JP2023533280A - Pva膜固定化酵素及びその製造方法 - Google Patents

Pva膜固定化酵素及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

PVA膜固定化酵素及びその製造方法を提供する。当該PVA膜固定化酵素は、PVA多孔質膜及びPVA多孔質膜に包埋されている酵素を含み、PVA多孔質膜は、三次元的に構造されたPVA多孔質膜であり、酵素は、アミノ基転移酵素、D-乳酸脱水素酵素、シクロヘキサノンモノオキシゲナーゼ、ケト還元酵素、アルケン還元酵素、ニトリル加水分解酵素、アンモニア分解酵素、アミノ酸脱水素酵素、イミン還元酵素、アルコール脱水素酵素、ギ酸アンモニウム脱水素酵素、グルコース1-脱水素酵素及びそれらの変異体からいずれか選ばれる。三次元的に構造されたPVA多孔質膜を採用してそれを担体として酵素を包埋の方式で固定化し、包埋固定化のフローはシンプルであり、条件が穏やかで、比表面積が大きく、酵素がPVA多孔質膜に包埋固定化されると比較的安定しており、使用中に浸出しにくく、採用するPVA多孔質膜の多孔質構造は反応物と生成物をよりよく送達できるため、連続フロー生体触媒への使用に適し、酵素に対する幅広い適合性を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、酵素固定化の技術分野に関し、具体的に言えば、PVA膜固定化酵素及びその製造方法に関する。
生体触媒は、化学物質、中間体、ファインケミカル及び最終薬物分子製造プログラムの不可欠な部分になりつつある。しかし、プロセス上の需要が拡大し続けるにつれて、酵素の使用上の効率及び経済性が避けられなくなる。そのために、酵素活性、特異性及び生産性を向上させるだけでなく、貯蔵寿命及びリサイクル性を向上させる必要があり、特に商業的な規模のある使用の経済的実行可能性を促進するためには必要である。
酵素固定化プラットフォームは生産の過程で酵素を適切に統合するために優れたツールを提供している。数年来、いくつかの天然および合成担体ペアの酵素固定化効率が評価されてきており、例えば、各プラットフォームについてはその使用、経済性及び利点に基づいて専門的な評価が行われている。固定化生体触媒は、有機合成、汚染防止及び診断を目的とする分野などで幅広く使用されている(Enzyme Microb Technol,31,171-8;J Pharm Sci,89,979-90)。
酵素を固体担体上又は固体担体内に固定することによって固定化を実現し、このようにして不均一な固定化酵素系を得る。物理的方式(担体と酵素の間に弱い相互作用が存在する)及び化学的方式(担体と酵素が共有結合を形成させる)(Analyst,133,697-701;Chem Soc Rev,40,2567-92;Berlin Heidelberg:Springer,95-126)又は両者の組み合わせなどの様々な方法で酵素を固定できるため、様々な機能的に活性な担体を含む。
酵素の物理的固定方法は、膜又は膜リアクタ内、水不溶性マトリックスへの吸着(イオンによる物理的方式、例えば、メソポーラス材料への吸着)、封入(又はゲル包埋)、固体膜を用いたマイクロカプセル化、液体膜を用いたマイクロカプセル化、酵素触媒ラングミュア・ブロジェット(Langmuir-Blodgett)膜の形成(Anal Chem,1994;66,1120A-7A)などを含む。膜包埋又はカプセル化の場合に、得られた酵素触媒は、膜支持体の特性、例えば、親水性、疎水性、反応性官能基の密度、孔隙率、孔径分布、膜の厚さ、リアクタの構成などによって決められる。固定化という固定方法は酵素の膜内の局在化に基づくもので、その目的は、操作条件下で高度な安定性を有するだけでなく酵素のより高い発現を実現させることである。
現在、多孔質膜を採用して酵素を固定化する研究が多くあるが、酵素によってその構造と活性部位が異なるため、その固定化方法にも違いがあり、例えば、PVA膜(ポリビニルアルコール膜)を採用してリパーゼを固定する場合、固定化を利用してリパーゼの安定性及び活性を改善するという目的を達成するために、グルタルアルデヒドを採用して架橋させる必要がある。また、多孔質膜を利用してキシラナーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、β-ガラクトシダーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼなどの酵素を固定化する場合、アミノ基、カルボキシ基、チオール基、ヒドロキシ基、イミダゾール又はフェノール基などの基を利用して多孔質膜と酵素とを共有結合によって結合させるのが一般的である。以上から分かるように、従来の技術では架橋剤を採用して酵素を固定化する場合に高純度の酵素を使用する必要があるため、固定化方法が複雑になり、酵素の担載容量が限られている。
本発明の主な目的は、PVA膜固定化酵素及びその製造方法を提供して、多孔質膜を採用して酵素を固定化するプロセスが複雑であるという従来の技術の課題を解決することである。
上記の目的を達成するための本発明の一態様において、PVA膜固定化酵素を提供し、当該PVA膜固定化酵素は、PVA多孔質膜及びPVA多孔質膜に包埋されている酵素を含み、PVA多孔質膜は、三次元的に構造されたPVA多孔質膜であり、酵素は、アミノ基転移酵素、D-乳酸脱水素酵素、シクロヘキサノンモノオキシゲナーゼ、ケト還元酵素、アルケン還元酵素、ニトリル加水分解酵素(ニトリラーゼ)、アンモニア分解酵素(アンモニアリアーゼ)、アミノ酸脱水素酵素、イミン還元酵素、アルコール脱水素酵素、ギ酸アンモニウム脱水素酵素、グルコース1-脱水素酵素及びそれらの変異体からいずれかが選ばれる。
さらに、前記酵素は、遊離酵素又は架橋酵素凝集体である。
さらに、前記アミノ基転移酵素は、クロモバクテリウム・ビオラセウム(Chromobacterium violaceum) DSM30191に由来するアミノ基転移酵素又はアルスロバクター・シトレウス(Arthrobacter citreus)に由来するアミノ基転移酵素、又はバチルス・チューリンゲンシス(B.thuringiensis)に由来するアミノ基転移酵素であり、ケト還元酵素は、アセトバクター属(Acetobacter sp.)CCTCC M209061に由来するケト還元酵素、又はカンジダ・マケドニエンシス(Candida macedoniensis) AKU4588に由来するケト還元酵素であり、シクロヘキサノンモノオキシゲナーゼは、ロドコッカス属(Rhodococcus sp.)Phi1に由来するシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼ、又はブラキモナス・ペトロレオボランス(Brachymonas petroleovorans)に由来するシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼ、又はロドコッカス・ルバー-SD1(Rhodococcus ruber-SD1)に由来するシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼであり、アンモニア分解酵素は、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger) CBS 513.88に由来するアンモニア分解酵素及びソレノステモン・スクテラリオイデス(Solenostemon scutellarioides)に由来するアンモニア分解酵素であり、アルケン還元酵素は、サッカロミケス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)に由来するアルケン還元酵素及びクリセオバクテリウム属(Chryseobacterium sp.)CA49に由来するアルケン還元酵素であり、イミン還元酵素は、ストレプトマイセス属(Streptomyces sp)に由来するイミン還元酵素及びバチルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来するイミン還元酵素であり、アミノ酸脱水素酵素は、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来するロイシン脱水素酵素及びバチルス・スファエリカス(Bacillus sphaericus)に由来するフェニルアラニン脱水素酵素であり、ニトリル加水分解酵素は、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger) CBS 513.88に由来するニトリル加水分解酵素及びニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa) OR74Aに由来するニトリル加水分解酵素である。
さらに、前記クロモバクテリウム・ビオラセウム(Chromobacterium violaceum) DSM30191に由来するアミノ基転移酵素は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有し、アミノ基転移酵素の変異体のアミノ酸配列は、配列番号1に示されるアミノ酸配列に変異が起きて得られるアミノ酸配列であり、変異は、少なくとも、7位、47位、90位、95位、297位、304位、380位、405位及び416位の1つの変異部位を含み、且つ7位のトレオニンはシステインに変異し、47位のセリンはシステインに変異し、90位のリシンはグリシンに変異し、95位のアラニンはプロリンに変異し、297位のイソロイシンはロイシンに変異し、304位のリシンはアスパラギン酸に変異し、380位のグルタミンはロイシンに変異し、405位のアルギニンはグルタミン酸に変異し、416位のアルギニンはトレオニンに変異し、又はアミノ基転移酵素の変異体のアミノ酸配列は、変異が起きて得られるアミノ酸配列の変異部位を有し、且つ変異が起きて得られるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列である。
さらに、前記アルスロバクター・シトレウス(Arthrobacter citreus)に由来するアミノ基転移酵素は、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有し、アミノ基転移酵素の変異体のアミノ酸配列は、配列番号2に示されるアミノ酸配列に変異が起きて得られるアミノ酸配列であり、変異は、少なくとも、3位、5位、60位、164位、171位、178位、180位、186位、187位、252位、370位、384位、389位、404位、411位、423位及び424位の1つの変異部位を含み、且つ3位のロイシンはセリンに変異し、5位のバリンはセリンに変異し、60位のシステインはチロシンに変異し、164位のフェニルアラニンはロイシンに変異し、171位のグルタミン酸はアスパラギン酸に変異し、178位のアラニンはロイシンに変異し、180位のイソロイシンはバリンに変異し、186位のセリンはグリシンに変異し、187位のセリンはアラニンに変異し、252位のバリンはイソロイシンに変異し、370位のロイシンはアラニンに変異し、384位のチロシンはフェニルアラニンに変異し、389位のイソロイシンはフェニルアラニンに変異し、404位のロイシンはグルタミンに変異し、411位のグリシンはアスパラギン酸に変異し、423位のメチオニンはリシンに変異し、424位のグルタミン酸はグルタミンに変異し、又はアミノ基転移酵素の変異体のアミノ酸配列は、変異が起きて得られるアミノ酸配列の変異部位を有し、且つ変異が起きて得られるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列である。
さらに、前記アセトバクター属(Acetobacter sp.)CCTCC M209061に由来するケト還元酵素は、配列番号3に示されるアミノ酸配列を有し、ケト還元酵素の変異体のアミノ酸配列は、配列番号3に示されるアミノ酸配列に変異が起きて得られるアミノ酸配列であり、変異は、少なくとも、94位、144位及び156位の1つの変異部位を含み、且つ94位のアラニンはアスパラギンに変異し、144位のグルタミン酸はセリンに変異し、156位のアスパラギンはトレオニン若しくはバリンに変異し、又はケト還元酵素の変異体のアミノ酸配列は、変異が起きて得られるアミノ酸配列の変異部位を有し、且つ変異が起きて得られるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列である。
さらに、前記ロドコッカス属(Rhodococcus sp.)Phi1に由来するシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼは、配列番号4に示されるアミノ酸配列を有し、前記シクロヘキサノンモノオキシゲナーゼの変異体のアミノ酸配列は、配列番号4に示されるアミノ酸配列に変異が起きて得られるアミノ酸配列であり、変異は、少なくとも、280位、435位、436位、438位、441位、508位及び510位の1つの変異部位を含み、且つ280位のフェニルアラニンはチロシンに変異し、435位のフェニルアラニンはアスパラギンに変異し、436位のフェニルアラニンはセリンに変異し、438位のロイシンはアラニンに変異し、441位のセリンはバリンに変異し、510位のロイシンはバリンに変異し、又はシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼの変異体のアミノ酸配列は、変異が起きて得られるアミノ酸配列の変異部位を有し、且つ変異が起きて得られるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列である。
さらに、前記ロドコッカス・ルバー-SD1(Rhodococcus ruber-SD1)に由来するシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼは、配列番号5に示されるアミノ酸配列を有し、シクロヘキサノンモノオキシゲナーゼの変異体のアミノ酸配列は、配列番号5に示されるアミノ酸配列に変異が起きて得られるアミノ酸配列であり、変異は、少なくとも、45位、190位、249位、257位、393位、504位及び559位の1つの変異部位を含み、且つ45位のメチオニンはトレオニンに変異し、190位のプロリンはロイシンに変異し、249位のシステインはバリンに変異し、257位のシステインはアラニンに変異し、393位のシステインはバリンに変異し、504位のプロリンはバリンに変異し、559位のチロシンはメチオニンに変異し、又はシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼの変異体のアミノ酸配列は、変異が起きて得られるアミノ酸配列の変異部位を有し、且つ変異が起きて得られるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列である。
さらに、前記PVA膜固定化酵素は、各酵素の補酵素及び補因子をさらに含み、補酵素及び補因子はPVA多孔質膜に包埋される。
さらに、前記PVA多孔質膜はポリエチレングリコール及び/又はポリエチレンイミンをさらに有し、ポリエチレングリコールの分子量は、PEG400~PEG6000であり、ポリエチレンイミンの分子量は、3KDa~70KDaである。
さらに、前記ポリエチレングリコールとPVA多孔質膜との質量比は、5:4~75:4であり、ポリエチレンイミンとPVA多孔質膜との質量比は、1:12~1:240である。
さらに、前記酵素は、粗酵素である。
さらに、前記酵素の担載容量は、0.05~0.4gの遊離酵素/cm膜又は0.03~0.06gの乾燥した架橋酵素凝集体/cm膜である。
本発明の別の態様において、前記いずれかのPVA膜固定化酵素の製造方法を提供し、製造方法は、酵素及びPVA溶液を含む原料を所定の時間混合して、混合系を得るステップS1と、混合系を金型に加えて混合系に乾燥処理を行って、膜包埋酵素を得ることであって、金型は、三次元的に構造されたPVA多孔質膜を形成させるために三次元的に構造された金型であるステップS2と、リン酸緩衝液で膜包埋酵素に浸漬処理を行って洗浄した後、PVA膜固定化酵素を得るステップS3とを含む。
さらに、前記混合系のpHは、6.0~6.5である。
さらに、前記ステップS1は、酵素懸濁液又は酵素溶液を調製することであって、懸濁液中の酵素は架橋酵素凝集体であり、酵素溶液中の酵素は細胞を除去した遊離酵素であることと、懸濁液又は酵素溶液とPVA溶液を所定の時間混合して、混合系を得ることとを含む。
さらに、前記所定の時間は、10~60分であり、PVA溶液のPVAの分子量は、20KDa~200KDaである。
さらに、前記PVA溶液中のPVAの含有量は、10~50g/100mLである。
さらに、前記PVA溶液には酢酸、メタノール及び硫酸が分散されている。
さらに、前記PVA溶液のpHは、5.5~6.5である。
さらに、前記酵素とPVA溶液との比率は、1~50g/100mLである。
さらに、前記懸濁液又は酵素溶液は、リン酸緩衝液、任意選択の補因子及び任意選択の補酵素をさらに含む。
さらに、前記補酵素と酵素との重量比率は、10:1~1:10である。
さらに、前記ステップS1は、PVA水溶液、架橋酵素粒子を混合して、混合系を形成させることを含む。
さらに、前記架橋酵素粒子とPVA水溶液との比率は、1~50g/100mLである。
さらに、前記所定の時間は、10~60分である。
さらに、前記架橋酵素粒子は、酵素、任意選択の補因子及び任意選択の補酵素を含む。
さらに、前記ステップS1は、PVA水溶液、改質剤溶液を第1の所定時間混合して、第2混合系を形成させることと、第2混合系と酵素系とを第2の所定時間混合して、混合系を形成させることとを含む。
さらに、前記PVA水溶液の濃度は、5~30g/100mLであり、好ましくは、改質剤溶液が、補因子が分散されているポリエチレングリコール水溶液及び/又は補因子が分散されているポリエチレンイミン水溶液を含む。
さらに、前記ポリエチレングリコールの分子量は、PEG400~PEG6000であり、混合系中のポリエチレングリコールの濃度は、3~10g/100mLである。
さらに、前記ポリエチレンイミンの分子量は、3KDa~70KDaであり、好ましくは、3KDa~50KDaである。
さらに、前記混合系中のポリエチレンイミンの濃度は、0.1~1g/100mLであり、好ましくは、0.1~0.3g/100mLである。
さらに、前記酵素系は、酵素、任意選択の補因子、任意選択の補酵素及びリン酸緩衝液を含む。
さらに、前記酵素は、細胞を除去した遊離酵素又は架橋酵素凝集体である。
さらに、前記酵素系中の補因子の濃度は、1~20mg/mLである。
さらに、前記酵素系中の補酵素と酵素との重量比率は、10:1~1:10である。
さらに、前記酵素とPVA溶液の比率は、1~50g/100mLである。
さらに、前記ステップS2は、混合系を金型に置いて第3の所定時間静置した後に金型に脱水促進剤を加えて乾燥処理を行うことであって、脱水促進剤は、アセトニトリル、エタノール及びアセトンからなる群からいずれか又は複数選ばれることを含む。
さらに、前記脱水促進剤と混合系との体積比率は、1:10~5:1である。
さらに、前記第3の所定時間は、2~4時間である。
さらに、前記金型は、三次元的に構造された金型であり、三次元的に構造された金型は、突起又は凹溝を有する。
さらに、前記ステップS3は、膜包埋酵素をリン酸緩衝液に2~16時間浸漬した後に新しいリン酸緩衝液で膜包埋酵素を洗浄して、PVA膜固定化酵素を得ることを含む。
本発明の技術的解決手段を用いると、PVA多孔質膜を採用してそれを担体として酵素を包埋の方式で固定化し、包埋固定化のフローはシンプルであり、条件が穏やかで、精製酵素又は粗酵素にいずれも良好な固定化効果を有し、且つ酵素はPVA多孔質膜に包埋固定化されると比較的安定しており、使用中に浸出しにくく、採用するPVA多孔質膜の多孔質構造は反応物と生成物をよりよく送達できるため、連続フロー生体触媒への使用に適する。前記包埋固定は機械的な固定であるため、酵素に対して幅広い適合性を有する。PVA多孔質膜を三次元的に構造させることによって、立体的構造を持たせ、さらに、より大きい表面積を有するため、より多くの包埋部位を提供し、さらに、酵素の高い活性及び安定性を保証した上で、酵素の担載容量を高めている。
図面が本願の構成部分として本発明への更なる理解のために提供され、本発明の例示的な実施例及びその説明は、本発明に対する限定を構成せず、本発明を解釈するために用いられる。図面では、
本発明の実施例2によるPVA膜固定化酵素の、PLPを添加した時及びPLPを添加しなかった時の安定性曲線を示す。 本発明の実施例3による2種のPVA膜固定化酵素の安定性曲線を示す。 本発明の実施例5によるPVA膜固定化酵素の、PLPを添加した時及びPLPを添加しなかった時の安定性曲線を示す。 本発明の実施例6によるPVA膜固定化酵素の、PLPを添加した時及びPLPを添加しなかった時の安定性曲線を示す。 本発明の実施例8によるPVA膜固定化酵素の、PLPを添加した時及びNADを添加した時の安定性曲線を示す。 本発明の実施例8によるPVA膜固定化酵素の、PLPを添加した時及びNADを添加した時の安定性曲線を示す。 本発明の実施例9によるPVA膜固定化酵素の、PLPを添加した時及びPLPを添加しなかった時の安定性曲線を示す。
なお、矛盾が生じない限り、本願の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせることができる。次に、図面を参照し実施例と結び付けて本発明を詳しく説明する。
本願の背景技術で述べられているように、多孔質膜を採用して酵素を固定化する従来の技術はプロセスが複雑であり、本願は、当該課題を解決するために、PVA膜固定化酵素及びその製造方法を提供する。
本願の典型的な実施形態において、PVA膜固定化酵素を提供し、当該PVA膜固定化酵素は、PVA多孔質膜及びPVA多孔質膜に包埋されている酵素を含み、PVA多孔質膜は、三次元的に構造されたPVA多孔質膜であり、酵素は、アミノ基転移酵素(例えば、ω-アミノ基転移酵素)、D-乳酸脱水素酵素、ギ酸脱水素酵素、カルボニル還元酵素、シクロヘキサノンモノオキシゲナーゼ、ケテン還元酵素、ニトリル加水分解酵素、アンモニア分解酵素、アミノ酸脱水素酵素、イミン還元酵素及びそれらの変異体からいずれかが選ばれる。
本願は、PVA多孔質膜を採用してそれを担体として酵素を包埋の方式で固定化し、包埋固定化のフローはシンプルであり、条件が穏やかで、精製酵素又は粗酵素にいずれも良好な固定化効果を有し、且つ酵素がPVA多孔質膜内に包埋固定化されると、平面のPVA膜内での固定と比べると、より安定しており、使用中に浸出しにくく、採用するPVA多孔質膜の多孔質構造は反応物と生成物をよりよく送達できるため、連続フロー生体触媒への使用に適する。前記包埋固定は機械的な固定であるため、酵素に対して幅広い適合性を有する。PVA多孔質膜を三次元的に構造させることによって、立体的構造を持たせ、さらに、より大きい表面積を有するため、より多くの包埋部位を提供し、さらに、酵素の高い活性及び安定性を保証した上で、酵素の担載容量を高めている。
本願のPVA膜固定化酵素は、包埋される酵素が遊離酵素であってもよいし架橋酵素凝集体であってもよく、遊離酵素であれ架橋酵素凝集体であれ、包埋後にいずれも触媒効果を効果的に発揮できる。
架橋酵素凝集体とは、従来の技術と同様に、硫酸アンモニウム又はエタノール、アセトニトリル、アセトン、プロパノール、PEGなどの沈殿剤で遊離酵素を沈殿させた後、グルタルアルデヒド、グリオキサール又はアルデヒド化デキストランなどの二官能性試薬を加えて共有架橋させることによって得た不溶性酵素凝集体である。
上述したように、本願のPVA膜固定化酵素は、酵素に対する幅広い適合性を有し、特に次の酵素に適する。アミノ基転移酵素であって、クロモバクテリウム・ビオラセウム(Chromobacterium violaceum) DSM30191に由来するアミノ基転移酵素又はアルスロバクター・シトレウス(Arthrobacter citreus)に由来するアミノ基転移酵素、又はバチルス・チューリンゲンシス(B.thuringiensis)に由来するアミノ基転移酵素であり、ケト還元酵素であって、アセトバクター属(Acetobacter sp.)CCTCC M209061に由来するケト還元酵素、又はカンジダ・マケドニエンシス(Candida macedoniensis) AKU4588に由来するケト還元酵素であり、シクロヘキサノンモノオキシゲナーゼであって、ロドコッカス属(Rhodococcus sp.)Phi1に由来するシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼ、又はブラキモナス・ペトロレオボランス(Brachymonas petroleovorans)に由来するシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼ、又はロドコッカス・ルバー-SD1(Rhodococcus ruber-SD1)に由来するシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼであり、アンモニア分解酵素であって、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger) CBS 513.88に由来するアンモニア分解酵素及びソレノステモン・スクテラリオイデス(Solenostemon scutellarioides)に由来するアンモニア分解酵素であり、アルケン還元酵素であって、サッカロミケス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)に由来するアルケン還元酵素及びクリセオバクテリウム属(Chryseobacterium sp.)CA49に由来するアルケン還元酵素であり、イミン還元酵素であって、ストレプトマイセス属(Streptomyces sp)に由来するイミン還元酵素及びバチルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来するイミン還元酵素であり、アミノ酸脱水素酵素であって、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来するロイシン脱水素酵素及びバチルス・スファエリカス(Bacillus sphaericus)に由来するフェニルアラニン脱水素酵素であり、ニトリル加水分解酵素であって、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger) CBS 513.88に由来するニトリル加水分解酵素及びニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa) OR74Aに由来するニトリル加水分解酵素であり、好ましくは、クロモバクテリウム・ビオラセウム(Chromobacterium violaceum) DSM30191に由来するアミノ基転移酵素が配列番号1に示されるアミノ酸配列を有し、アミノ基転移酵素の変異体のアミノ酸配列が配列番号1に示されるアミノ酸配列に変異が起きて得られるアミノ酸配列であり、変異が、少なくとも、7位、47位、90位、95位、297位、304位、380位、405位及び416位の1つの変異部位を含み、且つ7位のトレオニンがシステインに変異し、47位のセリンがシステインに変異し、90位のリシンがグリシンに変異し、95位のアラニンがプロリンに変異し、297位のイソロイシンがロイシンに変異し、304位のリシンがアスパラギン酸に変異し、380位のグルタミンがロイシンに変異し、405位のアルギニンがグルタミン酸に変異し、416位のアルギニンがトレオニンに変異し、又はアミノ基転移酵素の変異体のアミノ酸配列が、変異が起きて得られるアミノ酸配列の変異部位を有し、且つ変異が起きて得られるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列であり、好ましくは、アルスロバクター・シトレウス(Arthrobacter citreus)に由来するアミノ基転移酵素が配列番号2に示されるアミノ酸配列を有し、アミノ基転移酵素の変異体のアミノ酸配列が配列番号2に示されるアミノ酸配列に変異が起きて得られるアミノ酸配列であり、変異が、少なくとも、3位、5位、60位、164位、171位、178位、180位、186位、187位、252位、370位、384位、389位、404位、411位、423位及び424位の1つの変異部位を含み、且つ3位のロイシンがセリンに変異し、5位のバリンがセリンに変異し、60位のシステインがチロシンに変異し、164位のフェニルアラニンがロイシンに変異し、171位のグルタミン酸がアスパラギン酸に変異し、178位のアラニンがロイシンに変異し、180位のイソロイシンがバリンに変異し、186位のセリンがグリシンに変異し、187位のセリンがアラニンに変異し、252位のバリンがイソロイシンに変異し、370位のロイシンがアラニンに変異し、384位のチロシンがフェニルアラニンに変異し、389位のイソロイシンがフェニルアラニンに変異し、404位のロイシンがグルタミンに変異し、411位のグリシンがアスパラギン酸に変異し、423位のメチオニンがリシンに変異し、424位のグルタミン酸がグルタミンに変異し、又はアミノ基転移酵素の変異体のアミノ酸配列が、変異が起きて得られるアミノ酸配列の変異部位を有し、且つ変異が起きて得られるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列であり、好ましくは、アセトバクター属(Acetobacter sp.)CCTCC M209061に由来するケト還元酵素が配列番号3に示されるアミノ酸配列を有し、ケト還元酵素の変異体のアミノ酸配列が配列番号3に示されるアミノ酸配列に変異が起きて得られるアミノ酸配列であり、変異が、少なくとも、94位、144位及び156位の1つの変異部位を含み、且つ94位のアラニンがアスパラギンに変異し、144位のグルタミン酸がセリンに変異し、156位のアスパラギンがトレオニン若しくはバリンに変異し、又はケト還元酵素の変異体のアミノ酸配列が、変異が起きて得られるアミノ酸配列の変異部位を有し、且つ変異が起きて得られるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列であり、好ましくは、ロドコッカス属(Rhodococcus sp.)Phi1に由来するシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼが配列番号4に示されるアミノ酸配列を有し、シクロヘキサノンモノオキシゲナーゼの変異体のアミノ酸配列が配列番号4に示されるアミノ酸配列に変異が起きて得られるアミノ酸配列であり、変異が、少なくとも、280位、435位、436位、438位、441位、508位及び510位の1つの変異部位を含み、且つ280位のフェニルアラニンがチロシンに変異し、435位のフェニルアラニンがアスパラギンに変異し、436位のフェニルアラニンがセリンに変異し、438位のロイシンがアラニンに変異し、441位のセリンがバリンに変異し、510位のロイシンがバリンに変異し、又はシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼの変異体のアミノ酸配列が、変異が起きて得られるアミノ酸配列の変異部位を有し、且つ変異が起きて得られるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列であり、好ましくは、ロドコッカス・ルバー-SD1(Rhodococcus ruber-SD1)に由来するシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼが配列番号5に示されるアミノ酸配列を有し、シクロヘキサノンモノオキシゲナーゼの変異体のアミノ酸配列が配列番号5に示されるアミノ酸配列に変異が起きて得られるアミノ酸配列であり、変異が、少なくとも、45位、190位、249位、257位、393位、504位及び559位の1つの変異部位を含み、且つ45位のメチオニンがトレオニンに変異し、190位のプロリンがロイシンに変異し、249位のシステインがバリンに変異し、257位のシステインがアラニンに変異し、393位のシステインがバリンに変異し、504位のプロリンがバリンに変異し、559位のチロシンがメチオニンに変異し、又はシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼの変異体のアミノ酸配列が、変異が起きて得られるアミノ酸配列の変異部位を有し、且つ変異が起きて得られるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列である。
PVA膜固定化酵素の触媒効率を高めるために、好ましくは、前記PVA膜固定化酵素が各酵素の補酵素及び補因子をさらに含む。前記各酵素の補酵素及び補因子としては、もし当該酵素が対応する補酵素及び補因子を有すれば、PVA膜固定化酵素には当該酵素の補酵素及び補因子がさらに包埋されており、もし当該酵素が補酵素又は補因子を有さなければ、PVA膜固定化酵素には他の補酵素又は補因子を設けない。
本願のPVA膜固定化酵素は、精製酵素に適するだけでなく、粗酵素にも適し、プロセスの簡素化のために、好ましくは、当該酵素が粗酵素である。また、本願の固定化の方式は包埋であるため、担載可能な酵素量は比較的多く、好ましくは、酵素の担載容量が0.05~0.4gの遊離酵素/cm膜又は0.03~0.06gの乾燥した架橋酵素凝集体/cm膜である。
別の実施例において、前記PVA多孔質膜はポリエチレングリコール及び/又はポリエチレンイミンをさらに有し、ポリエチレングリコールの分子量は、PEG400~PEG6000であり、ポリエチレンイミンの分子量は、3KDa~70KDaであり、好ましくは、3KDa~50KDaである。さらに、好ましくは、前記ポリエチレングリコールとPVA多孔質膜との質量比が5:4~75:4であり、ポリエチレンイミンとPVA多孔質膜との質量比が1:12~1:240である。前記ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミンは、PVA多孔質膜中の細孔構造を増やす。
本願の別の典型的な実施形態において、前記いずれかのPVA膜固定化酵素の製造方法を提供し、当該製造方法は、酵素及びPVA溶液を含む原料を所定の時間混合して、混合系を得るステップS1と、混合系を金型に加えて混合系に乾燥処理を行って、膜包埋酵素を得ることであって、金型は、三次元的に構造されたPVA多孔質膜を形成させるために三次元的に構造された金型であるステップS2と、リン酸緩衝液で膜包埋酵素に浸漬処理を行って洗浄した後、PVA膜固定化酵素を得るステップS3とを含み、好ましくは、混合系のpHが6.0~6.5である。
本願の製造方法は、混合、乾燥及び後処理のプロセスを用いるだけでPVA膜固定化酵素を形成させることができ、工程がシンプルであり、操作しやすく、グルタルアルデヒド、アミノ基、カルボキシ基などを用いて架橋又は共有結合による固定を必要とせず、形成させたPVA膜固定化酵素中のPVA多孔質膜は担体として酵素を包埋の方式で固定化し、精製酵素又は粗酵素にいずれも良好な固定化効果を有し、且つ酵素はPVA多孔質膜内に包埋固定化されると比較的安定しており、使用中に浸出しにくく、採用するPVA多孔質膜の多孔質構造は反応物と生成物をよりよく送達できるため、連続フロー生体触媒への使用に適する。前記包埋固定は機械的な固定であるため、酵素に対して幅広い適合性を有する。三次元的に構造された金型を採用してPVA多孔質膜を三次元的に構造させることによって、立体的構造を持たせ、さらに、より大きい表面積を有するため、より多くの包埋部位を提供し、さらに、酵素の高い活性及び安定性を保証した上で、酵素の担載容量を高めている。
前記混合系の形成方式は、酵素の提供形態によって変更してもよいが、以下、混合系のいくつかの好ましい形成方式を提供し、ステップS1に対する下記の説明はステップS1の範囲への限定にならない。
本願の一実施例において、前記ステップS1は、酵素懸濁液又は酵素溶液を調製することであって、懸濁液中の酵素は架橋酵素凝集体であり、酵素溶液中の酵素は細胞を除去した遊離酵素であることと、懸濁液又は酵素溶液とPVA溶液を所定の時間混合して、混合系を得ることとを含む。酵素溶液であれ酵素懸濁液であれ、いずれもPVA溶液と混合することができ、混合工程では機械的撹拌又は磁気撹拌を行うことができる。
前記PVA溶液は、PVA、水、酢酸、メタノール及び硫酸を含む混合溶液であり、好ましくは、混合溶液のpHが5.5~6.5であり、酢酸、メタノール及び硫酸を組み合わせると得られた膜はより多くの微細孔を有する。
PVA溶液における酵素の分散の均一性を向上させるために、好ましくは、前記所定の時間が2~4時間である。
機械的強度により信頼性のあるゲル薄膜を形成させるためには、PVA溶液のPVAの分子量が20KDa~200KDaであり、また、さらに、孔隙率の高いPVA多孔質膜を形成させ且つ酵素がその中に分散しやすいように、好ましくは、PVA溶液中のPVAの含有量が5~30g/100mLであり、好ましくは、10~50g/100mLである。
PVA膜包埋酵素という機械的な固定化方式は、酵素の担載容量を大きくすることができ、好ましくは、前記懸濁液又は酵素溶液中の酵素の濃度が0.1~0.5g/mLであり、好ましくは、酵素とPVA溶液との比率が1~50g/100mLであり、より好ましくは、5~40g/100mLである。
混合工程で、酵素の高い活性を保持させるために、好ましくは、懸濁液又は酵素溶液が、リン酸緩衝液、任意選択の補因子及び任意選択の補酵素をさらに含み、好ましくは、補因子の濃度が1~20mg/mLであり、好ましくは、補酵素と酵素との重量比率が10:1~1:10である。
本願の別の実施例において、前記ステップS1は、PVA水溶液、架橋酵素粒子を混合して、混合系を形成させることを含む。当該実施例において、架橋酵素が乾燥粒子の形態でPVA水溶液と混合するため、架橋酵素粒子は分散しやすい。酵素の担載容量を保証するために、好ましくは、架橋酵素粒子とPVA水溶液との比率が1~50g/100mLである。同様に、PVA水溶液における架橋酵素粒子の分散の均一性を向上させるために、好ましくは、所定の時間が10~60分である。さらに、必要ならば、好ましくは、架橋酵素粒子が酵素、任意選択の補因子及び任意選択の補酵素を含む。
本願のまた別の実施例において、前記ステップS1は、PVA水溶液、改質剤溶液を第1の所定時間混合して、第2混合系を形成させることと、第2混合系と酵素系を第2の所定時間混合して、混合系を形成させることとを含む。改質剤を使用してPVAの成膜を促進し、その中の細孔構造を増やす。
さらに孔隙率の高いPVA多孔質膜を形成させ、且つ酵素がその中に分散しやすいように、好ましくは、PVA水溶液の濃度が5~30g/100mLである。本願で用いる改質剤は、PVAの成膜でよく使用する改質剤の中から選択することができ、改質剤の酵素に対する影響を避けるために、好ましくは、改質剤溶液が、酢酸、メタノール、硫酸が分散されている混合液及び/又は補因子が分散されているポリエチレングリコール水溶液及び/又は補因子が分散されているポリエチレンイミン水溶液を含み、好ましくは、混合液中の酢酸の含有量が2~4g/100mLであり、メタノールの含有量が5~9g/100mLであり、硫酸の含有量が0.5~1g/100mLであり、好ましくは、ポリエチレングリコールの分子量がPEG400~PEG6000であり、好ましくは、混合系中のポリエチレングリコールの濃度が3~10g/100mLであり、好ましくは、ポリエチレンイミンの分子量が3KDa~70KDaであり、より好ましくは、3KDa~50KDaであり、好ましくは、混合系中のポリエチレンイミンの濃度が0.1~1g/100mLであり、より好ましくは、0.1~0.3g/100mLである。
上述したように改質剤溶液を添加した時には、酵素系と第2混合系の混合に明らかな影響が生じないため、前記酵素系は、従来の酵素の提供の一般的な形態であってもよく、好ましくは、酵素系が、酵素、任意選択の補因子、任意選択の補酵素及びリン酸緩衝液を含み、好ましくは、酵素が、細胞を除去した遊離酵素又は架橋酵素凝集体である。酵素の担載容量を高めるために、補因子及び補酵素を使用する必要がある時に、補因子の濃度は、1~20mg/mLであり、好ましくは、酵素系中の補酵素と酵素との重量比率が10:1~1:10であり、酵素とPVA溶液との比率が1~50g/100mLである。
混合系を形成させた後に、混合系を静置して乾燥させてもよく、成膜の過程を加速させるために、好ましくは、前記ステップS2が、混合系を金型に置いて第3の所定時間静置した後に金型に脱水促進剤を加えて乾燥処理を行うことであって、脱水促進剤が、アセトニトリル、エタノール及びアセトンからなる群からいずれか又は複数選ばれることを含み、好ましくは、脱水促進剤と混合系との体積比率が1:10~5:1である。成膜工程では、形成されたPVA多孔質膜によって酵素が包埋されて、安定した固定化酵素構造が形成される。成膜が早すぎて、酵素が完全には被覆されないことを避けるために、好ましくは、第3の所定時間が2~4時間である。また、三次元的に構造された金型構造の簡素化のために、好ましくは、三次元的に構造された金型が突起又は凹溝を有する。
成膜後に、酵素の固定化を一層確実にするために、好ましくは、前記ステップS3が、膜包埋酵素をリン酸緩衝液に2~16時間浸漬した後に新しいリン酸緩衝液で膜包埋酵素を洗浄して、PVA膜固定化酵素を得ることを含む。
本願に記載の製造方法で、使用する酵素は精製酵素であってもよいし、粗酵素であってもよく、コストを節約するために、好ましくは、前記酵素が粗酵素である。
本願で得たPVA膜固定化酵素をさらに緩衝液で再懸濁し、グルタルアルデヒドを加えて改質してもよく、酵素分子同士はアミノ基とグルタルアルデヒドのアルデヒド基の共有結合によって互いに架橋してより大きな凝集体を形成させ、PVA膜から漏れることはなく、また、PVA膜の表面に付着している酵素はグルタルアルデヒドのアーム作用によってPVAと共有接続することによって、一層強固に固定化され、使用回数が増加する。好ましくは、グルタルアルデヒドの量が1~2g/100mL懸濁液である。
以下、実施例及び比較例で本願の有益な効果を一層説明する。
下記の実施例で使用する酵素及びその由来は、表1を参照する。
TA-Cvアミノ基転移酵素のアミノ酸配列は、配列番号1:
MQKQRTTSQWRELDAAHHLHPFTDTASLNQAGARVMTRGEGVYLWDSEGNKIIDGMAGLWCVNVGYGRKDFAEAARRQMEELPFYNTFFKTTHPAVVELSSLLAEVTPAGFDRVFYTNSGSESVDTMIRMVRRYWDVQGKPEKKTLIGRWNGYHGSTIGGASLGGMKYMHEQGDLPIPGMAHIEQPWWYKHGKDMTPDEFGVVAARWLEEKILEIGADKVAAFVGEPIQGAGGVIVPPATYWPEIERICRKYDVLLVADEVICGFGRTGEWFGHQHFGFQPDLFTAAKGLSSGYLPIGAVFVGKRVAEGLIAGGDFNHGFTYSGHPVCAAVAHANVAALRDEGIVQRVKDDIGPYMQKRWRETFSRFEHVDDVRGVGMVQAFTLVKNKAKRELFPDFGEIGTLCRDIFFRNNLIMRACGDHIVSAPPLVMTRAEVDEMLAVAERCLEEFEQTLKARGLAである。
その変異体1(TA-Cv-V1)の変異部位及びアミノ酸変異状況は、R416T+T7C+S47C+Q380Lであり、変異体2(TA-Cv-V2)の変異部位及びアミノ酸変異状況は、R416T+T7C+S47C+R405E+K90G+A95P+K304D+Q380L+I297Lである。
TA-Acアミノ基転移酵素のアミノ酸配列は、配列番号2:
MGLTVQKINWEQVKEWDRKYLMRTFSTQNEYQPVPIESTEGDYLITPGGTRLLDFFNQLCCVNLGQKNQKVNAAIKEALDRYGFVWDTYATDYKAKAAKIIIEDILGDEDWPGKVRFVSTGSEAVETALNIARLYTNRPLVVTREHDYHGWTGGAATVTRLRSFRSGLVGENSESFSAQIPGSSCSSAVLMAPSSNTFQDSNGNYLKDENGELLSVKYTRRMIENYGPEQVAAVITEVSQGVGSTMPPYEYVPQIRKMTKELGVLWISDEVLTGFGRTGKWFGYQHYGVQPDIITMGKGLSSSSLPAGAVVVSKEIAAFMDKHRWESVSTYAGHPVAMAAVCANLEVMMEENLVEQAKNSGEYIRSKLELLQEKHKSIGNFDGYGLLWIVDIVNAKTKTPYVKLDRNFRHGMNPNQIPTQIIMEKALEKGVLIGGAMPNTMRIGASLNVSRGDIDKAMDALDYALDYLESGEWQQSである。
その変異体1(TA-Ac-V1)の変異部位及びアミノ酸変異状況は、L3S+V5S+C60Y+F164L+A178L+S187A+I180V+L370A+G411D+S186G+Y384F+I389F+V252I+L404Q+E171Dであり、変異体2(TA-Ac-V2)の変異部位及びアミノ酸変異状況は、L3S+V5S+C60Y+F164L+A178L+S187A+I180V+L370A+G411D+S186G+Y384F+I389F+V252I+E424Q+M423Kである。
KRED-Acケト還元酵素のアミノ酸配列は、配列番号3:
MARVAGKVAIVSGAANGIGKATAQLLAKEGAKVVIGDLKEEDGQKAVAEIKAAGGEAAFVKLNVTDEAAWKAAIGQTLKLYGRLDIAVNNAGINYSGSVESTSLEDWRRVQSINLDGVFLGTQVAIEAMKKSGGGSIVNLSSISGLIGDPMLAAYVASKGGVRLFTKSAALHCAKSGYKIRVNSVHPGYIWTPMVAGLTKEDAAARQKLVDLHPIGHLGEPNDIAYGILYLASDESKFVTGSELVIDGGYTAQである。
その変異体1(KRED-Ac-V1)の変異部位及びアミノ酸変異状況は、E144S+A94N+N156Vであり、変異体2(KRED-Ac-V2)の変異部位及びアミノ酸変異状況は、E144S+A94T+N156Tである。
CHMO-Rsシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼのアミノ酸配列は、配列番号4:
MTAQISPTVVDAVVIGAGFGGIYAVHKLHNEQGLTVVGFDKADGPGGTWYWNRYPGALSDTESHLYRFSFDRDLLQDGTWKTTYITQPEILEYLESVVDRFDLRRHFRFGTEVTSAIYLEDENLWEVSTDKGEVYRAKYVVNAVGLLSAINFPDLPGLDTFEGETIHTAAWPEGKNLAGKRVGVIGTGSTGQQVITALAPEVEHLTVFVRTPQYSVPVGNRPVTKEQIDAIKADYDGIWDSVKKSAVAFGFEESTLPAMSVSEEERNRIFQEAWDHGGGFRFMFGTFGDIATDEAANEAAASFIRSKIAEIIEDPETARKLMPTGLYAKRPLCDNGYYEVYNRPNVEAVAIKENPIREVTAKGVVTEDGVLHELDVLVFATGFDAVDGNYRRIEIRGRNGLHINDHWDGQPTSYLGVTTANFPNWFMVLGPNGPFTNLPPSIETQVEWISDTVAYAERNEIRAIEPTPEAEEEWTQTCTDIANATLFTRGDSWIFGANVPGKKPSVLFYLGGLGNYRNVLAGVVADSYRGFELKSAVPVTAである。
その変異体1(CHMO-Rs-Cv-V1)の変異部位及びアミノ酸変異状況は、F508Y+F435N+L438A+T436S+F280V+S441Vであり、変異体2(CHMO-Rs-Cv-V2)の変異部位及びアミノ酸変異状況は、F508Y+F435N+L438A+T436S+F280V+S441V+L510Vである。
CHMO-Rrシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼのアミノ酸配列は、配列番号5:
MTTSIDREALRRKYAEERDKRIRPDGNDQYIRLDHVDGWSHDPYMPITPREPKLDHVTFAFIGGGFSGLVTAARLRESGVESVRIIDKAGDFGGVWYWNRYPGAMCDTAAMVYMPLLEETGYMPTEKYAHGPEILEHCQRIGKHYDLYDDALFHTEVTDLVWQEHDQRWRISTNRGDHFTAQFVGMGTGPLHVAQLPGIPGIESFRGKSFHTSRWDYDYTGGDALGAPMDKLADKRVAVIGTGATAVQCVPELAKYCRELYVVQRTPSAVDERGNHPIDEKWFAQIATPGWQKRWLDSFTAIWDGVLTDPSELAIEHEDLVQDGWTALGQRMRAAVGSVPIEQYSPENVQRALEEADDEQMERIRARVDEIVTDPATAAQLKAWFRQMCKRPCFHDDYLPAFNRPNTHLVDTGGKGVERITENGVVVAGVEYEVDCIVYASGFEFLGTGYTDRAGFDPTGRDGVKLSEHWAQGTRTLHGMHTYGFPNLFVLQLMQGAALGSNIPHNFVEAARVVAAIVDHVLSTGTSSVETTKEAEQAWVQLLLDHGRPLGNPECTPGYYNNEGKPAELKDRLNVGYPAGSAAFFRMMDHWLAAGSFDGLTFRである。
その変異体1(CHMO-Rr-V1)の変異部位及びアミノ酸変異状況は、P190L+Y559M+C249V+C393V+C257A+M45Tであり、変異体2(CHMO-Rr-V2)の変異部位及びアミノ酸変異状況は、Y559M+P190L+P504Vである。
次の実施例で使用するリン酸塩緩衝液(PB)は、リン酸水素二ナトリウム-リン酸二水素ナトリウム緩衝液である。
(実施例1)
PVA膜によるアミノ基転移酵素TA-CV CLEA(架橋酵素)の包埋固定:
PVA I溶液の調製であった。50mLの10%(w/v)PVA(200KDa)及び30mLの10%(w/v)酢酸、50%(v/v)メタノール、10%(w/v)硫酸を混合した。
PVA膜によるカプセル化であった。PVA I溶液のpHを6.0に調整し、溶液から20mL取り出して、TA-CV架橋酵素凝集体(CLEA)の懸濁液と混合し(TA-CV架橋酵素凝集体CLEAの懸濁液の組成としては、0.5gのTA-CVの架橋酵素が2mLの0.1M リン酸塩緩衝液(PB、pH 7.0)に含まれており、且つ1mLごとは2mgのPLP(ピリドキサールリン酸)を含む)20分間撹拌して、混合系を形成させた。それを3D多孔質シリカゲルテンプレートに注ぎ、各テンプレートのウェルは正方形であり、容積は約0.1~0.2立方センチメートルであり、ウェルの表面積は約2~5平方センチメートルであり、37℃で乾燥して、膜包埋酵素を得た。膜包埋酵素を0.1M PB(pH 7.0)+0.5M NaCl緩衝液に3時間浸漬して、膜包埋酵素を緩衝液から取り出し、次に0.1M PB(pH 7.0)で当該膜包埋酵素を3回洗浄して、実施例1のPVA膜固定化酵素を得た。
(比較例1)
前記実施例1の3D多孔質シリカゲルテンプレートを耐高温シリカゲルディスクに置き換えて平面のPVA膜包埋酵素を形成させ、シリカゲルディスクの底面積は80平方センチメートルであった。
同時に、分子量の異なるPVA、PVAの濃度、酵素とPVAの比率などのパラメータの、PVA固定化酵素の活性及び安定性に対する影響を検討した。
変換及び安定性試験:
転化研究で採用するモデル反応:

前記反応式でR、Rはそれぞれ独立してH、置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換シクロアルキル基、置換又は非置換アラルキル基、置換又は非置換ヘテロシクリル基、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル基から選ばれてもよいし、RとRが接続して環をなしてもよい。

0.1gのケトンマトリックス1を0.35mLのメタノールに溶解して、アミノ供与体として3.0モル当量のイソプロピルアミン塩酸塩を加え、反応系に5mgのPLPを加え、次に0.3mLの0.1M PB 7.0で希釈して対象反応系を形成させた。3mgのTA-CV CLEA又は3mgのTA-CV CLEAを含む実施例1の三次元的に構造されたPVA膜固定化酵素又は3mgのTA-CV CLEAを含む比較例1の平面のPVA膜固定化酵素を触媒として使用した。30℃で20時間反応させた後、HPLC法で転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討し、11回繰り返す転化率を測定して、表2に記録した。
さらに、PVAの分子量、PVAの濃度、酵素とPVA溶液の比率のPVA固定化酵素の活性及び安定性に対する影響の結果を表3に示す。
混合系のpHの酵素活性及び安定性に対する影響を表4に示す。
(実施例2)
PVA膜によるアミノ基転移酵素TA-CV CLEAの包埋固定:
PVA II溶液の調製:12%~15%(w/v)PVA水溶液。
PVA膜による包埋であった。30mLのPVA溶液に3gのCLEA湿潤粒子、及び50mgのPLPを加え、均一に撹拌して混合系を形成させ、3D多孔質シリカゲルテンプレートに注ぎ、各テンプレートのウェルは円形であり、容積は約0.15~0.2立方センチメートルであり、ウェルの表面積は約3~5平方センチメートルであり、37℃で乾燥して、膜包埋酵素を得た。膜包埋酵素を0.1M PB 7.0緩衝液に一晩浸漬して、緩衝液から膜包埋酵素を取り出し、次に0.1M PB 7.0緩衝液で当該膜包埋酵素を2回洗浄して、実施例2のPVA膜固定化酵素を得た。
CLEAを添加する前に、一定の量のPEG400~PEG6000をそれぞれPVA II溶液に溶解して、対照実験を行った。
実施例1の基質のタイプでの変換及び安定性試験:
0.1gのケトンマトリックス1を0.35mLのメタノールに溶解して、アミノ供与体として3.0モル当量のイソプロピルアミン塩酸塩を加え、反応系に5mgのPLPを加え、次に0.3mLの0.1M PB 7.0で希釈して対象反応系を形成させた。約6平方センチメートルの比表面積を有し6mgのTA-Cv CLEAを包埋した実施例2の各PVA膜固定化酵素を切り取って触媒とし、PLPを添加しない状態で対照反応を行った。30℃で4時間反応させた後、HPLC法で転化率を検出し、1回の反応は20時間で、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討し、試験結果を図1に示す。
図1から分かるように、実施例2のPVA膜固定化酵素は活性と安定性が非常に優れており、14サイクルの使用後に活性が低下しなかった。PLPを添加しなかった時には活性がやや低いが、安定性の方がPLPを添加した時の安定性と同様に優れており、また図1から分かるように、PEG400又はPEG6000を添加すると反応速度を高めることができる。
さらに、PEGの分子量及び混合系中のPEGの濃度の酵素活性及び安定性に対する影響を検討し、結果を表5に示す。
(実施例3)
PVA-有機溶媒膜によるTA-CV湿細胞遊離酵素又はTA-CV CLEAの包埋固定:
7.0mLの10%(w/v)PVA溶液と、5mLのTA-CV遊離酵素溶液(5mg/mLのPLPを含有する)又は1gのTA-CV CLEAを混合し、30分間撹拌して混合系を形成させ、混合系をガラス製又は耐高温プレートに注いで、室温で3時間静置し、次に15mLの有機溶媒アセトニトリルを軽やかに3D多孔質シリカゲルテンプレートに注ぎ、各テンプレートのウェルは円形であり、容積は約0.15~0.2立方センチメートルであり、ウェルの表面積は約3~5平方センチメートルであり、37℃で乾燥して、膜包埋酵素を形成させた。膜包埋酵素を0.1M PB 7.0+0.5M NaCl緩衝液に2~3時間浸漬して、膜包埋酵素を緩衝液から取り出し、次に0.1M PB(pH 7.0)で当該膜包埋酵素を3回洗浄して、実施例3の2種のPVA膜固定化酵素を得た。
実施例1の基質のタイプでの変換及び安定性試験:
0.1gのケトンマトリックス1を0.35mLのメタノールに溶解して、アミノ供与体として3.0モル当量のイソプロピルアミンを加え、反応系に5mgのPLPを加え、次に0.3mLの0.1M PB 7.0で希釈して対象反応系を形成させた。約6平方センチメートルの比表面積を有しTA-CV湿細胞又はCLEAを包埋して作製したPVA膜固定化酵素を切り取って触媒とした。30℃で20時間反応させた後、HPLC法で転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討し、試験結果を表6及び図2に示す。
20時間の反応後に転化率は依然として98%に達しており、且つ10サイクルの使用後に安定しており活性を失わなかった。
(実施例4)
PVA-有機溶媒でのTA-CV包埋による大比表面積の固定化TA-CVの製造:
5.0mLの10%(w/v)PVA溶液と、5mLのTA-CV遊離酵素溶液(酵素濃度は0.1g/mLであり、5mg/mL PLPを含有している)を混合し、20分間撹拌して混合系を形成させ、気泡を抜き出して、0.1mLの混合系を3D多孔質シリカゲルテンプレートに滴加して、各テンプレートのウェルは円形又は方形であり、容積は約0.15~0.2立方センチメートルであり、ウェルの表面積は約3~5平方センチメートルであった。室温で3時間静置し、次に0.06mLの有機溶媒アセトン又はアセトニトリルを軽やかにウェルに滴加して、37℃で乾燥して、各ウェルにおいて中空のブロック状の成膜包埋酵素を形成させた。これらの中空のブロック状の成膜包埋酵素を0.1M PB 7.0+0.5M NaCl緩衝液に2~3時間浸漬した。次に緩衝液を除去して、さらに0.1M PB 7.0で中空のブロック状の成膜包埋酵素を3回洗浄して実施例4の各PVA膜固定化酵素を得た。
成膜包埋酵素の一部に対するグルタルアルデヒドでのさらなる改質であった。0.1M PB 7.0で成膜包埋酵素を再懸濁して、グルタルアルデヒドを滴加し、100mLの懸濁液当たり1~2gのグルタルアルデヒドを滴加し、室温で穏やかに2時間撹拌して、緩衝液を除去し、0.1M PB 7.0でグルタルアルデヒド改質後の中空のブロック状の成膜包埋酵素を3回洗浄して、グルタルアルデヒド改質PVA膜固定化酵素を得た。
実施例1の基質のタイプでの反応活性及び安定性試験:
0.1gのケトンマトリックスを0.35mLのメタノールに溶解して、アミノ供与体として3.0モル当量のイソプロピルアミン塩酸塩を加え、反応系に5mgの補因子PLPを加え、次に0.3mLの0.1M PB 7.0で希釈して対象反応系を形成させた。約6平方センチメートルの比表面積を有しTA-CV遊離酵素(アセトン乾燥)を包埋したPVA膜固定化酵素、約6平方センチメートルの比表面積を有しTA-CV遊離酵素(アセトン乾燥且つグルタルアルデヒド改質)を包埋したPVA膜固定化酵素、約6平方センチメートルの比表面積を有しTA-CV遊離酵素(アセトニトリル乾燥)を包埋したPVA膜固定化酵素、約6平方センチメートルの比表面積を有しTA-CV遊離酵素(アセトニトリル乾燥且つグルタルアルデヒド改質)を包埋したPVA膜固定化酵素を切り取って触媒とした。30℃で20時間反応させた後に10サイクル繰り返し、HPLC法で反応20時間の転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討し、試験結果を表7に示す。
さらに、脱水剤とPVA-酵素混合系の比率の酵素活性及び安定性に対する影響を検討し、結果を表8に示す。
表7のデータから分かるように、実施例4のPVA膜固定化酵素を触媒とて使用した時に、10サイクル後に活性が低下しなかった。GA改質の場合には、酵素活性がやや低いが、安定性の方がGA改質なしの時の安定性と同様に優れていた。
(実施例5)
PVA-CFP膜によるTA-CV遊離酵素の包埋固定:
PVA溶液:水において12%(w/v)溶液を調製した。
補因子-ポリマー溶液(CFP溶液):2%w/v PEI(ポリエチレンイミン)(3KDa~70KDa)を溶解して、5mg/mLで補因子(PLP)を加え、室温で0.5~3時間混合した。
35mLのPVA溶液と5mLのCFP溶液を30分間充分に混合し、次に5mLの酵素溶液(酵素濃度0.1g/mL)及び3~5mgの補因子PLPを加え、室温で30分間混合して混合系を形成させた。次に混合系を3D的に構造された多孔質シリカゲルテンプレートに注ぎ、37℃で乾燥して、膜包埋酵素を得、各テンプレートのウェルは円形又は方形であり、容積は約0.15~0.2立方センチメートルであり、ウェルの表面積は約3~5平方センチメートルであった。膜包埋酵素を0.1M PB 7.0緩衝液に一晩浸漬した。緩衝液を除去した後、0.1M PB 7.0で膜包埋酵素を2回洗浄して実施例5のPVA膜固定化酵素を得た。
実施例1の基質のタイプでの活性及び安定性試験:
0.1gのケトンマトリックス1を0.35mLのメタノールに溶解して、アミノ供与体として3.0モル当量のイソプロピルアミンを加え、反応系に5mgのPLPを加え、次に0.3mLの0.1M PB 7.0で希釈して対象反応系を形成させた。約3~4平方センチメートルの比表面積を有し3mgのTA-CV遊離酵素を包埋した実施例4のPVA膜固定化酵素を切り取って触媒とし、PLPを添加しない状態で対照反応を行った。30℃で20時間反応させた後に14サイクル繰り返し、HPLC法で反応4時間の転化率を測定し、試験結果を図3に示す。
図3から分かるように、形成させたPVA膜固定化酵素は活性と安定性が非常に優れており、14サイクルの使用後に活性が低下しなかった。PLPを添加しなかった時には活性がやや低いが、安定性の方がPLPを添加した時の安定性と同様に優れていた。
さらに、PEIの分子量及び混合系中のPEIの濃度の酵素活性及び安定性に対する影響を検討し、結果を表9に示す。
(実施例6)
PVA-CFP膜によるTA-CV CLEAの包埋固定:
PVA溶液:水において12%w/v溶液を調製した。
CFP溶液:水において2%w/v PEI(3KDa~70KDa)溶液を調製し、5mg/mLで補因子(PLP)を加え、室温で0.5~3時間混合した。
3gのTA-CV CLEAを10mLのCFP溶液に懸濁し、30mLのPVA溶液と充分に混合して混合系を形成させた。次に混合系を多孔質シリカゲルテンプレートに注いで、37℃で乾燥して膜包埋酵素を形成させ、各テンプレートのウェルは円形又は方形であり、容積は約0.15~0.2立方センチメートルであり、ウェルの表面積は約3~5平方センチメートルであった。膜包埋酵素を0.1M PB 7.0緩衝液に一晩浸漬した。膜包埋酵素を緩衝液から取り出し、次に0.1M PB 7.0で2回洗浄して、実施例6のPVA膜包埋固定化酵素を得た。
実施例1の基質のタイプでの活性及び安定性試験:
0.1gのケトンマトリックス1を0.35mLのメタノールに溶解して、アミノ供与体として3.0モル当量のイソプロピルアミンを加え、反応系に5mgのPLPを加え、次に0.3mLの0.1M PB 7.0で希釈して対象反応系を形成させた。6mgのTA-CV CLEAを包埋した比表面積が約5cmである実施例6のPVA膜包埋固定化酵素を触媒として、PLPを添加しない状態で対照反応を行った。30℃で20時間反応させた後に14サイクル繰り返し、HPLC法で転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討し、試験結果を図4に示す。
図4から分かるように、PVA膜包埋固定化酵素の活性と安定性は非常に優れており、14サイクルの使用後に活性が低下しなかった。PLPを添加しなかった時には活性がやや低いが、安定性の方がPLPを添加した時の安定性と同様に優れていた。
(実施例7)
PVA-CFP膜によるTA-Ac遊離酵素の包埋固定:
PVA溶液:水において12%w/v溶液を調製した。
CFP溶液:水において2%w/v PEI(3KDa~70KDa)溶液を調製し、5mg/mLで補因子(PLP)を加え、室温で0.5~3時間混合した。
35mLのPVA溶液と5mLのCFP溶液を30分間充分に混合し、次に5mLのTA-Ac酵素溶液(酵素濃度0.1)及び3~5mgの補因子PLPを加え、室温で30分間混合して、混合系を得た。次に混合系を3D多孔質シリカゲルテンプレートに注ぎ、各テンプレートのウェルは円形又は方形であり、容積は約0.15~0.2立方センチメートルであり、ウェルの表面積は約3~5平方センチメートルであり、37℃で乾燥して、膜包埋酵素を得た。膜包埋酵素を0.1M PB 7.0に一晩浸漬した。膜包埋酵素を緩衝液から取り出し、次に0.1M PB 7.0で2回洗浄して、実施例7のPVA膜包埋固定化酵素を得た。
実施例1の基質のタイプでの活性及び安定性試験:

具体的には、ケトンマトリックス2(直前式参照)で、実施例1で使用したケトンマトリックス1を置き換えた。
水性緩衝系における試験であった。0.1gのケトンマトリックス2を1mLの0.1M PB 7.0緩衝液に懸濁し、アミノ供与体として3.0モル当量のイソプロピルアミン塩酸塩を加え、反応系に5mgのPLPを加え、10mgのTA-Ac遊離酵素を含む実施例7のPVA膜包埋固定化酵素を触媒とした。30℃で20時間反応させた後に5サイクル繰り返し、HPLC法で転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討し、試験結果を表10に示す。
二相性系における試験であった。0.1gのケトンマトリックス2を非水相としての1mLのMTBEに溶解し、水相として1mLの0.1M PB 7.0を加え、アミノ供与体として3.0モル当量のイソプロピルアミンを加え、反応系に5mgのPLPを加えて対象反応系を形成させ、10mgのTA-Ac遊離酵素を含む実施例7のPVA膜固定化酵素を触媒とした。30℃で20時間反応させた後に5サイクル繰り返し、HPLC法で転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討し、試験結果を表10に示す。
表10のデータから分かるように、実施例7のPVA膜固定化酵素は活性と安定性が非常に優れており、5サイクルの使用後に活性が低下しなかった。
PVAの分子量、PVAの濃度、酵素とPVA溶液の比率の酵素の活性及び安定性に対する影響を検討し、結果を表11に示す。
(実施例8)
PVA-CFP膜によるケト還元酵素の包埋固定:
PVA溶液:水において12%(w/v)溶液を調製した。
CFP溶液:水に2%(w/v)PEI(3KDa~70KDa)を溶解して調製し、所望により5mg/mLで補因子(NAD又はPLP)を加え、室温で0.5~3時間混合した。
35mLのPVA溶液と5mLのCFP溶液を30分間充分に混合し、次に5mLのKRED-Ac又はKRED-Cm酵素溶液(酵素濃度0.1g/mL)及び4mgの補因子NADを加え、室温で30分間混合して混合系を形成させた。次に混合系を3Dシロキサンテンプレートに注ぎ、各テンプレートのウェルは円形又は方形であり、容積は約0.15~0.2立方センチメートルであり、ウェルの表面積は約3~5平方センチメートルであった。37℃で乾燥して膜包埋酵素を形成させた。膜包埋酵素を0.1M PB 7.0に一晩浸漬した。膜包埋酵素を緩衝液から取り出し、次に0.1M PB 7.0で2回洗浄して、実施例8のNAD含有PVA膜固定化酵素を得た。
PLPで補因子NADを置き換えて前記工程を繰り返して、実施例8のPLP含有PVA膜固定化酵素を得た。
活性及び安定性試験:
転化研究で採用するモデル反応:

前記反応式でR、Rはそれぞれ独立してH、置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換シクロアルキル基、置換又は非置換アラルキル基、置換又は非置換ヘテロシクリル基、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル基から選ばれてもよいし、又はRとRが接続して環をなしてもよい。

0.1gのケトンマトリックス3又は4を0.5mLのイソプロパノールに溶解して、反応系に0.5mLの補因子NADを5mg含有する0.1M PB 7.0を加えて対象反応系を形成させ、対象反応系に30mgのケト還元酵素KRED-Ac(ケトンマトリックス3で活性確認)又はケト還元酵素KRED-Cm(ケトンマトリックス4で活性確認)を包埋した実施例8のPVA膜包埋固定化酵素を入れて触媒とした。30℃で20時間反応させた後に11サイクル繰り返し、GC法で転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討し、結果を図5、図6に示し、図5に対応する基質はケトンマトリックス3であり、図6に対応する基質はケトンマトリックス4であった。
図5から分かるように、実施例8のPVA膜固定化酵素KRED-Acはケトンマトリックス3に対して活性と安定性が非常に優れており、転化率は99%に達しており、11サイクル繰り返し使用後に活性の損失がなかった。PLPでCFP溶液を調製した場合に、活性はNADをはるかに上回った。
図6から分かるように、実施例8で得たPVA膜包埋固定化酵素KRED-Cmは活性と安定性が非常に優れており、転化率は99%に達しており、10サイクル繰り返し使用後に活性の損失がなかった。PLPでCFP溶液を調製した場合に、活性はNADをはるかに上回った。
補因子の酵素系中の濃度について検討し、結果を表12に示す。
(実施例9)
以下、PVA膜包埋固定化アミノ基転移酵素TA-Btとその補酵素LDH、FDHの共架橋酵素、アミノ基転移酵素TA-Btとその補酵素LDH、FDHの共架橋酵素を、共架橋酵素と略称する。
PVA I溶液の調製であった。50mLの10%(w/v)PVA(200KDa)及び30mLの10%(w/v)酢酸、50%(v/v)メタノール、10%(w/v)硫酸を混合した。
PVA膜によるカプセル化であった。PVA I溶液のpHを4~6.5に調整し、溶液から20mL取り出して、共架橋酵素懸濁液と混合し(共架橋酵素懸濁液の組成としては、0.5gのTA-BtとLDH及びFDHの共架橋酵素が2mLの0.1M リン酸塩緩衝液(PB、pH 7.0)に含まれており、且つ1mLは2mgのPLP(ピリドキサールリン酸)を含む)20分間撹拌して、混合系を形成させた。それを3D多孔質シリカゲルテンプレートに注ぎ、各テンプレートのウェルは正方形であり、容積は約0.1~0.2立方センチメートルであり、ウェルの表面積は約2~5平方センチメートルであり、37℃で乾燥して、膜包埋酵素を得た。膜包埋酵素を0.1M PB(pH 7.0)+0.5M NaCl緩衝液に3時間浸漬して、膜包埋酵素を緩衝液から取り出し、次に0.1M PB(pH 7.0)で当該膜包埋酵素を3回洗浄して、実施例1のPVA膜固定化酵素を得た。
活性及び安定性試験:
転化研究で採用する反応モデル:

前記反応式でRは、H、置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換シクロアルキル基、置換又は非置換アラルキル基、置換又は非置換ヘテロシクリル基、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル基、ハロゲンから選ばれてもよい。

5mLの0.1M PB(pH 8.0)を10mLの反応フラスコに入れ、続いて100mgの前記基質5、80mgのギ酸アンモニウム及び5mgのPLPを加えて、pHを7.5~8.0に調整し、次に5mgのNAD及び10mgの膜固定化酵素(50~80%の水を含有する湿潤物)を加えた。30℃で20時間反応させて、転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討した。具体的には、TA-Btと補酵素の共固定化酵素中の主酵素と補酵素の比率の酵素活性及び安定性に対する影響を検討し、結果を表13に示す。
(実施例10)
PVA-CFP膜での包埋によるTA-Btと補酵素D-LDH、FDHの共同固定化:
PVA(200KDa)溶液:水において12%(w/v)溶液を調製した。
CFP溶液:2%(w/v)PEI(3KDa~70KDa)の水溶液を調製し、5mg/mLで補因子(PLP)を加え、室温で0.5~3時間混合した。
35mLのPVA溶液と5mLのCFP溶液を30分間充分に混合し、次に5mLのTA-Bt酵素溶液(酵素濃度0.08g/mL)、0.08gの補酵素D-LDH、0.1gの補酵素FDH及び4mgの補因子NADを加え、室温で30分間混合して、混合系を形成させた。次に混合系を3Dシロキサンテンプレートに注ぎ、各テンプレートのウェルは円形又は方形であり、容積は約0.15~0.2立方センチメートルであり、ウェルの表面積は約3~5平方センチメートルであった。37℃で乾燥して膜包埋酵素を形成させた。膜包埋酵素を0.1M PB 7.0に一晩浸漬した。膜包埋酵素を緩衝液から取り出し、次に0.1M PB 7.0で2回洗浄して、実施例10のPLP及びNAD含有PVA-CFP膜固定化酵素を得た。
実施例9のモデルを用いた活性及び安定性試験:
5mLの0.1M PB(pH 8.0)を10mLの反応フラスコに入れ、続いて100mgの前記基質5、80mgのギ酸アンモニウム及び5mgのPLPを加えて、pHを7.5~8.0に調整し、次にNADを5mg、PLP及びNADを10mg含有するPVA-CFP膜固定化酵素(50~80%の水を含有する湿潤物)を加えた。30℃で20時間反応させて、転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討し、PLPを添加しない状態で対照反応を行った。
30℃で4時間反応させた後に9サイクル繰り返し、HPLC法で転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討し、試験結果を図7に示す。
図7から分かるように、得られたPVA膜固定化酵素は活性と安定性が非常に優れており、9サイクルの使用後に明らかな活性の損失がなく、且つ反応系にPLPを加えなかった時にはPLPを添加した時と活性及び安定性が同様に優れていた。
(実施例11)
PVA-CFP膜によるシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼの固定化:
固定化方法は実施例10と同じであり、ただしPVAカプセル化した酵素は、シクロヘキサノンモノオキシゲナーゼCHMO-Rs又はCHMO-Bpに変え、又はシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼCHMOとその補酵素のアルコール脱水素酵素ADH-Tb又はグルコース脱水素酵素GDHの混合酵素であってもよく、具体的な酵素組成を表14に示す。
活性及び安定性試験:
転化研究で採用する反応モデル:

前記反応式でRはH、置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換シクロアルキル基、置換又は非置換アリール基、置換又は非置換アラルキル基、置換又は非置換ヘテロシクリル基、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル基から選ばれてもよいし、又はRがそれに接続されたヘテロ環と縮合環系を形成させる。
次の基質6を利用した反応で、CHMOのPVA-CFP膜固定化酵素の活性を検出した。

3mLの0.1M PB(pH 8.0)を10mLの反応フラスコに入れ、続いて50mgの基質6、100mgのグルコース及び5mgのNADP、50mgのアルコール脱水素酵素ADH-Tb、5mgのグルコース脱水素酵素GDHを加え、次に20mgのシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼを含有するPVA-CFP膜固定化酵素を加えた。30℃で20時間反応させて、転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討した。
次の反応条件で、CHMOと補酵素GDHのPVA-CFP膜固定化酵素の活性を検出した。
3mLの0.1M PB(pH 8.0)を10mLの反応フラスコに入れ、続いて50mgの基質6、100mgのグルコース及び5mgのNADPを加え、次に30mgのCHMOとGDHの混合酵素の共固定化酵素を加えた。30℃で20時間反応させて、転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討した。
次の反応条件で、CHMOと補酵素ADH-TbのPVA-CFP膜固定化酵素の活性を検出した。
3mLの0.1M PB(pH 8.0)を10mLの反応フラスコに入れ、続いて50mgの基質6、200μLのイソプロパノール及び5mgのNADPを加え、次に30mgのCHMOとADHの混合酵素の共固定化酵素を加えた。30℃で20時間反応させて、転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討した。
試験結果を表14に示す。
(実施例12)
PVA-CFP膜によるアルケン還元酵素の固定化:
固定化方法は実施例10と同じであり、ただしPVAカプセル化した酵素は、アルケン還元酵素ERED-Sc又はERED-Chrに変え、アルケン還元酵素とその補酵素のグルコース脱水素酵素GDH又はギ酸アンモニウム脱水素酵素FDHの混合酵素であってもよく、2種の酵素の重量比率は、ERED:GDH(又はFDH)=5:1であった。
活性及び安定性試験:
転化研究で採用する反応モデル:

前記反応式でR、Rはそれぞれ独立してH、置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換シクロアルキル基、置換又は非置換アラルキル基、置換又は非置換ヘテロシクリル基、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル基から選ばれてもよいし、又はRとRが環をなす。
次の基質7の反応で、EREDのPVA-CFP膜固定化酵素の活性を検出した。

3mLの0.1M PB(pH 7.0~8.0)を10mLの反応フラスコに入れ、続いて100mgの基質7を加え、続いて20mgのNAD(P)、80mgのギ酸アンモニウム、5mgのFDH、及び30mgのアルケン還元酵素を含有するPVA-CFP膜固定化酵素を加えた。30℃で16時間反応させて、転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討した。
次の基質7の反応で、EREDとFDHのPVA-CFP膜固定化酵素の活性を検出した。
3mLの0.1M PB(pH 7.0~8.0)を10mLの反応フラスコに入れ、続いて100mgの基質7を加え、続いて20mgのNAD(P)、80mgのギ酸アンモニウム、及び40mgのアルケン還元酵素とFDHの混合酵素を含有するPVA-CFP膜固定化酵素を加えた。30℃で16時間反応させて、転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討した。
次の反応で、EREDとGDHのPVA-CFP膜固定化酵素の活性を検出した。
3mLの0.1M PB(pH 7.0~8.0)を10mLの反応フラスコに入れ、続いて100mgの基質7を加え、続いて20mgのNAD(P)、120mgのグルコース、及び40mgのアルケン還元酵素とGDHの混合酵素を含有するPVA-CFP膜固定化酵素を加えた。30℃で16時間反応させて、転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討した。試験結果を表15に示す。
(実施例13)
PVA-CFP膜によるイミン還元酵素の固定化:
固定化方法は実施例10と同じであり、ただしPVAカプセル化した酵素は、イミン還元酵素IRED-Str又はIRED-Bcに変え、アルケン還元酵素とその補酵素のグルコース脱水素酵素GDH又はギ酸アンモニウム脱水素酵素FDHの混合酵素であってもよく、2種の酵素の比率は、ERED:GDH(又はFDH)=4:1であった。
活性及び安定性試験:
転化研究で採用する反応モデル:
前記反応式でR、Rはそれぞれ独立してH、置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換シクロアルキル基、置換又は非置換アリール基、置換又は非置換アラルキル基、置換又は非置換ヘテロシクリル基、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル基から選ばれてもよいし、又はRとRがそれに接続されたヘテロ環若しくは芳香環と縮合環系を形成させる。
次の基質8採用して次の方法で、IREDのPVA-CFP膜固定化酵素の活性を検出した。

2mLの0.1M PB緩衝液(pH 7.0~8.0)を10mLの反応フラスコに加え、次に100mgの前記基質8、10mgのNAD(P)、60mgのギ酸アンモニウム、10mgのFDH、及び40mgのIREDを含有するPVA-CFP膜固定化酵素を加えた。30℃で16時間反応させた後、転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討した。
基質8を採用して次の方法で、IREDとFDHのPVA-CFP膜固定化酵素の活性を検出した。
2mLの0.1M PB緩衝液(pH 7.0~8.0)を10mLの反応フラスコに加え、且つ100mgの前記基質8を加え、次に10mgのNAD(P)、60mgのギ酸アンモニウムを加え、次に50mgのIREDとFDHの混合酵素を含有するPVA-CFP膜固定化酵素を加えた。30℃で16時間反応させた後、転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討した。
次の方法で、IREDとGDHのPVA-CFP膜固定化酵素の活性を検出した。
3mLの0.1M PB緩衝液(pH 7.0~8.0)を10mLの反応フラスコに加え、続いて100mgの基質8を加え、さらに10mgのNAD(P)、100mgのグルコース、及び50mgのIREDとGDHの混合酵素を含有するPVA-CFP膜固定化酵素を加えた。30℃で16時間反応させた後、転化率試験を行った。試験結果を表16に示す。
(実施例14)
PVA-CFP膜によるニトリル加水分解酵素の固定化:
固定化方法は実施例10と同じであり、ただしPVAカプセル化した酵素は、ニトリル加水分解酵素NIT-An若しくはNIT-Nc酵素溶液(酵素濃度0.1g/mL)又はNIT-An若しくはNIT-Nc架橋酵素凝集体の懸濁液(0.5g/mL)に変えた。
活性及び安定性試験:
転化研究で採用する反応モデル:

次の基質9採用して次の方法で、ニトリル加水分解酵素のPVA-CFP膜固定化酵素の活性を検出した。

2mLの0.1M PB緩衝液(pH 7.0~8.0)を10mLの反応フラスコに加え、且つ100mgの前記基質9を加え、次に20mgのNITを含有するPVA-CFP膜固定化酵素を加えた。30℃で16時間反応させた後、転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討した。
試験結果を表17に示す。
(実施例15)
PVA-CFP膜によるアンモニア分解酵素の固定化:
固定化方法は実施例10と同じであり、ただしPVAカプセル化した酵素は、アンモニア分解酵素PAL-An又はPAL-Ssに変えた。
活性及び安定性試験:
転化研究で採用する反応モデル:

次の基質10を採用して次の方法で、アンモニア分解酵素PALのPVA-CFP膜固定化酵素の活性を検出した。
8mLの4M アミノギ酸アンモニウム水溶液(pH 9.0~9.5)を10mLの反応フラスコに加え、且つ100mgの前記基質10を加え、次に40mgのNITを含有するPVA-CFP膜固定化酵素を加えた。30℃で16時間反応させた後、転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討した。
試験結果を表18に示す。

(実施例16)
PVA-CFP膜によるアミノ酸脱水素酵素の固定化:
固定化方法は実施例10と同じであり、ただしPVAカプセル化した酵素は、アミノ酸脱水素酵素AADH-Bc又はAADH-Bsに変え、又はアミノ酸脱水素酵素とその補酵素のグルコース脱水素酵素GDH若しくはギ酸アンモニウム脱水素酵素FDHの混合酵素であってもよく、2種の酵素の比率は、AADH:GDH(又はFDH)=4:1であった。
活性及び安定性試験:
転化研究で採用する反応モデル:
Rは、置換又は非置換アリール基である。
次の基質11又は12を採用して次の方法で、AADHのPVA-CFP膜固定化酵素の活性を検出した。

5mLの0.1M Tris-Cl緩衝液(pH 8.0~9.0)を10mLの反応フラスコに加え、次に100mgの基質11又は12、108mgの塩化アンモニウムを加えて、pHを7.5~8.0に調整し、次に10mgのNAD、150mgのグルコース及び10mgのGDHを加え、最後に20mgのAADHを包埋したPVA-CFP膜固定化酵素を加えた。30℃で16時間反応させた後、転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討した。
AADHとFDHの共固定化酵素の活性の検出方法は次のとおりであった。
5mLの0.1M Tris-Cl緩衝液(pH 8.0~9.0)を10mLの反応フラスコに加え、次に100mgの基質11又は12、108mgの塩化アンモニウムを加えて、pHを7.5~8.0に調整し、次に10mgのNAD、80mgのギ酸アンモニウム、及び50mgのAADHとFDHの混合酵素を包埋したPVA-CFP膜固定化酵素を加えた。30℃で16時間反応させた後、転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討した。
AADHとGDHのPVA-CFP膜固定化酵素の活性の検出方法は次のとおりであった。
5mLの0.1M Tris-Cl緩衝液(pH 8.0~9.0)を10mLの反応フラスコに加え、次に100mgの基質11又は12、108mgの塩化アンモニウムを加えて、pHを7.5~8.0に調整し、次に10mgのNAD、150mgのグルコース、及び50mgのAADHとGDHの混合酵素を包埋したPVA-CFP膜固定化酵素を加えた。30℃で16時間反応させた後、転化率を検出し、1回の反応終了後に固定化酵素を分離して、次回の反応で繰り返し使用し、繰り返し使用回数について検討した。試験結果を表19に示す。
上記の説明から分かるように、本発明に記載の実施例は次の技術的効果を実現している。
本願は、PVA多孔質膜を採用してそれを担体として酵素を包埋の方式で固定化し、包埋固定化のフローはシンプルであり、条件が穏やかで、精製酵素又は粗酵素にいずれも良好な固定化効果を有し、且つ酵素はPVA多孔質膜に包埋固定化されると比較的安定しており、使用中に浸出しにくく、採用するPVA多孔質膜の多孔質構造は反応物と生成物をよりよく送達できるため、連続フロー生体触媒への使用に適する。前記包埋固定は機械的な固定であるため、酵素に対して幅広い適合性を有する。PVA多孔質膜を三次元的に構造させることによって、立体的構造を持たせ、さらに、より大きい表面積を有するため、より多くの包埋部位を提供し、さらに、酵素の高い活性及び安定性を保証した上で、酵素の担載容量を高めている。
上述したのが、本発明を限定するためではなく、本発明の好ましい実施例に過ぎず、当業者に自明なように、本発明は様々な修正及び変更を有してもよい。本発明の趣旨と原則を逸脱せず、修正、同等な置換、改善などを行った場合に、そのいずれも本発明の保護範囲に含まれるものとする。

Claims (13)

  1. PVA多孔質膜及び前記PVA多孔質膜に包埋されている酵素を含み、前記PVA多孔質膜は、三次元的に構造されたPVA多孔質膜であり、前記酵素は、アミノ基転移酵素、D-乳酸脱水素酵素、シクロヘキサノンモノオキシゲナーゼ、ケト還元酵素、アルケン還元酵素、ニトリル加水分解酵素、アンモニア分解酵素、アミノ酸脱水素酵素、イミン還元酵素、アルコール脱水素酵素、ギ酸アンモニウム脱水素酵素、グルコース1-脱水素酵素及びそれらの変異体のいずれか一種から選ばれることを特徴とするPVA膜固定化酵素。
  2. 前記三次元的に構造されたPVA多孔質膜は、突起又は凹溝によって形成された三次元構造を有し、好ましくは、前記酵素が遊離酵素又は架橋酵素凝集体であることを特徴とする請求項1に記載のPVA膜固定化酵素。
  3. 前記アミノ基転移酵素は、クロモバクテリウム・ビオラセウム DSM30191(Chromobacterium violaceum DSM30191)に由来するアミノ基転移酵素又はアルスロバクター・シトレウス(Arthrobacter citreus)に由来するアミノ基転移酵素、又はバチルス・チューリンゲンシス(B.thuringiensis)に由来するアミノ基転移酵素であり、
    前記ケト還元酵素は、アセトバクター属CCTCC M209061(Acetobacter sp. CCTCC M209061)に由来するケト還元酵素、又はカンジダ・マケドニエンシス AKU4588(Candida macedoniensis AKU4588)に由来するケト還元酵素であり、
    前記シクロヘキサノンモノオキシゲナーゼは、ロドコッカス属Phi1(Rhodococcus sp. Phi1)に由来するシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼ、又はブラキモナス・ペトロレオボランス(Brachymonas petroleovorans)に由来するシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼ、又はロドコッカス・ルバー-SD1(Rhodococcus ruber-SD1)に由来するシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼであり、
    前記アンモニア分解酵素は、アスペルギルス・ニゲル CBS 513.88(Aspergillus niger CBS 513.88)に由来するアンモニア分解酵素及びソレノステモン・スクテラリオイデス(Solenostemon scutellarioides)に由来するアンモニア分解酵素であり、
    前記アルケン還元酵素は、サッカロミケス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)に由来するアルケン還元酵素及びクリセオバクテリウム属CA49(Chryseobacterium sp. CA49)に由来するアルケン還元酵素であり、
    前記イミン還元酵素は、ストレプトマイセス属(Streptomyces sp.)に由来するイミン還元酵素及びバチルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来するイミン還元酵素であり、
    前記アミノ酸脱水素酵素は、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来するロイシン脱水素酵素及びバチルス・スファエリカス(Bacillus sphaericus)に由来するフェニルアラニン脱水素酵素であり、
    前記ニトリル加水分解酵素は、アスペルギルス・ニゲル CBS 513.88(Aspergillus niger CBS 513.88)に由来するニトリル加水分解酵素及びニューロスポラ・クラッサ OR74A(Neurospora crassa OR74A)に由来するニトリル加水分解酵素であり、
    好ましくは、前記クロモバクテリウム・ビオラセウム DSM30191(Chromobacterium violaceum DSM30191)に由来するアミノ基転移酵素が配列番号1に示されるアミノ酸配列を有し、前記アミノ基転移酵素の変異体のアミノ酸配列が配列番号1に示されるアミノ酸配列に変異が起きて得られるアミノ酸配列であり、前記変異が、少なくとも、7位、47位、90位、95位、297位、304位、380位、405位及び416位の1つの変異部位を含み、且つ7位のトレオニンがシステインに変異し、47位のセリンがシステインに変異し、90位のリシンがグリシンに変異し、95位のアラニンがプロリンに変異し、297位のイソロイシンがロイシンに変異し、304位のリシンがアスパラギン酸に変異し、380位のグルタミンがロイシンに変異し、405位のアルギニンがグルタミン酸に変異し、416位のアルギニンがトレオニンに変異し、又は前記アミノ基転移酵素の変異体のアミノ酸配列が、前記変異が起きて得られるアミノ酸配列の前記変異部位を有し、且つ前記変異が起きて得られるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列であり、
    好ましくは、前記アルスロバクター・シトレウス(Arthrobacter citreus)に由来するアミノ基転移酵素が配列番号2に示されるアミノ酸配列を有し、前記アミノ基転移酵素の変異体のアミノ酸配列が配列番号2に示されるアミノ酸配列に変異が起きて得られるアミノ酸配列であり、前記変異が、少なくとも、3位、5位、60位、164位、171位、178位、180位、186位、187位、252位、370位、384位、389位、404位、411位、423位及び424位の1つの変異部位を含み、且つ3位のロイシンがセリンに変異し、5位のバリンがセリンに変異し、60位のシステインがチロシンに変異し、164位のフェニルアラニンがロイシンに変異し、171位のグルタミン酸がアスパラギン酸に変異し、178位のアラニンがロイシンに変異し、180位のイソロイシンがバリンに変異し、186位のセリンがグリシンに変異し、187位のセリンがアラニンに変異し、252位のバリンがイソロイシンに変異し、370位のロイシンがアラニンに変異し、384位のチロシンがフェニルアラニンに変異し、389位のイソロイシンがフェニルアラニンに変異し、404位のロイシンがグルタミンに変異し、411位のグリシンがアスパラギン酸に変異し、423位のメチオニンがリシンに変異し、424位のグルタミン酸がグルタミンに変異し、又は前記アミノ基転移酵素の変異体のアミノ酸配列が、前記変異が起きて得られるアミノ酸配列の前記変異部位を有し、且つ前記変異が起きて得られるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列であり、
    好ましくは、前記アセトバクター属CCTCC M209061(Acetobacter sp. CCTCC M209061)に由来するケト還元酵素が配列番号3に示されるアミノ酸配列を有し、前記ケト還元酵素の変異体のアミノ酸配列が配列番号3に示されるアミノ酸配列に変異が起きて得られるアミノ酸配列であり、前記変異が、少なくとも、94位、144位及び156位の1つの変異部位を含み、且つ94位のアラニンがアスパラギンに変異し、144位のグルタミン酸がセリンに変異し、156位のアスパラギンがトレオニン若しくはバリンに変異し、又は前記ケト還元酵素の変異体のアミノ酸配列が、前記変異が起きて得られるアミノ酸配列の前記変異部位を有し、且つ前記変異が起きて得られるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列であり、
    好ましくは、前記ロドコッカス属Phi1(Rhodococcus sp. Phi1)に由来するシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼが配列番号4に示されるアミノ酸配列を有し、前記シクロヘキサノンモノオキシゲナーゼの変異体のアミノ酸配列が配列番号4に示されるアミノ酸配列に変異が起きて得られるアミノ酸配列であり、前記変異が、少なくとも、280位、435位、436位、438位、441位、508位及び510位の1つの変異部位を含み、且つ280位のフェニルアラニンがチロシンに変異し、435位のフェニルアラニンがアスパラギンに変異し、436位のフェニルアラニンがセリンに変異し、438位のロイシンがアラニンに変異し、441位のセリンがバリンに変異し、510位のロイシンがバリンに変異し、又は前記シクロヘキサノンモノオキシゲナーゼの変異体のアミノ酸配列が、前記変異が起きて得られるアミノ酸配列の前記変異部位を有し、且つ前記変異が起きて得られるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列であり、
    好ましくは、前記ロドコッカス・ルバー-SD1(Rhodococcus ruber-SD1)に由来するシクロヘキサノンモノオキシゲナーゼが配列番号5に示されるアミノ酸配列を有し、前記シクロヘキサノンモノオキシゲナーゼの変異体のアミノ酸配列が配列番号5に示されるアミノ酸配列に変異が起きて得られるアミノ酸配列であり、前記変異が、少なくとも、45位、190位、249位、257位、393位、504位及び559位の1つの変異部位を含み、且つ45位のメチオニンはトレオニンに変異し、190位のプロリンがロイシンに変異し、249位のシステインがバリンに変異し、257位のシステインがアラニンに変異し、393位のシステインがバリンに変異し、504位のプロリンがバリンに変異し、559位のチロシンがメチオニンに変異し、又は前記シクロヘキサノンモノオキシゲナーゼの変異体のアミノ酸配列が、前記変異が起きて得られるアミノ酸配列の前記変異部位を有し、且つ前記変異が起きて得られるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列であることを特徴とする請求項1又は2に記載のPVA膜固定化酵素。
  4. 前記PVA膜固定化酵素は、各酵素の補酵素及び補因子をさらに含み、前記補酵素及び前記補因子は前記PVA多孔質膜に包埋されていることを特徴とする請求項1に記載のPVA膜固定化酵素。
  5. 前記PVA多孔質膜にはポリエチレングリコール及び/又はポリエチレンイミンをさらに有し、
    好ましくは、前記ポリエチレングリコールの分子量がPEG400~PEG6000であり、
    好ましくは、前記ポリエチレンイミンの分子量が3KDa~70KDaであり、
    好ましくは、前記ポリエチレングリコールと前記PVA多孔質膜の質量比が5:4~75:4であり、前記ポリエチレンイミンと前記PVA多孔質膜の質量比が1:12~1:240であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のPVA膜固定化酵素。
  6. 前記酵素は、粗酵素であることを特徴とする請求項1に記載のPVA膜固定化酵素。
  7. 前記酵素の担載容量は、0.05~0.4gの遊離酵素/cm膜又は0.03~0.06gの乾燥した架橋酵素凝集体/cm膜であることを特徴とする請求項1又は6に記載のPVA膜固定化酵素。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一項に記載のPVA膜固定化酵素の製造方法であって、
    酵素及びPVA溶液を含む原料を所定の時間混合して、混合系を得るステップS1と、
    前記混合系を金型に加えて前記混合系に乾燥処理を行って、膜包埋酵素を得ることであって、前記金型は、三次元的に構造されたPVA多孔質膜を形成させるために三次元的に構造された金型であるステップS2と、
    リン酸緩衝液で前記膜包埋酵素に浸漬処理を行って洗浄した後、前記PVA膜固定化酵素を得るステップS3とを含み、
    好ましくは、前記混合系のpHが6.0~6.5であることを特徴とする製造方法。
  9. 前記ステップS1は、
    その中の酵素が架橋酵素凝集体である酵素懸濁液、又はその中の酵素が細胞を除去した遊離酵素である酵素溶液を調製することと、
    前記懸濁液又は前記酵素溶液と前記PVA溶液を所定の時間混合して、前記混合系を得ることとを含み、
    好ましくは、前記所定の時間が10~60分であり、前記PVA溶液のPVAの分子量が20KDa~200KDaであり、好ましくは、前記PVA溶液中のPVAの含有量が10~50g/100mLであり、好ましくは、前記PVA溶液には酢酸、メタノール及び硫酸が分散されており、好ましくは、前記PVA溶液のpHが5.5~6.5であり、好ましくは、前記酵素と前記PVA溶液の比率が1~50g/100mLであり、好ましくは、前記懸濁液又は前記酵素溶液がリン酸緩衝液、任意選択の補因子及び任意選択の補酵素をさらに含み、好ましくは、前記補酵素と前記酵素の重量比率が10:1~1:10であることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記ステップS1は、
    PVA水溶液、架橋酵素粒子を混合して、前記混合系を形成させることを含み、
    好ましくは、前記架橋酵素粒子と前記PVA水溶液の比率が1~50g/100mLであり、好ましくは、前記所定の時間が10~60分であり、好ましくは、前記架橋酵素粒子が酵素、任意選択の補因子及び任意選択の補酵素を含むことを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
  11. 前記ステップS1は、
    PVA水溶液、改質剤溶液を第1の所定時間混合して、第2混合系を形成させることと、
    前記第2混合系と酵素系を第2の所定時間混合して、前記混合系を形成させることとを含み、
    好ましくは、前記PVA水溶液の濃度が5~30g/100mLであり、好ましくは、前記改質剤溶液が、補因子が分散されているポリエチレングリコール水溶液及び/又は補因子が分散されているポリエチレンイミン水溶液を含み、好ましくは、前記ポリエチレングリコールの分子量がPEG400~PEG6000であり、好ましくは、前記混合系中の前記ポリエチレングリコールの濃度が3~10g/100mLであり、好ましくは、前記ポリエチレンイミンの分子量が3KDa~70KDaであり、より好ましくは、前記ポリエチレンイミンの分子量が3KDa~50KDaであり、好ましくは、前記混合系中の前記ポリエチレンイミンの濃度が0.1~1g/100mLであり、より好ましくは、前記混合系中の前記ポリエチレンイミンの濃度が0.1~0.3g/100mLであり、好ましくは、前記酵素系が酵素、任意選択の補因子、任意選択の補酵素及びリン酸緩衝液を含み、好ましくは、前記酵素は酵素が細胞を除去した遊離酵素又は架橋酵素凝集体であり、好ましくは、前記酵素系中の前記補因子の濃度が1~20mg/mLであり、好ましくは、前記酵素系中の前記補酵素と前記酵素の重量比率が10:1~1:10であり、好ましくは、前記酵素と前記PVA溶液の比率が1~50g/100mLであることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
  12. 前記ステップS2は、
    前記混合系を金型に置いて第3の所定時間静置した後、前記金型に、アセトニトリル、エタノール及びアセトンからなる群からいずれか一種又は複種選ばれる脱水促進剤を加えて乾燥処理を行うことを含み、
    好ましくは、前記脱水促進剤と混合系の体積比率が1:10~5:1であり、好ましくは、前記第3の所定時間が2~4時間であり、好ましくは、前記金型が三次元的に構造された金型であり、前記三次元的に構造された金型が突起又は凹溝を有することを特徴とする請求項8ないし11のいずれか一項に記載の製造方法。
  13. 前記ステップS3は、
    前記膜包埋酵素を前記リン酸緩衝液に2~16時間浸漬した後、新しい前記リン酸緩衝液で前記膜包埋酵素を洗浄して、前記PVA膜固定化酵素を得ることを含むことを特徴とする請求項8ないし11のいずれか一項に記載の製造方法。
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