JP2023178668A - 作業車 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気ガスの臭いの発生を抑制した作業車を実現する。【解決手段】作業車は、ディーゼルエンジンと、ディーゼルエンジンの燃焼室に供給されるガスを加熱するヒータと、ヒータを動作させるアフターグロールーチンを実行する制御装置と、を備える。制御装置は、ディーゼルエンジンが始動された際、及び前回のアフターグロールーチンが終了してから所定の停止時間が経過し且つ作業車が暖気状態にある場合にアフターグロールーチンを実行する。【選択図】図5
Description
本発明は、作業車に関する。
特許文献1(特許第3617572号公報)は、ディーゼルエンジン用吸気予熱装置を開示する。この装置では、ディーゼルエンジンの始動前に吸気を予熱するプリヒートと、ディーゼルエンジンの始動後に吸気を予熱するアフターヒートと、が行われる。アフターヒートは、所定時間が経過したとき、または冷却水温度が設定値を超えたときに終了する。
発明者らは、ディーゼルエンジンを搭載した作業車において、排気ガスの臭いが強くなる問題に直面した。特に寒冷地において、この問題は顕著に現れた。
本発明の目的は、排気ガスの臭いの発生を抑制した作業車を実現することにある。
上述した課題を解決する手段として、本発明の作業車は、ディーゼルエンジンと、前記ディーゼルエンジンの燃焼室に供給されるガスを加熱するヒータと、前記ヒータを動作させるアフターグロールーチンを実行する制御装置と、を備える作業車であって、前記制御装置は、前記ディーゼルエンジンが始動された際、及び前回の前記アフターグロールーチンが終了してから所定の停止時間が経過し且つ前記作業車が暖気状態にある場合に前記アフターグロールーチンを実行することを特徴とする。
発明者らは、鋭意検討の末に、ヒータを動作させるアフターグロールーチンを、ディーゼルエンジンが始動された際だけでなく、所定の停止時間の経過後にも実行することで、排気ガスの臭いの発生を抑制できることを見いだした。上記の特徴によれば、排気ガスの臭いの発生を抑制した作業車を実現することができる。
本発明において、走行装置と作業装置とを更に備え、前記制御装置は、前記走行装置が停止し且つ前記作業装置が停止している場合に前記作業車が前記暖気状態にあると判定すると好ましい。
作業車が走行及び作業を実行しない状態にあるとき、ディーゼルエンジンの温度は低下する。その場合、排気ガスの臭いが発生する場合がある。上記の特徴によれば、走行装置が停止し且つ作業装置が停止している場合にアフターグロールーチンが実行されるので、排気ガスの臭いを効果的に抑制することができる。
本発明において、走行装置と作業装置と駐車ブレーキとを更に備え、前記制御装置は、前記走行装置が停止し且つ前記作業装置が停止し且つ前記駐車ブレーキが作動している場合に前記作業車が前記暖気状態にあると判定すると好ましい。
作業車が走行及び作業を実行しない状態にあるとき、ディーゼルエンジンの温度は低下する。その場合、排気ガスの臭いが発生する場合がある。上記の特徴によれば、走行装置が停止し且つ作業装置が停止し且つ駐車ブレーキが作動している場合にアフターグロールーチンが実行されるので、排気ガスの臭いを効果的に抑制することができる。
本発明において、前記制御装置は、前記アフターグロールーチンの実行回数をカウントし、前記実行回数が所定の上限回数となった後には前記アフターグロールーチンを実行しないと好ましい。
上記の特徴によれば、上限回数を超えるアフターグロールーチンの実行が禁止されるので、ヒータの劣化や故障が抑制される。
本発明において、始動スイッチを更に備え、前記制御装置は、前記始動スイッチがOFFされた場合、及び前記始動スイッチの操作を伴わずに前記ディーゼルエンジンが停止した場合に、前記実行回数をゼロへリセットすると好ましい。
上記の特徴によれば、いわゆるエンジンストールのように、始動スイッチの操作を伴わずにディーゼルエンジンが停止した場合であっても、実行回数がゼロへリセットされる。従って、ディーゼルエンジンの再始動後にアフターグロールーチンが上限回数となるまで実行されるので、排気ガスの臭いを確実に抑制することができる。
本発明において、作業装置を更に備え、前記制御装置は、所定の終了条件が満たされた場合に前記アフターグロールーチンの途中終了を実行するように構成されており、前記終了条件は、前記作業装置の作動を含むと好ましい。
作業装置が作動するとディーゼルエンジンの温度が上昇する。従って、アフターグロールーチンの必要性が低下する。上記の特徴によれば、作業装置が作動するとアフターグロールーチンの途中終了が実行されるので、ヒータの劣化や故障が抑制される。
本発明において、前記作業装置は、前記ディーゼルエンジンが始動されてからの時間が所定の経過時間を超える前に前記途中終了を実行しないように構成されていると好ましい。
ディーゼルエンジンの始動後はディーゼルエンジンの温度が比較的低いので、排気ガスの臭いが発生する可能性が高い。従って、アフターグロールーチンの途中終了を実行しない方が好ましい。上記の特徴によれば、排気ガスの臭いを効果的に抑制することができる。
本発明において、前記アフターグロールーチンは、前記ヒータを作動させる第1プロセスと、前記ヒータを前記第1プロセスよりも低い温度にする第2プロセスと、の所定回数の繰り返しであり、最初の前記第1プロセスの継続時間は他の前記第1プロセスの継続時間よりも長いと好ましい。
発明者らは実験の結果、最初の第1プロセスの継続時間を他の第1プロセスの継続時間よりも長くすることにより、排気ガスの臭いを低減できることを見いだした。上記の特徴によれば、排気ガスの臭いを更に抑制することができる。
以下、本発明に係る作業車の一例であるトラクタについて、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
尚、本実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、次のように記載する。トラクタの作業走行時における前進側の進行方向を「前」と定義し、図1において矢印Fで示す。後進側への進行方向を「後」と定義し、図1において矢印Bで示す。図1における矢印Uが「上」、矢印Dが「下」を示している。
〔全体構成〕
図1に示されるように、トラクタ1の走行機体は、前後方向に沿って延びる機体フレーム10と、ホイール式の走行装置20と、原動部30と、運転部40と、作業装置50を接続可能な接続部60と、を備えている。
図1に示されるように、トラクタ1の走行機体は、前後方向に沿って延びる機体フレーム10と、ホイール式の走行装置20と、原動部30と、運転部40と、作業装置50を接続可能な接続部60と、を備えている。
走行装置20は、操舵可能かつ駆動可能な左右の前輪21と、駆動可能な左右の後輪22と、を有している。
原動部30は、機体フレーム10の前側部分に支持されている。原動部30は、ボンネット31と、ディーゼルエンジン32と、を備えている。ボンネット31により形成されるエンジンルームに、ディーゼルエンジン32が配置されている。
ディーゼルエンジン32の後部に、クラッチハウジング33が連結されている。クラッチハウジング33の後部に、中間フレーム34を介してトランスミッションケース35が接続されている。トランスミッションケース35の前部にHST36(静油圧式無段変速装置)が連結されている。
ディーゼルエンジン32の動力が、クラッチハウジング33の内部の主クラッチ等を介して、HST36の入力軸に入力される。HST36の出力軸からトランスミッションケース35の内部の変速装置へ、動力が伝達される。変速装置から走行装置20の前輪21及び後輪22へ動力が伝達される。
ディーゼルエンジン32の動力は、作業装置50にも伝達される。HST36からの動力は、トランスミッションケース35の内部の作業駆動系へ伝達され、PTO軸(図示省略)を介して作業装置50へ供給される。
なお原動部30に、ディーゼルエンジン32及び電装系に電力を供給するバッテリー37(図3)が備えられている。トランスミッションケース35の内部の変速装置に、駐車ブレーキ38(図3)が備えられている。
運転部40は、機体フレーム10の後側部分に支持されている。運転部40は、シート41と、ステアリングホイール42と、ロプス43と、を備える。
また運転部40は、ディーゼルエンジン32の始動及び停止の操作を受け付ける始動スイッチ44(図3)を備える。始動スイッチ44は、OFF、ON、及び始動の各状態へ操作可能である。
運転部40は、走行装置20や駐車ブレーキ38、作業装置50等に対する人為操作を受け付ける操作具(図示省略)を備える。操作具は、例えば、主変速レバー、副変速レバー、駐車ブレーキペダル、PTOスイッチ等である。
作業装置50は、例えばロータリー式耕耘装置や、薬剤散布装置である。
接続部60は、作業装置50の支持及び走行機体への接続が可能なように構成される。本実施形態では、接続部60は、作業装置50を昇降させるリンク機構61を備える。
〔ディーゼルエンジン〕
ディーゼルエンジン32の概略構成が図2に示されている。ディーゼルエンジン32は、エアクリーナ71、ターボチャージャー72、吸気路73、燃焼室74、排気路75、DPF76、及びヒータ77等を備える。
ディーゼルエンジン32の概略構成が図2に示されている。ディーゼルエンジン32は、エアクリーナ71、ターボチャージャー72、吸気路73、燃焼室74、排気路75、DPF76、及びヒータ77等を備える。
エアクリーナ71を通って吸気された空気は、ターボチャージャー72で圧縮され、吸気路73を通って燃焼室74へ送られる。燃焼室74で発生した排気ガスは、排気路75を通り、ターボチャージャー72を駆動し、DPF76で浄化され、排気される。
ヒータ77は、吸気路73に設けられている。ヒータ77は、ディーゼルエンジン32の燃焼室74に供給されるガス(空気)を加熱する。ヒータ77は、例えば、通電により発熱する素子である。
ディーゼルエンジン32は、図3に示されるように、冷却水の温度を検出する水温センサ78、及び排気ガスの温度を検出する排気温度センサ79を備える。
〔制御装置〕
トラクタ1は、制御装置80を備える。図3に示されるように、本実施形態では、制御装置80は、メインECU81、エンジンECU82、及びリレー83を備える。
トラクタ1は、制御装置80を備える。図3に示されるように、本実施形態では、制御装置80は、メインECU81、エンジンECU82、及びリレー83を備える。
メインECU81及びエンジンECU82は、HDDや不揮発性RAM等のメモリ及びCPU(いずれも図示省略)を備える。メモリに記憶されたプログラムがCPUによって実行されることにより、以下述べるトラクタ1の制御が実現される。
リレー83は、エンジンECU82によって制御されて、ディーゼルエンジン32のヒータ77への通電を入り切りする。
メインECU81は、走行装置20の状態を検知可能なように構成されている。例えば、メインECU81は、HST36が中立であるか否か、変速装置が中立であるか否か、等を検知可能である。走行装置20の状態の検知は、HST36や他の変速装置の制御系や操作系に設けられたセンサの出力に基づいて行われてもよい。
メインECU81は、バッテリー37の状態を検知可能なように構成されている。例えば、メインECU81は、バッテリー37の電圧を検出可能である。
メインECU81は、駐車ブレーキ38の状態を検知可能なように構成されている。例えば、メインECU81は、駐車ブレーキ38が作動しているか否かを検知可能である。駐車ブレーキ38の状態の検知は、駐車ブレーキ38の制御系や操作系に設けられたセンサの出力に基づいて行われてもよい。
メインECU81は、始動スイッチ44の状態を検知可能なように構成されている。例えば、メインECU81は、始動スイッチ44の操作状態(OFF、ON、始動)を検知可能である。
メインECU81は、作業装置50の状態を検知可能なように構成されている。例えば、メインECU81は、PTO軸が駆動されているか否か(すなわち、作業装置50が作動しているか否か)を検知可能である。作業装置50の状態の検知は、作業装置50の制御系や操作系に設けられたセンサの出力に基づいて行われてもよい。
メインECU81のメモリには、一時的なパラメータ及び恒常的なパラメータが記憶される。メインECU81のメモリには、後述するアフターグロールーチンの実行回数が記憶される。
エンジンECU82は、水温センサ78の出力に基づいて、ディーゼルエンジン32の冷却水温度を検知可能なように構成されている。
エンジンECU82は、排気温度センサ79の出力に基づいて、ディーゼルエンジン32の排気ガスの温度を検知可能なように構成されている。
エンジンECU82は、その他のディーゼルエンジン32の状態(回転数など)を検知可能なように構成されている。
メインECU81とエンジンECU82とは、CAN等の車載ネットワークにより互いに通信可能なように接続されている。
〔アフターグロールーチン〕
制御装置80は、アフターグロールーチンを実行するように構成されている。アフターグロールーチンは、ヒータ77を動作させるルーチンである。
制御装置80は、アフターグロールーチンを実行するように構成されている。アフターグロールーチンは、ヒータ77を動作させるルーチンである。
図4に、アフターグロールーチンの一例が示されている。図示例のアフターグロールーチンは、ヒータ77を作動させる第1プロセスP1と、ヒータ77を第1プロセスP1よりも低い温度にする第2プロセスP2と、の所定回数の繰り返しである。図示例では、9回の第1プロセスP1が、8回の第2プロセスP2を間に挟んで繰り返される。
第1プロセスP1において、ヒータ77への印加電圧は、電圧V1である。第2プロセスP2において、ヒータ77への印加電圧は、電圧V2である。電圧V2の絶対値が電圧V1の絶対値よりも小さくなるように、制御装置80が構成される。これにより、第2プロセスP2におけるヒータ77の温度が第1プロセスP1におけるヒータ77の温度よりも低くなる。
本実施形態では、電圧V2はゼロであり、電圧V1はゼロでない正の電圧である。本実施形態では、第1プロセスP1は、リレー83がヒータ77へ通電させることにより実現される。第2プロセスP2は、リレー83がヒータ77への通電を切ることにより実現される。
図4では、第1プロセスP1が継続する時間がT1、T2・・・T9で示される。第2プロセスP2が継続する時間がU1、U2・・・U8で示される。図示例では、最初の第1プロセスP1の継続時間T1は、他の第1プロセスP1の継続時間T2、T3・・・T9よりも長い。図示例では、継続時間T2、T3・・・T9は同じである。継続時間U1、U2・・・U8は同じである。
以下述べるように、アフターグロールーチンの形態は図4の例と異なってもよい。
電圧V1及び電圧V2が可変となるように、制御装置80が構成されてもよい。
電圧V1及び電圧V2が、アフターグロールーチンの途中で変化してもよい。例えば、1回目の第1プロセスP1の電圧V1と、2回目の第1プロセスP1の電圧V1と、が異なってもよい。
継続時間T1、・・・T9が同じであってもよい。継続時間T2、T3・・・T9が互いに異なってもよい。継続時間U1、U2・・・U8が互いに異なってもよい。
複数回実行されるアフターグロールーチンの形態(電圧及び/又は継続時間)が全て同じでもよいし、互いに異なってもよい。
アフターグロールーチンが実行される際、制御装置80は次のように動作する。メインECU81が、出力要求のヒータリレーリクエスト信号をエンジンECU82へ送信する。エンジンECU82は、出力要求のヒータリレーリクエスト信号を受信すると、リレー83を制御してヒータ77へ通電させる。継続時間T1が経過すると、メインECU81が、停止要求のヒータリレーリクエスト信号をエンジンECU82へ送信する。エンジンECU82は、停止要求のヒータリレーリクエスト信号を受信すると、リレー83を制御してヒータ77への通電を停止させる。
〔アフターグロールーチンの開始の処理〕
図5のフローチャートを参照しながら、アフターグロールーチンの開始の処理(「メインルーチン」と称する。)について説明する。この処理は、始動スイッチ44がONに操作されると開始する。
図5のフローチャートを参照しながら、アフターグロールーチンの開始の処理(「メインルーチン」と称する。)について説明する。この処理は、始動スイッチ44がONに操作されると開始する。
制御装置80は、アフターグロールーチンの実行回数をリセットし、ゼロとする(ステップ#01)。
制御装置80は、ディーゼルエンジン32が始動したか否かを判定する(ステップ#02)。ステップ#02の処理は、ディーゼルエンジン32が始動したと判定されるまで繰り返される(ステップ#02:No)。
ディーゼルエンジン32が始動したか否かは、例えば、ディーゼルエンジン32の回転数や、バッテリー37の充電が行われているか否かに基づいて判定される。
ディーゼルエンジン32が始動したと判定されると(ステップ#02:Yes)、アフターグロールーチンが実行される(ステップ#03)。アフターグロールーチンの実行中の処理については図6を参照しながら後述する。
アフターグロールーチンが終了すると、制御装置80は、アフターグロールーチンの実行回数をカウントアップする(ステップ#04)。すなわち、実行回数が1つ増加される。本実施形態では、実行回数のカウントアップは、アフターグロールーチンが正常終了した場合だけでなく、途中終了した場合にも行われる。なお、制御装置80が、アフターグロールーチンが途中終了した場合に実行回数のカウントアップを行わないよう構成されてもよい。
制御装置80は、アフターグロールーチンが終了してから所定の停止時間が経過するまで待機する(ステップ#05:No)。具体的には、制御装置80はアフターグロールーチンが終了してからの経過時間を計測し、所定の停止時間と比較し、経過時間が停止時間を超えるまで待機する。停止時間は、例えば、50分である。
停止時間が経過すると(ステップ#05:Yes)、制御装置80は、トラクタ1が暖気状態にあるか否かを判定する(ステップ#06)。ステップ#06の処理は、トラクタ1が暖気状態にあると判定されるまで繰り返される(ステップ#06:No)。
本実施形態では、制御装置80は、以下の条件(暖気状態条件)が全て満たされている状態が所定時間(例えば、10分)継続した場合に、トラクタ1が暖気状態にあると判定する。
(暖気状態条件1)走行装置20が停止していること。制御装置80は、検知した走行装置20の状態に基づいて、走行装置20が停止しているか否かを判定する。例えば、制御装置80は、HST36と変速装置との両方が中立である場合に暖気状態条件1が満たされていると判定する。制御装置80が、HST36及び変速装置のうちの一方が中立である場合に暖気状態条件1が満たされていると判定するよう、構成されてもよい。
(暖気状態条件2)作業装置50が停止していること。制御装置80は、検知した作業装置50の状態に基づいて、作業装置50が停止しているか否かを判定する。
(暖気状態条件3)駐車ブレーキ38が作動していること(ロック状態)。制御装置80は、検知した駐車ブレーキ38の状態に基づいて、駐車ブレーキ38が作動しているか否かを判定する。
すなわち、制御装置80は、走行装置20が停止し且つ作業装置50が停止し且つ駐車ブレーキ38が作動している場合に、トラクタ1が暖気状態にあると判定する。
制御装置80が、暖気状態条件の一部が満たされている場合にトラクタ1が暖気状態にあると判定するよう、構成されてもよい。例えば、制御装置80が、走行装置20が停止し且つ作業装置50が停止している場合にトラクタ1が暖気状態にあると判定するよう、構成されてもよい。
トラクタ1が暖気状態にあると判定されると(ステップ#06:Yes)、制御装置80は、アフターグロールーチンの実行回数が所定の上限回数であるか否かを判定する(ステップ#07)。上限回数は、例えば、3と設定される。
アフターグロールーチンの実行回数が所定の上限回数になっていない場合(ステップ#07:No)、アフターグロールーチンが実行され(ステップ#03)、ステップ#04以降の処理が実行される。
アフターグロールーチンの実行回数が所定の上限回数になっている場合(ステップ#07:Yes)、制御装置80はメインルーチンを終了する。つまり、制御装置80は、アフターグロールーチンの実行回数をカウントし、実行回数が所定の上限回数となった後にはアフターグロールーチンを実行しない。
〔アフターグロールーチンの詳細〕
図6のフローチャートを参照しながら、アフターグロールーチンにおいて行われる処理について説明する。
図6のフローチャートを参照しながら、アフターグロールーチンにおいて行われる処理について説明する。
制御装置80は、ヒータ77の制御を開始する(ステップ#11)。具体的には、制御装置80は、ヒータ77の動作(ヒータ77への通電)を開始する。本実施形態では、制御装置80は、図4に示される形態にてヒータ77を動作させる。
ヒータ77の制御が開始されてから(ステップ#11)所定回数のヒータ動作を完了するまでの間に(ステップ#17:No)、ステップ#12からステップ#16までの処理が繰り返し実行される。
ステップ#12からステップ#16までの処理では、終了条件が満たされたか否かが判定され、終了条件が満たされた場合に(ステップ#12-16:Yes)、制御装置80は、アフターグロールーチンを途中終了する。終了条件が満たされない場合(ステップ#12-16:No)、所定回数のヒータ動作を完了するまで処理が繰り返される(ステップ#17:No)。
制御装置80は、ディーゼルエンジン32の排気ガスの温度が所定の閾値温度を超えて上昇したか否かを判定する(ステップ#12)。具体的には、制御装置80は、排気温度センサ79の出力と閾値温度(例えば、230℃)とを比較し、閾値温度を超える状態が所定時間(例えば、10秒)以上継続した場合に、Yesの判定を行う。
制御装置80は、DPF再生による吸気絞りを実行しているか否かを判定する(ステップ#13)。吸気絞りは、DPF再生にディーゼルエンジン32の冷却水温度が所定の閾値(例えば、55℃)を超える状態が所定時間以上継続した場合に、エンジンECU82により実行される。
制御装置80は、ディーゼルエンジン32の冷却水温度が所定の閾値温度を超えて上昇したか否かを判定する(ステップ#14)。具体的には、制御装置80は、水温センサ78の出力と閾値温度(例えば、90℃)とを比較し、閾値温度を超える状態が所定時間(例えば、3秒)以上継続した場合に、Yesの判定を行う。
制御装置80は、バッテリー37の電圧が所定の閾値電圧を超えて下降したか否かを判定する(ステップ#15)。具体的には、制御装置80は、バッテリー37の電圧と閾値電圧(例えば、10.0V)とを比較し、閾値電圧を下回る状態が所定時間(例えば、5秒)以上継続した場合に、Yesの判定を行う。
制御装置80は、トラクタ1が作業状態にあるか否かを判定する(ステップ#16)。本実施形態では、制御装置80は、以下の条件(作業状態条件)が全て満たされている状態が所定時間(例えば、1分)継続した場合に、トラクタ1が作業状態にあると判定する。
(作業状態条件1)走行装置20が作動していること。制御装置80は、検知した走行装置20の状態に基づいて、走行装置20が作動しているか否かを判定する。例えば、制御装置80は、HST36と変速装置との両方が中立でない場合に作業状態条件1が満たされていると判定する。制御装置80が、HST36及び変速装置のうちの一方が中立でない場合に作業状態条件1が満たされていると判定するよう、構成されてもよい。
(作業状態条件2)作業装置50が作動していること。制御装置80は、検知した作業装置50の状態に基づいて、作業装置50が作動しているか否かを判定する。
(作業状態条件3)駐車ブレーキ38が解除されていること(ロック解除状態)。制御装置80は、検知した駐車ブレーキ38の状態に基づいて、駐車ブレーキ38が解除されているか否かを判定する。
制御装置80が、作業状態条件の一部が満たされている場合にトラクタ1が作業状態にあると判定するよう、構成されてもよい。
所定回数(図4の例では9回)のヒータ動作を完了すると(ステップ#17:Yes)、制御装置80は、アフターグロールーチンを正常終了する。
〔エンジンストールの検出ルーチン〕
図7のフローチャートを参照しながら、エンジンストールの検出ルーチンについて説明する。エンジンストールの検出ルーチンは、ディーゼルエンジン32の始動後(メインルーチンのステップ#02)に開始される。
図7のフローチャートを参照しながら、エンジンストールの検出ルーチンについて説明する。エンジンストールの検出ルーチンは、ディーゼルエンジン32の始動後(メインルーチンのステップ#02)に開始される。
制御装置80は、ディーゼルエンジン32のエンジンストール(停止)が発生したか否かを継続的に判定する(ステップ#21:No)。具体的には、制御装置80は、検知したディーゼルエンジン32の回転数に基づいて、エンジンストールが発生したか否かを判定する。
エンジンストールが発生したと判定されると(ステップ#21:Yes)、制御装置80はヒータ77への通電を停止する(ステップ#22)。そして制御装置80は、メインルーチンのAへ進み(図5)、ステップ#01を実行する。
以上述べたとおり、制御装置80は、ディーゼルエンジン32が始動された際(ステップ#02:Yes)、及び前回のアフターグロールーチンが終了してから所定の停止時間が経過し(ステップ#05:Yes)且つトラクタ1が暖気状態にある場合に(ステップ#06:Yes)アフターグロールーチンを実行する(ステップ#03)。
始動スイッチ44がOFFされ、その後に始動スイッチ44がONされると、メインルーチン(図5)が開始され、アフターグロールーチンの実行回数がゼロへリセットされる(ステップ#03)。また、エンジンストールが発生した場合も(ステップ#21:Yes)、アフターグロールーチンの実行回数がゼロへリセットされる(ステップ#03)すなわち、制御装置80は、始動スイッチ44がOFFされた場合、及び始動スイッチ44の操作を伴わずにディーゼルエンジン32が停止した場合に、アフターグロールーチンの実行回数をゼロへリセットする。
制御装置80は、所定の終了条件が満たされた場合に(ステップ#12-16:Yes)アフターグロールーチンの途中終了を実行するように構成されており、終了条件は、作業装置50の作動を含む(ステップ#16:Yes)。
〔他の実施形態〕
(1)上述の実施形態では、トラクタ1はキャビンを備えないキャブレス機である。トラクタ1が運転部40を覆うキャビンを備えてもよい。
(1)上述の実施形態では、トラクタ1はキャビンを備えないキャブレス機である。トラクタ1が運転部40を覆うキャビンを備えてもよい。
(2)作業装置50の駆動が、他の動力源により実現されてもよい。例えば、ディーゼルエンジン32によって駆動される油圧ポンプからの作動油が作業装置50を駆動してもよい。
(3)制御装置80が、ディーゼルエンジン32が始動されてからの時間が所定の経過時間を超える前にアフターグロールーチンの途中終了を実行しないように構成されてもよい。ディーゼルエンジン32の始動後はディーゼルエンジン32の温度が比較的低いので、排気ガスの臭いが発生する可能性が高い。従って、アフターグロールーチンの途中終了を実行しない方が好ましい。本形態によれば、排気ガスの臭いを効果的に抑制することができる。
本発明は、ディーゼルエンジンを備える作業車に適用可能である。例えば、トラクタの他、普通型コンバインや自脱型コンバイン等の収穫機、田植機や移植機、管理機等の農作業機、建機等に適用可能である。
1 :トラクタ(作業車)
20 :走行装置
32 :ディーゼルエンジン
38 :駐車ブレーキ
44 :始動スイッチ
50 :作業装置
74 :燃焼室
77 :ヒータ
80 :制御装置
P1 :第1プロセス
T1-9 :継続時間(第1プロセスの継続時間)
20 :走行装置
32 :ディーゼルエンジン
38 :駐車ブレーキ
44 :始動スイッチ
50 :作業装置
74 :燃焼室
77 :ヒータ
80 :制御装置
P1 :第1プロセス
T1-9 :継続時間(第1プロセスの継続時間)
Claims (8)
- ディーゼルエンジンと、
前記ディーゼルエンジンの燃焼室に供給されるガスを加熱するヒータと、
前記ヒータを動作させるアフターグロールーチンを実行する制御装置と、を備える作業車であって、
前記制御装置は、前記ディーゼルエンジンが始動された際、及び前回の前記アフターグロールーチンが終了してから所定の停止時間が経過し且つ前記作業車が暖気状態にある場合に前記アフターグロールーチンを実行する作業車。 - 走行装置と作業装置とを更に備え、
前記制御装置は、前記走行装置が停止し且つ前記作業装置が停止している場合に前記作業車が前記暖気状態にあると判定する請求項1に記載の作業車。 - 走行装置と作業装置と駐車ブレーキとを更に備え、
前記制御装置は、前記走行装置が停止し且つ前記作業装置が停止し且つ前記駐車ブレーキが作動している場合に前記作業車が前記暖気状態にあると判定する請求項1に記載の作業車。 - 前記制御装置は、前記アフターグロールーチンの実行回数をカウントし、前記実行回数が所定の上限回数となった後には前記アフターグロールーチンを実行しない請求項1に記載の作業車。
- 始動スイッチを更に備え、
前記制御装置は、前記始動スイッチがOFFされた場合、及び前記始動スイッチの操作を伴わずに前記ディーゼルエンジンが停止した場合に、前記実行回数をゼロへリセットする請求項4に記載の作業車。 - 作業装置を更に備え、
前記制御装置は、所定の終了条件が満たされた場合に前記アフターグロールーチンの途中終了を実行するように構成されており、
前記終了条件は、前記作業装置の作動を含む請求項1に記載の作業車。 - 前記作業装置は、前記ディーゼルエンジンが始動されてからの時間が所定の経過時間を超える前に前記途中終了を実行しないように構成されている請求項6に記載の作業車。
- 前記アフターグロールーチンは、前記ヒータを作動させる第1プロセスと、前記ヒータを前記第1プロセスよりも低い温度にする第2プロセスと、の所定回数の繰り返しであり、最初の前記第1プロセスの継続時間は他の前記第1プロセスの継続時間よりも長い請求項1から7のいずれか1項に記載の作業車。
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JP2022091477A JP2023178668A (ja) | 2022-06-06 | 2022-06-06 | 作業車 |
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