JP2023530417A - 電気化学セル用電解質添加剤 - Google Patents

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Abstract

TMCCC材料を含む少なくとも1つの電極を有する二次電気化学セルに使用される液体電解質であって、液体電解質が、非常に高い放電深度までの高速放電を可能にしながら寿命を延ばすことを可能にする、液体電解質のためのシステム及び方法。シアン化遷移金属配位化合物(TMCCC)中のイオンインターカレーションによってエネルギー貯蔵が達成される電気化学セルの液体電解質へジニトリルを添加すると、一般的な化学的及び電気化学的劣化メカニズムを阻害することでデバイス寿命を延ばすという利点がある。【選択図】図15

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年6月11日に米国で出願された出願第16/898,692号の優先権を主張し、その内容は、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
本発明は、一般に、二次電気化学セルの改善に関し、より具体的には、限定するものではないが、シアン化遷移金属配位化合物(TMCCC)材料を含む少なくとも1つの電極を有する充電式電気化学デバイスにおける1つ又は複数の劣化メカニズムの阻害によってデバイス寿命を延ばすことに関する。
背景技術の項で論じられる主題は、単に背景技術の項で述べられた結果として、先行技術であると仮定されるべきではない。同様に、背景技術の項で言及される問題又は背景技術の項の主題に関連する問題は、従来技術で以前に認識されていたと仮定されるべきではない。背景技術の項の主題は、異なるアプローチを表しているにすぎず、それ自体が発明である場合もある。
電気化学では、あらゆる用途に最適に機能する単一の電池が存在する可能性は低いと認識されている。ある用途に対して適切な電池を選択することは、最も重要な電池測定基準を識別し、これらを他のものとトレードオフすることである。例えば、ある用途に対して多くの電力を必要とする場合、セル内部抵抗は最小化されることが多く、これは電極表面積を大きくすることによって行われ得る。しかし、これはまた、集電体及び導電助剤などの不活性成分を増加させるので、エネルギー密度をトレードオフして電力を得ることができる。
重要な考慮事項は、柔軟性、安全性、エネルギー密度、電力密度、電圧、コスト、貯蔵寿命、動作寿命、形状因子(例えば、厚さ)、商業的入手可能性、温度範囲、及びサイクル寿命などの測定基準を含み得る。
様々な電池構成の研究、開発、及び製造は、特定の用途のための特定の調整を含み得るこれらの測定基準の選択されたサブセットを増加させることに焦点を当てている。電池の特殊化により、広範囲の用途のための改良された電池が可能となった。
結果として、任意の特定の電池の構成要素は、所望の溶液に合わせて調整され、これは多くの場合、1つの電池溶液中の1つの構成要素が別の電池溶液中で同様に機能しない可能性があることを意味する。
本明細書では、シアン化遷移金属配位化合物(TMCCC)材料を含む二次電気化学セルのクラスについて説明する。より具体的には、このクラスの電気化学セルは、TMCCC材料を含む1つ又は複数の電極におけるイオンインターカレーションによってエネルギー貯蔵が達成される液体電解質を含む。
このクラスの電気化学セルの性能は、セルの動作中の寄生反応の速度に関連し得る。いくつかの解決策には、セル劣化をもたらす寄生反応の速度を減少させるために、より狭い電圧窓内での動作が含まれる場合がある。しかしながら、この代替形態では、セルによって貯蔵されたエネルギーの利用が低くなる。より狭い電圧窓内で電気化学デバイスを動作させると、エネルギーが著しく減少する可能性がある。
このクラスの電気化学セルの性能は、液体電解質の組成に関連している。1つの液体電解質が望ましくない速度の寄生反応を含む場合、1つの解決策は、寄生反応の速度を低下させる別の液体電解質を代用することであり得る。しかしながら、その代用された液体電解質は、電解質導電率を低下させて最大充放電電力を低下させ得るなど、性能を変化させる可能性がある。一次溶媒としてアセトニトリル以外のほとんどの極性非プロトン性溶媒を含む全く異なる溶媒系を有する電解質は、それらのイオン伝導率がアセトニトリルを含有する電解質のイオン伝導率よりも著しく低く、したがって、高速性能が望まれる場合には適用できないため、不都合である。
TMCCC材料を含む少なくとも1つの電極を有する二次電気化学セル用の新しいクラスの液体電解質を実施することが有利であり得る。
TMCCC材料を含む少なくとも1つの電極を有する二次電気化学セルに使用される液体電解質であって、液体電解質が、非常に高い放電深度までの高速放電を可能にしながら寿命を延ばすことを可能にする、液体電解質のためのシステム及び方法が開示される。本発明の以下の概要は、少なくとも1つのTMCCC電極を含む二次電気化学セルに関連するいくつかの技術的特徴の理解を容易にするために提供され、本発明の完全な説明であることを意図するものではない。本発明の様々な態様の完全な理解は、明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約の全てを全体的に捉えることによって得ることができる。本発明は、本明細書で論じられ開示された例に加えて、電気化学セル及び構成要素の他の構成に適用可能である。例えば、そのセル化学の文脈において、動作中にセルにかなりの量の水を供給する可能性がある「湿潤」と考えることのできる電気化学セルの他の電極材料。
負極電極及び正極電極を有する電気化学セルの液体電解質であって、電解質塩がアルカリ金属塩であり、2つの電極の少なくとも1つが、アルカリ金属カチオンとのインターカレーション及びデインターカレーション反応が可能なTMCCC材料を含む、液体電解質のための添加剤のクラス。
いくつかの液体電解質は、モノニトリル溶媒中のアルカリ金属塩、又は複数の異なるアルカリ金属塩の混合物、及びジニトリル添加剤の溶液を含み得る。
電気化学セルであって、電解質と、電解質と電気的に連絡している負極電極と、電解質と電気的に連絡している正極電極とを含み、少なくとも1つの電極が、シアン化遷移金属配位化合物材料を含み、電解質が、モノニトリル溶媒と、溶媒との溶液中の1つ又は複数のアルカリ金属塩と、溶媒内に配置された添加剤とを含み、添加剤がジニトリル材料を含む、電気化学セル。
シアン化遷移金属配位材料を含む少なくとも1つの電極を有する二次電気化学セル用液体電解質であって、モノニトリル溶媒と、モノニトリル溶媒内に配置されたジニトリル添加剤とを含む、液体電解質。
本明細書に記載の実施形態はいずれも、単独で、又は任意の組合せで互いに一緒に使用することができる。本明細書に包含される発明はまた、この概要又は要約において部分的にしか言及又は暗示されていないか、あるいは全く言及又は暗示されていない実施形態を含んでもよい。本発明の様々な実施形態は、本明細書の1つ又は複数の箇所で説明又は暗示され得る先行技術の様々な欠陥によって動機付けられている可能性があるが、本発明の実施形態は、必ずしもこれらの欠陥のいずれかに対処するものではない。言い換えれば、本発明の異なる実施形態は、本明細書で議論され得る異なる欠陥に対処することができる。いくつかの実施形態は、本明細書で議論され得るいくつかの欠陥又は1つの欠陥のみに部分的に対処するだけであり、いくつかの実施形態は、これらの欠陥のいずれにも対処しなくてもよい。
本発明の他の特徴、利益、及び利点は、本明細書、図面、及び特許請求の範囲を含む本開示を検討することで明らかになるであろう。
添付の図面において、同様の参照番号が別個の図を通して同一又は機能的に類似の要素を指し、添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成し、本発明を更に示し、本発明の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
フロート試験中の時間に対するセルエネルギーを示す図である。
フロート試験中の時間に対するセル容量を示す図である。
フロート試験中の時間に対するクーロン効率を示す図である。
フロート試験中の時間に対する定常状態のフロート電流を示す図である。
1C定電流充電-放電電圧プロファイルを示す図である。
フロート試験中の時間に対するセルエネルギーを示す図である。
フロート試験中の時間に対するセル容量を示す図である。
フロート試験中の時間に対するクーロン効率を示す図である。
フロート試験中の時間に対する定常状態のフロート電流を示す図である。
事後SEM画像を示す図である。
図10の選択領域1のEDXスペクトルを示す図である。
図10の選択領域2のEDXスペクトルを示す図である。
老化したセルから抽出された電解質のFTIRを示す図である。
図13のFTIRスペクトルの拡大領域を示す図である。
図13のFTIRスペクトルの拡大領域を示す図である。
本発明の実施形態は、TMCCC材料を含む少なくとも1つの電極を有する二次電気化学セルに使用される液体電解質であって、液体電解質が、非常に高い放電深度までの高速放電を可能にしながら寿命を延ばすことを可能にする、液体電解質のためのシステム及び方法を提供する。以下の説明は、当業者が本発明を作成及び使用できるようにするために提示されるものであり、特許出願及びその要件の文脈で提供されるものである。
本明細書に記載の好ましい実施形態並びに一般的な原理及び特徴に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであろう。したがって、本発明は、示された実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に記載された原理及び特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
定義
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、この一般的な発明概念が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義されているような用語は、関連技術及び本開示の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されないことが更に理解されよう。
以下の定義は、本発明のいくつかの実施形態に関して記載されている態様のいくつかに適用される。これらの定義は、本明細書において同様に拡張され得る。
本明細書で使用される場合、「又は(or)」という用語は「及び/又は(and/or)」を含み、「及び/又は(and/or)」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ又は複数のありとあらゆる組合せを含む。「の少なくとも1つ(at least one of,)」などの表現は、要素のリストに先行する場合、要素のリスト全体を修飾するものであり、リストの個々の要素を修飾するものではない。
本明細書で使用される場合、単数形の用語「a」、「an」、及び「the」は、文脈上特に明記されていない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、ある対象への言及は、文脈上特に明記されていない限り、複数の対象を含むことができる。
また、本明細書の説明及び以下の特許請求の範囲を通して使用される場合、「中に(in)」の意味は、文脈上特に明記されていない限り、「中に(in)」及び「上に(on)」を含む。ある要素が別の要素の「上に(on)」あると言及される場合、それは他の要素の上に直接あってもよく、又はそれらの間に介在する要素が存在してもよいことが理解されよう。一方、ある要素が別の要素の「直接上に(directly on)」あると言及される場合、介在する要素は存在しない。
本明細書で使用される場合、「セット(set)」という用語は、1つ又は複数の対象の集合を指す。したがって、例えば、対象のセットは、単一の対象又は複数の対象を含むことができる。セットの対象は、セットのメンバと呼ぶこともできる。セットの対象は同じであっても異なっていてもよい。場合によっては、セットの対象は、1つ又は複数の共通の特性を共有することができる。
本明細書で使用される場合、「隣接する(adjacent)」という用語は、近くにある(near)又は隣接する(adjoining)ことを指す。隣接する対象は、互いに離間していてもよく、又は互いに実際に若しくは直接的に接触していてもよい。場合によっては、隣接する対象は互いに結合されてもよく、又は互いに一体的に形成されてもよい。
本明細書で使用される場合、「接続する(connect)」、「接続された(connected)」、及び「接続している(connecting)」という用語は、直接の取付け又は連結を指す。接続された対象は、文脈が示すように、実質的な中間の対象又は対象のセットを有さないか、又は有さない。
本明細書で使用される場合、「結合する(couple)」、「結合される(coupled)」、及び「結合する(coupling)」という用語は、動作上の接続又は連結を指す。結合された対象は、互いに直接接続されてもよく、又は中間的な対象のセットを介してなど、互いに間接的に接続されてもよい。
用語「約(about)」の使用は、明示的に示されているか否かにかかわらず、全ての数値に適用される。この用語は、一般に、当業者が列挙された数値に対する妥当な(すなわち、同等の機能又は結果を有する)偏差量と見なすであろう数値の範囲を指す。例えば、この用語は、与えられた数値の±10%の偏差を含むと解釈することができ、ただしそのような偏差は最終機能又は値の結果を変更しない場合に限る。したがって、約1%の値は、0.9%~1.1%の範囲と解釈することができる。
本明細書で使用される場合、「実質的に(substantially)」及び「実質的な(substantial)」という用語は、かなりの程度又は範囲を指す。事象又は状況に関連して使用される場合、これらの用語は、その事象又は状況が正確に起こる場合だけでなく、本明細書に記載される実施形態の典型的な許容レベル又は変動性を考慮するなど、事象又は状況が、近似的に起こる場合を指すことができる。
本明細書で使用される場合、「任意選択の(optional)」及び「任意選択で(optionally)」という用語は、続いて記載される事象又は状況が発生してもしなくてもよく、その説明には、事象又は状況が発生する場合と発生しない場合とが含まれることを意味する。
本明細書で使用される場合、「サイズ(size)」という用語は、対象の特徴的な寸法を指す。したがって、例えば、球状の対象のサイズは、その対象の直径を指すことができる。非球状の対象の場合、非球状の対象のサイズは、対応する球状の対象の直径を指すことができ、対応する球状の対象は、非球状の対象のものと実質的に同じである導出可能又は測定可能な特性の特定のセットを呈するか、又は有する。したがって、例えば、非球状の対象のサイズは、非球状の対象のものと実質的に同じ光散乱又は他の特性を示す対応する球状の対象の直径を指すことができる。あるいは、又は併せて、非球状の対象のサイズは、対象の様々な直交する寸法の平均を指すことができる。したがって、例えば、回転楕円体の対象のサイズは、対象の長軸及び短軸の平均を指すことができる。特定のサイズを有するものとして対象のセットに言及する場合、対象は、特定のサイズの周りにサイズの分布を有することができると考えられる。したがって、本明細書で使用される場合、対象のセットのサイズは、平均サイズ、メジアンサイズ、又はピークサイズなど、サイズの分布の典型的なサイズを指すことができる。
本明細書で使用される場合、「ジニトリル」という用語は、2個であるが2個を超えないニトリル基を含む有機化合物を意味する。ニトリルは、-C≡N官能基を含む任意の有機化合物である(本開示の目的のために、接頭辞シアノ-は、用語ニトリルと交換可能に使用され得る)。本出願の目的のために、「ポリニトリル」という用語を使用して、2つ以上のニトリル基を含む材料を識別することができ、ポリニトリル材料はジニトリル材料を含み、モノニトリル(単一のニトリル基)材料は除外される。本明細書に更に記載されるように、モノニトリル溶媒及びジニトリル添加剤は、望ましく、意図的であり、機能的であり、動作中に電極を離れる水によって生じる寄生反応の速度を低下させるための設計目標を満たすように設計された十分な量で存在する。これは、所望の性能又は他のセル測定基準を低下させるトレース又は不純物など、ニトリル基が望ましくない、意図的でない、及び劣化と見なされる任意の状況とは区別される。
本明細書では、電気化学エネルギー貯蔵デバイスの寿命の延長を可能にすると同時に、極めて高い放電深度までの高速放電を可能にする新しいクラスの液体電解質を開示する。ジニトリル添加剤を含有する電解質には、以下を含むいくつかの利点があることが分かった:(i)電極材料からの遷移金属イオンの浸出により劣化する電気化学デバイスにおいて、セル性能を劣化させる遷移金属酸化物析出物の形成が減少する;(ii)一般の電極材料、電解質溶媒及び電解質塩から除去することが困難な水不純物の存在により劣化する電気化学デバイスにおいて、ニトリル含有電解質溶媒と水との間の望ましくない反応がジニトリル添加剤によって抑制される。これらの効果は、少なくとも1つの電極材料がその結晶格子の一部としてかなりの濃度の水を含有し、その一部がデバイスの動作中に放出される独自のナトリウムイオン電池を用いて本明細書で実証されている。水不純物に対する電気化学セルの耐性を劇的に高めることに関して、いくつかの例は、多くの場合、時間とエネルギーを多く消費する乾燥プロトコルと、アセンブリライン全体の周りのドライルーム及びグローブボックスなどの制御された処理環境の構築とを必要とするセル製造プロセスにおける大幅なコスト削減、並びに完全な脱水が非常に不利又は実行不可能である新規な電極材料に対する機会などの多数の利点を提供する。
文献には、アセトニトリル-ジニトリル溶媒混合物の特定の使用についての議論が含まれている。例えば、電気二重層キャパシタ(EDLC)用の電解質では、R1を参照されたく、Liイオン電池では、R2~R6を参照されたい。その中で、高いイオン伝導率、広い電気化学的電位窓にわたるニトリル及びジニトリル溶媒の安定性、並びにジニトリルの低い蒸気圧による熱暴走及び発火に対する安全性の向上などの利点が記載されているようである。しかしながら、これらの議論は、無水(水は望ましくない不純物であるが、一定量の水は不純物として許容され得る)になるように設計されたセラミック又は炭素質電極を含む電気化学構造に限定されており、電解質へジニトリル種を添加した結果、セル安定性性能が改善することは示されていないようである。
以下に提供される例は、電気化学デバイスのカレンダー及びサイクル寿命を著しく改善し得る電気化学構造及び構成要素を開示する。例では、設計において独特である新規かつ非自明な要素について説明する。
例には、このデバイスで使用されるTMCCC電極材料が含まれ、これは高速イオン輸送を可能にし、充電及び放電中に相転移を全く起こさないか、又はわずかな構造変化しか起こさない。したがって、これらの例では、非常に高い放電深度まで繰り返しサイクルされた場合でも、はるかに高い速度性能及びはるかに長いサイクル寿命を提供することができる。
例に記載されているデバイスの劣化メカニズムは、Liイオン電池セル又はEDLCの典型的な劣化メカニズムとは異なっており、TMCCC電極材料を含有するセルにおけるジニトリル添加剤の有益な効果は、Liイオンセル又はEDLC中にジニトリルを含有する電解質を開示している先行技術で主張されている利益のいずれからも推測することができない。特に、溶媒還元又は酸化を伴わない加水分解などの反応ステップを介して、溶媒分子が公称電気化学的安定性窓内で分解される、セル劣化メカニズムを緩和する新しい方法が記載される。
より一般的には、液体ニトリル系電解質と、より大きなアルカリ金属イオンNa、K、Rb、又はCsなどのLi以外のイオンをインターカレートする電極材料との間の相互作用は対処されていない。Li特有の小さいイオン半径のため、インターカレーションメカニズム及びイオン-溶媒相互作用は、Liとより大きなアルカリ金属カチオンとの間で根本的に異なる(R7)。
本明細書のいくつかの例は、溶媒及び電解質塩を含む電解質と、負極電極と、正極電極とを有する電気化学セルの液体電解質であって、電解質塩がアルカリ金属塩を含み、2つの電極の少なくとも1つが、電解質中のアルカリ金属カチオンとのインターカレーション及びデインターカレーション反応が可能なTMCCC材料を含む、液体電解質のための添加剤の新しいクラスを含む。
液体電解質は、モノニトリル溶媒中のアルカリ金属塩、又は複数の異なるアルカリ金属塩の混合物、及びジニトリル添加剤の溶液を含み得る。アルカリ金属塩の好ましい例には、アルカリ金属カチオン及びアニオンを含有する適切な塩が含まれ、アルカリ金属カチオンは、ナトリウム、カリウム、ルビジウム又はセシウムであり、アニオンには、過塩素酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ジフルオロオキサラトボレート、トリフラート、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジシアナミド、トリシアノメタニド、及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。ナトリウム塩の好ましい例としては、限定されないが、過塩素酸ナトリウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、ヘキサフルオロリン酸ナトリウム、ナトリウムジフルオロオキサラトボレート、ナトリウムトリフラート、ナトリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ナトリウムジシアナミド、及びナトリウムトリシアノメタニドなどのナトリウム塩、並びにそれらの混合物が挙げられる。好ましいナトリウム塩としては、ナトリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが挙げられる。ジニトリル添加剤の例としては、マロニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリルが挙げられる。注目すべき添加剤には、スクシノニトリル及びアジポニトリルが含まれ、場合によってはスクシノニトリルが特に注目に値する。モノニトリル溶媒の例としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、及びブチロニトリルが挙げられる。モノニトリル溶媒とジニトリルとの質量比は、所望の動作温度で液体溶液となる適切な塩濃度で、約99:1~70:30の範囲であり得る。動作温度は、-60℃~+80℃の間であってもよく、又は必要若しくは所望に応じてこの範囲内のより狭い範囲の温度であってもよい。
TMCCC電極及び対電極の動作電気化学的電位範囲で電気化学的に不活性である他の有機電解質溶媒を、実際のセルで使用することができる。これらの溶媒には、スクシノニトリル又はプロピオニトリルなどのニトリル類、プロピレンカーボネート又はジメチルカーボネートを含むカーボネート類、スルホラン及びジメチルスルホンを含むスルホン類、ジメチルスルホキシドを含むスルホキシド類、ジメチルホルムアミドを含むアミド類、ジグリム、トリグリム、テトラグリムを含むグリム、1,4-ジオキサン又は1,3-ジオキソランを含むエーテル類、ガンマ-バレロラクトンを含むラクトン類、メチレングリコールモノエチルエーテルを含むグリコールエーテル類、又は他の溶媒、又はそれらの組合せが含まれる。電解質溶媒中に可溶であり、TMCCC電極及び対電極の動作電気化学的電位範囲で電気化学的に不活性である他の電解質塩を、実際のセルで使用することができる。これらの塩には、ヘキサフルオロリン酸ナトリウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、ナトリウム(トリフルオロメタン)スルホンイミド、ナトリウム4,5-ジシアノ-2-(トリフルオロメチル)イミダゾリド、又は他のナトリウム塩、又はそれらの組合せが含まれ得る。更に、TMCCC電極又はその対電極は、リチウム、カリウム、又はマグネシウムなどの他のカチオンと電気化学反応を起こす可能性があるため、これらの塩は、テトラフルオロホウ酸塩、過塩素酸塩、(フルオロメタン)スルホンイミド、(トリフルオロメタン)スルホンイミド、4,5-ジシアノ-2-(トリフルオロメチル)イミダゾリド、又はそれらの組合せのリチウム、カリウム、又はマグネシウム塩を含み得る。
ジニトリル含有量が比較的多い質量比では、それぞれ実施例1及び2でアジポニトリル及びスクシノニトリルについて示されるように、ジニトリル含有量がより少ないものと比べてセル寿命が大きく向上するが、アセトニトリルの粘度が低いため、初期電解質導電率はアセトニトリル含有量と共に増加する。アセトニトリル及びジニトリルの好ましい質量比は、99:1~75:25の範囲である。特に好ましい質量比は、本明細書に記載のいくつかの用途では95:5~80:20である。
ジニトリル添加剤がセル寿命を最も向上させ得るメカニズムの1つは、個々のジニトリル分子による溶解した遷移金属イオンのキレート化である。遷移金属イオンの溶解をもたらす電極と電解質との間の副化学反応は、リチウムイオン及びナトリウムイオン電池の正極材料、特にマンガンカチオンを含有する正極材料でよく観察される。混合遷移金属酸化物でできた正極材料に加えて、シアン化遷移金属配位化合物(TMCCC)材料からなる電極材料もまた、部分的に遷移金属溶解反応を受ける。最も一般的には、TMCCC材料は、電解質と反応してマンガン又は鉄カチオンを電解質中に放出する。ジニトリル電解質添加剤の存在は、1つ又は複数のジニトリル分子と溶解した遷移金属イオンとの化学的に安定なキレート錯体の形成をもたらし、他のセル構成要素に対するこれらのイオンの反応性を低下させる可能性がある。
1つ又は複数のジニトリル添加剤を含む組成物を有する電解質の別の可能な利点は、水不純物に対する電気化学デバイスの耐性の向上であり得る。TMCCC電極は通常、インターカレーション及び/又は配位した水分子を大量に含有しており、かなりの量がそのような電極を含む電気化学セルの動作中に放出される可能性があるので、TMCCC電極を使用する電池セルでは、水との望ましくない反応を伴う劣化メカニズムが悪化する可能性がある。これらの水分子がTMCCC電極から放出されることで、電気化学セルが動作前に最初に無水液体電解質で構築された場合でも、電解質中に数千から数万ppmの高濃度の水が存在する結果となる可能性がある。
図1は、ヘキサシアノ鉄酸ナトリウムマンガン鉄の正極と、ヘキサシアノマンガン酸ナトリウムマンガンの負極と、添加剤を含まない(対照)及び様々な濃度のアジポニトリルを含むアセトニトリル系電解質とを含むセルについて、最初の試験サイクルの放電エネルギーに正規化された、40℃の周囲温度で1.19Vまで毎日1時間放電する1.86Vでのフロート試験中の時間に対するセルエネルギーを示す図である。
図2は、ヘキサシアノ鉄酸ナトリウムマンガン鉄の正極と、ヘキサシアノマンガン酸ナトリウムマンガンの負極と、添加剤を含まない(対照)及び様々な濃度のアジポニトリルを含むアセトニトリル系電解質とを含むセルについて、最初の試験サイクルの放電容量に正規化された、40℃の周囲温度で1.19Vまで毎日1時間放電する1.86Vでのフロート試験中の時間に対するセル容量を示す図である。
図3は、ヘキサシアノ鉄酸ナトリウムマンガン鉄の正極と、ヘキサシアノマンガン酸ナトリウムマンガンの負極と、添加剤を含まない(対照)及び様々な濃度のアジポニトリルを含むアセトニトリル系電解質とを含むセルについて、40℃の周囲温度で1.19Vまで毎日1時間放電する1.86Vでのフロート試験中の時間に対するクーロン効率を示す図である。
図4は、ヘキサシアノ鉄酸ナトリウムマンガン鉄の正極と、ヘキサシアノマンガン酸ナトリウムマンガンの負極と、添加剤を含まない(対照)及び様々な濃度のアジポニトリルを含むアセトニトリル系電解質とを含むセルについて、40℃の周囲温度で1.19Vまで毎日1時間放電する1.86Vでのフロート試験中の時間に対する定常状態のフロート電流を示す図である。
図5は、ヘキサシアノ鉄酸ナトリウムマンガン鉄の正極と、ヘキサシアノマンガン酸ナトリウムマンガンの負極と、20%スクシノニトリル添加剤を含む又は含まない(対照)アセトニトリル系電解質とを含むセルの、1C定電流充電-放電電圧プロファイルを示す図である。
図6は、ヘキサシアノ鉄酸ナトリウムマンガン鉄の正極と、ヘキサシアノマンガン酸ナトリウムマンガンの負極と、添加剤を含まない(対照)及び様々な濃度のスクシノニトリルを含むアセトニトリル系電解質とを含むセルについて、最初の試験サイクルの放電エネルギーに正規化された、55℃の周囲温度で1.19Vまで毎日1時間放電する1.81Vでのフロート試験中の時間に対するセルエネルギーを示す図である。
図7は、ヘキサシアノ鉄酸ナトリウムマンガン鉄の正極と、ヘキサシアノマンガン酸ナトリウムマンガンの負極と、添加剤を含まない(対照)及び様々な濃度のスクシノニトリルを含むアセトニトリル系電解質とを含むセルについて、最初の試験サイクルの放電容量に正規化された、55℃の周囲温度で1.19Vまで毎日1時間放電する1.81Vでのフロート試験中の時間に対するセル容量を示す図である。
図8は、ヘキサシアノ鉄酸ナトリウムマンガン鉄の正極と、ヘキサシアノマンガン酸ナトリウムマンガンの負極と、添加剤を含まない(対照)及び様々な濃度のスクシノニトリルを含むアセトニトリル系電解質とを含むセルについて、55℃の周囲温度で1.19Vまで毎日1時間放電する1.81Vでのフロート試験中の時間に対するクーロン効率を示す図である。
図9は、ヘキサシアノ鉄酸ナトリウムマンガン鉄の正極と、ヘキサシアノマンガン酸ナトリウムマンガンの負極と、添加剤を含まない(対照)及び様々な濃度のスクシノニトリルを含むアセトニトリル系電解質とを含むセルについて、55℃の周囲温度で1.19Vまで毎日1時間放電する1.81Vでのフロート試験中の時間に対する定常状態のフロート電流を示す図である。
図10は、1.86V、45℃で340日間のフロート試験後の、添加剤を含まないアセトニトリル系電解質を含むセルから採取したヘキサシアノ鉄酸ナトリウムマンガン鉄の正極の事後SEM画像を示す図である。選択領域1及び選択領域2は、それぞれ図11及び図12のEDXスペクトルが記録された領域を示す。
図11は、図10の選択領域1のEDXスペクトルを示す図であり、結合剤及び導電性炭素を有するヘキサシアノ鉄酸ナトリウムマンガン鉄の正極活物質、及びナトリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの元素組成特性を示す。
図12は、図10の選択領域2のEDXスペクトルを示す図であり、酸化マンガン析出物で覆われたヘキサシアノ鉄酸ナトリウムマンガン鉄の正極、及びナトリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの元素組成特性を示す。
図13は、ヘキサシアノ鉄酸ナトリウムマンガン鉄の正極と、ヘキサシアノマンガン酸ナトリウムマンガンの負極とを含む老化したセルから抽出された電解質のFTIRを示す。一方のセルには、100%アセトニトリルで作製した0.88M NaTFSI電解質を充填し、他方のセルには、アセトニトリル及び29.5%重量のスクシノニトリル中に0.88M NaTFSIを含有する電解質を充填した。両セルを、1.86Vでの定電圧フロート試験にかけ、45℃の周囲温度で340日間、1.19Vまでの1C定電流放電を毎日行った。
図14は、図13のFTIRスペクトルの拡大領域を示す図であり、図15は、図13のFTIRスペクトルの拡大領域を示す図である。
実施例1
ヘキサシアノ鉄酸ナトリウムマンガン鉄正極と、ヘキサシアノマンガン酸ナトリウムマンガン負極と、アジポニトリル添加剤を含むモノニトリル系電解質とを含むナトリウムイオン電池セルの試験。
アセトニトリルとアジポニトリル(ADN)とを混合して電解質を調製し、8.5重量%及び29.15重量%の2つの異なるアジポニトリル濃度を得た。液体混合物に、NaTFSI塩を0.88mol/Lの濃度まで溶解した。他の点では同一のパウチセルの2つの群に、それぞれ8.5%ADN及び29.15%ADN電解質を充填した。第3群には、0.88mol/LのNaTFSI/100%アセトニトリル溶液を充填し、対照群とした。負極及び正極は、セル間の質量負荷の差を最小限に抑え、同じそれぞれの材料合成及び電極コーティング操作に由来するように慎重に選択した。全てのセルを加速老化試験に供し、この試験では、セルを40℃の一定の周囲温度に保持し、1Cでセル電圧1.86Vまでの定電流充電、続いて22時間の定電圧期間、次いで1Cで1.19Vまでの定電流放電からなるサイクルスケジュールにかけた。全てのセルは、20日間の試験期間にわたってほぼ線形の容量減衰を示した。アジポニトリルの添加によってセルの劣化は遅くなり、アジポニトリル濃度の増加と共に減衰速度は単調減少した(図1及び図2)。クーロン効率の著しい改善も達成された。クーロン効率はアジポニトリル濃度と共に単調増加し、添加剤なしでは97%であったのが、8.5%アジポニトリル及び29.15%アジポニトリルではそれぞれ97.8%及び98.5%となった(図3)。図4は、各フロートシーケンスの最後の2時間にわたって平均化された定常状態のフロート電流を示しており、寄生反応速度の尺度として見ることができる。8.5%及び29.15%のアジポニトリル添加剤は、定常状態のフロート電流をそれぞれ約25%及び50%減少させる。
実施例2
ヘキサシアノ鉄酸ナトリウムマンガン鉄の正極と、ヘキサシアノマンガン酸ナトリウムマンガンの負極と、スクシノニトリル添加剤を含むモノニトリル系電解質とを含むナトリウムイオン電池セルの試験。
アセトニトリルとスクシノニトリル(SN)とを混合して電解質を調製し、10重量%、15重量%及び20重量%の2つの異なるスクシノニトリル含有量を得た。液体混合物に、NaTFSI塩を溶解し、塩濃度を0.88mol/Lにした。他の点では同一のパウチセルの3つの群に、それぞれ10%SN、15%SN、及び20%SN電解質を充填した。第4群には、0.88mol/LのNaTFSI/100アセトニトリル溶液を充填し、対照群とした。負極及び正極は、セル間の質量負荷の差を最小限に抑え、同じそれぞれの材料合成及び電極コーティング操作に由来するように慎重に選択した。セルは、1C定電流充電-放電サイクルにおいて可逆的な電圧プロファイルを示し、ジニトリル添加剤の有無にかかわらず、電圧プロファイルの特徴に有意な変化は見られなかった(図5)。全てのセルを加速老化試験に供し、この試験では、セルを55℃の周囲温度で保持し、1Cで1.81Vのセル電圧までの定電流充電、続いて22時間の定電圧期間、次いで1Cで1.19Vまでの定電流放電からなるサイクルスケジュールにかけた。エネルギー及び容量減衰(図6及び図7)によって示されるように、スクシノニトリルの添加によってセルの劣化は有意に減少し、スクシノニトリル添加剤を含むセルは30日後に対照と明確に区別可能になる。スクシノニトリルの添加は、クーロン効率の増加及びフロート電流の減少(図8及び図9)で明らかなように、寄生反応の抑制に非常に有効であることが分かった。対照セルでは、試験の最初の20日間のクーロン効率が低く、フロート電流が高いが、これは寄生反応速度が高いことを示している。これらの寄生反応は、おそらく少なくとも1つの電極材料から放出された水が消費されるため、最終的に減少するが、定常状態のフロート電流が再び増加するにつれて第2の寄生メカニズムが明らかになり、これは容量の低下が加速するのと一致する。スクシノニトリル添加剤により、クーロン効率が改善し、フロート電流が減少し、スクシノニトリル濃度によるフロート電流の単調減少及びクーロン効率の単調増加が観察される。更に、スクシノニトリル添加剤は、セル劣化の第2段階を防止する。30日後、スクシノニトリルを添加したセルでは寄生電流は低レベルのままである。一方、添加剤を含まないセルでは、25日目から寄生電流が着実に増加し、60日後には、その寄生電流はスクシノニトリルを添加したセルの2倍となる。
実施例3
SEM-EDXを使用した、ヘキサシアノ鉄酸ナトリウムマンガン鉄の正極と、ヘキサシアノマンガン酸ナトリウムマンガンの負極とを含むナトリウムイオン電池セルの事後分析。
29.5%スクシノニトリルで作製した1つのセル及び添加剤なしで作製した1つのセルについて事後分析を実施した。両セルを、1.86Vでの定電圧フロート試験にかけ、340日間にわたって1.19Vまでの1C定電流放電を毎日行った。セルを1.56Vの電圧にし、乾燥窒素雰囲気下で分解した。
この事後分析には、電気化学セルでの動作後のTMCCC電極での走査型電子顕微鏡イメージング(SEM)及びエネルギー分散型X線分光法(EDX)の使用が含まれていた。これらのTMCCC電極の組成は、マンガンカチオンを含んでいた。SEM及びEDX技術を用いた特性評価では、ジニトリル添加剤を含有しない電解質中で操作されたTMCCC正極上に、酸化マンガン析出物が形成されたという証拠が得られた。アセトニトリルとスクシノニトリル(ジニトリル添加剤)との質量比が70.54:29.46であるスクシノニトリル添加剤を電解質に含むことを以外は同一の設計で作製された別のセルでは、SEM-EDXで酸化マンガン析出物は見られなかった。したがって、ジニトリル電解質添加剤の添加により、TMCCC電極からのマンガンカチオンの放出及び酸化マンガン不純物相の形成が抑制された。この抑制は、酸化マンガン相の形成によりセルの内部抵抗が増加し、セルの容量及びエネルギーが減少したため、重要である。
対照正極のSEM画像では、より明るいコントラスト及びより暗いコントラストを有し、それ以外は同様の表面形態を有する領域が示されている(図10)。EDXスペクトルを、明るいコントラスト及び暗いコントラストの領域でそれぞれ取得した。EDXでは、明るい部分と暗い部分との間の元素組成の差が見いだされた。明るい領域(図11)で得られたEDXスペクトルは、正極活物質の組成並びにC蛍光線への導電性炭素添加剤及び結合剤からの更なる寄与を反映するC、N、O、Na、Mn及びFe蛍光線の相対強度を有する、初期状態の正極試料のスペクトルとほぼ同じ組成を示している。試料調製中に一部の電解質塩が電極内に残留するため、硫黄及びフッ素の輝線も存在する。イメージングで暗く見える領域で撮影されたスペクトルは著しく異なっており(図12)、ここで、Feの蛍光は大幅に減少し、O及びMnからの強度は大幅に増強されている。これは、より暗い領域では、正極活物質が酸化マンガン析出物で覆われていることを示している。
29.5%スクシノニトリルを含むセルの正極試料のSEM-EDX分析では、酸化マンガン析出物は検出されなかった。この知見は、スクシノニトリルなどのジニトリル添加剤がTMCCC電極からのマンガンカチオンの放出及び金属酸化物析出物の形成を抑制するという仮説を裏付けている。
実施例4
ヘキサシアノ鉄酸ナトリウムマンガン鉄の正極と、ヘキサシアノマンガン酸ナトリウムマンガンの負極とを含むナトリウムイオン電池セルから抽出された電解質のATR-FTIR分析。
以下の手順を用いて、実施例3の各セルから電解質を抽出した:各電極の3cm×2cmの切片を遠心分離機のバイアルに封入し、0.1mLのアセトニトリルを添加した。添加したアセトニトリルを電極に浸漬させた後、バイアルを6,500rpmで20分間遠心分離した。このようにして得られた液体抽出物のATR-FTIRスペクトルを、一回反射ダイヤモンドプリズムを用いて測定した。
0%及び29.5%スクシノニトリルを含む老化したセルから抽出した電解質のATR-FTIRスペクトルを図13に示す。初期状態の電解質中の全ての吸収バンドは、アセトニトリル及びビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンの振動モードに帰属することができる。3400cm-1超の波数に広い吸収帯があることから、微量の水も存在している(図14)。
対照群の老化したセルから抽出された電解質のスペクトルには、アセトアミド中のN-H伸縮モード(3480cm-1及び3380cm-1)(図13及び図14)並びにC=0伸縮モード(1680cm-1)(図13及び図15)に特徴的な追加のバンドが示されている。29.5%スクシノニトリルを含むセルから抽出された電解質のスペクトルでも、アミド吸収バンドは存在するが、対照試料と比較して約30%の強度が大幅に低下している。C=0伸縮モードは、わずかに高い波数(1690cm-1)で現れており、これはスクシノニトリルの存在によって説明することができる。
ATR-FTIRスペクトルは、両セルにアセトアミド不純物が存在し、スクシノニトリル添加剤の存在下でアセトアミドの濃度が大幅に低下することを示している。70.54:29.46の質量比のアセトニトリル及びスクシノニトリルからなる電解質を含むセルでは、ATR-FTIRを使用した特性評価により、アセトニトリルを含みスクシノニトリルを含まない電解質を含む他のセルよりもアセトアミド濃度が3倍低いことが示された。この実施例の全てのセルは、ジニトリル電解質添加剤の添加を除いて、他の点では同一であった。アセトアミドは、これらのセルのいずれにおいても最初に存在していなかった。アセトアミドは、アセトニトリルと水との一般的な反応生成物であり、セル動作中にセル内の水不純物が電解質溶媒と反応したことを示している。この知見は、電気化学エネルギー貯蔵デバイスにおけるアセトニトリル又は他のモノニトリル電解質の安定性に関して重要な意味を有する。新しい電解質の安定性を決定する一般的な方法は、その電気化学的安定性窓を決定することに依存している。これは、通常、白金金属又はガラス状炭素などの化学的に不活性な作用電極を有する三電極セル内の電解質のサイクリックボルタンメトリ曲線を測定することによって行われる。次いで、安定性窓を、サイクリックボルタンメトリープロットが作用電極の電気二重層容量に関連する小さな充放電電流のみを示す電気化学的電位の範囲と見なす。この方法を用いて、モノニトリルは、電気化学的安定性窓が最も広い溶媒の1つであることが報告された。しかしながら、この特性評価では、ニトリルの酸化又は還元を伴わない副反応は考慮されていない。実施例4における発明者らの知見は、Liイオン電池及びEDLCを含む無水電気化学デバイスで最も普遍的な不純物である水が、デバイス電圧に依存しない反応でアセトニトリルを分解できることを示している。アミドは、その親ニトリルよりも著しく狭い電気化学的安定性窓を有する。したがって、水が微量にしか存在しない場合でも、アミド又はアミド酸化及びアミド還元生成物がニトリル溶媒分子を活性化し続け得る一連の寄生反応を引き起こす可能性がある。ジニトリル電解質添加剤は、加水分解反応を抑制することで、この暴走反応の連鎖を早期に断ち切る。ジニトリル添加剤は、モノニトリル電解質溶媒の分解を防止することにより、微量の水不純物を含むセルの寿命を延ばす。
参考文献:(以下の参考文献は、本明細書で議論され、参照によりそれらの全体が本明細書に明示的に組み込まれる。)
R1:米国特許第5,418,682号明細書
R2:米国特許第9,666,906号明細書
R3:国際公開第2008/138132号
R4:Q.Zhangらによる「Safety-Reinforced Succinonitrile-Based Electrolyte with Interfacial Stability for High-Performance Lithium Batteries」Appl.Mater.Interfaces 2017、9(35)、29820
R5:H.Duncanらによる「Electrolyte Formulations Based on Dinitrile Solvents for High Voltage Li-Ion Batteries」J.Electrochem.Soc.2013、160(6)、A838
R6:A.Abouimraneらによる「Investigation of Li salt doped succinonitrile as potential solid electrolytes for lithium batteries」J.Power Sources 2007、174、883
R7:T.A.Phamらによる「Solvation and Dynamics of Sodium and Potassium in Ethylene Carbonate from Ab Initio Molecular Dynamics Simulations」J.Phys.Chem.C 2017、121(40)、21913
上記のシステム及び方法は、本発明の好ましい実施形態の詳細を理解する助けとして、一般的な用語で説明されている。本明細書の説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、構成要素及び/又は方法の例など、多数の特定の詳細が提供される。本発明のいくつかの特徴及び利点は、そのような態様で実現され、全ての場合において必要とされるわけではない。しかしながら、当業者であれば、本発明の一実施形態は、1つ又は複数の特定の詳細なしに、又は他の装置、システム、アセンブリ、方法、構成要素、材料、部品及び/又は同様のものを用いて実施することができることを認識するであろう。他の例では、本発明の実施形態の態様を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造、材料、又は動作を具体的に示したり、詳細に説明したりしない。
本明細書を通して「一実施形態(one embodiment)」、「実施形態(an embodiment)」、又は「特定の実施形態(a specific embodiment)」への言及は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ、必ずしも全ての実施形態に含まれるわけではないことを意味する。したがって、本明細書全体の様々な箇所における「一実施形態では」、「実施形態では」、又は「特定の実施形態では」という語句のそれぞれの出現は、必ずしも同じ実施形態を指すものではない。更に、本発明の任意の特定の実施形態の特定の特徴、構造、又は特性は、任意の好適な方法で、1つ又は複数の他の実施形態と組み合わせることができる。本明細書に記載及び例示された本発明の実施形態の他の変形及び修正が、本明細書の教示に照らして可能であり、本発明の精神及び範囲の一部と見なされるべきであることを理解されたい。
特定の用途に応じて有用であるように、図面/図に示された要素のうちの1つ又は複数はまた、より分離又は統合された方法で実装されてもよく、又は特定の場合には除去又は動作不能にされてもよいことも理解されよう。
更に、図面/図中の任意の信号矢印は、特に明記しない限り、例示としてのみ考慮されるべきであり、限定するものではないと考えられるべきである。構成要素又はステップの組合せも、用語が、分離又は結合する能力が不明確であると予測される場合、記載されていると見なされる。
本発明の例示されている実施形態の前述の説明は、要約に記載されているものを含め、網羅的であること、又は本発明を本明細書に開示されている正確な形態に限定することを意図するものではない。本発明の特定の実施形態及び実施例は、例示のみを目的として本明細書に記載されているが、当業者が認識及び理解するように、本発明の精神及び範囲内で様々な同等の修正が可能である。示されるように、これらの修正は、本発明の例示された実施形態の前述の説明に照らして本発明に対して行われてもよく、本発明の精神及び範囲内に含まれるべきである。
したがって、本発明をその特定の実施形態を参照して本明細書で説明してきたが、修正、様々な変更及び置換の自由度が前述の開示において意図されており、場合によっては、本発明の実施形態のいくつかの特徴は、記載された本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、他の特徴の対応する使用なしに採用されることが理解されよう。したがって、特定の状況又は材料を本発明の本質的な範囲及び精神に適合させるために、多くの修正を行うことができる。本発明は、以下の特許請求の範囲で使用される特定の用語及び/又は本発明を実施するために企図された最良の形態として開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲内に含まれるありとあらゆる実施形態及び均等物を含むことが意図される。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ決定されるべきである。
米国特許第5,418,682号明細書 米国特許第9,666,906号明細書 国際公開第2008/138132号
Q.Zhangらによる「Safety-Reinforced Succinonitrile-Based Electrolyte with Interfacial Stability for High-Performance Lithium Batteries」Appl.Mater.Interfaces 2017、9(35)、29820 H.Duncanらによる「Electrolyte Formulations Based on Dinitrile Solvents for High Voltage Li-Ion Batteries」J.Electrochem.Soc.2013、160(6)、A838 A.Abouimraneらによる「Investigation of Li salt doped succinonitrile as potential solid electrolytes for lithium batteries」J.Power Sources 2007、174、883 T.A.Phamらによる「Solvation and Dynamics of Sodium and Potassium in Ethylene Carbonate from Ab Initio Molecular Dynamics Simulations」J.Phys.Chem.C 2017、121(40)、21913

Claims (8)

  1. 電気化学セルであって、
    電解質と、
    前記電解質と電気的に連絡している負極電極と、
    前記電解質と電気的に連絡している正極電極と、を備え、
    少なくとも1つの前記電極が、シアン化遷移金属配位化合物材料を含み、
    前記電解質が、モノニトリル溶媒と、前記溶媒との溶液中の1つ又は複数のアルカリ金属塩と、前記溶媒内に配置された添加剤とを含み、
    前記添加剤がジニトリル材料を含む、電気化学セル。
  2. 前記シアン化遷移金属配位化合物材料が、組成A[R(CN)(6)n(HO)を含み、Aがアルカリ金属カチオンを含み、Pが遷移金属カチオンを含み、Rが遷移金属カチオンを含み、0≦x≦2、y=1、0.75≦z≦1、及び0≦n≦6である、請求項1に記載の電気化学セル。
  3. Pがマンガン及び鉄のうちの少なくとも1つを含み、Rがマンガン及び鉄のうち少なくとも1つを含む、請求項2に記載の電気化学セル。
  4. 前記ジニトリル材料が、直鎖状ジニトリル材料を含む、請求項1に記載の電気化学セル。
  5. 前記直鎖状ジニトリル材料が、スクシノニトリルを含む、請求項4に記載の電気化学セル。
  6. 前記直鎖状ジニトリル材料が、アジポニトリルを含む、請求項4に記載の電気化学セル。
  7. 前記溶媒と前記添加剤の比Nが、重量比で70:30<N<99:1である、請求項1に記載の電気化学セル。
  8. Aが、Li、Na、K、Rb、及びCsカチオンのうちの1つ又は複数を含む、請求項2に記載の電気化学セル。
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