JP2023514649A - 子宮内膜症を治療するための方法 - Google Patents

子宮内膜症を治療するための方法 Download PDF

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Abstract

核受容体サブファミリー4グループAメンバー1(NR4A1)活性の調節によって子宮内膜症を治療する方法であって、その治療を必要とする個体にNR4A1リガンドを投与することを含む、方法が記載されている。一実施形態において、これらの化合物は、メチレン置換ジインドリルメタンを含む。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年2月25日に出願された米国仮出願第62/981,431号の利益を主張するものであり、その内容は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
政府のライセンス権に関する陳述
本発明は、アメリカ国立衛生研究所によって付与されたP30-ES029067の下、政府の支援を受けて生み出された。政府は、本発明において一定の権利を有する。
子宮内膜症は、主に生殖年齢の女性に影響を及ぼす一般的ではあるが複雑な炎症性疾患であり、米国で5,500,000人の女性、世界中で176,000,000人の女性が子宮内膜症の症状を呈していると推定される。子宮内膜症は、子宮を覆う細胞が、骨盤領域、腹膜表面、卵巣、靭帯、腸、および膀胱を含む遠位部位に植え込まれると発症する。子宮内膜症は、部分的に逆行性月経に起因し、その重症度および疼痛よって変化する子宮内膜病変、ならびに全体的に短期的または慢性的な有害な健康への影響をもたらす。診断されると、疾患の病期分類(すなわち、ステージI~IV)およびその位置が適切な治療計画を決定するのに重要であり、これは、子宮内膜症組織の外科的な除去と、プロゲスチン、経口避妊薬およびGnRHアンタゴニストを含むホルモン療法とを含み得る。妊娠可能年齢の女性の子宮内膜症を治療するためのホルモン療法の使用に関して深刻な懸念があり、毒性の少ないホルモンに依存しない治療法を開発する必要がある。
現在、子宮内膜症の従来のホルモン療法治療の述べられた副作用を回避または低減する、子宮内膜症を治療する方法に対する満たされていないニーズが存在する。
子宮内膜症で活性化されたシグナル伝達経路は、がんで観察されるものに類似しており、マクロファージの動員および活性化、増殖成長促進および生存遺伝子/経路の活性化、ならびに血管新生/遊走促進遺伝子(pro-migration genes)/経路に関連する炎症媒介性応答を含む。例えば、mTORシグナル伝達は、子宮内膜症において活性化される。しかしながら、この疾患を治療するためのmTOR阻害剤の使用は、毒性の懸念のために制限される。
孤立核受容体である、核受容体サブファミリー4グループAメンバー1(NR4A1)(配列番号1によるものなど)、核受容体サブファミリー4グループAメンバー2(NR4A2)、および核受容体サブファミリー4グループAメンバー3(NR4A3)は、複数のストレス因子によって誘導される即時早期遺伝子であり、NR4A受容体は、細胞の恒常性および疾患の維持に重要な役割を果たす。これらの受容体が、代謝機能、心臓血管機能および神経機能、ならびに炎症および炎症性疾患、ならびに免疫機能およびがんにおける役割を果たすことに関する証拠が増加している。NR4A1は、肺、黒色腫、膵臓、結腸、子宮頸部、卵巣および胃のがん、ならびに横紋筋肉腫細胞株における、がん細胞増殖、生存、細胞周期の進行、遊走、および侵入を調節し、これらの応答は、がん細胞におけるアンタゴニストとして作用するビス-インドール由来のNR4A1リガンドによって阻害される。
NR4A1が子宮内膜症で過剰発現しているという証拠もあり、超音波誘導エタノール硬化療法後に、NR4A1の血清発現が高い患者では、この受容体のレベルが治療後に有意に低下したことが報告された。リン酸化されたNR4A1のレベルは、正常な子宮内膜と比較して、卵巣子宮内膜組織においてより高く、さらに、NR4A1刺激線維形成の喪失、およびNR4A1アゴニストのサイトスポロンβによるNR4A1の活性化は、線維形成に対して保護されたこの受容体を示唆していた。石川子宮内膜がん細胞は、子宮内膜上皮細胞のモデルとして頻繁に使用されており、我々の最近の研究は、NR4A1がNR4A1アンタゴニストによって阻害された子宮内膜症促進活性(pro-endometriotic activities)を呈することを明確に示した。
米国仮出願第62/981,431号
本開示は、他の関連する利点とともに子宮内膜症を治療するそのような方法を提供する。この点において、本開示は、NR4A1が、NR4A1アンタゴニストによって阻害される複数の子宮内膜症促進遺伝子/経路を調節することを示し、態様において、核受容体サブファミリー4グループAメンバー1(NR4A1)活性の調節によって個体における子宮内膜症を治療する方法であって、個体に、NR4A1リガンドなどの治療有効量の本開示の化合物を投与することを含む、方法を提供する。
一実施形態において、NR4A1リガンドは、以下の式:
Figure 2023514649000002
またはその塩を有し、
式中、
、R、R’、およびR’は、各々独立して、水素、1~約10個の炭素原子を含む直鎖アルキル基、および1~約10個の炭素原子を含む分岐鎖アルキル基からなる群から選択され、
、R、R、R、R’、R’、R’、およびR’は、各々独立して、水素、ハロゲン、1~約10個の炭素原子を含む直鎖アルキル基、1~約10個の炭素原子を含む分岐鎖アルキル基、1~約10個の炭素原子を含むアルコキシ基、およびニトロ基からなる群から選択され、
は、水素、1~約10個の炭素原子を含む直鎖アルキル基、1~約10個の炭素原子を含む分岐鎖アルキル基、1~約10個の炭素原子を含むシクロアルキル基、およびアリール基からなる群から選択され、
、R、R10、R11、およびR12は、独立して、H、ハロゲン、1~約10個の炭素原子を含む直鎖アルキル基、1~約10個の炭素原子を含む分岐鎖アルキル基、1~約10個の炭素原子を含むアルコキシ基、1~約10個の炭素原子を含むハロアルキル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、および1~約10個の炭素原子を含むハロアルコキシ基からなる群から選択され、
式中、R、R、R10、R11、およびR12のうちの少なくとも1つは、OHであり、
式中、R10がOHである場合、R、R、R11、およびR12のうちの少なくとも1つは、水素ではない。
この概要は、以下で詳細な説明においてさらに説明される概念の選択を簡略化された形式で紹介すべく設けられる。この概要は、特許請求される主題の重要な特徴を特定することを意図するものでも、特許請求される主題の範囲を決定する際の一助として使用されることを意図するものでもない。
添付の図面を併せて考慮すると、前述の態様、および特許請求される主題の多くの付随する利点がより容易に理解され、以下の詳細な説明を参照することによっても同様のことがより良好に理解されるであろう。
本開示の一実施形態に従って、NR4A1[siNR4A1(1)およびsiNR4A1(2)]の下方制御を標的とするオリゴヌクレオチドでESECT-7およびESECT-40細胞をトランスフェクトした子宮内膜症細胞におけるNR4A1ノックダウンの効果を示し、細胞増殖(1A)、NR4A1発現(1B)、増殖促進(1C)、およびアポトーシス促進(1D)遺伝子産物に対する効果が示される。 本開示の一実施形態に従って、NR4A1[siNR4A1(1)およびsiNR4A1(2)]の下方制御を標的とするオリゴヌクレオチドでESECT-7およびESECT-40細胞をトランスフェクトした子宮内膜症細胞におけるNR4A1ノックダウンの効果を示し、細胞増殖(1A)、NR4A1発現(1B)、増殖促進(1C)、およびアポトーシス促進(1D)遺伝子産物に対する効果が示される。 本開示の一実施形態に従って、NR4A1[siNR4A1(1)およびsiNR4A1(2)]の下方制御を標的とするオリゴヌクレオチドでESECT-7およびESECT-40細胞をトランスフェクトした子宮内膜症細胞におけるNR4A1ノックダウンの効果を示し、細胞増殖(1A)、NR4A1発現(1B)、増殖促進(1C)、およびアポトーシス促進(1D)遺伝子産物に対する効果が示される。 本開示の一実施形態に従って、NR4A1[siNR4A1(1)およびsiNR4A1(2)]の下方制御を標的とするオリゴヌクレオチドでESECT-7およびESECT-40細胞をトランスフェクトした子宮内膜症細胞におけるNR4A1ノックダウンの効果を示し、細胞増殖(1A)、NR4A1発現(1B)、増殖促進(1C)、およびアポトーシス促進(1D)遺伝子産物に対する効果が示される。 図E。本開示の一実施形態に従った、アネキシンV染色に対するNR4A1ノックダウンの効果を示す。 図Eの続き。 ESECT-7(2A)またはESECT-40(2B)細胞を、UAS-luc/GAL4-LucまたはNBRE-luc/flag-NR4A1でトランスフェクトし、DIM-C-pPhOH(OH)、DIM-C-pPhOH-3,5-Br2(4-OH-3,5-Br2)、DIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3(4-OH-3-Cl-5-OCH3)またはDIM-C-pPhOH-3-Cl(4-OH-3-Cl)で処置した子宮内膜症細胞におけるトランス活性化および増殖に対する、本開示の実施形態に従った、NR4A1リガンドの効果を示す。 ESECT-7(2A)またはESECT-40(2B)細胞を、UAS-luc/GAL4-LucまたはNBRE-luc/flag-NR4A1でトランスフェクトし、DIM-C-pPhOH(OH)、DIM-C-pPhOH-3,5-Br2(4-OH-3,5-Br2)、DIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3(4-OH-3-Cl-5-OCH3)またはDIM-C-pPhOH-3-Cl(4-OH-3-Cl)で処置した子宮内膜症細胞におけるトランス活性化および増殖に対する、本開示の実施形態に従った、NR4A1リガンドの効果を示す。 本開示の一実施形態に従った、細胞増殖(2C)および増殖促進遺伝子産物(2D)に対するDIM-C-pPhOHおよびDIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3の効果を示す。 本開示の一実施形態に従った、細胞増殖(2C)および増殖促進遺伝子産物(2D)に対するDIM-C-pPhOHおよびDIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3の効果を示す。 図3A。本開示の一実施形態に従って、NR4A1アンタゴニストが子宮内膜症細胞においてアポトーシスをどのように誘導するかを示しており、ESECT-7(3A)およびESECT-40(3B)細胞はNR4A1アンタゴニストで処置し、アネキシンV染色は蛍光によって決定し、ESECT-7およびESECT-40(3C)細胞はNR4A1リガンドで24時間処置し、全細胞溶解液はアポトーシス促進遺伝子産物についてウェスタンブロットによって分析した。 図3Aの続き。 図3B。本開示の一実施形態に従って、NR4A1アンタゴニストが子宮内膜症細胞においてアポトーシスをどのように誘導するかを示しており、ESECT-7(3A)およびESECT-40(3B)細胞はNR4A1アンタゴニストで処置し、アネキシンV染色は蛍光によって決定し、ESECT-7およびESECT-40(3C)細胞はNR4A1リガンドで24時間処置し、全細胞溶解液はアポトーシス促進遺伝子産物についてウェスタンブロットによって分析した。 図3Bの続き。 本開示の一実施形態に従って、NR4A1アンタゴニストが子宮内膜症細胞においてアポトーシスをどのように誘導するかを示しており、ESECT-7(3A)およびESECT-40(3B)細胞はNR4A1アンタゴニストで処置し、アネキシンV染色は蛍光によって決定し、ESECT-7およびESECT-40(3C)細胞はNR4A1リガンドで24時間処置し、全細胞溶解液はアポトーシス促進遺伝子産物についてウェスタンブロットによって分析した。 本開示の一実施形態に従った、NEM細胞をNR4A1リガンドで24時間処置した際の正常な子宮内膜(NEM)細胞に対するNR4A1リガンドの効果と、細胞増殖(4A)、増殖促進遺伝子(4B)、アネキシンV染色(4C)およびアポトーシス促進遺伝子産物(4D)に対する効果とを示す。 本開示の一実施形態に従った、NEM細胞をNR4A1リガンドで24時間処置した際の正常な子宮内膜(NEM)細胞に対するNR4A1リガンドの効果と、細胞増殖(4A)、増殖促進遺伝子(4B)、アネキシンV染色(4C)およびアポトーシス促進遺伝子産物(4D)に対する効果とを示す。 図4C。本開示の一実施形態に従った、NEM細胞をNR4A1リガンドで24時間処置した際の正常な子宮内膜(NEM)細胞に対するNR4A1リガンドの効果と、細胞増殖(4A)、増殖促進遺伝子(4B)、アネキシンV染色(4C)およびアポトーシス促進遺伝子産物(4D)に対する効果とを示す。 図4Cの続き。 本開示の一実施形態に従った、NEM細胞をNR4A1リガンドで24時間処置した際の正常な子宮内膜(NEM)細胞に対するNR4A1リガンドの効果と、細胞増殖(4A)、増殖促進遺伝子(4B)、アネキシンV染色(4C)およびアポトーシス促進遺伝子産物(4D)に対する効果とを示す。 本開示の一実施形態に従った、ESECT-7細胞をNR4A1アンタゴニストで処置した(5A)、またはsiNR4A1(1)もしくはsiNR4A1(2)でトランスフェクトした(5B)子宮内膜症細胞線維症に対するNR4A1の役割を示す。 本開示の一実施形態に従った、ESECT-7細胞をNR4A1アンタゴニストで処置した(5A)、またはsiNR4A1(1)もしくはsiNR4A1(2)でトランスフェクトした(5B)子宮内膜症細胞線維症に対するNR4A1の役割を示す。 本開示の一実施形態に従った、NR4A1リガンドで24時間処置したESECT-7細胞についての線維症マーカーの遺伝子発現に対する影響をグラフで示す。 本開示の一実施形態に従った、siNR4A1オリゴヌクレオチドでトランスフェクトした(6A)、またはNR4A1アンタゴニストで24時間処置した(6B)IHEEC細胞に対するNR4A1アンタゴニストおよび受容体ノックダウンの効果を示す。 本開示の一実施形態に従った、siNR4A1オリゴヌクレオチドでトランスフェクトした(6C)、またはNR4A1アンタゴニストで24時間処置した(6D)石川細胞に対するNR4A1アンタゴニストおよび受容体ノックダウンの効果を示す。 正常なマウスの子宮(7A)、正所性子宮内膜(7B)、および異所性病変(7C)におけるNr4a1発現を示す。 正常なマウスの子宮(7A)、正所性子宮内膜(7B)、および異所性病変(7C)におけるNr4a1発現を示す。 正常なマウスの子宮(7A)、正所性子宮内膜(7B)、および異所性病変(7C)におけるNr4a1発現を示す。 子宮、正所性子宮内膜、および異所性病変の上皮(7D)および間質(7E)におけるNr4a1のIHCシグナル密度を示す。 子宮、正所性子宮内膜、および異所性病変の上皮(7D)および間質(7E)におけるNr4a1のIHCシグナル密度を示す。 本開示の一実施形態に従った処置方法および制御方法を概略的に示す。 本開示の一実施形態に従った、ビヒクル(B)およびC-DIM(C)で処置した子宮内膜症を有するマウスから単離した異所性病変の画像である。 本開示の一実施形態に従った、ビヒクル(B)およびC-DIM(C)で処置した子宮内膜症を有するマウスから単離した異所性病変の画像である。 本開示の一実施形態に従った、ビヒクル対C-DIMで処置した単離された異所性病変の体積をグラフで示す。 本開示の一実施形態に従った、ビヒクル対C-DIMで処置したマウスの体重をグラフで示す。 本開示の一実施形態に従った、DIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3(C-DIM)によるSCIDマウスにおけるヒト異所性病変の増殖の抑制を測定する実験を概略的に示し、ヒト異所性病変は、ルシフェラーゼを発現するヒト子宮内膜細胞をSCIDマウスに注入することによって生成され、子宮内膜症誘導後3週目に、マウスを2つのグループに無作為に分割し、一方のグループのマウスを25mg/kgのC-DIM(1日1回)で処置し、他のグループのマウスをビヒクル(1日1回)で30日間処置した。 本開示の一実施形態に従った、薬物処置後4、7、16、23、および30日目に決定されたヒト異所性病変のルシフェラーゼ活性を示す。 図9Bに示されるルシフェラーゼ活性に基づいて、本開示の一実施形態に従った、0日間の薬物処置と比較したルシフェラーゼ活性の相対的な倍率をグラフで示す。
子宮内膜症は、主に生殖年齢の女性に影響を及ぼす炎症性疾患であり、現在のホルモン療法では懸念点があるため、新たなホルモン非依存性治療計画が必要である。配列番号1などの孤立核受容体4A1(NR4A1、Nur77)は、患者由来の(間質)子宮内膜症細胞および同様に上皮細胞株において発現され、本開示は、患者由来のESECT-7およびESECT-40細胞におけるNR4A1のノックダウンが、細胞増殖を低下させ、アポトーシスを誘導したことを実証している。さらに、ビス-インドール由来のNR4A1リガンド1,1-ビス(3’-インドリル)-1-(p-ヒドロキシフェニル)メタン(DIM-C-pPhOH)およびその強化された3-クロロ-5-メトキシ類似体(DIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3)を用いたこれらの細胞の処置は、細胞増殖を阻害し、アポトーシスおよび関連遺伝子を誘導した。本開示の化合物は、機能的およびトランス活性化アッセイの両方においてNR4A1アンタゴニスト活性を呈するが、これらの効果は、正常な(NEM)子宮内膜細胞において観察されなかった。本開示はまた、NR4A1ノックダウンおよびNR4A1アンタゴニストによる処置が、ESECT-7およびESECT-40細胞における線維症、α-平滑筋アクチン(α-SMA)、および関連する線維症促進遺伝子を減少させ、同様の結果が、上皮由来の子宮内膜症細胞株において観察されたことを実証している。さらに、自動移植による子宮内膜症マウスモデルにおいて、またヒト子宮内膜症細胞で移植されたSCIDマウスにおいて、25mg/kg/日のDIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3での処置によって、子宮内膜症病変の増殖および拡大が有意に阻害された。したがって、本開示は、ビス-インドール由来のNR4A1リガンドが、子宮内膜症の非ホルモン療法のための新規のクラスの薬物であることを実証している。
したがって、一態様において、本開示は、子宮内膜症を治療する方法を提供する。一実施形態において、方法は、NR4A1活性の調節によって治療可能な個体における子宮内膜症を治療することを含み、個体に、NR4A1リガンドなどの治療有効量の化合物を投与することを含む。一実施形態において、化合物は、メチレン置換ジインドリルメタンである。特定の実施形態において、本開示による化合物は、「CDIM」または「C-DIM」化合物と様々に称される。本明細書でさらに論じられるように、特定の実施形態において、そのような化合物は、本開示の実施形態に従った化学式などによるメチレン置換ジインドリルメタン化合物である。
いくつかの実施形態において、NR4A1活性の調節は、本明細書の他の箇所に記載されている化合物をNR4A1タンパク質に結合することを含む。いくつかの実施形態において、化合物は、アンタゴニスト活性を有し、すなわち、化合物は、受容体(例えば、アンタゴニストリガンド)のコグネイト機能の刺激において、低減された有効性を有するか、または有効性を有しない。いくつかの実施形態において、アンタゴニストリガンドは、受容体の構成的機能と、刺激性のコグネイトリガンドがNR4A1タンパク質に結合する能力およびNR4A1依存性遺伝子を活性化する能力とを遮断する。いくつかの実施形態において、NR4A1リガンドは、組織特異的、応答特異的、または遺伝子特異的アゴニストであり得る。一実施形態において、NR4A1リガンドは、個体の子宮内膜症細胞において有効である。そのような子宮内膜症細胞は、個体の正常な子宮内膜症(NEW)細胞とは対照的である。
「アンタゴニスト」という用語は、NR4A1受容体と組み合わさって、分子および細胞活性を低減または阻害することができる、化合物を指す。アンタゴニストは、受容体に直接結合するリガンドであり得る。代替的に、アンタゴニストは、例えば、(a)受容体に直接結合する別の分子またはタンパク質と複合体を形成することによって間接的に受容体と組み合わさってもよく、または(b)そうでなければ、他の化合物がNR4A1受容体に直接結合するように別の化合物の修飾をもたらす。
「アゴニスト」という用語は、NR4A1受容体と組み合わさって、分子および細胞活性を生成または増加することができる、化合物を指す。アゴニストは、受容体に直接結合するリガンドであり得る。代替的に、アゴニストは、例えば、(a)受容体に直接結合する別の分子またはタンパク質と複合体を形成することによって間接的に受容体と組み合わさってもよく、または(b)そうでなければ、他の化合物がNR4A1受容体に直接結合するように別の化合物の修飾をもたらす。
「活性化させる」という用語およびその変形形態は、分子および細胞活性における任意の測定可能な増加を指す。
一実施形態において、細胞は、インビトロで化合物または薬学組成物と接触させられる。一実施形態において、細胞は、有効量の化合物または薬学的組成物を対象に投与することによってインビボで化合物または薬学的組成物と接触させられる。
一実施形態において、NR4A1の調節は、EFGR、cMyc、サバイビン、Bcl-2、SMA、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質の下方制御を誘導する。例えば、実施例2および3、ならびに図1C、1D、2Dおよび3Cに示されるように、対象に投与されるときの本開示の化合物は、例えば、子宮内膜症細胞内で、また対照と比べて、EFGR、cMyc、サバイビン、Bcl-2の下方制御を誘導するのに好適である。一実施形態において、EFGRは、配列番号2によるものである。一実施形態において、cMycは、配列番号3によるものである。一実施形態において、サバイビンは、配列番号4によるものである。一実施形態において、Bcl-2は、配列番号5によるものである。示されるように、例えば、実施例4および図6Bにおいて、本開示の化合物は、例えば、子宮内膜細胞内で、また対照に比べて、SMAの下方制御を誘導するのに好適である。一実施形態において、SMAは、配列番号6によるものである。
一実施形態において、NR4A1活性の調節は、Baxを含むタンパク質の上方制御を誘導する。例えば、実施例2および3、ならびに図1C、1D、2Dおよび3Cに示されるように、対象に投与されるときの本開示の化合物は、例えば、子宮内膜症細胞内で、また対照と比べて、Baxの上方制御を誘導するのに好適である。一実施形態において、Baxは、配列番号7によるものである。
一実施形態において、NR4A1活性の調節は、FN、Col1A1、CTGF、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される線維症マーカーのmRNAレベルの低下を誘導する。例えば、実施例4および図6Bに示されるように、対象に投与されるときの化合物は、例えば、子宮内膜症細胞内で、また対照と比べて、FN、Col1A1、CTGFなどの線維症マーカーのmRNAレベルの低下を誘導するのに好適である。一実施形態において、FNは、配列番号8によるものである。一実施形態において、Col1A1は、配列番号9によるものである。一実施形態において、CTGFは、配列番号10によるものである。
一実施形態において、NR4A1活性の調節は、PARPおよびカスパーゼ-3を切断する。示されるように、本開示による化合物は、対象に投与されるとき、例えば、子宮内膜症細胞内で、また対照と比べて、PARPおよびカスパーゼ-3の切断を誘導するのに好適である。一実施形態において、PARPは、配列番号11によるものである。一実施形態において、カスパーゼ-3は、配列番号12によるものである。
タンパク質の特定の実施形態が記載されているが、これらのタンパク質の他のホモログまたはアイソフォームは、本開示の範囲内にあると理解される。
一実施形態において、NR4A1活性の調節は、卵巣子宮内膜腫におけるアポトーシスを誘導する。
一実施形態において、NR4A1活性の調節は、対照と比べて、正常な子宮内膜細胞の増殖を阻害しない。
一実施形態において、NR4A1活性の調節は、例えば、対照と比べて、線維症の進行を阻害する。
一実施形態において、NR4A1活性の調節は、対照と比べて、子宮内膜症細胞におけるNR4A1の固有の転写活性を抑制する。一実施形態において、NR4A1活性の調節は、対照と比べて、異所性病変の増殖を抑制する。
一実施形態において、本開示のNR41リガンドは、以下の式:
Figure 2023514649000003
またはその塩によるものであり、
式中、
、R、R’、およびR’は、各々独立して、水素、1~約10個の炭素原子を含む直鎖アルキル基、および1~約10個の炭素原子を含む分岐鎖アルキル基からなる群から選択され、
、R、R、R、R’、R’、R’、およびR’は、各々独立して、水素、ハロゲン、1~約10個の炭素原子を含む直鎖アルキル基、1~約10個の炭素原子を含む分岐鎖アルキル基、1~約10個の炭素原子を含むアルコキシ基、およびニトロ基からなる群から選択され、
は、水素、1~約10個の炭素原子を含む直鎖アルキル基、1~約10個の炭素原子を含む分岐鎖アルキル基、1~約10個の炭素原子を含むシクロアルキル基、およびアリール基からなる群から選択され、
、R、R10、R11、およびR12は、独立して、H、ハロゲン、1~約10個の炭素原子を含む直鎖アルキル基、1~約10個の炭素原子を含む分岐鎖アルキル基、1~約10個の炭素原子を含むアルコキシ基、1~約10個の炭素原子を含むハロアルキル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、および1~約10個の炭素原子を含むハロアルコキシ基からなる群から選択され、
式中、R、R、R10、R11、およびR12のうちの少なくとも1つは、OHであり、
式中、R10がOHである場合、R、R、R11、およびR12のうちの少なくとも1つは、水素ではない。
一価の化学部分(例えば、アルキル、アリールなど)と称される化学部分もまた、当業者によって理解されるように、構造的に許容可能な多価部分を包含する。例えば、「アルキル」部分は、一般に、一価のラジカル(例えば、CHCH-)を指すが、適切な状況では、「アルキル」部分は、二価のラジカル(例えば、「アルキレン」基に相当する-CHCH-)も指し得る。同様に、二価の部分が必要とされる状況下では、当業者は、「アリール」という用語が、対応する二価のアリーレン基を指すと理解するであろう。
本明細書で使用される用語には、挙げられた置換基とその親部分との間の結合の結合順序を示すために、一重ダッシュ「-」または二重ダッシュ「
Figure 2023514649000004
」が前に付いていても、および/または後に続いていてもよく、一重ダッシュは単結合を示し、二重ダッシュは二重結合を示す。一重または二重ダッシュがない場合、単結合が置換基とその親部分との間に形成されていると理解され、さらに、置換基は、ダッシュによって別途示されない限り、「左から右」に読まれることが意図される。例えば、C~Cアルコキシカルボニルオキシおよび-OC(O)C~Cアルキルは、同じ官能基を示し、同様に、アリールアルキルおよび-アルキルアリールは、同じ官能基を示す。
原子はすべて、結合形成のためのそれらの通常の原子価数を有すると理解される(例えば、原子の酸化状態に応じて、炭素については4、Nについては3、Oについては2、およびSについては2、4または6)。場合によっては、部分は、例えば、(A)Bとして定義することができ、式中、aは、0または1である。そのような場合、aが0であるとき、部分はBであり、aが1であるとき、部分はABである。
置換基が、同じ種類の原子または基の数で変化し得る場合(例えば、アルキル基は、C、C、Cなどであり得る)、繰り返される原子または基の数は、範囲内のあらゆる数、ならびに任意およびすべてのサブ範囲を含む範囲(例えば、C~Cアルキル)によって表され得る。例えば、C~Cアルキルは、C、C、C、C1~2、C1~3、およびC2~3アルキルを含む。
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、別途指定されない限り、1~10個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖炭化水素を意味する。アルキルの代表的な例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、およびn-デシルが挙げられるが、これらに限定されることはない。「アルキル」基が他の2つの部分間の連結基である場合、これはまた、直鎖であっても、または分岐鎖であってもよく、例としては、-CH-、-CHCH-、-CHCHCHC(CH)-、-CHCH(CHCH)CH-が挙げられるが、これらに限定されることはない。
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、単環式または二環式シクロアルキル環系を意味する。単環式環系は、3~8個の炭素原子を含有する環式炭化水素基であり、そのような基は、飽和または不飽和であり得るが、芳香族ではない。特定の実施形態において、シクロアルキル基は、完全に飽和である。単環式シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。二環式シクロアルキル環系は、架橋単環式環または縮合二環式環である。架橋単環式環は、単環式環の2個の非隣接炭素原子が、1~3個のさらなる炭素原子間のアルキレン架橋(すなわち、-(CH-の形態の架橋基であり、wは、1、2、または3である)によって連結されている、単環式シクロアルキル環を含む。
「アルコキシ」とは、本明細書において定義されているような、酸素原子を通じて親分子部分に付加されたアルキル基を指す。アルコキシの代表的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2-プロポキシ、ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、およびヘキシルオキシが挙げられるが、これらに限定されることはない。
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、フェニル(すなわち、単環式アリール)、または少なくとも1つのフェニル環を含有する二環式環系、または芳香族二環式環系中に炭素原子のみを含有する芳香族二環式環を意味する。二環式アリールは、単環式シクロアルキル、単環式シクロアルケニル、または単環式ヘテロシクリルに縮合したアズレニル、ナフチル、またはフェニルであり得る。二環式アリールは、二環式系のフェニル部分内に含まれる任意の炭素原子、またはナフチルもしくはアズレニル環を有する任意の炭素原子を介して、親分子部分に結合されている。二環式アリールの縮合単環式シクロアルキルまたは単環式ヘテロシクリル部分は、任意選択的に、1または2個のオキソおよび/またはこの基で置換される。
「ハロゲン」とは、クロロ、ブロモ、フッ素、またはヨウ素原子ラジカルを指す。「ハロゲン」という用語はまた、「ハロ」または「ハロゲン化物」という用語も企図する。
「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」、および「ハロアルコキシ」という用語は、場合によっては、1個以上のハロゲン原子で置換されたアルキル、アルケニル、またはアルコキシ基を指す。
本明細書で使用される場合、「ニトロ」という用語は、-NO基を意味する。
「置換」という用語は、本明細書で使用される場合、指定された部分の水素ラジカルが特定の置換基のラジカルで置き換えられることを意味するが、ただし、置換によって、安定したまたは化学的に実現可能な化合物が生じることを条件とする。「置換可能な」という用語は、指定された原子に関して使用される場合、この原子に、好適な置換基のラジカルで置き換えられ得る水素ラジカルが結合していることを意味する。
さらなる実施形態において、本開示は、NR4A1の調節によって個体における子宮内膜症を治療する方法であって、その治療を必要とする対象に、WO2021/022220に記載されているような、ビス-インドール誘導化合物を投与することを含む、方法に関する。WO2021/022220の開示は、その開示について参照によって本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態において、この方法は、ビス-インドール誘導化合物によって核受容体4A1(NR4A1)および核受容体4A2(NR4A2)のうちの少なくとも1つに結合することをさらに含む。いくつかの実施形態において、ビス-インドール誘導化合物(CDIM)は、そのフェニル環上に2個以上の置換基を含む。いくつかの実施形態において、ビス-インドール誘導化合物としては、1,1-ビス(3’-インドリル)-1-(p-クロロフェニル)メタン(DIM-C-pPhCl;4-Cl)、1,1-ビス(3’-インドリル)-1-(4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェニル)メタン(3-CF-4-Cl)、1,l-ジメチル-1,1-ビス(3’-インドリル)-1-(p-ヒドロキシフェニル)メタン(N-Me-4-OH)、1,1-ビス(3’-インドリル)-1-(4-ブロモ-2-ヒドロキシ-フェニル)メタン(2-OH-4-Br)、1-ビス(3’-インドリル)-1-(p-ブロモフェニル)メタン(DIM-pPhBr)、1,1-ビス(3’-インドリル)-1-(p-ヒドロキシフェニル)メタン(CDIM8)、CDIM8の3,5-二置換類似体、CDIM8-3,5-(CH)2、CDIM8-3,5-Br、CDIM8-3,5-Cl、CDIM8-3-Br-5-OCH、CDIM8-3-Cl-5-OCH、CDIM8-3-Cl-5-Br、CDIM8-3-Cl-5-F、CDIM、CDIMの3,5-二置換類似体、CDIM-3,5-Br、CDIM-2,5-Br、CDIM-3,5-Cl、CDIM-3,5-(CH3)2、CDIM-3-Br-5-OCF、CDIM-3-Br-5-OCH、CDIM-3-Br-5-CF、CDIM-3-Cl-5-OCH、CDIM-3-Cl-5-OCF、CDIM-3-Cl-5-CF、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されることはない。一実施形態において、ビス-インドール誘導化合物は、CDIM-3-Br-5-CFである。
2-ヒドロキシリガンド
いくつかの実施形態において、RはOHである。特定の場合において、そのようなリガンドは、中央フェニル基にOH基が配置されていることに基づいて、本明細書においては、「2-ヒドロキシ」および/または「2-OH」リガンドと称される。特定のそのような実施形態において、R、R10、R11、およびR12は、各々Hである。特定の他の実施形態において、R、R10、R11、およびR12は、独立して、ハロゲン、CH3、OCCl、CF、t-ブチル、OCH、OH、C、およびCNからなる群から選択される。一実施形態において、R10は、OCHである。一実施形態において、R11は、CH、OCH、およびCFからなる群から選択される。一実施形態において、RおよびR11は、Brである。
ある実施形態において、本開示の組成物は、以下の構造のうちの1つを有する:
Figure 2023514649000005
Figure 2023514649000006
およびそれらの塩。
3-ヒドロキシリガンド
いくつかの実施形態において、Rは、OHである。特定の場合において、そのようなリガンドは、中央フェニル基にOH基が配置されていることに基づいて、本明細書においては、「3-ヒドロキシ」および/または「3-OH」リガンドと称される。特定のそのような実施形態において、R、R10、R11、およびR12は、各々Hである。特定の他の実施形態において、R、R10、R11、およびR12は、独立して、ハロゲン、CH、OCCl、CF、t-ブチル、OCH、OH、C、およびCNからなる群から選択される。特定の実施形態において、Rは、ハロゲンである。
一実施形態において、本開示の組成物は、以下の構造のうちの1つを有する:
Figure 2023514649000007
およびそれらの塩。
4-ヒドロキシリガンド
いくつかの実施形態において、R10は、OHである。特定の場合において、そのようなリガンドは、中央フェニル基にOH基が配置されていることに基づいて、本明細書においては、「4-ヒドロキシ」および/または「4-OH」リガンドと称される。特定のそのような実施形態において、R、R、R11、およびR12は、独立して、ハロゲン、CH、OCCl、CF、t-ブチル、OCH、OH、C、およびCNからなる群から選択される。特定の他の実施形態において、Rは、ハロゲンであり、R11は、H、ハロゲン、およびOCHからなる群から選択される。
一実施形態において、本開示の組成物は、以下の構造のうちの1つを有する:
Figure 2023514649000008
およびそれらの塩。
本開示のC-DIM化合物は、置換ベンズアルデヒドをインドールまたは置換インドールと縮合することによって調製することができる。これらの化合物は、2部のインドールまたは置換インドールを、1部のベンズアルデヒドまたは置換ベンズアルデヒドとともに、80~90℃の希酢酸中で24~48時間インキュベートすることによって合成することができる。固形物を濾過によって回収し、ベンゼンまたはベンゼン/ヘキサンから結晶化すると、70~90%のC-DIM収率が得られる。単一のインドール出発材料の使用は、対称的な生成物をもたらし、2つの異なるインドール出発材料の使用は、非対称的な生成物をもたらす。
代表的なC-DIM化合物の調製および特性評価は、例えば、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第7,232,843号に記載されている。
当業者であれば、送達経路、化合物の代謝、ならびに分布体積、クリアランス、対象の年齢などの他の薬物動態パラメータを考慮して、組成物を投与するための最も有効な用量および時間を確かめることができるであろう。例えば、NR4A1アンタゴニストなどのNR4A1リガンドは、局所投与、経口投与、静脈内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、鼻腔内投与、経皮投与、直腸投与、または有効量の活性薬剤を治療すべき組織もしくは部位に送達する任意の手段などの任意の周知の方法で投与することができる。好適な用量は、所望のエンドポイントを達成する用量である。異なる障害を治療するためには、異なる用量が必要とされ得ると理解されたい。薬剤の有効量は、例えば、腫瘍細胞数、増殖、サイズ、細胞遊走、または細胞侵入の停止または著しい低下を引き起こす量である。
これらの組成物は、薬学的担体および/または希釈剤とともに投与することができる。これらの薬剤はまた、他の薬剤と組み合わせて、例えば、子宮内膜症の治療に好適な他の化合物と結び付けて投与されてもよい。本発明で有用な薬学的担体または希釈剤の例は、好適な水溶性有機担体を含む任意の生理学的緩衝培地、すなわち、約pH7.0~7.4を含む。好適な水溶性有機担体としては、トウモロコシ油、ジメチルスルホキシド、ゼラチンカプセルなどが挙げられるが、これらに限定されることはない。
本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、特定の障害、状態、または疾患を治療するのに、例えば、その症状のうちの1つ以上を寛解、緩和、軽減、および/または遅延するのに十分な化合物または組成物の量を指す。子宮内膜症または他の望ましくない細胞増殖に関して、有効量は、子宮内膜病変を縮小させるのに、および/または子宮内膜病変の増殖速度を低下させるのに十分な量を含む。いくつかの実施形態において、有効量は、発症を遅らせるのに十分な量である。いくつかの実施形態において、有効量は、発症および/または再発を防止するのに十分な量である。有効量は、1回以上の投与において投与することができる。
治療的使用のための「薬学的に許容可能な担体」は、薬学分野で周知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition(Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1990)に記載されている。例えば、生理的pHの無菌生理食塩水およびリン酸緩衝生理食塩水を使用することができる。保存剤、安定剤、色素、およびさらにはフレーバリング剤を薬学的組成物中に提供することができる。例えば、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、およびp-ヒドロキシ安息香酸のエステルを保存剤として添加することができる。Id. at 1449.加えて、酸化防止剤および懸濁剤を使用することができる。
非液体製剤に好適な賦形剤は、当業者にも知られている。薬学的に許容可能な賦形剤および塩の入念な考察は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition(Easton, Pa.:Mack Publishing Company,1990)に見られる。
追加的に、湿潤剤または乳化剤、生物学的緩衝物質、界面活性剤などの補助物質が、そのようなビヒクル中に存在し得る。生物学的緩衝液は、薬理学的に許容可能であり、かつ所望のpH、すなわち、生理学的に許容可能な範囲のpHを有する製剤を提供する、任意の溶液であり得る。緩衝溶液の例としては、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、トリス緩衝生理食塩水、ハンク緩衝生理食塩水などが挙げられる。
意図される投与様式に応じて、薬学的組成物は、固体、半固体、または液体の剤形、例えば、錠剤、座薬、丸剤、カプセル、粉末、液体、懸濁液、クリーム、軟膏、ローションなどの形態、好ましくは、正確な用量の単回投与に好適な単位剤形にあり得る。組成物は、薬学的に許容可能な担体と組み合わせた有効量の選択された薬物を含み、加えて、他の薬学的薬剤、アジュバント、希釈剤、緩衝液などを含み得る。
本開示は、異性体、異性体のラセミもしくは非ラセミ混合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を含む本開示の化合物を、1つ以上の薬学的に許容可能な担体、ならびに任意選択的に他の治療および/または予防成分とともに含む、薬学的組成物を含む。
一般に、本開示の化合物は、許容される投与様式のいずれかによって治療有効量で投与される。In addition用量範囲は、治療すべき疾患の重症度、対象の年齢および相対的健康、使用される化合物の効力、投与経路および形態、投与が向けられる兆候、ならびに関係する医師の優先および経験などの多数の要因に依存する。そのような疾患を治療する当業者は、過度の実験なしに、個人的な知識および本出願の開示に依存して、所与の疾患についての本開示の化合物の治療有効量を確かめることができるであろう。
したがって、本開示の化合物は、経口(口腔および舌下を含む)、直腸、経鼻、局所、肺、膣、または非経口(筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、皮下、および静脈内を含む)投与に好適なものを含む薬学製剤として、または吸引もしくは吸入による投与に好適な形態で投与することができる。好ましい投与方法は、苦痛の程度に応じて調整することができる都合の良い1日の投与計画を使用して、静脈内または経口である。
固体組成物について、従来の非毒性固体担体としては、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。液体の薬学的に投与可能な組成物は、例えば、本明細書に記載されている活性化合物および任意の薬学的アジュバントを、例えば、水、生理食塩水、水性デキストロース、グリセロール、エタノールなどの賦形剤中に溶解、分散させるなどして、それによって溶液または懸濁液を形成することによって調製することができる。所望される場合、投与すべき薬学組成物はまた、少量の非毒性補助物質、例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤など、例えば、酢酸ナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、酢酸トリエタノールアミンナトリウム、オレイン酸トリエタノールアミンなどを含有し得る。そのような剤形を調製するための実際の方法は、当業者に知られているか、また明らかとなり、例えば、先に参照されるRemington’s Pharmaceutical Sciencesを参照されたい。
さらなる別の実施形態において、ポリカチオン(キトサンおよびその四級アンモニウム誘導体、ポリ-L-アルギニン、アミノ化ゼラチン)、ポリアニオン(N-カルボキシメチルキトサン、ポリアクリル酸)、およびチオール化ポリマー(カルボキシメチルセルロース-システイン、ポリカルボフィル-システイン、キトサン-チオブチルアミジン、キトサン-チオグリコール酸、キトサン-グルタチオン共役体)などのポリマーを含む、浸透促進賦形剤の使用がある。
経口投与の場合、組成物は、一般に、錠剤、カプセル、ソフトゲルカプセルの形態をとるか、または水性もしくは非水性溶液、懸濁液もしくはシロップであり得る。錠剤およびカプセルは、好ましい経口投与形態である。経口使用のための錠剤およびカプセルは、ラクトースおよびトウモロコシデンプンなどの1つ以上の一般的に使用される担体を含み得る。ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤も典型的に添加される。典型的には、本開示の化合物は、経口の、非毒性の、薬学的に許容可能な不活性担体、例えば、ラクトース、デンプン、スクロース、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトールなどと組み合わせることができる。さらに、所望または必要な場合、好適な結合剤、潤滑剤、崩壊剤、および着色剤もまた、混合物に組み込むことができる。好適な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然糖類、例えば、グルコースまたはβラクトース、トウモロコシ甘味料、天然および合成ガム、例えば、アカシア、トラガカント、またはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられる。これらの剤形で使用される潤滑剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤としては、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられるが、これらに限定されることはない。
したがって、例えば、カプセルは、用量単位が、本開示の化合物100mg、セルロース100mg、およびステアリン酸マグネシウム10mgであるように、従来の手順によって調製することができる。多数の単位カプセルは、標準的な2ピース硬質ゼラチンカプセルの各々を、100mgの粉末有効成分、150mgのラクトース、50mgのセルロース、および10mgのステアリン酸マグネシウムで充填することによっても調製することができる。または、錠剤は、用量単位が、本開示の化合物100mg、ラクトース150mg、セルロース50mg、およびステアリン酸マグネシウム10mgであるように、従来の手順によって調製することができる。多くの錠剤はまた、用量単位が本開示の化合物100mgであるように、従来の手順によって調製することができ、他の成分は、コロイド状二酸化ケイ素0.2mg、ステアリン酸マグネシウム5mg、微結晶セルロース250mg、デンプン10mg、およびラクトース100mgであり得る。適切なコーティングを適用して、口当たりを向上させたり、または吸収を遅らせたりすることができる。
液体懸濁液が使用される場合、活性剤は、エタノール、グリセロール、水などの任意の経口の、無毒性の、薬学的に許容可能な不活性担体と、また乳化剤および懸濁剤と組み合わせることができる。所望される場合、フレーバリング剤、着色剤、および/または甘味剤を添加することもできる。本明細書の経口製剤に組み込むための他の任意の構成要素としては、保存剤、懸濁剤、増粘剤などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
非経口製剤は、液体溶液もしくは懸濁液、注射前の液体への可溶化もしくは懸濁に際して沈降可能な固体形態として、またはエマルションとしてのいずれかで、従来の形態で調製することができる。好ましくは、無菌の注射可能な懸濁液は、好適な担体、分散剤または湿潤剤、および懸濁剤を使用して、当技術分野で知られている技術によって製剤化される。無菌の注射可能な製剤はまた、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒中に入った無菌の注射可能な溶液または懸濁液であり得る。用いることができる許容可能なビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー溶液、および等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、無菌の、固定油、脂肪エステル、またはポリオールは、従来的には、溶媒または懸濁媒体として用いられる。加えて、非経口投与は、一定レベルの用量が維持されるような徐放性または持続放出性の系の使用を伴い得る。
非経口投与としては、関節内、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、および皮下経路が挙げられ、また、酸化防止剤、緩衝液、バクテリオスタット、および製剤を意図されるレシピエントの血液と等張にする溶質を含有し得る水性および非水性の等張無菌注射溶液と、懸濁剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤および保存剤を含み得る水性および非水性の無菌懸濁液とが挙げられる。特定の非経口経路を介した投与は、無菌シリンジまたはいくつかの他の機械的デバイス、例えば、連続注入システムなどによって推進される、針またはカテーテルを通じて患者の体内に本開示の製剤を導入することを伴い得る。本開示によって提供される製剤は、シリンジ、注射器、ポンプ、または非経口投与のための当技術分野で認識されている任意の他のデバイスをライミング(liming)して投与され得る。
好ましくは、無菌の注射可能な懸濁液は、好適な担体、分散剤または湿潤剤、および懸濁剤を使用して、当技術分野で知られている技術によって製剤化される。無菌の注射可能な製剤はまた、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒中に入った無菌の注射可能な溶液または懸濁液であり得る。用いることができる許容可能なビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー溶液、および等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、無菌の、固定油、脂肪エステル、またはポリオールは、従来的には、溶媒または懸濁媒体として使用される。加えて、非経口投与は、一定レベルの用量が維持されるような徐放性または持続放出性の系の使用を伴い得る。
非経口投与のための本開示による調製物としては、無菌の水性または非水性溶液、懸濁液、またはエマルションが挙げられる。非水性溶媒またはビヒクルの例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、例えば、オリーブ油およびトウモロコシ油、ゼラチン、ならびに注射可能な有機エステル、例えば、オレイン酸エチルである。そのような剤形はまた、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤などのアジュバントも含有し得る。これらは、例えば、細菌保持フィルタを通して濾過することによって、殺菌剤を組成物に組み込むことによって、組成物を照射することによって、または組成物を加熱することによって、殺菌することができる。これらは、使用直前に無菌水またはいくつかの他の無菌の注射可能な媒体を使用して、製造することもできる。
これらの製剤は、任意選択的に等張剤を含有し得る。これらの製剤は、好ましくは等張剤を含有し、グリセリンが、最も好ましい等張剤である。グリセリンの濃度は、これが使用されるとき、例えば、約1mg/mL~約20mg/mLなどの当技術分野で既知の範囲にある。
非経口製剤のpHは、リン酸塩、酢酸塩、TRIS、またはL-アルギニンなどの緩衝剤によって制御することができる。緩衝剤の濃度は、好ましくは、保存中にpHの緩衝を提供して、ターゲットpH±0.2のpH単位でpHを維持するのに適切である。好ましいpHは、室温で測定した場合、約7~約8である。
Tween20(登録商標)(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)、Tween40(登録商標)(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート)、Tween80(登録商標)(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)、Pluronic F68(登録商標)(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー)、およびPEG(ポリエチレングリコール)などの薬学的に許容可能な可溶化剤などの他の添加剤が、任意選択的に製剤に添加可能であり、製剤がプラスチック材料と接触する場合に有用であり得る。加えて、非経口製剤は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどを含有し得る。
無菌の注射可能な溶液は、必要に応じて、先に列挙されている様々な他の成分とともに、適切な溶媒に、必要とされる量の本開示の化合物を1つ以上組み込み、続いて、濾過殺菌することによって調製される。一般に、分散液は、ベースの分散媒と、先に列挙されているものからの必要な他の成分とを含有する無菌ビヒクルに様々な殺菌された有効成分を組み込むことによって調製される。無菌の注射可能な溶液を調製するための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥技術であり、これらによって、予め無菌に濾過したその溶液から有効成分および任意のさらなる所望の成分の粉末が得られる。したがって、例えば、注射による投与に好適な非経口組成物は、1.5重量%の有効成分を10体積%のプロピレングリコールおよび水の中で撹拌することによって調製される。この溶液は、塩化ナトリウムで等張性にされ、殺菌される。
代替的に、本開示の薬学的組成物は、直腸投与のための座薬の形態で投与することができる。これらは、薬剤を、室温では固体であるが直腸温度では液体であり、したがって直腸内で融解して薬物を放出する好適な非刺激性賦形剤と混合することによって調製することができる。そのような材料としては、カカオバター、蜜蝋、およびポリエチレングリコールが挙げられる。
本開示の薬学的組成物は、鼻腔エアロゾルまたは吸引によって投与することもできる。そのような組成物は、薬学製剤の分野で周知の技術によって調製され、ベンジルアルコールまたは他の好適な保存剤、バイオアベイラビリティを高めるための吸収促進剤、フルオロカーボンもしくは窒素などの推進剤、および/または他の従来の可溶化剤もしくは分散剤を用いて、生理食塩水中の溶液として調製することができる。
局所薬物送達のための好ましい製剤は、軟膏およびクリームである。軟膏は、典型的にはワセリンまたは他の石油誘導体に基づく、半固体調製物である。選択された活性剤を含有するクリームは、当技術分野で知られているように、水中油型または油中水型のいずれかの粘性液体または半固体エマルションである。クリームベースは、水洗い可能であり、油相、乳化剤、および水相を含有する。「内」相とも呼ばれることがある油相は、一般に、ワセリンおよび脂肪アルコール、例えば、セチルまたはステアリルアルコールからなり、水相は、通常、必ずしもそうではないが、体積で油相を上回り、一般に保湿剤を含有する。クリーム製剤中の乳化剤は、一般に、非イオン性、アニオン性、カチオン性、または両性界面活性剤である。当業者に理解されるように、使用すべき特定の軟膏またはクリームベースは、最適な薬物送達を提供するものである。他の担体またはビヒクルと同様に、軟膏ベースは、不活性、安定性、非刺激性、および非感作性であるべきである。
口腔投与のための製剤としては、錠剤、トローチ、ゲルなどが挙げられる。代替的に、口腔投与は、当業者に知られているような経粘膜送達系を使用して行うことができる。本開示の化合物は、従来の経皮的薬物送達系、すなわち、経皮的「パッチ」を使用して皮膚または粘膜組織を通して送達することもでき、薬剤は、典型的には、体表面に貼付すべき薬物送達デバイスとして機能する積層構造内に含まれる。そのような構造では、薬物組成物は、典型的には、上部バッキング層の下にある層、または「リザーバ」に含有される。積層デバイスは、単一のリザーバを含有することも、または複数のリザーバを含有することもできる。一実施形態において、リザーバは、薬物送達中に皮膚にシステムを貼付する役割を果たす薬学的に許容可能な接触接着材料のポリマーマトリックスを含む。好適な皮膚接触接着材料の例としては、ポリエチレン、ポリシロキサン、ポリイソブチレン、ポリアクリレート、ポリウレタンなどが挙げられるが、これらに限定されることはない。代替的に、薬物含有リザーバおよび皮膚接触接着剤は、リザーバの下にある接着剤とともに、別々の異なる層として存在し、このリザーバは、この場合、上記のようなポリマーマトリックスであっても、または液体もしくはゲルリザーバであっても、またはいくつかの他の形態をとっていてもよい。デバイスの上面として機能するこれらの積層体におけるバッキング層は、積層構造の一次構造要素として機能し、デバイスにその柔軟性を多く提供する。バッキング層に関して選択された材料は、活性剤および存在する任意の他の材料に対して実質的に非浸透性であるべきである。
本開示の化合物は、鼻腔内投与を含む、特に呼吸器へのエアロゾル投与のために製剤化することができる。この化合物は、一般に、例えば、5ミクロン以下のオーダーの小さな粒径を有することになる。そのような粒径は、当技術分野で知られている手段、例えば、微粉化によって得ることができる。有効成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、またはジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の好適なガスなどの好適な推進剤を有する加圧パックで提供される。エアロゾルはまた、好都合には、レシチンなどの界面活性剤も含有し得る。投薬は、計量バルブによって制御することができる。代替的に、有効成分は、乾燥粉末の形態で、例えば、ラクトース、デンプン、デンプン誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリジン(PVP)などの好適な粉末ベース中に入った化合物の粉末混合物の形態で提供され得る。粉末担体は、鼻腔内にゲルを形成する。粉末組成物は、例えば、吸入器によって粉末を投与することができるゼラチンまたはブリスターパックのカプセルまたはカートリッジにおいて、単位用量形態で提示することができる。
薬学的または治療的に有効な量の組成物が対象に送達される。正確な有効量は、対象によって異なり、種、年齢、対象のサイズおよび健康状態、治療される状態の性質および程度、治療する医師の推奨、ならびに投与のために選択される治療薬または治療薬の組み合わせに依存するであろう。したがって、所与の状況についての有効量は、日常的な実験によって決定することができる。本開示の目的のために、一般に、治療量は、少なくとも1つの用量において、約0.01mg/kg~約250mg/kg体重、より好ましくは約0.1mg/kg~約10mg/kgの範囲にある。より大きな哺乳類では、指示される1日用量は、1日に1回以上で、約1mg~300mg、より好ましくは約10mg~200mgの範囲にあり得る。対象は、障害の兆候、症状もしくは原因を低減および/もしくは緩和するのに、または生物学的系の任意の他の所望の変化をもたらすのに必要な量だけ投与することができる。所望される場合、製剤は、有効成分の持続的または制御された放出投与に適した腸溶性コーティングを用いて調製することができる。
薬学的調製物は、好ましくは単位剤形にある。そのような形態において、調製物は、適切な量の有効成分を含有する単位用量に細分化される。単位剤形は、パッケージ化された調製物であってもよく、パッケージは、バイアルまたはアンプル内に、パッケージ化された錠剤、カプセル、および粉末などの、分離量(discrete quantities)の調製物を含有する。また、単位剤形は、カプセル、錠剤、カシェもしくはトローチそれ自体であっても、またはパッケージ化された形態におけるこれらのいずれかの適切な数であってもよい。
個体は、哺乳類、鳥類、爬虫類、または魚類などの任意の動物であり得る。例示的な哺乳類のカテゴリーとしては、げっ歯類、霊長類、イヌ科、ネコ科、有蹄類、ラゴモルフなどが挙げられる。例えば、個体は、ヒト、サル、類人猿もしくは他の霊長類、マウス、ラットもしくは他のげっ歯類、イヌ、ネコ、ブタ、ウマ、ウシ、またはウサギなどであり得る。
本明細書で使用される場合、「治療」という用語は、障害または状態に対する寛解、治癒、または予防効果を提供することを意味する。いくつかの実施形態において、治療は、(非治療または他の治療と比較して)状態の漸増もしくは進行を防止すること、または漸増もしくは進行の速度を遅延することを含む。子宮内膜症(以下により詳細に説明)の文脈において、治療は、細胞増殖もしくは細胞分裂速度を遅延または防止すること、細胞遊走を遅延もしくは防止すること、および/または細胞侵入を遅延または防止することを含む。一実施形態において、子宮内膜症の治療は、異所性病変の体積を減少させること、および/または異所性病変の増殖速度を抑制することを含む。
本開示の実施例および図に示されるように、本開示の実施形態によると、本開示のC-DIM/NR4A1アンタゴニストは、アポトーシスを活性化することによって、卵巣子宮内膜腫から単離されたESECT-7およびESECT-40細胞の増殖を抑制したが、NEM(正常)子宮内膜細胞の増殖を阻害することはなく、それでいて、NR4A1は、NEM細胞において発現された。子宮内膜症細胞とは対照的に、DIM-C-pPhOHおよびDIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3は、NR4A1アゴニストとして機能して、C2C12筋細胞におけるグルコース取り込みプロセスに関与する遺伝子を誘導した。CDIM/NR4A1リガンド(例えば、アンタゴニスト/アゴニスト/不活性)の活性におけるこれらの細胞差は、典型的には、CDIMが選択的NR4A1調節因子であることを示唆する組織/細胞特異的活性を呈する選択的受容体調節因子について観察される。正常な子宮内膜細胞ではなく子宮内膜症細胞内での有効性におけるこれらの化合物の選択性は、必須補因子の差次的発現を含むいくつかの理由によるものであり得、これらは現在調査中である。
線維症の発症は、子宮内膜症中の不妊症および疼痛の減少につながり得る。Zengおよび共同研究者は、正常な子宮内膜組織(NESC)および子宮内膜症組織(EESC)におけるNR4A1のノックダウンが線維症を増強し、サイトスポロンβ(NR4A1アゴニスト)処置がNESCおよびEESC細胞におけるTGFβ誘導性線維症を阻害したことを明らかにした。Zengら,Cell Physiol Biochem.2018;46(3):1078-90。この観察とは対照的に、NR4A1のノックダウンまたはC-DIM(NR4A1アンタゴニスト)による処置は、本開示の一実施形態によると、ESECT-7細胞およびIHEECの線維症の進行を、それらの対照と比較して阻害した。子宮内膜症マウスモデルにおいて、本開示は、正常な子宮内膜組織と比較して子宮内膜症組織におけるNR4A1のレベルがより高いことを示し、DIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3処置は、体重の変化なく、子宮内膜症を有するマウスにおける子宮内膜症の進行を抑制し、同様の結果が、HECを有するSCIDマウスにおいて観察された。子宮内膜症におけるNR4A1の役割に関して明らかに矛盾する報告があるのはなぜか?まず、Zengのグループは、Nr4a1 KO子宮片の自動移植によってNr4a1総KOマウスに子宮内膜症を誘導した。したがって、Zengのグループによって説明されているように、全身Nr4a1KO女性レシピエントの干渉による子宮内膜症の進行について、異所性病変におけるNR4A1の機能を決定することはできない。SCIDマウスモデルにおいて、Zengのグループは、マウスを17-βエストラジオールで処置して、子宮内膜症の進行を刺激した。しかしながら、17-βエストラジオールは、本開示の実施例においてレシピエントマウスに注射しなかった。高濃度の外因性17-βエストラジオール曝露は、非処置SCIDマウスと比較して、SCIDマウスにおける細胞内シグナル伝達を有意に変化させる。理論に縛られることを望むものではないが、この種の実験的差異は、子宮内膜症の進行におけるNR4A1の効果を変化させると考えられている。
要約すると、本開示は、NR4A1が子宮内膜症の進行を刺激する新たな子宮内膜症促進転写因子であること、および本開示のビス-インドール由来NR4A1アンタゴニストを子宮内膜症の治療のための新たな非ホルモン療法として用いることができること、およびそのような治療方法が従来のホルモン療法の副作用を最小限に抑えるまたは排除することを実証している。
実施例1:材料および方法
子宮内膜症患者からの原発性ヒト子宮内膜症間質細胞:IRBが承認したプロトコルに従って、増殖期に卵巣子宮内膜腫を子宮内膜症患者から単離した。単離された異所性病変を、3型コラゲナーゼ(300μg/ml)およびDNaseI(40μg/ml)で90分間37℃で消化し、次いで、組織を150、100、および40μmのふるいで濾過して、子宮内膜間質細胞を単離した。収集した子宮内膜間質細胞を、10%のFBS+1×抗生物質/抗真菌溶液を有するDMEM/F12中で培養し、次いで、CD90抗体(間葉マーカー)を用いたフローサイトメトリーによって検証した。以降、間質細胞を異所性子宮内膜分離卵巣子宮内膜腫(ESECT)と呼ぶ。対照として、増殖期に正常な女性(NEM)の正所性子宮内膜の生検から正常な一次子宮内膜間質細胞を単離した。すべての細胞を、加湿した5%のCO2および95%の空気の雰囲気において、COインキュベータ内で37℃でインキュベートした。
試薬および抗体:アネキシンV死細胞アポトーシスキット(V13241)をInvitrogenから購入した。使用された一次抗体は、Cell Signaling Technology(Danvers、MA)のEGFR(4267、1:1000)、サバイビン(2808、1:1000)、c-カスパーゼ-3(9661、1;1000)、c-PARP(9541、1:1000)、ならびにSantacruz Biotechnology(Santacruz、CA)のc-Myc(sc-40、1:500)、Bcl-2(sc-509、1:500)およびBax(sc-20067、1:500)、Abcam(Cambridge、MA)のNR4A1(ab109180、1:3000)およびα-SMA(ab32575、1:3000)、Sigma Aldrich Corporation(Milwaukee、WI)のβ-アクチン(A1978、1:10000)、GeneTex,Inc.(Irvine、CA)のCOL1A1(GTX112731、1:2000)、CTGF(GTX124232、1:2000)およびFN(GTX112794、1:2000)であった。Cell Signaling Technology(Danvers、MA)から購入したウサギ(7074)、マウス(7076)、および抗ウサギAlexa Fluor(4412)についての二次抗体。この研究で使用した2つのsiNR4A1オリゴヌクレオチドは、SASI_Hs02_00333289およびSASI_Hs02_00333290であり、非標的スクランブル小干渉RNA(iGL2)は、Sigma Aldrich Corporation(The Woodlands、TX)からの対照として使用した。ビス-インドール由来のNR4A1リガンド1,1-ビス(3’-インドリル)-1-(p-ヒドロキシフェニル)メタン(DIM-C-pPhOH)、1,1-ビス(3’-インドリル)-1-3-クロロ-5-メトキシフェニル)メタン(DIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3)、1,1-ビス(3’-インドリル-1-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)メタン(DIMC-C-pPhOH-3,5-Br2)、および1,1-ビス(3’-インドリル)-1-(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)メタン(DIM-C-pPhOH)を記載のとおりに調製した。
細胞増殖アッセイ:患者由来の子宮内膜症細胞ESECT-7およびESECT-40を96ウェルプレートに播種し、次いで、これらの細胞を、DMSOまたは異なる濃度のDIM-C-pPhOHおよびDIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3のいずれかで24時間処置した。ESECT-7およびESECT-40を2つのsiNR4A1オリゴヌクレオチドで処置して、NR4A1を下方制御した。非標的siRNAをsiRNAの対照として用いた。その後、培地を除去し、PBS中で希釈したMTT溶液を細胞培養物に添加した。3時間のインキュベーション後に、培地を吸引し、PBSで洗浄した。ジメチルスルホキシド(DMSO)を添加し、37℃で10分間インキュベートし、吸光度を570nMで測定した。
ウエスタンブロッティング:ESECT-7およびESECT-40細胞(2×105)を播種し、24時間付着させ、次いで、これらの細胞を、DMSOまたは異なる濃度のDIM-C-pPhOHおよびDIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3のいずれかで24時間処置した。次いで、細胞を溶解させ、全細胞溶解物を10%のSDS-PAGEゲル中で分解させ、PVDF膜を使用して、ウェットブロッティング、続いて、一次および二次抗体インキュベーションによってタンパク質を転写し、記載されているようなECL試薬を使用して検出した。
アネキシンV染色:ESECT-7およびESECT-40細胞をNuncチャンバ付きカバーガラスに播種し、続いて、様々な薬物処置を行った。次いで、細胞を氷冷したPBSで洗浄し、(製造業者の指示に従って)100μg/mLのPIを有する5μLのAlexa Fluor(登録商標)488アネキシンVを細胞に添加し、15分間インキュベートし、Zeiss共焦点蛍光顕微鏡を使用して細胞を観察した。
免疫蛍光:ESECT-7およびESECT-40細胞をNuncチャンバ付きカバーガラスに播種し、続いて、様々な薬物処置を行った。これらの細胞を、PBS中に入った4%のパラホルムアルデヒドによって、37℃で20分間固定した。次いで、これらの細胞をブロックし、緩衝液中に入った一次α-SMA抗体(PBS中に入った5%のウシ血清アルブミン)によって4℃で一晩インキュベートし、続いて、Alexa Fluor共役二次抗体とともに、1:250の希釈で室温で2時間インキュベートした。最後に、Zeiss共焦点蛍光顕微鏡を使用して、細胞を観察した。
RNA干渉:ESECT-7およびESECT-40細胞を6ウェルプレートに播種し、60%コンフルエンスに増殖させ(24時間)、次いで、製造業者のプロトコルに従ってLipofectamine 2000でトランスフェクションを実施した。siNR4A1オリゴヌクレオチドおよび非標的化対照小干渉RNAの両方を使用した。トランスフェクションから6時間後に、培地を新鮮な培地と交換し、72時間そのままにし、これらの細胞を採取し、タンパク質発現を決定した。
定量的リアルタイムPCR:総RNAを、製造業者の指示に従って培養細胞から単離した(Zymo Research、Irvine、CA)。RNA試料の濃度および純度を、ナノドロップ分光光度計を使用して決定した。CFX384リアルタイムPCRシステム(Bio-Rad)を用いた製造業者のプロトコルを使用し、iTaqユニバーサルSYBR Green One-Step Kit(Thermo Fisher Scientific、Grand Island、NY)を使用して、全RNAを逆転写した。比較サイクル閾値法を試料の相対的定量に使用した。各遺伝子の値をTATA結合タンパク質の発現レベルに対して正規化した。リアルタイムPCRに使用されるプライマーの配列は、以下のものを含んでいた:α-SMA、5’-GGC CGA GAT CTC ACT GAC TAC-3’(センス、配列番号13)および5’-TTC ATG GAT GCC AGC AGA-3’(アンチセンス、配列番号14);COL1A1、5’-CAG CCG CTT CAC CTA CAG C-3’(センス、配列番号15)および5’-TTT TGT ATT CAA TCA GTG TCT TGC C-3’(アンチセンス、配列番号16);CTGF、5’-TTG GCC CAG ACC CAA CTA TG-3’(センス、配列番号17)および5’-CAG GAG GCG TTG TCA TTG GT-3’(アンチセンス、配列番号18);FN、5’-GGG AGC CTC GAA GAG C-3’(センス19)および5’-AAC AAG TAC AAA CCA ACG CA-3’(アンチセンス、配列番号20)およびTATA結合タンパク質、5’-GAT CAG AAC AAC AGC CTG CC-3’(センス、配列番号21)および5’-TTC TGA ATA GGC TGT GGG GT-3’(アンチセンス、配列番号21)。
ルシフェラーゼアッセイ:ESECT-7およびESECT-40細胞を、2.5%の炭ストリップFBSを補充したDMEM/F12において、12ウェルプレート上にプレーティングした。一晩の結合および増殖の後に、様々な量のDNA[すなわち、UASx5-Luc(500ng)、GAL4-NR4A1(50ng)、NBREx3-Luc(800ng)、NurREx3-Luc(800ng)、およびFlag-NR4A1(80ng)]を、製造業者のプロトコルに従って、Lipofectamine2000試薬(Invitrogen、Carlsbad、CA)を使用して、各ウェルに同時トランスフェクトした。トランスフェクションの6時間後に、細胞を、溶媒(DMSO)または示された濃度の化合物のいずれかを含有するプレーティング培地(先と同様)で18時間処置した。次いで、細胞を溶解させ、細胞抽出物をルシフェラーゼ活性の化学発光定量に使用した。ルシフェラーゼ活性値を、ブラッドフォードアッセイによって決定された対応するタンパク質濃度値に対して正規化した。GAL4-およびFlag-NR4A1構築物のどちらも、完全長NR4A1コード配列を含有しており、この研究で使用されるすべてのプラスミドは、すでに記載されていた。
自動移植を伴う子宮内膜症マウスモデル:麻酔下で雌マウス(6週齢、C57BL/6J)から1本の子宮角を単離し、次いで、子宮角を縦方向に切断した。2mmの真皮生検パンチを使用して、単離された子宮から1つの子宮内膜片を得て、その後、同じマウスの腸に付着した腸間膜に縫合した。次いで、腹部切開部を縫合糸で閉じた。異所性病変を採取する前に、膣細胞診を使用して、マウス発情サイクルを決定した。子宮内膜症誘導後3週目の発情期で、子宮内膜症を有するマウスから異所性病変を単離した。子宮内膜症対照として、10週齢の発情期に、子宮内膜症のないC57BL/6J雌マウスから子宮を単離した。
不死化ヒト子宮内膜細胞での異種移植による子宮内膜症マウスモデル:レンチウイルス発現ルシフェラーゼを形質導入することによって、ルシフェラーゼ安定不死化ヒト子宮内膜上皮細胞(LIHESC)およびルシフェラーゼ安定不死化ヒト子宮内膜間質細胞(LIHESC)を、良性状態についての子宮切除から得られた子宮内膜から単離したIHESCと、卵巣子宮内膜腫から生成したIHEECとから生成し、次いで、ルシフェラーゼ活性アッセイでルシフェラーゼの発現を検証した。LIHESC(1×106細胞)およびLIHEEC(1×106細胞)のマトリゲル含有混合物を、雌性重症複合免疫不全(SCID)マウス(6週齢)の腹腔に注射して、子宮内膜症を誘発した。以降、LIHEECおよびLIHESCの混合物をヒト子宮内膜細胞(HEC)と呼ぶ。異所性病変は、HEC移植SCIDマウスの約80%で良好に発現し、ビメンチンおよびサイトケラチン18に対する抗体を用いた免疫染色は、異所性病変がHECから問題なく発現したことを明らかにした。ヒト異所性病変の進行を非侵襲的に決定するために、イメージングの5分前に、150mg/kgのD-ルシフェリンをマウスに腹腔内注射し、次いで、インビボImage Systemを使用して、マウスにおけるヒト異所性病変のルシフェラーゼ活性を決定した。
C-DIMによる子宮内膜症治療:子宮内膜症を、上記のような自動およびヘテロ移植法を用いてマウスに誘導した。マウスにおいて異所性病変を確立した後(子宮内膜症誘発後3週目)に、子宮内膜症を有するマウスを2つのグループに無作為に分け、次いで、実験群のマウスに25mg/kgのC-DIMを3週間腹腔内注射し(1日1回、毎日)、対照グループのマウスにビヒクル(5%のDMSOおよび10%の2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、1日1回)を3週間注射した。自動移植モデルの場合、薬物治療後3週目の発情期に、子宮内膜症を有するマウスから、ビヒクルとの比較にてC-DIMで処置したマウス異所性病変を単離し、次いで、それらの体積を測定した。ヘテロ移植モデルの場合、薬物治療中の子宮内膜症を有するSCIDマウスにおいて、ビヒクルとの比較にてC-DIMで処置したヒト異所性病変のルシフェラーゼ活性を決定した。
免疫組織化学:前述のように、10%の中性緩衝処理された、ホルマリン固定された、およびパラフィン包埋されたマウス組織切片を用いて、免疫染色を実施した。免疫染色のために、切片を脱蝋し、再水和し、10mMのクエン酸緩衝液(pH6.0)中で10分間煮沸した。抗体の非特異的結合を減少させるために、切片を、再び0.1%のTween-20(PBST)を有するリン酸緩衝生理食塩水中で洗浄し、PBST中の10%ヤギ血清を用いて、室温で1時間プレインキュベートした。Nr4a1に対する抗体(NB100-5674、Novus、1:300)を用いて、子宮、正所性子宮内膜、および異所性病変におけるNr4a1レベルを決定した。特異的抗原をDAB(3,3’-ジアミノベンジジン)基質キットで可視化した。免疫染色強度を、ImageJプログラムを使用して定量した。
統計解析:すべての実験を最低3回繰り返した。データは、平均値±標準誤差(SE)として表される。統計的有意性を決定するために、分散の一方向分析を使用した。0.05未満のP値を統計的に有意とみなした。
実施例2:NR4A1の発現および受容体ノックダウンの効果
最近の研究から、NR4A1が、子宮内膜がん細胞(石川およびHec1B)において発現され、他の固形腫瘍由来がん細胞において以前に観察されたように、細胞増殖、生存、遊走/侵入、および関連遺伝子の制御において重要な役割を果たしていたことが示された。子宮内膜症細胞はまた、NR4A1も発現し、図1Aの結果は、RNA干渉(RNAi)によるNR4A1のノックダウンが、患者由来のESECT-7およびESECT-40子宮内膜症細胞の増殖を低下させることを示す。両方のオリゴヌクレオチドのノックダウン効率は、図1Bに示されるように、85%超であり、NR4A1の損失は、増殖促進遺伝子EGFRおよびcMycの発現の減少と並行していた(図1C)。また、子宮内膜症細胞におけるNR4A1のノックダウンが、生存促進サバイビンおよびBcl-2遺伝子産物の発現を低下させ、すべてアポトーシスのマーカーであるBax、カスパーゼ-3、およびPARP切断を誘導したことが観察された(図1D)。加えて、NR4A1ノックダウンはまた、ESECT-7およびESECT-40細胞においてアネキシンV染色を誘導し(図1E)、これらの結果は、以前に子宮内膜がん細胞で観察されたものと同等であった。
実施例3:ビス-インドール誘導NR4A1リガンド:トランス活性化および機能
我々の以前の研究から、NR4A1アンタゴニストとして1,1-ビス(3’-インドリル)-1-(p-ヒドロキシフェニル)メタン(DIM-D-pPhOH、CDIM8)が同定され、また、ヒドロキシル基におけるインビボ代謝(抱合)を減少させるために、かつ活性を向上させるために、CDIM8のいくつかの強化(3,5-置換)された類似体が開発された。図2Aの結果は、CDIM8、ならびにDIM-C-pPhOHの3,5-ジブロモ(4-OH-3,5-Br2)、3-クロロ-5-メトキシ(4-OH-3-Cl-3-OCH3)および3-クロロ-(4-OH-3-Cl)強化類似体が、GAL4-NR4A1キメラ/上流活性化配列(UAS)-ルシフェラーゼ(luc)およびNR4A1/NGFI-B応答要素(NBRE)-luc構築物でトランスフェクトされたESECT-7細胞中のGAL4-NR4A1およびNR4A1の固有転写活性を阻害したことを示した。UAS-luc構築物は、5つのタンデムGAL4結合部位を含有し、NBRE-luc構築物は、NR4A1に結合するNBRE部位を含有する。同一の化合物セットは、ESECT-40細胞におけるNR4A1の固有の転写活性を低下させた(図2B)。したがって、ビス-インドール由来のNR4A1アンタゴニストは、ヒト子宮内膜症細胞および子宮内膜がん細胞の両方におけるNR4A1の固有の転写活性を効果的に抑制した。NR4A1リガンド誘導体の比較分析は、DIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3が、他のNR4A1リガンドと比較して、NR4A1の固有の転写活性を効果的に抑制したことを明らかにした。例えば、5~10μMのDIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3は、15~25μMのDIM-C-pPhOHと比較して、ESECT-7およびESECT-40細胞の増殖を効果的に阻害し(図2C)、同じ細胞株におけるEGFRおよびcMycの発現を下方制御した(図2D)。加えて、10μMのDIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3は、25μMのDIM-C-pPhOHと比較して、ESECT-7(図3A)およびESECT-40(図3B)細胞においてアネキシンV染色を有意に誘導した。また、5μMのDIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3処置は、25μMのDIM-C-pPhOHと比較して、サバイビンおよびBcl-2の下方制御を含むアポトーシスのいくつかのマーカーを有意に誘導し、ESECT-7およびESECT-40(図3C)細胞においてBaxおよび切断PARPおよびカスパーゼ-3を誘導した。
しかしながら、ヒト子宮内膜症間質細胞(ESECT)とは対照的に、15~25μMのDIM-C-pPhOHおよび5~10μMのDIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3処置は、DMSO対照と比較して、正常な子宮内膜NEM細胞の増殖を抑制せず(図4A)、cMycおよびEGFRの発現を低下させなかった(図4B)。また、25μMのDIM-C-pPhOHおよび10μMのDIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3処置も、DMSO対照と比較して(図4D)、NEM細胞中のPARPおよびBaxの切断形態のレベルであるアネキシンV染色を増強しなかった(図4C)。NEM細胞はまた、NR4A1を発現したが、NR4A1アンタゴニストは、細胞コンテキスト依存的効果(cell context-dependent effects)を呈し、これらの細胞に影響を及ぼさず、この細胞依存的特異性は、典型的には、受容体にのみならず、細胞株間で異なり得る特定の補因子の発現にも依存する選択的受容体調節因子について観察される。
間質由来子宮内膜症細胞におけるこれまでの研究は、NR4A1のノックダウンが、ヒト異所性子宮内膜間質細胞(EESC)および正常な子宮内膜間質細胞(NESC)におけるTGFβ1誘導線維性遺伝子の発現を増強したことを示した。この観察を検証するために、ESECT-7子宮内膜症間質細胞において、NR4A1の固有の転写活性を阻害し(図5A)、siNR4A1によってNR4A1レベルを低下させ(図5B)、次いで、線維症の進行を決定した。NR4A1の抑制によって、ESECT-7細胞におけるSMAレベルの発現が、それらの対照と比較して減少した(図5Aおよび5B)。SMAに加えて、20~25μMのDIM-C-pPhOHおよび5~10μMのDIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3もまた、DMSO対照と比較して、ESECT-7細胞における線維症マーカー(FN、Col1A1、およびCTGFなど)のmRNAレベルを低下させた(図5C)。
実施例4:子宮内膜がん細胞と比較した、子宮内膜症細胞の線維症におけるNR4A1アンタゴニストの効果。
ヒト子宮内膜細胞の線維症の進行におけるNR4A1の機能を検証するために、正常なヒト子宮内膜上皮細胞として不死化ヒト子宮内膜上皮細胞(IHEEC)を用いた。なぜなら、SCIDマウスにおいてIHEECが形質転換されなかったからである(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1892381/)。NR4A1阻害剤が石川細胞の増殖および生存を妨げることから、対照として、上皮由来の石川子宮内膜がん細胞を用いた。NR4A1(図6A)、ならびにDIM-C-pPhOHおよびDIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3処置(図6B)のノックダウンは、それらの対照と比較して、IHEECにおける線維症マーカー(α-SMA、COL1A1、FN、およびCTGF)の発現を低下させた。NR4A1(図6C)、ならびにDIM-C-pPhOHおよびDIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3(図6D)のノックダウンはまた、石川細胞における線維症マーカー(α-SMA、COL1A1、FN、およびCTGF)の発現を低下させた。したがって、NR4A1の活性化は、子宮内膜上皮がん細胞株において観察されるように、子宮内膜症の線維症進行を刺激する。
実施例5:NR4A1の発現レベルは、正常な子宮と比較して、子宮内膜症組織において上昇した
NR4A1の発現レベルが正常な子宮内膜と比較して子宮内膜症組織で上昇しているかどうかを決定するために、自動移植法でマウスに手術的に子宮内膜症を誘導した。子宮内膜症誘導後3週目の発情期で、子宮内膜症を有するマウスから異所性病変および正所性子宮内膜を単離した。対照として、子宮内膜症を有しない発情期の雌マウス(10週齢)でも子宮を単離した。
NR4A1抗体を用いた免疫組織化学(IHC)から、NR4A1レベルが、子宮の上皮と比較して、異所性病変の上皮において有意に上昇したこと(2.6倍、p<0.001)が明らかとなった(図7A、7C、および7D)。異所性病変に加えて、NR4A1レベルは、正常な子宮の上皮と比較して、正所性子宮内膜の上皮においても上昇した(1.27倍、p=0.002)(図7A、7B、および7D)。したがって、子宮内膜症を有するマウスの異所性病変および正所性子宮内膜の上皮は、正常な子宮の上皮と比較して、より高いレベルのNR4A1を有する。上皮に加えて、子宮の間質と比較して、異所性病変の間質におけるNR4A1レベルがわずかに上昇した(1.1倍、p=0.012)(図7E)。しかしながら、NR4A1のレベルは、正常な子宮の間質と比較して、正所性子宮内膜の間質において上昇しなかった(図7E)。まとめると、子宮内膜症組織におけるNR4A1レベルの上昇は、子宮内膜症の進行と関連していた。
実施例6:DIM-C-PPHOH-3-CL-5-OCH3処置は、子宮内膜症を有するマウスにおける異所性病変の増殖を効果的に抑制する
NR4A1の発現レベルは、正常な子宮と比較して、異所性病変において有意に上昇したが、NR4A1の上昇が、子宮内膜症を誘発するか、または単に子宮内膜症の結果であるかは明らかでない。この問題に対処するために、NR4A1特異的アンタゴニスト、DIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3を用いて、異所性病変におけるNR4A1の阻害が、子宮内膜症を有するマウスにおける子宮内膜症の毎日の進行を抑制するかどうかを調べた。我々のこれまでの研究に基づいて、子宮内膜症を有するマウスを、25mg/kgのDIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3およびビヒクル対照で毎日処置した(図8A)。25mg/kgのDIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3処置は、ビヒクルと比較して、異所性病変の体積を有意に減少させた(2.4倍、p=0.015)(図8B、8C、および8D)。しかしながら、DIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3処置は、ビヒクルと比較して、マウスの体重を変化させなかった(図8E)。したがって、DIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3処置は、最小限の副作用を伴って、子宮内膜症を有するマウスにおけるマウス異所性病変の増殖を効果的に抑制した。
先の観察は、DIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3がヒト異所性病変の増殖も抑制するかどうかの問題を提起した。この問題に対処するために、ルシフェラーゼ遺伝子を担持するHECを有するSCIDマウスに子宮内膜症を誘導した。ヒト異所性病変を有するマウスを、対照としてのビヒクルと比較して、25mg/kgのDIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3で処置した(図9A)。マウス異所性病変に加えて、DIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3処置はまた、ビヒクルの画像と比較して、異所性病変におけるルシフェラーゼ活性を有意に低下させた(13.4倍、p=0.022)(図9Bおよび9C)。ルシフェラーゼ活性は、マウスにおけるヒト異所性病変の増殖を総括するものであるため、NR4A1アンタゴニストによるDIM-C-pPhOH-3-Cl-5-OCH3処置は、ビヒクルと比較して、SCIDマウスにおけるヒト異所性病変の増殖を抑制し、子宮内膜症の阻害剤としてのNR4A1アンタゴニストのインビボ有効性を実証した。
略称:
・C-DIM、メチレン置換ジインドリルメタン;
・COLIA1、α1型コラーゲン;
・CTGP、結合組織増殖因子;
・DAB、ジアミノベンジジン;
・DIM、3,3’-ジインドリルメタン;
・DIM-C-pPhOH、1,1-ビス(3’-インドリル)-1-(4-ヒドロキシフェニル)メタン;
・EGFR、表皮増殖因子受容体;
・FN、フィブロネクチン;HEC、ヒト子宮内膜細胞;
・IHC、免疫組織化学;
・NBRE、神経増殖因子β応答要素;
・NR4A、核内受容体4A;
・LIHESC、ルシフェラーゼ安定性不死化ヒト子宮内膜細胞;
・PBS、リン酸緩衝生理食塩水;
・PVDF、ポリフッ化ビニリデン;
・SMA、平滑筋アクチン。
本開示の任意の態様に対して提供される任意の実施形態、特徴、要素、定義、または一般的な説明は、明示的に記載されない限り、限定されることはないが、本開示の任意の他の態様に適用され得ると理解されるであろう。したがって、本明細書で論じられる任意の実施形態は、本発明の任意の方法、薬剤、または組成物に関して実施することができ、逆もまた同様である。さらに、本発明の方法を達成するために、本発明の薬剤および組成物を使用することができる。
「1つの(a)」または「1つの(an)」という用語の使用は、本明細書における「含む」という用語と併せて使用される場合、「1つ」を意味し得るが、「1つ以上」、「少なくとも1つ」、および「1または1つより多く」の意味とも一致する。
本開示は、代替物および「および/または」のみを指す定義を支持するものであるが、「または」という用語の使用は、代替物のみを指すことが明示的に示されない限り、または代替物が互いに排他的でない限り、「および/または」を意味するために使用される。
本出願全体を通して、「約」という用語は、値が、デバイスに関する、すなわち、値を決定するために用いられる方法に関する誤差の固有の変動、または研究対象の間に存在する変動を含むことを示すために使用される。
「含む(comprise)」、「有する」、および「含む(include)」という用語は、非限定的な連結動詞である。これらの動詞、例えば、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含む(includes)」、および「含む(including)」のうちの1つ以上の任意の形態または時制もまた、非限定的である。例えば、1つ以上の工程を「含む(comprises)」、「有する」、または「含む(includes)」任意の方法は、それらの1つ以上の工程のみを有することに限定されることはなく、また他の挙げられていない工程も包含する。「含む」の代替として、またはこれに加えて、本明細書の任意の実施形態は、「からなる」を列挙することができる。「からなる」という移行句は、特許請求の範囲において特定されていない任意の要素、工程、または成分を除外する。単数または複数の数を使用する単語は、それぞれ複数および単数の数も含む。追加的に、「本明細書」、「先の」および「以下の」という単語、ならびに同様の意味の単語は、本出願で使用される場合、本出願全体を指し、本出願の任意の特定の部分を指すものではない。
本明細書で引用されている刊行物およびそれらが引用されている主題は、それらの全体が参照によって本明細書に具体的に組み込まれる。
本発明の好ましい実施形態が例示および記載されているが、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、ここでは様々な変更が行われ得ると理解されたい。

Claims (27)

  1. 核受容体サブファミリー4グループAメンバー1(NR4A1)活性の調節によって個体における子宮内膜症を治療する方法であって、前記個体に、治療有効量の以下の式の化合物であって、
    Figure 2023514649000009
    式中、
    、R、R’、およびR’は、各々独立して、水素、1~約10個の炭素原子を含む直鎖アルキル基、および1~約10個の炭素原子を含む分岐鎖アルキル基からなる群から選択され、
    、R、R、R、R’、R’、R’、およびR’は、各々独立して、水素、ハロゲン、1~約10個の炭素原子を含む直鎖アルキル基、1~約10個の炭素原子を含む分岐鎖アルキル基、1~約10個の炭素原子を含むアルコキシ基、およびニトロ基からなる群から選択され、
    は、水素、1~約10個の炭素原子を含む直鎖アルキル基、1~約10個の炭素原子を含む分岐鎖アルキル基、1~約10個の炭素原子を含むシクロアルキル基、およびアリール基からなる群から選択され、
    、R、R10、R11、およびR12は、独立して、H、ハロゲン、1~約10個の炭素原子を含む直鎖アルキル基、1~約10個の炭素原子を含む分岐鎖アルキル基、1~約10個の炭素原子を含むアルコキシ基、1~約10個の炭素原子を含むハロアルキル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、および1~約10個の炭素原子を含むハロアルコキシ基からなる群から選択され、
    式中、R、R、R10、R11、およびR12のうちの少なくとも1つは、OHであり、
    式中、R10がOHである場合、R、R、R11、およびR12のうちの少なくとも1つは、水素ではない、化合物、またはその塩を投与することを含む、方法。
  2. が、OHである、請求項1に記載の方法。
  3. 、R10、R11、およびR12が、各々Hである、請求項2に記載の方法。
  4. 、R10、R11、およびR12が、独立して、ハロゲン、CH、OCCl、CF、t-ブチル、OCH、OH、C、およびCNからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  5. 10が、OCHである、請求項2に記載の方法。
  6. 11が、CH、OCH、およびCFからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  7. およびR11が、Brである、請求項2に記載の方法。
  8. 前記化合物が、
    Figure 2023514649000010
    Figure 2023514649000011
    およびそれらの塩からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  9. が、OHである、請求項1に記載の方法。
  10. 、R10、R11、およびR12が、各々Hである、請求項9に記載の方法。
  11. 、R10、R11、およびR12が、独立して、ハロゲン、CH、OCCl、CF、t-ブチル、OCH、OH、C、およびCNからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  12. が、ハロゲンである、請求項9に記載の方法。
  13. 前記化合物が、
    Figure 2023514649000012
    およびそれらの塩からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  14. 10が、OHである、請求項1に記載の方法。
  15. 、R、R11、およびR12が、独立して、ハロゲン、CH、OCCl、CF、t-ブチル、OCH、OH、C、およびCNからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
  16. が、ハロゲンであり、R11が、H、ハロゲン、およびOCHからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
  17. 前記化合物が、
    Figure 2023514649000013
    およびそれらの塩からなる群から選択される、請求項14に記載の化合物。
  18. NR4A1の調節が、EFGR、cMyc、サバイビン、Bcl-2、SMA、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質の下方制御を誘導する、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. NR4A1活性の調節が、Baxを含むタンパク質の上方制御を誘導する、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. NR4A1活性の調節が、FN、Col1A1、CTGF、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される線維症マーカーのmRNAレベルの低下を誘導する、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. NR4A1活性の調節が、PARPおよびカスパーゼ-3を切断する、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. NR4A1活性の調節が、卵巣子宮内膜腫におけるアポトーシスを誘導する、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. NR4A1活性の調節が、対照と比べて、正常な子宮内膜細胞の増殖を阻害しない、請求項22に記載の方法。
  24. NR4A1活性の調節が、線維症の進行を阻害する、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. NR4A1活性の調節が、対照と比べて、子宮内膜症細胞におけるNR4A1の固有の転写活性を抑制する、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. NR4A1活性の調節が、対照と比べて、異所性病変の増殖を抑制する、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記化合物が、CDIM-3-Br-5-OCF3、CDIM-3-Br-5-OCH3、CDIM-3-Cl-5-OCH3、CDIM-3-Cl-5-OCF3、CDIM-3-Cl-5-CF3、ならびにそれらの塩および組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
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