JP2023529845A - 眼の障害の治療のための化合物及び方法 - Google Patents

眼の障害の治療のための化合物及び方法 Download PDF

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Abstract

糖尿病性網膜症及び増殖性硝子体網膜症などの眼疾患を予防する、治療する、その重症度を低減する及び/又はその再発の可能性を低減するための特定の投与レジメンを含めた、対象への(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸の投与の方法を本明細書において開示する。かかる眼疾患は、視力の喪失、及び、いくつかの場合においては失明を含めた、深刻な結果となり得る。JPEG2023529845000047.jpg29116【選択図】図1

Description

この開示は、ヒトなどの対象における眼疾患を予防する、治療する、その重症度を低減する及び/又はその再発の可能性を低減するための特定の投与レジメンを含めた、(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸の投与の方法に関する。
眼の障害及び疾患は、視力の喪失、及び、いくつかの場合においては失明を含めた深刻な結果となり得る。多くの眼の障害が、炎症及び/又は血管増殖に関連している。例えば、炎症及び/又は血管増殖における病因を有する眼の障害として、黄斑変性(加齢及び非加齢)が挙げられる。Joussen AM,Poulaki V,et al;A central role for inflammation in the pathogenesis of diabetic retinopathy;Faseb J;2004;18(12):1450-2を参照されたい。
糖尿病性網膜症(DR)は、糖尿病の一般的な合併症であり、依然として視力喪失の主な原因の1つである。Cheung AK,Fung MK,et al;Aldose
reductase deficiency prevents diabetes-induced blood-retinal barrier breakdown,apoptosis,and glial reactivation in the retina of db/db mice;Diabetes;2005;54(11);3119-25を参照されたい;Santos,KG,Tschiedel B,et al;Prevalence of retinopathy in Caucasian type 2 diabetic patients from the South of Brazil and relationship with clinical and metabolic factors;Braz J Med Biol Res;2005;38(2);221-5もまた参照されたい。DRにおける視力喪失は、血液網膜関門の破壊、病的血管新生及び瘢痕を引き起こす、網膜微小血管(周皮細胞及び内皮細胞)の遅く且つ進行性の変化によって発症する。代謝性及び生化学的変化、例えば、ポリオール経路を通るグルコースの灌流の増加、タンパク質キナーゼCの活性化、酸化的損傷、及び糖化最終産物形成の増加は、DRの発症における寄与因子である。累積証拠により、血管内皮増殖因子(VEGF)が、DRにおいて、血管形成に重要な役割をすることが示されているが(Sarlos,S,Rizkalla B,et al;Retinal angiogenesis is mediated by an interaction between the angiotensin type 2 receptor,VEGF,and angiopoietin;Am J Pathol 2003;163(3);879-87を参照されたい)、細胞間接着分子(ICAM-1)介在の白血球増加は、二次的な内皮障害を結果として生じさせる。Joussen,AM,Poulaki V,et al.;Retinal vascular endothelial growth factor induces intercellular adhesion molecule-1 and endothelial nitric oxide synthase expression and initiates early diabetic retinal leukocyte adhesion in vivo;Am J Pathol;2002;160(2);501-9を参照されたい。DRはまた、慢性炎症性疾患としても認識されている。この見解により、研究は、抗炎症療法が、DRの古典的な病理組織学的特徴:無細胞毛細血管形成、網膜出血の発症、毛細血管瘤の成長、及び周皮細胞の喪失;を予防することを実証している。DRのための現在の治療は、新生血管及び周囲の低酸素組織を破壊する手段であるレーザー光凝固術である。Adamis AP;Is diabetic retinopathy an inflammatory disease?;Br.J.Ophthalmol.2002,86(4),363-5を参照されたい。レーザー光凝固術は、有益ではあるが、健康な網膜を破壊する可能性があり、集中治療にもかかわらず疾患が継続する。
増殖性硝子体網膜症(PVR)は、網膜剥離を修復するための手術を受けたことがある人々の約5~10%において起こる眼疾患であり、開放性眼球損傷に罹患したことがある人々の最大で半分において起こる。PVRは、網膜における外傷又は破壊後の網膜色素上皮(RPE)及びミュラー細胞の増殖に関連している。これは、RPE及びミュラー細胞の増殖及び遊走並びにRPE細胞の上皮間葉転換を誘発して、網膜周囲膜の形成につながり得、続いて、細胞膜の収縮及び網膜における牽引を引き起こし得る。PVRに罹患している網膜剥離患者は、同じ眼においてさらなる網膜剥離を有する可能性が増加する。PVRは、視力喪失及び失明を含めた深刻な結果を引き起こし得る。Friedlander;Fibrosis and diseases of the eye;J Clin Invest.;2007;117(3);576-586;Guidry C,Proliferative Vitreoretinopathy,Chapter 78,in Ocular Disease,Mechanism and Management;2010;612-7を参照されたい。かかる病状に関連する他の眼疾患として、眼外傷後の眼の創傷治癒不全、又は眼科手術後の治癒不全が挙げられる。
眼疾患の治療及び/又は予防のためのさらなる療法を提供することが望まれる。しかし、かかる新しい治療の開発は、広範な前臨床及び臨床試験を含めた、極めて長期的な、困難且つ費用のかかる仕事であり、多くの剤が、例えば、不充分な薬物動態特性、例えば、不充分なバイオアベイラビリティ、迅速な代謝、及び/又は、充分な期間にわたって治療的に有効であるin vivo濃度を提供するように活性剤を投与できないことを含めた様々な理由で失敗している。活性化合物の投与の際、当該化合物が、治療効果を提供するのに充分に速やかに標的組織又は器官に到達することも重要である。例えば、血液網膜関門(BRB)は、2つのタイプの細胞、網膜毛細血管内皮細胞及び網膜色素上皮細胞から構成される。いずれも、薬物送達の妨げとなり得る。Varela-Fernandez R,Diaz-Tome V,et al;Drug Delivery to the Posterior Segment of the Eye:Biopharmaceutic and Pharmacokinetic Considerations;Pharmaceutics;2020;12(3);269を参照されたい。
小分子治療の分野において、logP、logD、水素結合供与体及び受容体、並びに酸性又は塩基性基の存在などの因子は、全てが、化合物特性に影響する有意な役割をし得る。例えば、強酸性又は塩基性基を有する化合物は、吸収されにくい傾向があり、中性分子は、帯電分子よりも容易に脂質膜を横断することができる。Manallack et
al;The significance of acid/base properties in drug discovery;Chem Soc Rev;2013;42(2);485-496を参照されたい。
物理化学的特性もまた、血液網膜関門を通る薬物の送達にも重要である。例えば、網膜色素上皮細胞において、薬物透過性は、分子量、親油性及びタンパク質結合などの因子に依り得る。Klein R;Klein BE,et al;The relation
of retinal vessel caliber to the incidence and progression of diabetic retinopathy:XIX:the Wisconsin Epidemiologic Stud
y of Diabetic Retinopathy;Arch Ophthalmol;2004;122(1);76-83を参照されたい。
いずれの薬物にも重要なパラメータは、そのin vivo半減期であり、これは、血漿中の薬物の濃度が50%減少するのに要する時間である。少なくとも、短い半減期を有する生物学的に活性な化合物は、より頻繁に投与される必要があり、これにより、患者のコンプライアンスによる問題を引き起こし得る。さらに、短い半減期を有する多くの化合物は、有用な期間にわたって治療有効濃度を提供することができないことに起因して、又は、かなりの副作用を結果として生じさせるかかる多量の化合物を投与する必要性に起因して、最終的には、治療剤としての使用に好適ではない。
半減期は、化合物の分布容積(化合物が体循環から組織内に分布する能力)及びそのクリアランス(どれだけ迅速に化合物が代謝されるか)に関係している。血漿タンパク質への化合物の結合は、分布容積に有意な影響を及ぼし、酸性化合物が、高度に血漿タンパク質結合する及び他の電荷タイプよりも低い分布容積を有する傾向が大きく、より短い半減期に寄与し得る。
上記で考察されているように、眼疾患、例えば、糖尿病性網膜症及び加齢黄斑変性症などの炎症又は血管増殖に関連するもの、又は、増殖性硝子体網膜症などの非血管増殖、上皮間葉転換及び/若しくは組織収縮に関連するものを治療するのに有効な治療が依然として必要とされている。長期にわたって眼において治療的に関連する濃度を達成するような薬物動態特性を有し、低頻度の投薬を可能にし、且つ、経口経路による投与を可能にするのに充分な経口バイオアベイラビリティを有する治療が特に必要とされている。
化合物(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸
Figure 2023529845000002

が驚くべき有利な薬物動態特性を有する薬学的に活性な剤であることが見出された。化合物がヒトにおいて予想外に長い半減期を有すること、及び、化合物の持続した治療有効濃度が経口投薬後にin vivoで達成されて低頻度の投薬を容易にし得ることが見出された。さらに、動物における実験は、有意な濃度の化合物が経口投薬後に速やかに眼に到達することを示す。したがって、化合物は、眼疾患、例えば、炎症及び/又は血管増殖に関連するものを治療する際に特に有用性がある。
したがって、いくつかの実施形態において、対象における眼疾患を予防する、治療する、その重症度を低減する及び/又はその再発の可能性を低減する方法であって、
・式(I)の化合物:
Figure 2023529845000003

又はその薬学的に許容可能な塩を対象に投与することを含み、
・化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、1日1回及び1日2回から選択される頻度で投与される、上記方法を本明細書において提供する。
いくつかの実施形態において、化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、経口投与される。
いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、18~30時間の範囲内の終末相半減期を有する。いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、18~24時間の範囲内の終末相半減期を有する。いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、4時間以内に眼に到達する。いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、4時間以内に、網膜、脈絡膜、網膜色素上皮、虹彩、毛様体及び硝子体液のうちの1以上に到達する。
いくつかの実施形態において、化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、1日2回投与される。いくつかの実施形態において、化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、1日1回投与される。
いくつかの実施形態において、対象は、ヒトである。
対象における眼疾患を予防する、治療する、その重症度を低減する及び/又はその再発の可能性を低減する方法であって、
・i)式(I)の化合物:
Figure 2023529845000004

又はその薬学的に許容可能な塩、及びii)薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を、対象に投与することを含み、
・医薬組成物が、1日1回及び1日2回から選択される頻度で投与される、上記方法も本明細書において提供する。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、経口投与される。いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、18~30時間の範囲内の終末相半減期を有する。いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、18~24時間の範囲内の終末相半減
期を有する。いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、4時間以内に眼に到達する。いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、4時間以内に、網膜、脈絡膜、網膜色素上皮、虹彩、毛様体及び硝子体液のうちの1以上に到達する。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、1日2回投与される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、1日1回投与される。
いくつかの実施形態において、対象は、ヒトである。
いくつかの実施形態において、眼疾患は、炎症及び血管増殖のうちの少なくとも1つに関連する眼疾患である。いくつかの実施形態において、眼疾患は、糖尿病性網膜症及び加齢黄斑変性症からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、眼疾患は、増殖性糖尿病性網膜症である。いくつかの実施形態において、眼疾患は、非増殖性糖尿病性網膜症である。いくつかの実施形態において、眼疾患は、湿潤加齢黄斑変性症である。
いくつかの実施形態において、眼疾患は、以下:非血管細胞増殖、上皮間葉転換、及び組織収縮;のうちの少なくとも1つに関連する眼疾患である。いくつかの実施形態において、眼疾患は、増殖性硝子体網膜症である。
いくつかの実施形態において、方法は、網膜剥離を以前に経験したことがある対象におけるさらなる網膜剥離を予防する又はその再発の可能性を低減するためのものである。
式(I)の化合物:
Figure 2023529845000005

又はその薬学的に許容可能な塩の使用であって、
・対象における眼疾患の予防、治療、その重症度の低減、及び/又はその再発の可能性の低減のための薬剤の製造のためのものであり、
・化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、対象に1日1回及び1日2回から選択される頻度で投与される、上記使用も本明細書において提供する。
式(I)の化合物:
Figure 2023529845000006

又はその薬学的に許容可能な塩であって、対象における眼疾患の予防、治療、その重症度の低減、及び/又はその再発の可能性の低減における使用のためのものであり、化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、対象に1日1回及び1日2回から選択される頻度で投与される、上記化合物又はその薬学的に許容可能な塩も本明細書において提供する。
i)式(I)の化合物:
Figure 2023529845000007

又はその薬学的に許容可能な塩、及びii)薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物であって、対象における眼疾患の予防、治療、その重症度の低減及び/又はその可能性若しくは再発の低減における使用のためのものであり、対象に1日1回及び1日2回から選択される頻度で投与される、上記医薬組成物も本明細書において提供する。
いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、18~30時間の範囲内の終末相半減期を有する。いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、18~24時間の範囲内の終末相半減期を有する。
対象における眼疾患を予防する、治療する、その重症度を低減する及び/又はその再発の可能性を低減する方法であって
・式(I)の化合物:
Figure 2023529845000008

又はその薬学的に許容可能な塩を対象に投与することを含み、
・投与される化合物の量が、1日5mg~250mgの範囲内であり、又は、投与される薬学的に許容可能な塩の量が、1日5mg~250mgの範囲内の化合物の量を与える、上記方法も本明細書において提供する。
いくつかの実施形態において、化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、経口投与される。いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、18~30時間の範囲内の終末相半減期を有する。いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、18~24時間の範囲内の終末相半減期を有する。いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、4時間以内に眼に到達する。いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、4時間以内に、網膜、脈絡膜、網膜色素上皮、虹彩、毛様体及び硝子体液のうちの1以上に到達する。
いくつかの実施形態において、投与される化合物の量は、1日100mg~250mgの範囲内であり、又は、投与される薬学的に許容可能な塩の量は、1日100mg~250mgの範囲内の化合物の量を与える。
いくつかの実施形態において、対象は、ヒトである。
対象における眼疾患を予防する、治療する、その重症度を低減する及び/又はその再発の可能性を低減する方法であって、
・i)式(I)の化合物:
Figure 2023529845000009

又はその薬学的に許容可能な塩、及びii)薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を、対象に投与することを含み、
・投与される医薬組成物の量が、1日5mg~250mgの範囲内の化合物の量を与える、上記方法も本明細書において提供する。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、経口投与される。いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、18~30時間の範囲内の終末相半減期を有する。いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、18~24時間の範囲内の終末相半減期を有する。いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、4時間以内に眼に到達する。いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、4時間以内に、網膜、脈絡膜、網膜色素上皮、虹彩、毛様体及び硝子体液のうちの1以上に到達する。
いくつかの実施形態において、投与される医薬組成物の量は、1日100mg~250mgの範囲内の化合物の量を与える。
いくつかの実施形態において、対象は、ヒトである。
いくつかの実施形態において、眼疾患は、炎症及び血管増殖のうちの1以上に関連する眼疾患である。いくつかの実施形態において、眼疾患は、糖尿病性網膜症及び加齢黄斑変性症からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、眼疾患は、増殖性糖尿病性網膜症である。いくつかの実施形態において、眼疾患は、非増殖性糖尿病性網膜症である。いくつかの実施形態において、眼疾患は、湿潤加齢黄斑変性症である。
いくつかの実施形態において、眼疾患は、非血管細胞増殖、上皮間葉転換及び組織収縮のうちの少なくとも1つに関連する眼疾患である。いくつかの実施形態において、眼疾患は、増殖性硝子体網膜症である。
いくつかの実施形態において、方法は、網膜剥離を以前に経験したことがある対象におけるさらなる網膜剥離を予防する又はその再発の可能性を低減するためのものである。
式(I)の化合物:
Figure 2023529845000010

又はその薬学的に許容可能な塩の使用であって、
・対象における眼疾患の予防、治療、その重症度の低減、及び/又はその再発の可能性の低減のための薬剤の製造のためのものであり、
・投与される化合物の量が、1日5mg~250mgの範囲内であり、又は、投与される薬学的に許容可能な塩の量が、1日5mg~250mgの範囲内の化合物の量を与える、上記使用も本明細書において提供する。
式(I)の化合物:
Figure 2023529845000011

又はその薬学的に許容可能な塩であって、
・対象における眼疾患の予防、治療、その重症度の低減、及び/又はその再発の可能性の低減における使用のためのものであり、
・投与される化合物の量が、1日5mg~250mgの範囲内であり、又は、投与される薬学的に許容可能な塩の量が、1日5mg~250mgの範囲内の化合物の量を与える、上記化合物又はその薬学的に許容可能な塩も提供する。
i)式(I)の化合物:
Figure 2023529845000012

又はその薬学的に許容可能な塩、及びii)薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物であって、対象における眼疾患の予防、治療、その重症度の低減、及び/又はその再発の可能性の低減における使用のためのものであり、
・投与される医薬組成物の量が、1日5mg~250mgの範囲内の化合物の量を与える、上記医薬組成物も本明細書において提供する。
いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、18~30時間の範囲内の終末相半減期を有する。いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、18~24時間の範囲内の終末相半減期を有する。
対象における眼疾患を予防する、治療する、その重症度を低減する及び/又はその再発の可能性を低減する方法であって、
・第1用量又は一連の第1用量の式(I)の化合物:
Figure 2023529845000013

又はその薬学的に許容可能な塩を、対象に投与すること、及び
・第2用量又は一連の第2用量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を、対象に、続いて投与することを含み、
・上記又は各第1用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量が、上記又は各第2用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量よりも多い、上記方法も本明細書において提供する。
いくつかの実施形態において、化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、経口投与される。いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、18~30時間の範囲内の終末相半減期を有する。いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、18~24時間の範囲内の終末相半減期を有する。いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、4時間以内に眼に到達する。いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、4時間以内に、網膜、脈絡膜、網膜色素上皮、虹彩、毛様体及び硝子体液のうちの1以上に到達する。
いくつかの実施形態において、対象は、ヒトである。
対象における眼疾患を予防する、治療する、その重症度を低減する及び/又はその再発の可能性を低減する方法であって、
・a)式(I)の化合物:
Figure 2023529845000014

又はその薬学的に許容可能な塩、及びb)薬学的に許容可能な賦形剤を含む、第1用量又は一連の第1用量の医薬組成物を、対象に投与すること、並びに
・a)式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、及びb)薬学的に許容可能な賦形剤を含む、第2用量又は一連の第2用量の医薬組成物を、対象に、続いて投与することを含み、
・上記又は各第1用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量が、上記又は各第2用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量よりも多い、上記方法も本明細書において提供する。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、経口投与される。いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、18~30時間の範囲内の終末相半減期を有する。いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、18~24時間の範囲内の終末相半減期を有する。いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、4時間以内に眼に到達する。いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、4時間以内に、網膜、脈絡膜、網膜色素上皮、虹彩、毛様体及び硝子体液のうちの1以上に到達する。
いくつかの実施形態において、対象は、ヒトである。
いくつかの実施形態において、眼疾患は、炎症及び血管増殖のうちの1以上に関連する眼疾患である。いくつかの実施形態において、眼疾患は、糖尿病性網膜症及び加齢黄斑変性症からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、眼疾患は、増殖性糖尿病性網膜症である。いくつかの実施形態において、眼疾患は、非増殖性糖尿病性網膜症である。いくつかの実施形態において、眼疾患は、湿潤加齢黄斑変性症である。
いくつかの実施形態において、眼疾患は、非血管細胞増殖、上皮間葉転換、及び組織収縮のうちの1以上に関連する。いくつかの実施形態において、眼疾患は、増殖性硝子体網膜症である。
いくつかの実施形態において、方法は、網膜剥離を以前に経験したことがある対象におけるさらなる網膜剥離を予防する又はその再発の可能性を低減するためのものである。
式(I)の化合物:
Figure 2023529845000015

又はその薬学的に許容可能な塩の使用であって、
・対象における眼疾患の予防、治療、その重症度の低減、及び/又はその再発の可能性の低減のための薬剤の製造のためのものであり、
・第1用量又は一連の第1用量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、対象に投与され
・続いて、第2用量又は一連の第2用量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、対象に投与され、
・上記又は各第1用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量が、上記又は各第2用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量よりも多い、上記使用も本明細書において提供する。
式(I)の化合物:
Figure 2023529845000016

又はその薬学的に許容可能な塩であって、
・対象における眼疾患の予防、治療、その重症度の低減、及び/又はその再発の可能性の低減における使用のためのものであり、
・第1用量又は一連の第1用量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、対象に投与され
・続いて、第2用量又は一連の第2用量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、対象に投与され、
・上記又は各第1用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量が、上記又は各第2用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量よりも多い、上記化合物又はその薬学的に許容可能な塩も提供する。
i)式(I)の化合物:
Figure 2023529845000017

又はその薬学的に許容可能な塩、及びii)薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物であって、対象における眼疾患の予防、治療、その重症度の低減、及び/又はその再発の可能性の低減における使用のためのものであり、
・第1用量又は一連の第1用量の、i)及びii)を含む医薬組成物が、対象に投与され、
・続いて、第2用量又は一連の第2用量の、i)及びii)を含む医薬組成物が、対象に投与され、
・上記又は各第1用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量が、上記又は各第2用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量よりも多い、上記医薬組成物も本明細書において提供する。
いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、18~30時間の範囲内の終末相半減期を有する。いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、18~24時間の範囲内の終末相半減期を有する。
図1は、ヒトにおける、(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸の迅速な吸収及び長い半減期を示すグラフである。当該図は、単回用量50mgの(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸の経口投与後の健常な男性ボランティアの血漿薬物動態プロファイルを示す。データ点は、6名の男性の平均を表し、線は、標準偏差を表す。
図2は、ラットにおける網膜への(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸の迅速な分布を示すデータをグラフ化したものである。当該図は、単回用量50mgの(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸の経口投与後の雄性SDラットの血漿及び網膜の薬物動態プロファイルを示す。データ点は、3動物の平均を表し、線は、標準偏差を表す。
(定義)
以下の定義は、別途具体的な場合において限定されていない限り、この明細書全体を通して使用されている用語に適用される。
別途具体的に定義されていない限り、本明細書において使用されている全ての技術的及び科学的用語は、当該分野(例えば、化学、医薬品化学など)における当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有するものとする。
本明細書において使用されているとき、用語「及び/又は」、例えば、「X及び/又はY」は、「X及びY」或いは「X又はY」のいずれかを意味することが理解されるものとし、両方の意味又はいずれかの意味への明確な支持を与えるものとする。
本明細書において使用されているとき、約という用語は、そうでないことが記述されていない限り、+/-20%、より好ましくは+/-10%を指し、より好ましくは表記されている値の+/-5%を指す。
本明細書において使用されているとき、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈が別途明確に示さない限り複数形を含む。
この明細書を通して、語「含む(comprise)」、又は「含む(comprises)」若しくは「含む(comprising)」などの変形は、記述されている要素、整数若しくは工程、又は要素、整数若しくは工程の群の包含を示唆するが、いずれの他の要素、整数若しくは工程、又は要素、整数若しくは工程の群の排他も示唆しないと理解される。
(式(I)の化合物)
本開示は、式(I)の化合物及びその塩を指す。式(I)の化合物は、(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸であり、以下の構造を有する:
Figure 2023529845000018
WO2009/079692A1(その全内容が参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている、化合物(I)を含めたシンナモイルアントラニル酸誘導体の群。WO2012/068612A1(その全内容が参照により本明細書に組み込まれる)もまた、ある特定の眼の障害の治療における使用のためのかかる化合物を開示している。
上記で考察されているように、化合物(I)が、予想外且つ驚くべき薬物動態特性を有することにより、ヒトにおける長いin vivo半減期を達成し、経口投薬に充分な経口バイオアベイラビリティを有し、投与後速やかに眼に到達するようになることがここで見出された。これにより、患者への好都合且つ低頻度の投薬を可能にし、高いレベルの患者コンプライアンス及びより良好な医学的成果を容易にする。
化合物はまた、非増殖性糖尿病性網膜症を含めた眼の障害を治療し、且つ増殖性糖尿病性網膜症へのその進行を予防又は遅延するのに特に有効であることも理解される。in vitro及びin vivoの前臨床研究は、化合物が、網膜における、瘢痕の形成、新しい又は異常な血管の成長、及び炎症に寄与するプロセスを阻害することを実証した。化合物は、網膜疾患において活性化される複数の信号伝達経路を阻害することによってそのプロセスを阻害する。
式(I)の化合物は、遊離酸として、又は塩形態で使用されてよい。式(I)の化合物の好適な塩として、有機又は無機塩基によって形成されるものが挙げられる。本明細書において使用されているとき、句「薬学的に許容可能な塩」は、薬学的に許容可能な有機又は無機塩を指す。例示的な塩基付加塩として、限定されないが、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えば、カリウム及びナトリウムの塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム及びマグネシウムの塩、並びに、有機塩基、例えば、ジシクロヘキシルアミン、N-メチル-D-グルカミン、モルホリン、チオモルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モノ-、ジ-若しくはトリ-低級アルキルアミン、例えば、エチル-、tert-ブチル-、ジエチル-、ジイソプロピル-、トリエチル-、トリブチル-若しくはジメチル-プロピルアミン、アミノ酸、例えば、リシン若しくはアルギニン、又はモノ-、ジ-若しくはトリヒドロキシ低級アルキルアミン、例えば、モノ-、ジ-若しくはトリエタノールアミンとの塩が挙げられる。対イオンは、親化合物における電荷を安定化させるいずれの有機又は無機部位であってもよい。さらに、薬学的に許容可能な塩は、その構造において1を超える帯電原子を有していてよい。複数の帯電原子が薬学的に許容可能な塩の部分である場合は、複数の対イオンを有し得る。故に、薬学的に許容可能な塩は、1以上の帯電原子及び/又は1以上の対イオンを有し得る。
非薬学的に許容可能な塩もまた、薬学的に許容可能な塩の調製における中間体として有用であり得る又は貯蔵若しくは輸送の際に有用であり得るため、本開示の範囲内にあることもまた認識されよう。
有機及び/又は医薬品化学の当業者は、多くの有機化合物が、それらが反応する、又はそれらが沈殿若しくは結晶化する溶媒と複合体を形成し得ることを認識するであろう。これらの複合体は、「溶媒和物」として知られている。例えば、水との複合体は「水和物」として知られている。本明細書において使用されているとき、句「薬学的に許容可能な溶媒和物」又は「溶媒和物」は、1以上の溶媒分子及び本開示の化合物の会合を称する。薬学的に許容可能な溶媒和物を形成する溶媒の例として、限定されないが、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、及びエタノールアミンが挙げられる。本開示は、式(I)の化合物及びその塩の、水和物を含めた溶媒和形態を包含することが理解されよう。
(化合物合成)
式(I)の化合物は、いずれの好適な合成経路によって調製されてもよい。
いくつかの実施形態において、化合物は、4-(ジフルオロメトキシ)-3-メトキシベンズアルデヒドと、2-[(カルボキシアセチル)アミノ]安息香酸との、例えば、ピペリジン等の好適なアミンの存在下、及び、トルエン等の溶媒中における、高温で水を除去しながら調製される。
Figure 2023529845000019
かかるプロセスにおいて、出発ベンズアルデヒド(4-(ジフルオロメトキシ)-3-メトキシベンズアルデヒド)は、例えば、炭酸カリウム等の塩基及びDMFの存在下で、クロロジフルオロ酢酸メチルと、バニリンとの高温での反応によって調製されてよい。
出発安息香酸(2-[(カルボキシアセチル)アミノ]安息香酸)は、例えば、トルエン等の溶媒中で、アントラニル酸と、メルドラム酸との高温で水を除去しながらの反応によって調製されてよい。
(眼疾患)
式(I)の化合物は、眼疾患の治療における用途がある。式(I)の化合物は、かかる状態の予防、治療、その重症度の低減、及び/又はその再発の可能性の低減に使用されてよい。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくは塩又は医薬組成物は、眼疾患の治療に使用される。本明細書において使用されているとき、用語「治療する(こと)」には、具体的な障害又は状態に関連する兆候、症状又は原因の減少、及び、当該兆候、症状又は原因の排除が含まれる。これには、具体的な疾患又は状態の進行の遅延又は停止も含まれる。例えば、本明細書において使用されているとき、用語「糖尿病性網膜症を治療する(こと)」には、糖尿病性網膜症に関連する症状の減少が含まれ、糖尿病性網膜症の進行の遅延又は停止が含まれる。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、眼疾患の予防に使用される。本明細書において使用されているとき、用語「予防」には、具体的な障害又は状態の予防、及び当該障害又は状態に関連する1以上の症状の発症の予防又は低減が含まれる。例えば、
本明細書において使用されているとき、用語「糖尿病性網膜症を予防する(こと)」には、糖尿病性網膜症に関連する症状の発症を予防することが含まれる。
いくつかの実施形態において、眼疾患は、炎症又は血管増殖のいずれかに関連する眼疾患である。いくつかの実施形態において、眼疾患は、炎症及び血管増殖の両方に関連する眼疾患である。
いくつかの実施形態において、眼疾患は、糖尿病性網膜症、黄斑変性、黄斑浮腫、角膜浮腫、前部及び後部ブドウ膜炎、翼状片、角膜疾患、ドライアイ、結膜炎、アレルギー-及びレーザー誘発性滲出、並びに、眼のフォン・ヒッペル・リンドゥ病からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、眼疾患は、細菌又は微生物からの感染によって引き起こされる角膜疾患である。当該細菌又は微生物は、例えば、細菌、ウイルス、真菌、アメーバ又は寄生虫であってよい。
いくつかの好ましい実施形態において、眼疾患は、糖尿病性網膜症(DR)である。血管異常の程度に基づいて、DRは、非増殖性DR(NPDR)及び増殖性DR(PDR)に大きく分類され得る(11)。
NPDRにおいて、高血糖が、毛細血管基底膜の肥厚、周皮細胞のアポトーシス又は「脱落」、毛細血管瘤及び血管漏出を誘発する。網膜毛細血管の封鎖は、局部的な低酸素症を引き起こし、これが、血管新生性増殖因子の産生を増加させる。いくつかの微小血管において、内皮細胞がアポトーシスになることにより、無細胞毛細血管(周皮細胞及び内皮細胞の両方の欠失)、毛細血管閉鎖及び網膜非灌流領域を結果として生じさせる。接着白血球もまた、網膜毛細血管閉塞を引き起こすことによって病変に寄与し得る(1)。複数の出血、軟性白斑、綿花状白斑、網膜内微小血管異常並びに静脈の数珠化及びループが発生する。組織の非灌流の領域の増加は、血管の増殖につながる血管新生因子の産生を刺激し、これは、PDRの顕著な特徴である。
非増殖性糖尿病性網膜症を治療するための治療が必要とされている。例えば、NPDRでは、現在のところ、初期の段階において、定期的なモニタリングが唯一の選択肢であり得る(https://www.aoa.org/patients-and-public/eye-and-vision-problems/glossary-of-eye-and-vision-conditions/diabetic-retinopathy)。そのため、いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくは薬学的に許容可能な塩又は医薬組成物は、NPDRの予防又は治療に使用される。例えば、これは、増殖性糖尿病性網膜症への進行を予防又は遅延するのに使用されてよい。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくは薬学的に許容可能な塩又は医薬組成物は、増殖性糖尿病性網膜症の予防又は治療に使用される。
いくつかの好ましい実施形態において、眼疾患は、黄斑変性である。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくは薬学的に許容可能な塩又は医薬組成物は、加齢黄斑変性症の予防又は治療に使用される。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくは薬学的に許容可能な塩又は医薬組成物は、非加齢黄斑変性症の予防又は治療に使用される。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくは薬学的に許容可能な塩又は医薬組成物は、湿潤加齢黄斑変性症の予防又は治療に使用される。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくは薬学的に許容可能な塩又は医薬組成物は、乾燥加齢黄斑変性症の予防又は治療に使用される。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩、又は医薬組成物は、非血管細胞増殖、上皮間葉転換、及び/又は組織収縮に関連する眼疾患の治療における用途がある。かかる状態は、視力の喪失及び失明を含めた重大な影響を及ぼし得る。
かかる病状は、状態、例えば、増殖性硝子体網膜症に特徴的である。これらの病状の1以上はまた、眼の創傷治癒から生じる合併症、眼科手術から生じる合併症、網膜光線療法から生じる合併症などの状態、又は、例えば、眼の瘢痕などの状態においてよく見られる。網膜剥離を修復するための手術後に増殖性網膜症を有する対象は、膜の形成及び組織牽引が網膜を緊張下に置き得るため、多くの場合、網膜剥離のリスクがより大きい。
式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩によって有効な治療が提供される状態には、非血管細胞増殖、上皮間葉転換、及び/又は組織収縮のうちの1以上に関連するものが含まれる。すなわち、かかる状態において、非血管細胞増殖、上皮間葉転換、及び/又は組織収縮のうちの1以上が、対象において起こる又は起こったことが観察され得る。
いくつかの実施形態において、眼疾患は、非血管細胞増殖に関連する眼疾患である。例えば、これは、網膜色素上皮(RPE)細胞増殖及び/又はミュラー細胞増殖に関連する眼疾患であってよい。いくつかの実施形態において、眼疾患は、RPE細胞増殖に関連する。いくつかの実施形態において、眼疾患は、ミュラー細胞増殖に関連する。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩、又は、当該化合物若しくは塩を含む医薬組成物は、非血管細胞増殖を阻害し、例えば、RPE細胞増殖及び/又はミュラー細胞増殖を阻害する。
いくつかの実施形態において、化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、網膜裂孔、裂傷、剥離、光線療法の後、又は眼外傷の後に、細胞の増殖及び/又は遊走を予防及び/又は低減する。
いくつかの実施形態において、眼疾患は、上皮間葉転換(EMT)に関連する。上皮間葉転換は、極性化上皮細胞が生化学的変化を受け、遊走及び侵襲特性を得て間葉表現型になるプロセスである。EMTは、創傷治癒を含めたプロセスにおいて起こることが示されている。
いくつかの実施形態において、眼疾患は、網膜色素上皮細胞の上皮間葉転換に関連する。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩、又は、当該化合物若しくは塩を含む医薬組成物は、上皮間葉転換を阻害し、例えば、網膜色素上皮細胞の上皮間葉転換を阻害する。
いくつかの実施形態において、眼疾患は、組織収縮に関連する。網膜周囲組織の収縮は、増殖性硝子体網膜症などの状態において起こり、例えば、網膜剥離を引き起こし得る。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩、又は、当該化合物若しくは塩を含む医薬組成物は、組織収縮を阻害し、例えば、網膜周囲組織の収縮を阻害する。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩、
又は、当該化合物若しくは塩を含む医薬組成物は、網膜牽引を予防及び/又は低減する。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩、又は、当該化合物若しくは塩を含む医薬組成物は、細胞シート及び/又は膜形成を予防及び/又は低減する。
いくつかの実施形態において、眼疾患は、網膜剥離による眼疾患である。
いくつかの実施形態において、眼疾患は、眼科手術による眼疾患である。例えば、眼科手術を実施して眼の障害又は眼の損傷を治療する作用は、それ自体が、過剰な創傷治癒プロセス、瘢痕組織の形成及び/又はさらなる視力問題につながり得る。
いくつかの実施形態において、眼疾患は、創傷治癒に関連する眼疾患である。いくつかの実施形態において、上記状態は、増殖性硝子体網膜症(PVR)である。PVRは、裂孔原性網膜剥離と網膜剥離を補正する関連手術との合併症として発症し得る疾患である。PVRは、網膜における破壊又は外傷後の細胞の遊走及び増殖に関連しており、網膜周辺領域における膜の形成、その後の、網膜剥離を引き起こし得る膜の収縮及び網膜における牽引につながり得る。増殖性硝子体網膜症はまた、高度硝子体退縮又は高度網膜周囲増殖とも称され得る。PVRの可能性に影響する因子として、手術前のPVRの存在、手術を行う前の網膜剥離の継続期間、網膜裂傷のサイズ、眼内炎症の存在、硝子体出血、及び眼への外傷が挙げられる。PVRは、網膜復位術の成功に対する最も大きな障害であるとして記載されている)。Spirn and Regillo;Proliferative Retinopathy;Retinal Physician;Jan/Feb 2008を参照されたい;
PVRは、シリコーンオイル研究によってグレードA、B又はCとグレード化され、Retina Society Terminology CommitteeによってグレードA、B、C又はDとグレード化される。いくつかの実施形態において、PVRは、シリコーンオイル研究によってグレード化されるグレードAである。いくつかの実施形態において、PVRは、シリコーンオイル研究によってグレード化されるグレードBである。いくつかの実施形態において、PVRは、シリコーンオイル研究によってグレード化されるグレードCである。いくつかの実施形態において、PVRは、Retina Society Terminology Committeeによってグレード化されるグレードAである。いくつかの実施形態において、PVRは、Retina Society Terminology Committeeによってグレード化されるグレードBである。いくつかの実施形態において、PVRは、Retina Society Terminology Committeeによってグレード化されるグレードCである。いくつかの実施形態において、PVRは、Retina Society Terminology Committeeによってグレード化されるグレードDである。Di Lauro S,Kadhim MR,Charteris DG and Pastor JC,Classifications for proliferative vitreoretinopathy(PVR):An analysis of their use in publications over the last 15 years;J Ophthalmol;2016;2016;7807596を参照されたい。
いくつかの実施形態において、上記状態は、眼外傷に関連する眼疾患である。例えば、上記状態は、眼球の外傷に関連する眼疾患であってよい。
いくつかの実施形態において、上記状態は、網膜光線療法に関連する合併症、例えば、
汎網膜光凝固に関連する合併症である。網膜光線療法、例えば、汎網膜光凝固療法は、網膜虚血、網膜新生血管及び増殖性糖尿病性網膜症などの状態を治療するのに使用され得る。しかし、かかる治療の使用は、網膜瘢痕及び視力喪失を含めた合併症につながり得る。式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩、又は、当該化合物若しくは塩を含む医薬組成物は、かかる合併症を予防又はその重症度を低減する際の用途がある。
いくつかの実施形態において、網膜光線療法(例えば、汎網膜光凝固)に関連する合併症は、瘢痕(例えば、瘢痕組織の形成)である。
上記状態は、例えば、網膜剥離であってよい。いくつかの実施形態において、上記状態は、網膜剥離を以前に経験している対象における、さらなる網膜剥離である。例えば、網膜剥離後に式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を投与することによって、膜形成、網膜における牽引、及びその後のさらなる網膜剥離が予防され得る。同様に、眼の損傷又は眼科手術後に生じ得る障害を治療又は予防することによって、網膜剥離が予防され得る。
したがって、いくつかの実施形態において、方法は、網膜剥離を以前に経験している対象における、さらなる網膜剥離を予防する又はその再発の可能性を低減する。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩、又は医薬組成物は、非血管細胞増殖、上間葉転換、及び/又は組織収縮に関連する眼疾患の治療における使用のためのものではない。
上記で考察されているように、非増殖性糖尿病性網膜症を治療するための治療が必要とされている。例えば、非増殖性糖尿病性網膜症では、現在のところ、初期の段階において、定期的なモニタリングが唯一の選択肢であり得る(https://www.aoa.org/patients-and-public/eye-and-vision-problems/glossary-of-eye-and-vision-conditions/diabetic-retinopathy)。
そのため、別の態様において、非増殖性糖尿病性網膜症を予防及び/又は治療する方法であって
・式(I)の化合物:
Figure 2023529845000020

又はその薬学的に許容可能な塩を対象に投与することを含む、上記方法を本明細書において提供する。
いくつかの実施形態において、化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、経口投与される。いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、18~30時間の範囲内の終末相半減期を有する。いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、18~24時間の範囲内の終末相半減期を有する。いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、4時間以内に眼に到達する。いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、4時間以内に、網膜、脈絡膜、網膜色素上皮、虹彩、毛様体
及び硝子体液のうちの1以上に到達する。
いくつかの実施形態において、化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、1日1回及び1日2回から選択される頻度で投与される。
いくつかの実施形態において、投与される化合物の量は、1日5mg~250mgの範囲内であり、又は、投与される薬学的に許容可能な塩の量は、1日5mg~250mgの範囲内の化合物の量を与える。
いくつかの実施形態において、第1用量又は一連の第1用量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、対象に投与され
続いて、第2用量又は一連の第2用量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、対象に投与され、
上記又は各第1用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量が、上記又は各第2用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量よりも多い。
いくつかの実施形態において、対象は、ヒトである。
非増殖性糖尿病性網膜症を予防及び/又は治療する方法であって
・a)式(I)の化合物:
Figure 2023529845000021

又はその薬学的に許容可能な塩、及びb)薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を、対象に投与することを含む、上記方法も本明細書において提供する。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、経口投与される。いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、18~30時間の範囲内の終末相半減期を有する。いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、18~24時間の範囲内の終末相半減期を有する。いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、4時間以内に眼に到達する。いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、4時間以内に、網膜、脈絡膜、網膜色素上皮、虹彩、毛様体及び硝子体液のうちの1以上に到達する。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、1日1回及び1日2回から選択される頻度で投与される。
いくつかの実施形態において、投与される医薬組成物の量が、1日5mg~250mgの範囲内の化合物の量を与える。
いくつかの実施形態において、第1用量又は一連の第1用量の、i)及びii)を含む医薬組成物が、対象に投与される。
続いて、第2用量又は一連の第2用量の、i)及びii)を含む医薬組成物が、対象に投与され、
上記又は各第1用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量が、上記又は各第2用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量よりも多い。
いくつかの実施形態において、対象は、ヒトである。
式(I)の化合物:
Figure 2023529845000022

又はその薬学的に許容可能な塩の使用であって、
・非増殖性糖尿病性網膜症の予防及び/又は治療のための薬剤の製造のためのものである、上記使用も本明細書において提供する。
式(I)の化合物:
Figure 2023529845000023

又はその薬学的に許容可能な塩であって、
・非増殖性糖尿病性網膜症の予防及び/又は治療における使用のためのものである、上記化合物又はその薬学的に許容可能な塩も本明細書において提供する。
i)式(I)の化合物:
Figure 2023529845000024

又はその薬学的に許容可能な塩、及びii)薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物であって、非増殖性糖尿病性網膜症の予防及び/又は治療における使用のためのものである、上記医薬組成物も本明細書において提供する。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくは薬学的に許容可能な塩又は医薬組成物は、増殖性糖尿病性網膜症への進行を予防又は遅延するのに使用される。
(化合物の投与)
上記で考察されているように、式(I)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、及び当該化合物又は塩を含む医薬組成物は、眼疾患の治療における用途がある。
本明細書に記載されている方法及び使用は、対象への化合物若しくは塩又は医薬組成物の投与を含む。本明細書において使用されているとき、用語「対象」は、関連する疾患又は状態に罹り易い任意の生物を指す。例えば、対象は、哺乳動物であってよい。好ましい実施形態において、対象は、ヒトである。いくつかの好ましい実施形態において、対象は、雄性である。他の好ましい実施形態において、対象は、雌性である。好ましい実施形態において、対象は、成体である。他の実施形態において、対象は、子供である。
化合物、塩、又は医薬組成物は、任意の好適な投与経路によって投与されてよい。例えば、これは、静脈内、皮下、硝子体内、又は経口投与されてよい。
いくつかの好ましい実施形態において、式(I)の化合物若しくは塩又は医薬組成物は、経口投与される。例えば、例によって示されているように、ヒトへの経口投与の際、好適な濃度の化合物が血漿中で得られることが見出された。
式(I)の化合物若しくはその塩、又は当該化合物若しくは塩を含む医薬組成物は、治療有効量で投与される。用語「治療有効量」は、本明細書において使用されているとき、治療される障害又は状態の症状及び/又は臨床所見の1以上をある程度まで寛解又は予防するのに充分な量で及び投薬間隔にて投与される式(I)の化合物若しくはその塩、又は医薬組成物を指す。結果は、例えば、疾患又は状態の兆候、症状、又は原因の低減及び/又は寛解であり得る。
例によって示されているように、式(I)の化合物は、ヒトにおける予想外に長い半減期を有して、低頻度の投薬レジメン(例えば、1日1回又は1日2回)及び比較的低量の化合物の投薬を容易にする一方で、持続する治療効果(例えば、50mg/日~250mg/日の範囲内)を達成する。
したがって、いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくは医薬塩又は医薬組成物は、1日2回以下(例えば、24時間の期間において2回以下)で投与される。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくは医薬塩又は医薬組成物は、1日2回投与される。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくは医薬塩又は医薬組成物は、1日1回以下で投与される。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくは医薬塩又は医薬組成物は、1日1回投与される。
本開示のいくつかの態様において、例えば、化合物、塩又は医薬組成物が、1日2回以下で投与される場合、式(I)の化合物若しくは医薬塩又は医薬組成物は、投与される化合物の量が、1日1mg~500mgの範囲内であり、又は投与される薬学的に許容可能な塩の量若しくは投与される医薬組成物の量が、1日1mg~500mgの範囲内の化合物の量を与えるように投与される。
本開示の全ての態様のいくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくは医薬塩又は医薬組成物は、投与される化合物の量が、1日5mg~250mgの範囲内、又は投与される薬学的に許容可能な塩の量若しくは投与される医薬組成物の量が、1日5mg~250mgの範囲内の化合物の量を与える。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくは医薬塩又は医薬組成物は、投与される化合物の量が、1日1mg~150mgの範囲内であり、又は投与される薬学的に許容可能な塩の量若しくは投与される医薬組成物の量が、1日1mg~150mgの範囲内の化合物の量を与えるように投与される。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくは医薬塩又は医薬組成物は、投与される化合物の量が、1日50mg~150mgの範囲内であり、又は投与される薬学的に許容可能な塩の量若しくは投与される医薬組成物の量が、1日50mg~150mgの範囲内の化合物の量を与えるように投与される。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくは医薬塩又は医薬組成物は、投与される化合物の量が、1日100mg~250mgの範囲内であり、又は投与される薬学的に許容可能な塩の量若しくは投与される医薬組成物の量が、1日100mg~250mgの範囲内の化合物の量を与えるように投与される。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくは医薬塩又は医薬組成物は、投与される化合物の量が、1日100mg~150mgの範囲内であり、又は投与される薬学的に許容可能な塩の量若しくは投与される医薬組成物の量が、1日100mg~150mgの範囲内の化合物の量を与えるように投与される。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくは医薬塩又は医薬組成物は、投与される化合物の量が、1日150mg~200mgの範囲内であり、又は投与される薬学的に許容可能な塩の量若しくは投与される医薬組成物の量が、1日150mg~200mgの範囲内の化合物の量を与えるように投与される。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくは医薬塩又は医薬組成物は、投与される化合物の量が、1日200mg~250mgの範囲内であり、又は投与される薬学的に許容可能な塩の量若しくは投与される医薬組成物の量が、1日200mg~250mgの範囲内の化合物の量を与えるように投与される。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくは医薬塩又は医薬組成物は、投与される化合物の量が、1日150mg~300mgの範囲内であり、又は投与される薬学的に許容可能な塩の量若しくは投与される医薬組成物の量が、1日150mg~300mgの範囲内の化合物の量を与えるように投与される。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくは医薬塩又は医薬組成物は、投与される化合物の量が、1日300mg~500mgの範囲内であり、又は投与される薬学的に許容可能な塩の量若しくは投与される医薬組成物の量が、1日300mg~500mgの範囲内の化合物の量を与えるように投与される。
いくつかの実施形態において、投与される式(I)の化合物、薬学的に許容可能な塩又は医薬組成物の量は、1日あたり提供される化合物の量が、1~10mg、10~20mg、20~30mg、30~40mg、40~50mg、50~75mg、75~100mg、100~125mg、125~150mg、150~175mg、175~200mg、200~250mg、250~300mg、300~350mg、350~400mg、400~450mg、又は450~500mgの範囲内であるようになっている。
いくつかの実施形態において、投与される式(I)の化合物、薬学的に許容可能な塩又は医薬組成物の量は、1日あたり提供される化合物の量が、(約)5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、38mg、39mg、40mg、41mg、42mg、43mg、44mg、45mg、46mg、47mg、48mg、49mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、
80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、110mg、120mg、125mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、180mg、190mg、200mg、210mg、220mg、225mg、230mg、240mg、250mg、260mg、270mg、275mg、280mg、290mg、300mg、310mg、320mg、325mg、330mg、340mg、350mg、360mg、370mg、375mg、380mg、390mg、400mg、410mg、420mg、425mg、430mg、440mg、450mg、460mg、470mg、475mg、480mg、490mg若しくは500mg、又は上記値のいずれかによって定義される範囲内であるようになっている。
いくつかの実施形態において、対象に、1日あたり単回投薬で1日あたり上記の量が投与される。いくつかの実施形態において、対象に、1日あたり2回投薬、例えば、1日あたり2の等しい投薬で1日あたりの上記の量が投与される(例えば、対象に、1日あたり200mgの式(I)の化合物が2回投薬で投与され、そのため、その日の間に2回投薬の医薬組成物が投与され、投与される各量の医薬組成物が100mgの式(I)の化合物を含有している)。
いくつかの実施形態において、経口投与後、化合物は、12~48時間の範囲内、又は18~30時間の範囲内、又は18~24時間の範囲内、又は21~27時間の範囲内、又は23~25時間の範囲内、又は約24時間の、ヒトにおける終末相半減期を有する。
いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、投与後6時間以内、又は4時間以内、又は3時間以内、又は2時間以内、又は1時間以内に眼に到達する。
いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、投与後6時間以内、又は4時間以内、又は3時間以内、又は2時間以内、又は1時間以内に網膜、脈絡膜、網膜色素上皮、虹彩、毛様体及び硝子体液のうちの1以上に到達する。いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、投与後4時間以内に網膜に到達する。いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、投与後4時間以内に脈絡膜に到達する。いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、投与後4時間以内に網膜色素上皮に到達する。いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、投与後4時間以内に虹彩に到達する。いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、投与後4時間以内に毛様体に到達する。いくつかの実施形態において、経口投与後、治療有効量の化合物は、投与後4時間以内に硝子体液に到達する。
いくつかの実施形態において、段階的な投薬レジメンが使用されてよい。例えば、第1のより高い仕込み用量又は一連の用量(例えば、2回、3回、4回若しくは5回の用量)の式(I)の化合物が、治療有効濃度の当該化合物を迅速に提供するように投与され、続いて、治療有効濃度で式(I)の化合物の濃度を維持するより低量の当該化合物を提供する第2用量又は一連の用量が投与されてよい。
そのため、いくつかの実施形態において、第1用量又は一連の第1用量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、対象に投与され、続いて、第2用量又は一連の第2用量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、対象に投与され、上記又は各第1用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量は、上記又は各第2用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量よりも多い。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、及びb)薬学的に許容可能な賦形剤を含む、第1用量又は一連の第1用量の医薬組成物が、
対象に投与され、続いて、a)式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、及びb)薬学的に許容可能な賦形剤を含む、第2用量又は一連の第2用量の医薬組成物が、対象に投与され、上記又は各第1用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量は、上記又は各第2用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量よりも多い。
いくつかの実施形態において、投与される式(I)の化合物、薬学的に許容可能な塩又は医薬組成物の量は、当該又は各第2用量において付与される化合物の量が、当該又は各第1用量において投与される式(I)の化合物の量の約4分の3、約3分の2、約半分、約3分の1又は約4分の1であるようになっている。
いくつかの実施形態において、投与される式(I)の化合物、薬学的に許容可能な塩又は医薬組成物の量は、当該又は各第2用量において付与される化合物の量が、当該又は各第1用量において投与される式(I)の化合物の量の約90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%又は25%であり得るようになっている。
いくつかの実施形態において、投与される式(I)の化合物、薬学的に許容可能な塩又は医薬組成物の量は、当該又は各第1用量において付与される化合物の量が、(約)150mg、160mg、170mg、175mg、180mg、190mg、200mg、210mg、220mg、225mg、230mg、240mg、250mg、260mg、270mg、275mg、280mg、290mg、300mg、310mg、320mg、325mg、330mg、340mg、350mg、360mg、370mg、375mg、380mg、390mg、400mg、410mg、420mg、425mg、430mg、440mg、450mg、460mg、470mg、475mg、480mg、490mg若しくは500mg、又は上記値のいずれかによって定義される範囲内であるようになっている。
いくつかの実施形態において、投与される式(I)の化合物、薬学的に許容可能な塩又は医薬組成物の量は、当該又は各第2用量において付与される化合物の量が、(約)5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、38mg、39mg、40mg、41mg、42mg、43mg、44mg、45mg、46mg、47mg、48mg、49mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、110mg、120mg、125mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、180mg、190mg、若しくは200mg、又は上記値のいずれかによって定義される範囲内であるようになっている。
いくつかの実施形態において、投与される式(I)の化合物、薬学的に許容可能な塩又は医薬組成物の量は、当該又は各第1用量において付与される化合物の量が200mg~400mgの範囲内であり且つ当該又は各第2用量において投与される式(I)の化合物の量が100mg~200mgの範囲内であるようになっている。
いくつかの実施形態において、当該又は各第1用量において投与される式(I)の化合物の量が、150mg~300mgの範囲内であり、当該又は各第2用量において投与される式(I)の化合物の量が、50mg~150mgの範囲内である。
いくつかの実施形態において、単回の第1用量が投与される。いくつかの実施形態にお
いて、一連の2、3、4又は5の第1用量が投与される。
いくつかの実施形態において、一連の第2用量、例えば、一連の少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40又は少なくとも50の第2用量が投与される。
式(I)の化合物は、任意の好適な形態で投与されてよく、例えば、塩として、又は遊離酸として投与されてよい。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物の遊離酸が投与される。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物若しくはその塩又は医薬組成物が単独療法として投与されてよいが、他の実施形態において、当該化合物若しくは塩又は医薬組成物は、さらなる療法と組み合わせて投与されてよい。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、1以上のさらなる薬学的に許容可能な剤と組み合わせて投与される。式(I)の化合物又はその塩、及び1以上のさらなる治療的/薬学的に活性な剤は、同時に、続いて又は別々に投与されてよい。例えば、これらは、同じ組成物の部分として、又は別々の組成物の投与によって投与されてよい。
(医薬組成物)
式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、いくつかの実施形態において、単独で投与されてよいが、より典型的には、医薬組成物又は製剤の部分として投与される。そのため、本開示はまた、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩及び薬学的に許容可能な賦形剤を含む、本明細書において定義されている使用のための医薬組成物も提供する。医薬組成物は、1以上の薬学的に許容可能な希釈剤、担体又は賦形剤(本明細書において「賦形剤」材料と総称する)を含む。
医薬組成物又は製剤は、例えば、ヒト医療用途に好適であってよい。これはまた、又は代わりに、家畜への使用に好適であってもよい。担体(複数可)は、製剤の他の成分と相溶性であり且つそのレシピエントに過度に有害でないという意味で薬学的に許容可能でなければならない。
医薬組成物又は製剤の例として、経口、非経口(静脈内、硝子体内、皮下、皮内、及び筋肉内を含む)、吸入、直腸、腹腔内、並びに局所投与に好適なものが挙げられる。
医薬組成物は、単位剤形で好都合に与えられてよく、薬学において公知の方法によって調製されてよい。全ての方法は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を賦形剤(複数可)と合わせる工程を含む。例えば、上記組成物は、活性成分を液体担体若しくは微粉化された固体担体又は両方と共に均一に合わせ、次いで、必要に応じて、生成物を所望の製剤にすることによって調製されてよい。
いくつかの好ましい実施形態において、上記組成物は、経口送達用に製剤化される。例えば、経口投与に好適な本開示の医薬組成物は、それぞれが所定量の活性成分を含有する個別の単位、例えば、カプセル、サシェ、丸薬若しくは錠剤として;粉末若しくは顆粒として、水性液体若しくは非水性液体中の液剤若しくは懸濁液として、例えば、エリキシル、チンキ剤、懸濁液若しくはシロップとして;又は水中油液体エマルジョン若しくは油中水液体エマルジョンとして与えられてよい。式(I)の化合物はまた、例えば、ボーラス、舐剤又はペーストとして与えられてもよい。
錠剤は、例えば、圧縮又は成形によって作製されてよい。圧縮錠は、結着剤、潤沢剤、充填剤、希釈剤、界面活性剤、及び分散剤のうちの1以上と任意選択的に混合されている
、自由流動形態での活性成分、例えば、粉末又は顆粒を、好適な機械において圧縮することによって調製されてよい。成形錠は、例えば、不活性液体希釈剤と湿潤された粉末状化合物の混合物を好適な機械において成形することによって作製されてよい。錠剤は、任意選択的にコーティング又はスコアリングされてよく、式(I)の化合物の遅延又は制御放出を付与するように製剤化されてよい。式(I)の化合物は、例えば、即時放出又は持続放出に好適な形態で投与され得る。即時放出又は持続放出は、式(I)の化合物を含む好適な医薬組成物の使用によって、又は、特に持続放出の場合には、デバイス、例えば、皮下インプラント若しくは浸透圧ポンプの使用によって達成され得る。式(I)の化合物は、リポソームで投与されてもよい。
経口投与用の例示的な組成物として、例えば、嵩高さを付与する微結晶性セルロース、懸濁剤としてのアルギン酸又はアルギン酸ナトリウム、粘度向上剤としてのメチルセルロース、及び甘味料又は香味剤、例えば、当該分野において周知のものを含有し得る懸濁液;並びに、例えば、微結晶性セルロース、リン酸二カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ソルビトール、グルコース及び/若しくはラクトース並びに/又は他の賦形剤、結着剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤、及び潤沢剤、例えば、当該分野において公知のものを含有する即時放出錠剤が挙げられる。
好適な結着剤として、デンプン、ゼラチン、天然糖、例えば、グルコース又はベータ-ラクトース、トウモロコシ甘味料、天然及び合成ガム、例えば、アカシア、トラガカント又はアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられる。
崩壊剤として、限定することなく、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられる。
式(I)の化合物はまた、舌下及び/又は頬側投与によって口腔を介して送達することもできる。成形錠、圧縮錠、又は凍結乾燥錠は、使用されてよい例示的な形態である。例示的な組成物として、式(I)の化合物を、速溶性の希釈剤、例えば、マンニトール、ラクトース、スクロース及び/又はシクロデキストリンと共に製剤化するものが挙げられる。かかる製剤には、高分子量賦形剤、例えば、セルロース又はポリエチレングリコール(PEG)が含まれていてもよい。かかる製剤には、粘膜付着を補助する賦形剤、例えば、ヒドロキシルプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(SCMC)、無水マレイン酸コポリマー、及び、放出を制御する剤、例えば、ポリアクリルコポリマーも含まれ得る。潤沢剤、流動促進剤、香料、着色剤、及び安定剤も添加されてよい。これらの剤形に使用される潤沢剤として、ステアリン酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウムなどが挙げられる。
液体形態での経口投与のために、経口薬物成分は、任意の経口の、非毒性の、薬学的に許容可能な不活性担体、例えば、エタノール、グリセロール、水などと合わされ得る。
いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物は、ポリマー賦形剤/添加剤又は担体、例えば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、フィコール(ポリマー糖)、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、デキストレーツ(例えば、シクロデキストリン、例えば、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン及びスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン)、ポリエチレングリコール、並びにペクチンを含んでいてもよい。上記組成物は、希釈剤、緩衝剤、クエン酸塩、トレハロース、結着剤、崩壊剤、崩壊剤、潤沢剤、保存料(抗酸化剤を含む)、無機塩(例えば、塩化ナトリ
ウム)、抗微生物剤(例えば、塩化ベンザルコニウム)、甘味料、帯電予防剤、ソルビタンエステル、脂質(例えば、リン脂質、例えば、レクチン及び他のホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸及び脂肪酸エステル、ステロイド(例えば、コレステロール))、並びにキレート剤(例えば、EDTA、亜鉛及び他のかかる好適なカチオン)をさらに含んでいてよい。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物は、非経口送達による投与のためのものである。例えば、一実施形態において、上記組成物は、注射又は点滴の前の水性ビヒクル中での再構成に好適である滅菌凍結乾燥組成物であってよい。例えば、上記組成物は、上記で考察されている固体組成物を希釈剤、例えば、生理食塩水又はWFI(注射用蒸留水)と混ぜることによって生成される再構成組成物であってよい。非経口投与用製剤として、抗酸化剤、緩衝剤、静菌薬、及び、製剤を意図されるレシピエントの血液と等張にする溶質を含有していてよい水性及び非水性滅菌注射溶液;並びに懸濁剤及び増粘剤を含んでいてよい水性及び非水性滅菌懸濁液が挙げられる。
製剤は、単回投薬又は複数回投薬容器、例えば、封止アンプル及びバイアルにおいて与えられてよく、使用の直前に、滅菌液体担体、例えば、生理食塩水又は注射用蒸留水の添加のみを必要とする凍結乾燥状態で貯蔵されていてよい。即時注射溶液及び懸濁液は、先に記載されている種類の滅菌粉末、顆粒及び錠剤から調製されてよい。
例示的な組成物又は非経口投与として、例えば、好適な非毒性の、非経口で許容可能な希釈剤若しくは溶媒、例えば、マンニトール、1.3-ブタンジオール、水、リンゲル液、生理食塩液、又は、合成モノ若しくはジグリセリド、及びオレイン酸を含めた脂肪酸を含めた他の好適な分散若しくは湿潤及び懸濁剤を含有し得る注射可能な液剤或いは懸濁液が挙げられる。
例えば、一実施形態において、上記製剤は、注射の前の水性ビヒクル中での再構成に好適である滅菌凍結乾燥組成物であってよい。一実施形態において、非経口投与に好適な製剤は、例えば、レシピエントの血液と等張であるように製剤化されてよい式(I)の化合物の滅菌水性調製物を好都合に含む。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、硝子体内投与用に製剤化されており、例えば、硝子体内組成物に存在していてよい。硝子体内用製剤は、例えば、注射用蒸留水、好適な緩衝剤、例えば、クエン酸塩、リン酸塩若しくは硫酸塩、界面活性剤、例えば、ポリソルベート20若しくはポリソルベート80、等張化剤、例えば、塩化ナトリウム、及び/又は他の賦形剤、例えば、D-マンニトール若しくはPEGを含有していてよい。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物が、単位剤形で好都合に与えられてよい。
特に上記に言及している成分に加えて、上記製剤は、対象の製剤のタイプに好適な他の剤を含んでいてよいこと、例えば、経口投与に好適なこれらの賦形剤が、香味剤及び/又は甘味料を含んでいてよいことが理解されるべきである。本開示による組成物における使用に好適な薬学的賦形剤及び/又は添加剤の例は、「Remington:The Science & Practice of Pharmacy」、l9th ed.、Williams & Williams、(1995)において、並びに「Physician’s Desk Reference」,52nd ed.,Medical Economics,Montvale,N.J.(1998)、及び「Handbook
of Pharmaceutical Excipients」,Third Ed.,Ed.A.H.Kibbe,Pharmaceutical Press,2000において列挙されている。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、1~500mgの範囲内の量の化合物を含有する、又は1~500mgの化合物を与えるような量の塩を含有する単位剤形(例えば、錠剤、カプセル又はサチェなど)における医薬組成物の形態で提供される。いくつかの実施形態において、単位剤形は、5~200mg、若しくは1~150mg、若しくは100~250mg、若しくは150~300mg、若しくは300~500mgの範囲内の量の化合物を含有し、又は、5~200mg、若しくは1~150mg、若しくは100~250mg、若しくは150~300mg、若しくは300~500mgの範囲内の量の化合物を付与するような量の塩を含有する。いくつかの実施形態において、単位剤形は、1~10mg、10~20mg、20~30mg、30~40mg、40~50mg、50~75mg、75~100mg、100~125mg、125~150mg、150~175mg、175~200mg、200~250mg、250~300mg、300~350mg、350~400mg、400~450mg、若しくは450~500mgの範囲内の量の化合物を含有し、又は、1~10mg、10~20mg、20~30mg、30~40mg、40~50mg、50~75mg、75~100mg、100~125mg、125~150mg、150~175mg、175~200mg、200~250mg、250~300mg、300~350mg、350~400mg、400~450mg、若しくは450~500mgの化合物を与えるような量の塩を含有する。
いくつかの実施形態において、単位剤形は、約5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、38mg、39mg、40mg、41mg、42mg、43mg、44mg、45mg、46mg、47mg、48mg、49mg、50mg、51mg、52mg、53mg、54mg、55mg、56mg、57mg、58mg、59mg、60mg、61mg、62mg、63mg、64mg、65mg、66mg、67mg、68mg、69mg、70mg、71mg、72mg、73mg、74mg、75mg、76mg、77mg、78mg、79mg、80mg、85mg、86mg、87mg、88mg、89mg、90mg、95mg、96mg、97mg、98mg、99mg、100mg、110mg、120mg、125mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、180mg、190mg、200mg、210mg、220mg、225mg、230mg、240mg、250mg、260mg、270mg、275mg、280mg、290mg、300mg、310mg、320mg、325mg、330mg、340mg、350mg、360mg、370mg、375mg、380mg、390mg、400mg、410mg、420mg、425mg、430mg、440mg、450mg、460mg、470mg、475mg、480mg、490mg若しくは500mgの化合物を含有し、又は、約5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、38mg、39mg、40mg、41mg、42mg、43mg、44mg、45mg、46mg、47mg、48mg、49mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、110mg、120mg、125mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、180mg、190mg、200mg、210mg、220mg、225mg、230mg、240mg、250mg、260mg、270mg、275mg、280mg、290mg、300mg、310mg、320mg、325mg、330mg、340mg、350mg、360mg、370mg、375mg、380mg、390mg、400mg、410mg、420mg、425mg、430mg、440mg、450mg、460mg、470mg、475mg、480mg、490mg若しくは500mgの化合物を与えるような量の塩を含有する。
本明細書に記載されている具体的な実施形態の詳細は、本開示を限定するとして解釈されるべきではない。種々の等価物及び変更が、この開示の本質及び範囲から逸脱することなくなされてよく、かかる等価の実施形態がこの開示の一部であることが理解される。
本開示は、以下の非限定例によってさらに支持される。
実施例1:(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸(式(I)の化合物の合成。
式(I)の化合物は、WO2009/079692A1に記載されているように調製されてよい。
2-[(カルボキシアセチル)アミノ]安息香酸
Figure 2023529845000025
アントラニル酸(300g、2.08mol)を、メルドラム酸(272g、1.98mol)のトルエン(2.0L)溶液に添加した。反応フラスコをディーンスターク装置と共に固定し、懸濁液を3時間加熱還流した。懸濁液を冷却し、ろ過し、トルエンで洗浄し、乾燥した。2-[(カルボキシアセチル)アミノ]安息香酸(381g、86%)を無色固体として得た;mp171~173℃;δH(500MHz,DMSO-CF)3.45(br s,2H,CH),7.16(t,J3,4=4,5=8.0Hz.1H,H4),7.59(t d,J4,5=J5,6=8.0,J3,5=1.5Hz,1H,H5),7.97(dd,J3,4=8.0,J3,5=1.5Hz,1H,H3),8.44(d,J5,6=8.0Hz,1H,H6),11.27(s,1H,NH),12.83(br s,1H,COH),13.57(br s,1H,COH);δC(125MHz,DMSO-CF)45.0,117.0,120.3,123.1,131.2,134.1,140.4,164.9,169.1,169.3;vmax760,1234,1385,1544,1684,1712,2653,2964,3119cm-1
4-(ジフルオロメトキシ)-3-メトキシベンズアルデヒド
Figure 2023529845000026
クロロジフルオロ酢酸メチル(1.4ml、13mmol)を、バニリン(1.0g、6.6mmol)及び炭酸カリウム(2.0g、14mmol)のDMF(10ml)懸濁液に添加した。懸濁液を65~70℃に16時間加熱し、懸濁液を水で希釈した。水相をEtOAcによって抽出し、合わせた有機画分を飽和水性NaHCO、水、塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮した。残渣を、10%EtOAc/ガソリンで溶離するカラムクロマトグラフィによって精製して、4-(ジフルオロメトキシ)-3-メトキシベンズアルデヒド(0.54g、41%)を無色油として得た;δH(400MHz,CDCl)3.95(s,3H,OCH),6.60(t,J=74Hz,1H,OCHF),7.30(d,J5,6=8.0Hz,1H,H5),7.45(dd,J5,6=8.0,J2,6=2.0Hz,1H,H6),7.50(d,J2,6=2.0Hz,1H,HZ),9.93(s,1H,CHO);δC(100MHz,CDCl)56.2,110.9,115.5(t,J=256Hz),121.5,125.0,134.5,144.9,151.5,190.8。
(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸
Figure 2023529845000027
ピペリジン(0.25ml、2.6mmol)を、4-(ジフルオロメトキシ)-3-メトキシベンズアルデヒド(0.52g、2.6mmol)及び2-[(カルボキシアセチル)アミノ]安息香酸(0.52mg、2.6mmol)のトルエン(5.0ml)懸濁液に添加した。反応フラスコをディーンスターク装置と共に固定し、30分間加熱還流した。反応を次いで室温まで冷却し、得られた懸濁液をろ過し、トルエンで洗浄した。ピペリジニウム塩をMeOH(5ml)及び水(2ml)に溶解し、溶液を50%水性AcOHで酸性化した。粗生成物をろ過によって収集し、EtOH/水から再結晶化し、ろ過し、水洗して、(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸(259mg、71%)を無色結晶固体として得た;mp172~174℃;δH(500MHz,DMSO-CF)3.90(s,3H,OCH3),6.94(d,J=15.6Hz,1H,CH=CHCO),7.12(t,J=75Hz,1H,OCHF),7.17(t,J3,4=J4,5=8.0Hz,1H,H4),7.20(d,J=8.0Hz,1H,H5’),7.32(dd,J=8.0,J=2.0Hz,1H,H6’),7.56(d,J2’,6’=2.0Hz,1H,H2’),7.61(d,J=15.6Hz,1H,CH=CHCO),7.62(dt,J4,5=J5,6=8.0,J3,5=1.5Hz,1H,H5),8.00(dd,J3,4=8.0,J3,5=1.5Hz,1H,H3),8.61(d,J5,6=8.0Hz,1H,H6),11.33(s,1H,NH),13.60(br s,1H,COH);δC(125MHz,DMSO-CF)56.1,112.3,114.5,116.5(t,J=256Hz),116.8,120.4,120.8,121.4,122.7,122.9,131.1,132.9,134.0,140.6,140.8,150.7,163.7,169.4;HRMS(ESI)C1815NO[M-H]についての算出値362.0835,実測値362.0839;vmax1032,1260,1586,1604,1661,2988,3509cm-1
実施例2:(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸によるイヌ及びラット薬物動態研究
Sprague-Dawleyラットに、25、50又は100mg/kgで単回毎日用量の(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸を28日間連続して投与した。投薬の最初の日に投薬後最大24時間まで血漿を収集した。血漿薬物動態分析は、排出半減期が、25、50又は100mg/kgの用量でそれぞれ12.9、13.0、11.0時間であったことを示した。このラットの血漿薬物動態データは、ヒトにおける長い半減期を予測しなかった。
ビーグル犬に、25、50又は100mg/kgで単回毎日用量の(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸を28日間連続して投与した。投薬の最初の日に投薬後最大24時間まで血漿を収集した。血漿薬物動態分析は、排出半減期が、25、50又は100mg/kgの用量でそれぞれ4.3、4.9及び4.2時間であったことを示した。このイヌの血漿薬物動態データは、ヒトにおける長い半減期を予測しなかった。
実施例3A:(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸を使用したヒト臨床試験薬物動態研究
臨床薬物動態研究は、(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸(式(I)の化合物)が、速い吸収を有し且つヒトにおいて予期される排出よりも長いことを示した。
第1相臨床試験における6人の健常な男性ボランティアに、カプセル封入粉末として投与される、単回投薬の50mgの(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸を投与した。血液を、投薬前10分、並びに、KEDTAチューブへの投薬後、15及び30分、並びに1、2、3、4、6、8、12、24、36、48、72及び96時間で収集した。サンプルを、収集の1時間以内に、2000gで10分間、冷凍遠心分離器において回転させた。血漿を収集し、ドライアイス上で凍結させた。
血漿中の(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸の濃度を、検証されたLC-MS/MS法を使用して求めた。非コンパートメント解析を、WinNonLinソフトウエアを使用して実施した。名目上の用量及びサンプリング時間を使用した。定量下限未満の濃度値を薬物動態分析についてゼロとして処理した。結果を表1Aに示す。ヒトにおける平均薬物動態プロファイルも図1に示す。
200mgの経口投薬後の比較化合物トラニラストについての薬物動態データも示す。
例えば、Charng M,Ding P Y,Chuang M,et al.Pharmacokinetic Properties of Tranilast in Chinese People.Journal of Food and Drug Analysis,Vol.10,No.3,2002,Pages 135-138を参照されたい。トラニラストは、3×100mg/日の量での使用について承認されている。
Figure 2023529845000028
(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸の血漿PKパラメータの薬物動態計算は、対応する動物実験から予測したこととは対照的に、24時間という、より長い排出半減期を示した。(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸の半減期もまた、比較のもの(7.5時間の半減期)よりもかなり長かった。同時に、(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸を、2.5時間のTmaxで、比較のトラニラストと同等に迅速に吸収させた。
これらの薬物動態パラメータを考慮して、(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸を、予想外にも、トラニラストよりも低い頻度で及び/又はより低い1日投薬量で投薬することができる。
さらに、(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸は、イヌ及びラット薬物動態データから予測されたものを基準にしてヒトにおいて予想外に長い半減期を有した。
実施例3B:(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸を使用したヒト臨床試験薬物動態研究
臨床薬物動態研究を、カプセル封入粉末として投与される、単回投薬又は複数回投薬の200mgの(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸が投与されたボランティアにおいても行っ
た。血液を、投薬前10分、並びに、KEDTAチューブへの投薬後、15及び30分、並びに1、2、3、4、6、8、12、24、36、48、72及び96時間で収集した。サンプルを、収集から1時間以内に、2000gで10分間、冷凍遠心分離器において回転させた。血漿を収集し、ドライアイス上で凍結させた。
血漿中の(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸の濃度を、有効なLC-MS/MS法を使用して求めた。非コンパートメント解析を、WinNonLinソフトウエアを使用して実施した。名目上の用量及びサンプリング時間を使用した。定量下限未満の濃度値を薬物動態分析についてゼロとして処理した。結果を表1に示す。ヒトにおける平均薬物動態プロファイルも図1に示す。
Figure 2023529845000029
データは、単回投薬と比較してCmaxの2倍の増加から明らかであるように、(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸が、投薬の14日後の定常状態暴露が有意により高くなるように複数回投薬で血漿中に蓄積することを示している。この効果は、動物の薬物動態データがラット又はイヌにおいて投薬の91日であっても蓄積を示さなかったため、予想外である。
実施例4:(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸の薬物動態モデリング
ヒトにおける(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸経口投薬の集団薬物動態モデリング及びシミュレーションを、イヌからの前臨床血漿薬物動態データを使用して実施した。当該モデリングから予測されるCmax及びAUC0~24値は、所要の暴露レベルに到達するのに高い投薬量レベルが必要とされ得ることを示した。
モデリングは、Cmax及びAUC0~24を基準にした(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸の定常状態暴露を正確には予測しなかった。ヒトの第1相臨床研究からの対応するデータも以下に含まれており、50mg投薬において予測されるCmax及びAUC0~2
よりもかなり大きいことを示している。
Figure 2023529845000030
実施例5:(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸による動物薬物動態研究
ウサギ及びラットにおける薬物動態研究は、(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸(式(I)の化合物)の眼への迅速な分布を示した。
雄性Dutch Belted有色ウサギに、1日1回投薬の50又は100mg/kgの(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸を強制経口投与によって8日間投与した。経口製剤を1%カルボキシメチルセルロースにおいて調製した。0(投薬前)、研究8日目の最後の投薬後1、2、4、8、及び24時間における時点毎の投薬毎に2匹の動物からKEDTA含有チューブに血液を収集した。血液収集直後に、動物を過剰用量のペントバルビタールナトリウムを介して犠牲にした。血液サンプルを、遠心分離して血漿を得るまで、冷蔵したクライオラックに置き、これをおよそ-70℃で保存した。全ての動物の犠牲の際に、両眼を摘出し、房水を収集して廃棄し、各眼を次いで液体窒素中で15~20秒間急速冷凍した。摘出した眼をドライアイス上に置くか、又は、およそ-70℃で少なくとも2時間保存した。およそ5日以内に、脈絡膜-RPE、虹彩-毛様体、網膜及び硝子体液を右及び左眼から収集した。眼の組織を生理食塩水で濯いで拭き取って乾燥させ、適宜、秤量し、ドライアイス上に置いた。サンプル分析を、認可されたLC-MS/MS法を使用して実施して、各組織マトリクスにおける(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸の濃度を確認した。非コンパートメント解析(Gibaldi及びPerrier、1982)を個々及び平均の濃度データに適用した。名目上の用量及びサンプリング時間を使用した。定量下限未満の濃度値を薬物動態分析についてゼロとして処理した。8日目における、50又は100mg/kgの繰り返し経口投与に関する血漿及び眼の定常状態非コンパートメント薬物動態パラメータを、表2及びさらには以下にまとめる。
Figure 2023529845000031
(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸は、50及び100mg/kgのそれぞれについて1及び2時間の血漿Tmaxで迅速に吸収された。同様に、(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸は、全ての分析した組織について1~4時間の間のTmaxで眼の組織に迅速に分布した。両方の用量について、最大濃度が脈絡膜-RPEにおいて観察され、次いで、ICB、網膜、及び硝子体液であった。暴露(Cmax)は、両方の用量(それぞれ50及び100mg/kgについて3320及び12300ng/g)について脈絡膜-RPEにおいて最も大きかった。(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸は、ウサギにおいて、いずれの用量においても、投薬後24時間までに血漿又は眼の組織において検出することはできなかった。結果は、眼の組織への迅速な分布及び眼の後部(脈絡膜/RPE)で(Cmaxによって示されるように)最も大きな暴露を示した。
雄性Sprague Dawleyラットに、単回投薬の50mg/kgの(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸を強制経口投与によって投与した。経口製剤を1%カルボキシメチルセルロースにおいて調製した。サンプルを投薬後1、2、4、8及び24時間の時点毎に3匹の動物から収集した。全血を意識のあるラットにおける尾静脈からヘパリン含有ポリプロピレンチューブに収集した。血液サンプルを直ちに遠心分離し(3000rpm、10分間)、上清血漿を除去し、液体N2中で瞬間凍結した。血液収集後、動物をペントバルビタール(120mg/kg)によって安楽死させ、眼を摘出し、網膜を秤量し、収集し、液体窒素中で瞬間凍結した。血液を3000rpmにおいて4℃で10分間遠心分離し、血漿を収集し、液体N2中で瞬間凍結した。(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸の血漿及び網膜濃度を、検証されたLC-MS/MS法を使用して求めた。Cmax及びTmaxを、GraphPad prismソフトウエアを使用して推定した。予備段階の結果を以下にまとめる。
血漿中の推定最大濃度は、投薬後1時間で35,134ng/mLであった。同様に、(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸は、4時間における推定最大暴露及び792.5ng/gの推定Cmaxで、網膜に迅速に分布した。(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸は、投薬後24時間で血漿及び網膜において依然として検出された。
図2もまた、単回投薬の50mg/kgの(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸の経口投与後の雄性SDラットの血漿及び網膜の薬物動態プロファイルを示す。
まとめると、このデータは、(E)-2-[[3-メトキシ-4-(ジフルオロメトキシ)フェニル-1-オキソ-2-プロペニル]アミノ]安息香酸が、両方の種において該当の眼の組織に迅速に分布したことを示している。
実施形態及び例を参照して本開示を記載しているが、本開示の精神から逸脱することなく多数且つ種々の変更がなされ得ることが理解されるべきである。したがって、本開示は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。
特許、特許出願、論文、教科書などを含めた、本明細書に列挙されている全ての文献、
並びに、既に言及した程度においての、本明細書に列挙されているかかる文献は、これらの全体が、参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれている文献、及び、限定されないが定義されている用語、用語の使用、記載されている技術などを含めた同様の材料の1以上が、この出願と異なっている又は矛盾している事象においては、この出願が優先する。

Claims (87)

  1. 対象における眼疾患を予防する、治療する、その重症度を低減する及び/又はその再発の可能性を低減する方法であって
    式(I)の化合物:
    Figure 2023529845000032

    又はその薬学的に許容可能な塩を前記対象に投与することを含み、
    前記化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、1日1回及び1日2回から選択される頻度で投与される、方法。
  2. 前記化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、経口投与される、請求項1に記載の方法。
  3. 経口投与後、前記化合物が、18~30時間の範囲内の終末相半減期を有する、請求項2に記載の方法。
  4. 経口投与後、前記化合物が、18~24時間の範囲内の終末相半減期を有する、請求項3に記載の方法。
  5. 経口投与後、治療有効量の前記化合物が、4時間以内に眼に到達する、請求項2~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 経口投与後、治療有効量の前記化合物が、4時間以内に、網膜、脈絡膜、網膜色素上皮、虹彩、毛様体及び硝子体液のうちの1以上に到達する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、1日2回投与される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、1日1回投与される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記対象が、ヒトである、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 対象における眼疾患を予防する、治療する、その重症度を低減する及び/又はその再発の可能性を低減する方法であって、
    i)式(I)の化合物:
    Figure 2023529845000033

    又はその薬学的に許容可能な塩、及びii)薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を、前記対象に投与することを含み、
    前記医薬組成物が、1日1回及び1日2回から選択される頻度で投与される、前記方法。
  11. 前記医薬組成物が、経口投与される、請求項10に記載の方法。
  12. 経口投与後、前記化合物が、18~30時間の範囲内の終末相半減期を有する、請求項11に記載の方法。
  13. 経口投与後、前記化合物が、18~24時間の範囲内の終末相半減期を有する、請求項12に記載の方法。
  14. 経口投与後、治療有効量の前記化合物が、4時間以内に眼に到達する、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 経口投与後、治療有効量の前記化合物が、4時間以内に、網膜、脈絡膜、網膜色素上皮、虹彩、毛様体及び硝子体液のうちの1以上に到達する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記医薬組成物が、1日2回投与される、請求項11~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記医薬組成物が、1日1回投与される、請求項11~15のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記対象が、ヒトである、請求項11~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記眼疾患が、炎症及び血管増殖のうちの少なくとも1つに関連する眼疾患である、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記眼疾患が、糖尿病性網膜症及び加齢黄斑変性症からなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
  21. 前記眼疾患が、増殖性糖尿病性網膜症である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記眼疾患が、非増殖性糖尿病性網膜症である、請求項20に記載の方法。
  23. 前記眼疾患が、湿潤加齢黄斑変性症である、請求項20に記載の方法。
  24. 前記眼疾患が、以下:非血管細胞増殖、上皮間葉転換、及び組織収縮;のうちの少なくとも1つに関連する眼の疾患である、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記眼疾患が、増殖性硝子体網膜症である、請求項24に記載の方法。
  26. 網膜剥離を以前に経験したことがある対象におけるさらなる網膜剥離を予防する又はその再発の可能性を低減するためのものである、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  27. 式(I)の化合物:
    Figure 2023529845000034

    又はその薬学的に許容可能な塩の使用であって、
    対象における眼疾患の予防、治療、その重症度の低減、及び/又はその再発の可能性の低減のための薬剤の製造のためのものであり、
    前記化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、前記対象に1日1回及び1日2回から選択される頻度で投与される、前記使用。
  28. 式(I)の化合物:
    Figure 2023529845000035

    又はその薬学的に許容可能な塩であって、対象における眼疾患の予防、治療、その重症度の低減、及び/又はその再発の可能性の低減における使用のためのものであり、前記対象に1日1回及び1日2回から選択される頻度で投与される、前記化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
  29. i)式(I)の化合物:
    Figure 2023529845000036

    又はその薬学的に許容可能な塩、及びii)薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物であって、対象における眼疾患の予防、治療、その重症度の低減及び/又はその可能性若しくは再発の低減における使用のためのものであり、前記対象に1日1回及び1日2回から選択される頻度で投与される、前記医薬組成物。
  30. 経口投与後、前記化合物が、18~30時間の範囲内の終末相半減期を有する、請求項27に記載の使用、請求項28に記載の使用のための化合物、又は請求項29に記載の使用のための医薬組成物。
  31. 経口投与後、前記化合物が、18~24時間の範囲内の終末相半減期を有する、請求項27に記載の使用、請求項28に記載の使用のための化合物、又は請求項29に記載の使用のための医薬組成物。
  32. 対象における眼疾患を予防する、治療する、その重症度を低減する及び/又はその再発の可能性を低減する方法であって、
    式(I)の化合物:
    Figure 2023529845000037

    又はその薬学的に許容可能な塩を前記対象に投与することを含み、
    前記投与される化合物の量が、1日5mg~250mgの範囲内であり、又は、前記投与される薬学的に許容可能な塩の量が、1日5mg~250mgの範囲内の化合物の量を与える、前記方法。
  33. 前記化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、経口投与される、請求項32に記載の方法。
  34. 経口投与後、前記化合物が、18~30時間の範囲内の終末相半減期を有する、請求項33に記載の方法。
  35. 経口投与後、前記化合物が、18~24時間の範囲内の終末相半減期を有する、請求項34に記載の方法。
  36. 経口投与後、治療有効量の前記化合物が、4時間以内に眼に到達する、請求項33~35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 経口投与後、治療有効量の前記化合物が、4時間以内に、網膜、脈絡膜、網膜色素上皮、虹彩、毛様体及び硝子体液のうちの1以上に到達する、請求項36に記載の方法。
  38. 前記投与される化合物の量が、1日100mg~250mgの範囲内であり、又は、前記投与される薬学的に許容可能な塩の量が、1日100mg~250mgの範囲内の化合物の量を与える、請求項32~37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記対象が、ヒトである、請求項32~38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 対象における眼疾患を予防する、治療する、その重症度を低減する及び/又はその再発の可能性を低減する方法であって、
    i)式(I)の化合物:
    Figure 2023529845000038

    又はその薬学的に許容可能な塩、及びii)薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を、前記対象に投与することを含み、
    前記投与される医薬組成物の量が、1日5mg~250mgの範囲内の化合物の量を与える、前記方法。
  41. 前記医薬組成物が、経口投与される、請求項40に記載の方法。
  42. 経口投与後、前記化合物が、18~30時間の範囲内の終末相半減期を有する、請求項41に記載の方法。
  43. 経口投与後、前記化合物が、18~24時間の範囲内の終末相半減期を有する、請求項42に記載の方法。
  44. 経口投与後、治療有効量の前記化合物が、4時間以内に眼に到達する、請求項41~43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 経口投与後、治療有効量の前記化合物が、4時間以内に、網膜、脈絡膜、網膜色素上皮、虹彩、毛様体及び硝子体液のうちの1以上に到達する、請求項44に記載の方法。
  46. 前記投与される医薬組成物の量が、1日100mg~250mgの範囲内の化合物の量を与える、請求項40~45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記対象が、ヒトである、請求項40~46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記眼疾患が、炎症及び血管増殖のうちの1以上に関連する眼疾患である、請求項32~47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記眼疾患が、糖尿病性網膜症及び加齢黄斑変性症からなる群から選択される、請求項48に記載の方法。
  50. 前記眼疾患が、増殖性糖尿病性網膜症である、請求項49に記載の方法。
  51. 前記眼疾患が、非増殖性糖尿病性網膜症である、請求項49に記載の方法。
  52. 前記眼疾患が、湿潤加齢黄斑変性症である、請求項49に記載の方法。
  53. 前記眼疾患が、非血管細胞増殖、上皮間葉転換及び組織収縮のうちの少なくとも1つに関連する眼疾患である、請求項32~47のいずれか一項に記載の方法。
  54. 前記眼疾患が、増殖性硝子体網膜症である、請求項53に記載の方法。
  55. 網膜剥離を以前に経験したことがある対象におけるさらなる網膜剥離を予防する又はその再発の可能性を低減するためのものである、請求項32~47のいずれか一項に記載の方法。
  56. 式(I)の化合物:
    Figure 2023529845000039

    又はその薬学的に許容可能な塩の使用であって、
    対象における眼疾患の予防、治療、その重症度の低減、及び/又はその再発の可能性の低減のための薬剤の製造のためのものであり、
    投与される化合物の量が、1日5mg~250mgの範囲内であり、又は、投与される薬学的に許容可能な塩の量が、1日5mg~250mgの範囲内の化合物の量を与える、前記使用。
  57. 式(I)の化合物:
    Figure 2023529845000040

    又はその薬学的に許容可能な塩であって、
    対象における眼疾患の予防、治療、その重症度の低減、及び/又はその再発の可能性の低減における使用のためのものであり、
    投与される化合物の量が、1日5mg~250mgの範囲内であり、又は、投与される薬学的に許容可能な塩の量が、1日5mg~250mgの範囲内の化合物の量を与える、前記化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
  58. i)式(I)の化合物:
    Figure 2023529845000041

    又はその薬学的に許容可能な塩、及びii)薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物であって、対象における眼疾患の予防、治療、その重症度の低減、及び/又はその再発の可能性の低減における使用のためのものであり、
    投与される医薬組成物の量が、1日5mg~250mgの範囲内の化合物の量を与える、前記医薬組成物。
  59. 経口投与後、前記化合物が、18~30時間の範囲内の終末相半減期を有する、請求項56に記載の使用、請求項57に記載の使用のための化合物、又は請求項58に記載の使用のための医薬組成物。
  60. 経口投与後、前記化合物が、18~24時間の範囲内の終末相半減期を有する、請求項56に記載の使用、請求項57に記載の使用のための化合物、又は請求項58に記載の使用のための医薬組成物。
  61. 対象における眼疾患を予防する、治療する、その重症度を低減する及び/又はその再発の可能性を低減する方法であって、
    第1用量又は一連の第1用量の式(I)の化合物:
    Figure 2023529845000042

    又はその薬学的に許容可能な塩を前記対象に投与すること、及び
    第2用量又は一連の第2用量の前記式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を、前記対象に、続いて投与することを含み、
    前記又は各第1用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量が、前記又は各第2用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量よりも多い、前記方法。
  62. 前記化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、経口投与される、請求項61に記載の方法。
  63. 経口投与後、前記化合物が、18~30時間の範囲内の終末相半減期を有する、請求項62に記載の方法。
  64. 経口投与後、前記化合物が、18~24時間の範囲内の終末相半減期を有する、請求項63に記載の方法。
  65. 経口投与後、治療有効量の前記化合物が、4時間以内に眼に到達する、請求項62~64のいずれか一項に記載の方法。
  66. 経口投与後、治療有効量の前記化合物が、4時間以内に、網膜、脈絡膜、網膜色素上皮、虹彩、毛様体及び硝子体液のうちの1以上に到達する、請求項65に記載の方法。
  67. 前記対象が、ヒトである、請求項61~66のいずれか一項に記載の方法。
  68. 対象における眼疾患を予防する、治療する、その重症度を低減する及び/又はその再発の可能性を低減する方法であって、
    式(I)の化合物:
    Figure 2023529845000043

    又はその薬学的に許容可能な塩、及びb)薬学的に許容可能な賦形剤を含む、第1用量又
    は一連の第1用量の医薬組成物を、前記対象に投与すること、並びに
    a)前記式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、及びb)薬学的に許容可能な賦形剤を含む、第2用量又は一連の第2用量の医薬組成物を、前記対象に、続いて投与することを含み、
    前記又は各第1用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量が、前記又は各第2用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量よりも多い、前記方法。
  69. 前記医薬組成物が、経口投与される、請求項68に記載の方法。
  70. 経口投与後、前記化合物が、18~30時間の範囲内の終末相半減期を有する、請求項69に記載の方法。
  71. 経口投与後、前記化合物が、18~24時間の範囲内の終末相半減期を有する、請求項70に記載の方法。
  72. 経口投与後、治療有効量の前記化合物が、4時間以内に眼に到達する、請求項69~71のいずれか一項に記載の方法。
  73. 経口投与後、治療有効量の前記化合物が、4時間以内に、網膜、脈絡膜、網膜色素上皮、虹彩、毛様体及び硝子体液のうちの1以上に到達する、請求項72に記載の方法。
  74. 前記対象が、ヒトである、請求項68~73のいずれか一項に記載の方法。
  75. 前記眼疾患が、炎症及び血管増殖のうちの1以上に関連する眼疾患である、請求項61~74のいずれか一項に記載の方法。
  76. 前記眼疾患が、糖尿病性網膜症及び加齢黄斑変性症からなる群から選択される、請求項75に記載の方法。
  77. 前記眼疾患が、増殖性糖尿病性網膜症である、請求項76に記載の方法。
  78. 前記眼疾患が、非増殖性糖尿病性網膜症である、請求項76に記載の方法。
  79. 前記眼疾患が、湿潤加齢黄斑変性症である、請求項76に記載の方法。
  80. 前記眼疾患が、非血管細胞増殖、上皮間葉転換、及び/又は組織収縮に関連する眼疾患である、請求項61~74のいずれか一項に記載の方法。
  81. 前記眼疾患が、増殖性硝子体網膜症である、請求項80に記載の方法。
  82. 網膜剥離を以前に経験したことがある対象におけるさらなる網膜剥離を予防する又はその再発の可能性を低減するためのものである、請求項61~74のいずれか一項に記載の方法。
  83. 式(I)の化合物:
    Figure 2023529845000044

    又はその薬学的に許容可能な塩の使用であって、
    対象における眼疾患の予防、治療、その重症度の低減、及び/又はその再発の可能性の低減のための薬剤の製造のためのものであり、
    第1用量又は一連の第1用量の前記式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、前記対象に投与され
    続いて、第2用量又は一連の第2用量の前記式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、前記対象に投与され、
    前記又は各第1用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量が、前記又は各第2用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量よりも多い、前記使用。
  84. 式(I)の化合物:
    Figure 2023529845000045

    又はその薬学的に許容可能な塩であって、
    対象における眼疾患の予防、治療、その重症度の低減、及び/又はその再発の可能性の低減における使用のためのものであり、
    第1用量又は一連の第1用量の前記式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、前記対象に投与され
    続いて、第2用量又は一連の第2用量の前記式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が、前記対象に投与され、
    前記又は各第1用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量が、前記又は各第2用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量よりも多い、前記化合物又は薬学的に許容可能な塩。
  85. i)式(I)の化合物:
    Figure 2023529845000046

    又はその薬学的に許容可能な塩、及びii)薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物であって、対象における眼疾患の予防、治療、その重症度の低減、及び/又はその再発の可能性の低減における使用のためのものであり、
    第1用量又は一連の第1用量の、i)及びii)を含む医薬組成物が、前記対象に投与され、
    続いて、第2用量又は一連の第2用量の、i)及びii)を含む医薬組成物が、前記対象に投与され、
    前記又は各第1用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量が、前記又は各第2用量における化合物又は薬学的に許容可能な塩の量よりも多い、前記医薬組成物。
  86. 経口投与後、前記化合物が、18~30時間の範囲内の終末相半減期を有する、請求項83に記載の使用、請求項84に記載の使用のための化合物、又は請求項85に記載の使用のための医薬組成物。
  87. 経口投与後、前記化合物が、18~24時間の範囲内の終末相半減期を有する、請求項83に記載の使用、請求項84に記載の使用のための化合物、又は請求項85に記載の使用のための医薬組成物。
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