JP2023184528A - チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄く、強く、非アレルギー性である、コンドーム、指サック、およびポリマー手袋などの予防的装置の提供。【解決手段】チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料のエラストマーコーティングをフォーマ上に配置する工程とエラストマーコーティングを硬化させ、ポリマー物品のエラストマー層を形成させる工程と含む、ポリマー物品を生成するための方法;ならびにチーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料を含む硬化合成ポリイソプレン粒子を含むエラストマー層を含む、ポリマー物品。【選択図】図1

Description

本開示は個人用保護物品、より特定的には、チーグラー・ナッタ触媒により触媒されたポリイソプレンを含むコンドームに関する。
予防的装置、例えばコンドーム、指サック、ならびに検査および手術用手袋などの手袋は典型的には、多くの使用の中での、化学薬品、擦過傷、病原菌、ウイルス、および微生物に対する保護を提供するためにポリマー材料から製造される。ポリマー材料としては、天然ゴムラテックス(天然ポリイソプレン)、合成ポリイソプレン、または様々なポリウレタンが挙げられる。天然ゴムから製造された予防的装置は強い。パラゴムノキおよび/またはグアユールを起源とする天然ゴムは、高レベルの立体規則性を有し、それを構成するそのポリマー分子は、ほぼ例外なく、cis-1,4イソプレン単位から構成されることが意味される。天然ゴムラテックスはまた、高い分子量および広い分子量分布を有する、高度に分枝したポリマーである。天然ゴムのこれらの特性により強度および弾性の独特な組み合わせを有する加硫ゴム製品が得られる。しかしながら、天然ゴムはまた、幾らかの感受性個体において皮膚アレルギー性反応を生成させるタンパク質を含む。
合成ポリイソプレン樹脂は、天然ゴムの利点を提供するように、かつタンパク質アレルギーの可能性を排除するように開発された。しかしながら、いくつかの合成ポリイソプレン、例えばKraton Inc.により、アニオン性付加重合により生成されるものは、典型的には、より低いレベルの立体規則性(すなわち、90%未満のcis1,4イソプレン)および低減された分子量から構成される。その結果として、そのような合成ポリイソプレンから生成された物品は、天然ゴム物品と比べて劣った特性を有する。加えて、より低いレベルの立体規則性を有する合成ポリイソプレンラテックスは都合悪く、懸濁液中で集まり、凝集し、これにより、浸漬品において欠陥が生じる。そのような合成ポリイソプレンのラテックス浸漬タンクでは、それに応じて、物品を浸漬するための使用可能な加工ウィンドウが制限される。さらに、抗凝集剤の添加は架橋を妨害し、異方性硬化特性、例えば、不十分な強度および伸長特性、例えば粒子間および粒子内領域内での破砕の形成による空隙およびクラックという結果になる。
薄く、強く、非アレルギー性である、コンドーム、指サック、およびポリマー手袋などの予防的装置を生成することが継続的に必要とされている。
本開示による実施形態は、ポリマー物品を含み、および、図の少なくとも1つに実質的に示される、および/またはこれに関連させて記載される、特許請求の範囲においてより完全に明記される、チーグラー・ナッタ触媒を用いて触媒された合成ポリイソプレン材料を含むポリマー物品を製造するための方法が開示される。本開示の様々な利点、態様および新規特徴は下記説明および図面からより完全に理解されるであろう。
前記概要は、本開示の各実施形態または全ての実施態様を記載するということは意図されず、かつ、企図されるべきではない。他のおよびさらなる実施形態が以下で記載される。
そのため、本開示の以上で列挙される特徴が細部にわたって理解され得る様式、以上で簡単に概要が示された開示のより特定的な記載は、実施形態への言及により理解され得、実施形態のいくつかは添付図面において説明される。しかしながら、添付図面はこの開示の典型的な実施形態を説明するにすぎず、そのため、その範囲を制限すると考えるべきではないことに注意すべきである。というのも、開示は他の同様に有効な実施形態を認めることができるからである。1つの実施形態の要素および特徴は、他の実施形態でさらに列挙することなく存在することができることが理解されるべきである。可能であれば、同一の参照番号が、図に共通している相当する要素を示すために使用されていることがさらに理解される。
本開示の実施形態による第1の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す。 本開示の実施形態による第2のTEM画像を示す。 本開示の実施形態による第3のTEM画像を示す。 本開示の実施形態による第4のTEM画像を示す。 一実施形態による、コンドームの斜視概略図である。
この開示で記載され、以上で簡単に概要が示され、以下でより詳細に記載される実施形態は、ポリマー物品、例えば薄壁コンドームを含むコンドームおよび手袋を含む。実施形態は、凝固剤を用いて形成されたコンドームまたは手袋を含み得る。実施形態は、チーグラー・ナッタにより触媒された合成ポリイソプレン材料を用いて形成されたコンドームおよび手袋を含み得る。実施形態は、チーグラー・ナッタにより触媒された合成ポリイソプレン材料および凝固剤を用いて製造されたコンドームおよび手袋を含み得る。
発明者らは、本明細書で記載されるチーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン樹脂から製造されたコンドームは増強された引張強さを有し、より薄いコンドームの製造が可能になることを予想外に観察した。コンドームが薄いほど、着用者により大きな感度を与えることができる。より薄い手袋はより可撓性であるが、予想外に穿刺抵抗および耐摩耗性を保持する。本開示による実施形態のいずれか、全てまたはいくつかは、例えば、断面厚さが0.030-0.065mmの厚さを有するコンドームおよび/またはポリマー手袋を含む。本開示による例示的な実施形態は、断面厚さが0.040-0.055mmであるコンドームまたはポリマー手袋を含む。
本開示の実施形態は、手袋、例えば検査用手袋、手術用手袋、および家庭用手袋、ならびに指サックをさらに含む。実施形態は、凝固剤を用いて形成された手袋をさらに含む。実施形態は、前面および後面を有する親指;複数の手指、手のひら領域;および手の甲領域を含むポリマー手袋を含む。
本開示の実施形態は、コンドームをさらに含む。実施形態は、凝固剤を用いて形成されたコンドームをさらに含む。実施形態は、開放端、閉端、および閉端から開放端まで延在する管状シースを含むコンドームを含む。図5は一実施形態によるコンドームの斜視概略図である。本明細書で開示されるZNにより触媒されたPIコンドーム100は閉端104および開放端108を含む。中空軸106が閉端104から開放端108まで延在し、開放端は閉端104の乳首端102の反対側に開口110を有する。任意で、コンドームは、ビード114をさらに含む。コンドームの中空軸はZNにより触媒されたPI粒子を含み、それはZNにより触媒された水性PIラテックス組成物により提供され得る。水性ラテックス組成物は60重量%~65重量%の範囲の固体含量を有し得る。組成物は、追加の水、好ましくは脱イオン水をさらに含むことができ、55重量%~60重量%の範囲の固体含量の組成物が得られる。任意で、水性ラテックス組成物は、1つ以上の増粘剤および/または安定剤/界面活性剤をさらに含み得る。着色剤および/または顔料は、任意で、水性ラテックス組成物に添加され得る。
本開示の実施形態を詳細に記載するに当たり、本明細書で使用される専門用語は特定の実施形態を記載する目的のためのものにすぎず、制限することを意図しない。本明細書で記載される実施形態は、特定の組成物、材料、デザインまたは機器に必ずしも制限されるべきではなく、そのようなものとして変動し得る。本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、文脈で別様に規定されない限り、この開示が属する分野の当業者が、従来理解している通常の意味を有する。また、この明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「1つの(a、an)」および「その(the)」は文脈で明確に別記されない限り、複数の指示対象を含む。
「屈曲」または「曲げる」という用語は指運動、例えば手指を曲げる、げんこつを作る、つかむ、握る、握り締めるまたは別様に手指を折り畳むことを示す。
「エマルジョン」、「分散物」、「ラテックス」および「懸濁液」という用語は、一般に類似しており、物質の小さな粒子、例えばゴム粒子が流体溶媒(例えば水および/またはアルコールおよび/または他の有機流体)と混合されるが、少なくとも部分的に不溶解で、かくはんにより(機械的懸濁液)および/または周囲媒体における分子力により(コロイド懸濁液)分散されたままである系を示す。本明細書で企図されるエマルジョンは、ゴムまたはエラストマー調合物および化合物のための典型的でかつ好適な成分、例えば促進剤、例えばグアニジン、チアゾール、チウラム、スルフェンアミド、チオ尿素、ジチオカルバメート、およびキサンタネート(xanthanate)をさらに含み得る。本明細書で企図されるエマルジョンは、活性化剤、例えば酸化亜鉛、架橋剤および硬化剤、例えば元素硫黄、モノスルフィド供与体(sulphidic donor)、ジスルフィド供与体、例えばテトラメチルチウラムジスルフィドおよびテトラエチルチウラムジスルフィド;および/またはポリスルフィド供与体、例えばキサントゲンポリスルフィドおよびジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドをさらに含み得る。本明細書で企図されるエマルジョンは、抗酸化剤および/またはオゾン劣化防止剤をさらに含み得る。少なくとも1つの好適な抗酸化剤はWingstay Lである。本明細書で企図されるエマルジョンは、界面活性剤、例えばドデシル硫酸ナトリウムおよびポリビニルアルコールをさらに含み得る。本明細書で企図されるエマルジョンは、レオロジー-改質剤、例えば様々な粘土およびアルミノシリケート、pH調整剤、例えば水酸化物、例えば水酸化カリウム、顔料、処理剤、および/または当業者に知られているフィラーをさらに含み得る。
「ポリマー」という用語は一般に、ホモポリマー、コポリマー、例えば例として、ブロック、グラフト、ランダムおよび交互コポリマー、ターポリマー、などを含むが、それらに限定されない。さらに、別様に特定的に制限されない限り、「ポリマー」という用語は分子の全ての可能な幾何学的配置を含む。これらの配置としてはアイソタクチック、シンジオタクチックおよびランダム対称が挙げられるが、それらに限定されない。
「熱可塑性」という用語は一般に、可逆的に柔軟で、成形可能で、特定の温度を超えて加熱可能であり、冷却で固化するポリマー材料を含む。「熱硬化」という用語は一般に、加熱および固化後強くなり、初期成形後再加熱および再成形することができないポリマー材料を含む。「熱可塑性エラストマー」(TPE)という用語は、熱可塑性および熱硬化性部分の両方を含むコポリマーのクラスを示し、両方の部分の特性を有する材料が生成される。「ゴム」という用語は一般に、天然ゴムラテックスから生成されるエラストマーまたは合成エラストマーを示す。
合成ポリイソプレン物品を生成するための方法は、チーグラー・ナッタ触媒を用いて触媒された合成ポリイソプレン樹脂のエマルジョンを使用することを含む。一般に、チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料の合成ポリイソプレン粒子は96%以上のcis-1,4-ポリイソプレンを含む。合成ポリイソプレン粒子は、およそ0.2~2マイクロメートル、好ましくは0.2~1.5マイクロメートルの範囲の粒子中位径を含み得る。例示的な合成ポリイソプレン材料は、タイにあるBST Elastomer Co., Ltdにより供給される。方法は、前加硫組成物および後加硫組成物を従来のエマルジョン添加物、例えば安定剤、pH制御剤、抗酸化剤、および保存剤、などと共にさらに含み得る。典型的な合成ポリイソプレンラテックス組成物は100重量部の乾燥ゴム(PHR)の観点から提供される。配合中、ラテックス組成物の成分は水性および/または有機溶媒中に懸濁され得る。
一般に、前加硫組成物は0.6~1.8PHRの範囲の硫黄を含む。促進剤パッケージは、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZDEC)および/またはジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZDBC)促進剤、および/またはジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム(SDBC)促進剤、ジイソプロピルキサントゲンポリスルフィド(DIXP)促進剤および/またはジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)促進剤を含む。前加硫組成物は0.6~2.5PHRの範囲の総促進剤含量を含み得る。前加硫組成物は酸化亜鉛活性化剤を含み得る。前加硫組成物は界面活性剤、すなわち、湿潤剤を含み得る。界面活性剤は脂肪酸の塩であってもよく、例えばステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、またはカプリル酸カリウムである。いくつかの実施形態は、1を超える界面活性剤、例えば、オクタン酸(octanic acid)のカリウム塩としても知られているカプリル酸カリウムおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)を含む。例示的な実施形態は、カプリル酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)およびポリオキシエチレンセチル/ステアリルエーテルを有する界面活性剤パッケージを0.3~およそ1.5PHRの範囲で含む。抗酸化剤および保存剤パッケージは、p-クレゾールのブチル化反応生成物および、任意で、ジシクロペンタジエンを0.3~およそ1.0PHRの範囲で含む。
前加硫パッケージ中の硫黄は、例えば、典型的にはS環構造の高い可溶性硫黄含量を有する元素硫黄である。前加硫組成物は、促進剤をさらに含む。例えば、S硫黄環構造を破壊する、または分裂させることができる促進剤はジチオカルバミン酸亜鉛である。「高い可溶性硫黄含量」への言及は、水性ラテックスエマルジョン中に存在するラテックス粒子中に浸透し、硬化中に架橋するのに十分であるように、十分な可溶性硫黄が存在することを意味し、商業的に許容される物品、例えばコンドームおよび/または手袋が達成される。ラテックス中の合成ラテックス粒子の前加硫は、一般に20℃~30℃の範囲にあるラテックスの温度によって、ある期間にわたって、例えば、9時間~2日にわたって起こる。合成ラテックス粒子の初期配合後の異なる点での前加硫の程度は4つの試験の少なくとも1つによりモニタされ得る。平衡膨潤試験は任意の好適な溶媒を使用し、合成ラテックスから乾燥させたフィルムの平衡膨潤を測定する。緩和弾性率試験は、溶解ラテックスから乾燥させたフィルムの100%伸長(MR100)での緩和弾性率の加硫を評価する。同様に、前加硫緩和弾性率試験(PRM)は前加硫フィルムの100%伸長での緩和弾性率を測定する。
トルエン膨潤指数(TSI)試験は、乾燥させたキャストフィルム試料をトルエンに浸し、膨潤率を計算することにより、架橋のレベルを測定するために使用され得る。TSIは、イソプロパノール指数試験と置換され得る。配合させたラテックスのフィルムをキャスティングし、0.10-0.15mmのフィルム厚さを生成させ、フィルムを50+/-3セルシウス度で10分間乾燥させ、および/またはフィルムを周囲温度で、それが完全に乾燥されるまで放置する。フィルム表面がそれ自体にくっつくの防止するようにコーンスターチまたはCaCOなどの粉末を用いてフィルムを剥がす。ディスク試料をダイカッターで切断する。ディスクフィルムをトルエン中に60分間沈める。膨潤したフィルムの直径を測定する。当初のディスク直径を膨潤したフィルムの直径から減算し、当初のフィルム直径で割ることにより%膨潤を計算する。ラテックス粒子は、前加硫硫黄が粒子内に組み入れられるにつれ、非架橋段階(指数>220%)から、部分架橋段階(指数<220%)へ、次いで半架橋段階(指数<180%)へ、最終的に完全架橋段階(指数<100%)へ進行する。
本開示の実施形態による配合方法は、ラテックス組成物を水性溶媒に溶解すること、および周期的に攪拌すること、および前加硫剤の合成ポリイソプレン粒子中への浸透を、例えば、イソプロパノール指数試験を使用することにより検査することを含む。ポリイソプレンラテックスは、ZDBCまたはZDECにより触媒される硫黄との周辺反応のために、凝集し、および「表面硬化」する固有の傾向を有し、すなわち、外表面が硬化し、内部分子の架橋を防止する。界面活性剤の存在および硫黄のS鎖の開きの生成が硫黄の粒子中への拡散を可能にする。言い換えれば、硫黄の粒子中への拡散、すなわち、「心部硬化」が起こり得、内部分子の架橋が可能になる。心部硬化された構造を含むラテックス物品または製品は、表面硬化構造を有するその他の点で同様のラテックス物品または製品よりも強い。
前加硫組成物は硫黄を、粒子内領域を前加硫させるために、水性合成ポリイソプレンエマルジョン中の合成ポリイソプレンラテックス粒子に提供する。前加硫中、硫黄の環構造は促進剤、例えば、ジチオカルバミン酸亜鉛の触媒作用により破壊され、ポリイソプレン粒子に浸透し、最初にその中にあるイソプレン二重結合と相互作用する。
理論に縛られることは意図しないが、前加硫組成物の成分のポリイソプレン粒子中への浸透は拡散過程の関数であり、それは時間の線形関数であり得ると考えられる。成分の浸透は温度の指数関数を含み、熱活性化過程を反映する。そのため、前加硫工程中に数度だけ温度が増加すると、前加硫速度が増加する。例えば、室温での前加硫は約3-5日または約9日となり得るが、例えば、約50-70℃での前加硫では約3-7時間となり得る。合成ポリイソプレン粒子の前加硫がない場合、架橋は主に合成ポリイソプレン粒子の周辺で起こり(すなわち、表面硬化)、弱い粒子という結果になる。以下で記載される、後加硫中のみに、粒子群内の粒子間領域を架橋させようとする試みでは、粒子内領域の過架橋という結果となり、ひいては、伸縮特性が不十分なラテックス製品となる。
後加硫組成物はアモルファスまたはポリ硫黄を含み、それはラテックスエマルジョン温度、例えば20-40℃では不溶性であるが、加硫または硬化温度、例えば、110-150℃では可溶性となる。一般に、後加硫組成物は、促進剤、例えば、限定はされないが、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZDEC)、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZDBC)、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(SDEC)、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム(SDBC)、チウラム化合物およびキサントゲンを含む。好適なキサントゲンの例としては、ジイソプロピルキサントゲンポリスルフィド(DIXP)、ジイソプロピルキサントゲン、テトラエチルチウラムジスルフィド、およびキサントゲンスルフィドが挙げられるが、それらに限定されない。DIXPは、そのポリスルフィド供与特性のために好適なキサントゲンである。後加硫組成物は、チウラム促進剤をさらに含み得る。ポリスルフィドチウラム促進剤の一例はジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)である。チウラム化合物の別の例はテトラベンジルチウラムジスルフィドである。酸化亜鉛もまた、活性化剤として添加され得る。
後加硫組成物は合成ポリイソプレンの粒子間の領域または粒子間領域を架橋する能力を提供し、これにより、高い品質の実質的に均一に硬化された合成ポリイソプレン製品が確保される。
後加硫組成物は、例えば、100-150℃の温度での粒子間架橋を活性化する。加えて、後加硫プロセスはまた、合成ポリイソプレン粒子を硫黄と架橋させる。そのような後加硫により、より大きな強度および伸長特性を有する、より均質なラテックスコーティングが得られる。生成される組成物は20℃~25℃で最大およそ5日までの間安定であり、生産ラインにとって有用である。
表1は、ポリマー物品を生成するためのチーグラー・ナッタ(ZN)に触媒された合成ポリイソプレン樹脂ラテックス組成物の少なくとも1つの例示的な実施形態を示す。ラテックス組成物は好ましくは水性である。
Figure 2023184528000002
下記表2は、例示的なアニオン性ポリイソプレンおよび例示的なチーグラー・ナッタにより触媒された合成ポリイソプレン樹脂の前加硫挙動の比較を示す。
Figure 2023184528000003
本開示はさらに、合成ポリイソプレンポリマー物品を形成する方法を提供する。方法は、チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料のエラストマーコーティングをフォーマ(former)上に配置すること、およびエラストマーコーティングを硬化させ、ポリマー物品のエラストマー層を形成させることを含む。配置する工程は、凝固剤を含まないまたは凝固剤コートフォーマを、少なくとも1度、チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料のエマルジョン(前加硫粒子を有する表1に従う水性ラテックス組成物であってもよい)に浸漬することを含むことができ、フォーマの表面上に前加硫合成ポリイソプレンの個々の粒子を有するラテックスまたはエラストマーコーティングの薄層が形成される。フォーマは、当技術分野で知られている任意の好適なフォーマとすることができる。本発明組成物は、コンドームおよび手袋のためのフォーマ上で積層させるのに、特に有用である。
表1で開示されるチーグラー・ナッタにより触媒された調合物の実施形態(表2のZN PI樹脂を使用することができる)、ならびに他のチーグラー・ナッタにより触媒された調合物は、天然ゴムコンドームより薄い色を有するコンドームを製造することができ、より広い範囲の着色コンドームの製造が可能になり、一方、同様の硬度および引張強さ特性が維持される。さらに、それから製造されたコンドーム中の残留溶媒含量はより低くなり、より低いアレルゲン性に役立つ。さらにもっと、チーグラー・ナッタにより触媒された調合物から製造されたコンドームのアレルゲン性は、促進剤および硫黄の量がより少ないために、天然ゴムおよびアニオン性調合物と比べて低くなる。チーグラー・ナッタにより触媒された合成ポリイソプレンの分枝分子構造は、アニオン性触媒により生成されるラテックスの線形分子構造よりも大きな強度を提供する。チーグラー・ナッタにより触媒された合成ポリイソプレンはまた、アニオンに触媒されたポリイソプレンよりも大きな量のポリイソプレン分子のcis特性、例えば、cis-1,4異性体を含み、チーグラー・ナッタにより触媒された合成ポリイソプレンを用いて製造された製品の強度特性が改善される。
また、表1の例示的なチーグラー・ナッタにより触媒された調合物は、潜在的により低い総固体含量を有し、より薄いコンドームの製造が可能になる。および、表1の例示的なチーグラー・ナッタにより触媒された調合物は浸漬プロセス中、潜在的により低い粘度を有し、それからより薄いコンドームが生成され得る。より低い粘度ではまた、製造中のより速いライン速度が可能になる。少なくともいくつかの実施形態では、他のコンドーム製造とは異なり、凝固剤は、フォーマ上でのチーグラー・ナッタにより触媒されたポリマーコーティングの配置前にコンドームフォーマ上に配置され得、アニオン重合されたコンドーム調合物と比べて同様の厚さで、より強いコンドームが製造され得る。
さらに、表1のチーグラー・ナッタにより触媒された調合物はより小さな粒子サイズを生成させ、これにより、より薄いフィルムが可能になり、性交および/または手袋使用中の使用者感度が改善される。より小さな粒子はまた改善された架橋を示し、これにより、より薄い製品の加工性が改善される。例えば、コンドームまたは手袋が洗浄プロセス中に潰れることを防止し、粉末が内側および外側の両方で均一にコートすることが可能になり、よって、欠陥が低減する。
表3は、以上で記載される通りに前加硫された、チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン樹脂を使用してコンドームを製造するための典型的な浸漬方法を列挙する。同様の方法が合成ポリイソプレン手術用手袋のために創出され得る。
Figure 2023184528000004
界面活性剤により安定化させた、前加硫合成ポリイソプレンラテックス組成物を使用するコンドームのための浸漬方法は、典型的には5日期間、例えば、合成ポリイソプレンラテックスエマルジョンタンクの平均寿命内である。コンドームフォーマは、第1の浸漬において組成物中に浸漬される。ラテックスコーティングの壁厚は、浸漬タンク内の組成物の総固体含量の関数であるラテックスの粘度により制御される。浸漬中のフォーマの移動速度もまた、壁厚に影響する。フォーマをコートするラテックスコーティングはおよそ60-100℃でおよそ1-3分間乾燥される。フォーマ上のラテックスコーティングは、任意で、再び組成物中に浸漬され、第2の浸漬コーティングが適用される。第2の浸漬後のラテックスコーティングはおよそ60-80℃でおよそ1-3分間乾燥される。コンドームの開放端が巻かれ、コンドームの閉端の先端から遠位にあるビードリングが作製される。
コーティングは、コーティングを、例えば、約110~150℃までおよそ8~15分間加熱することにより後加硫させることができ、コンドームのエラストマー層が形成される。例示的な実施形態は後加硫を含み、これは、オーブン内で、およそ120℃でおよそ12分間加熱することにより達成される。この期間中に、粒子間領域が架橋される。粒子内領域はまた、さらに架橋を受け、より均質なラテックス製品が生成される。コンドームは、任意で、およそ70-80℃の水中で約1-2分間リーチングされ、残留界面活性剤および架橋剤がコンドームから除去される。次いで、コンドームはフォーマからストリッピングされる。生成されたラテックス物品、例えばコンドームは、立体規則性の低い合成ポリイソプレンが使用された場合であっても、より高い強度および改善された伸縮性を示す。合成ポリイソプレン物品は、ラテックス過敏症問題の原因となる刺激を引き起こすタンパク質を含まない。
本開示による実施形態は、フォーマを濡らす凝固剤溶液の使用を含み、例示的な5%硝酸カルシウムの水溶液が挙げられるが、当業者に知られているように他の濃度も可能であり、例えば6-40%硝酸カルシウムの濃度の範囲の水溶液である。他の塩、例えば塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、硫酸アルミニウム、などおよび/またはそれらの混合物が使用され得る。さらに、凝固剤溶液は水性、アルコール性、または水性およびアルコール性溶液/溶媒の混合物であってもよい。弱酸溶液、例えばギ酸、酢酸、および当業者に知られている他の低pKa酸もまた凝固剤として使用され得る。
本開示による実施形態は前加硫および後加硫法の使用を含み、その技術は、本願の譲受人に譲渡された米国特許第8,087,412号;8,464,719号;9,074,027号;および9,074,029号(全体として参照により組み込まれる)において開示される。架橋点間分子量Mを決定するための方法は米国特許第8,087,412号;8,464,719;9,074,027号;および9,074,029号において開示される。
実施形態
実施形態1.チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料を含む硬化合成ポリイソプレン粒子を含むエラストマー層を含むポリマー物品。
実施形態2.合成ポリイソプレン粒子は前加硫される、前記実施形態のポリマー物品。
実施形態3.チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料は分枝マクロ構造を含む、いずれかの前記実施形態のポリマー物品。
実施形態4.チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料は95重量%以上のcis-1,4異性体含量を含む、いずれかの前記実施形態のポリマー物品。
実施形態5.チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料は約96重量%~97重量%のcis-1,4異性体含量を含む、いずれかの前記実施形態のポリマー物品。
実施形態6.チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料は1重量%以下のtrans-1,4異性体含量を含む、いずれかの前記実施形態のポリマー物品。
実施形態7.チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料は5重量%以下の3,4異性体含量を含む、いずれかの前記実施形態のポリマー物品。
実施形態8.物品は0.030~0.065mmの範囲の厚さを有する、いずれかの前記実施形態のポリマー物品。
実施形態9.エラストマー層は11,000g/mol未満の架橋点間分子量(Mc)を有する後加硫構造を含む、いずれかの前記実施形態のポリマー物品。
実施形態10.合成ポリイソプレン粒子は、およそ0.2~2マイクロメートルの範囲の粒子中位径を有し、または合成ポリイソプレン粒子は、およそ0.2~1.5マイクロメートルの範囲の粒子中位径を有する、いずれかの前記実施形態のポリマー物品。
実施形態11.合成ポリイソプレン粒子は、ポリイソプレン粒子内架橋およびポリイソプレン粒子間架橋により互いに結合される、いずれかの前記実施形態のポリマー物品。
実施形態12.コンドームの形態のいずれかの前記実施形態のポリマー物品。
実施形態13.前加硫された硬化合成ポリイソプレン粒子を含むエラストマー層を含むコンドームであって、合成ポリイソプレン粒子は95重量%以上のcis-1,4異性体含量;1重量%以下のtrans-1,4異性体含量;および5重量%以下の3,4異性体含量を含む、チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料を含む、コンドーム。
実施形態14.エラストマー層は開放端、閉端、および閉端から開放端まで延在する管状シースを形成する、前記実施形態のコンドーム。
実施形態15.チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料は分枝マクロ構造を含む、実施形態13~前記実施形態のいずれかのコンドーム。
実施形態16.エラストマー層は11,000g/mol未満の架橋点間分子量(Mc)を有する後加硫構造を含む、実施形態13~前記実施形態のいずれかのコンドーム。
実施形態17.合成ポリイソプレン粒子は、およそ0.2~1.5マイクロメートルの範囲の粒子中位径を有する、実施形態13~前記実施形態のいずれかのコンドーム。
実施形態18.合成ポリイソプレン粒子は、ポリイソプレン粒子内架橋およびポリイソプレン粒子間架橋により互いに結合される、実施形態13~前記実施形態のいずれかのポリマー物品。
実施形態19.チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料のエラストマーコーティングをフォーマ上に配置すること;および、エラストマーコーティングを硬化させ、ポリマー物品のエラストマー層を形成させることを含む、ポリマー物品を生成するための方法。
実施形態20.フォーマ上でのエラストマーコーティングの配置は、フォーマをチーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料のエマルジョン中に浸漬することを含む、前記実施形態の方法。
実施形態21.チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料のエマルジョンは、フォーマを浸漬する前に前加硫される、実施形態19~前記実施形態のいずれかの方法。
実施形態22.ポリマー物品はコンドームを含み、エラストマー層は開放端、閉端、および閉端から開放端まで延在する管状シースを形成する、実施形態19~前記実施形態のいずれかの方法。
実施形態23.合成ポリイソプレン粒子は、ポリイソプレン粒子内架橋およびポリイソプレン粒子間架橋により互いに結合される、実施形態19~前記実施形態のいずれかの方法。
実施例
表1の調合物によるコンドームを生成させた。
分子量分布を測定し、架橋密度を計算する方法は、コンドーム試料からディスクを切断し、ディスク試料をトルエン中で平衡となるまで膨潤させることを必要とする。ディスクを最初に秤量し、膨潤後、それらを再び秤量した。膨潤したゴムの平衡体積分率を以下で示される式を使用して計算した。この式ではPはゴムの密度であり(0.92g/cm)、Pはトルエンの密度であり(0.862g/cm)、Wは膨潤前のゴムの重量であり、Wは膨潤したゴムの重量である。
WrPrWrPr+Ws-WrPs
体積分率を以下で示されるFlorey-Rehner式において使用して架橋密度を計算した。この式で、nは架橋密度であり、Vは、トルエン、106.3cm3/molである膨潤溶媒のモル体積であり、Vは膨潤したゲルにおけるゴム相の体積分率であり、χはトルエン-cisポリイソプレン相互作用パラメータであり、これは0.39である。
n=-1/Vs(掛ける)[ln (1-Vr)+Vr+χ Vr2][Vr13-0.5 Vr]
架橋点間分子量を下記式により計算した。Mc=Prn
実施例1
以下で示される表4は、主題開示の実施形態に従い製造した合成ポリイソプレンコンドームのいくつかについての、測定した架橋点間分子量および対応する架橋密度を報告する。架橋点間分子量が高いほど、架橋密度がより低くなる。
提示されたデータは、本開示のプロセスにより、非常に一貫した架橋点間分子量を有する合成ポリイソプレンコンドームが得られ、十分な機械的特性を有するコンドームが提供されることを示す。本実施形態によるコンドームについての架橋点間分子量(M)は0.0000845mol/cmであり、これは、0.0000159mol/cmの架橋密度を有する天然ゴムのそれに匹敵する。
Figure 2023184528000005
図1は本開示の実施形態によるコンドームの表面の第1の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す。
図2は本開示の実施形態によるコンドームの表面の第2のTEM画像を示す。
図3は本開示の実施形態によるコンドームの表面の第3のTEM画像を示す。
図4は本開示の実施形態によるコンドームの表面の第4のTEM画像を示す。
第1、第2、第3および第4のTEM画像において研究したコンドームは下記の通り調製した。各コンドームをプロパン-2-オール中で洗浄し潤滑剤を除去し、次いで、少量のタルクを含むプロパン-2-オールに浸漬させ、接着を防止し、よって取り扱いも容易になった。次いで、コンドームを風乾させた。多くのリングをコンドームから、ブレードが名目上10mm離れている平行ツインブレードカッターを用いて切り出した。これらのリングを2つの分析方法のために使用した:TEMによるネットワーク可視化および平衡膨潤によるVr測定。
ネットワーク可視化.一晩アセトン中で抽出した後、コンドームの試料をスチレン中で膨潤させ、平衡化させた。次いで、試料をゼラチンカプセルに移し、加熱により重合させた。次いで、超薄切片を超薄切片法により室温で、ガラスナイフを用いて調製した。切片を水充填上で収集したが、キシレン蒸気で緩和させ、その後、TEMグリッド上で収集した。次いで切片を四酸化オスミウム蒸気で1時間染色した。四酸化オスミウムは炭素-炭素二重結合と反応し、そのため、ゴムネットワークをポリスチレンよりも暗いものとして表す。図1-4において代表的なTEM顕微鏡写真が提供される(TEM16803-6を参照されたい)。
ラテックス粒子は、共にかなり密接に結合されたが、粒子間の境界はしばしば見ることができた。試料はまた、多くの空隙、すなわちスチレンが浸透し、大きな薄い領域を形成した、領域を含む。これらの空隙のいくつかは小さな暗い粒子を含み、そのため、それらのほとんどまたは全てが、ゴムに結合されていないこれらの粒子の周りのスチレン形成プールにより引き起こされるという可能性があると考えられる。空に見える空隙は実際には目に見えない粒子を含んでいる可能性がある。というのも、それは切片上方または下方に存在したからであった。
ゴム粒子のいくつかの内側には、いくつかの小さな暗いパッチも存在する。これらは、粒子のようには見えないが、それらに付着されたいくらかの電子密度の高い(すなわち高い原子番号)材料を有するゴムネットワークの小さな領域であると考えられる。
スケールバー寸法についての不確実性は、TEM顕微鏡写真全てにおいて±10%である。
ラテックス粒子、すなわち、チーグラー・ナッタ触媒を用いて触媒された合成ポリイソプレン粒子は、密接結合を示した。
本明細書で列挙される全ての数値は例示であり、制限すると考えられるべきではなく、その間の範囲を含み、終点を含む、または含まないことができる。任意的に含まれる範囲は、整数値から、列挙される桁または次に小さな桁のそれらの間とすることができる。例えば、範囲低値が0.1である場合、任意的に含まれる終点は0.2、0.3、0.4...1.1、1.2、など、ならびに1、2、3などとすることができ;より高い範囲が10である場合、任意的に含まれる終点は7、6、など、ならびに7.9、7.8、などとすることができる。
理解を容易にするために、可能であれば、図に共通している同等な要素を指定するために同一の参照番号が使用されている。図は縮尺通りに描かれておらず、明確にするために簡略化され得る。1つの実施形態の要素および特徴は、さらに列挙することなく、他の実施形態で有益に組み入れられ得ることが企図される。
本明細書で記載される実施形態に対する様々な変更および改変は当業者には明らかであることが理解されるべきである。そのような変更および改変は、本開示の精神および範囲から逸脱せずに、かつそれに伴う利点を消滅させずに行うことができる。そのため、そのような変更および改変は添付の特許請求の範囲により包含されることが意図される。
本明細書で引用される刊行物、特許出願、および特許を含む全ての参考文献は、これによって、各参考文献が個々に、かつ特定的に参照により組み込まれることが示された、およびその全体として本明細書で明記されたのと同じ程度まで、参照により組み込まれる。

Claims (20)

  1. チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料を含む硬化合成ポリイソプレン粒子を含むエラストマー層を含む、ポリマー物品。
  2. 前記合成ポリイソプレン粒子は前加硫される、請求項1に記載のポリマー物品。
  3. 前記チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料は分枝マクロ構造を含む、前記請求項のいずれかに記載のポリマー物品。
  4. 前記チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料は95重量%以上のcis-1,4異性体含量を含む、前記請求項のいずれかに記載のポリマー物品。
  5. 前記チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料は約96重量%~97重量%のcis-1,4異性体含量を含む、前記請求項に記載のポリマー物品。
  6. 前記チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料は1重量%以下のtrans-1,4異性体含量を含む、前記請求項のいずれかに記載のポリマー物品。
  7. 前記チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料は5重量%以下の3,4異性体含量を含む、前記請求項のいずれかに記載のポリマー物品。
  8. 前記物品は0.030~0.065mmの範囲の厚さを有する、前記請求項のいずれかに記載のポリマー物品。
  9. 前記エラストマー層は11,000g/mol未満の架橋点間分子量(M)を有する後加硫構造を含む、前記請求項のいずれかに記載のポリマー物品。
  10. 前記合成ポリイソプレン粒子は、およそ0.2~2マイクロメートルの範囲の粒子中位径を有する、前記請求項のいずれかに記載のポリマー物品。
  11. 前記合成ポリイソプレン粒子は、ポリイソプレン粒子内架橋およびポリイソプレン粒子間架橋により互いに結合される、前記請求項のいずれかに記載のポリマー物品。
  12. 前加硫された硬化合成ポリイソプレン粒子を含むエラストマー層を含む、コンドームであって、
    前記合成ポリイソプレン粒子は、
    95重量%以上のcis-1,4異性体含量;
    1重量%以下のtrans-1,4異性体含量;および
    5重量%以下の3,4異性体含量
    を含む、チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料を含む、コンドーム。
  13. 前記エラストマー層は開放端、閉端、および前記閉端から前記開放端まで延在する管状シースを形成する、前記請求項に記載のコンドーム。
  14. 前記チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料は分枝マクロ構造を含む、請求項12~前記請求項に記載のコンドーム。
  15. 前記エラストマー層は11,000g/mol未満の架橋点間分子量(M)を有する後加硫構造を含む、請求項12~前記請求項に記載のコンドーム。
  16. 前記合成ポリイソプレン粒子は、およそ0.2~1.5マイクロメートルの範囲の粒子中位径を有する、請求項12~前記請求項に記載のコンドーム。
  17. チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料のエラストマーコーティングをフォーマ上に配置すること;および
    前記エラストマーコーティングを硬化させ、前記ポリマー物品のエラストマー層を形成させること
    を含む、ポリマー物品を生成するための方法。
  18. 前記フォーマ上での前記エラストマーコーティングの配置は、前記フォーマを前記チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料のエマルジョン中に浸漬することを含む、前記請求項に記載の方法。
  19. 前記チーグラー・ナッタにより触媒されたポリイソプレン材料の前記エマルジョンは、前記フォーマを浸漬する前に前加硫される、前記請求項に記載の方法。
  20. 前記ポリマー物品は、コンドームを含み、前記エラストマー層は開放端、閉端、および前記閉端から前記開放端まで延在する管状シースを形成する、請求項17~前記請求項に記載の方法。
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