JP2023530336A - β-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)および化学療法剤の組成物および使用法 - Google Patents

β-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)および化学療法剤の組成物および使用法 Download PDF

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Abstract

本発明は、化学療法治療を受けているかまたは化学療法剤を投与されている哺乳動物に、HMBを投与して、腫瘍増殖を阻害し、動物生存を増加させ、化学療法誘導性体重減少に対して防御し、化学療法誘導性炎症に対して防御し、そして/または抗悪液質治療を提供する方法を提供する。【選択図】図1

Description

本出願は、2020年6月15日出願の米国仮特許出願第63/038,989号の恩典を請求し、そして米国仮特許出願第63/038,989号を本明細書に援用する。
1.分野
本発明は、腫瘍増殖を阻害し、動物生存を増加させ、化学療法誘導性体重減少に対して防御し、化学療法誘導性炎症に対して防御し、そして/または抗悪液質(anti-cachexia)治療を提供するためのβ-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)および化学療法剤の組成物および使用法に関する。
2.背景
慢性炎症は、いくつかのタイプの癌で起こり、そしてこのプロセスは腫瘍進行に関連する。新生物細胞は、サイトカインおよびケモカインを合成して、これらがマクロファージおよび他の炎症性細胞を誘引し、これが腫瘍微小環境を構成する;これらの細胞は、腫瘍増殖、転移および血管新生に寄与する、細胞傷害仲介因子(ROS、TNFα、インターロイキン類およびインターフェロン類)を産生する[1、2]。
腫瘍増殖と関連する炎症状態はまた、タンパク質異化の増加および悪液質(cachexia)発展のリスクにも寄与する[3]。悪液質の病理生理学的および生化学的機構は複雑であり、脂質およびタンパク質可動化、腫瘍の存在に対する宿主反応としての慢性炎症状態、ならびにエネルギー代謝の変化を増加させる要因を伴う[4、5]。この背景において、炎症促進性サイトカイン、例えばIL-1およびIL-6の合成は、これらがターゲット組織に直接作用し、骨格筋および脂肪組織の枯渇を促進することを考慮すると、悪液質の増悪に寄与する。さらに、これらは中枢神経系と相互作用し、食品摂取およびエネルギー代謝に干渉する[6]。
さらなる研究はまた、化学療法が悪液質の発展に寄与しうることも示唆する[7]。第一選択化学療法剤としてのドキソルビシン(Doxo)は、骨格筋および心筋の減少を引き起こし、そしてp53-p21-REDD1(発生およびDNA損傷反応において制御されるタンパク質1)経路の活性化に関連付けられた。ドキソルビシンはまた、タンパク質合成を減少させ、そしてタンパク質分解およびアポトーシスシグナル伝達を活性化し、そしてまた脂肪生成、PUFA(多価不飽和脂肪酸)生合成および脂肪酸取り込みに関連する遺伝子の発現を抑制しうる[8、9]。これらの知見、ならびにドキソルビシンおよびシクロホスファミドで治療され、化学療法の開始時および終了時を比較すると栄養障害の診断増加があった(それぞれ、15および38%)乳癌女性の臨床試験の結果[10]を考慮すると、Doxoは悪液質を誘導しうると考えられる。
悪液質は、予後悪化、入院長期化および患者死亡率の増加に関連する[11、12]。この意味で、α-ケトイソカプロン酸(KIC)経路によって細胞質においてin vivoで産生されるロイシン代謝産物であるHMBは、mTOR/p70S6k経路を通じてタンパク質合成を刺激するため、栄養障害においていくつかの研究の対象となってきている[13]。HMBがアスリートにおいて筋肉量増加を促進可能であるとともに、寝たきりの高齢者において抗異化効果を発揮することが可能であることもまた見出されてきている[14]。ロイシン代謝の唯一の産物は、ケトイソカプロエート(KIC)である。KIC代謝の少量の産物は、β-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)である。HMBは多様な適用の背景内で有用であることが見出されてきている。特に、米国特許第5,360,613号(Nissen)において、HMBは総コレステロールおよび低密度リポタンパク質コレステロールの血中レベルを減少させるために有用であると記載される。米国特許第5,348,979号(Nissenら)において、HMBは、ヒトにおいて窒素保持を促進するために有用と記載される。米国特許第5,028,440号(Nissen)は、動物における除脂肪組織発展を増加させる際のHMBの有用性を論じる。また、米国特許第4,992,470号(Nissen)において、HMBは、哺乳動物の免疫反応を増進させる際に有効であると記載される。米国特許第6,031,000号(Nissenら)は、疾患関連消耗を治療するためのHMBおよび少なくとも1つのアミノ酸の使用を記載する。
何人かの研究者らは、腫瘍生物学における改変に対するHMBの特徴的な効果を記載してきている。Smithら[15]は、体重減少に対する用量依存性効果を有することに加え、HMBはまた、腫瘍増殖速度の有意な減少も導くことを示した。Caperutoら[16]は、皮下腫瘍を移植されたラットにおける生存時間の増進、および腹腔内に腫瘍が注入された場合、42%の生存改善を示した。HMBはまた、腫瘍増殖速度[17]、腫瘍重量を減少させ、そしてラットにおいて、アポトーシスを増進させることにより腫瘍細胞増殖速度を減少させた[18]。
近年、HMBの抗炎症効果もまた、放射線照射に供された動物モデル、および放射線療法を受けている頭頸部癌患者において、論じられてきている[19、20]。
本発明は、化学療法治療を受けている哺乳動物にHMBを投与して、腫瘍増殖を阻害し、動物生存を増加させ、化学療法誘導性体重減少に対して防御し、化学療法誘導性炎症に対して防御し、そして/または抗悪液質治療を提供する方法を提供する。
発明の概要
本発明の1つの目的は、化学療法剤およびHMBの併用治療を提供して、腫瘍増殖を阻害することである。
本発明の別の目的は、化学療法剤およびHMBの併用治療を提供して、動物生存を増加させることである。
本発明のさらなる目的は、化学療法剤およびHMBの併用治療を提供して、化学療法誘導性体重減少に対して防御することである。
本発明のさらなる目的は、化学療法誘導性炎症に対して防御することである。
本発明の別の目的は、抗悪液質活性のため、化学療法治療を受けている哺乳動物にHMBを提供することである。
課題を解決するための手段
本発明は、これまでに遭遇した困難を克服することを意図する。この目的に向けて、化学療法措置と併用して(in association with)投与されるHMBを含む組成物を提供する。該組成物は、その必要がある被験体に投与される。すべての方法は、化学療法と併用して、動物にHMBを投与する工程を含む。本発明に含まれる被験体には、ヒトおよび非ヒト哺乳動物が含まれる。組成物は、その必要がある被験体によって消費される。
図1(A)は腫瘍増殖阻害(%)を示す。図1(B)はマウスの生存を示す。 図2は、EAC細胞において誘導される細胞死のタイプおよび細胞死に関連するタンパク質の発現を示す。 図3は、マウスの体組成評価を示す。 図4は、マウスの筋肉および全身炎症パラメータを示す。
驚くべきことに、そして予期せぬことに、化学療法プロトコルと組み合わせたHMBの投与は、腫瘍増殖阻害および動物生存増加を生じることが発見されてきている。HMBは、化学療法誘導性体重減少および炎症に対して防御性である。防御効果は、化学療法剤の抗腫瘍作用に干渉しない。
HMB
β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸、またはβ-ヒドロキシ-イソ吉草酸は、(CH(OH)CCHCOOHとして、その遊離酸型で示されてもよい。用語「HMB」は、遊離酸および塩型の両方の前述の化学式を有する化合物、ならびにその誘導体を指す。本発明の背景内で、任意の型のHMBを用いてもよい一方、好ましくは、HMBは、遊離酸、塩、エステル、およびラクトンを含む群より選択される。HMBエステルには、メチルおよびエチルエステルが含まれる。HMBラクトンには、イソバレリルラクトンが含まれる。HMB塩には、ナトリウム塩、カリウム塩、クロム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルカリ金属塩、および土類金属塩が含まれる。
HMBおよびその誘導体を産生するための方法は、当該技術分野に周知である。例えば、HMBは、ジアセトンアルコールの酸化によって合成されてもよい。1つの適切な方法は、Coffmanら, J. Am. Chem. Soc. 80: 2882-2887(1958)によって記載される。該文献に記載されるように、HMBは、ジアセトンアルコールのアルカリ性次亜塩素酸ナトリウム酸化によって合成される。産物を遊離酸型で回収し、これを塩に変換してもよい。例えば、HMBはCoffmanら(1958)のものと類似の方法によって、カルシウム塩として調製されてもよく、ここで、HMBの遊離酸を水酸化カルシウムで中和し、そして水性エタノール溶液からの結晶化によって回収する。HMBのカルシウム塩は、Metabolic Technologies、アイオワ州エイムスより商業的に入手可能である。
カルシウムβ-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)補充
20年以上前、HMBのカルシウム塩は、ヒト用の栄養補助剤として開発された。研究によって、平均的なヒトには、体重キログラムあたり、38mgのCaHMBが有効投薬量であるようであることが示されてきている。
HMBがタンパク質分解を減少させ、そしてタンパク質合成を増加させる分子機構が、報告されてきている。Eleyらはin vitro研究を行い、HMBが、mTORリン酸化を通じて、タンパク質合成を刺激することを示した。他の研究は、筋肉タンパク質異化がタンパク質分解誘導因子(PIF)、リポ多糖(LPS)、およびアンギオテンシンIIによって刺激された際、ユビキチン-プロテオソームタンパク質分解経路の誘導の減弱を通じて、HMBが、タンパク質分解を減少させることを示してきている。さらに他の研究は、HMBがまた、カスパーゼ-3および-8プロテアーゼの活性化を減弱させることも立証してきている。
HMB遊離酸型
大部分の場合、臨床研究で利用され、そしてエルゴジェニック補助として市販されるHMBは、カルシウム塩型であった。近年の進歩により、栄養補助剤としての使用のため、HMBが遊離酸型で製造されることが可能になってきている。HMBの遊離酸型が開発されており、これはCaHMBより、より迅速に吸収され、より迅速でそしてより高いピーク血清HMBレベル、ならびに改善された組織への血清クリアランスを生じることが示された。
したがって、HMB遊離酸は、特に激しい運動直前に投与される際には、カルシウム塩型よりもより有効なHMB投与法でありうる。しかし、一般の当業者は、本発明が任意の型のHMBを含むことを認識するであろう。
約0.5グラムHMB~約30グラムHMBの典型的な投薬範囲を生じるような方式で、任意の型のHMBを送達および/または投与型に取り込んでもよい。
HMBの任意の適切な用量を、本発明の背景内で用いてもよい。適切な用量を計算する方法は、当該技術分野に周知である。適切な用量を計算する方法は、当該技術分野に周知である。HMBの投薬量は、Ca-HMBの対応するモル量に関して表されてもよい。HMBが経口でまたは静脈内に投与されてもよい投薬範囲は、24時間あたり、体重キログラムあたり、0.01~0.2グラムHMB(Ca-HMB)の範囲内である。成人に関しては、約100~200ポンドの体重と仮定して、HMBの経口または静脈内投薬量(Ca-HMB基準)は、24時間あたり、被験体あたり、0.5~30グラムの範囲であってもよい。
一般の当業者には、HMBおよび化学療法剤(単数または複数)は、請求される方法を実行するために、同じ組成中でまたは同時に投与される必要はないことが理解されるであろう。
用語、投与するまたは投与には、組成物を哺乳動物に提供すること、組成物を消費することおよびその組み合わせが含まれる。
以下の実施例は、本発明をさらに詳細に例示する。本明細書の実施例に一般的に記載され、そして例示されるような、本発明の組成物は、多様な配合物および投薬型で合成されてもよいことが容易に理解されるであろう。したがって、本発明の方法、配合物および組成物の現在好ましい態様の以下のより詳細な説明は、請求されるような本発明の範囲を限定することを意図されず、単に、本発明の現在好ましい態様の代表である。
材料および方法
動物および実験設計
サンタ・カタリナ連邦大学(ブラジル)のセクター別の生物飼育場(bioterium)で行われた管理された生殖から得た、メス(18~23g体重、60日齢)Balb/cマウス(Mus musculus)を、管理された環境条件(12時間明暗サイクル、25±2℃、相対湿度60%)下、プラスチックケージ中で維持し、市販の餌および水を自由に与えた。
マウスを5群(n=6):正常(健康な動物)、対照(生理食塩水)、Doxo(1mg/kg/日)、HMB(617.3mgカルシウムHMB/kg/日)およびDoxo+HMB(それぞれ、1mg/kg/日および617.3mg/kg/日)に分けた。対照、Doxo、HMBおよびDoxo+HMB群に属する動物に、腹腔内注射によって、EAC細胞(200μL、5x10細胞)を接種し、そして96時間後に動物の処置を開始した。HMBの用量は、70kgの成人男性に関する推奨に基づいて定義され、すなわち3g/日(補助剤型(supplementary form))であった[21]。
法的要件(NIH刊行物#80-23、1985年改訂)および動物使用のための地域倫理委員会(認可プロトコルCEUA/UFSCPPOO784)にしたがって飼育され、そして処置を受けた同質遺伝子Balb/cマウスを用いて、動物研究を行った。
抗腫瘍効果の評価
腫瘍増殖阻害および生存評価
腫瘍を接種する直前、腹囲を測定した。9日連続で治療を腹腔内投与した。最後の処置の24時間後、すべてのマウスの体重を測定し、そして再び、それらの腹囲を測定した。腫瘍増殖の阻害(%)を以下のように計算した[22]:[(処置群の胴囲の平均x100)/対照群の胴囲の平均]-100。
さらに、麻酔後、すべての腹水を収集して、体積および重量を測定した。最後に、Balb/cマウス(n=12)をランダムに選択し、そしてKaplanおよびMeier(1958)[23]にしたがって生存時間に対するHMB、DoxoおよびDoxo+HMBの効果を評価するため、生存したまま維持した;30日後に生存評価を打ち切った。
死のタイプの評価
採取した腫瘍細胞(5x10)を、ヨウ化プロピジウム(100μg/mL)およびアクリジンオレンジ(100μg/mL)の溶液(1:1)1μLで染色した。緑色(460nmで励起および520nmで発光)および赤色(492nmで励起および620nmで発光)フィルター上、蛍光顕微鏡によって試料を読み取り、そして結果を生存(緑色)、アポトーシス(オレンジ)および壊死(赤色)細胞の割合として表した[24]。
ウェスタンブロッティング
アポトーシスマーカーをウェスタンブロッティングによって評価した。EAC細胞をPBSで洗浄し、そして1%プロテアーゼおよび3%ホスファターゼ阻害剤を補充したRIPA緩衝液中で溶解した。Laemmli緩衝液中でタンパク質をさらに変性し、そして等量をSDS-PAGE電気泳動に供した後、PVDF膜上でエレクトロブロッティングした。膜をブロッキングし、そして次いで、一次モノクローナル抗体:p53(Santa Cruz Biotechnology、DO-1;sc-126)、Bax(Santa Cruz Biotechnology、B-9;sc-7480)およびBcL-xl(Santa Cruz Biotechnology、H-5;sc-8392)とインキュベーションし、そして続いて、ペルオキシダーゼコンジュゲート化二次抗体(Dako and Chemicon)とインキュベーションした。化学発光決定キットを用いて免疫検出を行い、そしてβ-アクチンを装填対照として用いた。ChemiDoc MP(Bio Rad)システムで画像を得た[25]。
悪液質評価
平均一日食物摂取を決定するため、消費された食餌の重量を各ケージ中の動物の数で割った[26]。体重減少パーセントを評価するため、標準化等式にしたがって、「初期体重」(EACの接種前)、「最終体重」(処置の9日後)および「死体体重」(最終体重-腹水重量)を考慮した[27]。
ヒラメ筋および腓腹筋を迅速に取り除き、そして分析天秤上で重量測定した(湿質量)。ヒラメ筋試料を用いて、60℃で3日後、乾燥重量を決定し、そして腓腹筋をサイトカインの決定のため-80℃で維持した。腓腹筋およびヒラメ筋の湿質量(mg)を、マウスの脛骨の長さ(mm)によって標準化した[28]。皮下脂肪沈着、腸間膜および褐色脂肪組織もまた取り除き、そして直ちに重量測定した。
炎症プロファイルの評価
EAC細胞におけるCOX-2発現を項目2.2.3に記載されるようにウェスタンブロッティングによって評価した。COX-2に対する抗体をCell Signaling(#4842)から購入した。
サイトカインの決定のため、腓腹筋を、1%プロテアーゼおよび3%ホスファターゼ阻害剤を補充したRIPA緩衝液中、1mg組織:10μl緩衝液の比率でホモジナイズし、その後、ホモジネートを12,000gおよび4℃で10分間遠心分離した。上清のアリコットを用いて、製造者の推奨にしたがい、DuoSet(登録商標)キット(R&D System、米国)を用いて、ELISAイムノアッセイによって、サイトカインIL-1βおよびIL-6を決定した。
血清中のC反応性タンパク質(CRP)の決定を、製造者の指示にしたがってUltra Turbiquest Plus(登録商標)CRPキットによって行った。
統計分析
Tukey事後検定を伴う一元配置分散分析(ANOVA)を用い、p<0.05の最小有意レベルを仮定して、Prism 5 for Windows、バージョン5.00を用いて、統計分析を行った。
結果
HMBと併用するドキソルビシンの抗腫瘍効果の特徴づけ
すべての処置は、体重の変動(腫瘍接種前および安楽死の日の体重の間の相違)および腹水体積の有意な減少を促進した。Doxoでの処置は、対照群に比較して、体重変動を39%、そして腹水体積を54%減少させた。Doxo+HMBでの処置は、同じパラメータを、それぞれ、43%および37%減少させた(表1)。これらの結果は、EACにおける併用Doxo+HMBの抗腫瘍潜在能力を強調する。DoxoおよびDoxo+HMB群間では統計的相違はなかった。
Figure 2023530336000002
表1. 健康な(正常)Balb/cマウス、ならびに生理食塩水(対照)、Doxo(1mg/kg/日)、HMB(617.3mg/kg/日)、およびDoxo+HMB(それぞれ、1mg/kg/日および617.3mg/kg/日)で9日間処置した、EACを有するマウスの形態学的評価。結果を平均±標準偏差として表す。n=6、陰性対照(α)およびDoxo(β)に比較して、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。
DoxoおよびDoxo+HMBでの処置は、対照群に比較して、それぞれ、42%および39%、腫瘍増殖を阻害可能であったが、これらの間に統計的な相違はなく、HMBがDoxoの抗腫瘍効果に干渉しないことが立証された(図1A)。図1は、健康なBalb/cマウス、ならびに生理食塩水(対照)、Doxo(1mg/kg/日)、HMB(617.3mg/kg/日)、およびDoxo+HMB(それぞれ、1mg/kg/日および617.3mg/kg/日)で9日間処置した、EACを有するマウスの(A)腫瘍増殖の阻害(%)および(B)生存を示す。結果を平均±標準偏差として表す。n=6(A)およびn=12(B)、陰性対照(α)に比較して、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。
動物平均生存時間は、16日(対照)、13.5日(HMB)および26日(DoxoおよびDoxo+HMB)であった(図1B)。この実験モデルにおいて、DoxoおよびDoxo+HMBでの処置は、対照群に比較して、動物生存を増加させることが可能であったが、観察期間の終了時、Doxo群では3匹の生存動物、そしてDoxo+HMBでは5匹の動物がいた。
3.2 併用Doxo+HMBは、アポトーシスによる細胞死を誘導する
図2は、EAC細胞において誘導される細胞死のタイプ、および細胞死に関連するタンパク質の発現を示す。(A)誘導される細胞死のタイプ、(B)p53、BaxおよびBcl-xlの発現、(C)p53/アクチンの発現、ならびに(D)Bax/Bcl-xl比。結果を平均±標準偏差として表す。n=6、対照(α)およびDoxo(β)に比較して、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。
Doxoは、生存細胞数を有意に減少させ(60%)、壊死(36%)およびアポトーシス細胞死(4%)を誘導した(図2A)。一方、Doxo+HMBでの処置は、有意な壊死を誘導せず(9%)、アポトーシス細胞の数を増加させる(39%)ことによって、生存細胞数を同様に減少させた(52%)。DoxoおよびDoxo+HMBはどちらも、対照に比較して、Bax/Bcl-xL比を有意に増加させ(Doxo 38%およびDoxo+HMB 60%)、Doxo+HMBおよびDoxoの間には有意な相違があった(図2Bおよび2D)。すべての処置は、対照群に比較して、p53の発現を同様に増加させた(Doxo 20%、HMB 10%およびDoxo+HMB 19%;図2Bおよび2C)。壊死による細胞死が炎症プロセスに関連する一方、アポトーシスは炎症を誘導しないことに注目することが重要である。
3.3 ドキソルビシンおよびHMBでの同時処置は、腫瘍悪液質を調節する
図3は、健康なBalb/cマウス、ならびに生理食塩水(対照)、Doxo(1mg/kg/日)、HMB(617.3mg/kg/日)、およびDoxo+HMB(それぞれ、1mg/kg/日および617.3mg/kg/日)で9日間処置した、EACを有するマウスの体組成評価を示す。(A)食物摂取(g/日)および(B)体重減少(%)。結果を平均±標準偏差として表す。n=6(AおよびB)およびn=12(C)、対照(α)およびDoxo(β)に比較して、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。
群間の平均1日食物摂取(図3A)は以下の通りであった:正常群に関しては3.30±0.60g/日;対照群に関しては2.17±0.69g/日;Doxo群に関しては2.22±0.63g/日;HMB群に関しては2.81±1.05g/日;およびDoxo+HMB群に関しては3.39±1.06g/日。DoxoおよびHMB単独で処置した群の食物摂取は、対照群と有意には異ならなかった;が、Doxo+HMBでの同時処置は、対照およびDoxo群に比較して、食物摂取の増加を促進した。
EAC細胞の接種は、有意な体重減少(11%)を引き起こした。DoxoおよびDoxo+HMBでの処置は、対照に比較して体重減少を減弱させた(それぞれ、54%および75%)。さらに、本発明者らは、DoxoおよびDoxo+HMB群間の統計的相違を観察し、体重を保持することにおいて、Doxo+HMBがDoxo単独よりもより有効であることを示した(図3B)。
湿または乾燥ヒラメ筋の筋肉量に関して、群間での統計的な相違はなかった(表2);が、EAC細胞接種は、正常群に比較して、腓腹筋の湿筋肉量を35%減少させた。DoxoまたはHMBはどちらも、単独では腓腹筋の筋肉量に影響を及ぼさなかったが、Doxo+HMBの同時処置は、それぞれ、対照群およびDoxo単独に比較して、筋肉量を47%および26%増加させた(表2)。
Figure 2023530336000003
表2. Doxo(1mg/kg/日)、HMB(617.3mg/kg/日)、およびDoxo+HMB(それぞれ、1mg/kg/日および617.3mg/kg/日)で9日間処置した、EACを有するBalb/cマウスの体区画(腓腹筋およびヒラメ筋の湿重量および乾燥重量、皮下および腸間膜の脂肪ならびに褐色脂肪組織の重量)評価。結果を平均±標準偏差として表す。n=6、陰性対照(α)およびDoxo(β)に比較して、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。
健康な動物に比較して、EACの接種は、それぞれ94%および66%の皮下および腸間膜脂肪沈着の枯渇を促進した。しかし、Doxo+HMBは、対照およびDoxo群に比較して、皮下脂肪沈着を増加させ、EACおよび化学療法によって誘導される脂肪枯渇に対して防御した(表2)。Doxo+HMBはまた、Doxo群に比較して、腸間膜脂肪の増加も促進した。しかし、DoxoまたはHMB単独での処置は、対照に比較して、皮下および腸間膜の脂肪を維持する際に有効ではなかった。
3.4 HMBは、EACおよび骨格筋の両方で、炎症経路を調節する
図4は、健康なBalb/cマウス、ならびに生理食塩水(対照)、Doxo(1mg/kg/日)、HMB(617.3mg/kg/日)、およびDoxo+HMB(それぞれ、1mg/kg/日および617.3mg/kg/日)で9日間処置した、EACを有するマウスにおける、筋肉および全身炎症パラメータを示す。(A)EAC細胞におけるCOX-2/アクチンの発現、(B)腓腹筋におけるIL-1βの発現および(C)IL-6の発現、ならびに(D)血清C反応性タンパク質レベル(mg/L)。結果を平均±標準偏差として表す。n=6、陰性対照(α)およびDoxo(β)に比較して、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。
HMBおよびDoxo+HMB処置は、対照に比較した際、COX-2のEAC細胞発現を減少させた(それぞれ、4%および55%)。Doxo+HMB処置はまた、Doxo単独に比較して、COX-2の発現を53%減少させた(図4A)。
さらに、EAC細胞の接種は、正常群に比較して、腓腹筋中のIL-1βの発現を103%増加させることが観察された。DoxoおよびDoxo+HMB処置は、このサイトカインの含量を、対照に比較して、それぞれ6%および47%減少させた。最後に、併用Doxo+HMBは、Doxo単独に比較して、IL-1βの発現を43%減少させた(図4B)。
EACはまた、腓腹筋中のIL-6の発現を、健康な動物に比較して116%増加させたが、このサイトカインは、Doxo、HMBおよびDoxo+HMB処置において、それぞれ、43%、64%および51%減少し、処置間に統計的相違はなかった(図4C)。
血清C反応性タンパク質レベルは、0.07mg/L(正常)、1.63mg/L(対照)、2.39mg/L(Doxo)、0.31mg/L(HMB)および0.2mg/L(Doxo+HMB)であった(図4D)。統計分析は、Doxoは対照群のものよりもC反応性タンパク質の血清レベルをさらに増加させる一方、HMB単独およびDoxo+HMBはどちらも、対照およびDoxo群の両方に比較して、このパラメータを減少させることを示した。
考察
Doxo+HMBの投与は、対照、DoxoおよびHMB(単独)群に比較して、腫瘍増殖を阻害し、そして動物生存を増加させた。HMBはDoxo誘導性体重減少および炎症に対して防御性であり、Doxoの抗腫瘍作用には干渉しなかった。
Doxo+HMBの同時処置は、Doxo化学療法によって誘導される細胞死のタイプを壊死からアポトーシスにシフトしたが、各処置によって誘導される死の割合は同様であったため、細胞死の総量は改変しなかった(Doxo 36%およびDoxo+HMB 39%)。Doxo+HMBの併用は、対照群およびDoxo群に比較して、Bax発現を増加させ、そしてBcl-xl発現を減少させて、Bax/Bcl-xl比を調節し、そして内在性アポトーシスを促進した。こうした併用の利点は、アポトーシスを誘導し、そして腫瘍微小環境における炎症の減少に寄与することである。
COX-2は、いくつかのタイプの癌において過剰発現され、突然変異、細胞増殖、化学耐性の誘導およびアポトーシスの減少(Bcl-2ファミリーの抗アポトーシスタンパク質の発現増加および同じファミリーのアポトーシス促進性メンバーの発現減少に関連する)を支持することによって、より劣った予後に関連する。さらに、COX-2阻害は、いくつかの細胞株において、p53の調節に関連する[29、30]。
EAC細胞において、Doxo+HMBは、対照(55%)およびDoxo(53%)に比較して、COX-2の発現を減少させた。HMBは、アラキドン酸経路を調節し、COX-2の減少を導き、そしてその結果、p53およびBax発現の増加、それと同時にBcl-xl発現の減少を導き、それによってアポトーシスの内在性経路を誘発した。Doxo+HMBでの処置において、壊死による細胞死の強いプロセスがあり(図2Aにおいて、顕微鏡検査が、視野あたり、はるかに少ない細胞数を示すことに注目されたい)、そしてしたがって、この細胞死プロセスが炎症反応をシグナル伝達するため、壊死した細胞はマクロファージによって除去されることから、検出可能な細胞はアポトーシスのもののみであった。
悪液質の診断に関するパラメータ(すなわち体重減少、食物摂取の改変および炎症パラメータの増加)を考慮すると、Doxo+HMBの組み合わせは、対照およびDoxo群に比較して、体重、腓腹筋の筋肉量および皮下脂肪量を保持することに有効であったことが見出された。併用Doxo+HMBはまた、Doxoに比較して、腸間膜脂肪の沈着も保持し、そして動物の食物摂取を増加させた。食物摂取が、癌に関連する体重減少の重要な構成要素であり、これは特に、より低いタンパク質合成がまた、栄養のより低い利用可能性に関連するためであることは注目に値する[6]。
Doxo+HMB処置は、EACを有する動物の血清および筋肉における炎症パラメータの調節と関連した。炎症促進性サイトカインは、腫瘍進行および悪液質の発展と関連する[31、32]。骨格筋におけるIL-6の過剰発現は、卵巣癌患者で同定されてきており、この場合、IL-6は、タンパク質の半減期を減少させ、そして26Sプロテオソームの活性を増加させることによって、筋委縮に寄与する[33、34]。近年の研究によって、HMBが食道癌細胞株において、IL-6の発現を減少させることが見出された[35]。本研究において、Doxo単独、HMB単独、およびDoxo+HMBでの処置は、すべて、対照群に比較して、腓腹筋におけるIL-6の発現を減少させ、群間には相違はなく、HMBおよびDoxoが同じ機構を通じて筋IL-6発現を減少させることが立証された。
Doxo+HMBは、対照およびDoxo単独に比較して、腓腹筋におけるIL-1β含量を、それぞれ、47%および43%減少させた。IL-1経路はまた、癌患者において過活性であり、そしていくつかの方式で、悪液質の発展に寄与する。例えば、IL-1経路は、アクチビンAの合成を誘導し、アクチビンAはNFκBおよびp38 MAPKを通じて骨格筋委縮に関連し、どちらもタンパク質合成の阻害に関連するMURF-1およびアトロギン(Atrogin)-1を活性化するE3リガーゼを正に制御する。最後に、トリプトファンの血漿濃度の増加もまた、視床下部におけるセロトニン合成を増加させ、これは次に、食欲の減少に寄与する[31、36]。Doxo+HMB群で観察される最高の食物摂取(図3A)は、Il-1bレベルがより低いためである。
健康な動物において、C反応性タンパク質の血清レベルは0.07mg/Lであり、一方、TAEの動物においては、得られるレベルは1.63mg/Lであった。DoxoおよびHMBの単独で処置した動物において、見られる値は、それぞれ、2.39mg/Lおよび0.31mg/Lである一方、併用処置した群では、最低レベルが認められ、0.2mg/Lであった(図4D)。得られる結果は、対照群中の動物が正常よりおよそ23倍高いC反応性タンパク質を有することを示し、腫瘍発展に関連する全身炎症の発生を示す。この結果は、有意な体重減少、食物摂取減少、筋肉および脂肪量の減少、ならびに以前観察された炎症促進性サイトカイン上昇と関連して、Balb/cマウス腹腔におけるEAC細胞の接種によって悪液質が誘導されるという仮説を補強する。
Doxo処置は、対照に比較してC反応性タンパク質レベルの増加を促進した(47%)が、Doxo+HMB処置は、Doxo単独に比較して、このパラメータを92%減少させた。全身炎症は、体の貯蔵のより多い可動化、食物摂取減少、癌治療に対するより低い反応、およびその結果のより劣った予後に関連する。
本研究の知見は、ドキソルビシン処置にHMBを添加すると、該組み合わせが食物摂取を増加させ、そして体重を保持するため、抗悪液質効果を有することを立証する。HMBの添加はまた、Doxo処置単独に比較して、腓腹筋におけるIL-1βの発現、およびC反応性タンパク質の血清レベルを減少させ、それによって、この化学療法に関連する炎症駆動性異化潜在能力に対して防御する[37、38]。近年のLPS誘導性筋萎縮に供されたブタでの研究において、著者らは、HMB補充が体重増加を促進し、そして食物摂取を改善して、そして血清IL-1βレベルおよび筋分解を低下させたことを見出し[39]、本研究の結果をさらに実証した。
HMBは、EAC細胞において、アラキドン酸経路を調節し、COX-2の発現を減少させ、アポトーシスミトコンドリア経路を誘導し、そしてp53およびBaxの発現を増加させる一方、Bcl-xlの発現を減少させた。したがって、本研究は、HMBが、EACを有する動物の食物摂取を増加させる一方、体貯蔵の保持および腫瘍悪液質に対する防御に寄与するような方式で、C反応性タンパク質の血清レベルおよび腓腹筋におけるIL-1βの発現を減少させるため、HMBは、Doxo化学療法の設定において、抗悪液質活性を有することを見出した。
前述の説明および図は、本発明の例示的な態様を含む。前述の態様および本明細書記載の方法は、当業者の能力、経験、および好みに基づいて多様でありうる。特定の順序での方法工程の単なる列挙は、方法工程の順序に対するいかなる制限も構成しない。前述の説明および図は、単に、本発明を説明し、そして例示し、そして本発明は、請求項がそのように限定しない限りそれに限定されない。本開示を提供された当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、その修飾および変動を行うことが可能であろう。
参考文献
Figure 2023530336000004
Figure 2023530336000005
Figure 2023530336000006
Figure 2023530336000007
Figure 2023530336000008
Figure 2023530336000009
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Claims (25)

  1. 化学療法治療を受けている動物において、腫瘍増殖を阻害するための方法であって、化学療法剤で治療されている、その必要がある動物に、約0.5g~約30gのβ-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)を投与する工程を含む、前記方法。
  2. 前記HMBが、その遊離酸型、その塩、そのエステルおよびそのラクトンからなる群より選択される、請求項1の方法。
  3. 前記HMBがカルシウム塩である、請求項1の方法。
  4. HMBが遊離酸型である、請求項1の方法。
  5. 化学療法剤がドキソルビシン(Doxo)である、請求項1の方法。
  6. 化学療法治療を受けている動物の生存を増加させるための方法であって、化学療法剤で治療されている、その必要がある動物に、約0.5g~約30gのβ-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)を投与する工程を含む、前記方法。
  7. 前記HMBが、その遊離酸型、その塩、そのエステルおよびそのラクトンからなる群より選択される、請求項6の方法。
  8. 前記HMBがカルシウム塩である、請求項6の方法。
  9. HMBが遊離酸型である、請求項6の方法。
  10. 化学療法剤がドキソルビシン(Doxo)である、請求項6の方法。
  11. 化学療法治療を受けている動物において、化学療法誘導性体重減少に対して防御するための方法であって、化学療法剤で治療されている、その必要がある動物に、約0.5g~約30gのβ-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)を投与する工程を含む、前記方法。
  12. 前記HMBが、その遊離酸型、その塩、そのエステルおよびそのラクトンからなる群より選択される、請求項11の方法。
  13. 前記HMBがカルシウム塩である、請求項11の方法。
  14. HMBが遊離酸型である、請求項11の方法。
  15. 化学療法剤がドキソルビシン(Doxo)である、請求項11の方法。
  16. 化学療法治療を受けている動物において、化学療法誘導性炎症に対して防御するための方法であって、化学療法剤で治療されている、その必要がある動物に、約0.5g~約30gのβ-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)を投与する工程を含む、前記方法。
  17. 前記HMBが、その遊離酸型、その塩、そのエステルおよびそのラクトンからなる群より選択される、請求項16の方法。
  18. 前記HMBがカルシウム塩である、請求項16の方法。
  19. HMBが遊離酸型である、請求項16の方法。
  20. 化学療法剤がドキソルビシン(Doxo)である、請求項16の方法。
  21. 化学療法治療を受けている動物において、抗悪液質治療を提供するための方法であって、化学療法剤で治療されている、その必要がある動物に、約0.5g~約30gのβ-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)を投与する工程を含む、前記方法。
  22. 前記HMBが、その遊離酸型、その塩、そのエステルおよびそのラクトンからなる群より選択される、請求項21の方法。
  23. 前記HMBがカルシウム塩である、請求項21の方法。
  24. HMBが遊離酸型である、請求項21の方法。
  25. 化学療法剤がドキソルビシン(Doxo)である、請求項21の方法。
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