JP2023514128A - IL-7Rαγc結合化合物 - Google Patents

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Abstract

IL-7Rαγc結合化合物およびIL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物が開示される。IL-7Rαγc結合化合物は、IL-7Rアゴニストとして作用することができ、がん、ウイルス性疾患、自己免疫疾患、および炎症性疾患の治療において有用である。【選択図】図1

Description

本出願は、それぞれが参照によりその全体で組み込まれる、2020年6月19日に出願された米国仮特許出願第63/041,158号、および2020年2月3日に出願された米国仮特許出願第62/969,432号の米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張する。
本開示は、IL-7Rαγc結合化合物に関する。IL-7Rαγc結合化合物は、IL-7Rアゴニストまたは部分的IL-7Rアゴニストもしくはアンタゴニストとして機能することができる。
配列表
本出願は、本出願に含まれる配列表を含み、配列表のコピーが、ASCIIフォーマットで電子的に提出され、参照によりその全体で組み込まれる。
インターロイキン-7(IL-7)は、T細胞恒常性の発達および維持に必要であり、B細胞レパートリーの確立に重要な役割を果たす。ほとんどのインターロイキンとは異なり、IL-7は、主に白血球ではなく非造血間質細胞によって産生される。正常な条件下では、遊離IL-7レベルは、限定的であるが、リンパ球減少の間に蓄積し、T細胞増殖の増加およびT細胞集団の補充につながる。ある特定の生理学的条件下では、ヒト、ヒト以外の霊長類、およびマウスに投与された組換えヒトIL-7は、広範囲にわたるT細胞増殖、T細胞数の増加、末梢T細胞サブセットの変調、およびT細胞受容体レパートリー多様性の増加を生じる。これらの効果は、様々な臨床環境において治療的に有用であり得る。
IL-7は、インターロイキン-2(IL-2)、IL-4、IL-7、IL-9、IL-15、およびIL-21を含む、サイトカインの共通のγ鎖(γc、CD132)ファミリーのメンバーである。IL-7は、その独自のα受容体であるIL-7Rα(CD127)および共通のγc受容体(Rγc)とともに形成される活性複合体を介して、シグナルを伝達する。受容体活性化は、JAK-STAT、P13K-AKT、およびSrcキナーゼを含む、一連の経路を通したシグナル伝達につながる。
IL-7Rα受容体サブユニットは、Rγcとともに、IL-7Rシグナル伝達を媒介する全長膜結合型、ならびに細胞外IL-7レベルの調節およびIL-7Rシグナル伝達の変調を提供し得る細胞外ドメインの可溶性(選択的スプライシング、分泌、または脱落)型の2つの状態で存在する。
IL-7Rαの細胞表面シグナル伝達能力形態は、ほとんどの静止T細胞上で発現され、T細胞活性化時に下方調節されるが、ナイーブメモリーT細胞は、IL-を発現し続け、制御性細胞は、典型的には、非常に低いレベルのIL-7Rαを発現する。IL-7Rシグナル伝達は、部分的には、アポトーシスを変調することによって、T細胞集団の長期的な維持のために必要である。CD4+およびCD8+メモリーT細胞の両方は、長期生存のためにIL-7に依存している。
新たな証拠は、IL-7Rアゴニストが免疫腫瘍療法において有用であり得ることを示唆する。例えば、IL-7は、細胞障害性CD8+Tリンパ球(CD8+T細胞)の増加に有効であり、長期腫瘍抗原特異的CD8+T細胞応答は、IL-7治療によって増強される。
IL-7は、神経膠腫、黒色腫、リンパ腫、白血病、前立腺がん、および神経膠芽腫などの腫瘍において阻害効果を示し、マウス腫瘍モデルにおけるIL-7の投与は、がん細胞増殖の減少を示している。IL-7は、ラット神経膠腫腫瘍におけるインターフェロンγ(IFNγ)の抗腫瘍効果を増強することが示されており、腫瘍増殖を阻害することができる、単球によるIL-1α、IL-1β、およびTNF-αの産生を誘導することができる。
IL-7は、リンパ球減少症、敗血症性ショック、および感染性疾患の治療、ならびに加齢による免疫不全(免疫老化)、およびワクチン接種に対する応答の増強に可能性を有することが示されている。IL-7は、T細胞の枯渇を防止または逆転させ、移入されたCAR-T細胞の若返りおよび活性の増加を誘導する。IL-7は、COVID-19に関連するリンパ球減少を防止または逆転させるために現在研究されている。IL-7/IL-7Rシグナル伝達はまた、自己免疫、慢性炎症性疾患、およびがんにも関係しており、したがって、IL-7/IL-7R経路の治療的標的化は、臨床的利益を有すると予期される。
重要なことに、組換えIL-7の投与は、臨床試験において良好な耐容性であることが見出されている。
本開示によれば、IL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγc構築物は、
(a)IL-7Rαリガンドであって、IL-7Rαリガンドが、式(1)(配列番号389)、式(1a)(配列番号390)、式(1b)(配列番号391)、または式(1c)(配列番号392)のアミノ酸配列を含み、

Figure 2023514128000002


式中、
201が、H、I、Q、およびVから選択され、
202が、C、P、およびRから選択され、
203が、I、K、L、S、V、およびWから選択され、
204が、CおよびHから選択され、
205が、A、I、L、M、T、およびWから選択され、
206が、D、L、およびWから選択され、
207が、D、I、L、およびQから選択され、
208が、D、E、およびPから選択され、
209が、G、S、およびTから選択され、
210が、A、G、L、およびSから選択され、
211が、F、I、L、およびMから選択され、
212が、G、H、L、N、Q、およびSから選択され、
213が、Cであり、
214が、A、E、I、L、S、T、およびVから選択され、
215が、F、R、W、およびYから選択され、
216が、E、L、Q、およびWから選択される、IL-7Rαリガンドと、
(b)Rγcリガンドであって、Rγcリガンドが、式(3)(配列番号944)、式(3a)(配列番号945)、式(3b)(配列番号946)、式(3c)(配列番号947)、式(3d)(配列番号948)、または式(3e)(配列番号949)のアミノ酸配列を含み、
Figure 2023514128000003

式中、
171が、H、K、およびRから選択され、
172が、S、T、およびYから選択され、
173が、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
174が、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
175が、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
176が、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択され、
177が、DおよびEから選択され、
178が、F、H、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
179が、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択され、
180が、Gであり、
181が、Vであり、
182が、Eであり、
183が、Lであり、
184が、Wから選択され、
185が、F、I、L、M、V、W、Y、H、N、Q、S、およびTから選択され、
186が、Eであり、
187が、アミノ酸から選択され、
188が、DおよびEから選択される、Rγcリガンドと、を含む。
本発明によれば、タンデムIL-7Rαγcリガンドは、本開示によって提供される2つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含む。
本発明によれば、IL-7Rαγcリガンド構築物は、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドのうちの1つ以上を含む。
本発明によれば、患者におけるがん、炎症性疾患、および自己免疫疾患、または免疫不全疾患を治療する方法は、そのような治療を必要とする患者に、治療的有効量の本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物を投与することを含む。
本発明によれば、免疫細胞を増殖させる方法は、エクスビボまたはインビボで免疫細胞の集団を、有効量の本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物と接触させることを含む。
本発明によれば、ワクチンを増強する方法は、ワクチンおよび治療的有効量の本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物を患者に投与することを含む。
本発明によれば、免疫応答を修飾する方法は、有効量の本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物を患者に投与することを含む。
本発明によれば、医薬組成物は、本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物を含む。
本発明によれば、IL-7Rαγc結合化合物をコードする核酸が提供される。
本明細書に記載される図面は、例示のみを目的としている。図面は、本開示の範囲を限定することを意図しない。
個々のIL-7RαおよびRγcリガンドが、4つの可能な配向:C-N、C-C、N-C、またはN-Nにおいてそれらの個別のN末端およびC末端を介して付着している、IL-7Rαγcリガンドの例を示す。 個別のIL-7RαリガンドおよびRγcリガンドの種々の付着配向を有するrhIL-7またはIL-7Rαγcリガンドに曝露されたTF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化を示す。 rhIL-7およびFc-IL-7Rαγcリガンド融合構築物に曝露されたTF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化を示す。 rhIL-7、合成IL-7Rαγcリガンド、またはFc-IL-7Rαγcリガンド融合構築物に曝露された静止ヒトPBMC細胞におけるSTAT5リン酸化を示す。 Ki-67の蛍光強度中央値によって測定された、rhIL-7、合成IL-7Rαγcリガンド、またはFc-IL-7Rαγcリガンド融合構築物への曝露後のヒトCD-8+T細胞の増殖を示す。 Ki-67の蛍光強度中央値によって測定された、rhIL-7、合成IL-7Rαγcリガンド、またはFc-IL-7Rαγcリガンド融合構築物への曝露後のヒトCD-4+T細胞の増殖を示す。 IL-7Rαサブユニットへの配列番号407に基づく種々のC末端切断およびビオチン化IL-7RαリガンドのNA-HRP複合体の競合的結合についての正規化ELISAシグナルを示す。 IL-7Rαサブユニットへの配列番号407に基づく種々のN末端切断およびビオチン化IL-7RαリガンドのNA-HRP複合体の競合的結合についての正規化ELISAシグナルを示す。 対応するビオチン化/NA-HRP複合体との配列番号402または配列番号407を有するIL-7Rαに基づくFc-IL-7Rαリガンド融合構築物の競合的結合についての正規化ELISAシグナルを示す。 配列番号402に対応するIL-7Rαサブユニットへの配列番号402または配列番号454を有する種々の-IL-7Rαリガンドの競合的結合についての正規化ELISAシグナルを示す。 マウスへの投与後のFc-IL-7Rαγcリガンド融合構築物(FP14、配列番号1225)のPKプロファイルを示す。 Fc-IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質(図14B、配列番号1225)、またはIL-7Rαγcリガンド-抗PD-1抗体融合物(図14B、配列番号1219)に曝露されたTF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化を示す。 本開示によって提供される特定のIL-7Rαγcリガンドについてのアミノ酸配列およびリンカー構造を示す。 本開示によって提供される特定のタンパク質およびIL-7Rαγcリガンド融合構築物についてのアミノ酸配列を示す。図14はまた、配列番号2076として「(GS)10」、配列番号2071として「(PA)10」、配列番号2067として「(GGGGS)」、配列番号2090として「(GGGGS)」、配列番号2091として「(GGGGS)」、配列番号2092として「(G)」、配列番号2093として「(PA)」、および配列番号2094として「(PA)」を開示する。 本開示によって提供されるIL-7RαγcリガンドFc断片融合タンパク質の様々な構成の例を示す。 本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド免疫グロブリン融合タンパク質の様々な構成の例を示す。 本開示によって提供される特定のタンパク質およびIL-7Rαγcリガンド融合構築物についてのアミノ酸配列を示す。 rhIL-7および種々のFc-IL-7Rαγcリガンド融合構築物についてのTF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化を示す。 種々のFc-IL-7Rαγcリガンド融合構築物についての活性化Cyno PBMCにおけるSTAT5リン酸化を示す。 対応するビオチン化/NA-HRP複合体との配列番号402 1271を有するIL-7Rαに基づくFc-hIL-7Rαリガンド融合構築物の競合的結合についての正規化ELISAシグナルを示す。 対応するビオチン化/NA-HRP複合体との配列番号402 1099を有するRγcに基づくFc-hIL-7Rαリガンド融合構築物の競合的結合についての正規化ELISAシグナルを示す。 rhIL-7、IL-7Rαγcリガンド、および種々のFc-IL-7Rαγcリガンド融合構築物についてのTF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化を示す。
2つの文字または記号の間にないダッシュ(「-」)は、部分または置換基の付着点を示すために使用される。例えば、-CONHは、炭素原子を介して化合物に付着され、-X-Xは、単結合を介して共有結合されたアミノ酸XおよびXを示す。
「アルキル」は、親アルカン、アルケン、またはアルキンの単一炭素原子から1つの水素原子を除去することによって導出される、飽和、分枝鎖状、または直鎖状一価炭化水素ラジカルを指す。アルキル基は、C1-6アルキル、C1-5アルキル、C1-4アルキル、C1-3アルキルであり、ある特定の実施形態では、エチルまたはメチルである。
「シクロアルキル」は、飽和または部分的不飽和環状アルキルラジカルを指す。シクロアルキルは、例えば、C3-6シクロアルキル、C3-5シクロアルキル、C5-6シクロアルキル、シクロプロピル、シクロペンチルであり、ある特定の実施形態では、シクロヘキシルであり得る。シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルから選択され得る。
「環化」とは、ペプチドまたはポリペプチド分子の1つの部分がペプチドまたはポリペプチド分子の別の部分に連結され、ジスルフィド架橋またはラクタム結合などの他の類似結合を形成することなどによって閉鎖環を形成する、反応を指す。ペプチド単量体化合物またはペプチド二量体化合物の単量体サブユニットは、ペプチド単量体または単量体サブユニットに存在する2つのアミノ酸残基間の分子内結合を介して環化され得る。IL-7Rαγcリガンドなどのペプチドは、ジスルフィド結合を介してともに結合され、それによって、環化IL-7Rαγcリガンドである、システインを含むことができる。
「ヘテロシクロアルキル」自体または別の置換基の一部としては、1つ以上の炭素原子(および特定の会合した水素原子)が独立して同じもしくは異なるヘテロ原子で置き換えられる、飽和環状アルキルラジカルを指すか、または1つ以上の炭素原子(および特定の会合した水素原子)が独立して同じもしくは異なるヘテロ原子で置き換えられるため、その環系がハッケル規則に違反する、親芳香族環系を指す。炭素原子を置き換えるためのヘテロ原子の例としては、N、P、O、S、およびSiが挙げられる。ヘテロシクロアルキル基の例は、エポキシド、アジリン、チイラン、イミダゾリジン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラゾリジン、ピロリジン、キヌクリジン、および同等物に由来する基を含む。ヘテロシクロアルキルは、Cヘテロシクロアルキルであり得、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ドキソラニル、およびジチオラニルから選択される。ヘテロシクロアルキルは、Cヘテロシクロアルキルであり得、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、オキサジニル、ジチアニル、およびジオキサニルから選択される。ヘテロシクロアルキル基は、C3-6ヘテロシクロアルキル、C3-5ヘテロシクロアルキル、C5-6ヘテロシクロアルキルであり、ある特定の実施形態では、CヘテロシクロアルキルまたはCヘテロシクロアルキルであり得る。ヘテロ原子基は、-O-、-S-、-NH-、-N(-CH)-、-SO-、および-SO-から選択され得、ある特定の実施形態では、ヘテロ原子基は、-O-および-NH-から選択され、ある特定の実施形態では、ヘテロ原子基は、-O-または-NH-である。
「結合親和性」は、単一の生体分子と、そのリガンド/結合パートナーとの間の結合相互作用の強度を指す。結合親和性は、IC50として表される。例えば、IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物などの化合物の結合親和性は、例えば、実施例に記載の方法を使用して決定されるIC50を指す。
「直接結合」は、IL-7RαリガンドおよびhIL-7Rαサブユニットの相互作用などの、単一の生体分子とその結合パートナーとの間の結合相互作用を指す。直接結合は、ファージELISAアッセイを使用して決定され得る。
「アゴニスト」は、その相補的な生物学的に活性な受容体もしくはサブユニットに結合し、受容体によって媒介される生物学的応答を引き起こすか、または受容体によって媒介される既存の生物活性を増強するために受容体を活性化する、生物学的に活性なリガンドを指す。
「部分的アゴニスト」は、例えば、最大活性化の75%未満、最大活性化の50%未満、25%未満、10%未満、または1%未満である、活性化のレベルを提供する化合物を指す。部分的IL-7Rアゴニストは、IL-7によって提供される活性化のレベル未満である、活性化のレベルを示す。
「アンタゴニスト」は、その相補的受容体またはサブユニッに結合し、受容体の生物学的応答を遮断または低減する、生物学的に活性なリガンドまたは化合物を指す。IL-7Rアンタゴニストは、100μM未満のIC50でIL-7Rに結合し、例えば、実施例に開示される機能アッセイのうちのいずれかを使用して決定される、IL-7の機能的活性を阻害する。
アミノ酸残基は、以下のように略される。アラニンは、AlaまたはAであり、アルギニンは、ArgはRであり、アスパラギンは、AsnまたはNであり、アスパラギン酸は、AspまたはDであり、システインは、CysまたはCであり、グルタミン酸は、GluまたはEであり、グルタミンは、GlnまたはQであり、グリシンは、GlyまたはGであり、ヒスチジンは、HisまたはHであり、イソロイシンはIleまたはIであり、ロイシンはLeuまたはLであり、リジンは、LysまたはKであり、メチオニンは、MetまたはMであり、フェニルアラニンは、PheまたはFであり、プロリンは、ProまたはPであり、セリンは、SerまたはSであり、スレオニンは、ThrまたはTであり、トリプトファンは、TrpまたはWであり、チロシンは、TyrまたはYであり、バリンは、ValまたはVである。
「非天然アミノ酸」としては、例えば、β-アミノ酸、ホモ-アミノ酸、プロリンおよびピルビン酸誘導体、イミダゾール環に付着したアルキルまたはヘテロ原子部分を有するヒスチジン誘導体、ピリジン含有側鎖を有するアミノ酸、3置換アラニン誘導体、グリシン誘導体、環置換フェニルアラニンおよびチロシン誘導体、ならびにN-メチルアミノ酸が挙げられる。
大きな疎水性側鎖を有するアミノ酸としては、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、およびトリプトファン(W)が挙げられる。
小さな疎水性側鎖を有するアミノ酸としては、アラニン(A)、グリシン(G)、プロリン(P)、セリン(S)、およびトレオニン(T)が挙げられる。
塩基性側鎖を有するアミノ酸としては、アルギニン(R)、リジン(K)、およびヒスチジン(H)が挙げられる。
酸性側鎖を有するアミノ酸としては、アスパラギン酸塩(D)およびグルタミン酸塩(E)が挙げられる。
極性/中性側鎖を有するアミノ酸には、ヒスチジン(H)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、およびチロシン(Y)が挙げられる。
芳香族側鎖を有するアミノ酸としては、フェニルアラニン(F)、ヒスチジン(H)、トリプトファン(W)、およびチロシン(Y)が挙げられる。
ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸には、セリン(S)、トレオニン(T)、およびチロシン(Y)が挙げられる。
「保存的アミノ酸置換」とは、以下の基のそれぞれ内のアミノ酸が、基内の別のアミノ酸で置換され得ることを意味する:アラニン(A)、グリシン(G)、プロリン(P)、セリン(S)、およびトレオニン(T)を含む小さな疎水性側鎖を有するアミノ酸、セリン(S)、トレオニン(T)、およびチロシン(Y)を含むヒドロキシル含有側鎖を有するアミノ酸、アスパラギン酸塩(D)およびグルタミン酸塩(E)を含む酸性側鎖を有するアミノ酸、ヒスチジン(H)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、およびチロシン(Y)を含む極性中性側鎖を含むアミノ酸、アルギニン(R)、リジン(K)、およびヒスチジン(H)を含む塩基性側鎖を有するアミノ酸、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)およびトリプトファン(W)を含む大きな疎水性側鎖を有するアミノ酸、ならびにフェニルアラニン(F)、ヒスチジン(H)、トリプトファン(W)、およびチロシン(Y)を含む芳香族側鎖を有するアミノ酸。
「酵素分解性結合」は、1つ以上の酵素によって分解または切断され得る化学結合を指す。
「加水分解的に安定な」結合または結合は、化学結合が生理学的条件下で任意の顕著な程度で長期間にわたって加水分解を受けないように、水中で実質的に安定している共有結合などの化学結合を指す。加水分解的に安定な結合の例には、以下、すなわち、炭素・炭素結合(例えば、脂肪族鎖中)、エーテル、アミド、ウレタン、および同等物が含まれるが、これらに限定されない。一般に、加水分解的に安定な結合は、生理学的条件下で1日当たり約1%~2%未満の加水分解速度を示す結合である。
「IL-7Rαリガンド」は、100μM未満のIC50でヒトIL-7受容体などの哺乳動物IL-7受容体のIL-7Rαサブユニットに結合することが可能なペプチドを指す。
「Rγcリガンド」は、100μM未満の(IC50でヒトIL-7受容体などの哺乳動物IL-7受容体のRγcサブユニットに結合することが可能なペプチドを指す。
「hIL-7Rαサブユニット」は、ヒト(ホモサピエンス)インターロイキン-7受容体サブユニットα前駆体NCBI参照配列NP_002176.2を指す。
「Rγcサブユニット」は、ヒト(ホモサピエンス)インターロイキン-7受容体サブユニットγc前駆体NCBI参照配列NP_000197.1を指す。
「IL-7Rリガンド融合タンパク質」は、哺乳動物IL-7受容体のリガンドの翻訳リーディングフレームが、別のタンパク質、すなわち、IL-7Rリガンド融合パートナーのものにフレーム内で融合されて、単一の組換えポリペプチドを産生する、組換えDNA技術によって作製されたタンパク質を指す。IL-7Rリガンド融合タンパク質は、IL-7RαリガンドおよびRγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド、および/またはタンデムIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。IL-7R-融合パートナーは、IL-7RαγcリガンドがFc構造の2つのC末端に結合されている、IgG分子のFcドメインであり得る。IL-7Rリガンド融合タンパク質は、IL-7Rリガンドと融合タンパク質を含む融合タンパク質パートナーとの間に位置するアミノ酸配列などのペプチジルリンカーを含むことができるため、ペプチジルリンカーアミノ酸配列は、IL-7Rリガンドまたは融合タンパク質パートナーのいずれにも由来しない。ペプチジルリンカーは、スペーサーとして融合タンパク質に組み込まれ、構成タンパク質部分の適切なタンパク質折り畳みおよび安定性を促進し、タンパク質発現を改善し、および/または2つの融合パートナーのより良い生物活性を可能にすることができる。ペプチジルリンカーは、例えば、可撓性ペプチドまたは剛性ペプチドを含み得る。
「IL-7Rαγcリガンド」は、1つ以上のIL-7Rαリガンドおよび1つ以上のRγcリガンドからなるか、またはそれらを含む化合物を指す。1つ以上のIL-7Rαリガンドおよび1つ以上のRγcリガンドは、IL-7Rαγcリガンドリンカーに結合され得る。IL-7Rαγcリガンドは、2つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むタンデムIL-7Rαγcリガンドを含むことができるか、またはIL-7Rαγcリガンドは、IL-7RαサブユニットおよびRγcサブユニットの両方に同時に結合する単一のリガンドを含むことができる。IL-7Rαγcリガンドは、100μM未満のIC50でIL-7RαサブユニットおよびIL-7RのRγcサブユニットに結合することが可能である。
「IL-7Rαγcリガンド構築物」は、構築物パートナーに結合された1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含む、化合物を指す。IL-7Rαγcリガンド構築物はまた、1つ以上のIL-7Rαリガンドおよび1つ以上のRγcリガンドが構築物パートナーに結合されている、化合物も含む。
「IL-7Rαγc結合化合物」は、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド構築物、ならびに少なくとも1つのIL-7Rαリガンドおよび少なくとも1つのRγcリガンドを含む構築物を指す。
バイオアイソスターは、アイソスターの最も広範な定義に適合する原子または分子である。バイオイソステリズムの概念は、化学的および物理的類似性を有する単一原子、基、部分、または全分子が同様の生物学的効果を生じるという概念に基づく。親化合物のバイオアイソスターは、依然としてその適切な標的によって認識および受容され得るが、その機能は、親分子と比較して改変される。バイオアイソステリック置換によって影響を受けるパラメータには、例えば、サイズ、立体配座、誘導および中量体効果、偏光性、静電相互作用能力、電荷分布、H結合形成能力、pKa(酸性)、溶解性、疎水性、親油性、親水性、極性、効力、選択性、反応性、または化学的および代謝的安定性、ADME(吸収、分布、代謝、および排泄)が含まれる。医薬品において一般的であるが、親分子中のカルボキシル基またはカルボン酸官能基(-COH)は、1つ以上のカルボキシル基またはカルボン酸官能基(-COH)を持つ親分子の所望の特質を保持しながら、化学的または生物学的欠点を克服するために好適な代替物または(バイオ)アイソスターと置き換えられ得る。IL-7Rαγcリガンドは、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドのバイオアイソスターを含む。
「アイソスター」または「アイソスター置換」は、特定のアミノ酸と同様の生化学的および/または構造的特性を有する任意のアミノ酸または他の類似部分を指す。アミノ酸の「アイソスター」または「好適なアイソスター」は、同じクラスの別のアミノ酸であり、アミノ酸は、水のように極性溶媒と接触する側鎖の傾向に基づいて、以下のクラスに属する:疎水性(水と接触する傾向が低い)、極性または荷電性(水とのエネルギー的に良好な接触)。荷電アミノ酸残基の例としては、リジン(+)、アルギニン(+)、アスパラギン酸塩(-)、およびグルタミン酸塩(-)が挙げられる。極性アミノ酸の例としては、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、およびチロシンが挙げられる。例示的な疎水性アミノ酸としては、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、システイン、およびメチオニンが挙げられる。アミノ酸グリシンは、側鎖を有さず、上記のクラスのうちの1つに割り当てることが困難である。しかしながら、グリシンは、しばしばタンパク質の表面で、しばしばループ内に見出され、これらの領域に高い可撓性を提供し、アイソスターは同様の特徴を有し得る。プロリンは、反対の効果を有し、ポリペプチド鎖のセグメントに特定のねじれ角を加えることによって、タンパク質構造に剛性を提供する。アイソスターは、アミノ酸の誘導体、例えば、参照アミノ酸と比較して1つ以上の修飾側鎖を有する誘導体であり得る。IL-7Rαγcリガンドは、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドのアイソスターを含む。
「患者」は、哺乳動物、例えば、ヒトを指す。
「PEG」、「ポリエチレングリコール」、および「ポリ(エチレングリコール)」は、任意の好適な非ペプチド性水溶性ポリ(エチレンオキシド)を指す。PEGは、nが、例えば、1~4,000の整数である、構造-(OCHCH-を含むことができる。PEGはまた、末端酸素が、例えば、合成変換中に変位されたか否かに応じて、-CHCH-O(CHCHO)-CHCH-および/または-(OCHCHO-などの部分を含むこともできる。PEGは、好適な末端基でキャップ形成され得る。PEGの反復サブユニットの少なくとも50%は、構造-CHCH-を有することができる。PEGは、分枝鎖状、直鎖状、フォーク状、または多官能性などの任意の好適な分子量、構造、および/または幾何学形状を有することができる。
「ペプチド」は、単量体がアミド結合を介してともに継合されたアミノ酸を含む、ポリマーを指す。ペプチドは、例えば、200個未満のアミノ酸、100個未満のアミノ酸、50個未満のアミノ酸、40個未満のアミノ酸、30個未満のアミノ酸、または20個未満のアミノ酸を含むことができる。ペプチドは、天然に存在するアミノ酸、天然に存在しないアミノ酸、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
天然に存在するアミノ酸のみからなるペプチドに加えて、ペプチド模倣体またはペプチド類似体も提供される。ペプチド模倣体は、機能的および/または構造的に別のペプチドと類似し得る。治療上有用なペプチドと機能的および/または構造的に類似するペプチド模倣体が、同等または増強された治療または予防効果を生じるために使用され得る。一般に、ペプチド模倣体は、当該技術分野で公知の方法によって、パラダイムペプチド、例えば、天然に存在する受容体結合ペプチドなどの生物学的または薬理学的活性を有するが、-CH-NH-、-CH-S-、-CH-CH-、-CH=CH-(シスおよびトランス)、-COCH-、-CH(OH)CH-、および-CHSO-などの結合によって任意選択的に置き換えられる、1つ以上のペプチド結合を有するペプチドと構造的に類似し得る。
L-リジンの代わりにD-リジンなどの同じ種類のD-アミノ酸によるコンセンサス配列の1つ以上のアミノ酸の置換は、より安定したペプチドを生成するために使用され得る。加えて、コンセンサス配列または実質的に同一のコンセンサス配列変異を含む拘束ペプチドは、当該技術分野で公知の方法によって、例えば、ペプチドを環化する分子内ジスルフィド架橋を形成することが可能な内部システイン残基を付加することによって、生成され得る。
合成または天然に存在しないアミノ酸とは、インビボでは天然には存在しないが、それでも本開示によって提供されるペプチドリガンドに組み込むことができるアミノ酸を指す。合成アミノ酸の好適な例としては、天然に存在するL-α-アミノ酸のD-α-アミノ酸、ならびにRが、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C3-8ヘテロシクロアルキルである、式HNCHRCOOHによって表される天然に存在しないD-およびL-α-アミノ酸、ヒドロキシル、低級アルコキシ、アミノ、およびカルボキシルから選択される芳香族核上に1~3個の置換基を任意選択的に有する、6~10個の炭素原子の芳香族残基、アルキレンが、1~7個の炭素原子のアルキレン基であり、Yが、3~7個の炭素原子を有するヒドロキシル、アミノ、シクロアルキル、およびシクロアルケニルから選択される、アルキレン-Y、ヒドロキシル、低級アルコキシ、アミノ、およびカルボキシルから選択される芳香族核上の1~3個の置換基などの6~10個の炭素原子のアリール、3~7個の炭素原子、ならびに酸素、硫黄、および窒素から選択される1~2個のヘテロ原子の複素環、Rが、水素、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、およびRおよびRのそれぞれが、独立して、水素および低級アルキルから選択される、-NRから選択される、-C(O)R、nが1または2であり、RがC1-6アルキルであり、但し、Rが天然に存在するアミノ酸の側鎖を定義しないことを条件とする、-S(O)が挙げられる。
他の合成アミノ酸の例としては、アミノ酸が挙げられ、アミノ基は、β-アラニンおよびγ-アミノ酪酸などの1つを超える炭素原子によってカルボキシル基から分離される。
好適な合成アミノ酸の例としては、天然に存在するL-アミノ酸のD-アミノ酸、L-1-ナフチル-アラニン、L-2-ナフチルアラニン、L-シクロヘキシルアラニン、L-2-アミノイソ酪酸、nおよびRが上記で定義される通りである、HOOC-(HNCH)CHCH-S(O)などのメチオニンのスルホキシドおよびスルホン誘導体、ならびにRが上記で定義される通りである、HOOC-(HNCH)CHCHORなどのメチオニンの低級アルコキシ誘導体が挙げられる。
「N末端」は、カルボキシル酸基を持つカルボキシル末端とは対照的にアミノ基を持つ、IL-7Rαγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド構築物、IL-7Rαリガンド、またはRγcリガンドのN末端などのペプチドまたはポリペプチドの末端を指す。
「C末端」は、アミノ基を持つアミノ末端とは対照的にカルボン酸基を持つ、IL-7Rαγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド構築物、IL-7Rαリガンド、またはRγcリガンドのC末端などのペプチドまたはポリペプチドの末端を指す。ある特定の合成ペプチドでは、N末端は、アミノ基を持たず、および/またはC末端は、カルボキシル基を持たない。このような場合、命名法は、ペプチド骨格の方向を指す。
「薬学的に許容される」とは、動物、より具体的にはヒトにおいて使用するために、連邦または州政府の規制当局によって承認されたか、もしくは承認可能であるもの、または米国薬局方もしくは他の一般に認識されている薬局方に列挙されたものを指す。
「薬学的に許容される塩」は、親化合物の所望の薬理活性を保有する化合物の塩を指す。そのような塩には、無機酸、ならびに親化合物内の一級、二級、または三級アミンなどの1つ以上のプロトン化可能な官能基で形成される酸付加塩が含まれる。無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、およびリン酸が挙げられる。塩は、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクト-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、またはムコン酸などの有機酸で形成され得る。塩は、親化合物中に存在する1つ以上の酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオン、またはそれらの組み合わせによって置き換えられるとき、またはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、もしくはN-メチルグルカミンなどの有機塩基と連携するときに、形成され得る。薬学的に許容される塩は、塩酸塩であり得る。薬学的に許容される塩は、ナトリウム塩であり得る。化合物は、2つ以上のイオン性基を有することができ、薬学的に許容される塩は、二塩(bi-salt)、例えば、二塩酸塩などの1つ以上の対イオンを含むことができる。
「薬学的に許容される塩」は、水和物および他の溶媒和物、ならびに結晶または非結晶形態の塩を指す。特定の薬学的に許容される塩が開示される場合、特定の塩(例えば、塩酸塩)は塩の一例であり、当業者に公知である技法を使用して他の塩が形成され得ることを理解されたい。加えて、当該技術分野で一般に公知の技法を使用して、対応する化合物、遊離塩基および/または遊離酸に薬学的に許容される塩がある。また、Stahl and Wermuth,C.G.(Editors),Handbook of Pharmaceutical Salts,Wiley-VCH,Weinheim,Germany,2008を参照されたい。
「薬学的に許容されるビヒクル」とは、薬学的に許容される希釈剤、薬学的に許容されるアジュバント、薬学的に許容される賦形剤、薬学的に許容される担体、または前述のうちのいずれかの組み合わせを指し、それらとともに、本開示によって提供される化合物が患者に投与され得、これは、その薬理活性を破壊せず、治療的有効量の化合物を提供するために十分な用量で投与されるときに無毒である。
「医薬組成物」は、IL-7Rαγcリガンドなどの本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物またはその薬学的に許容される塩と、IL-7Rαγcリガンド構築物またはその薬学的に許容される塩と、IL-7Rαγc結合化合物またはその薬学的に許容される塩とともに患者に投与される少なくとも1つの薬学的に許容されるビヒクルとを含む、組成物を指す。
「生理学的に切断可能な」または「加水分解可能な」もしくは「分解可能な」結合は、生理学的条件下で水と反応する(すなわち、加水分解される)結合である。水中で加水分解する結合の傾向は、2つの中心原子を接続する一般的な種類の結合だけでなく、これらの中心原子に付着した置換基にも依存するであろう。好適な加水分解的に不安定または弱い結合としては、例えば、カルボン酸エステル、リン酸エステル、無水物、アセタール、ケタール、アシルオキシアルキルエーテル、イミン、オルトエステル、ペプチド、およびオリゴヌクレオチドが挙げられる。
「予防すること」または「予防」は、疾患または障害を獲得するリスクの低減(すなわち、疾患の臨床症状のうちの少なくとも1つを、疾患にさらされ得るか、または疾患にかかりやすいが、まだ疾患の症状を経験または表示しない患者において発症させないこと)を指す。いくつかの実施形態では、「予防すること」または「予防」は、化合物を予防的な様式で服用することによって疾患の症状を低減することを指す。
「溶媒和物」は、化学量論または非化学量論量の1つ以上の溶媒分子を有する化合物の分子複合体を指す。そのような溶媒分子は、患者に無害であることが知られている、医薬品の技術分野で一般に使用されているもの、例えば、水、エタノール、および同等物である。化合物または化合物の部分と溶媒との分子複合体は、例えば、静電力、ファン・デル・ワールス力、または水素結合などの非共有分子内力によって安定化され得る。「水和物」という用語は、1つ以上の溶媒分子が水である溶媒和物を指す。
「治療的有効量」は、疾患、または疾患の臨床症状のうちの少なくとも1つを治療するために対象に投与されるときに、疾患またはその症状を治療するために十分な化合物の量を指す。「治療的有効量」は、例えば、化合物、疾患および/または疾患の症状、疾患および/または疾患もしくは障害の症状の重症度、治療される患者の年齢、体重、および/または健康、ならびに処方医の判断に応じて変化し得る。任意の所与の事例における適切な量は、当業者によって確認され得るか、または日常的な実験によって決定することができる。
「治療的有効用量」は、患者における疾患または障害の有効な治療を提供する用量を指す。治療的有効用量は、化合物間および患者間で変化し得、患者の状態および送達経路などの因子に依存し得る。治療的有効用量は、当業者に公知の日常的な薬理学的手順に従って決定され得る。
疾患の「治療すること」または「治療」は、疾患または疾患もしくは障害の臨床症状のうちの少なくとも1つを停止または緩和すること、疾患もしくは疾患の臨床症状のうちの少なくとも1つを獲得するリスクを低減すること、疾患もしくは疾患の臨床症状のうちの少なくとも1つの発症を低減すること、または疾患もしくは疾患の臨床症状のうちの少なくとも1つを発症するリスクを低減することを指す。「治療すること」または「治療」はまた、疾患を物理的に(例えば、識別可能な症状の安定化)、生理学的に(例えば、物理的パラメータの安定化)、またはその両方のいずれかで阻害すること、および患者に識別可能であり得るか、またはそうではない場合がある、少なくとも1つの物理的パラメータまたは兆候を阻害することを指す。ある特定の実施形態では、「治療すること」または「治療」は、その患者がまだ疾患の症状を経験していないか、または示していないにもかかわらず、疾患または障害にさらされ得るか、またはそうなりやすい患者における疾患またはその少なくとも1つ以上の症状の発症を遅らせることを指す。
「Treg」または「Treg細胞」とは、制御性T細胞を指す。制御性T細胞は、他の免疫細胞の活性を抑制するT細胞のクラスであり、細胞マーカー表現型CD4+/CD25+/FOXP3+、CD4+CD25+CD127lo、またはCD4+/CD25+/FOXP3+/CD127loによってフローサイトメトリーを使用して定義される。FOXP3は細胞内タンパク質であり、染色のために細胞固定および透過を必要とするため、細胞表面表現型CD4+CD25+CD127lo-は、生きたTregを定義するために使用されることができる。Tregには、tTreg(胸腺由来)およびpTreg(末梢由来、末梢におけるナイーブT細胞から分化される)などの様々なTregサブクラスも含まれる。Tregは、腫瘍によって発現されるものを含む、抗原に対する末梢自己耐性の誘導および維持に重要な役割を果たす。
「CD4+T細胞」は、マクロファージ、Bリンパ球(B細胞)、CD8リンパ球(CD8細胞)などの他の免疫細胞を刺激することによって免疫応答を調整して感染と戦うように機能する、リンパ球の種類である。CD4+T細胞は、抗原提示細胞上で見出される、MHCクラスII分子上で提示されるペプチドを認識する。
CD4+T細胞と同様に、「CD8+(細胞傷害性)T細胞」は、胸腺内で生成され、T細胞受容体を発現する。細胞傷害性T細胞は、典型的には、1つのCD8αおよび1つのCD8β鎖を含む、二量体共受容体CD8を発現する。CD8+T細胞は、ほとんどの核化細胞上に見出されるMHCクラス1分子によって提示されるペプチドを認識する。CD8ヘテロ二量体は、T細胞/抗原提示細胞相互作用中にMHCクラス1の保存的部分に結合する。CD8+T細胞(細胞傷害性Tリンパ球、またはCTL)は、ウイルスおよび細菌を含む細胞内病原体に対する免疫防御、ならびに腫瘍監視のために重要である。
「NK(ナチュラルキラー)細胞」は、先天性免疫系のリンパ球であり、グループI先天性リンパ球(ILC)として分類される。NK細胞は、ウイルス感染細胞を死滅させること、ならびにがんの初期兆候を検出および制御することによるものを含み、多様な病理学的課題に応答する。
IL-7は、リンパ球および他の免疫細胞型における様々な応答を媒介する。そのような応答のためのアッセイとしては、pSTAT5の刺激、細胞増殖またはKi67などの増殖マーカー、免疫細胞型比の変化、およびエフェクタータンパク質のレベルの刺激が挙げられる。
「エフェクター細胞」は、ヘルパー(CD4+細胞)および細胞傷害(CD8+およびNK細胞)効果を媒介するリンパ球の集団を指す。エフェクター細胞としては、CD4+ヘルパーT細胞、CD8+細胞傷害性T細胞、NK細胞、リンホカイン活性化キラー(LAK)細胞、およびマクロファージ/単球などのエフェクターT細胞が挙げられる。
「ナイーブT細胞」は、骨髄で分化しており、胸腺内で中枢選択の正および負のプロセスを経たT細胞を指す。ナイーブT細胞には、ナイーブ形態のヘルパーT細胞、CD4+T細胞)およびナイーブ細胞傷害性T細胞(CD8+T細胞)が含まれる。ナイーブT細胞は、L-セレクチン(CD62L)およびC-Cケモカイン受容体7型(CCR7)の表面発現、ならびにIL-7R(CD127)の発現、ならびに活性化マーカーCD25、CD44、およびCD69の不在によって一般的に特徴付けられる。
「メモリーT細胞」は、CD4+およびCD8+の両方を含む、Tリンパ球のサブセットである。メモリー細胞の主要な機能は、関連する抗原または病原体を体内に再導入することによる、それらの細胞の再活性化後の急速な増強された免疫応答である。
「抗原結合部分」は、抗原性決定基に特異的に結合するポリペプチド分子を指す。抗原結合部分は、例えば、サイトカインまたは第2の抗原結合部分などの、その抗原結合部分が付着している実体を、標的部位、例えば、抗原決定基を持つ特定の種類の腫瘍細胞または腫瘍間質に誘導することができる。抗原結合部分には、抗体およびその断片が含まれる。抗原結合部分の例としては、抗体重鎖可変領域および抗体軽鎖可変領域を含む、抗体の抗原結合ドメインが挙げられる。抗原結合部分は、抗体定常領域を含むことができる。有用な重鎖定常領域は、α、δ、ε、y、またはμの5つのアイソタイプのうちのいずれかを含むことができる。有用な軽鎖定常領域は、KおよびAの2つのアイソタイプのうちのいずれかを含むことができる。
「ポリペプチド」は、アミド結合(ペプチド結合としても知られている)によって直鎖状に連結された単量体(アミノ酸)から構成される分子を指す。「ポリペプチド」という用語は、2つ以上のアミノ酸の任意の鎖を指し、生成物の特定の長さを指すものではない。したがって、ペプチド、ジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド、「タンパク質」、「アミノ酸鎖」、または2つ以上のアミノ酸の鎖を指すために使用される任意の他の用語が、「ポリペプチド」の定義内に含まれ、「ポリペプチド」という用語は、これらの用語のうちのいずれかの代わりに、またはそれらと同義的に使用され得る。「ポリペプチド」という用語はまた、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、既知の保護/遮断基による誘導体化、タンパク質分解切断、および/または天然に存在しないアミノ酸による修飾を含む、ポリペプチドの発現後修飾の生成物を指すことが意図される。ポリペプチドは、天然の生物学的供給源に由来するか、または組換え技術によって産生され得るが、必ずしも指定された核酸配列から翻訳されるとは限らない。ポリペプチドは、組換え方法または化学合成によることを含む、任意の方法で生成され得る。ポリペプチドは、例えば、100個超のアミノ酸、200個超のアミノ酸、500個超のアミノ酸、1,000個超のアミノ酸、または2,000個超のアミノ酸を有し得る。ポリペプチドは、定義された三次元構造を有し得るが、必ずしもそのような構造を有していない。定義された三次元構造を有するポリペプチドは、折り畳みと称され、定義された三次元構造を保有しないが、むしろ多数の異なる立体配座を採用することができるポリペプチドは、非折り畳みと称される。
「ポリヌクレオチド」は、メッセンジャーRNA(mRNA)、ウイルス由来RNA、またはプラスミドDNA(pDNA)などの単離された核酸分子または構築物を指す。ポリヌクレオチドは、ペプチド核酸(PNA)に見られるような、従来のホスホジエステル結合またはアミド結合などの非従来的な結合を含んでもよい。
「核酸分子」は、ポリヌクレオチドに存在するDNAまたはRNA断片などの任意の1つ以上の核酸セグメントを指す。
「ベクター」または「発現ベクター」は、「発現構築物」と同義であり、標的細胞内でそれが作動可能に会合している特定の遺伝子の発現を導入および誘導するために使用されるDNA分子を指す。ベクターは、自己複製核酸構造、ならびにそれが導入された宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターであり得る。発現ベクターは、発現カセットを含むことができる。発現ベクターは、大量の安定したmRNAの転写を可能にする。発現ベクターが標的細胞内に入ると、遺伝子によってコードされるリボ核酸分子またはタンパク質が、細胞転写および/または翻訳機構によって産生される。発現ベクターは、本開示によって提供されるIL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物をコードするポリヌクレオチド配列を含む、発現カセットを含むことができる。
「宿主細胞」、「宿主細胞株」、および「宿主細胞培養」は、そのような細胞の子孫を含む、外因性核酸が導入された細胞を指す。宿主細胞は、例えば、「形質転換体」および「形質転換細胞」を含み、これは、一次形質転換細胞および継代数に関係なく、一次形質転換細胞に由来する子孫を含む。
最も広い意味での「抗体」は、例えば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、二重特異性抗体などの多重特異性抗体、および望ましい抗原結合活性を示す抗体断片を含む、様々な抗体構造を包含する。「抗体」という用語は、Fabまたは抗ファージAbの発現などで「ab」と略すことができる。
「全長抗体」、「インタクトな抗体」、および「全抗体」は、天然抗体構造と実質的に同様の構造を有するか、またはFabおよびFc領域の両方を含有する重鎖を有する抗体を指す。
「抗体断片」は、インタクトな抗体が結合する抗原に結合するインタクトな抗体の一部を含む、インタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例には、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2、ダイアボディ、線形抗体、scFvなどの一本鎖抗体分子、および抗体断片から形成された多重特異性抗体が含まれる。ダイアボディは、二価または二重特異性であり得る、2つの抗原結合部位を有する抗体断片である。抗体断片は、インタクトな抗体のタンパク質分解消化、ならびにE.coliまたはファージなどの組換え宿主細胞による産生を含むが、これらに限定されない、様々な技法によって作製され得る。
「Fab」または「Fab領域」は、一般に、一方の鎖上のVH-CHlおよび他方の鎖上のVL-CLなどの2つの異なるポリペプチド鎖上にVH、CHI、VL、およびCL免疫グロブリンドメインを含む、ポリペプチドを指す。Fabは、単離したこの領域、または二重特異性抗体との関連でのこの領域を指し得る。Fabの文脈において、Fabは、CHIドメインおよびCLドメインに加えて、Fv領域を含む。
「Fv」または「Fv断片」または「Fv領域」は、抗体または「Fab」のVLおよびVHドメインを含むポリペプチドを指す。Fv領域は、Fab(一般に、定常領域も含む2つの異なるポリペプチド)およびscFvの両方としてフォーマットすることができ、viドメインおよびvhドメインは、(一般に論じられるようにリンカーと)組み合わせてscFvを形成する。
「一本鎖Fv」または「scFv」は、一般に本明細書で論じられるようにscFvリンカーを使用して、可変軽鎖ドメインと共有結合し、scFvまたはscFvドメインを形成する、可変重鎖ドメインを指す。scFvドメインは、ポリペプチドのN末端またはC末端にあるVLドメインといずれかの配向であり、逆にVHドメインについてであり得る。
「エフェクター機能」は、抗体Fc領域とFc受容体またはリガンドとの相互作用から生じる生化学的事象を指す。エフェクター機能としては、例えば、抗体依存性細胞傷害性(ADCC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)、および補体依存性細胞傷害性(CDC)が挙げられる。
「Fc」または「Fc領域」または「Fc鎖」は、抗体の定常領域を含むポリペプチドを指し、場合によっては、第1の定常領域免疫グロブリンドメイン(例えば、CHI)またはその一部の全部または一部を除外し、場合によっては、ヒンジの全部または一部をさらに除外する。したがって、Fcは、lgA、IgD、およびIgGの最後の2つの定常領域免疫グロブリンドメイン(例えば、CH2およびCH3)、IgEおよびIgMの最後の3つの定常領域免疫グロブリンドメイン、ならびに任意選択的に、これらのドメインに対する可撓性ヒンジN末端の全部または一部を指し得る。IgAおよびIgMについては、Fcは、J鎖を含み得る。IgGについては、Fc鎖は、免疫グロブリンドメインCH2およびCH3(Cy2およびCy3)、ならびに任意選択的に、CHI(Cyl)とCH2(Cy2)との間のヒンジ領域の全部または一部を含む。Fc領域の境界は変化し得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、そのカルボキシル末端に残基E216、C226、またはA231を含むものと定義され、番号付けは、Kabatにおけるものと同様のEUインデックスに従う。例えば、1つ以上のFcyRまたはFcRnへの結合を変化させるために、Fc領域に対してアミノ酸修飾を行うことができる。ヒトIgG1のためのEU番号付けでは、CH2-CH3ドメインは、アミノ酸231~447を含み、ヒンジは216~230である。したがって、Fc鎖の定義は、アミノ酸231~447(CH2-CH3)もしくは216~447(ヒンジ-CH2-CH3)の両方、またはそれらの断片を含む。Fc断片は、一般的にサイズ(例えば、非変性クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィーなど)に基づいて、標準的な方法を使用して検出され得るような、別のFc鎖またはFc断片を有する二量体を形成する能力を保持する、N末端およびC末端のいずれかまたは両方からのより少ないアミノ酸を含有することができる。ヒトIgG Fc鎖は、特に有用であり、ヒトIgGl、IgG2またはIgG4由来のFc鎖であり得る。
「重定常領域」は、可変重ドメインを除く、ヒトIgGlのEU番号付けではアミノ酸118~447などの抗体またはその断片のCH1-ヒンジ-CH2-CH3部分を指す。「重鎖定常領域断片」は、別の重鎖定常領域と二量体を形成する能力を保持する、N末端およびC末端のいずれかまたは両方からのより少ないアミノ酸を含有する重鎖定常領域を指す。
「免疫グロブリン」は、天然に存在する抗体の構造を有するタンパク質を指す。例えば、IgGクラスの免疫グロブリンは、約150,000Daのヘテロ四量体糖タンパク質であり、ジスルフィド結合を介してともに結合される2本の軽鎖および2本の重鎖から構成される。N末端からC末端まで、各重鎖は、可変重ドメインまたは重鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VH)、続いて、重鎖定常領域とも呼ばれる3つの定常ドメイン(CHI、CH2、およびCH3)を有する。同様に、N末端からC末端まで、各軽鎖は、可変軽ドメインまたは軽鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VL)、続いて、軽鎖定常領域とも呼ばれる定常軽(CL)ドメインを有する。免疫グロブリンの重鎖は、α(IgA)、δ(IgD)、ε(IgE)、y(IgG)、またはμ(IgM)と呼ばれる5つのクラスのうちの1つに割り当てられ得、そのうちのいくつかは、γ1(IgG1)、γ2(IgG2)、γ3(IgG3)、γ4(gG4)、α1(IgA1)、およびα2(IgA2)などのサブクラスにさらに分けられ得る。免疫グロブリンの軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)またはラムダ(λ)の2つのタイプのうちの1つに割り当てられ得る。免疫グロブリンは、本質的に、免疫グロブリンヒンジ領域を介して連結された2つのFab分子およびFc鎖からなる。
「免疫複合体」は、少なくとも1つのIL-7Rαγcリガンドと、少なくとも1つの抗原結合部分とを含む、ポリペプチド分子を指す。免疫複合体は、少なくとも1つのIL-7Rαγcリガンドと、少なくとも2つの抗原結合部分とを含むことができる。免疫複合体は、少なくとも1つのIL-7Rαγcリガンドと、1つ以上のリンカー配列によって継合された2つの抗原結合部分とを含むことができる。抗原結合部分は、種々の相互作用によって、および種々の構成で、IL-7Rαγcリガンドに継合されることができる。
「リンカー」は、ある化合物を別の化合物に結合する部分を指す。リンカーとしては、IL-7Rαγcリガンドリンカー、タンデムIL-7Rαγcリガンドリンカー、およびIL-7Rαγcリガンド構築物リンカーを挙げることができる。リンカーは、合成リンカーであり得る。リンカーは、アミノ酸リンカーであり得る。一般に、本開示によって提供されるリンカーは、IL-7RαγcリガンドがIL-7Rと相互作用し、高親和性でIL-7Rに結合し、および/またはIL-7Rを活性化する能力を促進する。リンカーは、ペプチドまたは非ペプチドを含むことができる。非ペプチドリンカーとしては、例えば、アルキンおよびアジド官能基のCu(I)触媒反応に由来するトリアゾール部分を含有するものが挙げられる。IL-7Rαγcリガンドリンカーは、IL-7Rαリガンドおよび/またはRγcリガンドなどの少なくとも1つのIL-7Rリガンドを別のIL-7Rリガンドに結合する部分を指す。リンカーは、同じIL-7Rリガンドまたは異なるIL-7Rリガンドであり得る、別のIL-7Rリガンドに結合することができる。リンカーはまた、所望の生理学的機能を提供する1つ以上の追加の部分に結合することもできる。リンカーは、二価または多価であり得る。リンカーは、加水分解的に安定であり得るか、または生理学的に加水分解可能もしくは酵素分解可能もしくは切断可能な結合を含んでもよい。リンカーは、IL-7Rリガンドに結合して、二量体、三量体、または高次マルチリガンドペプチド(ヘテロマー)および化合物を形成することができる。
リガンドリンカーは、二価または多価であり得る。リガンドリンカーは、加水分解的に安定であり得るか、または生理学的に加水分解可能もしくは酵素分解可能なリガンド結合を含んでもよい。リガンドリンカーは、IL-7Rαリガンドに結合して、二量体、三量体、または高次マルチリガンドペプチド(ヘテロマー)および化合物を形成することができる。リガンドリンカーは、ペプチジルリガンドリンカーまたは化学リガンドリンカーであり得る。IL-7Rαγcリガンドは、少なくとも1つのIL-7Rαリガンドおよび少なくとも1つのRγcリガンドを含む部分を指す。
「可撓性リンカー」は、グリシンおよびセリンなどの可撓性アミノ酸を含むペプチジルリンカーを指す。可撓性リンカーは、例えば、例えば、1~50個、1~40個、1~30個、1~20個、1~10個、または1~5個のアミノ酸などの1~100個のアミノ酸を含むことができ、各アミノ酸は、独立して、グリシンおよびセリンから選択される。可撓性リンカーの例としては、nが1~20の整数であり得る、(G)(配列番号9380)、(GS)(配列番号9381)、(GGS)(配列番号9382)、(GGGS)(配列番号9383)、もしくは(GGGGS)(配列番号9384)、nが1~10の整数であり得る、(G)(配列番号9385)、(GS)(配列番号9386)、(GGS)(配列番号9387)、(GGGS)(配列番号9388)、もしくは(GGGGS)(配列番号9389)、またはnが1~5の整数であり得る、(G)(配列番号9390)、(GS)(配列番号9391)、(GGS)(配列番号9392)、(GGGS)(配列番号9393)、もしくは(GGGGS)(配列番号9394)が挙げられる。(可撓性リンカーは、アミノ酸配列、例えば、(GGGGS)(配列番号9395)、(GGGGS)(配列番号9396)、(GGGGS)(配列番号9397)、(GGGGS)(配列番号9398)、(GG)(配列番号9399)、(GGG)(配列番号9400)、(GGGGG)(配列番号9401)、(GGS)(配列番号9402)、(GGGS)(配列番号9403)、(GGGGSGG)(配列番号9404)、(GGS)(配列番号9405)、(G)(配列番号9406)、または(GS)10(配列番号9407)を有することができる。
「剛性リンカー」は、プロリンが豊富であり、アラニン、リジン、および/またはグルタミン酸などの他のアミノ酸を含み得る、ペプチジルリンカーを指す。剛性リンカーは、例えば、1~50個、1~40個、1~30個、1~20個、1~10個、または1~5個のアミノ酸などの1~100個のアミノ酸を含むことができ、各アミノ酸は、独立して、プロリン、アラニン、リジン、およびグルタミン酸から選択される。剛性リンカーは、例えば、1~50個、1~40個、1~30個、1~20個、1~10個、または1~5個のアミノ酸などの1~100個のアミノ酸を含むことができ、各アミノ酸は、独立して、プロリンおよびアラニンから選択される。剛性リンカーは、nが1~20の整数である、配列(P)(配列番号9420)または(PA)(配列番号9421)を有することができる。剛性リンカーは、nが1~10の整数である、配列(P)(配列番号9422)または(PA)(配列番号9423)を有することができる。剛性リンカーは、nが1~5の整数である、配列(P)(配列番号9424)または(PA)(配列番号9425)を有することができる。剛性リンカーは、配列(PA)(配列番号9426)、(PA)(配列番号9427)または(PA)10(配列番号9428)を有することができる。
「タンパク質」は、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド、およびペプチドを含む、少なくとも2つの共有結合したアミノ酸を指す。加えて、抗体を構成するポリペプチドには、1つ以上の側鎖または末端の合成誘導体化、グリコシル化、PEG化、環状順列、環化、他の分子へのリンカー、タンパク質またはタンパク質ドメインへの融合、およびペプチドタグまたは標識の付加が含まれ得る。生物学的に機能的な分子が2つ以上のタンパク質を含む場合、各タンパク質は、「モノマー」または「サブユニット」または「ドメイン」と称され得、生物学的に機能的な分子は、「複合体」と称され得る。
「アミノ酸配列類似性」は、配列の1つ以上のアミノ酸が化学的に類似するアミノ酸と置き換えられている、アミノ酸配列を指す。化学的に類似するアミノ酸の例には、(a)アラニン(A)、グリシン(G)、プロリン(P)、セリン(S)、またはトレオニン(T)などの小さな疎水性側鎖を有するアミノ酸、(b)セリン(S)、トレオニン(T)、またはチロシン(Y)などのヒドロキシル含有側鎖を有するアミノ酸、(c)アスパラギン酸塩(D)またはグルタミン酸塩(E)などの酸性側鎖を有するアミノ酸、(d)ヒスチジン(H)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、またはチロシン(Y)などの極性中性側鎖を有するアミノ酸、(e)アルギニン(R)、リジン(K)、またはヒスチジン(H)などの塩基性側鎖を有するアミノ酸、(f)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、またはトリプトファン(W)などの大きな疎水性側鎖を有するアミノ酸、および(g)フェニルアラニン(F)、ヒスチジン(H)、トリプトファン(W)、またはチロシン(Y)を含む芳香族側鎖を有するアミノ酸が挙げられる。化学的に類似するアミノ酸は、天然に存在するアミノ酸または非天然アミノ酸を含むことができる。
「配列類似性率(%)」は、対象結合化合物および参照結合化合物において同じであるアミノ酸の数を比較することによって決定される。本開示によって提供される結合化合物は、例えば、参照結合化合物との70%超、80%超、または90%超の配列類似性を含むことができる。例えば、配列番号1130を有する参照結合化合物に基づいて、配列番号1131~1136を有する結合化合物は、参照ペプチドのアミノ酸が、アミノ酸であるアラニンと置換されているか、または置き換えられている、1、2、3、4、または5個のいずれかのアミノ酸を有する。配列番号1131~1136を有する結合化合物は、それぞれ、参照ペプチドのアミノ酸配列との95%、90%、85%、80%、75%、または70%の配列類似性によって特徴付けられる。
Figure 2023514128000004

本開示によって提供される結合化合物は、参照アミノ酸配列の1~5個のアミノ酸が別のアミノ酸で置換されている、アミノ酸配列を有することができる。
例えば、参照結合化合物に由来する結合化合物は、1~5個のアミノ酸置換、1~4個、1~3個、または1~2個のアミノ酸置換を有することができる。例えば、参照結合化合物に由来する結合化合物は、1個のアミノ酸置換、2個のアミノ酸置換、3個のアミノ酸置換、4個のアミノ酸置換、または5個のアミノ酸置換を有することができる。
アミノ酸置換は、他のアミノ酸置換から独立し得る。
各アミノ酸置換は、独立して、保存的アミノ酸置換または非保存的アミノ酸置換であり得る。
保存的アミノ酸置換とは、以下のアミノ酸置換のうちの1つを指す:アラニン(A)、グリシン(G)、プロリン(P)、セリン(S)、またはトレオニン(T)を含む小さな疎水性側鎖を有するアミノ酸、セリン(S)、トレオニン(T)、またはチロシン(Y)を含むヒドロキシル含有側鎖を有するアミノ酸、アスパラギン酸塩(D)またはグルタミン酸塩(E)を含む酸性側鎖を有するアミノ酸、ヒスチジン(H)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、またはチロシン(Y)を含む極性中性側鎖を有するアミノ酸、アルギニン(R)、リジン(K)、またはヒスチジン(H)を含む塩基性側鎖を有するアミノ酸、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、またはトリプトファン(W)を含む大きな疎水性側鎖を有するアミノ酸、およびフェニルアラニン(F)、ヒスチジン(H)、トリプトファン(W)、またはチロシン(Y)を含む芳香族側鎖を有するアミノ酸。
例えば、参照結合化合物は、配列番号1120のアミノ酸配列を有することができる。
Figure 2023514128000005

配列番号1121~1125を有する結合化合物は、それぞれ、配列番号1120を有する参照結合化合物が、1~5個の保存的アミノ酸置換で置換されている、結合化合物を表す。
本開示によって提供される結合化合物は、切断結合化合物を含むことができる。切断結合化合物は、1~5個のアミノ酸が、独立して、対応する参照結合化合物のN末端、C末端、またはN末端およびC末端の両方から除去されている、結合化合物を指す。対応する参照結合化合物に由来する切断結合化合物は、独立して、1~4個のアミノ酸、1~3個のアミノ酸、または1~2個のアミノ酸などの1~5個のアミノ酸を、独立して、参照結合化合物のN末端、C末端、またはN末端およびC末端の両方から除去させることができる。対応する参照結合化合物に由来する切断結合化合物は、独立して、1個のアミノ酸、2個のアミノ酸、3個のアミノ酸、4個のアミノ酸、または5個のアミノ酸を、参照結合化合物のN末端、C末端、またはN末端およびC末端の両方から除去させることができる。
例えば、参照結合化合物は、配列番号1100のアミノ酸配列を有することができる。配列番号1100の参照結合化合物に由来する切断結合化合物の例としては、配列番号1101~1108のアミノ酸配列の切断結合化合物が挙げられる。
Figure 2023514128000006

配列番号1101~1103の切断結合化合物は、アミノ酸を参照結合化合物のN末端から除去させ、配列番号1104~1106の切断結合化合物は、アミノ酸を参照結合化合物のC末端から除去させ、配列番号1107~1108の切断結合化合物は、アミノ酸を参照結合化合物のN末端およびC末端の両方から除去させる。
別の例として、参照結合化合物は、式(A)のアミノ酸配列を含むことができ、
Figure 2023514128000007

式中、各-X-は、独立して、アミノ酸を表す。式(A1)~(A5)のアミノ酸配列は、式(A)のアミノ酸配列を含む参照結合化合物に由来する切断結合化合物を表す:
Figure 2023514128000008
本開示によって提供される結合化合物は、1~3個のグリシンが、独立して、参照結合化合物のN末端、C末端、またはN末端およびC末端の両方に結合されている、アミノ酸配列を含むことができる。
例えば、参照結合化合物は、配列番号1110を有することができる。配列番号1111~1113を有する結合化合物は、それぞれ、参照結合化合物のN末端に結合された1~3個のグリシンを有し、配列番号1114~1116を有する結合化合物は、それぞれ、参照結合化合物のC末端に結合された1~3個のグリシンを有し、配列番号1117~1118を有する結合化合物は、独立して、参照結合化合物のN末端およびC末端の両方に結合された1つまたは2つのグリシンを有する。
Figure 2023514128000009

結合化合物は、1~3個のグリシンが、独立して、参照切断結合化合物のN末端、C末端、またはN末端およびC末端の両方に結合されている、切断結合化合物を含むことができる。
「IL-7Rα結合化合物」は、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド、本開示によって提供されるタンデムIL-7Rαγcリガンド、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド構築物、ならびに本開示によって提供される少なくとも1つのIL-7Rαリガンドおよび少なくとも1つのRγcリガンドを含む構築物を指す。
「IL-7R」、「IL-7Rαサブユニット」、および「Rγcサブユニット」は、それぞれ、ヒトIL-7R、ヒトIL-7Rαサブユニット、およびRγcサブユニットなどの哺乳動物「IL-7R」、「IL-7Rαサブユニット」、および「Rγcサブユニット」をそれぞれ指す。
組換え「IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質」は、IL-7Rαγcリガンドの翻訳リーディングフレームが、別のタンパク質のもの、すなわち、IL-7Rαγcリガンド融合パートナーに融合され、単一の組換えポリペプチドを産生する、組換えDNA技術によって作製されたタンパク質を指す。IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質は、1つ以上のIL-7Rαリガンドおよび1つ以上のRγcリガンドを含むことができる。IL-7Rαγcリガンド融合パートナーは、IL-7RαγcリガンドがFc構造の一方または両方のC末端に付着している、IgG分子のFcドメインを含むことができる。IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質は、ペプチジルリンカーアミノ酸配列が、IL-7Rαγcリガンドまたは融合タンパク質パートナーのいずれにも由来しないように、IL-7Rαγcリガンドを融合タンパク質パートナーに結合するアミノ酸配列などのペプチジルリンカーを含むことができる。そのようなリンカーは、構築物リンカーと称される。構築物リンカーは、スペーサーとして融合タンパク質に組み込まれ、構成タンパク質部分の適切なタンパク質折り畳みおよび安定性を促進し、タンパク質発現を改善し、および/または2つの融合パートナーのより良い生物活性を可能にすることができる。構築物リンカーは、例えば、可撓性ペプチドおよび/または剛性ペプチドを含み得る。構築物リンカーは、化学的構築物リンカーであり得る。
「少なくとも1つ」という表現は、「1つ以上」を指す。例えば、「少なくとも」という表現は、1~10、1~8、1~6、1~5、1~4、1~3、または1~2を指すことができる。例えば、「少なくとも1つ」という表現は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10を指すことができる。
ここで、化合物、組成物、および方法のある特定の実施形態を詳細に参照する。開示される実施形態は、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。それとは反対に、特許請求の範囲は、全ての代替物、修正、および同等物を包含することを意図している。
本開示は、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、およびIL-7Rαγcリガンド構築物を含む、IL-7Rαγc結合化合物を対象とする。IL-7Rαγc結合化合物は、IL-7Rアゴニスト、部分的アゴニスト、またはアンタゴニストであり得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、IL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、ならびにIL-7RαおよびRγcリガンドを結合するIL-7Rαγcリガンドリンカーを含む。IL-7Rαγcリガンドは、IL-7Rアゴニスト、部分的IL-7Rアゴニスト、またはIL-7Rアンタゴニストであり得る。
本開示によって提供されるタンデムIL-7Rαγcリガンドは、1つ以上のタンデムリンカーによってともに結合された2つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含む。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc構築物は、ポリマー、タンパク質、Fc断片、免疫グロブリン断片、または抗体などの構築物パートナーと称される別の分子に結合された少なくとも1つのIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。本開示によって提供されるIL-7Rαγc構築物はまた、少なくとも1つのIL-7Rαリガンドおよび少なくとも1つのRγcリガンドも含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、IL-7Rαサブユニットおよび/またはRγcサブユニット上の独自の結合部位に結合し、100μM未満、10μM未満、1μM未満、100nM未満、または10nM未満のIC50で独自の結合部位に結合することが可能な化合物を含む。
IL-7Rαγc結合化合物は、少なくとも1つのIL-7Rαリガンドを含むことができる。好適なIL-7Rαリガンドの例は、参照によりその全体で組み込まれる、IL-7R-Alpha Binding Compoundsと題された、2020年2月3日に出願された米国仮出願第62/969,432号に開示されている。
本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドは、100μM未満、10μM未満、1μM未満、0.1μM未満、または0.01μM未満のIC50でヒトIL-7Rαサブユニットに結合することができる。
IL-7Rαリガンドは、1pM~100μM、10pM~10μM、100pM~1μM、0.001μM~1μM、または0.01μM~1μMのIC50でヒトIL-7Rαサブユニットに結合することができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドは、100μM未満、10μM未満、1μM未満、0.1μM未満、または0.01μM未満のIC50で哺乳動物IL-7Rαサブユニットに結合することができる。
IL-7Rαリガンドは、1pM~100μM、10pM~10μM、100pM~1μM、0.001μM~1μM、または0.01μM~1μMのIC50で哺乳動物IL-7Rαサブユニットに結合することができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドは、100μM未満、10μM未満、1μM未満、0.1μM未満、または0.01μM未満のIC50でヒトIL-7RαサブユニットおよびヒトRγcサブユニットに結合することができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドは、式(1)のアミノ酸配列(配列番号389)、式(1a)のアミノ酸配列(配列番号390)、式(1b)のアミノ酸配列(配列番号391)、または式(1c)のアミノ酸配列(配列番号392)を含むことができ、
Figure 2023514128000010

式中、
201は、大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
202は、小さな疎水性側鎖またはシステインを含むアミノ酸から選択されることができ、
203は、大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
204は、塩基性側鎖またはシステインを含むアミノ酸から選択されることができ、
205は、大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸、または小さな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
206は、大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸、または酸性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
207は、酸性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
208は、酸性側鎖を含むアミノ酸、または小さな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
209は、小さな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
210は、大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸、または小さな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
211は、大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
212は、極性/中性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
213は、システインから選択されることができ、
214は、小さな疎水性側鎖を含むアミノ酸、または大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
215は、大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
216は、大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X201は、H、I、Q、およびVから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X201は、I、Q、およびVから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X201は、Iであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X202は、C、P、およびRから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X202は、CおよびPから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X203は、I、K、L、S、V、およびWから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X203は、Wであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X204は、CおよびHから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X204は、Cであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X205は、A、I、L、M、T、およびWから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X205は、TおよびWから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X206は、D、L、およびWから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X206は、DおよびLから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X207は、D、I、L、およびQから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X207は、DおよびLから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X207は、Dであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X208は、D、E、およびPから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X208は、EおよびPから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X208は、Pであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X209は、G、S、およびTから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X209は、GおよびSから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X209は、Gであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X210は、A、G、L、およびSから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X210は、LおよびSから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X211は、F、I、L、およびMから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X211は、Lであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X212は、G、H、L、N、Q、およびSから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X212は、QおよびSから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X212は、Qであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X213は、Cであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X214は、A、E、I、L、S、T、およびVから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X214は、AおよびVから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X215は、F、R、W、およびYから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X215は、Wであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X216は、E、L、Q、およびWから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X216は、Lであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、IL-7Rαリガンドは、直前の35段落で定義されるように、X201-X26の任意の組み合わせによって定義されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、
201は、H、I、Q、およびVから選択されることができ、
202は、C、P、およびRから選択されることができ、
203は、I、K、L、S、V、およびWから選択されることができ、
204は、CおよびHから選択されることができ、
205は、A、I、L、M、T、およびWから選択されることができ、
206は、D、L、およびWから選択されることができ、
207は、D、I、L、およびQから選択されることができ、
208は、D、E、およびPから選択されることができ、
209は、G、S、およびTから選択されることができ、
210は、A、G、L、およびSから選択されることができ、
211は、F、I、L、およびMから選択されることができ、
212は、G、H、L、N、Q、およびSから選択されることができ、
213は、Cであり得、
214は、A、E、I、L、S、T、およびVから選択されることができ、
215は、F、R、W、およびYから選択されることができ、
216は、E、L、Q、およびWから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、
201は、I、Q、およびVから選択されることができ、
202は、CおよびPから選択されることができ、
203は、Wであり得、
204は、CおよびHから選択されることができ、
205は、TおよびWから選択されることができ、
206は、DおよびLから選択されることができ、
207は、DおよびLから選択されることができ、
208は、EおよびPから選択されることができ、
209は、GおよびSから選択されることができ、
210は、LおよびSから選択されることができ、
211は、Lであり得、
212は、QおよびSから選択されることができ、
213は、Cであり得、
214は、AおよびVから選択されることができ、
215は、Wであり得、
216は、Lであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、
201は、Iであり得、
202は、CおよびPから選択されることができ、
203は、Wであり得、
204は、CおよびHから選択されることができ、
205は、TおよびWから選択されることができ、
206は、DおよびLから選択されることができ、
207は、Dであり得、
208は、Pであり得、
209は、Gであり得、
210は、LおよびSから選択されることができ、
211は、Lであり得、
212は、Qであり得、
213は、Cであり得、
214は、AおよびVから選択されることができ、
215は、Wであり得、
216は、Lであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、
201は、Qであり得、
202は、Cであり得、
203は、I、L、K、およびVから選択されることができ、
204は、Hであり得、
205は、Wであり得、
206は、Dであり得、
207は、IおよびLから選択されることができ、
208は、Eであり得、
209は、SおよびTから選択されることができ、
210は、Lであり得、
211は、Lであり得、
212は、G、L、N、およびSから選択されることができ、
213は、Cであり得、
214は、I、L、およびVから選択されることができ、
215は、Rであり得、
216は、Eであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、
201は、IおよびVから選択されることができ、
202は、Pであり得、
203は、Wであり得、
204は、Cであり得、
205は、Tであり得、
206は、Lであり得、
207は、Dであり得、
208は、Pであり得、
209は、Gであり得、
210は、LおよびSから選択されることができ、
211は、Lであり得、
212は、Qであり得、
213は、Cであり得、
214は、Aであり得、
215は、Wから選択されることができ、
216は、Lであり得る。
IL-7Rαリガンドは、配列番号393~配列番号410のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列または切断アミノ酸配列を含むことができる。
Figure 2023514128000011

本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドは、配列番号389~410のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドは、配列番号389~410のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号389~410のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~5個のグリシン(G)(配列番号9390)を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドは、配列番号389~410のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号389~410のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、1~5個のアミノ酸置換などの1つ以上のアミノ酸置換を含む。アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換を含むことができる。
IL-7Rαリガンドは、配列番号389~410のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸配列または切断アミノ酸配列類似性を含むことができる。
ファージELISA競合アッセイを使用して決定される、10μM未満のIC50でhIL-7Rαサブユニットに結合された配列番号389~410のうちのいずれか1つのIL-7Rαリガンド。
本開示によって提供される特定のIL-7Rαリガンドは、IL-7が結合するIL-7Rαサブユニット上の結合部位とは異なる、IL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位に結合することができる。
配列番号5、43、104、146、および313を有するIL-7Rαリガンドは、IL-7Rαに結合するIL-7と競合的に結合せず、これらの化合物のためのIL-7Rαリガンド結合部位がIL-7のものとは明確に異なることを示す。このIL-7Rαリガンドの群は、10μM未満のIC50でIL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位に結合する。
IL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位は、少なくとも以下の特性によって特徴付けられることができる。(1)IL-7Rαリガンドの群は、10μM未満のIC50でIL-7Rαサブユニット上の各独自の結合部位に結合する、(2)群内のIL-7Rαリガンドのそれぞれは、群内の他のIL-7Rαリガンドのそれぞれと競合的にIL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位に結合する、(3)配列番号965のアミノ酸配列を有するペプチドは、IL-7Rαリガンドの群内のペプチドとIL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位への結合について競合しない、および(4)配列番号5、43、104、146、および313を有するIL-7Rαリガンドは、IL-7Rαに結合するIL-7と競合的に結合せず、このIL-7Rαリガンド結合部位がIL-7のものとは明確に異なることを示す。
IL-7Rαリガンドの群は、配列番号5、43、104、146、および313のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を有する、少なくともIL-7Rαリガンドを含む。
これらのIL-7RαリガンドのためのIL-7Rαサブユニットの独自の結合部位は、例えば、実施例12に記載されるような競合結合アッセイを使用して、特徴付けられることができる。
IL-7Rαリガンドは、配列番号420~配列番号486のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むことができる。
Figure 2023514128000012


Figure 2023514128000013


Figure 2023514128000014


Figure 2023514128000015

配列番号407および454に基づく切断IL-7Rαリガンドの例としては、以下が含まれる。
Figure 2023514128000016

本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドは、式(2)のアミノ酸配列(配列番号500)、式(2a)のアミノ酸配列(配列番号501)、式(2b)のアミノ酸配列(配列番号502)、式(2c)のアミノ酸配列(配列番号503)、式(2d)のアミノ酸配列(配列番号504)、式(2e)のアミノ酸配列(配列番号505)、式(2f)のアミノ酸配列(配列番号506)、または式(2g)のアミノ酸配列(配列番号507)を含むことができ、
Figure 2023514128000017

式中、
198は、A、G、P、S、T、およびVから選択され、
199は、F、H、W、およびYから選択され、
200は、A、G、H、K、P、R、S、およびTから選択され、
210は、A、G、P、S、およびTから選択され、
217は、A、G、H、K、P、R、S、およびTから選択され、
218は、アミノ酸および単結合から選択され、
219は、アミノ酸および単結合から選択される。
式(2)~(2g)のうちのいずれか1つのIL-7Rαリガンドであって、
198は、VおよびGから選択され、
199は、HおよびWから選択され、
200は、RおよびGから選択され、
210は、GおよびSから選択され、
217は、RおよびGから選択され、
218は、Q、G、Kおよび単結合から選択され、
219は、G、H、M、および単結合から選択される。
式(2)~(2g)のいずれか1つのIL-7Rαリガンドでは、X198は、Vであり得、X199は、Hであり得、X200は、Rであり得る。
式(2)~(2g)のいずれか1つのIL-7Rαリガンドでは、X198は、Gであり得、X199は、Wであり得、X200は、Gであり得る。
式(2)~(2g)のいずれか1つのIL-7Rαリガンドでは、X210は、Gであり得る。
式(2)~(2g)のいずれか1つのIL-7Rαリガンドでは、X210は、Sであり得る。
式(2)~(2g)のいずれか1つのIL-7Rαリガンドでは、X217は、Rであり得る。
式(2)~(2g)のいずれか1つのIL-7Rαリガンドでは、X217は、Rであり得、X218は、Qであり得、X219は、Mであり得る。
式(2)~(2g)のいずれか1つのIL-7Rαリガンドでは、X217は、Gであり得、X218は、Kであり得、X219は、Hであり得る。
式(2)~(2g)のIL-7Rαリガンドでは、IL-7Rαリガンドは、直前の9段落で定義されるように、変数の任意の組み合わせによって定義されることができる。
IL-7Rαリガンドは、配列番号508~556のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列または切断アミノ酸配列を含むことができる。
Figure 2023514128000018

Figure 2023514128000019

本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドは、配列番号420~556のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドは、配列番号420~556のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号420~556のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドは、配列番号420~556のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号420~486のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、1~5個のアミノ酸置換などの1つ以上のアミノ酸置換を含む。アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換を含むことができる。
IL-7Rαリガンドは、配列番号420~556のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸配列または切断アミノ酸配列類似性を含むことができる。
ファージELISA競合アッセイを使用して決定される、10μM未満のIC50でhIL-7Rαサブユニットに結合された配列番号420~556のうちのいずれか1つのIL-7Rαリガンド。
本開示によって提供される特定のIL-7Rαリガンドは、IL-7が結合するIL-7Rαサブユニット上の結合部位とは異なる、IL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位に結合することができる。
配列番号5、43、104、146、および313を有するIL-7Rαリガンドは、IL-7Rαに結合するIL-7と競合的に結合せず、これらの化合物のためのIL-7Rαリガンド結合部位がIL-7のものとは明確に異なることを示す。このIL-7Rαリガンドの群は、10μM未満のIC50でIL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位に結合する。
Rγcリガンドは、参照によりその全体で組み込まれる、米国出願公開第2020/0040036号に開示されているRγcリガンドを含むことができる。
本開示によって提供されるRγcリガンドは、100μM未満、10μM未満、1μM未満、0.1μM未満、または0.01μM未満のIC50でヒトRγcサブユニットに結合する。
本開示によって提供されるRγcリガンドは、1pM~100μM、10pM~10μM、100pM~1μM、0.001μM~1μM、または0.01μM~1μMのIC50でヒトRγcサブユニットに結合する。
本開示によって提供されるRγcリガンドは、100μM未満、10μM未満、1μM未満、0.1μM未満、または0.01μM未満のIC50で哺乳動物Rγcサブユニットに結合する。
本開示によって提供されるRγcリガンドは、1pM~100μM、10pM~10μM、100pM~1μM、0.001μM~1μM、または0.01μM~1μMのIC50で哺乳動物Rγcサブユニットに結合する。
Rγcリガンドは、式(3)(配列番号944)、式(3a)(配列番号945)、式(3b)(配列番号946)、式(3c)(配列番号947)、式(3d)(配列番号948)、または式(3e)(配列番号949)のアミノ酸配列を含むことができ、
Figure 2023514128000020

式中、X171は、塩基性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、X172は、ヒドロキシル含有側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、X173は、酸性側鎖または大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、X174は、大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、X175は、酸性側鎖または大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、X176は、酸性側鎖または極性/中性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、X177は、酸性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、X178は、大きな疎水性側鎖または芳香族側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、X179は、酸性側鎖または極性/中性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、X180は、Gであり得、X181は、Vであり得、X182は、Eであり得、X183は、Lであり得、X184は、Wであり得、X185は、大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、X186は、Eであり得、X187は、アミノ酸から選択されることができ、X188は、酸性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができる。
式(3)、(3a)、(3b)、(3c)、(3d)、および/または(3e)のRγcリガンドでは、X171は、H、K、およびRから選択されることができ、X172は、S、T、およびYから選択されることができ、X173は、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X174は、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X175は、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X176は、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択されることができ、X177は、DおよびEから選択されることができ、X178は、F、H、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X179は、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択されることができ、X180は、Gであり得、X181は、Vであり得、X182は、Eであり得、X183は、Lであり得、X184は、Wであり得、X185は、F、I、L、M、V、W、Y、H、N、Q、S、およびTから選択されることができ、X186は、Eであり得、X187は、アミノ酸から選択されることができ、X188は、DおよびEから選択されることができる。
式(3)、(3a)、(3b)、(3c)、(3d)、および/または(3e)のRγcリガンドでは、X171は、D、E、G、H、K、M、N、P、Q、R、S、およびTから選択されることができ、X172は、A、D、E、G、I、K、L、P、Q、R、S、T、V、W、およびYから選択されることができ、X173は、A、D、E、F、G、I、Q、S、T、V、W、およびYから選択されることができ、X174は、A、I、E、I、L、M、N、Q、R、S、T、およびVから選択されることができ、X175は、A、E、I、L、M、N、Q、R、S、T、およびVから選択されることができ、X176は、D、E、H、L、Q、R、およびVから選択されることができ、X177は、D、E、E、N、T、およびVから選択されることができ、X178は、F、S、W、およびYから選択されることがで、X179は、A、D、E、G、H、K、N、Q、R、およびYから選択されることができ、X180は、G、およびRから選択されることができ、X181は、Vであり得、X182は、D、E、およびYから選択されることができ、X183は、F、I、およびLから選択されることができ、X184は、Wであり、X185は、C、H、I、L、P、Q、T、V、およびYから選択されることができ、X186は、A、D、E、G、M、R、S、T、およびVから選択されることができ、X187は、A、D、E、F、G、I、M、N、P、Q、R、S、T、V、およびYから選択されることができ、X188は、A、C、D、E、F、G、I、K、L、N、P、Q、R、S、およびVから選択されることができる。
式(3)、(3a)、(3b)、(3c)、(3d)、および/または(3e)のRγcリガンドでは、X171は、H、K、およびRから選択されることができ、X172は、S、T、およびYから選択されることができ、X173は、D、E、F、I、およびVから選択されることができ、X174は、IおよびVから選択されることができ、X175は、E、I、L、M、およびVから選択されることができ、X176は、D、E、およびQから選択されることができ、X177は、DおよびEから選択されることができ、X178は、FおよびWから選択されることができ、X179は、D、E、N、およびQから選択されることができ、X180は、Gであり得、X181は、Vであり得、X182は、DおよびEから選択されることができ、X183は、Lであり得、X184は、Wであり得、X185は、I、L、Q、およびVから選択されることができ、X186は、DおよびEから選択されることができ、X187は、A、D、E、F、G、I、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYから選択されることができ、X188は、D、E、N、およびQから選択されることができる。
式(3)、(3a)、(3b)、(3c)、(3d)、および/または(3e)のRγcリガンドでは、X171は、KおよびRから選択されることができ、X172は、S、T、およびYから選択されることができ、X173は、D、E、F、I、およびVから選択されることができ、X174は、Vであり得、X175は、E、L、M、およびVから選択されることができ、X176は、Qであり得、X177は、DおよびEから選択されることができ、X178は、Wであり得、X179は、D、E、N、およびQから選択されることができ、X180は、Gであり得、X181は、Vであり得、X182は、Eであり得、X183は、Lであり得、X184は、Wであり得、X185は、I、L、Q、およびVから選択されることができ、X186は、DおよびEから選択されることができ、X187はA、D、E、F、G、I、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYから選択されることができ、X188は、D、E、N、およびQから選択されることができる。
式(3)のRγcリガンドでは、X171は、H、K、およびRから選択されることができる。
式(3)~(3a)のRγcリガンドでは、X172は、S、T、およびYから選択されることができる。
式(3)~(3b)のRγcリガンドでは、X173は、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができる。
式(3)~(3b)のRγcリガンドでは、X173は、DおよびEから選択されることができる。
式(3)~(3b)のRγcリガンドでは、X173は、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができる。
式(3)~(3c)のRγcリガンドでは、X174は、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができる。
式(3)~(3c)のRγcリガンドでは、X174は、Vであり得る。
式(3)~(3d)のRγcリガンドでは、X175は、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができる。
式(3)~(3d)のRγcリガンドでは、X175は、DおよびEから選択されることができる。
式(3)~(3d)のRγcリガンドでは、X175は、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができる。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X176は、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択されることができる。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X176は、EおよびQから選択されることができる。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X177は、DおよびEから選択されることができる。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X178は、F、H、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができる。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X178は、F、H、W、およびYから選択されることができる。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X178は、Wであり得る。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X179は、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択されることができる。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X179は、D、E、およびQから選択されることができる。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X180は、Gであり得る。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X181は、Vであり得る。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X182は、Eであり得る。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X183は、Lであり得る。
式(3)~(3d)のRγcリガンドでは、X184は、Wであり得る。
式(3)~(3c)のRγcリガンドでは、X185は、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができる。
式(3)~(3c)のRγcリガンドでは、X185は、Lであり得る。
式(3)~(3b)のRγcリガンドでは、X186は、Eであり得る。
式(3)~(3a)のRγcリガンドでは、X187は、アミノ酸から選択されることができる。
式(3)のRγcリガンドでは、X188は、DおよびEから選択されることができる。
式(3)、(3a)、(3b)、(3c)、(3d)、および/または(3e)のRγcリガンドでは、X171は、H、K、およびRから選択されることができ、X172は、S、T、およびYから選択されることができ、X173は、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X174は、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X175は、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X176は、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択されることができ、X177は、DおよびEから選択されることができ、X178は、F、H、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X179は、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択されることができ、X180は、Gであり得、X181は、Vであり得、X182は、Eであり得、X183は、Lであり得、X184は、Wから選択されることができ、X185は、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X186は、Eであり得、X187は、アミノ酸から選択されることができ、X188は、DおよびEから選択されることができる。
式(3)、(3a)、(3b)、(3c)、(3d)、および/または(3e)のRγcリガンドでは、X171は、H、K、およびRから選択されることができ、X172は、S、T、およびYから選択されることができ、X173は、DおよびEから選択されることができ、X174は、Vであり得、X175は、DおよびEから選択されることができ、X176は、EおよびQから選択されることができ、X177は、DおよびEから選択されることができ、X178は、F、H、W、およびYから選択されることができ、X179は、D、E、およびQから選択されることができ、X180は、Gであり得、X181は、Vであり得、X182は、Eであり得、X183は、Lであり得、X184は、Wであり得、X185は、F、I、L、M、V、W、Y、H、N、Q、S、およびTから選択されることができ、X186は、Eであり得、X187は、アミノ酸から選択されることができ、X188は、DおよびEから選択されることができる。
式(3)、(3a)、(3b)、(3c)、(3d)、および/または(3e)のRγcリガンドでは、X171は、H、K、およびRから選択されることができ、X172は、S、T、およびYから選択されることができ、X173は、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X174は、Vであり得、X175は、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X176は、EおよびQから選択されることができ、X177は、DおよびEから選択されることができ、X178は、F、H、W、およびYから選択されることができ、X179は、D、E、およびQから選択されることができ、X180は、Gであり得、X181は、Vであり得、X182は、Eであり得、X183は、Lであり得、X184は、Wであり得、X185は、F、I、L、M、V、W、Y、H、N、Q、S、およびTから選択されることができ、X186は、Eであり得、X187は、アミノ酸から選択されることができ、X188は、DおよびEから選択されることができる。
式(3)、(3a)、(3b)、(3c)、(3d)、および/または(3e)のRγcリガンドでは、X171は、H、K、およびRから選択されることができ、X172は、S、T、およびYから選択されることができ、X173は、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X174は、Vであり得、X175は、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X176は、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択されることができ、X176は、EおよびQから選択されることができ、X177は、DおよびEから選択されることができ、X178は、Wであり得、X179は、D、E、およびQから選択されることができ、X180は、Gであり得、X181は、Vであり得、X182は、Eであり得、X183は、Lであり得、X184は、Wであり得、X185は、F、I、L、M、V、W、Y、H、N、Q、S、およびTから選択されることができ、X186は、Eであり得、X187は、アミノ酸から選択されることができ、X188は、DおよびEから選択されることができる。
Rγcリガンドは、配列番号950~1028のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むことができる。
Figure 2023514128000021

Figure 2023514128000022

Figure 2023514128000023

本開示によって提供されるRγcリガンドは、配列番号944~1028のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができる。
本開示によって提供されるRγcリガンドは、配列番号944~1028のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号944~1028のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~5個のグリシン(G)(配列番号9390)を含むことができる。
本開示によって提供されるRγcリガンドは、配列番号944~1028のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号944~1028のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、1~5個のアミノ酸置換などの1つ以上のアミノ酸置換を含む。アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換であり得る。
配列番号950~1028のうちのいずれか1つのRγcリガンドは、100μM未満のIC50でヒトRγcサブユニットに結合する。
Rγcリガンドは、配列番号944~1028のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸類似性を有するアミノ酸配列を含むことができる。
Rγcリガンドは、配列番号944~1028のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含むことができる。
Rγcリガンドは、配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むことができる。
Figure 2023514128000024

本開示によって提供されるRγcリガンドは、配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができる。
本開示によって提供されるRγcリガンドは、配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号1029~1031のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~5個のグリシン(G)(配列番号9390)を含むことができる。
本開示によって提供されるRγcリガンドは、配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、1~5個のアミノ酸置換などの1つ以上のアミノ酸置換を含む。アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換であり得る。
配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つのRγcリガンドは、100μM未満のIC50でヒトRγcサブユニットに結合する。
Rγcリガンドは、配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸類似性を有するアミノ酸配列を含むことができる。
Rγcリガンドは、配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含むことができる。
本開示によって提供される特定のRγcリガンドは、IL-2またはIL-7が結合するRγcサブユニット上のRγc結合部位とは異なる、Rγcサブユニット上の特異的結合部位に結合することができる。
これらのRγcリガンドは、IL-2またはIL-7と特異的Rγc結合部位への結合について競合せず、IL-7Rαサブユニットへの検出可能な結合を有しておらず、10μM未満のIC50でRγcサブユニットに結合する。
Rγcサブユニット上の特異的結合部位は、少なくとも以下の特性によって特徴付けられることができる。(1)Rγcリガンドの群は、10μM未満のIC50でRγcサブユニット上の特異的結合部位に結合する、(2)群内のRγcリガンドは、群内の他のRγcリガンドのそれぞれと競合的にRγcサブユニット上の特異的結合部位に結合する、および(3)群内のRγcリガンドは、配列番号930のアミノ酸配列を有するRγcリガンドと特異的結合部位への結合について競合しない。
配列番号58のアミノ酸配列を有するIL-7Rαリガンドは、結合部位への結合についてRγcリガンドの群と競合しない。
Rγcリガンドの群は、配列番号198、202、224、236、248、および266のアミノ酸配列を有するRγcリガンドを含む。
Rγcリガンドの群内のRγcリガンドは、100μM未満のIC50でRγcサブユニットに結合することができ、100μM超のIC50でRαサブユニットに結合することができる。
これらのRγcリガンドのためのRγcサブユニットの特異的結合部位は、例えば、実施例13に記載される競合的結合アッセイを使用して特徴付けられることができる。
IL-7Rαリガンドおよび/またはRγcリガンドは、リガンドのN末端および/またはC末端に結合された1つ以上の隣接アミノ酸を含むことができる。
隣接アミノ酸は、IL-7Rと相互作用するリガンドの部分を、リガンドおよび/またはリガンド構築物の他の部分から分離することができる。
IL-7Rαリガンドおよび/またはRγcリガンドは、例えば、IL-7Rαおよび/またはRγcリガンドのN末端および/またはC末端に結合された、例えば、1~20個のアミノ酸、1~8個のアミノ酸などの1~10個のアミノ酸、2~6個のアミノ酸、または2~4個のアミノ酸などの隣接アミノ酸を含むことができる。
隣接アミノ酸は、任意の好適な天然に存在する、または天然に存在しないアミノ酸を含むことができる。
例えば、隣接アミノ酸は、セリンおよびセリンなどの可撓性アミノ酸から選択されることができる。
IL-7Rαリガンドおよび/またはRγcリガンドは、例えば、個別のリガンドのN末端および/またはC末端上の末端グリシン基などの隣接アミノ酸を含むことができる。例えば、IL-7RαおよびRγcリガンドは、nが、1~10(配列番号9385)、1~8、2~6、2~4、または2~3である、(-G-)グリシン基などの隣接アミノ酸を含むことができる。例えば、IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドのそれぞれは、独立して、1、2、または3つの末端グリシン基などの隣接アミノ酸を含むことができる。例えば、配列番号400、すなわち、-Q-C-I-H-W-D-I-E-T-L-L-S-C-V-を有するリガンドは、リガンドが、アミノ酸配列、例えば、それぞれ、-G-Q-C-I-H-W-D-I-E-T-L-L-S-C-V-G-(配列番号497)、-G-G-Q-C-I-H-W-D-I-E-T-L-L-S-C-V-G-G-(配列番号498)、または-G-G-G-Q-C-I-H-W-D-I-E-T-L-L-S-C-V-G-(配列番号499)を有することができるように、独立して、N末端およびC末端の両方に、-G-、-G-G-(配列番号9399)、または-G-G-G-もしくは(配列番号9400)などの隣接グリシンを含むことができる。
IL-7Rαγcリガンドは、IL-7Rαリガンド、およびIL-7RαリガンドがRγcリガンドに直接結合されているRγcリガンドを含むことができる。
IL-7Rαγcリガンドは、IL-7Rαリガンド、およびIL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されたRγcリガンドを含むことができる。
2つを超えるシステインを含有するIL-7Rαγcリガンドは、典型的には、例えば、Cys 1-2およびCys 3-4などの最大の活性を示すCys-Cys結合(ジスルフィド架橋)の好ましいパターンを有し、他のジスルフィドパターンは、所望の活性を示し、有用な特性を有し得る。
IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドのそれぞれは、独立して、IL-7RαγcリンカーのN末端を介して、またはC末端を介して、IL-7Rαγcリンカーに共有結合されることができる。例えば、IL-7Rαリガンドは、N末端を介してIL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されることができ、Rγcリガンドは、N末端を介してIL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されることができ、IL-7Rαリガンドは、N末端を介してIL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されることができ、Rγcリガンドは、C末端を介してIL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されることができ、IL-7Rαリガンドは、C末端を介してIL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されることができ、Rγcリガンドは、N末端を介してIL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されることができ、またはIL-7Rαリガンドは、C末端を介してIL-7Rαγcリガンドに結合されることができ、Rγcリガンドは、C末端を介してIL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されることができる。
IL-7RαおよびRγcリガンドの種々の配向を有するIL-7Rαγcリガンドの例が、図1に示される。図1に示されるように、IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドの種々のC/N配向を有するIL-7Rαγcリガンドは、クリックケミストリーを使用して合成されることができる。トリアゾール結合は、種々の化学部分を含み得、種々の長さおよび特性を有し得る、合成IL-7Rαγcリガンドリンカーの概略表現である。特定のIL-7Rαγcリガンドリンカーの例が、図13Aおよび13Bに示される。
IL-7Rαγcリガンドリンカーは、IL-7RαサブユニットおよびIL-7RのRγcサブユニットへのIL-7Rαγcリガンドの結合を促進するように構成されることができる。例えば、IL-7Rαγcリガンドリンカーは、IL-7RαγcリガンドによるIL-7Rの活性化を促進するように構成されることができる。例えば、IL-7Rαγcリガンドは、TF-1-7α細胞においてIL-7R媒介性STAT5リン酸化を誘導するように構成されることができる。
IL-7Rαγcリガンドリンカーは、例えば、2Å~100Å、2Å~80Å、2Å~60Å、2Å~40Å、2Å~20Å、4Å~18Å、6Å~16Å、または8Å~14Åの長さを有することができる。リガンドリンカーは、例えば、100Å未満、80Å未満、60Å未満、40Å未満、20Å未満、15Å未満、または10Å未満の長さを有することができる。
IL-7Rαγcリガンドリンカーは、例えば、2~50個の結合、2~45個の結合、2~40個の結合、2~35個の結合、2~30個の結合、2~25個の結合、2~20個の結合、4~18個の結合、6~16個の結合、または8~14個の結合を有する骨格を含むことができる。IL-7Rαγcリガンドリンカーは、例えば、50個未満の結合、40個未満の結合、30個未満の結合、20個未満の結合、または10個未満の結合を有する骨格を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドリンカーは、ペプチジルIL-7Rαγcリガンドまたは合成IL-7Rαγcリンカーを含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドリンカーは、ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーを含むことができる。
ペプチジルリガンドリンカーは、例えば、2~100個のアミノ酸、2~80個のアミノ酸、2~60個のアミノ酸、2~40個のアミノ酸、2~20個のアミノ酸、5~10個のアミノ酸、または2~5個のアミノ酸を含むことができる。ペプチジルリガンドリンカーは、例えば、100個未満のアミノ酸、80個未満のアミノ酸、40個未満のアミノ酸、20個未満のアミノ酸、15個未満のアミノ酸、10個未満のアミノ酸、または5個未満のアミノ酸を含むことができる。ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーを形成するアミノ酸は、天然に存在するアミノ酸および/または天然に存在しないアミノ酸を含むことができる。
ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーは、例えば、グリシンなどの可撓性アミノ酸を含むことができる。可撓性リンカーは、グリシンなどの小さな非極性アミノ酸または極性アミノ酸を含むことができる。これらのアミノ酸の小さなサイズは、可撓性を提供し、接続する機能ドメインの移動性を可能にする。セリンまたはトレオニンの組み込みは、水分子との水素結合を形成することによって、水溶液中のリンカーの安定性を維持することができ、それによって、リンカーとタンパク質部分との間の好ましくない相互作用を低減させる。溶解性を向上させるために、リジンおよびグルタミン酸などのアミノ酸を含むことができる。ペプチジルIL-7Rαγcリンカーの長さは、IL-7RαリガンドとRγcリガンドとの間の好適な分離を提供し、アゴニスト活性の増強などのIL-7Rとの所望の相互作用を有利にするように選択されることができる。可撓性リンカーの例としては、nが、独立して、例えば、1~20の整数であり得る、(G)(配列番号9380)、(GS)(配列番号9381)、(GGS)(配列番号9382)、(GGGS)(配列番号9383)、(GGGGS)(配列番号9384)、および前述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーは、剛性リンカーであり得る。剛性リンカーは、プロリンが豊富であり得、アラニン、リジン、および/またはグルタミン酸などの他のアミノ酸を含むことができる。剛性リンカーは、Xが、例えば、アラニン、リジン、またはグルタミン酸であり得、nが、1~20の整数であり得る、配列(PX)(配列番号9429)を有することができる。剛性リンカーの例としては、nが、例えば、1~20の整数であり得る、(PA)(配列番号9421)が挙げられる。nの値は、例えば、5超、10超、20超、30超、40超、または50超であり得る。
ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーは、nが、独立して、1~20の整数である、例えば、G)(配列番号9380)、(GS)(配列番号9381)、(GGS)(配列番号9382)、(GGGS)(配列番号9383)、(GGGGS)(配列番号9384)、または前述のうちのいずれかの組み合わせを含むことができる。nの値は、例えば、5超、10超、20超、30超、40超、または50超であり得る。例えば、ペプチジルリガンドリンカーは、-G-G-(配列番号9399)、-G-G-G-(配列番号9400)、-G-G-S-(配列番号9402)、-G-G-G-S-(配列番号9403)、-G-G-G-G-S-G-G-(配列番号9404)、または-G-G-S-G-G-S-(配列番号9405)であり得る。ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーを含むIL-7Rαγcリガンドは、実施例1に記載される固相合成を使用することなどの非組換え方法を使用して合成されることができるか、または組換えDNA技術を使用して合成されることができる。
IL-7Rαγcリガンドリンカーは、合成化学IL-7Rαγcリガンドリンカーを含むことができる。化学合成IL-7Rαγcリガンドリンカーは、化学的方法を使用して合成され、アミノ酸を含むことができるか、またはアミノ酸を含まなくてもよいリンカーを指す。合成化学IL-7Rαγcリガンドリンカーは、トリアゾール部分を含むことができる。
合成化学リガンドリンカーは、例えば、表1に示される式(L1)~(L17)の構造を有することができる。
Figure 2023514128000025

Figure 2023514128000026

IL-7Rαγcリガンドリンカー(L2)、(L4)~(L7)、(L12)、およびL13)では、mおよび/またはnは、独立して、例えば、1~10の整数であり得る。
化学合成IL-7Rαγcリガンドリンカーは、クリックケミストリーを使用して合成され、IL-7RαおよびRγcリガンドの種々のC/N配向を有するIL-7Rαγcリガンドを提供することができる。C/N配向は、IL-7Rαγcリガンドリンカーに結合される、IL-7RαおよびRγcの末端を指す。例えば、C/N配向を有するIL-7Rαγcリガンドについて、IL-7RαリガンドのC末端は、IL-7Rαγcリンカーに結合され、RγcリガンドのN末端は、IL-7Rαγcリンカーに結合される。別の例として、C/N配向を有するIL-7Rαγcリガンドについて、IL-7RαリガンドのN末端は、IL-7Rαγcリンカーに結合され、RγcリガンドのC末端は、IL-7Rαγcリンカーに結合される。
合成リガンドリンカーを有するIL-7Rαγcリガンドを調製するための合成方法の例が、実施例2に記載される。
IL-7RαおよびRγcリガンドは、標準的な固相ペプチド合成およびFmoc保護アミノ酸を使用して調製されることができる。膨張した樹脂が、Fmoc-プロパルギルグリシンまたは2-(Fmoc-NH)-アジド-ペンタン酸の活性化溶液のいずれかで処理され、対応するFmoc保護樹脂を提供することができる。アルキン含有部分およびアジド含有部分は、例えば、所望の長さ、剛性/可撓性、極性、親油性、および/または立体特性を有するように構成されることができる。保護樹脂は、個別のIL-7RαリガンドまたはRγcリガンドを合成するために、HATU活性化およびFmoc除去を伴うFmoc-アミノ酸カップリングの反復サイクルを受けることができる。IL-7RαまたはRγcリガンドの最終アミノ酸からのFmoc除去および末端アミン基のアシル化後、リガンドは、樹脂から切断され、精製されることができる。
IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドに結合されたアルキン含有部分およびアジド含有部分は、例えば、CuSOおよび金属キレート剤の存在下で反応させられ、合成化学IL-7Rαγcリガンドリンカーを含むIL-7Rαγcリガンドを提供することができる。反応したアルキン含有部分およびアジド含有部分は、化学リガンドリンカーを形成する。例えば、表1~3を参照すると、表2の式(AL)のアルキン含有部分は、表3の式(AZ)のアジド含有部分と反応させられ、表1の式(L)の合成IL-7Rαγcリガンドリンカーを提供することができる。
このクリックケミストリー法を使用して、異なるN末端およびC末端配向、ならびに異なるリガンドリンカー長を有する、IL-7RαおよびRγcリガンドを含むIL-7Rαγcリガンドが、合成され得る。
アルキン含有部分の例が、表2に提供され、アジド含有部分の例が、表3に提供される。
Figure 2023514128000027

Figure 2023514128000028



Figure 2023514128000029

IL-7Rαγcリガンドは、アミノペプチダーゼおよびカルボキシペプチダーゼによる分解を防止するか、または最小限にするためのNおよび/またはC末端修飾を含むことができる。末端基の例としては、N末端上のアセチル基およびC末端上のカルボキサミド基が挙げられる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、例えば、式(4)の構造を有する部分を含むことができ、
Figure 2023514128000030

式中、ALは、IL-7Rαリガンドを含み、Lは、IL-7Rαγcリガンドリンカーを含み、GLは、Rγcリガンドを含む。
式(4)の部分は、小さな化学部分において終端されることができ、例えば、12,000Da未満、11,000Da未満、10,000Da未満、9,000Da未満、8,000Da未満、7,000Da未満、6,000Da未満、5,000Da未満、4,000Da未満、3,000Da未満、2,000Da未満、または1,000Da未満の分子量を有することができる。IL-7Rαγcリガンドは、例えば、1,000Da~12,000Da、2,000Da~11,000Da、3,000Da~10,000Da、または4,000Da~9,000Daの分子量を有することができる。
式(4)のIL-7Rαγcリガンドにおいて、ALは、配列番号389~410および420~556のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を有するか、配列番号389~410および420~556のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を有するか、または配列番号389~410および420~556のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を有する、IL-7Rαリガンドを含むことができ、GLは、配列番号944~1031のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を有するか、または配列番号944~1031のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を有する、Rγcリガンドを含むことができ、Lは、ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーまたは合成化学IL-7Rαγcリガンドリンカーを含むことができる。好適なペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーの例は、図14A~14Dに開示され、好適な合成化学リガンドリンカーの例は、図13A~13Bに開示される。
式(4)のIL-7Rαγcリガンドでは、IL-7RαリガンドのN末端またはC末端のいずれかは、IL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されることができ、RγcリガンドのN末端またはC末端のいずれかは、IL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されることができる。例えば、IL-7Rαリガンド(BL)のC末端は、IL-7Rαγcリンカー(L)に結合されることができ、Rγcリガンド(GL)のN末端は、IL-7Rαγcリンカー(L)に結合されることができる。
式(4)のIL-7Rαγcリガンドでは、IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドのそれぞれは、リガンドのN末端および/またはC末端に結合された1つ以上の隣接アミノ酸を含むことができる。例えば、IL-7RαリガンドのN末端およびC末端の両方は、-(G)-を含むことができ、RγcリガンドのN末端およびC末端の両方は、-(G)-を含むことができ、式中、nは、1~8、2~6、または2~4などの1~10の整数(配列番号9385)である。隣接するアミノ酸は、IL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されることができる。
式(4)のIL-7Rαγcリガンドは、N末端上のアセチル末端基およびC末端上のカルボキサミド基を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、式(4a)の構造を含むことができ、
Figure 2023514128000031

式中、
各nは、独立して、0~10の整数であり得、
ALは、配列番号389~410および420~556のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列もしくは切断アミノ酸配列を含むか、または配列番号389~410および420~556のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、もしくは90%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、IL-7Rαリガンドであり得、
GLは、配列番号944~1031のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列もしくは切断アミノ酸配列を含むか、または配列番号944~1031のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、もしくは90%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、Rγcリガンドであり得、
各Aは、独立して、アミノ酸から選択されることができ、
は、1~50個のアミノ酸を含むペプチジルリガンドリンカーであり得る。
式(4a)のIL-7Rαγcリガンドでは、IL-7RαリガンドのC末端は、ペプチジルリガンドリンカーに結合されることができ、RγcリガンドのN末端は、ペプチジルリガンドリンカーに結合されることができる。
式(4a)のIL-7Rαγcリガンドでは、各nは、独立して、例えば、0~8、0~6、0~4、または0~2の整数から選択されることができる。例えば、nは、0、1、2、または3であり得る。
各Aは、独立して、天然に存在する、または天然に存在しないアミノ酸から選択されることができる。各Aは、独立して、グリシンおよびセリンなどの可撓性アミノ酸から選択されることができる。各Aは、グリシンであり得る。
は、例えば、1~40個のアミノ酸、1~30個のアミノ酸、1~20個のアミノ酸、1~10個のアミノ酸、または1~5個のアミノ酸を含むことができる。Lは、ペプチジルリガンドリンカーから選択されることができる。例えば、Lは、pが、独立して、1~10の整数であり得る、(PA)(配列番号9323)、(G)(配列番号9385)、(GS)(配列番号9386)、(GGS)(配列番号9387)、(GGGS)(配列番号9388)、(GGGGS)(配列番号9389)、または前述のうちのいずれかの組み合わせであり得る。
化学的IL-7Rαγcリガンドリンカーを含むIL-7Rαγcリガンドの例が、図13A~13Dに列挙される。
ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーを含むIL-7Rαγcリガンドの例が、図14A~14Dに列挙される。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、ジスルフィド結合を含むことができる。IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドは、少なくとも2つのシステインを含むことができる。IL-7Rαリガンドの少なくとも2つのシステインは、ジスルフィド結合を介して別のシステインに結合されることができ、Rγcリガンドの少なくとも2つのシステインのそれぞれは、ジスルフィド結合を介してシステインに結合されることができる。
IL-7Rαγcリガンドでは、IL-7Rαリガンドの2つのシステインは、ジスルフィド結合を介してともに結合されることができ、および/またはRγcリガンドの2つのシステインは、ジスルフィド結合を介してともに結合されることができる。IL-7Rαγcリガンドでは、IL-7Rαリガンドのシステインは、ジスルフィド結合を介してRγcリガンドのシステインに結合されることができるか、またはIL-7Rαリガンドの2つのシステインのそれぞれは、Rγcリガンドのシステインに結合されることができる。例えば、構造(5)を有するIL-7Rαγcリガンドでは、
Figure 2023514128000032

式中、-X-C-X-C-X-は、配列番号389~410および420~556のうちのいずれか1つなどの2つのシステインCおよびCを有するIL-7Rαリガンドのアミノ酸配列を表し、各Xは、独立して、1つ以上のアミノ酸であり、-Y-C-Y-C-Y-は、配列番号944~1031のうちのいずれか1つなどの2つのシステインCおよびCを有するRγcリガンドのアミノ酸配列を表し、各Yは、独立して、1つ以上のアミノ酸であり、-L-は、IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドを結合するIL-7Rαγcリガンドリンカーである。
式(5)のIL-7Rαγcリガンドでは、ジスルフィド結合を介して、Cは、Cに結合されることができ、Cは、Cに結合されることができ、ジスルフィド結合を介して、Cは、Cに結合されることができ、Cは、Cに結合されることができ、またはジスルフィド結合を介して、Cは、Cに結合されることができ、Cは、Cに結合されることができる。
2つを超えるシステインを含有するIL-7Rαγcリガンドは、例えばCys 1-2およびCys 3-4などの最大の活性を示すCys-Cys結合(ジスルフィド架橋)の好ましいパターンを有することができ、他のジスルフィドパターンは、所望の活性を示し、有用な特性を有することができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、配列番号410もしくは420~461、配列番号410もしくは420~461の切断アミノ酸配列、または配列番号410もしくは420~461との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を有する、IL-7Rαリガンドと、配列番号965もしくは1029~1031、配列番号965もしくは1029~1031の切断アミノ酸配列、または配列番号965もしくは1029~1031を有するRγcリガンド、または配列番号965もしくは1029~1031との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を有する、Rγcリガンドとを含むことができる。
IL-7Rαγcリガンドでは、IL-7RαリガンドのC末端は、RγcリガンドのN末端に連結されることができる。
IL-7Rαγcリガンドは、配列番号410または420~461との70%超、80%超、または90%超の配列類似性を有するIL-7Rαリガンドと、配列番号965または1029~1031との70%超、80%超、または90%超のアミノ酸配列類似性を有するRγcリガンドとを含むことができる。
IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドのそれぞれは、独立して、1つ以上のグリシンなどの1つ以上の隣接アミノ酸を含むことができる。例えば、IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドのN末端およびC末端のそれぞれは、独立して、グリシンを含むことができる。
IL-7RαリガンドのN末端は、例えば、1~50個のアミノ酸、1~40個、1~30個、1~20個、1~10個、または1~5個を含む可撓性リンカーを介してRγcリガンドのC末端に結合されることができる。可撓性リンカーは、例えば、5個超のアミノ酸、10個超のアミノ酸、20個超のアミノ酸、30個超のアミノ酸、40個超のアミノ酸、または50個超のアミノ酸を含むことができる。リンカーは、例えば、nが、独立して、1~5の整数であり得る、(G)(配列番号9390)、(GS)(配列番号9391)、(GGS)(配列番号9392)、(GGGS)(配列番号9393)、(GGGGS)(配列番号9394)、または前述のうちのいずれかの組み合わせであり得る。例えば、リンカーは、GGGGS(配列番号9395)またはGGGGSGG(配列番号9404)であり得る。
IL-7Rαγcリガンドは、配列番号2012のアミノ酸配列(-VHRIPWCTLDPGGLQCAWLRQMGGGGSGGVVCQDWEGVELCWQ-)、または配列番号2012との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むことができる
IL-7Rαγcリガンドは、配列番号2058のアミノ酸配列(-VHRIPWCTLDPGGLQCAWLRQM-X300-GGVVCQDWEGVELCWQ-)、または配列番号2058との60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むことができ、X300は、1~20個のアミノ酸を含むことができる。例えば、X300は、nが、独立して、1~5の整数であり得る、(G)(配列番号9390)、(GS)(配列番号9391)、(GGS)(配列番号9392)、(GGGS)(配列番号9393)、(GGGGS)(配列番号9394)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択されることができる。例えば、X300は、nが1~20の整数である、配列(P)(配列番号9420)または(PA)(配列番号9421)から選択されることができる。X300は、例えば、各Xが、独立して、アラニン、リジン、またはグルタミン酸から選択されることができ、nが、1~20の整数であり得る、(PX)(配列番号9429)を含むことができる。X300は、nが、例えば、1~10の整数(配列番号9425)であり得る、(PA)であり得る。
IL-7Rαγcリガンドは、配列番号2059のアミノ酸配列(-VHRIPWCTLDPGGLQCAWLRQM-X301-VVCQDWEGVELCWQ-)、または配列番号2059との60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むことができ、X301は、1~20個のアミノ酸を含む。例えば、X301は、nが、独立して、1~5の整数であり得る、(G)(配列番号9390)、(GS)(配列番号9391)、(GGS)(配列番号9392)、(GGGS)(配列番号9393)、(GGGGS)(配列番号9394)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択されることができる。
配列番号2012~2023および2058~2059のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンド、または配列番号2012~2023および2058~2059のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列では、IL-7Rαリガンドのシステインは、ジスルフィド結合を介してともに結合されることができ、Rγcリガンドのシステインは、ジスルフィド結合を介してともに結合されることができる。特定のIL-7Rαγcリガンドでは、IL-7Rαリガンドのシステインは、Rγcリガンドのシステインに結合されることができる。
配列番号454およびビオチン化ペプチド::NA-HRP複合体を有するIL-7Rαリガンドに基づく、配列番号407、454、および457を有する切断IL-7Rαリガンドを用いたELISA競合アッセイの結果は、C末端切断については図7に、N末端切断については図8に示される。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2060~2069のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むことができる。
Figure 2023514128000033

IL-7Rαγcリガンドは、配列番号2070~2094のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むことができる。
Figure 2023514128000034

IL-7Rαγcリガンドは、配列番号2095~2109のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むことができる。
Figure 2023514128000035

本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2060~2109のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2060~2109のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号2060~2109のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2060~2109のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号2060~2109のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、1~5個のアミノ酸置換などの1つ以上のアミノ酸置換を含む。アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換であり得る。
配列番号2060~2109のIL-7Rαγcリガンドは、100μM未満のIC50でヒトRγcサブユニットに結合することができる。
IL-7Rαγcリガンドは、配列番号2060~2109のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸類似性を有するアミノ酸配列を含むことができる。
Rγcリガンドは、配列番号2060~2109のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含むことができる。
IL-7Rαγcリガンドは、配列番号2110~2124のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むことができる。
Figure 2023514128000036

配列番号2110~2124のいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、X400は、nが、独立して、1~5の整数であり得る、(G)n(配列番号9390)、(GS)(配列番号9391)、(GGS)(配列番号9392)、(GGGS)(配列番号9393)、(GGGGS)(配列番号9394)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択されることができる。
2110~2124のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、X400は、-GGGGSGG-(配列番号9404)であり得る。
配列番号2110~2124のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、リガンドは、一方または両方の末端上の2つの隣接グリシンなどの各末端上の隣接グリシンを含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2110~2124のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2110~2124のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号2110~2124のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2110~2124のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号2110~2124のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、1~5個のアミノ酸置換などの1つ以上のアミノ酸置換を含む。アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換であり得る。
配列番号2110~2124のIL-7Rαγcリガンドは、100μM未満のIC50でヒトRγcサブユニットに結合することができる。
IL-7Rαγcリガンドは、配列番号2110~2124のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸類似性を有するアミノ酸配列を含むことができる。Rγcリガンドは、配列番2110~2124のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含むことができる。
IL-7Rαγcリガンドは、式(6)のアミノ酸配列(配列番号2125)、式(6a)のアミノ酸配列(配列番号2126)、式(6b)のアミノ酸配列(配列番号2127)、式(6c)のアミノ酸配列(配列番号2128)、式(6d)のアミノ酸配列(配列番号2129)、式(6e)のアミノ酸配列(配列番号2130)、式(6f)のアミノ酸配列(配列番号2131)、式(6g)のアミノ酸配列(配列番号2132)、式(6)~(6g)のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列、式(6)~(6g)のいずれか1つの配列との80%超の類似性を有するアミノ酸配列、または前述のうちのいずれかの組み合わせのアミノ酸配列のうちのいずれか1つのアミノ酸を有する、ペプチドから選択されることができ、
Figure 2023514128000037


式中、
198は、A、G、P、S、T、およびVから選択され、
199は、F、H、W、およびYから選択され、
200は、A、G、H、K、P、R、S、およびTから選択され、
210は、A、G、P、S、およびTから選択され、
217は、A、G、H、K、P、R、S、およびTから選択され、
218は、アミノ酸および単結合から選択され、
219は、アミノ酸および単結合から選択され、
400は、nが1~5の整数である、(G)(配列番号9390)、(GS)(配列番号9391)、(GGS)(配列番号9392)、(GGGS)(配列番号9393)、(GGGGS)(配列番号9394)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択される。
式(6)~(6g)のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、
198は、VおよびGから選択され、
199は、HおよびWから選択され、
200は、RおよびGから選択され、
210は、GおよびSから選択され、
217は、RおよびGから選択され、
218は、Q、G、Kおよび単結合から選択され、
219は、G、H、M、および単結合から選択される。
式(6)~(4g)のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、X198は、Vであり得、X199は、Hであり得、X200は、Rであり得る。
式(6)~(6g)のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、X198は、Gであり得、X199は、Wであり得、X200は、Gであり得る。
式(6)~(6g)のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、X210は、Gであり得る。
式(6)~(6g)のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、X210は、Sであり得る。
式(6)~(6g)のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、X217は、Rであり得る。
式(6)~(6g)のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、X217は、Rであり得、X218は、Qであり得、X219は、Mであり得る。
式(6)~(6g)のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、X217は、Gであり得、X218は、Kであり得、X219は、Hであり得る。
式(6)~(6g)のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、IL-7Rαリガンドは、直前の9段落で定義されるように、変数の任意の組み合わせによって定義されることができる。
2125~2139のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、X400は、-GGGGSGG-(配列番号9404)であり得る。
配列番号2125~2132のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、リガンドは、各末端上の2つの隣接グリシンなどの各末端上の隣接グリシンを含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2125~2132のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2125~2132のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号2070~2090のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2125~2132のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号2070~2095のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、1~5個のアミノ酸置換などの1つ以上のアミノ酸置換を含む。アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換であり得る。
配列番号2125~2132のIL-7Rαγcリガンドは、100μM未満のIC50でヒトRγcサブユニットに結合することができる。
IL-7Rαγcリガンドは、配列番号2125~2132のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸類似性を有するアミノ酸配列を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、1pM~100μM、10pM~10μM、100pM~1μM、0.001μM~1μM、または0.01μM~1μMのIC50でヒトIL-7RなどのIL-7Rに結合することができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、100μM未満、10μm未満、1μm未満、100pM未満、10pM未満、または1pM未満のIC50でヒトIL-7RなどのIL-7Rに結合することができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、1pM~100μM、10pM~10μM、100pM~1μM、0.001μM~1μM、または0.01μM~1μMのIC50で、ヒトIL-7RαサブユニットおよびヒトRγcサブユニットのそれぞれなどのIL-7RαサブユニットおよびRγcサブユニットに結合することができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、100μm未満、10μm未満、1μm未満、100pM未満、10pM未満、または1pM未満のIC50で、ヒトIL-7RαサブユニットおよびヒトRγcサブユニットのそれぞれなどのIL-7RαサブユニットおよびRγcサブユニットに結合することができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、TF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化について、例えば、100μM未満、10μM未満、1μM未満、100pM未満、10pM未満、または1pM未満のEC50を示すことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、TF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化について、例えば、1pM~100μM、10pM~10μM、100pM~1μM、0.001μM~1μM、または0.01μM~1μMのEC50を示すことができる。
本開示によって提供されるタンデムIL-7Rαγcリガンドは、2つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。2つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、ともに結合されて、直鎖または非直鎖構造を形成することができる。例えば、タンデムIL-7Rαγcリガンドは、式(7a)または式(7b)の構造を有することができ、
Figure 2023514128000038

式中、
各AGLは、独立して、IL-7Rαγcリガンドから選択されることができ、
t1は、二価タンデムリンカーであり得、
t2は、p価タンデムリンカーであり得、
n1は、1~6の整数であり得、
n2は、0~6の整数であり得、
pは、3~8の整数であり得る。
式(7a)および(7b)のタンデムIL-7Rαγcリガンドでは、各IL-7Rαγcリガンドは、同じであり得る。
式(7a)および(7b)のタンデムIL-7Rαγcリガンドでは、少なくとも1つのIL-7Rαγcリガンドは、別のIL-7Rαγcリガンドとは異なり得る。
式(7a)および(7b)のタンデムIL-7Rαγcリガンドでは、各IL-7Rαγcリガンドは、独立して、個別のIL-7RαγcリガンドのN末端を介して、またはC末端を介して、タンデムリンカーに結合されることができる。
式(7a)および(7b)のタンデムIL-7Rαγcリガンドでは、IL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、1つ以上の隣接アミノ酸を含むことができる。
タンデムリンカーLt1およびLt2は、ペプチジルタンデムリンカーであり得、例えば、1~50個のアミノ酸、2~40個のアミノ酸、または5~30個のアミノ酸を有することができる。
タンデムリンカーは、本開示によって提供されるトリアゾール含有リンカーなどの化学的リンカーを含むことができる。
各二価タンデムリンカーLt1は、他の二価タンデムリンカーのそれぞれと同じであり得るか、または二価タンデムリンカーのうちの少なくとも1つは、別のタンデムリンカーとは異なり得る。
式(7a)のタンデムIL-7Rαγcリガンドでは、nは、例えば、1、2、3、4、5、または6であり得る。
式(7b)のタンデムIL-7Rαγcリガンドでは、各nは、独立して、0、1、2、3、4、5、または6から選択されることができる。
式(7b)のタンデムIL-7Rαγcリガンドでは、pは、例えば、3、4、5、6、7、または8であり得る。
p価タンデムリンカーは、任意の好適な多官能性化学部分を含むことができる。例えば、式(7a)および(7b)のタンデムIL-7Rαγcリガンドは、10,000Da未満、6,000Da未満、2,000Da未満、1,000Da未満、または500Da未満の分子量を有することができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、天然に存在するタンパク質または合成分子に結合され、IL-7Rαγcリガンド構築物を提供することができる。好適な構築物パートナーの例には、ポリマー、タンパク質、Fc断片、免疫グロブリン断片、および抗体が挙げられる。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、所望の薬物動態特性を提供し、低減された免疫原性を提供し、特定の細胞集団を標的化し、および/または増強された治療効果を提供するように構成されることができる。
IL-7Rαγcリガンドは、構築物リンカーを介して構築物パートナーに結合されることができる。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、構築物パートナーに結合された単一のIL-7Rαγcリガンドまたは構築物パートナーに結合された2つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。
構築物パートナーに結合された2つ以上のIL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、同じであり得るか、またはIL-7Rαγcリガンドのうちの少なくとも1つは、構築物パートナーに結合された他のIL-7Rαγcリガンドのうちの少なくとも1つとは異なり得る。IL-7Rαγcリガンドは、例えば、IL-7Rαリガンドのアミノ酸配列、Rγcリガンドのアミノ酸配列、IL-7Rαγcリンカーのアミノ酸配列もしくは化学構造、および/または隣接アミノ酸のアミノ酸配列に関して異なり得る。
IL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、独立して、個別の構築物リンカーを介して構築物パートナーに結合されることができる。個別の構築物リンカーのそれぞれは、同じであり得るか、または構築物リンカーのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの他の構築物リンカーとは異なり得る。構築物リンカーは、例えば、長さおよび/または構築物リンカーのアミノ酸配列などの化学組成に関して異なり得る。
IL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、独立して、個別のIL-7RαγcリガンドのN末端を介して、またはC末端を介して、構築物パートナーに結合されることができる。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、構築物パートナーに結合されたタンデムIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。タンデムIL-7Rαγcリガンドは、構築物リンカーを介して構築物パートナーに結合されることができる。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、構築物パートナーに結合された単一のタンデムIL-7Rαγcリガンド、または構築物パートナーに結合された2つ以上のタンデムIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。
構築物パートナーに結合された2つ以上のタンデムIL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、同じであり得るか、またはタンデムIL-7Rαγcリガンドのうちの少なくとも1つは、構築物パートナーに結合された他のタンデムIL-7Rαγcリガンドのうちの少なくとも1つとは異なり得る。タンデムIL-7Rαγcリガンドは、例えば、IL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、IL-7Rαγcリガンドリンカー、タンデムリンカー、および/または隣接アミノ酸に関して異なり得る。
タンデムIL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、個別の構築物リンカーを介して構築物パートナーに結合されることができる。個別の構築物リンカーのそれぞれは、同じであり得るか、または構築物リンカーのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの他の構築物リンカーとは異なり得る。構築物リンカーは、例えば、長さおよび/または化学組成に関して異なり得る。
タンデムIL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、独立して、個別のタンデムIL-7RαγcリガンドのN末端またはC末端を介して構築物パートナーに結合されることができる。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、構築物パートナーに結合された少なくとも1つのIL-7Rαリガンドおよび少なくとも1つのタンデムRγcリガンドを含むことができる。少なくとも1つのIL-7Rαリガンドおよび少なくとも1つのRγcリガンドのそれぞれは、独立して、構築物リンカーを介して構築物パートナーに結合されることができる。例えば、IL-7Rαγcリガンド構築物は、本開示によって提供される1~10個のIL-7Rαリガンドおよび本開示によって提供される1~10個のRγcリガンドを含むことができる。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、例えば、少なくとも1つのIL-7Rαγcリガンド、少なくとも1つのタンデムIL-7Rαγcリガンド、少なくとも1つのIL-7Rαリガンド、および/または少なくとも1つのRγcリガンドを含むことができるが、但し、IL-7Rαγcリガンド構築物が少なくとも1つのIL-7Rαリガンドおよび少なくとも1つのRγcリガンドを含むことを条件とする。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、ポリマーまたはタンパク質を形成するアミノ酸の側鎖などの分子の側鎖に結合された1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドが、ポリマーまたはポリペプチドの骨格に組み込まれる、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。したがって、IL-7Rαγcリガンド構築物は、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドが、ポリペプチドのN末端に結合され、ポリペプチドのC末端に結合され、ポリペプチドのアミノ酸側鎖に結合され、および/またはポリペプチドのアミノ酸配列に組み込まれる、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド構築物は、融合タンパク質を含む。
好適な融合タンパク質パートナーの例としては、Fc断片、IgG1、IgG2、およびIgG4などの免疫グロブリン、IgG1、IgG2、およびIgG4断片などの免疫グロブリン断片、ヒト血清アルブミン(HSA)などの天然に存在するタンパク質、抗体、他のヒトタンパク質および変異体、ならびに/またはそれらのバリアント、タンパク質、およびポリペプチドが挙げられる。融合タンパク質パートナーは、天然に存在するタンパク質、修飾された天然に存在するタンパク質、または合成タンパク質であり得る。
融合パートナーは、望ましい薬物動態プロファイルを提供するために、細胞標的化のために、二重薬理のために、および/または増強された効果のために使用されることができる。
例えば、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、IL-7Rαγcリガンドの循環半減期を増加させるタンパク質に融合されることができる。IgGまたはIgG-Fc鎖との治療用タンパク質の融合は、タンパク質の流体力学的半径を増加させ、したがって、腎クリアランスを低減させることによって、かつ融合タンパク質の新生児Fc受容体(FcRn)媒介性再循環を介して、これを達成し、したがって、循環半減期を延長することができる。他の融合タンパク質は、薬物動態、生体分布、薬力学、薬理学、細胞傷害性、選択性、および/または標的化などの特性を修飾するように設計されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド融合タンパク質は、融合タンパク質パートナーに結合された1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。1つ以上のIL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、独立して、個別のIL-7RαγcリガンドのN末端を介して、またはC末端を介して、融合タンパク質パートナーに結合されることができる。1つ以上のIL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、同じであり得る。1つ以上のIL-7Rαγcリガンドのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの他のIL-7Rαγcリガンドとは異なり得る。IL-7Rαγcリガンドと融合パートナータンパク質との間の接合部におけるアミノ酸配列は、2つのタンパク質配列の直接融合、または介在ペプチジル融合リンカーとの融合のいずれかであり得る。ペプチジルリンカーは、IL-7Rαγcリガンドと融合パートナーとの間のスペーサーとして含まれ得る。ペプチジルリンカーは、構成タンパク質および1つ以上のIL-7Rαγcリガンドの適切なタンパク質折り畳みおよび安定性を促進し、タンパク質発現を改善し、および/またはIL-7Rαγcリガンドならびに/もしくは融合パートナーの生物活性を増強することができる。
IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質で使用されるペプチジル構築物リンカーは、非構造化可撓性ペプチドであるように設計されることができる。ペプチジルリンカーは、例えば、nが、独立して、1~10の整数である、(G)(配列番号9385)、(GS)(配列番号9386)、(GGS)(配列番号9387)、(GGGS)(配列番号9388)、(GGGGS)(配列番号9389)、または前述のうちのいずれかの組み合わせなどの配列の反復などのグリシンおよびセリンが豊富であり得る。完全に伸長したβ鎖立体配座を有する可撓性ペプチジルリンカーは、例えば、残基当たり3.5Åの端から端までの長さを有することができる。したがって、5残基、10残基、15残基、または10残基のペプチジルリンカーは、それぞれ、例えば、17.5Å、35Å、52.5Å、70Å、140Å、または140Å超の最大の完全に伸長した長さを有することができる。
ペプチジル構築物リンカーは、プロリン、およびアラニン、リジンまたはグルタミン酸などの他のアミノ酸を含むリンカーなどの剛性リンカーであり得る。例えば、剛性リンカーは、(PA)10(配列番号9428)などの、nが整数1~20(配列番号9421)である、(PA)であり得る。ペプチジル構築物リンカーは、IL-7RのIL-7Rαサブユニットおよび/またはRγcサブユニットとのIL-7Rαγcリガンドの係合を促進し、IL-7RへのIL-7Rαγcリガンドの結合を促進し、融合タンパク質の再循環を可能にし、および/またはIL-7Rαγcリガンドの循環半減期を延長するために、個々の融合タンパク質部分の適切な立体配座および配向を提供することを促進することができる。
1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含み、所望の生物活性および薬学的特徴を有するIL-7Rαγcリガンド融合タンパク質を得るために選択され得る、融合タンパク質の設計および構築のための複数の選択肢が存在する。設計選択肢としては、例えば、IL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、およびIL-7Rαγcリガンドリンカーの選択を含む、IL-7Rαγcリガンド、融合パートナータンパク質結合部分、融合タンパク質中の融合パートナー結合部分の構成、IL-7Rαγcリガンドを融合パートナーに結合するペプチジルリンカー、ならびに融合パートナータンパク質が挙げられる。
一般に、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド融合タンパク質の調製は、例えば、ポリメラーゼ連鎖増幅反応(PCR)、プラスミドDNAの調製、制限酵素によるDNAの切断、オリゴヌクレオチドの調製、DNAのライゲーション、mRNAの単離、好適な細胞へのDNAの導入、宿主の形質転換またはトランスフェクション、および宿主の培養を含む、認識された組換えDNA技術を使用して調製されることができる。加えて、IL-7Rαγc融合タンパク質は、カオトロピー剤を使用して、かつ周知の電気泳動法、遠心分離法、およびクロマトグラフィー法を使用して、単離および精製されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド融合タンパク質は、1つ以上の小ユビキチン関連修飾因子(SUMO)タンパク質を含むことができる。ユビキチン様修飾因子SUMOによる細胞タンパク質の修飾は、核輸送、シグナル伝達、およびタンパク質の安定化などの様々な細胞プロセスを調節することができる。細胞標的に共有結合すると、SUMOは、タンパク質/タンパク質およびタンパク質/DNA相互作用を調節するとともに、標的タンパク質を局在化および安定化する。
例えば、IL-7Rαγcリガンドは、IgGまたはFc断片などの融合パートナーにSUMOを結合する第2のリンカーにさらに結合される、SUMOタンパク質に結合される第1のリンカーに結合されることができる。SUMO融合物は、発現を増強し、溶解性を促進し、かつ/または最適化されたタンパク質折り畳みを促進することができる。融合パートナータンパク質のN末端またはC末端におけるユビキチンまたはSUMOのものなどの高度に安定した構造の付着は、安定性を増加させることによって収率を増加させることができる。ユビキチンおよびユビキチン様タンパク質の可溶化効果はまた、別様に不溶性のタンパク質に対して洗剤様効果を発揮する、ユビキチンおよびSUMOのコア構造の外側親水性および内側疎水性によって部分的に説明され得る。
1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、所望の薬物動態特性を提供する化合物に結合されることができる。例えば、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、体循環において延長された半減期を示す、合成ポリマーまたは天然に存在するタンパク質などのタンパク質に結合されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、そのような半減期延長が患者における副作用または有害事象の可能性または強度を増加させるリスクを増加させることなく、IL-7Rαγcリガンドの血清半減期を延長する分子にコンジュゲートまたは融合されることができる。延長された血清半減期IL-7Rαγcリガンドの投与は、より低い全身最大曝露(Cmax)での延長された標的カバレッジを可能にすることができる。血清半減期の延長は、IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物のより少ない投与量および/または頻度の少ない投与レジメンの使用を可能にすることができる。
IL-7Rαγcリガンドの血清半減期は、任意の好適な方法によって延長されることができる。そのような方法は、IL-7Rαγcリガンドを新生児Fc受容体に結合するペプチドに連結すること、またはIgG、IgG Fc断片などの延長された血清半減期を有するタンパク質に、もしくはヒト血清アルブミン(HSA)にIL-7Rαγcリガンドを連結することを含む。
IL-7Rαγcリガンド薬物動態構築物の例としては、(a)Fc融合、トランスフェリン融合、またはアルブミン融合などの、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを天然で半減期の長いタンパク質またはタンパク質ドメインに組換え融合すること、(b)1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを、XTEN(登録商標)、ホモアミノ酸ポリマー(HAP、HAP化)、プロリン-アラニン-セリンポリマー(PAS、PAS化)、エラスチン様ペプチド(ELP、ELP化)、またはゼラチン様タンパク質GLKポリマーなどの不活性ポリペプチドに組換え融合すること、(c)PEG化またはヒアルロン酸などの反復化学部分への1つ以上のIL-7Rαγcリガンドの化学コンジュゲーションによる流体力学的半径を増加させること、(d)ポリシアル化による、またはカルボキシ末端ペプチド(絨毛性ゴナドトロピン(CG)β鎖のCTP)などの負に帯電した高度にシアル化されたペプチドへの融合による、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドの負電荷を増加させること、または(e)ヒト血清アルブミン(HSA)、トランスフェリンなどの通常は半減期の長いタンパク質のペプチドまたはタンパク質結合ドメインへの1つ以上のIL-7Rαγcリガンドのコンジュゲーション、ヒト免疫グロブリンIgGの定常Fc断片への融合、または融合XTEN(登録商標)などの非天然ポリペプチドへの融合を含む。
1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、合成ポリマーに結合されることができる。
例えば、IL-7Rαγcリガンドは、(体循環におけるIL-7Rαγcリガンドの半減期を延長するために)ポリエチレングリコール(PEG)鎖にコンジュゲートされることができる。PEGは、例えば、5kDa~100kD、10kDa~80kDa、または20kDa~60kDaの分子量を有することができる。
PEG化は、化学的または酵素的に達成されることができ、コンジュゲートの生物物理的および生化学的特性は、例えば、PEG鎖の構造、サイズ、数および位置に依存し得る。PEG化は、タンパク質分解性切断部位をマスキングすることによって、および/またはそれらの流体力学的半径を増加させることによって、IL-7Rαリガンドの循環半減期を延長し、それによって、腎クリアランスを低減することができる。
IL-7Rαγcリガンドは、直鎖または分岐鎖モノメトキシポリエチレングリコール(mPEG)のいずれかにコンジュゲートされ、分子量および流体力学的半径の増加、および腎臓による糸球体濾過の速度の低下をもたらし得る。PEGは、非常に可撓性で非荷電であり、ほとんどが非免疫原性、親水性、および非生分解性の分子であり、同等のサイズのタンパク質よりも大きな流体力学的半径を生成する。PEG化は、薬理学的に活性な化合物の半減期を延長するために使用されている。
IgGと同様に、血清アルブミンは、非常に長い循環半減期を示す。これらの機能的および構造的に無関係なタンパク質の半減期の延長は、主にFcRnとの相互作用に由来する。HSAは、IgGとは異なる部位でFcRnに結合するが、両方の相互作用は、pH依存性であり、細胞異化からのFcRn媒介性救出をもたらす。IL-7Rαγcリガンド構築物としては、例えば、HSAへの遺伝子融合、HSA結合部分へのコンジュゲーション、およびHSA結合抗体または抗体断片への融合が挙げられる。
1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、XTEN(登録商標)ポリペプチド(Amunix Pharmaceuticals Inc.)に結合されることができる。XTEN(登録商標)ポリペプチドは、一般に、200個以上のアミノ酸の長さであり、scFvの抗原結合領域をマスクし、非構造化され、低い免疫原性を有するように設計されている。XTEN(登録商標)ポリペプチドは、治療剤の循環半減期を増加させることができる。1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、XPAT(登録商標)ポリペプチド(Amunix Pharmaceuticals,Inc.)に結合されることができる。XPAT(登録商標)ポリペプチドは、プロテアーゼのための基質を含み、1つ以上のプロテアーゼと活性であり、切断速度を選択し、特異性を付与するように設計されることができる。
血清トランスフェリン(Tf)への1つ以上のIL-7Rαγcリガンドの遺伝子融合は、増強された薬物動態をもたらし得る。血清トランスフェリンは、体循環から細胞および組織の中への鉄輸送を媒介する80kDaの糖タンパク質である。鉄イオンに結合されると、トランスフェリンは、ほとんどの細胞型の表面上に提示されるトランスフェリン受容体(TfR)に対して高い親和性を提示する。相互作用時に、Tf/TfR複合体は、エンドソームの中への受容体媒介エンドサイトーシスを介して内在化され、ここで、鉄が放出され、Tf/TfRが、次いで、細胞表面に再循環される。TfまたはTfR結合抗体へのタンパク質治療剤の融合は、半減期延長、TfRを過剰発現する悪性細胞の標的化、および血液脳関門を越えた治療剤の輸送のためのrai毛細血管内皮の標的化に使用されることができる。
IgGまたはFcへのIL-7Rαγcリガンドの融合は、IL-7Rαγcリガンドのアビディティーの増加をもたらし、タンパク質G./A親和性クロマトグラフィーを介して精製を提供し、IL-7Rαγcリガンドの循環半減期を延長することができる。
IL-7Rαγcリガンド/IgG融合タンパク質の半減期の延長は、分子サイズの増加による腎クリアランスの低減およびFcRn媒介性再循環の組み合わせに起因する。
1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、例えば、IgG1、IgG2、またはIgG4を含む、任意の好適なIgGに結合されることができる。1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、軽鎖VLなどのIgGの任意の好適な部分、もしくは重鎖VHに結合されることができ、N末端、C末端、アミノ酸側鎖を含むか、またはIgGの軽鎖もしくは重鎖のアミノ酸配列に組み込まれることができる。
1つ以上のIL-7Rαリガンドは、アルブミンに非共有結合されることができる。アルブミンへのIL-7Rαリガンドの非共有結合は、タンパク質分解のためにリガンドを遮蔽し、迅速な腎クリアランスからリガンドを保護することができる。非共有結合の性質は、IL-7Rαリガンドの脱離を可能にし、それによって、IL-7Rと相互作用するリガンドの能力を促進する。IL-7Rαリガンドは、IL-7Rαリガンドに所望の薬物動態特性を付与し得る、1つ以上の異なるアルブミン結合タンパク質ドメインへの非共有結合を促進するように修飾されることができる。代替的に、アルブミンは、IL-7Rαリガンドのための所望の薬物動態プロファイルを提供するように操作されることができる。これらのアルブミン結合ドメインは、IL-7Rαリガンド構築物などのより大きな化合物の薬物動態を改善するために使用されることができる。Il-7Rαリガンドは、例えば、アルブミンに対する高い親和性を有するアルブミン結合分子を介して、アルブミンに結合されることができる。アルブミン結合分子は、固相合成中に組換え的または化学的のいずれかでIL-7Rαリガンドに融合されることができる。そのようなアルブミン結合分子は、20個未満のアミノ酸を有する小ペプチドまたは非ペプチド小分子のいずれかであり得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7Rαγcリガンド/IgG構築物を含むことができる。
IgG構築物は、少なくとも1つの重鎖および少なくとも1つの軽鎖を含むことができる。IL-7Rαγcリガンドは、重鎖のN末端、軽鎖のN末端、重鎖のC末端、および/または軽鎖のC末端に結合されることができる。
IL-7Rαγcリガンドは、重鎖のC末端、例えば、CH3ドメイン、重鎖のN末端、および/または軽鎖のN末端に結合されることができる。
IgG構築物では、IL-7Rαγcリガンドは、一方もしくは両方の重鎖のN末端、一方もしくは両方の軽鎖のN末端、および/または重鎖の一方もしくは両方のC末端に結合されることができる。
IgG構築物では、IL-7Rαγcリガンドは、IgGのアミノ酸側鎖に結合されることができる。
IgG構築物では、IgG重鎖および/またはIgG軽鎖は、IgG重鎖および/またはIgG軽鎖を形成するアミノ酸配列に組み込まれた1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。
IL-7RαγcリガンドIgG構築物の例が、図14A~14Dに示される。
IL-7Rαγcリガンド構築物の他の例が、図17A~17Dに示される。図17A~17DのIL-7Rαγcリガンド構築物を構成する融合タンパク質、リンカー、およびリガンドが、表4に示される。
Figure 2023514128000039

配列番号1270~1290のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を有するIL-7Rαγcリガンド構築物では、IL-7Rαリガンドおよび/またはRγcリガンドは、リガンドのカルボキシル末端上および/またはアミノ末端上の2つのグリシン(GG)(配列番号9399)などの、nが1~10(配列番号9385)の整数である、(G)nグリシンなどの隣接アミノ酸を有することができる。
IL-7Rαγc構築物では、IL-7RαγcリガンドをIgGに結合する各リンカーは、独立して、同じであり得るか、または異なり得る。
例えば、IL-7Rαγcリガンドは、一方もしくは両方のIgG重鎖のC末端、一方もしくは両方のIgG軽鎖のC末端、一方もしくは両方のIgG重鎖のN末端、および/または一方もしくは両方のIgG軽鎖のN末端に結合されることができる。IL-7RαγcリガンドがIgG重鎖および/または軽鎖に結合されている、IL-7Rαγcリガンド構築物を示す例が、図14A~14Dに示される。IL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、好適な構築物リンカーを介してIgGに結合されることができる。
1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、単一の軽鎖VLドメイン、単一の重鎖VHドメインなどのIgG断片、またはFc領域に結合されることができる。断片は、IgA、IgD、IgE、IgG、またはIgMなどの任意の好適な免疫グロブリンに由来し得る。断片は、例えば、IgG1、IgG2、またはIgG4などの任意の好適なIgGに由来し得る。
1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、Fc断片に結合されることができる。Fc断片は、単量体であり得るか、二量体であり得るか、または修飾Fc断片であり得る。二量体Fc断片は、N末端上に1つ以上のジスルフィド結合を含むことができる。修飾の例は、免疫グロブリン重鎖の一方のCH3ドメインにおけるノブ修飾および他方の免疫グロブリン重鎖におけるホール修飾を含む、ノブ・イントゥ・ホール(knob-into-hole)修飾である。
本開示によって提供される構築物は、IL-7Rαγcリガンド-Fc融合タンパク質を含む。Fc鎖は、ホモ二量体Fc鎖またはヘテロ二量体Fc鎖のいずれかに自己集合する、2つの異なるポリペプチドを含むことができる。融合タンパク質は、Fc鎖、1つ以上のFc鎖リンカー、および1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。Fc鎖リンカーは、本開示によって提供されるIL-7RαγcリガンドをFc鎖に結合する。
Fc鎖は、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgM免疫グロブリンアイソタイプを含む、任意の好適な免疫グロブリンアイソタイプのFc鎖を含むことができる。Fc断片は、例えば、IgG1、IgG2、またはIgG4を含む、任意の好適なIgG免疫グロブリンに由来し得る。
IL-7RαγcリガンドFc融合タンパク質は、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。1つ以上のIL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、Fc鎖に結合された他のIL-7Rαγcリガンドと同じであり得るか、または異なり得る。
IL-7RαγcリガンドFc断片構築物、すなわち、IL-7RαγcリガンドFc融合体は、1つのFc鎖のC末端またはFc断片の両方のFc鎖のC末端に結合されたIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。
IL-7RαγcリガンドFc融合体は、例えば、Fc断片のN末端に結合された1つのIL-7Rαγcリガンド、またはFc断片のN末端に結合された2つのIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。
IL-7RαγcリガンドFc融合体は、Fc断片のC末端に結合された1つまたは2つのIL-7Rαγcリガンドを含むことができ、1つまたは2つのIL-7Rαγcリガンドは、Fc断片のN末端に結合されることができる。
各IL-7Rαγcリガンドは、Fcリンカーを介してFc断片に共有結合されることができる。IL-7RαγcリガンドをFc断片に結合する各Fcリンカーは、同じであり得るか、または異なり得る。
各IL-7Rαγcリガンドは、独立して、IL-7RαγcリガンドのN末端を介して、またはC末端を介して、Fcリンカーに結合されることができる。
IL-7RαγcリガンドFc断片構築物の例が、図15A~15Fおよび16A~16Fに示される。
Fc融合タンパク質は、例えば、融合IL-7Rαγcリガンドおよび任意選択的にFcリンカーを含む、Fc鎖のうちの少なくとも1つを有する2つのFc鎖を含むことができる。二量体Fc融合タンパク質は、一価のIL-7Rαγcリガンド-Fc融合と称され得る、1つのIL-7Rαγcリガンドを有するように構成されることができ、IL-7Rαγcリガンドは、Fc鎖のうちの1つに共有結合され、他方のFc鎖は、IL-7Rαγcリガンドに結合されない。二価のIL-7RαγcリガンドFc融合では、IL-7Rαγcリガンドは、各Fc鎖に融合される。
ホモ二量体の二価のIL-7RαγcリガンドFc融合タンパク質に加えて、一価のIL-7RαγcリガンドFc融合タンパク質では、1つのFc鎖は、空であり得、ヘテロ二量体化バリアントは、2つのFc鎖を一緒にするために使用されることができる。これらの実施形態は、自己集合してヘテロ二量体Fc鎖およびヘテロ二量体Fc融合タンパク質を形成することができる、2つの異なるバリアントFc配列の使用に依拠する。ヘテロ二量体を生成するために使用され得る、いくつかの機構が存在する。加えて、これらの機構は、組み合わせられ、ヘテロ二量体化の高効率を確実にすることができる。ヘテロ二量体化バリアントは、ノブおよびホールまたはスキューバリアント、電荷対バリアント、ならびにびpHバリアントなどの立体バリアントを含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド構築物は、1つ以上のIL-7Rαリガンドが構築物パートナーに結合され、独立して、1つ以上のRγcリガンドが構築物パートナーに結合される、構築物を含む。例えば、IL-7Rαリガンドは、Fc断片または免疫グロブリンのC末端に結合されることができ、Rγcリガンドは、Fc断片または免疫グロブリンのN末端に結合されることができる。別の例として、IL-7Rαリガンドは、Fc断片または免疫グロブリンの一方の重鎖のC末端に結合されることができ、Rγcリガンドは、Fc断片または免疫グロブリンの他方の重鎖に結合されることができる。
1つ以上のIL-7Rαリガンドおよび/または1つ以上のRγcリガンドを含む構築物は、構築物パートナーに結合された1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。図15A~15Fおよび図16A~16Fは、それぞれ、リガンドが構築物パートナーのC末端および/またはN末端に結合される、Fc断片および免疫グロブリンの例を示す。リガンドのそれぞれは、独立して、IL-7Rαγcリガンド、IL-7Rαリガンド、またはRγcリガンドから選択されることができる。
タンパク質または合成ポリマーを含む構築物では、1つ以上のIL-7Rαリガンド、1つ以上のRγcリガンド、および/または1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、構築物パートナーに結合されることができる。例えば、リガンドは、タンパク質のC末端およびN末端、もしくはポリマーの末端基、ならびに/または官能化側鎖に結合されることができる。
1つ以上のIL-7Rαリガンドおよび1つ以上のRγcリガンドのそれぞれは、独立して、構築物リンカーを介して構築物パートナーに結合されることができる。構築物リンカーは、例えば、本明細書に開示される剛性または可撓性リンカーのうちのいずれかであり得、IL-7Rとの所望の相互作用を促進するように選択されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7RαγcリガンドまたはタンデムIL-7Rαγcリガンドを、例えば、本明細書に開示されるペプチド、ポリマー、Fc断片、免疫グロブリン断片、および抗体のうちのいずれかを含む、構築物パートナーに共有結合する、構築物リンカーを含むことができる。
構築物リンカーは、IL-7R上の結合部位へのIL-7Rαγcリガンドの結合を促進するように構成されることができる。構築物リンカーは、IL-7RαγcリガンドによるIL-7Rの活性化を促進するように構成されることができる。
構築物リンカーは、ペプチジル構築物リンカーであり得る。ペプチジル構築物リンカーは、例えば、2~30個のアミノ酸、2~25個のアミノ酸、2~20個のアミノ酸、2~15個のアミノ酸、または2~10個のアミノ酸を含むことができる。ペプチジル構築物リンカーは、例えば、30個未満のアミノ酸、25個未満のアミノ酸、20個未満のアミノ酸、15個未満のアミノ酸、10個未満のアミノ酸、または5個未満のアミノ酸を含むことができる。ペプチジル構築物リンカーは、例えば、2個超のアミノ酸、4個超のアミノ酸、8個超のアミノ酸、12個超のアミノ酸、または16個超のアミノ酸を含むことができる。
ペプチジル構築物リンカーは、例えば、10Å~400Å、50Å~300Å、または100Å~200Åなどの5Å~500Åの長さを有することができる。ペプチジル構築物リンカーは、例えば、5Å超、10Å超、50Å超、100Å超、200Å超、300Å超、または400Å超の長さを有することができる。
構築物リンカーは、化学的構築物リンカーであり得る。化学的構築物リンカーは、例えば、10Å~400Å、5Å~300Å、または100Å~200Åなどの5Å~500Åの長さを有することができる。化学的リンカーは、例えば、5Å超、10A超、50Å超、100Å超、200Å超、300Å超、または400Å超の長さを有することができる。
化学的構築物リンカーは、例えば、3~100個の結合、5~90個の結合、10~80個の結合、または20~60個の結合を含む、骨格を含むことができる。化学的構築物リンカーは、例えば、3個超の結合、5個超の結合、10個超の結合、20個超の結合、50個超の結合、または100個超の結合を含む、骨格を含むことができる。
好適なペプチジル構築物リンカーの例には、nが、2~25、2~20、2~16、3~12、4~10、または6~8などの1~20の整数であり得る、(GGGGS)(配列番号9384)、(GGS)(配列番号9382)、(GGGS)(配列番号9383)、(GG)(配列番号9407)、(GS)(配列番号9381)、および(PA)(配列番号9421)が含まれる。ペプチジル構築物リンカーは、例えば、(GS)10(配列番号9407)または(PA)10(配列番号9428)であり得る。
IL-7Rαγcリガンドは、IL-7RαγcリガンドのN末端を介して、またはC末端を介して、構築物リンカーに結合されることができる。
1つを超えるIL-7Rαγcリガンドを有するIL-7Rαγcリガンド構築物では、IL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、独立した構築物を介して構築物パートナーに結合されることができる。構築物リンカーのそれぞれは、同じであり得るか、または構築物リンカーのうちの少なくとも1つは、異なり得る。1つを超えるIL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、IL-7RαγcリガンドのN末端を介して、またはC末端を介して、個別の構築物パートナーに結合されることができる。
構築物リンカーは、切断可能な構築物リンカーを含むことができる。切断可能な構築物リンカーは、インビボで、例えば、特定のpHの存在下で、酵素的に、または紫外線もしくは赤外線照射を含む電磁放射線の印加などによるエネルギーの印加によって、切断されることができる。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、例えば、ペムブロリズマブおよびセミプリマブなどの抗体チェックポイント阻害剤を含む、PD-1チェックポイント阻害剤などのチェックポイント阻害剤に結合された1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。
チェックポイント阻害剤構築物などのIL-7Rαγc構築物では、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2012~2023のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、または配列番号2012~2023のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を有することができる。
Figure 2023514128000040

チェックポイント阻害剤抗体構築物などのIL-7Rαγc構築物では、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2012~2023のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、または一方の重鎖のC末端、両方の重鎖のC末端、一方の重鎖のN末端、両方の重鎖のN末端、一方の軽鎖のN末端、両方の軽鎖のN末端、もしくは前述のうちのいずれかの組み合わせに結合された配列番号2012~2023のうちのいずれか1つとのアミノ酸配列類似性を有するIL-7Rαγcリガンドを有することができる。1つ以上のIL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、例えば、1~50個のアミノ酸を含み得る、構築物リンカーを介してチェックポイント阻害剤抗体に独立して結合されることができる。
IL-7RαγcリガンドのN末端は、構築物リンカーを介してチェックポイント阻害剤抗体に結合されることができる。
構築物リンカーは、例えば、nが、独立して、1~10の整数である、(G)(配列番号9385)、(GS)(配列番号9386)、(GGS)(配列番号9387)、(GGGS)(配列番号9388)、(GGGGS)(配列番号9389)から選択されることができる。構築物リンカーは、例えば、nが1~20の整数である、(P)(配列番号9420)または(PA)(配列番号9421)から選択されることができる。構築物リンカーは、例えば、各Xが、独立して、アラニン、リジン、またはグルタミン酸から選択されることができ、nが、1~20の整数である、(PX)(配列番号9429)を含むことができる。構築物リンカーは、例えば、nが、例えば、1~10の整数であり得る、(PA)(配列番号9423)を含むことができる。各構築物リンカーは、それが結合されるIL-7RαγcリガンドがIL-7Rアゴニストであるように、選択されることができる。リンカーは、例えば、nが1~5の整数である、(GGGGS)(配列番号9324)であり得る。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、軽鎖が、配列番号1218のアミノ酸配列(図14B)、または配列番号1218との60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列(図14B、FP7)を有し、重鎖が、配列番号1219のアミノ酸配列(図14B、FP8))、または配列番号1219との60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列(図14B、FP8)を有する、ペムブロリズマブ/IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質であり得る。
ペムブロリズマブ/IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質は、2つのペムブロリズマブ重鎖および2つのペムブロリズマブ軽鎖を含むことができ、配列番号2012、2084~2087、および2091~2095のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、または配列番号2012、2084~2087、および2091~2095との60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を有する、IL-7Rαγcリガンドは、一方の重鎖のC末端、両方の重鎖のC末端、一方の重鎖のN末端、両方の重鎖のN末端、一方の軽鎖のN末端、両方の軽鎖のN末端、または前述のうちのいずれかの組み合わせに結合される。1つ以上のIL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、例えば、1~50個のアミノ酸を含み得る、構築物リンカーを介してペムブロリズマブ抗体に独立して結合されることができる。
IL-7RαγcリガンドのN末端は、構築物リンカーを介してペムブロリズマブに結合されることができる。
構築物リンカーは、例えば、nが、独立して、1~10の整数であり得る、(G)(配列番号9385)、(GS)(配列番号9386)、(GGS)(配列番号9387)、(GGGS)(配列番号9388)、(GGGGS)(配列番号9389)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択されることができる。構築物リンカーは、例えば、nが1~20の整数である、(P)(配列番号9420)または(PA)(配列番号9421)から選択されることができる。構築物リンカーは、各Xが、独立して、アラニン、リジン、およびグルタミン酸から選択されることができ、nが、1~20の整数であり得る、(PX)(配列番号9429)を含むことができる。構築物リンカーは、例えば、nが、例えば、1~10の整数であり得る、(PA)(配列番号9423)を含むことができる。各構築物リンカーは、それが結合されるIL-7RαγcリガンドがIL-7Rアゴニストであるように、選択されることができる。リンカーは、例えば、nが1~5の整数である、(GGGGS)(配列番号9394)であり得る。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、hIgG2/IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質であり得、hIgG2は、配列番号1211のアミノ酸配列(図11)、または配列番号1211との60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超のアミノ酸配列類似性のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列(図11)を有し、配列番号2012、2084~2087、および2091~2095のアミノ酸配列、または配列番号2012、2084~2087、および2091~2095のアミノ酸配列類似性との60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超のアミノ酸配列類似性のアミノ酸配列を有する、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、hIgG2の一方のC末端、hIgG2の両方のC末端、hIgG2の一方のN末端、hIgG2の両方のN末端、または前述のうちのいずれかの組み合わせに結合される。1つ以上のIL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、例えば、1~50個のアミノ酸を含み得る、構築物リンカーを介してIgG2に独立して結合されることができる。IgG融合パートナーは、hIgG1またはhIgG4であり得、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、hIgG2について記載されるように、hIgG1またはhIgG4融合パートナーに結合されることができる。
IL-7RαγcリガンドのN末端は、構築物リンカーを介してhIgG2に結合されることができる。
構築物リンカーは、例えば、nが、1~6または1~3などの1~10の整数であり得る、(G)(配列番号9385)、(GS)(配列番号9386)、(GGS)(配列番号9387)、(GGGS)(配列番号9388)、(GGGGS)(配列番号9389)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択されることができる。構築物リンカーは、例えば、nが1~20の整数である、(P)(配列番号9420)または(PA)(配列番号9421)から選択されることができる。構築物リンカーは、各Xが、独立して、アラニン、リジン、およびグルタミン酸から選択されることができ、nが、1~20の整数であり得る、(PX)(配列番号9429)を含むことができる。構築物リンカーは、例えば、nが、例えば、1~10の整数であり得る、(PA)(配列番号9423)を含むことができる。各構築物リンカーは、それが結合されるIL-7RαγcリガンドがIL-7Rアゴニストであるように、選択されることができる。リンカーは、例えば、nが1~5の整数である、(GGGGS)(配列番号9394)であり得る。
IL-7Rαγcリガンド/免疫グロブリン融合タンパク質は、hIgG1、hIgG2、hIgG3、またはhIgG4などの免疫グロブリンに結合された1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。IL-7Rαγcリガンド/免疫グロブリン構築物の例が、図15A~15Fおよび16A~16Fに示され、免疫グロブリンは、重鎖231および軽鎖232、ならびに重鎖231および/または軽鎖232のC末端および/またはN末端のいずれかに結合されたIL-7Rαγcリガンド233を含む。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、免疫グロブリンFc断片に結合された1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2012、2084~2087、および2091~2095のアミノ酸配列、または配列番号2012、2084~2087、および2091~2095との60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を有することができる。IL-7Rαγcリガンドは、C末端および/またはN末端、ならびにFc断片のFc鎖の一方もしくは両方に結合されることができる。図15A~15Fおよび図16A~16Fに示されるように、IL-7Rαγcリガンド223は、Fc鎖221および222の一方または両方に結合されることができる。
Fc断片は、例えば、hIgG1、hIgG2、hIgG3、またはhIgG4などの任意の好適な免疫グロブリンに由来し得る。
IL-7RαγcリガンドのN末端は、構築物リンカーを介してFc断片に結合されることができる。構築物リンカーは、例えば、nが、独立して、1~6または1~3などの1~10の整数であり得る、(G)(配列番号9385)、(GS)(配列番号9386)、(GGS)(配列番号9387)、(GGGS)(配列番号9388)、(GGGGS)(配列番号9389)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択されることができる。構築物リンカーは、例えば、nが1~20の整数である、(P)(配列番号9420)または(PA)(配列番号9421)から選択されることができる。構築物リンカーは、各Xが、独立して、アラニン、リジン、およびグルタミン酸から選択されることができ、nが、1~20の整数であり得る、(PX)(配列番号9429)を含むことができる。構築物リンカーは、例えば、nが、例えば、1~10の整数であり得る、(PA)(配列番号9422)を含むことができる。各構築物リンカーは、それが結合されるIL-7RαγcリガンドがIL-7Rアゴニストであるように、選択されることができる。リンカーは、例えば、nが1~5の整数である、(GGGGS)(配列番号9394)であり得る。
機能的に、IL-7Rαγc結合化合物は、IL-7Rアゴニスト、IL-7Rアンタゴニスト、診断試薬、撮像試薬、標的化合物、細胞傷害性化合物、および二重薬理を示す化合物であり得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、治療有効性を増強する化合物に特性を付与する1つ以上の部分に付着されることができる。特性の例としては、効力、水溶性、極性、親油性、薬物動態、標的化、バイオアベイラビリティ、pH依存性結合、バイオ活性、薬力学、細胞活性、代謝、有効性、可逆的不能(ケージング)、選択性、または前述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
IL-7Rαγc結合化合物は、インビボで切断可能である1つ以上の部分を含むことができる。部分は、例えば、標的特異的もしくは標的濃縮酵素、またはpHなどによって、標的特異的環境で切断可能であり得る。部分は、可視光もしくは赤外線などの電磁エネルギーに曝露されると、および/または熱エネルギーに曝露されることによって、切断可能であり得る。
IL-7Rαγc結合化合物は、例えば、腫瘍特異的抗体、腫瘍特異的抗体断片、腫瘍特異的タンパク質、腫瘍特異的ペプチド、非ペプチジル腫瘍細胞リガンド、または前述のうちのいずれかの組み合わせなどの腫瘍標的化部分を含むことができる。
IL-7Rαγc結合化合物は、例えば、免疫細胞特異的抗体、免疫細胞特異的抗体断片、免疫細胞特異的タンパク質、免疫細胞特異的ペプチド、非ペプチジル免疫細胞リガンド、または前述のうちのいずれかの組み合わせなどの免疫細胞標的化部分を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、IL-7Rアゴニストとして作用する化合物を含むことができる。
IL-7Rαγc結合化合物は、IL-7RαサブユニットおよびRγcサブユニットに結合することができ、IL-7受容体を活性化することができる。IL-7Rアゴニストは、例えば、100μM未満、10μM未満、1μM未満、100nM未満、10nM未満、または1nM未満のIC50でIL-7RαサブユニットおよびRγcサブユニットに独立して結合することができる。IL-7Rアゴニストは、IL-7と競合的または非競合的のいずれかで、IL-7Rαサブユニットおよび/またはRγcに結合することができる。
IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドを含むIL-7Rαγc結合化合物は、IL-7RαサブユニットおよびRγcサブユニットを発現する細胞をより強力に活性化し、それによって、アゴニストの用量を制御することによって、異なる細胞型の表面上で発現されるIL-7Rを差次的に活性化する能力を促進するように構成されることができる。例えば、IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドを含むヘテロマー化合物とインキュベートされると、IL-7Rサブユニットを発現する初代ヒト末梢血単核細胞(PBMC)は、シグナル伝達兼転写活性化因子5(STAT5)をリン酸化する。
IL-7Rαγc結合化合物は、IL-7受容体を部分的に活性化することができる。部分的活性化とは、例えば、最大活性化の75%未満、最大活性化の50%未満、25%未満、10%未満、または1%未満である、活性化レベルを指す。最大活性化(Emax)は、IL-7の高い濃度などの高アゴニスト濃度で達成可能な細胞シグナル(活性化)の振幅である。部分的IL-7Rアゴニストは、IL-7Rを発現する異なる細胞型間のIL-7RαおよびRγcサブユニットの活性化に対するIL-7Rの応答レベルを変調することに有効であり得る。例えば、異なる細胞型は、IL-7Rサブユニット、すなわち、IL-7RαおよびRγcサブユニットのそれぞれの発現レベルにおいて変化し、IL-7Rアゴニストに対する異なる感受性を示すことが知られている。
IL-7Rαγc結合化合物は、IL-7Rαリガンドおよび修飾Rγcリガンドを含むことができる。修飾Rγcリガンドは、IL-7Rに結合して活性化するように選択または設計され得るが、IL-7Rに対する親和性および効力は低いか、または中程度である。そのようなIL-7Rアゴニストは、IL-7Rαを高度に発現する細胞と低レベルのIL-7Rα発現を有する細胞との間で、IL-7R活性化について、より大きな差次的感受性を有することができる。
IL-7Rαγc結合化合物は、1つ以上のIL-7Rαリガンドおよび1つ以上のRγcリガンドを含むことができる。複数のIL-7Rαリガンドおよび複数のRγcリガンドの存在は、IL-7Rαおよび/またはRγcの低い発現レベルを有する細胞と比較して、IL-7Rαおよび/またはRγcを高度に発現する細胞上のIL-7Rアゴニストの効力を優先的に増加させることができる。
IL-7Rαγc結合化合物は、IL-7受容体の活性化によって媒介されるもの以外の追加の薬理活性を有する部分を含むことができる。薬理活性は、IL-7Rアゴニストのものと相乗的である治療有効性を有する活性であり得るか、または薬理活性は、IL-7Rアゴニストと相乗的ではない治療有効性を有する活性であり得る。好適な薬理学的部分の例としては、チェックポイント分子の阻害剤である抗体および抗体断片、アポトーシス促進性分子および抗アポトーシス分子、細胞傷害性分子、ケモカインのアゴニスト、ケモカインのアンタゴニスト、サイトカイン、増殖因子および他の細胞表面受容体、ならびにインテグリンなどの細胞表面接着分子のリガンドおよび阻害剤が挙げられる。
1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを患者の特定の組織または細胞に標的化する能力を付与する標的化部分を含む、分子に結合されることができる。標的化部分は、標的組織または標的細胞の表面上に発現される細胞表面タンパク質または受容体に対する親和性を有することができ、それによって、IL-7Rαγcリガンドを標的組織または細胞に誘導することができる。標的化部分の例としては、細胞表面タンパク質、リガンド、生物学的受容体、および抗原に特異的な抗体およびその断片を含む、抗原結合部分が挙げられる。
抗体は、標的細胞型の表面上で発現される抗原に結合することができる。抗体は、任意の有用または既知の有用な薬理学的機能を有しない場合があるが、標的化抗原を発現しないか、または標的細胞型もしくは組織の発現レベルよりも低い標的化抗原の発現レベルを有する、細胞型または組織と比較して、細胞型または組織を優先的に標的化するようにIL-7Rαγcリガンド構築物を誘導する役割を果たす。抗体は、細胞表面抗原に結合されたときに有用な薬理学的機能を有することができる。これらの構築物は、二重薬理IL-7Rαγcリガンド構築物と称される。
IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質は、1つ以上の抗原結合部分を含むことができる。さらに2つの抗原結合部分は、同じ抗原または異なる抗原を対象とし得る。
標的化部分は、抗原結合部分であり得、IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質は、免疫複合体であり得る。免疫複合体は、細胞表面上、血清中の病的細胞の表面上のウイルス感染細胞の表面上、および/または細胞外基質内で発現される抗原に結合することが可能な1つ以上の抗原結合部分を含むことができる。
抗原結合部分は、抗体または抗体断片を含むことができる。抗原結合部分は、例えば、IgG1、IgG2、またはIgG4アイソタイプを含む、IgGクラスの免疫グロブリンなどの免疫グロブリン分子であり得る。IL-7Rαγcリガンドは、CH3ドメインのC末端などの重鎖の一方または両方に結合されることができる。抗原結合部分は、Fab分子、scFv分子、またはペプチドであり得る。
抗原結合部分は、例えば、腫瘍細胞の表面上または腫瘍細胞環境内で発現される抗原、免疫細胞上で発現される抗原、CD4+T細胞、CD8+T細胞、またはNK細胞などのIL-7RのIL-7RαおよびRγcサブユニットを主に発現する細胞の表面上で発現される抗原などの任意の特定の抗原を対象とし得る。
腫瘍細胞上で発現される好適な抗原標的の例としては、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)、テネイシン-CのA1ドメイン(TNC A1)、テネイシン-CのA2ドメイン(TNC A2)、フィブロネクチンのエクストラドメインB(EDB)、がん胎児性抗原(CEA)、および黒色腫関連コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSP)が挙げられる。
標的化に使用され得る好適な腫瘍抗原の他の例としては、MAGE、MART-1/Melan-A、gplOO、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)、アデノシンデアミナーゼ結合タンパク質(ADAbp)、シクロフィリンb、結腸直腸関連抗原(CRC)-0017-A/GA733、がん胎児性抗原(CEA)ならびにその免疫原性エピトープCAP-1およびCAP-2、etv6、amll、前立腺特異的抗原(PSA)ならびにその免疫原性エピトープPSA-1、PSA-2、およびPSA-3、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、T細胞受容体/CD3-ゼータ鎖、腫瘍抗原のMAGEファミリー(例えば、MAGE-Al、MAGE-A2、MAGE-A3、MAGE-A4、MAGE-AS、MAGE-A6、MAGE-A7、MAGE-AS、MAGE-A9、MAGE-AlO、MAGE-All、MAGE-A12、MAGE-Xp2(MAGE-B2)、MAGE-Xp3(MAGE-B3)、MAGE-Xp4(MAGE-B4)、MAGE-Cl、MAGE-C2、MAGE-C3、MAGE-C4、MAGE-CS)、GAGE-I、GAGE-2、GAGE-3、GAGE-4、GAGE-5、GAGE-6、GAGE-7、GAGE-8、GAGE-9などの腫瘍抗原のGAGEファミリー、BAGE、RAGE、LAGE-I、NAG、GnT-V、MUM-1、CDK4、チロシナーゼ、p53、MUCファミリー、HER2/neu、p21ras、RCAS1、a-フェトプロテイン、E-カドヘリン、a-カテニン、-カテニンおよびy-カテニン、p120ctn、gplOO Pmel117、PRAME、NY-ES0-1、cdc27、大腸腺腫症タンパク質(APC)、フォドリン、コネクシン37、Ig-イディオタイプ、p15、gp75、GM2およびGD2ガングリオシド、ヒトパピローマウイルスタンパク質などの、ウイルス産物、腫瘍抗原のSmadファミリー、lmp-1、PIA、EBY-コード核抗原(EBNA)-1、脳グリコーゲンホスホリラーゼ、SSX-1、SSX-2(HOM-MEL-40)、SSX-1、SSX-4、SSX-5、SCP-1およびCT-7、ならびにcerbB-2が挙げられる。
ウイルス抗原の例としては、インフルエンザウイルスヘマグルチニン、エプスタイン・バーウイルスLMP-1、C型肝炎ウイルスE2糖タンパク質、HIV gp160、およびHIV gp120が挙げられる。
ECM抗原の例としては、シンデカン、ヘパラナーゼ、インテグリン、オステオポンチン、リンク、カドヘリン、ラミニン、ラミニンEGF型、レクチン、フィブロネクチン、ノッチ、テネイシン、およびマトリキシンが挙げられる。
標的化IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質は、例えば、FAP、Her2、EGFR、IGF-lR、CD2(T細胞表面抗原)、CD3(TCRに関連するヘテロ多量体)、CD22(B細胞受容体)、CD23(低親和性IgE受容体)、CD30(サイトカイン受容体)、CD33(骨髄細胞表面抗原)、CD40(腫瘍壊死因子受容体)、IL-6R(IL6受容体)、CD20、MCSP、およびPDGFR(血小板由来成長因子受容体)から選択される細胞表面抗原に結合するように構成されることができる。
標的化IL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7Rも発現する細胞によって細胞の表面上に発現される抗原または受容体に結合することが可能な抗原結合部分を含むことができる。IL-7Rを発現する細胞の例としては、例えば、CD8+T細胞、CD4+T細胞などのナイーブT細胞、メモリーT細胞、および活性化T細胞が挙げられる。
標的化IL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7RのIL-7RαおよびRγcサブユニットを発現する細胞によって発現される抗原または受容体に結合することが可能な抗原結合部分を含むことができる。IL-7RのIL-7RαおよびRγcサブユニットを発現する細胞の例としては、例えば、CD4+T細胞およびCD8+T細胞などのナイーブT細胞、メモリーT細胞、および活性化T細胞が挙げられる。
ナイーブCD4+T細胞の表面上で発現される抗原の例としては、CD4+、CD45RA+、CD45RO-、CCR7+、およびCD25が挙げられる。
ナイーブCD8+T細胞の表面上で発現される抗原の例としては、CD8+、CD45RA+、CD45O+、CCR7+、およびCD28+が挙げられる。
CD4+T細胞の表面上で発現される抗原の例としては、CD4+、CXCR3+、CCR5+、およびIL12Rβ2+などのTh1細胞マーカー、CD4+、CCR4+、およびIL12Rβ2+などのTh2細胞マーカー、CD4+、CCR3+、およびCCR5+などのTh9細胞マーカー、CD4+、CCR6+、CCR4+、およびNK1.1+などのTh17細胞マーカー、CD4+、CCR10+、CCR4+、およびCCR6+などのTh22細胞マーカー、CD4+、CD127+、CD24+、およびCTLA-4+などのTreg細胞マーカー、ならびにCD4+、CXCR5+、CD40L+、およびICOS+などのTfh細胞マーカーが挙げられる。
細胞傷害性CD8+T細胞の表面上に発現される抗原の例としては、CD8+およびCCR7-が挙げられる。
メモリーT細胞抗原の例としては、CCR5、CCR7、CD11a、CD27、CD28、CD45RA、CD45RO、CD57、および/CD62が挙げられる。
ナイーブT細胞抗原の例としては、CD45RA、CCR7、CD62L、CD127、およびCD132が挙げられる。
標的化IL-7Rαγcリガンド構築物は、免疫応答を調節する役割を有する細胞の表面上に発現される抗原または受容体に結合することが可能な抗原結合部分を含むことができる。
免疫応答の調節に関連する細胞によって発現される抗原の例としては、PD-1、CTLA-4、CD20、およびCD30が挙げられる。
標的化IL-7Rαγcリガンド構築物は、CD25などのTreg細胞の表面上で発現される抗原または受容体に結合することが可能な抗原結合部分を含むことができる。例えば、Treg細胞標的化構築物は、IL-7Rαγcリガンド/ダクリズマブ抗体融合物を含むことができる。
本開示によって提供される二重薬理IL-7Rαγcリガンド構築物は、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドと、薬理学的部分とを含むことができる。薬理学的部分は、IL-7Rを発現する細胞、またはIL-7Rを発現する細胞以外の細胞に治療効果を及ぼすことができる。1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、例えば、抗腫瘍剤、抗微生物剤、ホルモン、免疫調節剤、および抗炎症剤などの治療用化合物を含む生物剤に連結されることができる。
二重薬理IL-7Rαγcリガンド構築物は、例えば、抗体などのタンパク質を含むことができる。抗体は、IgAアイソタイプ、IgDアイソタイプ、IgEアイソタイプ、IgGアイソタイプ、またはIgMアイソタイプであり得る。二重薬理IL-7Rαγcリガンド構築物は、リンカーを介して薬理学的に活性な抗体に結合されたIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。リンカーは、天然に存在する分子または合成分子であり得る。
二重薬理IL-7Rαγcリガンド構築物は、抗原結合部分と、Fcリンカーを介してFc鎖に結合された1つ以上のIL-7Rαγcリガンドとを有する、抗体を含むことができる。
抗体は、細胞特異的抗原を対象とした抗体を含むことができる。細胞特異的抗原を対象とした抗体の例としては、アレムツズマブ(CD52抗原)、トラスツズマブ(Her2タンパク質)、イブリツモマブチウキセタン(CD20抗原)、ブレンツキシマブベドチン(CD30抗原)、アドトラスツズマブエムタンシン(Her2タンパク質)、ブリナツモマブ(CD19タンパク質およびCD3タンパク質)が挙げられる。
二重薬理IL-7Rαγcリガンド構築物は、がんの治療において有用であることが知られている部分を含むことができる。がんの治療に有用であることが知られているモノクローナル抗体の例としては、アレムツズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、ベバシズマブ、ブレンツキシマブ、セミプリマブ、セツキシマブ、トラスツズマブ、デノスマブ、リツキシマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、パニツムマブ、ペムブロリズマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、およびトラスツズマブが挙げられる。
二重薬理学IL-7Rαγcリガンド構築物は、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤、PD-L1、およびPD-L2阻害剤などのチェックポイント阻害剤であることが知られている部分を含むことができる。
好適なPD-1阻害剤の例としては、ニボルマブ、セミプリマブ、およびペムブロリズマブが挙げられ、CTLA-4阻害剤の例としては、イピリムマブが挙げられ、PD-L1阻害剤の例としては、アテゾリズマブおよびデュルバルマブが挙げられる。
自己免疫疾患および炎症性疾患の治療に有用なモノクローナル抗体の例としては、アブシキシマブ、アダリムマブ、アレファセプト、アレムツズマブ、バシリキシマブ、ベリムマブ、ベズロツクスマブ、カナキヌマブ、セルトリズマブ、ダクリズマブ、デノスマブ、エファリズマブ、ゴリムマブ、インフレクトラ、イピリムマブ、イキセキズマブ、ナトリズマブ、ニボルマブ、オララツマブ、アマリズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、ペムブロリズマブ、リツキシマブ、トシリズマブ、トラスツズマブ、セクキヌマブ、およびウステキヌマブが挙げられる。
二重薬理IL-7Rαγcリガンド抗体構築物は、チェックポイント阻害剤に対する抗体を含むことができる。チェックポイント阻害剤に対する抗体としては、CTLA-4遮断抗体、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、およびスパルタルズマブなどのPD-1阻害剤、アテゾリズマブなどのPD-L1阻害剤、ならびにCISHなどの固有のチェックポイント遮断を標的とする他の抗体が挙げられる。
好適なFDA承認抗体チェックポイント阻害剤としては、イピリムマブ(CTLA-4)、ニボルマブ(PD-1)、ペムブロリズマブ(PD-1)、アテゾリズマブ(PD-1)、アベルマブ(PD-1)、デュルバルマブ(PD-1)、およびセミプリマブ(PD-1)が挙げられる。
二重薬理IL-7Rαγcリガンド構築物は、サイトカイン融合物を含むことができる。IL-7Rαγcリガンドサイトカイン構築物は、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドおよび天然に存在する分子または合成分子に結合された1つ以上のサイトカインを含むことができる。例えば、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドおよび1つ以上のサイトカインは、ポリペプチドまたはIgGもしくはFc断片などのタンパク質に結合されることができる。サイトカインは、例えば、インターロイキン、ケモカイン、コロニー刺激因子、インターフェロン、形質転換成長因子、および腫瘍壊死因子から選択されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド構築物は、ウイルス学構築物を含むことができる。ウイルス学構築物は、ウイルスの表面上に発現されるタンパク質に対する本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド、ウイルスによって標的とされる細胞の表面上に発現される抗原、ウイルスによって標的とされる細胞表面抗原、またはウイルス様粒子、もしくはワクチンを含むことができる。
本開示によって提供される特定のIL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγcリガンド構築物は、組換えDNA技術を使用して合成されることができる。
本開示によって提供される特定のIL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγcリガンド構築物は、合成有機化学法を使用して合成されることができる。
本開示によって提供されるIL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7Rのアゴニストである。
IL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7RのIL-7Rαサブユニットおよび/またはRγcサブユニットに結合することができ、IL-7Rを活性化することができる。IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物は、例えば、100μM未満、10μM未満、1μM未満、100nM未満、10nM未満、または1nM未満のIC50でIL-7Rαサブユニットおよび/またはRγcサブユニットに独立して結合することができる。
IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物は、100μM未満、10μM未満、1μM未満、100nM未満、10nM未満、または1nM未満のIC50でIL-7Rαサブユニットおよび/またはRγcサブユニットに結合することができる。IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7と競合的または非競合的のいずれかで、IL-7Rαサブユニットおよび/またはRγcサブユニットに結合することができる。
IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7RαサブユニットおよびRγcサブユニットを発現する細胞をより強力に活性化し、それによって、IL-7RαγcリガンドアゴニストまたはIL-7Rαγcリガンド構築物アゴニストの用量を制御することによって、異なる細胞型の表面上で発現されるIL-7Rを差次的に活性化する能力を促進するように構成されることができる。例えば、IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物とインキュベートされると、IL-7Rαγcサブユニットを発現する初代ヒト末梢血単核細胞(PBMC)は、シグナル伝達兼転写活性化因子5(STAT5)をリン酸化する。
IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物によって誘導されるTF-1-7αまたはhPMBCにおけるSTAT5リン酸化についてのEC50は、例えば、100μM未満、10μM未満、1μM未満、100nM未満、10nM未満、または1nM未満であり得る。
IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物によって誘導されるTF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化についてのEC50は、例えば、1pM~100μm、10pM~10μm、または100pM~1μmの範囲内であり得る。
本開示によって提供されるIL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγcリガンド構築物は、CD4+およびCD8+細胞内のSTAT5リン酸化経路、AKTリン酸化経路、およびERK1/2リン酸化経路を活性化することができる。
IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7Rを部分的に活性化することができる。部分的活性化とは、例えば、最大活性化の75%未満、最大活性化の50%未満、25%未満、10%未満、または1%未満である活性化レベルを指す。IL-7Rの最大活性化(Emax)は、IL-7の高い濃度などの高アゴニスト濃度で達成可能な細胞シグナル(活性化)の振幅を指す。部分的IL-7Rアゴニストは、IL-7Rを発現する異なる細胞型間のIL-7RαおよびRγcサブユニットの活性化に対するIL-7Rの応答レベルを変調することに有効であり得る。例えば、異なる細胞型は、IL-7Rサブユニットのそれぞれ、IL-7RαおよびRγcの発現レベルにおいて変化し、IL-7Rアゴニストに対する異なる感受性を示すことが知られている。
IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物は、修飾IL-7Rαリガンドおよび/またはRγcリガンドを含むことができる。修飾IL-7RαおよびRγcリガンドは、IL-7Rに結合して活性化するように選択または設計され得るが、IL-7Rに対する親和性および効力は低いか、または中程度である。そのようなIL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7Rαを高度に発現する細胞と低レベルのIL-7Rα発現を有する細胞との間で、IL-7R活性化について、より大きな差次的感受性を有することができる。
本開示によって提供されるIL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγcリガンド構築物は、完全IL-7Rアゴニスト、部分的IL-7Rアゴニスト、バイアスIL-7Rアゴニスト、またはIL-7Rアンタゴニストとして作用することができる。
実施例に示されるように、IL-7Rαγc結合化合物は、TF-1 IL-7Rα(TF-1-7α)細胞および静止ヒトPMBCにおけるSTAT5リン酸化に関してIL-7に匹敵する完全アゴニストとして作用することができる。
実施例に示されるように、TF-1 IL-7Rα細胞および静止ヒトPMBCにおけるSTAT5リン酸化に関して、本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、1nm未満(EC50)でアゴニスト活性を示すことができる。
本開示によって提供されるIL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7Rアンタゴニストとして作用することができる。本開示によって提供されるIL-7RαγcリガンドアンタゴニストおよびIL-7Rαγcリガンド構築物アンタゴニストは、例えば、100μM未満、10μM未満、1μM未満、0.1μM未満、または0.01μM未満のIC50でIL-7Rに結合することができ、例えば、STAT5リン酸化アッセイなどの実施例に開示される機能的アッセイのうちのいずれかを使用して決定される、検出可能な機能活性を示さない。
本開示によって提供される、IL-7Rαγc結合化合物、すなわち、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、およびIL-7Rαγcリガンド構築物は、皮膚内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、口内、経口、舌下、脳内、膣内、経皮、直腸、吸入、または局所を含む、任意の適切な投与経路によって患者に投与される医薬組成物に組み込まれることができる。本開示によって提供される医薬組成物は、注射可能な製剤であり得る。本開示によって提供される医薬組成物は、注射可能な静脈内製剤であり得る。本開示によって提供される医薬組成物は、経口製剤であり得る。経口製剤は、経口剤形であり得る。医薬組成物は、静脈内投与または皮下投与のために製剤化され得る。
本開示によって提供される医薬組成物は、患者への適切な投与のための組成物を提供するために、好適な量の1つ以上の薬学的に許容されるビヒクルとともに、治療的有効量のIL-7Rαγc結合化合物を含み得る。好適な薬学的ビヒクルおよび医薬組成物を調製する方法は、当該技術分野で説明されている。
したがって、療法のためにIL-7Rαγc結合化合物および/またはその医薬組成物をアッセイおよび使用することは、当業者の能力の範囲内である。
IL-7Rαγc結合化合物および/またはその医薬組成物は、一般に、意図された目的を達成するために有効な量で使用されることができる。がん、自己免疫疾患または炎症性疾患などの疾患を治療するための使用について、IL-7Rαγc結合化合物および/またはその医薬組成物は、治療的有効量で投与または適用され得る。
本明細書に開示される特定の障害または状態の治療に有効であろう、IL-7Rαγc結合化合物、および/または前述のうちのいずれかの医薬組成物の量は、障害または状態の性質に部分的に依存し、当該技術分野で公知の標準的な臨床技法によって決定されることができる。加えて、インビトロアッセイまたはインビボアッセイが、最適な用量範囲を識別することに役立つように、任意選択的に採用され得る。投与されるIL-7Rαγc結合化合物および/または前述のうちのいずれかの医薬組成物の量は、とりわけ、治療される患者、患者の体重、苦痛の重症度、投与方法、および処方医師の判断に依存するであろう。
IL-7Rαγc結合化合物は、ヒトで使用する前に、所望の治療活性について、インビトロおよびインビボでアッセイされることができる。例えば、インビトロアッセイが、特定の化合物または化合物の組み合わせの投与が好ましいかどうかを決定するために使用され得る。化合物はまた、動物モデル系を使用して有効かつ安全であることが実証され得る。
ある特定の実施形態では、治療的有効量のIL-7Rαγc結合化合物および/または前述のうちのいずれかの医薬組成物は、実質的な毒性を引き起こすことなく治療的利益を提供するであろう。IL-7Rαγc結合化合物および/または前述のうちのいずれかの医薬組成物の毒性は、標準的な薬学的手順を使用して決定され得、当業者によって容易に確認され得る。毒性効果と治療効果との間の用量比は、治療指数である。IL-7Rαγc結合化合物、および/または前述のうちのいずれかの医薬組成物は、疾患および障害を治療する際に特に高い治療指数を示す。IL-7Rαγc結合化合物および/または前述のうちのいずれかの医薬組成物の用量は、最小限の毒性を有する有効用量を含む循環濃度の範囲内であろう。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、治療目的のために患者に化合物を投与するために使用され得るキットに含まれ得る。キットは、患者への投与に好適な本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物と、医薬組成物を患者に投与するための説明書とを含み得る。キットは、がんを治療するための、自己免疫疾患を治療するための、または炎症性疾患を治療するためのキットであり得る。患者においてがんを治療する際に使用するためのキットは、本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物と、化合物を投与するための薬学的に許容されるビヒクルと、患者に化合物を投与するための説明書とを含むことができる。
医薬組成物は、投与のための説明書とともに、容器、パック、またはディスペンサーに含まれ得る。
キットとともに供給される説明書は、例えば、電子可読媒体、ビデオカセット、オーディオテープ、フラッシュメモリデバイスとして印刷および/または供給され得るか、またはインターネットウェブサイト上で公開されるか、もしくは電子通信として患者および/または医療提供者に配布され得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、がん新抗原ワクチンを含む、特定のワクチンと組み合わせられると有用であり得る。腫瘍DNAの変異は、身体に対して異質である新しいタンパク質配列を産生する。ワクチンは、腫瘍特異的新抗原に関して患者の免疫系を特異的に活性化するように設計されることができる。新抗原ワクチンと組み合わせて投与されると、本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、腫瘍微小環境において新抗原特異的T細胞を拡大および増殖させ、それにより、がんの治療のためのワクチン誘発新抗原特異的T細胞の最大拡大を駆動することができる。
したがって、本開示によって提供されるIL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγc構築物は、アジュバントとして使用されることができる。アジュバントは、保護免疫に直接関与することなくワクチンの有効性を増強する化合物を指す。例えば、本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、がんワクチンまたはウイルスワクチンと併用して使用されることができる。
最近の研究では、IL-7が有効なワクチンアジュバントとして役立ち得ることが示唆されている。例えば、IL-7Rαは、静止ナイーブCD8+T細胞の大部分上で発現され、IL-7シグナル伝達は、低親和性抗原に特異的なT細胞をリンパ球減少性宿主における増殖性プールの中に動員し、他のRγcサイトカインと同様に、IL-7は、プログラム細胞死を防止する。IL-7が、エフェクターT細胞のメモリーT細胞への増殖および発達の間に重要であるため、IL-7は、ワクチン接種中のエフェクターT細胞の発達および増殖を刺激するために使用され得ることは合理的である。
IL-7の投与は、免疫応答を増強するための治療的可能性が示されており、ワクチン誘導T細胞応答の有効性を増強することができる。
例えば、hIL-7 DNAの同時送達は、非ヒト霊長類モデルにおいて多重HCV DNAワクチン誘導T細胞応答を増強した。
細菌感染において、敗血症マウスモデルの状況におけるIL-7の治療可能性は、動員した好中球の数を増加させることによって証明された。
IL-7の投与を伴う治療は、ウイルス特異的T細胞応答の増強を示し、慢性リンパ球性脈絡髄膜炎(LCMV)マウス感染モデルにおいてウイルスクリアランスをもたらした。DNAワクチンに応答して誘発されたCD8+T細胞応答の収縮期中の組換えIL-7の投与は、LCMV特異的メモリーT細胞の数を増加させた。
インフルエンザAウイルス(IAV)のマウスモデルでは、Fc融合IL-7(IL-7-mFc)を用いた単一の鼻腔内前処置は、IL-7の天然形態ではないが、既存のIAV特異的免疫なしでも、IAV誘発性死からマウスを長期間保護することが実証された。IL-7-mFc処置は、肺内の免疫環境の変化を誘導し、肺保持エフェクター/メモリー表現型T(TRM様)細胞の長期占有を伴い、ウイルス複製および免疫病理を制限することによってIAVからの保護に不可欠な役割を果たす一方で、IAV特異的細胞傷害性Tリンパ球(CTL)が増殖するのに役立つ。
マウスIL-7を発現する組換えRABV(rRABV)をマウスに投与した別の研究では、IL-7を過剰発現することにより、RABV感染に対する長期にわたる一次および二次抗体応答の生成が改善されることが見出された。
組換えIL-7タンパク質は、抗原特異的エフェクターCD8+T細胞の活性化によって、Mycobacterium tuberculosis感染マウスの生存を増強することが報告されている。
さらに、IL-7発現プラスミドは、HSV-2 gD DNAワクチンを注射したマウスにおけるワクチン誘導CTLおよび/またはTh2型免疫反応を増強することができる。
別の研究では、口蹄疫ウイルスのVP1カプシドタンパク質をコードするDNAワクチンを、初期アジュバントとしてIL-6発現プラスミドとともにマウスに同時送達し、二次アジュバントとしてIL-7発現プラスミドで強化した。pVAX-IL-6で免疫化し、pVAX-IL-7で強化したマウスは、活性化CD4+T細胞において、CD44高CD62低の最も高い発現を生成した。
本開示によって提供されるIL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7Rαγcサブユニットも発現する細胞の膜表面上で発現されるように操作されると、細胞療法に有用であり得る。NK細胞を使用した、または再標的化されたキメラ抗原受容体(CAR)T細胞を使用した養子免疫療法は、現在、腫瘍およびウイルス感染に対する治療として研究されている。これらの細胞療法に関する1つの課題は、注入された細胞の最適以下の持続的生存である。
IL-7Rαγcリガンドが細胞の細胞外表面上で発現されるような方法で膜タンパク質に融合されたIL-7RαγcリガンドをコードするDNAは、標準的な技法を使用して構築され得る。IL-7Rαγcリガンドを含む融合タンパク質が発現されると、細胞上のIL-7受容体が活性化され、細胞の長期持続性につながる。
IL-7RαγcリガンドをコードするDNAは、細胞に組み込まれることができ、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドを産生するように構成されることができる。IL-7Rαγcリガンドは、細胞から分泌されることができ、分泌細胞(すなわち、自己分泌シグナル伝達)および/または分泌細胞の近傍の細胞(すなわち、パラクリンシグナル伝達)と相互作用することができる。本開示によって提供される分泌型IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7Rアゴニストであり得、分泌細胞の近くに局在化するように設計されることができる。
本開示によって提供されるIL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物は、患者内または生体試料内のT細胞を増殖させるために使用されることができる。Treg細胞に対する非調節性T細胞の比率を増加させる方法は、T細胞の集団を有効量のIL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物と接触させることを含むことができる。この比率は、T細胞の集団内のCD3+FOXP3+細胞対CD3+FOXP3-細胞の比率を決定することによって測定されることができる。ヒト血液における典型的なTreg頻度は、総CD4+CD3+T細胞の5%~10%であるが、特定の疾患では、この割合は、より低く、またはより高くあり得る。
IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物が、T細胞を増殖させるために使用され得る。がん細胞を標的とするように免疫細胞活性を再誘導するキメラ抗原受容体(CAR)で修飾されたT細胞は、改善された抗腫瘍応答を示すことが実証されている。CARは、所望の腫瘍関連抗原(TAA)に結合し、細胞内シグナル伝達カスケードを誘起して、標的細胞に対する免疫細胞を活性化する、抗体由来細胞外ドメインを含むことができる。
表面に固定化されるIL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物は、インビトロまたはエクスビボでT細胞の集団に曝露されて、細胞集団の増殖を誘導することができる。患者に移入する前に、CAR-T細胞は、IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物の固定化形態への曝露によって増殖されることができる。固定化されたIL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンドは、CAR-T細胞を患者に移入する前に、CAR-T細胞から分離されることができる。
CAR T細胞は、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドのテザー形態を共発現するように遺伝子操作されて、未成熟な分化状態のインビボでの持続性および維持を支持し、インビボでの抗腫瘍活性を示すことができる。
治療法に対する単一の患者応答を評価し、患者を最適な治療法のために認定することは、現代の医療の最大の課題の1つであり、パーソナライズされた医療の動向に関連している。IL-7Rαγc結合化合物は、例えば、特定のがんおよび免疫細胞に対して標的選択性を有することができる。陽電子放射断層撮影(PET)または単一光子放射断層撮影(SPECT)のために放射線標識されたIL-7Rαγc結合化合物が、単一研究のケースバイケースの患者分析に基づいて治療の標的を予測し、したがって、治療から利益を受けることが期待されない患者を除外するために使用されることができ。IL-7Rαγc結合化合物を使用したPET/SPECTスキャンは、濃度と相関すると、三次元分布マップを提供することができ、これは次いで、巨視的用量計算に使用されることができる。
IL-7Rαγc結合化合物は、1つ以上の撮像剤を含むことができる。IL-7Rαγcリガンドは、化合物を、IL-7Rを発現する細胞、細胞集団、および組織に誘導し、局在化することができる。撮像化合物は、放射線標識、蛍光標識、酵素標識、またはPET撮像剤などの1つ以上の撮像剤を含むことができる。
撮像剤は、IL-7Rを発現する細胞の数、IL-7Rを発現する細胞の発現レベル、または特定のIL-7Rαγcリガンドおよび/もしくはIL-7Rαγcリガンドを含む化合物に対するIL-7Rの結合親和性などのIL-7Rの特性を決定するために使用されることができる。撮像剤は、例えば、IL-7Rαサブユニットを発現するがん細胞を評価するために、またはTregおよび/もしくはTeff細胞を評価するために使用されることができる。
標識は、患者における化合物の生体内分布を決定するために、または治療有効性の可能性を評価するために検出されることができる。例えば、高レベルのIL-7Rを発現する腫瘍は、本開示によって提供される治療用IL-7Rαγc結合化合物にとって魅力的な標的であり得る。
撮像剤は、治療前、治療中、および/または治療後にIL-7Rを発現する細胞を評価するために使用されることができる。
IL-7Rαγcリガンドを含む撮像剤は、細胞表面、特に、細胞表面上で発現されたタンパク質に結合することが可能な部分をさらに含むことができる。タンパク質は、特定の細胞型を示すことができ、細胞表面マーカーと称される。IL-7Rαγcリガンドおよび細胞表面マーカーの両方を含む撮像剤が、IL-7Rおよび細胞表面マーカーの両方を発現する細胞、細胞集団、および/または組織を評価するために使用されることができる。評価は、IL-7Rおよび細胞表面マーカーの両方を発現する細胞の数、IL-7Rおよび細胞表面マーカーの発現レベル、ならびに/またはIL-7Rおよび/もしくは細胞表面マーカーに対する撮像剤の結合親和性を決定することを含むことができる。
撮像剤は、治療前、治療中、および/または治療後にIL-7Rおよび細胞表面マーカーを発現する細胞を評価するために使用されることができる。
本開示によって提供される化合物は、標識されることができる。標識化合物は、診断に有用であり得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、検出可能なマーカーで標識されることができる。標識は、患者における化合物の生体内分布を決定するために、または治療有効性の可能性を評価するために使用されることができる。例えば、高レベルのIL-7Rを発現する腫瘍は、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドを含む選択的IL-7Rアゴニストおよび化合物にとって魅力的な標的であり得る。
したがって、本開示によって提供される化合物には、標識化合物が含まれる。標識化合物は、検出可能なマーカー、例えば、放射標識アミノ酸、またはポリペプチドへのビオチニル部分の付着であり得、当該付着ビオチニル部分は、マークされたアビジン(例えば、光学法または比色法によって検出され得る蛍光マーカーまたは酵素活性を含有するストレプトアビジン)によって検出されることができる。ポリペプチドおよび糖タンパク質を標識する様々な方法が、当該技術分野で公知であり、使用され得る。ポリペプチドのための標識の例としては、例えば、H、14C、35S、125I、および131Iなどの放射性同位体、FITC、ローダミン、およびランタニドリンなどの蛍光標識、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、およびアルカリホスファターゼなどの酵素標識、ビオチニル基、ロイシンジッパー対配列などの二次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ、二次抗体のための結合部位、金属リガンド、およびエピトープタグが挙げられる。標識は、潜在的な立体障害を低減するために、様々な長さのスペーサアームによって付着されることができる。
IL-7Rαγc結合化合物は、細胞特異的標的化部分または分子を含むことができる。
細胞特異的標的化部分は、受容体、タンパク質、またはエピトープなどの細胞の表面上の成分に対する親和性を有する部分を含むことができる。部分は、例えば、細胞表面成分に対する親和性を有するリガンドまたは抗体を含むことができる。
標的化部分は、標的化部分によって標的化される細胞、細胞集団、または組織においてIL-7Rαγcリガンドを含む化合物を誘導し、濃縮することができる。
標的化部分は、標的化される細胞または細胞集団に対するIL-7RアゴニズムまたはIL-7Rアンタゴニズムの効力を増強することができる。
標的化部分は、標的化される細胞と標的化部分によって標的化されていない細胞との間で、IL-7RアゴニズムまたはIL-7Rアンタゴニズムに対する差次的応答を提供することができる。
標的化部分は、標的化成分の高い発現レベルを有する細胞と標的化成分のより低い発現レベルを有する細胞との間で、IL-7RアゴニズムまたはIL-7Rアンタゴニズムに対する差次的応答を提供することができる。
IL-7Rαγc結合化合物は、生物活性部分または生物活性分子をさらに含むことができる。IL-7Rαリガンドを含む化合物が、生物活性部分または生物活性分子を、IL-7Rαサブユニットを発現する細胞、細胞集団、または組織に送達するために使用されることができる。
生物活性部分または分子は、切断不可能であり、IL-7Rαリガンドを含む化合物に結合されたときに生物活性を発揮することが可能であり得る。
生物活性部分または分子は、切断可能であり得る。部分は、pH、酵素、熱、および/または電磁機構などの任意の好適な機構によって切断可能であり得る。電磁機構は、例えば、化合物を赤外線、可視光、または紫外線放射線に曝露することを含み、生物活性部分は、放射線によって切断されることが可能な感光性部分を通してIL-7Rαγcリガンドを含む化合物に付着している。
生物活性分子は、切断不可能であるが、そうでなければ、例えば、電磁放射線への曝露によって活性化可能であるなど、活性化可能であり得る。
IL-7Rαγcガンドは、特定のpHにおいてIL-7Rαおよび/またはRγcサブユニットへの増強した結合を有するように選択されることができる。例えば、pH選択的IL-7Rαγcリガンドは、固形腫瘍微小環境のものと同等の低pHにおいてIL-7Rαおよび/またはRγcサブユニットに対してより高い結合親和性を有することができる。低pH選択的IL-7Rαγcリガンドを含む化合物が、健常な組織に関連する通常のpH環境における細胞と比較して、IL-7Rαサブユニットを発現する低pH環境における細胞を優先的に活性化するために使用されることができる。
したがって、pH選択的IL-7Rαおよび/またはRγcリガンドなどの選択的IL-7Rαおよび/またはRγcリガンドを含む化合物が、他のpH選択的生物活性部分および分子とともに使用されることができる。
生物活性部分または生物活性分子自体は、特定の細胞集団に対して選択的であり得る。例えば、生物活性部分または生物活性分子は、選択的IL-7Rαリガンドによって標的化される細胞において、より高いもしくはより低い結合親和性、効力、および/または活性を示すことができる。例えば、生物活性部分または分子は、pH選択的IL-7Rαリガンドによって標的化されると、低pH腫瘍微小環境においてより高い生物活性を示すことができる。この例では、生物活性部分は、pH選択的IL-7RαリガンドによってIL-7Rαサブユニットを発現する低pH腫瘍微小環境に位置する細胞を対象とする。したがって、pH選択的生物活性部分の活性は、低pH腫瘍微小環境において増強される。
IL-7Rαリガンドを含む化合物は、細胞傷害性部分または細胞傷害性分子をさらに含むことができる。そのような化合物は、T細胞などのIL-7Rαサブユニットを発現する細胞に細胞傷害性部分または化合物を送達するために使用されることができる。細胞傷害性部分もしくは分子は、化合物に結合されたときに細胞傷害性を発揮することができるか、または切断可能であり得、部分もしくは分子は、化合物から放出されたときに細胞傷害性であり得るか、または細胞傷害性部分は、電磁放射線によって活性化されることができる。
細胞傷害性部分または分子は、標的化されるIL-7Rαサブユニットを発現する細胞を枯渇させるために使用されることができる。
IL-7Rαγcリガンド含有細胞傷害性化合物は、1つを超えるIL-7Rαリガンドを有することができ、それによって、IL-7Rαサブユニットのより低い発現レベルを有する細胞と比較して、IL-7Rαサブユニットを高度に発現する細胞、細胞集団、および組織に対してより高い親和性および/または選択性を示すことができる。
IL-7Rαγcリガンド含有細胞傷害性化合物は、細胞表面標的化成分をさらに含むことができる。そのような細胞傷害性化合物は、IL-7Rαサブユニットおよび表面標的成分を発現する細胞、細胞集団、および組織に対して増強された有効性を示すことができる。
好適な細胞傷害性分子の例としては、抗微小管剤、アルキル化剤、およびDNA小溝結合剤が挙げられる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、例えば、COVID-19などのウイルス疾患を含む、がん、炎症性疾患、自己免疫疾患、免疫不全症、または感染性疾患などの疾患を治療するために使用されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物および前述のうちのいずれかの医薬組成物は、臓器移植を治療するために患者に投与され得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物および前述のうちのいずれかの医薬組成物は、対象における炎症性疾患または自己免疫疾患を治療するための別の化合物とともに患者に投与され得る。少なくとも1つの他の治療剤は、本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物であり得る。IL-7Rαγc結合化合物および少なくとも1つの他の治療剤は、相加的または相乗的に作用し得る。少なくとも1つの追加の治療剤は、IL-7Rαγc結合化合物を含む同じ医薬組成物もしくはビヒクルに含まれ得るか、または別個の医薬組成物もしくはビヒクルに含まれ得る。したがって、本開示によって提供される方法は、IL-7Rαγc結合化合物を投与することに加えて、炎症性疾患もしくは自己免疫疾患、または炎症性疾患もしくは自己免疫疾患とは異なる疾患、障害もしくは状態を治療するために有効な1つ以上の治療剤を投与することをさらに含む。本開示によって提供される方法は、IL-7Rαγc結合化合物および1つ以上の他の治療剤の投与を含むが、但し、併用投与が、IL-7Rαγc結合化合物の治療有効性を阻害しない、かつ/または有害な併用効果を生じないことを条件とする。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、がん、炎症性疾患、または自己免疫疾患などの患者における疾患を治療することを含み、100μM未満、10μM未満、1μM未満、100nM未満、または10nM未満のIC50でIL-7Rαサブユニットおよび/またはRγcサブユニットの独自の結合部位に結合することが可能な治療的有効量の化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、患者においてがんを治療するために使用され得る。がんは、例えば、固形腫瘍または転移であり得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、IL-7Rの活性化によって治療されることが知られているがんを治療するために投与され得る。本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、IL-7Rαγcサブユニットの活性化によって治療されることが知られており、IL-7Rαサブユニットの同時活性化が治療有効性を損なう、かつ/または望ましくない副作用を誘導する、がんを治療するために投与され得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、例えば、以下のがんのうちの1つ以上を治療するために使用されることができる:急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質がん、虫垂がん、星状細胞腫、非定型催奇形性/横紋腫瘍、基底細胞がん(非黒色腫)、B細胞リンパ腫、膀胱がん、骨がん、脳および脊髄腫瘍、脳幹がん、脳腫瘍、乳がん、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、頭頸部がん、中枢神経系胚腫瘍、小脳星状細胞腫、脳星状細胞腫/悪性神経膠腫、子宮頸がん、脊髄腫、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸直腸がん、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、腺管がん、染料がん、内分泌膵臓腫瘍(島状細胞腫瘍)、子宮内膜がん、上衣芽細胞腫、食道がん、鼻腔神経芽細胞腫、ユーイングファミリー腫瘍、頭蓋外胚細胞腫瘍、肝外胆管がん、胆嚢がん、胃がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、妊娠性トロホブラスト腫瘍、神経膠芽腫、神経膠腫、有毛細胞白血病、頭頸部がん、心臓がん、リンパ系統の造血腫瘍、肝細胞がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、視床下部および視覚経路神経膠腫、ID関連リンパ腫、眼内黒色腫、島細胞腫瘍、カポシ肉腫、腎臓がん、ランゲルハンス細胞組織球増加症、喉頭がん、白血病、口唇および口腔がん、男性乳がん、悪性線維性組織球腫、悪性胚細胞腫瘍、悪性中皮腫、髄芽細胞腫、黒色腫、メルケル細胞がん、中皮腫、口腔がん、多発性内分泌新生物症候群、多発性骨髄腫、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性腫瘍、鼻腔および副鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん、口腔がん、口咽頭がん、骨肉腫、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性潜在性腫瘍、膵臓がん、膵臓神経内分泌腫瘍(島細胞腫瘍)、乳頭腫、傍神経節腫、副鼻腔および鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫、松果体実質腫瘍、松果体芽細胞腫およびテント上原始神経外胚葉腫瘍、下垂体腫瘍、形質細胞新生物/多発性骨髄腫、胸膜肺芽細胞腫、妊娠および乳がん、原発性中枢神経系リンパ腫、原発性肝臓がん、原発性転移性扁平上皮頸部がん(潜在的を含む)、前立腺がん、直腸がん、腎細胞がん、腎盂および尿管、呼吸器系がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫、セザリー症候群、皮膚がん、小腸がん、軟組織肉腫、扁平上皮細胞がん(非黒色腫)、胃がん、テント上原始神経外胚葉腫瘍、T細胞リンパ腫、精巣がん、咽喉がん、胸腺腫および胸腺がん、甲状腺がん、移行細胞がん、尿道がん、子宮肉腫、膣がん、視経路および視床下部膠腫、外陰がん、ワルデンストロームマクログロブリン血症、ウィルムス腫瘍、ならびに前述のうちのいずれかの全身性および中枢性転移。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、固形腫瘍を治療するために使用されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、腫瘍転移を治療するために使用されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、循環腫瘍細胞を治療するために使用されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、例えば、神経膠芽腫(GBM)および星状細胞腫を含む原発性成人および幼児脳ならびにCNSがん、黒色腫を含む皮膚がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、および大細胞肺がんを含む肺がん、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)を含む乳がん、骨髄異形成症候群(MDS)、多発性骨髄腫(MM)、および急性骨髄性白血病(AML)を含む血液がん、去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)を含む前立腺がん、肝細胞がん(HCC)を含む肝臓がん、食道および胃がん、ならびに前述のうちのいずれかの任意の全身性および中枢性転移から選択される、がんを治療するために使用されることができる。
がんの治療に有効であろう本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物の量は、疾患の性質に少なくとも部分的に依存し得、当該技術分野で公知の標準的な臨床技法によって決定され得る。加えて、インビトロアッセイまたはインビボアッセイが、最適な投与範囲を識別することに役立つために採用され得る。投与レジメンおよび投与間隔もまた、当業者に公知の方法によって判定され得る。投与される本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物の量は、とりわけ、治療される患者、患者の体重、疾患の重症度、投与経路、および処方医師の判断に依存し得る。
全身投与のために、治療的有効量は、最初にインビトロアッセイから推定され得る。初期用量もまた、当該技術分野で公知である技法を使用して、インビボデータ、例えば、動物モデルから推定され得る。そのような情報は、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するために使用され得る。当業者は、動物データに基づいてヒトへの投与を最適化し得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物の用量および適切な投与間隔が、患者の血液中の本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物の持続的な治療的有効濃度を維持するために、ある特定の実施形態では、最小有害濃度を超えることなく、選択され得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物は、例えば、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、5週間に1回、または6週間に1回投与され得る。投薬は、単独で、または他の薬物と組み合わせて提供され得、疾患の有効な治療に必要な限り継続し得る。投薬はまた、一定の期間にわたって連続的または半連続的な投与を使用して行われ得る。投薬には、ヒトなどの哺乳動物に、給餌状態または絶食状態で医薬組成物を投与することが含まれる。
医薬組成物は、単一の剤形もしくは複数の剤形で、または一定期間にわたって連続的もしくは累積的な用量として投与され得る。複数の剤形が使用される場合、複数の剤形のそれぞれに含有される、本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物の量は、同じであるか、または異なり得る。
投与のための好適な1日の投与量範囲は、例えば、1キログラムの体重当たり約2μg~約200mgの本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物の範囲であり得る。
投与のための好適な1日の投与量範囲は、例えば、1平方メートル(m)の体表面当たり約1μg~約50mgの本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物の範囲であり得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、例えば、0.001mg/日~100mg/日の量で、または任意の他の適切な1日用量で、患者のがんを治療するために投与され得る。用量は、例えば、0.01μg/kg体重/週~100μg/kg体重/週、または任意の他の好適な用量であり得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物は、患者の血液または血漿中に治療的有効濃度の本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物を提供するように、患者におけるがんを治療するために投与され得る。患者の血液中の本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物の化合物の治療的有効濃度は、例えば、0.01μg/L~1,000μg/L、0.1μg/L~500μg/L、1μg/L~250μg/L、または約10μg/L~10μg/Lであり得る。患者の血液中の本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物の治療的有効濃度は、例えば、少なくとも0.01μg/L、少なくとも0.1μg/L、少なくとも1μg/L、少なくとも約10μg/L、または少なくとも100μg/Lであり得る。患者の血液中のIL-7Rαγc結合化合物の治療的有効濃度は、例えば、恒常性への有害効果を含む、許容できない有害効果を引き起こす量未満であり得る。患者の血液中のIL-7Rαγc結合化合物の治療的有効濃度は、患者において恒常性を回復および/または維持するために十分な量であり得る。
IL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物は、例えば、少なくとも1日間、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、または少なくとも6週間などの長期間にわたって、患者の血液中のIL-7Rαγc結合化合物の治療的有効濃度を提供するように、患者における疾患を治療するために投与され得る。
投与されるIL-7Rαγc結合化合物の量は、治療レジメン中に変化し得る。
本開示によって提供される医薬組成物は、本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物に加えて、1つ以上の薬学的に活性な化合物をさらに含み得る。そのような化合物は、例えば、IL-7Rαγc結合化合物で治療されているがんを治療するため、またはIL-7Rαγc結合化合物で治療されているがん以外の疾患、障害、もしくは状態を治療するため、IL-7Rαγc結合化合物を投与することによって引き起こされる副作用を治療するため、IL-7Rαγc結合化合物の有効性を増強するため、および/またはIL-7Rαγc結合化合物の活性を変調するために提供され得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、少なくとも1つの他の治療剤と組み合わせて使用され得る。IL-7Rαγc結合化合物は、患者におけるがんを治療するための別の化合物とともに患者に投与され得る。少なくとも1つの他の治療剤は、第2の異なるIL-7Rαγc結合化合物であり得る。IL-7Rαγc結合化合物および少なくとも1つの他の治療剤は、相加的に、またはある特定の実施形態では、別のIL-7Rαγc結合化合物と相乗的に作用し得る。少なくとも1つの追加の治療剤は、IL-7Rαγc結合化合物を含む同じ医薬組成物もしくはビヒクルに含まれ得るか、または別個の医薬組成物もしくはビヒクルに含まれ得る。したがって、本開示によって提供される方法は、IL-7Rαγc結合化合物を投与することに加えて、がんまたはがんとは異なる疾患、障害もしくは状態を治療するために有効な1つ以上の治療剤を投与することをさらに含む。本開示によって提供される方法は、IL-7Rαγc結合化合物および1つ以上の他の治療剤の投与を含むが、但し、併用投与が、IL-7Rαγc結合化合物の治療有効性を阻害しない、かつ/または有害な併用効果を生じないことを条件とする。
IL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物は、IL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物と同じ医薬組成物の一部であるか、またはそれとは異なる医薬組成物であり得る、別の治療剤の投与と同時に投与され得る。IL-7Rαγc結合化合物は、別の治療剤の投与の前または後に投与され得る。ある特定の併用療法では、併用療法は、例えば、特定の薬物に関連する有害な薬物効果を最小限に抑えるために、IL-7Rαγc結合化合物と別の治療剤を含む組成物との間で交互に投与することを含み得る。IL-7Rαγc結合化合物が、例えば、毒性を含む有害な薬物効果を潜在的に生じ得る別の治療剤と同時に投与される場合、他の治療剤は、有害な薬物反応が誘発される閾値を下回る用量で投与され得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物は、例えば、IL-7Rαγc結合化合物の放出、バイオアベイラビリティ、治療有効性、治療効力、および/または安定性を増強、変調、および/または制御するために、1つ以上の物質とともに投与され得る。例えば、IL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物は、IL-7Rαγc結合化合物の治療有効性を増強する薬理学的効果を有する活性剤と同時投与されることができる。
IL-7Rαγc結合化合物、またはその医薬組成物は、IL-7Rαγc結合化合物で治療されている同じ疾患などの患者におけるがん、自己免疫疾患、または炎症性疾患などの疾患の治療に有効であることが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、細胞増殖を妨げることが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、細胞代謝を妨げること、代謝拮抗剤であること、RNA転写を妨げること、RNA翻訳を妨げること、細胞タンパク質合成を妨げること、DNA合成および複製のための前駆体の合成を妨げること、プリン合成を妨げること、ヌクレオシド合成を妨げること、mTORと相互作用すること、mTOR阻害剤であること、細胞周期チェックポイントを妨げることが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、イピリムマブなどのCTLA-4阻害剤、ペムブロリズマブおよびニボルマブなどのPD-1阻害剤、ならびに/またはアテゾリズマブ、アベルマブ、およびデュルバルマブなどのPD-LI阻害剤を含むチェックポイント阻害剤と併せて投与され得る。IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、CD137/4-1BB、CD27、GIYR、および/またはOC40などの免疫調節物質と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、細胞傷害性であること、DNA損傷を引き起こすこと、細胞周期停止を引き起こすこと、または分裂期細胞死を引き起こすことが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、グルタチオン濃度を調節すること、細胞内のグルタチオン濃度を変調すること、細胞内のグルタチオン濃度を低下させること、細胞内へのグルタチオン取り込みを低減すること、グルタチオン合成を低減すること、または細胞内のグルタチオン合成を低減することが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、新生血管形成を妨げること、新生血管形成を低減すること、または新生血管形成を促進することが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、ホルモン恒常性を妨げること、ホルモン合成を妨げること、ホルモン受容体結合を妨げること、またはホルモンシグナル伝達を妨げることが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、成長因子恒常性を妨げること、成長因子受容体発現を妨げること、成長因子受容体への成長因子結合を妨げること、成長因子受容体シグナル伝達を妨げること、ヘッジホッグ(Hh)シグナル伝達を妨げること、ヘッジホッグ経路シグナル伝達を阻害すること、ALK(未分化リンパ腫キナーゼ)経路シグナル伝達を阻害すること、または非相同末端結合(NHEJ)経路を阻害することが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、VEGFR(血管内皮増殖因子受容体)阻害剤、RTK(受容体チロシンキナーゼ)阻害剤、ナトリウムチャネル電流遮断剤、aFAK(局所接着キナーゼ)阻害剤、GLI(神経膠腫関連がん遺伝子)阻害剤、GLI1阻害剤、GLI2阻害剤、GLI3阻害剤、MAPK(有糸分裂原活性化タンパク質キナーゼ)阻害剤、MAPK/ERK経路(Ras-Raf-MEK-ERK経路としても知られている)阻害剤、MEK1阻害剤、MEK2阻害剤、MEK5阻害剤、MEK5/ERK5阻害剤、aRTA(尿細管性アシドーシス)阻害剤、ALK(未分化リンパ腫キナーゼ)阻害剤、Aa LKキナーゼ阻害剤、核転座阻害剤、PORCN(ポルキュピン)阻害剤、5-ARI(5α-還元酵素阻害剤)、トポイソメラーゼ阻害剤、Ras(ラット肉腫)阻害剤、K-ras阻害剤、CERK(セラミドキナーゼ)阻害剤、PKB(プロテインキナーゼB、別名AKT)阻害剤、AKT1阻害剤、EZH2(ゼストホモログ2のエンハンサー)阻害剤、BET(ブロモドメインおよび末端外ドメインモチーフ)阻害剤、SYK(脾臓チロシンキナーゼ)阻害剤、JAK(ヤナスキナーゼ)阻害剤、SYK/JAK阻害剤、IDO(インドールアミン-ピロール2,3-ジオキシゲナーゼ)阻害剤、IDO1阻害剤、RXR(レチノイン酸X受容体)活性化剤、選択的RXR活性化剤、p-糖タンパク質阻害剤、ERK阻害剤、PI3K(ホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸3-キナーゼ)阻害剤、BRD(ブロモドメイン含有タンパク質)阻害剤、BRD2阻害剤、BRD3阻害剤、BRD4阻害剤、BRDT(ブロモドメイン精巣特異的タンパク質)阻害剤、逆転写酵素阻害剤、NRT(ヌクレオシド類似体逆転写酵素)阻害剤、PIM(モロニーウイルスのプロウイルス組み込み)阻害剤、EGFR(上皮成長因子受容体)阻害剤、光増感剤、放射線増感剤、ROS(がん原遺伝子、受容体チロシンキナーゼ)阻害剤、ROS1(がん原遺伝子1)阻害剤、CK(カゼインキナーゼ)阻害剤、CK2阻害剤、ダサチニブなどのBcr-Abl(切断点クラスター領域-アベルソンがん原遺伝子)チロシンキナーゼ阻害剤、微小管安定化剤、微小管脱重合/分解阻害剤、DNAインターカレーター、アンドロゲン受容体アンタゴニスト、化学保護剤、HDAC(ヒストンデアセチラーゼ)阻害剤、DPP(ジペプチジルペプチダーゼ)阻害剤、DPP-4阻害剤、BTK(ブルトン型チロシンキナーゼ)阻害剤、イマチニブなどのキナーゼ阻害剤、ニロチニブなどのチロシンキナーゼ阻害剤、ARP(ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ)阻害剤、CDK(サイクリン依存性キナーゼ)阻害剤、CDK4阻害剤、CDK6阻害剤、CDK4/6阻害剤、HIF1α(低酸素誘導因子1-α)阻害剤、DNAリガーゼ阻害剤、DNAリガーゼIV阻害剤、NHEJ(非相同末端結合)阻害剤)、DNAリガーゼIV、NHEJ阻害剤およびRAF阻害剤、TKIおよびRAF阻害剤、ソラフェニブなどのTKIおよびRAF阻害剤、PDT(光力学療法)増感剤、ATR(毛細血管拡張性運動失調症およびRad3関連プロテインキナーゼ)阻害剤、または前述のうちのいずれかの組み合わせであることが知られているか、または考えられている1つ以上の薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、例えば、フルキンチニブ、モテサニブ/AMG-706、バタラニブなどのVEGFR阻害剤、ポナチニブなどのRTK阻害剤、GS967などのナトリウムチャネル遮断剤、TAE226などのFAK阻害剤、GANT61などのGLI1およびGLI2阻害剤、ビニメチニブなどのMEK阻害剤、リニファニブなどのRTA阻害剤、ブリグスチニブなどのALK阻害剤、ブロモピルビン酸、チオテパなどのDNAアルキル化剤、JSH-23などの核転座因子、Wnt-C59などのPORCn阻害剤、デュタステリドなどの5α-還元酵素阻害剤、カルビシンなどのトポイソメラーゼ阻害剤、Kobe0065などのRAS阻害剤、NVP-231などのCerK阻害剤、アップロセルチブなどのAKT阻害剤、GSK-503などのEZH2阻害剤、OTX015などのBETブロモドメイン阻害剤、BIX02189などのMEK5/ERK5阻害剤、セルデュラチニブなどのSyl/JAK阻害剤、NLG919などのIDO1阻害剤、ベクスロテンなどのレチノイン酸X受容体活性化剤、アコチアミドまたはアクチアミドHClなどのPGP阻害剤、SCH772984などのErk阻害剤、ゲダトリシブなどのPI3K阻害剤、ルキソリチニブなどのJAK阻害剤、アフレセルチブまたはアフレセルチブHClなどのAKT阻害剤、セリチニブなどのALK1阻害剤、アベキシノスタットなどのHDAC阻害剤、オアマリグリプチンなどのDPP阻害剤、ゲフィチニブなどのEGFR阻害剤、GSK126などのEZH2阻害剤、イブルチニブなどのBTK阻害剤、イマチニンHClなどのキナーゼ阻害剤、INCB024360などのIDO阻害剤、マイトマイシンCなどのDNA架橋剤、ニロチニブなどのチロシンキナーゼ阻害剤、オラパリブなどのPARP阻害剤、パクリタキセルなどのチューブリン安定化促進剤、パルボシクリブなどのCDK4/6阻害剤、スニチニブなどのRTK阻害剤、tslsporfinなどのPDT増感剤、タリキダルなどのp-糖タンパク質阻害剤、VE-822などのATR阻害剤、PCI-24781などのHDAC阻害剤、オマリグリプチンなどのDPP阻害剤、ゲフィニブなどのEGFR阻害剤、GSK126などのEZH2阻害剤、イルブチニブなどのBTK阻害剤、INCB024360などのIDO阻害剤、または前述のうちのいずれかの組み合わせなどの1つ以上の化学療法剤と併せて投与され得る。
例えば、IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、例えば、N-アセチルシステイン(NAC)、アドリアマイシン、アレムツズマブ、アミホスチン、三酸化ヒ素、アスコルビン酸、ベンダムスチン、ベバシズマブ、ボルテゾミブ、ブスルファン、ブチオニンスルホキシム、カーフィルゾミブ、カルムスチン、クロファラビン、シクロホスファミド、シクロスポリン、シタラビン、ダサチニブ、ダチノマイシン、デフィブロチド、デキサメタゾン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エトポシド、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、ゲムシタビン、インターフェロンアルファ、イピリムマブ、レナリドマイド、ロイコボリン、メルファラン、ミコフェノール酸モフェチル、パクリタキセル、パリフェルミン、パノビノスタット、ペグフィラスチム、プレドニゾロン、プレドニゾン、レブリミド、リツキシマブ、シロリムス、2-メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム(MESNA)、チオ硫酸ナトリウム、タクロリムス、テモゾロミド、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、ベルケイド、または前述のうちのいずれかの組み合わせなどの別の化学療法剤と併用して投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、葉酸類似体などの1つ以上の代謝拮抗剤、フルオロウラシル、フロキサリジン、およびシトシンアラビノシドなどのピリミジン類似体、メルカプトプリン、チオグナイン、およびペントスタチンなどのプリン類似体、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エトポシド、テルチポシド、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキサルビシン、ブレオマイシン、ミタマイシン、マイトマイシンC、L-アスパラギナーゼ、およびインターフェロンアルファなどの天然産物、シス-プラチナム、およびカルボプラチンなどの白金配位複合体、ミトキサントロン、ヒドロキシ尿素、プロカルバジン、プレドニゾン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、ジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオール、タモキシフェン、プロピオン酸テストステロン、フルオキシメステロン、フルタミド、およびリュープロリドなどのホルモンおよびアンタゴニスト、アンジオスタチン、レチノイン酸、パクリタキセル、エストラジオール誘導体、およびチアゾロピリミジン誘導体などの抗血管新生剤または阻害剤、アポトーシス防止剤、トリプトリド、コルヒチン、ルリコナゾール、ならびに放射線療法を含む、他の化学療法剤とともに併用療法で使用されることができる。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、例えば、O6-ベンジルグアニン(O6-BG)などのDNA修復を阻害する化合物と同時投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、例えば、アバレリックス、アビラテロン、酢酸アビラテロン、n-アセチルシステイン、塩酸アクラルビシン、アドリアマイシン、アデニン、アファチニブ、ジマレイン酸アファチニブ、アレムツズマブ、アレンドロン酸ナトリウム、アリトレチノイン、アロプリノールナトリウム、アルトレタミン、アミホスチン、アミノグルテチミド、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アンギオスタチン、アプレミラスト、アプレピタント、三酸化ヒ素、アスコルビン酸、l-アスパラギナーゼ、アザシチジン、アザチオプリンナトリウム、バゼドキシフェン(血清)、ベリノスタット、ベンダムスチンhcl、O6-ベンジルグアニン、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ビリコダール、硫酸ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ボスチニブ、ブリブジン、ブセレリン、ブスルファン、ブチオニンスルホキシム、カバジタキセル、カボザンチニブ、カペシタビン、カルボプラチン、カルボクオン、カルフィルゾミブ、カルモフル、カルムスチン、セリチニブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロドロン酸二ナトリウム、クロファラビン、クリゾチニブ、シクロホスファミド、シクロスポリン、シタラビン、シトシンアラビノシド、ダブラフェニブ、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダサチニブ、ダチノマイシン、ダウノルビシン、デシタビン、デフリブロチド、酢酸デガレリクス、デキサメタゾン、塩酸デクスラゾキサン、ジアジクオン、ジエチルスチルベストロール、ドセタキセル、ドキシフルリジン、塩酸ドキソルビシン、ドキソルビシン遊離塩基、プロピオン酸ドロスタノロン、デュタステリド、エルトロンボパグ、エンザルタミド、塩酸エピルビシン、メシル酸エリブリン、塩酸エルロチニブ、エストラムスチンリン酸ナトリウム、エチニルエストラジオール、リン酸エトポシド、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、フェンタニル、フィルグラスチム、フィンゴリモド、フロクスウリジン、リン酸フルダラビン、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルタミド、フォルメスタン、ホルミルメルファラン、ホスアプレピタント、フォテムスチン、フルベストラント、ゲフィチニブ、塩酸ゲムシタビン、ゲムシタビン遊離塩基、グルタチオン、グリシホスホルアミド、グリフォスフィン、酢酸ゴセレリン、塩酸グラニセトロン、ヘプタプラチン、5-アミノレブリン酸ヘキシル、酢酸ヒストレリン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、ヒドロキシ尿素、イバンドロン酸ナトリウム、イブルチニブ、イコチニブ、イダルビシンHCl、イデラリシブ、イドクスウリジン、イホスファミド、インターフェロンアルファ、メシル酸イマチニブ、イミキモド、メブチン酸インゲノール、イピリムマブ、塩酸イリノテカン、イキサベピロン、酢酸ランレオチド、ラパチニブ遊離塩基、ラパチニブジトシレート、ラソフォキシフェン、レナリドマイド、レトロゾール、ロイコボリンカルシウム、酢酸ロイプロリド、塩酸レバミゾール、レボロイコボリンカルシウム、ヨーベングアン、ロバプラチン、ロムスチン、マロピタント、マソプロコール、塩酸メクロレタミン、酢酸メゲストロール、酢酸メドロキシプロゲステロン、塩酸メルファラン、メルカプトプリン、メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム、メトトレキサート、メトキサレン、アミノレブリン酸メチル、メチレンブルー、メチルイソインジゴチン、ミファムルチド、ミルテフォシン、ミリプラチン、ミタマイシン、ミトブロニトール、マイトマイシンC、ミトタン、塩酸ミトキサントロン、ミコフェノール酸モフェチル、ナビキシモルス、ナファレリン、ナンドロロン、ネダプラチン、ネララビン、ネツピタント、ニロチニブ、ニルタミド、ニムスチン、ニンテダニブ、ノコダゾール、オクトレオチド、オラパリブ、オマセタキシンメペスクシネート、塩酸オンダンセトロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パルボシクリブ、パリフェルミン、塩酸パロノセトロン、パミドロネート二ナトリウム、パノビノスタット、パシレオチド、塩酸パゾパニブ、ペグフィラスチム、ペメトレキセド二ナトリウム、ペントスタチン、ペプロマイシン、ピポブロマン、ピラルビシン、プレリキサフォル、プリカマイシン、ポマリドミド、ポナチニブ、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プララトレキサート、プレドニムスチン、プレドニゾロン、プレドニゾン、塩酸プロカルバジン、塩酸キナゴリド、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラドチニブ、ラニムスチン、レチノイン酸、レブリミド、リツキシナブ、ロミデプシン、ルキソリチニブ、リン酸ルキソリチニブ、セムスチン、シロリムス、チオ硫酸ナトリウム、ソラフェニブ遊離塩基、トシル酸ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スフェンタニル、スニチニブ、タクロリムス、タラポルフィンナトリウム、タミバロテン、クエン酸タモキシフェン、タペンタドール、テモポルフィン、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テリフルノミド、テルチポシド、テストトラクトン、プロピオン酸テストステロン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、チマルファシン、リン酸トセラニブ、塩酸トポテカン、クエン酸トレミフェン、トラベクテジン、トラメチニブ、トレチノイン、トリロスタン、トリプトレリン、トロピセトロン、ウラムスチン、バルルビシン、バンデタニブ、ベドチン、ベムラフェニブ、ベルテポルフィン、ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、ビンクリスチン遊離塩基、ビンデシン、酒石酸ビノレルビン、ボリノスタット、およびゾレドロン酸などの1つ以上の化学療法剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、例えば、アベマシクリブ、酢酸アビラテロン、ABVD、ABVE、ABVE-PC、AC、アカラブルチニブ、AC-T、ADE、ado-トラスツズマブエムタンシン、マレイン酸アファチニブ、アルデスロイキン、アレクチニブ、アレムツズマブ、アルペリシブ、アミフォスチン、アミノレブリン酸塩酸塩、アナストロゾール、アパルタミド、アプレピタント、三酸化ヒ素、Erwinia chrysanthemi由来アスパラギナーゼ、アテゾリズマブ、アベルマブ、アキシカブタゲンシロルユーセル、アキシチニブ、アザシチジン、BEACOPP、ベリノスタット、塩酸ベンダマスチン、BEP、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ビニメチニブ、硫酸ブレオマイシン、ブリナツモマブ、ボルテゾミブ、ボスチニブ、ブレンツキシマブベドチン、ブリガチニブ、BuMel、ブスルファン、カバジタキセル、カボザンチニブ-s-リンゴ酸塩、CAF、カラスパルガーゼペゴル-mknl、カペシタビン、カプラシズマブ-yhdp、CAPOX、カルボプラチン、カルボプラチン-タキソール、カルフィルゾミブ、カルムスチン、カルムスチンインプラント、CEM、セミプリマブ-rwlc、セリチニブ、セツキシマブ、CEV、クロラムブシル、クロラムブシル-プレドニゾン、CHOP、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、CMF、コビメチニブ、塩酸コパンリシブ、COPDAC、COPP、COPP-ABV、クリゾチニブ、CVP、シクロホスファミド、シタラビン、シタラビンリポソーム、メシル酸ダブラフェニブ、ダカルバジン、ダコミチニブ、ダクチノマイシン、ダラツムマブ、ダルベポエチンα、ダサチニブ、塩酸ダウノルビシン、塩酸ダウノルビシンおよびシタラビンリポソーム、デシタビン、デフィブロチドナトリウム、デガレリクス、デニロイキンディフティトックス、デノスマブ、デキサメタゾン、塩酸デクスラゾキサン、ジヌツキシマブ、ドセタキセル、塩酸ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシンリポソーム、デュルバルマブ、デュベリシブ、エロツズマブ、エルトロンボパグオラミン、エマパルマブ-lzsg、メシル酸エナシデニブ、エンコラフェニブ、エンザルタミド、塩酸エピルビシン、EPOCH、エポエチンアルファ、エルダフィチニブ、メシル酸エリブリン、塩酸エルロチニブ、エトポシド、リン酸エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、fec、フィルグラスチム、リン酸フルダラビン、フルオロウラシル注射、局所用フルオロウラシル、フルタミド、フォルフィリ、フォルフィリ-ベバシズマブ、フォルフィリ-セツキシマブ、フォルフィリノックス、フォルフォックス、ホスタマチニブナトリウム、FU-LV、フルベストラント、ゲフィチニブ、塩酸ゲムシタビン、ゲムシタビン-シスプラチン、ゲムシタビン-オキサリプラチン、ゲムツズマブオゾガマイシン、フマル酸ギルテリチニブ、マレイン酸グラスデギブ、グルカルピダーゼ、酢酸ゴセレリン、グラニセトロン、HPV二価ワクチン、HPV二価ワクチン、組換えHPV無価ワクチン、HPV無価ワクチン組換え、HPV四価ワクチン、HPV四価ワクチン組換え、ヒドロキシ尿素、ハイパーCVAD、イブリツモマブチウキセタン、イブルチニブ、ICE、塩酸イダルビシン、イデラリシブ、イホスファミド、メシル酸イマチニブ、イミキモド、イノツズマブオゾガマイシン、組換えインターフェロンα-2b、ヨーベングアニンI131、イピリムマブ、塩酸イリノテカン、塩酸イリノテカンリポソーム、イボシデニブ、イキサベピロン、クエン酸イキサゾミブ、JEB、酢酸ランレオチド、ラパチニブジトシレート、硫酸ラロトレクチニブ、レナリドミド、メシル酸レンバチニブ、レトロゾール、ロイコボリンカルシウム、酢酸ロイプロリド、ロムスチン、ロルラチニブ、ルテチウムLu 177-ドータテート、塩酸メクロレタミン、酢酸メゲストロール、メルファラン、塩酸メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、メチルナルトレキソン臭化物、ミドスタウリン、マイトマイシンC、塩酸ミトキサントロン、モガムリズマブ-kpkc、モキセツモマブパスドトクス-tdfk、MVAC、ネシツムマブ、ネララビン、マレイン酸ネラチニブ、ネツピタントおよびパロノセトロン塩酸塩、ニロチニブ、ニルタミド、トシル酸ニラパリブ一水和物、ニボルマブ、オビヌツズマブ、OEPA、オファツムマブ、OFF、オラパリブ、オララツマブ、オマセタキシンメペスクシナート、塩酸オンダンセトロン、OPPA、メシル酸オシメルチニブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリタキセル-アルブミン安定化ナノ粒子製剤、PAD、パルボシクリブ、パリフェルミン、塩酸パロノセトロン、塩酸パロノセトロンおよびネツピタント、パミドロン酸二ナトリウム、パニツムマブ、パノビノスタット、塩酸パゾパニブ、PCV、PEB、ペグアスパラガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンα-2b、ペムブロリズマブ、ペメトレキセド二ナトリウム、ペルツズマブ、プレリキサフォル、ポラツズマブベドチン-piiq、ポマリドミド、塩酸ポナチニブ、プララトレキサート、プレドニゾン、塩酸プロカルバジン、塩酸プロプラノロール、ラジウム223二塩化物、塩酸ラロキシフェン、ラムシルマブ、ラスブリカーゼ、ラブリズマブ-cwvz、R-CHOP、R-CVP、組換えHPV二価ワクチン、組換えHPV無価ワクチン、組換えHPV四価ワクチン、組換えインターフェロンα-2b、レゴラフェニブ、R-EPOCH、リボシクリブ、R-ICE、リツキシナブ、リツキシナブおよびヒトヒアルロニダーゼ、塩酸ロラピタント、ロミデプシン、ロミプロスチム、カンシル酸ルカパリブ、リン酸ルキソリチニブ、シルツキシマブ、シプリューセル-t、ソニデジブ、トシル酸ソラフェニブ、STANFORD V、リンゴ酸スニチニブ、TAC、タグラクソフスプ-erzs、トシル酸タラゾパリブ、タルク、タリモジンラヘルパレプベク、クエン酸タモキシフェン、テモゾロミド、テムシロリムス、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、チサゲンレクルユーセル、トシリズマブ、塩酸トポテカン、トレミフェン、TPF、トラベクテジン、トラメチニブ、トラスツズマブ、トラスツズマブおよびヒアルロニダーゼ-oysk、トリフルリジンおよびチピラシル塩酸塩、ウリジントリアセテート、VAC、バルルビシン、VAMP、バンデタニブ、VeIP、ベムラフェニブ、ベネトクラクス、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンクリスチンリポソーム、酒石酸ビノレルビン、vip、ビスモデギブ、ボリノスタット、XELIRI、XELOX、Ziv-アフリベルセプト、ゾレドロン酸、および前述のうちのいずれかの組み合わせなどの1つ以上の化学療法剤と併せて投与され得る。
がんを治療するためのIL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物を投与する有効性は、インビトロおよび動物研究ならびに臨床試験を使用して評価され得る。
がんの治療におけるIL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物の好適性は、当該技術分野に記載される方法によって決定され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、炎症性疾患の治療に有用であり得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、感染性疾患を治療するために、このような治療を必要とする患者に投与され得る。
炎症性疾患の例としては、アレルギー、アルツハイマー病、貧血、強直性脊椎炎、関節炎、アテローム性動脈硬化症、喘息、自閉症、関節炎、手根管症候群、セリアック病、大腸炎、クローン病、うっ血性心不全、皮膚炎、糖尿病、憩室炎、湿疹、線維筋痛、線維症、胆嚢疾患、胃食道逆流症、橋本甲状腺炎、心臓発作、肝炎、過敏性腸症候群、腎不全、狼瘡、多発性硬化症、腎炎、神経障害、膵炎、パーキンソン病、乾癬、リウマチ性多発性筋痛、リウマチ性関節炎、硬化性皮膚炎、脳卒中、外科合併症、および潰瘍性大腸炎が挙げられる。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、自己免疫疾患の治療に有用であり得る。自己免疫疾患は、免疫系が自身のタンパク質、細胞、および/または組織を攻撃する、ヒト疾患として定義され得る。自己免疫疾患の包括的なリストとレビューは、例えば、The Autoimmune Diseases,Rose and Mackay,2014,Academic Pressで見出され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、自己免疫疾患を治療するために、そのような治療を必要とする患者に投与され得る。
自己免疫疾患の例としては、アジソン病、アガマグロブリン血症、脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBN腎炎、抗リン脂質症候群、自己免疫性血管浮腫、自己免疫不全症、自己免疫性脳炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患、自己免疫性心筋炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性蕁麻疹、軸索およびニューロン神経障害、バロ病、ベーチェット病、良性粘膜天疱瘡、大疱瘡性天疱瘡、キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、慢性炎症性脱髄性多発性骨髄炎、チャーグ・ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡、コーガン症候群、寒冷凝集素症、先天性心臓ブロック、コックスサッキー心筋炎、クレスト症候群、クローン病、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病、円板状ループス、ドレスラー症候群、子宮内膜症、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、本態性混合型クリオグロブリン血症、エヴァンス症候群、線維筋痛症、線維化性肺胞炎、巨大細胞動脈炎、巨大細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャーズ症候群、多発性血管炎を伴う肉芽腫症、グレイブス病、ギラン・バレー症候群、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノシュ・ソンレイン紫斑病、妊娠性疱疹または妊娠性類天疱瘡、低ガンマグロブリン血症、IgA腎症、IgG4関連硬化症、免疫血小板減少性紫斑病、包含性体筋炎、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性糖尿病、若年性筋炎、川崎病、ランバート・イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質結膜炎、線状IgA疾患、狼瘡、慢性ライム病、メニエール病、顕微鏡的多発血管炎、混合性結合組織病、ムーレン潰瘍、ムチャ・ハーバーマン病、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、視神経脊髄炎、視神経炎、好中球減少症、眼瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、パリンドローム性リウマチ、PANDAS、傍腫瘍性小脳変性症、発作性夜間ヘモグロビン尿症、パリーロンバーグ症候群、扁平上皮炎、パーソネージターナー症候群、天疱瘡群、末梢神経障害、静脈周囲脳脊髄炎、悪性貧血、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、多発性腺症候群、リウマチ性筋痛、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、プロゲステロン皮膚炎、乾癬、乾癬性関節炎、赤芽球癆、壊疽性膿皮症、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、再発性多発性軟骨炎、レストレスレッグス症候群、腹膜後線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群、硬化症、硬化性皮膚炎、シェーグレン症候群、精子および精巣自己免疫、全身硬直症候群、亜急性細菌性心内膜炎、スザック症候群、交感神経性眼炎、高安動脈炎、側頭動脈炎、血小板減少性紫斑病、トロサハント症候群、横断性脊髄炎、1型糖尿病、潰瘍性大腸炎、未分化型結合組織疾患、ブドウ膜炎、血管炎、白斑、ならびにウェゲナー肉芽腫症が挙げられる。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、例えば、狼瘡、移植片対宿主病、C型肝炎誘発性血管炎、I型糖尿病、多発性硬化症、妊娠の自然喪失、アトピー性疾患、および炎症性腸疾患などの自己免疫障害を治療するために使用されることができる。
IL-7Rαγc結合化合物は、自己免疫疾患を治療するための1つ以上の追加の治療剤とともに投与されることができる。IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、例えば、プレドニゾン、ブデソニド、およびプレドニゾロンなどのコルチコステロイド、トファシチニブなどのヤヌスキナーゼ阻害剤、シクロスポリンおよびタクロリムスなどのカルシニューリン阻害剤、シロリムスおよびエベロリムスなどのmTOR阻害剤、アザチオプリン、レフルノマイド、およびミコフェノール酸塩などのIMDH阻害剤、アバタセプトアダリムマブ、アナキンラ、セルトリズマブ、エタンルセプト、ゴリムマブ、インフリキシマブ、イキセキズマブ、ナタリズマブ、リツキシマブ、セクキヌマブ、トシリズマブ、ウステキヌマブ、およびベドリズマブなどの生物製剤、ならびにバシリキシマブおよびダクリズマブなどのモノクローナル抗体を含む、1つ以上の免疫抑制剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、T細胞の活性化、増殖、代謝、および/または分化と関連する疾患を治療するために患者に投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、臓器移植を治療するために患者に投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、増殖を妨げる、有糸分裂を妨げる、DNA複製を妨げる、またはDNA修復を妨げることが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、免疫不全疾患を治療するために患者に投与され得る。
原発性免疫不全疾患の例としては、自己免疫リンパ増殖性症候群、自己免疫多腺症候群1型、BENTA疾患、カスパーゼ8欠損状態、CARD9欠損症、慢性肉芽腫性疾患、分類不能型免疫不全症、先天性好中球減少症候群、CTLA4欠損症、DOCK8欠損症、GATA2欠損症、グリコシル化障害、高免疫グロブリンE症候群、高免疫グロブリンM症候群、インターフェロンγ、インターロイキン12およびインターロイキン23欠損症、白血球接着欠損症、LRBA欠損症、PI2キナーゼ疾患、PLCG2関連抗体欠損症および免疫調節障害、重症複合免疫不全症、STAT3ドミナントネガティブ疾患、STAT3機能獲得疾患、いぼ、低ガンマグロブリン血症、感染症、および骨髄性細胞貯留(myelokathexis)症候群、ウィスコット・アルドリッチ症候群、X連鎖無ガンマグロブリン血症、X連鎖リンパ増殖症候群、およびXMEN疾患が挙げられる。
続発性免疫不全疾患は、免疫系が、感染、化学療法、重度の火傷、または栄養不良などの環境要因に対して易感染性のときに生じる。続発性免疫不全疾患の例としては、未成熟リンパ器官、記憶免疫の欠如、母体IgGレベルの低下、好中球貯蔵プールの減少、好中球機能の低下、およびナチュラルキラー細胞活性の低下などの新生児免疫不全症、抗原特異的細胞性免疫の低下、T細胞オリゴクローン性、およびB細胞レパートリーの制限などの高齢関連免疫不全症、細胞性免疫応答の低下および週末粘膜障壁などの栄養不良関連免疫不全症、有糸分裂誘発性リンパ増殖の低下、欠陥食作用、および走化性の低下などの糖尿病関連免疫不全症、細胞性免疫応答の低下、記憶抗体応答の生成の低下、および走化性の低下などの慢性尿毒症関連免疫不全症、欠陥食作用、欠陥走化性、および抗原特異的免疫応答の可変欠陥などの遺伝的症候群、ならびにリンパ球減少、細胞免疫応答およびアネルギーの低下、炎症促進性サイトカインの低下、食作用の低下、走化性の低下、好中球減少、および粘膜障壁の脆弱化などの抗炎症性、免疫調節性、および免疫抑制性薬物療法関連免疫不全、リンパ球アポトーシスの増加、寛容原性サイトカインの分泌の増加、血球減少、細胞性免疫およびアネルギーの低下、およびストレス誘発性非特異的免疫活性化などの環境条件、ならびにT細胞リンパ球減少、細胞性免疫応答およびアネルギーの低下、および抗原特異的抗体応答の欠損などの感染性疾患が挙げられる。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、免疫不全患者における免疫応答を増加させるために患者に投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、高齢患者における免疫応答を増加させるために患者に投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、感染性疾患を治療するために患者に投与され得る。
感染性疾患の例としては、アシネトバクター感染症、放線菌症、アフリカ睡眠病(アフリカトリパノソーマ症)、AIDS(後天性免疫不全症候群)、アメーバ症、アナプラズマ症、住血線虫症、アニサキス症、炭疽、Arcanobacterium haemolyticum感染症、アルゼンチン出血熱、回虫症、アスペルギルス症、アストロウイルス感染症、バベシア症、Bacillus cereus感染症、細菌性髄膜炎、細菌性肺炎、細菌性膣症、Bacteroides感染症、バランチジウム症、バルトネラ症、Baylisascaris感染症、ベジェル、梅毒、BKウイルス感染症、黒色砂毛症(black piedra)、ブラストシストシス(blastocystosis)、ブラストミセス症、ボリビア出血熱、ボツリヌス中毒(および乳児ボツリヌス中毒)、ブラジル出血熱、ブルセラ症、腺ペスト、Burkholderia感染症、ブルーリ潰瘍、カリシウイルス感染症(ノロウイルスおよびサポウイルス)、カンピロバクター症、カンジダ症(モニリア症、鵞口瘡)、毛細虫症、カリオン病、ネコひっかき病、蜂巣炎、シャーガス病(アメリカトリパノソーマ症)、軟性下疳、水痘、チクングニア、クラミジア、Chlamydophila pneumoniae感染症(台湾急性呼吸器因子またはTWAR)、コレラ、黒色分芽菌症、ツボカビ症、肝吸虫症、Clostridium difficile大腸炎、コクシジオイデス症、コロラドダニ熱(CTF)、感冒(急性ウイルス性鼻咽喉炎、急性コリーザ、コロナウイルス疾患2019(COVID-19)、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、クリミア・コンゴ出血熱(CCHF)、クリプトコッカス症、クリプトスポリジウム症、皮膚幼虫移行症(CLM)、シクロスポラ症、嚢虫症、サイトメガロウイルス感染症、デング熱、デスモデスムス感染症、二核アメーバ症、ジフテリア、裂頭条虫症、メジナ虫症、エボラ出血熱、エキノコックス症、エーリキア症、腸蟯虫症(蟯虫感染症)、Enterococcus感染症、エンテロウイルス感染症、発疹チフス、エプスタイン・バーウイルス感染症単核症(Mono)、伝染性紅斑(第五病)、急性発疹症(第六病)、肝蛭症、肥大吸虫症、致死性家族性不眠症(FFI)、フィラリア症、Clostridium perfringensによる食中毒、自由生息アメーバ感染症、Fusobacterium感染症、ガス壊疽(クロストリジウム性筋壊死)、ゲオトリクム症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群(GSS)、ジアルジア症、鼻疽、顎口虫症、淋病、鼠径肉芽腫(鼠径リンパ肉芽腫症)、A群連鎖球菌感染症、B群連鎖球菌感染症、Haemophilus influenzae感染症、手足口病(HFMD)、ハンタウイルス肺症候群(HPS)、ハートランドウイルス病、Helicobacter pylori感染症、溶血性尿毒症症候群(HUS)、腎症候性出血熱(HFRS)、ヘンドラウイルス感染症、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、単純ヘルペス、ヒストプラスマ症、鉤虫感染症、ヒトボカウイルス感染症、ヒト・エウィンギー・エーリキア症(human ewingii ehrlichiosis)、ヒト顆粒球性アナプラズマ症(HGA)、ヒトメタニューモウイルス感染症、ヒト単球性エーリキア症、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症、ヒトパラインフルエンザウイルス感染症、条虫症、インフルエンザ(flu)、イソスポーラ症、川崎病、角膜炎、Kingella kingae感染症、クールー病、ラッサ熱、レジオネラ症(レジオネラ疾患)、リーシュマニア症、ハンセン病、レプトスピラ症、リステリア症、ライム病(ライムボレリア症)、リンパ管フィラリア症(象皮症)、リンパ球性脈絡髄膜炎、マラリア、マールブルグ出血熱(MHF)、麻疹、類鼻疽(ホイットモア病)、髄膜炎、髄膜炎菌性病、メタゴニムス症、微胞子虫症、中東呼吸器症候群(MERS)、伝染性軟属腫(MC)、サル痘、ムンプス、発疹熱(地方病性チフス(Endemic typhus))、菌腫、mycoplasma genitalium感染症、マイコプラズマ肺炎、ハエ幼虫症、新生児結膜炎(新生児眼炎)、ニパウイルス感染症、ノカルジア症、ノロウイルス(小児および乳児)、オンコセルカ症(河川盲目症)、オピストルキス症、パラコクシジオイデス症(南アメリカブラストミセス症)、肺吸虫症、パスツレラ症、頭部シラミ症(pediculosis capitis)(アタマジラミ)、体部シラミ症(pediculosis corporis)(コロモジラミ)、ケジラミ症(陰部のシラミ、ケジラミ)、骨盤内炎症性疾患(PID)、百日咳(pertussis)(百日咳(whooping cough))、ペスト、肺炎球菌性感染症、ニューモシスチス肺炎(PCP)、肺炎、灰白髄炎、ポンティアック熱、Prevotella感染症、原発性アメーバ性髄膜脳炎(PAM)、進行性多巣性白質脳症、オウム病、Q熱、狂犬病、回帰熱、呼吸器多核体ウイルス感染症、リノスポリジウム症、ライノウイルス感染症、リケッチア感染症、リケッチア痘症、リフトバレー熱(RVF)、ロッキー山紅斑熱(RMSF)、ロタウイルス感染症、風疹、サルモネラ症、SARS(重症急性呼吸器症候群)、疥癬、猩紅熱、住血吸虫症、敗血症、赤痢菌感染症(細菌性赤痢)、帯状疱疹(帯状ヘルペス)、天然痘(痘瘡)、スポロトリクム症、ブドウ球菌性食中毒、黄色ブドウ球菌感染症、糞線虫症、亜急性硬化性全脳炎、条虫症、破傷風(開口障害)、白癬性毛瘡(かみそり負け(barber’s itch))、異型白癬(頭部白癬)、躯幹白癬(体部白癬)、股部白癬(頑癬)、手白癬(手の白癬)、黒癬、足白癬(水虫)、爪白癬(爪真菌症)、癜風(澱風)、トキソカラ症(眼幼虫移行症(OLM))、トキソカラ症(内臓幼虫移行症(VLM))、トキソプラスマ症、トラコーマ、旋毛虫症、トリコモナス症、鞭虫症(鞭虫感染症)、結核、野兎病、腸チフス熱、発疹チフス、Ureaplasma urealyticum感染症、渓谷熱、ベネズエラウマ脳炎、ベネズエラ出血熱、腸炎ビブリオ性腸炎、vibrio vulnificus感染症、ウイルス性肺炎、西ナイル熱、白砂毛症(白癬(tinea blanca))、黄熱病、Yersinia pseudotuberculosis感染症、エルシニア症、zeaspora症、ジカ熱、および接合菌症が挙げられる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、単独または組み合わせのいずれかで、急性骨髄性白血病、B細胞リンパ腫、慢性骨髄性白血病、うつ病、歯肉不全、C型肝炎、HIV感染症、ヒトパピローマウイルス、特発性CD4リンパ球減少症、臓器移植に続発する免疫不全、リポジストロフィー、カポジ肉腫リンパ腫、リンパ球減少症、マントル細胞リンパ腫、多発性硬化症、骨髄異形成症候群、非ホジキンリンパ腫、再発成人びまん性大細胞リンパ腫、再発濾胞性リンパ腫、関節リウマチ、敗血症、および2型糖尿病を含む疾患を治療するために使用されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、転移性乳がん、乳がん、結腸がん、膀胱がん、転移性前立腺がん、IV期前立腺がん、去勢抵抗性前立腺がん、神経芽腫、黒色腫、腎臓がん、骨髄増殖性腫瘍、肉腫、および神経皮膚腫瘍などのがんを治療するために使用されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、大膠芽腫に対するテモゾロミド、MCC、C5CC、および黒色腫などの皮膚がんを治療するためのアテゾリズマブ、トリプルネガティブ乳がんを治療するためのペムブロリズマブと組み合わせて、ならびに小児急性リンパ芽球性白血病を治療するためのCAR-T療法と組み合わせて使用されることができる。
IL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物は、IL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物と同じ医薬組成物の一部であるか、またはそれとは異なる医薬組成物であり得る、別の治療剤の投与と同時に投与され得る。IL-7Rαγc結合化合物は、別の治療剤の投与の前または後に投与され得る。併用療法では、併用療法は、例えば、特定の薬物に関連する有害な薬物効果を最小限に抑えるために、IL-7Rαγc結合化合物と別の治療剤を含む組成物との間で交互に投与することを含み得る。IL-7Rαγc結合化合物が、例えば、毒性を含む有害な薬物効果を潜在的に生じ得る別の治療剤と同時に投与される場合、他の治療剤は、有害な薬物反応が誘発される閾値を下回る用量で投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物は、IL-7Rαγc結合化合物の化合物の放出、バイオアベイラビリティ、治療有効性、治療効力、安定性、および同等物を増強、変調、および/または制御するために、1つ以上の物質とともに投与され得る。例えば、IL-7Rαγc結合化合物、その代謝産物、または前述のうちのいずれかの医薬組成物の治療有効性を増強するために、胃腸管から全身循環へのIL-7Rαγc結合化合物の吸収もしくは拡散を増加させるか、または対象の血液中のIL-7Rαγc結合化合物の分解を阻害するための1つ以上の活性剤と同時投与され得る。IL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物は、IL-7Rαγc結合化合物の治療有効性を増強する薬理学的効果を有する活性剤と同時投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物、または前述のうちのいずれかを含む医薬組成物は、患者における炎症性疾患または自己免疫疾患の治療に有効であることが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物、または前述のうちのいずれかを含む医薬組成物は、増殖を妨げることが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。IL-7Rαγc結合化合物、または前述のうちのいずれかを含む医薬組成物は、有糸分裂を妨げることが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。IL-7Rαγc結合化合物、または前述のうちのいずれかを含む医薬組成物は、DNA複製を妨げることが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。IL-7Rαγc結合化合物、またはIL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物は、DNA修復を妨げることが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、患者における炎症性疾患または自己免疫疾患を治療するための別の化合物とともに患者に投与され得る。少なくとも1つの他の治療剤は、本開示によって提供される異なるIL-7Rαγc結合化合物であり得る。IL-7Rαγc結合化合物および少なくとも1つの他の治療剤は、相加的または相乗的に作用し得る。少なくとも1つの追加の治療剤は、IL-7Rαγc結合化合物を含む同じ医薬組成物もしくはビヒクルに含まれ得るか、または別個の医薬組成物もしくはビヒクルに含まれ得る。したがって、本開示によって提供される方法は、IL-7Rαγc結合化合物を投与することに加えて、炎症性疾患もしくは自己免疫疾患、または炎症性疾患もしくは自己免疫疾患とは異なる疾患、障害もしくは状態を治療するために有効な1つ以上の治療剤を投与することをさらに含む。本開示によって提供される方法は、IL-7Rαγc結合化合物および1つ以上の他の治療剤を投与することを含むが、但し、併用投与が、IL-7Rαγc結合化合物の治療有効性を阻害しない、かつ/または有害な併用効果を生じないことを条件とする。
本開示によって提供される化合物は、IL-7の産生および受容体結合プロセスに影響を及ぼし、影響を受けると考えられる多くの要因の評価を含む、IL-7の生物学的役割を理解するためのツールとしてインビトロで有用であり得る。本化合物は、IL-7Rに結合し、それを活性化する他の化合物の開発を促進するべき構造と活性と間の関係に関する有用な情報を提供するため、本化合物は、そのような開発においても有用である。
化合物はまた、新しいIL-7受容体アゴニストおよびアンタゴニストをスクリーニングするためのアッセイにおいて競合結合剤としても有用である。そのようなアッセイでは、IL-7Rαγc結合化合物は、修飾なしで使用され得るか、または例えば、検出可能なシグナルを直接もしくは間接的に提供する部分を共有結合もしくは非共有結合することなどの標識によって、様々な方法で修飾され得る。これらのアッセイのうちのいずれにおいても、それらの材料は、直接的または間接的のいずれかで標識され得る。直接標識の可能性としては、例えば、125Iなどの放射標識、ペルオキシダーゼおよびアルカリホスファターゼなどの酵素、ならびに蛍光強度、波長シフト、または蛍光偏光の変化を監視することが可能な蛍光標識などの標識基が挙げられる。間接標識の可能性としては、1つの成分のビオチン化、続いて上記の標識基の1つに結合したアビジンへの結合が挙げられる。化合物は、化合物が固体支持体に付着する場合、スペーサーまたはリンカーも含み得る。
IL-7Rに結合するそれらの能力に基づいて、本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、IL-7Rを検出するための試薬として、例えば、生体細胞上、固定細胞上、生物学的流体中、組織ホモジネート中、精製された、および天然生物学的材料中で使用されることができる。例えば、そのようなペプチドを標識することにより、IL-7RαおよびRγcサブユニットを発現する細胞を同定することができる。加えて、IL-7Rに結合するそれらの能力に基づいて、本開示のIL-7Rαγc結合化合物は、例えば、インサイチュ染色、FACS(蛍光活性化細胞選別)、ウェスタンブロッティング、およびELISAで使用されることができる。加えて、IL-7Rに結合するそれらの能力に基づいて、本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、受容体精製で、または細胞表面上(または透過細胞の内側)でIL-7Rを発現する細胞の精製で使用されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、様々な医学的研究および診断用途のための市販試薬としても利用されることができる。そのような使用としては、例えば、(1)様々な機能アッセイにおける候補IL-7アゴニストの活性を定量するための較正標準としての使用、(2)IL-7依存性細胞株の増殖および成長を維持するための使用、(3)共結晶化を通したIL-7Rの構造解析での使用、(4)IL-7シグナル伝達/受容体活性化の機構を調査するための使用、ならびに(5)IL-7受容体が関与する他の研究および診断用途が挙げられる。
IL-7Rαγc結合化合物には、診断試薬が含まれる。診断剤として、IL-7Rαγcリガンドを含む化合物が、IL-7Rサブユニットを発現する細胞を検出および/または測定するために使用されることができる。化合物は、細胞、または細胞集団、もしくは組織のIL-7R発現のレベルを決定するために使用されることができる。化合物は、細胞または細胞集団におけるIL-7Rに対する結合親和性を評価するために使用されることができる。化合物は、例えば、IL-7R発現レベルに基づいて、特定の種類の細胞を決定するために使用されることができる。
化合物は、インビトロおよびインビボ診断に有用であり得る。
診断的IL-7Rαγc結合化合物は、検出可能なマーカーを含むことができる。検出可能なマーカーは、切断可能または非切断可能であり得る。
検出可能なマーカーは、例えば、放射性標識、蛍光標識、酵素標識を含むことができる。
診断的IL-7Rαγc結合化合物が、患者の血液試料などの生体試料中のIL-7Rαサブユニットを発現する細胞、および/またはIL-7Rαサブユニットを発現する細胞の発現レベルを測定するために使用されることができる。測定は、例えば、フローサイトメトリーを使用して行うことができる。IL-7Rαサブユニットを発現する細胞の数、および/またはIL-7Rαサブユニットの発現レベルは、患者における疾患または患者における疾患の薬理学的に有意なパラメータと相関するときに、疾患の治療を知らせるために使用されることができる。例えば、IL-7Rαサブユニットの発現レベルが、特定の疾患についての治療的に有意義な閾値を上回るか、または下回る場合、本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドを含む化合物が、疾患を治療するために患者に投与されることができる。
IL-7Rαγc結合化合物は、固体支持体に付着することができる。IL-7Rに結合する化合物の能力に基づいて、化合物は、IL-7Rを検出するための試薬として、例えば、生体細胞上、固定細胞上、生物学的流体中、組織ホモジネート中、精製された、および天然生物学的材料中で使用されることができる。加えて、IL-7Rサブユニットに結合するそれらの能力に基づいて、本発明のペプチドは、例えば、インサイチュ染色、FACS(蛍光活性化細胞選別)、ウェスタンブロッティング、およびELISAで使用されることができる。加えて、本開示によって提供される化合物は、受容体精製で、または細胞表面上のIL-7Rを発現する細胞を精製するために、使用されることができる。
本発明の態様は、本開示によって提供されるIL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、およびIL-7Rαγcリガンド構築物をコードする核酸を含む。
本開示によって提供されるIL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、およびIL-7Rαγcリガンド構築物をコードする核酸/単離されたポリヌクレオチドは、IL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、およびIL-7Rαγcリガンド構築物を産生するために使用される宿主細胞に部分的に応じて、発現ベクターに組み込まれることができる。一般に、核酸は、例えば、プロモーター、複製起点、選択可能なマーカー、リボソーム結合部位、および/または誘導因子などの任意の数の調節要素に作動可能に連結されることができる。発現ベクターは、染色体外ベクターまたは組み込みベクターであり得る。
核酸および/または発現ベクターは、CHO細胞などの哺乳動物細胞を用いて、哺乳動物、細菌、酵母、昆虫、および/または真菌細胞を含む任意の数の異なる種類の宿主細胞に形質転換されることができる。
IL-7Rαγcリガンドをコードする核酸は、IL-7Rαリガンドをコードする第1の核酸配列と、ペプチジルリガンドリンカーをコードする第2の核酸配列と、Rγcリガンドをコードする第3の核酸配列とを含むことができる。
IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質をコードする核酸は、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドをコードする第1の核酸配列と、融合パートナーをコードする第2の核酸配列とを含むことができる。IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質をコードする核酸は、IL-7Rαγcリガンドおよび融合パートナーをコードする核酸を含むことができる。IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質をコードする核酸は、構築物リンカーをコードする核酸セグメントをさらに含むことができ、IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質をコードする核酸は、IL-7Rαγcリガンド、融合パートナー、および構築物リンカーをコードする核酸を含むことができる。
融合パートナーは、例えば、HSA、Fc断片、IgG、細胞特異的抗原を対象とした抗体、および細胞特異的受容体を対象とした抗体を含むことができる。
IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質をコードする核酸は、ペプチジルリンカーをコードする核酸をさらに含むことができ、ペプチジルリンカーは、IL-7Rαγcリガンドを融合パートナーに結合するように構成される。
本開示によって提供される核酸は、IL-7Rαγcリガンドと、IL-7RαγcリガンドのC末端をHSAに結合するリンカーとを含む、融合タンパク質をコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、IgG1、IgG2、またはIgG4の二量体Fc断片と、IL-7Rαγcリガンドと、IL-7RαγcリガンドのN末端を二量体Fc断片の1つのCH3ドメインのC末端に結合するリンカーとを含む、融合タンパク質をコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、IgG1、IgG2、またはIgG4の二量体Fc断片と、2つのIL-7Rαγcリガンドと、2つのIL-7RαγcリガンドのそれぞれのN末端を二量体Fc断片の各CH3ドメインのC末端に結合するリンカーとを含む、融合タンパク質をコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、IgG1、IgG2、またはIgG4などの免疫グロブリン分子の重鎖と、IL-7Rαγcリガンドと、IL-7RαγcリガンドのN末端をFc領域のC末端に結合するFcリンカーとを含む、融合タンパク質をコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物、ならびにRNAおよび/またはDNAワクチンをコードする核酸を含むことができる。
本開示によって提供される核酸は、IL-7Rαγcワクチン構築物をコードする核酸を含むことができる。ワクチンは、例えば、がんワクチンまたはウイルスワクチンを含むことができる。
本開示によって提供される核酸は、ウイルス表面抗原を含むIL-7Rαγc構築物をコードする核酸を含むことができる。
本開示によって提供される核酸は、ウイルス様粒子を含むIL-7Rαγc構築物をコードする核酸を含むことができる。
本開示によって提供される核酸は、配列番号389~410および420~556のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、配列番号389~410および420~556のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列、配列番号389~410および420~556のうちのいずれか1つの置換アミノ酸配列を含む、IL-7Rαリガンドをコードすることができるか、または配列番号389~410および420~556のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、配列番号407および454~474のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むIL-7Rαリガンドをコードすることができるか、または配列番号407および454~474のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、配列番号944~1031のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、配列番号944~1031のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列、配列番号944~1031のうちのいずれか1つの置換アミノ酸配列を含む、Rγcリガンドをコードすることができるか、または配列番号944~1031のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むRγcリガンドをコードすることができるか、または配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、配列番号407および454~474のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むIL-7Rαリガンドを含む、IL-7Rαγcリガンドをコードすることができるか、または配列番号407および454~474のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードすることができ、ならびに配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むIL-7Rgcリガンドをコードすることができるか、または配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、配列番号2012~2023および2058~2120のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むIL-7Rαγcリガンドをコードすることができるか、または配列番号2012~2023および2058~2120のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、配列番号2012、2084~2087、および2091~2120のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むIL-7Rαγcリガンドをコードすることができるか、または配列番号2012、2084~2087、および2091~2120のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、配列番号407および454~474のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、または配列番号407および454~474のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を含む、IL-7Rαγcリガンド構築物、ならびに配列番号965および1029~1031のアミノ酸配列、または配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を含む、Rγcリガンドをコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、本開示によって提供される2つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むタンデムIL-7Rαγcリガンドをコードすることができる。
本発明の態様は、本開示によって提供されるIL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、またはIL-7Rαγcリガンド構築物をコードする核酸を含む、発現ベクターを含む。
本発明の態様は、本開示によって提供されるIL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、またはIL-7Rαγcリガンド構築物をコードする核酸を含む、発現ベクターを含む宿主細胞をさらに含む。
本開示によって提供される方法は、IL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、またはIL-7Rαγcリガンド構築物が発現される条件下で、宿主細胞が、本開示によって提供されるIL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、またはIL-7Rαγcリガンド構築物をコードする核酸を含む発現ベクターを含む、宿主細胞を培養することと、発現されたIL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、またはIL-7Rαγcリガンド構築物を回収することとを含む、本開示によって提供されるIL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、またはIL-7Rαγcリガンド構築物を作製する方法を含む。
発明の態様
本発明は、以下の態様によってさらに定義される。
態様1.IL-7Rαγcリガンドであって、
(a)IL-7Rαリガンドであって、IL-7Rαリガンドが、式(1)(配列番号389)、式(1a)(配列番号390)、式(1b)(配列番号391)、または式(1c)(配列番号392)のアミノ酸配列を含み、
Figure 2023514128000041

式中、
201が、H、I、Q、およびVから選択され、
202が、C、P、およびRから選択され、
203が、I、K、L、S、V、およびWから選択され、
204が、CおよびHから選択され、
205が、A、I、L、M、T、およびWから選択され、
206が、D、L、およびWから選択され、
207が、D、I、L、およびQから選択され、
208が、D、E、およびPから選択され、
209が、G、S、およびTから選択され、
210が、A、G、L、およびSから選択され、
211が、F、I、L、およびMから選択され、
212が、G、H、L、N、Q、およびSから選択され、
213が、Cであり、
214が、A、E、I、L、S、T、およびVから選択され、
215が、F、R、W、およびYから選択され、
216が、E、L、Q、およびWから選択される、IL-7Rαリガンドと、
(b)Rγcリガンドであって、Rγcリガンドが、式(3)(配列番号944)、式(3a)(配列番号945)、式(3b)(配列番号946)、式(3c)(配列番号947)、式(3d)(配列番号948)、または式(3e)(配列番号949)のアミノ酸配列を含み、
Figure 2023514128000042

式中、
171が、H、K、およびRから選択され、
172が、S、T、およびYから選択され、
173が、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
174が、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
175が、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
176が、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択され、
177が、DおよびEから選択され、
178が、F、H、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
179が、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択され、
180が、Gであり、
181が、Vであり、
182が、Eであり、
183が、Lであり、
184が、Wから選択され、
185が、F、I、L、M、V、W、Y、H、N、Q、S、およびTから選択され、
186が、Eであり、
187が、アミノ酸から選択され、
188が、DおよびEから選択される、Rγcリガンドと、を含む、IL-7Rαγcリガンド。
態様2.式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、
201が、I、Q、およびVから選択され、
202が、CおよびPから選択され、
203が、Wであり、
204が、CおよびHから選択され、
205が、TおよびWから選択され、
206が、DおよびLから選択され、
207が、DおよびLから選択され、
208が、EおよびPから選択され、
209が、GおよびSから選択され、
210が、LおよびSから選択され、
211が、Lであり、
212が、QおよびSから選択され、
213が、Cであり、
214が、AおよびVから選択され、
215が、Wであり、
216が、Lである、態様1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様3.式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、
201が、Iであり、
202が、CおよびPから選択され、
203が、Wであり、
204が、CおよびHから選択され、
205が、TおよびWから選択され、
206が、DおよびLから選択され、
207が、Dであり、
208が、Pであり、
209が、Gであり、
210が、LおよびSから選択され、
211が、Lであり、
212が、Qであり、
213が、Cであり、
214が、AおよびVから選択され、
215が、Wであり、
216が、Lである、態様1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様4.式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、
201が、Qであり、
202が、Cであり、
203が、I、L、K、およびVから選択され、
204が、Hであり、
205が、Wであり、
206が、Dであり、
207が、IおよびLから選択され、
208が、Eであり、
209が、SおよびTから選択され、
210が、Lであり、
211が、Lであり、
212が、G、L、N、およびSから選択され、
213が、Cであり、
214が、I、L、およびVから選択され、
215が、Rであり、
216が、Eである、態様1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様5.式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、
201が、IおよびVから選択され、
202が、Pであり、
203が、Wであり、
204が、Cであり、
205が、Tであり、
206が、Lであり、
207が、Dであり、
208が、Pであり、
209が、Gであり、
210が、LおよびSから選択され、
211が、Lであり、
212が、Qであり、
213が、Cであり、
214が、Aであり、
215が、Wから選択され、
216が、Lである、態様1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様6.IL-7Rαリガンドが、式(1)、式(1a)、式(1b)、または式(1c)の切断アミノ酸配列を含む、態様1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様7.IL-7Rαリガンドのアミノ酸のうちの1~5個が、独立して、別のアミノ酸で置換される、態様1~8のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様8.IL-7Rαリガンドのアミノ酸配列が、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)(配列番号2045)を含む、態様1~7のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様9.IL-7Rαリガンドが、アミノ酸配列との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様1~8のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様10.IL-7Rαリガンドが、配列番号389~410および420~556のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、態様1~9のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様11.IL-7Rαリガンドが、配列番号393389~410および420~556のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含む、態様10に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様12.IL-7Rαリガンドが、配列番号407および454~474のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、態様10に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様13.IL-7Rαリガンドのアミノ酸のうちの1~5個が、独立して、別のアミノ酸で置換される、態様10~12のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様14.アミノ酸配列が、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)(配列番号2045)を含む、態様10~13のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様15.IL-7Rαリガンドが、配列番号389~410および420~556のうちのいずれか1つとの60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様10~14のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様16.IL-7Rαリガンドが、配列番号407および454~474のアミノ酸配列を含む、態様1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様17.IL-7Rαリガンドが、配列番号407および454~474の切断アミノ酸配列を含む、態様16に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様18.IL-7Rαリガンドのアミノ酸のうちの1~5個が、独立して、別のアミノ酸で置換される、態様16~17のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様19.アミノ酸配列が、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)(配列番号2045)を含む、態様16~18のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様20.IL-7Rαリガンドが、配列番号407および454~474との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様16~19のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様21.式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、
171が、H、K、およびRから選択され、
172が、S、T、およびYから選択され、
173が、DおよびEから選択され、
174が、Vであり、
175が、DおよびEから選択され、
176が、EおよびQから選択され、
177が、DおよびEから選択され、
178が、F、H、W、およびYから選択され、
179が、D、E、およびQから選択され、
180が、Gであり、
181が、Vであり、
182が、Eであり、
183が、Lであり、
184が、Wであり、
185が、F、I、L、M、V、W、Y、H、N、Q、S、およびTから選択され、
186が、Eであり、
187が、アミノ酸から選択され、
188が、DおよびEから選択される、態様1~20のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様22.式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、
171が、H、K、およびRから選択され、
172が、S、T、およびYから選択され、
173が、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
174が、Vであり、
175が、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
176が、EおよびQから選択され、
177が、DおよびEから選択され、
178が、F、H、W、およびYから選択され、
179が、D、E、およびQから選択され、
180が、Gであり、
181が、Vであり、
182が、Eであり、
183が、Lであり、
184が、Wであり、
185が、F、I、L、M、V、W、Y、H、N、Q、S、およびTから選択され、
186が、Eであり、
187が、アミノ酸から選択され、
188が、DおよびEから選択される、態様1~20のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様23.式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、
171が、H、K、およびRから選択され、
172が、S、T、およびYから選択され、
173が、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
174が、Vであり、
175が、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
176が、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択され、
176が、EおよびQから選択され、
177が、DおよびEから選択され、
178が、Wであり、
179が、D、E、およびQから選択され、
180が、Gであり、
181が、Vであり、
182が、Eであり、
183が、Lであり、
184が、Wであり、
185が、F、I、L、M、V、W、Y、H、N、Q、S、およびTから選択され、
186が、Eであり、
187が、アミノ酸から選択され、
188が、DおよびEから選択される、態様1~20のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様24.Rγcリガンドアミノ酸のうちの1~5個が、独立して、別のアミノ酸で置換される、態様1~23のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様25.Rγcリガンドのアミノ酸配列が、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)(配列番号2045)を含む、態様1~24のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様26.Rγcリガンドが、アミノ酸配列との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様1~25のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様27.Rγcリガンドが、配列番号944~1031のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、態様1~20のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様28.Rγcリガンドが、配列番号944~1031のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含む、態様1~20のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様29.IL-7Rαリガンドのアミノ酸のうちの1~5個が、独立して、別のアミノ酸で置換される、態様27~28のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様30.IL-7Rαリガンドのアミノ酸配列が、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)(配列番号2045)を含む、態様27~29のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様31.Rγcリガンドが、配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つとの60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様27~30のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様32.Rγcリガンドが、配列番号965および1029~1031のアミノ酸配列を含む、態様1~20のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様33.Rγcリガンドが、配列番号965および1029~1031の置換アミノ酸配列を含む、態様1~20のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様34.IL-7Rαリガンドが、配列番号965および1029~1031の切断アミノ酸配列を含む、態様1~20のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様35.IL-7Rαリガンドのアミノ酸のうちの1~5個が、独立して、別のアミノ酸で置換される、態様32~34のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様36.アミノ酸配列が、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)(配列番号2045)を含む、態様32~35のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様37.IL-7Rαリガンドが、配列番号407および454~474との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様32~36のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様38.Rγcリガンドが、配列番号965または1029~1031との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様32~37のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様39.IL-7Rαリガンドが、配列番号389~410および420~556のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、配列番号389~410および420~557のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列、または配列番号389~410および420~556のうちのいずれか1つとの60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含み、
Rγcリガンドが、配列番号944~1031のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、配列番号944~1031のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列、または配列番号944~1031のうちのいずれか1つとの60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様40.IL-7Rαリガンドが、配列番号407および454~474のアミノ酸配列、配列番号407および454~474の切断アミノ酸配列、または配列番号407および454~474との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含み、
Rγcリガンドが、配列番号965もしくは1029~1031のアミノ酸配列、配列番号965もしくは1029~1031の切断アミノ酸配列、または配列番号965もしくは1029~1031との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様41.IL-7Rαリガンドが、IL-7Rαリガンドの2つのシステインのそれぞれの間のジスルフィド結合を含む、態様1~40のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様42.Rγcリガンドが、Rγcリガンドの2つのシステインの間のジスルフィド結合を含む、態様1~41のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様43.IL-7Rαγcリガンドが、IL-7RαリガンドのシステインとRγcリガンドのシステインとの間のジスルフィド結合を含む、態様1~40のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様44.IL-7Rαリガンドのシステインのそれぞれが、ジスルフィド結合によってRγcリガンドのシステインに結合される、態様1~40のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様45.IL-7Rαリガンドが、IL-7Rαサブユニットの特異的結合部位に結合し、
(1)IL-7Rαリガンドの群が、10μM未満のIC50でIL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位に結合し、
(2)群内のIL-7Rαリガンドのそれぞれが、群内の他のIL-7RαリガンドのそれぞれとIL-7Rαサブユニット上の特異的結合部位に競合的に結合し、
(3)配列番号965のアミノ酸配列を有するペプチドが、IL-7Rαリガンドの群内のペプチドと、IL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位への結合について競合せず、
(4)配列番号5、43、104、146、および313を有するIL-7Rαリガンドが、IL-7Rαに結合するIL-7と競合的に結合しない、態様1~44のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様46.IL-7Rαリガンドが、100μM未満のIC50でIL-7Rαサブユニットに結合し、
IL-7Rαリガンドが、100μM超のIC50でRγcサブユニットに結合する、態様1~45のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様47.Rγcリガンドが、Rγcサブユニットの特異的結合部位に結合し、
(1)Rγcリガンドの群が、10μM未満のIC50でRγcサブユニット上の特異的結合部位に結合し、
(2)群内のRγcリガンドが、群内の他のRγcリガンドとRγcサブユニット上の特異的結合部位に競合的に結合し、
(3)群内のRγcリガンドが、配列番号930のアミノ酸配列を有するRγcリガンドと特異的結合部位への結合について競合せず、
(4)配列番号58のアミノ酸配列を有するRαリガンドが、Rγcリガンドの群と結合部位への結合について競合せず、
Rγcリガンドの群が、配列番号198、202、224、236、248、および266を有する、態様1~46のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様48.Rγcリガンドが、100μM未満のIC50でRγcサブユニットに結合し、
Rγcリガンドが、100μM超のIC50でRαサブユニットに結合する、態様1~47のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様49.IL-7RαリガンドのC末端および/またはN末端のそれぞれが、独立して、2~10個の隣接アミノ酸を含む、態様1~48のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様50.IL-7RαリガンドのC末端および/またはN末端のそれぞれが、独立して、-G-、-GG-(配列番号9399)、-GGG-(配列番号9400)、および-GGGG-(配列番号9401)から選択される隣接アミノ酸を含む、態様1~49のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様51.RγcリガンドのC末端および/またはN末端のそれぞれが、独立して、2~10個の隣接アミノ酸を含む、態様1~48のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様52.RγcリガンドのC末端および/またはN末端のそれぞれが、独立して、-G-、-GG-(配列番号9399)、-GGG-(配列番号9400)、および-GGGG-(配列番号9401)から選択される隣接アミノ酸を含む、態様1~48のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様53.IL-7Rαγcリガンドが、IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドに結合されたリガンドリンカーをさらに含む、態様1~52のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様54.IL-7RαリガンドのC末端およびRγcリガンドのC末端が、IL-7Rαγcリガンドリンカーに結合される、態様53に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様55.IL-7RαリガンドのC末端およびRγcリガンドのN末端が、IL-7Rαγcリガンドリンカーに結合される、態様53に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様56.IL-7RαリガンドのN末端およびRγcリガンドのC末端が、IL-7Rαγcリガンドリンカーに結合される、態様53に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様57.IL-7RαリガンドのN末端およびRγcリガンドのN末端が、IL-7Rαγcリガンドリンカーに結合される、態様53に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様58.IL-7Rαγcリガンドリンカーが、5Å~200Åの長さを有する、態様53~57のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様59.IL-7Rαγcリガンドリンカーが、IL-7RへのIL-7Rαγcリガンドの結合を促進するように構成される、態様53~58のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様60.IL-7Rαγcリガンドリンカーが、IL-7Rを活性化するように構成される、態様53~59のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様61.IL-7Rαγcリガンドリンカーが、合成IL-7Rαγcリガンドリンカーを含む、態様53~60のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様62.合成IL-7Rαγcリガンドリンカーが、トリアゾールを含む、態様61に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様63.IL-7Rαγcリガンドリンカーが、ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーを含む、態様53~60のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様64.ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーが、2~20個のアミノ酸を含む、態様63に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様65.ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーが、(G)(配列番号9390)、(GS)(配列番号9391)、(GGS)(配列番号9392)、(GGGS)(配列番号9393)、(GGGGS)(配列番号9394)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択され、各nが、独立して、1~5の整数である、態様63~64のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様66.IL-7Rαγcリンカーが、切断可能なIL-7Rαγcリガンドリンカーを含む、態様53~65のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様67.IL-7Rαγcリガンドが、
配列番号407および454~474のアミノ酸配列、配列番号407および454~474の切断アミノ酸配列、または配列番号407および454~474との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、IL-7Rαリガンドと、
配列番号965もしくは1029~1031のアミノ酸配列、配列番号965もしくは1029~1031の切断アミノ酸配列、または配列番号965もしくは1029~1031との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、Rγcリガンドと、を含む、態様53~66のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様68.IL-7Rαγcリガンドリンカーが、(G)(配列番号9390)、(GS)(配列番号9391)、(GGS)(配列番号9392)、(GGGS)(配列番号9393)、(GGGGS)(配列番号9394)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択され、各nが、独立して、1~5の整数である、態様57に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様69.IL-7Rαγcリガンドリンカーが、-GGGGSGG-(配列番号9404)を含む、態様67に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様70.IL-7Rαγcリガンドが、配列番号2012~3023および2058~2132のアミノ酸配列、または配列番号2012~3023および2058~2132との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様71.IL-7Rαγcリガンドが、1つ以上の隣接グリシンを含む、態様70に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様72.アミノ酸配列が、1~5個の置換を含む、態様70~71のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様73.IL-7Rαγcリガンドが、配列番号2012、2084~2087、および2091~2120のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、または配列番号2012、2084~2087、および2091~2120のうちのいずれか1つとの60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様74.IL-7Rαリガンドのシステインが、ジスルフィド結合によって互いに結合され、
Rγcリガンドのシステインが、ジスルフィド結合によって互いに結合される、態様73に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様75.IL-7Rαリガンドのシステインが、Rγcリガンドのシステインに結合される、態様73~74のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様76.IL-7Rαγcリガンドが、完全IL-7Rアゴニストである、態様1~75のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様77.IL-7Rαγcリガンドが、部分的IL-7Rアゴニストである、態様1~75のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様78.IL-7Rαγcリガンドが、IL-7Rアンタゴニストである、態様1~75のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様79.IL-7Rαγcリガンドが、TF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化経路のためのIL-7Rアゴニストである、態様1~75のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様80.タンデムIL-7Rαγcリガンドであって、タンデムIL-7Rαγcリガンドが、態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンドのうちの2つ以上を含む、タンデムIL-7Rαγcリガンド。
態様81.2つ以上のIL-7Rαγcリガンドのそれぞれが、同じである、態様80に記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド。
態様82.2つ以上のIL-7Rαγcリガンドのうちの少なくとも1つが、別のIL-7Rαγcリガンドとは異なる、態様80~81のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド。
態様83.2つ以上のIL-7Rαγcリガンドのそれぞれが、タンデムリンカーを介して別のIL-7Rαγcリガンドに結合される、態様80~82のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド。
態様84.第1のIL-7RαγcリガンドのC末端が、タンデムリンカーに結合され、
第2のIL-7RαγcリガンドのN末端が、タンデムリンカーに結合される、態様80~83のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド。
態様85.タンデムリンカーが、ペプチジルタンデムリンカーを含む、態様80~84のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド。
態様86.ペプチジルタンデムリンカーが、2~20個のアミノ酸を含む、態様85に記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド。
態様87.ペプチジルタンデムリンカーが、5Å~200Åの長さを有する、態様85~86のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド。
態様88.IL-7Rαγcリガンド構築物であって、IL-7Rαγcリガンド構築物が、構築物パートナーに結合された態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンドのうちの1つ以上を含む、IL-7Rαγcリガンド構築物。
態様89.IL-7Rαγcリガンド構築物が、2つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含み、
2つ以上のIL-7Rαγcリガンドのそれぞれが、同じである、態様88に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様90.IL-7Rαγcリガンド構築物が、2つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含み、
2つ以上のIL-7Rαγcリガンドのうちの少なくとも1つが、他のIL-7Rαγcリガンドのうちの少なくとも1つとは異なる、態様88に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様91.構築物リンカーをさらに含み、IL-7Rαγcリガンドが、構築物リンカーを介して構築物パートナーに結合される、態様88~90のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様92.IL-7Rαγcリガンドが、IL-7RαγcリガンドのC末端を介して構築物リンカーに結合される、態様91に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様93.IL-7Rαγcリガンドが、IL-7RαγcリガンドのN末端を介して構築物リンカーに結合される、態様91に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様94.構築物リンカーが、ペプチジル構築物リンカーを含む、態様91に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様95.ペプチジル構築物リンカーが、2~200個のアミノ酸を含む、態様94に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様86.ペプチジル構築物リンカーが、5Å~200Åの長さを有する、態様94~95のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様97.ペプチジル構築物リンカーが、(G)(配列番号9380)、(GS)(配列番号9381)、(GGS)(配列番号9382)、(GGGS)(配列番号9383)、(GGGGS)(配列番号9384)、(PA)(配列番号9421)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択され、各nが、独立して、1~20の整数である、態様94~96のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様98.構築物リンカーが、切断可能な構築物リンカーを含む、態様88~97のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様99.構築物パートナーが、ポリペプチドを含み、
IL-7Rαγcリガンドが、ポリペプチドのC末端および/またはN末端に結合される、態様88~98のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様100.構築物パートナーが、ポリペプチドを含み、
IL-7Rαγcリガンドが、ポリペプチドのアミノ酸側鎖に結合される、態様88~99のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様101.構築物パートナーが、ポリペプチドを含み、
IL-7Rαγcリガンドが、ポリペプチドに組み込まれる、態様88~100のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様102構築物パートナーが、患者の体循環においてIL-7Rαγcリガンドに所望の薬物動態特性を付与するように構成された化合物を含む、態様88~101のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様103.構築物パートナーが、患者の体内でIL-7Rαγcリガンドに所望の生体分布特性を付与するように構成された化合物を含む、態様88~102のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様104.構築物パートナーが、ポリマー、ポリペプチド、Fc断片、免疫グロブリン断片、および抗体から選択される、態様88~103のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様105.構築物パートナーが、ワクチンを含む、態様88~103のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様106.構築物パートナーが、ウイルス表面抗原またはウイルス様粒子を含む、態様88~103のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様107.構築物パートナーが、ヒト血清アルブミン、ポリペプチド、およびポリエチレングリコールから選択される、態様88~103のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様108.IL-7Rαγcリガンド構築物が、組換え融合タンパク質を含む、態様88~103のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様109.IL-7Rαγcリガンド構築物が、配列番号2012~2023および2058~2132のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号2012~2023および2058~2132のうちのいずれか1つとの60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様88~108のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様110.IL-7Rαγcリガンドが、配列番号2012~2023および2058~2132のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、または配列番号2012~2023および2058~2132のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様88~108のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様111.IL-7Rαγcリガンドが、配列番号2012、2084~2087、および2091~2120のアミノ酸配列、または配列番号2012、2084~2087、および2091~2120との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様88~108のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様112.構築物パートナーが、Fc断片を含む、態様88~103のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様113.Fc断片が、IgG1、IgG2、もしくはIgG4、または前述のうちのいずれかの変異体に由来する、態様112に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様114.IL-7Rαγcリガンドが、Fc断片のC末端に結合される、態様112~113のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様115.IL-7Rαγcリガンドが、Fc断片のN末端に結合される、態様112~113のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様116.IL-7Rαγcリガンドが、Fc断片リンカーを介してFc断片に結合される、態様115に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様117.Fc断片リンカーが、ペプチジルFc断片リンカーを含む、態様116に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様118.ペプチジルFc断片リンカーが、2~200個のアミノ酸を含む、態様115~116のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様119.ペプチジルFc断片リンカーが、5Å~200Åの長さを有する、態様115~128のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様120.ペプチジルFc断片リンカーが、(G)(配列番号9380)、(GS)(配列番号9381)、(GGS)(配列番号9382)、(GGGS)(配列番号9383)、(GGGGS)(配列番号9384)、(PA)(配列番号9421)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択され、各nが、独立して、1~20の整数である、態様115~119のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様121.構築物パートナーが、免疫グロブリン断片である、態様88~103のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様122.免疫グロブリン断片が、IgG1断片、IgG2断片、およびIgG4断片から選択される、態様121に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様123.IL-7Rαγcリガンドが、免疫グロブリン断片のC末端に結合される、態様121~122のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様124.IL-7Rαγcリガンドが、免疫グロブリン断片のN末端に結合される、態様121~123のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様125.IL-7Rαγcリガンドが、免疫グロブリンリンカーを介して免疫グロブリン断片に結合される、態様121~124のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様126.免疫グロブリンリンカーが、ペプチジル免疫グロブリンリンカーを含む、態様121~125のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様127.ペプチジル免疫グロブリンリンカーが、2~200個のアミノ酸を含む、態様126に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様128.ペプチジル免疫グロブリンリンカーが、5Å~200Åの長さを有する、態様121~127のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様129.ペプチジル免疫グロブリンリンカーが、(G)(配列番号9380)、(GS)(配列番号9381)、(GGS)(配列番号9382)、(GGGS)(配列番号9383)、(GGGGS)(配列番号9384)、(PA)(配列番号9421)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択され、各nが、独立して、1~20の整数である、態様121~128のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様130.少なくとも1つのIL-7Rαγcリガンドが、免疫グロブリン重鎖に結合される、態様121~129のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様131.少なくとも1つのIL-7Rαγcリガンドが、免疫グロブリン軽鎖に結合される、態様121~130のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様132.構築物パートナーが、抗体を含む、態様88~103のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様133.抗体が、腫瘍抗原を対象とする、態様132に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様134.腫瘍抗原が、CEAおよびFAPから選択される、態様133に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様135.抗体が、チェックポイント阻害剤を対象とする、態様132~134のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様136.チェックポイント阻害剤が、PD-1である、態様135に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様137.PD-1抗体が、セミプリマブおよびペムブロリズマブから選択される、態様136に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様138.抗体が、細胞特異的抗原を対象とする、態様132~137のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様139.細胞特異的抗原が、CD25、NK62D、およびCD8から選択される、態様138に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様140.抗体が、サイトカインをさらに含む、態様132~139のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様141.サイトカインが、インターロイキンを含む、態様140に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様142.IL-7Rαγcリガンド構築物が、細胞標的化部分を含む、態様88~103のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様143.細胞標的化部分が、腫瘍標的化部分を含む、態様142に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様144.細胞標的化部分が、免疫細胞標的化部分を含む、態様142に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様145.IL-7Rαγcリガンド構築物が、ユビキチン様修飾因子をさらに含む、態様88~103のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様146.IL-7Rαγcリガンド構築物が、IL-7Rαγcリガンドに加えて、治療的有効部分をさらに含む、態様88~103のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様147.IL-7Rαγcリガンド構築物が、完全IL-7Rアゴニストである、態様88~146のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様148.IL-7Rαγcリガンド構築物が、部分的IL-7Rアゴニストである、態様88~146のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様149.IL-7Rαγcリガンド構築物が、IL-7Rアンタゴニストである、態様88~146のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様150.IL-7Rαγcリガンド構築物であって、IL-7Rαγcリガンド構築物が、構築物パートナー、構築物パートナーに結合された少なくとも1つのIL-7Rαリガンド、および構築物パートナーに結合された少なくとも1つのRγcリガンドを含み、
(a)少なくとも1つのIL-7Rαリガンドが、
式(1)、式(1a)、式(1b)、もしくは式(1c)のアミノ酸配列、
式(1)、式(1a)、式(1b)、もしくは式(1c)の切断アミノ酸配列、または
式(1)(配列番号389)、式(1a)(配列番号390)、式(1b)(配列番号391)、もしくは式(1c)(配列番号392)のアミノ酸配列との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含み、
Figure 2023514128000043

式中、
201が、H、I、Q、およびVから選択され、
202が、C、P、およびRから選択され、
203が、I、K、L、S、V、およびWから選択され、
204が、CおよびHから選択され、
205が、A、I、L、M、T、およびWから選択され、
206が、D、L、およびWから選択され、
207が、D、I、L、およびQから選択され、
208が、D、E、およびPから選択され、
209が、G、S、およびTから選択され、
210が、A、G、L、およびSから選択され、
211が、F、I、L、およびMから選択され、
212が、G、H、L、N、Q、およびSから選択され、
213が、Cであり、
214が、A、E、I、L、S、T、およびVから選択され、
215が、F、R、W、およびYから選択され、
216が、E、L、Q、およびWから選択され、
(b)少なくとも1つのRγcリガンドであって、Rγcリガンドが、
式(3)、式(3a)、式(3b)、式(3c)、式(3d)、もしくは式(3e)のアミノ酸配列、
式(3)、式(3a)、式(3b)、式(3c)、式(3d)、もしくは式(3e)の切断アミノ酸配列、または
式(3)(配列番号944)、式(3a)(配列番号945)、式(3b)(配列番号946)、式(3c)(配列番号947)、式(3d)(配列番号948)、もしくは式(3e)(配列番号949)のアミノ酸配列との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含み、
Figure 2023514128000044

式中、
171が、H、K、およびRから選択され、
172が、S、T、およびYから選択され、
173が、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
174が、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
175が、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
176が、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択され、
177が、DおよびEから選択され、
178が、F、H、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
179が、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択され、
180が、Gであり、
181が、Vであり、
182が、Eであり、
183が、Lであり、
184が、Wから選択され、
185が、F、I、L、M、V、W、Y、H、N、Q、S、およびTから選択され、
186が、Eであり、
187が、アミノ酸から選択され、
188が、DおよびEから選択される、IL-7Rαγcリガンド構築物。
態様151.構築物パートナーに結合されたIL-7Rαγcリガンドを含み、IL-7Rαγcリガンドが、IL-7Rαγcリガンドリンカーと、IL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されたRγcリガンドとを含む、態様150に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様152.
IL-7Rαリガンドが、配列番号407および454~474のアミノ酸配列、配列番号407および454~474の切断アミノ酸配列、または配列番号407および454~474との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含み、
Rγcリガンドが、配列番号965もしくは1029~1031のアミノ酸配列、配列番号965もしくは1029~1031の切断アミノ酸配列、または配列番号965もしくは1029~1031との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様150~151のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様153.IL-7Rαリガンドのシステインが、ジスルフィド結合によって互いに結合され、
Rγcリガンドのシステインが、ジスルフィド結合によって互いに結合される、態様150~152のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様154.少なくとも1つのIL-7Rαリガンドのそれぞれおよび少なくとも1つのRγcリガンドのそれぞれが、構築物リンカーを介して構築物パートナーに結合される、態様150~153のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様155.少なくとも1つのIL-7Rαリガンドのそれぞれが、同じであり、
少なくとも1つのRγcリガンドのそれぞれが、同じである、態様150~154のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様156.IL-7Rαリガンドのうちの少なくとも1つが、他のIL-7Rαリガンドのうちの少なくとも1つとは異なり、および/または
Rγcリガンドのうちの少なくとも1つが、他のRγcリガンドのうちの少なくとも1つとは異なる、態様150~154のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様157.構築物パートナーが、Fc断片、免疫グロブリン断片、または免疫グロブリンを含む、態様150~156のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様158.構築物パートナーが、ポリペプチドまたはポリマーを含む、態様150~156のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様159.少なくとも1つのIL-7Rαγcリガンドをさらに含み、少なくとも1つのIL-7Rαγcリガンドが、構築物パートナーに結合される、態様150~158のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様160.患者においてがんを治療する方法であって、治療的有効量の態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド、態様80~87のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド、態様88~149のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、態様150~159のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、または前述のうちのいずれかの組み合わせを、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む、方法。
態様161.患者において自己免疫疾患を治療する方法であって、治療的有効量の態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド、態様80~87のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド、態様88~149のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、態様150~159のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、または前述のうちのいずれかの組み合わせを、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む、方法。
態様162.患者において炎症性疾患を治療する方法であって、治療的有効量の態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド、態様80~87のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド、態様88~149のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、態様150~159のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、または前述のうちのいずれかの組み合わせを、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む、方法。
態様163.免疫細胞を増殖させる方法であって、エクスビボまたはインビボで免疫細胞の集団を、有効量の態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド、態様80~87のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド、態様88~149のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、態様150~159のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、または前述のうちのいずれかの組み合わせと接触させることを含む、方法。
態様164.免疫細胞を増殖させる方法であって、エクスビボまたはインビボで免疫細胞の集団を、有効量の態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド、態様80~87のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド、態様88~149のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、態様150~159のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、または前述のうちのいずれかの組み合わせと接触させることを含む、方法。
態様165.ワクチンを強化する方法であって、ワクチンおよび治療的有効量の態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド、態様80~87のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド、態様88~149のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、態様150~159のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、または前述のうちのいずれかの組み合わせを患者に投与することを含む、方法。
態様166.免疫応答を修飾する方法であって、有効量の態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド、態様80~87のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド、態様88~149のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、態様150~159のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、または前述のうちのいずれかの組み合わせを患者に投与することを含む、方法。
態様167.態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド、態様80~87のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド、態様88~149のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、態様150~159のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、または前述のうちのいずれかの組み合わせを含む、医薬組成物。
態様168.化学療法剤、免疫調節剤、チェックポイント阻害剤、ワクチン、または前述のうちのいずれかの組み合わせをさらに含む、態様167に記載の医薬組成物。
態様169.態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド、態様80~87のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド、態様88~149のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、態様150~159のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、または前述のうちのいずれかの組み合わせをコードする、核酸。
態様170.IL-7Rαリガンドをコードする核酸であって、IL-7Rαリガンドが、配列番号389~410および420~556のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、配列番号389~410および420~556のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列、または配列番号389~410および420~556のうちのいずれか1つとの60%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、核酸。
態様171.IL-7Rαリガンドをコードする核酸であって、IL-7Rαリガンドが、配列番号407および454~474のアミノ酸配列、配列番号407および454~474の切断アミノ酸配列、または配列番号407および454~474のうちのいずれか1つとの60%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、核酸。
態様172.Rγcリガンドをコードする核酸であって、Rγcリガンドが、配列番号944~1031のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、配列番号944~1031のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列、または配列番号944~1031のうちのいずれか1つとの60%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、核酸。
態様173.Rγcリガンドをコードする核酸であって、Rγcリガンドが、配列番号965もしくは1029~1031のアミノ酸配列、配列番号965もしくは1029~1031の切断アミノ酸配列、または配列番号965もしくは1029~1031との60%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、核酸。
態様174.態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンドをコードする核酸。
態様175.IL-7Rαγcリガンドが、
配列番号407および454~474のアミノ酸配列、配列番号407および454~474の切断アミノ酸配列、または配列番号407および454~474との60%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、IL-7Rαリガンドと、
配列番号965もしくは1029~1031のアミノ酸配列、配列番号965もしくは1029~1031の切断アミノ酸配列、または配列番号965もしくは1029~1031との60%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、Rγcリガンドとを含む、態様174に記載の核酸。
態様176.IL-7Rαγcリガンドが、配列番号2012、2084~2087、および2091~2120のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、配列番号2012、2084~2087、および2091~2120のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列、または配列番号2012、2084~2087、および2091~2120のうちのいずれか1つとの60%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様174に記載の核酸。
態様177.IL-7Rαγcリガンドが、配列番号2012、2084~2087、および2091~2120を含むアミノ酸配列、配列番号2012、2084~2087、および2091~2120の切断アミノ酸配列、または配列番号2012、2084~2087、および2091~2120との60%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様174に記載の核酸。
態様178.態様177に記載のタンデムIL-7Rαγcリガンドをコードする核酸であって、
IL-7Rαγcリガンドリンカーのそれぞれが、独立して、ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーを含み、
タンデムリンカーのそれぞれが、独立して、ペプチジルタンデムリンカーを含む、核酸。
態様179.構築物リンカーが、ペプチジル構築物リンカーを含む、態様88~149のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物をコードする核酸。
態様180.IL-7Rαγcリガンド構築物が、配列番号1212~1217、1219、および124~1252のうちのいずれか1つとの60%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様179に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物をコードする核酸。
態様181.IL-7Rαγcリガンド構築物をコードする核酸であって、IL-7Rαγcリガンド構築物が、配列番号1212~1217、1219、および124~1252のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む、核酸。
態様182.態様88~149のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物をコードする核酸。
態様183.IL-7Rαリガンドであって、IL-7Rαリガンドが、式(2)のアミノ酸配列(配列番号500)、式(2a)のアミノ酸配列(配列番号501)、式(2b)のアミノ酸配列(配列番号502)、式(2c)のアミノ酸配列(配列番号503)、式(2d)のアミノ酸配列(配列番号504)、式(2e)のアミノ酸配列(配列番号505)、式(2f)のアミノ酸配列(配列番号506)、または式(2g)のアミノ酸配列(配列番号507)を含み、
Figure 2023514128000045

式中、
198が、A、G、P、S、およびTから選択され、
199が、F、H、W、およびYから選択され、
200が、A、G、H、K、P、R、S、およびTから選択され、
210が、A、G、P、S、およびTから選択され、
217が、A、G、H、K、P、R、S、およびTから選択され、
218が、アミノ酸および単結合から選択され、
219が、アミノ酸および単結合から選択される、IL-7Rαリガンド。
態様184.
198が、VおよびGから選択され、
199が、HおよびWから選択され、
200が、RおよびGから選択され、
210が、GおよびSから選択され、
217が、RおよびGから選択され、
218が、Q、G、Kおよび単結合から選択され、
219が、G、H、M、および単結合から選択される、態様183に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様185.X198が、Vであり、X199が、Hであり、X200が、Rである、態様183~184のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様186.X198が、Gであり、X199が、Wであり、X200が、Gである、態様183~184のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様187.X210が、Gである、態様183~186のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様188.X210が、Sである、態様183~186のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様189.X217が、Rである、態様183~188のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様190.X217が、Rであり、X218が、Qであり、X219が、Mである、態様183~188のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様191.X217が、Gであり、X218が、Kであり、X219が、Hである、態様183~188のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様192.IL-7Rαリガンドが、N末端および/またはC末端上に1~5個の隣接グリシンを含む、態様183~191のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様193.リガンドが、配列番号500~507のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列または切断アミノ酸配列を含む、態様183~191のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様194.リガンドが、配列番号500~507のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号500~507のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含み、アミノ酸配列が、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)を含む、態様183~191のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様195.リガンドが、配列番号500~507のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号500~507のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含み、アミノ酸配列が、1~5個のアミノ酸置換などの1つ以上のアミノ酸置換を含む、態様183~191のいずれか1つのIL-7Rαγcリガンド。
態様196.リガンドが、配列番号500~507のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸配列または切断アミノ酸配列類似性を含む、態様183~191のいずれか1つのIL-7Rαγcリガンド。
態様197.リガンドが、ファージELISA競合アッセイを使用して決定される10μM未満のIC50でhIL-7Rαサブユニットに結合する、態様183~196のいずれか1つのIL-7Rαγcリガンド。
態様198.IL-7が結合するIL-7Rαサブユニット上の結合部位とは異なる、IL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位に結合する、態様183~197のいずれか1つのIL-7Rαγcリガンド。
態様199.IL-7Rαγcリガンドであって、リガンドが、配列番号2110~2124のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含み、
Figure 2023514128000046


式中、X400が、例えば、(G)n(配列番号9390)、(GS)n(配列番号9391)、(GGS)n(配列番号9392)、(GGGS)n(配列番号9393)、(GGGGS)n(配列番号9394)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択され、nが、独立して、1~5の整数である、IL-7Rαγcリガンド。
態様200.X400が、-GGGGSGG-(配列番号9404)である、態様199に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様201.リガンドが、一方または両方の末端上の2つの隣接グリシンなどの各末端上の隣接グリシンを含む、態様199~200のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様202.リガンドが、配列番号2110~2124のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含む、態様199~202のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様203.リガンドが、配列番号2110~2124のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号2110~2124のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含み、アミノ酸配列が、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)を含む、態様199~202のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様204.前記リガンドが、配列番号2110~2124のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号2110~2124のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含み、アミノ酸配列が、1~5個のアミノ酸置換などの1つ以上のアミノ酸置換を含む、態様199~202のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換である。
態様205.リガンドが、100μM未満のIC50でヒトRγcサブユニットに結合する、態様199~204のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様206.リガンドが、配列番号2110~2124のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様199~205のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様207.IL-7が結合するIL-7Rαサブユニット上の結合部位とは異なる、IL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位に結合する、態様199~205のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様208.IL-7Rαγcリガンドであって、IL-7Rαγcリガンドが、式(4)のアミノ酸配列(配列番号2125)、式(6a)のアミノ酸配列(配列番号2126)、式(6b)のアミノ酸配列(配列番号2127)、式(6c)のアミノ酸配列(配列番号2128)、式(6d)のアミノ酸配列(配列番号2129)、式(6e)のアミノ酸配列(配列番号2130)、式(6f)のアミノ酸配列(配列番号2131)、式(6g)のアミノ酸配列(配列番号2132)、式(6g)~(6g)のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列、または前述のいずれかの組み合わせのうちのいずれか1つのアミノ酸配列を有するペプチドから選択され、
Figure 2023514128000047

式中、
198が、A、G、P、S、T、およびVから選択され、
199が、F、H、W、およびYから選択され、
200が、A、G、H、K、P、R、S、およびTから選択され、
210が、A、G、P、S、およびTから選択され、
217が、A、G、H、K、P、R、S、およびTから選択され、
218が、アミノ酸および単結合から選択され、X219が、アミノ酸および単結合から選択され、
400が、(G)(配列番号9390)、(GS)(配列番号9391)、(GGS)(配列番号9392)、(GGGS)(配列番号9393)、(GGGGS)(配列番号9394)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択され、nが、1~5の整数である、IL-7Rαγcリガンド。
態様209.X198が、VおよびGから選択され、
199が、HおよびWから選択され、
200が、RおよびGから選択され、
210が、GおよびSから選択され、
217が、RおよびGから選択され、
218が、Q、G、Kおよび単結合から選択され、
219が、G、H、M、および単結合から選択される、態様208に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様210.X198が、Vであり、X199が、Hであり、X200が、Rである、態様208~209のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様211.X198が、Gであり、X199が、Wであり、X200が、Gである、態様208~209のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様212.X210が、Gである、態様208~211のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様213.X210が、Sである、態様208~211のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様214.X217が、Rである、態様208~213のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様215.X217が、Rであり、X218が、Qであり、X219が、Mである、態様208~213のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様216.X217が、Gであり、X218が、Kであり、X219が、Hである、態様208~213のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様217.X400が、-GGGGSGG-(配列番号9404)である、態様208~216のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様218.IL-7Rαリガンドが、N末端および/またはC末端上に1~5個の隣接グリシンを含む、態様208~217のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様219.リガンドが、配列番号2125~2132のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列または切断アミノ酸配列を含む、態様208~217のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様220.リガンドが、配列番号2125~2132のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号2125~2132のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含み、アミノ酸配列が、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)を含む、態様208~217のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様221.リガンドが、配列番号2125~2132のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号2125~2132のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含み、アミノ酸配列が、1~5個のアミノ酸置換などの1つ以上のアミノ酸置換を含む、態様208~217のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様222.リガンドが、配列番号2125~2132のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸配列または切断アミノ酸配列類似性を含む、態様208~217のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様223.リガンドが、ファージELISA競合アッセイを使用して決定される10μM未満のIC50でhIL-7Rαサブユニットに結合する、態様208~222のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様224.IL-7が結合するIL-7Rαサブユニット上の結合部位とは異なる、IL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位に結合する、態様208~223のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
以下の実施例は、本開示によって提供される、IL-7Rαγcリガンドを合成する方法、IL-7Rαγc構築物を合成する方法、ならびにIL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγcリガンド構築物の活性を決定する方法、ならびに実験結果を詳細に記載する。以下の実施例はまた、本開示によって提供される、IL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγc構築物の特性を決定するための方法を詳細に記載する。材料および方法の両方に対する多くの修正が、本発明の範囲から逸脱することなく実践され得ることは、当業者には明白であろう。
実施例では、IL-7Rαサブユニットは、ヒトIL-7Rα(CD127タンパク質、Fcタグ)(21~236)、アクセッション番号P16871-1を指し、ACRObiosystems,Inc.から製品番号ILB-H5258で入手された。
Rγcサブユニットは、ヒトRγc(CD132タンパク質、Fcタグ)(23~254)、アクセッション番号AAH14972を指し、ACRObiosystems,Inc.から製品番号ILG-H5256で入手された。
実施例1
IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドの化学合成
2-クロロトリチル樹脂(1g、1.5mmole/g、Anaspec製)をDMFで洗浄し(2回)、次いで、50mLのDMF中で10分間静置させた。膨張した樹脂を、0.5MでDMF中に溶解された5当量のアミノ酸および5当量のHATUから調製されたFmoc-グリシンの活性化溶液で処理した後、10当量のDIEAを添加し、混合物を25℃で30分間穏やかに撹拌した。樹脂を洗浄し(DMF、THF、DCM、およびMeOH)、乾燥させて、Fmoc保護樹脂を得た。次いで、Fmoc基を、DMF中の30%ピペリジンで樹脂を穏やかに20分間振とうし、続いて洗浄(DMF、THF、DCM、およびMeOH)し、乾燥させることによって除去した。次いで、樹脂を、HATU活性化によるFmoc-アミノ酸カップリング、およびピペリジンによるFmoc除去の反復サイクルに供し、所望のアミノ酸配列を構築した。配列内の4つのシステイン残基を用いた例を除いて、標準的な95%TFA不安定アミノ酸側鎖保護基を使用した。4つのシステインを有する化合物に関して、樹脂の近位にある2つのシステイン残基については、Trt保護を使用し、樹脂の遠位にある2つのシステイン残基については、Acm保護を使用した。二量体配列の最終アミノ酸からFmocを除去した後、場合によっては、末端アミン基をDMF中の無水酢酸(10当量)およびDIEA(20当量)で20分間アシル化し、続いて上記のように洗浄した。
完成したペプチドを、25℃で3時間のTFA(95体積%)、水(2.5体積%)、およびトリイソプロピルシラン(2.5体積%)の溶液中の懸濁によって、樹脂から切断した。TFA溶液を、5℃まで冷却し、EtO中に注ぎ、ペプチドを沈殿させた。濾過および減圧下での乾燥により、所望のペプチドを得た。C18カラムを用いた分取HPLCを介した精製により、還元状態の2つのC末端チオール基を有する純粋なペプチドを得た。このペプチドを20%DMSO/水(1mg乾燥重量ペプチド/mL)中に溶解し、25℃で36時間静置させ、次いで、逆相HPLCにより精製して、ジスルフィド架橋によって連結された2つのC末端チオールを有するペプチドを提供した。4つのシステインを含有する化合物では、次いで、2つのN末端Acm保護システイン残基を、0.1mmoleのペプチドを50%酢酸/HOおよび2.5mLの1M HCl中に溶解させ、窒素雰囲気下で撹拌しながら、5mLの0.1Mヨウ素(氷酢酸中、5当量)を滴加して添加することにより、脱保護した。脱保護/酸化反応を、完全な反応を確実にするために、頻繁にモニタリング(分析HPLC)しながら25℃で2時間進行させた。反応を、氷冷ジエチルエーテル(9体積当量)を添加することによって停止した。得られた溶液をドライアイス上で冷却し(3分)、エーテル溶液を慎重にデカントし、得られた淡黄色の固体を分取逆相HPLC(95%)によって精製して、IL-7RαおよびRγcリガンドを有する最終的なペプチド二量体を得た。
実施例2
クリックケミストリーを使用したIL-7Rαγcリガンドの合成
IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドのペプチド配列を、実施例1に記載の標準的な固相合成条件およびFmoc保護アミノ酸を使用して別々に合成した。
Rinkアミド-MBHA樹脂(1g、1.5mmole/g、Anaspec)をDMFで洗浄し(2回)、次いで、50mLのDMF中で10分間静置させた。膨張した樹脂の別々の部分を、DMF中に0.5Mで溶解された5当量のアミノ酸および5当量のHATUから調製されたFmoc-プロパルギルグリシン(IL-7Rαリガンド)または2-(Fmoc-NH)-5-アジド-ペンタン酸(Rγcリガンド)の活性化溶液のいずれかで処理し、続いて10当量のDIEAを添加し、混合物を25℃で30分間穏やかに撹拌した。樹脂を洗浄し(DMF、THF、DCM、およびMeOH)、乾燥させて、Fmoc保護樹脂を得た。次いで、Fmoc基を、DMF中の30%ピペリジンで樹脂を穏やかに20分間振とうし、続いて洗浄(DMF、THF、DCM、およびMeOH)し、乾燥させることによって除去した。次いで、樹脂を、HATU活性化によるFmoc-アミノ酸カップリング、およびピペリジンによるFmoc除去の反復サイクルに供して、所望のRγcリガンドアミノ酸配列および所望のIL-7Rαリガンドアミノ酸配列を得た。標準的な95%TFA不安定アミノ酸側鎖保護基をすべての残基に使用した。各リガンド配列の最終アミノ酸からFmocを除去した後、末端アミン基を、DMF中の無水酢酸(10当量)およびDIEA(20当量)で20分間アシル化した。
各完成したリガンドを、25℃で3時間のTFA(95%)、水(2.5%)、およびトリイソプロピルシラン(2.5%)の溶液中の懸濁によって、樹脂から切断した。TFA溶液を5℃まで冷却し、EtO中に注ぎ、ペプチドを沈殿させた。減圧下での濾過および乾燥により、所望のリガンドを得た。C18カラムを用いた分取HPLCによる精製により、還元状態の2つのチオール基を有する純粋なペプチドを得た。リガンドを20%DMSO/水(1mg乾燥重量ペプチド/mL)中に別々に溶解し、25℃で36時間静置させ、次いで、逆相HPLCにより精製して、分子内ジスルフィド架橋を介して連結された2つのチオールを有するIL-7RαおよびRγcリガンドを提供した。
精製アルキン含有IL-7Rαリガンドの2.0mM溶液の10分の2(0.2)mLを、1:1のHO/tBuOH中にリガンドを溶解することによって調製した。同様に、精製アジド含有リガンドの0.2mLの2.4mM溶液を、同じ溶媒を使用して調製した。HO中の0.1mLの100mM CuSO、3:1のDMSO/tBuOH中のDIEPA、ピリジン、またはTHPTA(トリス(3-ヒドロキシプロピルトリアゾリルメチル)アミン)などの0.1mLの250mMのCu(I)キレート剤、HO中の0.1mLの0.5Mアスコルビン酸、および0.3mLの3:2のtBuOH/HOとともに、2つのリガンド溶液を組み合わせ、嫌気条件下にて45℃で反応を進行させた。反応の進行をLC/MSによって頻繁にモニタリングし、追加のアジド含有リガンドおよびCuSOを添加して、反応を完了させた。最大量のアルキンが消費された(約3時間)後、約8mLの1:1のHO/ACNの添加によって反応をクエンチし、ペプチド二量体を、分取スケールのC18 HPLCカラムを使用して精製した(95%)。
IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドを含む合成ヘテロ二量体の構造が、図13Aおよび13Bに示される。IL-7RαおよびRγcリガンドの末端の構造ならびにヘテロ二量体のためのリンカーの構造が、表1~3に示される。リンカー、アルキニル末端基、およびアジド末端基の構造については、表1~3を参照のこと。配列番号は、隣接アミノ酸がないアミノ酸配列を指す。
実施例3
異なるリガンド付着配向を有するIL-7RαγcリガンドによるTF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化
IL-7Rαγcリガンドを、TF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化の誘導について評価した。TF-1-7α細胞は、共通のγc受容体(Rγc)を天然に発現するが、IL-7Rαを発現しない、成長因子依存性ヒト赤白血病細胞株TF-1(ATCC番号CRL-2003)に由来した。細胞を、ヒト全長IL-7Rαによるトランスフェクションによって、IL-7応答性であるように操作した。より高いレベルのIL-7Rαを発現する細胞株を、IL-7の増殖によって選択し、IL-7RαおよびRγcサブユニットの両方の発現レベルを、qPCR解析によって検証した。
STAT5リン酸化の誘導のための化合物を試験するために、TF-1-7α細胞を、T75フラスコ内の飢餓培地(GM-CSFまたはrhIL-7補足物を含まない、RPMI 1640+2.5g/Lのグルコース+5%FBS+2mMのL-グルタミン+1mMのNaPyr+10mMのHEPES)中で5×10細胞/mLにおいて一晩飢餓させた。翌日、細胞を、96ウェルV底プレートに2×10細胞/ウェルでプレーティングした。飢餓培地中のIL-7Rα/RγcリガンドまたはIL-7の3倍連続希釈液を細胞に添加し、37℃で30分間インキュベートした。10×細胞溶解緩衝液(Cell Signaling Technology #9803)ならびに1×HALTホスファターゼおよびプロテアーゼ阻害剤カクテル(Thermo Fisher #78442)の混合物をウェルに直接添加することによって、細胞抽出物を調製した。プレートを25℃で5分間撹拌して、即時使用のための細胞抽出物を調製したか、または-80℃で保存した。pSTAT5の検出を、PathScan(登録商標)Phospho-Stat5(Tyr694)Sandwich ELISA Kit(Cell Signaling Technology #7113)を使用して実施した。細胞抽出物を、マウス抗ホスホ-STAT5抗体でプレコーティングし、4℃で一晩インキュベートしたマイクロウェルに添加した。次いで、ウェルをPBSで洗浄し、結合したホスホ-STAT5(Tyr694)を、ウサギ抗STAT5検出抗体を添加し、37℃で1時間インキュベートすることによって検出した。ウェルをPBSで洗浄し、抗ウサギIgG HRP連結抗体を各ウェルに添加した。最終洗浄後、TMB基質溶液を添加して、各ウェル内のHRPの量を測定した。450nmにおける吸光度を、マイクロプレートリーダーで読み取った。生成されたシグナルは、各細胞抽出物中のリン酸化STAT5の量に比例する。
結果が、図2に提示される。図2で評価されたIL-7Rαγcリガンドの構造が、図13A~13Bに提供される。
実施例4
IL-7Rαγcリガンドを組み込む組換え融合タンパク質
哺乳動物発現ベクターを構築して、完全長ヒトIgG、またはヒトIgG2の重鎖およびヒンジ領域のCH2およびCH3ドメインからなるFc断片に連結されたIL-7Rαγcリガンドを発現した。各ベクターは、強力な構成的プロモーター(CMVまたはhEF1-HTLV)および融合タンパク質を培養培地中に分泌するためのIL-2シグナルペプチド配列を含んだ。ベクターは、ペプチドリガンドが、免疫グロブリンタンパク質のN末端またはC末端のいずれかに融合することを可能にし、IL-7RαγcリガンドとIgGとの間に様々な長さの構築物リンカーを組み込むように設計された。融合タンパク質を、ポリエチレンイミン試薬PEI MAX(Polysciences,Inc)を使用して細胞内にプラスミドDNAをトランスフェクトすることによって、293ヒト胎児腎臓細胞(FreeStyle(登録商標)293-F)において一過性に発現させた。トランスフェクトされた細胞を、125rpmで回転するオービタルシェーカー上の37℃加湿COインキュベーターにおけるシェーカーフラスコ内のFreeStyle(登録商標)293発現培地(ThermoFisher)中で増殖させた。培養物を、遠心分離によってトランスフェクションの96時間後に回収し、分泌された融合タンパク質を、プロテインA親和性クロマトグラフィーを使用して上清から精製した。
プロテインAアガロース樹脂を、培養上清と混合し、室温で数時間インキュベートした。次いで、樹脂をPBSで3回洗浄し、結合したIgG IL-7Rα/Rγcリガンド融合物を、0.1Mのグリシン緩衝液(pH2.8)で溶出した。溶出物を1Mのトリス緩衝液で中和し、NanoDrop(登録商標)分光光度計を使用して280nmにおける吸光度を測定することによって定量した。タンパク質の一次配列から導出した計算された吸光係数を使用して、タンパク質濃度を決定した。バイオアッセイにおける融合タンパク質の活性を測定する前に、サイズ排除クロマトグラフィーを使用して、高分子量の不純物を除去した。
実験例で使用されたIL-7Rαγcリガンド融合タンパク質のアミノ酸配列が、図14A~14Dおよび図17A~17Dに提供される。hIgG2 Fc断片は、IgG2重鎖のCH2およびCH3ドメインならびにヒンジ領域からなるFc領域を指す。ヒンジ領域の第1および第2のシステインをセリンで置き換えて、有害なジスルフィド架橋を防止した。Fc領域の最後のアミノ酸(リジン)を、融合安定性のためにアラニンに置き換えた。IgG2 Fc融合構築物のN末端は、Ala-Pro-Leu(InvivoGenベクター由来)を含み得る。
実施例5
IL-7RαγcリガンドによるTF-1 7α細胞およびヒト/カニクイザルPBMCにおけるSTAT5リン酸化
合成ペプチドヘテロ二量体およびFc融合タンパク質を含むIL-7Rαγcリガンドのアゴニスト活性を、TF-1 7Rα細胞ならびに初代ヒトおよびカニクイザル末梢血単核細胞(PBMC)におけるSTAT5リン酸化アッセイで評価した。化合物を細胞とインキュベートし、実施例3に記載の方法を使用して、STAT5リン酸化を濃度の関数として測定した。TF-1 7Rα細胞におけるSTAT5リン酸化アッセイからの結果が、図3、18、および22に提示される。ヒトPBMCにおけるSTAT5リン酸化アッセイの結果が、図4に示され、活性化されたカニクイザルPBMCについては、図19に示される。
図3、4、18、19、および22で評価されたIL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγc融合構築物の構造が、図13、14、17および表4に提供される。
実施例6
IL-7RαγcリガンドによるヒトPBMCからのCD4+およびCD8+細胞の増殖
ヒトPBMCを、密度勾配遠心分離(Lymphoprep(登録商標)、Stemcell Technologies #07811)によってバフィーコートから単離し、T75フラスコ中で3×10細胞/mLにおいてT細胞培地(CTS OpTmizer(登録商標)、ThermoFisher #A1048501)中で一晩培養した。翌日、細胞を新鮮な培地中に再懸濁し、96ウェル細胞培養プレートに5×10細胞/ウェルでプレーティングした。IL-7またはIL-7Rαリガンドのいずれかの3倍連続希釈液を細胞に添加し、37℃で4日間インキュベートした。処理後、細胞を、生存性染料(Live/Dead(登録商標)Fixable Aqua Cell Stain Kit、ThermoFisher #L34965)中で37℃において30分間インキュベートし、その後、次いで、表面抗体染色をPBS+2%FBS中で氷上で30分間実施した。細胞を固定し、氷上で30分間、固定/透過性緩衝液(eBioscience Foxp3/Transcription Staining Buffer Set、ThermoFisher #00-5523-00)で透過処理した。細胞内(Ki-67)染色を、30分間氷上で、透過性緩衝液中で実施し、処理された細胞を、FACS分析の前にPBS+2%FBS中に再懸濁した。CD4およびCD8 T細胞集団を、それぞれ、CD3+CD4+CD8-およびCD3+CD8+CD4-として同定した。
細胞表面および細胞内染色に使用された抗体コンジュゲートが、表5に示される。
Figure 2023514128000048

IL-7RαγcリガンドB(図13A)および配列番号1212を有するhIgG2-Fc IL-7Rα/Rγcリガンド融合タンパク質(図14A)は、CD8+CD4およびCD4+CD8 T細胞におけるKi-67増殖アッセイを使用して決定されるIL-7と同等のEC50を示した。結果が、それぞれ、図5および6に提示される。IL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγc融合構築物の構造が、図13A~13Bおよび14A~14Dに提供される。
実施例7
ペプチド切断
IL-7Rαサブユニットへの結合に対する配列番号454を有するIL-7RαリガンドのC末端およびN末端アミノ酸切断の影響を調査した。
切断IL-7Rαリガンド配列を、実施例1に記載の標準的な固相合成条件およびFmoc保護アミノ酸を使用して合成した。一連のペプチドを、配列番号454を有するIL-7RαリガンドのC末端からGly-Gly、Met-Gly、Gln-Met-Gly(配列番号2087)、またはArg-Gly-Gly(配列番号2088)を省略して、かつN末端からVal、Val-His、Val-His-Arg、または-Val-His-Arg-Ile(配列番号2089)を省略して合成した。切断IL-7Rαリガンドのアミノ酸配列が、表6に示される。
Figure 2023514128000049

合成IL-7RαペプチドリガンドのIL-7Rαへの結合を、競合的結合ELISAを使用して評価した。マイクロタイタープレートウェルを、1μg/mLにおけるIL-7Rα-Fc(CD127タンパク質、Fcタグ、ECD 21-236、ACRObiosystems,Inc、カタログ番号ILA-H5258)で、PBS中でウェル当たり50μLで少なくとも1時間コーティングした。プレートを洗浄緩衝液(200μL、0.05%Tween(登録商標)-20(Sigma)を含有するPBS)で1回洗浄した。ブロッキング緩衝液(1%BSA(BSA画分V、VWRカタログ番号97061-416)を含有するPBS)でウェルを1時間ブロックした。ペプチドの連続希釈液を、最終濃度の2倍において、96ウェルポリプロピレンプレート中のアッセイ緩衝液(0.5%BSAおよび0.05%Tween(登録商標)-20を含有するPBS)中で調製した。配列番号454を有する参照IL-7Rαペプチドリガンドの末端ビオチン化形態を使用して、NeutrAvidin-HRP(NA-HRP、ThermoFisherカタログ番号31030)とのプレ複合体(bnPeptide::NA-HRPと称されるプレ複合体)を作製した。bnPeptide::NA-HRPプレ複合体を、1.5μLの100μMビオチン化ペプチド、2μLのNA-HRP、および11.5PBSを混合することによって調製し、4℃で少なくとも45分間インキュベートした。ウェルを遮断した後、プレートをプレート洗浄機で洗浄し、ペプチドの連続希釈液を添加し(50μL/ウェル)、プレートをプレートシェーカー上で4℃において1時間インキュベートした。bnPeptide:NA-HRPプレ複合体を40nMに希釈し、洗浄することなく、50μLを各アッセイウェルに添加した。プレートを4℃に戻し、45分間インキュベートした。プレート洗浄機および冷たい洗浄緩衝液を使用してプレートを洗浄した。50μLのTMB One Component HRP Microwell基質(TMB、Surmodicsカタログ番号TMBW-1000-01)を、次いで、各ウェルに添加し、ウェルを25℃で1~10分間インキュベートした。50μLの溶液(Surmodicsカタログ番号LSTP-0100-0)を、次いで添加し、プレートを450nmで読み取った。
結果が、図7および図8に示される。
実施例8
アラニンスキャン
一連のペプチドを合成し、2つのシステイン間の各アミノ酸残基をアラニン残基に系統的に置き換えた(Ala-スキャン)。ペプチド配列を、実施例1に記載の標準的な固相合成条件およびFmoc保護アミノ酸を使用して合成した。実施例7に記載の競合的結合アッセイを使用して、IL-7RαとのAla-スキャンペプチドの相互作用を評価した。
ペプチド配列が、表7に提供され、結果が、表8に提示される。
ペプチド配列(配列番号1031~1039)が、表7に提供され、結果が、表8に提示される。
Figure 2023514128000050


Figure 2023514128000051


実施例9
異なるIL-7Rαリガンドによる結合アッセイ
配列番号454を有するIL-7Rαリガンドおよび配列番号402を有するIL-7RαリガンドのIL-7Rα結合部位を特徴付けるために、競合的結合アッセイを使用した。競合的結合ELISAは、実施例7に記載される。この実施例では、配列番号454および配列番号402を有するIL-7RαリガンドのC末端ビオチン化形態を使用して、bnPeptide::NA-HRPプレ複合体を作製した。
図9(bnPeptide::NA-HRP配列番号454)および図10(bnPeptide::NA-HRP配列番号402)に提示される結果は、試験されたIL-7Rαリガンドが互いに競合し、したがって、IL7Rα上の同じ機能部位に結合することを示す。
実施例10
CD-1マウスにおけるIL-7Rαγcリガンド構築物のPK分析
CD-1オスマウスにおいて、IL-7Rαγcリガンド構築物の薬物動態研究を実施した。IL-7Rαγcリガンド構築物(FP14)を、各マウス(n=10)に1mg/kgの単回用量で静脈内投与した。血液試料を、0時間(投与前)で、化合物投与の1時間、2時間、6時間、24時間、48時間、72時間、および96時間後に、血清分離バイアルに収集した。試料を10,000×gで4℃において5分間遠心分離した後、血清を新しいチューブに移した。試料を凍結し、試験前に-80℃で保管した。
TF-1 7Rα STAT5リン酸化バイオアッセイを使用して、血清試料のそれぞれに存在する(FP14)の量を定量した。飢餓培地中の各血清試料または化合物参照標準物質の3倍連続希釈物を細胞に添加し、細胞と30分間インキュベートした。細胞抽出物を調製し、実施例3に記載されるようにリン酸化STAT5の量を決定した。各血清試料中の(FP14)濃度は、参照標準物質から生成された標準曲線を使用して計算された。
結果が、図11に提示される。
実施例11
IL-7Rαγcリガンドペムブロリズマブ融合タンパク質
IL-7Rαγcリガンドが、実施例4に記載されるように、PD-1(ペムブロリズマブ(FP8)(配列番号1219))を標的とする治療用チェックポイント阻害剤抗体の重鎖のC末端に融合された。構築物が、HEK-293F細胞において対応する軽鎖構築物(配列番号1218)と一過性に共発現され、完全なIgG IL-7Rα/Rγcリガンド融合タンパク質を産生した。
実施例3に記載の方法を使用して、TF-1 7Rα細胞を用いたSTAT5リン酸化アッセイにおいて、ペムブロリズマブIL-7Rαγcリガンド融合タンパク質のアゴニスト活性を測定した。結果が、図12に示される。ペムブロリズマブIL-7Rαγcリガンド融合タンパク質の構造が、図14Bに提供される。IL-7Rαγc融合タンパク質の構造が、図14Bに示される。
実施例12
独自のIL-7Rα結合部位
競合的結合アッセイを実施し、IL-7Rαサブユニット上のIL-7Rαリガンドのための結合部位を特徴付けた。
特定のIL-7Rαリガンドファミリー由来のペプチドを提示する代表的なファージクローンが、マイクロタイターウェル内に固定化されたIL-7Rαサブユニットの細胞外ドメイン(ECD)に結合された。ファージ結合は、合成試験ペプチドの存在下および非存在下で行われ、ファージ提示ペプチドおよび試験ペプチドがIL-7Rαサブユニット上の同じ部位への結合について競合したかどうかを判定した。合成試験ペプチドが、異なるIL-7RαリガンドファミリーからのIL-7Rαリガンドを表すように、ならびに陽性および陰性対照ペプチドを提供するように選択された。
評価されたそれらのファミリー内のIL-7Rαリガンドファミリーおよび特定のIL-7Rαリガンドが、表9に提供される。
Figure 2023514128000052

IL-7Rαリガンドは、10μM未満のhIL-7Rαサブユニットに対する結合親和性(IC50)および100μM超のRγcサブユニットなどの無関係なサイトカイン受容体に対する結合親和性(IC50)を有することができる。
固定化IL-7Rα ECDへのファージ結合を、ファージコートタンパク質に対する抗体(抗ファージ抗体HRPコンジュゲート)で検出し、続いてTMB基質溶液を添加し、マイクロタイタープレートリーダーにおいて吸光度を測定することによって定量した。
試験ペプチドの存在下および非存在下における各ファージ結合のELISAシグナルを比較して、どの合成ペプチドが、IL-7Rαサブユニットへの結合について、どのファージ提示ペプチドと競合したかを判定した。競合的結合(すなわち、交差阻害)を示したペプチド対は、IL-7受容体上の同じ機能部位で結合すると考えられた。結果が、表10に提示される。
Figure 2023514128000053

IL-7Rαリガンドは、IL-7とIL-7Rαサブユニットの結合部位に競合的に結合しなかった。
表10は、リガンドファミリー1、2、3A、および3Bを表すIL-7Rαリガンドが、hIL-7Rαサブユニットへの結合についてそれら自体の間で競合し、したがって、hIL-7Rαサブユニット上の同じ部位で、またはその付近で結合することを示す。
実施例13
独自のRγc結合部位
競合的結合アッセイを実施し、Rγcリガンドについて、およびIL-7RαγcリガンドへのIL-2Rγc結合部位を特徴付けた。
Rγcリガンドについて、IL-2Rγcリガンドファミリー由来のペプチドを提示する代表的なファージクローンが、マイクロタイターウェル内に固定化されたRγcの細胞外ドメイン(ECD)に結合された。ファージ結合は、合成試験ペプチドの存在下および非存在下で行われ、ファージペプチドおよび試験ペプチドがRγc上の同じ部位への結合について競合したかどうかを判定した。合成試験ペプチドが、Rγcリガンドファミリー由来のペプチド、ならびに陽性および陰性対照ペプチドを表すように選択された。
結合Rγcリガンドを評価するために、同様の研究を実施した。評価されたRγcリガンドファミリー配列および特異的なRγcリガンドが、表11に提供される。
Figure 2023514128000054
Rγcリガンドは、10μM未満のRγcサブユニットに対する結合親和性(IC50)および100μM超のIL-2Rβサブユニットに対する結合親和性((IC50)を有した。
固定化Rγc ECDへのファージ結合を、ファージコートタンパク質に対する抗体(抗ファージ抗体HRPコンジュゲート)で検出し、続いてTMB基質溶液を添加し、マイクロタイタープレートリーダーにおいて吸光度を測定することによって定量した。
試験ペプチドの存在下および非存在下における各ファージ結合のELISAシグナルを比較して、どの合成ペプチドが、Rγcサブユニットへの結合について、どのファージペプチドと競合したかを判定した。競合的結合(すなわち、交差阻害)を示したペプチド対は、IL-7R上の同じ機能部位で結合すると考えられた。
競合的結合アッセイの結果が、表12に提示される。
Figure 2023514128000055

実施例14
IL-7Rαγcリガンドの競合的結合
配列番号420~434または454を含むIL-7Rαリガンドおよび配列番号2012を有するIL-7RαγcリガンドのIL-7Rα結合部位を特徴付けるために、競合的結合アッセイを使用した。配列番号420~434また454を含むIL-7Rαリガンドは、カルボキシル末端上に2つのグリシン(-GG-)を有するアミノ酸配列を有するペプチドを含む。
競合的結合ELISAは、実施例7に記載される。この実施例では、IL-7RαリガンドのC末端ビオチン化形態を使用して、bn407::NA-HRPプレ複合体を作製した。
各リガンドのIC50(M)値が、表13に提示される。
Figure 2023514128000056

実施例15
TF-1-7α pSTAT5リン酸化およびIL-7Rαγcリガンドの競合的結合
実施例2に記載のクリック化学を使用してIL-7RαγcリガンドH-Oを合成した。IL-7RαγcリガンドH-Oの構造が、図13Bに示される。
配列番号2064~2073を有するIL-7Rαγcリガンドを、実施例1および2に記載されるように合成した。IL-7Rαγcリガンドの構造が、表14に示される。
Figure 2023514128000057

STAT5リン酸化および競合的結合アッセイを、それぞれ、実施例5および7に記載されるように実施した。結果が、表15に提示される。
Figure 2023514128000058

実施例16
受容体サブユニットへのIL-7Rαγcリガンドの競合結合
競合的結合アッセイを実施し、IL-7RαおよびRγcサブユニットに対するIL-7Rαγcリガンドの親和性を測定した。このアッセイでは、IL-7Rαγc-Fc構築物FP14およびFP66-FP69、ならびに配列番号2012を有するIL-7Rαγcリガンドを評価した。競合的結合ELISAは、実施例7に記載される。各合成ペプチドのC末端ビオチン化形態を使用して、bn407::NA-HRPプレ複合体(IL7Rαリガンド)またはbn1040::NA-HRP(-GGVVCQDWEGVELCWQGGR-、配列番号1040)プレ複合体(Rγcリガンド)からなる受容体サブユニットリガンドを作製した。競合ELISAアッセイの結果が、図20(IL7Rαリガンド)および図21(Rγcリガンド)に示される。
最後に、本明細書に開示される実施形態を実装する代替の方法が存在することに留意すべきである。したがって、本実施形態は例示的なものであり、限定的なものではなく、特許請求の範囲は、本明細書に与えられる詳細に限定されるものではなく、その範囲および均等物内で修正され得る。
本出願は、それぞれが参照によりその全体で組み込まれる、2020年6月19日に出願された米国仮特許出願第63/041,158号、および2020年2月3日に出願された米国仮特許出願第62/969,432号の米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張する。
本開示は、IL-7Rαγc結合化合物に関する。IL-7Rαγc結合化合物は、IL-7Rアゴニストまたは部分的IL-7Rアゴニストもしくはアンタゴニストとして機能することができる。
配列表
本出願は、本出願に含まれる配列表を含み、配列表のコピーが、ASCIIフォーマットで電子的に提出され、参照によりその全体で組み込まれる。
インターロイキン-7(IL-7)は、T細胞恒常性の発達および維持に必要であり、B細胞レパートリーの確立に重要な役割を果たす。ほとんどのインターロイキンとは異なり、IL-7は、主に白血球ではなく非造血間質細胞によって産生される。正常な条件下では、遊離IL-7レベルは、限定的であるが、リンパ球減少の間に蓄積し、T細胞増殖の増加およびT細胞集団の補充につながる。ある特定の生理学的条件下では、ヒト、ヒト以外の霊長類、およびマウスに投与された組換えヒトIL-7は、広範囲にわたるT細胞増殖、T細胞数の増加、末梢T細胞サブセットの変調、およびT細胞受容体レパートリー多様性の増加を生じる。これらの効果は、様々な臨床環境において治療的に有用であり得る。
IL-7は、インターロイキン-2(IL-2)、IL-4、IL-7、IL-9、IL-15、およびIL-21を含む、サイトカインの共通のγ鎖(γc、CD132)ファミリーのメンバーである。IL-7は、その独自のα受容体であるIL-7Rα(CD127)および共通のγc受容体(Rγc)とともに形成される活性複合体を介して、シグナルを伝達する。受容体活性化は、JAK-STAT、P13K-AKT、およびSrcキナーゼを含む、一連の経路を通したシグナル伝達につながる。
IL-7Rα受容体サブユニットは、Rγcとともに、IL-7Rシグナル伝達を媒介する全長膜結合型、ならびに細胞外IL-7レベルの調節およびIL-7Rシグナル伝達の変調を提供し得る細胞外ドメインの可溶性(選択的スプライシング、分泌、または脱落)型の2つの状態で存在する。
IL-7Rαの細胞表面シグナル伝達能力形態は、ほとんどの静止T細胞上で発現され、T細胞活性化時に下方調節されるが、ナイーブメモリーT細胞は、IL-を発現し続け、制御性細胞は、典型的には、非常に低いレベルのIL-7Rαを発現する。IL-7Rシグナル伝達は、部分的には、アポトーシスを変調することによって、T細胞集団の長期的な維持のために必要である。CD4+およびCD8+メモリーT細胞の両方は、長期生存のためにIL-7に依存している。
新たな証拠は、IL-7Rアゴニストが免疫腫瘍療法において有用であり得ることを示唆する。例えば、IL-7は、細胞障害性CD8+Tリンパ球(CD8+T細胞)の増加に有効であり、長期腫瘍抗原特異的CD8+T細胞応答は、IL-7治療によって増強される。
IL-7は、神経膠腫、黒色腫、リンパ腫、白血病、前立腺がん、および神経膠芽腫などの腫瘍において阻害効果を示し、マウス腫瘍モデルにおけるIL-7の投与は、がん細胞増殖の減少を示している。IL-7は、ラット神経膠腫腫瘍におけるインターフェロンγ(IFNγ)の抗腫瘍効果を増強することが示されており、腫瘍増殖を阻害することができる、単球によるIL-1α、IL-1β、およびTNF-αの産生を誘導することができる。
IL-7は、リンパ球減少症、敗血症性ショック、および感染性疾患の治療、ならびに加齢による免疫不全(免疫老化)、およびワクチン接種に対する応答の増強に可能性を有することが示されている。IL-7は、T細胞の枯渇を防止または逆転させ、移入されたCAR-T細胞の若返りおよび活性の増加を誘導する。IL-7は、COVID-19に関連するリンパ球減少を防止または逆転させるために現在研究されている。IL-7/IL-7Rシグナル伝達はまた、自己免疫、慢性炎症性疾患、およびがんにも関係しており、したがって、IL-7/IL-7R経路の治療的標的化は、臨床的利益を有すると予期される。
重要なことに、組換えIL-7の投与は、臨床試験において良好な耐容性であることが見出されている。
本開示によれば、IL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγc構築物は、
(a)IL-7Rαリガンドであって、IL-7Rαリガンドが、式(1)(配列番号389)、式(1a)(配列番号390)、式(1b)(配列番号391)、または式(1c)(配列番号392)のアミノ酸配列を含み、

Figure 2023514128000105


式中、
201が、H、I、Q、およびVから選択され、
202が、C、P、およびRから選択され、
203が、I、K、L、S、V、およびWから選択され、
204が、CおよびHから選択され、
205が、A、I、L、M、T、およびWから選択され、
206が、D、L、およびWから選択され、
207が、D、I、L、およびQから選択され、
208が、D、E、およびPから選択され、
209が、G、S、およびTから選択され、
210が、A、G、L、およびSから選択され、
211が、F、I、L、およびMから選択され、
212が、G、H、L、N、Q、およびSから選択され、
213が、Cであり、
214が、A、E、I、L、S、T、およびVから選択され、
215が、F、R、W、およびYから選択され、
216が、E、L、Q、およびWから選択される、IL-7Rαリガンドと、
(b)Rγcリガンドであって、Rγcリガンドが、式(3)(配列番号944)、式(3a)(配列番号945)、式(3b)(配列番号946)、式(3c)(配列番号947)、式(3d)(配列番号948)、または式(3e)(配列番号949)のアミノ酸配列を含み、
Figure 2023514128000106

式中、
171が、H、K、およびRから選択され、
172が、S、T、およびYから選択され、
173が、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
174が、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
175が、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
176が、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択され、
177が、DおよびEから選択され、
178が、F、H、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
179が、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択され、
180が、Gであり、
181が、Vであり、
182が、Eであり、
183が、Lであり、
184が、Wから選択され、
185が、F、I、L、M、V、W、Y、H、N、Q、S、およびTから選択され、
186が、Eであり、
187が、アミノ酸から選択され、
188が、DおよびEから選択される、Rγcリガンドと、を含む。
本発明によれば、タンデムIL-7Rαγcリガンドは、本開示によって提供される2つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含む。
本発明によれば、IL-7Rαγcリガンド構築物は、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドのうちの1つ以上を含む。
本発明によれば、患者におけるがん、炎症性疾患、および自己免疫疾患、または免疫不全疾患を治療する方法は、そのような治療を必要とする患者に、治療的有効量の本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物を投与することを含む。
本発明によれば、免疫細胞を増殖させる方法は、エクスビボまたはインビボで免疫細胞の集団を、有効量の本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物と接触させることを含む。
本発明によれば、ワクチンを増強する方法は、ワクチンおよび治療的有効量の本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物を患者に投与することを含む。
本発明によれば、免疫応答を修飾する方法は、有効量の本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物を患者に投与することを含む。
本発明によれば、医薬組成物は、本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物を含む。
本発明によれば、IL-7Rαγc結合化合物をコードする核酸が提供される。
本明細書に記載される図面は、例示のみを目的としている。図面は、本開示の範囲を限定することを意図しない。
個々のIL-7RαおよびRγcリガンドが、4つの可能な配向:C-N、C-C、N-C、またはN-Nにおいてそれらの個別のN末端およびC末端を介して付着している、IL-7Rαγcリガンドの例を示す。 個別のIL-7RαリガンドおよびRγcリガンドの種々の付着配向を有するrhIL-7またはIL-7Rαγcリガンドに曝露されたTF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化を示す。 rhIL-7およびFc-IL-7Rαγcリガンド融合構築物に曝露されたTF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化を示す。 rhIL-7、合成IL-7Rαγcリガンド、またはFc-IL-7Rαγcリガンド融合構築物に曝露された静止ヒトPBMC細胞におけるSTAT5リン酸化を示す。 Ki-67の蛍光強度中央値によって測定された、rhIL-7、合成IL-7Rαγcリガンド、またはFc-IL-7Rαγcリガンド融合構築物への曝露後のヒトCD-8+T細胞の増殖を示す。 Ki-67の蛍光強度中央値によって測定された、rhIL-7、合成IL-7Rαγcリガンド、またはFc-IL-7Rαγcリガンド融合構築物への曝露後のヒトCD-4+T細胞の増殖を示す。 IL-7Rαサブユニットへの配列番号407に基づく種々のC末端切断およびビオチン化IL-7RαリガンドのNA-HRP複合体の競合的結合についての正規化ELISAシグナルを示す。 IL-7Rαサブユニットへの配列番号407に基づく種々のN末端切断およびビオチン化IL-7RαリガンドのNA-HRP複合体の競合的結合についての正規化ELISAシグナルを示す。 対応するビオチン化/NA-HRP複合体との配列番号402または配列番号407を有するIL-7Rαに基づくFc-IL-7Rαリガンド融合構築物の競合的結合についての正規化ELISAシグナルを示す。 配列番号402に対応するIL-7Rαサブユニットへの配列番号402または配列番号454を有する種々の-IL-7Rαリガンドの競合的結合についての正規化ELISAシグナルを示す。 マウスへの投与後のFc-IL-7Rαγcリガンド融合構築物(FP14、配列番号1225)のPKプロファイルを示す。 Fc-IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質(図14B、配列番号1225)、またはIL-7Rαγcリガンド-抗PD-1抗体融合物(図14B、配列番号1219)に曝露されたTF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化を示す。 本開示によって提供される特定のIL-7Rαγcリガンドについてのアミノ酸配列およびリンカー構造を示す。 本開示によって提供される特定のタンパク質およびIL-7Rαγcリガンド融合構築物についてのアミノ酸配列を示す。図14はまた、配列番号9407として「(GS)10」、配列番号9428として「(PA)10」、配列番号9395として「(GGGGS)」、配列番号9397として「(GGGGS)」、配列番号9398として「(GGGGS)」、配列番号9406として「(G)」、配列番号9426として「(PA)」、および配列番号9427として「(PA)」を開示する。 本開示によって提供されるIL-7RαγcリガンドFc断片融合タンパク質の様々な構成の例を示す。 本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド免疫グロブリン融合タンパク質の様々な構成の例を示す。 本開示によって提供される特定のタンパク質およびIL-7Rαγcリガンド融合構築物についてのアミノ酸配列を示す。 rhIL-7および種々のFc-IL-7Rαγcリガンド融合構築物についてのTF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化を示す。 種々のFc-IL-7Rαγcリガンド融合構築物についての活性化Cyno PBMCにおけるSTAT5リン酸化を示す。 対応するビオチン化/NA-HRP複合体との配列番号402 1271を有するIL-7Rαに基づくFc-hIL-7Rαリガンド融合構築物の競合的結合についての正規化ELISAシグナルを示す。 対応するビオチン化/NA-HRP複合体との配列番号402 1099を有するRγcに基づくFc-hIL-7Rαリガンド融合構築物の競合的結合についての正規化ELISAシグナルを示す。 rhIL-7、IL-7Rαγcリガンド、および種々のFc-IL-7Rαγcリガンド融合構築物についてのTF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化を示す。
2つの文字または記号の間にないダッシュ(「-」)は、部分または置換基の付着点を示すために使用される。例えば、-CONHは、炭素原子を介して化合物に付着され、-X-Xは、単結合を介して共有結合されたアミノ酸XおよびXを示す。
「アルキル」は、親アルカン、アルケン、またはアルキンの単一炭素原子から1つの水素原子を除去することによって導出される、飽和、分枝鎖状、または直鎖状一価炭化水素ラジカルを指す。アルキル基は、C1-6アルキル、C1-5アルキル、C1-4アルキル、C1-3アルキルであり、ある特定の実施形態では、エチルまたはメチルである。
「シクロアルキル」は、飽和または部分的不飽和環状アルキルラジカルを指す。シクロアルキルは、例えば、C3-6シクロアルキル、C3-5シクロアルキル、C5-6シクロアルキル、シクロプロピル、シクロペンチルであり、ある特定の実施形態では、シクロヘキシルであり得る。シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルから選択され得る。
「環化」とは、ペプチドまたはポリペプチド分子の1つの部分がペプチドまたはポリペプチド分子の別の部分に連結され、ジスルフィド架橋またはラクタム結合などの他の類似結合を形成することなどによって閉鎖環を形成する、反応を指す。ペプチド単量体化合物またはペプチド二量体化合物の単量体サブユニットは、ペプチド単量体または単量体サブユニットに存在する2つのアミノ酸残基間の分子内結合を介して環化され得る。IL-7Rαγcリガンドなどのペプチドは、ジスルフィド結合を介してともに結合され、それによって、環化IL-7Rαγcリガンドである、システインを含むことができる。
「ヘテロシクロアルキル」自体または別の置換基の一部としては、1つ以上の炭素原子(および特定の会合した水素原子)が独立して同じもしくは異なるヘテロ原子で置き換えられる、飽和環状アルキルラジカルを指すか、または1つ以上の炭素原子(および特定の会合した水素原子)が独立して同じもしくは異なるヘテロ原子で置き換えられるため、その環系がハッケル規則に違反する、親芳香族環系を指す。炭素原子を置き換えるためのヘテロ原子の例としては、N、P、O、S、およびSiが挙げられる。ヘテロシクロアルキル基の例は、エポキシド、アジリン、チイラン、イミダゾリジン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラゾリジン、ピロリジン、キヌクリジン、および同等物に由来する基を含む。ヘテロシクロアルキルは、Cヘテロシクロアルキルであり得、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ドキソラニル、およびジチオラニルから選択される。ヘテロシクロアルキルは、Cヘテロシクロアルキルであり得、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、オキサジニル、ジチアニル、およびジオキサニルから選択される。ヘテロシクロアルキル基は、C3-6ヘテロシクロアルキル、C3-5ヘテロシクロアルキル、C5-6ヘテロシクロアルキルであり、ある特定の実施形態では、CヘテロシクロアルキルまたはCヘテロシクロアルキルであり得る。ヘテロ原子基は、-O-、-S-、-NH-、-N(-CH)-、-SO-、および-SO-から選択され得、ある特定の実施形態では、ヘテロ原子基は、-O-および-NH-から選択され、ある特定の実施形態では、ヘテロ原子基は、-O-または-NH-である。
「結合親和性」は、単一の生体分子と、そのリガンド/結合パートナーとの間の結合相互作用の強度を指す。結合親和性は、IC50として表される。例えば、IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物などの化合物の結合親和性は、例えば、実施例に記載の方法を使用して決定されるIC50を指す。
「直接結合」は、IL-7RαリガンドおよびhIL-7Rαサブユニットの相互作用などの、単一の生体分子とその結合パートナーとの間の結合相互作用を指す。直接結合は、ファージELISAアッセイを使用して決定され得る。
「アゴニスト」は、その相補的な生物学的に活性な受容体もしくはサブユニットに結合し、受容体によって媒介される生物学的応答を引き起こすか、または受容体によって媒介される既存の生物活性を増強するために受容体を活性化する、生物学的に活性なリガンドを指す。
「部分的アゴニスト」は、例えば、最大活性化の75%未満、最大活性化の50%未満、25%未満、10%未満、または1%未満である、活性化のレベルを提供する化合物を指す。部分的IL-7Rアゴニストは、IL-7によって提供される活性化のレベル未満である、活性化のレベルを示す。
「アンタゴニスト」は、その相補的受容体またはサブユニッに結合し、受容体の生物学的応答を遮断または低減する、生物学的に活性なリガンドまたは化合物を指す。IL-7Rアンタゴニストは、100μM未満のIC50でIL-7Rに結合し、例えば、実施例に開示される機能アッセイのうちのいずれかを使用して決定される、IL-7の機能的活性を阻害する。
アミノ酸残基は、以下のように略される。アラニンは、AlaまたはAであり、アルギニンは、ArgはRであり、アスパラギンは、AsnまたはNであり、アスパラギン酸は、AspまたはDであり、システインは、CysまたはCであり、グルタミン酸は、GluまたはEであり、グルタミンは、GlnまたはQであり、グリシンは、GlyまたはGであり、ヒスチジンは、HisまたはHであり、イソロイシンはIleまたはIであり、ロイシンはLeuまたはLであり、リジンは、LysまたはKであり、メチオニンは、MetまたはMであり、フェニルアラニンは、PheまたはFであり、プロリンは、ProまたはPであり、セリンは、SerまたはSであり、スレオニンは、ThrまたはTであり、トリプトファンは、TrpまたはWであり、チロシンは、TyrまたはYであり、バリンは、ValまたはVである。
「非天然アミノ酸」としては、例えば、β-アミノ酸、ホモ-アミノ酸、プロリンおよびピルビン酸誘導体、イミダゾール環に付着したアルキルまたはヘテロ原子部分を有するヒスチジン誘導体、ピリジン含有側鎖を有するアミノ酸、3置換アラニン誘導体、グリシン誘導体、環置換フェニルアラニンおよびチロシン誘導体、ならびにN-メチルアミノ酸が挙げられる。
大きな疎水性側鎖を有するアミノ酸としては、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、およびトリプトファン(W)が挙げられる。
小さな疎水性側鎖を有するアミノ酸としては、アラニン(A)、グリシン(G)、プロリン(P)、セリン(S)、およびトレオニン(T)が挙げられる。
塩基性側鎖を有するアミノ酸としては、アルギニン(R)、リジン(K)、およびヒスチジン(H)が挙げられる。
酸性側鎖を有するアミノ酸としては、アスパラギン酸塩(D)およびグルタミン酸塩(E)が挙げられる。
極性/中性側鎖を有するアミノ酸には、ヒスチジン(H)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、およびチロシン(Y)が挙げられる。
芳香族側鎖を有するアミノ酸としては、フェニルアラニン(F)、ヒスチジン(H)、トリプトファン(W)、およびチロシン(Y)が挙げられる。
ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸には、セリン(S)、トレオニン(T)、およびチロシン(Y)が挙げられる。
「保存的アミノ酸置換」とは、以下の基のそれぞれ内のアミノ酸が、基内の別のアミノ酸で置換され得ることを意味する:アラニン(A)、グリシン(G)、プロリン(P)、セリン(S)、およびトレオニン(T)を含む小さな疎水性側鎖を有するアミノ酸、セリン(S)、トレオニン(T)、およびチロシン(Y)を含むヒドロキシル含有側鎖を有するアミノ酸、アスパラギン酸塩(D)およびグルタミン酸塩(E)を含む酸性側鎖を有するアミノ酸、ヒスチジン(H)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、およびチロシン(Y)を含む極性中性側鎖を含むアミノ酸、アルギニン(R)、リジン(K)、およびヒスチジン(H)を含む塩基性側鎖を有するアミノ酸、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)およびトリプトファン(W)を含む大きな疎水性側鎖を有するアミノ酸、ならびにフェニルアラニン(F)、ヒスチジン(H)、トリプトファン(W)、およびチロシン(Y)を含む芳香族側鎖を有するアミノ酸。
「酵素分解性結合」は、1つ以上の酵素によって分解または切断され得る化学結合を指す。
「加水分解的に安定な」結合または結合は、化学結合が生理学的条件下で任意の顕著な程度で長期間にわたって加水分解を受けないように、水中で実質的に安定している共有結合などの化学結合を指す。加水分解的に安定な結合の例には、以下、すなわち、炭素・炭素結合(例えば、脂肪族鎖中)、エーテル、アミド、ウレタン、および同等物が含まれるが、これらに限定されない。一般に、加水分解的に安定な結合は、生理学的条件下で1日当たり約1%~2%未満の加水分解速度を示す結合である。
「IL-7Rαリガンド」は、100μM未満のIC50でヒトIL-7受容体などの哺乳動物IL-7受容体のIL-7Rαサブユニットに結合することが可能なペプチドを指す。
「Rγcリガンド」は、100μM未満の(IC50でヒトIL-7受容体などの哺乳動物IL-7受容体のRγcサブユニットに結合することが可能なペプチドを指す。
「hIL-7Rαサブユニット」は、ヒト(ホモサピエンス)インターロイキン-7受容体サブユニットα前駆体NCBI参照配列NP_002176.2を指す。
「Rγcサブユニット」は、ヒト(ホモサピエンス)インターロイキン-7受容体サブユニットγc前駆体NCBI参照配列NP_000197.1を指す。
「IL-7Rリガンド融合タンパク質」は、哺乳動物IL-7受容体のリガンドの翻訳リーディングフレームが、別のタンパク質、すなわち、IL-7Rリガンド融合パートナーのものにフレーム内で融合されて、単一の組換えポリペプチドを産生する、組換えDNA技術によって作製されたタンパク質を指す。IL-7Rリガンド融合タンパク質は、IL-7RαリガンドおよびRγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド、および/またはタンデムIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。IL-7R-融合パートナーは、IL-7RαγcリガンドがFc構造の2つのC末端に結合されている、IgG分子のFcドメインであり得る。IL-7Rリガンド融合タンパク質は、IL-7Rリガンドと融合タンパク質を含む融合タンパク質パートナーとの間に位置するアミノ酸配列などのペプチジルリンカーを含むことができるため、ペプチジルリンカーアミノ酸配列は、IL-7Rリガンドまたは融合タンパク質パートナーのいずれにも由来しない。ペプチジルリンカーは、スペーサーとして融合タンパク質に組み込まれ、構成タンパク質部分の適切なタンパク質折り畳みおよび安定性を促進し、タンパク質発現を改善し、および/または2つの融合パートナーのより良い生物活性を可能にすることができる。ペプチジルリンカーは、例えば、可撓性ペプチドまたは剛性ペプチドを含み得る。
「IL-7Rαγcリガンド」は、1つ以上のIL-7Rαリガンドおよび1つ以上のRγcリガンドからなるか、またはそれらを含む化合物を指す。1つ以上のIL-7Rαリガンドおよび1つ以上のRγcリガンドは、IL-7Rαγcリガンドリンカーに結合され得る。IL-7Rαγcリガンドは、2つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むタンデムIL-7Rαγcリガンドを含むことができるか、またはIL-7Rαγcリガンドは、IL-7RαサブユニットおよびRγcサブユニットの両方に同時に結合する単一のリガンドを含むことができる。IL-7Rαγcリガンドは、100μM未満のIC50でIL-7RαサブユニットおよびIL-7RのRγcサブユニットに結合することが可能である。
「IL-7Rαγcリガンド構築物」は、構築物パートナーに結合された1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含む、化合物を指す。IL-7Rαγcリガンド構築物はまた、1つ以上のIL-7Rαリガンドおよび1つ以上のRγcリガンドが構築物パートナーに結合されている、化合物も含む。
「IL-7Rαγc結合化合物」は、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド構築物、ならびに少なくとも1つのIL-7Rαリガンドおよび少なくとも1つのRγcリガンドを含む構築物を指す。
バイオアイソスターは、アイソスターの最も広範な定義に適合する原子または分子である。バイオイソステリズムの概念は、化学的および物理的類似性を有する単一原子、基、部分、または全分子が同様の生物学的効果を生じるという概念に基づく。親化合物のバイオアイソスターは、依然としてその適切な標的によって認識および受容され得るが、その機能は、親分子と比較して改変される。バイオアイソステリック置換によって影響を受けるパラメータには、例えば、サイズ、立体配座、誘導および中量体効果、偏光性、静電相互作用能力、電荷分布、H結合形成能力、pKa(酸性)、溶解性、疎水性、親油性、親水性、極性、効力、選択性、反応性、または化学的および代謝的安定性、ADME(吸収、分布、代謝、および排泄)が含まれる。医薬品において一般的であるが、親分子中のカルボキシル基またはカルボン酸官能基(-COH)は、1つ以上のカルボキシル基またはカルボン酸官能基(-COH)を持つ親分子の所望の特質を保持しながら、化学的または生物学的欠点を克服するために好適な代替物または(バイオ)アイソスターと置き換えられ得る。IL-7Rαγcリガンドは、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドのバイオアイソスターを含む。
「アイソスター」または「アイソスター置換」は、特定のアミノ酸と同様の生化学的および/または構造的特性を有する任意のアミノ酸または他の類似部分を指す。アミノ酸の「アイソスター」または「好適なアイソスター」は、同じクラスの別のアミノ酸であり、アミノ酸は、水のように極性溶媒と接触する側鎖の傾向に基づいて、以下のクラスに属する:疎水性(水と接触する傾向が低い)、極性または荷電性(水とのエネルギー的に良好な接触)。荷電アミノ酸残基の例としては、リジン(+)、アルギニン(+)、アスパラギン酸塩(-)、およびグルタミン酸塩(-)が挙げられる。極性アミノ酸の例としては、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、およびチロシンが挙げられる。例示的な疎水性アミノ酸としては、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、システイン、およびメチオニンが挙げられる。アミノ酸グリシンは、側鎖を有さず、上記のクラスのうちの1つに割り当てることが困難である。しかしながら、グリシンは、しばしばタンパク質の表面で、しばしばループ内に見出され、これらの領域に高い可撓性を提供し、アイソスターは同様の特徴を有し得る。プロリンは、反対の効果を有し、ポリペプチド鎖のセグメントに特定のねじれ角を加えることによって、タンパク質構造に剛性を提供する。アイソスターは、アミノ酸の誘導体、例えば、参照アミノ酸と比較して1つ以上の修飾側鎖を有する誘導体であり得る。IL-7Rαγcリガンドは、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドのアイソスターを含む。
「患者」は、哺乳動物、例えば、ヒトを指す。
「PEG」、「ポリエチレングリコール」、および「ポリ(エチレングリコール)」は、任意の好適な非ペプチド性水溶性ポリ(エチレンオキシド)を指す。PEGは、nが、例えば、1~4,000の整数である、構造-(OCHCH-を含むことができる。PEGはまた、末端酸素が、例えば、合成変換中に変位されたか否かに応じて、-CHCH-O(CHCHO)-CHCH-および/または-(OCHCHO-などの部分を含むこともできる。PEGは、好適な末端基でキャップ形成され得る。PEGの反復サブユニットの少なくとも50%は、構造-CHCH-を有することができる。PEGは、分枝鎖状、直鎖状、フォーク状、または多官能性などの任意の好適な分子量、構造、および/または幾何学形状を有することができる。
「ペプチド」は、単量体がアミド結合を介してともに継合されたアミノ酸を含む、ポリマーを指す。ペプチドは、例えば、200個未満のアミノ酸、100個未満のアミノ酸、50個未満のアミノ酸、40個未満のアミノ酸、30個未満のアミノ酸、または20個未満のアミノ酸を含むことができる。ペプチドは、天然に存在するアミノ酸、天然に存在しないアミノ酸、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
天然に存在するアミノ酸のみからなるペプチドに加えて、ペプチド模倣体またはペプチド類似体も提供される。ペプチド模倣体は、機能的および/または構造的に別のペプチドと類似し得る。治療上有用なペプチドと機能的および/または構造的に類似するペプチド模倣体が、同等または増強された治療または予防効果を生じるために使用され得る。一般に、ペプチド模倣体は、当該技術分野で公知の方法によって、パラダイムペプチド、例えば、天然に存在する受容体結合ペプチドなどの生物学的または薬理学的活性を有するが、-CH-NH-、-CH-S-、-CH-CH-、-CH=CH-(シスおよびトランス)、-COCH-、-CH(OH)CH-、および-CHSO-などの結合によって任意選択的に置き換えられる、1つ以上のペプチド結合を有するペプチドと構造的に類似し得る。
L-リジンの代わりにD-リジンなどの同じ種類のD-アミノ酸によるコンセンサス配列の1つ以上のアミノ酸の置換は、より安定したペプチドを生成するために使用され得る。加えて、コンセンサス配列または実質的に同一のコンセンサス配列変異を含む拘束ペプチドは、当該技術分野で公知の方法によって、例えば、ペプチドを環化する分子内ジスルフィド架橋を形成することが可能な内部システイン残基を付加することによって、生成され得る。
合成または天然に存在しないアミノ酸とは、インビボでは天然には存在しないが、それでも本開示によって提供されるペプチドリガンドに組み込むことができるアミノ酸を指す。合成アミノ酸の好適な例としては、天然に存在するL-α-アミノ酸のD-α-アミノ酸、ならびにRが、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C3-8ヘテロシクロアルキルである、式HNCHRCOOHによって表される天然に存在しないD-およびL-α-アミノ酸、ヒドロキシル、低級アルコキシ、アミノ、およびカルボキシルから選択される芳香族核上に1~3個の置換基を任意選択的に有する、6~10個の炭素原子の芳香族残基、アルキレンが、1~7個の炭素原子のアルキレン基であり、Yが、3~7個の炭素原子を有するヒドロキシル、アミノ、シクロアルキル、およびシクロアルケニルから選択される、アルキレン-Y、ヒドロキシル、低級アルコキシ、アミノ、およびカルボキシルから選択される芳香族核上の1~3個の置換基などの6~10個の炭素原子のアリール、3~7個の炭素原子、ならびに酸素、硫黄、および窒素から選択される1~2個のヘテロ原子の複素環、Rが、水素、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、およびRおよびRのそれぞれが、独立して、水素および低級アルキルから選択される、-NRから選択される、-C(O)R、nが1または2であり、RがC1-6アルキルであり、但し、Rが天然に存在するアミノ酸の側鎖を定義しないことを条件とする、-S(O)が挙げられる。
他の合成アミノ酸の例としては、アミノ酸が挙げられ、アミノ基は、β-アラニンおよびγ-アミノ酪酸などの1つを超える炭素原子によってカルボキシル基から分離される。
好適な合成アミノ酸の例としては、天然に存在するL-アミノ酸のD-アミノ酸、L-1-ナフチル-アラニン、L-2-ナフチルアラニン、L-シクロヘキシルアラニン、L-2-アミノイソ酪酸、nおよびRが上記で定義される通りである、HOOC-(HNCH)CHCH-S(O)などのメチオニンのスルホキシドおよびスルホン誘導体、ならびにRが上記で定義される通りである、HOOC-(HNCH)CHCHORなどのメチオニンの低級アルコキシ誘導体が挙げられる。
「N末端」は、カルボキシル酸基を持つカルボキシル末端とは対照的にアミノ基を持つ、IL-7Rαγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド構築物、IL-7Rαリガンド、またはRγcリガンドのN末端などのペプチドまたはポリペプチドの末端を指す。
「C末端」は、アミノ基を持つアミノ末端とは対照的にカルボン酸基を持つ、IL-7Rαγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド構築物、IL-7Rαリガンド、またはRγcリガンドのC末端などのペプチドまたはポリペプチドの末端を指す。ある特定の合成ペプチドでは、N末端は、アミノ基を持たず、および/またはC末端は、カルボキシル基を持たない。このような場合、命名法は、ペプチド骨格の方向を指す。
「薬学的に許容される」とは、動物、より具体的にはヒトにおいて使用するために、連邦または州政府の規制当局によって承認されたか、もしくは承認可能であるもの、または米国薬局方もしくは他の一般に認識されている薬局方に列挙されたものを指す。
「薬学的に許容される塩」は、親化合物の所望の薬理活性を保有する化合物の塩を指す。そのような塩には、無機酸、ならびに親化合物内の一級、二級、または三級アミンなどの1つ以上のプロトン化可能な官能基で形成される酸付加塩が含まれる。無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、およびリン酸が挙げられる。塩は、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクト-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、またはムコン酸などの有機酸で形成され得る。塩は、親化合物中に存在する1つ以上の酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオン、またはそれらの組み合わせによって置き換えられるとき、またはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、もしくはN-メチルグルカミンなどの有機塩基と連携するときに、形成され得る。薬学的に許容される塩は、塩酸塩であり得る。薬学的に許容される塩は、ナトリウム塩であり得る。化合物は、2つ以上のイオン性基を有することができ、薬学的に許容される塩は、二塩(bi-salt)、例えば、二塩酸塩などの1つ以上の対イオンを含むことができる。
「薬学的に許容される塩」は、水和物および他の溶媒和物、ならびに結晶または非結晶形態の塩を指す。特定の薬学的に許容される塩が開示される場合、特定の塩(例えば、塩酸塩)は塩の一例であり、当業者に公知である技法を使用して他の塩が形成され得ることを理解されたい。加えて、当該技術分野で一般に公知の技法を使用して、対応する化合物、遊離塩基および/または遊離酸に薬学的に許容される塩がある。また、Stahl and Wermuth,C.G.(Editors),Handbook of Pharmaceutical Salts,Wiley-VCH,Weinheim,Germany,2008を参照されたい。
「薬学的に許容されるビヒクル」とは、薬学的に許容される希釈剤、薬学的に許容されるアジュバント、薬学的に許容される賦形剤、薬学的に許容される担体、または前述のうちのいずれかの組み合わせを指し、それらとともに、本開示によって提供される化合物が患者に投与され得、これは、その薬理活性を破壊せず、治療的有効量の化合物を提供するために十分な用量で投与されるときに無毒である。
「医薬組成物」は、IL-7Rαγcリガンドなどの本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物またはその薬学的に許容される塩と、IL-7Rαγcリガンド構築物またはその薬学的に許容される塩と、IL-7Rαγc結合化合物またはその薬学的に許容される塩とともに患者に投与される少なくとも1つの薬学的に許容されるビヒクルとを含む、組成物を指す。
「生理学的に切断可能な」または「加水分解可能な」もしくは「分解可能な」結合は、生理学的条件下で水と反応する(すなわち、加水分解される)結合である。水中で加水分解する結合の傾向は、2つの中心原子を接続する一般的な種類の結合だけでなく、これらの中心原子に付着した置換基にも依存するであろう。好適な加水分解的に不安定または弱い結合としては、例えば、カルボン酸エステル、リン酸エステル、無水物、アセタール、ケタール、アシルオキシアルキルエーテル、イミン、オルトエステル、ペプチド、およびオリゴヌクレオチドが挙げられる。
「予防すること」または「予防」は、疾患または障害を獲得するリスクの低減(すなわち、疾患の臨床症状のうちの少なくとも1つを、疾患にさらされ得るか、または疾患にかかりやすいが、まだ疾患の症状を経験または表示しない患者において発症させないこと)を指す。いくつかの実施形態では、「予防すること」または「予防」は、化合物を予防的な様式で服用することによって疾患の症状を低減することを指す。
「溶媒和物」は、化学量論または非化学量論量の1つ以上の溶媒分子を有する化合物の分子複合体を指す。そのような溶媒分子は、患者に無害であることが知られている、医薬品の技術分野で一般に使用されているもの、例えば、水、エタノール、および同等物である。化合物または化合物の部分と溶媒との分子複合体は、例えば、静電力、ファン・デル・ワールス力、または水素結合などの非共有分子内力によって安定化され得る。「水和物」という用語は、1つ以上の溶媒分子が水である溶媒和物を指す。
「治療的有効量」は、疾患、または疾患の臨床症状のうちの少なくとも1つを治療するために対象に投与されるときに、疾患またはその症状を治療するために十分な化合物の量を指す。「治療的有効量」は、例えば、化合物、疾患および/または疾患の症状、疾患および/または疾患もしくは障害の症状の重症度、治療される患者の年齢、体重、および/または健康、ならびに処方医の判断に応じて変化し得る。任意の所与の事例における適切な量は、当業者によって確認され得るか、または日常的な実験によって決定することができる。
「治療的有効用量」は、患者における疾患または障害の有効な治療を提供する用量を指す。治療的有効用量は、化合物間および患者間で変化し得、患者の状態および送達経路などの因子に依存し得る。治療的有効用量は、当業者に公知の日常的な薬理学的手順に従って決定され得る。
疾患の「治療すること」または「治療」は、疾患または疾患もしくは障害の臨床症状のうちの少なくとも1つを停止または緩和すること、疾患もしくは疾患の臨床症状のうちの少なくとも1つを獲得するリスクを低減すること、疾患もしくは疾患の臨床症状のうちの少なくとも1つの発症を低減すること、または疾患もしくは疾患の臨床症状のうちの少なくとも1つを発症するリスクを低減することを指す。「治療すること」または「治療」はまた、疾患を物理的に(例えば、識別可能な症状の安定化)、生理学的に(例えば、物理的パラメータの安定化)、またはその両方のいずれかで阻害すること、および患者に識別可能であり得るか、またはそうではない場合がある、少なくとも1つの物理的パラメータまたは兆候を阻害することを指す。ある特定の実施形態では、「治療すること」または「治療」は、その患者がまだ疾患の症状を経験していないか、または示していないにもかかわらず、疾患または障害にさらされ得るか、またはそうなりやすい患者における疾患またはその少なくとも1つ以上の症状の発症を遅らせることを指す。
「Treg」または「Treg細胞」とは、制御性T細胞を指す。制御性T細胞は、他の免疫細胞の活性を抑制するT細胞のクラスであり、細胞マーカー表現型CD4+/CD25+/FOXP3+、CD4+CD25+CD127lo、またはCD4+/CD25+/FOXP3+/CD127loによってフローサイトメトリーを使用して定義される。FOXP3は細胞内タンパク質であり、染色のために細胞固定および透過を必要とするため、細胞表面表現型CD4+CD25+CD127lo-は、生きたTregを定義するために使用されることができる。Tregには、tTreg(胸腺由来)およびpTreg(末梢由来、末梢におけるナイーブT細胞から分化される)などの様々なTregサブクラスも含まれる。Tregは、腫瘍によって発現されるものを含む、抗原に対する末梢自己耐性の誘導および維持に重要な役割を果たす。
「CD4+T細胞」は、マクロファージ、Bリンパ球(B細胞)、CD8リンパ球(CD8細胞)などの他の免疫細胞を刺激することによって免疫応答を調整して感染と戦うように機能する、リンパ球の種類である。CD4+T細胞は、抗原提示細胞上で見出される、MHCクラスII分子上で提示されるペプチドを認識する。
CD4+T細胞と同様に、「CD8+(細胞傷害性)T細胞」は、胸腺内で生成され、T細胞受容体を発現する。細胞傷害性T細胞は、典型的には、1つのCD8αおよび1つのCD8β鎖を含む、二量体共受容体CD8を発現する。CD8+T細胞は、ほとんどの核化細胞上に見出されるMHCクラス1分子によって提示されるペプチドを認識する。CD8ヘテロ二量体は、T細胞/抗原提示細胞相互作用中にMHCクラス1の保存的部分に結合する。CD8+T細胞(細胞傷害性Tリンパ球、またはCTL)は、ウイルスおよび細菌を含む細胞内病原体に対する免疫防御、ならびに腫瘍監視のために重要である。
「NK(ナチュラルキラー)細胞」は、先天性免疫系のリンパ球であり、グループI先天性リンパ球(ILC)として分類される。NK細胞は、ウイルス感染細胞を死滅させること、ならびにがんの初期兆候を検出および制御することによるものを含み、多様な病理学的課題に応答する。
IL-7は、リンパ球および他の免疫細胞型における様々な応答を媒介する。そのような応答のためのアッセイとしては、pSTAT5の刺激、細胞増殖またはKi67などの増殖マーカー、免疫細胞型比の変化、およびエフェクタータンパク質のレベルの刺激が挙げられる。
「エフェクター細胞」は、ヘルパー(CD4+細胞)および細胞傷害(CD8+およびNK細胞)効果を媒介するリンパ球の集団を指す。エフェクター細胞としては、CD4+ヘルパーT細胞、CD8+細胞傷害性T細胞、NK細胞、リンホカイン活性化キラー(LAK)細胞、およびマクロファージ/単球などのエフェクターT細胞が挙げられる。
「ナイーブT細胞」は、骨髄で分化しており、胸腺内で中枢選択の正および負のプロセスを経たT細胞を指す。ナイーブT細胞には、ナイーブ形態のヘルパーT細胞、CD4+T細胞)およびナイーブ細胞傷害性T細胞(CD8+T細胞)が含まれる。ナイーブT細胞は、L-セレクチン(CD62L)およびC-Cケモカイン受容体7型(CCR7)の表面発現、ならびにIL-7R(CD127)の発現、ならびに活性化マーカーCD25、CD44、およびCD69の不在によって一般的に特徴付けられる。
「メモリーT細胞」は、CD4+およびCD8+の両方を含む、Tリンパ球のサブセットである。メモリー細胞の主要な機能は、関連する抗原または病原体を体内に再導入することによる、それらの細胞の再活性化後の急速な増強された免疫応答である。
「抗原結合部分」は、抗原性決定基に特異的に結合するポリペプチド分子を指す。抗原結合部分は、例えば、サイトカインまたは第2の抗原結合部分などの、その抗原結合部分が付着している実体を、標的部位、例えば、抗原決定基を持つ特定の種類の腫瘍細胞または腫瘍間質に誘導することができる。抗原結合部分には、抗体およびその断片が含まれる。抗原結合部分の例としては、抗体重鎖可変領域および抗体軽鎖可変領域を含む、抗体の抗原結合ドメインが挙げられる。抗原結合部分は、抗体定常領域を含むことができる。有用な重鎖定常領域は、α、δ、ε、y、またはμの5つのアイソタイプのうちのいずれかを含むことができる。有用な軽鎖定常領域は、KおよびAの2つのアイソタイプのうちのいずれかを含むことができる。
「ポリペプチド」は、アミド結合(ペプチド結合としても知られている)によって直鎖状に連結された単量体(アミノ酸)から構成される分子を指す。「ポリペプチド」という用語は、2つ以上のアミノ酸の任意の鎖を指し、生成物の特定の長さを指すものではない。したがって、ペプチド、ジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド、「タンパク質」、「アミノ酸鎖」、または2つ以上のアミノ酸の鎖を指すために使用される任意の他の用語が、「ポリペプチド」の定義内に含まれ、「ポリペプチド」という用語は、これらの用語のうちのいずれかの代わりに、またはそれらと同義的に使用され得る。「ポリペプチド」という用語はまた、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、既知の保護/遮断基による誘導体化、タンパク質分解切断、および/または天然に存在しないアミノ酸による修飾を含む、ポリペプチドの発現後修飾の生成物を指すことが意図される。ポリペプチドは、天然の生物学的供給源に由来するか、または組換え技術によって産生され得るが、必ずしも指定された核酸配列から翻訳されるとは限らない。ポリペプチドは、組換え方法または化学合成によることを含む、任意の方法で生成され得る。ポリペプチドは、例えば、100個超のアミノ酸、200個超のアミノ酸、500個超のアミノ酸、1,000個超のアミノ酸、または2,000個超のアミノ酸を有し得る。ポリペプチドは、定義された三次元構造を有し得るが、必ずしもそのような構造を有していない。定義された三次元構造を有するポリペプチドは、折り畳みと称され、定義された三次元構造を保有しないが、むしろ多数の異なる立体配座を採用することができるポリペプチドは、非折り畳みと称される。
「ポリヌクレオチド」は、メッセンジャーRNA(mRNA)、ウイルス由来RNA、またはプラスミドDNA(pDNA)などの単離された核酸分子または構築物を指す。ポリヌクレオチドは、ペプチド核酸(PNA)に見られるような、従来のホスホジエステル結合またはアミド結合などの非従来的な結合を含んでもよい。
「核酸分子」は、ポリヌクレオチドに存在するDNAまたはRNA断片などの任意の1つ以上の核酸セグメントを指す。
「ベクター」または「発現ベクター」は、「発現構築物」と同義であり、標的細胞内でそれが作動可能に会合している特定の遺伝子の発現を導入および誘導するために使用されるDNA分子を指す。ベクターは、自己複製核酸構造、ならびにそれが導入された宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターであり得る。発現ベクターは、発現カセットを含むことができる。発現ベクターは、大量の安定したmRNAの転写を可能にする。発現ベクターが標的細胞内に入ると、遺伝子によってコードされるリボ核酸分子またはタンパク質が、細胞転写および/または翻訳機構によって産生される。発現ベクターは、本開示によって提供されるIL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物をコードするポリヌクレオチド配列を含む、発現カセットを含むことができる。
「宿主細胞」、「宿主細胞株」、および「宿主細胞培養」は、そのような細胞の子孫を含む、外因性核酸が導入された細胞を指す。宿主細胞は、例えば、「形質転換体」および「形質転換細胞」を含み、これは、一次形質転換細胞および継代数に関係なく、一次形質転換細胞に由来する子孫を含む。
最も広い意味での「抗体」は、例えば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、二重特異性抗体などの多重特異性抗体、および望ましい抗原結合活性を示す抗体断片を含む、様々な抗体構造を包含する。「抗体」という用語は、Fabまたは抗ファージAbの発現などで「ab」と略すことができる。
「全長抗体」、「インタクトな抗体」、および「全抗体」は、天然抗体構造と実質的に同様の構造を有するか、またはFabおよびFc領域の両方を含有する重鎖を有する抗体を指す。
「抗体断片」は、インタクトな抗体が結合する抗原に結合するインタクトな抗体の一部を含む、インタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例には、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2、ダイアボディ、線形抗体、scFvなどの一本鎖抗体分子、および抗体断片から形成された多重特異性抗体が含まれる。ダイアボディは、二価または二重特異性であり得る、2つの抗原結合部位を有する抗体断片である。抗体断片は、インタクトな抗体のタンパク質分解消化、ならびにE.coliまたはファージなどの組換え宿主細胞による産生を含むが、これらに限定されない、様々な技法によって作製され得る。
「Fab」または「Fab領域」は、一般に、一方の鎖上のVH-CHlおよび他方の鎖上のVL-CLなどの2つの異なるポリペプチド鎖上にVH、CHI、VL、およびCL免疫グロブリンドメインを含む、ポリペプチドを指す。Fabは、単離したこの領域、または二重特異性抗体との関連でのこの領域を指し得る。Fabの文脈において、Fabは、CHIドメインおよびCLドメインに加えて、Fv領域を含む。
「Fv」または「Fv断片」または「Fv領域」は、抗体または「Fab」のVLおよびVHドメインを含むポリペプチドを指す。Fv領域は、Fab(一般に、定常領域も含む2つの異なるポリペプチド)およびscFvの両方としてフォーマットすることができ、viドメインおよびvhドメインは、(一般に論じられるようにリンカーと)組み合わせてscFvを形成する。
「一本鎖Fv」または「scFv」は、一般に本明細書で論じられるようにscFvリンカーを使用して、可変軽鎖ドメインと共有結合し、scFvまたはscFvドメインを形成する、可変重鎖ドメインを指す。scFvドメインは、ポリペプチドのN末端またはC末端にあるVLドメインといずれかの配向であり、逆にVHドメインについてであり得る。
「エフェクター機能」は、抗体Fc領域とFc受容体またはリガンドとの相互作用から生じる生化学的事象を指す。エフェクター機能としては、例えば、抗体依存性細胞傷害性(ADCC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)、および補体依存性細胞傷害性(CDC)が挙げられる。
「Fc」または「Fc領域」または「Fc鎖」は、抗体の定常領域を含むポリペプチドを指し、場合によっては、第1の定常領域免疫グロブリンドメイン(例えば、CHI)またはその一部の全部または一部を除外し、場合によっては、ヒンジの全部または一部をさらに除外する。したがって、Fcは、lgA、IgD、およびIgGの最後の2つの定常領域免疫グロブリンドメイン(例えば、CH2およびCH3)、IgEおよびIgMの最後の3つの定常領域免疫グロブリンドメイン、ならびに任意選択的に、これらのドメインに対する可撓性ヒンジN末端の全部または一部を指し得る。IgAおよびIgMについては、Fcは、J鎖を含み得る。IgGについては、Fc鎖は、免疫グロブリンドメインCH2およびCH3(Cy2およびCy3)、ならびに任意選択的に、CHI(Cyl)とCH2(Cy2)との間のヒンジ領域の全部または一部を含む。Fc領域の境界は変化し得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、そのカルボキシル末端に残基E216、C226、またはA231を含むものと定義され、番号付けは、Kabatにおけるものと同様のEUインデックスに従う。例えば、1つ以上のFcyRまたはFcRnへの結合を変化させるために、Fc領域に対してアミノ酸修飾を行うことができる。ヒトIgG1のためのEU番号付けでは、CH2-CH3ドメインは、アミノ酸231~447を含み、ヒンジは216~230である。したがって、Fc鎖の定義は、アミノ酸231~447(CH2-CH3)もしくは216~447(ヒンジ-CH2-CH3)の両方、またはそれらの断片を含む。Fc断片は、一般的にサイズ(例えば、非変性クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィーなど)に基づいて、標準的な方法を使用して検出され得るような、別のFc鎖またはFc断片を有する二量体を形成する能力を保持する、N末端およびC末端のいずれかまたは両方からのより少ないアミノ酸を含有することができる。ヒトIgG Fc鎖は、特に有用であり、ヒトIgGl、IgG2またはIgG4由来のFc鎖であり得る。
「重定常領域」は、可変重ドメインを除く、ヒトIgGlのEU番号付けではアミノ酸118~447などの抗体またはその断片のCH1-ヒンジ-CH2-CH3部分を指す。「重鎖定常領域断片」は、別の重鎖定常領域と二量体を形成する能力を保持する、N末端およびC末端のいずれかまたは両方からのより少ないアミノ酸を含有する重鎖定常領域を指す。
「免疫グロブリン」は、天然に存在する抗体の構造を有するタンパク質を指す。例えば、IgGクラスの免疫グロブリンは、約150,000Daのヘテロ四量体糖タンパク質であり、ジスルフィド結合を介してともに結合される2本の軽鎖および2本の重鎖から構成される。N末端からC末端まで、各重鎖は、可変重ドメインまたは重鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VH)、続いて、重鎖定常領域とも呼ばれる3つの定常ドメイン(CHI、CH2、およびCH3)を有する。同様に、N末端からC末端まで、各軽鎖は、可変軽ドメインまたは軽鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VL)、続いて、軽鎖定常領域とも呼ばれる定常軽(CL)ドメインを有する。免疫グロブリンの重鎖は、α(IgA)、δ(IgD)、ε(IgE)、y(IgG)、またはμ(IgM)と呼ばれる5つのクラスのうちの1つに割り当てられ得、そのうちのいくつかは、γ1(IgG1)、γ2(IgG2)、γ3(IgG3)、γ4(gG4)、α1(IgA1)、およびα2(IgA2)などのサブクラスにさらに分けられ得る。免疫グロブリンの軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)またはラムダ(λ)の2つのタイプのうちの1つに割り当てられ得る。免疫グロブリンは、本質的に、免疫グロブリンヒンジ領域を介して連結された2つのFab分子およびFc鎖からなる。
「免疫複合体」は、少なくとも1つのIL-7Rαγcリガンドと、少なくとも1つの抗原結合部分とを含む、ポリペプチド分子を指す。免疫複合体は、少なくとも1つのIL-7Rαγcリガンドと、少なくとも2つの抗原結合部分とを含むことができる。免疫複合体は、少なくとも1つのIL-7Rαγcリガンドと、1つ以上のリンカー配列によって継合された2つの抗原結合部分とを含むことができる。抗原結合部分は、種々の相互作用によって、および種々の構成で、IL-7Rαγcリガンドに継合されることができる。
「リンカー」は、ある化合物を別の化合物に結合する部分を指す。リンカーとしては、IL-7Rαγcリガンドリンカー、タンデムIL-7Rαγcリガンドリンカー、およびIL-7Rαγcリガンド構築物リンカーを挙げることができる。リンカーは、合成リンカーであり得る。リンカーは、アミノ酸リンカーであり得る。一般に、本開示によって提供されるリンカーは、IL-7RαγcリガンドがIL-7Rと相互作用し、高親和性でIL-7Rに結合し、および/またはIL-7Rを活性化する能力を促進する。リンカーは、ペプチドまたは非ペプチドを含むことができる。非ペプチドリンカーとしては、例えば、アルキンおよびアジド官能基のCu(I)触媒反応に由来するトリアゾール部分を含有するものが挙げられる。IL-7Rαγcリガンドリンカーは、IL-7Rαリガンドおよび/またはRγcリガンドなどの少なくとも1つのIL-7Rリガンドを別のIL-7Rリガンドに結合する部分を指す。リンカーは、同じIL-7Rリガンドまたは異なるIL-7Rリガンドであり得る、別のIL-7Rリガンドに結合することができる。リンカーはまた、所望の生理学的機能を提供する1つ以上の追加の部分に結合することもできる。リンカーは、二価または多価であり得る。リンカーは、加水分解的に安定であり得るか、または生理学的に加水分解可能もしくは酵素分解可能もしくは切断可能な結合を含んでもよい。リンカーは、IL-7Rリガンドに結合して、二量体、三量体、または高次マルチリガンドペプチド(ヘテロマー)および化合物を形成することができる。
リガンドリンカーは、二価または多価であり得る。リガンドリンカーは、加水分解的に安定であり得るか、または生理学的に加水分解可能もしくは酵素分解可能なリガンド結合を含んでもよい。リガンドリンカーは、IL-7Rαリガンドに結合して、二量体、三量体、または高次マルチリガンドペプチド(ヘテロマー)および化合物を形成することができる。リガンドリンカーは、ペプチジルリガンドリンカーまたは化学リガンドリンカーであり得る。IL-7Rαγcリガンドは、少なくとも1つのIL-7Rαリガンドおよび少なくとも1つのRγcリガンドを含む部分を指す。
「可撓性リンカー」は、グリシンおよびセリンなどの可撓性アミノ酸を含むペプチジルリンカーを指す。可撓性リンカーは、例えば、例えば、1~50個、1~40個、1~30個、1~20個、1~10個、または1~5個のアミノ酸などの1~100個のアミノ酸を含むことができ、各アミノ酸は、独立して、グリシンおよびセリンから選択される。可撓性リンカーの例としては、nが1~20の整数であり得る、(G)(配列番号9380)、(GS)(配列番号9381)、(GGS)(配列番号9382)、(GGGS)(配列番号9383)、もしくは(GGGGS)(配列番号9384)、nが1~10の整数であり得る、(G)(配列番号9385)、(GS)(配列番号9386)、(GGS)(配列番号9387)、(GGGS)(配列番号9388)、もしくは(GGGGS)(配列番号9389)、またはnが1~5の整数であり得る、(G)(配列番号9390)、(GS)(配列番号9391)、(GGS)(配列番号9392)、(GGGS)(配列番号9393)、もしくは(GGGGS)(配列番号9394)が挙げられる。(可撓性リンカーは、アミノ酸配列、例えば、(GGGGS)(配列番号9395)、(GGGGS)(配列番号9396)、(GGGGS)(配列番号9397)、(GGGGS)(配列番号9398)、(GG)(配列番号9399)、(GGG)(配列番号9400)、(GGGGG)(配列番号9401)、(GGS)(配列番号9402)、(GGGS)(配列番号9403)、(GGGGSGG)(配列番号9404)、(GGS)(配列番号9405)、(G)(配列番号9406)、または(GS)10(配列番号9407)を有することができる。
「剛性リンカー」は、プロリンが豊富であり、アラニン、リジン、および/またはグルタミン酸などの他のアミノ酸を含み得る、ペプチジルリンカーを指す。剛性リンカーは、例えば、1~50個、1~40個、1~30個、1~20個、1~10個、または1~5個のアミノ酸などの1~100個のアミノ酸を含むことができ、各アミノ酸は、独立して、プロリン、アラニン、リジン、およびグルタミン酸から選択される。剛性リンカーは、例えば、1~50個、1~40個、1~30個、1~20個、1~10個、または1~5個のアミノ酸などの1~100個のアミノ酸を含むことができ、各アミノ酸は、独立して、プロリンおよびアラニンから選択される。剛性リンカーは、nが1~20の整数である、配列(P)(配列番号9420)または(PA)(配列番号9421)を有することができる。剛性リンカーは、nが1~10の整数である、配列(P)(配列番号9422)または(PA)(配列番号9423)を有することができる。剛性リンカーは、nが1~5の整数である、配列(P)(配列番号9424)または(PA)(配列番号9425)を有することができる。剛性リンカーは、配列(PA)(配列番号9426)、(PA)(配列番号9427)または(PA)10(配列番号9428)を有することができる。
「タンパク質」は、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド、およびペプチドを含む、少なくとも2つの共有結合したアミノ酸を指す。加えて、抗体を構成するポリペプチドには、1つ以上の側鎖または末端の合成誘導体化、グリコシル化、PEG化、環状順列、環化、他の分子へのリンカー、タンパク質またはタンパク質ドメインへの融合、およびペプチドタグまたは標識の付加が含まれ得る。生物学的に機能的な分子が2つ以上のタンパク質を含む場合、各タンパク質は、「モノマー」または「サブユニット」または「ドメイン」と称され得、生物学的に機能的な分子は、「複合体」と称され得る。
「アミノ酸配列類似性」は、配列の1つ以上のアミノ酸が化学的に類似するアミノ酸と置き換えられている、アミノ酸配列を指す。化学的に類似するアミノ酸の例には、(a)アラニン(A)、グリシン(G)、プロリン(P)、セリン(S)、またはトレオニン(T)などの小さな疎水性側鎖を有するアミノ酸、(b)セリン(S)、トレオニン(T)、またはチロシン(Y)などのヒドロキシル含有側鎖を有するアミノ酸、(c)アスパラギン酸塩(D)またはグルタミン酸塩(E)などの酸性側鎖を有するアミノ酸、(d)ヒスチジン(H)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、またはチロシン(Y)などの極性中性側鎖を有するアミノ酸、(e)アルギニン(R)、リジン(K)、またはヒスチジン(H)などの塩基性側鎖を有するアミノ酸、(f)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、またはトリプトファン(W)などの大きな疎水性側鎖を有するアミノ酸、および(g)フェニルアラニン(F)、ヒスチジン(H)、トリプトファン(W)、またはチロシン(Y)を含む芳香族側鎖を有するアミノ酸が挙げられる。化学的に類似するアミノ酸は、天然に存在するアミノ酸または非天然アミノ酸を含むことができる。
「配列類似性率(%)」は、対象結合化合物および参照結合化合物において同じであるアミノ酸の数を比較することによって決定される。本開示によって提供される結合化合物は、例えば、参照結合化合物との70%超、80%超、または90%超の配列類似性を含むことができる。例えば、配列番号1130を有する参照結合化合物に基づいて、配列番号1131~1136を有する結合化合物は、参照ペプチドのアミノ酸が、アミノ酸であるアラニンと置換されているか、または置き換えられている、1、2、3、4、または5個のいずれかのアミノ酸を有する。配列番号1131~1136を有する結合化合物は、それぞれ、参照ペプチドのアミノ酸配列との95%、90%、85%、80%、75%、または70%の配列類似性によって特徴付けられる。
Figure 2023514128000107

本開示によって提供される結合化合物は、参照アミノ酸配列の1~5個のアミノ酸が別のアミノ酸で置換されている、アミノ酸配列を有することができる。
例えば、参照結合化合物に由来する結合化合物は、1~5個のアミノ酸置換、1~4個、1~3個、または1~2個のアミノ酸置換を有することができる。例えば、参照結合化合物に由来する結合化合物は、1個のアミノ酸置換、2個のアミノ酸置換、3個のアミノ酸置換、4個のアミノ酸置換、または5個のアミノ酸置換を有することができる。
アミノ酸置換は、他のアミノ酸置換から独立し得る。
各アミノ酸置換は、独立して、保存的アミノ酸置換または非保存的アミノ酸置換であり得る。
保存的アミノ酸置換とは、以下のアミノ酸置換のうちの1つを指す:アラニン(A)、グリシン(G)、プロリン(P)、セリン(S)、またはトレオニン(T)を含む小さな疎水性側鎖を有するアミノ酸、セリン(S)、トレオニン(T)、またはチロシン(Y)を含むヒドロキシル含有側鎖を有するアミノ酸、アスパラギン酸塩(D)またはグルタミン酸塩(E)を含む酸性側鎖を有するアミノ酸、ヒスチジン(H)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、またはチロシン(Y)を含む極性中性側鎖を有するアミノ酸、アルギニン(R)、リジン(K)、またはヒスチジン(H)を含む塩基性側鎖を有するアミノ酸、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、またはトリプトファン(W)を含む大きな疎水性側鎖を有するアミノ酸、およびフェニルアラニン(F)、ヒスチジン(H)、トリプトファン(W)、またはチロシン(Y)を含む芳香族側鎖を有するアミノ酸。
例えば、参照結合化合物は、配列番号1120のアミノ酸配列を有することができる。
Figure 2023514128000108

配列番号1121~1125を有する結合化合物は、それぞれ、配列番号1120を有する参照結合化合物が、1~5個の保存的アミノ酸置換で置換されている、結合化合物を表す。
本開示によって提供される結合化合物は、切断結合化合物を含むことができる。切断結合化合物は、1~5個のアミノ酸が、独立して、対応する参照結合化合物のN末端、C末端、またはN末端およびC末端の両方から除去されている、結合化合物を指す。対応する参照結合化合物に由来する切断結合化合物は、独立して、1~4個のアミノ酸、1~3個のアミノ酸、または1~2個のアミノ酸などの1~5個のアミノ酸を、独立して、参照結合化合物のN末端、C末端、またはN末端およびC末端の両方から除去させることができる。対応する参照結合化合物に由来する切断結合化合物は、独立して、1個のアミノ酸、2個のアミノ酸、3個のアミノ酸、4個のアミノ酸、または5個のアミノ酸を、参照結合化合物のN末端、C末端、またはN末端およびC末端の両方から除去させることができる。
例えば、参照結合化合物は、配列番号1100のアミノ酸配列を有することができる。配列番号1100の参照結合化合物に由来する切断結合化合物の例としては、配列番号1101~1108のアミノ酸配列の切断結合化合物が挙げられる。
Figure 2023514128000109

配列番号1101~1103の切断結合化合物は、アミノ酸を参照結合化合物のN末端から除去させ、配列番号1104~1106の切断結合化合物は、アミノ酸を参照結合化合物のC末端から除去させ、配列番号1107~1108の切断結合化合物は、アミノ酸を参照結合化合物のN末端およびC末端の両方から除去させる。
別の例として、参照結合化合物は、式(A)のアミノ酸配列を含むことができ、
Figure 2023514128000110

式中、各-X-は、独立して、アミノ酸を表す。式(A1)~(A5)のアミノ酸配列は、式(A)のアミノ酸配列を含む参照結合化合物に由来する切断結合化合物を表す:
Figure 2023514128000111
本開示によって提供される結合化合物は、1~3個のグリシンが、独立して、参照結合化合物のN末端、C末端、またはN末端およびC末端の両方に結合されている、アミノ酸配列を含むことができる。
例えば、参照結合化合物は、配列番号1110を有することができる。配列番号1111~1113を有する結合化合物は、それぞれ、参照結合化合物のN末端に結合された1~3個のグリシンを有し、配列番号1114~1116を有する結合化合物は、それぞれ、参照結合化合物のC末端に結合された1~3個のグリシンを有し、配列番号1117~1118を有する結合化合物は、独立して、参照結合化合物のN末端およびC末端の両方に結合された1つまたは2つのグリシン(配列番号9399)を有する。
Figure 2023514128000112

結合化合物は、1~3個のグリシンが、独立して、参照切断結合化合物のN末端、C末端、またはN末端およびC末端の両方に結合されている、切断結合化合物を含むことができる。
「IL-7Rα結合化合物」は、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド、本開示によって提供されるタンデムIL-7Rαγcリガンド、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド構築物、ならびに本開示によって提供される少なくとも1つのIL-7Rαリガンドおよび少なくとも1つのRγcリガンドを含む構築物を指す。
「IL-7R」、「IL-7Rαサブユニット」、および「Rγcサブユニット」は、それぞれ、ヒトIL-7R、ヒトIL-7Rαサブユニット、およびRγcサブユニットなどの哺乳動物「IL-7R」、「IL-7Rαサブユニット」、および「Rγcサブユニット」をそれぞれ指す。
組換え「IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質」は、IL-7Rαγcリガンドの翻訳リーディングフレームが、別のタンパク質のもの、すなわち、IL-7Rαγcリガンド融合パートナーに融合され、単一の組換えポリペプチドを産生する、組換えDNA技術によって作製されたタンパク質を指す。IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質は、1つ以上のIL-7Rαリガンドおよび1つ以上のRγcリガンドを含むことができる。IL-7Rαγcリガンド融合パートナーは、IL-7RαγcリガンドがFc構造の一方または両方のC末端に付着している、IgG分子のFcドメインを含むことができる。IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質は、ペプチジルリンカーアミノ酸配列が、IL-7Rαγcリガンドまたは融合タンパク質パートナーのいずれにも由来しないように、IL-7Rαγcリガンドを融合タンパク質パートナーに結合するアミノ酸配列などのペプチジルリンカーを含むことができる。そのようなリンカーは、構築物リンカーと称される。構築物リンカーは、スペーサーとして融合タンパク質に組み込まれ、構成タンパク質部分の適切なタンパク質折り畳みおよび安定性を促進し、タンパク質発現を改善し、および/または2つの融合パートナーのより良い生物活性を可能にすることができる。構築物リンカーは、例えば、可撓性ペプチドおよび/または剛性ペプチドを含み得る。構築物リンカーは、化学的構築物リンカーであり得る。
「少なくとも1つ」という表現は、「1つ以上」を指す。例えば、「少なくとも」という表現は、1~10、1~8、1~6、1~5、1~4、1~3、または1~2を指すことができる。例えば、「少なくとも1つ」という表現は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10を指すことができる。
ここで、化合物、組成物、および方法のある特定の実施形態を詳細に参照する。開示される実施形態は、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。それとは反対に、特許請求の範囲は、全ての代替物、修正、および同等物を包含することを意図している。
本開示は、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、およびIL-7Rαγcリガンド構築物を含む、IL-7Rαγc結合化合物を対象とする。IL-7Rαγc結合化合物は、IL-7Rアゴニスト、部分的アゴニスト、またはアンタゴニストであり得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、IL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、ならびにIL-7RαおよびRγcリガンドを結合するIL-7Rαγcリガンドリンカーを含む。IL-7Rαγcリガンドは、IL-7Rアゴニスト、部分的IL-7Rアゴニスト、またはIL-7Rアンタゴニストであり得る。
本開示によって提供されるタンデムIL-7Rαγcリガンドは、1つ以上のタンデムリンカーによってともに結合された2つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含む。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc構築物は、ポリマー、タンパク質、Fc断片、免疫グロブリン断片、または抗体などの構築物パートナーと称される別の分子に結合された少なくとも1つのIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。本開示によって提供されるIL-7Rαγc構築物はまた、少なくとも1つのIL-7Rαリガンドおよび少なくとも1つのRγcリガンドも含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、IL-7Rαサブユニットおよび/またはRγcサブユニット上の独自の結合部位に結合し、100μM未満、10μM未満、1μM未満、100nM未満、または10nM未満のIC50で独自の結合部位に結合することが可能な化合物を含む。
IL-7Rαγc結合化合物は、少なくとも1つのIL-7Rαリガンドを含むことができる。好適なIL-7Rαリガンドの例は、参照によりその全体で組み込まれる、IL-7R-Alpha Binding Compoundsと題された、2020年2月3日に出願された米国仮出願第62/969,432号に開示されている。
本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドは、100μM未満、10μM未満、1μM未満、0.1μM未満、または0.01μM未満のIC50でヒトIL-7Rαサブユニットに結合することができる。
IL-7Rαリガンドは、1pM~100μM、10pM~10μM、100pM~1μM、0.001μM~1μM、または0.01μM~1μMのIC50でヒトIL-7Rαサブユニットに結合することができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドは、100μM未満、10μM未満、1μM未満、0.1μM未満、または0.01μM未満のIC50で哺乳動物IL-7Rαサブユニットに結合することができる。
IL-7Rαリガンドは、1pM~100μM、10pM~10μM、100pM~1μM、0.001μM~1μM、または0.01μM~1μMのIC50で哺乳動物IL-7Rαサブユニットに結合することができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドは、100μM未満、10μM未満、1μM未満、0.1μM未満、または0.01μM未満のIC50でヒトIL-7RαサブユニットおよびヒトRγcサブユニットに結合することができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドは、式(1)のアミノ酸配列(配列番号9434)、式(1a)のアミノ酸配列(配列番号9435)、式(1b)のアミノ酸配列(配列番号9436)、または式(1c)のアミノ酸配列(配列番号9437)を含むことができ、
Figure 2023514128000113

式中、
201は、大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
202は、小さな疎水性側鎖またはシステインを含むアミノ酸から選択されることができ、
203は、大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
204は、塩基性側鎖またはシステインを含むアミノ酸から選択されることができ、
205は、大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸、または小さな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
206は、大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸、または酸性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
207は、酸性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
208は、酸性側鎖を含むアミノ酸、または小さな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
209は、小さな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
210は、大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸、または小さな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
211は、大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
212は、極性/中性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
213は、システインから選択されることができ、
214は、小さな疎水性側鎖を含むアミノ酸、または大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
215は、大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、
216は、大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X201は、H、I、Q、およびVから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X201は、I、Q、およびVから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X201は、Iであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X202は、C、P、およびRから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X202は、CおよびPから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X203は、I、K、L、S、V、およびWから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X203は、Wであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X204は、CおよびHから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X204は、Cであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X205は、A、I、L、M、T、およびWから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X205は、TおよびWから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X206は、D、L、およびWから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X206は、DおよびLから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X207は、D、I、L、およびQから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X207は、DおよびLから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X207は、Dであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X208は、D、E、およびPから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X208は、EおよびPから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X208は、Pであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X209は、G、S、およびTから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X209は、GおよびSから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X209は、Gであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X210は、A、G、L、およびSから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X210は、LおよびSから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X211は、F、I、L、およびMから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X211は、Lであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X212は、G、H、L、N、Q、およびSから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X212は、QおよびSから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X212は、Qであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X213は、Cであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X214は、A、E、I、L、S、T、およびVから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X214は、AおよびVから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X215は、F、R、W、およびYから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X215は、Wであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X216は、E、L、Q、およびWから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、X216は、Lであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、IL-7Rαリガンドは、直前の35段落で定義されるように、X201-X26の任意の組み合わせによって定義されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、
201は、H、I、Q、およびVから選択されることができ、
202は、C、P、およびRから選択されることができ、
203は、I、K、L、S、V、およびWから選択されることができ、
204は、CおよびHから選択されることができ、
205は、A、I、L、M、T、およびWから選択されることができ、
206は、D、L、およびWから選択されることができ、
207は、D、I、L、およびQから選択されることができ、
208は、D、E、およびPから選択されることができ、
209は、G、S、およびTから選択されることができ、
210は、A、G、L、およびSから選択されることができ、
211は、F、I、L、およびMから選択されることができ、
212は、G、H、L、N、Q、およびSから選択されることができ、
213は、Cであり得、
214は、A、E、I、L、S、T、およびVから選択されることができ、
215は、F、R、W、およびYから選択されることができ、
216は、E、L、Q、およびWから選択されることができる。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、
201は、I、Q、およびVから選択されることができ、
202は、CおよびPから選択されることができ、
203は、Wであり得、
204は、CおよびHから選択されることができ、
205は、TおよびWから選択されることができ、
206は、DおよびLから選択されることができ、
207は、DおよびLから選択されることができ、
208は、EおよびPから選択されることができ、
209は、GおよびSから選択されることができ、
210は、LおよびSから選択されることができ、
211は、Lであり得、
212は、QおよびSから選択されることができ、
213は、Cであり得、
214は、AおよびVから選択されることができ、
215は、Wであり得、
216は、Lであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、
201は、Iであり得、
202は、CおよびPから選択されることができ、
203は、Wであり得、
204は、CおよびHから選択されることができ、
205は、TおよびWから選択されることができ、
206は、DおよびLから選択されることができ、
207は、Dであり得、
208は、Pであり得、
209は、Gであり得、
210は、LおよびSから選択されることができ、
211は、Lであり得、
212は、Qであり得、
213は、Cであり得、
214は、AおよびVから選択されることができ、
215は、Wであり得、
216は、Lであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、
201は、Qであり得、
202は、Cであり得、
203は、I、L、K、およびVから選択されることができ、
204は、Hであり得、
205は、Wであり得、
206は、Dであり得、
207は、IおよびLから選択されることができ、
208は、Eであり得、
209は、SおよびTから選択されることができ、
210は、Lであり得、
211は、Lであり得、
212は、G、L、N、およびSから選択されることができ、
213は、Cであり得、
214は、I、L、およびVから選択されることができ、
215は、Rであり得、
216は、Eであり得る。
式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、
201は、IおよびVから選択されることができ、
202は、Pであり得、
203は、Wであり得、
204は、Cであり得、
205は、Tであり得、
206は、Lであり得、
207は、Dであり得、
208は、Pであり得、
209は、Gであり得、
210は、LおよびSから選択されることができ、
211は、Lであり得、
212は、Qであり得、
213は、Cであり得、
214は、Aであり得、
215は、Wから選択されることができ、
216は、Lであり得る。
IL-7Rαリガンドは、配列番号393~配列番号410のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列または切断アミノ酸配列を含むことができる。
Figure 2023514128000114

本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドは、配列番号389~410および9434~9437のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドは、配列番号389~410および9434~9437のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号389~410および9434~9437のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~5個のグリシン(G)(配列番号9390)を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドは、配列番号389~410および9434~9437のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号389~410および9434~9437のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、1~5個のアミノ酸置換などの1つ以上のアミノ酸置換を含む。アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換を含むことができる。
IL-7Rαリガンドは、配列番号389~410および9434~9437のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸配列または切断アミノ酸配列類似性を含むことができる。
ファージELISA競合アッセイを使用して決定される、10μM未満のIC50でhIL-7Rαサブユニットに結合された配列番号389~410のうちのいずれか1つのIL-7Rαリガンド。
本開示によって提供される特定のIL-7Rαリガンドは、IL-7が結合するIL-7Rαサブユニット上の結合部位とは異なる、IL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位に結合することができる。
配列番号5、43、104、146、および313を有するIL-7Rαリガンドは、IL-7Rαに結合するIL-7と競合的に結合せず、これらの化合物のためのIL-7Rαリガンド結合部位がIL-7のものとは明確に異なることを示す。このIL-7Rαリガンドの群は、10μM未満のIC50でIL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位に結合する。
IL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位は、少なくとも以下の特性によって特徴付けられることができる。(1)IL-7Rαリガンドの群は、10μM未満のIC50でIL-7Rαサブユニット上の各独自の結合部位に結合する、(2)群内のIL-7Rαリガンドのそれぞれは、群内の他のIL-7Rαリガンドのそれぞれと競合的にIL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位に結合する、(3)配列番号965のアミノ酸配列を有するペプチドは、IL-7Rαリガンドの群内のペプチドとIL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位への結合について競合しない、および(4)配列番号5、43、104、146、および313を有するIL-7Rαリガンドは、IL-7Rαに結合するIL-7と競合的に結合せず、このIL-7Rαリガンド結合部位がIL-7のものとは明確に異なることを示す。
IL-7Rαリガンドの群は、配列番号5、43、104、146、および313のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を有する、少なくともIL-7Rαリガンドを含む。
これらのIL-7RαリガンドのためのIL-7Rαサブユニットの独自の結合部位は、例えば、実施例12に記載されるような競合結合アッセイを使用して、特徴付けられることができる。
IL-7Rαリガンドは、配列番号420~配列番号486のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むことができる。
Figure 2023514128000115


Figure 2023514128000116


Figure 2023514128000117


Figure 2023514128000118

配列番号407および454に基づく切断IL-7Rαリガンドの例としては、以下が含まれる。
Figure 2023514128000119

本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドは、式(2)のアミノ酸配列(配列番号500)、式(2a)のアミノ酸配列(配列番号501)、式(2b)のアミノ酸配列(配列番号502)、式(2c)のアミノ酸配列(配列番号503)、式(2d)のアミノ酸配列(配列番号504)、式(2e)のアミノ酸配列(配列番号505)、式(2f)のアミノ酸配列(配列番号506)、または式(2g)のアミノ酸配列(配列番号507)を含むことができ、
Figure 2023514128000120

式中、
198は、A、G、P、S、T、およびVから選択され、
199は、F、H、W、およびYから選択され、
200は、A、G、H、K、P、R、S、およびTから選択され、
210は、A、G、P、S、およびTから選択され、
217は、A、G、H、K、P、R、S、およびTから選択され、
218は、アミノ酸および単結合から選択され、
219は、アミノ酸および単結合から選択される。
式(2)~(2g)のうちのいずれか1つのIL-7Rαリガンドであって、
198は、VおよびGから選択され、
199は、HおよびWから選択され、
200は、RおよびGから選択され、
210は、GおよびSから選択され、
217は、RおよびGから選択され、
218は、Q、G、Kおよび単結合から選択され、
219は、G、H、M、および単結合から選択される。
式(2)~(2g)のいずれか1つのIL-7Rαリガンドでは、X198は、Vであり得、X199は、Hであり得、X200は、Rであり得る。
式(2)~(2g)のいずれか1つのIL-7Rαリガンドでは、X198は、Gであり得、X199は、Wであり得、X200は、Gであり得る。
式(2)~(2g)のいずれか1つのIL-7Rαリガンドでは、X210は、Gであり得る。
式(2)~(2g)のいずれか1つのIL-7Rαリガンドでは、X210は、Sであり得る。
式(2)~(2g)のいずれか1つのIL-7Rαリガンドでは、X217は、Rであり得る。
式(2)~(2g)のいずれか1つのIL-7Rαリガンドでは、X217は、Rであり得、X218は、Qであり得、X219は、Mであり得る。
式(2)~(2g)のいずれか1つのIL-7Rαリガンドでは、X217は、Gであり得、X218は、Kであり得、X219は、Hであり得る。
式(2)~(2g)のIL-7Rαリガンドでは、IL-7Rαリガンドは、直前の9段落で定義されるように、変数の任意の組み合わせによって定義されることができる。
IL-7Rαリガンドは、配列番号508~556のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列または切断アミノ酸配列を含むことができる。
Figure 2023514128000121

Figure 2023514128000122

本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドは、配列番号420~556のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドは、配列番号420~556のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号420~556のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)(配列番号2045)を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドは、配列番号420~556のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号420~486のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、1~5個のアミノ酸置換などの1つ以上のアミノ酸置換を含む。アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換を含むことができる。
IL-7Rαリガンドは、配列番号420~556のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸配列または切断アミノ酸配列類似性を含むことができる。
ファージELISA競合アッセイを使用して決定される、10μM未満のIC50でhIL-7Rαサブユニットに結合された配列番号420~556のうちのいずれか1つのIL-7Rαリガンド。
本開示によって提供される特定のIL-7Rαリガンドは、IL-7が結合するIL-7Rαサブユニット上の結合部位とは異なる、IL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位に結合することができる。
配列番号5、43、104、146、および313を有するIL-7Rαリガンドは、IL-7Rαに結合するIL-7と競合的に結合せず、これらの化合物のためのIL-7Rαリガンド結合部位がIL-7のものとは明確に異なることを示す。このIL-7Rαリガンドの群は、10μM未満のIC50でIL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位に結合する。
Rγcリガンドは、参照によりその全体で組み込まれる、米国出願公開第2020/0040036号に開示されているRγcリガンドを含むことができる。
本開示によって提供されるRγcリガンドは、100μM未満、10μM未満、1μM未満、0.1μM未満、または0.01μM未満のIC50でヒトRγcサブユニットに結合する。
本開示によって提供されるRγcリガンドは、1pM~100μM、10pM~10μM、100pM~1μM、0.001μM~1μM、または0.01μM~1μMのIC50でヒトRγcサブユニットに結合する。
本開示によって提供されるRγcリガンドは、100μM未満、10μM未満、1μM未満、0.1μM未満、または0.01μM未満のIC50で哺乳動物Rγcサブユニットに結合する。
本開示によって提供されるRγcリガンドは、1pM~100μM、10pM~10μM、100pM~1μM、0.001μM~1μM、または0.01μM~1μMのIC50で哺乳動物Rγcサブユニットに結合する。
Rγcリガンドは、式(3)(配列番号9438)、式(3a)(配列番号9439)、式(3b)(配列番号9440)、式(3c)(配列番号9441)、式(3d)(配列番号9442)、または式(3e)(配列番号9443)のアミノ酸配列を含むことができ、
Figure 2023514128000123

式中、X171は、塩基性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、X172は、ヒドロキシル含有側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、X173は、酸性側鎖または大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、X174は、大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、X175は、酸性側鎖または大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、X176は、酸性側鎖または極性/中性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、X177は、酸性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、X178は、大きな疎水性側鎖または芳香族側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、X179は、酸性側鎖または極性/中性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、X180は、Gであり得、X181は、Vであり得、X182は、Eであり得、X183は、Lであり得、X184は、Wであり得、X185は、大きな疎水性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができ、X186は、Eであり得、X187は、アミノ酸から選択されることができ、X188は、酸性側鎖を含むアミノ酸から選択されることができる。
式(3)、(3a)、(3b)、(3c)、(3d)、および/または(3e)のRγcリガンドでは、X171は、H、K、およびRから選択されることができ、X172は、S、T、およびYから選択されることができ、X173は、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X174は、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X175は、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X176は、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択されることができ、X177は、DおよびEから選択されることができ、X178は、F、H、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X179は、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択されることができ、X180は、Gであり得、X181は、Vであり得、X182は、Eであり得、X183は、Lであり得、X184は、Wであり得、X185は、F、I、L、M、V、W、Y、H、N、Q、S、およびTから選択されることができ、X186は、Eであり得、X187は、アミノ酸から選択されることができ、X188は、DおよびEから選択されることができる。
式(3)、(3a)、(3b)、(3c)、(3d)、および/または(3e)のRγcリガンドでは、X171は、D、E、G、H、K、M、N、P、Q、R、S、およびTから選択されることができ、X172は、A、D、E、G、I、K、L、P、Q、R、S、T、V、W、およびYから選択されることができ、X173は、A、D、E、F、G、I、Q、S、T、V、W、およびYから選択されることができ、X174は、A、I、E、I、L、M、N、Q、R、S、T、およびVから選択されることができ、X175は、A、E、I、L、M、N、Q、R、S、T、およびVから選択されることができ、X176は、D、E、H、L、Q、R、およびVから選択されることができ、X177は、D、E、E、N、T、およびVから選択されることができ、X178は、F、S、W、およびYから選択されることがで、X179は、A、D、E、G、H、K、N、Q、R、およびYから選択されることができ、X180は、G、およびRから選択されることができ、X181は、Vであり得、X182は、D、E、およびYから選択されることができ、X183は、F、I、およびLから選択されることができ、X184は、Wであり、X185は、C、H、I、L、P、Q、T、V、およびYから選択されることができ、X186は、A、D、E、G、M、R、S、T、およびVから選択されることができ、X187は、A、D、E、F、G、I、M、N、P、Q、R、S、T、V、およびYから選択されることができ、X188は、A、C、D、E、F、G、I、K、L、N、P、Q、R、S、およびVから選択されることができる。
式(3)、(3a)、(3b)、(3c)、(3d)、および/または(3e)のRγcリガンドでは、X171は、H、K、およびRから選択されることができ、X172は、S、T、およびYから選択されることができ、X173は、D、E、F、I、およびVから選択されることができ、X174は、IおよびVから選択されることができ、X175は、E、I、L、M、およびVから選択されることができ、X176は、D、E、およびQから選択されることができ、X177は、DおよびEから選択されることができ、X178は、FおよびWから選択されることができ、X179は、D、E、N、およびQから選択されることができ、X180は、Gであり得、X181は、Vであり得、X182は、DおよびEから選択されることができ、X183は、Lであり得、X184は、Wであり得、X185は、I、L、Q、およびVから選択されることができ、X186は、DおよびEから選択されることができ、X187は、A、D、E、F、G、I、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYから選択されることができ、X188は、D、E、N、およびQから選択されることができる。
式(3)、(3a)、(3b)、(3c)、(3d)、および/または(3e)のRγcリガンドでは、X171は、KおよびRから選択されることができ、X172は、S、T、およびYから選択されることができ、X173は、D、E、F、I、およびVから選択されることができ、X174は、Vであり得、X175は、E、L、M、およびVから選択されることができ、X176は、Qであり得、X177は、DおよびEから選択されることができ、X178は、Wであり得、X179は、D、E、N、およびQから選択されることができ、X180は、Gであり得、X181は、Vであり得、X182は、Eであり得、X183は、Lであり得、X184は、Wであり得、X185は、I、L、Q、およびVから選択されることができ、X186は、DおよびEから選択されることができ、X187はA、D、E、F、G、I、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYから選択されることができ、X188は、D、E、N、およびQから選択されることができる。
式(3)のRγcリガンドでは、X171は、H、K、およびRから選択されることができる。
式(3)~(3a)のRγcリガンドでは、X172は、S、T、およびYから選択されることができる。
式(3)~(3b)のRγcリガンドでは、X173は、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができる。
式(3)~(3b)のRγcリガンドでは、X173は、DおよびEから選択されることができる。
式(3)~(3b)のRγcリガンドでは、X173は、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができる。
式(3)~(3c)のRγcリガンドでは、X174は、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができる。
式(3)~(3c)のRγcリガンドでは、X174は、Vであり得る。
式(3)~(3d)のRγcリガンドでは、X175は、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができる。
式(3)~(3d)のRγcリガンドでは、X175は、DおよびEから選択されることができる。
式(3)~(3d)のRγcリガンドでは、X175は、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができる。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X176は、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択されることができる。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X176は、EおよびQから選択されることができる。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X177は、DおよびEから選択されることができる。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X178は、F、H、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができる。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X178は、F、H、W、およびYから選択されることができる。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X178は、Wであり得る。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X179は、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択されることができる。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X179は、D、E、およびQから選択されることができる。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X180は、Gであり得る。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X181は、Vであり得る。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X182は、Eであり得る。
式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、X183は、Lであり得る。
式(3)~(3d)のRγcリガンドでは、X184は、Wであり得る。
式(3)~(3c)のRγcリガンドでは、X185は、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができる。
式(3)~(3c)のRγcリガンドでは、X185は、Lであり得る。
式(3)~(3b)のRγcリガンドでは、X186は、Eであり得る。
式(3)~(3a)のRγcリガンドでは、X187は、アミノ酸から選択されることができる。
式(3)のRγcリガンドでは、X188は、DおよびEから選択されることができる。
式(3)、(3a)、(3b)、(3c)、(3d)、および/または(3e)のRγcリガンドでは、X171は、H、K、およびRから選択されることができ、X172は、S、T、およびYから選択されることができ、X173は、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X174は、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X175は、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X176は、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択されることができ、X177は、DおよびEから選択されることができ、X178は、F、H、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X179は、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択されることができ、X180は、Gであり得、X181は、Vであり得、X182は、Eであり得、X183は、Lであり得、X184は、Wから選択されることができ、X185は、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X186は、Eであり得、X187は、アミノ酸から選択されることができ、X188は、DおよびEから選択されることができる。
式(3)、(3a)、(3b)、(3c)、(3d)、および/または(3e)のRγcリガンドでは、X171は、H、K、およびRから選択されることができ、X172は、S、T、およびYから選択されることができ、X173は、DおよびEから選択されることができ、X174は、Vであり得、X175は、DおよびEから選択されることができ、X176は、EおよびQから選択されることができ、X177は、DおよびEから選択されることができ、X178は、F、H、W、およびYから選択されることができ、X179は、D、E、およびQから選択されることができ、X180は、Gであり得、X181は、Vであり得、X182は、Eであり得、X183は、Lであり得、X184は、Wであり得、X185は、F、I、L、M、V、W、Y、H、N、Q、S、およびTから選択されることができ、X186は、Eであり得、X187は、アミノ酸から選択されることができ、X188は、DおよびEから選択されることができる。
式(3)、(3a)、(3b)、(3c)、(3d)、および/または(3e)のRγcリガンドでは、X171は、H、K、およびRから選択されることができ、X172は、S、T、およびYから選択されることができ、X173は、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X174は、Vであり得、X175は、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X176は、EおよびQから選択されることができ、X177は、DおよびEから選択されることができ、X178は、F、H、W、およびYから選択されることができ、X179は、D、E、およびQから選択されることができ、X180は、Gであり得、X181は、Vであり得、X182は、Eであり得、X183は、Lであり得、X184は、Wであり得、X185は、F、I、L、M、V、W、Y、H、N、Q、S、およびTから選択されることができ、X186は、Eであり得、X187は、アミノ酸から選択されることができ、X188は、DおよびEから選択されることができる。
式(3)、(3a)、(3b)、(3c)、(3d)、および/または(3e)のRγcリガンドでは、X171は、H、K、およびRから選択されることができ、X172は、S、T、およびYから選択されることができ、X173は、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X174は、Vであり得、X175は、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択されることができ、X176は、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択されることができ、X176は、EおよびQから選択されることができ、X177は、DおよびEから選択されることができ、X178は、Wであり得、X179は、D、E、およびQから選択されることができ、X180は、Gであり得、X181は、Vであり得、X182は、Eであり得、X183は、Lであり得、X184は、Wであり得、X185は、F、I、L、M、V、W、Y、H、N、Q、S、およびTから選択されることができ、X186は、Eであり得、X187は、アミノ酸から選択されることができ、X188は、DおよびEから選択されることができる。
Rγcリガンドは、配列番号950~1028のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むことができる。
Figure 2023514128000124

Figure 2023514128000125

Figure 2023514128000126

本開示によって提供されるRγcリガンドは、配列番号944~1028および9438~9443のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができる。
本開示によって提供されるRγcリガンドは、配列番号944~1028および9438~9443のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号944~1028および9438~9443のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~5個のグリシン(G)(配列番号9390)を含むことができる。
本開示によって提供されるRγcリガンドは、配列番号944~1028および9438~9443のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号944~1028および9438~9443のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、1~5個のアミノ酸置換などの1つ以上のアミノ酸置換を含む。アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換であり得る。
配列番号950~1028および9438~9443のうちのいずれか1つのRγcリガンドは、100μM未満のIC50でヒトRγcサブユニットに結合する。
Rγcリガンドは、配列番号944~1028および9438~9443のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸類似性を有するアミノ酸配列を含むことができる。
Rγcリガンドは、配列番号944~1028のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含むことができる。
Rγcリガンドは、配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むことができる。
Figure 2023514128000127

本開示によって提供されるRγcリガンドは、配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができる。
本開示によって提供されるRγcリガンドは、配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号1029~1031のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~5個のグリシン(G)(配列番号9390)を含むことができる。
本開示によって提供されるRγcリガンドは、配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、1~5個のアミノ酸置換などの1つ以上のアミノ酸置換を含む。アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換であり得る。
配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つのRγcリガンドは、100μM未満のIC50でヒトRγcサブユニットに結合する。
Rγcリガンドは、配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸類似性を有するアミノ酸配列を含むことができる。
Rγcリガンドは、配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含むことができる。
本開示によって提供される特定のRγcリガンドは、IL-2またはIL-7が結合するRγcサブユニット上のRγc結合部位とは異なる、Rγcサブユニット上の特異的結合部位に結合することができる。
これらのRγcリガンドは、IL-2またはIL-7と特異的Rγc結合部位への結合について競合せず、IL-7Rαサブユニットへの検出可能な結合を有しておらず、10μM未満のIC50でRγcサブユニットに結合する。
Rγcサブユニット上の特異的結合部位は、少なくとも以下の特性によって特徴付けられることができる。(1)Rγcリガンドの群は、10μM未満のIC50でRγcサブユニット上の特異的結合部位に結合する、(2)群内のRγcリガンドは、群内の他のRγcリガンドのそれぞれと競合的にRγcサブユニット上の特異的結合部位に結合する、および(3)群内のRγcリガンドは、配列番号930のアミノ酸配列を有するRγcリガンドと特異的結合部位への結合について競合しない。
配列番号58のアミノ酸配列を有するIL-7Rαリガンドは、結合部位への結合についてRγcリガンドの群と競合しない。
Rγcリガンドの群は、配列番号198、202、224、236、248、および266のアミノ酸配列を有するRγcリガンドを含む。
Rγcリガンドの群内のRγcリガンドは、100μM未満のIC50でRγcサブユニットに結合することができ、100μM超のIC50でRαサブユニットに結合することができる。
これらのRγcリガンドのためのRγcサブユニットの特異的結合部位は、例えば、実施例13に記載される競合的結合アッセイを使用して特徴付けられることができる。
IL-7Rαリガンドおよび/またはRγcリガンドは、リガンドのN末端および/またはC末端に結合された1つ以上の隣接アミノ酸を含むことができる。
隣接アミノ酸は、IL-7Rと相互作用するリガンドの部分を、リガンドおよび/またはリガンド構築物の他の部分から分離することができる。
IL-7Rαリガンドおよび/またはRγcリガンドは、例えば、IL-7Rαおよび/またはRγcリガンドのN末端および/またはC末端に結合された、例えば、1~20個のアミノ酸、1~8個のアミノ酸などの1~10個のアミノ酸、2~6個のアミノ酸、または2~4個のアミノ酸などの隣接アミノ酸を含むことができる。
隣接アミノ酸は、任意の好適な天然に存在する、または天然に存在しないアミノ酸を含むことができる。
例えば、隣接アミノ酸は、セリンおよびセリンなどの可撓性アミノ酸から選択されることができる。
IL-7Rαリガンドおよび/またはRγcリガンドは、例えば、個別のリガンドのN末端および/またはC末端上の末端グリシン基などの隣接アミノ酸を含むことができる。例えば、IL-7RαおよびRγcリガンドは、nが、1~10(配列番号9385)、1~8、2~6、2~4、または2~3である、(-G-)グリシン基などの隣接アミノ酸を含むことができる。例えば、IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドのそれぞれは、独立して、1、2、または3つの末端グリシン基などの隣接アミノ酸を含むことができる。例えば、配列番号400、すなわち、-Q-C-I-H-W-D-I-E-T-L-L-S-C-V-を有するリガンドは、リガンドが、アミノ酸配列、例えば、それぞれ、-G-Q-C-I-H-W-D-I-E-T-L-L-S-C-V-G-(配列番号497)、-G-G-Q-C-I-H-W-D-I-E-T-L-L-S-C-V-G-G-(配列番号498)、または-G-G-G-Q-C-I-H-W-D-I-E-T-L-L-S-C-V-G-(配列番号499)を有することができるように、独立して、N末端およびC末端の両方に、-G-、-G-G-(配列番号9399)、または-G-G-G-もしくは(配列番号9400)などの隣接グリシンを含むことができる。
IL-7Rαγcリガンドは、IL-7Rαリガンド、およびIL-7RαリガンドがRγcリガンドに直接結合されているRγcリガンドを含むことができる。
IL-7Rαγcリガンドは、IL-7Rαリガンド、およびIL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されたRγcリガンドを含むことができる。
2つを超えるシステインを含有するIL-7Rαγcリガンドは、典型的には、例えば、Cys 1-2およびCys 3-4などの最大の活性を示すCys-Cys結合(ジスルフィド架橋)の好ましいパターンを有し、他のジスルフィドパターンは、所望の活性を示し、有用な特性を有し得る。
IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドのそれぞれは、独立して、IL-7RαγcリンカーのN末端を介して、またはC末端を介して、IL-7Rαγcリンカーに共有結合されることができる。例えば、IL-7Rαリガンドは、N末端を介してIL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されることができ、Rγcリガンドは、N末端を介してIL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されることができ、IL-7Rαリガンドは、N末端を介してIL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されることができ、Rγcリガンドは、C末端を介してIL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されることができ、IL-7Rαリガンドは、C末端を介してIL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されることができ、Rγcリガンドは、N末端を介してIL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されることができ、またはIL-7Rαリガンドは、C末端を介してIL-7Rαγcリガンドに結合されることができ、Rγcリガンドは、C末端を介してIL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されることができる。
IL-7RαおよびRγcリガンドの種々の配向を有するIL-7Rαγcリガンドの例が、図1に示される。図1に示されるように、IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドの種々のC/N配向を有するIL-7Rαγcリガンドは、クリックケミストリーを使用して合成されることができる。トリアゾール結合は、種々の化学部分を含み得、種々の長さおよび特性を有し得る、合成IL-7Rαγcリガンドリンカーの概略表現である。特定のIL-7Rαγcリガンドリンカーの例が、図13Aおよび13Bに示される。
IL-7Rαγcリガンドリンカーは、IL-7RαサブユニットおよびIL-7RのRγcサブユニットへのIL-7Rαγcリガンドの結合を促進するように構成されることができる。例えば、IL-7Rαγcリガンドリンカーは、IL-7RαγcリガンドによるIL-7Rの活性化を促進するように構成されることができる。例えば、IL-7Rαγcリガンドは、TF-1-7α細胞においてIL-7R媒介性STAT5リン酸化を誘導するように構成されることができる。
IL-7Rαγcリガンドリンカーは、例えば、2Å~100Å、2Å~80Å、2Å~60Å、2Å~40Å、2Å~20Å、4Å~18Å、6Å~16Å、または8Å~14Åの長さを有することができる。リガンドリンカーは、例えば、100Å未満、80Å未満、60Å未満、40Å未満、20Å未満、15Å未満、または10Å未満の長さを有することができる。
IL-7Rαγcリガンドリンカーは、例えば、2~50個の結合、2~45個の結合、2~40個の結合、2~35個の結合、2~30個の結合、2~25個の結合、2~20個の結合、4~18個の結合、6~16個の結合、または8~14個の結合を有する骨格を含むことができる。IL-7Rαγcリガンドリンカーは、例えば、50個未満の結合、40個未満の結合、30個未満の結合、20個未満の結合、または10個未満の結合を有する骨格を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドリンカーは、ペプチジルIL-7Rαγcリガンドまたは合成IL-7Rαγcリンカーを含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドリンカーは、ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーを含むことができる。
ペプチジルリガンドリンカーは、例えば、2~100個のアミノ酸、2~80個のアミノ酸、2~60個のアミノ酸、2~40個のアミノ酸、2~20個のアミノ酸、5~10個のアミノ酸、または2~5個のアミノ酸を含むことができる。ペプチジルリガンドリンカーは、例えば、100個未満のアミノ酸、80個未満のアミノ酸、40個未満のアミノ酸、20個未満のアミノ酸、15個未満のアミノ酸、10個未満のアミノ酸、または5個未満のアミノ酸を含むことができる。ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーを形成するアミノ酸は、天然に存在するアミノ酸および/または天然に存在しないアミノ酸を含むことができる。
ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーは、例えば、グリシンなどの可撓性アミノ酸を含むことができる。可撓性リンカーは、グリシンなどの小さな非極性アミノ酸または極性アミノ酸を含むことができる。これらのアミノ酸の小さなサイズは、可撓性を提供し、接続する機能ドメインの移動性を可能にする。セリンまたはトレオニンの組み込みは、水分子との水素結合を形成することによって、水溶液中のリンカーの安定性を維持することができ、それによって、リンカーとタンパク質部分との間の好ましくない相互作用を低減させる。溶解性を向上させるために、リジンおよびグルタミン酸などのアミノ酸を含むことができる。ペプチジルIL-7Rαγcリンカーの長さは、IL-7RαリガンドとRγcリガンドとの間の好適な分離を提供し、アゴニスト活性の増強などのIL-7Rとの所望の相互作用を有利にするように選択されることができる。可撓性リンカーの例としては、nが、独立して、例えば、1~20の整数であり得る、(G)(配列番号9380)、(GS)(配列番号9381)、(GGS)(配列番号9382)、(GGGS)(配列番号9383)、(GGGGS)(配列番号9384)、および前述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーは、剛性リンカーであり得る。剛性リンカーは、プロリンが豊富であり得、アラニン、リジン、および/またはグルタミン酸などの他のアミノ酸を含むことができる。剛性リンカーは、Xが、例えば、アラニン、リジン、またはグルタミン酸であり得、nが、1~20の整数であり得る、配列(PX)(配列番号9429)を有することができる。剛性リンカーの例としては、nが、例えば、1~20の整数であり得る、(PA)(配列番号9421)が挙げられる。nの値は、例えば、5超、10超、20超、30超、40超、または50超であり得る。
ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーは、nが、独立して、1~20の整数である、例えば、G)(配列番号9380)、(GS)(配列番号9381)、(GGS)(配列番号9382)、(GGGS)(配列番号9383)、(GGGGS)(配列番号9384)、または前述のうちのいずれかの組み合わせを含むことができる。nの値は、例えば、5超、10超、20超、30超、40超、または50超であり得る。例えば、ペプチジルリガンドリンカーは、-G-G-(配列番号9399)、-G-G-G-(配列番号9400)、-G-G-S-(配列番号9402)、-G-G-G-S-(配列番号9403)、-G-G-G-G-S-G-G-(配列番号9404)、または-G-G-S-G-G-S-(配列番号9405)であり得る。ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーを含むIL-7Rαγcリガンドは、実施例1に記載される固相合成を使用することなどの非組換え方法を使用して合成されることができるか、または組換えDNA技術を使用して合成されることができる。
IL-7Rαγcリガンドリンカーは、合成化学IL-7Rαγcリガンドリンカーを含むことができる。化学合成IL-7Rαγcリガンドリンカーは、化学的方法を使用して合成され、アミノ酸を含むことができるか、またはアミノ酸を含まなくてもよいリンカーを指す。合成化学IL-7Rαγcリガンドリンカーは、トリアゾール部分を含むことができる。
合成化学リガンドリンカーは、例えば、表1に示される式(L1)~(L17)の構造を有することができる。
Figure 2023514128000128

Figure 2023514128000129

IL-7Rαγcリガンドリンカー(L2)、(L4)~(L7)、(L12)、およびL13)では、mおよび/またはnは、独立して、例えば、1~10の整数であり得る。
化学合成IL-7Rαγcリガンドリンカーは、クリックケミストリーを使用して合成され、IL-7RαおよびRγcリガンドの種々のC/N配向を有するIL-7Rαγcリガンドを提供することができる。C/N配向は、IL-7Rαγcリガンドリンカーに結合される、IL-7RαおよびRγcの末端を指す。例えば、C/N配向を有するIL-7Rαγcリガンドについて、IL-7RαリガンドのC末端は、IL-7Rαγcリンカーに結合され、RγcリガンドのN末端は、IL-7Rαγcリンカーに結合される。別の例として、C/N配向を有するIL-7Rαγcリガンドについて、IL-7RαリガンドのN末端は、IL-7Rαγcリンカーに結合され、RγcリガンドのC末端は、IL-7Rαγcリンカーに結合される。
合成リガンドリンカーを有するIL-7Rαγcリガンドを調製するための合成方法の例が、実施例2に記載される。
IL-7RαおよびRγcリガンドは、標準的な固相ペプチド合成およびFmoc保護アミノ酸を使用して調製されることができる。膨張した樹脂が、Fmoc-プロパルギルグリシンまたは2-(Fmoc-NH)-アジド-ペンタン酸の活性化溶液のいずれかで処理され、対応するFmoc保護樹脂を提供することができる。アルキン含有部分およびアジド含有部分は、例えば、所望の長さ、剛性/可撓性、極性、親油性、および/または立体特性を有するように構成されることができる。保護樹脂は、個別のIL-7RαリガンドまたはRγcリガンドを合成するために、HATU活性化およびFmoc除去を伴うFmoc-アミノ酸カップリングの反復サイクルを受けることができる。IL-7RαまたはRγcリガンドの最終アミノ酸からのFmoc除去および末端アミン基のアシル化後、リガンドは、樹脂から切断され、精製されることができる。
IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドに結合されたアルキン含有部分およびアジド含有部分は、例えば、CuSOおよび金属キレート剤の存在下で反応させられ、合成化学IL-7Rαγcリガンドリンカーを含むIL-7Rαγcリガンドを提供することができる。反応したアルキン含有部分およびアジド含有部分は、化学リガンドリンカーを形成する。例えば、表1~3を参照すると、表2の式(AL)のアルキン含有部分は、表3の式(AZ)のアジド含有部分と反応させられ、表1の式(L)の合成IL-7Rαγcリガンドリンカーを提供することができる。
このクリックケミストリー法を使用して、異なるN末端およびC末端配向、ならびに異なるリガンドリンカー長を有する、IL-7RαおよびRγcリガンドを含むIL-7Rαγcリガンドが、合成され得る。
アルキン含有部分の例が、表2に提供され、アジド含有部分の例が、表3に提供される。
Figure 2023514128000130

Figure 2023514128000131



Figure 2023514128000132

IL-7Rαγcリガンドは、アミノペプチダーゼおよびカルボキシペプチダーゼによる分解を防止するか、または最小限にするためのNおよび/またはC末端修飾を含むことができる。末端基の例としては、N末端上のアセチル基およびC末端上のカルボキサミド基が挙げられる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、例えば、式(4)の構造を有する部分を含むことができ、
Figure 2023514128000133

式中、ALは、IL-7Rαリガンドを含み、Lは、IL-7Rαγcリガンドリンカーを含み、GLは、Rγcリガンドを含む。
式(4)の部分は、小さな化学部分において終端されることができ、例えば、12,000Da未満、11,000Da未満、10,000Da未満、9,000Da未満、8,000Da未満、7,000Da未満、6,000Da未満、5,000Da未満、4,000Da未満、3,000Da未満、2,000Da未満、または1,000Da未満の分子量を有することができる。IL-7Rαγcリガンドは、例えば、1,000Da~12,000Da、2,000Da~11,000Da、3,000Da~10,000Da、または4,000Da~9,000Daの分子量を有することができる。
式(4)のIL-7Rαγcリガンドにおいて、ALは、配列番号389~410420~556および9434~9437のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を有するか、配列番号389~410420~556および9434~9437のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を有するか、または配列番号389~410420~556および9434~9437のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を有する、IL-7Rαリガンドを含むことができ、GLは、配列番号944~1031および9438~9443のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を有するか、または配列番号944~1031および9438~9443のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を有する、Rγcリガンドを含むことができ、Lは、ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーまたは合成化学IL-7Rαγcリガンドリンカーを含むことができる。好適なペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーの例は、図14A~14Dに開示され、好適な合成化学リガンドリンカーの例は、図13A~13Bに開示される。
式(4)のIL-7Rαγcリガンドでは、IL-7RαリガンドのN末端またはC末端のいずれかは、IL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されることができ、RγcリガンドのN末端またはC末端のいずれかは、IL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されることができる。例えば、IL-7Rαリガンド(BL)のC末端は、IL-7Rαγcリンカー(L)に結合されることができ、Rγcリガンド(GL)のN末端は、IL-7Rαγcリンカー(L)に結合されることができる。
式(4)のIL-7Rαγcリガンドでは、IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドのそれぞれは、リガンドのN末端および/またはC末端に結合された1つ以上の隣接アミノ酸を含むことができる。例えば、IL-7RαリガンドのN末端およびC末端の両方は、-(G)-を含むことができ、RγcリガンドのN末端およびC末端の両方は、-(G)-を含むことができ、式中、nは、1~8、2~6、または2~4などの1~10の整数(配列番号9385)である。隣接するアミノ酸は、IL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されることができる。
式(4)のIL-7Rαγcリガンドは、N末端上のアセチル末端基およびC末端上のカルボキサミド基を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、式(4a)の構造を含むことができ、
Figure 2023514128000134

式中、
各nは、独立して、0~10の整数であり得、
ALは、配列番号389~410420~556および9434~9437のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列もしくは切断アミノ酸配列を含むか、または配列番号389~410420~556および9434~9437のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、もしくは90%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、IL-7Rαリガンドであり得、
GLは、配列番号944~1031および9438~9443のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列もしくは切断アミノ酸配列を含むか、または配列番号944~1031および9438~9443のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、もしくは90%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、Rγcリガンドであり得、
各Aは、独立して、アミノ酸から選択されることができ、
は、1~50個のアミノ酸を含むペプチジルリガンドリンカーであり得る。
式(4a)のIL-7Rαγcリガンドでは、IL-7RαリガンドのC末端は、ペプチジルリガンドリンカーに結合されることができ、RγcリガンドのN末端は、ペプチジルリガンドリンカーに結合されることができる。
式(4a)のIL-7Rαγcリガンドでは、各nは、独立して、例えば、0~8、0~6、0~4、または0~2の整数から選択されることができる。例えば、nは、0、1、2、または3であり得る。
各Aは、独立して、天然に存在する、または天然に存在しないアミノ酸から選択されることができる。各Aは、独立して、グリシンおよびセリンなどの可撓性アミノ酸から選択されることができる。各Aは、グリシンであり得る。
は、例えば、1~40個のアミノ酸、1~30個のアミノ酸、1~20個のアミノ酸、1~10個のアミノ酸、または1~5個のアミノ酸を含むことができる。Lは、ペプチジルリガンドリンカーから選択されることができる。例えば、Lは、pが、独立して、1~10の整数であり得る、(PA)(配列番号9323)、(G)(配列番号9385)、(GS)(配列番号9386)、(GGS)(配列番号9387)、(GGGS)(配列番号9388)、(GGGGS)(配列番号9389)、または前述のうちのいずれかの組み合わせであり得る。
化学的IL-7Rαγcリガンドリンカーを含むIL-7Rαγcリガンドの例が、図13A~13Dに列挙される。
ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーを含むIL-7Rαγcリガンドの例が、図14A~14Dに列挙される。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、ジスルフィド結合を含むことができる。IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドは、少なくとも2つのシステインを含むことができる。IL-7Rαリガンドの少なくとも2つのシステインは、ジスルフィド結合を介して別のシステインに結合されることができ、Rγcリガンドの少なくとも2つのシステインのそれぞれは、ジスルフィド結合を介してシステインに結合されることができる。
IL-7Rαγcリガンドでは、IL-7Rαリガンドの2つのシステインは、ジスルフィド結合を介してともに結合されることができ、および/またはRγcリガンドの2つのシステインは、ジスルフィド結合を介してともに結合されることができる。IL-7Rαγcリガンドでは、IL-7Rαリガンドのシステインは、ジスルフィド結合を介してRγcリガンドのシステインに結合されることができるか、またはIL-7Rαリガンドの2つのシステインのそれぞれは、Rγcリガンドのシステインに結合されることができる。例えば、構造(5)を有するIL-7Rαγcリガンドでは、
Figure 2023514128000135

式中、-X-C-X-C-X-は、配列番号389~410420~556および9434~9437のうちのいずれか1つなどの2つのシステインCおよびCを有するIL-7Rαリガンドのアミノ酸配列を表し、各Xは、独立して、1つ以上のアミノ酸であり、-Y-C-Y-C-Y-は、配列番号944~1031および9438~9443のうちのいずれか1つなどの2つのシステインCおよびCを有するRγcリガンドのアミノ酸配列を表し、各Yは、独立して、1つ以上のアミノ酸であり、-L-は、IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドを結合するIL-7Rαγcリガンドリンカーである。
式(5)のIL-7Rαγcリガンドでは、ジスルフィド結合を介して、Cは、Cに結合されることができ、Cは、Cに結合されることができ、ジスルフィド結合を介して、Cは、Cに結合されることができ、Cは、Cに結合されることができ、またはジスルフィド結合を介して、Cは、Cに結合されることができ、Cは、Cに結合されることができる。
2つを超えるシステインを含有するIL-7Rαγcリガンドは、例えばCys 1-2およびCys 3-4などの最大の活性を示すCys-Cys結合(ジスルフィド架橋)の好ましいパターンを有することができ、他のジスルフィドパターンは、所望の活性を示し、有用な特性を有することができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、配列番号410もしくは420~461、配列番号410もしくは420~461の切断アミノ酸配列、または配列番号410もしくは420~461との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を有する、IL-7Rαリガンドと、配列番号965もしくは1029~1031、配列番号965もしくは1029~1031の切断アミノ酸配列、または配列番号965もしくは1029~1031を有するRγcリガンド、または配列番号965もしくは1029~1031との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を有する、Rγcリガンドとを含むことができる。
IL-7Rαγcリガンドでは、IL-7RαリガンドのC末端は、RγcリガンドのN末端に連結されることができる。
IL-7Rαγcリガンドは、配列番号410または420~461との70%超、80%超、または90%超の配列類似性を有するIL-7Rαリガンドと、配列番号965または1029~1031との70%超、80%超、または90%超のアミノ酸配列類似性を有するRγcリガンドとを含むことができる。
IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドのそれぞれは、独立して、1つ以上のグリシンなどの1つ以上の隣接アミノ酸を含むことができる。例えば、IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドのN末端およびC末端のそれぞれは、独立して、グリシンを含むことができる。
IL-7RαリガンドのN末端は、例えば、1~50個のアミノ酸、1~40個、1~30個、1~20個、1~10個、または1~5個を含む可撓性リンカーを介してRγcリガンドのC末端に結合されることができる。可撓性リンカーは、例えば、5個超のアミノ酸、10個超のアミノ酸、20個超のアミノ酸、30個超のアミノ酸、40個超のアミノ酸、または50個超のアミノ酸を含むことができる。リンカーは、例えば、nが、独立して、1~5の整数であり得る、(G)(配列番号9390)、(GS)(配列番号9391)、(GGS)(配列番号9392)、(GGGS)(配列番号9393)、(GGGGS)(配列番号9394)、または前述のうちのいずれかの組み合わせであり得る。例えば、リンカーは、GGGGS(配列番号9395)またはGGGGSGG(配列番号9404)であり得る。
IL-7Rαγcリガンドは、配列番号2012のアミノ酸配列(-VHRIPWCTLDPGGLQCAWLRQMGGGGSGGVVCQDWEGVELCWQ-)、または配列番号2012との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むことができる
IL-7Rαγcリガンドは、配列番号2058のアミノ酸配列(-VHRIPWCTLDPGGLQCAWLRQM-X300-GGVVCQDWEGVELCWQ-)、または配列番号2058との60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むことができ、X300は、1~20個のアミノ酸を含むことができる。例えば、X300は、nが、独立して、1~5の整数であり得る、(G)(配列番号9390)、(GS)(配列番号9391)、(GGS)(配列番号9392)、(GGGS)(配列番号9393)、(GGGGS)(配列番号9394)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択されることができる。例えば、X300は、nが1~20の整数である、配列(P)(配列番号9420)または(PA)(配列番号9421)から選択されることができる。X300は、例えば、各Xが、独立して、アラニン、リジン、またはグルタミン酸から選択されることができ、nが、1~20の整数であり得る、(PX)(配列番号9429)を含むことができる。X300は、nが、例えば、1~10の整数(配列番号942)であり得る、(PA)であり得る。
IL-7Rαγcリガンドは、配列番号2059のアミノ酸配列(-VHRIPWCTLDPGGLQCAWLRQM-X301-VVCQDWEGVELCWQ-)、または配列番号2059との60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むことができ、X301は、1~20個のアミノ酸を含む。例えば、X301は、nが、独立して、1~5の整数であり得る、(G)(配列番号9390)、(GS)(配列番号9391)、(GGS)(配列番号9392)、(GGGS)(配列番号9393)、(GGGGS)(配列番号9394)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択されることができる。
配列番号2012~2023および2058~2059のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンド、または配列番号2012~2023および2058~2059のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列では、IL-7Rαリガンドのシステインは、ジスルフィド結合を介してともに結合されることができ、Rγcリガンドのシステインは、ジスルフィド結合を介してともに結合されることができる。特定のIL-7Rαγcリガンドでは、IL-7Rαリガンドのシステインは、Rγcリガンドのシステインに結合されることができる。
配列番号454およびビオチン化ペプチド::NA-HRP複合体を有するIL-7Rαリガンドに基づく、配列番号407、454、および457を有する切断IL-7Rαリガンドを用いたELISA競合アッセイの結果は、C末端切断については図7に、N末端切断については図8に示される。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2064~2073のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むことができる。
Figure 2023514128000136

IL-7Rαγcリガンドは、配列番号2060~2063および2074~2094のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むことができる。
Figure 2023514128000137
IL-7Rαγcリガンドは、配列番号2095~2109のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むことができる。
Figure 2023514128000138

本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2060~2109のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2060~2109のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号2060~2109のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)(配列番号2045)を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2060~2109のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号2060~2109のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、1~5個のアミノ酸置換などの1つ以上のアミノ酸置換を含む。アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換であり得る。
配列番号2060~2109のIL-7Rαγcリガンドは、100μM未満のIC50でヒトRγcサブユニットに結合することができる。
IL-7Rαγcリガンドは、配列番号2060~2109のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸類似性を有するアミノ酸配列を含むことができる。
Rγcリガンドは、配列番号2060~2109のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含むことができる。
IL-7Rαγcリガンドは、配列番号2110~2124のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むことができる。
Figure 2023514128000139

配列番号2110~2124のいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、X400は、nが、独立して、1~5の整数であり得る、(G)n(配列番号9390)、(GS)(配列番号9391)、(GGS)(配列番号9392)、(GGGS)(配列番号9393)、(GGGGS)(配列番号9394)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択されることができる。
2110~2124のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、X400は、-GGGGSGG-(配列番号9404)であり得る。
配列番号2110~2124のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、リガンドは、一方または両方の末端上の2つの隣接グリシンなどの各末端上の隣接グリシンを含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2110~2124のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2110~2124のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号2110~2124のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)(配列番号2045)を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2110~2124のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号2110~2124のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、1~5個のアミノ酸置換などの1つ以上のアミノ酸置換を含む。アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換であり得る。
配列番号2110~2124のIL-7Rαγcリガンドは、100μM未満のIC50でヒトRγcサブユニットに結合することができる。
IL-7Rαγcリガンドは、配列番号2110~2124のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸類似性を有するアミノ酸配列を含むことができる。Rγcリガンドは、配列番2110~2124のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含むことができる。
IL-7Rαγcリガンドは、式(6)のアミノ酸配列(配列番号2125)、式(6a)のアミノ酸配列(配列番号2126)、式(6b)のアミノ酸配列(配列番号2127)、式(6c)のアミノ酸配列(配列番号2128)、式(6d)のアミノ酸配列(配列番号2129)、式(6e)のアミノ酸配列(配列番号2130)、式(6f)のアミノ酸配列(配列番号2131)、式(6g)のアミノ酸配列(配列番号2132)、式(6)~(6g)のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列、式(6)~(6g)のいずれか1つの配列との80%超の類似性を有するアミノ酸配列、または前述のうちのいずれかの組み合わせのアミノ酸配列のうちのいずれか1つのアミノ酸を有する、ペプチドから選択されることができ、
Figure 2023514128000140

式中、
198は、A、G、P、S、T、およびVから選択され、
199は、F、H、W、およびYから選択され、
200は、A、G、H、K、P、R、S、およびTから選択され、
210は、A、G、P、S、およびTから選択され、
217は、A、G、H、K、P、R、S、およびTから選択され、
218は、アミノ酸および単結合から選択され、
219は、アミノ酸および単結合から選択され、
400は、nが1~5の整数である、(G)(配列番号9390)、(GS)(配列番号9391)、(GGS)(配列番号9392)、(GGGS)(配列番号9393)、(GGGGS)(配列番号9394)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択される。
式(6)~(6g)のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、
198は、VおよびGから選択され、
199は、HおよびWから選択され、
200は、RおよびGから選択され、
210は、GおよびSから選択され、
217は、RおよびGから選択され、
218は、Q、G、Kおよび単結合から選択され、
219は、G、H、M、および単結合から選択される。
式(6)~(4g)のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、X198は、Vであり得、X199は、Hであり得、X200は、Rであり得る。
式(6)~(6g)のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、X198は、Gであり得、X199は、Wであり得、X200は、Gであり得る。
式(6)~(6g)のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、X210は、Gであり得る。
式(6)~(6g)のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、X210は、Sであり得る。
式(6)~(6g)のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、X217は、Rであり得る。
式(6)~(6g)のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、X217は、Rであり得、X218は、Qであり得、X219は、Mであり得る。
式(6)~(6g)のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、X217は、Gであり得、X218は、Kであり得、X219は、Hであり得る。
式(6)~(6g)のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、IL-7Rαリガンドは、直前の9段落で定義されるように、変数の任意の組み合わせによって定義されることができる。
2125~2139のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、X400は、-GGGGSGG-(配列番号9404)であり得る。
配列番号2125~2132のうちのいずれか1つのIL-7Rαγcリガンドでは、リガンドは、各末端上の2つの隣接グリシンなどの各末端上の隣接グリシンを含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2125~2132のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2125~2132のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号2070~2090のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)(配列番号2045)を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2125~2132のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号2070~2095のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は、1~5個のアミノ酸置換などの1つ以上のアミノ酸置換を含む。アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換であり得る。
配列番号2125~2132のIL-7Rαγcリガンドは、100μM未満のIC50でヒトRγcサブユニットに結合することができる。
IL-7Rαγcリガンドは、配列番号2125~2132のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸類似性を有するアミノ酸配列を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、1pM~100μM、10pM~10μM、100pM~1μM、0.001μM~1μM、または0.01μM~1μMのIC50でヒトIL-7RなどのIL-7Rに結合することができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、100μM未満、10μm未満、1μm未満、100pM未満、10pM未満、または1pM未満のIC50でヒトIL-7RなどのIL-7Rに結合することができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、1pM~100μM、10pM~10μM、100pM~1μM、0.001μM~1μM、または0.01μM~1μMのIC50で、ヒトIL-7RαサブユニットおよびヒトRγcサブユニットのそれぞれなどのIL-7RαサブユニットおよびRγcサブユニットに結合することができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、100μm未満、10μm未満、1μm未満、100pM未満、10pM未満、または1pM未満のIC50で、ヒトIL-7RαサブユニットおよびヒトRγcサブユニットのそれぞれなどのIL-7RαサブユニットおよびRγcサブユニットに結合することができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、TF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化について、例えば、100μM未満、10μM未満、1μM未満、100pM未満、10pM未満、または1pM未満のEC50を示すことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、TF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化について、例えば、1pM~100μM、10pM~10μM、100pM~1μM、0.001μM~1μM、または0.01μM~1μMのEC50を示すことができる。
本開示によって提供されるタンデムIL-7Rαγcリガンドは、2つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。2つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、ともに結合されて、直鎖または非直鎖構造を形成することができる。例えば、タンデムIL-7Rαγcリガンドは、式(7a)または式(7b)の構造を有することができ、
Figure 2023514128000141

式中、
各AGLは、独立して、IL-7Rαγcリガンドから選択されることができ、
t1は、二価タンデムリンカーであり得、
t2は、p価タンデムリンカーであり得、
n1は、1~6の整数であり得、
n2は、0~6の整数であり得、
pは、3~8の整数であり得る。
式(7a)および(7b)のタンデムIL-7Rαγcリガンドでは、各IL-7Rαγcリガンドは、同じであり得る。
式(7a)および(7b)のタンデムIL-7Rαγcリガンドでは、少なくとも1つのIL-7Rαγcリガンドは、別のIL-7Rαγcリガンドとは異なり得る。
式(7a)および(7b)のタンデムIL-7Rαγcリガンドでは、各IL-7Rαγcリガンドは、独立して、個別のIL-7RαγcリガンドのN末端を介して、またはC末端を介して、タンデムリンカーに結合されることができる。
式(7a)および(7b)のタンデムIL-7Rαγcリガンドでは、IL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、1つ以上の隣接アミノ酸を含むことができる。
タンデムリンカーLt1およびLt2は、ペプチジルタンデムリンカーであり得、例えば、1~50個のアミノ酸、2~40個のアミノ酸、または5~30個のアミノ酸を有することができる。
タンデムリンカーは、本開示によって提供されるトリアゾール含有リンカーなどの化学的リンカーを含むことができる。
各二価タンデムリンカーLt1は、他の二価タンデムリンカーのそれぞれと同じであり得るか、または二価タンデムリンカーのうちの少なくとも1つは、別のタンデムリンカーとは異なり得る。
式(7a)のタンデムIL-7Rαγcリガンドでは、nは、例えば、1、2、3、4、5、または6であり得る。
式(7b)のタンデムIL-7Rαγcリガンドでは、各nは、独立して、0、1、2、3、4、5、または6から選択されることができる。
式(7b)のタンデムIL-7Rαγcリガンドでは、pは、例えば、3、4、5、6、7、または8であり得る。
p価タンデムリンカーは、任意の好適な多官能性化学部分を含むことができる。例えば、式(7a)および(7b)のタンデムIL-7Rαγcリガンドは、10,000Da未満、6,000Da未満、2,000Da未満、1,000Da未満、または500Da未満の分子量を有することができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、天然に存在するタンパク質または合成分子に結合され、IL-7Rαγcリガンド構築物を提供することができる。好適な構築物パートナーの例には、ポリマー、タンパク質、Fc断片、免疫グロブリン断片、および抗体が挙げられる。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、所望の薬物動態特性を提供し、低減された免疫原性を提供し、特定の細胞集団を標的化し、および/または増強された治療効果を提供するように構成されることができる。
IL-7Rαγcリガンドは、構築物リンカーを介して構築物パートナーに結合されることができる。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、構築物パートナーに結合された単一のIL-7Rαγcリガンドまたは構築物パートナーに結合された2つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。
構築物パートナーに結合された2つ以上のIL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、同じであり得るか、またはIL-7Rαγcリガンドのうちの少なくとも1つは、構築物パートナーに結合された他のIL-7Rαγcリガンドのうちの少なくとも1つとは異なり得る。IL-7Rαγcリガンドは、例えば、IL-7Rαリガンドのアミノ酸配列、Rγcリガンドのアミノ酸配列、IL-7Rαγcリンカーのアミノ酸配列もしくは化学構造、および/または隣接アミノ酸のアミノ酸配列に関して異なり得る。
IL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、独立して、個別の構築物リンカーを介して構築物パートナーに結合されることができる。個別の構築物リンカーのそれぞれは、同じであり得るか、または構築物リンカーのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの他の構築物リンカーとは異なり得る。構築物リンカーは、例えば、長さおよび/または構築物リンカーのアミノ酸配列などの化学組成に関して異なり得る。
IL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、独立して、個別のIL-7RαγcリガンドのN末端を介して、またはC末端を介して、構築物パートナーに結合されることができる。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、構築物パートナーに結合されたタンデムIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。タンデムIL-7Rαγcリガンドは、構築物リンカーを介して構築物パートナーに結合されることができる。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、構築物パートナーに結合された単一のタンデムIL-7Rαγcリガンド、または構築物パートナーに結合された2つ以上のタンデムIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。
構築物パートナーに結合された2つ以上のタンデムIL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、同じであり得るか、またはタンデムIL-7Rαγcリガンドのうちの少なくとも1つは、構築物パートナーに結合された他のタンデムIL-7Rαγcリガンドのうちの少なくとも1つとは異なり得る。タンデムIL-7Rαγcリガンドは、例えば、IL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、IL-7Rαγcリガンドリンカー、タンデムリンカー、および/または隣接アミノ酸に関して異なり得る。
タンデムIL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、個別の構築物リンカーを介して構築物パートナーに結合されることができる。個別の構築物リンカーのそれぞれは、同じであり得るか、または構築物リンカーのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの他の構築物リンカーとは異なり得る。構築物リンカーは、例えば、長さおよび/または化学組成に関して異なり得る。
タンデムIL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、独立して、個別のタンデムIL-7RαγcリガンドのN末端またはC末端を介して構築物パートナーに結合されることができる。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、構築物パートナーに結合された少なくとも1つのIL-7Rαリガンドおよび少なくとも1つのタンデムRγcリガンドを含むことができる。少なくとも1つのIL-7Rαリガンドおよび少なくとも1つのRγcリガンドのそれぞれは、独立して、構築物リンカーを介して構築物パートナーに結合されることができる。例えば、IL-7Rαγcリガンド構築物は、本開示によって提供される1~10個のIL-7Rαリガンドおよび本開示によって提供される1~10個のRγcリガンドを含むことができる。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、例えば、少なくとも1つのIL-7Rαγcリガンド、少なくとも1つのタンデムIL-7Rαγcリガンド、少なくとも1つのIL-7Rαリガンド、および/または少なくとも1つのRγcリガンドを含むことができるが、但し、IL-7Rαγcリガンド構築物が少なくとも1つのIL-7Rαリガンドおよび少なくとも1つのRγcリガンドを含むことを条件とする。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、ポリマーまたはタンパク質を形成するアミノ酸の側鎖などの分子の側鎖に結合された1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドが、ポリマーまたはポリペプチドの骨格に組み込まれる、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。したがって、IL-7Rαγcリガンド構築物は、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドが、ポリペプチドのN末端に結合され、ポリペプチドのC末端に結合され、ポリペプチドのアミノ酸側鎖に結合され、および/またはポリペプチドのアミノ酸配列に組み込まれる、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド構築物は、融合タンパク質を含む。
好適な融合タンパク質パートナーの例としては、Fc断片、IgG1、IgG2、およびIgG4などの免疫グロブリン、IgG1、IgG2、およびIgG4断片などの免疫グロブリン断片、ヒト血清アルブミン(HSA)などの天然に存在するタンパク質、抗体、他のヒトタンパク質および変異体、ならびに/またはそれらのバリアント、タンパク質、およびポリペプチドが挙げられる。融合タンパク質パートナーは、天然に存在するタンパク質、修飾された天然に存在するタンパク質、または合成タンパク質であり得る。
融合パートナーは、望ましい薬物動態プロファイルを提供するために、細胞標的化のために、二重薬理のために、および/または増強された効果のために使用されることができる。
例えば、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、IL-7Rαγcリガンドの循環半減期を増加させるタンパク質に融合されることができる。IgGまたはIgG-Fc鎖との治療用タンパク質の融合は、タンパク質の流体力学的半径を増加させ、したがって、腎クリアランスを低減させることによって、かつ融合タンパク質の新生児Fc受容体(FcRn)媒介性再循環を介して、これを達成し、したがって、循環半減期を延長することができる。他の融合タンパク質は、薬物動態、生体分布、薬力学、薬理学、細胞傷害性、選択性、および/または標的化などの特性を修飾するように設計されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド融合タンパク質は、融合タンパク質パートナーに結合された1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。1つ以上のIL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、独立して、個別のIL-7RαγcリガンドのN末端を介して、またはC末端を介して、融合タンパク質パートナーに結合されることができる。1つ以上のIL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、同じであり得る。1つ以上のIL-7Rαγcリガンドのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの他のIL-7Rαγcリガンドとは異なり得る。IL-7Rαγcリガンドと融合パートナータンパク質との間の接合部におけるアミノ酸配列は、2つのタンパク質配列の直接融合、または介在ペプチジル融合リンカーとの融合のいずれかであり得る。ペプチジルリンカーは、IL-7Rαγcリガンドと融合パートナーとの間のスペーサーとして含まれ得る。ペプチジルリンカーは、構成タンパク質および1つ以上のIL-7Rαγcリガンドの適切なタンパク質折り畳みおよび安定性を促進し、タンパク質発現を改善し、および/またはIL-7Rαγcリガンドならびに/もしくは融合パートナーの生物活性を増強することができる。
IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質で使用されるペプチジル構築物リンカーは、非構造化可撓性ペプチドであるように設計されることができる。ペプチジルリンカーは、例えば、nが、独立して、1~10の整数である、(G)(配列番号9385)、(GS)(配列番号9386)、(GGS)(配列番号9387)、(GGGS)(配列番号9388)、(GGGGS)(配列番号9389)、または前述のうちのいずれかの組み合わせなどの配列の反復などのグリシンおよびセリンが豊富であり得る。完全に伸長したβ鎖立体配座を有する可撓性ペプチジルリンカーは、例えば、残基当たり3.5Åの端から端までの長さを有することができる。したがって、5残基、10残基、15残基、または10残基のペプチジルリンカーは、それぞれ、例えば、17.5Å、35Å、52.5Å、70Å、140Å、または140Å超の最大の完全に伸長した長さを有することができる。
ペプチジル構築物リンカーは、プロリン、およびアラニン、リジンまたはグルタミン酸などの他のアミノ酸を含むリンカーなどの剛性リンカーであり得る。例えば、剛性リンカーは、(PA)10(配列番号9428)などの、nが整数1~20(配列番号9421)である、(PA)であり得る。ペプチジル構築物リンカーは、IL-7RのIL-7Rαサブユニットおよび/またはRγcサブユニットとのIL-7Rαγcリガンドの係合を促進し、IL-7RへのIL-7Rαγcリガンドの結合を促進し、融合タンパク質の再循環を可能にし、および/またはIL-7Rαγcリガンドの循環半減期を延長するために、個々の融合タンパク質部分の適切な立体配座および配向を提供することを促進することができる。
1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含み、所望の生物活性および薬学的特徴を有するIL-7Rαγcリガンド融合タンパク質を得るために選択され得る、融合タンパク質の設計および構築のための複数の選択肢が存在する。設計選択肢としては、例えば、IL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、およびIL-7Rαγcリガンドリンカーの選択を含む、IL-7Rαγcリガンド、融合パートナータンパク質結合部分、融合タンパク質中の融合パートナー結合部分の構成、IL-7Rαγcリガンドを融合パートナーに結合するペプチジルリンカー、ならびに融合パートナータンパク質が挙げられる。
一般に、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド融合タンパク質の調製は、例えば、ポリメラーゼ連鎖増幅反応(PCR)、プラスミドDNAの調製、制限酵素によるDNAの切断、オリゴヌクレオチドの調製、DNAのライゲーション、mRNAの単離、好適な細胞へのDNAの導入、宿主の形質転換またはトランスフェクション、および宿主の培養を含む、認識された組換えDNA技術を使用して調製されることができる。加えて、IL-7Rαγc融合タンパク質は、カオトロピー剤を使用して、かつ周知の電気泳動法、遠心分離法、およびクロマトグラフィー法を使用して、単離および精製されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド融合タンパク質は、1つ以上の小ユビキチン関連修飾因子(SUMO)タンパク質を含むことができる。ユビキチン様修飾因子SUMOによる細胞タンパク質の修飾は、核輸送、シグナル伝達、およびタンパク質の安定化などの様々な細胞プロセスを調節することができる。細胞標的に共有結合すると、SUMOは、タンパク質/タンパク質およびタンパク質/DNA相互作用を調節するとともに、標的タンパク質を局在化および安定化する。
例えば、IL-7Rαγcリガンドは、IgGまたはFc断片などの融合パートナーにSUMOを結合する第2のリンカーにさらに結合される、SUMOタンパク質に結合される第1のリンカーに結合されることができる。SUMO融合物は、発現を増強し、溶解性を促進し、かつ/または最適化されたタンパク質折り畳みを促進することができる。融合パートナータンパク質のN末端またはC末端におけるユビキチンまたはSUMOのものなどの高度に安定した構造の付着は、安定性を増加させることによって収率を増加させることができる。ユビキチンおよびユビキチン様タンパク質の可溶化効果はまた、別様に不溶性のタンパク質に対して洗剤様効果を発揮する、ユビキチンおよびSUMOのコア構造の外側親水性および内側疎水性によって部分的に説明され得る。
1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、所望の薬物動態特性を提供する化合物に結合されることができる。例えば、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、体循環において延長された半減期を示す、合成ポリマーまたは天然に存在するタンパク質などのタンパク質に結合されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドは、そのような半減期延長が患者における副作用または有害事象の可能性または強度を増加させるリスクを増加させることなく、IL-7Rαγcリガンドの血清半減期を延長する分子にコンジュゲートまたは融合されることができる。延長された血清半減期IL-7Rαγcリガンドの投与は、より低い全身最大曝露(Cmax)での延長された標的カバレッジを可能にすることができる。血清半減期の延長は、IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物のより少ない投与量および/または頻度の少ない投与レジメンの使用を可能にすることができる。
IL-7Rαγcリガンドの血清半減期は、任意の好適な方法によって延長されることができる。そのような方法は、IL-7Rαγcリガンドを新生児Fc受容体に結合するペプチドに連結すること、またはIgG、IgG Fc断片などの延長された血清半減期を有するタンパク質に、もしくはヒト血清アルブミン(HSA)にIL-7Rαγcリガンドを連結することを含む。
IL-7Rαγcリガンド薬物動態構築物の例としては、(a)Fc融合、トランスフェリン融合、またはアルブミン融合などの、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを天然で半減期の長いタンパク質またはタンパク質ドメインに組換え融合すること、(b)1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを、XTEN(登録商標)、ホモアミノ酸ポリマー(HAP、HAP化)、プロリン-アラニン-セリンポリマー(PAS、PAS化)、エラスチン様ペプチド(ELP、ELP化)、またはゼラチン様タンパク質GLKポリマーなどの不活性ポリペプチドに組換え融合すること、(c)PEG化またはヒアルロン酸などの反復化学部分への1つ以上のIL-7Rαγcリガンドの化学コンジュゲーションによる流体力学的半径を増加させること、(d)ポリシアル化による、またはカルボキシ末端ペプチド(絨毛性ゴナドトロピン(CG)β鎖のCTP)などの負に帯電した高度にシアル化されたペプチドへの融合による、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドの負電荷を増加させること、または(e)ヒト血清アルブミン(HSA)、トランスフェリンなどの通常は半減期の長いタンパク質のペプチドまたはタンパク質結合ドメインへの1つ以上のIL-7Rαγcリガンドのコンジュゲーション、ヒト免疫グロブリンIgGの定常Fc断片への融合、または融合XTEN(登録商標)などの非天然ポリペプチドへの融合を含む。
1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、合成ポリマーに結合されることができる。
例えば、IL-7Rαγcリガンドは、(体循環におけるIL-7Rαγcリガンドの半減期を延長するために)ポリエチレングリコール(PEG)鎖にコンジュゲートされることができる。PEGは、例えば、5kDa~100kD、10kDa~80kDa、または20kDa~60kDaの分子量を有することができる。
PEG化は、化学的または酵素的に達成されることができ、コンジュゲートの生物物理的および生化学的特性は、例えば、PEG鎖の構造、サイズ、数および位置に依存し得る。PEG化は、タンパク質分解性切断部位をマスキングすることによって、および/またはそれらの流体力学的半径を増加させることによって、IL-7Rαリガンドの循環半減期を延長し、それによって、腎クリアランスを低減することができる。
IL-7Rαγcリガンドは、直鎖または分岐鎖モノメトキシポリエチレングリコール(mPEG)のいずれかにコンジュゲートされ、分子量および流体力学的半径の増加、および腎臓による糸球体濾過の速度の低下をもたらし得る。PEGは、非常に可撓性で非荷電であり、ほとんどが非免疫原性、親水性、および非生分解性の分子であり、同等のサイズのタンパク質よりも大きな流体力学的半径を生成する。PEG化は、薬理学的に活性な化合物の半減期を延長するために使用されている。
IgGと同様に、血清アルブミンは、非常に長い循環半減期を示す。これらの機能的および構造的に無関係なタンパク質の半減期の延長は、主にFcRnとの相互作用に由来する。HSAは、IgGとは異なる部位でFcRnに結合するが、両方の相互作用は、pH依存性であり、細胞異化からのFcRn媒介性救出をもたらす。IL-7Rαγcリガンド構築物としては、例えば、HSAへの遺伝子融合、HSA結合部分へのコンジュゲーション、およびHSA結合抗体または抗体断片への融合が挙げられる。
1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、XTEN(登録商標)ポリペプチド(Amunix Pharmaceuticals Inc.)に結合されることができる。XTEN(登録商標)ポリペプチドは、一般に、200個以上のアミノ酸の長さであり、scFvの抗原結合領域をマスクし、非構造化され、低い免疫原性を有するように設計されている。XTEN(登録商標)ポリペプチドは、治療剤の循環半減期を増加させることができる。1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、XPAT(登録商標)ポリペプチド(Amunix Pharmaceuticals,Inc.)に結合されることができる。XPAT(登録商標)ポリペプチドは、プロテアーゼのための基質を含み、1つ以上のプロテアーゼと活性であり、切断速度を選択し、特異性を付与するように設計されることができる。
血清トランスフェリン(Tf)への1つ以上のIL-7Rαγcリガンドの遺伝子融合は、増強された薬物動態をもたらし得る。血清トランスフェリンは、体循環から細胞および組織の中への鉄輸送を媒介する80kDaの糖タンパク質である。鉄イオンに結合されると、トランスフェリンは、ほとんどの細胞型の表面上に提示されるトランスフェリン受容体(TfR)に対して高い親和性を提示する。相互作用時に、Tf/TfR複合体は、エンドソームの中への受容体媒介エンドサイトーシスを介して内在化され、ここで、鉄が放出され、Tf/TfRが、次いで、細胞表面に再循環される。TfまたはTfR結合抗体へのタンパク質治療剤の融合は、半減期延長、TfRを過剰発現する悪性細胞の標的化、および血液脳関門を越えた治療剤の輸送のためのrai毛細血管内皮の標的化に使用されることができる。
IgGまたはFcへのIL-7Rαγcリガンドの融合は、IL-7Rαγcリガンドのアビディティーの増加をもたらし、タンパク質G./A親和性クロマトグラフィーを介して精製を提供し、IL-7Rαγcリガンドの循環半減期を延長することができる。
IL-7Rαγcリガンド/IgG融合タンパク質の半減期の延長は、分子サイズの増加による腎クリアランスの低減およびFcRn媒介性再循環の組み合わせに起因する。
1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、例えば、IgG1、IgG2、またはIgG4を含む、任意の好適なIgGに結合されることができる。1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、軽鎖VLなどのIgGの任意の好適な部分、もしくは重鎖VHに結合されることができ、N末端、C末端、アミノ酸側鎖を含むか、またはIgGの軽鎖もしくは重鎖のアミノ酸配列に組み込まれることができる。
1つ以上のIL-7Rαリガンドは、アルブミンに非共有結合されることができる。アルブミンへのIL-7Rαリガンドの非共有結合は、タンパク質分解のためにリガンドを遮蔽し、迅速な腎クリアランスからリガンドを保護することができる。非共有結合の性質は、IL-7Rαリガンドの脱離を可能にし、それによって、IL-7Rと相互作用するリガンドの能力を促進する。IL-7Rαリガンドは、IL-7Rαリガンドに所望の薬物動態特性を付与し得る、1つ以上の異なるアルブミン結合タンパク質ドメインへの非共有結合を促進するように修飾されることができる。代替的に、アルブミンは、IL-7Rαリガンドのための所望の薬物動態プロファイルを提供するように操作されることができる。これらのアルブミン結合ドメインは、IL-7Rαリガンド構築物などのより大きな化合物の薬物動態を改善するために使用されることができる。Il-7Rαリガンドは、例えば、アルブミンに対する高い親和性を有するアルブミン結合分子を介して、アルブミンに結合されることができる。アルブミン結合分子は、固相合成中に組換え的または化学的のいずれかでIL-7Rαリガンドに融合されることができる。そのようなアルブミン結合分子は、20個未満のアミノ酸を有する小ペプチドまたは非ペプチド小分子のいずれかであり得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7Rαγcリガンド/IgG構築物を含むことができる。
IgG構築物は、少なくとも1つの重鎖および少なくとも1つの軽鎖を含むことができる。IL-7Rαγcリガンドは、重鎖のN末端、軽鎖のN末端、重鎖のC末端、および/または軽鎖のC末端に結合されることができる。
IL-7Rαγcリガンドは、重鎖のC末端、例えば、CH3ドメイン、重鎖のN末端、および/または軽鎖のN末端に結合されることができる。
IgG構築物では、IL-7Rαγcリガンドは、一方もしくは両方の重鎖のN末端、一方もしくは両方の軽鎖のN末端、および/または重鎖の一方もしくは両方のC末端に結合されることができる。
IgG構築物では、IL-7Rαγcリガンドは、IgGのアミノ酸側鎖に結合されることができる。
IgG構築物では、IgG重鎖および/またはIgG軽鎖は、IgG重鎖および/またはIgG軽鎖を形成するアミノ酸配列に組み込まれた1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。
IL-7RαγcリガンドIgG構築物の例が、図14A~14Dに示される。
IL-7Rαγcリガンド構築物の他の例が、図17A~17Dに示される。図17A~17DのIL-7Rαγcリガンド構築物を構成する融合タンパク質、リンカー、およびリガンドが、表4に示される。
Figure 2023514128000142
配列番号1270~1290のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を有するIL-7Rαγcリガンド構築物では、IL-7Rαリガンドおよび/またはRγcリガンドは、リガンドのカルボキシル末端上および/またはアミノ末端上の2つのグリシン(GG)(配列番号9399)などの、nが1~10(配列番号9385)の整数である、(G)nグリシンなどの隣接アミノ酸を有することができる。
IL-7Rαγc構築物では、IL-7RαγcリガンドをIgGに結合する各リンカーは、独立して、同じであり得るか、または異なり得る。
例えば、IL-7Rαγcリガンドは、一方もしくは両方のIgG重鎖のC末端、一方もしくは両方のIgG軽鎖のC末端、一方もしくは両方のIgG重鎖のN末端、および/または一方もしくは両方のIgG軽鎖のN末端に結合されることができる。IL-7RαγcリガンドがIgG重鎖および/または軽鎖に結合されている、IL-7Rαγcリガンド構築物を示す例が、図14A~14Dに示される。IL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、好適な構築物リンカーを介してIgGに結合されることができる。
1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、単一の軽鎖VLドメイン、単一の重鎖VHドメインなどのIgG断片、またはFc領域に結合されることができる。断片は、IgA、IgD、IgE、IgG、またはIgMなどの任意の好適な免疫グロブリンに由来し得る。断片は、例えば、IgG1、IgG2、またはIgG4などの任意の好適なIgGに由来し得る。
1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、Fc断片に結合されることができる。Fc断片は、単量体であり得るか、二量体であり得るか、または修飾Fc断片であり得る。二量体Fc断片は、N末端上に1つ以上のジスルフィド結合を含むことができる。修飾の例は、免疫グロブリン重鎖の一方のCH3ドメインにおけるノブ修飾および他方の免疫グロブリン重鎖におけるホール修飾を含む、ノブ・イントゥ・ホール(knob-into-hole)修飾である。
本開示によって提供される構築物は、IL-7Rαγcリガンド-Fc融合タンパク質を含む。Fc鎖は、ホモ二量体Fc鎖またはヘテロ二量体Fc鎖のいずれかに自己集合する、2つの異なるポリペプチドを含むことができる。融合タンパク質は、Fc鎖、1つ以上のFc鎖リンカー、および1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。Fc鎖リンカーは、本開示によって提供されるIL-7RαγcリガンドをFc鎖に結合する。
Fc鎖は、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgM免疫グロブリンアイソタイプを含む、任意の好適な免疫グロブリンアイソタイプのFc鎖を含むことができる。Fc断片は、例えば、IgG1、IgG2、またはIgG4を含む、任意の好適なIgG免疫グロブリンに由来し得る。
IL-7RαγcリガンドFc融合タンパク質は、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。1つ以上のIL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、Fc鎖に結合された他のIL-7Rαγcリガンドと同じであり得るか、または異なり得る。
IL-7RαγcリガンドFc断片構築物、すなわち、IL-7RαγcリガンドFc融合体は、1つのFc鎖のC末端またはFc断片の両方のFc鎖のC末端に結合されたIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。
IL-7RαγcリガンドFc融合体は、例えば、Fc断片のN末端に結合された1つのIL-7Rαγcリガンド、またはFc断片のN末端に結合された2つのIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。
IL-7RαγcリガンドFc融合体は、Fc断片のC末端に結合された1つまたは2つのIL-7Rαγcリガンドを含むことができ、1つまたは2つのIL-7Rαγcリガンドは、Fc断片のN末端に結合されることができる。
各IL-7Rαγcリガンドは、Fcリンカーを介してFc断片に共有結合されることができる。IL-7RαγcリガンドをFc断片に結合する各Fcリンカーは、同じであり得るか、または異なり得る。
各IL-7Rαγcリガンドは、独立して、IL-7RαγcリガンドのN末端を介して、またはC末端を介して、Fcリンカーに結合されることができる。
IL-7RαγcリガンドFc断片構築物の例が、図15A~15Fおよび16A~16Fに示される。
Fc融合タンパク質は、例えば、融合IL-7Rαγcリガンドおよび任意選択的にFcリンカーを含む、Fc鎖のうちの少なくとも1つを有する2つのFc鎖を含むことができる。二量体Fc融合タンパク質は、一価のIL-7Rαγcリガンド-Fc融合と称され得る、1つのIL-7Rαγcリガンドを有するように構成されることができ、IL-7Rαγcリガンドは、Fc鎖のうちの1つに共有結合され、他方のFc鎖は、IL-7Rαγcリガンドに結合されない。二価のIL-7RαγcリガンドFc融合では、IL-7Rαγcリガンドは、各Fc鎖に融合される。
ホモ二量体の二価のIL-7RαγcリガンドFc融合タンパク質に加えて、一価のIL-7RαγcリガンドFc融合タンパク質では、1つのFc鎖は、空であり得、ヘテロ二量体化バリアントは、2つのFc鎖を一緒にするために使用されることができる。これらの実施形態は、自己集合してヘテロ二量体Fc鎖およびヘテロ二量体Fc融合タンパク質を形成することができる、2つの異なるバリアントFc配列の使用に依拠する。ヘテロ二量体を生成するために使用され得る、いくつかの機構が存在する。加えて、これらの機構は、組み合わせられ、ヘテロ二量体化の高効率を確実にすることができる。ヘテロ二量体化バリアントは、ノブおよびホールまたはスキューバリアント、電荷対バリアント、ならびにびpHバリアントなどの立体バリアントを含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド構築物は、1つ以上のIL-7Rαリガンドが構築物パートナーに結合され、独立して、1つ以上のRγcリガンドが構築物パートナーに結合される、構築物を含む。例えば、IL-7Rαリガンドは、Fc断片または免疫グロブリンのC末端に結合されることができ、Rγcリガンドは、Fc断片または免疫グロブリンのN末端に結合されることができる。別の例として、IL-7Rαリガンドは、Fc断片または免疫グロブリンの一方の重鎖のC末端に結合されることができ、Rγcリガンドは、Fc断片または免疫グロブリンの他方の重鎖に結合されることができる。
1つ以上のIL-7Rαリガンドおよび/または1つ以上のRγcリガンドを含む構築物は、構築物パートナーに結合された1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。図15A~15Fおよび図16A~16Fは、それぞれ、リガンドが構築物パートナーのC末端および/またはN末端に結合される、Fc断片および免疫グロブリンの例を示す。リガンドのそれぞれは、独立して、IL-7Rαγcリガンド、IL-7Rαリガンド、またはRγcリガンドから選択されることができる。
タンパク質または合成ポリマーを含む構築物では、1つ以上のIL-7Rαリガンド、1つ以上のRγcリガンド、および/または1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、構築物パートナーに結合されることができる。例えば、リガンドは、タンパク質のC末端およびN末端、もしくはポリマーの末端基、ならびに/または官能化側鎖に結合されることができる。
1つ以上のIL-7Rαリガンドおよび1つ以上のRγcリガンドのそれぞれは、独立して、構築物リンカーを介して構築物パートナーに結合されることができる。構築物リンカーは、例えば、本明細書に開示される剛性または可撓性リンカーのうちのいずれかであり得、IL-7Rとの所望の相互作用を促進するように選択されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7RαγcリガンドまたはタンデムIL-7Rαγcリガンドを、例えば、本明細書に開示されるペプチド、ポリマー、Fc断片、免疫グロブリン断片、および抗体のうちのいずれかを含む、構築物パートナーに共有結合する、構築物リンカーを含むことができる。
構築物リンカーは、IL-7R上の結合部位へのIL-7Rαγcリガンドの結合を促進するように構成されることができる。構築物リンカーは、IL-7RαγcリガンドによるIL-7Rの活性化を促進するように構成されることができる。
構築物リンカーは、ペプチジル構築物リンカーであり得る。ペプチジル構築物リンカーは、例えば、2~30個のアミノ酸、2~25個のアミノ酸、2~20個のアミノ酸、2~15個のアミノ酸、または2~10個のアミノ酸を含むことができる。ペプチジル構築物リンカーは、例えば、30個未満のアミノ酸、25個未満のアミノ酸、20個未満のアミノ酸、15個未満のアミノ酸、10個未満のアミノ酸、または5個未満のアミノ酸を含むことができる。ペプチジル構築物リンカーは、例えば、2個超のアミノ酸、4個超のアミノ酸、8個超のアミノ酸、12個超のアミノ酸、または16個超のアミノ酸を含むことができる。
ペプチジル構築物リンカーは、例えば、10Å~400Å、50Å~300Å、または100Å~200Åなどの5Å~500Åの長さを有することができる。ペプチジル構築物リンカーは、例えば、5Å超、10Å超、50Å超、100Å超、200Å超、300Å超、または400Å超の長さを有することができる。
構築物リンカーは、化学的構築物リンカーであり得る。化学的構築物リンカーは、例えば、10Å~400Å、5Å~300Å、または100Å~200Åなどの5Å~500Åの長さを有することができる。化学的リンカーは、例えば、5Å超、10A超、50Å超、100Å超、200Å超、300Å超、または400Å超の長さを有することができる。
化学的構築物リンカーは、例えば、3~100個の結合、5~90個の結合、10~80個の結合、または20~60個の結合を含む、骨格を含むことができる。化学的構築物リンカーは、例えば、3個超の結合、5個超の結合、10個超の結合、20個超の結合、50個超の結合、または100個超の結合を含む、骨格を含むことができる。
好適なペプチジル構築物リンカーの例には、nが、2~25、2~20、2~16、3~12、4~10、または6~8などの1~20の整数であり得る、(GGGGS)(配列番号9384)、(GGS)(配列番号9382)、(GGGS)(配列番号9383)、(GG)(配列番号9379)、(GS)(配列番号9381)、および(PA)(配列番号9421)が含まれる。ペプチジル構築物リンカーは、例えば、(GS)10(配列番号9407)または(PA)10(配列番号9428)であり得る。
IL-7Rαγcリガンドは、IL-7RαγcリガンドのN末端を介して、またはC末端を介して、構築物リンカーに結合されることができる。
1つを超えるIL-7Rαγcリガンドを有するIL-7Rαγcリガンド構築物では、IL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、独立した構築物を介して構築物パートナーに結合されることができる。構築物リンカーのそれぞれは、同じであり得るか、または構築物リンカーのうちの少なくとも1つは、異なり得る。1つを超えるIL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、IL-7RαγcリガンドのN末端を介して、またはC末端を介して、個別の構築物パートナーに結合されることができる。
構築物リンカーは、切断可能な構築物リンカーを含むことができる。切断可能な構築物リンカーは、インビボで、例えば、特定のpHの存在下で、酵素的に、または紫外線もしくは赤外線照射を含む電磁放射線の印加などによるエネルギーの印加によって、切断されることができる。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、例えば、ペムブロリズマブおよびセミプリマブなどの抗体チェックポイント阻害剤を含む、PD-1チェックポイント阻害剤などのチェックポイント阻害剤に結合された1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。
チェックポイント阻害剤構築物などのIL-7Rαγc構築物では、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2012~2023のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、または配列番号2012~2023のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を有することができる。
Figure 2023514128000143

チェックポイント阻害剤抗体構築物などのIL-7Rαγc構築物では、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2012~2023のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、または一方の重鎖のC末端、両方の重鎖のC末端、一方の重鎖のN末端、両方の重鎖のN末端、一方の軽鎖のN末端、両方の軽鎖のN末端、もしくは前述のうちのいずれかの組み合わせに結合された配列番号2012~2023のうちのいずれか1つとのアミノ酸配列類似性を有するIL-7Rαγcリガンドを有することができる。1つ以上のIL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、例えば、1~50個のアミノ酸を含み得る、構築物リンカーを介してチェックポイント阻害剤抗体に独立して結合されることができる。
IL-7RαγcリガンドのN末端は、構築物リンカーを介してチェックポイント阻害剤抗体に結合されることができる。
構築物リンカーは、例えば、nが、独立して、1~10の整数である、(G)(配列番号9385)、(GS)(配列番号9386)、(GGS)(配列番号9387)、(GGGS)(配列番号9388)、(GGGGS)(配列番号9389)から選択されることができる。構築物リンカーは、例えば、nが1~20の整数である、(P)(配列番号9420)または(PA)(配列番号9421)から選択されることができる。構築物リンカーは、例えば、各Xが、独立して、アラニン、リジン、またはグルタミン酸から選択されることができ、nが、1~20の整数である、(PX)(配列番号9429)を含むことができる。構築物リンカーは、例えば、nが、例えば、1~10の整数であり得る、(PA)(配列番号9423)を含むことができる。各構築物リンカーは、それが結合されるIL-7RαγcリガンドがIL-7Rアゴニストであるように、選択されることができる。リンカーは、例えば、nが1~5の整数である、(GGGGS)(配列番号9324)であり得る。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、軽鎖が、配列番号1218のアミノ酸配列(図14B)、または配列番号1218との60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列(図14B、FP7)を有し、重鎖が、配列番号1219のアミノ酸配列(図14B、FP8))、または配列番号1219との60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列(図14B、FP8)を有する、ペムブロリズマブ/IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質であり得る。
ペムブロリズマブ/IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質は、2つのペムブロリズマブ重鎖および2つのペムブロリズマブ軽鎖を含むことができ、配列番号2012、2084~2087、および2091~2095のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、または配列番号2012、2084~2087、および2091~2095との60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を有する、IL-7Rαγcリガンドは、一方の重鎖のC末端、両方の重鎖のC末端、一方の重鎖のN末端、両方の重鎖のN末端、一方の軽鎖のN末端、両方の軽鎖のN末端、または前述のうちのいずれかの組み合わせに結合される。1つ以上のIL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、例えば、1~50個のアミノ酸を含み得る、構築物リンカーを介してペムブロリズマブ抗体に独立して結合されることができる。
IL-7RαγcリガンドのN末端は、構築物リンカーを介してペムブロリズマブに結合されることができる。
構築物リンカーは、例えば、nが、独立して、1~10の整数であり得る、(G)(配列番号9385)、(GS)(配列番号9386)、(GGS)(配列番号9387)、(GGGS)(配列番号9388)、(GGGGS)(配列番号9389)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択されることができる。構築物リンカーは、例えば、nが1~20の整数である、(P)(配列番号9420)または(PA)(配列番号9421)から選択されることができる。構築物リンカーは、各Xが、独立して、アラニン、リジン、およびグルタミン酸から選択されることができ、nが、1~20の整数であり得る、(PX)(配列番号9429)を含むことができる。構築物リンカーは、例えば、nが、例えば、1~10の整数であり得る、(PA)(配列番号9423)を含むことができる。各構築物リンカーは、それが結合されるIL-7RαγcリガンドがIL-7Rアゴニストであるように、選択されることができる。リンカーは、例えば、nが1~5の整数である、(GGGGS)(配列番号9394)であり得る。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、hIgG2/IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質であり得、hIgG2は、配列番号1211のアミノ酸配列(図11)、または配列番号1211との60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超のアミノ酸配列類似性のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列(図11)を有し、配列番号2012、2084~2087、および2091~2095のアミノ酸配列、または配列番号2012、2084~2087、および2091~2095のアミノ酸配列類似性との60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超のアミノ酸配列類似性のアミノ酸配列を有する、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、hIgG2の一方のC末端、hIgG2の両方のC末端、hIgG2の一方のN末端、hIgG2の両方のN末端、または前述のうちのいずれかの組み合わせに結合される。1つ以上のIL-7Rαγcリガンドのそれぞれは、例えば、1~50個のアミノ酸を含み得る、構築物リンカーを介してIgG2に独立して結合されることができる。IgG融合パートナーは、hIgG1またはhIgG4であり得、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、hIgG2について記載されるように、hIgG1またはhIgG4融合パートナーに結合されることができる。
IL-7RαγcリガンドのN末端は、構築物リンカーを介してhIgG2に結合されることができる。
構築物リンカーは、例えば、nが、1~6または1~3などの1~10の整数であり得る、(G)(配列番号9385)、(GS)(配列番号9386)、(GGS)(配列番号9387)、(GGGS)(配列番号9388)、(GGGGS)(配列番号9389)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択されることができる。構築物リンカーは、例えば、nが1~20の整数である、(P)(配列番号9420)または(PA)(配列番号9421)から選択されることができる。構築物リンカーは、各Xが、独立して、アラニン、リジン、およびグルタミン酸から選択されることができ、nが、1~20の整数であり得る、(PX)(配列番号9429)を含むことができる。構築物リンカーは、例えば、nが、例えば、1~10の整数であり得る、(PA)(配列番号9423)を含むことができる。各構築物リンカーは、それが結合されるIL-7RαγcリガンドがIL-7Rアゴニストであるように、選択されることができる。リンカーは、例えば、nが1~5の整数である、(GGGGS)(配列番号9394)であり得る。
IL-7Rαγcリガンド/免疫グロブリン融合タンパク質は、hIgG1、hIgG2、hIgG3、またはhIgG4などの免疫グロブリンに結合された1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。IL-7Rαγcリガンド/免疫グロブリン構築物の例が、図15A~15Fおよび16A~16Fに示され、免疫グロブリンは、重鎖231および軽鎖232、ならびに重鎖231および/または軽鎖232のC末端および/またはN末端のいずれかに結合されたIL-7Rαγcリガンド233を含む。
IL-7Rαγcリガンド構築物は、免疫グロブリンFc断片に結合された1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、配列番号2012、2084~2087、および2091~2095のアミノ酸配列、または配列番号2012、2084~2087、および2091~2095との60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を有することができる。IL-7Rαγcリガンドは、C末端および/またはN末端、ならびにFc断片のFc鎖の一方もしくは両方に結合されることができる。図15A~15Fおよび図16A~16Fに示されるように、IL-7Rαγcリガンド223は、Fc鎖221および222の一方または両方に結合されることができる。
Fc断片は、例えば、hIgG1、hIgG2、hIgG3、またはhIgG4などの任意の好適な免疫グロブリンに由来し得る。
IL-7RαγcリガンドのN末端は、構築物リンカーを介してFc断片に結合されることができる。構築物リンカーは、例えば、nが、独立して、1~6または1~3などの1~10の整数であり得る、(G)(配列番号9385)、(GS)(配列番号9386)、(GGS)(配列番号9387)、(GGGS)(配列番号9388)、(GGGGS)(配列番号9389)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択されることができる。構築物リンカーは、例えば、nが1~20の整数である、(P)(配列番号9420)または(PA)(配列番号9421)から選択されることができる。構築物リンカーは、各Xが、独立して、アラニン、リジン、およびグルタミン酸から選択されることができ、nが、1~20の整数であり得る、(PX)(配列番号9429)を含むことができる。構築物リンカーは、例えば、nが、例えば、1~10の整数であり得る、(PA)(配列番号9423)を含むことができる。各構築物リンカーは、それが結合されるIL-7RαγcリガンドがIL-7Rアゴニストであるように、選択されることができる。リンカーは、例えば、nが1~5の整数である、(GGGGS)(配列番号9394)であり得る。
機能的に、IL-7Rαγc結合化合物は、IL-7Rアゴニスト、IL-7Rアンタゴニスト、診断試薬、撮像試薬、標的化合物、細胞傷害性化合物、および二重薬理を示す化合物であり得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、治療有効性を増強する化合物に特性を付与する1つ以上の部分に付着されることができる。特性の例としては、効力、水溶性、極性、親油性、薬物動態、標的化、バイオアベイラビリティ、pH依存性結合、バイオ活性、薬力学、細胞活性、代謝、有効性、可逆的不能(ケージング)、選択性、または前述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
IL-7Rαγc結合化合物は、インビボで切断可能である1つ以上の部分を含むことができる。部分は、例えば、標的特異的もしくは標的濃縮酵素、またはpHなどによって、標的特異的環境で切断可能であり得る。部分は、可視光もしくは赤外線などの電磁エネルギーに曝露されると、および/または熱エネルギーに曝露されることによって、切断可能であり得る。
IL-7Rαγc結合化合物は、例えば、腫瘍特異的抗体、腫瘍特異的抗体断片、腫瘍特異的タンパク質、腫瘍特異的ペプチド、非ペプチジル腫瘍細胞リガンド、または前述のうちのいずれかの組み合わせなどの腫瘍標的化部分を含むことができる。
IL-7Rαγc結合化合物は、例えば、免疫細胞特異的抗体、免疫細胞特異的抗体断片、免疫細胞特異的タンパク質、免疫細胞特異的ペプチド、非ペプチジル免疫細胞リガンド、または前述のうちのいずれかの組み合わせなどの免疫細胞標的化部分を含むことができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、IL-7Rアゴニストとして作用する化合物を含むことができる。
IL-7Rαγc結合化合物は、IL-7RαサブユニットおよびRγcサブユニットに結合することができ、IL-7受容体を活性化することができる。IL-7Rアゴニストは、例えば、100μM未満、10μM未満、1μM未満、100nM未満、10nM未満、または1nM未満のIC50でIL-7RαサブユニットおよびRγcサブユニットに独立して結合することができる。IL-7Rアゴニストは、IL-7と競合的または非競合的のいずれかで、IL-7Rαサブユニットおよび/またはRγcに結合することができる。
IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドを含むIL-7Rαγc結合化合物は、IL-7RαサブユニットおよびRγcサブユニットを発現する細胞をより強力に活性化し、それによって、アゴニストの用量を制御することによって、異なる細胞型の表面上で発現されるIL-7Rを差次的に活性化する能力を促進するように構成されることができる。例えば、IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドを含むヘテロマー化合物とインキュベートされると、IL-7Rサブユニットを発現する初代ヒト末梢血単核細胞(PBMC)は、シグナル伝達兼転写活性化因子5(STAT5)をリン酸化する。
IL-7Rαγc結合化合物は、IL-7受容体を部分的に活性化することができる。部分的活性化とは、例えば、最大活性化の75%未満、最大活性化の50%未満、25%未満、10%未満、または1%未満である、活性化レベルを指す。最大活性化(Emax)は、IL-7の高い濃度などの高アゴニスト濃度で達成可能な細胞シグナル(活性化)の振幅である。部分的IL-7Rアゴニストは、IL-7Rを発現する異なる細胞型間のIL-7RαおよびRγcサブユニットの活性化に対するIL-7Rの応答レベルを変調することに有効であり得る。例えば、異なる細胞型は、IL-7Rサブユニット、すなわち、IL-7RαおよびRγcサブユニットのそれぞれの発現レベルにおいて変化し、IL-7Rアゴニストに対する異なる感受性を示すことが知られている。
IL-7Rαγc結合化合物は、IL-7Rαリガンドおよび修飾Rγcリガンドを含むことができる。修飾Rγcリガンドは、IL-7Rに結合して活性化するように選択または設計され得るが、IL-7Rに対する親和性および効力は低いか、または中程度である。そのようなIL-7Rアゴニストは、IL-7Rαを高度に発現する細胞と低レベルのIL-7Rα発現を有する細胞との間で、IL-7R活性化について、より大きな差次的感受性を有することができる。
IL-7Rαγc結合化合物は、1つ以上のIL-7Rαリガンドおよび1つ以上のRγcリガンドを含むことができる。複数のIL-7Rαリガンドおよび複数のRγcリガンドの存在は、IL-7Rαおよび/またはRγcの低い発現レベルを有する細胞と比較して、IL-7Rαおよび/またはRγcを高度に発現する細胞上のIL-7Rアゴニストの効力を優先的に増加させることができる。
IL-7Rαγc結合化合物は、IL-7受容体の活性化によって媒介されるもの以外の追加の薬理活性を有する部分を含むことができる。薬理活性は、IL-7Rアゴニストのものと相乗的である治療有効性を有する活性であり得るか、または薬理活性は、IL-7Rアゴニストと相乗的ではない治療有効性を有する活性であり得る。好適な薬理学的部分の例としては、チェックポイント分子の阻害剤である抗体および抗体断片、アポトーシス促進性分子および抗アポトーシス分子、細胞傷害性分子、ケモカインのアゴニスト、ケモカインのアンタゴニスト、サイトカイン、増殖因子および他の細胞表面受容体、ならびにインテグリンなどの細胞表面接着分子のリガンドおよび阻害剤が挙げられる。
1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドを患者の特定の組織または細胞に標的化する能力を付与する標的化部分を含む、分子に結合されることができる。標的化部分は、標的組織または標的細胞の表面上に発現される細胞表面タンパク質または受容体に対する親和性を有することができ、それによって、IL-7Rαγcリガンドを標的組織または細胞に誘導することができる。標的化部分の例としては、細胞表面タンパク質、リガンド、生物学的受容体、および抗原に特異的な抗体およびその断片を含む、抗原結合部分が挙げられる。
抗体は、標的細胞型の表面上で発現される抗原に結合することができる。抗体は、任意の有用または既知の有用な薬理学的機能を有しない場合があるが、標的化抗原を発現しないか、または標的細胞型もしくは組織の発現レベルよりも低い標的化抗原の発現レベルを有する、細胞型または組織と比較して、細胞型または組織を優先的に標的化するようにIL-7Rαγcリガンド構築物を誘導する役割を果たす。抗体は、細胞表面抗原に結合されたときに有用な薬理学的機能を有することができる。これらの構築物は、二重薬理IL-7Rαγcリガンド構築物と称される。
IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質は、1つ以上の抗原結合部分を含むことができる。さらに2つの抗原結合部分は、同じ抗原または異なる抗原を対象とし得る。
標的化部分は、抗原結合部分であり得、IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質は、免疫複合体であり得る。免疫複合体は、細胞表面上、血清中の病的細胞の表面上のウイルス感染細胞の表面上、および/または細胞外基質内で発現される抗原に結合することが可能な1つ以上の抗原結合部分を含むことができる。
抗原結合部分は、抗体または抗体断片を含むことができる。抗原結合部分は、例えば、IgG1、IgG2、またはIgG4アイソタイプを含む、IgGクラスの免疫グロブリンなどの免疫グロブリン分子であり得る。IL-7Rαγcリガンドは、CH3ドメインのC末端などの重鎖の一方または両方に結合されることができる。抗原結合部分は、Fab分子、scFv分子、またはペプチドであり得る。
抗原結合部分は、例えば、腫瘍細胞の表面上または腫瘍細胞環境内で発現される抗原、免疫細胞上で発現される抗原、CD4+T細胞、CD8+T細胞、またはNK細胞などのIL-7RのIL-7RαおよびRγcサブユニットを主に発現する細胞の表面上で発現される抗原などの任意の特定の抗原を対象とし得る。
腫瘍細胞上で発現される好適な抗原標的の例としては、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)、テネイシン-CのA1ドメイン(TNC A1)、テネイシン-CのA2ドメイン(TNC A2)、フィブロネクチンのエクストラドメインB(EDB)、がん胎児性抗原(CEA)、および黒色腫関連コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSP)が挙げられる。
標的化に使用され得る好適な腫瘍抗原の他の例としては、MAGE、MART-1/Melan-A、gplOO、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)、アデノシンデアミナーゼ結合タンパク質(ADAbp)、シクロフィリンb、結腸直腸関連抗原(CRC)-0017-A/GA733、がん胎児性抗原(CEA)ならびにその免疫原性エピトープCAP-1およびCAP-2、etv6、amll、前立腺特異的抗原(PSA)ならびにその免疫原性エピトープPSA-1、PSA-2、およびPSA-3、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、T細胞受容体/CD3-ゼータ鎖、腫瘍抗原のMAGEファミリー(例えば、MAGE-Al、MAGE-A2、MAGE-A3、MAGE-A4、MAGE-AS、MAGE-A6、MAGE-A7、MAGE-AS、MAGE-A9、MAGE-AlO、MAGE-All、MAGE-A12、MAGE-Xp2(MAGE-B2)、MAGE-Xp3(MAGE-B3)、MAGE-Xp4(MAGE-B4)、MAGE-Cl、MAGE-C2、MAGE-C3、MAGE-C4、MAGE-CS)、GAGE-I、GAGE-2、GAGE-3、GAGE-4、GAGE-5、GAGE-6、GAGE-7、GAGE-8、GAGE-9などの腫瘍抗原のGAGEファミリー、BAGE、RAGE、LAGE-I、NAG、GnT-V、MUM-1、CDK4、チロシナーゼ、p53、MUCファミリー、HER2/neu、p21ras、RCAS1、a-フェトプロテイン、E-カドヘリン、a-カテニン、-カテニンおよびy-カテニン、p120ctn、gplOO Pmel117、PRAME、NY-ES0-1、cdc27、大腸腺腫症タンパク質(APC)、フォドリン、コネクシン37、Ig-イディオタイプ、p15、gp75、GM2およびGD2ガングリオシド、ヒトパピローマウイルスタンパク質などの、ウイルス産物、腫瘍抗原のSmadファミリー、lmp-1、PIA、EBY-コード核抗原(EBNA)-1、脳グリコーゲンホスホリラーゼ、SSX-1、SSX-2(HOM-MEL-40)、SSX-1、SSX-4、SSX-5、SCP-1およびCT-7、ならびにcerbB-2が挙げられる。
ウイルス抗原の例としては、インフルエンザウイルスヘマグルチニン、エプスタイン・バーウイルスLMP-1、C型肝炎ウイルスE2糖タンパク質、HIV gp160、およびHIV gp120が挙げられる。
ECM抗原の例としては、シンデカン、ヘパラナーゼ、インテグリン、オステオポンチン、リンク、カドヘリン、ラミニン、ラミニンEGF型、レクチン、フィブロネクチン、ノッチ、テネイシン、およびマトリキシンが挙げられる。
標的化IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質は、例えば、FAP、Her2、EGFR、IGF-lR、CD2(T細胞表面抗原)、CD3(TCRに関連するヘテロ多量体)、CD22(B細胞受容体)、CD23(低親和性IgE受容体)、CD30(サイトカイン受容体)、CD33(骨髄細胞表面抗原)、CD40(腫瘍壊死因子受容体)、IL-6R(IL6受容体)、CD20、MCSP、およびPDGFR(血小板由来成長因子受容体)から選択される細胞表面抗原に結合するように構成されることができる。
標的化IL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7Rも発現する細胞によって細胞の表面上に発現される抗原または受容体に結合することが可能な抗原結合部分を含むことができる。IL-7Rを発現する細胞の例としては、例えば、CD8+T細胞、CD4+T細胞などのナイーブT細胞、メモリーT細胞、および活性化T細胞が挙げられる。
標的化IL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7RのIL-7RαおよびRγcサブユニットを発現する細胞によって発現される抗原または受容体に結合することが可能な抗原結合部分を含むことができる。IL-7RのIL-7RαおよびRγcサブユニットを発現する細胞の例としては、例えば、CD4+T細胞およびCD8+T細胞などのナイーブT細胞、メモリーT細胞、および活性化T細胞が挙げられる。
ナイーブCD4+T細胞の表面上で発現される抗原の例としては、CD4+、CD45RA+、CD45RO-、CCR7+、およびCD25が挙げられる。
ナイーブCD8+T細胞の表面上で発現される抗原の例としては、CD8+、CD45RA+、CD45O+、CCR7+、およびCD28+が挙げられる。
CD4+T細胞の表面上で発現される抗原の例としては、CD4+、CXCR3+、CCR5+、およびIL12Rβ2+などのTh1細胞マーカー、CD4+、CCR4+、およびIL12Rβ2+などのTh2細胞マーカー、CD4+、CCR3+、およびCCR5+などのTh9細胞マーカー、CD4+、CCR6+、CCR4+、およびNK1.1+などのTh17細胞マーカー、CD4+、CCR10+、CCR4+、およびCCR6+などのTh22細胞マーカー、CD4+、CD127+、CD24+、およびCTLA-4+などのTreg細胞マーカー、ならびにCD4+、CXCR5+、CD40L+、およびICOS+などのTfh細胞マーカーが挙げられる。
細胞傷害性CD8+T細胞の表面上に発現される抗原の例としては、CD8+およびCCR7-が挙げられる。
メモリーT細胞抗原の例としては、CCR5、CCR7、CD11a、CD27、CD28、CD45RA、CD45RO、CD57、および/CD62が挙げられる。
ナイーブT細胞抗原の例としては、CD45RA、CCR7、CD62L、CD127、およびCD132が挙げられる。
標的化IL-7Rαγcリガンド構築物は、免疫応答を調節する役割を有する細胞の表面上に発現される抗原または受容体に結合することが可能な抗原結合部分を含むことができる。
免疫応答の調節に関連する細胞によって発現される抗原の例としては、PD-1、CTLA-4、CD20、およびCD30が挙げられる。
標的化IL-7Rαγcリガンド構築物は、CD25などのTreg細胞の表面上で発現される抗原または受容体に結合することが可能な抗原結合部分を含むことができる。例えば、Treg細胞標的化構築物は、IL-7Rαγcリガンド/ダクリズマブ抗体融合物を含むことができる。
本開示によって提供される二重薬理IL-7Rαγcリガンド構築物は、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドと、薬理学的部分とを含むことができる。薬理学的部分は、IL-7Rを発現する細胞、またはIL-7Rを発現する細胞以外の細胞に治療効果を及ぼすことができる。1つ以上のIL-7Rαγcリガンドは、例えば、抗腫瘍剤、抗微生物剤、ホルモン、免疫調節剤、および抗炎症剤などの治療用化合物を含む生物剤に連結されることができる。
二重薬理IL-7Rαγcリガンド構築物は、例えば、抗体などのタンパク質を含むことができる。抗体は、IgAアイソタイプ、IgDアイソタイプ、IgEアイソタイプ、IgGアイソタイプ、またはIgMアイソタイプであり得る。二重薬理IL-7Rαγcリガンド構築物は、リンカーを介して薬理学的に活性な抗体に結合されたIL-7Rαγcリガンドを含むことができる。リンカーは、天然に存在する分子または合成分子であり得る。
二重薬理IL-7Rαγcリガンド構築物は、抗原結合部分と、Fcリンカーを介してFc鎖に結合された1つ以上のIL-7Rαγcリガンドとを有する、抗体を含むことができる。
抗体は、細胞特異的抗原を対象とした抗体を含むことができる。細胞特異的抗原を対象とした抗体の例としては、アレムツズマブ(CD52抗原)、トラスツズマブ(Her2タンパク質)、イブリツモマブチウキセタン(CD20抗原)、ブレンツキシマブベドチン(CD30抗原)、アドトラスツズマブエムタンシン(Her2タンパク質)、ブリナツモマブ(CD19タンパク質およびCD3タンパク質)が挙げられる。
二重薬理IL-7Rαγcリガンド構築物は、がんの治療において有用であることが知られている部分を含むことができる。がんの治療に有用であることが知られているモノクローナル抗体の例としては、アレムツズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、ベバシズマブ、ブレンツキシマブ、セミプリマブ、セツキシマブ、トラスツズマブ、デノスマブ、リツキシマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、パニツムマブ、ペムブロリズマブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、およびトラスツズマブが挙げられる。
二重薬理学IL-7Rαγcリガンド構築物は、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤、PD-L1、およびPD-L2阻害剤などのチェックポイント阻害剤であることが知られている部分を含むことができる。
好適なPD-1阻害剤の例としては、ニボルマブ、セミプリマブ、およびペムブロリズマブが挙げられ、CTLA-4阻害剤の例としては、イピリムマブが挙げられ、PD-L1阻害剤の例としては、アテゾリズマブおよびデュルバルマブが挙げられる。
自己免疫疾患および炎症性疾患の治療に有用なモノクローナル抗体の例としては、アブシキシマブ、アダリムマブ、アレファセプト、アレムツズマブ、バシリキシマブ、ベリムマブ、ベズロツクスマブ、カナキヌマブ、セルトリズマブ、ダクリズマブ、デノスマブ、エファリズマブ、ゴリムマブ、インフレクトラ、イピリムマブ、イキセキズマブ、ナトリズマブ、ニボルマブ、オララツマブ、アマリズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、ペムブロリズマブ、リツキシマブ、トシリズマブ、トラスツズマブ、セクキヌマブ、およびウステキヌマブが挙げられる。
二重薬理IL-7Rαγcリガンド抗体構築物は、チェックポイント阻害剤に対する抗体を含むことができる。チェックポイント阻害剤に対する抗体としては、CTLA-4遮断抗体、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、およびスパルタルズマブなどのPD-1阻害剤、アテゾリズマブなどのPD-L1阻害剤、ならびにCISHなどの固有のチェックポイント遮断を標的とする他の抗体が挙げられる。
好適なFDA承認抗体チェックポイント阻害剤としては、イピリムマブ(CTLA-4)、ニボルマブ(PD-1)、ペムブロリズマブ(PD-1)、アテゾリズマブ(PD-1)、アベルマブ(PD-1)、デュルバルマブ(PD-1)、およびセミプリマブ(PD-1)が挙げられる。
二重薬理IL-7Rαγcリガンド構築物は、サイトカイン融合物を含むことができる。IL-7Rαγcリガンドサイトカイン構築物は、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドおよび天然に存在する分子または合成分子に結合された1つ以上のサイトカインを含むことができる。例えば、1つ以上のIL-7Rαγcリガンドおよび1つ以上のサイトカインは、ポリペプチドまたはIgGもしくはFc断片などのタンパク質に結合されることができる。サイトカインは、例えば、インターロイキン、ケモカイン、コロニー刺激因子、インターフェロン、形質転換成長因子、および腫瘍壊死因子から選択されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド構築物は、ウイルス学構築物を含むことができる。ウイルス学構築物は、ウイルスの表面上に発現されるタンパク質に対する本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンド、ウイルスによって標的とされる細胞の表面上に発現される抗原、ウイルスによって標的とされる細胞表面抗原、またはウイルス様粒子、もしくはワクチンを含むことができる。
本開示によって提供される特定のIL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγcリガンド構築物は、組換えDNA技術を使用して合成されることができる。
本開示によって提供される特定のIL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγcリガンド構築物は、合成有機化学法を使用して合成されることができる。
本開示によって提供されるIL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7Rのアゴニストである。
IL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7RのIL-7Rαサブユニットおよび/またはRγcサブユニットに結合することができ、IL-7Rを活性化することができる。IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物は、例えば、100μM未満、10μM未満、1μM未満、100nM未満、10nM未満、または1nM未満のIC50でIL-7Rαサブユニットおよび/またはRγcサブユニットに独立して結合することができる。
IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物は、100μM未満、10μM未満、1μM未満、100nM未満、10nM未満、または1nM未満のIC50でIL-7Rαサブユニットおよび/またはRγcサブユニットに結合することができる。IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7と競合的または非競合的のいずれかで、IL-7Rαサブユニットおよび/またはRγcサブユニットに結合することができる。
IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7RαサブユニットおよびRγcサブユニットを発現する細胞をより強力に活性化し、それによって、IL-7RαγcリガンドアゴニストまたはIL-7Rαγcリガンド構築物アゴニストの用量を制御することによって、異なる細胞型の表面上で発現されるIL-7Rを差次的に活性化する能力を促進するように構成されることができる。例えば、IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物とインキュベートされると、IL-7Rαγcサブユニットを発現する初代ヒト末梢血単核細胞(PBMC)は、シグナル伝達兼転写活性化因子5(STAT5)をリン酸化する。
IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物によって誘導されるTF-1-7αまたはhPMBCにおけるSTAT5リン酸化についてのEC50は、例えば、100μM未満、10μM未満、1μM未満、100nM未満、10nM未満、または1nM未満であり得る。
IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物によって誘導されるTF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化についてのEC50は、例えば、1pM~100μm、10pM~10μm、または100pM~1μmの範囲内であり得る。
本開示によって提供されるIL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγcリガンド構築物は、CD4+およびCD8+細胞内のSTAT5リン酸化経路、AKTリン酸化経路、およびERK1/2リン酸化経路を活性化することができる。
IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7Rを部分的に活性化することができる。部分的活性化とは、例えば、最大活性化の75%未満、最大活性化の50%未満、25%未満、10%未満、または1%未満である活性化レベルを指す。IL-7Rの最大活性化(Emax)は、IL-7の高い濃度などの高アゴニスト濃度で達成可能な細胞シグナル(活性化)の振幅を指す。部分的IL-7Rアゴニストは、IL-7Rを発現する異なる細胞型間のIL-7RαおよびRγcサブユニットの活性化に対するIL-7Rの応答レベルを変調することに有効であり得る。例えば、異なる細胞型は、IL-7Rサブユニットのそれぞれ、IL-7RαおよびRγcの発現レベルにおいて変化し、IL-7Rアゴニストに対する異なる感受性を示すことが知られている。
IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物は、修飾IL-7Rαリガンドおよび/またはRγcリガンドを含むことができる。修飾IL-7RαおよびRγcリガンドは、IL-7Rに結合して活性化するように選択または設計され得るが、IL-7Rに対する親和性および効力は低いか、または中程度である。そのようなIL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7Rαを高度に発現する細胞と低レベルのIL-7Rα発現を有する細胞との間で、IL-7R活性化について、より大きな差次的感受性を有することができる。
本開示によって提供されるIL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγcリガンド構築物は、完全IL-7Rアゴニスト、部分的IL-7Rアゴニスト、バイアスIL-7Rアゴニスト、またはIL-7Rアンタゴニストとして作用することができる。
実施例に示されるように、IL-7Rαγc結合化合物は、TF-1 IL-7Rα(TF-1-7α)細胞および静止ヒトPMBCにおけるSTAT5リン酸化に関してIL-7に匹敵する完全アゴニストとして作用することができる。
実施例に示されるように、TF-1 IL-7Rα細胞および静止ヒトPMBCにおけるSTAT5リン酸化に関して、本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、1nm未満(EC50)でアゴニスト活性を示すことができる。
本開示によって提供されるIL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7Rアンタゴニストとして作用することができる。本開示によって提供されるIL-7RαγcリガンドアンタゴニストおよびIL-7Rαγcリガンド構築物アンタゴニストは、例えば、100μM未満、10μM未満、1μM未満、0.1μM未満、または0.01μM未満のIC50でIL-7Rに結合することができ、例えば、STAT5リン酸化アッセイなどの実施例に開示される機能的アッセイのうちのいずれかを使用して決定される、検出可能な機能活性を示さない。
本開示によって提供される、IL-7Rαγc結合化合物、すなわち、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、およびIL-7Rαγcリガンド構築物は、皮膚内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、口内、経口、舌下、脳内、膣内、経皮、直腸、吸入、または局所を含む、任意の適切な投与経路によって患者に投与される医薬組成物に組み込まれることができる。本開示によって提供される医薬組成物は、注射可能な製剤であり得る。本開示によって提供される医薬組成物は、注射可能な静脈内製剤であり得る。本開示によって提供される医薬組成物は、経口製剤であり得る。経口製剤は、経口剤形であり得る。医薬組成物は、静脈内投与または皮下投与のために製剤化され得る。
本開示によって提供される医薬組成物は、患者への適切な投与のための組成物を提供するために、好適な量の1つ以上の薬学的に許容されるビヒクルとともに、治療的有効量のIL-7Rαγc結合化合物を含み得る。好適な薬学的ビヒクルおよび医薬組成物を調製する方法は、当該技術分野で説明されている。
したがって、療法のためにIL-7Rαγc結合化合物および/またはその医薬組成物をアッセイおよび使用することは、当業者の能力の範囲内である。
IL-7Rαγc結合化合物および/またはその医薬組成物は、一般に、意図された目的を達成するために有効な量で使用されることができる。がん、自己免疫疾患または炎症性疾患などの疾患を治療するための使用について、IL-7Rαγc結合化合物および/またはその医薬組成物は、治療的有効量で投与または適用され得る。
本明細書に開示される特定の障害または状態の治療に有効であろう、IL-7Rαγc結合化合物、および/または前述のうちのいずれかの医薬組成物の量は、障害または状態の性質に部分的に依存し、当該技術分野で公知の標準的な臨床技法によって決定されることができる。加えて、インビトロアッセイまたはインビボアッセイが、最適な用量範囲を識別することに役立つように、任意選択的に採用され得る。投与されるIL-7Rαγc結合化合物および/または前述のうちのいずれかの医薬組成物の量は、とりわけ、治療される患者、患者の体重、苦痛の重症度、投与方法、および処方医師の判断に依存するであろう。
IL-7Rαγc結合化合物は、ヒトで使用する前に、所望の治療活性について、インビトロおよびインビボでアッセイされることができる。例えば、インビトロアッセイが、特定の化合物または化合物の組み合わせの投与が好ましいかどうかを決定するために使用され得る。化合物はまた、動物モデル系を使用して有効かつ安全であることが実証され得る。
ある特定の実施形態では、治療的有効量のIL-7Rαγc結合化合物および/または前述のうちのいずれかの医薬組成物は、実質的な毒性を引き起こすことなく治療的利益を提供するであろう。IL-7Rαγc結合化合物および/または前述のうちのいずれかの医薬組成物の毒性は、標準的な薬学的手順を使用して決定され得、当業者によって容易に確認され得る。毒性効果と治療効果との間の用量比は、治療指数である。IL-7Rαγc結合化合物、および/または前述のうちのいずれかの医薬組成物は、疾患および障害を治療する際に特に高い治療指数を示す。IL-7Rαγc結合化合物および/または前述のうちのいずれかの医薬組成物の用量は、最小限の毒性を有する有効用量を含む循環濃度の範囲内であろう。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、治療目的のために患者に化合物を投与するために使用され得るキットに含まれ得る。キットは、患者への投与に好適な本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物と、医薬組成物を患者に投与するための説明書とを含み得る。キットは、がんを治療するための、自己免疫疾患を治療するための、または炎症性疾患を治療するためのキットであり得る。患者においてがんを治療する際に使用するためのキットは、本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物と、化合物を投与するための薬学的に許容されるビヒクルと、患者に化合物を投与するための説明書とを含むことができる。
医薬組成物は、投与のための説明書とともに、容器、パック、またはディスペンサーに含まれ得る。
キットとともに供給される説明書は、例えば、電子可読媒体、ビデオカセット、オーディオテープ、フラッシュメモリデバイスとして印刷および/または供給され得るか、またはインターネットウェブサイト上で公開されるか、もしくは電子通信として患者および/または医療提供者に配布され得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、がん新抗原ワクチンを含む、特定のワクチンと組み合わせられると有用であり得る。腫瘍DNAの変異は、身体に対して異質である新しいタンパク質配列を産生する。ワクチンは、腫瘍特異的新抗原に関して患者の免疫系を特異的に活性化するように設計されることができる。新抗原ワクチンと組み合わせて投与されると、本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、腫瘍微小環境において新抗原特異的T細胞を拡大および増殖させ、それにより、がんの治療のためのワクチン誘発新抗原特異的T細胞の最大拡大を駆動することができる。
したがって、本開示によって提供されるIL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγc構築物は、アジュバントとして使用されることができる。アジュバントは、保護免疫に直接関与することなくワクチンの有効性を増強する化合物を指す。例えば、本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、がんワクチンまたはウイルスワクチンと併用して使用されることができる。
最近の研究では、IL-7が有効なワクチンアジュバントとして役立ち得ることが示唆されている。例えば、IL-7Rαは、静止ナイーブCD8+T細胞の大部分上で発現され、IL-7シグナル伝達は、低親和性抗原に特異的なT細胞をリンパ球減少性宿主における増殖性プールの中に動員し、他のRγcサイトカインと同様に、IL-7は、プログラム細胞死を防止する。IL-7が、エフェクターT細胞のメモリーT細胞への増殖および発達の間に重要であるため、IL-7は、ワクチン接種中のエフェクターT細胞の発達および増殖を刺激するために使用され得ることは合理的である。
IL-7の投与は、免疫応答を増強するための治療的可能性が示されており、ワクチン誘導T細胞応答の有効性を増強することができる。
例えば、hIL-7 DNAの同時送達は、非ヒト霊長類モデルにおいて多重HCV DNAワクチン誘導T細胞応答を増強した。
細菌感染において、敗血症マウスモデルの状況におけるIL-7の治療可能性は、動員した好中球の数を増加させることによって証明された。
IL-7の投与を伴う治療は、ウイルス特異的T細胞応答の増強を示し、慢性リンパ球性脈絡髄膜炎(LCMV)マウス感染モデルにおいてウイルスクリアランスをもたらした。DNAワクチンに応答して誘発されたCD8+T細胞応答の収縮期中の組換えIL-7の投与は、LCMV特異的メモリーT細胞の数を増加させた。
インフルエンザAウイルス(IAV)のマウスモデルでは、Fc融合IL-7(IL-7-mFc)を用いた単一の鼻腔内前処置は、IL-7の天然形態ではないが、既存のIAV特異的免疫なしでも、IAV誘発性死からマウスを長期間保護することが実証された。IL-7-mFc処置は、肺内の免疫環境の変化を誘導し、肺保持エフェクター/メモリー表現型T(TRM様)細胞の長期占有を伴い、ウイルス複製および免疫病理を制限することによってIAVからの保護に不可欠な役割を果たす一方で、IAV特異的細胞傷害性Tリンパ球(CTL)が増殖するのに役立つ。
マウスIL-7を発現する組換えRABV(rRABV)をマウスに投与した別の研究では、IL-7を過剰発現することにより、RABV感染に対する長期にわたる一次および二次抗体応答の生成が改善されることが見出された。
組換えIL-7タンパク質は、抗原特異的エフェクターCD8+T細胞の活性化によって、Mycobacterium tuberculosis感染マウスの生存を増強することが報告されている。
さらに、IL-7発現プラスミドは、HSV-2 gD DNAワクチンを注射したマウスにおけるワクチン誘導CTLおよび/またはTh2型免疫反応を増強することができる。
別の研究では、口蹄疫ウイルスのVP1カプシドタンパク質をコードするDNAワクチンを、初期アジュバントとしてIL-6発現プラスミドとともにマウスに同時送達し、二次アジュバントとしてIL-7発現プラスミドで強化した。pVAX-IL-6で免疫化し、pVAX-IL-7で強化したマウスは、活性化CD4+T細胞において、CD44高CD62低の最も高い発現を生成した。
本開示によって提供されるIL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7Rαγcサブユニットも発現する細胞の膜表面上で発現されるように操作されると、細胞療法に有用であり得る。NK細胞を使用した、または再標的化されたキメラ抗原受容体(CAR)T細胞を使用した養子免疫療法は、現在、腫瘍およびウイルス感染に対する治療として研究されている。これらの細胞療法に関する1つの課題は、注入された細胞の最適以下の持続的生存である。
IL-7Rαγcリガンドが細胞の細胞外表面上で発現されるような方法で膜タンパク質に融合されたIL-7RαγcリガンドをコードするDNAは、標準的な技法を使用して構築され得る。IL-7Rαγcリガンドを含む融合タンパク質が発現されると、細胞上のIL-7受容体が活性化され、細胞の長期持続性につながる。
IL-7RαγcリガンドをコードするDNAは、細胞に組み込まれることができ、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドを産生するように構成されることができる。IL-7Rαγcリガンドは、細胞から分泌されることができ、分泌細胞(すなわち、自己分泌シグナル伝達)および/または分泌細胞の近傍の細胞(すなわち、パラクリンシグナル伝達)と相互作用することができる。本開示によって提供される分泌型IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物は、IL-7Rアゴニストであり得、分泌細胞の近くに局在化するように設計されることができる。
本開示によって提供されるIL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物は、患者内または生体試料内のT細胞を増殖させるために使用されることができる。Treg細胞に対する非調節性T細胞の比率を増加させる方法は、T細胞の集団を有効量のIL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物と接触させることを含むことができる。この比率は、T細胞の集団内のCD3+FOXP3+細胞対CD3+FOXP3-細胞の比率を決定することによって測定されることができる。ヒト血液における典型的なTreg頻度は、総CD4+CD3+T細胞の5%~10%であるが、特定の疾患では、この割合は、より低く、またはより高くあり得る。
IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物が、T細胞を増殖させるために使用され得る。がん細胞を標的とするように免疫細胞活性を再誘導するキメラ抗原受容体(CAR)で修飾されたT細胞は、改善された抗腫瘍応答を示すことが実証されている。CARは、所望の腫瘍関連抗原(TAA)に結合し、細胞内シグナル伝達カスケードを誘起して、標的細胞に対する免疫細胞を活性化する、抗体由来細胞外ドメインを含むことができる。
表面に固定化されるIL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物は、インビトロまたはエクスビボでT細胞の集団に曝露されて、細胞集団の増殖を誘導することができる。患者に移入する前に、CAR-T細胞は、IL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンド構築物の固定化形態への曝露によって増殖されることができる。固定化されたIL-7RαγcリガンドまたはIL-7Rαγcリガンドは、CAR-T細胞を患者に移入する前に、CAR-T細胞から分離されることができる。
CAR T細胞は、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドのテザー形態を共発現するように遺伝子操作されて、未成熟な分化状態のインビボでの持続性および維持を支持し、インビボでの抗腫瘍活性を示すことができる。
治療法に対する単一の患者応答を評価し、患者を最適な治療法のために認定することは、現代の医療の最大の課題の1つであり、パーソナライズされた医療の動向に関連している。IL-7Rαγc結合化合物は、例えば、特定のがんおよび免疫細胞に対して標的選択性を有することができる。陽電子放射断層撮影(PET)または単一光子放射断層撮影(SPECT)のために放射線標識されたIL-7Rαγc結合化合物が、単一研究のケースバイケースの患者分析に基づいて治療の標的を予測し、したがって、治療から利益を受けることが期待されない患者を除外するために使用されることができ。IL-7Rαγc結合化合物を使用したPET/SPECTスキャンは、濃度と相関すると、三次元分布マップを提供することができ、これは次いで、巨視的用量計算に使用されることができる。
IL-7Rαγc結合化合物は、1つ以上の撮像剤を含むことができる。IL-7Rαγcリガンドは、化合物を、IL-7Rを発現する細胞、細胞集団、および組織に誘導し、局在化することができる。撮像化合物は、放射線標識、蛍光標識、酵素標識、またはPET撮像剤などの1つ以上の撮像剤を含むことができる。
撮像剤は、IL-7Rを発現する細胞の数、IL-7Rを発現する細胞の発現レベル、または特定のIL-7Rαγcリガンドおよび/もしくはIL-7Rαγcリガンドを含む化合物に対するIL-7Rの結合親和性などのIL-7Rの特性を決定するために使用されることができる。撮像剤は、例えば、IL-7Rαサブユニットを発現するがん細胞を評価するために、またはTregおよび/もしくはTeff細胞を評価するために使用されることができる。
標識は、患者における化合物の生体内分布を決定するために、または治療有効性の可能性を評価するために検出されることができる。例えば、高レベルのIL-7Rを発現する腫瘍は、本開示によって提供される治療用IL-7Rαγc結合化合物にとって魅力的な標的であり得る。
撮像剤は、治療前、治療中、および/または治療後にIL-7Rを発現する細胞を評価するために使用されることができる。
IL-7Rαγcリガンドを含む撮像剤は、細胞表面、特に、細胞表面上で発現されたタンパク質に結合することが可能な部分をさらに含むことができる。タンパク質は、特定の細胞型を示すことができ、細胞表面マーカーと称される。IL-7Rαγcリガンドおよび細胞表面マーカーの両方を含む撮像剤が、IL-7Rおよび細胞表面マーカーの両方を発現する細胞、細胞集団、および/または組織を評価するために使用されることができる。評価は、IL-7Rおよび細胞表面マーカーの両方を発現する細胞の数、IL-7Rおよび細胞表面マーカーの発現レベル、ならびに/またはIL-7Rおよび/もしくは細胞表面マーカーに対する撮像剤の結合親和性を決定することを含むことができる。
撮像剤は、治療前、治療中、および/または治療後にIL-7Rおよび細胞表面マーカーを発現する細胞を評価するために使用されることができる。
本開示によって提供される化合物は、標識されることができる。標識化合物は、診断に有用であり得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、検出可能なマーカーで標識されることができる。標識は、患者における化合物の生体内分布を決定するために、または治療有効性の可能性を評価するために使用されることができる。例えば、高レベルのIL-7Rを発現する腫瘍は、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドを含む選択的IL-7Rアゴニストおよび化合物にとって魅力的な標的であり得る。
したがって、本開示によって提供される化合物には、標識化合物が含まれる。標識化合物は、検出可能なマーカー、例えば、放射標識アミノ酸、またはポリペプチドへのビオチニル部分の付着であり得、当該付着ビオチニル部分は、マークされたアビジン(例えば、光学法または比色法によって検出され得る蛍光マーカーまたは酵素活性を含有するストレプトアビジン)によって検出されることができる。ポリペプチドおよび糖タンパク質を標識する様々な方法が、当該技術分野で公知であり、使用され得る。ポリペプチドのための標識の例としては、例えば、H、14C、35S、125I、および131Iなどの放射性同位体、FITC、ローダミン、およびランタニドリンなどの蛍光標識、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、およびアルカリホスファターゼなどの酵素標識、ビオチニル基、ロイシンジッパー対配列などの二次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ、二次抗体のための結合部位、金属リガンド、およびエピトープタグが挙げられる。標識は、潜在的な立体障害を低減するために、様々な長さのスペーサアームによって付着されることができる。
IL-7Rαγc結合化合物は、細胞特異的標的化部分または分子を含むことができる。
細胞特異的標的化部分は、受容体、タンパク質、またはエピトープなどの細胞の表面上の成分に対する親和性を有する部分を含むことができる。部分は、例えば、細胞表面成分に対する親和性を有するリガンドまたは抗体を含むことができる。
標的化部分は、標的化部分によって標的化される細胞、細胞集団、または組織においてIL-7Rαγcリガンドを含む化合物を誘導し、濃縮することができる。
標的化部分は、標的化される細胞または細胞集団に対するIL-7RアゴニズムまたはIL-7Rアンタゴニズムの効力を増強することができる。
標的化部分は、標的化される細胞と標的化部分によって標的化されていない細胞との間で、IL-7RアゴニズムまたはIL-7Rアンタゴニズムに対する差次的応答を提供することができる。
標的化部分は、標的化成分の高い発現レベルを有する細胞と標的化成分のより低い発現レベルを有する細胞との間で、IL-7RアゴニズムまたはIL-7Rアンタゴニズムに対する差次的応答を提供することができる。
IL-7Rαγc結合化合物は、生物活性部分または生物活性分子をさらに含むことができる。IL-7Rαリガンドを含む化合物が、生物活性部分または生物活性分子を、IL-7Rαサブユニットを発現する細胞、細胞集団、または組織に送達するために使用されることができる。
生物活性部分または分子は、切断不可能であり、IL-7Rαリガンドを含む化合物に結合されたときに生物活性を発揮することが可能であり得る。
生物活性部分または分子は、切断可能であり得る。部分は、pH、酵素、熱、および/または電磁機構などの任意の好適な機構によって切断可能であり得る。電磁機構は、例えば、化合物を赤外線、可視光、または紫外線放射線に曝露することを含み、生物活性部分は、放射線によって切断されることが可能な感光性部分を通してIL-7Rαγcリガンドを含む化合物に付着している。
生物活性分子は、切断不可能であるが、そうでなければ、例えば、電磁放射線への曝露によって活性化可能であるなど、活性化可能であり得る。
IL-7Rαγcガンドは、特定のpHにおいてIL-7Rαおよび/またはRγcサブユニットへの増強した結合を有するように選択されることができる。例えば、pH選択的IL-7Rαγcリガンドは、固形腫瘍微小環境のものと同等の低pHにおいてIL-7Rαおよび/またはRγcサブユニットに対してより高い結合親和性を有することができる。低pH選択的IL-7Rαγcリガンドを含む化合物が、健常な組織に関連する通常のpH環境における細胞と比較して、IL-7Rαサブユニットを発現する低pH環境における細胞を優先的に活性化するために使用されることができる。
したがって、pH選択的IL-7Rαおよび/またはRγcリガンドなどの選択的IL-7Rαおよび/またはRγcリガンドを含む化合物が、他のpH選択的生物活性部分および分子とともに使用されることができる。
生物活性部分または生物活性分子自体は、特定の細胞集団に対して選択的であり得る。例えば、生物活性部分または生物活性分子は、選択的IL-7Rαリガンドによって標的化される細胞において、より高いもしくはより低い結合親和性、効力、および/または活性を示すことができる。例えば、生物活性部分または分子は、pH選択的IL-7Rαリガンドによって標的化されると、低pH腫瘍微小環境においてより高い生物活性を示すことができる。この例では、生物活性部分は、pH選択的IL-7RαリガンドによってIL-7Rαサブユニットを発現する低pH腫瘍微小環境に位置する細胞を対象とする。したがって、pH選択的生物活性部分の活性は、低pH腫瘍微小環境において増強される。
IL-7Rαリガンドを含む化合物は、細胞傷害性部分または細胞傷害性分子をさらに含むことができる。そのような化合物は、T細胞などのIL-7Rαサブユニットを発現する細胞に細胞傷害性部分または化合物を送達するために使用されることができる。細胞傷害性部分もしくは分子は、化合物に結合されたときに細胞傷害性を発揮することができるか、または切断可能であり得、部分もしくは分子は、化合物から放出されたときに細胞傷害性であり得るか、または細胞傷害性部分は、電磁放射線によって活性化されることができる。
細胞傷害性部分または分子は、標的化されるIL-7Rαサブユニットを発現する細胞を枯渇させるために使用されることができる。
IL-7Rαγcリガンド含有細胞傷害性化合物は、1つを超えるIL-7Rαリガンドを有することができ、それによって、IL-7Rαサブユニットのより低い発現レベルを有する細胞と比較して、IL-7Rαサブユニットを高度に発現する細胞、細胞集団、および組織に対してより高い親和性および/または選択性を示すことができる。
IL-7Rαγcリガンド含有細胞傷害性化合物は、細胞表面標的化成分をさらに含むことができる。そのような細胞傷害性化合物は、IL-7Rαサブユニットおよび表面標的成分を発現する細胞、細胞集団、および組織に対して増強された有効性を示すことができる。
好適な細胞傷害性分子の例としては、抗微小管剤、アルキル化剤、およびDNA小溝結合剤が挙げられる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、例えば、COVID-19などのウイルス疾患を含む、がん、炎症性疾患、自己免疫疾患、免疫不全症、または感染性疾患などの疾患を治療するために使用されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物および前述のうちのいずれかの医薬組成物は、臓器移植を治療するために患者に投与され得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物および前述のうちのいずれかの医薬組成物は、対象における炎症性疾患または自己免疫疾患を治療するための別の化合物とともに患者に投与され得る。少なくとも1つの他の治療剤は、本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物であり得る。IL-7Rαγc結合化合物および少なくとも1つの他の治療剤は、相加的または相乗的に作用し得る。少なくとも1つの追加の治療剤は、IL-7Rαγc結合化合物を含む同じ医薬組成物もしくはビヒクルに含まれ得るか、または別個の医薬組成物もしくはビヒクルに含まれ得る。したがって、本開示によって提供される方法は、IL-7Rαγc結合化合物を投与することに加えて、炎症性疾患もしくは自己免疫疾患、または炎症性疾患もしくは自己免疫疾患とは異なる疾患、障害もしくは状態を治療するために有効な1つ以上の治療剤を投与することをさらに含む。本開示によって提供される方法は、IL-7Rαγc結合化合物および1つ以上の他の治療剤の投与を含むが、但し、併用投与が、IL-7Rαγc結合化合物の治療有効性を阻害しない、かつ/または有害な併用効果を生じないことを条件とする。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、がん、炎症性疾患、または自己免疫疾患などの患者における疾患を治療することを含み、100μM未満、10μM未満、1μM未満、100nM未満、または10nM未満のIC50でIL-7Rαサブユニットおよび/またはRγcサブユニットの独自の結合部位に結合することが可能な治療的有効量の化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、患者においてがんを治療するために使用され得る。がんは、例えば、固形腫瘍または転移であり得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、IL-7Rの活性化によって治療されることが知られているがんを治療するために投与され得る。本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、IL-7Rαγcサブユニットの活性化によって治療されることが知られており、IL-7Rαサブユニットの同時活性化が治療有効性を損なう、かつ/または望ましくない副作用を誘導する、がんを治療するために投与され得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、例えば、以下のがんのうちの1つ以上を治療するために使用されることができる:急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質がん、虫垂がん、星状細胞腫、非定型催奇形性/横紋腫瘍、基底細胞がん(非黒色腫)、B細胞リンパ腫、膀胱がん、骨がん、脳および脊髄腫瘍、脳幹がん、脳腫瘍、乳がん、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、頭頸部がん、中枢神経系胚腫瘍、小脳星状細胞腫、脳星状細胞腫/悪性神経膠腫、子宮頸がん、脊髄腫、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸直腸がん、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、腺管がん、染料がん、内分泌膵臓腫瘍(島状細胞腫瘍)、子宮内膜がん、上衣芽細胞腫、食道がん、鼻腔神経芽細胞腫、ユーイングファミリー腫瘍、頭蓋外胚細胞腫瘍、肝外胆管がん、胆嚢がん、胃がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、妊娠性トロホブラスト腫瘍、神経膠芽腫、神経膠腫、有毛細胞白血病、頭頸部がん、心臓がん、リンパ系統の造血腫瘍、肝細胞がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、視床下部および視覚経路神経膠腫、ID関連リンパ腫、眼内黒色腫、島細胞腫瘍、カポシ肉腫、腎臓がん、ランゲルハンス細胞組織球増加症、喉頭がん、白血病、口唇および口腔がん、男性乳がん、悪性線維性組織球腫、悪性胚細胞腫瘍、悪性中皮腫、髄芽細胞腫、黒色腫、メルケル細胞がん、中皮腫、口腔がん、多発性内分泌新生物症候群、多発性骨髄腫、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性腫瘍、鼻腔および副鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん、口腔がん、口咽頭がん、骨肉腫、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性潜在性腫瘍、膵臓がん、膵臓神経内分泌腫瘍(島細胞腫瘍)、乳頭腫、傍神経節腫、副鼻腔および鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫、松果体実質腫瘍、松果体芽細胞腫およびテント上原始神経外胚葉腫瘍、下垂体腫瘍、形質細胞新生物/多発性骨髄腫、胸膜肺芽細胞腫、妊娠および乳がん、原発性中枢神経系リンパ腫、原発性肝臓がん、原発性転移性扁平上皮頸部がん(潜在的を含む)、前立腺がん、直腸がん、腎細胞がん、腎盂および尿管、呼吸器系がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫、セザリー症候群、皮膚がん、小腸がん、軟組織肉腫、扁平上皮細胞がん(非黒色腫)、胃がん、テント上原始神経外胚葉腫瘍、T細胞リンパ腫、精巣がん、咽喉がん、胸腺腫および胸腺がん、甲状腺がん、移行細胞がん、尿道がん、子宮肉腫、膣がん、視経路および視床下部膠腫、外陰がん、ワルデンストロームマクログロブリン血症、ウィルムス腫瘍、ならびに前述のうちのいずれかの全身性および中枢性転移。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、固形腫瘍を治療するために使用されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、腫瘍転移を治療するために使用されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、循環腫瘍細胞を治療するために使用されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、例えば、神経膠芽腫(GBM)および星状細胞腫を含む原発性成人および幼児脳ならびにCNSがん、黒色腫を含む皮膚がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、および大細胞肺がんを含む肺がん、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)を含む乳がん、骨髄異形成症候群(MDS)、多発性骨髄腫(MM)、および急性骨髄性白血病(AML)を含む血液がん、去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)を含む前立腺がん、肝細胞がん(HCC)を含む肝臓がん、食道および胃がん、ならびに前述のうちのいずれかの任意の全身性および中枢性転移から選択される、がんを治療するために使用されることができる。
がんの治療に有効であろう本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物の量は、疾患の性質に少なくとも部分的に依存し得、当該技術分野で公知の標準的な臨床技法によって決定され得る。加えて、インビトロアッセイまたはインビボアッセイが、最適な投与範囲を識別することに役立つために採用され得る。投与レジメンおよび投与間隔もまた、当業者に公知の方法によって判定され得る。投与される本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物の量は、とりわけ、治療される患者、患者の体重、疾患の重症度、投与経路、および処方医師の判断に依存し得る。
全身投与のために、治療的有効量は、最初にインビトロアッセイから推定され得る。初期用量もまた、当該技術分野で公知である技法を使用して、インビボデータ、例えば、動物モデルから推定され得る。そのような情報は、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するために使用され得る。当業者は、動物データに基づいてヒトへの投与を最適化し得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物の用量および適切な投与間隔が、患者の血液中の本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物の持続的な治療的有効濃度を維持するために、ある特定の実施形態では、最小有害濃度を超えることなく、選択され得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物は、例えば、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、5週間に1回、または6週間に1回投与され得る。投薬は、単独で、または他の薬物と組み合わせて提供され得、疾患の有効な治療に必要な限り継続し得る。投薬はまた、一定の期間にわたって連続的または半連続的な投与を使用して行われ得る。投薬には、ヒトなどの哺乳動物に、給餌状態または絶食状態で医薬組成物を投与することが含まれる。
医薬組成物は、単一の剤形もしくは複数の剤形で、または一定期間にわたって連続的もしくは累積的な用量として投与され得る。複数の剤形が使用される場合、複数の剤形のそれぞれに含有される、本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物の量は、同じであるか、または異なり得る。
投与のための好適な1日の投与量範囲は、例えば、1キログラムの体重当たり約2μg~約200mgの本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物の範囲であり得る。
投与のための好適な1日の投与量範囲は、例えば、1平方メートル(m)の体表面当たり約1μg~約50mgの本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物の範囲であり得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、例えば、0.001mg/日~100mg/日の量で、または任意の他の適切な1日用量で、患者のがんを治療するために投与され得る。用量は、例えば、0.01μg/kg体重/週~100μg/kg体重/週、または任意の他の好適な用量であり得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物は、患者の血液または血漿中に治療的有効濃度の本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物を提供するように、患者におけるがんを治療するために投与され得る。患者の血液中の本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物の化合物の治療的有効濃度は、例えば、0.01μg/L~1,000μg/L、0.1μg/L~500μg/L、1μg/L~250μg/L、または約10μg/L~10μg/Lであり得る。患者の血液中の本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物の治療的有効濃度は、例えば、少なくとも0.01μg/L、少なくとも0.1μg/L、少なくとも1μg/L、少なくとも約10μg/L、または少なくとも100μg/Lであり得る。患者の血液中のIL-7Rαγc結合化合物の治療的有効濃度は、例えば、恒常性への有害効果を含む、許容できない有害効果を引き起こす量未満であり得る。患者の血液中のIL-7Rαγc結合化合物の治療的有効濃度は、患者において恒常性を回復および/または維持するために十分な量であり得る。
IL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物は、例えば、少なくとも1日間、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、または少なくとも6週間などの長期間にわたって、患者の血液中のIL-7Rαγc結合化合物の治療的有効濃度を提供するように、患者における疾患を治療するために投与され得る。
投与されるIL-7Rαγc結合化合物の量は、治療レジメン中に変化し得る。
本開示によって提供される医薬組成物は、本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物に加えて、1つ以上の薬学的に活性な化合物をさらに含み得る。そのような化合物は、例えば、IL-7Rαγc結合化合物で治療されているがんを治療するため、またはIL-7Rαγc結合化合物で治療されているがん以外の疾患、障害、もしくは状態を治療するため、IL-7Rαγc結合化合物を投与することによって引き起こされる副作用を治療するため、IL-7Rαγc結合化合物の有効性を増強するため、および/またはIL-7Rαγc結合化合物の活性を変調するために提供され得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、少なくとも1つの他の治療剤と組み合わせて使用され得る。IL-7Rαγc結合化合物は、患者におけるがんを治療するための別の化合物とともに患者に投与され得る。少なくとも1つの他の治療剤は、第2の異なるIL-7Rαγc結合化合物であり得る。IL-7Rαγc結合化合物および少なくとも1つの他の治療剤は、相加的に、またはある特定の実施形態では、別のIL-7Rαγc結合化合物と相乗的に作用し得る。少なくとも1つの追加の治療剤は、IL-7Rαγc結合化合物を含む同じ医薬組成物もしくはビヒクルに含まれ得るか、または別個の医薬組成物もしくはビヒクルに含まれ得る。したがって、本開示によって提供される方法は、IL-7Rαγc結合化合物を投与することに加えて、がんまたはがんとは異なる疾患、障害もしくは状態を治療するために有効な1つ以上の治療剤を投与することをさらに含む。本開示によって提供される方法は、IL-7Rαγc結合化合物および1つ以上の他の治療剤の投与を含むが、但し、併用投与が、IL-7Rαγc結合化合物の治療有効性を阻害しない、かつ/または有害な併用効果を生じないことを条件とする。
IL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物は、IL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物と同じ医薬組成物の一部であるか、またはそれとは異なる医薬組成物であり得る、別の治療剤の投与と同時に投与され得る。IL-7Rαγc結合化合物は、別の治療剤の投与の前または後に投与され得る。ある特定の併用療法では、併用療法は、例えば、特定の薬物に関連する有害な薬物効果を最小限に抑えるために、IL-7Rαγc結合化合物と別の治療剤を含む組成物との間で交互に投与することを含み得る。IL-7Rαγc結合化合物が、例えば、毒性を含む有害な薬物効果を潜在的に生じ得る別の治療剤と同時に投与される場合、他の治療剤は、有害な薬物反応が誘発される閾値を下回る用量で投与され得る。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物は、例えば、IL-7Rαγc結合化合物の放出、バイオアベイラビリティ、治療有効性、治療効力、および/または安定性を増強、変調、および/または制御するために、1つ以上の物質とともに投与され得る。例えば、IL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物は、IL-7Rαγc結合化合物の治療有効性を増強する薬理学的効果を有する活性剤と同時投与されることができる。
IL-7Rαγc結合化合物、またはその医薬組成物は、IL-7Rαγc結合化合物で治療されている同じ疾患などの患者におけるがん、自己免疫疾患、または炎症性疾患などの疾患の治療に有効であることが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、細胞増殖を妨げることが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、細胞代謝を妨げること、代謝拮抗剤であること、RNA転写を妨げること、RNA翻訳を妨げること、細胞タンパク質合成を妨げること、DNA合成および複製のための前駆体の合成を妨げること、プリン合成を妨げること、ヌクレオシド合成を妨げること、mTORと相互作用すること、mTOR阻害剤であること、細胞周期チェックポイントを妨げることが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、イピリムマブなどのCTLA-4阻害剤、ペムブロリズマブおよびニボルマブなどのPD-1阻害剤、ならびに/またはアテゾリズマブ、アベルマブ、およびデュルバルマブなどのPD-LI阻害剤を含むチェックポイント阻害剤と併せて投与され得る。IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、CD137/4-1BB、CD27、GIYR、および/またはOC40などの免疫調節物質と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、細胞傷害性であること、DNA損傷を引き起こすこと、細胞周期停止を引き起こすこと、または分裂期細胞死を引き起こすことが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、グルタチオン濃度を調節すること、細胞内のグルタチオン濃度を変調すること、細胞内のグルタチオン濃度を低下させること、細胞内へのグルタチオン取り込みを低減すること、グルタチオン合成を低減すること、または細胞内のグルタチオン合成を低減することが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、新生血管形成を妨げること、新生血管形成を低減すること、または新生血管形成を促進することが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、ホルモン恒常性を妨げること、ホルモン合成を妨げること、ホルモン受容体結合を妨げること、またはホルモンシグナル伝達を妨げることが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、成長因子恒常性を妨げること、成長因子受容体発現を妨げること、成長因子受容体への成長因子結合を妨げること、成長因子受容体シグナル伝達を妨げること、ヘッジホッグ(Hh)シグナル伝達を妨げること、ヘッジホッグ経路シグナル伝達を阻害すること、ALK(未分化リンパ腫キナーゼ)経路シグナル伝達を阻害すること、または非相同末端結合(NHEJ)経路を阻害することが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、VEGFR(血管内皮増殖因子受容体)阻害剤、RTK(受容体チロシンキナーゼ)阻害剤、ナトリウムチャネル電流遮断剤、aFAK(局所接着キナーゼ)阻害剤、GLI(神経膠腫関連がん遺伝子)阻害剤、GLI1阻害剤、GLI2阻害剤、GLI3阻害剤、MAPK(有糸分裂原活性化タンパク質キナーゼ)阻害剤、MAPK/ERK経路(Ras-Raf-MEK-ERK経路としても知られている)阻害剤、MEK1阻害剤、MEK2阻害剤、MEK5阻害剤、MEK5/ERK5阻害剤、aRTA(尿細管性アシドーシス)阻害剤、ALK(未分化リンパ腫キナーゼ)阻害剤、Aa LKキナーゼ阻害剤、核転座阻害剤、PORCN(ポルキュピン)阻害剤、5-ARI(5α-還元酵素阻害剤)、トポイソメラーゼ阻害剤、Ras(ラット肉腫)阻害剤、K-ras阻害剤、CERK(セラミドキナーゼ)阻害剤、PKB(プロテインキナーゼB、別名AKT)阻害剤、AKT1阻害剤、EZH2(ゼストホモログ2のエンハンサー)阻害剤、BET(ブロモドメインおよび末端外ドメインモチーフ)阻害剤、SYK(脾臓チロシンキナーゼ)阻害剤、JAK(ヤナスキナーゼ)阻害剤、SYK/JAK阻害剤、IDO(インドールアミン-ピロール2,3-ジオキシゲナーゼ)阻害剤、IDO1阻害剤、RXR(レチノイン酸X受容体)活性化剤、選択的RXR活性化剤、p-糖タンパク質阻害剤、ERK阻害剤、PI3K(ホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸3-キナーゼ)阻害剤、BRD(ブロモドメイン含有タンパク質)阻害剤、BRD2阻害剤、BRD3阻害剤、BRD4阻害剤、BRDT(ブロモドメイン精巣特異的タンパク質)阻害剤、逆転写酵素阻害剤、NRT(ヌクレオシド類似体逆転写酵素)阻害剤、PIM(モロニーウイルスのプロウイルス組み込み)阻害剤、EGFR(上皮成長因子受容体)阻害剤、光増感剤、放射線増感剤、ROS(がん原遺伝子、受容体チロシンキナーゼ)阻害剤、ROS1(がん原遺伝子1)阻害剤、CK(カゼインキナーゼ)阻害剤、CK2阻害剤、ダサチニブなどのBcr-Abl(切断点クラスター領域-アベルソンがん原遺伝子)チロシンキナーゼ阻害剤、微小管安定化剤、微小管脱重合/分解阻害剤、DNAインターカレーター、アンドロゲン受容体アンタゴニスト、化学保護剤、HDAC(ヒストンデアセチラーゼ)阻害剤、DPP(ジペプチジルペプチダーゼ)阻害剤、DPP-4阻害剤、BTK(ブルトン型チロシンキナーゼ)阻害剤、イマチニブなどのキナーゼ阻害剤、ニロチニブなどのチロシンキナーゼ阻害剤、ARP(ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ)阻害剤、CDK(サイクリン依存性キナーゼ)阻害剤、CDK4阻害剤、CDK6阻害剤、CDK4/6阻害剤、HIF1α(低酸素誘導因子1-α)阻害剤、DNAリガーゼ阻害剤、DNAリガーゼIV阻害剤、NHEJ(非相同末端結合)阻害剤)、DNAリガーゼIV、NHEJ阻害剤およびRAF阻害剤、TKIおよびRAF阻害剤、ソラフェニブなどのTKIおよびRAF阻害剤、PDT(光力学療法)増感剤、ATR(毛細血管拡張性運動失調症およびRad3関連プロテインキナーゼ)阻害剤、または前述のうちのいずれかの組み合わせであることが知られているか、または考えられている1つ以上の薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、例えば、フルキンチニブ、モテサニブ/AMG-706、バタラニブなどのVEGFR阻害剤、ポナチニブなどのRTK阻害剤、GS967などのナトリウムチャネル遮断剤、TAE226などのFAK阻害剤、GANT61などのGLI1およびGLI2阻害剤、ビニメチニブなどのMEK阻害剤、リニファニブなどのRTA阻害剤、ブリグスチニブなどのALK阻害剤、ブロモピルビン酸、チオテパなどのDNAアルキル化剤、JSH-23などの核転座因子、Wnt-C59などのPORCn阻害剤、デュタステリドなどの5α-還元酵素阻害剤、カルビシンなどのトポイソメラーゼ阻害剤、Kobe0065などのRAS阻害剤、NVP-231などのCerK阻害剤、アップロセルチブなどのAKT阻害剤、GSK-503などのEZH2阻害剤、OTX015などのBETブロモドメイン阻害剤、BIX02189などのMEK5/ERK5阻害剤、セルデュラチニブなどのSyl/JAK阻害剤、NLG919などのIDO1阻害剤、ベクスロテンなどのレチノイン酸X受容体活性化剤、アコチアミドまたはアクチアミドHClなどのPGP阻害剤、SCH772984などのErk阻害剤、ゲダトリシブなどのPI3K阻害剤、ルキソリチニブなどのJAK阻害剤、アフレセルチブまたはアフレセルチブHClなどのAKT阻害剤、セリチニブなどのALK1阻害剤、アベキシノスタットなどのHDAC阻害剤、オアマリグリプチンなどのDPP阻害剤、ゲフィチニブなどのEGFR阻害剤、GSK126などのEZH2阻害剤、イブルチニブなどのBTK阻害剤、イマチニンHClなどのキナーゼ阻害剤、INCB024360などのIDO阻害剤、マイトマイシンCなどのDNA架橋剤、ニロチニブなどのチロシンキナーゼ阻害剤、オラパリブなどのPARP阻害剤、パクリタキセルなどのチューブリン安定化促進剤、パルボシクリブなどのCDK4/6阻害剤、スニチニブなどのRTK阻害剤、tslsporfinなどのPDT増感剤、タリキダルなどのp-糖タンパク質阻害剤、VE-822などのATR阻害剤、PCI-24781などのHDAC阻害剤、オマリグリプチンなどのDPP阻害剤、ゲフィニブなどのEGFR阻害剤、GSK126などのEZH2阻害剤、イルブチニブなどのBTK阻害剤、INCB024360などのIDO阻害剤、または前述のうちのいずれかの組み合わせなどの1つ以上の化学療法剤と併せて投与され得る。
例えば、IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、例えば、N-アセチルシステイン(NAC)、アドリアマイシン、アレムツズマブ、アミホスチン、三酸化ヒ素、アスコルビン酸、ベンダムスチン、ベバシズマブ、ボルテゾミブ、ブスルファン、ブチオニンスルホキシム、カーフィルゾミブ、カルムスチン、クロファラビン、シクロホスファミド、シクロスポリン、シタラビン、ダサチニブ、ダチノマイシン、デフィブロチド、デキサメタゾン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エトポシド、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、ゲムシタビン、インターフェロンアルファ、イピリムマブ、レナリドマイド、ロイコボリン、メルファラン、ミコフェノール酸モフェチル、パクリタキセル、パリフェルミン、パノビノスタット、ペグフィラスチム、プレドニゾロン、プレドニゾン、レブリミド、リツキシマブ、シロリムス、2-メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム(MESNA)、チオ硫酸ナトリウム、タクロリムス、テモゾロミド、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、ベルケイド、または前述のうちのいずれかの組み合わせなどの別の化学療法剤と併用して投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、葉酸類似体などの1つ以上の代謝拮抗剤、フルオロウラシル、フロキサリジン、およびシトシンアラビノシドなどのピリミジン類似体、メルカプトプリン、チオグナイン、およびペントスタチンなどのプリン類似体、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エトポシド、テルチポシド、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキサルビシン、ブレオマイシン、ミタマイシン、マイトマイシンC、L-アスパラギナーゼ、およびインターフェロンアルファなどの天然産物、シス-プラチナム、およびカルボプラチンなどの白金配位複合体、ミトキサントロン、ヒドロキシ尿素、プロカルバジン、プレドニゾン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、ジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオール、タモキシフェン、プロピオン酸テストステロン、フルオキシメステロン、フルタミド、およびリュープロリドなどのホルモンおよびアンタゴニスト、アンジオスタチン、レチノイン酸、パクリタキセル、エストラジオール誘導体、およびチアゾロピリミジン誘導体などの抗血管新生剤または阻害剤、アポトーシス防止剤、トリプトリド、コルヒチン、ルリコナゾール、ならびに放射線療法を含む、他の化学療法剤とともに併用療法で使用されることができる。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、例えば、O6-ベンジルグアニン(O6-BG)などのDNA修復を阻害する化合物と同時投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、例えば、アバレリックス、アビラテロン、酢酸アビラテロン、n-アセチルシステイン、塩酸アクラルビシン、アドリアマイシン、アデニン、アファチニブ、ジマレイン酸アファチニブ、アレムツズマブ、アレンドロン酸ナトリウム、アリトレチノイン、アロプリノールナトリウム、アルトレタミン、アミホスチン、アミノグルテチミド、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アンギオスタチン、アプレミラスト、アプレピタント、三酸化ヒ素、アスコルビン酸、l-アスパラギナーゼ、アザシチジン、アザチオプリンナトリウム、バゼドキシフェン(血清)、ベリノスタット、ベンダムスチンhcl、O6-ベンジルグアニン、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ビリコダール、硫酸ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ボスチニブ、ブリブジン、ブセレリン、ブスルファン、ブチオニンスルホキシム、カバジタキセル、カボザンチニブ、カペシタビン、カルボプラチン、カルボクオン、カルフィルゾミブ、カルモフル、カルムスチン、セリチニブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロドロン酸二ナトリウム、クロファラビン、クリゾチニブ、シクロホスファミド、シクロスポリン、シタラビン、シトシンアラビノシド、ダブラフェニブ、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダサチニブ、ダチノマイシン、ダウノルビシン、デシタビン、デフリブロチド、酢酸デガレリクス、デキサメタゾン、塩酸デクスラゾキサン、ジアジクオン、ジエチルスチルベストロール、ドセタキセル、ドキシフルリジン、塩酸ドキソルビシン、ドキソルビシン遊離塩基、プロピオン酸ドロスタノロン、デュタステリド、エルトロンボパグ、エンザルタミド、塩酸エピルビシン、メシル酸エリブリン、塩酸エルロチニブ、エストラムスチンリン酸ナトリウム、エチニルエストラジオール、リン酸エトポシド、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、フェンタニル、フィルグラスチム、フィンゴリモド、フロクスウリジン、リン酸フルダラビン、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルタミド、フォルメスタン、ホルミルメルファラン、ホスアプレピタント、フォテムスチン、フルベストラント、ゲフィチニブ、塩酸ゲムシタビン、ゲムシタビン遊離塩基、グルタチオン、グリシホスホルアミド、グリフォスフィン、酢酸ゴセレリン、塩酸グラニセトロン、ヘプタプラチン、5-アミノレブリン酸ヘキシル、酢酸ヒストレリン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、ヒドロキシ尿素、イバンドロン酸ナトリウム、イブルチニブ、イコチニブ、イダルビシンHCl、イデラリシブ、イドクスウリジン、イホスファミド、インターフェロンアルファ、メシル酸イマチニブ、イミキモド、メブチン酸インゲノール、イピリムマブ、塩酸イリノテカン、イキサベピロン、酢酸ランレオチド、ラパチニブ遊離塩基、ラパチニブジトシレート、ラソフォキシフェン、レナリドマイド、レトロゾール、ロイコボリンカルシウム、酢酸ロイプロリド、塩酸レバミゾール、レボロイコボリンカルシウム、ヨーベングアン、ロバプラチン、ロムスチン、マロピタント、マソプロコール、塩酸メクロレタミン、酢酸メゲストロール、酢酸メドロキシプロゲステロン、塩酸メルファラン、メルカプトプリン、メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム、メトトレキサート、メトキサレン、アミノレブリン酸メチル、メチレンブルー、メチルイソインジゴチン、ミファムルチド、ミルテフォシン、ミリプラチン、ミタマイシン、ミトブロニトール、マイトマイシンC、ミトタン、塩酸ミトキサントロン、ミコフェノール酸モフェチル、ナビキシモルス、ナファレリン、ナンドロロン、ネダプラチン、ネララビン、ネツピタント、ニロチニブ、ニルタミド、ニムスチン、ニンテダニブ、ノコダゾール、オクトレオチド、オラパリブ、オマセタキシンメペスクシネート、塩酸オンダンセトロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パルボシクリブ、パリフェルミン、塩酸パロノセトロン、パミドロネート二ナトリウム、パノビノスタット、パシレオチド、塩酸パゾパニブ、ペグフィラスチム、ペメトレキセド二ナトリウム、ペントスタチン、ペプロマイシン、ピポブロマン、ピラルビシン、プレリキサフォル、プリカマイシン、ポマリドミド、ポナチニブ、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プララトレキサート、プレドニムスチン、プレドニゾロン、プレドニゾン、塩酸プロカルバジン、塩酸キナゴリド、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラドチニブ、ラニムスチン、レチノイン酸、レブリミド、リツキシナブ、ロミデプシン、ルキソリチニブ、リン酸ルキソリチニブ、セムスチン、シロリムス、チオ硫酸ナトリウム、ソラフェニブ遊離塩基、トシル酸ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スフェンタニル、スニチニブ、タクロリムス、タラポルフィンナトリウム、タミバロテン、クエン酸タモキシフェン、タペンタドール、テモポルフィン、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テリフルノミド、テルチポシド、テストトラクトン、プロピオン酸テストステロン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、チマルファシン、リン酸トセラニブ、塩酸トポテカン、クエン酸トレミフェン、トラベクテジン、トラメチニブ、トレチノイン、トリロスタン、トリプトレリン、トロピセトロン、ウラムスチン、バルルビシン、バンデタニブ、ベドチン、ベムラフェニブ、ベルテポルフィン、ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、ビンクリスチン遊離塩基、ビンデシン、酒石酸ビノレルビン、ボリノスタット、およびゾレドロン酸などの1つ以上の化学療法剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、例えば、アベマシクリブ、酢酸アビラテロン、ABVD、ABVE、ABVE-PC、AC、アカラブルチニブ、AC-T、ADE、ado-トラスツズマブエムタンシン、マレイン酸アファチニブ、アルデスロイキン、アレクチニブ、アレムツズマブ、アルペリシブ、アミフォスチン、アミノレブリン酸塩酸塩、アナストロゾール、アパルタミド、アプレピタント、三酸化ヒ素、Erwinia chrysanthemi由来アスパラギナーゼ、アテゾリズマブ、アベルマブ、アキシカブタゲンシロルユーセル、アキシチニブ、アザシチジン、BEACOPP、ベリノスタット、塩酸ベンダマスチン、BEP、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ビニメチニブ、硫酸ブレオマイシン、ブリナツモマブ、ボルテゾミブ、ボスチニブ、ブレンツキシマブベドチン、ブリガチニブ、BuMel、ブスルファン、カバジタキセル、カボザンチニブ-s-リンゴ酸塩、CAF、カラスパルガーゼペゴル-mknl、カペシタビン、カプラシズマブ-yhdp、CAPOX、カルボプラチン、カルボプラチン-タキソール、カルフィルゾミブ、カルムスチン、カルムスチンインプラント、CEM、セミプリマブ-rwlc、セリチニブ、セツキシマブ、CEV、クロラムブシル、クロラムブシル-プレドニゾン、CHOP、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、CMF、コビメチニブ、塩酸コパンリシブ、COPDAC、COPP、COPP-ABV、クリゾチニブ、CVP、シクロホスファミド、シタラビン、シタラビンリポソーム、メシル酸ダブラフェニブ、ダカルバジン、ダコミチニブ、ダクチノマイシン、ダラツムマブ、ダルベポエチンα、ダサチニブ、塩酸ダウノルビシン、塩酸ダウノルビシンおよびシタラビンリポソーム、デシタビン、デフィブロチドナトリウム、デガレリクス、デニロイキンディフティトックス、デノスマブ、デキサメタゾン、塩酸デクスラゾキサン、ジヌツキシマブ、ドセタキセル、塩酸ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシンリポソーム、デュルバルマブ、デュベリシブ、エロツズマブ、エルトロンボパグオラミン、エマパルマブ-lzsg、メシル酸エナシデニブ、エンコラフェニブ、エンザルタミド、塩酸エピルビシン、EPOCH、エポエチンアルファ、エルダフィチニブ、メシル酸エリブリン、塩酸エルロチニブ、エトポシド、リン酸エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、fec、フィルグラスチム、リン酸フルダラビン、フルオロウラシル注射、局所用フルオロウラシル、フルタミド、フォルフィリ、フォルフィリ-ベバシズマブ、フォルフィリ-セツキシマブ、フォルフィリノックス、フォルフォックス、ホスタマチニブナトリウム、FU-LV、フルベストラント、ゲフィチニブ、塩酸ゲムシタビン、ゲムシタビン-シスプラチン、ゲムシタビン-オキサリプラチン、ゲムツズマブオゾガマイシン、フマル酸ギルテリチニブ、マレイン酸グラスデギブ、グルカルピダーゼ、酢酸ゴセレリン、グラニセトロン、HPV二価ワクチン、HPV二価ワクチン、組換えHPV無価ワクチン、HPV無価ワクチン組換え、HPV四価ワクチン、HPV四価ワクチン組換え、ヒドロキシ尿素、ハイパーCVAD、イブリツモマブチウキセタン、イブルチニブ、ICE、塩酸イダルビシン、イデラリシブ、イホスファミド、メシル酸イマチニブ、イミキモド、イノツズマブオゾガマイシン、組換えインターフェロンα-2b、ヨーベングアニンI131、イピリムマブ、塩酸イリノテカン、塩酸イリノテカンリポソーム、イボシデニブ、イキサベピロン、クエン酸イキサゾミブ、JEB、酢酸ランレオチド、ラパチニブジトシレート、硫酸ラロトレクチニブ、レナリドミド、メシル酸レンバチニブ、レトロゾール、ロイコボリンカルシウム、酢酸ロイプロリド、ロムスチン、ロルラチニブ、ルテチウムLu 177-ドータテート、塩酸メクロレタミン、酢酸メゲストロール、メルファラン、塩酸メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、メチルナルトレキソン臭化物、ミドスタウリン、マイトマイシンC、塩酸ミトキサントロン、モガムリズマブ-kpkc、モキセツモマブパスドトクス-tdfk、MVAC、ネシツムマブ、ネララビン、マレイン酸ネラチニブ、ネツピタントおよびパロノセトロン塩酸塩、ニロチニブ、ニルタミド、トシル酸ニラパリブ一水和物、ニボルマブ、オビヌツズマブ、OEPA、オファツムマブ、OFF、オラパリブ、オララツマブ、オマセタキシンメペスクシナート、塩酸オンダンセトロン、OPPA、メシル酸オシメルチニブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリタキセル-アルブミン安定化ナノ粒子製剤、PAD、パルボシクリブ、パリフェルミン、塩酸パロノセトロン、塩酸パロノセトロンおよびネツピタント、パミドロン酸二ナトリウム、パニツムマブ、パノビノスタット、塩酸パゾパニブ、PCV、PEB、ペグアスパラガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンα-2b、ペムブロリズマブ、ペメトレキセド二ナトリウム、ペルツズマブ、プレリキサフォル、ポラツズマブベドチン-piiq、ポマリドミド、塩酸ポナチニブ、プララトレキサート、プレドニゾン、塩酸プロカルバジン、塩酸プロプラノロール、ラジウム223二塩化物、塩酸ラロキシフェン、ラムシルマブ、ラスブリカーゼ、ラブリズマブ-cwvz、R-CHOP、R-CVP、組換えHPV二価ワクチン、組換えHPV無価ワクチン、組換えHPV四価ワクチン、組換えインターフェロンα-2b、レゴラフェニブ、R-EPOCH、リボシクリブ、R-ICE、リツキシナブ、リツキシナブおよびヒトヒアルロニダーゼ、塩酸ロラピタント、ロミデプシン、ロミプロスチム、カンシル酸ルカパリブ、リン酸ルキソリチニブ、シルツキシマブ、シプリューセル-t、ソニデジブ、トシル酸ソラフェニブ、STANFORD V、リンゴ酸スニチニブ、TAC、タグラクソフスプ-erzs、トシル酸タラゾパリブ、タルク、タリモジンラヘルパレプベク、クエン酸タモキシフェン、テモゾロミド、テムシロリムス、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、チサゲンレクルユーセル、トシリズマブ、塩酸トポテカン、トレミフェン、TPF、トラベクテジン、トラメチニブ、トラスツズマブ、トラスツズマブおよびヒアルロニダーゼ-oysk、トリフルリジンおよびチピラシル塩酸塩、ウリジントリアセテート、VAC、バルルビシン、VAMP、バンデタニブ、VeIP、ベムラフェニブ、ベネトクラクス、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンクリスチンリポソーム、酒石酸ビノレルビン、vip、ビスモデギブ、ボリノスタット、XELIRI、XELOX、Ziv-アフリベルセプト、ゾレドロン酸、および前述のうちのいずれかの組み合わせなどの1つ以上の化学療法剤と併せて投与され得る。
がんを治療するためのIL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物を投与する有効性は、インビトロおよび動物研究ならびに臨床試験を使用して評価され得る。
がんの治療におけるIL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物の好適性は、当該技術分野に記載される方法によって決定され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、炎症性疾患の治療に有用であり得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、感染性疾患を治療するために、このような治療を必要とする患者に投与され得る。
炎症性疾患の例としては、アレルギー、アルツハイマー病、貧血、強直性脊椎炎、関節炎、アテローム性動脈硬化症、喘息、自閉症、関節炎、手根管症候群、セリアック病、大腸炎、クローン病、うっ血性心不全、皮膚炎、糖尿病、憩室炎、湿疹、線維筋痛、線維症、胆嚢疾患、胃食道逆流症、橋本甲状腺炎、心臓発作、肝炎、過敏性腸症候群、腎不全、狼瘡、多発性硬化症、腎炎、神経障害、膵炎、パーキンソン病、乾癬、リウマチ性多発性筋痛、リウマチ性関節炎、硬化性皮膚炎、脳卒中、外科合併症、および潰瘍性大腸炎が挙げられる。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、自己免疫疾患の治療に有用であり得る。自己免疫疾患は、免疫系が自身のタンパク質、細胞、および/または組織を攻撃する、ヒト疾患として定義され得る。自己免疫疾患の包括的なリストとレビューは、例えば、The Autoimmune Diseases,Rose and Mackay,2014,Academic Pressで見出され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、自己免疫疾患を治療するために、そのような治療を必要とする患者に投与され得る。
自己免疫疾患の例としては、アジソン病、アガマグロブリン血症、脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBN腎炎、抗リン脂質症候群、自己免疫性血管浮腫、自己免疫不全症、自己免疫性脳炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患、自己免疫性心筋炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性蕁麻疹、軸索およびニューロン神経障害、バロ病、ベーチェット病、良性粘膜天疱瘡、大疱瘡性天疱瘡、キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、慢性炎症性脱髄性多発性骨髄炎、チャーグ・ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡、コーガン症候群、寒冷凝集素症、先天性心臓ブロック、コックスサッキー心筋炎、クレスト症候群、クローン病、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病、円板状ループス、ドレスラー症候群、子宮内膜症、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、本態性混合型クリオグロブリン血症、エヴァンス症候群、線維筋痛症、線維化性肺胞炎、巨大細胞動脈炎、巨大細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャーズ症候群、多発性血管炎を伴う肉芽腫症、グレイブス病、ギラン・バレー症候群、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノシュ・ソンレイン紫斑病、妊娠性疱疹または妊娠性類天疱瘡、低ガンマグロブリン血症、IgA腎症、IgG4関連硬化症、免疫血小板減少性紫斑病、包含性体筋炎、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性糖尿病、若年性筋炎、川崎病、ランバート・イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質結膜炎、線状IgA疾患、狼瘡、慢性ライム病、メニエール病、顕微鏡的多発血管炎、混合性結合組織病、ムーレン潰瘍、ムチャ・ハーバーマン病、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、視神経脊髄炎、視神経炎、好中球減少症、眼瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、パリンドローム性リウマチ、PANDAS、傍腫瘍性小脳変性症、発作性夜間ヘモグロビン尿症、パリーロンバーグ症候群、扁平上皮炎、パーソネージターナー症候群、天疱瘡群、末梢神経障害、静脈周囲脳脊髄炎、悪性貧血、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、多発性腺症候群、リウマチ性筋痛、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、プロゲステロン皮膚炎、乾癬、乾癬性関節炎、赤芽球癆、壊疽性膿皮症、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、再発性多発性軟骨炎、レストレスレッグス症候群、腹膜後線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群、硬化症、硬化性皮膚炎、シェーグレン症候群、精子および精巣自己免疫、全身硬直症候群、亜急性細菌性心内膜炎、スザック症候群、交感神経性眼炎、高安動脈炎、側頭動脈炎、血小板減少性紫斑病、トロサハント症候群、横断性脊髄炎、1型糖尿病、潰瘍性大腸炎、未分化型結合組織疾患、ブドウ膜炎、血管炎、白斑、ならびにウェゲナー肉芽腫症が挙げられる。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、例えば、狼瘡、移植片対宿主病、C型肝炎誘発性血管炎、I型糖尿病、多発性硬化症、妊娠の自然喪失、アトピー性疾患、および炎症性腸疾患などの自己免疫障害を治療するために使用されることができる。
IL-7Rαγc結合化合物は、自己免疫疾患を治療するための1つ以上の追加の治療剤とともに投与されることができる。IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、例えば、プレドニゾン、ブデソニド、およびプレドニゾロンなどのコルチコステロイド、トファシチニブなどのヤヌスキナーゼ阻害剤、シクロスポリンおよびタクロリムスなどのカルシニューリン阻害剤、シロリムスおよびエベロリムスなどのmTOR阻害剤、アザチオプリン、レフルノマイド、およびミコフェノール酸塩などのIMDH阻害剤、アバタセプトアダリムマブ、アナキンラ、セルトリズマブ、エタンルセプト、ゴリムマブ、インフリキシマブ、イキセキズマブ、ナタリズマブ、リツキシマブ、セクキヌマブ、トシリズマブ、ウステキヌマブ、およびベドリズマブなどの生物製剤、ならびにバシリキシマブおよびダクリズマブなどのモノクローナル抗体を含む、1つ以上の免疫抑制剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、T細胞の活性化、増殖、代謝、および/または分化と関連する疾患を治療するために患者に投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、臓器移植を治療するために患者に投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、増殖を妨げる、有糸分裂を妨げる、DNA複製を妨げる、またはDNA修復を妨げることが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、免疫不全疾患を治療するために患者に投与され得る。
原発性免疫不全疾患の例としては、自己免疫リンパ増殖性症候群、自己免疫多腺症候群1型、BENTA疾患、カスパーゼ8欠損状態、CARD9欠損症、慢性肉芽腫性疾患、分類不能型免疫不全症、先天性好中球減少症候群、CTLA4欠損症、DOCK8欠損症、GATA2欠損症、グリコシル化障害、高免疫グロブリンE症候群、高免疫グロブリンM症候群、インターフェロンγ、インターロイキン12およびインターロイキン23欠損症、白血球接着欠損症、LRBA欠損症、PI2キナーゼ疾患、PLCG2関連抗体欠損症および免疫調節障害、重症複合免疫不全症、STAT3ドミナントネガティブ疾患、STAT3機能獲得疾患、いぼ、低ガンマグロブリン血症、感染症、および骨髄性細胞貯留(myelokathexis)症候群、ウィスコット・アルドリッチ症候群、X連鎖無ガンマグロブリン血症、X連鎖リンパ増殖症候群、およびXMEN疾患が挙げられる。
続発性免疫不全疾患は、免疫系が、感染、化学療法、重度の火傷、または栄養不良などの環境要因に対して易感染性のときに生じる。続発性免疫不全疾患の例としては、未成熟リンパ器官、記憶免疫の欠如、母体IgGレベルの低下、好中球貯蔵プールの減少、好中球機能の低下、およびナチュラルキラー細胞活性の低下などの新生児免疫不全症、抗原特異的細胞性免疫の低下、T細胞オリゴクローン性、およびB細胞レパートリーの制限などの高齢関連免疫不全症、細胞性免疫応答の低下および週末粘膜障壁などの栄養不良関連免疫不全症、有糸分裂誘発性リンパ増殖の低下、欠陥食作用、および走化性の低下などの糖尿病関連免疫不全症、細胞性免疫応答の低下、記憶抗体応答の生成の低下、および走化性の低下などの慢性尿毒症関連免疫不全症、欠陥食作用、欠陥走化性、および抗原特異的免疫応答の可変欠陥などの遺伝的症候群、ならびにリンパ球減少、細胞免疫応答およびアネルギーの低下、炎症促進性サイトカインの低下、食作用の低下、走化性の低下、好中球減少、および粘膜障壁の脆弱化などの抗炎症性、免疫調節性、および免疫抑制性薬物療法関連免疫不全、リンパ球アポトーシスの増加、寛容原性サイトカインの分泌の増加、血球減少、細胞性免疫およびアネルギーの低下、およびストレス誘発性非特異的免疫活性化などの環境条件、ならびにT細胞リンパ球減少、細胞性免疫応答およびアネルギーの低下、および抗原特異的抗体応答の欠損などの感染性疾患が挙げられる。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、免疫不全患者における免疫応答を増加させるために患者に投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、高齢患者における免疫応答を増加させるために患者に投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、感染性疾患を治療するために患者に投与され得る。
感染性疾患の例としては、アシネトバクター感染症、放線菌症、アフリカ睡眠病(アフリカトリパノソーマ症)、AIDS(後天性免疫不全症候群)、アメーバ症、アナプラズマ症、住血線虫症、アニサキス症、炭疽、Arcanobacterium haemolyticum感染症、アルゼンチン出血熱、回虫症、アスペルギルス症、アストロウイルス感染症、バベシア症、Bacillus cereus感染症、細菌性髄膜炎、細菌性肺炎、細菌性膣症、Bacteroides感染症、バランチジウム症、バルトネラ症、Baylisascaris感染症、ベジェル、梅毒、BKウイルス感染症、黒色砂毛症(black piedra)、ブラストシストシス(blastocystosis)、ブラストミセス症、ボリビア出血熱、ボツリヌス中毒(および乳児ボツリヌス中毒)、ブラジル出血熱、ブルセラ症、腺ペスト、Burkholderia感染症、ブルーリ潰瘍、カリシウイルス感染症(ノロウイルスおよびサポウイルス)、カンピロバクター症、カンジダ症(モニリア症、鵞口瘡)、毛細虫症、カリオン病、ネコひっかき病、蜂巣炎、シャーガス病(アメリカトリパノソーマ症)、軟性下疳、水痘、チクングニア、クラミジア、Chlamydophila pneumoniae感染症(台湾急性呼吸器因子またはTWAR)、コレラ、黒色分芽菌症、ツボカビ症、肝吸虫症、Clostridium difficile大腸炎、コクシジオイデス症、コロラドダニ熱(CTF)、感冒(急性ウイルス性鼻咽喉炎、急性コリーザ、コロナウイルス疾患2019(COVID-19)、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、クリミア・コンゴ出血熱(CCHF)、クリプトコッカス症、クリプトスポリジウム症、皮膚幼虫移行症(CLM)、シクロスポラ症、嚢虫症、サイトメガロウイルス感染症、デング熱、デスモデスムス感染症、二核アメーバ症、ジフテリア、裂頭条虫症、メジナ虫症、エボラ出血熱、エキノコックス症、エーリキア症、腸蟯虫症(蟯虫感染症)、Enterococcus感染症、エンテロウイルス感染症、発疹チフス、エプスタイン・バーウイルス感染症単核症(Mono)、伝染性紅斑(第五病)、急性発疹症(第六病)、肝蛭症、肥大吸虫症、致死性家族性不眠症(FFI)、フィラリア症、Clostridium perfringensによる食中毒、自由生息アメーバ感染症、Fusobacterium感染症、ガス壊疽(クロストリジウム性筋壊死)、ゲオトリクム症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群(GSS)、ジアルジア症、鼻疽、顎口虫症、淋病、鼠径肉芽腫(鼠径リンパ肉芽腫症)、A群連鎖球菌感染症、B群連鎖球菌感染症、Haemophilus influenzae感染症、手足口病(HFMD)、ハンタウイルス肺症候群(HPS)、ハートランドウイルス病、Helicobacter pylori感染症、溶血性尿毒症症候群(HUS)、腎症候性出血熱(HFRS)、ヘンドラウイルス感染症、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、単純ヘルペス、ヒストプラスマ症、鉤虫感染症、ヒトボカウイルス感染症、ヒト・エウィンギー・エーリキア症(human ewingii ehrlichiosis)、ヒト顆粒球性アナプラズマ症(HGA)、ヒトメタニューモウイルス感染症、ヒト単球性エーリキア症、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症、ヒトパラインフルエンザウイルス感染症、条虫症、インフルエンザ(flu)、イソスポーラ症、川崎病、角膜炎、Kingella kingae感染症、クールー病、ラッサ熱、レジオネラ症(レジオネラ疾患)、リーシュマニア症、ハンセン病、レプトスピラ症、リステリア症、ライム病(ライムボレリア症)、リンパ管フィラリア症(象皮症)、リンパ球性脈絡髄膜炎、マラリア、マールブルグ出血熱(MHF)、麻疹、類鼻疽(ホイットモア病)、髄膜炎、髄膜炎菌性病、メタゴニムス症、微胞子虫症、中東呼吸器症候群(MERS)、伝染性軟属腫(MC)、サル痘、ムンプス、発疹熱(地方病性チフス(Endemic typhus))、菌腫、mycoplasma genitalium感染症、マイコプラズマ肺炎、ハエ幼虫症、新生児結膜炎(新生児眼炎)、ニパウイルス感染症、ノカルジア症、ノロウイルス(小児および乳児)、オンコセルカ症(河川盲目症)、オピストルキス症、パラコクシジオイデス症(南アメリカブラストミセス症)、肺吸虫症、パスツレラ症、頭部シラミ症(pediculosis capitis)(アタマジラミ)、体部シラミ症(pediculosis corporis)(コロモジラミ)、ケジラミ症(陰部のシラミ、ケジラミ)、骨盤内炎症性疾患(PID)、百日咳(pertussis)(百日咳(whooping cough))、ペスト、肺炎球菌性感染症、ニューモシスチス肺炎(PCP)、肺炎、灰白髄炎、ポンティアック熱、Prevotella感染症、原発性アメーバ性髄膜脳炎(PAM)、進行性多巣性白質脳症、オウム病、Q熱、狂犬病、回帰熱、呼吸器多核体ウイルス感染症、リノスポリジウム症、ライノウイルス感染症、リケッチア感染症、リケッチア痘症、リフトバレー熱(RVF)、ロッキー山紅斑熱(RMSF)、ロタウイルス感染症、風疹、サルモネラ症、SARS(重症急性呼吸器症候群)、疥癬、猩紅熱、住血吸虫症、敗血症、赤痢菌感染症(細菌性赤痢)、帯状疱疹(帯状ヘルペス)、天然痘(痘瘡)、スポロトリクム症、ブドウ球菌性食中毒、黄色ブドウ球菌感染症、糞線虫症、亜急性硬化性全脳炎、条虫症、破傷風(開口障害)、白癬性毛瘡(かみそり負け(barber’s itch))、異型白癬(頭部白癬)、躯幹白癬(体部白癬)、股部白癬(頑癬)、手白癬(手の白癬)、黒癬、足白癬(水虫)、爪白癬(爪真菌症)、癜風(澱風)、トキソカラ症(眼幼虫移行症(OLM))、トキソカラ症(内臓幼虫移行症(VLM))、トキソプラスマ症、トラコーマ、旋毛虫症、トリコモナス症、鞭虫症(鞭虫感染症)、結核、野兎病、腸チフス熱、発疹チフス、Ureaplasma urealyticum感染症、渓谷熱、ベネズエラウマ脳炎、ベネズエラ出血熱、腸炎ビブリオ性腸炎、vibrio vulnificus感染症、ウイルス性肺炎、西ナイル熱、白砂毛症(白癬(tinea blanca))、黄熱病、Yersinia pseudotuberculosis感染症、エルシニア症、zeaspora症、ジカ熱、および接合菌症が挙げられる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、単独または組み合わせのいずれかで、急性骨髄性白血病、B細胞リンパ腫、慢性骨髄性白血病、うつ病、歯肉不全、C型肝炎、HIV感染症、ヒトパピローマウイルス、特発性CD4リンパ球減少症、臓器移植に続発する免疫不全、リポジストロフィー、カポジ肉腫リンパ腫、リンパ球減少症、マントル細胞リンパ腫、多発性硬化症、骨髄異形成症候群、非ホジキンリンパ腫、再発成人びまん性大細胞リンパ腫、再発濾胞性リンパ腫、関節リウマチ、敗血症、および2型糖尿病を含む疾患を治療するために使用されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、転移性乳がん、乳がん、結腸がん、膀胱がん、転移性前立腺がん、IV期前立腺がん、去勢抵抗性前立腺がん、神経芽腫、黒色腫、腎臓がん、骨髄増殖性腫瘍、肉腫、および神経皮膚腫瘍などのがんを治療するために使用されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、大膠芽腫に対するテモゾロミド、MCC、C5CC、および黒色腫などの皮膚がんを治療するためのアテゾリズマブ、トリプルネガティブ乳がんを治療するためのペムブロリズマブと組み合わせて、ならびに小児急性リンパ芽球性白血病を治療するためのCAR-T療法と組み合わせて使用されることができる。
IL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物は、IL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物と同じ医薬組成物の一部であるか、またはそれとは異なる医薬組成物であり得る、別の治療剤の投与と同時に投与され得る。IL-7Rαγc結合化合物は、別の治療剤の投与の前または後に投与され得る。併用療法では、併用療法は、例えば、特定の薬物に関連する有害な薬物効果を最小限に抑えるために、IL-7Rαγc結合化合物と別の治療剤を含む組成物との間で交互に投与することを含み得る。IL-7Rαγc結合化合物が、例えば、毒性を含む有害な薬物効果を潜在的に生じ得る別の治療剤と同時に投与される場合、他の治療剤は、有害な薬物反応が誘発される閾値を下回る用量で投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物は、IL-7Rαγc結合化合物の化合物の放出、バイオアベイラビリティ、治療有効性、治療効力、安定性、および同等物を増強、変調、および/または制御するために、1つ以上の物質とともに投与され得る。例えば、IL-7Rαγc結合化合物、その代謝産物、または前述のうちのいずれかの医薬組成物の治療有効性を増強するために、胃腸管から全身循環へのIL-7Rαγc結合化合物の吸収もしくは拡散を増加させるか、または対象の血液中のIL-7Rαγc結合化合物の分解を阻害するための1つ以上の活性剤と同時投与され得る。IL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物は、IL-7Rαγc結合化合物の治療有効性を増強する薬理学的効果を有する活性剤と同時投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物、または前述のうちのいずれかを含む医薬組成物は、患者における炎症性疾患または自己免疫疾患の治療に有効であることが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物、または前述のうちのいずれかを含む医薬組成物は、増殖を妨げることが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。IL-7Rαγc結合化合物、または前述のうちのいずれかを含む医薬組成物は、有糸分裂を妨げることが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。IL-7Rαγc結合化合物、または前述のうちのいずれかを含む医薬組成物は、DNA複製を妨げることが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。IL-7Rαγc結合化合物、またはIL-7Rαγc結合化合物を含む医薬組成物は、DNA修復を妨げることが知られているか、または考えられている薬剤と併せて投与され得る。
IL-7Rαγc結合化合物またはその医薬組成物は、患者における炎症性疾患または自己免疫疾患を治療するための別の化合物とともに患者に投与され得る。少なくとも1つの他の治療剤は、本開示によって提供される異なるIL-7Rαγc結合化合物であり得る。IL-7Rαγc結合化合物および少なくとも1つの他の治療剤は、相加的または相乗的に作用し得る。少なくとも1つの追加の治療剤は、IL-7Rαγc結合化合物を含む同じ医薬組成物もしくはビヒクルに含まれ得るか、または別個の医薬組成物もしくはビヒクルに含まれ得る。したがって、本開示によって提供される方法は、IL-7Rαγc結合化合物を投与することに加えて、炎症性疾患もしくは自己免疫疾患、または炎症性疾患もしくは自己免疫疾患とは異なる疾患、障害もしくは状態を治療するために有効な1つ以上の治療剤を投与することをさらに含む。本開示によって提供される方法は、IL-7Rαγc結合化合物および1つ以上の他の治療剤を投与することを含むが、但し、併用投与が、IL-7Rαγc結合化合物の治療有効性を阻害しない、かつ/または有害な併用効果を生じないことを条件とする。
本開示によって提供される化合物は、IL-7の産生および受容体結合プロセスに影響を及ぼし、影響を受けると考えられる多くの要因の評価を含む、IL-7の生物学的役割を理解するためのツールとしてインビトロで有用であり得る。本化合物は、IL-7Rに結合し、それを活性化する他の化合物の開発を促進するべき構造と活性と間の関係に関する有用な情報を提供するため、本化合物は、そのような開発においても有用である。
化合物はまた、新しいIL-7受容体アゴニストおよびアンタゴニストをスクリーニングするためのアッセイにおいて競合結合剤としても有用である。そのようなアッセイでは、IL-7Rαγc結合化合物は、修飾なしで使用され得るか、または例えば、検出可能なシグナルを直接もしくは間接的に提供する部分を共有結合もしくは非共有結合することなどの標識によって、様々な方法で修飾され得る。これらのアッセイのうちのいずれにおいても、それらの材料は、直接的または間接的のいずれかで標識され得る。直接標識の可能性としては、例えば、125Iなどの放射標識、ペルオキシダーゼおよびアルカリホスファターゼなどの酵素、ならびに蛍光強度、波長シフト、または蛍光偏光の変化を監視することが可能な蛍光標識などの標識基が挙げられる。間接標識の可能性としては、1つの成分のビオチン化、続いて上記の標識基の1つに結合したアビジンへの結合が挙げられる。化合物は、化合物が固体支持体に付着する場合、スペーサーまたはリンカーも含み得る。
IL-7Rに結合するそれらの能力に基づいて、本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、IL-7Rを検出するための試薬として、例えば、生体細胞上、固定細胞上、生物学的流体中、組織ホモジネート中、精製された、および天然生物学的材料中で使用されることができる。例えば、そのようなペプチドを標識することにより、IL-7RαおよびRγcサブユニットを発現する細胞を同定することができる。加えて、IL-7Rに結合するそれらの能力に基づいて、本開示のIL-7Rαγc結合化合物は、例えば、インサイチュ染色、FACS(蛍光活性化細胞選別)、ウェスタンブロッティング、およびELISAで使用されることができる。加えて、IL-7Rに結合するそれらの能力に基づいて、本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、受容体精製で、または細胞表面上(または透過細胞の内側)でIL-7Rを発現する細胞の精製で使用されることができる。
本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物は、様々な医学的研究および診断用途のための市販試薬としても利用されることができる。そのような使用としては、例えば、(1)様々な機能アッセイにおける候補IL-7アゴニストの活性を定量するための較正標準としての使用、(2)IL-7依存性細胞株の増殖および成長を維持するための使用、(3)共結晶化を通したIL-7Rの構造解析での使用、(4)IL-7シグナル伝達/受容体活性化の機構を調査するための使用、ならびに(5)IL-7受容体が関与する他の研究および診断用途が挙げられる。
IL-7Rαγc結合化合物には、診断試薬が含まれる。診断剤として、IL-7Rαγcリガンドを含む化合物が、IL-7Rサブユニットを発現する細胞を検出および/または測定するために使用されることができる。化合物は、細胞、または細胞集団、もしくは組織のIL-7R発現のレベルを決定するために使用されることができる。化合物は、細胞または細胞集団におけるIL-7Rに対する結合親和性を評価するために使用されることができる。化合物は、例えば、IL-7R発現レベルに基づいて、特定の種類の細胞を決定するために使用されることができる。
化合物は、インビトロおよびインビボ診断に有用であり得る。
診断的IL-7Rαγc結合化合物は、検出可能なマーカーを含むことができる。検出可能なマーカーは、切断可能または非切断可能であり得る。
検出可能なマーカーは、例えば、放射性標識、蛍光標識、酵素標識を含むことができる。
診断的IL-7Rαγc結合化合物が、患者の血液試料などの生体試料中のIL-7Rαサブユニットを発現する細胞、および/またはIL-7Rαサブユニットを発現する細胞の発現レベルを測定するために使用されることができる。測定は、例えば、フローサイトメトリーを使用して行うことができる。IL-7Rαサブユニットを発現する細胞の数、および/またはIL-7Rαサブユニットの発現レベルは、患者における疾患または患者における疾患の薬理学的に有意なパラメータと相関するときに、疾患の治療を知らせるために使用されることができる。例えば、IL-7Rαサブユニットの発現レベルが、特定の疾患についての治療的に有意義な閾値を上回るか、または下回る場合、本開示によって提供されるIL-7Rαリガンドを含む化合物が、疾患を治療するために患者に投与されることができる。
IL-7Rαγc結合化合物は、固体支持体に付着することができる。IL-7Rに結合する化合物の能力に基づいて、化合物は、IL-7Rを検出するための試薬として、例えば、生体細胞上、固定細胞上、生物学的流体中、組織ホモジネート中、精製された、および天然生物学的材料中で使用されることができる。加えて、IL-7Rサブユニットに結合するそれらの能力に基づいて、本発明のペプチドは、例えば、インサイチュ染色、FACS(蛍光活性化細胞選別)、ウェスタンブロッティング、およびELISAで使用されることができる。加えて、本開示によって提供される化合物は、受容体精製で、または細胞表面上のIL-7Rを発現する細胞を精製するために、使用されることができる。
本発明の態様は、本開示によって提供されるIL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、およびIL-7Rαγcリガンド構築物をコードする核酸を含む。
本開示によって提供されるIL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、およびIL-7Rαγcリガンド構築物をコードする核酸/単離されたポリヌクレオチドは、IL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、およびIL-7Rαγcリガンド構築物を産生するために使用される宿主細胞に部分的に応じて、発現ベクターに組み込まれることができる。一般に、核酸は、例えば、プロモーター、複製起点、選択可能なマーカー、リボソーム結合部位、および/または誘導因子などの任意の数の調節要素に作動可能に連結されることができる。発現ベクターは、染色体外ベクターまたは組み込みベクターであり得る。
核酸および/または発現ベクターは、CHO細胞などの哺乳動物細胞を用いて、哺乳動物、細菌、酵母、昆虫、および/または真菌細胞を含む任意の数の異なる種類の宿主細胞に形質転換されることができる。
IL-7Rαγcリガンドをコードする核酸は、IL-7Rαリガンドをコードする第1の核酸配列と、ペプチジルリガンドリンカーをコードする第2の核酸配列と、Rγcリガンドをコードする第3の核酸配列とを含むことができる。
IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質をコードする核酸は、本開示によって提供されるIL-7Rαγcリガンドをコードする第1の核酸配列と、融合パートナーをコードする第2の核酸配列とを含むことができる。IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質をコードする核酸は、IL-7Rαγcリガンドおよび融合パートナーをコードする核酸を含むことができる。IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質をコードする核酸は、構築物リンカーをコードする核酸セグメントをさらに含むことができ、IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質をコードする核酸は、IL-7Rαγcリガンド、融合パートナー、および構築物リンカーをコードする核酸を含むことができる。
融合パートナーは、例えば、HSA、Fc断片、IgG、細胞特異的抗原を対象とした抗体、および細胞特異的受容体を対象とした抗体を含むことができる。
IL-7Rαγcリガンド融合タンパク質をコードする核酸は、ペプチジルリンカーをコードする核酸をさらに含むことができ、ペプチジルリンカーは、IL-7Rαγcリガンドを融合パートナーに結合するように構成される。
本開示によって提供される核酸は、IL-7Rαγcリガンドと、IL-7RαγcリガンドのC末端をHSAに結合するリンカーとを含む、融合タンパク質をコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、IgG1、IgG2、またはIgG4の二量体Fc断片と、IL-7Rαγcリガンドと、IL-7RαγcリガンドのN末端を二量体Fc断片の1つのCH3ドメインのC末端に結合するリンカーとを含む、融合タンパク質をコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、IgG1、IgG2、またはIgG4の二量体Fc断片と、2つのIL-7Rαγcリガンドと、2つのIL-7RαγcリガンドのそれぞれのN末端を二量体Fc断片の各CH3ドメインのC末端に結合するリンカーとを含む、融合タンパク質をコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、IgG1、IgG2、またはIgG4などの免疫グロブリン分子の重鎖と、IL-7Rαγcリガンドと、IL-7RαγcリガンドのN末端をFc領域のC末端に結合するFcリンカーとを含む、融合タンパク質をコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、本開示によって提供されるIL-7Rαγc結合化合物、ならびにRNAおよび/またはDNAワクチンをコードする核酸を含むことができる。
本開示によって提供される核酸は、IL-7Rαγcワクチン構築物をコードする核酸を含むことができる。ワクチンは、例えば、がんワクチンまたはウイルスワクチンを含むことができる。
本開示によって提供される核酸は、ウイルス表面抗原を含むIL-7Rαγc構築物をコードする核酸を含むことができる。
本開示によって提供される核酸は、ウイルス様粒子を含むIL-7Rαγc構築物をコードする核酸を含むことができる。
本開示によって提供される核酸は、配列番号389~410420~556および9434~9437のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、配列番号389~410420~556および9434~9437のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列、配列番号389~410420~556および9434~9437のうちのいずれか1つの置換アミノ酸配列を含む、IL-7Rαリガンドをコードすることができるか、または配列番号389~410、420~556および9434~9437のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、配列番号407および454~474のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むIL-7Rαリガンドをコードすることができるか、または配列番号407および454~474のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、配列番号944~1031および9438~9443のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、配列番号944~1031および9438~9443のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列、配列番号944~1031および9438~9443のうちのいずれか1つの置換アミノ酸配列を含む、Rγcリガンドをコードすることができるか、または配列番号944~1031および9438~9443のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むRγcリガンドをコードすることができるか、または配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、配列番号407および454~474のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むIL-7Rαリガンドを含む、IL-7Rαγcリガンドをコードすることができるか、または配列番号407および454~474のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードすることができ、ならびに配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むIL-7Rgcリガンドをコードすることができるか、または配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、配列番号2012~2023および2058~2120のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むIL-7Rαγcリガンドをコードすることができるか、または配列番号2012~2023および2058~2120のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、配列番号2012、2084~2087、および2091~2120のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むIL-7Rαγcリガンドをコードすることができるか、または配列番号2012、2084~2087、および2091~2120のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、配列番号407および454~474のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、または配列番号407および454~474のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を含む、IL-7Rαγcリガンド構築物、ならびに配列番号965および1029~1031のアミノ酸配列、または配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つとの60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、もしくは95%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を含む、Rγcリガンドをコードすることができる。
本開示によって提供される核酸は、本開示によって提供される2つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含むタンデムIL-7Rαγcリガンドをコードすることができる。
本発明の態様は、本開示によって提供されるIL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、またはIL-7Rαγcリガンド構築物をコードする核酸を含む、発現ベクターを含む。
本発明の態様は、本開示によって提供されるIL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、またはIL-7Rαγcリガンド構築物をコードする核酸を含む、発現ベクターを含む宿主細胞をさらに含む。
本開示によって提供される方法は、IL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、またはIL-7Rαγcリガンド構築物が発現される条件下で、宿主細胞が、本開示によって提供されるIL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、またはIL-7Rαγcリガンド構築物をコードする核酸を含む発現ベクターを含む、宿主細胞を培養することと、発現されたIL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、またはIL-7Rαγcリガンド構築物を回収することとを含む、本開示によって提供されるIL-7Rαリガンド、Rγcリガンド、IL-7Rαγcリガンド、タンデムIL-7Rαγcリガンド、またはIL-7Rαγcリガンド構築物を作製する方法を含む。
発明の態様
本発明は、以下の態様によってさらに定義される。
態様1.IL-7Rαγcリガンドであって、
(a)IL-7Rαリガンドであって、IL-7Rαリガンドが、式(1)(配列番号389)、式(1a)(配列番号390)、式(1b)(配列番号391)、または式(1c)(配列番号392)のアミノ酸配列を含み、
Figure 2023514128000144

式中、
201が、H、I、Q、およびVから選択され、
202が、C、P、およびRから選択され、
203が、I、K、L、S、V、およびWから選択され、
204が、CおよびHから選択され、
205が、A、I、L、M、T、およびWから選択され、
206が、D、L、およびWから選択され、
207が、D、I、L、およびQから選択され、
208が、D、E、およびPから選択され、
209が、G、S、およびTから選択され、
210が、A、G、L、およびSから選択され、
211が、F、I、L、およびMから選択され、
212が、G、H、L、N、Q、およびSから選択され、
213が、Cであり、
214が、A、E、I、L、S、T、およびVから選択され、
215が、F、R、W、およびYから選択され、
216が、E、L、Q、およびWから選択される、IL-7Rαリガンドと、
(b)Rγcリガンドであって、Rγcリガンドが、式(3)(配列番号944)、式(3a)(配列番号945)、式(3b)(配列番号946)、式(3c)(配列番号947)、式(3d)(配列番号948)、または式(3e)(配列番号949)のアミノ酸配列を含み、
Figure 2023514128000145

式中、
171が、H、K、およびRから選択され、
172が、S、T、およびYから選択され、
173が、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
174が、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
175が、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
176が、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択され、
177が、DおよびEから選択され、
178が、F、H、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
179が、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択され、
180が、Gであり、
181が、Vであり、
182が、Eであり、
183が、Lであり、
184が、Wから選択され、
185が、F、I、L、M、V、W、Y、H、N、Q、S、およびTから選択され、
186が、Eであり、
187が、アミノ酸から選択され、
188が、DおよびEから選択される、Rγcリガンドと、を含む、IL-7Rαγcリガンド。
態様2.式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、
201が、I、Q、およびVから選択され、
202が、CおよびPから選択され、
203が、Wであり、
204が、CおよびHから選択され、
205が、TおよびWから選択され、
206が、DおよびLから選択され、
207が、DおよびLから選択され、
208が、EおよびPから選択され、
209が、GおよびSから選択され、
210が、LおよびSから選択され、
211が、Lであり、
212が、QおよびSから選択され、
213が、Cであり、
214が、AおよびVから選択され、
215が、Wであり、
216が、Lである、態様1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様3.式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、
201が、Iであり、
202が、CおよびPから選択され、
203が、Wであり、
204が、CおよびHから選択され、
205が、TおよびWから選択され、
206が、DおよびLから選択され、
207が、Dであり、
208が、Pであり、
209が、Gであり、
210が、LおよびSから選択され、
211が、Lであり、
212が、Qであり、
213が、Cであり、
214が、AおよびVから選択され、
215が、Wであり、
216が、Lである、態様1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様4.式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、
201が、Qであり、
202が、Cであり、
203が、I、L、K、およびVから選択され、
204が、Hであり、
205が、Wであり、
206が、Dであり、
207が、IおよびLから選択され、
208が、Eであり、
209が、SおよびTから選択され、
210が、Lであり、
211が、Lであり、
212が、G、L、N、およびSから選択され、
213が、Cであり、
214が、I、L、およびVから選択され、
215が、Rであり、
216が、Eである、態様1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様5.式(1)~(1c)のIL-7Rαリガンドでは、
201が、IおよびVから選択され、
202が、Pであり、
203が、Wであり、
204が、Cであり、
205が、Tであり、
206が、Lであり、
207が、Dであり、
208が、Pであり、
209が、Gであり、
210が、LおよびSから選択され、
211が、Lであり、
212が、Qであり、
213が、Cであり、
214が、Aであり、
215が、Wから選択され、
216が、Lである、態様1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様6.IL-7Rαリガンドが、式(1)、式(1a)、式(1b)、または式(1c)の切断アミノ酸配列を含む、態様1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様7.IL-7Rαリガンドのアミノ酸のうちの1~5個が、独立して、別のアミノ酸で置換される、態様1~8のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様8.IL-7Rαリガンドのアミノ酸配列が、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)(配列番号2045)を含む、態様1~7のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様9.IL-7Rαリガンドが、アミノ酸配列との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様1~8のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様10.IL-7Rαリガンドが、配列番号389~410420~556および9434~9437のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、態様1~9のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様11.IL-7Rαリガンドが、配列番号389~410420~556および9434~9437のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含む、態様10に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様12.IL-7Rαリガンドが、配列番号407および454~474のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、態様10に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様13.IL-7Rαリガンドのアミノ酸のうちの1~5個が、独立して、別のアミノ酸で置換される、態様10~12のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様14.アミノ酸配列が、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)(配列番号2045)を含む、態様10~13のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様15.IL-7Rαリガンドが、配列番号389~410420~556および9434~9437のうちのいずれか1つとの60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様10~14のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様16.IL-7Rαリガンドが、配列番号407および454~474のアミノ酸配列を含む、態様1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様17.IL-7Rαリガンドが、配列番号407および454~474の切断アミノ酸配列を含む、態様16に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様18.IL-7Rαリガンドのアミノ酸のうちの1~5個が、独立して、別のアミノ酸で置換される、態様16~17のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様19.アミノ酸配列が、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)(配列番号2045)を含む、態様16~18のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様20.IL-7Rαリガンドが、配列番号407および454~474との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様16~19のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様21.式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、
171が、H、K、およびRから選択され、
172が、S、T、およびYから選択され、
173が、DおよびEから選択され、
174が、Vであり、
175が、DおよびEから選択され、
176が、EおよびQから選択され、
177が、DおよびEから選択され、
178が、F、H、W、およびYから選択され、
179が、D、E、およびQから選択され、
180が、Gであり、
181が、Vであり、
182が、Eであり、
183が、Lであり、
184が、Wであり、
185が、F、I、L、M、V、W、Y、H、N、Q、S、およびTから選択され、
186が、Eであり、
187が、アミノ酸から選択され、
188が、DおよびEから選択される、態様1~20のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様22.式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、
171が、H、K、およびRから選択され、
172が、S、T、およびYから選択され、
173が、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
174が、Vであり、
175が、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
176が、EおよびQから選択され、
177が、DおよびEから選択され、
178が、F、H、W、およびYから選択され、
179が、D、E、およびQから選択され、
180が、Gであり、
181が、Vであり、
182が、Eであり、
183が、Lであり、
184が、Wであり、
185が、F、I、L、M、V、W、Y、H、N、Q、S、およびTから選択され、
186が、Eであり、
187が、アミノ酸から選択され、
188が、DおよびEから選択される、態様1~20のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様23.式(3)~(3e)のRγcリガンドでは、
171が、H、K、およびRから選択され、
172が、S、T、およびYから選択され、
173が、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
174が、Vであり、
175が、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
176が、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択され、
176が、EおよびQから選択され、
177が、DおよびEから選択され、
178が、Wであり、
179が、D、E、およびQから選択され、
180が、Gであり、
181が、Vであり、
182が、Eであり、
183が、Lであり、
184が、Wであり、
185が、F、I、L、M、V、W、Y、H、N、Q、S、およびTから選択され、
186が、Eであり、
187が、アミノ酸から選択され、
188が、DおよびEから選択される、態様1~20のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様24.Rγcリガンドアミノ酸のうちの1~5個が、独立して、別のアミノ酸で置換される、態様1~23のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様25.Rγcリガンドのアミノ酸配列が、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)(配列番号2045)を含む、態様1~24のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様26.Rγcリガンドが、アミノ酸配列との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様1~25のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様27.Rγcリガンドが、配列番号944~1031および9438~9443のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、態様1~20のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様28.Rγcリガンドが、配列番号944~1031および9438~9443のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含む、態様1~20のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様29.IL-7Rαリガンドのアミノ酸のうちの1~5個が、独立して、別のアミノ酸で置換される、態様27~28のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様30.IL-7Rαリガンドのアミノ酸配列が、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)(配列番号2045)を含む、態様27~29のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様31.Rγcリガンドが、配列番号965および1029~1031のうちのいずれか1つとの60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様27~30のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様32.Rγcリガンドが、配列番号965および1029~1031のアミノ酸配列を含む、態様1~20のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様33.Rγcリガンドが、配列番号965および1029~1031の置換アミノ酸配列を含む、態様1~20のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様34.IL-7Rαリガンドが、配列番号965および1029~1031の切断アミノ酸配列を含む、態様1~20のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様35.IL-7Rαリガンドのアミノ酸のうちの1~5個が、独立して、別のアミノ酸で置換される、態様32~34のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様36.アミノ酸配列が、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)(配列番号2045)を含む、態様32~35のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様37.IL-7Rαリガンドが、配列番号407および454~474との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様32~36のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様38.Rγcリガンドが、配列番号965または1029~1031との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様32~37のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様39.IL-7Rαリガンドが、配列番号389~410420~556および9434~9437のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、配列番号389~410420~557および9434~9437のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列、または配列番号389~410420~556および9434~9437のうちのいずれか1つとの60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含み、
Rγcリガンドが、配列番号944~1031および9438~9443のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、配列番号944~1031および9438~9443のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列、または配列番号944~1031および9438~9443のうちのいずれか1つとの60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様40.IL-7Rαリガンドが、配列番号407および454~474のアミノ酸配列、配列番号407および454~474の切断アミノ酸配列、または配列番号407および454~474との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含み、
Rγcリガンドが、配列番号965もしくは1029~1031のアミノ酸配列、配列番号965もしくは1029~1031の切断アミノ酸配列、または配列番号965もしくは1029~1031との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様41.IL-7Rαリガンドが、IL-7Rαリガンドの2つのシステインのそれぞれの間のジスルフィド結合を含む、態様1~40のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様42.Rγcリガンドが、Rγcリガンドの2つのシステインの間のジスルフィド結合を含む、態様1~41のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様43.IL-7Rαγcリガンドが、IL-7RαリガンドのシステインとRγcリガンドのシステインとの間のジスルフィド結合を含む、態様1~40のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様44.IL-7Rαリガンドのシステインのそれぞれが、ジスルフィド結合によってRγcリガンドのシステインに結合される、態様1~40のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様45.IL-7Rαリガンドが、IL-7Rαサブユニットの特異的結合部位に結合し、
(1)IL-7Rαリガンドの群が、10μM未満のIC50でIL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位に結合し、
(2)群内のIL-7Rαリガンドのそれぞれが、群内の他のIL-7RαリガンドのそれぞれとIL-7Rαサブユニット上の特異的結合部位に競合的に結合し、
(3)配列番号965のアミノ酸配列を有するペプチドが、IL-7Rαリガンドの群内のペプチドと、IL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位への結合について競合せず、
(4)配列番号5、43、104、146、および313を有するIL-7Rαリガンドが、IL-7Rαに結合するIL-7と競合的に結合しない、態様1~44のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様46.IL-7Rαリガンドが、100μM未満のIC50でIL-7Rαサブユニットに結合し、
IL-7Rαリガンドが、100μM超のIC50でRγcサブユニットに結合する、態様1~45のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様47.Rγcリガンドが、Rγcサブユニットの特異的結合部位に結合し、
(1)Rγcリガンドの群が、10μM未満のIC50でRγcサブユニット上の特異的結合部位に結合し、
(2)群内のRγcリガンドが、群内の他のRγcリガンドとRγcサブユニット上の特異的結合部位に競合的に結合し、
(3)群内のRγcリガンドが、配列番号930のアミノ酸配列を有するRγcリガンドと特異的結合部位への結合について競合せず、
(4)配列番号58のアミノ酸配列を有するRαリガンドが、Rγcリガンドの群と結合部位への結合について競合せず、
Rγcリガンドの群が、配列番号198、202、224、236、248、および266を有する、態様1~46のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様48.Rγcリガンドが、100μM未満のIC50でRγcサブユニットに結合し、
Rγcリガンドが、100μM超のIC50でRαサブユニットに結合する、態様1~47のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様49.IL-7RαリガンドのC末端および/またはN末端のそれぞれが、独立して、2~10個の隣接アミノ酸を含む、態様1~48のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様50.IL-7RαリガンドのC末端および/またはN末端のそれぞれが、独立して、-G-、-GG-(配列番号9399)、-GGG-(配列番号9400)、および-GGGG-(配列番号9401)から選択される隣接アミノ酸を含む、態様1~49のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様51.RγcリガンドのC末端および/またはN末端のそれぞれが、独立して、2~10個の隣接アミノ酸を含む、態様1~48のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様52.RγcリガンドのC末端および/またはN末端のそれぞれが、独立して、-G-、-GG-(配列番号9399)、-GGG-(配列番号9400)、および-GGGG-(配列番号9401)から選択される隣接アミノ酸を含む、態様1~48のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様53.IL-7Rαγcリガンドが、IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドに結合されたリガンドリンカーをさらに含む、態様1~52のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様54.IL-7RαリガンドのC末端およびRγcリガンドのC末端が、IL-7Rαγcリガンドリンカーに結合される、態様53に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様55.IL-7RαリガンドのC末端およびRγcリガンドのN末端が、IL-7Rαγcリガンドリンカーに結合される、態様53に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様56.IL-7RαリガンドのN末端およびRγcリガンドのC末端が、IL-7Rαγcリガンドリンカーに結合される、態様53に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様57.IL-7RαリガンドのN末端およびRγcリガンドのN末端が、IL-7Rαγcリガンドリンカーに結合される、態様53に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様58.IL-7Rαγcリガンドリンカーが、5Å~200Åの長さを有する、態様53~57のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様59.IL-7Rαγcリガンドリンカーが、IL-7RへのIL-7Rαγcリガンドの結合を促進するように構成される、態様53~58のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様60.IL-7Rαγcリガンドリンカーが、IL-7Rを活性化するように構成される、態様53~59のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様61.IL-7Rαγcリガンドリンカーが、合成IL-7Rαγcリガンドリンカーを含む、態様53~60のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様62.合成IL-7Rαγcリガンドリンカーが、トリアゾールを含む、態様61に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様63.IL-7Rαγcリガンドリンカーが、ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーを含む、態様53~60のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様64.ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーが、2~20個のアミノ酸を含む、態様63に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様65.ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーが、(G)(配列番号9390)、(GS)(配列番号9391)、(GGS)(配列番号9392)、(GGGS)(配列番号9393)、(GGGGS)(配列番号9394)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択され、各nが、独立して、1~5の整数である、態様63~64のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様66.IL-7Rαγcリンカーが、切断可能なIL-7Rαγcリガンドリンカーを含む、態様53~65のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様67.IL-7Rαγcリガンドが、
配列番号407および454~474のアミノ酸配列、配列番号407および454~474の切断アミノ酸配列、または配列番号407および454~474との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、IL-7Rαリガンドと、
配列番号965もしくは1029~1031のアミノ酸配列、配列番号965もしくは1029~1031の切断アミノ酸配列、または配列番号965もしくは1029~1031との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、Rγcリガンドと、を含む、態様53~66のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様68.IL-7Rαγcリガンドリンカーが、(G)(配列番号9390)、(GS)(配列番号9391)、(GGS)(配列番号9392)、(GGGS)(配列番号9393)、(GGGGS)(配列番号9394)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択され、各nが、独立して、1~5の整数である、態様57に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様69.IL-7Rαγcリガンドリンカーが、-GGGGSGG-(配列番号9404)を含む、態様67に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様70.IL-7Rαγcリガンドが、配列番号2012~3023および2058~2132のアミノ酸配列、または配列番号2012~3023および2058~2132との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様71.IL-7Rαγcリガンドが、1つ以上の隣接グリシンを含む、態様70に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様72.アミノ酸配列が、1~5個の置換を含む、態様70~71のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様73.IL-7Rαγcリガンドが、配列番号2012、2084~2087、および2091~2120のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、または配列番号2012、2084~2087、および2091~2120のうちのいずれか1つとの60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様74.IL-7Rαリガンドのシステインが、ジスルフィド結合によって互いに結合され、
Rγcリガンドのシステインが、ジスルフィド結合によって互いに結合される、態様73に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様75.IL-7Rαリガンドのシステインが、Rγcリガンドのシステインに結合される、態様73~74のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様76.IL-7Rαγcリガンドが、完全IL-7Rアゴニストである、態様1~75のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様77.IL-7Rαγcリガンドが、部分的IL-7Rアゴニストである、態様1~75のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様78.IL-7Rαγcリガンドが、IL-7Rアンタゴニストである、態様1~75のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様79.IL-7Rαγcリガンドが、TF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化経路のためのIL-7Rアゴニストである、態様1~75のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様80.タンデムIL-7Rαγcリガンドであって、タンデムIL-7Rαγcリガンドが、態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンドのうちの2つ以上を含む、タンデムIL-7Rαγcリガンド。
態様81.2つ以上のIL-7Rαγcリガンドのそれぞれが、同じである、態様80に記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド。
態様82.2つ以上のIL-7Rαγcリガンドのうちの少なくとも1つが、別のIL-7Rαγcリガンドとは異なる、態様80~81のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド。
態様83.2つ以上のIL-7Rαγcリガンドのそれぞれが、タンデムリンカーを介して別のIL-7Rαγcリガンドに結合される、態様80~82のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド。
態様84.第1のIL-7RαγcリガンドのC末端が、タンデムリンカーに結合され、
第2のIL-7RαγcリガンドのN末端が、タンデムリンカーに結合される、態様80~83のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド。
態様85.タンデムリンカーが、ペプチジルタンデムリンカーを含む、態様80~84のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド。
態様86.ペプチジルタンデムリンカーが、2~20個のアミノ酸を含む、態様85に記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド。
態様87.ペプチジルタンデムリンカーが、5Å~200Åの長さを有する、態様85~86のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド。
態様88.IL-7Rαγcリガンド構築物であって、IL-7Rαγcリガンド構築物が、構築物パートナーに結合された態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンドのうちの1つ以上を含む、IL-7Rαγcリガンド構築物。
態様89.IL-7Rαγcリガンド構築物が、2つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含み、
2つ以上のIL-7Rαγcリガンドのそれぞれが、同じである、態様88に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様90.IL-7Rαγcリガンド構築物が、2つ以上のIL-7Rαγcリガンドを含み、
2つ以上のIL-7Rαγcリガンドのうちの少なくとも1つが、他のIL-7Rαγcリガンドのうちの少なくとも1つとは異なる、態様88に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様91.構築物リンカーをさらに含み、IL-7Rαγcリガンドが、構築物リンカーを介して構築物パートナーに結合される、態様88~90のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様92.IL-7Rαγcリガンドが、IL-7RαγcリガンドのC末端を介して構築物リンカーに結合される、態様91に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様93.IL-7Rαγcリガンドが、IL-7RαγcリガンドのN末端を介して構築物リンカーに結合される、態様91に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様94.構築物リンカーが、ペプチジル構築物リンカーを含む、態様91に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様95.ペプチジル構築物リンカーが、2~200個のアミノ酸を含む、態様94に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様86.ペプチジル構築物リンカーが、5Å~200Åの長さを有する、態様94~95のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様97.ペプチジル構築物リンカーが、(G)(配列番号9380)、(GS)(配列番号9381)、(GGS)(配列番号9382)、(GGGS)(配列番号9383)、(GGGGS)(配列番号9384)、(PA)(配列番号9421)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択され、各nが、独立して、1~20の整数である、態様94~96のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様98.構築物リンカーが、切断可能な構築物リンカーを含む、態様88~97のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様99.構築物パートナーが、ポリペプチドを含み、
IL-7Rαγcリガンドが、ポリペプチドのC末端および/またはN末端に結合される、態様88~98のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様100.構築物パートナーが、ポリペプチドを含み、
IL-7Rαγcリガンドが、ポリペプチドのアミノ酸側鎖に結合される、態様88~99のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様101.構築物パートナーが、ポリペプチドを含み、
IL-7Rαγcリガンドが、ポリペプチドに組み込まれる、態様88~100のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様102構築物パートナーが、患者の体循環においてIL-7Rαγcリガンドに所望の薬物動態特性を付与するように構成された化合物を含む、態様88~101のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様103.構築物パートナーが、患者の体内でIL-7Rαγcリガンドに所望の生体分布特性を付与するように構成された化合物を含む、態様88~102のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様104.構築物パートナーが、ポリマー、ポリペプチド、Fc断片、免疫グロブリン断片、および抗体から選択される、態様88~103のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様105.構築物パートナーが、ワクチンを含む、態様88~103のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様106.構築物パートナーが、ウイルス表面抗原またはウイルス様粒子を含む、態様88~103のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様107.構築物パートナーが、ヒト血清アルブミン、ポリペプチド、およびポリエチレングリコールから選択される、態様88~103のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様108.IL-7Rαγcリガンド構築物が、組換え融合タンパク質を含む、態様88~103のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様109.IL-7Rαγcリガンド構築物が、配列番号2012~2023および2058~2132のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号2012~2023および2058~2132のうちのいずれか1つとの60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様88~108のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様110.IL-7Rαγcリガンドが、配列番号2012~2023および2058~2132のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、または配列番号2012~2023および2058~2132のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様88~108のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様111.IL-7Rαγcリガンドが、配列番号2012、2084~2087、および2091~2120のアミノ酸配列、または配列番号2012、2084~2087、および2091~2120との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様88~108のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様112.構築物パートナーが、Fc断片を含む、態様88~103のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様113.Fc断片が、IgG1、IgG2、もしくはIgG4、または前述のうちのいずれかの変異体に由来する、態様112に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様114.IL-7Rαγcリガンドが、Fc断片のC末端に結合される、態様112~113のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様115.IL-7Rαγcリガンドが、Fc断片のN末端に結合される、態様112~113のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様116.IL-7Rαγcリガンドが、Fc断片リンカーを介してFc断片に結合される、態様115に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様117.Fc断片リンカーが、ペプチジルFc断片リンカーを含む、態様116に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様118.ペプチジルFc断片リンカーが、2~200個のアミノ酸を含む、態様115~116のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様119.ペプチジルFc断片リンカーが、5Å~200Åの長さを有する、態様115~128のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様120.ペプチジルFc断片リンカーが、(G)(配列番号9380)、(GS)(配列番号9381)、(GGS)(配列番号9382)、(GGGS)(配列番号9383)、(GGGGS)(配列番号9384)、(PA)(配列番号9421)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択され、各nが、独立して、1~20の整数である、態様115~119のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様121.構築物パートナーが、免疫グロブリン断片である、態様88~103のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様122.免疫グロブリン断片が、IgG1断片、IgG2断片、およびIgG4断片から選択される、態様121に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様123.IL-7Rαγcリガンドが、免疫グロブリン断片のC末端に結合される、態様121~122のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様124.IL-7Rαγcリガンドが、免疫グロブリン断片のN末端に結合される、態様121~123のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様125.IL-7Rαγcリガンドが、免疫グロブリンリンカーを介して免疫グロブリン断片に結合される、態様121~124のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様126.免疫グロブリンリンカーが、ペプチジル免疫グロブリンリンカーを含む、態様121~125のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様127.ペプチジル免疫グロブリンリンカーが、2~200個のアミノ酸を含む、態様126に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様128.ペプチジル免疫グロブリンリンカーが、5Å~200Åの長さを有する、態様121~127のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様129.ペプチジル免疫グロブリンリンカーが、(G)(配列番号9380)、(GS)(配列番号9381)、(GGS)(配列番号9382)、(GGGS)(配列番号9383)、(GGGGS)(配列番号9384)、(PA)(配列番号9421)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択され、各nが、独立して、1~20の整数である、態様121~128のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様130.少なくとも1つのIL-7Rαγcリガンドが、免疫グロブリン重鎖に結合される、態様121~129のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様131.少なくとも1つのIL-7Rαγcリガンドが、免疫グロブリン軽鎖に結合される、態様121~130のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様132.構築物パートナーが、抗体を含む、態様88~103のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様133.抗体が、腫瘍抗原を対象とする、態様132に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様134.腫瘍抗原が、CEAおよびFAPから選択される、態様133に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様135.抗体が、チェックポイント阻害剤を対象とする、態様132~134のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様136.チェックポイント阻害剤が、PD-1である、態様135に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様137.PD-1抗体が、セミプリマブおよびペムブロリズマブから選択される、態様136に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様138.抗体が、細胞特異的抗原を対象とする、態様132~137のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様139.細胞特異的抗原が、CD25、NK62D、およびCD8から選択される、態様138に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様140.抗体が、サイトカインをさらに含む、態様132~139のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様141.サイトカインが、インターロイキンを含む、態様140に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様142.IL-7Rαγcリガンド構築物が、細胞標的化部分を含む、態様88~103のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様143.細胞標的化部分が、腫瘍標的化部分を含む、態様142に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様144.細胞標的化部分が、免疫細胞標的化部分を含む、態様142に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様145.IL-7Rαγcリガンド構築物が、ユビキチン様修飾因子をさらに含む、態様88~103のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様146.IL-7Rαγcリガンド構築物が、IL-7Rαγcリガンドに加えて、治療的有効部分をさらに含む、態様88~103のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様147.IL-7Rαγcリガンド構築物が、完全IL-7Rアゴニストである、態様88~146のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様148.IL-7Rαγcリガンド構築物が、部分的IL-7Rアゴニストである、態様88~146のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様149.IL-7Rαγcリガンド構築物が、IL-7Rアンタゴニストである、態様88~146のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様150.IL-7Rαγcリガンド構築物であって、IL-7Rαγcリガンド構築物が、構築物パートナー、構築物パートナーに結合された少なくとも1つのIL-7Rαリガンド、および構築物パートナーに結合された少なくとも1つのRγcリガンドを含み、
(a)少なくとも1つのIL-7Rαリガンドが、
式(1)、式(1a)、式(1b)、もしくは式(1c)のアミノ酸配列、
式(1)、式(1a)、式(1b)、もしくは式(1c)の切断アミノ酸配列、または
式(1)(配列番号389)、式(1a)(配列番号390)、式(1b)(配列番号391)、もしくは式(1c)(配列番号392)のアミノ酸配列との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含み、
Figure 2023514128000146

式中、
201が、H、I、Q、およびVから選択され、
202が、C、P、およびRから選択され、
203が、I、K、L、S、V、およびWから選択され、
204が、CおよびHから選択され、
205が、A、I、L、M、T、およびWから選択され、
206が、D、L、およびWから選択され、
207が、D、I、L、およびQから選択され、
208が、D、E、およびPから選択され、
209が、G、S、およびTから選択され、
210が、A、G、L、およびSから選択され、
211が、F、I、L、およびMから選択され、
212が、G、H、L、N、Q、およびSから選択され、
213が、Cであり、
214が、A、E、I、L、S、T、およびVから選択され、
215が、F、R、W、およびYから選択され、
216が、E、L、Q、およびWから選択され、
(b)少なくとも1つのRγcリガンドであって、Rγcリガンドが、
式(3)、式(3a)、式(3b)、式(3c)、式(3d)、もしくは式(3e)のアミノ酸配列、
式(3)、式(3a)、式(3b)、式(3c)、式(3d)、もしくは式(3e)の切断アミノ酸配列、または
式(3)(配列番号944)、式(3a)(配列番号945)、式(3b)(配列番号946)、式(3c)(配列番号947)、式(3d)(配列番号948)、もしくは式(3e)(配列番号949)のアミノ酸配列との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含み、
Figure 2023514128000147

式中、
171が、H、K、およびRから選択され、
172が、S、T、およびYから選択され、
173が、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
174が、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
175が、D、E、F、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
176が、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択され、
177が、DおよびEから選択され、
178が、F、H、I、L、M、V、W、およびYから選択され、
179が、D、E、H、N、Q、S、T、およびYから選択され、
180が、Gであり、
181が、Vであり、
182が、Eであり、
183が、Lであり、
184が、Wから選択され、
185が、F、I、L、M、V、W、Y、H、N、Q、S、およびTから選択され、
186が、Eであり、
187が、アミノ酸から選択され、
188が、DおよびEから選択される、IL-7Rαγcリガンド構築物。
態様151.構築物パートナーに結合されたIL-7Rαγcリガンドを含み、IL-7Rαγcリガンドが、IL-7Rαγcリガンドリンカーと、IL-7Rαγcリガンドリンカーに結合されたRγcリガンドとを含む、態様150に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様152.
IL-7Rαリガンドが、配列番号407および454~474のアミノ酸配列、配列番号407および454~474の切断アミノ酸配列、または配列番号407および454~474との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含み、
Rγcリガンドが、配列番号965もしくは1029~1031のアミノ酸配列、配列番号965もしくは1029~1031の切断アミノ酸配列、または配列番号965もしくは1029~1031との60%超の配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様150~151のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様153.IL-7Rαリガンドのシステインが、ジスルフィド結合によって互いに結合され、
Rγcリガンドのシステインが、ジスルフィド結合によって互いに結合される、態様150~152のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様154.少なくとも1つのIL-7Rαリガンドのそれぞれおよび少なくとも1つのRγcリガンドのそれぞれが、構築物リンカーを介して構築物パートナーに結合される、態様150~153のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様155.少なくとも1つのIL-7Rαリガンドのそれぞれが、同じであり、
少なくとも1つのRγcリガンドのそれぞれが、同じである、態様150~154のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様156.IL-7Rαリガンドのうちの少なくとも1つが、他のIL-7Rαリガンドのうちの少なくとも1つとは異なり、および/または
Rγcリガンドのうちの少なくとも1つが、他のRγcリガンドのうちの少なくとも1つとは異なる、態様150~154のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様157.構築物パートナーが、Fc断片、免疫グロブリン断片、または免疫グロブリンを含む、態様150~156のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様158.構築物パートナーが、ポリペプチドまたはポリマーを含む、態様150~156のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様159.少なくとも1つのIL-7Rαγcリガンドをさらに含み、少なくとも1つのIL-7Rαγcリガンドが、構築物パートナーに結合される、態様150~158のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物。
態様160.患者においてがんを治療する方法であって、治療的有効量の態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド、態様80~87のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド、態様88~149のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、態様150~159のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、または前述のうちのいずれかの組み合わせを、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む、方法。
態様161.患者において自己免疫疾患を治療する方法であって、治療的有効量の態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド、態様80~87のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド、態様88~149のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、態様150~159のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、または前述のうちのいずれかの組み合わせを、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む、方法。
態様162.患者において炎症性疾患を治療する方法であって、治療的有効量の態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド、態様80~87のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド、態様88~149のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、態様150~159のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、または前述のうちのいずれかの組み合わせを、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む、方法。
態様163.免疫細胞を増殖させる方法であって、エクスビボまたはインビボで免疫細胞の集団を、有効量の態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド、態様80~87のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド、態様88~149のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、態様150~159のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、または前述のうちのいずれかの組み合わせと接触させることを含む、方法。
態様164.免疫細胞を増殖させる方法であって、エクスビボまたはインビボで免疫細胞の集団を、有効量の態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド、態様80~87のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド、態様88~149のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、態様150~159のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、または前述のうちのいずれかの組み合わせと接触させることを含む、方法。
態様165.ワクチンを強化する方法であって、ワクチンおよび治療的有効量の態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド、態様80~87のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド、態様88~149のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、態様150~159のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、または前述のうちのいずれかの組み合わせを患者に投与することを含む、方法。
態様166.免疫応答を修飾する方法であって、有効量の態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド、態様80~87のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド、態様88~149のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、態様150~159のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、または前述のうちのいずれかの組み合わせを患者に投与することを含む、方法。
態様167.態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド、態様80~87のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド、態様88~149のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、態様150~159のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、または前述のうちのいずれかの組み合わせを含む、医薬組成物。
態様168.化学療法剤、免疫調節剤、チェックポイント阻害剤、ワクチン、または前述のうちのいずれかの組み合わせをさらに含む、態様167に記載の医薬組成物。
態様169.態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド、態様80~87のいずれか1つに記載のタンデムIL-7Rαγcリガンド、態様88~149のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、態様150~159のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物、または前述のうちのいずれかの組み合わせをコードする、核酸。
態様170.IL-7Rαリガンドをコードする核酸であって、IL-7Rαリガンドが、配列番号389~410420~556および9434~9437のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、配列番号389~410420~556および9434~9437のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列、または配列番号389~410、420~556および9434~9437のうちのいずれか1つとの60%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、核酸。
態様171.IL-7Rαリガンドをコードする核酸であって、IL-7Rαリガンドが、配列番号407および454~474のアミノ酸配列、配列番号407および454~474の切断アミノ酸配列、または配列番号407および454~474のうちのいずれか1つとの60%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、核酸。
態様172.Rγcリガンドをコードする核酸であって、Rγcリガンドが、配列番号944~1031および9438~9443のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、配列番号944~1031および9438~9443のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列、または配列番号944~1031および9438~9443のうちのいずれか1つとの60%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、核酸。
態様173.Rγcリガンドをコードする核酸であって、Rγcリガンドが、配列番号965もしくは1029~1031のアミノ酸配列、配列番号965もしくは1029~1031の切断アミノ酸配列、または配列番号965もしくは1029~1031との60%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、核酸。
態様174.態様1~79のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンドをコードする核酸。
態様175.IL-7Rαγcリガンドが、
配列番号407および454~474のアミノ酸配列、配列番号407および454~474の切断アミノ酸配列、または配列番号407および454~474との60%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、IL-7Rαリガンドと、
配列番号965もしくは1029~1031のアミノ酸配列、配列番号965もしくは1029~1031の切断アミノ酸配列、または配列番号965もしくは1029~1031との60%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、Rγcリガンドとを含む、態様174に記載の核酸。
態様176.IL-7Rαγcリガンドが、配列番号2012、2084~2087、および2091~2120のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、配列番号2012、2084~2087、および2091~2120のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列、または配列番号2012、2084~2087、および2091~2120のうちのいずれか1つとの60%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様174に記載の核酸。
態様177.IL-7Rαγcリガンドが、配列番号2012、2084~2087、および2091~2120を含むアミノ酸配列、配列番号2012、2084~2087、および2091~2120の切断アミノ酸配列、または配列番号2012、2084~2087、および2091~2120との60%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様174に記載の核酸。
態様178.態様177に記載のタンデムIL-7Rαγcリガンドをコードする核酸であって、
IL-7Rαγcリガンドリンカーのそれぞれが、独立して、ペプチジルIL-7Rαγcリガンドリンカーを含み、
タンデムリンカーのそれぞれが、独立して、ペプチジルタンデムリンカーを含む、核酸。
態様179.構築物リンカーが、ペプチジル構築物リンカーを含む、態様88~149のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物をコードする核酸。
態様180.IL-7Rαγcリガンド構築物が、配列番号1212~1217、1219、および124~1252のうちのいずれか1つとの60%超のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様179に記載のIL-7Rαγcリガンド構築物をコードする核酸。
態様181.IL-7Rαγcリガンド構築物をコードする核酸であって、IL-7Rαγcリガンド構築物が、配列番号1212~1217、1219、および124~1252のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む、核酸。
態様182.態様88~149のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド構築物をコードする核酸。
態様183.IL-7Rαリガンドであって、IL-7Rαリガンドが、式(2)のアミノ酸配列(配列番号500)、式(2a)のアミノ酸配列(配列番号501)、式(2b)のアミノ酸配列(配列番号502)、式(2c)のアミノ酸配列(配列番号503)、式(2d)のアミノ酸配列(配列番号504)、式(2e)のアミノ酸配列(配列番号505)、式(2f)のアミノ酸配列(配列番号506)、または式(2g)のアミノ酸配列(配列番号507)を含み、
Figure 2023514128000148

式中、
198が、A、G、P、S、T、およびVから選択され、
199が、F、H、W、およびYから選択され、
200が、A、G、H、K、P、R、S、およびTから選択され、
210が、A、G、P、S、およびTから選択され、
217が、A、G、H、K、P、R、S、およびTから選択され、
218が、アミノ酸および単結合から選択され、
219が、アミノ酸および単結合から選択される、IL-7Rαリガンド。
態様184.
198が、VおよびGから選択され、
199が、HおよびWから選択され、
200が、RおよびGから選択され、
210が、GおよびSから選択され、
217が、RおよびGから選択され、
218が、Q、G、Kおよび単結合から選択され、
219が、G、H、M、および単結合から選択される、態様183に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様185.X198が、Vであり、X199が、Hであり、X200が、Rである、態様183~184のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様186.X198が、Gであり、X199が、Wであり、X200が、Gである、態様183~184のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様187.X210が、Gである、態様183~186のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様188.X210が、Sである、態様183~186のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様189.X217が、Rである、態様183~188のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様190.X217が、Rであり、X218が、Qであり、X219が、Mである、態様183~188のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様191.X217が、Gであり、X218が、Kであり、X219が、Hである、態様183~188のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様192.IL-7Rαリガンドが、N末端および/またはC末端上に1~5個の隣接グリシンを含む、態様183~191のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様193.リガンドが、配列番号500~507のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列または切断アミノ酸配列を含む、態様183~191のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様194.リガンドが、配列番号500~507のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号500~507のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含み、アミノ酸配列が、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)(配列番号2045)を含む、態様183~191のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様195.リガンドが、配列番号500~507のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号500~507のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含み、アミノ酸配列が、1~5個のアミノ酸置換などの1つ以上のアミノ酸置換を含む、態様183~191のいずれか1つのIL-7Rαγcリガンド。
態様196.リガンドが、配列番号500~507のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸配列または切断アミノ酸配列類似性を含む、態様183~191のいずれか1つのIL-7Rαγcリガンド。
態様197.リガンドが、ファージELISA競合アッセイを使用して決定される10μM未満のIC50でhIL-7Rαサブユニットに結合する、態様183~196のいずれか1つのIL-7Rαγcリガンド。
態様198.IL-7が結合するIL-7Rαサブユニット上の結合部位とは異なる、IL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位に結合する、態様183~197のいずれか1つのIL-7Rαγcリガンド。
態様199.IL-7Rαγcリガンドであって、リガンドが、配列番号2110~2124のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含み、
Figure 2023514128000149


式中、X400が、例えば、(G)n(配列番号9390)、(GS)n(配列番号9391)、(GGS)n(配列番号9392)、(GGGS)n(配列番号9393)、(GGGGS)n(配列番号9394)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択され、nが、独立して、1~5の整数である、IL-7Rαγcリガンド。
態様200.X400が、-GGGGSGG-(配列番号9404)である、態様199に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様201.リガンドが、一方または両方の末端上の2つの隣接グリシンなどの各末端上の隣接グリシンを含む、態様199~200のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様202.リガンドが、配列番号2110~2124のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含む、態様199~202のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様203.リガンドが、配列番号2110~2124のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号2110~2124のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含み、アミノ酸配列が、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)(配列番号2045)を含む、態様199~202のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様204.前記リガンドが、配列番号2110~2124のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号2110~2124のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含み、アミノ酸配列が、1~5個のアミノ酸置換などの1つ以上のアミノ酸置換を含む、態様199~202のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換である。
態様205.リガンドが、100μM未満のIC50でヒトRγcサブユニットに結合する、態様199~204のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様206.リガンドが、配列番号2110~2124のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸類似性を有するアミノ酸配列を含む、態様199~205のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様207.IL-7が結合するIL-7Rαサブユニット上の結合部位とは異なる、IL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位に結合する、態様199~205のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様208.IL-7Rαγcリガンドであって、IL-7Rαγcリガンドが、式()のアミノ酸配列(配列番号2125)、式(6a)のアミノ酸配列(配列番号2126)、式(6b)のアミノ酸配列(配列番号2127)、式(6c)のアミノ酸配列(配列番号2128)、式(6d)のアミノ酸配列(配列番号2129)、式(6e)のアミノ酸配列(配列番号2130)、式(6f)のアミノ酸配列(配列番号2131)、式(6g)のアミノ酸配列(配列番号2132)、式(6g)~(6g)のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列、または前述のいずれかの組み合わせのうちのいずれか1つのアミノ酸配列を有するペプチドから選択され、
Figure 2023514128000150

式中、
198が、A、G、P、S、T、およびVから選択され、
199が、F、H、W、およびYから選択され、
200が、A、G、H、K、P、R、S、およびTから選択され、
210が、A、G、P、S、およびTから選択され、
217が、A、G、H、K、P、R、S、およびTから選択され、
218が、アミノ酸および単結合から選択され、X219が、アミノ酸および単結合から選択され、
400が、(G)(配列番号9390)、(GS)(配列番号9391)、(GGS)(配列番号9392)、(GGGS)(配列番号9393)、(GGGGS)(配列番号9394)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択され、nが、1~5の整数である、IL-7Rαγcリガンド。
態様209.X198が、VおよびGから選択され、
199が、HおよびWから選択され、
200が、RおよびGから選択され、
210が、GおよびSから選択され、
217が、RおよびGから選択され、
218が、Q、G、Kおよび単結合から選択され、
219が、G、H、M、および単結合から選択される、態様208に記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様210.X198が、Vであり、X199が、Hであり、X200が、Rである、態様208~209のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様211.X198が、Gであり、X199が、Wであり、X200が、Gである、態様208~209のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様212.X210が、Gである、態様208~211のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様213.X210が、Sである、態様208~211のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様214.X217が、Rである、態様208~213のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様215.X217が、Rであり、X218が、Qであり、X219が、Mである、態様208~213のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様216.X217が、Gであり、X218が、Kであり、X219が、Hである、態様208~213のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様217.X400が、-GGGGSGG-(配列番号9404)である、態様208~216のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様218.IL-7Rαリガンドが、N末端および/またはC末端上に1~5個の隣接グリシンを含む、態様208~217のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様219.リガンドが、配列番号2125~2132のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列または切断アミノ酸配列を含む、態様208~217のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様220.リガンドが、配列番号2125~2132のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号2125~2132のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含み、アミノ酸配列が、独立して、N末端上、C末端上、またはN末端およびC末端の両方の上に1~4個のグリシン(G)(配列番号2045)を含む、態様208~217のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様221.リガンドが、配列番号2125~2132のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、または配列番号2125~2132のうちのいずれか1つの切断アミノ酸配列を含み、アミノ酸配列が、1~5個のアミノ酸置換などの1つ以上のアミノ酸置換を含む、態様208~217のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様222.リガンドが、配列番号2125~2132のうちのいずれか1つのアミノ酸配列との60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超のアミノ酸配列または切断アミノ酸配列類似性を含む、態様208~217のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様223.リガンドが、ファージELISA競合アッセイを使用して決定される10μM未満のIC50でhIL-7Rαサブユニットに結合する、態様208~222のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
態様224.IL-7が結合するIL-7Rαサブユニット上の結合部位とは異なる、IL-7Rαサブユニット上の独自の結合部位に結合する、態様208~223のいずれか1つに記載のIL-7Rαγcリガンド。
以下の実施例は、本開示によって提供される、IL-7Rαγcリガンドを合成する方法、IL-7Rαγc構築物を合成する方法、ならびにIL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγcリガンド構築物の活性を決定する方法、ならびに実験結果を詳細に記載する。以下の実施例はまた、本開示によって提供される、IL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγc構築物の特性を決定するための方法を詳細に記載する。材料および方法の両方に対する多くの修正が、本発明の範囲から逸脱することなく実践され得ることは、当業者には明白であろう。
実施例では、IL-7Rαサブユニットは、ヒトIL-7Rα(CD127タンパク質、Fcタグ)(21~236)、アクセッション番号P16871-1を指し、ACRObiosystems,Inc.から製品番号ILB-H5258で入手された。
Rγcサブユニットは、ヒトRγc(CD132タンパク質、Fcタグ)(23~254)、アクセッション番号AAH14972を指し、ACRObiosystems,Inc.から製品番号ILG-H5256で入手された。
実施例1
IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドの化学合成
2-クロロトリチル樹脂(1g、1.5mmole/g、Anaspec製)をDMFで洗浄し(2回)、次いで、50mLのDMF中で10分間静置させた。膨張した樹脂を、0.5MでDMF中に溶解された5当量のアミノ酸および5当量のHATUから調製されたFmoc-グリシンの活性化溶液で処理した後、10当量のDIEAを添加し、混合物を25℃で30分間穏やかに撹拌した。樹脂を洗浄し(DMF、THF、DCM、およびMeOH)、乾燥させて、Fmoc保護樹脂を得た。次いで、Fmoc基を、DMF中の30%ピペリジンで樹脂を穏やかに20分間振とうし、続いて洗浄(DMF、THF、DCM、およびMeOH)し、乾燥させることによって除去した。次いで、樹脂を、HATU活性化によるFmoc-アミノ酸カップリング、およびピペリジンによるFmoc除去の反復サイクルに供し、所望のアミノ酸配列を構築した。配列内の4つのシステイン残基を用いた例を除いて、標準的な95%TFA不安定アミノ酸側鎖保護基を使用した。4つのシステインを有する化合物に関して、樹脂の近位にある2つのシステイン残基については、Trt保護を使用し、樹脂の遠位にある2つのシステイン残基については、Acm保護を使用した。二量体配列の最終アミノ酸からFmocを除去した後、場合によっては、末端アミン基をDMF中の無水酢酸(10当量)およびDIEA(20当量)で20分間アシル化し、続いて上記のように洗浄した。
完成したペプチドを、25℃で3時間のTFA(95体積%)、水(2.5体積%)、およびトリイソプロピルシラン(2.5体積%)の溶液中の懸濁によって、樹脂から切断した。TFA溶液を、5℃まで冷却し、EtO中に注ぎ、ペプチドを沈殿させた。濾過および減圧下での乾燥により、所望のペプチドを得た。C18カラムを用いた分取HPLCを介した精製により、還元状態の2つのC末端チオール基を有する純粋なペプチドを得た。このペプチドを20%DMSO/水(1mg乾燥重量ペプチド/mL)中に溶解し、25℃で36時間静置させ、次いで、逆相HPLCにより精製して、ジスルフィド架橋によって連結された2つのC末端チオールを有するペプチドを提供した。4つのシステインを含有する化合物では、次いで、2つのN末端Acm保護システイン残基を、0.1mmoleのペプチドを50%酢酸/HOおよび2.5mLの1M HCl中に溶解させ、窒素雰囲気下で撹拌しながら、5mLの0.1Mヨウ素(氷酢酸中、5当量)を滴加して添加することにより、脱保護した。脱保護/酸化反応を、完全な反応を確実にするために、頻繁にモニタリング(分析HPLC)しながら25℃で2時間進行させた。反応を、氷冷ジエチルエーテル(9体積当量)を添加することによって停止した。得られた溶液をドライアイス上で冷却し(3分)、エーテル溶液を慎重にデカントし、得られた淡黄色の固体を分取逆相HPLC(95%)によって精製して、IL-7RαおよびRγcリガンドを有する最終的なペプチド二量体を得た。
実施例2
クリックケミストリーを使用したIL-7Rαγcリガンドの合成
IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドのペプチド配列を、実施例1に記載の標準的な固相合成条件およびFmoc保護アミノ酸を使用して別々に合成した。
Rinkアミド-MBHA樹脂(1g、1.5mmole/g、Anaspec)をDMFで洗浄し(2回)、次いで、50mLのDMF中で10分間静置させた。膨張した樹脂の別々の部分を、DMF中に0.5Mで溶解された5当量のアミノ酸および5当量のHATUから調製されたFmoc-プロパルギルグリシン(IL-7Rαリガンド)または2-(Fmoc-NH)-5-アジド-ペンタン酸(Rγcリガンド)の活性化溶液のいずれかで処理し、続いて10当量のDIEAを添加し、混合物を25℃で30分間穏やかに撹拌した。樹脂を洗浄し(DMF、THF、DCM、およびMeOH)、乾燥させて、Fmoc保護樹脂を得た。次いで、Fmoc基を、DMF中の30%ピペリジンで樹脂を穏やかに20分間振とうし、続いて洗浄(DMF、THF、DCM、およびMeOH)し、乾燥させることによって除去した。次いで、樹脂を、HATU活性化によるFmoc-アミノ酸カップリング、およびピペリジンによるFmoc除去の反復サイクルに供して、所望のRγcリガンドアミノ酸配列および所望のIL-7Rαリガンドアミノ酸配列を得た。標準的な95%TFA不安定アミノ酸側鎖保護基をすべての残基に使用した。各リガンド配列の最終アミノ酸からFmocを除去した後、末端アミン基を、DMF中の無水酢酸(10当量)およびDIEA(20当量)で20分間アシル化した。
各完成したリガンドを、25℃で3時間のTFA(95%)、水(2.5%)、およびトリイソプロピルシラン(2.5%)の溶液中の懸濁によって、樹脂から切断した。TFA溶液を5℃まで冷却し、EtO中に注ぎ、ペプチドを沈殿させた。減圧下での濾過および乾燥により、所望のリガンドを得た。C18カラムを用いた分取HPLCによる精製により、還元状態の2つのチオール基を有する純粋なペプチドを得た。リガンドを20%DMSO/水(1mg乾燥重量ペプチド/mL)中に別々に溶解し、25℃で36時間静置させ、次いで、逆相HPLCにより精製して、分子内ジスルフィド架橋を介して連結された2つのチオールを有するIL-7RαおよびRγcリガンドを提供した。
精製アルキン含有IL-7Rαリガンドの2.0mM溶液の10分の2(0.2)mLを、1:1のHO/tBuOH中にリガンドを溶解することによって調製した。同様に、精製アジド含有リガンドの0.2mLの2.4mM溶液を、同じ溶媒を使用して調製した。HO中の0.1mLの100mM CuSO、3:1のDMSO/tBuOH中のDIEPA、ピリジン、またはTHPTA(トリス(3-ヒドロキシプロピルトリアゾリルメチル)アミン)などの0.1mLの250mMのCu(I)キレート剤、HO中の0.1mLの0.5Mアスコルビン酸、および0.3mLの3:2のtBuOH/HOとともに、2つのリガンド溶液を組み合わせ、嫌気条件下にて45℃で反応を進行させた。反応の進行をLC/MSによって頻繁にモニタリングし、追加のアジド含有リガンドおよびCuSOを添加して、反応を完了させた。最大量のアルキンが消費された(約3時間)後、約8mLの1:1のHO/ACNの添加によって反応をクエンチし、ペプチド二量体を、分取スケールのC18 HPLCカラムを使用して精製した(95%)。
IL-7RαリガンドおよびRγcリガンドを含む合成ヘテロ二量体の構造が、図13Aおよび13Bに示される。IL-7RαおよびRγcリガンドの末端の構造ならびにヘテロ二量体のためのリンカーの構造が、表1~3に示される。リンカー、アルキニル末端基、およびアジド末端基の構造については、表1~3を参照のこと。配列番号は、隣接アミノ酸がないアミノ酸配列を指す。
実施例3
異なるリガンド付着配向を有するIL-7RαγcリガンドによるTF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化
IL-7Rαγcリガンドを、TF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化の誘導について評価した。TF-1-7α細胞は、共通のγc受容体(Rγc)を天然に発現するが、IL-7Rαを発現しない、成長因子依存性ヒト赤白血病細胞株TF-1(ATCC番号CRL-2003)に由来した。細胞を、ヒト全長IL-7Rαによるトランスフェクションによって、IL-7応答性であるように操作した。より高いレベルのIL-7Rαを発現する細胞株を、IL-7の増殖によって選択し、IL-7RαおよびRγcサブユニットの両方の発現レベルを、qPCR解析によって検証した。
STAT5リン酸化の誘導のための化合物を試験するために、TF-1-7α細胞を、T75フラスコ内の飢餓培地(GM-CSFまたはrhIL-7補足物を含まない、RPMI 1640+2.5g/Lのグルコース+5%FBS+2mMのL-グルタミン+1mMのNaPyr+10mMのHEPES)中で5×10細胞/mLにおいて一晩飢餓させた。翌日、細胞を、96ウェルV底プレートに2×10細胞/ウェルでプレーティングした。飢餓培地中のIL-7Rα/RγcリガンドまたはIL-7の3倍連続希釈液を細胞に添加し、37℃で30分間インキュベートした。10×細胞溶解緩衝液(Cell Signaling Technology #9803)ならびに1×HALTホスファターゼおよびプロテアーゼ阻害剤カクテル(Thermo Fisher #78442)の混合物をウェルに直接添加することによって、細胞抽出物を調製した。プレートを25℃で5分間撹拌して、即時使用のための細胞抽出物を調製したか、または-80℃で保存した。pSTAT5の検出を、PathScan(登録商標)Phospho-Stat5(Tyr694)Sandwich ELISA Kit(Cell Signaling Technology #7113)を使用して実施した。細胞抽出物を、マウス抗ホスホ-STAT5抗体でプレコーティングし、4℃で一晩インキュベートしたマイクロウェルに添加した。次いで、ウェルをPBSで洗浄し、結合したホスホ-STAT5(Tyr694)を、ウサギ抗STAT5検出抗体を添加し、37℃で1時間インキュベートすることによって検出した。ウェルをPBSで洗浄し、抗ウサギIgG HRP連結抗体を各ウェルに添加した。最終洗浄後、TMB基質溶液を添加して、各ウェル内のHRPの量を測定した。450nmにおける吸光度を、マイクロプレートリーダーで読み取った。生成されたシグナルは、各細胞抽出物中のリン酸化STAT5の量に比例する。
結果が、図2に提示される。図2で評価されたIL-7Rαγcリガンドの構造が、図13A~13Bに提供される。
実施例4
IL-7Rαγcリガンドを組み込む組換え融合タンパク質
哺乳動物発現ベクターを構築して、完全長ヒトIgG、またはヒトIgG2の重鎖およびヒンジ領域のCH2およびCH3ドメインからなるFc断片に連結されたIL-7Rαγcリガンドを発現した。各ベクターは、強力な構成的プロモーター(CMVまたはhEF1-HTLV)および融合タンパク質を培養培地中に分泌するためのIL-2シグナルペプチド配列を含んだ。ベクターは、ペプチドリガンドが、免疫グロブリンタンパク質のN末端またはC末端のいずれかに融合することを可能にし、IL-7RαγcリガンドとIgGとの間に様々な長さの構築物リンカーを組み込むように設計された。融合タンパク質を、ポリエチレンイミン試薬PEI MAX(Polysciences,Inc)を使用して細胞内にプラスミドDNAをトランスフェクトすることによって、293ヒト胎児腎臓細胞(FreeStyle(登録商標)293-F)において一過性に発現させた。トランスフェクトされた細胞を、125rpmで回転するオービタルシェーカー上の37℃加湿COインキュベーターにおけるシェーカーフラスコ内のFreeStyle(登録商標)293発現培地(ThermoFisher)中で増殖させた。培養物を、遠心分離によってトランスフェクションの96時間後に回収し、分泌された融合タンパク質を、プロテインA親和性クロマトグラフィーを使用して上清から精製した。
プロテインAアガロース樹脂を、培養上清と混合し、室温で数時間インキュベートした。次いで、樹脂をPBSで3回洗浄し、結合したIgG IL-7Rα/Rγcリガンド融合物を、0.1Mのグリシン緩衝液(pH2.8)で溶出した。溶出物を1Mのトリス緩衝液で中和し、NanoDrop(登録商標)分光光度計を使用して280nmにおける吸光度を測定することによって定量した。タンパク質の一次配列から導出した計算された吸光係数を使用して、タンパク質濃度を決定した。バイオアッセイにおける融合タンパク質の活性を測定する前に、サイズ排除クロマトグラフィーを使用して、高分子量の不純物を除去した。
実験例で使用されたIL-7Rαγcリガンド融合タンパク質のアミノ酸配列が、図14A~14Dおよび図17A~17Dに提供される。hIgG2 Fc断片は、IgG2重鎖のCH2およびCH3ドメインならびにヒンジ領域からなるFc領域を指す。ヒンジ領域の第1および第2のシステインをセリンで置き換えて、有害なジスルフィド架橋を防止した。Fc領域の最後のアミノ酸(リジン)を、融合安定性のためにアラニンに置き換えた。IgG2 Fc融合構築物のN末端は、Ala-Pro-Leu(InvivoGenベクター由来)を含み得る。
実施例5
IL-7RαγcリガンドによるTF-1 7α細胞およびヒト/カニクイザルPBMCにおけるSTAT5リン酸化
合成ペプチドヘテロ二量体およびFc融合タンパク質を含むIL-7Rαγcリガンドのアゴニスト活性を、TF-1 7Rα細胞ならびに初代ヒトおよびカニクイザル末梢血単核細胞(PBMC)におけるSTAT5リン酸化アッセイで評価した。化合物を細胞とインキュベートし、実施例3に記載の方法を使用して、STAT5リン酸化を濃度の関数として測定した。TF-1 7Rα細胞におけるSTAT5リン酸化アッセイからの結果が、図3、18、および22に提示される。ヒトPBMCにおけるSTAT5リン酸化アッセイの結果が、図4に示され、活性化されたカニクイザルPBMCについては、図19に示される。
図3、4、18、19、および22で評価されたIL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγc融合構築物の構造が、図13、14、17および表4に提供される。
実施例6
IL-7RαγcリガンドによるヒトPBMCからのCD4+およびCD8+細胞の増殖
ヒトPBMCを、密度勾配遠心分離(Lymphoprep(登録商標)、Stemcell Technologies #07811)によってバフィーコートから単離し、T75フラスコ中で3×10細胞/mLにおいてT細胞培地(CTS OpTmizer(登録商標)、ThermoFisher #A1048501)中で一晩培養した。翌日、細胞を新鮮な培地中に再懸濁し、96ウェル細胞培養プレートに5×10細胞/ウェルでプレーティングした。IL-7またはIL-7Rαリガンドのいずれかの3倍連続希釈液を細胞に添加し、37℃で4日間インキュベートした。処理後、細胞を、生存性染料(Live/Dead(登録商標)Fixable Aqua Cell Stain Kit、ThermoFisher #L34965)中で37℃において30分間インキュベートし、その後、次いで、表面抗体染色をPBS+2%FBS中で氷上で30分間実施した。細胞を固定し、氷上で30分間、固定/透過性緩衝液(eBioscience Foxp3/Transcription Staining Buffer Set、ThermoFisher #00-5523-00)で透過処理した。細胞内(Ki-67)染色を、30分間氷上で、透過性緩衝液中で実施し、処理された細胞を、FACS分析の前にPBS+2%FBS中に再懸濁した。CD4およびCD8 T細胞集団を、それぞれ、CD3+CD4+CD8-およびCD3+CD8+CD4-として同定した。
細胞表面および細胞内染色に使用された抗体コンジュゲートが、表5に示される。
Figure 2023514128000151

IL-7RαγcリガンドB(図13A)および配列番号1212を有するhIgG2-Fc IL-7Rα/Rγcリガンド融合タンパク質(図14A)は、CD8+CD4およびCD4+CD8 T細胞におけるKi-67増殖アッセイを使用して決定されるIL-7と同等のEC50を示した。結果が、それぞれ、図5および6に提示される。IL-7RαγcリガンドおよびIL-7Rαγc融合構築物の構造が、図13A~13Bおよび14A~14Dに提供される。
実施例7
ペプチド切断
IL-7Rαサブユニットへの結合に対する配列番号454を有するIL-7RαリガンドのC末端およびN末端アミノ酸切断の影響を調査した。
切断IL-7Rαリガンド配列を、実施例1に記載の標準的な固相合成条件およびFmoc保護アミノ酸を使用して合成した。一連のペプチドを、配列番号454を有するIL-7RαリガンドのC末端からGly-Gly(配列番号9399)、Met-Gly、Gln-Met-Gly(配列番号9431)、またはArg-Gly-Gly(配列番号9432)を省略して、かつN末端からVal、Val-His、Val-His-Arg、または-Val-His-Arg-Ile(配列番号2089)を省略して合成した。切断IL-7Rαリガンドのアミノ酸配列が、表6に示される。
Figure 2023514128000152
合成IL-7RαペプチドリガンドのIL-7Rαへの結合を、競合的結合ELISAを使用して評価した。マイクロタイタープレートウェルを、1μg/mLにおけるIL-7Rα-Fc(CD127タンパク質、Fcタグ、ECD 21-236、ACRObiosystems,Inc、カタログ番号ILA-H5258)で、PBS中でウェル当たり50μLで少なくとも1時間コーティングした。プレートを洗浄緩衝液(200μL、0.05%Tween(登録商標)-20(Sigma)を含有するPBS)で1回洗浄した。ブロッキング緩衝液(1%BSA(BSA画分V、VWRカタログ番号97061-416)を含有するPBS)でウェルを1時間ブロックした。ペプチドの連続希釈液を、最終濃度の2倍において、96ウェルポリプロピレンプレート中のアッセイ緩衝液(0.5%BSAおよび0.05%Tween(登録商標)-20を含有するPBS)中で調製した。配列番号454を有する参照IL-7Rαペプチドリガンドの末端ビオチン化形態を使用して、NeutrAvidin-HRP(NA-HRP、ThermoFisherカタログ番号31030)とのプレ複合体(bnPeptide::NA-HRPと称されるプレ複合体)を作製した。bnPeptide::NA-HRPプレ複合体を、1.5μLの100μMビオチン化ペプチド、2μLのNA-HRP、および11.5PBSを混合することによって調製し、4℃で少なくとも45分間インキュベートした。ウェルを遮断した後、プレートをプレート洗浄機で洗浄し、ペプチドの連続希釈液を添加し(50μL/ウェル)、プレートをプレートシェーカー上で4℃において1時間インキュベートした。bnPeptide:NA-HRPプレ複合体を40nMに希釈し、洗浄することなく、50μLを各アッセイウェルに添加した。プレートを4℃に戻し、45分間インキュベートした。プレート洗浄機および冷たい洗浄緩衝液を使用してプレートを洗浄した。50μLのTMB One Component HRP Microwell基質(TMB、Surmodicsカタログ番号TMBW-1000-01)を、次いで、各ウェルに添加し、ウェルを25℃で1~10分間インキュベートした。50μLの溶液(Surmodicsカタログ番号LSTP-0100-0)を、次いで添加し、プレートを450nmで読み取った。
結果が、図7および図8に示される。
実施例8
アラニンスキャン
一連のペプチドを合成し、2つのシステイン間の各アミノ酸残基をアラニン残基に系統的に置き換えた(Ala-スキャン)。ペプチド配列を、実施例1に記載の標準的な固相合成条件およびFmoc保護アミノ酸を使用して合成した。実施例7に記載の競合的結合アッセイを使用して、IL-7RαとのAla-スキャンペプチドの相互作用を評価した。
ペプチド配列が、表7に提供され、結果が、表8に提示される。
ペプチド配列(配列番号1031~1039)が、表7に提供され、結果が、表8に提示される。
Figure 2023514128000153


Figure 2023514128000154


実施例9
異なるIL-7Rαリガンドによる結合アッセイ
配列番号454を有するIL-7Rαリガンドおよび配列番号402を有するIL-7RαリガンドのIL-7Rα結合部位を特徴付けるために、競合的結合アッセイを使用した。競合的結合ELISAは、実施例7に記載される。この実施例では、配列番号454および配列番号402を有するIL-7RαリガンドのC末端ビオチン化形態を使用して、bnPeptide::NA-HRPプレ複合体を作製した。
図9(bnPeptide::NA-HRP配列番号454)および図10(bnPeptide::NA-HRP配列番号402)に提示される結果は、試験されたIL-7Rαリガンドが互いに競合し、したがって、IL7Rα上の同じ機能部位に結合することを示す。
実施例10
CD-1マウスにおけるIL-7Rαγcリガンド構築物のPK分析
CD-1オスマウスにおいて、IL-7Rαγcリガンド構築物の薬物動態研究を実施した。IL-7Rαγcリガンド構築物(FP14)を、各マウス(n=10)に1mg/kgの単回用量で静脈内投与した。血液試料を、0時間(投与前)で、化合物投与の1時間、2時間、6時間、24時間、48時間、72時間、および96時間後に、血清分離バイアルに収集した。試料を10,000×gで4℃において5分間遠心分離した後、血清を新しいチューブに移した。試料を凍結し、試験前に-80℃で保管した。
TF-1 7Rα STAT5リン酸化バイオアッセイを使用して、血清試料のそれぞれに存在する(FP14)の量を定量した。飢餓培地中の各血清試料または化合物参照標準物質の3倍連続希釈物を細胞に添加し、細胞と30分間インキュベートした。細胞抽出物を調製し、実施例3に記載されるようにリン酸化STAT5の量を決定した。各血清試料中の(FP14)濃度は、参照標準物質から生成された標準曲線を使用して計算された。
結果が、図11に提示される。
実施例11
IL-7Rαγcリガンドペムブロリズマブ融合タンパク質
IL-7Rαγcリガンドが、実施例4に記載されるように、PD-1(ペムブロリズマブ(FP8)(配列番号1219))を標的とする治療用チェックポイント阻害剤抗体の重鎖のC末端に融合された。構築物が、HEK-293F細胞において対応する軽鎖構築物(配列番号1218)と一過性に共発現され、完全なIgG IL-7Rα/Rγcリガンド融合タンパク質を産生した。
実施例3に記載の方法を使用して、TF-1 7Rα細胞を用いたSTAT5リン酸化アッセイにおいて、ペムブロリズマブIL-7Rαγcリガンド融合タンパク質のアゴニスト活性を測定した。結果が、図12に示される。ペムブロリズマブIL-7Rαγcリガンド融合タンパク質の構造が、図14Bに提供される。IL-7Rαγc融合タンパク質の構造が、図14Bに示される。
実施例12
独自のIL-7Rα結合部位
競合的結合アッセイを実施し、IL-7Rαサブユニット上のIL-7Rαリガンドのための結合部位を特徴付けた。
特定のIL-7Rαリガンドファミリー由来のペプチドを提示する代表的なファージクローンが、マイクロタイターウェル内に固定化されたIL-7Rαサブユニットの細胞外ドメイン(ECD)に結合された。ファージ結合は、合成試験ペプチドの存在下および非存在下で行われ、ファージ提示ペプチドおよび試験ペプチドがIL-7Rαサブユニット上の同じ部位への結合について競合したかどうかを判定した。合成試験ペプチドが、異なるIL-7RαリガンドファミリーからのIL-7Rαリガンドを表すように、ならびに陽性および陰性対照ペプチドを提供するように選択された。
評価されたそれらのファミリー内のIL-7Rαリガンドファミリーおよび特定のIL-7Rαリガンドが、表9に提供される。
Figure 2023514128000155

IL-7Rαリガンドは、10μM未満のhIL-7Rαサブユニットに対する結合親和性(IC50)および100μM超のRγcサブユニットなどの無関係なサイトカイン受容体に対する結合親和性(IC50)を有することができる。
固定化IL-7Rα ECDへのファージ結合を、ファージコートタンパク質に対する抗体(抗ファージ抗体HRPコンジュゲート)で検出し、続いてTMB基質溶液を添加し、マイクロタイタープレートリーダーにおいて吸光度を測定することによって定量した。
試験ペプチドの存在下および非存在下における各ファージ結合のELISAシグナルを比較して、どの合成ペプチドが、IL-7Rαサブユニットへの結合について、どのファージ提示ペプチドと競合したかを判定した。競合的結合(すなわち、交差阻害)を示したペプチド対は、IL-7受容体上の同じ機能部位で結合すると考えられた。結果が、表10に提示される。
Figure 2023514128000156

IL-7Rαリガンドは、IL-7とIL-7Rαサブユニットの結合部位に競合的に結合しなかった。
表10は、リガンドファミリー1、2、3A、および3Bを表すIL-7Rαリガンドが、hIL-7Rαサブユニットへの結合についてそれら自体の間で競合し、したがって、hIL-7Rαサブユニット上の同じ部位で、またはその付近で結合することを示す。
実施例13
独自のRγc結合部位
競合的結合アッセイを実施し、Rγcリガンドについて、およびIL-7RαγcリガンドへのIL-2Rγc結合部位を特徴付けた。
Rγcリガンドについて、IL-2Rγcリガンドファミリー由来のペプチドを提示する代表的なファージクローンが、マイクロタイターウェル内に固定化されたRγcの細胞外ドメイン(ECD)に結合された。ファージ結合は、合成試験ペプチドの存在下および非存在下で行われ、ファージペプチドおよび試験ペプチドがRγc上の同じ部位への結合について競合したかどうかを判定した。合成試験ペプチドが、Rγcリガンドファミリー由来のペプチド、ならびに陽性および陰性対照ペプチドを表すように選択された。
結合Rγcリガンドを評価するために、同様の研究を実施した。評価されたRγcリガンドファミリー配列および特異的なRγcリガンドが、表11に提供される。
Figure 2023514128000157
Rγcリガンドは、10μM未満のRγcサブユニットに対する結合親和性(IC50)および100μM超のIL-2Rβサブユニットに対する結合親和性((IC50)を有した。
固定化Rγc ECDへのファージ結合を、ファージコートタンパク質に対する抗体(抗ファージ抗体HRPコンジュゲート)で検出し、続いてTMB基質溶液を添加し、マイクロタイタープレートリーダーにおいて吸光度を測定することによって定量した。
試験ペプチドの存在下および非存在下における各ファージ結合のELISAシグナルを比較して、どの合成ペプチドが、Rγcサブユニットへの結合について、どのファージペプチドと競合したかを判定した。競合的結合(すなわち、交差阻害)を示したペプチド対は、IL-7R上の同じ機能部位で結合すると考えられた。
競合的結合アッセイの結果が、表12に提示される。
Figure 2023514128000158

実施例14
IL-7Rαγcリガンドの競合的結合
配列番号420~434または454を含むIL-7Rαリガンドおよび配列番号2012を有するIL-7RαγcリガンドのIL-7Rα結合部位を特徴付けるために、競合的結合アッセイを使用した。配列番号420~434また454を含むIL-7Rαリガンドは、カルボキシル末端上に2つのグリシン(-GG-)(配列番号9399)を有するアミノ酸配列を有するペプチドを含む。
競合的結合ELISAは、実施例7に記載される。この実施例では、IL-7RαリガンドのC末端ビオチン化形態を使用して、bn407::NA-HRPプレ複合体を作製した。
各リガンドのIC50(M)値が、表13に提示される。
Figure 2023514128000159

実施例15
TF-1-7α pSTAT5リン酸化およびIL-7Rαγcリガンドの競合的結合
実施例2に記載のクリック化学を使用してIL-7RαγcリガンドH-Oを合成した。IL-7RαγcリガンドH-Oの構造が、図13Bに示される。
配列番号2064~2073を有するIL-7Rαγcリガンドを、実施例1および2に記載されるように合成した。IL-7Rαγcリガンドの構造が、表14に示される。
Figure 2023514128000160
STAT5リン酸化および競合的結合アッセイを、それぞれ、実施例5および7に記載されるように実施した。結果が、表15に提示される。
Figure 2023514128000161

実施例16
受容体サブユニットへのIL-7Rαγcリガンドの競合結合
競合的結合アッセイを実施し、IL-7RαおよびRγcサブユニットに対するIL-7Rαγcリガンドの親和性を測定した。このアッセイでは、IL-7Rαγc-Fc構築物FP14およびFP66-FP69、ならびに配列番号2012を有するIL-7Rαγcリガンドを評価した。競合的結合ELISAは、実施例7に記載される。各合成ペプチドのC末端ビオチン化形態を使用して、bn407::NA-HRPプレ複合体(IL7Rαリガンド)またはbn1040::NA-HRP(-GGVVCQDWEGVELCWQGGR-、配列番号1040)プレ複合体(Rγcリガンド)からなる受容体サブユニットリガンドを作製した。競合ELISAアッセイの結果が、図20(IL7Rαリガンド)および図21(Rγcリガンド)に示される。
最後に、本明細書に開示される実施形態を実装する代替の方法が存在することに留意すべきである。したがって、本実施形態は例示的なものであり、限定的なものではなく、特許請求の範囲は、本明細書に与えられる詳細に限定されるものではなく、その範囲および均等物内で修正され得る。

Claims (16)

  1. IL-7Rαγcリガンドであって、
    (a)IL-7Rαリガンドであって、
    前記IL-7Rαリガンドが、100μM未満のIC50でヒトIL-7Rαサブユニットに結合し、
    前記IL-7Rαリガンドが、配列番号7、15、40、60、82、87、103、115、121、177、193、210、335、381、384、402、407、582、および655のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む、IL-7Rαリガンドと、
    Figure 2023514128000059


    (b)Rγcリガンドであって、
    前記Rγcリガンドが、100μM未満のIC50でヒトRγcサブユニットに結合し、
    前記Rγcリガンドが、配列番号950~1028のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む、Rγcリガンドと、
    Figure 2023514128000060

    Figure 2023514128000061


    (c)前記IL-7Rαリガンドを前記Rγcリガンドに結合するリンカーと、を含む、IL-7Rαγcリガンド。
  2. 前記リンカーが、ペプチドリンカーを含む、請求項1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
  3. 前記ペプチドリンカーが、(G)n(配列番号9390)、(GS)n(配列番号9391)、(GGS)n(配列番号9392)、(GGGS)n(配列番号9393)、(GGGGS)n(配列番号9394)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択され、nが、1~5の整数である、請求項2に記載のIL-7Rαγcリガンド。
  4. 前記IL-7Rαγcリガンドが、100μM未満のIC50で前記ヒトIL-7Rαサブユニットに、および100μM未満のIC50で前記Rγcサブユニットに結合する、請求項1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
  5. 前記IL-7Rγcリガンドが、TF-1-7α細胞におけるSTAT5リン酸化について1E10-7M未満のEC50を示す、請求項1に記載のIL-7Rαγcリガンド。
  6. 請求項1に記載のIL-7Rαγcリガンドを含む、化合物。
  7. 前記化合物が、構築物リンカーを介して構築物パートナーに結合された前記IL-7Rαγcリガンドを含む、請求項6に記載の化合物。
  8. 前記構築物リンカーが、((G)(配列番号9380)、(GS)(配列番号9381)、(GGS)(配列番号9382)、(GGGS)(配列番号9383)、(GGGGS)(配列番号9384)、または前述のうちのいずれかの組み合わせから選択され、nが、1~20の整数である、請求項7に記載の化合物。
  9. 前記構築物パートナーが、タンパク質を含む、請求項6に記載の化合物。
  10. 前記構築物パートナーが、Fc断片を含む、請求項7に記載の化合物。
  11. 請求項1に記載のIL-7Rαγcリガンドを含む、医薬組成物。
  12. 請求項6に記載の化合物を含む、医薬組成物。
  13. 患者における疾患を治療する方法であって、治療的有効量の請求項1に記載のIL-7Rαγcリガンドを、そのような治療を必要とする患者に投与することを含み、前記疾患が、がん、自己免疫疾患、炎症性疾患、感染性疾患、およびウイルス性疾患から選択される、方法。
  14. 患者において疾患を治療する方法であって、治療的有効量の請求項6に記載の化合物を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含み、前記疾患が、がん、自己免疫疾患、炎症性疾患、感染性疾患、およびウイルス性疾患から選択される、方法。
  15. 請求項1に記載のIL-7Rαγcリガンドをコードする核酸。
  16. 請求項6に記載の化合物をコードする核酸。
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