JP2023176565A - 進退移動装置 - Google Patents

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隆弘 近藤
Takahiro Kondo
雅紀 田村
Masaki Tamura
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Abstract

【課題】進退部材の位置を検知可能な検知部を収容しつつ、進退移動装置の大型化を抑制可能な進退移動装置を提供する。【解決手段】ケース10と、ケース10に対して進退移動可能な進退部材と、進退部材の位置を検知可能な検知部90と、ケース10に対する進退部材の進退移動を規制可能な規制機構とを備える。規制機構は、駆動部本体112と駆動軸114とを有する駆動部110と、進退方向に向けた進退部材の移動を規制するロック部130と、駆動軸114の回転力をロック部130に伝達し、進退方向に向けた進退部材の移動が規制されるようにロック部130を移動させることが可能な伝達部120とを有する。駆動部110と検知部90とがケース10に収容された状態において、ケース10の底面と駆動部本体112とにより検知部90が挟持される。【選択図】図9

Description

本発明は、ケースと、ケースに対して進退移動可能な進退部材と、を備えた進退移動装置に関する。
自動車等の車両において、例えば燃料補給口を覆うフューエルリッドや充電リッドが知られている。これらのリッドの開閉装置には、リッドを閉じる押込位置とリッドを開く突出位置との間で進退部材を進退させる進退移動装置が用いられている。
例えば特許文献1の進退移動装置は、進退部材をケースに対して進退移動させ、フューエルリッドを開状態にする前進位置と、フューエルリッドを閉状態にする後退位置とに位置させる。そして、フューエルリッドが閉状態であるとき、すなわち進退部材が後退位置にあるとき、制限部材により進退部材をロックして、その進退移動を規制する。また、進退移動装置はロック位置検出部を備えており、このロック位置検出部は、進退部材をロックする位置を検出する。
特開2020-122335号公報
しかし、特許文献1に開示されるロック位置検出部を設けると、ロック位置検出部を保持する構造が必要となり、部品点数が多くなってしまう。さらに、ロック位置検出部を配置するスペースも必要であるため、進退移動装置が大型化してしまう虞がある。
本発明は、進退部材の位置を検知可能な検知部を収容しつつ、進退移動装置の大型化を抑制可能な進退移動装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る進退移動装置は、
ケースと、
前記ケースに対して進退移動可能な進退部材と、
前記進退部材の位置を検知可能な検知部と、
前記ケースに対する前記進退部材の進退移動を規制可能な規制機構と、
を備えた進退移動装置であって、
前記規制機構は、
駆動部本体と駆動軸とを有する駆動部と、
進退方向に向けた前記進退部材の移動を規制するロック部と、
前記駆動軸の回転力を前記ロック部に伝達し、進退方向に向けた前記進退部材の移動が規制されるように前記ロック部を移動させることが可能な伝達部と、を有し、
前記駆動部と前記検知部とが前記ケースに収容された状態において、前記ケースの底面と前記駆動部本体とにより前記検知部が挟持される挟持構造が構成される。
本発明によれば、進退部材をロックする位置を検知可能としつつ、進退移動装置の大型化を抑制可能である。
本実施の形態に係る進退移動装置の平面図の一例であって、進退部材が後退位置にある場合の図である。 本実施の形態に係る進退移動装置の斜視図の一例であって、(A)進退部材が後退位置にある場合の図、(B)進退部材が前進位置にある場合の図、である。 (A)本発明の実施の形態に係る進退移動装置をフューエルリッドの開閉装置に適用した構成を示す斜視図の一例、(B)本実施の形態に係る進退部材のリッド係止部とフューエルリッドのリッド被係止部との関係を説明するための図の一例、である。 本実施の形態に係る進退移動装置の全体構成を示す分解斜視図の一例である。 本実施の形態に係る進退移動装置の全体構成を示す分解斜視図の一例である。 本実施の形態に係るケースの内部構造を示す斜視図の一例であって、(A)各種部材が組付けられていない状態を示す図、(B)進退部材、付勢部材、進退制御部材、ガイドピン、押圧部材、及び伝達部が主として組み付けられた状態を示す図、である。 本実施の形態に係る進退移動装置の断面図の一例であって、(A)図1に示されるA-A線断面図、(B)図1に示されるA-A線断面図の斜視図である。 本実施の形態に係るケースの内部構造を示す斜視図の一例であって、(A)各種部材が組付けられていない状態を示す図、(B)規制機構が組み付けられた状態を示す図、である。 本実施の形態に係る進退移動装置の断面図の一例であって、(A)図1に示されるB-B線断面図、(B)図1に示されるB-B線断面図の斜視図、である。 本実施の形態に係る進退移動装置の内部状態を示す平面図の一例であって、(A)リッド開状態を示す図、(B)第1ストローク状態を示す図、である。 本実施の形態に係る進退移動装置の内部状態を示す平面図の一例であって、(A)進退部材が後退位置にあるときの図、(B)第2ストローク状態を示す図である。 本実施の形態に係る進退部材の後退方向への移動の規制について説明するための図の一例であって、(A)は進退部材が後退方向への移動が規制されているときの進退移動装置の内部状態を示す平面図、(B)は(A)に示されるC-C線断面図、である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態の進退移動装置は、ケースに対して進退部材を進退移動させるものである。本実施の形態では、一つの適用例としてフューエルリッドの開閉装置を挙げて説明する。ただし、本実施の形態の進退移動装置の適用例は、フューエルリッドに限定されず、例えば充電リッドの開閉装置等、他の開閉装置であってもよい。
[1.進退移動装置1の概略]
先ず、本実施の形態に係る進退移動装置1の概略について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、進退移動装置1の平面図の一例であって、進退部材41が後退位置にある場合の図である。図2は、進退移動装置1の斜視図の一例であって、(A)進退部材41が後退位置にある場合の図、(B)進退部材41が前進位置にある場合の図、である。
なお、この明細書において、便宜上、各図(例えば図2)に示されるX方向の正方向(矢印が向いている方向)を右方向または右側と称し、各図に示されるX方向の負方向を左方向または左側と称する。また、各図に示されるY方向の正方向を前進方向と称し、各図に示されるY方向の負方向を後退方向と称し、前進方向および後退方向の両方を含む場合には進退方向と称する。また、各図に示されるZ方向の正方向(矢印が向いている方向)側を底面方向と称する。
本実施の形態において、進退部材41は、前進位置と、後退位置と、後退位置よりもさらに後退方向の位置であるストローク位置との間を移動することができる。本実施の形態において、ストローク位置には、第1ストローク位置と第2ストローク位置とが含まれるが、これについては後述する。
図1に示されるように、本実施の形態の進退移動装置1は、平面視で略正方形のケース10を有するが、ケース10の形状は略正方形に限定されない。進退部材41は、このケース10に対して進退移動できるように構成されている。
詳細は後述するが、進退部材41は、図2に示されるように、ロッド部42と、前進方向側の端部に形成されたリッド係止部44とを有する。進退部材41は、ケース10に対して進退移動すると、ロッド部42を軸方向として回転する。進退部材41が回転すると、これに伴って、リッド係止部44が回転し、リッド係止部44の向き(すなわち角度)が変わる。図2に示されるように、進退部材41が後退位置にある場合(図2(A)参照)と、進退部材41が前進位置にある場合(図2(B)参照)とで、リッド係止部44の向きが異なる。
[2.進退移動装置1が適用された開閉装置200]
本実施の形態に係る進退移動装置1が適用された開閉装置200について、開閉装置200の動作も含めて、図3を参照して説明する。図3(A)は、本発明の実施の形態に係る進退移動装置1をフューエルリッドの開閉装置に適用した構成を示す斜視図の一例であり、図3(B)は、進退部材41のリッド係止部44とフューエルリッドのリッド被係止部240との関係を説明するための図の一例である。
図3(A)に示されるように、開閉装置200は、車両の給油口が収容される開口の蓋を開閉する装置であり、この開閉装置200には、本実施の形態の進退移動装置1が適用されている。開閉装置200は、所謂、フューエルインレットボックスであり、車両の燃料タンクへ燃料を注入する車体2の給油開口部2aに設置される装置である。
開閉装置200は、車体2の給油開口部2aに取り付けるボックス本体210と、給油開口部2aを塞ぐ蓋であるフューエルリッド220と、フューエルリッド220を旋回可能に支持するヒンジ230と、進退移動装置1とを有する。本実施の形態において、進退部材41が前進位置にあるとき、フューエルリッド220が開状態となり、このときの進退移動装置1の状態を、リッド開状態と称する。
ボックス本体210は、給油開口部2aに取り付けて、給油管を給油口側で取り囲む給油室を構成している。図3に示されるボックス本体210は、筒状に形成され、2つの開口(図3では一方の開口212のみ図示)のうち1つの開口212を給油開口部2aに連続して取り付け、図示しないもう1つの開口には、図示しない給油管の一端部が嵌挿される。給油管の一端部は、ボックス本体210内に突き出るように配置され、給油口を有する。給油口は、図1に示すように、スクリューキャップ260により閉塞されている。スクリューキャップ260は給油時に取り外し可能である。
フューエルリッド220には、進退部材41のリッド係止部44が係止可能なリッド被係止部240が設けられている。リッド被係止部240は、例えば、リッド係止部44が所定の角度(図3(B)の二点鎖線で示される角度)であるときに、リッド係止部44を通過させることができる開口部を備えた孔である。所定の角度とは、本実施の形態では、進退部材41が前進位置に位置した際の角度(図2(B)に示されるリッド係止部44の角度)である。リッド被係止部240を通過した内部には、リッド係止部44が回転できる空間としての回転補助部242が設けられている。
例えば、リッド係止部44は、所定の角度である場合、リッド被係止部240の開口部を通過可能であり、リッド被係止部240を通過した後、回転補助部242において、ロッド部42の軸回りに回転し、特定の角度(図3(B)の実線で示される角度)となる。
このような開閉装置200によれば、フューエルリッド220が閉じられる際、フューエルリッド220が進退部材41をケース10内側に押すことにより、進退部材41が車体2の内方に後退する。フューエルリッド220が閉じられようとして進退部材41のリッド係止部44に当接する際、リッド係止部44は所定の角度(図3(B)の二点鎖線で示される角度)であるため、リッド被係止部240の開口部を通過してリッド被係止部240の内部に入る。さらに、進退部材41が後退すると、リッド被係止部240の内部に位置しているリッド係止部44が回転してその角度が特定の角度(図3(B)の実線で示される角度)に変わるため、リッド係止部44がリッド被係止部240の内側面に係止される。これにより、フューエルリッド220が閉状態になる。本実施の形態において、進退部材41が後退位置にあるとき、フューエルリッド220が閉状態となり、このときの進退移動装置1の状態をリッド閉状態と称する。
フューエルリッド220が閉じられる際、進退部材41は、後退位置よりもさらに後退方向の位置である第1ストローク位置まで移動し、その後、後退位置に移動し、フューエルリッド220が閉状態(リッド閉状態)になる。本実施の形態において、進退部材41が第1ストローク位置にあるときの進退移動装置1の状態を、第1ストローク状態と称する。
また、リッド閉状態において、フューエルリッド220が押圧されると、フューエルリッド220が進退部材41をケース10内側にさらに押すこととなる。このとき、進退部材41は、後退位置から第2ストローク位置まで移動することが可能である。本実施の形態において、進退部材41が第2ストローク位置にあるときの進退移動装置1の状態を、第2ストローク状態と称する。
フューエルリッド220が閉状態となるリッド閉状態では、詳細は後述するが、後述のガイドピン80によって前進方向への進退制御部材60(例えば後述の図4参照)の移動が規制され、ひいては進退部材41が前進方向に移動できない。
リッド閉状態では、後述の規制機構100が備えるロック部130により、さらなる後退方向への進退部材41の移動(すなわちストローク状態への移動)についても規制することができる。本実施の形態では、リッド閉状態において、ストローク状態への進退部材41の移動が規制された状態を「リッド閉ロック状態」と称し、ストローク状態への進退部材41の移動が規制されていない状態を「リッド閉アンロック状態」と称する。
リッド閉ロック状態では、進退部材41は、車体2の内方、つまり進退移動装置1の内部の後退方向に向けて押圧されたとしても、後退方向への移動が規制されているため、後退方向に向けて移動しない。一方、リッド閉アンロック状態では、進退部材41は、進退移動装置1の内部の後退方向に向けて押圧されると、後退方向への移動の規制が解除される。前進方向への進退部材41の移動の規制が解除されると、進退部材41に付勢力が働いて、進退部材41が車体2の外方へ前進する。このとき、進退部材41のリッド係止部44が回転してその角度位置が所定の角度位置となることで、リッド係止部44とリッド被係止部240との係止が解かれる。これにより、フューエルリッド220が開く作動をする。フューエルリッド220が開状態であるときの進退部材41の位置は前進位置である。
[3.進退移動装置1の全体構成]
本実施の形態に係る進退移動装置1の全体構成について、図4及び図5を参照して説明する。図4及び図5は、いずれも、進退移動装置1の全体構成を示す分解斜視図の一例である。図4に示される分解斜視図と、図5に示される分解斜視図とは、進退移動装置1を見る方向が異なる。
図4及び図5に示されるように、進退移動装置1は、進退移動装置1を構成する各種部材を内部に収容して保持するケース10を備える。
ケース10は、平面方向側に開口11を有する。各種部材は、ケース10の開口11から収容されて組み付けられる。ケース10内に各種部材が収容されて組み付けられた後、カバー38が、ケース10の開口11に被せられる。このようにして、ケース10の開口11が閉じられる。各種部材のケース10への組み付けについては後述する。
進退移動装置1は、主に、進退機構40と、進退機構40の進退方向への移動を規制することが可能な規制機構100と、リッド開状態であること及びリッド開状態でないことを検知することができる検知部90と、ケース10と、カバー38とを備える。本実施の形態では、規制機構100は、進退機構40の後退方向への移動を規制可能である。ケース10は、進退機構40、規制機構100及び検知部90を収容可能である。進退機構40は、ケース10内のうち相対的に右側に収容される。規制機構100は、ケース10内のうち相対的に左側に収容される。
[3-1.進退機構40]
進退機構40は、ケース10に対して進退方向に進退移動可能に構成された機構である。進退機構40は、主に、進退部材41と、進退部材41を前進方向に向けて付勢する付勢部材50と、進退制御部材60と、ガイドピン80とを備える。
(進退部材41)
進退部材41は、上述のとおり、ケース10に対して進退可能な部材であって、円柱状のロッド部42と、ロッド部42の端部に形成されたリッド係止部44とを有する。本実施の形態では、進退部材41は、進退部材41の進退方向(前進方向及び後退方向)とロッド部42の軸方向とが一致するように配置される。
ロッド部42は、軸方向の中央部よりも後退方向側において、ケース10に設けられた係合部13(例えば後述の図6参照)と係合する被係合部48を有する。この被係合部48は、軸方向に沿って螺旋状の溝として形成されている。そのため、進退部材41は、進退方向に移動するとき、ケース10に対して回転しながら移動する。
ロッド部42は、軸方向の中央部に環状溝46を有する。この環状溝46は、ロッド部42の軸方向に対して直交し且つ周方向に形成されており、後述の進退制御部材60が嵌合される被勘合部として機能する。
(付勢部材50)
付勢部材50は、進退部材41を、ケース10に対して前進方向に向けて付勢する。付勢部材50は、本実施の形態では、例えばコイルバネが採用されている。
(進退制御部材60)
進退制御部材60は、ガイドピン80および押圧部材84とともに、進退方向への進退部材41の移動と、進退方向への進退部材41の移動の規制とを制御することが可能な部材である。進退制御部材60は、進退部材41が有するロッド部42のうち、環状溝46よりも後退方向側の部位を収容可能に構成されている。そのため、進退部材41および進退制御部材60をコンパクトに構成することができる。
進退制御部材60は、進退方向に沿って配置される平板状の案内部形成面62を有する。本実施の形態では、案内部形成面62は、ケース10の底面と平行な面である。案内部形成面62における平面側(すなわちZ方向の負側)の面には、案内部64としての溝が形成されている。詳細は後述するが、本実施の形態では、案内部64は、ガイドピン80の先端が押圧されつつこの案内部64に沿って移動することができる溝である。
進退制御部材60は、ケース10に設けられた後述の進退制御部材案内部14によって進退方向への移動が案内される被案内部66を有する。この実施の形態では、被案内部66は、進退制御部材60の左側において、ケース10に設けられた進退制御部材案内部14としての溝に、底面方向側の端部を嵌め込むことができる板状の部材である。被案内部66には、後述のロック部130が左右方向に通過できる凹部68が形成されている。また、被案内部66は、左側の後退方向側の端部であって且つ凹部68よりも後退方向側に、検知部90のスイッチ92を作動させることが可能な作動部76が設けられている。
進退制御部材60は、進退部材41のロッド部42に設けられた環状溝46に嵌合する嵌合部72が形成された平板状の嵌合部形成面70を有する。嵌合部72が環状溝46に嵌合された状態で進退部材41が進退方向に移動すると、進退制御部材60は、進退部材41の移動にともなって進退方向に移動する。また、嵌合部72は、環状溝46に嵌合されたときに、進退部材41と進退制御部材60とがロッド部42の軸回りに互いに回転できるように構成されている。
なお、嵌合部72が環状溝46に嵌合すると、進退部材41のロッド部42のうち環状溝46よりも後退方向側の部位が、進退制御部材60に収容される。また、嵌合部72が環状溝46に嵌合することにより、進退方向への進退部材41の移動にともなって、進退制御部材60が進退方向に移動する。
進退部材41は、上述したとおり、進退方向に移動するとき、ケース10に対して回転しながら移動する。進退制御部材60は、進退方向への進退部材41の移動にともなって進退方向に移動するが、被案内部66が進退制御部材案内部14に沿って進退方向に移動する。そのため、進退制御部材60は、ケース10に対して回転しないように、進退部材41にともなって進退方向に移動する。
(ガイドピン80)
ガイドピン80は、両端部が鉤状に屈曲した長手状の部材であって、進退方向に向けた進退部材41の移動を規制する機能を備える。ガイドピン80は、長手方向が進退方向と平行となるように、進退制御部材60よりも平面方向側に配置されている。ガイドピン80は、押圧部材84によって底面方向に向けて押圧される。
[3-2.規制機構100]
規制機構100は、主に、駆動部110と、駆動部110からの駆動力をロック部130に伝達する伝達部120と、進退方向への進退部材41の移動を規制するロック部130とを有する。本実施の形態では、ロック部130は、後退方向への進退部材41の移動を規制している。
(駆動部110)
駆動部110は、駆動源としての駆動部本体112と、駆動部本体112からの駆動力によって軸方向に回転する駆動軸114とを有する。本実施の形態では、駆動源としての駆動部本体112は例えばモータであり、駆動軸114は例えばウォームギアである。
(伝達部120)
伝達部120は、ケース10の底面から平面方向に向けて垂直に立設された伝達部支持軸21に支持され、この伝達部支持軸21を軸として回転可能である。伝達部支持軸21は駆動軸114と直交する。本実施の形態では、伝達部120はヘリカルギアであり、駆動軸114としてのウォームギアと歯合する。このようにして、駆動部本体112からの駆動力が、伝達部支持軸21を回転軸とする回転方向への回転力に変換される。また、伝達部120の後退方向側には、伝達部120の回転に伴って左右方向に揺動する揺動部124が設けられている。
進退部材41が後退位置にあるとき、ロック部130は、左右方向に移動することによって、進退制御部材60ひいては進退部材41の後退方向への移動を規制し、またはこの規制を解除することができる。本実施の形態では、ロック部130が右方向に移動すると後退方向への進退部材41の移動が規制され、ロック部130が左方向に移動すると上記の規制が解除される。
(ロック部130)
ロック部130は、左右方向に伸びる棒状の部材であって、伝達部120よりも後退方向側に配置される。ロック部130の左側の端部には、伝達部120に設けられた揺動部124と係合する被係合部132が設けられている。
ロック部130は、左右方向の中央部に、凹状に形成された規制解除部138と、規制解除部138よりも左側に形成された第1規制部134と、規制解除部138よりも右側に形成された第2規制部136とを有する。ロック部130が平面視で右方向に移動し、第1規制部134と進退制御部材60の被案内部66に設けられた凹部68とが係合すると、後退方向への進退部材41の移動が規制される。このように、凹部68と第1規制部134とが係合したときに、後退方向への進退部材41の移動が規制されるため、凹部68は被規制部としての機能を有する。凹部68と第1規制部134とが係合するとき、第2規制部136が嵌合部形成面70の右側端部における後退方向側の面75(例えば図4参照)と当接する。そのため、進退部材41ひいては進退制御部材60に対して後退方向に向けた力が作用した場合に、かかる力を左右それぞれに作用させることができる。
[3-3.検知部90]
検知部90は、平面視が矩形状の直方体であって、右側の面にスイッチ92を有する。進退制御部材60の被案内部66に設けられた上述の作動部76がスイッチ92と対向すると、作動部76がスイッチ92を押圧し、スイッチ92が作動する。検知部90は、リッド開状態において、作動部76とスイッチ92とが対向するように配置される。本実施の形態では、検知部90は、ケース10内部の中央部であって、駆動部本体112の直下(すなわち底面方向側で駆動部本体112と近接する位置)で、作動部76とスイッチ92とが対向するように配置される。上述したとおり進退部材41が前進位置にあるときがリッド開状態であり、進退部材41が前進位置から後退方向に向けて作動すると、作動部76とスイッチ92とが対向しなくなり、作動部76によるスイッチ92の作動が解除される。このようにして、検知部90は、リッド開状態であることを検知することができる。
なお、中央部よりも前進方向側の位置で作動部76とスイッチ92とが対向するように構成すると、進退制御部材60に設けられた作動部76を、より前進方向側に設ける必要が生じる。作動部76をより前進方向側に設ける場合、作動部76は、進退部材41の移動範囲において作動部76とロック部130とが干渉しないように、進退制御部材60に設けられる必要がある。そうすると、進退部材41の移動範囲が制限されるおそれがあり、この場合、ストローク状態までの十分な移動量を確保できない可能性が生じる。
そこで、本実施の形態では、リッド開状態において、ロック部130よりも後退方向側で作動部76とスイッチ92とが対向するように構成されている。このようにすることで、ロック部130と作動部76との干渉を避けつつ、進退部材41の十分な移動量を確保することが可能となる。
[3-4.ケース10]
ケース10は、平面視が矩形状の開口11を有する箱状部材である。前進方向側におけるケース10の壁部28には、進退部材41の一部が通過する開口29が設けられている。
ケース10は、開口29の後退方向側に、進退部材41および進退制御部材60を収容して保持する進退部材等収容部12を有する。進退部材等収容部12において、ケース10の底面には、平面側に向けて突設された係合部13(例えば後述の図6参照)が設けられている。
ケース10は、進退部材41および進退制御部材60を収容したときに、進退方向への進退制御部材60の移動を案内することができる進退制御部材案内部14を有する。本実施の形態では、進退制御部材案内部14は、進退部材等収容部12の例えば左端において進退方向に沿って形成された溝である。
ケース10は、進退部材等収容部12よりも後退方向側に、付勢部材50としてのコイルバネの後方側の端部を保持するバネ保持部22が設けられている。バネ保持部22の後退方向側には、ガイドピン80の基端部(後退方向側の端部)を保持するガイドピン保持部24が設けられている。ガイドピン保持部24の近傍には、後述の押圧部材84を保持する押圧部材保持部26が設けられている。
ケース10は、進退部材等収容部12よりも左側であって且つ進退方向の中央部に、検知部90を収容可能な矩形状の凹部15を有する。凹部15には、凹部15におけるケース10の底面16から平面方向側に向けて、軸状の2つの検知部支持部32が垂直に立設されている。凹部15におけるケース10の底面16には、検知部90と接続される検知部用電極34が設けられている。
ケース10は、凹部15よりも前進方向側に、伝達部120を保持可能な伝達部保持部20を有する。伝達部保持部20には、ケース10の底面から平面方向に向けて伝達部支持軸21が、ケース10の底面に対して垂直に立設されている。
ケース10は、凹部15よりも前進方向側であって且つ伝達部保持部20よりも後退方向側に、ロック部130を支持可能なロック部支持部31を有する。本実施の形態では、ケース10は、ケース10の底面から平面方向に向けて垂直に立設された板状の部材である。ロック部支持部31は、左右方向に移動するロック部130を、ロック部130が摺動できるように後退方向側から支持する。
ケース10は、凹部15よりも平面方向側に、駆動部本体112を保持する駆動部本体保持部17と、駆動軸114を保持する駆動軸保持部19とを有する。
[3-4.カバー38等]
カバー38は、各種部材がケース10に収容された後、ケース10の開口11を閉じる部材である。カバー38には、カバー開口部39が設けられている。このカバー開口部39には、回転ギヤ122に連結可能なロック部作動部材142が貫通する。ロック部作動部材142は、カバー38の外側において、ロック部作動操作部140と連結される。
[4.各種部材のケース10への組み付け]
各種部材のケース10への組み付けについて、主に図6~図9を参照して説明する。先ず、主に図6および図7を参照して、進退機構40の組み付けについて説明する。次いで、主に図8および図9を参照して、検知部90および規制機構100の組み付けについて説明する。
(進退機構40の組み付け)
図6は、ケース10の内部構造を示す斜視図の一例であって、(A)各種部材が組付けられていない状態を示す図、(B)進退部材41、付勢部材50、進退制御部材60、ガイドピン80、押圧部材84、検知部90、伝達部120、およびロック部130が主として組み付けられた状態を示す図、である。
進退部材41は、リッド係止部44がケース10の外部に位置するように、ロッド部42が開口29を貫通して配置される。進退部材41は、ケース10の内部において、ロッド部42に設けられた被係合部48(図4、図5参照)と係合部13(図4、図5参照)とが係合するように、進退部材等収容部12に収容される。
進退制御部材60は、嵌合部72を平面方向側から環状溝46に嵌合させることで、進退方向への進退部材41の移動にともなって進退方向に移動可能となる。進退制御部材60は、被案内部66の底面側の端部が、溝として形成される進退制御部材案内部14に摺動可能にはめ込まれる。進退部材41にともなって進退制御部材60が進退方向に移動するとき、進退部材41はケース10に対してロッド部42の軸回りに回転するものの、進退制御部材60は、ケース10に対して回転しないように、被案内部66の底面側の端部が進退制御部材案内部14によって案内される。よって、進退制御部材60を、進退方向への進退部材41の移動にともなって、安定して進退移動させることができる。
付勢部材50としてのコイルバネは、進退部材41のロッド部42と同一軸あるいは平行軸となる軸部52に外挿され、両端部(前進方向側の端部、及び後退方向側の端部)が進退部材41とケース10とに固定されている。本実施の形態では、付勢部材50としてのコイルバネの前進方向側の端部が進退部材41の後退位置側の端部に固定(保持)され、付勢部材50としてのコイルバネの後退方向側の端部がバネ保持部22に固定(保持)されている。これにより、付勢部材50は、進退部材41を前進方向に向けて付勢することができる。
ガイドピン80は、基端部がガイドピン保持部24に保持され、押圧部材保持部26に保持された押圧部材84によって、平面側から底面方向に向けて押圧される。そのため、ガイドピン80の前進側の端部82(以下、「前進側の端部82」を単に「端部82」と称する。)は、進退制御部材60の案内部形成面62に形成された案内部64に押圧される。
なお、図6(B)に示されるように、案内部64には、第1位置64Aと、第2位置64Bと、第3位置64Cと、第4位置64Dとがある。第1位置64A、第2位置64B、第3位置64C、及び第4位置64Dの詳細については後述する。
図7は、進退移動装置1の断面図の一例であって、(A)図1に示されるA-A線断面図、(B)図1に示されるA-A線断面図の斜視図、である。なお、図7において、進退部材41は後退位置にある。
進退部材41は、進退方向に移動するとき、係合部13と被係合部48とが係合しつつ進退移動するため、ロッド部42を軸方向として回転しながら移動する。そのため、進退部材41の進退移動に伴って、リッド係止部44の向きが変わる。
また、進退部材41が進退方向に移動するとき、ガイドピン80の端部82は、進退制御部材60の平面部に形成された案内部64に沿って移動する。上述したとおり、ガイドピン80の端部82は押圧部材84によって案内部64に押圧されている。そのため、ガイドピン80の端部82が案内部64に沿って移動するとき、ガイドピン80の端部82が案内部64から脱落することを防止できる。
なお、ガイドピン80の端部82は、第1位置64Aから第2位置64Bに、第2位置64Bから第3位置64Cに、第3位置64Cから第4位置64Dに、第4位置64Dから第1位置64Aに移動することができる。その逆方向には、案内部64に形成された段差によって移動できない。
ガイドピン80の端部82が第1位置64Aにあるとき、進退部材41の位置は前進位置である。ガイドピン80の端部82が第3位置64Cにあるとき、進退部材41の位置は後退位置である。ガイドピン80の端部82が第2位置64Bまたは第4位置64Dにあるとき、進退部材41の位置はストローク位置である。
(検知部90および規制機構100の組み付け)
図8は、ケース10の内部構造を示す斜視図の一例であって、(A)各種部材が組付けられていない状態を示す図、(B)規制機構100が組み付けられた状態を示す図、である。なお、図8は、図6に示される斜視図とは、ケース10を見る方向が異なる。
ケース10には、検知部90及び駆動部本体112に電源を供給するための電極(後述の駆動部用電極33及び検知部用電極34)に接続される配線(不図示)を導出するための導出孔30が設けられている。
検知部90は、凹部15におけるケース10の底面16と当接するように、凹部15に収容される。このとき、2つの検知部支持部32が検知部90に設けられた2つの貫通孔を貫通し、検知部90が支持される。検知部90は、凹部15に収容されると検知部用電極34に接続され、導出孔30から導出された配線をとおして、進退移動装置1の外部から電源が供給される。
ロック部130は、ケース10の底面と当接しており、左右方向に移動いたときにロック部支持部31と摺動できるように、ロック部支持部31に支持される。伝達部120は、ケース10の底面から平面方向に向けて垂直に立設された伝達部支持軸21に支持される。ロック部130がロック部支持部31に支持されるとともに、伝達部120が伝達部支持軸21に支持されると、伝達部120に設けられた揺動部124(図4参照)と、ロック部130の左側の端部に設けられた被係合部132(図4参照)とが係合する。伝達部120の回転ギヤ122が回転すると、揺動部124が被係合部132に対して左右方向に作用し、ロック部130が左右方向に移動する。
検知部90、ロック部130、及び伝達部120がケース10内に収容された後、駆動部110がケース10内に収容される。すなわち、駆動部110は、駆動部本体112が駆動部本体保持部17によって所定角度で傾斜するように保持されるとともに後退方向側の受け部(参照符号なし)で保持され、駆動軸114が駆動軸保持部19に保持される。駆動部本体112は、駆動部本体保持部17および後退方向側の受け部に保持されると駆動部用電極33に接続され、導出孔30から導出された配線をとおして、進退移動装置1の外部から電源が供給される。また、駆動部本体112がケース10内に保持された状態で、ケース10の開口11がカバー38で閉じられると、駆動部本体112は、カバー38と、ケース10内の駆動部本体保持部17における底面18とで挟持される。
図9は、進退移動装置1の断面図の一例であって、(A)図1に示されるB-B線断面図、(B)図1に示されるB-B線断面図の斜視図、である。なお、図9(A)、(B)では、便宜上、ロック部作動操作部140を図示していない。
図9(A)及び(B)に示されるように、検知部90が凹部15に収容された状態において、検知部90は、底面側の面が凹部15におけるケース10の底面16と当接し、平面側の面が駆動部本体保持部17における底面18と面一となるように配置される。駆動部110は、検知部90が凹部15に収容された状態で、検知部90の平面方向側に配置される。
検知部90及び駆動部110の両方がケース10内に収容された状態において、検知部90は、凹部15におけるケース10の底面16と駆動部本体112とによって挟持構造が構成される。このようにすることで、検知部90の厚み方向への移動を規制する構造が不要となり、部品点数を削減することが可能となる。また、厚み方向への進退移動装置1の大型化を抑制することが可能となり、進退移動装置1をコンパクトに構成することができる。
また、検知部90及び駆動部110は、厚み方向に積層して配置される。具体的には、厚み方向において、駆動部110は、カバー38の底面方向側の面から駆動部本体保持部17における底面18までの第1層Fに配置される。そして、第1層Fよりも底面方向側に、第2層Sとしての凹部15が形成され、検知部90はこの凹部15に配置される。
検知部90及び駆動部110は、ケース10内において、進退方向における概ね中央部よりも後退方向側に配置されている。また、伝達部120およびロック部130は、ケース10内において、進退方向における概ね中央部よりも前進方向側に配置されている。そこで、第1層Fおよび第2層Sの厚み方向における大きさを、伝達部120およびロック部130の厚み方向における大きさと同じかそれよりも小さくすることで、進退移動装置1の厚みの大型化を抑制することができる。本実施の形態では、第1層Fおよび第2層Sの厚み方向における大きさの範囲内において、検知部90と駆動部本体112とが厚み方向に積層されるように収容されている。そのため、検知部90がケース10内に収容された進退移動装置1の厚み方向の大きさを、検知部90がケース10内に収容されていない進退移動装置と比べて大きくする必要がなく同じ大きさとすることができる。
[5.進退移動装置1の動作]
本実施の形態に係る進退移動装置1の動作について説明する。以下では、図10および図11を参照して進退機構40の動作を説明し、図11(A)、図12(A)、および図12(B)を参照して、規制機構100の動作について説明する。
(進退機構40の動作)
図10は、カバー38(例えば図4参照)を外した進退移動装置1の内部状態を示す平面図の一例であって、(A)リッド開状態を示す図、(B)第1ストローク状態を示す図、である。
図10(A)に示されるリッド開状態において、ガイドピン80の端部82は、第1位置64Aにおいて案内部64と当接している。リッド開状態では、後退方向に向けた力が進退部材41に対して作用しておらず、進退部材41は付勢部材50によって前進方向に向けて付勢されている。リッド開状態では、リッド係止部44とリッド被係止部240(図3参照)との係止が解かれている。リッド開状態では、作動部76がスイッチ92を作動させ、これによりリッド開状態であることが検知部90によって検知される。
進退部材41に対して後退方向に向けて外力を作用させると、進退部材41は、螺旋状の被係合部48(例えば図4参照)内で係合部13(例えば図6参照)である突起が摺動しつつ、後退方向に向けて移動する。そのため、進退部材41は、ケース10に対してロッド部42の軸回りに回転しながら後退方向に向けて移動する。進退部材41が後退方向に向けて移動すると、作動部76によるスイッチ92の作動が解除され、リッド係止部44の向きが変わることによってリッド係止部44とリッド被係止部240(図3参照)とが係止される。本実施の形態では、フューエルリッド220(図3(A)参照)を開位置から閉位置に移動させると、進退部材41に対して後退方向に向けて外力が作動する。進退部材41がリッド開状態から最も後退方向側まで移動すると、図10(B)に示される第1ストローク状態となる。第1ストローク状態において、ガイドピン80の端部82は、第2位置64Bにおいて案内部64と当接し、後退方向に向けて進退部材41がより移動しないように規制している。
図11は、カバー38(例えば図4参照)を外した進退移動装置1の内部状態を示す平面図の一例であって、(A)進退部材41が後退位置にあるときの図、(B)第2ストローク状態を示す図、である。
図11(A)において、ガイドピン80の端部82は、第3位置64Cにおいて案内部64と当接し、前進方向に向けて進退部材41がより移動しないように規制している。進退部材41が後退位置にあるとき、上述したとおり、ロック部130による左右方向への移動によって後退方向への進退部材41の移動を規制することができるが、これについての詳細は後述する。なお、図11(A)に示される図では、後退方向への進退部材41の移動は規制されておらず、リッド閉アンロック状態である。
図11(A)に示されるリッド閉アンロック状態において、進退部材41に対して後退方向に向けてさらに外力を作用させると、図11(B)に示される第2ストローク状態となる。第2ストローク状態において、ガイドピン80の端部82は、第4位置64Dにおいて案内部64と当接し、後退方向に向けて進退部材41がより移動しないように規制している。
(規制機構100の動作)
図11(A)において、駆動源としての駆動部本体112が回転すると、駆動軸114が回転する。駆動軸114が回転すると、回転ギヤ122が伝達部支持軸21の軸回りに回転する。回転ギヤ122が伝達部支持軸21の軸回りに回転すると、これにともなって、揺動部124が左右方向に揺動する。揺動部124が左右方向に揺動すると、揺動部124と係合する被係合部132が左右方向に移動し、すなわちロック部130が左右方向に移動する。
ロック部130は、進退部材41が後退位置にあるリッド閉状態において、左右方向に移動することができる。リッド閉アンロック状態においてロック部130が左側から右側に移動するとリッド閉ロック状態となり、後退方向に向けた進退部材41の移動が規制される。
図12は、進退部材41の後退方向への移動の規制について説明するための図の一例であって、(A)はリッド閉ロック状態であるときの進退移動装置1の内部状態を示す平面図、(B)は同図(A)に示されるC-C線断面図、である。なお、図12(B)では、ロック部130が断面となるため本来であればハッチングが必要であるが、説明の便宜上、ハッチングを省略している。図12(B)において、太線の実線で示されるロック部130は、後退方向への進退制御部材60の移動を規制している状態(すなわちリッド閉ロック状態)を示す。また、図12(B)において、細線の二点鎖線で示されるロック部130は、後退方向への進退制御部材60の移動の規制が解除されている状態(すなわちリッド閉アンロック状態)を示す。
図11(A)に示されるリッド閉アンロック状態では、ロック部130は、ロック部130の規制解除部138(例えば図5参照)と進退制御部材60の凹部68(例えば図5参照)とが対向するように配置されている。そのため、進退制御部材60ひいては進退部材41が後退方向に向けて移動することができる。
リッド閉アンロック状態において、駆動部110からの駆動力によって伝達部120が平面視で反時計回りに回転すると、揺動部124が右方向に揺動し、これによってロック部130が右方向に移動し、図12(A)、(B)に示されるリッド閉ロック状態となる。
リッド閉ロック状態では、ロック部130の第1規制部134と凹部68とが対向する。このとき、ロック部130の第2規制部136と、嵌合部形成面70(例えば図5参照)の右側端部における後退方向側の面75(例えば図5参照)とが対向する。そのため、後退方向への進退制御部材60ひいては進退部材41の移動が規制され、ガイドピン80の端部82が第3位置64Cから移動することができず、第2ストローク状態とならない。よって、リッド閉ロック状態では、ロック部130により規制が解除されない限り、リッド閉ロック状態のままである。
リッド閉ロック状態においてロック部130が右側から左側に移動すると、リッド閉アンロック状態(図11(A)、図12(B)に示される二点鎖線、を参照)となり、後退方向に向けた進退部材41の移動の規制が解除される。このようにして、進退部材41が後退位置にあるとき、進退移動装置1を、リッド閉ロック状態とリッド閉アンロック状態との間で切り替えることができる。
リッド閉アンロック状態では、後退方向に向けて進退部材41が押圧されると、第2ストローク状態となる。第2ストローク状態になると、前進方向への進退制御部材60の規制が解除され、付勢部材50による付勢力によって進退制御部材60すなわち進退機構40が前進方向に向けて移動する。
なお、上述したとおり、作動部76は、ロック部130に設けられた規制解除部138と係合する凹部68よりも後退方向側の位置に、進退制御部材60に設けられている。より詳しくは、作動部76は、進退部材41が前進位置にあるときに、ロック部130よりも後退方向側の位置となるように、進退制御部材60に設けられている。このようにすることで、進退部材41を後退方向に向けて移動させるときに、作動部76とロック部130との干渉を防止できる。そのため、後退方向に向けた進退部材41の移動がロック部130によって阻害されることを防止でき、リッド開状態から第1ストローク状態への移動量およびリッド閉アンロック状態から第2ストローク状態への移動量を確保することができる。
なお、本実施の形態では、駆動部110からの駆動力がなくとも、ロック部作動操作部140を手動で回すことにより、ロック部130を左右方向に移動させることができる。ロック部作動操作部140を手動で回すと、ロック部作動部材142が回転し、これに伴って回転ギヤ122が回転する。回転ギヤ122が回転すると、揺動部124が左右方向に移動し、ロック部130を左右方向に移動させることができる。
[6.進退移動装置1の作用効果等]
本実施の形態の進退移動装置1は、ケース10に対して進退方向に進退移動可能な進退部材41と、進退部材41の位置すなわちリッド開状態であることを検知可能な検知部90と、ケース10に対する進退方向への進退部材41の進退移動を規制可能な規制機構100とを備える。規制機構100は、駆動部本体112と駆動軸114とを有する駆動部110と、進退制御部材60の凹部68と係合する係合部として機能する第1規制部134を有するロック部130と、駆動軸114の回転力をロック部130に伝達し、進退方向に向けて進退部材41の移動が規制されるようにロック部130を移動させることが可能な伝達部120とを有する。このような進退移動装置1において、駆動部110と検知部90とがケース10に収容された状態において、検知部90が収容される凹部15におけるケース10の底面16と駆動部本体112とにより検知部90が挟持される挟持構造が構成される。
このように、検知部90を、検知部90が収容される凹部15におけるケース10の底面16と駆動部110とにより挟持する挟持構造とすることにより、ケース10の底面と直交する方向(以下「厚み方向」と称する)への検知部90の移動を規制する部品が不要となる。そのため、部品点数を削減することができ、厚み方向への進退移動装置1の大型化を抑制することが可能となり、進退移動装置1をコンパクトに構成することができる。
しかも、進退移動装置1は、第1層Fおよび第2層Sの厚み方向における大きさの範囲内において、検知部90と駆動部本体112とが厚み方向に積層されるように収容されている。第1層Fおよび第2層Sの厚み方向における大きさは、伝達部120およびロック部130の厚み方向における大きさと同じかそれよりも小さい。そのため、進退移動装置1の厚み方向の大きさを、検知部90がケース10内に収容されていない進退移動装置と比べて大きくする必要がなく、検知部90がケース10内に収容されていない進退移動装置とほぼ同じ大きさとすることができる。
このように、ロック部130が配置される第2層に検知部90を配置することにより、検知部90をケース10内に備えない進退移動装置と比べて、ケース10の底面と直交する方向への進退移動装置1の大型化を抑制することが可能となる。よって、ケース10内に検知部90を収容したとしても、検知部90をケース10内に備えない従来の進退移動装置と比べて、厚み方向における大きさがほぼ同じ進退移動装置1を提供することが可能となる。
また、ケース10に設けられた係合部13は、進退部材41のロッド部42に螺旋状に設けられた被係合部48と係合する。そのため、進退部材41は、進退方向に向けて移動するとき、ケース10に対して相対的に回転しながら進退移動する。進退移動装置1は、進退部材41が進退方向に移動するときに進退部材41とともに進退移動する進退制御部材60をさらに備える。この進退制御部材60は、検知部90のスイッチ92を作動させる作動部76を有する。ケース10は、ケース10に対する進退制御部材60の相対的な回転を規制しつつ、進退方向への進退制御部材60の進退移動を案内する進退制御部材案内部14を有する。
このように、進退部材41はケース10に対して相対的に回転しながら進退移動するものの、進退制御部材60は、ケース10に対する相対的な回転が規制されつつ進退方向に移動する。そのため、進退制御部材60に設けられる作動部76についても、ケース10に対する相対的な回転が規制されつつ進退移動されることとなり、検知部90の作動を安定して行うことができる。
また、進退部材41は、ケース10に対して相対的に回転しながら進退移動可能に構成されており、進退移動装置1は、進退部材41とともに進退方向に進退移動する進退制御部材60をさらに備える。進退制御部材60は、ロック部130に設けられた規制解除部138と係合することによって、後退方向への進退部材41の移動が規制される被規制部として機能する凹部68を有する。また、凹部68よりも後退方向には、検知部90のスイッチ92を作動させる作動部76が設けられている。
このように、検知部90のスイッチ92を作動させる作動部76を、ロック部130に設けられた規制解除部138と係合する凹部68よりも後退方向側に設けることで、進退部材41を後退方向に向けて移動させるときに、作動部76とロック部130との干渉を防止できる。そのため、後退方向に向けた進退部材41の移動が阻害されることを防止でき、進退部材41の後退方向側へのストロークを確保することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に制限されるものではなく、様々に変更可能である。例えば、本実施の形態では、進退方向に進退部材41が直進する構成を示したが、進退部材41が円運動を行って、進退制御部材60と係合する構成を採用してもよい。
また、本実施の形態では、進退制御部材60が有する案内部形成面62は、ケース10の底面と平行な面であるが、進退方向への進退制御部材60の移動を制御できれば、ケース10の底面と平行な面であることに限定されない。例えば、案内部形成面62がケース10の底面と垂直な面となるような場合であっても、ガイドピン80および押圧部材84の配置位置を変えることにより、進退方向への進退制御部材60の移動を制御することができる。
また、本実施の形態では、進退制御部材60は、進退方向に移動する際、溝として形成された進退制御部材案内部14によって進退方向に案内される構成となっている。具体的には、進退制御部材60が板状の被案内部66を有し、この被案内部66の端部を、溝として形成される進退制御部材案内部14に摺動可能にはめ込むことで、進退制御部材60が進退方向に案内される。ただし、進退方向に進退制御部材60を案内する構成は、このような構成に限定されない。例えば、ケース10の底面から平面方向側に向けて板状に突出する突出部を形成するとともに、進退方向に沿った溝を進退制御部材60に形成し、上記の突出部を、進退制御部材60に形成された溝に摺動可能にはめこむ構成であってもよい。すなわち、進退方向への進退制御部材60の移動を案内することができればよく、特定の構成に限定されない。
また、本実施の形態では、リッド開状態であることを検知できる検知部90を、ケース10の底面16と駆動部本体112とによって挟持する構成としているが、挟持される検知部90の種類は、リッド開状態であることを検知できる検知部90に限定されない。ケース10の底面16と駆動部本体112とによって挟持される検知部は、底面16と駆動部本体112とによって挟持することができれば、特定の用途に限定される検知部である必要はない。
また、本実施の形態では、進退制御部材60を介して、進退方向への進退部材41の移動を規制したりこの規制を解除するようにしているが、進退制御部材60は必須の構成ではない。例えば、前進方向については、案内部64に相当する例えば溝を進退部材41に設けて、この溝に例えばガイドピン80の端部82を当接させて、前進方向への進退部材41の移動を規制したりこの規制を解除するようにしてもよい。また、後退方向については、進退制御部材60の凹部68に相当する例えば凹部を進退部材41に設けて、この凹部に対してロック部130を移動させることで、後退方向への進退部材41の移動を規制したりこの規制を解除するようにしてもよい。さらに、進退制御部材60を備えない場合、進退制御部材60が進退方向に案内される構成に代えて、進退部材41が進退方向に案内される構成とするとよい。
なお、この明細書に記載された「垂直」、「直交」、および「平行」は、それぞれ、「実質的に垂直」、「実質的に直交」、および「実質的に平行」であればよく、進退移動装置1の性能に影響を及ぼさない範囲で幅を持たせる趣旨である。
本実施の形態では、進退移動装置1が採用される開閉装置の適用例として、フューエルリッドの開閉装置を例示したが、フューエルリッドの開閉装置に限定されず、例えば充電リッドの開閉装置等、様々な開閉装置に、本発明の進退移動装置1を適用することができる。さらに、進退移動装置1は、開閉装置に限らず、様々な装置に搭載されてもよい。
10 ケース
14 進退制御部材案内部
40 進退部材
60 進退制御部材
68 凹部
76 作動部
90 検知部
100 規制機構
110 駆動部
120 伝達部
130 ロック部
F 仮想の第1層
S 仮想の第2層

Claims (4)

  1. ケースと、
    前記ケースに対して進退移動可能な進退部材と、
    前記進退部材の位置を検知可能な検知部と、
    前記ケースに対する前記進退部材の進退移動を規制可能な規制機構と、
    を備えた進退移動装置であって、
    前記規制機構は、
    駆動部本体と駆動軸とを有する駆動部と、
    進退方向に向けた前記進退部材の移動を規制するロック部と、
    前記駆動軸の回転力を前記ロック部に伝達し、進退方向に向けた前記進退部材の移動が規制されるように前記ロック部を移動させることが可能な伝達部と、を有し、
    前記駆動部と前記検知部とが前記ケースに収容された状態において、前記ケースの底面と前記駆動部本体とにより前記検知部が挟持される挟持構造が構成される、
    進退移動装置。
  2. 前記ケースの底面に対して直交する方向に、仮想の第1層と、前記第1層よりも前記ケースの底面側の仮想の第2層とを有し、
    前記駆動部が前記第1層に配置され、前記ロック部及び前記検知部が前記第2層に配置されている、
    請求項1に記載の進退移動装置。
  3. 前記進退部材は、前記ケースに対して相対的に回転しながら進退移動可能であり、
    前記進退移動装置は、前記進退部材とともに進退移動する進退制御部材をさらに備え、
    前記進退制御部材は、前記検知部を作動させる作動部を有しており、
    前記ケースは、
    前記ケースに対する前記進退制御部材の相対的な回転を規制しつつ、当該進退制御部材の進退移動を案内する案内部を有する、
    請求項1又は2に記載の進退移動装置。
  4. 前記進退部材は、前記ケースに対して相対的に回転しながら進退移動可能であり、
    前記進退移動装置は、前記進退部材とともに進退移動する進退制御部材をさらに備え、
    前記進退制御部材は、
    前記ロック部により進退方向に向けた前記進退部材の移動が規制されるように前記ロック部を移動させることが可能な伝達部と、を有し、
    前記進退制御部材は、
    前記ロック部が有する前記係合部と係合する被係合部と、
    前記被係合部よりも前記進退部材の後退方向側に設けられ、前記検知部を作動させる作動部と、を有する、
    請求項1又は2に記載の進退移動装置。
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