JP2023182326A - 連続アンローダの状態監視・衝突防止方法および状態監視・衝突防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】掻取部の船倉壁への衝突を防止する。【解決手段】連続アンローダの掻取部9が船倉壁24に衝突するのを防止するための方法は、掻取部と船倉壁の位置を光学的に検出する第1ステップと、第1ステップにおける検出結果に基づいて、掻取部と船倉壁の間の距離を計算する第2ステップと、第2ステップにおいて計算された距離が所定値以下に達したとき、警告を発する第3ステップとを備える。【選択図】図6
Description
本開示は連続アンローダの状態監視・衝突防止方法および状態監視・衝突防止装置に係り、特に、連続アンローダの掻取部が船倉壁に衝突するのを防止するための方法および装置に関する。
船舶の船倉内に掻取部を挿入して荷を連続的に荷揚げする連続アンローダにおいては、バケットエレベータケーシングの周囲にその長手方向に延びる複数のワイヤロープを設置し、ワイヤロープの張力変化を検出するセンサをワイヤロープの端部に設けている。バケットエレベータケーシングよりも先にワイヤロープをハッチ周縁部等に接触させることで、バケットエレベータケーシングがハッチ周縁部等に衝突するのを防止している。
しかし従来は、バケットエレベータケーシングがハッチ周縁部等に衝突するのを防止することしかできない。そのため、掻取部の衝突を防止できず、対策が待ち望まれている。
そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、掻取部の船倉壁への衝突を防止できる連続アンローダの状態監視・衝突防止方法および状態監視・衝突防止装置を提供することにある。
本開示の一の態様によれば、
連続アンローダの掻取部が船倉壁に衝突するのを防止するための方法であって、
前記掻取部と前記船倉壁の位置を光学的に検出する第1ステップと、
前記第1ステップにおける検出結果に基づいて、前記掻取部と前記船倉壁の間の距離を計算する第2ステップと、
前記第2ステップにおいて計算された距離が所定値以下に達したとき、警告を発する第3ステップと、
を備えたことを特徴とする連続アンローダの状態監視・衝突防止方法が提供される。
連続アンローダの掻取部が船倉壁に衝突するのを防止するための方法であって、
前記掻取部と前記船倉壁の位置を光学的に検出する第1ステップと、
前記第1ステップにおける検出結果に基づいて、前記掻取部と前記船倉壁の間の距離を計算する第2ステップと、
前記第2ステップにおいて計算された距離が所定値以下に達したとき、警告を発する第3ステップと、
を備えたことを特徴とする連続アンローダの状態監視・衝突防止方法が提供される。
好ましくは、前記第1ステップにおいて、前記掻取部付近に複数の無人航空機を浮遊させ、前記無人航空機に搭載された光学式検出器によって、前記掻取部と前記船倉壁の位置を検出する。
好ましくは、前記第1ステップにおいて、前記掻取部を船倉に出し入れするときと、前記掻取部を前記船倉内で荷役運転させるときとで、前記無人航空機を前記掻取部に対して異なる位置に位置させる。
好ましくは、前記掻取部を前記船倉内で荷役運転させるとき、少なくとも1台の前記無人航空機を前記船倉内に位置させる。
好ましくは、前記第1ステップにおいて、前記連続アンローダのバケットエレベータケーシングに昇降可能かつ周方向移動可能に設けられた光学式検出器によって、前記掻取部と前記船倉壁の位置を検出する。
好ましくは、前記バケットエレベータケーシングに昇降フレームが設けられ、前記昇降フレームは前記バケットエレベータケーシングの全周に延びるリング状とされ、前記昇降フレームの周方向に移動可能に雲台が設けられ、前記雲台に前記検出器が取り付けられる。
好ましくは、前記検出器の高さ位置が、船倉内の荷の量に応じて変更される。
好ましくは、前記第1ステップにおいて、検出された前記掻取部と前記船倉壁の位置をモニタに表示する。
本開示の他の態様によれば、
連続アンローダの掻取部が船倉壁に衝突するのを防止するための装置であって、
前記掻取部と前記船倉壁の位置を光学的に検出するための検出器と、
前記検出器の検出結果に基づいて、前記掻取部と前記船倉壁の間の距離を計算する制御装置と、
計算された距離が所定値以下に達したとき、警告を発する警告装置と、
を備えたことを特徴とする連続アンローダの状態監視・衝突防止装置が提供される。
連続アンローダの掻取部が船倉壁に衝突するのを防止するための装置であって、
前記掻取部と前記船倉壁の位置を光学的に検出するための検出器と、
前記検出器の検出結果に基づいて、前記掻取部と前記船倉壁の間の距離を計算する制御装置と、
計算された距離が所定値以下に達したとき、警告を発する警告装置と、
を備えたことを特徴とする連続アンローダの状態監視・衝突防止装置が提供される。
好ましくは、前記状態監視・衝突防止装置は、前記検出器によって検出された前記掻取部と前記船倉壁の位置を表示するモニタを備える。
本開示によれば、掻取部の船倉壁への衝突を防止できる。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお本開示は以下の実施形態に限定されない点に留意されたい。
[第1実施形態]
図1は、本開示の第1実施形態に係る連続アンローダの概略図である。図中、左側が海側、右側が陸側である。
図1は、本開示の第1実施形態に係る連続アンローダの概略図である。図中、左側が海側、右側が陸側である。
岸壁Q上にはこれに沿って一対のレールRが設置され、これらレールR上にアンローダ1が走行可能に設けられる。アンローダ1は、レールR上を走行可能な車輪を有する走行架台2と、走行架台2の上面部に旋回可能に設けられた旋回フレーム3とを有する。旋回フレーム3は、鉛直方向に延びる旋回軸回りに旋回可能である。
旋回フレーム3には、ブーム4の基端部と、バランシングレバー5の中間部とが回動可能に取り付けられている。また、ブーム4の先端部とバランシングレバー5の先端部とには、トップフレーム6が回動可能に取り付けられている。これら旋回フレーム3、ブーム4、バランシングレバー5およびトップフレーム6により四節リンク機構もしくは平行リンク機構が構成される。旋回フレーム3とバランシングレバー5が起伏シリンダ(図示せず)により連結され、起伏シリンダの伸縮によりブーム4とバランシングレバー5とが起伏し、ブーム4を海側に倒したり、陸側に起こしたりすることができる。
なお、これら回動可能な取付部における回動軸は、水平方向に延び、互いに平行に配置されている。
トップフレーム6には、バケットエレベータ7が旋回可能に設けられている。バケットエレベータ7はトップフレーム6に対し、鉛直方向に延びる旋回軸回りに旋回可能である。
バケットエレベータ7は、トップフレーム6を貫通して鉛直方向に延びるバケットエレベータケーシング8と、バケットエレベータケーシング8の下方に配置された掻取部9とを備える。バケットエレベータ7は、筒状のバケットエレベータケーシング8において上下方向に延びる中心軸(ケーシング中心軸という)Cの回りを旋回可能である。以下、特に断らない限り、ケーシング中心軸Cを基準とした軸方向、半径方向および周方向を単に軸方向、半径方向および周方向という。
掻取部9は図示するように、周方向の一箇所において半径方向外側に向かって略L字状に延びている。以下便宜上、掻取部9が延びる半径方向において、ケーシング中心軸Cから離れる方向を前、ケーシング中心軸Cに近づく方向を後とする。そしてこの前後方向に直角な水平方向を左右方向とする。掻取部9のこれら各方向を図中に示す。
バケットエレベータケーシング8内の上部には駆動スプロケット10が設けられる。掻取部9は、後端スプロケット11と、前端スプロケット12と、これら後端スプロケット11および前端スプロケット12をバケットエレベータケーシング8の下端部に連結するリンク機構14と、後端スプロケット11および前端スプロケット12の間隔を変えて掻取部9を伸縮させるための伸縮シリンダ(図示せず)とを備える。
またバケットエレベータ7は、駆動スプロケット10、後端スプロケット11、前端スプロケット12およびガイドスプロケット57に巻き掛けられた無端チェーン15と、チェーンの長手方向に等間隔で設置された複数のバケット16とを備える。これらチェーン15とバケット16の組み合わせをバケットチェーン20という。
図6に示すように、船舶17の船倉18内にある荷L(例えば石炭等のバラ物)を陸上に荷揚げするときには、ハッチ19を通じて掻取部9が船倉18内に挿入され、掻取部9が船倉18内の荷Lの上に置かれる。そしてバケットエレベータ7が稼動され、駆動スプロケット10によりバケットチェーン20が循環駆動される。これにより荷Lが複数のバケット16により次々と連続的に掻き取られ、バケットエレベータケーシング8内を上昇され、ブーム4に設けられたブームコンベヤ(図示せず)上に払い出される。その後、荷は、旋回フレーム2のシュート(図示せず)、走行架台2の移送装置21(図1参照)を経て、岸壁Q上の陸揚げコンベア22に払い出され、陸揚げコンベア22により図外の貯蔵設備に搬送される。
この荷揚げの際、掻取部9の前後長と、前後左右上下方向の位置と、周方向の向きとが最適に設定される。こうした設定を含むアンローダ1の運転操作は、運転室23内にいるオペレータ(運転員)により手動で行われる。なおアンローダ1の運転操作は自動で行ってもよい。
本実施形態においては、船倉18を画成する船倉壁24(図6参照)にアンローダ1が衝突しないよう、状態監視・衝突防止装置が設けられている。ここで船倉壁24とは、船倉18を画成する任意の壁をいい、船倉18内の内壁は勿論のこと、船倉18の開口部であるハッチ19の周縁部、およびハッチ19を開閉するハッチカバー42を含む。
状態監視・衝突防止装置は図9に示すように、バケットエレベータケーシング8の周囲(半径方向外側)に設置されその長手方向に延びる複数(4本)のワイヤロープ25と、ワイヤロープ25の端部に設けられワイヤロープ25の張力変化を検出するセンサすなわちケーシングセンサ39(図2参照)とを備える。これによれば、バケットエレベータケーシング8よりも先にワイヤロープ25がハッチ19の周縁部またはハッチカバー42(ハッチ周縁部等という)に接触するので、この接触をケーシングセンサ39により検知することで、バケットエレベータケーシング8のハッチ周縁部等への衝突を防止できる。
しかし、これだけでは、バケットエレベータケーシング8のハッチ周縁部等への衝突しか防止できない。そのため、掻取部9の衝突を防止できず、対策が待ち望まれている。また、掻取部9の衝突を防止するため、船上または運転室に監視員を別途追加で配置し、オペレータを補助する必要がある。
特に掻取部9は、バケットエレベータケーシング8よりも半径方向外側に突出している。そのため、特に船倉18からの出し入れや、船倉18内での荷役運転の際に、掻取部9がハッチ周縁部に衝突し易く、これを確実に防止する必要がある。
そこで本実施形態は、掻取部9の船倉壁24への衝突を防止できる連続アンローダの状態監視・衝突防止方法および状態監視・衝突防止装置を提供するものである。
まず、本実施形態の状態監視・衝突防止装置の構成を説明する。図2に示すように、衝突防止装置100は、掻取部9と船倉壁24の位置を光学的に検出するための検出器31と、検出器31の検出結果に基づいて、掻取部9と船倉壁24の間の距離を計算する制御装置32とを備える。制御装置32はCPU、メモリ等を備える。
より詳しくは、状態監視・衝突防止装置100は、前述のケーシングセンサ39と、検出器31を搭載した移動装置としての無人航空機すなわちドローン34と、衝突防止装置100を操作するための操作スイッチ35と、検出器31により検出された掻取部9と船倉壁24の位置を表示するためのモニタ36と、制御装置32によって計算された距離が所定値以下になったときに警告音を鳴らすためのスピーカ37と、制御装置32によって計算された距離が所定値以下になったときに点灯される警告灯38とを備える。スピーカ37は音声警告を発する警告装置であり、警告灯38は視覚的な警告を発する警告装置である。
制御装置32の入力部にケーシングセンサ39、検出器31および操作スイッチ35が接続される。制御装置32の出力部にドローン34、モニタ36、スピーカ37および警告灯38が接続される。検出器31およびドローン34は制御装置32に無線(または有線)接続される。制御装置32、操作スイッチ35、モニタ36およびスピーカ37は運転室23内に設けられる。
警告灯38は、運転室23外の位置に設けられる。本実施形態では図9に示すように、バケットエレベータケーシング8の半径方向外側の右前、左前、右後、左後の四隅の位置にそれぞれステー25Aを介してワイヤロープ25が計4つ設けられ、これらワイヤロープ25の下端の位置に警告灯38が計4つ設けられる。警告灯38は、運転室23内のオペレータから見える位置に設置され、その限りにおいて設置位置は限定されず、運転室23内に設けられてもよい。警告灯38は、例えば電球またはパトライト(登録商標)で構成することができ、あるいは、ワイヤロープ25に沿わせて設けられた工事用LEDチューブライトで構成することもできる。
検出器31は、カメラおよび3Dセンサの少なくとも一方を備える。3Dセンサは好ましくはLiDAR(Light Detection And Ranging)である。検出器31により掻取部9と船倉壁24の位置を検出することで、アンローダ1の状態を監視することができる。ドローン34は制御装置32により制御され、自律飛行される。検出器31が掻取部9と船倉壁24の両方の位置を最適な位置から同時に検出できるよう、ドローン34はアンローダ1の状態に合わせて最適な位置に浮遊させられる。ドローン34は、例えば、当該ドローン34の検出器31が検出した掻取部9と当該ドローン34との相対位置が一定になるよう、制御することができる。
図1に示すように、検出器31を搭載したドローン34は複数設けられる。本実施形態では3台のドローン34すなわち第1~第3ドローン34A~34Cが設けられる(図5参照)。バケットエレベータケーシング8には駐機場39が設けられ、不使用時のドローン34は駐機場39にて待機させられる。なお図示されるドローン34と駐機場39の大きさは誇張されており、実際はもっと小さい。
図6に示すように、ドローン34は駐機場39またはバケットエレベータケーシング8に落下防止用ワイヤロープ40によって接続されている(他図では省略)。このワイヤロープ40は給電もしくは通信ケーブルと兼用とされてもよい。操作スイッチ35は、例えばドローン34の離着陸を指示するときに使用される。
次に、本実施形態の状態監視・衝突防止方法を説明する。状態監視・衝突防止方法は、主に次のステップを備える。
(1)掻取部9と船倉壁24の位置を光学的に検出する第1ステップ。
(2)第1ステップにおける検出結果に基づいて、掻取部9と船倉壁24の間の距離を計算する第2ステップ。
(3)第2ステップにおいて計算された距離が所定値以下に達したとき、警告を発する第3ステップ。
(1)掻取部9と船倉壁24の位置を光学的に検出する第1ステップ。
(2)第1ステップにおける検出結果に基づいて、掻取部9と船倉壁24の間の距離を計算する第2ステップ。
(3)第2ステップにおいて計算された距離が所定値以下に達したとき、警告を発する第3ステップ。
図3および図4は、岸壁Q上で待機する停止状態のアンローダ1を示し、図3は平面図、図4は側面図である。このとき掻取部9は岸壁Q上に位置され、ドローン34は駐機場39で待機させられている。
図5および図6は、荷揚げ作業中の稼動状態のアンローダ1を示し、図5は平面図、図6は側面図である。このとき掻取部9は船倉18内に挿入されている。またドローン34は駐機場39から離陸され、掻取部9との相対位置を所定の位置に保ちながら、掻取部9の周囲を浮遊させられる。このとき、1台のドローン34の一つの検出器31が掻取部9と船倉壁24の両方を同時に検出もしくは撮影できるよう、ドローン34の位置と向きが制御される。図中の一点鎖線aは検出器31の検出範囲を示し、矢印bは検出範囲の中心と検出の向きとを示す。
図示例では、1台のドローン34Aの検出器31が船倉18外から掻取部9と船倉壁24を斜め上前方から撮影し、別の1台のドローン34Bの検出器31が船倉18内で掻取部9と船倉壁24を左側から右斜め前に向かって撮影している。残りの1台のドローン34Cの検出器31は、船倉18内で掻取部9と船倉壁24を右斜め後から左斜め前に向かって撮影している。
各検出器31の検出信号が無線(または有線)で制御装置3に送られる。制御装置32はそれら検出信号に基づいて検出情報を作成する。検出情報は、カメラの検出信号に基づいて作成された映像情報、および、3Dセンサの検出信号に基づいて作成された3次元点群情報、の少なくとも一方を含む。制御装置32は検出情報に基づいて、検出器31が撮影した映像をモニタ36に表示する。同時に制御装置32は検出情報に基づいて、掻取部9と船倉壁24の間の距離(特に、最短距離)を計算する。こうした表示と計算は各検出器31毎に行われる。
モニタ36に表示された掻取部9と船倉壁24の位置(相対位置)を確認しながらアンローダ1を運転できるので、オペレータの運転操作を支援することができ、これにより間接的に掻取部9の衝突を防止することができる。特に、船倉18内の天井壁24Aより下方の位置は、上方の運転室23から見るオペレータにとって死角となる。しかし、この死角の位置の映像を、船倉18内のドローン34B,34Cからの映像により確認することができる。よって死角をなくし、オペレータの運転操作を大幅に支援することができる。そして別途監視員を配置する必要もなくなる。
また制御装置32は、いずれかの検出器31に対応して計算した距離が所定の第1しきい値TH1以下となった場合(つまり、掻取部9が船倉壁24に接近した場合)、スピーカ37から警告音を発生させると共に、モニタ36に警告を表示し、かつ、衝突が懸念される掻取部9の部位に最も近い警告灯38を点灯させる。これによりオペレータは、衝突を予測することができ、掻取部9の移動を停止したり、掻取部9を船倉壁24から離したりするなどの必要な措置を採ることができる。そして掻取部9の衝突を未然に防止できる。
また制御装置32は、計算した距離が、第1しきい値TH1より小さい第1しきい値TH2以下となった場合(つまり、掻取部9が船倉壁24により接近した場合)、アンローダ1のメイン制御装置に強制停止信号を送って、アンローダ1を強制停止させる。これにより掻取部9の衝突をより確実に防止できる。
ところで、掻取部9の衝突は、掻取部9を船倉18内に出し入れするときと、掻取部9を船倉18内で荷役運転させるときとで起こり易い。よって本実施形態では、前者のときと後者のときとで、ドローン34を掻取部9に対して異なる位置に位置させ、両者のときに最適な検出情報を得られるようにしている。以下、この点について説明する。
図7~図12は、掻取部9を船倉18内に出し入れするとき、具体的には挿入するときの様子を示す。図7および図8は、挿入直前の掻取部9とドローン34の配置を示し、図7は平面図、図8は側面図である。図9は、このときの全体の様子を俯瞰して見た場合の斜視図である。図10~図12は、ドローン34A~34Cの検出器31でそれぞれ撮影された映像を示す。
なお図9~12では、掻取部9と共に、バケットエレベータケーシング8から吊り下げ支持された建設機械(重機)41を船倉18内に挿入するときの様子を示す。しかし、掻取部9を単独で挿入するときも同様であり、図7および図8はこのときの様子を示す。
符号42は、ハッチ19を開閉する一対のスライド式ハッチカバーを示す。これらハッチカバー42は、船舶17の幅方向(左右方向)にスライド可能である。図はハッチカバー42の開放状態を示す。
図において、掻取部9はハッチカバー42より僅かに高い位置に位置されている。掻取部9の前後方向は船舶17の幅方向に平行とされ、掻取部9の前方は船舶17の左側(左右の一方側)に向けられている。
ドローン34Aの検出器31は、ハッチカバー42の上方において、前端スプロケット12とほぼ同じ高さ位置で掻取部9を前方から撮影する。これにより図10に示すように、掻取部9と、ハッチカバー42と、ハッチ19の船長方向前端縁19Aおよび後端縁19Bと、ハッチ19の船幅方向右端縁19Cとが同時に撮影される。よって掻取部9とその周囲の船倉壁24との間の距離を好適に計算することができる。なお前述したようにハッチ19の前端縁19A、後端縁19Bおよび右端縁19Cも船倉壁24を構成する。
別のドローン34Bの検出器31は、ハッチ19の後端縁19Bより船長方向後方において、後端スプロケット11とほぼ同じ高さ位置および前後位置で、掻取部9を左側から撮影する。これにより図11に示すように、掻取部9と、ハッチカバー42と、ハッチ19の前端縁19A、後端縁19B、右端縁19Cおよび左端縁19Dとが同時に撮影される。よって掻取部9とその周囲の船倉壁24との間の距離を好適に計算することができる。
残りのドローン34Cの検出器31は、ハッチ19の前端縁19Aより船長方向前方において、後端スプロケット11とほぼ同じ高さ位置および前後位置で、掻取部9を右側から撮影する。これにより図12に示すように、掻取部9と、ハッチカバー42と、ハッチ19の前端縁19A、後端縁19B、右端縁19Cおよび左端縁19Dとが同時に撮影される。よって掻取部9とその周囲の船倉壁24との間の距離を好適に計算することができる。
このように、出し入れ時の掻取部9を最適な位置から撮影できるので、掻取部9の衝突を確実に防止することができる。なお、いずれかの検出器31の検出結果に基づく距離が第1しきい値TH1以下になったら、衝突が懸念される掻取部9の部位に最も近い警告灯38が点灯され、かつ、スピーカ37およびモニタ36から警告が発生される。
ドローン34A~34Cは、出し入れ時に昇降する掻取部9の高さに合わせて昇降される。そして掻取部9が船倉18内に挿入されるとき、ドローン34A~34Cの配置は、図7~図9に示した配置から、図13~図15に示す配置へと徐々に移行される。
次に、図13~図18は、掻取部9を船倉18内で荷役運転させるときの様子を示す。図13および図14は、荷役運転中の掻取部9とドローン34の配置を示し、図13は平面図、図14は側面図である。図15は、このときの全体の様子を俯瞰して見た場合の斜視図である。図16~図18は、ドローン34A~34Cの検出器31でそれぞれ撮影された映像を示す。
掻取部9は、船倉18内に位置されている。掻取部9の前後方向は船舶17の幅方向に平行とされ、掻取部9の前方は船舶17の左側に向けられている。掻取部9の前端部は、ハッチカバー42および天井壁24Aの下方裏側に位置され、上方の運転室23から見たときの死角に位置されている。よってドローン34B,34Cを下記のように配置することで死角をなくしている。
ドローン34Aの検出器31は、掻取部9およびハッチカバー42より上方の位置において、掻取部9を左前斜め上から右後斜め下に向かって撮影する。これにより図16に示すように、掻取部9と、ハッチカバー42と、ハッチ19の前端縁19A、右端縁19Cおよび左端縁19Dとが同時に撮影される。よって掻取部9とその周囲の船倉壁24との間の距離を好適に計算することができる。
別のドローン34Bの検出器31は、船倉18内の掻取部9とほぼ同じ高さ位置において、掻取部9を左斜め後から右斜め前に向かって撮影する。これにより図17に示すように、掻取部9と、船倉18の天井壁24Aおよび前壁24Bとが同時に撮影される。よって掻取部9とその周囲の船倉壁24との間の距離を好適に計算することができる。
残りのドローン34Cの検出器31は、船倉18内の掻取部9とほぼ同じ高さ位置において、掻取部9を右斜め後から左斜め前に向かって撮影する。これにより図18に示すように、掻取部9と、ハッチカバー42と、船倉18の天井壁24A、前壁24Bおよび後壁24Cと、ハッチ19の前端縁19A、後端縁19Bおよび左端縁19Dとが同時に撮影される。よって掻取部9とその周囲の船倉壁24との間の距離を好適に計算することができる。
このように、荷役運転中の掻取部9を最適な位置から撮影できるので、掻取部9の衝突を確実に防止することができる。特に、天井壁24Aの下方裏側にある死角を実質的になくすことができるので、死角位置における衝突を確実に防止することができる。また複数のドローン34の検出器31を用いて様々な位置および角度から掻取部9と船倉壁24を撮影できるので、これらの接近状態を多角的に監視でき、衝突防止に極めて有利である。
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態を説明する。なお前記第1実施形態と同様の部分には図中同一符号を付して説明を割愛し、以下、第1実施形態との相違点を主に説明する。
次に、本開示の第2実施形態を説明する。なお前記第1実施形態と同様の部分には図中同一符号を付して説明を割愛し、以下、第1実施形態との相違点を主に説明する。
図19に第2実施形態のアンローダ1を示す。これにおいて衝突防止装置100の検出器31は、バケットエレベータケーシング8に昇降可能かつ周方向移動可能に設けられている。
詳しくは、バケットエレベータケーシング8に昇降フレーム50が昇降可能に設けられている。昇降フレーム50は、バケットエレベータケーシング8の全周に延びる円形リング状とされ、バケットエレベータケーシング8の外側に嵌合されると共に、バケットエレベータケーシング8の長手方向に沿って移動可能である。昇降フレーム50の高さ位置hは、掻取部9の上端に位置するガイドスプロケット57の近傍位置h1まで下降させることができる。昇降フレーム50には、その周方向に移動可能に雲台51が設けられる。雲台51に検出器31が取り付けられる。これによって検出器31は昇降フレーム50に対し旋回可能となる。
昇降フレーム50は、バケットエレベータケーシング8に固定された複数(2つ)のウインチ52の巻き上げおよび巻き下げによって昇降される。昇降フレーム50、雲台51およびウインチ52によって、検出器31を移動させるための移動装置53が構成される。この移動装置53は第1実施形態のドローン34に代わって検出器31を移動させる。
図20および図21は移動装置53の詳細を示す。図20は移動装置53を下方から見たときの図である。図21(A)は雲台51および検出器31の正面図、図21(B)は図21(A)のB-B断面図である。
昇降フレーム50の下面部には、その全周に延びる断面T字状のレール54が設置される。このレール54に複数(4つ)の雲台51すなわち第1~第4雲台51A~51Dが走行可能に取り付けられる。4つの雲台51は周方向等間隔に維持されるよう連結ステー55により連結されている。雲台51には、周方向に3つ、半径方向に2つの計6つの車輪56が回転可能に設けられる。これら6つの車輪56がレール54の水平部54Aの上面に着座され、4つの雲台51が同時にレール54上を走行する。図21(A)に示すように周方向に配列された3組の車輪56のうち、中央の1組はモータで駆動される駆動輪であり、両端の2組は従動輪である。
図示省略するが、雲台51は、レール54に取り付けられる固定側部分と、固定側部分に旋回可能に取り付けられた可動側部分とを有し、この可動側部分に検出器31が取り付けられる。検出器31は、固定側部分の半径方向外側の側面に、半径方向外側に向かって取り付けられる。
制御装置32は、ウインチ52を制御することにより昇降フレーム50の高さ位置を制御し、検出器31の高さ位置を制御する。また制御装置32は、図示しないモータを制御することにより雲台51の周方向位置を制御し、検出器31の周方向位置を制御する。また制御装置32は、図示しないモータを制御することにより固定側部分に対する可動側部分の角度を制御し、検出器31の向きを制御する。
図22および図23は、掻取部9を船倉18内で荷役運転させるときの側面図を示す。図22は、船倉18内の荷Lが比較的多い場合を示し、図23は荷Lが比較的少ない場合を示す。
図示例では、図13および図14の例と同様、掻取部9が船倉18内に位置され、掻取部9の前後方向は船舶17の幅方向に平行とされ、掻取部9の前方は船舶17の左側に向けられている。掻取部9の前端部は、天井壁24Aの下方裏側である死角に位置されている。
検出器31の高さ方向および周方向の位置と向きとは、掻取部9の位置、姿勢および向き等に応じて、最適に調整もしくは制御される。特に、掻取部9とこれに近い船倉壁24を最良に撮影できるよう、検出器31の高さ方向および周方向の位置と向きとが制御される。
例えば、検出器31の周方向の初期位置が掻取部9の前後左右の位置とされ、この位置から検出器31の周方向位置が、掻取部9の位置、姿勢および向き等に応じて適宜調整される。
また、検出器31の高さ位置は、船倉18内の荷Lの量に応じて変更される。
図22に示す例のように、船倉18内の荷Lが比較的多い場合、船舶17に対する掻取部9の相対的な高さ位置が高くなり、雲台51および検出器31を船倉18内に入れることができない。よってこの場合には、船倉18外のハッチ19上方から、掻取部9と船倉壁24を撮影する。
図示例では、掻取部9の前端部が天井壁24Aの下に潜って作業をしている。このため、前方に位置する雲台51Aの検出器31が、掻取部9およびハッチカバー42より上方の位置において、掻取部9、ハッチカバー42および左端縁19Dを後方斜め上から前方斜め下に向かって撮影する。これにより掻取部9とその周囲の船倉壁24との間の距離を好適に計算することができる。
他の3つの雲台51B~51Dの検出器31も同様に、半径方向内側から、半径方向外側の斜め下に向かって撮影を行う。昇降フレーム50の高さ位置は、前方の雲台51Aの検出器31がハッチカバー42および左端縁19Dに適宜近づくよう、比較的下方の位置とされる。
他方、図23に示す例のように、船倉18内の荷Lが比較的少ない場合、船舶17に対する掻取部9の相対的な高さ位置が低くなる。この場合には、雲台51および検出器31が船倉18内に入れられ、船倉18内から掻取部9と船倉壁24が撮影される。
掻取部9の衝突が最も懸念されるのは、ハッチ19の左端縁19Dに近い部位であり、その位置を把握しておくことが好ましい。そこで本実施形態では、前方の雲台51Aの検出器31が当該部位を、後方斜め下から前方斜め上に向かって撮影する。これにより、当該部位の位置を好適に把握することができる。
他の3つの雲台51B~51Dの検出器31も同様に、半径方向内側から、半径方向外側の斜め上に向かって撮影を行う。これによりハッチ19の前端縁19A、後端縁19Bおよび右端縁19Cに近い部位の位置を好適に把握することができる。
昇降フレーム50の高さ位置は、前方の雲台51Aの検出器31が前記部位に適宜近づくよう、図22の例より高い比較的上方の位置とされる。
なお、検出器31がLiDARを備える場合、検出器31をこのように斜め上に向けても掻取部9の位置を検出することができる。
以上述べたように、本開示の実施形態によれば、掻取部9の船倉壁24への衝突を好適に防止することができる。また掻取部9の衝突を防止するために従来必要であった監視員を省略することができる。
なお、本開示の実施形態および変形例は他にも様々考えられる。例えば、第1実施形態においてドローン34の数を変更してもよく、第2実施形態において雲台51の数を変更してもよい。またアンローダ1が自動運転される場合、計算された距離の情報を、アンローダ1の経路修正に利用してもよい。
前述の各実施形態および各変形例の構成は、特に矛盾が無い限り、部分的にまたは全体的に組み合わせることが可能である。本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 連続アンローダ
8 バケットエレベータケーシング
9 掻取部
18 船倉
24 船倉壁
31 検出器
32 制御装置
34 ドローン
36 モニタ
37 スピーカ
38 警告灯
50 昇降フレーム
51 雲台
100 衝突防止装置
8 バケットエレベータケーシング
9 掻取部
18 船倉
24 船倉壁
31 検出器
32 制御装置
34 ドローン
36 モニタ
37 スピーカ
38 警告灯
50 昇降フレーム
51 雲台
100 衝突防止装置
Claims (10)
- 連続アンローダの掻取部が船倉壁に衝突するのを防止するための方法であって、
前記掻取部と前記船倉壁の位置を光学的に検出する第1ステップと、
前記第1ステップにおける検出結果に基づいて、前記掻取部と前記船倉壁の間の距離を計算する第2ステップと、
前記第2ステップにおいて計算された距離が所定値以下に達したとき、警告を発する第3ステップと、
を備えたことを特徴とする連続アンローダの状態監視・衝突防止方法。 - 前記第1ステップにおいて、前記掻取部付近に複数の無人航空機を浮遊させ、前記無人航空機に搭載された光学式検出器によって、前記掻取部と前記船倉壁の位置を検出する
請求項1に記載の連続アンローダの状態監視・衝突防止方法。 - 前記第1ステップにおいて、前記掻取部を船倉に出し入れするときと、前記掻取部を前記船倉内で荷役運転させるときとで、前記無人航空機を前記掻取部に対して異なる位置に位置させる
請求項2に記載の連続アンローダの状態監視・衝突防止方法。 - 前記掻取部を前記船倉内で荷役運転させるとき、少なくとも1台の前記無人航空機を前記船倉内に位置させる
請求項2に記載の連続アンローダの状態監視・衝突防止方法。 - 前記第1ステップにおいて、前記連続アンローダのバケットエレベータケーシングに昇降可能かつ周方向移動可能に設けられた光学式検出器によって、前記掻取部と前記船倉壁の位置を検出する
請求項1に記載の連続アンローダの状態監視・衝突防止方法。 - 前記バケットエレベータケーシングに昇降フレームが設けられ、前記昇降フレームは前記バケットエレベータケーシングの全周に延びるリング状とされ、前記昇降フレームの周方向に移動可能に雲台が設けられ、前記雲台に前記検出器が取り付けられる
請求項5に記載の連続アンローダの状態監視・衝突防止方法。 - 前記検出器の高さ位置が、船倉内の荷の量に応じて変更される
請求項5に記載の連続アンローダの状態監視・衝突防止方法。 - 前記第1ステップにおいて、検出された前記掻取部と前記船倉壁の位置をモニタに表示する
請求項1に記載の連続アンローダの状態監視・衝突防止方法。 - 連続アンローダの掻取部が船倉壁に衝突するのを防止するための装置であって、
前記掻取部と前記船倉壁の位置を光学的に検出するための検出器と、
前記検出器の検出結果に基づいて、前記掻取部と前記船倉壁の間の距離を計算する制御装置と、
計算された距離が所定値以下に達したとき、警告を発する警告装置と、
を備えたことを特徴とする連続アンローダの状態監視・衝突防止装置。 - 前記検出器によって検出された前記掻取部と前記船倉壁の位置を表示するモニタを備える
請求項9に記載の連続アンローダの状態監視・衝突防止装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022095860A JP2023182326A (ja) | 2022-06-14 | 2022-06-14 | 連続アンローダの状態監視・衝突防止方法および状態監視・衝突防止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022095860A JP2023182326A (ja) | 2022-06-14 | 2022-06-14 | 連続アンローダの状態監視・衝突防止方法および状態監視・衝突防止装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023182326A true JP2023182326A (ja) | 2023-12-26 |
Family
ID=89309986
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022095860A Pending JP2023182326A (ja) | 2022-06-14 | 2022-06-14 | 連続アンローダの状態監視・衝突防止方法および状態監視・衝突防止装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023182326A (ja) |
-
2022
- 2022-06-14 JP JP2022095860A patent/JP2023182326A/ja active Pending
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