JP2023181114A - 蓋材 - Google Patents

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Naoya Matsunaga
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Abstract

【課題】ポリエチレンで表層を覆われた紙製カップへシール可能で、上蓋と下蓋とに剥離可能な落下耐性のある蓋材を提供する。【解決手段】蓋材120は、ポリエチレンで表層を覆われた紙製カップの開口部を覆い、前記紙製カップの開口部周縁のフランジ部にシールされる蓋材であって、上蓋1と、前記上蓋1の下側に積層される下蓋2と、を有する積層体121を備え、前記積層体121は、前記上蓋1と前記下蓋2との層間で剥離可能で、前記積層体121がシールされた前記紙製カップの落下時に前記積層体121にかかる応力よりも降伏応力が高い値である機械特性を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、上蓋と下蓋とに剥離可能な蓋材に関するものである。
飲料等の容器の開口部を覆う蓋材において、内容物の漏れを防ぐために、容器と蓋材との密封性が要求される。容器と蓋材とを密封する方法として、容器の開口部周縁のフランジ部へ複合フィルムからなる蓋材をヒートシール等のシール方法を用いて密封する方法がある。
容器へ密封シールする蓋材として、特許文献1に記載の蓋材がある。この蓋材は、フランジ付きプラスチック成形容器の開口部を覆い、プラスチック成形容器の開口部周縁のフランジ部とシール可能な蓋材である。また、この蓋材は、上蓋と下蓋との層間で剥離可能である。上蓋を下蓋から剥離した時、下蓋はプラスチック成形容器とシールされたままで、上蓋は下蓋およびプラスチック成形容器から剥離する。
従来、異なる機能を持つ上蓋と下蓋とを容器にシールする場合、上蓋をシールする工程と下蓋をシールする工程との二工程が必要である。しかし、特許文献1に記載の蓋材を用いることで、上蓋および下蓋をプラスチック成形容器に一工程でシールできる。例えば、密封性を持つ上蓋と開孔を持つ下蓋とを一工程でシールすることができ、上蓋を下蓋から剥離しない時は容器を密封し、上蓋を下蓋から剥離した時は下蓋の開孔を露出させることができる。
特許第4572660号公報
しかしながら、特許文献1に記載の蓋材は、例えば、ポリエチレン(PE)で表層を覆われた紙製カップのような、プラスチック成形容器以外の容器へシールできない可能性がある。また、落下時の衝撃で蓋材が変形し、容器と蓋材が剥離することで内容物が漏れる虞がある。
また、上蓋と下蓋との層間で剥離可能な蓋材は、上蓋と下蓋との剥離強度が低い場合、輸送時に上蓋と下蓋とが剥離して内容物が漏れる虞がある。一方、上蓋と下蓋との剥離強度が高い場合は、使用時に下蓋から上蓋を剥離させるのが困難な虞がある。
上記事情を踏まえ、本発明は、上蓋と下蓋とに剥離可能な蓋材に関する以上のような問題に鑑みてなされたもので、ポリエチレンで表層を覆われた紙製カップへシール可能で、落下耐性のある蓋材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の蓋材は、ポリエチレンで表層を覆われた紙製カップの開口部を覆い、前記紙製カップの開口部周縁のフランジ部にシールされる蓋材であって、上蓋と、前記上蓋の下側に積層される下蓋と、を有する積層体を備え、前記積層体は、前記上蓋と前記下蓋との層間で剥離可能で、前記積層体がシールされた前記紙製カップの落下時に前記積層体にかかる応力よりも降伏応力が高い値である機械特性を有する。
上記蓋材では、前記紙製カップの前記フランジ部と前記積層体とのシール強度が、10N/15mm以上であることが好ましい。
上記蓋材では、前記積層体の降伏応力が、15MPa以上であることが好ましい。
上記蓋材では、前記下蓋が、前記下蓋の前記上蓋とは反対側の最下層に積層されるヒートシール層を有し、前記ヒートシール層は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含んでいてもよい。
上記蓋材では、前記下蓋が、下蓋本体部と下蓋分離部とに区分され、前記下蓋から前記上蓋を剥離する時に、前記下蓋本体部は前記紙製カップとシールされたままで、前記下蓋分離部は前記上蓋に積層されたままで前記下蓋本体部から分離してもよい。
上記蓋材では、上記蓋材は外周縁にプルタブ部をさらに備え、前記下蓋分離部が、前記下蓋が前記紙製カップとシールされる略円環状のシール範囲よりも径方向において内側で、前記シール範囲の近傍、かつ、前記シール範囲を挟んで前記径方向において前記プルタブ部と対向する位置に配設され、前記下蓋を厚み方向から見た時に略円形状をしていてもよい。
上記蓋材では、前記紙製カップにシールされた前記積層体における前記上蓋と前記下蓋との剥離強度は、1N/15mm以上12N/15mm以下であってもよい。
本発明の蓋材によれば、上蓋と下蓋とに剥離可能で、ポリエチレンで表層を覆われた紙製カップへシール可能な落下耐性のある蓋材を提供することができる。
本実施形態に係る蓋付きカップの斜視図である。 同蓋付きカップの断面図である。 本実施形態に係る積層体の断面図である。 本実施形態に係る紙製カップにシールされた蓋材のハーフカット線を示す断面図である。 同蓋付きカップの平面図である。 同紙製カップにシールされた蓋材の上蓋を第一ハーフカット線近傍まで下蓋から剥離した状態を示す断面図である。 同紙製カップにシールされた蓋材の上蓋を第二ハーフカット線近傍まで下蓋から剥離した状態を示す断面図である。 図7に示す蓋付きカップの斜視図である。 本実施形態の変形例2に係る積層体の断面図である。 本実施形態の変形例4および5に係る紙製カップにシールされた蓋材の断面図である。 本実施形態の変形例4および5に係る蓋付きカップの平面図である。 本実施形態に係る蓋材の応力-ひずみ線図である。
本発明の一実施形態について、図1から図8を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る蓋付きカップ100の斜視図である。
蓋付きカップ100は、飲料を収納した紙製カップ110に蓋材120を密封シールしたカップである。蓋付きカップ100において、蓋材120でシールされているため、飲料は紙製カップ110の外部へ漏れない。
図2は、本実施形態に係る蓋付きカップの断面図である。
蓋付きカップ100は、蓋材120がシールされた側を上にして机の上等に置くことができる。本実施形態では、置いた状態の蓋付きカップ100における鉛直方向を「上下方向V」、鉛直上向きを上下方向Vにおける「上側UP」、鉛直下向きを上下方向Vにおける「下側LO」と定義する。また、蓋付きカップ100の上下方向Vにおける中心軸を「中心軸O」、中心軸Oと略垂直な方向を「径方向R」、径方向Rにおいて中心軸Oに向かう方向を「内側IN」、径方向Rにおいて中心軸Oから離れる方向を「外側OU」と定義する。
紙製カップ110は、カップ本体部111とフランジ部112とを備える。
カップ本体部111は、有底の略円筒形状である。カップ本体部111の底面111bは、中心軸Oに略垂直な面である。カップ本体部111の外形は、上側UPに向けて拡径している。
フランジ部112は、カップ本体部111の開口部周縁の全周に配設され、開口部周縁を外側OUに巻き込むトップカール処理を施した後、さらにその上側の面112sが平坦になるように上下方向Vに押しつぶされて形成される。フランジ部112の上側UPの面112sは、蓋材120とシールされる面であり、ポリエチレンで表層を覆われている。フランジ部112の上側UPの面112sは、カップ本体部111の底面111bと略平行な面である。
フランジ部112の径方向Rにおける幅は、フランジ部112の全周で略一致しており、蓋材120をシールするのに十分な幅である。カップ本体部111の底面111bからフランジ部112の上側UPの面112sまでの上下方向Vの高さは、フランジ部112の全周で略一致する。
蓋材120は、上蓋1と下蓋2とを有する積層体121を備え、カップ本体部111の開口部とフランジ部112とを覆う形状を有する。
図3は、本実施形態に係る積層体121の断面図である。
積層体121は、上蓋1と下蓋2との層間で剥離可能である。蓋材120が紙製カップ110にシールされた時、蓋材120の厚み方向は上下方向Vと略一致する。また、図3に示すように、蓋材120において、上蓋1が積層される方向が上側UPと、下蓋2が積層される方向が下側LOと略一致する。さらに、蓋材120が紙製カップ110にシールされた時、蓋材120において、蓋材120の面内方向は径方向Rと略一致する。
上蓋1は、上蓋基材11と上蓋剥離界面層12とを備える。上蓋基材11は、上蓋剥離界面層12の上側UPにドライラミネート法により積層される。上蓋剥離界面層12は、上蓋1と下蓋2とを容易に剥離させる層であって、上蓋1の下側LOに積層される最下層である。
下蓋2は、下蓋剥離界面層21と下蓋基材22とヒートシール層23とを備える。下蓋剥離界面層21は、上蓋剥離界面層12と下蓋基材22とを積層するサンドイッチラミネート法に用いられる押出し樹脂によって形成される。下蓋基材22は、前述のサンドイッチラミネート法によって下蓋剥離界面層21の下側LOに積層される。
ヒートシール層23は、下蓋基材22の上蓋1とは反対側(下側LO)の最下層にドライラミネート法により積層され、紙製カップ110のフランジ部112の上側UPの面112sとシールされる。また、ヒートシール層23は、フランジ部112の上側UPの面112sとヒートシールするために、フランジ部112の上側UPの面112sの表層の樹脂と同系の樹脂層である。さらに、ヒートシール層23は、降伏応力が高い値である機械特性を有する材質を含む。
下蓋2は、ハーフカット加工によりハーフカット線を境として下蓋本体部2aと第一下蓋分離部2bと第二下蓋分離部2cとに区分される。
ハーフカット線は、下蓋2のヒートシール層23側から加工刃を押し当てることにより、下蓋2のヒートシール層23から下蓋剥離界面層21を貫通して、下蓋剥離界面層21の上側UPの面である剥離界面まで到達するように形成される。本実施形態において、ハーフカット線は、上蓋剥離界面層12にまで到達してもよいが、上蓋剥離界面層12を貫通しないことが望ましい。
図4は、本実施形態に係る紙製カップ110にシールされた蓋材120の第一ハーフカット線h1および第二ハーフカット線h2を示す断面図である。シール範囲2rは、蓋材120の下蓋2が紙製カップ110のフランジ部112とシールされる略円環状の範囲である。
第一ハーフカット線h1は、下蓋2のシール範囲2rに形成される。また、蓋材120は外周縁にプルタブ部3を備える。プルタブ部3は、ユーザーが手の親指と人差し指とでつまむのに十分な形状を有する。第一ハーフカット線h1は、プルタブ部3の近傍に形成される。第一ハーフカット線h1は、下蓋2を下蓋本体部2aと第一下蓋分離部2bとに区分する。
第二ハーフカット線h2は、下蓋2のシール範囲2rよりも径方向Rにおいて内側INに形成される。第二ハーフカット線h2は、下蓋2を下蓋本体部2aと第二下蓋分離部2cとに区分する。また、図5は本実施形態に係る蓋付きカップ100の平面図である。第二ハーフカット線h2は、第二下蓋分離部2cの全周を下蓋本体部2aが囲う位置に形成される。第二ハーフカット線h2によって区分された第二下蓋分離部2cは、下蓋2を厚み方向(上下方向V)から見た時に略円形状であり、径方向Rにおいてシール範囲2rを挟んでプルタブ部3と対向する位置に配設される。また、第二ハーフカット線h2は、下蓋2のシール範囲2rの近傍に形成されるのが望ましい。
次に、上蓋1が下蓋2から剥離される動作について説明する。
ユーザーが蓋材120のプルタブ部3を把持して蓋材120を紙製カップ110から剥離する時、図6に示すように、第一ハーフカット線h1で区分された第一下蓋分離部2bは、上蓋1に積層されたままで下蓋本体部2aから分離する。また、上蓋1は下蓋本体部2aから剥離する。下蓋本体部2aは紙製カップ110のフランジ部112にシールされたままで、紙製カップ110の開口部は下蓋本体部2aで覆われたままになる。
さらに、上蓋1を下蓋2から第二ハーフカット線h2まで剥離した時、図7に示すように、第二ハーフカット線h2で囲われた第二下蓋分離部2cは、上蓋1に積層されたままで下蓋本体部2aから分離する。また、上蓋1は下蓋本体部2aから剥離する。この時、下蓋本体部2aは紙製カップ110のフランジ部112にシールされたままである。
その結果、図8に示すように、下蓋2の第二下蓋分離部2cが分離された位置に開孔(飲み口部4)が形成される。
また、上蓋1が下蓋2から剥離されていない状態の蓋付きカップ100の落下時において、積層体121は、落下時に積層体121にかかる応力よりも降伏応力が高い値である機械特性を有することによって塑性変形をしない。そのため、蓋付きカップ100の落下時に積層体121は紙製カップ110から剥離しない。
また、紙製カップ110のフランジ部112にシールされた積層体121において、上蓋1と下蓋2との剥離強度は、12N/15mm以下であるのが望ましい。上蓋1と下蓋2との剥離強度を12N/15mm以下とすることで、ユーザーは、上蓋1を下蓋2から容易に剥離することができる。
また、紙製カップ110のフランジ部112にシールされた積層体121において、上蓋1と下蓋2との剥離強度は、1N/15mm以上であるのが望ましい。上蓋1と下蓋2との剥離強度を1N/15mm以上とすることで、蓋付きカップ100の輸送時に上蓋1が下蓋2から剥がれるのを防止できる。その結果、輸送時に蓋付きカップ100の内容物が漏れるのを防ぐことができる。
上蓋1と下蓋2との剥離強度は、例えば、蓋材120を紙製カップ110のフランジ部112にシールするときのシール温度によって変わる。シール温度が高過ぎると、上蓋1と下蓋2との剥離強度が高くなり、上蓋1を下蓋2から剥離するのが困難な虞がある。また、シール温度が低過ぎると、蓋材120を紙製カップ110のフランジ部112にシールできない虞がある。
また、上蓋1の腰強度は、280mN/15mm以上であるのが望ましい。ここで、腰強度とは、フィルムのコシの強さを示し、ループスティフネスとも呼ばれるパラメータである。上蓋1の腰強度(ループスティフネス)は、例えば、東洋精機社製のループスティフネス試験機を使用して測定できる。
上蓋1の腰強度を280mN/15mm以上とすることで、蓋付きカップ100を輸送する際に、上蓋1が外力により変形するのを防ぐことができる。その結果、上蓋1の変形によって上蓋1が下蓋2から剥離し、蓋付きカップ100の内容物が漏れるのを防ぐことができる。また、上蓋1の変形によって蓋材120が紙製カップ110から剥離し、蓋付きカップ100の内容物が漏れるのを防ぐことができる。
上蓋1の腰強度は、例えば、剛性が高いアルミニウム箔等の材質を用いた層を上蓋1の構成に含めることで高くすることができる。
(一実施形態の効果)
本実施形態の蓋材120によれば、ポリエチレンで表層を覆われた紙製カップ110へシールすることができる。上蓋1を下蓋2から剥離させることで、紙製カップ110に飲み口部4を形成することができる。また、紙製カップ110にシールされた状態で落下しても、蓋材120と紙製カップ110とは剥離しないため、落下時に内容物が漏れるのを防ぐことができる。そのため、蓋材120を保護するためのプラスチック製の被せ蓋が不要である。
これらの効果により、プラスチック製の被せ蓋が不要な容易に飲み口部4を形成できる紙製カップ110の蓋材120を提供できる。また、被せ蓋と容器とに使用されるプラスチックを削減することができ、環境負荷低減を期待できる。さらに、被せ蓋にかかるコストを削減することができる。
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の一実施形態および以下で示す変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
(変形例1)
上記実施形態において、上蓋基材11と上蓋剥離界面層12および下蓋基材22とヒートシール層23を積層するラミネート方法はドライラミネート法であるが、上蓋基材と上蓋剥離界面層および下蓋基材とヒートシール層を積層するラミネート方法はこれに限定されない。上蓋基材と上蓋剥離界面層および下蓋基材とヒートシール層を積層するラミネート方法は、ウェットラミネーション、ノンソルベントラミネーション、ワックスラミネーションまたはサーマルラミネーションであってもよい。
(変形例2)
上記実施形態において、上蓋1は上蓋基材11および上蓋剥離界面層12のみを有するが、上蓋の態様はこれに限定されない。図9に示すように、上蓋はアルミニウム箔等のバリア層14またはナイロン等の上蓋中間層15を有していてもよい。また、上蓋は上蓋基材11の上側UPまたは下側LOに印刷層16を有していてもよい。
(変形例3)
上記実施形態において、下蓋本体部2aと第一下蓋分離部2bまたは第二下蓋分離部2cを区分する加工方法は加工刃によるハーフカット加工であるが、下蓋本体部と第一下蓋分離部または第二下蓋分離部を区分する加工方法はこれに限定されない。下蓋本体部と第一下蓋分離部または第二下蓋分離部を区分する加工方法は、レーザー加工または熱針加工であってもよい。
(変形例4)
上記実施形態において、蓋付きカップ100の下蓋2は、下蓋2のシール範囲2rに形成される第一ハーフカット線h1によって下蓋本体部2aと第一下蓋分離部2bとに区分されるが、下蓋本体部と第一下蓋分離部とを区分する第一ハーフカット線の態様はこれに限定されない。図10および図11に示すように、蓋付きカップ100Aの下蓋2Aは、下蓋2Aのシール範囲2Arよりも径方向Rにおいて内側INに形成される第一ハーフカット線によって下蓋本体部2Aaと第一下蓋分離部2Abとが区分されていてもよい。
(変形例5)
上記実施形態において、下蓋2は第二ハーフカット線h2によって下蓋本体部2aと第二下蓋分離部2cとに区分されるが、下蓋の態様はこれに限定されない。下蓋は下蓋本体部と第二下蓋分離部とに区分されなくてもよい。
(変形例6)
上記実施形態において、蓋材120はプルタブ部3を備えるが、蓋材の態様はこれに限定されない。蓋材はプルタブ部3を備えていなくてもよい。
(変形例7)
上記実施形態において、フランジ部112はトップカール処理で形成されるが、フランジ部の態様はこれに限定されない。フランジ部はカップ本体部の開口部周縁を外側OUへ屈曲させることにより形成されてもよい。
(変形例8)
上記実施形態において、シール範囲2rは略円環状であるが、シール範囲の態様はこれに限定されない。シール範囲は、多角形の環状をしていてもよい。
以下実施例により、本発明を詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
まず、蓋付きカップ100の落下時における紙製カップ110からの蓋材120の剥離に関する検証について説明する。
(実施例1)
下蓋基材22として厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムと、上蓋剥離界面層12として厚さ50μmの無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムと、を準備し、低密度ポリエチレン(LDPE)を押出し樹脂として用いたサンドイッチラミネート法により積層した。押出し樹脂は、下蓋剥離界面層21を構成する。
上蓋剥離界面層12の上側UPに上蓋中間層15として厚さ15μmのナイロンフィルムをドライラミネート法により積層した。
上蓋中間層15の上側UPにバリア層14として厚さ9μmのアルミニウム箔をドライラミネート法により積層した。
下蓋基材22の下側LOにヒートシール層23として厚さ30μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムをドライラミネート法により積層した。
バリア層14の上側UPに上蓋基材11として厚さ12μmのPETフィルムをドライラミネート法により積層した。
こうして作成した上蓋1と下蓋2とを有する積層体121を備える蓋材120において、下蓋2のシール範囲2rのプルタブ部3の近傍に、第一ハーフカット線h1を形成するためのハーフカット加工を施した。また、下蓋2のシール範囲2rよりも径方向Rにおいて内側INで、かつ、シール範囲2rの近傍に、第二ハーフカット線h2を形成するためのハーフカット加工を施した。
第二ハーフカット線h2で区分される第二下蓋分離部2cは、下蓋2を厚み方向(上下方向V)から見た時に略円形状であり、シール範囲2rを挟んでプルタブ部3と対向する位置に配設されている。
さらに、蓋材120の外形を所望の形状に打ち抜き、実施例1の蓋材120を作成した。
(比較例1)
ヒートシール層に厚さ30μmのイージーピールシーラントフィルムを用いた以外は実施例1と同様の方法により、比較例1の蓋材を作成した。
(比較例2)
ヒートシール層に厚さ30μmのLDPEフィルムを用いた以外は実施例1と同様の方法により、比較例2の蓋材を作成した。
(比較例3)
ヒートシール層に厚さ30μmの高密度ポリエチレン(HDPE)フィルムを用いた以外は実施例1と同様の方法により、比較例3の蓋材を作成した。
(比較例4)
ヒートシール層に厚さ30μmのポリプロピレン(PP)フィルムを用いて、かつ、バリア層を積層しない以外は実施例1と同様の方法により、比較例4の蓋材を作成した。
(実験1)
実施例1および比較例1-4の蓋材を、表層がポリエチレンで覆われている紙製カップ110のフランジ部112にカップシーラーでシールし、蓋材と紙製カップ110のシール強度として剥離強度を測定した。シール条件は、シール温度120℃、シール圧力0.2MPaおよびシール時間2sである。
(実験2)
紙製カップ110とシールしていない実施例1および比較例1-4の蓋材に応力をかけていき、蓋材のひずみを測定した。図12の応力-ひずみ線図に示すように、蓋材が塑性変形を起こし始めた強度を降伏応力とした。
(実験3)
実施例1および比較例1-4の蓋材を、水を240ml入れた紙製カップ110に実験1と同じシール条件でシールした。シール後の蓋付きカップを50cmの高さから落下させた。この時、蓋付きカップの側面を下に向けて落下させた。
この落下実験を2回実施し、落下後の蓋付きカップにおいて、蓋材が紙製カップ110から剥離していないかを確認した。
(実験結果1)
実験1-3の実験結果を表1に示す。
実験1の蓋材と紙製カップ110との剥離強度において、実施例1および比較例1-3は問題なく蓋材を紙製カップ110に密封シールできた。比較例4の蓋材は紙製カップ110へシールできず、実施例1および比較例1-3と比較して剥離強度は低い値であった。
実験2の蓋材の降伏応力において、比較例1-3と比較して、実施例1および比較例4の降伏応力が高い値となった。
実験3の蓋付きカップの落下時の蓋材と紙製カップ110との剥離有無において、実施例1の蓋材120は紙製カップ110から剥離しなかった。比較例1-3の蓋材は紙製カップ110から剥離した。比較例4の蓋材は、実験1において紙製カップ110とシールできなかったため、落下評価は実施していない。
Figure 2023181114000002
次に、蓋材120における上蓋1と下蓋2との剥離(分離)に関する検証について説明する。
(実施例2)
上述の実施例1の蓋材120を上述の実験1と同様のシール条件(シール温度120℃)で紙製カップ110のフランジ部112にカップシーラーでシールし、実施例2の蓋付きカップ100を作成した。
(実施例3)
シール温度を130℃にした以外は実施例2と同様の方法により、実施例3の蓋付きカップ100を作成した。
(実施例4)
シール温度を140℃にした以外は実施例2と同様の方法により、実施例4の蓋付きカップ100を作成した。
(実施例5)
シール温度を150℃にした以外は実施例2と同様の方法により、実施例5の蓋付きカップ100を作成した。
(実施例6)
シール温度を160℃にした以外は実施例2と同様の方法により、実施例6の蓋付きカップ100を作成した。
(比較例5)
下記の材質を用いて、上述の実施例1の蓋材120と材質が異なる蓋材を作成した。ここで、上蓋基材は実施例1の蓋材120と同様である。また、バリア層の上側UPに印刷を施し、印刷層を形成した。
バリア層:厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)
上蓋中間層:厚さ30μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)
上蓋剥離界面層:厚さ15μmのエチレンメタクリル酸共重合体(EMAA)
下蓋剥離界面層:厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)
下蓋基材:厚さ40μmの二軸延伸ポリプロピレン(OPP)
ヒートシール層:厚さ100μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)
この蓋材を紙製カップのフランジ部にシール温度150℃でシールし、比較例5の蓋付きカップを作成した。
(比較例6)
シール温度を180℃にした以外は実施例2と同様の方法により、比較例6の蓋付きカップを作成した。
(実験4)
実施例2-6および比較例5-6の蓋付きカップにおいて、下蓋から上蓋を手で剥離(分離)させ、分離性を評価した。
評価基準は2段階とし、〇を合格とした。
〇(Good):下蓋から上蓋を問題無く分離できた。
×(Poor):下蓋から上蓋を分離する際に抵抗があった。
(実験5)
実施例2-6および比較例5-6の蓋付きカップにおいて、下蓋から上蓋を剥離させたときの剥離強度を測定した。
(実験6)
実施例2-6および比較例5-6の蓋付きカップに用いた蓋材において、上蓋を15mm片に切り取り、腰強度を測定した。
(実験7)
実施例2-6および比較例5-6の蓋付きカップにおいて、輸送時に上蓋が下蓋から剥離してしまう懸念について評価した。
評価基準は2段階とし、〇を合格とした。
〇(Good):輸送時に上蓋が下蓋から剥離する虞が無い。
×(Poor):輸送時に上蓋が下蓋から剥離する虞がある。
(実験結果2)
実験4-7の実験結果を表2に示す。なお、表2の実験6において、比較例6における腰強度は測定していない。
実験4の分離性において、実験5の上蓋と下蓋との剥離強度が12N/15mm以下である実施例2-6および比較例5は良好な結果を示した。剥離強度が12N/15mmよりも大きい比較例6は実験4において不合格であった。
実験7の輸送適性において、実験5の上蓋と下蓋との剥離強度が1N/15mm以上である実施例2-6および比較例6は良好な結果を示した。剥離強度が1N/15mmよりも小さい比較例5は、実験7において不合格であった。
Figure 2023181114000003
100 蓋付きカップ
110 紙製カップ
111 カップ本体部
112 フランジ部
120 蓋材
121 積層体
1 上蓋
11 上蓋基材
12 上蓋剥離界面層
2 下蓋
2r シール範囲
21 下蓋剥離界面層
22 下蓋基材
23 ヒートシール層
2a 下蓋本体部
2b 第一下蓋分離部
2c 第二下蓋分離部
3 プルタブ部
4 飲み口部
V 上下方向
R 径方向

Claims (7)

  1. ポリエチレンで表層を覆われた紙製カップの開口部を覆い、前記紙製カップの開口部周縁のフランジ部にシールされる蓋材であって、
    上蓋と、
    前記上蓋の下側に積層される下蓋と、
    を有する積層体
    を備え、
    前記積層体は、前記上蓋と前記下蓋との層間で剥離可能で、前記積層体がシールされた前記紙製カップの落下時に前記積層体にかかる応力よりも降伏応力が高い値である機械特性を有する、
    蓋材。
  2. 前記紙製カップの前記フランジ部と前記積層体とのシール強度は、10N/15mm以上である
    請求項1に記載の蓋材。
  3. 前記積層体の降伏応力は、15MPa以上である
    請求項1又は請求項2に記載の蓋材。
  4. 前記下蓋は、前記下蓋の前記上蓋とは反対側の最下層に積層されるヒートシール層を有し、
    前記ヒートシール層は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含む
    請求項3に記載の蓋材。
  5. 前記下蓋は、下蓋本体部と下蓋分離部とに区分され、
    前記下蓋から前記上蓋を剥離する時に、
    前記下蓋本体部は、前記紙製カップとシールされたままで、
    前記下蓋分離部は、前記上蓋に積層されたままで前記下蓋本体部から分離する、
    請求項3に記載の蓋材。
  6. 前記蓋材は外周縁にプルタブ部をさらに備え、
    前記下蓋分離部は、前記下蓋が前記紙製カップとシールされる略円環状のシール範囲よりも径方向において内側で、前記シール範囲の近傍、かつ、前記シール範囲を挟んで前記径方向において前記プルタブ部と対向する位置に配設され、
    前記下蓋分離部は、前記下蓋を厚み方向から見た時に略円形状をしている、
    請求項5に記載の蓋材。
  7. 前記紙製カップにシールされた前記積層体における前記上蓋と前記下蓋との剥離強度は、1N/15mm以上12N/15mm以下である、
    請求項1に記載の蓋材。
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