JP2023527376A - 容器から液体を分配するための装置及びシステム、並びに液体を分配するための装置の組立方法 - Google Patents

Abstract

容器から液体を分配するための装置であって、ノズルと、容器からノズルに液体を移送するためのポンプとを備えるエンジンと、第１の位置から第２の位置にもたらされたときにポンプを作動させるためにポンプに接続され、第１の位置と第２の位置との間で移動可能なトリガと、エンジンを容器に接続するための接続手段と、を備え、この接続手段は、トリガが第１の位置および第２の位置の間で移動可能である非制限位置と、少なくとも１つの制限要素がトリガの第１の位置および第２の位置の間の運動を制限する制限位置との間で摺動可能な、少なくとも１つの制限要素を有するスライダによって特徴付けられる。【選択図】 図１

Description

本発明は、容器から液体を分配するための装置に関し、この装置は、
ノズルと、容器からノズルに液体を移送するためのポンプとを備えるエンジンと、
第１の位置から第２の位置にもたらされたときにポンプを作動させるためにポンプに接続され、第１の位置と第２の位置との間で移動可能なトリガと、
エンジンを容器に接続するための接続手段と、
を備える。

このような装置は、以下、液体分配装置とも呼ばれるが、例えば、本出願人の国際公開第２０１３／０４３９３８ Ａ２号に記載されている。装置の移送中または保管中にトリガが作動することを防止するために、装置には、ＷＯ ２０１３／０４３９３８ Ａ２の図４に開示されているようなトリガロックを備えることができる。その結果、このトリガロックは、装置が、装置に接続された容器も含むシステムの一部として移送または保管されるときに、ポンプの作動を防止し、それによってポンプの意図しない使用を防止し、特に、容器の内容物の漏洩の危険性を低減する。

しかしながら、ＷＯ ２０１３／０４３９３８ Ａ２によるトリガロックは、多くの欠点を有する。このトリガロックは、ある要素を備えるが、この要素は、ロック位置において、トリガが押し下げられた位置にある状態で分配装置に固定され、リングを引くことによって完全に除去された後に、トリガは中立位置に配備される。トリガを除去した後にトリガを再ロックすることが望ましい場合がある。しかしながら、トリガロックを再配置するプロセスは複雑である。第１に、トリガロックの再配置は、トリガをしばらくの間押し下げた位置に保持するステップを含み、これは、状況の下で、意図されないかもしれないノズルからの液体の放出を伴うことがある。第２に、トリガロックを除去して使用する液体分配装置を準備した後、その自由端部に厚肉部を備えたトリガバネを、この厚肉部と共にエンジンの凹部に係合させる（図５）。トリガロックを再び係合させるとき、バネの厚みは、典型的には、この凹部内に着座したままである。その結果、トリガロックを再配置することによって、トリガのバネは長期間にわたって完全な張力下に置かれ、その間、バネはその弾性を失う。さらに、ＷＯ ２０１３／０４３９３８ Ａ２のトリガロックは、液体分配装置から除去した後に紛失する危険性が高い。

さらに、厚肉化は、バネに結合される追加のひもを必要とし、従って、装置の製造を複雑にする。さらに、この従来技術の配置において、トリガは外部カバーまたはシュラウドによってのみエンジンに接続される。このような液体分配装置は、通常、製品の販売場所から離れた同じ場所で、製造されて組み立てられるので、製品全体を移送する必要があり、顧客の要求に従って分配装置の設計を適応させる際の柔軟性を低下させる。しかしながら、このような組み立てられた装置の移送は高価であり、装置に損傷を与える危険性が高い。装置の損傷、特に装置の外部分の損傷は、通常、損傷を受けないようにする必要があるため、受け入れられないことが多い。

他の周知の従来技術の分配装置は、数個の位置の間でその軸を中心に回転可能なノズルを備えており、トリガは、ロックされた位置において、ロックされていない位置に対して制限された可動範囲を有する。ノズル上に指標が存在するにもかかわらず、使用者は、分配装置がロックされていない位置にあるかロックされた位置にあるかを識別することは困難であり、その結果、使用者はノズルをロック位置にしてトリガを強制的に作動させようとすることがあり、これは分配装置をもはや適切に使用することができない点まで損傷させ、資源の不必要な浪費につながる可能性がある。

さらに、既知の分配装置は、組立に関して課題を提起する。トリガをポンプに接続することは、特定の可動範囲を超えてトリガを移動させることが困難であるようにすることが好ましい。この目的のために、この範囲にトリガの運動を制限する為に突出するようにノズルを配置することが好ましい。しかしながら、ノズルの位置は、そのような分配装置を組み立てることを困難にする。

本発明は、その目的のために、使用中および／または組立中のいずれにおいても取り扱いが容易な分配装置を提供することにある。さらなる目的は、先行技術の分配装置の前述の欠点を軽減するか、または取り除くことである。

本発明によれば、これは、上記に規定された装置によって達成されるが、この装置は、トリガが第１の位置と第２の位置との間で移動可能である非制限位置と、少なくとも１つの制限要素が第１の位置と第２の位置との間でトリガの運動を制限する制限位置との間で摺動可能な少なくとも１つの制限要素を有するスライダを更に備える。

トリガは、第１の位置と第２の位置との間で移動可能であり、この運動によってポンプを作動させるために接続され、分配装置に接続された容器から液体を吸引させ、および／またはノズルを介して吸引された液体を分配させる。スライダは、非制限位置と制限位置との間で摺動可能、すなわち直線的に移動可能な装置の一部であり、ＷＯ ２０１３／０４３９３８ Ａ２に従ったトリガロックの場合のように、もはや除去可能な部品に依存しない方法でトリガの運動を制限することを可能にする。スライダは、トリガがその第１の位置と第２の位置との間を移動する方向と実質的に平行な方向に摺動可能であってもよいし、換言すれば、液体が最終的に分配されるノズル内のオリフィスの縦軸に実質的に平行な方向に摺動可能であってもよい。

スライダの制限位置において、少なくとも１つの制限要素によって課される制限は、トリガが第１の位置と第２の位置との間で完全に移動可能であることを無効にすることができ、第１の位置と第２の位置は、トリガの運動範囲内で離間された点として選択される。つまり、スライダはトリガロックとして作用する。しかしながら、このような制限は、より制限的でない方法で実施することもでき、すなわち、スライダは、上述のようにトリガの運動を通常制限するように構成することができるが、他の規定された状況の下でトリガの運動を更に可能にすることもできる。

典型的な実施例において、トリガの第１の位置は、中立位置、すなわち使用者によるトリガへの力の印加がない場合にトリガが戻る位置と呼ぶことができる。同様に、トリガの第２の位置は、典型的な実施例において、押圧位置、すなわち、トリガが中立位置に対して押圧される位置、または好ましくはトリガが完全に押圧される位置と呼ばれてもよい。トリガは、中立位置に向かって付勢されるようにバネ付勢されることが好ましい。

本発明による液体分配装置は、典型的には、液滴または液体のミストを生成することによって液体を分配するが、または別法として、液体を泡として分配してもよい。

一実施形態において、トリガは、第１の位置と第２の位置との間のトリガの運動の方向に実質的に垂直な方向に延びる少なくとも１つの係合要素を備え、少なくとも１つの制限要素は、非制限位置に対して第１の位置と第２の位置との間の少なくとも１つの係合要素の運動を制限する。

トリガ上に係合要素を設けることにより、トリガを制限位置に制限するために制限要素が作用する、トリガ上の適切かつ専用の位置が提供される。トリガがヒンジ軸に対してヒンジ結合することによってその第１の位置からその第２の位置に移動する場合、トリガの運動方向に実質的に垂直な方向は、ヒンジ軸に対して径方向と呼ぶこともできる。

実施形態において、少なくとも１つの制限要素は、制限位置において、トリガの第１の位置と第２の位置との間の少なくとも１つの係合要素の経路内に延在し、少なくとも１つの制限要素は、非制限位置において、この経路内に延在しない。

本実施形態において、スライダの制限位置では、スライダの可動範囲内の一点で係合要素がスライダの制限要素に係合するように、制限制要素と係合要素とが互いに配置されており、少なくともトリガが制限要素を越えて移動することを制限している。非制限位置では、トリガの可動範囲内に制限要素が係合要素と係合する個所がないので、制限要素は、トリガがその可動範囲内で移動することを制限しない位置にある。

一実施形態において、少なくとも１つの制限要素は、突起を備える。

突起は、例えばキャビティのような他の形状と比較して、製造が比較的容易であり、したがって、制限要素は、好ましくは突起を備えるか、または突起である。複数の制限要素が存在する場合、これらのうちの少なくとも２つ、さらにはこれらの全てが突起を備えるか、または突起であってもよい。

一実施形態において、少なくとも１つの係合要素は突出部を備え、突起と突出部は、制限位置で互いに係合するように構成される。

係合要素には、制限部材と同様の理由から突起部が好ましい。このため、係合要素は、突出部を備えるか、または突出部であることが好ましい。複数の係合要素がある場合、これらのうちの少なくとも２つ、さらにはこれらの全てが突出部を備えるか、または突出部であってもよい。「突出部」および「突起」という用語は、それぞれの部分を区別するためだけに選択されることに留意されたい。したがって、突出部および突起は、類似または同等の外観を有することができる。

一実施形態において、制限要素は、トリガとノズルとの間の位置でスライダに取り付けられる。

その結果、例えばトリガによって拘束されるスライダは、よりコンパクトになる。典型的には、これは、制限要素が、エンジンの中心から見て内側から外に向かって係合要素と係合することを意味する。

一実施形態において、装置は、第１および第２の制限要素と、第１および第２の係合要素とを備え、第１の制限要素および第１の係合要素はノズルの一方の側に配置され、第２の制限要素および第２の係合要素はノズルの反対側に配置される。

ノズルの一方の側に第１の係合要素（例えば、第１の突起）を制限する第１の制限要素（例えば、第１の突出部）と、ノズルの反対側の他方の側に第２の係合要素（例えば、第２の突起）を制限する第２の制限要素（例えば、第２の突出部）とを設けることは、安定した制限に寄与する。さらに、トリガおよびスライダに加えられる力は、より均等に分配されてもよい。

換言すれば、本実施形態において、制限要素の数が少なくとも１つである、より一般的な定義とは対照的に、制限要素の数は少なくとも２つ（「第１」および「第２」）である。

同様に、本実施形態において、係合要素の数は少なくとも２つである。

一実施形態において、スライダはＵ字形の端部を備え、第１の制限要素および第２の制限要素は、Ｕ字形の端部の脚部のそれぞれの自由端部に配置される。

第１および第２の制限要素をＵ字形端部に設けることにより、エンジンの一部をこのＵ字形端部によって提供されるキャビティ内に収容することができ、第１および第２の制限要素は、この部分の周囲に置かれる。従って、スライダを受け入れるためのエンジン内の空間をより小さくすることができ、分配装置のよりコンパクトな設計に寄与することができる。この効果は、トリガの中心から見て、内側から外に向かって制限要素が係合要素と係合するときに、より顕著に現れる。Ｕ字形の端部と入れ子になった（ｎｅｓｔｅｄ）部品は、例えば、ノズルであってもよいし、ノズルに沿った部品であってもよい。

一実施形態において、制限要素および係合要素のうちの少なくとも１つは、互いに向かって傾斜している。

前述したように、トリガは、スライダを制限位置にした状態で、第１の位置と第２の位置との間を、スライダが非制限位置にあるかのように、多かれ少なかれ移動可能であることが望ましい状況があり得る。換言すれば、トリガは、その制限位置においてスライダを乗り上げることができ、一方、そのような乗り上げの起動後にスライダを機能的に維持する。このような状況において、例えば、取り返しのつかない可能性のある分配装置への損傷を防止するために、一定期間にわたって標準動作力を実質的に上回る動作力を使用者がトリガに加えることである。例えば、トリガの係合要素は、単にトリガに加えられた力の結果として、かつスライダの直接的または間接的な作動がない場合に、スライダをその非制限位置に向かって強制することができる。係合要素および／または制限要素は、代替的にまたは追加的に、弾性を有してもよく、これにより、スライダを非制限位置に向かって実質的に強制することなく、係合要素が制限要素を越えて移動することが可能になる。いずれにしても、係合要素および前記係合要素に対向する制限要素の少なくとも一方または両方が、互いに向かって傾斜していることが有利である。各部品の厚みが互いに近づく方向に薄くなることにより、スライダが制限位置にある状態でトリガが第１の位置と第２の位置との間で移動可能となりやすくなる。

一実施形態において、スライダは、一定期間にわたって標準操作力を実質的に上回る操作力がトリガに作用したときに、スライダの制限位置における第１の位置と第２の位置との間でトリガを運動させることができるように構成されている。

上述したように、トリガは、スライダが制限位置にある状態で、その第１の位置と第２の位置との間を移動可能であることが望ましい場合があるが、これは、使用者がトリガに操作力を加えたときにスライダが非制限位置にあるかのように、一定期間にわたって実質的に標準操作力を上回る場合である。これは、制限要素、係合要素、またはその両方の弾性変形によって達成することができる。ただし、上述した実施の形態は一実施例である。この知識の教示に基づいて、同様の効果を達成する他の方法も当業者には考えられる。スライダは、乗り上げた後も、機能し続ける。

一実施形態において、少なくとも１つの係合要素は、トリガの端部に、好ましくはエンジンの接続手段に対向する側に設けられる。

係合要素を縁部上に配置することが有利であるのは、係合要素を実現する他の可能な方法（例えば、トリガの貫通孔）とは対照的に、制限要素が係合要素と確実に係合することができるという容易性が増すからである。エンジンの頂部に近い接続手段に対向する縁部に係合要素を設けることにより、スライダを比較的コンパクトに設計することができる。

一実施形態において、スライダは、接続手段に対向する装置の面に設けられる。

エンジンの「頂部」と呼ばれるものと一致することがあるこのような面上にスライダを設けることにより、スライダは施工（ｃｏｎｓｔｒｕｃｔｉｏｎ）においてより複雑でなくなり、トリガと組み合わせて操作することがより容易かつ確実になる。

一実施形態において、ポンプは、容器と流体連通するように適合されたポンプ室と、ポンプ室内に配置され、トリガに機械的に接続または接続可能なピストンとを備え、エンジンは、ポンプ室をノズルに流体的に接続する出口チャネルを備える。

ピストンポンプとしても知られるこのようなポンプは、施工において比較的容易であり、他のタイプのポンプと比較して使用することができる。

一実施形態において、ポンプは、容器と流体連通するように適合された吸引側と、出口チャネルと流体連通するように適合された圧力側とを有し、装置はさらに、出口チャネル内に配置された予圧弁と、出口チャネルと流体連通する緩衝体とを備える。

このようなポンプは、予圧式ポンプとも呼ばれる。このようなポンプによれば、ポンプの吸引側で容器から液体を吸引することができ、ポンプの圧力側で予圧弁の上流の分配装置に緩衝体を用いて圧力を上昇させることができ、圧力が予圧弁の亀裂圧力に到達する瞬間まで圧力を上昇させることができ、その瞬間にポンプ内の液体が予圧弁を通過してノズルを介して液体を分配することができる。

ポンプは、典型的には、吸引側に入口弁を備え、ポンプ室の有効容積が増加されたときに液体がポンプ室に入ることを可能にし、ポンプ室の有効容積の減少中にポンプ室に加えられる圧力によって閉じられるか、または少なくとも実質的に閉じられる。さらに、ポンプは、典型的には、ポンプ室の有効容積が増加されたときに出口チャネルへの接続を閉鎖するか、または少なくとも実質的に閉鎖するための出口弁を備え、この出口弁は、ポンプ室の有効容積の減少中に、出口チャネルに加えられた圧力によって開放される。

緩衝体は、例えば、気体緩衝体として、またはバネ付勢プランジャを備えた緩衝体として具体化することができる。

一実施形態によると、予圧弁はドーム弁を備える。

ドーム弁は、亀裂圧力で閉位置と開位置との間で弾性的に変形可能なダイヤフラムを備える。開位置では、液体はドーム弁を通過することができるが、閉位置では、液体は弁を通過しない。ドーム弁は、施工において、他のタイプの弁に比べて比較的容易である。

例えば、他のタイプの弁と比較して、部品の数が限られている。

別の実施形態において、予圧弁はノズルに隣接している。

予圧弁をノズルに隣接して配置することによって、予圧弁とノズルとの間を流れるチャネルは、存在するとしても、可能な限り短く維持される。これにより、残りの容積をエンジンの他の部分に使用することができ、装置を比較的コンパクトな設計にすることができる。

一実施形態において、予圧弁は、開位置と閉位置との間の弁の運動方向と共に、ノズル内のオリフィスとほぼ一直線上の方向に配向される。

これは、ＷＯ ２０１８／２０２６４５ Ａ１に開示されているように、予圧弁が、ノズル内のオリフィスに対して実質的に垂直な方向に、開位置と閉位置との間の弁運動の方向とともに配向される配向とは反対である。本実施形態による配向において、予圧弁とノズルとの間の流路の長さを短くすることもできるし、そのような流路を全く設けないようにすることもできる。これにより、装置の設計がよりコンパクトになる。

なお、本実施形態およびその変形例は、上述した本発明に係る分配装置に限定されるものではなく、同様の理由により、明細書の前文に係る分配装置についても考慮されてもよい。

一実施形態において、エンジンは、ポンプを備えた第１のエンジン部と、ノズルを備えた第２のエンジン部とから構成され、第１および第２のエンジン部は、互いに機械的に接続または接続可能である。

これは、分配装置の製造における柔軟性の増大という利点を提供する。第２の部品の一部としてのノズルは、前述したように、トリガの運動を制限するために使用することができ、第１のエンジン部にトリガを配置した後に、第１のエンジン部にのみ接続することができ、組立の容易性を増大させる。

さらに、別個の第１の部品および第２の部品は、一体型エンジンと比較して、製造の点で容易である。さらに、第１の部品と第２の部品で構成されるエンジンは、１部品エンジンと比較してよりコンパクトな方法で出荷することができ、輸送コストを削減する。さらに、複数の部品から構成されるエンジンは、組立の後期段階で製品のカスタマイズの可能性を増大させる。例えば、標準的なポンプを含む第１のエンジン部を、例えば異なる方向に向けられたノズルを有する幾つかの異なるタイプの第２のエンジン部と組み合わせることができる。

第２のエンジン部は、１つの部品だけで構成されてもよいが、互いに接続または接続可能な複数のサブ部品および／または第１のエンジン部で構成されてもよい。

なお、本実施形態およびその実施形態は、本発明に係る分配装置に限定されるものではなく、前文に係る分配装置についても同様の理由により考慮されてもよい。

一実施形態によると、第２のエンジン部は、スライダおよび出口チャネルの少なくとも１つを備える。

第１および第２の部品から構成されるエンジンを有する上記の利点を増大させるために、ポンプを構成する第１のエンジン部を、そうでなければ比較的基本的な方法で、特にその輸送コストを低減するように設計することが好ましい。そのため、エンジンの他の多くの部品を第２のエンジン部に収容することが好ましい。同様の理由から、エンジンが予圧弁を備えている場合には、第２のエンジン部が予圧弁を備えていることが好ましい。

一実施形態によると、装置は、スライダの運動を案内するための案内手段を更に備える。

スライダを制御された方法で移動させるためには、スライダの運動を案内する案内手段を有することが好ましい。このような案内手段は、例えば、トリガによって提供されてもよく、トリガは、スライダが収容される、トリガを通って流れるチャネルを有してもよい。

一実施形態によると、スライダは、制限要素に対向する側に脚部を備え、案内手段は、スライダの自由端部を受け入れるように構成された少なくとも１つのスロットを備える。

他の任意の案内手段に加えて、またはその代替として、スライダは、制限要素に対向する側に配置されたスライダの自由端部によってスロット内に案内されてもよい。

スロットは片側が開いていてもよく、脚部をスロットから除去することができる。スロットは、例えば、スロットの開放側が外方に向けられたＣ形であってもよい。このスロットは、脚部がスロットから除去されるのを防止するラッチを備えてもよい。しかしながら、ラッチおよび脚部の一方は、ラッチが存在する可能性があるにもかかわらず、脚部をスロットから除去することを可能にする弾力性を有してもよい。

一実施形態によると、トリガは、トリガを第１の位置に向けて付勢するために、エンジンに接続または接続可能な付勢手段を備え、前記付勢手段は、少なくとも１つの弾性アームを備え、前記少なくとも１つの弾性アームの自由端部には、エンジンのポケットに係合または係合するための下向きの歯が設けられている。

下方に向けられた、即ち、接続手段の方に向けられた付勢手段の少なくとも１つの弾性アームの自由端部に歯を設けることにより、ＷＯ ２０１３／０４３９３８ Ａ２による凹部と比較して、エンジン内のポケットが比較的生産しやすい形状を有することを可能にするが、この凹部は、当該刊行物に開示された突出部と係合するために必要である。また、トリガを付勢手段を介してエンジンに接続することにより、エンジンとトリガとは、取り扱いが容易であり、そのまま（即ち、外部被覆なしで）移送したり保管したりすることができるユニットを構成する。

なお、本実施形態およびその実施形態は、本発明に係る分配装置に限定されるものではなく、同様の理由により、明細書の前文に係る分配装置についても考慮されてもよい。

一実施形態において、分配装置は、少なくとも部分的にスライダを覆うシュラウドを備え、このシュラウドは、さらに、シュラウドを介してスライダにアクセスする手段を備える。

このようなシュラウドは、使用者が、分配装置の通常の動作中にアクセスする必要がない分配装置の部品にアクセスすることを防止するために使用することができる。このようなシュラウドは、分配装置にある種の装飾的外観を与えるために追加的または代替的に使用することができる。

このようなシュラウドを備えた装置を提供する場合、スライダが依然として使用者に対して操作可能であることが非常に好ましい。この目的のために、本実施形態では、シュラウドにアクセスする（即ち、操作する）ための手段が設けられる。このような手段は、シュラウドの開口部を通して突出する突出部を備えることができる。あるいは、シュラウドは、スライダの周囲の領域において弾性変形可能であってもよく、この領域の変形によってスライダを作動させることを可能にする。

シュラウドは、実質的に円筒形であってもよい開口頂部を有する本体部と、本体部の開口頂部を覆うためのカバー部とのような複数の部品から構成されてもよい。シュラウドは、トリガのような他の部品、特にその第１の中立位置に嵌合することができる。

一実施形態において、シュラウドは、シュラウドの外部から操作可能であって、スライダを制限位置と非制限位置との間で移動させるように構成されたアクチュエータを備える。

汚染物質の侵入の可能性を低減するために、シュラウドを介してスライダにアクセスするための任意の手段を可能な限り小さく維持することが好ましい。本実施形態において、分配装置は、スライダを作動させるように構成されたボタンなどのアクチュエータを備えており、これにより、スライダをエンドユーザに対して大きく見えないようにすることができる。その結果、スライダは使用者によって直接的に作動されるのではなく、間接的に作動される。

一実施形態において、アクチュエータは、シュラウドの凹部内で摺動可能なトグルを備える。

スライダは、制限位置と非制限位置との間で摺動可能であるので、アクチュエータが同様に摺動可能なトグルである場合、好ましくはスライダがその制限位置と非制限位置との間で摺動する方向に対して平行な方向に、シュラウドを通るこのスライダの間接動作は、特に単純な構成を有することができる。また、スライダをエンジン上部に配置する場合には、シュラウドの頂部に凹部を形成してもよい。これにより、トグルを容易に（例えば、使用者の親指で）操作することができる。

凹部内にトグルを設けることにより、トグルがシュラウドから突出する程度が制限され、それによってトグルの損傷の可能性が低減される。トグルは、人間の指の自由端部を受容するように形成された表面を有してもよく、これにより、トグルを都合よく作動させることができる。

トグルがスライダと係合することができるように、トグルの存在は、典型的には、シュラウドを貫通するスリットの存在を必要とする。

一実施形態にいて、トグルは凹部の上縁部によって結合される。

汚染物質の侵入の可能性をさらに低減するために、トグルは、好ましくは、凹部の上縁部によって結合されるか、または換言すれば、凹部の縁部に当接するように寸法決めされる。

一実施形態において、アクチュエータは、スライダとアクチュエータの一方に設けられたフック部によって、スライダとアクチュエータの他方に設けられたキャビティと協働して、スライダを制限位置と非制限位置との間で移動させるように構成されている。

このようなフック部をスライダおよびアクチュエータの一方に設け、キャビティをスライダの他方に設けることにより、比較的簡単な方法でこれらの部品間をより確実に接続することができる。フック部がスライダに設けられている場合には、フック部は内方に向けられるのが好ましい。

一実施形態において、スライダおよびトリガの少なくとも１つは、ノズルを通る対称面に関して反射対称である。

ノズルを通る対称面に関して反射対称であるスライダおよび／またはトリガは、装置に働く力の均等な分布を保証する。当該対称面は通常、エンジンの縦方向に対して平行である。

一実施形態において、トリガは、その第１の位置と第２の位置との間を運動するために、エンジンにヒンジ結合される。

トリガを移動させる他の方法も考えられるが、エンジンを作動させるための第１の位置と第２の位置との間のトリガの運動は、トリガがその第１の位置と第２の位置との間でヒンジ結合されるときに、信頼性があり簡単な構成を有することができる。

一実施形態において、スライダは、トリガの第１の位置から第２の位置への運動を制限するように構成される。

この場合、スライダはトリガを第１の位置に保持する。好ましくは、この位置は中立位置である。トリガが中立位置に向けて付勢されるようにバネ付勢されているときは、トリガを非中立位置に制限することは推奨されない。これは、トリガの損傷および故障を引き起こす可能性があるためである。

一実施形態において、トリガの運動範囲およびスライダの寸法は、スライダが、トリガの第１の位置および第２の位置のうちの１つの位置において、非制限位置から制限位置まで移動可能であるようなものである。

スライダが非制限位置から制限位置まで摺動できる可能な位置を制限することによって、スライダの使用はより直覚的になる。好ましくは、第１の位置は中立位置であり、第２の位置は押圧位置である。この場合、トリガが不利な位置に制限される可能性が更に低減される。

本発明はさらに、少なくとも部分的に液体が充填された容器と、前記容器に接続された前記請求項のいずれか１項に記載の分配装置とを備える、液体を分配するシステムに関する。

分配装置は、容器から液体を引き出し、引き出された液体を装置のノズルを通して分配するために使用することができる。

一実施形態において、容器はバッグ・イン・ボトル容器である。

フレア（登録商標）のようなバッグ・イン・ボトルの容器をベントする必要はない。このようなバッグ・イン・ボトル容器のバッグは、空にされるときに、装置の入口の周囲で次第に収縮する。

本発明はさらに、液体を分配するための装置のアセンブリのための方法に関し、該方法は、
ポンプを備えた第１のエンジン部を提供するステップと、
トリガを提供するステップと、
トリガを第１のエンジン部に接続して、第１の位置と第２の位置との間を移動させ、第１の位置から第２の位置に移動したときにポンプを作動させるステップと、
ノズルと、好ましくは少なくとも１つの制限要素を有する少なくとも１つのスライダとを備えた第２のエンジン部を提供するステップと、
トリガを第１のエンジン部に接続するステップの後に、好ましくはスライダを、トリガが第１および第２の位置の間を移動可能である非制限位置と、制限要素が非制限位置に対して第１および第２の位置の間のトリガの運動を制限する制限位置との間で摺動可能に配置するステップの後に、第２のエンジン部を第１のエンジン部に接続するステップと、
を含む。

上述したように、ポンプを備えた第１のエンジン部と、少なくともノズルを備え、制限要素を有する好ましくは少なくともスライダを備え、さらに好ましくは出口チャネルおよび予圧弁も備えた第２のエンジン部とから構成されるエンジンにおいて、トリガは、第２のエンジン部を第１のエンジン部に接続する前に、第１のエンジン部に接続されてもよい。これにより、組立中にトリガがノズルを通過することを必要とせずに、ノズルによるトリガの運動範囲を制限することが可能である。

一実施形態において、第２のエンジン部を提供するステップは、幾つかの異なるタイプの第２のエンジン部から第２のエンジン部を選択するステップを含む。

これは、組立の後期段階における製品差別化に柔軟性を与える。例えば、幾つかの異なるタイプの第２のエンジン部は、異なる方向に向けられたノズルを有してもよい。

以下、、添付の図面を参照して、本発明を実施例として説明する。
図１は、本発明の分配装置の正面斜視図であり、非制限位置にトグルがあり、第１の中立位置にトリガがあり、それに接続された可能な容器が仮想線で表示されている。 図２は、スライダが制限位置にあり、トリガが第１の中立位置にあり、シュラウドが取り外されてエンジンを示す、図１の分配装置の前方斜視図であり、トリガの弾性アーム（仮想線で図示）のエンジンへの接続部の拡大縮尺での詳細な後方斜視図である。 図３は、図１の分配装置の分解斜視図である。 図４は、図１の線ＩＶ－ＩＶに沿った分配装置の縦断面図であり、スライダは制限位置にあり、トリガは第１の中立位置にあり、シュラウドは除去されている。 図５Ａは、図１の装置の斜視図であり、スライダはそれぞれ制限位置および非制限位置にあり、シュラウドはエンジンを示すために取り外されている。、トリガは図５Ｂのファントムで示されている。 図５Ｂは、図１の装置の斜視図であり、スライダはそれぞれ制限位置および非制限位置にあり、シュラウドはエンジンを示すために取り外され、仮想線でトリガが示されている。 図６は分配装置の透視上面図であり、トグルが制限位置にあり、シュラウドが仮想線で示されている。 図７は、図４と同じ位置にある図１による分配装置の変形例の縦断面図であり、スライダは非制限位置にあり、トリガは第１の中立位置にあり、シュラウドは除去されている。

詳細な説明

容器Ｃ（図１では仮想線で図示）から液体（図示せず）を分配する液体（図示せず）を分配するための装置１は、エンジン２（図２）と、トリガ５と、エンジン２を容器Ｃのネック部分に接続するための接続手段６とを備えている。接続手段６は、容器Ｃと差込み接続、ネジ接続またはスナップ接続を確立するように構成されていてもよい。エンジン２は、ノズル３と、容器Ｃからの液体をノズル３に移送するためのポンプ４とを備えている。トリガ５は、第１の中立位置と、少なくとも実質的に押し下げられた第２の位置との間で移動可能であり、第１の位置から第２の位置に移動したときにポンプ４を作動させるためにポンプ４に接続されている。例示された実施形態において、トリガ５は、エンジン２の両側に延在する２つの翼５７に接続されるハンドル部５６を含む。各翼５７は、後述する弾性アーム２４に接続されている。この場合、トリガ５の第１の位置と第２の位置との間の運動は、矢印Ｔ１で示すように、ヒンジ軸１７を中心とした旋回運動である。

装置１のエンジン２の頂部７には、接続手段６とは反対側に、２つの制限要素すなわち突起１０、１１を備えたスライダ９が設けられており、これらは、スライダ９のＵ字形端部１２の脚部の自由端部に接続されている。これらの突起１０，１１は、ノズル３に対して反対側に配置されており、エンジン２の中心から見て内側外方に向いている。

トリガ５は、頂部７の近くで接続手段６に対向する上縁部１５、１６上に係合要素１３、１４を備え、これらの係合要素は、トリガ５のヒンジ軸１７（図５Ａ、５Ｂ）に対して径方向に延びている。

スライダ９は、トリガ５が第１の位置から第２の位置へ更に第２の位置から第１の位置へと移動可能な非制限位置（図１、図５Ｂ、図７）と、制限位置（図２、図４、図５Ａ、図６）との間を矢印Ｒ１方向にスライド可能である。スライダ９の摺動運動は、トリガ５の第１の位置と第２の位置との間の運動方向と実質的に平行な方向であるが、スライダ９は、トリガ５の旋回運動とは対照的に直線的に移動する。制限要素１０、１１は、第１の位置又は中立位置における係合要素１３、１４の位置に隣接する位置に配置されている。制限位置において、制限要素１０，１１は、トリガ５の第１の位置と第２の位置との間の係合要素１３，１４の経路Ｔ２内に延在することによって、第１の位置から第２の位置までの間のトリガ５の運動を制限する。非制限位置において、制限要素１０’、１１’は、この経路Ｔ２内に延在せず、トリガ５がポンプ４を作動させるためにその第１の位置と第２の位置との間を移動することを可能にする。後者の位置において、エンジン２の一部、即ち予圧弁１９（図４）を収容する弁室１８がスライダ９のＵ字状の端部１２に入れ子になっており、このエンジン部分（図５Ａ，５Ｂ）の周囲に制限要素１０，１１が配置されている。

スライダ９の運動を案内するために、スライダ９はトリガの上縁部１５，１６によって拘束されている。また、スライダ９の制限部材１０、１１とは反対側には、２本の脚部２０、２１が設けられている。これらの脚部２０、２１は、エンジン２の頂部７においてガイド要素５８、５９に形成されたＣ字形の外方に向けられたスロット２２、２３に摺動可能に受容される。

図５Ａおよび図５Ｂから分かるように、突起１０，１１および突起１３，１４は、互いに対向する傾斜面を有している。この場合、突起１０，１１は、突起１３，１４に対向する傾斜上面６０，６１を有し、突起１３，１４は、トリガ５に対向する側に傾斜面を有する。これらの傾斜面は、スライダ９がその制限位置にあるときでさえも、すなわち一定期間にわたって基準動作力を実質的に上回る動作力がトリガ５に作用したときに、トリガ５がその第１の位置と第２の位置との間を移動することを可能にする。これは、例えば、使用者が、スライダ９をその制限位置にして、トリガ５をその第１の位置からその第２の位置に強制しようとしつこく試みるときに起こり得る。この場合、突起１３、１４は、突起１０、１１の傾斜上面６０、６１上で下方に移動し、突起１３、１４を担持する翼５７の上部が弾性変形して矢印Ｂ方向に外方に湾曲する。突起１３、１４が突起１０、１１を通過すると、突起１３、１４は元の位置に戻る。突起１３、１４を突起１０、１１の傾斜面６０、６１上に乗り上げることにより、トリガ５および／またはスライダ９の損傷を防止することができる。この点に関して、トリガ５の運動を制限する目的は、例えば、分配装置が使用者のバッグまたはポケットに保持されている場合に、不注意による作動を防止することに過ぎず、通常は大きな負荷を伴うことはないことに留意されたい。

トリガ５をその第１の位置に向けて付勢するために、トリガ５には付勢手段が設けられている。この実施形態において、付勢手段は、トリガ５の両側に配置された一対の弾性アーム２４を備え、そのうちの一方のみがここでは見えている。図示した実施形態において、歯２５が各アーム２４の自由端部２６に設けられている。この歯２５は、下方に向いており、エンジン２のポケット２７に係合している（図２に詳細に図示）。このようにして、トリガ５はエンジン２にしっかりと接続される。

図３から明らかなように、例示された実施形態において、エンジン２は、ポンプ４を備えた第１のエンジン部２８と、ノズル３、スライダ９、出口チャネル３０、および第１のエンジン部２８に接続するコネクタ３１を備えた第２のエンジン部２９とから構成される。エンジン２を第１のエンジン部２８と第２のエンジン部２９とに分けることにより、ノズル３を通過させることなくトリガ５を第１のエンジン部２８に装着することができ、トリガ５の運動範囲をノズルが制限することができる。したがって、このような装置１は、最初に、第１のエンジン部２８とトリガ５とを設け、トリガ５を第１のエンジン部２８に接続して、第１の位置から第２の位置にもたらされるときにポンプを作動させる為に第１の位置から第２の位置に移動できるように構成することができる。続いて、第２のエンジン部２９を設け、トリガ５を第１のエンジン部２８に接続した後に、この第２のエンジン部２９を第１のエンジン部２８に接続する（図３）。また、組立方法は、スライダ９を非制限位置と制限位置との間で摺動可能に配置するステップを更に含む。

装置１は、エンジン２およびエンジン２に設けられたスライダ９を覆う為に、メインシュラウド部３３とカバーシュラウド部３４とからなるシュラウド３２を備えている。カバーシュラウド部３４は、メインシュラウド部３３の開口頂部を塞ぎ、トリガ５に第１の位置で嵌合する。

カバーシュラウド部３４およびトリガ５の両方は、円形ノズル３の周りに嵌合する円を共に形成する半円形の凹部を備えている。スライダ９がアクセス可能であり続けるために、カバーシュラウド部３４は、矢印Ｒ２の方向に前後に摺動可能なトグル３５の形態のアクチュエータを備えている。このトグル３５は、使用者の指を受け入れるように形成された面を有している。トグル３５は、カバーシュラウド部３４の凹部３６内に収容されており、凹部３６の上縁部３７によって拘束されている。トグル３５には、スライダ９のキャビティ３９に係合するフック部３８が設けられている。トグル３５は、装置１の頂部のカバーシュラウド部３４に配置されているので、親指などで操作しやすい。

エンジン２のポンプ４は、入口チャネル５３を介して容器Ｃと流体連通するように適合された吸引側Ｓを有する。図示された実施形態において、容器Ｃ内に延びる浸漬管４０が入口チャネル５３に接続されている。ポンプ４はまた、出口チャネル３０を介してノズル３と流体連通する圧力側Ｐを有する。

例示された実施形態において、出口チャネル３０内の予圧弁１９は、水平配向に配置され、すなわち、開位置と閉位置との間の弁運動のその方向は、ノズル３内の分配オリフィス５０と実質的に一直線上にある。この実施形態において、予圧弁１９はドーム弁であり、これは弁室１８にぴったりと嵌合している。ドーム弁は、スリーブ４７と、弁座４９に密封係合する弾性的に可撓性のダイアフラム４８とを含む。予圧弁１９は、液体が噴射される圧力の下限を規定する亀裂圧力を有する。

ポンプ４は、接続手段６を含むフレーム４２と一体に形成されたポンプ室４１を含む。ポンプ室４１にはピストン４４が摺動往復運動するように配置されている。このピストン４４は、トリガ５の作動時にピストン４４とポンプ室４１を互いに対して移動させるために、トリガ５に機械的に接続されている。

ここでは気体緩衝体として具体化されている緩衝体４３が、環状接続手段６を通って容器Ｃのネック部分内に延びている。緩衝体４３は、出口チャネル３０と流体連通しており、ポンプチャンバ４１と流体連通させることができる。本実施形態において、緩衝体４３は緩衝体室５２内に配置された気体充填体５１を含む。気体充填体５１は、上部５５によって緩衝体室５２にロックされている。緩衝体４３は、ノズル３が分配することができるよりも多くの液体をポンプ４が出口チャネル３０に供給するときに、気体充填体５２の圧縮によって液体を貯蔵する役割を果たす。このようにして、トリガ５がポンプ４１の作動を停止した後でも、液体圧力を維持することができる。

ポンプ４の吸入側Ｓには、ポンプ室４１の有効容積が増大したとき、すなわちピストン４４がポンプ室４１の底５４から離れたときに、ポンプ室４１を入口チャネル５３に開口する入口弁４５が設けられている。入口弁４５は、ポンプ室４１の有効容積が減少したときに入口チャネル５３への接続を少なくとも部分的に閉鎖するように更に構成されている。

ポンプ４の圧力側Ｐには、ポンプ室４１の有効容積が減少したとき、すなわちピストン４４がポンプ室４１の底５４に向かって移動したときに、ポンプ室４１を出口チャネル３０に開口する出口弁４６が設けられている。出口弁４６は、ポンプ室４１の有効容積が増大したときに出口チャネル３０への接続を少なくとも部分的に閉鎖するように更に構成されている。

エンジンの変形例１０２を図７に示すが、第１の実施形態との相違点のみを詳細に説明する。図４のものに対応する全ての部分は、同一の参照番号によって識別されている。なお、スライダ９は、前進された非制限位置に示されていることに留意されたい。気体緩衝体４３の代わりに、エンジン１０２は、緩衝体室１５２内に配置されたバネ１５１Ｂによって付勢されたプランジャ１５１Ａを備えたバネ緩衝体１４３を備える。バネ付勢されたプランジャ１５１Ａは、頂部１５５によって緩衝体室１５２内に保持される。

このようにして、本発明は、このタイプの従来の装置よりも製造、保管および移送が容易な液体分配装置を提供する。さらに、本発明の液体分配装置は、従来の装置よりもコンパクトである。

本発明を一部の実施例として本明細書に説明したが、以下の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、多くの方法で変更することができることは明らかである。

Claims (36)

1. 容器から液体を分配するための装置であって、
   ノズルと、前記容器から前記ノズルに液体を移送するためのポンプとを備えるエンジンと、
   第１の位置から第２の位置にもたらされたときにポンプを作動させるために前記ポンプに接続され、第１の位置と第２の位置との間で移動可能なトリガと、
   前記エンジンを前記容器に接続するための接続手段と、
   を備え、
   スライダにより特徴付けられ、前記スライダは、前記トリガが前記第１の位置と前記第２の位置との間で移動可能である非制限位置と、少なくとも１つの制限要素が前記トリガの前記第１の位置と前記第２の位置との間の運動を制限する制限位置との間で摺動可能な、少なくとも１つの制限要素を有する、装置。
2. 前記トリガは、前記第１の位置と前記第２の位置との間の前記トリガの運動方向に実質的に垂直な方向に延びる少なくとも１つの係合要素を備え、前記少なくとも１つの制限要素は、前記非制限位置に対して、前記第１の位置と前記第２の位置との間の前記少なくとも１つの係合要素の運動を制限する、請求項１に記載の装置。
3. 前記制限位置において、前記少なくとも１つの制限要素は、前記トリガの前記第１の位置と前記第２の位置との間の前記少なくとも１つの係合要素の経路内に延在し、前記非制限位置において、前記少なくとも１つの制限要素は、前記経路内に延在しない、請求項２に記載の装置。
4. 前記少なくとも１つの制限要素は、突起を備える、請求項１～３のいずれか一項に記載の装置。
5. 前記少なくとも１つの係合要素は、突出部を備え、前記突起および前記突出部は、前記制限位置において互いに係合するように構成される、請求項２、３又は４に記載の装置。
6. 前記制限要素は、前記トリガと前記ノズルとの間の場所で前記スライダに取り付けられる、請求項１～５のいずれか一項に記載の装置。
7. 前記装置は、第１の制限要素および第２の制限要素と、第１の係合要素および第２の係合要素とを備え、前記第１の制限要素および第１の係合要素は、前記ノズルの一方の側に配置され、前記第２の制限要素および第２の係合要素は、前記ノズルの反対側に配置される、請求項１～６のいずれか一項に記載の装置。
8. 前記スライダは、Ｕ字状の端部を有し、前記第１の制限要素および第２の制限要素は、前記Ｕ字状の端部の脚部のそれぞれの自由端に配置される、請求項７に記載の装置。
9. 前記制限要素および前記係合要素の少なくとも一方は、互いに向かって傾斜している、請求項１～８のいずれか一項に記載の装置。
10. 前記スライダは、一定期間にわたって標準操作力を実質的に上回る操作力が前記トリガに作用したときに、前記スライダの前記制限位置における第１の位置と第２の位置との間で前記トリガを運動させることができるように適合されている、請求項１～９のいずれか一項に記載の装置。
11. 前記少なくとも１つの係合要素は、前記トリガの縁部、好ましくは前記接続手段に対向する前記エンジンの側部に設けられる、請求項１～１０のいずれか一項に記載の装置。
12. 前記スライダは、前記接続手段に対向する面に設けられている、請求項１～１１のいずれか一項に記載の装置。
13. 前記ポンプは、前記容器と流体連通するように構成されたポンプチャンバと、前記ポンプチャンバ内に配置され、前記トリガに機械的に接続または接続可能なピストンとを備え、前記エンジンは、前記ポンプチャンバを前記ノズルに流体的に接続する出口チャネルを備える、請求項１～１２のいずれか一項に記載の装置。
14. 前記ポンプは、前記容器と流体連通するように構成された吸引側と、前記出口チャネルと流体連通するように構成された圧力側とを有し、前記装置は、前記出口チャネル内に配置された予圧弁と、前記出口チャネルに流体接続された緩衝体とを更に備える、請求項１３に記載の装置。
15. 前記予圧弁は、ドーム状弁を備える、請求項１４に記載の装置。
16. 前記予圧弁は、前記ノズルに隣接する、請求項１４又は１５に記載の装置。
17. 前記予圧弁は、開位置と閉位置との間の弁運動の方向と共に、前記ノズル内のオリフィスとほぼ一直線上の方向に向けられる、請求項１４～１６のいずれか一項または請求項１の前文に記載の装置。
18. 前記エンジンは、前記ポンプを備える第１のエンジン部と、前記ノズルを備える第２のエンジン部とから構成され、前記第１のエンジン部および第２のエンジン部は、互いに機械的に接続または接続可能である、請求項１～１７のいずれか一項または請求項１の前文に記載の装置。
19. 前記第２のエンジン部は、前記スライダおよび前記出口チャネルのうち少なくとも一つを備える、請求項１８に記載の装置。
20. 前記第２のエンジン部は、前記予圧弁を備える、請求項１８又は１９、または、請求項１４～１７のいずれか一項に記載の装置。
21. 前記スライダの運動を案内する案内手段を更に備える、請求項１～２０のいずれか一項に記載の装置。
22. 前記スライダは、前記制限要素に対向する側に脚部を備え、前記案内手段は、前記スライダの自由端を受け入れるように構成された少なくとも１つのスロットを備える、請求項２１に記載の装置。
23. 前記トリガは、前記トリガを前記第１の位置に向けて付勢するために、前記エンジンに接続または接続可能な付勢手段を備え、前記付勢手段は、少なくとも１つの弾性アームを備え、前記少なくとも１つの弾性アームの自由端には、前記エンジン内のポケットに係合または係合するための下向きの歯が設けられている、請求項１～２２のいずれか一項または請求項１の前文に記載の装置。
24. 前記分配装置は、前記スライダを少なくとも部分的に覆うシュラウドを備え、前記シュラウドは、前記シュラウドを介して前記スライダにアクセスする手段を更に備える、請求項１～２３のいずれか一項に記載の装置。
25. 前記シュラウドは、アクチュエータを備え、前記アクチュエータは、前記シュラウドの外部から作動可能であり、前記スライダを前記制限位置と前記非制限位置との間で移動させるように構成される、請求項２４に記載の装置。
26. 前記アクチュエータは、前記シュラウド内の凹部内部で摺動可能なトグルを備える、請求項２５に記載の装置。
27. 前記トグルは、前記凹部の上縁によって拘束される、請求項２６に記載の装置。
28. 前記アクチュエータは、前記スライダと前記アクチュエータの一方に設けられたフック部と、前記スライダと前記アクチュエータの他方に設けられたキャビティとが協働して、前記スライダを前記制限位置と前記非制限位置との間で移動させるように配置されている、請求項２５～２７のいずれか一項に記載の装置。
29. 前記スライダおよび前記トリガのうち少なくとも一つは、前記ノズルを通る対称面に関して対称な反射部である、請求項１～２８のいずれか一項に記載の装置。
30. 前記トリガは、その第１の位置と第２の位置との間を運動するために、前記エンジンにヒンジ結合される、請求項１～２９のいずれか一項に記載の装置。
31. 前記スライダは、前記トリガの前記第１の位置から前記第２の位置への運動を制限するように構成されている、請求項１～３０のいずれか一項に記載の装置。
32. 前記トリガの運動範囲および前記スライダの寸法は、前記トリガの前記第１の位置および前記第２の位置のうちの一方のみにおいて、前記スライダが前記非制限位置から前記制限位置まで移動可能である、請求項１～３１のいずれか一項に記載の装置。
33. 少なくとも部分的に液体が充填された容器と、前記容器に接続された、記請求項１～３２のいずれか一項に記載の分配装置とを備える、液体を分配するシステム。
34. 前記容器は、バッグインボトル容器である、請求項３３に記載のシステム。
35. 液体を分配するための装置を組み立てるための方法であって、
    ポンプを備えた第１のエンジン部を提供するステップと、
    トリガを提供するステップと、
    前記トリガを前記第１のエンジン部に接続して、第１の位置と第２の位置との間を移動させ、前記第１の位置から前記第２の位置にもたらされたときにポンプを作動させるステップと、
    ノズルと、少なくとも１つの制限要素を有する好ましくは少なくとも１つのスライダとを備えた第２のエンジン部を提供するステップと、
    前記第１のエンジン部に前記トリガを接続するステップの後に、前記第２のエンジン部を前記第１のエンジン部に接続し、好ましくは、前記スライダを、前記トリガが前記第１の位置と前記第２の位置との間で移動可能な非制限位置と、前記制限要素が前記非制限位置に対して前記第１の位置と前記第２の位置との間で前記トリガの運動を制限する制限位置との間で摺動可能に配置するステップと、
    を含む、方法。
36. 前記第２のエンジン部を提供するステップは、複数の異なるタイプの第２のエンジン部から前記第２のエンジン部を選択する工程を含む、請求項３５に記載の方法。

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