JP2023181068A - 航路計画装置及び航路計画方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 他船などの障害物を回避し適切な航路計画を設定する航路計画装置及び航路計画方法を提供する。【解決手段】 航路計画装置は、水上移動体の現在位置から前記水上移動体の航路と方向を示す計画航路を受信する計画航路取得部と、移動体の位置、航路方向および速度に関する情報のうちいずれか一つ又は二つ以上の情報を含む移動体情報を受信する移動体情報取得部と、障害物の位置、移動方向及び速度に関する情報のうちいずれか一つ又は二つ以上の情報を含む障害物情報を受信する障害物情報取得部と、移動体情報と障害物情報とに基づいて航路方向に沿った計画航路に関連付けられた衝突リスク値を決定する衝突リスク値算出部と、水上移動体が計画航路に関連付けられた前記衝突リスク値に基づいて計画航路から回避すべきか計画航路上の航行を継続するかを判断する衝突リスク評価部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、船舶を安全に航行させるための船舶航行システムに関し、特に、周囲の障害物との衝突を回避して船舶を安全に航行させるための航路計画装置及び航路計画方法に関する。
一般に、船舶又は船舶のような水上を移動する移動体は、航行を開始する前に出発地又は特定の位置から目的地までの航行のための計画航路を設定する。現在、船舶は自身の船舶を安全に移動させるために、計画された航路(計画航路)を生成しこの航路を監視する航海システム及び航海装置を備えているのが一般的である。
加えて、これらの航海装置は複数のセンサ部を用いて船舶の情報と障害物の情報とを取得し、衝突回避のための計画航路上の近傍の障害物や船舶(或いは、自船)を含む他の船舶の位置を追跡して特定する。
しかし、計画航路の航行中には、周辺の障害物や計画航路を横断する可能性のある他の船舶の出現など、人為的な要因により計画航路を変更しなければならない場合がある。また、海象・海況(海洋の状況)、潮汐等の外乱要因の急激な変化等の自然要因により、航路が計画航路から変更される場合もある。
したがって、船舶を航行する操船者及びその補助者は、自船の航行に支障をもたらす怖れのある障害物又は他の船舶(他船)との衝突を回避し、かつ、計画航路に可能な限り沿って自船を安全に航行させることができるよう支援を必要とする。
US2020/0310434
上記の理由から、本発明が解決しようとする課題は、障害物や他舶との衝突を回避し、船舶を安全に航行させることを支援する航路計画装置及び航路計画方法を提供することにある。
本発明の航路計画装置は、計画航路取得部と、移動体情報取得部と、障害物情報取得部と、衝突リスク値算出部と、衝突リスク評価部とを備える。計画航路取得部は、水上移動体(適宜にこれらを総称して「移動体」、「自船」、「船舶」と言う。) の現在位置から水上移動体の航路と方向を示す計画航路を受信する。移動体情報取得部は、自船の位置、航路方向および速度に関する情報のうちいずれか一つ又は二つ以上の情報を含む移動体情報を受信する。障害物情報取得部は、障害物の位置、移動方向及び速度に関する情報のうちいずれか一つ又は二つ以上の情報を含む障害物情報を受信する。
そして、衝突リスク値算出部は、移動体情報と障害物情報とに基づいて航路方向に沿った計画航路に関連付けられた衝突リスク値を決定する。衝突リスク評価部は、水上移動体が計画航路に関連付けられた衝突リスク値に基づいて、計画航路から回避すべきか、計画航路上の航行を継続するかを判断する。
ここで、衝突リスク値算出部は、さらに、移動体情報と障害物情報に基づいて、水上移動体と障害物との最接近距離及び特定方向の最接近距離の少なくとも一方又は双方を算出し、水上移動体と前記特定方向の最接近距離の少なくとも一方又は双方に基づいて衝突リスク値を決定する。なお、本明細書では、衝突リスク値と言う用語が記載されているが、リスクを所定のルールに基づいて数値化したものであり、危険度といってもよい。
上記に加え、衝突リスク値算出部は、移動体情報と障害物情報とに基づいて、最接近距離を水上移動体が移動するのに要する移動時間を算出し、最接近距離と移動時間とに基づいて衝突リスク値を決定してもよい。
衝突リスク値算出部は、上記の移動時間に代えて、水上移動体と障害物との相対速度に基づいて、障害物と障害物の周辺領域とを含む障害物バンパー領域に水上移動体が進入するのに要する時間を算出し、この進入時間に基づいて衝突リスク値を決定してもよい。
また、衝突リスク値算出部は、水上移動体が障害物バンパー領域に進入するのに要する進入時間に代えて、水上移動体とこの水上移動体の周囲領域とを含む水上移動体バンパー領域の少なくとも一部が障害物バンパー領域に進入するのに要する時間を算出し、この時間に基づいて衝突リスク値を決定してもよい。
上記の航路計画装置であって、さらに、衝突リスク評価部が計画航路上から外れ避航すべきと判断したときに、水上移動体の現在位置又は計画航路上の将来の予想位置のいずれかの位置を基準にそれ以降の計画航路に代えて航行すべき避航経路を生成する避航経路生成部を備えてもよい。
避航経路生成部は、1又は複数の候補となるポテンシャル避航経路を生成するポテンシャル避航経路パターン発生部と、ポテンシャル避航経路毎に衝突リスク値を評価する経路パターン評価部と、衝突リスク値に基づいて生成されたポテンシャル避航経路パターンから避航経路を選択して新たな計画航路の一部又は全部を設定する避航経路選択部とを備えている。そして、避航経路生成部は、避航経路選択部によって選択された避航経路の衝突リスク値があらかじめ設定された値よりも小さいときにのみ新たな計画航路を設定する。
経路パターン評価部は、さらにポテンシャル避航経路パターンのそれぞれについて、避航経路の経路長を算出し、避航経路選択部は各ポテンシャル避航経路パターンの衝突リスク値に加え経路長に基づいて避航経路を選択するようにしてもよい。また、避航経路生成部は、さらに水上移動体が計画航路上に復帰する復帰点を特定し、避航経路の開始点と復帰点とにより該避航経路を生成することもできる。
経路パターン評価部はさらにポテンシャル避航経路パターンのそれぞれについて開始点から前記復帰点までの避航距離を算出し、避航経路選択部は各ポテンシャル避航経路パターンの衝突リスク値、経路長及び避航距離に基づいて、避航経路を選択するようにしてもよい。
移動体情報取得部は、移動体情報について新たな該移動体情報を第1の周期で周期的に取得するよう構成してもよい。障害物情報取得部は障害物情報を第2の周期で周期的に取得し、避航経路生成部は水上移動体の現在位置または予測位置のいずれかに基づいて最新のポテンシャル避航経路パターンを周期的に生成し、水上移動体の現在位置または予測位置をポテンシャル避航経路パターンの新たな避航起点とするようにしてもよい。
避航経路生成部は、更新された水上移動体情報と更新された障害物情報とに基づいて、第1の周期及び第2の周期のいずれか一方よりも長い第3の期間により最新の避航経路を周期的に生成するようにしてもよい。
上記の航路計画装置において、障害物情報は、水上移動体に設置された、レーダ、光検出測距(LIDAR)装置、音響測距(SONAR)装置、カメラ、又はイメージセンサのうちの少なくとも1つによって検出される情報を含んで構成されるがこれに限定されない。障害物情報は、他船が送信し自動識別システム(AIS)受信機によって取得された情報、又は他船から送信された該他船に関する情報であって該他船以外の場所で受信された情報、のいずれかを含んで構成されるがこれに限定されない。
航路計画装置はさらに、海図上に計画航路とともに避航経路を表示するディスプレイ部(表示部)を備えてもよい。ただし、このディスプレイ部は、航路計画装置とは別に外部に設けて通信手段により表示に必要なデータを授受するようにしてもよい。
本発明の航路計画方法は、水上移動体の現在位置から前記水上移動体の航路と方向を示す計画航路を受信し、移動体の位置、航路方向および速度に関する情報のうちいずれか一つ又は二つ以上の情報を含む移動体情報を受信し、障害物の位置、移動方向及び速度に関する情報のうちいずれか一つ又は二つ以上の情報を含む障害物情報を受信し、移動体情報と前記障害物情報とに基づいて、航路方向に沿った計画航路に関連付けられた衝突リスク値を決定し、水上移動体が、計画航路に関連付けられた衝突リスク値に基づいて、計画航路から回避すべきか、計画航路上の航行を継続するかを判断する。そして、移動体情報及び障害物情報に基づいて、水上移動体と障害物との最接近距離及び特定方向の最接近距離の少なくとも一方、又は双方を算出し、水上移動体と特定方向の最接近距離の少なくとも一方又は双方に基づいて、衝突リスク値を決定する。
ここで、上記の航路計画方法は、移動体情報と障害物情報とに基づいて、最接近距離を水上移動体が移動するのに要する移動時間を算出し、最接近距離と移動時間とに基づいて衝突リスク値を決定する。さらに、衝突リスク評価部が計画航路上から外れ避航すべきと判断したときに、水上移動体の現在位置又は計画航路上の将来の予想位置のいずれかの位置を基準にそれ以降の計画航路に代えて航行すべき避航経路を生成するようにしてもよい。
本発明は、また上記の方法をコンピュータによって実行させるために、水上移動体の現在位置から水上移動体の航路と方向を示す計画航路を受信し、移動体の位置、航路方向および速度に関する情報のうちいずれか一つ又は二つ以上の情報を含む移動体情報を受信し、障害物の位置、移動方向及び速度に関する情報のうちいずれか一つ又は二つ以上の情報を含む障害物情報を受信し、移動体情報と障害物情報とに基づいて、航路方向に沿った計画航路に関連付けられた衝突リスク値を決定し、水上移動体が、計画航路に関連付けられた衝突リスク値に基づいて、計画航路から回避すべきか計画航路上の航行を継続するかを判断するプログラムを提供する。
本発明の航路計画装置及び航路計画方法によれば、計画航路において障害物が確定した場合に、現在位置又は移動体の予測位置よりも前方に避航経路を生成する航路計画装置を用いることにより、計画航路上で安全に航行するために船舶航行者が直感的に使用できる視覚情報を表示できないという問題を解決する。
これによって、自船を運航するユーザである船舶航行者は表示部の画面に表示された避航経路上で対象船舶や地形等の周囲の障害物との衝突を回避させ、船舶などの移動体を安全に航行させることができる。
実施形態の説明においては、図面を参照することによってより理解することができるであろう。なお、図面では同様の部分は全体を通して同様の符号によって示される。
以下の説明はあくまでも一実施形態としてのみ意図されており、本明細書における主題と一致するデバイス、システム、及びプロセスの特定の選択された実施形態を示すものである。
本発明の一実施形態に係る移動体 (自船) を安全に航行させるための航路計画装置の構成を示すブロック図である。 移動体(船舶)に他の船舶が近づく様子を示す図である。 移動体(船舶)に他の船舶が近づく様子を示す図である。 本発明の航路計画装置の一実施形態における計画航路に関連する衝突リスク値を決定するための図を示す。 最短距離位置までの時間と衝突リスク値との関係を示す図である。 本発明の航路計画装置の別の実施形態による、自船が障害物に接近するときの衝突リスク値の決定を示す図である。 本発明の航路計画装置のさらに別の実施形態による、自船が障害物に接近するときの衝突リスク値の決定を示す図である。 本発明の航路計画装置のさらに別の実施形態による、自船が障害物に接近するときの衝突リスク値の決定を示す図である。 本発明の航路計画装置の別の実施形態による移動体 (又は自船) を安全に航行させるための航路計画装置を示すブロック図である。 障害物を回避するために自船に設定された避航経路を示す図である。 本発明の航路計画装置の一実施形態による、避航経路生成部を示すブロック図である。 自船のために生成された1又は複数のポテンシャル避航経路パターンを示す図である。 各ポテンシャル避航経路パターンについて、衝突リスク値と航路長との間の相関関係を表すグラフを示す図である。 避航開始点と復帰点の間の複数のポテンシャルな避航経路パターンを示す図である。 複数のポテンシャルな避航経路と対応する衝突リスク値、航路長、各ポテンシャル移動距離が提示されるテーブルを示す図である。 他の障害物を回避するための予測点からのさらなる避航経路パターンを示す図である。 直近の移動体(船舶)の情報と直近の障害物の情報に基づく衝突リスク値の算出を示す図である。 直近の移動体(船舶)の情報と直近の障害物の情報に基づく衝突リスク値の算出を示す図である。 直近の移動体(船舶)の情報と直近の障害物の情報に基づく衝突リスク値の算出を示す図である。 本発明の一実施形態に関連する航路計画方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に関連する航路計画方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に関連する避航経路の設定方法を示すフローチャートを示す図である。 本発明の他の実施形態に関連する航路計画方法を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態に関連する航路計画方法を示すフローチャートである。
本発明の航路計画装置の一実施形態をここに記載する。以下の詳細な説明では、その一部を構成する図面を参照する。他の例示的な実施形態又は特徴をさらに利用することができ、本明細書に提示する主題の精神又は範囲から逸脱することなく他の変更を行うこともできる。すなわち、本明細書に記載される例示的な実施形態は限定するものではなく、その態様は本明細書に一般的に記載され図面に示されるように、多種多様な異なる構成で配置、置換、結合、分離、及び設計することができ、そのすべてが本明細書で明確に意図されることは容易に理解されるであろう。
図1は、本発明の経路計画装置の一実施形態に係る移動体200 (以下、適宜「自船200」ともいう。) を安全に航行させる航路計画装置1の構成を示すブロック図である。図2A及び図2Bは、本発明の航路計画装置の一実施形態を説明するための図で、移動体(自船)200に他の船舶(他船)204が近づく様子を示している。
航路計画装置1は、一般的には自船200に設置されており、自船200の出発地から目的地へのナビゲーション(計画航路の策定と適宜の実行)を行う。航海が開始されると、出発地と目的地との間で自船200が辿るべき航路である計画航路(航行の予定航路)202に沿った自船200の航行を監視しなければならない。
航路計画装置1は、目標船、地形、及び他の目標物などの周囲の障害物との衝突を回避することによって、自船200を安全にナビゲーションするために使用されるように構成される。但し、回避すべき対象は、目標船、地形、及び他の目標物などの周囲の障害物等に必ずしも限定されるものではない。
船舶操船者、すなわち、自船200を運航するユーザは、航路計画装置1の支援を受けて自船200を計画航路202に沿って航行させる。計画航路202は、自船200が目的地に航行して安全に到達するためにたどるべき航路であり、自船200の航路及び自船200の現在位置からの現在針路方向を示している。
航路計画装置1は、航路計画部2と、全地球航法衛星システム(GNSS) 3と、1つ又は複数のセンサ部4と、処理回路5と、ナビゲーション制御部6と、表示部7とを含む。
航路計画部2は、自船200の航行のための複数の航路を記憶するように構成されている。本実施形態では、船舶操船者はここに示す様々な機能を実行するために、航路計画装置1と動作可能に結合された様々な周辺装置を操作することができる。例えば、ユーザはキーボード及び/又はマウスのような周辺装置を操作することによって、自船200の航行のための出発地及び目的地についての種々の指示を航路計画装置1に与えることができる。
航路計画部2は、出発地及び目的地のようなユーザから得られた情報に基づいて、出発地から目的地への自船200の航行のための1つ又は複数のルートを提供することができる。本実施形態では、各航路は、航行の日時、気象条件、潮汐条件などの少なくとも1つを含む航路情報と関連付けられている。航路計画部2は、自船200の航行計画航路202として、出発地から目的地までの航路の選択に関するユーザ入力を受け付ける。本実施形態ではユーザが移動航路を選択するが、他の実施形態では現在の気象条件、移動時間、潮汐条件などに基づいて航路計画部2によって最適航路を選択してもよい。
航路計画装置1は、自船200を出発地から目的地まで計画航路202に沿って安全に航行させるために、自船200と自船200を囲む領域内の1つ以上の障害物とに関連する情報を使用する。GNSS3は、自船200の位置、進行方向及び速度の少なくとも一方を含む移動体情報を取得する。GNSS3は、衛星から自船200の移動体情報を正確に取得する。
図1に示す一つ又は複数のセンサ部4は、自船200の航行を妨げる可能性のある障害物となる他船(障害物は他船に限定されず、漂流物など広く自船の航行の障害となるものを含むが、ここでは他船と言う。)204の位置、進行方向及び速度の少なくとも一つを含む障害物情報を取得する。これらのセンサ部4は、1つ又は複数の従来の海洋電子機器に対応することができる。すなわち、これらはレーダ装置、光検出測距(LIDAR)装置、音響測距(SONAR)装置、自動識別システム(AIS)受信機、自船200に搭載されたカメラやビデオレコーダのようなイメージセンサ(画像センサ)などの少なくとも一つを含んで構成される。
本実施形態では、障害物情報は、RADAR、LIDAR装置、SONAR装置、及びイメージセンサの少なくとも一方によって検出された情報、AIS受信機によって取得された情報、他船から送信された情報、及び自船200以外の場所での無線通信の検出によって取得された情報を含む。
本実施形態では、障害物情報は、他の船舶、潮流、天候、暗礁及び座礁した船舶の少なくとも1つを含む他の移動体に関する情報をさらに含む。他の移動体に関する情報は、他船204に関する情報の取得と同様の方法で取得される。
引き続き図1を参照すると、処理回路5は計画航路取得部51と、移動体情報取得部52と、障害物情報取得部53と、衝突リスク値算出部54と、衝突リスク評価部55とを備えている。
ここで、図1の他、図2A及び図2Bも適宜に参照して、計画航路取得部51は計画航路202として船舶運航者によって選択された航路を受信するために航路計画部2と動作可能に結合され通信することができる。移動体情報取得部52は、自船200に関連付けられた移動体情報を受信するために、GNSS3に動作可能に結合され、GNSS3と通信することができる。移動体情報取得部52は取得した移動体情報を記憶する。
障害物情報取得部53は他船204に関連する障害物を受信するための一つ又は複数のセンサ部4に結合されそれらと通信することができる。障害物情報取得部53は障害物情報を記憶するようにさらに構成される。本実施形態では、移動体情報取得部52は定期的に自船200の移動体情報を取得し、障害物情報取得部53は定期的に他船204の障害物情報を取得する。
衝突リスク値算出部54は、計画航路受付部51、移動体情報取得部52、及び障害物情報取得部53と動作可能に結合されて通信可能である。衝突リスク値算出部54は計画航路202としてユーザにより選択された航路と、自船200の移動体情報と、他船204の障害物情報とを受信する。
衝突リスク値算出部54は、移動体情報と障害物情報とに基づいて現在の進行方向に沿った計画航路202に対応する衝突リスク値を算出するものであり、自船200及び他船204の位置、進行方向、速度に基づいて衝突リスク値を算出する。衝突リスク値は、自船200と他船204との衝突のリスク値を示すものである。本実施形態では、他船204が予測将来航路206に沿って航行しており、自船200が計画航路202に沿って航行し続ける場合、予測将来航路206及び計画航路202が、図に示されているような点で干渉する。図2A、図2Bに示される状態の場合、衝突リスク値が高くなり、自船200と他船204との衝突のリスク値が高くなる。衝突リスク値は、自船が他船などの障害物と衝突するリスクを数値化したもので、危険度を示すものである。
衝突リスク評価部55は、衝突リスク値算出部54と動作可能に結合され通信可能であり、衝突リスク値を受け取るように構成される。衝突リスク評価部55はさらに、自船200が計画航路202を回避し、計画航路202に関連する衝突リスク値に基づいて計画航路202上を横断し続けることを必要としているかどうかを判断するように構成される。
衝突の危険可能性があるかないかは、衝突リスク値を評価することによって決定することができる。衝突リスク値が高い場合、自船200は計画航路202を回避することが必要である。本実施形態では、衝突リスク評価部55が、自船200は衝突リスク値に基づいて計画航路202を回避する必要があると判断した場合、航路計画装置1は船舶操船者が、図2A及び図2Bに示すように、基準点210として自船200の現在位置から別の航路208、すなわち避航経路210を通って自船200を航行させることを容易にする。
引き続き、図1、図2A及び図2Bを参照して、航行制御部6は、衝突リスク評価部55と動作可能に結合され通信することができる。ナビゲーション制御部6は、自船200が計画航路202から外れるか、計画航路202に沿って航行し続けるかの少なくともどちらか判定に基づいて、自船200の航行を監視及び制御するように構成される。
自船200の航行を制御するために、航行制御部6は自船200の位置、進行方向及び速度を制御することができる。自船200が計画航路202を回避する必要があるとの判断に基づいて、航行制御部6は自船200を現在の計画航路202とは異なる避航経路208等の航路に沿って航行させる。
後述するように、表示部7は目的のために船舶計器として自船200上に配置され、自船200上に衝突リスク評価部を備えているか、又は自船上に衝突リスク評価部55に電気的に接続されている。表示部7は、自船200が通過する計画航路202を表示する。また、自船200が計画航路202を回避する必要がある場合、表示部7は自船200が障害物となる他船204との衝突を回避するために航行する避航経路208を表示する。これにより、操船者は他船204との衝突を回避して、自船200を安全に航行することができる。
表示部7は、例えば、自船200を運航する船舶操船者が参照する航行支援装置の一部を構成する表示画面として構成することができる。但し、表示部7は上記構成に限定されるものではなく、例えば、自船200から周囲の状況を監視する操船者の助手が携帯するポータブルコンピュータ用の表示画面や、自船200の船室内で乗客が見張るための表示画面や、乗客が着用するウエアラブルガラス等のヘッドマウントディスプレイ用の表示部であってもよい。
図3は、本発明の一実施形態による、計画航路202に関連する衝突リスク値の決定を理解するための図である。衝突リスク値算出部54は移動体情報と障害物情報とに基づいて計画航路202に係る衝突リスク値を決定する。計画航路202に係る衝突リスク値は自船200及び他船204の位置、進行方向及び速度に基づいて決定される。
衝突リスク値算出部54は、さらに移動体情報及び障害物情報に基づいて、自船200と他船204との間の最接近距離Dcと、特定方向の最接近距離Dx又はDyとのうちの少なくとも一方を決定するように構成されている。
本実施形態では、最近接距離Dcは自船200の現在位置と最近接点302との間の距離である。垂直方向の最接近距離Dxとは自船200の現在地から垂直方向の最接近点304までの距離である。横方向最接近距離Dyは自船200の現在位置と横方向最接近点306との距離である。衝突リスク値算出部54は自船200と他船204との位置関係、自船200と他船204との相対速度、自船200と他船204との進行方向及び速度に基づいて自船200と他船204とが接近したときの最接近距離Dc、Dx及びDyを算出する。
衝突リスク値算出部54は自船200と他船204との間の最近接距離Dc及び特定方向の最近接距離Dx又はDyの少なくとも一方に基づいて、計画航路202に係る衝突リスク値の値を算出する。
本実施形態では、最近接距離Dcが所定の距離以下である場合、衝突リスク評価部55は衝突リスク値が高いと判断し、避航経路208を走行することによって自船200が他船204を回避することを要求する。一方、最接近距離Dcが所定距離よりも大きい場合、衝突リスク評価部55は、衝突リスク値が低いと判断し、自船200は計画航路202を引き続き航行してもよい。
別の実施形態として、特定の方向Dx又はDyにおける最近接距離が所定の距離以下である場合、衝突リスク評価部55は衝突リスク値が高いと判断し、避航経路208を走行することによって自船200が他船204を回避することを要求する。一方、特定方向Dx及びDyの最接近距離が所定距離よりも大きい場合、衝突リスク評価部55は、衝突リスク値が低いと判断し、自船200は計画航路202を航行してもよい。
本実施形態では上記に代えて、自船200と他船204との位置関係を、垂直方向の最近接距離Dx又は水平方向の最近接距離Dyの少なくともいずれかに基づいて特定することにより、衝突リスク値を算出してもよい。なお、他船204が自船200の前方を横切ると、自船200と他船204とが衝突する危険性が高くなる。
本実施形態では、衝突リスク値算出部54は、さらに自船200が最接近距離Dcを横断するのに要する時間Tcを決定するように構成される。また、衝突リスク値算出部54は、自船が計画航路202の始点から目的地に向けて航行している場合に、計画航路202に係る衝突リスク値を自船200が最短距離Dcを横断するのに要する最短距離Dcと時間Tcとに基づいて算出する。自船200が最接近距離Dcを横断するのに要する時間Tcは、移動体情報と障害物情報とに基づいて算出される。
自船200と他船204との最接近距離Dcに基づいて衝突リスク値を算出すると、自船200が他船204に接近するまでの時間が非常に長い場合であっても衝突リスク値は増加する。その結果、自船200はしばらくして他船204との衝突を避けるために、計画航路202を回避しなければならない場合がある。したがって、本実施形態では、計画された航路202に関連する衝突リスク値は、自船200と他船204との間の最接近距離Dc、及び接近302の最接近点に到達するために自船200によって要求される時間Tcを考慮することによって決定される。
一例をあげると、計画航路202に関連する衝突リスク値は、以下に示す数式 (1) に基づいて決定される。
Figure 2023181068000002
図4は、本発明の航路計画装置の一実施形態による、自船200が他船204に接近するときの衝突リスク値の決定を説明するための図である。自船200の周囲の楕円形領域402に他船204が進入すると衝突リスク値が大きくなる。
この例では、楕円形領域402は自船200の前方1.5海里(NM)、後方0.2NM、及び両側0.5NM以内の領域に基づいて決定される。自船200と他船204との距離が小さくなると衝突リスク値は大きくなる。したがって、衝突リスク値は自船200と他船204との距離に反比例する。
また、図4は衝突リスク値と自船200と他船204との上下方向(図において上下で示される方向)の距離との関係、及び衝突リスク値と自船200と他船204との左右方向(図において左右で示される方向)の距離との関係を示している。ここに示す例では、図4には上下左右方向の最接近距離Dx, Dyに対する衝突リスク値が示されている。そして、自船200と他船204との最接近距離Dcに基づいて、自船200と他船204との最接近距離Dcが最接近距離DT以下の場合に衝突リスク値が高くなるように閾値距離Dtを決定する。
図5は、自船200が最接近距離Dcを横断するのに要する時間Tcと衝突リスク値との関係を示している。時間Tcが小さい場合、衝突リスク値は高くなる。この例では、時間Tcが所定の時間以下である場合、衝突リスク値は高い、すなわち最大値1として決定される。
図6は、本発明の航路計画装置の別の実施形態による、自船200が他船204に接近するときの衝突リスク値の決定を示すための図である。他船204の障害物バンパー領域602(グレーで示される長円部分)は、他船204すなわち船舶の位置、進行方向及び速度に基づいて決定される。他船204の障害物バンパー領域602は、他船204の進行方向に基づいて他船204の将来予測航路206上に位置するものとする。他船204の障害物バンパー領域602は、他船204と他船204の周辺領域とを含んでいる。なお、他船204の障害物バンパー領域602は、衝突を防止するために自船200の側面、前面及び後面における許容最近接距離である安全通過距離604A、604B及び604cに基づいて決定されてもよい。
また、障害物バンパー領域602は接近禁止領域に相当し、自船200と他船204との衝突方向及び距離を同時に認識することができる。そして、移動体情報と障害物情報とに基づいて、自船200と他船204との間の上下方向606又は左右方向608における最近接点 (他船204に対する)が決定される。自船200と他船204との間の上下方向606又は左右方向608の最近接点が障害物バンパーエリア602の外側にある場合、衝突の怖れはない。
図6に示すように、本実施形態では他船204からの距離Rxにおける上下方向606の最近接点も、距離Ryにおける左右方向608の最近接点も、障害物バンパー領域602内に存在しないため衝突の怖れはない。
本実施形態では、衝突リスク値計算部54は自船200と他船204との相対速度に基づいて自船200が障害物バンパー領域602に侵入するのに要する時間を決定する。また、衝突リスク値算出部54は自船200が障害物バンパーエリア602に進入するまでの時間に基づいて計画航路202に係る衝突リスク値を算出する。
図7は、本発明の航路計画装置のさらに別の実施形態による、自船200が他船204に接近するときの衝突リスク値の決定を示すための図である。自船200の位置、進行方向、速度に基づいて自船200の移動体バンパー領域702が決定される。自船200の移動体バンパー領域702は自船200の進行方向に基づいて自船200の計画航路202上に位置し、自船200と自船200の周囲領域とを含んでいる。そして、移動体情報と障害物情報とに基づいて自船200と他船204との間の上下方向304又は左右方向306における最近接点(自船200に対する)を算出する。自船200と他船204との間の上下方向304、左右方向306の最近接点が移動体バンパーエリア702の外側にある場合には衝突の怖れはない。
図7に示すように、本実施形態では自船200からの距離Rxにおける垂直方向304の最近接点が移動体バンパー領域702にあるため衝突の怖れがある。
自船200が計画航路202に沿って現在の方向に航行し続け、他船204の障害物バンパーエリア602に侵入すると衝突のおそれがある。本実施形態では、衝突リスク値計算部54は自船200と他船204との相対速度に基づいて移動体バンパー領域702が障害物バンパー領域602に侵入するのに要する時間を求める。また、衝突リスク値算出部54は移動体バンパー領域702が障害物バンパー領域602に進入するまでの時間に基づいて計画航路202に係る衝突リスク値の値を算出する。
図8は、本発明の航路計画装置の別の実施形態による、自船200を安全に航行させるための航路計画装置1を示すブロック図である。航路計画装置1は、航路計画部2と、GNSS3と、1つ又は複数のセンサ部4と、処理回路5と、ナビゲーション制御部6と、表示部7とを備える。航路計画部2、GNSS3、及び1つ以上のセンサ部4は、図1に示される構成と同様の方法で機能する。
処理回路5は、予定航路受付部51と、移動体情報取得部52と、障害物情報取得部53と、衝突リスク値算出部54と、衝突リスク評価部55と、避航経路生成部56とを備える。予定航路受付部51、移動体情報取得部52、障害物情報取得部53、衝突リスク値算出部54、及び衝突リスク評価部55の機能は、図1で説明した機能と同様である。
図9は、自船200が他船204を回避するために設定した避航経路902を示している。ここで、図8及び図9を参照して、避航経路生成部56は衝突リスク評価部55と動作可能に結合され通信することができる。避航経路生成部56は、自船200の基準点となる現在位置210及び予測位置の少なくとも一方の前方において、計画航路202に代えて避航経路902を設定するように構成されている。なお、自船200の予測位置は、現在の進路上の予測位置、計画航路上の予測位置202、避航経路上の予測位置のいずれかであってもよい。避航経路生成部56は自船200の現在速度及び旋回角速度に基づいて予測位置を決定してもよい。本実施形態では図2に示すように、避航経路生成部56は、自船200の計画航路202上で他船204が決定されたとき、避航経路902に関連する衝突リスク値が所定の閾値以下になるように避航経路902を設定する。
生成された避航経路902は、避航開始点904から開始される。避航開始点904は、自船200の現在位置及び予測位置のいずれかである。自船200を運航する船舶操船者、すなわちユーザは、他船204との衝突を回避するために、生成された避航経路902に沿って自船200を航行することができる。自船200が避航経路902を航行している場合、衝突リスク値算出部54は、衝突リスク値が所定値未満であっても避航経路902を再生成してもよい。
一つの状況として、他船204の移動により周囲の状況が変化して衝突リスク値が変化し、既に設定されている避航経路902が長い航路となる場合がある。避航経路902を再生する目的は、他船204との衝突を避けつつより短い航路で計画航路202に戻ることである。
さらに、本実施形態では、設定された避航経路902は衝突リスク値計算部54にフィードバックされ、衝突リスク値計算部54は避航経路902に関連付けられた衝突リスク値を決定する。また、衝突リスク評価部55は避航経路902の衝突リスク値が所定値未満であるか否かを判断し、自船200が避航経路902を航行し続けるか否かを判断する。
ナビゲーション制御部6は避航経路生成部56と動作可能に結合され通信することができる。ナビゲーション制御部6は自船200の航行を監視及び制御するように構成されている。航法制御部6は、移動体情報と障害物情報とに基づいて、生成された避航経路902に沿って自船200を航行させる。表示部7は他船204との衝突を回避する生成された避航経路902を表示するように構成されている。これにより、衝突リスク値が高い場合には他船204との衝突を回避して避航経路902に沿って自船202を安全に航行させることができる。
本実施形態では表示部7は処理回路5の外部にあるが、これに限定されるものではない。別の実施形態として、ディスプレイ部(表示部)7を処理回路5に含めて構成することもできる。
図10は、本発明の航路計画装置の一実施形態による避航経路生成部56を示すブロック図である。避航経路生成部56は、ポテンシャル避航経路パターン発生部562と、経路パターン推定部564と、避航経路選択部566とを含む。ポテンシャル避航経路パターン発生器562は、衝突リスク評価部55と動作可能に結合され通信することができる。
図11に示すように、ポテンシャル避航経路パターン発生部562は、自船200の位置を回避開始点904とした1又は複数の避航経路の候補として設定可能なポテンシャル避航経路パターン1102を生成する。複数の避航経路パターン1102は、回避開始地点904から自船200の航行先までの避航経路902の候補である。ポテンシャル避航経路パターン発生部562は、自船200と他船204との衝突の危険性が高い場合に複数のポテンシャル避航経路パターン1102を生成する。一例として、避航開始点208の周りに扇状に第1の複数の点が生成され、第1の複数の点の各点から扇状に第2の複数の点が生成される。複数のポテンシャル避航経路パターン1102は、第1及び第2の複数の点を順次接続することによって生成されてもよい。
経路パターン推定部564は、ポテンシャル避航経路パターン発生部562と動作可能に結合され通信することができ、複数のポテンシャル避航経路パターン1102の各ポテンシャル避航経路パターンについて衝突リスク値を決定する。
避航経路選択器566は、経路パターン推定部564と動作可能に結合され経路パターン推定部と通信し、複数のポテンシャル避航経路パターンの各ポテンシャル避航経路パターンについて決定された衝突リスク値に基づいて避航経路902として設定されるべき複数のポテンシャル避航経路パターン1102からポテンシャル避航経路パターンを選択するように構成されてもよい。
本実施形態では、経路パターン推定部564は、各ポテンシャル避航経路パターンの航路長を決定するように構成されている。経路パターン推定部564は、決定された各ポテンシャル避航経路パターンの衝突リスク値に基づいて各ポテンシャル避航経路パターンの航路長を決定する。
本実施形態では、自船200がポテンシャル避航ルートを航行した場合の衝突リスク値の最大値を求める。この衝突リスク値の最大値を求める区間は、ポテンシャル避航ルートの終端まででもよいし、ポテンシャル避航ルートの途中まででもよい。
避航経路選択部566は、決定された衝突リスク値と、複数のポテンシャル避航経路パターン1102の各ポテンシャル避航経路パターンの航路長とに基づいて、複数のポテンシャル避航経路パターン1102の中からポテンシャル避航経路パターンを選択するように構成されている。衝突リスク値が小さければ、避航経路選択部566は、自船200の最適なポテンシャル避航経路パターンを選択する。
なお、衝突リスク値が下がるルートでは必要以上に迂回している場合があるため、衝突リスク値と航路長とに基づいて、最適なポテンシャル避航経路パターンを選択する。これにより、避航経路選択部566は、衝突リスク値と、各ポテンシャル避航経路パターンの航路長とに基づいて、最適なポテンシャル避航経路パターンを選択する。
図12は、各ポテンシャル避航経路パターンについて、衝突リスク値と航路長との間の相関を表すグラフ1200を示す。衝突リスク値はX軸で表されており、ルートの長さ(NM)はY軸で表されている。
安全なナビゲーション及び衝突回避のために0.4未満の衝突リスク値が必要であると仮定すると、ポテンシャル避航経路パターン発生部562によって生成された少なくとも6つのポテンシャル避航経路パターンがある。この例では、ポテンシャル避航経路パターンDは衝突リスク値が最小であるが、ポテンシャル避航経路パターンDのそれぞれの航路長は長い。これに対して、ポテンシャル避航経路パターンFは、ポテンシャル避航経路パターンDに比べて航路長は短いが、衝突リスク値が0.4に近い。
また、ポテンシャル避航経路パターンFと比較して衝突リスク値が最も小さいポテンシャル避航経路パターンEと、各ポテンシャル避航経路パターンEの航路長とは、ポテンシャル避航経路パターンDと比較して小さい。したがって、この例では、避航経路選択部566は、最適なポテンシャル避航経路パターンとしてポテンシャル避航経路パターンEを選択するとよい。
1つの状況として、衝突リスク値が所定値以下であるポテンシャル避航経路パターンが存在しない場合、複数のポテンシャル避航経路パターンのいずれも選択されない。この場合、航路計画装置1は、避航経路パターンが見つからないことを示す信号、又は/及び避航経路パターンが見つからないことを示すエラーメッセージの少なくともいずれかを提供することができる。
図13は、避航の開始点904と避航からの復帰点1302との間の複数のポテンシャルな避航経路パターン1102を示す。複数のポテンシャル避航経路パターン1102は、開始点904から復帰点1302までの避航経路パターンと、開始点904から対応する避航経路パターンの途中の任意の位置までの避航経路パターンと、対応する避航経路パターンの途中の任意の位置から復帰点1302までの避航経路パターンとを含むことができる。
避航経路生成部56は、さらに自船200が計画航路202上で戻る帰路点1302を特定し、開始点904と復帰点1302とを結ぶ避航経路902を生成するように構成されている。避航経路選択部566は、開始点904から復帰点1302までに接続された複数のポテンシャル避航経路パターン1102と、開始点904から対応する避航経路パターンの途中の任意の位置までと、対応する避航経路パターンの途中の任意の位置から復帰点1302までの複数のポテンシャル避航経路パターンのうち、少なくとも一つのポテンシャル避航経路パターンを選択してもよい。船舶操船者は、他船204との衝突を回避することにより、選択されたポテンシャル避航経路パターンに沿って自船200を航行させ、自船200を復帰点1302で計画航路202に戻すことができる。
再び図10に戻って、経路パターン推定部564は、開始点904から計画航路202上で自船200が戻る復帰点1302までのポテンシャル避航経路パターンの避航距離を決定するように構成されている。避航経路選択部564は、さらに、決定された衝突リスク値と、複数のポテンシャル避航経路パターン1102の各ポテンシャル避航経路パターンの航路長と、避航距離とに基づいて、図に示す複数のポテンシャル避航経路パターン1102の中からポテンシャル避航経路パターンを選択するように構成されている。
避航経路生成部56が生成する避航経路は、他船204との衝突を回避する航路であってもよい。この場合、避航経路生成部56は自船200を計画航路202に戻すための復帰経路を生成してもよい。避航経路902が生成されると、避航経路生成部56は、自船200を計画航路202に復帰経路をさらに生成してもよい。
図14は、複数のポテンシャル避航経路と、対応する衝突リスク値、航路長、及び各ポテンシャル避航経路の走行距離を表すテーブル1400を示す。避航経路選択部564は、複数のポテンシャル避航経路パターン1102の中から、それぞれのポテンシャル避航経路の衝突リスク値、航路長、走行距離に基づいて避航経路パターンを選択する。一例として、避航経路選択部564は、テーブル1400に示すように、ポテンシャル避航経路パターンA、B、D、Fと比較して衝突リスク値、通過長、走行距離が最適であるため、ポテンシャル避航経路パターンEを選択してもよい。
図15は、別の障害物1308との衝突を避けるために予想航路1306からのさらなる避航経路1304を示している。本実施形態では、避航経路生成部56は、他船204を避けるために(パターンEのような)ポテンシャル避航経路パターンの一つを設定する。移動体情報取得部52は自船200に関連する移動体情報を取得し、障害情報取得部53は他の障害物1308に関連する障害物情報を取得する。
この例では、他の障害物1308が将来の予想航路1310に沿って航行しており、予想航路1310と避航経路902が干渉する怖れがあることがわかる。自船200が避航経路に沿った航行を継続しているなら衝突リスク値は高く、自船200と他の障害物1310の間にはより高い衝突リスク値があることになる。
衝突リスク値算出部54は、図1で説明した衝突リスク値の判定と同様に、移動体情報と他の障害物1308の障害物情報とに基づいて現在の進路方向に沿った避航経路902の衝突リスク値を判定する。衝突リスク評価部55は、自船200が避航経路902を避航し、避航経路902に関連する衝突リスク値に基づいて避航経路902を航行し続ける必要があるか否かを判断する。
ここに示す例では、もし衝突リスク評価部55が衝突リスク値に基づいて、自船200は避航経路902からさらに避航する必要があると判断した場合、航路計画システム1は、図15に示すように、基準点としての自船200の予測位置1306から別の航路、すなわち、さらなる避航経路1304を介して自船200を航行させることを船舶操船者に要求する。避航経路生成部56は、現在位置904及び予測位置1306の少なくとも一方を自船200の基準点として、避航経路902に代えたさらなる避航経路1304を設定する。本実施形態では、自船200の予測位置1306は避航経路902上の予測位置である。
避航経路生成部56は、避航経路902に関連付けられた推定衝突リスク値に基づいて、さらなる避航経路1304を設定する。推定された衝突リスク値が高い場合、避航経路生成部56は他の障害物1308との衝突を回避するために、自船200のためさらなる避航経路1304を生成し設定する。
表示部7は、自船200が通過する計画航路202及び避航航路902を表示する。また、ディスプレイ部7は自船200が避航経路902を回避する必要がある場合、自船200が障害物1308との衝突を回避するために航行するさらなる避航経路1304を表示する。これにより、船舶操船者は他船204や他の障害物1308との衝突を回避して自船200を安全に航行することができる。
避航経路生成部56は、さらに自船200が復帰経路を航行することにより計画航路202に復帰できるように、さらなる避航経路1304の復帰経路を生成する。自船200が目的地に到着するまで、航路計画装置1は障害物を回避するために衝突リスク値の決定と避航経路25の生成とを繰り返す。
図16乃至図18は、本発明の航路計画装置の一実施形態による、最新の移動体情報及び最新の障害物情報の取得とこれらに基づく衝突リスク値算出との時間関係を示す。
自船200が航行すると、それに応じて自船200の周囲が変化する。したがって、移動体情報取得部52はさらに、第1期間1502における移動体情報を第1の期間(第1の周期)1502の一定間隔で周期的に受信するように構成されている。同様に、障害物情報取得部53はさらに、第2の期間(第2の周期)1504の一定間隔毎に障害物情報を周期的に取得するように構成されている。
他方、避航経路生成部56もさらに、自船200の現在位置に基づいて最新の避航経路を周期的に生成するように構成されている。自船200の現在位置及び予測位置の少なくとも一方を最新避航経路の新たな開始点とする。
本実施形態では、避航経路生成部56はさらに、更新された取得移動体情報と更新された取得障害物情報とに基づいて、図16に示すように、第2の周期1504よりも短く、第1の周期1502よりも長い第3の期間(第3の周期)1506で最新の避航経路を周期的に生成するように構成されている。
移動体情報取得端末部52は、第3の周期1506よりも短い第1の周期1502において移動体情報を取得する。タイミングt2における衝突リスク値は、タイミングt1及びt2において取得された、それぞれ1508、1510で示される移動体情報及び障害物情報に基づいて算出される。
なお、移動体情報及び障害物情報の定期的な取得は、取得頻度が高いほど、最新の移動体情報及び障害物情報に基づいて衝突リスク値を決定する回数が多くなるので好ましい。
ここで図17を参照すると、別の実施形態では、衝突リスク値は、第3の期間1606で周期的に計算される。避航経路生成部56は、更新された取得移動体情報と更新された取得障害物情報とに基づいて、第2期間1604よりも長く第1期間1602よりも短い第3期間1606において、最新の避航経路パターンを定期的に生成する。タイミングt2における衝突リスク値は、タイミングt1及びt2において取得された、それぞれ1610、1608で示される移動体情報及び障害物情報に基づいて算出される。
ここで、図18を参照して、さらに別の実施形態では、避航経路生成部56は更新された取得移動体情報及び更新された取得障害物情報に基づいて、第1の周期1702及び第2の周期1704よりも長い第3の周期1706において最新の避航経路パターンを周期的に生成する。タイミングt2における衝突リスク値は、1708で示されるタイミングt2において取得された移動体情報と障害物情報とに基づいて算出される。図18において、障害物情報取得部53は、第3の周期1706よりも短い第2の周期1704において障害物情報を取得してもよい。
理想的には、移動体情報と障害物情報の両方を高頻度で取得し、最新の情報に基づいて衝突リスク値を算出することが好ましい。一例として、タイミングt1で算出された衝突リスク値は衝突リスク値を示すものではなく、t2で算出された値は衝突の可能性が高いことを示すものである。このため、避航経路が発生し、この避航経路に沿って航行するためには自船200が必要となる。なお、t3の時点で算出された衝突リスク値は障害物との衝突リスク値を示しているが、t4の時点で避航経路により衝突リスク値は減少する。
図19A及び19Bはまとめて、本発明の一実施形態による航路計画方法1800のフローチャートを表わしている。
ステップ1802において、予定航路取得部51は自船200の航路及び自船200の現在位置からの現在の針路方向を示す計画航路202を受信する。航路計画部2は、出発地から目的地への自船200のナビゲーションのための1つ以上の航路を提供することができる。
ステップ1804において、移動体情報取得部52は自船200の位置、進行方向及び速度の少なくとも一方を含む移動体情報を受信する。
ステップ1806において、障害物情報取得部53はセンサ部4から障害物情報を受信する。障害物情報は、他船204の位置、進行方向、速度の少なくとも一方を含んでいる。障害物情報は、さらに、他の船舶、潮流、気象、暗礁、及び座礁船舶を含む他の移動体の少なくとも1つに関する情報を含んでいる。
ステップ1808において、衝突リスク値算出部54は移動体情報と障害物情報とに基づいて、現在の進行方向に沿った計画航路202に係る衝突リスク値を算出する。
ステップ1810において、衝突リスク評価部55が計画された航路202に関連する衝突リスク値が所定の閾値以下であると判定した場合、ステップ1808が再び実行される。ステップ1810において、衝突リスク評価部55が計画された航路202に関連する衝突リスク値が所定の閾値より大きいと判定した場合、ステップ1812が実行される。
ステップ1812では、避航経路生成部56は自船200の現在位置及び予測位置の少なくとも一方の前方に計画航路202に代えて避航経路902を設定し、移動体200は計画航路202を回避して避航経路902を航行する。
ステップ1814において、衝突リスク評価部55が避航経路902に関連する衝突リスク値が所定の閾値以下であると判定した場合、ステップ1816が実行される。避航経路902に沿って自船200が航行中においては、避航経路902に係る衝突リスク値を求めるために、移動体情報及び障害物情報が衝突リスク値算出部54にフィードバックされる。これにより他船204との衝突を回避しつつ、自船200を計画航路202に戻す最短避航経路を決定することができる。
ステップ1814において、衝突リスク評価部55が避航経路902に関連する衝突リスク値が所定の閾値より大きいと判定した場合、ステップ1812が実行される。
ステップ1816において、自船200が計画航路202に復帰したかが判定され復帰していれば、Bの処理に戻る。
ステップ自船が1818では、自船200が目的地に到達したかが判定され、到達して入れれば一連の処理は終了する。
図20は、本開示の実施形態による避航経路を設定するための方法1900を示すフローチャートである。
ステップ1902において、ポテンシャル経路パターン発生部562は自船200の現在位置及び予測位置の少なくとも一方の前方に、計画航路202の代わりに複数のポテンシャル避航経路パターン1102を生成する。
ステップ1904において、経路パターン推定部564は複数のポテンシャル避航経路パターン1102のポテンシャル避航経路パターン毎に衝突リスク値を決定する。
ステップ1906において、避航経路選択部566は複数のポテンシャル避航経路パターン1102のポテンシャル避航経路パターン毎に決定された衝突リスク値に基づいて、複数のポテンシャル避航経路パターン1102の中から避航経路として設定すべきポテンシャル避航経路パターンを選択する。
図21A及び図21Bはまとめて、本発明の別の実施形態によるナビゲーション航路計画方法2000を示すフローチャートである。
ステップ2002において、計画航路取得部51は自船200の航路を示す計画航路202と、自船200の現在位置からの現在の針路方向とを受信する。航路計画部2は、出発地から目的地への自船200のナビゲーションのための1つ以上の航路を提供することができる。
ステップ2004において、障害物情報取得部53はセンサ部4から障害物情報を受信する。障害物情報は、他船204の位置、進行方向、速度の少なくとも一方を含んでいる。障害物情報はさらに、他の船舶、潮流、気象、暗礁、及び座礁船舶を含む他の移動体の少なくとも1つに関する情報を含む。
ステップ2006において、移動体情報取得部52は自船200の位置、進行方向及び速度の少なくとも一方を含む移動体情報を受信する。
ステップ2008において、避航経路生成部56が自船200の現在位置及び予測位置の少なくとも一方の前方に計画航路202の代わりに避航経路902を生成して設定すると、ステップ2010が実行される。ステップ2010において、衝突リスク値計算部54は避航経路902に関連付けられた衝突リスク値を決定する。
ステップ2008において、避航経路生成部56が自船200の現在位置及び予測位置の少なくとも一方よりも先の計画航路202の代わりに避航経路902を生成しなければ、ステップ2012が実行される。
ステップ2012において、第3の期間が経過したと判定された場合、ステップ2008が実行される。ステップ2012において第3の期間が経過していないと判定された場合、ステップ2014が実行される。
ステップ2014において、最初の期間が経過したと判定された場合、ステップ2006が実行される。ステップ2014において第2の期間が経過していないと判定された場合、ステップ2016が実行される。
ステップ2016において、第1の期間が経過したと判定された場合、ステップ2004が実行される。避航経路生成部56はさらに、第1の期間に周期的に受信した更新された移動体情報と、第2の期間に周期的に受信した更新された障害物情報とに基づいて、第3の期間に最新のポテンシャル避航経路を周期的に生成するように構成されている。
航路計画装置1によって避航経路902が設定されると、ディスプレイ部7の画面には当初計画された航路202及び避航経路902が表示される。また、ディスプレイ7の画面には、自船200の位置や他船204等の障害物の位置も表示される。さらに、ディスプレイ部7は衝突リスク値を表示することができる。
船舶操船者は、ディスプレイをチェックして避航経路902に沿って船を操縦してもよいし、自動操縦と連動して自動航行に切り替えてもよい。したがって、本発明の航路計画装置1によれば、自船を運航する利用者、すなわち船舶操船者は、表示部7の画面に表示された計画航路202又は避航経路902において目標船や地形等の周囲の障害物との衝突を回避することにより、移動体200を安全に航行させることができる。
1 航路計画装置
2 航路計画部
3 全地球航法衛星システム(GNSS)
4 センサ部
5 処理回路
6 航行制御部
7 ディスプレイ部(表示部)
51 計画航路取得部
52 移動体情報取得部
53 障害物情報取得部
54 衝突リスク値算出部
55 衝突リスク評価部
56 避航経路生成部
200 移動体(自船等計画航路に沿って水上を移動、航行するもの)
202 計画航路
204,1308 障害物(自船の航行に対して障害となる他船など)
206,902,1304 避航経路
562 ポテンシャル経路パターン発生部
564 経路パターン推定部
566 避航経路選定部

Claims (22)

  1. 航路計画装置であって、
    水上移動体の現在位置から前記水上移動体の航路と方向を示す計画航路を受信する計画航路取得部と、
    前記移動体の位置、航路方向および速度に関する情報のうちいずれか一つ又は二つ以上の情報を含む移動体情報を受信する移動体情報取得部と、
    障害物の位置、移動方向及び速度に関する情報のうちいずれか一つ又は二つ以上の情報を含む障害物情報を受信する障害物情報取得部と、
    前記移動体情報と前記障害物情報とに基づいて、前記航路方向に沿った前記計画航路に関連付けられた衝突リスク値を決定する衝突リスク値算出部と、
    前記水上移動体が、前記計画航路に関連付けられた前記衝突リスク値に基づいて、前記計画航路から回避すべきか、前記計画航路上の航行を継続するかを判断する衝突リスク評価部と、
    を備える航路計画装置。
  2. 請求項1記載の航路計画装置であって、
    前記衝突リスク値算出部は、さらに、
    前記移動体情報及び前記障害物情報に基づいて、前記水上移動体と前記障害物との最接近距離及び特定方向の最接近距離の少なくとも一方、又は双方を算出し、
    前記水上移動体と前記特定方向の最接近距離の少なくとも一方又は双方に基づいて、前記衝突リスク値を決定する、
    航路計画装置。
  3. 請求項2記載の航路計画装置であって、
    前記衝突リスク値算出部は、さらに、
    前記移動体情報と前記障害物情報とに基づいて、前記最接近距離を前記水上移動体が移動するのに要する移動時間を算出し、
    前記最接近距離と前記移動時間とに基づいて、前記衝突リスク値を決定する、
    航路計画装置。
  4. 請求項3に記載の航路計画装置であって、
    前記衝突リスク値算出部は、前記移動時間に代えて、
    前記水上移動体と前記障害物との相対速度に基づいて、前記障害物と前記障害物の周辺領域とを含む障害物バンパー領域に前記水上移動体が進入するのに要する時間を算出し、該時間に基づいて前記衝突リスク値を決定する、
    航路計画装置。
  5. 請求項4に記載の航路計画装置であって、
    前記衝突リスク値算出部は、前記水上移動体が前記障害物バンパー領域に進入するのに要する進入時間に代えて、
    前記水上移動体と該水上移動体の周囲領域とを含む水上移動体バンパー領域の少なくとも一部が前記障害物バンパー領域に進入するのに要する時間を算出し、該時間に基づいて、前記リスク値を決定する、
    航路計画装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のうちいずれかの請求項に記載の航路計画装置であって、 さらに、
    前記衝突リスク評価部が前記計画航路上から外れ避航すべきと判断したときに、前記水上移動体の現在位置又は前記計画航路上の将来の予想位置のいずれかの位置を基準にそれ以降の計画航路に代えて航行すべき避航経路を生成する避航経路生成部を備える、
    航路計画装置。
  7. 請求項6に記載の航路計画装置であって、
    前記避航経路生成部は、
    1又は複数の候補となるポテンシャル避航経路を生成するポテンシャル避航経路パターン発生部と、
    前記ポテンシャル避航経路毎に前記衝突リスク値を評価する経路パターン評価部と、
    前記衝突リスク値に基づいて、生成された前記ポテンシャル避航経路パターンから前記避航経路を選択して、新たな計画航路の一部又は全部を設定する避航経路選択部と、を備える、
    航路計画装置。
  8. 請求項7に記載の航路計画装置であって、
    前記避航経路生成部は、前記避航経路選択部によって選択された避航経路の前記衝突リスク値があらかじめ設定された値よりも小さいときにのみ前記新たな計画航路を設定する、
    航路計画装置。
  9. 請求項8に記載の航路計画装置であって、
    前記経路パターン評価部は、さらに、前記ポテンシャル避航経路パターンのそれぞれについて、避航経路の経路長を算出し、
    前記避航経路選択部は、各ポテンシャル避航経路パターンの前記衝突リスク値と前記経路長に基づいて、前記避航経路を選択する、
    航路計画装置。
  10. 請求項9に記載の航路計画装置であって、
    前記避航経路生成部は、さらに、前記水上移動体が前記計画航路上に復帰する復帰点を特定し、前記避航経路の開始点と前記復帰点とにより該避航経路を生成する、
    航路計画装置。
  11. 請求項10に記載の航路計画装置であって、
    前記経路パターン評価部は、さらに、前記ポテンシャル避航経路パターンのそれぞれについて、前記開始点から前記復帰点までの避航距離を算出し、
    前記避航経路選択部は、各ポテンシャル避航経路パターンの前記衝突リスク値、前記経路長及び前記避航距離に基づいて、前記避航経路を選択する、
    航路計画装置。
  12. 請求項1に記載の航路計画装置であって、
    前記移動体情報取得部は、前記移動体情報について新たな該移動体情報を第1の周期で周期的に取得する、
    航路計画装置。
  13. 請求項12に記載の航路計画装置であって、
    前記障害物情報取得部は、
    前記障害物情報を第2の周期で周期的に取得し、
    前記避航経路生成部は、
    前記水上移動体の現在位置または予測位置のいずれかに基づいて、最新のポテンシャル避航経路パターンを周期的に生成し、
    前記水上移動体の現在位置または予測位置をポテンシャル避航経路パターンの新たな避航起点とする、
    航路計画装置。
  14. 請求項13に記載の航路計画装置であって、
    前記避航経路生成部は、更新された前記移動体情報と更新された前記障害物情報とに基づいて、第1の周期及び第2の周期のいずれか一方よりも長い第3の期間により、最新の避航経路を周期的に生成する、
    航路計画装置。
  15. 請求項1乃至請求項5のいずれかの請求項に記載の航路計画装置であって、
    前記障害物情報は、前記水上移動体に設置された、レーダ装置、光検出測距(LIDAR)装置、音響測距(SONAR)装置、カメラ、又はイメージセンサのうちの少なくとも1つによって検出される情報を含む、
    航路計画装置。
  16. 請求項1乃至請求項5のいずれかの請求項に記載の航路計画装置であって、
    前記障害物情報は、
    他船が送信し、自動識別システム(AIS)受信機によって取得された情報、又は
    他船から送信された該他船に関する情報であって該他船以外の場所で受信された情報、のいずれかを含む、
    航路計画装置。
  17. 請求項6に記載の航路計画装置であって、さらに、
    海図上に前記計画航路とともに前記避航経路を表示する表示部を備える、
    航路計画装置。
  18. 水上移動体の現在位置から前記水上移動体の航路と方向を示す計画航路を受信し、
    前記移動体の位置、航路方向および速度に関する情報のうちいずれか一つ又は二つ以上の情報を含む移動体情報を受信し、
    障害物の位置、移動方向及び速度に関する情報のうちいずれか一つ又は二つ以上の情報を含む障害物情報を受信し、
    前記移動体情報と前記障害物情報とに基づいて、前記航路方向に沿った前記計画航路に関連付けられた衝突リスク値を決定し、
    前記水上移動体が、前記計画航路に関連付けられた前記衝突リスク値に基づいて、前記計画航路から回避すべきか、前記計画航路上の航行を継続するかを判断する、
    航路計画方法。
  19. 請求項18記載の航路計画方法であって、さらに、
    前記移動体情報及び前記障害物情報に基づいて、前記水上移動体と前記障害物との最接近距離及び特定方向の最接近距離の少なくとも一方、又は双方を算出し、
    前記水上移動体と前記特定方向の最接近距離の少なくとも一方又は双方に基づいて、前記衝突リスク値を決定する、
    航路計画方法。
  20. 請求項19記載の航路計画方法であって、
    前記移動体情報と前記障害物情報とに基づいて、前記最接近距離を前記水上移動体が移動するのに要する移動時間を算出し、
    前記最接近距離と前記移動時間とに基づいて、前記衝突リスク値を決定する、
    航路計画方法。
  21. 請求項20に記載の航路計画方法であって、さらに、
    前記衝突リスク評価部が前記計画航路上から外れ避航すべきと判断したときに、前記水上移動体の現在位置又は前記計画航路上の将来の予想位置のいずれかの位置を基準にそれ以降の計画航路に代えて航行すべき避航経路を生成する、航路計画方法。
  22. コンピュータによって実行されたときに、
    水上移動体の現在位置から前記水上移動体の航路と方向を示す計画航路を受信し、
    前記移動体の位置、航路方向および速度に関する情報のうちいずれか一つ又は二つ以上の情報を含む移動体情報を受信し、
    障害物の位置、移動方向及び速度に関する情報のうちいずれか一つ又は二つ以上の情報を含む障害物情報を受信し、
    前記移動体情報と前記障害物情報とに基づいて、前記航路方向に沿った前記計画航路に関連付けられた衝突リスク値を決定し、
    前記水上移動体が、前記計画航路に関連付けられた前記衝突リスク値に基づいて、前記計画航路から回避すべきか、前記計画航路上の航行を継続するかを判断する、
    を実行させるプログラム。
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