JP4330526B2 - 流体の流れおよび溶質の質量の移動を測定するためのサンプリング・デバイスおよび方法 - Google Patents

流体の流れおよび溶質の質量の移動を測定するためのサンプリング・デバイスおよび方法 Download PDF

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Description

本発明は、流れシステム内の流体の流れおよび溶質の質量の移動を測定するためのデバイスおよび方法に関する。
本発明は、液体および部分的に飽和している多孔質媒体内の溶質の流れおよび粘性流を測定するためのものである。溶質は、液体内の分散コロイドに溶解しているか、および/または付着している有機または無機分子であってもよい。より詳細に説明すると、本発明は、種々のレベルに飽和している土壌、堆積物および地下水の帯水層、地表水、工業用水、水道水、飲料水および廃水の流れを含むが、これらに限定されない水資源の溶質の流れの監視に関する。
このような水資源の溶質の監視は、多くの場合、監督官庁が布告する特定の環境基準または基準レベルに関連する有害物質の濃度を確認しなければならない。それ故、本発明にとって当該溶質は、有機化合物および無機化合物の種々様々なグループを表す。特定の環境により、上記溶質は、例えば、石油またはタールをベースとする化合物、ハロゲン化溶媒、重金属、多量養素、放射性核種、殺生物剤およびその代謝産物、界面活性剤、ホルモン、医薬品およびその代謝産物等を含んでいる場合がある。
種々のレベルに飽和した多孔質媒体内の溶質の質量の移動は、対流J、拡散J、および流体力学的分散Jの組合わせにより起こる(Van Genuchten en Wierenga、1986)。対流による移動は、液体の粘性流による溶質の移動であり、下式により表される。
Figure 0004330526
ここで、Jは対流移動の流れ(gcm−2−1)であり、qは粘性流体の容積流れ密度(cmcm−2−1)であり、Cは溶質濃度(gcm−3)である。
溶質拡散は、溶液および種々のレベルに飽和した媒体内の分子のランダム・ブラウン運動によるものである。濃度勾配および容積流体含有量θが一定である場合には、非吸着性溶質の拡散は、下記のフィックの第1の法則により表すことができる。
Figure 0004330526
ここで、Jは拡散移動の流れ(gcm−2−1)であり、θは多孔質媒体の容積液体含有量(cmcm−3)であり、Dは多孔質媒体の拡散係数(cm−1)であり、xは空間座標である。半無限溶液または多孔質媒体での拡散は、溶質の質量の中心を移動させない。何故なら、ブラウン力は、すべての方向に質量の中心から遠ざかるように分子を移動させるからである。しかし、不均一な境界を有する有限媒体においては、拡散は質量の中心をソース・ゾーンから遠ざかる方向に、また媒体内の濃度勾配に沿ってシンク・ゾーンの方向に移動させる。
多孔質媒体の拡散係数Dは、いつでも、フリーバルク液体内の分子の拡散係数Dよりも小さい。これは、接続している孔部の通路が曲がりくねっているからであり、とりわけ、固体面とのファンデルワールス相互作用によるものである。2つの拡散係数DおよびDは、下式のように線形関係にある。
Figure 0004330526
ここで、それぞれ、kは経験的定数であり、LおよびLは、2点間の直線距離であり、孔部システムによりレイアウトされた通路である。それ故、式3の二次項は孔部の曲がりくねりを表す。Dとθとの間の関係は、非常に非線形的である。何故なら、曲がりくねりが水の含有量が減少するにつれて増大するからである。
流体力学的分散は、孔部内の水速度の速さおよび方向の孔部のスケールの不均一性によるものである。分散効果は、分散移動と同じように数学的に下式により表すことができることが分かっている。
Figure 0004330526
ここで、Jは分散移動の流れ(gcm−2−1)であり、Dは機械的分散係数(cm−1)である。機械的分散係数は、下式の経験的関係により、流体速度が増大するにつれて増大する。
Figure 0004330526
ここで、λは分散度(cm)であり、vはq/θとして近似される孔部内の水の速度(cms−1)であり、nは通常は1に等しい経験的パラメータである(Van Genuchten en Wierenga、1986)。この関係から、分散の流れの項とは異なり、分散の流れはv→0のように消失する。
移動に影響を与える3つの項を結合すると、全溶質の流れJは下式により表される。
Figure 0004330526
この式を不可逆反応を受けない溶質の連続性の式に代入すると、下式が得られる。
Figure 0004330526
この式から、一般的な移動式が得られる。
Figure 0004330526
ここで、tは時間(s)であり、ρは多孔質媒体のかさ密度(gcm−3)であり、Sは溶質相に吸着された溶質の量(gg−1)である。固体相への吸着を瞬間的な線形平衡条件により表すことができる最も簡単な形は、下式により表される。
Figure 0004330526
ここで、Kは直線等温線(cm−1)の勾配である。θおよびqが空間および時間で一定であることを意味する等質の多孔質媒体内の定常液の流れを考えた場合、移動式は下式のようになる。
Figure 0004330526
ここで、Rは遅延係数である。
Figure 0004330526
式8は、遷移条件について数量的に解くことができる。すなわち、θおよびqは時間および空間の両方で、および動的境界条件で変化する。数量による解のコードは、一次元および二次元の両方で入手することができる。式10は(例えば、Wierenga およびVan Genuchten 1986)定数境界条件について解析的に解くことができる。
飽和していない多孔質媒体内でのガス移動は、圧力勾配が存在しない限りは、拡散プロセスによってだけ起こる。拡散プロセスも、フィックの第1の法則により表すことができる。
Figure 0004330526
ここで、Dはガス拡散係数であり、Cはガスで充満している孔部内の部分ガス濃度である。溶質拡散と同様に、ガス拡散は移動に影響を与える容積の点では、非常に非線形的である。すなわち、空気で充満している多孔性である。それ故、液体で充満している多孔性が高い場合には、液体の移動および溶質の拡散が移動プロセスを支配し、一方、空気で充満している多孔性が高い場合には、ガス拡散が多孔質媒体内の揮発性化合物の移動を支配する。
(関連技術の説明)
有機および無機物質および/または土壌内の溶質をサンプリングするために現在最も広く使用されている方法は、土壌コアリング(soil coring)および吸着ライシメータ(suction lysimeter)である。土壌コアリングは、単に土壌サンプルを地面から掘り出し、分析することを意味する。米国特許第US−A−5,035,149号に吸着ライシメータの一例が開示されている。この場合、多孔性容器が地中に埋められ、空気用コンジットが地表から容器内に延びる。空気用コンジットを真空に引くことにより、土壌の溶液が多孔性壁部を通して周囲の土壌から吸引され容器内に収集される。正の空気圧が空気用コンジットを通して容器に加えられると、土壌の溶液サンプルを移送するための別のコンジットがサンプルを表面に運ぶ。
例えば、米国特許第US−A−4,745,801号(特許文献1)および米国特許第US−A−4,759,227号(特許文献2)に、地下水サンプリング・システムが開示されている。この場合、サンプリング装置は、地上に位置する遠隔データ収集デバイスに接続している。これら米国特許は、周囲の媒体の吸着速度または化学的構成に関するデータを収集するためのサンプリング・デバイス内に吸着材料を含んでいない。
EPA−A−1 094 311号(特許文献3)は、特に、その中の寄生虫を検出する目的で、水をサンプリングするための流体サンプリング・デバイスを開示している。このデバイスは、突き固めることができ、そこを通してサンプリングする流体が流れることができる粒状フィルタ媒体を含むカートリッジを備える。粒状フィルタ媒体の孔部のサイズは、突き固めた場合、寄生虫より小さい。捕捉した寄生虫は、粒状フィルタ媒体を広げて、逆流洗浄した場合に取り出すことができる。この方法は、明らかに、有機および/または無機溶質をサンプリングするのには適していない。何故なら、この方法は機械的濾過プロセスに依存しているからである。
上記方法は、すべて瞬間的な溶質濃度の測定方法である。また、これらの測定では、溶質濃度しか分からないし、流体の流れを推定し、または計算することにより化合物の流れを別々に推定しなければならない。
WO00/70339号(特許文献4)は、水から生物学的および化学的分析物を抽出するための水のサンプリング方法および装置を開示している。個々のサンプルは、ポンプ・システムにより水本体から連続的に抽出され、抽出デバイスが個々のサンプルから分析物を抽出し、抽出したサンプルを統合する。
調整のために、多くの場合、長期にわたって溶質および/または液体の流れの測定が重要になる。瞬間的技術により、これを行うためには反復測定の時系列を測定しなければならない。何故なら、大部分の自然の流れ媒体の溶質濃度は、時間の経過とともに大きく変化するからである。反復サンプリングを行うにはコストがかかる。それ故、実際には、例えば、地下水システムの監視プログラムと所与の期間にわたって採取するサンプルの数との間で折り合いをつけなければならない。
それ故、長期にわたって統合した溶質の流れを測定する方法が有利である。さらに、真空システム、ポンプ動作または電力を消費する機能のように、測定デバイスが電力を消費し、時間がかかる動作を必要としなければ有利である。
さらに最近、受動サンプリング・デバイスが導入された。受動サンプリング・デバイスは、溶質濃度および/または油圧勾配を受動的に使用することによる、サンプリングした媒体からサンプリング・デバイスへの質量の移動を利用する。
サンプリングした液体は通さないが、調査した溶質は通す半浸透膜(SPM)を通して、質量の移動が行われる受動サンプリング装置は区別することができる(米国特許第US−A−5,996,423号(特許文献5)、WO92/04646号(特許文献6)、米国特許第US−A−5,904,743号(特許文献7))。半浸透膜を通しての質量の移動は、拡散により支配される。
Figure 0004330526
ここで、JはSPMを通して拡散する溶質の流れ(g/cm−2−1)であり、DSPMは、膜内での溶質の拡散係数(cm−1)であり、Cは流体内の溶質の濃度(g/cm−3)であり、xは拡散方向に平行な距離である。サンプリング・デバイスの内部は、通常、監視対象の溶質に対して高い溶解性を有する非極性液体からできているので、サンプリングした媒体内の非極性化合物のSPMデバイス内の液体の方向への拡散を制御する熱力学的勾配を生成する。
通常、SPMデバイスの技術的手順は、ある期間にわたる当該溶質の採取ができる当該媒体内でのデバイスの設置、およびSPMデバイスの取外し、および溶質の累積量の検索を含む。その後で、周囲の媒体内の溶質の濃度が、式13からの平衡値または拡散パラメータにより計算される。
いくつかの問題により、半浸透膜デバイスの確認および実際の用途が制限される。第一に、半浸透膜の拡散係数は、溶質の分子特性に依存する。このことは、1つの監視した各化合物に対する拡散係数を個々に校正しなければならないことを意味する(Huckins、1999)。それにより溶質濃度の定量が面倒になる。さらに、実際の拡散速度は、膜の生物学的汚染および/またはもっと濃い濃度での非理想的拡散により影響を受ける場合がある。
第二に、SPMを通しての累積拡散は、限定された期間の間だけ直線的であり、この直線期間は、異なる溶質分子に対して個々に変化する(Huckins、1999)。ある期間の間SPMを平衡化にした後でのいくつかの化合物の採取も、依然として最初の線形動力学に従う場合もあるが、他の化合物は直線段階を超えた。何故なら、流体媒体内の溶質濃度の定量化の精度が、非線形応答により下がるからである。
第三に、SPM境界面に直接隣接している流体媒体内の溶質の濃度は流量に依存する(Gustavson、2000)。流量がSPMを通しての質量の移動を補償するだけ十分高い場合には、質量の移動は、拡散により制御される。しかし、SPMの外側の流量がSPMを通しての質量の拡散の移動よりも低い場合には、周囲の流体媒体内の溶質の濃度は低減し、膜を通しての質量の移動は、周囲の流体媒体内の液体の流れにより制御される。この場合、式13はもはや適用できなくなり、SPMデバイス内の累積質量から流体媒体内の溶質の濃度を入手するために、液体の流量を知る必要がある(Gustavson、2000)。
第四に、SPMデバイスは移動コロイドを通さない。何故なら、SPMデバイスは自由溶解相内に含まれている溶質しか通さないからである。有機および/または無機コロイドは、種々のレベルに飽和した媒体または永久に飽和した媒体および地表水内の吸着力の強い化合物の移動の主要な要因になりうる。吸着化合物は、例えば、放射性同位体、重金属、および無極性汚染物である。リスクを査定するために、移動した全化合物が、自由溶解相内に含まれているかどうかを定量化することが重要である。
液体システムで使用する第2のタイプの受動サンプリング・デバイスにおいては、流動する液体は、サンプリングした媒体とサンプリング・デバイスとの間の境界面を自由に通過することができる。米国特許第US−A−5,355,736号(特許文献8)およびWO01/33173号(特許文献9)に、このような受動サンプリング・デバイスの例が開示されている。サンプリング・デバイスは、当該溶質が吸着される不溶性マトリックスで充填される。WO01/33173号(特許文献9)は、吸着デバイス内の溶質の累積量をサンプリング装置内への全質量の流れに関連づけることを提案している。
Figure 0004330526
ここで、Jは質量の流れであり、Mは浸透性吸着デバイスが吸着した溶質の累積量であり、tは吸着デバイスが流動媒体に触れた期間であり、Aはユニット内への流体の流れを定義するために使用する流体の流れの方向に垂直な面積である。
WO01/33173号(特許文献9)の場合には、少なくとも1つの流体に溶ける既知量の常駐トレーサが吸着ユニット内に導入され、流体システム内にデバイスが設置される前に吸着材上に吸着する。上記特許は、円形コラムの形をしている吸着デバイスの場合を記述している。流体が浸透性デバイスを通過すると、トレーサの一部が、通過する流体と一緒に移動する。この方法は、ある期間経過後に吸着材上に残っているトレーサの量を、デバイスを通過した流体の量に関連づける下記の一組の式を含む。
Figure 0004330526
Figure 0004330526
ここで、Mは残っているトレーサの初期質量の一部であり、rは吸着材マトリックスの半径である。3つの重大な欠点により、式15を適用することができる一組の条件が制限される。第一に、トレーサの移動は、対流移動だけでは起こらないし、サンプリング・ユニットからの拡散移動だけでも起こらない。第二に、式15および16は、局部的な平衡の仮定(LEA)に基づいている。第三に、サンプリング・ユニット内への横方向の拡散は、吸着された溶質の量、Mに影響を与える(式14)。第1の問題については、q→0の場合には、式15のMは一定のままであることは容易に分かる。このことは、流れがゼロの状態の場合、トレーサの質量の損失はないことを意味する。それ故、式15は、拡散によるデバイスからのトレーサの質量の損失の影響を無視する。式10から、拡散の相対的役割は、液体速度vが遅くなるにつれて増大することになる。それ故、液体の速度が遅い場合には、デバイスからのトレーサの質量の損失の測定は、デバイスを通過した水の量に対してバイアスされる。
拡散による流れの絶対値は、1/Rに比例するが、上記バイアスを低減するためにこの関係を使用することはできない。何故なら、対流による流れも1/Rに比例するからである(式10)。それ故、トレーサの特定のR値が何であれ、相対的誤差は同じである。その上、非常に高いR値を有するトレーサは、WO01/33173号(特許文献9)が記載するデバイスにとってあまり役に立たない。何故なら、相対的質量損失は非常にゆっくりと起こるからである。そのため、最初および最後の量Mの差を正確に測定することはできない。
第二に、流体の流れの計算(式15〜16)は、LEA仮定に依存している。このことは、トレーサの瞬間的線形的吸着平衡にいつでも達することを意味する(式9参照)。しかし、LEAは、i)吸着等温線の非線形性のため、ii)表面の反応および/またはデッドエンド孔部内の拡散による速度制限、iii)例えば、イオン交換プロセスにとって重要な競合効果により、iv)不均一な吸着により、多くの場合適用することができない。qが増大すると、LEAがもはや適用できない点に必ず達する。この点は、式15、16の適用に対する高い方の制限を表す。通常の流量の場合、上記の考慮により、LEAは、孔部が大きい吸着材の場合だけ適用することができる。小さなデッドエンドの中程度の孔部(<50nm)または微小孔部(<2nm)の場合には、拡散速度が制限され、高エネルギー吸着相互作用が起こる。これらのプロセスによりLEAを適用することはできない。しかし、一方これらの孔部は非常に重要である。何故なら、これらの孔部は、表面積を広くして、当該溶質に対する吸着親和性を非常に増大し、流体と一緒に移動する微生物による生物分解から、吸着した有機化合物を保護するからである。サンプリング・デバイスでいくつかの吸着材が混合した場合は、吸着が不均一になる。この場合、1つのK値だけを使用することができず、LEAはもはや適用することができない。
第3の問題は、孔部内の水内の溶質の吸着デバイス内への移動も、孔部内の水の速度がもっと遅い場合、この横方向の拡散によりバイアスされるという問題である。実際、いくつかのデバイスは、孔部内の水内の溶質の濃度の近似値を入手するために、この横方向の拡散を利用している(例えば、Harper他、1997)。拡散および流体力学的分散は、流れの方向に平行な吸着デバイスの境界面を通して、流れの方向に対して横方向に起こる。何故なら、サンプリング・デバイスに向かって一定の濃度勾配が存在するからである。周囲の流体内の濃度がCである場合、吸着デバイス内の流体内の溶質の濃度は、当該溶質に対する強力な吸着特性のためにゼロに近づく。
吸着デバイス内へのこの横方向の質量の移動は、式14を適用できなくする誤差の原因である。この場合、その影響は、吸着デバイス内への溶質の対流による移動と比較した場合有意に大きい。溶質の移動に対する拡散/分散による影響は、周囲の媒体内の拡散係数および濃度勾配により影響を受け、一方、対流の部分はvにより制御される(式6、8、10)。式6の区別した形をとり、吸着デバイス内の孔部内溶質濃度の液体濃度が、強力な吸着相互作用(ΔC≒C)によりゼロに近いと仮定し、流体動力学による分散が無視できると控えめに仮定した場合、周囲の媒体および吸着デバイスの境界面を横切る拡散の流れ、および対流の流れは、下式が適用される場合、同じ大きさになる。
Figure 0004330526
ここで、Δxは、周囲の媒体とサンプリング装置内の吸着材との間の境界面上の有限拡散距離である。Δxは、吸着デバイスを囲む浸透性スクリーンの厚さに等しい。一例を挙げて説明すると、水溶液内の荷電イオンの分子拡散係数は、通常、1e−5cm−1程度である(Kemper、1986)。Δx=0.2cmであると仮定した場合、このことは、線形流体速度が、43mm/日に等しい5e−5cms−1である場合には、式17が適用されることを意味する。
多孔質媒体の場合には、流体から吸着デバイスに向かう横方向の拡散は、実効バルク拡散および空間に対する濃度の第2の導関数により制御される(式10)。それ故、周囲の多孔質媒体に対する低い吸着親和性を有する溶質に対する誤差が最大になる。液体においては、サンプリング装置の方向への拡散は、Dだけにより制御される。
望ましくない拡散が式14および15を適用できなくするかもしれない多孔質媒体の一例は、種々のレベルに飽和している土壌内の地下水への降水の流入の際に測定することができる。年間の地下水への流入は、通常、年間600mm未満である。それ故、地下水へのルート・ゾーンの下の平均流動率は1.6mm/日未満である。通常、0.1〜0.3の範囲内にある容量的な水の含有量θの場合には、種々のレベルに飽和している土壌内の平均の孔部内の水の速度は、通常16mm/日未満である。これは上記の入手した臨界値未満である。それ故、地下水へ流入する場合には、結果は、拡散プロセスより大きな影響を受ける場合がある。
米国特許第A−4,745,801号 米国特許第A−4,759,227号 欧州特許公開公報第A−1 094 311号 国際公開第00/70339号パンフレット 米国特許第A−5,996,423号 国際公開第92/04646号パンフレット 米国特許第A−5,904,743号 米国特許第A−5,355,736号 国際公開第01/33173号パンフレット
本発明の1つの目的は、流れシステム内で流体の流れおよび溶質の質量の移動を正確に測定することができるデバイスを提供することである。本発明によるデバイスは、入口および出口開口部およびその間の流体用通路を有するケーシングを備える。上記ケーシングは、少なくとも1つの流体に対して浸透性を有する不溶性吸着材マトリックス、および少なくとも1つのトレーサ材料を含む。上記トレーサ材料は、少なくとも設置前は、吸着材マトリックスに物理的または化学的に結合していない、流体に対して浸透性を有する部分可溶性材料である。
本発明のある実施形態によれば、トレーサ材料は、上記不溶性吸着材マトリックスを保持しているケーシングの少なくとも1つのセクションから独立しているが、接触しているケーシングの少なくとも1つのセクション内に位置していて、少なくとも1つのトレーサ材料セクションおよび少なくとも1つの吸着材マトリックス・セクションは、上記入口開口部と出口開口部間の流体用通路内に位置している。このような実施形態の場合には、トレーサ材料は、流体と接触した後で、流体内で溶解がスタートし、吸着材マトリックス・セクション内に移動した場合、吸着材マトリックスに物理的または化学的に結合していてもよいし、結合していなくてもよい。
本発明のある実施形態の場合には、デバイスは、間隔を置いた少なくとも2つのトレーサ材料セクション、およびその間に位置する1つの吸着材マトリックス・セクションを備える。この吸着材マトリックス・セクションは、上記少なくとも2つのトレーサ材料セクションと毛細管現象により接触している。このようなデバイスの場合、トレーサの質量の移動への拡散の影響を補償することができる。
この補償は、本発明の他の実施形態によっても行うことができる。その場合、デバイスは、その間に1つのトレーサ材料セクションを有する、間隔を置いた少なくとも2つの吸着材マトリックス・セクションを備える。上記トレーサ材料マトリックス・セクションは、上記少なくとも2つの吸着材マトリックス・セクションと毛細管現象により接触している。
本発明の他の実施形態によれば、トレーサ材料および吸着材マトリックスは、ケーシング内の同じセクション内に位置する。この場合、トレーサ材料および吸着材マトリックスは、巨視的に相互に混合している。このような実施形態の場合には、トレーサ材料は、流体内で溶解がスタートした場合に流体と接触する前でも後でも、吸着材マトリックスに物理的または化学的に結合していてはならない。
トレーサ材料は、下記の材料のグループ、すなわち、無機、有機およびハイブリッド有機/無機塩;ポリマー、コポリマー、ブロック・コポリマー、およびいくつかの結合が加水分解した場合に材料の一部が喪失することができるオリゴマーを含む有機、無機またはハイブリッド有機/無機固体;トレーサが、制御された速度で測定対象の流体内のカプセルから解放されるマイクロカプセルに入れられた材料から選択することができる。本発明の一態様によれば、トレーサ材料は、10−2から10−60の間、好適には、10−2から10−40の間、より好適には10−5から10−12の間で、当該流体内で溶解積(Ksp)を有する塩である。
吸着材マトリックス材料は、吸着特性を有する有機、無機またはハイブリッド有機/無機材料である。本発明の一態様によれば、吸着材マトリックス材料は、下記材料のグループ、すなわちシリカ、ケイ酸アルミニウム、アルミニウム・ジルコニウム、酸化金属、合成イオン交換樹脂、炭素材料、ゼオライト、セルロース、合成高分子材料から選択される。本発明のある実施形態の場合には、吸着材マトリックス材料は、六角形の中程度の孔部を有するシリカである。
ある実施形態によれば、ケーシングは、上記入口開口部および出口開口部に隣接する入口セクションおよび出口セクションをそれぞれ備える。上記入口および出口セクションは、外側に位置していて、上記吸着材マトリックスまたはトレーサ材料セクションに境界面エリアを供給する。この場合、上記入口開口部を通り、浸透ユニットへのモーメントを有する流入に寄与する、流れに垂直な方向への投影面積は、入口セクションと吸着材セクションまたはトレーサ・セクション間の上記境界面の面積とは大きさが異なる。
好適には、デバイスは、流体に対して浸透性を有さない、または浸透性を有するハウジング内に配置することが好ましい。実験室内でさらに分析するために、ケーシングをハウジングから取り外すことができる。
一実施形態によれば、それぞれが、少なくとも1つの吸着材マトリックス・セクションおよび少なくとも1つのトレーサ材料セクションおよび入口および出口開口部を含む1つのケーシングを備える2つまたはそれ以上のデバイスが、同じハウジング内に配置される。ケーシングは、相互にある角度で配置してもよいし、しなくてもよい。後者の場合、ケーシングは異なるトレーサ材料および/または吸着材マトリックス材料を含むことができる。
他の実施形態によれば、ハウジングは、磁気特性を有するコア部分に回転可能に接続している。上記コア部分は、デバイス設置用のケーブルまたはロッドに回転可能に接続している。
さらに他の実施形態によれば、ハウジングは、流体力学的形状を有する部材を備える。上記ハウジングは、デバイス設置用のケーブルまたはロッドに回転可能に接続している。
本発明の他の態様の場合には、ハウジングは、同軸ケーブルに接続する高調波導波管構成の一部である。
本発明は、また、流れシステム内で流体の流れおよび溶質の質量の移動を測定するための方法を提供する。該方法は、入口および出口開口部およびその間の流体用通路を有するケーシングを備えるデバイスを流体用経路を有する媒体内に設置するステップを含む。上記ケーシングは、少なくとも1つの流体に対して浸透性を有する不溶性吸着材マトリックス、および流体が、吸着材マトリックスおよびトレーサ材料を通して、上記入口開口部から上記出口開口部に通過することができる少なくとも1つのトレーサ材料を含む。この場合、トレーサ材料は、流体に対して浸透性を有する部分可溶性材料であり、最初は、吸着材マトリックスに物理的または化学的に結合していないで、流体と接触した場合にトレーサ材料が流体内で溶解し、サンプリング期間経過後に、そこからデバイスを通る流体の流れを入手するために、デバイスが流れシステムから取り外され、吸着材マトリックス内に含まれているトレーサ材料の量を定量的に測定される。
一実施形態によれば、トレーサ材料は、上記不溶性吸着材マトリックスを保持しているケーシングの少なくとも1つのセクションから独立しているが、接触しているケーシングの少なくとも1つのセクション内に位置しているので、流体と接触すると、トレーサ材料は流体内で溶解し、吸着材マトリックス・セクションに移動し、サンプリング期間の後で、そこからデバイスを通る流体の流れを入手するために、デバイスが流れシステムから取り外され、吸着材マトリックス内に移動したトレーサ材料の量が定量的に測定される。
本発明の一態様によれば、そこから流体の流れ内の溶質の濃度を入手するために、吸着材マトリックスに吸着された溶質が定量的に測定される。
本発明のさらに他の態様によれば、流れの方向とは反対の方向に吸着材マトリックス内に移動したトレーサ材料の量は、トレーサの質量移動への拡散の影響を補償するために定量的に測定される。
本発明のさらに他の態様によれば、そこから拡散に対する影響を入手するために、トレーサ・セクション内に残っているトレーサ材料の量が定量的に測定され、吸着材マトリックス内に移動したトレーサ材料の量と比較される。
他の実施形態によれば、トレーサ材料および吸着材マトリックスは、ケーシング内の同じセクション内に位置している。この場合、トレーサ材料および吸着材マトリックスは相互に混合していて、流体と接触した場合、トレーサ材料は、流体内で溶解し、サンプリング期間経過後に、そこからデバイスを通る流体の流れを入手するために、デバイスが流れシステムから取り外され、ケーシング内に残ったトレーサ材料の量が定量的に測定される。
本発明の一態様によれば、トレーサ材料は、分散している無機、有機またはハイブリッド無機/有機塩であり、その正のカチオンおよび負のアニオンは、上記少なくとも1つの不溶性吸着材マトリックスに対して吸着親和性を有していないために、流体と接触した場合、トレーサ塩がその可溶性製品に応じて流体内に溶解し、サンプリング期間経過後で、そこからデバイスを通る流体の流れを入手するために、デバイスが流れシステムから取り外され、ケーシング内の残ったトレーサ材料の量が定量的に測定される。
本発明のさらに他の態様によれば、本発明の方法は、そこから吸着材に吸着した溶質の量のもっと正確な測定値を入手するために、マトリックスに吸着した溶質を定量的に測定すると同時に、さらに吸着材マトリックスに吸着した回収基準材料を定量的に測定するステップを含む。
ある実施形態によれば、本発明の方法は、上記媒体内の異なる位置に、特に異なる深さに、それぞれが、入口および出口開口部および少なくとも1つの吸着材マトリックスおよび少なくとも1つのトレーサ材料を有するケーシングを備える2つまたはそれ以上のデバイスを設置し、サンプリング期間経過後、デバイスを媒体から取り出して別々に分析するステップを含む。上記の設置した異なるデバイスは、異なるタイプの溶質を検出することができるように、異なるトレーサ材料および/または吸着材マトリックス材料を含むことができる。
添付の図面を参照しながら、以下に本発明をさらに説明するが、この説明は本発明を制限するものではない。
図1のデバイスは、本発明によるサンプリング・デバイスの簡単な技術的構成である。このデバイスは、好適には、メッシュ、穴あきスクリーン等で覆われていることが好ましい入口開口部3を有する入口セクション2、周知の量および周知の拡散特性を有する少なくとも1つの部分的に可溶性の内部トレーサ5を含む第1の浸透性を有するトレーサ・セクション4、特に当該溶質および使用したトレーサに適している少なくとも1つの吸着材料からなり、不溶性固体多孔性マトリックス7で満たされた、浸透性を有する空間の形をしている吸着材マトリックス・セクション6、周知の量および周知の拡散特性で、少なくとも1つの部分的に可溶性の内部トレーサ5’を含む第2の浸透性を有するトレーサ・セクション4’、好適には、メッシュ、穴あきプレート等で覆われていることが好ましい、出口開口部9を有する出口セクション8、およびケーシング1用の固体ハウジング10を備えるケーシング1含む。ハウジング10は、ステンレス鋼のような任意の適当な浸透性を有さない材料、またはPTFEまたはPVCのようなポリマー材料で作ることができるが、ハウジング10は、また、浸透性を有する金属化合物または有機材料で作ることもできる。入口セクション2への液体の流れ経路の外乱を最小限度に低減するために後者を使用することが好ましい。トレーサ・セクションおよび吸着材マトリックス・セクションを囲むケーシング1は、入口開口部3および出口開口部9を通る液体だけに浸透性を有する。トレーサ・セクションおよび吸着材マトリックス・セクションを保持するケーシングは、実験室でさらに分析を行うために、いつでもハウジングから物理的に分離している。
およびmで示すエリアは、吸着材マトリックス内に移動したトレーサの質量分布を示す。
入口セクション2は、例えば、下記の機能を有する、すなわち、
・多孔質媒体内で、十分高い流体伝導性を維持しながら、周囲の多孔質媒体により入口セクションと毛細管現象で接触するための機能、
・速い流れ環境内で、入ってくる液体の乱流を、浸透性を有するトレーサおよび吸着材マトリックス・セクション4、4’および6の方向に向かう液体の層流に変換する機能、
・移動するコロイドを捕捉し、浸透性を有するトレーサおよび吸着材セクションの粘着を防止する機能、
を有する織ったメッシュ材料、ガラス・ビーズ、または異なる大きさの粒子のシリカ粉末のような非反応性固体相マトリックスを含むことができる。
すでに説明したように、例えば、地下水のような流体の累積通過の定量的監視は、デバイス内で非常に重要なものである。この定量化は、最初に少なくとも1つのトレーサ・セクション内に位置する適当なトレーサの溶解/移動に基づく、簡単で正確な質量バランス・システムにより行うことができる。トレーサ材料は、好適には、10−2から10−40、好適には、10−5から10−12の範囲内の溶解積を有する有機または無機またはハイブリッド有機/無機塩であることが好ましいが、これらに限定されない。溶解積は、溶液相に対する固体相の平衡を制御するので、固体相が溶液と接触している限りは、溶液相内の濃度は一定に維持される。それ故、トレーサ源としての塩は、吸着したトレーサとは基本的に異なる。式9を見れば、吸着反応の場合には、溶液濃度は吸着した濃度に依存し、吸着した濃度は、溶液濃度に依存することははっきりしている。トレーサ物質は、いつでも下記の基準に適合しなければならない。
・トレーサは、サンプリング装置が設置される流体環境に対して無害であること。
・トレーサは、流体の速度がどうであろうと、通過する流体内のトレーサの濃度が一定になるように溶液内に溶け込むこと。
・トレーサ材料は、デバイスが触れる周囲の流体環境内に無視できる量で存在すること。
・トレーサは、設置後、吸着材マトリックスから効果的に検索でき、標準分析技術で測定できること。
・下記のトレーサの種類を識別できること。
A.水に低い溶解性を有する無機塩をベースとするトレーサ。無機塩の利点は下記のように多数ある。
・塩←→イオン平衡に対する溶解積(Ksp)は周知のものであり、ある温度範囲内ではっきりと定義され、サンプリング装置の環境において上記温度範囲でほとんど変化しない。
・それに対してサンプリング装置から塩の100%溶解が起こらない程度にKsp値が十分低いが、サンプリング装置を通過する水の量を測定することができるように十分な多くの無機塩が存在する。
・他の量を測定することにより、1つのイオンの定量化の際の誤差を補償することができるように、無機塩の組合わせを容易に使用することができる。
・実験室条件で残りのイオンを容易に抽出することができ、その濃度は、標準分析方法で容易に測定することができる。
・これらの塩は微生物の分解により影響を受けない。
・これらの塩は、非常に安価であり、高い純度で大量に生産することができる。
・これらの塩は、相互研磨/混合によりデバイス内に容易に導入することができる。
・例えば、BaF(Ksp1.84×10−7);BaSO(1.08×10−10);BaCO(2.58×10−9);CaCO(4.96×10−9);CaF(1.46×10−10);CaSO(7.10×10−5);Ca(OH)(4.68×10−6);KClO(1.05×10−2);MgCO(6.82×10−6);MgF(7.42×10−11);MgNHPO(2.0×10−13);Mg(OH)(5.61×10−11);MnS(4.65×10−14);Zn(OH)(4.13×10−17);ZnS(Ksp2.93×10−25)のような環境に対して無害であり、低いKsp値を有する例示としての塩は多数ある。
B.ハイブリッド有機/無機塩をベースとするトレーサ。この場合、トレーサは、有機アニオンおよび無機カチオンまたは無機アニオンおよび有機カチオンを含む。有機イオンは、水に溶解した後で、デバイスの吸着セクション内に吸着することができ、次に、他の有機溶質により抽出することができる。同様に、無機イオンは、吸着し、抽出し、また定量的に分析することができる。ハイブリッド塩の一般的な構造は、例えば、Ba2+のような適当なカチオン、およびステアリン酸塩、オレイン酸塩またはアミンのような有機イオンを含むことができる。この場合、カチオンもアニオンも監視することができる。もちろん、有機または無機トレーサだけを監視するように選択することもできる。また、水にあまり溶けないほとんどすべてのカルボキシル酸も使用することができる。カルボキシル酸からの塩は、製造が非常に簡単で多くの潜在的用途がある。何故なら、カルボキシル酸の範囲は非常に広いからである。
C.有機/無機塩をベースとするトレーサ。この場合、有機カチオン(例えば、テトラブチル・アンモニウムのようなアンモニウム塩)は、有機アニオン(酢酸塩、ピバル酸塩、ステアリン酸塩等)と結合する。この場合も、吸着セクション内に上記イオンの一方または両方を保持することができる。また、このタイプの塩は、有利な溶解特性、結晶サイズ、pHに対する感度、および製造コストを考慮に入れて選択しなければならない。
D.有機ポリマーをベースとするトレーサ。この場合、トレーサの移動は、加水分解による共有結合の破壊をベースとしている。可能な結合としては、エステルおよびアミド等があるが、これらに限定されない。ある種の(ポリ)乳酸、またはある種の(ポリ)アミノ酸のような水に少し溶けるポリマーも使用することができる。また、水溶性ポリマーおよび例えば(ポリ)乳酸、および(ポリ)エチレンのような不溶性ポリマーからのブロック・コポリマーも使用することができる。
E.制御速度を有するトレーサが、水性流体内でカプセルから解放されるマイクロカプセル入り材料。
いくつかの例を挙げると、水内へCaF、クエン酸カルシウム、CaHPO、オレイン酸カルシウムおよびラウリン酸カルシウムの溶解速度は、5〜128mm/時の範囲内の種々の流れ状況で、十分速い速度で一定の平衡値に達することが分かった。それ故、移動したこれらの塩の量は、流体の速度がどうであろうと、サンプリング装置を通過する水の量の直接の測定値を表す。拡散プロセスを無視できる間は、上記の直接測定値を表し、図3のデバイスを使用することができる。流れの速度がもっと遅い場合で、拡散の役割がもっと重要になった場合には、図1のデバイスを使用することができる。
トレーサが吸着材マトリックスと混合する図3の実施形態のために塩を選択する場合には、流体により溶解した場合、流体と接触する前および接触した後で、吸着材マトリックスに吸着しないか、ほとんど吸着しない塩を選択しなければならない。そこから溶解した塩のイオンが、共通に使用する吸着材マトリックスに吸着しないか、ほとんど吸着しない塩の一例としては、CaFがある。例えば、トレーサ材料セクションが吸着材マトリックス・セクションから分離している、図1および2の実施形態の場合には、流体と接触した後で吸着材マトリックスに吸着しないか吸着する塩を選択することができる。例えば、吸着相互作用は、ロンドン−ファンデルワールス相互作用、水素結合、疎水性相互作用のような非特定結合を含むが、配位子交換、配位結合またはイオン交換のような特定の結合も含む。溶液内に入ると通常使用する吸着材マトリックスに吸着する塩の例としては、オレイン酸カルシウムおよびラウリン酸カルシウム、およびCaHPOのような燐酸塩がある。これらの例の場合には、吸着するのはアニオンである。
図1のデバイスの場合には、第1のトレーサ5は、運動と拡散移動の合計により、吸着材マトリックス・セクション6内を下流に向け移動し、一方、第2のトレーサ5’は拡散による打消し液体の移動により、吸着材マトリックス・セクション6内に上流に向かって移動する。トレーサおよび吸着特性は、吸着材マトリックス・セクション6に流入するすべてのトレーサの質量が、流体システム内の所望の設置時間の間、吸着材マトリックス7により保持されるように選択される。第1および第2のトレーサ5および5’は、好適には、化学的に異なるものであることが好ましい。一方のトレーサが吸着セクションの上流セクション内に存在し、他方のトレーサが下流のトレーサ・セクション内に存在する場合には、図1の構成に対して2つの異なるトレーサを使用すると有利である。
また、そこから拡散による影響を入手するために、トレーサ・セクション4内に残っているトレーサ材料5の量を定量的に測定し、吸着材マトリックス6内に移動したトレーサ材料の量と比較することもできる。この場合、トレーサ・セクション4を1つだけ含む、図1の修正したサンプリング・デバイスを使用するだけで十分である。
図2のデバイスの場合には、1つの浸透性を有するトレーサ・セクション4が、吸着材マトリックス・セクションの中央に位置していて、このセクションを第1および第2の吸着材マトリックス・セクション6および6’に分割している。こうすると、周囲の流れシステム内へのトレーサの解放を防止するのに有利な場合がある。流体と接触すると、トレーサ5は、運動拡散移動の合計により、第2の吸着材マトリックス・セクション6’内を下流に向かって移動し、拡散を打消す液体の移動により、第1の吸着セクション6内に上流に向かって移動する。第1および第2の各吸着材マトリックス・セクション6および6’内に移動したトレーサが分析される。
浸透性を有するデバイスの流体伝導性は、流体が直線速度v(cms−1)を有するトレーサ・セクションに入るように制御される。トレーサ・セクションと吸着材マトリックス・セクション間の境界面のところの、トレーサ濃度Cで、吸着材マトリックス・セクション6内に下流に向かうトレーサの移動は、一定のCで、吸着材マトリックス・セクション3内のトレーサの最初の量はゼロであると考えよう。その場合、初期および境界条件は下式で表される。
Figure 0004330526
ここで、Cはトレーサ・セクションと吸着材マトリックス・セクションの境界面のところのトレーサの濃度であり、Hはヘビーサイド・ステップ関数である。吸着材マトリックス・セクションは、半無限の長さを有すると仮定される。この解は周知である。
Figure 0004330526
ここで、erfcは相補エラー関数であり、xは流れの方向に増大する距離である。吸着セクションに上流の溶質の拡散の場合、解は、vが負数であることを除けば同じ式19である。
Figure 0004330526
吸着により吸着セクションに移動したトレーサの全質量が、デバイスの設置期間中吸着セクション内に残っている場合には、サンプリング装置は、半無限媒体と見なすこととができ、質量の中心の移動への拡散の正味の結果はゼロである。それ故、それぞれ下流方向および上流方向に移動した質量を表す、図1および図2の曲線の下の面積mおよびmを数量的に測定することにより、非常に役に立つ特性を入手することができる。図1および図2は、質量mおよびmの略図である。下式のようになる。
Figure 0004330526
ここで、lはトレーサ源から吸着セクションの端部への距離であり、mおよびmは単位gcm−2を有する。この特性を使用すると、下式のようになる。
Figure 0004330526
この式は下式のようになる。
Figure 0004330526
ここで、MおよびMは、それぞれ単位gを有する下流および上流方向に移動した質量である。それ故、Vは孔部内の水の速度vとは無関係に、設置期間中上流および下流に移動するトレーサの質量から入手することができる。式23から、M=M(制御された全拡散)の場合にはV=0になり、M→0の場合には、溶質の移動は、対流(運動)移動により完全に制御される。
同様に、vは、下流方向に移動したトレーサの質量a、および上流の反応内のトレーサbの一次関数であり、下式により求められる。
Figure 0004330526
ここで、qおよびrは校正パラメータである。一方のトレーサが吸着セクションの上流セクション内に存在し、他方のトレーサが下流のトレーサ・セクション内に存在する場合には、図1の構成に対して2つの異なるトレーサを使用すると有利である。
式23および24は、トレーサ・セクションからの拡散損失が無視できない場合に、液体の流量を入手するために使用される。しかし、さらに、トレーサ源と吸着セクションが分離しているために、設置期間中に起きたトレーサ・セクションからの対向流拡散損失があるかどうかを確認するために、もう1つの独立質量バランスを入手することができる。この入手は、設置期間経過後に上流トレーサ・セクション内の残りのトレーサ、および吸着セクション内の累積トレーサの量を抽出することにより簡単に行われる。これら2つの量の合計が、設置前のトレーサの初期量と等しい場合には、対向流の拡散を無視することができることは明らかである。この場合、液体の量は、トレーサ物質の溶解積から簡単に入手することができる。
図3は、トレーサ材料5および吸着材マトリックス材料7が、ケーシング1内の同じセクション内に相互に混在している他の実施形態である。トレーサ材料は、流体と接触する前でも後でも、流体内で溶解がスタートした場合、吸着材マトリックスに物理的または化学的に結合していない。トレーサ材料は、これにより選択しなければならない。
この場合、好適には、トレーサ材料5は塩であることが好ましい。ある他の実施形態によれば、流体と接触した場合、トレーサ塩がその溶解積により流体内に溶解するように、その正のカチオンおよび負のアニオンは吸着材マトリックスに対して吸着親和性を有さない、分散している無機、有機またはハイブリッド無機/有機塩である。サンプリング期間経過後、デバイスは流れシステムから取り外され、そこからデバイスを通る流体の流れを入手するために、ケーシング内に残ったトレーサ材料の量が定量的に測定される。
吸着材マトリックスが吸着した溶質の定量化は、いつでも抽出ステップおよび検出ステップを含む通常使用することができる方法で実験室内で行われる。抽出ステップは、例えば、バッチ・シェーキング抽出ステーション、ソックスレー抽出ステーション、または真空マニホールド抽出ステーションにより行うことができる。溶質の以降の検出は、例えば、GC−MS(ガス・クロマトグラフィ−質量分析)、HPLC−MS(高圧液体クロマトグラフィ−質量分析)またはICP(誘導結合プラズマ放射分光測定)により行われる。内部回収基準は、これらの手順の精度を改善し、MS定量化を行う場合に必要になる。吸着材マトリックスに最初に吸着した場合、適当な内部基準が抽出および検出の変動を制御する。特定の検出方法および検出する分子の範囲に従って、1つまたはそれ以上の内部基準を選択しなければならない。MS検出に対する最善の内部基準は、定量化する溶質の同位体でラベルを付けたバージョンである。何故なら、このバージョンは類似の抽出回収、イオン化レスポンス、および類似のクロマトグラフィ保持時間を有しているからである。
測定デバイスの分析精度は、それにより液体が上流でトレーサ・セクションに入る速度vを調整することにより、さらに改善することができる。遅い流れシステムにおいては、トレーサ・ユニットおよび吸着ユニット内の直線流れ速度が増大するように、入口内の液体の流れ経路を収束するのが望ましい場合がある。そうするのには、3つの主要な目的がある。
・トレーサ・ソース・セクションからトレーサの質量移動への拡散の影響を低減すること。
・ユニット内への流体の移動に影響を与える周囲の媒体の効果的なサンプリング量を増大すること。このことは、周囲の媒体内の流体の流れが均等でない場合に望ましいことである。
・ある設置期間内に、浸透性を有するユニットを通過する絶対値の容積Vお質量Mを増大すること。このことは、調査中の溶質に対する検出制限が低くなければならない場合に望ましいことである。
これらの目的を達成するために、図4または図5のデバイスを使用することができる。上記デバイスは、投影面積がA>Bになるように設計されている。ここでAは、入口セクション2内へのモーメントを有する流入に寄与する、流れに垂直な方向への投影面積であり、Bは入口セクション2およびトレーサ・セクション4間の境界面の面積である。それ故、液体の流れ経路が収束し、交点Bのところの直線速度vが、周囲の媒体およびサンプリング・デバイスの入口の境界面のところの液体の速度vのA/B倍速くなる。これは、浸透性を有するセクションの油圧伝導性が、浸透性を有するユニッへの流れを制限しないことを想定している。
吸着ユニットが流れの方向に垂直に設置された場合には、A=A’になる。この場合、A’は、流動液体/多孔質媒体と直接接触している面積である(図3)。別の方法としては、A=A’・cos(α)になるように、吸着ユニットを流れの方向に対してある角度で設置することができる。この場合、αは、図5に示すように設置角度である。
速い流れシステムの場合には、トレーサ・ユニットおよび吸着ユニット内の直線流れ速度が低減するように、入口内の液体の流れ経路を分岐するのが望ましい場合がある。こうするのには、3つの主な目的がある。
・デバイスのトレーサ・セクション、および吸着セクション内の乱流および大きな流体力学的分散を防止すること。
・トレーサの溶解が通過する流体と確実に平衡状態に達することができるようにすること。
・すべての通過する溶質を吸着することができるように、吸着ユニット内の液体の滞留時間を長くすること。
これらの目的を達成するために、投影面積A<B(図5に示す)になるようにユニットは設計されている。この場合も、Aは浸透性を有するユニット内へのモーメントを有する流入に寄与する、流れに垂直な方向への投影面積であり、Bは入口セクション2およびトレーサ・セクション4間の境界面の面積である。それ故、液体の流れ経路が分岐し、交点Bのところの直線速度vは、周囲の媒体およびサンプリング・デバイスの境界面のところの液体の速度のA/B倍遅くなる。吸着ユニットは流れの方向に垂直に設置することができる。この場合、A=A’になる。この場合、A’は流れる液体/多孔質媒体に直接接触している面積である。または、A=A’・cos(α)になるように、吸着ユニットを流れの方向に対してある角度で設置することができる。ここで、αは設置角度である。
液体の流れの方向が予め分かっている流れシステムの場合には、浸透性を有するユニットは、流れの方向に平行になっているか、またはある角度を有している。しかし、いつでも入口および出口は、それぞれ上流方向および下流方向で、周囲の流体または多孔質媒体と接触している。ほとんどの場合、設置中、浸透性を有するユニットの位置を固定しておくことが重要である。流れの環境に従って、いくつかの方法でこのような向きにすることができ、このように固定することができる。
通常、遅い流れ環境は、種々のレベルに飽和した土壌、およびそれに対して流れの向きが常に分かっている充填ベッドの反応装置を含む。次に、標準オーガ装置により穿孔11を開け、穿孔11内にデバイスを挿入することにより、図5のようなデバイスを設置することができる。入口および出口セクション2および8は、それぞれ、明らかに周囲の土壌に毛細管現象により接触していて、流体の流れの上流および下流方向内に位置している。次に、主な流れの方向に対する設置角度が記録される。
速い流れのパイプラインまたはチューブの場合には、流体の流れの方向は前もって分かっていて、デバイスをパイプラインの内部に取り付けることができるか、インライン構成として設置することができる。別の方法としては、例えば、図10に示すように、飲料水のパイプラインのようなパイプライン13を通る、または例えば淡水コンテナのような大型コンテナ内の全液体の流れの小さな部分を含む、バイパス・パイプラインまたはチューブ12を作ることにより設置することができる。
地下水の帯水層のような他のシステムの場合には、中程度の速度の水平方向の移動(約10〜200m/年)が通常行われ、流れの方向は時間が経過しても通常一定であり、デバイスを設置する前に他のデバイスにより測定することができる。図7は、適当なデバイスの一例であるが、このデバイスは、磁気特性を有するコア部分14を備える。上記コア部分14は、入口および出口開口部3および9を含む、少なくとも1つのサンプリング・デバイスを保持しているハウジング10に回転可能に接続している。この場合、デバイスは、垂直な穿孔ケーシング内に設置することができ、コア部分14に磁気特性を与えることにより固定することができる。入口開口部3および出口開口部9は、設置中、空間座標に対して所望の固定位置に位置していている。何故なら、サンプリング・デバイス1を保持しているハウジング10は、コア部分14に対して回転することができるからである。コア部分14は、デバイスを液体システム内のある深さに位置させるために使用されるケーブルまたはロッド16に接続している回転ジョイント15により、固定座標位置に自由に回転することができる。
媒体内または遅い流れ環境内の流体の流れ方向が前もって分からない場合には、デバイスは、図7に示すように、すべてが上記のトレーサ・セクションおよび吸着セクションを含む、例えば、3つのような、2つまたはそれ以上の同じサンプリング・デバイス1、1’および1”を含むことができる。サンプリング・デバイス1、1’および1”は、同じハウジング10内に配置され、相互に60度の角度方向を向いている。それ故、浸透性を有するユニット内への流入に影響を与えるエリアは、sin(α)に比例する。この場合、αは流れの方向に対する入口の角度である。周囲の媒体内の溶質の濃度だけが問題である場合には、設置中にそこを通して大部分の水が通過した1つのサンプリング・デバイスだけを、溶質およびこのユニット内に移動したトレーサの質量に対して分析するだけでよい。トレーサ・セクションは、それに対してサンプリング・デバイスαが、90度に最も近いものを容易に識別することができるように、カラーまたは蛍光染料を含むことができる。溶質の濃度および流体の流れの方向の両方が問題である場合には、トレーサの量について3つのすべての浸透性を有するユニットを分析しなければならないが、流れの角度は移動したトレーサの相対的な量から入手することができる。
同じハウジング10内に、2つまたはそれ以上のサンプリング・デバイス1を配置することもできる。および上記サンプリング・デバイスは、異なるタイプの化学薬品を測定するために、異なるトレーサ材料および/または吸着材マトリックス材料を含む。この場合、サンプリング・デバイスは、ハウジング内で相互にある角度で配置されていない。
スチーム、河川、飲料水貯蔵コンテナ、または潮流エリアのような、流れの方向が変化する速い流れの液体環境の場合には、流れの方向を向いているデバイスの入口および出口の向きは、図9に示すように、デバイスを舵部材17を備える特殊な流体力学的形状にすることにより、ある方向に向けることができる。ハウジング自身も、流体力学的形状にすることができる。この形状は、デバイスの入口が上流にある場合には、デバイスの流体力学的抵抗を確実に最低にする。それ故、設置している間に流れの方向が変化する場合でも、デバイスの入口はいつでも上流に位置する。サンプリング・デバイス1の入口開口部3は、図6のように、サンプリング装置内の液体の液体速度が低減するような大きさにすることができる。
浸透性を有するユニットの油圧伝導性も、浸透性を有するユニットを通る流量を調整するために使用することができることが分かる。
部分的に飽和している媒体の液体の容積の一部は、揮発性化合物の移動にとって極めて重要のものであるので、溶質の流れ、水の流れおよび容積的流体内容の同時測定は、多孔質媒体内の気体および溶質の流れの定量化にとって大きな実用的価値を有する。多孔質媒体内の液体の容積の一部の測定は、中央金属コアの周囲に巻かれている独立金属ワイヤを含む、中央金属コアまたはチューブとしてデバイスを組み立て、中央コアおよび独立ワイヤを同軸ケーブルに接続し、測定ユニットが表す準同軸システムを通る高調波電磁ブロックまたはパルス波の伝播速度を測定することにより行うことができる。電磁波の速度は、周囲の多孔質媒体の誘電率に関連し、この誘電率は周囲の媒体内の液体の容積の一部に関連する。TDR(時間領域反射率測定法)と呼ばれるこの技術は、種々のレベルに飽和したゾーン内の水の含有量を測定するために非常に一般的な監視装置になっている。TDRプローブのいくつかの幾何学的形状が存在しているが、これらすべてはだいたい本発明と一緒に使用することができる。次に、このような組合わせプローブは、累積溶質の流れおよび土壌内の水の含有量のダイナミックスを同時に測定するために使用される。
すでに説明したように、浸透性を有するデバイス内での当該溶質の完全な吸着は、正しい溶質の流れの測定の場合の先行必要条件であるが、これは実際には簡単に行えるタスクではない。吸着材料の要件は下記の通りである。
・当該溶質に対する非常に高い吸着親和性。
・デバイスを通して流体が通過している間に、吸着平衡に達する急速な吸着動力学。
・標準的実験室技術による実験室内での吸着材料から当該溶質を完全に抽出することができることを意味する優れた抽出効率。
・浸透性を有するデバイスを通過する液体に対する高い湿潤特性。例えば、吸着材が撥水性のものである場合には、デバイスの油圧伝導性が大きく低減し、これらの吸着材は水性システムで使用できなくなる。
六角形の中程度の多孔性シリカ(移動合成材料の場合には、場合によりMCMとも呼ばれるHMS)は、テンプレート付きゾル−ゲル法(米国特許第US−A−5,215,737号)により合成される(アルミニウムまたは他の金属原子を含んでいる場合もあるし、含んでいない場合もある)特殊な構造のシリコン−酸素ポリマーである。その特殊な構造特性としては、(最高800m−1の)非常に大きな比表面積および「虫の孔」の形をしているナノ単位の孔部の六角形のアレイ等がある。これらの孔部は、アミン(テンプレート)鎖の間の疎水性相互作用により形成された、ロッド状のミセルの周囲のシリカ・モノマーの自己組立てをベースとする合成方法の直接の結果である。HMS材料の合成は簡単に行うことができるが、格子の成長は、テンプレートのタイプ、溶媒の組成、温度、攪拌状況、エージング時間、および使用するシリコンまたはアルミニウムの先駆物質のような多くの異なるパラメータに依存する。
一例を挙げて、本発明についてもっとはっきり説明すると、焼成ステップが、フェナントレンの方向の材料の吸着能力に対して劇的な効果があることを発見した。特定の構造変数を含むHMS材料の調製は、科学と技術の中間のどこかに位置する。すなわち、HMS材料の調製のための特定の処方書が確立すれば、類似のバッチの再生産は困難ではない。フェナントレン、N−プロピル−N−[2−(2,4,6−トリクロロフェノキシ)エチル]イミダゾール−1−カルボキシアミド(プロクロラズ、殺菌剤)、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート(DEHP、プラスチック軟化剤)、および例えば4−(2−ドデシル)−ベンゼンスルホン酸、ナトリウム塩(LAS、界面活性剤)を含む無極性化合物は、吸着の際にHMS材料の高い活性を有しているので、それらを本発明に対する理想的な候補化合物になる。さらに、これらの材料は、生物学的にまた環境に対して不活性であり、実際、ほとんど全くシリコンと酸素とからできている。
HMSは吸着材マトリックス材料として理想的な候補材料であるが、他の吸着材料も特定の溶質に対してより適している場合がある。使用することができる吸着材料の他の例としては、シリカ、珪酸シリコン・アルミニウム、アルミニウム・ジルコニウム、酸化金属、合成イオン交換樹脂、炭素材料、ゼオライト、炭水化物、および例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレンのような合成ポリマーがある。
酸化金属の好適な例としては、例えば、ジルコニア、チタニアおよび/またはAxByCzOwの一般式を有する酸化ランタニド金属(例えば、セリア)のような酸化遷移金属がある。この場合、Oは酸素であり、A、BおよびCは遷移金属またはランタニドである。
炭水化物の好適な例としては、例えば、セルロースのような多糖類がある。
2つまたはそれ以上のサンプリング・デバイスを、調査対象の媒体内の異なる位置、特に異なる深さに設置することができる。図10はその様子を示す。これらのサンプリング・デバイスは、サンプリング期間経過後に、流体媒体から取り外され、別々に分析される。次に、媒体内のどの位置に流体の流れおよび/またはいくつかの溶質18が存在するかを検出することができる。異なるタイプの溶質を測定するために、異なるサンプリング・ケーシング内で、異なるトレーサ材料および/または吸着材マトリックス材料を使用することができる。
本発明は図の実施形態に限定されずに、添付の特許請求の範囲から逸脱することなしに、多くの方法で変更することができ、本発明の装置および方法は、用途、機能ユニット、ニーズおよび要件などにより種々の方法で実施することができる。
本発明によるサンプリング・デバイスのある実施形態である。 本発明によるサンプリング・デバイスの他の実施形態である。 本発明によるサンプリング・デバイスのもう1つの実施形態である。 遅い流れシステムに適合したサンプリング・デバイスのある実施形態である。 遅い流れシステムに適合した流れの方向に対してある角度で設置したサンプリング・デバイスのある実施形態である。 速い流れシステムに適合したサンプリング・デバイスの他の実施形態である。 時間の経過中流れの方向が一定である、流れシステムに適合した本発明によるサンプリング・デバイスのある実施形態である。 流れの方向が分からない、流れシステムに適合した本発明によるサンプリング・デバイスのある実施形態である。 流れの方向が変化する速い流れシステムに適合した、本発明によるサンプリング・デバイスのある実施形態である。 サンプリング・デバイスがバイパス回路内に設置されるある実施形態である。 いくつかのサンプリング・デバイスが異なる深さに設置されているある実施形態である。
符号の説明
1 ケーシング 2 入口セクション
3 入口開口部 4 トレーサ・セクション
5 トレーサ材料 6 吸着剤マトリックス・セクション
7 吸着剤マトリックス 8 出口セクション
9 出口開口部 10 ハウジング
14 コア部分 16 ケーブル又はロッド

Claims (15)

  1. 入口(3)開口部および出口(9)開口部およびその間の流体用通路を有するケーシング(1)を備える流れシステム内の流体の流れおよび溶質の質量の移動を測定するためのデバイスであって、前記ケーシングが少なくとも1つの流体に対して浸透性を有する不溶性吸着材マトリックス(7)および少なくとも1つのトレーサ材料(5,5’)を含み、前記トレーサ材料(5,5’)が、少なくとも設置の前は、前記吸着材マトリックス(7)に物理的または化学的に結合していない、流体に対して浸透性を有する部分可溶性材料であり、前記トレーサ材料(5,5’)が、前記ケーシング(1)の少なくとも1つのトレーサセクション(4,4’)内に位置しており、前記トレーサセクション(4,4’)は、前記不溶性吸着材マトリックス(7,7’)を保持している吸着材マトリックス・セクション(6,6’)から独立しており、かつ、前記ケーシング(1)の少なくとも1つの吸着材マトリックス・セクション(6,6’)と接触していることと、前記少なくとも1つのトレーサ材料セクション(4,4’)および前記少なくとも1つの吸着材マトリックス・セクション(6,6’)が、前記入口開口部(3)および出口開口部(9)の間の前記流体用通路内に位置することとを特徴とするデバイス。
  2. 前記トレーサ材料(5,5’)が、下記の材料のグループ、すなわち、無機、有機およびハイブリッド有機/無機塩;ポリマー、コポリマー、ブロック・コポリマー、およびいくつかの結合が加水分解した場合に材料の一部が喪失することができるオリゴマーを含む有機、無機またはハイブリッド有機/無機固体;前記トレーサが、制御された速度で、カプセルから測定対象の流体内に解放されるマイクロカプセルに入れられた材料から選択することを特徴とする、請求項に記載のデバイス。
  3. 前記トレーサ材料(5,5’)が、前記流体内で10−2から10−60の範囲、好適には、10−2から10−40の範囲、より好適には、10−5から10−12の範囲内の溶解積(Ksp)を有する塩であることを特徴とする、請求項に記載のデバイス。
  4. 前記トレーサ材料(5,5’)が、下記の塩のグループ、すなわちCaF、クエン酸カルシウム、CaHPO、オレイン酸カルシウム、およびラウリン酸カルシウムから選択されることを特徴とする、請求項に記載のデバイス。
  5. 少なくとも1つの回収基準材料が、前記少なくとも1つの不溶性吸着材マトリックス(7)に吸着されることを特徴とする、請求項のいずれかに記載のデバイス。
  6. 前記吸着材マトリックス材料(7,7’)が、吸着特性を有する有機、無機またはハイブリッド有機/無機材料であることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のデバイス。
  7. 前記吸着材マトリックス材料(7,7’)が、下記の材料のグループ、すなわちシリカ、ケイ酸アルミニウム、アルミニウム・ジルコニウム、酸化金属、合成イオン交換樹脂、炭素材料、ゼオライト、炭水化物、合成高分子材料から選択されることを特徴とする、請求項に記載のデバイス。
  8. 前記吸着材マトリックス材料が、六角形の中程度の孔部を有するシリカであることを特徴とする、請求項に記載のデバイス。
  9. 前記ケーシング(1)、入口開口部(3)および出口開口部(9)にそれぞれ隣接する前記入口セクション(2)および前記出口セクション(8)備え、前記入口および前記出口セクションは、外側に位置していて、前記吸着材マトリックスセクション(6)および/またはトレーサ材料セクション(4)に対し境界面の面積(B)を有し、前記入口開口部(3)を通前記浸透性を有するユニットへのモーメントを有する流入に寄与する、流れに垂直な方向への投影面積(A)は、前記入口セクション(2)と前記吸着材セクション(6)または前記トレーサ・セクション(4)との間の前記境界面面積(B)とは大きさが異なることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のデバイス。
  10. 前記ケーシング(1)が、流体に対して浸透性を有さない、または浸透性を有するハウジング(10)内に配置されていて、前記ケーシングが前記ハウジングから取り外すことができることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のデバイス。
  11. 2つまたはそれ以上のデバイスが、それぞれ少なくとも1つの吸着材マトリックス・セクション(6)および少なくとも1つのトレーサ材料セクション(4)、または結合吸着材マトリックスおよびトレーサ材料セクションを有するケーシング(1,1’および1”)を備え、入口開口部(3)および出口開口部(9)が同じハウジング(10)内に配置されることを特徴とする、請求項10に記載のデバイス。
  12. 前記ケーシング(1,1’および1”)が、相互にある角度を向くように位置していることを特徴とする、請求項11に記載のデバイス。
  13. 前記ケーシング(1,1’および1”)が、異なるトレーサ材料(5)および/または吸着材マトリックス材料(7)を含むことを特徴とする、請求項11に記載のデバイス。
  14. 前記ハウジング(10)が、磁気特性を有するコア部分(14)に回転可能に接続していて、前記コア部分(14)が、前記デバイス設置のためのケーブルまたはロッド(16)に回転可能に接続している(15)ことを特徴とする、請求項10に記載のデバイス。
  15. 前記ハウジング(10)が、流体力学的形状を有する少なくとも1つの部材(17)を備え、および/または前記ハウジング自身が、流体力学的形状を有することを特徴とする、請求項10に記載のデバイス。
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