JP2023525931A - 新規なcov-2抗体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、単離されたヒト血液細胞を使用してSARS-CoV-2に対する本当に完全なヒトモノクローナル抗体の産生のための新規方法を提供する。これらの抗原は、以下に限定されないが、SARS-CoV-2タンパク質のエンベロープ又はスパイクタンパク質に見出されるペプチド配列を含んでいてもよい。【選択図】 図1

Description

本発明は、抗体及びその産生の分野での技術に関する。より詳細には、本発明は、特定の抗原に特異的であるヒトモノクローナル抗体を産生するための方法に関する。本発明は、SARS-CoV-2抗原に対する抗体、並びにCOVID-19を診断、予防及び/又は治療におけるこれらの抗体の使用にも関する。
モノクローナル抗体療法は、がんを最上位に置く30を超える標的及び疾患について承認されてきた。第1世代のモノクローナル抗体はマウス起源であり、したがって、ヒト抗マウス抗体応答(HAMA)が原因で治療用途には不適切であった。組換えDNA技術が発展するにしたがって、キメラ化又はヒト化を使用するモノクローナル抗体の第2世代が開発され、したがって、抗体はさらにヒト抗体様となった。このためには、免疫原性及び特異性のためのマウス可変ドメインを減らす目的で、遺伝子操作を使用してヒト定常ドメインを有する抗体を作製する。しかし、セラリズマブの場合に報告されたように、ヒト化は、重大な全身臓器不全などの重篤な副作用を完全に及び予想通りには排除しない。したがって、抗体中の非ヒト断片から生じるそのような副作用を避けるためには完全ヒト抗体を提供するのが望ましい。しかし、「完全ヒト」と名付けられている抗体は、実際にヒト配列を持っているが、これらはバクテリオファージ、トランスジェニック動物に起源を持つか、又はB細胞形質転換に起源を持つので、「完全ヒト」という用語は誤解を招き得ると考えられる。したがって、そのような抗体が、構造と免疫原性との両方において、内因的に産生される抗体と同一であることを保証することはできない。それゆえに、本発明という文脈では、「完全ヒト抗体」という用語は、ヒト配列を有するだけではなく、インビボ(in vivo)過程におけるのと同じように、ヒト細胞によって産生される抗体に関する。特に、用いられるヒト細胞は、免疫原性に基づく副作用をさらに低減する自己細胞である。従前に使用された技術は常に問題を伴い、B細胞形質転換の場合、抗体を産生するB細胞を選び、次いでエプスタインバーウイルス(EBV)により不死化しなければならず、インビトロ(in vitro)感染効率は一般的に高いけれども、実際に形質転換されるのはごくわずかな割合の細胞だけである(約1~3%)。EBV形質転換技術は、非効率、不安定さ、低収率及び親和性を特徴としている。ファージディスプレイ(Phage display)技術は、先ず抗体ライブラリーを調製し、続いて、可変重及び軽PCR産物をベクター(vector)中にライゲーションし、最後にモノクローナル抗体(mAb)クローンをインビトロ選択する。しかし、ファージディスプレイは、所与の抗体ライブラリーに存在する全ての抗原特異的モノクローナル抗体(mAb)を回収しないことがあり、インビトロ対形成はインビボ過程を反映しないことがあり、複雑で、要求が厳しく、時間のかかる技術である。トランスジェニック動物では、ヒト抗体遺伝子を、例えば、マウスゲノム中に挿入し、ヒト抗体産生を可能にする。しかし、人体は数百万もの抗体のコレクションを保有しており、トランスジェニックマウスはこの多様性のごく一部しか発現できない。したがって、限られた生殖細胞系列レパートリー、低タンパク質発現、残余免疫原性及び関係するコストが高く労力がかかることが、DNA組換え技術の重大な欠点である。しかし、すべての中で最大の問題は、これらの抗体がすべて本質的にハイブリッドであるという単純な事実である。したがって、所与の抗原に向けることができ、人体において免疫原性がより少ない又は無く、したがって、免疫原性による望ましくない副作用を制限するモノクローナル抗体の供給を可能にする手段を提供する必要性が存在する。5つの抗体クラスのうち、IgGは免疫系の強力な活性化因子であるので、がんの免疫療法に最も多く使用されている。
ヒトモノクローナル抗体の産生は従前試みられてきた。Fang Xuら(2017)は、パルスされたDCを用いてT細胞を活性化することにより、ヒトIgM抗体を産生した。次に、CpG、ODN又はKLHを添加してB細胞は別々に活性化され、及び、次に活性化されたT細胞を活性化されたB細胞と最終的に組み合わせる。
しかし、細胞活性化のため、及びより顕著な免疫応答を組み込むために、DNA微生物モチーフのヒト類似体であるCpG、ODN又はssRNAを使用すると、最適な抗原に対する抗体と共に、使用されたCpG、ODN又はssRNAに対する抗体の産生をもたらしてしまうことがある。CpG、ODN又はssRNAはヒトDNAにおいて通常に存在する部分であり、メチルトランスフェラーゼのような酵素が結合するところなので、そのような望まれない抗体の産生及びその標的への結合は、正常な恒常性維持に影響を及ぼすことがある。さらに、CpGはT細胞非依存性分化を誘導し、このようにして作製される抗体は、親和性が低くなる傾向があり、機能的用途の広さも減る。
特許文献1は、パルスされたDCを用いてT細胞を活性化し、次に活性化されたT細胞を用いてB細胞を活性化することによりヒトIgG抗体の産生に関する。再び、CpG、ODN又はssRNA並びにIL-12及びIFN-γ抗体のような因子を使用することにより、活性化が達成される。
特許文献2は、IL-4、IL-5、IL-6及びIL-10のような因子の存在下で、パルスされたDCを用いてT細胞を活性化することによるヒトIgGの産生に関する。B細胞はCpGを使用して個別に活性化され、次に活性化されたT細胞に添加される。
特許文献3に述べられているような、マウス細胞を使用して抗体をエクスビボ(ex-vivo)で産生する試みもある。
国際公開第2011/023705号 米国特許出願公開第2013/0196380号明細書 欧州特許出願公開第2574666号
したがって、本発明は、単離されたヒト血液細胞から真に完全なヒトモノクローナル抗体を産生するための新規の方法を提供することを目的とし、その抗体は最適な特定の抗原に向けられており、それによって、バクテリオファージ、トランスジェニック動物又はB細胞形質転換などの技法によって抗体ライブラリーから抗体を産生する場合、又はから抗体を産生する場合に遭遇することがある上記の問題を回避することができる。さらに、本発明は、真に完全なヒトモノクローナル抗体を産生する際に使用することができる抗原の範囲を広げることを可能にする。得られた抗体は、細胞の遺伝子操作の産物ではなく、トランスジェニック動物において産生されるものでもない。
一実施形態では、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質に対する抗体、特に、前記スパイクタンパク質の326~340位のアミノ酸配列に対する抗体が得られる。前記アミノ酸配列は配列番号1の15量体(15-mer)である。前記抗原は、例えば、固相ペプチド合成などのペプチド合成技法により入手することができる。配列番号1の抗原はH-IVRFPNITNLCPFGE-OHの配列を有する。
一実施形態では、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質に対する抗体、特に、前記抗原の449~463位のアミノ酸配列に対する抗体が得られる。前記アミノ酸配列は配列番号2の15量体である。前記抗原は、例えば、固相ペプチド合成などのペプチド合成技法により入手することができる。配列番号1の抗原はH-YNYLYRLFRKSNLKP-OHの配列を有する。
一実施形態では、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質に対する抗体、特に、前記抗原の718~726位のアミノ酸配列に対する抗体が得られる。前記アミノ酸配列は配列番号3の15量体である。前記抗原は、例えば、固相ペプチド合成などのペプチド合成技法により入手することができる。配列番号3の抗原はH-FTISVTTEI-OHの配列を有する。
一実施形態では、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質に対する抗体、特に、前記抗原の2~10位のアミノ酸配列に対する抗体が得られる。前記アミノ酸配列は配列番号4の9量体(9-mer)である。前記抗原は、例えば、固相ペプチド合成などのペプチド合成技法により入手することができる。配列番号4の抗原はH-YSFVSEETG-OHの配列を有する。
本発明のプロセスでは、適応免疫系で見出される天然の機構を模倣することにより、樹状細胞、CD4+細胞及びCD19+細胞を、Th2免疫へと駆動し、ここで、新たに形成されたプラズマ細胞は、次に、使用される抗原に応じて、最適な抗原に対する抗体を産生する。IgG産生はIgGクラススイッチ因子により促進できるのに対し、細胞活性化は、樹状細胞であっても、CD4+細胞及びCD19+細胞であっても、その後にインビボ炎症性環境を模倣するサイトカインカクテルが続く。所望の抗体を得るために使用される前記抗原は、免疫応答を誘発する能力によって選択されたペプチドである。本発明のプロセスの結果として、プラズマ細胞又は抗体産生細胞としても知られるCD138+細胞は、使用される抗原に応じて、抗SARS-CoV-2抗体を分泌する。前述のプラズマ細胞は、例えば、HUNS1細胞株との融合により不死化させることができ、抗SARS-Cov-2、特に、SARS-Cov-2スパイクタンパク質又はエンベロープタンパク質IgG抗体も産生することが見出された。
したがって、本発明の目的は、概して、完全ヒト抗体、より好ましくは、例えば、SARS-CoV-2などの所定の抗原に対する完全ヒトモノクローナル抗体、特に、そのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質に対する完全ヒトモノクローナル抗体、さらに、配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質中のエピトープに対する完全ヒトモノクローナル抗体の産生のためのプロセスを提供することであり、該プロセスは、
a)好ましくは血液から、末梢血単核細胞を単離するステップ;
b)単離された前記末梢血単核細胞から単核細胞を作製するステップ;
c)作製された前記単核細胞から未成熟樹状細胞を作製するステップ;
d)好ましくは血液から、CD4+細胞及びCD19+細胞を単離するステップ;
e)任意選択で、SARS-CoV-2などの、前記所定の抗原で、特に、そのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質で、さらに、配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質中のエピトープで、少なくとも、作製された前記未成熟樹状細胞をパルスするステップ;
f)前記未成熟樹状細胞、前記CD4+細胞及び前記CD19+細胞を共培養するステップ;
g)SARS-CoV-2などの少なくとも前記所定の抗原で、特に、そのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質で、さらに、配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質中のエピトープで、少なくとも、共培養された前記未成熟樹状細胞、前記CD4+細胞及び前記CD19+細胞をパルスするステップ;
h)前記未成熟樹状細胞、前記CD4+細胞及び前記CD19+細胞をさらに共培養することにより、前記未成熟樹状細胞から成熟樹状細胞を作製するステップ;
i)プラズマ細胞の形成を誘導するステップ;
j)形成された前記プラズマ細胞においてIgクラススイッチを誘導するか又は誘導しないステップ
を含む。
本発明のさらなる目的は、例えば、SARS-CoV-2に対するヒト抗体などの、一般に上記のプロセスによって得られる所定の抗原に対する抗体、特に、そのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質に対する抗体、さらに、配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質中のエピトープに対する抗体を提供することある。
本発明のさらなる目的は、SARS-CoV-2に対する抗体、特に、そのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質に対する抗体、さらに、配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質中のエピトープに対するヒト抗体であって、前記ヒト抗体が配列番号1~4のアミノ酸配列を認識し、好ましくはヒトプラズマ細胞により、さらに好ましくは不死化ヒトプラズマ細胞により分泌されるヒト抗体、並びにSARS-CoV-2の、特に、そのスパイク及び/若しくはエンベロープタンパク質の、さらに、配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/若しくはエンベロープタンパク質中のエピトープの試料中での有無を判定するためのその使用、又はCOVID-19を治療するためのその使用を提供することである。
本発明のさらなる目的は、生体試料中のSARS-CoV-2の有無、特に、そのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質の有無、さらに、配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質中のエピトープの有無を検出するための方法を提供することであり、該方法は、
a.前記試料を上記抗体に接触させるステップ、及び
b.前記試料中の、前記抗体とSARS-CoV-2、特に、そのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質、さらに、配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質中のエピトープにより形成される抗体-抗原複合体の有無を検出するステップ
を含む。
本発明のさらなる実施形態は添付の特許請求の範囲の従属項に示されている。
本発明の好ましい実施形態は図を参照して以下に記載されており、これらの図は本発明の好ましい実施形態を説明することを目的とし、これらに限定することを目的とするものではない。
図1は、配列番号1~4のペプチドのそれぞれに対する本発明のプロセスによって産生される抗体が試験されたELISA試験により得られる450nmでの吸光度を示している。図に示すように、抗体のそれぞれは、その抗体が産生された対抗するペプチドに接触されるとブランクと比べてより高い吸光度を生じた。 図2は、配列番号1~4のSARS-COV-2ペプチドのそれぞれに特異的であるプラズマ細胞の存在を評価するためのエリスポット型アッセイの写真を示している。左から最初の2つのウェルは不活化B細胞と一緒にインキュベートされ、陽性カラーシグナルを示していない。最後の4つのウェルは、それぞれのプラズマ細胞と一緒にインキュベートされた配列番号1~4のペプチドのそれぞれに対応しており、陽性カラーシグナルを示している。
本発明のプロセスは、インビボ過程を模倣することによる、ヒト血液細胞からの真の完全ヒトモノクローナル抗体を産生することからなる。
本発明のプロセスは、一般に、例えば、SARS-CoV-2などの所定の抗原に対するヒト抗体、特に、そのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質に対するヒト抗体、さらに、配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質中のエピトープに対するヒト抗体の産生のためのプロセスを提供し、該プロセスは、
a)好ましくは血液から、末梢血単核細胞を単離するステップ;
b)単離された前記末梢血単核細胞から単核細胞を作製するステップ;
c)作製された前記単核細胞から未成熟樹状細胞を作製するステップ;
d)好ましくは血液から、CD4+細胞及びCD19+細胞を単離するステップ;
e)任意選択で、少なくとも、作製された前記未成熟樹状細胞を、SARS-CoV-2などの、前記所定の抗原で、特に、そのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質で、さらに、配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質中のエピトープで、パルスするステップ;
f)前記未成熟樹状細胞、前記CD4+細胞及び前記CD19+細胞を共培養するステップ;
g)少なくとも、共培養された前記未成熟樹状細胞、前記CD4+細胞及び前記CD19+細胞を、SARS-CoV-2で、特に、そのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質で、さらに、配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質のエピトープで、パルスするステップ;
h)前記未成熟樹状細胞、前記CD4+細胞及び前記CD19+細胞をさらに共培養することにより、前記未成熟樹状細胞から成熟樹状細胞を作製するステップ;
i)プラズマ細胞の形成を誘導するステップ;
j)形成された前記プラズマ細胞においてIgクラススイッチを誘導するか又は誘導しないステップ
を含む。
本発明のプロセスの最初のステップでは、例えば体液などの身体試料由来の、好ましくは血液由来の末梢血単核細胞を単離する。好ましい実施形態では、前記末梢血単核細胞(PBMC)は、EDTAを含有するバキュテナー中の新たに収集した血液試料から、例えば、密度勾配遠心分離法を使用して単離することができる。密度勾配遠心分離法において使用するのに適した分離溶液は、商標名BIOCOLLでVWRから入手することができる。密度勾配遠心分離後、末梢血単核細胞を含む細胞ペレットを、例えば、10%のウシ胎仔血清(FBS)、200mMのL-グルタミンを補ったRPMI培地などの細胞培養培地に再懸濁することができる。細胞数及び生存率はトリパンブルー色素排除法により測定することができる。
それに続くステップb)では、単離された前記末梢血単核から単核細胞を作製するために、上述したようにして単離された前記末梢血単核細胞を、細胞培養培地においてインキュベートする。好ましい実施形態では、単核細胞を作製するために、前記末梢血単核細胞を、37℃、5%COで、特に単核細胞が付着するまで、細胞培養培地においてインキュベートした。
次のステップc)では、前もって作製された前記単核細胞から、未成熟樹状細胞を作製する。単核細胞の付着を生じる前記インキュベーション期間後、上澄みを収集して、付着した単核細胞を、温リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄した。好ましい実施形態では、前記単核細胞を、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)及びインターロイキン4(IL-4)の存在下で、未成熟樹状細胞が作製されるまでインキュベートした。前もって作製された前記単核細胞からの前記未成熟樹状細胞の作製に最適な条件を提供するため、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)とインターロイキン4(IL-4)の両方を、2日毎に培養培地と共に補充した。培養物は、ステップd)で得られるCD4+細胞及びCD19+細胞の培養物と組み合わされるまで保管した。
次のステップd)では、CD4+細胞及びCD19+細胞を、例えば体液などの身体試料から、好ましくは血液から単離した。好ましい実施形態では、前記CD4+細胞は、抗ヒトCD4磁気ビーズを使用して単離することができる。遠心分離後、抗ヒトCD4磁気ビーズのペレットを、10%のウシ胎仔血清(FBS)を含有するRPMI培養培地に再懸濁し、上澄みを保管しておく。細胞数及び生存率はトリパンブルー色素排除法により測定することができる。
保管しておいた前記上澄みと抗ヒトCD19磁気ビーズとを加えて、遠心分離によりCD19+細胞を単離する。遠心分離後、抗ヒトCD19磁気ビーズのペレットを完全培地に再懸濁した。細胞数及び生存率はトリパンブルー色素排除法により測定することができる。
未成熟樹状細胞(iDC)を、SARS-CoV-2のスパイク及び/又はエンベロープタンパク質中の配列番号1~4のいずれかのエピトープのアミノ酸配列などのペプチドでパルスする共培養の日の間に、CD4+細胞及びCD19+細胞を、前に記載したのと同じ方法を使用して、新たに収集した全血試料から単離した。このようにして、ステップc)又はステップe)から作製された前記未成熟樹状細胞を、ステップd)で単離された前記CD4+細胞及び前記CD19+細胞と組み合わせて、ステップf)の共培養物とした。
任意選択の次のステップe)では、これはステップd)と同時に進めてもよいが、作製された前記未成熟樹状細胞を、SARS-CoV-2などの所定の抗原で、特に、そのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質で、さらに、配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質の1つ以上のエピトープでパルスする。好ましい実施形態では、前記未成熟樹状細胞を、おおよそ少なくとも4時間の期間、又は4時間から10時間の間、又は10時間の間、配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質の1つ以上のエピトープなどの所定のペプチドでパルスする。
SARS-CoV-2に対する抗体を取得しようとする場合には、配列番号1~4のいずれかのペプチドの抗原であり、全スパイクタンパク質又はエンベロープタンパク質と同じ免疫原性を有する抗原が使用される。抗原として9~15残基の短い配列を選択することにより、ポリクローナル抗体生成の可能性が減少する。前記抗原は、固相ペプチド合成などのペプチド合成技術により得ることができる。
未成熟樹状細胞を作製し、任意選択で、前記未成熟樹状細胞を、SARS-CoV-2などの既定の抗原を用いて、特に、そのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質を用いて、さらに、配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質の1つ以上のエピトープを用いてパルスした後、並びにCD4+細胞及びCD19+細胞を単離した後、前記未成熟樹状細胞、前記CD4+細胞及び前記CD19+細胞を組み合わせて、ステップf)において共培養する。好ましい実施形態では、CD4+細胞に対する及びCD19+細胞に対する未成熟樹状細胞の比は、CD4+細胞の数及びCD19+細胞の数が、未成熟樹状細胞の数に対して過剰に存在している、及び/又は、CD4+細胞の数又はCD19+細胞の数が、未成熟樹状細胞の数とほぼ同じであるようにする。例として、CD4+細胞に対する及びCD19+細胞に対する、未成熟樹状細胞の適切な数の比は、1:10:10である。好ましい実施形態では、前記未成熟樹状細胞、前記CD4+細胞及び前記CD19+細胞は、適切な培養培地、好ましくは10%のウシ胎仔血清(FBS)、200mMのL-グルタミンを補った、より好ましくは、GM-CSF、IL-4、TNF-α、sCD40L、IL-6、IL-21、IL-10及び抗ヒトIgMをさらに含む、RPMI培養培地で共培養される。10%のウシ胎仔血清(FBS)、200mMのL-グルタミンを補った例示的なRPMI培養培地は、100ng/mlのGM-CSF、50ng/mlのIL-4、5ng/mlのTNF-α、1μg/mlのsCD40L、150ng/mlのIL-6、50ng/mlのIL-21、100ng/mlのIL-10、及び5μg/mlのIgMを有することができる。例えば、任意に10%のウシ胎仔血清(FBS)及び200mMのL-グルタミンを補ったRPMI培養培地などの適切な培養培地は、GM-CSF、IL-4、TNF-α、sCD40L、IL-6、IL-21、IL-10及び抗ヒトIgMの組合せを、約50~200ng/mlのGM-CSF、2~100ng/mlのIL-4、1~100ng/mlのnTNF-α、0.5~50μg/mlのsCD40L、50~500ng/mlのIL-6、1~200ng/mlのIL-21、30~300ng/mlのIL-10及び1~50μg/mlのIgMで含んでもよい。ステップf)において所与の培養培地が使用される場合、同じ培養培地が、少なくとも後に続くステップg)からj)まで使用されるのが好ましいと理解される。
次のステップg)では、共培養されている前記未成熟樹状細胞、前記CD4+細胞及び前記CD19+細胞を、少なくともSARS-CoV-2などの前記所定の抗原を用いて、特に、そのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質を用いて、さらに、配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質の1つ以上のエピトープを用いてパルスする。好ましい実施形態では、前記抗原は、任意選択で10%のウシ胎仔血清(FBS)及び200mMのL-グルタミンを補った、より好ましくは、GM-CSF、IL-4、TNF-α、sCD40L、IL-6、IL-21、IL-10及び抗ヒトIgMをさらに含むRPMI培養培地に、好ましくはおおよそ10μg/mlの濃度で添加される。前記未成熟樹状細胞、前記CD4+細胞及び前記CD19+細胞を共培養する最初の日のうちは、前記抗原は、おおよそ10μg/mlの濃度で添加されるのが好ましい。
次のステップh)では、好ましくは前記未成熟樹状細胞、前記CD4+細胞及び前記CD19+細胞を、任意選択で10%のウシ胎仔血清(FBS)及び200mMのL-グルタミンを補った、より好ましくはGM-CSF、IL-4、TNF-α、sCD40L、IL-6、IL-21、IL-10及び抗ヒトIgMをさらに含むRPMI培養培地において、成熟樹状細胞が作製されるまで共培養することにより、前記未成熟樹状細胞から成熟樹状細胞を作製した。共培養中に、CD4+細胞及びCD19+細胞は活性化される。
任意選択で10%のウシ胎仔血清(FBS)及び200mMのL-グルタミンを補った、より好ましくは、GM-CSF、IL-4、TNF-α、sCD40L、IL-6、IL-21、IL-10及び抗ヒトIgMをさらに含むRPMI培養培地では、各成分は以下のように使用される。GM-CSFは未成熟樹状細胞の成熟化、抗原プロセシング及び抗原提示のために使用される。IL-4は未成熟樹状細胞の成熟化、マクロファージ成長の阻害、Th2応答及び高MHCII発現のために使用される。TNF-αは樹状細胞の炎症性メディエーターとして及びT細胞活性化、Th2分化、MHCII上方調節のために使用された。sCD40Lは、樹状細胞における、抗原提示、MHCII上方調節、及び生存上昇のために、T細胞プライミング及びCD4エクスパンション(CD4 expansion)のために、並びにCD19+細胞増殖のために使用された。炎症性メディエーターであるIL-6は、リンパ球分化及び細胞生存/細胞増殖のために使用された。IgMは、その同種抗原へのBCR結合を模倣し、IL-10及びIL-21は、IgGクラススイッチのために使用された。DC成熟化におけるGM-CSF、IL-4及びTNF-αの役割を指摘する研究がいくつかなされている(Motta MR, Castellani S, Rizzi S, Curti A, Gubinelli F, Fogli M, Ferri E, Cellini C,Baccarani M, Lemoli RM (2003) Generation of dendritic cells from CD14+ monocytespositively selected by immunomagnetic adsorption for multiple myeloma patientsenrolled in a clinical trial of anti-idiotype vaccination. British Journal of Haematology,2003, 121, 240、及びZheng Z, Takahashi M, Narita M, Toba K, Liu A, Furukawa T, Koike T, Aizawa Y. (2000). Generation of dendritic cells from adherent cells of cord blood by culture with granulocyte-macrophage colony-stimulating factor, interleukin-4, and tumor necrosis factor-alpha. J Hematother Stem Cell Res;9(4):453)。しかし、GM-CSF及びIL-4に関する2段階成熟過程は未成熟樹状細胞も生じた。
未成熟樹状細胞、CD4+細胞及びCD19+細胞の共培養は、後述する抗原及び因子を使用して行う。要約すると、以下の通りである。GM-CSFは樹状細胞成熟化、抗原プロセシング及び抗原提示のために使用された。IL-4は樹状細胞(DC)成熟化、マクロファージ成長の阻害、Th2応答及び高MHCII発現のために使用された。TNF-αは樹状細胞(DC)の炎症性メディエーターとして及びT細胞活性化、Th2分化、MHCII上方調節のために使用された。sCD40Lは、樹状細胞(DC)における、抗原提示、MHCII上方調節、及び生存上昇のために、T細胞プライミング及びCD4エクスパンション(CD4 expansion)のために、並びにCD19+細胞増殖のために使用された。炎症性メディエーターであるIL-6は、リンパ球分化及び細胞生存/細胞増殖のために使用された。IgMは、その同種抗原へのBCR結合を模倣し、IL-10及びIL-21は、IgGクラススイッチのために使用された。
次のステップi)では、プラズマ細胞形成が誘導され、特に未成熟樹状細胞、CD4+細胞及びCD19+細胞の共培養において、前記CD19+細胞が、プラズマ細胞を形成する。本発明のプロセスで使用される抗原に応じて、プラズマ細胞は、SARS-CoV-2などの既定の抗原、特に、そのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質に対する、さらに、配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質の1つ以上のエピトープに対する純粋な完全ヒトモノクローナル抗体を分泌する。
次のステップj)では、Igクラススイッチを誘導することができ、特に、前記形成されたプラズマ細胞において誘導することができる。Igクラススイッチは、プラズマ細胞において望ましくないIg遺伝子を削除させるので、所望の遺伝子のみを発現することができる。CD19+細胞などのB細胞は、その表面にIgM/IgDを発現するが、活性化された後は、T細胞が受け取る刺激に応じて、IgA、IgE、IgGを発現させる又はそのIgM発現を保持することができる。したがって、本発明の好ましい実施形態では、プラズマ細胞においてIgG発現に向けてIgクラススイッチを誘導するのが有利になり得る。任意選択で10%のウシ胎仔血清(FBS)及び200mMのL-グルタミンを補った、より好ましくは、GM-CSF、IL-4、TNF-α、sCD40L、IL-6、IL-21、IL-10及び抗ヒトIgMをさらに含むRPMI培養培地では、IgGクラススイッチを促進するために、IL-10及びIL-21を共培養物に添加した。
さらなるステップk)では、前記抗体を産生するプラズマ細胞を、がん細胞株との融合又は、例えば、DNA再編成のような任意の他の技法により不死化することができる。プラズマ細胞を不死化するためには、共培養物から作製された前記プラズマ細胞を、CD138-PEを使用してフローサイトメトリーにより単離し、次にHUNS1細胞に融合し得る。例として、CD138陽性プラズマ細胞を、HUNS1細胞の数のおおよそ10倍で添加することができ、融合は、製造業者であるSigma社のプロトコルに従って、50%PEG溶液を使用して行うことができる。最後に、融合された細胞は、IgG分泌がなくなるまで10%のウシ胎仔血清(FBS)、200mMのL-グルタミンを補ったRPMI中で成長させた。
好ましい実施形態では、単離される細胞は自己細胞であり、これは特に、抗体が治療的な状況で使用される場合に有利である。なぜならば、その場合、前記抗体も自己であると類推され得るからである。
そして、本発明の抗体は、これらに限定されないが、例えば物理化学的分画又は親和性精製などの当技術分野で周知である技術を使用して、ステップj)又はk)の後に単離してもよい。
本発明の抗体を使用すれば、例えば、血液試料又は鼻咽頭スワブを介して採取できる粘液試料中などの生体試料中において、SARS-CoV-2、特に、そのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質、さらに、配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質の1つ以上のエピトープの存在を検出することができる。前記抗体を使用すれば、COVID-19により妨げられている又はこれにより苦しめられていると疑われる患者の血液試料又は粘液試料などの生体試料で見出されるSARS-CoV-2を検出することができる。抗体を使用して、特定の抗原の有無を定性的に及び定量的に判定するための試薬及び技法は当技術分野では周知である。例としては、例えば、ELISA及びウェスタンブロット法である。
本発明の抗体をこのようにして使用すれば、本発明の抗体を使用してSARS-CoV-2又はCOVID-19による感染を診断することができる。本発明の抗体は、診断法において使用することができる。なぜならば、本発明の抗体は、前述のSARS-CoV-2のスパイク及び/又はエンベロープタンパク質に特異的に結合するからである。本発明のモノクローナル抗体は、SARS-CoV-2の増殖を制限することがさらに分かった。
本発明の抗体は、COVID-19の診断において、生体指標(biomarker)として使用することができる。
本発明のさらなる実施形態では、本発明の抗体は、粒子、小分子又は薬物にコンジュゲートし得る抗体コンジュゲートを形成することもできる。抗体コンジュゲートは、医療イメージング及び検出、及び/又は標的薬物送達及び/又は他の治療的介入において使用することができる。
本発明の抗体は、COVID-19を予防する及び/又は治療するための医薬組成物中の活性成分として使用することができる。
本発明の抗体を使用すれば、ウイルス増殖を減少させることによりCOVID-19を予防する及び/又は治療することができる。
本発明は、SARS-CoV-2、特に、そのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質、さらに、配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質の1つ以上のエピトープに対する抗体を提供する。本発明の抗体を使用すれば、SARS-CoV-2の有無を容易に且つ確実に検出することが可能である。したがって、本発明は医療診断及び治療の分野で有用である。さらに、本発明の抗体は、COVID-19診断及び治療などの医薬品の分野でも使用することができる。なぜならば、本発明の抗体は、SARS-CoV-2の細胞増殖に影響を与えるからである。
実験データ
mAb産生
抗体産生が可能であるプラズマ細胞作製では、最初の未成熟樹状細胞を単核細胞から作製し、適切なペプチド、すなわち、配列番号1~4から選択される1つのペプチドでパルスした。次に、未成熟樹状細胞を、CD4細胞及びCD19細胞の存在下で完全に成熟させた。CD4細胞は活性化し、CD19細胞は抗体産生プラズマ細胞に形質転換した。全手順の間中、細胞は、炎症性環境を模倣しIgGクラススイッチを促進する成長因子の存在下でインキュベートした。
培養上澄みから配列番号1~4のペプチドのいずれかに対するIgG抗体を単離するため、アフィニティークロマトグラフィーを使用した。収集された試料を、IgG単離のために製造業者のプロトコル通りにMAb Trapキットの中を通過させた。得られた溶離液は、細胞培養で使用された特定のペプチドに対する、すなわち、配列番号1~4のペプチドのいずれかに対するIgG抗体を含有していた。
ELISA
配列番号1~4の前記4種のことなるペプチドに対して産生された抗体はELISA実験において試験された。それぞれの試験では、ウェルの底は対応するペプチドで覆われていた。産生された前記抗体を含む上澄みはそれぞれのウェルに添加され一晩インキュベートされた。ブランク細胞は、ブランク比較例として培地のみと一緒にインキュベートされた。インキュベート後、ウェルは徹底的に洗浄され、ホースラディッシュペルオキシダーゼにコンジュゲートされた抗ヒト抗体と一緒に3時間インキュベートされた。ウェルはリン酸緩衝生理食塩水で徹底的に洗浄され、発色のために3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB)と一緒にインキュベートされた。前記反応は100μlのストップバッファーで停止された。吸光度はTECAN分光光度計を用いて450nmで測定された。結果は、平均%吸光度値±SEMとして示されている。
前記産生された抗体と一緒にインキュベートされたウェルはすべて、ブランクと比べて有意に高い吸光度を有する(ブランク対配列番号1ペプチド p=6,5E-05;ブランク対配列番号2ペプチド p=0.0005;ブランク対配列番号3ペプチド p=0.0001;ブランク対配列番号4ペプチド p=1.5E-07)。結果は図1で見ることができる。
エリスポット(ELISPOT)
配列番号1~4のSARS-CoV-2ペプチドのそれぞれに特異的であるプラズマ細胞の存在を評価するためにエリスポットタイプのアッセイを実行した。プラズマ細胞は、配列番号1~4のそれぞれ特定のSARS-CoV-2ペプチドに対して活性化されたB細胞であり、その外膜において前記ペプチドに特異的なIgGを提示し、且つ前記ペプチドに特異的なIgGを分泌する。
96ウェルプレートはPVDF膜で覆われ、配列番号1~4のそれぞれのSARS-CoV-2ペプチド、すなわち、IVRFPNITNLCPFGE、YNYLYRLFRKSNLKP、FTISVTTEI及びYSFVSEETGの10μg/mlと一緒にインキュベートされた。最終的な共培養物からプラズマ細胞は単離され、PVDFを含有しそれぞれのペプチドで覆われていた96ウェルプレートに加え、一晩インキュベーションした。次に、ウェルはPBSで徹底的に洗浄され、アルカリホスファターゼにコンジュゲートされた抗ヒト抗体と一緒に3時間インキュベートされた。次に、ウェルはPBSで徹底的に洗浄され、NBT/BCIP溶液と一緒にインキュベートされた。
左から最初の2つのウェルは、不活化B細胞と一緒にインキュベートされ、前記ペプチドのうちの2つについて陽性のシグナルを示さない。最後の4つのウェルは、前記それぞれのプラズマ細胞と一緒にインキュベートされた配列番号1~4のペプチド(IVRFPNITNLCPFGE、YNYLYRLFRKSNLKP、FTISVTTEI及びYSFVSEETG)のそれぞれに対応している。図2に示されるように、4つのウェルはすべて、それぞれ特定のペプチドに対して活性化されたプラズマ細胞の存在を表す陽性シグナルを示している。

Claims (8)

  1. SARS-CoV-2に対する、特に、配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質の1つ以上のエピトープなどのそのスパイク及び/又はエンベロープタンパク質に対するヒトモノクローナル抗体のヒト細胞による産生のためのプロセスであって、
    a)好ましくは血液から、末梢血単核細胞を単離するステップ;
    b)単離された前記末梢血単核細胞から単核細胞を作製するステップ;
    c)作製された前記単核細胞から未成熟樹状細胞を作製するステップ;
    d)好ましくは血液から、CD4+細胞及びCD19+細胞を単離するステップ;
    e)任意選択で、少なくとも、作製された前記未成熟樹状細胞を、SARS-CoV-2で、特に、そのスパイク及び/若しくはエンベロープタンパク質、又は配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/若しくはエンベロープタンパク質の1つ以上のエピトープでパルスするステップ;
    f)GM-CSF、IL-4、TNF-α、sCD40L、IL-6、IL-21、IL-10及び抗ヒトIgMの組合せを含む培養培地で、前記未成熟樹状細胞、前記CD4+細胞及び前記CD19+細胞を共培養するステップ;
    g)少なくとも、共培養された前記未成熟樹状細胞、前記CD4+細胞及び前記CD19+細胞を、少なくともSARS-CoV-2で、特に、そのスパイク及び/若しくはエンベロープタンパク質、又は配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/若しくはエンベロープタンパク質の1つ以上のエピトープでパルスするステップ;
    h)前記未成熟樹状細胞、前記CD4+細胞及び前記CD19+細胞をさらに共培養することにより、前記未成熟樹状細胞から成熟樹状細胞を作製するステップ;
    i)プラズマ細胞の形成を誘導するステップ;
    j)任意選択で、形成された前記プラズマ細胞においてIgG発現に向けてIgクラススイッチを誘導するか又は誘導しないステップ
    を含むプロセス。
  2. 次いで、前記形成されたプラズマ細胞が、がん細胞株との融合又は、例えば、DNA再編成のような任意の他の技法により不死化される、請求項1に記載のプロセス。
  3. 請求項1又は2のプロセスに従って得られる、SARS-CoV-2に対する、特に、そのスパイク及び/若しくはエンベロープタンパク質に対する、又は配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/若しくはエンベロープタンパク質の1つ以上のエピトープに対するモノクローナル抗体であって、前記抗体が、ヒト細胞により産生されるヒト抗体である、前記モノクローナル抗体。
  4. SARS-CoV-2に対する、特に、そのスパイク及び/若しくはエンベロープタンパク質に対する又は配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/若しくはエンベロープタンパク質の1つ以上のエピトープに対するヒトモノクローナル抗体であって、前記ヒト抗体は、配列番号1~4に記載のアミノ酸配列の1つを認識し、かつ、ヒトプラズマ細胞により、好ましくは、不死化されたヒトプラズマ細胞により、分泌される、前記ヒトモノクローナル抗体。
  5. SARS-CoV-2、特に、そのスパイク及び/若しくはエンベロープタンパク質又は配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/若しくはエンベロープタンパク質の1つ以上のエピトープの有無を判定するための請求項4に記載の抗体の使用。
  6. COVID-19を治療するための請求項4に記載の抗体又はその医薬組成物の使用。
  7. 生体試料中のSARS-CoV-2、特に、そのスパイク及び/若しくはエンベロープタンパク質又は配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/若しくはエンベロープタンパク質の1つ以上のエピトープの有無を検出するための方法であって、
    a)前記試料を請求項4に記載の抗体に接触させるステップ、及び
    b)請求項4に記載の前記抗体と前記試料中のSARS-CoV-2、特に、そのスパイク及び/若しくはエンベロープタンパク質又は配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/若しくはエンベロープタンパク質の1つ以上のエピトープとにより形成される抗体-抗原複合体の有無を検出するステップ
    を含む方法。
  8. COVID-19に罹患したヒト患者を治療する方法であって、ヒト細胞により産生される、SARS-CoV-2に対する、特に、そのスパイク及び/若しくはエンベロープタンパク質又は配列番号1~4のいずれかのそのスパイク及び/若しくはエンベロープタンパク質の1つ以上のエピトープに対するヒト抗体の有効量を含む医薬を前記患者に投与するステップを含む方法。
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