JP2023515691A - Egfr、kras、braf、および他の標的の阻害剤およびそれらの使用 - Google Patents

Egfr、kras、braf、および他の標的の阻害剤およびそれらの使用 Download PDF

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Abstract

本明細書では、がんの治療に有用な化合物が提供される。【選択図】なし

Description

EGFR小分子チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)のエルロチニブ、ゲフィチニブ、およびアファチニブは、このクラスの薬物に対する感受性を付与し、民族および性別に応じて患者の7~20%で生じる体細胞変異(L858Rまたはエクソン19での欠失、すなわち、E746~A750)を有する肺腺がんの治療において、単剤として最も成功している(19)。残念ながら、事実上すべての患者が治療に対して耐性を発現するため、反応が1年以上持続することは稀である(20)。第3世代の不可逆的阻害剤であるオシメルチニブ(AZD9291)は、治療未経験の患者ならびに第1世代または第2世代のTKIに対して耐性を獲得した患者の治療に有効である(7)。しかしながら、オシメルチニブによる治療の1年以内に、大多数の患者は、薬剤結合部位であるEGFRのキナーゼドメイン(C797S)に別の変異を発現する(12、21、22)。オシメルチニブ耐性EGFRを標的とするいくつかのアプローチが報告されているが、現時点では、このC797S変異を有するこれらの患者には、TKI治療の選択肢が存在しない(12、13、23)。化学療法が、唯一の選択肢である。
RASファミリーは、3つのメンバー、KRAS、NRAS、およびHRASで構成される。KRASは、ヒトがんにおける単一の最も頻繁に突然変異したがん遺伝子である。KRAS突然変異は、米国で最も難治性の3つのがんタイプ:膵臓がんの95%、結腸直腸がんの45%、および肺がんの35%のうちのいずれか1つを有する患者のがん性細胞に多く見られる。
特に難治性がんにおけるKRAS突然変異の有病率のため、KRAS機能を遮断する治療戦略の開発に集中的な創薬努力が注がれている。これらの努力は、(i)タンパク質-タンパク質(例えば、RAS-Raf)相互作用および共有不可逆的KRAS-G12C阻害の破壊などの直接的な標的化アプローチ、ならびに(ii)原形質膜でのRAS集団の減少および下流エフェクターシグナル伝達タンパク質(例えば、ERKまたはmTOR)の標的化などの間接的な標的化アプローチを含む。多大な努力にもかかわらず、KRAS機能を効果的に遮断する臨床的に実行可能ながん療法は、達成困難なままである。
上記を考慮して、EGFR、KRAS、cMET、BRAF、および/または他の標的を標的とするがん治療薬の必要性が存在する。また、初期使用後に薬剤耐性を発現することなく、がんを治療する治療薬が必要とされている。
本明細書では、がんを治療するための化合物および方法が提供される。より具体的には、EGFR、KRAS、および/またはBRAFのモジュレーター、ならびにそれらの標的、例えば、がんの異常な活性に関連する疾患または障害を治療または予防する際のそのようなモジュレーターが提供される。
本開示は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を提供し、
Figure 2023515691000001
式中、Xは、C1~6アルキレン、C2~6アルケニレン、C2~6アルキニレン、C3~10シクロアルキレン、4~6員複素環、O-C0~6アルキレン、O-C2~6アルケニレン、O-C2~6アルキニレン、O-C3~10シクロアルキレン、O-(4~6員ヘテロシクレン)、S-C0~6アルキレン、S-C2~6アルケニレン、S-C2~6アルキニレン、S-C3~10シクロアルキレン、S-(4~6員ヘテロシクレン)、NR-C0~6アルキレン、NR-C2~6アルケニレン、NR-C2~6アルキニレン、NR-C3~10シクロアルキレン、またはNR-(4~6員ヘテロシクレン)であり、Xは、任意選択的に、Rから独立して選択される1~5個の基で置換され、
Yは、C0~6アルキレン、C3~6アルキニレン、またはC3~6アルキニレンであり、Yが、任意選択的に、ハロ、N(R、およびRから独立して選択される1~3個の基で置換され、
Aは、C6~10アリール、またはN、O、およびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリールであり、Aが、任意選択的に、1~3つのRで置換され、
Bは、C6~10アリール、N、O、およびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール、3~8員シクロアルキル環、またはN、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4~10員複素環であり、Bが、任意選択的に、1~3つのRで置換され、
およびRは、各々独立して、C1~6アルキル、C3~6アルケニル、C3~6アルキニル、もしくはC3~6シクロアルキルであるか、またはRおよびRが、それらが結合している炭素原子とともに、4~8員シクロアルキルもしくは複素環を形成し、前記複素環が、O、S、およびNから選択される1または2個の環ヘテロ原子を有し、前記シクロアルキルまたは複素環が、任意選択的に、1~2つのRで置換され、各Rは、独立して、OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6アルコキシ、フェニル、O-フェニル、ベンジル、O-ベンジル、C3~6シクロアルキル、N、O、およびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する4~10員複素環、もしくはN、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する(O)0~1-5~10員ヘテロアリールであるか、または2つのRが、それらが結合している原子とともに、C3~6シクロアルキル(例えば、C4~6シクロアルケニル)、もしくはN、O、およびSから選択される1個のヘテロ原子を有する4~6員複素環を形成し、
各RおよびRは、独立して、ハロ、NO、オキソ、シアノ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル(例えば、CF、CHF)、C1~4アルコキシ、C1~4ハロアルコキシ(例えば、OCF、OCHF)、C1~4チオアルコキシ、C2~4アルケニル、C2~4アルキニル、CHO、C(=O)R、C(=O)N(R、S(O)0~2、SON(R、NH、NHR、N(R、NRCOR、NRSO、P(=O)(R、C3~6シクロアルキル、N、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する4~10員複素環(例えば、オキセタニル、オキセタニルオキシ、オキセタニルアミノ、オキソラニル、オキソラニルオキシ、オキソラニルアミノ、オキサニルオキサニルオキシ、オキサニルアミノ、オキセパニル、オキセパニルオキシ、オキセパニルアミノ、アゼチジニル、アゼチジニルオキシ、アゼチジルアミノ、ピロリジニル、ピロリジニルオキシ、ピロリジニルアミノ、ピペリジニル、ピペリジニルオキシ、ピペリジニルアミノ、アゼパニル、アゼパニルオキシ、アゼパニルアミノ、ジオキソラニル、ジオキサニル、モルホリノ、チオモルホリノ、チオモルホリノ-S、S-ジオキシ、ピペラジニル、ジオキセパニル、ジオキセパニルオキシ、ジオキセパニルアミノ、オキサゼパニル、オキサゼパニルオキシ、オキサゼパニルアミノ、ジアゼパニル、ジアゼパニルオキシ、またはジアゼパニルアミノ)であり、
各Rは、独立して、H、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C3~6アルケニル、C3~6アルキニル、COOR、CON(R、C0~3アルキレン-C3~8シクロアルキル、C0~3アルキレン-C6~10アリール、C0~3アルキレン-(N、O、およびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する4~10員複素環)、またはC0~3アルキレン-(N、O、およびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員複素環)であり、アリール、複素環、またはヘテロアリールが、任意選択的に、1~3つのRで置換され、
各Rは、独立して、H、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C3~6アルケニル、C3~6アルキニル、C1~4アルコキシ、またはC1~4ハロアルコキシであり、
但し、当該化合物が、WO2019/165358に開示されている化合物(またはその塩)ではないことを条件とする。
さらに、本明細書では、EGFR、KRAS、cMET、および/またはBRAFを調節するために、開示された化合物を使用する方法が提供される。本開示の他の態様は、EGFRの二量体化を阻害するために、開示された化合物を使用する方法、およびEGFRの分解を誘導するために、開示された化合物を使用する方法を含む。場合によっては、方法は、本明細書に開示される化合物を使用してKRASを調節することを含む。場合によっては、方法は、本明細書に開示される化合物を使用してcMETを調節することを含む。場合によっては、方法は、本明細書に開示される化合物を使用してBRAFを調節することを含む。
本開示の他の態様は、対象におけるEGFR、KRAS、cMET、および/またはBRAFの異常な活性に関連する疾患または障害を治療または予防するための医薬品の調製に使用するための、本明細書に開示される化合物を含む。
小分子および抗体を使用して発がん性タンパク質のキナーゼ活性を阻害することは、抗がん剤開発の取り組みの要であり、その結果、いくつかのFDA承認のがん治療がもたらされたが、キナーゼを標的とした薬剤の臨床効果には一貫性が見られなかった。EGFRは、チロシンキナーゼ活性に添加して、足場機能を有することが示されている。これは、EGFRのキナーゼデッド(KD)変異体(例えば、K745A、V741G、およびY740F)を発現させるか、ErbB3(キナーゼ活性を有しない)を発現させるかのいずれかによって、これらの受容体を発現しないBa/F3細胞において実証されている。これらのキナーゼ欠損変異体の発現は、細胞生存を促進し、これらの受容体がおそらく二量体を形成することによって生存シグナルを伝達できることを示し、EGFRがキナーゼ活性以外の機能を有することを示唆する。
EGFR二量体は、単量体と比較して、比較的安定であることが知られている。二量体は、下流の分裂促進的なシグナル伝達を生成することができる。理論に縛られることなく、EGFRの二量体化を遮断すると、EGFRの分解が加速され、このアプローチが、TKI耐性のEGFRで駆動される腫瘍に対して効果的であることが仮定される。簡単に言えば、EGFRキナーゼドメインのcローブのαCヘリックスおよびβ4シートとnローブのhヘリックスとの間に位置するEGFRのキナーゼドメイン内のセグメントを介した二量体の形成によって、EGFが結合したEGFR(すなわち、ほとんどの腫瘍で広く見られるリン酸化されたEGFR)のタンパク質安定性が調節されることが実証された。正常細胞でのEGFRタンパク質安定性は、EGFの非存在下では、EGFRが非対称二量体を形成しないために、この二量体の界面によって主に調節されているのではない。腫瘍細胞と正常細胞との間のこの違いは、新しい標的化可能なタンパク質-タンパク質相互作用を提供する。
このアイデアを試験するために、この結合表面を模倣する十数のペプチドが生成された。EGFRのαC-β4ループ由来の6つのアミノ酸を含有する最も効果的なペプチドは、ディスラプチン(Disruptin)と命名された。ディスラプチンは、EGF誘導EGFR二量化を阻害することができる。このペプチドは、EGFRに直接結合し、この結合は、対照(スクランブルされた)ペプチドと比較して、反復したHEPES洗浄によって有意に影響されない。ディスラプチンは、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)耐性の肺異種移植モデルでは効果的であるが、ヒトにおけるペプチドの送達は困難なままである。
本明細書では、EGFRを調節する化合物、例えば、EGFR二量体化を遮断し、EGFR分解を誘導し、EGFR駆動性の細胞を死滅させる化合物、が提供される。これらの化合物は、様々な疾患および障害の予防または治療、例えばがんの治療、に有用である。
このように、式Iの構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩が本明細書で提供され、
Figure 2023515691000002
式中、Xは、C1~6アルキレン、C2~6アルケニレン、C2~6アルキニレン、C3~10シクロアルキレン、4~6員複素環、O-C0~6アルキレン、O-C2~6アルケニレン、O-C2~6アルキニレン、O-C3~10シクロアルキレン、O-(4~6員ヘテロシクレン)、S-C0~6アルキレン、S-C2~6アルケニレン、S-C2~6アルキニレン、S-C3~10シクロアルキレン、S-(4~6員ヘテロシクレン)、NR-C0~6アルキレン、NR-C2~6アルケニレン、NR-C2~6アルキニレン、NR-C3~10シクロアルキレン、またはNR-(4~6員ヘテロシクレン)であり、Xは、任意選択的に、Rから独立して選択される1~5個の基で置換され、
Yは、C0~6アルキレン、C3~6アルケニレン、またはC3~6アルキレンであり、Yは、任意選択的に、ハロ、N(R、およびRから独立して選択される1~3個の基で置換され、
Aは、C6~10アリール、またはN、O、およびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリールであり、Aは、任意選択的に、1~3つのRで置換され、
Bは、C6~10アリール、N、O、およびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール、3~8員シクロアルキル環、またはN、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4~10員複素環であり、Bが、任意選択的に、1~3つのRで置換され、
およびRは、各々独立して、C1~6アルキル、C3~6アルケニル、C3~6アルキニル、もしくはC3~6シクロアルキルであるか、またはRおよびRは、それらが結合している炭素原子とともに、4~8員シクロアルキルもしくは複素環を形成し、複素環が、O、S、およびNから選択される1または2個の環ヘテロ原子を有し、当該シクロアルキルまたは複素環が、任意選択的に、1~2つのRで置換され、各Rは、独立して、OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6アルコキシ、フェニル、O-フェニル、ベンジル、O-ベンジル、C3~6シクロアルキル、N、O、およびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する4~10員複素環、もしくはN、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する(O)0~1-5~10員ヘテロアリールであるか、または2つのRが、それらが結合している原子とともに、C3~6シクロアルキル(例えば、C4~6シクロアルケニル)、もしくはN、O、およびSから選択される1個のヘテロ原子を有する4~6員複素環を形成し、
各RおよびRは、独立して、ハロ、NO、オキソ、シアノ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル(例えば、CF、CHF)、C1~4アルコキシ、C1~4ハロアルコキシ(例えば、OCF、OCHF)、C1~4チオアルコキシ、C2~4アルケニル、C2~4アルキニル、CHO、C(=O)R、C(=O)N(R、S(O)0~2、SON(R、NH、NHR、N(R、NRCOR、NRSO、P(=O)(R、C3~6シクロアルキル、N、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する4~10員複素環(例えば、オキセタニル、オキセタニルオキシ、オキセタニルアミノ、オキソラニル、オキソラニルオキシ、オキソラニルアミノ、オキサニルオキサニルオキシ、オキサニルアミノ、オキセパニル、オキセパニルオキシ、オキセパニルアミノ、アゼチジニル、アゼチジニルオキシ、アゼチジルアミノ、ピロリジニル、ピロリジニルオキシ、ピロリジニルアミノ、ピペリジニル、ピペリジニルオキシ、ピペリジニルアミノ、アゼパニル、アゼパニルオキシ、アゼパニルアミノ、ジオキソラニル、ジオキサニル、モルホリノ、チオモルホリノ、チオモルホリノ-S、S-ジオキシド、ピペラジニル、ジオキセパニル、ジオキセパニルオキシ、ジオキセパニルアミノ、オキサゼパニル、オキサゼパニルオキシ、オキサゼパニルアミノ、ジアゼパニル、ジアゼパニルオキシ、またはジアゼパニルアミノ)であり、
各Rは、独立して、H、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C3~6アルケニル、C3~6アルキニル、COOR、CON(R、C0~3アルキレン-C3~8シクロアルキル、C0~3アルキレン-C6~10アリール、C0~3アルキレン-(N、O、およびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する4~10員複素環)、またはC0~3アルキレン-(N、O、およびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員複素環)であり、アリール、複素環、またはヘテロアリールが、任意選択的に、1~3つのRで置換され、
各Rは、独立して、H、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C3~6アルケニル、C3~6アルキニル、C1~4アルコキシ、またはC1~4ハロアルコキシであり、
但し、当該化合物が、WO2019/165358に開示されている化合物(またはその塩)ではないことを条件とする。
様々な実施形態では、各RおよびRは、独立して、C1~6アルキルである。一部の実施形態では、各RおよびRは、メチルである。
様々な実施形態では、RおよびRは、それらが結合している炭素原子とともに、4~8員シクロアルキルまたは複素環を形成する。一部の実施形態では、RおよびRは、それらが結合している炭素原子とともに、5もしくは6員シクロアルキルまたは複素環を形成する。一部の実施形態では、RおよびRは、それらが結合している炭素原子とともに、シクロヘキシル環を形成する。
様々な実施形態では、RおよびRは、それらが結合している炭素原子とともに、以下の構造:
Figure 2023515691000003
を有する複素環を形成し、式中、*は、式Iの化合物の残部との結合点を示す。一部の実施形態では、Rは、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、(C=O)R、(C=O)OR、CON(R、C0~3アルキレン-C3~8シクロアルキル、C0~3アルキレン-C6~10アリール、またはC0~3アルキレン-(N、O、およびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール)であり、アリールまたはヘテロアリールは、任意選択的に、1~3つのRで置換される。一部の実施形態では、Rは、C1~6アルキル、(C=O)R、(C=O)OR、またはCON(Rである。一部の実施形態では、Rは、C1~6アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、またはイソペンチルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。一部の実施形態では、Rは、重水素化されている。一部の実施形態では、Rは、C1~6ハロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、3,3,3-トリフルオロプロピルである。一部の実施形態では、Rは、C0~3アルキレン-C3~8シクロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。一部の実施形態では、Rは、シクロブチルまたはシクロペンチルである。一部の実施形態では、Rは、C0~3アルキレン-C6~10アリールである。一部の実施形態では、Rは、ベンジルである。一部の実施形態では、Rは、C0~3アルキレン-(N、O、およびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール)であり、ヘテロアリールは、任意選択的に、1~3つのRで置換される。一部の実施形態では、Rは、Cアルキレン-(N、O、およびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール)であり、ヘテロアリールは、任意選択的に、1~3つのRで置換される。一部の実施形態では、Rは、C0~3アルキレン-(N、O、およびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール)であり、ヘテロアリールは、1~3つのRで置換される。一部の実施形態では、Rは、C0~3アルキレン-(N、O、およびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール)であり、ヘテロアリールは、非置換である。一部の実施形態では、R
Figure 2023515691000004
である。
様々な実施形態では、Aは、C6~10アリールである。一部の実施形態では、Aは、フェニルである。
様々な実施形態では、Bは、C6~10アリールである。一部の実施形態では、Bは、フェニルである。様々な実施形態では、Bは、N、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリールである。一部の実施形態では、Bは、ピリジニルである。一部の実施形態では、Bは、キノリニルである。様々な実施形態では、Bは、3~8員シクロアルキルである。一部の実施形態では、Bは、5員または6員シクロアルキルである。
一部の実施形態では、Aは、1つのRで置換されている。一部の実施形態では、Aは、構造:
Figure 2023515691000005
を有する。一部の実施形態では、Aは、2つのRで置換されている。一部の実施形態では、少なくとも1つのRは、C1~6アルキルである。一部の実施形態では、少なくとも1つのRは、メチルである。一部の実施形態では、少なくとも1つのRは、ハロである。一部の実施形態では、Rは、ブロモである。一部の実施形態では、少なくとも1つのRは、C1~6アルコキシである。一部の実施形態では、少なくとも1つのRは、メトキシである。
一部の実施形態では、Bは、1つのRで置換されている。一部の実施形態では、Bは、2つのRで置換されている。一部の実施形態では、Bは、構造
Figure 2023515691000006
を有する。一部の実施形態では、少なくとも1つのRは、ハロである。一部の実施形態では、少なくとも1つのRは、フルオロまたはクロロである。一部の実施形態では、一方のRはフルオロであり、他方のRはクロロである。一部の実施形態では、少なくとも1つのRは、C1~6アルコキシである。一部の実施形態では、少なくとも1つのRは、メトキシである。一部の実施形態では、一方のRはハロであり、他方のRはC1~6アルコキシである。一部の実施形態では、一方のRはクロロであり、他方のRはメトキシである。
一部の実施形態では、各RおよびRは、独立して、C1~6アルキル、ハロ、またはC1~6アルコキシである。一部の実施形態では、Rは、C1~6アルキル、(C=O)R、(C=O)OR、またはCON(Rである。
様々な実施形態では、Xは、O-C0~6アルキレンまたはS-C0~6アルキレンである。一部の実施形態では、Xは、S-C0~6アルキレンである。一部の実施形態では、Xは、O、S、O-CH-、またはS-CH-である。様々な実施形態では、Yは、C0~2アルキレンである。一部の実施形態では、Yは、なしまたはCHである。一部の実施形態では、Xは、NR-CH、O-CH-、またはS-CH-であり、Yは、ない。一部の実施形態では、Xは、NR-CH、O-CH-、またはS-CH-であり、Yは、CHである。一部の実施形態では、Rは、Hである。
様々な実施形態では、Xは、C1~6アルキレンである。様々な実施形態では、Xは、C2~6アルケニレンまたはC2~6アルキニレンである。様々な実施形態では、Yは、C0~2アルキレンである。一部の実施形態では、Yは、ヌルまたはCHである。様々な実施形態では、Yは、C3~6アルケニレンまたはC3~6アルキニレンである。
本明細書で使用される場合、元素への言及は、記載または化学構造によるものであるかを問わず、別段の記載がない限り、その元素のすべての同位体を包含する。例として、本明細書で使用される化学構造における用語「水素」または「H」は、特定の同位体を使用することによっての別段の指示がない限り、例えば、Hだけでなく、重水素(H)、トリチウム(H)、およびそれらの混合物も包含すると理解される。同位体が包含される元素の他の特定の非限定的な例には、炭素、リン、ヨウ素、およびフッ素が含まれる。
1つ以上のキラル中心を有する本明細書に開示される任意の化合物において、絶対立体化学が明示的に示されない場合、各中心は、独立して、R配置またはS配置またはそれらの混合物であり得ることが理解される。したがって、本明細書で提供される化合物は、鏡像異性的に純粋であるか、または立体異性混合物であり得る。さらに、本明細書で提供される化合物は、スケールミック混合物であってもよい。さらに、2つ以上のキラル中心を有する本明細書に開示される任意の化合物において、その化合物のすべてのジアステレオマーが包含される。さらに、EまたはZとして定義できる幾何異性体を生成する1つ以上の二重結合を有する任意の化合物において、各二重結合は、独立して、EまたはZまたはそれらの混合物であり得ることが理解される。同様に、すべての互変異性型が含まれることも意図されている。
定義
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、1~30個の炭素原子、例えば1~20個の炭素原子、または1~10個の炭素原子を含有する直鎖状および分枝状の飽和炭化水素基を指す。Cという用語は、アルキル基が「n」個の炭素原子を有することを意味する。例えば、Cアルキルは、4個の炭素原子を有するアルキル基を指す。C~Cアルキルとは、全範囲(例えば、1~7個の炭素原子)、ならびにすべてのサブグループ(例えば、1~6、2~7、1~5、3~6、1、2、3、4、5、6、および7個の炭素原子)を包含する炭素原子数を有するアルキル基を指す。アルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル(2-メチルプロピル)、t-ブチル(1,1-ジメチルエチル)、3,3-ジメチルペンチル、および2-エチルヘキシルが挙げられる。別途指示されない限り、アルキル基は、非置換アルキル基または置換アルキル基であり得る。
本明細書で使用される「アルキレン」という用語は、置換基を有するアルキル基を指す。例えば、アルキレン基は、-CHCH-または-CH-であり得る。Cという用語は、アルキレン基が「n」個の炭素原子を有することを意味する。例えば、C1~6アルキレンとは、「アルキル」基について前述されるように、全範囲ならびにすべてのサブグループを包含する炭素原子数を有するアルキレン基を指す。別途指示されない限り、アルキレン基は、非置換アルキレン基または置換アルキレン基であり得る。「アルケニレン」および「アルキニレン」は同様に定義されるが、アルケンまたはアルキン基についてのものである。
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、3~8個の炭素原子(例えば、3、4、5、6、7、または8個の炭素原子)を含有する環状炭化水素基を指す。Cという用語は、シクロアルキル基が「n」個の炭素原子を有することを意味する。例えば、Cシクロアルキルとは、環内に5個の炭素原子を有するシクロアルキル基を指す。C~Cシクロアルキルとは、全範囲(例えば、6~8個の炭素原子)、ならびにすべてのサブグループ(例えば、6~7、7~8、6、7、および8個の炭素原子)を包含する炭素原子数を有するシクロアルキル基を指す。シクロアルキル基の非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。別途指示されない限り、シクロアルキル基は、非置換シクロアルキル基または置換シクロアルキル基であり得る。本明細書に記載のシクロアルキル基は、孤立していても、または別のシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基および/もしくはヘテロアリール基と縮合していてもよい。特に明記しない限り、ヘテロシクロアルキル基が、別のヘテロシクロアルキル基と縮合している場合、各々のヘテロシクロアルキル基は、3~8個の炭素原子を含有することができる。別途指示されない限り、シクロアルキル基は、非置換または置換であり得る。
本明細書で使用される場合、「複素環」という用語は、環が、独立して、酸素、窒素、および硫黄から選択される1~3個のヘテロ原子を含むことを除いて、シクロアルキルと同様に定義される。特に、「複素環」という用語は、1、2または3個の環原子が、酸素、窒素、および硫黄からなる群から独立して選択されるヘテロ原子であり、環の残りの原子が炭素原子である、合計3~12個の原子(例えば、3~8、5~8、3~6、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12個)を含有する単環または融合二環式環を指す。ヘテロシクロ基の非限定的な例としては、ピペルジン、ピラゾリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロフラン、モルホリンなどが挙げられる。本明細書に記載の複素環基は、孤立していても、または別のヘテロシクロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、および/もしくはヘテロアリール基と縮合していてもよい。別途指示されない限り、複素環基は、非置換であっても置換されていてもよい。
シクロアルキル基および複素環基は、非芳香族であるが、部分不飽和環であってもよく、任意選択的に、例えば、アルキル、アルキレンOH、C(O)NH、NH、オキソ(=O)、アリール、アルキレンハロ、ハロ、およびOHから独立して選択される1~5個または1~3個の基で置換されていてもよい。複素環基は、任意選択的に、アルキル(例えば、メチルまたはエチル)、アルキレン-OH、アルキレンアリール、およびアルキレンヘテロアリールで、さらにN-置換されていてもよい。特定の複素環基およびシクロアルキル基についての他の置換は、本明細書に記載されている。
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、6~10個の環原子を有する単環式または二環式芳香族基を指す。別途指示されない限り、アリール基は、非置換であってもよく、または例えば、ハロ、アルキル、アルケニル、OCF、NO、CN、NC、OH、アルコキシ、アミノ、COH、COアルキル、アリール、およびヘテロアリールから独立して選択される1個以上、特に、1~5個、または1~4個または1~3個の基で置換されていてもよい。アリール基は、孤立していても(例えば、フェニル)、またはシクロアリール基(例えば、テトライドロナフチル)、複素環基、および/もしくはヘテロアリール基と縮合していてもよい。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、合計5~10個の環原子を有し、芳香環中の窒素、酸素、および硫黄原子から選択される1~4個のヘテロ原子を含有する、単環式または二環式の芳香環を指す。別途指示されない限り、ヘテロアリール基は、非置換、または例えば、ハロ、アルキル、アルケニル、OCF、NO、CN、NC、OH、アルコキシ、アミノ、COH、COアルキル、アリール、およびヘテロアリールから選択される1つ以上、特に、1~4個の置換基で置換され得る。場合によっては、ヘテロアリール基は、アルキル基およびアルコキシ基のうちの1つ以上で置換されている。ヘテロアリール基の例としては、チエニル、フリル、ピリジル、ピロリル、オキサゾリル、トリアジニル、トリアゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、チアゾリル、およびチアジアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」または「アルコキシル」という用語は、「-O-アルキル」基を指す。アルコキシまたはアルコキシル基は、非置換であっても、置換されていてもよい。
本明細書で使用される場合、「ハロ」は、F、Cl、I、またはBrを指す。
本明細書で使用される場合、「治療上有効量」という用語は、特定の疾患または状態(例えば、がん)のうちの1つ以上の症状を改善、減弱または排除する、あるいは特定の疾患または状態の1つ以上の症状の発症を予防または遅延する化合物または治療的活性化合物の組み合わせの量を意味する。
本明細書で使用される場合、「患者」および「対象」という用語は、互換的に使用され、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、およびヒツジ(例えば、非ヒト動物)およびヒトなどの動物を意味する。特定の患者または対象は、哺乳動物(例えば、ヒト)である。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という用語は、本開示の化合物などの参照物質、または化合物もしくは特定の賦形剤を含む製剤であり、患者もしくは対象への投与に安全で好適であることを意味する。「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、活性成分の生物学的活性の有効性を妨げず、それが投与される宿主に対して毒性がない媒体を指す。
本明細書に開示される化合物は、薬学的に許容される塩であり得る。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、正しい医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を伴うことなく、ヒトおよび下等動物の組織との接触での使用に好適であり、妥当な利益/リスク比に相応する塩を指す。薬学的に許容される塩は、当該技術分野で周知である。例えば、S.M.Bergeらは、参照によって本明細書に組み込まれるJ.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1-19において、薬学的に許容される塩を詳細に記載している。本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、好適な無機および有機酸および塩基に由来するものが含まれる。薬学的に許容される非毒性酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸などの無機酸、または酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、もしくはマロン酸などの有機酸で形成されるか、またはイオン交換などの当該技術分野で使用される他の方法を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩(camphorate)、樟脳スルホン酸塩(camphorsulfonate)、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが含まれる。カルボン酸または他の酸性官能基を含む化合物の塩は、好適な塩基と反応させることによって調製され得る。かかる塩には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム塩、アンモニウム、N(C1~4アルキル)塩、および有機塩基の塩、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、ピリジン、ピペリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルアミン、ビス-(2-ヒドロキシエチル)アミン、トリ-(2-ヒドロキシエチル)アミン、プロカイン、ジベンジルピペリジン、デヒドロアビエチルアミン、N,N’-ビスデヒドロアビエチルアミン、グルカミン、N-メチルグルカミン、コリジン、キニン、キノリン、ならびにリジンおよびアルギニンなどの塩基性アミノ酸が含まれるが、これらに限定されない。本発明は、本明細書に開示される化合物の任意の塩基性窒素含有基の四級化も企図する。水溶性もしくは油溶性または分散性産生物は、かかる四級化によって得られ得る。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれる。さらなる薬学的に許容される塩には、適切な場合、非毒性のアンモニウム、四級アンモニウム、および対イオンを使用して形成されるアミンカチオン、例えば、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、およびアリールスルホン酸塩などが含まれる。
本明細書で使用される場合、「治療すること」、「治療する」、または「治療」などの用語は、予防的(preventative)(例えば、予防的(prophylactic))および緩和的な治療を含む。
本明細書で使用される場合、「賦形剤」という用語は、活性医薬成分(API)以外の、薬学的に許容される添加剤、担体、希釈剤、アジュバント、または他の成分を意味する。
本開示の化合物の合成
本明細書に開示される化合物は、市販の出発物質、文献で知られている化合物を使用して、または容易に調製された中間体から、当業者に既知のまたは本明細書の教示に照らした標準的な合成方法および手順を採用することによって、様々な方法で調製することができる。本明細書に開示される化合物の合成は、一般に、実施例の節に記載されている合成スキームに従い、特定の所望の置換基を変更することにより達成することができる。
有機分子の調製ならびに官能基の変換および操作のための標準的な合成方法ならびに手順は、関連する科学文献または当分野の標準的な教科書から得ることができる。1つまたはいくつかのソースに限定されることはないが、定評のある著作、例えば、Smith,M.B.,March,J.,March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,5th edition,John Wiley & Sons:New York,2001、およびGreene,T.W.,Wuts,P.G.M.,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd edition,John Wiley & Sons:New York,1999は、有用で認知された有機合成の参考教科書であり、当業者に既知である。合成方法の以下の説明は、本開示の化合物の調製のための一般的な手順を示すことを意図するもので、限定するためのものではない。
本明細書に開示される合成プロセスは、多種多様な官能基を許容することができ、したがって、様々な代替出発物質を使用することができる。プロセスは、一般に、プロセス全体の最後またはその近くで所望の最終化合物を提供するが、場合によっては、化合物をその薬学的に許容される塩にさらに変換することが望ましいことがある。
一般に、式(I)の化合物は、スキーム1に従って合成することができる。
Figure 2023515691000007
構造cを有する化合物は、スキーム1に示される手順を使用して合成することができる。置換された2,5-ジヒドロイミダゾール誘導体aと、例えばアセトニトリルなどの適切な溶媒中のアミド化合物bとの反応により、本明細書に記載の化合物、すなわち、構造cを有する式(I)の化合物が生成される。アミド化合物bは、基Qの性質に基づいて選択された適切な脱離基LG、例えば、ハロゲンまたはトシレートを含む。構造cを有する化合物の適切なさらなる誘導体化反応は、置換基R、R、A、Y、およびBの性質に基づいて、選択することができる。
化合物aとbのカップリングは、化合物aとbの正確な性質に基づいて選択された適切な試薬によって触媒される。例えば、化合物bのLGがハロゲンである場合(例えば、LGがクロロである場合)、化合物aおよびbのカップリングは、塩基、例えば、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムによって触媒され得る。時には、カップリング反応に、触媒が必要でないこともある。
時には、構造bを有する化合物とカップリングする前に、適切な試薬で処理することによって、O、S、およびNRから選択されるQを有する化合物aは、O、S、およびNRからなる群の異なるメンバーから選択されるQを有する化合物に変換することができる。例えば、Q=Oの構造aを有する化合物は、例えばローソン試薬または五硫化二リンのような硫化試薬での処理によって、Q=Sの構造aを有する化合物に変換することができる。次いで、そのような化合物を構造bを有する化合物とカップリングして、本明細書に記載の化合物、すなわち、構造cを有する式(I)の化合物を生成することができる。
化合物aおよびbは、市販で購入するか、または市販の出発物質から様々な方法で調製することができる。例えば、構造bを有するアミド化合物は、例えば、アシルクロリドとアミンとの反応によって調製することができる。
構造cを有する化合物を本明細書に開示される他の化合物に変換する、さらなる誘導体化反応は、化合物cにおける置換基R、R、A、Y、およびB、ならびに誘導体化合物において望ましい官能基の性質に基づいて、選択することができる。例えば、RおよびRは、それらが結合している炭素原子とともに、当該技術分野で既知の方法(例えば、メチル化、保護基の付加など)によりさらに誘導体化が可能なヘテロシクロ環、例えばピペリジン環、を形成して、本明細書に記載の式(I)の様々な他の化合物を形成することができる。
薬学的製剤、投薬、および投与経路
本明細書に記載の化合物(例えば、式Iの化合物、またはその医薬的に許容される塩)および薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的製剤がさらに提供される。
本明細書に記載の化合物は、治療上有効量(例えば、異常なEGFR、KRAS、BRAF、および/またはcMETに関連する疾患または障害の症状を予防または緩和するのに十分な量)で対象に投与され得る。化合物は、単独で、または薬学的に許容される組成物もしくは製剤の一部として、投与され得る。加えて、化合物は、一度に投与されても、複数回投与されても、またはある期間にわたって実質的に一様に送達されてもよい。化合物の用量が、経時的に変化し得ることにも留意されたい。
特定の対象に対する特定の投与レジメンは、化合物、投与される化合物の量、投与経路、ならびに任意の副作用の原因および程度に部分的に依存するであろう。本開示による対象(例えば、ヒトなどの哺乳動物)に投与される化合物の量は、妥当な時間枠にわたって所望の応答をもたらすのに十分でなければならない。投与量は、典型的には、投与の経路、タイミング、および頻度に依存する。したがって、臨床医は、投与量の力価を定め、最適な治療効果を得るために投与経路を修正する。従来の範囲探索の技術は、当業者に既知である。
単に例示として、この方法は、上記の要因に応じて、例えば、約0.1mg/kg~約100mg/kgの本明細書に記載の化合物を投与することを含む。他の実施形態では、投与量は、1mg/kg~約100mg/kg、または5mg/kg~約100mg/kg、または10mg/kg~約100mg/kgの範囲である。ある状況では、長期の治療を必要とし、より低い用量の化合物を、複数回にわたって投与することを伴う場合もあるか、または伴わない場合もある。所望の場合、化合物の用量は、1日を通して適切な間隔で別個に、2、3、4、5、6、またはそれ以上のサブ用量(sub-dose)として、任意選択的に単位剤形で、投与される。治療期間は、特定の状態に応じ、1日~数ヶ月間続き得る。
本明細書に開示される化合物(例えば、式(I)の化合物)を含む医薬組成物のような生理学的に許容される組成物を投与する好適な方法は、当技術分野で周知である。2つ以上の経路を使用して化合物を投与することができるが、特定の経路は別の経路よりも迅速かつ効果的な反応を提供し得る。状況に応じて、本化合物を含む医薬組成物は、体腔に適用もしくは滴下注入され、皮膚もしくは粘膜を通じて吸収され、摂取され、吸入され、および/または循環中に導入される。例えば、ある特定の状況では、薬剤を含む医薬組成物を、経口で、注射を通じて、または静脈内、腹腔内、脳内(実質内)、脳室内、筋肉内、眼内、動脈内、門脈内、病巣内、髄内、髄腔内、心室内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸内、局所、舌下、尿道、膣内、もしくは直腸のうちの1つの手段より、送達することが望ましい。化合物は、徐放システムによって、または埋め込みデバイスによって投与することができる。
投与を容易にするために、化合物は、様々な態様では、担体(例えば、ビヒクル、アジュバント、または希釈剤)を含む生理学的に許容される組成物に製剤化される。採用される特定の担体は、溶解度および化合物との反応性の欠如などの化学物理的考慮事項、ならびに投与経路のみによって制限される。生理学的に許容される担体は、当該技術分野で周知である。注射可能物の使用に好適な例示的薬学的形態には、滅菌水溶液または分散液、および注射可能な滅菌溶液または分散液の即時調製用の滅菌粉末が含まれる(例えば、米国特許第5,466,468号を参照されたい)。注射可能な製剤は、例えば、Pharmaceutics and Pharmacy Practice,J.B.Lippincott Co.,Philadelphia.Pa.,Banker and Chalmers,eds.,pages 238-250(1982)、およびASHP Handbook on Injectable Drugs,Toissel,4th ed.,pages 622-630(1986))にさらに記載されている。化合物を含む薬学的組成物は、一態様では、かかる薬学的組成物の使用に関する指示を提供するパッケージング材料とともに、容器内に配置される。一般に、かかる指示には、試薬濃度、ならびにある特定の実施形態では、薬学的組成物を再構成するのに必要であり得る賦形剤成分または希釈剤(例えば、水、生理食塩水、またはPBS)の相対量を説明する具体的な表現が含まれる。
非経口注射に好適な組成物は、生理学的に許容される滅菌水性もしくは非水性溶液、分散液、懸濁液、または乳濁液、および注射可能な滅菌溶液または分散液に再構成するための滅菌粉末を含み得る。好適な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒、またはビヒクルの例としては、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールなど)、それらの好適な混合物、植物油(オリーブ油など)、およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング剤の使用によって、分散液の場合には必要な粒径の維持によって、かつ界面活性剤の使用によって維持され得る。
これらの組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤などのアジュバントも含有し得る。微生物汚染は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを添加することによって防止され得る。また、等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウムなどを含むことが望ましい場合もある。注射可能な医薬組成物の長期な吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によってもたらされ得る。
経口投与用の固体剤形には、カプセル剤、錠剤、粉剤、および顆粒剤が含まれる。かかる固体剤形では、活性化合物は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1つの通例の不活性賦形剤(もしくは担体)、または(a)充填剤または増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、マンニトール、およびケイ酸、(b)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシア、(c)保湿剤、例えば、グリセロール、(d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定の複合ケイ酸塩、および炭酸ナトリウム、(a)溶解遅延剤、例えば、パラフィン、(f)吸収促進剤、例えば、四級アンモニウム化合物、(g)湿潤剤、例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール、(h)吸着剤、例えば、カオリンおよびベントナイト、(i)滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、またはそれらの混合物と混合される。カプセル剤および錠剤の場合、剤形は、緩衝剤も含み得る。同様のタイプの固体組成物を、賦形剤、例えば、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどを使用して、軟および硬充填ゼラチンカプセル剤中の充填剤として使用することもできる。
錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤などの固体剤形は、コーティングおよびシェル、例えば、腸溶性コーティングおよび当該技術分野で周知の他のものを用いて調製され得る。固体剤形は、乳白剤も含み得る。さらに、固体剤形は、それらが活性化合物(複数可)を腸管のある特定の部分に遅延様式で放出するように、包埋組成物であり得る。使用され得る包埋組成物の例は、ポリマー物質およびワックスである。本活性化合物は、任意選択的に、1つ以上の賦形剤を含むマイクロカプセル化形態でもあり得る。
経口投与用の液体剤形には、薬学的に許容される乳濁液、溶剤、懸濁液、シロップ剤、およびエリキシル剤が含まれる。本活性化合物に加えて、液体剤形は、当該技術分野で一般に使用される不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ソルビタンのポリエチレングリコールおよび脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物などを含有し得る。
かかる不活性希釈剤に加えて、本組成物は、アジュバント、例えば、湿潤剤、乳化剤、および懸濁化剤、甘味剤、香味剤、ならびに芳香剤も含み得る。懸濁液は、本活性化合物に加えて、懸濁化剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、およびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、ならびにトラガカント、またはこれらの物質の混合物などを含有し得る。
製剤化されると、溶液は、投与製剤に適合する方法で、治療的に有効な量で投与される。製剤は、注射液、薬物放出カプセルなどの様々な剤形で容易に投与される。例えば、水溶液での非経口投与の場合、必要に応じて溶液を好適に緩衝し、液体希釈剤を十分な生理食塩水またはグルコースで最初に等張にする必要がある。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下、および腹腔内投与に特に好適である。
人体に対して実施される方法の特許を禁止する管轄区域においては、組成物のヒト対象への「投与」の意味は、ヒト対象が任意の手法(例えば、経口、吸入、局所適用、注射、挿入など)で自己投与するであろう調整された物質を処方することに限定されるものとする。特許可能な主題を定義する法律または規制に則った最も広い合理的な解釈が意図されている。人体に対して実施される方法の特許を禁止しない管轄区域では、組成物の「投与」は、人体に対して実施される方法と前述の活動の両方を含む。
使用方法
本明細書に記載の化合物は、EGFR、KRAS、cMET、および/またはBRAFを調節することができる。一部の実施形態では、化合物は、EGFRの二量体化を阻害する。様々な実施形態では、化合物は、EGFRの分解を誘導する。一部の実施形態では、化合物は、KRASを阻害する。様々な実施形態では、化合物は、cMETを阻害する。一部の実施形態では、化合物は、BRAFを阻害する。
EGFRはがん遺伝子およびがんの重要な分子標的として明確に特定されているが、依然として、このがん遺伝子の活性を調節するための改善されたアプローチに対する多大な必要性および機会が存在する。二量体化を遮断する細胞透過性ペプチド(ディスラプチン)またはsiRNAを使用して、EGFR分解が、TKI耐性細胞でさえ、細胞生存に対して大きな効果を有することが示されている。
EGFRのキナーゼ活性を単に阻害するのではなく、EGFRを分解するアプローチは、非小細胞肺がんの患者で常に発症するオシメルチニブに対する耐性を克服する。この用途の焦点は肺がんであるものの、追加的かつ重要な臨床の機会は、頭頸部がん、結腸直腸がん、膠芽腫などのEGFRによって駆動される他のがんにも存在する。したがって、腫瘍における腫瘍性タンパク質の標的化された選択的な分解は、キナーゼ活性の阻害を超える新しいメカニズムを表し、このアプローチは、他の発がん性タンパク質に適用できる可能性がある。
本明細書に開示される化合物は、異常なEGFR活性に起因する疾患または障害の治療または予防に特に有利である。
本明細書で使用される場合、「異常なEGFR活性」は、上皮成長因子受容体(EGFR)の突然変異および過剰発現に関連する活性を指す。そのような変異と過剰発現は、様々ながんの発症と関連している(Shan et al.,Cell 2012,149(4)860-870)。
EGFRの生物学的役割の重要性を考慮すると、本開示の化合物は、様々な状況における多くの用途に有用である。例えば、最も単純には、本開示の活性剤は、細胞におけるEGFRの二量体化を阻害するために有用である。これに関して、本開示は、細胞におけるEGFRの二量体化を阻害する方法を提供する。本方法は、二量体化を阻害するのに有効な量で、細胞を、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む。一部の態様では、細胞は、インビトロもしくはエクスビボの細胞培養物、またはインビトロもしくはエクスビボの組織サンプルの一部である。一部の態様では、細胞は、インビボの細胞である。特定の実施形態では、方法は、研究目的を意図しており、他の実施形態では、方法は、治療目的を意図している。
EGFR二量体化の阻害は、EGFR分解の増加につながる。したがって、本開示は、細胞におけるEGFR分解を増加させる方法をさらに提供する。この方法は、分解を増加させるのに有効な量で、細胞を、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む。一部の態様では、細胞は、インビトロもしくはエクスビボの細胞培養物、またはインビトロもしくはエクスビボの組織サンプルの一部である。一部の態様では、細胞は、インビボの細胞である。特定の実施形態では、方法は、研究目的を意図しており、他の実施形態では、方法は、治療目的を意図している。
本明細書に示されるように、EGFRの二量体化を阻害する化合物は、腫瘍細胞死を増加させる。したがって、本開示は、対象における腫瘍細胞死を増加させる方法を提供する。本方法は、腫瘍細胞死を増加させるのに有効な量で、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。
上記に従い、本開示は、さらに、対象におけるがんを治療するのに有効な量で、本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、対象におけるがんを治療する方法を提供する。場合によっては、がんは、少なくとも1つの有害なKRAS変異の存在によって特徴付けられる。有害なKRAS突然変異は、以下の突然変異:G12D、G12V、およびG13Dのうちの1つであり得る。がんはまた、以下のEGFR突然変異:L858R、T790M、C797S、S768I、デルエクソン19、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上の存在を特徴とし得る。
本明細書で使用される場合、用語「治療する」、ならびにそれに関連する言葉は、必ずしも100%または完全な治療を意味するものではない。むしろ、様々な程度の治療があり、当業者は、潜在的な利益または治療効果を有するものとして認識している。この点で、本開示のがんを治療する方法は、任意の量または任意のレベルのがんの治療を提供することができる。さらに、本開示の方法によって提供される治療は、治療されるがんの1つ以上の状態または症状の治療を含み得る。また、本開示の方法によって提供される治療は、がんの進行を遅らせることを包含し得る。例えば、本方法は、腫瘍またはがんの成長を低減すること、腫瘍細胞の転移を低減すること、腫瘍またはがん細胞の細胞死を増加させることなどによって、がんを治療することができる。
本明細書に開示される方法によって治療可能ながんは、任意のがん、例えば、リンパ系または血流を通じて身体の他の部分に広がる可能性のある異常かつ制御されない細胞分裂によって引き起こされる任意の悪性増殖または腫瘍であり得る。一部の実施形態では、がんは、EGFRががんの細胞によって発現されるがんである。一部の態様では、がんは、EGFRタンパク質が過剰発現され、EGFRをコードする遺伝子が増幅され、および/またはEGFR変異タンパク質(例えば、切断EGFR、点変異EGFR)が発現されるがんである。
がんは、一部の態様では、急性リンパ球性がん、急性骨髄性白血病、胞巣状横紋筋肉腫、骨がん、脳がん、乳がん、肛門がん、肛門管がん、または肛門直腸がん、眼がん、肝内胆管がん、関節のがん、頚部がん、胆嚢がん、または胸膜のがん、鼻、鼻腔、または中耳のがん、口腔のがん、外陰部がん、白血病(例えば、慢性リンパ球性白血病)、慢性骨髄がん、結腸がん、食道がん、子宮頸がん、消化管カルチノイド腫瘍、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、腎がん、喉頭がん、肝がん、肺がん、悪性中皮腫、黒色腫、多発性骨髄腫、上咽頭がん、非ホジキンリンパ腫、卵巣がん、膵がん、腹膜、網、および腸間膜がん、咽頭がん、前立腺がん、直腸がん、腎がん(例えば、腎細胞がん(RCC))、小腸がん、軟部組織がん、胃がん、精巣がん、甲状腺がん、尿管がん、および膀胱がん、からなる群から選択されるものである。特定の態様では、がんは、頭頸部がん、卵巣がん、子宮頸がん、膀胱がんおよび食道がん、膵がん、胃腸がん、胃がん、乳がん、子宮内膜がんおよび結腸直腸がん、肝細胞がん、膠芽腫、膀胱がん、肺がん、例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)、細気管支肺胞がん、からなる群から選択される。特定の態様では、がんは、オシメルチニブ耐性がんである。場合によっては、がんは、膵がん、頭頸部がん、黒色腫、結腸がん、腎がん、白血病、または乳がんである。場合によっては、がんは、黒色腫、結腸がん、腎がん、白血病、または乳がんである。場合によっては、本明細書に記載される方法において治療されるがんは、膵臓がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、肺がん、例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)、卵巣がん、子宮頸がん、胃がん、乳がん、肝細胞がん、膠芽腫、肝臓がん、悪性中皮腫、黒色腫、多発性骨髄腫、前立腺がん、および腎がんであり得る。一部の実施形態では、がんは、膵臓がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、または肺がんである。一部の実施形態では、がんは、セツキシマブ耐性がんまたはオシメルチニブ耐性がんである。
EGFR、KRAS、cMET、および/もしくはBRAFを調節するための、または異常なEGFR、KRAS、cMET、および/もしくはBRAF活性に関連する疾患または障害を治療または予防するための薬剤の調製における、本明細書に開示される化合物の使用もまた、本明細書に提供される。
本開示の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮すると、例示された実施形態は単なる例であり、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを認識されたい。
本明細書に開示の化合物は、当該技術分野で公知の有機合成技術に従って合成され、以下に開示される薬学的アッセイで試験される。
薬物動態研究
KRAS変異型頭頸部がんにおける化合物の評価
腫瘍を有するマウスを、隔週で1週間、強制経口投与による化合物で治療する。腫瘍体積に対して得られた化学物の効果を、試験化合物が投与されなかった対照マウスと、既知のEGFR阻害剤であるセツキシマブが投与された対照マウスを比較する。
KRAS変異型結腸直腸がんおよび膵臓がんにおける化合物の評価
クローン原性生存アッセイを使用してKRAS G13D駆動セツキシマブ耐性結腸直腸細胞株(HCT-116)における、およびKRAS G12D突然変異を含有する膵臓がん細胞株(Panc1)における化合物の活性を評価するために、研究を行う。
より具体的には、細胞を、ある範囲の濃度(例えば、0~10マイクロM)での処理の1日前に、60または100mm培養皿にクローン密度で3通りに播種する。8~12日後、細胞を、酢酸/メタノール(1:7、v/v)で固定し、クリスタルバイオレット(0.5%、w/v)で染色し、実体顕微鏡を使用してカウントする。薬物細胞毒性(生存している薬物処理細胞)を測定し、未処理の対照細胞の生存に対して正規化する。
EGFR、ERKおよびAKTに対する化合物の効果をまた、免疫ブロット法によって評価する。免疫ブロット法は、以下のプロトコルに従うことによって実行する。
細胞を60mm皿に皿当たり3×10細胞の密度で播種し、一晩または70%コンフルエンスまでインキュベートする。細胞を、賦形剤(DMSO)または化合物で処理した後、様々な時点で採取する。ペレットを、氷冷PBSで2回洗浄し、溶解バッファーに30分間再懸濁させた。超音波処理後、粒子状材料を、13,000rpmで10分間4℃での遠心分離によって除去する。可溶性タンパク質画分を、95℃に5分間加熱し、次いで、4~12%Bis-Trisプレキャストゲル(Invitrogen)に適用し、PVDFメンブレン上に移す。メンブレンを、トリス緩衝生理食塩水(137mMのNaCl、20mMのトリス-HCl(pH7.6)、0.1%(v/v)のTween20)中の5%のBSAおよび1%の正常ヤギ血清からなるブロッキングバッファー中で室温で1時間インキュベートする。メンブレンを、続いて、ブロッキングバッファー中で一次抗体と4℃で一晩インキュベートし、洗浄し、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合型二次抗体と1時間インキュベートする。トリス緩衝生理食塩水でさらに3回洗浄後、結合した抗体を、増強された化学発光plus試薬によって検出する。相対的なタンパク質レベルの定量化のために、Image J 1.32jソフトウェアを使用して、免疫ブロットフィルムを走査し、分析する。
本明細書に記載の化合物の活性がまた、標準NCI 60スクリーニングプロトコルを使用して、National Cancer Instituteで60種類の異なるヒト腫瘍細胞株に対して試験される。
生存率アッセイ
処理時の細胞の生存率を、RKO、UM10B、UM1、MCR5、およびUMCC92細胞における製造元のプロトコルに従ってCellTiter-Blue(登録商標)試薬によって評価する。簡単に言えば、10,000個の細胞を、96ウェルプレートに四つ組で播種する。播種から1日後、細胞を、化合物のある濃度範囲(0.1~30マイクロモル)で処理する。処理から3日後、細胞を、CellTiter-Blue(登録商標)試薬と4時間インキュベートした。生存細胞のみが、酸化還元色素(レサズリン)を蛍光産物(レゾルフィン)に変換する。蛍光の発光(励起560nM)を、590nMで測定する。IC50値が、590nmでの蛍光による測定で、賦形剤処理対照と比較して、細胞増殖を50パーセント阻害するのに必要な化合物の平均濃度として計算される。
インビボでのEGFRレポーターの検証
簡単に言えば、腫瘍が約100mmのサイズに達したら、マウスを撮像して、基底生物発光および異なる時点での化合物の効果を得る。EGFRタンパク質レベルに対する処理の効果を、処理の48時間後に、免疫ブロットによって確認する。
化合物のインビボ活性
UMSCC74B(約100mm)を有するヌードマウスを、(30mg/kg、1週間毎日)または賦活材(PBS中の5%のDMSO)で処理する。各群は、少なくとも5匹のマウスを有する。腫瘍体積および体重が週3~4回記録され、平均腫瘍体積の変化が経時的にプロットされる。
化合物処理群の場合、0日目は、処理の初日として定義される。賦活材対照マウスでは、0日目は、腫瘍体積が処理開始日の化合物治療群における平均腫瘍体積と最も近い日として定義される。腫瘍体積の成長速度が処理によって異なるかどうかを評価するために、混合効果モデルを、マウス内での腫瘍内でのおよび2つの腫瘍間の経時的な相関結果を説明するために、マウスレベルのランダムインターセプト条件に適合させる。
オシメルチニブ耐性腫瘍モデルにおける化合物の効果
オシメルチニブ耐性EGFR駆動型腫瘍に対する化合物の活性を試験するために、Ba/F3-AZR細胞(L858R+T790M+C797S-EGFR)を使用して、腹水腫瘍モデルを使用する。500万個のBA/F3-AZR細胞を、6週齢の雌ヌードマウスに腹腔内注射により注射する。オシメルチニブと比較した化合物の有効性を試験するために、注射した15匹のマウスに、Ba/F3-AZR細胞を注射する。腫瘍細胞の注射から18日後、マウスを3つの群に無作為化する。マウスを、賦形剤、30mg/kgのオシメルチニブの単回経口用量、または腹腔内注射による30mg/kgの化合物で処理する。マウスの健康状態を監視し、ULAM末期ガイドラインに従ってマウスを安楽死させる。
マウスモデルにおける化合物の予備的な安全試験
1週間1日30mg/kgの用量での安全性に関する予備試験を、C57BL6マウスを使用して実行する。マウス6匹の群の健康全般および重量を、処理間に監視する。
NCI60細胞株スクリーニング
化合物の活性を、下記の表に示すように、National Cancer Instituteで標準NCI 60スクリーニングプロトコルを使用して、60種類の異なるヒト腫瘍細胞株に対して試験する。
Figure 2023515691000008
膵腫瘍モデルにおける化合物の効果
6週齢のKCマウスを、強制経口投与により、化合物で処理する(30mg/kg体重、毎日)。PanInレベルに対して得られる効果が、化合物が投与されなかった対照マウスと比較して観察される。
頭頸部腫瘍モデルにおける化合物の効果
頭頸部腫瘍細胞株であるUMSCC74Bのマウス異種移植片を、強制経口投与により化合物で処理する(30mg/kg体重、週2回)。腫瘍体積に対して得られる効果が、化合物が投与されなかった対照マウス、およびセツキシマブが投与された対照マウスと比較して観察される。

Claims (58)

  1. 式Iの構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩であって、
    Figure 2023515691000009
    式中、
    Xが、C1~6アルキレン、C2~6アルケニレン、C2~6アルキニレン、C3~10シクロアルキレン、4~6員複素環、O-C0~6アルキレン、O-C2~6アルケニレン、O-C2~6アルキニレン、O-C3~10シクロアルキレン、O-(4~6員ヘテロシクレン)、S-C0~6アルキレン、S-C2~6アルケニレン、S-C2~6アルキニレン、S-C3~10シクロアルキレン、S-(4~6員ヘテロシクレン)、NR-C0~6アルキレン、NR-C2~6アルケニレン、NR-C2~6アルキニレン、NR-C3~10シクロアルキレン、またはNR-(4~6員ヘテロシクレン)であり、Xが、任意選択的に、Rから独立して選択される1~5個の基で置換され、
    Yが、C0~6アルキレン、C3~6アルキニレン、またはC3~6アルキニレンであり、Yが、任意選択的に、ハロ、N(R、およびRから独立して選択される1~3個の基で置換され、
    Aが、C6~10アリール、またはN、O、およびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリールであり、Aが、任意選択的に、1~3つのRで置換され、
    Bが、C6~10アリール、N、O、およびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール、3~8員シクロアルキル環、またはN、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4~10員複素環であり、Bが、任意選択的に、1~3つのRで置換され、
    およびRが、各々独立して、C1~6アルキル、C3~6アルケニル、C3~6アルキニル、もしくはC3~6シクロアルキルであるか、またはRおよびRが、それらが結合している炭素原子とともに、4~8員シクロアルキルもしくは複素環を形成し、前記複素環が、O、S、およびNから選択される1または2個の環ヘテロ原子を有し、前記シクロアルキルまたは複素環が、任意選択的に、1~2つのRで置換され、各Rが、独立して、OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6アルコキシ、フェニル、O-フェニル、ベンジル、O-ベンジル、C3~6シクロアルキル、N、O、およびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する4~10員複素環、もしくはN、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する(O)0~1-5~10員ヘテロアリールであるか、または2つのRが、それらが結合している原子とともに、C3~6シクロアルキル(例えば、C4~6シクロアルケニル)、もしくはN、O、およびSから選択される1個のヘテロ原子を有する4~6員複素環を形成し、
    各RおよびRが、独立して、ハロ、NO、オキソ、シアノ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル(例えば、CF、CHF)、C1~4アルコキシ、C1~4ハロアルコキシ(例えば、OCF、OCHF)、C1~4チオアルコキシ、C2~4アルケニル、C2~4アルキニル、CHO、C(=O)R、C(=O)N(R、S(O)0~2、SON(R、NH、NHR、N(R、NRCOR、NRSO、P(=O)(R、C3~6シクロアルキル、N、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する4~10員複素環(例えば、オキセタニル、オキセタニルオキシ、オキセタニルアミノ、オキソラニル、オキソラニルオキシ、オキソラニルアミノ、オキサニルオキサニルオキシ、オキサニルアミノ、オキセパニル、オキセパニルオキシ、オキセパニルアミノ、アゼチジニル、アゼチジニルオキシ、アゼチジルアミノ、ピロリジニル、ピロリジニルオキシ、ピロリジニルアミノ、ピペリジニル、ピペリジニルオキシ、ピペリジニルアミノ、アゼパニル、アゼパニルオキシ、アゼパニルアミノ、ジオキソラニル、ジオキサニル、モルホリノ、チオモルホリノ、チオモルホリノ-S、S-ジオキシド、ピペラジニル、ジオキセパニル、ジオキセパニルオキシ、ジオキセパニルアミノ、オキサゼパニル、オキサゼパニルオキシ、オキサゼパニルアミノ、ジアゼパニル、ジアゼパニルオキシ、またはジアゼパニルアミノ)であり、
    各Rが、独立して、H、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C3~6アルケニル、C3~6アルキニル、COOR、CON(R、C0~3アルキレン-C3~8シクロアルキル、C0~3アルキレン-C6~10アリール、C0~3アルキレン-(N、O、およびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する4~10員複素環)、またはC0~3アルキレン-(N、O、およびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員複素環)であり、前記アリール、複素環、またはヘテロアリールが、任意選択的に、1~3つのRで置換され、
    各Rが、独立して、H、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C3~6アルケニル、C3~6アルキニル、C1~4アルコキシ、またはC1~4ハロアルコキシであり、
    但し、前記化合物が、WO2019/165358に開示されている化合物(またはその塩)ではないことを条件とする、化合物または塩。
  2. およびRが、各々独立して、C1~6アルキルである、請求項1に記載の化合物または塩。
  3. およびRが、各々メチルである、請求項2に記載の化合物または塩。
  4. およびRが、それらが結合している炭素原子とともに、4~8員シクロアルキルまたは複素環を形成する、請求項1に記載の化合物または塩。
  5. およびRが、それらが結合している炭素原子とともに、5員もしくは6員シクロアルキルまたは複素環を形成する、請求項4に記載の化合物または塩。
  6. およびRが、それらが結合している炭素原子とともに、シクロヘキシル環を形成する、請求項5に記載の化合物または塩。
  7. およびRが、それらが結合している炭素原子とともに、構造:
    Figure 2023515691000010
    を有する複素環を形成し、式中、*が、式Iの化合物の残部との結合点を示す、請求項5に記載の化合物または塩。
  8. Aが、C6~10アリールである、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  9. Aが、フェニルである、請求項8に記載の化合物または塩。
  10. Bが、C6~10アリールである、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  11. Bが、フェニルである、請求項10に記載の化合物または塩。
  12. Bが、N、O、およびSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリールである、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  13. Bが、ピリジニルである、請求項12に記載の化合物または塩。
  14. Bが、キノリニルである、請求項12に記載の化合物または塩。
  15. Bが、3~8員シクロアルキルである、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  16. Bが、5員または6員シクロアルキルである、請求項15に記載の化合物または塩。
  17. Bが、O、S、およびNから選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する3~12員複素環である、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  18. Aが、1つのRで置換されている、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  19. Aが、構造:
    Figure 2023515691000011
    を有する、請求項18に記載の化合物または塩。
  20. Aが、2つのRで置換されている、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  21. 少なくとも1つのRが、C1~6アルキルである、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  22. 少なくとも1つのRが、メチルである、請求項21に記載の化合物または塩。
  23. 少なくとも1つのRが、ハロである、請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  24. が、ブロモである、請求項23に記載の化合物または塩。
  25. が、クロロである、請求項23または24に記載の化合物または塩。
  26. が、フルオロである、請求項23、24、または25に記載の化合物または塩。
  27. 少なくとも1つのRが、C1~6アルコキシである、請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  28. 少なくとも1つのRが、メトキシである、請求項27に記載の化合物または塩。
  29. Bが、1つのRで置換されている、請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  30. Bが、2つのRで置換されている、請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  31. Bが、次の構造
    Figure 2023515691000012
    を有する、請求項30に記載の化合物。
  32. 少なくとも1つのRが、ハロである、請求項1~31のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  33. 少なくとも1つのRが、フルオロまたはクロロである、請求項32に記載の化合物または塩。
  34. 一方のRがフルオロであり、他方のRがクロロである、請求項30または32に記載の化合物または塩。
  35. 少なくとも1つのRが、C1~6アルコキシである、請求項1~34のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  36. 少なくとも1つのRが、メトキシである、請求項35に記載の化合物または塩。
  37. 一方のRがハロであり、他方のRがC1~6アルコキシである、請求項30~36のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  38. 一方のRがクロロであり、他方のRがメトキシである、請求項37に記載の化合物または塩。
  39. Xが、C1~6アルキレンである、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  40. Xが、C2~6アルケニレンまたはC2~6アルキレンである、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  41. Xが、C3~10シクロアルキレン、または4~6員ヘテロシクレンである、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  42. Xが、O-C0~6アルキレンまたはS-C0~6アルキレンである、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  43. Xが、O、S、O-CH-、またはS-CH-である、請求項42に記載の化合物または塩。
  44. Yが、結合またはCHである、請求項1~43のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  45. Yが、C1~6アルキレンである、請求項1~43のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  46. Yが、C2~6アルケニレンまたはC2~6アルキニレンである、請求項1~43のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  47. が、Hである、請求項1~46のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  48. 請求項1~47のいずれか一項に記載の化合物または塩、および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む、医薬組成物。
  49. EGFRを調節する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効量の請求項1~47のいずれか一項に記載の化合物または塩を投与することを含む、方法。
  50. KRASを調節する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効量の請求項1~47のいずれか一項に記載の化合物または塩を投与することを含む、方法。
  51. cMETを調節する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効量の請求項1~47のいずれか一項に記載の化合物または塩を投与することを含む、方法。
  52. BRAFを調節する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効量の請求項1~47のいずれか一項に記載の化合物または塩を投与することを含む、方法。
  53. がんを患っている対象においてそれを治療する方法であって、前記対象に、治療上有効量の請求項1~47のいずれか一項に記載の化合物または塩を投与することを含む、方法。
  54. がんが、急性リンパ球性がん、急性骨髄性白血病、胞巣状横紋筋肉腫、骨がん、脳がん、乳がん、肛門がん、肛門管がん、または肛門直腸がん、眼がん、肝内胆管がん、関節のがん、頚部がん、胆嚢がん、または胸膜のがん、鼻、鼻腔、または中耳のがん、口腔のがん、外陰部がん、白血病(例えば、慢性リンパ球性白血病)、慢性骨髄がん、結腸がん、食道がん、子宮頸がん、消化管カルチノイド腫瘍、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、腎がん、喉頭がん、肝がん、肺がん、悪性中皮腫、黒色腫、多発性骨髄腫、上咽頭がん、非ホジキンリンパ腫、卵巣がん、膵がん、腹膜、網、および腸間膜がん、咽頭がん、前立腺がん、直腸がん、腎がん(例えば、腎細胞がん(RCC))、小腸がん、軟部組織がん、胃がん、精巣がん、甲状腺がん、尿管がん、または膀胱がんである、請求項53に記載の方法。
  55. 前記がんが、肺がん、結腸直腸がん、膠芽腫、および頭頸部がんから選択される、請求項53に記載の方法。
  56. 前記がんが、黒色腫、結腸がん、腎がん、白血病、または乳がんである、請求項53に記載の方法。
  57. 前記がんが、オシメルチニブ耐性がんである、請求項53~56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 前記対象が、ヒトである、請求項53~57のいずれか一項に記載の方法。
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