JP2023504912A - 7h-ベンゾ[7]アヌレン-2-カルボン酸誘導体の結晶形態 - Google Patents

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Abstract

本開示は、約9.5;11.8;14.1;14.6;17.7および18.5度の2θ角として表されるピークを提示する、粉末X線回折図を有することを特徴とする、結晶形態2である無水物としての式(1)の化合物、およびそれらの固体形態に関する。本開示はまた、その調製のための方法、ならびにそれを含む医薬および医薬組成物に関する。本開示はさらに、より具体的には癌の治療における、医薬品としての使用のための、式(1)の化合物の無水物結晶形態2に関する。【化1】TIFF2023504912000021.tif67118

Description

本明細書において、6-(2,4-ジクロロフェニル)-5-[4-[(3S)-1-(3-フルオロプロピル)ピロリジン-3-イル]オキシフェニル]-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾ[7]アヌレン-2-カルボン酸(以下、式(1)の化合物と呼ぶ)は、結晶形態2の無水物として提供される。また、本明細書において、その調製のための方法、および特に癌の治療における、医薬品としての使用のための、該無水物結晶形態2も提供される。
以下に示す式(1)の化合物は選択的エストロゲン受容体分解剤(SERD)であり、これはエストロゲン受容体拮抗薬の特性を有し、かつエストロゲン受容体のプロテアソーム分解を促進する。それは、特に抗癌剤として使用することができる。アモルファス形態のこの化合物は、特許文献1に開示されている。
Figure 2023504912000002
医薬活性剤は、その薬効の他にも、様々な追加の要件に準拠しなければならない。例えば、様々な環境条件下でのその安定性、医薬製剤を生産する際のその安定性、または最終的な医薬組成物におけるその安定性である。加えて、医薬活性剤を使用して医薬組成物を調製する場合、それは可能な限り純粋でなければならず、長期的な保管の際のその安定性が様々な環境条件下で保証されなければならない。例えば、このことは、医薬中における活性物質の含有量が、指定された量よりも少なくなるリスクを低減または回避する。
典型的には、式(1)の化合物は、アモルファス形態で長期にわたって安定性を維持するためには冷蔵条件下で保管する必要があるので、工業的規模での取り扱いに最適ではない。
WO2017/140669
したがって、式(1)の化合物を、少なくとも温度および圧力の周囲条件下で熱力学的に最も安定な形態で、かつ工業的規模でのその使用および貯蔵を可能にする形態で提供する必要がある。
さらに、医薬活性剤の吸湿性は、ほんの僅かであるべきである。実際、水分の吸収は、水の取り込みによって引き起こされる重量増加の結果として、医薬活性剤の量を減少させる。一般に、水分を吸収する傾向のある医薬組成物は、例えば適切な乾燥剤を添加することによって、または水分から保護される環境で薬物を保管することによって、保管中は水分から保護されなければならない。
また、式(1)の化合物を、低い吸湿性を提示する形態で、かつ乾燥剤を添加する必要または保管のために過酷な条件を課す必要のない形態で提供する必要がある。
さらに、明確に定義された結晶形態が利用可能であることは、再結晶化による原薬の精製を可能にする。
本開示は、重要な上記特徴を満たす式(1)の化合物の安定な結晶形態に関する。
本明細書では、結晶形態2である無水物としての新規な6-(2,4-ジクロロフェニル)-5-[4-[(3S)-1-(3-フルオロプロピル)ピロリジン-3-イル]オキシフェニル]-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾ[7]アヌレン-2-カルボン酸が提供され、これは、約9.5;11.8;14.1;14.6;17.7および18.5度(各回±0.2)の2θ角として表されるピークを提示し、場合により、約15.5;15.9;16.6および22.2度(各回±0.2)の2θ角として表されるピークをさらに示す粉末X線回折図を有することを特徴とし、場合により、さらに図1に実質的に例示される粉末X線回折図を特徴とする。
本明細書では、式(1)の化合物の無水物結晶形態2である固体形態もまた提供される。
本明細書では、式(1)の化合物の無水物結晶形態2を調製する方法がさらに提供される。
本明細書では、式(1)の化合物の無水物結晶形態2を含む医薬、ならびに式(1)の化合物の無水物結晶形態2および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物もまた提供される。
特定の実施形態において、前記医薬組成物において、前記無水物結晶形態2は、実質的に純粋であり、代替形態を実質的に含まない。
別の特定の実施形態において、前記医薬組成物において、前記無水物結晶形態2は、全ての形態の少なくとも90重量パーセントである。
本明細書で使用する場合、「実質的に純粋な」という用語は、該結晶形態が、少なくとも90重量パーセント、好ましくは少なくとも95重量パーセント、より好ましくは少なくとも97重量パーセント、最も好ましくは少なくとも99重量パーセントの示された結晶形態を含有することを意味する。あるいは、「実質的に純粋な」とは、結晶形態が10重量パーセント未満、好ましくは5パーセント未満、より好ましくは3重量パーセント未満、最も好ましくは1重量パーセント未満の不純物(他の多形体、溶媒和物またはアモルファス形態を含む)を含有することを意味すると理解されるであろう。
本明細書では、医薬品としての使用のための、エストロゲン受容体の阻害剤および分解剤としての使用のための、ならびにエストロゲン受容体が関与する様々な疾患、より具体的には癌の治療における使用のための、式(1)の化合物の無水物結晶形態2がさらに開示される。
本明細書では、エストロゲン受容体の阻害および分解を伴う疾患を治療するための医薬の製造のための、式(1)の化合物の無水物結晶形態2の使用がさらに開示される。
本明細書では、癌を治療するための医薬の製造のための、式(1)の化合物の無水物結晶形態2の使用がさらに開示される。
本明細書では、エストロゲン受容体の阻害および分解を含む疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に対して、治療上有効量の式(1)の化合物の無水物結晶形態2を投与することを含む方法がさらに開示される。
本明細書では、癌を治療する方法であって、それを必要とする対象、特にヒトに対して、治療上有効量の式(1)の化合物の無水物結晶形態2を投与することを含む方法がさらに開示される。
本明細書で使用する場合、「周囲温度」または「室温」という用語は、別段の指定がない限り、18℃~25℃の温度範囲を指す。
6-(2,4-ジクロロフェニル)-5-[4-[(3S)-1-(3-フルオロプロピル)ピロリジン-3-イル]オキシフェニル]-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾ[7]アヌレン-2-カルボン酸の安定な無水物結晶形態2を、室温で測定したX線粉末図である。 6-(2,4-ジクロロフェニル)-5-[4-[(3S)-1-(3-フルオロプロピル)ピロリジン-3-イル]オキシフェニル]-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾ[7]アヌレン-2-カルボン酸の安定な無水物結晶形態2のサーモグラムである。 6-(2,4-ジクロロフェニル)-5-[4-[(3S)-1-(3-フルオロプロピル)ピロリジン-3-イル]オキシフェニル]-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾ[7]アヌレン-2-カルボン酸の安定な無水物結晶形態2を、25℃で測定した動的蒸気収着(DVS)等温線プロット(収着工程)である。 6-(2,4-ジクロロフェニル)-5-[4-[(3S)-1-(3-フルオロプロピル)ピロリジン-3-イル]オキシフェニル]-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾ[7]アヌレン-2-カルボン酸の無水物結晶形態1を、室温で測定したX線粉末図である。 6-(2,4-ジクロロフェニル)-5-[4-[(3S)-1-(3-フルオロプロピル)ピロリジン-3-イル]オキシフェニル]-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾ[7]アヌレン-2-カルボン酸の、無水物結晶形態1のサーモグラムである。 6-(2,4-ジクロロフェニル)-5-[4-[(3S)-1-(3-フルオロプロピル)ピロリジン-3-イル]オキシフェニル]-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾ[7]アヌレン-2-カルボン酸の無水物結晶形態1を25℃で測定した、動的蒸気収着(DVS)等温線プロット(収着工程)である。 6-(2,4-ジクロロフェニル)-5-[4-[(3S)-1-(3-フルオロプロピル)ピロリジン-3-イル]オキシフェニル]-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾ[7]アヌレン-2-カルボン酸の無水物結晶形態3を、室温で測定したX線粉末図である。 6-(2,4-ジクロロフェニル)-5-[4-[(3S)-1-(3-フルオロプロピル)ピロリジン-3-イル]オキシフェニル]-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾ[7]アヌレン-2-カルボン酸の無水物結晶形態3のサーモグラムである。 6-(2,4-ジクロロフェニル)-5-[4-[(3S)-1-(3-フルオロプロピル)ピロリジン-3-イル]オキシフェニル]-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾ[7]アヌレン-2-カルボン酸の無水物結晶形態3を、25℃で測定した動的蒸気収着(DVS)等温線プロット(収着工程)である。 6-(2,4-ジクロロフェニル)-5-[4-[(3S)-1-(3-フルオロプロピル)ピロリジン-3-イル]オキシフェニル]-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾ[7]アヌレン-2-カルボン酸の無水物結晶形態4を、室温で測定したX線粉末図である。 6-(2,4-ジクロロフェニル)-5-[4-[(3S)-1-(3-フルオロプロピル)ピロリジン-3-イル]オキシフェニル]-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾ[7]アヌレン-2-カルボン酸の無水物結晶形態4のサーモグラムである。 6-(2,4-ジクロロフェニル)-5-[4-[(3S)-1-(3-フルオロプロピル)ピロリジン-3-イル]オキシフェニル]-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾ[7]アヌレン-2-カルボン酸の無水物結晶形態4を、25℃で測定した動的蒸気収着(DVS)等温線プロット(収着工程)である。 エタノール蒸気下で室温で測定された、式(1)の化合物のエタノール溶媒和物のX線粉末図である。 式(1)の化合物のエタノール溶媒和物を室温で測定した3つのX線粉末図を含むX線粉末図であり、下から上にそれぞれ、(a)エタノール蒸気下で(実線)、(b)40℃で(点線)、および(c)湿気に曝露した後(太線)での測定である。 アセトン蒸気下で室温で測定された、式(1)の化合物のアセトン溶媒和物のX線粉末図である。 式(1)の化合物のアセトン溶媒和物を室温で測定した2つのX線粉末図を含むX線粉末図であり、下から上にそれぞれ、(a)アセトン蒸気下で(実線)、および(b)窒素に曝露した後(太線)での測定である。 ブタノール蒸気下で室温で測定された、式(1)の化合物のブタノール溶媒和物のX線粉末図である。 式(1)の化合物のブタノール溶媒和物を室温で測定した2つのX線粉末図を含むX線粉末図であり、下から上にそれぞれ、(a)ブタノール蒸気下で(実線)、および(b)周囲条件に曝露した後(太線)での測定である。 DCM蒸気下で室温で測定された、式(1)の化合物のDCM溶媒和物のX線粉末図である。 THF蒸気下で室温で測定された、式(1)の化合物のTHF溶媒和物のX線粉末図である。 式(1)の化合物の2-プロパノール溶媒和物の、室温で測定されたHR(高分解能)X線粉末図である。 式(1)の化合物のメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)溶媒和物の、室温で測定されたX線粉末図である。 式(1)の化合物の1,4-ジオキサン溶媒和物の、室温で測定されたX線粉末図である。 式(1)の化合物の1,4-ジオキサン溶媒和物の2つのX線粉末図を含むX線粉末図であり、下から上にそれぞれ、室温(実線)で、および1週間後に室温で(太線)の測定である。
式(1)の化合物の無水物結晶形態2、ならびに式(1)の化合物の比較例無水物形態および溶媒和物
式(1)の化合物の無水物結晶形態2
上記で説明したように、本明細書では、形態2である式(1)の化合物の無水物結晶形態が提供され、
Figure 2023504912000003
これは、約9.5;11.8;14.1;14.6;17.7および18.5度(各回±0.2)の2θ角として表されるピークを提示し、場合により、約15.5;15.9;16.6および22.2度(各回±0.2)の2θ角として表されるピークをさらに示す粉末X線回折図を有することを特徴とし、場合により、さらに図1に実質的に例示される粉末X線回折図を特徴とする。
一実施形態によれば、式(1)の化合物の無水物結晶形態2は、2θ角に関して約9.5度にピークを含むX線粉末回折パターンを有する。
より具体的には、式(1)の化合物の無水物結晶形態2の特徴的なX線粉末回折図を実質的に図1に与えることができ、その特徴的な信号を以下の表Iに要約する。
Figure 2023504912000004
一実施形態において、式(1)の化合物の無水物結晶形態2は、約204℃(±2℃)で開始する融解吸熱を示す示差走査熱量測定(DSC)を有し、場合により、図2に実質的に例示されるサーモグラムをさらに特徴とする。
図2に示されるように、この融点温度は、比較的高い融解エンタルピーΔH(ほぼ70J/g)に関連している。
さらに、有利なことに、温度変化への曝露は、融解前にその結晶構造を変化させない。
別の実施形態において、式(1)の化合物の無水物結晶形態2は、約25℃(±0.2℃)の温度で0%~95%の相対湿度の範囲の動的蒸気収着(DVS)によって決定した場合、結晶形態2無水物の重量に対して、0.2重量%未満、特に0.1重量%未満の重量増加を示すことを特徴とし、場合により、図3に実質的に示されるDVS等温線プロットをさらに特徴とする。
実質的に図3に対応する特性データを、以下の表IIに要約する。
Figure 2023504912000005
これらの結果は、式(1)の化合物の無水物結晶形態2が吸湿性を提示しないことを示している(図3に実質的に示されるように、95%の相対湿度で0.06%の水の取り込み)。
したがって、本開示の意味において、および欧州薬局方に従って、本明細書で使用される「吸湿性なし」という用語は、約25℃(±0.2℃)において0~95%の相対湿度の範囲で測定したときの化合物の重量に対して、0.2重量%未満の重量増加を示す化合物を指す。
加えて、本発明者らは、式(1)の化合物の無水物結晶形態2は、水分に曝された後に別の結晶形態に変換しないことを観察した。さらに、温度変化への曝露は、その融解前に結晶構造を変化させない。
これらの要素は全て、無水物形態2の安定性を示している。
実験の部に示されるように、本発明者らは、式(1)の化合物が多形(無水物形態、より具体的には無水物結晶形態1、3および4)、ならびに疑似多形(溶媒和物、より具体的にはエタノール、アセトン、ブタノール、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、2-プロパノール、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)および1,4ジオキサン溶媒和物)を形成する可能性についても深く研究した。
多形性とは、単一の化合物が複数の形態または結晶構造で存在する能力である。異なる多形は、同じ分子式を共有する別個の固体を表し、各多形は別個の物理的特性を有する可能性がある。単一の化合物は種々の多形形態を生じさせる可能性があり、ここでの各形態は異なる溶解度プロファイル、異なる熱力学的安定性、異なる結晶化挙動、異なる濾過性、異なる融点温度および/または異なるX線回折ピークのような異なるおよび別個の物理的特性を有する可能性がある。この異なる多形形態における物理的特性の違いは、固体内における隣接する分子の異なる配向および分子間相互作用に起因する。化合物の多形形態は、X線回折によって識別できる。
「溶媒和物」とは、1つまたはそれ以上の溶媒分子と式(1)の化合物との会合体または複合体を指す。
「化合物のアモルファス相」とは、結晶の特徴である長距離秩序を欠いた固体である。その結果、アモルファス相のX線回折パターンは回折ピークを示さない。
「結晶」という用語は、アモルファスの固体物質とは対照的に、多かれ少なかれ鋭いピークをもった独特のXRPDパターンを与える3次元秩序を示す任意の固体物質を指す。
「無水物」という用語は、その構造に水を含まない物質の結晶形態を指す。敷衍すれば、「無水物」という用語は通常、その構造内に水および/または溶媒を含まない物質の結晶形態を指す。
「ヘテロ溶媒和物」という用語は、格子の中に複数の種類の溶媒が含まれている結晶形態を指す。
これら比較例無水物形態1、3、および4ならびに溶媒和物についての、特性評価(XRPD、DSC、およびDVS)および幾つかの特性を以下に詳述する。
以下に説明するように、式(1)の化合物の無水物結晶形態2は、以下に詳述しかつ実施例に例示されるように、幾つかの理由で、他の3つの同定された無水物結晶形態および溶媒和物よりも特に有利である。
式(1)の化合物の無水物結晶形態1
式(1)の化合物の無水物結晶形態1の調製は、比較例6において以下に詳述する。
式(1)の化合物の無水物結晶形態1は、XRPD、DSCおよびDVSによって特性評価された。その結果を以下に詳述する。
より具体的には、式(1)の化合物の無水物結晶形態1の特徴的なX線粉末回折図を実質的に図4に与えることができ、その特徴的な信号を以下の表IIIに要約する。
Figure 2023504912000006
図5に実質的に示されるように、式(1)の化合物の無水物結晶形態1は、約132℃(±2℃)で開始する融解吸熱を示す示差走査熱量測定を有する。この融点温度は、式(1)の化合物の無水物結晶形態2よりも弱い融解エンタルピーΔH(ほぼ21J/g)に関連している。
加えて、図6に実質的に例示されかつ以下の表に明示されるように、式(1)の化合物の無水物結晶形態1は、約25℃(±0.2℃)の温度で95%の相対湿度における動的蒸気収着によって決定した場合、該結晶形態1無水物の重量に対して、4.07重量%の重量増加を示すことを特徴とする。
実質的に図6に対応する特性データを、以下の表IVに要約する。
Figure 2023504912000007
DSCおよびDVSの結果から、無水物結晶形態2は有利なことに、より高い融点を有しかつ無水物結晶形態1よりも吸湿性が低いことが分かる。実際、上記のように、無水物結晶形態2は吸湿性ではない。無水物結晶形態2は安定であるのに対して、無水物結晶形態1は準安定であり、これは、無水物結晶形態1が、その環境変化に続いて、経時的に形態2に変換すると予想されることを意味する。
式(1)の化合物の無水物結晶形態3
式(1)の化合物の無水物結晶形態3の調製は、比較例7において以下に詳述する。
式(1)の化合物の無水物結晶形態3は、XRPD、DSCおよびDVSによって特性評価された。その結果を以下に詳述する。
より具体的には、式(1)の化合物の無水物結晶形態3の特徴的なX線粉末回折図を実質的に図7に与えることができ、その特徴的な信号を以下の表Vに要約する。
Figure 2023504912000008
図8に実質的に示されるように、式(1)の化合物の無水物結晶形態3は、約149℃(±2℃)で開始する融解吸熱を示す示差走査熱量測定を有する。この融点温度は、式(1)の化合物の無水物結晶形態2よりも弱い融解エンタルピーΔH(ほぼ40J/g)に関連している。
加えて、図9に実質的に例示されかつ以下の表に明示されるように、式(1)の化合物の無水物結晶形態3は、約25℃(±0.2℃)の温度で95%の相対湿度における動的蒸気収着によって決定した場合、該結晶形態3無水物の重量に対して、2.92重量%の重量増加を示すことを特徴とする。
実質的に図9に対応する特性データを、以下の表VIに要約する。
Figure 2023504912000009
DSCおよびDVSの結果から、無水物結晶形態2は有利なことに、より高い融点を有しかつ無水物結晶形態3よりも吸湿性が低いことが分かる。実際、上記のように、無水物結晶形態2は吸湿性ではない。無水物結晶形態2は安定であるのに対して、無水物結晶形態3は準安定であり、これは、無水物結晶形態3が、その環境変化に続いて、経時的に形態2に変換すると予想されることを意味する。
式(1)の化合物の無水物結晶形態4
式(1)の化合物の無水物結晶形態4の調製は、比較例8において以下に詳述する。
式(1)の化合物の無水物結晶形態4は、XRPD、DSCおよびDVSによって特性評価された。その結果を以下に詳述する。
より具体的には、式(1)の化合物の無水物結晶形態4の特徴的なX線粉末回折図は、実質的に図10に与えることができ、その特徴的な信号を以下の表VIIに要約する。
Figure 2023504912000010
図11に実質的に示されるように、式(1)の化合物の無水物結晶形態4は、約130℃(±2℃)で開始する融解吸熱を示す示差走査熱量測定を有する。この融点温度は、式(1)の化合物の無水物結晶形態2よりも弱い融解エンタルピーΔH(ほぼ22J/g)に関連している。
加えて、図12に実質的に例示されかつ以下の表VIIIに明示されるように、式(1)の化合物の無水物結晶形態4は、約25℃(±0.2℃)の温度で90%の相対湿度における動的蒸気収着によって決定した場合、該結晶形態4無水物の重量に対して、0.75重量%の重量増加を示すことを特徴とする。
実質的に図12に対応する特性データを、以下の表VIIIに要約する。
Figure 2023504912000011
DSCおよびDVSの結果から、無水物結晶形態2は有利なことに、より高い融点を有しかつ無水物結晶形態4よりも吸湿性が低いことが分かる。実際、上記のように、無水物結晶形態2は吸湿性ではない。無水物結晶形態2は安定であるのに対して、無水物結晶形態4は準安定であり、これは、無水物結晶形態4が、その環境変化に続いて、経時的に形態2に変換すると予想されることを意味する。
式(1)の化合物のエタノール溶媒和物
このエタノール溶媒和物の調製は、以下の比較例9において詳述される。この溶媒和物はXRPDによって特性評価された。その結果を以下に詳述する。
より具体的には、室温で測定されたエタノール蒸気下での式(1)の化合物のこのエタノール溶媒和物の特徴的なX線粉末回折図は、実質的に図13aに与えることができ、その特徴的な信号を以下の表IXに要約する。
Figure 2023504912000012
本発明者らは、図13bに実質的に示されるように、このエタノール溶媒和物の熱(例えば、40℃)および/または水分への曝露が、一般に、無水物形態1の形成をもたらすことを観察した。加えて、部分的に脱溶媒和されたサンプルへのエタノール蒸気は当初のエタノール溶媒和物を導く。
したがって、このエタノール溶媒和物は不安定である。
式(1)の化合物のアセトン溶媒和物
このアセトン溶媒和物の調製は、以下の比較例10において詳述される。この溶媒和物はXRPDによって特性評価された。その結果を以下に詳述する。
より具体的には、室温で測定されたアセトン蒸気下での式(1)の化合物のこのアセトン溶媒和物の特徴的なX線粉末回折図は、実質的に図14aに与えることができ、その特徴的な信号を以下の表Xに要約する。
Figure 2023504912000013
本発明者らは、このアセトン溶媒和物が物理的に不安定であり、一般に、周囲条件または乾燥窒素に曝されたときには、図14bに実質的に示されるように、低結晶性材料に変換されることを観察した。
式(1)の化合物のブタノール溶媒和物
このブタノール溶媒和物の調製は、以下の比較例11において詳述される。この溶媒和物はXRPDによって特性評価された。その結果を以下に詳述する。
より具体的には、室温で測定されたブタノール蒸気下での式(1)の化合物のこのブタノール溶媒和物の特徴的なX線粉末回折図は、実質的に図15aに与えることができ、その特徴的な信号を以下の表XIに要約する。
Figure 2023504912000014
本発明者らは、このブタノール溶媒和物が、ヘテロ溶媒和物(1:2:1の水:ブタノール:医薬有効成分)と見なされるべきものであり、これは物理的に不安定で、図15bに実質的に示されるように、一般に、周囲条件または乾燥窒素に曝されたときにはアモルファス形態に変換することを観察した。
式(1)の化合物のジクロロメタン(DCM)溶媒和物
このDCM溶媒和物の調製は、以下の比較例12において詳述される。この溶媒和物はXRPDによって特性評価された。その結果を以下に詳述する。
より具体的には、室温で測定されたDCM蒸気下での式(1)の化合物のこのDCM溶媒和物の特徴的なX線粉末回折図は、実質的に図16に与えることができ、その特徴的な信号を以下の表XIIに要約する。
Figure 2023504912000015
本発明者らは、このDCM溶媒和物の熱および/または水分への曝露が、一般に、無水物形態1の形成をもたらすことを観察した。本発明者らは、このDCM溶媒和物の熱および/またはNへの曝露が、一般に、無水物形態4の形成をもたらすことを観察した。したがって、このDCM溶媒和物は不安定である。
式(1)の化合物のテトラヒドロフラン(THF)溶媒和物
このTHF溶媒和物の調製は、以下の比較例13において詳述される。この溶媒和物はXRPDによって特性評価された。その結果を以下に詳述する。
より具体的には、室温で測定されたTHF蒸気下での式(1)の化合物のこのTHF溶媒和物の特徴的なX線粉末回折図は、実質的に図17に与えることができ、その特徴的な信号を以下の表XIIIに要約する。
Figure 2023504912000016
本発明者らは、このTHF溶媒和物の熱および/または水分への曝露によって、一般に、無水物形態1の形成がもたらされることを観察した。したがって、このTHF溶媒和物は不安定である。
式(1)の化合物の2-プロパノール溶媒和物
この2-プロパノール溶媒和物の調製は、以下の比較例14において詳述される。この溶媒和物は、HR XRPDによって特性評価された。その結果を以下に詳述する。
より具体的には、室温で測定された式(1)の化合物のこの2-プロパノール溶媒和物の特徴的なHR X線粉末回折図は、実質的に図18に与えることができ、その特徴的な信号を以下の表XIVに要約する。
Figure 2023504912000017
本発明者らは、この2-プロパノール溶媒和物が、一般に、加熱すると、無水物形態3に変換し、それ自体は一般に無水物形態2に変換することを観察した。
式(1)の化合物のメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)溶媒和物
このMTBE溶媒和物の調製は、以下の比較例15において詳述される。この溶媒和物はXRPDによって特性評価された。その結果を以下に詳述する。
より具体的には、室温で測定された式(1)の化合物のこのMTBE溶媒和物の特徴的なX線粉末回折図は、実質的に図19に与えることができ、その特徴的な信号を以下の表XVに要約する。
Figure 2023504912000018
XRPD分析によると、このMTBE溶媒和物は、開示されている他の溶媒和物の中で最も結晶化が進んでいない。
本発明者らはまた、このMTBE溶媒和物は、一般に、加熱すると、ほぼ10J/gの融解エンタルピーΔHを伴って、80℃で融解することを観察した。
式(1)の化合物の1,4-ジオキサン溶媒和物
この1,4-ジオキサン溶媒和物の調製は、以下の比較例16において詳述される。この溶媒和物はXRPDによって特性評価された。その結果を以下に詳述する。
より具体的には、室温で測定された式(1)の化合物のこの1,4-ジオキサン溶媒和物の特徴的なX線粉末回折図は、実質的に図20aに与えることができ、その特徴的な信号を以下の表XVIに要約する。
Figure 2023504912000019
本発明者らは、この1,4-ジオキサン溶媒和物は物理的に不安定であり、一般には、室温で、結晶化が不十分な未知の固体形態に変換されることを観察した。室温で1週間後における、1,4-ジオキサン溶媒和物の非安定性が図20bに実質的に例示される。
結論
上記で与えられた結果を考慮して、式(1)の化合物の無水物結晶形態2は、特に、少なくとも温度および圧力の周囲条件下での安定性、湿度条件下での安定性(吸湿性)、融点の値などに関して、式(1)の化合物の無水物結晶形態1、3および4、ならびに式(1)の化合物の溶媒和物(エタノール、アセトン、ブタノール、THF、DCM、2-プロパノール、MTBEおよび1,4-ジオキサン溶媒和物)よりも有利な特性を有することが実証された。
したがって、式(1)の化合物の無水物結晶形態2は、工業的規模での使用および貯蔵に最も適した生成物であるように思われる。実際、式(1)の化合物の無水物結晶形態2は、上記で示した通り、吸湿性はなくかつ安定である(融点の値、融解エンタルピーの値など)。
式(1)の化合物の無水物結晶形態2の調製方法
上記で示した通り、本明細書では、6-(2,4-ジクロロフェニル)-5-[4-[(3S)-1-(3-フルオロプロピル)ピロリジン-3-イル]オキシフェニル]-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾ[7]アヌレン-2-カルボン酸の無水物結晶形態2を調製する方法もまた提供される。
式(1)の化合物の無水物結晶形態2は、蒸発による結晶化、冷却による結晶化、または水またはヘプタンなどの非溶媒を添加することによる結晶化など、当業者に既知の従来の結晶化技術によって得ることができる。
場合により、以下に記載される方法の工程1は、播種を実行することによって、すなわち、以前に得られた式(1)の化合物の無水物形態2の種晶を使用することによっても実施され得る。実施例5は、播種を使用した合成経路を示している。
本開示の意味において、「設定温度」とは、対応する工程の間は同じままである温度を意味する。
本開示の文脈において、溶媒の「ほぼ完全な蒸発」という表現は、蒸発が完全には行われないこと、すなわち、蒸発される溶媒の量は減少するにもかかわらず、非常に低含量で存在することを意味する。言い換えれば、この蒸発は乾固してはならない。
蒸発による結晶化
一実施形態によれば、式(1)の化合物の無水物結晶形態2を調製する方法は、少なくとも、
1)アモルファス形態にある式(1)の化合物を、アルコール、ケトン、アセテート、エーテルおよびアセトニトリルから選択される溶媒中に、場合により水と混合して、18℃~80℃の範囲の設定温度で、可溶化する工程と、
2)工程1)で得られた溶液を、工程1)で設定されたのと同じ温度に放置して、ほぼ完全に蒸発させる工程と、
3)工程2)で形成された式(1)の化合物の無水物結晶形態2を単離する工程と
を含む。
特定の実施形態において、工程1)の溶媒は、メタノール、メタノール/水混合物、エタノール、エタノール/水混合物、2-プロパノール、1-プロパノール、1-プロパノール/水混合物、1-ブタノール、1-ブタノール/水混合物、アセトン、アセトン/水混合物、2-ブタノン(メチルエチルケトンまたはMEKとも呼ばれる)、2-ブタノン/水混合物、メチルイソブチルケトン(MIBKとも呼ばれる)、メチルイソブチルケトン/水混合物、酢酸メチル、酢酸メチル/水混合物、酢酸エチル、酢酸エチル/水混合物、酢酸イソプロピル、酢酸イソプロピル/水混合物、酢酸イソブチル、酢酸イソブチル/水混合物、アセトニトリル、およびメチルtert-ブチルエーテル(MTBEとも呼ばれる)から選択される。
より具体的な実施形態において、工程1)の溶媒は、メタノール、メタノール/水混合物、エタノール、エタノール/水混合物、2-プロパノール、1-プロパノール、1-プロパノール/水混合物、1-ブタノール/水混合物、アセトン、アセトン/水混合物、2-ブタノン、2-ブタノン/水混合物、メチルイソブチルケトン/水混合物、酢酸メチル、酢酸メチル/水混合物、酢酸エチル、酢酸エチル/水混合物、酢酸イソプロピル/水混合物、酢酸イソブチル、酢酸イソブチル/水混合物、およびアセトニトリルから選択される。
さらに別の実施形態において、工程1)の溶媒は、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、アセトニトリル、メタノール/水混合物、エタノール/水混合物、1-プロパノール/水混合物、1-ブタノール/水混合物、2-ブタノン/水混合物、メチルイソブチルケトン/水混合物、酢酸メチル/水混合物、酢酸エチル/水混合物、酢酸イソプロピル/水混合物、酢酸イソブチル/水混合物、およびメチルイソブチルケトン/水混合物から選択される。
工程1)の溶媒が水と混合されている場合、溶媒/水の体積比は典型的には99/1である。
別の実施形態によれば、工程1)および工程2)の設定温度は、20℃~80℃、またはさらには25℃~80℃の温度範囲から選択される。
冷却による結晶化
別の実施形態によれば、式(1)の化合物の無水物結晶形態2を調製する方法は、少なくとも、
1)アモルファス形態にある式(1)の化合物を、アルコール、ケトン、アセテート、エーテルおよびアセトニトリルから選択される溶媒中に、室温である設定温度で、可溶化または懸濁する工程と、
2)場合により、工程1)で得られた溶液または懸濁液を、60℃~80℃の範囲の設定温度で加熱し、溶液または懸濁液を撹拌および濾過することによって精製する工程と、
3)工程1)または工程2)で得られた溶液または懸濁液を、60℃~80℃の範囲の設定温度で加熱する工程と、
4)工程2)で得られた溶液または懸濁液を、-20℃~25℃の範囲の設定温度に冷却する工程と、
5)工程4)で形成された式(1)の化合物の無水物結晶形態2を単離する工程と
を含む。
場合による工程2)は、溶液または懸濁液中に存在し得る不純物または細菌を取り除くことを有利に可能にする。
特定の実施形態において、工程1)の溶媒は、エタノール、2-プロパノール、1-プロパノール、1-ブタノール、アセトン、2-ブタノン(メチルエチルケトンまたはMEKとも呼ばれる)、メチルイソブチルケトン(MIBKとも呼ばれる)、イソペンチルメチルケトン(MIAKとも呼ばれる)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、アセトニトリル、およびメチルtert-ブチルエーテル(MTBEとも呼ばれる)から選択される。
一実施形態において、工程1)の溶媒はアセトンである。
一変形形態によれば、工程1)の設定温度は工程4)のものと同じである。
別の変形形態によれば、工程1)の設定温度は、工程4)のものと同じであり、工程2)の設定温度は、工程3)のものと同じである。
非溶媒として水を添加することによる結晶化
別の実施形態によれば、式(1)の化合物の無水物結晶形態2を調製する方法は、少なくとも、
1)アモルファス形態にある式(1)の化合物を、アルコール、ケトン、アセテート、およびジエチルエーテルから選択される溶媒中に、室温である設定温度で、可溶化または懸濁する工程と、
2)場合により、工程1)で得られた溶液または懸濁液を濾過する工程と、
3)非溶媒として水を添加する工程と、
4)工程3)で形成された式(1)の化合物の無水物結晶形態2を単離する工程と
を含む。
場合による、濾過する工程2)は、溶液または懸濁液中に存在し得る不純物または細菌を有利に除去することを可能にする。
特定の実施形態において、工程1)の溶媒は、2-プロパノール、1-プロパノール、1-ブタノール、アセトン、2-ブタノン、メチルイソブチルケトン、イソペンチルメチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、およびジエチルエーテルから選択される。
場合により、工程3)の後に溶媒を蒸発させるように放置する。
非溶媒としてヘプタンを添加することによる結晶化
別の実施形態によれば、式(1)の化合物の無水物結晶形態2を調製する方法は、少なくとも、
1)アモルファス形態にある式(1)の化合物を、アルコール、ケトン、およびアセテートから選択される溶媒中に、室温である設定温度で、可溶化または懸濁する工程と、
2)場合により、工程1)で得られた溶液または懸濁液を濾過する工程と、
3)非溶媒としてヘプタンを添加する工程と、
4)工程3)で形成された式(1)の化合物の無水物結晶形態2を単離する工程と
を含む。
場合による、濾過する工程2)は、溶液または懸濁液中に存在し得る不純物または細菌を有利に除去することを可能にする。
特定の実施形態において、工程1)の溶媒は、エタノール、2-プロパノール、1-プロパノール、1-ブタノール、アセトン、2-ブタノン、メチルイソブチルケトン、イソペンチルメチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、および酢酸イソブチルから選択される。
播種による結晶化
別の実施形態によれば、式(1)の化合物の無水物結晶形態2は、播種方法によって、すなわち、以前に得られた無水物結晶形態2の種晶を使用することによって得ることができる。播種は、当技術分野で周知の結晶化技術である。このような播種方法は、例えば、以下の工程を含むことができる:
1)アモルファス形態にある式(1)の化合物を、2-メチルテトラヒドロフランまたはジクロロメタンのような有機溶媒中で可溶化する工程、
2)式(1)の化合物の無水物結晶形態2の種晶を添加する工程。
一実施形態において、播種方法は、室温と穏やかな加熱との間に含まれる温度、例えば約28℃(±3℃)で実施される。別の実施形態において、播種方法は、アセトンのような非溶媒を添加する工程を含む溶媒交換の工程3)を含む。次に、式(1)の化合物の無水物結晶形態2の結晶を、反応媒体の濾過および乾燥によって回収する。
材料および方法
I.示差走査熱量測定(DSC)
DSC分析は、Q1000アナライザー(TA Instruments)で実行された。数mgのサンプル塊を封止されていないアルミニウムパンに堆積させ、一定の窒素流によって雰囲気を調整した。分析は、5℃/分のスキャン速度で実行された。
II.X線粉末回折(XRPD)
分析は、ブラッグ-ブレンターノ(Bragg-Brentano)のパラフォーカシングジオメトリを使用して、ブルカーD4エンデバー(Brucker D4 Endeavor)機器を用いて室温で実行された。封止された銅陽極X線管を使用した(λCuKα平均=1.54178Å)。LynxEye線形検出器によってセットアップが完了した。各サンプル分析につき、2θで0.016°のステップサイズを用いて、数2θ度から数十2θ度の角度範囲で1工程当たり数秒のカウント時間を使用した。
各実験では、粉末をサンプルホルダの表面に堆積させた。
III.動的蒸気収着(DVS)を使用した水収着等温線
実験は、DVS自動重量分析蒸気収着分析装置(Surface Measurement Systems Ltd.、ロンドン、英国)で実行された。サンプルによる水の取り込みおよび損失は、±0.1μgの質量分解能の超微量天秤を使用した重量分析で測定された。制御された相対湿度は、様々な比率の乾燥および水飽和キャリアガス流を混合することによって生成された。温度制御されたインキュベーターの中にシステム全体を封入することにより、温度を25.0±0.2℃で一定に維持した。5~20mgのサンプルサイズが使用された。水蒸気に曝す前に、サンプルを0%相対湿度(RH)で乾燥させ、存在するほとんどの表面水を除去して、乾燥したベースライン質量を確立させた。次に、サンプルを0%~95%RHまで、5%RHのステップで上昇する相対湿度の増加に曝露させた。
IV.高分解能X線粉末回折(HR-XRPD)
高分解能の図は、X’Celerator検出器と連結したブラッグ-ブレンターノ(垂直θ-2θ構成)パラフォーカシングジオメトリを使用して、PANanalytical X’Pert Pro MPD粉末回折計を用いて周囲条件で記録された。封止された銅陽極X線管を使用した。入射ビームモノクロメータは、純粋なCuKα1放射線(λ=1.5406Å)を生じた。角度範囲は、2θにおける0.017°のステップサイズで、数2θ度から数十2θ度2θにまで拡大された。
実施例1:蒸発による再結晶化による、式(1)の化合物の無水物結晶形態2の調製
プロトコル1:式(1)のアモルファス化合物10mg/mL(5mLの溶媒中の50mgの固体アモルファス、20mLのバイアル)の溶液を室温で調製した。この溶液/懸濁液を、ほぼ完全に蒸発するように選択した温度で放置した(20mL開口バイアル)。
プロトコル1に従い、溶媒として、メタノールを約20℃、40℃、または80℃(各回±2℃)で、エタノール/HO(99/1)を約20℃(±2℃)で、2-ブタノンを約20℃、40℃または80℃(各回±2℃)で、酢酸エチルを約20℃、40℃または80℃(各回±2℃)で、またはアセトニトリルを約20℃、40℃または80℃(各回±2℃)で別々に使用した。
実施例2:冷却による再結晶化を介しての、式(1)の化合物の無水物結晶形態2の調製
プロトコル2:式(1)のアモルファス化合物(1mLの溶媒中の100mgの固体アモルファス、4mLのバイアル)の100mg/mLの溶液/懸濁液(使用する溶媒に応じて)を室温で調製した。次に、この溶液/懸濁液を80℃に加熱した。後者を、再び80℃に加熱した。次に、溶液を室温、5℃または-20℃に冷却した。
プロトコル2に従い、溶媒として、冷却工程のために約-20℃、5℃、または20℃(各回±2℃)の温度を用いてアセトンを、または冷却工程のために約5℃または20℃(各回±2℃)の温度を用いて酢酸メチルを別々に使用した。
実施例3:非溶媒として水を添加することによる再結晶化を介しての、式(1)の化合物の無水物結晶形態2の調製
プロトコル3:式(1)のアモルファス化合物(1mLの溶媒中の50mgの固体アモルファス、4mLのバイアル)の50mg/mLの溶液/懸濁液(使用する溶媒に応じて)を室温で調製した。後者は、非溶媒(ここでは水)を添加するために室温に保たれた。
プロトコル3に従い、溶媒として、約20℃(±2℃)のMIBKまたは約20℃(±2℃)の酢酸イソブチルを別々に使用した。
実施例4:非溶媒としてヘプタンを添加することによる再結晶化を介しての、式(1)の化合物の無水物結晶形態2の調製
プロトコル4:式(1)のアモルファス化合物(250μLの溶媒中の50mgの固体アモルファス、4mLのバイアル)の200mg/mLの溶液/懸濁液(使用する溶媒に応じて)を室温で調製した。後者は、非溶媒(ここではヘプタン)を添加するために室温に保たれた。
プロトコル4に従い、溶媒として、約20℃(±2℃)の1-ブタノール、約20℃(±2℃)のアセトン、または約20℃(±2℃)の酢酸イソプロピルを別々に使用した。
無水物結晶形態2の特性評価
式(1)の化合物の無水物結晶形態2は、図1に実質的に提示されるXRPDによって、図2に実質的に例示されるDSCによって、および図3に実質的に例示されるDVSによって特性評価された。
実施例5:播種による、式(1)の化合物の無水物結晶形態2の調製。
1kgの6-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(4-[1-(3-フルオロ-プロピル)-ピロリジン-3-イルオキシ]-フェニル)-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾシクロヘプテン-2-カルボン酸メチルエステルシュウ酸塩から出発して、特許出願WO2020/049153に記載されているように、MeTHF(2-メチルテトラヒドロフランとも呼ばれる)中の炭酸カリウム水溶液の添加によって、遊離塩基が得られる。次に、MeTHF中の溶液中の遊離塩基を、当技術分野で周知の条件下で、MeOHの存在下にNaOHを使用して鹸化する。pHを5.0~6.6の範囲に維持しながら水性媒体中で数回洗浄した後、有機相(MeTHFで構成される)を、最高55℃のジャケット温度で真空下で蒸留することにより脱水する。式(1)の化合物の無水物形態2の種晶を、出発物質(上記のシュウ酸塩)に対する反応媒体(MeTHF)の5Vの体積比で、28℃±3℃で導入した。反応媒体を、撹拌しながら少なくとも1時間、28℃±3℃に維持した。
次に、MeTHF溶媒を、真空下で、最高55℃の温度で一定容量のアセトンと交換した。この溶媒交換中に反応媒体が濁り、結晶化が始まったことを示した。MeTHF含有量が2.0%以下になるまで蒸留を行った。
反応媒体を40℃~45℃に加熱し、精製水を、出発物質(上記のシュウ酸塩)1kg当たり1.3Vの精製水の比率で添加した。反応媒体を撹拌しながら、少なくとも4時間0℃±3℃に冷却した。このようにして得られた式(1)の化合物の無水物形態2を、アセトンおよび水で洗浄し、濾過し、次いで乾燥させて、式(1)の化合物の無水物形態2の0.77kgを得た。
別の実施形態において、この播種方法はまた、式(1)の化合物の乾燥アモルファス形態で実施された。該アモルファス形態を7.1VのMeTHF中で可溶化し、完全に溶解するまで約55℃に加熱した。媒体を、最高55℃のジャケット温度で真空下で濃縮し、上記のようにして播種を行った。収率は95%超であった。
比較例6:式(1)の化合物の無水物結晶形態1
式(1)の化合物の無水物結晶形態1は、エタノール溶媒和物の脱溶媒和によって得られた。
エタノール溶媒和物形態は、エタノール溶液を室温で徐々に蒸発させることによって得られた。次に、こうして得られたエタノール溶媒和物を40℃で真空下に置いた。次いで、エタノール溶媒和物の脱溶媒和により、無水物結晶形態1が生成した。
式(1)の化合物の無水物結晶形態1は、図4に実質的に提示されるXRPDによって、図5に実質的に例示されるDSCによって、および図6に実質的に例示されるDVSによって特性評価された。
比較例7:式(1)の化合物の無水物結晶形態3
アセトン中の式(1)の化合物の50mg/mL溶液に、40重量%の水を、室温で徐々に添加した。無水形態3の結晶は、室温でさらに数時間後に現れた。
式(1)の化合物の無水物結晶形態3は、図7に実質的に提示されるXRPDによって、図8に実質的に例示されるDSCによって、および図9に実質的に例示されるDVSによって特性評価された。
比較例8:式(1)の化合物の無水物結晶形態4
式(1)の化合物の無水物結晶形態4は、DCM溶媒和物の動的蒸気収着(DVS)を使用して、水収着等温線を実施することによって得られた。25℃で窒素流(毎分200cm)下で数時間、次いで、25℃で相対湿度0%~95%までの2連続サイクルの水の収着/脱着の後に、式(1)の化合物の無水物形態4が得られた。
比較例9:式(1)の化合物のエタノール溶媒和物。
エタノール溶媒和物は、エタノール中に40℃で溶解し(50mg/mL)、約20℃(±2℃)で冷却することにより得られた。エタノール溶媒和物の化学量論は、式(1)の化合物1分子当たり、溶媒1分子である。
エタノール溶媒和物のXRPD図は、実質的に図13aおよび図13bに提示される。
比較例10:式(1)の化合物のアセトン溶媒和物。
アセトン溶媒和物は、飽和溶液を約20℃(±2℃)で徐々に蒸発させることによって得られた。その化学量論は、式(1)の化合物1分子に対して1.5分子の溶媒である。
アセトン溶媒和物のXRPD図は、実質的に図14aおよび図14bに提示される。
比較例11:式(1)の化合物のブタノール溶媒和物。
ブタノール溶媒和物は、20mg/mLの溶液を-20℃に冷却することによって得られた。後者はヘテロ溶媒和物である(水:ブタノール:式(1)の化合物=1:2:1)。
ブタノール溶媒和物のXRPD図は、実質的に図15aおよび図15bに提示される。
比較例12:式(1)の化合物のDCM溶媒和物
式(1)の化合物の2.5容量の溶液を、DCM中において室温で調製した。次に、この溶液を5℃で徐々に蒸発させた。
DCM溶媒和物のXRPD図は、実質的に図16に提示される。
比較例13:式(1)の化合物のTHF溶媒和物。
式(1)の化合物の400mg/mL溶液を、40℃のTHF中で調製した。次に、この溶液を磁気撹拌下に室温で冷却した。
THF溶媒和物のXRPD図は、実質的に図17に提示される。
比較例14:式(1)の化合物の2-プロパノール溶媒和物。
2-プロパノール溶媒和物は、混合溶媒2-プロパノール/水(99/1)を約20℃(±2℃)で蒸発させることで得られた。2-プロパノール溶媒和物の化学量論は、式(1)の化合物1分子当たり1分子の溶媒である。
この2-プロパノール溶媒和物のXRPD図が、実質的に図18に提示される。
比較例15:式(1)の化合物のMTBE溶媒和物。
MTBE溶媒和物は、約20℃(±2℃)での気相拡散による50mg/mL溶液中の水の徐放によって得られた。
このMTBE溶媒和物のXRPD図が、実質的に図19に提示される。
比較例16:式(1)の化合物の1,4-ジオキサン溶媒和物。
1,4-ジオキサン溶媒和物は、100mg/mL溶液を-20℃に冷却することによって得られた。
この1,4ジオキサン溶媒和物のXRPD図が、実質的に図20aおよび図20bに提示される。
上記で説明したように、本発明者らは、式(1)の化合物の形態2が、室温および周囲圧力下において、上記の様々な同定された形態と比較して熱力学的により安定であることを実証した。
無水物形態2はさらに、吸湿性でなく、かつ水分に曝された後に別の結晶形態に変換されないという利点を提示する。さらに、温度変化に曝されても、融解する前に結晶構造が変化することはない。さらに、無水物形態2が得られたときには、種結晶を添加することによって無水物形態1を再結晶化することは不可能であり、したがって、これは無水物形態2結晶の安定性を示すことに留意されたい。
溶媒和物に関する限り、温度および圧力の周囲条件下において、全ての溶媒和物が不安定である。

Claims (23)

  1. 形態2である式(1)の化合物の無水物結晶形態であって、
    Figure 2023504912000020
    約9.5;11.8;14.1;14.6;17.7および18.5度の2θ角として表されるピークを提示する、粉末X線回折図を有することを特徴とする前記無水物結晶形態2。
  2. 約9.5度の2θ角として表されるピークを含む粉末X線回折図を有する、請求項1に記載の式(1)の化合物の無水物結晶形態2。
  3. 約15.5;15.9;16.6および22.2度の2θ角として表されるピークをさらに示し、場合により、図1に実質的に例示される粉末X線回折図をさらに特徴とする、請求項1または請求項2に記載の式(1)の化合物の無水物結晶形態2。
  4. 示差走査熱量測定DSCが約204℃で開始する融解吸熱を示し、場合により、図2に実質的に例示されるサーモグラムをさらに特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の式(1)の化合物の無水物結晶形態2。
  5. 約25℃の温度で0%~95%の相対湿度の範囲の動的蒸気収着(DVS)によって決定した場合、結晶形態2無水物の重量に対して、0.2重量%未満、特に0.1重量%未満の重量増加を示すことを特徴とし、場合により、図3に実質的に示されるDVS等温線プロットをさらに特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の式(1)の化合物の無水物結晶形態2。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の式(1)の化合物の無水物結晶形態2である固体形態。
  7. 請求項1~5のいずれか1項に記載の式(1)の化合物の無水物結晶形態2を調製する方法であって、少なくとも、
    1)アモルファス形態にある式(1)の化合物を、アルコール、ケトン、アセテート、エーテルおよびアセトニトリルから選択される溶媒中に、場合により水と混合して、18℃~80℃の範囲の設定温度で、可溶化する工程と、
    2)工程1)で得られた溶液を、工程1)で設定されたのと同じ温度に放置して、ほぼ完全に蒸発させる工程と、
    3)工程2)で形成された式(1)の化合物の無水物結晶形態2を単離する工程と
    を含む前記方法。
  8. 溶媒が、メタノール、メタノール/水混合物、エタノール、エタノール/水混合物、2-プロパノール、1-プロパノール、1-プロパノール/水混合物、1-ブタノール、1-ブタノール/水混合物、アセトン、アセトン/水混合物、2-ブタノン、2-ブタノン/水混合物、メチルイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン/水混合物、酢酸メチル、酢酸メチル/水混合物、酢酸エチル、酢酸エチル/水混合物、酢酸イソプロピル、酢酸イソプロピル/水混合物、酢酸イソブチル、酢酸イソブチル/水混合物、アセトニトリル、およびメチルtert-ブチルエーテルから選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 工程1)および工程2)の設定温度が、20℃~80℃、またはさらには25℃~80℃の温度範囲から選択される、請求項7または8に記載の方法。
  10. 請求項1~5のいずれか1項に記載の式(1)の化合物の無水物結晶形態2を調製する方法であって、少なくとも、
    1)アモルファス形態にある式(1)の化合物を、アルコール、ケトン、アセテート、エーテルおよびアセトニトリルから選択される溶媒中に、室温である設定温度で、可溶化または懸濁する工程と、
    2)場合により、工程1)で得られた溶液または懸濁液を、60℃~80℃の範囲の設定温度で加熱し、溶液または懸濁液を撹拌および濾過することによって精製する工程と、
    3)工程1)または工程2)で得られた溶液または懸濁液を、60℃~80℃の範囲の設定温度で加熱する工程と、
    4)工程2)で得られた溶液または懸濁液を、-20℃~25℃の範囲の設定温度に冷却する工程と、
    5)工程4)で形成された式(1)の化合物の無水物結晶形態2を単離する工程と
    を含む前記方法。
  11. 溶媒が、エタノール、2-プロパノール、1-プロパノール、1-ブタノール、アセトン、2-ブタノン、メチルイソブチルケトン、イソペンチルメチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、アセトニトリル、およびメチルtert-ブチルエーテルから選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 請求項1~5のいずれか1項に記載の式(1)の化合物の無水物結晶形態2を調製する方法であって、少なくとも、
    1)アモルファス形態にある式(1)の化合物を、アルコール、ケトン、アセテート、およびジエチルエーテルから選択される溶媒中に、室温である設定温度で、可溶化または懸濁する工程と、
    2)場合により、工程1)で得られた溶液または懸濁液を濾過する工程と、
    3)非溶媒として水を添加する工程と、
    4)工程3)で形成された式(1)の化合物の無水物結晶形態2を単離する工程と
    を含む前記方法。
  13. 溶媒が、2-プロパノール、1-プロパノール、1-ブタノール、アセトン、2-ブタノン、メチルイソブチルケトン、イソペンチルメチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、およびジエチルエーテルから選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 請求項1~5のいずれか1項に記載の式(1)の化合物の無水物結晶形態2を調製する方法であって、少なくとも、
    1)アモルファス形態にある式(1)の化合物を、アルコール、ケトン、およびアセテートから選択される溶媒中に、室温である設定温度で、可溶化または懸濁する工程と、
    2)場合により、工程1)で得られた溶液または懸濁液を濾過する工程と、
    3)非溶媒としてヘプタンを添加する工程と、
    4)工程3)で形成された式(1)の化合物の無水物結晶形態2を単離する工程と
    を含む前記方法。
  15. 溶媒が、エタノール、2-プロパノール、1-プロパノール、1-ブタノール、アセトン、2-ブタノン、メチルイソブチルケトン、イソペンチルメチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、および酢酸イソブチルから選択される、請求項14に記載の方法。
  16. 請求項1~5のいずれか1項に記載の式(1)の化合物の無水物結晶形態2を調製する方法であって、少なくとも、
    1)アモルファス形態にある式(1)の化合物を有機溶媒中で可溶化または懸濁する工程と、
    2)式(1)の化合物の無水物結晶形態2の種晶を添加する工程と
    を含む前記方法。
  17. 工程1)および2)の後に、非溶媒を添加する工程が続き、次いで蒸留を行い、続いて冷却および乾燥する、請求項16に記載の方法。
  18. 請求項1~5のいずれか1項に記載の式(1)の化合物の無水物結晶形態2を含むことを特徴とする医薬。
  19. 請求項1~5のいずれか1項に記載の式(1)の化合物の無水物結晶形態2、および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
  20. 前記無水物結晶形態2が、実質的に純粋であり、代替形態を実質的に含まない、請求項19に記載の医薬組成物。
  21. 前記無水物結晶形態2が、全ての形態の少なくとも90重量パーセントである、請求項19に記載の医薬組成物。
  22. 医薬品としての使用のための、請求項1~5のいずれか1項に記載の式(1)の化合物の無水物結晶形態2。
  23. 癌の治療における使用のための、請求項1~5のいずれか1項に記載の式(1)の化合物の無水物結晶形態2。
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