JP2023500800A - ヒトl1レトロトランスポゾンrnaを調節するための方法およびそれに使用するための組成物 - Google Patents

ヒトl1レトロトランスポゾンrnaを調節するための方法およびそれに使用するための組成物 Download PDF

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Abstract

L1 RNA活性の上方制御を必要とする対象においてL1 RNA活性を上方制御するための組成物および方法が提供される。組成物は、L1 RNAをコードする核酸、あるいはL1 RNAを単独で、または発現ベクターに含有されて、かつ/もしくはL1 RNAを発現するように遺伝子操作された骨形成前駆細胞、例えば、間葉系幹細胞にさらに含有されて、含む。この態様において、組成物は、骨量指数を増加させる必要がある対象におけるL1 RNAレベル、例えば、L1 RNAコピー数を増加させるために使用される。好ましい実施形態において、骨前駆細胞は、自己細胞である。L1 RNAレベル/活性の下方制御を必要とする対象においてL1 RNAレベル/活性を下方制御するための組成物および方法も提供される。組成物は、1つ以上の薬剤を、細胞におけるL1 RNAをノックダウンするのに有効な量で含む。組成物を使用して、老化と関連する状態を治療することができる。好ましい薬剤は、L1 RNAアンチセンスオリゴヌクレオチドである。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2019年10月16日に出願された米国特許出願第62/916,096号、および2019年12月9日に出願された米国特許出願第62/945,535号の優先権を主張し、それらの開示は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、概して、ヒトL1レトロトランスポゾンRNA活性の調節を必要としている対象においてそれを行うための方法、およびそれに使用するための組成物に関する。
長鎖散在反復配列(LINE)は、多くの真核生物のゲノムに広くいきわたる非LTR(長鎖末端反復)レトロトランスポゾンの群である。LINEは、各LINEが約7000塩基対長であるトランスポゾンのファミリーを構成する。LINEは、mRNAに転写され、逆転写酵素として機能するタンパク質に翻訳される。逆転写酵素は、新しい部位でゲノムに組み込むことができるLINE RNAのDNAコピーを作製する。ヒトにおける唯一の豊富なLINEは、LINE-1である。L1は、ヒトゲノムの約21%を占める(Lander,et al.Nature(2001),doi:10.1038/35057062)が、L1HS(L1ヒト特異的)Ta(転写された、サブセットa)サブファミリーに属する数十のみが、依然として、ORF2依存性RNA媒介性「コピーアンドペースト」メカニズムを介して(Fent,et al.Cell(1996),doi:10.1016/S0092-8674(00)81997-2、Luan,et al.,Cell(1993),doi:10.1016/0092-8674(93)90078-5、Cost,et al.EMBO J.(2002),doi:10.1093/emboj/cdf592)、自律的にレトロトランスポーズする能力を保持している(Sassaman,et al.Nat.Genet.(1997),doi:10.1038/ng0597-37、Brouha,et al.Proc.Natl.Acad.Sci.(2003),doi:10.1073/pnas.0831042100)。細胞は、有害な制御されない転位を防ぐためにいくつかの防御メカニズムを進化させているが(Kazazian,et al.N.Engl.J.Med.(2017),doi:10.1056/NEJMra1510092)、エビデンスは、発達中の脳において体細胞L1動員が生じ、個々の体細胞モザイク現象に寄与することを示すが(Coufal,et al.Nature(2009),doi:10.1038/nature08248、Muotri,et al.Hippocampus(2009),doi:10.1002/hipo.20564、Baillie,et al.Nature(2011),doi:10.1038/nature10531、Evrony,et al.Cell(2012),doi:10.1016/j.cell.2012.09.035)、その機能は未知のままである。興味深いことに、マウスにおいて、脳におけるL1再活性化は、若年期ストレス状態への曝露と相関する(Bedrosian,et al.Science359(6382):1395-1399(2018),doi:10.1126/science.aah3378)。しかしながら、L1動員が他の組織によって支持されているか、かつL1拡張が組織恒常性に寄与し得るかは、ほとんど未探索である。
Lander,et al.Nature(2001),doi:10.1038/35057062 Fent,et al.Cell(1996),doi:10.1016/S0092-8674(00)81997-2 Luan,et al.,Cell(1993),doi:10.1016/0092-8674(93)90078-5 Cost,et al.EMBO J.(2002),doi:10.1093/emboj/cdf592 Sassaman,et al.Nat.Genet.(1997),doi:10.1038/ng0597-37 Brouha,et al.Proc.Natl.Acad.Sci.(2003),doi:10.1073/pnas.0831042100 Kazazian,et al.N.Engl.J.Med.(2017),doi:10.1056/NEJMra1510092 Coufal,et al.Nature(2009),doi:10.1038/nature08248 Muotri,et al.Hippocampus(2009),doi:10.1002/hipo.20564 Baillie,et al.Nature(2011),doi:10.1038/nature10531 Evrony,et al.Cell(2012),doi:10.1016/j.cell.2012.09.035 Bedrosian,et al.Science359(6382):1395-1399(2018),doi:10.1126/science.aah3378
L1の調節を必要とする対象におけるL1を調節するための組成物および方法を提供することが、本発明の目的である。
一実施形態は、L1 RNA活性の上方制御を必要とする対象において、L1 RNA活性を上方制御するための組成物および方法を提供する。L1は、好ましくは、L1HS-Ta1ファミリーのものである。組成物は、L1 RNAをコードする核酸もしくはL1 RNAを、単独で、または発現ベクターに含有されて含む。NAは、好ましくは、対象に対して薬学的に許容される担体中にあるか、または、それは骨髄由来の骨形成前駆細胞、例えば、間葉系幹細胞に、L1 RNAを発現するように前駆細胞を遺伝子操作することによって組み込むことができ、L1 RNA発現性細胞を薬学的に許容される担体中に懸濁させる。この態様において、組成物は、骨量指数を増加する必要がある対象におけるL1 RNAレベル、例えば、L1 RNAコピー数を増加させるために使用される。例示的な対象には、閉経後の女性、骨粗しょう症を有すると診断されるか、または骨粗しょう症を発症するリスクがある対象、およびレトロウイルス療法、例えば、NRT1を受けている対象が含まれる。本方法は、L1 RNAをコードする核酸(NA)またはL1 RNAを、それらを必要とする対象に投与することを含む。NAは、薬学的に許容される担体中で対象に投与することができるか、またはそれは、薬学的に許容される担体中に、L1 RNAを発現するように遺伝子操作された骨髄由来骨形成前駆細胞、例えば、間葉系幹細胞の形態で投与することができる。好ましい実施形態において、骨前駆細胞は、自己細胞である。
別の実施形態は、L1 RNAレベル/活性の下方制御を必要とする対象におけるL1 RNAレベル/活性を下方制御するための組成物および方法を提供する。好ましい薬剤は、L1 RNAアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、特に好ましくは、フルオロアラビノ核酸(FANA)修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドである。組成物は、L1 RNAを枯渇させるための1つ以上の薬剤を含有する製剤を含む。好ましい実施形態において、本方法は、対象における細胞、例えば、線維芽細胞、好ましくは、皮膚線維芽細胞において、L1 RNAレベル/活性を下方制御することを含む。好ましい実施形態における方法は、1つ以上の薬剤を、対象における細胞、例えば、皮膚線維芽細胞において、L1 RNAをノックダウンする有効量で投与することを含む。組成物を使用して、早老症候群および皺を含むがこれらに限定されない、老化および促進老化と関連する状態を治療することができる。
骨格代謝および他の臨床指標に関連する臨床パラメータと相関するCTRおよびOP群の骨生検におけるL1 DNAコピー数を示す。(図1A)PCRプライマーおよびプローブの位置決め、ならびに骨粗しょう症(OP)および健常(CTR)の閉経後女性の骨ゲノムにおけるL1-5’UTR-ORF1(左パネル、OP/CTR P=0.0003)およびL1 ORF2(右パネル、OP/CTR P=0.0002)配列のCNVアッセイ。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定された。個々のL1 5’UTR-ORF1コピー数と、骨格代謝に関連する臨床パラメータ(図1B~D)、または関連しない臨床パラメータ(図1E~1H)との間の相関分析。正方形および円は、それぞれ健常(CTR)および骨粗しょう症(OP)の参加者を特定する。 骨格代謝および他の臨床指標に関連する臨床パラメータと相関するCTRおよびOP群の骨生検におけるL1 DNAコピー数を示す。(図1A)PCRプライマーおよびプローブの位置決め、ならびに骨粗しょう症(OP)および健常(CTR)の閉経後女性の骨ゲノムにおけるL1-5’UTR-ORF1(左パネル、OP/CTR P=0.0003)およびL1 ORF2(右パネル、OP/CTR P=0.0002)配列のCNVアッセイ。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定された。個々のL1 5’UTR-ORF1コピー数と、骨格代謝に関連する臨床パラメータ(図1B~D)、または関連しない臨床パラメータ(図1E~1H)との間の相関分析。正方形および円は、それぞれ健常(CTR)および骨粗しょう症(OP)の参加者を特定する。 骨格代謝および他の臨床指標に関連する臨床パラメータと相関するCTRおよびOP群の骨生検におけるL1 DNAコピー数を示す。(図1A)PCRプライマーおよびプローブの位置決め、ならびに骨粗しょう症(OP)および健常(CTR)の閉経後女性の骨ゲノムにおけるL1-5’UTR-ORF1(左パネル、OP/CTR P=0.0003)およびL1 ORF2(右パネル、OP/CTR P=0.0002)配列のCNVアッセイ。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定された。個々のL1 5’UTR-ORF1コピー数と、骨格代謝に関連する臨床パラメータ(図1B~D)、または関連しない臨床パラメータ(図1E~1H)との間の相関分析。正方形および円は、それぞれ健常(CTR)および骨粗しょう症(OP)の参加者を特定する。 骨格代謝および他の臨床指標に関連する臨床パラメータと相関するCTRおよびOP群の骨生検におけるL1 DNAコピー数を示す。(図1A)PCRプライマーおよびプローブの位置決め、ならびに骨粗しょう症(OP)および健常(CTR)の閉経後女性の骨ゲノムにおけるL1-5’UTR-ORF1(左パネル、OP/CTR P=0.0003)およびL1 ORF2(右パネル、OP/CTR P=0.0002)配列のCNVアッセイ。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定された。個々のL1 5’UTR-ORF1コピー数と、骨格代謝に関連する臨床パラメータ(図1B~D)、または関連しない臨床パラメータ(図1E~1H)との間の相関分析。正方形および円は、それぞれ健常(CTR)および骨粗しょう症(OP)の参加者を特定する。 骨格代謝および他の臨床指標に関連する臨床パラメータと相関するCTRおよびOP群の骨生検におけるL1 DNAコピー数を示す。(図1A)PCRプライマーおよびプローブの位置決め、ならびに骨粗しょう症(OP)および健常(CTR)の閉経後女性の骨ゲノムにおけるL1-5’UTR-ORF1(左パネル、OP/CTR P=0.0003)およびL1 ORF2(右パネル、OP/CTR P=0.0002)配列のCNVアッセイ。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定された。個々のL1 5’UTR-ORF1コピー数と、骨格代謝に関連する臨床パラメータ(図1B~D)、または関連しない臨床パラメータ(図1E~1H)との間の相関分析。正方形および円は、それぞれ健常(CTR)および骨粗しょう症(OP)の参加者を特定する。 骨格代謝および他の臨床指標に関連する臨床パラメータと相関するCTRおよびOP群の骨生検におけるL1 DNAコピー数を示す。(図1A)PCRプライマーおよびプローブの位置決め、ならびに骨粗しょう症(OP)および健常(CTR)の閉経後女性の骨ゲノムにおけるL1-5’UTR-ORF1(左パネル、OP/CTR P=0.0003)およびL1 ORF2(右パネル、OP/CTR P=0.0002)配列のCNVアッセイ。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定された。個々のL1 5’UTR-ORF1コピー数と、骨格代謝に関連する臨床パラメータ(図1B~D)、または関連しない臨床パラメータ(図1E~1H)との間の相関分析。正方形および円は、それぞれ健常(CTR)および骨粗しょう症(OP)の参加者を特定する。 骨格代謝および他の臨床指標に関連する臨床パラメータと相関するCTRおよびOP群の骨生検におけるL1 DNAコピー数を示す。(図1A)PCRプライマーおよびプローブの位置決め、ならびに骨粗しょう症(OP)および健常(CTR)の閉経後女性の骨ゲノムにおけるL1-5’UTR-ORF1(左パネル、OP/CTR P=0.0003)およびL1 ORF2(右パネル、OP/CTR P=0.0002)配列のCNVアッセイ。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定された。個々のL1 5’UTR-ORF1コピー数と、骨格代謝に関連する臨床パラメータ(図1B~D)、または関連しない臨床パラメータ(図1E~1H)との間の相関分析。正方形および円は、それぞれ健常(CTR)および骨粗しょう症(OP)の参加者を特定する。 骨格代謝および他の臨床指標に関連する臨床パラメータと相関するCTRおよびOP群の骨生検におけるL1 DNAコピー数を示す。(図1A)PCRプライマーおよびプローブの位置決め、ならびに骨粗しょう症(OP)および健常(CTR)の閉経後女性の骨ゲノムにおけるL1-5’UTR-ORF1(左パネル、OP/CTR P=0.0003)およびL1 ORF2(右パネル、OP/CTR P=0.0002)配列のCNVアッセイ。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定された。個々のL1 5’UTR-ORF1コピー数と、骨格代謝に関連する臨床パラメータ(図1B~D)、または関連しない臨床パラメータ(図1E~1H)との間の相関分析。正方形および円は、それぞれ健常(CTR)および骨粗しょう症(OP)の参加者を特定する。 CTR群およびOP群における、L1 ORF2コピー数と、骨格代謝および他の臨床指標に関連する臨床パラメータとの相関関係を示す。個々のL1 ORF2コピー数と、骨格代謝に関連する臨床パラメータ(図2A~2C)、または関連しない臨床パラメータ(図2D~2G)との間の相関分析。正方形および円は、それぞれ健常(CTR)および骨粗しょう症(OP)の参加者を特定する。図2Hは、CTRおよびOP群の血液および骨生検におけるL1 DNAコピー数を示す。PCRプライマーおよびプローブ位置決め、ならびに健常(CTR、N=13)および骨粗しょう症(OP、N=9)の閉経後女性の骨および末梢血単核細胞(PBMC)ゲノムにおけるL1-5’UTR-ORF1(左パネル)およびORF2(右パネル)配列のCNVアッセイ。結果は、健常骨に対して基準化した値として示す。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定され、CTR骨を他と比較した。 CTR群およびOP群における、L1 ORF2コピー数と、骨格代謝および他の臨床指標に関連する臨床パラメータとの相関関係を示す。個々のL1 ORF2コピー数と、骨格代謝に関連する臨床パラメータ(図2A~2C)、または関連しない臨床パラメータ(図2D~2G)との間の相関分析。正方形および円は、それぞれ健常(CTR)および骨粗しょう症(OP)の参加者を特定する。図2Hは、CTRおよびOP群の血液および骨生検におけるL1 DNAコピー数を示す。PCRプライマーおよびプローブ位置決め、ならびに健常(CTR、N=13)および骨粗しょう症(OP、N=9)の閉経後女性の骨および末梢血単核細胞(PBMC)ゲノムにおけるL1-5’UTR-ORF1(左パネル)およびORF2(右パネル)配列のCNVアッセイ。結果は、健常骨に対して基準化した値として示す。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定され、CTR骨を他と比較した。 CTR群およびOP群における、L1 ORF2コピー数と、骨格代謝および他の臨床指標に関連する臨床パラメータとの相関関係を示す。個々のL1 ORF2コピー数と、骨格代謝に関連する臨床パラメータ(図2A~2C)、または関連しない臨床パラメータ(図2D~2G)との間の相関分析。正方形および円は、それぞれ健常(CTR)および骨粗しょう症(OP)の参加者を特定する。図2Hは、CTRおよびOP群の血液および骨生検におけるL1 DNAコピー数を示す。PCRプライマーおよびプローブ位置決め、ならびに健常(CTR、N=13)および骨粗しょう症(OP、N=9)の閉経後女性の骨および末梢血単核細胞(PBMC)ゲノムにおけるL1-5’UTR-ORF1(左パネル)およびORF2(右パネル)配列のCNVアッセイ。結果は、健常骨に対して基準化した値として示す。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定され、CTR骨を他と比較した。 CTR群およびOP群における、L1 ORF2コピー数と、骨格代謝および他の臨床指標に関連する臨床パラメータとの相関関係を示す。個々のL1 ORF2コピー数と、骨格代謝に関連する臨床パラメータ(図2A~2C)、または関連しない臨床パラメータ(図2D~2G)との間の相関分析。正方形および円は、それぞれ健常(CTR)および骨粗しょう症(OP)の参加者を特定する。図2Hは、CTRおよびOP群の血液および骨生検におけるL1 DNAコピー数を示す。PCRプライマーおよびプローブ位置決め、ならびに健常(CTR、N=13)および骨粗しょう症(OP、N=9)の閉経後女性の骨および末梢血単核細胞(PBMC)ゲノムにおけるL1-5’UTR-ORF1(左パネル)およびORF2(右パネル)配列のCNVアッセイ。結果は、健常骨に対して基準化した値として示す。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定され、CTR骨を他と比較した。 CTR群およびOP群における、L1 ORF2コピー数と、骨格代謝および他の臨床指標に関連する臨床パラメータとの相関関係を示す。個々のL1 ORF2コピー数と、骨格代謝に関連する臨床パラメータ(図2A~2C)、または関連しない臨床パラメータ(図2D~2G)との間の相関分析。正方形および円は、それぞれ健常(CTR)および骨粗しょう症(OP)の参加者を特定する。図2Hは、CTRおよびOP群の血液および骨生検におけるL1 DNAコピー数を示す。PCRプライマーおよびプローブ位置決め、ならびに健常(CTR、N=13)および骨粗しょう症(OP、N=9)の閉経後女性の骨および末梢血単核細胞(PBMC)ゲノムにおけるL1-5’UTR-ORF1(左パネル)およびORF2(右パネル)配列のCNVアッセイ。結果は、健常骨に対して基準化した値として示す。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定され、CTR骨を他と比較した。 CTR群およびOP群における、L1 ORF2コピー数と、骨格代謝および他の臨床指標に関連する臨床パラメータとの相関関係を示す。個々のL1 ORF2コピー数と、骨格代謝に関連する臨床パラメータ(図2A~2C)、または関連しない臨床パラメータ(図2D~2G)との間の相関分析。正方形および円は、それぞれ健常(CTR)および骨粗しょう症(OP)の参加者を特定する。図2Hは、CTRおよびOP群の血液および骨生検におけるL1 DNAコピー数を示す。PCRプライマーおよびプローブ位置決め、ならびに健常(CTR、N=13)および骨粗しょう症(OP、N=9)の閉経後女性の骨および末梢血単核細胞(PBMC)ゲノムにおけるL1-5’UTR-ORF1(左パネル)およびORF2(右パネル)配列のCNVアッセイ。結果は、健常骨に対して基準化した値として示す。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定され、CTR骨を他と比較した。 CTR群およびOP群における、L1 ORF2コピー数と、骨格代謝および他の臨床指標に関連する臨床パラメータとの相関関係を示す。個々のL1 ORF2コピー数と、骨格代謝に関連する臨床パラメータ(図2A~2C)、または関連しない臨床パラメータ(図2D~2G)との間の相関分析。正方形および円は、それぞれ健常(CTR)および骨粗しょう症(OP)の参加者を特定する。図2Hは、CTRおよびOP群の血液および骨生検におけるL1 DNAコピー数を示す。PCRプライマーおよびプローブ位置決め、ならびに健常(CTR、N=13)および骨粗しょう症(OP、N=9)の閉経後女性の骨および末梢血単核細胞(PBMC)ゲノムにおけるL1-5’UTR-ORF1(左パネル)およびORF2(右パネル)配列のCNVアッセイ。結果は、健常骨に対して基準化した値として示す。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定され、CTR骨を他と比較した。 CTR群およびOP群における、L1 ORF2コピー数と、骨格代謝および他の臨床指標に関連する臨床パラメータとの相関関係を示す。個々のL1 ORF2コピー数と、骨格代謝に関連する臨床パラメータ(図2A~2C)、または関連しない臨床パラメータ(図2D~2G)との間の相関分析。正方形および円は、それぞれ健常(CTR)および骨粗しょう症(OP)の参加者を特定する。図2Hは、CTRおよびOP群の血液および骨生検におけるL1 DNAコピー数を示す。PCRプライマーおよびプローブ位置決め、ならびに健常(CTR、N=13)および骨粗しょう症(OP、N=9)の閉経後女性の骨および末梢血単核細胞(PBMC)ゲノムにおけるL1-5’UTR-ORF1(左パネル)およびORF2(右パネル)配列のCNVアッセイ。結果は、健常骨に対して基準化した値として示す。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定され、CTR骨を他と比較した。 分化性骨芽細胞におけるL1のRNA発現およびゲノムCNVを示す。図3A)モデル系:ヒト骨髄由来間葉系幹細胞のエクスビボでの骨形成。図3B)PCRプライマーおよびプローブの位置決め、ならびにエクスビボでの骨形成中のL1発現およびL1コピー数変動のタイムライン。結果は、3つの異なるドナー(N=3)について行われた別個の実験から得られる。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定された。図3Cは、試験したすべてのドナーにおける定量的ミネラル化分析を示す。他と比較して、ミネラル化の早期発生を有するドナー(左パネル)は、試験に含めなかった(右パネル)。図3Dは、RUNX2(Runt関連転写因子2)、OSX(オステリックス,SP7)、OCN(オステオカルシン)、OPN(オステオポンチン)、BSP(骨シアロタンパク質)。図3Eは、L1 3’UTR中にレトロ転位能のあるヒトL1(RC-L1)と、L1と同じ転写方向でイントロンによって中断された逆転増強緑色蛍光タンパク質(EGFP)からなる、レトロ転位ンインジケータカセットと、を含有するプラスミドでエレクトロポレーションされた細胞からの結果を示す。カセットの方向は、細胞ゲノムDNAにおけるスプライシングされたEGFP配列が、1回のレトロ転位後にのみ生じることを確実にする。*1243ntは、イントロン含有EGFP DNA配列の予測PCRアンプリコン長(レトロ転位されてない)であり、*342ntは、スプライシングおよびレトロ転位後のEGFP DNA配列の予測PCRアンプリコン長である。 分化性骨芽細胞におけるL1のRNA発現およびゲノムCNVを示す。図3A)モデル系:ヒト骨髄由来間葉系幹細胞のエクスビボでの骨形成。図3B)PCRプライマーおよびプローブの位置決め、ならびにエクスビボでの骨形成中のL1発現およびL1コピー数変動のタイムライン。結果は、3つの異なるドナー(N=3)について行われた別個の実験から得られる。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定された。図3Cは、試験したすべてのドナーにおける定量的ミネラル化分析を示す。他と比較して、ミネラル化の早期発生を有するドナー(左パネル)は、試験に含めなかった(右パネル)。図3Dは、RUNX2(Runt関連転写因子2)、OSX(オステリックス,SP7)、OCN(オステオカルシン)、OPN(オステオポンチン)、BSP(骨シアロタンパク質)。図3Eは、L1 3’UTR中にレトロ転位能のあるヒトL1(RC-L1)と、L1と同じ転写方向でイントロンによって中断された逆転増強緑色蛍光タンパク質(EGFP)からなる、レトロ転位ンインジケータカセットと、を含有するプラスミドでエレクトロポレーションされた細胞からの結果を示す。カセットの方向は、細胞ゲノムDNAにおけるスプライシングされたEGFP配列が、1回のレトロ転位後にのみ生じることを確実にする。*1243ntは、イントロン含有EGFP DNA配列の予測PCRアンプリコン長(レトロ転位されてない)であり、*342ntは、スプライシングおよびレトロ転位後のEGFP DNA配列の予測PCRアンプリコン長である。 分化性骨芽細胞におけるL1のRNA発現およびゲノムCNVを示す。図3A)モデル系:ヒト骨髄由来間葉系幹細胞のエクスビボでの骨形成。図3B)PCRプライマーおよびプローブの位置決め、ならびにエクスビボでの骨形成中のL1発現およびL1コピー数変動のタイムライン。結果は、3つの異なるドナー(N=3)について行われた別個の実験から得られる。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定された。図3Cは、試験したすべてのドナーにおける定量的ミネラル化分析を示す。他と比較して、ミネラル化の早期発生を有するドナー(左パネル)は、試験に含めなかった(右パネル)。図3Dは、RUNX2(Runt関連転写因子2)、OSX(オステリックス,SP7)、OCN(オステオカルシン)、OPN(オステオポンチン)、BSP(骨シアロタンパク質)。図3Eは、L1 3’UTR中にレトロ転位能のあるヒトL1(RC-L1)と、L1と同じ転写方向でイントロンによって中断された逆転増強緑色蛍光タンパク質(EGFP)からなる、レトロ転位ンインジケータカセットと、を含有するプラスミドでエレクトロポレーションされた細胞からの結果を示す。カセットの方向は、細胞ゲノムDNAにおけるスプライシングされたEGFP配列が、1回のレトロ転位後にのみ生じることを確実にする。*1243ntは、イントロン含有EGFP DNA配列の予測PCRアンプリコン長(レトロ転位されてない)であり、*342ntは、スプライシングおよびレトロ転位後のEGFP DNA配列の予測PCRアンプリコン長である。 分化性骨芽細胞におけるL1のRNA発現およびゲノムCNVを示す。図3A)モデル系:ヒト骨髄由来間葉系幹細胞のエクスビボでの骨形成。図3B)PCRプライマーおよびプローブの位置決め、ならびにエクスビボでの骨形成中のL1発現およびL1コピー数変動のタイムライン。結果は、3つの異なるドナー(N=3)について行われた別個の実験から得られる。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定された。図3Cは、試験したすべてのドナーにおける定量的ミネラル化分析を示す。他と比較して、ミネラル化の早期発生を有するドナー(左パネル)は、試験に含めなかった(右パネル)。図3Dは、RUNX2(Runt関連転写因子2)、OSX(オステリックス,SP7)、OCN(オステオカルシン)、OPN(オステオポンチン)、BSP(骨シアロタンパク質)。図3Eは、L1 3’UTR中にレトロ転位能のあるヒトL1(RC-L1)と、L1と同じ転写方向でイントロンによって中断された逆転増強緑色蛍光タンパク質(EGFP)からなる、レトロ転位ンインジケータカセットと、を含有するプラスミドでエレクトロポレーションされた細胞からの結果を示す。カセットの方向は、細胞ゲノムDNAにおけるスプライシングされたEGFP配列が、1回のレトロ転位後にのみ生じることを確実にする。*1243ntは、イントロン含有EGFP DNA配列の予測PCRアンプリコン長(レトロ転位されてない)であり、*342ntは、スプライシングおよびレトロ転位後のEGFP DNA配列の予測PCRアンプリコン長である。 分化性骨芽細胞におけるL1のRNA発現およびゲノムCNVを示す。図3A)モデル系:ヒト骨髄由来間葉系幹細胞のエクスビボでの骨形成。図3B)PCRプライマーおよびプローブの位置決め、ならびにエクスビボでの骨形成中のL1発現およびL1コピー数変動のタイムライン。結果は、3つの異なるドナー(N=3)について行われた別個の実験から得られる。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定された。図3Cは、試験したすべてのドナーにおける定量的ミネラル化分析を示す。他と比較して、ミネラル化の早期発生を有するドナー(左パネル)は、試験に含めなかった(右パネル)。図3Dは、RUNX2(Runt関連転写因子2)、OSX(オステリックス,SP7)、OCN(オステオカルシン)、OPN(オステオポンチン)、BSP(骨シアロタンパク質)。図3Eは、L1 3’UTR中にレトロ転位能のあるヒトL1(RC-L1)と、L1と同じ転写方向でイントロンによって中断された逆転増強緑色蛍光タンパク質(EGFP)からなる、レトロ転位ンインジケータカセットと、を含有するプラスミドでエレクトロポレーションされた細胞からの結果を示す。カセットの方向は、細胞ゲノムDNAにおけるスプライシングされたEGFP配列が、1回のレトロ転位後にのみ生じることを確実にする。*1243ntは、イントロン含有EGFP DNA配列の予測PCRアンプリコン長(レトロ転位されてない)であり、*342ntは、スプライシングおよびレトロ転位後のEGFP DNA配列の予測PCRアンプリコン長である。 L1 RNAノックダウン戦略を示し、FANA-ASOは、細胞に送達され、L1 RNA内の相補的配列に結合し、L1転写物のRNアーゼH媒介性分解を引き起こす。 抗L1 FANA-ASOと陰性対照(SCR)との間の骨形成遺伝子発現の比率。L1ノックダウンは、OCN(-10%、p=0.047)、RUNX2(-23%、p<0.001)、OSX(-43%、p=0.066)、BSP(-44%、p=0.018)、OPN(-40%、p=0.005)の発現を低下させる。 ラミブジン3TC処理した細胞(3TC)および対照細胞(DMSO)におけるL15’UTR-ORF1(左)およびL1 ORF2(右)のCNVのタイムライン。結果は、3つの異なるドナー(N=3)について行われた別個の実験から得られる。 ラミブジン3TC処理した細胞(3TC)と対照細胞(DMSO)との間の骨形成遺伝子発現の比率を示す。14日目:OPN(-18%、p=0.016)、OSX(-60%、p=0.002)、BSP(-34%、p=0.015)。21日目:RUNX2(+32%、p<0.001)、OPN(-23%、p=0.069)、OSX(-50%、p=0.058)、BSP(-60%、p=0.002)。右パネル:分化14日後および21日後のラミブジン処理細胞(3TC)および対照細胞(DMSO)。 左パネル、ラミブジン3TC処理細胞(3TC)および対照細胞(DMSO)におけるミネラル沈着のタイムラインでの定量化。ミネラル化は、分化の21日後、ラミブジン3TC処理した細胞で低下する(-69%、p=0.003)。細胞内脂質含有量の定量化を、陰性対照として使用する。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定された。図4Fは、ASOのノックダウン効率が、L1配列を含有する5’UTR-ORF1では45%(左、p<0.001)であり、L1配列を含有するORF2では30%(右、p=0.003)であることを示す。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定された。 図4Fは、ASOのノックダウン効率が、L1配列を含有する5’UTR-ORF1では45%(左、p<0.001)であり、L1配列を含有するORF2では30%(右、p=0.003)であることを示す。平均値間の有意性は、片側スチューデントt検定によって決定された。 分化性脂肪細胞におけるL1動態およびL1発現のラミブジン3TC媒介性阻害を示す。図5A.モデル系:骨髄由来間葉系幹細胞のエクスビボでの脂肪生成。図5B.PCRプライマーおよびプローブの位置決め、ならびにエクスビボでの脂肪生成期間中のL1発現およびL1コピー数変動のタイムライン。結果は、3つの異なるドナー(N=3)について行われた別個の実験から得られる。図5C.ラミブジン3TC処理した細胞(3TC)と対照細胞(DMSO)との間の脂質生成遺伝子発現の比率。図5Dは、ラミブジン3TC処理した細胞(3TC)および対照細胞(DMSO)における細胞内脂質含有量のタイムラインでの定量化を示す。 分化性脂肪細胞におけるL1動態およびL1発現のラミブジン3TC媒介性阻害を示す。図5A.モデル系:骨髄由来間葉系幹細胞のエクスビボでの脂肪生成。図5B.PCRプライマーおよびプローブの位置決め、ならびにエクスビボでの脂肪生成期間中のL1発現およびL1コピー数変動のタイムライン。結果は、3つの異なるドナー(N=3)について行われた別個の実験から得られる。図5C.ラミブジン3TC処理した細胞(3TC)と対照細胞(DMSO)との間の脂質生成遺伝子発現の比率。図5Dは、ラミブジン3TC処理した細胞(3TC)および対照細胞(DMSO)における細胞内脂質含有量のタイムラインでの定量化を示す。 分化性脂肪細胞におけるL1動態およびL1発現のラミブジン3TC媒介性阻害を示す。図5A.モデル系:骨髄由来間葉系幹細胞のエクスビボでの脂肪生成。図5B.PCRプライマーおよびプローブの位置決め、ならびにエクスビボでの脂肪生成期間中のL1発現およびL1コピー数変動のタイムライン。結果は、3つの異なるドナー(N=3)について行われた別個の実験から得られる。図5C.ラミブジン3TC処理した細胞(3TC)と対照細胞(DMSO)との間の脂質生成遺伝子発現の比率。図5Dは、ラミブジン3TC処理した細胞(3TC)および対照細胞(DMSO)における細胞内脂質含有量のタイムラインでの定量化を示す。 分化性脂肪細胞におけるL1動態およびL1発現のラミブジン3TC媒介性阻害を示す。図5A.モデル系:骨髄由来間葉系幹細胞のエクスビボでの脂肪生成。図5B.PCRプライマーおよびプローブの位置決め、ならびにエクスビボでの脂肪生成期間中のL1発現およびL1コピー数変動のタイムライン。結果は、3つの異なるドナー(N=3)について行われた別個の実験から得られる。図5C.ラミブジン3TC処理した細胞(3TC)と対照細胞(DMSO)との間の脂質生成遺伝子発現の比率。図5Dは、ラミブジン3TC処理した細胞(3TC)および対照細胞(DMSO)における細胞内脂質含有量のタイムラインでの定量化を示す。 健常および骨粗しょう症の女性30名のコホートにおけるL1コピー数と骨マーカー転写シグナルレベルとの間の相関を示す。正方形および円は、それぞれ健常および骨粗しょう症の参加者を特定する。SATA=ヒトセントロメアアルファサテライト反復DNA。アフェメトリクスシグナルレベルに関する一次データは、European Bioinformatics Institute(EMBL-EBI:ID:E-MEXP-1618)から入手可能である。 健常および骨粗しょう症の女性30名のコホートにおけるL1コピー数と骨マーカー転写シグナルレベルとの間の相関を示す。正方形および円は、それぞれ健常および骨粗しょう症の参加者を特定する。SATA=ヒトセントロメアアルファサテライト反復DNA。アフェメトリクスシグナルレベルに関する一次データは、European Bioinformatics Institute(EMBL-EBI:ID:E-MEXP-1618)から入手可能である。 健常および骨粗しょう症の女性30名のコホートにおけるL1コピー数と骨マーカー転写シグナルレベルとの間の相関を示す。正方形および円は、それぞれ健常および骨粗しょう症の参加者を特定する。SATA=ヒトセントロメアアルファサテライト反復DNA。アフェメトリクスシグナルレベルに関する一次データは、European Bioinformatics Institute(EMBL-EBI:ID:E-MEXP-1618)から入手可能である。 健常および骨粗しょう症の女性30名のコホートにおけるL1コピー数と骨マーカー転写シグナルレベルとの間の相関を示す。正方形および円は、それぞれ健常および骨粗しょう症の参加者を特定する。SATA=ヒトセントロメアアルファサテライト反復DNA。アフェメトリクスシグナルレベルに関する一次データは、European Bioinformatics Institute(EMBL-EBI:ID:E-MEXP-1618)から入手可能である。 健常および骨粗しょう症の女性30名のコホートにおけるL1コピー数と骨マーカー転写シグナルレベルとの間の相関を示す。正方形および円は、それぞれ健常および骨粗しょう症の参加者を特定する。SATA=ヒトセントロメアアルファサテライト反復DNA。アフェメトリクスシグナルレベルに関する一次データは、European Bioinformatics Institute(EMBL-EBI:ID:E-MEXP-1618)から入手可能である。 健常および骨粗しょう症の女性30名のコホートにおけるL1コピー数と骨マーカー転写シグナルレベルとの間の相関を示す。正方形および円は、それぞれ健常および骨粗しょう症の参加者を特定する。SATA=ヒトセントロメアアルファサテライト反復DNA。アフェメトリクスシグナルレベルに関する一次データは、European Bioinformatics Institute(EMBL-EBI:ID:E-MEXP-1618)から入手可能である。 健常および骨粗しょう症の女性30名のコホートにおけるL1コピー数と骨マーカー転写シグナルレベルとの間の相関を示す。正方形および円は、それぞれ健常および骨粗しょう症の参加者を特定する。SATA=ヒトセントロメアアルファサテライト反復DNA。アフェメトリクスシグナルレベルに関する一次データは、European Bioinformatics Institute(EMBL-EBI:ID:E-MEXP-1618)から入手可能である。 エクスビボでの分化後14、17、および21日でのMSCミネラル化の定量化を示す。MSCは、健常者4名(D188、D239、D247、D170)およびOP患者4名(HUK7、HUK9、HUK12、HUK16)の大腿骨から得た。N=9 各ドナーおよび時点における技術的反復数。 エクスビボでの骨形成の7日目におけるL1 RNA送達の6時間後の陽性細胞のパーセンテージを示す実験ワークフローおよびフローサイトメーター分析を示す。トランスフェクション3日後の合成L1(破線の左側のスポット)および骨マトリックス(破線の右側のスポット)産生の細胞内局在も、典型的な実験から示される(右)。 OP患者4名に由来するMSC(HUK7、HUK9、HUK12、HUK16)におけるL1 RNA(OS+L1)またはランダムRNA配列(OS)送達の3日後の骨マトリックス定量化(上部パネル)を示す。N=12各患者の各条件における技術的反復数。RFU=相対蛍光単位 左パネル:6ウェルプレートで用量を増加させたCy5-L1 RNAの送達後6時間におけるMSCのフローサイトメーター分析。右パネル:Cy5-L1 RNA送達の48時間後の細胞の画像。最小限の毒性を有する最高用量(赤色の長方形)を実験のために選択した。 左パネル:6ウェルプレートで用量を増加させたCy5-L1 RNAの送達後6時間におけるMSCのフローサイトメーター分析。右パネル:Cy5-L1 RNA送達の48時間後の細胞の画像。最小限の毒性を有する最高用量(赤色の長方形)を実験のために選択した。 左パネル:6ウェルプレートで用量を増加させたCy5-L1 RNAの送達後6時間におけるMSCのフローサイトメーター分析。右パネル:Cy5-L1 RNA送達の48時間後の細胞の画像。最小限の毒性を有する最高用量(赤色の長方形)を実験のために選択した。 左パネル:6ウェルプレートで用量を増加させたCy5-L1 RNAの送達後6時間におけるMSCのフローサイトメーター分析。右パネル:Cy5-L1 RNA送達の48時間後の細胞の画像。最小限の毒性を有する最高用量(赤色の長方形)を実験のために選択した。 左パネル:6ウェルプレートで用量を増加させたCy5-L1 RNAの送達後6時間におけるMSCのフローサイトメーター分析。右パネル:Cy5-L1 RNA送達の48時間後の細胞の画像。最小限の毒性を有する最高用量(赤色の長方形)を実験のために選択した。 左パネル:6ウェルプレートで用量を増加させたCy5-L1 RNAの送達後6時間におけるMSCのフローサイトメーター分析。右パネル:Cy5-L1 RNA送達の48時間後の細胞の画像。最小限の毒性を有する最高用量(赤色の長方形)を実験のために選択した。 未分化細胞(MSC+L1)および分化した細胞(OS+L1)におけるアポトーシス遺伝子BAX(BCL-2結合X)およびインターフェロン媒介性応答遺伝子IFNa2(インターフェロンアルファ2)、IFNb1(インターフェロンベータ1)、IFI44(インターフェロン誘導タンパク質44)のレベルを、トランスフェクションの72時間後に非トランスフェクション細胞(MSC)と比較して示す。 相対蛍光(RFU、485/572)によって定量化された細胞内脂質蓄積のタイムラインを示す。 PPARγ(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ)、FABP4(脂肪酸結合タンパク質4)、LPL(リポタンパク質リパーゼ)、FASN(脂肪酸合成酵素)を示す。 健常(CTR)、骨粗しょう症(OP)、および中間的な表現型(中間型)の3群に分けられた閉経後女性99名の拡張コホートにおける全身骨ミネラル密度(BMD)に相関させた血清TRAP5Bを示す。 野生型(WT、各バー対における左バー)およびLAKIマウスから単離した尾先端線維芽細胞(TTF)で測定された3つの活性マウスL1サブファミリー(L1-Tf、L1-Gf、およびL1-Af)の発現を示す。 RNA蛍光インサイツハイブリダイゼーションアッセイ(FISH)を使用して確認されたL1発現における蛍光強度を示す。 qPCRおよびRNA FISHによって確認されたL1 RNA枯渇を示す、L1-AON(各対の棒の右バー)。 qPCRおよびRNA FISHによって確認されたL1 RNA枯渇を示す、L1-AON(各対の棒の右バー)。 p53腫瘍抑制因子経路におけるストレス応答遺伝子(p16、p21、Atf3、およびGadd45b)、老化関連メタロプロテアーゼMmp13、および炎症促進性インターロイキンIL1aの発現に対するL1-AONで処理されたLAKI TTFにおける効果を示す。 活性老化関連β-ガラクトシダーゼ酵素(SA-B-gal)について陽性である細胞の数が、L1-AONで処理されたLAKI TTFにおいて低下することを示す。 scrbl L1 AON(12Bでは各対の左バー)およびL1-AON(12Bでは各対の右バー)処理と比較したwtにおけるH3K9me3のレベル、ならびにスクランブル処理した対照細胞およびwt(図12A)と比較したLAKI細胞におけるH3K9me3ヘテロクロマチン焦点の強度、ならびに異常な核構造を有する細胞の数(図12B)におけるL1-AON処理の効果を示す。RNA免疫沈降(RIP)を実施し、結果は、L1 RNAの5’末端および3’末端の両方が、LAKI TTF中のSUV39H1/2タンパク質に結合されることを示した(図12C)。 scrbl L1 AON(12Bでは各対の左バー)およびL1-AON(12Bでは各対の右バー)処理と比較したwtにおけるH3K9me3のレベル、ならびにスクランブル処理した対照細胞およびwt(図12A)と比較したLAKI細胞におけるH3K9me3ヘテロクロマチン焦点の強度、ならびに異常な核構造を有する細胞の数(図12B)におけるL1-AON処理の効果を示す。RNA免疫沈降(RIP)を実施し、結果は、L1 RNAの5’末端および3’末端の両方が、LAKI TTF中のSUV39H1/2タンパク質に結合されることを示した(図12C)。 scrbl L1 AON(12Bでは各対の左バー)およびL1-AON(12Bでは各対の右バー)処理と比較したwtにおけるH3K9me3のレベル、ならびにスクランブル処理した対照細胞およびwt(図12A)と比較したLAKI細胞におけるH3K9me3ヘテロクロマチン焦点の強度、ならびに異常な核構造を有する細胞の数(図12B)におけるL1-AON処理の効果を示す。RNA免疫沈降(RIP)を実施し、結果は、L1 RNAの5’末端および3’末端の両方が、LAKI TTF中のSUV39H1/2タンパク質に結合されることを示した(図12C)。 L1 RNAが、LAKI細胞の核に蓄積されたSUV39H1/2に阻害的な役割を果たすかを決定する試験を示す。AnH3K9特異的ヒストンメチルトランスフェラーゼアッセイを、L1センス方向転写物の存在下で、組換えSUV39H1/2タンパク質を使用して行った。L1アンチセンス転写物を陰性対照として使用した。 qPCRによって確認される、皮膚、脛骨前骨格筋、肝臓、腎臓、脾臓、および胃を含むいくつかの組織におけるL1 RNAのノックダウンを示す。 qPCRによって確認される、皮膚、脛骨前骨格筋、肝臓、腎臓、脾臓、および胃を含むいくつかの組織におけるL1 RNAのノックダウンを示す。 qPCRによって確認される、皮膚、脛骨前骨格筋、肝臓、腎臓、脾臓、および胃を含むいくつかの組織におけるL1 RNAのノックダウンを示す。 分析した異なる組織におけるSASP遺伝子の発現に対するL1-AON処理の効果(各バー対の右バー)を示す。 マウスにおける皮膚、脾臓、および腎臓の組織学的プロファイルに対するL1-AONの効果(各バー対の右バー)を示す。 処理されたマウスの体重(図13D)および寿命(図13E)に対するL1-AON処理の効果(各バー対の右バー)を示す。 処理されたマウスの体重(図13D)および寿命(図13E)に対するL1-AON処理の効果(各バー対の右バー)を示す。 ヒトwt(左バー)、早老症候群(HGPS、中央バー)、およびWRN-/-細胞(右バー)におけるLINE-1 Taエレメントの発現を示すqPCRである。N=3。S.E.Mおよびt検定がプロットで示される。 L1-AONで処理されたHGPSおよびWRN-/-細胞(バーの各対の右バー)、ならびに対照(バーの各対の左バー)における老化細胞の数を示すSa-B-Galアッセイの結果を示す。プロットは、アッセイの定量化を示す。N=6。S.E.M.がプロットで示される。 L1-AON処理後のHGPS細胞における老化関連遺伝子の発現を示すqPCRからの結果である(各バー対の右側のバー)。N=6。S.E.Mおよびt検定がプロットで示される。 L1-AON処理後のWRN-/-細胞における老化関連遺伝子の発現を示すqPCRからの結果である(各バー対の右側のバー)。N=6。S.E.Mおよびt検定がプロットで示される。 L1-AON処理したHGPS細胞およびLAKI対照細胞におけるH3K9me3強度を示すプロットである。一重測定、S.E.M、およびt検定がプロットで示される。 L1-AONで処理したWRN-/-細胞およびLAKI対照細胞におけるH3K9me3強度を示すプロットである。一重測定、S.E.M、およびt検定がプロットで示される。
開示される組成物および方法は、L1動員が他の組織によって支持されるという発見に基づいており、L1拡張が組織恒常性に寄与し得るかは、ほとんど未探索である。典型的なL1エレメントは、約6,000塩基対長であり、非翻訳領域(UTR)および標的部位重複に隣接する2つの非オーバーラップオープンリーディングフレーム(ORF)からなる。L1は、5’非翻訳領域(UTR)と、続いてオープンリーディングフレーム1(ORF1)と、ORF間領域と、オープンリーディングフレーム2(ORF2)と、ポリA部位および関連するポリAタイルを伴う3’UTRと、を有する。ヒトにおいて、ORF2は、非定型的終結/再開始メカニズムによって翻訳されると考えられる。L1エレメントの5’非翻訳領域(UTR)は、ある意味で強力な内部RNAポリメラーゼII転写プロモーターを含有する。L1転写は、ORF1pおよびORF2pという2つのタンパク質を産生する全長mRNAを生成する。第1のORFは、既知の機能のいずれのタンパク質とも相同性を欠く500個のアミノ酸-40kDaタンパク質をコードする。L1の第2のORFは、エンドヌクレアーゼおよび逆転写酵素活性を有するタンパク質をコードする。
開示される組成物および方法は、特定の実施形態においてL1HS(L1ヒト特異的)Ta(転写された、サブセットa)サブファミリーに属する、L1の細胞レベルを調節する。L1 LINE(長鎖散在エレメント)のTa(転写された、サブセットa)サブファミリーは、3’非翻訳領域における3bpのACA配列を特徴とし、ヒトゲノム中に約520個のメンバーを含有する。
I.定義
本明細書で使用される「化粧品組成物」は、哺乳動物、特にヒトの皮膚または毛髪に局所適用するための組成物を指す。かかる組成物は、一般に、放置または洗い流しとして分類することができ、外観または一般的な美観を改善するために人体に適用される任意の製品を含む。
本明細書で使用される場合、「ベクター」は、挿入されたセグメントの複製をもたらすように別のDNAセグメントが挿入され得るプラスミド、ファージ、またはコスミドなどのレプリコンである。本明細書に記載されるベクターは、発現ベクターであることができる。
本明細書で使用される場合、「発現ベクター」は、1つ以上の発現制御配列を含むベクターである。
本明細書で使用される場合、「発現制御配列」は、別のDNA配列の転写および/または翻訳を制御および調節するDNA配列である。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、リン酸緩衝化生理食塩水、水、および油/水または水/油エマルションなどのエマルション、ならびに様々なタイプの湿潤剤など、標準的な薬学的担体のうちのいずれかを包含する。
本明細書で使用される場合、「治療すること」という用語は、特定の障害もしくは状態と関連する症状を緩和すること、および/または症状を予防もしくは排除することを含む。
「操作可能に連結された」とは、構成要素がそれらの通常の機能を行うように構成される並列を指す。例えば、コード配列に操作可能に連結された制御配列またはプロモーターは、コード配列の発現に影響を及ぼすことができ、タンパク質に操作可能に連結されたオルガネラ局在配列は、連結されたタンパク質を特定のオルガネラに局在化させる。
本明細書で使用される場合、「宿主細胞」という用語は、組換えベクターを導入することができる細胞を指す。
本明細書で使用される場合、「形質転換された」および「トランスフェクトされた」は、当該技術分野で既知のいくつかの技法による細胞への核酸(例えば、ベクター)の導入を包含する。
本明細書に記載のナノ粒子、治療剤、および医薬組成物に適用される場合、「有効量」および「治療有効量」は、互換的に使用され、所望の治療結果をもたらすのに必要な量を意味する。例えば、有効量は、組成物および/もしくは治療剤、または医薬組成物が投与される疾患の症状を治療、治癒、あるいは緩和するのに有効なレベルである。
「阻害する」および「低下させる」という用語は、活性もしくは発現を低下または減少させることを意味する。これは、活性もしくは発現の完全な阻害もしくは低下、または部分的な阻害もしくは低下であることができる。阻害または低下は、対照もしくは標準レベルと比較することができる。阻害は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%であることができる。
II.対象におけるL1 RNAを増加させる組成物および方法
開示される組成物および方法は、骨細胞に分化するヒト骨髄間葉系幹細胞(hBMSC)におけるL1 RNA発現の低下は、転位の低下をもたらし、ミネラル化骨マトリックスを生成する細胞の能力を強く損なうという発見に基づく。閉経後の女性などの対象の骨髄間葉系細胞におけるL1 RNA(好ましくはヒトにおける、L1HS-Ta1)の量を増加させることは、骨喪失に対抗し、したがって骨粗しょう症と関連する症状を低下させる。L1駆動の構造的変動は、骨量と強く相関し、健常対骨粗しょう症の閉経後女性の骨ゲノムおよび骨量を特定的に区別する。インビトロ細胞培養実験は、1)L1ゲノム拡張が、MSCから発達した発達性骨芽細胞における骨形成に積極的に寄与し、2)発達性骨芽細胞における妨害されたL1レトロ転位が、骨形成プログラムの活性化の欠如およびミネラル化の低下をもたらし、3)L1の動員が、骨粗しょう症患者における蓄積細胞型であるMSCからの脂肪細胞の分化中に起こらず、そのため骨形成に特異的である、というメカニズムを開示する。本試験はまた、分化性骨芽細胞におけるL1 RNAの中度の枯渇でさえ、骨芽細胞関連転写因子の発現の著しい低下を誘導するのに十分であることを示す。
さらに、活性L1によってコードされ、L1転位に必要な酵素であるORF2は、抗レトロウイルス療法に使用されるヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NTRI)のオフターゲットである。骨粗しょう症につながる骨ミネラル密度の顕著な低下は、NRTIで治療される患者の主な合併症である。いくつかの実施形態において開示される組成物および方法は、骨細胞に分化するHBMSCのNRTI処理が、L1レトロ転位を防止して、骨のミネラル化の低下をもたらすという発見に基づいている。
したがって、一実施形態は、骨前駆細胞におけるL1 RNAの増加を必要とする対象において、骨前駆細胞におけるL1 RNAを増加させるための方法を開示する。例示的な対象には、骨粗しょう症を有するか、または骨の再成長/骨量指数の増加を必要とする状態を有する患者が含まれる。第2の実施形態は、骨前駆細胞におけるL1 RNAの増加を必要とする対象において、骨前駆細胞におけるL1 RNAを増加させるための組成物を開示する。組成物は、L1 RNAを囲む核酸、L1 RNA、および任意選択的に、L1レトロ転位を上方制御することが知られている小分子を含む。
A.骨粗しょう症および骨量指数の増加を必要とする状態
原発性骨粗しょう症は骨密度を低下させ、その微小構造を破壊することによって、低衝撃骨折を起こしやすい骨格疾患である。骨格は、BMDの70~80%が遺伝性であるため、強い遺伝的素因を有する(1)(2)。原発性骨粗しょう症は、遺伝子および環境の両方が関与する多因子性起源を有する(3)。骨粗しょう症において、骨髄ニッチのMSCプールは、骨を構築する骨芽細胞を犠牲にして脂肪細胞の発達を促進する。このメカニズムは、単独で、または骨吸収率の増加とともに、正味の骨喪失をもたらす(4)(5)。骨粗しょう症は、世界的に罹患率、死亡率、および生活の質の低下の主な原因であり(6)、年間890万を超える骨折につながっている(7)。BMDの顕著な低下、骨格の脆弱性の増加、および骨折のリスクもまた、NRTIベースのART下で、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者のすべての年齢の個人にとって重要な臨床問題である。
骨は常に変化している、-すなわち、古い骨は取り除かれ、新しい骨に置き換えられる。幼少期の間、除去される骨よりも多くの骨が生成され、そのため骨格はサイズおよび強度の両方で成長する。ほとんどの人にとって、骨量は20代にピークになる。この年齢までに、男性は通常、女性よりも多くの骨量を蓄積している。この時点後、骨格内の骨の量は、通常、古い骨の除去が新しい骨の形成を上回るにつれて、ゆっくりと減少し始める。
50代の男性は、女性が閉経後の数年でなされる骨量の急激な減少を経験しない。しかしながら、65歳または70歳までに、男性と女性は同じ速度で骨量を失い、生涯にわたって骨の健康に不可欠な栄養素であるカルシウムの吸収は、男女ともに減少する。過度な骨喪失は、骨を壊れやすくし、骨折する可能性がより高くなる。骨粗しょう症には主に原発性および続発性の2タイプがある。原発性骨粗しょう症の症例では、状態が年齢関連骨喪失(ときに老年性骨粗しょう症と呼ばれる)によって生じるか、または原因が不明(特発性骨粗しょう症)であるかのいずれかである。特発性骨粗しょう症という用語は、典型的には、70歳未満の男性にのみ使用され、高齢の男性では、年齢関連骨喪失が原因であると想定される。骨粗しょう症を有する大部分の男性は、少なくとも1つの(ときに1つを超える)二次原因を有する。続発性骨粗しょう症の症例では、骨量の喪失は、特定の生活習慣行動、疾患、または薬物によって引き起こされる。男性における続発性骨粗しょう症の最も一般的な原因のいくつかには、グルココルチコイド薬への曝露、性腺機能低下症(低レベルのテストステロン)、アルコール乱用、喫煙、胃腸疾患、高カルシウム尿症、および不動化が含まれる。
骨量指数を増加させるための介入方法が有用であり得る他の状態には、脊椎固定療法が含まれ、その療法では、自己移植片または骨移植片が、単独でまたは細胞と組み合わせて、脊椎固定部位(典型的には、2つの椎骨間の部位)に送達されて、変性椎間板疾患、脊椎すべり症、脊椎管狭窄症、脊椎側弯症、骨折した椎骨、感染症、椎間板ヘルニア、および腫瘍などの状態を治療する。介入は、骨の成長、および脊椎固定療法が挿入される脊椎間の最終的な固定を促進することが目的である。本出願に開示される組成物は、標準的な脊椎固定療法と組み合わせて、部位の骨成長を改善することができる。開示される組成物はまた、特に高齢者において、骨折治癒のための補助療法として使用することができる。
B.L1 RNAの増加を必要とする対象においてL1 RNAを増加させるための方法
一実施形態において開示される方法は、L1 RNAを上方制御するようにエクスビボで遺伝子操作された骨形成骨髄由来細胞などの骨前駆細胞、または細胞のL1量を増加させる遺伝子治療を、それを必要とする対象に提供することを含む。本方法は、他の実施形態において、L1 RNAまたはL1 RNAをコードする遺伝子を、それを必要とする対象に、単独で、または本明細書に開示される遺伝子操作された骨形成骨髄由来細胞を提供することと組み合わせて提供することを含む。
L1 RNAをインビトロで合成し、次いでインビトロまたはインビボで関心対象の細胞に導入することができるか、または宿主細胞を操作して、特定の条件下でL1遺伝子からL1 RNAの発現を誘導することができる。1つのアプローチは、培養中の初代細胞への核酸移行、続いて、エクスビボで形質転換された細胞を宿主に、全身的、または特定の器官もしくは組織へのいずれかで移植(好ましくは、自己)することを含む。例示的な対象には、閉経後の女性、骨粗しょう症を有すると診断された対象、抗レトロウイルス療法、例えば、NRT1を受けている対象が含まれる。
一実施形態において、開示される組成物は、ヒトL1 RNA(L1-Taサブファミリー)の配列を、単独で、またはベクター中で、初代細胞に移行させて含有する。
Figure 2023500800000001
Figure 2023500800000002
Figure 2023500800000003
Figure 2023500800000004
Figure 2023500800000005
しかしながら、組成物は、L1 RNAの断片、例えば、L1オープンリーディングフレーム1(ORF1)を、単独で、もしくは5’非翻訳領域(UTR)が先行して、またはオープンリーディングフレーム2(ORF2)を含むことができる。ORF2発現構築物は、例えば、Gasior,et al.,J.Mol.Biol.,357(5):1383-1393(2006)に公開されている。
i.エクスビボ法
エクスビボ法は、例えば、対象から細胞を収集するステップと、細胞を培養するステップと、それらにL1 RNAをコードするDNAまたはL1 RNAを含む発現ベクターで形質導入するステップと、細胞をコードされたRNAの発現に好適な条件下で維持するステップと、を含むことができる。これらの方法は、分子生物学の分野で既知である。好ましい実施形態において、細胞は、治療される対象に対して自己由来である。好ましい宿主細胞は、hBMSCである。hBMSCを単離するための方法は、当該技術分野で既知である(Baghaevi,et al.Gastroenterol,Hepatol Bed Bench,10(3):208-2013(2017)。
1.ベクター
L1 RNAをコードするベクターも提供される。上記のものなどの核酸は、細胞における発現のためにベクターに挿入することができる。本明細書で使用される場合、「ベクター」は、挿入されたセグメントの複製をもたらすように別のDNAセグメントが挿入され得るプラスミド、ファージ、ウイルス、またはコスミドなどのレプリコンである。ベクターは、発現ベクターであることができる。「発現ベクター」は、1つ以上の発現制御配列を含むベクターであり、「発現制御配列」は、別のDNA配列の転写および/または翻訳を制御および調節するDNA配列である。
ベクター中の核酸は、1つ以上の発現制御配列に操作可能に連結することができる。例えば、制御配列は、発現制御配列が関心対象のコード配列の発現を効果的に制御するように、遺伝子構築物に組み込むことができる。発現制御配列の例には、プロモーター、エンハンサー、および転写終結領域が含まれる。プロモーターは、DNA分子の領域からなる発現制御配列であり、典型的には、転写が開始する地点(一般にRNAポリメラーゼIIの開始部位の近く)の100ヌクレオチド以内上流にある。コード配列をプロモーターの制御下にするために、ポリペプチドの翻訳リーディングフレームの翻訳開始部位をプロモーターの下流の1ヌクレオチド~約50ヌクレオチドの間に配置することが必要である。Hamann,et al.,J.Biol.Eng.,13:7(2019)は、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターによって駆動されるhBMSCにおける遺伝子発現が、伸長因子1α(EF1α)またはラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーターを含有するプラスミドによるトランスフェクションよりも10倍高い導入遺伝子発現をもたらしたことを実証した。
エンハンサーは、時間、位置、およびレベルに関して発現特異性を提供する。プロモーターとは異なり、エンハンサーは、転写部位から様々な距離に位置するときに機能することができる。エンハンサーはまた、転写開始部位から下流に位置することができる。コード配列は、RNAポリメラーゼがコード配列をmRNAに転写することができ、次いで、コード配列によってコードされるタンパク質に翻訳することができる場合、細胞内の発現制御配列に「操作可能に連結され」、かつそれの「制御下」である。
好適な発現ベクターには、プラスミドならびに例えば、バクテリオファージ、バキュロウイルス、タバコモザイクウイルス、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウイルスに由来するウイルスベクターが含まれるが、これらに限定されない。多数のベクターおよび発現系が、Novagen(Madison,WI)、Clontech(Palo Alto,CA)、Stratagene(La Jolla,CA)、およびInvitrogen Life Technologies(Carlsbad,CA)などの企業から市販されている。最近のトランスフェクション試験では、細菌配列を除去する組換えによってpDNAに由来する核酸であるミニサークルDNA(mcDNA)が検討されている。L1 RNAは、当該技術分野で既知の方法(Mun et al.Biomaterials,2016、101:310-320)を使用するmcDNAを使用して宿主細胞に導入することができる。
2.宿主細胞形質転換
発現される核酸を含有するベクターを宿主細胞に移行することができる。「宿主細胞」という用語は、組換え発現ベクターを導入することができる骨前駆細胞を含むことが意図される。本明細書で使用される場合、「形質転換された」および「トランスフェクトされた」は、いくつかの技術のうちの1つによる細胞への核酸分子(例えば、ベクター)の導入を包含する。特定の技法に限定されないが、これらの技法のいくつかは、当該技術分野内で十分に確立されている。核酸は、例えば、リン酸カルシウム共沈、DEAE-デキストラン媒介性トランスフェクション、リポフェクション、エレクトロポレーション、またはマイクロインジェクションを含む技術によって、哺乳動物細胞にトランスフェクトすることができる。好ましい宿主細胞には、HBMSCまたは骨芽細胞などの骨前駆細胞が含まれる。
形質導入ステップは、例えば、リン酸カルシウム、リポフェクション、エレクトロポレーション、ウイルス感染、および遺伝子銃導入を含む、エクスビボ遺伝子治療に使用される任意の標準的な手段によって達成することができる。代替的に、リポソームまたはポリマー微粒子を使用することができる。形質導入に成功している細胞は、次に、例えば、コード配列または薬剤耐性遺伝子の発現について選択することができる。次いで、細胞を(所望の場合に)致死的に照射し、対象に注入または埋め込むことができる。
エクスビボでのMSCの非ウイルストランスフェクションにおける有効な戦略は、典型的には、細胞膜の破壊を用いて、核酸を細胞に移行するか(例えば、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、およびマイクロポレーション)、またはエンドサイトーシスを介して細胞内移行を促進するナノ担体材料による核酸のパッケージングを用いる。
エクスビボでMSCに核酸移行するエレクトロポレーションの主な代替は、核酸を電荷相互作用または表面受容体結合を通じて細胞膜と有利に会合するナノ粒子または凝集複合体に静電的に凝縮またはカプセル化する材料であるナノ担体によるトランスフェクションであり、続いて、主にナノ粒径および電荷に応じて、マクロピノサイトーシス、クラスリン媒介性エンドサイトーシス、またはカベオラ媒介性エンドサイトーシスを介して内在化される。担体は、ポリマー、脂質、多糖類、ペプチド、および無機材料を含むが、これらに限定されず、MSCのトランスフェクションを容易にすることが実証されている。例には、ナノ-ヒドロキシアパタイト(nHA)、好ましくはヒアルロン酸で官能化されたユビキタスカチオンポリマートランスフェクション試薬25kDa分岐ポリエチレンイミン(bPEI)、および反復アルギニン-アラニン-ロイシン-アラニン(RALA)両親媒性ペプチド、ポリ(アミドアミン)(PAMAM)、ポリ(β-アミノ-エステル)(PBAE)、PEIコーティングPLGAナノ粒子などが含まれるが、これらに限定されず、Hamann,et al.,J.Biol.Eng.,13:7(2019)でレビューされている。
転写効率を改善するための細胞培養条件を使用して、細胞に導入されている核酸の効率的な取り込みを確実にすることができる。例えば、グルココルチコイド(Gc)は、MSCにおけるエクスビボでのトランスフェクションを劇的に増強することができる。トランスフェクションの0~30分前に送達される100nMのGcデキサメタゾン(DEX)は、hBMSCにおける導入遺伝子発現を増加させることが示された。
形質転換された骨前駆細胞は、好ましくは、分離し、GMP条件下で培養し、確立された用量範囲を精製して得る。
ii.インビボ法
インビボ法は、本明細書に開示される操作された骨前駆細胞を、それを必要とする対象に導入すること、またはL1 RNAもしくはL1 RNAをコードするDNAを、それを必要とする対象に直接移行することを含む。開示される方法はまた、L1 RNA転写およびレトロ転位を上方制御することが知られている小分子および化合物を対象に投与することも含むことができる。例えば、ベンゾ[a]ピレン、カンプトテシン、サイトカラシンD、メルバロン、およびビンブラスチンなどの薬剤、PPARαアゴニスト(ベザフィブレートおよびフェノフィブレート)、ならびに非ステロイド性抗炎症薬(ジフルニサル、フルフェナム酸、サリチルアミド、およびスリンダク)が、L1プロモーター活性を誘導することが示されている(Terasaki,et al.,PLoS One.2013;8(9):e74629)。
細胞(L1 RNAを含有するベクターまたはL1 RNAをコードするDNAを含むように遺伝子操作された)は、当該技術分野で既知の方法を使用して、例えば、静脈内によって、対象に導入することができる。自己の形質転換したBMSCは、細胞200万個/Kg~500万個/kgの用量範囲の投与で静脈内に注入することができる。細胞が静脈内に送達される実施形態において、注入日に、形質転換された細胞を生理食塩水に1mL当たり細胞500万個の濃度に再懸濁し、好ましくはフコシル化する。次いで、最終製品は、末梢静脈アクセスを介した患者への静脈内投与のためにシリンジ中にパッケージングすることができる。フコシルトランスフェラーゼを使用した骨髄へのhBMSCのホーミングを改善する方法は、当該技術分野で既知である。基本的に、外因的に導入されたフコシルトランスフェラーゼを使用して、MSCによって発現されたCD44を、骨髄へのHSCホーミングに不可欠な強力なE-セレクチンリガンドであるHCELL(造血細胞E-/L-セレクチンリガンド)に変更する。基本的に、外因的に導入されたフコシルトランスフェラーゼを使用して、MSCによって発現されたCD44を、骨髄へのHSCホーミングに不可欠な強力なE-セレクチンリガンドであるHCELL(造血細胞E-/L-セレクチンリガンド)に変更する(Krueger,et al.,Stem Cells Translational Med.,7:651-663(2018でレビューされている)。
インビボ遺伝子療法を用いることができ、それによって遺伝子材料が患者に直接的に移行される。これらの実施形態において、遺伝子材料は、ウイルス由来ベクターまたは非ウイルス技術によって患者に導入される。インビボ核酸療法は、機能的に活性なDNAを哺乳動物の体細胞組織または器官にインビボで直接移行させることによって達成することができる。核酸は、ウイルス手段によってインビボで投与することができる。治療用遺伝子発現カセットは、典型的には、遺伝子転写を駆動するプロモーター、関心対象の導入遺伝子、および遺伝子転写を終了させる終結シグナルからなる。かかる発現カセットは、送達ビヒクルとしてプラスミド(環化した二本鎖DNA分子)に埋め込むことができる。プラスミドDNA(pDNA)は、種々の注射技術によってインビボで直接的に注射することができ、その中で、流体力学的注射は、大量のpDNA溶液を迅速に注射し、細胞膜に孔を一時的に誘導することによって、主要器官における最大の遺伝子移入効率を達成する。負に荷電したpDNA分子が疎水性細胞膜を貫通するのを助けるために、カチオン性脂質およびカチオン性ポリマーを含む化学材料が、pDNAをそれぞれリポプレックスおよびポリプレックスに凝縮させるために使用されている。
L1 RNAまたはL1 RNAをコードする核酸分子は、当該技術分野において周知であるように、複製欠損レトロウイルスを生成するパッケージング細胞株を使用して、レトロウイルスベクターにパッケージングされ得る。組換えアデノウイルスおよびワクシニアウイルスを含む他のウイルスベクターも使用され得、これらは非複製にすることができる。核酸はまた、リポソーム、ポリマー微粒子およびナノ粒子、ならびにアシアロ糖タンパク質/ポリリジンなどのポリカチオンを含む、他の担体によって送達され得る。開示されるベクターおよび担体を使用するインビボでの遺伝子送達のための様々な技法および方法は、当該技術分野で既知である(Wang,et al.,Discov.Med.,18(97):67-77(2014)でレビューされている)。DNAベクター設計における大きな進歩は、ミニサークルDNA(mcDNA)であり、細菌由来のCpG豊富な骨格配列の欠如において、pDNAと異なる。インビボで投与される場合、mcDNAは、従来のpDNAよりも安全で、高い、持続可能な導入遺伝子発現を媒介する。
III.対象におけるL1 RNAを低下させる組成物および方法
開示される方法および適用は、L1 RNA、LINE1 RNAをコードする核酸、またはL1 RNAコードタンパク質のレベルを低下させることを必要とする対象においてそれを行うことに依拠する。本方法および適用は、L1 RNAレベルの低下が、線維芽細胞における細胞老化のマーカーおよび皮膚の健康、例えば、表皮層の厚さなどの老化マーカーを低下させるという発見に基づいている。
L1 RNA発現の下方制御を使用して、加齢と関連する状態、例えば、早老症候群を治療することができる。ハッチンソン・ギルフォード早老症候群(「早老症」または「HGPS」)は、小児における促進老化の外観を特徴とする稀で致命的な遺伝子疾患である。出生時に健康に見えるが、早老症を有する小児は、生後2年以内に促進老化の多くの特徴を示し始める。早老症の徴候には、成長不全、体脂肪および毛髪の喪失、老化してみえる皮膚、関節の硬直、股関節脱臼、全身性アテローム性動脈硬化症、心臓血管(心臓)疾患、および脳卒中が含まれる。他の早老性症候群にはウェルナー症候群が含まれ、10代後半まで発症しない「成人早老症」としても知られている。早老症に治癒はないが、作業療法および理学療法は、関節が硬直している場合、子供が動き続けることに役立てることができる。開示される組成物および方法は、早老症候群と関連する促進老化症状を改善することができる。以下の実施例は、アンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)を使用してHGPSマウスモデル(LAKI)から得られた細胞におけるL1 RNAの枯渇が、エピジェネティックマークのレベルを回復し、老化関連遺伝子の発現を低下させ、寿命を増加したことを示す。
L1 RNA発現の下方制御はまた、化粧品組成物における適用も見出すことができる。いくつかの実施形態において、化粧品組成物は、老化の兆候を処理するために局所または皮下で使用することができる。これらの兆候には、小皺および皺の形成、不十分な皮膚のハリ、皮膚光沢の低下、皮膚の滑らかさの欠如、皮膚の弾力性の低下、加齢斑点の形成、シミ、血色の悪さ、不均一な色素沈着、およびそれらの組み合わせが含まれる。組成物は、いくつかの実施形態において、表皮層の厚さを改善するのに有効である。
A.L1 RNA下方制御/阻害
L1 RNAは、L1 RNAレベルを下方制御するように細胞を処理することによって下方制御することができる。このステップは、細胞を、L1 RNAを阻害する1つ以上の薬剤と接触させることを含む。本明細書で使用されるL1 RNAを阻害する薬剤には、細胞におけるL1 RNAのレトロ転位を低下させる薬剤、およびL1 RNAによって発現されるタンパク質の活性のうちのいずれかを阻害する薬剤が含まれるが、これらに限定されない。L1 RNA阻害剤は、核酸、ペプチド(例えば、ペプチドアプタマー)、または小分子であることができる。
LINE1レトロ転位を阻害することが認められている化合物には、カプサイシン(Nishikawa,et al.Int J Mol Sci.2018 Oct;19(10):3243)、ならびに3つの選択的LINE1逆転写酵素阻害剤であるGBS-149、エムトリシタビン、およびラミブジンが含まれるが、これらに限定されず、Banuelos-Sanchez,et al.,Cell Chem.Biol.26(8):P1095-1109(2019)に公開されている。
L1 RNAは、L1ORF1、L1-ORF2、もしくはこれらの組み合わせの発現を下方制御する、機能性核酸(本明細書では、L1 RNA阻害性NA)、またはそれをコードするベクターを使用して阻害することができる。例には、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNA、miRNA、EGS、リボザイム、およびアプタマー(核酸およびペプチドアプタマー)が含まれるが、これらに限定されない。特に好ましい実施形態において、L1 RNAは、それを下方制御することを必要とする対象において、アンチセンスオリゴヌクレオチド、例えば、L1-ORF1 RNA配列に特異的なフルオロアラビノ核酸(FANA)修飾アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を使用して下方制御され、L1 RNA阻害性ASO(またはそれを発現するベクター)は、本明細書に記載されるように製剤化して、それを必要とする対象に投与することができる。
i.RNA干渉
いくつかの実施形態において、L1 RNA発現は、RNA干渉(RNAi)を通じて阻害される。このサイレンシングは、最初に二本鎖RNA(dsRNA)を添加して観察された(Fire,et al.(1998)Nature,391:806-11、Napoli,et al.(1990)Plant Cell2:279-89、Hannon,(2002)Nature,418:244-51)。dsRNAが細胞内に入ると、それはRNアーゼIII様酵素であるダイサーによって、3’末端に2つのヌクレオチドオーバーハングを含む長さが21~23ヌクレオチである二本鎖小干渉RNA(siRNA)に切断される(Elbashir,et al.(2001)Genes Dev.,15:188-200、Bernstein,et al.(2001)Nature,409:363-6、Hammond,et al.(2000)Nature,404:293-6)。ATP依存性ステップにおいて、siRNAは、一般にRNAi誘導サイレンシング複合体(RISC)として知られる複数サブユニットタンパク質複合体に組み込まれるようになり、それがsiRNAを標的RNA配列に誘導する(Nykanen,et al.(2001)Cell,107:309-21)。いくつかの地点で、siRNA二本鎖は巻き戻され、アンチセンス鎖はRISCに結合したままであり、エンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼの組み合わせによる相補的mRNA配列の分解を指示するように思われる(Martinez,et al.(2002)Cell,110:563-74)。しかしながら、RNAiもしくはsiRNAの効果またはそれらの使用は、いかなるタイプのメカニズムにも限定されない。
短干渉RNA(siRNA)は、配列特異的な転写後遺伝子サイレンシングを誘導することができる二本鎖RNAであり、それによって遺伝子発現を減少させるか、または阻害さえする。一例において、siRNAは、mRNAなどの相同性RNA分子の特異的分解を、siRNAおよび標的RNAの両方の間の配列同一性領域内で引き起こす。例えば、WO02/44321は、標的mRNAの配列特異的分解が、3’オーバーハング末端と塩基対形成した場合に可能であるsiRNAを開示しており、これらのsiRNAの作製方法について参照により本明細書に組み込まれる。
配列特異的遺伝子サイレンシングは、酵素ダイサーによって生成されるsiRNAを模倣する合成の短二本鎖RNAを使用して哺乳類細胞において達成することができる(Elbashir,et al.(2001)Nature,411:494498)(Ui-Tei,et al.(2000)FEBS Lett479:79-82)。siRNAは、化学的もしくはインビトロ合成することができるか、または細胞内でsiRNAへと処理される短二本鎖ヘアピン様RNA(shRNA)の結果であることができる。合成siRNAは、一般に、アルゴリズムおよび従来のDNA/RNAシンセサイザーを使用して設計される。供給業者には、Ambion(Austin,Texas)、ChemGenes(Ashland,Massachusetts)、Dharmacon(Lafayette,Colorado)、Glen Research(Sterling,Virginia)、MWB Biotech(Esbersberg,Germany)、Proligo(Boulder,Colorado)、およびQiagen(Vento,The Netherlands)が含まれる。siRNAはまた、AmbionのSILENCER(登録商標)siRNA構築キットなどのキットを使用してインビトロで合成することができる。
ベクターからのsiRNAの生成は、より一般的に、短ヘアピンRNA(shRNA)の転写を通じて行われる。shRNAを含むベクターの生成のためのキットは、例えば、ImgenexのGENESUPPRESSOR(商標)構築キット、ならびにInvitrogenのBLOCK-IT(商標)誘導性RNAiプラスミドおよびレンチウイルスベクターが入手可能である。
ii.アンチセンス
LI RNAは、アンチセンス分子であり得るものを使用して阻害することができる。アンチセンス分子は、正準塩基対形成または非正準塩基対形成のいずれかを介して標的核酸分子と相互作用するように設計される。アンチセンス分子と標的分子との相互作用は、例えば、RNアーゼH媒介性RNA-DNAハイブリッド分解を介して標的分子の破壊を促進するように設計される。代替的に、アンチセンス分子は、転写または複製などの、標的分子で通常起こるプロセシング機能を中断するように設計される。アンチセンス分子は、標的分子の配列に基づいて設計することができる。標的分子の最もアクセス可能な領域を見出すことによる、アンチセンス効率の最適化のための多数の方法がある。例示的な方法には、インビトロ選択実験ならびにDMSおよびDEPCを使用するDNA修飾試験が含まれる。アンチセンス分子は、10-6、10-8、10-10、または10-12以下の解離定数(K)で標的分子に結合することが好ましい。
「アンチセンス」核酸配列(アンチセンスオリゴヌクレオチド)は、タンパク質をコードする「センス」核酸に相補的である、例えば、LI RNAに相補的なヌクレオチド配列を含むことができる。アンチセンス核酸配列および送達方法は、当該技術分野で周知である(Goodchild,Curr.Opin.Mol.Ther.,6(2):120-128(2004)、Clawson,et al.,Gene Ther.,11(17):1331-1341(2004)。アンチセンス核酸は、標的配列の全コード鎖に、またはその一部のみに、相補的であることができる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、長さが例えば、約7、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、またはそれ超のヌクレオチドであることができる。
ASOは、全長L1RNA、L1 5’UTR、L1RNA ORF1、L1 RNA ORF2、および/またはL1 3’UTRに相補的であることができる。例示的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを以下に提供する。
L1 5’UTRに対するオリゴ
GTACCTCAGATGGAAATGCAG (配列番号57)
ATGAACCCGGTACCTCAGATG (配列番号58)
CCCTAGTGAGATGAACCCGGT (配列番号59)
GTCTGGCACTCCCTAGTGAGA (配列番号60)
TGCGCCCACTGTCTGGCACTC (配列番号61)
CACACTGGCCTGCGCCCACTG (配列番号62)
GGTGCGCACACACACTGGCCT (配列番号63)
GCTCGCGCAAGGTGCGCACAC (配列番号64)
CCCTGCTTCGGCTCGCGCAAG (配列番号65)
CAATGCCTCGCCCTGCTTCGG (配列番号66)
CCAGGTGAGGCAATGCCTCGC (配列番号67)
CTTGCGCTTCCCAGGTGAGGC (配列番号68)
TCCCTGACCCCTTGCGCTTCC (配列番号69)
GAAAGGGAACTCCCTGACCCC (配列番号70)
CTTTGACTCGGAAAGGGAACT (配列番号71)
TCACCCCTTTCTTTGACTCGG (配列番号72)
GGTGCGTCCGTCACCCCTTTC (配列番号73)
CGATTTTCCAGGTGCGTCCGT (配列番号74)
GGGAGTGACCCGATTTTCCAG (配列番号75)
ATATTCGGGTGGGAGTGACCC (配列番号76)
L1 ORF1に対するオリゴ
CTTTGTTCTGTTGCTGGTGAG (配列番号77)
CTCCATCCAGCTTTGTTCTGT (配列番号78)
CAAAATCATTCTCCATCCAGC (配列番号79)
CTCAGCTCGTCAAAATCATTC (配列番号80)
GCCTTCTTCTCTCAGCTCGTC (配列番号81)
ATCGTCTGAAGCCTTCTTCTC (配列番号82)
GAGTAATTTGATCGTCTGAAG (配列番号83)
CCGTAGCTCAGAGTAATTTGA (配列番号84)
GAATGTCCTCCCGTAGCTCAG (配列番号85)
CCTTTGGTTTGAATGTCCTCC (配列番号86)
AACTTCTTTGCCTTTGGTTTG (配列番号87)
CAAAGTTTTGAACTTCTTTGC (配列番号88)
AAATTTTTTTCAAAGTTTTGA (配列番号89)
ACATTCTTCTAAATTTTTTTC (配列番号90)
TTCTAGTTATACATTCTTCTA (配列番号91)
GTATTGGTTATTCTAGTTATA (配列番号92)
GCACTTCTCTGTATTGGTTAT (配列番号93)
GCTCCTTTAAGCACTTCTCTG (配列番号94)
AGCTCCATCAGCTCCTTTAAG (配列番号95)
CTTGGTTTTCAGCTCCATCAG (配列番号96)
L1 ORF2に対するオリゴ
TGTTATGTGTGAATTTGATCC (配列番号97)
AAGTTAATATTGTTATGTGTG (配列番号98)
TTTATATTTAAAGTTAATATT (配列番号99)
ATTTAGTCCATTTATATTTAA (配列番号100)
TAATTGCAGAATTTAGTCCAT (配列番号101)
CTGTGTCTTTTAATTGCAGAA (配列番号102)
ACTTGCCAGTCTGTGTCTTTT (配列番号103)
TCTTTATGCAACTTGCCAGTC (配列番号104)
GGGTCTTGACTCTTTATGCAA (配列番号105)
GCACACTGATGGGTCTTGACT (配列番号106)
TGTGGGATCGGTGGTGATATC (配列番号107)
TTTGTATTTCTGTGGGATCGG (配列番号108)
CTGATGGTAGTTTGTATTTCT (配列番号109)
GTAGTATTCTCTGATGGTAGT (配列番号110)
AGAGGTGTTTGTAGTATTCTC (配列番号111)
TTATTTGCGTAGAGGTGTTTG (配列番号112)
ATTTTCTACTTTATTTGCGTA (配列番号113)
TTTCTTCTAGATTTTCTACTT (配列番号114)
AATGTATCCATTTCTTCTAGA (配列番号115)
TGTGTCGAGGAATGTATCCAT (配列番号116)
L1 3’UTRに対するオリゴ
TAGCATTAGGTATATCTCCCA (配列番号117)
ATGTGTCATCTAGCATTAGGT (配列番号118)
GCACCCACTAATGTGTCATCT (配列番号119)
CTGGTGCGCTGCACCCACTAA (配列番号120)
ATGTGCCATGCTGGTGCGCTG (配列番号121)
ATATGTATACATGTGCCATGC (配列番号122)
GGTTAGTTACATATGTATACA (配列番号123)
ACATTGTGCAGGTTAGTTACA (配列番号124)
GTACATGTGCACATTGTGCAG (配列番号125)
AAGTTTTAGGGTACATGTGCA (配列番号126)
ATTATACTCTAAGTTTTAGGG (配列番号127)
OSAは、ロックド核酸(LNA)修飾ASOであることができる。LNA ASOは、アンチセンスギャップマー、抗マイクロRNA(アンタゴmiR)、および抗遺伝子アプローチなどの多くの異なる設定で使用されている。LNAは、リボース部分が2’酸素と4’炭素とを接続させる余分な架橋で修飾される修飾RNAヌクレオチドである。架橋は、A型二本鎖に多く見られる3’エンド(North)構造中のリボースを「ロック」する。LNA設計は、ミックスマーおよびギャップマーの2つの主要な分類に分けることができる。ミックスマーでは、LNAおよびDNAヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドの配列全体に散在するが、一方ギャップマーでは、オリゴヌクレオチドの両端の2つのLNAセグメントは、DNAヌクレオシドの中央セグメントまたはギャップによって分離される。ギャップマーは、RNA阻害のために好ましい。これは、7~8個のDNAヌクレオチド(nt)よりも長い中央DNA/PSセグメントが、ギャップマーがmRNAにハイブリダイゼーションされるときにRNA切断酵素RNアーゼHを動員するためである。
アンチセンス核酸は、当該技術分野で既知の手順を使用する化学合成および酵素的連結反応を使用して構築することができる。例えば、アンチセンス核酸(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド)は、分子の生物学的安定性を増加させるか、またはアンチセンス核酸とセンス核酸との間に形成される二本鎖の物理的安定性を増加させるように設計された天然に存在するヌクレオチドまたは様々に修飾されたヌクレオチドを使用して化学的に合成することができ、例えば、ホスホロチオエート誘導体およびアクリジン置換ヌクレオチドを使用することができる。アンチセンス核酸はまた、核酸がアンチセンス方向でサブクローニングされている発現ベクターを使用して生物学的に作製することもできる(すなわち、挿入された核酸から転写されたRNAは、関心対象の標的核酸に対するアンチセンス方向のものであり、以下のサブセクションでさらに説明される)。
有用なアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON/ASO)の他の例には、アルファ-アノマー核酸が含まれる。アルファ-アノマー核酸分子は、通常のベータ単位に反して、鎖が互いに平行に走る相補的RNAとともに特異的な二本鎖ハイブリッドを形成する(Gaultier et al.,Nucleic Acids.Res.15:6625-6641(1987))。アンチセンス核酸分子はまた、2’-o-メチルリボヌクレオチド(Inoue et al.Nucleic Acids Res.15:6131-6148(1987))またはキメラRNA-DNA類似体(Inoue et al.FEBS Lett.,215:327-330(1987))を含むことができる。
特に好ましいアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)は、L1-ORF1 RNA配列に特異的なフルオロアラビノ核酸(FANA)修飾ASOである。FANA ASOは標的配列に結合し、RNアーゼH媒介性切断のためのドッキングエレメントとして作用する。
1.アプタマー
いくつかの実施形態において、阻害性分子は、アプタマーである。アプタマーは、標的分子と、好ましくは特定の方法で相互作用する分子である。アプタマーは、標的分子に非常に高い特異性で結合することができる。例えば、標的分子と、その分子の単一位置のみで異なる別の分子との間の結合親和性に、10,000倍超の差を有するアプタマーが単離されている。それらの強い結合特性のため、およびアプタマー標的の表面特性は、タンパク質標的の機能的に関連する部分にしばしば対応するため、アプタマーは、強力な生物学的アンタゴニストであることができる。典型的には、アプタマーは、ステムループまたはG-カルテットなどの、定義された二次および三次構造に折り畳まれる、長さが15~50塩基の小さい核酸である。アプタマーは、ATPおよびテオフィリンなどの小分子、ならびに逆転写酵素およびトロンビンなどの大分子に結合することができる。アプタマーは、10-12M未満の標的分子からのKで非常に強く結合することができる。アプタマーは標的分子に、10-6、10-8、10-10、または10-12未満のKで結合することが好ましい。アプタマーは、バックグラウンド結合分子とのKよりも少なくとも10、100、1000、10,000、または100,000倍低い標的分子とのKを有することが好ましい。ポリペプチドなどの分子で比較を行う場合、バックグラウンド分子が異なるポリペプチドであることが好ましい。
2.リボザイム
L1 RNA発現は、リボザイムを使用して阻害することができる。リボザイムは、分子内または分子間のいずれかで化学反応を触媒することができる核酸分子である。リボザイムは分子間反応を触媒することが好ましい。ヌクレアーゼまたは核酸ポリメラーゼ型反応を触媒するいくつかの異なるタイプのリボザイムが存在し、これらは、ハンマーヘッドリボザイムなどの天然系で見出されるリボザイムに基づいている。天然系には認められないが、新規特異的反応を触媒するように改変されているいくつかのリボザイムも存在する。好ましいリボザイムは、RNAまたはDNA基質を切断し、より好ましくはRNA基質を切断する。リボザイムは典型的には、切断が後に続く標的基質の認識および結合を通じて、核酸基質を切断する。この認識は、しばしば、正準または非正準塩基対相互作用にほとんど基づいている。この特性は、標的基質の認識が標的基質配列に基づくため、リボザイムを核酸の標的特異的切断における特に優れた候補にする。
3.三重鎖形成オリゴヌクレオチド
L1 RNA発現は、三重鎖形成分子を使用して阻害することができる。三重鎖形成機能性核酸分子は、二本鎖核酸または一本鎖核酸のいずれかと相互作用することができる分子である。三重鎖分子が標的領域と相互作用すると、ワトソン-クリックおよびフーグスティーン塩基対形成の両方に依存して複合体を形成する3本鎖のDNAが存在する三重鎖と呼ばれる構造が形成される。三重鎖分子は、標的領域に高い親和性および特異性で結合することができるため、好ましい。三重鎖形成分子は、10-6、10-8、10-10、または10-12未満のKで標的分子に結合することが好ましい。
4.外部ガイド配列
L1 RNA発現は、外部ガイド配列を使用して阻害することができる。外部ガイド配列(EGS)は、複合体を形成する標的核酸分子に結合する分子であり、標的分子を切断するRNアーゼPによって認識される。EGSは、選択したRNA分子を特異的に標的とするように設計することができる。RNアーゼPは、細胞内で転移RNA(tRNA)をプロセシングするのを補助する。細菌性RNアーゼPを動員して、標的RNA:EGS複合体に天然tRNA基質を模倣させるEGSを使用することによって、事実上任意のRNA配列を切断することができる。同様に、RNAの真核生物EGS/RNアーゼP指向切断を利用して、真核生物細胞内の所望の標的を切断することができる。種々の異なる標的分子の切断を促進するためにEGS分子を作製および使用する方法の代表的な例は、当該技術分野で既知である。
5.ShRNA
L1 RNA発現は、小ヘアピンRNA(shRNA)、およびshRNAを発現するように操作された発現構築物を使用して阻害することができる。shRNAの転写は、ポリメラーゼIII(polIII)プロモーターで開始され、4-5-チミン転写終結部位の2位で終結されると考えられる。発現時に、shRNAは、3’UU-オーバーハングを有するステムループ構造に折り畳まれると考えられ、その後、これらのshRNAの末端が処理され、shRNAを約21ヌクレオチドのsiRNA様分子に変換する(Brummelkamp et al.,Science 296:550-553(2002)、Lee et al.,Nature Biotechnol.20:500-505(2002)、Miyagishi and Taira,Nature Biotechnol.20:497-500(2002)、Paddison et al.,Genes Dev.16:948-958(2002)、Paul et al.,Nature Biotechnol.20:505-508(2002);Sui(2002)supra、Yu et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA99(9):6047-6052(2002)。
B.製剤
L1 RNAを阻害するための製剤が本明細書に提供される。本明細書に記載のNA、小分子、およびペプチドは、非経口投与、皮膚への非経口投与または局所投与のために製剤化することができる。開示される核酸、小分子、およびペプチドは、皮膚内のL1 RNAを阻害するのに有効な量で、治療剤および核酸を皮膚に送達するための剤形および方法を使用して皮膚に投与することができる。特定の実施形態において、製剤は、1つ以上の細胞浸透剤、例えば、トランスフェクション剤を含む。NA剤を、トランスフェクション剤(またはその混合物)と混合または混ぜて、得られる混合物を用いて細胞をトランスフェクトする。好ましいトランスフェクション剤は、カチオン性脂質組成物、特に一価および多価カチオン性脂質組成物、より具体的には、LIPOFECTIN(登録商標)、LIPOFECTACE(登録商標)、LIPOFECTAMINE(商標)、CELLFECTIN(登録商標)、DMRIE-C、DMRIE、DOTAP、DOSPA、およびDOSPER、ならびにデンドリマー組成物、特にG5~G10デンドリマーであり、高密度スターデンドリマー、PAMAMデンドリマー、グラフトデンドリマー、ならびにデンドリグラフトおよびSUPERFECT(登録商標)として知られるデンドリマーが含まれる。
i.非経口製剤
本明細書に記載の化合物(すなわち、L1 RNA、L1 RNAをコードするベクター、L1 RNA阻害性NA(またはそれをコードするベクター)、およびL1 RNA阻害剤)は、非経口投与のために製剤化することができる。
例えば、非経口投与は、注射、注入などによって、患者への静脈内、皮内、腹腔内、病巣内、筋肉内、皮下による投与を含み得る。
非経口製剤は、当該技術分野で知られている技術を使用して水性組成物として調製することができる。典型的には、かかる組成物は、注射用製剤、例えば、溶液または懸濁液、注射前の再構成媒体の添加時に溶液または懸濁液を調製するために使用するのに好適な固体形態、油中水(w/o)エマルション、水中油(o/w)エマルション、およびそのマイクロエマルション、リポソーム、またはエマルソームなどのエマルションとして調製することができる。
担体は、溶媒または分散媒体であることができ、例えば、水、エタノール、1つ以上のポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール)、植物油(例えば、ピーナッツ油、コーン油、ゴマ油など)などの油、およびそれらの組み合わせが含まれる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散の場合には必要な粒径の維持によって、かつ/または界面活性剤の使用によって維持することができる。多くの場合、等張化剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを含むことが好ましい。
活性化合物の遊離酸もしくは塩基、または薬理学的に許容されるそれらの塩としての溶液および分散液は、水もしくは別の溶媒、または界面活性剤、分散剤、乳化剤、pH調整剤、粘度改質剤、およびそれらの組み合わせが含まれるがこれらに限定されない1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と好適に混合された分散媒体中で調製することができる。
好適な界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、両性、または非イオン性表面活性剤であり得る。好適なアニオン性界面活性剤には、カルボキシレート、スルホネート、および硫酸塩イオンを含有するものが含まれるが、これらに限定されない。アニオン性界面活性剤の例には、長鎖アルキルスルホン酸塩およびアルキルアリールスルホン酸のナトリウム、カリウム、アンモニウムの塩、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸ナトリウム;ビス-(2-エチルチオキシル)-スルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸ナトリウム;ならびにラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩が含まれる。カチオン性界面活性剤には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化セトリモニウム、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ポリオキシエチレン、およびココナッツアミンなどの四級アンモニウム化合物が含まれるが、これらに限定されない。非イオン性界面活性剤の例には、エチレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールミリステート、グリセリルモノステアレート、グリセリルステアレート、ポリグリセリル-4-オレアート、ソルビタンアシレート、スクロースアシレート、PEG-150ラウレート、PEG-400モノラウレート、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリソルベート、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、PEG-1000セチルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリプロピレングリコールブチルエーテル、Poloxamer(登録商標)401、ステアロイルモノイソプロパノールアミド、およびポリオキシエチレン水素化タロアミドが含まれる。両性界面活性剤の例には、N-ドデシル-ベータ-アラニンナトリウム、N-ラウリル-.ベータ.-イミノジプロピオン酸ナトリウム、ミリストアンホアセテート、ラウリルベタイン、およびラウリルスルホベタインが含まれる。
製剤は、微生物の増殖を防止するための保存剤を含有することができる。好適な保存剤には、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、およびチメロサールが含まれるが、これらに限定されない。製剤はまた、活性剤の分解を防止する抗酸化剤を含有し得る。
製剤は、典型的には、再構成で非経口投与のために、3~8のpHに緩衝化される。好適な緩衝剤には、リン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、およびクエン酸緩衝剤が含まれるが、これらに限定されない。
水溶性ポリマーは、非経口投与のための製剤にしばしば使用される。好適な水溶性ポリマーには、ポリビニルピロリドン、デキストラン、カルボキシメチルセルロース、およびポリエチレングリコールが含まれるが、これらに限定されない。
滅菌注射用溶液は、必要に応じて、上に列挙される賦形剤のうちの1つ以上を加えた適切な溶媒または分散媒に、必要とされる量の活性化合物を組み込み、続いて濾過滅菌することによって調製することができる。一般に、分散液は、基礎分散媒体、および上に列挙されるものから必要とされる他の成分を含有する滅菌ビヒクルに様々な滅菌された活性成分を組み込むことによって調製される。滅菌注射用溶液を調製するための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は真空乾燥および凍結乾燥技術であり、予め滅菌濾過したその溶液から活性成分および任意の追加の所望の成分の粉末を得る。粉末は、粒子が本質的に多孔質であり、粒子の溶解を増加させることができるような様式で調製することができる。多孔性粒子を作製するための方法は、当該技術分野で周知である。
1.制御放出製剤
本明細書に記載される非経口製剤は、即時放出、遅延放出、持続放出、パルス放出、およびそれらの組み合わせを含む制御放出のために製剤化することができる。
a.ナノ粒子および微粒子
非経口投与のために、1つ以上の化合物、および任意選択的な1つ以上の追加の活性剤は、化合物および/または1つ以上の追加の活性剤の制御放出を提供する微粒子、ナノ粒子、またはそれらの組み合わせに組み込むことができる。製剤が2つ以上の薬剤を含有する実施形態において、薬剤は、同じタイプの制御放出(例えば、遅延、持続、即時、またはパルス)のために製剤化することができるか、または薬剤は、異なるタイプの放出(例えば、即時および遅延、即時および持続、遅延および持続、遅延およびパルスなど)のために独立して製剤化することができる。
例えば、化合物および/または1つ以上の追加の活性剤は、薬物の制御放出を提供するポリマー微粒子に組み込むことができる。薬剤の放出は、微粒子からの薬剤の拡散ならびに/または加水分解および/もしくは酵素分解によるポリマー粒子の分解によって制御される。好適なポリマーには、エチルセルロースおよび他の天然または合成のセルロース誘導体が含まれる。DNAおよびmRNAと同様に、siRNAおよびmiRNAは、ナノ担体を介して送達され得る。例えば、Benoit et al.Biomacromolecules.2012;1311:3841-3849は、効率的なsiRNA送達のために、siRNA複合体形成ブロック(pDMAEMA)およびエンドソーム脱出ブロック(PAA、BMA、およびDMAEMAのターコポリマー)からなるジブロックコポリマー(pDMAEMA-b-p(DMAEMA-コ-PAA-コ-BMA))を開発した。
水性環境中でゆっくり溶解しゲルを形成する、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはポリエチレンオキシドなどのポリマーは、薬物含有微粒子の材料としても好適であることができる。他のポリマーには、ポリ無水物、ポリ(エステル無水物)、ポリヒドロキシ酸、例えば、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)(PLGA)、ポリ-3-ヒドロキシブチレート(PHB)およびそれらのコポリマー、ポリ-4-ヒドロキシブチレート(P4HB)およびそれらのコポリマー、ポリカプロラクトンおよびそれらのコポリマー、ならびにそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
代替的に、薬剤は、水溶液に不溶性であるか、または水溶液にゆっくりと溶解するが、酵素分解、胆汁酸の界面活性作用、および/または機械的侵食を含む手段によってGI管内で分解することができる材料から調製された微粒子に組み込むことができる。本明細書で使用される場合、「水にゆっくりと溶解する」という用語は、水に30分以内で溶解しない材料を指す。好ましい例には、脂肪、脂肪性材料、ワックス、ワックス様材料、およびこれらの混合物が含まれる。好適な脂肪および脂肪性材料には、脂肪アルコール(ラウリル、ミリスチルステアリル、セチル、またはセトステアリルアルコールなど)、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド(モノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリド)、および水素化脂肪を含むがこれらに限定されない脂肪酸および誘導体が含まれる。具体的な例には、水素化植物油、水素化綿実油、水素化ヒマシ油、商品名Sterotex(登録商標)で入手可能な水素化油、ステアリン酸、ココアバター、およびステアリルアルコールが含まれるが、これらに限定されない。好適なワックスおよびワックス様材料には、天然または合成のワックス、炭化水素、および通常のワックスが含まれる。ワックスの具体的な例には、蜜蝋、グリコワックス、カスターワックス、カルナウバワックス、パラフィン、およびカンデラワックスが含まれる。本明細書で使用される場合、ワックス様材料は、室温で通常固体であり、約30~300℃の融点を有する任意の材料として定義される。
いくつかの例では、微粒子への水の浸透速度を変更することが望ましいものであり得る。この目的のために、速度制御(浸潤)剤を、上に列挙される脂肪またはワックスとともに製剤化することができる。速度制御材料の例には、特定のデンプン誘導体(例えば、ワックス様マルトデキストリンおよびドラム乾燥コーンスターチ)、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロース)、アルギン酸、ラクトース、およびタルクが含まれる。さらに、薬学的に許容される界面活性剤(例えば、レシチン)が、かかる微粒子の分解を促進するために添加され得る。
ゼインなどの水に不溶性であるタンパク質も、薬剤含有微粒子の形成のための材料として使用することができる。さらに、水溶性であるタンパク質、多糖類、およびそれらの組み合わせを、薬剤とともに微粒子中に製剤化し、続いて架橋結合させて不溶性ネットワークを形成することができる。例えば、シクロデキストリンは、個々の薬剤分子と複合体化され、続いて架橋結合され得る。
2.ナノ粒子および微粒子を作製する方法
薬剤含有微粒子を生成するための薬剤の担体材料への封入または組み込みは、既知の医薬製剤技術を通じて達成することができる。脂肪、ワックス、またはワックス様材料における製剤の場合、担体材料は典型的にはその融解温度を超えて加熱され、薬剤を添加して、担体材料中に懸濁された薬剤粒子、担体材料中に溶解された薬剤、またはそれらの混合物を含む混合物を形成する。その後、微粒子は、凝固、押出、スプレー冷却、または水性分散のプロセスを含むがこれらに限定されない、いくつかの方法を通じて製剤化することができる。好ましいプロセスでは、ワックスをその融解温度を超えて加熱し、薬剤を添加し、融解したワックス-薬剤混合物は、一定した撹拌下で混合物が冷却するにつれて凝固される。代替的に、融解したワックス-薬剤混合物を押し出しして、球状化してペレットまたはビーズを形成させることができる。これらのプロセスは、当該技術分野で既知である。いくつかの担体材料について、溶媒蒸発技術を使用して、薬剤含有微粒子を生成することが望ましい場合がある。この場合、薬剤および担体材料は、相互溶媒中に共溶解され、その後、いくつかの技法によって微粒子を生成することができ、限定されないが、水または他の適切な媒体中にエマルションを形成すること、噴霧乾燥すること、またはバルク溶液から溶媒を蒸発させ、得られた材料を粉砕することが含まれる。
いくつかの実施形態において、粒子形態の薬剤は、水に不溶性またはゆっくりと水に溶解する材料中に均一に分散される。組成物内の薬剤粒子のサイズを最小限に抑えるために、薬剤粉末自体を粉にして、製剤化の前に微細粒子を作製し得る。医薬分野で知られているジェットミルのプロセスをこの目的のために使用することができる。いくつかの実施形態において、粒子形態の薬物は、ワックスまたはワックス様材料をその融点を超えて加熱し、混合物を撹拌しながら薬物粒子を添加することによって、ワックスまたはワックス様材料中に均質に分散される。この場合、薬学的に許容される界面活性剤を混合物に添加して薬物粒子の分散を促進し得る。
粒子はまた、1つ以上の修飾放出コーティングでコーティングすることができる。リパーゼによって加水分解される脂肪酸の固体エステルは、微粒子または薬物粒子にスプレーコーティングすることができる。ゼインは、天然の水不溶性タンパク質の一例である。スプレーコーティングまたは湿式造粒技術によって、薬物含有微粒子または薬物粒子にコーティングすることができる。天然の水不溶性材料に加えて、消化酵素のいくつかの基質を架橋結合手順によって処理して、不溶性ネットワークの形成を得ることができる。化学的および物理的手段の両方によって開始されるタンパク質を架橋結合する多くの方法が報告されている。架橋結合を得る最も一般的な方法のうちの1つは、化学架橋結合剤の使用である。化学架橋剤の例には、アルデヒド(グルタルアルデヒドおよびホルムアルデヒド)、エポキシ化合物、カルボジイミド、およびゲニピンが含まれる。これらの架橋結合剤に加えて、酸化された天然の糖が、ゼラチンを架橋結合するために使用されている。架橋結合はまた、酵素的手段を使用して達成することができ、例えば、トランスグルタミナーゼは、海産食品を架橋結合するためのGRAS物質として承認されている。最後に、架橋結合は、熱処理、紫外線照射、およびガンマ線照射などの物理的手段によって開始することができる。
薬物含有微粒子または薬物粒子を取り囲む架橋結合したタンパク質のコーティング層を生成するために、水溶性タンパク質を微粒子上にスプレーコーティングし、続いて上記の方法のうちの1つによって架橋結合させることができる。代替的に、薬物含有微粒子は、コアセルベーション相分離によって(例えば、塩の添加によって)タンパク質内にマイクロカプセル化し、続いて架橋結合することができる。この目的に好適ないくつかのタンパク質には、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、およびグルテンが含まれる。
多糖類を架橋結合させて水不溶性ネットワークを形成することもできる。多くの多糖類では、これは、主ポリマー鎖を架橋結合するカルシウム塩または多価カチオンとの反応によって達成することができる。ペクチン、アルギン酸塩、デキストラン、アミロース、およびグアーガムが、多価カチオンの存在下で架橋結合に供される。逆荷電多糖類間の複合体も形成することができ、例えば、ペクチンおよびキトサンは、静電相互作用を介して複合体化することができる。
3.注射可能/埋め込み可能な製剤
本明細書に記載の化合物は、注射可能/移植可能な固体もしくは半固体インプラント、例えばポリマーインプラントに組み込むことができる。一実施形態において、化合物は、室温で液体またはペーストであるが、生理学的流体などの水性媒体と接触すると、半固体または固体材料を形成する粘度の増加を示すポリマーに組み込まれる。例示的なポリマーには、ヒドロキシアルカン酸と共重合した少なくとも1つの不飽和ヒドロキシ脂肪酸の共重合に由来するヒドロキシアルカン酸ポリエステルが含まれるが、これに限定されない。ポリマーは、融解し、活性物質と混合し、デバイスに成形または注入成形することができる。かかる融解組み立ては、送達される材料およびポリマーが分解するか、または反応性になる温度より低い融点を有するポリマーを必要とする。デバイスはまた、ポリマーを溶媒に溶解し、薬物をポリマー溶液に溶解または分散させ、次いで溶媒を蒸発させるソルベントカスティングによって調製することができる。溶媒プロセスは、ポリマーが有機溶媒に可溶性であることを必要とする。別の方法は、ポリマーと薬剤との混合粉末、または活性剤を充填したポリマー粒子の圧縮成形である。
代替的に、化合物は、ポリマーマトリックスに組み込まれ、室温では固体であるデバイスに成形、圧縮、または押し出しすることができる。例えば、化合物は、ポリ無水物、ポリヒドロアルカン酸(PHA)、PLA、PGA、PLGA、ポリカプロラクトン、ポリエステル、ポリアミド、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、タンパク質および多糖類(コラーゲン、ヒアルロン酸、アルブミンおよびゼラチンなど)、ならびにそれらの組み合わせなどの生分解性ポリマーに組み込まれ、ディスクなどの固体デバイスに圧縮するか、またはロッドなどのデバイスに押し出しすることができる。核酸送達のためのポリアミドは、米国特許第8,236,280号に記載されている。
インプラントからの1つ以上の化合物の放出は、ポリマーの選択、ポリマーの分子量、および/またはポリマーの修飾によって変化させて、細孔の形成および/または加水分解可能な結合の組み込みなど、分解を増加させることができる。インプラントからの化合物の放出プロファイルを変化させるために生体分解性ポリマーの特性を変更する方法は、当該技術分野において周知である。
ii.経腸製剤
好適な経口剤形には、錠剤、カプセル、溶液、懸濁液、シロップ、およびロゼンジが含まれる。錠剤は、当該技術分野で周知の圧縮または成形技術を使用して作製することができる。ゼラチンまたは非ゼラチンカプセルは、硬質または軟質のカプセルシェルとして調製することができ、液体、固体、および半固体充填材料を、当該技術分野で周知の技術を使用してカプセル化することができる。
製剤は、薬学的に許容される担体を使用して調製され得る。本明細書で一般的に使用される場合、「担体」には、限定されないが、希釈剤、保存剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、膨張剤、充填剤、安定剤、およびそれらの組み合わせが含まれる。
担体はまた、コーティング組成物のすべての構成要素を含み、可塑剤、色素、着色剤、安定化剤、および流動促進剤を含み得る。
好適なコーティング材料の例には、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートコハク酸塩などのセルロースポリマー;ポリ酢酸ビニルフタレート、アクリル酸ポリマーおよびコポリマー、ならびに商品名EUDRAGIT(登録商標)(Roth Pharma、Westerstadt,Germany)で市販されているメタクリル樹脂、ゼイン、シェラック、および多糖類が含まれるが、これらに限定されない。
さらに、コーティング材料は、可塑剤、色素、着色剤、流動促進剤、安定化剤、細孔形成剤、および界面活性剤などの従来の担体を含有し得る。
「希釈剤」は、「充填剤」とも称され、典型的には、固体剤形のかさを増加させるために必要であり、それによって実用的なサイズが、錠剤の圧縮またはビーズおよび顆粒の形成のために提供される。好適な希釈剤には、リン酸二カルシウム二水和物、硫酸カルシウム、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、微結晶セルロース、カオリン、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、加水分解デンプン、アルファ化デンプン、二酸化ケイ素、酸化チタン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、および粉末糖が含まれるが、これらに限定されない。
「結合剤」は、固体投与製剤に凝集特性を付与するために使用され、したがって、錠剤またはビーズまたは顆粒が、剤形の形成後に完全体であることを確実にする。好適な結合剤材料には、デンプン、アルファ化デンプン、ゼラチン、糖類(スクロース、グルコース、デキストロース、ラクトース、およびソルビトールを含む)、ポリエチレングリコール、ワックス、アカシア、トラガカント、アルギン酸ナトリウムなどの天然および合成ガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、およびビーグルを含むセルロース、ならびにアクリル酸およびメタクリル酸コポリマー、メタクリル酸コポリマー、メチルメタクリレートコポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリアクリル酸/ポリメタクリル酸、およびポリビニルピロリドンなどの合成ポリマーが含まれるが、これらに限定されない。
「滑沢剤」は、錠剤製造を容易にするために使用される。好適な滑沢剤の例には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセロール、ポリエチレングリコール、タルク、およびミネラル油が含まれるが、これらに限定されない。
「崩壊剤」は、投与後の剤形崩壊または「分散」を促進するために使用され、一般に、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルデンプンナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、アルファ化デンプン、粘土、セルロース、アルギニン、ガム、または交差結合PVP(GAF Chemical CorpのPolyplasdone(登録商標)XL)などの架橋結合ポリマーが含まれるが、これらに限定されない。
「安定剤」は、例えば、酸化反応を含む薬物分解反応を阻害または妨害するために使用される。好適な安定剤には、抗酸化剤、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸、その塩およびエステル、ビタミンE、トコフェロールおよびその塩、メタ重亜硫酸ナトリウムなどの亜硫酸塩、システインおよびその誘導体、クエン酸、没食酸プロピル、およびブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)が含まれるが、これらに限定されない。
1.制御放出経腸製剤
カプセル、錠剤、溶液、懸濁液などの経口剤形は、制御放出のために製剤化することができる。例えば、1つ以上の化合物および任意選択的な1つ以上の追加の活性剤を、ナノ粒子、微粒子、およびそれらの組み合わせに製剤化し、軟質もしくは硬質のゼラチンまたは非ゼラチンカプセルにカプセル化するか、あるいは分散媒体に分散させて経口懸濁液またはシロップを形成することができる。粒子は、薬剤および制御放出ポリマーまたはマトリックスから形成することができる。代替的に、薬剤粒子は、最終剤形に組み込む前に1つ以上の制御放出コーティングでコーティングすることができる。
別の実施形態において、1つ以上の化合物および任意選択的な1つ以上の追加の活性剤は、マトリックス材料に分散され、生理学的流体などの水性媒体との接触でゲル化または乳化する。ゲルの場合、マトリックスは活性剤を捕捉しながら膨潤し、活性剤は、マトリックス材料の拡散および/または分解によって経時的にゆっくりと放出される。かかるマトリックスは、錠剤として、または硬質および軟質カプセルのための充填材料として製剤化することができる。
さらに別の実施形態において、1つ以上の化合物、および任意選択的な1つ以上の追加の活性剤は、錠剤またはカプセルなどの販売される経口剤形に製剤化され、固体剤形は、遅延放出コーティングまたは持続放出コーティングなどの1つ以上の制御放出コーティングでコーティングされる。コーティングはまた、化合物および/または追加の活性剤を含有し得る。
a.持続放出剤形
持続放出製剤は、一般に、拡散系または浸透系として調製され、当該技術分野で既知である。拡散系は、典型的には、2タイプのデバイスである、リザーバおよびマトリックスからなり、当該技術分野で周知であり、説明されている。マトリックスデバイスは、一般に、ゆっくりと溶解するポリマー担体で薬剤を錠剤形態に圧縮することによって調製される。マトリックスデバイスの調製に使用される3つの主要なタイプの材料は、不溶性プラスチック、親水性ポリマー、および脂肪族化合物である。プラスチックマトリックスには、メチルアクリレート-メチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、およびポリエチレンが含まれるが、これらに限定されない。親水性ポリマーには、メチルおよびエチルセルロースなどのセルロース性ポリマー、ヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびCarbopol(登録商標)934、ポリエチレンオキシド、ならびにそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。脂肪化合物には、カルナウバワックスおよびトリステアリン酸グリセリルなどの様々なワックス、ならびに水素化ヒマシ油または水素化植物油を含むワックス型材料、あるいはそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
特定の好ましい実施形態において、プラスチック材料は、薬学的に許容されるアクリルポリマーであり、アクリル酸およびメタクリル酸コポリマー、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミンコポリマーポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸)(無水物)、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸無水物)、およびグリシジルメタクリレートコポリマーが含まれるが、これらに限定されない。
ある特定の好ましい実施形態において、アクリルポリマーは、1つ以上のアンモニオメタクリレートコポリマーからなる。アンモニオメタクリレートコポリマーは、当該技術分野で周知であり、低含有量の四級アンモニウム基を有するアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとの完全重合化コポリマーとして、NF XVIIに記載されている。
好ましい一実施形態において、アクリルポリマーは、商品名EUDRAGIT(登録商標)でRohm Pharmaから市販されているものなどのアクリル樹脂ラッカーである。さらなる好ましい実施形態において、アクリルポリマーは、それぞれ商品名EUDRAGIT(登録商標)RL30DおよびEUDRAGIT(登録商標)RS30DでRohm Pharmaから市販されている2つのアクリル樹脂ラッカーの混合物を含む。EUDRAGIT(登録商標)RL30DおよびEUDRAGIT(登録商標)RS30Dは、低含有量の四級アンモニウム基を有するアクリルエステルとメタクリルエステルとのコポリマーであり、残りの中性(メタ)アクリルエステルに対するアンモニウム基のモル比は、EUDRAGIT(登録商標)RL30Dでは1:20、EUDRAGIT(登録商標)RS30Dでは1:40である。平均分子量は、約150,000である。EUDRAGIT(登録商標)S-100およびEUDRAGIT(登録商標)L-100も好ましい。コード指定RL(高透過性)およびRS(低透過性)は、これらの薬剤の透過特性を指す。EUDRAGIT(登録商標)RL/RS混合物は、水および消化液に不溶性である。しかしながら、同じものを含むように形成された多粒子系は、水溶液および消化液中で膨張性および透過性である。
EUDRAGIT(登録商標)RL/RSなどの上述のポリマーを任意の所望の比率で一緒に混合して、望ましい溶解プロファイルを有する持続放出製剤が得られ得る。望ましい持続放出多粒子系は、例えば、100%EUDRAGIT(登録商標)RL、50%EUDRAGIT(登録商標)RLおよび50%EUDRAGIT(登録商標)RS、ならびに10%EUDRAGIT(登録商標)RLおよび90%EUDRAGIT(登録商標)RSから得ることができる。当業者は、他のアクリルポリマー、例えば、EUDRAGIT(登録商標)Lなども使用され得ることを認識するであろう。
代替的に、持続放出製剤は、浸透系を使用して、または半透過性コーティングを剤形に適用することによって調製することができる。後者の場合、低透過性および高透過性コーティング材料を好適な比率で組み合わせることによって、所望の薬剤放出プロファイルを達成することができる。
上述の異なる薬剤放出メカニズムを有するデバイスは、単一または複数のユニットを含む最終剤形で組み合わせることができる。複数ユニット例には、錠剤、ビーズ、または顆粒を含有する多層錠剤およびカプセルが含まれるが、これらに限定されない。即時放出部分は、コーティングもしくは圧縮プロセスを使用して即時放出層を持続放出コアの上部に適用するか、または持続および即時放出ビーズを含有するカプセルなどの複数のユニット系で適用するいずれかの手段によって、持続放出系に加えることができる。
親水性ポリマーを含有する持続放出錠剤は、直接圧縮、湿式造粒、または乾式造粒などの当該技術分野で一般的に知られている技術によって調製される。それらの製剤は、通常、ポリマー、希釈剤、結合剤、および滑沢剤、ならびに活性医薬成分を組み込む。通常の希釈剤には、デンプン、粉末セルロース、特に結晶性セルロースおよび微結晶性セルロースなどの不活性粉末材料、フルクトース、マンニトール、およびスクロースなどの糖類、穀粉、ならびに同様の食用粉末が含まれる。典型的な希釈剤には、例えば、様々なタイプのデンプン、ラクトース、マンニトール、カオリン、リン酸カルシウムまたは硫酸カルシウム、塩化ナトリウムなどの無機塩および粉末糖が含まれる。粉末セルロース誘導体も有用である。典型的な錠剤結合剤には、デンプンなどの材料、ゼラチン、ならびにラクトース、フルクトース、およびグルコースなどの糖類が含まれる。アカシアを含む天然および合成ガム、アルギン酸塩、メチルセルロース、ならびにポリビニルピロリドンも使用することができる。ポリエチレングリコール、親水性ポリマー、エチルセルロース、およびワックスも結合剤として機能することができる。滑沢剤は、錠剤とパンチがダイに付着することを防止するために錠剤製剤に必要である。滑沢剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、および水素化植物油などの滑りやすい固形物から選択される。
ワックス材料を含有する持続放出錠剤は、一般に、直接ブレンド法、凝固法、および水性分散法などの当該技術分野で既知の方法を使用して調製される。凝固法では、薬剤をワックス材料と混合し、スプレー凝固または凝固のいずれかを行い、ふるいにかけて処理する。
b.遅延放出剤形
遅延放出製剤は、固体剤形をポリマーフィルムでコーティングすることによって作製することができ、胃の酸性環境で不溶性であり、小腸の中性環境で可溶性である。
遅延放出投与単位は、例えば、薬剤または薬剤含有組成物を選択したコーティング材料でコーティングすることによって調製することができる。薬剤含有組成物は、例えば、カプセルに組み込むための錠剤、「コーティングされたコア」剤形における内側コアとして使用するための錠剤、または錠剤もしくはカプセルのいずれかに組み込むための複数の薬剤含有ビーズ、粒子、もしくは顆粒であり得る。好ましいコーティング材料には、生体侵食性、漸進的な加水分解性、漸進的な水溶性、および/または酵素的に分解可能なポリマーが含まれ、従来の「腸溶性」ポリマーであり得る。当業者によって理解されるであろう腸溶性ポリマーは、下部胃腸管のより高いpH環境で可溶性になるか、または剤形が胃腸管を通過するにつれてゆっくりと侵食され、一方、酵素的な分解可能なポリマーは、下部胃腸管、特に結腸に存在する細菌性酵素によって分解される。遅延放出を果たすために好適なコーティング材料には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース系ポリマー;好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、および/またはエチルメタクリレートから形成されるアクリル酸ポリマーおよびコポリマー、ならびに商標名Eudragit(登録商標)(Rohm Pharma、Westerstadt,Germany)の下で市販されているEUDRAGIT(登録商標)L30D-55およびL100-55(pH5.5以上で可溶性)、EUDRAGIT(登録商標)L-100(pH6.0以上で可溶性)、EUDRAGIT(登録商標)S(より高い程度のエステル化の結果として、pH7.0以上で可溶性)、ならびにEUDRAGITS(登録商標)NE、RL、およびRS(異なる透過性および膨張性の程度を有する水不溶性ポリマー)を含む他のメタクリル樹脂;ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル、ビニルアセテートフタレート、ビニルアセテートクロトン酸コポリマー、およびエチレン-ビニルアセテートコポリマーなどのビニルポリマーおよびコポリマー;アゾポリマー、ペクチン、キトサン、アミロース、およびグアーガムなどの酵素分解性ポリマー;ゼインおよびシェラックが含まれるが、これらに限定されない。異なるコーティング材料の組み合わせも使用し得る。異なるポリマーを使用する多層コーティングも適用され得る。
特定のコーティング材料における好ましいコーティング重量は、異なる量の様々なコーティング材料で調製された錠剤、ビーズ、および顆粒の個々の放出プロファイルを評価することによって、当業者によって容易に決定され得る。それは、所望の放出特性を生じる材料、方法、および適用形態の組み合わせであり、臨床試験からのみ決定することができる。
コーティング組成物は、可塑剤、色素、着色剤、安定化剤、流動促進剤などの従来の添加剤を含み得る。可塑剤は、コーティングの脆弱性を低下させるために通常存在し、一般に、ポリマーの乾燥重量に対して約10重量%~50重量%を示す。典型的な可塑剤の例には、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリアセチン、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、ヒマシ油、およびアセチル化モノグリセリドが含まれる。安定化剤は、好ましくは分散体中の粒子を安定化するために使用される。典型的な安定化剤は、ソルビタンエステル、ポリソルベート、およびポリビニルピロリドンなどの非イオン性乳化剤である。流動促進剤は、フィルム形成および乾燥中に付着効果を低下させるために推奨され、一般に、コーティング溶液中のポリマー重量の約25重量%~10重量%を示す。1つの効果的な流動促進剤は、タルクである。ステアリン酸マグネシウムおよびモノステアリン酸グリセロールなどの他の流動促進剤も使用され得る。二酸化チタンなどの色素も使用され得る。シリコーン(例えば、シメチコン)などの少量の発泡防止剤もコーティング組成物に添加され得る。
iii.局所製剤
局所投与に好適な剤形には、クリーム、軟膏、軟薬、スプレー、ゲル、ローション、エマルション、および経皮パッチが含まれる。製剤は、経粘膜、経上皮、経内皮、または経皮の投与のために製剤化され得る。製剤は、局所製剤で使用される既知の賦形剤を含むことができ、日焼け止め剤、界面活性剤、保存剤、剥離剤、制汗剤、着色剤、増粘剤、スキンライトナー、ビタミン、および化粧品として許容される担体中の他の治療活性剤が含まれるが、これらに限定されない。組成物は、1つ以上の化学的浸透促進剤、膜透過剤、膜輸送剤、軟化剤、界面活性剤、安定剤、緩衝剤、およびこれらの組み合わせをさらに含有し得る。
「浸透促進剤」は、当該技術分野において既知であり、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪アルコールエーテル、アミノ酸、リン脂質、レシチン、コール酸塩、酵素、アミンおよびアミド、複合体形成剤(リポソーム、シクロデキストリン、修飾セルロース、およびジイミド)、大環状ラクトン、ケトンおよび無水物、および環状尿素などの大環状化合物、界面活性剤、N-メチルピロリドンおよびその誘導体、DMSOおよび関連化合物、イオン性化合物、アゾンおよび関連化合物、ならびにアルコール、ケトン、アミド、ポリオール(例えば、グリコール)などの溶媒が含まれるが、これらに限定されない。これらのクラスの例は、当該技術分野で既知である。
「保存剤」は、真菌および微生物の増殖を防止するために使用することができる。好適な抗真菌剤および抗微生物剤には、安息香酸、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、およびチメロサールが含まれるが、これらに限定されない。
「界面活性剤」は、表面張力を低下させ、それによって生成物の乳化、発泡、分散、拡散、および湿潤特性を増加させる表面活性剤である。好適な非イオン性界面活性剤には、乳化ワックス、グリセリルモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンカスターオイル誘導体、ポリソルベート、ソルビタンエステル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、シクロデキストリン、グリセリンモノステアレート、ポロキサマー、ポビドン、およびこれらの組み合わせが含まれる。一実施形態において、非イオン性界面活性剤は、ステアリルアルコールである。
局所適用、例えば、ネイキッドDNA、DNA/リポソームまたはエマルション複合体、リポソームクリームの局所適用、ならびに剥離、エレクトロポレーション、およびマイクロメカニカル破壊法などの物理的方法を使用する局所核酸送達
核酸(NA)を皮膚に送達する方法は、当該技術分野で既知である。物理的方法には、ポリマーナノ粒子、リポソーム、ペプチド、またはデンドリマーを使用するマイクロニードル注射、マイクロポレーション、エレクトロポレーション、イオンフォレーシス、ソノフォレーシス、または受動送達が含まれる。(Zakrewsky,et al.,J.Control Release,219:445-456(2015)でレビューされている)。
皮内注射は、NAを皮膚に送達するための最も単純で最も直接的な方法である。ここで、SCのバリア特性は、NAを皮膚の実行可能な組織層に直接注射することによって完全に克服される。有用な皮内針には、マイクロニードルアレイが含まれる。マイクロニードルアレイは、長さがわずか100~700μmの針を含む。皮膚に配置されると、その鋭い先端は角質層への容易な挿入を可能にするが、一方、長さが短く、より深い皮膚組織における神経を破壊することなく、皮膚への十分な浸透を確実にする。マイクロニードルは、本明細書に開示される核酸、例えば、L1 RNAをコードするプラスミドDNA、カチオン性脂質-DNA複合体(直径約100nm)、siRNAなどの送達に使用することができる。
マイクロポレーションは、大型治療薬または治療担体の送達のためにSC(角質層)の物理的破壊を用いる別の技術である。抵抗素子のアレイは、皮膚上に配置することができる。アレイを通してパルス化された電流は、アレイと接触する角質細胞の局所的なアブレーションをもたらす。代替的に、エルビウム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Er:YAG)レーザーアレイを、SCおよび表皮の局所的なアブレーションのために使用することができる。この技術は、プラミドDNA、CpGオリゴヌクレオチド、siRNAなどを皮膚に成功裏に送達するために使用されている。
エレクトロポレーションは、皮膚を透過させ、薬剤の受動的拡散を増強するために使用することができる。エレクトロポレーションのメカニズムは、電気的に誘導されるマイクロポレーションとはまったく異なる。電気的に誘導されるマイクロポレーションは、電場を利用して、皮膚に孔を作り出すSCマイクロ構造の熱アブレーションを誘導する。他方、エレクトロポレーションは、皮膚への短い持続時間(<0.5秒)および高い強度(<100V)の電気パルスの適用であり、皮膚内の脂質二重層の一過性の透過処理をもたらし、同時に表皮角質細胞の細胞膜を透過性にする。エレクトロポレーションはまた、皮膚を通して水性孔を作ることが予想される。マイクロニードルローラーおよびフレキシブルな相互組み合わせエレクトロポレーションアレイの併用による皮膚への核酸分子の効率的な送達は、Huang,et al.,Theranostics2018;8(9):2361-2376に公開されている。
イオンフォレーシスは、NAのような荷電した薬物の輸送を促進するために使用することができる。一定の電流で連続した低強度(<10V)電界を加える。
リポソームはまた、皮膚疾患の治療のために核酸送達で広範囲に試験されている。
核酸の高次球状複合体(球状核酸)は、それらの皮膚への増強された送達、皮膚細胞への内在化、および分解からのNAの保護により、皮膚疾患を治療する可能性を示している。具体的には、高次かつ共有結合したsiRNAの高密度層でコーティングされた金ナノ粒子は、インタクトなマウスSCを介した受動輸送をもたらし、真皮および表皮に限定的に局在した。
製剤は、既知の皮膚浸透促進剤を含むことができる。いくつかのペプチドが、皮膚へのNAの輸送を増強し、治療応答を誘発する能力を有することが特定されている。ファージディスプレイスクリーニングを使用して発見されたこれらのペプチドの最初のものは、TD-1(ACSSSPSKHCG)(配列番号55)であった。HsuおよびMitragotriは、ファージディスプレイスクリーニンを使用して、皮膚全体にわたるsiRNAの送達を増強するだけでなく、細胞内取り込みも増強する能力を有する別のペプチドであるSPACEペプチド(ACTGSTQHQCG)(配列番号56)を特定した(Hsu T,Mitragotri S Proc Natl Acad Sci USA.2011 108(38):15816-21)。
本発明は、以下の非限定的な実施例によってさらに理解されるであろう。
I.骨粗しょう症患者由来の間葉系幹細胞へのLINE-1レトロトランスポゾンRNA送達は、骨形成分化および骨マトリックス生成を刺激する
材料および方法
参加者
変動性の高いBMDを有するノルウェー人女性103名(50~86歳)から、30名を年齢、体重、および主要な血清パラメータに従って選択し、以下の2群に分けた。骨粗しょう症(Tスコア≦-2.5)および健常者(Tスコア>-1)。患者登録、腸骨生検、血液サンプリングの手順は、既に報告した。(47)(48)参加者は、新聞の広告を通じて募集され、かつ/またはLovisenberg Diaconal病院外来を介して含まれた。試験は、ノルウェー地域倫理委員会(REK番号:2010/2539)によって承認され、ヘルシンキ宣言に従って実施された。
ヒトMSC分化
骨髄由来のMSC(#C-12974,PromoCell GmbH、Heidelberg,Germany)を、4継代まで0.1%ゼラチン溶液(#07903,StemCell)コーティングプレートで増殖させた。増殖培地(#PT-3001、Lonza)は3日ごとに交換した。骨形成分化は、1:50Matrigel(#356237、Corning)コーティングプレートに播種した70%密集細胞で、成長培地を骨形成分化培地(#PT-3002、Lonza)で置き換えることによって誘導した。脂肪生成分化は、1:50MatMatrigel(#356237、Corning)コーティングプレートに播種した密集後細胞で、脂肪生成分化培地(#PT-3004、Lonza)による誘導/維持の3サイクルによって誘導した。
ゲノムDNA抽出およびTaqMan qPCRベースのL1 CNVアッセイ
高分子量ゲノムDNA(HMW-gDNA)を、MagAttract HMW DNAキット(#67563、Qiagen)を使用して、製造業者の説明書に従って単離した。溶解中、サンプルをRNアーゼHおよびプロテイナーゼK(いずれもキットで提供される)を用いて37℃で少なくとも1時間処理し、それぞれRNA/DNA基質およびタンパク質汚染を除去した。単離したHMW-gDNAを、エキソヌクレアーゼI(#M0568、NEB)を用いて37℃で30分間最終的に処理し、次いで80℃で15分間不活性化して、遊離ssDNAを除去した。次いで、HMW-gDNAを、7900HT高速リアルタイムPCR(Applied Biosystems)を使用してL1コピー数について分析した。L1におけるすべてのコピー数アッセイは、DNA入力濃度の反復内因性対照としてヒトセントロメアアルファサテライト(SATA)で基準化した。各サンプルを、三重測定で分析した。各反応について、gDNA(25pg)、標的特異的プライマー(0.2μM)、標的特異的FAM標識プローブ(0.4μM)、ROX受動参照色素(0.4μl、#1725858、Bio-Rad)、およびIQ Multiplex Powermix(10μl、#1725849、Bio-Rad)の20μl混合物を95℃で3分間インキュベートし、続いて95℃で45秒間の変性、59℃で45秒間のプライマーアニーリング/伸長の40サイクルでインキュベートした。CNV試験に使用される活性なレトロ転位能のあるL1に対するTaqManプローブおよびプライマー配列が公開されており(Coufal,et al.Nature(2009),doi:10.1038/nature08248、Goodier,et al.DNA(2014),doi:10.1186/1759-8753-5-11)、以下に示し、この試験で使用したプライマーおよびプローブである。
L1 5’UTR-ORF1
フォワードプライマー:5’-GAATGATTTTGACGAGCTGAGAGAA-3’(配列番号2);
リバースプライマー:5’-GTCCTCCCGTAGCTCAGAGTAATT-3’(配列番号3);
プローブ配列:5’-AAGGCTTCAGACGATC-3’(30,37)(配列番号4);
L1 ORF2
フォワードプライマー:5’-TGCGGAGAAATAGGAACACTTTT-3’(配列番号5);
リバースプライマー:5’-TGAGGAATCGCCACACTGACT-3’(配列番号6);
プローブ配列:5’-CTGTAAACTAGTTCAACCATT-3’(30,37)(配列番号7)。
SATA
フォワードプライマー:5’-GGTCAATGGCAGAAAAGGAAAT-3’(配列番号8);
リバースプライマー:5’-CGCAGTTTGTGGGAATGATTC-3’(配列番号9);
プローブ配列:5’-TCTTCGTTTCAAAACTAG-3’(30,37)(配列番号10);
RPL13A
フォワードプライマー:5’-GAAAGCCAAGATCCACTACC-3’(配列番号11);
リバースプライマー:5’-TGGGTCTTGAGGACCTCTGT-3’(配列番号12);
RUNX2
フォワードプライマー:5’-TCAACGATCTGAGATTTGTGGG-3’(配列番号13);
リバースプライマー:5’-GGGGAGGATTTGTGAAGACGG-3’(配列番号14);
OCN
フォワードプライマー:5’-GGCGCTACCTGTATCAATGG-3’(配列番号15);
リバースプライマー:5’-GTGGTCAGCCAACTCGTCA-3’(配列番号16);
OPN
フォワードプライマー:5’-GAAGTTTCGCAGACCTGACAT-3’(配列番号17);
リバースプライマー:5’-GTATGCACCATTCAACTCCTCG-3’(配列番号18);
BSP
フォワードプライマー:CACTGGAGCCAATGCAGAAGA(配列番号19);
リバースプライマー:5’-TGGTGGGGTTGTAGGTTCAAA-3’(配列番号20);
OSX
フォワードプライマー:5’-CCTCTGCGGGACTCAACAAC-3’(配列番号21);
リバースプライマー:5’-AGCCCATTAGTGCTTGTAAAGG-3’(配列番号22);
TBP
フォワードプライマー:5’-GCTGGCCCATAGTGATCTTT-3’(配列番号23);
リバースプライマー:5’-CTTCACACGCCAAGAAACAGT-3’(配列番号24);
PPARγ
フォワードプライマー:5’-ACCAAAGTGCAATCAAAGTGGA-3’(配列番号25);
リバースプライマー:5’-ATGAGGGAGTTGGAAGGCTCT-3’(配列番号26);
FABP4
フォワードプライマー:5’-ACTGGGCCAGGAATTTGACG-3’(配列番号27);
リバースプライマー:5’-CTCGTGGAAGTGACGCCTT-3’(配列番号28);
FASN
フォワードプライマー:5’-AAGGACCTGTCTAGGTTTGATGC-3’(配列番号29);
リバースプライマー:5’-TGGCTTCATAGGTGACTTCCA-3’(配列番号30);
LPL
フォワードプライマー:5’-AGGATGTGGCCCGGTTTATC-3’(配列番号31);
リバースプライマー:5’-CCAAGGCTGTATCCCAAGAGAT-3’(配列番号32);
GFP-968/1013
フォワードプライマー:5’-GCACCATCTTCTTCAAGGACGAC-3’(配列番号33);
リバースプライマー:5’-TCTTTGCTCAGGGCGGACTG-3’(配列番号34);
L1 TaqManプライマーおよびプローブ特異性分析を行った。L1-5’-ORF1プライマーおよびプローブセットは、309個の配列(246個のL1HS-Ta1、1個のL1HS-Ta0、1個のL1HS-preTa、61個のL1PA2)と一致し、L1-ORF2プライマーおよびプローブセットは、181個の配列(161個のL1HS-Ta1、3個のL1-HS-Ta0、4個のL1HS-preTa、6個のL1PA2、1個のL1PA3、5個のL1PA4)と一致する。
ラミブジン3TC処理
ラミブジン3TC(#L1295、Sigma)をDMSO中に再懸濁させ、細胞培地に最終濃度150μMで24時間ごとに添加した。
ミネラル化アッセイ
細胞をPBSで洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで15分間固定した。ミネラル化は、OsteoImageミネラル化アッセイ(#LOPA503、Lonza)を製造業者の指示に従って使用することによって評価した。ミネラル化は、GloMaxディスカバープレートリーダー(Promega)を用いて適切な励起(492)/放出(520)波長で定量的にアッセイした。
脂質含有量アッセイ
細胞をPBS中で1回洗浄し、AdipoRedアッセイ試薬(#LOPT7009、Lonza)とともに10分間インキュベートした。脂質含有量は、GloMaxディスカバープレートリーダー(Promega)を用いて適切な励起(485)/放出(572)波長で定量的にアッセイした。
RNA抽出およびcDNA調製
細胞を収集し、1mlのQIAzol溶解試薬(#79306、Qiagen)中に再懸濁させた。次いで全RNAを、RNeasy Plus Miniキット(#74134、Qiagen)を用いて、製造業者の説明書に最小限の修正を加えて精製した。DNアーゼ処理(RNアーゼフリーDNアーゼセット、#79254、Qiagen)を行って、いずれの残留DNAも除去した。RNAの品質および濃度を、Nanodrop2000分光光度計(ThermoFisher)を使用して確認した。cDNAを、SuperscriptIII第1の鎖cDNA合成システム(#18080051、ThermoFisher)を製造業者のプロトコルに従って使用して、各RNAサンプルの200ngから合成した。
L1 RNAトランスフェクション
全長L1配列を担持するベクターヒト-L1_pBluescriptII sk(+)を、GenScript、USAによってカスタム調製した。大スケールヒトL1 mRNAをインビトロで転写し、改変し、TriLink Biotechnologies,USAによって精製した(ARCAキャッピングおよび2’オメチマルト化(CapI)、5-メチル-Cで完全に置換、シアニン-5-Uの25%置換、および偽Uの75%置換、酵素的にポリアデニル化、DNアーゼおよびホスファターゼ処理、シリカ膜精製)。L1 RNAは、Lipofectamine(商標)MessengerMAX(商標)(Invitrogen、USA、カタログNo.LMRNA003)を、推奨されるよりも少ないRNA量(10倍少ない)の修正プロトコルで使用して、分化性骨芽細胞の7日目にトランスフェクトした。RFP mRNA(System Bioscience、USA、カタログNo.MR800A-1)を陰性対照として使用した。トランスフェクションの3日後、骨マトリックスをOsteoImageミネラル化アッセイ(Lonza、Basel,Switzerland、カタログNo.LOPA503)によって定量化した。
アリザリンレッド染色
骨芽細胞を1×PBS(Kantonsapotheke、Zurich,Switzerland、カタログNo.A171012)で洗浄し、1×PBSの4%(v/v)ホルムアルデヒド(Sigma、USA、カタログNo.F8775)で30分間固定した。ddH2Oで2回洗浄後、アリザリンレッド染色溶液(50mLのddH2O、pH=4.2に希釈した0・7gのアリザリンレッドS(Sigma、USA、カタログNo.A5533))を20分間添加した。その後、細胞をddH2Oで4回洗浄し、乾燥させ、画像取得まで暗所に保存した。吸光度測定のために、アリザリンレッドSを、0.01MのNa2HPO4/NaH2PO4水溶液、pH=7中の300μlの10%(w/v)セチルピリジニウムクロリドで、染色した骨芽細胞から1時間溶離した。150マイクロリットルを96ウェルプレートに移し、吸光度を560nmで測定した。0.01MのNa2HPO4/NaH2PO4水溶液中の10%(w/v)セチルピリジニウムクロリドをブランクとして使用した。画像を取得し、処理し、既に報告されている(Eggerschwiler et al.,Stem Cell Res.Ther.(2019).doi:10.1186/s13287-019-1170-8)ように分析した。
分化性骨芽細胞および脂肪細胞における遺伝子発現解析
リアルタイム定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)を、7900HT高速リアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems)を用いて行った。各サンプルを三重測定で分析し、cDNA入力濃度について内因性対照、骨形成についてリボソームタンパク質L13A(RPL13A)、および脂質形成についてTata結合タンパク質(TBP)で基準化した。鋳型なしおよびRTなしを陰性対照として含めた。各15μl反応について、10ng(L1では1ng)のcDNAを、1μMの特異的プライマーmixおよび7.5μlのSybr Select Master mix(#4472908、Life Technologies)と混合した。反応物を95℃で10分間インキュベートし、続いて95℃で15秒間の変性、60℃で30秒間のアニーリング、および72℃で30秒間の伸長の40サイクルでインキュベーションした。Ct値を、7900HT高速リアルタイムPCR RQマネージャソフトウェア(Applied Biosystems)によって計算し、次いで、関心対象の遺伝子と内因性キャリブレータとの間のDCtとして基準化した。遺伝子発現分析のためにこの試験で使用したプライマーは、Primer3(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/tools/primer-blast/)を使用して設計した。すべてのプライマー対において、各プライマーは、異なるエクソンと一致する。アンプリコン長は、80~130ヌクレオチドであった。プライマー配列は、表1に報告する。
インビトロでのレトロ転位アッセイ
150×10個のMSCを、3μgのLRE3-EGFPプラスミド(Fred Gage教授によって厚意により提供された)とともにインキュベートし、Neonトランスフェクションシステム(ThermoFisher)によってエレクトロポレーションした。細胞を40msで990Vの1つのパルスに供し、48時間回復させ、次いで成熟骨芽細胞に分化するように2週間誘導した。細胞を収集し、DNAを単離した。50ngのDNAを鋳型として使用して、イントロン隣接オリゴでEGFP配列を増幅し、プラスミドによって担持されるRC-L1配列を含有するイントロン(1243bp、レトロ転位されていない)と、スプライシングされた新たに挿入されたもの(343bp、レトロ転位された)とを区別した。PCR反応を、0.5μMの各プライマーおよび10μlのHot start premix Taq DNAポリメラーゼ(#R028A、Takara)を用いて最終体積20μlで行い、変性のために94℃で30秒間、プライマーアニーリングのために58℃で30秒間、およびプライマー伸長のために72℃で1分間インキュベートした。サイクルを30回繰り返した。GFPプライマー配列は公開されており(38)、表1に報告する。
細胞周期分析
2×105個のMSCを37℃で5分間トリプシン処理し、PBSおよび2%BSAで洗浄し、70μMストレーナー(#352350、Corning)に通し、次いで70%エタノール中で-20℃で30分間固定した。PBSおよび4%BSAで洗浄後、細胞をPBS中に再懸濁させ、RNアーゼとともに37℃で1時間インキュベートした。次いで、細胞を洗浄し、フローサイトメトリー染色緩衝液(R&D System、#FC001)の100μlに再懸濁させた。1mg/mLのヨウ化プロピジウム(PI)染色溶液(#P3566)の10μlを、単一細胞溶液に加え、穏やかに混合し、暗所で5分間インキュベートした。細胞周期分析を、BD FACSCantoIIフローサイトメトリーシステムでBD FACSDivaソフトウェアを使用して行った。
アンチセンスオリゴヌクレオチド送達
L1ノックダウン実験のために、FANA(2-デオキシ-2-フルオロアラビノ核酸)修飾した、5つの異なるLINE-1 ORF1 RNA領域に特異的なASO、および陰性対照として使用される1つのスクランブル(SCR)を、ジムノシス(gymnosis)(AUMbiotech)によって製造業者の説明書に従って送達した。凍結乾燥したオリゴヌクレオチドを、500μMの濃度のヌクレアーゼフリー水に再懸濁させ、次いで3日ごとに細胞培地で5μMに希釈した。
統計分析
2つの平均値間の有意性を決定するために、比較は、信頼水準0.05が統計学的有意性で受け入れられた場合、適切なスチューデントt検定によって行った。*=P値<0.05、**=P値<0.005、***=P値<0.0005、****=P値<0.00005。相関分析では、p値および決定係数(R二乗、R2)をGraphPad(https://www.graphpad.com/quickcalcs/)を使用して算出した。生物学的な反復数(N)は、プロットまたは図の凡例に示される。
結果
L1 DNAコピー数は、健常骨のゲノムにおいて拡張される。
活性なレトロ転位能のあるL1のコピー数における変動を、健常(CTR、n=14、BMD tスコア≧-1)または骨粗しょう症(OP、n=16、BMD tスコア<-2.5)として分類された年齢の一致した閉経後女性からの30例の腸骨生検ゲノムDNAで分析した(データは示さず)。要約すると、すべてのドナーは標準的なノルウェーの食事をし、身体的な関与を含む同様の栄養補助食品および生活スタイル因子を有していた。彼女らは、正常な内分泌的、臨床的、生化学的、および栄養学的な状態であり、少なくとも2年間エストロゲンの投薬なく閉経後である。彼女らは、骨代謝回転に影響を及ぼすことが知られている薬物治療を受けておらず、他の骨格の原発性または続発性疾患は有さなかった。吸収マーカー(血清TRAP5B、1CTP、尿NTX、または尿DPD)は、患者と健常者との間で差はなく、それらはすべて国際標準に従って正常な臨床検査範囲内であった。骨形成マーカーのうち、血清オステオカルシンは正常範囲であり、群間で差はなかったが、一方、骨特異的アルカリホスファターゼ(ALP)は正常な変動範囲であるものの、骨粗しょう症で著しく高かった(p<0.019)。
L1ゲノムコピー数における変動を推定するため、TaqMan qPCRを高分子量ゲノムDNAの単離に結合させ、本方法において報告されているように、それぞれ、エキソヌクレアーゼIおよびRNアーゼH処理によるssDNA(例えば、逆転写されたが、組み込まれていないL1cDNA)およびRNA/DNA基質の除去を使用した。この手順は、ゲノムに組み込まれていないL1配列の検出を除外し、したがって、以前に予想され(Goodier,et al.DNA(2014),doi:10.1186/1759-8753-5-11、Goodier,et al.DNA(2016),doi:10.1186/s13100-016-0070-z)、最近報告されている(34)ように、それらのゲノムコピー数の過大評価を回避する最先端のものである。TaqMan qPCRを使用して、L1 DNA配列の2つの異なる領域(5’UTR-ORF1およびORF2)を、コピー数多型(CNV)アッセイで増幅させた。
2群間のL1コピー数の変動は、両方の配列について非常に著しく、患者における強い低下を示した(図1A)。潜在的に活性なレトロ転位能のあるL1に特異的な検証されたTaqManプライマーおよびプローブ(TaqManプライマーおよびプローブ特異性分析の方法を参照)の2セットを使用した(Coufal,et al.Nature(2009),doi:10.1038/nature08248、Muotri,et al.Nature(2010),doi:10.1038/nature09544)。一貫して、健常者と患者との間のL1コピー数に観察された相対的変動は、潜在的に活性なL1HS-Ta1ファミリーの小部分に限定された差を表す。データは、骨ゲノム中のL1 5’UTR-ORF1コピー数が、測定された頭部(R2=0.275、p=0.006)(図1B)、股関節(R2=0.355、p=0.0005)(図1C)、および脊椎(R2=0.347、p=0.0006)(図1D)のすべての部位でBMDと正の相関があることを示す。対照的に、体重(R2=0.012、p=0.565)(図1E)、肥満指数(R2=0.031、p=0.356)(図1F)、血清中の副甲状腺ホルモンレベル(R2=0.041、p=0.282)(図1G)、および年齢(R2=0.028、p=0.375)(図1H)などの骨格代謝に厳密には関係しない個々のパラメータとの間に統計的に有意な相関は観察されなかった。一貫した結果が、定義されたプライマーおよびプローブを使用して、臨床パラメータをL1 ORF2コピー数と相関させたときに得られた(図2A~G)。
CTRとOPの女性間のL1コピー数における変動が骨組織に特異的であるかを評価するために、コピー数多型(CNV)アッセイを同じドナーから採取された末梢血単核細胞(PBMC)のゲノムについて行った。PBMCゲノムでは、L1コピー数は健常骨よりも有意に低かったが、最も重要なことに、CTR群とOP群との間で変動は観察されなかった(図2H)。これらの結果は、骨粗しょう症患者を健常なドナーと比較した場合、L1ゲノムコピー数の定量的変動が骨で特異的に検出され、病理の影響を受けない他の中胚葉由来組織では検出されないことを示唆し、骨粗しょう症におけるL1動態変化の骨特異性を示す。
MSCの骨形成分化はL1ゲノム拡張を引き起こす。
骨粗しょう症の遺伝的原因は不明であるが、骨髄ニッチおける骨形成系統に向けたMSCの不完全な分化と関連している。閉経後の骨粗しょう症骨のゲノムにおけるL1コピー数の観察された低下は、L1動員と骨発達との間の潜在的な関連性を示し、L1再活性化の不全が欠陥のある骨形成に関与し得ることを示した。したがって、追加の試験は、成人MSCの生理的骨形成中にL1レトロトランスポゾン活性化および拡張が生じるかを調査した。健常なドナーの腸骨から単離された骨髄由来MSCを、成熟した骨芽細胞に3週間分化させた(図3A)。成熟骨芽細胞によって沈着された骨様結節が、光学顕微鏡で検出された(図3A)。石灰化マトリックス沈着および骨形成遺伝子発現の増加は、骨分化が良好にエクスビボで生じたことを示した(データは示さず、図3C~D)。さらに、ミネラル化の開始はMSCドナー間で異なり得、類似のミネラル化動態(図3C)ならびに類似のマーカー遺伝子発現(図3D)を示す年齢適合ドナーを選択し(試験したコホートとほぼ同じ年齢)、細胞系の一貫した挙動を確実にした。最初に、リアルタイムqPCRを使用して発達中の骨芽細胞におけるL1発現のタイムラインをモニタリングし、骨形成誘導後まもなく、L1 RNAの細胞内レベルが徐々に増加し、次いで分化終了時に減少することを認めた(図3B)。HMW-gDNAにTaqMan qPCRベースのCNVアッセイを使用して、試験によって、分化誘導性L1発現がゲノム組み込みの初めからL1における変化を伴うかを調査した。図3Bに示されるように、L1コピー数は、未分化細胞(7日目)と比較して、成熟骨芽細胞(21日目)で著しく増加した。操作されたL1レトロ転位GFP-レポーターをベースとしたベースアッセイは、以前にいくつかの研究で使用されており(Coufal,et al.Nature(2009),doi:10.1038/nature08248、Ostertag,et al.Nucleic Acids Res(2000),doi:gkd248[pii]、MacIa,et al.GenomeRes.(2017),doi:10.1101/gr.206805.116)、L1伝播が骨細胞の分化を伴うことが確認された(図3E)。
L1動態の障害は、骨芽細胞成熟に有害である
発達中の骨芽細胞におけるL1再活性化およびゲノム拡張が骨形成表現型に影響を及ぼすかを理解するために、L1 RNAは、L1-ORF1 RNA配列に特異的なフルオロアラビノ核酸(FANA)修飾ASOを使用することによってノックダウンした。FANA ASOは標的配列に結合し、RNアーゼH媒介性切断のためのドッキングエレメントとして作用し(図4A)、それによってRNA誘導性サイレンシング複合体(RISC)のいずれのオフターゲット効果も回避する。重要なことに、L1配列は、遺伝子のイントロンに、したがって、抗L1 ASOの標的になり得る多くのRNAの核前駆体に、頻繁に存在する。L1 RNAのノックダウンに使用されたASOは、ほとんどが細胞核から除外される(データは示さず)。これによって、オフターゲットの可能性がさらに低下する。5つのFANA ASOの混合物を3日ごとに分化中の骨芽細胞に送達させ、リアルタイムqPCRによって骨関連遺伝子の発現を分析した。多少驚くべきことに、L1 RNAの中度の枯渇(図4F)は、骨形成の誘導の16日後に分析した骨芽細胞関連転写因子オステリックス(OSX、-43%)およびRunt関連転写因子2(RUNX2、-23%)の発現の著しい低下を誘導するのに十分であった。さらに、同様の観察が、骨芽細胞特異的遺伝子オステオカルシン(OCNまたはBGLAP、-10%)ならびに骨組織の2つの主要な非コラーゲン性成分であるオステオポンチン(OPN、-40%)および骨シアルプロテイン(BSP、-44%)についてもなされた(図4B)。結果は、体細胞L1 RNA枯渇が、骨形成プログラムを活性化してミネラル化骨を生じる細胞の能力を損なうことを示した。
L1ゲノム拡張のNRTI媒介性阻害は、成熟を低下させ、発達中の骨芽細胞のミネラル化を損なう
さらに、初期試験では、発達中の骨芽細胞におけるL1コピー数の拡張を妨げるNRTIラミブジン3TC(3TC)によるORF2媒介性L1レトロ転位の遮断が、骨細胞の成熟および機能に影響を及ぼしているかを調査した。分化中の骨芽細胞を3TCの添加および無添加で3週間毎日処理し、L1コピー数を分化の異なる3時点で測定した。予想されるように、本薬剤は、骨芽細胞の成熟中にL1 DNAの拡張を効率的に妨げた(図4C)。骨形成マーカーにおける3TCの可能性のある表現型効果を評価するために、3TC処理の有り(3TC)および無し(DMSO)によるマーカー遺伝子の発現を、分化中の骨芽細胞において分析した。最後まで分化した細胞(21日目)において、OPN(-23%)、OSX(-50%)、およびBSP(-60%)の発現の非常に著しい低下が観察された(図4D)。一貫して、ミネラルマトリックス沈着は、著しく低下した(-60%)(図4E)。細胞生存能における薬物の潜在的な有害作用は、ヨウ化プロピジウム染色、続いて3TC処理した骨芽細胞における細胞周期FACS分析によって除外した。ラミブジン3TCで処理したか(3TC)または処理しなかった(DMSO)ヒト間葉系幹細胞のFACS細胞周期分析の結果およびサブG1ピークにおけるアポトーシス細胞数の測定は、有意差を示さなかった(データは示さず)。これらの結果は、ART下にある患者におけるNRTI治療とミネラル化喪失との間の緊密な関連を表すL1ゲノム拡張阻害の仮説を裏付ける。
脂肪細胞に分化するMSCはL1動員を欠く
結果は、L1再活性化が阻害されると、MSCが機能的な骨芽細胞に効率的に分化することができないことを一様に示す。閉経後骨粗しょう症では、赤色骨髄が、脂肪含有量が増加するにつれて赤色から白色に変化する(Devlin,et al.Lancet Diabetes Endocrinol.(2015),doi:10.1016/S2213-8587(14)70007-5、Ambrosi,et al.CellStemCell(2017),doi:10.1016/j.stem.2017.02.009)。中胚葉前駆体をエクスビボで脂肪細胞に分化させた場合(図5A)、脂肪細胞によって蓄積された脂質液滴が光学顕微鏡で容易に検出された(図5A)。細胞内脂肪酸含量および脂肪生成遺伝子発現の増加は、脂肪生成が問題なくエクスビボで発生したことを示した(Fg.9A~B)。
L1の発現およびコピー数(図5B)をモニタリングし、分化時に著しい変化は観察されなかった。これは、脂肪細胞に分化するMSCがレトロ転位に適格でないことを示す以前の報告と一致する(MacIa,et al.Genome Res.(2017),doi:10.1101/gr.206805.116)。最後に、異なる5ドナーで示されるように、MSCにおけるL1拡張の3TC媒介性阻害は、脂肪生成マーカー遺伝子発現に有意に影響を及ぼさず(図5C)、細胞内脂質の蓄積は変化しなかった(図5D)。これらの試験は、発達中のMSCでは、体細胞L1再活性化が系統特異的であり、骨形成プログラムに必要であると思われるが、一方、それは骨粗しょう症患者の骨髄ニッチにおける一般的な細胞型である脂肪細胞の形成に関与していないという結論を導いた。
間葉系幹細胞へのLINE-1レトロトランスポゾンRNA送達は、骨形成分化および骨マトリックス産生を刺激する
骨L1コピー数は、成熟骨芽細胞および骨細胞活性と相関する。
図6A~Fは、選択された参加者30名の生検における、L1コピー数と、骨芽細胞、骨細胞、および破骨細胞に特異的な遺伝子の発現との間の相関を示す。骨芽細胞におけるRUNX2転写レベルは、5’UTR-ORF1領域においてわずかに有意であった(図6Aおよび6B)。4つの骨細胞マーカーのうち、2つはL1コピー数と正の相関があった。SOST(5’UTR-ORF1についてp=0.005、ORF2についてp=0.0002)(図6A、CおよびD)、ならびにMEPE(5’UTR-ORF1についてp=0.007、ORF2についてp=0.0006)(図6A、EおよびF)。また、成熟骨芽細胞および骨細胞の両方で一般的に発現するSPP1と、5’UTR-ORF1領域コピー数(p=0.009)との間に有意な相関が認められたが(図6AおよびG)、破骨細胞特異的マーカーACP5およびCALCRについては認められなかった(図6A)。これらのデータは、骨粗しょう症患者の骨のL1コピー数の低下を、同じ組織内の骨芽細胞/骨細胞の同化活性の障害と強く関連付ける。
骨粗しょう症患者からのMSCへの合成L1 RNA送達は、培養でマトリックスミネラル化を引き起こす
骨粗しょう症骨は、インビボでのL1再活性化の明らかな欠損を示し、おそらく骨芽細胞骨形成に負の結果を伴う。したがって、追加の試験は、骨粗しょう症ドナーから得られたMSCへのL1 RNAの直接送達が骨芽細胞に分化させ、成熟および骨形成能力を向上させることができるかを試験することを試みた。MSCを健常なドナー4名および患者4名の大腿骨から単離し、骨形成分化を支持するそれらの能力について試験した(図7B)。低用量のCy5コンジュゲート化合成全長L1 RNA(図8A~G)を、これらの分化性骨芽細胞に高効率でトランスフェクトした(図7B)。予想されるように、外因性リポフェクタミン媒介性RNA送達は、L1 RNAが経時的にゆっくりと放出される細胞内小胞(図7B、赤焦点)の形成をもたらした(Kirschman,J.L.et al Nucleic Acids Res.2017;doi:10.1093/nar/gkx290)。患者由来の細胞は、顕著に遅延して低下したミネラル化を示した(図7A)が、L1 RNAでトランスフェクトした細胞は、回復した骨マトリックス生成を示した(図7C)。注目すべきは、キャッピング、5’末端の2’-O-メチル化、ポリアデニル化(200個のアデノシン)、5-メチルシチジン(m5C)による全置換、および偽ウリジンによる75%置換を使用して、RNAを安定化させ、細胞内の生来の免疫系を回避したことである(Koski et al.,J.Immunol2004;doi:10.4049/jimmunol.172.7.3989、Pardi et al.,Methods Mol.Biol.(2013).doi:10.1007/978-1-62703-260-5_2、Ludwig,J.et al.Nat.Struct.Mol.Biol.(2010).doi:10.1038/nsmb.1863、Kariko et al.,Immunity(2005).doi:10.1016/j.immuni.2005.06.008、Anderson,B.R.et al.Nucleic Acids Res.(2010).doi:10.1093/nar/gkq347、Kormann,et al.Nat.Biotechnol.(2011)doi:10.1038/nbt.1733)。
したがって、アポトーシスもインターフェロン応答遺伝子も、L1 RNAトランスフェクション時に誘導されなかった(図8G)。結果は、試験したすべての患者において、インビボでの分化性MSCへのL1 RNAの送達が、骨芽細胞成熟を大きく増強し、ミネラル化マトリックスの生成を完全に救済したことを示す。
考察
原発性骨粗しょう症は、社会的費用およびヒト無力化に関連して、世界的に最も一般的で費用のかかる疾患のうちの1つである(Cunningham,et al.Osteoporos.Int.(2016),doi:10.1007/s00198-016-3620-9)。他の疾患、薬物治療、および不十分な栄養に起因して頻繁に生じる続発性骨粗しょう症は、さらにより頻繁であり得るが、特にNRTIベースの抗レトロウイルス治療を受けている患者では、注目されることは少ない。これらの試験は、L1ゲノムの構造的変動が、閉経後女性30名の骨密度と関連することを報告し、骨粗しょう症骨と比較して、健常骨においてL1 DNAコピーの量がより多いことが観察された(図1A)。とりわけ、CTRとOPの女性間のこの構造的なL1駆動ゲノム変動は、特に骨において観察されたが、間葉起源の細胞を同様に代表している、同じドナーから得られた末梢血においては観察されなかった(図2H)。明確に定義された閉経後の健常な女性対骨粗しょう症の女性のこのインビボでの観察は、L1エレメントの拡張が、正常な骨の発達および/または構造的維持のゲノム記録を表し得ることを示唆した。ヒト骨髄由来の間葉系幹細胞前駆体を使用して、成人のエクスビボでの骨形成を再現させ、試験は、骨芽細胞のL1を伴う成熟の発達的に制御された再活性化および動員を実証した(図3A~B)。L1 RNAのASO媒介性分解、ならびに骨形成中のL1レトロ転位のNRTI媒介性阻害は、骨芽細胞の成熟に、ミネラル化への有害な影響を伴う重大な作用を及ぼした(図4A~E)。劇的な表現型効果は、一般的な細胞毒性効果に起因するものではなく(図5A~B)、脂肪生成に対するL1機能喪失が有意な効果を欠くことによっても示されるように、系統的かつ骨形成発達プログラムに特異的であるように思われる(図5A~D)。注目すべきことに、L1ゲノム拡張のNRTI媒介性阻害は、発達性脂肪細胞における主要な脂肪生成遺伝子の発現も脂質蓄積も変化させなかった。分化中のMSCにおけるL1活性の低下は、骨形成の欠損および骨芽細胞依存性ミネラル化の低下にもたらすが、発達中の脂肪細胞における脂質蓄積を制限しないという我々の結果は、原発性骨粗しょう症障害を特徴とする骨喪失および骨髄脂肪組織の増加と一致する(Hawkes,et al.Bone(2018),doi:10.1016/j.bone.2018.03.012)。さらに、インビボでのラミブジン処理が、マウスにおける骨髄脂肪組織を増加させることが最近実証されている(Cecco,et al.Nature 566,73-78(2019))。我々のデータは、患者におけるNRTIベース療法と骨喪失との間の十分な文書化された関連性(Grigsby,et al.Osteoporos.Int.(2004),doi:10.1007/s00198-004-1627-0、Brown,et al.AIDS(2006),doi:10.1097/QAD.0b013e32801022eb、Madeddu,et al,QJ Nucl Med Mol Imaging(2004))、およびORF2がNRTIの確立され認識された標的であるという事実(Jones,et al.PLoSOne (2008),doi:10.1371/journal.pone.0001547、Bachiller,et al.Brain.Behav.Immun.(2017),doi:10.1016/j.bbi.2016.12.018)と一致する。破骨細胞による関与の可能性も考えられた。しかしながら、骨吸収および破骨細胞活性のすべての血清マーカーは、骨粗しょう症および健常な閉経後女性で類似していた(データは示さず)。破骨細胞関与の可能性は、様々なBMDの閉経後女性99名の拡張コホートの血清中酒石酸耐性ホスファターゼ5b(TRAP5b)を測定することによって特に検討された(図10)。BMDと血清TRAP5bとの間には、小さいが有意ではない逆相関(p=0.13、R2=0.026)があった。また、健常者と患者との間に差は認められなかった(p=0.31、データは示さず)。したがって、破骨細胞におけるL1媒介作用の気付かれていない効果が、本結果を変え得る可能性は低い。患者における血清ALPのレベルはより高い(p=0.019)が、値は正常範囲内であり、原発性骨粗しょう症プロセスに対抗する代償的であるが不十分な骨形成を示唆する。骨発生ならびに早期胚発生(Kano,et al.Genes Dev.(2009),doi:10.1109/TLA.2016.7459581、van den Hurk,et al.Hum.Mol.Genet.(2007),doi:10.1093/hmg/ddm108、Fadloun,Nat.Struct.Mol.Biol.(2013),doi:10.1038/nsmb.2495、Jachowicz,et al.Nat.Genet.(2017),doi:10.1038/ng.3945)および発達中の脳(Coufal,et al.Nature(2009),doi:10.1038/nature08248、Bedrosian,et al.,doi:10.1126/science.aah3378)のような非病理学的文脈におけるL1再活性の機能的重要性は、依然として理解されていない。実際、L1および他のトランスポゾン活性は、長い非コードRNA(lncRNA)生成から、制御されたDNA損傷および修復、クロマチンリモデリング、ならびに組み込み部位におけるシス効果に特異的な遺伝子座までのいくつかのステップを伴う複雑な現象である。したがって、L1再活性化によって引き起こされる1つを超えるメカニズムが、組織特異的表現型発現に寄与することが考えられる。したがって、L1レトロトランスポゾン動態の阻害が、骨粗しょう症発症の原因事象、またはそれに伴う事象のいずれであり得るかを明らかにするために、今後の試験が必要とされる。しかしながら、L1動態が骨形成を支持し、L1関連ゲノムの構造的変動によって健常骨と骨粗しょう症骨とがインビボで区別されるという報告された事実は、閉経後女性および抗レトロウイルスレジメン下の患者の骨喪失を軽減する戦略の開発のために以前には予測されなかった研究の前線を示唆し得る。
II.L1 RNA抑制は、マウス早老症モデルにおいて組織変性を防ぐH3K9M3ヘテロクロマチンを保存する
LINE-1(L1)エレメントは、そのレトロ転位とは無関係に、細胞質内のL1 RNA/cDNAの蓄積に起因する炎症促進反応を活性化することによって、細胞毒性を引き起こし得る。これらの試験は、LAKIマウスにおけるL1発現を調査して、散在反復配列の転写と老化表現型の発症との間の相関を認めた。
材料および方法
動物およびインビボ処理:
すべての動物処理は、NIHガイドラインに従って実施され、Salk Instituteの動物愛護委員会によって承認された。LMNA変異G609G(LAKI)を担持するハッチンソン・ギルフォード早老症候群(HGPS)のマウスモデルは、Spain,Oviedo大学でCarlos Lopez-Otinによって作製され、Buck InstituteのBrian Kennedyによって厚意により寄贈された。
WTおよびLAKIマウスを用いる実験は、8週齢の両性のマウスで実施した。寿命実験のために、同腹子から両性マウスを、対照群および実験群に無作為に割り当てた。実験開始前に不健康を示した動物は除外した。組み入れ基準は使用しなかった。マウスは、06:00~18:00の間の12時間の明暗サイクルで、水および食餌への自由なアクセスを有する温度制御室(22±1℃)で飼育した。
LINE-1特異的かまたはスクランブルの2’-デオキシ-2’フルオロ-β-d-アラビノヌクレオチド(FANA ASO)を、2~10mg/Kgの用量で2週間に1回、腹腔内または皮下注射によって送達した。
尾先端線維芽細胞の単離および培養:
尾先端線維芽細胞(TTF)を、WTおよびLAKIマウスから単離し、Gluta-MAX、非必須アミノ酸、および10%ウシ胎仔血清(FBS)を含有するDMEM(Invitrogen)中で37℃で培養した。LINE-1ノックダウンのため、TTFは、2日ごとに培地に溶解させた1μMのFANA ASOとともにインキュベートし、1週間後に老化マーカー発現または免疫組織化学のために収集した。
組織学的解析:
組織学的解析のために、組織サンプルを、FANA-ASO注射の8週後に、16週齢で収集した。マウスをPBSおよび10%緩衝化ホルマリン溶液で灌流した。続いて、組織を10%緩衝化ホルマリン溶液で4℃で一晩固定し、PBS中の30%スクロースで一晩凍結保存し、OCTマトリックス(Kaltek)で包理し、液体窒素でフラッシュ凍結した。7μmの凍結切片を、ヘマトキシリンおよびエオシン染色(H&E)または免疫組織化学のために使用した。
免疫組織化学:
細胞をPBS中の4%ホルムアルデヒドで、室温(RT)で10分間固定した。固定後、細胞をPBS中の0.5%TritonX-100で、RTで5分間処理した。PBS中の4%BSAで30分間ブロッキングした後、細胞を1次抗体とともに4℃で一晩インキュベートし、続いてPBS中で洗浄し、対応する2次抗体とともにRTで1時間インキュベートした。細胞は、DAPI-Fluoromount-G(SouthernBiotech)を使用してマウントした。共焦点画像の取得は、Zeiss LSM780レーザー走査顕微鏡(Carl Zeiss Jena)を使用して行った。画像は、適切なレーザー(488-nm、568-nm、633-nm、および405-nm)を使用して、0.25μm間隔のz切片で得た。レーザー強度は通常、最大強度の3%~5%透過に設定し、設定はいずれのレーザーの信号飽和も回避するように確立した。
組織切片は、HistoVT One(Nacalai Tesque)を使用して透過処理および抗原回復を行った。続いて、組織切片をPBS中の5%画分V BSA(Sigma-Aldrich)および免疫グロブリンマスキング試薬(Vector laboratories)でブロッキングし、一次抗体とともに一晩インキュベートした。最後に、組織切片を、ブロッキング緩衝液中の二次抗体とともに、室温で60分間インキュベートした(invitrogen)。組織切片をDAPI Fluoromount Gマウント培地(Southern Biotech.)でマウントした。
蛍光インサイツハイブリダイゼーション:
TTFおよび組織切片におけるRNA-FISHまたは免疫RNA FISHを、製造業者の標準プロトコル(Biosearch Technologies)に従って行った。固定は3%パラホルムアルデヒド(PFA)で15分間行い、続いて、ハイブリダイゼーションの前に、1%tritonX-100を用いて室温で5分間透過させた。ハイブリダイゼーションを、転写されたLINE-1 RNAの大部分を認識する活性マウスL1spaエレメントの長さにわたるように設計された48個の単一分子プローブを使用して、38度で一晩行った。プローブセットはBiosearch Technologiesによって設計され、作製された。CalFluor610で標識されたCustom Stellaris(登録商標)FISHプローブは、www.biosearchtech.com/stellarisdesignerでオンラインで入手可能なStellaris(登録商標)FISH Probe Designer(Biosearch Technologies,Inc.、Petaluma,CA)を利用して、L1spaに対して設計された。
LINE-1 RNAインビトロ転写およびSUV39酵素活性アッセイ:
LINE-1 RNAは、L1spaエレメントを鋳型として含有するpTNC7プラスミドを使用するMAXIscript転写キット(Invitrogen)を使用してインビトロで転写した。反応前に、pTNC7は、全長センスLINE-1 RNAを転写するNotI制限酵素、またはアンチセンスLINE-1 RNAについてXhoI制限酵素によって直線化されている。転写されたRNAは、RNAクリーンアッププロトコルに従って、RNAeasyミニキット(qiagen)で精製した。組換えSuv39H1(Activemotif)ヒストンメチルトランスフェラーゼ(HMT)活性を、製造業者の説明書に従ってEpiQuik(商標)ヒストンメチルトランスフェラーゼ活性/阻害アッセイキット(Epigentek)を使用してアッセイした。簡単に説明すると、1μgの組換えSUV39H1を、10ngまたは50ngのインビトロで転写されたセンスLINE-1 RNAとともにインキュベートした。アンチセンスLINE-1 RNAを、Camacho et al.elife 2017と同様に陰性対照として使用した。1μgのSUV39H1は、単独またはRNAと複合体化して、1μlの陽性対照酵素と並行してアッセイに使用した。吸光度をマイクロプレートリーダーによって450nmで読み取り、HMT活性は、HMT活性=OD(サンプル-ブランク)/インキュベーション期間(時間)として計算した。
RNA抽出およびリアルタイムqPCR:
総RNAをRNAeasy Plus miniキット(Qiagen)を使用して細胞および組織から抽出し、続いてcDNA合成を、RT-PCR用のiScript Reverse Transcription Supermix(Bio-Rad)を使用して行った。qPCRは、SsoAdvanced SYBR Green SupermixまたはiQ Multiplex Powermix(Bio-Rad)を使用して行った。
mp16-Fwd CGTGAACATGTTGTTGAGGC(配列番号35)、
mp16-Rev GCAGAAGAGCTGCTACGTGA(配列番号36)、
mp21-Fwd CGGTGTCAGAGTCTAGGGGA(配列番号37)、
mp21-Rev ATCACCAGGATTGGACATGG(配列番号38)、
mAtf3-Fwd CTCTGGCCGTTCTCTGGA(配列番号39)、
mAtf3-Rev GGTCGCACTGACTTCTGAGG(配列番号40)、
mGadd45b-Fwd CGGCCAAACTGATGAATGT(配列番号41)、
mGadd45b-Rev TCTGCAGAGCGATATCATCC(配列番号42)、
mBtg2-Fwd GCGAGCAGAGACTCAAGGTT(配列番号43)、
mBtg2-Rev TAGCCAGAACCTTTGGATGG(配列番号44)、
mMMP13-Fwd TGATGAAACCTGGACAAGCA(配列番号45)、
mMMP13-Rev GGTCCTTGGAGTGATCCAGA(配列番号46)、
mIL6-Fwd TGATGCACTTGCAGAAAACA(配列番号47)、
mIL6-Rev ACCAGAGGAAATTTTCAATAGGC(配列番号48)、
mLap2a-Fwd TTCTCGAGCGACGAGGAG(配列番号49)、
mLap2a-Rev AGCCTGGGCTTATCAGTTTT(配列番号50)、
mGapdh-Fwd GGCAAATTCAACGGCACAGT(配列番号51)、
mGapdh-Rev GTCTCGCTCCTGGAAGATGG(配列番号52)、
mL1-Fwd GCGGTTCCTCAGAAAATTGG(配列番号53)、
mL1-Rev TGCCCAGGAGAGGTATTGCT(配列番号54)。
老化関連ベータ-ガラクトシダーゼ酵素活性アッセイ:
老化関連ベータ-ガラクトシダーゼ(SA-βgal)アッセイを、本明細書に記載されるように、簡潔に行った。簡単に説明すると、最初に、細胞を4%パラホルムアルデヒドに室温で5分間固定した。次に、細胞をPBSで2回洗浄し、40mMクエン酸/リン酸Na緩衝剤、5mMのK[Fe(CN)]3HO、5mM K[Fe(CN)]、150mM塩化ナトリウム、2mM塩化マグネシウム、および1mg/mlのX-galを含有する染色溶液中で、37℃で一晩インキュベートした。最後に、細胞をPBSで2回、メタノールで1回洗浄した。プレートを乾燥させ、明視野顕微鏡を使用して細胞の写真を撮影した。
結果および考察
マルチプレックスTaqManアッセイを使用して、3つの活性マウスL1サブファミリー(L1-Tf、L1-Gf、およびL1-Af)の発現を、野生型(WT)およびLAKIマウスから単離した尾先端線維芽細胞(TTF)で測定した。LAKI TTFにおいて、3~6倍高いL1エレメントの発現が観察された(図11A)。L1発現は、RNA蛍光インサイツハイブリダイゼーションアッセイ(FISH)を使用してさらに確認し、顕著には、核内にL1 RNAの強い蓄積が認められた(図11B)。細胞質および核コンパートメントの両方からのL1 RNAをノックダウンするため、L1特異的2’F-ANA修飾AON(L1-AON)を使用した。L1 RNA枯渇は、qPCRおよびRNA FISHによって確証した(図11C~D)。興味深いことに、L1-AONで処理されたLAKI TTFは、p53腫瘍抑制因子経路におけるストレス応答遺伝子(p16、p21、Atf3、およびGadd45b)、老化関連メタロプロテアーゼMmp13、および炎症促進性インターロイキンIL1aの著しく低い発現を示した(図11E)。一貫して、活性老化関連β-ガラクトシダーゼ酵素(SA-B-gal)が陽性である細胞数は、L1-AONで処理したLAKI TTFで低下する(図11F)。
LAKIマウスは、著しく低いレベルのH3K9me3および脱凝縮ヘテロクロマチンを特徴とする。L1-AON処理で、H3K9me3ヘテロクロマチン焦点の強度は、スクランブル処理した対照細胞と比較してLAKI細胞で増加し、WT(野生型)細胞のレベルに近づいた(データは示さず、図12A)。結果として、異常な核構造を有する細胞の数も低下した(データは示さず、図12B)。
H3K9のトリメチル化に関与するクロマチン修飾因子であるSUV39H1/2酵素は、反復RNA、具体的には「センス」DNA鎖から転写されるL1 RNAに結合することができる。RNA免疫沈降(RIP)を実施し、結果は、L1 RNAの5’末端および3’末端の両方が、LAKI TTFにおけるSUV39H1/2(バーの各対の右バー)タンパク質によって結合されることを示した(図12C)。さらに、SUV39H1/2焦点は、LAKI TTFにおけるL1 RNAスポットと共局在した(データは示さず)。L1-ASO処理がヘテロクロマチンを回復させ、老化関連遺伝子の発現を低下させたことを考慮して、L1 RNAがLAKI細胞の核に蓄積されたSUV39H1/2に阻害的な役割を果たすかを決定するために、さらなる試験を行った。AnH3K9特異的ヒストンメチルトランスフェラーゼアッセイを、L1センス方向転写物の存在下で、組換えSUV39H1/2タンパク質を使用して行った。L1アンチセンス転写物を陰性対照として使用した。L1センスRNAは、SUV39H1/2酵素活性に、タンパク質の単独またはL1アンチセンスRNAとの活性と比較して、強い阻害効果を発揮した(図12D)。
インビボでのL1 RNA枯渇が老化表現型の発症を予防する上でLAKIマウスに任意の有益な効果を有することができるかを試験するために、LAKIマウスをスクランブルおよびL1-AONの両方で、8週齢から開始して処理した。マウスにAON(T.B.D.)の腹腔内注射を供した。L1-AON処理したLAKIマウスを、分子的および組織学的分析のために16週齢で屠殺した。皮膚、脛骨前骨格筋、肝臓、腎臓、脾臓、および胃を含むいくつかの組織におけるL1 RNAのノックダウンを、qPCRによって確証した(図13A)。重要なことに、8週間のL1-AON処理は、スクランブルAON注射マウスと比較して、H3K9me3ヘテロクロマチンマークのレベルを回復させた(データは示さず)。さらに、L1-AON処理は、分析した異なる組織におけるSASP遺伝子の発現を低下させた(図13B)。
早老患者(HGPS)または繰り返すウェルナー症候群(WRN-/-)由来のヒト細胞におけるL1 FANAオリゴの有益な効果も調査した。マウスで得られたデータと一致して、早老症候群およびウェルナー症候群の両方のヒト細胞は、L1 RNAのより高い発現を特徴とする(図14A)。ヒト特異的L1-AONを使用し、細胞はSA-B-Gal活性の低下および老化関連遺伝子の発現の低下を示す(図14B~D)。さらに、ヒト系においてさえ、L1 RNA枯渇は、H3K9me3ヘテロクロマチンの回復に関連付けられる(図14E~F)。
早期老化と関連する病理学的変化から器官を保護する治療の有効性を評価するために、早老症候群で損なわれる組織の組織学的分析(Cesta,2006、Khanna et al.1988、Kurbanand Bhawan,1990、Zhou et al.,2008、Osorio et al.,2011)を行った。ヘマトキシリン-エオシン染色は、L1-AONで注射されたマウスが、皮膚、脾臓、胃、および腎臓の改善された組織学的プロファイルを有することを明らかにした(データは示さず)。特に、皮膚は、より厚い表皮層を特徴とし、初期核は脾臓においてより広範であり、胃の上皮層の体積はより高く、腎糸球体の直径は増加する(図13C)。まとめると、これらの結果によって、L1 RNAの安定的な低下がLAKIマウスの複数の器官における年齢関連組織学的変化を改善したことが確証される。
最後に、処理マウスの体重および寿命をモニタリングした。組織学的分析と一致して、L1-AON処理は、対照および未処理マウスと比較して、LAKIマウスに典型的な体重の漸進的な低下を防止し(図13D)、寿命の中央値の増加(15~25%)が観察された(図13E)。
内因性L1エレメントは、生理学的(上記)および病理学的(HGPS、図11A~11E)に老化した細胞の両方で転写的に活性である。この試験は、早老症候群のような促進老化のモデルでは、核内におけるL1 RNAの蓄積が、ヘテロクロマチンの喪失およびSASP関連遺伝子の発現の増加をもたらすことを示す。ここで、データは、AONを使用したこの反復RNAのノックダウンが、H3K9me3ヘテロクロマチンの脱凝縮を防止し、年齢関連遺伝子の発現を低下させたことを示す。さらに、LAKIマウスにおけるインビボでのL1 RNA枯渇は、異なる組織における早期老化表現型、体重の減少の発症を遅らせ、処理マウスの寿命を増加させた。さらに、SUV39H1/2の負の調節因子としてのL1 RNAにおける新規機能が実証された。
要約すると、この試験において、反復RNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドをベースとした療法が、LAKIマウスにおける加齢関連表現型を改善するのに十分であることが初めて示される。したがって、具体的にAONに基づく介入、またはインビボでL1 RNAのレベルを低下させる他の介入は、早老症候群のような破壊的な疾患に対する魅力的な治療選択肢であり得る。
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、開示される本発明が属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に引用される刊行物およびそれらが引用される材料は、参照により具体的に本明細書に組み込まれる。
当業者は、本明細書に記載される発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を、日常的な実験のみを使用して認識するか、または確認することができるであろう。かかる均等物は、以下の特許請求の範囲により包含されることが意図される。

Claims (25)

  1. L1 RNAコピー数を増加させるための組成物であって、L1 RNAまたはその断片を薬学的に許容される担体中に含む、組成物。
  2. 前記L1 RNAが、L1HS-Ta1である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記L1 RNAのORF1またはORF2を含む、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記L1 RNAまたはその断片が、発現ベクター中にある、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記発現ベクターが、プラスミド、ミニサークルDNA(mcDNA)、およびウイルスベクターからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記ベクターが、バクテリオファージ、バキュロウイルス、タバコモザイクウイルス、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウイルスからなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記発現ベクターが、骨前駆細胞中にある、請求項5または6に記載の組成物。
  8. 前記骨前駆細胞が、骨髄由来間葉系幹細胞である、請求項7に記載の組成物。
  9. 前記L1 RNAが、配列番号1を含む、請求項7または8に記載の組成物。
  10. L1-RNA発現の増加を必要とする対象においてL1-RNA発現を増加させる方法であって、前記対象に、請求項のいずれか一項に記載の組成物を有効量で投与して、前記対象における1つ以上の細胞でL1 RNA発現を増加させることを含む、方法。
  11. L1 RNAまたはその機能的断片を発現するように遺伝子操作された骨前駆細胞を、それを必要とする前記対象における部位に投与することを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記細胞が、自己細胞である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記細胞を、骨成長または修復を必要とする部位に投与することを含む、請求項11または12に記載の方法。
  14. 前記部位が、脊椎固定部位または骨折部位である、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記組成物が、変性椎間板疾患、脊椎すべり症、脊椎管狭窄症、脊椎側弯症、骨折した椎骨、感染症、椎間板ヘルニア、および腫瘍からなる群から選択される状態を有すると診断された対象における、骨折部位または脊椎固定部位における骨量指数を増加するのに有効である、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記組成物が、配列番号1を含む、請求項10~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. L1 RNAを低下させるための組成物であって、L1 RNA発現を阻害するための1つ以上の薬剤を、薬学的に許容される担体中に含む、組成物。
  18. 前記L1 RNAを阻害するための薬剤が、薬学的に許容される担体中の小分子、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)、siRNA、miRNA、shRNA、外部ガイド配列、およびアプタマーからなる群から選択される、請求項17に記載の組成物。
  19. L1 RNA ASO、L1 RNA ORF1 ASO、および/またはL1 RNA ORF2 ASOを含む、請求項17または18に記載の組成物。
  20. 前記ASOが、L1 RNA、L1 RNA ORF1、またはL1 RNA ORF2の断片に相補的であり、任意選択的に、前記ASOが、24ヌクレオチド以下の長さである、請求項18または19に記載の組成物。
  21. L1 RNAコピー数の低下を必要とする対象においてL1 RNAコピー数を低下させる方法であって、請求項17~20のいずれか一項に記載の組成物を、前記対象に投与することを含む、方法。
  22. 前記組成物が、注射によって投与される、請求項21に記載の方法。
  23. 前記組成物を前記対象に皮下投与することを含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記組成物が、対象の早老症候群の1つ以上の症状を緩和する、請求項17~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記組成物が、皮膚老化の1つ以上の症状を緩和する、請求項17~23のいずれか一項に記載の方法。
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