JP2023503162A - ボロ硫酸プロトン伝導性材料 - Google Patents

ボロ硫酸プロトン伝導性材料 Download PDF

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Abstract

プロトン性ブレンステッド塩基のボロ硫酸塩、例えばNH4[B(SO4)2]は、燃料電池、フロー電池および電解装置などの電気化学装置においてプロトン伝導体として機能することができる。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2019年11月26日に出願された米国仮特許出願第62/940,451号および2019年12月19日に出願された米国仮特許出願第62/950,215号の利益を主張するものであり、これらの仮特許出願のそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
米国政府は本発明において所有権を有する。ライセンスについては、「技術移転局、アメリカ海軍調査研究所、Code1004、ワシントンD.C.、20375、米国;+1.202.767.7230;techtran@nrl.navy.mil、参照NC111,923」に問い合わせすることができる。
中間温度水素燃料電池(<150℃または>500℃とは対照的に、約150~300℃の範囲で動作する)は、典型的には<90℃の温度で動作するより広く使用されている固体高分子形燃料電池(PEM-FC)が直面する多くの障害を克服するための道を提供することができる。1つの主な利点は、高価な貴金属触媒、典型的には白金の添加を減らす能力、またはより安価な他の触媒に完全に変更する能力であり得る。さらにPEM-FCは、燃料電池装置のサイズ、複雑性およびコストを著しく増加させる加湿システムに依存している。PEM-FCと比較して燃料電池を中間温度で動作させる他の利点としては、触媒でのフラッディング問題および高価な水管理を回避するより良好な水の排除、より高い動作温度に起因する触媒被毒からの問題の減少が挙げられ、一般により高い温度で動作するシステムはより大きい総合効率を獲得する。中間温度燃料電池は、別の比較的成熟した燃料電池技術、すなわち一般に少なくとも500℃の非常により高い温度で動作する固体酸化物形燃料電池(SOFC)よりも大きな利点を提供することもできる。ここでの利点は、動作のために必要な温度を維持するために非常により少ない電力が本システムから排出されるという点であり、システム全体がより少ない絶縁を必要とし、従ってより小型かつ軽量になり、小型車両での自動車用途使用を可能にする。さらに、300℃未満で動作する水素燃料電池を構築するために非常により少ない新種の材料が必要とされる。しかし中間温度での燃料電池の動作へと移動するために、これらの温度下および人工の加湿を必要としない条件下で少なくとも10-2S/cm以上のプロトン伝導率を示す電解質材料を有することが必要である。
多くの固体酸および配位高分子が中間温度燃料電池電解質として以前に報告されているが、これらのほぼ全てがそれらの最適性能のために大きく温度が制限されている。AHSOおよびAHPO(A=Na、K、Rb、Cs、NH)を含む電解質の固体酸ファミリーは、いわゆる超プロトン相転移(約200~230℃で生じる)未満で適切なプロトン伝導率を示さず、240~250℃前後での脱水および/または融解により、その後に限られた動作ウィンドウを有する。燃料電池装置におけるこれらの材料の使用は、当該膜の慎重に監視/制御される水和と共に、最適温度に達するためにかなりの立ち上がり時間を必要とする。AC伝導率測定が行われた配位高分子のうち、これらの材料は一般に、200℃超の化学的安定性を示さない。不安定性は融解またはより凝縮された相への分解によるものであり、動作温度ウィンドウを制限する(約150~200℃)。疑わしい長期安定性は、配位高分子を水素燃料電池において電解質として使用することをさらに妨げる。
中間温度水素燃料電池に使用するのにより適した特性を有するプロトン伝導性材料が必要とされている。
一実施形態では、電気化学装置は、プロトン伝導性セパレータ膜および/または電極として使用可能なプロトン性のブレンステッド塩基のボロ硫酸塩、例えばNH[B(SO]を含み、ここでは電気化学装置は、水素燃料電池、フロー電池および電解装置からなる群から選択される。
別の実施形態では、プロトン性のブレンステッド塩基のボロ硫酸塩はPtおよび炭素をさらに含む電極に形成される。
さらなる実施形態では、フロー電池はプロトン伝導体としてプロトン性のブレンステッド塩基のボロ硫酸塩を含む。例えばフロー電池は、アノード液を含む第1の半電池、カソード液を含む第2の半電池およびNH[B(SO]を含む膜を備えていてもよく、ここでは当該膜は2つの半電池を分離し、その間でプロトンを伝導させるように機能する。
空気中10K/分で実行したNH(B[SO)の熱重量分析(黒色の実線)および示差走査熱量測定(緑色の点線)の結果を示し、300℃超での3段階の質量損失を示している。 対流乾燥器において空気中で200℃から50℃に冷却しながらボロ硫酸アンモニウムディスクについて計算した伝導率のプロットを提供する。黒色の破線はアレニウス伝導率モデルに当てはめられており、ここでの伝導はイオンホッピングのための活性化エネルギーを伴うプロセスである。 伝導率を計算するために使用されるボロ硫酸ディスクについての実数(抵抗性)インピーダンスに対する虚数(容量性)インピーダンスの特徴的なナイキストプロットを示す。半円+線スペクトル形状は、電子伝導ではなくイオン伝導を示す。 プロトン伝導性ボロ硫酸塩のためのカチオンとして機能することができる様々なプロトン性のブレンステッド共役塩基の化学構造を示す。左から右、上から下に、アンモニア、水、ヒドラジン、グアニジン、アゾール(すなわちイミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール)、メラミン、メレム、シアヌル酸、メラミンの部分加水分解生成物(アンメリンおよびアンメリド)、ヒドラゾン、ポリアミンならびにメロン(ポリ(メレム))が示されている。
定義
本発明を詳細に説明する前に、本明細書で使用されている用語は特定の実施形態を説明するためのものであり、必ずしも限定することを意図するものではないことを理解されたい。過度な実験をすることなく、本発明を実施する際に本明細書に記載されているものと同様であるか、修正されているか、あるいは同等である多くの方法、構造および材料を使用することができるが、好ましい方法、構造および材料が本明細書に記載されている。本発明を説明および主張する際に、以下に記載されている定義に従って以下の用語を使用する。
本明細書で使用される単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」および「前記(その)(the)」は、その内容が明らかにそうでないことを規定していない限り、複数の指示対象を排除しない。
本明細書で使用される「および/または」という用語は、関連する列挙されている項目の1つ以上のありとあらゆる組み合わせを含む。
本明細書で使用される「約」という用語は、記載されている数値または数値範囲と共に使用されている場合、記載されている数値の±10%の範囲内で記載されている値または範囲を若干超えるか若干満たない数値を意味する。
概略
ボロ硫酸化合物NH[B(SO]の調製および水素燃料電池、フロー電池および電解装置などの電気化学装置に使用するためのその非多孔性かつモノリシックの固体電解質への作製が本明細書に記載されており、これらは中間温度で動作可能である。
NH[B(SO]は、ボロ硫酸塩(すなわちB(SO部分を含む)と呼ばれる最近発見されたクラスの材料の一員である。これらの化合物のほぼ全てが水分に極めて敏感であり(NH[B(SO]は明らかな例外である)、従ってそれらの物理的性質はこれまであまり探求されてこなかった。化合物としてのNH[B(SO]は、Daub,HoppeおよびHillebrecht[Z.Anorg.Allg.Chem.2014,640(14),2914-2921]によって報告され、これは当該化合物の合成およびその結晶構造について記載している。
本発明者らは、NH[B(SO]の構造が水素結合相互作用、無限のプロトンホッピング経路およびホウ素架橋を有する1次元配位高分子を介した非不安定性硫酸アニオンなどの、プロトン伝導のための多くの望ましい特徴を示すことに気づいた。そこで、電気化学装置に使用するための潜在的プロトン伝導性電解質材料としてNH[B(SO]を調査した。
電気化学装置
プロトン交換膜形燃料電池(固体高分子形燃料電池と混同すべきではない)は、プロトン伝導性電解質材料を使用する。一般に燃料電池は、イオンが生成される対向電極における半反応を完了させるために必要な相補的なイオンを伝導するイオン交換膜によって分離されたアノードおよびカソードを有するという原理で機能する。これは、当該装置の幾何学形状が電解質材料を含む電気絶縁性かつイオン伝導性の膜によって分離されている2つの電極を含むことを意味する。また各電極は、各電極半反応が生じる薄い多孔性の層である「触媒層」と呼ぶことができる膜との電気触媒的に活性な界面を有する。電解質材料は、燃料電池の一方側で生成され、かつ他方側で消費されるイオンを伝導するので、この薄い触媒層の必須部分である。ボロ硫酸プロトン伝導体の場合、関連するボロ硫酸塩を電極の電気触媒層の両方ならびにセパレータ膜で使用することができる。
プロトン交換電解装置も考えられる。電解装置は本質的に燃料電池を逆にしたものである。関連する例として、ボロ硫酸ベースの電解質により動作する水素燃料電池は燃料として水素を使用する装置であり、空気からの酸素によるその酸化により、電気および水を生成する。同じ技術に基づく電解装置は水を取り込み、水を水素および酸素に分解し、そのプロセスでは電気によって電力が供給される。故にその装置アーキテクチャ全体は水素燃料電池と本質的に同じであり、それは逆に動作するだけである。
フロー電池は、各半反応のための酸化還元対を有する2種類の流動性反応物を使用し、ここでは電極は反応物に挿入され、その2種類が混合するのを防止する膜セパレータは目的のイオンが横切るのを可能にするだけである。この構成では、電極は膜セパレータと直接接触していない。そのような装置のために、一方の半電池から他方の半電池へのプロトンの移動のための膜セパレータの構想要素としてのみボロ硫酸電解質を使用してもよく、あるいは電極材料内でのプロトン伝導率を向上させるために、それを電極にも用いてもよい。
プロトン伝導体としてのボロ硫酸アンモニウム、すなわちNH[B(SO
NH[B(SO]の透明の針状の角柱を、Daub,HoppeおよびHillebrecht[Z.Anorg.Allg.Chem.2014,640(14),2914-2921]の方法によって調製した。この方法論では、0.70g(5.3mmol)の(NHSOおよび0.64g(10.3mmol)のB(OH)を混合した後、10mLの65%発煙硫酸を20mLのシンチレーションバイアルに添加する。当該試料を時計皿で覆い、1週間の期間にわたって静置した。1週間後、NH[B(S]およびNH[B(SO]の両方の結晶が溶液から沈殿した。その沈殿物を母液からデカントして、空気中573Kで加熱して残留する硫酸を除去し、より良好な結晶化を得た。加熱はおそらく水分に敏感なNH[B(S]を除去するのも助け、これを加熱すると2当量のSOを失い、さらなるNH[B(SO]として再結晶化する。NH[B(SO]としての当該試料の同一性は、粉末および単結晶X線回折(PXRDおよびSCXRD)の両方を用いて確認した。
抵抗加熱される圧盤を備えたCarver社製プレスを用いて、NH[B(SO]の焼結ディスクを調製した。試料(0.300g)を2分の1インチの直径の鋳型に添加し、約7500lbs(約260MPa)の単軸圧力までプレスした。次いで圧盤を523Kまで加熱し、その間に印加される力を約9000lbsまで増加させた。この試料をこの圧力および温度で30分間維持し、次いで回収した。回収したディスクのPXRDはNH[B(SO]の期待されるパターンを示す。回収したディスクは0.035インチ~0.040インチ(0.90~1.00mm)の範囲の厚さであった。
NH[B(SO]の熱重量分析(TGA)は、図1に見られるように300℃未満で試料の漸進的変化は全く示さなかった。当該試料の分解が約330℃で開始し、330~380℃で試料質量の約20%を失った。第2の損失段階が約400℃で開始し、約500℃までにその質量のさらに60%の損失が生じ、その後に他の相変化は観察されなかった。再結晶化のための乾燥温度およびTGA実験に基づき、当該試料は300℃まで非常に安定であることは明らかである。これは燃料電池性能を300℃まで可能にし、他の以前に報告された固体酸プロトン伝導性電解質材料と比較して温度ウィンドウを拡大させることが期待される。次いでより高い動作温度は、より安価な触媒材料の使用を可能にすることができると共に、燃料電池性能全体に有利となり得る。
モデル1255の周波数応答アナライザーに結合されたSolartron SI1287電気化学界面を用いて、1MHz~1Hzの周波数範囲にわたるインピーダンス分光法により伝導率測定を行った。NH[B(SO]の調製されたままの焼結ディスク(13mmの直径)を2つの平らなディスク形状のステンレス鋼電極(19mmの直径)の間に置き、絶縁性機械的クリップで一緒に保持した。これらの電極は、銀エポキシによりアナライザーからのリード線に取り付けられていた。高温測定のために、取り付けられた電極および試料を有するリード線を上面にある出入口を介して対流乾燥器の中に延ばした。220℃まで徐々に上昇させながら測定を行った。
イオン伝導率測定は25℃で40%から55%まで毎日変わる周囲湿度で行った。湿度は対流乾燥器内部で制御されなかったが、周囲湿度のばらつきにより、100℃超の温度における大気の含水量においてごく僅かな違いしか生じない。25℃で観察された全ての湿度条件により200℃で0.15%未満の相対湿度となり、これは25℃の空気中の飽和水蒸気の低い分圧に起因する。調製されたままの焼結ディスクの初期のインピーダンス測定は、25℃で10-4S/cmのオーダーのイオン伝導率を示した。試料を75℃まで加熱すると、試料の測定された伝導率は最初に減少し、これはおそらく相対湿度の低下および試料の水和の不都合な変化によるものである。温度を100℃まで上昇させると、伝導率は約10-1S/cmに戻った。20℃ずつ上昇させながらさらなる加熱を続けて伝導率を高め、乾燥器の温度限界である220℃で約10-3S/cmの最大伝導率に達した。高温では、接続のインピーダンスからの抵抗性への寄与は現実的に無視することができず、従って10-3S/cmはローエンドのイオン伝導率推定値である(電気的接続の抵抗性への寄与は取るに足らないものであると仮定する)。
NH[B(SO]/Pt/Vulcan炭素電極
水素燃料電池動作のための電解質としてのNH[B(SO]の実行可能性を試験するために、Pt触媒を含浸させた電極も調製した。Ptコロイド/Vulcan炭素の混合物を先の報告書(J.Phys.Chem.Lett.2010,1,1977-1981)と同様の方法で調製した。50mLのPtコロイドエチレングリコール溶液を0.1MのHC10で沈殿させ、約1~2時間沈殿させた。得られた懸濁液および凝集物を窒素フローボックスに移し、液体をデカントした。次いで沈殿させたPtコロイドを100mLの丸底フラスコに移し、0.75gのVulcan炭素を添加した。この混合物を約50mLのエタノールに再懸濁し、蓋をし、このフローボックスから取り出し、3日間超音波処理した。次いで得られたPt/Vulcan炭素の混合物をデカントし、さらなるエタノールで洗浄した。この混合物を遠心管に移し、3000rpmで5分間遠心分離した。この混合物を再度デカントし、Pt/Vulcan炭素を真空オーブン(約50℃)の中で一晩乾燥させた。
NH[B(SO]の調製したモノリシックのディスクに付着する電極を調製するために、得られたPt/Vulcan炭素の混合物を乳鉢および乳棒により、5:1の質量比でNH[B(SO]の結晶と機械的に混合した。粉砕すると、NH[B(SO]の結晶は押し潰されてマット状の繊維になる傾向がある。この混合物が確実に均質になるように、3成分混合物を150℃で加熱し、さらに粉砕した。150℃で約1~2時間加熱した後、3成分混合物は粉末状固体から粘性の塗り広げ可能なペースト状材料に形態を変化させた。次いで電極として機能させるために、ペースト状混合物をNH[B(SO]の調製したモノリシックのディスクの両側に塗布して均等に広げた。次いで塗布された電極を有するディスクを50℃の真空オーブンの中で一晩乾燥させ、そうすると電極ペースト材料は乾燥し、もはや粘着性ではなくなり、完全な膜電極アセンブリ(MEA)が得られる。
さらなる実施形態
ナノスケールの伝導性炭素材料および白金ナノ粒子と組み合わせたNH[B(SO]電解質化合物は燃料電池電極材料として機能すると考えられる。この混合物をペーストとして表面に塗布することができ、その後に乾燥させて水素燃料電池のためのアノードおよびカソード反応の両方を触媒することができるフィルムを作製することができ、従って水素燃料電池のためのアノードおよびカソードの両方として使用することができる。この同じ方法論は、本明細書において考えられる他の電解質に適用可能である。
上に記載されているボロ硫酸アンモニウムの代わりまたはその追加として、他のプロトン性のブレンステッド塩基のボロ硫酸塩の使用が考えられる。それらとしては、限定されるものではないが、図4のそれらの中性(すなわち共役塩基)の形態で示されているものが挙げられる。
共役酸の多くが可変な程度および/または位置のプロトン化(例えばメラミン-Hまたはメラミン-H 2+)を示し、ボロ硫酸(B(SO )に関して異なる化学量論比を生じ得るため、簡潔性のために非イオン性形態が示されている。
図4には表されていないが、1つ以上のN-HまたはC-Hプロトンが有機の(アルキルまたはアリール)R基、例えばジメチルアミン((CHNH)と置換されているそれらの化合物の変形も考えられる。
上に記載されている多様なカチオンの混合物を含有するボロ硫酸化合物がさらに考えられる。
さらに、他の電極材料をVulcan炭素およびPtナノ粒子に関して上に記載されている同じ方法で組み立てることができる。例で使用されているPt触媒は、水素酸化反応(HOR)および酸素還元反応(ORR)を行うことが知られてるか期待されている別の触媒で置き換えてもよい。例えば、他の金属(すなわちNi、Co、Pdなど)ならびに金属化合物(WC、PtおよびPd合金など)は、水素燃料電池電極におけるそのような反応を触媒することが知られている。一般に、ボロ硫酸アンモニウム燃料電池用途のための様々な純粋および混合ナノ粒子金属および金属化合物触媒の使用が考えられる。
同様に、電極中の黒鉛状炭素集電体はVulcan炭素である必要はない。他の黒鉛状炭素または堅牢な材料、導電性材料および十分に高表面積の材料は、アセチレンブラックまたはケッチェンブラックなどの実行可能な電極ペーストを形成するのを助けるために同様に機能することが期待されている。
大規模エネルギー貯蔵のためのフロー電池あるいは水またはアンモニアなどの供給原料化学物質からのHの生成のための電解装置などの、プロトン伝導性セパレータを用いる様々な電気化学装置(水素燃料電池以外)のために、ボロ硫酸材料クラスを使用することができる。当該材料は、水素-酸素反応のためだけでなく、装置の2つの半電池の半反応間でのプロトンの流れを伴う他の酸化還元対のためにも有用であり得る。本発明者らの材料を使用することができる既存のフロー電池の種類としては、限定されるものではないが、特に金属水素化物/プロトンフロー電池、ハイブリッドフロー電池、レドックスフロー電池、半固体および固体分散フロー電池が挙げられる。
大まかに言うと、プロトン伝導体および任意にその中の電極の成分として機能するプロトン性のブレンステッド塩基のボロ硫酸塩が本明細書では考えられる。
利点
NH[B(SO]は、以前に報告された固体酸および/または配位高分子電解質と同様であるかそれらを超える大きさのイオン伝導率(ACインピーダンスおよび誘電緩和分光法によって測定)を示す。他の固体酸電解質とは異なり、NH[B(SO]は、拡大する動作温度ウィンドウにおいて伝導率を維持するためにさらなる加湿を必要としない。周囲条件下で観察されるイオン伝導率の大きさが、これらの温度で燃料電池に使用するのを可能にすることができ、ゼロの立ち上がり時間、最初に超プロトン相転移を起こさなければならない他の固体酸よりも大きな向上を可能にするというのは真実味があるように思われる。最大300℃までのNH[B(SO]の安定性は、公知の固体酸材料よりも動作温度ウィンドウを拡大させる。そのような高温での動作は、より低い触媒添加/より安価な触媒材料の使用を同時に可能にすると共に、プロトン伝導性電解質を利用する水素駆動燃料電池が300℃近くの温度で動作するのを可能にすることができ、これはかなりの技術的進歩を表している。
結論
本明細書において言及されている全ての文献は、特定の材料および方法論(そのためにこれらの文献が引用されている)を開示および説明するために参照により本明細書に組み込まれる。
その好ましい実施形態に関連して本発明を説明してきたが、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、具体的に記載されていない追加、削除、修正および置換を行うことができることが当業者によって理解されるであろう。

Claims (12)

  1. セパレータ膜および/または電気化学装置の電極として構成されたプロトン性のブレンステッド塩基のプロトン伝導性ボロ硫酸塩
    を含み、
    水素燃料電池、フロー電池および電解装置からなる群から選択される、
    電気化学装置。
  2. 前記プロトン性のブレンステッド塩基は、アンモニア、水、ヒドラジン、グアニジン、アゾール、メラミン、メレム、シアヌル酸、メラミンの部分加水分解生成物(アンメリンおよびアンメリド)、ヒドラゾン、ポリアミンおよびメロン(ポリ(メレム))からなる群から選択される、請求項1に記載の電気化学装置。
  3. 前記プロトン性のブレンステッド塩基の前記ボロ硫酸塩はNH[B(SO]である、請求項1に記載の電気化学装置。
  4. 触媒および黒鉛状炭素と組み合わせられた前記プロトン性のブレンステッド塩基の前記ボロ硫酸塩は、前記電気化学装置の前記電極に形成される、請求項1に記載の電気化学装置。
  5. 約150~約300℃の範囲の温度で動作可能である、請求項1に記載の電気化学装置。
  6. 前記電気化学装置はフロー電池であり、
    前記フロー電池はアノード液を含む第1の半電池、カソード液を含む第2の半電池およびプロトン性のブレンステッド塩基のボロ硫酸塩を含む膜を備え、前記膜は前記2つの半電池を分離し、その間でプロトンを伝導するために動作可能である、請求項1に記載の電気化学装置。
  7. 前記プロトン性のブレンステッド塩基は、アンモニア、水、ヒドラジン、グアニジン、アゾール、メラミン、メレム、シアヌル酸、メラミンの部分加水分解生成物(アンメリンおよびアンメリド)、ヒドラゾン、ポリアミンおよびメロン(ポリ(メレム))からなる群から選択される、請求項6に記載の電気化学装置。
  8. 前記プロトン性のブレンステッド塩基の前記ボロ硫酸塩はNH[B(SO]である、請求項7に記載の電気化学装置。
  9. 約150~約300℃の範囲の温度で動作可能である、請求項6に記載の電気化学装置。
  10. 電気化学装置のプロトン伝導性セパレータ膜および/または電極として構成されたNH[B(SO]を含み、
    水素燃料電池、フロー電池および電解装置からなる群から選択される、
    電気化学装置。
  11. 前記電気化学装置は、2つの電気触媒層(前記電極を含む)および前記セパレータ膜を備えるプロトン交換膜ハイブリッド燃料電池であり、それらのそれぞれが前記NH[B(SO]を含む、請求項10に記載の電気化学装置。
  12. 約150~約300℃の範囲の温度で動作可能である、請求項10に記載の水素燃料電池。

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