または胼胝);10)光障害(例えば、急性および慢性紫外線照射、または光感作);または11)微生物剤による皮膚障害(例えば。ハンセン病、ライムボレリア症、爪白癬、風疹、麻疹、単純ヘルペス、エプスタインバーウイルス(EBV)、ヒトパピローマウイルス(HPV、例えばHPV6および7)、いぼ、またはプリオン)かた選択される。
いくつかの実施形態は、それを必要とする対象における放射線皮膚炎を治療または予防するための方法であって、前記対象に、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物または医薬組成物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物の有効量を投与することを含む、方法を説明する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、別の治療剤と組み合わせた式(I)もしくは式(Ia)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物の化合物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、別の治療剤と組み合わせた2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物である。いくつかの実施形態では、放射線皮膚炎は、慢性放射線皮膚炎である。いくつかの実施形態では、放射線皮膚炎は、急性放射線皮膚炎である。いくつかの実施形態では、放射線皮膚炎は、急性の紅斑、売却、落屑、線維化、毛細血管拡張症および皮膚萎縮またはそれらの組合せである。いくつかの実施形態では、放射線皮膚炎は、急性の紅斑、売却、または落屑、あるいはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、放射線皮膚炎は、線維症、毛細血管拡張症、および皮膚萎縮、またはそれらの組み合わせである。
いくつかの実施形態は、それを必要とする対象における炎症性粘膜状態を治療または予防するための方法であって、前記対象に、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物または医薬組成物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物の有効量を投与することを含む、方法を説明する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、別の治療剤と組み合わせた式(I)もしくは式(Ia)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物の化合物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、別の治療剤と組み合わせた、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、炎症性粘膜状態は、癌の放射線または化学療法治療によって誘導される。いくつかの実施形態では、炎症性粘膜の状態は、口腔粘膜炎、扁平苔癬、尋常性天疱瘡である。いくつかの実施形態では、炎症性粘膜状態は、口腔扁平苔癬、多形紅斑、粘膜天疱瘡、尋常性天疱瘡、水泡性表皮水疱症などの口腔粘膜炎である。いくつかの実施形態では、口腔粘膜炎は、癌の放射線治療または化学療法によって誘発される。いくつかの実施形態では、口腔粘膜炎は、頭および/または首の癌の放射線または化学療法治療によって誘発される。いくつかの実施形態では、口腔粘膜炎は、頭部および/または頸部癌の放射線治療によって誘発される。
いくつかの実施形態は、それを必要とする対象におけるアトピー性皮膚炎の治療方法であって、治療上有効な量の式(1)の化合物を対象に投与する工程を含む方法を記載する。
Figure 2023533855000022
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの医薬組成物。
いくつかの実施形態は、それを必要とする対象において乾癬を治療する方法であって、対象に、治療有効量の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール
Figure 2023533855000023
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの医薬組成物を投与する工程を含む、方法を記載する。
いくつかの実施形態は、それを必要とする対象におけるアトピー性皮膚炎の治療方法であって、対象に、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール
Figure 2023533855000024
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの医薬組成物を投与する工程を含む工程を記載する。
いくつかの実施形態は、アトピー性皮膚炎または乾癬を治療する方法であって、それを必要とする対象において、治療有効量の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を含む局所用クリームを、対象に投与する工程、を含む、方法を記載する。
いくつかの実施形態は、アトピー性皮膚炎または乾癬を治療する方法であって、それを必要とする対象において、治療有効量の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは水和物を含む局所用ゲルを、対象に投与する工程、を含む、方法を記載する。
いくつかの実施形態は、アトピー性皮膚炎または乾癬を治療する方法であって、それを必要とする対象において、治療有効量の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を含む局所用ローションを、対象に投与する工程、を含む、方法を記載する。
いくつかの実施形態では、化合物は、AhRリガンドのアゴニストである。いくつかの実施形態では、化合物は、AhRリガンドのアンタゴニストである。
本明細書に記載される任意の実施形態による化合物は、獣医学的設定または医学的設定で使用され得る。対象または患者は、動物、例えば、馬、牛、豚、羊、家禽、魚、猫、犬、および動物園動物を含む哺乳類であって良いことが認識されている。いくつかの実施形態では、対象は動物である。
いくつかの実施形態では、対象は哺乳動物である。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、ヒトは、成人、または小児患者である。いくつかの実施形態では、ヒトは、小児患者である。いくつかの実施形態では、小児患者は子供である。いくつかの実施形態では、小児患者は、3ヶ月~2歳以上である。いくつかの実施形態では、ヒトは成人である。
いくつかの実施形態では、治療に使用するための、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物について説明する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
いくつかの実施形態では、AhR不均衡に関連する状態の治療または予防に使用するための、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物について説明する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは水和物である。
いくつかの実施形態では、AhR媒介疾患の治療または予防に使用するための、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物について説明する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
いくつかの実施形態では、炎症性疾患または障害の治療または予防に使用するための、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物について説明する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
いくつかの実施形態では、皮膚科的状態または障害の治療または予防に使用するための、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物について説明する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
いくつかの実施形態では、乾癬の治療または予防に使用するための、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物について説明する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
いくつかの実施形態では、アトピー性皮膚炎の治療または予防に使用するための、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物について説明する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
いくつかの実施形態は、AhR不均衡に関連する状態のための医薬品の製造における、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物の、それを必要としている対象における使用を記載する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは水和物である。
いくつかの実施形態は、それを必要とする対象におけるAhR媒介性疾患の治療のための医薬の製造における、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物の使用を説明する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
いくつかの実施形態は、それを必要とする対象における炎症性障害の治療または予防のための医薬品の製造における、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物の使用を説明する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
いくつかの実施形態は、それを必要とする対象における皮膚科的状態または障害の治療または予防のための医薬品の製造における、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物の使用を説明する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態は、それを必要とする対象における乾癬の治療または予防のための医薬品の製造における、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物の使用を記載する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
いくつかの実施形態は、それを必要とする対象におけるアトピー性皮膚炎の治療または予防のための医薬の製造における、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物の使用を記載する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
いくつかの実施形態は、それを必要とする対象におけるAhR不均衡に関連する状態の治療または予防のための、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物の使用を説明する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくは水和物である。
いくつかの実施形態は、AhR媒介疾患の治療または予防のための、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物の使用を説明する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
いくつかの実施形態は、炎症性疾患または障害の治療または予防のための、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物の使用を説明する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
いくつかの実施形態は、皮膚科的状態または障害の治療または予防のための医薬品の製造における、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物の使用を説明する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
いくつかの実施形態では、乾癬の治療または予防のための医薬の製造における、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物の使用を説明する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
いくつかの実施形態では、アトピー性皮膚炎の治療または予防のための医薬の製造における、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物の使用について説明する。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)もしくは式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。いくつかの実施形態では、化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
組合せ
本明細書に記載の医薬組成物および方法/使用について、本明細書に記載の任意の実施形態の化合物は、1つまたはそれ以上の他の治療薬および/または活性剤と組み合わせて投与され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の実施形態の化合物は、本明細書に記載の障害または疾患に示される第2の薬剤と組み合わせて、第2の薬剤の投与と同時に、その前に、またはその後に、投与される。いくつかの実施形態では、第2の薬剤は、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物と同じ製剤に含まれる。いくつかの実施形態では、第2の薬剤は、別個の製剤中である。第2の治療剤は、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物と同じ経路で投与されても良く、または本明細書に記載される任意の実施形態による化合物とは異なる経路で投与されても良い。例えば、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物は局所的に投与されても良く、第2の薬剤は局所的、経口的、静脈内筋肉内、眼科的、膣内、直腸内などに投与されても良い。いくつかの実施形態では、第2の薬剤は、本発明の化合物と同時に投与される。いくつかの実施形態では、第2の薬剤は、本発明の化合物の前に投与される。いくつかの実施形態では、第2の薬剤は、本発明の化合物の後に投与される。
すなわち、本明細書に記載された任意の実施形態による化合物は、投与部位、または所望の作用部位に、いずれの順序でも一緒に、同時または順次に投与することができる。投与の順序は必要ないと考えられる。しかしながら、局所的に投与される場合、2つ以上の活性剤が、投与部位または所望の作用部位において、ある時点で一緒に接触していることが好ましい場合がある。あるいは、活性剤の適切な作用様式のための時間帯が、活性剤の送達時間において適切なタイミングであることが好ましい。両者が同じビヒクル中に存在する場合、それらは患者への投与の容易さを提供し、おそらくコンプライアンスを高めるが、本明細書の発明には必要ない。
本明細書に記載の任意の実施形態による化合物が、本明細書に記載の1つ以上の他の治療法および/または活性薬剤と組み合わせて投与される場合、活性薬剤成分(すなわち、本発明の化合物および第2の薬剤)の各々は、有効投与量に含まれる。
いくつかの実施形態では、第2の薬剤は、AhRのアンバランスに関連する状態を治療または予防するための薬剤である。
いくつかの実施形態では、他の薬剤(複数可)は、アレルギー性疾患、炎症性疾患、または自己免疫疾患の予防または治療に有用である。いくつかの実施形態では、薬剤(複数可)は、抗原免疫療法剤;抗ヒスタミン剤;コルチコステロイド、例えば、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、モメタゾンフロ酸、トリアムシノロン、およびフルニソニド;NSAIDs;ロイコトリエン調節剤(モンテルカスト、ザフィルルカスト、プランルカストなど);iNOS阻害剤;トリプターゼ阻害剤;IKK2阻害剤;p38阻害剤;Syk阻害剤;プロテアーゼ阻害剤;エラスターゼ阻害剤;インテグリン拮抗剤、例えばβ2インテグリン拮抗剤;アデノシンA2aアゴニスト;メディエーター放出阻害剤、例えばクロモグラ酸ナトリウム、5-リポキシゲナーゼ阻害剤(zyflo);DP1拮抗剤;DP2拮抗剤;PI3Kデルタ阻害剤;ITK阻害剤;LP(lysophosphatidic)阻害剤;またはFLAP(5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質)阻害剤、例えば、3-(3-(tert-ブチルチオ)-1-(4-(6-エトキシピリジン-3-イル)ベンジル)-5-((5-メチルピリジン-2-イル)メトキシ)-1H-インドール-2-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸ナトリウム);気管支拡張剤、例えば、ムスカリン拮抗薬およびβ2アゴニスト;メトトレキサート、および同様の薬剤;抗IgE、抗TNF、抗IL-5、抗IL-6、抗IL-12、抗IL-1、および同様の薬剤などのモノクローナル抗体療法薬、サイトカイン受容体療法剤、例えば、エタネルセプトおよび類似の薬剤;ならびに抗原非特異的免疫療法剤、例えば、インターフェロンまたは他のサイトカイン/ケモカイン、CCR3、CCR4、またはCXCR2アンタゴニストなどのケモカイン受容体モジュレーター、他のサイトカイン/ケモカインのアゴニストまたはアンタゴニスト、TLRアゴニストおよび類似の薬剤が含まれる。
いくつかの実施形態では、他の薬剤(複数可)は、シクロスポリン、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、プレドニゾン、アザチオプリン、シロリムス、ダクリズマブ、バシリキシマブ、またはOKT3などの移植を補助するための薬剤である。
いくつかの実施形態では、他の薬剤(複数可)は、糖尿病を治療するための薬剤、例えば、メトホルミン(ビグアナイド)、メグリチノイド、スルホニル尿素、DPP-4阻害剤、チアゾリジンジオン、またはα-グルコシダーゼ阻害剤、アミリン模倣薬、インクレチン模倣薬、またはインスリンなどである。
いくつかの実施形態では、他の薬剤(複数可)は、利尿剤、ACE阻害剤、ARBS、カルシウムチャネル遮断薬、およびβ遮断薬などの降圧剤である。
したがって、本開示は、さらなる態様において、本明細書に記載の任意の実施形態による少なくとも1つの化合物、またはその薬学的に許容される誘導体;第2の活性剤;および、任意選択で薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物を提供する。
同じ製剤に配合される場合、2つまたはそれ以上の化合物は、互いに、および製剤の他の成分と安定であり、適合性でなければならないことが理解されるだろう。別々に製剤化する場合、それらは、当該技術分野においてそのような化合物について知られているような方法で、任意の便利な製剤で提供することができる。
保存料、安定剤、色素および香味料は、本明細書に記載される任意の医薬組成物に提供されても良い。保存料の例としては、安息香酸ナトリウム、アスコルビン酸、およびp-ヒドロキシ安息香酸のエステルなどが挙げられる。酸化防止剤および懸濁化剤も使用することができる。
モノクローナル抗体またはフラグメントなどの生物製剤を含む組み合わせに関しては、凝集を防止し、一般に非経口投与、例えば静脈内、投与のための低エンドトキシンで溶液中の抗体またはフラグメントを安定化するために、適切な賦形剤が採用されるだろう。例えば、Formulation and Delivery Issues for Monoclonal Antibody Therapeutics,Daugherty et al.,in Current Trends in Monoclonal Antibody Development and Manufacturing,Part 4,2010,Springer,New York pp 103-129を参照されたい。
投与経路と単位投与形態
本明細書に記載された任意の実施形態による化合物および前記化合物を組み込んだ医薬組成物は、薬物投与に従来使用されている任意の経路、例えば、経口、局所、経皮、非経口または吸入によって便利に投与され得る。本化合物は、従来の手順に従って、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物を標準的な医薬担体と組み合わせることによって調製される従来の剤形で投与され得る。本明細書に記載される任意の実施形態による化合物はまた、本明細書にさらに記載されるように、既知の第2の治療活性化合物と組み合わせて従来の投与量で投与されても良い。これらの手順は、所望の調製に適切なように、成分を混合、造粒、および圧縮または溶解することを含むことができる。薬学的に許容される特性または希釈剤の形態および特性は、それが組み合わされる活性成分の量、投与経路および他のよく知られた変数によって規定されることが理解されよう。担体(複数可)は、製剤の他の成分と適合し、その受取人に有害でないという意味で、「許容可能」でなければならない。
本明細書に記載される任意の実施形態による化合物は、局所的に、すなわち非全身投与によって投与されても良い。これは、化合物が血流に著しく入らないような、表皮、頬腔への化合物の外部への塗布、または耳、目および鼻へのそのような化合物のインスティレーションを含む。これに対し、全身投与とは、経口投与、静脈内投与、腹腔内投与、および筋肉内投与などを指す。
局所投与に適した製剤としては、皮膚、眼、耳、鼻への投与に適したリニメント、ローション、クリーム、ゲル、溶液、軟膏、ペースト、ドロップなど、皮膚から炎症部位への浸透に適した液体または半液体製剤が挙げられる。
本発明によるローションには、皮膚、耳、鼻または目への適用に適したものが含まれる。アイローションは、任意に殺菌剤を含む滅菌水溶液からなり、点眼剤の調製と同様の方法によって調製することができる。皮膚に適用するためのローションまたはリニメントは、アルコールまたはアセトンなどの乾燥を早め、皮膚を冷却するための薬剤、および/またはグリセロールなどの保湿剤、ひまし油またはアラキス油などの油剤を含んでも良い。
本発明によるクリーム、ゲル、軟膏またはペーストは、外用するための活性成分の半固形製剤である。それらは、微細に分割されたまたは粉末状の活性成分(すなわち、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物)を単独で、または水性または非水性流体中に溶液または懸濁液として、適切な機械の助けを借りて、油性のまたは非油性の基剤と混合することによって製造することができる。基剤は、硬質、軟質または液体パラフィン、グリセロール、ミツロウ、金属石鹸などの炭化水素、粘液、アーモンド、トウモロコシ、アラキス、ヒマシ、またはオリーブ油などの天然由来の油、羊毛脂肪またはその誘導体、あるいはプロピレングリコールなどのアルコールまたはマクロゲルと共に、ステリック酸またはオレイン酸などの脂肪酸から構成されても良い。製剤は、ソルビタンエステルまたはそのポリオキシエチレン誘導体などのアニオン性、カチオン性または非イオン性界面活性剤などの任意の適切な表面活性剤を組み入れることができる。天然ガム、セルロース誘導体またはケイ酸質シリカなどの無機材料などの懸濁剤、およびラノリンなどの他の成分もまた、含まれ得る。
本発明による滴下剤は、無菌の水性または油性溶液または懸濁液を含み、殺菌剤および/または防カビ剤および/または他の任意の適切な保存剤の適切な水溶液に活性成分を溶解し、好ましくは表面活性剤を含むことにより調製することができる。次いで、得られた溶液を濾過により清澄化し、適切な容器に移して密封し、オートクレーブ処理または98~100℃で30分間維持することにより滅菌することができる。あるいは、溶液をろ過して滅菌し、無菌操作で容器に移し替えても良い。滴下剤に含めるのに適した殺菌・殺カビ剤の例としては、硝酸フェニルまたは酢酸フェニル(0.002%)、塩化ベンザルコニウム(0.01%)および酢酸クロルヘキシジン(0.01%)などが挙げられる。油性溶液の調製に適した溶媒としては、グリセロール、希釈アルコールおよびプロピレングリコールが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物は、クリーム、ゲル軟膏、ペースト、ドロップ、またはローションとして局所的に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載された任意の実施形態による化合物は、ゲルまたはクリームとして投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載された任意の実施形態による化合物は、ゲルとして投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載された任意の実施形態による化合物は、クリームとして投与される。
いくつかの実施形態では、薬学的製剤は、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物と、患者の皮膚、眼、または耳への局所投与に好適に適合された薬学的に許容される賦形剤または希釈剤および抗酸化剤、保存剤、ゲル化剤、pH調整剤、若しくは安定剤、またはこれらの混合物とを含む。
いくつかの実施形態では、組成物はクリームまたはゲル組成物であり、式(I)の化合物は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールである。
いくつかの実施形態では、組成物はクリーム製剤である。いくつかの実施形態では、組成物は、以下を含むクリーム製剤1である。
Figure 2023533855000025
クリーム製剤1中の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールが特定の濃度(0~1%の範囲)で存在する場合、製剤はX%クリーム製剤1と呼ばれ得ることは理解されよう。例えば、いくつかの実施形態では、組成物は、1%の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールを含む、クリーム製剤1である(1%クリーム製剤1)。したがって、1%クリーム製剤1は、以下のように構成される。
Figure 2023533855000026
いくつかの実施形態では、組成物は、0.5%クリーム製剤1を含む0.5%クリーム製剤である。
Figure 2023533855000027
いくつかの実施形態では、組成物は、以下を含む0.1%クリーム製剤1である。
Figure 2023533855000028
いくつかの実施形態では、組成物は、以下を含むクリーム製剤2である。
Figure 2023533855000029
いくつかの実施形態では、組成物は、以下を含むクリーム製剤3である。
Figure 2023533855000030
いくつかの実施形態では、組成物は、以下を含む1%クリーム製剤3である。
Figure 2023533855000031
いくつかの実施形態では、組成物は、0.5%クリーム製剤3を含む。
Figure 2023533855000032
いくつかの実施形態では、組成物は、以下を含むクリーム製剤4である。
Figure 2023533855000033
いくつかの実施形態では、組成物は、以下を含むクリーム製剤5である。
Figure 2023533855000034
いくつかの実施形態では、組成物は、以下を含むクリーム製剤6である。
Figure 2023533855000035
いくつかの実施形態では、組成物は、以下を含むクリーム製剤7である。
Figure 2023533855000036
いくつかの実施形態では、組成物は、以下を含むゲル製剤(ゲル製剤1)である。
Figure 2023533855000037
いくつかの実施形態では、組成物は、以下を含むゲル製剤(1%ゲル製剤1)である。
Figure 2023533855000038
いくつかの実施形態では、組成物は、以下を含むゲル製剤(ゲル製剤2)である。
Figure 2023533855000039
いくつかの実施形態では、組成物は、以下を含むゲル製剤(ゲル製剤3)である。
Figure 2023533855000040
いくつかの実施形態では、組成物は、以下を含むゲル製剤(ゲル製剤4)である。
Figure 2023533855000041
局所的な使用が好ましい投与経路であるが、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物は、非経口的に、すなわち静脈内、筋肉内、皮下、鼻内、直腸内、膣内、または腹腔内投与によって投与することも可能である。非経口投与の皮下および筋肉内投与形態が一般に好ましい。このような投与のための適切な剤形は、従来の技術によって調製され得る。本明細書に記載された任意の実施形態による化合物は、吸入、すなわち、鼻腔内投与および経口吸入投与によっても投与することができる。このような投与のための適切な剤形、例えば、エアロゾル製剤または定量吸入器は、従来の技術によって調製することができる。
本発明の有効成分としての、本明細書に記載された任意の実施形態による化合物の投与量は、適切な投与形態が得られるように変化させることができる。有効成分は、最適な薬学的効力を提供するような投与量で、そのような治療を必要とする対象(動物およびヒト)に投与されても良い。選択された投与量は、所望の治療効果、投与経路、および処置の期間に依存する。投与量は、疾患の性質および重症度、患者の体重、その時患者が従っている特別な食事、同時投薬、および当業者が認識するだろう他の要因によって、患者ごとに変化することになる。
いくつかの実施形態では、投与される化合物の量は、約0.1~約100mg/kg/日の間であり得る。一般に、1日当たり0.1~10mg/kg体重の間の投与量が、患者、例えばヒトに投与される。いくつかの実施形態では、治療有効量は、下限値約0.1mg/kg体重、約0.2mg/kg体重、約0.3mg/kg体重、約0.4mg/kg体重、約0.5mg/kg体重、約0.6mg/kg体重、約0.7mg/kg体重、約0.8mg/kg体重、約0.9mg/体重、約1mg/体重、約5mg/体重、約10mg/体重、約15mg/体重、約20mg/体重、約25mg/体重、約30mg/体重、約35mg/体重、約40mg/体重、約45mg/体重、約50mg/体重、約55mg/体重、約60mg/体重、約65mg/体重、約70mg/体重、約75mg/体重、約80mg/体重、約85mg/体重、約80mg/体重、約95mg/体重、および約100mg/体重、および上限の体重100mg/kg、体重約95mg/kg、体重約90mg/kg、体重約85mg/kg、体重約80mg/kg、体重約75mg/kg、体重約70mg/kg、体重約65mg/kg、体重約60mg/kg、体重約55mg/kg、体重約50mg/kg、体重約45mg/kg、体重約40mg/kg、体重約35mg/kg、体重約30mg/kg、体重約25mg/kg、体重約20mg/kg、体重約15mg/kg、体重約10mg/kg、体重約5mg/kg、体重約1mg/kg、体重約0.9mg/体重、約0.8mg/体重、約0.7mg/体重、約0.6mg/体重、約0.5mg/体重、約0.4mg/体重、約0.3mg/体重、約0.2mg/体重、約0.1kg/体重の1日あたりの体重が挙げられる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物は、約0.01~約1000mg/日の1日総投与量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、1日の総投与量は、約0.1~約100mg/日である。いくつかの実施形態では、1日の総投与量は、下限値約0.01mg/日、約0.05mg/日、約0.1mg/日、約0.5mg/日、約1mg/日、約10mg/日、約20mg/日、約30mg/日、約40mg/日、約50mg/日、約60mg/日、約70mg/日、約80mg/日、約90mg/日、約100mg/日、約110mg/日、約120mg/日、約130mg/日、約140mg/日、約150mg/日、約160mg/日、約170mg/日、約180mg/日、約190mg/日、約200mg/日、約210mg/日、約220mg/日、約230mg/日、約240mg/日、約250mg/日、約240mg/日、約260mg/日、約270mg/日、約280mg/日、約290mg/日、約300mg/日、約310mg/日、約320mg/日、約330mg/日、約340mg/日、約350mg/日、約360mg/日、約370mg/日、約340mg/日、約350mg/日、約260mg/日、約370mg/日、約380mg/日、約390mg/日、約400mg/日、約410mg/日、約420mg/日、約430mg/日、約440mg/日、約450mg/日、約460mg/日、約470mg/日、約480mg/日、約490mg/日、約500mg/日、約510mg/日、約520mg/日、約530mg/日、約540mg/日、約550mg/日、約560mg/日、約570mg/日、約580mg/日、約590mg/日、約600mg/日、約610mg/日、約620mg/日、約670mg/日、約670mg/日、約670mg/日、約680mg/日、約500mg/日、約60mg/日、約40mg/日、約70mg/日、約70mg/日、約70mg/日、約670mg/日、約620mg/日約630mg/日、約640mg/日、約650mg/日、約660mg/日、約670mg/日、約680mg/日、約690mg/日、約700mg/日、約710mg/日、約720mg/日、約730mg/日、第740mg/日、約750mg/日、約760mg/日、約770mg/日、約780mg/日、約790mg/日、約800mg/日、約810mg/日、約820mg/日、約830mg/日、約840mg/日、約850mg/日、約860mg/日、約870mg/日、約880mg/日、約770mg/日、約790mg/日、約770mg/日、約770mg/日、約770mg/日、約770mg/日、約770mg/日、約770mg/日、約770mg/日、約770mg/日、約780mg/日約890mg/日、約900mg/日、約910mg/日、約920mg/日、約930mg/日、約940mg/日、約950mg/日、約960mg/日、約970mg/日、約980mg/日、約990mg/日、約1000mg/日でありであり、上限は1000mg/日、約990mg/日、約970mg/日、約960mg/日、約950mg/日、約940mg/日、約930mg/日、約920mg/日、約910mg/日、約900mg/日、約890mg/日約880mg/日、約870mg/日、約860mg/日、約850mg/日、約840mg/日、約830mg/日、約820mg/日、約810mg/日、約800mg/日、約790mg/日、約780mg/日、約770mg/日、約760mg/日、約750mg/日、約740mg/日、約730mg/日、約720mg/日、約710mg/日、約700mg/日、約690mg/日、約680mg/日、約670mg/日、約660mg/日、約650mg/日、約640mg/日、約630mg/日、約620mg/日、約610mg/日、約600mg/日、約590mg/日、約580mg/日、約570mg/日、約560mg/日、約550mg/日、約540mg/日、約530mg/日、520mg/日、約540mg/日、約510mg/日、約500mg/日、約490mg/日、約480mg/日、約470mg/日、約460mg/日、約450mg/日、約440mg/日、約430mg/日、約420mg/日、410mg/日、約400mg/日、約390mg/日、約380mg/日、約370mg/日、約360mg/日、約350mg/日、約340mg/日、約330mg/日、約320mg/日、約310mg/日、約300mg/日、約290mg/日、約280mg/日、約270mg/日、約240mg/日、約240mg/日、約30mg/日、約260mg/日、約250mg/日、約240mg/日、約230mg/日、約220mg/日、約210mg/日、約200mg/日、約190mg/日、約180mg/日、約170mg/日、約160mg/日、約150mg/日、約140mg/日、約180mg/日、約130mg/日、約120mg/日、約110mg/日、約100mg/日、約90mg/日、約80mg/日、約70mg/日、約60mg/日、約50mg/日、約40mg/日、約30mg/日、約10mg/日、約1mg/日、約0.5mg/日、約0.1mg/日、約0.01mg/日である。
本開示の医薬組成物は、そのような有効量は、そのような医薬組成物の複数の分割投与によって達することができるので、障害を治療するのに有効な化合物の全量を必ずしも含む必要はないことが理解されるであろう。化合物は、1日当たりの単回投与、または1日当たりの総投与量が同じになるような1日当たりの小用量の複数回投与(例えば、2、3、4、5、またはそれ以上)のレジメンで投与することができる。その塩の有効量は、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物の有効量の割合として決定されても良い。同様の投与量は、本明細書において治療のために言及される他の状態の治療にも適切であるはずである。一般に、適切な投与量の決定は、医学または薬学分野の当業者によって容易に到達され得る。
活性成分、すなわち本明細書に記載の任意の実施形態による化合物は、局所製剤の約0.001%w/w~約10%w/wに投与される局所投与用であって良い。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物は、局所製剤の0.1%w/w、0.2%w/w、0.3%w/w、0.4%w/w、0.5%w/w、0.6%w/w、0.7%w/w、0.8%w/w、0.9%w/w、1%w/w、2%w/w、3%w/w、4%w/w、5%w/w、6%w/w、7%w/w、8%w/w、9%w/wまたは10%w/wとすることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物は、製剤の1%w/w~2%w/wである。日の局所投与レジメンは、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物を約0.1mg~150mg、1日1~4回投与することができる。いくつかの実施形態では、1日の局所投与量は、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、38mg、39mg、40mg、41mg、42mg、43mg、44mg、45mg、46mg、47mg、48mg、49mg、50mg、51mg、52mg、53mg、54mg、55mg、56mg、57mg、58mg、59mg、60mg、61mg、62mg、63mg、64mg、65mg、66mg、67mg、68mg、69mg、70mg、71mg、72mg、73mg、74mg、75mg、76mg、77mg、78mg、79mg、80mg、81mg、82mg、83mg、84mg、85mg、86mg、87mg、88mg、89mg、90mg、91mg、92mg、93mg、94mg、95mg、96mg、97mg、98mg、99mg、100mg、101mg、102mg、103mg、104mg、105mg、106mg、107mg、108mg、109mg、110mg、111mg、112mg、113mg、114mg、115mg、116mg、115mg、117mg、118mg、119mg、120mg、121mg、122mg、123mg、124mg、125mg、126mg、127mg、128mg、129mg、130mg、131mg、132mg、133mg、134mg、135mg、136mg、137mg、138mg、139mg、140mg、141mg、142mg、143mg、144mg、145mg、146mg、147mg、148mg、149mgまたは150mgのいずれかであった。初期投与量は、動物モデルを用いたインビデータから推定することも可能である。上記の様々な疾患を治療または予防する化合物の効力を試験するのに有用な動物モデルは、当技術分野でよく知られている。化合物は、処方する医師の判断に応じて、週に1回、週に数回(例えば、隔日)、1日に1回、または1日に複数回投与することができる。
本明細書に記載された任意の実施形態による化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物の個々の用量の最適量および間隔は、治療される状態の性質および程度、投与の形態、経路および部位、並びに治療される患者によって決定され、かかる最適値は従来の技術によって決定することができることも、当業者には認識されるであろう。また、最適な治療経過、すなわち、本明細書に記載の任意の実施形態による化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物の、定められた日数にわたって1日当たり投与される用量は、従来の治療経過決定試験を用いて当業者によって確認できることが理解されよう。
式(8)の化合物の調製方法
いくつかの実施形態は、式8の化合物
Figure 2023533855000042
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を調製するための工程であって、式7の化合物
Figure 2023533855000043
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物を脱メチル化する工程を含む、方法を記載する。
いくつかの実施形態では、工程は、式6の化合物
Figure 2023533855000044
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を式5の化合物
Figure 2023533855000045
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物とカップリングする工程をさらに含み、式7の化合物を形成する。
いくつかの実施形態では、工程は、式4の化合物
Figure 2023533855000046
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物をボリル化する工程をさらに含み、式5の化合物を形成する。
いくつかの実施形態において、本工程は、式3の化合物
Figure 2023533855000047
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物を水素化する工程をさらに含み、式4の化合物を形成する。
いくつかの実施形態では、工程は、式2のケトン
Figure 2023533855000048
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物をグリニャール試薬で処理する工程を含み、次いで酸性条件下で水を除去して式3の化合物を形成する。
いくつかの実施形態では、プロセスは、2,6-ジヒドロキシアセトフェノンまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物をアルキル化して、式2の化合物を形成する工程をさらに含む。
いくつかの実施形態では、式7の化合物を脱メチル化して式8の化合物を形成することは、式7の化合物を三臭化ホウ素で処理する工程を含む。
いくつかの実施形態では、式8の化合物を形成するために式7の化合物の脱メチル化は、a)式7の化合物を三臭化ホウ素で処理して式7-1の化合物を形成する工程と
Figure 2023533855000049
およびb)式7-1の化合物を水素化し、式8の化合物を形成する工程を含む。
いくつかの実施形態では、式8の化合物を形成するために式7の化合物の脱メチル化は、式7の化合物を臭化水素酸で処理する工程を含む。
いくつかの実施形態は、式8の化合物
Figure 2023533855000050
を調製するための工程であって、
a)式6の化合物
Figure 2023533855000051
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物と、式5の化合物
Figure 2023533855000052
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物をカップリングさせ、式7の化合物を形成する工程と、および
b)式7の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物を脱メチル化し、式8の化合物を形成する工程と、を含む、工程を記載する。
いくつかの実施形態では、式6の化合物
Figure 2023533855000053
または本明細書に記載の任意のプロセスによるその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物は、イソキノリン-3-オールをトリフレート化剤で処理することによって調製される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意のプロセスによる、式5の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物は、以下を含む工程
a)2,6-ジヒドロキシアセトフェノンまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物をアルキル化し、式2の化合物
Figure 2023533855000054
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物を形成する工程と、
b)式2のケトンまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物をグリニャール試薬で処理し、次いで酸性条件下で水を除去して式3の化合物
Figure 2023533855000055
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物を形成させる工程と、
c)式3の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を水素化し、式4の化合物
Figure 2023533855000056
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物を形成する工程と、および
d)式4の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物をボリル化し、式5の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を形成する工程と、によって調製される。
いくつかの実施形態は、式8の化合物
Figure 2023533855000057
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を調製するためのプロセスであって、
a)式5の化合物
Figure 2023533855000058
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を調製する工程であって、
1)2,6-ジヒドロキシアセトフェノンまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物をアルキル化して、式2の化合物
Figure 2023533855000059
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物を形成させる工程と、
2)式2のケトンまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物をグリニャール試薬で処理し、次いで酸性条件下で水を除去して式3の化合物
Figure 2023533855000060
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物を形成する工程と、
3)式3の化合物
Figure 2023533855000061
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物を水素化して、式4の化合物を形成する工程と、および
4)式4の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物をボリル化し、式5の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物を形成する工程と、を含む、前記調製する工程と、
b)式6の化合物
Figure 2023533855000062
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物を調製する工程であって、イソキノリン-3-オールをトリフレート剤で処理することを含む、前記調製する工程と、および
c)式6の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を式5の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物とカップリングさせて式7の化合物
Figure 2023533855000063
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物を形成する程と、および
d)式7の化合物を脱メチル化し、式8の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物を形成する工程であって、ここで、工程aおよびbは、異なる反応容器において、いずれの順序でもまたは同時に行うことができる、前記形成する程と、を含む。
本明細書に記載される任意のプロセスによるいくつかの実施形態では、工程は、式8の化合物を精製する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、精製は、式8の化合物を結晶化する工程を含む。
任意の所与の例における適切な量は、当業者には容易に明らかだろうし、日常的な実験によって決定することが可能である。組成物は、一般に、患部に局所的に適用される、すなわち、臨床的な異常が顕在化している皮膚領域に局所的に適用される。
特に指示のない限り、すべてのパーセンテージは、調製された最終組成物の重量パーセントに基づいており、すべての合計は100重量パーセントに等しい。
実施例
本発明は、その特定の好ましい実施形態を参照してかなり詳細に説明されてきたが、他のバージョンも可能である。したがって、添付の特許請求の範囲の精神および範囲は、本明細書内に含まれる説明および好ましいバージョンに限定されるべきではない。本発明の様々な実施形態は、以下の非限定的な実施例を参照して説明される。以下の実施例は、説明のためのものであり、いかなる方法においても本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
Figure 2023533855000064
LCMS基準A
LC条件:
・UPLC分析はWaters Acquity BEH C18 2x50mm1.7m カラムを用い、50℃で実施した。
・部分的ループ(ニードルオーバーフィル付)注入モードで0.5uLの試料を注入した。
・採用したグラデーションは
・移動相A:水+0.20%v/v ギ酸
・移動相B:アセトニトリル+0.15%v/v ギ酸
・時間%A%B流量
・min95 5 1 ml/分
・1.10分 1 99 1 ml/分
・1.50 分 1 99 1 ml/分
・210~350nmの吸光度信号の和を40Hzでスキャンし、UV検出を行う。
・MSの条件。
・器具:Waters Acquity
・シリアルナンバー:C07SQD043W
・スキャンモード:ポジティブ/ネガティブ交互エレクトロスプレー
・スキャン範囲:125-1000 amu
・スキャン時間:105msec
・インタースキャンの遅れ:20msec
・その他の情報
・すべての装置はWaters Corp,Milford,MAから提供されたものである。
・品質管理用サンプルは、1日1回、最低限実行され、分析される。
LCMS基準B
・移動相A:水(0.01%TFA)B:ACN(0.01%TFA)です。
・Gradient:1.5分以内に5%Bから95%Bまで増加。
・1.8minのための95%Bの0.01minの内の5%Bへの背部
・フローレート2.0ml/分
・カラム:SunFire C18,4.6X50mm、3.5μm
・カラムの温度50℃
・検出:UV(280、140nm)およびMS(ESI,Posモード、110~1000amu)
LCMS基準C
・移動相A:水(10mM NHHCO)B:ACN
・Gradient:2分以内に5%Bから95%Bまで増加。
・1.3minのための95%Bの0.01分の内の5%Bへの背部
・フローレート1.8ml/分
・カラムXBridgeC18、4.6X50mm、3.5μm
・カラムの温度40℃
・検出:UV(280、140nm)およびMS(ESI,Posモード、110~1000amu)
合成例
当業者は、本明細書に記載の置換基が本明細書に記載の合成方法に適合しない場合、その置換基を反応条件に対して安定な適切な保護基で保護しても良いことを理解するであろう。保護基は、反応順序の適切な時点で除去して、所望の中間体または標的化合物を提供しても良い。適切な保護基、およびそのような適切な保護基を使用して異なる置換基を保護および脱保護する方法は、当業者によく知られている。ある実施態様では、置換基は、使用される反応条件下で反応性であるように特別に選択されることがある。このような状況下では、反応条件によって、選択された置換基は、中間体化合物として有用であるか、または標的化合物中の所望の置換基である別の置換基に変換される。
以下のスキーム(複数可)に記載の一般式化合物およびその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物の合成は、概略以下のように行うことができる。
略号は、実施例の項で定義した通りである。出発物質は、市販されているか、または当業者に公知の方法を用いて市販の出発物質から作られたものである。すべての温度は摂氏で示され、すべての溶媒は入手可能な最高純度であり、すべての反応は特に断らない限りアルゴン雰囲気下、無水条件下で実行される。
本明細書の化合物は、以下のスキームに示される合成手順を用いるか、または熟練した有機化学者の知識を利用することによって得ることができる。このスキームで示される合成は、本明細書に概説される反応との適合性を達成するために、必要に応じて適切に保護された適切な前駆体を用いて、様々な異なる置換基を有する本発明の化合物を製造するために適用可能である。必要に応じて脱保護を行うことにより、一般に開示されているような化合物が得られる。このスキームは、式(I)の化合物のみで示されているが、本発明の化合物を製造するために使用され得るプロセスを例示するものである。
中間体(本発明の化合物の調製に使用される化合物)はまた、塩、溶媒和物または水和物として存在することができる。したがって、中間体に関して、「式(数)の化合物(複数可)」という表現は、その構造式を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を意味する。
本発明はまた、式(I)の化合物の様々な重水素化形態も含む。炭素原子に結合した利用可能な各水素原子は、独立して重水素原子で置換されていても良い。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物の1つ以上の水素原子が、重水素で置換される。当業者であれば、式(I)の化合物の重水素化形態を合成する方法を知っているだろう。
本明細書において、スキームについてさらに説明するように、一般式(I)
Figure 2023533855000065
ここで、R-Rは、式(I)について先に定義した通りである。
Figure 2023533855000066
式(I)の化合物は、遷移金属触媒クロスカップリングのような炭素-炭素形成によって調製されても良い。この反応は、配位子を有するPd(0)、Ni(0)、Pd(II)、またはNi(II)錯体など、これらに限定されないが、PdCl(dppf)、Pd(PPh,Pd(OAc)、Pd(dba)、NiCl(dppf)、およびNiCl(PCy、有機ボロン酸、またはボロン酸エステルまたはトリフルオロボロン酸カリウムとトリフレートなどのハロゲン化物または擬ハロゲン化物の触媒の存在下で、鈴木-宮浦カップリングによって満たされても良い(これらに限定されない)。このようなカップリング反応は、KCO、およびNaCO、NaHCO、CsCO、KPO、KFなどのような穏やかな塩基の存在下に、トルエン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジメチルホルムアミドなどのような適当な溶媒で実施される。適切な塩基、配位子、溶媒、および反応条件、例えば、時間、温度、圧力、雰囲気(例えば、不活性)の選択、反応作業、精製等の選択は、当業者に既知である。
本発明の1つの側面は、式(I)の化合物を製造するためのプロセスである。式(I)の最終化合物は、変換中に任意の保護基が採用される場合、その前駆体から脱保護することにより調製することができる。当業者によく知られている適切なヒドロキシル保護基は、Greene(vide supra)に見出すことができる。脱メチル化の1つのそのような例は、塩化メチレンなどの適切な有機溶媒中で、-78℃~+20℃、好ましくは約-20℃~0℃で約0.5~72時間、三臭化ホウ素を用いることによっても可能である。反応の進行は、薄層クロマトグラフィーまたは高圧液体クロマトグラフィーでモニターする。反応が完了したら、適当な溶媒、例えばメチルアルコールで-78℃~+20℃、好ましくは-20℃~10℃でゆっくりとクエンチし、室温で約1~4時間攪拌を続ける。その後、水を加えることは任意である。過剰の溶媒は蒸留によって除去される。ここで得られた残渣は、典型的なクロマトグラフィー、順相または逆相、および適切な溶媒での再結晶によって精製される。
式(I)の化合物は、本明細書に記載の式(A)などの式(I)の前駆体から、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、テトラヒドロフランなどの適切な有機溶媒中、周囲温度で水素雰囲気下、炭素上の5または10%のパラジウムなどの適切な触媒の存在下で水素化することによって得ることができる。
Figure 2023533855000067
工程1.3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル安息香酸トリエチルアミン塩
3,5-ジヒドロキシ安息香酸(40g、0.26mol、1.0等量)を1L三口丸底フラスコに入れ、濃硫酸(160mL,4容量)を室温で添加した。攪拌しながら水(20mL、0.5容量)を投入した。懸濁液を60-65℃に加熱し、2-プロパノール(25.0mL、0.32mol、1.25等量)を10分かけて反応液に滴下した。この透明な反応混合物を60-65℃で4-8時間撹拌し、室温(~20℃)に冷却した。反応混合物を、オーバーヘッドスターラーを備えた2nd3L3首丸底フラスコ(RBF)中の10℃の水酸化ナトリウム水溶液にゆっくりと移した。水酸化ナトリウム水溶液の温度は、2ndRBF内で10-30℃の間に維持された。反応混合物フラスコを水で洗って完全に移し、tert-ブチルメチルエーテル(TBME、320mL、8容量)を装入し、20~25℃に温め、~30分間攪拌した。2つの層を分離し、水層をTBME(2X160mL,4容量)で抽出した。酒石酸ナトリウムカリウム溶液を合わせたTBME層にチャージし(1N、160mL、4容量)、20-25℃で少なくとも40分間攪拌した。2つの層を分離し、有機層を活性炭ダルコG-60、-100メッシュに通し、カーボンケーキをTBMEで洗浄した。2-プロパノール(90mL、2.25容量)をTBME層にチャージし、トリエチルアミン(36.2mL、1.0等量)を混合物(TBME層+2-プロパノールの溶液)に20-25℃で~15分間にわたってドロップワイズチャージして少なくとも2.5時間撹拌する。生成物はろ過によって分離され、ケーキがTBMEによって洗浄された。タイトル製品を40~50℃にて一晩オーブンで乾燥させた。HPLCによる純度:98%。
工程2.3,5-ジアセトキシ-4-イソプロピル安息香酸
3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル安息香酸トリエチルアミン塩(50.0g、0.17mol、1.0等量)を1L三口丸底フラスコ(RBF)に投入し、続いて室温でtert-ブチルメチルエーテル(TBME,250mL)および2-メチルテトラヒドロフラン(2Me-THF、125mL)を投入した。無水酢酸(38.1mL、0.4mol、2.4等量)およびトリエチルアミン(46.9mL、0.34mol、2.0等量)を撹拌しながら混合物に装入した。懸濁液を60~65℃に加熱し、6~20時間、または3分間のFastLCで反応が完了したとみなされるまで攪拌した。混合物を室温(~20℃)まで冷却し、反応混合物の温度を20~30℃に維持しながら6N塩酸(6NHCl、175mL)をゆっくりとチャージし、少なくとも15分間攪拌した。2つの層を分離し、有機層を水(100mL)で洗浄し、フラスコ内に~3.0容量が残るまで減圧で蒸発させた。トルエン(200mL)を加え、フラスコに2容量残るまで蒸発させた。トルエン(75mL)を加え、混合物を75~80℃に加熱し、少なくとも30分間攪拌した。生成物の懸濁液を室温まで冷却し(~20℃)、シクロヘキサン(200mL)を加え、15~20℃で少なくとも3時間攪拌した。生成物を濾過により単離し、ケーキをシクロヘキサンで洗浄した。表題品を40~50℃にて一晩オーブンで乾燥させた。1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δppm13.07-13.40(br.s,1H)、7.54(s,2H),3.07-3.23(Sep.,1H),2.35(s,6H)、1.18(d,J=7Hz,6H)、HPLCによって精製:97%.
Figure 2023533855000068
文献に報告されている方法に従い、表題化合物を調製した(Xuebin Liao,Levi M.Stanley and John F.Hartwig,J.Am.Chem.SOC.2011,133,2088-2091)に従って調製した。
Figure 2023533855000069
表題化合物は、米国特許第5,919,970号に報告される方法によって調製した。
Figure 2023533855000070
工程1
DCM(45.9mL)中の4-ブロモ-3,5-ジヒドロキシ安息香酸(4.06g、17.42mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(17.65ml、101mmol)の0℃での撹拌溶液に塩化メトキシメチル(5.96ml、78mmol)を追加した。反応混合物をrtに温め、30分間撹拌した後、飽和水性塩化アンモニウム(40mL)でクエンチした。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(3x40mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を80グラムのIscoブランドのシリカカラムを用いて精製し、10~100%EtOAc/ヘプタン(60mL/分)で溶出して、目的化合物を無色アモルファス固体として得た。HNMR(400MHz,CHLOROFORM-d)δppm7.54(s,2H)~5.50(s,2H)~5.33(s,4H)~3.57(s,3H)~3.55(s,6H);LCMS 方法A:t=0.8分,92%;MS(ESI):m/z clear mass.
工程2
ジクロロメタン(DCM~20.64ml)中の4-ブロモ-3,5-ビス(メトキシメトキシ)ベンゾアート(1.055g,2.89mmol)の~78℃での撹拌溶液にDIBAL-H(1分 ヘクサン、8.67ml、8.67mmol)を追加した。反応混合物を0℃に温め、30分間撹拌し、EtOAc(1mL)、次にMeOH(4mL)で反復クエンチを行った。飽和水性酒石酸ナトリウムカリウム(40mL)を加え、得られた混合物を一晩激しく攪拌した。層を分離し、水層をジクロロメタン(3x50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を24グラムのIscoブランドのシリカカラムを用いて精製し、10-100%EtOAc/ヘプタン(35mL/分)で溶出して、所望の生成物を無色オイルとして得た。HNMR(400MHz、CHLOROFORM-d)δppm6.87(s、2H)、5.28(s、4H)、4.66(s、2H)、3.54(s,6H);LCMS 方法A:t=0.64分、94%;MS(ESI):m/z clear mass.
工程3
(4-ブロモ-3,5-ビス(メトキシメトキシ)フェニル)メタノール(490mg、1.595mmol)および二酸化マンガン(1387mg、15.95mmol)のジクロロメタン(DCM、31.908mL)中の溶液をrtで12時間攪拌した。濾液を濃縮し、所望の化合物純製品を無色アモルファス固体として得た。LCMS 方法A:t=0.78分、100%;MS(ESI):m/z307.35(M+2)
工程4
密閉したチューブに、4-ブロモ-3,5-ビス(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド(322mg、1.055mmol)、2-(シクロペント-1-エン-1-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(320μl、1.583mmol)、1N炭酸水素ナトリウム(3590μl)、1,4-ジオキサン(8974μl)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(51.7mg、0.045mmol)。反応混合物を100℃で一晩加熱し、冷却し、EtOAcと水との間で分配した。有機相を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。残渣を12グラムのIscoブランドのシリカカラムを用いて精製し、10~100%EtOAc/ヘプタン(30mL/分)で溶出し、明るい黄色の非晶質固体として目的の生成物が得られた。HNMR(400MHz、CHLOROFORM-d)δppm9.92(s、1H)、7.32(s、2H)、5.88(t、J=2Hz,1H),5.22(s、4H)、3.50(s、6H)、2.66-2.77(m、2H)、2.77(m、2H)、2.57(ddd、J=10,5,2Hz、2H)、2.04(t、J=7Hz、2H);LCMS 方法A:t=0.94分、98%;MS(ESI):m/z293.5(M+H)
工程5
4-(シクロペント-1-エン-1-イル)-3,5-ビス(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド(252mg、0.862mmol)を触媒量の塩化アンモニウム(4.61mg、0.086mmol)を含むメタノール(3451μl)およびオルソホルメートトリメチル(2382μl、21.55mmol)混合液中に溶解させた。混合物を65℃で2.5時間、またはNMRで測定したようにベンズアルデヒドが消費されるまで撹拌した。反応混合物をrtに冷却し、トリエチルアミン(481μl,3.45mmol)で滴下処理した。rtで5分間撹拌した後、水(1.5mL)を加え、その混合物をジエチルエーテル(1.5mL)で希釈した。有機相を分離し、水相をジエチルエーテル(3x10mL)で抽出した。有機相を水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をエタノール(3451μl)に溶解し、水素雰囲気下(40psi)で10%炭素上のパラジウム(22.93mg、0.216mmol)存在下で17.5時間攪拌した。LCMSにより、目的物への変換率は約28%であり、残留物質は約59%であった。追加の炭素パラジウム(22.93mg、0.216mmol)を加え、反応物を水素雰囲気(40psi)にさらに6.5時間(合計24時間)再浸漬した。反応混合物を濾過し、蒸発させた。粗残渣をテトラヒドロフラン(THF、2.374ml)と2NHSO(2.374ml)の1:1混合物に溶解し、rtで2h攪拌した。混合物をEtOAc(1.5mL)および水(1.5mL)で希釈し、有機相を分離した。水相をEtOAc(3x10mL)で抽出し、有機相を水(10mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣を12グラムのIscoブランドのシリカカラムを用いて精製し、0~100%EtOAc/ヘプタン(30mL/分)で溶出し、目的物を無色アモルファス固体として得た。HNMR(400MHz、CHLOROFORM-d)δppm9.89(s、1H)、7.30(s、2H)、5.26(s、4H)、3.77(m、1H)、3.52(s、6H)、1.0(m、1H)、2.0(m,1H)、2.0(m、1H)、3.0(m,1H)、4.0(m、1H)、5.0(m,1H)79-2.04(m、6H)、1.63-1.76(m、2H);LCMS 方法A:t=1.01分、92%;MS(ESI):m/z295.5(M+H)
工程6
無水ジクロロメタン(833uL)中の4-シクロペンチル-3,5-ビス(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド(100mg、0.340mmol)の溶液に、無水ジクロロメタン(DCM、3.331mL)中のmCPBA(64.5mg、0.374mmol)をゆっくり添加した。反応混合物をrtまで温め、12時間還流させた。rtまで冷却後、溶液をDCM(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮した。
残渣をメタノール(0.67ml)に再溶解し、10%水酸化ナトリウム(0.679ml,16.99mmol)を加えてrtで3時間撹拌し、1N HClでpHを2に調整し、ジクロロメタン(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣を4グラムのIscoブランドのシリカカラムを用いて精製し、0-100%EtOAc/ヘプタン(18mL/分)で溶出して、目的の化合物を黄色非晶質固体として得た。HNMR(400MHz,CHLOROFORM-d)δppm6.35(s、2H)、5.15(s、4H)、4.63(s、1H)、3.59(m、1H)、3.50(s、6H)、1.62(m、1H),1.72-1.98(m、6H)、1.61-1.72(m、2H);LCMS 方法A:t=0.89分、95%;MS(ESI):m/z283.5(M+H)
工程7
N,N-ジメチルホルムアミド(DMF、323μl)中の4-シクロペンチル-3,5-ビス(メトキシメトキシ)フェノール(25.1mg、0.089mmol)の溶液にトリエチルアミン(24.78μl、0.178mmol)と1,1,1-トリフルオロ-N-フェニル-N-((トリフルオロメチル)スルホニル)メタンスルホンアミド(47.6mg,0.133mmol)とを添加した。混合物をrtで1時間攪拌した。1時間後、反応の進行状況をLCMSで分析したところ、出発物質の完全な消費と生成物への変換が確認された。次に、反応混合物を濃縮し、粗生成物をEtO(2.5mL)で希釈し、水(3x5mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(5mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣を4グラムのISCOシリカゲルカラム(5~100%EtOAc/ヘプタンで溶出)を用いて精製し、目的物を無色オイルとして得た。HNMR(400MHz,CHLOROFORM-d)δppm6.75(s、2H)、5.18(s、4H)、3.66(m、1H)、3.50(s、6H)、1.76-1.98(m、6H)、1.63-1.75(m、2H);LCMS 方法A:t=1.18分、100%;MS(ESI):m/z413.4(M-H)
Figure 2023533855000071
工程1
DCM(20mL)中のイソキノリン-3-オール(300mg,2.067mmol)および1,1,1-トリフルオロ-N-フェニル-N-((トリフルオロメチル)スルホニル)メタンスルホンアミド(923mg、2.58mmol)の溶液にTEA(0.864mL、6.20mmol)を追加した。混合物を室温で2時間撹拌し、水(25mL)で希釈し、DCM(30mLX2)で抽出した。DCM溶液を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥し、濃縮した。粗物質を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=50/1で溶出)で精製し、イソキノリン-3-イルトリフルオロメタンスルホン酸(350mg、1.136mmol、55.0%収量)を無色液体として得た。LCMS 方法A:t=1.77分、100%;MS:m/z277.8(M+H)
工程2
窒素雰囲気下、トルエン(2mL)および水(0.500mL)中のイソキノリン-3-イルトリフルオロメタンスルホネート(100mg、0.361mmol)および2-(4-イソプロピル-3,5-ジメトキシフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(133mg,0.433mmol)の混合物にNaCO(76mg,0.721mmol)を追加した。反応混合物を80℃で5時間撹拌し、冷却し、逆相クロマトグラフィー(Combi Flash 50g逆相C18カラム;30分かけて0.01%TFAを含む水中20-50%MeOHグラジェント)により精製した。分画を合わせ、濃縮した。残渣を水で再結晶し、凍結乾燥させて、3-(4-イソプロピル-3,5-ジメトキシフェニル)イソキノリン(90mg,0.190mmol,52.8%収率)を白色の固体として得た。LCMS 方法A:t=1.81分、61%;MS:m/z307.9(M+H)
工程3a 方法A
ジクロロメタン(DCM、2mL)中の3-(4-イソプロピル-3,5-ジメトキシフェニル)イソキノリン(90mg、0.293mmol)の溶液に、0℃でBBr(0.138mL、1.464mmol)を追加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、逆相クロマトグラフィー(Combi Flash 50g逆相C18カラム;MeOHを用いて負荷;10mMTFAを含む20-50%MeOH/Waterで30分かけて溶出)で精製した。生成物を含む適切なフラクションを合わせ、水で再結晶し、凍結乾燥させて、表題化合物、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオル(80mg、0.272mmol,93%収量)を黄色固体として得た。HNMR(400MHz、MeOD)δ9.65(s,1H)、8.48(s、1H)、8.44(d、1H)、8.26(d,1H)、8.16(t、1H)、7.96(t、1H)、6.83(s、2H)、3.63(sep..)、1H)、1.37(d、6H);LCMS 方法A:t=1.79分、100%;MS:m/z280.2(M+H)
Figure 2023533855000072
工程3b-1
ジクロロメタン(DCM、2mL)中の3-(4-イソプロピル-3,5-ジメトキシフェニル)イソキノリン(3.8g、12.36mmol)の溶液に、BBr(5.84mL、61.8mmol)を加えた。反応混合物を0°Cで1時間撹拌した。溶液を真空中で濃縮し、飽和NaHCOで希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機物をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥し、濃縮して、さらに精製することなく使用した所望の化合物を得た。LCMS 方法B:t=1.88分、53%;MS(ESI):m/z359.5(M+2)
工程3b-2
メタノール(30mL)中の4-ブロモ-2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール(3.4g,9.49mmol)の溶液に10%Pd/C(400mg)を添加した。混合物をHの雰囲気下、室温で1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、真空中で濃縮して、2.7gの粗生成物を得、これを逆相クロマトグラフィー(C18カラム;移動相、A:10mMTFA水溶液;B:MeOH;勾配:10分、9-71%B)により精製して、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールを灰色の固体とし得ることを見出した。HNMR(500MHz、MeOD)δ9.26(s、1H),8.10(d、1H)、8.06(s、1H)、7.96(d、1H)、7.79(t、1H)、7.66(t、1H)、6.97(s、2H)、3.59(sep..)、1H)、1.37(d,6H);LCMS 方法B:t=2.08分、98.4%;MS(ESI):m/z280.0(M+H)
Figure 2023533855000073
第0ステージ
イソキノリン-3-イルトリフルオロメタンスルホネート
DCM(6容量)を反応器に投入し、続いてイソキノリン-3-オール(1.0等量),EtN(1.45等量)およびN-ベンジル-ビス-トリフルオロメタンスルホンイミド(1.1等量)を添加した。反応混合物を20~35℃で2~3時間撹拌した。完了後、水(10容量)を反応混合物に投入し、15分間撹拌した。有機層と水層を分離した。有機層を水(10容量)で洗浄した。有機層と水層を分離し、有機層をNaSO上で乾燥させた。次に、有機層をろ過してNaSO24を除去し、減圧下、35~40℃で濃縮して、黒色液体として粗製物を得た。この粗製物を反応器に装入した。酢酸エチル(6.0容量)、次いで木炭(0.1w/w)を添加した。内容物を55~60℃で30分間加熱し、その後20~35℃に冷却した。内容物をセライトで濾過し、酢酸エチル(5容量)で洗浄した。合わせた有機層を減圧下、40~45℃で濃縮し、暗褐色の液体を得た。この暗褐色液体を反応器に投入し、次いでヘプタン(20容量)を加え、60~65℃で1時間加熱した。ヘプタン層を40-45℃で減圧濃縮し、2~8℃で固体化する淡黄色液体として所望の生成物である化合物6を得た。
第1ステージ
1-(2,6-ジメトキシフェニル)エタノン
2,6-ジヒドロキシアセトフェノン(1.0等量)と炭酸カリウム(5.0等量)をアセトン(14容量)に取り込み、20~35℃とした。同温度のまま、内容物に硫酸ジメチル(2.5等量)を加えた。内容物を60~65℃(還流)に2~3時間加熱し、IPC-HPLCでモニターした。反応混合物を20~35℃に冷却し、塩を濾過し、アセトン(5容量)で洗浄した。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、粗液体生成物を得た。この粗液体に水(30容量)を加え、20~35℃で1時間攪拌した。得られた固体を濾過し、水(5容量)で洗浄した後、ウェットケーキを丸底フラスコに移した。飽和NaHCO(10容量)を加え、内容物を1時間撹拌した。内容物を濾過して固体を除去し、固体を水(ロット-3、5容量)で洗浄し、生成物化合物2をオフホワイトの固体として得ることができた。次に、この固体を、KFの測定値が<1%を示すまで40~45℃で乾燥させた。
第2ステージ
1,3-ジメトキシ-2-(プロプ-1-エン-2-イル)ベンゼン
MeMgBr(1.4M,1.5等量)を20~35℃で窒素下に丸底フラスコに加えた。内容物を0~10℃に冷却した。次に、THF(10容量)に溶解した化合物2(1.0等量)の溶液を、温度を0~10℃に維持しながら、冷却したグリニャール溶液に添加した。反応混合物を室温に温め、2時間撹拌した。2時間後、反応混合物を0~10℃に冷却した。この後、酢酸エチル(7容量)を加え、30分間撹拌した。層を分離させ、水層を酢酸エチル(3.5容量)で抽出した。有機画分を合わせ、水(10容量)で洗浄した。層を分離させ、水層を捨て、有機層を再び水(10容量)で洗浄した。層を分離させ、水層を廃棄し、有機層をsat.NaHCOで洗浄した。NaHCO(10容量)で洗浄した。この層は再び分離させ、sat.NaHCO層を廃棄し、有機層を水(10容量)で最後に洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させた。乾燥後、硫酸ナトリウムを濾過し、40~45℃で減圧下溶媒を除去して、1,3-ジメトキシ-2-(プロプ-1-エン-2-イル)ベンゼン化合物3を粗液として得て、次のステージでそのまま使用しました。
第3ステージ
2-イソプロピル-1,3-ジメトキシベンゼン
酢酸エチル(10容量)を反応器に投入し、続いて1,3-ジメトキシ-2-(プロプ-1-エン-2-イル)ベンゼン(1.0等量)を加え、25~35℃で溶液が透明となるまで攪拌した。10%Pd/C(0.1w/w)を反応器に加え、内容物を真空下でパージしてからH下に置いた。その後、内容物を25~35℃で4時間撹拌した。この後、反応混合物をセライトでろ過し、酢酸エチル(5容量)で洗浄した。合わせた有機画分を40-45℃で真空下に減圧して、2-イソプロピル-1,3-ジメトキシベンゼン化合物4を粗液として得て、これをそのまま次の段階で使用した。
第4ステージ
2-(4-イソプロピル-3,5-ジメトキシフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン
THF(7容量)を反応器に投入し、Nで30分間脱気した。イリジウム触媒(0.0081等量)、触媒配位子(0.017等量)、ビスピナコラトジボロン(1.0等量)および2-イソプロピル-1,3-ジメトキシベンゼン(1.0等量)を順に反応器に添加した。反応混合物を80℃で60時間還流し、内容物をセライト(0.5w/w)を通して濾過し、酢酸エチル(2.5容量)で洗浄した。合わせた有機層を40~45℃で真空下に減圧して、粗生成物を濃厚な黒色シロップとして得、これをヘキサン(5容量)から結晶化して、2-(4-イソプロピル-3,5-ジメトキシフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン化合物5を薄茶色固体として得ることができる。
第5ステージ
3-(4-イソプロピル-3,5-ジメトキシフェニル)イソキノリン
1,4-ジオキサン(8容量)および水(2容量)を反応器に装入し、20分間脱気した。化合物6(1.3等量)を反応器に投入し、10分間脱気した。2-(4-イソプロピル-3,5-ジメトキシフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(化合物5、ステージ4製品、1.0等量)を加え、さらに10分間脱気した後にパラジウム触媒(0.1等量)を投入した。反応混合物を20~35℃に冷却し、水(20容量)を反応器に投入し、内容物を1-2時間撹拌した。内容物をブフナー漏斗でろ過し、水(5容量)で洗浄すると、粗黒色固体が生成した。この固体を酢酸エチル(10容量)中に取り込み、反応器に装入した。20~35℃に冷却した後、セライトでろ過し、固体を酢酸エチル(2.5容量)で洗浄した。この有機層を減圧下、40~45℃で濃縮し、粘性のある液体を得た。この液体にヘプタン(1.0容量)を加え、蒸留した。ヘプタン(0.5容量)を加えて再び蒸留し、3-(4-イソプロピル-3,5-ジメトキシフェニル)イソキノリン化合物7を茶色固体として得た。
第6ステージ
2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール
2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール化合物7(1.0等量)を反応器に投入し、酢酸中33%HBr(15容量)を20-35℃で添加した後、95-100℃で24時間加熱した。次に、内容物を水(25容量)の入った第二の反応器に移し、20-35℃で2時間撹拌した。生成した塩をブフナー漏斗でろ過し、水(5容量)で洗浄した。この湿ったソルトケーキを反応器に添加した。酢酸エチル(10容量)を反応器に添加し、次いでsat.NaHCOsoln.(10容量)を加えた。内容物を20-35℃で30分間攪拌した。攪拌を停止し、層を分離させた。水性層をデカントオフし、有機層を水(10容量)で洗浄した。相を分離させ、水層を抜き取り、有機層をNaSO上で乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過し、酢酸エチル(5容量)ですすいだ。結合した有機層を40~45℃で真空下に減容し、粗遊離塩基を暗黒固体として得た。粗フリーベースを反応器に投入し、酢酸エチル(6.7容量)、シリカ(1.0w/w)、最後に炭(1.0w/w)を20~35℃で添加した。内容物を60-70℃で1時間加熱し、20~35℃で冷却した。内容物をセライト(0.5w/w)で濾過し、酢酸エチル(3.35容量)で洗浄した。合わせた有機層を蒸留により減圧し、グミ状固体を得た。ヘプタン(1.34容量)を反応器に装入し、内容物を再び蒸留して減量した。ヘプタン(1.34容量)を再び反応器に装入し、内容物を蒸留して薄茶色の固形物を得た。1,4-ジオキサン(10容量)、シリカ(1.0w/w)および炭(1.0w/w;Noret CGP)を20~35℃の反応器に装入した。内容物を60~70℃に1時間加熱した後、20~35℃に冷却した。内容物をセライト(0.5w/w)を通して濾過し、1,4-ジオキサン(ロット-2、3×5容量)で洗浄した。合わせた有機層を40~45℃で真空下に還元して、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、式8の化合物をオフホワイトの固体として得た。
第7ステージ
2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール
2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、式8の化合物を反応器に投入し、続いて20~35℃のイソプロピルアルコールを投入した。この不均一な混合物を透明な溶液になるまで65-70℃に加熱し、次にヘプタンを65~70℃で20~30分かけてゆっくりと添加した(16容量)。この固体を20-35℃で濾過し、ヘプタン(2容量)で洗浄すると、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールがオフホワイトの固体として得られた。
実施例2 3-(3-アミノプロポキシ)-2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)フェノール、ビス-トリフルオロ酢酸塩
N,N-ジメチルホルムアミド(DMF,4mL)中の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール(185mg、0.662mmol)の溶液に、60%水素化ナトリウム油分散液(35mg、0.875mmol)を室温で磁気撹拌しながら添加した。水素発生が停止した後、tert-ブチル(3-ブロモプロピル)カルバメート(178mg,0.748mmol)を添加した。得られた混合物を50℃で一晩加熱した。LCMSにより、出発物質、モノアルキル化およびジアルキル化生成物の混合物(ほぼ1:1:1)を明らかにした。混合物を冷却し、水(25mL)でクエンチし、濾過して緑がかった灰色の固体を回収した。粗物質をMeOHに溶解し、Gilson prep-HPLC[Agilent Eclipse plus C18カラム(5μm、30x50mm)でルナ酸を使用,勾配30-60 %アセトニトリル/水、0.1%TFA、流速47mL/分、14分ランタイム14分、フラクション採取3.5分~4.2分]により精製した。対応するフラクションの蒸発からLCMSでm/z=437.5(M+1)の残留物をDCM(5mL)に溶かし、TFA(1mL)でrtで一晩処理した。反応混合物を減圧下で濃縮乾固して、所望の化合物を黄色の非晶質固体として得た。HNMR(400MHz,METHANOL-d)ppm9.76(s、1H)、8.61(s、1H)、8.48(d、J=8Hz、1H)、8.29(d、J=8Hz、1H)、8.19(t、J=7Hz、1H)、7.97(t、J=7Hz、1H)、6.98-7.11(m、2H)、4.0-4.5(m、1H)、5.5-5.5(m、1H)、6.5-5.5(m、1H)、6.5-5.5(m、1H)、6.5-5.5(m、1H)26(t、J=6Hz、2H)、3.69(dt、J=14、7Hz、1H)、3.24(t、J=8Hz,2H)、2.18-2.35(m,2H)、1.37(d、J=7Hz、6H);LC/MS:m/z=337.3(M+1)、t=0.52min、100%.
実施例3 N-(2-アミノエチル)-3-(3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピルフェニル)イソキノリン-6-カルボキサミド
Figure 2023533855000074
工程1
メタノール(10mL)中の6-ブロモイソキノリン-3(2H)-オン(5g、22.32mmol)、PdCl(dppf)(1.633g、2.232mmol)およびEtN(6.22mL、44.6mmol)の混合物を圧力容器に仕込んだ。容器内を窒素で3回パージし、300kPaの一酸化炭素をチャージし、100℃で20時間加熱した。反応混合物を冷却し、濃縮して、粗メチル3-オキソ-2,3-ジヒドロイソキノリン-6-カルボキシレートを黄色固体として得、これは次の工程で直接使用した。LCMS:m/z=204.0,t=1.19分。
工程2
POCl(5mL)中の3-オキソ-2,3-ジヒドロイソキノリン-6-カルボキシラート(1g,2.461mmol)およびピリジン(0.389g,4.92mmol)の密閉管内溶液を160℃で16時間撹拌した後、冷却して氷水(20mL)に注いだ。固体を濾過し、酢酸エチル(30mL)に溶解した。濾液を酢酸エチル(10mLX3)で抽出した。合わせた有機相を水/ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、vacuoで濃縮した。残渣をシリカゲル(30g)上の石油エーテル/ジクロロメタン/メタノール(1/1/0.05)でカラムクロマトグラフィーにより精製し、3-クロロイソキノリン-6-カルボン酸メチル(130mg,0.557mmol、22.64%収率)を黄色固体として得た。HNMR(400MHz,DMSO-d6)δppm=9.34(s、1H)、8.67(s、1H)、8.30(d、J=12.0、2H)、8.14(d、J=8.8、1H)、3.96(s、3H);LCMS:m/z=221.9、t=1.57分。
工程3
メチル3-クロロイソキノリン-6-カルボキシレート(100mg、0.451mmol)、2-(4-イソプロピル-3,5-ジメトキシフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランの混合物(145mg、0.474mmol)、NaCO(143mg、1.354mmol)、およびPdCl(dppf)(33.0mg、0.045mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)および水(1.0mL)中、窒素下で100℃、16時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去した。LCMS:m/z=365.9(M+1),t=1.94min,80%.粗生成物(150mg)をそのまま次の工程で使用した。
工程4
THF(4mL)および水(4.00mL)中のメチル3-(4-イソプロピル-3,5-ジメトキシフェニル)イソキノリン-6-カルボキシレ-ト(150mg、0.410mmol)およびNaOH(49.3mg、1.231mmol)の混合物を窒素下にてrtで16時間撹拌した後に水(10mL)で希釈した。混合物を酢酸エチル(15mLX3)で洗浄し、1NHClでpH1-2に調整し、酢酸エチル(15mLX3)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、3-(4-イソプロピル-3,5-ジメトキシフェニル)イソキノリン-6-カルボン酸(100mg)を淡黄色固体として得た。この粗生成物を次のステップで使用した。LCMS:m/z=351.9(M+1)、t=1.72分、82%.
工程5
N,N-ジメチルホルムアミド(DMF、5mL)中の3-(4-イソプロピル-3,5-ジメトキシフェニル)イソキノリン-6-カルボキシル酸(100mg、0.285mmol)、HATU(162mg、0.427mmol)およびDIEA(0.149mL,0.854mmol)の溶液を窒素下にてrtで1時間攪拌した。Tert-ブチル(2-アミノエチル)カルバメート(54.7mg、0.341mmol)を添加した。反応混合物を25℃で12時間撹拌し、氷水(10mL)でクエンチし、酢酸エチル(15mLX5)で抽出した。合わせた有機相を水/ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、vacuoで濃縮した。残渣を分取HPLC(GeminiC18150x21.2mm、5um、1回注入移動相)で精製した。ACN-HO、gradient:10-60%)により、tert-ブチル(2-(3-(4-イソプロピル-3,5-ジメトキシフェニル)イソキノリン-6-カルボキサミド)エチル)カルバメート(70mg,0.135mmol,47.3%yield)を淡黄色固体として得ることができた。HNMR(400MHz,DMSO-d6)δppm=9.47(s、1H)、8.79(t、1H)、8.56(s、1H)、8.53(s、1H)、8.22(d、J=8.8,1H)、8.04(d、J=8.4,1H)、7.49(s、2H)、6.98(t、1H)、3.91(s、6H)、3.64-3.57(m、1H)、3.37(dd、2H)、3.17(d、J=5.6,2H),1.39(s、9H)、1.28(d、J=7.2、6H);LCMS:m/z=493.8(M+1)、t=1.77分、95%。
工程6
窒素雰囲気下、-30℃で撹拌したDCM(10mL)中のtert-ブチル(2-(3-(4-イソプロピル-3,5-ジメトキシフェニル)イソキノリン-6-カルボキサミド)エチル)カルバメート(60mg、0.122mmol)の溶液にBBr(0.575mL,6.08mmol)を追加した。反応混合物を25℃で3時間撹拌し、氷上に注ぎ、pH=7までNaOH(1N)で中和し、EtOAc(10mL X 5)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。淡黄色残渣を分取HPLC(Gemini C18 150x21.2mm 5um、移動相)で精製した。0.1%TFAを有するACN-HO、gradient:10-30%)により、N-(2-アミノエチル)-3-(3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピルフェニル)イソキノリン-6-カルボキサミド(30mg,0.080mmol、66.2%yield)を黄色固体として得ることができた。HNMR(400MHz、DMSO)δppm9.42(s、1H)、9.26(s、1H)、8.56(s、1H)、8.41(s、2H)、8.20(d、J=8.4、1H)、8.11(s、1H)、8.05(d、J=8.4,1H)、8.05(d、J=8.4、1H)、8.05(s、J=8.3,1H)、8.46(s、1.4,1H)、8.56(s、2H、1H)4、1H)、7.15(s、2H)、4.20(brs、2H)、3.54-3.47(m,3H)、3.00(s、2H)、1.29(d,J=6.8,6H);LCMS:m/z=365.9(M+1)、t=1.200分、98.7%。
実施例4:2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの結晶形のスクリーニング
2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールについて結晶形スクリーニングを行った。このスクリーニングは60の溶媒系を用いた約160回の実験からなり、以下の16種類の結晶形を確認した:非溶媒和物(グループA)、2つの水和物(グループMとH)、8つの安定な有機溶媒和物、および常温では不安定で他の形に変換される5つの推定される有機溶媒和物。
全実験160回のうち、83回で分析用の固体を得ることができた。そのうち39の実験では非溶媒和物であるA群(2群とも呼ばれる)が得られ、22では非晶質が得られ、水和物が得られたのは5のみ(H群3、M群2)、残りの17では残りの13の観察形態のうち1つが得られまた。これらの結果を以下の表1および表2に視覚的に示した。
Figure 2023533855000075
Figure 2023533855000076
Figure 2023533855000077
いくつかの実施形態は、式(A)の化合物
Figure 2023533855000078
またはその塩を処理する工程を含む、式(I)の化合物の製造工程を記載し、
は、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたC4-6シクロアルケニル、ハロ、シアノ、-C(O)OR、-NR10、-S(O)NR10、-C(O)R11、-OR12、-S(O)13、任意に置換された複素環からなる群より選択され、
は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択され、
およびR10の各々は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、またはその代わりに、RおよびR10が、それらが結合する窒素原子と共に、5~7員環状飽和もしくは不飽和環を形成するものからなる群より選択され、
11は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シロアルキル、-NR10、および-OR12からなる群より選択され、
12およびR13の各々は、独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、および任意に置換されたC3-6シロアルキルからなる群より選択され、
は、H、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置換されたC1-6アルキル、ハロゲン化アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択され、
nは、0、1、または2の値を有する整数であり、
sは、0、1、または2の値を有する整数であり、
tは0~6の値を有する整数であり、
5cは、H、ハロ、任意に置換されたC1-6アルキル、-C(O)OR14、-C(O)NR1516、アリール、および-C1-6アルキルアリールからなる群から選択され、
14は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択され、
15およびR16の各々は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、および任意に置換されたC3-6シクロアルキルからなる群より選択され、代替的にR15およびR16は、それらが結合する窒素と共に5~7員環状飽和または不飽和環を形成し、
4cは、H、ハロ、シアノ、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、-(CR1819COOR、-(CR1819OC(O)R、-(CR1819NR10、-(CR1819C(O)NR10、-(CR1819NRC(O)R、-(CR1819S(O)NR10、-(CR1819COR11、-(CR1819CH(O)、-(CR1819OR12,-(CR1819S(O)13、任意に置換された複素環、および任意に置換された複素環C1-6アルキル、および
18およびR19の各々は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群より独立して選択され、
塩化メチレンなどの適当な有機溶媒に溶解した三臭化ホウ素と、十分な時間および温度で撹拌しながら、CHOHなどの適当なアルコールを加えて、式(I)の化合物を得ることができ、ここでRは水素である。
本発明の別の態様は、式(B)の化合物
Figure 2023533855000079
またはその塩を処理する工程を含む、式(I)の化合物を製造するプロセスであって、
式中
は、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたC4-6シクロアルケニル、ハロ、シアノ、-C(O)OR、-NR10、-S(O)NR10、-C(O)R11、-OR12、-S(O)13、および任意に置換された複素環からなる群から選択され、
は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択され、
およびR10の各々は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、または代替的に、RおよびR10が、それらが結合する窒素原子と共に、5~7員環状飽和もしくは不飽和環を形成するものからなる群より選択され、
11は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、-NR10、および-OR12からなる群より選択される。
12およびR13の各々は、独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキルおよび任意に置換されたC3-6シロアルキルからなる群から選択され、
nは、0、1、または2の値を有する整数であり、
sは、0、1、または2の値を有する整数であり、
tは、0~6の値を有する整数であり、
5bは、H、ハロ、任意に置換されたC1-6アルキル、-C(O)OR14、-C(O)NR1516、アリールおよび-C1-6アルキルアリールからなる群から選択され、
14は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択され、
15およびR16の各々は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、および任意に置換されたC3-6シクロアルキルからなる群から選択され、代替的に、R15およびR16はそれらが結合する窒素と共に5~7員環状飽和または不飽和環を形成し、
4bは、H、ハロ、シアノ、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シロアルキル、-(CR1819COOR、-(CR1819OC(O)R、-(CR1819NR10、-(CR1819C(O)NR10、-(CR1819NRC(O)R、-(CR1819S(O)NR10、-(CR1819COR11、-(CR1819CH(O)、-(CR1819OR12、-(CR1819S(O)13、任意に置換された複素環、および任意に置換された複素環C1-6アルキル、および
18およびR19の各々は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群より選択され、および
周囲温度で水素雰囲気下、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、テトラヒドロフランなどの適当な有機溶媒中、炭素上の5~10%のパラジウムなどの水素化条件で行い、式(I)の化合物を得、ここでRは水素である。
本発明の別の態様は、式(II)
Figure 2023533855000080
の新規な中間体化合物であり、
式中
およびRの各々は、独立して、OH、OR、およびHからなる群より選択され、ただし、RおよびRの少なくとも1つは-OHまたは-ORであり、
は、独立して、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、アリールC1-6アルキル、およびアシルからなる群から選択され、
は、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたC4-6シクロアルケニル、ハロ、シアノ、-C(O)OR、-NR10、-S(O)NR10、-C(O)R11、-OR12、-S(O)13、及び任意に置換された複素環からなる群より選択され、
は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択され、
およびR10の各々は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群より選ばれるか、あるいは代替的に、RおよびR10が、それらが結合する窒素原子と共に、5~7員環状飽和または不飽和環を形成し、
11は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、-NR10、および-OR12からなる群より選択され、
12およびR13の各々は、独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキルおよび任意に置換されたC3-6シロアルキルからなる群より選択され、
は、H、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置換されたC1-6アルキル、ハロゲン化アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択され、
nは0、1または2の値を有する整数である。
いくつかの実施形態では、式IIのRが任意に置換された部位である時、その部位は独立して1回または複数回置換されていても良い。いくつかの実施形態では、式IIのRが任意選択的に置換された部位である時、その部位は独立して1~3回置換されていても良い。いくつかの実施形態では、部位は、ハロ、ヒドロキシ、C1-3アルコキシ、C1-3アルキル、アリールまたはアリールアルキルで独立して1~3回任意選択的に置換されていても良い。
ある実施形態では、式IIのRは、任意に置換されたC3-6アルキルまたは任意に置換されたC3-6シクロアルキルである。ある実施形態では、C3-6アルキルは、イソプロピル、n-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、2-メチルブチル、n-ヘキシル等からなる群から選択される。一実施形態において、アルキルは、イソプロピル基またはt-ブチルである。別の実施形態では、アルキルは、イソプロピルである。一実施形態において、シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。別の実施形態では、シクロアルキルは、シクロペンチルである。
いくつかの実施形態では、式IIのRはHである。
バイオデータ
上記のように、本明細書に記載される任意の実施形態による化合物は、AhRの調節因子であり、炎症性成分を示すヒト疾患の治療または予防に有用である。
本明細書に記載の任意の実施形態による化合物の生物学的活性は、AhRのアゴニストまたはアンタゴニストとしての候補化合物の活性を決定するための任意の適切なアッセイを使用して、ならびに組織およびインビボモデルを使用して、決定することができる。
本明細書に記載された任意の実施形態による化合物の生物学的活性は、以下の試験により実証される。
実施例5:CYP1A1-bla LS-180 AhRアゴニストアッセイ
CYP1A1プロモーターに結合したβラクタマーゼ遺伝子レポーター構築物を安定的にトランスフェクトしたLS-180細胞(CYP1A1-bla LS-180細胞と呼ぶ)を用いて、化合物のAhR活性化能力を特性評価した。CYP1A1 プロモーターの下流にβラクタマーゼ(bla)レポーター遺伝子を配置し、基質を代謝して蛍光を発するLiveBLAzerアッセイキットを用いて、AhR活性を簡単に測定した。アゴニストアッセイでは、CYP1A1-blaLS-180細胞を10万倍の濃度範囲で化合物の濃度を増加させながら処理した。
指数増殖期のCYP1A1-bla LS-180細胞をDPBSで2回洗浄後、96ウェルマイクロプレートに播種し(50,000細胞/ウェル)、接着させた。その後、調製した化合物(完全培地中の2倍作業濃度)をウェルに添加し、細胞を20時間培養した。LiveBLAzer FRET B/G β-ラクタマーゼ基質は培養の最終時間に添加し、得られた青/緑の蛍光を96ウェルのマイクロプレートリーダーで測定した。
AhR活性は、蛍光共鳴エネルギー移動法を用いた読み出しにより、β-lactamase発現の関数として測定された。システムの検証のため、TCDDとFICZをコントロールとして使用した。予想通り、TCDDで処理したCYP1A1-bla LS-180細胞は従来の用量反応関係を示し、TCDDはInvitrogen社の報告(pEC50=9.70)と同様の力価(pEcucC50=10.34)を示した。FICZで処理したCYP1A1-bla LS-180細胞も通常の用量反応関係を示し、文献から予測されるように、FICZはTCDDよりもはるかに低い効力(pEC50=6.82)を示した。
これらの実験について、実施例1~3として表される本発明の化合物は、ポジティブな反応とみなされる≧6.0のpEC50(EC50≦1μMを表す)を実証した。
実施例6:CYP1A1-bla LS-180 AhRアンタゴニストアッセイ
化合物のアンタゴニスト能力を評価するために、同様のアッセイを用いた。指数増殖期のCYP1A1-bla LS-180細胞をDPBSで2回洗浄後、96ウェルマイクロプレートに播種し(50,000cell/well)、接着させた。FICZまたはTCDDのいずれかをアゴニストとして添加し、2時間後に調製した化合物(完全培地中の2倍作業濃度)を添加した。細胞は20時間ほど培養した後、アロステリックまたは部分的アゴニスト活性を評価する手段として、FICZ-またはTCDD-誘導のAhR活性化を競合する化合物の能力をテストした。LiveBLAzer FRET B/G β-ラクタマーゼ基質をインキュベーションの最終時間に添加し、得られた青/緑の蛍光を、上記のように96ウェルのマイクロプレートリーダーを用いて測定した。
2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールで表される本発明の化合物は、このアッセイにおいて陰性であることが判明した。
実施例7 CD4+T細胞IL17アッセイ
AhRの活性化は、免疫系の転写調節を修正することが示されており、特にTh17とTreg細胞の分化に影響を与える可能性がある。したがって、化合物は、Th17串刺し条件下で刺激されたCD4+T細胞からのIL-17産生を減少させる能力について評価される。凍結保存したヒトCD4T細胞(AllCells,LLC,Alameda,CAおよびStemcellTechnologies,Inc.バンクーバー、カナダ)は、10%HI-FBS、55μM2-メルカプトエタノールおよび可溶性抗CD28(3μg/mL)を含むIscove改変ダルベッコ培地(IMDM)中のCD3コート組織培養プレート(2μg/mL)で5日間培養することによりTh17サブタイプに分化し、Th17スキングカクテル[IL-1β(10ng/mL)、IL-6(30ng/mL)、TGFβ(0.5ng/mL)、IL-21(10ng/mL)、IL-23(10ng/mL)、抗IFNγ(10μg/mL)および抗IL-4(10μg/mL)]を連続希釈した化合物の存在下または非存在下で測定した。化合物の有無にかかわらずTh17偏光試薬に5日間曝露した後、偏光CD4+T細胞からのIL-17の分泌を、MSD(Meso Scale Discovery)検出システムを使用して培養液中で測定した。
これらの実験について、本発明の化合物はすべて、IL-17阻害について肯定的な反応とみなされる6.0以上のpIC50(IC50≦1μMを表す)を示した。
実施例8:IMQ-マウスによるインビボ抗炎症活性モデル
AhRアゴニスト化合物の有効性は、乾癬のマウスモデル、具体的には、イミキモド(IMQ)投与マウスモデルで観察されている(Di Meglio et al.,(2014)Immunity,40(6):989-1001,and Smith et al,(2017)J Invest Dermatol,137(10),2110-2119,を参照されたい)。式(I)の化合物の生物学的活性は、インビボでの抗炎症活性の証拠について、このマウスモデルで試験された。
雌のBALB/cマウス(BALB/cByJRj)は、Janvier(フランス)から購入した。マウスは、SAFE(フランス)からの通常の食事A04Cを食べ、アドリビタムを飲むことができる。BALB/c JByRj雌マウス(試験開始時8週齢)は、イミキモド(IMQ)クリーム(5%)またはバニクリーム(非炎症性不活性クリーム)で処置される。3日間の前処置の後、試験終了まで毎日(IMQの各処置の2時間前)、同じ皮膚部位に100μLの化合物を局所的に処置する。マウスは試験期間中、臨床症状の変化についてモニターされる。患部の背部皮膚は組織学およびqPCRにより化合物の有効性の証拠を確認するために検査される。
2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールで表される式(I)の化合物の生物活性は、このマウスモデルにおいて、インビボでの抗炎症活性の証拠について試験された。皮膚組織学的分析では、イミキモドによって誘発された表皮の肥厚を減少させることができることが証明されました。皮膚の遺伝子発現データは、IL-17AとIL-17Fの発現が、この化合物によって有意に抑制されることを明らかにしました。
実施例9:本発明化合物のAhRアゴニストとしての作用機序とタピナロフとの類似性
Tapinarofは、アトピー性皮膚炎および乾癬の治療を目的として開発中のファーストインクラスの外用薬です。Tapinarofの生物学的プロファイルは、TCS、TCI、ビタミンDアナログ、その他の免疫抑制剤など、現在炎症性皮膚疾患の治療に用いられている他の抗炎症・免疫調節分子とは異なる。現在得られているすべてのデータは、タピナロフがAhRとNrf2抗炎症経路の二重活性化を含む新しいメカニズムによって皮膚で薬理作用を発揮することを示し、それによってタピナロフはAhR調節薬(TAMA)であると特定されたのである。タピナロフは、AhR経路の活性化の下流にあるインターロイキン[IL]-6、IL-17A、eotaxin-3などの炎症性メディエーターを特異的に抑制することが示された。さらに、タピナロフを投与すると、化学的酸化還元ストレスを受けたケラチノサイトの活性酸素種が減少し、マイクロモル領域で細胞のアポトーシスが誘発された。
AhRと抗炎症活性の直接的な関連性は十分に解明されておらず、他の化合物がAhRを介した負債を駆動する可能性がある一方で、安全なTAMAを特定する手段も決定的にされていない。そこで、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、タピナロフの既知の各活性について評価された。以下に、このメカニズム研究の概要を示す。
2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールは、tapinarofのメカニズム研究で特定された主要な「ヒット」での活性について評価された(表3)。実際、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールは、Th17偏光条件下で培養したCD4+T細胞におけるIL-17A阻害と同様に、AhR、Nrf2およびCB2スクリーニングアッセイのそれぞれにわたって同様の効能を示した。
Figure 2023533855000081
実施例10:2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールのBioMAPプロファイリング
10:2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールは、DiscoveRx BioMAP(商標登録)Diversity Plus System(商標)を用いて、1M、330nM、110nM、37nM という複数の用量でプロファイリングされた。BioMAPシステムは、12種類の初代ヒト細胞培養プラットフォームにおいて、複数の炎症性疾患に関連する148のバイオマーカーを評価し、バイオマーカープロファイルを、BioMAP参照データベースにある他の化合物、生物製剤、承認薬の生体反応パターンと比較するものである。3000の実験的薬剤のうち、10:2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール(B細胞に対して抗増殖性を示し、様々なサイトカイン/ケモカインを減少させることが判明した)がテストされた分析物。M-CSF、sIL-17A、sIL-2、sIL-6、sIL-10、Eot3、sTNFα、MCP-1、VCAM-1、MIP-1を含み、IL8、IL1α、sPGE、ICAM-1、E-セレクチン(図1A-1B)を増加させた(図)。タピナロフと同様に、内因性AhRアゴニストである6-ホルミルインドロ(3,2-b)カルバゾール(FICZ)は、生物学的反応の関連パターンを有するBioMAP参照データベースから特定された唯一の化合物であった(ピアソン相関、r=0.71;図1C~1D)。同様に、プロファイルを重ね合わせると、タピナロフとの著しい類似性が認められる(図1E~1F)。最も顕著な違いは、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールによるsIL-17の減少の観察であり、これはタピナロフまたはFICZ処理サンプルでは見られない。
実施例11:2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの、サイトカインおよび細胞性アポトーシスに及ぼす影響
Th17-skewing条件下で培養した末梢血CD4+T細胞に対する2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール処理の影響について評価した。培養期間を通して適用した場合、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールは、タピナロフと同様に、用量依存的にIL-17A産生を減少させる(図2A)。
2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールは、IC50=5.9μMでT細胞の生存率に、IC50=12.36μMでケラチノサイトの生存率に影響を与えた。これらの値は、タピナロフの値と同様であり、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールがタピナロフの活性プロファイルの近い表現コピーであるという考えを支持する(図2B、図2C)。
実施例12:2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールによる活性酸素種(ROS)の抑制効果
タピナロフは、初代および不死化(HaCat)ケラチノサイトにおいて化学的に誘導されたROSを抑制することが観察され、少なくとも部分的にはAPIの本質的なROS消去特性から生じる(Smith et al.,2017,ibid)。重要なのは、観察されたROSの減少が、タピナロフと、ROSレベルの上昇をもたらす既知の環境毒素であるTCDDとの重要な差別化要因であることである。そこで、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールがROSを減少させる能力があるかどうかをテストした。酸素ラジカル吸収能(ORAC)試験により、タピナロフはペルオキシナイトライト、スーパーオキシドアニオン、一重項酸素、ペルオキシルラジカル、ヒドロキシルラジカルという一般的な活性酸素の種をすべて消去することが示された。2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールは同様のプロファイルを示し、ペルオキシナイトライト、一重項酸素、ペルオキシルラジカルおよびヒドロキシルラジカルのレベルを低下させた(表4)。
Figure 2023533855000082
実施例13:局所投与後の生物活性(標的への関与)の実証
sRICA:皮膚常在型免疫細胞活性化モデルと呼ばれる、免疫担当細胞のin situ活性化を伴う液体-空気界面皮膚摘出培養が以前報告された(Smith et al,(2016)PLoS One,11(2)。このアッセイでは、Th17型サイトカイン、IL17A、IL17FおよびIL22を含む、炎症性皮膚疾患の特異的なサイトカインプロファイルを誘導することができる。このアッセイにおけるバイオマーカーの低減は、被験物質の生物学的活性を示す。
腹部形成手術から得られた生体外のヒト皮膚を、脂肪を除去するために処理し、組織を~750ミクロンにダーマトーム化した。ダーマトームした皮膚は、抗生物質/抗真菌剤溶液を含む室温のPBSで、それぞれ5~10分間、2回連続洗浄した。
皮膚はこの時点から非受容物として扱われ、以降の操作はすべてクラスIIバイオセーフティキャビネットで行われた。皮膚切片を使い捨ての生検用パンチで直径10mmの円形切片に切断し、ウシコラーゲン溶液(2:1コラーゲン/コーニ培地)30ulを含む0.4umPCF膜トランスウェル(ミリセル#PIHP01250)の上部チャンバーに設置した。トランスウェルの下に気泡があると、組織への培地の浸透が阻害されるため、気泡を取り除くよう注意した。
皮膚サンプルは、加湿されたチャンバー内で37℃で30分間コラーゲン溶液上にセットさせた。コラーゲン溶液が固まる時間を確保する37℃での30分間のインキュベーション後、トランスウェル上の皮膚サンプルを6ウェルプレートに移し(1ウェルあたり1サンプル)、下部チャンバーに1mLの完全培地(Cornification Media)+/-2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール(0uM、1uM、10uM)を充填して、37℃で一晩(16~18時間)静置させた。
翌日、下部チャンバーから培地を吸引し、Th17カクテル(CD3(1ug/ml)、CD28(2ug/ml)、抗IL-4(1ug/ml)、抗INFg(1ug/ml)、IL-1b(10ng/ml)、IL-6(10ng/ml)、TGFb(1ng/ml)、IL-21(10ng/ml))を含む1mLの完全培地に置き換え24時間および48ハウス培養を実施した。各処理群について、合計3つの生物学的複製を使用した。
培養は刺激後24時間と48時間に採取した。収穫後、皮膚サンプルは剃刀でミンチし、1mLRNAlater溶液を入れた1.5mLRNAseフリーチューブに移し、後にRT-PCRで分析する。
RNAの単離とqRT-PCR
採取した皮膚組織は、使用するまでRNAlaterで保存した。Qiagen's Mini RNA Isolation kit (Cat # 74106)を用いて組織からトータルRNAを単離した。皮膚組織は、まず1x1x1mm以下の断片にミンチし、2.8mmと1.4mmのセラミックビーズを含むチューブに加えた(1つのバイアルに混ぜる)。細胞は、1%2-Beta-Mercapto-Ethanolを添加した300uLのRLTバッファーを用いて、Precellys Tissue Homogenizerで4サイクル(6300rpm 90s)、各サイクル間で30秒間氷上で溶解させた。次に、10μLのProteinase Kを含む590μLの水を溶解した細胞に加え、55℃で20分間インキュベートした。その後、サンプルを10,000X gで3分間スピンダウンし、上清をQiagenのRNeasy mini columnsを用いて製造者のプロトコルにしたがってRNA単離に使用した。RNAを23.6 ng/ul (total of 100ng RNA)に希釈し、Applied Biosciences RNA-to-CT 1 Step kit(AB Catalog # 4392938)と定量する遺伝子に応じたTaqManプローブで10uL PCRボリュームを鋳型として使用しました。Applied Biosciences社のMaster MixにはROX色素の内部コントロールが含まれる。RTステップと40回の増幅サイクルには、OneStepPlus PCRマシンを使用した。
RNAレベルのRelative Expressionは、Delta Delta CTの式で算出した。
Figure 2023533855000083
刺激後24時間および48時間に採取した組織からRNAを単離し、定量PCRにより遺伝子発現を評価した。データおよび統計解析は、Microsoft Excel 7およびPrism GraphPad 6を使用して行った。
2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールによる標的経路の関与、この場合、cyp1a1遺伝子誘導によって測定したAhR経路活性化は、基底側培地中の1μMまたは10μMの2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールに皮膚摘出を曝露した後に確認した(図3A)。次に、炎症性メディエーターへの影響を評価し、10μMの2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールが、IL17Aメッセージ発現を~45%阻害することを示した(図3B)。本研究では、RORgインバースアゴニスト化合物GSK3038548Aを、Il17a遺伝子発現の阻害の陽性対照として使用した。
sRICAモデルをFranz細胞装置に適応させ、局所投与における2つの特異的な結果、(i)被験物質が製剤中で生物活性を維持すること、(ii)被験物質が皮膚バリアを透過して皮膚ターゲットに到達し生物効果を誘発することを実証することが可能となった。2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの局所標的関与は、クリーム製剤1およびゲル製剤1において、複数の濃度で評価された。重要なことは、これらの標的関与アッセイは、皮膚の縁を挟むカスタマイズされたフランツセルを利用するため、気液界面培養の下部チャンバーへの局所製剤の漏出が防止されることである。Cyp1a1遺伝子発現をAhR経路活性化の指標とした。そのため、上述のTh17-sRICAに典型的に見られるような、Th17条件下での皮膚常在免疫細胞の活性化は行わなかった。むしろ、12mmの皮膚切片を、カスタマイズしたフランツセルの上部(ドナー)チャンバーと下部(レシーブ)チャンバーの間にクランプし、下部チャンバーに2.0mLの完全培地(「コルニ」)を充填し、底面-側面が培地に浸され気泡が存在しない状態にした。37℃で約2時間の休息後、細胞は単純な反転によって漏れを再び確認し、次に局所製剤(8.4μl)を陽圧置換ピペットを用いて乾燥した角質層に塗布した。その後、フランツ細胞を37℃の加湿インキュベーターにさらに21時間置いた。Cyp1a1レベルは、各皮膚切片のおよそ1/2において、ベース-側方に適用した2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール(10μM)と比較して評価し、残りの半分は2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール濃度の測定に使用された。クリーム製剤1中に少なくとも0.1%の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールを含む試料は、観察可能な用量依存性を伴わない、強いcyp1a1遺伝子誘導を示した(図4)。このデータは、このシステムにおいて、観察可能な最大の生物学的応答が、最も低い処方濃度で誘導されることを示す。
実施例14:マウスモデルにおけるインビボ有効性
FICZの全身投与によるAhR経路の標的化は、イミキモド(IMQ)投与マウスの臨床スコアにプラスの影響を与えることが実証されています(Di Meglioら、(2014)同上)。さらに、タピナロフは、耳湿疹モデル、乾癬のIMQマウスモデル、およびハプテン誘発、Th2優勢チャレンジモデルであるDNFB-チャレンジモデルなどの複数のマウスモデルにおいて抗炎症性を示す。2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールは、IMQマウスとDNFBマウスという2つの炎症モデルでも試験されました。
IMQマウスモデル
2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールを単純エタノール溶液(60%EtOH:40%HO)で毎日局所適用し,IMQマウスモデルで予防的にテストした。最初の治療の3日後から、IMQクリームを4日間(StudyA)または10日間(StudyB)毎日塗布した。臨床的採点は毎日モニターされた(図5A、図5B)。試験終了後、処置した皮膚を組織学および誘発されたサイトカイン遺伝子発現のqPCRにより評価した。2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール処理は、ビヒクル処理マウスと比較して、臨床スコアの低下、表皮の肥厚の減少、およびサイトカイン遺伝子発現の減少を導いた(各群につきN=10マウス、図5A~Bおよび表5)。
スタディA-
10匹のマウス(BALB/cByJRJ雌マウス)からなる3つのグループに、以下のように処置した。日目、-2-1日目(イミキモド塗布の3日前)、0、1、2、3日目(4日間の試験)。マウスの剃った背中に、毎日、ビヒクル(60%EtOH/40%水100μL)または2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオル(60%EtOH/40%水で0.3%)のいずれかを投与しました。0、1、2、3日目、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールまたはビヒクル塗布の2時間後にバニクリームまたは5%イミキモドクリーム(5%Aldaraクリーム)を剃った背中に毎日局所塗布し、浸透するまで指でマッサージをした。0日目、1日目、2日目、3日目:皮膚の視覚的評価と乾癬の臨床的スコアに注目した。
乾癬の反応(紅斑とプラーク)は、以下に示すように重症度の昇順で0-4のスケールに従って報告され、結果は図5A1に示す。
Figure 2023533855000084
治療の最終日に、治療部位の皮膚の6mmパンチをアルミシート上に採取し(皮膚を平らに保つため)、ホルマリン溶液(中性緩衝10%(SIGMA HT501320-9 5L))の入ったチューブに入れ、組織学的分析を行います(図5A2)。
スタディB
10匹のマウス(BALB/cByJRJ雌マウス)の4つのグループに、以下のように処置した。日目、-2-1日目(イミキモド塗布の3日前)、0、1、2、3、5、6、7、8、9日目(10日間試験)。マウスの剃った背中に、毎日、ビヒクル(60% EtOH/40%水100μL)、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール(60% EtOH/40%水中0.1%)、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオル(60% EtOH/40%水中0.3%)を投与しました。0、1、2、3、4、5、6、7、8、9日目にバニクリームまたは5%イミキモドクリーム(5%Aldaraクリーム)を2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオルまたは車両塗布後2時間、剃った背中に毎日局所適用して吸収するまで指でマッサージをした。0、1、2、3、4、5、6、7、8、9日目:皮膚の視覚的評価と乾癬の臨床的スコアを記録した。
乾癬の反応(紅斑とプラーク)は、以下に示すように重症度の昇順で0-4のスケールに従って報告され、結果は図5B1に示す。
Figure 2023533855000085
治療の最終日に、治療部位の皮膚の6mmパンチをアルミシート上に採取し(皮膚を平らに保つため)、組織学的分析のためにホルマリン溶液(中性緩衝10%(SIGMA HT501320-9 5L))の入ったチューブに入れる(図5B2)。
別の試験(試験C)では、クリーム製剤1中の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールが、IMQマウスモデルで再試験された。この最後の試験では、すべての治療群でIMQにより過剰な発赤が誘発され、化合物治療による臨床的スコアの変化は観察されなかった。それにもかかわらず、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールをクリーム製剤1で適用した場合、表皮の厚さの減少が観察され(図5)、またIL17AおよびIL17Fレベルの有意な減少(試験した最高用量において80%超)が観察された。
Figure 2023533855000086
DNFBマウスモデル
次に、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールをジニトロフルオロベンゼン(DNFB)マウスモデルで試験した(図6を参照)。DNFBは、ヒトのアトピー性皮膚炎に類似した遅延型過敏性反応を誘発する小さな化学ハプテンである。IMQチャレンジ試験と同様に、0.3%の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールを単純なエタノール製剤で最初に試験し、毎日2回適用すると表皮および真皮の厚さにそれぞれ20%と34%の減少を実証した(図6B)。この効果は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールをクリーム製剤1に配合し、研究を通して1日1回のみ適用した第2の研究において観察されない(図6C)。これは、第2の試験における化合物への曝露の減少を示すかもしれないが、この不一致が異なる投与戦略(q.d.対b.i.d.)、クリーム製剤1の制限、または他の理由の結果であるかどうかを理解するには、さらなるデータが必要だろう。しかしながら、IMQマウスモデルの結果と合わせて考えると、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールは、アトピー性皮膚炎と乾癬の両方の患者に有益な幅広い抗炎症活性を有すると予想される。
セカンドスタディ
健康な雌のCDlマウス(Crl:CDl(ICR))を3~5%のイソフルラン麻酔下で腹部とうなじを剃毛した。
体重測定後、下記の治療表に従って、動物を試験群に割り付けた。試験は、スクラッチモニタリングのインライフモニタリングに対応するため、1週間間隔で2つのアームに分けられた。各群から半数の動物(6匹)がそれぞれarm1およびarm2に割り当てられた。
Figure 2023533855000087
各外用処置は、クリーム100mgまたは液剤100μLをソルベントピペットを用いてマウスうなじ皮膚上に塗布した。クリームを使用した場合は、指で塗り広げ、完全に吸収されるまでマッサージして皮膚に浸透させた。
1日目、剃毛した腹部にアセトン/オリーブオイル(4:1容量:容量)または0.15% DNFB(2,4ジニトロフルオロベンゼンアセトン/オリーブオイル中(4:1容量:容量))100μLの容量下で局所適用した(感作相)。5、8、12、15日目に、アセトン/オリーブオイルまたは0.15%DNFBを100μLずつ、剃毛したうなじ皮膚に局所塗布した(誘発期)。5日目から17日目まで、0.3%クリーム製剤1(第4群)、0%クリーム製剤1(第3群、プラセボクリーム)または0.05%クロベタゾールクリーム(第5群)100mgを、DNFBチャレンジの2時間前にうなじの上に1日1回塗布した。
マウスは、3~5%のイソフルラン麻酔下で、最後の局所治療の4時間後、および最後のDNFBまたはアセトン/オリーブオイルのチャレンジの48時間後の17日目に淘汰された。うなじ皮膚試料をホルマリン溶液(10%中性緩衝液)中で組織学的分析のために採取した。表皮(図6C1)および真皮の厚さ(図6C2)を測定した。
実施例15:インビトロヒト皮膚透過性評価
2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールのインビトロヒト皮膚浸透および分布は、特注(ChanneL)フロースルー拡散セルセットアップおよび500±100μmで皮膚切開したエックスビボヒト皮膚(腹壁形成術から)を使用して評価した。皮膚分布(表皮および真皮)および16時間にわたる受容液中の累積量(500μm以下に浸透した未結合薬物の代表)を,定量下限(LLOQ)80pg/mLの目的適合型LC-MS/MS法を用いて評価し,製剤試作品の経皮送達プロファイルを決定した。2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの生物学的ターゲットは表皮/上皮であり、製剤ランキングは受容液中の累積量が少ないことから、真皮レベルに焦点を当てました。表皮のサンプルには、角質層に浸透しなかった薬剤が残存している可能性があるため、ランキングの対象とはしなかった。
初期製剤開発段階において,1.0%の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールを配合した8種類の外用製剤(クリーム6種類、ジェル2種類)を、3人のドナーを用いたインビトロヒト皮膚浸透試験で評価した。16時間後の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの表皮および真皮への送達を、図7に示す。真皮への送達量は0.4~2.6μgの範囲であり、低い累積量(16時間で20ng未満、図8)だけが受容液中で定量された。
真皮量の統計的有意性はスチューデントのt検定を用いて評価し、同じ文字(「A」~「C」)でつながれていない処方は統計的に異なるという形で示した(p<0.05、表6)。1%クリーム製剤3および1%ゲル製剤4は、より多くの薬物を真皮に送達した。
Figure 2023533855000088
さらに、物理的安定性が改善されたため、クリーム製剤2およびトランスカトルPレベルがより低い類似の製剤であるクリーム製剤1も、用量比例試験に進められた。図9に示す真皮量に基づき、1%クリーム製剤3および1%クリーム製剤1が最良の用量比例をもたらし、後者は真皮への同等の送達および改善された安定性プロファイルを示すことが分かった。
2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールゲル(具体的にはプロピレングリコールの量が15%未満のもの)の可能性をさらに評価するために、さらに2つの処方物(ゲル処方1およびゲル処方2)をインビトロ皮膚浸透アッセイで評価した。どのゲルも、他の試験品よりも有意に多くの2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールを真皮に送達しなかった(図10)。累積量は測定されたが、ランキングでは考慮されなかった(図11)。
また、マトリックス支援レーザー脱離イオン化イメージング質量分析法(MALDI IMS)を用いて,2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの皮膚層内での空間的局在を実証した。この研究では,0.5%クリーム製剤3および1%ゲル製剤4に加えて、1%クリーム製剤1を選択した。これらの試作品は、用量比例試験中に真皮に等量の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールを送達した。3つの製剤の単回投与量をヒトの全層皮膚に適用し、6時間後と24時間後にサンプルを採取した。採取と準備の後、サンプルはMALDIに送られました。6時間後(表7)、真皮のレベルに送達された2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの量は、0.5%クリーム製剤3および1%クリーム製剤1に比べ、1%ゲル製剤4では5.0~7.0倍高い、しかし24時間後には、この違いは約2.0倍であった。
インビトロヒト皮膚透過試験とMALDI IMS 試験から得られた薬物濃度を比較し、結果を表7に示した。皮膚浸透試験のデータを用いて各コンパートメント内の濃度を計算するために、(i)各区画の体積は投与面積を1cmとして計算した、(ii)表皮と真皮の皮膚の厚さはそれぞれ150μmと350μmと推定した、(iii)各区画内での薬物分布は均一と仮定した、(iv)組織密度は1g/mLであると仮定した。濃度は、結合または非結合の薬物画分を考慮しなかった。
表皮で観察された2つのクリームの濃度は、16時間のインビトロヒト皮膚浸透試験において、6時間のMALDI時点よりも平均2.4倍高かった。しかし、6時間のMALDI試験でゲルによってもたらされた表皮量は、インビトロ皮膚浸透試験におけるものと同等であった。24時間のMALDI時点では、ゲル製剤の表皮量は減少しており、インビトロ皮膚浸透試験の値を1.5倍にして比較する。クリームはこのような挙動を示さず、6時間から24時間にかけて表皮量が増加し、インビトロ皮膚浸透性試験での投与量と同程度になったことを示す。この挙動の違いは、ゲルとクリームの製剤送達速度に差があることを示唆する。真皮の値を比較すると、MALDI実験(24時間)よりもインビトロヒト皮膚浸透試験(16時間)の方が、3.0から6.5倍も高い量の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールが送達されることが示された。これらの濃度間の変動は、皮膚の厚さ、皮膚提供者、分析方法など、2つのアッセイ間で使用された研究プロトコルの違いに起因するものと考えられる。
Figure 2023533855000089
実施例16:吸収、分布、代謝、排泄
2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールは血漿タンパク質と高い結合性を示し、2μMでの未結合画分の値はラット、ミニピグおよびヒトでそれぞれ3.06%、1.98%および1.08%だった(表8)。ヒトの全皮膚、表皮および真皮ホモジネートにおける2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの皮膚結合を3つの濃度(25、50および100ng/mL、それぞれ0.089,0.179および0.358μM)でテストし、平均非結合画分は21.9±0.72%、51.3±1.1%、および34.1±11.5%という値が示されました。血液対血漿比は、種間で類似していた(1.22-1.36、表9)。2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールは血漿中および血液中で安定であった。
Figure 2023533855000090
Figure 2023533855000091
2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールはマウス、ラット、ミニブタ、イヌ、ウサギおよびヒトのすべての種で肝ミクロソームおよび肝細胞により迅速に代謝され、高いインビトロクリアランスが示唆された。肝細胞における固有代謝クリアランスは、ラット、ミニピッグおよびヒトの肝ミクロソームにおける固有クリアランスの2.1~11.6倍であり(表10)、ラットおよびミニピッグの薬物動態試験で測定したインビトロ-to-インビボ外挿比(IVIVE)は、ラット:0.45、ミニピッグ:0.27と良好な相関があった(下記「動物の薬物動態試験」の項参照)。
Figure 2023533855000092
グルタチオン(GSH)およびグルタチオンエチルエステル(GSEE)を添加したヒトまたはラット肝ミクロソームで1時間インキュベートした後、インビトロGSHトラッピングアッセイで2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの活性代謝物を検出した(表11)。これらの結果は、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールが反応性代謝物を形成する可能性があることを示唆する。しかしながら、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールは、ラットおよびミニブタの局所投与による生体内での全身曝露量が少なく(下記動物薬物動態の項参照)、ヒトでの推定血漿濃度が低い(下記ヒト血漿濃度の項の推定参照)ことから安全性に関するリスクはないと考えられる。
Figure 2023533855000093
実施例17:動物薬物動態
2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの前臨床薬物動態プロファイルは、ラットおよびミニブタにおいて高いクリアランスと高い分配量、短い半減期によって特徴付けられた(表12、図12)。ラット皮下投与時の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの血漿中薬物動態は,30%カプチゾール製剤および30%キャビトロン製剤ともに10~25mg/kgでほぼ直線的であった。30%カプチゾール製剤は,30%キャビトロン製剤と比較して,血漿中曝露量(AUC24h)は同等(17%未満)であったが,Cmaxは3.2から4.1倍高かった(表13)。バイオアベイラビリティは,30%カプチゾール製剤で46.5%,30%キャビトロン製剤で41.0%であった。ラットにおける7日間皮下投与試験では,30%カプチゾル製剤を選択した。また、ミニ豚におけるDMSOによる5mg/kg単回経口投与後のバイオアベイラビリティを検討した。コリホアHS15:ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(10:10:80)ビヒクルを用いた5mg/kg単回経口投与時のバイオアベイラビリティは0.1%であり,経口経路はminipigの全身安全性評価に適さないことが示唆された。
Figure 2023533855000094
Figure 2023533855000095
ラットに20mg(2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール)/kgを体表面積10%で単回局所投与したところ、2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールは1%クリーム剤1(Cmax3.)と1%ゲル剤1(C5.18ng/mL、AUC32.1nghr/mL)で同等量の血液中への移行が認められた。83ng/mLおよびAUC24h32.1ng*hr/mL)と1%ゲル製剤1(Cmax5.18ng/mLおよびAUC24h46.0ng*hr/mL)の製剤間で同程度の血漿中曝露量を示した。バイオアベイラビリティは非常に低く、1%クリーム製剤1で1.7%、1%ゲル製剤1で2.4%であった(表14)。また、ミニブタに1%クリーム製剤1または1%ゲル製剤1を15mg(2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール)/kgで10%体表面積で外用した場合の血漿暴露量(87%時点が定量下限50pg/mL以下)は,非常に低く、外用による全身安全性リスクは低いことが示唆された。
Figure 2023533855000096
2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの皮膚薬物動態をゴッチンゲンミニ豚に1%クリーム製剤1または1%ゲル製剤1を単回局所投与後7日間にわたって検討した。製剤は1g/44cmの用量で投与し,168時間までの異なる時点で皮膚生検を行い、薬物動態(表皮と真皮の組織ホモジネートレベル)およびMALDI IMS(マトリックス支援レーザー脱離イオン化イメージング質量分析法)分析を実施した。2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールのより高い濃度は、両方の製剤について真皮(500~1500μm)と比較して表皮/真皮上部(0~500μm)に認められた(表15、図13)。1%クリーム製剤1は、同様の表皮/真皮上部(Cmax23.4μg/gおよびAUC168h2026μghr/mL)および真皮(Cmax0.74μg/gおよびAUC168h37.5μg/mL)を達成した。5μghr/mL)への曝露は,1%ゲル製剤1で観察された曝露と比較して,表皮(Cmax18.0μg/gおよびAUC168h1729μghr/mL)および真皮(Cmax0.39μg/gおよびAUC168h34.7μghr/mL)への曝露が増加した。各グループのミニピッグの異なる時点でのMALDI IMSによる深度プロファイリングは、薬物動態データと一致した。1%クリーム製剤1の表皮(0~100μm)および真皮上部(100~500μm)で観察された最大濃度は、48時間で9.4μg/gおよび72時間で1.37μg/gであり、1%ジェル製剤1では8時間でそれぞれ21.8μg/gおよび1.66μg/gだった(表16)。1%クリーム製剤1(例えば8時間)および1%ゲル製剤1(例えば48時間)のMALDI画像のいくつかは、毛包を介した薬物の浸透も示し、皮膚付属器経路が全身曝露に寄与する可能性があることを示唆した(図12)。MALDI IMSシグナルは、深さ500μm付近で検出限界(約500ng/g)以下まで低下した。
Figure 2023533855000097
Figure 2023533855000098
実施例18:局所投与後のヒト血漿濃度の推定
2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの局所適用後のヒト血漿中濃度(Css,human)は、局所適用した薬剤が一定の速度で皮膚から吸収されると仮定して予測し、次のように求めた。
Figure 2023533855000099
血漿中クリアランスは,インビトロおよび前臨床薬物動態試験から推定した(CLhuman)。ラットおよびミニブタのインビボクリアランスに基づくアロメトリックスケーリング,肝血流量法,Well-StirredモデルによるIVIVEアプローチ(肝代謝クリアランスが主要な排泄経路であると仮定)を用いて,CLhumanは6~25mL/min/kgと予測された。ヒトにおける2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの全身安全性リスクの可能性を評価するために,最も低い予測クリアランス(血漿蛋白結合補正によるアロメトリックスケーリングから予測した6mL/min/kg)を選択した。
0.1%クリーム製剤1,0.5%クリーム製剤1および1%クリーム製剤1を負荷した2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールのインビトロヒト皮膚透過評価では,16時間にわたり受液量が定量下限(LLOQ;80pg/mL)を下回り,皮膚フラックスの値を算出することは不可能であった。そこで,2時間のタイムラグを想定し,2時間ごとに得られた受入液量をLLOQ値で16時間計算したところ,0.048ng/cm/hとなり,推定皮膚フラックス値が算出された。
健康な皮膚は、ほとんどの生体異物に対して効果的な防護壁である。したがって、腹部整形手術の健康なヒト皮膚を用いたエックスビボ皮膚浸透アッセイから得られたフラックス値の妥当性は、不健康な皮膚に適用した後に観察されるものと一致しない可能性がある。そこで,皮膚バリアの損傷を考慮し,2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールの局所投与によるヒト全身曝露量の初期予測に,10倍のフラックス増加を取り入れた.また,最悪のケースを想定して,フラックスが100倍になった場合のヒトの全身曝露量の計算も行った.この推定には,ヒトの体表面積の10%(1800cm)が用いられた.したがって,安全域の推定を目的として,ここで説明した条件を考慮すると,推定Css,humanは0.34ng/mLであり,対応するAUCss,24hは8.2ng*h/mLとなった。臨床では、頂部皮膚炎の局所治療は50%BSA(9000cm2)まで可能であるため、フラックスが10倍増加した場合の対応する推定Css,humanおよびAUCss,24hは0.17ng/mLおよび4.1ng*h/mLとなった。異なるシミュレーションシナリオを表17にまとめた。
Figure 2023533855000100
実施例19:ヒトへの投与量を選択するための前臨床標的関与研究の統合
インビトロの効力、エックスビボのヒト皮膚への標的関与と浸透、およびミニブタの皮膚PKデータの組み合わせから、毎日投与後の1%クリーム製剤1は、皮膚の標的部位(生存表皮および真皮上部)に十分な濃度の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールをもたらし、AhR標的関与を引き起こすと予測されます。
1%クリーム製剤1の局所適用後に得られ、エックスビボヒト皮膚およびミニピッグ皮膚PK試験(MALDI-IMS分析経由)から算出された皮膚中の遊離薬剤濃度は、表18に示すインビトロ効力試験(CYP1A1遺伝子発現の蛍光ベースのレポーターアッセイにおけるAhR活性化の50%とヒト初代末梢血CD4+T細胞におけるIL-17A生成阻害の50%)で得られた有効濃度に対して十分にカバーできることを示していた。これらの計算は、ヒトとミニピッグの皮膚結合が同じで、未結合皮膚画分を補正した後の経皮バイオアベイラビリティが100%であると仮定したものである。
Figure 2023533855000101
本願の追加の実施形態は以下の通りである。
実施形態A:2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールである化合物で、式
Figure 2023533855000102
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物。
実施形態B.式:2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールである、実施形態Aの化合物。
Figure 2023533855000103
実施形態C:実施形態AまたはBのいずれかによる化合物の治療的有効量と、薬学的に許容される担体または希釈剤とを含む、薬学的組成物。
実施形態D.薬学的に許容される担体または希釈剤が局所投与に適している、実施形態Cに記載の医薬組成物。
実施形態E:担体または希釈剤がゲル局所投与に適している、実施形態Cに記載の医薬組成物。
実施形態F:担体または希釈剤がクリーム状局所投与に適している、実施形態Cに記載の医薬組成物。
実施形態G:AhR不均衡に関連する哺乳動物における状態を治療する方法であって、実施形態AまたはBのいずれかによる化合物の治療的有効量を前記哺乳動物に投与する工程を含む、方法。
実施形態H:それを必要とする対象における炎症性障害を治療する方法であって、前記対象に、実施形態AまたはBのいずれかによる化合物の治療的有効量を投与する工程を含む、方法。
実施形態I:炎症性疾患が、乾癬、アトピー性皮膚炎、白斑、ニキビ、新生血管(ドライ)AMD、新生血管(ウェット)AMD、ブドウ膜炎または他の炎症性眼疾患、放射線皮膚炎、COPD、ぜんそく、多発性硬化症(MS)、および炎症性腸疾患からなる群から選択される、実施形態Hに記載の方法。
実施形態J:化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物が局所的に投与される、実施形態Iに記載の方法。
実施形態K:それを必要とする対象における放射線皮膚炎を治療または予防する方法であって、前記対象に、実施形態AまたはBのいずれかによる化合物の治療的有効量を投与することを含む、前記方法。
実施形態L:放射線皮膚炎が慢性放射線皮膚炎である、実施形態Kに記載の方法。
実施形態M:放射線皮膚炎が急性放射線皮膚炎である、実施形態Kに記載の方法。
実施形態N:放射線皮膚炎が、急性紅斑、売却、落屑、線維化、毛細血管拡張症および皮膚萎縮、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態Kに記載の方法。
実施形態O:放射線皮膚炎が、線維症、毛細血管拡張症および皮膚萎縮症、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態Nに記載の方法。
実施形態P:それを必要とする対象における炎症性粘膜状態を治療または予防する方法であって、実施形態AまたはBのいずれかによる化合物の治療的有効量を前記対象に投与することを含む、方法。
実施形態Q:炎症性粘膜状態が、癌の放射線治療または化学療法治療によって誘発される、実施形態Pに記載の方法。
実施形態R:炎症性粘膜状態が、口腔粘膜炎、扁平苔癬、および尋常性天疱瘡からなる群から選択される、実施形態Pに記載の方法。
実施形態S:口腔粘膜炎が、口腔扁平苔癬、多形紅斑、粘膜天疱瘡、尋常性天疱瘡、および水疱性表皮水疱症から選択される、実施形態Rに記載の方法。
実施形態T:口腔粘膜炎が、頭頸部癌放射線治療によって誘発される、実施形態Rに記載の方法。
実施形態U.それを必要とする対象における皮膚科的状態または障害を治療する方法であって、前記対象に、実施形態AまたはBのいずれかによる化合物の治療的有効量を投与することを含む、方法。
実施形態V:それを必要とする対象における乾癬またはアトピー性皮膚炎の治療方法であって、対象に有効量の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物もしくは水和物を投与することを含む、方法。
実施形態W:式8の化合物
Figure 2023533855000104
を調製するためのプロセスであって、
a)式6の化合物
Figure 2023533855000105
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を式5またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物とカップリンし、式7の化合物
Figure 2023533855000106
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を形成する工程と、
b)式7の化合物をジメチル化し、式8の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を形成する工程と、を含む、プロセス。
実施形態X:式8の化合物
Figure 2023533855000107
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を調製するためのプロセスであって、
a)式5の化合物
Figure 2023533855000108
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を形成する工程であって、
1)2,6-ジヒドロキシアセトフェノンまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物をアルキル化して、式2の化合物
Figure 2023533855000109
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を形成させる工程と、
2)式2のケトンまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物をグリニャール試薬で処理し、次いで酸性条件下で水を除去して式3の化合物
Figure 2023533855000110
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を形成する工程と、
3)式3の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を水素化して、式4の化合物
Figure 2023533855000111
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物を形成する工程と、および
4)式4の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物をボリル化し、式5の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物と形成する工程と、を含む、前記調製する工程と、
b)式6の化合物
Figure 2023533855000112
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を調製する工程であって、イソキノリン-3-オールをトリフレート剤で処理する工程を含む、前記調製する工程と、および
c)式6の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を式5の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物とカップリングさせて式7の化合物
Figure 2023533855000113
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を形成する工程と、および
d)式7の化合物を脱メチル化して、式8の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を形成し、ここで、工程a)およびb)は、異なる反応容器中でいずれかの順序でまたは同時に行うことが可能である。
実施形態Y:実施形態Xによるプロセスであって、式8の化合物を精製することをさらに含む。
実施形態Z:精製が晶析を含む、実施形態Yに記載のプロセス。
実施形態AA:少なくとも90重量%の純度である実施形態AまたはBのいずれかの化合物。
実施形態BB:少なくとも95重量%の純度である実施形態AまたはBのいずれかの化合物。
実施形態CC:少なくとも98重量%の純度である実施形態AまたはBのいずれかの化合物。
実施形態DD:少なくとも99重量%の純度である、実施形態AまたはBのいずれかの化合物。
本明細書で引用した特許および特許出願を含むがこれに限定されないすべての刊行物は、個々の刊行物があたかも完全に記載されているかのように、本明細書で参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示す。
以上の説明により、その好ましい実施形態を含む本発明が完全に開示される。本明細書に具体的に開示された実施形態の変更および改良は、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。これ以上詳しく説明しなくても、当業者であれば、先の説明を用いて、本発明を最大限に利用することができると思われる。したがって、本明細書における実施例は、単に例示的なものとして解釈され、いかなる意味でも本発明の範囲を限定するものでない。排他的な特性または特権が主張される本発明の実施形態は、以下のように定義される。

Claims (35)

  1. 式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物であって、
    Figure 2023533855000114
    式中
    およびRの各々は、独立して、OH、OR、およびHからなる群より選択され、ただし、RおよびRの少なくとも1つは-OHまたは-ORであり、
    は、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、アリールC1-6アルキルおよびアシルからなる群から選択され、
    は、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたC4-6シクロアルケニル、ハロ、シアノ、-C(O)OR、-NR10、-S(O)NR10、-C(O)R11、-OR12、-S(O)13、および任意に置換されたヘテロサイクリルからなる群より選択され、
    は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択され、
    およびR10の各々は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群より選択され、または代替的に、RおよびR10が、それらが結合する窒素原子と共に、5~7員環状飽和または不飽和環を形成し、
    11は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シロアルキル、-NR10、および-OR12からなる群より選択され、
    12およびR13の各々は、独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、および任意に置換されたC3-6シロアルキルからなる群より選択され、
    は、H、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置換されたC1-6アルキル、ハロゲン化アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択され、
    nは、0、1、または2の値を有する整数であり、
    sは、0、1、または2の値を有する整数であり、
    tは、0~6の値を有する整数であり、
    は、H、ハロ、任意に置換されたC1-6アルキル、-C(O)OR14、-C(O)NR1516、アリール、および-C1-6アルキルアリールからなる群から選択され、
    14は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択され、
    15およびR16の各々は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、および任意に置換されたC3-6シクロアルキルからなる群より選択され、代替的にR15およびR16はそれらが結合する窒素と共に5~7員環状飽和または不飽和環を形成し、
    は、H、ハロ、シアノ、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、-(CR1819COOR、-(CR1819OC(O)R、-(CR1819NR10、-(CR1819C(O)NR10、-(CR1819NRC(O)R、-(CR1819S(O)NR10、-(CR1819COR11、-(CR1819CH(O)、-(CR1819OR12、-(CR1819S(O)13、任意に置換した複素環、および任意に置換した複素環C1-6アルキルからなる群から選択され、および
    18およびR19の各々は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群より選択される、式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物。
  2. およびRがそれぞれOHである、請求項1に記載の化合物。
  3. 、Rの一方がOHであり、他方がHである、請求項1に記載の化合物。
  4. およびRの一方がOHであり、他方がORである、請求項1に記載の化合物。
  5. およびRの各々がORである、請求項1に記載の化合物。
  6. が任意に置換されたC1-6アルキルである請求項1、4、または5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. がメチルである、請求項6に記載の化合物。
  8. がNR2223で置換されたC1-4アルキルであり、R22およびR23の各々が独立して、HまたはC1-3アルキルから選択される、請求項6に記載の化合物。
  9. が-(CHNHである、請求項8に記載の化合物。
  10. が、任意に置換されたC3-6アルキル、任意に置換されたC3-6アルケニル、任意に置換されたC3-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールアルキル、任意に置換されたC3-6シロアルキル、および任意に置換されたC3-6シロアルケニルからなる群から選択される、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物。
  11. が、任意に置換されたC3-6アルキルおよび任意に置換されたC3-6シクロアルキルからなる群から選択される、請求項10に記載の化合物。
  12. が、任意に置換されたイソプロピル、任意に置換されたn-プロピル、任意に置換されたn-ブチル、任意に置換されたt-ブチル、任意に置換されたsec-ブチル、任意に置換されたn-ペンチル、任意に置換されたイソペンチル、任意に置換された2-メチルブチル、および任意に置換されたn-ヘキシルから選択される、請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物。
  13. がイソプロピルまたはt-ブチルである、請求項12に記載の化合物。
  14. がイソプロピルである、請求項12に記載の化合物。
  15. が、任意に置換されたシクロプロピル、任意に置換されたシクロペンチル、および任意に置換されたシクロヘキシル環からなる群から選択される、請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物。
  16. がシクロペンチルである、請求項15に記載の化合物。
  17. 、R、およびRの各々がHである、請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物。
  18. は、OHおよびORからなる群から選択され、Rは、任意に置換されたC1-6アルキルであり、
    は、OHおよびORからなる群から選択され、Rは、任意に置換されたC1-6アルキルであり、
    は、任意に置換されたC1-6アルキルであり、
    は、H、-(CR1819COOR、および-(CR1819C(O)NR10からなる群から選ばれ、前記tは0であり、RはHおよび任意に置換されたC1-6アルキルから選択され、RはHであり、およびR10は任意に置換されたC1-6アルキルであり、
    はHであり、および
    は、Hおよびハロからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  19. は、OHおよびORからなる群から選択され、Rは、C1-6アルキルであり、
    は、OHおよびORからなる群から選択され、Rは、NR2223で置換されたC1-6アルキルであり、R22およびR23は独立して、HおよびC1-3アルキルから選択され、
    は、任意に置換されたC1-6アルキルであり、
    は、H、-COOH、-COCH、および-C(O)NR10からなる群から選択され、ここで、RはHであり、およびR10はアミノ置換されたC1-6アルキルおよび-(CHNHC(O)O-t-ブチルからなる群から選択され、
    はHであり、および
    は、Hおよびハロからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  20. は、OHおよび-OCHからなる群から選択され、
    は、OH、-OCH、および-O-(CHNHからなる群から選択され、
    は、C1-6アルキルであり、
    は、H、-COOH、-COOCH、-C(O)NH(CHNH、および-C(O)NH(CHNHC(O)O-t-ブチルからなる群から選択され、
    はHであり、および
    は、Hおよびブロモからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  21. は、OHおよび-OCHからなる群から選択され、
    は、OH、-OCH、および-O-(CHNHからなる群から選択され、
    は、イソプロピルであり、
    は、H、-COOH、-COOCH、-C(O)(CHNH、および-C(O)NH(CHNHC(O)O-t-ブチルからなる群から選択され、
    はHであり、および
    は、Hおよびブロモからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  22. Figure 2023533855000115
    Figure 2023533855000116
    その塩、溶媒和物もしくは水和物からなる群から選択される化合物。
  23. 2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオールである化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物。
  24. Figure 2023533855000117
    の化合物。
  25. 請求項1~24のいずれか1項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体または希釈剤と、を含む、医薬組成物。
  26. 請求項1~24のいずれか1項に記載の化合物または請求項25に記載の組成物の有効量を前記哺乳動物に投与する工程を含む、AhR不均衡に関連する哺乳動物における状態を治療または予防する方法。
  27. それを必要とする対象における炎症性障害を治療または予防する方法であって、請求項1~24のいずれか1項に記載の化合物または請求項25に記載の組成物の有効量を前記対象に投与する工程を含む、方法。
  28. 前記炎症性疾患が、乾癬、アトピー性皮膚炎、白斑、にきび、新生血管(乾燥)AMD、新生血管(湿潤)AMD、ブドウ膜炎または他の炎症性眼疾患、放射線皮膚炎、COPD、ぜんそく、多発性硬化症(MS)、および炎症性腸疾患からなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物が局所的に投与される、請求項28に記載の方法。
  30. 前記炎症性疾患が、乾癬またはアトピー性皮膚炎である、請求項28に記載の方法。
  31. 有効量の2-イソプロピル-5-(イソキノリン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を対象に投与する工程を含む、それを必要とする前記対象における乾癬またはアトピー性皮膚炎の治療または予防する方法。
  32. 式(II)の化合物
    Figure 2023533855000118
    であって、
    式中
    各RおよびRは、独立して、OH、OR、およびHからなる群より選択され、ただし、RおよびRの少なくとも1つは、OHまたはORであり、
    は、独立して、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、およびアシルからなる群から選択され、
    は、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたC4-6シクロアルケニル、ハロ、シアノ、-C(O)OR、-NR10、-S(O)NR10、-C(O)R11、-OR12、-S(O)13、および任意に置換された複素環から選択され、
    nは、0、1、または2の値を有する整数であり、
    は、Hであり、
    は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択され、
    およびR10の各々は、独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択され、代替的に、RおよびR10は、それらが結合する窒素原子と共に、5~7員環状飽和または不飽和環を形成し、
    11は、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、任意に置換されたC3-6シロアルキル、-NR10、および-OR12からなる群より選択され、
    12およびR13の各々は、独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリールC1-6アルキル、および任意に置換されたC3-6シクロアルキルからなる群から選択され、および
    は、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置換されたC1-6アルキル、ハロゲン化アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、任意に置換されたC2-6アルキニル、および任意に置換されたアリールC1-6アルキルからなる群から選択される、式(II)の化合物。
  33. 式8の化合物
    Figure 2023533855000119
    またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を調製するためのプロセスであって、
    a)式5の化合物
    Figure 2023533855000120
    またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を調製する工程であって、
    1)2,6-ジヒドロキシアセトフェノンまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物をアルキル化し、式2の化合物
    Figure 2023533855000121
    またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を形成する工程と、
    2)式2のケトンまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物をグリニャール試薬で処理し、次いで酸性条件下で水を除去して式3の化合物
    Figure 2023533855000122
    またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を形成する工程と、
    3)式3の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を水素化して、式4の化合物
    Figure 2023533855000123
    またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を形成する工程と、および
    4)式4の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物をボリル化し、式5の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を形成する工程と、を含む、前記調製する工程と、
    b)式6の化合物
    Figure 2023533855000124
    またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物を調製する工程であって、イソキノリン-3-オールをトリフレート剤で処理する工程を含む、前記調製する工程と、および
    c)式6の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を式5の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物とカップリングさせ、式7の化合物
    Figure 2023533855000125
    またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を形成する工程と、および
    d)式7の化合物を脱メチル化し、式8の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を形成する工程であって、ここで、工程aおよびbは、異なる反応容器において、いずれの順序でもまたは同時に行うことができる、前記形成する工程と、
    を含む、プロセス。
  34. 式8の化合物を精製する工程をさらに含む、請求項33に記載のプロセス。
  35. 前記精製する工程が結晶化を含む、請求項34に記載のプロセス。
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