JP2023522411A - 経口投与用の新しいカプセル組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明によれば、胃腸管への経口投与に適した医薬剤形であって、本剤形が、不均質な混合物の形態の医薬組成物を含み、不均質な混合物が、N-ブチルオキシカルボニル-3-(4-イミダゾール-1-イルメチルフェニル)-5-イソ-ブチルチオフェン-2-スルホンアミド(C21)又はその薬学的に許容される塩の固体粒子を、C21又はその塩が本質的に不溶性である、薬学的に許容される疎水性の脂質ベースの担体に懸濁させたものを含み、組成物が、そのような経口投与に適したカプセル内に含まれる、医薬剤形が提供される。好ましい担体にはトリグリセリドが含まれる。このような剤形は、特発性肺線維症、サルコイドーシス、及び呼吸器ウイルス誘発性組織損傷などの肺疾患の治療において有用性を見出す。【選択図】図1

Description

本発明は、新しい医薬剤形、医薬としてのそれらの使用、及び特に、とりわけ、肺疾患、例えば間質性肺疾患を治療するためのそれらの投与に関する。
間質性肺疾患(ILD)は、間質に影響を与える肺疾患の群であり、肺胞周辺の組織が瘢痕化及び/又は肥厚化し、呼吸プロセスを阻害することを特徴とする。
ILDは、典型的には気管支及び/又は細気管支の狭窄(閉塞)を特徴とする閉塞性気道疾患(例えば、慢性閉塞性気道疾患(COPD)及び喘息)とは異なる。ILDは、異常な治癒反応を引き起こす肺の傷害によって引き起こされる可能性があるが、場合によっては、これらの疾患の原因がわかっていない。ILDは、化学物質(珪肺症、石綿肺、特定の薬物)、感染症(例えば、肺炎)又はその他の疾患(例えば、関節リウマチ、全身性硬化症、筋炎、過敏性肺炎又は全身性エリテマトーデス)によって引き起こされ得る。
最も一般的なILDは、特発性肺線維症(IPF)及びサルコイドーシスであり、その両方が慢性炎症及び肺機能の低下を特徴とする。
サルコイドーシスは原因不明の疾患であり、しこり(肉芽腫)を形成する炎症細胞の集まりを特徴とし、多くの場合、肺(並びに皮膚及び/又はリンパ節、いかなる臓器も影響を受ける可能性がある)で開始する。サルコイドーシスが肺に影響を与える場合、症状には咳、喘鳴、息切れ、及び/又は胸痛が含まれる。
サルコイドーシスの治療は患者によって異なる。ほとんどの場合、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)による対症療法が可能であるが、肺症状を示す患者には、糖質コルチコイド(例えば、プレドニゾン又はプレドニゾロン)、代謝拮抗剤、及び/又はモノクローナル抗腫瘍壊死因子抗体がよく用いられる。
IPFは原因不明の肺疾患であり、世界中で約500万人が罹患している。まれなケースであるが、肺移植を除いて治療法の選択肢はない。その結果、慢性的で不可逆的な進行性の肺機能の低下が起こり、ほとんどの場合、2~5年以内に死亡する(生存期間中央値2.5~3.5年)。IPFの全体的な予後は不良であるが、個々の患者の進行速度を予測することは困難である。IPFの危険因子には、年齢、男性の性別、遺伝的素因、及び喫煙歴が含まれる。年間発生率は10万人当たり5~16人で、10万人当たり13~20例の有病率であり、年齢とともに劇的に増加する(非特許文献1)。IPFは肺に限定されており、全身性疾患に関連する肺線維症(PF)と区別する免疫系を標的とする治療に不応性である。
IPFの患者は通常、慢性及び進行性の労作性呼吸困難と咳のために医療援助を求める。肺の画像は、古典的に牽引性気管支拡張症、肥厚した腎葉間中隔及び胸膜下蜂巣肺を明らかにする。3つの所見がすべて存在し、全身性結合組織病又は環境曝露の証拠がない場合、IPFと診断される可能性が非常に高くなる。明確な診断は通常、肺生検によって行われ、ILDの経験がある呼吸器科医、放射線科医、病理学者を含む専門知識のある学際的なチームが必要である。
IPFは、軽度、中等度、重度として定義される、様々な予後を伴う様々な表現型を示す。軽度の症例は安定した、又はゆっくりとした進行経路をたどり、患者は医学的アドバイスを求めるのに数年かかることがある。加速されたIPFは、生存期間が短くなり、はるかに急速に進行し、患者のサブグループ、通常は男性の喫煙者に影響を及ぼす。IPFの急性増悪は、疾患の急速な悪化として定義され、この亜集団の患者は、短期的には高い死亡率で非常に悪い結果を示す。IPFの原因は不明であるが、環境及び遺伝的要因の相互作用から正常な修復ではなく、線維芽細胞による弱まることのない組織リモデリングを引き起こす可能性が高い疾患であるようであり、炎症性ではなく、主に線維症による病態形成である。この疾患が肺胞上皮細胞の微小傷害及びアポトーシスによって開始され、隣接する上皮細胞を活性化し、腫瘍のような方法で線維芽細胞と筋線維芽細胞の集団の拡大に関与する因子を産生する幹細胞又は前駆細胞を引き付けることによって、この疾患が開始される、という証拠が増えていることを示唆している。線維芽細胞の病巣は、過剰な量の細胞外マトリックスを分泌し、それが肺実質を破壊し、最終的には肺機能の喪失につながる。
肺機能(肺活量)の平均年間低下率は、0.13~0.21リットルの範囲内である。症状は診断に1~2年先行し、X線写真の徴候が症状に先行する場合がある(非特許文献2)。
多くの治療アプローチが、抗炎症薬、免疫調節薬、細胞毒性薬、一般的な抗線維症薬、抗酸化薬、抗凝固薬、抗ケモカイン薬、抗血管新生薬物並びにRAS遮断薬、エンドセリンアンタゴニスト、及びシルデナフィルなど、前臨床モデル及び臨床試験で試験されており、基本的には限られた利点を与えるか、利点を与えないことが示されている(非特許文献3)。
IPFの現在の治療には、酸素補給が含まれる。使用される薬にはピルフェニドン又はニンテダニブが含まれるが、疾患の進行を遅らせることに限られた成功しか収めていない。さらに、これらの薬物は両方とも一般的に(主に胃腸の)副作用を引き起こす。
前述のILD(及びIPF)薬物治療のすべてに関連する欠点があり、より安全でかつ/又はより効果的な治療が実際に臨床的に必要とされている。
肺胞上皮を回復させることは、IPFの治療効果として非常に望ましいため、幹細胞治療も試験されている。いくつかの前臨床研究は、肺の上皮細胞と内皮細胞に分化し、それによって肺の傷害と線維症を修復し得る多能性幹細胞の使用に有望であることを示している。
現在、肺移植は、IPF患者の生存率を大幅に改善する唯一の介入である。ただし、感染症や移植片拒絶反応などの合併症は珍しいことではない。
したがって、IPFの新しい治療戦略の開発は重要である。したがって、将来の根本的な課題は、疾患の進行を逆転又は停止させる適切な治療アプローチを開発することである。
レニン-アンジオテンシン系(RAS)は、血圧の恒常性の重要な調節因子である。プロテアーゼであるレニンは、その唯一の既知の基質(アンジオテンシノーゲン)を切断してアンジオテンシンI(AngI)を形成し、これが次にアンジオテンシン変換酵素(ACE)の基質として機能してAngIIを形成する。内因性ホルモンAngIIは、線状オクタペプチド(Asp-Arg-Val-Tyr-lle-His-Pro-Phe)であり、レニンアンジオテンシン系(RAS)の有効成分である。
アンジオテンシンIIタイプ1(AT1)受容体は、ほとんどの臓器で発現しており、AngIIの病理学的影響の大部分の原因であると考えられている。ロサルタン(AT1受容体阻害剤)の安全性及び有効性は、IPFに関する小規模非対照非盲検パイロット試験(www.clinicaltrials.gov識別子NCT00879879)で最近調査された。
成人におけるいくつかの研究は、AngII受容体刺激後の反応の調節において、アンジオテンシンII(AT2)1型受容体の活性化がAT1受容体によって媒介されるものと反対の効果を有することを示しているようである。
AT2受容体は、アポトーシス及び細胞増殖の阻害にも関与していることが示されている(非特許文献4)。
AT2受容体アゴニストはまた、消化不良及び過敏性腸症候群などの消化管の疾患、並びに多臓器不全の治療及び/又は予防に有用である可能性があることも示されている(特許文献1を参照)。
AT2受容体のアゴニズムの予想される薬理学的効果は、概して、上記の非特許文献4に記載されている。AT2受容体のアゴニズムがIPFの治療に使用され得ることは言及されていない。
特許文献2は、AT2受容体アゴニストとしてのイミダゾリル、トリアゾリル、及びテトラゾリルチオフェンスルホンアミド及び誘導体の調製を記載している。その文献に記載されている化合物(実施例1として)のうち、選択的AT2受容体アゴニストとして約20の関連類似体の群から臨床開発のために選択されたのは、N-ブチルオキシカルボニル-3-(4-イミダゾール-1-イルメチルフェニル)-5-イソブチルチオフェン-2-スルホンアミド(化合物21、又は以下で使用する「C21」)である。C21は、現在、AT2受容体アゴニストでの治療がIPFを含むことで有益であると考えられているAT2受容体関連疾患の治療のために臨床開発中である(例えば、特許文献3を参照)。
国際公開第99/43339号 国際公開第2002/096883号 国際公開第2016/139475号
King Jr TE et al.,Lancet(2011);378,1949-1961;Noble PW et al.,J.Clin.Invest.(2012)122,2756-2762 Ley B et al.,Am.J.Respir.Crit.Care Med.(2011)183,431-440 Rafii R et al.,J.Thorac.Dis.(2013)5,48-73 de Gasparo M et al.,Pharmacol.Rev.,2000;52:415-472
C21及びその塩に関して実施された配合作業は、非常に困難であることが判明した。問題の一部は、光及び水の組み合わせの存在に対するC21及びその塩の、これまで報告されていなかった極端な感受性である。さらに、安定した固体状態の製剤を提供する試みにより、たとえ乾燥状態であっても、化学的に不安定な従来の賦形剤とのブレンドが得られた。これらの情報は、これまで一般に公開されていなかった。
結果として、C21は、以前は水溶液として製剤化されており、これは保存中に凍結され、次いで経口投与の直前に解凍されていた。光に触媒される水性分解からC21をこのように保護することは、世界中への医薬品の輸送が考慮される限り、物流の問題を提示する。たとえ、商業的に実行可能な製品の要件ではないにしても、より安定な、薬学的に許容可能な組成物が非常に望ましい。
本出願人は、この有効成分を20年近くにわたって研究してきたが、最近まで、周囲温度で保存されたときに有効成分が安定である薬学的に許容される剤形を、再現性のある方法で得ることができなかった。
そのような改善された経口カプセルベースの剤形を調製することを試みる際に、本出願人は、C21又はその薬学的に許容される塩の粒子を、以下に記載するように、ある特定の担体に懸濁させることによって、上記の問題を解決することが可能であることを見出した。
本発明の第1の態様によれば、胃腸管への経口投与に適した医薬剤形であって、本剤形が、不均質な混合物の形態の医薬組成物を含み、不均質な混合物が、C21又はその薬学的に許容される塩の固体粒子を、C21又はその塩が本質的に不溶性である、薬学的に許容される疎水性の脂質ベースの担体に懸濁させたものを含み、組成物が、そのような経口投与に適したカプセル内に含まれる、医薬剤形が提供される。このような剤形は、以下、まとめて「本発明の剤形」と呼ばれる。
本発明の剤形は、完全な剤形として、経口投与及び胃腸管への送達に適している。これは、本発明の剤形が丸ごと嚥下するのに適しており、胃腸管内でのその後の消費及び/又は摂取のための完全な剤形であり、使用中、嚥下され、次いでその胃腸管内で消費及び/又は摂取されることを意味する。
C21又はその塩の固体粒子が懸濁されている脂質ベースの担体系は、室温で固体の形態(脂肪)であり得るか、又はより好ましくは、室温で液体の形態(油)であり得る。それにもかかわらず、C21の粒子又はその塩は、脂質担体のいずれかの形態で懸濁され得る。
適切な薬学的に許容されるカプセルには、例えば、標準的なカプセル充填プロセスにより、ゼラチン、セルロースポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC若しくはヒプロメロース)、ヒプロメロースアセテートコハク酸塩(HPMCAS)、デンプンポリマー、プルラン又は他の適切な材料から作製され得る、ソフトシェル又はハードシェルカプセルが含まれる。
しかしながら、カプセルは、ソフトシェルの一体型カプセル、例えば、ソフトゼラチンカプセルであることが好ましく、一体型ゼラチンカプセルは、脂質ベースのC21又はその塩の懸濁液で満たされ、その後、例えば、ゼラチン溶液の液滴で、一体型として密閉される。ゼラチンは任意の供給源(例えば、ブタ及びウシの供給源)から入手することができるが、ソフトゼラチンカプセルに代わるビーガンの代替品があることに注意する必要がある。
ソフトゼラチンカプセルシェルは、1つ又は以上の可塑剤、例えばキシリトール、ソルビトール、ポリグリセロール、ソルビトールの非結晶化溶液、グルコース、フルクトロース及びグルコースシロップ、より好ましくはグリセリン/グリセロール、ソルビトール及び/又はAnidrisorbs(ソルビトール、ソルビタン、マルチトール及びマンニトールの独自の混合物、Anidrisorb85/70(液体ソルビトール-マンニトール加水分解デンプン可塑剤)を含む、Roquette Freres)などの独自の可塑剤を含み得る。ソフトゼラチンカプセルシェルは、任意選択で、1つ以上の香味剤、着色剤、及び/又は乳白剤(二酸化チタンなど)を含む。
そのようなカプセルは、任意の形状(例えば、長方形、円形、楕円形、管状など)及び任意のサイズ(例えば、3~24の長方形、1~20の円形、2~20の楕円形、5~120の管など)であり得る。好ましいカプセルサイズは、約0.3~約1.0mLの体積を保持する。
C21又はその薬学的に許容される塩が、薬学的に許容される疎水性の脂質ベースの担体に懸濁され、したがって、C21又はその塩が、通常の保存条件下でその担体内に本質的に不溶性であることが、本発明の本質的な態様である。「本質的に不溶性」とは、C21又はその塩が、その担体内で、担体1グラム当たり約0.015mg以下のC21又はその塩の溶解性を有することを含む。
このように、疎水性及びC21又はその塩を溶解させる傾向の欠如という担体の二重の特性に起因して、有効成分は、例えば本明細書で後に記載するように、分解を触媒し得る量の水に本質的に曝露されない。
驚くべきことに、これらの要件を満たし、したがって本発明の剤形において周囲温度でC21又はその塩を安定化することができる脂質ベースの担体材料は比較的少ないことがわかった。
前述のようにC21又はその塩が不溶性でなければならない疎水性脂質ベースの担体材料は、本質的に水と混和しない非極性の油又は脂肪を含み得る。脂質ベースの担体は、主にトリアシルグリセロール(「トリグリセリド」としても知られる)からなることが好ましく、これは、グリセロール部分の3つのヒドロキシル基すべてと脂肪酸(カルボン酸)との反応によって形成されるエステルである。
したがって、脂質は飽和又は不飽和鎖脂肪酸を含み得、その鎖は、1個の炭素原子~最大30個の炭素原子(最大26個の炭素原子を含む)、最大22個の炭素原子(8、10、12、14、16、18又は20個の炭素を含む)などの範囲であり得る。
言及され得る飽和脂肪酸には、酢酸(2)、プロピオン酸(3)、酪酸(4)、バレル酸(5)、カプロン酸(6)、エナント酸(7)、カプリル酸(8)、ペラルゴン酸(9)、カプリン酸(10)、ウンデシル酸(11)、ラウリン酸(12)、トリデシル酸(13)、ミリスチン酸(14)、ペンタデシル酸(15)、パルミチン酸(16)、マルガリン酸(17)、ステアリン酸(18)、ノナデシル酸(19)、アラキジン酸(20)、ヘネイコシル酸(21)、ベヘン酸(22)、トリコシル酸(23)、リグノセリン酸(24)、ペンタコシル酸(25)、セロチン酸(26)、カルボセリン酸(27)、モンタン酸(28)、ノナコシル酸(29)及びメリシン酸(30)が含まれ、ここで、括弧内の数字は、脂肪酸分子中の炭素原子の数である。
言及され得る不飽和脂肪酸には、クロトン酸(4:1)、並びにω-3不飽和脂肪酸、例えばオクタン酸(8:1)、デカン酸(10:1)、デカジエン酸(10:2)、ラウロレイン酸(12:1)、ラウロリノール酸(12:2)、ミリストバセン酸(14:1)、ミリストリノール酸(14:2)、ミリストリノレン酸(14:3)、パルミトリノレン酸(16:3)、ヘキサデカトリエン酸(16:3)、パルミチドン酸(16:4)、α-リノレン酸(18:3)、ステアリドン酸(18:4)、11,14,17-エイコサトリエン酸(20:3)、エイコサテトラエン酸(20:4)、エイコサペンタエン酸(20:5)、ヘネイコサペンタエン酸(21:5)、クルパノドン酸(22:5)、ドコサヘキサエン酸(22:6)、9,12,15,18,21-テトラコサペンタエン酸(24:5)、ニシン酸(24:6)及び6,9,12,15,18,21-テトラコサヘキサエン酸(24:6);ω-5不飽和脂肪酸、例えばミリストレイン酸(14:1)、パルミトバクセン酸(16:1)、α-エレオステアリン酸(18:3)、β-エレオステアリン酸(trans-18:3)、プニン酸(18:3)、7,10,13-オクタデカトリエン酸(18:3)、9,12,15-エイコサトリエン酸(20:3)及びβ-エイコサテトラエン酸(20:4);ω-6不飽和脂肪酸、例えばテトラデセン酸(14:1)、12-オクタデセン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレイド酸(trans-18:2)、γ-リノレン酸(18:3)、カレンジン酸(18:3)、ピノレン酸(18:3)、11,14-エイコサジエン酸(20:2);ジホモ-リノール酸(20:2)、ジホモ-γ-リノレン酸(20:3)、アラキドン酸(20:4)、ドコサジエン酸(22:2)、アドレン酸(22:4)、オスボンド酸(22:5)、テトラコサテトラエン酸(24:4)及びテトラコサペンタエン酸(24:5);ω-7不飽和脂肪酸、例えば5-ドデセン酸(12:1)、7-テトラデセン酸(14:1)、パルミトール酸(16:1)、バクセン酸(18:1)、ルーメン酸(18:2)、パウリン酸(20:1)、7,10,13-エイコサトリエン酸(20:3)、15-ドコセン酸(22:1)及び17-テトラコセン酸(24:1);ω-9不飽和脂肪酸、例えばヒポゲ酸(16:1)、オレイン酸(18:1)、エライジン酸酸(trans-18:1)、ゴンド酸(20:1)、8,11-エイコサジエン酸(20:2)、エルカ酸(22:1)、ネルボン酸(24:1)、ミード酸(20:3)及びキシメン酸(26:1);ω-10不飽和脂肪酸、例えばサピエン酸(16:1);ω-11不飽和脂肪酸、例えばガドレイン酸(20:1);及びω-12不飽和脂肪酸、例えば、4-ヘキサデセン酸(16:1)、ペトロセリン酸(18:1)及びエイコセン酸(20:1)が含まれ、ここで、括弧内の数字は、それぞれ、脂肪酸分子内の、炭素原子の数及び不飽和(すなわち二重)結合の数である。
言及され得る脂肪酸には、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、エイコセン酸、ベヘン酸及びエルカ酸が含まれる。
トリグリセリドは、天然に存在する油又は脂肪である場合もあれば、半合成である場合もあり、合成である場合もある。
天然に存在する油又は脂肪は、動物から、又はより好ましくは、種子、穀粒、若しくは果物などの植物源から得ることができる。
天然に存在する植物油は、主に、異なる脂肪酸鎖長を有するグリセリドの混合物であるトリグリセリドを含む。
このカテゴリーに分類される天然に存在する薬学的に許容される油には、ヒマワリ油、大豆油、トウモロコシ油、ブドウ種子油、菜種油、ゴマ油、アーモンド油、アプリコット穀粒油、綿種子油、ヤシ穀粒油、ヒマシ油、オリーブ油、パーム油、及びココナッツ油が含まれる(それぞれの組成については、例えば、Occurrence and Characteristics of Oils and Fats,47~224頁,Padley,Gunstone and Harwood(Eds.),The Lipid Handbook.,Chapman&Hall,London,1994を参照されたい)。
本発明の剤形で用いられる場合、天然に存在する油は医薬品グレードであるべきであり、したがって、好ましくは、それらの天然源(複数可)からの抽出後に精製されるべきである。これは、当業者によく知られている技術を使用して行うことができる。
好ましい油には、ゴマ油、コーン油、パーム穀粒油、ココナッツ油、又は大豆油のうちの1つ以上が含まれる。
半合成及び合成脂質ベースの担体系は、当技術分野で周知の技術、例えば、分離、エステル交換、脂肪分解及びエステル交換反応(グリセロリシス)を使用して作製することができる。
したがって、半合成及び合成脂質ベースの担体系には、短鎖(C~C)トリグリセリド(トリアセチンなど)及び中鎖(C~C12)トリグリセリド(天然に存在する油のパーム穀粒及びココナッツ油の主成分、例えばカプリン酸トリグリセリド、より具体的にはミグリオール812N);長鎖(C14~C22)トリグリセリド(Gelicure43/10など)を含む、半固形脂肪の形態であることが多いものが含まれる。
用いられる疎水性脂質ベースの担体系の形態が何であれ、担体系の主成分は、少なくとも約85%のトリアシルグリセロール、より好ましくは少なくとも約90%のトリアシルグリセロール、特に少なくとも約95%のトリアシルグリセロールを含むことが好ましい。
上記の天然に存在する、半合成及び/又は合成脂質ベースの担体材料のいずれかの混合物を用いられることができる。
上文に定義された脂質ベースの担体に懸濁されたC21又はその塩を含む本発明の剤形の組成物は、一旦調製されると、その後カプセルに充填され得る。そのような組成物が本質的に水を含まない状態で調製されることが好ましいという事実を考慮して、そのような充填はまた、好ましくは、それがそのような状態に保たれる方法で行われる。
「本質的に水を含まない」とは、C21又はその塩の粒子の両方、及びそれらが懸濁している必須の賦形剤が、それらが本質的に乾燥している様式で、個別に調製及び/又は提供され、それらがまた本質的に乾燥状態に保たれる環境で一緒に混合されて乾燥混合物を形成することを確実にするために適切な予防措置が取られることを含む。
「本質的に乾燥している」又は「本質的に水を含まない」とは、C21/塩及び必須の賦形剤を含む組成物が、全体として、約5%以下(約2%以下を含む)を含み、例えば、約0.1%以下の水などの、約1%以下(約0.5%以下を含む)を含む。
この点で、薬学的に許容されるカプセル材料は残留量の水を含み得るが、本発明によると、上文に定義された特性を有する脂質ベースの担体材料の存在は、カプセル材料から組成物への水の侵入を最小限に抑えて、高度に感受性のC21又はその塩を、水との接触から、したがって、光の存在下で、分解から保護することを意味する。
とはいえ、剤形自体を乾燥状態に保ち、かつ光から保護する様式で本発明の剤形を包装することが(必ずしも必須ではないが)好ましい。これには、密閉包装、潮解性材料の使用などが含まれ得る。
C21又はその塩は、粒子の形態で提示され、これは、アモルファス若しくは結晶性又は2つの混合物であり得る。好ましい粒子は、懸濁液の形成中、カプセル充填プロセス中、又は貯蔵中のいずれにおいても、沈降を引き起こさないサイズのものである。
この点で、C21又はその塩は、脂質ベースの担体における懸濁のために、典型的に、約1,000μm以下、500μm(約250μmを含む)、好ましくは約100μm以下、約50μm以下、例えば約20μm、又は約10μm以下の一次(すなわち、非凝集)の重量及び/又は体積基準の平均直径が、粒子の複数の形態で提供され得る。懸濁液中で用いられ得る粒子サイズに下限はないが、製造を容易にするために、C21又はその塩の一次粒子は、重量及び/又は体積基準の平均直径が、例えば、約2μm、約3μmを含む、約1μm以上であることが好ましい。
本明細書で使用される場合、「重量基準平均直径」という用語は、平均粒子サイズが、重量による粒子サイズ分布、すなわち、各サイズクラスにおける既存の分率(相対量)が、例えば、ふるい分け(例えば、湿式ふるい分け)によって得られる重量分率として定義される分布から特徴付けられ、かつ定義されることを含むように当業者に理解される。「体積基準平均直径」という用語は、重量基準平均直径と意味が類似しているが、平均粒子サイズが、体積による粒子サイズ分布、すなわち、各サイズクラスにおける既存の分率(相対量)が、例えば、レーザー回折によって測定された体積分率として定義される分布から特徴付けられ、かつ定義されることを含むように当業者に理解される。粒子サイズは、Sympatec GmbH(Clausthal-Zellerfeld,Germany)などの製造業者から入手可能な乾式分散技術を含む乾式粒子サイズ測定技術などの標準装置で測定され得る。例えば、Malvern Instruments,Ltd.(Worcestershire,UK)、Shimadzu(Kyoto,Japan)及び(Elzone,Micromeritics(USA、電気センシングゾーン法)が販売する機器などの、当該分野で周知の他の機器を用いて、粒子サイズを測定し得る。
本明細書に記載されているように、上記の制限内の重量及び/又は体積ベースの平均直径を有する粒子には、調製時及び/又は脂質ベースの担体への懸濁前、そのように懸濁される時及び/又はカプセルに装填される前の粒子の平均直径が含まれる。二次粒子を形成するための一次粒子のいくらかの凝集が、有効成分の取り扱い及び/又は処理中に起こり得ることが理解されるであろう。とはいえ、これは最小限に抑えるべきである。
C21又はその塩の一次粒子は、沈殿、切断(例えば、圧力下での超臨界流体への溶解、その後の急速な膨張による)、噴霧乾燥などの適切な技術によって調製され得るか、又は適切な場合、粉砕、乾式粉砕、ジェット粉砕、湿式粉砕及び/又は破砕などの当業者に周知の技術によって微粉化され得る。
粒子はまた、所望のサイズの画分に分離するためにふるいにかけられ、及び/又は凝集物を分解するために、及び/又は微細な物質を除去するためにふるいにかけられ得る。いずれの場合も、未使用の小さめ(細かい)及び大きめの材料は、無駄を避けるために再加工され得る。あるいは、粒子は、空気分級機、沈降、力場分別及び/又は水簸法によって、サイクロン分離を使用して、適切な粒子サイズに分離され得る。
懸濁液をカプセルに装填する前に、それがC21又はその塩を懸濁液全体に均一かつ均等に分布させて、カプセルへのそのような装填後の有効成分の用量均一性を確実にすることを確実にすることが非常に重要である。
この点で、C21又はその塩はまた、質量中央値直径(D50;対数正規質量中央値直径)を含む、標準的な技術及び当技術分野で認められたパラメータによって測定され、質量による平均粒子サイズ及び/又は累積PSD中の質量の50%が含まれる直径)及び/又は幾何標準偏差(式D84.13/D50又はD50/D15.78で測定されるGSD又はσ、ここでD84.13及びD15.78はそれぞれ質量の84.13%及び15.78%が含まれる直径であり、D50は前述のとおりである)の比較的狭い粒子サイズ分布(PSD)を有する粒子の形態で、好ましくは提供される。そのようなパラメータは、前述のような任意の適切なサンプリング方法及び粒子サイズ測定技術を使用して、工程内で測定及び計算され得る。
この点で、C21又はその塩は、約3未満など、約4未満のGSDを有するPSDを有することが好ましい。
C21又はその塩は、上記の技術の1つ又は以上を使用してそのようなPSD及び/又はGSDを選択及び/又は提供されて、その懸濁液内にC21/塩粒子が均一に分布する安定な懸濁液を提供することができるが、C21/塩を脂質ベースの担体系と完全に混合して、充填前に担体内に有効成分粒子が均一に分布するようにする。これは、カプセル充填プロセスの一部として用いられるバルク懸濁液の場合に特に当てはまり、この場合、混合物が開始において均一であるだけでなく、この均一性が生産バッチ内の用量の均一性を確保するための充填プロセス中に保持されることが重要である。
本発明の文脈における「均質」及び「均質に分布」という用語は、脂質ベースの担体材料全体にC21又はその塩の実質的に均一な含有量があることを意味する。言い換えれば、複数の(例えば、少なくとも2、より好ましくは約6、例えば約10から必要に応じて約30以上)サンプルが、本発明に従う懸濁液から採取される場合、そのようなサンプルの間に存在する有効成分の測定された含有量は、約8%未満、例えば、約6%未満、例えば、約5未満%、特に約4%未満、例えば、約3%未満、及び好ましくは約2%未満の平均量からの標準偏差(すなわち、変動係数及び/又は相対標準偏差)を生じさせる。
したがって、本発明によれば、C21又はその薬学的に許容される塩は、本発明の剤形を作製するためにカプセルに直接充填され得る組成物の形態で作製及び保存され得、さらに、一旦作製されると、本発明の剤形は、通常の保存条件下で、物理化学的特性のわずかな程度の変化しか伴わずに、保存され得る。
脂質ベースの担体系が脂肪の形態である場合(すなわち、通常の製造温度及び/又は製品貯蔵温度において、又はその周辺での固体又は半固体)、当業者は、混合する前に温度を上げることによって、脂肪を溶融する必要があることを理解するであろう。
さらに、そのような懸濁液が担体内の有効成分の安定した均一で均等な分布を確実に提供するために、必要に応じて、脂質ベースの担体系(及び特に、通常の製造温度及び/又は製品保管温度において、又はその周辺で液体油の形態であるもの)は、微結晶性セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムなどの粒子の凝集及び/又は沈降を回避するための増粘剤、並びにモノ、ジ及びトリグリセリドとGelucire43/01、水素化植物油、蜜蝋、パラフィンワックスなどの不飽和脂肪のPEGエステルとのブレンドをさらに含み得る。
本発明による粒子の懸濁液の形態でC21又はその塩を提示することにより、本発明の剤形は、一貫した及び/又は均一な用量の有効成分を送達できるだけでなく、有効成分が、製造中及び/又は製造後、通常の貯蔵条件下、及び/又は使用中に、物理的及び化学的に安定な形態のままであることを保証することも可能であることを見出した。
C21、又はその薬学的に許容される塩は、本発明の剤形を作製するためにカプセルに充填されることになる懸濁液組成物の形態で作製及び保存され得るが、また、一旦作製されると、本発明の剤形は、経時的に、剤形、そこに含まれる懸濁液組成物、及び/又は最も重要なことに、有効成分の物理化学的特性のわずかな程度の変化を伴って、通常の貯蔵条件下で貯蔵することができる。
したがって、「物理化学的特性のわずかな程度の変化」は、カプセルに充填される前及び後(すなわち、本発明の剤形の形態で)に、前述したように脂質ベースの担体中のC21/塩を含む懸濁液が、物理的安定性及び化学的安定性の両方を備えることを含む。
「化学的安定性」には、脂質ベースの担体注のC21/塩を含む懸濁液、及び本発明の剤形が、通常の保存条件下で、本発明の剤形、そこに含まれる懸濁液、特に有効成分の化学的分解又は解体のわずかな程度で、(適切な医薬品包装の有無にかかわらず)保存できることが含まれる。
「物理的安定性」とは、脂質ベースの担体中のC21/塩を含む懸濁液、及び本発明の剤形が、通常の保存条件下で、本発明の剤形、そこに含まれる懸濁液、特に有効成分の、溶解、溶媒和、固相相転移を含む、上記のような凝集又は沈降、あるいは性質及び/又は完全性の変化などのわずかな程度の物理的変換で、(適切な医薬品包装の有無にかかわらず)保存できることを含む。
「通常の保管条件」の例には、マイナス80~プラス50℃(好ましくは0~40℃、より好ましくは周囲温度、例えば15~30℃)の温度、0.1~2バールの圧力(好ましくは大気圧)、5~95%(好ましくは10~60%)の相対湿度、及び/又は460ルクスのUV/可視光への長期間(すなわち、6か月以上)の曝露が含まれる。
そのような条件下で、C21、その塩、及び/又はそれらを含む脂質ベースの組成物は、約15%未満、より好ましくは約10%未満、とりわけ約5%未満、上記で定義されたように物理的及び/化学的に変換されていることが見出され得る。当業者は、温度及び圧力の上記の上限及び下限が通常の保管条件の極値を表し、これらの極値の特定の組み合わせが通常の保管中に経験されないことを理解する(例えば、50℃の温度及び圧力0.1バール)。
本発明の剤形は、有効成分の経口送達のための当業者に周知である他の賦形剤を含み得る。例えば、本発明の剤形はまた、有効成分の即時、又は改変された放出を付与するか、又は付与するように改変され得る。
上記の賦形剤は、市販されているものでもよいし、そうでなければ、文献、例えば、Remington The Science and Practice of Pharmacy,21st ed.,Lippincott Williams and Wilkins,Philadelphia(2006)、及びその中で引用されている文書に記載されており、これらの文書のすべてに関連する開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。そうでなければ、適切な製剤の調製は、日常的な技術を用いて当業者によって創意工夫なく達成され得る。
本発明のさらなる態様によれば、本発明の剤形を生成するための方法が提供され、そのプロセスは、
(a)C21又はその薬学的に許容される塩の粒子を、C21又はその塩が本質的に不溶性である薬学的に許容される疎水性の脂質ベースの担体と混合して、該脂質ベースの担体中のC21又はその塩の懸濁液を形成することと、
(b)ステップ(a)からの該懸濁液を、経口投与に適したカプセルに充填することと、を含む。
C21の薬学的に許容される塩には、酸付加塩が含まれる。そのような塩は、従来の手段によって、例えば、遊離の酸の形態のC21(以下、「遊離のC21」)を、1当量以上の適切な酸又は塩基と、任意で、溶媒中、又は塩が不溶である培地中で反応させ、その後、標準的な技術を使用して(例えば、真空中で、凍結乾燥によって又は濾過によって)、該溶媒、又は該培地を除去することによって形成され得る。塩はまた、例えば適切なイオン交換樹脂を使用して、塩の形態の有効成分の対イオンを別の対イオンと交換することによって、調製され得る。C21の好ましい塩には、HCl塩、マグネシウム及びカルシウム塩などのアルカリ土類塩、並びにカリウム塩、又は、好ましくは、ナトリウム塩などのアルカリ金属塩が含まれる。
本発明の剤形中のC21又はその塩の量は、状態の重症度、又はそのような重症度の予想、及び治療される患者に依存するか、及び/またそれらに応じて選択することができるが、当業者によって決定され得る。投与の様式はまた、投与のタイミング及び頻度、並びに状態の重症度によっても決定され得る。
成人患者(平均体重例えば70kg)におけるC21の適切なより低い1日用量は、1日当たり、約10mg、例えば約20mg、例えば約25mgであり得る。C21の1日用量範囲の適切な上限は、約400mgを含む600mgなどの約900mgまで、及び約100mgなどの約200mg、及び約50mgを含むことができる。
上記の用量のすべては、遊離C21として計算される。用量は、1日当たり複数の個別の用量に分割され得る。用量は、1日1回~6回、例えば1日4回、好ましくは1日3回、より好ましくは1日2回与えられ得る。
いずれにせよ、開業医又は他の当業者は、病態の重症度及び投与経路に応じて、個々の患者に最も適した実際の投与量を日常的に決定し得る。上記の投薬量は、平均的な場合の例示であり、当然、より高い又はより低い投薬量範囲がふさわしい個々の事例が存在し得、そのようなものは本発明の範囲内である。
患者に投与される用量は、本発明の文脈において、妥当な時間枠(本明細書上述のように)にわたって、患者において適切な反応をもたらすために十分でなければならない。当業者は、正確な用量及び組成並びに最も適切な送達レジメンの選択が、とりわけ、製剤の薬理学的特性、治療される病態の性質、ステージ及び/又は重症度、レシピエントの体調及び精神状態、並びに治療される患者の年齢、状態、体重、性別及び反応、疾患の病期/重症度、並びに患者間の遺伝的差異によっても影響されることを認識するであろう。
本発明の剤形は、AT2受容体が発現され、かつそれらの刺激が所望又は要求される条件において有用である。
この点に関して、本発明の剤形は、血管収縮、線維症、炎症、細胞増殖及び/又は分化の増加、心臓収縮性の増加、心臓血管肥大の増加、及び/又は体液及び電解質の保持の増加、並びに皮膚疾患及び筋骨格疾患により特徴付けられる状態の治療に示される。
本発明の剤形は、サルコイドーシス又は線維症、より具体的にはPF、特にIPFなどのILD、並びに全身性硬化症、関節リウマチ、筋炎若しくは全身性エリテマトーデスなどのILDを誘発し得る状態、又は肺高血圧症及び/若しくは肺動脈性肺高血圧症などのILDと関連する状態の治療及び/又は予防に特に適応されるものである。
本発明の剤形はまた、トロンボキサン受容体活性を示し得る。この点に関して、本発明の剤形は、血小板活性化及び/若しくは凝集に対する阻害効果(したがって、例えば、抗血栓効果)を有し得、並びに/又は治療的様式で血管収縮及び/若しくは気管支収縮を低減し得る。
本発明の剤形は、ストレス関連疾患の治療、並びに/又は微小循環及び/若しくは粘膜保護メカニズムの改善においてさらに適応される。
したがって、本発明の剤形は、上記のように特徴付けられ得る疾患の治療において有用であることが期待され、これらは、例えば、胃腸管、心臓血管系、気道、腎臓、免疫系、眼、女性の生殖(排卵)系及び中枢神経系(CNS)である。
言及され得る胃腸管の障害には、食道炎、バレット食道、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、消化不良(非潰瘍性消化不良を含む)、胃食道逆流、刺激性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、肝障害(肝炎など)、胆嚢疾患、多臓器不全(MOF)及び敗血症が含まれる。言及され得る他の胃腸疾患には、口内乾燥症、胃炎、胃不全麻痺、過酸性、胆道の疾患、コエリシア、クローン病、潰瘍性大腸炎、下痢、便秘、大腸炎、食欲不振、嘔吐、悪心、消化不良及びショーグレン症候群が含まれる。
言及され得る気道の障害には、喘息などの炎症性疾患、閉塞性肺疾患(慢性閉塞性肺疾患など)、非感染性肺炎、肺高血圧症、及び成人呼吸困難症候群が含まれる。
言及され得る腎臓の疾患には、腎不全、糖尿病性腎症、腎炎及び腎高血圧症が含まれる。
言及され得る眼の疾患には、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、及び網膜微小血管新生が含まれる。
言及され得る女性の生殖器系の疾患には、排卵機能障害及び子宮内膜症が含まれる。
言及され得る心臓血管系疾患には、高血圧、心臓肥大、心不全(駆出率が維持された状態の心不全を含む)、アテローム性動脈硬化症、動脈血栓症、静脈血栓症、内皮機能障害、内皮病変、バルーン拡張後狭窄、血管新生、糖尿病性合併症、微小血管が含まれる機能不全、アンギナ、心不整脈、間欠性クラウディケート、子癇前症、心筋梗塞、再梗塞、虚血性病変、勃起不全及び新生内膜増殖が含まれる。
言及され得るCNSの疾患には、認知機能障害、食物摂取の機能障害(空腹/満腹)及び喉の渇き、脳卒中、脳出血、脳塞栓及び脳梗塞、多発性硬化症(MS)、アルツハイマー病、並びにパーキンソン病が含まれる。
本発明の剤形はまた、成長代謝及び増殖の調節、例えば、加齢、肥大性疾患、前立腺肥大症、自己免疫疾患(例えば、関節リウマチなどの関節炎、又は全身性エリテマトーデス)、乾癬、肥満、神経細胞の再生、潰瘍の治癒、脂肪組織の過形成の抑制、幹細胞の分化と増殖、線維性疾患、がん(例えば、胃腸管(食道又は胃を含む)の又はその中における)、前立腺、乳房、肝臓、腎臓、並びにリンパ腫、肺がん、卵巣がん、膵臓がん、血液悪性腫瘍など)、アポトーシス、腫瘍(一般的に)及び肥大、糖尿病、神経病変及び臓器拒絶反応の治療においても有用であり得る。
本発明の剤形はまた、脳卒中、脊髄傷害、鎌状赤血球症、筋ジストロフィー、がん治療関連の心臓毒性、末梢神経障害及び、特に、全身性硬化症の治療においても有用である。
さらに、本発明の剤形は、呼吸器ウイルスによって誘発される組織損傷の治療に有用であり得、その損傷は、関連する組織の傷害及び/又は機能不全を含み得る。関連する組織には、気道の(粘膜)組織、特に肺の組織が含まれる。したがって、関連する組織には、気道を湿らせ、ウイルスなどの病原体の侵入から保護する呼吸上皮が含まれる。
この点で言及され得る呼吸器ウイルスには、インフルエンザウイルス、例えば、A型インフルエンザウイルス(例えば、H1N1及びH3N2ウイルス)、B型インフルエンザウイルス又はC型インフルエンザウイルス)、より具体的には、SARSコロナウイルス(SARS-CoV)などの重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルスを含むコロナウイルス、並びに、特に、コロナウイルス疾患2019(COVID-19)を引き起こすウイルスであり、その中に多くの遺伝的変異体を有する新型SARSコロナウイルス2(SARS-CoV-2、以前は「2019-nCoV」又は「新型コロナウイルス2019」として知られていた)である。
「組織損傷の治療」とは、C21及びその塩が、そのようなウイルスによって引き起こされた気道の組織損傷に有益な効果をもたらすことだけでなく、関連するウイルスが、例えば、気道内の上皮細胞に侵入したときに発生する、気道内でそのウイルスによって引き起こされたであろう損傷を予防及び/又は軽減し得ることを含む。
したがって、C21及びその塩は、そのようなウイルスによって誘発された組織損傷及び/又はそのような損傷又は疾患の症状によって引き起こされる疾患の発症を無効にするか又は防止し得る。
この点で、C21及びその塩は、呼吸器ウイルスによって引き起こされている、又は引き起こされた疾患(すなわち、インフルエンザなどの疾患、並びに急性肺傷害急性肺傷害(ALI)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、特にSARS、並びにより具体的にはCOVID-19)並びにその続発症を治療し得る及び/又はその進行を阻止し得る。C21及びその塩はまた、そのような呼吸器疾患の症状の治療及び/又は予防を含む、そのようなウイルスによって引き起こされている、又は引き起こされた損傷を治療及び/又は予防し得、これらの症状は、咳、呼吸困難、呼吸窮迫(例えば、補足的/補足的酸素(フェイスマスク又は鼻カニューレ(高流量又はその他)を介して投与され得る)、及び/又は機械的人工呼吸/体外膜酸素供給の必要性による兆候)、呼吸不全、並びに/又は直接的(ウイルス性肺炎)及び/若しくは間接的(インフルエンザで一般的な二次細菌感染に起因する細菌性肺炎)に発生する可能性のある肺炎、並びに肺及び他の臓器(心臓及び腎臓など)の炎症に起因するその後の線維症を含む。さらに、C21及びその塩は、呼吸器ウイルスによって誘発される罹患及び/又は死亡の進行を防止又は阻止し得、C21は、上記で特定された慢性症状のいずれかの発症を治療及び/又は阻止し得る。
さらに、本発明の剤形はまた、線維性結合組織の過剰な蓄積を特徴とする1つ以上の内臓の任意の線維性状態の治療若しくは予防、並びに/又は線維形成及びそれに関連し得る罹患及び死亡の治療又は予防において有用であり得る。このような線維症は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、SARS、及び多臓器炎症などの急性炎症状態、並びに内的若しくは外的外傷(例えば、傷害)又は感染によって引き起こされ得る傷害及び/又は不全に関連し得る。
したがって、そのような状態は、ウイルス、細菌、又は真菌感染によって引き起こされる敗血症又は敗血症性ショックに起因し得る。さらに、急性肺傷害、ARDS及び、特に、SARSは、SARS-CoV-2を含むコロナウイルスなどのウイルスによって引き起こされ得、内部組織の損傷並びに/又は関連する内部(例えば、粘膜)組織の、及び/若しくは気道上皮などを構成する細胞の機能障害を生じ得る。そのような組織の損傷は、次に、重度の線維症を引き起こし得る。例えば、SARS-CoV-2(コロナウイルス疾患2019又はCOVID-19)によって引き起こされるSARS疾患は、多くの場合、線維症を生じることが知られている。
しかしながら、本発明の剤形は、サルコイドーシス又は線維症、より具体的には肺線維症及び特にIPFなどのILD、並びに全身性硬化症、関節リウマチ、筋炎若しくは全身性エリテマトーデスなどのILDを誘発し得る状態、又は肺高血圧症及び/若しくは肺動脈性肺高血圧症などのそれ以外のILDと関連する状態の治療及び/又は予防に特に有用である。
「ILD」という用語は、サルコイドーシス、PF、及び特にIPFなどの原因に関係なく、慢性炎症、肺機能の低下及び/又は瘢痕化を含む異常な治癒反応を特徴とするいずれかの肺状態を含むことが、当業者によって理解されるであろう。この用語はまた、全身性硬化症などのそのような肺の状態につながる、及び/又はその原因となることが知られている疾患及び/又は状態を含み得る。この点に関して、全身性硬化症を含むPF又はIPFなどのILDにつながる、及び/又はその原因である状態で使用するための本発明の剤形がさらに提供される。
IPFを含むPFの治療において、本発明の剤形は、線維症の減少及び細胞外マトリックスのさらなる沈着の防止を伴う、抗線維化効果を有し得る。本発明の剤形は、肺の瘢痕化/創傷治癒に影響し、また抗アポトーシス効果も有し、それにより、PFの発症の開始因子である肺胞内皮細胞のアポトーシスを防止し得る。本発明の剤形はまた、抗増殖効果も有するので、PFにおける線維芽細胞及び筋線維芽細胞のがん様増殖を低減し得る。本発明の剤形はまた、PFにおける血管リモデリングを改善し、それにより二次性肺高血圧症を軽減し得る。最後に、本発明の剤形は、抗炎症及び抗サイトカイン効果を示し得る。
本発明のさらなる態様によれば、呼吸器ウイルス損傷、及びより具体的には、PF、特にIPFを含むILDを含む上述の状態のいずれかの治療方法が提供され、この方法は、そのような状態に罹患しているか、又は罹患しやすい人に、治療有効量の本発明の剤形を投与することを含む。
本発明のさらに別の態様によれば、対象における呼吸器ウイルス誘発性組織損傷の治療方法が提供され、この方法は、特に以下の場合において、治療有効量の本発明の剤形を、そのような治療を必要とする対象に投与することを含む。
・損傷している組織が、呼吸上皮を含む肺組織である、
・損傷が、呼吸器ウイルスによって引き起こされる気道の粘膜組織の傷害及び/又は機能障害を含む、
・治療が、ウイルスによって引き起こされているか、又は引き起こされた疾患の治療、及び/又は進行の阻止を含む、
・呼吸器ウイルスが、SARS-CoV-2などのコロナウイルスであり、かつ、疾患が、COVID-19などのSARSであるか、又は呼吸器ウイルスが、インフルエンザウイルスであり、かつ、疾患が、インフルエンザである、
・治療が、関連するウイルスによって引き起こされているか、又は引き起こされた疾患の症状の治療を含む、
・損傷又は疾患の症状が、咳、呼吸困難、呼吸窮迫(酸素補給及び/又は機械的人工呼吸の必要性によって現れ得る)、呼吸不全、肺炎、肺、心臓及び/若しくは腎臓を含む1つ以上の内臓における線維症のうちの1つ以上を含む、並びに/又は
・治療が、前述の状態の1つ以上における呼吸器ウイルス誘発性の罹患及び/又は死亡の予防を含む。
本発明の剤形は、上記状態のうちのいずれかの治療的、対症療法的、及び/又は診断的治療(例えば、状態が疑われる場合の診断精密検査中に)、並びに予防的治療(これにより、状態の低下及び/又は悪化の予防及び/又は阻止を含む)の両方で示される。
「患者」には、鳥類及び哺乳動物(特にヒト)の患者が含まれる。ヒトの患者には、成人患者及び小児患者の両方が含まれ、後者には、生後約24か月までの患者、約2~約12歳の患者、及び約12~約16歳の患者が含まれる。約16歳を超える患者は、本発明の目的のために成人と見なされ得る。これらの異なる患者集団には、異なる用量のC21又はその塩が与えられ得る。
呼吸器ウイルス誘発性組織損傷などの特定の状態の治療において、C21又はその薬学的に許容される塩が、成人患者、より具体的には、約20歳を超える、例えば、約30歳を超える、約40歳を超える、より好ましくは約50歳を超える、特に約60歳を超える、特に約70歳を超える、より具体的には約80歳を超える対象;及び/又は以下の基礎疾患の1つ以上を有する患者(そのような患者が上記の年齢層の1つであるかどうかにかかわらず)に投与されることが好ましい:
・肺線維症、肺高血圧症、肺動脈性肺高血圧症、その他のILD、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫又は気管支炎などの慢性(長期)呼吸器疾患
・心不全、心房細動又は高血圧などの慢性心血管(例えば、心臓)疾患
・慢性腎疾患
・肝炎などの慢性肝疾患
・パーキンソン病、運動ニューロン疾患、多発性硬化症、学習障害又は脳麻痺などの慢性神経疾患
・糖尿病
・患者の脾臓の問題-例えば、鎌状赤血球症又は脾臓が除去されているかどうか
・HIV及びAIDSなどの状態、又はステロイド錠剤などの医薬若しくは化学療法の結果としての、低下した免疫系
・肥満(例えば、ボディマス指数(BMI)が40以上)
・妊娠。
この点に関して、本発明のいくつかのさらなる態様によれば、1つ以上の以下の状態の治療及び/又は予防の方法が提供される。
・「長期COVID」、「慢性COVID症候群」(CCS)及び/又は「長期COVID」などとして知られる、例えば、SARS-CoV-2感染の急性後遺症(PASC)、
・急性腎傷害及び/又は慢性腎疾患、
・肺線維症、肺高血圧症、肺動脈性肺高血圧症、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫及び/又は気管支炎などの呼吸器疾患、並びに
・心筋梗塞、心不全、心房細動、高血圧又は血栓症などの心血管疾患、並びに/又は例えば心臓、肺及び/若しくは脳における塞栓症。
これらのすべては、呼吸器ウイルス(SARS-CoV-2など)によって直接的又は間接的に誘発され得、この方法は、C21又はその薬学的に許容される塩を、そのような治療及び/又は予防を必要とする対象に投与することを含む。
(例えば)呼吸器ウイルス誘発性組織損傷の急性治療に関連して、C21又はその塩の用量は、例えば、最大3か月(例えば、2か月)間、1日1回~4回(例えば、1~3回)、最大3週間を含む1か月、例えば、4日又は3日などの最大1週間の間、投与され得る。そのような治療期間は、必要に応じて繰り返され得る。
肺及び他の内臓の線維症など、前述の慢性症状の1つ以上が発症した場合、上記の急性投与に加えて、及び/又は上記急性投与レジメンの代わりに、C21又はその塩による治療は、継続的であるか及び/又は必要に応じて/要求に応じて行われ得る。
ウイルス感染症の患者の治療においてC21との併用療法で使用され得る関連する有効成分には、ウイルス感染症の種々に適用されたより多くの標準的療法が含まれ、以下のものが含まれる。抗体療法(例えば、LY-CoV555/LY-CoV016(バムラニビマブ及びエテセビマブ)、LY-CoV555(バムラニビマブ、Eli Lilly)、REGN-COV2(カシリビマブ及びイムデビマブ)、REGN3048-3051、TZLS-501、SNG001(Synairgen)、エクリズマブ(Soliris;Alexion Pharmaceuticals)、ラブリズマブ(Ultomiris;Alexion Pharmaceuticals)、レンジルマブ、レロンリマブ、トシリズマブ(Actemra;Roche)、サリルマブ(Kevzara;Regeneron Pharma)、及びオクタガム(Octapharma))、抗ウイルス薬(例えば、オセルタミビル、レムデシビル、ファビラビル、モルヌピラビル、シメプレビル、ダクラタスビル、ソホスブビル、リバビリン、ウミフェノビル、ロピナビル、リトナビル、ロピナビル/リトナビル(Kaletra;AbbVie Deutschland GmbH Co.KG)、テイコプラニン、バリシチニブ(Olumiant;Eli Lilly)、ルキソリチニブ(Jakavi;Novartis)、トファシチニブ(Xeljanz;Pfizer)、TMPRSS2阻害剤、カモスタット、又はカモスタットメシレート、アクテンブラ(Roche)、TZLS-501、AT-100(rhSP-D)、MK-7110(CD24Fc;Merck))、OYA1(OyaGen9)、BPI-002(BeyondSpring)、NP-120(Ifenprodil;Algernon Pharmaceuticals)、ガリデシビル(Biocryst Pharma)、抗炎症剤(例えば、NSAID、イブプロフェン、ケトロラック、ナプロキセンなど)、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、インターフェロン(例えば、インターフェロンβ(インターフェロンβ-1a)、トシリズマブ(Actemra)、レナリドマイド、ポマリドマイド、サリドマイド)、鎮痛剤(例えば、パラセタモール又はオピオイド)、抗真菌剤(例えば、デキストロメトルファン)、ワクチン接種(例えば、Inovio Pharmaceuticals and Beijing Advaccine BiotechnologyのINO-4800(利用可能な場合))、COVID-19回復血漿(CCP)及び/又はSARS-CoV若しくはSARS-CoV-2の感染から回復した人々の血液由来の抗体による受動抗体療法。
IPFなどのILDの治療においてC21との併用療法で使用され得る関連する有効成分は、例えば、抗線維薬(例えば、ニンテダニブ、特にピルフェニドン)、ビタミン(例えば、ビタミンB、C及びD)、粘液溶解薬(例えば、アセチルシステイン及びアンブロキソール)、コルチゾン及びプレドニゾンなどのコルチコステロイド、シクロホスファミドなどの炎症抑制剤、アザチオプリン及びミコフェノール酸モフェチルなどの他の免疫抑制剤、並びにN-アセチルシステインなどの抗酸化剤を含む。サルコイドーシスの治療においてC21と組み合わせて使用され得る関連する有効成分は、例えば、コルチゾン、プレドニゾン及びプレドニゾロンなどのコルチコステロイド、代謝拮抗剤、メトトレキサート、アザチオプリン、レフルノミド、ミコフェノール酸/ミコフェノール酸モフェチル、シクロホスファミドなどの免疫系抑制剤、アミノキノリン、インフリキシマブ及びアダリムマブなどのモノクローナル抗腫瘍壊死因子抗体、例えば、レナリドマイド、ポマリドマイド及び、特にサリドマイドを含む免疫調節イミド薬、TNF阻害剤であるエタネルセプト、並びにイブプロフェン及びパラセタモールなどの鎮痛剤、咳抑制剤及び/又は去痰剤を含む。
誤解を避けるために、上記の「コルチコステロイド」は、天然に存在するコルチコステロイド及び合成コルチコステロイドの両方を含む。
言及され得る自然発生コルチコステロイドは、コルチゾール(ヒドロコルチゾン)、アルドステロン、コルチコステロン、コルチゾン、プレグネノロン、プロゲステロン、並びにコルチコステロイド生合成における自然発生前駆体及び中間体、並びに自然発生コルチコステロイドの他の誘導体、例えば、11-デオキシコルチゾール、21-デオキシコルチゾール、11-デヒドロコルチコステロン、11-デオキシコルチコステロン、18-ヒドロキシ-11-デオキシコルチコステロン、18-ヒドロキシコルチコステロン、21-デオキシコルチゾン、11β-ヒドロキシプレグネノロン、11β,17α,21-トリヒドロキシプレグネノロン、17α,21-ジヒドロキシプレグネノロン、17α-ヒドロキシプレグネノロン、21-ヒドロキシプレグネノロン、11-ケトプロゲステロン、11β-ヒドロキシプロゲステロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン、及び18-ヒドロキシプロゲステロンを含む。
言及され得る合成コルチコステロイドは、以下のものを含む:コルチゾンアセテート、ヒドロコルチゾンアセポネート、ヒドロコルチゾンアセテート、ヒドロコルチゾンブテプラート、ヒドロコルチゾンブチレート、ヒドロコルチゾンバレレート、チキソコルトール及びチキソコルトールピバレート、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、クロロプレドニゾン、クロプレドノール、ジフルプレドネート、フルドロコルチゾン、フルオシノロン、フルペロロン、フルプレドニゾロン、ロテプレドノール、プレドニカルベート及びトリアムシノロンなどのヒドロコルチゾンタイプ(A群)のもの;アムシノニド、ブデソニド、デソニド、フルオシノロンセトニド、フルオシノニド、ハルシノニド、トリアムシノロンアセトニド、シクレソニド、デフラザコート、フォルモコルタル、フルドロキシコルチド、フルニソリッド及びフルオシノロンアセトニドなどの、アセトニド及び関連物質(B群);ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ベタメタゾンジプロピオネート及びベタメタゾンバレレート、デキサメタゾン、フルオコルトロン、ハロメタゾン、モメタゾン及びモメタゾンフロエート、アルクロメタゾン及びアルクロメタゾンジプロピオネート、クロベタゾール及びクロベタゾールプロピオネート、クロベタゾン及びクロベタゾンブチレート、クロコルトロン、デソキシメタゾン、ジフロラゾン、ジフロコルトロン、フルクロロン、フルメタゾン、フルオコルチン、フルプレドニデン及びフルプレドニデンアセテート、フルチカゾン、フルチカゾンフロエート及びフルチカゾンプロピオネート、メプレドニゾン、パラメタゾン、プレドニリデン、リメクソロン及びユーロベタゾールなどの、(ベタ)メタゾン型のもの(C群);フルゲストン、フルオロメトロン、メドリソン及びプレベジオロンアセテートなどの、プロゲステロン型のもの;並びにクロルマジノンアセテート、シプロテロンアセテート、メドロゲストン、メドロキシプロゲステロンアセテート、メゲストロールアセテート及びセゲステロンアセテートなどの、プロゲステロン誘導体(プロゲスチン);並びにコルチバゾール及び6-メチル-11β,17β-ジヒドロキシ-17α-(1-プロピニル)アンドロスタ-1,4,6-トリエン-3-オンなどの他のコルチコステロイド。
好ましいコルチコステロイドは、コルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、及び、特に、デキサメタゾンを含む。
さらに、C21との併用療法(例えば、呼吸器ウイルス感染症の治療)に使用され得る関連する有効成分は、H2受容体遮断薬、抗凝固薬、抗血小板薬、並びにスタチン、抗菌薬及び抗アレルギー/抗喘息薬を含む。
言及され得るH2受容体遮断剤は、ファモチジンを含む。言及され得る抗凝固剤は、ヘパリン及び低分子量ヘパリン(例えば、ベミパリン、ナドロパリン、レビパリン、エノキサパリン、パルナパリン、セルトパリン、ダルテパリン、チンザパリン)、直接作用型経口抗凝固薬(例えば、ダビガトラン、アルガトロバン、リバロキサバン、アピキサバン、エドキサバン、ベトリキサバン、ダレクサバン、オタミキサーバン、レタキサバン、エリバキサバン、ヒルジン、レピルジン及びビバリルジン)、クマリン型ビタミンK拮抗薬(例えば、クマリン、アセノクマロール、フェンプロクモン、アトロメンチン及びフェニンジオン)並びに第Xa因子の合成五糖阻害剤(例えば、フォンダパリヌクス、イドラパリヌクス及びイドラビオタパリヌクス)を含む。言及され得る抗血小板薬は、不可逆的シクロオキシゲナーゼ阻害剤(例えば、スピリン及びトリフルサル)、アデノシン二リン酸受容体阻害剤(例えば、カングレロル、クロピドグレル、プラスグレル、チカグレロル及びチクロピジン)、ホスホジエステラーゼ阻害剤(例えば、シロスタゾール)、プロテアーゼ活性化受容体1拮抗薬(例えば、ボラパキサル)、糖タンパク質IIB/IIIA阻害剤(例えば、アブシキシマブ、エプチフィバチド及びチロフィバン)、アデノシン再取り込み阻害薬(例えば、ジピリダモール)、並びにトロンボキサン阻害剤(例えば、テルトロバン、ラマトロバン、セラトロダスト及びピコタミド)を含む。言及され得るスタチンは、アトルバスタチン、シンバスタチン及びロスバスタチンを含む。言及され得る抗菌剤には、アジスロマイシン、セフトリアキソン、セフロキシム、ドキシサイクリン、フルコナゾール、ピペラシリン、タゾバクタム、及びテイコプラニンが含まれる。言及され得る抗アレルギー/抗喘息薬は、クロルフェナミン、レボセチリジン、及びモンテルカストを含む。
C21との併用療法(例えば、呼吸器系ウイルス感染症の治療)に使用され得るさらなる関連する有効成分には、当技術分野で既知の他のAT2アゴニスト、並びに当技術分野で既知のAT1受容体拮抗薬との併用、及び/又はアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤との併用が含まれる。実施形態に従って使用され得るAT1受容体アンタゴニストの非限定的であるが例示的な例には、アジルサルタン、カンデサルタン、エプロサルタン、フィマサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、ミルファサルタン、オルメサルタン、ポミサルタン、プラトサルタン、リピアサルタン、サプリサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン及び/又はそれらの組み合わせが含まれる。実施形態に従って使用され得るACE阻害剤の非限定的であるが例示的な例には、カプトプリル、ゾフェノプリル、エナラプリル、ラミプリル、キナプリル、ペリンドプリル、リシノプリル、ベナゼプリル、イミダプリル、トランドラプリル、フォシノプリル、モエキシプリル、シラザプリル、スピラプリル、テモカプリル、セロナプリル、デレプリル、ムーベルチプリル、及び/又はそれらの組み合わせが含まれる。
関連する患者は、そのような有効成分のうちの1つ以上の投与に基づいて関連する状態のために上記された任意の治療及び/又は他の治療剤のうちの1つ以上を受けてもよく(及び/又はすでに受けていてもよく)、このことは、C21又はその塩での治療の前、それに加えて、及び/又はその後に、本明細書で言及されているこれらの有効成分のうちの1つ以上の処方用量を受け取ることを意味する。
上記の他の有効成分の薬学的に許容される塩及び用量には、当技術分野で公知であり、かつMartindale-The Complete Drug Reference,38th Edition,Pharmaceutical Press,London(2014)及びそこに引用されている文書などの医学文献において問題の薬物について記載されているものが含まれ、それらのすべての文書における関連する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の剤形は、凍結及び/又は光に曝されることなく、カプセルに含まれる組成物、特に有効成分の薬学的に許容される物理化学的安定性を維持することを含む、通常の保存条件下で製造及び保存され得るという利点を有する。
本発明の剤形はまた、改善された薬物負荷を提供し、大量/用量の活性化合物を提示することを可能にし、また、一貫した/均一な方法でそのようなより高い用量の効率的な送達を提供し得る。このことは、次いで、治療の有効性及び効率を向上させて、医療費を削減する。
本明細書に記載の使用/方法は、他の点では、上記した状態の1つ以上の治療において、特にILD及び/又は呼吸器ウイルス感染症の治療において、それらの状態若しくは他の状態のいずれで使用されても、先行技術で公知の同様の方法(治療)よりも、医師及び/又は患者にとってより便利であり得、より有効であり得、より低毒性であり得、より広い範囲の活性を有し得、より強力であり得、より少ない副作用を生じ得、又は他の有用な薬理学的特性を有し得る、という利点を有し得る。
「約」という言葉が本明細書で用いられる場合はいつでも、例えば、数値又は量、すなわちサイズ(例えば、粒子サイズ)、用量、(例えば活性)成分の重量若しくは濃度、年齢、温度又は期間などの絶対量;又は百分率及び標準偏差を含む相対量の文脈において、このような変数は近似であり、そのため特定された実際の数値から±10%、例えば±5%、好ましくは±2%(例えば±1%)変化し得ることが理解されるであろう。この点において、「約10%」という用語は、例えば、数値10について±10%、すなわち9%~11%を意味する。
本発明は、以下の実施例によって例解されるが、決して限定されるものではない。
様々な脂質ベースの賦形剤中のC21ナトリウム塩の溶解度を示す。
比較例1
C21の水中での溶解度
以下の表1に要約されるように、遊離C21の溶解度を、多くの異なる水性ビヒクル中で調査した。
ビヒクル(供給源とともに)は次のとおりである。塩化ナトリウム(Sigma)、エタノール(99.5%、Kemetyl)、ポリエチレングリコール(BASF)、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)pH7.4(Sigma)、緩衝液pH2.00(クエン酸、水酸化ナトリウム水、塩化水素)、緩衝液pH4.00(クエン酸、水酸化ナトリウム)、緩衝液pH6.00(クエン酸、水酸化ナトリウム)、緩衝液pH8.00(ホウ酸、水酸化ナトリウム、塩化水素)及び緩衝液pH10.00(ホウ酸、水酸化ナトリウム、塩化水素)(すべてMerck)、及び精製水(Elga Option4浄水器)。
遊離C21(Syntagon AB、Sodertalje,Swedenから入手)の飽和溶液を2つ調製した。分析前に、サンプルを48時間磁気的に攪拌し続けた。一部のサンプルについて、加えた物質を溶解し、その後追加分を加えて、飽和溶液を得た。
48時間後、pHを測定し、その後、1mLの溶液を抜き取った。遠心分離(1500rpm、30分)により、溶解していない物質を除去した。上澄みを、アセトニトリル/HO、30:70で、10~500倍に希釈した。
C21含有量を、HPLCで測定した。
Figure 2023522411000002
約8.5のpHを超えると、遊離C21の溶解度が著しく増加する。0.9%NaCl溶液中、pH9.7で27.4mg/mLが得られる。
溶解度の増加は、研究された共溶媒系でも見られる。ただし、この変化は、pHの変更ほど劇的ではない。
C21のナトリウム塩の溶解度は、同様の実験によって測定され、遊離C21よりもかなり高いことがわかった。
この実験では、C21ナトリウム塩(Syntagon AB)を一度に少量ずつビヒクルに加えた。試験したすべてのビヒクルに約20~30mgのナトリウム塩が容易に溶解した。飽和溶液を得るために、同じサンプルに塩を連続的に加えた。このようにして、40~60mg/mLなどのより高い量が溶解され得た。試験したビヒクルでは、溶解度はおそらくこれよりもさらに高いが、利用可能な薬物化合物の量が限られていることを考慮して、このことは確立されなかった。結果を、以下の表2に示す。
Figure 2023522411000003
比較例2
光に対するC21の水溶液の感受性
0.9%NaCl pH9.4中の遊離C21の安定性を調べた。
1mg/mLのC21の溶液を、4つの異なる保管条件下で4週間研究した。安定性試験中の細菌の増殖を最小限にするために、溶液を0.22滅菌シリンジフィルターで濾過した。サンプルを、純度についてHPLCで分析した。
結果を以下の表3に要約するが、表中、C21の量は、薬物の初期量の百分率で示す。溶液のpHもまた測定した。これを表3の括弧内に示す。
Figure 2023522411000004
遊離C21は、暗所、5℃、室温(RT)及び40℃で4週間保存すると、化学的に安定であることがわかった。溶液を室温以上で保存する場合、pHの低下がわずかにあるように見えるが、低温で保存する場合はそうではない。
不純物/分解生成物に対応するHPLCクロマトグラムのピークの後に、それぞれのピーク面積が続いた。総不純物ピーク面積は、5℃、RT/暗所及び40℃で保存したサンプルについてC21ピーク面積の約2.5面積%であった。
RT/光で保存されたサンプルでは、不純物ピークの数に明らかな増加があるが、このことは、光に曝されると(少なくとも水の存在下で)物質が化学的に分解されることを示唆する。特に、この保管条件下では、相対保持時間0.84で6.9分に相当するピークが現れる。
RT/光で2週間及び4週間保存したサンプルで沈殿が観察されたので、分析の前に、サンプルを濾過(0.45μm、GHP/Acrodisc)した。それぞれ44%及び13%の比較的低い含有量は、8.0未満のpHで発生し得るC21の沈殿に起因し得る。しかしながら、含有量の減少は、この保存条件での分解生成物の形成によるものであることもまた明らかである。他の多くの不純物ピークがHPLCによって観察されたが、これは、おそらく、この保管条件下でのC21の分解に関連している。
RT/光で数週間保存されたサンプルのpH低下の考えられる説明は、物質の分解がpHの低下を引き起こし、それがC21自体の溶解度に限界を設定することである。
C21のナトリウム塩の安定性も、同じ保存条件下で調査した。結果を、以下の表4にまとめる。
Figure 2023522411000005
1週間のサンプルの分析時に、40℃でサンプルを保管するための加熱キャビネットが壊れていることに気づいた。これを考慮して、これらのサンプルを、その後、室温で3日間保持した。
遊離C21と同様に、ナトリウム塩は、調査したすべての温度で、暗所で保持した場合、4週間後に化学的に安定である。RT/光で保存されたサンプルの場合、遊離C21について観察されたのと同じ相対保持時間でピークが発生する。他にも多くのピークがあるが、これらは光が誘導する劣化に関連していると考えられた。
したがって、結論は、光誘導分解はナトリウム塩及び遊離C21の両方で発生するということである。
このことは、C21の開発にとって重要な課題を示した。いかなる将来の医薬品についても、医薬品の製造、製剤の製造、包装、輸送及び保管の際に、周囲温度(又はそれ以上)、光及び湿気を同時に完全に回避することを確実にするのは困難である。
その後、経口投与用の炭酸緩衝液の存在下での水溶液中のナトリウム塩として、さらなる前臨床及び臨床開発のために、0.2及び10mg/mLの濃度でC21を処方することが決定された。このような凍結製剤は、ポリエチレンテレフタレート(PET)ボトル中で冷蔵保存した場合3か月間化学的に安定であり、-15℃の冷凍庫で保存した場合、36か月間化学的に安定であることが見出され、pH若しくは外観又はアッセイの劣化変化は観察されなかった。
実施例3
溶解度試験
上記の実施例1で指摘した問題、及び活性成分が特定の乾燥不活性賦形剤の存在下で化学的に不安定であり、圧縮が困難であることが判明したという事実を考慮して、乾燥粉末製剤の形態の剤形は、関連時間において不適切であるとみたした。
したがって、臨床目的でC21のナトリウム塩をソフトゼラチンカプセルとして組み込むことの実現可能性を評価した。
最初の事例では、薬学的に許容される脂質ベースの賦形剤におけるC21の溶解度を評価するために、製剤化試験を実施した。
C21ナトリウム塩(RISE AB、Sodertalje,Sweden)を、以下の表5に記載の割合(賦形剤1グラム当たりのC21のmg)で、様々な可能性のある担体と混合し、混合の2日後及び5日後に、C21の絶対溶解度を決定した。
この手順は、最初に約2.955gの各賦形剤を20mLヘッドスペースバイアルに秤量することにより、実行した。次に、15mg/gの開始濃度に到達するように、0.045gのC21を各バイアルに加えた。磁気攪拌機を各混合物に加えて、試験全体の間、分散液を攪拌した(約300rpmにて)。
溶解度は、概して室温で測定したが、以下に挙げる添加剤の一部(アスタリスクで印を付けたもの)は室温で固体であり、その場合は60℃で溶解度を測定した。
賦形剤の飽和を確認するために、混合物を経時的に観察した。完全なC21可溶化(すなわち、粒子が不可視である)の場合、100mg/gの最大API濃度が達成されるまで、C21を加えた。
飽和点に達したことを確認した後、又は100mg/gの最大API濃度に達した後、2日(T2)及び5日(T5)の攪拌後に混合物のサンプリングを行った。
各時点で、及び各賦形剤について、サンプリングを行った。アッセイ前にサンプルを濾過して、各賦形剤中のC21ナトリウム塩の溶解度を決定した。
平均値を得るために、濾液から2つの分析サンプルを調製した。
UV及びDED 検出器を備えたWaters UPLC Acquity system(CSH C18;100×2.1mm×1.7μm)を使用して、溶解度を定量的に決定した。以下のクロマトグラフィー条件を適用しました:(A)移動相0.03% TFAを含む水、(B)0.03% TFAを含むアセトニトリル、勾配あり、流量0.5mL/分、温度40℃、泳動時間24分、注入体積2μL、室温。
特定の時点でのC21ナトリウム塩の平均溶解度を、以下の表5に詳述し、図1に示す。
賦形剤は、得られた溶解度の結果をよりよく理解するために、化学クラス別にグループ化する。Gelucireは、モノ、ジ、及びトリグリセリドと、不飽和脂肪のPEGエステルとのブレンドから得られるビヒクルのグループであることに留意されたい。Gelucire43/01は、グリセリドのみを含む疎水性グレードである。
Figure 2023522411000006

Figure 2023522411000007
表5及び図1から、C21の可溶化が、賦形剤に存在する遊離ヒドロキシル基の数に大きく依存し、またトリグリセリドベースの賦形剤には本質的に不溶性であり、その不溶性が炭素鎖長及び脂肪酸成分の不飽和度とは無関係であることは明白である。
トリオレイン酸ソルビタン及びプロピレングリコールファミリーのモノエステルも、API可溶化特性が低いことから、関心対象であるとみなした。加えて、モノ-ジ-トリ-グリセリドファミリーのLabrafil M2130CSは、60℃ではあるが約14mg/gの溶解度が達成されたため、関心対象であるとみなした。しかしながら、これは室温で固体の賦形剤であるため、室温での溶解度は低いと予想された。
実施例4
適合性調査
次に、C21と、選択された薬学的に許容される脂質ベースの成分(そのすべてではないが一部は上記の実施例3においても試験した)及び主なソフトシェルゼラチンカプセル成分との化学的適合性を評価するために、加速条件下で実験を行った。
適合性試験を、気候室(Weiss Technik)内、40℃及び75% RHで8週間保管することにより行い、その間、形成された不純物の分析を4週(T4)及び8週(T8)後に行った。
実験室(温度及び湿度を制御した状態)において室温で8週間保管することによる追加の実験を行った。
賦形剤の非存在下でのC21ナトリウム塩の試験を参照として行った。
分析した混合物の組成を以下の表6に示す。表6中、様々な賦形剤の一般名及び供給元は、上、例えば表5に示したものと同じである。
Figure 2023522411000008
サンプルA0~A16及びB1を、20mLガラスバイアル中で調製し、各時点につき2つの調製物を調製した。サンプルC1~C16及びD1を、各時点につき1つの調製物で、20mLガラスバイアル中で調製した。
上記の実施例3に記載したものと同じWaters UPLC Acquity system及び本質的に同じクロマトグラフィー条件を使用して、アッセイ及び不純物評価を行った。
不純物分析を以下の表7に要約する。ここでは、C21アッセイ値(I)及び不純物値(II)を回収率%として示し、2つのサンプル調製で各混合物について得られた平均値を表す。
Figure 2023522411000009
これらの適合性試験の結果は、APIがトリグリセリド成分中40℃で少なくとも8週間安定であり(サンプルA1~A5の結果を参照)、これが脂肪族鎖長とは無関係であることを示す。
同等のAPI安定性は、中鎖又は短鎖トリグリセリド(例えば、Miglyol812N及びKollisolv GTA)に対して、長鎖トリグリセリド(例えば、ゴマ油、精製コーン油、又は大豆油)で観察される。
増粘剤を加えても、API安定性への影響はないと予想される。Miglyol及び疎水性増粘剤の混合物も良好な安定性の結果を示したが(サンプルA6~A8の結果を参照)、サンプルA8(Miglyol/Aerosil R972)の結果はあまり満足いくものではなかった。
親油性界面活性剤は、APIを強力に分解し、40℃でわずか4週間保存しただけで、APIアッセイ結果の大幅な低下、及び不純物レベルの上昇が観察された(サンプルA9~A12の結果を参照)。
最後に、ソフトゼラチンカプセルシェル成分(A13~A15及びB1)の場合、不純物レベルのわずかな増加がT4週で観察され、8週後に確認された。APIはAnidrisorb85/70中よりもグリセロール中の方が安定しているように見えるが、水を加えることで、Anidrsorb単独で観察されたものと類似したレベルの不純物が生じた。
しかしながら、調べたグリセロール及び水の混合物は10%の水を含んでおり、これは、推定上のソフトゲルカプセル及び水の摂取量の最悪のシナリオを表す。このため、グリセロールが、依然として、APIの分解を制限するために実装する最も有望な可塑剤である。
不純物レベルのわずかな増加も、API/ゼラチンの混合物(5%の水を含む)で観察される。
それにもかかわらず、この試験により、カプセル成分の最悪のシナリオである結果及び条件が記録される。
さらに、試験中、C21ナトリウム塩はシェル成分中に溶解していたが、これは、このような最終製品において活性成分が、本質的に不溶性である疎水性の油ベースの担体に懸濁され、それによりカプセルシェルとの相互作用が極めて制限されることを考えると、本発明の剤形によると発生することのない状況である。
実施例5
本発明の剤形
ロータリーダイカプセル化プロセス(例えば、Pharmaceutics,The Science and Manufacture of Medicines,Aulton et al.(eds.)4th edition(2013)を参照)を用いて、本発明の剤形を作製する。適切な機器は、例えば、Sinagel Technology、Chinaから入手可能である。
C21ナトリウム塩を、上記の実施例3又は4で述べたトリグリセリド媒体のうちの1つ以上に分散させて、懸濁液を得る。
増粘剤(Miglyol812)を懸濁液に加えて、粘度を増加させ、固体C21塩粒子の沈降を減少させ、完全に不均一な懸濁液をもたらす。
この後、ゼラチンを60℃に加熱し、可塑剤(グリセロール)及び少量の水(約5%以下)を、溶かしたゼラチン塊に加える。
溶融ゼラチンを、それが収容されているタンクから、2つの加熱したパイプへ、2つの加熱した散布ボックスを通し、16~20℃に維持した2つの大型の冷却キャスティングドラムに流す。ゲルの2つの平らな固体リボンが形成され、これを、鉱物油で潤滑したローラーの間を通し、カプセル化機構に供給する。
同時に、活性成分の懸濁液を、製品材料タンクからマルチプランジャー容積式充填ポンプに流す。正確に計量した体積の液体充填材料を、ダイロール間を通過する際に、ゼラチンリボン間にくさび(37~40℃に加熱)を通して注入する。
液体の注入により、ゼラチンがダイのポケットの中へと膨張し、カプセルのサイズ及び形状が決まる。リボンを、加熱したくさびを過ぎて流し続け、ダイロールの間でプレスし、ここで、熱(37~40℃)及び圧力を加えることによりカプセルの半分が一緒にシールされる。
カプセルは、ダイによりゼラチンリボンから自動的に切り出され、表面の潤滑油を除去するための洗浄を通して移送される。
次に、カプセルを、回転バスケット、赤外線乾燥機に通した後、トレイに広げて、相対湿度約20%の空気を使用するトンネルコリドーで乾燥プロセスを完了する。
その後、カプセルを、品質について検査し、必要に応じて再度洗浄し、仕様に従って等級分けし、流通のためにパッケージ化する。

Claims (32)

  1. 胃腸管への経口投与に適した医薬剤形であって、前記剤形が、不均質な混合物の形態の医薬組成物を含み、前記不均質な混合物が、N-ブチルオキシカルボニル-3-(4-イミダゾール-1-イルメチルフェニル)-5-イソ-ブチルチオフェン-2-スルホンアミド又はその薬学的に許容される塩の固体粒子を、N-ブチルオキシカルボニル-3-(4-イミダゾール-1-イルメチルフェニル)-5-イソ-ブチルチオフェン-2-スルホンアミド又はその塩が本質的に不溶性である、薬学的に許容される疎水性の脂質ベースの担体に懸濁させたものを含み、前記組成物が、そのような経口投与に適したカプセル内に含まれる、医薬剤形。
  2. 前記カプセルが、ソフトシェルの一体型カプセルである、請求項1に記載の剤形。
  3. 前記カプセルが、ソフトゼラチンカプセルである、請求項2に記載の剤形。
  4. 前記脂質ベースの担体が、主にトリグリセリドで構成される、先行請求項のいずれか一項に記載の剤形。
  5. 前記担体系が、少なくとも約90%のトリグリセリドを含む、請求項4に記載の剤形。
  6. 前記トリグリセリドが、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、エイコセン酸、ベヘン酸、及びエルカ酸の群から選択される1つ以上の脂肪酸を含む、請求項4又は5に記載の剤形。
  7. 前記トリグリセリドが、天然に存在する油又は脂肪である、請求項4~6のいずれか一項に記載の剤形。
  8. 前記天然に存在する油が、ゴマ油、コーン油、パーム核油、ココナツ油、又は大豆油の群から選択される、請求項7に記載の剤形。
  9. 前記トリグリセリドが、半合成又は合成脂質ベースの担体系中にある、請求項4~6のいずれか一項に記載の剤形。
  10. 前記脂質ベースの担体系が、短鎖トリグリセリド又は中鎖トリグリセリドの群から選択される、請求項9に記載の剤形。
  11. 前記脂質ベースの担体系が、トリアセチン又はMiglyol812Nから選択される、請求項10に記載の剤形。
  12. 本質的に水を含まない、先行請求項のいずれか一項に記載の剤形。
  13. N-ブチルオキシカルボニル-3-(4-イミダゾール-1-イルメチルフェニル)-5-イソ-ブチル-チオフェン-2-スルホンアミド又はその薬学的に許容される塩の前記粒子が、約50μm以下の重量及び/又は体積基準の平均直径を有する、先行請求項のいずれか一項に記載の剤形。
  14. 前記懸濁液が、増粘剤をさらに含む、先行請求項のいずれか一項に記載の剤形。
  15. N-ブチルオキシカルボニル-3-(4-イミダゾール-1-イルメチル-フェニル)-5-イソブチルチオフェン-2-スルホンアミドの前記薬学的に許容される塩が、ナトリウム塩である、先行請求項のいずれか一項に記載の剤形。
  16. 先行請求項のいずれか一項に記載の懸濁液の生成のためのプロセスであって、前記プロセスが、
    (a)N-ブチルオキシカルボニル-3-(4-イミダゾール-1-イルメチル-フェニル)-5-イソ-ブチルチオフェン-2-スルホンアミド又はその薬学的に許容される塩の粒子を脂質ベースの担体と混合して、前記懸濁液を形成することと、
    (b)ステップ(a)からの前記懸濁液を、経口投与に適したカプセルに充填することと、を含む、プロセス。
  17. 請求項16に記載のプロセスによって得ることができる、剤形。
  18. 間質性肺疾患の治療に使用するための、請求項1~15又は17のいずれか一項に記載の剤形。
  19. 間質性肺疾患の治療用の医薬の製造のための、請求項1~15又は17のいずれか一項に記載の剤形の使用。
  20. 間質性肺疾患の治療方法であって、請求項1~15又は17のいずれか一項に記載の剤形を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む、治療方法。
  21. 前記間質性肺疾患が特発性肺線維症である、請求項18に記載の使用のための剤形、請求項19に記載の使用、又は請求項20に記載の治療方法。
  22. 前記間質性肺疾患がサルコイドーシスである、請求項18に記載の使用のための剤形、請求項19に記載の使用、又は請求項20に記載の治療方法。
  23. 呼吸器ウイルス誘発性組織損傷の治療に使用するための、請求項1~15又は17のいずれか一項に記載の剤形。
  24. 呼吸器ウイルス誘発性組織損傷の治療用の医薬の製造のための、請求項1~15又は17のいずれか一項に記載の剤形の使用。
  25. 呼吸器ウイルス誘発性組織損傷の治療方法であって、請求項1~15又は17のいずれか一項に記載の剤形を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む、治療方法。
  26. 前記損傷が、呼吸器ウイルスにより引き起こされる気道の粘膜組織の傷害及び/又は機能不全を含む、請求項23に記載の使用のための剤形、請求項24に記載の使用、又は請求項25に記載の治療方法。
  27. 前記呼吸器ウイルスが、コロナウイルス又はインフルエンザウイルスである、請求項26に記載の使用のための剤形、使用、又は治療方法。
  28. 前記呼吸器ウイルスが、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2である、請求項27に記載の使用のための剤形、使用、又は治療方法。
  29. 前記治療が、前記ウイルスによって引き起こされているか、又は引き起こされた前記疾患の症状の治療を含む、請求項23~28のいずれか一項に記載の使用のための剤形、使用、又は治療方法(必要に応じて)。
  30. 前記損傷又は前記疾患の前記症状が、肺、心臓及び/又は腎臓から選択される内臓のうちの1つ以上における咳、呼吸困難、呼吸窮迫、呼吸不全、肺炎、線維症のうちの1つ以上を含む、請求項29に記載の使用のための剤形、使用、又は治療方法。
  31. 前記治療が、関連する状態における罹患及び/又は死亡の予防を含む、請求項18~30のいずれか一項に記載の使用のための剤形、使用、又は治療方法(必要に応じて)。
  32. 前記剤形が、経口経路によって投与される、請求項18~31のいずれか一項に記載の使用のための剤形、使用、又は治療方法(必要に応じて)。
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