JP2023533514A - ヒト化抗emapii治療抗体 - Google Patents

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Abstract

本開示は、内皮単球活性化ポリペプチドIIに結合するモノクローナル抗体およびこれを使用した処置方法を提供する。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本願は、2020年6月29日に出願された米国仮出願第63/045,687号に対する、35u.s.c.§119(e)のもとでの優先権を主張するものであり、ここに本明細書の一部として参照によりその全体を援用する。
発明の背景
内皮単球内皮単球活性化ポリペプチドII(EMAPII)は、アポトーシス促進性および単球走化性のサイトカインであり、様々な病理に関与し、全体としてヒトの健康に多大な影響を及ぼす。特に、EMAPIIは、たばこの煙によって誘発される肺気腫のメディエーターである事が示されている。当分野ではEMAPIIを標的とする新規の治療法に対する需要がある。本開示はその需要に取り組むものである。
発明の概要
一つの態様では、本発明は、配列番号1~配列番号5の何れか1つに対して90%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメイン;および配列番号6~配列番号9の何れか1つに対して90%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメイン、を含むヒト化抗-内皮単球活性化ポリペプチドII(抗-EMAPII)抗体を提供する。
別の態様では、本発明は、配列番号1~配列番号5の何れか1つに対して90%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含むヒト化抗-内皮単球活性化ポリペプチドII(抗-EMAPII)抗体を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、配列番号6~配列番号9の何れか1つに対して90%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインを含むヒト化抗-内皮単球活性化ポリペプチドII(抗-EMAPII)抗体を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、配列番号10に対して90%以上の配列同一性を持つ重鎖可変ドメインおよび配列番号11に対して90%以上の配列同一性を持つ軽鎖可変ドメインを含む、キメラ-内皮単球活性化ポリペプチドII(抗-EMAPII)抗体を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、配列番号1~配列番号11の何れか1つに記載のアミノ酸配列をコードする核酸を含む組み換えベクターを提供する。
さらに別の態様では、本発明は、本明細書の他の箇所に記載の組み換えベクターで形質転換された細胞を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、抗体が発現されるような条件下で、本明細書の他の箇所に記載の形質転換された細胞を培養する工程を含む、抗体の製造方法を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、本明細書の他の箇所に記載の抗体および少なくとも1つの薬学的に許容できる賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、本明細書の他の箇所に記載の医薬組成物を対象に投与する工程を含む、それを必要とする対象における慢性閉塞性肺疾患(COPD)を処置する方法を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、本明細書の他の箇所に記載の医薬組成物を対象に投与する工程を含む、それを必要とする対象における肺気腫を処置する方法を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、本明細書の他の箇所に記載の医薬組成物を対象に投与する工程を含む、それを必要とする対象における気管支肺異形成症を処置する方法を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、本明細書の他の箇所に記載の医薬組成物を対象に投与する工程を含む、それを必要とする対象における内皮単球活性化ポリペプチドII(EMAPII)介在性疾患を処置する方法を提供する。
ある実施形態では、重鎖可変ドメインは配列番号1~配列番号5の何れか1つに対して95%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する;および軽鎖可変ドメインは配列番号6~配列番号9の何れか1つに対して95%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する。
ある実施形態では、重鎖可変ドメイン配列番号2または配列番号3の何れか1つに対して99%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する;および軽鎖可変ドメインは配列番号6または配列番号9の何れか1つに対して99%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する。
ある実施形態では、重鎖可変ドメインは、配列番号2または配列番号3の何れか1つに対して95%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する。
ある実施形態では、軽鎖可変ドメインは、配列番号6または配列番号9の何れか1つに対して95%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する。
ある実施形態では、重鎖可変ドメインは配列番号10に対して95%以上の配列同一性を有する、および軽鎖可変ドメインは配列番号11に対して95%以上の配列同一性を有する。
図面の簡単な説明
本発明の特定の実施例に関する以下の詳細な説明は、添付の図面と合わせて読む事でよりよく理解されるであろう。本発明を説明する目的で、図面は特定の実施形態を示す。しかしながら、図面に示される実施形態そのものの構成および道具立てに限定されるものでない事は理解されるべきである。
図1は、LC1(配列番号6)を持つヒト化抗体のヒトプロEMAPIIに対する酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を示す。
図2は、LC2(配列番号7)を持つヒト化抗体のヒトプロEMAPIIに対する酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を示す。
図3は、LC3(配列番号8)を持つヒト化抗体のヒトプロEMAPIIに対する酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を示す。
図4は、LC4(配列番号9)を持つヒト化抗体のヒトプロEMAPIIに対する酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を示す。
図5は、ヒトプロEMAPIIに対する8個の抗体のELISAスクリーニングを示す。
図6は、ヒト成熟EMAPIIに対する8個の抗体のELISAスクリーニングを示す。
図7は、マウスプロEMAPIIに対する8個の抗体のELISAスクリーニングを示す。
図8は、マウス成熟EMAPIIに対する8個の抗体のELISAスクリーニングを示す。
発明の詳細な説明
定義
別段の定義が無い限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が関連する技術分野における当業者によって通常理解されるものと同じ意味を持つ。本明細書に記載される方法および物質に似ている、または等価である任意の方法および物質が本発明の試験のための実施において使用され得るが、好ましい物質および方法は本明細書に記載される。本願の明細書および特許請求の範囲の記載において、以下の用語が使用される。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけのものであり、限定する事を意図したものではない事を理解されたい。
本明細書で使用される場合、以下の各用語は、このセクションにおいて各用語と関連するところの意味を有する。
別段の定義が無い限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は一般に、本発明が属する技術分野における当業者によって通常理解されるものと同じ意味を持つ。一般に、本明細書で使用される命名法、ならびに細胞培養、分子遺伝学、分析化学、免疫学、および核酸化学、およびハイブリダイゼーション、モノクローナル抗体合成、および生物学的および生物物理学的な特性評価における実験手順は当分野でよく知られたものであり、および一般に採用されているものである。化学合成および化学分析には標準的な技術およびその変法が使用される。
冠詞「a」および「an」は、1つまたは1つ以上の(すなわち少なくとも1つの)冠詞の文法上の目的語を示すために使用される。例として、「an element(要素)」は1つまたはそれ以上の要素を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「内皮単球活性化ポリペプチドII」または「EMAPII」は炎症誘発性サイトカインを指す。EMAPIIは34kDのプロ型(「プロ-EMAPII」)またはプロテアーゼによるタンパク質切断により18kDaの成熟タンパク質(「成熟-EMAPII」)の何れかとして細胞から放出される。成熟EMAPIIのヒトホモログは、以下の配列番号12の配列を含む:SKPIDVSRLDLRIGCIITARKHPDADSLYVEEVDVGEIAPRTVVSGLVNHVPLE QMQNRMVILLCNLKPAKMRGVLSQAMVMCASSPEKIEILAPPNGSVPGDRITFDAFPGEPDKELNPKKKIWEQIQPDLHT NDECVATYKGVPFEVKGKGVCRAQTMSNSGIK。
用語「EMAPII」は、別段の特定が無い限り、このタンパク質のプロ型および成熟型の両者を指すために使用される。
本明細書で使用される場合、用語「約」は、当分野における当業者によって理解され、それが使用される文脈によってある程度変化する。本明細書において、量、濃度、持続時間などの測定可能な値を示す際に使用される場合は、用語「約」は、以下に係る変動量が開示される方法を実施するために適切であるように、±20%、または±10%、より好ましくは±5%、さらにより好ましくは±1%、およびさらにより好ましくは±0.1%の規定値からの変動量も包含する事が意図される
本明細書で使用される場合、別の分子に対する分子の「親和性」という用語は、2つの分子間の結合の程度(または緊密さ(tightness))を指す。親和性が高いほど、2つの分子間の結合がより緊密である事を意味する。親和性は解離定数(またはKd)の観点から定量することができ、ここでKd値が小さい(0に近い)ほど、親和性が高い事を示す。
本明細書で使用される場合、「アミノ酸」とは天然および合成アミノ酸の両者、ならびにD体およびL体アミノ酸の両者を含む。「標準アミノ酸」とは、天然に生じるペプチド中に一般に見つかる20個のL-アミノ酸の何れかを意味する。「非標準アミノ酸残基」とは、標準アミノ酸以外の任意のアミノ酸を意味し、それが合成的に調製されたか、天然の供給源に由来するかに関わらない。本明細書で使用される場合、「合成アミノ酸」もまた化学的に改変されたアミノ酸を包含し、塩、アミノ酸誘導体(アミド等)、および置換を含むがこれに限定されない。ペプチド中、特にカルボキシ末端またはアミノ末端に含まれるアミノ酸は、メチル化、アミド化、アセチル化またはペプチドの活性に悪影響を及ぼすことなくペプチドの循環半減期を変化させる事ができるその他の化学基との置換によって改変する事ができる。さらに、ペプチドには、ジスルフィド結合が存在しても存在しなくてもよい。
本明細書で使用される場合、用語「抗体」は、抗原の特定のエピトープに特異的に結合することができる免疫グロブリン分子を指す。抗体は、天然の供給源、または組み換えによる供給源に由来する無傷の免疫グロブリンであり得、および無傷の免疫グロブリンの免疫反応性部分であり得る。抗体は典型的には免疫グロブリン分子の四量体である。本発明における抗体は、例えばポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、細胞内抗体(「イントラボディ(intrabody)」、Fv、Fab およびF(ab)2、および一本鎖抗体(scFv)、ラクダ抗体およびヒト化抗体を含む、様々な形態で存在し得る(harlow et al.,1999,using antibodies:a laboratory manual,cold spring harbor laboratory press,ny;harlow et al.,1989,antibodies:a laboratory manual,cold spring harbor,new york;houston et al.,1988,proc.natl.acad.sci.usa 85:5879-5883;bird et al.,1988,science 242:423-426)。本明細書で使用される場合、「中和抗体」とは、抗原に結合し、その生物学的活性を阻害する免疫グロブリン分子である。
本明細書で使用される場合、「抗体重鎖」とは、全ての抗体分子においてその天然に生じる構造において存在する2種類のポリペプチド鎖の内の長い方の鎖を指す。
本明細書で使用される場合、「抗体軽鎖」とは、全ての抗体分子においてその天然に生じる構造において存在する2種類のポリペプチド鎖の内の短い方の鎖を指す。αおよびβ軽鎖とは2つの主要な抗体軽鎖のアイソタイプを指す。
本明細書で使用される場合、用語「抗原」または「Ag」とは、免疫応答を誘発する分子として定義される。この免疫応答は、抗体の産生、または特定の免疫学的な能力を有する細胞(immunologically-competent cells)の活性化、またはその両方を含み得る。当業者は、実質的に全てのタンパク質またはペプチドを含む任意の高分子が抗原となり得る事を理解するはずである。さらに、抗原は組み換えまたはゲノムDNAに由来し得る。したがって、当業者は、免疫応答を誘発するタンパク質をコードするヌクレオチド配列または部分的なヌクレオチド配列を含む任意のDNAが、本明細書において使用されるところの「抗原」をコードする事を理解するはずである。さらに、当業者は、抗原が遺伝子の全長ヌクレオチド配列のみによってコードされる必要はないことを理解するはずである。本発明は1つ以上の遺伝子の部分的なヌクレオチド配列の使用を含むが、これに限定されない事、およびこれらのヌクレオチド配列は所望の免疫応答を誘発するために様々な組み合わせで配置される事は容易に明らかである。さらに、当業者は、抗原が「遺伝子」によってコードされる必要は全くないことを理解するはずである。抗原が生成もしくは合成され得ること、または生物学的試料に由来し得ることは容易に明らかである。このような生物学的試料には、組織試料、腫瘍試料、細胞または生物学的液体が含まれ得るが、これに限定されない。
遺伝子の「コード領域」は、遺伝子のコード鎖のヌクレオチド残基および遺伝子の非コード鎖のヌクレオチドからなり、これらはそれぞれ、遺伝子の転写によって産生されるmRNAのコード領域に対して相同であるか、または相補的である。
mRNA分子の「コード領域」はまた、mRNA分子の翻訳中にトランスファーRNA分子のアンチコドン領域と一致する、または停止コドンをコードするmRNA分子のヌクレオチド残基からなる。よって、コード領域は、mRNA分子によってコードされる成熟タンパク質中に存在しないアミノ酸残基(例えば、タンパク質輸出シグナル配列中のアミノ酸残基)に対応するヌクレオチド残基を含む。
本明細書において核酸を示すために使用される場合、「相補性」とは、2つの核酸鎖の領域間、または同一の核酸鎖の2つの領域間での配列相補性の広い概念を指す。第1の核酸領域のアデニン残基が、第1の領域に対して逆平行である第2の核酸領域の残基に対して、その残基がチミンまたはウラシルである場合に特異的な水素結合(「塩基対」)を形成できる事が知られている。同様に、第1の核酸領域のシチジン残基が、第1の領域に対して逆平行である第2の核酸鎖の残基に対して、その残基がグアニンの場合に塩基対形成が可能であることが知られている。2つの領域を逆平行に配置した際に、第1の領域の少なくとも1つのヌクレオチド残基が第2の領域の残基と塩基対形成が可能な場合は、核酸の第1の領域は、同一または異なる核酸の第2の領域に対して相補的である。好ましくは、第1の領域は第1の部分を含み、および第2の領域は第2の部分を含み、ここで第1の部分および第2の部分が逆平行に配置された際に、第1の部分のヌクレオチドの少なくとも約50%、および好ましくは少なくとも約75%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%は第2の部分のヌクレオチド残基と塩基対形成が可能である。より好ましくは、第1の部分の全てのヌクレオチド残基は第2の部分のヌクレオチド残基と塩基対形成が可能である。
本明細書で使用される場合、用語「保存的変異(variation)」または「保存的置換」とはアミノ酸残基を別の、生物学的に類似した残基で置換する事を指す。保存的変異または置換はペプチド鎖の形状を変更する可能性が低い。保存的変異または置換の例には、1つの疎水性残基、例えばイソロイシン、バリン、ロイシンまたはメチオニンを別の疎水性残基と置換する事、または1つの極性残基を別の極性残基で置換する事、例えばアルギニンをリジンで置換する、グルタミン酸をアスパラギン酸で置換する、またはグルタミンをアスパラギンで置換する事などを含む。
用語「送達ビヒクル」は、本明細書において、化合物を対象に送達する事ができる任意の送達ビヒクルの総称として使用され、非経口送達ビヒクルを含むがこれに限定されない。
本明細書で使用される場合、用語「DNA」はデオキシリボ核酸として定義される。
「有効量」または「治療有効量」は本明細書において互換的に使用され、特定の生物学的結果を達成するために有効な、本明細書において記載される化合物、製剤、物質または組成物の量を指す。このような結果には、当分野における適切な任意の手段によって決定される、疾患または状態の処置を含むがこれに限定されない。
「コードする」とは、ポリヌクレオチド、例えば遺伝子、cDNAまたはmRNA中の特定のヌクレオチドの配列が、規定のヌクレオチド配列(すなわち、rRNA、tRNAおよびmRNA)または既定のアミノ酸配列の何れかを有し、およびその結果生じる生物学的特性を有する他のポリマーまたは高分子の生物学的プロセスにおける合成のための鋳型として機能する固有の特性を指す。よって、mRNAの転写および翻訳において遺伝子がタンパク質をコードするとは、細胞内またはその他の生物学的システムにおいて遺伝子がタンパク質を生成する事に対応する。mRNA配列と一致し、および配列表において通常提供されるヌクレオチド配列であるコード鎖ならびに、遺伝子やcDNAの転写のための鋳型として使用される非コード鎖の両方を、その遺伝子またはcDNAのタンパク質またはその他の産物をコードするものとして示され得る。
本明細書で使用される場合、「EMAPII介在性疾患」とは、過剰なレベルのEMAPIIが役割を果たし、対象におけるEMAPIIのレベルを低減する事が処置に影響する、対象における任意の疾患を意味する。
非ヒト(例えばマウス)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小限の配列を有するキメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖またはその断片(例えば、Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2、または抗体のその他の抗原結合配列)である。大部分では、ヒト化抗体はヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)であって、レシピエントの相補性決定領域(CDR)からの残基が、所望の特異性、親和性および能力を有する非ヒト種、例えばマウス、ラットまたはウサギのCDRからの残基(ドナー抗体)で置換されている。いくつかの場合では、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基が対応する非ヒトの残基で置換される。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、および移植CDRまたはフレームワーク配列にも見られない残基を含み得る。これらの改変は抗体の性能をさらに洗練する、および最適化するために行われる。一般に、ヒト化抗体は、CDR領域の全てまたは実質的に全てが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、およびFR領域の全てまたは実質的に全てがヒト免疫グロブリン配列のものである、少なくとも1つ、および典型的には2つの可変ドメインの全てまたは実質的に全てを含み得る。ヒト化抗体はまた、最適には、少なくとも、典型的にはヒト免疫グロブリンのものである免疫グロブリン定常領域(Fc)の一部を含む。詳細には、Jones et al.,Nature,321:522-525,1986;Reichmann et al.,Nature,332:323-329,1988;Presta,Curr.Op.Struct.Biol.,2:593-596,1992を参照のこと。
本明細書で使用される場合、「同一性」とは、2つのポリマー分子間、特に2つのアミノ酸分子間、例えば、2つのポリペプチド分子間のサブユニット配列の同一性を意味する。2つのアミノ酸配列が同じ位置に同じ残基を有する場合;例えば、2つのポリペプチド分子のそれぞれのある位置がアルギニンによって占められている場合、それらはその位置において同一である。同一性、またはアライメントした2つのアミノ酸配列が同じ位置に同じ残基を持つ程度は、しばしばパーセントで表される。2つのアミノ酸配列間の同一性は、一致するまたは同一の位置の一次関数である;例えば、2つのアミノ酸配列の半分(例えば、10アミノ酸長のポリマーでは5箇所)が同一であれば、2つのアミノ酸配列は50%同一であり、90%の位置(例えば、10中9)が一致または同一であれば、2つのアミノ酸配列は90%同一である。
「個体」、「患者」または「対象」には、これらの用語が本明細書で使用される場合、鳥類、ヒトおよびその他の霊長類、およびウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコおよびイヌを含む商業用哺乳類を含むその他の哺乳類を含むがこれに限定されない任意の動物種の構成員を含む。好ましくは、対象はヒトである。
「説明資料」には、この用語が本明細書で使用される場合、出版物、記録、図、または本発明の組成物および/または化合物の有用性を伝えるために使用され得る、キット中の任意の表現媒体を含む。キットの説明資料は、例えば本発明の化合物および/または組成物を含む容器に貼付され得る、または本発明の化合物および/または組成物を含む容器と一緒に出荷されてもよい。あるいは、受取人が説明資料と化合物を協同で使用することを意図して、説明資料を容器とは別に出荷してもよい。説明資料の送達は、例えば、キットの有用性を伝える出版物またはその他の表現媒体の物理的な配送によって行われ得る、または代わりに、例えば、電子メールまたはウェブサイトからのダウンロードなどのコンピュータによる手段を用いた電子送信によって達成され得る。
「単離する」とは、自然の状態から変化した、または取り出されたことを意味する。例えば、生きている動物中に天然に存在する核酸またはペプチドは「単離され」ていないが、同じ核酸またはペプチドが、その天然の状態における共存物質から部分的にまたは完全に分離されたものは、「単離され」ている。単離核酸またはタンパク質は、実質的に精製された形態で存在し得る、または非天然環境、例えば宿主細胞中において存在し得る。
「単離核酸」とは、核酸部分または断片であって、天然に生じる状態においてそれが隣接する配列から分離されたものを指す、すなわち、DNA断片であって、当該断片に通常隣接する配列、すなわち当該断片が天然に生じるゲノム中において当該断片と隣接する配列、から取り出されたDNA断片である。この用語は、核酸であって、当該核酸に天然に付随する他の成分、すなわち細胞中で当該核酸に天然に付随するRNAまたはDNAまたはタンパク質、から実質的に精製された核酸についても適用される。したがって、この用語は、例えば、ベクター中、自己複製プラスミドもしくはウイルス中、または原核生物または真核生物のゲノムDNA中に組み込まれる組み換えDNA、または他の配列とは独立した別の分子として存在する組み換えDNA(すなわち、PCRまたは制限酵素消化によって生成されたcDNAまたはゲノム断片またはcDNA断片)を含む。また、付加的なポリペプチド配列をコードするハイブリッド遺伝子の一部である組換えDNAも含まれる。
本発明の文脈において、一般的に生じる核酸塩基については以下の略語を使用する。「A」はアデノシンを指し、「C」はシトシンを指し、「G」はグアノシンを指し、「T」はチミジンを指し、および「U」はウリジンを指す。
「核酸」とは、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドで構成されるかどうか、ホスホジエステル結合または修飾結合、例えばホスホトリエステル、ホスホロアミダイト、シロキサン、カーボネート、カルボキシメチルエステル、アセトアミデート、カルバメート、チオエーテル、架橋ホスホルアミデート、架橋メチレンホスホネート、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、ホスホロジチオエート、架橋ホスホロチオエートまたはスルホン結合、および係る結合の組合せなどの修飾結合で構成されるかどうかを問わず、任意の核酸を意味する。核酸という用語はまた、具体的には5つの生物学的に生じる塩基(アデニン、グアニン、チミン、シトシンおよびウラシル)以外の塩基で構成される核酸を含む。
別段の特定がない限り、「アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列」には、互いに縮重したバージョンであり、かつ同一のアミノ酸配列をコードするすべてのヌクレオチド配列を含む。タンパク質またはRNAをコードするヌクレオチド配列という表現はまた、タンパク質をコードするヌクレオチド配列が何らかのバージョンでイントロンを含み得る限り、イントロンを含み得る。
本明細書では、ポリヌクレオチド配列を記載するために従来の表記法を使用する:一本鎖ポリヌクレオチド配列の左端が5’末端である。二本鎖ポリヌクレオチド配列の左側の方向は、5’方向と呼ばれる。
新生RNA転写物へとヌクレオチドが付加される5’から3’方向は、転写方向と呼ばれる。mRNAと同じ配列を有するDNA鎖は「コード鎖」と呼ぶ;DNA上の参照点から5’側に位置するDNA鎖上の配列を「上流配列」と呼ぶ;DNA上の参照点から3’側に位置するDNA鎖上の配列を「下流配列」と呼ぶ。
「オリゴヌクレオチド」という用語は、典型的には短いポリヌクレオチドを指し、一般的には約60ヌクレオチドを超えない。ヌクレオチド配列がDNA配列(すなわちA、T、G、C)で表される場合、これは「U」が「T」を置き換えるRNA配列(すなわちA、U、G、C)も含む事が理解されるはずである。
「作動可能に連結される」とは、調節配列と異種核酸配列間における、後者の発現をもたらす機能的な結合を指す。例えば、第1の核酸配列が、第2の核酸配列との機能的な関係の中に置かれた場合、第1の核酸配列は第2の核酸配列と作動可能に連結している。例えば、プロモーターがコード配列の転写または発現に影響する場合、プロモーターはコード配列に作動可能に連結している。一般に、作動可能に連結される複数のDNA配列は連続しており、2つのタンパク質コード領域を結合する必要がある場合には、同じリーディングフレームにある。
本明細書で使用される場合、「プロモーター」とは、ポリヌクレオチド配列の特定の転写の開始に必要な、細胞の合成機構または導入された合成機構によって認識されるDNA配列として定義される。
本明細書で使用される場合、「プロモーター/調節配列」という用語は、プロモーター/調節配列に作動可能に連結された遺伝子産物の発現に必要な核酸配列を意味する。いくつかの場合では、この配列はコアプロモーター配列である、および他の場合では、この配列はまた、エンハンサー配列および遺伝子産物の発現に必要な他の調節要素を含み得る。プロモーター/調節配列は、例えば組織特異的な様式で遺伝子産物を発現するものであり得る。
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」という用語は、少なくとも1つの本発明の化合物と、他の化学的成分、例えば担体、安定化剤、希釈剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、および/または賦形剤との混合物を指す。医薬組成物は、化合物の生物への投与を容易にする。当分野では、化合物を投与する複数の技術が存在しており、静脈、経口、エアロゾル、非経口、眼、肺および局所投与を含むがこれに限定されない。
「薬学的に許容できる」とは、組成、配合、安定性、患者の忍容性および生物学的利用能について、薬理学的/毒性学的観点から患者に許容され、物理/化学的観点から製薬化学者に許容される特性および/または物質を指す。「薬学的に許容できる担体」とは、有効成分の生物学的活性の有効性を阻害せず、それが投与される宿主に対して毒性がない媒体を指す。
本明細書で使用される場合、用語「ポリヌクレオチド」とはヌクレオチドの鎖として定義される。さらに、核酸はヌクレオチドのポリマーである。よって、本明細書において使用される場合、核酸とポリヌクレオチドは互換的である。当業者は、核酸がポリヌクレオチドであって、これは加水分解されて単量体の「ヌクレオチド」になることができるという一般的な知識を有する。単量体ヌクレオチドはヌクレオシドへと加水分解され得る。本明細書で使用される場合、ポリヌクレオチドには、当分野で利用可能な任意の方法であって、これには限定される事無しに、組み換え的方法、すなわち組み換えライブラリーまたは細胞ゲノムから、通常のクローニング方法およびPCR(商標)等を使用して、および合成的方法によって核酸配列をクローニングする事を含む、方法によって得られる全ての核酸配列を含むがこれに限定されない。
本明細書で使用される場合、「タンパク質」、「ペプチド」および「ポリペプチド」という用語は互換的に使用され、およびペプチド結合によって共有結合的に結合したアミノ酸残基で構成される化合物を指す。用語「ペプチド結合」とは、1つのアミノ酸のカルボキシル基と2つ目のアミノ酸のアミノ基との間で水分子が失われる事によって形成される共有結合のアミド結合を意味する。タンパク質またはペプチドは少なくとも2つのアミノ酸を含まねばならず、タンパク質またはペプチドの配列を構成し得るアミノ酸の最大数に限度はない。ポリペプチドは、互いにペプチド結合で連結した2つ以上のアミノ酸を含む任意のペプチドまたはタンパク質を含む。本明細書で使用される場合、この用語は、当分野において一般にペプチド、オリゴペプチドおよびオリゴマーと呼ばれる短い鎖、および様々な種類が存在し、当分野において一般にタンパク質と呼ばれる長い鎖の両方を指す。「タンパク質」は、例えば生物学的に活性な断片、実質的に相同なタンパク質、オリゴペプチド、ホモダイマー、ヘテロダイマー、タンパク質の変異体、改変タンパク質、誘導体、類縁体および融合タンパク質他を含む。タンパク質は天然タンパク質、組み換えタンパク質、合成タンパク質およびその組み合わせを含む。タンパク質は受容体であるか、または非受容体である。
本明細書で使用される場合、用語「組み換えDNA」は異なる供給源に由来するDNAの断片を接合して製造されるDNAと定義される。
本明細書で使用される場合、用語「組み換えポリペプチド」とは組み換えDNA法を用いて製造されたポリペプチドと定義される。
本明細書で使用される場合、用語「RNA」とはリボ核酸と定義される。
本明細書で使用される場合、用語「治療」とは処置および/または予防を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「処置」とは患者が経験する症状の頻度を低減する事、または経験される症状の頻度および/または重症度を低減するために剤または化合物を投与する事を意味する。本明細書で使用される場合「軽減(alleviate)」は用語「処置」と互換的に使用される。
本明細書で使用される場合、「疾患、障害または状態の処置」とは、対象によって経験される疾患、障害または状態の症状の頻度または重症度を低減する事を意味する。疾患、障害または状態の処置には、症状の完全な根絶または除去を含んでもよいし、含まなくてもよい。
「発現ベクター」とは、発現されるべきヌクレオチド配列に作動可能に連結した発現調節配列を含む組み換えポリヌクレオチドを含むベクターを指す。発現ベクターは発現のために十分なシス-作動要素を含む;発現のための他の要素は宿主細胞によって、またはインビトロ発現系において供給され得る。発現ベクターには当分野で知られる全てのもの、例えば、組み換えポリヌクレオチドを組み込むコスミド、プラスミド(例えば、裸のプラスミドまたはリポソーム中に含まれたプラスミド)およびウイルス(例えば、レトロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルス)を含む。
「ベクター」とは遺伝子を含む、および細胞内への遺伝子の送達に使用され得る物質の組成物である。ベクターとは、外来配列を標的生物または細胞のゲノムへと移動させる事ができる、遺伝子を含む任意のプラスミドを指す。
本明細書で使用される場合、核酸に提供される用語「断片」とは全長よりも短い。
以下の略語が本明細書において使用される:VH、重鎖可変領域;VL、軽鎖可変領域;CH、重鎖定常領域;CL、軽鎖定常領域。
範囲:本開示を通して、本発明の様々な態様は範囲形式で提示され得る。範囲形式の記載は、単に便宜上および簡潔さのためであり、本発明の範囲に対する確固たる限定と解釈すべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の記載は、その範囲内の個々の数値だけでなく、すべての可能な部分範囲を具体的に開示したとみなされるべきである。例えば、1~6という範囲の記載は、例えば1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲および、例えば、1、2、2.7、3、4、5、5.3および6などのその範囲内の個々の数値を具体的に開示したとみなされるべきである。これは、範囲の広さに関係なく適用される。
説明
本発明は、プロおよび成熟EMAPIIを認識するヒト化モノクローナル抗体を提供する。この抗体は、4つの軽鎖可変領域の内の1つおよび5つの重鎖可変領域の内の1つを含む。本発明は、キメラ抗-EMAPII抗体をさらに提供する。抗体を送達するための医薬組成物がさらに開示され、および本発明の抗体を用いてEMAPIIを標的とする事によって疾患を処置する方法もまた開示される。
抗体、抗体を含むベクターおよび組成物
一つの態様では、本発明はヒト化抗EMAPII抗体を提供する。この抗体は、配列番号1~配列番号5の何れか1つに対して90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号6~配列番号9の何れか1つに対して90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。図1~8および実施例1に示すように、本明細書において開示される抗体はプロおよび成熟EMAPIIに結合する。
H4424(ヒト化HC1)配列番号1
MDPKGSLSWRILLFLSLAFELSYGEVQLVESGGGLVQPGGSLKLSCAASGFTFSDAAMYWVRQASGKGLEWVGRIRTKPNNYATYYAASVKGRFTISRDDSKNTAYLQMNSLKTEDTAVYYCTSWSYDFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVS HEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
H4425(ヒト化HC2)配列番号2
MDPKGSLSWRILLFLSLAFELSYGAVQLVESGGGLVQPGGSLKLSCAASGFTFSDAAMYWVRQASGKGLEWVARIRTKPNNYATYYAASVKGRFTISRDDSKNTVYLQMNSLKTEDTAVYYCTSWSYDFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVS HEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
H4426(ヒト化HC3)配列番号3
MDPKGSLSWRILLFLSLAFELSYGAVHLVESGGGLVQPGGSLKLSCAASGFTFSDAAMYWVRQASGKGLEWVARIRTKPNNYATYYAASVKGRFTISRDDSKNTVYLQMNSLKTEDTAVYYCTSWSYDFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVS HEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
H4427(ヒト化HC4)配列番号4
MDPKGSLSWRILLFLSLAFELSYGEVQLVESGGGLVQPGGSLKLSCAASGFTFSDAAIYWVRQASGKGLEWVARIRTKPNNYATYYAASVKGRFTISRDDSNSTAYLQMNSLKTEDTAVYYCTSWSYDFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVS HEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
H4428(ヒト化HC5)配列番号5
MDPKGSLSWRILLFLSLAFELSYGAVQLVESGGGLVQPGGSLKLSCAASGFTFSDAAMYWVRQASGKGLEWVARIRTKPNNYATYYAASVKGRFTISRDDSNSTAYLQMNSLKTEDTAVYYCTSWSYDFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVS HEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
L4424(ヒト化LC1)配列番号6
METDTLLLWVLLLWVPGSTGDIVMTQSPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLHSSGKTYLNWYLQKPGQSPQLLIYWMSNRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQFLEYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
L4425(ヒト化LC2)配列番号7
METDTLLLWVLLLWVPGSTGDIVMTQSPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLHSSGKTYLNWYLQKPGQSPQLLIYWMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQFLEYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
L4426(ヒト化LC3)配列番号8
METDTLLLWVLLLWVPGSTGDIVMTQSPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLHSSGKTYLNWYLQKPGQSPQLLIYWMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQFLEYPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
L4427(ヒト化LC4)配列番号9
METDTLLLWVLLLWVPGSTGDIQMTQSPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLHSSGKTYLNWYLQKPGQSPQLLIYWMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQFLEYPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
様々な実施形態では、ヒト化抗EMAPII抗体の重鎖可変領域および軽鎖可変領域の1つまたは両方は、それぞれ配列番号1~配列番号5、および配列番号6~配列番号9に対して95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
別の態様では、本発明は、配列番号10に対して90%以上の配列同一性を持つ重鎖可変ドメインおよび配列番号11に対して90%以上の配列同一性を持つ軽鎖可変ドメインを含むキメラ抗EMAPII抗体を提供する。
MHC1309HC.4配列番号10
AVHLVESGGGFVQPTESLKISCAASGFTFSDAAMYWVRQAPGKGLEWVARIRTKPNNYATYYADSVKGRFTISRDDSKSMVYLQMDNLKTEDTAMYYCTSWSYDFDYWGQGVMVTVSS
MHC1309LC.1配列番号11
DIVMTQGALPNPVPSGESASITCQSSKSLLHSSGKTYLNWYLQRPGQSPHLLIYWMSTRASGVSDRLSGSGSGTDFTLKISSVEAEDVGVYYCQQFLEYPLTFGSGTKLEIK
様々な実施形態では、キメラ抗EMAPII抗体の重鎖可変領域および軽鎖可変領域の1つまたは両方は、それぞれ配列番号10および配列番号11に対して95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上または100%の配列同一性を持つアミノ酸配列を含む。
別の態様では、本発明は、配列番号1~配列番号11の何れか1つに記載のアミノ酸配列をコードする核酸を含む組み換えベクターを提供する。様々な実施形態では、ベクターは、配列番号1~配列番号5の何れか1つに記載のヒト化抗-EMAPII抗体重鎖をコードする核酸を含む。様々な実施形態では、ベクターは、配列番号6~配列番号11の何れか1つに記載のヒト化抗-EMAPII抗体軽鎖をコードする核酸を含む。様々な実施形態では、ベクターは、配列番号1~配列番号5の何れか1つに記載のヒト化抗-EMAPII抗体重鎖および配列番号6~配列番号9の何れか1つに記載のヒト化抗-EMAPII抗体軽鎖をコードする核酸を含む。様々な実施形態では、様々な実施形態では、核酸はプロモーターに作動可能に連結される。様々な実施形態では、本発明はこの組み換えベクターを用いて形質転換された細胞を提供する。本発明はさらに、このベクターで形質転換された細胞を抗体が発現されるような条件下で培養する事を含む、配列番号1~配列番号5の何れか1つの記載のヒト化抗-EMAPII抗体重鎖および配列番号6~配列番号9の何れか1つの記載のヒト化抗-EMAPII抗体軽鎖の製造方法をさらに提供する。
簡単に要約すると、抗体をコードする天然または合成核酸の発現は、典型的には、抗体ポリペプチドまたはその部分をコードする核酸をプロモーターに作動可能に連結する事、およびこの構築物を発現ベクターに組み込む事によって達成される。ベクターは複製および真核生物への組み込みに好適であり得る。典型的なクローニングベクターは、転写および翻訳のターミネーター、開始配列、ならびに所望の核酸配列の発現の調節に有用なプロモーターを含む。
核酸は多数の種類のベクターにクローニングできる。例えば、核酸は、プラスミド、ファージミド、ファージ誘導体、動物ウイルスおよびコスミドを含むがこれに限定されないベクターにクローニングされ得る。特に関心のあるベクターは発現ベクター、複製ベクター、プローブ生成ベクターおよびシーケンシングベクターを含む。
さらに、発現ベクターはウイルスベクターの形態で細胞に供され得る。ウイルスベクター技術は当分野においてよく知られており、例えばSambrook et al.,molecular cloning:a laboratory manual,volumes 1-3(3rd ed.,cold spring harbor press,ny 2001)および他のウイルス学および分子生物学マニュアルに記載されている。ベクターとして有用なウイルスには、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルスおよびレンチウイルスを含むがこれに限定されない。一般に、好適なベクターは、少なくとも1つの生物において機能的な複製起点、プロモーター配列、好都合な制限エンドヌクレアーゼ部位および1つ以上の選択可能マーカーを含む(例えば、国際公開第01/96584号;国際公開第01/29058号;および米国特許第6,326,193号)。
追加的なプロモーター要素、例えば、エンハンサーは転写開始の頻度を調節する。典型的には、開始部位の30~110bp上流の領域に位置するが、最近では多くのプロモーターが開始部位の下流にも機能的な要素を含むことが示されている。プロモーター要素間の間隔は柔軟である事が多く、要素を反転またはもう一方と相対的に移動させた際にもプロモーター機能が保存される。チミジンキナーゼ(tk)プロモーターでは、活性が低下し始める前に、プロモーター要素間の間隔を50bpまで広げることができる。プロモーターに応じて、転写を活性化するために個々の要素が協調的または独立して機能し得るようである。
プロモーターの例は、EF1αプロモーターである。さらなる例には前初期サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター配列を含む。このプロモーター配列は、これに作動可能に連結した任意のポリヌクレオチド配列の高レベルな発現を駆動することが可能な、強力な構成的プロモーター配列である。しかし、他の構成的プロモーター配列もまた使用されてよく、これにはシミアンウイルス40(SV40)初期プロモーター、マウス乳がんウイルス(MMTV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)長末端反復(LTR)プロモーター、MoMuLVプロモーター、トリ白血病ウイルスプロモーター、エプスタイン・バーウイルス前初期プロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、および、例えばアクチンプロモーター、ミオシンプロモーター、ヘモグロビンプロモーターおよびクレアチンキナーゼプロモーターを含むがこれに限定されないヒト遺伝子プロモーター、を含むがこれに限定されない。さらに、本発明は構成的プロモーターの使用に限定されるべきではない。誘導性プロモーターもまた本発明の一部として企図される。誘導性プロモーターの使用は、その発現が望まれる場合にはそれが作動可能に連結するポリヌクレオチド配列の発現をオンにし、または発現が望ましくない場合にはその発現をオフにすることが可能な分子スイッチを提供する。誘導性プロモーターの例には、メタロチオニンプロモーター、グルココルチコイドプロモーター、プロゲステロンプロモーターおよびテトラサイクリンプロモーターを含むがこれに限定されない。
抗体ポリペプチドまたはその部分の発現を評価するために、細胞に導入される発現ベクターは、トランスフェクトもしくはウイルスベクターに感染させようとする細胞集団からの発現細胞の同定および選択を容易にするための選択可能マーカー遺伝子またはレポーター遺伝子の何れかもしくは両方を含み得る。その他の態様では、選択可能マーカーは別のDNA断片上に担持され、コトランスフェクション手順において使用され得る。選択可能マーカーおよびレポーター遺伝子の両者は宿主細胞での発現を可能にする適切な調節配列に隣接し得る。有用な選択可能マーカーには、例えばneoなどの抗生物質耐性遺伝子を含む。
レポーター遺伝子は、可能性のあるトランスフェクトされた細胞を同定するため、および調節配列の機能性を評価するために使用される。一般に、レポーター遺伝子は、レシピエント生物または組織において存在しない、もしくは発現されない遺伝子であって、その発現がいくつかの検出が容易な特性、例えば酵素活性などによって示されるポリペプチドをコードする。レポーター遺伝子の発現は、DNAがレシピエント細胞に導入された後の適切な時間においてアッセイされる。好適なレポーター遺伝子には、ルシフェラーゼ、β-ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、分泌型アルカリホスファターゼ、または緑色蛍光タンパク質遺伝子をコードする遺伝子を含む(例えば、Ui-Tei et al.,2000FEBS Letters 479:79-82)。好適な発現系はよく知られており、既知の技術を用いて調製してもよいし、商業的に入手してもよい。一般に、レポーター遺伝子の最も高いレベルの発現を示す最小の5’隣接領域を持つ構築物がプロモーターとして同定される。このようなプロモーター領域はレポーター遺伝子と連結され、プロモーター駆動転写を調節する能力についての剤の評価に使用され得る。
細胞に遺伝子を導入するおよび発現させる方法は当分野において知られている。発現ベクターの文脈において、ベクターは、当分野における任意の方法によって、宿主細胞、例えば哺乳類、細菌、酵母または昆虫細胞に容易に導入され得る。例えば、発現ベクターは物理的、化学的、または生物学的手段によって宿主細胞に移入され得る。
ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入する物理的な方法には、リン酸カルシウム沈殿、リポフェクション、パーティクル・ガン法(particle bombardment)、マイクロインジェクション、エレクトロポレーションなどが含まれる。 ベクターおよび/または外因性核酸を含む細胞を製造する方法は、当技術分野で周知である。例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,volumes 1-3(3rd ed.,Cold Spring Harbor Press,NY 2001)を参照のこと。
目的のポリヌクレオチドを宿主細胞に導入する生物学的な方法には、DNAおよびRNAベクターの使用を含む。ウイルスベクターおよび特にレトロウイルスベクターは、遺伝子を哺乳類細胞、特にヒト細胞に挿入するための最も広く使用される方法となった。他のウイルスベクターは、レンチウイルス、ポックスウイルス、単純ヘルペスウイルスI型、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルスなどに由来し得る。例えば、米国特許第5,350,674号および5,585,362号を参照のこと。
ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入する化学的手段には、高分子複合体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズ、および水中油型エマルション、ミセル、混合ミセル、およびリポソームを含む脂質ベース系などのコロイド分散系を含む。インビトロおよびインビボで送達ビヒクルとして使用される例示的なコロイド系はリポソーム(例えば人工膜小胞)である。
非ウイルス送達系が使用される場合、例示的な送達ビヒクルはリポソームである。核酸の宿主細胞への導入のための脂質製剤の使用が企図される(インビトロ、エクスビボまたはインビボ)。別の態様では、核酸は脂質と会合し得る。脂質と会合した核酸は、リポソームの水性内部にカプセル化されてもよく、リポソームの脂質二重層内に散在してもよく、リポソームおよびオリゴヌクレオチドの両者に会合する連結分子を介してリポソームに付着してもよく、リポソーム中に封入されてもよく、リポソームと複合体化されてもよく、脂質を含む溶液中に分散されてもよく、脂質と混合されてもよく、脂質と組み合わせられてもよく、脂質中に懸濁物として含まれてもよく、ミセルと含有または複合化されてもよく、またはその他脂質と会合してもよい。脂質、脂質/DNAまたは脂質/発現ベクター会合組成物は、溶液中において、任意の特定の構造に限定されない。例えば、それらは二重層構造内に、ミセルとして、または「崩壊した」構造で存在し得る。それらは、溶液中に単純に分散されていてもよく、場合によっては大きさや形が均一ではない凝集体を形成し得る。脂質は、天然に生じる脂質かまたは合成脂質であり得る脂肪性物質である。例えば、脂質には、細胞質内に自然に存在する脂肪滴、ならびに長鎖脂肪族炭化水素およびその誘導体、例えば脂肪酸、アルコール、アミン、アミノアルコールおよびアルデヒドなどを含む化合物のクラスが含まれる。
使用に好適な脂質は商業的な供給源から得る事ができる。例えば、ジミリスチルホスファチジルコリン(「DMPC」)はSigma,St.Louis,MOから;ジセチルリン酸(「DCP」)はK&K Laboratories(Plainview,NY)から;コレステロール(Choi)はCalbiochem-Behringから;およびジミリスチルホスファチジルグリセロール(「DMPG」)およびその他の脂質はAvanti Polar Lipids,Inc.(Birmingham,AL.)から得られる。クロロホルムまたはクロロホルム/メタノール中の脂質のストック溶液は-20°Cで保存し得る。クロロホルムはメタノールよりも蒸発しやすいため、唯一の溶媒として使用される。「リポソーム」とは、封入された脂質二重層または凝集体の生成によって形成された様々な単層および多層膜脂質ビヒクルを包含する総称である。リポソームは、リン脂質二重層の膜および内部の水性媒体を持つ小胞構造を有する事によって特徴付けられ得る。多層膜リポソームは、水性媒体で分けられた複数の脂質層を有する。これはリン脂質が過剰な水性溶液に懸濁された際に自然に生じる。脂質成分は閉じた構造を形成する前に自己再配置を行い、脂質二重層の間に水および溶解した溶質を取り込む(Ghosh et al.,1991Glycobiology 5:505-10)。しかし、通常の小胞構造とは異なる溶液中における構造を有する組成物もまた包含される。例えば、脂質はミセル構造をとるか、または単に脂質分子の非均一な凝集体として存在することができる。また、リポフェクタミン-核酸複合体も企図される。
様々な実施形態では、本発明は、抗体および少なくとも1つの薬学的に許容できる賦形剤を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、抗体の患者への送達に適した任意の形態であってよく、および医薬組成物の詳細は、それが供される適応症に基づいて変化する。好適な薬学的賦形剤の例は本明細書の他の箇所に開示される。
疾患の処置方法
EMAPIIは、一般的な肺の傷害と同様に、たばこの煙に誘発される肺の傷害に関連する。図1~8に示すように、本発明の抗体はプロおよび成熟EMAPIIの両者に結合する。したがって、様々な実施形態では、本発明はそれを必要とする対象における慢性閉塞性肺疾患(COPD)、特に肺気腫の処置方法を提供し、ここで方法は、医薬組成物において本明細書に開示されるヒト化抗EMAPII抗体を対象に投与する事を含む。
様々な実施形態では、本発明はそれを必要とする対象における肺気腫の処置方法を提供し、ここで方法は、医薬組成物において本明細書に開示されるヒト化抗EMAPII抗体を対象に投与する事を含む。
様々な実施形態では、本発明はそれを必要とする対象における急性肺傷害の処置方法を提供し、ここで方法は、医薬組成物において本明細書に開示されるヒト化抗EMAPII抗体を対象に投与する事を含む。
様々な実施形態では、本発明はそれを必要とする対象における気管支肺異形成症の処置方法を提供し、ここで方法は、医薬組成物において本明細書に開示されるヒト化抗EMAPII抗体を対象に投与する事を含む。
本明細書に開示される抗-EMAPII抗体は、標的細胞と相互作用するために利用可能なEMAPIIに結合し、およびそのレベルを低減する。したがって、様々な実施形態では、本発明はそれを必要とする対象におけるEMAPII介在性疾患の処置方法を提供し、ここで方法は、医薬組成物において本明細書に開示されるヒト化抗EMAPII抗体を対象に投与する事を含む。
用法/用量/剤形
本発明の化合物および/または組成物の患者、好ましくは哺乳類、さらに好ましくはヒトへの投与は、知られた手順を用いて、意図する疾患を処置するのに有効な投与量および期間で実施され得る。意図する疾患の処置に必要な治療化合物の有効量は、患者における疾患または障害の状態;患者の年齢、性別および体重;および本発明の化合物を検出するために使用される装置、などの要因に応じて変化し得る。当業者であれば、関連する要因を調べ、過度な実験なしに治療化合物の有効量について決定することができるはずである。
本発明の医薬組成物中の有効成分の実際の投与量は、患者に対する有害性を持たせる事なく、特定の患者、組成物および投与方式についての処置を達成するための有効な活性成分の量を得るために変化し得る。
ある実施形態では、本発明の組成物は、1つ以上の薬学的に許容できる賦形剤または担体を使用して製剤化される。ある実施形態では、本発明の組成物は有効量の本発明の化合物および薬学的に許容できる担体を含む。
担体は、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、その好適な混合物、および植物油を含む溶媒または分散媒体であり得る。適切な流動性は、例えばレシチンなどのコーティング剤の使用、分散液の場合では必要な粒子径の維持、および界面活性剤の使用によって維持され得る。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール等によって達成することができる。多くの場合、組成物中に等張剤、例えば、糖類、塩化ナトリウム、またはマンニトールおよびソルビトールなどの多価アルコール類を含むことが好ましい。注射用組成物の吸収の延長は、組成物中に吸収を遅延させる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムまたはゼラチンを含むことによってもたらされ得る。
投与のための本発明の化合物は、約1μg~約10,000mg、約20μg~約9,500mg、約40μg~約9,000mg、約75μg~約8,500mg、約150μg~約7,500mg、約200μg~約7,000mg、約3050μg~約6,000mg、約500μg~約5,000mg、約750μg~約4,000mg、約1mg~約3,000mg、約10mg~約2,500mg、約20mg~約2,000mg、約25mg~約1,500mg、約30mg~約1,000mg、約40mg~約900mg、約50mg~約800mg、約60mg~約750mg、約70mg~約600mg、約80mg~約500mgの範囲ならびに、その間の任意のおよびすべての、全体または部分的な増分である。
ある実施形態では、本発明の化合物の用量は約1mg~約2500mgである。ある実施形態では、本明細書に記載の組成物中の使用される本発明の化合物の用量は、約10,000mg以下、または約8,000mg以下、または約6,000mg以下、または約5,000mg以下、または約3,000mg以下、または約2,000mg以下、または約1,000mg以下、または約500mg以下、または約200mg以下、または約50mg以下である。同様に、ある実施形態では、本明細書に記載の第2の化合物の用量は約1,000mg以下、または約800mg以下、または約600mg以下、または約500mg以下、または約400mg以下、または約300mg以下、または約200mg以下、または約100mg以下、または約50mg以下、または約40mg以下、または約30mg以下、または約25mg以下、または約20mg以下、または約15mg以下、または約10mg以下、または約5mg以下、または約2mg以下、または約1mg以下、または約0.5mg以下、ならびに、その間の任意のおよびすべての、全体または部分的な増分である。
製剤は、従来の賦形剤、すなわち経口、非経口、鼻腔、静脈、皮下、経腸または任意の他の投与様式に好適な当分野で知られる薬学的に許容できる有機または無機の担体物質と混和して用いられ得る。医薬調製物は滅菌されてよく、および所望により補助剤、例えば潤滑剤、保存剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧緩衝剤に影響を与えるための塩、着色料、香料及び/又は芳香物質等と混合して使用してもよい。
本発明の組成物の任意の投与経路には、経口、鼻腔、直腸、膣内、非経口、頬、舌下または局所を含む。本発明における使用のための化合物は、経口または非経口、例えば、経皮、経粘膜(例えば、舌下、舌上、(経)頬、(経)尿道、膣(例えば、経膣および膣周囲)、(経)鼻および(経)直腸)、脳腔内、肺内、十二指腸内、胃内、髄腔内、皮下、筋肉内、皮内、動脈内、静脈内、気管支内、吸入、および局所投与などの任意の好適な経路による投与のために製剤化され得る
好適な組成物および投与形態には、例えば、錠剤、カプセル、カプレット、丸薬、ゲルキャップ、トローチ、分散液、懸濁液、溶液、シロップ、顆粒、ビーズ、経皮パッチ、ゲル、粉末、ペレット、マグマ、ロゼンジ、クリーム、ペースト、プラスター、ローション、ディスク、座薬、鼻または口腔投与のための液体スプレー、吸入用の乾燥粉末またはエアロゾル化製剤、膀胱内投与用の組成物および製剤などを含む。本発明において有用な製剤および組成物は本明細書に記載の特定の製剤および組成物に限定されないことが理解されるべきである。
非経口投与
本明細書で使用される場合、医薬組成物の「非経口投与」には、対象の組織を物理的に破り、組織の破れを介して医薬組成物を投与することを特徴とする任意の投与経路を含む。したがって、非経口投与は、組成物の注射、外科的切開を通じた組成物の適用、および組織を貫通する非外科的創傷を通じた組成物の適用など、による医薬組成物の投与を含むが、これに限定されない。特に、非経口投与は、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、胸骨内注射および腎臓透析注入技術を含むことが企図されるが、これに限定されない。
非経口投与に好適な医薬組成物の製剤は、滅菌水または滅菌等張生理食塩水などの薬学的に許容できる担体と組み合わせられる活性成分を含む。このような製剤は、ボーラス投与または継続投与に適した形態で調製、包装または販売され得る。注射用製剤は、アンプルまたは保存剤を含む多用量容器などの単位用量の形態で調製、包装または販売され得る。非経口投与用の製剤には、懸濁液、溶液、油性または水性のビヒクル中へのエマルジョン、ペーストおよび埋込用の徐放性または生分解性製剤が含まれるがこれに限定されない。このような製剤は、懸濁剤、安定化剤または分散剤を含むがこれに限定されない1つ以上の追加的な成分をさらに含み得る。非経口投与用製剤のある実施形態では、活性成分は、再構成された組成物の非経口投与の前に、好適なビヒクル(例えば、滅菌パイロジェンフリー水)で再構成されるための乾燥(粉末または顆粒)の形態で提供され得る。
医薬組成物は、滅菌の注射用の水性または油性の懸濁液または溶液の形態で調製、包装または販売され得る。この懸濁液または溶液は周知の技術に従って製剤化され、活性成分に加えて、本明細書に記載の分散剤、湿潤剤または懸濁剤などの追加的な成分を含み得る。このような滅菌注射用製剤は、例えば水または1,3-ブタンジオールなどの非毒性の非経口的に許容できる希釈剤または溶媒を使用して調製され得る。他の許容できる希釈剤および溶媒には、リンゲル液、等張塩化ナトリウム水溶液および合成モノグリセリドまたはジグリセリドなどの不揮発性油を含むがこれに限定されない。他の非経口的に投与可能な有用な製剤には、活性成分を微結晶の形で、リポソーム製剤で、または生分解性ポリマー系の成分として含んでいるものを含む。徐放性または埋込用の組成物は、エマルジョン、イオン交換樹脂、難溶性ポリマー、または難溶性塩などの薬学的に許容されるポリマーまたは疎水性材を含み得る。
追加的な投与形態
本発明の追加的な投与形態には、米国特許第6,340,475号;第6,488,962号;第6,451,808号;第5,972,389号;第5,582,837号;および第5,007,790号に記載の投与形態を含む。本発明の追加的な投与形態はまた、米国特許出願第2003/0147952号;第2003/0104062号;第2003/0104053号;第2003/0044466号;第2003/0039688号;および第2002/0051820号に記載の投与形態を含む。本発明の追加的な投与形態はまた、PCT出願国際公開第03/35041号;第03/35040号;第03/35029号;第03/35177号;第03/35039号;第02/96404号;第02/32416号;第01/97783号;第01/56544号;第01/32217号;第98/55107号;第98/11879号;第97/47285号;第93/18755号;および第90/11757号に記載の投与形態を含む。
実施例
本発明は以下の実施例を参照してさらに詳細に記載される。これらの実施例は例示の目的のためにのみ提供され、特段の特定が無い限り限定する事を意図するものではない。よって、本発明は、決して以下の実施例に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、本明細書に提供される教示の結果として明らかになるあらゆる変形を包含するものと解釈されるべきである。
さらなる説明無しに、当業者であれば上記の記載および以下の例示的な実施例を使用して、本発明の請求する方法を実施する事ができると考えられる。したがって、以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を具体的に指摘するものであり、本開示の残りの部分をいかなる形でも限定するものとして解釈されるべきではない。
実施例1:
ラットハイブリドーマIgG可変領域および定常領域のクローニングおよびシーケンシング
VHおよびVL、CHおよびCL領域についてDNAを増幅するために、cDNA末端の迅速増幅(RACE)を行った。ポジティブなクローンをゲル電気泳動によって同定した。ポジティブなDNAをクローニングおよびシーケンシングした。IgG可変領域および定常領域のDNA配列およびアミノ酸配列を解析した。
インシリコ(in silico)解析を使用して親抗体のヒト化設計を行った。ヒト化の工程は、相同性モデリングした抗体の3D構造を生成し、構造モデルに基づいて親抗体のプロファイルを作成する事から始まる。利用するアクセプターフレームワークは、フレームワーク全体の配列同一性、一致するインターフェース位置、類似した分類されたCDRの標準的な位置、除去されるべきN-グリコシル化部位の存在に基づいて同定した。2つの軽鎖(LC)および2つの重鎖(HC)フレームワークがヒト化設計のために選択された。
ヒト化抗体は、親抗体配列の選択した部分をヒトフレームワーク配列と融合させた複数のハイブリット配列を作成する事により設計された。3Dモデルを用いて、これらのヒト化配列を、目視およびコンピューターモデルによって系統的に解析し、抗原結合を最も維持する可能性が高い配列を単離した。目標は、元の抗体の特異性を保持しながら、最終的なヒト化抗体中のヒト配列の量を最大化することであった。
2つの異なる重鎖および軽鎖ヒトアクセプターフレームワークに基づいて、3つのヒト化軽鎖および5つのヒト化重鎖を設計した(表1を参照)。HC1およびLC1は最初のそれぞれのフレームワークを利用し、最小限の親抗体フレームワーク配列で最も多くのヒト配列を含んでいる。HC2、HC3およびLC2は、前と同じフレームワークを使用するが、追加の親配列を含む。HC4、HC5、LC3およびLC4は、第2のそれぞれのフレームワークを利用し、またヒトフレームワークと融合した追加の親配列を含む。
ヒト化鎖のヒトらしさスコアの算出
モノクローナル抗体のヒトらしさスコアをGao,S.H.,Huang,K.,Tu,H.,and Adler,A.S.2013,Monoclonal antibody humanness score and its applications.BMC Biotechnology,13:55.に従って算出した。このスコアは、抗体の可変領域配列が、ヒトにおける抗原性の低減の点でどれぐらいヒトに近いかを表し、抗体をヒト化する際の重要な要素である。親抗体およびヒト化抗体のヒトらしさスコアを以下に示す。この方法に基づいて、重鎖の場合は79以上で抗原性の点でヒトに近い抗体であることを示し、κ軽鎖の場合は86以上で抗原性の点でヒトに近い抗体であることを示す。
ヒト化抗体の構築
全長抗体遺伝子を、まず可変領域配列を合成する事によって構築した。配列を哺乳類細胞における発現のために最適化した。そしてこれらの可変領域配列を、ヒトFcドメインをあらかじめ含む発現ベクターにクローニングした。加えて、比較のために、親の重鎖と軽鎖の可変領域を、同じバックボーンFc配列を用いた全長のキメラ鎖として構築した。
小規模生産
ヒト化抗体を0.03リットル生産した。キメラ親抗体も直接比較のためにスケールアップした。抗体を生産するために、示した重鎖および軽鎖に対するプラスミドを、血清非存在下で化学的に規定の培地を使用した懸濁液中でHEK293細胞にトランスフェクトした。具体的には、抗体配列を遺伝子合成し、および独自の発現ベクターpLEV123にクローニングした。調製培地中の全抗体をMabSelect SuRe Protein A medium(GE Healthcare)を使用して精製した。
ヒト化抗体の結合ELISA
20のヒト化抗体、キメラ親抗体およびラット親抗体の用量依存的な結合ELISAを行った。ELISAプレートを、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で2μg/mLのヒトプロEMAPIIを用いて4°Cで一晩被覆した。全抗体を、0.05%リン酸緩衝生理食塩水tween(PBST)で、10μg/mLから出発して7点、4倍連続希釈し、最後の点はPBST単独とした。抗体を事前にブロッキングしたELISAプレートで1.5時間インキュベートし、その後0.05%PBSTで3回洗浄した。2次抗体(ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ(HRP)-抗-ヒトIgG FcまたはHRP-抗-ラットIgG Fc)をHRPアッセイ希釈剤で5000倍に希釈し、室温で1時間インキュベートした。そしてプレートを4回洗浄し、TMB基質を添加した。室温で5分間発色させた後、1N HClで反応を停止させた。結合曲線は図1~4に示す。
プロEMAPIIおよび成熟EMAPIIへの結合
20の抗体の用量依存的な結合ELISAを行い、その結果を図5~8に示す。抗原の被覆は2μg/mLで4°Cで一晩であった。PBS中の2%BSAを用いて、室温で1.5時間ブロッキングした。1次インキュベートは、10μg/mL、1:4希釈で室温1時間行った。検出抗体は、ヒト化抗体およびキメラ抗体についてはヤギ-抗ヒト(Goat-anti-Human)、ラット親抗体についてはヤギ-抗ラット(Goat-anti-Rat)であった。RT1時間(1:10000希釈)。
列挙された実施形態の一覧
実施形態1.配列番号1~配列番号5の何れか1つに対して90%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメイン;および配列番号6~配列番号9の何れか1つに対して90%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメイン、を含む、ヒト化抗-内皮単球活性化ポリペプチドII(抗-EMAPII)抗体。
実施形態2.重鎖可変ドメインが、配列番号1~配列番号5の何れか1つに対して95%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する;および軽鎖可変ドメインが配列番号6~配列番号9の何れか1つに対して95%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する、実施形態1に記載の抗体。
実施形態3.重鎖可変ドメインが配列番号2または配列番号3の何れか1つに対して99%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する;および軽鎖可変ドメインが配列番号6または配列番号9の何れか1つに対して99%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する、実施形態1に記載の抗体。
実施形態4.配列番号1~配列番号5の何れか1つに対して90%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含む、ヒト化抗-内皮単球活性化ポリペプチドII(抗-EMAPII)抗体。
実施形態5.重鎖可変ドメインが配列番号2または配列番号3の何れか1つに対して95%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する、実施形態4に記載の抗体。
実施形態6.配列番号6~配列番号9の何れか1つに対して90%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインを含むヒト化抗-内皮単球活性化ポリペプチドII(抗-EMAPII)抗体。
実施形態7.軽鎖可変ドメインが配列番号6または配列番号9の何れか1つに対して95%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する、実施形態6に記載の抗体。
実施形態8.配列番号10に対して90%以上の配列同一性を持つ重鎖可変ドメインおよび配列番号11に対して90%以上の配列同一性を持つ軽鎖可変ドメインを含む、キメラ抗-内皮単球活性化ポリペプチドII(抗-EMAPII)抗体。
実施形態9.重鎖可変ドメインが配列番号10に対して95%以上の配列同一性を有する、および軽鎖可変ドメインが配列番号11に対して95%以上の配列同一性を有する、実施形態8に記載の抗体。
実施形態10.配列番号1~配列番号11の何れか1つに記載のアミノ酸配列をコードする核酸を含む、組み換えベクター。
実施形態11.実施形態10に記載の組み換えベクターで形質転換された細胞。
実施形態12.抗体が発現される条件下で実施形態11に記載の形質転換された細胞を培養する事を含む、抗体の製造方法。
実施形態13.実施形態1~9の何れか1項に記載の抗体および少なくとも1つの薬学的に許容できる賦形剤を含む、医薬組成物。
実施形態14.実施形態13に記載の医薬組成物を対象に投与する工程を含む、それを必要とする対象における慢性閉塞性肺疾患(COPD)を処置する方法。
実施形態15.実施形態13に記載の医薬組成物を対象に投与する工程を含む、それを必要とする対象における肺気腫を処置する方法。
実施形態16.実施形態13に記載の医薬組成物を対象に投与する工程を含む、それを必要とする対象における気管支肺異形成症を処置する方法。
実施形態17.実施形態13に記載の医薬組成物を対象に投与する工程を含む、それを必要とする対象における内皮単球活性化ポリペプチドII(EMAPII)介在性疾患を処置する方法。
他の実施形態
本明細書において、ある変数の定義における要素の列記の記載には、任意の単一の要素または列記された要素の組み合わせ(または部分的な組み合わせ)としてのその変数の定義を含む。本明細書における実施形態の記載には、任意の単一の実施形態として、または任意の他の実施形態もしくはその一部との組み合わせとして、その実施形態を含む。
本明細書で引用する特許、特許出願、および刊行物各々または全ての開示内容は、ここに本明細書の一部として参照によりその全体を援用する。本発明は、特定の実施形態を参照して開示されてきたが、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の他の実施形態および変形が当業者によって考案され得ることが明らかである。添付の特許請求の範囲は、そのようなすべての実施形態および等価な変形を含むように解釈されることを意図している。

Claims (17)

  1. 配列番号1~配列番号5の何れか1つに対して90%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメイン;および配列番号6~配列番号9の何れか1つに対して90%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメイン、を含む、ヒト化抗-内皮単球活性化ポリペプチドII(抗-EMAPII)抗体。
  2. 重鎖可変ドメインが、配列番号1~配列番号5の何れか1つに対して95%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する;および軽鎖可変ドメインが配列番号6~配列番号9の何れか1つに対して95%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の抗体。
  3. 重鎖可変ドメインが配列番号2または配列番号3の何れか1つに対して99%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する;および軽鎖可変ドメインが配列番号6または配列番号9の何れか1つに対して99%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の抗体。
  4. 配列番号1~配列番号5の何れか1つに対して90%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含む、ヒト化抗-内皮単球活性化ポリペプチドII(抗-EMAPII)抗体。
  5. 重鎖可変ドメインが配列番号2または配列番号3の何れか1つに対して95%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する、請求項4に記載の抗体。
  6. 配列番号6~配列番号9の何れか1つに対して90%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインを含む、ヒト化抗-内皮単球活性化ポリペプチドII(抗-EMAPII)抗体。
  7. 軽鎖可変ドメインが配列番号6または配列番号9の何れか1つに対して95%以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を有する、請求項6に記載の抗体。
  8. 配列番号10に対して90%以上の配列同一性を持つ重鎖可変ドメインおよび配列番号11に対して90%以上の配列同一性を持つ軽鎖可変ドメインを含む、キメラ抗-内皮単球活性化ポリペプチドII(抗-EMAPII)抗体。
  9. 重鎖可変ドメインが配列番号10に対して95%以上の配列同一性を有する、および軽鎖可変ドメインが配列番号11に対して95%以上の配列同一性を有する、請求項8に記載の抗体。
  10. 配列番号1~配列番号11の何れか1つに記載のアミノ酸配列をコードする核酸を含む、組み換えベクター。
  11. 請求項10に記載の組み換えベクターで形質転換された細胞。
  12. 抗体が発現される条件下で請求項11に記載の形質転換された細胞を培養する事を含む、抗体の製造方法。
  13. 請求項1~9の何れか1項に記載の抗体および少なくとも1つの薬学的に許容できる賦形剤を含む、医薬組成物。
  14. 請求項13に記載の医薬組成物を対象に投与する工程を含む、それを必要とする対象における慢性閉塞性肺疾患(COPD)を処置する方法。
  15. 請求項13に記載の医薬組成物を対象に投与する工程を含む、それを必要とする対象における肺気腫を処置する方法。
  16. 請求項13に記載の医薬組成物を対象に投与する工程を含む、それを必要とする対象における気管支肺異形成症を処置する方法。
  17. 請求項13に記載の医薬組成物を対象に投与する工程を含む、それを必要とする対象における内皮単球活性化ポリペプチドII(EMAPII)介在性疾患を処置する方法。
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