JP2023177278A - 吸水挙動が制御された架橋重合体及びそれを含む水硬性材料用混和剤 - Google Patents

吸水挙動が制御された架橋重合体及びそれを含む水硬性材料用混和剤 Download PDF

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Miyu Sasaki
優弥 赤尾
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Abstract

【課題】吸水挙動等に優れた重合体等を提供することが本発明の課題である。【解決手段】本発明においては、ノニオン性架橋性単量体に由来する構造単位(A)を含む架橋重合体であって、当該構造単位(A)を当該架橋重合体中の全構造単位に対して10.0~45.0モル%の範囲で含み、当該構造単位(A)は其の架橋部分が加水分解性の結合を含み、当該重合体がイオン性単量体に由来する構造単位(ε)を含む場合には、当該構造単位(A)を当該架橋重合体中の全構造単位に対して23.0~45.0モル%の範囲で含むことを特徴とする、架橋重合体等を提供する、ことによって上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、吸水挙動を制御した架橋重合体に関する。
土木建築現場ではセメントが大量に用いられており、セメントに水を添加したセメントペーストや、これに細骨材である砂を混合したモルタル、更に小石を混合したコンクリートなどの形態で、構造材や土台、耐火壁などの多目的に使用されているのが現状である。セメントは水との水和反応により、凝集、硬化を経て強固な成形体を形成する。
セメント組成物には種々の特性向上を目的としてセメント用添加剤が添加されるのが一般的である。このような添加剤として、重合体を使用することが知られており、下記の特許文献1~4等において当該技術は紹介されている。下記の特許文献5では、ゼオライトと共に使用する重合体が紹介されている。
特許第6959475号公報 特開2020-200214号公報 特開2014-091636号公報 特表2011-525556号公報 中国公開特許第112210036号公報
本発明は、吸水挙動等に優れた重合体等を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、或る架橋を或る組成比で有する特定の重合体が吸水直後の吸水は抑えられるが、その後の吸水は促進されることを見出した。本発明者はその知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
本発明の架橋重合体等は、吸水挙動等に優れたものである。
収縮ひずみを測定する方法を示す模式図である。
以下で本発明の架橋重合体等に係る事項を詳細に説明する。但し、以下の記載は本発明を説明するための例示であり、本発明をこの記載範囲にのみ特別限定する趣旨ではない。
(定義)
本明細書において、「~酸(塩)」は「~酸またはその塩」を意味する。「(メタ)アクリル」は「アクリルまたはメタクリル」を意味する。「(ポリ)エチレングリコール」はエチレングリコールまたはポリエチレングリコールを意味する。本明細書中の「単量体に由来する構造単位」とは、単量体が重合して形成される構造単位の意味であり、より詳細には、単量体が有する炭素-炭素二重結合が開裂して形成される構造を意味している。
(本発明の例示)
本発明の架橋重合体等の好ましい構成は以下の(1)~(10)等において記述されるものである。
(1)ノニオン性架橋性単量体(a)に由来する構造単位(A)を含む架橋重合体であって、
当該構造単位(A)を当該架橋重合体中の全構造単位に対して10.0~45.0モル%の範囲で含み、
当該構造単位(A)は其の架橋部分が加水分解性の結合を含み、
当該架橋重合体がイオン性単量体に由来する構造単位(ε)を含む場合には、当該構造単位(A)を当該架橋重合体中の全構造単位に対して23.0~45.0モル%の範囲で含むことを特徴とする、架橋重合体。
(2)下記の水溶液Aに25℃で15分間浸漬した場合の吸水倍率(g/g)に対する、
同水溶液に同温度で6時間浸漬した場合の吸水倍率(g/g)の比が1.5以上である、架橋重合体。
水溶液A:pH12.9/CaSO・2HO1.72g、NaSO6.96g、KSO4.76g、KOH7.12gおよび脱イオン水979.4gを混合してなる水溶液。
(3)前記架橋重合体が、ノニオン性架橋性単量体(a)に由来する構造単位(A)を含み、
当該構造単位(A)は其の架橋部分が加水分解性の結合を含む、(2)に記載の架橋重合体。
(4)ノニオン性架橋性単量体(a)に由来する構造単位(A)を含む架橋重合体であって、
当該構造単位(A)を当該架橋重合体中の全構造単位に対して10.0~45.0モル%の範囲で含み、
当該構造単位(A)は其の架橋部分が加水分解性の結合を含み、
当該架橋重合体がイオン性単量体に由来する構造単位(ε)を含まないことを特徴とする、架橋重合体。
(5)ノニオン性架橋性単量体(a)に由来する構造単位(A)を含む架橋重合体であって、
当該構造単位(A)を当該架橋重合体中の全構造単位に対して23.0~45.0モル%の範囲で含み、
当該構造単位(A)は其の架橋部分が加水分解性の結合を含み、
当該架橋重合体はイオン性単量体に由来する構造単位(ε)を含むものである、架橋重合体。
(6)前記加水分解性の結合がエステル結合である、前記(1)、(3)~(5)に記載の架橋重合体。
(7)前記ノニオン性架橋性単量体(a)は、多官能(メタ)アクリレートを含む、前記(1)、(3)~(6)に記載の架橋重合体。
(8)前記構造単位(ε)は、カルボキシル基、酸無水物基、スルホン酸基及びリン酸基から選ばれるアニオン性官能基またはその塩の基を有するものである、前記(1)、(4)~(6)のいずれかに記載の架橋重合体。
(9)ノニオン性非架橋性単量体に由来する構造単位(β)を30.0~90.0モル%含み、当該構造単位(β)が(メタ)アクリルアミド系単量体である、前記(1)~(8)のいずれかに記載の架橋重合体。
(10)前記(1)~(9)のいずれかに記載の架橋重合体を含有する、水硬性材料用混和剤。
(11)前記(1)~(9)のいずれかに記載の架橋重合体と水硬性材料を含有する、水硬性組成物。
(12)前記(1)~(9)のいずれかに記載の架橋重合体を用いる、コンクリートの製造方法。
(13)前記(11)に記載の水硬性組成物を成形してなる、コンクリート成形体。
(14)前記(1)~(9)のいずれかに記載の架橋重合体を用いる、コンクリート成形体の製造方法。
<架橋重合体>
(架橋重合体の物性)
本発明は特定の架橋重合体にかかるものである。
当該架橋重合体は、吸水直後の吸水倍率は低いが、其の後は吸水倍率が高くなることが其の性質として期待されるものである。具体的には、当該架橋重合体0.2gをpH12.9の水溶液50mLに25℃で15分間浸漬した場合の吸水倍率(g/g)αに対する、同水溶液に同温度で6時間浸漬した場合の吸水倍率(g/g)βの比(β/α)が1.5以上、好ましくは1.8以上、より好ましくは2.0以上となることが期待される。
硬化前のフレッシュコンクリートは、製造工場から建設現場まで運搬され、打設場所にてポンプ圧送されて、型枠内に充填される。ポンプ圧送時に、セメント組成物の流動性が低すぎたり、粘性が高すぎると、輸送に長時間を要してしまったり、ひどい場合は配管内でセメント組成物が閉塞するという問題が発生する。そのため、作業性の観点から、打設時(初期、吸水直後)のセメント組成物は粘性が低く、流動性が高いことが好ましい。架橋重合体をpH12.9の水溶液に25℃で15分間浸漬した場合の吸水倍率(g/g)α(以下、単に吸水倍率αとも称する)は、初期の架橋重合体の吸水特性の指標であり、上記の通り、セメント組成物の粘性、流動性の点からは低いほうが好ましい。また、セメント組成物の流動性を向上させるための分散剤の添加量を低減させることができることから、吸水倍率αは、低いほうが好ましい。かような観点からは、望ましくは、当該架橋重合体0.2gをpH12.9の水溶液50mLに25℃で15分間浸漬した場合の吸水倍率αが15g/g以下、より好ましくは13g/g以下、さらにより好ましくは12g/g以下である。なお、吸水倍率αは、低ければ低いほど好ましく、その下限は特に限定されるものではないが、通常5g/gとなる。
また、プレキャスト工法では、一般的にフレッシュコンクリートを型枠に打設した上、当該コンクリートを高温高湿下に曝して硬化を促進させる(蒸気養生と呼ばれる)ため、通常よりもコンクリートが硬化し始める時間を早めることができ、また硬化するまでの時間が短縮される(例えば、フレッシュコンクリート製造後3~10時間の間に蒸気養生をすることで硬化されたコンクリートが製造可能である)。また、通常の養生の場合であっても、数時間程度(例えば6時間程度)経過後から、コンクリートの硬化が始まる。本発明において、架橋重合体0.2gをpH12.9の水溶液(以下単に水溶液とも称する)50mLに25℃で6時間浸漬した場合の吸水倍率(g/g)β(以下、単に吸水倍率βとも称する)は充分に高い。架橋重合体がこのような特性を有することで、コンクリートの硬化が6時間程度経過後から始まると共に架橋重合体が吸水した水が放出されることで、架橋重合体(粒子)の周囲に空隙が生じる。当該空隙の存在により、本発明の構成によれば、硬化後のコンクリートの凍結融解抵抗性が向上するものと考えられる。さらには、6時間経過後に、架橋重合体が一定程度の水を吸水することで、硬化前に吸水した水が徐々に周囲に放出され、長期養生後の強度や収縮ひずみに効果を奏するものと考えられる。かような観点から、吸水倍率βが15g/gより大きい、好ましくは17g/g以上、より好ましくは20g/gより大きい、さらに好ましくは21.5g/g以上であることが好ましい。一方で、吸水倍率βは、45g/g以下であることが好ましく、40g/g以下であることが好ましく、35g/g以下であってもよい。
一実施形態では、架橋重合体の吸水倍率αが15g/g以下、好ましくは13g/g以下であり、吸水倍率βが15g/gより大きい、好ましくは17g/g以上、より好ましくは20g/gより大きく、21.5g/g以上であってもよい。
また、水溶液に25℃で2時間浸漬した場合の架橋重合体の吸水倍率は、12g/g以上であることが好ましく、15g/g以上であることがより好ましい。
そして、吸水倍率αに対する吸水倍率βの比(β/α)が上記下限以上であることで、初期流動性の確保と強度向上、収縮ひずみ抑制、凍結融解抵抗向上を両立させることができる。
尚、本明細書における吸水倍率とは、特に断らない限り、Centrifuge Retention Capacity(遠心分離機保持容量)(NWSP(Non-Woven Standard Procedures-Edition 2015) 241.0.R2(15))のことであり、CRCと略されるものである。また、本明細書においてpH12.9の水溶液は、CaSO・2HO1.72g、NaSO6.96g、KSO4.76g、KOH7.12gおよび脱イオン水979.4gを混合した水溶液(水溶液A)であることが望ましい。pH12.9の水溶液は、セメントを含む場合に強アルカリになることを模したセメント模擬液であり、そのため、当該水溶液によって、セメント用混和剤を含むセメント組成物に水を添加した際の架橋重合体の吸水挙動をより正確に評価することができる。
本発明における架橋重合体は粉末の形態であることが好ましい。粉末の形状としては、球状やその凝集物でも、含水ゲル又は乾燥重合体に対して粉砕工程を経て得られた不定形(破砕状)でもよいが、不定形(破砕状)であることが好ましい。架橋重合体(粉末)の粒度分布は、その90質量%以上が45~850μmの範囲にあることが好ましく、100~850μmの範囲であることがより好ましく、250~850μmの範囲であることがさらにより好ましい。架橋重合体(粉末)の平均粒子径が大きくなることで、水の徐放性が高まり、長期強度が一層向上するものと考えられる。
当該架橋重合体(粉末)の重量基準(又は体積基準)測定による累積50%粒子径(D50)は、例えば、目開き850μm、710μm、600μm、500μm、420μm、300μm、212μm、150μm、106μm、45μmを有するJIS標準篩(JIS Z8801-1(2000))又は其れに相当する篩を用いて、架橋重合体10gを分級し、各篩上に残った架橋重合体および全篩を通過した架橋重合体の重量をそれぞれ測定し、振動分級器(IIDA SIEVE SHAKER、TYPE:ES-65型、SER.No.0501)により、5分間分級を行ない、残留百分率Rを対数確率紙にプロットした上、R=50質量%に相当する粒子径を読み取ることで求めることができる値である。
(架橋重合体の組成)
本発明における架橋重合体は、組成としてノニオン性架橋性単量体(a)に由来する構造単位(A)及びその他の構造単位(B)を含むものである。当該構造単位(A)は当該架橋重合体の全構造単位に対して5.0~45.0モル%含まれ、好ましくは10.0~45.0モル%含まれる。また当該構造単位(A)は其の架橋部分が加水分解可能な(加水分解性の)結合を含む。上記組成の詳細は後述する。
尚、本発明における架橋重合体中に残存する単量体量は、1000質量ppm以下であることが好ましく、500質量ppm以下であることがより好ましく、400質量ppm以下であることがより好ましい。残存単量体量は、少なければ少ないほど好ましいが、現実的には通常5質量ppm以上となる。
その他の構造単位(B)としては、構造単位(A)以外のノニオン性単量体に由来する構造単位(例えば、後述の非加水分解性ノニオン性架橋性単量体に由来する構造単位(α)、ノニオン性非架橋性単量体に由来する構造単位(β))、後述のイオン性単量体に由来する構造単位(ε)が挙げられる。
(ノニオン性架橋性単量体)
ノニオン性架橋性単量体は、2個以上の重合性不飽和基を有する単量体である。架橋性ノニオン性単量体によって架橋構造が形成され、初期に架橋重合体が急激に吸水することを抑制することができる。
ノニオン性架橋性単量体として、其の架橋部分が加水分解性のもの(加水分解性ノニオン性架橋性単量体)と非加水分解性のもの(非加水分解性ノニオン性架橋性単量体)が挙げられる。尚、ここで、加水分解性とは、単量体をpH12.9の水溶液(25℃)に1日浸した時、その80%以上が分解することを意味する。分解は、LC(液体クロマトグラフィー)、GC(ガスクロマトグラフィー)などの公知手法により分析して測定することができる。
(加水分解性ノニオン性架橋性単量体(ノニオン性架橋性単量体(a))及び其れに由来する構造単位(A))
ノニオン性架橋性単量体(a)は、ノニオン性架橋性単量体のうち、加水分解性の結合を有する単量体である。
上記の其の架橋部分が加水分解性のノニオン性架橋性単量体として、具体的には、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチルロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート;トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどのシアヌール酸又はイソシアヌール酸のアリルエステル等が挙げられる。これらは単独または2種以上混合して用いることができる。中でも、当該加水分解性のノニオン性架橋性単量体は、其の架橋部分にエステル結合を有していることが望ましく、特に多官能(メタ)アクリレートを含む、さらには多官能(メタ)アクリレートであることが好ましく、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートであることがより好ましく、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレートであることが更により好ましく、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートであることが特により好ましく、ポリエチレングリコールジアクリレートであることが最も好ましい。上記の(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレートは其の1モルに対するエチレンオキサイドの平均付加モル数として好ましくは1~50モル、より好ましくは4~14モルであり、更により好ましくは4~9モルである。
当該加水分解性の架橋性単量体に由来する構造単位は上記の構造単位(A)に該当する。
当該構造単位(A)は、本発明の架橋重合体の全構造単位に対して、例えば、45.0モル%以下、40.0モル%以下、35.0モル%以下、25.0モル%未満、含まれる。セメント組成物のアルカリ環境下では、加水分解性架橋性ノニオン性単量体の構成単位部分が加水分解を起こす。構造単位(A)が上記上限以下であることで、アルカリ環境下で一定時間(例えば、360分)経過後に架橋密度が適度に低下し、吸水倍率が高くなると考えられる。
当該構造単位(A)は、本発明の架橋重合体の全構造単位に対して、5.0~45.0モル%、好ましくは10.0~45.0モル%、より好ましくは15.0~45.0モル%、更により好ましくは21.0~40.0モル%、いっそう更により好ましくは21.0~35.0モル%、特に好ましくは23.0~35.0モル%含まれる。構造単位(A)が上記下限以上であることで、吸水初期には高い架橋密度が維持され、例えば、水溶液15分浸漬後の吸水倍率が低くなり、低い粘度、高い流動性が維持される。
発明の一態様において、下記構造単位(α)を含む場合には、一定時間(例えば、360分)経過後の吸水倍率が高くなることから、当該構造単位(A)の含有量は、架橋重合体中に25.0モル%未満であってもよく、10.0モル%以上25.0モル%未満であってもよい。
(非加水分解性ノニオン性架橋性単量体及び其れに由来する構造単位(α))
本発明における架橋重合体は、上記のその他の構造単位(B)として非加水分解性ノニオン性架橋性単量体に由来する構造単位(構造単位(α))を含んでいてもよい。当該構造単位が存在することで、一定時間経過後(加水分解性ノニオン性架橋性単量体が加水分解された後)でも架橋構造が保持され、吸水性樹脂が吸水した水の放出が緩やかになる。ゆえに、非加水分解性ノニオン性架橋性単量体に由来する構造単位(構造単位(α))を含むことで、特に長期(例えば、28日経過後)養生後の強度の向上や収縮低減効果がより向上する。なお、より短期的な特性(例えば、360分後の吸水特性や凍結融解特性)の観点からは、構造単位(α)は含まなくてもよい。
上記の其の架橋部分が非加水分解性のノニオン性架橋性単量体として、具体的には、N,N’-メチレンビス(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系単量体、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテル類、ジビニルベンゼン等の多官能芳香族ビニル類などが挙げられる。これらは単独または2種以上混合して用いることができる。中でも、当該非加水分解性架橋性単量体は、(メタ)アクリルアミド系単量体を含むことが好ましく、N,N’-メチレンビスアクリルアミドを含むことが好ましく、(メタ)アクリルアミド系単量体のみであってもよいし、N,N’-メチレンビスアクリルアミドのみであってもよい。
当該非加水分解性の架橋性単量体に由来する構造単位は上記のその他の構造単位(B)に含まれるもの(構造単位(α))である。
当該構造単位(α)は、本発明の架橋重合体中に含まれることが望ましく、其の全構造単位に対して好ましくは0.01~3.0モル%、より好ましくは0.05~1.0モル%、さらに好ましくは0.05~0.8モル%、特に好ましくは0.05~0.5モル%含まれる。当該構造単位(α)は、水溶液6時間浸漬後の吸水倍率の向上の点からは、其の全構造単位に対して、好ましくは3.0モル%以下、より好ましくは1.0モル%以下、さらに好ましくは0.8モル%以下、さらにより好ましくは0.5モル%以下である。
(ノニオン性非架橋性単量体及び其れに由来する構造単位(β))
本発明における架橋重合体は、上記のその他の構造単位(B)としてノニオン性非架橋性単量体に由来する構造単位(構造単位(β))を含むことが望ましい。
当該ノニオン性の非架橋性単量体としては、不飽和二重結合を一つ有するものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、(メタ)アクリルアミド、N-モノメチル(メタ)アクリルアミド、N-モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系単量体;N-ビニルピロリドン等のN-ビニルラクタム系単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンチル等のヒドロキシ(メタ)アクリレート;N-(2-ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の不飽和アミン;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;下記一般式(1)で表される不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体等から選ばれる。これらは単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
(上記一般式(1)中、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し、Rは、水素原子または炭素原子数1~30の炭化水素基を表し、ROは、炭素原子数2~18のオキシアルキレン基を表し、nはROで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、nは1~500の数であり、xは0~2の整数であり、yは0または1である。)
ノニオン性の非架橋性単量体は、好ましくは(メタ)アクリルアミド系単量体及び/又はヒドロキシ(メタ)アクリレートを含み、より好ましくは(メタ)アクリルアミド系単量体を含み、更により好ましくは(メタ)アクリルアミドであり、アクリルアミドであることが特に好ましい。当該ノニオン性の非架橋性単量体は、好適にはN-ビニルアシルアミドを除く。
当該構造単位(β)は、本発明の架橋重合体中に含まれることが特に望ましく、其の架橋重合体の全構造単位に対して10.0~95.0モル%含まれることが好ましく、30.0~90.0モル%含まれることがより好ましく、50.0~80.0モル%含まれることが更により好ましい。
また、構造単位(A)と構造単位(β)との合計割合は、本発明の架橋重合体の全構造単位に対して好ましくは50.0モル%以上(上限100モル%)、60.0モル%以上、より好ましくは70.0モル%以上、80.0モル%以上、更により好ましくは90.0モル%以上である。
(イオン性単量体に由来する構造単位(ε))
本発明における架橋重合体は、上記のその他の構造単位(B)としてイオン性の単量体に由来する構造単位(構造単位(ε))を含む場合がある。
当該イオン性の単量体としては、アニオン性単量体又はカチオン性単量体が有り得て、特にはアニオン性単量体が意図される。
当該アニオン性単量体とは、アニオン性官能基またはその塩の基を有する単量体を指す。当該アニオン性官能基として、カルボキシル基(カルボキシレート基含む)、酸無水物基、スルホン酸基(スルホネート基含む)及びリン酸基等が挙げられ、好ましくはカルボキシル基である。当該塩として、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩等が挙げられるが、好ましくはナトリウム塩である。当該アニオン性単量体として、例えば、不飽和カルボン酸系単量体があり、より具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、チグリン酸、3-メチルクロトン酸、2-メチル-2-ペンテン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、2-メチレングルタル酸およびこれらの塩ならびにこれらの混合物が挙げられ、好ましくはアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸およびこれらの塩ならびにこれらの混合物から選ばれ、より好ましくはアクリル酸および/またはアクリル酸塩である。これらのアニオン性単量体は単独または2種以上混合して用いることができる。当該アニオン性官能基は酸無水物基も候補に含み得て、当該アニオン性単量体として例えば無水マレイン酸等のカルボン酸無水物等も含み得る。
当該カチオン性単量体とは、カチオン性官能基またはその塩の基を有する単量体を指す。当該カチオン性官能基として、アミノ基等が挙げられる。
イオン性の単量体に由来する構造単位(構造単位(ε))は、初期(例えば、15分後)のアルカリ条件下での吸水倍率を向上させるため、本発明における架橋重合体中にはイオン性の単量体に由来する構造単位(構造単位(ε))をできるだけ少なく含む、または含まないことが特に期待される。しかしながら構造単位(A)の割合が本発明の架橋重合体の全構造単位に対して23.0~45.0モル%、好ましくは25.0~45.0モル%、より好ましくは、27.0~36.0モル%含まれる場合においては当該構造単位(ε)を含むことが許容される。イオン性単量体に由来する構造単位(ε)を含むと初期の水溶液15分浸漬後の吸水倍率が高くなる傾向にあるが、構造単位(A)を当該架橋重合体中の全構造単位に対して23.0モル%以上で含むことで、架橋重合体の架橋密度が高くなるため構造単位(ε)に起因する初期の水溶液15分浸漬後の高い吸水倍率が抑制される。ゆえに、構造単位(A)を当該架橋重合体中の全構造単位に対して23.0~45.0モル%の範囲で含む場合には、構造単位(ε)を含むことが許容される。その場合、本発明における架橋重合体中の全構造単位に対する上記構造単位(ε)の割合(モル%)は、上記構造単位(A)の割合(モル%)以下であることが好ましく、上記構造単位(A)の割合(モル%)を差し引いた場合に、より好ましくは10.0モル%以上、更により好ましくは13.0%以上となる数値になる。また、構造単位(ε)を含む場合には、構造単位(ε)の含有量は、水溶液浸漬6時間後の吸水倍率の点から、好ましい順に、(0モル%超)50.0モル%以下、45.0モル%以下、35.0モル%以下、30.0モル%以下、25.0モル%以下、15.0モル%以下である。また、上記と同じ場合に、本発明における架橋重合体中の全構造単位に対する上記構造単位(β)の割合(モル%)は、10~70モル%であることが好ましい。
(好ましい架橋重合体の組成)
以下、好ましい架橋重合体の組成の態様A~Dを記載する;
A.構造単位(A)、および構造単位(α)を含み、構造単位(ε)を含まず、好ましくは、さらに構造単位(β)を含み、構造単位(A)の割合が架橋重合体の全構造単位に対して45.0モル%以下(好ましくは40.0モル%以下、より好ましくは35.0モル%以下、さらにより好ましくは25.0モル%未満、下限は好ましい順に、水溶液浸漬15分後の吸水倍率の点から、10.0モル%以上、15.0モル%以上、21.0モル%以上)である、架橋重合体。本態様においては、構造単位(A)、構造単位(α)、および構造単位(β)の合計量は、架橋重合体中、好ましい順に、80質量%以上(上限100質量%)、90質量%以上、95質量%以上、98質量%以上、100質量%(構造単位(A)、構造単位(α)、および構造単位(β)からなる)である。本態様において、構造単位(α)は、水溶液6時間浸漬後の吸水倍率の点から、全構造単位に対して、好ましい順に3.0モル%以下、1.0モル%以下、より好ましくは0.8モル%以下、さらに好ましくは0.5モル%以下であり、0.01~3.0モル%、0.05~1.0モル%、0.05~0.8モル%、さらに好ましくは0.05~0.5モル%であってもよい。一方で、本態様において、構造単位(α)は、1モル%を超えてもよい。本態様において、構造単位(β)の含有量は、架橋重合体の全構造単位に対して、好ましい順に10.0~95.0モル%、30.0~90.0モル%、50.0~80.0モル%である。
B.構造単位(A)、および構造単位(β)を含み、ただし、構造単位(α)及び構造単位(ε)を含まず、構造単位(A)の割合が架橋重合体の全構造単位に対して45.0モル%以下(好ましくは40.0モル%以下、より好ましくは35.0モル%以下、下限は好ましい順に、水溶液浸漬15分後の吸水倍率の点から、10.0モル%以上、15.0モル%以上、21.0モル%以上)である、架橋重合体。本形態においては、構造単位(A)、および構造単位(β)の合計量は、架橋重合体中、好ましい順に、80質量%以上(上限100質量%)、90質量%以上、95質量%以上、98質量%以上、100質量%(構造単位(A)、構造単位(α)、および構造単位(β)からなる)である。
C.構造単位(A)、構造単位(β)、および構造単位(ε)を含み、ただし、構造単位(α)を含まず、構造単位(A)の割合が架橋重合体の全構造単位に対して45.0モル%以下(好ましくは40.0モル%以下、より好ましくは35.0モル%以下、下限は好ましい順に、水溶液浸漬15分後の吸水倍率の点から、21.0モル%以上、23.0モル%以上、25.0モル%以上)である、架橋重合体。構造単位(ε)の含有量は、水溶液浸漬6時間後の吸水倍率の点から、好ましい順に、35.0モル%以下、30.0モル%以下、25.0モル%以下、10.0~25.0モル%である。本態様においては、構造単位(A)、および構造単位(β)の合計量は、架橋重合体中、好ましい順に、80質量%以上(上限100質量%)、90質量%以上、95質量%以上、98質量%以上、100質量%(構造単位(A)、構造単位(β)および構造単位(ε)からなる)である。
D.構造単位(A)、構造単位(α)、構造単位(β)および構造単位(ε)を含み、構造単位(A)の割合が架橋重合体の全構造単位に対して45.0モル%以下(好ましくは40.0モル%以下、より好ましくは35.0モル%以下、より好ましくは30.0モル%以下、下限は好ましい順に10.0モル%以上、15.0モル%以上、21.0モル%以上、23.0モル%以上)である、架橋重合体。構造単位(ε)の含有量は、水溶液浸漬6時間後の吸水倍率の点から、好ましい順に、50.0モル%以下、45.0モル%以下、30.0モル%以下、25.0モル%以下、10~25モル%である。本態様においては、構造単位(A)、構造単位(α)、構造単位(β)および構造単位(ε)の合計量は、架橋重合体中、好ましい順に、80質量%以上(上限100質量%)、90質量%以上、95質量%以上、98質量%以上、100質量%(構造単位(A)、構造単位(α)、構造単位(β)、および構造単位(ε)からなる)である。本態様において、構造単位(α)は、水溶液6時間浸漬後の吸水倍率の点から、全構造単位に対して、好ましい順に3.0モル%以下、1.0モル%以下、より好ましくは0.8モル%以下、さらに好ましくは0.5モル%以下であり、0.01~3.0モル%、0.05~1.0モル%、0.05~0.8モル%、さらに好ましくは0.05~0.5モル%であってもよい。一方で、本態様において、構造単位(α)は、1モル%を超えてもよい。
これらの中でも、長期養生後の強度の向上、収縮ひずみ低減、凍結融解抵抗性向上のバランスの観点からは、上記態様Aが好ましい。
(架橋重合体の製造方法)
架橋重合体の製造方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法により製造することができる。架橋重合体を得るための重合方法として、噴霧重合、液滴重合、バルク重合、沈殿重合、水溶液重合又は逆相懸濁重合等を挙げることができるが、ここでは、一例として、水溶液重合を用いた製造方法を挙げる。
(1)単量体混合物水溶液の調製工程
本工程は、重合体を構成する各単量体を溶媒である水に溶解させて単量体混合物水溶液
を調製する工程である。
各単量体は、一括で添加しても、順番に添加してもよい。ここで、水溶液とは、水分散液も含む概念である。単量体混合物水溶液には、必要により微量成分(キレート剤、界面活性剤、分散剤等)等を含んでいてもよい。
単量体混合物水溶液における「水溶液」とは、溶媒の100質量%が水に限定されず、水溶性有機溶剤(例えば、アルコール等)を0~30質量%、好ましくは0~5質量%を併用してもよく、本発明ではこれらを水溶液として扱う。
(2)水溶液重合工程
水溶液重合は、分散溶媒を用いずに単量体水溶液を重合する方法である。
上記重合時における単量体水溶液の濃度については、特に制限がないが、20質量%~飽和濃度以下が好ましく、25~80質量%がより好ましく、30~70質量%が更に好ましい。該濃度が20質量%以上であることで、生産性の低下を抑制できる。尚、単量体のスラリー(水分散液)での重合は物性の低下が見られるため、飽和濃度以下で重合を行うことが好ましい。
重合工程においては、上記で得られた単量体混合物水溶液に重合開始剤が添加される。
使用される重合開始剤は、重合形態によって適宜決定され、特に限定されないが、例えば、光分解型重合開始剤、熱分解型重合開始剤、レドックス系重合開始剤等が挙げられる。これらの重合開始剤によって、重合が開始される。
上記重合開始剤の使用量は、上記単量体に対して、0.0001~1モル%が好ましく、0.0005~0.5モル%がより好ましい。
重合工程は、常圧、減圧、加圧のいずれでも行うことができるが、好ましくは常圧(又はその近傍、通常±10mmHg)で行われる。また、重合開始時の温度は、使用する重合開始剤の種類にもよるが、15~130℃が好ましく、20~120℃がより好ましい。
このようにしてゲル状架橋重合体が得られる。得られたゲル状架橋重合体をゲル粉砕工程(得られたゲル状架橋重合体を粉砕し、粒子状のゲル状架橋重合体とする工程)、乾燥工程、粉砕・分級工程(乾燥工程で得られた重合体を粉砕・分級して、好ましくは特定粒度の架橋重合体を得る工程)を経て調整することで本発明に適した架橋重合体を得ることができる。
なお、架橋重合体は、得られた重合体に何らかの化学的修飾(表面修飾等)がなされてもよいが、好ましくはかような化学的修飾はなされない。
<水硬性材料用混和剤>
本発明における架橋重合体は、水硬性材料用混和剤に含まれることが期待される。本明細書における水硬性材料とは、水硬性物質(セメント)又はポゾラン反応性物質若しくは潜在水硬性物質であり、好ましくは水硬性物質を含むものである。水硬性材料がポゾラン反応性物質又は潜在水硬性物質を含む場合、当該水硬性材料はセメント(又は水酸化カルシウム)や刺激剤を更に含むことが望ましい。当該水硬性材料用混和剤はセメント用混和剤であってよく、架橋重合体の吸水特性から、プレキャストコンクリート用混和剤であることが特に望ましい。
本発明に係る水硬性材料用混和剤には、界面活性剤、着色防止剤、還元剤等を含むことが可能であり、混和剤に対して、それぞれ0.01~10.0質量%、好ましくは0.1~1.0質量%含有してもよい。
また、本発明に係る水硬性材料用混和剤は、分散剤を含むことが可能である。当該分散剤としては、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のポリアルキルアリールスルホン酸塩系;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系;アミノアリールスルホン酸-フェノール-ホルムアルデヒド縮合物等の芳香族アミノスルホン酸塩系;リグニンスルホン酸塩、変性リグニンスルホン酸塩等のリグニンスルホン酸塩系;ポリスチレンスルホン酸塩系等の分子中にスルホン酸基を有する各種スルホン酸系分散剤;特公昭59-18338号公報、特開平7-223852号公報に記載されるようなポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体、(メタ)アクリル酸系単量体、及び、これらの単量体と共重合可能な単量体から得られる共重合体;特開平10-236858号公報、特開2001-220417号公報、特開2002-121055号公報、特開2002-121056号公報に記載のような不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体、マレイン酸系単量体または(メタ)アクリル酸系単量体から得られる共重合体等の分子中に(ポリ)オキシアルキレン基とカルボキシル基とを有する各種ポリカルボン酸系分散剤;特開2006-52381号公報に記載のような(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、リン酸モノエステル系単量体、およびリン酸ジエステル系単量体から得られる共重合体等の分子中に(ポリ)オキシアルキレン基とリン酸基とを有する各種リン酸系分散剤、特表2008-517080号公報に記載のリン酸系分散剤などが挙げられる。中でも、分散剤としては、本発明の効果が一層奏されることから、ポリカルボン酸系分散剤を用いることが好ましい。分散剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。本発明における水硬性材料用混和剤中の分散剤と、本発明の架橋重合体との含有質量比としては、1:0.1~10であることが好ましく、1:0.5~5.0であることがより好ましい。
<水硬性組成物>
本発明における架橋重合体又は水硬性材料用混和剤は、水硬性材料と共に水硬性組成物中に含まれることも期待される。水硬性組成物は、水硬性材料及び骨材(粗骨材及び/又は細骨材)を含み、必要に応じて上記分散剤等その他成分を含む。水硬性組成物の例として、例えば、モルタルやフレッシュコンクリートが挙げられる。
水硬性組成物において当該水硬性材料100質量部に対する当該架橋重合体の含有割合として、好ましくは0.01~10質量部であり、より好ましくは0.02~5質量部であり、さらに好ましくは0.05~3質量部である。また、水硬性組成物中において、分散剤と、本発明の架橋重合体との含有質量比としては、1:0.1~10であることが好ましく、1:0.5~5.0であることがより好ましい。
当該水硬性組成物は、好ましくは水及び/又は骨材を含む。
当該水硬性組成物においては、その1mあたりの単位水量、セメント使用量、および水/セメント比としては任意の適切な値を設定し得る。このような値としては、好ましくは、単位水量が100kg/m~185kg/mであり、使用セメント量が250kg/m~800kg/mであり、水/セメント比(質量比)=0.1~0.7であり、より好ましくは、単位水量が120kg/m~180kg/mであり、使用セメント量が270kg/m~800kg/mであり、水/セメント比(質量比)=0.12~0.65である。
本発明における水硬性材料用混和剤は水硬性組成物用混和剤であっても良い。
水硬性組成物は、レディーミクストコンクリート、コンクリート2次製品(プレキャストコンクリート製品)用のコンクリート、遠心成形用コンクリート、振動締め固め用コンクリート、蒸気養生コンクリート、吹付けコンクリート等に有効であり得る。水硬性組成物は、中流動コンクリート(スランプ値が22~25cmのコンクリート)、高流動コンクリート(スランプ値が25cm以上で、スランプフロー値が50~70cmのコンクリート)、自己充填性コンクリート、セルフレベリング材等の高い流動性を要求されるモルタルやコンクリートにも有効であり得る。
(水硬性物質(セメント))
本発明に係るセメントとしては、任意の適切なセメントを採用し得る。このようなセメントとしては、例えば、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩及びそれぞれの低アルカリ形)、各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント)、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント、超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント)、グラウト用セメント、油井セメント、低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント)、超高強度セメント、セメント系固化材、エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の一種以上を原料として製造されたセメント)などが挙げられる。さらに、水硬性組成物には、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体や石膏が添加されていても良い。本発明の水硬性組成物に含まれるセメントは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
(骨材)
骨材としては、細骨材(砂等)や粗骨材(砕石等)などの任意の適切な骨材を採用し得る。このような骨材としては、例えば、砂(陸砂等)、砕石、水砕スラグ、再生骨材が挙げられる。また、このような骨材として、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材も挙げられる。
(コンクリート成形体)
本発明に係るコンクリート成形体の形成は、特に制限なく、従来公知の方法により行われる。成形方法としては、例えば、水硬性組成物を型枠に流し込み、型枠ごと、養生を行い、その後脱型する方法や、水硬性組成物を型枠に流し込んだ後、型枠から脱型した成形体に対して養生を行う方法などが挙げられる。また、コンクリート成形体は、プレキャスト工法で成形されたコンクリート成形体であってもよい。
具体的には、プレキャスト工法においては、水硬性組成物を15~90℃で硬化する工程を含む。硬化温度として好ましくは40~85℃であり、より好ましくは50~85℃であり、更に好ましくは55~85℃であり、特に好ましくは60~80℃である。上記硬化工程を湿度40~100%の条件で行うことが好ましく、より好ましくは湿度50~100%であり、更に好ましくは湿度60~100%である。上記硬化工程は、1~10時間行うことが好ましく、より好ましくは1.5~8時間であり、更に好ましくは2~6時間である。
養生の方法は特に限定されず、水中養生、封緘養生、気中養生のいずれであってもよい。また、養生剤を塗って養生しても良い。
当該コンクリート成形体は、長期間の使用に耐えるため、種々の用途に利用可能である。具体的には、例えば、ビルなどの建造物;柱、杭、側溝などのコンクリート構造体などが挙げられる。
次に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。なお、以下において、特に断りがない限り、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を意味する。
[実施例1]
1000mlの円筒型セパラブルフラスコにアクリルアミド12.44g、N,N-メチレンビスアクリルアミド0.062g、ポリエチレングリコール(エチレンオキサイド9モル付加)のジアクリレート(以下、PEG9DAと略す)47.5gおよび水124.35gを仕込み、均一に溶解させた。ここで得られた、アクリルアミド、PEG9DAおよびN,N-メチレンビスアクリルアミドからなる単量体混合物中、アクリルアミドは64.9モル%、PEG9DAは34.95モル%、N,N-メチレンビスアクリルアミドは0.15モル%である。フラスコ内を窒素置換したのち、湯浴上で45℃に加熱し、1%過硫酸ナトリウム水溶液25.01gおよび0.1%L-アスコルビン酸水溶液17.67gを添加し、攪拌を停止して重合させた。重合開始後発熱し、10分後に80℃まで上昇した。液温の上昇が停止した時点で浴温を80℃まで昇温させ、30分間熟成を行なった。得られたゲル状重合体(含水ゲル)をカッターを用いて細分化したのち、130℃で3時間熱風乾燥し、ミキサーで粉砕したのち、目開き500μmおよび250μmのJIS標準篩を用いて篩分し、目開き500μmの篩を通過し、目開き250μmの篩上に残った粉末状の架橋重合体を採取した。当該架橋重合体は、90質量%以上が45~850μmの範囲にあった。
[実施例2~21及び比較例1~21]
実施例2~21及び比較例1~21の架橋重合体は、アクリルアミド、PEG9DA、N,N-メチレンビスアクリルアミド、アクリル酸ナトリウムから選ばれる単量体混合物を用いて、上記実施例1と同様の方法で用意した。
尚、当該実施例及び比較例で使用した各原料の仕込み量は下記の表1、2(数値単位はg)で示した通りであり、そこで得られた其々の架橋重合体中の各単量体に由来する構造単位の組成割合は表3、4(数値単位はモル%)に記載したものである。なお、各単量体に由来する構造単位の組成割合と、各単量体の製造仕込み時の組成割合とは一致するものと考えてよい。
[試験例1:吸水試験(CRC)]
実施例1~21及び比較例1~21で製造した各架橋重合体(粉末)の吸水倍率を以下の方法で測定した。
まず、CaSO・2HOを1.72g、NaSOを6.96g、KSOを4.76g、KOHを7.12g、脱イオン水を979.4g混合し、吸水試験用の溶液を調製した(pH12.9)。
次に各架橋重合体約0.2gを正確に秤量し(質量W1(g))、4cm×5cmの不織布製のティーバッグの中に入れ、ヒートシールにより封入した。このティーバッグを、ガラス製で規定容量が50mLのスクリュー管に入れ、吸水試験用の溶液50mL中に室温(25℃)、常圧でいずれかの時間(15分、360分)まで浸漬した。次いで、ティーバッグの端をピンセットでつかんでティーバッグを引き上げ、ティーバッグの一面を下にしてキムタオル(日本製紙クレシア株式会社製)の上に乗せて5秒間静置した。次いで、反対の面を下にしてキムタオルの上に乗せて5秒間静置することにより液切りを行った後、上記ティーバッグの質量(W2(g))を測定した。別途、同様の操作を吸水性樹脂を用いないで行い、そのときのティーバッグの質量(W3(g))をブランクとして求めた。次式に従って算出した値を吸水倍率とした。
実施例1~21及び比較例1~21で製造した各架橋重合体の上記で求めた吸水倍率は、上記表3、4において記載した通り(数値単位はg/g)である。
表3、4の結果から、本発明に係る実施例1~21の架橋重合体は、15分経過後の吸水倍率に対する6時間経過後の吸水倍率が、比較例1~21の架橋重合体に対して有意に高いことが示された。この結果から、本発明における架橋重合体は、吸水初期の吸水性能を抑えつつ、その後の時間経過によって高い吸水性能を顕著に発揮するようになることが理解できる。
[試験例2:コンクリートの圧縮強度試験]
セメントとして普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)、細骨材として大井川水系産陸砂、粗骨材として青海産砕石、混練水として水道水を用い、セメントを382kg/m、水を172kg/m{水/セメント比(質量比):0.45}、細骨材を825kg/m及び粗骨材を930kg/m{細骨材率(細骨材/細骨材+粗骨材)(質量比):47%}の密度で含み、架橋重合体及びセメント分散剤(当該セメント分散剤は特開2020-200214の段落[0112]に記載の通りに製造したポリカルボン酸系共重合体水溶液(固形分約46.0質量%)である。試験例3、4においても同様。)を下記表5に記載の配合比(表5において、セメント分散剤の添加量は水溶液での添加量)で含むセメント組成物を調製した。なお、粉末状架橋重合体は、水、細骨材、粗骨材を投入する前に、其の全量をミキサー内でセメントと混合させた。
なお、測定時のセメント組成物の温度が20℃になるように、測定に使用する材料、強制練りミキサー、測定器具類を上記の測定温度雰囲気下で調温し、混練および各測定は上記の測定温度雰囲気下で行った。また、セメント組成物中の気泡がセメント組成物の流動性に及ぼす影響を避けるために、必要に応じてオキシアルキレン系消泡剤を用い、空気量が2.5±0.5%となるように調整した。
上記条件下で強制練りミキサーを用いて混練時間90秒間でコンクリートを製造し、フロー値と空気量を測定した。なお、フロー値と空気量の測定は、日本工業規格(JIS-A-1101:2014、1128:2014)に準拠して行った。また、セメント分散剤の添加量は、フロー値が375mm~425mmになる添加量とした。
フロー値と空気量を測定した後、圧縮強度試験用試料を作成し、以下の条件にて、28日後の圧縮強度を測定した。
供試体作成:100mm×200mm
供試体養生(28日):温度約20℃、湿度60%、恒温恒湿空気養生を24時間行った後、コンクリート表面と外部との水のやりとりができない様に供試体をポリフィルムで包んだ後、ポリ袋に入れ密閉し、27日間封緘養生を実施した。
供試体研磨:供試体面研磨(供試体研磨仕上げ機使用)
圧縮強度測定:自動圧縮強度測定器(前川製作所)
結果を下記表5に記載した。
表5の結果より、同等のフロー値(流動性)となるセメント組成物においては、実施例のセメント用添加剤を用いたセメント組成物では、比較例のセメント用添加剤を用いたセメント組成物と比較して少ないセメント分散剤量であった。
また、実施例のセメント用添加剤を用いたセメント組成物は、セメント用添加剤を添加していないセメント組成物と比較して28日の封緘養生での強度が向上したことが示された。
したがって、実施例のセメント組成物によれば、少量の分散剤の添加で、流動性が確保できるとともに、硬化後のセメントの長期強度に優れることがわかる。
[試験例3:コンクリートの収縮ひずみ測定方法]
セメントとして普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)、細骨材として大井川水系産陸砂、粗骨材として青海産砕石、混練水として水道水を用い、セメントを573kg/m、水を172kg/m{水/セメント比(質量比):0.30}、細骨材を768kg/m及び粗骨材を866kg/m{細骨材率(細骨材/細粗骨材+粗骨材)(容積比):47%}の密度で含み、架橋重合体及びセメント分散剤を下記表6に記載の配合比で含むセメント組成物を調製した。なお、粉末状吸水性樹脂は、水、細骨材、粗骨材を投入する前に、其の全量をミキサー内でセメントと混合させた。
なお、測定時のセメント組成物の温度が20℃になるように、測定に使用する材料、強制練りミキサー、測定器具類を上記の測定温度雰囲気下で調温し、混練および各測定は上記の測定温度雰囲気下で行った。また、セメント組成物中の気泡がセメント組成物の流動性に及ぼす影響を避けるために、必要に応じてオキシアルキレン系消泡剤を用い、空気量が2.0%以下となるように調整した。
上記条件下で強制練りミキサーを用いて混練時間90秒間でコンクリートを製造し、フロー値と空気量を測定した。なお、フロー値と空気量の測定は、日本工業規格(JIS-A-1101:2014、1128:2014)に準拠して行った。また、セメント分散剤の添加量は、フロー値が520mm~620mmになる添加量とした。
次に以下の手順で上記コンクリートの収縮ひずみの測定を行った。尚、自己収縮ひずみの測定においては、ひずみゲージ(型式:PMFL-60T(株式会社東京測器研究))およびデータロガー(型式:KMC-70-120-H3(共和電業))を使用した。
(1)調整したコンクリートのフロー値および空気量が所定の値であることを確認した。(2)図1のとおりひずみゲージを取り付けたポリプロピレン製の容器(φ100×200mm)に底から約100mmまで2回に分けて上記コンクリートを充填した。各充填ごとに鋼製の突き棒(φ9×300mm)を用いて15回突いた後、容器の周囲を木槌で数回軽くたたき、コンクリートを均一に充填させた。
(3)コンクリート供試体型枠に詰めた直後に収縮ひずみ値の測定を行い、当該測定値を起点のひずみ値とした。コンクリート充填後、ポリ塩化ビニリデンシートでふたをし、20±2℃で1日保管、約1日後に型枠から脱型しアルミ蒸着されたジップ袋に封入し更に約6日間経過後に収縮ひずみ値を測定した。
(収縮ひずみ量の計算)
収縮ひずみ量は、各測定時間および起点のひずみ値を用いて、以下の式により実施した。
[収縮ひずみ量(μ)]=[各測定時間のひずみ値]-[起点のひずみ値]
コンクリート試験結果と収縮ひずみ量の結果を表6に示した。また、モルタル中の空気量は全ての例において2%未満であった。
表6の結果より、実施例3の架橋重合体を添加することで、材齢7日後の収縮ひずみが比較例21の架橋重合体を用いた場合に比べて小さくなっており、収縮低減効果が高いことが示された。
[試験例4:コンクリート試験と凍結融解抵抗性評価]
セメントとして普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)、細骨材として大井川水系産陸砂、粗骨材として青海産砕石、混練水として水道水を用い、セメントを382kg/m、水を172kg/m{水/セメント比(質量比):0.30}、細骨材を825kg/m及び粗骨材を930kg/m{細骨材率(細骨材/細粗骨材+粗骨材)(容積比):47%}の密度で含み、架橋重合体及びセメント分散剤を下記表7に記載の配合比で含むセメント組成物を調製した。なお、粉末状架橋重合体は、水、細骨材、粗骨材を投入する前に、其の全量をミキサー内でセメントと混合させた。
なお、測定時のセメント組成物の温度が20℃になるように、測定に使用する材料、強制練りミキサー、測定器具類を上記の測定温度雰囲気下で調温し、混練および各測定は上記の測定温度雰囲気下で行った。また、セメント組成物中の気泡がセメント組成物の流動性に及ぼす影響を避けるために、必要に応じてオキシアルキレン系消泡剤を用い、空気量が2.0~3.0%となるように調整した。
上記条件下で強制練りミキサーを用いて混練時間90秒間でコンクリートを製造し、フロー値と空気量を測定した。なお、フロー値と空気量の測定は、日本工業規格(JIS-A-1101:2014、1128:2014)に準拠して行った。また、セメント分散剤の添加量は、フロー値が375mm~425mmになる添加量とした。
フロー値と空気量を測定した後、以下の条件にて凍結融解抵抗性試験用試料を作成し、凍結融解抵抗性の評価をした。
得られたフレッシュコンクリートを10cm×10cm×40cmの供試体型枠に入れ、20℃にて24時間封緘養生し、脱型した後、コンクリート表面と外部との水のやりとりができない様に供試体をポリフィルムで包んだ後、ポリ袋に入れ密閉し、28日間封緘養生を実施した後、凍結融解抵抗性の評価を開始した。
凍結融解抵抗性の評価は、JIS-A-1148中のA法に準じて、30サイクルごとにJIS-A-1127に従って、一次共鳴振動数を測定することにより実施した。この際、30サイクルごとの凍結融解抵抗性は、下記の式(i)で示されるように、凍結融解サイクル開始前(0サイクル)の一次共鳴振動数に対する、各サイクル終了時点での一次共鳴振動数から相対動弾性係数を算出し、評価した。凍結融解のサイクルは、最大300サイクルとし、300サイクル以前に相対動弾性係数が60%以下となった場合には、その時点で評価を終了した。凍結融解抵抗性は相対動弾性係数が60%を下回った時点のサイクル数より評価した。
相対動弾性係数(%)=(f /f )×100 (i)
:凍結融解nサイクル後のたわみ振動の一次共鳴振動数(Hz)
:凍結融解0サイクルにおけるたわみ振動の一次共鳴振動数(Hz)
表7の結果より、実施例3、8、18では、コンクリートの凍結融解抵抗性が比較例21と比べて向上したことが示された。

Claims (11)

  1. ノニオン性架橋性単量体(a)に由来する構造単位(A)を含む架橋重合体であって、
    当該構造単位(A)を当該架橋重合体中の全構造単位に対して10.0~45.0モル%の範囲で含み、
    当該構造単位(A)は其の架橋部分が加水分解性の結合を含み、
    当該架橋重合体がイオン性単量体に由来する構造単位(ε)を含む場合には、当該構造単位(A)を当該架橋重合体中の全構造単位に対して23.0~45.0モル%の範囲で含むことを特徴とする、架橋重合体。
  2. 下記の水溶液Aに25℃で15分間浸漬した場合の吸水倍率(g/g)に対する、
    同水溶液に同温度で6時間浸漬した場合の吸水倍率(g/g)の比が1.5以上である、架橋重合体。
    水溶液A:pH12.9/CaSO・2HO1.72g、NaSO6.96g、KSO4.76g、KOH7.12gおよび脱イオン水979.4gを混合してなる水溶液。
  3. 前記架橋重合体が、ノニオン性架橋性単量体(a)に由来する構造単位(A)を含み、
    当該構造単位(A)を当該架橋重合体中の全構造単位に対して10.0~45.0モル%の範囲で含み、
    当該構造単位(A)は其の架橋部分が加水分解性の結合を含み、
    当該架橋重合体がイオン性単量体に由来する構造単位(ε)を含む場合には、当該構造単位(A)を当該架橋重合体中の全構造単位に対して23.0~45.0モル%の範囲で含む、請求項2に記載の架橋重合体。
  4. 前記ノニオン性架橋性単量体(a)は、多官能(メタ)アクリレートを含む、請求項1又は3に記載の架橋重合体。
  5. 前記構造単位(ε)は、カルボキシル基、酸無水物基、スルホン酸基及びリン酸基から選ばれるアニオン性官能基またはその塩の基を有するものである、請求項1又は3に記載の架橋重合体。
  6. ノニオン性非架橋性単量体に由来する構造単位(β)を30.0~90.0モル%含み、当該構造単位(β)が(メタ)アクリルアミド系単量体を含む、請求項1又は3に記載の架橋重合体。
  7. 請求項1~4のいずれか1項に記載の架橋重合体を含有する、水硬性材料用混和剤。
  8. 請求項1~4のいずれか1項に記載の架橋重合体と水硬性材料とを含有する、水硬性組成物。
  9. 請求項1~4のいずれか1項に記載の架橋重合体を用いる、コンクリートの製造方法。
  10. 請求項8に記載の水硬性組成物を成形してなる、コンクリート成形体。
  11. 請求項1~4のいずれか1項に記載の架橋重合体を用いる、コンクリート成形体の製造方法。
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