JP2023183364A - ダイカスト金型 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023183364000001
【課題】ダイカスト金型の冷却効率を向上させる。
【解決手段】入口11と出口12を有し、入口11から出口12に向けて冷却水が流れる冷却通路10が内部に設けられたダイカスト金型であって、冷却通路10には、冷却通路10の壁面から突出し、冷却水の流れを制御する島状の堰30が設けられており、堰30の横断面形状は、冷却水の流れの方向を変え得る指向性を有し、冷却通路10は、側方に張り出した張り出し部21a,23aが設けられることにより断面積が局所的に拡張された拡張部21,23を有し、張り出し部21a,23aに冷却水を送るように堰30が配置されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、冷却通路を有するダイカスト金型に関する。
金型は、キャビティに供給される溶湯が熱源となって加熱される。そのため、金型の内部には、金型を冷却するための冷却通路が設けられる。冷却通路には冷却水が供給される。冷却水が冷却通路を流れることによって金型が冷却される。
下記特許文献1においては、凸形状の金型を円筒状とし、その内部空間を冷却通路とする構成が開示されている。冷却通路は円筒状の金型の軸方向に沿って直線状に形成されていて金型の先端部近傍まで達している。冷却通路には、金型の基端部から冷媒が供給される。しかしながら、冷却通路が金型の先端部で行き止まりとなっているため、冷媒が循環しにくく、効率良く冷却することができない。また、下記特許文献2では、冷却通路を冷却回路として、冷却媒体を循環させることも記載されている。しかしながら、冷却媒体を循環させるだけでは金型の冷却は十分ではない。
特開2021-159930号公報 特開2021-154372号公報
本発明は、金型の冷却効率を向上させることを課題とする。
本発明に係るダイカスト金型は、入口と出口を有し、入口から出口に向けて冷却水が流れる冷却通路が内部に設けられたダイカスト金型であって、冷却通路には、冷却通路の壁面から突出し、冷却水の流れを制御する島状の堰が設けられている。
この構成によれば、冷却水は入口から冷却通路に入れられる。冷却水は出口に向かって冷却通路を流れ、出口から冷却通路の外部に排出される。冷却通路に設けられた島状の堰によって冷却水の流れが制御される。そのため、冷却通路における冷却水の淀みが抑制される。
特に、堰の横断面形状は、冷却水の流れの方向を変え得る指向性を有していることが好ましい。この構成によれば、指向性を有する堰によって、冷却水の流れる方向が変化する。そのため、淀みが生じやすい部分に冷却水の流れを容易に向けることができる。
また、堰の横断面形状は、翼形であることが好ましい。この構成によれば、冷却水の流れをスムーズに変えることができる。
また、冷却通路は、側方に張り出した張り出し部が設けられることにより断面積が局所的に拡張された拡張部を有し、張り出し部に冷却水を送るように堰が配置されていることが好ましい。この構成によれば、拡張部において局所的に冷却水路の断面積が拡張されているので、拡張部の周縁部分を効率良く冷却することができる。一方、拡張部の張り出し部は冷却水が流れにくく淀みが発生しやすい箇所であるが、堰が張り出し部に冷却水を向かわせる。そのため、張り出し部に冷却水がスムーズに供給されることになり、張り出し部において冷却水の淀みが生じにくくなる。
また、冷却通路は、直線部を有し、直線部に、横断面形状が線対称形状である堰が、その対称軸が直線部の幅方向を向くようにして互いに間隔をあけながら複数配置されていることが好ましい。冷却通路を製作する際、仕上げ工程として流体研磨を行うことがある。流体研磨を行うことにより、冷却通路の内面が滑らかとなり、金型における亀裂の発生を抑制することができて、金型の寿命を向上させることができる。流体研磨工程においては、冷却通路の双方向から研磨剤を流すことが好ましい。冷却通路の一方向のみから研磨剤を流す場合に比して、冷却通路の内面をより一層滑らかにすることができ、均一な研磨状態が得られる。このように双方向の流体研磨を行う場合には、堰の横断面形状が線対称形状であることが好ましく、その対称軸が直線部の幅方向を向くようにして堰が配置されることが好ましい。これにより、直線部に一方向に研磨剤を流した場合と他方向に研磨剤を流した場合とで、研磨状態を均一にすることができる。従って、冷却通路の直線部の内面を研磨剤によって均一に研磨することができる。また、堰の表面も研磨剤によって均一に研磨することができる。更には、例えば鋳造現場の判断で、冷却通路の入口と出口を逆にしても、直線部における冷却水の流れが一定であり、直線部を所望の冷却状態とすることができる。
以上のように、冷却通路に堰が設けられているので、冷却水が淀みにくくなって、冷却効率が高まる。
(a)は本発明の一実施形態における金型の要部を示す断面図、(b)は、(a)のA-A断面図。 (a)~(d)は、金型の冷却通路の横断面形状を示す断面図。 冷却通路における冷却水の流れを示す図。 (a)は冷却通路に堰が設けられた金型の要部を示す断面図、(b)は(a)のB-B断面図。 冷却通路における冷却水の流れを示す図。 (a)~(d)は、堰の横断面形状を示す図。 (a)~(c)は、堰による冷却水の流れの変化を示す図。 (a)及び(b)は、堰による冷却水の流れの変化を示す図。 (a)及び(b)は、堰による冷却水の流れの変化を示す図。 (a)及び(b)は、冷却通路のコーナー部における冷却水の流れを示す図。 (a)~(c)は、堰の突出方向に沿った縦断面形状を示す図。 (a)~(c)は、堰の突出方向に沿った縦断面形状を示す図。 (a)及び(b)は、冷却通路に堰が設けられた金型の要部を示す断面図。 (a)及び(b)は、それぞれ図13(a)及び(b)に対応した冷却通路における冷却水の流れを示す図。 (a)及び(b)は、冷却通路に堰が設けられた金型の要部を示す断面図。 (a)及び(b)は、それぞれ図15(a)及び(b)に対応した冷却通路における冷却水の流れを示す図。 (a)及び(b)は、冷却通路に堰が設けられた金型の要部を示す断面図。 (a)及び(b)は、それぞれ図17(a)及び(b)に対応した冷却通路における冷却水の流れを示す図。 (a)及び(b)は、堰の横断面形状を示す図。 (a)及び(b)は、冷却通路の直線部における冷却水の流れを示す図。
以下、本発明の一実施形態にかかるダイカスト金型について、図1~図18を参酌しつつ説明する。図1に金型の要部を示している。この金型は、金型の全体のうちの一部であって、具体的には、埋子1である。埋子1は、可動型、固定型あるいは中子に設けられる。埋子1は、例えば、可動型や固定型のダイス、あるいは、可動型や固定型のホルダーに着脱可能に且つ交換可能に取り付けられる。本実施形態では、埋子1は、その基端側の部分が嵌め込まれるようにしてダイスに取り付けられたり、あるいは、先端側からダイスに挿入されてダイスを貫通して先端側がダイスから突出したりする。尚、金型は、埋子1でなくてもよく、ダイスや中子等であってもよい。
図1(a)において、符号101で示している第1方向は型締め方向である。第1方向101と直交する方向を第2方向102とし、第1方向101及び第2方向102と直交する方向を第3方向103とする。埋子1は、ダイスから突出する。埋子1の突出方向は第1方向101である。埋子1の第1方向101の第1端部1aは、ダイスから離れた端部であって突端部(先端部)であり、第1方向101の第2端部1bは、ダイスに近い端部であって基端部である。埋子1は、図示しないダイスにその第2端部1bが嵌め込まれる。図1(b)のように、埋子1は、第3方向103を厚さ方向とする薄い形状(板状)である。
埋子1の第1端部1aには、切欠部2が設けられている。切欠部2は、第2端部1bに向けて切り欠かれている。本実施形態では二箇所の切欠部2が設けられている。二箇所の切欠部2は、互いに第2方向102に間隔をあけて配置されている。尚、切欠部2の個数や配置、形状等は任意であり、また、切欠部2が設けられていなくてもよい。第1端部1aに二つの切欠部2が設けられていることにより、第1端部1aには、切欠部2に対して相対的に第1方向101に突出した複数の凸部が形成されている。本実施形態では、二つの切欠部2が設けられているので、互いに第2方向102に離間して第1凸部3、第2凸部4、第3凸部5という三つの凸部が形成されている。このように第1端部1aには第1方向101の凹凸が形成されている。
<冷却通路10>
埋子1には、埋子1を冷却するための冷却通路10が形成されている。尚、冷却通路10には、後述のように堰30が設けられるが、まずは、堰30が設けられていない場合について説明する。冷却通路10は、埋子1の内部に設けられた空間であり、空洞部である。冷却通路10には、冷却水が供給される。冷却水は、冷却通路10を一方向に流れる。冷却通路10は、二つの開口部を有している。冷却通路10の第1開口部は、冷却水を冷却通路10に供給するための供給口であって入口11である。冷却通路10の第2開口部は、冷却水を冷却通路10から外部に排出するための排出口であって出口12である。即ち、冷却通路10は、その上流側の端部に入口11を有すると共にその下流側の端部に出口12を有している。入口11と出口12は、本実施形態においては、何れも埋子1の第2端部1bに設けられ、第1方向101に開口している。入口11と出口12は、埋子1の第2端部1bにおいて第2方向102に間隔をあけて設けられている。第1開口部と第2開口部のうち何れが入口11であってもよい。以下の説明では、紙面向かって右側の開口部を入口11とし、紙面向かって左側の開口部を出口12とする。入口11と出口12は、例えば埋子1の第2端部1bにおける第2方向102の両端部にそれぞれ設けられる。冷却水は、冷却通路10を入口11から出口12に向かって流れる。
冷却通路10は、入口11から第1端部1aに向けて第1方向101に延びる第1区間13と、第1区間13の下流側に連続し、第1端部1aに沿って延びる第2区間14と、第2区間14の下流側に連続し、第1端部1aから出口12に向けて第1方向101に延びる第3区間15とを有する。第1区間13と第3区間15は、直線区間(直線部)である。第2区間14は、本実施形態では、第1端部1aに二つの切欠部2が形成されていることから蛇行している。第1区間13と第2区間14との境界部、及び、第2区間14と第3区間15との境界部は、それぞれコーナー部である。尚、本実施形態においては、冷却通路10は、第2方向102に対称形状である。第1区間13と第3区間15は、互いに対称である。
冷却通路10の横断面形状は、冷却通路10を横断する断面視における形状である。冷却通路10の横断面形状は、図1(b)のように、非円形である。具体的には、冷却通路10の横断面形状は、第3方向103を短軸方向とし、第1方向101あるいは第2方向102を長軸方向とする扁平形状であって、より詳細には、長孔形状(トラック形状)である。尚、長孔形状の他、楕円形等であってもよい。このように、冷却通路10を断面視長孔形状(扁平形状)とすることにより、冷却通路10の断面積を長軸方向に拡大することができ、円形の場合に比して断面積を容易に拡大できて、冷却通路10を流れる冷却水の水量を増加させることができる。
冷却通路10の長軸方向の寸法を幅寸法とする。冷却通路10の幅は、一定であってもよいが、本実施形態では、局所的に拡幅(拡張)されている。冷却通路10は、短軸方向の寸法を変化させることなく長軸方向の寸法を拡縮させる。図1における第1ポイントP1から第7ポイントP7までの各ポイント毎の冷却通路10の横断面形状を図2にまとめて示している。尚、本実施形態では、第2方向102に対称形状であるため、第1ポイントP1と第7ポイントP7は互いに同一であり、第2ポイントP2と第6ポイントP6は互いに同一であり、第3ポイントP3と第5ポイントP5は互いに同一である。
図2(a)~図2(d)は、それぞれ第1ポイントP1から第4ポイントP4における横断面形状を示している。各ポイントにおける短軸方向の寸法Tは共通である。第1ポイントP1から第4ポイントP4の各ポイント毎の幅を図2にそれぞれW1~W4で示している。第1ポイントP1の横断面形状は、冷却通路10の基準形状であり、その幅W1を基準幅とする。第3ポイントP3の横断面形状は第1ポイントP1の横断面形状と同一であり、その幅W3は基準幅である。第2ポイントP2は、最も幅広のポイントであってその幅W2は最大である。尚、図2(b)及び図2(d)に二点鎖線で基準幅を示している。第4ポイントP4の幅W4は、第1ポイントP1の幅W1よりも若干広い。
このように冷却通路10の幅は冷却通路10の全長に亘って一定ではなく局所的に拡張されている。冷却通路10は、幅が基準幅である基準部と、基準幅よりも幅が拡張された拡張部とを有する。具体的には、冷却通路10は、四つの基準部と三つの拡張部とに区分される。冷却通路10は、上流側から順に、第1基準部20、第1拡張部21、第2基準部22、第2拡張部23、第3基準部24、第3拡張部25、及び第4基準部26を有する。第1基準部20は第1区間13に設けられ、第4基準部26は第3区間15に設けられる。第2区間14には、第1拡張部21、第2基準部22、第2拡張部23、第3基準部24及び第3拡張部25が設けられる。第1拡張部21は、第1凸部3に対応し、第2基準部22は第1切欠部2に対応し、第2拡張部23は第2凸部4に対応し、第3基準部24は第2切欠部2に対応し、第3拡張部25は第3凸部5に対応して設けられている。
拡張部は、冷却通路10の幅が局所的に第1端部1a側に拡張された部分である。拡張部は、第1端部1a側に張り出した張り出し部を有する。第1拡張部21は第1張り出し部21aを有し、第2拡張部23は第2張り出し部23aを有し、第3拡張部25は第3張り出し部25aを有する。図1(a)において、張り出し部には多数のドットを付して示している。第1張り出し部21a、第2張り出し部23a及び第3張り出し部25aによってそれぞれ第1凸部3、第2凸部4及び第3凸部5に冷却通路10が入り込んでいる。
このような冷却通路10には、図示しない供給装置から冷却水が送られる。図3に堰30を設けていない場合の冷却通路10における冷却水の流れの解析画像を示している。図中、白色の筋となって現れているところは冷却水の流れが強い箇所である。一方、白色の筋が点状となっていたり黒色となっているところは、冷却水の流れが弱い、あるいは、流れていない箇所である。このように、堰30を設けていない状態においては、冷却通路10の幅全体に亘って均一に冷却水が流れるという状況ではなく、冷却水の流れは不均一となる。特に、第1拡張部21の第1張り出し部21a、第2拡張部23の第2張り出し部23a、及び、第3拡張部25の第3張り出し部25aにおいては冷却水の流れが弱く、淀みが生じている。淀みが生じると、その部分において冷却効果が落ちることになり、埋子1のその部分が熱により損傷しやすくなる。つまり、特には第1凸部3、第2凸部4及び第3凸部5が損傷しやすい。そのため、冷却水の流れの改善が必要となる。
一方、図4に冷却通路10の上流側の半分領域に堰30が配置された場合を示している。堰30は島状であって冷却通路10に多数配置されている。堰30の横断面形状については後述するが、図4に示す形態においては、翼形のものと円形のものの2種類である。図4(b)のように、堰30は、冷却通路10の壁面から突出している。この突出形態も種々であって、これについても後述するが、図4においては、堰30は、冷却通路10の対向する二面同士を連結している。即ち、堰30は、冷却通路10の壁面において短軸方向に対向する壁面同士を連結している。
このように堰30が配置された場合における冷却水の流れの解析画像を図5に示している。冷却通路10の上流側において冷却水の流れが均一化されている。特に、第1張り出し部21aと第2張り出し部23aにおいて冷却水の流れが生じており、第1凸部3と第2凸部4における冷却状況が改善されている。これは、堰30によって第1張り出し部21aと第2張り出し部23aに冷却水が送られているためである。尚、冷却通路10の下流側にも堰30を配置してもよい。
<堰30の横断面形状>
次に、堰30の横断面形状について説明する。図6に堰30の横断面形状の代表的なものを例示している。図6(a)は翼形で、図6(b)は円形で、図6(c)は逆三角形で、図6(d)は凧形である。凧形とは、二本の対角線同士が直交する四角形であって、隣り合う二つの辺の長さが等しい組が二組ある四角形である。つまり、一対の短辺と一対の長辺を有する。図6では、紙面向かって左側を上流側として、堰30が配置されることが好ましい。図6(a)、図6(c)、図6(d)においては、堰30の長手方向に沿った中心線30aを図示している。
図7に、堰30の横断面形状が翼形である場合における冷却水の流れを概念的に示している。堰30の横断面形状が翼形である場合、堰30は冷却水の流れの方向を変化させることができる。即ち、堰30の横断面形状は指向性を有している。翼形は、長手方向の一端部から他端部に向けて先細りとなった形状である。翼形の長手方向の一端部を冷却水の上流側に向けて配置する。図7(a)のように、翼形の長手方向の中心線30aが冷却水の流れの方向に沿っている場合には、堰30は冷却水の流れに抵抗を与えるものの冷却水の流れに変化を与えない。一方、図7(b)や図7(c)のように、翼形の長手方向の中心線30aが冷却水の流れの方向に対して傾斜している場合には、冷却水が堰30に当たることによって、冷却水の流れの方向は、翼形の長手方向の中心線30aの方向に向けて変化する。即ち、翼形の堰30を配置することによって冷却水の流れの方向を変えることができる。
図8に、堰30の横断面形状が逆三角形である場合における冷却水の流れを概念的に示している。堰30の横断面形状が逆三角形である場合も、堰30は冷却水の流れの方向を変化させることができる。逆三角形は、その底辺を冷却水の上流側に向けて配置する。逆三角形は、好ましくは冷却水の流れに沿って長い逆二等辺三角形である。図8(a)のように、底辺が冷却水の流れと直交し、堰30の中心線30aが冷却水の流れの方向に沿っている場合には、堰30は冷却水の流れに抵抗を与えるものの冷却水の流れに変化を与えない。一方、図8(b)のように、底辺が冷却水の流れに対して傾斜し、堰30の中心線30aが冷却水の流れの方向に対して傾斜している場合には、冷却水が堰30に当たることによって、冷却水の流れの方向が逆三角形の中心線30aの方向に向けて変化する。尚、逆三角形の堰30の中心線30aは、底辺を二等分する線である。
図9に、堰30の横断面形状が凧形である場合における冷却水の流れを概念的に示している。堰30の横断面形状が凧形である場合も、堰30は冷却水の流れの方向を変化させることができる。凧形の短辺側を冷却水の上流側に向けて配置する。凧形の長い方の対角線を中心線30aとする。図9(a)のように、凧形の中心線30aが冷却水の流れに沿っている場合には、堰30は冷却水の流れに抵抗を与えるものの冷却水の流れに変化を与えない。一方、図9(b)のように、凧形の中心線30aが冷却水の流れに対して傾斜している場合には、冷却水が堰30に当たることによって、冷却水の流れの方向が凧形の中心線30aの方向に向けて変化する。
このように、堰30の横断面形状が指向性を有している場合には、冷却通路10に堰30を配置することによって、冷却水の流れに抵抗を与えることができると共に冷却水の流れの方向を変化させることができる。一方、図6(b)のように堰30の横断面形状が円形である場合には、円形は指向性を有していない。そのため、冷却通路10に円形の堰30を配置すると、冷却水の流れに抵抗を与えることができるものの、冷却水の流れの方向を変化させることはできない。冷却水の流れの方向を変える箇所には翼形等のような指向性を有する堰30を配置し、冷却水の流れの方向を変えない箇所には、円形等のような指向性を有しない堰30を配置する。尚、図19のように、堰30の横断面形状が菱形であってもよい。菱形の場合も指向性を有している。長い方向の対角線30bを中心線30aとし、その長い方向の対角線30bを流れの方向に対して傾けることにより、冷却水の流れの方向を変化させることができる。
図10に、冷却通路10に堰30を配置することによる冷却水の流れの変化を概念図で示している。冷却通路10において、例えば上流側の第1直線部40と下流側の第2直線部42とが直角に折れ曲がっている場合、その第1直線部40と第2直線部42との間の境界部(屈曲部)であるコーナー部41は、冷却水の淀みが発生しやすい箇所である。図10(a)のように、コーナー部41においては、冷却水の流れは主としてコーナー部41のインナー側に集中する。そのため、コーナー部41におけるアウター側には淀みが生じやすい。そこで、一例として、図10(b)のように、コーナー部41の上流側近傍からコーナー部41にかけて、多数の翼形の堰30を配置する。第1直線部40においては、翼形の堰30をその中心線30aが第1直線部40に沿うようにして配置する。これにより冷却水を分散させてコーナー部41のアウター側にも冷却水を向かわせる。そして、コーナー部41においては、翼形の堰30の中心線30aを第1直線部40に対して傾斜させる。これにより、冷却水の流れの方向を変化させつつアウター側にも冷却水を供給する。このように第1直線部40の下流端からコーナー部41にかけて複数の堰30を配置することにより、コーナー部41のアウター側における淀みを解消することができる。
<堰30の縦断面形状>
堰30は、冷却通路10の壁面から突出している。堰30の突出方向は種々であってよいが、好ましくは冷却通路10の短軸方向である。堰30をその突出方向に沿って切断したときの断面形状を縦断面形状と称する。図11と図12に堰30の縦断面形状を例示している。図11には、互いに短軸方向に対向する一対の壁面同士を連結する堰30について示している。堰30が短軸方向に対向する一対の壁面同士を連結していると、堰30によって埋子1の冷却通路10が補強され、埋子1の強度を容易に確保することができる。そして、埋子1の強度を確保しつつ、冷却通路10の長軸方向の寸法(幅)を拡大することができる。
図11(a)は、堰30が突出方向に沿ってその大きさを変化させることなく太さ一定(大きさ一定)で突出して延びている場合である。図11(b)は、堰30が突出方向の一端側に向けて一定の比率で細く(小さく)なっている場合である。図11(c)は、堰30が突出方向の一方側に向けて急激に細くなっている場合である。このように、堰30の縦断面形状は種々であってよい。
一方、図12は、堰30が短軸方向に対向する一対の壁面同士を連結していない場合を示している。堰30は、短軸方向に対向する一対の壁面のうち一方から他方に向けて突出する、あるいは、双方からそれぞれ突出する。図12(a)と図12(c)は、一方の壁面から突出する堰30が他方の壁面まで達していない場合である。図12(b)は、一対の壁面からそれぞれ突出する堰30の先端同士が互いに対向して離間している場合である。図12(d)は、一対の壁面からそれぞれ位置をずらすようにして堰30が互い違いに突出している場合である。このように堰30は一対の壁面同士を連結していなくてもよい。
次に、図4に示した多数の堰30の配置について、その堰30による冷却水への影響を順次説明する。図13(a)は、第1拡張部21の第1張り出し部21aの直ぐ上流側に堰30を一つ配置した場合を示している。そのときの冷却水の流れの解析画像を図14(a)に示している。図3と図14(a)とを比較することで明らかなように、堰30を一つ配置することによって、第1張り出し部21aに向かう冷却水の流れが発生していることがわかる。次に、その堰30の第1張り出し部21a側に二つ目の堰30を配置した場合を図13(b)と図14(b)に示し、更に三つ目の堰30を配置した場合を図15(a)と図16(a)に示している。複数の堰30を第1張り出し部21aに向けて間隔をあけつつ列をなすようにして配置することにより、第1張り出し部21aの最奧まで冷却水を向かわせることができる。但し、第1張り出し部21aの中央部においては逆に冷却水の淀みが生じている。
更に、図15(b)は第1拡張部21の全幅に亘って多数の堰30を配置した場合を示しており、図16(b)にその解析画像を示している。このように第1拡張部21の幅方向に間隔をあけながら複数の堰30を配置することにより、第1拡張部21の全幅に亘って冷却水を満遍なく行き渡らせることができる。尚、図16(b)では翼形の堰30と円形の堰30を配置している。翼型の堰30の列の下流側に複数の円形の堰30を配置している。また、翼形の堰30は、その中心線30aを傾斜させている。
そして更に、図17(a)においては、第2基準部22に複数の円形の堰30を配置した場合を示し、そのときの解析画像を図18(a)に示している。また更に、図17(b)では、第2拡張部23にも多数の翼形の堰30を配置し、その解析画像を図18(b)に示している。このように第2基準部22から第2拡張部23にかけて多数の堰30を配置することにより、第2拡張部23の第2張り出し部23aにも冷却水を均等に流すことができる。尚、図示は省略するが、第2拡張部23から下流側についても多数の堰30を配置することにより、第3基準部24、第3拡張部25、第4基準部26においても均等に冷却水が流れるようにすることができる。
尚、堰30の横断面形状は、冷却水の流れの方向の上流側の形状と下流側の形状が対称形状であることが好ましい。即ち、堰30の横断面形状は、冷却水の流れの方向に線対称形状であることが好ましく、その対称軸が冷却水の流れの方向に対して直交する方向に沿うようにして堰30が配置されることが好ましい。この線対称形状は種々であるが、例えば図19のように菱形とすることができる。菱形は、長い方の対角線30bと短い方の対角線30cを有する。その二本の対角線30b,30cのうち、長い方の対角線30bが流れの方向に沿うようにすることが好ましい。即ち、長い方の対角線30bが菱形の堰30の中心線30aとなる。菱形の堰30の長い方向の対角線30bが冷却水の流れの方向を向き、短い方の対角線30cが流れの方向に対して直交する方向を向く。短い方の対角線30cが対称軸となり、菱形は流れの方向に線対称形状となる。
冷却通路10を製作する際、仕上げ工程として流体研磨を行うことが好ましい。流体研磨を行うことにより、冷却通路10の内面が滑らかとなり、金型における亀裂の発生を抑制することができて、金型の寿命を向上させることができる。流体研磨工程においては、冷却通路10の双方向から研磨剤を流すことが好ましく、それにより冷却通路10の内面をより一層滑らかにすることができると共に均一な研磨状態が得られる。
このように双方向の流体研磨を行う場合には、堰30の横断面形状は、菱形のように、流れの方向に対して対称形状であることが好ましい。図19(a)は、菱形の堰30に対して紙面向かって左側から右側へと流体が流れる場合を示し、図19(b)のように紙面向かって右側から左側へと流体が流れる場合を示している。堰30の横断面形状が流れの方向に対して対称形状であってその中心線30aが流れの方向に沿っていると、流体が右側に向かって流れても逆に左側に向かって流れても、堰30が流体に与える影響は等しい。そのため、冷却通路10の内面を研磨剤によって均一に研磨することができ、堰30の表面も研磨剤によって均一に研磨することができる。また、堰30の横断面形状が菱形のように流れの方向に対して対称形状であると、例えば鋳造現場の判断で、冷却通路10の入口11と出口12を任意に設定することができる。
図20に菱形の堰30の配置態様の一例を示している。冷却通路10に直線部43が設けられている場合、その直線部43に菱形の堰30を複数配置することが好ましい。詳細には、長い方の対角線30bが流れの方向に沿うようにする。菱形の長い方の対角線30bは、直線部43の長手方向Xに沿い、短い方の対角線30cは、直線部43の幅方向Y(短手方向)に沿う。このように菱形の堰30を間隔をあけて多数配置し、より詳細には、千鳥状に配置する。多数の菱形の堰30を千鳥状に配置することにより、直線部43に冷却水が均等に流れやすくなる。また、双方向の流れが等しくなり、菱形の堰30の表面を含めて直線部43の内面を均一に流体研磨することができる。横断面形状が菱形である堰30に限られず、横断面形状が線対称形状である堰30についても同様である。線対称形状の対称軸が直線部43の幅方向Yを向くようにして直線部43に堰30を配置することが好ましい。
1 埋子
1a 第1端部
1b 第2端部
2 切欠部
3 第1凸部
4 第2凸部
5 第3凸部
10 冷却通路
11 入口
12 出口
13 第1区間
14 第2区間
15 第3区間
20 第1基準部
21 第1拡張部
21a 第1張り出し部
22 第2基準部
23 第2拡張部
23a 第2張り出し部
24 第3基準部
25 第3拡張部
25a 第3張り出し部
26 第4基準部
30 堰
30a 中心線
30b 長い方の対角線
30c 短い方の対角線(対称軸)
40 第1直線部
41 コーナー部
42 第2直線部
43 直線部
101 第1方向
102 第2方向
103 第3方向
P1 第1ポイント
P2 第2ポイント
P3 第3ポイント
P4 第4ポイント
P5 第5ポイント
P6 第6ポイント
P7 第7ポイント

Claims (5)

  1. 入口と出口を有し、入口から出口に向けて冷却水が流れる冷却通路が内部に設けられたダイカスト金型であって、
    冷却通路には、冷却通路の壁面から突出し、冷却水の流れを制御する島状の堰が設けられている、ダイカスト金型。
  2. 堰の横断面形状は、冷却水の流れの方向を変え得る指向性を有している、請求項1記載のダイカスト金型。
  3. 堰の横断面形状は、翼形である、請求項2記載のダイカスト金型。
  4. 冷却通路は、側方に張り出した張り出し部が設けられることにより断面積が局所的に拡張された拡張部を有し、張り出し部に冷却水を送るように堰が配置されている、請求項1乃至3の何れかに記載のダイカスト金型。
  5. 冷却通路は、直線部を有し、直線部に、横断面形状が線対称形状である堰が、その対称軸が直線部の幅方向を向くようにして互いに間隔をあけながら複数配置されている、請求項1記載のダイカスト金型。
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