JP2023176218A - 通信装置及び通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】通信負荷及びメッセージ処理における処理負荷の一方又は両方を低減する通信装置を提供する。【解決手段】通信装置21、物標情報を含むメッセージを通信可能に構成されている。通信装置20は、センサを用いて知覚された複数の物標に対してグルーピングをするか否かを決定するグルーピング部31と、グルーピングに基づき、複数の物標を物標群に集約した集約情報を含むメッセージを生成するメッセージ生成部32と、集約情報を含むメッセージを送信するメッセージ送信部33と、を備える。【選択図】図8
Description
この明細書による開示は、物標情報を含むメッセージを通信する技術に関する。
特許文献1には、センサにより知覚された個別の物標の情報を含むメッセージを通信することが開示されている。
例えば人口が密集する都市部で非常に多くの歩行者などの道路利用者が存在している場合では、センサにより知覚される物標数も多くなる。しかしながら、1つ1つの個別の物標の情報を含むメッセージを通信する場合、物標数に応じて情報量又はメッセージ数も増大し、通信負荷ないしメッセージ処理における処理負荷がかかることが懸念される。
この明細書の開示による目的は、通信負荷及びメッセージ処理における処理負荷の一方又は両方を低減する通信装置及び通信方法を提供することにある。
ここに開示された態様は、物標情報を含むメッセージを通信可能に構成された通信装置であって、
センサを用いて知覚された複数の物標に対してグルーピングをするか否かを決定するグルーピング部(31)と、
グルーピングに基づき、複数の物標を物標群に集約した集約情報を含むメッセージを生成するメッセージ生成部(32)と、
集約情報を含むメッセージを送信するメッセージ送信部(33)と、を備える。
センサを用いて知覚された複数の物標に対してグルーピングをするか否かを決定するグルーピング部(31)と、
グルーピングに基づき、複数の物標を物標群に集約した集約情報を含むメッセージを生成するメッセージ生成部(32)と、
集約情報を含むメッセージを送信するメッセージ送信部(33)と、を備える。
また、開示された他の態様は、物標情報を含むメッセージを通信するための、少なくとも1つのプロセッサにより実行される通信方法であって、
センサを用いて知覚された複数の物標に対してグルーピングをするか否かを決定することと、
グルーピングに基づき、複数の物標を物標群に集約した集約情報を含むメッセージを生成することと、
集約情報を含むメッセージを送信することと、を含む。
センサを用いて知覚された複数の物標に対してグルーピングをするか否かを決定することと、
グルーピングに基づき、複数の物標を物標群に集約した集約情報を含むメッセージを生成することと、
集約情報を含むメッセージを送信することと、を含む。
これらの態様によると、送信されるメッセージは、センサを用いて知覚された複数の物標のグルーピングに基づく物標群の集約情報を含む。ひとまとめにすることが可能な物標情報を物標群に集約することで、複数の物標をそれぞれ個別の情報として送信する場合よりも、情報量又はメッセージ数の増加を抑制することができる。故に、通信負荷及びメッセージ処理における処理負荷の一方又は両方を低減することができる。
また、開示された他の態様は、物標情報を含むメッセージを通信可能に構成された通信装置であって、
センサを用いて知覚された複数の物標に対してグルーピングをするか否かを決定するグルーピング部(31)と、
グルーピングに基づいた集約後の各物標及び各物標群の情報をメッセージに含ませるか否かを判断し、メッセージに含ませないと判断された物標及び物標群を除外して、メッセージに含ませると判断された物標及び物標群の情報を含むメッセージを生成するメッセージ生成部(32)と、
生成されたメッセージを送信するメッセージ送信部(33)と、を備える。
センサを用いて知覚された複数の物標に対してグルーピングをするか否かを決定するグルーピング部(31)と、
グルーピングに基づいた集約後の各物標及び各物標群の情報をメッセージに含ませるか否かを判断し、メッセージに含ませないと判断された物標及び物標群を除外して、メッセージに含ませると判断された物標及び物標群の情報を含むメッセージを生成するメッセージ生成部(32)と、
生成されたメッセージを送信するメッセージ送信部(33)と、を備える。
このような態様によると、送信されるメッセージは、センサを用いて知覚された複数の物標のうちメッセージに含ませないと判断された物標及び物標群を除外したメッセージである。さらにこの判断は、グルーピングに基づいた集約後の各物標及び各物標群の情報に対して実施される。すなわち、物標情報の集約と送信必要性の判断とにより、情報量又はメッセージ数の増加抑制を実現することができる。故に、通信負荷及びメッセージ処理における処理負荷の一方又は両方を低減することができる。
なお、括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。
以下、複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第1実施形態)
本開示の通信装置は、物標情報を含むメッセージを通信可能に構成されている。通信装置は、一態様として、車両に搭載される。通信装置は、V2X通信装置ということもできる。V2X通信装置は、車両と車両、車両と自転車、車両と携帯端末、車両と路側機などの間の通信を実行してもよい。V2X通信装置は、車両の車載器に相当してもよいし、車載機に含まれていてもよい。車載機は、OBU(On-Board Unit)と呼ばれることがある。
本開示の通信装置は、物標情報を含むメッセージを通信可能に構成されている。通信装置は、一態様として、車両に搭載される。通信装置は、V2X通信装置ということもできる。V2X通信装置は、車両と車両、車両と自転車、車両と携帯端末、車両と路側機などの間の通信を実行してもよい。V2X通信装置は、車両の車載器に相当してもよいし、車載機に含まれていてもよい。車載機は、OBU(On-Board Unit)と呼ばれることがある。
通信装置は、インフラストラクチャを構成する路側機に対応していてもよいし、路側機はRSU(Road Side Unit)と呼ばれることがある。通信装置は、ITS(Intelligent Transport System)を構成する一要素とすることもできる。ITSの一要素である場合、通信装置は、ITSステーション(ITS-S)に対応していてもよいし、ITS-Sに含まれていてもよい。ITS-Sは、情報交換を行う装置であり、OBU、RSU、携帯端末のいずれでもよく、また、それらに含まれるものであってもよい。携帯端末は、例えばPDA(Personal Digital Assistant)あるいはスマートフォンである。
通信装置は、IEEE1609にて開示されているWAVE(Wireless Access in Vehicular)装置に相当していてもよいし、WAVE装置に含まれていてもよい。
本実施形態では、通信装置はV2X通信装置であるとする。このV2X通信装置は、集合知覚サービス(Collective Perception Service;以下CPS)を提供する機能を備える。CPSでは、V2X通信装置は、集合知覚メッセージ(Collective Perception Message;以下CPM)を通信する。なお、通信装置がRSUあるいは携帯端末であっても、以下に開示するものと同一又は類似の方法が適用可能である。
<V2X通信について>
図1には、本開示の一実施形態によるV2X通信装置の例示的なアーキテクチャが示されている。図1に示すアーキテクチャは、EU規格に従ったITS-Sの基準アーキテクチャに基づいている。図1に示すアーキテクチャは、アプリケーション層110、ファシリティ層120、ネットワーク&トランスポート層140、アクセス層130、マネージメント層150、セキュリティ層160を含む構成である。
図1には、本開示の一実施形態によるV2X通信装置の例示的なアーキテクチャが示されている。図1に示すアーキテクチャは、EU規格に従ったITS-Sの基準アーキテクチャに基づいている。図1に示すアーキテクチャは、アプリケーション層110、ファシリティ層120、ネットワーク&トランスポート層140、アクセス層130、マネージメント層150、セキュリティ層160を含む構成である。
アプリケーション層110は、種々のアプリケーション111を実装あるいはサポートする。図1には、アプリケーション111の例として、交通安全アプリケーション111a、効率的な交通情報アプリケーション111b、その他のアプリケーション111cが示されている。
ファシリティ層120は、アプリケーション層110で定義された種々のユースケースの実行をサポートする。ファシリティ層120は、OSI参照モデルにおける上位3層(アプリケーション層、プレゼンテーション層及びセッション層)と同じあるいは類似の機能をサポートすることができる。なお、ファシリティは、機能、情報、データを提供することを意味する。ファシリティ層120は、V2X通信装置の機能を提供してもよい。例えば、ファシリティ層120は、図1に示すアプリケーションサポート121、情報サポート122、通信サポート123の機能を提供してもよい。
アプリケーションサポート121は、基本的なアプリケーションセット又はメッセージセットをサポートする機能を備える。メッセージの一例は、V2Xメッセージである。V2Xメッセージには、CAM(Cooperative Awareness Message)などの定期メッセージ、及び、DENM(Decentralized Environmental Notification Message)などのイベントメッセージを含ませることができる。また、ファシリティ層120は、CPMをサポートすることもできる。
情報サポート122は、基本アプリケーションセット又はメッセージセットに使用される共通のデータ又はデータベースを提供する機能を有する。データベースの一例は、ローカルダイナミックマップ(LDM)である。
通信サポート123は、通信やセッション管理のためのサービスを提供する機能を備える。通信サポート123は、たとえば、アドレスモードやセッションサポートを提供する。
このように、ファシリティ層120は、アプリケーションセット又はメッセージセットをサポートする。すなわち、ファシリティ層120は、アプリケーション層110が送信すべき情報や提供すべきサービスに基づいて、メッセージセット又はメッセージを生成する。このようにして生成されたメッセージは、V2Xメッセージと呼ばれることがある。
アクセス層130は、外部IF(InterFace)131と内部IF132を備え、上位層で受信したメッセージ/データを、物理チャネルを介して送信することができる。例えば、アクセス層130は、以下の通信技術により、データ通信を行う、あるいは、データ通信をサポートすることができる。通信技術は、たとえば、IEEE802.11及び/又は802.11p規格に基づく通信技術、IEEE802.11及び/又は802.11p規格の物理伝送技術に基づくITS-G5無線通信技術、衛星/広帯域無線移動通信を含む2G/3G/4G(LTE)/5G無線携帯通信技術、DVB-T/T2/ATCなどの広帯域地上デジタル放送技術、GNSS通信技術、WAVE通信技術である。
ネットワーク&トランスポート層140は、各種トランスポートプロトコルやネットワークプロトコルを用いて、同種/異種ネットワーク間の車両通信用ネットワークを構成することができる。トランスポート層は、上位層と下位層との間の接続層である。上位層には、セッション層、プレゼンテーション層、アプリケーション層110がある。下位層には、ネットワーク層、データリンク層、物理層がある。トランスポート層は、送信データが正確に宛先に到着するように管理することができる。送信元では、トランスポート層は、効率的なデータ伝送のためにデータを適切なサイズのパケットに加工する。受信側では、トランスポート層は、受信したパケットを元のファイルに復元する処理を行なう。トランスポートプロトコルは、たとえば、TCP(Transmission Control Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)、BTP(Basic Transport Protocol)である。
ネットワーク層は、論理アドレスを管理することができる。また、ネットワーク層は、パケットの配送経路を決定してもよい。ネットワーク層は、トランスポート層で生成されたパケットを受信し、宛先の論理アドレスをネットワーク層のヘッダに付加してもよい。パケットの送信経路は、車両間、車両と固定局との間、及び固定局間のユニキャスト/マルチキャスト/ブロードキャストが考慮されてもよい。ネットワークプロトコルとして、ジオネットワーキング、モビリティサポートあるいはジオネットワーキングに関するIPv6ネットワーキングが考慮されてもよい。
図1に示すように、V2X通信装置のアーキテクチャは、マネージメント層150とセキュリティ層160とをさらに含んでいてもよい。マネージメント層150は、層同士のデータの伝達や相互作用を管理する。マネージメント層150は、管理情報ベース151、規制管理152、層間管理153、ステーション管理154、アプリケーション管理155を備える。セキュリティ層160は、全部の層のセキュリティを管理する。セキュリティ層160は、ファイアウォールと侵入検知管理161、認証、承認、プロファイル管理162、セキュリティ管理情報ベース163を備える。
図2に、V2Xメッセージが例示されている。V2Xメッセージは、ITSメッセージと呼ぶこともできる。V2Xメッセージは、アプリケーション層110又はファシリティ層120で生成できる。V2Xメッセージの具体例は、CAM、DENM、CPMである。
ネットワーク&トランスポート層140におけるトランスポート層はBTPパケットを生成する。ネットワーク&トランスポート層140におけるネットワーク層は、そのBTPパケットをカプセル化してジオネットワーキングパケットを生成することができる。ジオネットワーキングパケットは、LLC(Logical Link Control)パケットにカプセル化される。図2において、データはメッセージセットを含んでいてもよい。メッセージセットは、たとえば、基本安全メッセージである。
BTPは、ファシリティ層120で生成されたV2Xメッセージを下位層に送信するためのプロトコルである。BTPヘッダには、AタイプとBタイプがある。AタイプのBTPヘッダは、双方向のパケット伝送において送受信に必要な宛先ポートと送信元ポートとを含むことがある。BタイプのBTPヘッダは、双方向ではないパケット伝送において、伝送に必要な宛先ポート、宛先ポート情報を含めることができる。
BTPヘッダに含まれるフィールドを説明する。宛先ポートは、BTPパケットに含まれるデータ(BTP-PDU)の宛先に対応するファシリティエンティティを特定する。BTP-PDUは、BTPにおける単位伝送データである。
送信元ポートは、BTP-Aタイプの場合に生成されるフィールドである。送信元ポートは、対応するパケットの送信元におけるファシリティ層120のプロトコルエンティティのポートを示す。このフィールドは、16ビットのサイズを持つことができる。
宛先ポート情報は、BTP-Bタイプの場合に生成されるフィールドである。宛先ポートがウェルノウンポートである場合に追加情報を提供する。このフィールドは、16ビットのサイズを持つことができる。
ジオネットワーキングパケットは、ネットワーク層のプロトコルに従う基本ヘッダと共通ヘッダを含み、ジオネットワーキングモードに従って選択的に拡張ヘッダを含む。ジオネットワーキングヘッダについては後述する。
LLCパケットは、ジオネットワーキングパケットにLLCヘッダを付加したものである。LLCヘッダは、IPデータとジオネットワーキングデータを区別して伝送する機能を提供する。IPデータとジオネットワーキングデータは、SNAP(Subnetwork Access Protocol)のイーサタイプで区別することができる。
IPデータが伝送される場合、イーサタイプはx86DDに設定され、LLCヘッダに含まれることがある。ジオネットワーキングデータが送信される場合、イーサタイプは0x86DCに設定され、LLCヘッダに含まれることがある。受信機は、LLCパケットヘッダのイーサタイプフィールドを確認し、LLCパケットヘッダのイーサタイプフィールドの値に応じて、パケットをIPデータパス又はジオネットワーキングパスに転送及び処理することができる。
LLCヘッダにはDSAP(Destination Service Access Point)とSSAP(Source Service Access Point)が含まれている。LLCヘッダにおいてSSAPの次には、制御フィールド(図2におけるControl)、プロトコルID、イーサタイプが配置される。
V2X通信装置は、交通安全及び交通効率化のための様々なサービスを提供してもよい。サービスの1つは、協調認識(CA(Cooperative Awareness))サービスであってもよい。道路交通における協調認識は、道路利用者及び路側インフラストラクチャが相互の位置、動態及び属性を知ることができることを意味する。道路利用者とは、自動車、トラック、オートバイ、自転車、歩行者等、交通安全や制御を行う道路上や周辺のあらゆる利用者を指し、路側インフラストラクチャとは、道路標識、信号機、障壁、入口などの設備を指す。このうち、歩行者、車いすで移動する人間等は、脆弱な道路利用者であるといえる。
お互いを認識することは、交通安全や交通効率化などのアプリケーションの基本になる。互いの認識は、V2Xネットワークと呼ばれる無線ネットワークに基づく、車両間(V2V)、車両とインフラストラクチャとの間(V2I)、インフラストラクチャと車両との間(I2V)、全対象物と全対象物との間(X2X)などの道路利用者間の定期的な情報交換によって実行することができる。
協調安全走行や交通効率化のアプリケーションでは、V2X通信装置の周囲の道路利用者の存在や行動を含む状況認識を進展させることが要求される。例えば、V2X通信装置は、自身のセンサや他のV2X通信装置との通信を通じて、状況認識を行うことができる。この場合、CAサービスは、V2X通信装置がCAMを送信することにより、自身の位置、挙動、属性を通知する方法を指定することができる。
このように、CAサービスでは、V2X通信装置が定期的に自身の位置や状態を周囲のV2X通信装置に提供することで、交通安全を支援することができる。しかし、CAサービスでは、対応するV2X通信装置自身の情報しか共有できないという制限がある。この制限を克服するために、CPS124などのサービス開発が必要である。
<CPS及びCPM>
CPS124は、V2X通信装置が、検出された周囲の道路利用者や他の物標の位置、挙動、属性について、他のV2X通信装置に通知する方法を指定することができる。たとえば、CPS124は、CPMの送信により、CPMに含まれている情報を他のV2X通信装置と共有することができる。なお、CPS124は、道路交通に参加する全ての種類の物標情報通信装置に対して追加できる機能であってもよい。
CPS124は、V2X通信装置が、検出された周囲の道路利用者や他の物標の位置、挙動、属性について、他のV2X通信装置に通知する方法を指定することができる。たとえば、CPS124は、CPMの送信により、CPMに含まれている情報を他のV2X通信装置と共有することができる。なお、CPS124は、道路交通に参加する全ての種類の物標情報通信装置に対して追加できる機能であってもよい。
CPMは、V2Xネットワークを介して、V2X通信装置間で交換されるメッセージである。CPMは、V2X通信装置によって検出及び/又は認識された道路利用者及び他の物標に対する集合知覚を生成するために使用できる。認識される道路利用者又は物標は、V2X通信装置を備えていない道路利用者又は物標であってもよいが、これに限定されない。
上述したように、CAMを介して情報を共有するV2X通信装置は、協調認識を行うために、V2X通信装置自身の認識状態に関する情報のみを他のV2X通信装置と共有する。この場合、V2X通信装置を搭載していない道路利用者等はシステムの一部ではないため、安全や交通管理に関連する状況についての見解が限定される。
これを改善する一つの方法として、V2X通信装置を搭載し、V2X通信装置を搭載していない道路利用者や物標を認識できるシステムが、V2X通信装置を搭載していない道路利用者や物標の存在や状態を他のV2X通信装置に通知することが考えられる。このように、CPS124は、V2X通信装置を搭載していない道路利用者や物標の存在を協調して認識するため、V2X通信装置を搭載したシステムの安全性や交通管理性能を容易に向上させることが可能である。
図3に示すように、CPS124は、CPMプロトコルを動作させるファシリティ層120のエンティティであってもよい。たとえば、CPS124は、ファシリティ層120のアプリケーションサポートドメインの一部であってもよい。
CPS124は、たとえば、CPMの送信と受信の2つのサービスを提供することができる。CPS124は、たとえば、VDP(Vehicle Data Provider)125やPOTI(position and time)ユニット126からホストV2X通信装置に関する入力データを受信できない点で、CAサービスとは基本的に異なるものであってもよい。
CPMの送信は、CPMの生成と送信を含む。CPMを生成するプロセスでは、発信元のV2X通信装置がCPMを生成し、その後、CPMが、送信のためにネットワーク&トランスポート層140に送られる。発信元のV2X通信装置は、発信元V2X通信装置、ホストV2X通信装置等と呼ばれてもよい。
CPS124は、CPM生成のための関連情報を収集し、受信したCPMコンテンツを追加処理を目的として配信するために、ファシリティ層120内の他のエンティティ及びファシリティ層120内のV2Xアプリケーションと接続していてもよい。V2X通信装置において、データ収集のためのエンティティは、ホスト物標検出器において物標検出を提供する機能であってよい。
さらに、CPMを配信する(あるいは送信する)ために、CPS124は、ネットワーク&トランスポート層140のプロトコルエンティティによって提供されるサービスを使用してもよい。例えば、CPS124は、他のV2X通信装置とCPMを交換するために、NF-SAPを通じてネットワーク&トランスポート層140と接続してもよい。NF-SAPは、ネットワーク&トランスポート層140とファシリティ層120との間のサービスアクセスポイントである。
さらに、CPS124は、CPMの送信及びCPMの受信のためにセキュリティサービスにアクセスするために、セキュリティ層160とファシリティ層120との間のSAPであるSF-SAPを通じてセキュアエンティティと接続してもよい。また、CPS124は、マネージメント層150とファシリティ層120との間のSAPであるMF-SAPを通じて管理エンティティと接続してもよい。また、CPS124は、受信したCPMデータをアプリケーションに直接提供する場合は、ファシリティ層120とアプリケーション層110とのSAPであるFA-SAPを通じてアプリケーション層110と接続してもよい。
CPMの配信は、適用される通信システムによって異なる場合がある。例えば、ETSI EN 302 663に定義されているITS-G5ネットワークにおいて、CPMは、発信元のV2X通信装置から直接通信範囲内の全てのV2X通信装置に送信される場合がある。通信範囲は、関連する地域に応じて送信電力を変更することにより、発信元のV2X通信装置によって特に影響を受ける可能性がある。
さらに、CPMは、発信元のV2X通信装置におけるCPS124によって制御される頻度で定期的に生成されてもよい。生成頻度は、分散輻輳制御(Distributed Congestion Control)により決定される無線チャネル負荷を考慮して決定されてもよい。また、生成頻度は、検出された非V2X物標の状態、たとえば、位置、速度又は方向の動的挙動、及び他のV2X通信装置による同一の知覚された物標に対するCPMの送信を考慮して決定されてもよい。
さらに、受信側のV2X通信装置がCPMを受信すると、CPS124により、CPMの内容を受信側のV2X通信装置内の機能、たとえばV2Xアプリケーション及び/又はLDM127で使用することができるようにする。たとえば、LDM127は、受信したCPMデータで更新されることがある。V2Xアプリケーションは、追加処理のためにLDM127からこの情報を取り出してもよい。
図4に示すように、CPS124は、CPM送受信のために以下のサブ機能を提供することができる。CPMエンコード部1241は、予め定義されたフォーマットに従ってCPMを構成又は生成する。最新の車載データがCPMに含まれることがある。CPMデコード部1242は、受信したCPMを復号する。CPM送信管理部1243は、発信元のV2X通信装置のプロトコル動作を実行する。CPM送信管理部1243が実行する動作には、CPM送信動作の起動及び終了、CPM生成頻度の決定、CPM生成のトリガを含んでもよい。CPM受信管理部1244は、受信側V2X通信装置のプロトコル動作を実行することができる。具体的には、CPM受信におけるCPMデコード機能のトリガ、受信したCPMデータのLDM127又は受信側V2X通信装置のV2Xアプリケーションへの提供、受信したCPMの情報チェックなどを含むことができる。
CPMにおける変調及び符号化方式(Modulation and Coding Scheme;以下MCS)は、結果として生じるチャネル使用に影響する。大きなパケットが要求されるシナリオでは、高いMCSを用いることは帯域幅の効率を増加させ、チャネルの輻輳を緩和させる。例えば変調方式には、QAM16又はそれよりも高いものが採用されてもよい。
次に、CPMの配信について詳細に説明する。具体的には、CPM配信の要件、CPS124の起動と終了、CPMトリガ条件、CPM生成周期、制約条件等について説明する。CPM配信にETSI EN 302 663に規定されているポイントツーマルチポイント通信が使用されてもよい。例えば、CPMの配信にITS-G5が用いられる場合、制御チャネル(G5-CCH)が用いられてもよい。CPM生成は、CPS124が動作している間、CPS124によってトリガされ管理されてもよい。CPS124は、V2X通信装置の起動と共に起動されてもよく、V2X通信装置が終了したときに終了されてもよい。
ホストV2X通信装置は、近くのV2X通信装置と交換する必要がある十分な信頼度を有する少なくとも1つの物標が検出されるたびにCPMを送信してよい。検出された物標を含めることに関して、CPSは、物標の寿命とチャネル利用率との間のトレードオフを考慮すべきである。たとえば、CPMが受信した情報を利用するアプリケーションの観点からは、できるだけ頻繁に更新された情報を提供する必要がある。しかし、ITS-G5スタックの観点からは、チャネル使用率を最小にする必要があるため、低い送信周期が要求される。したがって、V2X通信装置は、この点を考慮し、検出した物標や物標情報をCPMに適切に含めることが望ましい。送信周期(T_GenCpmともいう)は、100msより大きく、かつ1000msより小さい範囲に制限されてよい。送信周期は、動的に変化させてもよく、この場合に送信周期は、送信間隔ということもできる。また、メッセージサイズを小さくするために、物標を評価した上で送信する必要がある。
<CPMの構造>
図5には、CPMの構造が示されている。上述したように、CPMは、V2Xネットワーク内のV2X信装置間で交換されるメッセージであってもよい。また、CPMは、V2X通信装置によって検出及び/又は知覚された道路利用者及び/又は他の物標に対する集合知覚を生成するために使用されてもよい。すなわち、CPMは、V2X通信装置によって検出された物標に対する集合知覚を生成するためのITSメッセージであってもよい。
図5には、CPMの構造が示されている。上述したように、CPMは、V2Xネットワーク内のV2X信装置間で交換されるメッセージであってもよい。また、CPMは、V2X通信装置によって検出及び/又は知覚された道路利用者及び/又は他の物標に対する集合知覚を生成するために使用されてもよい。すなわち、CPMは、V2X通信装置によって検出された物標に対する集合知覚を生成するためのITSメッセージであってもよい。
CPMは、発信元V2X通信装置が検出した道路利用者と物標の状態情報及び属性情報を含んでもよい。その内容は、検出された道路利用者又は物標の種類及び発信元V2X通信装置の検出性能に応じて異なってもよい。例えば、物標が車両である場合、状態情報は、少なくとも、実際の時間、位置、及び運動状態に関する情報を含んでもよい。属性情報には、寸法、車種、道路交通における役割などの属性が含まれてもよい。
CPMは、CAMを補完し、CAMと同様の働きをするものであってもよい。すなわち、協調的な認識を高めるためであってもよい。CPMは、検出された道路利用者又は物標に関し、外部から観測可能な情報を含んでもよい。CPS124は、他のステーションが送信したCPMを確認することで、異なるV2X通信装置が送信したCPMの複製又は重複を低減する方法を含んでもよい。
CPMの受信により、受信側のV2X通信装置は、発信元のV2X通信装置が検出した道路利用者又は物標の存在、種類及び状態を認識してもよい。受信した情報は、安全性を高め、交通効率及び移動時間を改善するためのV2Xアプリケーションをサポートするために、受信側のV2X通信装置によって使用されてもよい。例えば、受信した情報と検出された道路利用者又は物標の状態とを比較することにより、受信側のV2X通信装置は、道路利用者又は物標との衝突の危険性を推定することができる。さらに、受信側V2X通信装置は、受信側V2X通信装置のヒューマンマシンインターフェース(HMI)を介してユーザーに通知してもよいし、自動的に修正措置を講じてもよい。
CPMの一般的なフォーマットを、図5を参照して説明する。このフォーマットは、ASN(Abstract Syntax Notation).1として提示されてもよい。本開示で定義されていないデータエレメント(DE)及びデータフレーム(DF)は、ETSI TS 102 894-2に規定されている共通データ辞書から導出されてもよい。図5に示すように、CPMは、共通のITSプロトコルユニットヘッダ/ITSパケットデータユニット(以下ITS PDUヘッダ)及び複数のコンテナを含んでよい。
ITS PDUヘッダは、プロトコルバージョン、メッセージタイプ、及び発信元のV2通信装置のITS IDに関する情報を含むヘッダである。ITS PDUヘッダは、ITSメッセージで使用される共通のヘッダであり、ITSメッセージの開始部分に存在する。ITS PDUヘッダは、共通ヘッダと呼ばれることもある。
複数のコンテナは、管理コンテナ(Management Container)、ステーションデータコンテナ(Station Data Container)、センサ情報コンテナ(Sensor Information Container)、知覚物標コンテナ(Perceived Object Container)、及びフリースペース追加コンテナ(Free Space Addendum Container)を含むことができる。
センサ情報コンテナは視野情報コンテナ(Field-of-View Container)と呼ばれることもある。視野情報コンテナはFOCと記載することもある。知覚物標コンテナはPOCと記載することもある。CPMは、必須のコンテナとして管理コンテナを含み、ステーションデータコンテナ、センサ情報コンテナ、知覚物標コンテナ及びフリースペース付属コンテナを任意のコンテナとしてもよい。センサ情報コンテナ、知覚物標コンテナ及びフリースペース付属コンテナは複数のコンテナであってもよい。1つのCPMメッセージに含むことができるセンサ情報コンテナ、知覚物標コンテナ及びフリースペース付属コンテナの上限値が共通に又はそれぞれ個別に設定されていてもよい。コンテナ数の上限値は、例えば128であってよい。
以下、各コンテナについて説明する。以下において、DFはデータフレームを表し、DEはデータエレメントを表す。各コンテナは、オプション又は必須のDE及び/又はDFのシーケンスで構成される。
管理コンテナは、車両又は路側機タイプのステーションであるかどうかに関係なく、発信元のITS-Sに関する基本情報を提供する。また、管理コンテナは、ステーションタイプ、基準位置、及びオプションで現在のメッセージセグメントに関する情報が含まれてよい。ステーションタイプは、ITS-Sのタイプを示す。基準位置は、発信元ITS-Sの位置である。メッセージセグメントに関する情報は、メッセージサイズの制約によりCPMを複数のメッセージに分割する場合の分割情報を記述する。
ステーションデータコンテナは、管理コンテナによって提供される共通情報に加えて、発信元のITS-Sに関するより具体的な情報を提供する。ステーションデータコンテナは、発信元のITS-Sが車両である場合には、オリジナル車両コンテナ(Originating Vehicle Container;以下OVC)を含む。OVCは、CAMとある程度重複している情報を含んでよい。発信元からCPMを受信するITS-Sは、同じ発信元からCAMも受信する。さらに、OVCは、CAMによって提供されない追加のパラメータを含んでよい。追加のオプションパラメータは、車両方向角度、ピッチ角度、ロール角度、車両高さ、及びトレーラーデータのうち少なくとも1つを含んでいてよい。
発信元のITS-SがRSUである場合には、発信元RSUコンテナ(Originating RSU Container)を含む。発信元RSUコンテナは、RSUが存在する道路あるいは交差点に関するIDを含んでいる。発信元RSUコンテナは、道路車線トポロジサービスによって提供される道路インフラストラクチャを参照するためのオプションパラメータを含んでよい。
センサ情報コンテナは、周囲の物標を検出するために車両又はRSUに取り付けられた個々のセンサに関する情報を列挙する。V2X通信装置がマルチセンサを搭載している場合、センサ情報コンテナは複数追加される可能性がある。センサ情報コンテナに記載された全てのセンサは、知覚された物標情報を特定のセンサに関連付けるために、知覚物標コンテナにおいて順番に利用される仮のID(センサID)を付与される。
各センサ情報のDFは、センサシステムのタイプを示すセンサ種類を含んでよい。これは、複数のセンサから融合された物標情報を融合するタイプの特定のセンサタイプであってよい。ITS-Sには、例えばレーダ、LiDAR、複合センサフージョンシステムのように、異なる種類のセンサを取り付けることができる。このため、センサ情報コンテナは、センサシステムの特性を記述するための異なる可能性を提供する。
車両等の移動するステーションに取り付けられるセンサは、車両センサ記述DFを用いて記述される。RSUに取り付けられる、静止しているセンサは、静止センサ変種DFを用いて記述される。このように、2つのセンサタイプの記述は異なっていてよい。どちらのセンサタイプも、ITS-Sの検知性能を記述するために用いることができる。これは、知覚システムの実際のパラメータであり得る。実際のパラメータは、例えば実際の知覚範囲又は知覚システムの適用可能な知覚領域、すなわち知覚システムによって物標が検出される領域であり得る。
センサタイプは、センサのタイプを示す。以下にセンサのタイプを列挙する。括弧内の数字は、タイプに対応したフラグである。例えば、センサタイプは、未定義(0)、レーダ(1)、LiDAR(2)、モノビデオ(3)、ステレオビジョン(4)、ナイトビジョン(5)、超音波(6)、pmd(7)、フュージョン(8)、インダクションループ(9)、球面カメラ(10)、それらの集合(11)である。pmdは、photo mixing deviceである。球面カメラは360度カメラとも呼ばれる。
知覚物標コンテナは、発信元のV2X通信装置に関連するセンサにより知覚された物標を記述するために用いられる。知覚物標コンテナは、ITS-Sによって知覚された全ての物標に対して追加することができる。知覚物標コンテナは、道路データに一致する分類及び位置も提供することができる。
図6に示される表1は、CPMにおける知覚物標コンテナの構成例である。知覚物標コンテナにおいて定義されるDF及びDEについて、表1を参照して説明する。
表1に示す物標IDは、検出された物標に割り当てられた識別子である。物標IDは、その物標が分散型ITS-Sによって知覚されている限り、一定である。
センサIDリストは、測定データを提供したセンサIDのリストである。このリストにより、センサ情報コンテナのセンサIDが参照される。
測定時間は、メッセージの生成デルタ時間から測定時間までの時間差を提供する。負の値は、指定された物標の状態が生成デルタ時間を計算した後の時点、すなわち生成デルタ時間を計算するために用いられる最新のITS-S位置更新の後の時点を参照していることを示している。
物標年齢は、検出及び記述された物標の経過時間を提供する。
物標信頼度は、物標に関連付けられている信頼度である。物標信頼度は、物標の存在とその特性の信頼性を示す。物標信頼度の値は、パーセンテージを示す1から100の値で表現されてよい。物標信頼度の値に0が格納されている場合は、物標の信頼度が不明である場合を示していてよい。物標信頼度の値に101が格納されている場合は、信頼度が計算できず、DEを適用する対応標準によって定義される必要な信頼度のレベルが適用できないことを示していてよい。
絶対距離は、測定時のITS-Sの基準点から検出物標までの絶対距離である。絶対距離は、x距離、y距離及びz距離の3つのDFにより提供されてよい。x距離は、測定時のITS-Sの基準点から検出物標までのx方向の絶対距離である。y距離は、測定時のITS-Sの基準点から検出物標までのy方向の絶対距離である。z距離は、測定時のITS-Sの基準点から検出物標までのz方向の絶対距離である。ITS-Sが車両である場合、x方向、y方向及びz方向は、ISO 8855で規定された座標系に従う。ITS-SがRSUである場合、yが北方向、xが東方向、zが垂直方向を示す座標系が採用される。
相対速度は、測定時のITS-Sの基準点からの検出物標の相対速度である。相対速度は、x速度、y速度及びz速度の3つのDFにより提供されてよい。x速度は、測定時のITS-Sの基準点からの検出物標のx方向の相対速度である。y速度は、測定時のITS-Sの基準点からの検出物標のy方向の相対速度である。z速度は、測定時のITS-Sの基準点からの検出物標のz方向の相対速度である。
相対加速度は、測定時のITS-Sの基準点からの検出物標の相対速度である。相対加速度は、x加速度、y加速度及びz加速度の3つのDFにより提供されてよい。x加速度は、測定時のITS-Sの基準点からの検出物標のx方向の相対加速度である。y加速度は、測定時のITS-Sの基準点からの検出物標のy方向の相対加速度である。z加速度は、測定時のITS-Sの基準点からの検出物標のz方向の相対加速度である。
ヨー角は、ITS-Sの基準点からの物標の相対ヨー角である。ITS-Sが車両である場合、ヨー角は、ISO 8855で規定された座標系における車両のx方向に従う。RSUである場合、yが北方向、xが東方向、zが垂直方向を示す座標系において、ヨー角は、x方向から反時計回りに回転する物標の方向を考慮した正の値で測定される。ヨー角の信頼度は、コンポーネントに対して予め定義された95%の信頼度レベルで記述されてよい。
寸法は、センサ又は環境モデルによって提供される物標の寸法である。寸法は、第1平面寸法、第2平面寸法及び垂直寸法の3つのDFにより提供されてよい。第1平面寸法は、センサ又は環境モデルによって提供される物標の最初の寸法である。第1平面寸法は、ヨー角で示される角度の方向に垂直で物標の基準点を含む平面に常に含まれる。第2平面寸法は、センサ又は環境モデルによって提供される物標の2番目の寸法である。第2平面寸法は、ヨー角と物標の基準点によって示される角度の方向を含む平面に常に含まれる。垂直寸法は、センサ又は環境モデルによって提供される物標の垂直寸法である。寸法は、コンポーネントに対して予め定義された95%の信頼度レベルで記述されてよい。寸法のDFには、現在の分布の平均として推定できる物標の寸法値及び指定された値に関連付けられた寸法精度が格納されてよい。
基準点は、測定データが提供される知覚物標における基準点である。物標の基準点を特定できない場合、基準点は検出物標の中心点とみなされる。基準点は、ヨー角の方向に垂直な平面に含まれる。
動的ステータスは、移動能力に応じた知覚物標の分類である。動的ステータスは、検出物標が動的物標として分類されるかどうかを示す。この値に0が格納された場合、動的ステータスは、物標が一般的に移動することを示す。この値に1が格納された場合、動的ステータスは、物標が以前に動的であったことを示す。この値に2が格納された場合、層的ステータスは、物標が過去の観測中に動いていないことを示す。
分類は、記述された物標の分類を提供する。多次元の分類は、信頼度と共に提供されてよい。分類は、一定の信頼度を以って実行される。分類のDFは、検出物標を最も適切に記述するクラスを含んでよい。各クラスは、オプションのサブクラスと、そのサブクラスに関連付けられた信頼度を提供してよい。
物標は、不明、車両、人間、動物及びその他の、5つのカテゴリに分類されてよい。すなわちクラスは、車両、人間、動物及びその他のうち、いずれかに設定される必要がある。車両では、サブクラスタイプとして、不明(0)、モペッド(1)、モータサイクル(2)、乗用車(3)、バス(4)、軽トラック(5)、重トラック(6)、トレーラ(7)、特殊車両(8)、路面電車(9)、緊急車両(10)、農業車両(11)が記述されてよい。ここでの括弧内の数字は、サブクラスの値として格納されるフラグの値である。
人間では、サブクラスタイプとして、不明(0)、歩行者(1)、車いすで移動する人間(2)、サイクリスト(3)、ベビーカーを押したり引いたりして歩いて移動する人間(4)、スケート等で移動する人間(5)、人間のグループ(6)が記述されてよい。ここでの括弧内の数字は、サブクラスの値として格納されるフラグの値である。
マップマッチング位置は、オプションで提供される、物標のマップマッチング位置である。マップマッチング位置とは、物標のLDM上の位置であってよい。マップマッチング位置のDFは、物標が存在する道路上の車線を示すレーンID及び縦方向車線位置を提供してもよい。
フリースペース追加コンテナは、発信元のV2X通信装置が認識しているフリースペースについての情報(すなわちフリースペース情報)を示すコンテナである。フリースペースは、道路使用者や障害物が占有していないと考えられる領域であり、空き空間ということもできる。フリースペースは、発信元のV2X通信装置と共に移動する移動体が移動できるスペースということもできる。
図7では、CPS124を提供するV2X通信装置によるセンサデータ抽出が概念的に示されている。より具体的には、図7(a)は、V2X通信装置が低レベルでセンサデータを抽出する方法を示す。図7(b)は、V2X通信装置が高レベルでセンサデータを抽出する方法を示す。
CPMの一部として送信されるセンサデータのソースは、受信側のV2X通信装置における将来のデータフュージョンプロセスの要件に従って選択される必要がある。一般的に、送信されるデータは、元のセンサデータにできるだけ近いものであるべきである。しかし、単純にオリジナルのセンサデータ、たとえば生データを送信することは現実的ではない。データレートと伝送周期に関して非常に高い要求を課すからである。
図7(a)及び図7(b)はCPMの一部として送信されるデータを選択するための可能な実施形態を示している。図7(a)の実施形態では、センサデータは異なるセンサから取得され、低レベルデータ管理エンティティの一部として処理される。このエンティティは、次のCPMの一部として挿入されるオブジェクトデータを選択し、また、検出されたオブジェクトの妥当性を計算することができる。図7(a)では、各センサのデータを送信するため、V2Xネットワークを介して送信されるデータ量が増加する。しかし、受信側のV2X通信装置でセンサ情報を効率的に活用できる。
図7(b)の実施形態では、V2X通信装置メーカに固有のデータフュージョン部により提供されるセンサデータ又はオブジェクトデータがCPMの一部として送信される。
図7(b)では、データフュージョン部を介して1つに集められた統合センサデータが伝送されるため、V2Xネットワークを介して伝送されるデータ量が少なくて済むという利点がある。しかし、センサ情報を収集するV2X通信装置の収集方式に依存するというデメリットがある。また、メーカにより異なるデータフュージョン処理が実施される可能性がある。
<システムの構成例>
ITS-Sを実現するためのシステム20の構成例が図8に示されている。システム20は、車載システムであってもよく、路側システムであってもよい。システム20に含まれる通信装置21は、これまで説明したV2X通信装置等の通信装置の機能及び構成に加えて、これ以降に説明する機能及び構成も備える。
ITS-Sを実現するためのシステム20の構成例が図8に示されている。システム20は、車載システムであってもよく、路側システムであってもよい。システム20に含まれる通信装置21は、これまで説明したV2X通信装置等の通信装置の機能及び構成に加えて、これ以降に説明する機能及び構成も備える。
システム20は、センサ40、物標検出部41、道路データ保持部42及び通信装置21を含む構成である。システム20が車載システムである場合、システム20はさらに自己位置推定部43を含む構成であってよい。センサ40は、物標を検出及び知覚するために設けられる。システム20が車載システムである場合、センサ40は、車両に搭載される。センサ40は、1つの車両に複数設けられてよい。システム20が路側システムである場合、センサ40は、道路、建物、ポール等に固定されて1つ又は複数設けられる。センサ40は、カメラ、ミリ波レーダ、ソナー、LiDAR等であってよい。
物標には、動的物体と静的物体を含ませることができる。動的物体には、例えば4輪車両、モータサイクル等の2輪車両、歩行者、動物が含まれる。静的物体には、例えばパイロン、三角表示板、電柱、落下物が含まれる。
物標検出部41は、センサ40からセンサデータの情報を含む信号を取得して、センサ40の周囲に存在する種々の物標を検出する。物標検出部41は、専用コンピュータにより実現されてよい。専用コンピュータは、メモリ及びプロセッサを少なくとも1つずつ有していてもよい。メモリは、プロセッサにより読み取り可能なプログラム及びデータ等を非一時的に記憶する、非遷移的実態的記憶媒体であってよい。さらにメモリとして、例えばRAM(Random Access Memory)等の書き換え可能な揮発性の記憶媒体が設けられていてもよい。
センサ40及び物標検出部41により検出され、知覚された物標の情報は、CPMの生成に必要な情報、すなわちセンサ情報コンテナに含まれるセンサID等の情報に関連付けられて通信装置21に提供される。なお、物標検出部41は、センサ40の構成要素としてセンサ40自体に含まれていてもよい。
道路データ保持部42は、道路地図データを記憶して保持する。道路データ保持部42は、記憶媒体を備えたデータベースによって実現されてよい。道路地図データは、道路形状を表現したデータである。道路地図データは、高精度地図データを含んでよい。道路地図データは、LDMのデータを含んでよい。道路地図データは、道路の車線を区別可能なデータであってよい。道路地図データは、道路地図配信センタから配信される更新地図データにより更新されるように構成されていてよい。
自己位置推定部43は、システム20が搭載された車両の自己位置を推定する。例えば、自己位置推定部43は、GNSS(Global Navigation Satellite Systems)が備える航法衛星が送信する航法信号を受信するGNSS受信機を備える。自己位置推定部43は、このGNSS受信機が受信した航法信号に基づいて現在の自己位置を逐次推定する。現在の自己位置は、緯度及び経度を含む座標で表される。また、座標に高度が含まれてよい。現在の自己位置は、例えば上述のITS-Sの基準点を特定するために用いられてよい。
通信装置21は、他の通信装置と無線通信することが可能に構成されている。他の通信装置は、他のITS-Sであってよく、他のITS-Sに搭載されたV2X通信装置であってよい。他の通信装置は、他の車両に搭載されたV2X通信装置であってよく、あるいはRSUに搭載されたV2X通信装置であってよい。
通信装置21は、DSRC(dedicated short range communications)通信機、セルラV2X(C-V2X)通信機等によって実現されてよい。通信装置21は、通信回路22及び制御部23を含む構成である。
通信回路22は、変調回路、復調回路及び増幅回路等を含む構成である。通信回路22は、制御部23から提供されたメッセージを変調及び増幅してアンテナ22aから送信する。また、通信回路22は、アンテナ22aを通じて受信したメッセージを復調及び増幅して制御部23へ提供する。通信に用いる周波数は、例えば5GHz帯であってよく、700MHz帯であってもよい。通信装置21がV2X通信装置である場合、通信装置21が行う通信はV2X通信である。
制御部23は、通信装置21を制御する。図9に示すように制御部23は、専用コンピュータ24により実現されてよい。制御部23を構成する専用コンピュータ24は、メモリ24a及びプロセッサ24bを少なくとも1つずつ有していてもよい。メモリ24aは、プロセッサ24bにより読み取り可能なプログラム及びデータ等を非一時的に記憶する、例えば半導体メモリ、磁気媒体、及び光学媒体等のうち、少なくとも1種類の非遷移的実態的記憶媒体であってよい。さらにメモリ24aとして、例えばRAM(Random Access Memory)等の書き換え可能な揮発性の記憶媒体が設けられていてもよい。プロセッサ24bは、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、及びRISC(Reduced Instruction Set Computer)-CPU等のうち、少なくとも1種類をコアとして含む。
制御部23は、メッセージ取得部30、グルーピング部31、メッセージ生成部32及びメッセージ送信部33を、プログラムを実行するプロセッサ24bにより実現される機能ブロックとして含む構成である。
メッセージ取得部30は、他の通信装置が送信したメッセージをアンテナ22a及び通信回路22を介して取得する。他の通信装置が送信するメッセージは、CAM、CPM、DENM等である。CPMには、他の通信装置が搭載されている車両又はRSUに設けられたセンサにより知覚された物標の情報、及び当該車両又はRSUがさらに他の車両又はRSUから取得した知覚された物標の情報のうち少なくとも1つが含まれていてよい。
通信装置21が車両に搭載されている場合、メッセージ取得部30が取得したメッセージは、車内ネットワークを通じて同じ車両の他のシステムに提供されてよい。車内ネットワークは、例えばEthernet、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、CXPI(Clock Extension Peripheral Interface)、FlexRay、MOST(Media Oriented Systems Transport)であってもよい。Ethernet、CAN、CXPI、FlexRay、MOSTは登録商標である。また、メッセージ取得部30が取得したメッセージは、グルーピング部31に提供される。
グルーピング部31は、メッセージ取得部30から提供された物標の情報及び物標検出部41から提供された物標の情報のうち少なくとも一方に基づき、複数の物標に対してグルーピングをするか否かを決定する。この決定には、複数の物標に対する1つ又は複数のグループへの割り当てを決定することが含まれてよい。グルーピングによって生成される1つの物標群は、2つ以上の任意の物標により構成されてよい。メッセージフォーマットの制約に基づき、グルーピングによって生成される1つの物標群に含ませることが可能な最大物標数が設定されていてよい。
ここでいう複数の物標は、センサにより知覚された複数の物標である。センサにより知覚された複数の物標は、システム20が備えるセンサ40により知覚された物標を含んでいてよい。センサにより知覚された複数の物標は、通信装置21に属するシステム20が備えていない、通信装置21が搭載されている車両又はRSUに搭載されているセンサであって、ネットワークによりセンサデータを取得可能なセンサにより知覚された物標を含んでいてよい。またセンサにより知覚された複数の物標は、他の通信装置が搭載された車両又はRSUに設けられたセンサにより知覚された物標であって、他の通信装置から受信したメッセージによって情報提供された物標を含んでいてよい。
グルーピング部31は、予め規定されたグルーピング条件に基づき、グルーピングを実施してよい。グルーピング条件は、CPMを送信及び受信するITS-S間において共通に用いられるとよい。グルーピング条件は、複数規定されていてもよい。この場合、グルーピング部31は、道路環境、通信混雑状況等に応じて、複数のグルーピング条件の中から採用するグルーピング条件を選択してもよい。グルーピング条件は、検知された物標の集約条件、又は単に集約条件と称されてもよい。また、グルーピング条件は、CPMのメッセージサイズを削減するための冗長性緩和ルール(Redundancy Mitigation Rules)の一種に位置付けられてもよい。
1つのグルーピング条件は、以下に説明する複数の条件のうち1つの条件であってもよい。一方で、1つのグルーピング条件は、以下に説明する複数の条件を複合的に組み合わせたものであってよい。以下において、グルーピングの対象にすることは、グルーピングの対象候補とすることを含み、他の条件との組み合わせによって最終的なグルーピングから除外することを含んでよい。
グルーピング条件は、物標の位置に関する条件を含んでよい。例えばグルーピング部31は、2つの物標間の絶対距離が所定距離以下の場合に、2つの物標をグルーピングの対象としてもよい。グルーピング部31は、2つの物標間の絶対距離が所定距離よりも大きい場合に、2つの物標をグルーピングの対象から除外してもよい。
ここで、絶対距離は、物標検出部41により提供された物標の距離及び他の通信装置から受信したCPMにおける検知物標コンテナの絶対距離の情報のうち少なくとも1つを参照して算出されてよい。所定距離の値は、一意に規定された値を採用してもよい。また所定距離の値は、走路環境、通信混雑状況等に応じて、変更されてもよい。一方で、グルーピング条件に物標の位置に関する条件が含まれなくてもよい。
グルーピング条件は、物標の種別に関する条件を含んでよい。物標の種別は、CPMの分類におけるクラス又はサブクラスであってよい。例えばグルーピング部31は、同一種別の複数の物標をグルーピングの対象としてもよい。グルーピング部31は、異なる種別の複数の物標をグルーピングの対象から除外してもよい。クラスが同一であり、サブクラスが異なる複数の物標は、グルーピングの対象とされてもよい。クラスが同一であり、サブクラスが異なる複数の物標は、グルーピングの対象から除外されてもよい。一方で、グルーピング条件に物標の種別に関する条件が含まれなくてもよい。
物標の位置に関する条件と、物標の種別に関する条件とは、組み合わせて適用されてよい。例えばグルーピング部31は、2つの物標間の絶対距離が所定距離以下であり、かつ、2つの物標が同一種別である場合に、2つの物標をグルーピングの対象としてもよい。グルーピング部31は、2つの物標間の絶対距離が所定距離以下であっても、2つの物標が異なる種別である場合には、2つの物標をグルーピングの対象から除外してもよい。なお、ここでの所定距離は、予め設定された閾値であり、V2X通信を行なう車両及びRSU間にて共通の値を用いるようにしてよい。所定距離は、グルーピングの対象とする物標の種別(例えばクラス、サブクラス)によって異なる値であってよい。例えば、グルーピングの対象となる物標が歩行者である場合は所定距離として第1距離を用い、車両である場合は所定距離として第2距離を用いてもよい。第2距離は、第1距離より小さくてもよい。第2距離は、第1距離より大きくてもよい。
グルーピング条件は、センサの同一性に関する条件を含んでよい。例えばグルーピング部31は、同一のセンサにより知覚された複数の物標をグルーピングの対象としてもよい。グルーピング部31は、異なるセンサにより知覚された物標同士を、グルーピングの対象から除外してもよい。センサが同一であるか否かの判定は、CPMのセンサ情報コンテナにおけるセンサIDを参照して実施されてもよい。例えば、型番(又は仕様)が同じカメラが2つ車両に搭載されている場合、当該2つのカメラは異なるセンサとして扱われてよい。すなわち、2のカメラのうち一方のカメラで知覚された複数の物標のみがグルーピングの対象とされてよい。
また、グルーピング部31は、同一種別のセンサにより知覚された複数の物標をグルーピングの対象としてもよい。グルーピング部31は、異なる種別のセンサにより知覚された物標同士を、グルーピングの対象から除外してもよい。センサの種別が同一であるか否かの判定は、CPMのセンサ情報コンテナにおけるセンサタイプを参照して実施されてもよい。
また、グルーピング部31は、同一のセンサにより知覚された、同一種別の複数の物標をグルーピングの対象としてもよい。一方で、グルーピング条件にセンサの同一性に関する条件が含まれなくてもよい。
グルーピング条件は、物標の挙動に関する条件を含んでよい。物標の挙動に関する条件は、挙動の類似性に関する条件であってよい。挙動の類似性は、物標の動的ステータス、移動方向、移動方向の不安定性、速度、加速度、さらにこれらの組み合わせ等に基づいて、判断されてよい。
例えば、速度が予め規定された共通の速度範囲内に収まる複数の物標であって、移動方向が予め規定された共通の角度範囲内に収まる複数の物標に対して、挙動の類似性が認められてよい。共通の速度範囲が速度0を含む小さな速度を示す範囲である場合、移動方向が挙動の類似性を判断するパラメータに含まれなくてよい。
グルーピング部31は、挙動の類似性が認められる複数の物標をグルーピングの対象としてもよい。グルーピング部31は、挙動の類似性が認められない又は挙動の相違が認められる複数の物標を、グルーピングの対象から除外してもよい。
ここで、挙動の類似性を用いたグルーピングについて、さらなる具体例を例示する。例えば人口が密集する都市部で、横断歩道が停止信号(例えば赤信号)から進行信号(例えば青信号)に変わった時、大量の歩行者が一斉に横断歩道の横断を開始する。この場合に、大量の歩行者には、速度及び移動方向に関する挙動の類似性が認められる。一方で、両端の歩行者間の距離が大きく離れており、1つの物標群に集約するのに適さない場合がある。この場合、大量の歩行者を他の要素を用いて2つ以上の物標群にクラスタリングすることが試みられてもよい。
例えば、グルーピング部31は、大量の歩行者の中に歩行者間の間隔が大きくなる切れ目があるかどうかを検出し、当該切れ目を境界として、大量の歩行者を2つ以上の物標群にクラスタリングしてもよい。他の要素は、CPMの物標の分類における歩行者のサブクラス、歩行者の服装の類似性等であってもよい。一方で、グルーピング条件に物標の挙動に関する条件が含まれなくてもよい。
グルーピング条件は、物標の重要度に関する条件を含んでよい。物標の重要度は、物標情報を含むメッセージを受信すると想定される車両が当該物標に衝突する可能性(いわゆる衝突可能性)に応じて設定されてよい。物標情報を含むメッセージを受信すると想定される車両から直接見える位置に存在する物標の重要度は、相対的に低く設定されてよい。当該車両から直接見えない位置(すなわち遮蔽領域)に存在する物標の重要度は、相対的に高く設定されてよい。
例えばグルーピング部31は、物標の重要度が所定値よりも低い物標を、グルーピングの対象としてもよい。グルーピング部31は、物標の重要度が所定値よりも高い物標を、グルーピングの対象から除外してもよい。一方で、グルーピング条件に物標の重要度に関する条件が含まれなくてもよい。
グルーピング条件は、道路形状に関する条件を含んでよい。グルーピング部31は、この条件を判断するために、道路データ保持部42が保持する道路地図データを参照してもよい。また、さらにグルーピング部31は、受信したCPMの検知物標コンテナでの、マップマッチング位置のDFにおけるレーンID及び縦方向車線位置を参照してもよい。例えばグルーピング部31は、道路上の同じ車線に存在する複数の車両をグルーピングの対象としてもよい。グルーピング部31は、道路上の異なる車線に存在する車両同士を、グルーピングの対象から除外してもよい。
ここで、グルーピング条件は、道路形状に関する条件に加えて、物標の将来の挙動予測に関する条件を含んでよい。例えばグルーピング部31は、センサ40によって検知された他車両のウィンカ情報、受信したメッセージによって取得された他車両のウィンカ情報又はレーンチェンジの予定情報を参照し、グルーピングを実施してよい。グルーピング部31は、道路上の同じ車線に存在する複数の車両であっても、ウィンカを出しているか、レーンチェンジを予定している車両については、グルーピングの対象から除外してもよい。
一方で、グルーピング条件に道路形状に関する条件が含まれなくてよい。この場合に、グルーピング条件に物標の将来の挙動予測に関する条件が含まれてもよい。
グルーピング条件は、物標の脆弱性に関する条件を含んでいてもよい。例えばグルーピング部31は、物標が脆弱な道路利用者でないと認められる場合、当該物標をグルーピングの対象としてもよい。グルーピング部31は、物標が脆弱な道路利用者であると認められる場合、当該物標をグルーピングの対象から除外してもよい。一方で、グルーピング条件に物標の脆弱性に関する条件が含まれていなくてもよい。
グルーピング条件は、通信装置21の周辺の通信混雑状況に関する条件を含んでよい。例えばグルーピング部31は、通信の混雑度が所定の度合いを超える場合に、各物標をグルーピングの対象としてよい。グルーピング部31は、通信の混雑度が所定の度合い以下である場合に、各物標をグルーピング及び物標群に集約しないことを決定してよい。混雑度は、例えば狭域通信に使用可能な無線リソースの使用率であってよい。混雑度と共に、又は混雑度に代えて、通信負荷、交通状況データ等がグルーピングするか否かの判断要素として用いられてもよい。
グルーピング部31は、以上のように、複数の物標に対するグルーピング態様を決定し、その結果をメッセージ生成部32に提供する。なお、メッセージで取り扱う対象となり得る物標数が十分に少ない場合、グルーピング部31による処理はスキップされて、個々の物標の情報を集約せずにメッセージ生成及び送信が実施されてもよい。
メッセージ生成部32は、送信対象となる新規のメッセージを生成する。メッセージ生成部32が生成するメッセージは、物標情報を含むメッセージであり、例えばCPMを含む。メッセージ生成部32は、受信した複数のメッセージを新規のメッセージに集約してもよい。メッセージ生成部32は、受信した1つ以上のメッセージと、このシステム20のセンサ40を用いて知覚された物標の情報とを、新規のメッセージに集約してもよい。集約元のメッセージには、CPMの他、CAM、DENM等が含まれていてもよい。
メッセージの集約は、複数の物標を1つの物標群に集約した集約情報を生成することを含んでよい。複数の物標を1つの物標群に集約した集約情報は、それぞれが個別に情報をもつ複数の物標を1つの物標群に集約した集約情報を含んでよい。複数の物標を1つの物標群に集約した集約情報は、集約済の1つ以上の集約情報と個別に情報をもつ1つ以上の物標とを1つの物標群に集約した集約情報を含んでよい。複数の物標を1つの物標群に集約した集約情報は、集約済の複数の集約情報を1つの物標群に集約した集約情報を含んでよい。さらに、複数の物標を1つの物標群に集約した集約情報は、集約済の1つ以上の集約情報の中から一部の物標を抽出して、再度集約した集約情報を含んでよい。ここで、集約情報には、集約した物標の数、すなわち1つの物標群を構成する物標数を示す情報が含まれてよい。
メッセージ生成部32は、グルーピング部31が決定したグループの割り当てに基づき、複数の物標のうち、集約の対象となる物標を物標群に集約した集約情報を含むメッセージを生成する。集約情報は、CAMの知覚物標コンテナに格納されてよい。グルーピング及び集約されなかった物標の情報については、1つの物標に対して1つの知覚物標コンテナが割り当てられてよい。グルーピング及び集約された物標群の集約情報については、1つの物標群に対して1つの知覚物標コンテナが割り当てられてよい。集約情報の知覚物標コンテナにおける取り扱いの例について、以下に説明する。
物標IDは、集約後の物標群に対して新規に割り当てられてもよい。物標IDは、物標群を構成する全ての物標の物標IDのリストであってもよい。
センサIDリストは、物標群を構成する各物標の測定データを提供した全てのセンサについてのセンサIDのリストであってもよい。
物標信頼度は、集約後の物標群に関連付けられている信頼度であってもよい。物標信頼度は、物標群を構成する各物標の信頼度の平均値であってもよい。物標信頼度は、物標群を構成する各物標の信頼度のうちで最低の信頼度であってもよい。
絶対距離は、測定時のITS-Sの基準点か物標群の基準点までの絶対距離であってよい。相対速度は、測定時のITS-Sの基準点からみた、物標群の基準点が移動する相対速度であってよい。相対加速度は、測定時のITS-Sの基準点からみた、物標群の基準点が移動する相対加速度であってよい。
寸法は、物標群を構成する全ての物標を包含する仮想的な四角形ないし直方体の寸法によって表現されてよい。物標群における基準点は、この四角形ないし直方体の中心点であってよい。
分類は、物標群を構成する全ての物標が同一種別の場合、その種別に基づく分類であってよい。分類は、物標群を構成する物標に異なる種別の物標が混在している場合、その他の分類であってもよく、又は混在していることを示す追加の分類であってもよい。分類のDFにおいて、個別の物標であるか物標群であるかを示すフラグがオプションで設けられてもよい。
また、オプションで、物標群を構成する物標数、物標群における物標の密度等を提供するDF及び/又はDEが設けられてもよい。物標群における物標の密度は、上述の寸法を規定する四角形ないし直方体内の物標の密度であってよい。
また、グルーピングされなかった単独の物標について、オプションで、当該物標が脆弱な道路利用者であるか否かを示す情報を提供するDF及び/又はDEが設けられてもよい。特に、グルーピングにおいて同一種別の物標がグルーピングされなかった場合には、グルーピングされなかった根拠である物標の脆弱性が情報提供されることが好ましい。
メッセージ送信部33は、メッセージ生成部32が生成したCPM等のメッセージを、送信に適したデータに変換して周囲に送信する。CPMは、ポイントツーマルチポイント通信により送信できる。但し、CPMは、ポイントツーポイント通信等のポイントツーマルチポイント通信以外の通信方法により送信されてもよい。
メッセージ送信部33は、エンコード後のCPMのサイズが最大伝送単位(Maximum Transmission Unit)を超えた場合、CPMを複数に分割して送信する。CPMが分割された場合、受信側の通信装置は、分割された全てのCPMの受信が完了した後、CPMのデータを1つに結合してよい。
集約情報を含むメッセージは、送信された後、受信側の車両及びRSUによって処理される。例えば受信側の車両は、集約情報を、自動運転又は運転支援に用いてよい。自動運転においては、集約情報に含まれる物標群の情報は、物標群に対して安全性を確保するための速度計画及び車両軌道計画に用いられてよい。運転支援においては、集約情報に含まれる物標群の情報は、物標群との衝突を回避するためのPCSシステム(Pre-Crash Safety System)、AESシステム(Automatic Emergency Steering System)等のアプリケーションに用いられてよい。また、運転支援においては、物標群の存在について車両のドライバへの報知に用いられてよい。受信側のRSUは、集約情報を、さらに他の車両と共有するために用いてもよく、統計データを生成するために用いてもよい。
ここで、図4に示したCPSの構成図と、図8に示した制御部23の機能との対応関係を説明する。メッセージ取得部30の機能は、CPMデコード部1242及びCPM受信管理部1244の機能の少なくとも一部である。グルーピング部31及びメッセージ生成部32によりCPMを生成して送信するための機能は、CPM送信管理部1243の機能の少なくとも一部である。メッセージ送信部33の最終的にデータを生成して送信する機能は、CPMエンコード部1241の機能の少なくとも一部である。
<CPMの生成プロセス及び送信プロセス>
次に、CPMを生成し、送信する処理方法の例を、図10のフローチャートを用いて説明する。この処理方法は、通信方法ともいえる。図10に示す一連の処理は、所定の実行周期で又は所定のトリガに基づき、実行される。所定周期は、後述するT_GenCpmよりも短い周期であるとよい。一連の処理は、メッセージ取得部30、グルーピング部31、メッセージ生成部32及びメッセージ送信部33の機能が実現されるように、制御部23が備える少なくとも1つのプロセッサ24bによって実行されてよい。
次に、CPMを生成し、送信する処理方法の例を、図10のフローチャートを用いて説明する。この処理方法は、通信方法ともいえる。図10に示す一連の処理は、所定の実行周期で又は所定のトリガに基づき、実行される。所定周期は、後述するT_GenCpmよりも短い周期であるとよい。一連の処理は、メッセージ取得部30、グルーピング部31、メッセージ生成部32及びメッセージ送信部33の機能が実現されるように、制御部23が備える少なくとも1つのプロセッサ24bによって実行されてよい。
S1では、T_Now- T_LastCpmがT_GenCpm以上であるか否かを判断する。T_Nowは現在時刻である。T_LastCpmは、最後にCPMを送信した時刻である。T_GenCpmは、CPMを生成する周期である。よって、S1では、最後にCPMを送信してから、CPMを送信する周期を経過したか否かを判断している。
S2では、T_GenEventをT_Nowに設定する。T_GenEventはCPMを生成するイベントが発生した時刻を意味する。T_GenEventをT_Nowに設定することでCPMを生成する時刻は現在時刻であることになる。
S3では、知覚物標の候補を選択する。知覚物標は、知覚物標コンテナに物標特性を含ませる物標を意味する。このS3の処理の詳細は図11に示す。
S4では、センサ情報コンテナを生成する。S4の処理の詳細は図12に示す。
S5では、POC(すなわち知覚物標コンテナ)あるいはSIC(すなわちセンサ情報コンテナ)のデータが生成されたか否かを判断する。POCとSICのどちらも生成されていない場合にS5の判断結果がNOになる。S5の判断結果がNOであれば、CPMを送信することなく図10の処理を終了する。S5の判断結果がYESであればS6へ進む。
S6では、OVC(CPMを送信する主体が車両である場合)と管理コンテナを生成する。S6の処理は図14に示す。
S7では、T_LastCpmtimestampをT_GenEventに設定する。T_LastCpmtimestampは、最後にCPMを生成した時刻を意味する。
S8では、次のCPMを取得する。S9では、S8で取得したCPMを送信する。
S10では、未送信のCPMセグメントがあるか否かを判断する。S10の判断結果がYESであればS8へ戻り、未送信のCPMセグメントの取得と送信を行う。S10の判断結果がNOであれば図10の一連の処理を終了する。
次に、S3の知覚物標候補を選択する処理方法を、図11,12のフローチャートを用いて詳細に説明する。
図11に示すS301では、環境モデルから物標のリストを取得し、物標リストに記憶する。環境モデルは、制御部23が生成してもよい。システム20の内外の他装置によって生成された環境モデルを、制御部23が取得するようにしてもよい。環境モデルは、種々の物標の特性を推定した結果の表現形態の一例である。物標リストは、この図11の処理において知覚物標の候補を選択するためのリストである。物標リストには、物標信頼度の情報が含まれていてよい。環境モデルに含まれる物標は、センサ40により知覚された物標を含んでよい。環境モデルに含まれる物標は、メッセージ取得部30が取得したCPMの物標情報に含まれた物標であってよい。
S302では、物標リストに物標が存在しているか否かを判断する。S302の判断結果がNOであれば、S3の処理を終了し、S4に進む。S302の判断結果がYESであればS303に進む。
S303では、物標リストから次の物標を取得する。S304では、物標信頼度が事前に設定した閾値以上であるか否かを判断する。なお、このS304は省略してS305へ進んでもよい。たとえば、物標信頼度が決定されていない場合にはS304を省略してもよい。S304の判断結果がNOであれば図12のS311へ進む。S304の判断結果がYESであればS305へ進む。
S305では、物標を内部メモリの所定領域へ記憶したか否かを判断する。例えば、内部メモリは、制御部23が備えるメモリ24aであり、所定領域は、CPMを生成するためのデータを保存する領域である。S305の判断結果がNO、すなわち、すでにS303で取得した物標を内部メモリへ記憶済みであれば、図12のS310へ進む。S305の判断結果がYESであればS306に進む。
S306では、S303で取得した物標が人あるいは動物クラスに属しているか否かを判断する。すなわち、S303で取得した物標の分類が人あるいは動物であるかを判断する。S306の判断結果がNOであればS307に進む。S307では、物標の距離、速度、方位、経過時間の少なくとも1つが、それぞれに対して事前に設定された閾値以上、前回のCPM送信時から変化したか否かを判断する。S307の判断結果がYESであれば図12のS310に進む。一方、S307の判断結果がNOであれば図12のS311へ進む。
S306の判断結果がYESであればS308に進む。S308では、S303で取得した物標がCPMに含まれてから500ms以上経過したか否かを判断する。S308の判断結果がNOである場合も、図12のS311へ進む。S308の判断結果がYESであればS309へ進む。S309では、生成するCPMに人と動物を全部含める。その後、図12のS310に進む。
図12に示すS310では、物標リスト内の物標について、グルーピング条件に基づき、グルーピングをするか否かを決定する。S311では、S310で決定したグルーピングに基づき、複数の物標を物標群に集約する。
S312では、内部メモリに、物標ID、T_GenEventを保存し、かつ、送信のために保存した情報にマークを付ける。
S313では、物標リスト内の最後の物標又は物標群であるか否かを判断する。S311の判断結果がNOであればS303へ戻る。S313の判断結果がYESであればS314へ進む。S314では、マークを基に、知覚物標コンテナの候補のリストを作成する。S314を実行後は図10のS4へ進む。
次に、S4のセンサ情報コンテナを生成する処理方法を、図13のフローチャートを用いて詳細に説明する。
S41では、T_NowからT_LastSensorInfoContainerを引いた値が、T_AddSensorInformation以上であるか否かを判断する。T_LastSensorInfoContainerは、最後にセンサ情報コンテナを生成した時刻である。T_AddSensorInformationは、センサ情報コンテナを追加する周期を意味する。S41の判断結果がNOであれば図13の処理を終了し、図10のS5に進む。S41の判断結果がYESであればS42に進む。
S42では、センサパラメータを、当該センサパラメータを格納したデータベースに問い合わせ、センサパラメータを取得する。S43では、S42で取得したセンサパラメータによりセンサ情報コンテナを生成する。S44では、T_LastSensorInfoContainerを、T_GenEventに設定する。つまり、センサ情報コンテナを生成した時刻を次回のCPM作成時のS2実行時点の時刻に設定する。図13の処理が終了したら、図10のS5に進む。
次に、S6のOVC及び管理コンテナを生成する処理方法を、図14のフローチャートを用いて詳細に説明する。
S61では、ステーションタイプを選択する。ステーションタイプが車両であればS62へ進む。S62では、OVCを生成する。S62を実行後はS65へ進む。
S61の判断において、ステーションタイプがRSUであればS63へ進む。S63では、MAPメッセージを発信するか否かを判断する。MAPメッセージは、当該RSUの周囲の交差点又は道路セグメントの形状を提供するメッセージである。S63の判断結果がYESであればS64に進む。S64では、マップメッセージを含む発信元RSUコンテナを生成する。その後、S65へ進む。S63の判断結果がNOであればS64を実行することなくS65へ進む。
S65では、分割されていないCPM用の管理コンテナを生成する。ここで生成する管理コンテナは、ステーションタイプ、基準点、セグメント化情報、知覚物標数を含んでいてもよい。さらに管理コンテナは、グルーピングの決定に用いたグルーピング条件の情報を含んでもよい。グルーピング条件の情報は、グルーピング条件を示すフラグであってもよく、実際の条件であってもよい。
S66では、生成した全部のコンテナを含むCPMのエンコードサイズを計算する。なお、CPMには、フリースペース追加コンテナを含ませることができる。フリースペース追加コンテナを生成した場合には、フリースペース追加コンテナのサイズも含めて、CPMのエンコードサイズを計算する。
S67では、エンコードしたCPMのサイズが、MTU_CPMを超えているか否かを判断する。MTU_CPMは、1つのCPMの最大送信単位であり、事前に設定されている。MTU_CPMは、アクセス層130の最大送信単位に依存して定まる。
S67の判断結果がNOであればS68に進む。S68では、生成した全部のコンテナを含むCPMを生成する。その後、図10のS7に進む。一方、S67の判断結果がYESであればS69へ進む。S69では、メッセージを分割するために、メッセージのセグメントを決定する。その後、図10のS7に進む。
(作用効果)
以上説明した第1実施形態の作用効果を以下に説明する。
以上説明した第1実施形態の作用効果を以下に説明する。
第1実施形態によると、送信されるメッセージは、センサを用いて知覚された複数の物標のグルーピングに基づく物標群の集約情報を含む。ひとまとめにすることが可能な物標情報を物標群に集約することで、複数の物標をそれぞれ個別の情報として送信する場合よりも、情報量又はメッセージ数の増加を抑制することができる。故に、通信負荷及びメッセージ処理における処理負荷の一方又は両方を低減することができる。
また、第1実施形態によると、同一種別の物標同士がグルーピングされる。このように物標群が構成されると、車両に搭載された表示装置等で、ドライバへ向けた物標情報の報知ないし警告が実施される場合に、物標群の説明をシンプルで完結な説明とすることができる。また、物標群に対する速度等の行動予測における容易性を高めることができる。
また、第1実施形態によると、同一種別のセンサにより知覚された同一種別の物標同士がグルーピングされる。このように物標群が構成されると、CPMの知覚物標コンテナの情報と、これによって参照されるセンサ情報コンテナの情報とを簡潔に関連付けられるので、情報の利用がし易くなる。
また、第1実施形態によると、物標の位置に応じて、当該複数の物標がグルーピングされるか否かが決定される。例えば物標の位置が予め設定された距離以下の物標同士を物標群にまとめることで、メッセージを受信した車両が物標群に対して衝突回避等の応答を計画することが容易となる。
また、第1実施形態によると、複数の物標間の挙動の類似性に応じて、当該複数の物標がグルーピングされるか否かが決定される。挙動が類似する複数の物標を物標群にまとめることで、この物標群の挙動を容易に表現することができる。
また、第1実施形態によると、センサの知覚における信頼度に応じて、当該複数の物標をグルーピングするか否かが決定される。特に、物標を知覚したセンサの信頼度が類似する物標同士がグルーピングされることで、受信側のITS-Sがセンサの信頼度に応じて物標群の取り扱いを変える仕様であったとしても、物標群の取り扱いは容易である。
また、第1実施形態によると、物標の重要度に応じて、複数の物標をグルーピングするか否かが決定される。特に、重要度が高い物標を物標群にまとめずに、個別の物標情報として送信することで、当該物標に対して適切な応答を取ることが容易となる。
また、第1実施形態によると、物標が存在する道路上の車線に応じて、複数の物標をグルーピングするか否かが決定される。特に、別車線に存在する車両同士を同じ物標群にまとめないようにすることで、CPMにおいてレーンIDの情報を適切に格納することができる。
また、第1実施形態によると、物標の将来の挙動予測に応じて、複数の物標をグルーピングするか否かが決定される。将来の挙動予測が類似する物標同士を物標群にまとめることで、将来、物標群が分離するなどして別々に取り扱わなければならなくなる可能性を低減することができる。
また、第1実施形態によると、通信装置21の周辺の通信混雑状況に応じて、複数の物標をグルーピングするか否かが決定される。通信が混雑している場合に、複数の物標を少ない数の物標群にまとめることで、通信負荷のさらなる逼迫を回避することができる。
また、第1実施形態によると、メッセージには、グルーピングにおいて判断されたグルーピング条件を示す情報が付加される。グルーピング条件を受信側のITS-Sと共有することにより、当該グルーピング条件を受信側で物標のグルーピング及び集約をする際の参考情報とすることができる。
また、第1実施形態によると、物標群の寸法は、当該物標群に集約された複数の物標を全て包含する直方体の寸法によって表現される。このようにすると、CPMにおける個別の物標を格納する知覚物標コンテナと同様のDFに、物標群の寸法を格納することが可能となる。
また、第1実施形態によると、グルーピングにおいて同一種別の複数の物標がグルーピングされなかった場合、メッセージには、グルーピングされなかった物標が脆弱な道路利用者であるか否かを示す情報が付加される。このようにすると、グルーピングされなかった物標に対して適切な応答を取ることが容易となる。
(第2実施形態)
図15,16に示すように、第2実施形態は第1実施形態の変形例である。第2実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
図15,16に示すように、第2実施形態は第1実施形態の変形例である。第2実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第2実施形態のグルーピング部31は、初期のグルーピング条件に基づいて、複数の物標に対してグルーピングをするか否かを決定する。その後、グルーピング部31は、初期のグルーピング条件に基づくグルーピングでの集約後の物標及び物標群の総数又は想定されるメッセージサイズに応じて、グルーピング条件を修正する。そして、グルーピング部31は、修正されたグルーピング条件に基づいて、複数の物標に対してグルーピングをするか否かを再度決定する。
例えば、初期のグルーピング条件に基づいた物標及び物標群の総数が所定の数を超える場合に、グルーピング31部は、グルーピング条件を修正してよい。一方で、初期のグルーピング条件に基づいた物標及び物標群の総数が所定の数以下である場合に、グルーピング部31は、グルーピング条件を修正せずに、初期のグルーピング条件でのグルーピングを最終的に採用してよい。ここでの所定の数は、1つのCPMにフォーマット上搭載可能な知覚物標コンテナの最大数であってもよい。すなわち、CPMの分割を回避するために、初期のグルーピング条件がより集約度が高くなるような条件に修正されるのである。
ここで、総数に基づく処理方法の例を、図15のフローチャートを用いて説明する。図15の処理は、第1実施形態における図12の処理に置換して用いることが可能である。
図15に示すS1310では、物標リスト内の物標について、初期のグルーピング条件に基づき、グルーピングをするか否かを決定する。S1311では、S1310で決定したグルーピングに基づき、複数の物標を物標群に集約する。
S1313では、集約後の物標の数と物標数の数を合計した総数が予め設定された所定の数を超えるか否かを判断する。S1313の判断結果がYESであればS1314へ進む。S1313の判断結果がNOであればS1316へ進む。
S1314では、初期のグルーピング条件を集約度が高くなるような条件に修正し、修正されたグルーピング条件に基づき、再度、グルーピングを実施する。S1315では、S1314で決定したグルーピングに基づき、複数の物標を物標群に集約する。S1316~S1318の処理は、図12のS312~S314の処理と同様である。
総数に基づく処理に代えて、メッセージサイズに基づく処理を採用することが可能である。例えば、初期のグルーピング条件に基づくグルーピングでの集約後のメッセージサイズが上述の最大送信単位を超える場合に、グルーピング部31は、グルーピング条件を修正してよい。一方で、メッセージサイズが最大送信単位以下である場合に、グルーピング部31は、グルーピング条件を修正せずに、初期のグルーピング条件でのグルーピングを最終的に採用してよい。すなわち、CPMの分割を回避するために、初期のグルーピング条件がより集約度が高くなるような条件に修正されるのである。
ここで、メッセージサイズに基づく処理方法の例を、図16のフローチャートを用いて説明する。図16の処理は、第1実施形態における図14の処理に置換して用いることが可能である。このとき、S3の処理に関しては、第1実施形態と同様の図12の処理を採用すればよい。
図16のS2061~S2068の処理は、図14のS61~S68の処理と同様である。一方で、S2067にてエンコードしたCPMのサイズが、MTU_CPM、すなわち最大送信単位を超えていると判断された場合のS2069では、メッセージは分割されない。
S2069では、初期のグルーピング条件を集約度が高くなるような条件に修正し、修正されたグルーピング条件に基づき、再度、グルーピングを実施する。修正されたグルーピング条件は、メッセージを確実に分割せずに送信できるような条件であることが好ましい。S2070では、S2069で決定したグルーピングに基づき、複数の物標を物標群に集約する。
(第3実施形態)
図17に示すように、第3実施形態は第1実施形態の変形例である。第3実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
図17に示すように、第3実施形態は第1実施形態の変形例である。第3実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
メッセージ生成部32は、グルーピング部31によるグルーピングに基づいて、複数の物標を物標及び物標群に集約する。その後、メッセージ生成部32は、集約後の各物標及び各物標群の情報をメッセージに含ませるか否かを判断する。メッセージ生成部32は、メッセージに含ませないと判断された物標及び物標群を除外する。メッセージ生成部32は、メッセージに含ませると判断された物標及び物標群の情報を含むメッセージを生成する。
ここでの判断は、予め定義された冗長性緩和ルールに基づいていてよい。冗長性緩和ルールは、周波数ベースの冗長性緩和ルールを含んでよい。すなわち、同一の物標及び物標群の情報を含む履歴CPMの数が予め設定された閾値を超える場合、生成中のCPMにおいてローカルのセンサにより知覚された物標及び物標群が除外されてよい。
冗長性緩和ルールは、動的ベースの冗長性緩和ルールを含んでよい。すなわち、受信した最後のCPMに含まれる物標又は物標群の基準点の現在の推定位置(又は推定速度)と、ローカルのセンサにより知覚されたこの物標又は物標群の現在の推定位置(又は推定速度)との差が予め設定された閾値以下である場合、この物標又は物標群が除外されてよい。
冗長性緩和ルールは、信頼度ベースの冗長性緩和ルールを含んでよい。すなわち、履歴CPMに同じ物標又は物標群の情報が含まれ、かつ、これらの履歴CPMにおけるこの物標又は物標群の信頼度がローカルのセンサによる知覚での信頼度より高い場合、この物標又は物標群が除外されてよい。
その他、冗長性緩和ルールは、エントロピーベースの冗長性緩和ルール、物標自己宣言冗長性緩和ルール、距離ベースの冗長性緩和ルール等を含んでよい。
ここで、処理方法の例を、図17のフローチャートを用いて説明する。図17の処理は、第1実施形態における図14の処理に置換して用いることが可能である。
図17のS3061~S3068の処理は、図14のS61~S68の処理と同様である。一方で、S3067にてエンコードしたCPMのサイズが、MTU_CPM、すなわち最大送信単位を超えていると判断された場合のS3069では、メッセージは分割されない。
S3069では、CPMに含ませる物標及び物標群が選択される。S3070では、S3069にて選択した物標及び物標群のコンテナを含むCPMを生成する。
以上説明した第3実施形態によると、送信されるメッセージは、センサを用いて知覚された複数の物標のうちメッセージに含ませないと判断された物標及び物標群を除外したメッセージである。さらにこの判断は、グルーピングに基づいた集約後の各物標及び各物標群の情報に対して実施される。すなわち、物標情報の集約と送信必要性の判断とにより、情報量又はメッセージ数の増加抑制を実現することができる。故に、通信負荷及びメッセージ処理における処理負荷の一方又は両方を低減することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態は第1実施形態の変形例である。第4実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第4実施形態は第1実施形態の変形例である。第4実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
メッセージ送信部33が所定の第1間隔毎にCPMを送信する。この送信条件下において、メッセージ生成部32は、前回送信されたCPMにおいて集約された物標群の寸法が予め設定された閾値以上変化したと認められる場合を考える。この場合に、メッセージ送信部33は、CPMの送信間隔を、第1間隔よりも短い第2間隔を変更する。
すなわち、通常時は、100msよりも十分に大きな第1間隔でCPMを送信するようにし、物標群の形状等の特性の変化が大きい場合に、送信間隔は最小値である100msに近い第2間隔に変更される。このようにして、動的に変化しやすい傾向がある物標群の情報を短い間隔で送信することで、受信側の車両又はRSUが物標群の動的変化に対応し易くなる。
ここで、送信周期を設定する処理方法の例を、図18のフローチャートを用いて説明する。図18の処理は、第1実施形態における図10のS1の処理の前に挿入して用いることが可能である。
図18に示すS100では、前回送信したCPMに含まれる物標群の情報において、物標群の寸法が閾値以上変化したか否かを判断する。S100の判断結果がNOであればS101へ進む。S100の判断結果がYESであればS102へ進む。
S101では、T_GenCpmをT1に設定する。T1は、第1間隔に相当する値である。S101を実行後は、図9のS1へ進む。
S102では、T_GenCpmをT2に設定する。T2は、第2間隔に相当する値であり、T1よりも小さな値である。S102を実行後は、図10のS1へ進む。
(他の実施形態)
以上、複数の実施形態について説明したが、本開示は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
以上、複数の実施形態について説明したが、本開示は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
変形例1としては、図15のS2069,S2070の処理の結果、エンコードしたCPMのサイズが送信最大単位を超えている場合に、CPMの分割が実施されてもよい。
変形例2としては、図16のS3069,S3070の処理の結果、エンコードしたCPMのサイズが送信最大単位を超えている場合に、CPMの分割が実施されてもよい。
変形例3としては、物標情報を通信するアーキテクチャ及びメッセージとして、米国規格のアーキテクチャ及びメッセージを採用してもよい。物標情報を通信するアーキテクチャとして、日本規格のアーキテクチャ及びメッセージを採用してもよい。各国又は地域で採用される各種のアーキテクチャ及び各種のメッセージに、本開示のグルーピング機能ないし複数の物標に対する物標群への集約機能が適用されてよい。
変形例4としては、システム20は、車載システムとしての自動運転システム又は運転支援システムであってよい。この場合に、システム20は、自動運転の計画機能、運転機能、緊急ブレーキ等の運転支援機能をさらに備えていてよい。
変形例5としては、知覚物標コンテナにおいて規定される物標群の形状は、四角形ないし直方体以外の形状によって表現されてよい。例えば、物標群の形状は、ポリゴンのような複数の点で表現されてよい。すなわち、ポリゴンを表現する複数の点で囲まれた領域は、物標群を構成する全ての物標を包含する領域であってよい。複数の点は、ITS-Sの基準点からの相対位置座標で表されてもよい。複数の点は、物標群の基準点からの相対位置座標で表されてもよい。知覚物標コンテナにおける寸法は、物標群の形状がポリコンで表現された場合、複数の点の座標によって代替されてよい。
メッセージ生成部32は、知覚された物標群の実際の形状の四角形ないし直方体に対する類似度を算出し、当該類似度に応じて、物標群の形状を四角形ないし直方体で表現するか、ポリコンで表現するかを選択してもよい。すなわち、類似度が予め設定された閾値よりも高い場合に、物標群の形状が四角形ないし直方体で表現されてよい。類似度が当該閾値以下である場合、物標群の形状がポリゴンで表現されてよい。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウエア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウエア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
(技術的思想の開示)
この明細書は、以下に列挙する複数の項に記載された複数の技術的思想を開示している。いくつかの項は、後続の項において先行する項を択一的に引用する多項従属形式(a multiple dependent form)により記載されている場合がある。これらの多項従属形式で記載された項は、複数の技術的思想を定義している。
この明細書は、以下に列挙する複数の項に記載された複数の技術的思想を開示している。いくつかの項は、後続の項において先行する項を択一的に引用する多項従属形式(a multiple dependent form)により記載されている場合がある。これらの多項従属形式で記載された項は、複数の技術的思想を定義している。
<技術的思想1>
物標情報を含むメッセージを通信可能に構成された通信装置であって、
センサを用いて知覚された複数の物標に対してグルーピングをするか否かを決定するグルーピング部(31)と、
前記グルーピングに基づき、前記複数の物標を物標群に集約した集約情報を含むメッセージを生成するメッセージ生成部(32)と、
前記集約情報を含むメッセージを送信するメッセージ送信部(33)と、を備える、通信装置。
物標情報を含むメッセージを通信可能に構成された通信装置であって、
センサを用いて知覚された複数の物標に対してグルーピングをするか否かを決定するグルーピング部(31)と、
前記グルーピングに基づき、前記複数の物標を物標群に集約した集約情報を含むメッセージを生成するメッセージ生成部(32)と、
前記集約情報を含むメッセージを送信するメッセージ送信部(33)と、を備える、通信装置。
<技術的思想2>
前記グルーピング部は、同一種別の物標をグルーピングすることを含む、技術的思想1に記載の通信装置。
前記グルーピング部は、同一種別の物標をグルーピングすることを含む、技術的思想1に記載の通信装置。
<技術的思想3>
前記グルーピング部は、同一の前記センサにより知覚された前記同一種別の物標をグルーピングすることを含む、技術的思想2に記載の通信装置。
前記グルーピング部は、同一の前記センサにより知覚された前記同一種別の物標をグルーピングすることを含む、技術的思想2に記載の通信装置。
<技術的思想4>
前記グルーピング部は、前記物標の位置に応じて、前記複数の物標をグルーピングするか否かを決定する、技術的思想1から3のいずれか1項に記載の通信装置。
前記グルーピング部は、前記物標の位置に応じて、前記複数の物標をグルーピングするか否かを決定する、技術的思想1から3のいずれか1項に記載の通信装置。
<技術的思想5>
前記グルーピング部は、前記複数の物標間の挙動の類似性に応じて、前記複数の物標をグルーピングするか否かを決定する、技術的思想1から4のいずれか1項に記載の通信装置。
前記グルーピング部は、前記複数の物標間の挙動の類似性に応じて、前記複数の物標をグルーピングするか否かを決定する、技術的思想1から4のいずれか1項に記載の通信装置。
<技術的思想6>
前記グルーピング部は、前記センサの知覚における信頼度に応じて、前記複数の物標をグルーピングするか否かを決定する、技術的思想1から5のいずれか1項に記載の通信装置。
前記グルーピング部は、前記センサの知覚における信頼度に応じて、前記複数の物標をグルーピングするか否かを決定する、技術的思想1から5のいずれか1項に記載の通信装置。
<技術的思想7>
前記グルーピング部は、前記物標の重要度に応じて、前記複数の物標をグルーピングするか否かを決定する、技術的思想1から6のいずれか1項に記載の通信装置。
前記グルーピング部は、前記物標の重要度に応じて、前記複数の物標をグルーピングするか否かを決定する、技術的思想1から6のいずれか1項に記載の通信装置。
<技術的思想8>
前記グルーピング部は、前記物標が存在する道路上の車線に応じて、前記複数の物標をグルーピングするか否かを決定する、技術的思想1から7のいずれか1項に記載の通信装置。
前記グルーピング部は、前記物標が存在する道路上の車線に応じて、前記複数の物標をグルーピングするか否かを決定する、技術的思想1から7のいずれか1項に記載の通信装置。
<技術的思想9>
前記グルーピング部は、前記物標の将来の挙動予測に応じて、前記複数の物標をグルーピングするか否かを決定する、技術的思想1から8のいずれか1項に記載の通信装置。
前記グルーピング部は、前記物標の将来の挙動予測に応じて、前記複数の物標をグルーピングするか否かを決定する、技術的思想1から8のいずれか1項に記載の通信装置。
<技術的思想10>
前記グルーピング部は、前記通信装置の周辺の通信混雑状況に応じて、前記複数の物標をグルーピングするか否かを決定する、技術的思想1から9のいずれか1項に記載の通信装置。
前記グルーピング部は、前記通信装置の周辺の通信混雑状況に応じて、前記複数の物標をグルーピングするか否かを決定する、技術的思想1から9のいずれか1項に記載の通信装置。
<技術的思想11>
前記グルーピング部は、
初期のグルーピング条件に基づいて、前記複数の物標に対して前記グルーピングをするか否かを決定し、
前記初期のグルーピング条件に基づく前記グルーピングでの集約後の物標及び物標群の総数又は集約後のメッセージサイズに応じて、前記グルーピング条件を修正し、
修正された前記グルーピング条件に基づいて、前記複数の物標に対して前記グルーピングをするか否かを再度決定する、技術的思想1から10のいずれか1項に記載の通信装置。
前記グルーピング部は、
初期のグルーピング条件に基づいて、前記複数の物標に対して前記グルーピングをするか否かを決定し、
前記初期のグルーピング条件に基づく前記グルーピングでの集約後の物標及び物標群の総数又は集約後のメッセージサイズに応じて、前記グルーピング条件を修正し、
修正された前記グルーピング条件に基づいて、前記複数の物標に対して前記グルーピングをするか否かを再度決定する、技術的思想1から10のいずれか1項に記載の通信装置。
<技術的思想12>
前記メッセージ生成部は、前記集約情報に含まれる前記物標群の寸法を、前記物標群に集約された前記複数の物標を全て包含する直方体の寸法によって表現する、技術的思想1から11のいずれか1項に記載の通信装置。
前記メッセージ生成部は、前記集約情報に含まれる前記物標群の寸法を、前記物標群に集約された前記複数の物標を全て包含する直方体の寸法によって表現する、技術的思想1から11のいずれか1項に記載の通信装置。
<技術的思想13>
前記メッセージ送信部が所定の第1間隔毎に前記メッセージを送信している送信条件下において、
前回送信された前記メッセージにおいて集約された前記物標群の寸法が、予め設定された閾値以上変化したと認められる場合に、前記メッセージ送信部は、前記メッセージの送信間隔を、前記第1間隔よりも短い第2間隔に変更する、技術的思想12に記載の通信装置。
前記メッセージ送信部が所定の第1間隔毎に前記メッセージを送信している送信条件下において、
前回送信された前記メッセージにおいて集約された前記物標群の寸法が、予め設定された閾値以上変化したと認められる場合に、前記メッセージ送信部は、前記メッセージの送信間隔を、前記第1間隔よりも短い第2間隔に変更する、技術的思想12に記載の通信装置。
<技術的思想14>
前記メッセージ生成部は、グルーピングにおいて判断されたグルーピング条件を示す情報を含むメッセージを生成する、技術的思想1から13のいずれか1項に記載の通信装置。
前記メッセージ生成部は、グルーピングにおいて判断されたグルーピング条件を示す情報を含むメッセージを生成する、技術的思想1から13のいずれか1項に記載の通信装置。
<技術的思想15>
前記メッセージ生成部は、グルーピングにおいて同一種別の前記複数の物標がグルーピングされなかった場合、グルーピングされなかった前記物標が脆弱な道路利用者であるか否かを示す情報を付加したメッセージを生成する、技術的思想1から14のいずれか1項に記載の通信装置。
前記メッセージ生成部は、グルーピングにおいて同一種別の前記複数の物標がグルーピングされなかった場合、グルーピングされなかった前記物標が脆弱な道路利用者であるか否かを示す情報を付加したメッセージを生成する、技術的思想1から14のいずれか1項に記載の通信装置。
<技術的思想16>
物標情報を含むメッセージを通信可能に構成された通信装置であって、
センサを用いて知覚された複数の物標に対してグルーピングをするか否かを決定するグルーピング部(31)と、
前記グルーピングに基づいた集約後の各物標及び各物標群の情報をメッセージに含ませるか否かを判断し、前記メッセージに含ませないと判断された物標及び物標群を除外して、前記メッセージに含ませると判断された物標及び物標群の情報を含むメッセージを生成するメッセージ生成部(32)と、
生成された前記メッセージを送信するメッセージ送信部(33)と、を備える、通信装置。
物標情報を含むメッセージを通信可能に構成された通信装置であって、
センサを用いて知覚された複数の物標に対してグルーピングをするか否かを決定するグルーピング部(31)と、
前記グルーピングに基づいた集約後の各物標及び各物標群の情報をメッセージに含ませるか否かを判断し、前記メッセージに含ませないと判断された物標及び物標群を除外して、前記メッセージに含ませると判断された物標及び物標群の情報を含むメッセージを生成するメッセージ生成部(32)と、
生成された前記メッセージを送信するメッセージ送信部(33)と、を備える、通信装置。
<技術的思想17>
物標情報を含むメッセージを通信するための、少なくとも1つのプロセッサにより実行される通信方法であって、
センサを用いて知覚された複数の物標に対してグルーピングをするか否かを決定することと、
前記グルーピングに基づき、前記複数の物標を物標群に集約した集約情報を含むメッセージを生成することと、
前記集約情報を含むメッセージを送信することと、を含む、通信方法。
物標情報を含むメッセージを通信するための、少なくとも1つのプロセッサにより実行される通信方法であって、
センサを用いて知覚された複数の物標に対してグルーピングをするか否かを決定することと、
前記グルーピングに基づき、前記複数の物標を物標群に集約した集約情報を含むメッセージを生成することと、
前記集約情報を含むメッセージを送信することと、を含む、通信方法。
<技術的思想18>
車両又は路側ユニットに搭載され、他の車両又は他の路側ユニットと物標情報を含むメッセージを通信するためのV2X通信システムであって、
物標を検出して、検出する物標に関する前記物標情報を生成するセンサ(40)と、
少なくとも1つのプロセッサ(34b)及び少なくとも1つの記憶媒体(34a)を有した処理システム(33)と、
アンテナ(32a)を有する通信回路(32)と、を備え、
前記記憶媒体は、グルーピング条件を記憶しており、
少なくとも1つのプロセッサは、
他の車両又は他の路側ユニットから送信される物標に関する前記物標情報を含むメッセージを、前記通信回路を通じて取得し、
前記センサから前記物標情報を取得し、
前記メッセージに含まれる前記物標情報と前記センサからの前記物標情報とによる複数の物標に対して、前記グルーピング条件に基づいてグルーピングをするか否かを決定し、
前記グルーピングに基づき、前記複数の物標を物標群に集約した集約情報を含む新規のメッセージを生成し、
前記集約情報を含むメッセージを、前記通信回路を通じて、他の車両又は他の路側ユニットへ送信する、V2X通信システム。
車両又は路側ユニットに搭載され、他の車両又は他の路側ユニットと物標情報を含むメッセージを通信するためのV2X通信システムであって、
物標を検出して、検出する物標に関する前記物標情報を生成するセンサ(40)と、
少なくとも1つのプロセッサ(34b)及び少なくとも1つの記憶媒体(34a)を有した処理システム(33)と、
アンテナ(32a)を有する通信回路(32)と、を備え、
前記記憶媒体は、グルーピング条件を記憶しており、
少なくとも1つのプロセッサは、
他の車両又は他の路側ユニットから送信される物標に関する前記物標情報を含むメッセージを、前記通信回路を通じて取得し、
前記センサから前記物標情報を取得し、
前記メッセージに含まれる前記物標情報と前記センサからの前記物標情報とによる複数の物標に対して、前記グルーピング条件に基づいてグルーピングをするか否かを決定し、
前記グルーピングに基づき、前記複数の物標を物標群に集約した集約情報を含む新規のメッセージを生成し、
前記集約情報を含むメッセージを、前記通信回路を通じて、他の車両又は他の路側ユニットへ送信する、V2X通信システム。
<技術的思想19>
他の車両又は他の路側ユニットと物標情報を含むメッセージを通信するためのV2X通信方法であって、
他の車両又は他の路側ユニットから送信される物標に関する前記物標情報を含むメッセージを、通信回路を通じて取得し、
物標を検出して、検出する物標に関する前記物標情報を生成するセンサから前記物標情報を取得し、
前記メッセージに含まれる前記物標情報と前記センサからの前記物標情報とによる複数の物標に対して、少なくとも1つの記憶媒体に記憶されたグルーピング条件に基づいてグルーピングをするか否かを決定し、
前記グルーピングに基づき、前記複数の物標を物標群に集約した集約情報を含む新規のメッセージを生成し、
前記集約情報を含むメッセージを、前記通信回路を通じて、他の車両又は他の路側ユニットへ送信する、V2X通信方法。
他の車両又は他の路側ユニットと物標情報を含むメッセージを通信するためのV2X通信方法であって、
他の車両又は他の路側ユニットから送信される物標に関する前記物標情報を含むメッセージを、通信回路を通じて取得し、
物標を検出して、検出する物標に関する前記物標情報を生成するセンサから前記物標情報を取得し、
前記メッセージに含まれる前記物標情報と前記センサからの前記物標情報とによる複数の物標に対して、少なくとも1つの記憶媒体に記憶されたグルーピング条件に基づいてグルーピングをするか否かを決定し、
前記グルーピングに基づき、前記複数の物標を物標群に集約した集約情報を含む新規のメッセージを生成し、
前記集約情報を含むメッセージを、前記通信回路を通じて、他の車両又は他の路側ユニットへ送信する、V2X通信方法。
21:通信装置、31:グルーピング部、32:メッセージ生成部、33:メッセージ送信部
Claims (17)
- 物標情報を含むメッセージを通信可能に構成された通信装置であって、
センサを用いて知覚された複数の物標に対してグルーピングをするか否かを決定するグルーピング部(31)と、
前記グルーピングに基づき、前記複数の物標を物標群に集約した集約情報を含むメッセージを生成するメッセージ生成部(32)と、
前記集約情報を含むメッセージを送信するメッセージ送信部(33)と、を備える、通信装置。 - 前記グルーピング部は、同一種別の物標をグルーピングすることを含む、請求項1に記載の通信装置。
- 前記グルーピング部は、同一の前記センサにより知覚された前記同一種別の物標をグルーピングすることを含む、請求項2に記載の通信装置。
- 前記グルーピング部は、前記物標の位置に応じて、前記複数の物標をグルーピングするか否かを決定する、請求項1に記載の通信装置。
- 前記グルーピング部は、前記複数の物標間の挙動の類似性に応じて、前記複数の物標をグルーピングするか否かを決定する、請求項1に記載の通信装置。
- 前記グルーピング部は、前記センサの知覚における信頼度に応じて、前記複数の物標をグルーピングするか否かを決定する、請求項1に記載の通信装置。
- 前記グルーピング部は、前記物標の重要度に応じて、前記複数の物標をグルーピングするか否かを決定する、請求項1に記載の通信装置。
- 前記グルーピング部は、前記物標が存在する道路上の車線に応じて、前記複数の物標をグルーピングするか否かを決定する、請求項1に記載の通信装置。
- 前記グルーピング部は、前記物標の将来の挙動予測に応じて、前記複数の物標をグルーピングするか否かを決定する、請求項1に記載の通信装置。
- 前記グルーピング部は、前記通信装置の周辺の通信混雑状況に応じて、前記複数の物標をグルーピングするか否かを決定する、請求項1に記載の通信装置。
- 前記グルーピング部は、
初期のグルーピング条件に基づいて、前記複数の物標に対して前記グルーピングをするか否かを決定し、
前記初期のグルーピング条件に基づく前記グルーピングでの集約後の物標及び物標群の総数又は集約後のメッセージサイズに応じて、前記グルーピング条件を修正し、
修正された前記グルーピング条件に基づいて、前記複数の物標に対して前記グルーピングをするか否かを再度決定する、請求項1に記載の通信装置。 - 前記メッセージ生成部は、前記集約情報に含まれる前記物標群の寸法を、前記物標群に集約された前記複数の物標を全て包含する直方体の寸法によって表現する、請求項1に記載の通信装置。
- 前記メッセージ送信部が所定の第1間隔毎に前記メッセージを送信している送信条件下において、
前回送信された前記メッセージにおいて集約された前記物標群の寸法が、予め設定された閾値以上変化したと認められる場合に、前記メッセージ送信部は、前記メッセージの送信間隔を、前記第1間隔よりも短い第2間隔に変更する、請求項12に記載の通信装置。 - 前記メッセージ生成部は、グルーピングにおいて判断されたグルーピング条件を示す情報を含むメッセージを生成する、請求項1に記載の通信装置。
- 前記メッセージ生成部は、グルーピングにおいて同一種別の前記複数の物標がグルーピングされなかった場合、グルーピングされなかった前記物標が脆弱な道路利用者であるか否かを示す情報を付加したメッセージを生成する、請求項1に記載の通信装置。
- 物標情報を含むメッセージを通信可能に構成された通信装置であって、
センサを用いて知覚された複数の物標に対してグルーピングをするか否かを決定するグルーピング部(31)と、
前記グルーピングに基づいた集約後の各物標及び各物標群の情報をメッセージに含ませるか否かを判断し、前記メッセージに含ませないと判断された物標及び物標群を除外して、前記メッセージに含ませると判断された物標及び物標群の情報を含むメッセージを生成するメッセージ生成部(32)と、
生成された前記メッセージを送信するメッセージ送信部(33)と、を備える、通信装置。 - 物標情報を含むメッセージを通信するための、少なくとも1つのプロセッサにより実行される通信方法であって、
センサを用いて知覚された複数の物標に対してグルーピングをするか否かを決定することと、
前記グルーピングに基づき、前記複数の物標を物標群に集約した集約情報を含むメッセージを生成することと、
前記集約情報を含むメッセージを送信することと、を含む、通信方法。
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