JP2023177274A - エチレンアルキルアクリレート系共重合体イオノマーおよびその製造方法 - Google Patents

エチレンアルキルアクリレート系共重合体イオノマーおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エチレンアルキルアクリレート系共重合体イオノマーおよびその製造方法に関する。【解決手段】(a)ASTM D1238による溶融指数が1~500g/10minであるエチレンアルキルアクリレート共重合体およびエチレンアルキルメタクリレート共重合体から選択されるエチレン系共重合体とアルカリ金属塩を混合して混合物として製造するステップと、(b)前記混合物を100~400℃で溶融および撹拌して、前記共重合体にアクリル酸塩またはメタクリル酸塩の置換基を導入するステップとを含むイオノマーの製造方法に関する。【選択図】なし

Description

本開示は、エチレンアルキルアクリレート系共重合体イオノマーおよびその製造方法に関する。
エチレン不飽和カルボン酸系共重合体およびそのイオノマーを含む樹脂組成物は、金属およびガラスに対する接着性、透明性、機械強度、復原性などに優れることから、自動車の内外装材、床材などの建材、雑貨などのフィルム、シート用途をはじめ、様々な用途に使用されている。また、エチレン不飽和カルボン酸系共重合体およびそのイオノマーは、用途や要求物性に応じて、他の成分と組み合わせて用いられることが多い。
一般的に、イオノマーは、高分子の中に含まれたカルボン酸残基と金属イオンとの一種の酸塩基反応により生成されたイオン結合構造を含む高分子の通称である。イオノマーは、カルボン酸基を含む単量体とエチレン系単量体が共重合されて製造されることができ、通常、カルボン酸基を含むエチレン系共重合体は、高圧反応器により重合される。しかし、高圧反応器で高含量のカルボン酸基含有単量体を共重合する場合、共重合体の分子量を増加させ難い欠点がある。また、高含量のカルボン酸基によって重合速度を制御し難く、カルボン酸の高い反応性によって重合時に副反応が発生し得る。さらに、高圧重合時に、高圧圧縮機とのトラブル発生のため、カルボン酸基の含量を所定の含量以上に増加させることができないという限界がある。
従来、高圧反応器による重合方法では、イオノマーのカルボン酸基の含量は所定の水準以上に増加させ難く、高い含量のカルボン酸基を含む共重合体を重合するとしても高分子量の重合体を取得し難く、高コストおよび低収率によって産業的に使用し難い欠点がある。
そのため、前記高含量のカルボン酸基を含むイオノマーを低コスト且つ高い経済性で製造することができる新たなイオノマーの製造方法に関する研究が必要な状況である。
韓国特許公開公報第10-2018-0086541号(2018.08.01)
本開示の目的は、高含量のカルボン酸系イオノマーを低コスト・高効率で製造するための新規のイオノマーの製造方法を提供することである。具体的には、高含量のカルボン酸基を有し、且つ高い重量平均分子量を有するイオノマー樹脂を提供することである。
本開示は、(a)ASTM D1238による溶融指数が1~500g/10minであるエチレンアルキルアクリレート共重合体およびエチレンアルキルメタクリレート共重合体から選択されるエチレン系共重合体とアルカリ金属塩を混合して混合物として製造するステップと、(b)前記混合物を100~400℃で溶融および撹拌して、前記共重合体にアクリル酸塩またはメタクリル酸塩の置換基を導入するステップとを含むイオノマーの製造方法を提供する。
本開示の一様態によって、前記エチレン系共重合体は、ASTM D1238による溶融指数が1~150g/10minであるものを含むことができる。
本開示の一様態によって、前記アルカリ金属塩は、金属水酸化物を含むことができる。
本開示の一様態によって、前記エチレン系共重合体において、アクリル酸塩およびメタクリル酸塩の繰り返し単位は、1.0モル%以上含まれることができる。
本開示の一様態によって、前記エチレン系共重合体において、アクリル酸塩およびメタクリル酸塩の繰り返し単位は、1.5モル%以上含まれることができる。
本開示の一様態によって、前記イオノマーは、溶融指数(190℃、2.16kg)が100g/10min以下であるものを含むことができる。
本開示の一様態によって、前記イオノマーは、溶融指数(190℃、2.16kg)が1g/10min以下であるものを含むことができる。
本開示の一様態によって、前記エチレンアルキルアクリレート共重合体またはエチレンアルキルメタクリレート共重合体での前記アルキルは、C-C10であるものを含むことができる。
本開示の一様態によって、前記エチレン系共重合体において、アルキルアクリレート繰り返し単位またはアルキルメタクリレート繰り返し単位は、1~50モル%含まれることができる。
本開示の一様態によって、前記エチレン系共重合体は、アルキルメタクリレートおよびアルキルアクリレートを含む第1繰り返し単位と、メタクリル酸塩およびアクリル酸塩を含む第2繰り返し単位との総和に対して、前記第2繰り返し単位が10モル%以上であるものを含むことができる。
本開示の一様態によって、前記(b)ステップは、反応押出機で溶融および撹拌されることができる。
本開示の一様態によって、前記(b)ステップの溶融温度は、150~350℃であることができる。
本開示の一様態によって、前記反応押出機の滞留時間は、5分以上であることができる。
本開示の一様態によって、前記アルカリ金属水酸化物は、アルコール系溶媒に混合されているものを含むことができる。
本開示の一様態によって、前記イオノマーは、アクリル酸またはメタクリル酸が含まれていないことができる。
本開示の一様態によって、前記製造方法により製造されるイオノマーを提供することができる。
本開示によると、低価の一般のアクリル系共重合体を使用して、単純な工程でイオノマー樹脂を提供することができる。
また、本開示によると、既存のイオノマーの製造方法では達成し難い高含量のカルボン酸基を含むイオノマーを提供することができ、カルボン酸基の含量が自由に調節可能な高分子量のイオノマーを提供することができる。
また、本開示によると、軟性を有し、且つ機械的性質に優れたイオノマーを容易に提供することができる。
以下、本開示によるエチレンアルキルアクリレート系共重合体イオノマーおよびその製造方法について詳細に説明する。
この際、使用される技術用語および科学用語において他の定義がなければ、本開示が属する技術分野において通常の知識を有する者が通常理解している意味を有し、下記の説明で本開示の要旨を不明瞭にし得る公知の機能および構成に関する説明は省略する。
本明細書で使用される単数形態は、文脈で特別な指示がない限り、複数形態も含むものと意図することができる。
また、本明細書で特別な言及なしに使用された単位は、重量を基準とし、一例として、%または比の単位は、重量%または重量比を意味し、重量%は、他に定義されない限り、全体の組成物のいずれか一つの成分が組成物内で占める重量%を意味する。
また、本明細書で使用される数値範囲は、下限値と上限値とその範囲内でのすべての値、定義される範囲の形態と幅から論理的に誘導される増分、二重限定されたすべての値および互いに異なる形態に限定された数値範囲の上限および下限のすべての可能な組み合わせを含む。本開示の明細書で特別な定義がない限り、実験誤差または値の四捨五入によって発生する可能性がある数値範囲以外の値も定義された数値範囲に含まれる。
本明細書の用語、「含む」は、「備える」、「含有する」、「有する」または「特徴とする」などの表現と等価の意味を有する開放型記載であり、さらに挙げられていない要素、材料または工程を排除しない。
また、本明細書の用語、「実質的に」は、特定の要素、材料または工程とともに挙げられていない他の要素、材料または工程が、発明の少なくとも一つの基本的で新規の技術的思想に許容できないほどの著しい影響を及ぼさない量または程度で存在し得ることを意味する。
従来のイオノマーは、高圧反応器で重合されて製造されてきたが、イオノマー内のカルボン酸基の含量を所定の水準以上に増加させ難く、高い含量のカルボン酸基を含む共重合体を重合するとしても、高分子量の重合体を取得し難く、高コストおよび低収率によって産業的に使用することが困難であった。
そのため、本開示は、前記問題点を解決するために、一般的に使用されるエチレンアルキルアクリレート系共重合体樹脂からイオノマーを製造する方法を提供する。具体的には、本開示は、(a)ASTM D1238による溶融指数が1~500g/10minであるエチレンアルキルアクリレート共重合体およびエチレンアルキルメタクリレート共重合体から選択されるエチレン系共重合体とアルカリ金属水酸化物を混合して混合物として製造するステップと、(b)前記混合物を100~400℃で溶融および撹拌して、前記共重合体にアクリル酸塩またはメタクリル酸塩の置換基を導入するステップとを含むイオノマーの製造方法を提供する。
本開示によるイオノマーの製造方法は、カルボン酸が含まれたエチレン系共重合体樹脂を高圧反応条件で製造する必要がなく、これにより、相対的に安い値段の原料からイオノマーを高い経済性で提供することができる利点がある。また、前記イオノマーを提供するために、追加の添加物なしに、単純にエチレン系共重合体樹脂の溶融温度で反応してイオノマーが製造されることから工程が非常に単純である利点がある。また、既存のイオノマーの製造方法では達成し難い高含量のカルボン酸基を含むエチレン系イオノマーを提供することができ、カルボン酸塩の含量が自由に調節可能な高分子量のイオノマーを提供することができる。
本開示の一例において、前記エチレン系共重合体は、ASTM D1238による溶融指数が、1~500g/10minであることができ、具体的には1~200g/10minであることができ、具体的には1~150g/10minであることができ、具体的には1~100g/10minであることができ、具体的には1~5g/10minであることができるが、これに制限されるものではない。
本開示の一例において、前記エチレン系共重合体において、アクリル酸塩およびメタクリル酸塩の繰り返し単位は、1.0モル%以上であることができ、具体的には1.5モル%以上であることができ、具体的には1.5モル%~50モル%であることができ、具体的には3モル%~30モル%であることができるが、これに制限されるものではない。
前記イオノマーは、ASTM D1238による溶融指数(190℃ 2.16kg)が、10g/10min以下であることができ、具体的には5g/10min以下であることができ、具体的には1g/10min以下であることができ、具体的には0.01~1g/10minであることができ、具体的には0.3~0.7g/10minであることができるが、これに制限されるものではない。
本開示の一例において、前記エチレンアルキルアクリレート共重合体またはエチレンアルキルメタクリレート共重合体での前記アルキルは、C-C10であることができ、具体的にはC-Cであることができ、具体的にはC-C、具体的にはC-Cであることができ、具体的にはC-Cであることができる。前記エチレン系共重合体のアルキルがC-Cを満たすことにより、前記アルキル基が容易に脱離し、前記エチレン系共重合体がイオン化した樹脂として容易に製造されることができる。また、脱離されたC-Cアルキルは、プロパノールまたはブタノールに転換された後、溶融および撹拌温度よりも沸点が低くて簡単に気化し、反応器から除去されることができて好ましい。
具体的には、前記エチレン系共重合体に含まれるアクリル系共単量体は、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ペンチルアクリレート、ペンチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n-ヘキシルアクリレートおよびn-ヘキシルメタクリレートからなる群から選択されるいずれか一つまたは二つ以上の混合物を含むことができ、具体的には、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレートから選択されるいずれか一つまたは二つ以上の混合物であることができ、具体的には、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレートから選択されるいずれか一つまたは二つ以上の混合物であることができる。
前記エチレン系共重合体は、エチレンおよびアクリレート系単量体を含んで重合されることができる。前記エチレン系共重合体を製造する方法は、商業的な重合方法であれば制限なく選択可能であり、例示的に、塊状重合、懸濁重合および溶液重合などであることができ、具体的には、溶液重合であることができるが、これに制限されない。
例えば、溶液重合は、エチレン、アクリレート系重合体および重合開始剤を重合溶媒に投入して重合されることができる。必要に応じて、重合反応で金属酸化物をさらに投入して重合されることができる。前記金属酸化物は、ルイス酸の役割をして前記重合をよりスムーズにすることができ、前記金属酸化物は、また回収して再使用されることができる。
前記金属酸化物としては、アルカリ土類金属、遷移金属、第13族および第14族金属酸化物などが好ましい。具体的な例としては、酸化アルミニウム(Al)、酸化イットリウム(Y)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化珪素(SiO)、酸化ホウ素(B)、酸化セシウム(CeO)、酸化ジスプロシウム(Dy)、酸化エルビウム(Er)、酸化ユウロピウム(Eu)、酸化ガドリニウム(Gd)、酸化ホルミウム(Ho)、酸化ランタン(La)、酸化ルテチウム(Lu)、酸化ネオジム(Nd)、酸化プラセオジム(Pr11)、酸化サマリウム(Sm)、酸化テルビウム(Tb)、酸化トリウム(Th)、酸化ツリウム(Tm)、酸化イッテルビウム(Yb)、酸化スズ(SnO)、酸化チタン(TiO)、ジスプロシウムアルミネート(DyAl12)、イットリウムアルミネート(YAl12)、アルミニウムチタネート(Al・TiO)、アルミニウムシリケート(3Al・2SiO)、カルシウムチタネート(CaTiO)、カルシウムジルコネート(CaZrO)、鉄チタネート(FeTiO)、マグネシウムアルミネート(MgO・Al)、セシウムアルミネート(CeAl1118)、硫酸アルミニウム(Al(SO)およびリン酸アルミニウム(AlPO)からなる群から選択される1種以上であることができるが、これに制限されるものではない。
前記金属酸化物は、アクリレート系共単量体1モルに対して、0.1~10モルの割合で使用することができ、具体的には0.1~1モルの割合で使用することができるが、これに制限されるものではない。
重合溶媒としては、芳香族溶媒、脂肪族溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン化アルキル溶媒などが制限なく使用可能であり。例示的には、トルエン、クロロベンゼン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、テトラヒドロフラン、クロロホルムおよびメチレンクロライドからなる群から選択される1種以上の溶媒または混合溶媒を使用することができるが、これに制限されるものではない。前記重合溶媒は、アクリレート系共単量体100重量部に対して、300~5,000重量部、具体的には、1,500~2,500重量部使用することができるが、これに制限されるものではない。
重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤が制限なく使用可能である。例示的には、過酸化物、アゾ化合物またはこれらの混合物が使用可能であるが、これに制限されるものではない。前記重合開始剤は、アクリル系共単量体1モルに対して、0.001~1.0モル比、具体的には、0.01~0.1モル比で使用することができるが、これに制限されるものではない。
前記重合は、1~200気圧の圧力および30~150℃の温度条件で実施されることができ、具体的には、1~5気圧の圧力および50~120℃の温度条件で実施されることができるが、これに制限されるものではない。
本開示の一例によると、前記エチレンアルキルアクリレート共重合体またはエチレンアルキルメタクリレート共重合体の重量平均分子量は、100,000~5,000,000g/molであることができ、具体的には150,000~3,000,000g/molであることができ、具体的には200,000~2,000,000g/molであることができ、具体的には300,000~1,000,000g/molであることができるが、これに制限されるものではない。
前記エチレン系共重合体にアルカリ金属塩を投入し、これを溶融撹拌してイオノマーを製造することができる。前記エチレン系共重合体のアルキルメタクリレートおよびアルキルアクリレート基が金属水酸化物と高温溶融状態で反応して、メタクリル酸塩またはアクリル酸塩で置換されることができる。
前記アルカリ金属塩は、アルカリ金属水酸化物およびアルキルリ金属炭酸化物から選択されるいずれか一つのアルカリ金属塩であることができ、具体的には、アルカリ金属水酸化物であることができるが、これに制限されるものではない。
本開示の一例において、前記アルカリ金属水酸化物は、一例として、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムなどであることができ、具体的には、水酸化ナトリウムであることができるが、これに制限されるものではない。前記水酸化ナトリウムの場合、比較的低い溶融温度を有しており、前記混合物の溶融撹拌時に、非常に均一に溶融混合されることができ、これにより、前記イオノマーのアクリル酸塩またはメタクリル酸塩の含量が高くなることができる。
本開示の一例において、前記エチレン系共重合体において、アルキルアクリレート繰り返し単位またはアルキルメタクリレート繰り返し単位は、前記共重合体の中で10~90モル%含まれることができ、具体的には10~70モル%であることができ、具体的には、10~50モル%であることができるが、これに制限されるものではない。
本開示の一例において、前記エチレン系共重合体は、アルキルメタクリレートおよびアルキルアクリレートを含む第1繰り返し単位とメタクリル酸塩およびアクリル酸塩を含む第2繰り返し単位の総和に対して、前記第2繰り返し単位が10モル%以上であることができ、具体的には10モル%~100モル%であることができ、具体的には10モル%~50モル%であることができる。イオノマーの中でカルボン酸塩に該当する第2繰り返し単位が、第1繰り返し単位と第2繰り返し単位の総和に対して100モル%未満、具体的には10モル%~50モル%含まれることにより、イオノマーは、従来のエチレン-アクリル酸系イオノマーでは達成することが困難であった比較的低い硬度特性を有することができる点で好ましい。
一方、金属水酸化物の投入量に比例して、アルキルメタクリレートおよびアルキルアクリレートをメタクリル酸塩およびアクリル酸塩で置換される程度が比例することから、前記第2繰り返し単位のモル%は、金属水酸化物の投入量に応じて簡単に制御されることができる。すなわち、金属水酸化物の投入量が多くなるほど、前記アルキルメタクリレートおよびアルキルアクリレートがメタクリル酸塩およびアクリル酸塩で置換される量が増加する。したがって、本開示のイオノマーの製造方法は、所望の量のメタクリル酸塩およびアクリル酸塩を含むイオノマーを簡単に提供することができる利点がある。
本開示の一例において、前記(b)ステップは、反応押出機で溶融および撹拌されることであり得る。
また、本開示の一例において、前記(b)ステップの溶融温度は、120~350℃であることができ、具体的には150~300℃であることができ、具体的には180~250℃であることができるが、これに制限されるものではない。
特に、前記180~250℃の温度範囲である時に、前記エチレン系共重合体が熱分解されず、且つイオノマー反応による黄変現象が抑制されることができる。
本開示の一例において、前記反応押出機の滞留時間は、5分以上であることができ、具体的には5分~30分であることができ、具体的には10分~20分であることができるが、これに制限されるものではない。
また、前記溶融時に、マスターバッチ形態で投入して提供することができるが、これに制限されるものではない。前記マスターバッチ形態で投入されることから、非常に均一に混合されることができる。
本開示の一例において、前記アルカリ金属水酸化物は、アルコール系溶媒に混合された混合溶液であることができる。前記アルカリ金属水酸化物をパウダー状態ですぐ投入するよりも、アルコール系溶媒に溶解させた混合溶液と前記エチレン系共重合体と混合することで、前記エチレン系共重合体とアルカリ金属水酸化物をさらに均一に混合することができる。前記アルコール系溶媒は、これに制限されるものではないが、一例として、グリコール系化合物であることができ、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ジプロピレングリコールおよびブチレングリコールから選択されるいずれか一つまたは二つ以上のアルコール系溶媒であることができる。
また、前記混合溶液のアルカリ金属水酸化物は、50wt%以下の濃度で混合されることができ、具体的には10wt%~40wt%であることができ、具体的には20wt%~30wt%であることができるが、これに制限されるものではない。
本開示は、前記製造方法により製造されるイオノマーを提供する。
前記イオノマーの重量平均分子量は、10,000~5,000,000g/molであることができ、具体的には20,000~3,000,000g/molであることができ、具体的には30,000~2,000,000g/molであることができ、具体的には50,000~1,000,000g/molであることができるが、これに制限されるものではない。
本開示によると、アクリル酸系共重合体の代わりに、商用化した前記エチレン系共重合体を使用することで、イオノマーの製造費用が大幅に下がり、重量平均分子量または溶融指数に制限されず、様々なグレードのイオノマーを提供することができ、所望の加工性、機械的物性などに優れたイオノマーを提供することができる。
また、本開示によるイオノマーは、アクリル酸またはメタクリル酸が含まれないイオノマーとして、従来のアクリル酸またはメタクリル酸を含むイオノマーに比べて低い硬度を有することを特徴とする。前記アクリル酸またはメタクリル酸は、水素結合を誘導してイオノマーが高い硬度を有するようにするが、本発明のイオノマーは、アクリル酸またはメタクリル酸が含まれず、特有の低い硬度を有することができる。
また、本開示のイオノマーの場合、金属イオンとアクリレート凝集効果が小さくて、接着剤として活用する時に、優れた接着効果を有することができる利点がある。
本開示によるイオノマーは、好ましく多層ゴルフボール構造の素材として含まれることができる。具体的には、多層ゴルフボールは、カバー層、中問層およびコア層で構成されることができ、前記イオノマーは、中問層の素材として含まれることができる。本開示によるイオノマーは、従来の高圧反応器から製造されたアクリル酸系イオノマーよりも硬度が低く、接着性に優れ、物理的衝撃にも優れた耐久性をゴルフボールに付与することができる。
以下、実施例および比較例に基づいて、本開示をより詳細に説明する。ただし、下記の実施例および比較例は、本開示をより詳細に説明するための一つの例示であって、本開示が下記実施例および比較例によって制限されるものではない。
[物性の測定]
1.溶融指数の測定
ASTM D1238標準測定法によって測定した。
2.アクリレート含量およびイオノマー含量の測定
13C-NMRおよびFT-IRを使用して、アクリレートの含量およびイオノマーの含量を測定した。
3.ショア硬度の測定
ASTM D2240標準測定法によって測定した。20℃の恒温器で1時間以上保管された厚さ1mmの4cm×4cmのシートを5枚重ねて、ショアD硬度測定器を用いて測定する。硬度測定器の押針で表面を押圧すると、ゲージの硬度値が最大値に逹してから減少して安定化するが、この際、最大値を硬度値とした。
[実施例1]
エチレンブチルアクリレート共重合体樹脂(溶融指数(190℃、2.16kg)40g/10min、ブチルアクリレート含量10.5モル%、SKFP Lotryl 35BA40)100gに対して、水酸化ナトリウム(NaOH、アルドリッチ)0.63gの割合で二軸反応押出機に投入し、180℃で300rpmで溶融押出した。押出機の後端に設置された真空吸入装置により、反応中に生成されるブチルアルコールを除去した。押出された溶融高分子ストランドは、冷却水の水槽で冷却されてペレタイザに移送され、カッティングされて均一なペレットとして製造された。
[実施例2]
エチレンブチルアクリレート共重合体樹脂(溶融指数(190℃、2.16kg)40g/10min、ブチルアクリレート含量10.5モル%、SKFP Lotryl 35BA40)100gに対して、水酸化ナトリウム(NaOH、アルドリッチ)1.7gの割合で二軸反応押出機に投入し、180℃で300rpmで溶融押出した。
[実施例3]
実施例2で水酸化ナトリウムの代わりに水酸化ナトリウムが16wt%濃度で溶解されたプロピレングリコール100gを投入して溶融押出した以外は、同様に実施した。
[比較例1]
アクリル酸共重合体樹脂(溶融指数(190℃、2.16kg)250g/10min、アクリル酸9.1モル%)100gに対して、水酸化ナトリウム(NaOH、アルドリッチ)0.67gの割合で二軸反応押出機に投入し、180℃で300rpmで溶融押出した。押出機の後端に設置された真空吸入装置により、反応中に生成される水分を除去した。押出された溶融高分子ストランドは、冷却水の水槽で冷却されてペレタイザに移送され、カッティングされて均一なペレットとして製造された。
[比較例2]
アクリル酸共重合体樹脂(溶融指数(190℃、2.16kg)60g/10min、アクリル酸5.7モル%)100gに対して、水酸化ナトリウム(NaOH、アルドリッチ)0.91gの割合で二軸反応押出機に投入し、180℃で300rpmで溶融押出した。押出機の後端に設置された真空吸入装置により、反応中に生成される水分を除去した。押出された溶融高分子ストランドは、冷却水の水槽で冷却されてペレタイザに移送され、カッティングされて均一なペレットとして製造された。
Figure 2023177274000001
前記表1に記載されているように、本開示のイオノマーの製造方法により、エチレンブチルアクリレート共重合体またはエチレンブチルアクリレート共重合体から由来したイオノマーを製造した。
実施例によるイオノマーの場合、従来、製造が不可能なアクリル酸が含まれていないイオノマーであり、これにより、従来のアクリル酸またはメタクリル酸を含むイオノマーよりも低い硬度を有するイオノマーを製造することができる。
具体的には、実施例2と比較例2の硬度を参照すると、比較例2が実施例2よりも硬度が1.8倍以上高いことが認められる。
以上のように本開示は、特定の事項と限定された実施例および比較例によって説明されているが、これは、本開示のより全般的な理解を容易にするために提供されたものであって、本開示は、前記の実施例に限定されるものではなく、本開示が属する分野において通常の知識を有する者であれば、このような記載から様々な修正および変形が可能である。
したがって、本開示の思想は、上述の実施例に限定して定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、本特許請求の範囲と均等または等価的な変形があるすべてのものなどは、本開示の思想の範疇に属すると言える。

Claims (16)

  1. (a)ASTM D1238による溶融指数が1~500g/10minであるエチレンアルキルアクリレート共重合体およびエチレンアルキルメタクリレート共重合体から選択されるエチレン系共重合体とアルカリ金属塩を混合して混合物として製造するステップと、
    (b)前記混合物を100~400℃で溶融および撹拌して、前記共重合体にアクリル酸塩またはメタクリル酸塩の置換基を導入するステップとを含む、イオノマーの製造方法。
  2. 前記エチレン系共重合体は、ASTM D1238による溶融指数が1~150g/10minである、請求項1に記載のイオノマーの製造方法。
  3. 前記アルカリ金属塩は、金属水酸化物を含む、請求項1に記載のイオノマーの製造方法。
  4. 前記エチレン系共重合体において、アクリル酸塩およびメタクリル酸塩の繰り返し単位は、1.0モル%以上含まれる、請求項1に記載のイオノマーの製造方法。
  5. 前記エチレン系共重合体において、アクリル酸塩およびメタクリル酸塩の繰り返し単位は、1.5モル%以上含まれる、請求項4に記載のイオノマーの製造方法。
  6. 前記イオノマーは、溶融指数(190℃、2.16kg)が100g/10min以下である、請求項1に記載のイオノマーの製造方法。
  7. 前記イオノマーは、溶融指数(190℃、2.16kg)が1g/10min以下である、請求項1に記載のイオノマーの製造方法。
  8. 前記エチレンアルキルアクリレート共重合体またはエチレンアルキルメタクリレート共重合体でのアルキルは、C-C10である、請求項1に記載のイオノマーの製造方法。
  9. 前記エチレン系共重合体において、アルキルアクリレート繰り返し単位またはアルキルメタクリレート繰り返し単位は、1~50モル%含まれる、請求項1に記載のイオノマーの製造方法。
  10. 前記エチレン系共重合体は、アルキルメタクリレートおよびアルキルアクリレートを含む第1繰り返し単位と、メタクリル酸塩およびアクリル酸塩を含む第2繰り返し単位との総和に対して、前記第2繰り返し単位が10モル%以上である、請求項1に記載のイオノマーの製造方法。
  11. 前記(b)ステップは、反応押出機で溶融および撹拌される、請求項1に記載のイオノマーの製造方法。
  12. 前記(b)ステップの溶融温度は、150~350℃である、請求項7に記載のイオノマーの製造方法。
  13. 反応押出機の滞留時間は、5分以上である、請求項7に記載のイオノマーの製造方法。
  14. アルカリ金属水酸化物は、アルコール系溶媒に混合されている、請求項1に記載のイオノマーの製造方法。
  15. 前記イオノマーは、アクリル酸またはメタクリル酸が含まれていない、請求項1に記載のイオノマーの製造方法。
  16. 請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の製造方法により製造されるイオノマー。
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