JP2023508378A - 位相補正付き光学装置 - Google Patents

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Abstract

入射する電磁放射線に所定の位相遅延を引き起こす光学素子。光学素子は、電磁放射線の部分の伝搬路内に配置された第1の層および第2の層を有している。第1の層は、透過領域(306a~306c)を有しており、この透過領域は、透過領域を通って伝搬する電磁放射線の部分に第1の位相遅延を引き起こすように構成されている。第2の層は、メタサーフェスを有しており、このメタサーフェスは、メタサーフェスを通って伝搬する電磁放射線の部分に第2の位相遅延を引き起こすように構成されている。メタサーフェスは、サブ波長サイズ構造(305)を有している。

Description

開示の背景
本開示は、光学素子、特に、限定的ではないが、入射する電磁放射線に所定の位相遅延を引き起こすための光学素子と、このような光学素子を有するエネルギ源および検出器に関する。
電磁放射線と、電磁放射線の波長に匹敵する大きさの構造との相互作用は、波動理論フレームワークによってモデル化することができる効果を生成する。このような構造および構造の配置を慎重に設計することによって、屈折率のような光学材料特性を利用することによってのみ光を屈折させる古典的な光線理論フレームワークを超えて、電磁放射線を操作することができる。このようなサブ波長構造から成る材料は、メタマテリアルとして知られている。表面上に配置されたこのようなサブ波長構造の1つまたは複数の層は、メタサーフェスとして知られている。メタサーフェス上に入射する電磁放射線または電磁放射線の部分は、サブ波長構造によって散乱される。所定の設計基準にしたがってメタサーフェスの構造の大きさ、厚さ、位置および/または間隔を選択することにより、メタサーフェスを通って伝搬する電磁放射線に対してメタサーフェスが有する影響を制御することができる。たとえば、メタサーフェスは、電磁放射線の部分に所定の位相遅延を引き起こして、このメタサーフェスから所定の距離において建設的干渉を引き起こすことができる。この効果を有するメタサーフェスは、メタレンズとして知られている。
メタマテリアルおよびメタサーフェスの存在が知られているにもかかわらず、大規模かつ低コストでメタサーフェスを確実に製造することが困難であるという理由から、産業において幅広く採用することは部分的に制限されている。既知のメタサーフェス製造技術は、電子線リソグラフィ、ナノインプリントおよび液浸リソグラフィを含む。しかし、これらの技術は、コストを低く抑えながら、十分の数ナノメートルのオーダでの構造の大きさ、厚さ、位置および/または間隔を有するメタサーフェス配列を高精度で工業規模において一貫して製造するという課題に直面している。したがって、大規模での既知の技術の高コストおよび一貫性のない精度は、特に大量生産のシナリオにおけるメタサーフェス技術の産業化を妨げる。
さらに、源および検出器のような既存の半導体光学構成要素上にメタサーフェスを一体化することは困難である。たとえば、典型的には、メタサーフェスは、TiO2、SiO2およびa-Siのようなシリコン技術適合性の材料から作製されている。メタサーフェスは、シリコンデバイス上に組み込まれるか、または別個の構成要素として組み立てられてよい。しかし、III-V族材料の光学デバイス、たとえば垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)のような幾つかの光学構成要素技術にとって、TiO2、SiO2およびa-Siの公知のシリコン技術材料ポートフォリオとの一体化は不可能である。これについての理由は2つある。第1に、シリコン技術材料は、公知の大量生産技術を用いた広く使用されている標準的なIII-V族材料技術と互換性がない。第2に、III-V族技術において一般的に使用されている材料は、高い透過率を維持しながら、完全な0~2πラジアンのシフトまたは遅延を提供することができない。たとえば、完全な0~2πラジアンのシフトを提供するために、厚さおよび/またはメタサーフェス上での構造密度は、透過率を60~70%に減じてしまう。光学素子の性能のこの低下は、90+%の透過レベルが必要となり得る用途にとって満足のいくものではない。
0~2πラジアンの完全な範囲(または少なくともこの完全な範囲に近い範囲)で任意の位相シフトまたは遅延を引き起こす能力がなければ、入射する電磁放射線を操作する自由度は大幅に減じられてしまう。特に、メタサーフェスから所定の距離において建設的干渉を引き起こすために完全な0~2πラジアンの範囲にわたる位相シフトまたは遅延を引き起こすことをあてにできる多くのメタサーフェス設計および配置は使用することができないだろう。
したがって、既存の技術および材料を使用してメタサーフェスを大量生産することを試みることの問題は、メタサーフェスが、通常、0~πラジアンの位相シフトまたは遅延に限定されることである。
上述の問題を解決するための試みは、メタサーフェス構造を製造するためにどの材料を使用するかの実験により、またはメタサーフェス構造の形状を変化させることにより行われてきた。これらの試みは成功していない。前者の欠点は、新たに選択された材料が大量生産技術と適合しないことである。後者の欠点は、メタサーフェスの位相シフト能力を増大させることができる構造形状および厚さが、典型的には望まれている光学特性の損失を引き起こすことである(たとえば、高い透過率の損失および/または偏光非感受性の導入)。このような設計は、大量生産において不可能であるか、過度に高価であるか、または製造可能であるためには過度に小さい/精密である。
本開示の目的は、上述の問題のうちの1つまたは複数に取り組むか、または少なくとも有用な代替手段を提供するような光学素子、およびこのような光学素子を有する源および検出器を提供することである。
概要
概して、本開示は、2つの層を備える光学素子を提供することによって上述の問題を克服することを提案している。これらの層のうちの1つの層は、メタサーフェスを支配する波動理論フレームワークにしたがって、入射する電磁放射線または電磁放射線の部分において、たとえばゼロ~πラジアンの範囲の位相遅延を引き起こすことができるメタサーフェスを有している。他方の層は、非ゼロの屈折率を有する透過領域を有している。古典的な光線理論の伝搬に関して、非ゼロの屈折率の媒体を通る透過は、電磁放射線の速度または波長を変化させる。電磁放射線が透過領域を離れて、その元の速度および波長に戻る場合、この電磁放射線の位相は、透過領域の前の伝搬に対してシフトする。意図する電磁放射線にとって適切な屈折率を有する材料の選択および層の適切な光学特性(たとえば、所定の厚さまたは層の複数の透過領域により構成される可変の厚さプロファイル)の選択により、層は、0~πラジアンの付加的な範囲において、電磁放射線または電磁放射線の部分に位相遅延を引き起こすことができる。1つの例では、位相遅延の大きさは、位相シフト層の透過領域の厚さに依存する。別の例では、層が、(ゾーンプレートのような)回折光学素子、ミラー、レンズ、または入射する電磁放射線の部分に位相遅延を引き起こすために当業者に知られている別の光学素子を構成する構成要素を含んでいてよいことも想定されている。したがって、2つの層は一緒に、メタサーフェスの非古典的な波動理論フレームワークと、位相シフト層の古典的な光線理論フレームワークとを利用して、入射する電磁放射線または電磁放射線の部分に0~2πラジアンの完全な範囲で位相遅延を引き起こす能力を提供する1つの光学素子を提供する。したがって、本開示は、有利には、電磁放射線の任意の部分を、大量生産可能な形式で別の部分に対して相対的に任意の所定の位相シフトだけシフトさせることによって任意の所定の干渉パターンを形成するために使用することができる。
入射する電磁放射線の任意の部分において0~2πラジアンの完全な範囲の任意の位相シフトを引き起こす能力を提供することによって、光学素子は、光学素子および/または光学素子の光軸から1つまたは複数の所定の距離において、建設的干渉または破壊的干渉を引き起こすように任意に設計されてよい。これにより、光学素子を、たとえば、レンズ、メタレンズ、回折光学素子、メタレンズを有する回折光学素子、ミラー、メタレンズを有するミラーおよび/または光学フィルタの効果を有するように構成することができる。光学素子は、厳密なメタサーフェスまたはメタレンズ単体(すなわち、メタレンズが上述の付加的な古典的な位相シフト層を有さない)よりも僅かに厚くてもよいが、従来の厚いレンズ、回折光学素子、ミラーおよびフィルタよりも依然として著しく薄い。また、公知のIII-V族材料技術による大量生産のためにも適している。
本開示の1つの態様によれば、入射する電磁放射線に所定の位相遅延を引き起こすための光学素子であって、この光学素子が、電磁放射線の部分の伝搬路内に配置された第1の層および第2の層を有しており、第1の層が、透過領域を有しており、透過領域が、この透過領域を通って伝搬する電磁放射線の部分に第1の位相遅延を引き起こすように構成されており、第2の層が、メタサーフェスを有しており、メタサーフェスが、このメタサーフェスを通って伝搬する電磁放射線の部分に、第2の位相遅延を引き起こすように構成されている、光学素子が提供されている。
したがって、本開示は、メタサーフェスを工業化して大量生産するための実用化の試みにおける上記の問題を少なくとも部分的に解決する。
透過領域の横方向の延在長さは、入射する電磁放射線の波長より大きくてもよい。
第1の層は、それぞれの厚さを有し、電磁放射線のそれぞれの部分のそれぞれの伝搬路内に配置されている複数の透過領域を有していてよく、これによりそれぞれの部分にそれぞれの第1の位相遅延を引き起こすことができる。透過領域のそれぞれの横方向の延在長さは、透過領域を通って伝搬する入射する電磁放射線のそれぞれの部分の波長より大きくてよい。
メタサーフェスが、1つの表面上で離間した複数の構造を有していてよい。この構造は、入射する電磁放射線の波長よりも横方向および/または鉛直方向で小さな大きさを有しており、表面は、それぞれの部分にそれぞれの第2の位相遅延を引き起こすために、電磁放射線のそれぞれの部分のそれぞれの伝搬経路内に配置されている。
複数の透過領域によって引き起こされるそれぞれの第1の位相遅延は、透過領域のそれぞれの厚さに依存していてよく、かつメタサーフェスによって引き起こされるそれぞれの第2の位相遅延は、表面上の構造の幾何学形状、大きさ、位置および/または表面上の構造間の間隔のうちの1つまたは複数に依存していてよい。
光学素子からの1つまたは複数の所定の距離において、それぞれの第1の位相遅延と第2の位相遅延との組み合わせが、電磁放射線の部分に構造的に干渉することができる。
第1の層の複数の透過領域の厚さは、それぞれの第1の位相遅延を、0~πラジアンの範囲にすることができ、第2の層のメタサーフェスの構造の幾何学形状、大きさ、位置、および/またはメタサーフェスの構造間の間隔が、それぞれの第2の位相遅延を、0~πラジアンの範囲にすることができ、これによって、電磁放射線のそれぞれの部分に引き起こされる第1の位相遅延と第2の位相遅延との合計は、0~2πラジアンの範囲にある。
さらに光学素子は、複数の第1の層および/または複数の第2の層を有していてよい。
光学素子は、レンズ、メタレンズ、回折光学素子および/または光学フィルタのうちの1つまたは複数であってよい。
本開示の第2の態様によれば、電磁放射線を放射するように配置されたエネルギ源が提供されており、このエネルギ源は、光源と、放射された電磁放射線の伝搬路内に配置された上述の光学素子のいずれか1つとを有している。
光源は、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)、発光ダイオード(LED)、共振器型LEDまたは面発光レーザのうちの1つまたは複数を有している。
エネルギ源は、1つまたは複数の半導体層を有していてよく、光学素子の第1の層および第2の層は、1つまたは複数の半導体層の上、間、または下に一体化されていてもよい。
本開示の第3の態様によれば、電磁放射線を検出する検出器であって、光検出器と、電磁放射線の源と光検出器との間に配置された、上述の光学素子のいずれかの光学素子とを有している検出器が提供される。
光検出器は、フォトダイオードを有していてよい。
光検出器は、1つまたは複数の半導体層を含んでいてよく、光学素子の第1の層および第2の層は、1つまたは複数の半導体層の上、間、または下に一体化されていてもよい。
したがって、本開示の実施形態は、上述の利点を提供する。
以下に本開示の幾つかの実施形態を添付の図面を参照しながら単に例示的に説明する。
本開示による光学素子を示す図である。 本開示による光学素子を示す図である。 本開示による光学素子を示す図である。 図3aに示した光学素子を異なる視点で示す図である。 本開示による光学素子を示す図である。 本開示による光学素子を示す図である。 本開示によるシミュレーションの結果を示す図である。 本開示によるシミュレーションの結果を示す図である。 図5aおよび図5bに示したシミュレーションの結果のグラフを示す図である。 本開示による光学素子を示す図である。 本開示によるエネルギ源を示す図である。 本発明による検出器を示す図である。
好適な実施の形態の詳細な説明
概して、本開示は、メタサーフェス層と1つの古典的な位相シフト層とを使用することにより、0~2πラジアンの任意の位相遅延を入射する電磁放射線または電磁放射線の部分に引き起こすための光学素子を提供する。
本開示により提供される解決手段の幾つかの例が、添付の図面に示されている。
図1は、最良の形態による例示的な光学素子100の図を示している。光学素子100は、入射する電磁放射線103または電磁放射線の部分の伝搬路中に配置された第1の層101および第2の層102を有している。第1の層101は、透過領域104を有しており、この透過領域104は、この透過領域104を通って伝搬する電磁放射線に第1の位相遅延を引き起こすように構成されている。第1の位相遅延の大きさは、透過領域の厚さに依存していてよく、透過領域の横方向の延在長さは、入射する電磁放射線の波長よりも大きく、引き起こされる位相遅延は、古典的な光学系により支配されている。第2の層102は、メタサーフェス105を有しており、このメタサーフェス105は、メタサーフェス105を通って伝搬する電磁放射線に第2の位相遅延を引き起こすように構成されている。第1の層101の透過領域104は、光学素子100が動作することが意図されている電磁放射線の1つまたは複数の波長のために予め規定された透過性を有する非ゼロの屈折率媒体を有していてよい。電磁放射線は、透過領域104の非ゼロの屈折率媒体を通って伝搬し、波長を変化させ、したがって光学素子100に到達する前の伝搬に対して相対的な第1の位相遅延を引き起こす。次いで、電磁放射線は、第2の相対的な位相遅延を引き起こす、第2の層102のメタサーフェスを通って伝搬する。所望の屈折率に応じて透過領域104の厚さおよび透過領域の材料を選択することにより、かつ所定のメタサーフェス設計基準にしたがって、メタサーフェスのサブ波長構造の大きさ、位置および/または間隔を選択することにより、光学素子100により引き起こされる組み合わせられた第1の位相遅延および第2の位相遅延は、上述の利点を提供するために、0~2πラジアンの範囲のいずれかに任意に設定することができる。
図2は、図1に関連して説明した第1の層および第2の層のような第1の層201および第2の層202を有する例示的な光学素子200の図を示している。図2の配列において第1の層201は、複数の透過領域204a~204eを有しており、電磁放射線203a~203eの互いに異なる部分のそれぞれの伝搬路内に配置されていてよい。したがって、電磁放射線203a~203eのそれぞれの部分が、互いに異なる厚さを有する互いに異なる透過領域204a~204eを通って伝搬するので、透過領域204a~204eは、電磁放射線203a~203eのそれぞれの部分に、互いに相対的に、対応する第1の位相遅延を引き起こす。引き起こされる第1の位相遅延のそれぞれの大きさは、それぞれの透過領域のそれぞれの厚さに依存していてよく、透過領域のそれぞれの横方向の延在長さは、透過領域を通って伝搬する入射する電磁放射線のそれぞれの部分の波長よりも大きく、この場合に引き起こされる位相遅延は、古典的な光学系により支配されている。
電磁放射線203a~203eのそれぞれの部分が第1の層201を出て第2の層202に入ると、第2の層202のメタサーフェスによって別の位相遅延が引き起こされてよい。上述したように、第1の層201によって電磁放射線203a~203eのそれぞれの部分に引き起こされる相対的な位相遅延の量は、それぞれの部分が伝搬する透過領域204a~204eの厚さおよび屈折率に依存している。図2の例では、透過領域204a~204eは、均一な屈折率を有する材料から成る一体的な透過媒体を形成することが想定されている。第2の層202が、(ゾーンプレートのような)回折光学素子、ミラー、レンズまたは別の光学素子のうちの1つまたは複数を有している別の例では、これらの光学素子の既知の古典的な光学処理に基づく位相遅延を引き起こすことができる。第2の層202によって電磁放射線203a~203eの各部分に引き起こされる位相遅延の量は、たとえば第2の層202のメタサーフェスのサブ波長構造の大きさ、位置および/または間隔のような基準に基づいていてよいメタサーフェスのサブ波長構造の設計および配置に依存している。
それぞれの第1の位相遅延は、互いに同一である必要がなく、それぞれの第2の位相遅延は、互いに同一である必要がないことが想定される。たとえば、光学素子から1つまたは複数の所定の距離において建設的かつ/または破壊的干渉パターンを得るために、電磁放射線の幾つかの部分のみを位相遅延させる必要がある、かつ/または各部分の位相遅延の量が互いに異なっていてよい。したがって、第1の層の透過領域の厚さおよび屈折率ならびに第2の層のメタサーフェス設計および配置は、所望の干渉パターンを達成するために、それぞれ互いに異なる部分に互いに異なる位相遅延を引き起こすように選択することができる。
図3aは、図1または図2に関連して説明した第1の層および第2の層のような第1の層301および第2の層302を有する例示的な光学素子300の図を示している。選択的に、光学素子300は、基板303をさらに有していてよく、この基板303上に、第1の層301および第2の層302が配置されていてよい。図1および図2に関連して説明したように、第1の層は、電磁放射線の部分が伝搬する透過領域の厚さおよび屈折率に基づいて、入射した電磁放射線のそれぞれの部分に、互いに対して相対的に、0~πラジアンの範囲のそれぞれの第1の位相遅延を引き起こす。したがって、一度適切な屈折率が選択されると、複数の透過領域によって引き起こされるそれぞれの第1の位相遅延は、これらの領域のそれぞれの厚さに依存する。例として、互いに異なる厚さを有する複数の透過領域306a~306cが図3aに示されている。しかし上述したように、第2の層が、(ゾーンプレートのような)回折光学素子、ミラー、レンズまたは別の光学素子のうちの1つまたは複数を有している場合、位相遅延は、これらの光学素子の既知の古典的な光学フレームワーク処理にしたがって引き起こされる。同様に、第2の層は、入射する電磁放射線のそれぞれの部分に、互いに対して相対的に、付加的な0~πラジアンの第2の位相遅延を引き起こす。付加的な0~πラジアンの位相遅延を達成するために、第2の層302のメタサーフェス304は、第1の層301の1つの表面上、たとえば上側の表面上に、離間した複数の構造305を有している。これらの構造305は、入射する電磁放射線の波長よりも小さな横方向および/または鉛直方向の大きさを有しており、したがって、サブ波長構造305であると言われる。
構造305が離間して配置されている表面は、上記のようなそれぞれの第2の位相遅延を引き起こすために、電磁放射線のそれぞれの部分のそれぞれの伝搬路内に配置されている。上述したように、メタサーフェスにより引き起こされるそれぞれの第2の位相遅延は、当業者によって理解されるであろう所定のメタサーフェス設計基準にしたがって、メタサーフェスのサブ波長構造の大きさ、位置および/またはサブ波長構造間の間隔のうちの1つまたは複数に依存している。
したがって、第1の層301と第2の層302とが組み合わされ、たとえば、III-V族材料技術を用いて一体的に製造される場合、第1の層301の複数の透過領域の厚さが、それぞれの第1の位相遅延を0~πラジアンの範囲にし、第2の層のメタサーフェスの構造の幾何学形状、大きさ、位置および/またはメタサーフェスの構造間の間隔のうちの1つまたは複数が、それぞれの第2の位相遅延を、0~πラジアンの範囲にし、これにより、電磁放射線のそれぞれの部分に引き起こされる第1の位相遅延と第2の位相遅延との合計は、0~2πラジアンの範囲にある。
図3bは、図3aに図示されている例示的な光学素子300を異なる視点で示している。図3aに示されている第1の層301の互いに異なる透過領域306a~306cは、別の透過領域306d~306eと一緒に図3bにも示されている。当業者によって理解されるように、任意の透過領域構成および厚さプロファイルを使用することができ、したがって、図3bに示した透過領域の円形または同心状のリング形状は、限定することを意図したものではないと想定される。透過領域306a~306eは、サブ波長構造305(全てが示されているわけではない)が配置されている表面の下側に設けられている。
上述したように、当業者によって理解されるように、必要とされる位相遅延を達成するために、任意のサブ波長構造数、パターンおよび配置を使用することができると想定される。したがって、たとえば中心対称に配置された複数の円形ピラーのような、図3aおよび図3bに図示されたサブ波長構造306a~306eの特定の大きさ、形状、パターンおよび配置は、限定を意図するものではない。たとえば、六角形、方形、三角形および/または任意の別の形状を有する区分を備えた構造も、当業者によって理解されるように使用されると想定される。
典型的には、電磁放射線のそれぞれの部分に引き起こされる位相遅延は、サブ波長構造の幾何学的特性に双対的に対応する。たとえば、図3aおよび図3bに示されるような円形ピラーを有するメタサーフェスの場合、全てのピラー直径は、電磁放射線の唯1つの部分のための唯1つの位相遅延に対応してよく、逆もまた然りであり、ピラー高さおよび間隔は一定に保たれる。1つまたは複数の所定の距離において所望の干渉パターンを達成するために、構造は、上述の第1の層上のような1つの表面上に(または光学素子が逆に向けられている場合には基板上に)配置されており、この場合に選択された全てのピラー位置が、このピラー位置を通って伝搬する電磁放射線の対応する部分に、伝搬路に沿った1つまたは複数の所定の点において構造的に干渉するようにされる。上述したように、最大限の設計自由度および可能な限り多くの産業上の使用を提供するための任意の干渉パターンを達成するためには、光学素子は、少なくとも0~2πラジアンの完全な範囲に及ぶ位相遅延を引き起こすことができなければならない。上述したように、公知のメタサーフェスの問題は、使用される材料の可用性、材料適合性および/またはプロセス技術に応じて、高い透過率が保持されるべきであり、公知のIII-V族材料の大量生産技術が互換性を維持すべき場合、πを超えた2πラジアンまでの位相遅延が不可能であることである。したがって、干渉パターンが、電磁放射線の幾つかの部分に位相遅延を引き起こす能力を必要とする場合、この位相遅延は、メタサーフェスのみを用いて達成することができるものよりも高く、付加的な位相遅延を本明細書に記載した古典的な位相遅延層により加えることができる。したがって、本開示の光学素子は、メタサーフェスと一体化された位相遅延層を提供し、この位相遅延層は、0~2πラジアンの範囲で任意の位相遅延を達成し、これにより、光学素子から1つまたは複数の所定の距離において任意の干渉パターンを達成するために必要である付加的な位相遅延を引き起こすことができる。
図3cは、図3aおよび図3bの光学素子300と同一であるが、第1の層301の厚さプロファイルが、図3aおよび図3bに示した第1の層301の厚さプロファイルの幾何学的な補完である光学素子300の図を示している。換言すると、図3aおよび図3bの第1の層301が、基板内の溝内に位置するより厚い透過領域を有している箇所で、図3cに示した対応する透過領域307aはより薄い。逆に、図3aおよび図3bの第1の層301が、より薄い透過領域を有している箇所で、図3cに示した対応する透過領域307bはより厚く、基板の対応する溝内に位置している。図3cは、入射する電磁放射線に任意の位相遅延を引き起こすために、任意の必要な厚さプロファイルにしたがって第1の層の厚さを設計することができることを示している。
所与の光学素子のために、所望の位相遅延層厚さプロファイル(すなわち、どの透過領域がどの厚さを有するか)および屈折率ならびにメタサーフェスのサブ波長構造の設計および配置は、既知のモデルおよびアルゴリズムを使用して計算されることが想定されている。したがって、一度設計が選択されると、光学素子は、所望の干渉パターンを達成するためにその設計に合わせて製造することができる。したがって、光学素子によって生成される干渉パターンは、製造後に変更することができない。したがって、各透過領域およびメタサーフェスサブ波長構造は、これらを通して伝搬する光の任意の部分に一定の位相遅延を引き起こすと言うことができる。
本光学素子を製造するために既存の大量生産技術を使用することができることは当業者より理解されるだろう。一例では、位相遅延層を堆積(たとえば、誘電体シリコンまたは非晶質シリコンの堆積)させるか、またはエピタキシャル成長(たとえば、リン化ガリウムインジウム)させることができ、これにより、正確な厚さ制御のためのエッチング中のエッチストップ層を提供することができる。基板材料がヒ化ガリウムである場合、リン化ガリウムインジウムは、強いエッジ選択性と効率的なストップギャップとを提供する。これらの例示的な材料および製造技術は、単に例示的に提供されており、限定することを意図していない。本明細書に記載された光学素子を製造するために、III-V族材料の大量生産のために適した任意の既知の材料ならびに堆積、エピタキシャルおよび/またはエッチングプロセスを使用することができることが想定されている。
図4は、例示的な光学素子400、たとえば、図1、図2または図3に示した光学素子の図を示している。光学素子400は、非ゼロの屈折率材料から成る、変化する厚さを有する複数の透過領域を有する第1の層401と、1つの表面上に配置された複数のサブ波長構造405を有するメタサーフェス404を有する第2の層402とを有している。第1の層401および第2の層402は、任意には、基板403上に提供されていてよい。図4の図面では、3つの部分406a~406cから構成される入射する電磁放射線は、第1の層401上に入射し、互いに異なる厚さを有する、第1の層401の対応する互いに異なる透過領域を通って伝搬する。電磁放射線の部分406a~406cは、次いで第2の層402のメタサーフェス404を通って伝播して光学素子400から出る。光学素子400から1つまたは複数の所定の距離408において、電磁放射線の部分は、たとえば焦点409またはレンズのような面における構造的干渉により、上述したような光学素子400の設計基準にしたがって、所定の干渉パターンを生成するために干渉する。特に、所望の干渉パターンを達成するために、電磁放射線の部分の1つまたは複数のために、πラジアンよりも大きな位相遅延が要求される場合、第1の層の厚さは、メタサーフェス404が単独では提供することができない付加的な位相遅延を提供するための厚さを有するように配置されている。図4の例において、所望の干渉パターンは、電磁放射線の1つの部分406bにおいて[0,π]ラジアンの範囲の位相遅延を要求するが、別の部分406a,406cでは[π,2π]ラジアンの範囲の位相遅延を要求する。したがって、[0,π]ラジアンの範囲の位相遅延しか必要としない電磁放射線の部分に対応する透過領域407bは、付加的な位相遅延を引き起こす必要はない。なぜならば、メタサーフェス単独でこの範囲の位相遅延を引き起こすことができるからである。したがって、この透過領域407bの厚さは、付加的な位相遅延を引き起こさないように構成されている(たとえば、厚さがゼロであってよい)。しかし、[π,2π]ラジアンの範囲の位相遅延を必要とする電磁放射線の部分に対応する透過領域407a,407cは、付加的な位相遅延を必要とする。なぜなら、メタサーフェス404だけでは、[0,π]ラジアンまでの位相遅延しか引き起こすことができないからである。したがって、これらの透過領域407a,407cの厚さは、メタサーフェス404と透過領域とにより引き起こされる合計の位相遅延が[π、2π]ラジアンの所望の範囲にあるように、付加的な[0、π]ラジアンの範囲の付加的な位相遅延を引き起こすように調整されている。これにより、[0,2π]ラジアンの範囲で多様な位相遅延を要求する所望の干渉パターンを生成することができる。
図5aは、要求される2πラジアンの位相遅延を引き起こすことができる理論的なメタサーフェスを使用して、完全な2πラジアンの範囲までの位相シフトを要求する焦点領域502aを有する所定の干渉パターンを生成するために設計された光学素子501a、この場合はメタレンズのシミュレーションの結果を示す。図5aに示した理論的なメタサーフェスを既知の大量生産技術を用いて大量生産することは、上述の理由から不可能であり、このシミュレーションは例示目的のためだけに提供される。
図5bは、図5aに示した仮想のメタサーフェスと同一の干渉パターンを生成するように設計されている、たとえば図1~図4に関連して説明したような本開示による光学素子501bのシミュレーションの結果を比較のために示している。しかし図5aとは異なり、光学素子は、0~πの範囲の付加的な位相遅延を引き起こすための位相遅延層と一体化された、0~πラジアンの範囲の位相シフトを引き起こすことができるメタサーフェスを有している。
図5bは、本開示による光学素子501bが、図5aに記載された仮想の光学素子501aとほぼ同一の位置で焦点領域502bを有するほぼ同一の干渉パターンを生成することを示している。しかし、図5aに示した光学素子501aとは異なり、図5bに示した光学素子501bは、既存の大量生産技術を用いて大量生産することができ、これによって、現在可能であるよりも幅広い多様な用途においてメタサーフェス技術を安価、効率的かつ迅速に工業化するためのルートが提供される。メタサーフェス構造の寸法は、入射する電磁放射線の選択された波長に依存する。約800~1000nmである近赤外領域では、おおよその構造の高さは、典型的には200~1000nmの範囲にあってよく、構造の間のおおよその間隔は、典型的には50nm~700nmの範囲であってよく、おおよその構造の直径は、典型的には50~500nmの範囲であってよい。入射する電磁放射線の別の範囲および別の波長も想定され得る。位相遅延層のためには、厚さの値は、波長のみに依存するのではなく、たとえばレンズの作用を生じさせるための所望の干渉パターンの要求、かつ/またはメタサーフェスの要求にも依存する。たとえば、遅延層の1つまたは複数の透過領域は、約40nm~約400nmの範囲のおおよその厚さを有していてよく、1つまたは複数の透過領域の幅は、約200nmからメタサーフェス全体のサイズまでであってよく、たとえば約50μm~3mmである。
図6は、図5aおよび図5bのシミュレーションの結果のグラフを示しており、任意単位での電磁放射線の強度値が、光学素子501a,501bからの距離に対してマイクロメートルでプロットされている。図6のグラフは、図5bに示した光学素子501bと、図5aに示した仮想の光学素子501aとによって生成された干渉パターン間の類似性を示している。特に、図6に示したグラフは、図5aおよび図5bに示したそれぞれの焦点領域502a,502bを生成する建設的干渉が、それぞれの光学素子501a,501bからほぼ同一の距離で発生することを示している。
図1~図6を参照して上述した光学素子が、唯1つの第1の層および第2の層を有している一方で、複数の第1の層および/または第2の層が、生成される干渉パターンをさらにカスタマイズして制御するために、上側に配置されている、かつ/または互いに交互配置されてもよいことが想定される。したがって、本開示の光学素子は、複数の第1の層および/または複数の第2の層を有していてよい。
例として、図7は、たとえば、図1~図6に関して説明された光学素子に類似している、例示的な光学素子700の図を示している。光学素子700は、非ゼロの屈折率材料の複数の透過領域を有し、かつ変化する厚さを有している第1の層701と、1つの表面上に配置された複数のサブ波長構造705を有するメタサーフェス704を有する第2の層702とを有している。第1の層701および第2の層702は、任意に、たとえばヒ化ガリウムまたはたとえばエピタキシャル材料から成る基板703上に提供されてよい。
基板内または基板上の1つまたは複数の中間層(図示せず)が、第1の層および第2の層に入射する電磁放射線のための源を提供するために、半導体発光装置(たとえばVCSEL、LEDおよび/または共振器型LED)を有していてよいことが想定される。したがって、基板には、1つまたは複数の透明層および/または反射層が放射側または反対側に設けられていてもよい。図7の例では、想定された発光装置によって生成された電磁放射線706の伝搬軸線は、光学素子700の上面および下面に対して垂直である。
さらに、図7に示した例示的な光学素子には、物理的な保護を提供するための任意の封止材料層707が設けられている。典型的には、この層は透明である。しかし、電磁放射線が、(たとえば、背面反射装置において)光学素子の上面から反射されて、下面からの放射のために光学素子を通って戻ることが意図されている場合、封止材料層707は、反射率を高めるために金属材料を有していてよい。
図7の例では、第1の層は、複数の層を有しており、複数の透過領域と、(たとえば大量製造中に下に位置する位相遅延層を損傷することなしにメタサーフェスを製造するためのその上に適切な表面を設けるために)平坦化され、かつ/または化学機械的に研磨されるために適した任意の中間層708とを有している。中間層は、光学素子内の反射および/または透過の調整を支援するために、所定の反射係数および/または透過係数を有していてもよい。
さらに、本開示の光学素子が概して、光学素子をレンズまたはメタレンズと言うことができるように、レンズまたはメタレンズに対応する干渉パターンを生成する一方で、光学素子が、回折光学素子、メタレンズを有する回折光学素子、ミラー、メタレンズを有するミラーおよび/または光学フィルタのうちの1つまたは複数の干渉パターンを生成することができることも想定されている。
さらに、図面の全てに関連して上述した本開示の光学素子が、製造中にこのような光学構成要素の1つまたは複数と一体化されてよく、これにより、本開示の光学素子が、既存の大量生産製造技術を使用してメタサーフェス技術を工業化するための安価、効率的かつ迅速な方法を提供するという利点がさらに増す。たとえば、レンズまたはメタレンズが、本明細書に記載された1つまたは複数の第1の層および第2の層から作製されてよいことが想定される。さらに、回折光学素子が、本明細書に記載された1つまたは複数の第1の層および第2の層によって作製される、かつ/または回折光学素子が、本明細書に記載された1つまたは複数の第1の層および第2の層によって作製されたメタレンズにさらに一体化されていてよいことが想定される。さらに、ミラーが、本明細書に記載された第1の層および第2の層から作製されてよく、かつ/またはミラーが、本明細書に記載された1つまたは複数の第1の層および第2の層から作製されたメタレンズとさらに一体化されていてよいことが想定される。
さらに、本開示の光学素子が、エネルギ源および検出器のような別のタイプの光学構成要素に、または別のタイプの光学構成要素と一体化されてもよい。
図8は、例示的なエネルギ源800の図を示している。エネルギ源は、電磁放射線802を放射するように配置されており、光源、たとえば、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)、発光ダイオード(LED)、共振器型LEDまたは面発光レーザのうちの1つまたは複数を有している。エネルギ源800はさらに、光学素子801、たとえば図面の全てに関連して上述した光学素子を有している。エネルギ源は、1つまたは複数の半導体層を有していてよく、光学素子801の第1の層および第2の層は、1つまたは複数の半導体層の上、間または下に一体化されており、これによって光学素子801は、光源に一体化されていると言うことができる。
図9は、電磁放射線902を検出するための例示的な検出器900の図を示している。検出器900は、光検出器、たとえばフォトダイオードを有している。さらに検出器900は、光学素子901、たとえば図面の全てに関連して上述した光学素子を有している。検出器900は、1つまたは複数の半導体層を有していてよく、光学素子901の第1の層および第2の層は、1つまたは複数の半導体層の上、間、または下に一体化されており、これによって光学素子901は、検出器に一体化されていると言うことができる。
本開示の実施形態は、たとえば、構造化光、集積光学系、VCSELメタレンズ上のレンズおよび/またはLIDAR用途を含む多数の種々異なる用途において採用可能である。
当業者であれば、上述の説明および添付の特許請求の範囲において、「上」、「沿って」、「側」などのような位置を表す用語が、添付の図面に示されているような概念的な図を参照していることを理解するだろう。これらの用語は、参照を容易にするために使用されているが、限定する性質であることを意図していない。したがって、これらの用語は、添付の図面に示されているような向きにある場合の物体を指すものと理解されるべきである。
本開示は、上記に記載された好適な実施形態に関して説明されてきたが、これらの実施形態が単に例示的なものであり、特許請求の範囲がこれらの実施形態に限定されていないことを理解すべきである。当業者であれば、添付された特許請求の範囲に含まれると考えられる本開示を考慮して変更形および代替形を作製することが可能だろう。本明細書に開示または図示された各特徴は、単独でまたは本明細書に開示または図示されている別の特徴との任意の適切な組み合わせのいずれにおいても、任意の実施形態に組み込むことができる。
100 光学素子
101 第1の層
102 第2の層
103 電磁放射線
104 透過領域
105 メタサーフェス
200 光学素子
201 第1の層
202 第2の層
203a~203e 電磁放射線の部分
204a~204e 透過領域
300 光学素子
301 第1の層
302 第2の層
303 基板
304 メタサーフェス
305 サブ波長構造
306a~306e 透過領域
307a~307b 透過領域
400 光学素子
401 第1の層
402 第2の層
403 基板
404 メタサーフェス
405 サブ波長構造
406a~406c 電磁放射線の部分
407a~407c 透過領域
408 所定の距離
501a 光学素子
501b 光学素子
502a 焦点領域
502b 焦点領域
700 光学素子
701 第1の層
702 第2の層
703 基板
704 メタサーフェス
705 サブ波長構造
706 電磁放射線
707 封止材料層
708 中間層
800 エネルギ源
801 光学素子
802 電磁放射線
900 検出器
901 光学素子
902 電磁放射線

Claims (15)

  1. 入射する電磁放射線に所定の位相遅延を引き起こすための光学素子であって、該光学素子が、
    前記電磁放射線の部分の伝搬路内に配置された第1の層および第2の層を有し、
    前記第1の層が、透過領域を有し、該透過領域が、該透過領域を通って伝搬する電磁放射線の前記部分に第1の位相遅延を引き起こすように構成されており、かつ
    前記第2の層が、メタサーフェスを有し、該メタサーフェスが、該メタサーフェスを通って伝搬する電磁放射線の前記部分に第2の位相遅延を引き起こすように構成されている、
    光学素子。
  2. 前記透過領域の横方向の延在長さが、前記入射する電磁放射線の波長よりも大きい、請求項1記載の光学素子。
  3. 前記第1の層が、
    それぞれの厚さを有し、前記電磁放射線のそれぞれの部分のそれぞれの伝搬路内に配置された、前記それぞれの部分にそれぞれの第1の位相遅延を引き起こす複数の透過領域を有し、
    前記透過領域のそれぞれの横方向の延在長さは、前記透過領域を通って伝搬する入射する電磁放射線の前記それぞれの部分の波長よりも大きい、
    請求項2記載の光学素子。
  4. 前記メタサーフェスが、
    1つの表面上で離間した複数の構造を有し、該構造が、前記入射する電磁放射線の波長よりも横方向および/または鉛直方向で小さな大きさを有し、前記表面は、前記それぞれの部分にそれぞれの第2の位相遅延を引き起こすために、前記電磁放射線のそれぞれの部分のそれぞれの伝搬路内に配置されている、
    請求項1から3までのいずれか1項記載の光学素子。
  5. 前記複数の透過領域によって引き起こされる前記それぞれの第1の位相遅延は、前記透過領域のそれぞれの厚さに依存しており、かつ
    前記メタサーフェスによって引き起こされる前記それぞれの第2の位相遅延は、前記表面上の構造の幾何学形状、大きさ、位置および/または前記表面上の構造間の間隔のうちの1つまたは複数に依存している、
    請求項4記載の光学素子。
  6. 前記光学素子から1つまたは複数の所定の距離において、前記それぞれの第1の位相遅延および前記第2の位相遅延の組み合わせが、前記電磁放射線の前記部分に構造的に干渉する、請求項4または5記載の光学素子。
  7. 前記第1の層の前記複数の透過領域の前記厚さが、前記それぞれの第1の位相遅延を、0~πラジアンの範囲にし、
    前記第2の層の前記メタサーフェスの前記構造の幾何学形状、大きさ、位置および/または前記メタサーフェスの前記構造間の間隔のうちの1つまたは複数が、前記それぞれの第2の位相遅延を、0~πラジアンの範囲にし、
    これによって、電磁放射線の各それぞれの部分に引き起こされる前記第1の位相遅延と前記第2の位相遅延との合計が、0~2πラジアンの範囲にある、請求項4から6までのいずれか1項記載の光学素子。
  8. 前記光学素子が、
    複数の前記第1の層および/または
    複数の前記第2の層を有する、
    請求項1から7までのいずれか1項記載の光学素子。
  9. 前記光学素子が、レンズ、メタレンズ、回折光学素子および/または光学フィルタのうちの1つまたは複数である、請求項1から8までのいずれか1項記載の光学素子。
  10. 電磁放射線を放射するように配置されたエネルギ源であって、
    光源と、
    前記放射された電磁放射線の伝搬路内に配置された、請求項1から9までのいずれか1項記載の光学素子と、
    を有する、エネルギ源。
  11. 前記光源が、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)、発光ダイオード(LED)、共振器型LEDまたは面発光レーザのうちの1つまたは複数を有する、請求項10記載のエネルギ源。
  12. 前記エネルギ源が、1つまたは複数の半導体層を有し、
    前記光学素子の第1の層および第2の層が、前記1つまたは複数の半導体層の上、間または下に一体化されている、
    請求項10または11記載のエネルギ源。
  13. 電磁放射線を検出する検出器であって、
    光検出器と、
    前記電磁放射線の源と前記光検出器との間に配置された、請求項1から9までのいずれか1項記載の光学素子と
    を有する、検出器。
  14. 前記光検出器が、フォトダイオードを有する、請求項13記載の検出器。
  15. 前記光検出器が、1つまたは複数の半導体層を有し、
    前記光学素子の第1の層および第2の層が、前記1つまたは複数の半導体層の上、間、または下に一体化されている、
    請求項13または14記載の検出器。
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