JP2023500763A - 泌乳の改善のためのメロトシンの鼻腔内投与 - Google Patents

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Abstract

本開示は、それを必要とする雌性生物の泌乳の改善におけるメロトシンの新規な投薬形態の使用に関する。本開示は、雌性生物に100μgを超えるかまたは実質的に約400μgのメロトシン用量を提供する鼻腔内投与に好適な組成物の使用を特に提供する。本開示は、治療する方法ならびにそのような方法における使用のための組成物を包含する。【選択図】図1

Description

本開示は、それを必要とする雌性生物の泌乳の改善におけるメロトシン(Merotocin)の使用に関する。特に、メロトシンは、鼻腔内投与のための組成物の形態で提供されてもよい。本開示は、それを必要とする雌性生物の泌乳の改善における100μgを超える、例えば実質的に約400μgのメロトシンを含む(例えば、100μgを超えるかまたは実質的に約400μgのメロトシン用量を雌性生物に提供する)組成物の使用を特に提供する。本開示は、治療する方法ならびにそのような方法における使用のための組成物を包含する。
母乳哺育は母親と乳児の両方にとって有益であることは既知である。しかし、母乳哺育率をサポートし、増加させる方策にもかかわらず、多くの女性が泌乳の難しさを経験する。
母親自身の乳汁(MoM)も、早産児の健康および発達のための好ましい選択肢として一般的に認識されている。例えば、多数の研究によって、牛乳ベースの人工乳は、早産児の腸において炎症促進的な変化をもたらすことが示されている。これらの効果は、炎症起源のさまざまな病的状態と相関し、それらは重度であり、ときとして致死的であることが多い。壊死性腸炎(NEC)、未熟児網膜症(ROP)、敗血症、および気管支肺異形成症の発生率も、人工乳のみを摂取した乳児よりもヒト乳汁を摂取した早産児において低いことが実証されている。ヒト乳汁を早産児に与えることの報告されている別の利点は、完全経腸栄養の耐性までの時間がより短いことである。ヒトドナー乳汁は、人工乳よりも優れた選択肢とときとしてみなされるが、入手の可能性は限られる。また、低温殺菌しなければならず、それによって栄養的、免疫学的、および他の乳汁構成要素が損なわれる。
しかし、早期産を経験した雌性生物は、その乳児にMoMを提供することに関して重大な困難に直面する。特に、早産した雌性生物の乳房は、泌乳のための準備において生理学的および形態学的変化をまだ完全には経験していない。さらに、早産児を出産した新米の母親はさらなる不安およびストレスに直面しており、それが泌乳に関して逆効果となる。
乳房を完全に空にすることは、泌乳の確立とその継続の両方において重要である。空にしないと、乳腺中に残った乳汁は、乳汁産生に対して負のフィードバックを与え、乳腺組織の関連する退縮をもたらすことになる。オキシトシンは、ヒトにおける乳汁排出を担う主要なホルモンと考えられている。プロラクチン(動物およびヒトにおける乳汁合成を担う主要なホルモン)の分泌および放出を増加させることも示されている。しかし、オキシトシンはバソプレシン受容体に対する選択性に欠けることが既知であり、そのためクリニックで使用された場合は副作用につながることがある。
メロトシンは、オキシトシンのペプチド類似体であり、2つの合成アミノ酸残基を含む。分子は、オキシトシン様20員環を含み、この環は、Bua1残基のγ-炭素とCys6残基の硫黄原子との間のC-S結合で閉じられている。2つのアミノ酸、すなわち、4-フルオロ-ベンジルグリシンおよびL-1-カルボキシプロピルシステインは自然界には存在しない。
メロトシンの化学構造は以下:
Figure 2023500763000002

に示される。
あるいは、メロトシンの構造は:
Figure 2023500763000003

として表してもよい(式中、Buaはγ-置換酪酸残基であり、4-FBzlGlyはN-(4-フルオロベンジル)グリシンである)。
メロトシンは、グリシンアミド、N-(4-メルカプト-1-オキソブチル)-L-チロシル-L-イソロイシル-グルタミニル-L-アスパラギニル-L-システイニル-N-[(4-フルオロフェニル)メチル]グリシル-L-ロイシル-、環式(1→5)-チオエーテルまたは[Bua,4-FBzlGly]オキシトシンとも称される。またメロトシンはときとして化合物FE202767と称されるかまたはそれとして示される。
WO2009/122285(Algarsamyら)では、メロトシンを含む多数のペプチドオキシトシン受容体アゴニストが記載されている。この文献は、泌乳障害状態の治療におけるそのような化合物の使用を示唆しており、0.05から1.0μg/kg体重の範囲の用量が全般的に記載されている。
Kazimierz Wisniewskiら(Journal of Medicinal Chemistry 2014、57、5306~5317頁)では、メロトシンを含むある種のペプチドオキシトシン受容体アゴニストがさらに記載されており、泌乳のサポートを必要とする早産した母親の治療におけるこれらの潜在的な使用が示唆されている。
US2013/210746(Siekmannら)では、安定性が改善された経鼻投与に好適な多数の水性医薬組成物が記載されている。ある特定の例において、医薬組成物はメロトシンを含んでいる。
上記に加えて、US2012/0214733(Wisniewskiら)では、他の多くのオキシトシン受容体アゴニストが記載されており、泌乳の誘導および維持を含む多数の治療的使用が示唆されている。Grzonkaら(Journal of Medicinal Chemistry 1983、26、1786~1787頁)では、さらなるオキシトシン類似体が調製され、生物学的活性を示すことが認められている。さらなるオキシトシン類似体がWO2011/120071(Alewoodら)において記載されている。
さらに、US2016/030585(Barnesら)では、その半減期を増加させるために脂肪酸にリンクされた生体分子を含むコンジュゲートの使用が記載されている。一部の場合において、生体分子は、オキシトシン受容体アゴニストであってもよい。その出願では、泌乳障害状態を含む多数の状態の治療におけるそのようなコンジュゲートの潜在的な使用が記載されている。
本開示は、オキシトシン受容体アゴニストであるメロトシンの新規な用量および治療レジメンを提供し;これらの用量およびレジメンは、泌乳を改善するために使用する場合におよび/または泌乳障害状態の治療または予防において多数の驚くべき利点を有する。
特に、比較的高投薬量のメロトシンを含む組成物は、泌乳を改善するためにそれを必要とする雌性生物に投与してもよいことが同定されている。本発明者らは、この組成物は、泌乳において顕著な改善を提供するだけではなく、驚くことに高用量メロトシンが雌性生物と治療の後に産生された乳汁が与えられた乳児の両方で最小限の副作用のリスクをもたらすことを観察している。実際に、開示される組成物で治療された雌性生物によって産生された乳汁は、最小量のメロトシンを示す。したがって、本明細書において開示される用量、組成物、および治療レジメンは、(i)この乳汁が与えられた任意の乳児におけるメロトシンへの全身性曝露と、(ii)母乳を介したメロトシン移行のリスクとの減少と関連する。
その結果、本開示は、泌乳障害状態の治療または予防における使用のためのメロトシンを含む組成物を提供する。本開示は、それを必要とする雌性生物の泌乳を改善する方法における使用のためのメロトシンを含む組成物であって、経鼻腔で投与される(ことになるか、またはことを意図する)組成物も提供する。組成物は、バソプレシン介在性の副作用を回避し得ることが予想されるオキシトシンの用量よりも高い比較的高用量のメロトシンを含む。
使用のための組成物は鼻腔内投与のために製剤化してもよく、約100μg(例えば約400μg)を超えるかまたは少なくとも約100μg(例えば約400μg)のメロトシンを含んでいてもよい。同様に、それを必要とする雌性生物において泌乳障害状態を治療もしくは予防するかまたは泌乳を改善する方法は、約100μg(例えば約400μg)を超えるかまたは少なくとも約100μg(例えば約400μg)のメロトシンを含む組成物を雌性生物に経鼻腔で投与するステップを含んでいてもよい。
上記を考慮して、本開示は、それを必要とする雌性生物において泌乳障害状態を治療もしくは予防するかまたは泌乳を改善させるための医薬の製造における少なくとも約100μg(例えば約400μg)のメロトシンの使用をさらに提供する。使用のための医薬は、経鼻腔で投与されるように製剤化してもよい。
場合によっては、組成物は、約100μg、150μg、200μg、300μgもしくは400μgを超えるかまたは少なくとも約100μg、150μg、200μg、300μgもしくは400μgのメロトシンを含んでいてもよい。例えば、組成物は、約100μgから500μgの間、または約200μgから450μgの間、または約300μgから400μgの間のメロトシンを含んでいてもよい。さらなる例として、組成物は、約100μg、150μg、200μg、300μgまたは400μgのメロトシンを含んでいてもよい。組成物に存在するメロトシンの量は、雌性生物に投与されることになるメロトシン用量を提供し得る。したがって、上記の量のいずれかに対応するメロトシン用量(例えば、1回用量あたり400μgのメロトシン)を本明細書において記載される組成物、医薬、および方法において使用してもよい。
したがって、組成物は、それを必要とする雌性生物の泌乳を改善する方法における使用のための約400μgのメロトシンを含んでいてもよく、組成物は経鼻腔で投与される。
実際に、本発明者らは、予想される用量よりも高い用量のメロトシンを、泌乳を改善するために使用してもよく、同時に、雌性生物が患う副作用のリスクは最小限であることを同定している。オキシトシンの使用は、泌乳の開始および維持を強化することが示唆されているが、バソプレシン受容体(特にV2受容体)に対する選択性に欠けることは既知である。したがって、オキシトシンの使用の重大な欠点は、バソプレシン受容体介在性の副作用(例えば抗利尿および低ナトリウム血症)のリスクがあることである。
特に、場合によっては、本明細書において記載される組成物は、約100μg(例えば約400μg)を超えるかまたは少なくとも約100μg(例えば約400μg)のメロトシンを含み、これはバソプレシン介在性の副作用を回避し得ることが予想されるオキシトシンの用量よりも有意に高い。
理論に拘束されるものではないが、メロトシンは、バソプレシン受容体活性が低い選択的オキシトシン受容体アゴニストであるために、この予想される用量よりも高い用量のメロトシンをある程度使用できることが考えられる。したがって、泌乳における改善を最大限にするためにこれらの予想外に高い投薬量で投与してもよく、同時にそれでもなお雌性生物における副作用のリスクを減少させることが示される。
さらに、泌乳障害状態の治療の提供を試みた場合、治療は有効でなければならない(例えば、治療を受けた雌性生物において泌乳における改善が提供されなければならない)だけではなく、この治療の後に産生される任意の乳汁を与えられた乳児に対するリスクも最小限でなければならない。
有利には、本発明者らは、約100μg(例えば約400μg)を超えるかまたは少なくとも約100μg(例えば約400μg)のメロトシンを含む組成物の鼻腔内投与は、雌性生物の泌乳における改善を提供するだけではなく、最小量のメロトシンを含む乳汁産生物ももたらすことを同定している。したがって、一部の量のメロトシンが乳児に移行するようになり得るかまたは乳児がメロトシンに曝露されるようになり得るリスクは最小限である。
したがって、組成物、例えば、それを必要とする雌性生物において泌乳障害状態の治療もしくは予防における使用のための、または泌乳の改善における使用のためのメロトシンを含む組成物であって、経鼻腔で投与され、雌性生物から圧搾された乳汁中に存在するメロトシンの量が最小限、ごくわずか、および/または定量下限未満(LLOQ)である組成物も提供される。
したがって、それを必要とする雌性生物において泌乳障害状態を治療もしくは予防するかまたは泌乳を改善する方法であって:
メロトシンを含む組成物を雌性生物に経鼻腔で投与するステップと;
雌性生物から乳汁を圧搾するステップであって、圧搾された乳汁に存在するメロトシンの量が、最小限、ごくわずか、および/または定量下限未満(LLOQ)であるステップと
を含む方法も記載される。
方法は、圧搾された乳汁を乳児に与えるステップをさらに含んでいてもよい。一部の場合において、乳汁は、搾乳器または類似のものによって圧搾されてもよい。他の場合では、乳児は、雌性生物によって直接母乳哺育されてもよい。
例えば、乳汁中のメロトシンの濃度は、10μg/mL未満、5μg/mL未満、1μg/mL未満、10ng/mL未満、5ng/mL未満、1ng/mL未満、100pg/mL未満、50pg/mL未満、または25pg/mL未満であってもよい。場合によっては、乳汁中のメロトシンの濃度は、25pg/mL未満であってもよい。
理論に拘束されるものではないが、発明者らは、乳汁中で観察されたメロトシンが最小量なのは、メロトシンの比較的短い半減期に起因し得、このことはメロトシンが雌性生物から急速に消失することを意味すると仮定する。さらに、発明者は、メロトシンはキモトリプシンによって分解可能であり、そのため乳児に対するリスクはさらに最小限であることを同定している。
本明細書において記載される組成物、医薬、および方法は、泌乳障害状態を患う任意の雌性生物の治療において有用であり得る。そのような状態は、泌乳の減少または不十分な泌乳によって特徴付けられる場合がある。本開示の方法が行われたまたは本明細書において開示される組成物で治療またはそれが投与された雌性生物は、例えば、それを必要とする任意の分娩後の雌性生物であってもよい。本明細書において使用される場合、「損なわれた」、「減少した」または「不十分な」泌乳は、雌性生物がまだ泌乳を開始していない、乳汁供与が少ない、および/または乳児の要求を満たすのに十分な乳汁を産生していないことを意味する場合がある。
ほんの一例として、泌乳障害状態を患う雌性生物は、50mL、100mL、200mLまたは400mLを超える1日体積の乳汁を産生または圧搾することができない場合がある。
場合によっては、泌乳障害状態を患う雌性生物は、早産した雌性生物であり得る。ヒト雌性生物における正常な妊娠期間はおよそ40週であり、妊娠37週より前に生まれた場合、乳児は早産されたとみなされる。したがって、本明細書において使用される場合、「早産した雌性生物」は、妊娠37週より前に乳児を出産している雌性生物であってもよい。早産した雌性生物は、そのような雌性生物の乳房が、泌乳のための準備における生理学的および形態学的変化を十分に受けていないために、乳児に母乳哺育を試みた場合、さらなる困難を経験する場合がある。
一部の場合において、早産した雌性生物は、32週から37週の間、例えば32週+0日から36週+6日の間の妊娠期間で乳児を出産しているものであってもよい(中等度から後期早産児と称されることが多い)。一部の場合において、早産した雌性生物は、28週から32週の間、例えば28週+0日から31週+6日の間の妊娠期間で乳児を出産しているものであってもよい(極早産児と称されることが多い)。他の場合では、早産した雌性生物は、妊娠期間28週未満、例えば最大27週+6日で乳児を出産しているものであってもよい(超早産児と称されることが多い)。本明細書において記載される組成物および方法は、妊娠期間24週+0日から31週+6日の間において乳児を出産している早産した雌性生物の治療における特定の使用が認められる場合がある。
本明細書において使用される場合、「雌性生物」という用語は、哺乳動物の雌性生物(例えば、泌乳することができる雌性生物)を指し得る。一部の場合において、雌性生物は、ヒトの女性であり得る。
本明細書において使用される場合、「乳児」という用語は、胎仔(単胎か多胎妊娠にかかわらず)、または必要に応じて新生児を指していてもよい。
本明細書においてさらに詳述されるように、それを必要とする雌性生物(例えば、泌乳障害状態を患っているもの)において泌乳を改善するための開示される組成物または医薬の投与または使用は、雌性生物が乳児に十分な乳汁を産生する可能性を高めることができ、および/または短期と長期の両方において確実な乳汁供与を確立する。
特に、泌乳の改善の方法における組成物の使用は、以下の転帰:
(i)乳汁産生を増加させること;
(ii)泌乳の開始を促進、刺激、および/または増進すること;
(iii)泌乳の維持を促進および/または増進すること;および/または
(iv)泌乳の可能性を高めること
のうちの1つまたは複数を達成し得る。
方法、組成物または医薬が乳汁産生を増加させるために使用される場合、対象(すなわち、本開示の組成物または医薬が投与される雌性生物、または本明細書において開示される方法が行われる雌性生物)は、より多くの体積の乳汁を産生し得る。雌性生物によって産生された乳汁のより多くの体積は、本開示の組成物または医薬が投与されていない場合の同じ雌性生物によって産生された乳汁の体積よりも多い場合がある。
産生されたより多くの体積の乳汁は、ある期間にわたって評価されてもよい。その期間は、組成物の投与後および/または組成物の複数回投与を含む治療レジメンの開始後のある期間であってもよい。例えば、その期間は、組成物を投与してから、および/または本開示の組成物を含む治療レジメンを開始してから、最大1時間、2時間、3時間、4時間、5時間もしくは6時間、または最大1日、2日、3日、4日、5日、10日、14日、17日もしくは20日、または最大1カ月、2カ月、3カ月、6カ月もしくは12カ月後であってもよい。
例えば、雌性生物は、組成物の投与後、および/または本開示の組成物を含む治療レジメンの開始後、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間または6時間の期間でより多くの体積の乳汁を産生し得る。さらなる例として、雌性生物は、組成物の投与後、および/または本開示の組成物を含む治療レジメンの開始後、1日、2日、3日、4日、5日、10日、14日、17日または20日の期間でより多くの体積の乳汁を産生し得る。さらなる例において、雌性生物は、組成物の投与後、および/または本開示の組成物を含む治療レジメンの開始後、1カ月、2カ月、3カ月、6カ月または12カ月の期間でより多くの体積の乳汁を産生し得る。
一部の場合において、組成物が投与された雌性生物は、組成物を含む治療レジメンの開始後、14日の期間でより多くの体積の乳汁を産生し得る。
上述のように、泌乳を改善することは、泌乳の開始を促進、刺激、および/または増進することを含み得る。本開示の方法、組成物または医薬を使用した後の泌乳の開始は、乳児を出産した後の雌性生物における泌乳の最初の出現であってもよく;したがって、本開示の医薬、方法または組成物の使用は、それを必要とする雌性生物における泌乳を開始することができる。
あるいは、泌乳の開始を促進、刺激、開始、および/または増進することは、本開示の組成物が投与された雌性生物が、短期間で(本開示の組成物、方法、または医薬の使用がない中で、同じ基準または最小乳汁体積に到達するまでにかかる時間の長さと比較して)乳汁の基準または最小1日体積に到達できることを意味し得る。
乳汁の基準または最小1日体積は、500mL以上、または750mL以上であってもよい。言い換えれば、500mLまたは750mL以上産生された1日体積の乳汁の最初の出現は、本開示の組成物を用いて治療した後により迅速に達成し得る。
一部の場合において、雌性生物は、組成物の投与後および/または開示される組成物を含む治療レジメンの開始後、初日に(例えば24時間以内に)初めて500mLまたは750mL以上の1日体積の乳汁を産生し得る。一部の場合において、雌性生物は、本開示の組成物の投与後および/または本開示の組成物を含む治療レジメンの開始後、2、3、4、5、10、または14日目のいずれかまたは全てにおいて初めて500mLまたは750mL以上の1日体積の乳汁を産生し得る。
上述のように、本明細書において開示される組成物を利用する方法、使用、および医薬は、泌乳の維持を促進および/または増進し得る。泌乳の維持は、乳汁の基準または最小1日体積が本明細書において記載される方法、組成物または医薬を使用して治療された雌性生物によって達成される連続日数を確立することによって評価してもよい。例えば、雌性生物が500mLまたは750mL以上の1日体積の乳汁を産生する連続日数は、2、3、4、5、10、または14日であってもよい。
方法、使用、医薬、および組成物は、例えば治療を中断した後でさえも、泌乳の長期維持を促進および/または増進するために使用することができる。例えば、雌性生物は、本明細書において記載される組成物または医薬の投与後に、数日、数週間、および数カ月で、組成物または医薬が投与されなかった場合に産生し得るものよりも、より多くの体積の乳汁を産生するために継続してもよい。特に、研究らによって、分娩後の最初の週の間に乳汁供与の開始および維持を増進する介入が、泌乳を長期的確立することにおいて重要であることが示されている(Hillら、J.Hum.Lactation、2005 21: 22~30頁)。
本開示の組成物、方法、もしくは医薬の使用または投与、および/または本明細書において記載される組成物を含む治療レジメンの開始後、乳児に与えられる母親自身の乳汁(MoM)の体積は増加し得る。あるいはまたはさらに、製剤または乳児に与えられるドナー乳汁の体積は減少し得る。
記載したように、本開示の組成物は、それを必要とする雌性生物に経鼻腔で典型的には投与される。したがって、組成物は経鼻投与に適応してもよい。
本開示の組成物は医薬組成物であってもよい。このタイプの組成物は、無菌であってもよく、ならびに/または1つもしくは複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈液および/もしくは緩衝液をさらに含んでいてもよい。便宜上、「組成物」(本明細書において開示される本開示の)への任意の言及は、「医薬組成物」も包含すると理解するべきである。
有用な組成物は、メロトシンの液体および/または水性調製物(例えば、メロトシンの無菌水性調製物)を含んでいてもよい。調製物は、好適な希釈液、分散剤、湿潤剤および/または懸濁化剤を使用して製剤化してもよい。調製物における使用に許容される希釈液としては、水、リンゲル溶液および等張塩化ナトリウム溶液がある。調製物は、賦形剤、例えば、リン酸ナトリウム、クエン酸、塩化ナトリウム、グリセリン、ソルビトール溶液、メチルパラベン、プロピルパラベンおよびクロロブタノールをさらに含んでいてもよい。
調製物としては、US2013/0210746に記載されている調製物のいずれかがあり得、これらは参照により本明細書に組み込まれるものとする。
例えば、本開示の組成物は、緩衝剤、例えば、酢酸、アジピン酸、クエン酸、マレイン酸、コハク酸またはホスフェート(例えばリン酸ナトリウム)を含んでいてもよい。組成物は単一の緩衝剤を含んでいてもよい。組成物は、1つを超える緩衝剤を含んでいてもよい(例えば、クエン酸およびホスフェート(例えばリン酸ナトリウム)を含んでいてもよい)。組成物は、緩衝液(溶液)、例えば、クエン酸およびシトレート(例えばクエン酸ナトリウム)を含むクエン酸緩衝液(溶液);コハク酸およびスクシネート(例えばコハク酸ナトリウム)を含むコハク酸緩衝液(溶液)、酢酸およびアセテート(例えば酢酸ナトリウム)を含む酢酸緩衝液(溶液);クエン酸およびホスフェートを含むクエン酸/リン酸緩衝液(溶液);またはリン酸緩衝液(溶液)を含んでいてもよい。
液体(水性)組成物中のメロトシンの濃度は、例えば、0.01から5mg/mLであってもよい。例えば、液体(水性)組成物中のメロトシンの濃度は、0.01から4mg/mL、例えば、0.05から2mg/mL、0.1から1.4mg/mL、または0.2から0.7mg/mLであってもよい。一部の場合において、メロトシンの濃度は、2mg/mLであってもよい。
本開示の組成物は等張化剤をさらに含んでいてもよい。等張化剤、例えばマンニトールまたはNaClは当技術分野において周知である。等張化剤は、等張組成物(溶液)を提供するのに十分な量で、例えば0.01%から10%(w/v)の量で存在していてもよい。等張化剤はマンニトールであってもよい。等張化剤がマンニトールである場合、0.5%から7.5%(w/v)、より好ましくは4.0%から5.5%(w/v)、例えば5.0%(w/v)の量で存在していてもよい。等張化剤がマンニトールである場合、0.05%から7.5%(w/v)の量で存在していてもよい。等張化剤がNaClである場合、0.05%から1.2%(w/v)または0.08%から1%(w/v)、例えば0.9%(w/v)の量で存在していてもよい。等張化剤は、0.1から100mg/mL、例えば0.5から7mg/mL、例えば1から5mg/mLの量で存在していてもよい。例えば、等張化剤がマンニトールである場合、5から75mg/mL、例えば、40から55mg/mLの量で存在していてもよい。等張化剤がNaClである場合、0.5から12mg/mL、例えば5から10mg/mLの量で存在していてもよい。一部の場合において、等張化剤はNaClであってもよく、約7.5mg/mLの量で存在していてもよい。
開示される組成物は抗酸化物質をさらに含んでいてもよい。抗酸化物質は、当技術分野において通常使用される任意の抗酸化物質、例えば、医薬賦形剤としての使用に承認された任意の抗酸化物質であってもよい。例えば、抗酸化物質は、メチオニン、EDTA、ブチル化ヒドロキシトルエン、メタ重亜硫酸ナトリウムなどであってもよい。好ましくは、抗酸化物質は、0.01%から10%(w/v)、例えば0.05%から5%(w/v)、最も好ましくは0.08%から1%(w/v)の量で存在する。好ましくは、抗酸化物質は、メチオニン、EDTA、またはメチオニンおよびEDTAの組合せである。例において、抗酸化物質はメチオニンであり、0.5%w/vの量で存在する。例において、抗酸化物質はEDTAであり、0.1%w/vの量で存在する。
有用な組成物は、強化剤、例えば有効用量を強化する(例えば、経鼻投与後の有効用量を強化する)賦形剤を含んでいてもよい。強化剤は、当技術分野において通常使用される任意の強化剤、例えば、医薬賦形剤としての使用に承認された任意の強化剤であってもよい。強化剤は、例えば、メチル-β-シクロデキストリン、ポリソルベート80、カルボキシメチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースであってもよい。
本明細書において記載される組成物のpHは、5.0から6.0であってもよい。組成物のpHは、5.0から5.9、例えば、5.1から5.9、例えば、5.2から5.8であってもよい。組成物のpHは、5.1から6.0、例えば、5.2から6、例えば、5.26から6であってもよい。組成物のpHは、5.15から5.75、例えば、5.2から5.65であってもよい。組成物のpHは、5.26から5.8、例えば、5.26から5.75、例えば、5.26から5.7、例えば、5.26から5.65、例えば、5.4から5.65、または約pH5.5であってもよい。そのようなpH値において、メロトシンを含む組成物は、抗酸化物質の必要がない安定な組成物を提供し得る。そのような組成物は、経鼻投与に特に好適であり得る。
場合によっては、組成物は、コハク酸緩衝液またはクエン酸緩衝液を含んでいてもよく、pHは、5.0から5.9、例えば、5.0から5.8、例えば、5から5.7であってもよい。例えば、組成物は、クエン酸/リン酸緩衝液を含んでいてもよく、pHは、5.1から6.0、例えば、5.2から6、例えば、5.26から6であってもよい。
組成物は鼻腔用スプレーの形態をとっていてもよい。言い換えれば、組成物は、片方または両方の鼻腔への噴霧によって雌性生物に投与してもよい。
組成物は、片方または両方の鼻腔への単回噴霧または複数回(例えば2回以上の)噴霧として雌性生物に送達されてもよい。組成物が複数回噴霧によって送達されることになる場合、メロトシン用量は、複数回(例えば2回以上)の分割用量を提供するように各噴霧間で分割されてもよい。
例として、400μgの総量のメロトシンが複数回分割用量によって送達されてもよい。この計画では、用量が2回噴霧として送達されてもよく(例えば各鼻孔に1回噴霧)、各噴霧は、200μgの分割用量のメロトシンを含み-したがって、2回噴霧の合わせた用量は総用量で400μgのメロトシンを必要とすることになる。
本開示はまた、本開示の組成物または医薬を、対象を治療するために使用してもよい(その結果、泌乳を改善し、および/または泌乳障害状態を治療または予防する)レジメンを提供する。例えば、それを必要とする雌性生物(例えば損なわれたまたは低下した泌乳を患う雌性生物)に本開示の組成物を所定の期間にわたって複数回投与してもよい。
例えば、泌乳の改善の方法は、本開示の組成物または医薬が、搾乳が所望されるかまたは意図されるたびに雌性生物に投与される治療レジメンを含んでいてもよい。
それを必要とする雌性生物において泌乳障害状態の治療もしくは予防、および/または泌乳の改善のための医薬の製造におけるメロトシンを含む組成物であって、搾乳が所望されるかまたは意図されるたびに経鼻腔で投与される(投与されることになる)組成物の使用も提供される。
本開示の組成物は、搾乳が所望されるかまたは意図される前に雌性生物に投与してもよい(投与することを意図していてもよい)。例えば、組成物は、搾乳時間の(例えば、乳汁が搾乳機を使用してまたは他の手段によって圧搾される)直前に、および/または雌性生物が乳児に母乳哺育することを望む直前に投与してもよい(または投与することを意図してもよい)。一部の場合において、組成物は、搾乳時間のまたは授乳の最大5、10、15、20もしくは30分前に投与されてもよい(または投与されることを意図されていてもよい)。一部の場合において、組成物は、搾乳時間または授乳が所望されるかもしくは意図される前の、約1から20分の間、2から15分の間、または5から10分の間に雌性生物に投与される(または投与することを意図する)。一部の場合において、組成物は、搾乳時間のまたは授乳が所望されるかもしくは意図される前の約10から20分の間、または約12から15分の間に雌性生物に投与される。
好適な治療レジメンは、それを必要とする雌性生物への本開示の組成物の毎日の投与を含んでいてもよい。例えば、組成物は、1日に複数回投与されてもよい。一部の場合において、組成物は1日1回投与されても、1日あたりおよそ約2から10回で投与されてもよい。さらなる例として、組成物は、1日あたり5から10回の間、または6から8回の間で投与されてもよい。この治療は、複数日間または複数週間継続してもよい。
上記で説明したように、組成物は、搾乳が所望されるかまたは意図されるたびに投与されてもよい。例えば、組成物は、搾乳が所望されるかまたは意図される約1および20分、2および15分、10および20分、12および15分、または5および10分前に、1日あたり5から10回の間、または6から8回の間で雌性生物に投与されてもよい。
本開示の組成物または医薬は、規則的なまたは不規則的な間隔で、例えば24時間ごとに全体にわたって規則的なまたは不規則的な間隔で雌性生物に投与されてもよい。例えば、組成物は、およそ1から6時間の間の間隔、またはおよそ2から5時間の間の間隔で雌性生物に投与されてもよい。一部の場合において、組成物の投与と投与の間の経過時間は5時間以内であることになる。
本開示の組成物または医薬は、出産してから12時間以内、出産してから24時間以内、出産してから48時間以内、または出産してから72時間以内に雌性生物に投与されてもよい。組成物は、出産してから12時間以内に最初の搾乳を試みた後、雌性生物に投与されてもよい。さらなる例として、組成物は、搾乳が出産後複数回試みられているという条件で、例えば雌性生物が出産後24時間ごとにまたは出産して24時間目から少なくとも2、3、もしくは4回搾乳を試みているという条件で、雌性生物に投与されてもよい。
雌性生物が乳児に母乳を提供することを望む限りは、そのような治療を継続してもよい。あるいは、雌性生物は、泌乳が完全に確立されるまでそのような治療を継続してもよい。
例えば、一部の場合において、治療は、雌性生物における泌乳および/または乳汁供与が確立されたら中止してもよい。例えば、泌乳および/または乳汁供与は、雌性生物が多数の連続日(例えば2、3、4、5、10または14日)で少なくとも500mLまたは750mLのMoMが圧搾された場合に確立されたと考えてもよい。
それを必要とする雌性生物において泌乳を改善させるための適切な治療レジメンを考案することを試みた場合、多数の因子を考慮することが必要とされる。1つのそのような因子は、一部の雌性生物が一定のスケジュールではなく、必要に応じてその乳児に与えることを好む場合があることである。「必要に応じた」供与は、「レスポンシブフィーディング」または「赤ちゃん主導の供与(baby-led feeding)」と称される場合もある。そのような場合では、乳児が空腹に見えた場合に、雌性生物は乳児の空腹の合図に応答し、供与を開始する。
したがって、いずれの治療も迅速に作用し、その結果、雌性生物が乳児の空腹の合図に素早く応答することができることが重要である。治療は比較的短い期間で複数回使用してもよいことも重要であり得る。例えば、多くの乳児は、1日の特定の期間に密集して与えられることを好むことになる(例えば、乳児が短期間でより頻繁に与えられることを望む場合)。
本発明者らは、本開示のさまざまな組成物および医薬の使用は、組成物の複数回投与にもかかわらず、メロトシンの蓄積をこの雌性生物においてもたらすことはないことを観察している。有利には、これは、本明細書において記載される組成物および医薬は1日を通して複数回、長時間(搾乳が意図されるかまたは所望されることを含む)投与してもよく、雌性生物および/または乳児へのリスクを最小限にすることを伴うことを意味する。
この点において、メロトシンの半減期(t1/2)および最大血漿濃度までの時間(tmax)は、経鼻腔で雌性生物に投与されたさまざまな用量にわたって広範に類似していたことが観察されている。理論に拘束されるものではないが、発明者らは、吸収が、鼻腔内投与後のメロトシンの動力学に関する律速段階と考えている。特に、メロトシンの鼻腔内投与は、多数の異なる用量でおよそ12~15分のtmaxおよび25分から35分の間のt1/2を提供したことが観察された。したがって、搾乳が所望されるかまたは意図される前に、組成物を約1から20分、10から20分、12から15分、2から15分、または5から10分の間に雌性生物に投与することは、tmaxが搾乳の直前にまたは間に到達されることを有利には意味する場合がある。
理論に拘束されるものではないが、メロトシンの鼻腔内投与は、乳児の泌乳および/または母乳哺育の確立を補助するのに特に適していることが仮定される。特に、比較的短いtmaxは、雌性生物が、その乳児からの空腹の合図を観察した直後に母乳哺育を開始できることを意味する場合がある。さらに、比較的短いt1/2は、メロトシンが危険な全身性レベルまで蓄積されるリスクは低いため、雌性生物が比較的短い期間で複数回乳児に母乳哺育してもよいことを意味する場合がある。したがって、雌性生物は、乳児からの密集した供与の要求に対してより有効に応答することができる場合がある。泌乳および/または母乳哺育の初期段階で乳児の空腹の合図に素早くおよび/または適切に応答する能力を有することは、泌乳および/または母乳哺育の確立および長期継続において重要であり得る。
必要に応じて、「含む(comprising)」という用語は、「から本質的になる」、および「からなる」という用語を包含し得ることは理解されよう。さらに、本明細書において提供される定義および実施形態はそれぞれ本開示の各態様に適用される。
以下、下記のデータを参照しながら本開示をさらに記載する。
図1は、5μg、15μg、50μg、100μg、200μg、300μgおよび400μgのメロトシンおよびプラセボを単回鼻腔内投与した後のメロトシン血漿濃度(平均)を示す。 図2は、50μg、200μgおよび400μgのメロトシンおよびプラセボを複数回(49時間かけて16用量)鼻腔内投与した後のメロトシン血漿濃度(平均)を示す。 図3は、早産が誘発された雌ヒツジにおける毎日の乳量に対するメロトシンの効果を示す。メロトシン(FE202767)およびオキシトシンを筋肉内ボーラス投薬として投与した。データを平均±S.E.Mとして示す。
臨床薬理試験
合計104名の健常女性ボランティアが2つの第1相試験に含まれており:一方は単回漸増用量および複数回漸増用量試験であり;もう一方は乳汁移行試験であり、健常女性ボランティアのうち84名がメロトシンに曝露されていた。
試験デザイン、用量レジメン、研究集団および重要な結果の概要を表1に示す。
Figure 2023500763000004
試験000015(健常女性における単回および複数回鼻腔内ならびに単回静脈内投薬後の安全性および薬物動態)
ヒトにおける最初の臨床試験である試験000015は、用量パネル無作為化の範囲内の二重盲検プラセボ対照単回用量連続用量増加研究であった。試験は3つのパートに分割された:
パート1 漸増単回i.n.用量。各用量パネル(活性6名、プラセボ2名)には、8名の健常女性を含む7つの用量パネルがあった。調査された用量は、5μg、15μg、50μg、100μg、200μg、300μg、および400μgであった。
試験のパート1における対象は、FE202767またはプラセボのいずれかの単回鼻腔内投与が与えられた。7つの用量レベル:5、15、50、100、200、300、および400μgを調査した。各用量を、1鼻孔あたり1回または複数回の吸入を基準として鼻腔用スプレーとして投与した。
パート2 漸増複数回i.n.用量。各用量パネル(活性6名、プラセボ2名)には、8名の健常女性を含む3つの用量パネルがあった。投薬スケジュールは、3時間ごとに45時間、すなわち合計で16用量であった。調査された用量は、50μg、200μg、および400μgであった。
試験のパート2における対象は、FE202767またはプラセボのいずれかを3時間間隔で最大16回の鼻腔内投与で与えられた。これらの用量レベルを調査し:第1の用量は50μgであり、第2の用量は200μgであり(パート1における第1の用量と最大耐容用量との間の中間)、最高用量は400μg(パート1における最大用量)であった。
パート3 6名の健常女性における非盲検クロスオーバー単回i.n.および単回i.v.用量。調査された用量は、25分にわたるi.v.注入として20μg、単回のi.n.用量として400μgであった。
試験のパート3における対象は、FE202767の単回鼻腔内投与および単回静脈内注入が与えられ、これらの間にウォッシュアウト期間が含まれていた。鼻腔内用量は400μg(4×140μl、パート1における最大用量と同じ)であり、i.v.用量は、25分にわたって2mL中の20μgが注入された。
静脈内用量および注入速度は、パート1における鼻腔内薬物動態データから判定された。注入は、FE202767の血漿濃度が、対応する鼻腔内投与の吸収パターンに類似するように行われ、パート1におけるFE202767の最大血漿濃度かまたはそれへの曝露を超えないために調整された。注入の持続時間は25分で選択され、これは、試験のパート1において観察されたtmax以上であり、用量20μgは、想定されるバイオアベイラビリティの5%を基準とした。
主な目的は、メロトシンの安全性、忍容性、および薬物動態を評価すること、ならびに耐容可能な最大耐用量を推定することであった。
試験000028(乳汁移行)
健常女性は、出産の直後に5または20μgのメロトシンがi.v.で(パートA)または泌乳が確立された場合に20μgのメロトシンがi.v.で与えられた(パートB)。乳汁は、注入開始から15分、3時間、6時間、9時間、12時間、18時間および18~24時間後にポンプによって圧搾され、メロトシンおよび代謝物に関して分析された。
治験医薬品の同一性
FE202767は、0.9mLの抽出可能体積を含むバイアル中の水中のpH5.5の等張クエン酸/リン酸緩衝溶液として提供された(表2)。FE202767の濃度は0.7mg/mLとして、緩衝液で、またはパート3に関しては注射用NaClで適切に希釈して使用した。FE202767に使用された緩衝液は、本研究においてプラセボとして使用した。
Figure 2023500763000005
薬物動態
単回鼻腔内用量
平均血漿濃度曲線を1に示し、単回鼻腔内(i.n.)用量が投与された健常女性における薬物動態パラメーターを表3に示す。用量5~50μgに関しては、LLOQを超える血漿濃度は、100μgを伴うAUCおよびt1/2に関する場合と同様、AUCおよびt1/2の計算を意味のあるものにするにはあまりにも少なすぎた。tmaxおよび終末半減期は全ての用量群において類似しており、tmaxは12~15分であり、t1/2は25~35分であった。用量を増加させると、実質的な個人間変動があるにもかかわらず、ほぼ用量比例様式でAUCおよびCmaxによる曝露が増加した。
Figure 2023500763000006
複数回鼻腔内用量
平均血漿濃度曲線を2に示し、複数回i.n.用量が投与された健常女性における薬物動態パラメーターを表4に示す。50μg用量に関しては、LLOQを超える血漿濃度は、AUCおよびt1/2の計算を意味のあるものにするにはあまりにも少なすぎた。tmaxおよびt1/2は、全ての用量群において類似しており、tmaxは12~15分であり、t1/2は25~35分であり、単回用量投与後の観察結果と一致した。
投薬前濃度がLLOQを常に下回っていることによって実証されたように、48時間にわたる16回の投与中、関連のある蓄積の兆候はなかった。最後の200μgを投薬した後のAUCおよびCmaxは予想外に高く、これが蓄積によるものであったことは、投薬前試料では示されなかった。
Figure 2023500763000007
単回鼻腔内および静脈内クロスオーバー用量
25分にわたって注入される20μgの単回静脈内(i.v.)用量、および単回の400μgのi.n.用量が投与された健常女性における薬物動態パラメーターを表5に示す。i.n.投与後の薬物動態パラメーターは、曝露およびCmaxとtmaxおよびt1/2の両方に関しては、試験の先行するパートにおいて認められた単回用量薬物動態パラメーターと類似していた。しかし、i.v.投与後のt1/2は、i.n.投与と比較してかなり短く、吸収はi.n.投与後のメロトシンの動力学に関する律速段階であることを示していた。バイオアベイラビリティは3.7%(2.2~6.2%の範囲)と計算され、相当するサイズの他のペプチドで認められるものと類似していた。
Figure 2023500763000008
代謝
試験000015からの血漿および尿試料を、メロトシン代謝物の存在に関して調査した。分析した血漿または尿試料においてメロトシン代謝物を検出することはできなかった。
乳汁移行
乳汁試料には、LLOQを超えるメロトシン濃度25pg/mLは含まれていなかった。採取された乳汁の平均総量は、研究されたさまざまな群において24時間にわたって約500~700mLであった。
臨床的安全性-有害事象
単回用量投与
試験000015において、48件の治療に起因するAE(TEAE)が、メロトシンの単回用量またはプラセボが投与された68名の対象(62名の特定の対象)のうちの30名(44%)によって報告された(i.v.とi.n.の両方投与を受けた対象は個別の治療とみなされ、両方の群でカウントされる)(表6)。50μgまたは100μgの群におけるものを除く全てのTEAEは、IMPと関連している(すなわち有害薬物反応(ADR)である)ことが治験責任医師によって評価された。最も頻繁に報告されたTEAEは、頭痛(19名の対象によっておよび全ての治療群において報告された)、潮紅またはホットフラッシュ(6名の対象によって報告され、そのうち4名は20μg i.v.群である)、および眩暈(4名の対象によって報告され、そのうち2名はプラセボ群であった)であった。メロトシンが与えられた3名の対象においてドライマウスが報告された。20μg i.v.群における3名の対象において、頻脈または洞性頻脈が報告された。他のTEAEが1名または2名の対象のみによって報告された。
単回用量の投与後の全ての有害事象が軽度としてみなされた。
Figure 2023500763000009
乳汁移行研究(試験000028)に参加し、i.v.投与によってメロトシンの単回用量が与えられた早期分娩後の女性における治療に起因するAEを表7に要約する。重度のまたは重篤なAEは発生せず、AEが死亡または研究中断につながることはなかった。最も頻繁に報告されたTEAEは、子宮けいれん(5μgと20μgの両方の用量群において)、乳房うっ血(20μgの用量群において)、および頭痛(5μgの用量群において)であった。試験における全てのTEAEが、パートAの5μgの用量群において報告された中等度の強度の子宮けいれんの1つの事象を除いて、軽度のものであった。試験における全てのTEAEは、パートAの5μgの用量群において報告された筋肉けいれんの1つの事象を除いて、治験責任医師によってADRとみなされた。
Figure 2023500763000010
5および20μgのメロトシンの、早期分娩後女性ならびに20μgの確立された泌乳を伴う女性への単回のi.v.投与は、AE、バイタルサイン、ECG、および臨床検査測定値によって評価されたように、安全で耐容性が良好であった。中等度強度の1つの事象を除く全てのAEは軽度の強度のものであった。重篤な有害事象または死亡は発生しなかった。
複数回用量投与
合計で14件のTEAEが、試験000015においてメロトシンの複数回用量投与された24名の対象のうちの10名(42%)によって報告された(表8)。これらのTEAE全てが治験責任医師によってADRとみなされた。
最も頻繁に報告されたAEは、頭痛(全ての治療群において4名の対象によって報告された)およびドライマウス(200および400μgの群において5名の対象によって報告された)であった。他のTEAEは、全ての治療群の間で単一の観察結果であった。複数回用量の投与後の全てのTEAEが軽度とみなされた。
1名の対象が吐き気のために400μg群から脱離した。事象は軽度とみなされ、対象は回復した。
Figure 2023500763000011
概要および結論
単回漸増用量、複数回漸増用量第1相試験が健常女性において行われた。最大用量群において単回用量をi.n.投与した後の平均Cmaxは151pg/mLであり、25分にわたって20μgを単回i.v.注入した後のものは463pg/mLであった。tmaxおよびt1/2はそれぞれ、およそ12~15分および25~35分であり、全てのi.n.用量レベルにおいて同様であり、単回もしくは複数回投与に関連はなかった。
i.n.投与の範囲内では、吸収がメロトシンの動力学を制御する律速プロセスである。最も頻繁に報告されたAEは、頭痛、ドライマウスおよび潮紅またはホットフラッシュであった。プラセボ群における頭痛の出現が活性治療群と異なることはなく、同時にドライマウスおよび潮紅またはホットフラッシュが活性治療のみが行われた後に記録された。全てのAEは軽度とみなされた。
血漿から母乳へのメロトシンの移行の可能性を、早期分娩後女性および泌乳が確立された女性において調査した。400μgのi.n.用量に対応する20μgのメロトシンをi.v.投与した後、メロトシン濃度は最大24時間で採取された全ての乳汁試料において25pg/mLのLLOQを下回っていた。早期分娩後女性において、最も頻繁に報告されたAEは、子宮けいれん、乳房うっ血、および頭痛であった。
血圧シフトの時折の事象のみが記録された。高濃度のメロトシンは、脈拍数を増加させたように思われた。ECGおよび安全性の実験室パラメーターは、測定可能な程度にメロトシンによる影響を受けず、いずれの用量レベルにおいても尿閉の兆候は認められなかった。
早産ヒツジの乳汁産生に対するメロトシンの効果
乳汁産生に対するメロトシンの効果を、早産が誘発された雌ヒツジにおいても調査した。雌ヒツジに、朝夕の搾乳の10分前にビヒクルまたはメロトシンを筋肉内で1日2回連続14日間投与した。メロトシンを10および30μg/動物で投与した。乳汁体積を測定し、ラクトース、タンパク質、および脂肪含有量を分析した。
30μgのメロトシン治療群は、ビヒクルと比較して毎日の乳量が治療の最初の週の間に増加し、治療の2週目の間に徐々に減少したことを示した(図3を参照のこと)。10μgのメロトシン治療群における毎日の乳量は、2週間の治療全体の間はビヒクル群と比較してわずかに多いにすぎなかった。
治療期間にわたる総乳量は、10および30μgメロトシン群においてそれぞれ27%および62%増加した。乳汁のラクトース、タンパク質、または脂肪含有量において関連する変化は認められなかった。
用語の略語および定義のリスト
AUC 血漿濃度-時間曲線下面積
ADR 有害薬物反応
Cmax 最大血漿濃度
CHO チャイニーズハムスター卵巣
CL クリアランス
CYP シトクロムP450
EC50 50%の最大効果をもたらす薬物濃度
ED50 50%の最大効果をもたらす薬物用量
Emax 最大応答
HEK ヒト胚腎臓
hERG ヒト急速活性型遅延整流カリウムチャネル遺伝子(human ether-a-go-go gene)
hOTR ヒトオキシトシン受容体
hV1a(R) ヒトバソプレシン1a(受容体)
hV1b(R) ヒトバソプレシン1b(受容体)
hV2(R) ヒトバソプレシン2(受容体)
IC50 50%の最大阻害をもたらす濃度
i.n. 鼻腔内の(に)
i.v. 静脈内の(に)
IMP 治験医薬品
INN 国際一般名
Ki 結合親和性
LLOQ 定量下限
MFD 実現可能な最大用量
MTD 最大耐量
NK2 ニューロキニンA
NOAEL 有害効果レベルは観察されなかった
PK 薬物動態
PND 出生後の日
s.c. 皮下の(に)
TEAE 治療に起因する有害事象
tmax 最大血漿濃度までの時間
1/2 終末半減期

Claims (26)

  1. それを必要とする雌性生物における泌乳障害状態の治療もしくは予防における使用のための、または泌乳の改善のためのメロトシンであって、少なくとも約100μgが経鼻腔で投与される、メロトシン。
  2. 少なくとも約200μg、300μgまたは400μgが投与される、請求項1に記載の使用のためのメロトシン。
  3. 少なくとも約100μg、200μg、300μgまたは400μgのメロトシンを含む組成物の使用を含む、請求項1または2に記載の使用のためのメロトシン。
  4. 雌性生物が早産した雌性生物である、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用のためのメロトシン。
  5. 早産した雌性生物が、妊娠期間24週+0日から31週+6日の間において乳児を出産している、請求項5に記載の使用のためのメロトシン。
  6. メロトシンの量が、雌性生物に投与されることになるメロトシン用量を提供する、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用のためのメロトシン。
  7. 2回以上の分割用量によって雌性生物に投与される、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用のためのメロトシン。
  8. 片方または両方の鼻腔への単回噴霧としてまたは複数回噴霧として雌性生物に送達される、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用のためのメロトシン。
  9. 複数回噴霧によって送達される場合、総量または総用量が、複数回分割用量を提供するために各噴霧間で分割されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の使用のためのメロトシン。
  10. 400μgの総量が2回以上の分割用量によって送達され、任意選択で、2回の噴霧によって送達され、各噴霧が200μgの分割用量を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用のためのメロトシン。
  11. 搾乳時間のまたは授乳の最大5、10、15、20または30分前に投与される、請求項1から10のいずれか一項に記載の使用のためのメロトシン。
  12. 1日1回投与されるか、または1日あたりおよそ約2から10回の間、5から10回の間、または6から8回の間で投与される、請求項1から11のいずれか一項に記載の使用のためのメロトシン。
  13. 搾乳が所望されるかまたは意図される約1および20分、10および20分、12および15分、2および15分、または5および10分前に、1日あたり5から10回の間、または6から8回の間で雌性生物に投与される、請求項1から12のいずれか一項に記載の使用のためのメロトシン。
  14. 搾乳が所望されるかまたは意図されるたびに雌性生物に投与される、請求項1から13のいずれか一項に記載の使用のためのメロトシン。
  15. およそ1から6時間の間の間隔、またはおよそ2から5時間の間の間隔で雌性生物に投与される、請求項1から14のいずれか一項に記載の使用のためのメロトシン。
  16. 投与と投与の間の経過時間が5時間以内であることになる、請求項1から15のいずれか一項に記載の使用のためのメロトシン。
  17. 出産してから12時間以内、出産してから24時間以内、出産してから48時間以内、または出産してから72時間以内に雌性生物に投与される、請求項1から16のいずれか一項に記載の使用のためのメロトシン。
  18. 出産してから12時間以内に最初の搾乳を試みた後、雌性生物に投与される、請求項1から17のいずれか一項に記載の使用のためのメロトシン。
  19. 搾乳が出産後複数回試みられているという条件で雌性生物に投与され、任意選択で、雌性生物が出産後24時間ごとにまたは出産して24時間目から少なくとも2、3、もしくは4回搾乳を試みている、請求項1から17のいずれか一項に記載の使用のためのメロトシン。
  20. メロトシンを雌性生物に投与した後の雌性生物から圧搾された乳汁中に存在するメロトシンの量が、最小限、ごくわずか、および/または定量下限未満(LLOQ)である、請求項1から19のいずれか一項に記載の使用のためのメロトシン。
  21. 雌性生物から圧搾された乳汁中のメロトシンの濃度が、50pg/mL未満または25pg/mL未満である、請求項20に記載の使用のためのメロトシン。
  22. それを必要とする雌性生物において泌乳障害状態を治療もしくは予防することまたは泌乳を改善することが、以下の転帰:
    (i)乳汁産生を増加させること;
    (ii)泌乳の開始を促進、刺激、および/または増進すること;
    (iii)泌乳の維持を促進および/または増進すること;および/または
    (iv)泌乳の可能性を高めること
    のうちの1つまたは複数を達成する、請求項1から21のいずれか一項に記載の使用のためのメロトシン。
  23. 雌性生物が、メロトシンの投与後、および/またはメロトシンを含む治療レジメンの開始後に1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、1日、2日、3日、4日、5日、10日、14日、17日または20日の期間でより多くの体積の乳汁を産生する、請求項1から22のいずれか一項に記載の使用のためのメロトシン。
  24. 雌性生物が、メロトシンの投与後、1、2、3、4、5、10、または14日目のいずれかまたは全てにおいて初めて500mLまたは750mL以上の1日体積の乳汁を産生する、請求項1から23のいずれか一項に記載の使用のためのメロトシン。
  25. 液体および/または水性調製物の形態で投与される、請求項1から24のいずれか一項に記載の使用のためのメロトシン。
  26. 以下の特徴:
    (i)クエン酸/リン酸緩衝液;
    (ii)0.05mg/mLから2mg/mLの間の濃度のメロトシン;
    (iii)塩化ナトリウム(NaCl);および/または
    (iv)5.2から6のpH
    のうちの1つまたは複数を含む組成物の形態で投与される、請求項1から25のいずれか一項に記載の使用のためのメロトシン。
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