JP2023524714A - 切削インサート、その使用および機械加工方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は切削インサートに関する。この切削インサートはワーク(1000)の回転軸(1001)に関して半径方向に溝加工することによりワーク(1000)内にV字形プロファイルを作成すべく形成された切削インサート(2、201、202、203、204、205)であって、1つの基準面(100)と1つのV字形溝加工部(1、101、102、103、104)とを有している。そのV字形溝加工部(1、101、102、103、104)は特に、基準面(100)に含まれる2つの切れ刃(3、4)と、1つのすくい面(7)と、このすくい面(7)における複数の細長いチップブレーカ窪み(8、8’、8”、80、80’、80”)とを有しており、これらの複数のチップブレーカ窪みはそれぞれ基準面(100)に含まれる窪み延伸軸(10)に平行に延びている。従来技術と比較して改善された切り屑形成を行う切削インサートを提供するために、窪み延伸軸(10)がそれぞれ、0°~45°の範囲のチップブレーカ窪み角(12)で延びていることを提案する。

Description

本発明は、ワークの回転軸に関して半径方向に溝加工することによりワークにV字形プロファイルを得るために形成された切削インサートに関し、切削インサートは1つの基準面と1つのV字形溝加工部とを有し、V字形溝加工部は、基準面に含まれ基準面に垂直な視線方向に見てV字形を成す2つの切れ刃と、基準面に垂直な視線方向に見て両方の切れ刃間で測定される20°~60°の範囲にある刃先角と、基準面に含まれ両方の切れ刃を互いに鏡面対象に形成している1つの対称軸と、1つのすくい面と、すくい面における複数の細長いチップブレーカ窪みと、前記2つの切れ刃がこれを介して相互に接続されている1つの切削コーナと、を有しており、上記複数の窪みはそれぞれ基準面の下方に底点を有し、基準面に垂直な視線方向においてそれぞれが基準面に含まれる窪み延伸軸に平行に延びている。
さらに、本発明は、このような切削インサートの使用に関する。
最後に、本発明は、このような切削インサートが供される機械加工方法に関する。
冒頭に述べた種類の切削インサートが特にワークからVベルトプーリを作るために用いられ、この場合、切削インサートはワークの回転軸に関して半径方向にワークを溝加工する。切削インサートまたはワークがワークの回転軸を中心に回転すると、溝加工によってワークにV字形の周回溝が形成され、この溝にVベルトが係合して、このようにして作成されたVベルトプーリを駆動することができる。
しかし、溝加工を行う場合、通常は、長い切り屑、例えば絡み合った長い切り屑が発生する。これは、長い切り屑がワークまたは切削インサートに巻き付くので、問題である。これにより、溝加工時にプロセスに障害が発生し、切削インサートが損傷する。さらに、長い切り屑は手作業で除去しなければならないことが多い。これは通常、機械のダウンタイムにつながり、生産性が低下する。したがって、長い切り屑の形成は避けるべきである。
そこで、特許文献1による切削インサートは1つの窪みを有するすくい面を有し、窪みは切り屑の破断を促進するために、切れ刃に沿って延びている。
しかしながら、このようにして成形されたすくい面は、延性材料を溝加工する際に十分な切り屑の破断をもたらさないことが分かった。
欧州特許出願公開第1454690A1号明細書
従って、本発明の課題は、切削インサート、切削インサートの使用、および、従来技術に比べて切り屑形成が改善された機械加工方法を提供することにある。
この課題は、請求項1に記載の切削インサートによって解決される。請求項1記載の切削インサートの有利な展開は、請求項1に従属する請求項に記載されている。
ワークの回転軸に関して半径方向に溝加工することによりワーク内にV字形プロファイルを作成すべく形成された切削インサートは、1つの基準面と1つのV字形溝加工部とを有し、V字形溝加工部は、基準面に垂直な視線方向に見てV字形を成して基準面に含まれる2つの切れ刃と、基準面に垂直な視線方向に見て前記両方の切れ刃間で測定して20°~60°の範囲にある刃先角と、基準面に含まれ前記両方の切れ刃を互いに鏡面対称に形成する1つの対称軸と、1つのすくい面と、すくい面における複数の細長いチップブレーカ窪みと、2つの切れ刃を相互に接続している1つの切削コーナと、を有しており、複数のチップブレーカ窪みはそれぞれ基準面の下方に底点を有し、基準面に垂直な視線方向においてそれぞれが基準面に含まれる窪み延伸軸に平行に延びている。この場合、これらの窪み延伸軸はそれぞれ0°~45°の範囲のチップブレーカ窪み角で延びており、ここで、チップブレーカ窪み角はそれぞれ基準面に垂直な視線方向において切削コーナ側で、対称軸と該当する窪み延伸軸との間で測定される。このような切削インサートの利点は、これらのチップブレーカ窪みが切り屑形成に役立つことにあり、その切り屑形成は、切り屑がそれぞれのチップブレーカ窪みの中に滑り込むことにより切り屑内に切り屑の長手方向軸に沿って複数の折り目(Sicke)が形成されるように塑性的に行われ、これらの折り目が切り屑を硬化させ、その結果、切り屑は従来技術よりも容易に破断することができる。チップブレーカ窪み角が0°~45°の範囲外であれば、このプラスの効果はもはや生じないことが分かっている。
チップブレーカ窪み角が0°の場合、これらのチップブレーカ窪みはそれぞれ基準面に垂直な視線方向において対称軸に平行に延びる。チップブレーカ窪み角が0°~45°より大きい範囲にある場合、チップブレーカ窪みは、基準面に垂直な視線方向において対称軸に対して斜めに延びている。
チップブレーカ窪み角がそれぞれ基準面に垂直な視線方向において切削コーナ側で対称軸と窪み延伸軸との間で測定されることは、その一方の辺がチップブレーカ窪み領域における窪み延伸軸の一部であり、チップブレーカ窪み角の他方の辺が切削コーナ側における対称軸の一部である、ことを意味する。
本開示においては、2つの切れ刃はそれぞれ直線状、凸状または凹状であってもよく、各々は、対称軸に関して互いに鏡面対称に形成されている。
切削コーナは、基準面に垂直な視線方向において点状または線状にすることができる。線状の場合、これは例えば、円形、卵形または多角形とすることができる。
本開示においては、基準面は複数の切れ刃を含む仮想平面である。
V字形という用語はV字の形を意味し、ここでVの両辺は直線、凸形または凹形とすることができ、Vの頂点は点状または線状とすることができる。線状の場合、これは例えば、円形、卵形または多角形とすることができる。
切削インサートのさらなる形態によれば、チップブレーカ窪み角は10°~40°の範囲にある。このより狭い範囲は、さらにより短いチップ破断につながることが分かっている。この点に関するさらなる改善は10°~20°の範囲で生じる。最も好ましいのは12°~18°の範囲である。
切削インサートのさらなる形態によれば、少なくとも2つの窪み延伸軸が、基準面に垂直な視線方向において対称軸に関して鏡面対称に配置されている。その結果、2つの切れ刃のそれぞれに対して少なくとも1つのチップブレーカ窪みが設けられるので、溝加工中に通常の対称な切削条件を考慮に入れることができる。
切削インサートのさらなる形態によれば、複数のチップブレーカ窪みは基準面に垂直な視線方向において、それぞれが窪み延伸軸に平行な最大長、および、それぞれが窪み延伸軸に垂直な最大幅を有しており、この長さと幅の比はそれぞれ1.1~20の範囲内にある。このことは、これらのチップブレーカ窪みがこうして細長い溝として形成されており、これらの溝によりそれに応じて切り屑を横方向にチップ排出方向に案内することができるので有利である。1.1~10の範囲がこの効果に特に良く適していることが分かっている。最も好ましい範囲は3~8である。
切削インサートのさらなる形態によれば、切削コーナは、基準面に垂直な視線方向において線状であり、対称軸に垂直な基準面において最大の切削コーナ幅を有しており、この場合、複数のチップブレーカ窪みは、基準面に垂直な視線方向において、切削コーナと対称軸との交点までの、対称軸に平行に測定した最小距離を保持しており、この最小距離は切削コーナの幅よりも1~3倍大きい。これらのチップブレーカ窪みがこの最小距離を保持していることにより、基準面に垂直な視線方向においてこれらのチップブレーカ窪みと切削コーナとの間に異なる形状のチップブレーカ窪み設けることができる。このことは、基準面に垂直な視野方向においてこのように定義された切削コーナ領域において、V字形溝加工部の残りの領域とは異なる切削条件が溝加工中に支配的になり、その結果、それに適応した切り屑形成を実現することができるので、実用的である。
切削インサートのさらなる形態によれば、すくい面が複数のチップブレーカ突起を有し、これらのチップブレーカ突起はそれぞれ基準面の上方に延び出し、基準面に垂直な視線方向において複数のチップブレーカ窪みと交互に配置されている。このような配置により、これらのチップブレーカ突起は改良された切り屑案内を提供し、これは、切り屑がそれぞれのチップブレーカ窪みから出るときに、切り屑が横方向にそれるのを防ぐ。これにより、切り屑をより大きな半径で上方に曲げて破断させることができる。
切削インサートのさらなる形態によれば、これらのチップブレーカ突起は細長い形状であり、基準面に垂直な視線方向においてそれぞれ、この基準面に含まれる突起延伸軸に平行に延びており、これらの突起延伸軸は、各々、0°~45°の範囲のチップブレーカ突起角で延びており、チップブレーカ突起角はそれぞれ、基準面に垂直な視線方向において、突起延伸軸と対称軸との間の切削コーナ側で測定される。0°~45°の範囲のチップブレーカ突起角により切り屑が切れ刃とワークからさらに離れて排出案内されるので、これにより切り屑案内がさらに改善されることが分かっている。チップブレーカ突起角はチップブレーカ窪み角と同様に測定される。チップブレーカ突起角が0°~40°のより狭い範囲内にあると好適であり、より好ましくは10°~20°であり、最も好ましくは12°~18°である。
切削インサートのさらなる形態によれば、複数のチップブレーカ突起と複数のチップブレーカ窪みが基準面に垂直な視線方向において交互に配置されており、この場合、或るチップブレーカ窪みのチップブレーカ窪み角は、基準面に垂直な視線方向においてそのチップブレーカ窪みに隣接しているチップブレーカ突起のチップブレーカ突起角とは異なっており、その差は0°~15°の範囲内にある。このさらなる形態により、切り屑の破断がさらに促進され、流出する切り屑はチップブレーカ窪みから出るときに対称軸の方向において切削コーナから離れるように案内されることが分かった。この効果は0°以上から15°までのより狭い範囲で強められる。
切削インサートのさらなる形態によれば、刃先角は35°~45°の範囲内にある。これは、V字形プロファイルの製造にとって特に有用である。というのは、V字形プロファイルはVの両辺の間の開口角を有し、この開口角はこの領域の刃先角と同じであるからである。その結果、一方では、この開口角は十分小さく、これはVベルトの横方向の案内にとって有利であり、他方では、V字形プロファイルの内側でVベルトに対する十分に大きな接触面積をもたらし、これはVベルトからワークへの摩擦による動力伝達に有利である。この効果は、38°~42°のより狭い範囲で強められる。
切削インサートのさらなる形態によれば、複数のチップブレーカ窪みのうち少なくとも1つが未研磨の焼結表面を有する。このような表面は研磨された面に比べて品質が向上し、および/または、寸法公差が小さくなるので、更に精密な切り屑形成が可能である。未研磨の焼結表面は、例えば、粉末状の原材料をプレスし、次いで、それを焼結することにより得られる。未研磨の焼結表面に硬いコーティングを施すこともでき、これにより、切削インサートの摩耗が軽減される。
また、すくい面の表面は、上述の未研磨の焼結表面を有する少なくとも1つのチップブレーカ窪み以外でも未研磨および焼結とすることができる。これにより、すくい面の品質が改善され、および/または、寸法公差が小さくなる。
各切れ刃により、すくい面と逃げ面が接続されている。逃げ面の少なくとも1つ、好ましくは両逃げ面が未研磨の焼結表面を有する。これにより、逃げ面の品質が向上し、および/または、寸法公差が小さくなる。
ここで明確に留意すべきは、基準面に垂直な視線方向において複数のチップブレーカ窪みがそれぞれ1つの切れ刃または両方の切れ刃から離れていることにより、少なくとも1つの切れ刃、好ましくは両方の切れ刃が断続することなく走っていると特に有利である、ことである。この対策により、切れ刃の安定性が向上する。それぞれのチップブレーカ窪みと切れ刃との距離は、基準面に垂直な視線方向で切れ刃に垂直に測定すると、例えば0.01mm~0.1mmの範囲内とすることができ、好ましくは0.01mm~0.08mmである。
切削インサートのさらなる形態によれば、この切削インサートは少なくとも1つの第2のV字形溝加工部を有し、この第2のV字形溝加工部は基準面に含まれる2つの切れ刃を有し、これらの切れ刃は基準面に垂直な視線方向において互いにV字形をなしており、この場合、第2のV字形溝加工部の2つの切れ刃は、第1のV字形溝加工部の2つの切れ刃に対して対称軸に関して垂直方向に直接に接するように配置されている。切削インサートは、切削インサートによる1回の半径方向の溝加工運動により、リブ状のVベルトに必要な少なくとも2つのV字形プロファイルがワーク中に生成されるので、有利である。第2の溝加工部は通常、第1のV字型溝加工部の切削コーナと同様に形成された切削コーナを有している。第2の溝加工部は好適に第1の溝加工部と同様に形成されているので、第2の溝加工部のすくい面内および/またはすくい面上にも、第1の溝加工部の有利な切り屑形成が提供される。
3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上のV字型の溝加工部が設けられることも考えられ、この場合、これらの溝加工部は第1または第2のV字型溝加工部と同様に形成され、それぞれその前の溝加工部に対して対称軸に関して垂直方向に直接に接するように配置されている。これは、2個よりも多い溝を有するVベルトプーリを製作する場合に有利である。
前述の課題は、請求項1または請求項1に従属する請求項のいずれか1項に記載の切削インサートを、ワークをワークの回転軸に関して半径方向に溝加工するために使用することにより、請求項12または請求項12に従属する請求項による使用によっても解決され、この場合、切削インサートまたはワークがワークの回転軸を中心に回転する。この使用の利点は、切削インサートが、任意に設置可能な複数のチップブレーカ突起と協働作用する複数のチップブレーカ窪みによって、長い切り屑、特に絡み合った切り屑の形成を妨げることである。
切削インサートの使用のさらなる形態によれば、半径方向の溝加工中に切削インサートとワークはワーク回転軸に関して互いに軸方向に静止している。すなわち、半径方向の溝加工中には、切削インサートとワークの間に回転軸に関する軸方向の相対移動は生じない。これらのチップブレーカ窪みおよび任意に設置可能なチップブレーカ突起は、それらの配置および寸法により、このような半径方向の溝加工において、折り目形成のために、および、切り屑を切れ刃とワークから離して案内するために特に適している。
前述の課題は、請求項14または請求項14に従属する請求項による機械加工方法によっても解決される。
ワーク内にV字形プロファイルを形成するための機械加工方法においては以下のステップ、すなわち、
a)ワーク回転軸を有するワークを準備するステップと、
b)請求項1または請求項1に従属する請求項のいずれか1項に記載の切削インサートを準備するステップと、
c)ワークまたは切削インサートをワークの回転軸を中心に回転させるステップと、
d)切削インサートの切削コーナが最初にワークに食い込むように、ワークおよび切削インサートをワークの回転軸に関して半径方向に互いに向けて移動させるステップと、
e)両方の切れ刃が少なくとも部分的にワークに食い込むように、ステップd)による相互接近移動を続行するステップと、を実行する。この方法の利点は、この切削インサートが、任意に設置可能な複数のチップブレーカ突起と協働作用する複数のチップブレーカ窪みによって、長い切り屑、特に絡み合った切り屑の形成を妨げることである。
本方法のさらなる形態によれば、ステップe)において、切削インサートとワークが互いに、ワークの回転軸に関して軸方向において静止している。従って、半径方向の溝加工中には、切削インサートとワークの間には回転軸に関して軸方向の相対移動はない。これらのチップブレーカ窪みおよび任意に設置可能なチップブレーカ突起は、それらの配置および寸法により、このような半径方向の溝加工において、折り目形成のために、および、切り屑を切れ刃とワークから離して案内するために特に適している。
本発明のさらなる利点および合目的性を添付された図面を参照しながら実施例の以下の説明により明らかにする。
第1の実施形態による切削インサートの前方領域のV字形溝加工部の基準面に垂直な視線方向における模式図。 第2の実施形態による切削インサートの前方領域のV字形溝加工部の基準面に垂直な視線方向における模式図。 第3の実施形態による切削インサートの前方領域のV字形溝加工部の基準面に垂直な視線方向における模式図。 第4の実施形態による切削インサートの前方領域のV字形溝加工部の基準面に垂直な視線方向における模式図。 第5の実施形態による切削インサートの前方領域のV字形溝加工部の基準面に垂直な視線方向における模式図。 図4による突起延伸軸の例示。 互いに対向する2つのV字形溝加工部を備えた第5の実施形態による完全な切削インサートの模式図で、両方の溝加工部をつなぐシャンクを上から見た図。 第5の実施形態による切削インサートの前方領域の模式図で、その2つのV字形溝加工部のうちの1つの部分を逃げ面の側面から見た図。 第5の実施形態による切削インサートを用いて実行された溝加工方法の模式図。 第6の実施形態による切削インサートを用いて実行された溝加工方法の模式図。 従来の開示による、チップブレーカ窪みのない切削インサートにより形成された切り屑。 第5の実施形態による切削インサートを用いて形成された切り屑。
第1の実施形態による切削インサート2の図1に示すV字形溝加工部1の部分図は、図1の紙面と一致する基準面100を有する。図1において選択された視線方向は、基準面100に対して垂直である。基準面100には2つの直線の切れ刃3および4が含まれている。切れ刃3と4は互いにV字形を成し、基準面100に含まれる対称軸11に関して互いに鏡面対称に形成され、基準面100において刃先角9を成している。この刃先角9は例えば40°である。
切れ刃3と4は、基準面100に含まれる丸みを帯びた切削コーナ5を介して互いに接続されている。送り方向6は、通常、金属ワークの回転軸に関して半径方向に向けられている。切削インサート2の切削コーナ5がワーク回転軸線を中心に回転するワークに送り方向6に平行に最初に突き刺さり、さらに、切れ刃3および4がワークに食い込むと、ワークに溝加工部1のV字形プロファイルに倣うプロファイル、すなわち、40°の開口角度を有するV字形が形成される。
このような半径方向の溝加工を行うと、切り屑が形成される。切り屑は溝加工部1のすくい面7に沿って流出する。すくい面7は、基準面100において、切れ刃3および4ならびに切削コーナ5によって画成されている。すくい面7は複数の滴形のチップブレーカ窪み8を有し、それぞれの窪みは切れ刃の近くに底点を有する(図5参照。ここに底点が示されている)。これらの底点は、図1において選択された、基準面100に垂直な視線方向に関して、基準面100の下方に存在する。これらの切り屑はそれぞれチップブレーカ窪み8に流れ込む。これらの切り屑はそれぞれの底点で圧縮され、その結果、切り屑は基準面100から上方に向けて巻き上げられる。この巻き上げ時に切り屑は破断する。
チップブレーカ窪み8のこの形状と配向は、流出する切り屑に複数の折り目が付けられるという好ましい効果を有する。これらの折り目は折りたたみ箇所および予定破断箇所としての機能を果たし、これにより、切り屑の巻き上げと破断が容易になる。
これらのチップブレーカ窪み8はそれぞれ、基準面100に含まれる複数の窪み延伸軸10に平行に延びている。これらの窪み延伸軸10は、各々、対称軸11と共にチップブレーカ窪み角12を成し、この窪み延伸軸は切削コーナ5の側で測定され、基準面100内に含まれている。これらのチップブレーカ窪み角12はそれぞれ例えば15°である。
これらのチップブレーカ窪み8は、各々、窪み延伸軸10に平行な最大長13と、窪み延伸軸10に垂直な最大幅14とを有する。最大長13と最大幅との比は、それぞれ5.4である。
チップブレーカ窪み8のこのように選択された細長い形状は、切り屑を切れ刃3および4ならびに切削コーナ5からストップ面へ案内するのに有利であることが分かっており、これについては図7を参照してより詳細に説明する。
切削コーナ5は切れ刃3および4への移行部において、対称軸11に垂直な基準面100で測定して、最大幅15を有する。図1で基準面100に対して垂直に選択された視線方向において、基準面100に含まれる、対称軸11と切削コーナ5との交点5aから、2つの前方のチップブレーカ窪み8まで、すくい面7の前方領域16が延在している。この領域16は、基準面100において、対称軸11に平行に測定される最大長17を有する。この最大長17と上述の最大幅15との比は、例えば2.3である。
このように成形された領域16は、その領域16内に図1に示すチップブレーカ窪み8とは異なるチップブレーカ窪み角および/または形状を有する別の複数のチップブレーカ窪み8を設けることができる点で、切削インサート2の構成に有利であることが分かっている。これは、領域16における切り屑形成条件が、それ以外での切り屑形成条件とは異なるためである。
図1で基準面100に垂直に選ばれた視線方向において、複数のチップブレーカ窪み8は対称軸11に関して対をなして互いに鏡面対称に形成されている。それは、切れ刃3および4における切り屑形成条件が対称軸11に関して互いに対称性を有するからである。それに応じて、窪み延伸軸10も同様に、基準面100に垂直な視線方向において対称軸11に関して対称性を有している。
第2の実施形態による切削インサート201の図2に部分的に示されたV字形溝加工部101は前記溝加工部1と同様に形成されているが、以下の点で相違している。すなわち、すくい面7の前方領域16に、他のチップブレーカ窪み8に類似して作用する3つの付加的なチップブレーカ窪み8’および8”があり、これらはそれぞれ、基準面100に垂直な視線方向において、一見易くするために図示されていない窪み延伸軸に沿って延びており、これらの窪み延伸軸はそれぞれ、対称軸11に平行に基準面100に含まれている、すなわち、それぞれが0°のチップブレーカ窪み角を有している。0°のチップブレーカ窪み角は、領域16内のすくい面7上の切り屑排出時に折り目形成のために最適であることが分かっている。基準面100に垂直な視線方向において切れ刃3の側に配置された前方のチップブレーカ窪み8’は、切れ刃4の側に配置された前方のチップブレーカ窪み8’に対して対称軸11に関して鏡面対称に配置され形成されている。前方の複数のチップブレーカ窪みの中の中央の窪み8”は、対称軸11に関して鏡面対称であり、この方向に平行に測定するとチップブレーカ窪み8’の各々よりも長い。
前方のチップブレーカ窪み8’および8”に関しては、他のチップブレーカ窪み8と同様に測定したそれらの最大長はそれぞれ前記最大長13よりも小さく、他のチップブレーカ窪み8と同様に測定したそれらの最大幅14はそれぞれより小さい。したがって、基準面100に垂直な視線方向における3つの前方チップブレーカ窪みの中の中央のチップブレーカ窪み8”の最大長と最大幅との比は7.5である。基準面100に垂直な視線方向において、切れ刃3の側と切れ刃4の側に配置された2つの他の前方チップブレーカ窪み8’は、それぞれ同様に測定された比5.8を有する。このようにして形成されたチップブレーカ窪み8’および8”は、対称軸11に平行で切削コーナ5から離れる切り屑案内に有利に作用するので、この切り屑案内は対称軸11に平行に行われる。
第3の実施形態による切削インサート202の図3に部分的に示されたV字形溝加工部102は前記溝加工部101と同様に形成されているが、以下の点で相違している。すなわち、これらの窪み延伸軸10はそれぞれ0°のチップブレーカ窪み角12を有する、すなわち、これらの窪み延伸軸10は基準面100において対称軸11に平行に走っている。このようにチップブレーカ窪み角12が0°でも、切り屑に折り目が生じることが分かった。この前方領域16は、チップブレーカ窪み8‘および8”なしに形成することもできる。
第4の実施形態による切削インサート203の図4に部分的に示されたV字形溝加工部103は前記溝加工部101と同様に形成されているが、以下の点で相違している。すなわち、窪み延伸軸10がそれぞれ40°のチップブレーカ窪み角12を有している。このようにチップブレーカ窪み角12が40°でも、切り屑に折り目が生じることが分かった。この前方領域16は、チップブレーカ窪み8‘および8“なしに形成することもできる。
第5の実施形態による切削インサート204の図5に部分的に示されたV字形溝加工部104は前記溝加工部101と同様に形成されているが、すくい面7の構成が異なっている。
溝加工部104のすくい面7は複数のチップブレーカ窪み80を有し、これらのチップブレーカ窪みは前記チップブレーカ窪み8と同様に作用し、それらの窪み延伸軸10はそれぞれ基準面100において切削コーナ5の側で対称軸11と共にチップブレーカ窪み角12を形成している。これらのチップブレーカ窪み80のチップブレーカ窪み角12は、図2のチップブレーカ窪み8と同様にそれぞれ15°である。チップブレーカ窪み80の各々は、基準面100に垂直な視線方向において基準面100の下方に位置する底点81を有する。これらの底点81はそれぞれ、基準面100に垂直な視線方向において、切れ刃3または4までのそれぞれの窪み延伸軸10に平行な距離を有しており、この距離は図1の長さ13と同様に測定されたそれぞれのチップブレーカ窪み80の最大長の25%である。図1から図4による複数のチップブレーカ窪み8の底点は、同様に配置されている。したがって、切り屑の形成は、基本的には、切れ刃の近傍で行われる。
溝加工部101のすくい面7とは異なり、溝加工部104のすくい面7は付加的に複数のリブ状のチップブレーカ突起90を有し、これらはそれぞれ基準面100の上方へそれぞれの高点91まで延び、基準面100に垂直な視野方向において、それぞれの切れ刃3または4に向かってくさび状に延びている。その結果、基準面100は、高点91と底点81との間に存在する。これら複数のチップブレーカ突起90と複数のチップブレーカ窪み80は切れ刃3および4に沿ってそれぞれ交互に配置されているので、各チップブレーカ窪み80は2つのチップブレーカ突起90の間に配置されている。このように配置されたチップブレーカ突起90は、切り屑がチップブレーカ窪み80から出るときに、切り屑が横方向に飛び出るのを防止する。
これらのチップブレーカ突起90はそれぞれ、チップブレーカ窪み80と同様に、基準面100に含まれている突起延伸軸92に平行に延びており、これらの突起延伸軸はそれぞれ切削コーナ5の側で、対称軸11と共にチップブレーカ突起角93を成しており、このチップブレーカ突起角は隣接するチップブレーカ窪み80のチップブレーカ窪み角12よりも小さい。このような差異は、チップブレーカ窪み80を出るときに切り屑をより短くするのに有効であることが分かっている。すなわち、これらのチップブレーカ突起角93はそれぞれ12°である。従って、切れ刃3または4に沿った方向において1つのチップブレーカ突起90と直接に接している1つのチップブレーカ窪み80のチップブレーカ窪み角12と、このチップブレーカ突起90のチップブレーカ突起角93との差はそれぞれ3°である。
2つの前方のチップブレーカ窪み80’は、前述のチップブレーカ窪み8’と同様に形成されている。基準面100に垂直な視線方向において2つのチップブレーカ窪み80’の間に配置されたチップブレーカ窪み80”はチップブレーカ窪み80’と同様に形成されているが、このチップブレーカ窪み80“は基準面100に垂直な視線方向においておよび対称軸11に対して内向きに幅を狭めて形成されている点で異なっており、このことがこの領域における切り屑の破断を有利にする。
図5のプロファイルラインから分かるように、チップブレーカ窪み80、80’、80”およびチップブレーカ突起90はそれぞれ面取りして形成されており、これは切削インサート204の粉末状の原材料の直接プレスおよびその後の焼結によって得られる。この場合、このすくい面7は未研磨である。
図6から分かるように、チップブレーカ突起角93は図示された突起延伸軸92の最終位置に応じて0°(対称軸11に平行)~31°の範囲にあるが、チップブレーカ突起角93の0°~40°までの代替範囲も考えられ、また可能である。これと類似して、図1から図4は、チップブレーカ窪み角12が、0°~40°、0°~15°および15°~40°の範囲であり得ることをまとめて示している。チップブレーカ突起角93のそれぞれの開示された範囲(0°~31°、31°~40°および0°~40°)は、チップブレーカ突起角93がチップブレーカ窪み角12よりも小さいことを条件に、それぞれ、チップブレーカ窪み角12の開示された範囲(0°~40°、0°~15°および15°~40°)のうちの1つと組み合わせることができる。このような組み合わせにより切り屑の破断が有利に行われることが分かっている。
図7は完全な切削インサート204を平面図で示す。この切削インサート204は、切削インサート204をツールホルダにクランプすることができるシャンク240を有する。この切削インサート204は2つの溝加工部104を有する、すなわち、シャンク240の両端に、対向し、かつ、シャンク240の対称軸241に関して互いに等距離にある2つの溝加工部104を有する。したがって、この切削インサート204を図7の紙面に垂直な回転軸を中心として180°回転することによって、一方または他方の溝加工部104のいずれかを溝加工に使用することができる。
さらに図7から、この切削インサート204は切れ刃3および4の側にそれぞれ1つのストップ面242を有することが分かる。チップブレーカ窪み80およびチップブレーカ突起90は、切り屑がストップ面242に向けて案内されるように配向されている。このように実現された案内により切り屑がストップ面242に衝突すると、切り屑の破断がさらに有利に行われる。従って、この切り屑案内も切り屑の破断に寄与する。
図8に示す、基準面100に平行な視線方向における側面図では、溝加工部104の逃げ面70上に複数のチップブレーカ突起90が基準面100の上方へ向けて延びており、このようにして切り屑が横方向に飛び出すのを防止していることが特によく分かる。
図9a~9cは、ワーク1000を溝加工するときの切削インサートの溝加工部104を部分的に示す。すなわち、図9aは、この溝加工部がワーク1000の回転軸1001に垂直な方向(半径方向)6でワーク1000に向けて移動されている間の位置にある溝加工部104を示す。図9a~図9cでは、ワーク1000はワーク回転軸1001を中心に回転する。しかしながら、ワーク1000が静止し、溝加工部104、ひいては切削インサート204がワーク回転軸1001を中心に回転することも考えられ、かつ可能である。9bは、ワーク1001を溝加工している間の溝加工部104を示す。図9cは、ワーク1000から方向6とは反対側に引き抜かれて移動された後の溝加工部104を示す。図9cから分かるように、この溝加工によってワーク1001内にV字形プロファイル1002が生成された。これはV字形溝1002とも呼ばれ、回転軸1001に対して周回している。なぜなら、ワーク1000は、図9bによる溝加工位置の間、回転軸1001を中心に完全な回転を行っていたからである。こうして、図9cのワーク1000によってVベルトプーリが提供され、これに断面がV字形プロファイル1002であるVベルトが係合することができる。
図10a~10cは、第6の実施形態による切削インサート205の、ワーク1000を溝加工するときの四連の溝加工部104の部分図を図9a~9cに類似して示す。個々の溝加工部104は、図5を参照して分かるように、対称軸11に垂直な基準面100において互いに隣り合って配置されているので、図10a~10cによる1回の溝加工工程によって、4つのV字形プロファイル1002が1回の溝加工工程で1000内に生成される。
図9a~図9c、および、図10a~図10cによる溝加工中、ワーク1000は通常は軸方向の送り方向、これはそれぞれの図示面において方向6に対して垂直である、に関して切削インサート204または205に対して静止している。代案として、これらのV字形プロファイルを軸方向に拡張するために、それぞれが軸方向に相対移動することも可能である。
切削インサート204、ひいては溝加工部104の効果が図11と図12の比較から分かる。すなわち、図11では、本開示の意味におけるチップブレーカ窪みおよびチップブレーカ突起を全く有さない従来の切削インサートを使用して図9a~9cと同様な半径方向の溝加工を行う場合には、比較的長い絡み合った切り屑が形成される。従って、より短い切り屑形成に向けての切り屑の破断は生じない。これとは異なり、図12から、図9a~9cと同様に切削インサート204が使用される場合には、複数のチップブレーカ窪み80および複数のチップブレーカ突起90によって、望ましい短い切り屑形成が行われることが分かる。

Claims (15)

  1. ワーク(1000)の回転軸(1001)に関して半径方向に溝加工することにより前記ワーク(1000)内にV字形プロファイルを作成すべく形成された切削インサート(2、201、202、203、204、205)において、
    前記切削インサートが1つの基準面(100)と1つのV字形溝加工部(1、101、102、103、104)とを有し、
    前記V字形溝加工部(1、101、102、103、104)が、前記基準面(100)に垂直な視線方向に見てV字形を成して前記基準面(100)に含まれる2つの切れ刃(3、4)と、前記基準面(100)に垂直な視線方向に見て前記2つの切れ刃(3、4)間で測定して20°~60°の範囲にある刃先角(9)と、前記基準面(100)に含まれ前記2つの切れ刃(3、4)を互いに鏡面対称に形成する対称軸(11)と、1つのすくい面(7)と、前記すくい面(7)における細長い複数のチップブレーカ窪み(8、8’、8”、80、80’、80”)と、前記2つの切れ刃(3、4)を相互に接続している1つの切削コーナ(5)と、を有しており、
    前記複数のチップブレーカ窪み(8、8’、8”、80、80’、80”)がそれぞれ前記基準面(100)の下方に底点(81)を有し、前記基準面(100)に垂直な視線方向においてそれぞれが前記基準面(100)に含まれる窪み延伸軸(10)に平行に延びている、
    切削インサート(2、201、202、203、204、205)であって、
    前記窪み延伸軸(10)が、それぞれ0°~45°の範囲のチップブレーカ窪み角(12)で延びており、
    前記チップブレーカ窪み角(12)が、前記基準面(100)のそれぞれに垂直な視線方向において切削コーナ側で、前記対称軸(11)と前記窪み延伸軸との間で測定される、
    切削インサート(2、201、202、203、204、205)。
  2. 前記チップブレーカ窪み角(12)が10°~40°の範囲にある、ことを特徴とする請求項1に記載の切削インサート(2、201、202、203、204、205)。
  3. 少なくとも2つの前記窪み延伸軸(10)が前記基準面(100)に垂直な視線方向において前記対称軸(11)に関して鏡面対称に配置されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の切削インサート(2、201、202、203、204、205)。
  4. 前記複数のチップブレーカ窪み(8、8’、8”、80、80’、80”)が、前記基準面(100)に垂直な視線方向においてそれぞれが前記窪み延伸軸(10)に平行な最大の長さ(13)、および、前記窪み延伸軸(10)に垂直な最大の幅(14)を有しており、
    前記長さ(13)と前記幅(14)の比がそれぞれ1.1~20の範囲にある、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の切削インサート(2、201、202、203、204、205)。
  5. 前記切削コーナ(5)が前記基準面(100)に垂直な視線方向において線状であり、前記対称軸(11)に垂直な前記基準面(100)において最大の切削コーナ幅(15)を有しており、
    前記複数のチップブレーカ窪み(8、8’、8”、80、80’、80”)は、前記基準面(100)に垂直な視線方向において、前記切削コーナ(5)と前記対称軸(11)との交点までの、前記対称軸(11)に平行に測定した最小距離を保持しており、前記最小距離は前記切削コーナ幅(15)よりも1~3倍大きい、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の切削インサート(2、201、202、203、204、205)。
  6. 前記すくい面(7)が複数のチップブレーカ突起(90)を有し、前記複数のチップブレーカ突起(90)はそれぞれ前記基準面(100)の上方に延び出し、前記基準面(100)に垂直な視線方向において、前記複数のチップブレーカ窪み(8、8’、8”、80、80’、80”)と交互に配置されている、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の切削インサート(2、201、202、203、204、205)。
  7. 前記複数のチップブレーカ突起(90)が細長い形状であり、前記基準面(100)に垂直な視線方向において、それぞれ前記基準面(100)に含まれる突起延伸軸(92)に平行に延びており、
    前記突起延伸軸(92)が、それぞれ0°~45°の範囲のチップブレーカ突起角(93)で延びており、前記チップブレーカ突起角(93)はそれぞれ、前記基準面(100)に垂直な視線方向において、切削コーナ側で、前記突起延伸軸(92)と前記対称軸(11)との間で測定される、
    ことを特徴とする請求項6に記載の切削インサート(2、201、202、203、204、205)。
  8. 前記複数のチップブレーカ突起(90)と前記複数のチップブレーカ窪み(8、8’、8”、80、80’、80”)が前記基準面(100)に垂直な視線方向において交互に配置されており、
    前記複数のチップブレーカ窪み(8、8’、8”、80、80’、80”)のいずれか1つのチップブレーカ窪み角(12)が、前記基準面(100)に垂直な視線方向においてそのチップブレーカ窪みに隣接しているチップブレーカ突起のチップブレーカ突起角とは異なっており、その差が0°~15°の範囲にある、
    ことを特徴とする請求項7に記載の切削インサート(2、201、202、203、204、205)。
  9. 前記刃先角が35°~45°の範囲にある、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の切削インサート(2、201、202、203、204、205)。
  10. 前記複数のチップブレーカ窪み(8、8’、8”、80、80’、80”)のうち少なくとも1つが未研磨の焼結表面を有する、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の切削インサート(2、201、202、203、204、205)。
  11. 前記切削インサート(2、201、202、203、204、205)が少なくとも1つの第2のV字形溝加工部(1、101、102、103、104)を有し、前記第2のV字形溝加工部(1、101、102、103、104)は前記基準面(100)に含まれる2つの切れ刃(3、4)を有し、前記2つの切れ刃(3、4)は前記基準面(100)に垂直な視線方向において互いにV字形をなしており、
    前記第2のV字形溝加工部(1、101、102、103、104)の前記2つの切れ刃(3、4)が、前記第1のV字形溝加工部(1、101、102、103、104)の前記2つの切れ刃(3、4)に対して前記対称軸(11)に関して垂直方向に直接に接するように配置されている、
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の切削インサート(2、201、202、203、204、205)。
  12. 前記切削インサート(2、201、202、203、204、205)が前記ワーク(1000)を該ワーク(1000)のワーク回転軸(1001)に関して半径方向に溝加工するために使用され、
    前記切削インサート(2、201、202、203、204、205)または前記ワーク(1000)が前記ワーク回転軸(1001)を中心に回転する、
    請求項1から11のいずれか1項に記載の切削インサート(2、201、202、203、204、205)の使用。
  13. 半径方向の溝加工中に前記切削インサート(2、201、202、203、204、205)と前記ワーク(1000)が前記ワーク回転軸(1001)に関して互いに軸方向に静止している、ことを特徴とする請求項12に記載の切削インサートの使用。
  14. ワーク(1000)にV字形プロファイル(1002)を形成するための機械加工方法であって、
    a)ワーク回転軸(1001)を有するワーク(1000)を準備するステップと、
    b)請求項1から11のいずれか1項に記載の切削インサート(2、201、202、203、204、205)を準備するステップと、
    c)前記ワーク(1000)または前記切削インサート(2、201、202、203、204、205)を、前記ワーク回転軸を中心に回転させるステップと、
    d)前記切削インサート(2、201、202、203、204、205)の切削コーナ(5)が最初に前記ワーク(1000)に食い込むように、前記ワーク(1000)および前記切削インサート(2、201、202、203、204、205)を前記ワーク回転軸(1001)に関して半径方向に互いに向かって移動させるステップと、
    e)両方の切れ刃(3、4)が少なくとも部分的に前記ワーク(1000)に食い込むように、ステップd)からの相互接近移動を続行するステップと、
    が実行される機械加工方法。
  15. ステップe)において、前記切削インサート(2、201、202、203、204、205)および前記ワーク(1000)が、前記ワーク回転軸(1001)に関する軸方向において、互いに静止していることを特徴とする請求項14に記載の機械加工方法。

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