JP2013527132A - 中枢神経系(cns)の自己免疫性脱髄性疾患の治療において使用するためのジアゾキシド - Google Patents

中枢神経系(cns)の自己免疫性脱髄性疾患の治療において使用するためのジアゾキシド Download PDF

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Abstract

本発明は、多発性硬化症(MS)、臨床分離症候群(CIS)、隆起性(腫瘍様)MS、マールブルグ急性MS、バロー同心円性硬化症、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、ワクチン後脳炎(PVE)、麻疹後脳脊髄炎(PIE)および視神経脊髄炎(NMO)から選択されるCNSの自己免疫性脱髄性疾患を治療するための、ジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の低い用量における使用に関する。

Description

本発明は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患を治療または予防するための、ジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の低い用量における使用、ならびにこれらの疾患に罹患している哺乳動物の治療において使用するための、低い用量のジアゾキシドを含む組成物に関する。
多発性硬化症(MS)は、自己免疫性、慢性、炎症性かつ脱髄性の中枢神経系(CNS)疾患であり、遺伝的に感受性の強い個体において発症し、免疫学的因子、例として、自然免疫応答の抗体、補体およびメディエーターが関与する。
MSは、特発性炎症性脱髄性疾患として分類され、若年成人における外傷およびてんかんの後の神経学的身体障害の最も一般的な原因のうちの1つである(Noseworthy JHら、Multiple sclerosis、N Engl J Med、2000年、343: 938〜52頁)。
MSは、多巣性の神経学的な徴候および症状を提示する再発性の攻撃により特徴付けられ、回復の程度は多様である。臨床所見は、視力喪失、眼球運動障害(例として、眼振)、感覚症状(例として、皮膚のしびれ、刺痛、チクチクする感じ)、衰弱、痙縮、運動失調、膀胱機能障害、ならびに認知、情動および発作性の障害を含む。MSの病理学的に顕著な特色は、脳および脊髄の白質に炎症媒介性の脱髄の病巣領域が存在することである。
MSは、高い緯度(40度超の緯度の地域および国)ならびに西半球の疾患である。低い有病率は100,000人当たり5症例未満、中間の有病率は100,000人当たり5〜30症例、高い有病率は、100,000人当たり30症例超とみなされた(Kurtzke JF、Multiple sclerosis: changing time、Neuroepidemiology、1991年、10: 1〜8頁)。有病率は、欧州北部、豪州南部および北米の中央部分で最も高く、一方、日本および中国での存在はより低い。説明のつかない理由で、MSには、女性が男性よりも2倍多く罹患し、疾患は通常、20歳から40歳までの間に発症する。発症の15年後には、50%の患者が歩行できない。平均余命は、疾患の発症から少なくとも25年であり、ほとんどの患者が、無関係の原因で死亡する。
MSは主として、限局的なリンパ球浸潤により、ミエリンおよび軸索の損傷が生じる、脳および脊髄の炎症性障害である。最初は、炎症は一過性であり、髄鞘再生が生じるが、これは長くは続かない。しかし経時的に、病理学的変化として、広範なかつ慢性の神経変性を伴う、広域のミクログリアの活性化が優勢となり、こうした変化は、臨床的には、身体障害の進行性の蓄積と相関する(Compston AおよびColes A、Multiple Sclerosis、Lancet、2008年、372: 1502〜17頁)。
MSの病変形成に関する大半の研究が、動物モデルの実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)において実施されており、このEAEは、感受性のげっ歯類の系統にミエリンのタンパク質またはペプチドを注射することによって誘発することができる。それに続いて、これらの動物は、単相性の炎症性CNS疾患または慢性もしくは再発寛解性のEAEの種々の形態のいずれかを発症し、CNS病変中には、CD4+T細胞、単核球/活性化されたミクログリアおよびその他の細胞集団、ならびに液性因子が見出される(Martin Rら、Immunological aspects of demyelinating diseases、Ann Rev Immunol、1992年、10: 153〜187頁)。
ミクログリア細胞は、CNSの炎症の発症において極めて重要である。この細胞集団は、CNS全体を通して、非オーバーラップ領域中に偏在性に分布し、成人のCNS細胞の顕著な割合(例えば、5〜20%)をなす。機能に関しては、ミクログリアは、脳、脊髄および眼の構造全体を通して免疫アクセサリー細胞のネットワークをなし、脅威に対する内因性センサーとして機能する。ミクログリア細胞の、CNS微小環境の変化に対する高い感受性により、それらが番人として機能することが可能になる(Kreutzberg GW、Microglia: a sensor for pathological events in the CNS、Trends Neurosci、1996年、19: 312〜3188頁)。MSにおいては、これらの細胞は、CNS内で、自己免疫性の炎症の間に、抗原提示および/またはサイトカイン/ケモカインの分泌を通して炎症を維持および伝播して、神経膠症および軸索の損傷をもたらし得るであろう(Heppner FLら、Experimental autoimmune encephalomyelitis repressed by microglial paralysis、Nat Med、2005年、11: 146〜152頁)。
ミクログリアおよびマクロファージは、神経細胞の損傷に応答して活性化され、炎症応答を、炎症促進性サイトカインを産生し、反応性の酸素もしくは窒素の種を生成し、興奮性アミノ酸を産生し、補体構成成分を活性化し、またはタンパク質分解酵素および脂質分解酵素を放出することによって媒介することができる(Lucchinetti CFら、Multiple sclerosis: lessons from neuropathology、Semin Neurol.、1998年、18: 337〜349頁)。
MSを治癒させる方法はない。現在のところ、疾患の経過に顕著な影響を及ぼすことができる治療はなく、症状を改善することを目指す緩和療法のみがあるに過ぎず、それらも、全ての患者のために使用することができるとは限らず、非常に有効というわけではなく、重要な望ましくない作用を示す。現在のところ、6つの治療が、米国食品医薬品局および欧州医薬品庁(EMEA)から現時点で承認を得ている。すなわち、それらは、3つのベータインターフェロン(IFN)(Goodin DS、Interferon-beta-therapy in multiple sclerosis: evidence for a clinically relevant dose response、Drugs、2001年、61: 1693〜1703頁)、コポリマー-1として以前から公知である酢酸グラチラマー(GA)(Neuhaus Oら、Mechanisms of action of glatiramer acetate in multiple sclerosis、Neurology、2001年、56: 702〜708頁)、ナタリズマブ(Yednock TAら、Prevention of experimental autoimmune encephalomyelitis by antibodies against α4β1 integrin、Nature、1992年、356: 63〜66頁)、およびミトキサントロン(Goodin DSら、The use of mitoxantrone (Novantrone) for the treatment of multiple sclerosis、Report of the Therapeutics and Technology Assessment subcommittee of the American Academy of Neurology、Neurology、2003年、61: 1332〜1338頁)である。
IFNまたはGAの送達には、頻繁な筋肉内注射または皮下注射が必要であり、これらは、多くの副作用をもたらす恐れがある。副作用は、インフルエンザ様症状、皮膚反応、不安、動悸、呼吸困難、およびIFNの場合には、達成する治療効果を低下させる抗体の中和を含む(Francis GSら、Interferon-beta1-a in MS: results following development of neutralizing antibodies in PRISMS、Neurology、2005年、65: 48〜55頁)。さらに、いくつかの報告は、既存の甲状腺機能障害、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、関節リウマチおよびその他の炎症性関節炎、蕁麻疹、乾癬、ならびに共存する単クローン性免疫グロブリン血症を有する患者における重度の毛細血管漏出症候群の発症または悪化も含む。ミトキサントロンは、化学療法剤の投与の訓練を受けた経験豊かな人員のみが投与すべきである。血管外漏出は、皮下組織の永久的な着色を引き起こし、消化器症状(悪心および嘔吐)は、稀に重度になる。毛髪の喪失は稀であるが、月経機能障害(変則的または早期閉経)が、閉経前患者のうち最高25%に生じる(Hartung HPら、Mitoxantrone in progressive multiple sclerosis: a placebo-controlled, double-blind, randomised multicentre trial、Lancet、2002年、360: 2018〜2025頁)。最後に、ナタリズマブの治験が、疾患を臨床的に測定した場合も磁気共鳴画像法(MRI)により測定した場合も、治療の顕著な利益を示したにもかかわらず、これらの治療の利益には、注目に値する、療法の副作用がいくつか伴うようであり、とりわけ、進行性の多巣性白質脳症(PML)を発症させ、患者が死亡した(Rudick RAら、Natalizumab plus interferon beta-1a for relapsing multiple sclerosis、N Engl J Med、2006年、354: 911〜923頁)。
要約すると、多発性硬化症を治療するための新しい治療剤であって、この疾患の全ての臨床像に適用でき、投与が容易であり、急性期および長期の治療のために使用しても副作用がない治療剤を提供することが極めて望ましい。
MS炎症に関与する要素のうちの1つであるミクログリアは、活性化されると、KATPチャネルを発現することが示されており(Ramonet Dら、Putative glucosensing property in rat and human activated microglia、Neurobiol Dis、2004年、17: 1〜9頁)、このことは、新しい治療標的を提供し得ることを示唆している。
WO2006/000607A1は、哺乳動物における、疾患に関連するCNSの慢性の炎症を治療するためのKATPチャネル開口薬(KCO)の潜在的な使用を開示している。また、この出願は、適切な用量は、医師または獣医が決定すべきであるが、0.01〜1000mg/kg/日の範囲内に収まるであろうことも開示した。
ジアゾキシドは、KATPチャネル開口薬として作用するベンゾチアジアジンであり(Mannhold R、KATP channel openers: structure-activity relationships and therapeutic potential、Med Res Rev、2004年、24: 213〜66頁)、今までは、ヒトの高血圧および低血糖に対して使用されてきた。ジアゾキシドは、高血圧の緊急事態を治療するために、1〜3mg/kg(37〜111mg/m2)〜最大150mg(185mg/m2)のミニボーラスの形態で、単回注射として5〜15分毎に非経口投与され(Hyperstat(登録商標))、また、難治性の悪性高血圧を管理するためにも、600〜800mg/日(22,200〜29,600mg/m2)の投与量範囲で経口により使用される(Fang P、MacDonald I、Laver M、Hua A、Kincaid-Smith P、Oral diazoxide in uncontrolled malignant hypertension、Med J Aust.、1974年10月26日;2(17): 621〜4頁)。成人ヒトにおける低血糖を治療するのに有効な経口用量は、3〜8mg/kg/日(111〜296mg/m2)である(Proglycem(登録商標))。しかし、これらの用量は、重度の副作用、例として、浮腫および多毛を頻繁に引き起こす。
今まで、ジアゾキシドのMSにおける有効性を具体的に検討する研究はなかった。さらに、異なる脳損傷の状況におけるジアゾキシドの用量応答作用に関連した研究は、いくつかの有益な作用を得るには、高い用量が必要であることも示している。Gantenbeinらは、100mg/kg(300mg/m2)のジアゾキシドが、マウスにおいて、ブピバカイン誘発型の急性CNS毒性を、ブピバカインが引き起こすけいれんの潜伏期間を延長させることによって低下させるには必要であることを示した(Gantenbein Mら、1995年、Life Sciences、57: 113〜116頁)。Farkas Eらは、ラットにおいて、5mg(143mg/m2)のジアゾキシドとジメチルスルホキシドとが、脳の低灌流関連の学習機能障害および頚動脈閉塞後の脳損傷を予防することを示した(Farkas Eら、Brain Research、2004年、1008: 252〜260頁)。Lenzser Gらは、ジアゾキシドによる前条件づけにより、ラットに20mg/kg(120mg/m2)で投与すると、全脳虚血誘発型の血液脳関門透過性を減弱することが可能となるが、6mg/kg(36mg/m2)では作用を示さないことを示した(Lenzser Gら、Brain Research、2005年、1051: 72〜80頁)。
WO2006/000607A1
Noseworthy JHら、Multiple sclerosis、N Engl J Med、2000年、343: 938〜52頁 Kurtzke JF、Multiple sclerosis: changing time、Neuroepidemiology、1991年、10: 1〜8頁 Compston AおよびColes A、Multiple Sclerosis、Lancet、2008年、372: 1502〜17頁 Martin Rら、Immunological aspects of demyelinating diseases、Ann Rev Immunol、1992年、10: 153〜187頁 Kreutzberg GW、Microglia: a sensor for pathological events in the CNS、Trends Neurosci、1996年、19: 312〜3188頁 Heppner FLら、Experimental autoimmune encephalomyelitis repressed by microglial paralysis、Nat Med、2005年、11: 146〜152頁 Lucchinetti CFら、Multiple sclerosis: lessons from neuropathology、Semin Neurol.、1998年、18: 337〜349頁 Goodin DS、Interferon-beta-therapy in multiple sclerosis: evidence for a clinically relevant dose response、Drugs、2001年、61: 1693〜1703頁 Neuhaus Oら、Mechanisms of action of glatiramer acetate in multiple sclerosis、Neurology、2001年、56: 702〜708頁 Yednock TAら、Prevention of experimental autoimmune encephalomyelitis by antibodies against α4β1 integrin、Nature、1992年、356: 63〜66頁 Goodin DSら、The use of mitoxantrone (Novantrone) for the treatment of multiple sclerosis、Report of the Therapeutics and Technology Assessment subcommittee of the American Academy of Neurology、Neurology、2003年、61: 1332〜1338頁 Francis GSら、Interferon-beta1-a in MS: results following development of neutralizing antibodies in PRISMS、Neurology、2005年、65: 48〜55頁 Hartung HPら、Mitoxantrone in progressive multiple sclerosis: a placebo-controlled, double-blind, randomised multicentre trial、Lancet、2002年、360: 2018〜2025頁 Rudick RAら、Natalizumab plus interferon beta-1a for relapsing multiple sclerosis、N Engl J Med、2006年、354: 911〜923頁 Ramonet Dら、Putative glucosensing property in rat and human activated microglia、Neurobiol Dis、2004年、17: 1〜9頁 Mannhold R、KATP channel openers: structure-activity relationships and therapeutic potential、Med Res Rev、2004年、24: 213〜66頁 Fang P、MacDonald I、Laver M、Hua A、Kincaid-Smith P、Oral diazoxide in uncontrolled malignant hypertension、Med J Aust.、1974年10月26日;2(17): 621〜4頁 Gantenbein Mら、1995年、Life Sciences、57: 113〜116頁 Farkas Eら、Brain Research、2004年、1008: 252〜260頁 Lenzser Gら、Brain Research、2005年、1051: 72〜80頁 Baxter AG、The origin and application of experimental autoimmune encephalomyelitis、Nat Rev Immunol、2007年、7: 904〜912頁 Storch MKら、Autoimmunity to myelin oligodendrocyte glycoprotein in rats mimics the spectrum of multiple sclerosis pathology、Brain Pathol.、1998年、8(4): 681〜94頁 Hirano Y、Acute disseminated encephalomyelitis、Nippon Rinsho、1997年、55(4): 934〜9頁 Lublin FDおよびReingold SC、Defining the clinical course of multiple sclerosis: results of an international survey、National Multiple Sclerosis Society (USA) Advisory Committee on Clinical Trials of New Agents in Multiple Sclerosis、Neurology、1996年、46: 907〜911頁 Committee on Multiple Sclerosis、Clinical and biological features、Joy JE、Johnston RB Jr編、Multiple Sclerosis status and strategies for the future、Washington, DC、National Academies Press、2001年: 30中 Reagan-Shaw S、「Dose translation from animal to human studies revisited」、FASEB J、2007年、22: 659〜661頁 Suenら、A critical role for lymphotoxin in experimental allergic encephalomyelitis、J Exp Med、1997年、186: 1233〜40頁
上記にもかかわらず、脱髄性疾患、例として、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患の治療方法であって、KCOの使用と関連がある望ましくない副作用、例として、高血糖を欠く治療方法を開発することは大変興味深いであろう。
驚くべきことに、発明者らは、ジアゾキシドを用いて治療可能なその他の治療状態の治療においてこれまでに使用された用量を十分に下回るジアゾキシドの1日用量により、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患の臨床所見を改善することによって、予想外のかつ好都合な効果が生じるが、ジアゾキシドを、療法において今まで使用されてきた用量で投与する場合に通常提示される望まれない副作用、例として、高血糖を引き起こすことはないことを見出すに至った。
一態様では、本発明は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患に罹患している哺乳動物の治療のための医薬を製造するための、ジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の使用に関し、0.075mg/m2/日〜12.00mg/m2/日のジアゾキシドの1日用量を投与するために、医薬を調製する。
別の態様では、本発明は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患に罹患しているヒトの治療において使用するための、0.12mg〜19.5mgのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物に関する。
さらに別の態様では、本発明は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患に苦しむ哺乳動物の治療方法に関し、この方法は、0.075mg/m2/日〜12.00mg/m2/日の範囲に及ぶジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の量を投与するステップを含む。
1ヵ月の治療の間の、マウスに対するジアゾキシド投与の60分後の血中グルコースレベル(mg/dlで表す)を示すグラフである。A:ジアゾキシド用量1mg/kg/日(3mg/m2/日);B:ジアゾキシド用量0.05mg/kg/日(0.15mg/m2/日)。結果を、平均±平均の標準誤差(SEM)として表す。 ジアゾキシド0.8mg/kg(2.4mg/m2/日)(A)またはジアゾキシド0.025mg/kg/日(0.07mg/m2/日)(B)を用いて治療した動物の、プラセボ対照群と比較した日毎のEAE臨床スコアを示すグラフである。結果を、平均±SEMとして表す。*:p≦0.05;**:p≦0.01(日毎の比較のために、非パラメトリックなマン-ホイットニー-ウィルコクソン検定を用いた)。研究全体にわたる全体的な治療効果を、全てのジアゾキシド治療群について、プラセボ対照群(=100%)と比較した相対曲線下面積として表すグラフである(C)。各群について:n≧8。結果を、平均±SEMとして表す。*:p≦0.05;**:p≦0.01(曲線下面積の比較のために、一方向分散分析を用いた)。 ジアゾキシド4mg/kg/日(12mg/m2/日)を用いて治療した動物の日毎のEAE臨床スコアを、プラセボ対照群と比較して示すグラフである。各群について:n≧8。結果を、平均±SEMとして表す。*:p≦0.05;**:p≦0.01(日毎の比較のために、非パラメトリックなマン-ホイットニー-ウィルコクソン検定を用いた)。 ジアゾキシド1mg/kg/日(3mg/m2/日)を用いて治療した動物の日毎のEAE臨床スコアを、プラセボ対照群と比較して示すグラフである。各群について:n≧8。結果を、平均±SEMとして表す。*:p≦0.05;**:p≦0.01(日毎の比較のために、非パラメトリックなマン-ホイットニー-ウィルコクソン検定を用いた)。 ジアゾキシド0.8mg/kg/日(2.4mg/m2/日)を用いて治療した動物の日毎のEAE臨床スコアを、プラセボ対照群と比較して示すグラフである。各群について:n≧8。結果を、平均±SEMとして表す。*:p≦0.05;**:p≦0.01(日毎の比較のために、非パラメトリックなマン-ホイットニー-ウィルコクソン検定を用いた)。 ジアゾキシド0.05mg/kg/日(0.15mg/m2/日)を用いて治療した動物の日毎のEAE臨床スコアを、プラセボ対照群と比較して示すグラフである。各群について:n≧8。結果を、平均±SEMとして表す。*:p≦0.05;**:p≦0.01(日毎の比較のために、非パラメトリックなマン-ホイットニー-ウィルコクソン検定を用いた)。 研究全体にわたる全体的な治療効果を、全てのジアゾキシド治療群について、プラセボ対照群(=100%)と比較した相対曲線下面積として表すグラフである。各群について:n≧8。結果を、平均±SEMとして表す。*:p≦0.05;**:p≦0.01(曲線下面積の比較ために、一方向分散分析を用いた)。
驚くべきことに、発明者らは、ジアゾキシドは、CNSの脱髄性疾患、例として、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患を、ヒトにおけるその他の状態、例として、低血糖を治療するために使用される用量を十分に下回る1日用量で治療するのに有効であり、したがって、通常低血糖には苦しまない、脱髄性疾患を有する患者を治療する場合には望ましくない血糖上昇作用を回避することを見出すに至った。先行技術は、実質的により高い用量のジアゾキシドが、CNSにおける治療効果を達成するには必要であることを示唆していることから、このことは、とりわけ驚くべきである。
一態様では、本発明は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患から選択されるCNSの脱髄性疾患に罹患している哺乳動物の治療のための医薬を製造するための、ジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の使用を提供し、0.075mg/m2/日〜12.00mg/m2/日のジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の1日用量を投与するために、医薬を調製する。
本発明のこの態様の第1の実施形態は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患に罹患している哺乳動物の治療のための医薬を製造するための、ジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の使用であり、0.075mg/m2/日〜3.70mg/m2/日、好ましくは、0.075mg/m2/日〜3.00mg/m2/日、好ましくは、0.075mg/m2/日〜2.60mg/m2/日、より好ましくは、0.075mg/m2/日〜2.40mg/m2/日、さらにより好ましくは、0.075mg/m2/日〜1.50mg/m2/日、最も好ましくは、0.075mg/m2/日〜0.75mg/m2/日のジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の1日用量を投与するために、医薬を調製する。0.075mg/m2/日〜0.37mg/m2/日のジアゾキシドの1日用量を投与するために、医薬を調製することがさらに好ましい。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
本発明のこの態様の第2の実施形態は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患に罹患している哺乳動物の治療のための医薬を製造するための、ジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の使用であり、0.075mg/m2/日〜12.00mg/m2/日、好ましくは、0.075mg/m2/日〜8.00mg/m2/日、好ましくは、0.075mg/m2/日〜4.00mg/m2/日、好ましくは、0.15mg/m2/日〜4.00mg/m2/日、より好ましくは、0.3mg/m2/日〜4mg/m2/日、さらにより好ましくは、1〜4mg/m2/日のジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の1日用量を投与するために、医薬を調製する。
特定の実施形態では、1.85mg/m2/日のジアゾキシドの1日用量を投与するために、医薬を調製する。
本発明では、用語「多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患」を使用して、以下のCNSの自己免疫性脱髄性疾患、すなわち、多発性硬化症(MS)、臨床分離症候群(CIS)、隆起性(腫瘍様)MS、マールブルグ急性MS(Marburg's acute MS)、バロー同心円性硬化症(Balo's concentric sclerosis)、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、ワクチン後脳炎(PVE)、麻疹後脳脊髄炎(PIE)、視神経脊髄炎(NMO)を示す。特定の実施形態では、疾患は、多発性硬化症(MS)、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)およびワクチン後脳炎(PVE)から選択される。別の実施形態では、疾患は多発性硬化症である。
用語「薬学的に許容できる」は、組成、製剤、安定性、患者の許容性および生物学的利用率に関して、患者にとって、薬理学的/毒物学的な観点から、および医薬品を製造する化学者にとって、物理学的/化学的な観点から許容できる特性および/または物質を指す。
用語「薬学的に許容できる塩」は、薬学的に許容できる酸または塩基との塩を包含する。薬学的に許容できる酸として、無機酸、例えば、非限定的に、塩酸、硫酸、リン酸、二リン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸および硝酸、ならびに有機酸、例えば、非限定的に、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、アスコルビン酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、安息香酸、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、シクロヘキシルスルファミン酸(シクラミン酸)またはp-トルエンスルホン酸の両方を含む。薬学的に許容できる塩基は、アルカリ金属(例えば、ナトリウムまたはカリウム)およびアルカリ土類金属(例えば、カルシウムまたはマグネシウム)の水酸化物、ならびに有機塩基、例えば、非限定的に、アルキルアミン、アリールアルキルアミンおよび複素環アミンが挙げられる。
経口製剤および非経口製剤が好ましい。
用語「医薬」は、ジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物を指す。医薬は、経口、注射、吸入もしくは送気、または直腸経路により投与することができる。これらの医薬組成物は全て、薬学的に許容できる賦形剤を用いて、従来の手段により調製する。
本発明の一実施形態では、経口投与のために医薬を調製する。経口投与のための医薬組成物は、任意の適切な投与剤型、例として、シロップ剤、液剤、懸濁剤、錠剤、カプセル剤、ロゼンジ、制御放出性調製物、迅速溶解調製物であるか、または使用前に水またはその他の適切なビヒクルを用いて再構成するための乾燥した製品として提示することができる。
注射(皮下、皮内、筋肉内、静脈内等)のための医薬組成物は、油性または水性のビヒクル中の懸濁剤、液剤、乳剤、ペースト剤、および埋込み型の持続放出性または生分解性の製剤を含む。そのような製剤は、懸濁化剤、安定化剤および/または分散化剤を含めた、1つまたは複数の追加の成分をさらに含むことができる。非経口投与ための製剤の一実施形態では、活性成分を、乾燥した(すなわち、粉末または顆粒の)形態で提供して、適切なビヒクル(例えば、無菌の発熱性物質を含有しない水)を用いて再構成してから、再構成した組成物を非経口投与する。ジアゾキシドは、ボーラス注射または連続的な注入による非経口投与のために製剤化することができる。
有用であるその他の非経口投与可能な製剤は、活性成分を、微結晶性の形態中に、リポソーム調製物中に、または生分解性高分子系の構成成分として含む製剤を含む。持続放出または埋込みのための組成物は、薬学的に許容できる高分子材料または疎水性材料、例として、エマルジョン、イオン交換樹脂、難溶性高分子または難溶性塩を含むことができる。
医薬製剤は、単位投与剤型として好都合に提示することができ、製剤学の技術分野で周知の方法のうちのいずれかにより調製することができる。全ての方法が、活性成分と担体とを一緒に合わせるステップを含む。一般に、活性成分と、液体の担体または微粉末化した固体の担体または両方とを一様かつ密接に一緒に合わせ、次いで、必要であれば、生成物を所望の製剤に成形することによって、製剤を調製する。
経口投与に適している本発明の製剤は、それぞれが所定の量の活性成分を含有する個別の単位、例として、カプセル剤、カシェ剤もしくは錠剤として;散剤もしくは顆粒剤として;水性の液体もしくは非水性の液体中の液剤もしくは懸濁剤として;または水中油型液体乳剤もしくは油中水型液体乳剤として提示することができる。また、活性成分を、ボーラス、舐剤またはペースト剤として提示することもできる。
シロップ剤の製剤は一般に、矯味剤、甘味剤および/または着色剤を加えた液体の担体、例えば、天然、合成もしくは半合成の油または水中の化合物または塩の懸濁液または溶液からなる。
組成物が錠剤の形態をとる場合、固体の製剤を調製するために日常的に使用する任意の薬学的担体を使用することができる。
錠剤は、圧縮または成型により、場合により、1つまたは複数の付属成分と共に作製することができる。適切な機械中で、結合剤、潤滑剤、不活性な希釈剤、表面活性剤または分散化剤と場合により混合した自由に流動する形態、例として、粉末または顆粒の活性成分を圧縮することによって、圧縮錠剤を調製することができる。適切な機械中で、不活性な液体希釈剤を用いて湿潤させた活性な化合物を含み、場合により、乾燥させ、ふるいにかけた粉末のブレンドの混合物を成型することによって、成型錠剤を作製することができる。錠剤は、場合により、コーティングしてもまたは印を付けてもよく、その中の活性成分の放出を改変する(すなわち、緩慢にするまたは制御する)ように製剤化することもできる。
組成物がカプセル剤の形態をとる場合、任意の日常的な被包が、例えば、硬質ゼラチンカプセル剤中で上記の担体を使用するのが適切である。組成物が軟質ゼラチンカプセル剤の形態をとる場合、分散剤または懸濁剤を調製するために日常的に使用する任意の薬学的担体を検討することができる。
注射のための製剤を、単位投与剤型として(例えば、アンプル中に)か、または保存剤を添加して、多回投与容器中に提示することができる。
治療という用語を使用して、疾患の進行を臨床徴候が出現する前または後に制御するために、ジアゾキシドもしくはその薬学的に許容できる塩またはそれらの組成物を投与することを示す。疾患の進行の制御により、これらに限定されないが、症状の軽減、疾患の長さの短縮、病理学的状態の安定化(具体的には、さらなる悪化の回避)、疾患の進行の遅延、病理学的状態の改善、ならびに(部分的なおよび総合的なの両方の)寛解を含めた、有益なまたは所望の臨床結果を示すことを意味する。また、疾患の進行の制御は、治療が適用されない場合に予想される生存期間と比較した生存期間の延長を引き起こすこともできる。本発明の特定の実施形態では、疾患の臨床徴候のうちの少なくとも1つが出現するようになったら、ジアゾキシドを使用して、疾患の進行を制御する。
用語「哺乳動物」は、家畜および畜産用の哺乳動物、霊長類およびヒト、例えば、人間、非ヒト霊長類、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコまたはげっ歯類を包むが、これらに制限されない。好ましい実施形態では、哺乳動物はヒトである。
CNSの自己免疫性脱髄性疾患は、自己免疫のプロセスが神経細胞の髄鞘の損傷に関与する中枢神経系の疾患である。そのような疾患の例は、多発性硬化症(MS)、臨床分離症候群(CIS)、隆起性(腫瘍様)MS、マールブルグ急性MS、バロー同心円性硬化症、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、ワクチン後脳炎(PVE)、麻疹後脳脊髄炎(PIE)、視神経脊髄炎(NMO)であり、好ましくは、CNSの脱髄性疾患は、多発性硬化症(MS)、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)およびワクチン後脳炎(PVE)から選択され、より好ましくは、CNSの脱髄性疾患は、多発性硬化症である。
MSについては、天然の非ヒト対応物がない。したがって、EAEモデルが、MSおよびその他のCNSの自己免疫性脱髄性疾患の、対応する臨床症状と一致する脱髄および神経学的機能障害により特徴付けられる認められている動物モデルである(Baxter AG、The origin and application of experimental autoimmune encephalomyelitis、Nat Rev Immunol、2007年、7: 904〜912頁;Storch MKら、Autoimmunity to myelin oligodendrocyte glycoprotein in rats mimics the spectrum of multiple sclerosis pathology、Brain Pathol.、1998年、8(4): 681〜94頁、およびHirano Y、Acute disseminated encephalomyelitis、Nippon Rinsho、1997年、55(4): 934〜9頁)。
本発明の実験を、実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)モデルと時には呼ばれる実験的自己免疫性脳脊髄炎モデルにおいて実施した。EAEは、脳の炎症の動物モデルとして働く、CNSの炎症性脱髄性疾患である。EAEは大部分、げっ歯類に関して使用され、多発性硬化症(MS)、臨床分離症候群(CIS)、隆起性(腫瘍様)MS、マールブルグ急性MS、バロー同心円性硬化症、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、ワクチン後脳炎(PVE)、麻疹後脳脊髄炎(PIE)、視神経脊髄炎(NMO)を含めた、ヒトのCNSの脱髄性疾患の動物モデルとして広く研究されており、特に、多発性硬化症を治療するために研究されている。感受性のげっ歯類や、また、霊長類も、CNSミエリンホモジネート、ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質(MOG)、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、プロテオリピドタンパク質(PLP)、またはミエリンペプチド、例として、MOG35-55の注射後に、自己免疫疾患を発症する。抗原を、アジュバント、例として、完全フロイントアジュバント(CFA)と共に、EAEモデルを誘発するためのシグナルをもたらす不活性化した結核菌(Mycobacterium tuberculosis)および百日咳毒素を加えて乳化させなければならない。
MSは、(最も一般的な最初の)悪化の突発性の急性期間、神経学的機能の徐々に進行する悪化、または両方の組合せを含めた、提示のいくつかの形態を有する。これらの異なる提示には、標準化された名前が与えられており、それらは、再発寛解性(RR)、二次進行性(SP)、一次進行性(PP)および進行再発性(PR)である。RR-MSは、完全な回復または回復時の続発症および残余の欠損のいずれかを伴う、明らかに確定した疾患の再発と定義され、疾患の再発と再発との間の期間は、疾患の進行の欠如により特徴付けられる。およそ85%の患者が、RR-MSから始まる(Lublin FDおよびReingold SC、Defining the clinical course of multiple sclerosis: results of an international survey、National Multiple Sclerosis Society (USA) Advisory Committee on Clinical Trials of New Agents in Multiple Sclerosis、Neurology、1996年、46: 907〜911頁;Committee on Multiple Sclerosis、Clinical and biological features、Joy JE、Johnston RB Jr編、Multiple Sclerosis status and strategies for the future、Washington, DC、National Academies Press、2001年: 30中)。本発明のある実施形態では、治療しようとする疾患は、多発性硬化症の再発寛解性の形態(RR-MS)である。
本発明のある実施形態では、医薬は、ジアゾキシドを、唯一の治療剤として含む。しかし、MSを、複数のアプローチを用いて、2つ以上の多発性硬化症を治療するのに有用な治療剤を使用して治療するのが好都合な場合がある。また、哺乳動物における、多発性硬化症を治療する場合のジアゾキシドの有益な使用は、この疾患のための別の治療と組み合わせる場合も、高価値をもち得るであろう。したがって、本発明の別の実施形態では、ジアゾキシドと多発性硬化症を治療するのに有用な1つまたは複数の治療剤との組合せ投与のために、医薬を調製する。
用語「多発性硬化症を治療するのに有用な治療剤」は、多発性硬化症を治療するために使用するのに適した薬剤を指す。多発性硬化症を治療するのに有用な治療剤として、非限定的に、フィンゴリモド、ラキニモド(laquinimod)、テリフルノミデ(teriflunomide)、フマル酸エステル、クラドリビン、ミコフェノール酸モフェチル、アトルバスタチン、インターフェロン-ベータ、酢酸グラチラマー、ミトキサントロン、シクロホスファミド、ナタリズマブ、ダクリズマブ、リツキシマブ、ウステキヌマブ、オクレリズマブ、アレムツズマブ、バラシクロビル、CTLA4Ig、アタシセプトが挙げられる。
「組合せ投与」により、ジアゾキシドと多発性硬化症を治療するのに有用な治療剤とを、一緒に、または別個に、同時に、並行してもしくは順次に、任意の順番で投与することができ、例えば、ジアゾキシドの投与を最初に行い、続いて、多発性硬化症を治療するのに有用な1つもしくは複数の治療剤の投与を行うことができ、またはジアゾキシドの投与を最後に行い、多発性硬化症を治療するのに有用な1つもしくは複数の治療剤の投与が先行することができ、またはジアゾキシドの投与を、多発性硬化症を治療するのに有用な1つもしくは複数の治療剤に付随して行うことができることが理解されなければならない。
当業者であれば、本発明の文脈においては、ジアゾキシドと多発性硬化症を治療するのに有用な追加の治療剤との組合せ投与ための医薬は、単一の投与剤型の形態または別個の投与剤型をとることができることを理解する。本発明のある実施形態では、医薬は、ジアゾキシドと、フィンゴリモド、ラキニモド、テリフルノミデ、フマル酸エステル、クラドリビン、ミコフェノール酸モフェチル、アトルバスタチン、インターフェロン-ベータ、酢酸グラチラマー、ミトキサントロン、シクロホスファミド、ナタリズマブ、ダクリズマブ、リツキシマブ、ウステキヌマブ、オクレリズマブ、アレムツズマブ、バラシクロビル、CTLA4Igおよびアタシセプトから選択される多発性硬化症を治療するのに有用な1つまたは複数の追加の治療剤とを含む。
本発明の別の実施形態では、ジアゾキシドおよび追加の治療剤が単一の投与剤型中に含有される。単一の投与剤型中でジアゾキシドと組み合わせるのに適している追加の治療剤は、フィンゴリモド、ラキニモド、テリフルノミデ、フマル酸エステル、クラドリビン、ミコフェノール酸モフェチルおよびアトルバスタチン、好ましくは、フィンゴリモド、ラキニモド、テリフルノミデおよびフマル酸エステル、より好ましくは、フィンゴリモド、ラキニモドおよびテリフルノミデ、最も好ましくは、フィンゴリモドおよびラキニモドである。
本発明の別の実施形態では、ジアゾキシドおよび追加の治療剤が別個の投与剤型中に含有される。別個の投与剤型をとって、ジアゾキシドとの組合せ治療に適している追加の治療剤は、インターフェロンベータ、酢酸グラチラマー、ミトキサントロン、シクロホスファミド、ナタリズマブ、フィンゴリモド、ラキニモド、フマル酸エステル、テリフルノミデ、クラドリビン、ミコフェノール酸モフェチル、ダクリズマブ、リツキシマブ、ウステキヌマブ、オクレリズマブ、アレムツズマブ、バラシクロビル、CTLA4Ig、アトルバスタチンおよびアタシセプト、好ましくは、インターフェロンベータ、酢酸グラチラマー、ミトキサントロン、シクロホスファミドおよびナタリズマブ、より好ましくは、インターフェロンベータ、酢酸グラチラマーおよびミトキサントロン、最も好ましくは、インターフェロンベータである。
本発明によれば、ジアゾキシドは、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患を、最大12mg/m2/日(ヒトにおいて、0.324mg/kg/日)の用量で治療するのに有効であることが見出されており、この用量は、低血糖および高血圧を治療するために現時点で使用されている用量(それぞれ、3〜8mg/kg/日および150〜600mg/kg/日)よりもはるかに低い。
本発明のある実施形態では、ジアゾキシドを、ヒト患者を治療するために使用する場合、0.002mg/kg/日〜0.324mg/kg/日、好ましくは、0.002mg/kg/日〜0.1mg/kg/日、好ましくは、0.002mg/kg/日〜0.081mg/kg/日、好ましくは、0.002mg/kg/日〜0.07mg/kg/日、より好ましくは、0.002mg/kg/日〜0.065mg/kg/日、さらにより好ましくは、0.002mg/kg/日〜0.041mg/kg/日、最も好ましくは、0.002mg/kg/日〜0.020mg/kg/日、さらに最も好ましくは、0.002mg/kg/日〜0.010mg/kg/日の範囲に及ぶ量で投与する。これらの用量は、60Kgの平均体重を有する患者の場合、0.12mg/日〜19.5mg/日、好ましくは、0.12mg/日〜6mg/日、好ましくは、0.12mg/日〜4.86mg/日、好ましくは、0.12mg/日〜4.22mg/日、より好ましくは、0.12mg/日〜3.89mg/日、さらにより好ましくは、0.12mg/日〜2.43mg/日、最も好ましくは、0.12mg/日〜1.22mg/日、さらに最も好ましくは、0.12mg/日〜0.60mg/日の範囲に及ぶ1日用量に相当する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
第2の実施形態では、ジアゾキシドを、ヒト患者を治療するために使用する場合、0.002mg/kg/日〜0.324mg/kg/日、好ましくは、0.002mg/kg/日〜0.216mg/kg/日、好ましくは、0.002mg/kg/日〜0.108mg/kg/日、好ましくは、0.004mg/kg/日〜0.108mg/kg/日、より好ましくは、0.008mg/kg/日〜0.108mg/kg/日、さらにより好ましくは、0.027mg/kg/日〜0.108mg/kg/日の範囲に及ぶ量で投与する。これらの用量は、60Kgの平均体重を有する患者の場合、0.12mg/日〜19.5mg/日、好ましくは、0.12mg/日〜13.0mg/日、好ましくは、0.12mg/日〜6.48mg/日、好ましくは、0.24mg/日〜6.48mg/日、好ましくは、0.48mg/日〜6.48mg/日、より好ましくは、1.62mg/日〜6.48mg/日の範囲に及ぶ1日用量に相当する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
これらの1日用量は、1日1回投与しても、または2もしくは3つの等しい用量に分けて、1日かけて投与してもよい。医薬組成物中のジアゾキシド含有量は、1日の投与回数に従って変化させる。
したがって、別の態様による第1の実施形態では、本発明は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患から選択されるCNSの脱髄性疾患に罹患しているヒトの治療において使用するために、0.04mg〜6.50mg、好ましくは、0.04mg〜2mg、好ましくは、0.04mg〜1.62mg、好ましくは、0.04mg〜1.41mg、より好ましくは、0.04mg〜1.30mg、さらにより好ましくは、0.04mg〜0.81mg、最も好ましくは、0.04mg〜0.41mg、さらに最も好ましくは、0.04mg〜0.20mgのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を含有する、1日3回投与のために製剤化した単位用量組成物を提供する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
別の態様による第2の実施形態では、本発明は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患から選択されるCNSの脱髄性疾患に罹患しているヒトの治療において使用するために、0.04mg〜6.49mg、好ましくは、0.04mg〜4.34mg、好ましくは、0.04mg〜2.16mg、好ましくは、0.08mg〜2.16mg、より好ましくは、0.16mg〜2.16mg、さらにより好ましくは、0.54mg〜2.16mgのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を含有する、1日3回投与のために製剤化した単位用量組成物を提供する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
別の態様による第1の実施形態では、本発明は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患から選択されるCNSの脱髄性疾患に罹患しているヒトの治療において使用するために、0.06mg〜9.75mg、好ましくは、0.06mg〜3mg、好ましくは、0.06mg〜2.43mg、好ましくは、0.06mg〜2.11mg、より好ましくは、0.06mg〜1.95mg、さらにより好ましくは、0.06mg〜1.21mg、最も好ましくは、0.06mg〜0.61mg、さらに最も好ましくは、0.06mg〜0.30mgのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を含有する、1日2回投与のために製剤化した単位用量組成物を提供する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
別の態様による第2の実施形態では、本発明は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患から選択されるCNSの脱髄性疾患に罹患しているヒトの治療において使用するために、0.06mg〜9.75mg、好ましくは、0.06mg〜6.49mg、好ましくは、0.06mg〜3.24mg、好ましくは、0.12mg〜3.24mg、より好ましくは、0.24mg〜3.24mg、さらにより好ましくは、0.81mg〜3.24mgのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を含有する、1日2回投与のために製剤化した単位用量組成物を提供する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
さらに別の態様による第1の実施形態では、本発明は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患から選択されるCNSの脱髄性疾患に罹患しているヒトの治療において使用するために、0.12mg〜19.5mg、好ましくは、0.12mg〜6mg、好ましくは、0.12mg〜4.86mg、好ましくは、0.12mg〜4.22mg、より好ましくは、0.12mg〜3.89mg、さらにより好ましくは、0.12mg〜2.43mg、最も好ましくは、0.12mg〜1.22mg、さらに最も好ましくは、0.12mg〜0.60mgのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を含有する、1日1回投与のために製剤化した単位用量組成物を提供する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
別の態様による第2の実施形態では、本発明は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患から選択されるCNSの脱髄性疾患に罹患しているヒトの治療において使用するために、0.12mg〜19.5mg、好ましくは、0.12mg〜13.0mg、好ましくは、0.12mg〜6.49mg、好ましくは、0.24mg〜6.49mg、より好ましくは、0.48mg〜6.49mg、さらにより好ましくは、1.62mg〜6.49mgのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を含有する、1日1回投与のために製剤化した単位用量組成物を提供する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
特定の実施形態では、本発明は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患から選択されるCNSの脱髄性疾患に罹患しているヒトの治療において使用するために、ジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を、1.0mg、1.5mgおよび3.0mgから選択される量で含む単位用量組成物を提供する。
本発明では、用語「医薬組成物」は、本明細書で使用する用語「医薬」と同等である。
医薬組成物は、1日1回または1日2回の投与を意図する経口投与剤型であり得る。この剤形は、患者の治療形態に対するアドヒアランス、したがって、この形態に関する服薬遵守を促進する。
別の態様の一実施形態では、本発明は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患から選択されるCNSの脱髄性疾患に苦しむ哺乳動物の治療方法を対象とし、この方法は、0.075mg/m2/日〜3.00mg/m2/日、好ましくは、0.075mg/m2/日〜2.60mg/m2/日、より好ましくは、0.075mg/m2/日〜2.40mg/m2/日、より好ましくは、0.075mg/m2/日〜1.90mg/m2/日、さらにより好ましくは、0.075mg/m2/日〜1.50mg/m2/日、最も好ましくは、0.075mg/m2/日〜0.75mg/m2/日の範囲に及ぶジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の量を投与するステップを含む。0.075mg/m2/日〜0.37mg/m2/日の範囲に及ぶジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の量を投与するのがさらに好ましい。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
別の態様の別の実施形態では、本発明は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患から選択されるCNSの脱髄性疾患に苦しむ哺乳動物の治療方法を対象とし、この方法は0.075mg/m2/日〜12.00mg/m2/日、好ましくは、0.075mg/m2/日〜8.00mg/m2/日、好ましくは、0.075mg/m2/日〜4.00mg/m2/日、好ましくは、0.15mg/m2/日〜4.00mg/m2/日、より好ましくは、0.3mg/m2/日〜4mg/m2/日、さらにより好ましくは、1〜4mg/m2/日の範囲に及ぶジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の量を投与するステップを含む。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
別の態様の第1の実施形態では、ジアゾキシドを、ヒト患者を治療するために使用する場合、治療方法は、0.002mg/kg/日〜0.324mg/kg/日、好ましくは、0.002mg/kg/日〜0.1mg/kg/日、好ましくは、0.002mg/kg/日〜0.081mg/kg/日、好ましくは、0.002mg/kg/日〜0.07mg/kg/日、より好ましくは、0.002mg/kg/日〜0.065mg/kg/日、さらにより好ましくは、0.002mg/kg/日〜0.041mg/kg/日、最も好ましくは、0.002mg/kg/日〜0.020mg/kg/日、さらに最も好ましくは、0.002mg/kg/日〜0.010mg/kg/日の範囲に及ぶジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の量を投与するステップを含む。これらの用量は、60Kgの平均体重を有する患者の場合、0.12mg/日〜19.5mg/日、好ましくは、0.12mg/日〜6mg/日、好ましくは、0.12mg/日〜4.86mg/日、好ましくは、0.12mg/日〜4.22mg/日、より好ましくは、0.12mg/日〜3.89mg/日、さらにより好ましくは、0.12mg/日〜2.43mg/日、最も好ましくは、0.12mg/日〜1.22mg/日、さらに最も好ましくは、0.12mg/日〜0.60mg/日の範囲に及ぶ1日用量に相当する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
別の態様の第2の実施形態では、ジアゾキシドを、ヒト患者を治療するために使用する場合、治療方法は、0.002mg/kg/日〜0.324mg/kg/日、好ましくは、0.002mg/kg/日〜0.216mg/kg/日、好ましくは、0.002mg/kg/日〜0.108mg/kg/日、好ましくは、0.004mg/kg/日〜0.108mg/kg/日、より好ましくは、0.008mg/kg/日〜0.108mg/kg/日、さらにより好ましくは、0.027mg/kg/日〜0.108mg/kg/日の範囲に及ぶジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の量を投与するステップを含む。これらの用量は、60Kgの平均体重を有する患者の場合、0.12mg/日〜19.5mg/日、好ましくは、0.12mg/日〜13.0mg/日、好ましくは、0.12mg/日〜6.49mg/日、好ましくは、0.24mg/日〜6.49mg/日、より好ましくは、0.48mg/日〜6.49mg/日、さらにより好ましくは、1.62mg/日〜6.49mg/日の範囲に及ぶ1日用量に相当する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
これらの1日用量は、1日1回投与しても、または2もしくは3つの等しい用量に分けて、1日かけて投与してもよい。投与するジアゾキシドの量は、1日の投与回数に従って変化させる。
したがって、別の態様による第1の実施形態では、本発明は、0.04mg〜6.50mg、好ましくは、0.04mg〜2mg、好ましくは、0.04mg〜1.62mg、好ましくは、0.04mg〜1.41mg、より好ましくは、0.04mg〜1.30mg、さらにより好ましくは、0.04mg〜0.81mg、最も好ましくは、0.04mg〜0.41mg、さらに最も好ましくは、0.04mg〜0.20mgの範囲に及ぶジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の量を1日3回投与するステップを含む治療方法を提供する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
第2の実施形態では、本発明は、0.04mg〜6.50mg、好ましくは、0.04mg〜4.32mg、好ましくは、0.04mg〜2.16mg、好ましくは、0.08mg〜2.16mg、より好ましくは、0.16mg〜2.16mg、さらにより好ましくは、0.54mg〜2.16mgの範囲に及ぶジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の量を1日3回投与するステップを含む治療方法を提供する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
その上別の態様の第1の実施形態では、本発明は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患の治療において、1日3回投与するために、0.04mg〜6.50mg、好ましくは、0.04mg〜2mg、好ましくは、0.04mg〜1.62mg、好ましくは、0.04mg〜1.41mg、より好ましくは、0.04mg〜1.30mg、さらにより好ましくは、0.04mg〜0.81mg、最も好ましくは、0.04mg〜0.41mg、さらに最も好ましくは、0.04mg〜0.20mgのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物を提供する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
この態様の第2の実施形態では、本発明は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患の治療において、1日3回投与するために、0.04mg〜6.50mg、好ましくは、0.04mg〜4.32mg、好ましくは、0.04mg〜2.16mg、好ましくは、0.08mg〜2.16mg、より好ましくは、0.16mg〜2.16mg、さらにより好ましくは、0.54mg〜2.16mgのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物を提供する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
別の態様による第1の実施形態では、本発明は、0.06mg〜9.75mg、好ましくは、0.06mg〜3mg、好ましくは、0.06mg〜2.43mg、好ましくは、0.06mg〜2.11mg、より好ましくは、0.06mg〜1.95mg、さらにより好ましくは、0.06mg〜1.21mg、最も好ましくは、0.06mg〜0.61mg、さらに最も好ましくは、0.06mg〜0.30mgの範囲に及ぶジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の量を1日2回投与するステップを含む治療方法を提供する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
この態様による第2の実施形態では、本発明は、0.06mg〜9.75mg、好ましくは、0.06mg〜6.49mg、好ましくは、0.06mg〜3.24mg、好ましくは、0.12mg〜3.24mg、より好ましくは、0.24mg〜3.24mg、さらにより好ましくは、0.81mg〜3.24mgの範囲に及ぶジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の量を1日2回投与するステップを含む治療方法を提供する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
その上別の態様の第1の実施形態では、本発明は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患の治療において、1日2回投与するために、0.06mg〜9.75mg、好ましくは、0.06mg〜3mg、好ましくは、0.06mg〜2.43mg、好ましくは、0.06mg〜2.11mg、より好ましくは、0.06mg〜1.95mg、さらにより好ましくは、0.06mg〜1.21mg、最も好ましくは、0.06mg〜0.61mg、さらに最も好ましくは、0.06mg〜0.30mgのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物を提供する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
その上別の態様の第2の実施形態では、本発明は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患の治療において、1日2回投与するために、0.06mg〜9.75mg、好ましくは、0.06mg〜6.49mg、好ましくは、0.06mg〜3.24mg、好ましくは、0.12mg〜3.24mg、より好ましくは、0.24mg〜3.24mg、さらにより好ましくは、0.81mg〜3.24mgのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物を提供する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
さらに別の態様による第1の実施形態では、本発明は、0.12mg〜19.5mg、好ましくは、0.12mg〜6mg、好ましくは、0.12mg〜4.86mg、好ましくは、0.12mg〜4.22mg、より好ましくは、0.12mg〜3.89mg、さらにより好ましくは、0.12mg〜2.43mg、最も好ましくは、0.12mg〜1.22mg、さらに最も好ましくは、0.12mg〜0.60mgの範囲に及ぶジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の量を1日1回投与するステップを含む治療方法を提供する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
第2の実施形態では、本発明は、0.12mg〜19.5mg、好ましくは、0.12mg〜13.0mg、好ましくは、0.12mg〜6.49mg、好ましくは、0.24mg〜6.49mg、より好ましくは、0.48mg〜6.49mg、さらにより好ましくは、1.62mg〜6.49mgの範囲に及ぶジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の量を1日1回投与するステップを含む治療方法を提供する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
その上別の態様の第1の実施形態では、本発明は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患の治療において、1日1回投与するために、0.12mg〜19.5mg、好ましくは、0.12mg〜6mg、好ましくは、0.12mg〜4.86mg、好ましくは、0.12mg〜4.22mg、より好ましくは、0.12mg〜3.89mg、さらにより好ましくは、0.12mg〜2.43mg、最も好ましくは、0.12mg〜1.22mg、さらに最も好ましくは、0.12mg〜0.60mgのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物を提供する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
第2の実施形態では、本発明は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患の治療において、1日1回投与するために、0.12mg〜19.5mg、好ましくは、0.12mg〜13.0mg、好ましくは、0.12mg〜6.49mg、好ましくは、0.24mg〜6.49mg、より好ましくは、0.48mg〜6.49mg、さらにより好ましくは、1.62mg〜6.49mgのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物を提供する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
特定の実施形態では、ジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を、0.075mg/m2/日、1.85mg/m2/日、2.4mg/m2/日、3.0mg/m2/日、3.7mg/m2/日、11.1mg/m2/日、および12mg/m2/日から選択される量で投与する。分量は、ジアゾキシドの遊離塩基の量として表す。
一実施形態では、方法は、ジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を経口投与することを特徴とする。
本発明の一実施形態では、方法は、ジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を唯一の治療剤として投与することを特徴とする。その他の実施形態では、方法は、ジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩のある量を、多発性硬化症を治療するのに有用な1つまたは複数の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む。好ましい実施形態では、ジアゾキシドおよび追加の治療剤が単一の投与剤型中に含有される。その他の好ましい実施形態では、ジアゾキシドおよび追加の治療剤が別個の投与剤型中に含有される。
本発明の一実施形態では、方法は、ジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を、1日1回投与を意図する投与剤型として投与することを特徴とする。別の実施形態では、1日2回投与を意図する。
本発明の好ましい実施形態では、方法を、ヒトを治療するために使用する。
本発明のある実施形態では、治療方法は、多発性硬化症を治療するために使用し、多発性硬化症には、一次進行性MS(PP-MS)、二次進行性MS(SP-MS)、進行再発性MS(PR-MS)、および多発性硬化症の形態の再発寛解性の形態(RR-MS)が、より好ましくは、再発寛解性の多発性硬化症の形態(RR-MS)がある。
上記に記載したように、ジアゾキシドを、示した用量で、疾患の臨床徴候が出現する前または後のいずれにも投与することによって使用することができる。しかし、驚くべきことに、本発明者らは、疾患の臨床徴候が出現し始めるようになってからのみ投与する場合、疾患の臨床徴候が出現する前に投与を開始する場合よりも有効な疾患の進行の制御が得られることを見出すに至った。このことは、実施例3(後治療)から得られた結果と実施例2(前治療)から得られた結果とを比較した場合に認めることができる。(例えば、用量0.8mg/kg(2.4mg/m2)では)後治療として投与した場合、EAEの臨床徴候を軽減させる効果が、疾患の最初の進行から実験終了まで生じ、一方、同じ投与量を前治療として投与した場合には、この効果は主として、実験の終わりにのみに観察されることを観察することができる。
したがって、さらなる態様では、本発明は、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患から選択されるCNSの脱髄性疾患に苦しむ哺乳動物の治療方法を提供し、この方法は、哺乳動物が疾患の存在と関連がある臨床徴候を示し始めるようになってからのみ、0.075mg/m2/日〜12.00mg/m2/日の範囲に及ぶジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の量を投与するステップを含む。
(実施例)
マウスにおいて実施した本発明の実験は、ジアゾキシドは、最大12mg/m2/日の、異なる1日用量で有効であることを示すに至った。
ジアゾキシドの用量は、ジアゾキシドのmg/kg体重またはジアゾキシドのmg/m2体表面積のいずれかとして表すことができる。Reagan-Shaw S、「Dose translation from animal to human studies revisited」、FASEB J、2007年、22: 659〜661頁からの論文に、mg/kgからmg/m2に変換するために使用する標準的な変換係数が示されている:
用量(mg/kg)×Km=用量(mg/m2)。
また、この論文は、この変換は、第1の動物種における用量から第2の動物種における用量に変換するための基礎となることも説明している(相対用量換算)。したがって、mg/kgで示す動物用量(AD)を、mg/kgで示すヒト相当用量(HED)に、以下の式を使用して変換することができる。
式中、各種についてのKmを、Table I(表1)に示す(Reagan-Shaw S、Dose translation from animal to human studies revisited、FASEB J、2007年、22: 659〜661頁から抽出したデータ)。
したがって、マウスにおいて、0.025mg/kg/日、0.05mg/kg/日、0.25mg/kg/日、0.8mg/kg/日、1mg/kg/日および10mg/kg/日の用量を用いる実験は、0.075mg/m2/日、0.15mg/m2/日、0.75mg/m2/日、2.4mg/m2/日、3mg/m2/日および30mg/m2/日の哺乳動物における一般的な用量に相当する。
本発明の利点を、以下の実施例を参照してより十分に示す。
(実施例1)
低い用量のジアゾキシドは、マウスにおいて高血糖を引き起こさない
ジアゾキシドの非常に低い用量の、糖血症に対するin vivoにおける作用を決定するために、マウスに、ジアゾキシドを毎日投与し、モニターした。雌のC57BL/6Jマウス、11週齢を、Charles Riverから購入し、12:12時間の明暗サイクルで維持し、標準的な固形飼料および水を自由に与えた。実験を11:00に開始した。ジアゾキシド(Sigma-Aldrich、St. Louis、Mo、米国)を、用量1mg/kg(3mg/m2)(図1A)および0.05mg/kg(0.15mg/m2)(図1B)で、経管栄養(p.o.)により、最初の4日間毎日経口投与した(n=6/群)。この期間は、血漿ジアゾキシド濃度の定常状態を生み出すのに必要であるとみなした。第4日以降、グルコースの血中レベルを、30日の治療期間の間3〜4日毎に測定した。測定を、薬物投与の直前(第0時)および第60分に実施した。血液試料を、伏在静脈から得、グルコースレベルを、糖値計およびグルコース試験条片(Accu-Chek(登録商標)Aviva、Roche Diagnostics、Indianapolis、Ind、米国)を使用して決定した。各群について、グルコース濃度が176mg/dl以上である場合、高血糖とみなした。図1に示すように、この研究で試験した2つの用量はいずれも、ジアゾキシド治療の30日間の間高血糖を発生させなかった。
(実施例2)
低い用量のジアゾキシドは、マウスにおける実験的自己免疫性脳脊髄炎を改善する
雌のC57BL/6Jマウス、8〜10週齢を、Harlan Laboratoriesから購入し、12:12時間の明暗サイクルで維持し、標準的な固形飼料および水を自由に与えた。EAEを、>95%純粋な合成ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質ペプチド35-55を用いた免疫化により誘発した(ラットMOG35-55、配列:MEVGWYRSPFSRVVHLYRNGK; EspiKem Srl、Florence、イタリア)。マウスの側腹部の一側に、完全フロイントアジュバント(Sigma-Aldrich、St Louis、Mo、米国)中の150μgのラットMOGと、5mg/mlの結核菌H37RA(Difco Laboratories、Detroit、MI、米国)とを含有する溶液100μlを皮下注射した。また、マウスに、100μlのPBS中の150ngの百日咳毒素(Sigma-Aldrich、St. Louis、Mo、米国)の腹腔内注射も、MOG注射の直後および48時間後に各1回与えた。
マウスを、EAEの徴候について、以下の判断基準を使用して0〜6のスケール上で、毎日スコア化した。すなわち、0:臨床徴候なし;1:遠位のぐったりした尾;1.5:完全にぐったりした尾;2:後肢の軽度の不全対麻痺、不安定歩行、立ち直り反応の機能的障害;3:中等度の不全対麻痺、部分的な後肢の麻痺、随意運動は依然として可能である、運動失調;4:対麻痺および前肢の衰弱;5:四肢不全麻痺;6:瀕死状態。臨床徴候が、疾患の2つのグレード間の中間である場合、より低いスコアに0.5を足した(Suenら、A critical role for lymphotoxin in experimental allergic encephalomyelitis、J Exp Med、1997年、186: 1233〜40頁)。
マウスを免疫化した同じ日に、マウスを、ジアゾキシド治療群または対照群に無作為に帰属させた。治療期間は30日間であり、免疫化の時点から開始し、薬物を、98.5%の水および1.5%のジメチルスルホキシド(Sigma-Aldrich、St. Louis、Mo、米国)からなるビヒクル中に溶解させ、200μlの用量体積で経管栄養(p.o.)により毎日経口投与した。ジアゾキシド(Sigma-Aldrich、St. Louis、Mo、米国)を、0.025mg/kg(0.075mg/m2)および0.8mg/kg(2.4mg/m2)の用量で投与した。1つの対照群には、ビヒクルを毎日経口投与した。
非パラメトリックなマン-ホイットニー-ウィルコクソン検定を実施して、日毎に、異なる治療群間の差を確立した。p<0.05を有意であるとみなした。研究全体にわたる全体的な治療効果を試験するために、治療群と対照群との曲線下面積を、一方向分散分析検定を使用して比較した。p<0.05を有意であるとみなした。
EAE免疫化後の第9日から、いくつかのマウスが、探索活動の低下および摂食行動の低下、ならびに体重減少を示し始めた。第12日には、いくつかのマウスが、弛緩性の尾および後ろ足の不全麻痺を含めた、発症の徴候を示した。これらの症状は、徐々に悪化し、完全な麻痺、四肢麻痺をもたらし、死亡さえももたらした。臨床徴候は、第15日付近にピークに達し、4〜6日間さらに続き、次いで、軽微な回復が徐々に続いた(図2)。
試験したジアゾキシドの投与量は全て、臨床スコアについて、対照群と比較した場合、免疫化後の第13日以降、より良好な平均値を示した。投与量0.8mg/kgについては、臨床値は、プラセボ対照群と比較した場合、第13日に、および第25日から第30日まで有意により低かった(図2A)。0.025mg/kg(0.075mg/m2)のジアゾキシド治療群については、対照群と比較した場合、第14日、第15日、第18日および第19日に有意な差があった(図2B)。
治療の第1日から、ジアゾキシドのどちらの用量を与えられたマウスも、臨床スコアの減少の全体平均は26%であり、有意な減少を提示した(0.025mg/Kg(0.075mg/m2)の用量については、p<0.05、および0.8mg/Kg(2.4mg/m2)の用量については、p<0.01)(図2C)。
(実施例3)
最初の臨床徴候の後の、低い用量のジアゾキシドを用いた治療が、マウスにおける実験的自己免疫性脳脊髄炎を改善する
マウスにおける実験的自己免疫性脳脊髄炎の誘発および臨床のスコア化を、実施例2の記載に従って実施した。
1の値のスコアを示した日に、マウスはいずれも、ジアゾキシド治療群またはプラセボ対照群に無作為に帰属させた。治療期間は15日間であり、薬物を、98.5%の水および1.5%のジメチルスルホキシド(Sigma-Aldrich、St. Louis、Mo、米国)からなるビヒクル中に溶解させ、200μlの用量体積で経管栄養(p.o.)により毎日経口投与した。ジアゾキシド(Sigma-Aldrich、St. Louis、Mo、米国)を、0.05mg/kg(0.15mg/m2)、0.8mg/kg(2.4mg/m2)、1mg/kg(3mg/m2)および4mg/kg(12mg/m2)の用量で投与した。1つのプラセボ対照群には、ビヒクルを毎日経口投与した。
非パラメトリックなマン-ホイットニー-ウィルコクソン検定を実施して、日毎に、治療群と対照群との間の差を確立した。p<0.05を有意であるとみなした。研究全体にわたる全体的な治療効果を試験するために、治療群と対照群との曲線下面積を、一方向分散分析検定を使用して比較した。p<0.05を有意であるとみなした。
プラセボ対照群と比較して、ジアゾキシドを用いた治療は、マウスにおいて、死亡率および日毎の臨床スコアの平均を、試験した3つの用量(0.05mg/kg(0.15mg/m2)、0.8mg/kg(2.4mg/m2)および1mg/kg(3mg/m2))で顕著に低下させることが証明された(図3および4)。
ジアゾキシド4mg/kg(12mg/m2)を用いて治療した群については、対照群と比較した場合、第4日および第5日に臨床スコアの有意な低下があった(図3A)。投与量1mg/kg(3mg/m2)および0.8mg/kg(2.4mg/m2)については、プラセボ対照群と比較した場合、それぞれ、第4日から第15日まで(図3B)、および第6日から第15日まで(図3C)の臨床値は全て、有意により低かった。0.05mg/kg(0.15mg/m2)ジアゾキシド治療群については、対照群と比較した場合、研究の最後のフェーズ(第15日)において有意な差があった(図3D)。
治療の第1日から、0.05mg/kg(0.15mg/m2)および4mg/kg(12mg/m2)の用量を与えられたマウスはそれぞれ、19%および15%の臨床スコアの減少の全体平均を提示した。この低下は、0.8mg/kg(2.4mg/m2)および1mg/kg(3mg/m2)の1日用量を与えられたマウスにおいては40%に達し、有意であった(p<0.05)(図4)。
総合すると、実施例1、2および3から得られた結果は、低用量のジアゾキシドの標準的な薬理学的調製物は、EAEマウスにおける多発性硬化症の臨床徴候を軽減させるが、糖血症に対する作用は示さないことを明らかに実証している。したがって、低い用量のジアゾキシドを、多発性硬化症(MS)、その変異型、およびその他の中枢神経系(CNS)の自己免疫性脱髄性疾患から選択されるCNSの脱髄性疾患に罹患している哺乳動物を治療するのに適した医薬組成物中に含ませることができる。
興味深いことに、経口ジアゾキシドを、疾患の臨床徴候が始まってしまってから投与した場合に、日毎の臨床スコアが、プラセボ群と比較した場合、連続10日間にわたり顕著に低下した(図3C)。いずれかの臨床徴候が観察可能となる前に経口投与した同じ投与量については、この低下は、不連続に7日にわたり有意であった(図2A)。効果の全体平均を、対プラセボ群のパーセントとして表す曲線下面積として分析した場合、低下は、後治療においてジアゾキシド0.8mg/kg(2.4mg/m2)を投与した群については、約40%であり(図4)、一方、全体平均のこの低下は、同じ形態ではあるが前治療で投与した群においては、26%であった(図2C)。これらの結果は、ジアゾキシドを用いた経口治療は、特徴的なEAEの臨床徴候の軽減において、同じ投与量の場合、これらの臨床徴候が顕在化する以前に投与を開始する場合ではなく、後治療として(臨床徴候が出現してしまってから)投与する場合に、より強力で、かつより一定した効果を示すことを示している。

Claims (46)

  1. 自己免疫性CNS脱髄性疾患に罹患している哺乳動物の治療のための医薬を製造するための、ジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の使用であって、前記医薬が、ジアゾキシドの遊離塩基のmg/m2/日として表す場合、0.075mg/m2/日〜12.00mg/m2/日のジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の1日用量を投与するために調製される、使用。
  2. ジアゾキシドの遊離塩基が使用される、請求項1に記載の使用。
  3. 前記哺乳動物がヒトである、請求項1または2に記載の使用。
  4. 前記疾患が、多発性硬化症(MS)、臨床分離症候群(CIS)、隆起性(腫瘍様)MS、マールブルグ急性MS、バロー同心円性硬化症、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、ワクチン後脳炎(PVE)、麻疹後脳脊髄炎(PIE)および視神経脊髄炎(NMO)から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 前記疾患が、多発性硬化症(MS)、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)およびワクチン後脳炎(PVE)から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
  6. 前記疾患が、多発性硬化症である、請求項5に記載の使用。
  7. 前記医薬が、経口投与のために調製される、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。
  8. 前記医薬が、0.075mg/m2/日〜2.60mg/m2/日のジアゾキシドの1日用量を投与するために調製される、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
  9. 前記医薬が、1.0mg/m2/日〜4.0mg/m2/日のジアゾキシドの1日用量を投与するために調製される、請求項7に記載の使用。
  10. 前記医薬が、ジアゾキシドを唯一の治療剤として含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用。
  11. 前記医薬が、ジアゾキシドと多発性硬化症を治療するのに有用な1つまたは複数の治療剤との組合せ投与のために調製される、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用。
  12. 前記医薬が、ジアゾキシドと、フィンゴリモド、ラキニモド、テリフルノミデ、フマル酸エステル、クラドリビン、ミコフェノール酸モフェチル、アトルバスタチン、インターフェロン-ベータ、酢酸グラチラマー、ミトキサントロン、シクロホスファミド、ナタリズマブ、ダクリズマブ、リツキシマブ、ウステキヌマブ、オクレリズマブ、アレムツズマブ、バラシクロビル、CTLA4Igおよびアタシセプトから選択される、多発性硬化症を治療するのに有用な1つまたは複数の追加の治療剤とを含む、請求項11に記載の使用。
  13. ジアゾキシドおよび追加の治療剤が、単一の投与剤型中に含有される、請求項11または12に記載の使用。
  14. ジアゾキシドおよび追加の治療剤が、別個の投与剤型中に含有される、請求項11または12に記載の使用。
  15. ジアゾキシドの遊離塩基のmg/m2/日として表す場合、0.075mg/m2/日〜12.00mg/m2/日のジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の1日用量の投与による、自己免疫性CNS脱髄性疾患に罹患している哺乳動物の治療における使用のための、ジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩。
  16. ジアゾキシドが、遊離塩基の形態で使用される、請求項15に記載の使用のためのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩。
  17. 前記哺乳動物がヒトである、請求項15または16に記載の使用のためのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩。
  18. 前記疾患が、多発性硬化症(MS)、臨床分離症候群(CIS)、隆起性(腫瘍様)MS、マールブルグ急性MS、バロー同心円性硬化症、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、ワクチン後脳炎(PVE)、麻疹後脳脊髄炎(PIE)および視神経脊髄炎(NMO)から選択される、請求項15から17のいずれか一項に記載の使用のためのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩。
  19. 前記疾患が、多発性硬化症(MS)、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)およびワクチン後脳炎(PVE)から選択される、請求項15から18のいずれか一項に記載の使用のためのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩。
  20. 前記疾患が、多発性硬化症である、請求項19に記載の使用のためのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩。
  21. 経口投与される、請求項15から20のいずれか一項に記載の使用のためのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩。
  22. 0.075mg/m2/日〜2.60mg/m2/日のジアゾキシドの1日用量で投与される、請求項15から21のいずれか一項に記載の使用のためのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩。
  23. 1.0mg/m2/日〜4.0mg/m2/日のジアゾキシドの1日用量で投与される、請求項21に記載の使用のためのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩。
  24. 唯一の治療剤として投与される、請求項15から23のいずれか一項に記載の使用のためのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩。
  25. 多発性硬化症を治療するのに有用な1つまたは複数の治療剤と組み合わせて投与される、請求項15から23のいずれか一項に記載の使用のためのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩。
  26. 多発性硬化症を治療するのに有用な前記1つまたは複数の追加の治療剤が、フィンゴリモド、ラキニモド、テリフルノミデ、フマル酸エステル、クラドリビン、ミコフェノール酸モフェチル、アトルバスタチン、インターフェロン-ベータ、酢酸グラチラマー、ミトキサントロン、シクロホスファミド、ナタリズマブ、ダクリズマブ、リツキシマブ、ウステキヌマブ、オクレリズマブ、アレムツズマブ、バラシクロビル、CTLA4Igおよびアタシセプトから選択される、請求項25に記載の使用のためのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩。
  27. ジアゾキシドおよび追加の治療剤が、単一の投与剤型中に含有される、請求項25に記載の使用のためのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩。
  28. ジアゾキシドおよび追加の治療剤が、別個の投与剤型中に含有される、請求項25に記載の使用のためのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩。
  29. 自己免疫性CNS脱髄性疾患に罹患している哺乳動物を治療する方法であって、ジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を、ジアゾキシドの遊離塩基のmg/m2/日として表す場合、0.075mg/m2/日〜12.00mg/m2/日の1日用量で前記哺乳動物に投与するステップによる方法。
  30. ジアゾキシドが、遊離塩基の形態で投与される、請求項29に記載の方法。
  31. 前記哺乳動物がヒトである、請求項29または30に記載の方法。
  32. 前記疾患が、多発性硬化症(MS)、臨床分離症候群(CIS)、隆起性(腫瘍様)MS、マールブルグ急性MS、バロー同心円性硬化症、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、ワクチン後脳炎(PVE)、麻疹後脳脊髄炎(PIE)および視神経脊髄炎(NMO)から選択される、請求項29から31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記疾患が、多発性硬化症(MS)、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)およびワクチン後脳炎(PVE)から選択される、請求項29から32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記疾患が多発性硬化症である、請求項29から33のいずれか一項に記載の方法。
  35. ジアゾキシドまたはその塩が、前記哺乳動物に経口投与される、請求項29から34のいずれか一項に記載の方法。
  36. ジアゾキシドまたはその塩が、ジアゾキシドの遊離塩基のmg/m2/日として表す場合、0.075mg/m2/日〜2.60mg/m2/日のジアゾキシドの1日用量で投与される、請求項35に記載の方法。
  37. ジアゾキシドまたはその塩が、ジアゾキシドの遊離塩基のmg/m2/日として表す場合、1.0mg/m2/日〜4.0mg/m2/日のジアゾキシドの1日用量で投与される、請求項35に記載の方法。
  38. ジアゾキシドが、唯一の治療剤として投与される、請求項29から37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 医薬が、多発性硬化症を治療するのに有用な1つまたは複数の追加の治療剤と、順次に、並行してまたは別個に組み合わせて投与される、請求項29から37のいずれか一項に記載の方法。
  40. 多発性硬化症を治療するのに有用な追加の治療剤が、フィンゴリモド、ラキニモド、テリフルノミデ、フマル酸エステル、クラドリビン、ミコフェノール酸モフェチル、アトルバスタチン、インターフェロン-ベータ、酢酸グラチラマー、ミトキサントロン、シクロホスファミド、ナタリズマブ、ダクリズマブ、リツキシマブ、ウステキヌマブ、オクレリズマブ、アレムツズマブ、バラシクロビル、CTLA4Igおよびアタシセプトから選択される、請求項39に記載の方法。
  41. ジアゾキシドおよび追加の治療剤が、単一の投与剤型として並行して投与される、請求項39または40に記載の方法。
  42. ジアゾキシドおよび追加の治療剤が、別個の投与剤型として投与される、請求項39または40に記載の方法。
  43. 前記哺乳動物が、疾患の存在と関連がある臨床徴候を示し始めるようになってからのみ、ジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を投与するステップを含む、請求項39から42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 多発性硬化症(MS)、臨床分離症候群(CIS)、隆起性(腫瘍様)MS、マールブルグ急性MS、バロー同心円性硬化症、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、ワクチン後脳炎(PVE)、麻疹後脳脊髄炎(PIE)および視神経脊髄炎(NMO)から選択されるCNSの脱髄性疾患に罹患しているヒトの治療において使用するための、0.12mg〜19.5mgのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物。
  45. 多発性硬化症(MS)、臨床分離症候群(CIS)、隆起性(腫瘍様)MS、マールブルグ急性MS、バロー同心円性硬化症、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、ワクチン後脳炎(PVE)、麻疹後脳脊髄炎(PIE)および視神経脊髄炎(NMO)から選択されるCNSの脱髄性疾患に罹患しているヒトの治療において使用するための、0.12mg〜4.22mgのジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩を含む、請求項44に記載の医薬組成物。
  46. 多発性硬化症(MS)、臨床分離症候群(CIS)、隆起性(腫瘍様)MS、マールブルグ急性MS、バロー同心円性硬化症、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、ワクチン後脳炎(PVE)、麻疹後脳脊髄炎(PIE)および視神経脊髄炎(NMO)から選択されるCNSの脱髄性疾患に罹患しているヒトの治療において使用するための、1.0mg、1.5mgおよび3.0mgから選択されるジアゾキシドまたはその薬学的に許容できる塩の量を含む、請求項44に記載の医薬組成物。
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