本発明は様々な形態で具現化することが可能であるが、いくつかの実施形態の以下の説明は、本開示が本発明の例示としてみなされるべきであり、本発明が、説明する特定の実施形態に限定されることを意図するものではないことを理解してなされる。見出しは、便宜的に提供されているにすぎず、本発明をいかようにも限定すると解釈されるべきではない。任意の見出しの下に示す実施形態は、他のいずれかの見出しの下に示す実施形態と組み合わされ得る。
本出願において特定される様々な定量値における数値の使用は、明示的な別段の規定がない限り、記載した範囲内の最小値及び最大値の両方の前に「約」という単語が付されているかのように近似値として記載する。このように、記載する値からのわずかな変動を使用して、記載する値と実質的に同じ結果を達成することができる。また、範囲の開示は、列挙する最小値と最大値との間のあらゆる値を含む連続的な範囲、及びかかる値によって形成され得る任意の範囲として意図される。また、本明細書で、列挙する数値を任意の他の列挙される数値に分割することによって形成され得るありとあらゆる比(及び任意のかかる比の範囲)も開示する。したがって、当業者は、多くのかかる比、範囲、及び比の範囲が、本明細書に提示する数値から明確に得ることができ、全ての場合において、かかる比、範囲、及び比の範囲が、本発明の様々な実施形態を表すことを理解するであろう。
別段の定義がない限り、本明細書で使用する全ての技術用語及び科学用語は、本開示が関係する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本開示の実施において、本明細書に記載する方法及び材料と類似又は同等の方法及び材料を使用することができるが、好適な方法及び材料を以下に記載する。本明細書に記載の全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、それらの全体が参照により明示的に組み込まれる。矛盾する場合は、定義を含む本明細書が優先される。更に、本明細書に記載の材料、方法、及び例は、例示にすぎず、限定することを意図するものではない。
定義
本明細書で使用する場合、「15-HEPE」は、15-ヒドロキシ-エイコサ-5Z,8Z,11Z,13E,17Z-ペンタエン酸である。15-HEPEは、15-OHEPAとも称され、当技術分野で既知の方法に従って、オメガ-3脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(「EPA」、エイコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン酸又は20:5n-3)から合成され得る。例えば、15-HEPEは、EPAを酵素15-リポキシゲナーゼに曝露することによって合成することができる。本明細書で使用する場合、「15-HEPE」という用語は、その遊離酸形態の15-HEPE(例えば、15-ヒドロキシ-エイコサ-5Z,8Z,11Z,13E,17Z-ペンタエン酸)及び/又はその薬学的に許容されるエステル、コンジュゲート若しくは塩、又は前述のいずれかの混合物を指す。代わりに、15-HEPEの誘導体を使用し得るが、これには、15-HEPEのヒドロキシ基を欠く任意の誘導体化合物は含まない。いくつかの実施形態では、15-HEPEは、遊離酸形態で使用される。あるいは、本開示において15-HEPEの薬学的に許容されるエステル又は塩が使用される。いくつかの実施形態では、15-HEPEは、メチルエステル、エチルエステル、又はメチルエステルとエチルエステルとの組み合わせなどC1~4アルキルエステルの形態である。更に別の実施形態では15-HEPEは、グリセリド(例えば、ジグリセリド又はトリグリセリド)の形態である。別の実施形態では、15-HEPEは、エチルエステルの形態である(本明細書では、E-15-HEPE、15-HEPEEE、又はエチル-15-HEPEとも称する)。
15-HEPEはキラル分子であり、(S)-若しくは(R)-エナンチオマー形態で、又はラセミ混合物として使用され得る。本明細書で使用する場合、「15-HEPE」は、立体特異性に関する制限なしに、全てのかかる形態を含む。別の実施形態では、15-HEPEは、(S)形態:15(S)-ヒドロキシ-(5Z,8Z,11Z,13E,17Z)-エイコサペンタエン酸又は(R)形態((R)from):15(R)-ヒドロキシ-(5Z,8Z,11Z,13E,17Z)-エイコサペンタエン酸を含む。更に別の実施形態では、15-HEPE EEは、(S)形態:15(S)-HEPE EEを含む。
本明細書で使用する場合、「DS102」は、15-HEPE、15-HEPE EE、15-HEPEを含む組成物、15-HEPE EEを含む組成物、又は15-HEPE及び15-HEPE EEを含む組成物を指す。
本明細書で使用する場合、「Epeleuton」は、15-HEPE、15-HEPE EE、15-HEPEを含む組成物、15-HEPE EEを含む組成物、又は15-HEPE及び15-HEPE EEを含む組成物を指す。
本明細書で使用する場合、疾患、障害、又は状態の「治療する(treating)」又は「治療(treatment)」は、少なくとも部分的に、(1)疾患(disease)、障害、又は疾患(condition)を阻害すること、すなわち、疾患(disease)、障害、又は疾患(condition)若しくはその臨床症状の進行を停止させるか、又は低減すること、又は(2)疾患(disease)、障害、又は疾患(condition)を緩和すること、すなわち、疾患(disease)、障害、又は疾患(condition)若しくはその臨床症状の退行を引き起こすことを含む。所与の疾患又は障害に関連する「予防」という用語は、何も起こっていない場合には疾患進行の開始を予防すること、障害若しくは疾患に罹患しやすい可能性があるが、まだ障害若しくは疾患を有すると診断されていない対象において疾患若しくは障害が起こるのを予防すること、及び/又は既に疾患若しくは障害がある場合、更なる疾患/障害の進行を予防することを意味する。
本明細書で使用する場合、「有効量」は、対象に治療効果を与えるために必要とされる活性組成物の量を指す。本明細書で使用する場合、「治療有効量」は、治療されている疾患(disease)、障害、又は疾患(condition)の症状のうちの1つ以上をある程度緩和する、投与されている薬剤又は化合物の十分な量を指す。いくつかの実施形態では、結果は、疾患の徴候、症状、若しくは原因の低減及び/若しくは緩和、又は生物学系の任意の他の所望の変化である。例えば、いくつかの実施形態では、治療的使用のための「有効量」は、過度の有害な副作用を伴わずに疾患症状の臨床的に顕著な低減を提供するために必要とされる本明細書に開示する化合物を含む組成物の量である。いくつかの実施形態では、任意の個々の場合における適切な「有効量」は、用量漸増研究など技術を使用して決定される。「治療有効量」という用語は、例えば、予防有効量を含む。他の実施形態では、式(A)又は式(I)の化合物などの本明細書に開示する化合物の「有効量」は、過度の有害な副作用を伴わずに所望の薬理学的効果又は治療的改善を達成するのに有効な量である。他の実施形態では、「効果量」又は「治療有効量」は、対象の代謝、年齢、体重、全身的疾患、治療を受けている疾患、治療を受けている疾患の重症度、及び処方医師の判断の変動により、対象ごとに変化することが理解される。本文脈における「薬学的に許容される」という用語は、問題の物質が、対象に対する許容できない毒性、又は組成物の他の成分との相互作用を産生しないことを意味する。
本開示の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
組成物
一実施形態では、本開示の組成物は、活性成分として15-HEPEを含む。本文脈における「薬学的に許容される」という用語は、問題の物質が、対象に対する許容できない毒性、又は組成物の他の成分との相互作用を産生しないことを意味する。
一実施形態では、15-HEPEは、エステルの形態である(本明細書では、E-15-HEPE、エチル-15-HEPE、又は15-HEPE EEと称する)。別の実施形態では、15-HEPEは15-HEPEのC1~C5アルキルエステルを含む。別の実施形態では、15-HEPEは、15-HEPEメチルエステル、15-HEPEプロピルエステル、又は15-HEPEブチルエステルを含む。更に別の実施形態では、15-HEPEは、光学活性15(S)-ヒドロキシ-(5Z,8Z,11Z,13E,17Z)-エイコサペンタエン酸を含む。この異性体は、上記の形態のいずれかで使用され得る。
別の実施形態では、15-HEPEは、リチウム15-HEPE、モノ、ジ-、若しくはトリグリセリド15-HEPE、又は15-HEPEの任意の他のエステル若しくは塩、又は15-HEPEの遊離酸形態を含む。
様々な実施形態では、本開示は、15-を含む医薬組成物、例えば、経口送達可能な組成物を提供する。一実施形態では、組成物は、治療有効量の15-HEPEを含む。一実施形態では、医薬組成物は、約0.1重量%~約99重量%、約1重量%~約95重量%、約5重量%~約90重量%の15-HEPEを含む。本明細書で提供されるように、「組成物」及び語句「医薬組成物」は、互換的に使用される。
一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、又は少なくとも約90重量%の15-HEPEを含む。一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、又は少なくとも約90重量%の15-HEPEを含む。
別の実施形態では、15-HEPEは、約1mg~約10,000mg、約25mg~約7500mg、約25mg~約5000mg、約50mg~約5000mg、約50mg~約3000mg、約75mg~約2500mg、又は約100mg~約1000mg、例えば、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg、約500mg、約525mg、約550mg、約575mg、約600mg、約625mg、約650mg、約675mg、約700mg、約725mg、約750mg、約775mg、約800mg、約825mg、約850mg、約875mg、約900mg、約925mg、約950mg、約975mg、約1000mg、約1025mg、約1050mg、約1075mg、約1100mg、約1025mg、約1050mg、約1075mg、約1200mg、約1225mg、約1250mg、約1275mg、約1300mg、約1325mg、約1350mg、約1375mg、約1400mg、約1425mg、約1450mg、約1475mg、約1500mg、約1525mg、約1550mg、約1575mg、約1600mg、約1625mg、約1650mg、約1675mg、約1700mg、約1725mg、約1750mg、約1775mg、約1800mg、約1825mg、約1850mg、約1875mg、約1900mg、約1925mg、約1950mg、約1975mg、約2000mg、約2025mg、約2050mg、約2075mg、約2100mg、約2125mg、約2150mg、約2175mg、約2200mg、約2225mg、約2250mg、約2275mg、約2300mg、約2325mg、約2350mg、約2375mg、約2400mg、約2425mg、約2450mg、約2475mg、約2500mg、2525mg、約2550mg、約2575mg、約2600mg、約2625mg、約2650mg、約2675mg、約2700mg、約2725mg、約2750mg、約2775mg、約2800mg、約2825mg、約2850mg、約2875mg、約2900mg、約2925mg、約2950mg、約2975mg、約3000mg、約3025mg、約3050mg、約3075mg、約3100mg、約3125mg、約3150mg、約3175mg、約3200mg、約3225mg、約3250mg、約3275mg、約3300mg、約3325mg、約3350mg、約3375mg、約3400mg、約3425mg、約3450mg、約3475mg、約3500mg、約3525mg、約3550mg、約3575mg、約3600mg、約3625mg、約3650mg、約3675mg、約3700mg、約3725mg、約3750mg、約3775mg、約3800mg、約3825mg、約3850mg、約3875mg、約3900mg、約3925mg、約3950mg、約3975mg、約4000mg、約4025mg、約4050mg、約4075mg、約4100mg、約4125mg、約4150mg、約4175mg、約4200mg、約4225mg、約4250mg、約4275mg、約4300mg、約4325mg、約4350mg、約4375mg、約4400mg、約4425mg、約4450mg、約4475mg、約4500mg、約4525mg、約4550mg、約4575mg、約4600mg、約4625mg、約4650mg、約4675mg、約4700mg、約4725mg、約4750mg、約4775mg、約4800mg、約4825mg、約4850mg、約4875mg、約4900mg、約4925mg、約4950mg、約4975mg、約5000mg、約5025mg、約5050mg、約5075mg、約5100mg、約5125mg、約5150mg、約5175mg、約5200mg、約5225mg、約5250mg、約5275mg、約5300mg、約5325mg、約5350mg、約5375mg、約5400mg、約5425mg、約5450mg、約5475mg、約5500mg、約5525mg、約5550mg、約5575mg、約5600mg、約5625mg、約5650mg、約5675mg、約5700mg、約5725mg、約5750mg、約5775mg、約5800mg、約5825mg、約5850mg、約5875mg、約5900mg、約5925mg、約5950mg、約5975mg、約6000mg、約6025mg、約6050mg、約6075mg、約6100mg、約6125mg、約6150mg、約6175mg、約6200mg、約6225mg、約6250mg、約6275mg、約6300mg、約6325mg、約6350mg、約6375mg、約6400mg、約6425mg、約6450mg、約6475mg、約6500mg、約6525mg、約6550mg、約6575mg、約6600mg、約6625mg、約6650mg、約6675mg、約6700mg、約6725mg、約6750mg、約6775mg、約6800mg、約6825mg、約6850mg、約6875mg、約6900mg、約6925mg、約6950mg、約6975mg、約7000mg、約7025mg、約7050mg、約7075mg、約7100mg、約7125mg、約7150mg、約7175mg、約7200mg、約7225mg、約7250mg、約7275mg、約7300mg、約7325mg、約7350mg、約7375mg、約7400mg、約7425mg、約7450mg、約7475mg、約7500mg、約7525mg、約7550mg、約7575mg、約7600mg、約7625mg、約7650mg、約7675mg、約7700mg、約7725mg、約7750mg、約7775mg、約7800mg、約7825mg、約7850mg、約7875mg、約7900mg、約7925mg、約7950mg、約7975mg、約8000mg、約8025mg、約8050mg、約8075mg、約8100mg、約8125mg、約8150mg、約8175mg、約8200mg、約8225mg、約8250mg、約8275mg、約8300mg、約8325mg、約8350mg、約8375mg、約8400mg、約8425mg、約8450mg、約8475mg、約8500mg、約8525mg、約8550mg、約8575mg、約8600mg、約8625mg、約8650mg、約8675mg、約8700mg、約8725mg、約8750mg、約8775mg、約8800mg、約8825mg、約8850mg、約8875mg、約8900mg、約8925mg、約8950mg、約8975mg、約9000mg、約9025mg、約9050mg、約9075mg、約9100mg、約9125mg、約9150mg、約9175mg、約9200mg、約9225mg、約9250mg、約9275mg、約9300mg、約9325mg、約9350mg、約9375mg、約9400mg、約9425mg、約9450mg、約9475mg、約9500mg、約9525mg、約9550mg、約9575mg、約9600mg、約9625mg、約9650mg、約9675mg、約9700mg、約9725mg、約9750mg、約9775mg、約9800mg、約9825mg、約9850mg、約9875mg、約9900mg、約9925mg、約9950mg、約9975mg、又は約10,000mgの量で本開示の組成物中に存在する。
一実施形態では、本開示の組成物中に存在する15-HEPEは、少なくとも約90重量%の15-HEPE(「15-HEPE」という用語は、本明細書で定義し、例示する)を含む。15-HEPE組成物は、更に高純度の15-HEPE、例えば、少なくとも約95重量%の15-HEPE、又は少なくとも約97重量%の15-HEPEを含み得、15-HEPEは、本明細書に記載の15-HEPEの任意の形態である。15-HEPEの純度は、本明細書で提供する15-HEPEの記載のいずれかによって、更に定義され得る(例えば、不純物プロファイル)。
上記は、医薬組成物中の15-HEPEの量及びそれらの純度を考察する。必須脂肪酸の性質及びそれらの合成は、15-HEPE組成物が、必須脂肪酸代謝カスケードにおいて他の必須脂肪酸からの部分を含み得るようなものである。
一実施形態では、本発明の組成物は、約10重量%以下、約9重量%以下、約8重量%以下、約7重量%以下、約6重量%以下、約5重量%以下、約4重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、約1重量%以下、又は約0.5重量%以下のαリノレン酸、ステアリドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)又はそれらの誘導体など他のオメガ3脂肪酸を含有する。他の実施形態では、かかる他のオメガ3脂肪酸は実質的に存在しないか、又は存在しない。
別の実施形態では、15-HEPEは、本開示の組成物中に存在する全ての脂肪酸の少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、少なくとも約98重量%、少なくとも約99重量%、又は100重量%に相当する。
一実施形態では、本発明の組成物中に存在する15-HEPEの塩形態は、少なくとも90重量%の15-HEPEの塩形態を含む。15-HEPEの塩形態を含有する組成物は、更に高純度の、例えば、少なくとも91重量%、少なくとも92重量%、少なくとも93重量%、少なくとも94重量%、少なくとも95重量%、少なくとも96重量%、又は少なくとも97重量%の15-HEPEの塩形態を含み得る。
15-HEPEの合成からのいくらかの残留エイコサペンタエン酸が存在する場合がある。約10重量%以下、約9重量%以下、約8重量%以下、約7重量%以下、約6重量%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、約1%以下、又は約0.5重量%以下のEPAが存在する場合がある。あるいは、ヒドロキシル形態に修飾されていない形態のEPAが実質的に存在しないか、又は存在しない。
一実施形態では、本開示は、カプセルシェルに封入された15-HEPE又はその誘導体を含む医薬組成物を提供する。一実施形態では、組成物は、1日当たり最大約1g、約2g、約3g、約4g、約5g、約6g、約7g、約8g、約9g、又は約10gの15-HEPEE又はその誘導体を提供するのに十分な量で対象に投与される。一実施形態では、組成物は、1日当たり約4g~約8g、約1g~約2g、約2g~約4g、約3g~約8g、約4g~約6gの15-HEPE又はその誘導体を提供するのに十分な量で対象に投与される。一実施形態では、約500mg~約1gの15-HEPE又はその誘導体がカプセルシェルに封入される。
一実施形態では、カプセルシェルは、ゼラチン(例えば、より低分子量を有するゼラチンRXL又は石灰骨ゼラチン)を含む。別の実施形態では、カプセルシェルは、ゼラチンパターンを切断し、その分子量を効果的に低減させるためにタンパク質分解酵素によって処理されたゼラチンRXLを含む。別の実施形態では、医薬組成物は、D-ソルビトール及び1,4-ソルビタンの15-HEPEエステルを含む。一実施形態では、カプセルシェルは、(a)ゼラチンと、(b)D-ソルビトール及び1,4-ソルビタンのうちの1つ以上から選択される可塑剤と、を含む。一実施形態では、ゼラチンは、米国特許第7,485,323号に記載されているようなゼラチンであり、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
一実施形態では、可塑剤は、約20%~約30%、例えば、約24%~約28%、24%、又は28%(乾燥ベースで)の量の1,4-ソルビタン、及び約30%~約50%、例えば、約35%~約45%(乾燥ベースで)のD-ソルビトール含有量を含む。
いくつかの実施形態では、カプセルは、硬質ゼラチンカプセルである。別の実施形態では、カプセルは、軟質ゼラチンカプセルである。
いくつかの実施形態では、カプセルシェルは、修飾デンプン、カラギーナン(例えば、紅藻の抽出物)、リン酸二ナトリウム、グリセロール、及び/又はソルビトールを含む。いくつかの実施形態では、カプセルシェルは、水を更に含む。いくつかの実施形態では、カプセルシェルは、約65℃の温度及び/又は約12のpHまで安定である。
いくつかの実施形態では、カプセルシェルは無臭であり、中性色(例えば、無色、白色、又は透明)を有する。
いくつかの実施形態では、カプセルシェルは、グリセロール、精製水、二酸化チタン、中鎖トリグリセリド、及びレシチンを更に含む。
追加の活性剤
一実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の追加の活性剤を更に含む。一実施形態では、医薬組成物は、当該活性剤の一般に認識されている治療有効量よりも少ない量の追加の活性剤を含む。一実施形態では、医薬組成物は、当該活性剤の一般に認識されている治療有効量以上の量の追加の活性剤を含む。追加の活性剤が使用される場合、15-HEPEは、単一の投与単位として同時に製剤化され得るか、又は協調投与、併用投与、若しくは同時投与のために2回~複数回の投与単位として製剤化され得る。
EPA自体は、脂肪肝疾患及び/又は心血管疾患の治療に有益な特性を有し、代替の実施形態では、15-HEPEをEPAと組み合わせることが可能である。
一実施形態では、15-HEPE及び1つ以上の活性剤は、本開示の組成物中に存在するか、又は約1:1000~約1000:1、約1:500~約500:1、約1:100~約100:1、約1:50~約50:1、約1:25~約25:1、約1:10~約10:1、約1:5~約5:1、約1:4~約4:1、約1:3~約3:1、約1:2~約2:1、又は約1:1の15-HEPE:追加の活性剤の重量比で同時投与される。
剤形
本開示に従って使用するための組成物は、1つ以上の投与単位として製剤化され得る。本明細書における「用量単位」及び「投与単位」という用語は、治療効果を提供するための単回投与に適した量の治療薬を含有する組成物の一部分を指す。かかる投与単位は、1日当たり1回~複数回(例えば、1~約10回、1~8回、1~6回、1~4回、又は1~2回)、又は治療応答を誘発するために必要な回数を投与され得る。
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、経口送達可能な剤形又は投与単位の形態である。好適な剤形の非限定的な例としては、錠剤(例えば、懸濁錠剤、咬合懸濁錠剤、急速分散錠剤、チュアブル錠など)、カプレット、カプセル(例えば、軟質若しくは硬質ゼラチンカプセル、又はHPMCカプセル)、ロゼンジ、サシェ、カシェ、トローチ、ペレット、懸濁液、エリキシル、シロップ、又は経口投与に合理的に適合した任意の他の固形剤形が挙げられる。本明細書における「経口送達」及び「経口投与」という用語は、飲み込まれたか否かにかかわらず、薬剤又は組成物が治療中の対象の口内に配置される任意の形態の送達を含む。したがって、これは、口腔投与及び舌下投与、並びに食道投与を含む。
あるいは、本開示の組成物はまた、直腸、局所、又は非経口(例えば、皮下、筋肉内、静脈内及び皮内又は注入)送達のために製剤化され得る。
本開示の組成物中の15-HEPEの量を考察する際に、これはいくつかの剤形に分割され得る。経口投与のためのサイズには制限がある。対象が1日約1~約4gの15-HEPEを投与される場合、これは最大4個のカプセルであり得、それぞれ約1gの15-HEPEを提供する。
本開示の組成物は、直接吸収される液体剤形若しくは用量単位の形態であり得るか、又は摂取前に食品若しくは飲料と混合され得る。適切な液体剤形の非限定的な例としては、溶液、懸濁液、エリキシル、シロップ、液体エアロゾル製剤などが挙げられる。
別の実施形態では、本開示の組成物は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む。本明細書における「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、それ自体は治療薬ではなく、治療薬を対象に送達するための担体若しくはビヒクルとして使用されるか、又はその取り扱い若しくは貯蔵特性を改善するために組成物に添加されるか、又は組成物の単位用量の形成を可能に若しくは促進するために組成物に添加され、かつ許容できない毒性又は組成物中の他の成分との相互作用を産生しない、任意の物質を意味する。単なる例として、本開示による医薬組成物は、抗酸化剤、界面活性剤、防腐剤、香味剤、共溶媒、粘度補助剤、懸濁補助剤、及び親油性相のうちの1つ以上を含み得る。
一実施形態では、医薬組成物は、アスコルビン酸、パルミチン酸、パルミチン酸アスコルビル、α-トコフェロール、イデベノン、ユビキノン、フェルラ酸、補酵素Q10、リコペン、緑茶、カテキン、エピガロカテキン3-ガレート(EGCG)、緑茶ポリフェノール(GTP)、シリマリン、コーヒーベリー、レスベラトロール、ブドウ種子、ザクロ抽出物、ゲニステン、ピクノジェノール、ナイアシンアミドなど1つ以上の抗酸化剤を含む。一実施形態では、医薬組成物は、約0.01重量%~約2重量%の抗酸化剤、例えば、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.11重量%、約0.12重量%、約0.13重量%、約0.14重量%、約0.15重量%、約0.16重量%、約0.17重量%、約0.18重量%、約0.19重量%、約0.2重量%、約0.21重量%、約0.22重量%、約0.23重量%、約0.24重量%、約0.25重量%、約0.26重量%、約0.27重量%、約0.28重量%、約0.29重量%、約0.3重量%、約0.31重量%、約0.32重量%、約0.33重量%、約0.34重量%、約0.35重量%、約0.36重量%、約0.37重量%、約0.38重量%、約0.39重量%、約0.4重量%、約0.41重量%、約0.42重量%、約0.43重量%、約0.44重量%、約0.45重量%、約0.46重量%、約0.47重量%、約0.48重量%、約0.49重量%、約0.5重量%、約0.51重量%、約0.52重量%、約0.53重量%、約0.54重量%、約0.55重量%、約0.56重量%、約0.57重量%、約0.58重量%、約0.59重量%、約0.6重量%、約0.61重量%、約0.62重量%、約0.63重量%、約0.64重量%、約0.65重量%、約0.66重量%、約0.67重量%、約0.68重量%、約0.69重量%、約0.7重量%、約0.71重量%、約0.72重量%、約0.73重量%、約0.74重量%、約0.75重量%、約0.76重量%、約0.77重量%、約0.78重量%、約0.79重量%、約0.8重量%、約0.81重量%、約0.82重量%、約0.83重量%、約0.84重量%、約0.85重量%、約0.86重量%、約0.87重量%、約0.88重量%、約0.89重量%、約0.9重量%、約0.91重量%、約0.92重量%、約0.93重量%、約0.94重量%、約0.95重量%、約0.96重量%、約0.97重量%、約0.98重量%、約0.99重量%、約1重量%、約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、約1.5重量%、約1.6重量%、約1.7重量%、約1.8重量%、約1.9重量%、又は約2重量%の1つ以上の抗酸化剤を含む。
治療方法
本明細書に開示する組成物及び製剤は、血液障害の治療及び/又は予防を必要とする対象における血液障害の治療及び/又は予防に使用され得る。いくつかの実施形態では、血液障害は、ヘモグロビン異常、赤血球障害、溶血性貧血、血栓形成傾向障害、静脈血栓塞栓症、動脈血栓症、塞栓症、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、方法は、対象に15-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(15-HEPE)又は15-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(15-HEPE)を含む組成物を投与することを含む。
本明細書に開示する組成物及び製剤は、血液障害、ヘモグロビン異常、及び/又は赤血球障害の治療及び/又は予防に使用され得る。血液障害は、血液及び血液形成器官に影響を及ぼす疾患の一分類を指す。ヘモグロビン異常及び赤血球障害は血液障害に類似しているが、ヘモグロビン異常及び赤血球障害の両方は、疾患のより狭い分類を定義する。具体的には、ヘモグロビン異常は、ヘモグロビン、赤血球中の酸素輸送タンパク質の欠陥を指す。赤血球障害は、赤血球自体の欠陥を指す。血液障害、ヘモグロビン異常、及び赤血球障害のリスク因子の非限定的な例としては、赤血球数の低下、赤血球分布幅の増加、及び網状赤血球数の増加が挙げられる。血液障害、ヘモグロビン異常、及び赤血球障害の非限定的な例としては、貧血(栄養性貧血及び非栄養性貧血、鎌状赤血球症、鎌状赤血球貧血、β-サラセミア、及び遺伝性球状赤血球症など遺伝性溶血性貧血、感染症、薬物治療、血液悪性腫瘍、自己免疫疾患、脾機能亢進症、機械弁、及び輸血などに続発する後天性溶血性貧血、ファンコニ貧血、鉄欠乏性貧血)、血液がん(リンパ腫、白血病、及び骨髄腫)、凝固障害(血栓形成傾向、血友病、フォン・ヴィレブランド病、及び血小板減少症)、葉酸欠乏症、B12欠乏症、及び骨髄異形成症候群が挙げられる。いくつかの実施形態では、鎌状赤血球症及び鎌状赤血球貧血は、鎌状赤血球クリーゼ、血管閉塞性クリーゼ、及び/又は脾臓血球貯留に関連する。
いくつかの実施形態では、対象は、標準を少なくとも10%下回る、標準を少なくとも15%下回る、標準を少なくとも20%未満下回る、標準を少なくとも25%未満下回る、又は標準を少なくとも30%下回る赤血球数を有する。
いくつかの実施形態では、対象は、増加した赤血球分布幅を有し、赤血球のサイズが約15~20%、約20~25%、約25~30%、約30~35%、又は約35~40%変動する。
別の実施形態では、対象は、赤血球の総量の少なくとも約5%、赤血球の総量の少なくとも約10%、赤血球の総量の少なくとも約15%、又は赤血球の総量の少なくとも約20%の増加した網状赤血球数を有する。
いくつかの実施形態では、対象は、約135mg/dL~約2000mg/dL、例えば、約135mg/dL~約500mg/dL、約150mg/dL~約500mg/dL、約200mg/dL~約499mg/dL、約200mg/dL~<500mg/dL、約300mg/dL~約1800mg/dL、約500mg/dL~約1500mg/dL、約500mg/dL~約<2000mg/dL、又は約500mg/dL~約2000mg/dLの上昇したベースラインのトリグリセリドレベルを有する。いくつかの実施形態では、対象は、約50mg/dL~約2000mg/dL、例えば、約50mg/dL~約1500mg/dL、約80mg/dL~約1500mg/dL、約50mg/dL~約190mg/dL、約80mg/dL~約190mg/dL、約190mg/dL~約250mg/dL、約250mg/dL~約1400mg/dL、約500mg/dL~約1200mg/dL、約500mg/dL~約1500mg/dL、約500mg/dL~約<2000mg/dL、又は約500mg/dL~約2000mg/dLの空腹時のベースラインのトリグリセリドレベルを有する。一実施形態では、対象は、約80mg/dL~約1400mg/dLの空腹時のベースラインのトリグリセリドレベルを有する。いくつかの実施形態では、対象又は対象群は、約50mg/dL、約55mg/dL、約60mg/dL、約65mg/dL、約70mg/dL、約75mg/dL、約80mg/dL、約85mg/dL、約90mg/dL、約95mg/dL、約100mg/dL、約105mg/dL、約110mg/dL、約115mg/dL、約120mg/dL、約125mg/dL、約130mg/dL、約135mg/dL、約140mg/dL、約145mg/dL、約150mg/dL、約155mg/dL、約160mg/dL、約165mg/dL、約170mg/dL、約175mg/dL、約180mg/dL、約185mg/dL、約190mg/dL、約195mg/dL、約200mg/dL、約205mg/dL、約210mg/dL、約215mg/dL、約220mg/dL、約225mg/dL、約230mg/dL、約235mg/dL、約240mg/dL、約245mg/dL、約250mg/dL、約255mg/dL、約260mg/dL、約265mg/dL、約270mg/dL、約275mg/dL、約280mg/dL、約285mg/dL、約290mg/dL、約295mg/dL、約300mg/dL、約305mg/dL、約310mg/dL、約315mg/dL、約320mg/dL、約325mg/dL、約330mg/dL、約335mg/dL、約340mg/dL、約345mg/dL、約350mg/dL、約355mg/dL、約360mg/dL、約365mg/dL、約370mg/dL、約375mg/dL、約380mg/dL、約385mg/dL、約390mg/dL、約395mg/dL、約400mg/dL、約405mg/dL、約410mg/dL、約415mg/dL、約420mg/dL、約425mg/dL、約430mg/dL、約435mg/dL、約440mg/dL、約445mg/dL、約450mg/dL、約455mg/dL、約460mg/dL、約465mg/dL、約470mg/dL、約475mg/dL、約480mg/dL、約485mg/dL、約490mg/dL、約495mg/dL、約500mg/dL、約1000mg/dL、約1100mg/dL、約1200mg/dL、約1300mg/dL、約1400mg/dL、約1500mg/dL、約2000mg/dL、約2500mg/dL、約3000mg/dL、約3500mg/dL、約4000mg/dL、約4500mg/dL、約5000mg/dL、又は約5000mg/dL超の摂食時又は空腹時のベースラインのトリグリセリドレベル(又は対象群の場合はベースラインのトリグリセリドレベルの中央値)を有する。いくつかの実施形態では、対象又は対象群は、80mg/dL以上、約100mg/dL以上、約120mg/dL以上、約150mg/dL以上、約175mg/dL以上、約250mg/dL以上、約500mg/dL以上、例えば、約190mg/dL~約250mg/dL、約80mg/dL~約190mg/dL、約250mg/dL~約1400mg/dL、約200mg/dL~約500mg/dL、約300mg/dL~約1800mg/dL、約500mg/dL~約1500mg/dL、約80mg/dL~約1500mg/dL、約80mg/dL~約2000mg/dL未満、約80mg/dL~約2000mg/dL、約500mg/dL~約2000mg/dL未満、又は約500mg/dL~約2000mg/dLの摂食時又は空腹時のベースラインのトリグリセリドレベル(又は対象群の場合はベースラインのトリグリセリドレベルの中央値)を有する。
別の実施形態では、対象は、少なくとも約100mmHg、少なくとも約115mmHg、少なくとも約120mmHg、少なくとも約125mmHg、少なくとも約130mmHg、少なくとも約135mmHg、少なくとも約140mmHg、少なくとも約145mmHg、少なくとも約150mmHg、少なくとも約155mmHg、少なくとも約160mmHg、少なくとも約165mmHg、又は少なくとも約170mmHgの上昇したベースラインの血圧を有する。
いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも約100mg/dL、少なくとも約115mg/dL、少なくとも約120mg/dL、少なくとも約125mg/dL、少なくとも約130mg/dL、少なくとも約135mg/dL、少なくとも約140mg/dL、少なくとも約145mg/dL、少なくとも約150mg/dL、少なくとも約155mg/dL、少なくとも約160mg/dL、少なくとも約165mg/dL、又は少なくとも約170mg/dLの上昇したベースラインの空腹時血糖値を有する。
いくつかの実施形態では、対象は、約60mg/dL未満、約55mg/dL未満、約50mg/dL未満、約45mg/dL未満、約40mg/dL未満、約35mg/dL未満、約30mg/dL未満、約25mg/dL未満、約20mg/dL未満、約15mg/dL未満、約10mg/dL未満、約5mg/dL未満の低減したベースラインのHDL-Cレベルを有する。
いくつかの態様では、本開示は、対象において血液疾患を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-HEPEを対象に投与することを含む。別の実施形態では、方法は、最大約8gの15-HEPEを対象に投与することを含む。更に別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
いくつかの態様では、本開示は、対象において血液疾患を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、方法は、最大約8gの15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。更に別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
いくつかの実施形態では、本開示は、血液障害の治療及び/又は予防を必要とする対象において血液障害を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(15-HEPE)又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
いくつかの態様では、本開示は、対象において血液疾患を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物の投与前に、対象が血液疾患の少なくとも1つのリスク因子を有すると判定すること、を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、15-HEPEの投与前に、対象のベースラインの赤血球数、赤血球分布幅、及び/又は網状赤血球数を測定することを更に含む。一実施形態では、対象は、赤血球数の増加、赤血球分布幅の低下、及び/又は網状赤血球数の低下を示す。別の実施形態では、方法は、最大約8gの15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。更に別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
いくつかの実施形態では、本開示は、血液障害の治療及び/又は予防を必要とする対象において血液障害を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(15-HEPE)又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物の投与前に、対象が血液疾患の少なくとも1つのリスク因子を有すると判定すること、を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、15-HEPEの投与前に、対象のベースラインの赤血球数、赤血球分布幅、及び/又は網状赤血球数を測定することを更に含む。一実施形態では、対象は、赤血球数の増加、赤血球分布幅の低下、及び/又は網状赤血球数の低下を示す。別の実施形態では、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
いくつかの実施形態では、本開示は、ヘモグロビン異常の治療及び/又は予防を必要とする対象においてヘモグロビン異常を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(15-HEPE)又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
いくつかの実施形態では、本開示は、ヘモグロビン異常の治療及び/又は予防を必要とする対象においてヘモグロビン異常を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(15-HEPE)又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物の投与前に、対象がヘモグロビン異常の少なくとも1つのリスク因子を有すると判定すること、を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、15-HEPEの投与前に、対象のベースラインの赤血球数、赤血球分布幅、及び/又は網状赤血球数を測定することを更に含む。一実施形態では、対象は、赤血球数の増加、赤血球分布幅の低下、及び/又は網状赤血球数の低下を示す。別の実施形態では、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
いくつかの実施形態では、本開示は、赤血球障害の治療及び/又は予防を必要とする対象において赤血球障害を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
いくつかの実施形態では、本開示は、赤血球障害の治療及び/又は予防を必要とする対象において赤血球障害を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物の投与前に、対象が赤血球障害の少なくとも1つのリスク因子を有すると判定すること、を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、15-HEPEの投与前に、対象のベースラインの赤血球数、赤血球分布幅、及び/又は網状赤血球数を測定することを更に含む。一実施形態では、対象は、赤血球数の増加、赤血球分布幅の低下、及び/又は網状赤血球数の低下を示す。別の実施形態では、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
いくつかの実施形態では、本開示は、血液障害、ヘモグロビン異常、及び/又は血液赤血球障害の治療及び/又は予防を必要とする対象において血液障害、ヘモグロビン異常、及び/又は血液赤血球障害を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
いくつかの実施形態では、本開示は、血液障害、ヘモグロビン異常、及び/又は血液赤血球障害の治療及び/又は予防を必要とする対象において血液障害、ヘモグロビン異常、及び/又は血液赤血球障害を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物の投与前に、対象が血液障害、ヘモグロビン異常、及び/又は血液赤血球障害の少なくとも1つのリスク因子を有すると判定すること、を更に含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリスク因子は、赤血球数の低下、赤血球分布幅の増加、及び/又は網状赤血球数の増加である。いくつかの実施形態では、対象は、赤血球数の増加、赤血球分布幅の低下、及び/又は網状赤血球数の低下のうちの1つ以上を示す。
いくつかの実施形態では、本開示は、血液障害、ヘモグロビン異常、及び/又は血液赤血球障害の治療及び/又は予防を必要とする対象において血液障害、ヘモグロビン異常、及び/又は血液赤血球障害を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。別の実施形態では、血液障害、ヘモグロビン異常及び/又は赤血球障害は、遺伝性溶血性貧血、後天性溶血性貧血、ファンコニ貧血、鉄欠乏性貧血、葉酸欠乏症、B12欠乏症、及び骨髄異形成症候群からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物の投与前に、対象が遺伝性溶血性貧血、後天性溶血性貧血、ファンコニ貧血、鉄欠乏性貧血、葉酸欠乏、B12欠乏症、及び/又は骨髄異形成症候群の少なくとも1つのリスク因子を有すると判定することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、15-HEPEの投与前に、対象のベースラインの赤血球数、赤血球分布幅、及び/又は網状赤血球数を測定することを更に含む。一実施形態では、対象は、赤血球数の増加、赤血球分布幅の低下、及び/又は網状赤血球数の低下を示す。
いくつかの実施形態では、本開示は、溶血性貧血の治療及び/又は予防を必要とする対象において溶血性貧血を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
いくつかの実施形態では、本開示は、溶血性貧血の治療及び/又は予防を必要とする対象において溶血性貧血を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物の投与前に、対象が溶血性貧血の少なくとも1つのリスク因子を有すると判定すること、を更に含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリスク因子は、赤血球数の低下、赤血球分布幅の増加、及び/又は網状赤血球数の増加である。いくつかの実施形態では、対象は、赤血球数の増加、赤血球分布幅の低下、及び/又は網状赤血球数の低下のうちの1つ以上を示す。
いくつかの実施形態では、本開示は、溶血性貧血の治療及び/又は予防を必要とする対象において溶血性貧血を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。いくつかの実施形態では、溶血性貧血は、遺伝性溶血性貧血又は後天性溶血性貧血である。別の実施形態では、遺伝性溶血性貧血は、鎌状赤血球症、鎌状赤血球貧血、β-サラセミア、及び遺伝性球状赤血球症からなる群から選択される。更に別の実施形態では、後天性溶血性貧血は、感染症、薬物治療、血液悪性腫瘍、自己免疫疾患、脾機能亢進症、機械弁、及び輸血に続発するものからなる群から選択される。様々な実施形態では、鎌状赤血球症及び鎌状赤血球貧血は、鎌状赤血球クリーゼ、血管閉塞性クリーゼ、及び/又は脾臓血球貯留に関連する。いくつかの実施形態では、対象は、投与後に赤血球数の増加、赤血球分布幅の低下、及び網状赤血球数の低下を示す。
いくつかの実施形態では、本開示は、溶血性貧血の治療及び/又は予防を必要とする対象において溶血性貧血を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。いくつかの実施形態では、溶血性貧血は、遺伝性溶血性貧血又は後天性溶血性貧血である。別の実施形態では、遺伝性溶血性貧血は、鎌状赤血球症、鎌状赤血球貧血、β-サラセミア、及び遺伝性球状赤血球症からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物の投与前に、対象が遺伝性溶血性貧血又は後天性溶血性貧血の少なくとも1つのリスク因子を有すると判定すること、を更に含む。更に別の実施形態では、後天性溶血性貧血は、感染症、薬物治療、血液悪性腫瘍、自己免疫疾患、脾機能亢進症、機械弁、及び輸血に続発するものからなる群から選択される。様々な実施形態では、鎌状赤血球症及び鎌状赤血球貧血は、鎌状赤血球クリーゼ、血管閉塞性クリーゼ、及び/又は脾臓血球貯留に関連する。いくつかの実施形態では、方法は、15-HEPEの投与前に、対象のベースラインの赤血球数、赤血球分布幅、及び/又は網状赤血球数を測定することを更に含む。一実施形態では、対象は、赤血球数の増加、赤血球分布幅の低下、及び/又は網状赤血球数の低下を示す。
本明細書に開示する組成物及び製剤は、血栓形成傾向障害の治療及び/又は予防に更に使用され得る。血栓形成傾向障害は、血栓症のリスクを増加させる異常な血液凝固を特徴とする疾患の一分類を指す。血栓形成傾向障害のリスク因子の非限定的な例としては、プロトロンビン時間の低減、活性化部分トロンボプラスチン時間の低減、及びフィブリノゲン濃度の増加が挙げられる。
いくつかの実施形態では、対象は、標準を少なくとも10%下回る、標準を少なくとも15%下回る、標準を少なくとも20%未満下回る、標準を少なくとも25%未満下回る、又は標準を少なくとも30%下回る、低減したプロトロンビン時間を有する。
いくつかの実施形態では、対象は、標準を少なくとも10%下回る、標準を少なくとも15%下回る、標準を少なくとも20%未満下回る、標準を少なくとも25%未満下回る、又は標準を少なくとも30%下回る、低減した活性化部分トロンボプラスチン時間を有する。
いくつかの実施形態では、対象は、標準を少なくとも10%下回る、標準を少なくとも15%下回る、標準を少なくとも20%未満下回る、標準を少なくとも25%未満下回る、又は標準を少なくとも30%下回る、増加したフィブリノゲン濃度を有する。
いくつかの実施形態では、本開示は、血栓形成傾向障害の治療及び/又は予防を必要とする対象において血栓形成傾向障害を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(15-HEPE)又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
いくつかの実施形態では、本開示は、血栓形成傾向障害の治療及び/又は予防を必要とする対象において血栓形成傾向障害を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物の投与前に、対象が血栓形成傾向障害の少なくとも1つのリスク因子を有すると判定すること、を更に含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリスク因子は、プロトロンビン時間の低減、活性化部分トロンボプラスチン時間の低減、及び/又はフィブリノゲン濃度の増加である。いくつかの実施形態では、対象は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物の投与後に、プロトロンビン時間の延長、活性化部分トロンボプラスチン時間の延長、及び/又はフィブリノゲン濃度の低下のうちの1つ以上を示す。
いくつかの実施形態では、本開示は、静脈血栓塞栓症の治療及び/又は予防を必要とする対象において静脈血栓塞栓症を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(15-HEPE)又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
いくつかの実施形態では、本開示は、静脈血栓塞栓症の治療及び/又は予防を必要とする対象において静脈血栓塞栓症を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物の投与前に、対象が静脈血栓塞栓症の少なくとも1つのリスク因子を有すると決定することを更に含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリスク因子は、プロトロンビン時間の低減、活性化部分トロンボプラスチン時間の低減、及び/又はフィブリノゲン濃度の増加である。いくつかの実施形態では、対象は、プロトロンビン時間の延長、活性化部分トロンボプラスチン時間の延長、及び/又はフィブリノゲン濃度の低下のうちの1つ以上を示す。
いくつかの実施形態では、本開示は、動脈血栓症の治療及び/又は予防を必要とする対象において動脈血栓症を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(15-HEPE)又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
いくつかの実施形態では、本開示は、動脈血栓症の治療及び/又は予防を必要とする対象において動脈血栓症を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物の投与前に、対象が動脈血栓症の少なくとも1つのリスク因子を有すると判定すること、を更に含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリスク因子は、プロトロンビン時間の低減、活性化部分トロンボプラスチン時間の低減、及び/又はフィブリノゲン濃度の増加である。いくつかの実施形態では、対象は、プロトロンビン時間の延長、活性化部分トロンボプラスチン時間の延長、及び/又はフィブリノゲン濃度の低下のうちの1つ以上を示す。
いくつかの実施形態では、本開示は、塞栓症の予防を必要とする対象において塞栓症を予防する方法を提供し、方法は、15-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(15-HEPE)又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
いくつかの実施形態では、本開示は、塞栓症の予防を必要とする対象において塞栓症を予防する方法を提供し、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物の投与前に、対象が、少なくとも1つの塞栓症を発症するリスク因子を有すると判定すること、を更に含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリスク因子は、プロトロンビン時間の低減、活性化部分トロンボプラスチン時間の低減、及び/又はフィブリノゲン濃度の増加である。いくつかの実施形態では、対象は、プロトロンビン時間の延長、活性化部分トロンボプラスチン時間の延長、及び/又はフィブリノゲン濃度の低下のうちの1つ以上を示す。
いくつかの態様では、本開示は、対象において内皮機能不全を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-HEPEを対象に投与することを含む。別の実施形態では、方法は、最大約8gの15-HEPEを対象に投与することを含む。更に別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
いくつかの態様では、本開示は、対象におい内皮機能不全を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。別の実施形態では、方法は、最大約8gの15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。更に別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
いくつかの態様では、本開示は、細胞ストレスアポトーシスを治療する、予防する、及び/又は低減させる方法を提供し、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、Bcl-2ファミリー由来のタンパク質、カスパーゼの活性化フラグメント、及び/又は切断されたPARP-1などアポトーシスに関連するマーカーの低減を示す。
いくつかの実施形態では、本開示は、炎症を治療する、予防する、及び/又は低減させる方法を提供し、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、T細胞の活性化、B細胞の活性化、及び/又は走化性の低減を示す。
本明細書に開示する組成物及び製剤は、心血管疾患又は心血管障害の治療又は予防に使用され得る。一実施形態では、心血管疾患又は心血管障害は、脂質異常症、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、原発性高コレステロール血症、原発性高脂血症、一般的な原発性高脂血症、一般的な高コレステロール血症、家族性高脂血症、家族性原発性高脂血症、家族性高コレステロール血症、家族性高トリグリセリド血症、家族性複合高脂血症、家族性欠陥アポリポタンパク質b-100、二次性高脂血症、混合型高脂血症、心血管疾患、残存心血管リスク、アテローム性動脈硬化プラークの形成/進行の予防、微小血管疾患、大血管疾患、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈性アテローム性動脈硬化症、拡張機能障害、心血管リスクの低減、主要な冠状動脈事象の予防、主要な有害な心血管系事象の予防、虚血性事象の予防、心血管系事象の二次/一次予防、心血管系死の予防、心筋梗塞、脳卒中、アンギナ、正常な内皮機能の回復、糖尿病、真性糖尿病、インスリン抵抗性、高インスリン血症、高血糖症、血糖異常、血糖制御の誘導、耐糖能異常、及び空腹時血糖異常から選択される。微小血管疾患の非限定的な例として、網膜症、腎症、及び神経障害が挙げられる。大血管疾患の非限定的な例として、脳卒中、末梢血管疾患、肢虚血、及び心臓病が挙げられる。いくつかの実施形態では、対象は、非アルコール性肝疾患、胆汁うっ滞性肝疾患、腎臓病、又はメタボリックシンドロームを有する。心血管疾患の前述の例のうちのいずれも、心血管代謝性疾患の非限定的な例を指し得る。
いくつかの態様では、本開示は、対象において心血管疾患を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-HEPEを対象に投与することを含む。
いくつかの態様では、本開示は、対象において心血管疾患を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。
別の実施形態では、本開示は、糖尿病(例えば、I型又はII型)を有する対象において血液障害を予防する方法を提供し、方法は、15-HEPEを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、15-HEPEの投与前に、対象が糖尿病を有すると判定することを更に含む。別の実施形態では、本方法は、対象の体重当たり約10mg(mg/kg)、約50mg/kg、約250mg/kg、又は約500mg/kgの15-HEPEを対象に投与することを含む。更に別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
別の実施形態では、本開示は、糖尿病(例えば、I型又はII型)を有する対象において血液障害を予防する方法を提供し、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物の投与前に、対象が糖尿病を有すると判定することを更に含む。別の実施形態では、本方法は、対象の体重当たり約10mg(mg/kg)、約50mg/kg、約250mg/kg、又は約500mg/kgの15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。更に別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
別の態様では、本開示は、心血管疾患を有する対象において血液障害を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-HEPEを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、15-HEPEの投与前に、対象が心血管を有すると判定することを更に含む。別の実施形態では、本方法は、対象の体重当たり約10mg(mg/kg)、約50mg/kg、約250mg/kg、又は約500mg/kgの15-HEPEを対象に投与することを含む。更に別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
別の態様では、本開示は、心血管疾患を有する対象において血液障害を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物の投与前に、対象が心血管を有すると判定することを更に含む。別の実施形態では、本方法は、対象の体重当たり約10mg(mg/kg)、約50mg/kg、約250mg/kg、又は約500mg/kgの15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。更に別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
別の態様では、本開示は、高血圧を有する対象において血液障害を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-HEPEを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、15-HEPEの投与前に、対象が高血圧を有すると判定することを更に含む。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも約130mmHg、少なくとも約135mmHg、少なくとも約140mmHg、少なくとも約145mmHg、少なくとも約150mmHg、少なくとも約155mmHg、少なくとも約160mmHg、少なくとも約165mmHg、又は少なくとも約170mmHgの高血圧を有する。別の実施形態では、方法は、約10mg、約50mg/kg、約250mg/kg、又は約500mg/kgの15-HEPEを対象に投与することを含む。更に別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
別の態様では、本開示は、高血圧を有する対象において血液障害を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物の投与前に、対象が高血圧を有すると判定することを更に含む。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも約130mmHg、少なくとも約135mmHg、少なくとも約140mmHg、少なくとも約145mmHg、少なくとも約150mmHg、少なくとも約155mmHg、少なくとも約160mmHg、少なくとも約165mmHg、又は少なくとも約170mmHgの高血圧を有する。別の実施形態では、方法は、約10mg、約50mg/kg、約250mg/kg、又は約500mg/kgの15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。更に別の実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。
本明細書に開示する組成物及び製剤はまた、心血管疾患、及び/又は血液疾患を有する対象におけるサイトカイン及び/又はケモカインを低減するために使用され得る。非限定的なサイトカイン及び/又はケモカインとしては、α-平滑筋作用(α-SMA)、メタロペプチダーゼ阻害剤-1(TIMP-1)、トランスフォーミング増殖因子ベータ-β(TGF-β)、及び1型コラーゲンが挙げられる。
別の実施形態では、本発明の組成物で治療すると、対象又は対象群は、以下の転帰のうちの1つ以上を示す。
(a)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、血清アミノトランスフェラーゼ(ALT)及び/又はアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)のレベルの増加なし、又は低減、
(b)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、ビリルビン(BUN)レベルの増加なし、又は低減、
(c)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、線維症領域の増加なし、又は低減、
(d)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、空腹時血糖値の増加なし、又は低減、
(e)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、インスリンレベルの増加なし、又は低減、
(f)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、アルカリ性リン酸塩(ALP)レベルの増加なし、又は低減、
(g)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、ヘモグロビンA1C(HbA1C)レベルの増加なし、又は低減、
(h)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、インスリン抵抗性の恒常性モデル評価(HOMA-IR)の増加なし、又は低減、
(i)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、脂肪組織のインスリン抵抗性(adipo-IR)レベルの増加なし、又は低減、
(j)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、総コレステロールレベルの増加なし、又は低減、
(k)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、トリグリセリドレベルの増加なし、又は低減、
(l)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、ジグリセリドレベルの増加なし、又は低減、
(m)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、超低密度リポタンパク質コレステロール(VLDL-C)レベルの増加なし、又は低減、
(n)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、レムナント様粒子コレステロール(RLP-C)レベルの増加なし、又は低減、
(o)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、非高密度リポタンパク質コレステロール(非HDL-C)レベルの増加なし、又は低減、
(p)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)レベルの低減なし、又は増加、
(q)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)レベルの増加なし、又は低減、
(r)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、腎臓ヒドロキシプロリンレベルの増加なし、又は低減、
(s)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、インターロイキン-33(IL-33)レベルの増加なし、又は低減、
(t)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、インターロイキン-17(IL-17)レベルの増加なし、又は低減、
(u)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、アリール炭化水素受容体(AhR)のレベルの増加なし、又は低減、
(v)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、TNF様リガンド1A(TL1A)レベルの増加なし、又は低減、
(w)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、腫瘍壊死因子(TNF-α)レベルの増加なし、又は低減、
(x)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、インターロイキン-13(IL-13)レベルの増加なし、又は低減、
(y)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、インターロイキン-6(IL-6)レベルの増加なし、又は低減、
(z)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、インターロイキン1ベータ-β(IL-1β)レベルの増加なし、又は低減、
(aa)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、1型コラーゲンレベルの増加なし、又は低減、
(bb)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)レベルの増加なし、又は低減、
(cc)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、α-平滑筋作用(α-SMA)レベルの増加なし、又は低減、
(dd)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー11A(TNRSF11A)レベルの増加なし、又は低減、
(ee)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、セリンプロテアーゼ2(PRSS2)レベルの増加なし、又は低減、
(ff)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、アミンオキシダーゼ、銅含有3(AOC3)レベルの増加なし、又は低減、
(gg)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、白血球免疫グロブリン様受容体B1(LILBR1)レベルの増加なし、又は低減、
(hh)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、トランスフェリン受容体タンパク質1(TR)レベルの増加なし、又は低減、
(ii)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、エラフィン(PI3)レベルの増加なし、又は低減、
(jj)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、血清アミロイドA4(SAA4)レベルの増加なし、又は低減、
(kk)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、単球走化性タンパク質-1(MCP-1)レベルの増加なし、又は低減、
(ll)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド16(CCL16)レベルの増加なし、又は低減、
(mm)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、trem様転写物2(TLT2)レベルの増加なし、又は低減、
(nn)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP4)レベルの増加なし、又は低減、並びに
(oo)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、メタロプロテイナーゼ阻害剤-1(TIMP-1)レベルの増加なし、又は低減、
(pp)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤-1(PAI-1)レベルの増加なし、又は低減、
(qq)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、NAFLDスコア(NFS)の増加なし、又は低減、並びに
(rr)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、線維症-4(FIB-4)レベルの増加なし、又は低減、
(ss)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、肝硬度レベルの増加なし、又は低減、
(tt)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、肝臓脂肪含有量の増加なし、又は低減、
(uu)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、グリセロリン脂質レベルの低減なし、又は増加、
(vv)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、血圧の増加なし、又は低減、
(ww)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、強化肝線維症(ELF)スコアの増加なし、又は低減、
(xx)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、肺及び/又は皮膚線維芽細胞におけるコラーゲン産生の増加なし、又は低減、
(yy)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、グルコース取り込みの低減なし、又は増加、
(zz)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して肺及び/又は皮膚線維芽細胞の生存率の増加、
(ab)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、インターロイキン-8(IL-8)レベルの変化なし、又は低減、
(ac)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、インターロイキン-23(IL-23)レベルの変化なし、又は低減、
(ad)ベースライン、プラセボ対照、及び/若しくは未治療の患者に対して、インターレキン-11(IL-11)レベルの変化なし、若しくは低減、並びに/又は
(ae)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、インターフェロンγ(IFNγ)レベルの変化なし、又は低減、
(af)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、T及び/又はB細胞の活性化の変化なし、又は低減、
(ag)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、走化性の変化なし、又は低減、
(ah)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、リン酸化B細胞リンパ腫2(Bcl-2)ファミリーメンバーの変化なし、又は低減、
(ai)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、カスパーゼの活性化フラグメントレベルの変化なし、又は低減、
(aj)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、切断されたポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ-1(PARP-1)レベルの変化なし、又は低減、
(ak)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、腹囲の変化なし、又は低減、
(al)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、AST対血小板分配指数(APRI)の変化なし、又は低減、
(am)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、肝臓の炎症及び線維症(LIF)スコアの変化なし、又は低減、
(an)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、Lokスコアの変化なし、又は低減、
(ao)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、線維症スコアの変化なし、又は低減、
(ap)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、キングスコアの変化なし、又は低減、
(aq)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、ボナチーニスコアの変化なし、又は低減、
(ar)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、一過性エラストグラフィ(TE)スコアの変化なし、又は低減。
(as)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、血管接着分子の増加なし、又は低減、
(at)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、心血管リスクタンパク質の増加なし、又は低減、
(au)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、ケモカインの増加なし、又は低減、
(av)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバーの増加なし、又は低減、
(aw)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して赤血球数の変化なし、又は増加、
(ax)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して白血球数の変化なし、又は増加、
(ay)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して血小板数の変化なし、又は増加、
(az)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対するプロトロンビン時間の変化なし、又は増加、
(ba)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対する活性化部分トロンボプラスチン時間の変化なし、又は増加、
(bc)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対してヘモグロビン産生の変化なし、又は増加、
(bd)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対してヘモグロビン四量体のβグロビン鎖の合成の変化なし、又は増加、
(be)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対する赤血球溶血の変化なし、又は低減、
(bf)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対する息切れの変化なし、又は低減、
(bg)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対する心拍数の変化なし、又は低減、
(bh)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対する脾臓サイズの変化なし、又は低減、
(bi)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対する肝臓サイズの変化なし、又は低減、
(bj)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対する指炎の変化なし、又は低減、
(bk)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対する疼痛発作の変化なし、又は低減、
(bl)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対する異常な血塊の発生の変化なし、又は低減、
(bm)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対する赤血球分布幅の変化なし、又は低減、
(bn)ベースライン、プラセボ対照、及び/若しくは未治療の患者に対する網状赤血球数の変化なし、若しくは低減、並びに/又は
(bo)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療患者に対するフィブリノゲン濃度の変化なし、又は低減。
一実施形態では、本発明の方法は、対象又は対象群への投与前に、上の(a)~(bo)に記載の1つ以上のマーカー又はパラメーターのベースラインレベルを測定することを含む。別の実施形態では、方法は、(a)~(bo)に記載の1つ以上のマーカー又はパラメーターのベースラインレベルの測定後、本明細書に開示する組成物を対象に投与することと、続いて、当該1つ以上のマーカーの追加測定を行うことと、を含む。
別の実施形態では、例えば、約1~約12週間、約1~約8週間、又は約1~約4週間の期間にわたっての本発明の組成物での治療時に、対象又は対象群は、すぐ上に記載の転帰(a)~(bo)のうちのいずれか5個以上、いずれか10個以上、いずれか15個以上、いずれか20個以上、いずれか25個以上、いずれか30個以上、いずれか35個以上、いずれか40個以上、いずれか45個以上、いずれか50個以上、いずれか55個以上、いずれか60個以上、いずれか65個以上、いずれか70個以上、いずれか75個以上、いずれか80個以上、いずれか85個以上、いずれか90個以上、又は91個全てを示す。
別の実施形態では、本発明の組成物で治療すると、対象又は対象群は、以下の転帰のうちの1つ以上を示す。
(a)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、血清ALT及び/又はASTのレベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(b)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、BUNレベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(c)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、線維症領域の増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(d)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、空腹時血糖値の増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(e)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、インスリンの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(f)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、ALPレベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(g)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、HB1Acレベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(h)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、HOMA-IRレベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(i)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、adipo-IRレベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(j)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、総コレステロールレベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(k)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、トリグリセリドレベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(l)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、ジグリセリドレベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(m)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、VLDL-Cレベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(n)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、RLP-Cレベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(o)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、非HDL-Cレベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(p)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、HDL-Cレベルの低減なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の増加、
(q)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、LDL-Cレベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(r)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、腎臓ヒドロキシプロリンレベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(s)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、IL-33レベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(t)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、IL-17レベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(u)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、AhRレベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(v)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、TL1Aレベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(w)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、TNF-αレベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(x)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、IL-13レベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(y)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、IL-6レベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(z)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、IL-1βレベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(aa)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、1型コラーゲンレベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(bb)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、TGF-βレベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(cc)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、α-SMAの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(dd)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、TNRSF11Aの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(ee)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、PRSS2レベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減。
(ff)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、AOC3レベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(gg)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、LILBR1レベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(hh)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、TRレベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(ii)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、PI3の増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(jj)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、SAA4レベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(kk)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、MCP-1レベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(ll)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、CCL16レベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(mm)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、TLT2レベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(nn)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、DPP4レベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(oo)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、TIMP-1レベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(pp)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、PAI-1レベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(qq)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、NFSの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(rr)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、FIB-4レベルの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(ss)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、肝硬度の増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(tt)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、肝臓脂肪含有量の増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(uu)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、グリセロリン脂質レベルの低減なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の増加、
(vv)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、血圧の増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(ww)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、ELFスコアの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(zz)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、肺及び/又は皮膚線維芽細胞におけるコラーゲン産生スコアの増加なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(yy)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、グルコース取り込みの低減なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の増加、
(zz)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、肺及び/又は皮膚線維芽細胞の生存率の少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%の増加、
(ab)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、IL-8レベルスコアの変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(ac)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、IL-23レベルの変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、並びに/又は、
(ad)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、IL-11レベルスコアの変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(ae)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、IFNγレベルの変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(af)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、T及び/又はB細胞の活性化の変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(ag)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、走化性の変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(ah)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、Bcl-2ファミリーメンバーの変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(ai)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、カスパーゼの活性化フラグメントレベルの変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(aj)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、切断されたPARP-1レベルの変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(ak)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、腹囲の変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(al)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、ARPIの変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(am)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、LIFスコアの変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(an)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、Lokスコアの変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(ao)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、線維症スコアの変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(ap)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、キングスコアの変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(aq)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、ボナチーニスコアの変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、及び/又は
(ar)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、TEスコアの変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減。
(as)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、血管接着分子の少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%の増加、
(at)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、心血管リスクタンパク質の少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の増加、
(au)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、ケモカインの少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の増加、
(av)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバーの少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%の増加。
(aw)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、赤血球数の変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の増加、
(ax)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、白血球数の変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の増加、
(ay)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、血小板数の変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の増加、
(az)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、プロトロンビン時間時間の変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の増加、
(ba)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、活性化部分トロンボプラスチン時間の変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の増加、
(bc)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、ヘモグロビン産生の変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の増加、
(bd)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、ヘモグロビン四量体のβグロビン鎖の合成の変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の増加、
(be)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、赤血球溶血の変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(bf)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、息切れの変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(bg)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、心拍数の変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(bh)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、脾臓サイズの変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(bi)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、肝臓サイズの変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(bj)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、指炎の変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(bk)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、疼痛発作の変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(bl)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、異常な血塊の発生の変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(bm)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、赤血球分布の変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、
(bn)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、網状赤血球数の変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減、並びに/又は
(bo)ベースライン、プラセボ対照、及び/又は未治療の患者に対して、フィブリノゲン濃度の変化なし、又は少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約95%の低減。
更なる説明なしに、当業者は、前述の説明及び以下の例示的な実施例を使用して、本開示の薬剤を製造及び利用し、特許請求される方法を実施することができると考えられる。以下の実施例は、本開示の実施を容易にするために提供するものであり、決して本開示の残りの部分を限定するものとして解釈するべきではない。
実施例1:片側尿管閉塞誘導性腎間質性線維症
この研究の目的は、UUO誘導性腎間質性線維症に対するDS109(15-HETrE)及びDS102(15-HEPE)の効果を調べることであった。
図1は、手術及び治療から研究の14日目までの研究計画を示す。
1.1 材料及び方法
試験物質:この研究の試験物質は、DS109(15-HETrE)及びDS102(15-HEPE)であった。各物質の投薬溶液を調製するために、最初にDS109を秤量し、次いで0.5%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)のビヒクル中に溶解し、DS102を0.5%のHPMCのビヒクル中に希釈した。
UUO手術:研究の0日目に、ペントバルビタールナトリウム麻酔下でマウスにUUO手術を実施した。最初にマウスの毛を剃り、次いで腹部を切開してマウスの左尿管を露出させた。2点において4-0ナイロン縫合糸で尿管を結紮した。次いで、マウスの腹膜及び皮膚を縫合糸で閉じ、麻酔から回復するまでマウスを清潔なケージに移した。偽手術マウスでは、左尿管を露出させたが、結紮しなかった。
薬物投与:10ミリリットル(mL)/キログラム(Kg)の容量で、DS109及びDS102をマウスに経口投与した。
治療用量:DS109は、5、50、及び250ミリグラム(mg)/Kgの3つの用量レベルで研究の0日目~13日目に1日1回投与した。DS102は、50及び500mg/kgの2つの用量レベルで研究の0日目~13日目に1日1回投与した。
動物:7週齢の雌C57BL/6マウス(すなわち、動物)を、Japan SLC,Inc.(Japan)から入手し、管理条件下で飼育し、通常食(CE-2、CLEA Japan,Japan)を与えた。動物は、温度(例えば、23±2℃)、湿度(例えば、45±10%)、照明(例えば、12時間の人工的な明暗サイクル、8:00~20:00に点灯)及び換気の管理条件下で、特定病原体除去(SPF)施設内で飼育した。実験室で高圧を維持して、施設の汚染を防止した。動物は、ケージ当たり最大4匹のマウスを収容するTPXケージ(CLEA Japan)内で飼育した。滅菌ペーパークリーン(Japan SLC)を寝床に使用し、週に1回交換した。ケージ上部の金属製の蓋に入れた滅菌した固形の通常食を自由に与えた。ゴム栓及びシッパーチューブを備えた水筒から純水も自由に与えた。水筒を週に1回交換し、洗浄し、オートクレーブで滅菌して再利用した。マウスはイヤーパンチで識別し、各ケージには特定の識別コードを付けた。
腎臓生化学の測定:腎臓ヒドロキシプロリン含有量を定量化するために、凍結した左腎臓試料を次のようにアルカリ酸加水分解法で処理した。すなわち、腎臓試料を65℃で2規定(N)の水酸化ナトリウム(NaOH)中に溶解し、121℃で20分間オートクレーブ処理した。溶解した試料(400μL)を、400μLの6Nの塩酸(HCl)を用いて121℃で20分間酸加水分解し、10mg/mLの活性炭を含有する400μLの4NのNaOHで中和した。AC緩衝液(例えば、2.2Mの酢酸/0.48Mのクエン酸、400μL)を試料に添加し、続いて遠心分離して上清を採取した。ヒドロキシプロリンの標準曲線は、16μg/mLで開始するtrans-4-ヒドロキシ-L-プロリン(Sigma-Aldrich,USA)の段階希釈で作成した。調製した試料及び標準液(例えば、各400μL)を400μLのクロラミンT溶液(Wako Pure Chemical Industries,Japan)と混合し、室温で25分間インキュベートした。次いで、試料をエーリッヒの溶液(例えば、400μL)と混合し、65℃で20分間加熱して発色させた。試料を氷上で冷却し、遠心分離して沈殿物を除去した後、各上清の光学密度を560ナノメートル(nm)で測定した。ヒドロキシプロリンの濃度は、ヒドロキシプロリン標準曲線から計算した。腎臓試料のタンパク質濃度を、ビシンコニン酸(BCA)タンパク質アッセイキット(Thermo Fisher Scientific,USA)を使用して測定し、計算したヒドロキシプロリン値を正規化するために使用した。腎臓ヒドロキシプロリン含有量は、タンパク質mg当たりのマイクログラム(μg)として表した。
組織病理学的分析:コラーゲンの沈着を視覚化するために、腎臓切片を、ピクロシリウスレッド溶液(Waldeck,Germany)を使用して染色した。間質性線維症領域の定量化のために、皮質髄質領域における明視野画像を、デジタルカメラ(例えば、DFC295、Leica Microsystems,Germany)を使用して200倍の倍率でキャプチャし、5つの視野/切片における陽性領域をImageJソフトウェア(National Institute of Health,USA)を使用して測定した。
定量的RT-PCR:RNAiso(Takara Bio,Japan)を使用し、製造元の指示に従って、腎臓試料から全リボ核酸(RNA)を抽出した。1μgのRNAを、20μLの最終容量中に4.4マイクロモル濃度(mM)の塩化マグネシウム(MgCl2)(F.Hoffmann-La Roche,Switzerland)、40UのRNase阻害剤(Toyobo,Japan)、0.5mMのdNTP(Promega,USA)、6.28μMのランダムヘキサマー(Promega)、5倍の第1のストランド緩衝液(Promega)、10mMのジチオスレイトール(Invitrogen,USA)、及び200UのMMLV-RT(Invitrogen)を含有する反応混合物を使用して、逆転写した。反応は、37℃で1時間、続いて99℃で5分間行った。リアルタイムPCR DICE及びTB Green(商標)Premix Ex Taq(商標)II(Takara Bio)を使用してリアルタイムPCRを実施した。相対的なマイクロRNA(mRNA)の発現レベルを計算するために、各遺伝子(例えば、α-SMA、TIMP-1、TGF-β、及び1型コラーゲン)の発現を参照遺伝子36B4(遺伝子記号:Rplp0)の発現に対して正規化した。PCR-プライマーセット及びプレートレイアウトに関する情報を、表1及び表2に記載する。
試料採取:血清試料については、直接心臓穿刺によって抗凝固剤を含まない血清分離チューブに非空腹時の血液を採取し、4℃にて、3,500xgで4分間遠心分離した。上清を採取し、輸送するために-80℃で保存した。腎臓試料については、左腎臓を採取し、水平に2つに切断した。左腎臓の上部をブアン液中で固定し、次いでパラフィン中に包埋した。組織学的分析のためにパラフィンブロックを室温で保存した。左腎臓の下部を冠状に2つに切断した。左腎臓の前部を液体窒素中で急速凍結し、遺伝子発現アッセイのために-80℃で保存した。左腎臓の後部を液体窒素中で急速凍結し、腎臓生化学のために-80℃で保存した。
統計的検定:統計分析は、GraphPad Prism6(GraphPad Software Inc.,USA)でボンフェローニ多重比較検定を使用して実行した。<0.05のP値は、統計的に有意であるとみなした。片側t検定がP値<0.1を返したときは、傾向(trend)又は傾向(tendency)があると想定した。結果は、平均±SDとして表した。
1.2 実験計画及び治療
研究計画は、以下の研究群を含んだ。
・群1(偽対照):8匹の偽手術マウスを屠殺まで全く処置をしないままにした。
・群2(ビヒクル):8匹のUUOマウスに、ビヒクル[0.5%のHPMC]を10mL/kgの容量で0日目~13日目に1日1回経口投与した。
・群3(DS109低):8匹のUUOマウスに、DS109を補充したビヒクルを5mg/kgの用量で0日目~13日目に1日1回経口投与した。
・群4(DS109中):8匹のUUOマウスに、DS109を補充したビヒクルを50mg/kgの用量で0日目~13日目に1日1回経口投与した。
・群5(DS109高):8匹のUUOマウスに、DS109を補充したビヒクルを250mg/kgの用量で0日目~13日目に1日1回経口投与した。
・群6(DS102低):8匹のUUOマウスに、DS102を補充したビヒクルを50mg/kgの用量で0日目~13日目に1日1回経口投与した。
・群7(DS102高):8匹のUUOマウスに、DS102を補充したビヒクルを500mg/kgの用量で0日目~13日目に1日1回経口投与した。
表3は、研究中の群1~7のそれぞれについて治療スケジュールを要約したものである。
動物の監視及び屠殺:マウスの生存率、臨床兆候、行動を毎日監視した。個々の体重は、治療期間中、治療前に毎日測定した。各投与の約60分後に、毒性、瀕死、及び死亡の有意な臨床兆候についてマウスを観察した。動物は、14日目にイソフルラン麻酔(Pfizer Inc.)下での直接心臓穿刺による放血で屠殺した。
1.3 結果
体重変化及び一般的な考慮事項:図2は、全ての動物の体重変化を示す。全ての動物において、体重は手術後に減少し、治療期間中に徐々に回復した。ビヒクル群の平均体重は、2日目~5日目及び10日目~11日目に、偽対照群の平均体重よりも有意に低かった。ビヒクル群と治療群との間では、治療期間中のいずれの日においても平均体重に有意な変化はなかった。治療期間中、全ての群において死亡した動物はいなかった。本研究では、いずれの動物も全身状態の悪化を示さなかった。
屠殺日の体重及び腎臓重量:図3及び表4は、屠殺日の動物の体重を示す。偽対照群とビヒクル群との間では、屠殺日の平均体重に有意な差はなかった。ビヒクル群と治療群との間では、屠殺日の平均体重に有意な差はなかった。
図4A~図4D及び表4は、屠殺日の動物の腎臓重量及び腎臓重量対体重比を示す。ビヒクル群は、偽対照群と比較して平均右腎臓重量の有意な増加を示した。しかしながら、ビヒクル群と治療群との間では、平均右腎臓重量に有意な差はなかった。ビヒクル群はまた、偽対照群と比較して平均右腎臓重量対体重比の有意な増加を示した。ビヒクル群と治療群との間では、平均右腎臓重量対体重比に有意な差はなかった。ビヒクル群はまた、偽対照群と比較して平均左腎臓重量の有意な増加を示した。ビヒクル群と治療群との間では、平均左腎臓重量に有意な差はなかった。最後に、ビヒクル群は、偽対照群と比較して平均左腎臓重量対体重比の有意な増加を示したが、ビヒクル群と治療群との間では、平均左腎臓重量対体重比に有意な差はなかった。
腎臓の化学:図5及び表5は、動物の腎臓ヒドロキシプロリン含有量を示す。ビヒクル群は、偽対照群と比較して腎臓ヒドロキシプロリン含有量の有意な増加を示した。DS109低、DS109高、DS102低、及びDS102高群は、ビヒクル群と比較して腎臓ヒドロキシプロリン含有量の有意な低減を示した。ビヒクル群とDS109中群との間では、腎臓ヒドロキシプロリン含有量に有意な差はなかった。
組織学的分析:図6A~図6G及び表6は、シリウスレッド染色を示し、図7は動物の線維症領域を示す。図6Aは、シリウスレッドで染色された腎臓切片の代表的な顕微鏡写真を示す。ビヒクル群は、偽対照群と比較して線維症領域(シリウスレッド陽性領域)の割合の有意な増加を示した。ボンフェローニ多重比較により、DS109中群における線維症領域は、ビヒクル群と比較して低減する傾向にあることが明らかになった。ビヒクル群と他の治療群との間では、線維症領域に有意な差はなかった。顕著な外れ値が存在するためにマンホイットニーU検定を実施し、DS109低、DS109中、DS109高、DS102低、及びDS102高群の線維症領域は、ビヒクル群と比較して低減する傾向にある(p<0.1)ことが明らかになった。
遺伝子発現分析:α-SMA、TIMP-1、TGF-β、1型コラーゲンについての遺伝子発現分析を図8A~図8D及び表7に示す。
α-SMA:ビヒクル群は、偽対照群と比較してα-SMAのmRNA発現レベルの有意な増加を示した。ビヒクル群と治療群との間では、α-SMAのmRNA発現レベルに有意な差はなかった。
TIMP-1:ビヒクル群は、偽対照群と比較してTIMP-1のmRNA発現レベルの有意な増加を示した。ビヒクル群と治療群との間では、TIMP-1のmRNA発現レベルに有意な差はなかった。
TGF-β:ビヒクル群は、偽対照群と比較してTGF-βのmRNA発現レベルの有意な増加を示した。ビヒクル群と治療群との間では、TGF-βのmRNA発現レベルに有意な差はなかった。
1型コラーゲン:ビヒクル群は、偽対照群と比較して1型コラーゲンのmRNA発現レベルの有意な増加を示した。ビヒクル群と治療群との間では、1型コラーゲンのmRNA発現レベルに有意な差はなかった。
1.4 要約
シリウスレッド染色及び腎臓ヒドロキシプロリン含有量によって示されるように、腎線維症は、本研究のビヒクル群において確立された。
DS109:低用量のDS109での治療は、ビヒクル群と比較して腎臓ヒドロキシプロリン含有量の有意な低減(p<0.05)及び線維症領域の低減傾向(p<0.1)を示した。中用量のDS109での治療は、ビヒクル群と比較して線維症領域で低減傾向(p<0.1)を示した。最後に、高用量のDS109での治療は、ビヒクル群と比較して腎臓ヒドロキシプロリン含有量の有意な低減(p<0.05)及び線維症領域の低減傾向(p<0.1)を示した。
DS102:低用量のDS102での治療は、ビヒクル群と比較して腎臓ヒドロキシプロリン含有量の有意な低減(p<0.05)、及び線維症領域の低減傾向(p<0.1)を示した。高用量のDS102での治療は、ビヒクル群と比較して腎臓ヒドロキシプロリン含有量の有意な低減(p<0.05)、及び線維症領域の低減傾向(p<0.1)を示した。
結論として、この研究から得られた結果は、DS109及びDS102が腎線維形成に対する抑制効果を有し、線維症に進行する慢性腎疾患の治療薬としての可能性があることを示唆している。
実施例2:胆汁うっ滞性肝疾患及び/又は肝線維症胆管結紮(BDL)研究
この研究の目的は、BDLによって誘導された胆汁うっ滞に対するDS012の効果を調べることであった。
図9は、手術及び治療から研究の14日目までの研究計画を示す。
1.1 材料及び方法
試験物質:この研究の試験物質は、DS102であった。各物質の投薬溶液を調製するために、DS102を0.5%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)のビヒクル中に希釈した。
BDL手術:研究の0日目に、ペントバルビタール(Kyoritsu Seiyaku,Japan)麻酔下でBDL手術を実施した。最初にマウスの毛を剃り、腹腔を切り開いて、総胆管を7-0の外科用シルクで2回結紮した。マウスの腹膜及び皮膚を縫合糸で閉じ、麻酔から回復するまでマウスを清潔なケージ(例えば、休息ケージ)に移した。偽手術マウスは、総胆管を露出させたが、結紮しなかった。
薬物投与:10ミリリットル(mL)/キログラム(Kg)の容量で、DS102を経口投与した。
治療用量:DS102は、50、250、及び500ミリグラム(mg)/Kgの3つの用量レベルで研究の0日目~13日目に1日1回投与した。
動物:病原体を含まない6週齢の雄C57BL/6Jマウスを、Japan SLC,Inc.(Japan)から入手した。動物は、温度(例えば、23±2℃)、湿度(例えば、45±10%)、照明(例えば、12時間の人工的な明暗サイクル、8:00~20:00に点灯)及び換気の管理条件下で、特定病原体除去(SPF)施設内で飼育した。実験室で高圧を維持して、施設の汚染を防止した。動物は、ケージ当たり最大4匹のマウスを収容するTPXケージ(CLEA Japan)内で飼育した。滅菌ペーパークリーン(Japan SLC)を寝床に使用し、週に1回交換した。ケージ上部の金属製の蓋に入れた滅菌した固形の通常食を自由に与えた。ゴム栓及びシッパーチューブを備えた水筒から純水も自由に与えた。水筒を週に1回交換し、洗浄し、オートクレーブで滅菌して再利用した。マウスはイヤーパンチで識別し、各ケージには特定の識別コードを付けた。
血清生化学の測定:コラーゲンの沈着を視覚化するために、ブアンの固定化肝臓切片を、ピクロシリウスレッド溶液(Waldeck,Germany)を使用して染色した。線維症領域の定量化のために、シリウスレッドで染色された切片の明視野画像を、デジタルカメラ(DFC295、Leica,Germany)を使用して100倍の倍率でキャプチャし、5つの視野/切片における陽性領域をImageJソフトウェア(National Institute of Health,USA)を使用して測定した。
組織学的分析:コラーゲンの沈着を視覚化するために、腎臓切片を、ピクロシリウスレッド溶液(Waldeck,Germany)を使用して染色した。間質性線維症領域の定量化のために、皮質髄質領域における明視野画像を、デジタルカメラ(例えば、DFC295、Leica Microsystems,Germany)を使用して200倍の倍率でキャプチャし、5つの視野/切片における陽性領域をImageJソフトウェア(National Institute of Health,USA)を使用して測定した。
定量的RT-PCR:RNAiso(Takara Bio、Japan)を使用し、製造元の指示に従って、肝臓試料から全リボ核酸(RNA)を抽出した。1μgのRNAを、20μLの最終容量中に4.4mMの塩化マグネシウム(MgCl2)(F.Hoffmann-La Roche,Switzerland)、40UのRNase阻害剤(Toyobo,Japan)、0.5mMのdNTP(Promega,USA)、6.28μMのランダムヘキサマー(Promega)、5倍の第1のストランド緩衝液(Promega)、10mMのジチオスレイトール(Invitrogen,USA)、及び200UのMMLV-RT(Invitrogen)を含有する反応混合物を使用して、逆転写した。反応は、37℃で1時間、続いて99℃で5分間行った。リアルタイムPCR DICE及びTB Green(商標)Premix Ex Taq(商標)II(Takara Bio)を使用してリアルタイムPCRを実施した。相対的なmRNAの発現レベルを計算するために、各遺伝子(例えば、α-SMA、TIMP-1、TGF-β、及び1型コラーゲン)の発現を参照遺伝子36B4(遺伝子記号:Rplp0)の発現に対して正規化した。PCR-プライマーセット及びプレートレイアウトに関する情報を、表8及び表9に記載する。
試料採取:血清試料については、直接心臓穿刺によって抗凝固剤を含まない血清分離チューブに非空腹時の血液を採取し、4℃にて、3,500xgで4分間遠心分離した。上清を採取し、生化学(30μL)及び輸送(残り全て)のために、-80℃で保存した。肝臓試料については、左側葉を採取し、6つに切断した。2片の左側葉をブアン液中で固定し、次いでパラフィン中に包埋した。試料は、組織学的分析のために室温で保存した。他の2片の左側葉をOCT化合物中に包埋し、液体窒素で急速凍結した。試料は、-80℃で保存した。左側葉の残りの部分を液体窒素中で急速凍結し、遺伝子発現分析のために-80℃で保存した。右中葉、左中葉、右葉及び尾状葉を液体窒素中で急速凍結し、輸送するために-80℃で保存した。
統計的検定:統計分析は、GraphPad Prism6(GraphPad Software Inc.,USA)でボンフェローニ多重比較検定を使用して実行した。<0.05のP値は、統計的に有意であるとみなした。片側t検定がP値<0.1を返したときは、傾向(trend)又は傾向(tendency)があると想定した。結果は、平均±SDとして表した。
1.2 実験計画及び治療
研究計画は、以下の研究群を含んだ。
・群1(偽対照):8匹の偽手術マウスを屠殺まで全く処置をしないままにした。
・群2(ビヒクル):BDL手術を施した15匹のマウスに、ビヒクル[0.5%のHPMC]を10mL/kgの容量で0日目~13日目に1日1回経口投与した。
・群3(DS102低):BDL手術を施した15匹のマウスに、DS102を補充したビヒクルを50mg/kgの用量で0日目~13日目に1日1回経口投与した。
・群4(DS102中):BDL手術を施した15匹のマウスに、DS102を補充したビヒクルを250mg/kgの用量で0日目~13日目に1日1回経口投与した。
・群5(DS102高):BDL手術を施した15匹のマウスに、DS102を補充したビヒクルを500mg/kgの用量で0日目~13日目に1日1回経口投与した。
表10は、研究中の群1~5のそれぞれについて治療スケジュールを要約したものである。
動物の監視及び屠殺:マウスの生存率、臨床兆候、行動を毎日監視した。個々の体重は、治療期間中、治療前に毎日測定した。各投与の約60分後に、毒性、瀕死、及び死亡の有意な臨床兆候についてマウスを観察した。動物は、BDL手術後14日目にイソフルラン麻酔(Pfizer Inc.)下での直接心臓穿刺による放血で屠殺した
1.3 結果
体重変化及び一般的な考慮事項:図10は、全ての動物の体重変化を示す。偽対照群を除く全ての群において、平均体重は、研究期間中に徐々に減少した。ビヒクル群の平均体重は、2日目~14日目に、偽対照群の平均体重よりも有意に低かった。ビヒクル群とDS102治療群との間では、研究期間中のいずれの日においても平均体重に有意な変化はなかった。
治療期間中、14日目に達する前に死亡が確認されたマウスは次のとおりであった。すなわち、ビヒクル群において15匹のうちの3匹のマウスで死亡が確認され、DS102低、DS102中、及びDS102高群において、15匹のうちの7匹のマウスで死亡が確認された。このモデルでは、単に病気誘導による死亡の割合が予想され、観察された死亡の割合は過去のデータと一致している。
屠殺日の体重及び肝臓重量:図11及び表11は、屠殺日の動物の体重を示す。ビヒクル群は、偽対照群と比較して屠殺日に平均体重の有意な低減を示した。ビヒクル群とDS102治療群との間では、屠殺日の平均体重に有意な差はなかった。
図12及び図12B及び表11は、屠殺日の動物の肝臓重量及び肝臓重量対体重比を示す。ビヒクル群は、偽対照群と比較して平均肝臓重量の有意な増加を示した。DS102高群の平均肝臓重量は、ビヒクル群と比較して低減する傾向にあった。ビヒクル群と他の治療群との間では、平均肝臓重量に有意な差はなかった。ビヒクル群は、偽対照群と比較して平均肝臓重量対体重比の有意な増加を示した。DS102高群の平均肝臓重量対体重比は、ビヒクル群と比較して低減する傾向にあった。ビヒクル群と他の治療群との間では、平均肝臓重量対体重比に有意な差はなかった。
生化学:図13及び表12は、動物の血清アミノトランスフェラーゼ(ALT)を示す。ビヒクル群は、偽対照群と比較して血清ALTレベルの有意な増加を示した。ビヒクル群とDS102治療群との間では、血清ALTレベルに有意な差はなかった。しかしながら、このモデルの過去のデータから、ALTレベルは治療なしで14日目に減少することが知られている。そのため、これは群間の違いを検出する機能に影響を与える可能性がある。
図14及び表12は、動物の血清総ビリルビンを示す。ビヒクル群は、偽対照群と比較して血清総ビリルビンレベルの有意な増加を示した。ビヒクル群とDS102治療群との間では、血清総ビリルビンレベルに有意な差はなかった。
組織学的分析:図15A~図14E及び表13は、シリウスレッド染色を示し、図16は動物の線維症領域を示す。図14Aは、シリウスレッドで染色された肝臓切片の代表的な顕微鏡写真を示す。ビヒクル群由来の肝臓切片は、偽対照群と比較して、肝小葉の門脈域におけるコラーゲンの沈着の増加、及びPV-CV又はPV-PV架橋線維症を示した。ビヒクル群は、偽対照群と比較して線維症領域(シリウスレッド陽性領域)の有意な増加を示した。DS102中群は、ビヒクル群と比較して線維症領域の有意な低減を示した。DS102高群の線維症領域は、ビヒクル群と比較して低減する傾向にあった。ビヒクル群とDS102低群との間では、線維症領域に有意な差はなかった。
遺伝子発現分析:α-SMA、TIMP-1、TGF-β、及び1型コラーゲンについての遺伝子発現分析を図17A~図17D及び表14に示す。
α-SMA:ビヒクル群は、偽対照群と比較してα-SMAのmRNA発現レベルの有意な増加を示した。DS102高群のα-SMAのmRNA発現レベルは、ビヒクル群と比較して低減する傾向にあった。ビヒクル群とDS102治療群との間では、α-SMAのmRNA発現レベルに有意な差はなかった。
TIMP-1:ビヒクル群は、偽対照群と比較してTIMP-1のmRNA発現レベルの有意な増加を示した。DS102高群のTIMP-1のmRNA発現レベルは、ビヒクル群と比較して低減する傾向にあった。ビヒクル群とDS102治療群との間では、TIMP-1のmRNA発現レベルに有意な差はなかった。
TGF-β:ビヒクル群は、偽対照群と比較してTGF-βのmRNA発現レベルの有意な増加を示した。DS102高群は、ビヒクル群と比較してTGF-βのmRNA発現レベルの有意な低減を示した。ビヒクル群とDS102治療群との間では、TGF-βのmRNA発現レベルに有意な差はなかった。
1型コラーゲン:ビヒクル群は、偽対照群と比較して1型コラーゲンのmRNA発現レベルの有意な増加を示した。DS102高群の1型コラーゲンのmRNA発現レベルは、ビヒクル群と比較して低減する傾向にあった。ビヒクル群とDS102治療群との間では、1型コラーゲンのmRNA発現レベルに有意な差はなかった。
1.4 要約
この研究では、ビヒクル群の生化学的パラメーター(例えば、ALT及び総ビリルビン)、組織学的コラーゲンの沈着(例えば、線維症領域)、及び遺伝子発現レベル(例えば、α-SMA、TIMP-1、TGF-β、1型コラーゲン)は、偽対照群と比較して有意に増加した。これらの結果は、胆汁うっ滞及び肝線維症がビヒクル群で確立されたことを示唆した。
中用量のDS102での治療は、ビヒクル群と比較して線維症領域の有意な低減(p<0.05)を示した。高用量のDS102での治療は、ビヒクル群と比較してTGF-βのmRNA発現レベルの有意な低減(p<0.05)、並びに線維症領域、肝臓重量、肝臓重量対体重比、α-SMA、TIMP-1、及び1型コラーゲンのmRNA発現レベルの有意に近い低減傾向(p<0.01)を示した。これらの結果は、DS102が肝臓における複数の線維化促進性サイトカインの産生を阻害し、肝線維症を抑制する効果があり、胆汁うっ滞性肝疾患の治療薬としての可能性を有することを示す。
実施例3:TGF-β受容体、シグナル伝達、及び誘導性線維性タンパク質に対するDS102の効果
この研究の目的は、TGF-β受容体、TGF-β誘導性細胞内シグナル伝達、及び線維化促進性上皮間葉転換タンパク質の発現に対する15-HEPE及び15-HEPE EEの効果を調べることであった。
1.1 材料及び方法
細胞毒性試験:15-HEPE遊離酸及びエチルエステルの細胞毒性を種々の肝臓(肝細胞がん)細胞株において試験し、試験系における濃度範囲を理解した。
転写活性:プロモーター(ルシフェラーゼ)アッセイを実施して、15-HEPEの投与後のTGFβ誘導性転写活性化を測定した。
ショ糖勾配超遠心分離及び共焦点顕微鏡を使用して、ショ糖によるTGF-β受容体の15-HEPE誘導性マイクロドメイン移行を同定した。TGF-β受容体のショ糖密度勾配分析は、100μMの15-HEPE及び等容量のDMSO(ジメチルスルホキシド)で、37℃にて0、1、4、及び24時間処理したMv1Lu細胞(ミンク肺上皮細胞)の原形質膜において実施し、これらの処理した細胞由来の細胞溶解物を、ショ糖密度勾配超遠心分離に供した。次いで、ショ糖勾配画分を、抗TβR-I(I型TGF-β受容体)、抗TβR-II(II型TGF-β受容体)、抗TβR-III(III型TGF-β受容体、ベータグリカン)、抗EGFR(上皮増殖因子受容体)、及び抗カベオリン-1の抗体を使用してウェスタンブロットによって分析した。未処理細胞又は15-HEPEで処理された細胞の原形質膜におけるTβR-I、TβR-II、TβR-III、EGFR、及びカベオリン-1の脂質ラフト/カベオラ、及び非脂質ラフトマイクロドメインの局在を評価して、TGF-β受容体の膜マイクロドメイン局在化に対する15-HEPEの効果を決定した。
1.2 結果
TGF-β誘導性シグナル伝達及び細胞応答に対する15-HEPEの効果を決定した。TGF-β誘導性シグナル伝達に対する15-HEPEの効果を試験するために、TGF-β刺激性Smad2のリン酸化及び核移行を調節する15-HEPEの活性を試験した。それらの両方は、TGF-β誘導性細胞応答につながる重要なシグナル伝達事象である。TGF-βの重要な生物学的活性の1つは、上皮間葉転換(EMT)の原因となる遺伝子の転写活性化であり、これは、創傷治癒、組織線維症、及びがんの進行における重要な事象である。HepG2及びLXR細胞におけるTGFβ誘導性上皮間葉転換関連タンパク質(フィブロネクチン、PAI-1、N-カドヘリンなど)の発現に対する15-HEPEの効果を評価した。HepG2細胞(ヒト肝がん細胞株)を、0.1%のFBSを含むDMEM中で15-HEPEステージIIの用量を増やして1時間処理し、200ピコモル濃度(pM)のTGF-βの有無にかかわらず48時間継続的に刺激した。
15-HEPEは、図18A及び図18Bに示すように、TGF-βシグナル伝達を直接阻害した。具体的には、図18Aは、15-HEPEがII型TGF-β受容体の分解を誘導し、TGF-βによって誘導される上皮間葉転換(EMT)(すなわち、線維化促進)タンパク質の産生を遮断したことを示す。HepG2細胞(ヒト肝がん細胞株)を、0.1%のFBSを含むDMEM中で15-HEPEステージIIの用量を増やして1時間処理し、200ピコモル濃度(pM)のTGF-βの有無にかかわらず48時間継続的に刺激した。図18Aに示す2つのパネルは、同じ実験条件下で実行された2つの別々の実験である。これらの別々の実験からの結果は、15-HEPEがTGF-βによって誘導されるEMTタンパク質の産生を遮断し、II型TGF-β受容体の分解を誘導したことを示す。図18Aは、TGF-βによって誘導され、心血管リスクの増加に関連するタンパク質であるプラスミノーゲンアクチベーター阻害剤-1(PA-1)に対する15-HEPEの効果も示す。図18Bは、15-HEPEが肝星細胞におけるTGF-β刺激性細胞内シグナル伝達(例えば、SMAD2/3のリン酸化)を阻害することを示す。図18Bで実施した実験には、LX2細胞(ヒト肝星細胞)を0μM~100μMに増加させた濃度のDS102で24時間前処理した後、30分間のTGF-β刺激を行うことが含まれた。実験の結果は、15-HEPEがTGF-β刺激を阻害することを示した。
TGF-β受容体の15-HEPEショ糖密度勾配分析は、100μMの15-HEPE及び等容量のジメチルスルホキシド(DMSO)で、37℃にて0、1、4、及び24時間処理したミンク肺上皮細胞(Mv1Lu)の原形質膜において実施し、これらの処理した細胞由来の細胞溶解物を、ショ糖密度勾配超遠心分離に供した。次いで、ショ糖勾配画分を、抗TβR-I(I型TGF-β受容体-図18C)、抗TβR-II(II型TGF-β受容体-図18D)、抗TβR-III(III型TGF-β受容体、ベータグリカン-図18E)、抗EGFR(上皮増殖因子受容体-図18F)、及び抗カベオリン-1の抗体(図18G)を使用してウェスタンブロットによって分析した。画分4~5には脂質ラフト/カベオラが含まれていたのに対して、画分7~10は非脂質ラフト画分であった。15-HEPEでの処理は、TβR-Iタンパク質の存在量に影響を与えなかったが、24時間の処理でTβR-Iの脂質ラフトへの移行を誘導した(図18C)。星(★)は、15-HEPEが、対照及びより短い処理期間の存在量と比較して、画分におけるTβR-Iの存在量を増加させた(24時間)ことを示す(図18C)。15-HEPEは、1~4時間でTβR-IIの移行を誘導し、24時間の処置で更に分解を誘導した(図18D)。三角形(▼)は、対照細胞と比較して、画分におけるTβR-IIの移行及び存在量の低減を示す(図18D)。図18E、図18F、及び図18Gにおいて、15-HEPEは、TβR-III、EGFR、及びカベオリン-1の局在及び存在量を変化させなかった。
1.3 要約
したがって、まとめると、これらの結果は、遊離酸形態又はエチルエステル形態の両形態の15-HEPEが、II型TGF-β受容体の移行及び分解を誘導し、TGF-β誘導性線維化促進タンパク質の産生を遮断し、肝星細胞においてTGF-β誘導性細胞内シグナル伝達(SMAD2/3)を阻害したことを示す。そのため、15-HEPE及び15-HEPE EEは、TGF-βシグナル伝達を直接阻害することができ、これは、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、その他の線維性疾患、心血管代謝性疾患、及びがんの複数の症状を含む複数の線維性疾患の治療における15-HEPE及び15-HEPE EEの治療可能性を支持する結果である。
実施例4:NAFLD患者における経口投与されたDS102の有効性
この研究の目的は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を有する成人患者の治療において、プラセボに対して、経口投与されたDS102カプセルの有効性を評価することであった。
1.1 研究のエンドポイント
一次エンドポイント:この研究の一次エンドポイントは、DS102投与の有効性及び安全性を含んだ。有効性は、ベースライン~16週目の血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の変化、及びベースライン~16週目の一過性エラストグラフィによって測定された肝硬度の変化に基づいて評価された。安全性は、治療中止の原因となった、各治療群において発生した有害事象(TEAE)の数で評価された。
二次エンドポイント:この研究の二次エンドポイントには、以下のうちのいずれか1つの変化が含まれた。すなわち、ベースライン~2、4、8、及び12週目の血清ALT、ベースライン~2、4、8、12、及び16週目のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、ベースライン~2、4、8、12、及び16週目のAST:ALT比、ベースライン~16週目の線維症-4(FIB-4)指数、ベースライン~16週目のNAFLD線維症スコア(NFS)、ベースライン~16週目の被制御減衰パラメーター(CAP)によって測定された肝臓脂肪の変化、ベースライン~16週目の強化肝線維症(ELF)スコア、並びにベースライン~2、4、8、12、及び16週目の恒常性モデル評価インスリン抵抗性(HOMA-IR)及び脂肪組織インスリン抵抗性(adipo-IR)であった。
探索的分析:探索的分析には、総コレステロール、トリグリセリド、超低密度リポタンパク質コレステロール(VLDL-C)、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)、非高密度リポタンパク質コレステロール(非HDL-C)、レムナント様粒子コレステロール(RLP-C)、空腹時血糖、インスリン、遊離脂肪酸、及びヘモグロビンA1C(HbA1C)など脂質及び代謝パラメーターの分析が含まれた。追加の探索的分析には、高スループットのリピドミクス及びプロテオミクスが含まれた。
1.2 研究計画
これは、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、並行群、多施設探索第IIa相研究であり、18~75歳のNAFLD患者における経口投与されたDS102カプセルの安全性及び有効性、並びに2つの用量のDS102及びプラセボ間の用量応答関係を調査した。この研究では、NAFLDが確認された患者の3つの並行群を調査し、16週間の治療期間にわたって、プラセボと異なる2つの用量のDS102とを比較した。この研究は、治療群当たり無作為化された患者が32人である96人の評価可能な患者を含むように計画された。
この研究は、28日間のスクリーニング期間、16週間の治療期間、及び4週間の経過観察期間からなった。スクリーニング訪問時に、スクリーニング検査を使用して患者を評価した。組み入れ基準を満たし、かつ除外基準を満たさない患者を登録した。
研究の全体的な時間枠の概略図を図19に提供する。患者が研究に登録されると、NAFLDについてのあらゆる他の治療の使用が制限された。患者に必要であると考えられ、治験責任医師の意見において安全性及び有効性の評価に干渉しないと思われる任意の薬剤(例えば、処方薬及び市販(OTC)薬)又は治療的介入は、それらが以下に記載の「併用薬」のリストに含まれていない限り、患者が継続することを許可された。
比較治療期間を開始する前に、患者は自身の疾患のベースライン評価のために施設に戻り、適格な患者は1:1:1の無作為化で3つの並行群治療レジメンのうちの1つに無作為に割り当てられた。
・治療群A:プラセボの500mgのカプセル2個を1日2回(1日4個のカプセル)、16週間経口投与。
・治療群B:DS102の500mgのカプセル1個及びプラセボの500mgのカプセル1個を1日2回(1日4個のカプセル)、16週間経口投与。
・治療群C:DS102の500mgのカプセル2個を1日2回(1日4個のカプセル)、16週間経口投与。
二重盲検状態を維持するために、DS102のカプセル及びプラセボのカプセルは外観が同一であった。
1.3 患者及びスクリーニング
この研究に参加するために、患者は以下の組み入れ基準の全て満たす必要があり、以下の除外基準のうちのいずれも満たしてはならなかった。組み入れ基準及び除外基準は、スクリーニング訪問時(訪問1)及び治療の開始/ベースライン訪問時(訪問2)に検証した。
この研究の場合の組み入れ基準は次のとおりであった。
・二次的原因がなく、画像又は組織学で肝臓脂肪症の存在によりNAFLDと診断された患者。
・ALTが≧1.5ULNかつ<5ULNを、スクリーニング中に7日以上あけて2回有する患者。
・スクリーニングの3か月以内に、NASHかつ/又は≧F1の線維症、若しくはNFSが≧-1.455、若しくはFib-4が≧1.3、若しくはFibroscanが≧8kPaを示す過去の肝生検を有する患者。
・25.0~40.0kg/m2のボディマス指数(BMI)を有する患者。制御された肥満又は制御された糖尿病の病歴を有する患者は研究に許可された。
・治験責任医師の意見において、研究前の臨床検査所見が研究への参加を妨げなかった患者。
・18~75歳の患者。
・女性患者及び妊娠可能な女性パートナーがいる男性患者は、研究期間中、適切な避妊を使用するか、又はパートナーに不妊化してもらう必要があった。適切な避妊は次のように定義される。全身性ホルモン避妊薬、殺精子剤と組み合わせた子宮内避妊器具若しくは避妊のバリア方法、又は研究治療に関連するリスクの全期間中、彼らの好ましい通常のライフスタイルに沿って異性愛者の性交を控える患者として定義される性的禁欲に同意する。ホルモン避妊薬は、ベースラインの前に少なくとも1か月間安定した用量を服用する必要があった。
・治験責任医師と十分にコミュニケーションを取り、研究の要件を理解して従い、書面によるインフォームドコンセントを理解し、署名することができた患者。
この研究の除外基準は次のとおりであった。
・組み入れ前の3か月間に体重変化が>5%であるなど、不安定な代謝状態を有する患者。
・胃バイパス手術、同所性肝移植(OLT)の病歴若しくは手術歴を有するか、又はOLTに登録された患者。
・制御されていない2型糖尿病、すなわちスクリーニング時にHbA1c≧9%(75mmol/mol)を有する患者。
・以下のうちの1つ以上によって証明される非代償性又は重度の肝疾患の患者:肝硬変が確認されるか、若しくは肝硬変の疑い、食道静脈瘤、腹水、門脈圧亢進症の疑い、スクリーニングの60日以内の肝疾患による入院、ビリルビンが≧2×ULN、又はALT若しくはASTが≧5×ULN。ジルベール症候群を有する患者は、コンジュゲートビリルビンが≦1.5×ULNの場合に適格であった。
・活性であるか、又は内科的治療が必要であった炎症性腸疾患の患者。
・全身性エリテマトーデス(SLE)及び/又は関節リウマチ(RA)など自己免疫疾患と診断されたか、又はそれが疑われる患者。
・治癒的に治療された皮膚がん(基底細胞がん又は扁平上皮がん)以外の非肝臓悪性腫瘍の病歴を有するか、又はそれが活性である患者。
・冠動脈疾患、脳血管疾患、肺疾患、腎不全、深刻な精神疾患、呼吸器又は高血圧疾患、並びに、治験責任医師の意見において患者が研究に参加し、完了することを除外した糖尿病、関節炎などを含む肝疾患以外の重大な全身疾患又は重病を有する患者。
・抗糖尿病治療(インスリン増感剤を含む)及び/又は脂質低下治療を必要とし、スクリーニング前に少なくとも3か月間安定した用量を服用していなかった患者は除外された。患者がインスリン依存性である場合、この治療はスクリーニングの少なくとも3か月前に開始されるべきであったが、用量の変更は許可された。
・治験治療のいずれかの成分に対して既知の過敏性を有する患者。
・スクリーニング時に、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗体、B型肝炎表面抗原、又はC型肝炎抗体についての検査で陽性である患者。
・薬物誘導性、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎(PBC)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、ヘモクロマトーシス、α-1抗トリプシン(A1AT)欠乏症、ウィルソン病など、他の病因の肝疾患を有する患者。
・治験責任医師の意見において、薬物/溶剤の乱用の重要な病歴を有する患者。
・治験責任医師の意見においてアルコール乱用の病歴を有するか、週当たり21単位(男性)又は週当たり14単位(女性)を超えて飲酒する患者(1単位は、10m又は8mgの純粋なアルコールからなる)。
・ベースラインの4週間前にオメガ3又はオメガ6脂肪酸が豊富な栄養補助食品を使用した患者。
・研究治療の投与初日の3か月前以内に治験薬を用いるいずれかの他の臨床研究に参加した患者。
・妊娠中、妊娠を計画している、授乳をしている、及び/又は試験中に適切な避妊を使用することを望まなかった患者。
・治験責任医師の意見において研究への参加に好適でなかった患者。
1.4 研究の実施
研究中、スクリーニング訪問後に10回の診療所への訪問が予定された。すなわち、比較治療期間の開始/ベースライン時に1回(0日目/訪問2)、及び比較治療期間に8回(2週目/訪問3、4週目/訪問4、6週目/訪問5、8週目/訪問6、10週目/訪問7、12週目/訪問8、14週目/訪問9、16週目/訪問10)である。最終安全性経過観察訪問(訪問11)は、訪問10の4週間後、又は患者が研究を完了しなかった場合は出席した最終訪問の2週間後に実施した。表17は、研究の臨床訪問について記載したものである。
スクリーニング訪問(訪問1):以下のスクリーニング訪問時
スクリーニング訪問(訪問1):インフォームドコンセントが得られると、患者には特許スクリーニング番号が割り当てられた。理想的には、患者は絶食していた。以下のスクリーニング評価/試料採取を行った。すなわち、組み入れ/除外基準の検証、人口統計データ、病歴、身体検査、12誘導心電図(ECG)、バイタルサイン(血圧、心拍数、及び体温)、臨床検査安全性試験(血液学、血清生化学、及び凝固試験)用の試料、ウイルス学、妊娠検査(妊娠の可能性のある女性患者に対して)、ALT、AST試験(スクリーニング中に2回測定したALT)、及び併用薬の評価である。予定外の訪問は、有害事象(AE)、研究プロトコル要件の遵守が困難である場合、又は疾患状態の著しい変化のために患者が予定訪問日の間に訪問する必要があった場合に発生した。医学的に必要な全ての手順に従った。適格である場合、診療所を出る前に、患者は、次回の訪問前に全く朝食をとらないように指示され、最低8時間の絶食期間が与えられた。
治療期間:成功裏にスクリーニング訪問が完了した後、患者は、比較治療期間(16週間)を開始した。比較治療期間の開始時に、継続的な適格性の確認後、患者は3つの治療レジメンのうちの1つに無作為に割り当てられた。患者は、DS102のカプセル又はプラセボのカプセルの割り当てられた調査医薬品(IMP)を、比較治療期間中、1日2回服用した。IMPの各自己投与は、患者の日記カードに記録された。患者は、朝及び夕方の食事中に、又は食後にDS102を服用するように指示された(患者が訪問前にDS102の服用を控え、診療所訪問後できるだけ早くDS102を服用するように指示された診療所訪問3、4、6、8、及び10の朝を除く)。ベースラインの開始時(訪問2)、2週目(訪問3)、4週目(訪問4)、8週目(訪問6)、12週目(訪問8)、16週目(訪問10)、及び20週目(訪問11)に、患者は、訪問前に最低8時間絶食したかどうか尋ねられた。絶食していなかった場合は、絶食期間の時間が文書化され、患者は絶食期間の時間について再度指示された。次いで、患者には軽い朝食(例えば、お茶又はオレンジジュース及びトースト)が提供された。ベースライン(訪問2)、8週目(訪問8)、及び16週目(訪問10)において、患者が軽い朝食をとる前に採血評価を実施した。予定外の訪問は、有害事象(AE)、研究プロトコル要件の遵守が困難である場合、又は疾患状態の著しい変化のために患者が予定訪問日の間に訪問する必要があった場合に発生した。医学的に必要な全ての手順に従った。研究を早期に中止した患者は、全ての研究関連情報を記録することができるように、患者の離脱後できるだけ早くに訪問10に予定された研究手順を実行した。治験責任医師の裁量で、試験実施中の任意の時点で尿中DOA及びアルコール呼気検査が実施された。
ベースライン(訪問2):患者は訪問2で調査施設に足を運んだ。採血は、実施した最初の評価であった。採血後、以下の評価を行った。すなわち、組み入れ/除外基準の検証、病歴、身体検査、12誘導ECG、薬物動態サンプリング、バイタルサイン(血圧、心拍数、及び体温)、臨床検査安全性試験(血液学、血清生化学、及び凝固試験)用の試料、脂質プロファイル、尿検査、妊娠検査(妊娠の可能性のある女性患者に対して)、ALT、AST試験、HOMA-IR/Adipo-IR、ELF、肝硬度及びCAP、FIB-4、NFS(BMIを含む)、バイオマーカー血液試料、探索的血液試料、患者の無作為化、研究薬/プラセボの投与、AE評価、及び併用薬の評価である。全ての研究参加基準が満たされた場合、治験責任医師は患者を無作為化し、患者治療パックのうちの1つから指定されたIMP又はプラセボを患者に提供した。全てのベースライン評価が完了したら、第1の用量のIMP又はプラセボを施設で投与した。患者は、0日目の夕方に第2の用量のIMP又はプラセボを服用した。その後、1日2回のカプセル投与を受けた。患者は、施設への再訪問の朝にIMP又はプラセボを服用した(訪問3)。診療所を出る前に、患者は、次回の訪問前に全く朝食をとらないように指示され、最低8時間の絶食期間が与えられた。
2週目(訪問3):患者は訪問3で調査施設に戻った。患者は訪問3の朝にIMP又はプラセボを服用しなかった。以下の評価を行った。すなわち、身体検査、薬物動態サンプリング、バイタルサイン(例えば、血圧、心拍数、及び体温)、ALT、AST試験、HOMA-IR/Adipo-IR、AE評価、及び併用薬の評価である。IMP又はプラセボが戻され、更にIMP又はプラセボが患者に供給された。患者は、全ての訪問評価が完了するとすぐに、次の用量のIMP又はプラセボを服用した。引き続き、1日2回のカプセル投与を受けた。この訪問の完了時に、患者は、訪問4で2週間以内に調査施設に戻る必要があることを知らされた。患者は、施設への再訪問の朝にIMP又はプラセボを服用しなかった(訪問4)。診療所を出る前に、患者は、次回の訪問前に全く朝食をとらないように指示され、最低8時間の絶食期間が与えられた。
4週目(訪問4):患者は訪問4で調査施設に戻った。患者は訪問4の朝にIMP又はプラセボを服用しなかった。以下の評価を行った。すなわち、身体検査、薬物動態サンプリング、バイタルサイン(血圧、心拍数、及び体温)、臨床検査安全性試験(血液学、血清生化学、及び凝固試験)用の試料、妊娠検査(妊娠の可能性のある女性患者に対して)、ALT、AST試験、HOMA-IR/Adipo-IR、AE評価、及び併用薬の評価である。IMP又はプラセボが戻され、更にIMP又はプラセボが患者に供給された。患者は、全ての訪問評価が完了するとすぐに、次の用量のIMP又はプラセボを服用した。引き続き、1日2回のカプセル投与を受けた。この訪問の完了時に、患者は、訪問5で2週間以内に調査施設に戻る必要があることを知らされた。患者は、施設への再訪問の朝にIMP又はプラセボを服用しなかった(訪問5)。
6週目(訪問5):患者は訪問5で調査施設に戻った。AE評価及び併用薬の評価を行った。IMP又はプラセボが戻され、更にIMP又はが患者に供給された。患者は、全ての訪問評価が完了するとすぐに、次の用量のIMP又はプラセボを服用した。引き続き、1日2回のカプセル投与を受けた。この訪問の完了時に、患者は、訪問6で2週間以内に調査施設に戻る必要があることを知らされた。患者は、施設への再訪問の朝にIMP又はプラセボを服用しなかった(訪問6)。診療所を出る前に、患者は、次回の訪問前に全く朝食をとらないように指示され、最低8時間の絶食期間が与えられた。
8週目(訪問6):患者は訪問6で調査施設に戻った。患者は訪問6の朝にIMP又はプラセボを服用しなかった。採血は、実施した最初の評価であった。血液後、以下の評価を行った。すなわち、身体検査、薬物動態サンプリング、バイタルサイン(血圧、心拍数、及び体温)、臨床検査安全性試験(血液学、血清生化学、及び凝固試験)用の試料、脂質プロファイル、妊娠検査(妊娠の可能性のある女性患者に対して)、ALT、AST試験、HOMA-IR/Adipo-IR、バイオマーカー血液試料、AE評価、及び併用薬の評価である。IMP又はプラセボが戻され、更にIMP又はが患者に供給された。患者は、全ての訪問評価が完了するとすぐに、次の用量のIMP又はプラセボを服用した。引き続き、1日2回のカプセル投与を受けた。この訪問の完了時に、患者は、訪問7で2週間以内に調査施設に戻る必要があることを知らされた。患者は、施設への再訪問の朝にIMP又はプラセボを服用した(訪問7)。
10週目(訪問7):患者は訪問7で調査施設に戻った。AE評価及び併用薬の評価を行った。IMP又はプラセボが戻され、更にIMP又はプラセボが患者に供給された。患者は、全ての訪問評価が完了するとすぐに、次の用量のIMP又はプラセボを服用した。引き続き、1日2回のカプセル投与を受けた。この訪問の完了時に、患者は、訪問8で2週間以内に調査施設に戻る必要があることを知らされた。患者は、施設への再訪問の朝にIMP又はプラセボを服用しなかった(訪問8)。診療所を出る前に、患者は、次回の訪問前に全く朝食をとらないように指示され、最低8時間の絶食期間が与えられた。
12週目(訪問8):患者は訪問8で調査施設に戻った。患者は訪問8の朝にIMP又はプラセボを服用しなかった。以下の評価を行った。すなわち、身体検査、薬物動態サンプリング、バイタルサイン(血圧、心拍数、及び体温)、臨床検査安全性試験(血液学、血清生化学、及び凝固試験)用の試料、妊娠検査(妊娠の可能性のある女性患者に対して)、ALT、AST試験、HOMA-IR/Adipo-IR、AE評価、及び併用薬の評価である。IMP又はプラセボが戻され、更にIMP又はプラセボが患者に供給された。患者は、全ての訪問評価が完了するとすぐに、次の用量のIMP又はプラセボを服用した。引き続き、1日2回のカプセル投与を受けた。この訪問の完了時に、患者は、訪問9で2週間以内に調査施設に戻る必要があることを知らされた。患者は、施設への再訪問の朝にIMP又はプラセボを服用しなかった(訪問9)。
14週目(訪問9):患者は訪問9で調査施設に戻った。AE評価及び併用薬の評価を行った。IMP又はプラセボが戻され、更にIMP又はプラセボが患者に供給された。患者は、全ての訪問評価が完了するとすぐに、次の用量のIMP又はプラセボを服用した。引き続き、1日2回のカプセル投与を受けた。この訪問の完了時に、患者は、訪問10で2週間以内に調査施設に戻る必要があることを知らされた。患者は、施設への再訪問の朝にIMP又はプラセボを服用すべきではない(訪問10)。診療所を出る前に、患者は、次回の訪問前に全く朝食をとらないように指示され、最低8時間の絶食期間が与えられた。
16週目(訪問10)又は早期離脱:患者は訪問10で調査施設に戻った。患者は訪問10の朝にIMP又はプラセボを服用しなかった。採血は、実施した最初の評価であった。血液後、以下の評価を行った。すなわち、身体検査、12誘導ECG、薬物動態サンプリング、バイタルサイン(血圧、心拍数、及び体温)、臨床検査安全性試験(血液学、血清生化学、及び凝固試験)用の試料、尿検査、脂質プロファイル、妊娠検査(妊娠の可能性のある女性患者に対して)、ALT、AST試験、HOMA-IR/Adipo-IR、ELF、肝硬度及びCAP、FIB-4、NFS[BMIを含む]、バイオマーカー血液試料、探索的血液試料、AE評価、及び併用薬の評価である。IMP又はプラセボが戻された。更なるIMP又はプラセボブリスターパック又は患者日記カードは発行されなかった。この訪問での研究評価の完了後、研究の制限が続いた。この訪問の完了時に、患者は、訪問11で4週間以内に調査施設に戻って、この訪問以降のあらゆるAEを評価し、安全性及び有効性評価を実施する必要があることを知らされた。診療所を出る前に、患者は、次回の訪問前に全く朝食をとらないように指示され、最低8時間の絶食期間が与えられた。
経過観察訪問(20週目/訪問11):訪問10の4週間後(又は早期離脱訪問の2週間後)、患者は調査施設に戻った。以下の評価を行った。すなわち、身体検査、薬物動態サンプリング、バイタルサイン(血圧、心拍数、及び体温)、臨床検査安全性試験(血液学、血清生化学、及び凝固試験)用の試料、妊娠検査(妊娠の可能性のある女性患者に対して)、ALT、AST試験、HOMA-IR/Adipo-IR、バイオマーカー、AE評価、及び併用薬の評価である。
1.5 評価
有効性評価は、ALT、AST、ALT:AST比、HOMA-IR/Adipo-IR、ELF、肝硬度及びCAP、FIB-4指数、並びにNFSを含んだ。それぞれの詳細な説明を以下に提供する。
ALT、AST、ALT:AST比:肝臓酵素(ALT及びAST)の増加は、肝傷害のマーカーであり、訪問1/スクリーニング(7日以上あけてスクリーニング中に2回)、訪問2/ベースライン、訪問3/2週目、訪問4/4週目、訪問6/8週目、訪問8/12週目、訪問10/16週目、及び経過観察訪問11/20週目に評価した。
HOMA-IR/Adipo-IR:HOMA-IR/Adipo-IRレベルは、インスリン抵抗性を測定する方法である。HOMA-IRは、空腹時血漿インスリン(FPI)に空腹時血漿グルコース(FPG)を乗じ、定数の405で除することによって計算される。Adipo-IRは、空腹時非エステル化脂肪酸(NEFA)に空腹時インスリンを乗じることによって計算される。血液試料を採取して、訪問2/ベースライン、訪問3/2週目、訪問4/4週目、訪問6/8週目、訪問8/12週目、訪問10/16週目、及び経過観察訪問11/20週目でHOMA-IR及びAdipo-IRを評価した。全ての対象は、採血前に最低8時間絶食している必要があった。対象が最低8時間絶食しなかった場合、絶食時間の期間を記録し、対象は次の臨床訪問のために適切に絶食するように促された。
ELF:ELFスコアは、メタロプロテイナーゼ組織阻害剤1(TIMP-1)、III型プロコラーゲンのアミノ末端プロペプチド(PIIINP)、及びヒアルロン酸(HA)からなる細胞外マトリックスマーカーセットである。ベースライン(訪問2)及び16週目(訪問10)に血液試料を採取し、この評価を行った。
肝硬度及びCAP:肝硬度及びCAPは、一過性エラストグラフィ(例えば、FibroScan(登録商標)502Touchモデル又は同等物)を使用して評価した。可能であれば、ベースライン(0週目)及び訪問10(16週目)について、患者を絶食させ、その日の同時刻にスキャンした。この評価について、以下の条件が満たされた:患者は、肝生検(LB)に使用される位置と同様の位置で、右腕が頭の後ろで最大外転した状態で背臥位に横たわった;トランスデューサーの先端は、肝臓の右葉上の肋骨の間の皮膚に配置した(医師は肋間腔に配置されたプローブで測定を行った);FibroScan(登録商標)検査中に、M+又はXL+プローブの選択は、Automatic Probe Selectionツール(APS)によって決定された(APSツールが「XL+プローブ」又は「M+プローブ」と「XL+プローブ」の間で継続的に「切り替え」を使用するように通知する場合、XL+プローブのみを使用した);オペレーターは、超音波時間動画の助けを借りて、大きな血管構造のない肝臓の部分の位置を特定した(測定の深さは、XL+プローブでは35~75mm、M+プローブでは25~65mmであった。探索される容積は3cm3になる)。オペレーターは、患者ごとに、XL+プローブ又はM+プローブを用いて、同じ場所で少なくとも10回の有効な測定又は最大20回の試行を含む検査を実行した。検査全体は10~15分以上は続かなかった。最終的な硬度及びCAP値は、有効な測定値の中央値として記録した。
FIB-4指数:FIB-4指数は、年齢、血小板数、ALTレベル、及びASTレベルに基づいており、ベースライン(訪問2)及び16週目(訪問10)において評価した。FIB-4スコアは、次の式で示すように決定する。
NFS:NFSは、年齢、高血糖、BMI、血小板数、アルブミンレベル、及びAST/ALT比に基づいている。NAFLD線維症スコア=-1.675+0.037×年齢(歳)+0.094×BMI(kg/m2)+1.13×IFG/糖尿病(はい=1、いいえ=0)+0.99×AST/ALT比-0.013×血小板(×109/l)-0.66×アルブミン(g/dl)。NFSは、ベースライン(訪問2)及び16週目(訪問10)において評価した。
安全性評価は、以下を含んだ。すなわち、病歴、身体検査、ECG、バイタルサイン、臨床検査安全性試験(例えば、血液学、血清生化学、凝固、脂質プロファイル、及び尿検査)、ウイルス学、妊娠検査、採血、薬物動態サンプリング、探索的採血、バイオマーカー採血、尿DOA及びアルコール呼気検査、有害事象評価、併用薬、生物分析、試料、保管、取り扱い、並びに輸送、並びに制限である。それぞれの詳細な説明を以下に提供する。
病歴:患者の病歴の完全な見直しは、除外基準が満たされていなかったことを確認するために、スクリーニング訪問(訪問1)及びベースライン(訪問2)時に治験責任医師又は被指名人によって行われた。研究に関連する、又はしないとみなされたかどうかにかかわらず、併発する疾患は全て治験責任医師によって報告された。可能な場合、診断日又は疾患の期間を記録した。
身体検査:身体検査(身長及び体重を含む)は、表19の研究フローチャートに従って、治験責任医師によって、訪問1/スクリーニング、訪問2/ベースライン、訪問3/2週目、訪問4/4週目、訪問6/8週目、訪問8/12週目、訪問10/16週目、及び経過観察訪問11/20週目に実施した。この検査はベースラインで完全に完了し、その後は症状に基づいた(つまり、患者からの指摘がない限り、身体系の標準パネルは評価されなかった)。例えば、患者が「発疹」の存在を治験責任医師に報告した場合、皮膚が評価された。臨床的に正当な理由がない限り、追加の身体系を評価する必要はなかった。任意の異常な結果は記録した。ベースライン検査と比較した身体検査の所見の変化をAEとして記録した。
ECG:10秒誘導IIリズムストリップでの12誘導ECG 10mm/1mv、25mm/秒を各時点で記録した。ECGは、GE Mac 1200又は同等のモデルを使用して記録した。患者は、ECGが行われる前に、完全に仰臥位で5分間静かに休息した。記録は、訪問1/スクリーニング、訪問2/ベースライン、及び訪問10/16週目の表19の研究フローチャートに示されている日に行った。
バイタルサイン:バイタルサインの測定は、表19の研究フローチャートに従って、訪問1/スクリーニング、訪問2/ベースライン、訪問3/2週目、訪問4/4週目、訪問6/8週目、訪問8/12週目、訪問10/16週目、及び経過観察訪問11/20週目に実施した。バイタルサインの測定は、任意の血液試料を採取する前に実施した。患者が署名した後に所見が得られた場合、臨床的に重要であると考えられた全ての新しい所見又は以前の所見に対する変化を、AEとして記録した。バイタルサインの測定は、仰臥位で実行した血圧(例えば、少なくとも5分間の休息後)の収縮期及び拡張期血圧(mmHg)、安静時に測定した1分当たりの心拍数(bpm)、臨床診療に従って測定した温度を含んだ。
臨床検査安全性試験:血液学、血清生化学、凝固、脂質プロファイル、及び尿分析について安全性試験を実施した。血液及び尿試料は、所定の血液学、血清生化学、凝固及び尿分析について、脂質プロファイルと一緒に表19の研究フローチャートに従って採取した。全ての試料を中央研究所で分析した。全ての対象は、採血前に最低8時間絶食していた。対象が最低8時間絶食しなかった場合、絶食時間の期間を記録し、対象は次の臨床訪問のために適切に絶食するように促された。
・血液学:赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、白血球数、微分白血球数、血小板数、及び網状赤血球を含む全血球数。
・血清生化学:尿素(血中尿素窒素;BUN)、クレアチニン、尿酸、総ビリルビン、間接及び直接ビリルビン、ナトリウム、重炭酸カリウム、リン、塩化カルシウム、アルカリホスファターゼ(ALP)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、ALT/AST比、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)、クレアチンホスホキナーゼ(CPK)、アルブミン、総タンパク質、コレステロール、トリグリセリド、グルコース、C反応性タンパク質(CRP)。
・凝固:プロトロンビン時間(PT)、国際標準比(INR)、及び活性化部分プロトロンビン時間(APTT)。
・脂質プロファイル:LDL、HDL、及びVLDL-C。
・尿検査:pH、タンパク質、グルコース、血液、ケトン、白血球、白血球エステラーゼ、ビリルビン、比重、ウロビリノーゲン、及び硝酸塩。血液、タンパク質、白血球エステラーゼ、又は硝酸塩/亜硝酸塩が存在する場合は反射マイクロ。
ウイルス学:表19の研究フローチャートに詳述するように、HIV、HepC、及びHepBを含むウイルス学検査を実施するために血液試料を採取した。
妊娠検査:妊娠の可能性のある女性患者に対して、表19の研究フローチャートに従って、訪問1/スクリーニング、訪問2/ベースライン、訪問4/4週目、訪問6/8週目、訪問8/12週目、訪問10/16週目、及び訪問11/20週目に妊娠検査を実施した。
採血:血液試料を取得し、試料の分析及び検証に続いて、各治験責任医師によって臨床的に有意な値について検査結果を見直した。安全性臨床検査を繰り返すには、追加の血液が必要な場合がある。
薬物動態(PK)サンプリング:PK分析用の血液試料は、表19の調査フローチャートに従って、訪問2/ベースライン、訪問3/2週目、訪問4/4週目、訪問6/8週目、訪問8/12週目、訪問10/16週目、及び経過観察訪問11/20週目に直接静脈穿刺によって採取した。各時点で1mLの血液試料を採取した。遠心分離後、血漿試料を2つに分け、生物分析アッセイが完了するまで予備試料を中央研究所に保管した。
探索的採血:表19の研究フローチャートに従って、ベースライン(0週目)及び訪問10/16週目に採血し、後日の潜在的な遺伝子アレイ分析又は追加の探索的検査のために保存した。
バイオマーカー採血:表19の調査フローチャートに従って、ベースライン(0週目)、訪問6/8週目、訪問10/16週目、及び経過観察訪問11/20週目に採血し、潜在的なバイオマーカー分析のために保存した。
尿DOA及びアルコール呼気検査:治験責任医師の裁量で臨床的に適切なように、アルコール呼気検査を実施し、試験の実施中の任意の時点で患者から尿試料を採取し、アンフェタミン、バルビツール酸塩、ベンゾジアゼピン、コカイン、カンナビノイド、及びオピエートを検出するために検査を行った。
併用薬:患者は、スクリーニング前の少なくとも3か月間、安定した用量の任意の併用薬を服用しており、その用量は研究期間全体にわたって安定している必要があった。患者がインスリン依存性である場合、この治療はスクリーニングの少なくとも3か月前に開始されるべきであったが、用量の変更は許可された。
制限:研究は、食事、アルコール、カフェイン、及び身体活動の制限を含む。食事について、患者は、研究中とベースライン前の4週間の両方で、オメガ3又はオメガ6脂肪酸が豊富な栄養補助食品(例えば、タラ肝油カプセル)の摂取を避けた。アルコールについて、患者は、週当たり21単位(男性)又は週当たり14単位(女性)を超えるアルコール消費を避けた(1単位は、10mL又は8mgの純粋なアルコールからなる)。研究前又は研究中のいずれも、カフェインの制限はなかった。身体活動について、患者は、安全臨床検査(例えば、生化学)の前に少なくとも3~4時間は運動及び激しい身体活動を避ける必要があった。
1.6 治験薬
DS102のカプセルは、粘度調整剤としての5%w/wのコロイド状二酸化ケイ素とともに500mgの15-HEPEエチルエステル(EE)を含む白色の不透明な硬質シェルカプセル(サイズ0)であった。
DS102のプラセボ(パラフィンオイル)は、粘度調整剤としての1%w/wのコロイド状二酸化ケイ素とともに同等の充填重量の液体パラフィンを含む白色の不透明な硬質シェルカプセル(サイズ0)であった。
DS102及びプラセボのカプセルは、目的外の使用から保護された安全な場所(例えば、施錠されたキャビネット又は薬剤保管室)に2~8℃で保管された。ラベルは用量を盲検化し、無作為化番号が含まれた。
投薬量及び投与:本研究は、全16週間の期間中1日2回経口投与されるDS102とプラセボとの比較を含んだ。最後の治験薬の投与は、16週目の訪問/早期終了(ET)訪問の前日に行った。患者は、食事とともに、又は食後にカプセルを服用する必要があった。研究において許可された、他の疾患のための薬剤は、通常どおり服用された。ウォレット付きブリスターパックは4カプセルの7日間からなり、最後に、患者は、割り当てられた薬を16週間連続して服用した。
1.7 有害事象及び重篤な有害事象
この研究の有害事象(AE)及び重篤な有害事象(SAE)は次のように定義された。
有害事象(AE):治験中のIMPに関連するとみなされるかどうかにかかわらず、治験薬の第1の用量を服用した患者に生じるあらゆる望ましくない経験。AEは、IMP及び重症度との関係を定義する症例報告書に記録した。
重篤な有害事象(SAE):治験薬の第1の用量後に患者が重篤な有害事象を経験した場合、その事象はSAEとして記録した。SAEは、死に至る、生命を脅かす、患者の入院若しくは既存の入院の延長を必要とする、又は持続的若しくは重大な障害/無能力をもたらす、のうちのいずれかを含む、任意の用量での不都合な医学的発生として特徴付けられる。「生命を脅かす」という用語は、事象時に患者が死亡のリスクにあった事象を指す。それがより重篤な場合に、仮定として死亡を引き起こし得る事象は指さない。重要ではあるが、生命を脅かさない事象の例としては、緊急治療室での集中治療、アレルギー性気管支痙攣、入院に至らなかった血液疾患若しくは痙攣、又は薬物依存若しくは薬物乱用の発症が挙げられた。
予期しない有害事象(UAE):治験薬概要書又は製品特性の概要(SPC)など同様の製品情報シートでこれまでに報告されていない経験。
AEの強度は、治験責任医師が臨床経験に基づいて定めた、事象の相対的な重症度の推定値である。AEの重大度を評価するために以下の定義を使用した。
・軽度:有害事象は一時的であり、容易に許容された。
・中等度:有害事象は患者に不快感を引き起こし、患者の通常の活動を妨げた。
・重度:有害事象は、患者の通常の活動にかなりの障害となり、活動能力を奪い得るか、又は生命を脅かし得た。
患者の病歴、直近の身体検査所見、及び併用薬を考慮することによって、実験的治療に対するAEの因果関係も確立された。AEの因果関係を決定するために以下の定義を使用した。
・関連なし:実験的治療に対して、AEの発症の時間的関係は合理的ではないか、又は別の原因がAEの発生を説明し得た。
・関連あり:実験的治療に対して、AEの発症の時間的関係は合理的であり、治療に対する既知の応答パターンに従い、代替の原因がある可能性は低かった。
経過観察期間まで及び経過観察期間を含む研究期間全体にわたって全てのAEを報告した。
1.8 薬物誘導性肝傷害
重度の薬物誘導性肝傷害(DILI):認識された原因に関係なく、重度のDILIの場合、症状の発現が解消したとみなされるまで治験薬は中止された。治験薬が肝傷害の原因であると判断された場合、その患者では、その薬での再投薬実験を行わなかった。重度のDILIは、総ビリルビン>2×ULN又はINR>1.5によって示されるように、肝障害の証拠を規定している。
異常なベースライン肝生化学の患者:異常なベースライン肝生化学を決定する際に、ULNを使用する代わりに、ベースラインレベルに対して倍増を計算した。したがって、3倍のベースラインALT又はAST(又は>200IU/L)の数値に続いて、72時間以内に繰り返し試験を行い、生化学的変化が改善又は悪化しているかどうかを確認/決定した。AE情報は、徹底的な身体検査とともに収集した。肝臓病因スクリーニング及び/又は他の適切な試験を行った。肝機能障害が発生した場合、患者は重度のDILIとして管理された。重度のDILIを満たす基準のいずれかが発生した場合は、薬物治療の一時停止が検討された。
1.9 重篤な有害反応と予期しない有害反応
有害反応:任意の用量に関連する医薬品に対する全ての有害かつ意図しない応答は、有害な薬物反応とみなされた。「医薬品に対する応答」という句は、医薬品とAEとの因果関係が少なくとも合理的な可能性である(すなわち、関係を排除することができない)ことを意味する。市販の医薬品の場合、有害反応とは、有害で意図しない、かつ疾患の予防、診断、若しくは治療、又は生理学的機能の修正のために人間が通常使用する用量で生じる、薬物に対する応答である。
予期しない有害反応:その性質又は重症度が該当する製品情報と一致しなかった有害反応。
疑わしい予期しない重篤な有害反応(SUSAR):上の定義によるIMPに関連し得る、予期しない任意の重篤な有害反応。
1.10 統計方法論及びデータ管理
この臨床試験では、無作為化、二重盲検、プラセボ対照の並行群間計画を採用した。無作為化は、割り当てのバイアスを最小限に抑え、既知及び未知の患者属性(例えば、人口動態特性)が治療群間で均等にバランスが取れている尤度を増加させるために使用された。盲検化は、データ収集並びに安全性及び有効性の評価中の潜在的なバイアスを低減させるために使用された。比較対照としてのプラセボの使用は、研究期間の短さ及びプラセボ治療の結果であり得る任意の潜在的な長期の不可逆的損傷の欠如に基づいて患者における安全性及び有効性を評価するための合理的な計画として正当化された。
試料サイズの推定:活性薬物群とプラセボ群との間での20%デルタの反応率、25%の標準偏差、20%の脱落率を仮定すると、5%の有意水準及び80%の出力での統計的検定には群当たり32人の患者が必要になった。試料サイズは、非盲検者からの推奨に基づいて中間分析で再推定された。一次エンドポイントについて80%の条件付き出力を達成するには、試料サイズを合計で最大150人の患者に増やすことができた。
盲検化及び暗号解読の指示:全ての研究施設の担当者、並びに研究の監視又は実施に関与する担当者は、個々の患者の治療の割り当てに対して盲検化された。無作為化の詳細は厳重に秘密にされ、正式な非盲検化の時まで、権限者が緊急時にのみアクセスできた。試験の盲検化コードは、全ての患者データが記録されて検証され、データベースがロックされた後にのみ解読された。
中間分析及びデータ監視:患者の少なくとも50%が16週目の訪問を完了したときの条件付き出力を推定するために、中間分析の安全性を実行した。中間分析は、一次及び共一次有効性エンドポイント並びに二次エンドポイントについて収集されたデータに基づいており、それを使用して、一次研究の目的を達成するために条件付き出力を推定し、試料サイズを潜在的に再推定し、効果の低い治療群を潜在的に除外した。
臨床的に意味のある応答:プラセボと比較して、ALT又は肝硬度のより高い平均又は少なくとも20%の中央値の低減、並びにプラセボと比較してALT及び肝硬度の両方のより高い平均又は少なくとも10%の中央値の低減
分析セットは、登録セット、完全分析セット(FAS)、プロトコルごとのセット(PPS)、安全性分析セット(SAS)、及び薬物動態(PK)セットを含んだ。各分析セットの詳細な説明を以下に提供する。
登録セット:インフォームドコンセント用紙に署名した患者。スクリーニングの失敗は、資格要件を満たしておらず、かつ無作為化前に研究から離脱した登録母集団由来の患者であった。
FAS:研究治療の投与を少なくとも1回受け、ベースライン後の測定が少なくとも1回行われた無作為化患者。患者は、実際に受けた治療に関係なく、無作為化時に割り当てられた治療に従って分析された。
PPS:主要なプロトコル違反がなかったFASの患者からなるFASのサブセット。全てのプロトコルの逸脱は、データベースロックの前に個別的に評価されて文書化され、大幅な逸脱は、関連する患者のPPSからの除外につながる、有効性の結果への深刻な影響を有するものとみなされた。
SAS:研究治療の投与を少なくとも1回受けた患者。患者は、実際に受けた治療に従って分析された。
PKセット:少なくとも1つのDS102のPK濃度を有したSASの患者。患者は、実際に受けた治療に従って分析された。
安全性分析:人口統計、病歴、及び身体検査のデータを、患者ごとに列挙し、記述的に要約した。研究中に記録した全てのAEを、Medical Dictionary for Regulatory Activities(MedDRA)の最新版を使用して、系統臓器分類及び基本語にコード化した。AEを、治療、治療との関係、深刻度、及び重症度ごとに表にし、要約した。臨床検査値(例えば、血液学、生化学、及び尿検査)を、各患者について治療及び日ごとに列挙した。検査室の正常範囲外の値を、臨床的有意性に関するコメントとともに個別に列挙し、潜在的に臨床的に有意な異常を強調表示して、治療ごとに要約した。投薬前に得られた臨床検査値を、ベースライン値として定義した。アルコール呼気検査及びDOA検査の結果を、患者ごとに列挙した。バイタルサインの個別の値を列挙し、治療及び日ごとに記述的に要約した。12誘導ECG評価を、関連する全てのコメントとともに患者ごとに列挙し、治療及び日ごとに要約した。世界保健機関の薬物辞書の最新バージョンに従って薬剤群及びサブ群によって分類された併用薬(存在する場合)を列挙し、治療ごとに要約した。概して、変数の性質に応じた適切な記述統計を適用した。カテゴリ変数は数値及び割合を使用して提示し、連続変数は平均、標準偏差、中央値、最小値、最大値、変動係数、及び患者数を使用して示した。
薬物動態分析:15(S)-HEPEの血漿濃度を表にし、記述的に要約した。15(S)-HEPEの個別の及び平均の血漿濃度-時間プロファイルをグラフで示した。
一次変数:一次有効性変数は、16週目(訪問10)の血清ALTのベースラインからの変化であった。共分散分析(ANCOVA)モデルを用いて、対応するベースライン値を共変量として含め、活性治療群をプラセボに対して比較した。プラセボに対する比較は、ダネットの多重検定手順に従って行った。欠落している16週目の値については、使用可能な最後の値を繰り越した(LOCF)。同様の方法を肝硬度に適用した。ALTについては、縦方向のモデリングを追加で考慮した。
二次変数:二次有効性変数及びベースライン~16週目(訪問10)のそれらの変化を、治療群及び訪問ごとに記述統計で要約した。これは、AST、AST:ALT比、CAPによって測定された肝臓脂肪、一過性エラストグラフィによる肝硬度測定、FIB-4、NFS、ELF、及びHOMA-IR/Adipo-IRに適用された。活性治療群のベースラインからの変化を、中心効果の項を含むANOVAモデルを用いて、プラセボに対して比較した。全ての治療比較について、5%の有意水準を使用した。
探索的分析:探索的分析には、総コレステロール、トリグリセリド、超低密度リポタンパク質コレステロール(VLDL-C)、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)、非高密度リポタンパク質コレステロール(非HDL-C)、レムナント様粒子コレステロール(RLP-C)、空腹時血糖、インスリン、遊離脂肪酸、及びヘモグロビンA1C(HbA1C)など脂質及び代謝パラメーターの分析が含まれた。追加の探索的分析には、高スループットのリピドミクス及びプロテオミクスが含まれた。
1.11 結果
この研究は、NAFLDと診断され、1日当たり1g又は2gの用量でDS102を投与された患者が、代謝過負荷のマーカーの統計的に有意な低減、並びにインスリン感受性及び血糖制御の改善を示したことを実証した。
図20は、3つの治療群がベースラインでバランスが取れており、リピドミクスプロファイル及びメタボロミクスプロファイルが類似していることを示す。患者のベースライン特性を表18に示す。患者の10~13%は、ベースラインでスタチン療法を受けていた。
図21A~図21Cは、プラセボと比較した、1日当たり1g又は2gのいずれかのDS102を投与した患者におけるベースライン~16週のインスリン、グルコース、及び遊離脂肪酸のレベルの変化を示す。グルコース、炭水化物、及び遊離脂肪酸を含む代謝基質がASHの病因を促進するため、DS102の投与によるインスリン、グルコース、及び遊離脂肪酸のレベルの低減は、臨床的に有意である。
図22A及び図22Bは、プラセボと比較した、1日当たり1g又は2gのいずれかのDS102を投与した患者におけるベースライン~16週のHOMA-IR及びadipo-IRのレベルの変化を示す。患者は、2gのDS102を投与された患者について観察したプロトコルごとのセット(PPS)の有意な改善とともに、16週目に両方のインスリン抵抗性指数の改善(例えば、HOMA-IR及びadipo-IRのレベルの低減)を示した。
図23A及び図23Bは、プラセボと比較した、1日当たり1g又は2gのいずれかのDS012を投与した患者におけるベースライン~16週の糖化ヘモグロビン(例えば、HbA1c)レベルの変化を示す。具体的には、図23AはHbA1cレベルの変化を示し、図23Bはベースラインで高いHbA1cレベルを示したが、16週目には正常のレベルに達した患者の割合におけるHbA1cレベルの変化を示す。Hb1Acは、体の赤血球に付着したグルコースの量の尺度であり、長期的な血糖制御について代理であるため、これらの結果は、DS102の投与が臨床的に有意な改善をもたらし、用量依存的に血糖制御を正常化することを示す。
図24A及び図24Bは、安全性分析セット(SAS)における16週目の患者の脂質プロファイルの平均変化及び中央値(%)変化を示す。これらの結果は、図25A~図25Cに更に示しており、DS102の投与が、患者における総コレステロール、VLDL-C、非HDL-C、レムナント様粒子(RLP)コレステロール、及びトリグリセリドのレベルの維持又は低減のいずれかにより患者の脂質プロファイルを有意に改善したことを示す。重要なことに、16週目では低減は平坦にならず、DS102の投与がより長期間の研究において更に大きな変化を誘導する可能性があることを示唆している。
図26に示すように、DS102の投与は、NASHの肝毒性脂質シグネチャを逆転させ、NASHと診断された患者において変化する複数の脂質クラスを改善する。具体的には、2gのDS102の投与は、複数の肝毒性ジグリセリドのレベルを有意に低減させ、複数のグリセロリン脂質群のレベルを有意に増加させた。NASHを有する患者は肝臓及び血漿のグリセロリン脂質のレベルが低いため、この所見は重要である。
図27は、DS102の投与が、NASHについてのOWL肝臓ケア非侵襲的診断試験など検証済みの診断試験に基づいてNASHも解消されたことを示す。OWL肝臓ケアは、生検で確認されたNASH患者における血漿リピドミクスに基づいて開発された検査であり、高い予測値を提供する。OWL肝臓ケアは、NAFLDと正常な肝臓の患者とを区別するための0.88の曲線下面積(AUC)、及び脂肪性肝炎を有しないNAFLDとNASH患者とを区別するための0.79のAUCを有する。DS102の投与は、16週目のプラセボと比較して、用量依存的にOWL肝臓ケアで診断したNASHを有意に改善し、正常化した。表19は、治療群ごとのベースラインでの試験診断を示しており、ほとんどの患者がベースラインでNASH又はNAFLDに分類され、2gのDS102群において患者の割合が低いことを示す。
図28に示すように、DS102の投与は、NAFLDと診断された患者においてCAPによって評価された肝臓脂肪含有量も低減させた。更に、DS102は、より長期間の研究において、より感度の高い方法によって評価した場合に、肝含有量のより大きな変化を誘導することが予想されると考えられる。
表20に示すように、DS102の投与は患者におけるトリグリセリドレベルも低下させたため、DS102は心血管リスクの低下にも効果的であると考えられる。
図29A~図29Cは、DS102の投与が炎症性及び線維化促進性タンパク質を低減させることを示す。この評価のために、DS102での治療の前後の血液試料を、350超の種々のタンパク質バイオマーカーのパネルについて分析した。2gのDS102での治療は、炎症、線維症、脂質代謝、アポトーシス、及び走化性と関連する150超のマーカーの発現を顕著に下方制御した。DS102での治療後、その後の細胞ストレス、炎症、線維症を予防する代謝過負荷及び脂肪毒性の解消が観察された。炎症性及び線維化促進性タンパク質の低減は、DS102がNASHの解消及び線維症の予防をもたらす可能性を示唆している。
図30に示すように、DS102の投与はまた、複数のNASH開発標的の発現を低減させた。特に、2gのDS102の投与は、CCR2/5シグナル伝達(セニクリビロク-Allergan)、ガレクチン3(GR-MD-02-ガレクチン)、及びAOC3(Boehringer Ingelheim)を含むようにNASH薬物開発標的を低減させた。
図31の火山プロット(ボンフェローニ及びベンジャミーニ・ホッホベルク検定のデータ)は、2gのDS102の投与が、タンパク質発現の変化に基づいて炎症性及び線維化促進性タンパク質を低減させたことを示す。表21は、ボンフェローニ検定に基づいた、最も有意な炎症性及び線維化促進性タンパク質の低減を示す。
1gのDS102の投与はまた、TRの有意な低減を示した。表22は、線形モデルを用いる分析に基づいた、最も有意な炎症性及び線維化促進性タンパク質の低減を示す。
この分析はまた、1gのDS107群における1個のタンパク質、プラセボ群における0個のタンパク質が、ベンジャミーニ・ホッホベルク検定に基づいて、第1の閾値を超えたことを示した。
図32に示すように、DS102の投与はまた、複数の血管接着分子の発現を低減させた。血管接着分子はアテローム性動脈硬化症に関与しており、それらの循環レベルは心血管リスクと関連している
図33に示すように、DS102の投与はまた、心血管リスクの増加と関連する複数のタンパク質の発現を低減させた。
図34に示すように、DS102の投与はまた、複数の循環ケモカインの発現を低減させた。ケモカインは、アテローム性動脈硬化症の慢性炎症の重要なドライバである。
図35に示すように、DS102の投与はまた、複数の腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバーの発現を低減させた。腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリのメンバーは、炎症及びアテローム性動脈硬化症に関与している。
DS102はまた、プラセボと比較して安全性及び忍容性の違いが観察されることなく、安全で良好な忍容性であることが証明された。薬物関連の重篤な有害事象(SAE)はなく、有害事象(AE)の発生率は低く、全ての治療群にわたって一貫していた。ほとんどのAEは、軽度から中等度かつ一過性であり、治療の中止につながるAEを経験した患者はいなかった。各処理群にわたる安全性プロファイルを表23に示す。
DS102はまた、図36A及び図36Bに示すように、関連する適応症、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、及び原発性硬化性胆管炎(PSC)の改善における潜在的な有効性について評価された。重要なことに、2gのDS102の投与は、アルカリ性リン酸塩(ALP)及び肝線維症の複数のマーカーを低減させ、DS102がPBC及びPSCの治療においても有効であることを示唆している。
図37は、15-HEPEエチルエステル(EE)トラフ血漿相対濃度の箱ひげ図であり、予想どおり、8週目及び16週目にDS102治療群においてより高い系統的曝露があったことを示す。
1.12 要約
全体として、これらの結果は、DS102が代謝負荷を大幅に低減させ、インスリン感受性を改善することにより、NASH病理の複数の段階を標的にしていることを示す。DS102の投与はまた、NASHと関連する脂質蓄積のレベルを逆転させることにより、患者の脂質プロファイルを改善した。具体的には、DS102を投与されたそれらの患者は、総コレステロール、非HDLコレステロール、RLPコレステロール、トリグリセリド、ジグリセリド、及びVLDL-Cなどを含む肝毒性脂質レベルの蓄積の低減、並びにグリセロリン脂質レベルの増加を示した。NASHと診断された患者は、総コレステロール、トリグリセリド、ジグリセリド、並びにVLDL-Cのレベルが高く、グリセロリン脂質及びオメガ3PUFAのレベルが低いことによって特徴付けられるため、これらの影響は重要である。更に、複数の脂質への変化は、心血管リスクの低減及びメタボリックシンドロームの複数の側面の改善をもたらすことが期待される。
結果はまた、プラセボと比較して大きく統計的に有意な改善を伴う、2g以上のDS102の投与を支持する用量依存的効果があることを示唆した。
結論として、DS102は、NASHを治療するための単剤療法又は併用療法の一部のいずれかとして非常に適しており、NASH又はメタボリックシンドロームを含む心血管代謝性疾患と診断された患者などにおいて心血管リスクを低減すると考えられる。
実施例5:4週間の回復期間を含む、ラットでの強制経口投与による15(S)-HEPEEEの26週間毒性試験
この研究の目的は、(1)26週間の強制経口投与によってラットに与えられた、肝臓疾患及び肺疾患の治療に使用される、オメガ-3脂肪酸である15(S)-HEPEEEの潜在的な毒性を決定すること、及び全ての所見の潜在的な可逆性を評価すること、(2)15(S)-HEPEEEの毒物動態特性を決定することであった。
1.1 研究設計
検査及び対照項目を、1日1回の強制経口投与によって週7日、最低26週間にわたって適切な動物に投与した。動物ごとの容量は、直近の体重測定に基づいた。用量は、強制経口投与カニューレを取り付けたシリンジを使用して与えた。投与の初日を1日目として指定した。投与製剤を冷蔵庫から取り出し、投与前に少なくとも30分間撹拌した。投与中にも投与製剤を連続的に撹拌した。
猫背の姿勢、毛の逆立ち及び異常歩行、並びに体重の減少など臨床徴候の発症により、動物3206M、3515F、及び3703Fへの投与は45日目から休止し、残りの群3の動物への投与は48日目から休止した。動物への投与は、64日目からより低い用量レベル(3000mg/kg/日)で開始することになる。以下の表は、研究で使用した治療(表23)及び動物群(表24)を示す。
a猫背の姿勢、毛の逆立ち及び異常歩行、並びに体重の減少など、臨床徴候の発症により、動物への投与は、48日目から休止した。動物への投与は、64日目からより低い用量レベル(3000mg/kg/日)で開始することになる。
bバッチ2540M~1801及び2540M~1802の調整済み濃度。
cバッチ2540M/1901及び2540M/1902の調整済み濃度。
予備の動物は、4002M及び4501F、4502Fと番号付けされることになる。
回復期間:投与期間の完了時に、指定された回復動物は、最小4週間の回復期間にわたって保持された。
経路の正当化及び投与量レベル:この経路がヒト投与の意図された経路であるため、この研究には、経口投与経路を選択した。1日1回投与されたラットにおける過去26週間の経口毒性は、試験した最高用量(1mg/kg/日)において有害作用を示さなかった。Warren,H(2017).A 26 Week Study of 15(S)-HEPE EE by Oral(Gavage)in Rats with a 4 Week Recovery Period.Charles River Study No.529123を参照されたい。この研究で用量規定毒性が見られなかったことを考えると、追加の28日間の用量決定試験は、6g/kg/日の経口最大耐量(MTD)を決定した。Murie,E(ongoing).A Pilot 28-Day Study of DS102 by Oral Gavage in Rats.Charles River Study No.506611を参照されたい。この今回の研究は、このMTDで15(S)-HEPE EE(DS102)の慢性毒性の潜在性を評価してICHM3(R2)に準拠するために行った。ICH Harmonised Tripartite Guideline M3(R2).Nonclinical Safety Studies for the Conduct of Human Clinical Trials and Marketing Authorisation for Pharmaceuticals。
1.2 In-Life Procedures,Observations,and Measurementsを参照されたい。
全ての主要研究動物及び回復動物に対して、生存手順、観察、及び測定を行った。毒物動態動物を秤量し、主要研究動物と同時点において臨床観察を記録した。
死亡/瀕死チェックは毎日行った。一般的な健康/死亡及び瀕死について動物を観察した。潜在的な所見の特定又は確認に必要がない限り、観察中に動物をケージから取り出すことはなかった。
臨床的観察:
ケージの側での観察は、毎日行った。潜在的な所見の特定又は確認のためではない限り、観察中に動物をケージから取り出すことはなかった。
詳細な臨床的観察は、毎週行った。検査のために、動物をケージから取り出した。
投与後の観察は、一日を通して定期的に行った。治療に対する反応について全ての動物を検査した。発症、強度、及びこれらの兆候の期間を記録した。投与中及び投与後1時間は、動物に特別な注意を払った。
体重測定は、治療前期間中に2回、投与期間中に1日1回、回復期間中に週2回行った。動物は、個別に秤量した。予定した剖検(主要動物及び回復動物のみ)の初日に重量を記録した。
摂餌量は、1週目に開始し、投与及び回復期間にわたって毎週定量的に測定した。
水の消費量は、水筒の目視検査によって研究を通して定期的に測定した。
眼科検査は、散瞳剤(1%トロピカミド、Mydriacy)適用後に間接検眼鏡を使用して実施した。治療前期間中、全ての主要研究動物及び回復動物を検査した。13週目及び26週目の間、主要研究動物(対照及び高用量)を検査した。30週目に、全ての回復動物を検査した。
1.3 研究室評価:
臨床病理学
試料採取:回復不能なイソフルラン麻酔下で眼窩洞から採血する場合、剖検の直前ではない限りは尾静脈から採血した。安楽死の順序に従った剖検前に試料を採取しない限り、昇順で動物から採血した。許容サンプリング頻度及び血液量を超えなかった場合、追加の血液試料を得た(例えば、非血清試料の凝固のため)。採取後、試料を適切な研究室に移動して、処理した。試料は、以下の表に従って採取した。
血液学:抗凝固剤K2EDTAを使用して0.5mLの血液試料を採取した。血液塗抹を標識化し、染色し、保存した。以下のパラメーターに従って血液塗抹を分析した。
凝固:処理して血漿にするために抗凝固剤3.8%(w/v)クエン酸三ナトリウムを使用して、0.5mLの血液試料を採取した。凝固を評価するために、以下の凝固パラメーターを測定した。
臨床化学:処理して血漿にするために抗凝固リチウムヘパリンを使用して、0.7mLの血液試料を採取した。臨床化学を評価するために、以下のパラメーターを測定した。
a総ビリルビンが>8.55μmol/Lである場合、間接ビリルビン及び直接ビリルビンも測定することになる。
尿検査:食物が不在であり、かつ水分が存在する、6時間(+/-30分)の期間にわたって動物から尿を採取した。採取後、試料を適切な研究室に移動して、処理した。尿検査を評価するために、以下のパラメーターを測定した。
骨髄塗抹分析:全ての動物から骨髄を収集し、10%の中性緩衝ホルマリン中で保存した。
生物分析及び毒物動態評価
生物分析試料の収集:滅菌針及び使い捨てシリンジを使用し、頸静脈(又は頸静脈にアクセスできない場合は尾静脈)を介して、抗凝固剤K2EDTAを使用して0.5mLの血液試料を採取した。採血スケジュールの完了時に、毒物動態動物を安楽死させた。死体は検査せずに廃棄した。試料は、以下の表に従って採取した。
X=採取する試料。-=該当せず。
a試料は、投与前に採取する
b動物3702Fでは1日目の試料を収集したが、44日目に、人道的理由でこの動物を安楽死させた。追加試料は、26週目に動物3707F(0時間
a採取)及び動物3702F(4時間採取)から採取して、動物3704Fの欠落した時点を埋め合わせた。
生体分析試料の処理:試料を緩やかに混合し、採血の60分以内に遠心分離するまで粉砕したウエットアイス上に保持した。試料を1500g、4℃で10分間遠心分離した。得られた血漿を分離し、一意にラベル付けした透明ポリプロピレンチューブに移し、ドライアイス上で可能な限り急速に凍結させたか、又は-20℃に維持するように設定された冷凍庫内で凍結させた。
バイオ分析試料分析:有効な分析手順を使用して、非エステル化HEPE及び総HEPEの濃度について血漿試料を分析した。以下を決定した。
a) 非エステル化(遊離脂肪酸として血漿中で生じた、又は血漿アルブミンに結合したHEPE)。
b) 各試料時間における総(非エステル化HEPE及びエステル化HEPE(例えば、トリグリセリド、コレステロールエステルなど)を定量化する)濃度。
バイオ分析実験室の適切な標準操作手順に従って、この研究のために、非エステル化HEPEについて実試料の再分析(ISR)を実施した。ラット血漿試料中の総HEPEの測定についてのISRは、上記で参照した分析手順を使用して、試験施設研究番号527943中に成功裏に行った。この研究で繰り返す必要はない。
全ての残留/保有生物分析試料は、草案の発表後最低6か月間保管した後に廃棄した。あるいは、最終報告の発表が6か月の保有期間の終了前に生じる場合には、6か月の期間よりも前に残留/保有試料を廃棄した。これらの残留/保有試料の早期廃棄はまた、試験責任者によって要求され、承認され得る。
毒物動態評価:毒物動態パラメーターは、Phoenix薬物動態ソフトウェアを使用して推定した。パラメーターの推定には、経口投与経路と一致する非区画アプローチを使用した。全てのパラメーターは、実用的な場合には、1日目及び26週目の血漿中の15(S)-HEPEEE組成物の総遊離酸及び非結合遊離酸の濃度から生成した。以下のパラメーターを推定した。
部分AUC(任意の所与の試料時間の間)が導出され、解釈を補助するために報告され得る。Phoenixを使用して、適切なグループ化及びソート変数のための記述統計(Cmax及びAUC(0-t)の標準誤差)を生成した。TK表及びグラフも生成した。
1.4 終了時手順
以下の表は、研究で使用する終末期手順を要約したものである。
X=実施する手順:-=該当なし
a組織のリストについては、組織採取及び保存の表を参照されたい。
b標的組織は、肝臓(雄及び雌)、甲状腺(雄及び雌)、腎臓(雌のみ)、胸骨骨髄(雄のみ)である。
予定外の死亡:主要研究動物又は回復動物が研究中に死亡した場合、剖検を行い、特定の組織を保存した。必要に応じて、動物を冷蔵して自己分解を最小限に抑えた。主要研究動物又は回復動物は、試験施設のSOPに従って人道的理由で安楽死させた。体重を記録し、可能であれば、臨床病理パラメーターの評価用の試料を得た。これらの動物を剖検し、特定の組織を保持した。必要に応じて、動物を冷蔵して自己分解を最小限に抑えた。試験中に死亡した、又は人道的理由で安楽死させた毒物動態動物を、限定的な剖検検査に供した。検査は、胸部、腹腔、及び骨盤腔内の臓器及び組織の評価からなり、組織は保持しなかった。限定的な剖検検査の間、潜在的な強制経口投与による外傷の証拠に特別な注意を払った。体重を記録し、毒物動態分析の評価用に試料を採取した。
予定した安楽死:予定した安楽死まで生存した主要研究動物及び回復動物は、濃度が上昇する二酸化炭素に動物を曝露することによって安楽死させた。終末期の体重を記録し、その後、放血させた。可能な場合には、対照を含む各群から同様の数の動物を終日剖検するように、動物を用量群全体で順番に安楽死させた。動物は、予定した剖検前に絶食させなかった。予定した安楽死まで生存した、毒物動態動物は、認められた方法で安楽死させた。剖検は行わず、組織は採取しなかった。
剖検:主要研究動物及び回復動物は、完全剖検に供した。完全剖検は、死体及び筋骨格系;全ての外側面及び開口部;頭蓋腔及び脳の外側面;並びに胸腔、腹腔、及び骨盤腔と、それらに関連する臓器及び組織を含んだ。剖検手順は、動物解剖学及び肉眼的病理学の分野で適切な訓練及び経験を有する、有資格の担当者によって行われた。
臓器体重:組織採取及び保存の表の秤量について確認される臓器は、予定した全ての安楽死動物について、(特に指定がない限り)剖検時に秤量した。死体で見つかった動物、又は不十分な状態若しくは切迫して安楽死させた動物については、臓器の重量を記録しなかった。対臓器は、合わせて秤量した。肉眼的異常の場合は、合計重量に加えて、対の各臓器を秤量し、組織コメントとして入力した。終了時の体重及び脳重量を臓器重量分析に使用した。
組織採取及び保存:以下の表に従って採取した組織を、10%の中性緩衝ホルマリン中に保存した。
X=実施する手順。-=該当なし。(1)=片側。(2)=両側。
列挙した臓器及び他の臓器の肉眼的異常は、剖検で試料採取し、組織学的分析用に処理し、顕微鏡によって検査する。
a予定の剖検及び予定外の剖検(あり得る検査のために)時に2つの骨髄塗抹を大腿骨から採取する。塗抹は、死体で見つかった動物、又は瀕死で安楽死させられた動物からは採取せず、剖検前に冷蔵庫に保存した。骨髄塗抹は空気乾燥させ、ホルマリン中に固定しない。
b眼及び視神経は、デビットソンの固定液中に保存する。精巣及び精巣上体は、デビットソンの修正固定液中に保存する。
c小腸から:パイエル板又は孤立リンパ小節。
d固定後に秤量
1.5 用量処方及び分析
管理項目:この研究の管理項目は、Milli-Q水中の0.5%のHPMCであった。必要に応じて管理項目を調製し、使用しないときは、4℃を維持するように設定された冷蔵庫に保管した。調製した管理項目を冷蔵庫から取り出し、投与前に少なくとも30分間撹拌した。投与中にも管理項目を連続的に撹拌した。
試験項目:この研究の試験項目は、DS102又は15(S)-HEPEEEであった。試験項目の投与製剤は、投与量レベル要件を満たす適切な濃度で、試験施設において規定された方法に基づいて調製した。投与製剤は毎週調製し、4℃を維持するように設定された冷蔵庫に保管し、毎日投薬した。投与製剤を冷蔵庫から取り出し、投与前に少なくとも30分間撹拌した。投与中にも投与製剤を連続的に撹拌した。
試料採取及び分析
分析した試料は、規定の安定期間内に提出した。全ての分析された試料は、周囲温度で試験施設の分析実験室に移動させた。全ての残留/保有分析試料は、草案の発表後最低6か月間保管した後に廃棄した。あるいは、最終報告の発表が6か月の保有期間の終了前に生じる場合には、6か月の期間よりも前に残留/保有試料を廃棄した。これらの残留/保有試料の期間前廃棄はまた、治験依頼者との相談後に研究責任者によって承認され得る。以下の表に示すように、分析用に製剤試料を採取した。研究責任者の裁量で、追加試料を採取し、分析することができる。
N/A=該当なし。
a群2~3の調製の上部、中部、及び下部から得た均質性の結果は、平均化し、濃度結果として利用する。
分析方法
以下に記載の分析は、有効な分析手順を使用して、UV検出を含むUPLCによって実施した。
濃度分析:
・分析用試料:上部、中部、及び下部試料を2つずつ(対照用は中部のみ2つ)分析用に送った。濃度のみが評価対象である場合には、中部試料のみを2つ採取した。
・予備試料:上部、中部、及び下部試料を3つずつ(対照用は中部のみ3つ)を試験施設に保持した。予備試料は、研究責任者の裁量で分析され得る。濃度のみが評価対象である場合、中部試料のみを3つ採取する。
・採取容器:適切なサイズのメスフラスコ。
・試料容積:
・群1:50mLのメスフラスコに0.5mL。
・群2:50mLのメスフラスコに0.25mL。
・群3:50mLのメスフラスコに0.25mL。
・全ての試料の重量を記録した。
・保管条件:4℃を維持するように設定された冷蔵庫内で保持した。
・合否基準:合否の基準は、理論濃度の±10%以内の平均試料濃度であった。均質性の場合、合否基準は、群ごとに≦10%の濃度の相対標準偏差(RSD)であった。
安定性分析:試験施設研究番号439414と併せて以前に実施した安定性分析は、試験項目が、本研究で使用するものをブラケットする濃度で、同一条件下で調製し、保存したときにビヒクル中で安定であることを実証した。Rogers,E(2018).Validation of an Ultra High-Performance Liquid Chromatographic Method for the Determination of 15(S)HEPE EE in oral(Gavage)Dosing Formulations.Charles River Study No.439414を参照されたい。安定性データは、試験施設研究番号439414 Id.の研究記録に保持された。
1.6 試験システム
動物:試験は、CharlesRiverUKLimited(Margate,Kent,UK)から購入した雌雄のSpragueDawleyラットを使用した。初回投薬時の標的年齢は7~8週間であった。初回投薬時の標的重量は、175~300g(雄)及び120~250g(雌)であった。各動物は、皮下移植された円筒形の「ガラス封止型」トロバン電子マイクロチップを使用して識別された。
1.7 飼育
住居:投薬開始前に最大3週間の期間にわたって、動物を試験施設の齧歯類用毒物学的設備に順応させた。動物は、無作為に群に割り当てた。雌雄は、別々に無作為化した。健康不良の動物は、群に割り当てなかった。動物は、頂部がステンレス鋼の格子であり、底部は中空ではない、適切なサイズの、吊り下げられたポリカーボネート/ポリプロピレンケージに、ケージ当たり2又は3匹を性別ごとに収容した。滅菌した白色の木材片を寝具材料として使用した。
環境条件:動物部屋環境の標的条件は、以下のとおりであった:温度19~23℃;湿度40~70%;1時間当たり最低10回の換気回数;12時間の明及び12時間の暗の光サイクル光、温度、及び湿度の制御は自動的に制御され、連続的に監視され、記録された。
餌:SDS Rat and Mouse(Modified)No.1 Diet SQC Expandedが自由に提供された。公共水道からの水が、水筒から自由に提供された。試験施設で使用された水は、溶解物質、重金属、残留農薬、pH、硝酸塩、及び亜硝酸塩について定期的な間隔で分析された。微生物学的スクリーニングも行われた。
動物のエンリッチメント:動物は、精神的/環境的エンリッチメントのために社会的に飼育され、研究手順/活動によって中断された場合を除いて、身を隠すための仕掛け及び噛むための物体など物品が提供された。
獣医医療:獣医医療は、研究の過程を通して準備されており、動物は、臨床的徴候又は他の変化によって必要とされるように、獣医スタッフによって検査された。全ての獣医学的検査及び推奨される治療処置が存在する場合、研究記録に文書化された。
1.8 組織学及び組織病理学
組織学:組織採取及び保存の表で特定された組織をパラフィン中に包埋し、分割し、スライドガラスの上に載せ、ヘマトキシリン及びエオシンで染色した。
組織病理学:組織病理学的評価は、有資格の獣医病理学者又は実験動物病理学分野で訓練を受け、経験を有する獣医病理学者が行った。顕微鏡による検査は、主要研究管理及び高用量動物、予定外の死亡及び肉眼的病変(主要研究低用量群及び回復動物を含む)からの組織について実施した。主要研究高用量群で治療効果が存在した場合、主要研究低用量群及び回復動物からの標的組織の顕微鏡による検査は、治験依頼者の合意及び治験実施計画書の改訂後に行った。
1.9 コンピュータ化システム
コンピュータ化システム:コンピュータ化システムのフォローテーブルは、研究で使用するために利用可能であった。
1.10 統計分析
投与前期間中に収集したデータを表にし、要約し、統計的に分析した。特に明記しない限り、全ての統計分析は、それぞれの試験段階で行った。予定した機会に収集した数値データ(毒物動態動物からのデータを除く)を要約し、性別及び機会に従って以下に示すように統計的に分析した。
構成変数:体重変化は、予定した各間隔間で計算した。臓器重量対体重は、予定した間隔の終了時体重に対して計算した。臓器重量対臓器重量は、予定した間隔の脳重量に対して計算した。
記述統計分析:平均、標準偏差(又は適切とみなされる場合には%変動係数又は標準誤差)、パーセンテージ、数、及び/又は発生率は、データセットごとに適切に報告した。
推測統計分析:全ての統計分析は、5%の有意水準で行った。全ての一対比較は、両側検定を使用して実施し、特に明記しない限り、1%及び5%の水準で報告した。対象の一対比較を以下に列挙する。
・群2対群1
・群3対群1
分析は、可能な場合には以下のマトリックスに従って行ったが、観察結果が3未満である群は全て除外した。
パラメトリック/非パラメトリック:ルビーン検定を使用して、群分散の均質性を評価した。ルビーン検定が有意でなかったか、又はクラスカル-ワリス検定が有意でなかった場合、一般的な一元配置ANOVA F検定を使用して群を比較した。一般的なF検定又はクラスカル-ワリス検定が有意であることが判明した場合、それぞれダネットの検定又はタンの検定を使用して一対比較を行った。
1.11 結果
赤血球数、赤血球分布幅、及び網状赤血球数の変化:図38A~図38Cは、15(s)-HEPE EE又はプラセボを投与されたラットの赤血球数(RBC)、赤血球分布幅(RDW)、及び網状赤血球数(RETIC)の変化を示す。15(S)-HEPEEE及びプラセボは、最低26週間にわたって週に7日、強制経口投与で1日1回投与された。各動物の容積は、直近の体重測定に基づいた。表38に記載するように、6g/kg/日の最高用量では良好な忍容性が示されず、より低い3g/kg/日に置き換えられた。
RBCの変化:図38A及び表38は、3g/kg/日用量の投与が対照と比較してRBCの有意な増加をもたらしたことを示す。
RDWの変化:図38B及び表38は、2g/kg/日及び3g/kg/日の両用量の投与が、対照と比較してRDWの有意な低減をもたらしたことを示す。
RETICの変化:図38C及び表38は、2g/kg/日及び3g/kg/日の両用量の投与が、対照と比較してRETICの有意な低減をもたらしたことを示す。
これらの結果は、15-HEPEが、ヘモグロビン及び赤血球に影響を与える多数の疾患の治療可能性を有することを示唆している。
プロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時間、及びフィブリノゲン濃度の変化:図39A~図39Cは、15(s)-HEPE EE又はプラセボを投与されたラットのプロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)、及びフィブリノゲン(FIB)濃度の変化を示す。15(S)-HEPEEE及びプラセボは、最低26週間にわたって週に7日、強制経口投与で1日1回投与された。各動物の容積は、直近の体重測定に基づいた。表39に記載するように、6g/kg/日の最高用量では良好な忍容性が示されず、より低い3g/kg/日に置き換えられた。
PTの変化:図39A及び表39は、2g/kg/日及び3g/kg/日の両用量の投与が、対照と比較してPTの有意な低減をもたらしたことを示す。
APTTの変化:図39B及び表39は、2g/kg/日及び3g/kg/日の両用量の投与が、対照と比較してAPTTの有意な増加をもたらしたことを示す。
FIB濃度の変化:図39C及び表39は、2g/kg/日及び3g/kg/日の両用量の投与が、対照と比較してFIB濃度の有意な低減をもたらしたことを示す。
これらの結果は、15-HEPEが抗凝固剤及び抗血栓効果を有することを示唆している。
本開示の様々な実施形態を本明細書で以下に説明する。
項A.メタボリックシンドロームの治療及び/又は予防を必要とする対象においてメタボリックシンドロームを治療する、及び/又は予防する方法であって、方法は、対象に15-HEPE、15-HETrE、又は15-HEPE及び/若しくはHETrEを含む組成物を投与することを含む、方法。
項B.心血管代謝性疾患の治療及び/又は予防を必要とする対象において心血管代謝性疾患を治療する、及び/又は予防する方法であって、方法は、対象に15-HEPE、15-HETrE、又は15-HEPE及び/若しくはHETrEを含む組成物を投与することを含む、方法。
項C.メタボリックシンドローム及び/又は心血管代謝性疾患の治療及び/又は予防を必要とする対象においてメタボリックシンドローム及び/又は心血管代謝性疾患を治療する、及び/又は予防する方法であって、方法は、対象に15-HEPE及び/又は最大約8gの15-HETrEを含む組成物を投与することを含み、15-HEPE及び/又は15-HETrEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する、方法。
項D.メタボリックシンドローム及び/又は心血管代謝性疾患の治療及び/又は予防を必要とする対象においてメタボリックシンドローム及び/又は心血管代謝性疾患を治療する、及び/又は予防する方法であって、方法は、対象に最大約8gの15-HEPEを含む組成物を投与することを含み、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当し、対象は、ジグリセリド、グリセロリン脂質、肝臓脂肪、血圧、腹囲、及び/若しくは遊離脂肪酸のレベルの低減、並びに/又はグリセロリン脂質レベルの増加のうちの1つ以上を示す、方法。
項E.対象における非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の第1の段階がNASHの第2の段階に進行するのを予防する方法であって、方法は、対象に最大約8gの15-HEPEを含む組成物を投与することを含む、方法。
項F.第1の段階は、代謝過負荷、肝臓脂肪含有量及び脂肪毒性の増加、細胞ストレスアポトーシス、炎症、並びに/又は線維形成リモデリングである、項Eに記載の方法。
項G.第2の段階は、肝臓脂肪含有量及び脂肪毒性の増加、細胞ストレスアポトーシス、炎症、並びに/又は線維形成リモデリングである、項E又はFに記載の方法。
項H.心血管疾患の治療及び/又は予防を必要とする、非アルコール性脂肪性肝障害(NAFLD)、メタボリックシンドローム、及び/又は心血管代謝性疾患を有する対象において心血管疾患を治療する、及び/又は予防する方法であって、方法は、対象に15-HEPE、15-HETrE、又は15-HEPE及び/若しくはHETrEを含む組成物を投与することを含む、方法。
項I.心血管疾患の治療及び/又は予防を必要とする、非アルコール性脂肪性肝障害(NAFLD)、メタボリックシンドローム、及び/又は心血管代謝性疾患を有する対象において心血管疾患を治療する、及び/又は予防する方法であって、方法は、対象に最大約8gの15-HEPEを含む組成物を投与することを含み、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する、方法。
項J.対象は、α-平滑筋作用(α-SMA)、メタロペプチダーゼ阻害剤-1(TIMP-1)、トランスフォーミング増殖因子ベータ-β(TGF-β)、及び/又は1型コラーゲンのレベルのうちの1つ以上の低減を示す、項A~Iのいずれか一項に記載の方法。
項K.対象は、ジグリセリド、肝臓脂肪、血圧、腹囲、及び/若しくは遊離脂肪酸のレベルの低減、並びに/又はグリセロリン脂質レベルの増加を示す、項A~C又は項E~Jのいずれか一項に記載の方法。
項L.対象は、アルカリ性リン酸塩(ALP)レベルの低減を示す、項A~Kのいずれか一項に記載の方法。
項M.対象は、血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、及び/又はビリルビン(BUN)のレベルの低減を示す、項A~Lのいずれか一項に記載の方法。
項N.対象は、線維症領域の低減を示す、項A~Mのいずれか一項に記載の方法。
項O.対象は、ヘモグロビンA1C(HbA1C)、インスリン抵抗性の恒常性モデル評価(HOMA-IR)、及び/又は脂肪組織のインスリン抵抗性(adipo-IR)のレベルの低減を示す、項A~Nのいずれか一項に記載の方法。
項P.NAFLDは、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)である、項H~Oのいずれか一項に記載の方法。
項Q.心血管代謝性疾患又は心血管疾患は、脂質異常症、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、原発性高コレステロール血症、原発性高脂血症、一般的な原発性高脂血症、一般的な高コレステロール血症、家族性高脂血症、家族性原発性高脂血症、家族性高コレステロール血症、家族性高トリグリセリド血症、家族性複合高脂血症、家族性欠陥アポリポタンパク質b-100、二次性高脂血症、混合型高脂血症、心血管疾患、残存心血管リスク、アテローム性動脈硬化プラークの形成/進行の予防、微小血管疾患、大血管疾患、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈性アテローム性動脈硬化症、拡張機能障害、心血管リスクの低減、主要な冠状動脈事象の予防、主要な有害な心血管系事象の予防、虚血性事象の予防、心血管系事象の二次/一次予防、心血管系死の予防、心筋梗塞、脳卒中、アンギナ、正常な内皮機能の回復、糖尿病、真性糖尿病、インスリン抵抗性、高インスリン血症、高血糖症、血糖異常、血糖制御の誘導、耐糖能異常、及び空腹時血糖異常のうちの1つ以上である、項B~D又は項F~Pのいずれか一項に記載の方法。
項R.微小血管疾患は、網膜症、腎症、神経障害、又はそれらの組み合わせである、項Qに記載の方法。
項S.大血管疾患は、脳卒中、末梢血管疾患、肢虚血、心臓病、又はそれらの組み合わせである、項Qに記載の方法。
項T.対象は、超低密度リポタンパク質コレステロール(VLDL-C)、非高密度リポタンパク質コレステロール(非HDL-C)、及び/又はレムナント様粒子コレステロール(RLP-C)、及び/又は高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)のレベルの低減を示す、項A~Sのいずれか一項に記載の方法。
項U.対象は、肝硬度、線維症-4(FIB-4)、強化肝線維症(ELF)スコア、及び/又はNAFLDスコア(NFS)の低減を示す、項A~Tのいずれか一項に記載の方法。
項V.対象は、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤-1(PAI-1)、メタロペプチダーゼ阻害剤-1(TIMP-1)、ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP4)、trem様転写物2(TLT2)、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド16(CCL16)、単球走化性タンパク質-1(MCP-1)、血清アミロイドA4(SAA4)、ホスホイノシチド3(PI3)、チオレドキシン還元酵素(TR)、白血球免疫グロブリン様受容体B1(LILBR1)、アミンオキシダーゼ、銅含有3(AOC3)、セリンプロテアーゼ2(PRSS2)、及び腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー11A(TNRSF11A)からなる群から選択される炎症性及び線維化促進性タンパク質の低減を示す、項A~Uのいずれか一項に記載の方法。
項W.対象において胆汁うっ滞性肝疾患を治療する、又は予防する方法であって、方法は、対象に15-HEPE、15-HETrE、又は15-HEPE及び/若しくは15-HETrEを含む組成物を投与することを含む、方法。
項X.胆汁うっ滞性肝疾患は、原発性胆汁性胆管炎(PBC)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、進行性家族性肝内胆汁うっ滞、又はそれらの組み合わせである、項Wに記載の方法。
項Y.胆汁うっ滞性肝疾患は、薬物誘導性肝傷害、完全非経口栄養(TPN)、ウイルス性及びアルコール性肝炎、全身性疾患に続発する胆汁うっ滞、移植片機能不全、肝移植後胆汁うっ滞、膵炎、総胆管結石、ミリッツィ症候群、遺伝性疾患、悪性腫瘍、又はそれらの組み合わせによって引き起こされる、項W又はXに記載の方法。
項Z.悪性腫瘍は、肝細胞がん、胆管腫瘍、膵臓がん、又はそれらの組み合わせである、項Yに記載の方法。
項AA.対象は、α-平滑筋作用(α-SMA)、メタロペプチダーゼ阻害剤-1(TIMP-1)、トランスフォーミング増殖因子ベータ-β(TGF-β)、及び1型コラーゲンのレベルからなる群から選択されるサイトカイン及び/又はケモカインの低減を示す、項W~Zのいずれか一項に記載の方法。
項BB.対象において腎臓病を治療する、又は予防する方法であって、方法は、対象に15-HEPE及び/若しくは15-HETrE、又は15-HEPE及び/若しくは15-HETrEを含む組成物を投与することを含み、対象は、腎臓病の少なくとも1つのリスク因子を有する、方法。
項CC.腎臓病は、腎線維症、尿細管間質性線維症、慢性腎臓病、重度の間質性線維症、腎間質性線維症、及び末期腎疾患からなる群から選択される、項BBに記載の方法。
項DD.腎臓病は線維症に至る、項CCに記載の方法。
項EE.腎臓病の少なくとも1つのリスク因子は、糖尿病、高血圧、心血管疾患、糸球体腎炎、及び多発性嚢胞腎からなる群から選択される、項BB~DDのいずれか一項に記載の方法。
項FF.対象は、腎臓ヒドロキシプロリンレベルの低減を示す、項BB~EEのいずれか一項に記載の方法。
項GG.対象は、α-SMA、TIMP-1、TGF-β、及び/又は1型コラーゲンのレベルの低減を示さない、項BB~FFのいずれか一項に記載の方法。
項HH.対象は、α-SMA、TIMP-1、TGF-β、及び/又は1型コラーゲンのレベルの低減を示す、項BB~GGのいずれか一項に記載の方法。
項II.対象は、肝臓における線維化促進性サイトカインの低減を示す、項AA~HHのいずれか一項に記載の方法。
項JJ.線維化促進性サイトカインは、α-SMA、TIMP-1、TGF-β、1型コラーゲン、インターロイキン1β(IL-1β)、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-6(IL-8)、インターロイキン-13(IL-13)、腫瘍壊死因子(TNF-α)、TNF様リガンド1A(TL1A)、アリール炭化水素受容体(AhR)、インターロイキン-17(IL-17)、インターロイキン-23(IL-23)、インターロイキン-11(IL-11)、及び/又はインターロイキン-33(IL-33)のうちの1つ以上である、項IIに記載の方法。
項KK.対象は、血管接着分子及び/又はケモカイン及び/又は腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバーの低減を示す、項のA~JJのいずれか一項に記載の方法。
項LL.15-HEPE、15-HETrE、又は15-HEPE及び/若しくは15-HETrEを含む組成物は、経口投与される、項A~KKのいずれか一項に記載の方法
項MM.15-HEPE及び/又は15-HETrEは、遊離酸形態、エステル化形態、又は塩形態である、項A~LLのいずれか一項に記載の方法。
項NN.エステル化形態は、アルキルエステル形態又はトリグリセリド形態である、項MMに記載の方法。
項OO.15-HEPEは、15(S)-HEPE、15(R)-HEPE、若しくはそれらの組み合わせを含み、かつ/又は15-HETrEは、15(S)-HETrE、15(R)-HETrE、若しくはそれらの組み合わせを含む、項A~NNのいずれか一項に記載の方法。
項PP.組成物は、約1g~約2gの15-HEPE及び/又は15-HETrEを含む、項A~OOのいずれか一項に記載の方法。
項QQ.組成物は、約2g以上の15-HEPE及び/又は15-HETrEを含む、項A~PPのいずれか一項に記載の方法。
項RR.組成物は、約1g又は約2gの15-HEPE及び/又は15-HETrEを含む、項A~QQのいずれか一項に記載の方法。
項SS.組成物は、約10mg~約10,000mgの15-HEPE及び/又は15-HETrEを含む、項A~RRのいずれか一項に記載の方法。
項TT.組成物は、約5mg/kg、約50mg/kg、約250mg/kg、又は約500mg/kgの15-HEPE及び/又は15-HETrEを含む、項A~SSのいずれか一項に記載の方法。
項UU.15-HEPE及び/又は15-HETrEは、組成物中に存在する全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する、項A~TTのいずれか一項に記載の方法。
項VV.組成物は、1日当たり1~8個のカプセルで投与される、項A~UUのいずれか一項に記載の方法。
項WW.方法は、対象に15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を投与することを含む、項A~C又は項H~VVのいずれか一項に記載の方法。
項XX.方法は、対象に15-HETrE又は15-HETrEを含む組成物を投与することを含む、項A~C又は項H~VVのいずれか一項に記載の方法。
項YY.血液障害の治療及び/又は予防を必要とする対象において血液障害を治療する、及び/又は予防する方法であって、方法は、15-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(15-HEPE)又は15-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(15-HEPE)を含む組成物を対象に投与することを含む、方法。
項ZZ.血液障害は、貧血、血液がん、及び凝固障害からなる群から選択される、項YYに記載の方法。
項AB.貧血は、栄養性貧血及び非栄養性貧血からなる群から選択される、項ZZに記載の方法。
項AC.血液がんは、リンパ腫、白血病、及び骨髄腫からなる群から選択される、項ZZに記載の方法。
項AD.凝固障害は、血栓形成傾向、血友病、フォン・ヴィレブランド病、及び血小板減少症からなる群から選択される、項ZZに記載の方法。
項AE.ヘモグロビン異常の治療及び/又は予防を必要とする対象においてヘモグロビン異常を治療する、及び/又は予防する方法であって、方法は、15-HEPE又は15-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(15-HEPE)を含む組成物を対象に投与することを含む、方法。
項AF.赤血球障害の治療及び/又は予防を必要とする対象において赤血球障害を治療する、及び/又は予防する方法であって、方法は、15-HEPE又は15-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(15-HEPE)を含む組成物を対象に投与することを含む、方法。
項AG.ヘモグロビン異常及び/又は赤血球障害の治療及び/又は予防を必要とする対象においてヘモグロビン異常及び/又は赤血球障害を治療する、及び/又は予防する方法であって、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含み、15-HEPEは、組成物中の全ての脂質の少なくとも約90重量%に相当する、方法。
項AH.ヘモグロビン異常及び/又は赤血球障害の治療及び/又は予防を必要とする対象においてヘモグロビン異常及び/又は赤血球障害を治療する、及び/又は予防する方法であって、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含み、15-HEPEは、組成物中の全ての脂質の少なくとも約90重量%に相当し、対象は、
(a)赤血球数の増加、
(b)赤血球分布幅の低下、及び/又は
(c)網状赤血球数の低下、のうちの1つ以上を示す、方法。
項AI.対象は、組成物を投与されていない対照群と比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、又は少なくとも30%の赤血球数の増加を有する、項AHに記載の方法。
項AJ.対照群は、約4×1012の赤血球/Lの赤血球数を有する、項AIに記載の方法。
項AK.対象は、組成物を投与されていない対照群と比較して、少なくとも約15~20%、少なくとも約20~25%、少なくとも約25~30%、少なくとも約30~35%、又は少なくとも約35~40%、の赤血球分布幅の低下を有する、項AHに記載の方法。
項AL.対照群は、15%超の赤血球分布幅を有する、項AKに記載の方法。
項AM.対象は、組成物を投与されていない対照群と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、又は少なくとも約20%の網状赤血球数の低下を有する、項AHに記載の方法。
項AN.対照群は、総赤血球数の5%超の網状赤血球数を有する、項AMに記載の方法。
項AO.溶血性貧血の治療及び/又は予防を必要とする対象において溶血性貧血を治療する、及び/又は予防する方法であって、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含み、15-HEPEは、組成物中の全ての脂質の少なくとも約90重量%に相当する、方法。
項AP.溶血性貧血は、遺伝性溶血性貧血又は後天性溶血性貧血である、項AOに記載の方法。
項AQ.遺伝性溶血性貧血は、鎌状赤血球症、鎌状赤血球貧血、β-サラセミア、及び遺伝性球状赤血球症からなる群から選択される、項APに記載の方法。
項AR.後天性溶血性貧血は、感染症、薬物治療、血液悪性腫瘍、自己免疫疾患、脾機能亢進症、機械弁、及び輸血に続発するものからなる群から選択される、項APに記載の方法。
項AS.鎌状赤血球症及び鎌状赤血球貧血は、鎌状赤血球クリーゼ、血管閉塞性クリーゼ、及び/又は脾臓血球貯留に関連する、項AQに記載の方法。
項AT.15-HEPEは、エチルエステル(15-HEPE EE)の形態であるか、又は15-HEPEは、光学活性エステル(15(S)-HEPE EE)の形態である、項YY~ASのいずれか一項に記載の方法。
項AU.ヘモグロビン異常及び/又は赤血球障害は、遺伝性溶血性貧血、後天性溶血性貧血、ファンコニ貧血、鉄欠乏性貧血、葉酸欠乏症、B12欠乏症、及び骨髄異形成症候群からなる群から選択される、項AE~ANのいずれか一項に記載の方法。
項AV.対象は、赤血球数の増加、網状赤血球数の低下、及び赤血球分布幅の低下を示す、項YY~AGのいずれか一項に記載の方法。
項AW.血液障害及び/又は血液疾患の治療及び/又は予防を必要とする対象において血液障害及び/又は血液疾患を治療する、及び/又は予防する方法であって、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含み、15-HEPEは、組成物中の全ての脂質の少なくとも約90重量%に相当する、方法。
項AX.15-HEPEは、エチルエステル(15-HEPE EE)の形態であるか、又は15-HEPEは、光学活性エステル(15(S)-HEPE EE)の形態である、項AWに記載の方法。
項AY.血液障害及び/又は血液疾患は、遺伝性溶血性貧血、後天性溶血性貧血、ファンコニ貧血、鉄欠乏性貧血、葉酸欠乏症、B12欠乏症、及び骨髄異形成症候群からなる群から選択される、項AWに記載の方法。
項AZ.溶血性貧血は、遺伝性溶血性貧血又は後天性溶血性貧血である、項AYに記載の方法。
項BA.遺伝性溶血性貧血は、鎌状赤血球症、鎌状赤血球貧血、β-サラセミア、及び遺伝性球状赤血球症からなる群から選択される、項AZに記載の方法。
項BC.後天性溶血性貧血は、感染症、薬物治療、血液悪性腫瘍、自己免疫疾患、脾機能亢進症、機械弁、及び輸血に続発するものからなる群から選択される、AZに記載の方法。
項BD.鎌状赤血球症及び鎌状赤血球貧血は、鎌状赤血球クリーゼ、血管閉塞性クリーゼ、及び/又は脾臓血球貯留に関連する、項BAに記載の方法。
項BE.対象は、赤血球数の増加、網状赤血球数の低下、及び赤血球分布幅の低下を示す、項AW~BDのいずれか一項に記載の方法。
項BF.血栓形成傾向障害の治療及び/又は予防を必要とする対象において血栓形成傾向障害を治療する、及び/又は予防する方法であって、方法は、15-HEPE又は15-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(15-HEPE)を含む組成物を対象に投与することを含む、方法。
項BG.血栓形成傾向の治療及び/又は予防を必要とする対象において血栓形成傾向を治療する、及び/又は予防する方法であって、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含み、15-HEPEは、組成物中の全ての脂質の少なくとも約90重量%に相当する、方法。
項BH.血栓形成傾向の治療及び/又は予防を必要とする対象において血栓形成傾向を治療する、及び/又は予防する方法であって、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含み、15-HEPEは、組成物中の全ての脂質の少なくとも約90重量%に相当し、対象は、
(a)プロトロンビン時間の延長、
(b)活性化部分トロンボプラスチン時間の延長、及び/又は
(c)フィブリノゲン濃度の低下、のうちの1つ以上を示す、方法。
項BI.静脈血栓塞栓症の治療及び/又は予防を必要とする対象において静脈血栓塞栓症を治療する、及び/又は予防する方法であって、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含み、15-HEPEは、組成物中の全ての脂質の少なくとも約90重量%に相当する、方法。
項BJ.動脈血栓症の治療及び/又は予防を必要とする対象において動脈血栓症を治療する、及び/又は予防する方法であって、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含み、15-HEPEは、組成物中の全ての脂質の少なくとも約90重量%に相当する、方法。
項BK.塞栓症の予防を必要とする対象において塞栓症を予防する方法であって、方法は、最大約8gの15-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含み、15-HEPEは、組成物中の全ての脂質の少なくとも約90重量%に相当する、方法。
項BL.第1の段階が血栓の形成である、項BI~BKのいずれか一項に記載の方法。
項BM.対象は、プロトロンビン時間の延長、活性化部分トロンボプラスチン時間の延長、及びフィブリノゲン濃度の低下を示す、項BF~BG又は項BI~BLのいずれか一項に記載の方法。
項BN.15-HEPEは経口投与される、項YY~BMのいずれか一項に記載の方法。
項BO.組成物は、1日当たり1~8個のカプセルで投与される、項YY~BNのいずれか一項に記載の方法。
項BP.15-HEPEは、遊離酸形態、エステル化形態、又は塩形態である、項YY~BOのいずれか一項に記載の方法。
項BQ.組成物は、約1g~約2gの15-HEPEを含む、項YY~BPのいずれか一項に記載の方法。
項BR.組成物は、約2g以上の15-HEPEを含む、項YY~BQのいずれか一項に記載の方法。
項BS.組成物は、約5mg/kg、約50mg/kg、約250mg/kg、又は約500mg/kgの15-HEPEを含む、項YY~BRのいずれか一項に記載の方法。
項BS.組成物は、約5mg/kg、約50mg/kg、約250mg/kg、又は約500mg/kgの15-HEPEを含む、項YY~BRのいずれか一項に記載の方法。
本件出願は、以下の態様の発明を提供する。
(態様1)
血液障害の治療及び/又は予防を必要とする対象において血液障害を治療する、及び/又は予防する方法であって、前記方法は、15-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(15-HEPE)又は15-HEPEを含む組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
(態様2)
ヘモグロビン異常の治療及び/又は予防を必要とする対象においてヘモグロビン異常を治療する、及び/又は予防する方法であって、前記方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
(態様3)
赤血球障害の治療及び/又は予防を必要とする対象において赤血球障害を治療する、及び/又は予防する方法であって、前記方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
(態様4)
溶血性貧血の治療及び/又は予防を必要とする対象において溶血性貧血を治療する、及び/又は予防する方法であって、前記方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
(態様5)
前記血液障害は、貧血、血液がん、及び凝固障害からなる群から選択される、態様1に記載の方法。
(態様6)
前記貧血は、栄養性貧血、非栄養性貧血、又はそれらの組み合わせである、態様5に記載の方法。
(態様7)
前記血液がんは、リンパ腫、白血病、及び骨髄腫からなる群から選択される、態様5に記載の方法。
(態様8)
前記凝固障害は、血栓形成傾向、血友病、フォン・ヴィレブランド病、及び血小板減少症からなる群から選択される、態様5に記載の方法。
(態様9)
前記対象は、前記15-HEPE又は前記組成物を投与されていない対照対象と比較して、赤血球数の増加、赤血球分布幅の低下、及び/又は網状赤血球数の低下を有する、態様1~8のいずれか一項に記載の方法。
(態様10)
前記対象は、前記15-HEPE又は前記組成物を投与されていない対照対象と比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、又は少なくとも30%の赤血球数の増加を有する、態様1~9のいずれか一項に記載の方法。
(態様11)
前記対象は、前記15-HEPE又は前記組成物を投与されていない対照対象と比較して、約15%~約20%、約20%~約25%、約25%~約30%、約30%~約35%、又は約35%~約40%の赤血球分布幅の低下を有する、態様1~10のいずれか一項に記載の方法。
(態様12)
前記対照対象は、15%超の赤血球分布幅を有する、態様9~11のいずれか一項に記載の方法。
(態様13)
前記対象は、前記15-HEPE又は前記組成物を投与されていない対照対象と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、又は少なくとも約20%の網状赤血球数の低下を有する、態様1~12のいずれか一項に記載の方法。
(態様14)
前記対照対象は、総赤血球数の5%超の網状赤血球数を有する、態様9~13のいずれか一項に記載の方法。
(態様15)
前記ヘモグロビン異常及び/又は前記赤血球障害は、遺伝性溶血性貧血、後天性溶血性貧血、ファンコニ貧血、鉄欠乏性貧血、葉酸欠乏症、B12欠乏症、及び骨髄異形成症候群からなる群から選択される、態様2~14のいずれか一項に記載の方法。
(態様16)
前記遺伝性溶血性貧血は、鎌状赤血球症、鎌状赤血球貧血、β-サラセミア、及び遺伝性球状赤血球症からなる群から選択される、態様15に記載の方法。
(態様17)
前記後天性溶血性貧血は、一次感染、薬物治療、血液悪性腫瘍、自己免疫疾患、脾機能亢進症、機械心臓弁の配置、及び輸血に付随して発生する疾患からなる群から選択される障害又は疾患に由来する、態様15に記載の方法。
(態様18)
前記鎌状赤血球症及び前記鎌状赤血球貧血は、鎌状赤血球クリーゼ、血管閉塞性クリーゼ、及び/又は脾臓血球貯留に関連する、態様16に記載の方法。
(態様19)
血栓形成傾向障害の治療及び/又は予防を必要とする対象において血栓形成傾向障害を治療する、及び/又は予防する方法であって、前記方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
(態様20)
血栓形成傾向の治療及び/又は予防を必要とする対象において血栓形成傾向を治療する、及び/又は予防する方法であって、前記方法は、15-HEPE又は最大約8gの15-HEPEを含む組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
(態様21)
静脈血栓塞栓症の治療及び/又は予防を必要とする対象において静脈血栓塞栓症を治療する、及び/又は予防する方法であって、前記方法は、15-HEPE又は最大約8gの15-HEPEを含む組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
(態様22)
動脈血栓症の治療及び/又は予防を必要とする対象において動脈血栓症を治療する、及び/又は予防する方法であって、前記方法は、15-HEPE又は最大約8gの15-HEPEを含む組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
(態様23)
塞栓症の予防を必要とする対象において塞栓症を予防する方法であって、前記方法は、15-HEPE又は最大約8gの15-HEPEを含む組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
(態様24)
前記対象は、前記組成物を投与されていない対照対象と比較して、プロトロンビン時間の延長、活性化部分トロンボプラスチン時間の延長、及び/又はフィブリノゲン濃度の低下を有する、態様19~23のいずれか一項に記載の方法。
(態様25)
前記15-HEPEは、遊離酸形態、エステル化形態、コンジュケート形態、又は塩形態である、態様1~24のいずれか一項に記載の方法。
(態様26)
前記15-HEPEは、前記組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する、態様1~25のいずれか一項に記載の方法。
(態様27)
前記組成物は、最大約2gの15-HEPEを含む、態様1~26のいずれか一項に記載の方法。
(態様28)
前記組成物は、1日当たり1~8個のカプセルで投与される、態様1~27のいずれか一項に記載の方法。
(態様29)
前記組成物は、少なくとも2gの15-HEPEを含む、態様1~28のいずれか一項に記載の方法。
(態様30)
前記組成物は、体重1kg当たり約5mg(mg/kg)、約50mg/kg、約250mg/kg、又は約500mg/kgの15-HEPEを前記対象に提供するように製剤化される、態様1~29のいずれか一項に記載の方法。
(態様31)
前記15-HEPE又は15-HEPEを含む前記組成物は経口投与される、態様1~30のいずれか一項に記載の方法。
(態様32)
前記15-HEPEは、遊離酸形態、エステル化形態、コンジュケート形態、又は塩形態である、態様1~31のいずれか一項に記載の方法。
(態様33)
15-HEPEの前記エステル化形態は、メチルエステル、エチルエステル、又はそれらの組み合わせである、態様1~32のいずれか一項に記載の方法。
本明細書に開示する組成物及び製剤は、血液障害、ヘモグロビン異常、及び/又は赤血球障害の治療及び/又は予防に使用され得る。血液障害は、血液及び血液形成器官に影響を及ぼす疾患の一分類を指す。ヘモグロビン異常及び赤血球障害は血液障害に類似しているが、ヘモグロビン異常及び赤血球障害の両方は、疾患のより狭い分類を定義する。具体的には、ヘモグロビン異常は、ヘモグロビン、赤血球中の酸素輸送タンパク質の欠陥を指す。赤血球障害は、赤血球自体の欠陥を指す。血液障害、ヘモグロビン異常、及び赤血球障害のリスク因子の非限定的な例としては、赤血球数の低下、赤血球分布幅の増加、及び網状赤血球数の増加が挙げられる。血液障害、ヘモグロビン異常、及び赤血球障害の非限定的な例としては、貧血(栄養性貧血及び非栄養性貧血、鎌状赤血球症、鎌状赤血球貧血、β-サラセミア、及び遺伝性球状赤血球症など遺伝性溶血性貧血、感染症、薬物治療、血液悪性腫瘍、自己免疫疾患、脾機能亢進症、機械心臓弁、及び輸血などに付随して発生する後天性溶血性貧血、ファンコニ貧血、鉄欠乏性貧血)、血液がん(リンパ腫、白血病、及び骨髄腫)、凝固障害(血栓形成傾向、血友病、フォン・ヴィレブランド病、及び血小板減少症)、葉酸欠乏症、B12欠乏症、及び骨髄異形成症候群が挙げられる。いくつかの実施形態では、鎌状赤血球症及び鎌状赤血球貧血は、鎌状赤血球クリーゼ、血管閉塞性クリーゼ、及び/又は脾臓血球貯留に関連する。
いくつかの実施形態では、本開示は、溶血性貧血の治療及び/又は予防を必要とする対象において溶血性貧血を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。いくつかの実施形態では、溶血性貧血は、遺伝性溶血性貧血又は後天性溶血性貧血である。別の実施形態では、遺伝性溶血性貧血は、鎌状赤血球症、鎌状赤血球貧血、β-サラセミア、及び遺伝性球状赤血球症からなる群から選択される。更に別の実施形態では、後天性溶血性貧血は、感染症、薬物治療、血液悪性腫瘍、自己免疫疾患、脾機能亢進症、機械心臓弁、及び輸血に付随して発生するものからなる群から選択される。様々な実施形態では、鎌状赤血球症及び鎌状赤血球貧血は、鎌状赤血球クリーゼ、血管閉塞性クリーゼ、及び/又は脾臓血球貯留に関連する。いくつかの実施形態では、対象は、投与後に赤血球数の増加、赤血球分布幅の低下、及び網状赤血球数の低下を示す。
いくつかの実施形態では、本開示は、溶血性貧血の治療及び/又は予防を必要とする対象において溶血性貧血を治療する、及び/又は予防する方法を提供し、方法は、最大約8gの15-HEPEを含む組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、15-HEPEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する。いくつかの実施形態では、溶血性貧血は、遺伝性溶血性貧血又は後天性溶血性貧血である。別の実施形態では、遺伝性溶血性貧血は、鎌状赤血球症、鎌状赤血球貧血、β-サラセミア、及び遺伝性球状赤血球症からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、方法は、15-HEPE又は15-HEPEを含む組成物の投与前に、対象が遺伝性溶血性貧血又は後天性溶血性貧血の少なくとも1つのリスク因子を有すると判定すること、を更に含む。更に別の実施形態では、後天性溶血性貧血は、感染症、薬物治療、血液悪性腫瘍、自己免疫疾患、脾機能亢進症、機械心臓弁、及び輸血に付随して発生するものからなる群から選択される。様々な実施形態では、鎌状赤血球症及び鎌状赤血球貧血は、鎌状赤血球クリーゼ、血管閉塞性クリーゼ、及び/又は脾臓血球貯留に関連する。いくつかの実施形態では、方法は、15-HEPEの投与前に、対象のベースラインの赤血球数、赤血球分布幅、及び/又は網状赤血球数を測定することを更に含む。一実施形態では、対象は、赤血球数の増加、赤血球分布幅の低下、及び/又は網状赤血球数の低下を示す。
15-HEPEは、図18A及び図18Bに示すように、TGF-βシグナル伝達を直接阻害した。具体的には、図18Aは、15-HEPEがII型TGF-β受容体の分解を誘導し、TGF-βによって誘導される上皮間葉転換(EMT)(すなわち、線維化促進)タンパク質の産生を遮断したことを示す。HepG2細胞(ヒト肝がん細胞株)を、0.1%のFBSを含むDMEM中で15-HEPEステージIIの用量を増やして1時間処理し、引き続き200ピコモル濃度(pM)のTGF-βで又はそれ無しに48時間刺激した。図18Aに示す2つのパネルは、同じ実験条件下で実行された2つの別々の実験である。これらの別々の実験からの結果は、15-HEPEがTGF-βによって誘導されるEMTタンパク質の産生を遮断し、II型TGF-β受容体の分解を誘導したことを示す。図18Aは、TGF-βによって誘導され、心血管リスクの増加に関連するタンパク質であるプラスミノーゲンアクチベーター阻害剤-1(PA-1)に対する15-HEPEの効果も示す。図18Bは、15-HEPEが肝星細胞におけるTGF-β刺激性細胞内シグナル伝達(例えば、SMAD2/3のリン酸化)を阻害することを示す。図18Bで実施した実験には、LX2細胞(ヒト肝星細胞)を0μM~100μMに増加させた濃度のDS102で24時間前処理した後、30分間のTGF-β刺激を行うことが含まれた。実験の結果は、15-HEPEがTGF-β刺激を阻害することを示した。
一次変数:一次有効性変数は、16週目(訪問10)の血清ALTのベースラインからの変化であった。共分散分析(ANCOVA)モデルを用いて、対応するベースライン値を共変量として含め、活性治療群をプラセボに対して比較した。プラセボに対する比較は、ダネットの多重検定手順に従って行った。欠落している16週目の値については、使用可能な最後の値を補充した(LOCF)。同様の方法を肝硬度に適用した。ALTについては、縦方向のモデリングを追加で考慮した。
図21A~図21Cは、プラセボと比較した、1日当たり1g又は2gのいずれかのDS102を投与した患者におけるベースライン~16週のインスリン、グルコース、及び遊離脂肪酸のレベルの変化を示す。グルコース、炭水化物、及び遊離脂肪酸を含む代謝基質がNASHの病因を促進するため、DS102の投与によるインスリン、グルコース、及び遊離脂肪酸のレベルの低減は、臨床的に有意である。
図22A及び図22Bは、プラセボと比較した、1日当たり1g又は2gのいずれかのDS102を投与した患者におけるベースライン~16週のHOMA-IR及びadipo-IRのレベルの変化を示す。患者は、2gのDS102を投与された患者について観察したプロトコル遵守セット(PPS)の有意な改善とともに、16週目に両方のインスリン抵抗性指数の改善(例えば、HOMA-IR及びadipo-IRのレベルの低減)を示した。
環境条件:動物部屋環境の標的条件は、以下のとおりであった:温度19~23℃;湿度40~70%;1時間当たり最低10回の換気回数;12時間の明及び12時間の暗の光サイクル。光、温度、及び湿度の制御は自動的に制御され、連続的に監視され、記録された。
項C.メタボリックシンドローム及び/又は心血管代謝性疾患の治療及び/又は予防を必要とする対象においてメタボリックシンドローム及び/又は心血管代謝性疾患を治療する、及び/又は予防する方法であって、方法は、対象に最大約8gの、15-HEPE及び/又は15-HETrEを含む組成物を投与することを含み、15-HEPE及び/又は15-HETrEは、組成物中の全ての脂肪酸の少なくとも約90重量%に相当する、方法。