JP2023530137A - 局所抗菌組成物 - Google Patents

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Abstract

(i)ピロクトン、カプリルヒドロキサム酸、ベンゾヒドロキサム酸、またはピロクトンオラミンの少なくとも1つである抗菌活性物質と;(ii)ノルブライリンとを含む局所組成物が開示される。ヒトまたは動物の身体の局所表面に局所抗菌利益を提供する非治療的方法であって、安全かつ有効な量の局所組成物を施用するステップを含む方法も開示される。

Description

本発明は、局所抗菌組成物、特に化粧品組成物に関し、より詳細には、相乗的抗菌効果を提供するように相互作用し、少なくともふけおよび座瘡などの美容に関連性のある状態に関連する一部の微生物に対して有用な活性物質を含む化粧品組成物に関する。
本発明は、いずれの身体部分の洗浄および/またはケアにも有用であるが、特に毛髪および頭皮のケア、手指衛生または顔のケアおよびクレンジングに適した抗菌組成物に関する。
ふけは、世界中で多くの人々に影響を与える問題である。この状態は、頭皮からの死んだ皮膚細胞の凝集塊の脱落によって現れる。ふけは白色であり、容易に視認可能であるため、審美的に不快な外観を呈する。ふけに寄与する因子は、マラセチア属(Malassezia)酵母のある特定のメンバーである。それらに対抗するために、シャンプーなどの様々な抗ふけ組成物が利用可能である。通常、このようなシャンプーは、界面活性剤および1以上の抗ふけ剤を含有する。典型的な抗ふけ剤は、金属ピリチオン、例えばピリチオン亜鉛(ZPTO)、octopirox(登録商標)(ピロクトンオラミン)、アゾール抗菌剤(例えばクリンバゾール)、硫化セレンおよびこれらの組み合わせである。
ふけの問題は、このようなシャンプーに上記活性物質を使用することによって大幅に軽減されるが、より効果的な組成物が必要とされている。
尋常性座瘡としても知られている座瘡は、ほぼ全ての青年および成人が罹患する一般的な皮膚状態である。これは、異常な角質化および過剰な皮脂産生を含む複雑な病因を有する。座瘡は、通常、顔、首および背中などの皮脂腺が豊富な領域に生じる。細菌キューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)(C.アクネス(C.acnes)、以前はプロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)またはP.アクネス(P.acnes)として知られていた)も、座瘡の発生に関与している。座瘡は多くの方法で処置されてきた。ほとんどの処置は、顕著な変化が見られるまでに数週間から数ヶ月を要する。抗菌効果を有する過酸化ベンゾイルが、座瘡の軽度の症例に使用されており、また、さらなる座瘡の形成を防止すると考えられている。座瘡の非常に重篤な症例では、テトラサイクリン、エリスロマイシンおよびクリンダマイシンなどの抗生物質が使用されてきた。
したがって、本発明の目的は、個々の成分と比較して相乗的抗菌活性を示す局所組成物を提供することである。
本発明者らは、天然植物に通常見られるある特定の活性物質を、ピロクトン、カプリルヒドロキサム酸、ベンゾヒドロキサム酸、またはピロクトンオラミンの少なくとも1つである典型的な抗菌活性物質と共に製剤化すると、その組み合わせがふけおよび座瘡などの状態に関連する一部の微生物に対して非常に効果的であることを決定した。これにより、上記の組み合わせを含む組成物は、抗ふけ、抗座瘡および一般的な抗菌活性を有することができ、例えばシャンプー、ボディおよびフェイスケアでの使用に適し得るという推論が導かれた。上記で言及したある特定の活性物質はノルブライリンである。
したがって、第1の態様によると、
(i)ピロクトン、カプリルヒドロキサム酸、ベンゾヒドロキサム酸、またはピロクトンオラミンの少なくとも1つである抗菌活性物質と;
(ii)ノルブライリンと
を含む局所組成物が開示される。
第2の態様によると、安全かつ有効な量の第1の態様の局所抗菌組成物を施用するステップを含む、ヒトまたは動物の身体の局所表面に局所抗菌利益を提供する非治療的方法が開示される。
第3の態様によると、ヒトまたは動物の身体の局所表面に抗菌利益を提供するのに使用するための第1の態様の組成物が開示される。
本発明による組成物は、様々な異なる形態を有することができる、局所的に許容される担体、ビヒクルまたは希釈剤を含む。局所的に許容される担体は、好ましくは非刺激性であるべきである。したがって、「局所的に許容される」は、担体が、いかなる不都合な安全性の懸念も毒性の懸念も引き起こすことなく皮膚への局所施用に適していることを意味する。換言すれば、これらの担体は、哺乳動物皮膚での使用に適している。典型的な担体は、水-アルコール系(例えば、液体およびゲル)、無水油もしくはシリコーン系、またはそれだけに限らないが、水中油型、油中水型、水中油中水型、およびシリコーン中水中油型エマルジョンを含むエマルジョン系の形態であり得る。エマルジョンは、希薄なローション(スプレーまたはエアロゾル送達にも適し得る)、クリーム状ローション、軽いクリームおよび重いクリームを含む広範囲の稠度をカバーすることができる。エマルジョンはまた、マイクロエマルジョン系を含むことができる。他の適切な局所担体には、無水固体および半固体(ゲルおよびスティックなど);ならびに水性ベースのムース系が含まれる。本発明において有用な局所担体系の非限定的な例を以下に記載する。
これらのおよび他の態様、特徴ならびに利点は、以下の詳細な説明および添付する特許請求の範囲を読めば当業者に明らかになるだろう。疑義を回避するために、本発明の一態様の任意の特徴を、本発明の任意の他の態様に利用してもよい。「含む(comprising)」という単語は、「含む(including)」を意味するが、必ずしも「からなる(consisting of)」または「で構成される(composed of)」を意味するわけではないことを意図している。換言すれば、列挙したステップまたは選択肢が網羅的である必要はない。以下の説明で示される例は、本発明を明らかにすることを意図しており、本発明をこれらの例それ自体に限定することを意図していないことに留意する。同様に、特に指示しない限り、本明細書に含まれる全ての百分率および比は重量/重量百分率である。
実施例および比較例を除いて、または明示的に指示しない限り、反応の材料または条件の量、材料および/または使用の物理特性を示す本明細書の全ての数字は、「約」という単語により修飾されるものと理解すべきである。特に指定しない限り、「x~y」という形式で表される数値範囲は、xおよびyを含むと理解される。具体的な特徴について、複数の好ましい範囲が「x~y」という形式で記載されている場合、異なる終点を組み合わせた全ての範囲も熟慮されると理解される。上記の個々の節で言及される本発明の様々な特徴は、必要に応じて、必要により修正を加えて他の節に適用される。結果として、ある節で指定された特徴は、必要に応じて他の節で指定された特徴と組み合わされ得る。いずれの節の見出しも便宜上追加されているにすぎず、決して本開示を限定することを意図するものではない。
局所組成物とは、哺乳動物、特にヒトの局所領域、例えば皮膚および/または毛髪および/または口腔を洗浄または消毒することを意図したリーブオンまたはウォッシュオフ形式の形態の外用組成物を意味する。このような組成物は、外観の改善、洗浄、臭気制御または一般的美観のために人体に施用される任意の製品を含む。一態様によると、本発明による局所組成物はリンスオフ組成物である。あるいは、これらはリーブオン組成物である。本発明の組成物は、液体、ローション、クリーム、フォームもしくはゲルもしくはトナーの形態であり得るか、または、器具を用いてもしくはフェイスマスク、パッドもしくはパッチを介して施用され得る。本明細書で使用される「皮膚」は、顔および身体の皮膚(例えば、首、胸、背中、腕、脇の下、手、脚、臀部および頭皮)を含むことを意味する。本発明の組成物はまた、皮膚以外の人体の任意の他の外部基質、例えば毛髪への施用にも関連する。
本明細書で使用される「抗菌組成物」は、哺乳動物、特にヒトの皮膚、毛髪および/または頭皮に局所施用するための組成物を含むことを意味する。このような組成物は、一般に、数秒~最大24時間にわたって、身体の所望の局所表面に施用される。施用時間が例えば数秒から数分程度と短く、その後に組成物を水ですすぎ落とすか、または拭き取る場合、このような組成物は、クレンジング組成物またはリンスオフ組成物として知られている。組成物が例えば数分から最大24時間のより長い時間施用され、通常のパーソナル洗浄のプロセス中に通常洗い流される場合、このような組成物はリーブオン組成物として知られている。組成物は、より好ましくは、頭皮および/または毛髪のふけの症状を予防または緩和するため、抗座瘡利益のため、あるいは手または人体の他の部分を消毒するために使用される。
本明細書で使用される「毛髪ケア組成物」は、毛髪に局所施用するための組成物を含むことを意味する。このような組成物の非限定的な例としては、リーブオンヘアローション、クリームおよびウォッシュオフシャンプー、コンディショナー、シャワーゲルまたは固形石鹸を含む。本発明の組成物がヘアケア組成物である場合、これは、好ましくはウォッシュオフ組成物、特にシャンプーまたはコンディショナーである。
本発明は、
(i)ピロクトン、カプリルヒドロキサム酸、ベンゾヒドロキサム酸、またはピロクトンオラミンの少なくとも1つである抗菌活性物質と;
(ii)ノルブライリンと
を含む局所組成物に関する。
ヒドロキサム酸およびヒドロキサム酸誘導体
ヒドロキサム酸は、官能基RC(O)N(OH)R’(RおよびR’は有機残基であり、COはカルボニル基である)を有する有機化合物のクラスである。
本発明による抗菌活性物質は、ヒドロキサム酸またはヒドロキサム酸誘導体の少なくとも1つである。ヒドロキサム酸は、ピロクトン、カプリルヒドロキサム酸、またはベンゾヒドロキサム酸であり、より好ましくはカプリルヒドロキサム酸である。ヒドロキサム酸誘導体は、ピロクトンオラミンである。
本発明による抗菌活性物質は、ピロクトン、カプリルヒドロキサム酸、ベンゾヒドロキサム酸、またはピロクトンオラミンの少なくとも1つである。本発明による抗菌活性物質が、カプリルヒドロキサム酸またはピロクトンオラミンの少なくとも1つであることがより好ましい。抗菌活性物質がピロクトンオラミンであることが最も好ましい。
ピロクトンは、それぞれ4位および6位にメチルおよび2,4,4-トリメチルペンチル置換基を有する1-ヒドロキシピリジン-2-オンからなる環状ヒドロキサム酸である。CAS番号は50650-76-5であり、この化合物は以下の一般式(a)を有する:
Figure 2023530137000001
カプリルヒドロキサム酸は、ヤシ油由来のアミノ酸である。これは保存剤および広域スペクトル抗真菌剤である。CAS番号は7377-03-9であり、この化合物は以下の一般式(b)を有する:
Figure 2023530137000002
ベンゾヒドロキサム酸はヒドロキサム酸の1つである。CAS番号は495-18-1であり、この化合物は以下の一般式(c)を有する:
Figure 2023530137000003
ピロクトンオラミンは、典型的な抗菌活性物質であるヒドロキサム酸誘導体ピロクトンのオラミン塩である。これは、一般に、商品名Octopirox(登録商標)のピロクトンエタノールアミンとして知られている。
本発明によるピロクトンオラミンは、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2(1H)-ピリジノンと2-アミノエタノールとの1:1化合物であり、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2(1H)ピリジノンモノエタノールアミン塩とも呼ばれる。CAS番号は68890-66-4であり、この化合物は以下の一般式(d)を有する:
Figure 2023530137000004
本発明の組成物中のヒドロキサム酸またはヒドロキサム酸誘導体の少なくとも1つである抗菌活性物質の量は、局所組成物の種類および使用される他の抗菌活性物質の正確な性質に依存するだろう。組成物が、組成物の0.01~10重量%、より好ましくは0.1~5重量%、さらに好ましくは0.5~3重量%の前記抗菌活性物質を含むことが好ましい。
ノルブライリン
本発明によるノルブライリンは、6-ヒドロキシ-8,8-ジメチルピラノ[2,3-f]クロメン-2-オン(C14H12O4)である。CAS番号は60796-64-7であり、この化合物は以下の一般式(e)を有する:
Figure 2023530137000005
このようなノルブライリンは、植物-テリハザンショウ(Zanthoxylum nitidum)、サルカケミカン(Toddalia asiatica)、およびカタフレイ(Cedrelopsis grevei)にも見出され得る。
本発明の組成物中のノルブライリンの量は、0.01~10重量%であることが好ましい。より好ましくは、この量は、組成物の0.01~5重量%、最も好ましくは0.1~2%である。
好ましくは、本発明の組成物は、同様に前記ノルブライリンを含む、テリハザンショウ(Zanthoxylum nitidum)の抽出物、あるいはサルカケミカン(Toddalia asiatica)またはカタフレイ(Cedrelopsis grevei)の抽出物を含む。抽出物の測定量は、その中に含有されるノルブライリンの必要量が組成物に含まれるように選択される。
ノルブライリンを含有するテリハザンショウ(Zanthoxylum nitidum)抽出物は、様々な異なる供給源から市販されている。例えば、テリハザンショウ(Zanthoxylum nitidum)の抽出物は、中国科学院の大連化学物理研究所から入手可能である。あるいは、当業者であれば、当技術分野で公知の任意の適切な単離方法および精製方法を使用することによって単離することができるであろう。いくつかの実施形態では、テリハザンショウ(Zanthoxylum nitidum)の抽出物は、乾燥したテリハザンショウ(Zanthoxylum nitidum)植物から得ることができ、又は、当技術分野で公知であるかまたは開発される任意の手段によって調製することができる。
通常、植物抽出物は、水およびアルコールを含む水性溶媒を使用して、または有益な植物成分を引き出すように働く超臨界二酸化炭素を使用して調製することができる。例えば、薬草原料を小片に砕き、10倍体積の脱イオン水に30分間浸漬し、次いで、2回、30分間還流抽出する。濾過後、液体を乾燥させて抽出物粉末を得ることができる。あるいは、薬草原料を小片に砕き、2回、10倍体積の95%エタノールに24時間浸漬する。2つの濾過溶液を合わせ、濾過した。上清中の溶媒を蒸発によって除去し、抽出物粉末を得た。
組成物は抗菌活性物質とノルブライリンを含むので、最適な有効性を得るために活性成分の量の間の比が維持されることが好ましい。好ましくは、前記ノルブライリンの量の前記抗菌活性物質に対する重量比は、1:10~100:1、より好ましくは1:2~50:1、さらに好ましくは1:1~20:1、特に好ましくは3:1~10:1、最も好ましくは5:1~10:1である。
分画阻害濃度(fractional inhibitory concentration)の和(ΣFIC)が、抗菌成分の組み合わせの状況で広く使用されている。これは、抗菌成分(組み合わせて使用される場合)が相乗効果もしくは拮抗効果を有するか、またはこれら2つのいずれも有さない、すなわち相加効果を有するかを決定するツールである。本発明者らは、ΣFIC試験に依拠して、M.フルフル(M.furfur)に対する抗菌活性物質とノルブライリンの併用効果を評価した。
本発明による抗菌活性物質とノルブライリンが本発明の組成物中に存在するが、ノルブライリン化合物が抗菌活性物質と相乗的に相互作用して、これをさらに効果的にすると考えられる。
本発明の局所組成物が、ピロクトンオラミンとノルブライリンを含むことが好ましい。この場合、ノルブライリンの量のピロクトンオラミンの量に対する重量比は、1:10~100:1、あるいは1:2~50:1、さらにあるいは1:1~10:1であることが好ましい。
本発明の局所組成物がカプリルヒドロキサム酸とノルブライリンを含むことが好ましい。この場合、ノルブライリンの量のカプリルヒドロキサム酸の量に対する重量比は、1:10~100:1、あるいは1:2~50:1、さらにあるいは1:1~10:1であることが好ましい。
他の成分
本発明の組成物は、好ましくは、美容的に許容されるビヒクルを含む。美容的に許容されるビヒクルは、組成物が、例えばシャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュ、ハンドウォッシュ、または、洗顔料製品、クリーム、ローション、ゲル、粉末、軟膏、手指消毒剤または石鹸バーとして調製され得るようなものであり、成分の残りがそれに応じて変化するだろう。
一態様では、本発明による局所組成物はヘアケア組成物である。好ましくは、このような組成物は、シャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアセラムまたはヘアオイルである。最も好ましくは、局所組成物は、少なくとも一部のマラセチア属(Malessezia)種に対して有効な抗ふけ組成物である。
本発明の組成物がシャンプーである場合、これは、好ましくは、このような組成物に一般的に含まれる他の成分を含む。
シャンプーは、好ましくは1~20重量%、より好ましくは2~16重量%、さらに好ましくは3~16重量%のアニオン界面活性剤、例えばアルキル硫酸塩および/またはエトキシ化アルキル硫酸塩界面活性剤を含む。好ましいアルキル硫酸塩は、C8~18アルキル硫酸塩、より好ましくはC12~18アルキル硫酸塩であり、好ましくはナトリウム、カリウム、アンモニウムまたは置換アンモニウムのような可溶化カチオンを有する塩の形態である。
特に好ましいアルキルエーテル硫酸塩は、式:RO(CHCHO)SO-3M(式中、Rは8~18個(好ましくは12~18個)の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルであり;nは少なくとも0.5より大きな、好ましくは1~3、より好ましくは2~3の平均値を有する数であり;Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウムまたは置換アンモニウムなどの可溶化カチオンである)を有するものである。一例にはラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)がある。0.5~3、好ましくは1~3の平均エトキシル化度を有するSLESが特に好ましい。
本発明によるシャンプー組成物は、美容的に許容され、かつ毛髪への局所施用に適した1以上のさらなるアニオン性洗浄界面活性剤を含み得る。例としては、アルカリールスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、アルキルエーテルスルホスクシネート、N-アルキルサルコシネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェートおよびアルキルエーテルカルボン酸およびその塩、特にそれらのナトリウム、マグネシウム、アンモニウムならびにモノ-、ジ-およびトリエタノールアミン塩を含む。アルキルおよびアシル基は、一般的に8~18個、好ましくは10~16個の炭素原子を含み、不飽和であってもよい。アルキルエーテルスルホスクシネート、アルキルエーテルホスフェートおよびアルキルエーテルカルボン酸およびその塩は、1分子当たり1~20個のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド単位を含み得る。
典型的には、適切なアニオン界面活性剤には、ナトリウムオレイルスクシネート、アンモニウムラウリルスルホスクシネート、ナトリウムラウリルエーテルスルホスクシネート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、トリエタノールアミンドデシルベンゼンスルホネート、ラウリルエーテルカルボン酸およびナトリウムN-ラウリルサルコシネートが含まれる。適切な好ましい追加のアニオン性洗浄界面活性剤は、ナトリウムラウリルエーテルスルホスクシネート(n)EO(nは1~3である)、ラウリルエーテルカルボン酸(n)EO(nは10~20)である。
前記アニオン性洗浄界面活性剤のいずれかの混合物も好適であり得る。本発明のシャンプー組成物は、好ましくは、0.1~10重量%、より好ましくは0.5~8重量%の両性界面活性剤、好ましくはアルキルアミドプロピルベタイン界面活性剤、例えばココアミドプロピルベタインなどのベタイン界面活性剤をさらに含む。
組成物のpHは、好ましくは4.0以上、より好ましくは5.0~10.0の範囲である。
シャンプー組成物は、0.1~3重量%、より好ましくは0.1~1.5重量%の亜鉛化合物をさらに含むことが好ましい。組成物中の亜鉛の存在は、抗ふけ有効性を改善すると考えられる。適切な亜鉛化合物は、ZPTO、酸化亜鉛、クエン酸亜鉛、マロン酸亜鉛、炭酸亜鉛またはこれらの組み合わせである。
好ましくは、シャンプー組成物は、0.01~2重量%、より好ましくは0.025~0.75重量%のコナゾール殺真菌剤をさらに含む。好ましくは、コナゾール殺真菌剤は、ケトコナゾール、クリンバゾールまたはこれらの混合物である。コナゾール殺真菌剤が存在することにより、ピリチオン亜鉛(ZPTO)の沈着が改善されると考えられる。
シャンプー組成物は、さらに好ましくは、懸濁化剤を含む。適切な懸濁化剤は、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モノマーのコポリマー、カルボン酸含有モノマーとアクリルエステルのコポリマー、アクリル酸とアクリル酸エステルの架橋コポリマー、ヘテロ多糖ガムおよび結晶性長鎖アシル誘導体である。長鎖アシル誘導体は、望ましくは、エチレングリコールステアレート、16~22個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドおよびこれらの混合物から選択される。エチレングリコールジステアレートおよびポリエチレングリコールジステアレートは、組成物に真珠光沢を付与するので、好ましい長鎖アシル誘導体である。ポリアクリル酸は、Carbopol(登録商標)420、Carbopol(登録商標)488またはCarbopol(登録商標)493として市販されている。多官能剤で架橋されたアクリル酸のポリマーも使用することができ;それらは、Carbopol(登録商標)910、Carbopol(登録商標)934、Carbopol(登録商標)941およびCarbopol(登録商標)980として市販されている。カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとの適切なコポリマーの例はCarbopol(登録商標)1342である。全てのCarbopol(商標)材料はGoodrichから入手可能である。
アクリル酸とアクリル酸エステルの適切な架橋ポリマーは、Pemulen(登録商標)TR1およびPemulen(登録商標)TR2である。適切なヘテロ多糖ガムはキサンタンガムであり、例えばKelzanとして入手可能である。
上記懸濁化剤のいずれかの混合物を使用することができる。アクリル酸と結晶性長鎖アシル誘導体の架橋ポリマーの混合物が好ましい。
懸濁化剤は、含まれる場合、一般に、0.1~10重量%、好ましくは0.5~6重量%で存在する。
本発明の組成物は、性能および/または消費者の許容性を高めるための他の成分を含有してもよい。このような成分には、芳香剤、染料および顔料、pH調整剤、真珠光沢剤(pearliser)または乳白剤、粘度調整剤、保存剤および天然毛髪栄養素(植物、果実抽出物、糖誘導体およびアミノ酸など)が含まれる。
シャンプー組成物は、水性ベースであることが好ましい。これは、好ましくは70~95重量%の水を含む。
ヘアコンディショナー
代替として、本発明の局所組成物はヘアコンディショナーである。コンディショニング利益が本発明の組成物を介してもたらされる場合、組成物はヘアコンディショナーと呼ばれる。典型的には、毛髪ケア組成物に使用される最も一般的なコンディショニング剤は、水不溶性油性物質、例えば鉱油、天然油、例えばトリグリセリドおよびシリコーンポリマーである。コンディショニング利益は、油性物質が毛髪に沈着して、膜の形成をもたらし、これにより毛髪が濡れている時にくしでとかすのを容易にし、乾いている時に扱いやすくすることで達成される。特に有用なコンディショニング剤は、シリコーン、好ましくは不揮発性シリコーンである。有利には、本明細書の組成物は、1以上のシリコーンを含み得る。シリコーンは、分散または懸濁した微粒子形態で見られるコンディショニング剤である。これらは、水で毛髪をすすいだ後に残って毛髪上に沈着することを意図している。好適なシリコーン油には、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマーおよびこれらの混合物が含まれ得る。アミノシリコーンは、しばしばシャンプー組成物で処方される。アミノシリコーンは、少なくとも1個の一級アミン、二級アミン、三級アミンまたは四級アンモニウム基を含むシリコーンである。高分子量シリコーンゴムも利用することができる。別の有用なタイプは、ジメチコン/ビニル/ジメチコンクロスポリマー(例えば、Dow Corning 9040および9041)のような架橋シリコーンエラストマーである。
本発明のヘアコンディショナー組成物は、0.1~10重量%、より好ましくは約0.1~約8重量%のシリコーンを含むことが好ましい。あるいは、ヘアコンディショナーは、シリコーンが1重量%以下を含むシリコーンフリーである。組成物のpHは、4.0超、より好ましくは5.0~7.0であることが好ましい。
本発明のヘアコンディショナー組成物はまた、好ましくは、0.5~10重量%の脂肪アルコールを含み得る。コンディショニング組成物における脂肪アルコールとカチオン界面活性剤の併用は、カチオン界面活性剤が分散されたラメラ相の形成をもたらすので、特に有利であると考えられる。
代表的な脂肪アルコールは、8~22個の炭素原子、より好ましくは16~22個の炭素原子を含む。脂肪アルコールは、典型的には、直鎖アルキル基を含有する化合物である。適切な脂肪アルコールの例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびそれらの混合物を含む。これらの材料の使用はまた、本発明の組成物の全体的なコンディショニング特性に寄与するという点で有利である。
皮膚クレンジング
本発明の組成物は、スキンケア、例えば身体または顔の洗浄に使用され得る。局所組成物は、界面活性剤をさらに含み得る。好ましい界面活性剤は非イオン界面活性剤である。
例えば、非常に好ましい態様では、局所組成物が、アニオン界面活性剤の群から選択される界面活性剤を含む。
界面活性剤が存在する場合、局所組成物は、好ましくは組成物の1~90重量%の界面活性剤を含む。界面活性剤を使用する場合、特に好ましい界面活性剤は石鹸である。石鹸は、本発明の局所組成物のパーソナル洗浄用途に適した界面活性剤である。
本発明の石鹸は、存在する場合、好ましくは組成物の1~90重量%、好ましくは10~85重量%、より好ましくは25~75重量%の量で存在する。
好ましい組成物は、芳香剤、顔料、保存剤、軟化剤、日焼け止め、乳化剤、ゲル化剤および増粘剤のような他の既知の成分を含み得る。これらの成分の選択は、組成物の形式に大きく依存する。
水は、好ましい担体である。水が存在する場合、水は、好ましくは組成物の少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも2重量%、さらに好ましくは少なくとも5重量%で存在する。水が担体である場合、好ましい液体組成物は、10~99.8重量%の水を含む。液体局所組成物は、皮膚消毒液として、皮膚洗浄に、特にハンドウォッシュまたはフェイスウォッシュに有用である。水が担体である場合、好ましい固体組成物は、5~30重量%の水を含む。
固体局所組成物は、好ましくは成形された固体、より好ましくはバーの形態である。液体局所組成物は、皮膚洗浄に、特にハンドウォッシュまたはフェイスウォッシュに特に有用である。
別の態様によると、無機微粒子材料も適切な担体である。無機微粒子材料が担体である場合、局所組成物は固体形態である。好ましくは、無機微粒子材料は、タルクである。無機微粒子材料がタルクである場合、固体抗菌組成物は、顔または身体に施用するためのタルカムパウダーとして特に有用である。
本発明の別の態様では、本発明の組成物が、パーソナル衛生用の拭き取りでの使用に適している。
本発明による使用および方法
第2の態様によると、ヒトまたは動物の身体の局所表面に抗菌利益を提供するのに使用するための第1の態様の局所組成物が開示される。本発明はまた、ヒトまたは動物の身体の局所表面上の少なくとも一部のマラセチア属(Malessezia)種に対して使用するための局所組成物を開示する。好ましくは、局所組成物は、ヒトまたは動物の身体の局所表面上の少なくとも一部のマラセチア属(Malessezia)種に対して有効な抗ふけ組成物である。あるいは、局所組成物は、少なくともC.アクネ(C.acnes)に対して有効な抗座瘡組成物である。さらに代替的に、局所組成物は、少なくとも黄色ブドウ球菌(S.aureus)に対して有効なリンスオフまたはリーブオン組成物である。本発明による使用が非治療目的のためのものであることが好ましい。好ましくは、非治療目的は美容目的を意味する。あるいは、本発明による組成物の使用は治療目的のためのものである。当業者であれば、組成物の治療的使用と非治療的使用との間の違いを理解する。
別の態様によると、ヒトまたは動物の身体の局所表面に局所抗菌利益を提供する非治療的方法であって、安全かつ有効な量の第1の態様の局所組成物を施用するステップを含む方法が開示される。安全かつ有効な量という用語は、当業者に周知であり、このような量は、製品形式に応じて変化し得、例えば、リーブオン組成物の場合の前記量は、各施用について1~2mlであり得、シャンプーの場合、同じ量が各施用について5~10mlであり得る。この方法は、座瘡、ふけを予防もしくは処置するため、または一般的な衛生を維持するために利用され得る。
好ましくは、局所組成物は、少なくとも一部のマラセチア属(Malessezia)種に対して有効な抗ふけ組成物である。あるいは、局所組成物は、少なくともC.アクネ(C.acnes)に対して有効な抗座瘡組成物である。さらに代替的に、局所組成物は、少なくとも黄色ブドウ球菌(S.aureus)に対して有効なリンスオフまたはリーブオン組成物である。
この方法は、ノルブライリンのマラセチア・フルフル(Malassezia furfur)細胞に対する抗菌活性物質に対する重量比が1:10~100:1の範囲にある場合により有効であり、3:1~100:1の範囲にある場合なおより有効である。
別の態様によると、ヒトまたは動物の身体の局所表面に抗菌利益を提供するのに使用するための組成物が開示される。
別の態様によると、少なくとも一部のマラセチア属(Malessezia)種に対して有効な抗ふけ組成物として使用するための局所組成物が開示される。さらに別の態様によると、少なくともC.アクネ(C.acnes)に対して有効な抗座瘡組成物として使用するための局所組成物が開示される。さらに別の態様によると、少なくとも黄色ブドウ球菌(S.aureus)に対して有効なリンスオフまたはリーブオン組成物が開示される。
ここで本発明を以下の非限定的な実施例の助けを借りて詳細に説明する。
[実施例1]
本発明による例示的な組成物の抗菌有効性を、M.フルフル(M.furfur)に対して決定した。
ここで、関連する手順を簡単に説明する。
方法1:M.フルフル(M.furfur)に対するΣFICアッセイ.
ステップ1:微生物の培養および調製
M.フルフル(M.furfur)(CBS1878)をMD寒天プレートに維持し(溶液A)、20mlの増殖培地ピチロスポルムブロス(PB、溶液B)中で培養した。次いで、これらを振盪しながら32℃で48時間インキュベートする。次いで、1mlの第1のブロス培養物を9mlの新鮮なPBに移し、振盪しながら32℃で48時間インキュベートする。最終培養物は、2~6×10細胞/mlを含有すべきである。これは、PBを使用して5×10細胞/mlに希釈することによって達成される。
溶液Aの調製:
修正ディクソン寒天(MD)
36g 麦芽エキス(Oxoid)
6g 真菌用ペプトン(Oxoid)
10 精製寒天(Oxoid)
20g ウシ胆汁
2ml オレイン酸(Sigma)
2ml グリセリン(Sigma)
10ml Tween 40(Sigma)
脱イオン水1000mlまで
50mg(1バイアル)を2mlの95%エタノールクロラムフェニコール(Oxoid SR078E)に溶解
(オートクレーブ後も含めて十分な攪拌を確保する)
溶液Bの調製:
ピチロスポルムブロス(PB)
10g 細菌用ペプトン
0.1g 酵母エキス
10g ウシ胆汁
2.5g タウロコール酸
10g グルコース
1L 脱イオン水
0.5ml Tween60
1ml グリセリン
pHを6.2に調整
滅菌後
0.5ml UHT牛乳
ステップ2:インビトロ感受性試験
Octopirox(登録商標)を段階希釈(2倍)して、増殖培地中60~1000ppmの範囲で調製した。試験ノルブライリン(ストック:10mg/ml)をDMSOに2倍段階希釈して5000~5ppmの範囲で調製した。Octopirox(登録商標)溶液10μlを試験化合物10μlと混合することによって、Octopirox(登録商標)と試験化合物の二成分組み合わせを96ウェルプレート中で調製した。各ウェル中の溶液を、PB中のM.フルフル(M.furfur)菌株懸濁液180μlとさらに混合した。
試験プレート中の最終細胞密度は約5*10細胞/mlである。(20倍希釈)後の各成分の最終濃度(ppm(百万分率))は以下の通りであった。これらの濃度の各々を、ノルブライリンと組み合わせたOctopirox(登録商標)(のいずれか)のFIC値を決定するために試した。ブロス培地および溶媒対照は、結果を比較するための陰性対照とした。
Octopirox(登録商標)-6.25、3.125および0ppm。
ノルブライリン-500、250、125、62.5、31.25、15.63、7.8、3.9、2.0、1.0、0.5および0ppm
マルチチャネルピペットを使用して化合物と菌株懸濁液を混合した。その後、96ウェルプレートをインキュベーターでインキュベートした。OD600(開始)を読み取る。M.フルフル(M.furfur)について、2日間のインキュベーション後、OD600(終了)を読み取る。その後、アラマーブルー(10%)を添加し、8時間インキュベートした。最後に、指示薬の色の変化を監視して、微生物の増殖または増殖の阻害の目に見える兆候を確認した。色が赤色に変化した場合、それは(微生物の)増殖を示し、青色は増殖がないことまたは増殖の阻害を示した。
ステップ3:計算:ΣFIC試験
(1)最小阻害濃度(MIC):
MICは、試験条件下でアラマーブルーの青色によって示される完全な微生物増殖阻害を提供する活性物質の絶対最低濃度として定義される。
(2)分画阻害濃度(FIC):
ΣFIC試験は、Hall MJ,Middleton RF,&Westmacott D(1983),The fractional inhibitory concentration(FIC)index as a measure of synergy.Journal of Antimicrobial Chemotherapy 11(5):427-433に以前記載された原理に基づいて行った。手順は以下の通りである:
単独のおよび混合物中の阻害性抗菌剤の異なる挙動は、分画濃度(FC)および分画阻害濃度(FIC)の概念を使用して広く調査されてきた。パラメータは、以下のように定義することができる:
FIC(成分a)=MIC(混合物中で試験した成分a)
MIC(単一活性物質として試験した成分a)
(3)相乗効果および相加性
抗菌剤間の相互作用は、組み合わせの有効性が、単独で試験した場合の個々の成分の同じ総濃度について得られるものと同等であるか、それより大きいか、またはそれより小さいかに応じて、相加的、相乗的または拮抗的であり得る。
全ての観察を記録し、集計した後、分画阻害濃度(FIC)を計算した。
阻害性抗菌剤の組み合わせ効果を、分画濃度(FC)および分画阻害濃度(FIC)の概念を使用して広く調査する。このパラメータは、以下のように定義される:
ΣFIC=FIC(成分1)+FIC(成分2)
さらに、ΣFICの値から導き出すことができる推論を以下の表に要約する。相乗効果を相加性または拮抗作用と区別する正確な限界ΣFIC値を定義することにおける一貫したアプローチは、学術文献にも特許文献にもない。本試験では、本発明者らは、相乗的挙動の証拠を示すものとして、ΣFIC<0.9の任意の二成分混合物を定義する自由なアプローチを採用した。
Figure 2023530137000006
(10倍希釈)後の各成分の最終濃度(ppm(百万分率))は以下の通りであった。これらの濃度の各々を、ノルブライリンと組み合わせたOctopirox(登録商標)(のいずれか)のFIC値を決定するために試した。
結果:
M.フルフル(M.furfur)に対するOctopirox(登録商標)とノルブライリンの相乗効果があることが観察された(表1)。
Figure 2023530137000007
表1に集計された観察は、ノルブライリンがOctopirox(登録商標)(本発明による抗菌活性物質)と相乗的に相互作用することを明確に示している。相乗的相互作用は、ΣFICが0.9未満であるという事実から自明であった。
陰性対照としてのOctopirox(登録商標)と他の既知の抗菌活性物質ZPTOの組み合わせ。
上記で使用したものと同様のM.フルフル(M.furfur)に対するインビトロΣFICアッセイを使用して、Octopirox(登録商標)とピリチオン亜鉛などの他の周知の抗菌活性物質の間の相互作用が相乗的抗菌活性をもたらすかどうかを決定する実験を行った。実験を以下のような成分の濃度範囲にわたって行った:
Octopirox(登録商標)-50、25、12.5、6、3および0。
ZnPT:50、25、12.5、6.25、3.13、1.56、0.78、0.39、0.2、0.1、0.05および0。
ΣFICアッセイを行ったところ、データは、Octopirox(登録商標)がZPTOと相乗的に相互作用して相乗的抗菌活性をもたらすことができないことを示している。よって、ピロクトンオラミンと任意の既知の抗菌活性物質の組み合わせが常に相乗効果をもたらすと結論付けることはできない。驚くべきことに、本発明で特許請求されるノルブライリンと抗菌活性物質の組み合わせは、相乗的挙動を示す。
実施例2:本発明による例示的な組成物の抗菌有効性を、M.フルフル(M.furfur)に対して決定した。
微生物の調製:
M.フルフル(M.furfur)(CBS 1878)をMD寒天プレートに維持し(溶液A)、20mlの増殖培地ピチロスポルムブロス(PB、溶液B)中で培養した。
次いで、これらを振盪しながら32℃で48時間インキュベートする。次いで、1mlの第1のブロス培養物を9mlの新鮮なPBに移し、振盪しながら32℃で48時間インキュベートする。
最終培養物は、2~6×10細胞/mlを含有すべきである。これは、PBを使用して5*10細胞/mlに希釈することによって達成される。
インビトロ感受性試験
カプリルヒドロキサム酸(0.5%)をDMSO中で調製し、増殖培地に2倍段階希釈して5000~78ppmの範囲で調製した。20μlの段階希釈液を96ウェルプレート(corning-3788)の各カラムに添加した。
試験ノルブライリン化合物(ストック:DMSO中20mg/ml)を増殖培地に2倍段階希釈して20000~20ppmの範囲で調製した。20μlの段階希釈液を96作業プレート(corning-3788)の各列に添加して、カプリルヒドロキサム酸との二成分組み合わせを作製する。
試験プレート中の最終細胞密度は約5*10^4細胞/mlであり、96ウェルプレートの各ウェル中の活性物質の最終濃度を以下に示した:
ノルブライリン 2000、1000、500、250、125、62.5、31.25、15.63、7.8、3.9、2.0、0ppm。
カプリルヒドロキサム酸:500、250、125、62.5、31.25、15.63、7.8、0ppm
M.フルフル(M.furfur)について、2日間のインキュベーション後、OD600(終了)を読み取る。次いで、アラマーブルー(10%)を添加し、8時間インキュベートした。青色から赤色への色の変化を記録し、蛍光(530EXnm/590EMnm)を読み取った。
M.フルフル(M.furfur)に対するカプリルヒドロキサム酸とノルブライリンの相乗効果があることが観察された(表2)。
Figure 2023530137000008
表2に集計された観察は、ノルブライリンがカプリルヒドロキサム酸(本発明による抗菌活性物質)と相乗的に相互作用することを示している。
上記で開示された全ての実験をインビトロ条件下で行って、特定の抗菌活性物質-ピロクトンオラミンとノルブライリンの組み合わせが、関連する微生物に対するそれらの個々の活性に対して相乗的、相加的または拮抗的であるかどうかを確認した。実験に関する限り、成分の濃度は、関連する試験によって許容される許容限界内に収まるように選択され、技術的効果を記録することが可能であった。したがって、試験を行った濃度は、このような成分が一般に化粧品組成物に使用される範囲(通常は重量%)内にあるように見えないかもしれない。
本発明の組成物は、油相および水相中の所望の活性物質の濃度に影響を及ぼし得る他の通常の成分を含むエマルジョンまたはゲルとして製剤化され得る。このような組成物はまた、分配係数、拡散速度、対流輸送速度およびレオロジー特性などの物理的特性および流体力学的特性の異なるセットを有し得る。したがって、組成物として製剤化する場合に使用される濃度は、実験が行われた細胞レベルでの濃度とは異なり得、通常、使用中の濃度は数桁高いと予想される。

Claims (12)

  1. (i)ピロクトン、カプリルヒドロキサム酸、ベンゾヒドロキサム酸、またはピロクトンオラミンの少なくとも1つである抗菌活性物質と;
    (ii)ノルブライリンと
    を含む局所組成物。
  2. 前記ノルブライリンの量の前記抗菌活性物質の量に対する重量比が1:10~100:1である、請求項1に記載の組成物。
  3. テリハザンショウ(Zanthoxylum nitidum)の抽出物、あるいはサルカケミカン(Toddalia asiatica)またはカタフレイ(Cedrelopsis grevei)の抽出物を含み、同様に前記ノルブライリンを含む、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記抗菌活性物質がカプリルヒドロキサム酸またはピロクトンオラミンの少なくとも1つである、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記ノルブライリンの量が0.01~10重量%である、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記抗菌活性物質の量が0.01~10重量%である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 組成物が、水を含む美容的に許容される担体を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記担体が界面活性剤をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 組成物が、ウォッシュオフまたはリーブオンのヘアケア組成物である、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. ヒトまたは動物の身体の局所表面に局所抗菌利益を提供する非治療的方法であって、安全かつ有効な量の請求項1から9のいずれか一項に記載の局所組成物を施用するステップを含む方法。
  11. ヒトまたは動物の身体の局所表面に抗菌利益を提供するのに使用するための、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
  12. ヒトまたは動物の身体の局所表面上の、少なくとも一部のマラセチア属(Malassezia)種に対して使用するための、請求項11に記載の組成物。
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