JP2023177334A - 水性インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】マーキングペン、筆ペン等の筆記具または塗布具に充填して使用する、顔料の定着性に優れ、ペン先や筆穂、塗布部の復元性が良好な水性インキ組成物を提供する。【解決手段】顔料と、23℃時の伸度が400%以上1000%以下のエチレン-酢酸ビニル樹脂エマルジョンと、水とからなる水性インキ組成物とした。【選択図】図1

Description

本発明は、マーキングペン、筆ペン等の筆記具または塗布具に充填して使用する、顔料の定着性に優れ、ペン先や筆穂、塗布部の復元性が良好な水性インキ組成物に関する。
従来、水性インキ組成物において、隠蔽力のある筆跡や、光輝性のある筆跡を得るためのインキには、顔料として少なくとも酸化チタンなどの白色顔料、パール顔料や金属粉顔料等の光輝性を有する反射性着色材が用いられている。
例えば、酸化チタンを使用した再分散性の良好な水性インキとして、特許文献1には等電点がインキのpHよりも大きい酸化チタンと樹脂粒子と、結合剤としてアクリル系樹脂エマルジョンと、水とを少なくとも含む水性顔料組成物が開示されている。
また、特許文献2には、筆跡の定着性に優れた水性インキとして顔料粒子と、体質材と、凝集分散剤と、凝集コントロール剤と、自己架橋型樹脂エマルジョンとしてアクリルエマルジョンと、ポリオレフィン樹脂粒子と、溶媒とを含む水性インキ組成物が開示されている。
特開平11-343443号公報 特開2017-115084号公報
隠蔽性や光沢付与のため酸化チタンやパール顔料や金属粉顔料等の光輝性を有する反射性着色材など粒径の大きい顔料を使用したインキには再分散性の向上や、定着性の付与のためアクリル系樹脂エマルジョンを使用することが知られているが、定着性に優れたタイプのアクリル系樹脂エマルジョンはわずかな水分蒸発により粘度が上昇しやすく、また空気との接触による乾燥で被膜が形成され、ペン先耐乾燥性が悪化したり、一度ペン先が乾燥してしまうと復元できなくなるという問題があった。特にサインペン、マーキングペン、筆ペン、フェルトペンなどに使用される液体保持力の高い繊維収束体中の狭く複雑な隙間からインキを導出するペン先では、インキの粘度がわずかに上昇しただけでインキの流通が遅くなり、カスレなどの問題が発生しやすくなり、ペン先の乾燥が復元しないとインキが十分に残っていても使用できなくなってしまう問題が発生しやすいものであった。
本発明は、隠蔽性や光輝性を付与する顔料を使用したインキであっても、筆跡の定着性に優れ、かつ穂筆タイプの塗布部を備える筆記具で使用しても、ペン先や塗布部が乾燥しても復元することができる水性インキ組成物を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも、顔料と、23℃時の伸度が400%以上1000%以下のエチレン-酢酸ビニル樹脂エマルジョンと、水とからなる水性インキ組成物を第一の要旨とし、更に顔料が酸化チタンである筆記具用水性インキ組成物を第二の要旨とするものである。
本発明の水性インキ組成物は、マーキングペン、筆ペン等の筆記具または塗布具に充填して使用する。23℃時の伸度が400%以上1000%以下のエチレン-酢酸ビニル樹脂エマルジョンを定着剤として使用することで、一般的な顔料はもとより酸化チタンやパール顔料や金属粉顔料等筆跡の定着が難しい顔料であっても筆跡の擦過に強く定着性の良好な筆跡を得ることができる。更にアクリル樹脂エマルジョンなどに比べてインキの水分が減少したときも粘度が上昇しにくく、またエマルジョンが破壊されにくいため、例えペン先が一度乾燥し、かすれた状態になってもキャップをして密閉することでインキ収容部のインキによりペン先部のインキ粘度を低粘度に復帰させることができるものである。
塗布具1の縦断面図
本発明の水性インキ組成物に使用する酸化チタンは隠蔽性がある白色系の着色材であり、粒子径や添加量を調整したり、他の着色剤と併用することにより、暗色紙でも隠蔽性を保持した発色を持つ筆跡を形成したり、パステルカラーなどの特徴的な発色を持つ筆跡を形成したりすることができるものである。使用できる酸化チタンとしては従来公知のものであれば、特に限定されるものではない。酸化チタンの具体例として、SR-1、R-3L、R-5N、R-7E、R-24、R-61N、R-62N、R-310、R-650、D-918、FTR-700、TCR-52(以上、堺化学工業株式会社製)、タイペークR-550、同R-580、同R-630、同R-670、同R-680、同R-780、同R-780-2、同R-820、同R-830、同R-930、同R-980、同PR-690、同PF-691、同PF-711、同PF-736、同PF-737、同PF-737、同PF-739、同PF-740、同PC-3、同S-305、同CR-50、同CR-50-2、同CR-57、同CR-58、同CR-58-2、同CR-Super70、同CR-80、同CR-85、同CR-90、同CR-90-2、同CR-93、同CR-97、同A-100、同A-220(以上、石原産業株式会社製)、クロノスKR-270、KR-310、同KR-380、同KR-380-N、同KR-480、同KA-10、同KA-15、同KA-20、同KA-30(以上、チタン工業株式会社製)、TITANIX JR-300、同JR-301、同JR-403、同JR-405、同JR-600A、同JR603、同JR-605、同JR-600E、同JR-603、同JR-800、同JR-801、同JR-805、同JR-806、同JR-906、同JR-701、同JRNC、同JR、同JA-1、同JA-C、同JA-3(以上、テイカ株式会社製)、TA-100、TA-200、TA-300、TA-400、TR-600、TR-700、TR-840、TR-900(以上、富士チタン工業株式会社製)、タイピュアR-700、同R-706、R-900、同R-901、同R-902(以上、デュポン・ジャパン・リミテッド社製)などが挙げられる。
酸化チタン粒子の分散効率を上げるために、市販の水分散タイプ酸化チタン粒子は取り扱い性や生産性が高まるので好ましく用いられる。
水分散タイプ酸化チタン粒子の具体例として、アニオン性水溶性樹脂分散剤を使用したものとしては、FUJI SP WHITE 1142(アクリル系水溶性樹脂分散体、固形分31.0~45.0%)、FUJI SP WHITE 1193(アクリル系水溶性樹脂分散体、固形分45.0~55.0%)(以上、冨士色素株式会社製)、NAF 5002 ホワイト(アクリル系水溶性樹脂分散体、固形分65%)、AF ホワイト E-3D(アクリル系水溶性樹脂分散体、固形分64%)(以上、大日精化工業株式会社製)が挙げられる。カチオン性水溶性樹脂分散剤を使用したものとして、FUJI SP WHITE 1209(アリル系アミン水溶性樹脂分散体、固形分45.0~55.0%)(以上、冨士色素株式会社製)が挙げられる。その他、FUJI SP WHITE 143、FUJI SP WHITE 383、FUJI SP WHITE 552、FUJI SP WHITE 553、FUJI SP WHITE 791、FUJI SP WHITE 1186(以上、冨士色素株式会社製)が挙げられる。
酸化チタンを分散する分散剤としては、従来公知の分散剤を適宜使用することができる。具体的には界面活性剤や水溶性樹脂、樹脂エマルジョンなどが好ましく使用され、これらの分散剤を併用することもできる。
アニオン系界面活性剤として、高級脂肪酸アミドのアルキル化スルフォン酸塩、アルキルアリルスルフォン酸塩等、具体的には、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N-アシルアミノ酸塩、N-アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などが使用できる。なかでもデモールEP、ホモゲノールL-18、ポイズ520、同530(以上、花王株式会社製)などのポリカルボン酸型界面活性剤や、デモールN(花王株式会社製)などのナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物型界面活性剤や、サンノールLMT-1430、サンノールTD-3130(以上、ライオン株式会社製)、エマール20C、エマール270J、エマール20CM、エマールD-3-D、エマールD-4-D、エマール20T、ラテムルE-118B、ラテムルE-150、ラテムルWX(以上、花王株式会社製)などのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類や、サンノールEH-1145M、サンノールLM-1130、サンノールLM-1140T(以上、ライオン株式会社製)などのアルキル硫酸エステル塩類や、アルスコープLN-90PW、アルスコープLS-40T、アルスコープLS-30、アルスコープLS-25B、アルスコープNS-230、アルスコープTH-330K、アルスコープTH-370N、アルスコープDA-330S、アルスコープN-335T、アルスコープA-225B(以上、東邦化学工業株式会社製)、エマール0、エマール0S、エマール10S、エマール2FG、エマール2F-30、エマールTD(以上、花王株式会社製)などの高級アルキル硫酸塩類や、ライポンLS-250、ライポンLH-200、ライポンS-230、ライポンPS-260、ライポンPS-860、ライポンLH-900(以上、ライオン株式会社製)などのアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムや、リポランPJ-400CJ、リポランLB-440、リポランLJ-441、KリポランPJ-400C、リポランLB-840、リポランPB-800CJ(以上、ライオン株式会社製)などのオレフィンスルホン酸ナトリウムや、ルノックス S-40TD(以上、東邦化学工業株式会社製)、ネオペレックスG-15、ネオペレックスG-25、ネオペレックスG-65、ネオペレックスGS(以上、花王株式会社製)などのアルキルベンゼンスルホン酸塩類などが好ましく使用できる。
ノニオン系界面活性剤として、例えば、ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル、多価アルコールの高級脂肪酸エステル及びその誘導体、糖の高級脂肪酸エステル等、具体的には、グリセリンの脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物などが使用でき、なかでもサーフィノールTG、同104E(以上、日信化学工業株式会社製)などのアセチレングリコール型活性剤や、ペグノールO-6(以上、東邦化学工業株式会社製)、ノイゲンP、ノイゲンET(以上、第一工業製薬株式会社製)などのポリオキシエチレンアルキルエーテル型界面活性剤や、ノナール210、同212(以上、東邦化学工業株式会社製)などのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型界面活性剤、NIKKOL TL-10、NIKKOL TP-10、NIKKOL TO-10M、NIKKOL TO-10、NIKKOL TI-10(以上、日光ケミカルズ株式会社製)、レオドール TW-L120、レオドール TW-O120V、レオドール スーパーTW-L120、レオドール TW-P120、レオドール WO120(以上花王株式会社製)などのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルや、NIKKOL MYS-25、NIKKOL MYS-45、NIKKOL MYS-55、NIKKOL CDS-600P(以上、日光ケミカルズ株式会社製)、エマノーン3199B、エマノーン3299V、エマノーン3299RV(以上、花王株式会社製)などのポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステルや、NIKKOL HCO-80、NIKKOL HCO-100(以上、日光ケミカルズ株式会社製)などのポリオキシエチレン水添加硬化ヒマシ油や、エマルゲン108、エマルゲン120、エマルゲン123P、エマルゲン130K、エマルゲン147、エマルゲン150、エマルゲン210P、エマルゲン220、エマルゲン350、エマルゲン430、エマルゲン4085、エマルゲン2025G(以上、花王株式会社製)、NIKKOL PBC-34、NIKKOL PBC-44、NIKKOL BL-21、NIKKOL BL-25、NIKKOL BC-15、NIKKOL BC-20、NIKKOL BC-23、NIKKOL BC-25、NIKKOL BC-30、NIKKOL BC-40、NIKKOL BS-20、NIKKOL BO-15V、NIKKOL BO-20V、NIKKOL BO-50V、NIKKOL BB-20、NIKKOL BB-30、NIKKOL BD-10(以上、日光ケミカルズ株式会社製)などのポリオキシアルキレンアルキルエーテルや、リョートーシュガーエステル S-1570、リョートーシュガーエステル S-1670、リョートーシュガーエステル P-1570、リョートーシュガーエステル P-1670、リョートーシュガーエステル M-1695、リョートーシュガーエステル O-1570、リョートーシュガーエステル L-1695(以上、三菱化学フーズ株式会社製)などのショ糖脂肪酸エステルや、プルロニックL10、プルロニックL31、プルロニックL61、プルロニックL62、プルロニック10R5、プルロニック17R2、プルロニック25R2(以上、BASFジャパン花王株式会社製)、アデカプルロニック L-23、アデカプルロニック L-31、アデカプルロニック L-44、アデカプルロニック L-61、アデカプルロニック L-62、アデカプルロニック L-64、アデカプルロニック L-71、アデカプルロニック L-72、アデカプルロニック L-101、アデカプルロニック L-121、アデカプルロニック P-84、アデカプルロニック P-85、アデカプルロニック P-103、アデカプルロニック F-68、アデカプルロニック F-88、アデカプルロニック F-108(以上、株式会社ADEKA製)などのポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)ブロックコポリマーなども好ましく使用でき、特にエマルゲンA-60、同A-90、エマルゲンB-66(以上、花王株式会社製)などのポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル型界面活性剤がインキの起泡性が低く、かつ顔料の分散安定性に優れていることと浸透性が低めであるため色沈みしにくい界面活性剤として好適である。
カチオン系界面活性剤として、アルキルアミンアセテート、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムブロマイド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、脂肪酸アミン塩、第四アンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウムなどが挙げられる。
これらの界面活性剤は、単独あるいは複数混合して使用できる。また、顔料を分散する水溶性樹脂分散剤と併用することもでき、その界面活性剤の使用量は、水性顔料インキ全量に対して0.01~20重量%添加することが好ましい。顔料の分散性を好適に保つ点で0.1重量%以上1重量%以下が好ましい。
水溶性樹脂分散剤・樹脂エマルジョン分散剤としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはそのアルキルエステルや、スチレン、アクリロニトリル、ウレタン、酢酸ビニル等のモノマー群より選択して重合したアニオン性のポリマーや、前記モノマー群より2種以上を選択して共重合したポリマーを、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩の形態で使用するものや ポリアミン、ポリアリルアミン等のカチオン性モノマーをポリマー化した、カチオン性水溶性樹脂分散体や、カチオン部位を持つモノマーとアニオン部位を持つモノマーを重合させ、両方の性質を併せ持つポリマーである両性水溶性樹脂分散剤や、アラビアガム、ロジン等の天然樹脂やその誘導体、ヒドロキシセルロースやその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
特にスチレンおよび/またはαメチルスチレンとアクリル酸および/またはメタクリル酸の共重合物の水溶性塩が顔料の分散性に優れるため好ましい。
市販品として、アニオン性ポリマーとして、FK-64S、FK-471、FK-474、FK-285、FK-6100、モビニール952B(以上、ジャパンコーティングレジン株式会社製)、ビニゾール1637、同1117、同1008、同1606A、同911、アクリットWEM―202U、同WEM-321U、、同WBR―016U(以上、大同化成工業株式会社製)、ジョンクリルHPD-196、同HPD-96J、同7100、同711、同PDX-7341、同PDX-7787、同PDX-7734、同PDX-7687、同352D、同PDX-7164、同PDX-7430、同52J、同57J、同60J、同61J、同62(以上、BASFジャパン株式会社製)、エバファノールHA-50C、同HA170、ネオステッカー400、同700(以上、日華化学株式会社製)ユーコートUWS-145、パーマリンUA-200(以上、三洋化成工業株式会社製)、星光PMC株式会社製のハイロスシリーズや、東亞合成株式会社製のARUFONや カチオン性ポリマー・両性ポリマーとしてニットーボーメディカル株式会社製PAAシリーズ、PASシリーズなどが挙げられる。これらの水溶性樹脂・樹脂エマルジョンは単独あるいは複数混合して使用できる。また、顔料を分散する界面活性剤と併用することもでき、その水溶性樹脂・樹脂エマルジョンの使用量は水性顔料インキ全量に対して固形分として1~50重量%が好ましい。
特に酸化チタンをカチオン性の活性剤や水溶性樹脂で分散し、他の着色顔料をアニオン系の界面活性剤で分散してインキとすると、色別れや顔料の経時安定性。再分散性が良好になり好ましい。
インキ組成物中の酸化チタン粒子の含有量は、インキ組成物全量に対して5.0重量%以上40.0重量%以下で好適に使用でき、5.0重量%より多く、25.0重量%未満であれば隠蔽性が高く、鮮明で、きれいな筆跡を得られるためより好ましい。
インキ組成物中の酸化チタンの平均粒子径0.1μm以上であれば、光の透過を抑制することができ、酸化チタン粒子表面で光が反射しやすいので白色を発色しやすい。また、酸化チタンの平均粒子径が0.2μm以上1.0μm以下、特に平均粒子径が0.3μm以上0.7μm以下であると、インキ単体での分散安定性も良好で、筆跡に適度な隠蔽力と、良好な発色、鮮明性が得られ、筆跡が色沈みせず最適である。
酸化チタン粒子の吸油量・吸水量は、酸化チタン粒子の表面処理に使用する表面処理剤の配合比によって変化する。例えば、酸化チタン粒子の表面処理に表面処理剤のSiO2とAl2O3を併用した場合、酸化チタン粒子表面に、Al2O3がSiO2よりも多く存在すると、酸化チタン粒子の吸油量は小さくなり、吸水量は大きくなる。一方で、酸化チタン粒子表面に、SiO2がAl2O3よりも多く存在すると、酸化チタン粒子の吸油量は大きくなり、吸水量は小さくなる。インキ組成物中の酸化チタン粒子の吸油量は29g/100g以上35g/100g以下が好ましい。吸油量が29g/100g以上35g/100g以下の酸化チタン粒子は界面活性剤や樹脂エマルジョン等の分散剤の吸着性に優れ、分散性が向上する。樹脂粒子と併用する場合でも粒子同士の距離を適度に保ちながら、他の樹脂粒子等との相互作用により、複合体を形成しやすく、分散安定性に優れ、特にケーキングにおいては沈降物がハードケーキを形成しにくくなり、再分散性が向上する。
これらの酸化チタンまたはその分散体は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。
本発明の水性インキ組成物に使用する光輝性顔料は、光輝感のある綺麗な筆跡を形成するために用いられるものである。使用できる光輝性顔料としては、従来から知られているものであれば、特に限定されるものではない。光輝性顔料の具体例として、エルジーneo R-GOLD #35、エルジーneo B-GOLD #35、エルジーneo S-GOLD #35、エルジーneo R-GOLD #100、エルジーneo B-GOLD #100、エルジーneo S-GOLD #100、エルジーneo RED #100、エルジーneo BLUE #100、エルジーneo GREEN #100、エルジーneo VIOLET #100、エルジーneo BLACK #100、エルジーneo COPPER #100、エルジーneo PINK #100、エルジーneo YELLOW #100、エルジーneo R-GOLD #150、エルジーneo B-GOLD #150、エルジーneo S-GOLD #150、エルジーneo RED #150、エルジーneo BLUE #150、エルジーneo GREEN #150、エルジーneo VIOLET #150、エルジーneo BLACK #150、エルジーneo COPPER #150、エルジーneo PINK #150、エルジーneo YELLOW #150、エルジーneo R-GOLD #200、エルジーneo B-GOLD #200、エルジーneo S-GOLD #200、エルジーneo RED #200、エルジーneo BLUE #200、エルジーneo GREEN #200、エルジーneo VIOLET #200、エルジーneo BLACK #200、エルジーneo COPPER
#200、エルジーneo PINK #200、エルジーneo YELLOW #200、エルジーneo R-GOLD #325、エルジーneo B-GOLD #325、エルジーneo S-GOLD #325、エルジーneo RED #325、エルジーneo BLUE #325、エルジーneo GREEN #325、エルジーneo VIOLET #325、エルジーneo BLACK #325、エルジーneo COPPER #325、エルジーneo PINK #325、エルジーneo YELLOW #325、エルジーneo SILVER #325、エルジーneo R-GOLD #500、エルジーneo B-GOLD #500、エルジーneo S-GOLD #500(以上、尾池イメージング株式会社製)、ダイヤモンドピース LG Gold No.55、ダイヤモンドピース DG Gold No.55、ダイヤモンドピース Green No.55、ダイヤモンドピース Blue No.55、ダイヤモンドピース Red No.55、ダイヤモンドピース Maroon No.55、ダイヤモンドピース Ocean Green No.55、ダイヤモンドピース Sky Blue No.55、ダイヤモンドピース Black No.55、ダイヤモンドピース Pink No.55、ダイヤモンドピース Violet No.55、ダイヤモンドピース Emerald No.55、ダイヤモンドピース Copper No.55、ダイヤモンドピース LG Gold H25、ダイヤモンドピース DG Gold H25、ダイヤモンドピース Green H25、ダイヤモンドピース Blue H25、ダイヤモンドピース Red H25、ダイヤモンドピース Maroon H25、ダイヤモンドピース Ocean Green H25、ダイヤモンドピース Sky Blue H25、ダイヤモンドピース Black H25、ダイヤモンドピース Pink H25、ダイヤモンドピース Violet H25、ダイヤモンドピース Emerald H25、ダイヤモンドピース Copper H25、ダイヤモンドピース LG Gold H55、ダイヤモンドピース DG Gold H55、ダイヤモンドピース Green H55、ダイヤモンドピース Blue H55、ダイヤモンドピース Red H55、ダイヤモンドピース Maroon H55、ダイヤモンドピース Ocean Green H55、ダイヤモンドピース Sky Blue H55、ダイヤモンドピース Black H55、ダイヤモンドピース Pink H55、ダイヤモンドピース Violet H55、ダイヤモンドピース Emerald H55、ダイヤモンドピース Copper H55、ダイヤモンドピース LG Gold CO-40UC、ダイヤモンドピース DG Gold CO-40UC、ダイヤモンドピース Green CO-40UC、ダイヤモンドピース Blue CO-40UC、ダイヤモンドピース Red CO-40UC、ダイヤモンドピース Pink CO-40UC、ダイヤモンドピース Lavender CO-40UC(以上、ダイヤ工業株式会社製)、スーパーファインNo.22000、同No.18000、ファインNo.900、同800(以上、大和金属粉工業株式会社製)、AA12、AA8、No.900、No.1800(以上、福田金属箔粉工業株式会社製)、アルミ粉1000、同2700(以上、中塚金属箔粉工業株式会社製)、スーパーファインNo.22000WN、同No.1800WN(以上、大和金属粉工業株式会社製)、WB0230、WXM0630、フレンドカラーD452BL、フレンドカラーD462BL、フレンドカラーD851BL、フレンドカラーD451RE、フレンドカラーD462RE、フレンドカラーD111RE、フレンドカラーD452YE、フレンドカラーD462YE、フレンドカラーD851YE(以上、東洋アルミニウム株式会社製)、PaleGold E5、同2L5、RichGold L7、同3L7、ECopper(以上、福田金属箔粉工業株式会社製)、ステンレス鋼粉顔料、錫粉顔料、亜鉛粉顔料、ニッケル粉顔料、金粉顔料、銀粉顔料、メタシャインMT1030GP、メタシャインMT2080GP、メタシャイン2025PS、メタシャイン1030PS、メタシャイン2080PS、メタシャイン5090PS、メタシャイン5150PS、メタシャイン5230PS、メタシャイン5480PS(以上、日本板硝子株式会社製)等が挙げられる。
光輝性顔料は、水性インキ組成物全量に対して0.5重量%以上20.0重量%以下が好ましい。0.5重量%未満では、筆跡に十分な光輝感が発現されにくくなることがあり、20.0重量%より多いと、固形分が増加することでインキの粘度が極端に上昇し書き味が低下しやすくなる。
使用する光輝性顔料の大きさは、平均粒子径が20μm以上100μm以下のものが好ましい。粒子径が20μmより小さいと、光輝性顔料が紙面の繊維に入り込み、十分な光輝感が発現されにくくなることがあり、100μmより大きいと、マーキングペンや筆ペンの繊維製やスポンジ状連通多孔体製のペン先で、インキが詰まってしまい筆記できなくなる場合があるためである。
本発明における平均粒子径は、株式会社島津製作所製ナノ粒子径分布測定装置(SALD-7100(レーザー回折法))にて測定した体積分布基準による平均粒子径(体積平均径)である。 これらの光輝性顔料は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。
着色剤として、染料や顔料を使用することができる。
染料としては、従来の水性インキや油性インキ等に用いられる直接染料、酸性染料、塩基性染料等を用いることができる。
具体的には、ジャパノールファストブラックDコンク(C.I.ダイレクトブラック17)、ウォーターブラック100L(C.I.ダイレクトブラック19)、ウォーターブラックL-200(C.I.ダイレクトブラック19)、ダイレクトファストブラックB(C.I.ダイレクトブラック22)、ダイレクトファストブラックAB(C.I.ダイレクトブラック32)、ダイレクトディープブラックEX(C.I.ダイレクトブラック38)、ダイレクトファストブラックコンク(C.I.ダイレクトブラック51)、カヤラススプラグレイVGN(C.I.ダイレクトブラック71)、カヤラスダイレクトブリリアントイエローG(C.I.ダイレクトイエロー4)、ダイレクトファストイエロー5GL(C.I.ダイレクトイエロー26)、アイゼンプリムライエローGCLH(C.I.ダイレクトイエロー44)、ダイレクトファストイエローR(C.I.ダイレクトイエロー50)、アイゼンダイレクトファストレッドFH(C.I.ダイレクトレッド1)、ニッポンファストスカーレットGSX(C.I.ダイレクトレッド4)、ダイレクトファストスカーレット4BS(C.I.ダイレクトレッド23)、アイゼンダイレクトローデュリンBH(C.I.ダイレクトレッド31)、ダイレクトスカーレットB(C.I.ダイレクトレッド37)、カヤクダイレクトスカーレット3B(C.I.ダイレクトレッド39)、アイゼンプリムラピンク2BLH(C.I.ダイレクトレッド75)、スミライトレッドF3B(C.I.ダイレクトレッド80)、アイゼンプリムラレッド4BH(C.I.ダイレクトレッド81)、カヤラススプラルビンBL(C.I.ダイレクトレッド83)、カヤラスライトレッドF5G(C.I.ダイレクトレッド225)、カヤラスライトレッドF5B(C.I.ダイレクトレッド226)、カヤラスライトローズFR(C.I.ダイレクトレッド227)、ダイレクトスカイブルー6B(C.I.ダイレクトブルー1)、ダイレクトスカイブルー5B(C.I.ダイレクトブルー15)、スミライトスプラブルーBRRコンク(C.I.ダイレクトブルー71)、ダイボーゲンターコイズブルーS(C.I.ダイレクトブルー86)、ウォーターブルー#3(C.I.ダイレクトブルー86)、カヤラスターコイズブルーGL(C.I.ダイレクトブルー86)、カヤラススプラブルーFF2GL(C.I.ダイレクトブルー106)、カヤラススプラターコイズブルーFBL(C.I.ダイレクトブルー199)等の直接染料や、アシッドブルーブラック10B(C.I.アシッドブラック1)、ニグロシン(C.I.アシッドブラック2)、スミノールミリングブラック8BX(C.I.アシッドブラック24)、カヤノールミリングブラックVLG(C.I.アシッドブラック26)、スミノールファストブラックBRコンク(C.I.アシッドブラック31)、ミツイナイロンブラックGL(C.I.アシッドブラック52)、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(C.I.アシッドブラック52)、スミランブラックWA(C.I.アシッドブラック52)、ラニルブラックBGエクストラコンク(C.I.アシッドブラック107)、カヤノールミリングブラックTLB(C.I.アシッドブラック109)、スミノールミリングブラックB(C.I.アシッドブラック109)、カヤノールミリングブラックTLR(C.I.アシッドブラック110)、アイゼンオパールブラックニューコンク(C.I.アシッドブラック119)、ウォーターブラック187-L(C.I.アシッドブラック154)、カヤクアシッドブリリアントフラビンFF(C.I.アシッドイエロー7:1)、カヤシルイエローGG(C.I.アシッドイエロー17)、キシレンライトイエロー2G140%(C.I.アシッドイエロー17)、スミノールレベリングイエローNR(C.I.アシッドイエロー19)、ダイワタートラジン(C.I.アシッドイエロー23)、カヤクタートラジン(C.I.アシッドイエロー23)、スミノールファストイエローR(C.I.アシッドイエロー25)、ダイアシッドライトイエロー2GP(C.I.アシッドイエロー29)、スミノールミリングイエロー(C.I.アシッドイエロー38)、ウォーターイエロー6(C.I.アシッドイエロー42)、ウォーターイエロー6C(C.I.アシッドイエロー42)、カヤノールイエローNFG(C.I.アシッドイエロー49)、スミノールミリングイエロー3G(C.I.アシッドイエロー72)、スミノールファストイエローG(C.I.アシッドイエロー61)、スミノールミリングイエローG(C.I.アシッドイエロー78)、カヤノールイエローN5G(C.I.アシッドイエロー110)、スミノールミリングイエロー4G200%(C.I.アシッドイエロー141)、カヤノールイエローNG(C.I.アシッドイエロー135)、カヤノールミリングイエロー5GW(C.I.アシッドイエロー127)、カヤノールミリングイエロー6GW(C.I.アシッドイエロー142)、スミトモファストスカーレットA(C.I.アシッドレッド8)、カヤクシルクスカーレット(C.I.アシッドレッド9)、ソーラールビンエクストラ(C.I.アシッドレッド14)、ダイワニューコクシン(C.I.アシッドレッド18)、ウォーターレッド1(C.I.アシッドレッド18)、アイゼンボンソーRH(C.I.アシッドレッド26)、ダイワ赤色2号(C.I.アシッドレッド27)、スミノールレベリングブリリアントレッドS3B(C.I.アシッドレッド35)、カヤシルルビノール3GS(C.I.アシッドレッド37)、アイゼンエリスロシン(C.I.アシッドレッド51)、ダイワレッドNo.106WB(C.I.アシッドレッド52)、スミノールレベリングルビノール3GP(C.I.アシッドレッド57)、ダイアシッドアリザリンルビノールF3G200%(C.I.アシッドレッド82)、アイゼンエオシンGH(C.I.アシッドレッド87)、ダイワレッドNo.104WB(C.I.アシッドレッド92)、アイゼンアシッドフロキシンPB(C.I.アシッドレッド92)、ローズベンガル(C.I.アシッドレッド94)、カヤノールミリングスカーレットFGW(C.I.アシッドレッド111)、カヤノールミリングルビン3BW(C.I.アシッドレッド129)、スミノオールミリングブリリアントレッド3BNコンク(C.I.アシッドレッド131)、スミノールミリングブリリアントレッドBS(C.I.アシッドレッド138)、アイゼンオパールピンクBH(C.I.アシッドレッド186)、スミノールミリングブリリアントレッドBコンク(C.I.アシッドレッド249)、カヤクアシッドブリリアントレッド3BL(C.I.アシッドレッド254)、カヤクアシッドブリリドブリリアントレッドBL(C.I.アシッドレッド265)、カヤノールミリングレッドGW(C.I.アシッドレッド276)、ミツイアシッドバイオレット6BN(C.I.アシッドバイオレット15)、ミツイアシッドバイオレットBN(C.I.アシッドバイオレット17)、スミトモパテントピュアブルーVX(C.I.アシッドブルー1)、ウォーターブルー#106(C.I.アシッドブルー1)、パテントブルーAF(C.I.アシッドブルー7)、ウォーターブルー9(C.I.アシッドブルー9)、ダイワブルーNo.1(C.I.アシッドブルー9)、スプラノールブルーB(C.I.アシッドブルー15)、オリエントソルブルブルーOBC(C.I.アシッドブルー22)、スミノールレベリングブルー4GL(C.I.アシッドブルー23)、ミツイナイロンファストブルーG(C.I.アシッドブルー25)、カヤシルブルーAGG(C.I.アシッドブルー40)、カヤシルブルーBR(C.I.アシッドブルー41)、ミツイアリザリンサフィロールSE(C.I.アシッドブルー43)、スミノールレベリングスカイブルーRエクストラコンク(C.I.アシッドブルー62)、ミツイナイロンファストスカイブルーB(C.I.アシッドブルー78)、スミトモブリリアントインドシアニン6Bh/c(C.I.アシッドブルー83)、サンドランシアニンN-6B350%(C.I.アシッドブルー90)、ウォーターブルー#115(C.I.アシッドブルー90)、オリエントソルブルブルーOBB(C.I.アシッドブルー93)、スミトモブリリアントブルー5G(C.I.アシッドブルー103)、カヤノールミリングウルトラスカイSE(C.I.アシッドブルー112)、カヤノールミリングシアニン5R(C.I.アシッドブルー113)、アイゼンオパールブルー2GLH(C.I.アシッドブルー158)、ダイワギニアグリーンB(C.I.アシッドグリーン3)、アシッドブリリアントミリンググリーンB(C.I.アシッドグリーン9)、ダイワグリーン#70(C.I.アシッドグリーン16)、カヤノールシアニングリーンG(C.I.アシッドグリーン25)、スミノールミリンググリーンG(C.I.アシッドグリーン27)等の酸性染料、アイゼンカチロンイエロー3GLH(C.I.ベーシックイエロー11)、アイゼンカチロンブリリアントイエロー5GLH(C.I.ベーシックイエロー13)、スミアクリルイエローE-3RD(C.I.ベーシックイエロー15)、マキシロンイエロー2RL(C.I.ベーシックイエロー19)、アストラゾンイエロー7GLL(C.I.ベーシックイエロー21)、カヤクリルゴールデンイエローGL-ED(C.I.ベーシックイエロー28)、アストラゾンイエロー5GL(C.I.ベーシックイエロー51)、アイゼンカチロンオレンジGLH(C.I.ベーシックオレンジ21)、アイゼンカチロンブラウン3GLH(C.I.ベーシックオレンジ30)、ローダミン6GCP(C.I.ベーシックレッド1)、アイゼンアストラフロキシン(C.I.ベーシックオレンジ12)、スミアクリルブリリアントレッドE-2B(C.I.ベーシックオレンジ15)、アストラゾンレッドGTL(C.I.ベーシックオレンジ18)、アイゼンカチロンブリリアントピンクBGH(C.I.ベーシックオレンジ27)、マキシロンレッドGRL(C.I.ベーシックオレンジ46)、アイゼンメチルバイオレット(C.I.ベーシックバイオレット1)、アイゼンクリスタルバイオレット(C.I.ベーシックバイオレット3)、アイゼンローダミンB(C.I.ベーシックバイオレット10)、アストラゾンブルーG(C.I.ベーシックブルー1)、アストラゾンブルーBG(C.I.ベーシックブルー3)、メチレンブルー(C.I.ベーシックブルー9)、マキシロンブルーGRL(C.I.ベーシックブルー41)、アイゼンカチロンブルーBRLH(C.I.ベーシックブルー54)、アイゼンダイヤモンドグリーンGH(C.I.ベーシックグリーン1)、アイゼンマラカイトグリーン(C.I.ベーシックグリーン4)、ビスマルクブラウンG(C.I.ベーシックブラウン1)等の塩基性染料が挙げられる。
これらは、水性インキ組成物全量に対して0.1重量%以上30.0重量%以下が好ましい。0.1重量%より少ないと色調の調整が十分でなく、30.0重量%より多いと、固形分が増加することでインキの粘度が極端に上昇し書き味が低下しやすくなる。これらの染料は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。
顔料としては、従来の水性インキや油性インキ等に用いられるアゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料、天然染料系顔料等の有機系顔料、黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、弁柄、鉄黒、カーボンブラック等の無機顔料等が挙げられ、これらの顔料の分散効率を上げるために酸化チタンに使用できる分散剤と同様に従来公知の界面活性や水溶性樹脂・樹脂エマルジョンなどを好ましく使用することができる。また、これらの分散剤を併用することができる。
具体的には、アニリンブラック(C.I.50440)、シアニンブラック、ナフトールイエローS(C.I.10316)、ハンザイエロー10G(C.I.11710)、ハンザイエロー5G(C.I.11660)、ハンザイエロー3G(C.I.11670)、ハンザイエローG(C.I.11680)、ハンザイエローGR(C.I.11730)、ハンザイエローA(C.I.11735)、ハンザイエローRN(C.I.11740)、ハンザイエローR(C.I.12710)、ピグメントイエローL(C.I.12720)、ベンジジンイエロー(C.I.21090)、ベンジジンイエローG(C.I.21095)、ベンジジンイエローGR(C.I.21100)、パーマネントイエローNCG(C.I.20040)、バルカンファストイエロー5G(C.I.21220)、バルカンファストイエローR(C.I.21135)、タートラジンレーキ(C.I.19140)、キノリンイエローレーキ(C.I.47005)、アンスラゲンイエロー6GL(C.I.60520)、パーマネントイエローFGL、パーマネントイエローH10G、パーマネントイエローHR、アンスラピリミジンイエロー(C.I.68420)、スダーンI(C.I.12055)、パーマネントオレンジ(C.I.12075)、リソールファストオレンジ(C.I.12125)、パーマネントオレンジGTR(C.I.12305)、ハンザイエロー3R(C.I.11725)、バルカンファストオレンジGG(C.I.21165)、ベンジジンオレンジG(C.I.21110)、ペルシアンオレンジ(C.I.15510)、インダンスレンブリリアントオレンジGK(C.I.59305)、インダンスレンブリリアントオレンジRK(C.I.59105)、インダンスレンブリリアントオレンジGR(C.I.71105)、パーマネントブラウンFG(C.I.12480)、パラブラウン(C.I.12071)、パーマネントレッド4R(C.I.12120)、パラレッド(C.I.12070)、ファイヤーレッド(C.I.12085)、パラクロルオルトアニリンレッド(C.I.12090)、リソールファストスカーレット、ブリリアントファストスカーレット(C.I.12315)、ブリリアントカーミンBS、パーマネントレッドF2R(C.I.12310)、パーマネントレッドF4R(C.I.12335)、パーマネントレッドFRL(C.I.12440)、パーマネントレッドFRLL(C.I.12460),パーマネントレッドF4RH(C.I.12420)、ファストスカーレットVD、バルカンファストルビンB(C.I.12320)、バルカンファストピンクG(C.I.12330)、ライトファストレッドトーナーB(C.I.12450)、ライトファストレッドトーナーR(C.I.12455)、パーマネントカーミンFB(C.I.12490)、ピラゾロンレッド(C.I.12120)、リソールレッド(C.I.15630)、レーキレッドC(C.I.15585)、レーキレッドD(C.I.15500)、アンソシンB(C.I.18030)、ブリリアントスカーレットG(C.I.15800)、リソールルビンGK(C.I.15825)、パーマネントレッドF5R(C.I.15865)、ブリリアントカーミン6B(C.I.15850)、ピグメントスカーレット3B(C.I.16105)、ボルドー5B(C.I.12170)、トルイジンマルーン(C.I.12350)、パーマネントボルドーF2R(C.I.12385)、ヘリオボルドーBL(C.I.14830)、ボルドー10B(C.I.15880)、ボンマルーンライト(C.I.15825)、ボンマルーンメジウム(C.I.15880)、エオシンレーキ(C.I.45380)、ローダミンレーキB(C.I.45170)、ローダミンレーキY(C.I.45160)、アリザリンレーキ(C.I.58000)、チオインジゴレッドB(C.I.73300)、チオインジゴマルーン(C.I.73385)、パーマネントレッドFGR(C.I.12370)、PVカーミンHR、ワッチングレッド,モノライトファストレッドYS(C.I.59300)、パーマネントレッドBL、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ(C.I.42535)、ジオキサジンバイオレット、アルカリブルーレーキ(C.I.42750A、C.I.42770A)、ピーコックブルーレーキ(C.I.42090)、ピーコックブルーレーキ(C.I.42025)、ビクトリアブルーレーキ(C.I.44045)、フタロシアニンブルー(C.I.74160)、ファストスカイブルー(C.I.74180)、インダンスレンブルーRS(C.I.69800)、インダンスレンブルーBC(C.I.69825)、インジゴ(C.I.73000)、ピグメントグリーンB(C.I.10006)、ナフトールグリーンB(C.I.10020)、グリーンゴールド(C.I.12775)、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ(C.I.42000)、フタロシアニングリーン等が挙げられる。
また、水性媒体に顔料を分散した水性顔料ベースを用いることもできる。
具体的には、ノニオン性界面活性剤分散した顔料ベースとして、FUJI SP BLACK 8031、FUJI SP BALCK 8041、FUJI SP RED 5628、FUJI SP RED 5648、FUJI SP RED 5653、FUJI SP RED 5657、FUJI SP BLUE 6474、FUJI SP BLUE 6555、FUJI SP YELLOW 4341、FUJI SP YELLOW 4360、FUJI SP YELLOW 4459、FUJI SP VIOLET 9602、FUJI SP VIOLET 9623、FUJI SP PINK 9429、FUJI SP ORANGE 632、FUJI SP ORANGE 636(以上、冨士色素株式会社製)が挙げられ、アニオン性界面活性剤分散した顔料ベースとして、FUJI SP BLUE 6663、FUJI SP VIOLET 9586、FUJI SP VIOLET 9624(以上、冨士色素株式会社製)、NKW-2101、NKW-2102、NKW-2103、NKW-2104、NKW-2105、NKW-2106、NKW-2107、NKW-2108、NKW-2117、NKW-2127、NKW-2137、NKW-2167、NKW-2101E、NKW-2102E、NKW-2103E、NKW-2104E、NKW-2105E、NKW-2106E、NKW-2107E、NKW-2109E、NKW-2117E、NKW-2127E、NKW-2137E、NKW-2167E、NKW-2108E、NKW-2101P、NKW-2102P、NKW-2103P、NKW-2104P、NKW-2105P、NKW-2106P、NKW-2107P、NKW-2108P、NKW-2117P、NKW-2127P、NKW-2137P、NKW-2167P、NKW-C2102E、NKW-C2103E、NKW-C2104E、NKW-C2105E、NKW-C2117E、NKW-C2147E、NKW-C2167E、NKW-C2108E、NKW-3002、NKW-3003、NKW-3004、NKW-3005、NKW-3007、NKW-3077、NKW-3008、NKW-3202E、NKW-3203E、NKW-3204E、NKW-3205E、NKW-3207E、NKW-3277E、NKW-3208E、NKW-3402、NKW-3404、NKW-3405、NKW-3407、NKW-3408、NKW-3477、NKW-3602、NKW-3603、NKW-3604、NKW-3605、NKW-3607、NKW-3677、NKW-3608、NKW-3702、NKW-3703、NKW-3704、NKW-3705、NKW-3777、NKW-3708、NKW-3902E、NKW-3903E、NKW-3904E、NKW-3905E、NKW-3907E、NKW-3977E、NKW-3908E、NKW-6013、NKW-6038、NKW-6002E、NKW-6013E、NKW-6004E、NKW-6005E、NKW-6007E、NKW-6047E、NKW-6077E、NKW-6008E、NKW-6038E、NKW-6202E、NKW-6203E、NKW-6253E、NKW-6204E、NKW-6205E、NKW-6207E、NKW-6277E、NKW-6258E、NKW-6200E、NKW-6559、NKW-7002E、NKW-7012E、NKW-7052E、NKW-7003E、NKW-7004E、NKW-7005E、NKW-7026E、NKW-7017E、NKW-7047E、NKW-7067E、NKW-7008E、NKW-7038E、NKW-7502E、NKW-7517E、NKW-7577E、NKW-7518E(以上、日本蛍光化学株式会社製)が挙げられ、水溶性樹脂分散した顔料ベースとして、FUJI SP BLACK 8065、FUJI SP BACK 8175、FUJI SP BLACK 8119、FUJI SP BLACK 8167、FUJI SP BACK 8208、FUJI SP BACK 8231、FUJI SP BLACK 8381、FUJI SP BLACK 8406、FUJI SP BACK 8500、FUJI SP BACK 8871、FUJI SP RED 5220、FUJI SP RED 5530、FUJI SP RED 5709、FUJI SP RED 5721、FUJI SP BLUE 6402、FUJI SP BLUE 6666、FUJI SP GREEN 7275、FUJI SP GREEN 7433、FUJI SP GREEN 7426、FUJI SP YELLOW 4178、FUJI SP YELLOW 4198、FUJI SP YELLOW 4439、FUJI SP YELLOW 4449、FUJI SP YELLOW 4470、FUJI SP VIOLET 9583、FUJI SP VIOLET 9626、FUJI SP PINK 9524、FUJI SP PINK 9527、FUJI SP ORANGE 534、FUJI SP ORANGE 606、FUJI SP ORANGE 674 (以上、冨士色素株式会社製)が挙げられる。
他には、FUJI SP BLACK 8276、FUJI SP BALCK 8551、FUJI SP BACK 8922、FUJI SP RED 5096、FUJI SP RED 5111、FUJI SP RED 5192、FUJI SP RED 5193、FUJI SP RED 5543、FUJI SP RED 5544、FUJI SP RED 5590、FUJI SP BORDEAUX 5500、FUJI SP BLUE 6062、FUJI SP BLUE 6133、FUJI SP BLUE 6134、FUJI SP BLUE 6401、FUJI SP GREEN 7051、FUJI SP YELLOW 4056、FUJI SP YELLOW 4060、FUJI SP YELLOW 4218、FUJI SP VIOLET 9011(以上、冨士色素株式会社製)Emacol Black CN、Emacol Blue FBB、Emacol Blue FB、Emacol Blue KR、Emacol Green LXB、Emacol Violet BL、Emacol Brown 3101、Emacol Carmmine FB、Emacol Red BS、Emacol Orange R、Emacol Yellow FD、Emacol Yellow IRN、Emacol Yellow 3601、Emacol Yellow FGN、Emacol Yellow GN、Emacol Yellow GG、Emacol Yellow F5G、Emacol Yellow F7G、Emacol Yellow 10GN、Emacol Yellow 10G、Sandye Super Black K、Sandye Super Black C、Sandye Super Grey B、Sandye Super Brown SB、Sandye Super Brown FRL、Sandye Super Brown RR、SandyeSuper Green L5G、SandyeSuper Green GXB、Sandye Super Navy Blue HRL、Sandye Super Navy Blue GLL、Sandye Super Navy Blue HB、Sandye Super Navy Blue FBLH、Sandye Super Navy Blue FBL-160、Sandye Super Navy Blue FBB、Sandye Super Violet BL H/C、Sandye Super Violet BL BL、Sandye Super Bordeaux FR、Sandye Super Pink FBL、Super Pink F5B、Sandye Super Rubine FR、Sandye super Carmmine FB、SandyeSuper Red FFG、SandyeSuper Red RR、SandyeSuper Red BS、Sandye Super Orange FL、Sandye Super Orange R、Sandye Super Orange BO、Sandye Gold Yellow 5GR、Sandye Gold Yellow R、Sandye Gold Yellow 3R、Sandye Ywllow GG、Sandye Ywllow F3R、Sandye Ywllow IRC、Sandye Ywllow FGN、Sandye Ywllow GN、Sandye Ywllow GRS、Sandye Ywllow GSR-130、Sandye Ywllow GSN-130、Sandye Ywllow GSN、Sandye Ywllow 10GN(以上、山陽色素株式会社製)、Rio Fast BlackFx 8012、Rio Fast BlackFx 8313、Rio Fast BlackFx 8169、Rio Fast Red Fx8209、Rio Fast Red Fx 8172、Rio Fast Red S Fx 8315、Rio Fast Red S Fx 8316、Rio Fast Blue Fx 8170、Rio Fast Blue FX 8170、Rio Fast Blue S Fx 8312、Rio Fast Green S Fx 8314(以上、東洋インキ株式会社製)、コスモカラーS1000Fシリーズ(東洋ソーダ株式会社製)、ビクトリアイエロー G-11、同G-20、ビクトリアオレンジ G-16、同G-21、ビクトリアレッド G-19、同G-22、ビクトリアピンク G-17、同G-23、ビクトリアグリーン G-18、同G-24、ビクトリアブルー G-15、同G-25(以上、御国色素株式会社製)、ポルックスPC5T1020、ポルックスブラックPC8T135、ポルックスレッドIT1030等のポルックスシリーズ(以上、住化カラー株式会社製)等が挙げられる。
顔料は、水性インキ組成物全量に対して0.1重量%以上25.0重量%以下が好ましい。0.1重量%より少ないと色調の調整が十分でないことがある。これらの着色剤は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。
本発明の23℃時の伸度が400%以上1000%以下のエチレン-酢酸ビニル樹脂エマルジョンは、顔料を紙面に定着させるとともに、ペン先、塗布先の耐乾燥性やペン先復元性を向上させることができる。
エチレン-酢酸ビニル樹脂エマルジョンの具体例としては、スミカフレックス201HQ(23℃時の伸度1000%)、スミカフレックス305HQ(23℃時の伸度420%)、スミカフレックス355HQ(23℃時の伸度420%)、スミカフレックス400HQ(23℃時の伸度550%)、スミカフレックス401HQ(23℃時の伸度850%)、スミカフレックス408HQE(23℃時の伸度650%)、スミカフレックス410HQ(23℃時の伸度700%)、スミカフレックス450HQ(23℃時の伸度540%)、スミカフレックス455HQ(23℃時の伸度500%)、スミカフレックス456HQ(23℃時の伸度550%)、スミカフレックス460HQ(23℃時の伸度620%)、スミカフレックス465HQ(23℃時の伸度750%)、スミカフレックス467HQ(23℃時の伸度790%)、スミカフレックス7400HQ(23℃時の伸度810%)、スミカフレックス470HQ(23℃時の伸度530%)、スミカフレックス478HQ(23℃時の伸度620%)、スミカフレックス483HQ(23℃時の伸度400%)、スミカフレックス510HQ(23℃時の伸度800%)、
等が挙げられる。
上記、エチレン-酢酸ビニル樹脂エマルジョンの伸度の測定はフィルムが厚み約0.15mm(23℃・65%、7日間乾燥し皮膜形成)、フィルム形状がダンベル3号、引張速度が500mm/minの条件で実施した。
また、エチレン-酢酸ビニル樹脂エマルジョンの中でも、23℃時の伸度が650%以上1000%以下のものが水分蒸発時の粘度上昇が少なく特に好ましい。また、高エチレン顔料タイプのものが、耐水性、耐光性、非極性素材とのなじみがよく特に好ましい。
また、エチレン-酢酸ビニル樹脂エマルジョンのTgは、-50℃以上0℃以下が好ましく、最低造膜温度(MFT)は、0℃以上が好ましく、25℃時の粘度が2500~5500が好ましい。
エチレン-酢酸ビニル樹脂エマルジョンは、水性インキ組成物全量に対して固形分として2.0重量%以上10.0重量%以下であると定着性と再分散性が良好で、乾燥時にもインキ粘度を低く保持することができインキ吐出が良好なため書き味が良いため好ましい。これらの樹脂エマルジョンは、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。
水はインキの主溶剤として使用する。イオン交換水や精製水を用いることが好ましい。
更に、インキとしての種々の品質、例えば、低温時でのインキ凍結防止、ペン先でのインキ乾燥防止等の目的で従来から知られている有機溶剤であれば、特に限定されるものではなく、併用することが可能である。有機溶剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、チオジエチレングリコール、グリセリン、ベンジルグリコール、ベンジルジグリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、スルフォラン、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコールエーテル類、イソプロピルアルコール、3-メチル-3-メトキシ-1-ブタノール、ベンジルアルコール、α-メチルベンジルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソドデシルアルコール、イソトリデシルアルコール等のアルコール系溶剤やプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、スルフォラン、γブチロラクトン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。その使用量はインキ組成物全量に対して、1.0重量%以上50.0重量%以下が使用できる。また、2-メチルペンタン-2,4-ジオール等の紙への浸透速度を上げる溶剤を合わせて使用することで筆跡の速乾性をインキ組成物に持たせることができる。
筆記部でのインキ乾燥防止の目的で従来公知の湿潤剤を併用することが可能である。
尿素、エチレン尿素、チオ尿素、ソルビトール、ソルビタンなどを必要に応じて使用可能である。これらの湿潤剤は、単独あるいは混合して使用することができる。その使用量はインキ組成物全量に対して5.0重量%以上20.0重量%以下が使用できる。これらの湿潤剤のなかでも、ペン先乾燥性と筆穂の復元性や、析出物抑制の観点からグリセリン、エチレングリコール、尿素、エチレン尿素を組み合わせることが好ましく、さらに尿素とエチレン尿素とグリセリンを組み合わせることで筆穂の湿潤性を担保しつつ、筆跡がにじみにくい水性インキ組成物を得ることができる。
インキ組成物のpHは、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、アミノメチルプロパンジオール等の塩基性物質や、従来公知の酸性物質等のpH調整剤を使用することで調整でき、これらのpH調整剤により、4.0~10.0であることが好ましく、6.0~8.0であることがより好ましい。調整することで、顔料経時分散安定性がさらに向上する。これらのpH調整剤は、単独、あるいは2種類以上混合して使用しても良い。
着色剤を定着させるために水溶性樹脂、樹脂エマルジョン、樹脂ディスパージョンをエチレン-酢酸ビニル樹脂エマルジョンと併用することもできる。例えば、セラック、スチレン-マレイン酸共重合体及びその塩、スチレン-アクリル酸共重合体及びその塩、α-メチルスチレン-アクリル酸共重合体及びその塩、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、尿素樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、クマロン-インデン樹脂、ロジン系樹脂、ウレタン樹脂やその水素添加物、ケトン樹脂、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物などが挙げられる。
これらの樹脂は、単独あるいは複数混合して使用でき、筆記面への定着性を付与するために添加する場合、その使用量はインキ組成物全量に対し0.1以上10.0重量%以下が好ましく、単独、あるいは2種類以上混合して使用してもよく、顔料分散樹脂を定着剤として兼用することもできる。
アクリル樹脂エマルジョンとしては、FK-64S、FK-471、FK-474、FK-285、FK-6100、モビニール952B(以上、ジャパンコーティングレジン株式会社製)、ビニゾール1637、同1117、同1008、同1606A、同911(以上、大同化成工業株式会社製)、ジョンクリルHPD-196、同HPD-96J、同7100、同711、同PDX-7341、同PDX-7787、同PDX-7734、同PDX-7687、同352D、同PDX-7164、同PDX-7430(以上、BASFジャパン株式会社製)などが挙げられる。特に、ビニゾール1606A(前出)は、ガラス転移点が高く、優れた堅牢性を持つアクリル樹脂を乳化分散させ塗膜を形成することで筆跡の耐水性が向上するため好適に使用できる。
ウレタン樹脂エマルジョンとしては、エバファノールHA-50C、同HA170(以上、日華化学株式会社製)のポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンや、アクリットWEM―202U、同WEM-321U(以上、大成ファインケミカル株式会社製)、ネオステッカー400、同700(以上、日華化学株式会社製)ユーコートUWS-145(以上、三洋化成工業株式会社製)のポリエステル系ウレタン樹脂エマルジョンや、パーマリンUA-200(以上、三洋化成工業株式会社製)、アクリットWBR―016U(以上、大成ファインケミカル株式会社製)のポリエーテル系ウレタン樹脂エマルジョンなどが挙げられる。特に、ユーコートUWS-145(前出)のポリエステル系ウレタン樹脂エマルジョンは、ポリイソシアネート部に疎水性の高いポリエステルを有し、自己乳化を促進する際に投入する中和剤に揮発性を有するものを使用することができ、筆跡の耐水性が向上するため好適に使用できる。
オレフィン樹脂ディスパージョンとしては、ザイクセンA、同L、同H(以上、住友精化株式会社製)などが挙げられる。特に、ザイクセンH(前出)は、モノマー中の親水基の数が少なく筆跡の耐水性が向上するため好適に使用できる。
これらの水溶性樹脂、樹脂エマルジョン、樹脂ディスパージョンは顔料の分散剤と兼用することもできるし、併用することもできる。
にじみ防止剤として樹脂粒子またはその水性分散体を使用することができる。具体的には、ハイテックE-7025P、ハイテックE-2213、ハイテックE-6500、ハイテックE-6314、ハイテックE-6400、ハイテックE-9460、ハイテックE-9015、ハイテックE-4A、ハイテックE-5403P、ハイテックE-8237などのポリエチレン系ワックスや、ハイテックP-9018、ハイテックP-5300、ハイテックP-5800、ハイテックP-5060Pなどのポリプロピレン系ワックス、ハイテックS-3121、ハイテックS-3800、ハイテックS-9242、ハイテックS-9200、ハイテックS-8512、ハイテックS-3148Kなどのカルボキシル基含有エチレン系共重合体(以上、東邦化学工業株式会社製)、などを使用できる。その使用量はインキ組成物全量に対し1.0以上20.0重量%以下が好ましいが、単独で使用した場合、十分なにじみ防止効果を得る量を使用すると水性インキ組成物自体の粘度が高くなり、使用する筆記具の筆記部やインキ組成物の流路との関係において吐出し難くなる虞があるので適切な使用量に調整されることが望ましい。単独使用によりインキ組成物の粘度が高くなうような場合には、他のにじみ防止効果を発揮するものと併用することで吐出に好適な粘度にて使用できる。
水性インキ組成物としての適切な流動特性を得るために水溶性高分子化合物を用いることができる。例えば、アラビアガム、トラガカントガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、カゼイン、キサンテンガム、デキストラン、ウェランガム、ラムザンガム、アルカガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ヒドロキシプロピルグァーガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、アクリル樹脂塩、アクリル酸とアルキルメタクリレートの共重合体またはそれらの塩を使用することができ、顔料分散樹脂と兼用することもできる。
黴の発生を防止するために、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン、安息香酸ナトリウム、モルホリン、モルホリン誘導体、オマジン系などの防腐防黴剤を適宜加えることもでき、単独、あるいは2種類以上混合して使用してもよい。
さらに、染料溶解助剤、ベンゾトリアゾールなどの防錆剤、シリコーン系エマルジョン等の消泡剤、アスコルビン酸、ハイドロキノンスルホン酸塩などの脱気泡剤といった種々の添加剤を必要に応じて使用することもできる。
本発明のマーキングペン、筆ペン等の筆記具または塗布具に使用する水性インキ組成物は、温度25℃及び剪断速度1000.0/sにおける粘度が2mPa・s以上50mPa・s以下に調整することで、書き味、筆跡の均一性、筆跡濃度、にじみ抑制、インキ吐出安定性、筆跡の紙への裏抜け制御、筆跡カスレ抑制、ペン先および筆穂の乾燥抑制、乾燥時の書き出し性能、光輝性顔料等の再分散性の筆記性能や保存安定性が担保されるので好ましい。
本発明の水性インキ組成物を製造するに際しては、従来知られている種々の方法が採用できる。例えば、高剪断力を有するヘンシェルミキサー、プロペラ撹拌機、ホモジナイザー、ターボミキサー、高圧ホモジナイザー、ファインフローミル等の撹拌機に水やベントナイトを入れ撹拌分散した後、ヘンシェルミキサー、プロペラ撹拌機、ホモジナイザー、ターボミキサー、高圧ホモジナイザー、ボールミル、ビーズミル、ロールミル等の分散機により分散した光輝性顔料やその他残りの成分を入れ、さらに混合撹拌することにより容易に得られる。また、これらの調製工程において、発生した分散熱をそのまま利用して撹拌したり、熱をかけたり、冷却して撹拌することができる。脱泡機による泡の除去やろ過機による粗大物のろ過等を必要に応じて行っても良い。これらの種々の混合工程、分散工程、ろ過工程、加熱工程又は冷却工程は、それぞれ単独で行ってもよく、あるいは、2種以上の工程を並行して行ってもよい。
本発明のインキ組成物は、様々な塗布具の塗布液として使用することができる。塗布具の形態としては、筆ペン、ボールペン、フェルトペン、マーキングペンなどの筆記具や描画用具、アイライナー、アイブロウ、アイシャドウなどの化粧用具、などを例示することができる。
以降、図面を参照しつつ、本発明に係るインキ組成物を収容した塗布具の一実施形態について説明する。なお、本発明の技術的範囲は実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
図1は、塗布具1の縦断面図である。塗布具1は、いわゆる筆ペンである。塗布具1は、軸筒2を基礎として各部材が収納、配置されている。
軸筒2は、前軸2aと後軸2bとが結合して構成された筒状の部材である。前軸2aと後軸2bとは、いずれもポリプロピレン樹脂製の成形品である。前軸2aと後軸2bとは、いずれも円筒状の部材であり、軸方向両端が開口し、軸方向に貫通した中空の部材である。
前軸2a外壁の軸方向中腹には、周状の突起である鍔部が設けられている。また、前軸2aの外壁であって鍔部より後方には、周状の突起である前軸2a側嵌合部が設けられている。後軸2b前方の内壁には、周状の突起である後軸2b側嵌合部が設けられている。後軸2bの前端開口部から、前軸2aの後方が挿入され、前軸2a側嵌合部と後軸2b側嵌合部とが互いに乗り越えることで嵌合が完了し、前軸2aと後軸2bとが結合する。このとき、後軸2bの前端面が前軸2aの鍔部に当接することで、両部材の軸方向の位置決めをすることができる。
前軸2aと後軸2bとは、本実施形態のような乗り越え嵌合の他、圧入による結合や螺子螺合などの方法で適宜結合することができる。また軸筒2は、本実施形態のような前軸2aと後軸2bとの2部品の結合ではなく、中空筒状の成形品1部品で構成したり、3部品以上を結合して構成したりすることもできる。
後軸2bの内部は、塗布液(本発明に係るインキ組成)が直接収容される塗布液タンク2baとなっている。本実施形態においては、塗布液は3.0g収容されている。また後軸2bの後方は、内筒2bbと外筒2bcとの重筒構造を介して開口しており、パッキン部材3とノック部材4とが配置されている。
内筒2bbは外筒2bcより径方向内側に位置しており、塗布液タンク2ba後方の開口部を形成している。当該開口部はパッキン部材3に覆われている。パッキン部材3は、ブチルゴム製の部材であるため弾性があり、内筒2bbに対して液密に装着することができるので、塗布液が内筒2bbの開口部から漏れるのを防止することができる。パッキン部材3の前方は、内筒2bb外壁と外筒2bc内壁との間に圧入状態で配置されている。
外筒2bcは後軸2b後方の開口部を形成している。当該開口部には、ノック部材4が前後動可能に配置されている。ノック部材4はポリプロピレン樹脂製の成形品であり、円筒状の部材である。外筒2bcには、内部と外部とに貫通し、軸方向に延びた窓孔が、周方向に対向する位置に2箇所設けられている。当該窓孔に、ノック部材4の外壁に設けられた突起4aが挿入されることで、ノック部材4の外筒2bcからの脱落が防止される。
塗布液タンク2baには、塗布液の他、棒部材5と撹拌体6とが配置されている。棒部材5は、ノック部材4を押圧することで前進して、後述する弁機構を作動させるための部材である。棒部材5は円筒状の部材であり、軸方向両端が開口し、軸方向に貫通した中空の部材である。棒部材5の後方は、塗布液タンク2ba後方の開口部から突出している。棒部材5はポリプロピレン樹脂製の成形品である。
撹拌体6は、塗布具1を振ることで塗布液タンク2ba内を前後動し、塗布液を撹拌するための部材である。撹拌体6は円筒状の部材であり、軸方向両端が開口し、軸方向に貫通した中空の部材であって、棒部材5が挿通されている。撹拌体6は、ポリプロピレン樹脂とタルクとを混ぜて作られた部材である。
前軸2a内には、弁座部材7が配置されている。弁座部材7は、塗布液タンク2ba内の塗布液を塗布先側へ供給する流路を形成する部材である。弁座部材7は円筒状の部材であり、軸方向両端が開口し、軸方向に貫通した中空の部材である。弁座部材7の外壁の軸方向中腹には、周状の突起であるが設けられている。前軸2aの内壁には、周状の突起である前軸2a側嵌合部が設けられている。前軸2a後方の開口部から、弁座部材7の前方が挿入され、弁座部材7側嵌合部と前軸2a側嵌合部とが互いに乗り越えることで嵌合が完了し、弁座部材7が前軸2a内に配置される。弁座部材7はポリプロピレン樹脂製の成形品である。
弁座部材7内には、接続部材8が配置されている。接続部材8は円筒状の部材であり、軸方向両端が開口し、軸方向に貫通した中空の部材である。接続部材8は、弁座部材7内を前後動可能に配置されている。接続部材8の外壁には、軸方向に延びる突起であるリブが、周方向等間隔に8本形成されている。各リブ間の溝と、弁座部材7の内壁とが形成する空間が、塗布液の流路となっている。接続部材8はポリプロピレン樹脂製の成形品である。
接続部材8内には、弁杆部材9の前方と塗布先である筆穂10の後方とが配置されている。弁杆部材9は、前方が大径、後方が小径の棒状の部材である。弁座部材7の後方は、内筒7aと外筒7bとの重筒構造を介して開口しており、弁座部材7前方の開口部から挿入された弁杆部材9のうち、後方の小径部分のみが、内筒7aが形成する塗布液の流路としての開口部に挿入可能である。弁座部材7の後方開口部から突出した弁杆部材9の後方部分は、棒部材5の前方開口部に挿入され、圧入状態で固定されている。弁杆部材9はポリプロピレン樹脂製の成形品である。
弁杆部材9後方の小径部分の外壁に、円筒状のコイルスプリング11が巻回するように配置されている。コイルスプリング11の前端部は内筒7aの内壁面から突出した座としての段部に当接し、コイルスプリング11の後端部は棒部材5の座としての前端面に当接し、圧縮されて配置されている。コイルスプリング11の弾発力によって、棒部材5は常に後方に付勢されている。
コイルスプリング11はステンレス製(SUS304)の部材であるため、繰り返しの使用に対する耐久性と、塗布液に対する耐食性と、に優れており好ましい。
先述の通り棒部材5と弁杆部材9とは固定されているため、棒部材5がコイルスプリング11から受ける後方への付勢力によって、弁杆部材9も後方へ付勢されている。弁杆部材9前方の大径部分は、内筒7aが形成する塗布液の流路としての開口部より径が大きいため通過することができず、弁杆部材9の小径部分から大径部分に差し掛かる部分が、内筒7a開口部の縁部分に周状に押し付けられるため、弁杆部材9が、弁座部材7が形成する塗布液の流路を閉塞する栓として機能する。
弁杆部材9が最も後方に位置する状態から、ノック部材4を前方に押圧すると、棒部材5がコイルスプリング11の後方の付勢力に抗いつつ前進する。棒部材5と固定された弁杆部材9が、棒部材5の前進に伴い前進すると、弁杆部材9の小径部分から大径部分に差し掛かる部分が、内筒7a開口部の縁部分から前方に離れ、塗布液の流路が開かれる。塗布液は、塗布液タンク2ba内から弁杆部材9の外壁と内筒7aの内壁との間の流路から、接続部材8の外壁と弁座部材7の内壁の間の流路を通り、筆穂10へと供給される。
接続部材8を介して弁杆部材9と接続された筆穂10の前方は、前軸2a前方の開口部から突出し、塗布先として機能する。筆穂10は、接続部材8によって弁杆部材9と接続されているため、弁杆部材9の前後動に伴い、前軸2a及び弁座部材7内を前後動する。弁機構の作動の度に筆穂10が前後動するため、本発明に係る塗布液のように固形分が比較的多い塗布液を使用しても、筆穂10の周囲で固形分が固まりにくく、塗布液の供給を良好に維持することができ好ましい。
筆穂10に用いられる筆穂用繊維の材質としては、例えば、ナイロン(6,6-ナイロン、6-ナイロン、12-ナイロン、6,10-ナイロン、6,12-ナイロンなど)、ポリエステル(ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなど)、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル-スチレン共重合物、アクリロニトリル-ブタジエン共重合物など、又はこれらの材質の複合材などを適宜選択することができる。また、これらの材質を用いて筆穂用繊維を得る材料樹脂中に、カルシウム、マンガン、亜鉛、銅、炭酸カルシウム、カオリナイト、クレー、水酸化アルミニウム等の無機充填剤を添加し、強度、耐磨耗性、耐薬品性、耐熱性、形状安定性などの機械的、物理的特性を付与したり、表面にこれら無機粉体の粒子径や配合量などを調整して所望の表面粗さに調整したりすることもできる。本実施形態に係る筆穂10は、筆穂用繊維としてのナイロン繊維を収束して構成されている。ナイロン繊維は分子内にアミド基を持つため親水性があり、塗布液の液媒体を吸水することで比較的軟質な繊維となる。ナイロン繊維は他の合成繊維を比べて耐摩耗性や屈曲回復性にも優れているため、度重なる使用によって繊維が切れたり形状が変化したりすることがなく好ましい。
前軸2aには、筆穂10の前方を覆うようにキャップ12が着脱可能に配置されている。キャップ12の外壁には突起12aが設けられており、キャップ12またはキャップ12を装着した塗布具1の、載置面に対する転がりを防止するものである。キャップ12は、ポリプロピレン樹脂製の成形品である。
各樹脂成形品の材質は、成形性や塗布液との反応性などを考慮して、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、シリコーン樹脂、エラストマー、またはこれらの樹脂を含む複合材などを適宜選択することができる。また、使用する塗布液に応じて、反応性や透過性などを考慮して、各部材の内壁面及び/又は外壁面に各種のコーティングや印刷などを施すこともできる。
図1に示された例示的な実施形態では、筆記具は、塗布先に径が3.4mmのテーパー処理されたナイロン繊維製の筆穂を有し、筆穂の出長さが11.0±1.0mmの範囲であり、前軸先端部分に塗布先を保護するキャップが着脱可能となっており、このキャップによって収容されるインキ組成物の色が判別でき、インキ組成物を直接収容できる塗布液タンクを有し、塗布液タンクはインキ組成物の量やインキ組成物の色が判別できるように一部透明になっており、インキ組成物を再分散させる攪拌体を塗布液タンク内に有し、塗布先と塗布液タンクとの接続部分に弁機構を配置して、後端ノック操作によって弁機構を開閉させ塗布先へのインキ供給を制御する、所謂後端ノック式弁機構の筆ペンタイプの塗布具である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
(インキ組成物の作製)
下記表1~7に示す組成を有する実施例1~35及び比較例1~13のインキ組成物を作製した。
表1~表7に示す各組成物の材料としては、具体的には下記のものを使用した。
(1)FUJI SP WHITE 1209(酸化チタンの分散顔料、顔料固形分45.00~55.00重量%、カチオン性水溶性樹脂分散剤、冨士色素株式会社製)
(2)FUJI SP WHITE 1193(酸化チタンの分散顔料、顔料固形分45.00~55.00重量%、アニオン性水溶性樹脂分散剤、冨士色素株式会社製)
(3)FUJI SP BLACK 8208(カーボンブラックの分散顔料、顔料固形分19.00~22.00%、アニオン性水溶性樹脂分散剤、冨士色素株式会社製)
(4)NSP-WG662A BLUE(フタロシアニンブルーの分散顔料、顔料固形分10~15%、アニオン性水溶性樹脂分散剤、日弘ビックス株式会社製)
(5)NSP-WG701A VIOLET(ジオキサン系顔料の分散顔料、顔料固形分7.5~12.5%、アニオン性水溶性樹脂分散剤、日弘ビックス株式会社製)
(6)FUJI SP YELLOW 4360(ピグメントイエロー151の分散顔料、顔料固形分20.00%、ノニオン性界面活性剤分散、冨士色素株式会社製)
(7)FUJI SP BLUE 6663(ピグメントブルー15:3とピグメントバイオレット23の分散顔料、顔料固形分18.00~20.00%、アニオン性界面活性剤分散、冨士色素株式会社製)
(8)TITANIX JR602(酸化チタン、テイカ株式会社製)
(9)TITANIX JR600A(酸化チタン、テイカ株式会社製)
(10)JR-405(酸化チタン、テイカ株式会社製)
(11)SandyeSuperColour BLUE GLL-E(有機顔料、山陽色素株式会社製)
(12)SandyeSuperColour RED 1321-E(有機顔料、山陽色素株式会社製)
(13)NKW-2109E(日本蛍光化学株式会社製)
(14)NKW-C 2102E(日本蛍光化学株式会社製)
(15)NKW-C 2104E(日本蛍光化学株式会社製)
(16)NKW-C 2105E(日本蛍光化学株式会社製)
(17)NKW-C 2108E(日本蛍光化学株式会社製)
(18)NKW-C 2117E(日本蛍光化学株式会社製)
(19)NKW-C 2167E(日本蛍光化学株式会社製)
(20)NKW-6202E(日本蛍光化学株式会社製)
(21)NKW-6205E(日本蛍光化学株式会社製)
(22)NKW-6258E(日本蛍光化学株式会社製)
(23)ハイテックE-8237(東邦化学工業株式会社製)
(24)Satintone 5HB(カオリン、BASF社製)
(25)スミカフレックス201HQ(23℃時の伸度:1000%、住友化学株式会社製)
(26)スミカフレックス410HQ(23℃時の伸度:700%、住友化学株式会社製)
(27)スミカフレックス483HQ(23℃時の伸度:400%、住友化学株式会社製)
(28)スミカフレックス752(23℃時の伸度:360%、住友化学株式会社製)
(29)スミカフレックス755(23℃時の伸度:>1500%、住友化学株式会社製)
(30)ユーコートUWS-145(ポリエステル系ウレタン樹脂エマルジョン、三洋化成工業株式会社製)
(31)ジョンクリルJ61J(ジョンソンポリマー株式会社製)
(32)モビニール727(ヘキスト合成株式会社製)
(33)JONCRYL JDX-6180(スチレン-アクリル酸共重合体、BASF社製)
(34)Anti-Terra 250(高分子量酸性ポリマーのアルキロールアンモニウム塩、ビックケミー社製)
(35)F-907A(カルボキシメチルセルロース 10%水溶液、第一工業製薬株式会社製)
(36)JONCRYL PDX-7430(スチレン-アクリル酸共重合体、BASF社製)
(37)JONCRYL PDX-7164(スチレン-アクリル酸共重合体、BASF社製)
(38)Ceraflour929(変性ポリエチレンワックス、ビックケミー社製)
(39)Ceraflour925(変性ポリエチレンワックス、ビックケミー社製)
(40)エチレングリコール(日本アルコール販売株式会社製)
(41)ジエチレングリコール(日本アルコール販売株式会社製)
(42)2-メチルペンタン-2,4-ジオール(三井化学株式会社製)
(43)グリセリン(ミヨシ油脂株式会社製)
(44)ダイノール604(アセチレングリコール、日信化学工業株式会社製)
(45)尿素(三井化学株式会社製)
(46)エチレン尿素(関東化学株式会社製)
(47)BYK-094(ビックケミー・ジャパン株式会社製)
(48)BYK-024(ビックケミー・ジャパン株式会社製)
(49)サンアイバックソジウムオマジン(三愛石油株式会社製)
(50)PROXEL GXL(S)(ロンザジャパン株式会社製)
(51)プロキセルXL-2(ロンザジャパン株式会社製)
(52)BTA(オリヱント化学工業株式会社製)
各実施例及び比較例のインキ組成物は、以下のようにして作成した。
(実施例1~24)顔料とエチレン-酢酸ビニル樹脂エマルジョン以外を室温でターボミキサーを使用し、10分攪拌した後に顔料を加え、さらに30分攪拌し、エチレン-酢酸ビニル樹脂エマルジョンを加え、さらに30分攪拌し、インキ組成物を得た。
(実施例25~27)エチレン-酢酸ビニル樹脂エマルジョン以外を室温でターボミキサーを使用し、10分攪拌した後にエチレン-酢酸ビニル樹脂エマルジョンを加え、さらに30分攪拌し、インキ組成物を得た。
(実施例28~35)顔料とエチレン-酢酸ビニル樹脂エマルジョンとポリエステル系ウレタン樹脂エマルジョン以外を室温でターボミキサーを使用し、10分攪拌した後に顔料を加え、さらに30分攪拌し、エチレン-酢酸ビニル樹脂エマルジョンをとポリエステル系ウレタン樹脂エマルジョン加え、さらに30分攪拌し、インキ組成物を得た。
(比較例1~2)NKW-2109E以外をボールミルで24時間分散後、NKW-2109Eを加え、60分攪拌し、インキ組成物を得た。
(比較例3~13)配合物全量を室温でターボミキサーを使用し、60分攪拌し、インキ組成物を得た。
(試験用サンプル)
実施例及び比較例に係るインキ組成物を評価するため、塗布液タンクがポリプロピレン製であり、筆穂がテーパー処理されたナイロン繊維製であり、筆穂径が3.4mmのぺんてる株式会社製ぺんてる筆XGFH-Xに充填して10回押圧し、筆穂にインキ組成物を十分に浸透させ、筆記用サンプルとし、確認試験を行った。
以上説明した実施例1~35及び比較例1~13のインキ組成物を充填した筆記用サンプルを用いて、以下に説明するペン先復元性試験及び、筆跡定着性試験を行った。
(ペン先復元性試験)
筆記用サンプルのノック部材を10回押圧し、筆穂にインキ組成物を十分に浸透させた状態で、上質紙に2cm角の大きさで「永」の字を5回筆記した後、キャップを取り外して温度20±5度、湿度65±5%の雰囲気中に水平方向で5時間放置し、筆穂を乾燥させ、キャップをしてさらに同雰囲気中に24時間水平に放置した後、押圧せず筆記を行う。
筆跡かすれがないものを〇、書き出しがかすれるがその後かすれないものを△、かすれが復元しないものを×とする。
(筆跡定着性試験)
筆記用サンプルのノック部材を10回押圧し、筆穂にインキ組成物を十分に浸透させた状態で、上質紙に2cm角の大きさで「永」の字を5回筆記した後、5分後に上質紙を敷き、底面直径50mm・500gの重りで5往復させて、紙面の汚れを確認する。筆跡に変化がないものは〇、筆跡が汚れてしまったものを×とする。
<pH>
各実施例及び比較例のインキ組成物のpH(表においてpHと表記)を計測した。上記pH測定は、HORIBA製「D-71」を用い、温度25℃で測定した。インキ組成物のpHは、4.0~10.0であることが好ましく、6.0~8.0であることがより好ましい。水性インキ組成物のpHが上記数値範囲内であれば、インキの顔料分散安定性を向上させることができる。
<粘度>
各実施例及び比較例の温度25℃、剪断速度1000.0/sにおける粘度(表において粘度@1000.0と表記)を計測した。表に示す測定結果の単位は[mPa・s]である。上記粘度測定は、アントンパール社製「MCR-302」を用い、測定条件は、温度25℃、50mmコーンプレート(1°)にて粘度を測定した。
Figure 2023177334000002
Figure 2023177334000003
Figure 2023177334000004
Figure 2023177334000005
Figure 2023177334000006
Figure 2023177334000007
Figure 2023177334000008
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
本明細書において、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 塗布具
2 軸筒
2a 前軸
2b 後軸
2ba 塗布液タンク
2bb 内筒
2bc 外筒
3 パッキン部材
4 ノック部材
4a 突起
5 棒部材
6 撹拌体
7 弁座部材
7a 内筒
7b 外筒
8 接続部材
9 弁杆部材
10 筆穂
11 コイルスプリング
12 キャップ
12a 突起
Figure 2023177334000010
Figure 2023177334000011

Claims (2)

  1. 少なくとも、顔料と、23℃時の伸度が400%以上1000%以下のエチレン-酢酸ビニル樹脂エマルジョンと、水とからなる水性インキ組成物
  2. 顔料が酸化チタンである請求項1に記載の筆記具用水性インキ組成物。
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