JP2023183108A - インテリアctの画像再構成方法、画像再構成装置、及び、プログラム - Google Patents

インテリアctの画像再構成方法、画像再構成装置、及び、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】インテリアCTにおいて、より簡便な先験情報を用いて、高精度な画像再構成を行うこと。【解決手段】物体の関心領域にX線を照射して、前記物体の断面の前記関心領域の画像を再構成するインテリアCTの画像再構成方法であって、前記画像再構成法は、前記物体の周方向において所定の角度の範囲で前記物体の前記関心領域にX線を照射した際の投影データを複数取得する投影データ取得ステップと、照射角度に応じてX線が前記物体の断面の通過する際の画素の情報をもつ行列を投影演算行列とするとき、複数の前記投影データを並べたベクトルをbとし、前記投影データに対応する複数の前記投影演算行列を並べた行列をAとし、前記物体の断面の画像値を並べたベクトルをxとしたとき、先験情報Cの下でAx=bを解いて、前記関心領域の画像を求める画像算出ステップと、を含み、前記先験情報Cは、前記物体の断面の画像の画像値の総和である。【選択図】図4

Description

本発明は、物体内部における物理量分布の線積分値を測定してデータ処理により物理量分布を画像生成する画像再構成方法に関し、特に、インテリアCTの画像再構成方法に関する。
まず、インテリアCT(Computed Tomography)と呼ばれるCT撮影の方法について説明する。一般的に、CTイメージングの多くの状況においては、物体内の小さな関心領域(ROI:Region of Interest)だけの画像が欲しい場合が生じる。例えば、医療用CTを用いた心臓病や乳がんの診断では、心臓や乳房を含む小さなROIの画像だけがあれば十分である。現在のCT装置の構成方式やデータ収集法は、このようなROIだけの画像で十分な場合であっても、ROIを含む断面を完全に覆うX線ビームを照射して、ROIのみではなく、物体断面を通過する全ての直線上の投影データを測定するものになっている(図1(a)を参照)。これは、CT装置の画像再構成に用いられる計算手順であるフィルタ補正逆投影(FBP;Filtered Back-Projection)法において、ROI画像を生成するのにROIを通過しない直線上の投影データも必要になるためである。しかし、直感的には、ROIを通過しない直線上の投影データはROIの情報を全く含んでいないため、不必要なことが予想される。そこで、ROIだけにX線を照射して、ROIを通過する(全ての)直線上の投影データのみを測定してROIの画像のみを生成するCT撮影の方法が、インテリアCTである(図1(b)を参照)。
このインテリアCTには、不必要な投影データを無駄に測定する従来のCTと比較して、様々な長所がある。例えば、(1)ROI外部の被曝量(試料損傷)の大幅な低減、(2)検出器サイズやX線ビーム幅の削減、(3)視野に収まらない大きい物体の撮影が可能になること、(4)物体の小視野だけにX線を照射して拡大撮影する高分解能CTイメージングが可能になること等が挙げられる。
一方、インテリアCTでは、ROIを通過しない直線上の投影データは測定されないため、一部が欠損した不完全投影データから画像再構成を行う手法が必要となる。より正確に、上記したインテリアCTにおける画像再構成問題の定義を述べると、以下のようになる。物体f(x,y)と画像化の対象となるROI Sを考える(図1(b)を参照)。そして、直線がROI Sを通過する投影データp(r,θ)(rは動径、θは角度)のみが測定可能であるとする。ただし、簡単のため、平行ビームによる投影データ収集を想定している。この場合、直線がROI Sを通過しないp(r,θ)は測定されないため、各角度θの投影データは、左右がトランケーションされて欠損することになる。このようなトランケーションされた投影データからROI Sにおいて画像f(x,y)を正しく再構成する問題が、インテリアCTの画像再構成である。
この問題は長年多くの研究が行われてきており、以下に概略する。まず、非特許文献1では、Nattererは、インテリアCTの画像再構成は解が「一意」に定まらないことを数学的に証明し(ここで、一意とは、画像再構成の解が投影データから唯一に決まり数学的に正しい画像再構成が可能なことを指す)、この非一意性が知られていたため、多くの近似的な画像再構成法が研究されてきた。
例えば、その代表的な手法として、(1)各方向投影データ左右の欠損部分を滑らかな関数で外挿してから画像再構成する手法、(2)不完全な投影データのまま逐次近似法により画像再構成を行う手法などが研究されたが、近似誤差によるシェーディングアーティファクトやカッピングアーティファクト等が発生して実用に至らなかった。
これらの先行研究に対して、2007年になりようやく数学的に厳密な画像再構成法が発見され、インテリアCTにおける画像再構成の新しい方向性が生まれた。これらの厳密解法の重要なキーポイントを一言で要約すると、『インテリアCTの投影データのみでは厳密な画像再構成は不可能だが、物体に関するごく僅かな先験情報があれば数学的に厳密な画像再構成が可能になる』と述べることができる。
上述した厳密解法の発展について述べると、まず、2007年のYeらの論文(非特許文献2)、2008年のKudoらの論文(非特許文献3)、2008年のWangらの特許(特許文献1)は、ROI S内部の任意小領域B(先験情報領域)における画像値が既知という先験情報があれば、ROI Sの厳密な画像再構成が可能であることを証明した(方法1)。
次に、2009年のYuらの論文(非特許文献4)と2014年のWangらの特許(特許文献2)は、ROI S全体で画像値が区分的一様(完全な一定値を持つ有限個の領域で構成されていること)であれば、ROI Sの厳密な画像再構成が可能であることを証明した(方法2)。
更に、2017年の工藤らの特許(特許文献3)やKudoの論文(非特許文献5)は、Yuら、Wangらの手法において必要な先験情報を大幅に削減することに成功して、ROI S内部の任意小領域B(先験情報領域)において画像値が区分的一様(または区分的多項式)であれば、ROI Sの厳密な画像再構成が可能であることを証明し、また、ROI Sの縁のみに区分的一様な制約をかける実用的な方法を提案した(方法3)。
最後に、2017年の工藤らの現在出願中の特許出願(特許文献4)は、ファンビームCTにおいて、部分的な完全投影データを利用する厳密解法を考案した。すなわち、インテリアCTの投影データに加えて有限角度範囲E(いくら小さくても良い)のトランケーションなしの完全スキャンの投影データがあれば,ROI Sの厳密な画像再構成が可能であることを証明した(方法4)。
米国特許第7697658号明細書 米国特許第8811700号明細書 特許第6760611号公報 国際公開第2018/179905号
Natterer F, "The Mathematics of Computerized Tomography", Wiley, 1986. Ye Y, Yu H, Wei Y, Wang G, "A general local reconstruction approach based on a truncated Hilbert transform", International Journal of Biomedical Imaging 2007: Article ID 63634, 2007. Kudo H, Courdurier M, Noo F, Defrise M, "Tiny a priori knowledge solves the interior problem in computed tomography", Physics in Medicine and Biology 53: 2207-2231, 2008. Yu H, Wang G, "Compressed sensing based interior tomography", Physics in Medicine and Biology 54: 2791-2805, 2009. Kudo, "Advanced compressed sensing image reconstruction for interior tomography", Proc. SPIE, 2019.
しかしながら、上述のようにインテリアCTにおいて、画質劣化のない画像再構成を行うには、投影データの他に、物体に関する何らかの先験情報を利用したり(方法1、方法2、方法3)、余分な補足投影データを測定する必要がある(方法4)。これらの方法はかなり複雑であり、先験情報が獲得できない場合や、補足投影データを測定するように装置に変更を加えるのが困難な場合も多い。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、インテリアCTにおいて、より簡便な先験情報を用いて、高精度な画像再構成を行うことを可能とする画像再構成法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、物体の関心領域にX線を照射して、前記物体の断面の前記関心領域の画像を再構成するインテリアCTの画像再構成方法であって、前記物体の周方向において所定の角度の範囲で前記物体の前記関心領域にX線を照射した際の投影データを複数取得する投影データ取得ステップと、照射角度に応じてX線が前記物体の断面の通過する際の画素の情報をもつ行列を投影演算行列とするとき、複数の前記投影データを並べたベクトルをbとし、前記投影データに対応する複数の前記投影演算行列を並べた行列をAとし、前記物体の断面の画像値を並べたベクトルをxとしたとき、前記先験情報Cの下でAx=bを解いて、前記関心領域の画像を求める画像算出ステップと、を含み、前記先験情報Cは、前記物体の断面の画像の画像値の総和である画像再構成方法である。
本発明の第2の態様は、物体の関心領域にX線を照射して、前記物体の断面の前記関心領域の画像を再構成するインテリアCTの画像再構成装置であって、前記物体の周方向において所定の角度の範囲で前記物体の前記関心領域にX線を照射した際の投影データを複数取得する投影データ取得部と、照射角度に応じてX線が前記物体の断面の通過する際の画素の情報をもつ行列を投影演算行列とするとき、複数の前記投影データを並べたベクトルをbとし、前記投影データに対応する複数の前記投影演算行列を並べた行列をAとし、前記物体の断面の画像値を並べたベクトルをxとするとき、先験情報Cの下でAx=bを解いて、前記関心領域の画像を求める画像算出部と、を備え、前記先験情報Cは、前記物体の断面の画像の画像値の総和である画像再構成装置である。
本発明の第3の態様は、コンピュータを、物体の関心領域にX線を照射して、前記物体の断面の前記関心領域の画像を再構成するインテリアCTの画像再構成装置として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記物体の周方向において所定の角度の範囲で前記物体の前記関心領域にX線を照射した際の投影データを複数取得する投影データ取得手段、照射角度に応じてX線が前記物体の断面の通過する際の画素の情報をもつ行列を投影演算行列とするとき、複数の前記投影データを並べたベクトルをbとし、前記投影データに対応する複数の前記投影演算行列を並べた行列をAとし、前記物体の断面の画像値を並べたベクトルをxとするとき、先験情報Cの下でAx=bを解いて、前記関心領域の画像を求める画像算出手段、として機能させ、前記先験情報Cは、前記物体の断面の画像の画像値の総和であるプログラムである。
本発明によれば、インテリアCTにおいて、より簡便な先験情報を用いて、高精度な画像再構成を行うことを可能とする画像再構成法を提供することが可能となる。
通常のCTとインテリアCTとの比較を表す概略図である。 X線CT装置1の全体構成を表す概略図である。 投影データを表す模式図である。 第1実施形態に係るインテリアCTにおける画像再構成方法の原理を表す図である。 画像値の総和である先験情報Cの取得の例を示す図である。 物体の断面の画素とX線がそれらを通過する際の様子を表す図である。 投影演算行列Aと測定方程式Ax=bの例を示す図である。 第1実施形態に係る画像再構成装置122の機能構成の例を示す概略ブロック図である。 第1実施形態に係る画像再構成装置122の処理手順の例を示すフローチャートである。 反復法の一例であるART法の処理手順を示すフローチャートである。 第2実施形態のスパースビューインテリアCTにおける画像再構成法の原理を表す図である。 第2実施形態に係る画像再構成装置122Aの機能構成の例を示す概略ブロック図である。 第2実施形態に係る画像再構成装置122Aの処理手順の例を示すフローチャートである。 頭部CT画像を用いて、第1実施形態の画像再構成法と従来の画像再構成法とで比較実験を行った結果を表す図である。 腹部CT画像を用いて、第1実施形態の画像再構成法と従来の画像再構成法とで比較実験を行った結果を表す図である。 ポリマーブレンド小片試料を用いて、第2実施形態の画像再構成法と従来の画像再構成法とで比較実験を行った結果を表す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態では、医療用のX線CT装置を対象に説明するが、本発明は、PET(Positron Emission Tomographyや、SPECT(Single Photon Emission CT)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、産業用及び工業用CT装置、材料計測用CT装置、電子線トモグラフィ装置等に適用可能である。
[X線CT装置]
まず、図2を参照して本発明に係るX線CT装置1の全体構成について説明する。
図2に示すように、X線CT装置1は、スキャンガントリ部100、寝台105、及び操作卓120を備える。スキャンガントリ部100は、被検体に対してX線を照射するとともに被検体を透過したX線を検出する装置である。操作卓120は、スキャンガントリ部100の各部を制御するとともにスキャンガントリ部100で計測した透過X線データを取得し、画像の生成を行う装置である。寝台105は、被検体(物体)を寝載し、スキャンガントリ部100のX線照射範囲に被検体を搬入・搬出する装置である。
スキャンガントリ部100は、X線源101、回転盤102、コリメータユニット103、X線検出器106、データ収集装置107、ガントリ制御装置108、寝台制御装置109、X線制御装置110、及びコリメータ制御装置111を備える。
操作卓120は、入力装置121、画像再構成装置122、記憶装置123、システム制御装置124、及び表示装置125を備える。
スキャンガントリ部100の回転盤102には開口部104が設けられ、開口部104を介してX線源101とX線検出器106とが対向配置される。開口部104に寝台105に載置された被検体が挿入される。回転盤102は、回転盤駆動装置から駆動伝達系を通じて伝達される駆動力によって被検体の周囲を回転する。回転盤駆動装置はガントリ制御装置108によって制御される。
X線源101は、X線制御装置110に制御されて所定の強度のX線を連続的または断続的に照射する。X線制御装置110は、操作卓120のシステム制御装置124により決定されたX線源電圧及びX線源電流に従って、X線源101に印加または供給するX線源電圧及びX線源電流を制御する。
X線源101のX線照射口にはコリメータユニット103が設けられる。コリメータユニット103は、X線源101から照射されるX線の照射範囲を制限する機構であるコリメータやX線の線量分布を調整するX線補償フィルタを備える。コリメータの動作はコリメータ制御装置111により制御される。
コリメータ制御装置111は、コリメータの動作を制御し、X線源101から照射されるX線の照射範囲を制御する装置である。
X線源101から照射され、コリメータユニット103を通過し、被検体を透過したX線はX線検出器106に入射する。
X線検出器106は、例えばシンチレータとフォトダイオードの組み合わせによって構成されるX線検出素子群を回転方向(チャネル方向)に例えば1000個程度、回転軸方向(スライス方向)に例えば1~320個程度配列したものである。X線検出器106は、被検体を介してX線源101に対向するように配置される。X線検出器106はX線源101から照射されて被検体を透過したX線量を検出し、データ収集装置107に出力する。
データ収集装置107は、X線検出器106の個々のX線検出素子により検出されるX線量を収集し、デジタルデータに変換し、透過X線データとして操作卓120の画像再構成装置122に順次出力する。
画像再構成装置122は、データ収集装置107から入力された透過X線データを取得し、対数変換、感度補正等の前処理を行って再構成に必要な投影データを作成する。また画像再構成装置122は、投影データを用いてスキャノグラム像や断層像(再構成画像)等の画像を再構成する。また、画像再構成装置122は再構成された各スライスの断層像を積み上げてなるボリュームデータを生成してもよい。システム制御装置124は、画像再構成装置122によって生成した投影データ、スキャノグラム像、断層像、及びボリュームデータ等を表示装置125に表示するとともに、記憶装置123に記憶する。
画像再構成装置122(122A)の詳細は後述する。
システム制御装置124は、操作卓120及びスキャンガントリ部100の各部を制御する装置である。
画像再構成装置122及びシステム制御装置124は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたコンピュータである。
記憶装置123はデータ収集装置107で収集したデータ及び画像再構成装置122で作成された画像データ等を記憶する装置であり、具体的にはハードディスク等のデータ記録装置である。記憶装置123には、上述の透過X線データや画像データの他、X線CT装置1の機能を実現するためのプログラムやデータ等が予め記憶される。
表示装置125は、液晶パネル、CRTモニタ等のディスプレイ装置と、ディスプレイ装置と連携して表示処理を実行するための論理回路で構成され、システム制御装置124に接続される。表示装置125は画像再構成装置122から出力される被検体画像、並びにシステム制御装置124が取り扱う種々の情報を表示する。
入力装置121は、被検体氏名、検査日時、検査条件等を入力するための装置であり、具体的にはキーボードやマウス等のポインティングデバイス、及び各種スイッチボタン等により構成される。入力装置121は、操作者によって入力される各種の指示や情報をシステム制御装置124に出力する。操作者は、表示装置125及び入力装置121を使用して対話的にX線CT装置1を操作する。入力装置121は表示装置125の表示画面と一体的に構成されるタッチパネル式の入力装置としてもよい。
[投影データ]
ここで、図3を用いて投影データについて説明する。図3(a)は、平行ビーム方式の場合の投影データを示す図である。X線源が回転方向にθ回転した位置にあるとする。物体(被検体)のz軸の対象とする位置における断面の吸収係数分布(以下、画像値ともいう。)をf(x,y)とする。X線源から照射されたX線は、断面の透過した直線状の画素(x,y)の吸収係数分布f(x,y)により積算して減弱され、X線検出器の軸上の位置rで、透過X線データとして検出される。画像再構成装置122が、この透過X線データに対して対数変換、感度補正等をおこなったものが、投影データp(r,θ)である。
また、図3(b)のファンビーム方式でも同様である。
なお、完全な投影データを取得する場合は、角度θの範囲は、平行ビーム方式では180度、ファンビーム方式では360度である。また、動径rは物体(又は関心領域)の一端から他端までである。
[第1実施形態]
次に、本願発明の第1実施形態について説明する。第1実施形態は、通常のインテリアCTにおける画像再構成方法である。まず、図4~図7を用いて、第1実施形態のインテリアCTにおける画像再構成法の原理を説明する。以下、被検体のことを物体とも言う。
図4のように、本実施形態の画像再構成法では、物体の対象とする断面の画像を考え、その中に関心領域ROI Sが含まれるとする。画像には、吸収係数分布に相当する画像値f(x,y)が与えられている。サポートΩは、物体を含むように設定される物体の存在領域で、サポートΩの外では画像値は0とする。本実施形態の画像再構成法では、インテリアCTは、回転方向に所定の角度の範囲(例えば360°)でX線源から物体の関心領域SにX線を照射し、検出器を介して投影データを取得する。例えば、投影データを数百から数千個程度取得する。前述したように、インテリアCTでは、投影データだけで画像の再構成をすると解が一意に定まらない。
そこで、本実施形態の画像再構成法では、先験情報として、物体の断面の画像値の総和を使用する。
Figure 2023183108000002
ここで、Ωは、サポート(物体の存在領域)である。f(x,y)は、物体の断面の画像の画像値である。Cは、f(x,y)をサポートΩの領域で積分した画像値の総和である。なお、Cは、関心領域Sの内部だけでなく、物体の断面全体の画像値の総和であることに注意する。
先験情報Cは、例えば次のように獲得される。
1.図5に示すように、一方向(回転方向の1つの角度)から物体の断面全体を含む完全投影データを取得し、その総和を先験情報Cとする。
画像値の総和Cのみしか使用しないため、関心領域Sに対して投影データを取得したインテリアCTと異なる装置で取得した投影データであってもよい。また、関心領域Sに対する投影データと解像度が異なる投影データであっても、位置がずれている投影データであってもよい。また、角度はどの方向から測定した投影データであってもよく、雑音が多く低SN比である投影データであってもよい。
2.インテリアCTで関心領域Sに対して投影データを取得する時刻とは異なる時刻に撮影された撮影画像から、式(1)により先験情報Cを算出する。また、動いている物体でも画像値の総和はあまり変わらないことから、動画撮影の場合、他時間のフレーム画像から式(1)により先験情報Cを算出することも可能である。
3.インテリアCTによる撮影の前に、低SN比・低解像度・短測定時間などの悪条件(低品質)で簡単に画像撮影(プリスキャン)を行い、その再構成画像f(x,y)から画像値の総和Cを求める。
画像値の総和Cのみしか使用しないため、プリスキャンは、インテリアCTと異なる装置で撮影されたものであっても、解像度が異なっていても、位置がずれていても、雑音が多く低SN比であってもよい。また、プリスキャンは、時間変化が小さい被写体であれば、投影データを取得する時刻とは異なる時刻に行ってもよい。
このように、先験情報Cは、前述の従来の方法(1)~(4)と比較して、スカラー値1つであるのではるかに情報が少なく獲得しやすい。また、先験情報Cは、画像の合計値C(スカラー値)だけであるので、先験情報としては最小のものに近いと考えられる。
本実施形態の画像再構成法は、以下の条件を連立させて反復法により解を求め、関心領域の画像(画像値)を求める。
まず、物体の断面の画像値を並べたベクトルをxとし(各要素をxとする)、そのうち関心領域Sの内部の画像値を並べたベクトルをxROIとし、物体の断面のうち関心領域の外部の画像値を並べたベクトルをxEXTとする(なお、文中ではベクトルの矢印記号は省略する)。
Figure 2023183108000003
先験情報Cにより、サポートΩの内部(物体の内部)の画像値の総和はCである。
Figure 2023183108000004
サポートΩの外部(物体の外部)の画像値は0とする。
Figure 2023183108000005
回転方向に所定の角度の範囲で関心領域SにX線を照射し、取得した各投影データをベクトルで表しbとする。また、照射角度に応じてX線が物体の断面の通過する際の画素の情報をもつ行列を投影演算行列(後述する)とし、投影データbに対応する投影演算行列をAとする。そして、ベクトルbを1列に並べたベクトルをbとし、行列Aを1列に並べた行列をAとするとき、測定方程式は、式(4)のように表される。
Figure 2023183108000006
本実施形態の画像再構成法は、式(2)、(3)、(4)を連立させて反復法により解となるベクトルxを求める。求めたベクトルxのうち、関心領域の画像(画像値)xROIは高精度で再構成される。
画像再構成法が用いる反復法は、ART(Algebraic Reconstruction Technique)法、SIRT(Simultaneous Iterative Reconstruction Technique)法、統計的画像再構成法(Transmission Maximum Likelihood他)など、CT分野で知られるどのような反復法でも(サポートの外部で画像f(x,y)は0、画像値の総和Cの制約を毎反復後に課すように修正して)使用可能である。なお、反復法で解く際のベクトルxの初期値は特に限定されない。
ここで、図6及び図7を用いて、投影演算行列Aと測定方程式Ax=bの簡単な例を説明する。図6(a)のように、物体の存在領域であるサポートΩがあり、その中に物体が含まれ、物体の中に関心領域Sがあるとする。この場合の関心領域Sの画素は、x~xである。また、物体(の断面)の画素は、関心領域を含んでx~x21である。したがって、x=[x,x,・・・,x21であり、xROI=[x,x,・・・,xであり、xEXT=[x,x,・・・,x21である(Tは転置を表す)。
図6(b)のように、3本のX線l,l,lを考え、X線が軸に対して角度0°で照射されたとする。このとき、X線lは、画素x11,x12,x,x,x13を通過し、これらの画像値を積算した値(に基づく値)が投影データとして取得される。X線lは、画素x14,x,x,x,x15を通過し、これらの画像値を積算した値(に基づく値)が投影データとして取得される。X線lは、画素x16,x,x,x17,x18を通過し、これらの画像値を積算した値(に基づく値)が投影データとして取得される。この際のX線が通過する画素(の位置)の情報と物体の画素の情報x=[x,x,・・・,x21から投影演算行列Aを定めることができる。また、このときの投影データをbとする。
また、図6(c)のように、3本のX線l,l,lが軸に対して角度90°で照射されたとする。このとき、X線lは、画素x19,x,x,x12,xを通過し、これらの画像値を積算した値(に基づく値)が投影データとして取得される。X線lは、画素x20,x,x,x,xを通過し、これらの画像値を積算した値(に基づく値)が投影データとして取得される。X線lは、画素x21,x17,x,x,x10を通過し、これらの画像値を積算した値(に基づく値)が投影データとして取得される。この際のX線が通過する画素(の位置)の情報と物体の画素の情報x=[x,x,・・・,x21から投影演算行列Aを定めることができる。また、このときの投影データをbとする。
投影データがbとbの2つのみの場合、bとbを1列に並べてベクトルbとし、対応する投影演算行列AとAを1列に並べて行列Aとすると、測定方程式Ax=bは、図7に示すようになる。この場合の右辺のb(b,b)は実際には投影データである。なお、図中の行列Aの要素は1となっているが1には限られない。また行列Aの空白の要素は0である。
図8は、第1実施形態に係る画像再構成装置122の機能構成の例を示す概略ブロック図である。画像再構成装置122は、先験情報取得部131と、投影データ取得部132と、画像算出部133とを備える。なお、画像再構成装置122は、図2に示したようにX線CT装置1の一部として備えられてもよいし、別体としてX線CT装置1に接続されてもよい。また、画像再構成装置122は単体で動作し、ネットワークを介して外部サーバや記憶装置等から必要な情報を取得してもよい。
先験情報取得部131は、物体の断面の画像の画像値の総和を先験情報Cとして取得する。先験情報Cは次の式で算出される。
Figure 2023183108000007
ここで、Ωは、サポート(物体の存在領域)である。f(x,y)は、物体の断面の画像の画像値である。Cは、f(x,y)をサポートΩの領域で積分した画像値の総和である。なお、Cは、関心領域Sの内部だけでなく、物体の断面全体の画像値の総和であることに注意する。
先験情報取得部131は、一方向(回転方向の1つの角度)から物体の断面全体を含む完全投影データを取得し、その総和を先験情報Cとして算出してもよい。また、先験情報取得部131は、物体を含む撮影画像から式(5)により先験情報Cを算出してもよい。また、先験情報取得部131は、悪条件(低品質)で簡単にプリスキャンした画像から式(5)により先験情報Cを算出してもよい。また、先験情報取得部131は、記憶装置123等に記憶してある式(5)の値を先験情報Cとして取得してもよい。
投影データ取得部132は、物体の周方向において所定の角度の範囲(例えば360°)で物体の関心領域にX線を照射した際の投影データを複数取得する。例えば、投影データ取得部132は、投影データを数百から数千個程度取得する。なお、投影データ取得部132は、X線CT装置1で撮影しながら取得された投影データを用いてもよいし、予め記憶装置123に記憶しておいた投影データを取得してもよい。
画像算出部133は、照射角度に応じてX線が物体の断面の通過する際の画素の情報をもつ行列を投影演算行列とするとき、複数の投影データbを並べたベクトルをbとし、投影データbに対応して複数の投影演算行列Aを並べた行列をAとし、物体の断面の画像値を並べたベクトルをxとするとき、先験情報Cの下でAx=bを解いて、関心領域の画像を求める。
具体的には、画像算出部133は、物体の断面の画像値を並べたベクトルをxとし(各要素をxとする)、そのうち関心領域Sの内部の画像値を並べたベクトルをxROIとし、物体の断面のうち関心領域の外部の画像値を並べたベクトルをxEXTとする。
Figure 2023183108000008
画像算出部133は、サポートΩの内部(物体の内部)の画像値の総和をCとする。
Figure 2023183108000009
画像算出部133は、サポートΩの外部(物体の外部)の画像値を0とする。
Figure 2023183108000010
画像算出部133は、投影データ取得部132が取得した各投影データをベクトルbとし、投影データbに対応する投影演算行列をAとする。そして、画像算出部133は、ベクトルbを1列に並べたベクトルをbとし、行列Aを1列に並べた行列をAとするとき、測定方程式を式(4)のように立式する。
Figure 2023183108000011
画像算出部133は、式(6)、(7)、(8)を連立させて反復法により解となるベクトルxを求め、xの中のxROIを関心領域の画像とする。
次に、図9及び図10を参照して、第1実施形態に係る画像再構成装置122の動作を説明する。図9は、第1実施形態に係る画像再構成装置122の処理手順の例を示すフローチャートである。
まず、先験情報取得部131は、物体の断面の画像の画像値の総和を先験情報Cとして取得する(ステップS101)。
次に、投影データ取得部132は、物体の周方向において所定の角度の範囲で物体の関心領域にX線を照射した際の投影データbを複数取得する(ステップS102)。
次に、画像算出部133は、照射角度に応じてX線が物体の断面の通過する際の画素の情報をもつ行列を投影演算行列とするとき、複数の投影データbを並べたベクトルをbとし、投影データbに対応して複数の投影演算行列Aを並べた行列をAとし、物体の断面の画像値を並べたベクトルをxとするとき、測定方程式Ax=bを立式する(ステップS103)。
次に、画像算出部133は、先験情報Cの下で反復法によりAx=bを解いて、解のxROIを関心領域の画像とする(ステップS104)。
図10は、画像算出部133の行う反復法の一例であるARTの処理手順の例を示すフローチャートである。求める画像xをベクトルx=(x,x,・・・,xとし、投影データをベクトルb=(b,b,・・・,bとし、投影演算行列Aを上の行から順にベクトルa (1≦i≦I)とする。
まず、画像算出部133は、ベクトルxの初期値x(0)を任意に設定する(ステップS201)。
次に、画像算出部133は、k(=0,1,2,・・・)について所定回メイン反復を行う(ステップS202)。
次に、画像算出部133は、テンポラリベクトルx(k,1)にx(k)を代入して(ステップS203)、iについてサブ反復を、投影データの要素数であるI回行う(ステップS204)。
次に、画像算出部133は、投影データの値bと現在のx(k,i)の投影演算行列の中のベクトルa による投影値との差分を係数とする正規化したベクトルaを現在のx(k,i)に加えて中間ベクトルx(k,i+1/2)とする(ステップS205)。
次に、画像算出部133は、先験情報Cを用いて、C(画像値の総和)と中間ベクトルx(k,i+1/2)の画像値の総和との差を、サポートΩ内の画素数で割った値を、中間ベクトルx(k,i+1/2)の要素の値に加えて、更新用ベクトルx(k,i+1)の要素の値とする。ただし、画像算出部133は、サポートΩに含まれない画素に対しては、更新用ベクトルx(k,i+1)の要素の値は0とする。(ステップS206)。
次に、画像算出部133は、サブ反復が終了したら、ベクトルx(k+1)を更新用ベクトルx(k,I+1)で更新する(ステップS207)。
画像算出部133は、メイン反復が終了したら、ベクトルx=x(k+1)を算出したとして、処理を終了する。
以上で、図9及び図10の説明は終了である。
以上説明したように、先験情報取得部131は、物体の断面の画像の画像値の総和を先験情報Cとして取得し、投影データ取得部132は、物体の周方向において所定の角度の範囲で物体の関心領域にX線を照射した際の投影データを複数取得し、画像算出部133は、投影データのベクトルをbとし、投影演算行列をAとし、物体の断面の画像値を並べたベクトルをxとするとき、先験情報Cの下でAx=bを解いて、関心領域の画像を求める。
これにより、画像再構成装置122は、インテリアCTにおいて、より簡便(超簡便)な先験情報を用いて、高精度な画像再構成を行うことができる。
また、画像再構成装置122の用いる先験情報Cは、前述の従来の方法(1)~(4)と比較して、スカラー値1つであるのではるかに情報が少なく獲得しやすい。そのため、画像再構成装置122は、非常に実用的で使いやすい。また、先験情報Cは、画像の合計値C(スカラー値)だけであるので、先験情報としては最小のものに近いと考えられる。
[第2実施形態]
次に、本願発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、スパースビューインテリアCTにおける画像再構成方法である。スパースビュー(sparse view)CTとは、X線の投影方向数を削減して撮影を行うCTのことである。図11を用いて、第2実施形態のスパースビューインテリアCTにおける画像再構成法の原理を説明する。
図11のように、本実施形態の画像再構成法でも、物体の対象とする断面の画像を考え、その中に関心領域ROI Sが含まれるとする。画像には、吸収分布係数に相当する画像値f(x,y)が与えられている。サポートΩは、物体を含むように設定される物体の存在領域で、サポートΩの外では画像値は0とする。本実施形態の画像再構成法では、インテリアCTは、回転方向に所定の角度の範囲(例えば360°)において所定の間隔で疎にX線源から物体の関心領域SにX線を照射し、検出器を介して投影データを取得する。例えば、投影データを80個、64個、又は46個程度取得する。前述したように、スパースビューインテリアCTでも、投影データだけで画像の再構成をすると解が一意に定まらず高精度の画像が得られない。
そこで、本実施形態の画像再構成法では、先験情報として、物体の断面の画像値の総和を使用する。
Figure 2023183108000012
ここで、Ωは、サポート(物体の存在領域)である。f(x,y)は、物体の断面の画像の画像値である。Cは、f(x,y)をサポートΩの領域で積分した画像値の総和である。なお、Cは、関心領域Sの内部だけでなく、物体の断面全体の画像値の総和であることに注意する。
先験情報Cの獲得の方法は、第1実施形態で説明したものと同様である。先験情報Cは、前述の従来の方法(1)~(4)と比較して、スカラー値1つであるのではるかに情報が少なく獲得しやすい。また、先験情報Cは、画像の合計値C(スカラー値)だけであるので、先験情報としては最小のものに近いと考えられる。
本実施形態の画像再構成法は、以下の条件を連立させて反復法により解を求め、その中でTV(Total Variation)ノルムが最小の解を関心領域の画像(画像値)として求める。
まず、物体の断面の画像値を並べたベクトルをxとし(各要素をxとする)、ベクトルxROIとベクトルxEXTを第1実施形態と同様に次のように定める。
Figure 2023183108000013
先験情報Cにより、サポートΩの内部(物体の内部)の画像値の総和はCである。
Figure 2023183108000014
サポートΩの外部(物体の外部)の画像値は0とする。
Figure 2023183108000015
回転方向に所定の角度の範囲において所定の間隔で疎に関心領域SにX線を照射し、取得した各投影データをベクトルで表しbとする。また、照射角度に応じてX線が物体の断面を通過する際の画素の情報をもつ行列を投影演算行列とし、投影データbに対応する投影演算行列をAとする。そして、ベクトルbを1列に並べたベクトルをbとし、行列Aを1列に並べた行列をAとするとき、測定方程式は、式(4)のように表される。
Figure 2023183108000016
本実施形態の画像再構成法は、式(9)、(10)、(11)を連立させて反復法により解となるベクトルxを求める。ただし、スパースビューインテリアCTの場合は、上記3つの式を同時に満たす解を求めても解が無数に存在して高精度の画像が再構成できない。そこで、式(12)で表されるTVノルムが最小となるようなxを求める。
Figure 2023183108000017
このTVノルムは、xを2次元画像と見た際の水平方向差分と垂直方向差分の大きさに基づく値を計算する。そして、画像再構成法は、求めたxのxROIを関心領域の画像とする。関心領域の画像xROIは高精度で再構成される。
なお、第2実施形態の画像再構成法が用いる反復法は、第1実施形態で例示したものと同様である。また、反復法で解く際のベクトルxの初期値は特に限定されない。
図12は、第2実施形態に係る画像再構成装置122Aの機能構成の例を示す概略ブロック図である。画像再構成装置122Aは、先験情報取得部131と、投影データ取得部132Aと、画像算出部133Aとを備える。なお、画像再構成装置122Aは、図2に示したようにX線CT装置1の一部として備えられてもよいし、別体としてX線CT装置1に接続されてもよい。また、画像再構成装置122Aは単体で動作し、ネットワークを介して外部サーバや記憶装置等から必要な情報を取得してもよい。
先験情報取得部131は、第1実施形態の画像再構成装置122の先験情報取得部131と同様であるので説明を省略する。
投影データ取得部132Aは、物体の周方向において所定の角度の範囲(例えば360°)において所定の間隔で疎に物体の関心領域にX線を照射した際の投影データを複数取得する。例えば、投影データ取得部132はA、投影データを80個、64個、又は46個程度取得する。なお、投影データ取得部132Aは、X線CT装置1で撮影しながら取得された投影データを用いてもよいし、予め記憶装置123に記憶しておいた投影データを取得してもよい。
画像算出部133Aは、照射角度に応じてX線が物体の断面の通過する際の画素の情報をもつ行列を投影演算行列とするとき、複数の投影データbを並べたベクトルをbとし、投影データbに対応して複数の投影演算行列Aを並べた行列をAとし、物体の断面の画像値を並べたベクトルをxとするとき、先験情報Cの下でAx=bの解をTVノルムが最小となるように求めて関心領域の画像とする。
具体的には、画像算出部133Aは、物体の断面の画像値を並べたベクトルをxとし(各要素をxとする)、ベクトルxROIとベクトルxEXTを次のように定める。
Figure 2023183108000018
画像算出部133Aは、サポートΩの内部(物体の内部)の画像値の総和をCとする。
Figure 2023183108000019
画像算出部133Aは、サポートΩの外部(物体の外部)の画像値を0とする。
Figure 2023183108000020
画像算出部133Aは、投影データ取得部132が取得した各投影データをベクトルbとし、投影データbに対応する投影演算行列をAとする。そして、画像算出部133Aは、ベクトルbを1列に並べたベクトルをbとし、行列Aを1列に並べた行列をAとするとき、測定方程式を式(15)のように立式する。
Figure 2023183108000021
画像算出部133Aは、式(13)、(14)、(15)を連立させて、反復法により
式(16)で表されるTVノルムが最小となるようなベクトルxを求める。
Figure 2023183108000022
そして、画像算出部133Aは、求めたxのxROIを関心領域の画像とする。
次に、図13を参照して、第2実施形態に係る画像再構成装置122Aの動作を説明する。図13は、第2実施形態に係る画像再構成装置122Aの処理手順の例を示すフローチャートである。
まず、先験情報取得部131は、物体の断面の画像の画像値の総和を先験情報Cとして取得する(ステップS301)。
次に、投影データ取得部132Aは、物体の周方向において所定の角度の範囲において所定の間隔で物体の関心領域にX線を照射した際の投影データbを複数取得する(ステップS302)。
次に、画像算出部133Aは、照射角度に応じてX線が物体の断面の通過する際の画素の情報をもつ行列を投影演算行列とするとき、複数の投影データbを並べたベクトルをbとし、投影データbに対応して複数の投影演算行列Aを並べた行列をAとし、物体の断面の画像値を並べたベクトルをxとするとき、測定方程式Ax=bを立式する(ステップS303)。
次に、画像算出部133Aは、先験情報Cの下で反復法によりAx=bの解xをTVノルムが最小となるように求める。画像算出部133Aは、反復法には例えばART法を使い、その処理手順は、図10と同様である。そして、画像算出部133Aは、求めたxのxROIを関心領域の画像とする(ステップS304)。
以上で、図13の説明は終了である。
以上説明したように、先験情報取得部131は、物体の断面の画像の画像値の総和を先験情報Cとして取得し、投影データ取得部132Aは、物体の周方向の所定の角度の範囲において所定の間隔で物体の関心領域にX線を照射した際の投影データを複数取得し、画像算出部133Aは、投影データのベクトルをbとし、投影演算行列をAとし、物体の断面の画像値を並べたベクトルをxとするとき、先験情報Cの下でAx=bの解xをTVノルムが最小となるように求めて関心領域の画像とする。
これにより、画像再構成装置122Aは、スパースビューインテリアCTにおいて、より簡便(超簡便)な先験情報を用いて、高精度な画像再構成を行うことができる。特に、通常のインテリアCTよりも難しいスパースビューインテリアCTにおいても高精度な画像再構成を行うことができる。
また、画像再構成装置122Aの用いる先験情報Cは、前述の従来の方法(1)~(4)と比較して、スカラー値1つであるのではるかに情報が少なく獲得しやすい。そのため、画像再構成装置122Aは、非常に実用的で使いやすい。また、先験情報Cは、画像の合計値C(スカラー値)だけであるので、先験情報としては最小のものに近いと考えられる。
[第1実施形態のシミュレーション実験による再構成例]
続いて、第1実施形態の画像再構成装置122(画像再構成法)で行ったシミュレーション実験による再構成例を示す。
図14は、頭部CT画像においてシミュレーション実験による画像再構成を行った結果である。(d)を除き、画像濃度の表示範囲は[-20HU,90HU]である(単位HU:Hounsfield Unit)。
図14(a)は、インテリアCTではない通常のCTにおいて完全投影データから、フィルタ補正逆投影法により再構成した画像である。図14(b)は、インテリアCTの投影データから、従来技術の方法(3)(ROIの境界が区分的に一様であるという先験情報を用いる)により再構成した画像である。図14(c)は、インテリアCTの投影データから、従来技術の方法(4)(1方向の完全投影データを先験情報を用いる)により再構成した画像である。
図14(d)は、インテリCTの投影データから、実施形態1の画像再構成法であるが、画像値の総和の先験情報Cを用いずに再構成した画像である。この場合、ROIの境界あたりが正確に再構成されていないのに加えて、画像濃度も[90HU,200HU]とずれている。一方、図14(e)は、インテリCTの投影データから、実施形態1の画像再構成法で、画像値の総和の先験情報Cを用いて再構成した画像である。この場合、ROIの内部は、図14(a)、(b)、(c)と同程度のレベルで再構成できていることが分かる。
図15は、腹部CT画像においてシミュレーション実験による画像再構成を行った結果である。(d)を除き、画像濃度の表示範囲は[-100HU,300HU]である。図15の実験は、関心領域ROSを小さくして画像再構成が難しい場合である。
図15(a)は、インテリアCTではない通常のCTにおいて完全投影データから、フィルタ補正逆投影法により再構成した画像である。図15(b)は、インテリアCTの投影データから、従来技術の方法(3)により再構成した画像である。図15(c)は、インテリアCTの投影データから、従来技術の方法(4)により再構成した画像である。
図15(d)は、インテリCTの投影データから、実施形態1の画像再構成法であるが、画像値の総和の先験情報Cを用いずに再構成した画像である。この場合、ROIの境界あたりが正確に再構成されていないのに加えて、画像濃度も[310HU,710HU]とずれている。一方、図15(e)は、インテリCTの投影データから、実施形態1の画像再構成法で、画像値の総和の先験情報Cを用いて再構成した画像である。この場合、ROIの内部は、図15(a)、(b)、(c)と同程度のレベルで再構成できていることが分かる。
[第2実施形態のシミュレーション実験による再構成例]
続いて、第2実施形態の画像再構成装置122A(画像再構成法)で行ったシミュレーション実験による再構成例を示す。
図16は、ポリマーブレンド小片試料をX線位相CTで測定した実データに基づく結果である。
図16(a)は、インテリアCTではない通常のスパースビューCTにおいて、522方向の完全投影データから、フィルタ補正逆投影法により再構成した画像である。図16(b)は、スパースビューインテリアCTの46方向の投影データから、実施形態2の画像再構成法であるが、画像値の総和の先験情報Cを用いずに再構成した画像である。この場合、値が大きくずれており全体が黒くなっている。一方、図16(c)は、スパースビューインテリアCTの46方向の投影データから、実施形態2の画像再構成法で、画像値の総和の先験情報Cを用いて再構成した画像である。この場合、ROIの内部は、図16(a)と同程度のレベルで再構成できていることが分かる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は本実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
本発明の実施形態は、医療用X線CT装置、非破壊検査用CT装置、材料計測用CT装置、電子線トモグラフィ装置等に適用される。
1 X線CT装置
100 スキャンガントリ部
101 X線源
102 回転盤
103 コリメータユニット
104 開口部
105 寝台
106 X線検出器
107 データ収集装置
120 操作卓
121 入力装置
122、122A 画像再構成装置
123 記憶装置
124 システム制御装置
125 表示装置
131 先験情報取得部
132、132A 投影データ取得部
133、133A 画像算出部

Claims (9)

  1. 物体の関心領域にX線を照射して、前記物体の断面の前記関心領域の画像を再構成するインテリアCTの画像再構成方法であって、
    前記物体の周方向において所定の角度の範囲で前記物体の前記関心領域にX線を照射した際の投影データを複数取得する投影データ取得ステップと、
    照射角度に応じてX線が前記物体の断面の通過する際の画素の情報をもつ行列を投影演算行列とするとき、複数の前記投影データを並べたベクトルをbとし、前記投影データに対応する複数の前記投影演算行列を並べた行列をAとし、前記物体の断面の画像値を並べたベクトルをxとしたとき、先験情報Cの下でAx=bを解いて、前記関心領域の画像を求める画像算出ステップと、を含み、
    前記先験情報Cは、前記物体の断面の画像の画像値の総和である画像再構成方法。
  2. 前記ベクトルxにおいて、前記物体の外部の画像値は0である
    請求項1に記載の画像再構成方法。
  3. 前記画像算出ステップは、反復法によりAx=bを解く
    請求項1に記載の画像再構成方法。
  4. 前記反復法において、毎反復ごとに前記先験情報Cを用いて前記ベクトルxを補正する
    請求項3に記載の画像再構成方法。
  5. 前記先験情報Cは、前記周方向の1つの角度における前記物体の断面の投影データの総和である
    請求項1に記載の画像再構成方法。
  6. 前記先験情報Cは、前記投影データを撮影するより前にプリスキャンを行って再構成された画像から求めた画像値の総和である
    請求項1に記載の画像再構成方法。
  7. 前記投影データ取得ステップは、前記所定の角度の範囲において所定の間隔で前記投影データを複数取得し、
    前記画像算出ステップは、前記先験情報Cの下でAx=bの解xを所定のノルムが最小となるように求めて前記関心領域の画像とする
    請求項1に記載の画像再構成方法。
  8. 物体の関心領域にX線を照射して、前記物体の断面の前記関心領域の画像を再構成するインテリアCTの画像再構成装置であって、
    前記物体の周方向において所定の角度の範囲で前記物体の前記関心領域にX線を照射した際の投影データを複数取得する投影データ取得部と、
    照射角度に応じてX線が前記物体の断面の通過する際の画素の情報をもつ行列を投影演算行列とするとき、複数の前記投影データを並べたベクトルをbとし、前記投影データに対応する複数の前記投影演算行列を並べた行列をAとし、前記物体の断面の画像値を並べたベクトルをxとするとき、先験情報Cの下でAx=bを解いて、前記関心領域の画像を求める画像算出部と、を備え、
    前記先験情報Cは、前記物体の断面の画像の画像値の総和である画像再構成装置。
  9. コンピュータを、物体の関心領域にX線を照射して、前記物体の断面の前記関心領域の画像を再構成するインテリアCTの画像再構成装置として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、
    前記物体の周方向において所定の角度の範囲で前記物体の前記関心領域にX線を照射した際の投影データを複数取得する投影データ取得手段、
    照射角度に応じてX線が前記物体の断面の通過する際の画素の情報をもつ行列を投影演算行列とするとき、複数の前記投影データを並べたベクトルをbとし、前記投影データに対応する複数の前記投影演算行列を並べた行列をAとし、前記物体の断面の画像値を並べたベクトルをxとするとき、先験情報Cの下でAx=bを解いて、前記関心領域の画像を求める画像算出手段、として機能させ、
    前記先験情報Cは、前記物体の断面の画像の画像値の総和であるプログラム。
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