JP7333186B2 - 運転支援方法及び運転支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、運転支援方法及び運転支援装置に関する。
特許文献1には、運転者が集中力を欠いた漫然状態で自動運転から手動運転への切換を禁止する、すなわち運転権限を運転者が集中力を欠いた乗員に移譲させない運転支援装置が記載されている。
特開2016‐151815号公報
自動運転車両の技術の進展に伴い、運転席にいない乗員でも自動運転車両に対する操作指示が可能になる。すなわち、必ずしも運転者が運転席に座る必要は無くなる。
さらにアメリカ国家交通安全協会(NHTSA:National Highway Traffic Safety Administration)によって制定された自動運転レベル5では、自動運転車両に運転席を設ける必要もなくなる。
このため、自動運転車両に乗る乗員は、各々が着座する座席を替えることなく自動運転車両に対する操作権限を乗員間で移譲できる。しかしながら従来、運転支援装置と運転者との間での円滑な操作権限の移譲は考慮されていたが、複数の乗員間での操作権限の円滑な移譲に関しては考慮されていなかった。
本発明はこのような背景に鑑みてなされたものであり、自動運転車両に乗る複数の乗員間における自動運転車両に対する操作権限の円滑な移譲を目的とする。
本発明の一態様に係る運転支援方法では、コントローラが、自動運転車両の複数の乗員を認識する処理と、乗員毎に自動運転車両に対する操作権限の付与適格性を判定する処理と、乗員毎に付与適格性を表示装置に表示する処理とを実行する。
本発明の一態様によれば、自動運転車両に乗る複数の乗員間における自動運転車両に対する操作権限の移譲を円滑にすることができる。
本発明の実施形態の運転支援装置の一例の概略構成図である。 第1実施形態における付与適格性表示画像の一例を示す図である。 第1実施形態における付与適格性表示画像の一例を示す図である。 図1のコントローラの機能構成の一例を示すブロック図である。 第1実施形態の運転支援装置の動作の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態における付与適格性表示画像の一例を示す図である。 第1実施形態における付与適格性表示画像の一例を示す図である。 第1実施形態における付与適格性表示画像の一例を示す図である。 第1実施形態における付与適格性表示画像の一例を示す図である。 第2実施形態における付与適格性表示画像の一例を示す図である。 第2実施形態の運転支援装置の動作の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態における付与適格性表示画像の一例を示す図である。 第2実施形態における付与適格性表示画像の一例を示す図である。 第2実施形態における付与適格性表示画像の一例を示す図である。 第2実施形態における付与適格性表示画像の一例を示す図である。 第3実施形態における付与適格性の表示態様の一例を示す図である。 第3実施形態における付与適格性表示画像の一例を示す図である。 第4実施形態における付与適格性表示画像の一例を示す図である。 第4実施形態における付与適格性表示画像の一例を示す図である。 第4実施形態における付与適格性表示画像の一例を示す図である。 第4実施形態における付与適格性表示画像の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下に示す本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(第1実施形態)
(構成)
図1を参照する。運転支援装置1は、運転支援装置1を搭載する自動運転車両(以下、「自車両」と表記する)の周囲の走行環境に基づいて、運転者が関与せずに自車両を自動で運転する自動運転制御や、運転者による自車両の運転を支援する運転支援制御を行う。
運転支援制御には、自動操舵、自動ブレーキ、定速走行制御、車線維持制御、合流支援制御などの走行制御のほか、運転者に操舵操作や減速操作を促すメッセージを出力することを含んでよい。
運転支援装置1は、周囲環境センサ2と、地図データベース3と、車両センサ4と、乗員センサ5と、ユーザインタフェース6と、ナビゲーションシステム7と、コントローラ8と、車両制御アクチュエータ9を備える。図面において地図データベースを「地図DB」と表記する。
周囲環境センサ2は、自車両の周囲環境、例えば自車両の周囲の物体を検出するセンサ群である。
周囲環境センサ2は、例えば測距装置やカメラを含んでよい。
測距装置及びカメラは、自車両周囲に存在する物体、自車両と物体との相対位置、自車両と物体との距離等の自車両の周囲環境を検出する。
測距装置は、例えば、レーザレンジファインダ(LRF:Laser Range-Finder)やレーダであってよい。カメラは、例えばステレオカメラであってよい。
カメラは、単眼カメラであってもよく、単眼カメラにより複数の視点で同一の物体を撮影して、物体までの距離を計算してもよい。また、単眼カメラによる撮像画像から検出された物体の接地位置に基づいて、物体までの距離を計算してもよい。
周囲環境センサ2は、検出した周囲環境の情報である周囲環境情報をコントローラ8へ出力する。
地図データベース3は、自動運転用の地図として好適な高精度地図データ(以下、単に「高精度地図」という。)を記憶してよい。高精度地図は、ナビゲーション用の地図データ(以下、単に「ナビ地図」という。)よりも高精度の地図データであり、道路単位の情報よりも詳細な車線単位の情報を含む。
例えば、高精度地図は車線単位の情報として、車線基準線(例えば車線内の中央の線)上の基準点を示す車線ノードの情報と、車線ノード間の車線の区間態様を示す車線リンクの情報を含む。
車線ノードの情報は、その車線ノードの識別番号、位置座標、接続される車線リンク数、接続される車線リンクの識別番号を含む。車線リンクの情報は、その車線リンクの識別番号、車線の種類、車線の幅員、車線境界線の種類、車線の形状、車線区分線の形状、車線基準線の形状を含む。高精度地図は更に、車線上又はその近傍に存在する信号機、停止線、標識、建物、電柱、縁石、横断歩道等の地物の種類及び位置座標と、地物の位置座標に対応する車線ノードの識別番号及び車線リンクの識別番号等の、地物の情報を含む。
高精度地図は、車線単位のノード及びリンク情報を含むため、走行ルートにおいて自車両が走行する車線を特定可能である。高精度地図は、車線の延伸方向及び幅方向における位置を表現可能な座標を有する。高精度地図は、3次元空間における位置を表現可能な座標(例えば経度、緯度及び高度)を有し、車線や上記地物は3次元空間における形状として記述されてもよい。
車両センサ4は、自車両の走行状態を検出するセンサと、運転者により行われた運転操作を検出するセンサとを含む。
自車両の走行状態を検出するセンサには、車速センサと、加速度センサと、ジャイロセンサが含まれる。
運転操作を検出するセンサには、操舵角センサと、アクセルセンサと、ブレーキセンサが含まれる。なお、自車両に運転席が設けられない場合には、運転操作を検出するセンサを省略できる。
車速センサは、自車両の車輪速を検出し、車輪速に基づいて自車両の速度を算出する。
加速度センサは、自車両の前後方向の加速度、車幅方向の加速度及び上下方向の加速度を検出する。
ジャイロセンサは、ロール軸、ピッチ軸及びヨー軸を含む3軸回りの自車両の回転角度の角速度を検出する。
操舵角センサは、操舵操作子であるステアリングホイールの現在の回転角度(操舵操作量)である現在操舵角を検出する。
アクセルセンサは、自車両のアクセル開度を検出する。例えばアクセルセンサは、自車両のアクセルペダルの踏み込み量をアクセル開度として検出する。
ブレーキセンサは、運転者によるブレーキ操作量を検出する。例えばブレーキセンサは、自車両のブレーキペダルの踏み込み量をブレーキ操作量として検出する。
車両センサ4が検出した自車両の速度、加速度、角速度、操舵角、アクセル開度、ブレーキ操作量の情報を総称して「車両センサ情報」と表記する。車両センサ4は車両センサ情報をコントローラ8へ出力する。
乗員センサ5は、自車両に乗っている乗員及びその状態を検出するセンサである。乗員センサ5は、自車両に乗っている乗員やその周囲を撮影する車内カメラであってよい。また例えば、また、乗員センサ5は、乗員の体重や体表の動きを検出する圧力センサであってもよい。
乗員センサ5が撮影した映像、乗員の体重や体動の情報を総称して「乗員センサ情報」と表記する。乗員センサ5は、乗員センサ情報をコントローラ8へ出力する。
ユーザインタフェース6は、ナビゲーションシステム7及びコントローラ8と乗員との間で情報を授受するためのインタフェース装置である。ユーザインタフェース6は、運転支援装置1や自車両のインテリアに固定設置されていてもよく、運転支援装置1と別体の端末装置(例えばタブレット端末)であってもよい。
ユーザインタフェース6は、入力装置10及び表示装置11を備える。
入力装置10は、ナビゲーションシステム7及びコントローラ8への操作を受け付ける。入力装置10は、例えばボタン、ダイヤル、スライダなどであってよく、表示装置11に設けられたタッチパネルであってもよい。入力装置10は、乗員の音声による指示や情報入力を受け付けるマイクロフォンであってもよい。
表示装置11は、ナビゲーションシステム7及びコントローラ8により提供される様々な視覚的情報を出力する。
ナビゲーションシステム7は、全地球型測位システム(GNSS)受信機を備え、複数の航法衛星から電波を受信して自車両の現在位置を測定する。GNSS受信機は、例えば地球測位システム(GPS)受信機等であってよい。ナビゲーションシステム7は、例えばオドメトリにより自車両の現在位置を測定してもよい。
乗員がナビゲーションシステム7を操作して目的地を入力すると、ナビゲーションシステム7は、ダイキストラ法やA*などのグラフ探索理論に基づく手法により、現在位置から目的地まで自車両がこれから走行する予定経路を設定する。ナビゲーションシステム7は、設定した予定経路に基づく経路案内を乗員に提示する。
例えば、ナビゲーションシステム7は、予定経路と経路案内をユーザインタフェース6の表示装置11に表示してよい。
また、ナビゲーションシステム7は、設定した予定経路の情報と自車両の現在位置情報をコントローラ8へ出力する。
コントローラ8は、自車両の自動運転制御と運転支援制御を行う電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)である。コントローラ8は、プロセッサ12と、記憶装置13等の周辺部品とを含む。プロセッサ12は、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)であってよい。
記憶装置13は、半導体記憶装置、磁気記憶装置及び光学記憶装置のいずれかを備えてよい。記憶装置13は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでよい。
以下に説明するコントローラ8の機能は、例えばコントローラ8のプロセッサが、記憶装置に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
なお、コントローラ8を、以下に説明する各情報処理を実行するための専用のハードウエアにより形成してもよい。
例えば、コントローラ8は、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路を備えてもよい。例えばコントローラ8はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)等のプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD:Programmable Logic Device)等を有していてもよい。
コントローラ8は、周囲環境センサ2から入力した周囲環境情報と、地図データベース3に記憶される高精度地図(ナビゲーションシステム7が備えるナビ地図を使用してもよい、以下同様)と、車両センサ4から入力した車両センサ情報と、ナビゲーションシステム7から入力した自車両の現在位置と、に基づいて、ナビゲーションシステム7により設定された予定経路を自車両に走行させる運転行動計画を生成する。
ここで運転行動計画とは、自車両を走行させるレーン(車線)と、このレーンを走行させるのに要する運転行動とを定めた、中長距離の範囲におけるレーンレベル(車線レベル)での運転行動の計画である。例えば運転行動計画は、前方に存在する交差点を右折するシーンにおいて、交差点の手前何m地点で右折レーンに車線変更するか等の運転行動を定めた計画である。
そして、コントローラ8は、運転行動計画及び自車両の運動特性などに基づいて自車両を走行させるための軌道候補を生成する。コントローラ8は、軌道候補の各々の将来リスクを評価して、最適な軌道を選択し、自車に走行させる走行軌道として設定する。走行軌道は、目標操舵角のほか、速度計画やそのための加減速を含む。
コントローラ8は、設定した走行軌道を自車両が走行するように車両制御アクチュエータ9を駆動して自動的に自車両を走行させる。
車両制御アクチュエータ9は、コントローラ8からの制御信号に応じて、自車両の操舵機構、アクセル開度及びブレーキ装置を操作して、自車両の車両挙動を発生させる。車両制御アクチュエータ9は、例えば、ステアリングアクチュエータと、アクセル開度アクチュエータと、ブレーキ制御アクチュエータを備えてよい。
ステアリングアクチュエータは、自車両のステアリング機構の操舵方向及び操舵量を制御する。アクセル開度アクチュエータは、自車両のアクセル開度を制御する。ブレーキ制御アクチュエータは、自車両のブレーキ装置の制動動作を制御する。
次に、コントローラ8による自車両の自動運転制御に対する乗員による操作指示を説明する。
乗員は、コントローラ8による自動運転制御に対して様々な操作指示を行うことが可能である。自動運転制御に対する操作指示は、例えば、自車両の運転行動(例えば、前方の交差点の右左折、車線変更や加減速などの指示)や運転行動計画を指定する指示であってよい。
また例えば、自車両に対する操作指示は、自車両の目的地又は経由地を指定する指示であってもよい。例えば乗員は、運転行動、運転行動計画、目的地、経由地などを指定する操作指示を、入力装置10からコントローラ8に入力してよい。
また例えば、自車両に対する操作指示は、自車両の自動運転制御に対するオーバライド操作であってもよい。乗員は、例えばステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルによりオーバライド操作をコントローラ8に入力してよい。
コントローラ8は、乗員に付与されている自車両に対する操作指示の権限(以下、「操作権限」と表記する)を記憶する。
乗員による操作指示が行われた場合、コントローラ8は、操作指示を行った乗員に操作権限が付与されているか否かを判定する。
乗員に操作権限が付与されている場合には、操作指示に従って自車両の走行を制御する。すなわち、操作指示に従って運転行動、運転行動計画、目的地、又は経由地を設定する。若しくは、オーバライド操作に従って自車両の車両挙動を発生させる。反対に乗員に操作権限が付与されていない場合には操作指示を破棄する。
乗員に付与されている操作権限は、乗員の間で移譲することができる。操作権限の移譲は、例えば入力装置10を介してコントローラ8に指示できる。
操作権限の移譲が指示された場合、コントローラ8は、操作権限を付与される適格性(すなわち操作権限の付与適格性)を移譲先の乗員が持っているか否かを判定する。移譲先の乗員が付与適格性を有する場合に、コントローラ8は操作権限の移譲を許可する。移譲先の乗員が付与適格性を持たない場合に、コントローラ8は操作権限の移譲を禁止する。
コントローラ8は、乗員が自車両の周囲状況を確認できるか否かに応じて乗員の付与適格性、すなわち操作権限の付与適格があるか否かを判断する。
例えばコントローラ8は、乗員の属性に応じて乗員の付与適格性を判断する。乗員の属性とは、自車両の走行中に(例えば1トリップ中に)変わることがない乗員の性質を意味する。例えば、乗員が運転免許を有するか否かといった性質や、乗員が成人であるか子供であるかなどの性質であってよい。なお、乗員が運転免許を有するか否かは、乗員が乗車時に予め入力装置10を用いて乗員毎に運転免許の有無を入力して、入力した情報を不図示のメモリに記憶しておき、コントローラ8はメモリに記憶された情報を読み出して認識する事ができる。また、乗員が成人であるか子供であるかは運転免許の有無と同様、乗員が乗車時に予め入力装置10を用いて乗員毎に年齢や成人であるか子供であるかの種別を上記メモリに記憶しておき、当該メモリから読みだして認識しても良いし、あるいは乗員センサ5によって検出した体重や体格に基づいて認識しても良い。
また、コントローラ8は乗員の状態を推定する。乗員の属性と異なり、乗員の状態は自車両の走行中に(例えば1トリップ中に)変わりうる。
例えばコントローラ8は、乗員の状態として、乗員が集中力を有しているか又は集中力を欠いた漫然状態であるかを推定してよい。また、安心若しくは安定した状態であるか又は不安定若しくは不安な状態であるかを推定してよい。また、覚醒状態であるか又は睡眠状態であるかを推定してよい。また、自車両の走行に無関係な行為をしているか否かを推定してよい。
そしてコントローラ8は、乗員の状態に応じて乗員の付与適格性を判断する。
コントローラ8は、乗員の付与適格性を表示装置11に表示する。図2Aを参照する。乗員の付与適格性を表す付与適格性表示画像20は、乗員毎の付与適格性を示すアイコン21~24を含む。
アイコン21、22、23及び24は、それぞれ右前席、左前席、右後席及び左後席の乗員の付与適格性を示しており、表示装置11の表示画面上のアイコン21、22、23及び24の表示位置は、乗員の間の相対位置に応じて設定されている。例えば、乗員が座る座席の位置に応じて設定されている。
いずれかの座席に乗員が座っていない場合は、該当する位置にアイコンを表示しない。例えば図2Bの例では、右後席に乗員が座っていない状態を示す。
図2Aの付与適格性表示画像20の例では、実線で描かれたアイコン21、22及び23は、右前席、左前席及び右後席の乗員が付与適格を有することを示し、破線で描かれたアイコン24が左後席の乗員が付与適格を有さないことを示す。すなわち、線種を変えることによって付与適格性を表している。
また、斜線でハッチングされたアイコン21は、右前席の乗員に操作権限が付与されていることを示す。
このように、乗員毎の付与適格性を表示することにより、現在、操作権限が付与されている者は、誰に操作権限を移譲することができるのか容易に理解することができる。このため、操作権限の移譲が円滑になる。
なお、図2A及び図2Bに示す付与適格性表示画像20は一例であり、付与適格性の表示態様はこれに限定されない。例えば、アイコンの色、形状、大きさを変えることによって付与適格性や操作権限の有無を表してもよい。また、画像ではなく文字情報を表示することによって付与適格性や操作権限の有無を表してもよい。
次に図3を参照して、コントローラ8の機能を詳しく説明する。コントローラ8は、立体物行動予測部30と、マップ生成部31と、運転行動計画生成部32と、軌道生成部33と、走行制御部34と、周囲環境判定部40と、乗員情報取得部41と、乗員状態推定部42と、乗員属性判定部43と、付与適格性判定部44と、操作権限管理部45と、表示状態制御部46と、操作指示受付部47を備える。
立体物行動予測部30は、周囲環境センサ2から入力した周囲環境情報と、地図データベース3に記憶される高精度地図に基づいて、自車両周囲の移動体の行動を予測する。
マップ生成部31は、周囲環境情報と、高精度地図と、立体物行動予測部30による予測結果に基づいて、自車両周囲の経路や物体の有無を表現する経路空間マップと、走行場の危険度を数値化したリスクマップを生成する。
運転行動計画生成部32は、これら経路空間マップ及びリスクマップに基づいて運転行動計画を生成する。
軌道生成部33は、運転行動計画生成部32が生成した運転行動計画、自車両の運動特性、経路空間マップに基づいて自車両を走行させるための軌道候補を生成する。軌道生成部33は、リスクマップに基づいて軌道候補の各々の将来リスクを評価して、最適な軌道を選択し、自車に走行させる走行軌道として設定する。
走行制御部34は、軌道生成部33が設定した走行軌道を自車両が走行するように車両制御アクチュエータ9を駆動して自動的に自車両を走行させる。
周囲環境判定部40は、自車両周囲の環境を判定する。例えば周囲環境判定部40は、自車両の周囲に存在する周囲物体を識別し、周囲物体が存在する方向、周囲物体までの距離、周囲物体との相対距離、周囲物体の種類、属性(例えば静止物体であるか移動物体出るかや、車両であるか歩行者であるか等)を判定する。周囲環境判定部40は判定結果を乗員状態推定部42へ出力する。
乗員情報取得部41は、乗員センサ5からの乗員センサ情報や、乗員が入力装置10で入力した入力情報に基づいて乗員情報を取得し、乗員を認識する。
例えば乗員情報取得部41は、乗員センサ5が備える車内カメラで撮影した映像に基づいて、乗員の位置、人数、乗員の姿勢、乗員の視線の方向、顔の方向、開眼率、心拍、乗員の近くにある物体、成人であるか子供であるか等の情報を、乗員情報として取得してよい。
また例えば乗員情報取得部41は、乗員センサ5が備える圧力センサで検出した乗員の体重や体表の動きに基づいて、乗員の姿勢や心拍を乗員情報として取得してもよい。
また例えば乗員情報取得部41は、入力装置10による入力情報に基づいて、乗員の運転免許の有無や年齢を乗員情報として取得してもよい。乗員情報取得部41は、車内カメラにより運転免許証の画像を取得してもよい。
乗員情報取得部41は、取得した乗員情報を乗員状態推定部42と乗員属性判定部43へ出力する。
乗員状態推定部42は、周囲環境判定部40の判定結果と乗員情報取得部41が取得した乗員情報とに基づいて、乗員の状態、具体的には乗員が自車両の周囲状況を確認できる状態にあるか否か、すなわち操作権限を付与できる状態である否かを推定する。
例えば乗員状態推定部42は、周囲環境判定部40が識別した周囲物体の危険度を判断し、乗員の姿勢、乗員の視線の方向及び顔の方向に基づいて、危険度の高い周囲物体に乗員が適切に反応しているか否かを判断する。
危険度の高い周囲物体に乗員が適切に反応している場合に、乗員状態推定部42は、乗員が集中力を有しており、自車両の周囲状況を確認できる状態にあると推定する。危険度の高い周囲物体に乗員が適切に反応していない場合に、乗員状態推定部42は、乗員が集中力を欠いた漫然状態にあり、自車両の周囲状況を確認できる状態にないと推定する。
また例えば乗員状態推定部42は、乗員の開眼率に基づいて乗員が集中力を有しているか漫然状態にあるかを判定し、自車両の周囲状況を確認できる状態にあるか否かを推定する。
また例えば乗員状態推定部42は、乗員の心拍数が閾値を超えていたり又は心拍が安定していない場合は、乗員が不安定又は不安な状態であり自車両の周囲状況を確認できる状態にないと推定する。乗員の心拍数が閾値以下であり且つ心拍が安定している場合は、乗員が安定又は安心な状態であり自車両の周囲状況を確認できる状態にあると推定する。
また例えば乗員状態推定部42は、乗員の画像に基づいて乗員が覚醒状態にあるか睡眠状態にあるかを判定し、自車両の周囲状況を確認できる状態にあるか否かを推定する。
また例えば乗員状態推定部42は、乗員の画像や、乗員の周囲にある物体(例えば、スマートホン、ゲーム、本、飲食物)に基づいて、自車両の走行に無関係な行為を乗員がしているかを判断する。
自車両の走行に無関係な行為は、例えばスマートホンの操作、ゲーム、読書、飲食であってよい。これらの行為を行っている場合、乗員状態推定部42は、乗員が自車両の周囲状況を確認できる状態にないと推定する。
乗員状態推定部42は、推定結果を付与適格性判定部44へ出力する。
乗員属性判定部43は、乗員情報取得部41が取得した乗員情報に基づいて乗員の属性、具体的には操作権限を付与できる属性を乗員が有しているか否かを判定する。
操作権限を付与できる属性は、例えば運転免許の所有や成人であること等を含んでよい。操作権限を付与できない属性は、例えば運転免許の未所有や子供であること等を含んでよい。
例えば、乗員属性判定部43は、入力装置10による入力情報に基づいて乗員が運転免許を有しているか否かを判定する。乗員属性判定部43は、乗員情報取得部41が取得した運転免許証の画像に基づいて、乗員が運転免許を有しているか否かを判定してもよい。
また、乗員属性判定部43は、入力装置10による入力情報に基づいて乗員が成人であるか子供であるかを判定する。
乗員情報取得部41が画像から乗員が成人であるか子供であるかの情報を取得した場合、乗員属性判定部43は、この情報を乗員情報取得部41から取得してもよい。
乗員属性判定部43は、判定結果を付与適格性判定部44へ出力する。
付与適格性判定部44は、乗員状態推定部42が推定した乗員の状態と、乗員属性判定部43が判定した乗員の属性に基づいて、乗員毎の付与適格性を判定する。
乗員が自車両の周囲状況を確認できる状態、すなわち操作権限を付与できる状態であると推定され、かつ操作権限を付与できる属性を有すると判定された場合に、付与適格性判定部44は、乗員は付与適格性を有すると判定する。
乗員が自車両の周囲状況を確認できる状態、すなわち操作権限を付与できる状態でないと推定されるか、操作権限を付与できない属性を有すると判定された場合に、付与適格性判定部44は、乗員は付与適格性を有しないと判定する。
付与適格性判定部44は、判定結果を操作権限管理部45と表示状態制御部46に出力する。
操作権限管理部45は、乗員に付与されている操作権限を記憶する。すなわちどの乗員に操作権限が付与されているかを記憶する。
操作権限管理部45は、操作権限が付与されている乗員の情報を表示状態制御部46と操作指示受付部47へ出力する。
乗員が操作権限の移譲を指示した場合に、操作権限管理部45は、付与適格性判定部44の判定結果に基づいて、移譲先の乗員に付与適格があるか否かを判定する。
移譲先の乗員に付与適格性がある場合、操作権限管理部45は、操作権限の移譲を許可する。操作権限管理部45は、移譲先の乗員を、新たに操作権限が付与された乗員として記憶する。操作権限管理部45は、新たに操作権限が付与された乗員の情報を操作権限管理部45と表示状態制御部46に出力する。
移譲先の乗員に付与適格がない場合、操作権限管理部45は、操作権限の移譲を禁止する。
表示状態制御部46は、付与適格性判定部44の判定結果と、操作権限が付与されている乗員の情報に基づいて、付与適格性表示画像20(図2A、図2Bを参照)を生成し、表示装置11に表示する。
操作指示受付部47は、自車両の自動運転制御に対する乗員による操作指示があった場合に、操作指示を行った乗員に操作権限が付与されているか否かを判定する。
乗員に操作権限が付与されている場合には、操作指示に従って自車両の走行を制御する。すなわち、操作指示に従って運転行動、運転行動計画、目的地、又は経由地を設定する。若しくは、オーバライド操作に従って自車両の車両挙動を発生させる。反対に乗員に操作権限が付与されていない場合には、操作指示を破棄する。
(動作)
次に、図4を参照して、第1実施形態の運転支援装置1の動作を説明する。
ステップS1において乗員センサ5は、乗員を検出する。乗員情報取得部41は、乗員センサ5からの乗員センサ情報や、乗員が入力装置10で入力した入力情報に基づいて乗員情報を取得し、乗員を認識する。
乗員状態推定部42は、周囲環境判定部40の判定結果と乗員情報取得部41が取得した乗員情報とに基づいて、乗員の状態を推定する。
また、乗員属性判定部43は、乗員情報取得部41が取得した乗員情報に基づいて乗員の属性を判定する。
ステップS2において付与適格性判定部44は、乗員状態推定部42が推定した乗員の状態と、乗員属性判定部43が判定した乗員の属性に基づいて、乗員毎の付与適格性を判定する。
ステップS3において表示状態制御部46は、付与適格性判定部44の判定結果と、操作権限が付与されている乗員の情報に基づいて、付与適格性表示画像20を生成して表示装置11に表示する。
例えば、ステップS1において、右前席にのみ乗員が乗っており、他の乗員がいないと認識された場合(すなわち乗員が1名の場合)、付与適格性表示画像20は図5Aに示すような画像となる。
また、複数の乗員が乗っているが、ステップS2において右前席の乗員だけが付与適格を有すると判断された場合には、付与適格性表示画像20は図5Bに示すような画像となる。
また、右前席の乗員だけでなく、左前席及び右後席の乗員も付与適格を有し、左後席の乗員が付与適格を持たないと判断された場合には、付与適格性表示画像20は図2Aに示すような画像となる。
図4を参照する。ステップS4において表示状態制御部46は、操作権限の移譲が発生したか否かを判断する。操作権限の移譲が発生した場合(ステップS4:Y)に処理はステップS5へ進む。操作権限の移譲が発生しない場合(ステップS4:N)に処理はステップS8へ進む。
ステップS5において表示状態制御部46は、付与適格性表示画像20における操作権限の付与状態の表示を変更する。
例えば、右前席の乗員から左前席の乗員へ操作権限が付与された場合、表示状態制御部46は、図2Aに示す付与適格性表示画像20を図5Cに示す付与適格性表示画像20へ変更する。すなわち操作権限が付与されていることを示す斜線のハッチングは、右前席の付与適格性を示すアイコン21から、左前席の付与適格性を示すアイコン22へ移る。
図4を参照する。ステップS6において付与適格性判定部44は、ステップS4における操作権限の移譲が発生する前に操作権限が付与されていた乗員(以下「前権限保持者」と記載する)の付与適格性を判断する。
ステップS7において表示状態制御部46は、ステップS6の判断結果に応じて、前権限保持者の付与適格性を付与適格性表示画像20上に表示する。
操作権限の移譲が発生した後も前権限保持者が付与適格を有する場合には、付与適格性表示画像20は図5Cに示す画像のまま変わらず、右前席の前権限保持者の付与適格性を示すアイコン21は実線で描画される。
一方で、操作権限の移譲が発生した後に(例えば前権限保持者の状態の変化により)付与適格を失った場合には、付与適格性表示画像20は図5Dに示すように変化する。すなわち、右前席の前権限保持者の付与適格性を示すアイコン21は、破線で描かれ付与適格を有さないことを示している。
図4を参照する。ステップS8において操作指示受付部47は、自車両の自動運転制御に対する乗員による操作指示があったか否かを判断する。操作指示があった場合(ステップS8:Y)に処理はステップS9へ進む。操作指示がない場合(ステップS8:N)に処理はステップS11へ進む。
ステップS9において操作指示受付部47は、操作権限を所有する乗員が行った操作指示であるか、すなわち、操作指示を行った乗員に操作権限が付与されているか否かを判定する。
操作権限を所有する乗員が行った操作指示である場合(ステップS9:Y)に処理はステップS10へ進む。ステップS10において操作指示受付部47は、操作指示に従って自車両の走行を制御する。
操作権限を所有する乗員が行った操作指示でない場合(ステップS9:N)に処理は、操作指示に従わずにステップS11へ進む。すなわち操作指示は破棄される。
ステップS11において自車両のイグニッションスイッチ(IGN)がオフになったか否かを判定する。イグニッションスイッチがオフになっていない場合(ステップS11:N)に処理はステップS1へ戻る。イグニッションスイッチがオフになった場合(ステップS11:Y)に処理は終了する。
(第1実施形態の効果)
(1)コントローラ8は、自動運転車両である自車両の複数の乗員を認識する処理と、乗員毎に自車両に対する操作権限の付与適格性を判定する処理と、乗員毎に付与適格性を表示装置11に表示する処理とを実行する。
これにより、現在、操作権限が付与されている者は、誰に操作権限を移譲することができるのか容易に理解することができる。このため、操作権限の移譲が円滑になる。
(2)乗員毎の付与適格性を表示するアイコン21~24の表示装置11上の表示位置は、複数の乗員間の相対位置に応じて設定されてよい。
これにより、操作権限を移譲できる乗員がどの座席に座っているか容易に理解することができる。このため、操作権限の移譲が円滑になる。
(3)コントローラ8は、複数の乗員のうち操作権限が付与されている乗員を表示装置11に表示する処理を実行してよい。
これにより、乗員は、現在どの乗員に操作権限が付与されているか容易に理解することができる。例えば、乗員は自分に操作権限が付与されているか否かを容易に確認できる。このため、操作権限の移譲が円滑になる。
(第2実施形態)
次に第2実施形態を説明する。第2実施形態の運転支援装置1の表示状態制御部46は、乗員属性判定部43により判定された乗員の属性を付与適格性表示画像20上に付与適格性として表示する。すなわち、乗員が操作権限を付与できる属性を有するか否かを、付与適格性として表示する。
また、第2実施形態の運転支援装置1の表示状態制御部46は、乗員状態推定部42により推定された乗員の状態を付与適格性表示画像20上に付与適格性として表示する。すなわち、乗員が操作権限を付与できる状態であるか否かを、付与適格性として表示する。
図6を参照する。一点鎖線で描かれたアイコン23は、右後席の乗員が操作権限を付与できる属性を有していないため、付与適格を有さないことを示す。
破線で描かれたアイコン24は、左後席の乗員が操作権限を付与できる属性を有しているが、操作権限を付与できる状態でないため、付与適格を有さないことを示す。
実線で描かれたアイコン21及び22は、右前席及び左前席の乗員が、操作権限を付与できる属性を有し、且つ操作権限を付与できる状態にあるため、付与適格を有することを示す。
このように、操作権限を付与できる属性を有さない乗員と、操作権限を付与できる属性を有するが操作権限を付与できる状態でない乗員とを区別して表示することにより、状態が変化すれば操作権限を付与できる可能性がある乗員を容易に理解することができる。
これにより、操作権限を付与できる状態でない乗員の状態を、操作権限を付与できる状態へ変化させて、操作権限を移譲することが可能になる。
例えば、眠っている乗員を覚醒させることにより付与適格を持たせて操作権限を移譲することができる。また例えば、自車両の走行に無関係な行為(例えば、スマートホンの操作、ゲーム、読書、飲食)を止めさせて付与適格を持たせ、操作権限を移譲することができる。これにより、操作権限の移譲が円滑になる。
図7を参照して、第2実施形態の運転支援装置1の動作を説明する。
ステップS20の動作は、図4に示すステップS1の動作と同様である。
ステップS21において乗員属性判定部43は、乗員情報取得部41が取得した乗員情報に基づいて、操作権限を付与できる属性を乗員が有するか否かを判定する。
ステップS22において乗員状態推定部42は、周囲環境判定部40の判定結果と乗員情報取得部41が取得した乗員情報とに基づいて、乗員が操作権限を付与できる状態にあるか否かを推定する。
ステップS23において表示状態制御部46は、乗員の属性及び状態を付与適格性として表示する。
例えば、右前席の乗員のみ付与適格を有し、他の乗員が全て操作権限を付与できる属性を持たない場合、付与適格性表示画像20は図8Aに示すような画像となる。
また、全ての乗員が操作権限を付与できる属性を有するが、右前席の乗員のみが上差権限を付与できる状態にあり、他の乗員が全て操作権限を付与できる状態にない場合、付与適格性表示画像20は図8Bに示すような画像となる。
また、右前席、左前席、左後席の乗員が付与適格を有し、右後席の乗員が操作権限を付与できる属性を持たず、左後席の乗員が操作権限を付与できる状態でない場合、付与適格性表示画像20は図6に示すような画像となる。
図7を参照する。その後のステップS24及びS25の動作は、図4に示すステップS4及びS5の動作と同様である。
右前席の乗員から左前席の乗員へ操作権限が付与された場合、表示状態制御部46は図6に示す付与適格性表示画像20を、図8Cに示す付与適格性表示画像20へ変更する。
図7を参照する。ステップS26において乗員状態推定部42は、前権限保持者が操作権限を付与できる状態にあるか否かを推定する。
ステップS27において表示状態制御部46は、ステップS26の判断結果に応じて、前権限保持者の状態を付与適格性表示画像20上に表示する。
操作権限の移譲が発生した後に、前権限保持者が操作権限を付与できる状態でなくなった場合には、付与適格性表示画像20は図8Dに示すように変化する。右前席の前権限保持者の付与適格性を示すアイコン21は、破線で描かれ操作権限を付与できる状態でないことを示している。
操作権限の移譲が発生した後も、前権限保持者が操作権限を付与できる状態である場合には、付与適格性表示画像20は図8Cに示す画像のまま替わらない。
図7を参照する。その後のステップS28~S31の動作は、図4に示すステップS8~S11の動作と同様である。
(第2実施形態の効果)
(1)コントローラ8は、複数の乗員の各々の状態を推定する処理と、操作権限を付与できる状態であるか否かを付与適格性として表示する処理を実行する。
これにより、他の乗員が操作権限を付与できる状態にないために付与適格を有さないが、状態を変化させることにより操作権限を移譲することができることを、容易に判断することができる。このため、操作権限の移譲が円滑になる。
(2)コントローラ8は、複数の乗員の各々の属性を判定する処理と、操作権限を付与できる属性を有するか否かを付与適格性として表示する処理を実行する。これにより、状態が変化しても付与適格を持てない属性の乗員であるか否かを容易に判断できる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態の運転支援装置1の操作権限管理部45は、自車両の自動運転制御に対する操作指示の操作権限を分割して、複数の乗員に付与できる。
例えば、操作指示に対するタイムプレッシャーの強さ(すなわち時間制限の厳しさ)に応じて操作指示を分類し、タイムプレッシャーの強い操作指示を行う操作権限と、タイムプレッシャーの弱い操作指示を行う操作権限と、中程度のタイムプレッシャーの操作指示を行う操作権限とを定義してよい。
タイムプレッシャーの強い操作指示の一例は、自車両の運転行動や運転行動計画を設定する操作指示であり、タイムプレッシャーの弱い操作指示の一例は、自車両の目的地を設定する操作指示であり、中程度のタイムプレッシャーの操作指示の一例は、経由地を設定する操作指示である。
操作権限管理部45は、これらの操作権限を複数の乗員に分割して付与してよい。
付与適格性判定部44は、乗員の状態に応じて乗員に付与できる操作権限の範囲を判定する。
例えば、集中力を有している乗員には全ての範囲の操作権限を付与できると判定し、自車両の走行に無関係な行為をしている乗員には、タイムプレッシャーの弱い操作指示の操作権限しか付与できないと判定してよい。
漫然状態、不安定又は不安な状態の乗員には、中程度のタイムプレッシャーの操作指示まで含む操作権限(すなわち、中程度のタイムプレッシャーの操作指示とタイムプレッシャーの弱い操作指示の操作権限)を付与できると判定してよい。
表示状態制御部46は、付与適格性表示画像20を表示する際に、付与適格性を表すアイコン21~24を変更することにより乗員に付与できる操作権限の範囲を表示する。
図9Aを参照する。例えば、表示状態制御部46は、アイコン21~24を円形、及び中心角が異なる扇型とすることにより、操作権限の範囲を区別してよい。
例えば完全な円形のアイコン50は、全範囲の操作権限を示し、中心角が比較的小さいアイコン52は、タイムプレッシャーの弱い操作指示のみ含む範囲の操作権限を示し、中心角が比較的大きいアイコン51は、タイムプレッシャーの弱い操作指示と中程度のタイムプレッシャーの操作指示を含む範囲の操作権限を示す。
また、操作権限が分割されて複数の乗員に付与されている場合、表示状態制御部46は、乗員に付与されている操作権限の範囲を付与適格性表示画像20上に表示する。
図9Bの付与適格性表示画像20は、タイムプレッシャーの弱い操作指示の操作権限のみが左前席の乗員に付与され、残りの範囲の操作権限が右前席の乗員に付与されている状態を示す。
なお、図9A及び図9Bに示す表示態様は一例であり、操作権限の範囲の表示態様はこれに限定されない。例えば、アイコンの色、線種、大きさを変えることによって操作権限の範囲や種類を表してもよい。また、画像ではなく文字情報を表示することによって操作権限の範囲や種類を表してもよい。
(第3実施形態の効果)
コントローラ8は、乗員に付与できる操作権限の範囲又は乗員に付与されている操作権限の範囲を表示装置11に表示する処理を実行する。これにより、操作権限の部分的な移譲が可能になる。また、他の乗員に移譲できる操作権限の範囲や、他の乗員に現在付与されている操作権限の範囲の理解が容易になる。このため、操作権限の移譲が円滑になる。
(第4実施形態)
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態の運転支援装置1は、表示装置11が乗員毎に個別に設けられる。すなわち、複数個の表示装置11が設けられ、表示装置11が座席毎に個別に設けられる。ただし、全ての座席に表示装置11が設けられていなくてもよく、一部の複数の乗員のみに対して表示装置11を各々設けてもよい。すなわち一部の複数の座席(例えば左前席及び右前席)のみに表示装置11を各々設けてもよい。
表示状態制御部46は、表示装置11を見る乗員の付与適格性が、表示装置11に表示された複数の乗員の付与適格性のうちのどれであるかを表示する。すなわち、各座席に設けられた表示装置11に表示された付与適格性表示画像20には、その座席に座る乗員の付与適格性が、表示装置11に表示された複数の乗員の付与適格性のうちのどれであるかを表示する。
例えば表示状態制御部46は、乗員の付与適格性を示すアイコン21~24の付与適格性表示画像20上の表示位置を、乗員が座る座席の位置に応じて設定し、付与適格性表示画像20上に表示装置11が設けられた座席の位置を表示してよい。図10A~図10Dを参照する。
図10A、図10B、図10C及び図10Dは、それぞれ右前席、左前席、右後席及び左後席に設けられた表示装置11に表示される付与適格性表示画像20A、20B、20C及び20Dを示す。
右前席に設けられた表示装置11に表示される付与適格性表示画像20Aには右前席を示す網掛けのハッチングが表示され、左前席に設けられた表示装置11に表示される付与適格性表示画像20Bには左前席を示す網掛けのハッチングが表示される。
また右後席に設けられた表示装置11に表示される付与適格性表示画像20Cには右後席を示す網掛けのハッチングが表示され、左後席に設けられた表示装置11に表示される付与適格性表示画像20Dには左後席を示す網掛けのハッチングが表示される。
なお、図10A、図10B、図10C及び図10Dに示す表示態様は、一例であり、他の様々な表現形式を用いることができる。
(第4実施形態の効果)
表示装置11は乗員に個別に設けられる。コントローラ8は、表示装置11を見る乗員の付与適格性が、表示装置に表示された複数の乗員の付与適格性のうちのどれであるかを表示する処理を実行する。
これにより、自分の付与適格性を容易に把握できる。また、自分を中心とする位置関係の把握が容易になることにより、他の乗員の付与適格性の把握も容易になる。
1…運転支援装置、2…周囲環境センサ、3…地図データベース、4…車両センサ、5…乗員センサ、6…ユーザインタフェース、7…ナビゲーションシステム、8…コントローラ、9…車両制御アクチュエータ、10…入力装置、11…表示装置、12…プロセッサ、13…記憶装置、20、20A~20D…付与適格性表示画像、21~24、50~52…アイコン、30…立体物行動予測部、31…マップ生成部、32…運転行動計画生成部、33…軌道生成部、34…走行制御部、40…周囲環境判定部、41…乗員情報取得部、42…乗員状態推定部、43…乗員属性判定部、44…付与適格性判定部、45…操作権限管理部、46…表示状態制御部、47…操作指示受付部

Claims (8)

  1. コントローラが、
    自動運転車両の複数の乗員を認識する処理と、
    前記乗員毎に前記自動運転車両に対する自動運転制御の操作指示の権限である操作権限の付与適格性を判定する処理と、
    前記乗員毎に前記付与適格性を表示装置に表示する処理と、
    前記操作指示に対する時間制限の厳しさに応じて分類分けされた前記操作指示の分類のうち、前記複数の乗員に前記操作権限を付与できる前記操作指示の分類を判定することにより、前記複数の乗員にそれぞれ付与する前記操作権限の範囲を判定する処理と、
    前記複数の乗員にそれぞれ付与されている前記操作権限の各々の範囲を前記表示装置に表示する処理と、
    を実行することを特徴とする運転支援方法。
  2. 前記コントローラは、
    前記複数の乗員の各々の状態を推定する処理と、
    前記操作権限を付与できる状態であるか否かを前記付与適格性として表示する処理と、
    を実行することを特徴とする請求項1に記載の運転支援方法。
  3. 前記コントローラは、
    前記複数の乗員の各々の属性を判定する処理と、
    前記操作権限を付与できる属性を有するか否かを前記付与適格性として表示する処理と、
    を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の運転支援方法。
  4. 前記乗員毎の前記付与適格性を表示する前記表示装置上の表示位置は、前記複数の乗員間の相対位置に応じて設定されることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の運転支援方法。
  5. 前記コントローラは、前記複数の乗員のうち前記操作権限が付与されている乗員を前記表示装置に表示する処理を実行することを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の運転支援方法。
  6. 前記表示装置は前記乗員に個別に設けられ、
    前記コントローラは、前記表示装置を見る前記乗員の前記付与適格性が、前記表示装置に表示された前記複数の乗員の前記付与適格性のうちのどれであるかを表示する処理を実行する、
    ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の運転支援方法。
  7. 前記コントローラは、前記乗員に付与できる前記操作権限の範囲を前記表示装置に表示する処理を実行することを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の運転支援方法。
  8. 表示装置と、
    自動運転車両の複数の乗員を認識し、前記乗員毎に前記自動運転車両に対する自動運転制御の操作指示の権限である操作権限の付与適格性を判定し、前記乗員毎に前記付与適格性を前記表示装置に表示し、前記操作指示に対する時間制限の厳しさに応じて分類分けされた前記操作指示の分類のうち、前記複数の乗員に前記操作権限を付与できる前記操作指示の分類を判定することにより、前記複数の乗員にそれぞれ付与する前記操作権限の範囲を判定し、前記複数の乗員にそれぞれ付与されている前記操作権限の各々の範囲を前記表示装置に表示するコントローラと、
    を備えることを特徴とする運転支援装置。
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