JP2023501585A - シリコングリカンを調製する方法 - Google Patents

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Abstract

シリコングリカンを調製するための方法が提供される。本方法は、(A)多糖と、(B)無水物官能性有機ケイ素化合物とを反応させて、シリコングリカンを得ることを含む。本シリコングリカンは、グリコシド部分と、独立して選択された有機ケイ素部分と、有機ケイ素部分をグリコシド部分に結合する連結部分とを含む。グリコシド部分は、独立して選択された糖部分を含み、これは、置換または非置換のヒドロカルビル基、エーテル部分、および/またはアミン部分で置換され得る。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づき2019年11月19日に出願された米国仮特許出願第62/937442号の利益を主張する。米国仮特許出願第62/937442号は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、概して、シリコングリカンを調製する方法に関する。
レオロジー改質特性を示す化合物は、掘削流体などの様々な工業用組成物に使用されている。シリコーンポリマーおよび糖質ベースのポリマー(例えばセルロースエーテル)は、そのような化合物の2つのクラスである。シリコーンポリマーおよびセルロースエーテルは、非毒性の化合物であり、工業用組成物で広く使用されているが、多少とも互いに拮抗する特性を有する。シリコーンポリマーは、合成的に調製され、通常、柔軟で弾力性があり、無極性である。シリコーンポリマーは、概して、低表面張力および低表面エネルギーに関連した高い拡散挙動とぬれ挙動を示す。比較例として、セルロースエーテルは、通常、自然源に由来する剛性の親水性水溶性ポリマーであり、レオロジー改質剤として頻繁に利用されている。
シリコングリカンを調製するための方法が提供される。本方法は、(A)多糖と、(B)無水物官能性有機ケイ素化合物とを反応させて、シリコングリカンを得ることを含む。本シリコングリカンは、式:
Figure 2023501585000001
を有し、式中、各Aが、独立して選択された糖部分を含み、各Wが、エステル部分、アミド部分、およびイミド部分からなる群から独立して選択され、各Yが、独立して選択された有機ケイ素部分を含み、各Rが、置換または非置換のヒドロカルビル基、エーテル部分、アミン部分、およびHから独立して選択され、各Rが、置換または非置換のヒドロカルビル基およびHから独立して選択され、各Zが、独立して選択されたエーテル部分であり、各下付き文字oが、独立して0または1であり、下付き文字xおよびyが、各々独立して、≧0~<1であり、下付き文字zが、>0~1であるが、ただし、x+y+z=1であることを条件とし、下付き文字x、y、およびzで示される部分が、シリコングリカンにおいてランダム化形態またはブロック形態であり得る。
本明細書に記載の方法によって調製されるシリコングリカンは、以下の一般式(I)を有し、
Figure 2023501585000002

式中、各Aが、独立して選択された糖部分を含み、各Wが、エステル部分、アミド部分、およびイミド部分からなる群から独立して選択され、各Yが、独立して選択された有機ケイ素部分を含み、各Rが、置換または非置換のヒドロカルビル基、エーテル部分、アミン部分、およびHから独立して選択され、各R1が、置換または非置換のヒドロカルビル基およびHから独立して選択され、各Zが、独立して選択されたエーテル部分であり、各下付き文字oが、独立して0または1であり、下付き文字xおよびyが、各々独立して、≧0~<1であり、下付き文字zが、>0~1であるが、ただし、x+y+z=1であることを条件とし、下付き文字x、y、およびzで示される部分が、シリコングリカンにおいてランダム化形態またはブロック形態であり得る。
概して、本シリコングリカンは、次の部分(すなわち、「グリコシド部分」)に対応する一般式(I)の部分で表されるグリコシド(すなわち、グリコシド結合を介して互いに結合した少なくとも2つの糖)を含み、
Figure 2023501585000003

式中、各糖部分Aが、糖を含むか、あるいは本質的に糖からなり、下付き文字x、y、およびzが、各々、グリコシド部分内の特定の糖部分Aのモル分率を表す。別の言い方をすれば、各糖部分Aは、少なくとも1つの他の糖部分Aに結合し(例えば、グリコシド結合を介して)、その結果、各糖部分Aは、シリコングリカンのグリコシドの成分であり、集合的に形成される。さらに、下付き文字x、y、およびzで示される各糖部分Aは、シリコングリカンにおいてランダム化形態またはブロック形態であり得る。本明細書でさらに詳細に記載されるように、ZおよびRは、シリコングリカンのグリコシド部分内の各糖部分Aに特有のまたはそうでなければ付加される置換基を表す。
「糖」という用語は、一般的な状況下では「炭水化物」という用語、およびより特定の状況下では「糖質」のような用語と同義的に使用され得ることを理解すべきである。特定の糖の命名法は、全体としてのシリコングリカンの組成、または特に糖部分Aに関して排他的ではない。むしろ、当業者によって理解されるように、各糖部分Aは、糖、炭水化物、糖質、デンプン、セルロースなど、またはそれらの誘導体もしくは改変、またはそれらの組み合わせとして説明することができる任意の部分を含み得る、あるいは任意の部分であり得る。同様に、シリコングリカン内の2つ以上のAの任意の組み合わせは、より説明的な用語で記載され得る。例えば、「多糖」という用語は、「グリコシド」という用語と同義的に使用することができ、両方の用語は、概して、シリコングリカンにおける2つ以上の糖部分Aの組み合わせを指す(例えば、糖部分Aの組み合わせにより、グリコシド結合を介して互いに結合し、および集合的にグリコシド部分を形成する)。当業者は、「デンプン」および「セルロース」などの用語を使用して、特定の状況下での糖部分Aのそのような組み合わせを指し得ることを理解されよう(例えば、シリコングリカンAにおける2つ以上のAの組み合わせが、「デンプン」または「セルロース」などとして当技術分野で知られている構造に適合する場合)。
上で紹介したように、下付き文字x、y、zは各々、シリコングリカンのグリコシド部分内の特定の糖部分Aのモル分率を表す。したがって、x+y+zの値=1である。より具体的には、式(I)によって表されるように、シリコングリカンのグリコシド部分内のすべての糖部分Aを同様に置換する必要があるわけではない。そのため、シリコングリカンのグリコシド部分は、様々な方法で、例えば、モル分率x、y、およびzを使用する全体組成に関して、糖部分A当たりの平均置換数に関して(すなわち、当業者によって理解されるような置換度(DS))、またはそれらの組み合わせで記載され得る。
概して、下付き文字xは、≧0~<1のモル分率である。特定の実施形態において、下付き文字xは、0~0.99、例えば、0.1~0.99、あるいは0.3~0.99、あるいは0.5~0.99、あるいは0.6~0.99、あるいは0.7~0.99、あるいは0.7~0.9、あるいは0.7~0.85のモル分率である。概して、下付き文字yは、≧0~<1のモル分率である。特定の実施形態において、下付き文字yは、0~0.9、例えば、0.001~0.7、あるいは0.001~0.5、あるいは0.002~0.5、あるいは0.002~0.4、あるいは0.002~0.3、あるいは0.005~0.3、あるいは0.01~0.25のモル分率である。概して、下付き文字zは、>0~1のモル分率である。特定の実施形態において、下付き文字zは、0.00001~0.9、例えば、0.00001~0.7、あるいは0.00001~0.5、あるいは0.00001~0.3、あるいは0.00001~0.2、あるいは0.00001~0.15、あるいは0.000015~0.15、あるいは0.00002~0.15、あるいは0.00002~0.1、あるいは0.00005~0.09、あるいは0.0001~0.09、あるいは0.0005~0.09、あるいは0.001~0.09のモル分率である。
概して、シリコングリカンは、糖部分A当たり0.00001~0.99の有機ケイ素部分の平均置換度を有する。例えば、特定の実施形態において、シリコングリカンの有機ケイ素部分置換度は、0.00001~0.5、あるいは0.00001~0.2、あるいは0.00001~0.15、あるいは0.0001~0.5、あるいは0.0001~0.2、あるいは0.0001~0.15である。
アミノエチル多糖(A3)のアミノエチル置換度は、当業者で知られている様々な技術によって決定され得る。例えば、アミノエチル多糖(A3)の窒素含有量(例えば、Kjeldahl法を介して決定される場合)が、直接利用され得るか、または(例えば、ヒドロキシル官能性多糖(A1)の窒素含有量に基づいて)調整されて、アミノエチル多糖(A3)のアミノエチル置換度を確認することができる。
下付き文字xおよびyおよびzによって記載される特定の比率に関係なく、シリコングリカンにおける糖部分Aの総数(例えば、その重合度)は、変わることがあり、概して10~10,000である。例えば、特定の実施形態において、シリコングリカンは、合計10~10,000の糖部分A、例えば、100~8000、あるいは250~6000、あるいは600~6000、あるいは400~3600の糖部分Aを含む。
各糖部分Aは、シリコングリカンにおける他の糖部分Aと同じであっても異なってもよい。例えば、特定の実施形態において、各糖部分Aは、同じである(例えば、同じ糖を含む、あるいは本質的にそれからなる)。他の実施形態において、シリコングリカンは、少なくとも1つの他の糖部分Aとは異なる(例えば、その糖に関して)少なくとも1つの糖部分Aを含む。糖部分Aに好適な特定の糖の一般的な例には、従来単糖および/または糖質と称されていたものが含まれる。そのような単糖には、リボース、キシロース、アラビノース、リキソース、フルクトースなどのようなペントース(すなわち、フラノース)、およびグルコース、ガラクトース、マンノース、グロース、イドーゼ、タロース、アロース、アルトローズなどのヘキソース(すなわち、ピラノース)が含まれる。したがって、当業者は、シリコングリカンのグリコシド部分が、二糖(例えば、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロースなど)、オリゴ糖(例えば、マルトデキストリン、ラフィノース、スタキオース、フルクトオリゴ糖などのマルトオリゴ糖)、多糖(例えば、セルロース、ヘミセルロース、ペクチン、グリコーゲン、親水コロイド、アミロースなどのデンプン、アミロペクチン、修飾デンプン等)等、またはそれらの組み合わせを含み、および/またはそれらとして定義され得ることを理解するであろう。
特定の実施形態において、シリコングリカンは、ヘキソースである少なくとも1つの糖部分Aを含む。いくつかのそのような実施形態において、ヘキソースは、一般式を有する:
Figure 2023501585000004

これは、当業者によって理解されるように、そこから形成されるグリコシド部分の内部モノマー、ならびに末端モノマーの両方を包含する。そのような実施形態において、各Rは独立して選択され、本明細書に記載されているとおりである。特定の実施形態において、シリコングリカンのグリコシド部分は、あるいは本質的にグルコースモノマーを含み、したがって一般式に対応する:
Figure 2023501585000005

これも、当業者によって理解されるように、そこから形成されるグリコシド部分の内部モノマー、ならびに末端モノマーの両方を包含する。このような特定の実施形態において、各Rは、独立して選択され、本明細書に記載されている。
いくつかの実施形態において、シリコングリカンのグリコシド部分は、プルラン、マンナン、ガラクトマンナン、キシログルカン、キサンタン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなど、ならびにそれらの組み合わせから選択される多糖を含み、および/またはそれらとして定義され得る。
特定の実施形態において、シリコングリカンのグリコシド部分は、上記で定義されたオリゴ糖または多糖のうちの1つの誘導体(例えば、改質バージョンおよび/または改変バージョン)を含む。例えば、グリコシド部分は、疎水性改質多糖、カチオン性改質多糖、親水性改質多糖、共重合多糖、またはそれらの組み合わせであり得る。そのような改質は、典型的には、それに置換基を付加する(例えば、糖部分Aがヘキソースを含む場合、C2、C3、および/またはC6位にあるものなどの天然のヒドロキシル部分を介して)ことによって、グリコシド内の糖部分Aを改変する。特に、式(I)に関して上に紹介および示されるように、シリコングリカンの下付き文字xで示される糖部分Aは、以下に記載されるように、置換基Rおよび必要に応じてZを含む。例えば、Rは、グリコシド部分で下付き文字xによって示される任意の糖部分AにおいてHであり得る。Rは、典型的に、特定の糖部分Aが少なくとも1つの遊離ヒドロキシル置換基を有するように、任意の特定の糖部分Aの各天然(すなわち、天然に存在するおよび/または非置換)糖のHである。
シリコングリカンのグリコシド部分が上記のような多糖誘導体を含む場合、少なくとも1つのRは、置換または非置換のヒドロカルビル基、エーテル部分、およびアミン部分から選択される。しかしながら、本明細書の説明を考慮して、当業者によって理解されるように、シリコングリカンは、そのように定義された任意の数の置換基Rを含むことができ、グリコシド部分の糖部分A、グリコシド部分のDSなどによってのみ限定される。
Rのヒドロカルビル基に関して、「置換された」という用語は、1つ以上の水素原子が、水素以外の原子(例えば、塩素、フッ素、臭素、またはヨウ素などのハロゲン原子)で置き換えられているか、炭化水素の鎖内の炭素原子が、炭素以外の原子で置き換えられている(すなわち、Rは、鎖内の1つ以上のヘテロ原子(酸素、硫黄、窒素、またはリンなど)を含む)か、または両方である、炭化水素部分を記載する。したがって、Rは、その炭素鎖/骨格内におよび/またはその上に(すなわち、付加され、および/または一体になって)置換基を有し得る炭化水素部分を含み、その結果Rがエーテル、アミンなどを含み得るか、またはそれらであり得ることが理解されよう。
概して、Rに好適なヒドロカルビル基は、独立して、線状、分岐状、環状、またはこれらの組み合わせであり得る。環状ヒドロカルビル基は、アリール基、ならびに飽和または非共役環状基を包含する。環状ヒドロカルビル基は、独立して、単環式または多環式であり得る。線状および分岐状ヒドロカルビル基は、独立して、飽和または不飽和であり得る。線状および環状ヒドロカルビル基の組み合わせの一例として、アラルキル基が挙げられる。ヒドロカルビル基の一般的な例としては、アルキル基、アリール基、アルケニル基、ハロカーボン基など、ならびにそれらの誘導体、修飾、および組み合わせが挙げられる。好適なアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル(例えば、イソ-プロピルおよび/またはn-プロピル)、ブチル(例えば、イソ-ブチル、n-ブチル、tert-ブチル、および/またはsec-ブチル)、ペンチル(例えば、イソ-ペンチル、ネオペンチル、および/またはtert-ペンチル)、ヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、ならびに6~18個の炭素原子を有する分岐状の飽和炭化水素基が挙げられる。好適なアリール基の例としては、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、ベンジル、およびジメチルフェニルが挙げられる。好適なアルケニル基の例としては、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘプテニル、ヘキセニル、およびシクロヘキセニル基が挙げられる。好適な一価のハロゲン化炭化水素基(すなわち、ハロカーボン基)の例としては、ハロゲン化アルキル基、アリール基、およびそれらの組み合わせが挙げられる。ハロゲン化アルキル基の例としては、1つ以上の水素原子が、FまたはClなどのハロゲン原子で置き換えられている上述のアルキル基が挙げられる。ハロゲン化アルキル基の具体的な例としては、フルオロメチル、2-フルオロプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、4,4,4-トリフルオロブチル、4,4,4,3,3-ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3-ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3-ノナフルオロヘキシル、および8,8,8,7,7-ペンタフルオロオクチル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、2,3-ジフルオロシクロブチル、3,4-ジフルオロシクロヘキシル、および3,4-ジフルオロ-5-メチルシクロヘプチル、クロロメチル、クロロプロピル、2-ジクロロシクロプロピル、および2,3-ジクロロシクロペンチル基、ならびにそれらの誘導体が挙げられる。ハロゲン化アリール基の例としては、1個以上の水素原子が、ハロゲン原子、例えば、FまたはClなどで置き換えられている上記のアリール基が挙げられる。ハロゲン化アリール基の具体的な例としては、クロロベンジルおよびフルオロベンジル基が挙げられる。
特定の実施形態において、Rは、平均式-(OC2n-を有するエーテル部分を含むことができ、式中、下付き文字nは、下付き文字mで示される各部分において2~4から独立して選択され、下付き文字mは、1~200である。当業者は、さらなる基および/または代替基がエーテル部分に存在し得、それがシリコングリカンのグリコシド部分の有用性または特性を実質的に減少させないことを容易に理解する。特定の実施形態において、Rは、式-(OC(OC(OC-を有するポリエーテルを含むことができ、式中、下付き文字q、r、およびsが、各々独立して、0~200であるが、ただし、1≦q+r+s≦600であることを条件とし、下付き文字q、r、およびsで示される単位が、ポリエーテルにおいてランダム化形態またはブロック形態であり得る。特定の実施形態において、下付き文字q、r、およびsの各々は、各々独立して、0~100、あるいは0~50、あるいは0~20である。特定の実施形態において、下付き文字q、r、およびsは、1≦q+r+s≦300になるように、あるいは1≦q+r+s≦200になるように、あるいは1≦q+r+s≦60になるように各々独立して選択される。当業者は、上記の下付き文字m、q、r、およびsで示される部分が、任意の2つ以上のそのような部分がその中に存在する場合、Rがポリオキシアルキレンを含むようなオキシアルキレン単位であることを理解するであろう。したがって、Rは、ポリオキシアルキレン基、すなわち、複数のオキシアルキレン単位を含む部分から選択され得る。特定の実施形態において、下付き文字q、r、およびsで示される各オキシアルキレン単位は、Rに存在する場合、独立して分岐状または線状であり得る。
特定の実施形態において、Rは、三級アミン部分、四級アンモニウム部分(例えば、トリメチルアンモニウム部分)、またはそれらの組み合わせなどのアミン部分を含み得る。三級アミンは、式-NR’を有し、式中、各R’が、置換および非置換のヒドロカルビル基およびエーテル部分(例えば、本明細書に記載のヒドロカルビル基およびエーテル部分のいずれか)から独立して選択されるか、または各R’が、アミン部分が複素環(例えば、N-置換ピペリジン、モルホリンなど)を含むように、環状部分の一部であり、ともに環状部分を形成する。そのような三級アミン部分のカチオンは、そのプロトン化またはアルキル化形態であり、一般式-[N(R’)H]または-[N(R’)を有し、式中、各R’は、独立して選択され、上記で定義されるとおりである。そのような実施形態において、選択された特定のR’に応じて、シリコングリカンのグリコシド部分は、N,N-ジエチルアミノエチルヒドロキシエチルセルロース、N,N-ジメチルアミノエチルヒドロキシエチルセルロース、N,N-ジイソプロピルアミノエチルヒドロキシエチルセルロース、N,N-ジメチルアミノプロピルヒドロキシエチルセルロース、N-エチルピペリジンヒドロキシエチルセルロース、N-エチルモルホリンヒドロキシエチルセルロース、N-エチルピロリジンヒドロキシエチルセルロース、もしくはそれらの組み合わせを含み得る、および/またはそれらとして定義され得る。
各Rは、シリコングリカンにおいて他のRと同じであっても異なってもよいことを理解されたい。さらに、各Rは、その中に同じまたは異なる機能部分を含み得る。例えば、特定の実施形態において、各Rは、Hおよびアルキル基から選択され、各アルキル基は、必要に応じて、1つ以上の三級アミノ部分および/または上記のポリオキシアルキレン基で(例えば、末端でおよび/またはペンダント状に)置換される。これらの実施形態において、各Rは、置換または非置換ヒドロカルビル基、エーテル部分、アミン部分、およびHから選択されると言うことができ、当業者は、この説明を考慮して、Rに好適な置換ヒドロカルビル基は、エーテルおよび/またはアミン部分を含み得ることを理解されよう。特定の実施形態において、各Rは、H、C~C18ヒドロカルビル基、ポリオキシアルキレン基、および三級アミノ基から独立して選択される。
シリコングリカンは、置換基Zを含み得る。より具体的には、式(I)を参照すると、各下付き文字oは、独立して0または1であり、その結果、下付き文字x、y、およびzで示される各糖部分Aは、独立して置換基Zで置換され得る。これについては、以下でさらに詳しく説明する。特定の実施形態において、シリコングリカンは、下付き文字xで示される少なくとも1つの糖部分Aを含み、ここでは下付き文字oは、1である。これらのまたは他の実施形態において、シリコングリカンは、下付き文字xで示される少なくとも1つの糖部分Aを含み、ここでは下付き文字oは、0である。これらのまたは他の実施形態において、シリコングリカンは、下付き文字yで示される少なくとも1つの糖部分Aを含み、ここでは下付き文字oは、1である。いくつかのそのような実施形態において、下付き文字oは、下付き文字yで示される各部分において1である。これらのまたは他の実施形態において、本明細書の説明を考慮して理解されるように、下付き文字oは、下付き文字zで示される各部分において1である。
概して、各Zは、エーテル部分(以下、「エーテル部分Z」と称される)を含む二価の連結基である。より具体的には、各エーテル部分Zは、独立して選択され、少なくとも1つ、あるいは少なくとも2つのエーテル基を含む任意のエーテル部分であり得る。各エーテル部分Zは、いずれかまたは他のエーテル部分Zと同じであり得る。典型的には、各エーテル部分Zのエーテル基は、式-(C2tO)-を有し、式中、下付き文字tは、下付き文字uで示される各部分において、2~4から独立して選択され、下付き文字uは、1~50である。特定の実施形態において、下付き文字uは、1~25、あるいは1~10、あるいは1~5である。特定の実施形態において、下付き文字tは、2であり、下付き文字uは、1であり、その結果、各エーテル部分Zは、エチルエーテルを含み、シリコングリカンのグリコシド部分は、ヒドロキシエチルセルロースを含み得、かつ/またはヒドロキシエチルセルロースと定義され得る。いくつかの実施形態において、下付き文字oおよびエーテル部分Zは、シリコングリカンのグリコシド部分が、カルボキシメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど、またはそれらの組み合わせとして含み得るか、またはそのように定義され得るように、集合的に選択され得る。これらの例を考慮して、当業者は、エーテル部分Zが、二価炭化水素連結基(例えば、メチレン、エチレン、またはプロピレン連結基などのアルキレン基)などのエーテル基に加えて基を含み得ることを理解されよう。
シリコングリカンのグリコシド部分は、アミノエチルサッカライド部分を含み得る。特に、式(I)を参照すると、シリコングリカンは、下付き文字yで示される糖部分Aを含むことができ、各々、下位式-CHCHN(H)Rのアミノエチル部分を含み、式中、Rは、ヒドロカルビル基またはHである。より具体的には、各Rは、置換または非置換のヒドロカルビル基およびHから独立して選択される。好適なヒドロカルビル基の例としては、置換基Rに関して上記のものが挙げられる。特定の実施形態において、各Rは、Rがアルキルである場合、アミノエチル部分が、さらにN-アルキルアミノエチル部分として定義されるように、Hおよびアルキル基から独立して選択される。特定の実施形態において、各Rは互いに同じである。例えば、いくつかのそのような実施形態において、各Rは、HまたはC~Cヒドロカルビル基である。特定の実施形態において、各Rは、Hである。いくつかの実施形態において、各Rは、エチルまたはメチルである。
特定の実施形態において、アミノエチル部分のいくつかは、プロトン化され、したがって、下位式-CHCH-[N(H)Rである。シリコングリカンにおいてプロトン化されたアミノエチル部分の比率は、アミノエチル置換度によってのみ限定され、当業者によって選択され得る(例えば、シリコングリカンの調製中、酸とそれとを組み合わせることによるシリコングリカンの調製後など)。
式(I)を引き続き参照すると、上記で紹介されるように、下付き文字zで示される糖部分Aは、下位式-CHCH-W-Yの部分を含み、式中、Wが、シロキサンに結合した無水物官能基と多糖に結合した基との反応に由来するエステル部分、アミド部分、およびイミド部分(以下「結合部分W」)であり、Yが、有機ケイ素部分(以下「有機ケイ素部分Y」)を含む。
連結部分Wは、
Figure 2023501585000006
Figure 2023501585000007
からなる群から選択される式を有してもよく、式中、Rが、水素原子およびアルキル基からなる群から選択され、Rが、二価炭化水素基であり、Rが、NHまたはOであり、**が、炭素原子への結合点を示し、*が、有機ケイ素部分Yへの結合点を示す。Rのアルキル基は、メチル、エチル、プロピル(イソ-プロピルおよび/またはn-プロピルを含む)、ブチル(イソ-ブチル、n-ブチル、tert-ブチル、および/またはセク-ブチルを含む)、ペンチル(イソ-ペンチル、ネオペンチル、および/またはtert-ペンチルを含む)、ヘキシル、ドデシル、およびヘキサデシル(6~18個の炭素原子を有する分岐状の飽和炭化水素基を含む)によって例示される。Rの二価炭化水素基は、メチレン、エチレン、またはプロピレンなどのアルキレン基、フェニレン、キシリレン、またはトリレンなどのアリーレン基、およびメチレンフェニレンまたはエチレンフェニレンなどのアルキレン-アリーレン基によって例示される。あるいは、Rは、アルキレンであり得る。あるいは、連結部分Wは、
Figure 2023501585000008
からなる群から選択される基を含み得る。あるいは、連結部分Wは、
Figure 2023501585000009
からなる群から選択され得る。
各有機ケイ素部分Yは、各有機ケイ素部分Yがいずれの、または他の有機ケイ素部分Yのいずれかと同じであり得るように、独立して選択される。特定の実施形態において、各有機ケイ素部分Yは、少なくとも1つ、あるいは各々、他の有機ケイ素部分Yと同じである。有機ケイ素部分Yは、概して、構造および/または組成に関して限定されることはなく、少なくとも1つ、あるいは少なくとも2つの有機ケイ素基を含む任意の部分であり得る。例えば、有機ケイ素部分Yは、有機シリル基、有機シロキサン基、またはそれらの組み合わせを含み得る。特定の実施形態において、有機ケイ素部分Yは、それ自体が有機ケイ素基とみなされる。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つ、あるいは少なくとも2つ、あるいは各有機ケイ素部分Yは、シラン部分を含むか、あるいはシラン部分である。そのような実施形態において、シラン部分は、典型的には、一般式:
Figure 2023501585000010
を有し、式中、各Rが、置換または非置換のヒドロカルビル基、アルコキシ基、およびシロキシ基から独立して選択される。
各Rは、独立して選択され、線状、分岐状、環状、またはそれらの組み合わせであり得る。各Rは、置換または非置換のヒドロカルビル基、アルコキシおよびシロキシ基から独立して選択されるものの、本明細書の説明から理解されるように、ヒドロカルビル基およびシロキシ基の組み合わせなどのそれらの組み合わせを含み得る。Rとして使用するのに好適な置換または非置換のヒドロカルビル基の例は、一般式(I)のRに関して上に記載されている。好適なアルコキシ基の例としては、一般式-O-Rを有するものが挙げられ、式中、Rは、上記で定義されるとおりである。好適なアルコキシ基の特定の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、フェノキシなどが挙げられる。好適なシロキシ基の例としては、[M]、[D]、[T]、および[Q]単位が挙げられ、これらは、当技術分野で理解されるように、各々、有機ポリシロキサンに存在する個々の官能性の構造単位を表す。より具体的には、以下の一般的な構造部分で示すように、[M]は、一般式R SiO1/2の単官能単位を表し、[D]は、一般式R SiO2/2の二官能性単位を表し、[T]は、一般式RSiO3/2の三官能性単位を表し、[Q]は、一般式SiO4/2の四官能性単位を表す。
Figure 2023501585000011
これらの一般的な構造部分において、各Rは、独立して、一価または多価の置換基である。当技術分野で理解されるように、各Rに好適な具体的な置換基は、限定されるものではなく、単原子または多原子、有機または無機、線状または分岐状、置換または非置換、芳香族、脂肪族、飽和または不飽和、およびそれらの組み合わせであり得る。
典型的に、各Rは、ヒドロカルビル基およびシロキシ基から独立して選択される。Rによって表されるヒドロカルビル基は、存在する場合、置換または非置換であり得、Rに好適なヒドロカルビル基の例に関して上述したように、脂肪族、芳香族、環状、脂環式などであり得、R3に関して使用するのに好適な同様の例示である。Rにより表されるシロキシ基は、存在する場合、置換または非置換であり得、あるいは、[M]、[D]、[T]、および[Q]単位の任意の組み合わせを含み得る(すなわち、シラン部分は、分岐状および/またはデンドリマー状シロキサンを含み得る)。
いくつかの実施形態において、シリコングリカンの少なくとも1つの、あるいは少なくとも2つの、あるいは各有機ケイ素部分Yは、有機ポリシロキサンを含むか、あるいは、有機ポリシロキサンである。そのような実施形態において、有機ポリシロキサンは、典型的には、式:[R3’ SiO1/2[R3’ SiO2/2[R3’SiO3/2[SiO4/2を有し、式中、各R3’が、上記で定義されるようなRおよび連結部分Wへの共有結合からなる群から選択されるが、ただし、少なくとも1つのR3’が、連結部分Wへの共有結合であることを条件とし、下付き文字a、b、c、およびdが、各々、a+b+c+d=1となるようなモル分率であるが、ただし、a+b+c>0であることを条件とする。
上記で紹介および説明したように、下付き文字a、b、c、およびdで示されるシロキシ部分が、それぞれ、[M]、[D]、[T]、および[Q]シロキシ単位に対応することが、当業者によって理解されるであろう。いくつかの実施形態において、有機ポリシロキサンは、繰り返し[D]単位を含む、すなわち、下付き文字b>0である。これらの実施形態では、下付き文字bは、典型的には、0.3~1(例えば、0.3≦b≦1)、例えば、0.3~0.9999、あるいは0.3~0.999、あるいは0.3~0.99、あるいは0.3~0.9、あるいは0.5~0.999、あるいは0.6~0.999、あるいは0.7~0.99、あるいは0.8~0.99、あるいは0.85~0.99、あるいは0.9~0.99の値である。下付き文字aは、典型的には、0~0.1(0≦a≦0.1)、例えば、0~0.099、あるいは0~0.09、あるいは0~0.085、あるいは0~0.08、あるいは0~0.075、あるいは0~0.07、あるいは0~0.065、あるいは0~0.06、あるいは0~0.055、あるいは0~0.05、あるいは0.001~0.05、あるいは0.002~0.05、あるいは0.005~0.01の値である。下付き文字cおよびdは、典型的には、各々、0~0.1(例えば、0≦c≦0.1および0≦d≦0.1)、例えば、0~0.09、あるいは0~0.075、あるいは0~0.05、あるいは0~0.025、あるいは0~0.009、あるいは0~0.001、あるいは0~0.0001の独立して選択される値である。特定の実施形態において、有機ポリシロキサンは、線状シロキサンセグメントを含み、下付き文字bが0.9~1であり、下付き文字aが0~0.1であり、下付き文字cおよびdが各々0である。有機ポリシロキサンが繰り返し[D]単位を含む場合、任意の1つのシロキサンセグメント中の特定の[D]単位の数(すなわち、重合度、DP)は限定されない。典型的には、そのようなシロキサンセグメントは、1~700反復[D]単位、例えば、2~600、あるいは2~500、あるいは5~400、あるいは5~300、あるいは10~250、あるいは10~200、あるいは15~150、あるいは15~100、あるいは15~50の反復[D]単位を含む。
上記のシラン部分および有機ポリシロキサンの両方に関して(すなわち、いずれかまたは両方が有機ケイ素部分Yにおいてまたは有機ケイ素部分Yとして利用される場合)、[M]、[D]、[T]、および[Q]単位の存在および比率は、シラン部分の各シリル置換基の各Rの特定の置換基として、ならびに任意の特定のシロキシ単位(例えば、下付き文字a、b、およびcで示されるもの)の各Rの特定の置換基として、独立して選択される。例えば、有機ポリシロキサンが線状有機ポリシロキサンである場合など、有機ポリシロキサンの直線性を高めるために、典型的に、0またはその付近の[T]および[Q]単位の比率が選択される。このような有機ポリシロキサンは、典型的に線状、または実質的に線状であるが、[T]および/または[Q]単位(例えば、c+d>0の場合)に起因するいくつかの分岐を含み得る。逆に、有機ポリシロキサンが樹脂である場合、[T]および/または[Q]単位の比率は、0より大きくなるように選択される。したがって、当業者は、シロキサンセグメントの組成を選択して、例えば、特定の有機ポリシロキサンの所望の特性と、シリコングリカン、それとともに調製されるエマルジョンの特定の相(例えば、非水相、連続相、および/もしくはシリコーン相)および/またはエマルジョン自体、シリコングリカンを含む配合物、そのような配合物から形成されるコーティング、ならびにそれらの組み合わせのいずれの所望の特性/意図される特性ならびに/または特徴(例えば、物理的、化学的、美的など)とに基づいて、有機ポリシロキサンの組成、したがってシリコングリカンを制御することになる。例えば、シリコングリカンが高い融点および/または軟化点を有すること、またはそれを用いて調製された配合物が特定の形態(例えば、固体、ゲルなどの形態)であることが望ましいことがあり、シリコングリカンの有機ポリシロキサンの組成を選択することにより、当業者がそのような望ましい特性の範囲を達成することが可能になり得る。概して、線状シロキサンセグメントが有機ケイ素部分Yで利用される場合、本開示によるシリコングリカンを含む組成物から形成される層またはコーティングは、典型的に、有機ポリシロキサンが[T]および/または[Q]単位に起因する分岐形成の増加を含む実施形態と比較して、感触の改善(例えば、快適な堆積物)および柔軟性を有する。樹脂状有機ポリシロキサンが有機ケイ素部分Yにおいて、または有機ケイ素部分Yとして使用される場合、本開示によるシリコングリカンを含む組成物で/から形成される生成物は、典型的には、より線状のシロキサンセグメントが利用される実施形態と比較して、硬度および移動抵抗が増加する。
シリコングリカンを調製する方法も提供し、以下、概して「調製方法」と称される。調製方法は、(A)(A1)ヒドロキシル官能性多糖、(A3)アミノエチル官能性多糖、またはそれらの両方などの多糖と、(B)無水物官能性有機ケイ素化合物とを反応させて、シリコングリカンを得ることを含む。
本明細書の説明を考慮して当業者によって理解されるように、調製方法で利用される多糖(A)は、上記のグリコシド部分に対応するシリコングリカンの一部を形成する。同様に、調製方法で利用される無水物官能性有機ケイ素化合物(B)は、有機ケイ素部分Yに対応するシリコングリカンの一部を形成する。以下でさらに詳細に記載されるように、連結部分Wは、概して、成分(A)と(B)との反応によって形成される。
多糖(A)は、一般式(II)、
Figure 2023501585000012
を有し、式中、各A、Z、R、R、および下付き文字oが、独立して選択され、式(I)に関して上記で定義されるとおりであり、下付き文字xが、≧0~<1であり、下付き文字y’が、0~1であるが、ただし、x+y’=1であることを条件とし、下付き文字xおよびy’で示される部分が、多糖(A)においてランダム化形態またはブロック形態であり得る。あるいは、下付き文字y’は>0であり得、多糖(A)はアミノエチル多糖であり得る。あるいは、下付き文字y’は、0であり得る。
多糖(A)は、特に限定されることはなく、概して上記の式(I)のグリコシド部分に対応する。例えば、式(I)の下付き文字yで示される糖部分Aに関して上記のとおり、式(II)の多糖(A)の各Rが、ヒドロカルビル基およびHから独立して選択される。同様に、特定の実施形態において、少なくとも1つのRは、多糖(A)がN-アルキル官能性多糖としてさらに定義され得るように、アルキル基(例えば、C~Cアルキル基)である。
特定の実施形態において、式(II)においてy’>0であり、多糖(A)がアミノエチル多糖(A3)である場合、アミノエチル多糖(A3)のアミノエチル部分のいくつか(すなわち、上記の一般式(II)の下位式-CHCHN(H)Rによって表されるもの)は、プロトン化されており、したがって、下位式-CHCH-[N(H)Rである。アミノエチル多糖(A3)においてプロトン化されたアミノエチル部分の比率は、アミノエチル置換度によってのみ限定され、当業者が選択することができる(例えば、アミノエチル多糖(A3)の調製中にその中和量を限定することによって、アミノエチル多糖(A3)の調製後にそれと酸とを組み合わせることによってなど)。
成分(A)および(B)の各々は、得られても、形成されてもよい。特定の実施形態において、本明細書に記載の調製方法は、アミノエチル多糖(A3)を調製することをさらに含む。特に、調製方法は、(A1)ヒドロキシル官能性多糖と、(A2)ハロゲン化アジリジニウム化合物とを反応させて、アミノエチル多糖(A3)を得ることを含み得る。そのような実施形態において、アミノエチル多糖(A3)は、シリコングリカンの調製方法における中間体と定義され得るか、さもなければ中間体と考慮され得る。
本明細書の説明を考慮して当業者によって理解されるように、ヒドロキシル官能性多糖(A1)は、多糖(A)として使用され得るか、または上記のアミノエチル多糖(A3)の多糖部分、および最終的にはシリカングリカンのグリコシド部分を形成し得る。したがって、グリコシド部分に関する上記の説明は、ヒドロキシル官能性多糖(A1)が、上記のオリゴ糖または多糖のいずれかを含み得るように、ヒドロキシル官能性多糖(A1)に同様に適用される。例えば、ヒドロキシル官能性多糖(A1)は、セルロース、ヘミセルロース、ペクチン、グリコーゲン、親水コロイド、デンプン、加工デンプンなど、またはそれらの組み合わせを含み得るか、あるいは本質的にそれらからなる。いくつかの実施形態において、ヒドロキシル官能性多糖(A1)は、ヒドロキシアルキルセルロースエーテルを含む。そのような実施形態において、ヒドロキシル官能性多糖(A1)は、単一種類のヒドロキシアルキル基、または2種類以上のヒドロキシアルキル基を含み得る。例えば、ヒドロキシル官能性多糖(A1)は、2-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシプロピル基、3-ヒドロキシプロピル基など、またはそれらの組み合わせを含み得る。特定の実施形態において、ヒドロキシル官能性多糖(A1)は、プルラン、マンナン、ガラクトマンナン、キシログルカン、キサンタン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなど、ならびにそれらの組み合わせを含むか、あるいはそれらである。好適なヒドロキシル官能性多糖(A1)は、ヒドロキシエチルセルロースなどの市販の多糖であり、これは、The Dow Chemical Company of Midland、Michigan,USAによってCELLOCIZE(商標)の商品名で販売されている。
ヒドロキシル官能性多糖(A1)は、疎水性改質多糖、カチオン性改質多糖、親水性改質多糖、共重合多糖、またはそれらの組み合わせなど、上記で定義されたオリゴ糖または多糖のうちの1つの改質/誘導体(例えば、改質バージョンおよび/または改変バージョン)を含み得る、あるいはそれらであり得る。そのような多糖の特定の例としては、N,N-ジエチルアミノエチルヒドロキシエチルセルロース、N,N-ジメチルアミノエチルヒドロキシエチルセルロース、N,N-ジイソプロピルアミノエチルヒドロキシエチルセルロース、N,N-ジメチルアミノプロピルヒドロキシエチルセルロース、N-エチルピペリジンヒドロキシエチルセルロース、N-エチルモルホリンヒドロキシエチルセルロース、N-エチルピロリジン、ヒドロキシエチルセルロースなど、ならびにそれらの誘導体、改質物、および組み合わせが、挙げられる。
特定の実施形態において、ヒドロキシル官能性多糖(A1)は、ヒドロキシルエチルセルロースである。そのような実施形態において、ヒドロキシル官能性多糖(A1)は、例えば、炭化水素部分、ポリオキシアルキレン部分、および/またはそれに付加されるアミン部分を介して、カチオン性、疎水性、および/または親水性に改質され得る。
ヒドロキシル官能性多糖(A1)の置換度(例えば、その中の糖部分A当たりのヒドロキシル官能性、ヒドロキシアルキル基の数、四級アンモニウム基の数などに関して)は、ヒドロキシル官能性多糖(A1)の分析によって決定される。当業者によって理解されるように、そのような分析としては、例えば、ASTM試験方法D4794-94(2017)に概説されているZeiselガスクロマトグラフィー(GC)技術を介したエトキシルおよび/またはヒドロキシエトキシル置換(例えば、ヒドロキシル官能性多糖(A1)がセルロースエーテルである場合)を決定すること、ASTM試験方法D3876-96(2013)などに概説されているZeisel GS技術を介してメトキシルおよび/またはヒドロキシプロポキシル置換(例えば、ヒドロキシル官能性多糖A1がセルロースエーテルである場合)を決定すること、またはそれらの組み合わせを含み得る。そのような技術は、当技術分野で知られており、例えば、利用されるヒドロキシル官能性多糖(A1)の種類、それに付加される官能基、その置換度などに基づいて、当業者によって独立して選択される。
特定の実施形態において、ヒドロキシル官能性多糖(A1)は、糖部分A当たり0.50~4.0、例えば、0.5~2.5、あるいは0.5~3.5、あるいは1.0~2.5、あるいは1.5~2.5のC~Cアルキルエーテル基の平均置換度を有するヒドロキシルアルキルセルロースエーテルである。
ヒドロキシル官能性多糖(A1)は、典型的に、少なくとも約2500の重量平均分子量(Mw)を有する。特定の実施形態において、ヒドロキシル官能性多糖(A1)は、少なくとも2500、あるいは少なくとも5000、あるいは少なくとも10,000、あるいは少なくとも25,000、あるいは少なくとも50,000、あるいは少なくとも75,000のMを有する。これらのまたは他の実施形態において、ヒドロキシル官能性多糖(A1)は、70,000~3,000,000、例えば、100,000~1,500,000、あるいは150,000~1,000,000のMwを有し得る。重量平均分子量は、W.Gao,X.M.Liu,およびR.A.Gross,Polym.Int.,58,1115-1119(2009)に記述されているように、多角度光散乱(MALLS)検出技術を備えたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して容易に決定され得る。
ハロゲン化アジリジニウム化合物(A2)は、一般式:
Figure 2023501585000013
を有し、式中、Rが、上記で定義されるとおりであり、-Xが、塩化物または臭化物である。当業者によって理解されるように、ハロゲン化アジリジニウム化合物(A2)は、アミノエチル多糖(A3)の下位式-CHCHN(H)Rのアミノエチル部分を形成する。したがって、Rの範囲および限定に関する上記の説明は、ハロゲン化アジリジニウム化合物(A2)に関しても同様に適用可能である。特定の実施形態において、ハロゲン化アジリジニウム化合物(A2)は、アジリジニウム、N-メチルアジリジニウム、N-エチルアジリジニウム、N-プロピルアジリジニウム、N-ブチルアジリジニウム、およびそれらの組み合わせから選択されるカチオンの塩化物および/または臭化物塩から選択される。特定の実施形態において、ハロゲン化アジリジニウム化合物(A2)は、塩化アジリジニウムまたは塩化N-メチルアジリジニウムを含むか、あるいはそれらである。
ハロゲン化アジリジニウム化合物(A2)は、当業者に既知の任意の方法によって調製され得るか、または別の方法で得られ得る。例えば、ハロゲン化アジリジニウム化合物(A2)は、対応するベータハロエチルアミンのハロゲン化物塩を化学量論量の塩基(例えば、NaOH、KOHなど)で中和することによってその場で形成され得る。
ヒドロキシル官能性多糖(A1)およびハロゲン化アジリジニウム化合物(A2)は、様々な量で反応して、アミノエチル多糖(A3)を形成し得る。典型的には、成分(A2)は、アルキル化される(A1)のヒドロキシル基の数に基づいて、少なくとも1:1の化学量論比で利用される。したがって、ハロゲン化アジリジニウム化合物(A2)の量は、典型的には、当業者によって理解されるように、ヒドロキシル官能性多糖(A1)の量、重合度、および/または置換度に基づいて選択される。アミノエチル多糖(A3)のアミノエチル置換度を最大化するために、成分(A2)の過剰または総過剰が利用され得る。例えば、成分(A1)および(A2)は、1:≧1の化学量論比(A1:A2)で、成分(A1)の遊離ヒドロキシル置換度が≦1の場合でも、利用され得る。より高いまたはより低い比も利用され得る。
ヒドロキシル官能性多糖(A1)およびハロゲン化アジリジニウム化合物(A2)は、(例えば、利用される特定のヒドロキシル官能性多糖(A1)および/またはハロゲン化アジリジニウム化合物(A2)、形成される特定のアミノエチル多糖(A3)などを考慮して)独立して選択される様々な条件下で反応させることができる。例えば、成分(A1)および(A2)の反応の温度および/または雰囲気は、独立して選択され得る。より具体的には、成分(A1)および(A2)は、周囲条件下で、制御された雰囲気下で(例えば、N下、アルゴン下など)、高温で(例えば、>25℃、例えば、30~150、あるいは30~100、あるいは50~100、あるいは70~100、あるいは50~85℃などで)、またはそれらの組み合わせで反応させることができる。特定の実施形態において、反応成分(A1)および(A2)は、30分~24時間、例えば1~12時間、あるいは2~6時間の時間で行われる。しかしながら、当業者によって理解されるように、利用される特定の時間は、これらの範囲とは異なる場合があり、反応のサイズ/規模、反応が行われる特定の成分、および利用される他の反応条件に基づいて選択される。
成分(A1)および(A2)は、反応が溶液、エマルジョン、懸濁液、スラリー、二相混合物中で、またはそれらの組み合わせで行われるように、担体液(例えば、溶媒、希釈剤、ビヒクル、またはそれらの組み合わせ)の存在下で反応され得る。利用される特定の溶媒、担体、および/または希釈剤、ならびに用いられるそれらのそれぞれの量は、例えば、利用される特定のヒドロキシル官能性多糖(A1)および/またはハロゲン化アジリジニウム化合物(A2)、形成される特定のアミノエチル多糖(A3)などに基づいて、当業者によって独立して選択される。例えば、多糖の反応は、例えば、多糖が極性有機希釈剤に懸濁されているが溶解されていない状態で不均質に行われ得ることを当業者は理解されよう。しかしながら、反応の様々な成分は、均質な混合物として(すなわち、それと不均質な反応混合物を形成する前に)用いることができる。
成分(A1)および(A2)の反応における希釈剤中で、または希釈剤としての使用など、担体液中でまたは担体液としての使用に好適な成分の例としては、概して水溶性極性有機溶媒が挙げられる。特定の実施形態において、希釈剤は、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、2-ブタノン、テトラヒドロフラン、アセトン、またはそれらの組み合わせを含む。しかしながら、本明細書でさらに詳細に記載されているもののいずれなど、追加のおよび/または代替の担体液および/または希釈剤も利用することができる。
反応中の特定の溶媒(例えば、水、プロトン化溶媒など)の含有量は、特に希釈剤を用いる場合(例えば、不均一反応において)、多糖の膨潤をもたらすように調整することができる。したがって、反応内の希釈剤、水などの量は、ヒドロキシル官能性多糖(A1)の十分な膨潤を達成するように特定の成分(例えば、成分(A1)、(A2)、塩基など)を考慮して選択され、その結果、ハロゲン化アジリジニウム化合物(A2)によるそのアルキル化がそれに応じて進行し得る。
アミノエチル多糖(A3)のアミノエチル置換度は、変化し得、例えば、ヒドロキシル官能性多糖(A1)のヒドロキシル置換度、利用されるハロゲン化アジリジニウム化合物(A2)の均等物、(A1)と(A2)とが反応する条件などによって選択および/または制御され得る。典型的には、アミノエチル多糖(A3)は、糖部分A当たり0.05~1、例えば、0.075~0.75、あるいは、0.075~0.6、あるいは0.09~0.6、あるいは0.1~0.6、あるいは0.1~0.5、あるいは0.15~0.45のアミノエチル基の平均置換度を有する。アミノエチル多糖(A3)のアミノエチル置換度は、当技術分野で知られる様々な技術によって決定され得る。例えば、アミノエチル多糖(A3)の窒素含有量(例えば、Kjeldahl法を介して決定される場合)が、直接利用され得るか、または(例えば、ヒドロキシル官能性多糖(A1)の窒素含有量に基づいて)調整されて、アミノエチル多糖(A3)のアミノエチル置換度を確認することができる。
無水物官能性有機ケイ素化合物(B)は、
Figure 2023501585000014
からなる群から選択される式を有する。あるいは、無水物官能性有機ケイ素化合物は、式
Figure 2023501585000015
を有し得る。あるいは、無水物官能性有機ケイ素化合物は、式
Figure 2023501585000016
を有し得る。無水物官能性有機ケイ素化合物(B)の基RおよびR、ならびに有機ケイ素部分Yは、それぞれ、シリコングリカンの基RおよびR、ならびに有機ケイ素部分Yと同等であり、すなわち、式(I)に関して上記のとおりである。したがって、無水物官能性有機ケイ素化合物(B)の有機ケイ素部分Yは、シリル部分、有機ポリシロキサン部分、またはその両方を含み得る。例えば、Yがシリル部分であり、無水物官能性有機ケイ素化合物(B)が式:
Figure 2023501585000017
を有し得る場合、式中、各R2が独立して選択され、上記で定義されるとおりであり、R
Figure 2023501585000018
からなる群から選択される無水物部分であり、式中、RおよびRが上記のとおりであり、*が有機ケイ素部分Yのシリコン原子への結合点を示す。あるいは、Rは、
Figure 2023501585000019
からなる群から選択される無水物部分であり得る。あるいは、Rは、
Figure 2023501585000020
であり得る。
あるいは、無水物官能性有機ケイ素化合物(B)は、式:[R SiO1/2[R SiO2/2[RSiO3/2[SiO4/2を有してもよく、式中、下付き文字a、b、c、およびd、ならびに各Rが独立して選択され、上記で定義されるとおりであるが、ただし、a+b+c>0であることを条件とし、分子当たり少なくとも1つのRが上記のように、無水物部分Rに結合する。あるいは、無水物官能性有機ケイ素化合物(B)は、分子当たり1~20の無水物部分、あるいは分子当たり1~<20の無水物部分を有し得る。
特定の合成プロセスに拘束されることを望むものではないが、本明細書での使用に好適な無水物官能性有機ポリシロキサンは、米国特許第5,015,700号に開示されているものなどの既知の方法によって調製され得る。式RMeSiO1/2(式中、Meがメチル基を表し、Rが無水物官能基を表す)の基で終端されたポリジメチルシロキサンなどのビス無水物基末端ポリジ有機シロキサン、ならびにトリメチルシロキシ末端ポリ(メチル、無水物官能基)シロキサンおよびトリメチルシロキシ末端ポリ(メチル、無水物官能基/ジメチル)シロキサンなどのペンダント無水物官能基を有する有機ポリシロキサン、ならびに末端およびペンダント無水物官能基の両方を有する同等の有機ポリシロキサンが、この特許に開示されている。テトラヒドロフタル酸無水物末端ポリジ有機シロキサンなどの他の無水物官能性線状シロキサンおよびそれらの調製方法は、例えば、米国特許第5,117,001号で知られている。
本明細書での使用に好適な無水物官能性シリコーン樹脂およびそれらを調製するための方法は、米国特許第7,727,595号および同第7,807,012号の第5欄、45行目~第6欄、59行目に開示されている。例えば、無水物官能性シリコーン樹脂は、最初にSiH官能性樹脂中間体を調製し、続いて、2-メチル-3-ブチン-2-オールでSiH官能性樹脂中間体をヒドロシリル化し、脱水して、ジエン官能性を形成し、無水マレイン酸をディールスアルダー添加することよって調製され得る。無水物官能性シルセスキオキサン樹脂およびそれらを調製するための方法もまた、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第2008/0071017号に開示されている。
無水物官能性有機ポリシロキサンを調製するための好適な方法の他の例としては、白金触媒の存在下での脂肪族不飽和無水物化合物(無水カルビック酸、無水マレイン酸、または無水コハク酸アリルなど)とシリコン結合水素原子を含有する中間体とのヒドロシリル化反応、またはフリーラジカル開始剤もしくは光開始剤の存在下での不飽和基(例えば、アルケニル基)を有する有機ポリシロキサンと不飽和無水物化合物とのラジカル反応が挙げられる。フリーラジカル開始剤もしくは光開始剤の存在下での不飽和基(例えば、アルケニル基)を有する有機ポリシロキサンと不飽和無水物化合物とのラジカル開始反応によって生成される無水物官能性有機ポリシロキサンの例は、参照により本明細書に組み込まれる、2018年7月27日に出願された米国仮特許出願第62/703995号に記載されているように調製され得る。
多糖(A)および無水物官能性有機ケイ素化合物(B)は、様々な量で反応して、シリコングリカンを形成することができる。典型的には、成分(B)は、1:1で利用されるか、あるいは成分(A)の官能基(例えば、エチルアミノまたはヒドロキシ官能基)の数に基づいて、1:1~1:0.1の化学量論比が、例えば、成分(B)の無水物官能基への成分(A)の官能の開環付加を介して、アルキル化され、それによって上記の連結部分Wが形成される。したがって、当業者によって理解されるように、無水物官能性有機ケイ素化合物(B)の量は、典型的には、多糖(A)の量、重合度、および/または置換度に基づいて選択される。シリコングリカンのシリコン置換度を最大化するために、成分(B)の過剰または総過剰を利用することができる。例えば、成分(A)および(B)は、1:≧1の化学量論比(A:B)で、成分(A)の官能基の置換度が≦1の場合でも、利用され得る。より高いまたはより低い比も利用され得る。例えば、いくつかの実施形態において、成分(A)および(B)を、≧1:1の化学量論比(A:B)で利用して、例えば、無水物官能性有機ケイ素化合物(B)の多糖(A)の官能基への相対的なグラフト効率を増加することができる。
多糖(A)および無水物官能性有機ケイ素化合物(B)は、当業者によって理解されるような、独立して選択され得る(例えば、利用される特定の化合物(A)および/または(B)、形成される特定のシリコングリカン、反応のサイズなどを考慮して)様々な条件下で反応させることができる。例えば、成分(A)および(B)の反応の温度および/または雰囲気は、独立して選択され得る。より具体的には、成分(A)および(B)は、周囲条件下で、制御された雰囲気下で(例えば、N下、アルゴン下など)、高温で(例えば、>25℃、例えば、30~100、あるいは50~100、あるいは50~90、あるいは60~80℃)、またはそれらの組み合わせで反応させることができる。反応温度は、反応の特定の成分に基づいて選択され、したがって、蒸発損失(例えば、揮発性成分の)を最小限に抑えるため、還流を達成するため(すなわち、好適な反応器内で行われる場合)、揮発性成分を追い出すため、またはそれらを組み合わせのために(例えば、温度上昇を用いることを介して)選択され得る。例えば、反応は、周囲温度および/または室温(例えば、20~約30、あるいは22~28、あるいは24~26℃)で行われ得る。あるいは、反応は、60~100℃で行われ得る。
多糖(A)および無水物官能性有機ケイ素化合物(B)は、30分~100時間の間などの任意の時間で反応させることができる。例えば、特定の実施形態において、反応成分(A)および(B)は、4時間~48時間、例えば5、8、12、16、20、24、28、32、36、40、44、または47時間の間、行われる。いくつかの実施形態において、50、60、70、80、または90時間の時間など、48~100時間の時間が利用される。しかしながら、当業者によって理解されるように、利用される特定の時間は、これらの範囲とは異なる場合があり、反応のサイズ/規模、利用される特定の成分(A)および(B)、および選択される他の反応条件に基づいて選択されることになる。特定の実施形態において、反応成分(A)および(B)は、0.5~24時間、例えば1~18時間、あるいは1~12時間、あるいは1~6時間の間行われる。
成分(A)および(B)は、例えば、多相(例えば、二相性)反応などの不均一な条件下で反応させることができる。典型的に、成分(A)および(B)は、多成分希釈剤であり得る希釈剤の存在下で不均一に反応される。概して、希釈剤は、ヒドロキシル官能性多糖(A1)および/またはアミノエチル多糖(A3)を膨潤させるが溶解しないように、成分(B)の担体としてまたは両方で機能するように選択される。したがって、希釈剤の特定の成分は、利用される特定の多糖(A)(例えば、その溶解性、膨潤性、および/または反応性に応じて)および/または利用される特定の有機ケイ素化合物(B)(例えば、その有機ケイ素部分の溶解性および/または官能性)に基づいて選択される。
希釈剤は、典型的には、プロトン性有機溶媒を含む。プロトン性有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、およびn-プロパノールなどのアルコールを含むものが挙げられる。プロトン性有機溶媒は、水と相溶性がある。そのようなプロトン性有機溶媒の特定の例としては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。希釈剤は、水をさらに含み得る。あるいは、希釈剤は、アルコール、水、またはアルコールおよび水の両方の組み合わせを含み得る。
反応混合物は、極性非プロトン性溶媒を含まない場合があり、すなわち、「極性非プロトン性溶媒を含まない」は、反応混合物が、0~1%の極性非プロトン性溶媒、あるいは検出不可能な量~1%の極性非プロトン性溶媒(メチルイソブチルケトンなど)を含有することを意味する。
特定の実施形態において、多糖(A)と、無水物官能性有機ケイ素化合物(B)とを反応させることによってシリコングリカンを含む反応生成物が得られ、この調製方法は、シリコングリカンを反応生成物から単離することを含む。そのような実施形態において、単離のための任意の好適な技術および/またはプロトコルを利用することができる。好適な単離技術の例としては、デカンテーション、蒸留、蒸発、抽出、濾過、凍結乾燥、イオン交換クロマトグラフィー(例えば吸着)、擬似移動床クロマトグラフィー、分配、相分離、ストリッピング、および洗浄が挙げられる。当業者によって理解されるように、これらの技術の多くは、シリコングリカンを単離するために互いに組み合わせて(すなわち、順次)使用され得る。単離することは、シリコングリカンを精製することを含み得、したがって、シリコングリカンの精製と称され得ることが理解されるべきである。本明細書で使用される場合、シリコングリカンを単離することは、典型的に、それと組み合わせた他の化合物と比較して、シリコングリカンの相対濃度を増加させることとして定義される。したがって、当技術分野で理解されるように、単離/精製は、そのような組み合わせから他の化合物を除去すること(すなわち、シリコングリカンと混ぜ合わされる不純物の量を減らすこと)および/または混ぜ合わせからシリコングリカン自体を除去することを含み得る。選択された特定の技術に関係なく、シリコングリカンの精製は、反応自体と順次(すなわち、一列に)行われることができ、したがって、自動化され得る。他の例において、精製は、シリコングリカンを含む反応生成物が供される独立した手順であり得る。
特定の実施形態において、シリコングリカンを単離することは、例えば、追加の有機溶媒(例えば、アセトン)をそれに添加して、反応生成物を分配するおよび/または相分離することによって、希釈剤の溶解度プロファイルを変えることを含む。これらのまたは他の実施形態において、シリコングリカンを単離することは、反応生成物の他の成分を濾過して取り除く(すなわち、シリコングリカンが残留物/固体中に存在する場合)ことを含む。これらのまたは他の実施形態において、シリコングリカンを単離することは、反応生成物の他の成分をシリコングリカンから洗い流す(例えば、有機および/または水性溶媒を用いて)ことを含む。特定の実施形態において、シリコングリカンを単離することは、それから溶媒および/または他の揮発性成分をストリッピングすることを含み、これは、シリコングリカンを乾燥させる(例えば、水が除去されているときに)ことを包含する。
本明細書の実施例を考慮して理解されるように、シリコングリカンは、そのレオロジーを改質するために、掘削流体などの工業用組成物に使用することができる。あるいは、シリコングリカンは、パーソナルケア製品に使用され得る。
パーソナルケア製品
シリコングリカンは、パーソナルケア製品に配合され得る。概して、そのような製品は、室温で固体である材料が存在しない場合、単純なプロペラミキサー、ブルックフィールド逆回転ミキサー、または均質化ミキサーを使用して、室温で調製され得る。特別な機器または加工条件は、典型的には必要ない。作製される形態の種類に応じて、調製方法は異なるが、そのような方法は、当技術分野で知られている。
パーソナルケア製品は、それらが適用される身体の部分、美容的、療法的、またはそれらのいくつかの組み合わせに関して機能的であり得る。そのような製品の従来の例としては、制汗剤および脱臭剤;スキンケアクリーム;スキンケアローション;保湿剤;にきびまたはしわ除去剤などの顔面トリートメント;パーソナルおよび顔面クレンザー;バスオイル;香水;コロン;におい袋;日焼け止め;シェービング前後のローション、シェービングソープ、およびシェービング泡;ヘアシャンプー;ヘアコンディショナー(そのままにするか洗い流すかのいずれか);ヘアカラー剤;ヘアリラクサー;スプレー、固定剤、ムース、および/またはゲルなどのヘアスタイリングエイド;パーマネント、除毛剤、およびキューティクルコート;メイクアップ;カラー化粧品;ファンデーション;コンシーラー;チーク;口紅;アイライナー;マスカラ;オイルリムーバー;カラー化粧品リムーバー;パウダー;医薬品クリーム;予防的および/または療法的であり得るペーストまたはスプレー(歯科衛生、抗生物質、治癒促進剤、および/または栄養食品を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。概して、パーソナルケア製品は、液体、リンス、ローション、クリーム、ペースト、ゲル、泡、ムース、軟膏、スプレー、エアロゾル、石鹸、スティック、軟質固体、固体ゲル、およびゲルを含むがこれらに限定されない、任意の従来の形態での適用を可能にする担体とともに配合され得る。好適な担体を構成するものは、当業者には明らかであろう。
シリコングリカンは、様々な個人、家庭、およびヘルスケア用途で使用され得る。特に、シリコングリカンは、Barrらに対する米国特許第6,051,216号、Mendoliaらに対する米国特許第5,919,441号、Petroffらに対する米国特許第5,981,680号、Yuに対する米国特許出願第2010/0098648号、およびYuに対するWO2004/060101に開示されているパーソナルケア製品中、Hansenneらに対する米国特許第6,916,464号に開示されているような日焼け止め組成物中、Yuに対するWO2003/105801に開示されているような、膜形成樹脂も含有する化粧品組成物中、Luに対する米国特許出願第2003/0235553号、Tornilhacに対する米国特許出願第2003/0072730号、Ferrariらに対する米国特許出願第2003/0170188、Tornilhacに対するEP1,266,647、Ferrariらに対するEP1,266,648、Ferrariらに対するEP1,266,653、Luに対するWO2003/105789、Luに対するWO2004/000247、およびLuに対するWO2003/106614に開示されているような化粧品組成物中、Tournilhacに対するWO2004/054523で開示されているものに対する追加の薬剤として、米国特許出願公開第2004/0180032号に開示されているような長時間着用の化粧品組成物、ならびにWO2004/054524で考察されているような透明または半透明のケアおよび/またはメイクアップ用組成物中で使用され得、これらのすべては、参照により本明細書に組み込まれる。
あるいは、シリコングリカンをカラー剤または固定剤組成物の一部として使用し、毛髪を染めるまたはパーマするプロセスの前処理、処理中、後処理として適用することができる。目的は、カラーの保持およびカラーの強化から、染められた毛髪繊維の再コンディショニングにまで及ぶ可能性がある。例は、Legrandらに対する特許公開の米国特許出願公開第2003/0152534号、Legrandらに対する米国特許出願公開第2003/0152541号、Legrandに対する米国特許出願公開第2003/0147840号、Devin-Baudoinらに対する米国特許第6,953,484号、Devin-Baudoinらに対する米国特許第6,916,467号、Devin-Baudoinらに対する米国特許出願公開第2004/0045098号、Devin-Baudoinらに対する米国特許出願公開第2003/0126692号、Audoussetに対するPCT公開第2007/071684号、ならびにL’OrealによるAudoussetらに対する米国特許出願公開第2008/0282482号およびNoxell Corp.によるMcKelveyに対する米国特許第7,335,236号で見ることができ、これらのすべては、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明によるパーソナルケア製品は、アプリケーター、ブラシを使用して、それらを人体、例えば、皮膚もしくは毛髪に適用すること、手によって適用すること、それらを注ぐこと、および/または場合によっては体の上もしくは体に製品を擦り込むか、もしくはマッサージすることなどの標準的な方法によって使用され得る。例えば、カラー化粧品の除去方法も、洗浄、拭き取り、および剥離を含むよく知られた標準的な方法である。皮膚上に使用するために、本発明によるパーソナルケア製品は、例えば、皮膚をコンディショニングするために、従来の様式で使用され得る。この目的のために有効量の製品が皮膚に適用される。そのような有効量は、概して、1mg/cm~3mg/cmの範囲である。皮膚への適用は、典型的には、組成物を皮膚に作用させることを含む。皮膚に適用するためのこの方法は、皮膚を有効量の組成物と接触させるステップと、次いで組成物を皮膚に擦り込むステップとを含む。これらのステップは、必要な回数だけ繰り返して、所望の利点を達成することができる。
毛髪に対する本発明によるパーソナルケア製品の使用は、毛髪をコンディショニングするための従来の様式を使用し得る。毛髪をコンディショニングするための有効量の製品が髪に適用される。そのような有効量は、概して、0.5g~50g、あるいは1g~20gの範囲である。毛髪への適用は、典型的には、毛髪のほとんどまたはすべてが製品と接触するように、組成物を毛髪に作用させることを含む。毛髪をコンディショニングするためのこの方法は、有効量のヘアケア製品を毛髪に適用するステップと、次いで組成物を毛髪に作用させるステップとを含む。これらのステップは、必要な回数だけ繰り返して、所望のコンディショニング利点を達成することができる。
シリコングリカンに加えてパーソナルケア製品中に配合され得る添加剤の非限定的な例としては、(i)追加のシリコーン、(ii)にきび予防剤、(iii)抗う蝕剤、(iv)ふけ防止剤、(v)酸化防止剤、(vi)殺生物剤、(vii)植物成分、(viii)クレンジング剤、(ix)カラー剤、(x)コンディショニング剤、(xi)カチオン性堆積助剤などの堆積剤、(xii)電解質剤、(xiii)皮膚軟化剤、(xiv)剥脱剤、(xv)泡ブースター、(xvi)香料、(xvii)保湿剤、(xviii)閉塞剤、(xix)油、(xx)殺シラミ剤、(xxi)pH制御剤、(xxii)顔料、(xxiii)防腐剤、(xxiv)レオロジー改質剤、(xxv)溶媒、(xxvi)安定剤、(xxvii)安定化剤、(xxviii)日焼け止め剤、(xxix)界面活性剤、(xxx)懸濁剤、(xxxi)なめし剤、(xxxii)増粘剤、(xxxiii)ビタミン、(xxxiv)ワックス、(xxxv)創傷治癒促進剤、および(xxxvi)(i)~(xxxv)の任意の2つ以上が挙げられる。
添付の特許請求の範囲は、「発明を実施するための形態」を表現するために、およびそこに記載される特定の化合物、組成物、または方法に限定されず、添付の特許請求の範囲の範疇の特定の実施形態間で異なり得ることを解されたい。様々な実施形態の特定の特徴または態様を説明するための本明細書に依拠する任意のマーカッシュグループに関して、すべての他のマーカッシュメンバーから独立したそれぞれのマーカッシュグループの各メンバーから異なる、特別な、かつ/または予期しない結果が得られる可能性がある。マーカッシュグループの各メンバーは、個別に、かつまたは組み合わせて依拠され得、添付の特許請求の範囲の範疇の具体的な実施形態に適切なサポートを提供する。
さらに、本発明の様々な実施形態の説明に依拠する任意の範囲および部分範囲は、添付の特許請求の範囲の範疇に独立してかつ集合的に含まれ、そのような値が本明細書に明示的に書かれていない場合であっても、それらの全体および/または小数値を含むすべての範囲を説明および企図すると理解される。当業者は、列挙された範囲および部分範囲が、本発明の様々な実施形態を十分に説明し、有効にし、そのような範囲および部分範囲が、関連する半分、3分の1、4分の1、5分の1などにさらに詳しく説明され得ることを容易に認識する。単なる一例として、「0.1~0.9の」範囲は、下3分の1、すなわち0.1~0.3、中3分の1、すなわち0.4~0.6、および上3分の1、すなわち0.7~0.9にさらに詳しく説明され、これらは、個別にかつ集合的に添付の特許請求の範囲の範疇にあり、個別に、かつ/または集合的に依拠され、添付の特許請求の範囲の範疇の具体的な実施形態に適切なサポートを提供する。加えて、「少なくとも」、「超」、「未満」、「以下」などの範囲を定義または修飾する文言に関して、そのような文言が部分範囲および/または上限もしくは下限を含むことを理解されたい。別の例として、「少なくとも10」という範囲には、少なくとも10~35の部分範囲、少なくとも10~25の部分範囲、25~35の部分範囲などが本質的に含まれ、各部分範囲は、個別に、かつ/または集合的に依拠され、添付の特許請求の範囲の範疇の具体的な実施形態に適切なサポートを提供する。最後に、開示された範囲内の個々の数字は、依拠され、添付の特許請求の範囲の範疇の具体的な実施形態に適切なサポートを提供する。例えば、「1~9」という範囲には、3などの様々な個別の整数、ならびに4.1などの小数点(または小数)を含む個別の数値が含まれ、これは、依拠され得、添付の特許請求の範囲の範疇の特定の実施形態に適切なサポートを提供する。
以下の実施例は、本発明を例示することを意図しており、決して本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない。実施例で使用した出発材料は次のとおりであった:重水(99%D)、重水素化クロロホルム(CDCl)、およびシス-5-ノルボルネン-エンド-2,3-ジカルボン酸(無水カルビン酸)、無水マレイン酸、および過酸化ベンゾイルをSigma-Aldrichから購入し、受け取ったままの状態で使用した。2-プロパノール(IPA)、アセトン、m-キシレン、およびトルエンをFisher Scientificから購入し、受け取ったままの状態で使用した。数平均構造体MVi-D-MVi(4-2764 INT)、MD’M(3-7010)、およびKarstedtの触媒とともにビニル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS)オリゴマーをDow Silicones Corporationから得て、受け取ったままの状態で使用した。数平均構造体MD10D’MおよびMD40D’Mを有するコポリマーを従来の手順に従って調製した。狭い分散度の単官能性MBu10D’MをGelestから入手し、さらに精製することなく使用した。上記の式において、Mは式(MeSiO1/2)の単位を表し、MViは式(MeViSiO1/2)の単位を表し、MBuは式(MeBuSiO1/2)の単位を表し、Dは式(MeSiO2/2)の単位を表し、D’は式MeHSiO2/2)の単位を表し、式中、Meがメチル基を表し、Viがビニル基を表し、Buがブチル基を表す。
蛍光X線(XRF):
すべての試料を、Rigaku Primus I波長分散型蛍光X線分析装置(WDXRF)分光計(「XRF装置」)を使用して分析する。
フルスキャン-相対的存在量
XRF装置には、一次ビームフィルターを備えた最大4kWのRhターゲットX線源、Rh K-ラインオーバーラップ(Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、およびSn K-ライン)用のNi400、Rh L-ラインオーバーラップ(Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、およびSn L-ライン)用のAl25、およびデリケートな試料のX線管保護用のBe30が装備されている。結晶の分析としては、LiF200(K-U)、PET(Al-Si)、Ge(P-Cl)、RX25(F-Mg)、RX35(O)、RX45(N)、RX61F(C)、およびRX75(B)が挙げられる。検出器には、Ti-U用のシンチレーションカウンター(SC)およびB-Ca用のガス(フロー)比例計数管が含まれる。
特に指定のない限り、試料を、6μmのポリプロピレン薄膜窓を含む試料カップに投入し、ヘリウム環境下で30mmの試料マスクを使用して分析する。試料中で検出された各元素の相対的存在量を、特定されたマトリックス化合物を使用した1点キャリブレーションに対して計算する。メーカーによって特定された膜不純物には、Al、P、Ca、Ti、Fe、Cu、Zn、およびZrが含まれる。試料を、30mmの試料マスクおよび上記の条件を使用して真空中で分析する。
減衰全反射赤外線(ATR-IR):
すべての試料を、Thermo Scientific Nicolet 6700フーリエ変換赤外(FTIR)分光計を使用して分析する。
試料を、ダイヤモンド結晶を備えたシングルバウンス減衰全反射アタッチメントを使用するIR分光法(4cm-1の解像度で64スキャンを使用して)によって検査する。表面分析中の浸透の深さは、1000cm-1付近で2ミクロンと推定される。
レオロジー
レオロジー測定は、カップとボブセンサーを備えたTA Instruments DHR-3レオメーターを使用し、25℃で40mmのコーンとプレートを使用して行う。
各試料(0.2g)をHO(9.8g)に溶解して、2%溶液を得て、これを70℃で18時間撹拌し、次いで自然に冷却させる。試料がHOに不溶性である場合、85℃まで数時間加熱する。試料が不溶性のままである場合、酢酸(1当量)を溶液に加え、次いで24時間静置する。
次いで、溶液をせん断する(超音波ソニケーター;100Wの電力で60秒間)。試料を予備せん断し(せん断速度1s-1で40秒)、粘度を40秒間にわたって1秒間隔で測定する。粘度を、6.31s-1のせん断速度で測定したすべてのデータポイントの平均値として、mPa・sで報告する。
溶解度
2%水溶液としての材料の溶解度を、材料を水に溶解することを試みることによって試験する。材料が不溶性である場合、85℃まで数時間加熱する。
参考実施例1-無水物官能性シロキサンの調製
出発ヒドリドシロキサンMBuM’(858g/mol)を、テフロンコーティングされた磁気撹拌棒を備えた500mlの3つ口丸底フラスコで秤量する(75g、0.087mol、1当量)。トルエン(30g、34.5ml)を、150μl(15ppm)のトルエン中のKarstedtの触媒の1%溶液とともに反応混合物に添加する。反応混合物を80℃まで温め、無水カルビック酸を1時間かけてゆっくりと添加する。反応混合物を90℃で4時間撹拌し、次いで自然に冷却させ、一晩放置しておく。この時点で、大量の固体不溶性無水カルビック酸が溶液中に存在する。溶液を80℃まで温め、次いで50μl(5ppm)の触媒溶液を一度に添加する。顕著な発熱を観察することができない。反応混合物を60℃まで冷却し、次いで300μl(30ppm)の触媒溶液を一度に添加する。反応混合物を90℃まで温め、その温度で8時間撹拌し、その後、溶液を自然に室温まで冷却させ、一晩放置しておく。溶液は依然として、かなりの量の固体無水カルビック酸を含有する不均質な混合物である。溶液を60℃まで温めた後、1ml(100ppm)の触媒溶液を一度に添加する。軽度(2℃)の発熱が観察される。反応混合物をその温度でさらに6時間撹拌状態にし、次いで自然に室温まで冷却させる。この時点で、溶液は完全に均質であり、IR分光法によって反応が完了していることが明らかになる。反応混合物を単一口丸底フラスコに移し、揮発性物質を回転蒸発によって除去する。材料をさらに、110℃、全真空下で1時間ストリッピングする。得られた液体(73g)を窒素下で保存し、NMR分光法によって分析すると、式MBuの無水物官能性シロキサンの形成が確認され、式中、Mが式(CAMeSiO1/2)の単位であり、式中、CAが式
Figure 2023501585000021
の基を表し、*がシリコン原子への基の結合点を示す。
参考実施例2:疑似単官能性無水物官能性シロキサンの調製
式MD10D’Mの出発ヒドリドシロキサン(75g、0.077mol、1当量)を、機械的撹拌装置および窒素入口を備えた250mlの3つ口丸底フラスコに入れる。トルエン(25ml)を添加し、次いでKarstedtの触媒をトルエン中の1重量%溶液(50μl、5ppm)として添加する。反応混合物を反応温度(90℃)まで温める。固体の無水カルビック酸(12.6g.0.077mol、1当量)を約1gの少量でゆっくりと添加する。無水物を添加すると、遅延した発熱が観察される(添加した無水物1g当たり約3℃)。無水物の約半分を添加した後、温度を100℃まで上昇させる。すべての無水物を添加したら、温度を110℃まで上昇させ、反応混合物を1時間撹拌状態にする。次いで、温度を100℃まで戻し、追加の100μl(10ppm)の白金触媒溶液を添加する。すべての無水物を添加し、110℃で30分間加熱した後、Si-H含有量は500ppmである。次いで、2.5ml(250ppm)の白金触媒溶液を2時間にわたって500μlの部分で添加する。次いで、反応混合物を6時間還流する。溶媒を回転蒸発によって除去し、次いで生成物をCelite(商標)で濾過し、5μmフィルターで活性化炭を濾過する。最終生成物は、黄色がかった液体(40g)であり、これをNMRによって分析したところ、式MD10D*Mを有することが分かった。
参考実施例3-疑似単官能性無水物官能性シロキサンの調製*
式MD40D’Mのヒドリドシロキサン(160g、0.05mol、1当量)を、機械的撹拌装置および窒素入口を備えた250mlの3つ口丸底フラスコに入れる。トルエン(40ml)を添加し、次いでKarstedtの触媒をトルエン中の1重量%溶液(500μl、31ppm)として添加する。反応混合物を反応温度(90℃)まで温める。固体の無水カルビック酸(7.3g.0.05mol、1当量)を3分当たり200~300mgの部分でゆっくりと添加する。次いで、白金触媒溶液(2.5ml)を2時間にわたって500μlの部分で添加する(156ppm)。次いで、反応混合物を6時間還流する。溶媒を回転蒸発によって除去し、次いで生成物をCelite(商標)で濾過し、5μmフィルターで活性化炭を濾過する。最終生成物は、黄色がかった液体(120g)である。生成物をNMRによって分析したところ、式MD40D*Mを有することが分かり、式中、Dが式(CAMeSiO2/2)の単位であり、式中、CAが式
Figure 2023501585000022
の基を表し、*がシリコン原子への基の結合点を示す。
参考実施例4-MD’Mによる無水カルビック酸のヒドロシリル化
出発ヒドリドシロキサンMD’Mを、テフロンコーティングされた磁気撹拌棒を備えた500mlの3つ口丸底フラスコで秤量する(50g、0.21mol、1当量)。トルエン(200g)を反応混合物に添加する。反応混合物を80℃まで温め、10%の無水カルビック酸を一度に添加する。トルエン中のKarstedtの触媒の1%溶液(200μL)を一度に添加する。無水カルビック酸の半分(合計34g、0.2mol、0.95当量)を100mgの少量で1時間かけて添加する。次いで、反応混合物を90℃で30分間反応したままにする。IR分光法による反応混合物の分析は、Si-Hのほとんどが消費されたことを示す。触媒の追加負荷(50μL)を添加し、残りの無水カルビック酸を同じ方式で添加する。反応混合物を90℃でさらに4時間反応したままにする。次いで、反応混合物を自然に室温まで冷却させる。翌朝、反応混合物は室温でも完全に均質であるが、変換は完了していないことが分かる(残留250ppmのSi-H)。反応混合物を100℃まで温め、次いで触媒(100μL)を添加する。反応混合物をその温度で2時間撹拌状態にし、次いで自然に室温まで冷却させる。翌朝、IR分析によって、Si-H濃度が57ppmであることが分かったため、反応が完了したことが明らかになる。反応混合物を、Celite(商標)の第1の層および活性化炭の層を含むガラスフリット上で濾過する。フィルターケーキを100mlのトルエンで2回洗浄する。回収した溶液を回転蒸発装置でストリッピングして乾固させ、次いで120℃、全真空下でさらにストリッピングして、残留Si-Hおよび無水カルビック酸を取り除く。白色の固体(70g、収率90%)を回収し、CおよびATR-IRでのNMR分光法によって分析する。固体は式MD*Mを有することが分かった。
参考実施例5-MD*Mの安定性
2-プロパノール中:参考実施例4で上記のように調製した式MDMの無水物官能性シロキサン(200mg)をシンチレーションバイアルに入れ、20mlのIPAに懸濁した。反応混合物を80℃で4時間撹拌し、溶媒を回転蒸発によって除去した。白色の固体残留物を、CでのNMR分光法によって分析した。NMRスペクトルでは、イソプロピル基に起因する著しいシグナルは特定されなかった。
2-プロパノール/水中:式MDMの無水物官能性シロキサン(0.53g)をシンチレーションバイアルに入れ、5gの90/10IPA/水混合物に溶解した。反応混合物を80℃で4時間撹拌し、溶媒を回転蒸発によって除去した。白色の固体残留物を、CでのNMR分光法によって分析した。カルボン酸のピークが成長していること、および少なくとも第2のシグナルセットが観察される。「開いた」無水物の濃度は、新しいSi-Me共鳴の統合に基づいて、約33%であるように見える。
調製例A:一般的なアミノエチル多糖の調製(アミノエチル改質ヒドロキシエチルセルロース)
調製:
2000mLの4つ口丸底フラスコには、撹拌パドルとモーター、ゴム製血清キャップ、窒素注入口、およびクライゼンアダプターが取り付けられている。クライゼンアダプターには、J-KEMコントローラに接続された地下熱電対と、鉱油バブラーに接続されたフリードリッヒコンデンサーとが取り付けられている。フラスコに、ヒドロキシル官能性多糖(134.7gのCELLOSIZE(商標)HEC AM-103、Dow Chemical Company、Midland MI製;120.1gのHEC含有量、0.48モル、DS2.0)、ハロゲン化アジリジニウム前駆体(2-アミノエチルクロリド塩酸塩;48.16g、0.415モル)、およびイソプロピルアルコール(IPA)(672g)と脱イオン水(76g)との混合物を充填して、スラリーを形成する。窒素(毎秒約1気泡)でパージしながら、スラリーを1時間撹拌(撹拌モーターを70rpmに設定)して、混入した酸素を除去する。
塩基(50%水酸化ナトリウム水溶液;32.78g、0.410モル)を窒素下で1分間かけて撹拌中のスラリーに滴下(プラスチックシリンジを介して)する。スラリーを5分間撹拌し、次いで80℃まで加熱し、(80℃に設定されたJ-KEMコントローラに接続された加熱マントルを介して)4時間保持する。次いで、加熱マントルを取り外し、フラスコ内の窒素圧を正に維持しながら、スラリーを冷水浴で冷却する。周囲温度で、酸(氷酢酸;6.0g)を加えることによってスラリーを中和して、アミノエチル多糖を含む反応混合物を得る。
アミノエチル多糖を、ブフナー漏斗(金属、粗フリット)を介した真空濾過によって固体として反応混合物から単離し、次いで、ブフナー漏斗において以下の洗浄液で洗浄する:アセトン(1200g)と脱イオン水(400g)の混合物で1回;アセトン(1200g)と脱イオン水(320g)の混合物で3回、アセトン(1200g)と脱イオン水(160g)の混合物で1回、純粋なアセトン(1200g)で2回。第2のアセトン洗浄は、0.80gの40%グリオキサール水溶液および0.20gの氷酢酸を含有していた。次いで、アミノエチル多糖を50℃で一晩真空乾燥させて、単離および乾燥したアミノエチル多糖アミノエチル改質ヒドロキシエチルセルロース)をオフホワイトの粉末(136.46g)として得る。
分析
アミノエチル多糖類を手作業で粉砕し(乳鉢と乳棒)、スクリーニングし(#30米国標準ふるい)、上記の手順に従って分析して、次の結果が得られた。
揮発性物質の含有量:3.08%。
灰分:5.85%(塩化ナトリウムとして)。
Kjeldahl窒素含有量:1.936%、0.389のアミノエチル置換度に対応する。
2.0%溶液粘度:6.31s-1のせん断速度で479mPa・s(25.0℃、揮発性物質および灰分を修正)。
調製例B:一般的なアミノエチル多糖の調製(アミノエチル改質ヒドロキシエチルセルロース)
調製:
調製例Aに記載したのと同じ方法を使用したが、CELLOSIZE(商標)HEC AM-103を148.56g(120.1gの含有)のCELLOSIZE(商標)HEC QP-4400Hで置換して、148.56gのアミノエチル改質ヒドロキシエチルセルロースをオフホワイトの固体として得た。
分析
アミノエチル多糖類を手作業で粉砕し(乳鉢と乳棒)、スクリーニングし(#30米国標準ふるい)、上記の手順に従って分析して、次の結果が得られた。
揮発性物質の含有量:0.95%。
灰分:3.24%(塩化ナトリウムとして)。
Kjeldahl窒素含有量:1.653%、0.326のアミノエチル置換度に対応する。
2.0%溶液粘度:6.31s-1のせん断速度で5543mPa・s(25.0℃、揮発性物質および灰分を修正)。
調製例C:一般的なアミノエチル多糖の調製(アミノエチル改質ヒドロキシエチルセルロース)
調製:
1000mlの4つ口丸底フラスコには、撹拌パドルとモーター、ゴム製血清キャップ、窒素注入口、およびクライゼンアダプターが取り付けられている。クライゼンアダプターには、J-KEMコントローラに接続された地下熱電対と、鉱油バブラーに接続されたフリードリッヒコンデンサーとが取り付けられている。フラスコに、ヒドロキシル官能性多糖(67.45gのCELLOSIZE(商標)HEC AM-103、Dow Chemical Company、Midland MI製;60.1gのHEC含有量、0.24モル、DS2.0)、ハロゲン化アジリジニウム前駆体(2-アミノエチルクロリド塩酸塩;12.38g、0.107モル)、およびイソプロピルアルコール(IPA)(336g)と脱イオン水(39g)との混合物を充填して、スラリーを形成する。窒素(毎秒約1気泡)でパージしながら、スラリーを1時間撹拌(撹拌モーターを70rpmに設定)して、混入した酸素を除去する。
塩基(50%水酸化ナトリウム水溶液;8.27g、0.103モル)を窒素下で1分間かけて撹拌中のスラリーに滴下(プラスチックシリンジを介して)する。スラリーを5分間撹拌し、次いで80℃まで加熱し、(80℃に設定されたJ-KEMコントローラに接続された加熱マントルを介して)4時間保持する。次いで、加熱マントルを取り外し、フラスコ内の窒素圧を正に維持しながら、スラリーを冷水浴で冷却する。周囲温度で、酸(氷酢酸;3.0g)を加えることによってスラリーを中和して、アミノエチル多糖を含む反応混合物を得る。
アミノエチル多糖を、ブフナー漏斗(金属、粗フリット)を介した真空濾過によって固体として反応混合物から単離し、次いで、ブフナー漏斗において以下の洗浄液で洗浄する:アセトン(600g)と脱イオン水(200g)の混合物で1回;アセトン(600g)と脱イオン水(160g)の混合物で3回、アセトン(600g)と脱イオン水(80g)の混合物で1回、純粋なアセトン(600g)で2回。第2のアセトン洗浄は、0.40gの40%グリオキサール水溶液および0.10gの氷酢酸を含有していた。次いで、アミノエチル多糖を50℃で一晩真空乾燥させて、単離および乾燥したアミノエチル多糖アミノエチル改質ヒドロキシエチルセルロース)をオフホワイトの粉末(66.21g)として得る。
分析
アミノエチル多糖類を手作業で粉砕し(乳鉢と乳棒)、スクリーニングし(#30米国標準ふるい)、上記の手順に従って分析して、次の結果が得られた。
揮発性物質の含有量:1.31%。
灰分:6.23%(塩化ナトリウムとして)。
Kjeldahl窒素含有量:0.914%、0.172のアミノエチル置換度に対応する。
2.0%溶液粘度:6.31s-1のせん断速度で587mPa・s(25.0℃、揮発性物質および灰分を修正)。
調製例A~C:中和されたアミノエチル多糖(アミノエチル改質ヒドロキシエチルセルロース)
アミノエチル多糖の調製
3つのアミノエチル多糖HCl塩(調製例A~C)を、以下の表2に記載のように、様々なハロゲン化アジリジニウム前駆体を使用して、上記の調製例1の手順に従って調製する。
Figure 2023501585000023
次いで、調製例A~Cのアミノエチル多糖HCl塩の各々を、以下の中和手順に供して、3つの中和されたアミノエチル多糖を調製する。
中和
アミノエチル多糖HCl塩を、還流冷却器および窒素入口を備えた3つ口フラスコ内の80:20のIPA/HO混合物(200g)に懸濁する。混合物を窒素ガスで1時間フラッシュする。次いで、NaOH溶液(水中50重量%;Kjeldahl窒素値に基づいて1当量)を一度に添加する。溶液混合物を加熱して、70℃で4時間保持し、次いで自然に冷却させる。反応混合物を室温で18時間激しく撹拌している。
溶液を濾過(Whatman(商標)#44濾紙を有するブフナー漏斗)し、固体を取り出して、3つ口フラスコに戻し入れ、80:20のIPA/HO混合物(200ml)とともに1~4時間さらに撹拌する。次いで、固体をもう一度濾過(Whatman(商標)#44濾紙を有するブフナー漏斗)し、次いで80:20のIPA/HO混合物(200ml)、次いで90:10のIPA/HO混合物(200ml)、次いで純粋のIPA(200ml)ですすぐ。次いで、固体をドラフトで72時間自然に乾燥させ、続いて真空オーブンにおいて、50℃で4時間さらに乾燥させる。固形物を細かく粉砕して(乳鉢と乳棒)、中和されたアミノエチル多糖を粉末として得る。
以下の表3は、中和されたアミノエチル多糖(それぞれ、A-N、B-N、およびC-N)を調製するために調製例A~Cのアミノエチル多糖HCl塩の中和に利用されるパラメータを記載する。
Figure 2023501585000024
参考実施例D-シリコングリカン調製の一般的な手順
中和されたアミノエチル-ヒドロキシエチルセルロース化合物を、磁気撹拌棒を備えた20mlのシンチレーションバイアルで秤量する。無水物官能性シロキサン(上記のように調製)を一度に添加し、反応混合物を選択した溶媒混合物に懸濁する。溶液を70℃の加熱ブロックに入れ、様々な時間撹拌する。試料を自然に室温まで冷却する。
アセトン(10ml)を反応混合物に添加し、反応混合物をWhatman(商標)#44濾紙を使用するブフナー漏斗で濾過する。次いで、固体をトルエン(20ml)、80/20(重量で)IPA/HO混合物(20ml)、90/10IPA/HO混合物(20ml)、IPA(20ml)、トルエン(20ml)、次いで最後にアセトン(2×20ml)で洗浄する。試料をブフナー漏斗で5分間乾燥させ、次いで風袋計量済ガラスバイアルに固体を収集し、55℃の真空オーブンで4時間乾燥させる。次いで、試料をATR-IR、次いでX線蛍光(XRF)によって分析する。2%水溶液としての材料の溶解度を、材料を水に溶解することを試みることによって試験する。材料が不溶性である場合、85℃まで数時間加熱する。材料が不溶性のままである場合、酢酸(1当量)を溶液に添加し、溶液を24時間放置する。シリコーン部分のグラフト化および連結(W)の形成の成功は、
Figure 2023501585000025
における特徴的なνC=Oストレッチの出現によるATR-IR分光法によって確認された。
以下の表に示す成分および量を使用して、この参考実施例Dの手順に従って試料を調製した。
Figure 2023501585000026
表D-1の試料1~6のすべては、水溶性であった。
Figure 2023501585000027
表D-2の試料1~4は、水溶性であった。表D-2の試料1および2は、溶媒がMIBK(極性プロトン性溶媒ではない)であったため、比較用であった。上記の実施例から、極性プロトン性溶媒を使用するとシリコンの組み込みが大幅に増加することが明らかである。
Figure 2023501585000028
表D-3の試料1~5は、水溶性であった。
Figure 2023501585000029
HEC-AM-103は、The Dow Chemical Company製の商品名CELLOSIZE(商標)の市販のヒドロキシエチルセルロースであった。表D-4の試料1~5は、水溶性であった。これらの実施例をアミノ官能性ヒドロキシエチルセルロースで調製しなかった。しかしながら、シリコンの組み込みを促進するために極性プロトン性溶媒混合物を用いることには、依然として明らかな利点がある。
Figure 2023501585000030
Figure 2023501585000031
Figure 2023501585000032
粘度プロファイルを、Anton Paar MCR302レオメーターを使用することによって25℃で得る。測定形状として、2°の円錐角の25mm円錐平板を利用する。溶液を測定形状に投入し、次いで測定温度で3分間平衡化する。次いで、粘度の変化を監視しながら、指定されたせん断速度で溶液をせん断する。粘度が定常状態に達すると、せん断速度の粘度値を決定する。せん断速度を0.01~100秒-1に変えることによって、粘度プロファイルを得る。
本発明の実施例(表D-5、試料3)の2%水溶液(灰分および揮発性物質は修正していない)は、6.31s-1のせん断速度で10,655mPa.s-1の粘度を有するが、同じ化学処理に供したが、シリコンの組み込みが発生しなかった比較例(表D-6、試料8)の2%水溶液(灰分および揮発性物質を修正していない)は、6.31s-1のせん断速度で1,117mPa.s-1の粘度を有する。粘度の劇的な違いは、例えば、掘削流体として使用するためのレオロジー改質剤としての本発明の実施例の有用性を浮き彫りにする。
表D-5に記載の本発明の実施例、エントリー6および8からの未改質のCELLOSIZE(商標)HEC AM103の1.5重量%脱イオン水溶液およびシリコングリカンの1.5重量%脱イオン水溶液を、6ミルのバーフィルムアプリケーターで別々にマイラー膜にドローダウンした。膜を室温で一晩乾燥させた。すべての溶液から、透んだ/透明なコーティングが得られた。接触角データを、膜上でKruss DSA100装置を使用して入手した。6滴の水を各膜に別々に入れ、時間ゼロおよび約200秒で測定した。データを6回の測定の平均および標準偏差として報告する。測定の精度を、95%信頼区間で6回の測定のt試験を使用して決定した。
Figure 2023501585000033
上記の表は、多糖がシロキサンで改質されている作業実施例が、水をはじく膜を形成するという望ましい利点を提供することを示す。これは、そのような膜の形成が配合物の長期的な効果をもたらすスキンケアまたはヘアケアの分野でのパーソナルケアに有用である疎水性膜形成剤としての本発明のシリコングリカンの有用性をさらに実証する。
本発明は例示的な様式で記載されており、使用されている用語は、限定というよりむしろ説明語の性質であるように意図されることを理解されたい。明らかに、上記の教示に照らして、本発明の多くの修正および変形が可能である。本発明を、具体的に記載されていものとは別様に実践してもよい。

Claims (18)

  1. シリコングリカンを調製するための方法であって、
    (1)式
    Figure 2023501585000034
    の(A)多糖であって、式中、各Aが、独立して選択された糖を含み、各Rが、置換または非置換のヒドロカルビル基、エーテル部分、アミン部分、およびHから独立して選択され、各Rが、置換または非置換のヒドロカルビル基およびHから独立して選択され、各Zが、独立して選択されたエーテル部分であり、各下付き文字oが、独立して0または1であり、下付き文字xが、≧0~<1であり、下付き文字yが、0~1であるが、ただし、x+y=1であることを条件とし、下付き文字xおよびyで示される部分が、前記多糖(A)においてランダム化形態またはブロック形態であり得る、(A)多糖と、(B)無水物官能性有機ケイ素化合物と、を反応させて、プロトン性有機溶媒の存在下で前記シリコングリカンを得ることを含む、方法。
  2. (i)各部分Aにおける前記糖が、ヘキソースであるか、(ii)各Rが、HもしくはC~Cヒドロカルビル基であるか、(iii)下付き文字oが、下付き文字yで示される各部分において1であるか、(iv)oが1である各部分において、前記エーテル部分Zが、式-(C2tO)-を有するエーテルを含み、式中、下付き文字tが、下付き文字uで示される各部分において2~4から独立して選択され、下付き文字uが、1~50であるか、(v)各Rが、H、C~C18ヒドロカルビル基、ポリオキシアルキレン基、もしくは三級アミノ基であるか、または(vi)(i)~(v)の任意の組み合わせである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記多糖(A)が、以下の式を有するグルコース部分を含み、
    Figure 2023501585000035

    式中、各Rが、置換または非置換のヒドロカルビル基、エーテル部分、アミン部分、およびHから独立して選択され、Rが、NHおよびOからなる群から選択され、Rが、独立して選択された置換もしくは非置換のヒドロカルビル基、またはHである、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記無水物官能性有機ケイ素化合物(B)が、
    Figure 2023501585000036
    からなる群から選択される式を有し、式中、Rが、水素原子およびアルキル基からなる群から選択され、Rが、二価炭化水素基であり、Yが、有機ケイ素部分である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記無水物官能性有機ケイ素化合物(B)が、式:[R SiO1/2[R SiO2/2[RSiO3/2[SiO4/2を有し、式中、各Rが、置換または非置換のヒドロカルビル基、シロキシ基、および無水物官能基から独立して選択されるが、ただし、少なくとも1つのRが、無水物官能基Rへの結合を含むことを条件とし、式中、Rが、
    Figure 2023501585000037
    からなる群から選択され、式中、Rが、水素原子およびアルキル基からなる群から選択され、Rが、二価炭化水素基であり、下付き文字a、b、c、およびdが、各々、a+b+c+d=1となるようなモル分率であるが、ただし、a+b+c>0であることを条件とし、*が、基Rにおける炭素原子への結合点を示す、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  6. ステップ(1)の前に、(A1)ヒドロキシル官能性多糖と、(A2)ハロゲン化アジリジニウム化合物とを反応させて、アミノエチル多糖を得ることによって前記アミノエチル多糖を調製することと、ステップ(1)において前記アミノエチル多糖を成分(A)として使用することと、をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記ハロゲン化アジリジニウム化合物(A2)が、以下の一般式を有し、
    Figure 2023501585000038

    式中、Xが、塩化物または臭化物である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記多糖(A)および前記無水物官能性有機ケイ素化合物(B)が、前記プロトン性有機溶媒および水の存在下で反応する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記多糖(A)と、前記無水物官能性有機ケイ素化合物(B)とを反応させることによって、前記シリコングリカンを含む反応生成物が形成され、前記方法が、(2)前記シリコングリカンを前記反応生成物から単離することをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に従って調製される、シリコングリカン。
  11. 前記シリコングリカンが以下の式を有し、
    Figure 2023501585000039

    式中、各Aが、独立して選択された糖部分を含み、各Wが、エステル、アミド、およびイミド部分からなる群から独立して選択され、各Yが、独立して選択された有機ケイ素部分を含み、各Rが、置換または非置換のヒドロカルビル基、エーテル部分、アミン部分、およびHから独立して選択され、各R1が、置換または非置換のヒドロカルビル基およびHから独立して選択され、各Zが、独立して選択されたエーテル部分であり、各下付き文字oが、独立して0または1であり、下付き文字xおよびyが、各々独立して、≧0~<1であり、下付き文字zが、>0~1であるが、ただし、x+y+z=1であることを条件とし、下付き文字x、y、およびzで示される部分が、前記シリコングリカンにおいてランダム化形態またはブロック形態であり得る、請求項10に記載のシリコングリカン。
  12. (i)各糖部分Aが、ヘキソースであるか、(ii)各Rが、HもしくはC~Cヒドロカルビル基であるか、(iii)下付き文字oが、下付き文字yで示される各部分において1であるか、(iv)下付き文字oが、下付き文字zで示される各部分において1であるか、(v)oが1である各部分において、前記エーテル部分Zが、式-(C2tO)-を有するエーテルを含み、式中、下付き文字tが、下付き文字uで示される各部分において2~4から独立して選択され、下付き文字uが、1~50であるか、(v)各Rが、H、C~C18ヒドロカルビル基、ポリオキシアルキレン基、もしくは三級アミノ基であるか、または(vi)(i)~(v)の任意の組み合わせである、請求項11に記載のシリコングリカン。
  13. 各糖部分Aが、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、またはそれらの組み合わせの成分であり、それらを集合的に形成する、請求項11または請求項12に記載のシリコングリカン。
  14. 各連結部分Wが、
    Figure 2023501585000040
    Figure 2023501585000041
    からなる群から独立して選択され、式中、Rが、水素原子およびアルキル基からなる群から選択され、Rが、二価炭化水素基であり、Rが、NHまたはOであり、**が、炭素原子への結合点を示し、*が、有機ケイ素部分Yへの結合点を示す、請求項11~13のいずれか一項に記載のシリコングリカン。
  15. 各有機ケイ素部分Yが、シリル部分および有機ポリシロキサンから独立して選択される、請求項11~14のいずれか一項に記載のシリコングリカン。
  16. 少なくとも1つの有機ケイ素部分Yが、前記シリル部分であり、前記シリル部分が、式:
    Figure 2023501585000042
    を有し、式中、各Rが、置換または非置換のヒドロカルビル基、シロキシ基、シリル基、H、およびアルキレンオキシド基から独立して選択される、請求項15に記載のシリコングリカン。
  17. 少なくとも1つの有機ケイ素部分Yが、前記有機ポリシロキサンであり、前記有機ポリシロキサンが、式:[R SiO1/2[R SiO2/2[RSiO3/2[SiO4/2を有し、式中、各Rが、置換または非置換のヒドロカルビル基およびシロキシ基から独立して選択されるが、ただし、少なくとも1つのRが、前記連結部分Wへの結合であることを条件とし、下付き文字a、b、c、およびdが、各々、a+b+c+d=1となるようなモル分率であるが、ただし、a+b+c>0であることを条件とする、請求項15に記載のシリコングリカン。
  18. 前記シリコングリカンの重合度が、10~10,000、あるいは100~8000、あるいは250~6000、あるいは600~6000、あるいは400~3600である、請求項11~17のいずれか一項に記載のシリコングリカン。

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