JP2023512960A - グラフェンベースの腎疾患治療用組成物 - Google Patents

グラフェンベースの腎疾患治療用組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、グラフェン量子ドットを有効成分として含む慢性腎疾患の予防または治療用薬学的組成物に関し、本発明によるグラフェン量子ドットは、腎線維化関連タンパク質であるフィブロネクチン、コラーゲン1a1、Bax、TGF-β1、Smad2/3およびα-SMAなどの発現を減少させ、E-cadherin、Smad7、MnSOD、およびSOD1の発現を増加させる効果を奏することによって腎線維化を抑制することを確認した。これより、本発明のグラフェン量子ドットは、腎線維化によって誘発される慢性腎疾患に対する治療剤または改善剤の開発分野において有用に用いられるものと期待される。【選択図】図7a

Description

本発明は、グラフェン(Graphene)ベースのナノ物質であるグラフェン量子ドット(Graphene quantum dots,GQDs)を含む腎疾患を治療するための薬学的組成物に関する。
本発明は、2020年02月05日に出願された韓国特許出願第10-2020-0013989号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書および図面に開示されたすべての内容は、本出願に援用される。
腎臓は、身体の恒常性を維持するのに重要な役割をする。体液の体積、血液内イオン濃度およびpHを調節し、代謝廃棄物、毒素および薬物のような老廃物を排出し、血圧制御、代謝および内分泌機能を行う。また、腎臓は、ビタミンDを活性化して小腸でカルシウムの吸収を助け、多様なホルモンの合成に関与する。
腎疾患は、腎臓の全般的な機能が低くなったり、腎臓が分泌、制御、代謝および内分泌機能を正常に行わないことによって発生する異常状態を意味し、慢性腎疾患および急性腎疾患に分類される。
慢性腎疾患は、心血管疾患の発病率と死亡率が年齢対照群より10倍以上高い深刻な疾患であって、最近になって、この疾患を持っている患者が幾何級数的に増加している。
慢性腎疾患は、数ヶ月または数年間腎機能が次第に喪失することを意味する。慢性腎疾患は、心血管疾患、高血圧、糖尿病、糸球体腎炎、多発性嚢胞腎および腎臓移植拒否反応など多様な原因によって発生する。
腎臓損傷は、TGF-β、EGF(Epidermal Growth Factor)およびPDGF(Platelet Derived Growth Factor)のようなサイトカイン/成長因子の放出に関連し、TGF-β発現の増加は、腎線維化につながる。TGF-β1は、線維芽細胞の活性を促進し、TGF-β受容体と相互作用することによって、基質発現を誘導する。
糸球体硬化症および尿細管の萎縮、間質性線維化は、慢性腎疾患の共通の兆候である。また、細胞外マトリックス(基質)成分の過度な蓄積および沈着が発生する。慢性腎臓病は、結果的に末期腎不全につながって、透析または腎臓移植を必要とすることになる。しかしながら、まだ慢性腎臓病の悪化を遅らせる治療法はないのが現状である。
一方、腎疾患を治療するための多くの天然物や化学薬品などが提示されているが、現在治療効能が制限されている。新しい治療剤として生命科学でのナノ物質の適用に対する研究が多く進行しているが、グラフェンベースのナノ物質を応用して腎疾患を治療する技術は提示されていない。
本発明者らは、慢性腎疾患を治療するための、または腎線維化を抑制するための最適化したグラフェンベースのナノ物質を開発しようとし、グラフェン量子ドットが慢性腎疾患で腎線維化を抑制することを確認することによって、本発明を完成した。
これより、本発明の目的は、グラフェン量子ドットを有効成分として含む慢性腎疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供することにある。
しかしながら、本発明が解決しようとする技術的課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていない他の課題は、以下の記載から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が明確に理解できる。
上記のような目的を達成するために、本発明は、グラフェン量子ドットを有効成分として含む慢性腎疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
本発明の一具現例として、前記慢性腎疾患は、腎線維化によって誘発されるものでありうる。
本発明の他の具現例として、前記慢性腎疾患は、末期腎疾患(End-Stage Kidney Disease;ESKD)、糖尿病性腎症(Diabetic Nephropathy;DN)、IgA腎症(IgA Nephropathy;IgAN)、HIV関連腎症、非糖尿病性慢性腎疾患(Non-diabetic Chronic Kidney Disease)、巣状分節状糸球体硬化症(Focal Segmental Glomerulosclerosis;FSGS)、微小変化型疾患(Minimal change disease;MCD)およびキサンチンオキシダーゼ欠損症からなる群から選ばれる一つ以上でありうる。
本発明のさらに他の具現例として、前記組成物は、フィブロネクチン(Fibronectin)、コラーゲン1a1(collagen 1a1)、Bcl-2関連Xタンパク質(Bcl-2-associated X protein;Bax)、トランスフォーミング増殖因子β1(Transforming growth factor-β1;TGF-β1)、Smad2/3およびα-平滑筋アクチン(α-smooth muscle actin;α-SMA)からなる群から選ばれる一つ以上のタンパク質の発現を減少させるものでありうる。
本発明のさらに他の具現例として、前記組成物は、E-カドヘリン(E-cadherin)、Smad7、MnSOD、およびSOD1からなる群から選ばれる一つ以上のタンパク質の発現を増加させるものでありうる。
本発明のさらに他の具現例として、前記グラフェン量子ドットは、平均直径が1~5nmのものでありうる。
本発明のさらに他の具現例として、前記グラフェン量子ドットは、平均高さが0.5~2.5nmのものでありうる。
また、本発明は、グラフェン量子ドットを有効成分として含む薬学的組成物を個体に投与する段階を含む、慢性腎疾患の予防、改善または治療方法を提供する。
また、本発明は、グラフェン量子ドットを有効成分として含む薬学的組成物の、慢性腎疾患の予防、改善または治療用途を提供する。
また、本発明は、グラフェン量子ドットの、慢性腎疾患の予防、改善または治療に用いられる薬剤を生産するための用途を提供する。
本発明によるグラフェン量子ドットを有効成分として含む薬学的組成物は、慢性腎疾患マウスモデルで腎線維化関連タンパク質であるフィブロネクチン、コラーゲン1a1、Bax、TGF-β1、Smad2/3およびα-SMAなどの発現を減少させ、E-cadherin、Smad7、MnSODおよびSOD1の発現を増加させることを確認して、腎線維化を抑制することを確認した。これより、本発明のグラフェン量子ドットは、腎線維化によって誘発される慢性腎疾患の予防および治療に有用に用いられると期待される。
図1aは、本発明の一具現例によるグラフェン量子ドット合成の概略図を示す図である。 図1bは、本発明の一具現例によるグラフェン量子ドットの代表的なHR-TEMイメージおよびサイズ分布を示す図である。 図1cは、本発明の一具現例によるグラフェン量子ドットの代表的なAFMイメージおよび高さ分布を示す図である。 図1dは、本発明の一具現例によるFT-IRを用いて官能基の種類を確認(左側)およびラマン分光器を用いたラマン効果を確認した図(右側)である。 図2は、本発明の一具現例による片側尿管閉塞腎線維化マウスモデルでグラフェン量子ドットの投与後、腎臓組織の尿細管萎縮抑制効果をPAS(Periodic Acid-Schiff)染色法を通じて測定した結果を示す図である。 図3aは、本発明の一具現例による片側尿管閉塞腎線維化マウスモデルでグラフェン量子ドットの投与後、腎臓組織のコラーゲン沈着抑制効果をシリウスレッド(Sirius Red)、MT(Masson’s trichrome)および免疫組織化学(IHC)染色法を通じて測定した結果を示す図である。 図3bは、本発明の一具現例による片側尿管閉塞腎線維化マウスモデルでグラフェン量子ドットの投与後、腎線維化が進行される間、関連タンパク質発現の変化をqRT-PCRを通じて測定した結果を示す図である。 図3cは、本発明の一具現例による片側尿管閉塞腎線維化マウスモデルでグラフェン量子ドットの投与後、腎線維化が進行される間、関連タンパク質発現の変化をウェスタンブロットを通じて測定した結果を示す図である。 図4aおよび図4bは、本発明の一具現例による片側尿管閉塞腎線維化マウスモデルでグラフェン量子ドットの投与後、TGF-β1/Smadシグナル伝達の改善効果を免疫組織化学(IHC)を通じて測定した結果を示す図である。 図4cは、本発明の一具現例による片側尿管閉塞腎線維化マウスモデルでグラフェン量子ドットの投与後TGF-β1/Smadシグナル伝達の改善効果をqRT-PCRを通じて測定した結果を示す図である。 図4dおよび図4eは、本発明の一具現例による片側尿管閉塞腎線維化マウスモデルでグラフェン量子ドットの投与後、TGF-β1/Smadシグナル伝達の改善効果をウェスタンブロットを通じて測定した結果を示す図である。 図5aおよび図5bは、本発明の一具現例による片側尿管閉塞腎線維化マウスモデルで腎線維化の進行中にグラフェン量子ドットのapoptosis抑制効果をTUNEL分析を通じて測定した結果を示す図である。 図5cは、本発明の一具現例による片側尿管閉塞腎線維化マウスモデルで腎線維化の進行中にグラフェン量子ドットのapoptosis抑制効果をqRT-PCRを通じて測定した結果を示す図である。 図5dおよび図5eは、本発明の一具現例による片側尿管閉塞腎線維化マウスモデルで腎線維化の進行中にグラフェン量子ドットのapoptosis抑制効果をウェスタンブロットを通じて測定した結果を示す図である。 図5fは、本発明の一具現例による片側尿管閉塞腎線維化マウスモデルで腎線維化の進行中にグラフェン量子ドットの腎臓損傷保護効果を免疫蛍光(IF)分析を通じて測定した結果を示す図である。 図6aおよび図6bは、本発明の一具現例による片側尿管閉塞腎線維化マウスモデルで腎線維化の進行中にグラフェン量子ドットの酸化的ストレス抑制効果を確認するために、8-OHdGおよびMnSOD発現レベルを免疫組織化学(IHC)を通じて測定した結果を示す図である。 図6cは、本発明の一具現例による片側尿管閉塞腎線維化マウスモデルで腎線維化の進行中にグラフェン量子ドットの酸化的ストレス抑制効果を確認するために、SOD1発現レベルをqRT-PCRを通じて測定した結果を示す図である。 図7aおよび図7bは、本発明の一具現例による片側虚血再灌流進行性腎損傷マウスモデルでグラフェン量子ドットによる腎臓のサイズおよび体重の変化を測定した結果を示す図である。 図8は、本発明の一具現例による片側虚血再灌流進行性腎損傷マウスモデルでグラフェン量子ドットによる腎臓組織の尿細管萎縮抑制効果をPAS(Periodic Acid-Schiff)染色法を通じて測定した結果を示す図である。 図9は、本発明の一具現例による片側虚血再灌流進行性腎損傷マウスモデルでグラフェン量子ドットによるコラーゲン沈着抑制効果をMT(Masson’s trichrome)染色法を通じて測定した結果を示す図である。 図10は、本発明の一具現例による片側虚血再灌流進行性腎損傷マウスモデルでグラフェン量子ドットによるTGF-β1の発現変化を免疫組織化学(IHC)を通じて測定した結果を示す図である。 図11は、本発明の一具現例による片側虚血再灌流進行性腎損傷マウスモデルで腎線維化が進行される間、グラフェン量子ドットによる関連タンパク質発現の変化をウェスタンブロットを通じて測定した結果を示す図である。 図12は、本発明の一具現例によるグラフェン量子ドットの組換えTGF-βで誘導されたヒト腎近位尿細管細胞(hPTECs)の線維化抑制効果を細胞の形態学的変化を通じて示す図である。 図13aは、本発明の一具現例による組換えTGF-βで誘導されたヒト腎近位尿細管細胞(hPTECs)でグラフェン量子ドットによる腎線維化関連タンパク質(FNおよびCol 1a1)の発現変化を免疫蛍光(IF)分析を通じて示す図である。 図13bは、本発明の一具現例による組換えTGF-βで誘導されたヒト腎近位尿細管細胞(hPTECs)でグラフェン量子ドットによる腎線維化関連タンパク質(FN,Col 1a1およびE-cad)のmRNA発現変化をqRT-PCRを通じて示す図である。 図14aおよび図14bは、本発明の一具現例による組換えTGF-βで誘導されたヒト腎近位尿細管細胞(hPTECs)でグラフェン量子ドットによるapoptosis抑制効果をAnnexin V/7-Amino-Actinomycin D(7-AAD)のフローサイトメトリー(flow cytometry)を通じて示す図である。
本発明は、グラフェン量子ドットを有効成分として含む慢性腎疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
本発明において使用される用語「グラフェン」は、複数個の炭素原子が互いに共有結合で連結されて多環式芳香族分子を形成したものを意味し、前記共有結合で連結された炭素原子は、基本反復単位として6員環を形成するが、5員環および/または7員環をさらに含むことも可能である。
本発明において使用される用語「グラフェン量子ドット(graphene quantum dots,GQDs)」は、ナノサイズの断片を有するグラフェンを意味する。
本発明のグラフェン量子ドットは、固体または液体形態で存在することができる。溶媒和物は、非水性溶媒、例えばエタノール、イソプロパノール、DMSO、酢酸、エタノールアミンおよびエチルアセテートを含んでもよく、または結晶質格子に混入される溶媒として水を含んでもよい。水が結晶質格子内に混入した溶媒である溶媒和物は、典型的に「水和物」と称される。本発明は、このようなすべての溶媒和物を含む。
本発明において、前記慢性腎疾患は、腎線維化によって誘発されることができ、前記慢性腎疾患は、末期腎疾患(End-Stage Kidney Disease;ESKD)、糖尿病性腎症(Diabetic Nephropathy;DN)、IgA腎症(IgA Nephropathy;IgAN)、HIV関連腎症、非糖尿病性慢性腎疾患(Non-diabetic Chronic Kidney Disease)、巣状分節状糸球体硬化症(Focal Segmental Glomerulosclerosis;FSGS)、微小変化型疾患(Minimal change disease;MCD)およびキサンチンオキシダーゼ欠損症からなる群から選ばれる一つ以上であってもよいが、これに制限されない。
本発明による薬学的組成物は、薬学的組成物の製造に通常使用する適切な担体、賦形剤および希釈剤をさらに含んでもよい。前記賦形剤は、例えば、希釈剤、結合剤、崩解剤、滑沢剤、吸着剤、保湿剤、フィルムコーティング物質、および放出制御添加剤からなる群から選ばれた一つ以上でありうる。
本発明による薬学的組成物は、それぞれ通常の方法によって散剤、顆粒剤、徐放性顆粒剤、腸溶性顆粒剤、液剤、点眼剤、エリキシル剤、乳剤、懸濁液剤、酒精剤、トローチ剤、芳香水剤、リモナーデ剤、錠剤、徐放性錠剤、腸溶性錠剤、舌下錠、硬質カプセル剤、軟質カプセル剤、徐放性カプセル剤、腸溶性カプセル剤、丸剤、チンキ剤、軟エキス剤、乾燥エキス剤、流動エキス剤、注射剤、カプセル剤、灌流液、硬膏剤、ローション剤、パスタ剤、噴霧剤、吸入剤、パッチ剤、滅菌注射溶液、またはエアロゾルなどの外用剤などの形態に剤形化して使用でき、前記外用剤は、クリーム、ゲル、パッチ、噴霧剤、軟膏剤、硬膏剤、ローション剤、リニメント剤、パスタ剤またはカタプラズマ剤などの剤形を有することができる。
本発明による薬学的組成物に含まれ得る担体、賦形剤および希釈剤としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、オリゴ糖、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、デンプン、アカシアガム、アルギネート、ゼラチン、カルシウムホスフェート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾアート、プロピルヒドロキシベンゾアート、タルク、マグネシウムステアレートおよび鉱物油が挙げられる。
製剤化する場合には、通常使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を使って調製される。
本発明による錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤の添加剤としてトウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、小麦デンプン、乳糖、白糖、ブドウ糖、果糖、 D-マンニトール、沈降炭酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム、リン酸一水素カルシウム、硫酸カルシウム、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、精製ラノリン、微結晶セルロース、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カオリン、ヨウ素、コロイド状シリカゲル、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース1928、2208、2906、2910、プロピレングリコール、カゼイン、乳酸カルシウム、プリモジェルなど賦形剤;ゼラチン、アラビアガム、エタノール、寒天粉、酢酸フタル酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ブドウ糖、精製水、カゼインナトリウム、グリセリン、ステアリン酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、微結晶セルロース、デキストリン、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシメチルセルロース、精製セラック、デンプン糊、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの結合剤が使用でき、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トウモロコシデンプン、寒天粉、メチルセルロース、ベントナイト、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クエン酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、無水ケイ酸、 L-ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、イオン交換樹脂、酢酸ポリビニル、ホルムアルデヒド処理カゼインおよびゼラチン、アルギン酸、アミロース、グアーガム(Guar gum)、重曹、ポリビニルピロリドン、リン酸カルシウム、ゲル化デンプン、アラビアガム、アミロペクチン、ペクチン、ポリリン酸ナトリウム、エチルセルロース、白糖、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、 D-ソルビトール液、硬質無水ケイ酸など崩解剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、水素化植物油(Hydrogenated vegetable oil)、タルク、石松子、カオリン、ワセリン、ステアリン酸ナトリウム、カカオ脂、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸マグネシウム、ポリエチレングリコール4000、6000、流動パラフィン、水素添加大豆油(Lubri wax)、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリル硫酸ナトリウム、酸化マグネシウム、マクロゴール(Macrogol)、合成ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーン油、パラフィン油、ポリエチレングリコール脂肪酸エーテル、デンプン、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、 DL-ロイシン、硬質無水ケイ酸などの滑沢剤;が使用できる。
本発明による液剤の添加剤としては、水、希塩酸、希硫酸、クエン酸ナトリウム、モノステアリン酸スクロース類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類(ツインエステル)、ポリオキシエチレンモノアルキルエテール類、ラノリンエテール類、ラノリンエステル類 、酢酸、塩酸、アンモニア水、炭酸アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、プロラミン、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどが使用できる。
本発明によるシロップ剤には、白糖の溶液、他の糖類あるいは甘味剤などが使用でき、必要に応じて芳香剤、着色剤、保存剤、安定剤、懸濁化剤、乳化剤、粘稠剤などが使用できる。
本発明による乳剤には、精製水が使用でき、必要に応じて乳化剤、保存剤、安定剤、芳香剤などが使用できる。
本発明による懸濁剤には、アカシア、トラガカンタ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、1828、2906、2910など懸濁化剤が使用でき、必要に応じて界面活性剤、保存剤、安定剤、着色剤、芳香剤が使用できる。
本発明による注射剤には、注射用蒸留水、0.9%塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロース+塩化ナトリウム注射液、ピイジー(PEG)、乳酸リンゲル注射液、エタノール、プロピレングリコール、非揮発性油-ゴマ油、綿実油、落花生油、ダイズ油、とうもろこし油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸ベンゼンのような溶剤;安息香酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ヨウ素、ウレタン、モノエチルアセトアミド、ブタゾリジン、プロピレングリコール、ツイン類、ニコチン酸アミド、ヘキサミン、ジメチルアセトアミドのような溶解補助剤;弱酸およびその塩(酢酸と酢酸ナトリウム)、弱塩基およびその塩(アンモニアおよび酢酸アンモニウム)、有機化合物、タンパク質、アルブミン、ペプトン、ガム類のような緩衝剤;塩化ナトリウムのような等張剤;重亜硫酸ナトリウム(NaHSO)二酸化炭素ガス、メタ重亜硫酸ナトリウム(Na)、亜硫酸ナトリウム(NaSO)、窒素ガス(N)、エチレンジアミンテトラ酢酸のような安定剤;ソジウムビサルファイト0.1%、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート、チオウレア、エチレンジアミンテトラ酢酸ジナトリウム、アセトンソジウムビサルファイトのような硫酸化剤;ベンジルアルコール、クロロブタノール、塩酸プロカイン、ブドウ糖、グルコン酸カルシウムのような無痛化剤;CMCナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ツイン80、モノステアリン酸アルミニウムのような懸濁化剤を含んでもよい。
本発明による坐剤には、カカオ脂、ラノリン、ウィテプソル、ポリエチレングリコール、グリセロゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸とオレイン酸の混合物、スバナル(Subanal)、綿実油、落花生油、ヤシ油、カカオバター+コレステロール、レシチン、ラネットワックス、モノステアリン酸グリセロール、ツインまたはスパン、イムハウゼン(Imhausen)、モノレン(モノステアリン酸プロピレングリコール)、グリセリン、アデプスソリダス(Adeps solidus)、ブチラムテゴ-G(Buytyrum Tego-G)、セベスファーマ16(Cebes Pharma 16)、ヘキサライドベース95、コトマー(Cotomar)、ヒドロコテSP、S-70-XXA、S-70-XX75(S-70-XX95)、ヒドロコテ(Hydrokote)25、ヒドロコテ711、イドロポスタル(Idropostal)、マッサエストラリウム(Massa estrarium、A、AS、B、C、D、E、I、T)、マッサ-MF、マスポール、マスポール-15、ネオスポスタル-N、パラマウント-B、スポシロ(OSI、OSIX、A、B、C、D、H、L)、坐剤基剤IVタイプ(AB、B、A、BC、BBG、E、BGF、C、D、299)、スポスタル(N、Es)、ウェコビー(W、R、S、M、Fs)、テゲスタートリグリセライド基剤(TG-95、MA、57)のような基剤が使用できる。
経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は、前記抽出物に少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、デンプン、カルシウムカーボネート(calcium carbonate)、スクロース(sucrose)またはラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混ぜて調製される。また、単純な賦形剤以外に、マグネシウムステアレート、タルクのような潤滑剤も使用される。
経口投与のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などが該当するが、頻用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィン以外に様々な賦形剤、例えば湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれ得る。非経口投与のための製剤には、滅菌水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁剤としては、プロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物油、エチルオレートのような注射可能なエステルなどが使用できる。
本発明による薬学的組成物は、薬学的に有効な量で投与する。本発明において、「薬学的に有効な量」は、医学的治療に適用可能な合理的なベネフィット/リスクの割合で疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効用量レベルは、患者疾患の種類、重症度、薬物の活性、薬物に対する感度、投与時間、投与経路および排出比率、治療期間、同時使用される薬物を含む要素およびその他医学分野によく知られた要素によって決定できる。
本発明による薬学的組成物は、個別治療剤として投与したり他の治療剤と併用して投与でき、従来の治療剤とは順次にまたは同時に投与でき、単一または多重投与できる。上記した要素を全部考慮して副作用なしで最小限の量で最大効果を得ることができる量を投与することが重要であり、これは、本発明の属する技術分野における通常の技術者によって容易に決定できる。
本発明の薬学的組成物は、個体に多様な経路で投与できる。投与のすべての方式は、予想され得るが、例えば、経口服用、皮下注射、腹腔投与、静脈注射、筋肉注射、脊髄の周囲空間(硬膜内)注射、舌下投与、頬粘膜投与、直腸内挿入、膣内挿入、眼球投与、耳投与、鼻腔投与、吸入、口または鼻を通した噴霧、皮膚投与、経皮投与などにより投与できる。
本発明の薬学的組成物は、治療する疾患、投与経路、患者の年齢、性別、体重および疾患の重症度等などの様々な関連因子とともに、活性成分である薬物の種類によって決定される。
本発明において「個体」とは、病気の治療を必要とする対象を意味し、より具体的には、ヒトまたは非ヒトである霊長類、マウス(mouse)、ラット(rat)、イヌ、ネコ、ウマ、およびウシなどの哺乳類を意味する。
本発明において「投与」とは、任意の適切な方法で個体に所定の本発明の組成物を提供することを意味する。
本発明において「予防」とは、目的する疾患の発病を抑制したり遅延させるすべての行為を意味し、「治療」とは、本発明による薬学的組成物の投与により目的する疾患とそれによる代謝異常症状が好転したり有益に変更されるすべての行為を意味し、「改善」とは、本発明による組成物の投与により目的する疾患に関連したパラメーター、例えば症状の程度を減少させるすべての行為を意味する。
本発明による薬学的組成物において、治療的有効量は、特に制限されるものではないが、好ましくは、5mg/kg~50mg/kgであってもよく、より好ましくは、10mg/kg~40mg/kgであってもよく、最も好ましくは、20mg/kg~30mg/kgであってもよい。
本発明において、前記組成物は、フィブロネクチン(Fibronectin)、コラーゲン1a1(collagen 1a1)、Bcl-2関連Xタンパク質(Bcl-2-associated X protein;Bax)、トランスフォーミング増殖因子β1(Transforming growth factor-β1;TGF-β1)、Smad2/3およびα-平滑筋アクチン(α-smooth muscle actin;α-SMA)からなる群から選ばれる一つ以上のタンパク質の発現を減少させることによって、腎線維化で誘発される慢性腎疾患を予防または治療することができる。
本発明において、前記組成物は、E-カドヘリン(E-cadherin)、Smad7、MnSODおよびSOD1からなる群から選ばれる一つ以上のタンパク質の発現を増加させることによって、腎線維化で誘発される慢性腎疾患を予防または治療することができる。
本発明において、「フィブロネクチン(Fibronectin)」は、膜貫通受容体タンパク質であるインテグリン(integrin)に結合する細胞外基質の糖タンパク質であり、線維芽細胞(fibroblast)の活性によって主に発現することが知られており、多様な臓器の線維化過程の初期に主に発現する。
本発明において、「α-平滑筋アクチン(α-smooth muscle actin;α-SMA)」は、α-アクチン-2、SMactin、またはASMAと知られており、ACTA2遺伝子によって発現するタンパク質であり、すべての種類の臓器の線維化で筋線維芽細胞(myofibroblast)の活性化を示す分子マーカーである。
本発明において、「E-カドヘリン(E-cadherin)」は、細胞接着分子の一つであり、細胞間接着するための接着連接(adherens junction)を形成するのに重要な役割をする。約720~750個のアミノ酸の長さを有し、小さい細胞質部分、膜貫通部分および巨大な細胞外部分から構成され、線維化を誘導するTGF-β1によって損失され、E-cadherinの損失は、線維化を引き起こすことが知られている。
本発明において、「トランスフォーミング増殖因子β1(Transforming growth factor-β1;TGF-β1)」は、多様な異性体を含む転換成長因子スーパーファミリーに属する多機能サイトカインであり、多くの慢性腎疾患の線維化形態を誘導する主な因子と知られている。
本発明において、「Smad2/3」は、TGF-βsuperfamilyの受容体に対する主なシグナル変換器であり、構造的に類似のタンパク質群を構成する。
本発明において、「Smad7」は、TGF-βシグナル伝達を開始するSmad2/Smad4複合体の形成を防止することによって、TGF-βシグナル伝達を抑制する。これは、活性化されたTGF-βタイプI受容体と相互作用してSmad2の結合、リン酸化および活性化を遮断する。
本発明において「8-ヒドロキシ-2’-デオキシグアノシン(8-hydroxy-2’-deoxyguanosine;8-OHdG)」は、DNAの酸化によって生成されるデオキシグアノシン(Deoxyguanosine)の酸化誘導体であり、細胞内8-OHdGの発現量は、酸化的ストレスのレベルを示す。
本発明において「マンガンスーパーオキシドジスムターゼ(manganese superoxide dismutase;MnSOD」およびスーパーオキシドジスムターゼ1(superoxide dismutase1;SOD1)は、スーパーオキシド(superoxide)を酸素や過酸化水素に変える酵素であり、細胞の酸化的ストレスを解消することが知られている。
本発明において使用される用語「発現(expression)」は、ポリペプチド(polypeptide)が構造遺伝子から生産される過程を指す。前記過程は、遺伝子のmRNAへの転写、およびこのようなmRNAのポリペプチドへの翻訳を含む。
本発明において、mRNA発現量を測定するための分析方法としては、当業界に公知となった方法を用いることができ、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction,PCR)、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(reverse transcription polymerase chain reaction,RT-PCR)、競合逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(Competitive RTPCR)、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(Real-time PCR,quantitative PCR)、RNaseプロテクションアッセイ(RPA;RNase protection assay)、ノーザンブロッティング(Northern blotting)、またはDNAチップなどの方法を用いることができ、本発明の一実施例によれば、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(Real-time PCR,quantitative PCR)を用いてmRNA発現量を測定することができるが、これに制限されない。
本発明において、タンパク質発現量を測定するための分析方法としては、当業界に公知となった方法を用いることができ、例えばウェスタンブロッティング(Western blotting)、イライザ(enzyme linked immunosorbent assay,ELISA)、放射線免疫分析(RIA:Radioimmunoassay)、放射免疫拡散法(radioimmunodiffusion)、オクタロニー(Ouchterlony)免疫拡散法、ロケット(rocket)免疫電気泳動、組織免疫染色、免疫沈降分析法(Immunoprecipitation Assay)、補体固定分析法(Complement Fixation Assay)、フローサイトメトリー(Fluorescence Activated Cell Sorter,FACS)、またはタンパク質チップ(protein chip)などがあるが、これに制限されない。
本発明による薬学的組成物において、前記グラフェン量子ドットは、平均直径(lateral size)が1~5nmであってもよく、平均高さ(height)が0.5~2.5nmであってもよい。
また、本発明は、グラフェン量子ドットを有効成分として含む薬学的組成物を個体に投与する段階を含む、慢性腎疾患の予防、改善または治療方法を提供する。
また、本発明は、グラフェン量子ドットを有効成分として含む薬学的組成物の、慢性腎疾患の予防、改善または治療用途を提供する。
また、本発明は、グラフェン量子ドットの、慢性腎疾患の予防、改善または治療に用いられる薬剤を生産するための用途を提供する。
本発明の一実施例では、グラフェン量子ドットを製造し、グラフェン量子ドットのサイズおよび官能基の種類を確認して、特性を分析した(実施例1参照)。
本発明の一実験例では、片側尿管閉塞モデルで尿細管萎縮抑制、コラーゲン沈着抑制、腎線維化関連タンパク質の発現変化、TGF-β1/Smadシグナル伝達の改善、apoptosisの抑制効果および酸化的ストレス(oxidative stress)抑制効果を分析して、本発明のグラフェン量子ドットの腎線維化抑制効果を確認した(実験例1参照)。
本発明の他の実験例では、片側虚血再灌流モデルで腎臓のサイズと重さの変化、尿細管萎縮抑制、コラーゲン沈着抑制、TGF-β1発現抑制および腎線維化関連タンパク質の発現変化を分析して、本発明のグラフェン量子ドットの腎線維化抑制効果を確認した(実験例2参照)。
本発明のさらに他の実験例では、ヒト腎近位尿細管細胞で細胞の形態学的変化、腎線維化関連タンパク質の発現変化およびapoptosis抑制効果を分析して、本発明のグラフェン量子ドットの腎線維化抑制効果を確認した(実験例3参照)。
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例および実験例を提示する。しかしながら、下記の実施例および実験例は、本発明をより容易に理解するために提供されるものに過ぎず、下記実施例および実験例によって本発明の内容が限定されるものではない。
実施例1.グラフェン量子ドット(Graphene quantum dots,GQDs)の製造
1-1.グラフェン量子ドットの製造
カーボンファイバー(Carbon Fiber)を硫酸と硝酸を3:1の割合で混ぜた強酸溶液に入れた後、80℃で24時間の間加熱した(thermo-oxidation process)。前記溶液を希釈した後、再生ニトロセルロースメンブレン(Cat#:06-680-2G;MWCO 1,000ダルトン;Fisher Sicentific)で透析して、酸を除去し、多孔性無機メンブレンフィルター(Cat#:6809-5002;Whatman-Anodisc 47;GE Healthcare)で真空ろ過した後、凍結乾燥して、パウダー形態のグラフェン量子ドットを製造した。グラフェン量子ドットパウダーは、蒸留水に再分散させて、実験に使用した(図1a)。
1-2.グラフェン量子ドット特性の分析
グラフェン量子ドットの平均形態を測定するために、直径(lateral size)はHR-TEM(high-resolution transmission electron microscopy)で測定し、高さはAFM(force microscopy)で測定し、FT-IR(Fourier-transform infrared spectroscopy)を用いて官能基の種類を確認した。また、ラマン分光器を用いてラマン効果を確認した。
HR-TEMは、使用前に、lacey carbon(01890-F、TedPella,USA)を有する300メッシュ銅TEMグリッド(grid)をグラフェンでコーティングした。希釈したグラフェン量子ドット溶液をグリッド上に落とし、空気中に乾燥させた。グラフェン量子ドットのイメージは、HR-TEM(JEM-3010,JEOL Ltd,Japan)およびGatan Digital Camera(MSC-794)により確認された。グラフェン量子ドットの直径は、Image Jにより測定された。
AFMは、グラフェン量子ドット溶液を1x1 Siウェハーに落として乾燥させて試料を製造し、AFM(Park Systems、水原、韓国)を用いて接触モードで分析した。
FT-IRは、グラフェン量子ドット試料を通常のKBrペレット方法で製造して、スペクトルをFT-IR spectrometer(Nicolet 6700,Thermo Scientific,USA)により測定した。
ラマン効果は、グラフェン量子ドット溶液を1x1 Siウェハーに乾燥させてサンプルを製造し、スペクトルを514nmレーザーでRaman spectrometer(Micro-Raman spectrometer,Renishaw,UK)により測定された。
その結果、グラフェン量子ドットの直径が2.20nm(図1b)、高さが1.42nm(図1c)で測定された。Edge部分にあるカルボキシル基と(C=O)ヒドロキシル基の(O-H)stretchingに該当する波数がそれぞれ1730cm-1、3440cm-1に現れ、グラフェン領域に該当するsp C=C stretchingに該当する波数が1620cm-1で観察された(図1dの左側)。ラマンシフト(Raman shift)を分析した結果、グラフェンのD band(1400cm-1)とG bandが(1600cm-1)確認された(図1dの右側)。
実験例1.片側尿管閉塞(Unilateral Ureteral Obstruction,UUO)モデルでの腎臓組織線維化抑制効果
1-1.動物モデルの製作
7週齢の雄性マウス(C57BL/6 mice)をゾレチル(Zoletil、30mg/kg)とロムプン(Rompun 10mg/kg)を腹腔投与して麻酔させ、左側のわき腹を切開して腎臓を露出させて尿管を探した後、4-0シルクで尿管近位部を1-2mmの間隔で縛った後、その間を切開して、慢性腎臓病動物実験モデルであるマウス片側尿管閉塞(Unilateral Ureteral Obstruction,UUO)モデルを製作した。マウスに前記実施例1によるグラフェン量子ドットを20mg/kg/dayの用量で手術1日前、手術後2日、6日に尾静脈投与後、UUO施術10日にマウスを犠牲させて腎臓を摘出し、腎臓の線維化誘導を観察した。
Sham:正常対照群/vehicle投与;GQDs:正常対照群/GQDs投与;UUO:UUO実験群/vehicle投与;UUO+GQDs:UUO実験群/GQDs投与に群を区分し、対照群は、vehicle(グループ別n=7)。
1-2.尿細管萎縮抑制効果の分析
対照群と実験群において腎線維化程度の差異を確認するために、PAS(Periodic Acid-Schiff)染色法を通じて尿細管の組織学的変化を観察した。
摘出した腎臓を4% paraformaldehydに4℃で24時間の間固定させ、パラフィンに包埋させた。脱水後、パラフィンブロックを4μmセクションに切断した。セクションを60℃で1時間の間オーブンに置いて、キシレンおよびエタノールでパラフィンを除去し、Periodic Acid Schiff Stain Kit(ScyTek;Logan,Utah,USA)の方法によってPAS染色を行った。
その結果、PAS染色からUUO実験群では明白な尿細管萎縮が観察されたが、UUO+GQDs群ではで比較的健全な構造が発見された(図2)。
1-3.コラーゲン沈着抑制効果の分析
対照群と実験群において腎線維化程度の差異を確認するために、シリウスレッド(Sirius Red)およびMT(Masson’s trichrome)染色、コラーゲン1a1(Col 1a1)の免疫組織化学(IHC)を行って、コラーゲン沈着程度を確認した。
腎臓組織サンプルは、実験例1-2の方法と同一に準備し、ScyTek(Logan,Utah,USA)社のシリウスレッドは、Picro-Sirius Red Stain Kit(For Collagen)、MT染色は、Trichrome Stain Kit(Modified Masson’s)の方法によって染色を行った。
免疫組織化学分析のために、上記のように同一に腎臓組織サンプルを準備し、3%過酸化水素(ドクサン;韓国京畿道安山市)および10% goat血清(RD,Minneapolis,MN,USA)で組織セクションで内因性過酸化物酵素および10個の非特異的発現を遮断した。その後、1次抗体であるCol 1a1(Abcam;ab21286)抗体とともに4℃で一晩中インキュベーションして、Col 1a1の発現を評価した。
その結果、UUO実験群対比UUO+GQDs群においてシリウスレッド染色の陽性面積が20%減少し、MT染色およびCol 1a1 IHCでは、約60%の陽性面積の減少が確認されて、グラフェン量子ドットによってコラーゲン蓄積が減少することを確認した(図3a)。
1-4.腎線維化関連タンパク質発現変化の分析
UUOで誘導された腎線維化が進行される間、関連タンパク質の発現変化を分析するために、qRT(quantitative real-time)-PCRおよびウェスタンブロットを行った。
qRT-PCRは、Trizol試薬(Bioline;Luckenwalde,Germany)を用いて製造社の方法によって細胞および組織からトータルRNAを抽出した。RNA抽出物の品質および濃度は、spectrophotometry 260および280nmで測定された。次いで、同一濃度の各サンプルを合成キットおよび増幅装備(C1000TM,Thermal Cycle,BIO-RAD)を用いてcDNAに逆転写させた。同一濃度のcDNAをPCRマスター混合物とともにTaqMan probeまたはSYBR Greenプライマーに添加した後、LightCycler480 instrument II(Roche;Pleasanton,CA,USA)を用いて測定した。各遺伝子の相対的な発現レベルは、comparative threshold(CT)cycle(2-ΔΔCT)を用いて計算された。この実験に使用されたTaqMan probeまたはSYBR Greenプライマー配列は、下記の表1に示された通りである。
Figure 2023512960000002
ウェスタンブロットは、細胞および組織から抽出したタンパク質を電気泳動用タンパク質に製造した後、電気泳動および膜伝達を行った。伝達後、膜を遮断緩衝液で1時間以上インキュベーションした後、4℃で1次抗体FN(Santa cruz,sc-8422)、Col 1a1(Abcam,ab21286)、E-cad(Abcam,ab11512)、α-SMA(Abcam,ab5694)およびGAPDH(Cell signaling technology、2118)とともに一晩中インキュベーションした。次いで、膜をTBST緩衝液で10分間3回洗浄した。次に、膜をanti-rabbit IgG、HRP-linked抗体またはanti-mouse IgG、HRP-linked抗体(全部Cell Signaling Technology;Danvers,MA,USA)を含有する遮断緩衝液で培養した。洗浄後、Luminescent Image Analyzer LAS4000 system(Fuji Film;Dusseldorf,Germany)でwestern Bright ECL kit(Advansta;San Jose,CA,USA)で膜を現像した。
その結果、腎線維化の進行の間、フィブロネクチン(FN)およびcollagen 1a1(Col 1a1)、α-smooth muscle actin(α-SMA)のようなECM(Extracellular matrix)タンパク質のmRNAレベルが顕著に増加した。しかしながら、FN、Col 1a1およびα-SMAは、グラフェン量子ドットの存在下に有意に減少したことが確認された(図3b)。同様に、ウェスタンブロット分析でも、FN、Col 1a1およびα-SMAの発現が減少した。一方、E-cadherinの発現レベルは、グラフェン量子ドットによって増加したが、これは、EMT(epithelial-mesenchymal transition)の抑制が細胞-細胞接着を少なく妨害することを示唆する(図3c)。
1-5.TGF-β1/Smadシグナル伝達の改善効果の分析
TGF-β1/Smadシグナル伝達経路は、主に腎線維症と関連があると知られているので、グラフェン量子ドットがTGF-β1/Smadシグナル伝達に及ぼす影響を確認するために、免疫組織化学(IHC)、qRT-PCRおよびウェスタンブロットを行った。
免疫組織化学は、実験例1-3と同じ方法で行い、1次抗体としては、TGF-β1(Abcam,ab92486)を使用した。
qRT-PCRは、実験例1-4と同じ方法で行い、プライマー配列は、下記の表2に示された通りである。
Figure 2023512960000003
ウェスタンブロットも、実験例1-4と同じ方法で行い、1次抗体は、TGF-β1(Abcam,ab92486)、p-smad2/3(Abcam,ab63399)、smad2/3(Cell signaling technology、8685)、Smad7(Abcam,ab216428)およびGAPDH(Cell signaling technology、2118)を使用した。
その結果、免疫組織化学分析でUUO誘導から10日後、閉塞された腎臓でのTGF-β1の発現は、対照群より顕著に高く、グラフェン量子ドットの投与群では、TGF-β1の陽性染色された領域が30%が減少した(図4aおよび図4b)。グラフェン量子ドットは、TGF-β1のmRNAレベルも減少させた(図4c)。ウェスタンブロック実験結果、また、TGF-β1/Smadシグナル伝達経路のダウンストリームタンパク質で変化が観察された。グラフェン量子ドットの投与によって、ECMタンパク質の生成を促進するp-Smad2/3のレベルが30%減少した。一方、Smad2/3複合体の活性化を妨害するSmad7は、グラフェン量子ドットの投与によって1.5倍増加した(図4dおよび図4e)。したがって、グラフェン量子ドットがTGF-β1/Smadシグナル伝達経路に対する全般的な調節を通じてECMタンパク質の過剰形成を抑制することを確認した。
1-6.腎線維化の進行中にapoptosis抑制効果および腎臓損傷保護効果の分析
グラフェン量子ドットのapoptosis抑制効果を確認するために、TUNEL分析、qRT-PCR、ウェスタンブロットおよび免疫蛍光(Immunofluorescence,IF)分析を実施した。
TUNEL分析は、apoptosis検出キット(ApopTag(登録商標)Plus Peroxidase In Situ Apoptosis Kit,Merck Millipore;Billerica,MA,USA)を用いて含パラフィン-腎臓組織セクションからTUNEL分析を通じてapoptosisマーカーを検出した。パラフィンセクションからパラフィンを除去し、proteinase K(Dako;Carpinteria,CA,USA)とともにインキュベーションし、セクションを酵素であるterminal deoxynucleotide transferase(TdT、37℃で1時間の間反応バッファーに希釈して使用)とともに37℃で30分間インキュベーションした。そして、anti-digoxigenin(Roche;Mannheim,Germany)と結合した。核は、DAPIで対照染色された。Apoptosisの程度は、それぞれのスライスで×200倍率の視野で観察された無作為に選択された10個の領域のapoptosis細胞の総数を平均化することによって、盲検方式で評価された。
qRT-PCRは、実験例1-4と同じ方法で行い、プライマーおよびプローブ配列は、下記の表3に示された通りである。
Figure 2023512960000004
ウェスタンブロットは、実験例1-4と同じ方法で行い、1次抗体は、Bax(Cell signaling technology、2772)、Bcl2(Thermo Fisher,MA5-11757)およびGAPDH(Cell signaling technology、2118)を使用した。
IF分析は、パラフィン除去、再水和および抗原回復後、腎臓組織切片を抗体希釈緩衝液で1次抗体AQP1(Abcam,ab15080)およびNGAL(Santa cruz,sc-515876)とともに4℃で一晩中インキュベーションした。その後、十分な量のGoat-anti-rabbit Alexa Fluor488およびGoat-anti-mouse Alexa Fluor555(全部Invitrogen;OR,USA)2次抗体を添加してセクションを覆い、30分間暗所で室温で培養した。次に、4’,6-Diamidino-2-phenylindole(DAPI)(Thermo Fisher Scientific;Waltham,MA,USA)を含むマウンティング溶液を用いてスライドおよびcounterstainingをマウントした。Confocal microscopy(Leica TCS SP8 STED CW;Wetzlar,Germany)を用いて高画質蛍光イメージを収得した。
その結果、染色されたイメージおよび定量化された結果から示されたように、グラフェン量子ドットの存在は、TUNEL-陽性apoptosis細胞の数を顕著に減少させた(図5aおよび図5b)。
同様に、グラフェン量子ドットは、mRNAとタンパク質レベルの両方でBcl2関連Xタンパク質(Bax)を減少させた(図5c、図5dおよび図5e)。しかしながら、Bcl2には、有意差がなく(図5dおよび図5e)、これは、グラフェン量子ドットが抗apoptosisタンパク質を回復させるものではなく、proapoptotic因子の生成を抑制することによってapoptosisを抑制することを意味する。
尿細管細胞の保存でグラフェン量子ドットの効果を検証するために、neutrophil gelatinase-associated lipocalin(NGAL)およびaquaporin(AQP1)の免疫蛍光(immunofluorescence,IF)染色によって腎臓損傷程度を測定した。NGALは、新しいバイオマーカーであり、急性腎疾患から慢性腎疾患への進行の媒介変数と見ることができる。AQP1は、近位尿細管に位置し、水路として機能をする。実験結果、UUO群では、NGALの顕著な増加とAQP1の損失が観察されたが、グラフェン量子ドットによってNGALおよびAQP1の変化が顕著に弱まったことを確認し(図5f)、これは、近位尿細管の損傷に対するグラフェン量子ドットの保護効果を示唆する。
1-7.酸化的ストレス抑制効果の分析
活性酸素種(reactive oxygen species,ROS)の蓄積は、酸化的ストレスを誘発して線維化を悪化させることが知られているので、グラフェン量子ドットが活性酸素種による酸化的ストレスに及ぼす影響を確認するために、免疫組織化学(IHC)で8-OHdGおよびMnSODの発現を確認し、qRT-PCRでSOD1の発現を確認した。
免疫組織化学は、実験例1-3と同じ方法で行い、1次抗体としては、8OHdG(JaICA;M0G0209)およびMnSOD(Abcam;Ab31533)を使用した。qRT-PCRは、実験例1-4と同じ方法で行い、プライマーおよびプローブ配列は、下記の表5に示された通りである。
Figure 2023512960000005
その結果、UUO実験群対比UUO+GODs群において8-OHdG陽性面積が87%減少したのに対し、MnSOD陽性面積が9倍増加したことが確認され(図6aおよび図6b)、SOD1のmRNA発現は、正常レベルに回復したことが確認された(図6c)。このような結果は、グラフェン量子ドットが活性酸素種を消去するだけでなく、抗酸化剤と活性酸素種の間の均衡を調節することによって、酸化的ストレスを抑制できることを示唆する。
実験例2.片側虚血再灌流(unilateral ischemia-reperfusion injury,UIRI)モデルでの腎臓組織線維化抑制効果
2-1.動物モデルの製作
7週齢の雄性マウス(C57BL/6 mice)をゾレチル(Zoletil、30mg/kg)とロムプン(Rompun 10mg/kg)を腹腔投与して麻酔させ、左側のわき腹を切開して左側腎臓のpedicleを露出させて、microvascular clampで血管を結紮した後、26分後に再灌流をして、片側虚血再灌流(Unilateral IRI)進行性腎損傷マウスモデルを製作した。マウスに前記実施例1によるグラフェン量子ドットを20mg/kgの用量で手術1日前、手術後3日、7日、14日、21日、28日に尾静脈投与後、施術6週後にマウスを犠牲させて腎臓を摘出し、腎臓の線維化誘導を観察した。
Sham:正常対照群/vehicle投与(n=2);GQDs:正常対照群/GQDs投与(n=2);Unilateral IRI:Unilateral IRI実験群/vehicle投与(n=4);Unilateral IRI+GQDs:Unilateral IRI実験群/GQDs投与(n=4)に群を区分し、対照群は、vehicle。
2-2.腎臓のサイズおよび体重変化の分析
腎臓のサイズと重さの減少は、UIRI誘導の代表的な特徴であり、実験結果、UIRI実験群では、左側の腎臓が顕著に萎縮したが、グラフェン量子ドットを投与した群では、萎縮が減少し、重さもUIRI実験群に比べて高く測定されたことが確認された(図7aおよび図7b)。
2-3.尿細管萎縮抑制効果の分析
対照群と実験群において腎線維化程度の差異を確認するために、PAS(Periodic Acid-Schiff)染色法を通じて尿細管の組織学的変化を観察した。
実験方法は、前記実験例1-2と同じ方法で行われた。
その結果、PAS染色からUIRI実験群では、明白な尿細管および糸球体萎縮が観察されたが、UIRI+GQDs群では、損傷が防止されたことが確認された(図8)。
2-4.コラーゲン沈着抑制効果の分析
対照群と実験群において腎線維化程度の差異を確認するために、MT(Masson’s trichrome)染色を行って、コラーゲン沈着程度を確認した。
腎臓組織サンプルは、実験例1-2の方法と同一に準備し、MT染色は、Trichrome Stain Kit(Modified Masson’s)の方法によって染色を行った。
その結果、UIRI実験群では、過度なコラーゲン沈着が確認されたが、UIRI+GQDs群では、コラーゲン蓄積が減少することを確認した(図9)。
2-5.TGF-β1発現変化の分析
対照群と実験群において前線維性(profibrotic)因子であるTGF-β1の発現変化を分析するために、免疫組織化学(IHC)を行った。
免疫組織化学は、実験例1-3と同じ方法で行い、1次抗体としては、TGF-β1(Abcam,ab92486)を使用した。
その結果、UIRI実験群に比べてUIRI+GQDs群においてTGF-β1の発現が減少することを確認した(図10)。
2-6.腎線維化関連タンパク質発現変化の分析
UIRIで誘導された腎線維化が進行される間、関連タンパク質の発現変化を分析するためにウェスタンブロットを行った。
ウェスタンブロットは、前記実験例1-4と同じ方法で進め、1次抗体は、FN(Santa cruz,sc-8422)、Col 1a1(Abcam,ab21286)、α-SMA(Abcam,ab5694)、vimentin(Cell signaling technology、5741)、E-cad(Abcam,ab11512)、TGF-β1(Abcam,ab92486)、Smad7(Abcam,ab216428)およびGAPDH(Cell signaling technology、2118)を使用した。
その結果、UIRI群においてFN、Col 1a1、a-SMA、vimentin(EMTのマーカー)およびTGF-β1の過発現したタンパク質レベルは、グラフェン量子ドットによって有意に弱まった。対照的に、UIRI+GQDsグループにおいてE-cadの回復はEMTの抑制を示し、Smad7の増加したレベルは、TGF-β1/Smadシグナルの調節を意味する。したがって、グラフェン量子ドットは、UIRIによって誘導された腎線維化を抑制する効果があることが確認された(図11)。
実験例3.ヒト腎近位尿細管細胞(human renal proximal tubular cells)での組換えTGF-βで誘導された線維化改善効果
3-1.細胞培養
ヒト腎近位尿細管細胞(human renal proximal tubular cells,hPTECs)の一次培養細胞を継代培養した後、組換えTGF-β(R&D;Minneapolis,MN,USA)2ng/mlを添加してhPTECの細胞線維化モデルを製造した。以後、細胞をグラフェン量子ドット2および10μg/mlの濃度で投与して48時間の間培養した。対照群は、グラフェン量子ドットが細胞に毒性があるか否かを観察するために、グラフェン量子ドットだけで処理された。
3-2.ヒト腎近位尿細管細胞(hPTEC)の形態学的変化の分析
グラフェン量子ドットの組換えTGF-βで誘導されたヒト腎近位尿細管細胞(hPTECs)の線維化抑制効果を確認するために、顕微鏡で細胞の形態学的変化を観察した(MagnificationХ100.Scale bar 200μm)。
その結果、組換えTGF-βで誘導された細胞では、EMT(epithelial-mesenchymal transition)が進行されて、上皮細胞は、筋線維芽細胞に変形されて、防錘型のような細長い形状に変化したことを確認した。しかしながら、グラフェン量子ドットの存在下では、形態が維持され、これは、EMTを抑制することを暗示すると見ることができる(図12)。
3-3.腎線維化関連タンパク質発現変化の分析
対照群と実験群において腎線維化関連タンパク質の発現変化を確認するために、免疫蛍光(Immunofluorescence,IF)分析およびqRT-PCRを行った。
IF分析は、細胞を4%パラホルムアルデヒド(paraformaldehyde)で室温で10分間固定させ、1次抗体Col 1a1(Abcam,ab21286)およびFN(Santa cruz,sc-8422)を1% BSA遮断緩衝剤で4℃の温度で一晩中共同インキュベーションし、Donkey-anti-mouse Alexa Fluor488およびDonkey-anti-goat Alexa Fluor555が結合した2次抗体(全部Life Technologies;Waltham,MA,USA)と結合された。Confocal microscopy(Leica TCS SP8 STED CW;Wetzlar,Germany)を用いて高画質蛍光イメージを収得した。
qRT-PCRは、実験例1-4と同じ方法で行い、プライマー配列は、下記の表5に示された通りである。
Figure 2023512960000006
実験結果、IFイメージに示されたように、組換えTGF-βによるFNおよびCol 1a1の過発現がグラフェン量子ドットによって減少することを確認した(図13a)。FNおよびCol 1a1のmRNAレベルも、グラフェン量子ドット処理群において減少することが確認された。一方、E-cadherinのmRNA発現レベルは、グラフェン量子ドットによって増加したが、これは、EMTが抑制されることを示唆する(図13b)。
3-4.apoptosis抑制効果の分析
組換えTGF-βで誘導されたヒト腎近位尿細管細胞(hPTECs)でグラフェン量子ドットのapoptosis抑制効果を確認するために、Annexin V/7-Amino-Actinomycin D(7-AAD)のフローサイトメトリー(flow cytometry)を行った。
培養されたhPTECsの単一細胞(1X10)を結合緩衝液に再懸濁させ、30分間室温でAnnexin V/7-Amino-Actinomycin D(7-AAD)(FITC Annexin V Apoptosis Detection Kit,BD Bioscience;San Jose,CA,USA)とインキュベーションした。染色後、細胞をBD FACS Canto platform(BD Bioscience;San Jose,CA、35 USA)を用いて分析した。
その結果、組換えTGF-βで誘導されたhPTECsでは、apoptotic細胞の数が顕著に増加したことが確認されたが、グラフェン量子ドット処理群では、有意に減少することを確認した(図14aおよび図14b)。
上述した本発明の説明は、例示のためのものであって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須的な特徴を変更することなく、他の具体的な形態に容易に変形が可能であることが理解することができる。したがって、以上で記述した実施例は、全ての面において例示的なものであり、限定的でないものと理解すべきである。
産業上利用の可能性
本発明によるグラフェン量子ドットを有効成分として含む薬学的組成物は、腎線維化関連タンパク質であるフィブロネクチン、コラーゲン1a1、Bax、TGF-β1、Smad2/3およびα-SMAなどの発現は減少させるのに対し、E-cadherin、Smad7、MnSOD、およびSOD1の発現は増加させることによって腎線維化を抑制することができるので、腎線維化によって誘発される慢性腎疾患の予防および治療に有用に用いられると期待される。

Claims (10)

  1. グラフェン量子ドットを有効成分として含む慢性腎疾患の予防または治療用薬学的組成物。
  2. 前記慢性腎疾患は、腎線維化によって誘発されることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
  3. 前記慢性腎疾患は、末期腎疾患(End-Stage Kidney Disease;ESKD)、糖尿病性腎症(Diabetic Nephropathy;DN)、IgA腎症(IgA Nephropathy;IgAN)、HIV関連腎症、非糖尿病性慢性腎疾患(Non-diabetic Chronic Kidney Disease)、巣状分節状糸球体硬化症(Focal Segmental Glomerulosclerosis;FSGS)、微小変化型疾患(Minimal change disease;MCD)およびキサンチンオキシダーゼ欠損症からなる群から選ばれる一つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
  4. 前記組成物は、フィブロネクチン(Fibronectin)、コラーゲン1a1(collagen 1a1)、Bcl-2関連Xタンパク質(Bcl-2-associated X protein;Bax)、トランスフォーミング増殖因子β1(Transforming growth factor-β1;TGF-β1)、Smad2/3およびα-平滑筋アクチン(α-smooth muscle actin;α-SMA)からなる群から選ばれる一つ以上のタンパク質の発現を減少させることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
  5. 前記組成物は、E-カドヘリン(E-cadherin)、Smad7、MnSOD、およびSOD1からなる群から選ばれる一つ以上のタンパク質の発現を増加させることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
  6. 前記グラフェン量子ドットは、平均直径が1~5nmであることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
  7. 前記グラフェン量子ドットは、平均高さが0.5~2.5nmであることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のグラフェン量子ドットを有効成分として含む薬学的組成物を個体に投与する段階を含む、慢性腎疾患の治療方法。
  9. 請求項1から7のいずれか一項に記載のグラフェン量子ドットを有効成分として含む組成物の慢性腎疾患の治療用途。
  10. 慢性腎疾患の治療に用いられる薬剤を製造するためのグラフェン量子ドットの用途。
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