JP2023180047A - システム、超臨界射出成形支援方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】基準金型での試作結果および一般材料情報を基にSCF入り材料情報を生成することで、任意の金型形状に適した超臨界射出成形条件を算出することができるシステムを提供する。【解決手段】1以上のプロセッサと、1以上のメモリリソースと、を有するシステムであって、前記メモリリソースは、SCFを含まない材料に関する一般材料情報と、SCF入り材料を用いた基準金型による試作結果である基準金型試作結果情報と、成形解析を実行する成形解析実行プログラムと、SCF入り材料情報を生成する材料情報生成プログラムとを記憶し、成形解析実行プログラムは、一般材料情報に基づき生成した任意のSCF入り材料情報を用いて成形解析処理を行い、材料情報生成プログラムは、成形解析処理で生成した基準金型解析結果情報と、基準金型試作結果情報との比較に基づき任意のSCF入り材料情報を変更することで、正しい値のSCF入り材料情報を生成する。【選択図】図1
Description
本発明は、システム、超臨界射出成形支援方法およびプログラムに関する。
射出成形機における射出成形を解析することにより、量産成形の成形条件を得る技術は、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1の技術では、CAE(Computer Aided Engineering)よる樹脂流動の解析結果を利用することにより、成形条件の射出圧力カーブを得ている。
具体的には、特許文献1には、「CAE等により金型内の樹脂流動解析を行い樹脂流入口での樹脂圧力カーブPs、又は、成形機のノズル端部での樹脂圧力カーブPnを得る。ノズルを金型から離脱させた状態で射出(エアショット)を行い、そのとき検出される射出圧力カーブPaを得る。射出圧力カーブPaと樹脂圧力カーブPs又はPnにより、量産時の成形条件としての射出圧力指令カーブPを得る。樹脂流動解析によって得られた樹脂圧力カーブPs、Pnに対して、エアショットの射出圧力カーブPaにより、射出成形機の機械要素による時間遅れ、圧力ロスを補い、簡単に量産成形の成形条件を得ることができる。また、ノズル部の圧力損失Plossをも求めて、Ploss、Pa、Psによって射出圧力指令カーブPを得る。」と記載されている。
近年、バイオプラスチック等の低流動性樹脂を原材料に用いた射出成形による製品製造が増加傾向にある。このような低流動性樹脂を用いた射出成形では、成形前の溶融樹脂中にSCF(Supercritical Fluid:超臨界流体)を注入して溶解させることで、成形中の樹脂の流動性を高めると共に、金型への密着性を向上させて、成形品の品質を改善する超臨界射出成形プロセスが採用される。
一方で、SCFの注入量など、通常の射出成形にはない成形パラメータを考慮する必要があるため、成形条件の適正化に時間を要する、という課題がある。
なお、特許文献1に記載される技術では、樹脂流動解析によって得られた樹脂流入口の樹脂圧力カーブに対して、エアショットの射出圧力カーブを用いて射出成形機の機械要素による時間遅れと圧力遅れを補うことにより、量産成形時の成形条件を得ている。すなわち、特許文献1の技術では、溶融樹脂にSCF(超臨界流体)が混合されることによる特性の変化は考慮されておらず、超臨界射出成形プロセスに適した成形条件を得ることが難しいと考えられる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、基準金型での試作結果および一般材料情報を基にSCF入り材料情報を生成することで、任意の金型形状に適した超臨界射出成形条件を算出することを目的とする。
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記の課題を解決する本発明の一態様に係るシステムは、1以上のプロセッサと、1以上のメモリリソースと、を有するシステムであって、前記メモリリソースは、SCF(Supercritical Fluid:超臨界流体)を含まない材料に関する一般材料情報と、SCF入り材料を用いた基準金型による試作結果である基準金型試作結果情報と、成形解析を実行する成形解析実行プログラムと、SCF入り材料情報を生成する材料情報生成プログラムと、を記憶し、前記成形解析実行プログラムは、一般材料情報に基づき生成した任意のSCF入り材料情報を用いて成形解析処理を行い、前記材料情報生成プログラムは、前記成形解析処理で生成した基準金型解析結果情報と、前記基準金型試作結果情報と、の比較に基づき前記任意のSCF入り材料情報を変更することで、正しい値のSCF入り材料情報を生成する。
本発明によれば、基準金型での試作結果および一般材料情報を基にSCF入り材料情報を生成することで、任意の金型形状に適した超臨界射出成形条件を算出することができる。
以下、本発明の各実施形態について図面を用いて説明する。
<第一実施形態>
本実施形態に係るシステム(プロセッサシステム100)は、超臨界射出成形を支援するシステムである。具体的には、本システム100は、SCF(Supercritical Fluid:超臨界流体)入り材料情報の生成と、当該情報を用いた射出成形条件の算出と、により超臨界射出成形を支援するものである。
本実施形態に係るシステム(プロセッサシステム100)は、超臨界射出成形を支援するシステムである。具体的には、本システム100は、SCF(Supercritical Fluid:超臨界流体)入り材料情報の生成と、当該情報を用いた射出成形条件の算出と、により超臨界射出成形を支援するものである。
より具体的には、本システム100は、一般材料情報に基づく任意のSCF入り材料情報を生成し、生成した当該情報や任意の射出成形条件などを入力とする成形解析処理を行う。また、本システム100は、解析結果を基準金型での試作結果と比較して、試作結果と解析結果との一致度が所定範囲に収まるまで任意のSCF入り材料情報における流動性などの値を繰り返し変更することで、適切なSCF入り材料情報を生成する。
また、本システム100は、生成したSCF入り材料情報と、成形品の金型形状と、任意の射出成形条件と、に基づく品質の解析処理を行う。また、本システム100は、品質の解析結果が品質基準を満たすまで射出成形条件を繰り返し変更することで、SCF入り材料を用いた際の適切な射出成形条件を算出する。
このように、本システム100は、基準金型での試作結果および一般材料情報に基づいて正規(正しい値)のSCF入り材料情報を生成することで、任意の金型形状に適した超臨界射出成形条件を算出することができる。
<プロセッサシステム100の構成>
図1は、プロセッサシステム100の概略構成の一例を示した図である。図示するように、本システム100は、例えば通信ケーブルや所定の通信ネットワーク(例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)あるいはWAN(Wide Area Network)など)Nにより外部装置10と相互通信可能に接続されている。
図1は、プロセッサシステム100の概略構成の一例を示した図である。図示するように、本システム100は、例えば通信ケーブルや所定の通信ネットワーク(例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)あるいはWAN(Wide Area Network)など)Nにより外部装置10と相互通信可能に接続されている。
<<外部装置10>>
外部装置10は、プロセッサシステム100への入力情報を送信する装置である。また、外部装置10は、プロセッサシステム100で生成された情報を取得する装置でもある。具体的には、外部装置10は、一般材料情報などプロセッサシステム100で実行される処理に用いられる各種の情報をプロセッサシステム100へ送信する。また、外部装置10は、プロセッサシステム100で生成されたSCF入り材料情報および算出された射出成形条件をプロセッサシステム100から取得する。
外部装置10は、プロセッサシステム100への入力情報を送信する装置である。また、外部装置10は、プロセッサシステム100で生成された情報を取得する装置でもある。具体的には、外部装置10は、一般材料情報などプロセッサシステム100で実行される処理に用いられる各種の情報をプロセッサシステム100へ送信する。また、外部装置10は、プロセッサシステム100で生成されたSCF入り材料情報および算出された射出成形条件をプロセッサシステム100から取得する。
<<プロセッサシステム100の詳細>>
プロセッサシステム100は、メモリリソース40に格納された各種プログラムをプロセッサ30が読み込むことにより、SCF入り材料情報生成処理や射出成形条件算出処理を実行する。
プロセッサシステム100は、メモリリソース40に格納された各種プログラムをプロセッサ30が読み込むことにより、SCF入り材料情報生成処理や射出成形条件算出処理を実行する。
なお、プロセッサシステム100は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン、サーバ計算機およびクラウドサーバなどの計算機であり、少なくともこれら計算機を1つ以上含むシステムである。
具体的には、プロセッサシステム100は、プロセッサ30と、メモリリソース40と、NI(Network Interface Device)50と、UI(User Interface Device)60と、を有している。
プロセッサ30は、メモリリソース40に格納されている各種プログラムを読み込んで、各プログラムに対応する処理を実行する演算装置である。なお、プロセッサ30は、マイクロプロセッサ、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、あるいはその他の演算できる半導体デバイス等が一例として挙げられる。
メモリリソース40は、各種情報を記憶する記憶装置である。具体的には、メモリリソース40は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの不揮発性あるいは揮発性の記憶媒体である。なお、メモリリソース40は、例えばフラッシュメモリ、ハードディスクあるいはSSD(Solid State Drive)などの書き換え可能な記憶媒体や、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカードおよびハードディスクであっても良い。
NI50は、外部装置10との間で情報通信を行う通信装置である。NI50は、例えばLANやインターネットなど所定の通信ネットワークNを介して外部装置10との間で情報通信を行う。なお、以下で特に言及しない場合、プロセッサシステム100と外部装置10との情報通信は、NI50を介して実行されているものとする。
UI60は、ユーザ(オペレータ)の指示をプロセッサシステム100に入力する入力装置、および、プロセッサシステム100で生成した情報等を出力する出力装置である。入力装置には、例えばキーボード、タッチパネル、マウスなどのポインティングデバイスや、マイクロフォンのような音声入力装置などがある。
また、出力装置には、例えばディスプレイ、プリンター、音声合成装置などがある。なお、以下で特に言及しない場合は、プロセッサシステム100に対するユーザの操作(例えば、情報の入力、出力および処理の実行指示など)は、UI60を介して実行されているものとする。
また、本システム100の各構成、機能、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。また、本システム100は、各機能の一部または全部を、ソフトウェアにより実現することもできるし、ソフトウェアとハードウェアとの協働により実現することもできる。また、本システム100は、固定的な回路を有するハードウェアを用いても良いし、少なくとも一部の回路を変更可能なハードウェアを用いてもよい。
また、本システム100は、各プログラムにより実現される機能や処理の一部または全部をユーザ(オペレータ)が実施することで、システムを実現することもできる。
なお、以下で説明するメモリリソース40内のDB(データベース)や各種の情報は、データを格納できる領域であれば、ファイル等やデータベース以外のデータ構造であっても良い。
<<一般材料情報DB110>>
一般材料情報DB110は、複数の材料型番に対応する一般材料情報が格納されているデータベースである。ここで、一般材料情報とは、既存の流動解析ソフトや材料データベース等に登録された既知の情報であって、例えば材料型番に対応する樹脂のMFR(Melt Flow Rate)といった流動性に関する値と、溶融樹脂の温度および圧力と、の関係を示す情報である。なお、溶融樹脂の流動性と温度および圧力とは比例関係にあり、一般材料情報は、当該比例関係を示す曲線グラフによって表現されても良い。
一般材料情報DB110は、複数の材料型番に対応する一般材料情報が格納されているデータベースである。ここで、一般材料情報とは、既存の流動解析ソフトや材料データベース等に登録された既知の情報であって、例えば材料型番に対応する樹脂のMFR(Melt Flow Rate)といった流動性に関する値と、溶融樹脂の温度および圧力と、の関係を示す情報である。なお、溶融樹脂の流動性と温度および圧力とは比例関係にあり、一般材料情報は、当該比例関係を示す曲線グラフによって表現されても良い。
<<基準金型試作結果情報120>>
基準金型試作結果情報120は、所定形状を有する基準の金型(以下、「基準金型」という場合がある)を用いた超臨界射出成形(SCF入り材料を用いた射出成形)を行った結果、得られる情報である。具体的には、基準金型試作結果情報120には、超臨界射出成形によって試作された成形品の品質情報と、射出成形条件と、溶融樹脂の温度、圧力および基準金型への充填速度(充填にかかった時間)に関するセンシング情報と、の関係を示す情報が含まれている。
基準金型試作結果情報120は、所定形状を有する基準の金型(以下、「基準金型」という場合がある)を用いた超臨界射出成形(SCF入り材料を用いた射出成形)を行った結果、得られる情報である。具体的には、基準金型試作結果情報120には、超臨界射出成形によって試作された成形品の品質情報と、射出成形条件と、溶融樹脂の温度、圧力および基準金型への充填速度(充填にかかった時間)に関するセンシング情報と、の関係を示す情報が含まれている。
ここで、品質情報は、成形品の品質に関する情報であって、例えば基準金型のどこまで溶融樹脂が充填されたか、という充填体積に関する値や、気泡の生成状態(気泡の密度およびサイズ)を表す値により示される情報である。
また、射出成形条件は、超臨界射出成形を行う際に成形機に入力される数値情報であって、少なくとも溶融樹脂の温度、圧力およびSCF量が含まれている。また、射出成形条件には、必要に応じて、圧力の切り替えタイミング、SCFの注入タイミング、金型に溶融樹脂を注入するゲートの位置、ゲートの形状およびゲート本数などの情報が含まれていても良い。
なお、基準金型への充填体積、溶融樹脂の温度、圧力、基準金型への充填速度といった各種の情報は、これらの値を検知するセンサが基準金型に搭載され、当該センサにより取得される。
<<基準金型解析結果情報130>>
基準金型解析結果情報130は、基準金型を用いて超臨界成形解析を行った結果、得られる情報である。具体的には、基準金型解析結果情報130には、基準金型試作結果情報120に対応する項目の解析結果が含まれている。より具体的には、基準金型解析結果情報130は、成形品の品質情報と、射出成形条件と、溶融樹脂の温度、圧力および基準金型への充填速度(充填にかかった時間)といった各項目の解析値と、の関係を示す情報が含まれている。
基準金型解析結果情報130は、基準金型を用いて超臨界成形解析を行った結果、得られる情報である。具体的には、基準金型解析結果情報130には、基準金型試作結果情報120に対応する項目の解析結果が含まれている。より具体的には、基準金型解析結果情報130は、成形品の品質情報と、射出成形条件と、溶融樹脂の温度、圧力および基準金型への充填速度(充填にかかった時間)といった各項目の解析値と、の関係を示す情報が含まれている。
このような基準金型解析結果情報130は、後述の射出成形条件算出処理で生成され、メモリリソース40に格納される。
なお、基準金型解析結果情報130は、基準金型試作結果情報120との比較に用いられ、当該基準金型解析結果情報130の解析結果を生じさせる任意のSCF入り材料情報(一般材料情報に基づき、任意の初期値によって生成されたSCF入り材料情報)について、その確からしさを判定する際に用いられる。
<<SCF入り材料情報DB140>>
SCF入り材料情報DB140は、複数のSCF入り材料情報を格納するデータベースである。なお、SCF入り材料情報とは、SCFの存在を考慮した溶融樹脂の特性を示す情報である。具体的には、SCF入り材料情報には、SCF入り材料(樹脂)の流動性に関する値と、温度、圧力およびSCF量と、の関係が含まれている。また、SCF入り材料情報には、気泡生成に関する値(以下、「気泡生成変数」という場合がある)と、温度、圧力およびSCF量と、の関係が含まれる。
SCF入り材料情報DB140は、複数のSCF入り材料情報を格納するデータベースである。なお、SCF入り材料情報とは、SCFの存在を考慮した溶融樹脂の特性を示す情報である。具体的には、SCF入り材料情報には、SCF入り材料(樹脂)の流動性に関する値と、温度、圧力およびSCF量と、の関係が含まれている。また、SCF入り材料情報には、気泡生成に関する値(以下、「気泡生成変数」という場合がある)と、温度、圧力およびSCF量と、の関係が含まれる。
ここで、気泡生成変数とは、超臨界射出成形による成形品の最終的な気泡の生成状態に影響を与える変数であり、例えば気泡生成数、気泡生成速度、気泡発生確率、気泡成長速度および気泡移動度のうち、少なくともいずれか1つが該当する。
このようなSCF入り材料情報は、後述のSCF入り材料情報生成処理で生成され、メモリリソース40に格納される。
<<超臨界射出成形条件情報DB150>>
超臨界射出成形条件情報DB150は、後述の射出成形条件算出処理で算出された複数の射出成形条件を格納するデータベースである。すなわち、超臨界射出成形条件情報DB150には、SCF入り材料情報を用いた超臨界射出成形による成形品を製造する際に成形機に入力される射出成形条件が複数格納されている。
超臨界射出成形条件情報DB150は、後述の射出成形条件算出処理で算出された複数の射出成形条件を格納するデータベースである。すなわち、超臨界射出成形条件情報DB150には、SCF入り材料情報を用いた超臨界射出成形による成形品を製造する際に成形機に入力される射出成形条件が複数格納されている。
<<成形解析実行プログラム210>>
成形解析実行プログラム210は、成形解析を実行するプログラムである。具体的には、成形解析実行プログラム210は、一般材料情報に基づき任意のSCF入り材料情報を生成する。また、成形解析実行プログラム210は、任意のSCF入り材料情報を含む所定情報を入力とした成形解析処理を行い、基準金型解析結果情報130を生成する。なお、成形解析には一般的な公知の技術が用いられれば良い。
成形解析実行プログラム210は、成形解析を実行するプログラムである。具体的には、成形解析実行プログラム210は、一般材料情報に基づき任意のSCF入り材料情報を生成する。また、成形解析実行プログラム210は、任意のSCF入り材料情報を含む所定情報を入力とした成形解析処理を行い、基準金型解析結果情報130を生成する。なお、成形解析には一般的な公知の技術が用いられれば良い。
<<材料情報生成プログラム220>>
材料情報生成プログラム220は、SCF入り材料情報を生成するプログラムである。具体的には、材料情報生成プログラム220は、基準金型試作結果情報120と、基準金型解析結果情報130との比較に基づき、任意のSCF入り材料情報の値を変更することで、適切な(正しい値の)SCF入り材料情報を生成する。
材料情報生成プログラム220は、SCF入り材料情報を生成するプログラムである。具体的には、材料情報生成プログラム220は、基準金型試作結果情報120と、基準金型解析結果情報130との比較に基づき、任意のSCF入り材料情報の値を変更することで、適切な(正しい値の)SCF入り材料情報を生成する。
なお、成形解析実行プログラム210および材料情報生成プログラム220による処理は、後述のSCF入り材料情報生成処理で詳細に説明する。
<<品質解析実行プログラム230>>
品質解析実行プログラム230は、品質解析を実行するプログラムである。具体的には、品質解析実行プログラム230は、生成されたSCF入り材料情報や任意の射出成形条件を入力とした品質解析処理を行い、品質解析結果を出力する。
品質解析実行プログラム230は、品質解析を実行するプログラムである。具体的には、品質解析実行プログラム230は、生成されたSCF入り材料情報や任意の射出成形条件を入力とした品質解析処理を行い、品質解析結果を出力する。
<<射出成形条件算出プログラム240>>
射出成形条件算出プログラム240は、SCF入り材料情報を用いた超臨界射出成形の射出成形条件を算出するプログラムである。具体的には、射出成形条件算出プログラム240は、生成された品質解析結果情報と、所定の品質基準との比較に基づき、適切な(正しい値の)射出成形条件を算出する。なお、所定の品質基準は予めメモリリソース40に格納されていれば良い。
射出成形条件算出プログラム240は、SCF入り材料情報を用いた超臨界射出成形の射出成形条件を算出するプログラムである。具体的には、射出成形条件算出プログラム240は、生成された品質解析結果情報と、所定の品質基準との比較に基づき、適切な(正しい値の)射出成形条件を算出する。なお、所定の品質基準は予めメモリリソース40に格納されていれば良い。
品質解析実行プログラム230および射出成形条件算出プログラム240による処理は、後述の射出成形条件算出処理で詳細に説明する。
以上、プロセッサシステム100の詳細について説明した。
<超臨界射出成形支援処理の詳細>
図2は、超臨界射出成形支援処理の一例を示したフロー図である。当該処理は、例えば、本システム100のオペレータから実行指示を受け付けると開始される。
図2は、超臨界射出成形支援処理の一例を示したフロー図である。当該処理は、例えば、本システム100のオペレータから実行指示を受け付けると開始される。
処理が開始されると、プロセッサシステム100は、SCF入り材料情報の生成対象となる材料の一般材料情報を取得する(ステップS10)。具体的には、プロセッサシステム100は、UI60を介して、SCF入り材料情報を生成する材料の材料型番の入力をオペレータから受け付ける。また、プロセッサシステム100は、入力を受け付けた材料型番に対応する材料(樹脂)の一般材料情報を一般材料情報DB110から取得する。
次に、プロセッサシステム100は、一般材料情報に基づき生成した任意のSCF入り材料情報等を入力とした成形解析の解析結果と、SCF入り材料を用いた試作結果と、の比較に基づき、適切な正規のSCF入り材料情報を生成する(ステップS20)。
次に、プロセッサシステム100は、SCF入り材料情報および任意の射出成形条件等を入力とした品質解析の解析結果と、品質基準と、の比較に基づき、品質基準を満足する適切な正規の射出成形条件を算出する(ステップS30)。
また、プロセッサシステム100は、射出成形条件を算出すると、本フローの処理を終了する。
<<SCF入り材料情報生成処理>>
次に、ステップS20に該当するSCF入り材料情報生成処理の詳細について説明する。
次に、ステップS20に該当するSCF入り材料情報生成処理の詳細について説明する。
図3は、SCF入り材料情報生成処理の一例を示したフロー図である。まず、成形解析実行プログラム210は、一般材料情報に基づく所定の初期値を有する任意のSCF入り材料情報を生成する(ステップS21)。具体的には、成形解析実行プログラム210は、一般材料情報から樹脂の流動性に関する値と、溶融樹脂の温度および圧力と、の関係を示す情報を取得する。また、成形解析実行プログラム210は、当該温度および圧力に任意の初期値であるSCF量を対応付ける。また、成形解析実行プログラム210は、当該温度および圧力に任意の初期値である気泡生成変数を対応付ける。これにより、流動性に関する値と、温度、圧力およびSCF量と、の関係を示す情報、ならびに、気泡生成変数と、温度、圧力およびSCF量と、の関係を示す情報と、を含む任意のSCF入り材料情報が生成される。
次に、成形解析実行プログラム210は、基準金型形状、任意のSCF入り材料情報および射出成形条件の初期値に基づき成形解析処理を実行する(ステップS22)。具体的には、成形解析実行プログラム210は、例えば基準金型試作結果情報120から基準金型の形状を示す情報を取得する。また、成形解析実行プログラム210は、例えば基準金型試作結果情報120を用いて基準金型を用いた試作時における射出成形条件を特定し、これを初期値として設定する。そして、成形解析実行プログラム210は、ステップS21で生成した任意のSCF入り材料情報と、基準金型の形状と、設定した射出成形条件の初期値と、を入力とした成形解析処理を実行し、その解析結果である基準金型解析結果情報130を生成する(ステップS23)。
次に、材料情報生成プログラム220は、基準金型試作結果情報120と、基準金型解析結果情報130と、の一致度が所定範囲内か否かを判定する(ステップS24)。具体的には、材料情報生成プログラム220は、これらの両情報に共通する項目である品質情報(充填体積に関する値や、気泡の生成状態)と、溶融樹脂の温度、圧力および基準金型への充填速度(充填にかかった時間)と、を比較し、それらの一致度が所定範囲内であるか否かを判定する。
なお、任意のSCF入り材料情報は、SCFの存在が考慮されていない一般材料情報に基づいて生成された情報であるため、通常、試作結果と解析結果との一致度は低くなる。そのため、プロセッサシステム100は、後述するように、任意のSCF入り材料情報の値(特に、流動性と気泡生成変数の値)を変更し、試作結果との一致度が高まる正しい値のSCF入り材料情報となるように繰り返し調整を行う。すなわち、このようなSCF入り材料情報生成処理は、一般材料情報から生成した任意のSCF入り材料情報に基づき、真の(正しい値の)SCF入り材料情報を生成するための補正値を求める処理ということもできる。
そして、当該一致度が所定範囲内ではないと判定した場合(ステップS24でNo)、材料情報生成プログラム220は、処理をステップS26に移行する。一方で、当該一致度が所定範囲内であると判定した場合(ステップS024でYes)、材料情報生成プログラム220は、処理をステップS25に移行する。
ステップS26では、材料情報生成プログラム220は、任意のSCF入り材料情報の値を変更し、処理をステップS22に戻す。具体的には、材料情報生成プログラム220は、樹脂の流動性に関する値と、溶融樹脂の温度、圧力およびSCF量と、の関係を示す情報において、当該流動性に関する値を変更する。また、材料情報生成プログラム220は、気泡生成変数と、溶融樹脂の温度、圧力およびSCF量と、の関係を示す情報において、当該気泡生成変数を変更する。
なお、これらの値を変更する方法としては、例えばニュートン法や変分法あるいはモンテカルロ法など公知の方法が用いられれば良い。
また、ステップS26を経由して移行されるステップS22の処理では、成形解析実行プログラム210は、流動性に関する値や気泡生成変数が変更された任意のSCF入り材料情報を用いて再び成形解析処理を行う。なお、当該ステップにおける処理は前述と同様のため、詳細な説明は省略する。
また、ステップS24で一致度が所定範囲内であると判定された場合に移行されるステップS25では、材料情報生成プログラム220は、一致度が所定範囲となった時の基準金型解析結果に対応する任意のSCF入り材料情報を、適切な(正しい値を有する)正規のSCF入り材料情報として生成する。
また、材料情報生成プログラム220は、正規のSCF入り材料情報を生成すると、本フローの処理を終了する。
以上、SCF入り材料情報生成処理について説明した。
プロセッサシステム100は、このような処理を実行することにより、基準金型試作結果情報120が示す実際の成形品の状態を再現可能な適切な値を有するSCF入り材料情報を一般材料情報から生成することができる。
<<射出成形条件算出処理>>
次に、ステップS30に該当する射出成形条件算出処理の詳細について説明する。
次に、ステップS30に該当する射出成形条件算出処理の詳細について説明する。
図4は、射出成形条件算出処理の一例を示したフロー図である。まず、品質解析実行プログラム230は、金型形状と、射出成形条件の初期値と、SCF入り材料情報と、を取得する。具体的には、品質解析実行プログラム230は、例えば金型形状を指定する情報の入力をオペレータから受け付ける。なお、金型形状を特定する情報(図示せず)は、予めメモリリソース40に格納されていれば良い。また、金型形状は、超臨界射出成形によって実際の製品を製造する際に用いられる金型形状が対象となる。
また、品質解析実行プログラム230は、射出成形条件の初期値を取得する。具体的には、品質解析実行プログラム230は、例えば材料型番に対応する材料の射出成形条件を初期値として一般材料情報から取得し、これを任意の射出成形条件とする。
また、品質解析実行プログラム230は、SCF入り材料情報DB140から対応する材料型番のSCF入り材料情報を取得する。すなわち、品質解析実行プログラム230は、SCF入り材料情報生成処理によって生成された適切なSCF入り材料情報を取得する。
次に、品質解析実行プログラム230は、金型形状と、任意の射出成形条件と、SCF入り材料と、を入力とした品質解析処理を実行する(ステップS32)。なお、品質解析実行プログラム230は、品質解析処理を実行することで、基準金型のどこまで溶融樹脂が充填されたか、という充填体積に関する値や、気泡の生成状態(気泡の密度およびサイズ)を含む品質解析結果を出力する。
なお、品質解析結果には、上記以外にも、例えば製品強度や表面粗さといった品質を測るための情報が含まれていても良い。
次に、射出成形条件算出プログラム240は、品質解析結果が品質基準を満たしているか否かを判定する(ステップS33)。具体的には、射出成形条件算出プログラム240は、求められる品質基準が登録されている情報(図示せず)をメモリリソース40から取得し、当該情報に登録されている品質基準であって、溶融樹脂の充填体積に関する値や、気泡の生成状態に関する品質基準を示す情報と、品質解析結果と、を比較する。
なお、任意の射出成形条件(射出成形条件の初期値)は、SCFの存在が考慮されていない一般材料情報から取得した情報であるため、通常、その品質解析結果は品質基準を満たしていない場合が多い。そのため、プロセッサシステム100は、後述するように、任意の射出成形条件の値(特に、溶融樹脂の温度、圧力およびSCF量のいずれかの値)を変更し、品質基準が満たされるまで射出成形条件を繰り返し調整する。
そして、品質解析結果が品質基準を満たしていると判定した場合(ステップS33でYes)、射出成形条件算出プログラム240は、処理をステップS34に移行する。一方で、品質解析結果が品質基準を満たしていないと判定した場合(ステップS33でNo)、射出成形条件算出プログラム240は、処理をステップS35に移行する。
ステップS35では、射出成形条件算出プログラム240は、任意の射出成形条件の値を変更する。具体的には、射出成形条件算出プログラム240は、射出成形条件である溶融樹脂の温度、圧力およびSCF量のいずれかの値を変更し、処理をステップS32に戻す。
なお、これらの値を変更する方法としては、例えばニュートン法や変分法あるいはモンテカルロ法など公知の方法が用いられれば良い。
また、ステップS35を経由して移行されるステップS32の処理では、品質解析実行プログラム230は、溶融樹脂の温度、圧力およびSCF量のいずれかの値が変更された射出成形条件を用いて品質解析処理を行う。なお、当該ステップにおける処理は前述と同様のため、詳細な説明は省略する。
また、ステップS33で品質基準を満たしていると判定された場合に移行されるステップS34では、射出成形条件算出プログラム240は、品質基準を満たす品質解析結果となった時の射出成形条件を適切な正規(正しい値)の射出成形条件として算出する。
また、射出成形条件算出プログラム240は、適切な正規の射出成形条件を算出すると、本フローの処理を終了する。
以上、射出成形条件算出処理について説明した。
このようなプロセッサシステム100によれば、基準金型での試作結果および一般材料情報を基にSCF入り材料情報を生成することで、任意の金型形状に適した超臨界射出成形条件を算出することができる。
特に、プロセッサシステム100では、通常の射出成形に比べて条件の適正化が困難な超臨界射出成形においても、射出成形条件を容易に適正化することができる。
また、特に、プロセッサシステム100では、品質解析結果が品質基準を満足するまで射出成形条件を変更することで、実際の成形試験を行うことなく、射出成形条件を適正化することができる。
<第二実施形態>
次に、本システム100の第二実施形態について説明する。第二実施形態に係るプロセッサシステム100は、射出成形条件算出処理において、射出成形条件の値を変更しても品質基準を満たさない場合、金型形状についても一定のルールに基づいて変更する処理を行うものである。なお、第二実施形態に係るプロセッサシステム100の基本構成は、前述の第一実施形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
次に、本システム100の第二実施形態について説明する。第二実施形態に係るプロセッサシステム100は、射出成形条件算出処理において、射出成形条件の値を変更しても品質基準を満たさない場合、金型形状についても一定のルールに基づいて変更する処理を行うものである。なお、第二実施形態に係るプロセッサシステム100の基本構成は、前述の第一実施形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
図5は、第二実施形態に係る射出成形条件算出処理の一例を示したフロー図である。なお、ステップS41~ステップS44の処理は、第一実施形態の射出成形条件算出処理におけるステップS31~ステップS34と同様のため、詳細な説明は省略する。
ステップS45では、射出成形条件算出プログラム240は、金型形状、または、任意の射出成形条件の値を変更する。具体的には、射出成形条件算出プログラム240は、任意の射出成形条件の値を所定回数以上変更しても、すなわち、ステップS41~ステップS43の処理を所定回数繰り返した場合でも、品質解析結果が品質基準を満たしていないと判定した場合には、ステップS45において、射出成形条件に加えて金型形状についても変更し、処理をステップS42に戻す。
なお、金型形状の変更とは、例えば金型形状のある箇所の径を広げたり、厚みを増やすことが考えられる。これにより、溶融樹脂が流入し易くなるために充填体積が増加したり、厚みを増やすことで成形品の強度が高まるため、品質解析結果が改善し、品質基準を満たすことにつながる。
また、これらの値を変更する方法としては、例えばニュートン法や変分法あるいはモンテカルロ法など公知の方法が用いられれば良い。
また、射出成形条件算出プログラム240は、ステップS34において、品質基準を満たす射出成形条件と、金型形状と、を算出(出力)する。
このような第二実施形態に係るプロセッサシステム100によれば、任意の射出成形条件の変更だけでは品質基準を満たす適切な(正しい値の)射出成形条件を算出できない場合でも、金型形状を変更することで、適切な射出成形条件を算出することが可能となる。
<第三実施形態>
次に、本システム100の第三実施形態について説明する。第三実施形態に係るプロセッサシステム100は、品質基準として成形品の色および透明度(光透過度)が考慮される。具体的には、本実施形態に係るプロセッサシステム100の射出成形条件算出プログラム240は、成形品の色および透明度(光透過度)の値についても解析を行い、その解析結果を取得する。
次に、本システム100の第三実施形態について説明する。第三実施形態に係るプロセッサシステム100は、品質基準として成形品の色および透明度(光透過度)が考慮される。具体的には、本実施形態に係るプロセッサシステム100の射出成形条件算出プログラム240は、成形品の色および透明度(光透過度)の値についても解析を行い、その解析結果を取得する。
なお、成形品の色に関する解析結果を得る方法としては、例えば成形品表面の温度や圧力履歴を解析する方法がある。また、透明度に関する解析結果を得る方法としては、例えば気泡生成状態と樹脂本来の透明度の情報に基づき解析する方法がある。なお、射出成形条件算出プログラム240は、これらの要素を含む品質解析結果が品質基準を満たさない場合には、前述と同様に、一定のルールで(例えば、ニュートン法や変分法など)射出成形条件である温度、圧力およびSCF量あるいは金型形状の変更を繰り返し行うことで、品質基準を満たす射出成形条件を算出する。
なお、第三実施形態に係るプロセッサシステム100の基本構成は、前述の第一実施形態および第二実施形態と同様であり、当該品質解析結果を得るための処理は前述の射出成形条件算出処理と同様のため、これらの詳細な説明は省略する。
このような第三実施形態に係るプロセッサシステム100によれば、色や透明度を考慮した成形品や、部分ごとに色や透明度を変調させた成形品を得るための適切な射出成形条件を得ることが可能となる。
なお、本発明は上記した実施形態および変形例に限定されるものではなく、同一の技術的思想の範囲内において様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
また、上記説明では、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えて良い。
100・・・プロセッサシステム、30・・・プロセッサ、40・・・メモリリソース、50・・・NI(ネットワークインターフェースデバイス)、60・・・UI(ユーザインターフェースデバイス)、110・・・一般材料情報DB、120・・・基準金型試作結果情報、130・・・基準金型解析結果情報、140・・・SCF入り材料情報DB、150・・・超臨界射出成形条件情報DB、210・・・成形解析実行プログラム、220・・・材料情報生成プログラム、230・・・品質解析実行プログラム、240・・・射出成形条件算出プログラム、10・・・外部装置、N・・・通信ネットワーク
Claims (13)
- 1以上のプロセッサと、1以上のメモリリソースと、を有するシステムであって、
前記メモリリソースは、
SCF(Supercritical Fluid:超臨界流体)を含まない材料に関する一般材料情報と、
SCF入り材料を用いた基準金型による試作結果である基準金型試作結果情報と、
成形解析を実行する成形解析実行プログラムと、
SCF入り材料情報を生成する材料情報生成プログラムと、を記憶し、
前記成形解析実行プログラムは、
一般材料情報に基づき生成した任意のSCF入り材料情報を用いて成形解析処理を行い、
前記材料情報生成プログラムは、
前記成形解析処理で生成した基準金型解析結果情報と、前記基準金型試作結果情報と、の比較に基づき前記任意のSCF入り材料情報を変更することで、正しい値のSCF入り材料情報を生成する
ことを特徴とするシステム。 - 請求項1に記載のシステムであって、
前記メモリリソースは、
品質解析を実行する品質解析実行プログラムと、
射出成形条件を算出する射出成形条件算出プログラムと、を有し、
前記品質解析実行プログラムは、
前記正しい値のSCF入り材料情報と、任意の射出成形条件と、を用いて品質解析処理を行い、
前記射出成形条件算出プログラムは、
前記品質解析の結果が所定の品質基準を満たすように前記任意の射出成形条件を変更することで、正しい値の射出成形条件を算出する
ことを特徴とするシステム。 - 請求項1に記載のシステムであって、
前記SCF入り材料情報は、
成形品の材料である溶融樹脂の流動性に関する値と、溶融樹脂の温度、圧力およびSCF量と、の関係と、
気泡生成に関する値と、溶融樹脂の温度、圧力およびSCF量と、の関係と、を有している
ことを特徴とするシステム。 - 請求項2に記載のシステムであって、
前記品質基準は、
金型に対する溶融樹脂の充填体積に関する値と、気泡の生成状態を表す値と、により示される基準である
ことを特徴とするシステム。 - 請求項2に記載のシステムであって、
前記射出成形条件は、
溶融樹脂の温度、圧力およびSCF量を含む
ことを特徴とするシステム。 - 請求項5に記載のシステムであって、
前記射出成形条件は、さらに、
金型に溶融樹脂を注入するゲートの位置、ゲートの形状およびゲートの本数を含む
ことを特徴とするシステム。 - 請求項2に記載のシステムであって、
前記射出成形条件算出プログラムは、
前記品質解析の結果が所定の品質基準を満たすように前記任意の射出成形条件および金型形状の少なくとも一方を変更することで、正しい値の射出成形条件と、金型形状と、を算出する
ことを特徴とするシステム。 - 請求項4に記載のシステムであって、
前記品質基準は、
成形品の色および透明度(光透過度)の値により示される基準を含む
ことを特徴とするシステム。 - 請求項3に記載のシステムであって、
前記気泡生成に関する値には、
気泡生成数、気泡生成速度、気泡発生確率、気泡成長速度および気泡移動度の少なくともいずれか1つが含まれる
ことを特徴とするシステム。 - 1以上のプロセッサと、1以上のメモリリソースと、を有するシステムが行う超臨界射出成形支援方法であって、
前記プロセッサは、
SCF(Supercritical Fluid:超臨界流体)を含まない材料に関する一般材料情報に基づき生成した任意のSCF入り材料情報を用いて成形解析処理を行うステップと、
前記成形解析処理で生成した基準金型解析結果情報と、SCF入り材料を用いた基準金型による試作結果である基準金型試作結果情報と、の比較に基づき前記任意のSCF入り材料情報を変更することで、正しい値のSCF入り材料情報を生成するステップと、行う
ことを特徴とする超臨界射出成形支援方法。 - 請求項10に記載の超臨界射出成形支援方法であって、
前記プロセッサは、
前記正しい値のSCF入り材料情報と、任意の射出成形条件と、を用いて品質解析処理を行うステップと、
前記品質解析の結果が所定の品質基準を満たすように前記任意の射出成形条件を変更することで、正しい値の射出成形条件を算出するステップと、を行う
ことを特徴とする超臨界射出成形支援方法。 - 1以上のプロセッサと、1以上のメモリリソースと、を有するシステムの前記プロセッサが前記メモリリソースから読み込んで実行するプログラムであって、
前記プロセッサが実行する成形解析実行プログラムは、
SCF(Supercritical Fluid:超臨界流体)を含まない材料に関する一般材料情報に基づき生成した任意のSCF入り材料情報を用いて成形解析処理を行い、
前記プロセッサが実行する材料情報生成プログラムは、
前記成形解析処理で生成した基準金型解析結果情報と、SCF入り材料を用いた基準金型による試作結果である基準金型試作結果情報と、の比較に基づき前記任意のSCF入り材料情報を変更することで、正しい値のSCF入り材料情報を生成する
ことを特徴とするプログラム。 - 請求項12に記載のプログラムであって、
前記プロセッサが実行する品質解析実行プログラムは、
前記正しい値のSCF入り材料情報と、任意の射出成形条件と、を用いて品質解析処理を行い、
前記プロセッサが実行する射出成形条件算出プログラムは、
前記品質解析の結果が所定の品質基準を満たすように前記任意の射出成形条件を変更することで、正しい値の射出成形条件を算出する
ことを特徴とするプログラム。
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