JP2023175463A - 鉄道車両用蓄電池システム及びその制御方法 - Google Patents

鉄道車両用蓄電池システム及びその制御方法 Download PDF

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【課題】 畜電池群相互間又は蓄電池箱相互間の横流を抑制するために必要な接触器の数を最少化した鉄道車両用蓄電池システムを提供する。【解決手段】 並列接続された複数の畜電池群が格納された1つ以上の蓄電池箱と、複数の畜電池群それぞれを均等な電圧に維持させる並列化制御部と、蓄電池箱に配設されて、畜電池群それぞれの少なくとも一方の極に直列接続された各群別の群開閉装置と、を備えて組電池を構成する鉄道車両用蓄電池システムにおいて、群開閉装置それぞれが直列接続された極と反対の極で、複数の畜電池群が並列接続された接続点に直列接続された各箱開閉装置を1つ有し、並列化制御部は、群開閉装置それぞれを閉じることで、蓄電池箱内の畜電池群を並列接続し、群開閉装置それぞれと、箱開閉装置と、を閉じることで蓄電池箱を並列接続する。【選択図】図4

Description

本発明は、鉄道車両用蓄電池システム及びその制御方法に関する。
近年、リチウムイオン電池の技術が進歩したことにより、ハイブリッド気動車や蓄電池電車のような蓄電池をエネルギー源とした鉄道車両(以下、「車両」ともいう)も普及しつつある。このような車両を走行させるための蓄電池は、単一のセル(以下、「電池セル」又は「電池」という)を直並列に接続した組電池を形成することにより、適宜に高電圧大容量化したエネルギー源として用いられる。並列接続された複数の電池相互間の電圧差があれば、有害な横流が発生するので対策を要する。この横流に関連する技術として、例えば、つぎの特許文献1~5が知られている。
特許文献1には、横流を抑えるため、横流の経路に抵抗を一時的に介在させる組電池の接続方法が開示されている。その方法は、並列接続する前の畜電池群間に電圧差があった場合、接触器操作で追加の抵抗を介して並列接続し、横流値を抑制し、畜電池群間の電圧を横流で揃えたのちに抵抗を分離して外部負荷に接続する。
特許文献2には、全部の直列群の上下に遮断機が設けられ、電圧の小さい方から順に接続することにより、電池の電圧を平準化しながら並列接続可能な電池の数を増大させるようにした蓄電装置及び蓄電池制御方法が開示されている。
また、特許文献2の技術では、抵抗を介さず並列接続した場合に、横流値が突然大電流となることを防ぐため、低い電圧の畜電池群から並列接続とし、横流を抑える。その理由に加えて感電防止の目的もあり、その技術では、各畜電池群のP側と、N側と、両方に接触器を配置して確実な切断するように、接触器数が増加している。
特許文献3には、充電モードと、放電モードと、電力系統に蓄電システムが連係された連係モードと、連係が切り離された自立モードと、これらのうち何れのモードであるか否かを判定し、複数の蓄電装置を効果的に電力変換装置に接続することを可能にした蓄電システム及び接続方法が開示されている。
特許文献3の技術では、充電運転時と、放電運転時と、それぞれ区別された情報に基づいて充放電制御する。その技術では、充電運転の場合、その技術では、複数あるうちの低電圧畜電池群から順次充電を開始し、電圧が開放畜電池群と一致したものから順に並列接続する。放電運転の場合、その技術では、複数あるうちの高電圧畜電池群から順次放電を開始し、電圧が開放畜電池群と一致したものから順に並列接続する。
特許文献4には、複数の電池モジュールに対し、P側に1つ、N側に3つの開閉スイッチを設け、時に共通の閾値で異常判定し、異常等の問題が有るモジュールを個別に切り離すことができる電池監視装置が開示されている。
特許文献4の電池監視装置は、電池パック内の各直列群のN側に配設された畜電池群開放用の接触器と、反対側の並列接続後のP側に配設された電池パック開放用のメインリレーと、を備えて回路構成されている。その回路構成によれば、N側の接触器の遮断によって電池パック内の各畜電池群を個別に遮断できるとともに、P側の接触器の遮断によって電池パック内の全ての畜電池群を同時に遮断できる。
特許文献5には、横流を示す数式も交え、複数の電池ユニットと、その充放電を行うPCS(Power Conditioning Subsystem)の監視制御を行う監視制御装置、蓄電池システム及び方法が開示されている。
特開2013-240142号公報 特開2018-120663号公報 特開2021-052559号公報 特開2015-197359号公報 特開2021-125952号公報
しかしながら、特許文献1の組電池は、電池システム内に並列接続のときのみ接続する抵抗と、抵抗を介するか又は分離する複数の接触器が必要な回路であるため、システムが大型化する。
また、特許文献2の蓄電装置において、抵抗を介さず直接に並列接続する回路は、畜電池群の電圧が大きく異なる場合に、順序を入れ替える程度では、横流を閾値以下に抑制できず、畜電池群に対して外部からの充放電無しに並列接続できない場合が生じる。
また、特許文献3の蓄電池システムは、1つのシステム内に畜電池群が1階層で並列接続されている場合を考慮しての回路構成である。したがって、特許文献3は、鉄道用蓄電池システムのように並列接続された電池箱の内部において、さらに畜電池群が並列接続されている場合の回路構成を開示していない。
また、特許文献4の電池監視装置は、確実な遮断を主目的とする発明であって、横流が発生する際にどのように接触器を閉操作するか、特に再閉操作の順序について触れていない。さらに、特許文献4では、1つの電池パックについてのみ議論され、複数の電池パック間の接続について考慮されていない。また、特許文献5は、横流を抑制するために必要な接触器の数を最少化するようにした鉄道車両用蓄電池システムを開示するものではない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、畜電池群相互間又は蓄電池箱相互間の横流を抑制するために必要な接触器の数を最少化した鉄道車両用蓄電池システムを提供することにある。
上記課題を解決する本発明は、並列接続された複数の畜電池群が格納された1つ以上の蓄電池箱と、複数の畜電池群それぞれを均等な電圧に維持させる並列化制御部と、蓄電池箱に配設されて、畜電池群それぞれの少なくとも一方の極に直列接続された各群別の群開閉装置と、を備えて組電池を構成する鉄道車両用蓄電池システムにおいて、群開閉装置それぞれが直列接続された極と反対の極で、複数の畜電池群が並列接続された接続点に直列接続された各箱開閉装置を1つ有し、並列化制御部は、群開閉装置それぞれを閉じることで、蓄電池箱内の畜電池群を並列接続し、群開閉装置それぞれと、箱開閉装置と、を閉じることで蓄電池箱を並列接続する。
本発明によれば、畜電池群相互間又は蓄電池箱相互間の横流を抑制するために必要な接触器の数を最少化した鉄道車両用蓄電池システムを提供できる。
横流の概念を説明するための回路図である。 本発明の実施例1に係る蓄電池電車用駆動システム(以下、「本蓄電池電車駆動システム」ともいう)1Aのシステム構成を示す図である。 本発明の実施例1に係るハイブリッド気動車用駆動システム(以下、「本ハイブリッド駆動システム」ともいう)1Bのシステム構成を示す図である。 本発明の実施例1に係る鉄道車両用蓄電池システム(以下、「本蓄電池システム」)100の回路構成を示す図である。 図2の本蓄電池電車駆動システム1Aにおける並列化制御系統200を示すブロック図である。 図5の並列化制御部210の処理手順を示すフローチャート300である。 図2の本蓄電池電車駆動システム1Aにおける、走行割込の制御手順を示すフローチャート400である。 図5及び図6の並列化制御により充電中の航続可能距離と加速力について、時系列のスイッチ開閉表とグラフである。 図5及び図6の並列化制御により放電中の航続可能距離と加速力について、時系列のスイッチ開閉表とグラフである。 変形例aに係る蓄電池箱101aを示す回路図である。 変形例bに係る蓄電池箱101bを示す回路図である。 変形例cに係る蓄電池箱101cを示す回路図である。 変形例dに係る蓄電池箱101dを示す回路図である。 図4の蓄電池箱101に対し、変形例a~dの蓄電池箱101a,101b,101c,101dの効果を比較する表である。 本発明の実施例2に係る多極接触器116の構成を示す図である。 本発明の実施例2に係る鉄道車両用蓄電池システム199の回路図である。 図16の本蓄電池システム199に適用される並列化制御系統299を示すブロック図である。 図16の本蓄電池システム199による並列化制御の前半の手順を示すフローチャート300である。 図18の並列化制御の後半の手順を示すフローチャート300である。 図16の蓄電池箱101に対し、変形例a~dの蓄電池箱101a,101b,101c,101dの効果を比較する表である。
初めに、図1及び下式(1)を用いて横流を説明する。その後、図2~図20を用いて本蓄電池電車駆動システム1A(図2)、本ハイブリッド駆動システム1B(図3)、及びそれらに搭載される本蓄電池システム100,199(図2~図4,図16)を説明する。本蓄電池システム100,199は、図4ほかを用いて後述するように、畜電池群111相互間、又は蓄電池箱101相互間の横流を抑制するために必要な接触器112,113の数を最少化したものである。なお、実施例2の本蓄電池システム199を特に区別する必要のない場合、まとめて本蓄電池システム100と称して説明する。
なお、ここでいう畜電池群111は、用途に必要な電圧を得るために適宜本数の電池セルが直列接続にまとめられ、その両極にそれぞれ設けられたサービスコネクタ114を介して組電池を構成する。また、蓄電池箱101は、用途に応じた組電池全体を構成する中で、取り付けや保守に都合良くまとめられた大きさの箱であり、1つ以上の畜電池群111を備える。なお、本蓄電池システム100は、組電池により主要構成されるので、ここでいう組電池は、本蓄電池システム100と同じに考えても良い。
図1は、横流の概念を説明するための回路図である。横流は、並列接続された蓄電池間に電圧差がある場合、それに応じて並列回路内で流れる電流である。図1に示すように、抵抗Rに電圧Vを発生する電池1と、電圧V、抵抗Rに電圧Vを発生する電池2と、を外部抵抗RPar及びスイッチSを介して並列接続することを考える。下式(1)の横流Icroは、スイッチSを閉じた瞬間に最大値が流れる。
なお、Icroは充電を正とする。横流は、低電圧側電池において充電方向で流れ、高電圧側電池において放電方向で流れる。横流は一般に接続の瞬間が最大値であり、並列接続した電池間の開放電圧値(充電率に依存)が同一となるまで、徐々に減衰しながら流れる。
Figure 2023175463000002
横流は、その値が大きければ、電池自身のほか、それに接続された接触器、ヒューズ、及び導線等を損傷する可能性がある。本蓄電池システム100内の複数の蓄電池箱101と、その中の畜電池群111は、全て並列接続されており、は同電圧(例えば1600V)であるため、車両システムオン/オフ時の接触器112,113の開閉の際に、大きな横流は流れない。なお、ここでいう車両システムとは、本蓄電池電車駆動システム1A、本蓄電池システム100、及び車両制御装置13(図5)の制御階層よりも上位の運転指令に従って車両全体の運転状態を制御する制御系統をいう。
一方、畜電池群111と、蓄電池箱101と、少なくとも何れかの電圧がシステム内の他部分と同一でなくなる場合が2つある。第1に、本蓄電池システム100内の電池モジュールを部分的に交換した場合である。鉄道車両は、使用年数が蓄電池の寿命より長く、電池劣化が局所的に進行した場合は、部分的に交換することが多い。この時、新品交換した電池と、使い古した電池と、両者の電圧は不一致であるため、調整を要する。
第2に、異常が発生した電池を一部に含む畜電池群111を本蓄電池電車駆動システム1Aから分離しても、残りの畜電池群111はある程度使用できるので、それに対し、充放電したことにより、充電率が変動した場合である。このようにして電圧が大きく異なる畜電池群111を再度並列接続する場合には、安全のため横流を抑制する操作が必要になる。
図2は、本蓄電池電車駆動システム1Aのシステム構成を示す図である。本蓄電池電車駆動システム1Aを備えた蓄電池電車は、充放電可能な蓄電池システム100を搭載し、駆動用のエネルギー源とした鉄道車両である。電化区間では架線から電力供給を受け、駆動エネルギーに使用しつつ蓄電池システムを充電し、非電化区間では蓄電池をエネルギー源に走行する。
図2において、実線により電力の伝送経路、二重線によりトルクの伝送経路、破線により制御信号やセンサ値等の情報の伝送経路を、それぞれ示している。本蓄電池電車駆動システム1Aは、電化区間において架線の電力で走行するとともに蓄電池を充電し、非電化区間において蓄電池の電力を使用するように機能する。まず、本蓄電池電車駆動システム1Aの各機器の構成について説明する。
本蓄電池電車駆動システム1Aは、これを架線に接続するパンタグラフ2と、架線電力を必要な直流電力に変換するコンバータ5と、直流電力を交流電力に変換する電動機用インバータ6と、鉄道車両を駆動する電動機7と、その電動機7の出力を減速して輪軸9に伝達する減速機8と、補機用インバータ装置10と、車両の照明や空調装置等のサービスに用いる補機11と、本蓄電池システム100と、表示器を備えて運転士のノッチ操作に応じた運転指令を生成する運転台12と、運転台12から送信された運転指令や本蓄電池システム100の状態等を基に、コンバータ5や電動機用インバータ6のほかに補機用インバータ10の制御指令を生成する車両制御装置13と、を有して構成される。
パンタグラフ2は、上下動作する電気スイッチであり、上昇し架線14と接触すれば、架線14が供給する直流ないし交流電力をコンバータ4へ供給する。蓄電池電車は、パンタグラフ2を架線14に接触させているとき、架線の電力で走行するとともに、蓄電池を充電する。その一方、パンタグラフ2が架線14に接触していないとき、その蓄電池電車は、蓄電池の電力が動力等に使用される。
コンバータ4は、パンタグラフ2から出力される直流ないし交流電力を入力として、これを指令された電力量に対応した直流電力に変換して出力する。電動機用インバータ6は、コンバータ5を介して供給される直流電力を三相交流電力に変換して電動機7を駆動する。電動機7は、電動機用インバータ6が出力する三相交流電力を入力として、これを軸トルクに変換して出力する。
減速機8は、電動機7の回転速度を、異なる歯数の歯車の組合せ等で減速し、それにより増幅した軸トルクで輪軸9を駆動して車両を加減速する。また、輪軸9には、車両速度を計測するための速度発電機(図示せず)が取り付けられている。補機用インバータ10は、コンバータ5と電動機用インバータ6間の直流電力を入力としてこれを三相交流電力に変換して出力する。
補機11は、車両の照明や空調装置等のサービス機器であり、補機用インバータ10より供給された電力で稼働する。運転台12は、時刻や車両速度や電池情報等を表示する表示器と、運転士が運転指令等を制御装置13へ入力する入力装置を備える。本蓄電池システム100は鉄道車両を駆動するエネルギーを蓄えるデバイスである。
なお、運転台12には、接触器112,113(図4)を始めとする開閉装置を遠隔操作可能な遠隔操作部を備えても良い。例えば、車両が回生時過電圧を検知し、本蓄電池システム100に対し、それを主要構成する組電池の開閉装置が自動的に遮断されることがある。その事態は、運転台に表示されるので、それを見た運転士が、整備工場に相談した上で、運転台12から遠隔操作で組電池の開閉装置を閉じて再起動しても良い。なお、遠隔操作部は、基本的に整備駐車状態で行われる電池交換に用いるものであり、サービスコネクタ114を作業員が挿脱するときアークが飛んで危険だから遠隔操作する。
本蓄電池電車駆動システム1Aは、コンバータ5から出力される直流充電電力で充電し、電動機用インバータ6や補器用インバータ10へ放電する一方で、車両が回生ブレーキをかけている場合は、電動機用インバータ6から出力される直流充電電力を充電する。車両制御装置13は、運転指令や本蓄電池システム100の状態やパンタグラフ2の状態等を基に、コンバータ5、電動機用インバータ6や補機用インバータ10へ制御信号を出力し、本蓄電池電車駆動システム1A全体を制御する。なお、本蓄電池システム100は、蓄電池電車に好適であるが、それに限定されず、例えばハイブリッド気動車にも好適である。
図3は、本ハイブリッド駆動システム1Bのシステム構成を示す図である。本ハイブリッド駆動システム1Bを備えたハイブリッド気動車は、従来のディーゼル気動車に蓄電池システム100を搭載し、ブレーキ時の回生電力を充電し、力行時に蓄電池とモーターによるアシストを行う鉄道車両である。ハイブリッド気動車は、架線の電力を使用せず、エンジンによる発電電力と、蓄電池による電力で走行する鉄道車両である。エンジンは、常時動作するのではなく、連続的な加速運転指令の入力や蓄電池の充電率が下がった場合に起動する。
本ハイブリッド駆動システム1Bでは、架線14とパンタグラフ2に代わって、エンジン3と発電機3を有するエンジン3は、車両制御装置13からのエンジン回転数指令値に従って軸トルクを出力する。発電機4は、エンジン3の軸トルクを入力として、これを三相交流電力に変換して出力する。
コンバータ5は、発電機3から出力される三相交流電力を入力として、これを指令された電力量に対応した直流電力に変換して出力する。以降のシステム構成は本蓄電池電車駆動システム1Aと同様である。以下、実施例1では蓄電池電車を前提に解説するが、発明の主要な部分はハイブリッド気動車についても成立する。
図4は、本蓄電池システム100の回路構成を示す図である。本蓄電池システム100は、複数の蓄電池箱101が並列接続されており、蓄電池システムP端子100Pと、蓄電池システムN端子100Nと、により本蓄電池電車駆動システム1Aに接続される。本蓄電池システム100は、そのP端子100P側、又はN端子100N側、又は本蓄電池システム100の中間電位点で接地点15に接地されることが多い。本蓄電池システム100は、N端子100N側を接地する場合のみ例示するが、この構成に限定されない。
蓄電池箱101は、図4において、破線に示す筐体があり、その筐体単位で鉄道車両に取り付けられる。蓄電池箱101は、蓄電池箱101P端子101Pと、蓄電池箱101N端子101Nと、で複数箱が並列接続され、本蓄電池システム100を構成する。蓄電池箱101は、その内部に複数の畜電池群111、各群接触器112、各箱接触器113、及びサービスコネクタ(「サービスプラグ」ともいう)114を有する。
畜電池群111は、複数の電池モジュール201(図5)を直列や並列に接続したものであり、サービスコネクタ114で分離する交換単位である。この区切りは、機構と、電気制御と、少なくとも何れかに都合良く設計される。畜電池群111内の電池モジュール201の直列数に比例して、畜電池群111の電圧と容量は増加し、並列数に比例して畜電池群111の最大電流と容量が増加する。
畜電池群111の直列数は、本蓄電池電車駆動システム1Aのコンバータ5や電動機用インバータ6が効率的に動作する電圧に設計される。畜電池群111の並列数は、1箱内で2以上(図10~図13)の整数である。ここで電池モジュール201は、複数の電池セルを直列や並列に接続し、取り扱い易く、まとめられたものである。電池セルは、電池の化学反応系を個別に包装した電池の最小単位である。
各群接触器112は、1つの畜電池群111に対し1つ設けられた接触器であり、本発明でいう「各群別の群開閉装置112」に相当する。電池箱接触器113は、1つの電池箱101に対し1つ設けられた接触器であり、本発明でいう「群開閉装置112それぞれが直列接続された極と反対の極で、複数の畜電池群111が並列接続された接続点115Nに直列接続された各箱開閉装置113」に相当する。この電池箱接触器113は、回路を車両制御装置13が発信する遠隔操作信号で、回路の接点を開閉される開閉装置である。
開閉装置は、その開閉機構や電流遮断能力や応答速度に応じて、接触器、継電器、遮断器、開閉器等さまざまな装置があるが、遠隔操作信号で回路の接点を開閉する開閉装置であれば良い。各群接触器112及び各箱接触器113の全ては、それぞれ1つの接点と開閉機構を有し、これら全ての接触器は、独立に動作することが可能である。サービスコネクタ114は、遠隔ではなく直接手動で開閉するスイッチである。
サービスコネクタ114は、接触器と蓄電池の間に設けられるが、その構成に限定しない。また、サービスコネクタ114は、電池交換等の作業時を除いて、常時閉状態であるが、直接手動で開閉する性質から、閉操作時に横流が発生状況で使用することは安全上望ましくない。
本蓄電池システム100において、各群接触器112は各畜電池群111よりP側かつ、畜電池群111P側接続点115PよりN側に各畜電池群111毎に設置し、各箱接触器113は、畜電池群111N側接続点115NよりN側かつ、蓄電池箱101N端子101NよりP側に蓄電池箱101当たり1つ設置する。本蓄電池システム100では、サービスコネクタ114が閉であるときに、各畜電池群111のN側は既に接続されている。なお、この構成はPとNが逆でも良い。
本蓄電池システム100の効果は、概ね3つある。第1に各群接触器112を遠隔操作で閉操作し、畜電池群111を並列接続し、横流が生じる操作を遠隔で実施することができる。第2に各群接触器112と各箱接触器113を閉とすることで、電池箱101を箱単位で並列接続し、本蓄電池システム100に接続することができる。第3に各箱接触器113を閉とし、各群接触器112を個別に開閉することで、任意の畜電池群111を本蓄電池システム100に個別に接続することができる。
図5は、図2の本蓄電池電車駆動システム1Aにおける並列化制御系統200を示すブロック図である。並列化制御系統200は、車両制御装置13、複数の電池箱101、パンタグラフ2、コンバータ5、補器用インバータ10、及び運転台12で主要構成される。以下、その構成と動作を順に説明する。
電池箱101は、複数の畜電池群111と、電池箱制御基板205と、各畜電池群111に設置されてそれに流れる電流値を電圧信号に変換する電流センサ(CT:Current Transformer)203と、各畜電池群111に設置されてその電圧値を電圧信号に変換する電圧センサ(PT:Potential Transformer)204と、各群接触器112と、各箱接触器113と、を備える。
畜電池群111は、複数の電池モジュール201で構成される。電池モジュール201には、内包する複数の電池セルの状態を監視するセルコン基板202が設けられる。セルコン基板は、センサ類と通信機能を有した基板であって、本蓄電池システム100では、電池モジュール201内の全てのセル電圧と、代表点の温度を測定し、電池制御基板205に信号として送信する。
電池箱制御基板205は、各電池箱101に設置された制御基板であって、電池状態解析部206と箱内接触器制御部207を有する。電池状態解析部206は、箱内の電池状態を解析し、車両制御装置13と箱内接触器制御部207に情報を送信する演算部である。
電池状態解析部206は、全てのセルコン基板202から送信されるセル電圧と温度、全ての電流センサ203から送信される群電流と、全ての電圧センサ204から送信される群電圧を入力とする。電池状態解析部206は、並列化制御に必要な各群抵抗、各群電圧、セル抵抗、各群最高セル電圧を車両制御装置13へ出力し、電池異常判定を箱内接触器制御部207と車両制御装置13に出力する。
セル抵抗は、例えば、電池情報から各セルの充電率を算出し、各セルの電池温度と各セルの抵抗劣化率から抵抗を算出する。ここで充電率と抵抗劣化率の算出方法については一般に知られているので詳述しないが、群電流をこれらの計算に用いる。群抵抗は、蓄電池郡111内の全ての各セル抵抗値の直並列を反映した部材抵抗の和として算出する。各群電圧は、電圧センサ204の検出値である。セル電圧は、セルコン202の検出値である。
セル抵抗やセル電圧は、全セルの抵抗が個別に算出されることが最も望ましいが、簡略化すれば良い。簡略化の一例として、電池箱制御基板205の性能の限界や、電圧センサ、温度センサの個数に応じて限界があれば、例えばセル抵抗は平均値、セル電圧は最も電圧が高いセルの電圧を出力しても良い。電池異常判定は、電池の群電圧、群電流、セル電圧、温度等が異常値に到達しているか否かを判定する。
箱内接触器制御部207は、接触器操作信号に従って接触器を操作すると同時に、異常時には接触器を開操作し、電池を保護する制御部である。箱内接触器制御部207は、車両制御装置13から出力される接触器操作指令、電池状態解析部206が出力する電池異常判定、全ての各群接触器112が出力する各群接触器状態、全ての各箱接触器113が出力する各箱接触器状態を入力とし、各群接触器112に各群接触器操作を、各箱接触器113に各箱接触器操作を出力する。
箱内接触器制御部207は、車両制御装置13から出力される接触器操作指令に従って各群接触器112と各箱接触器113の操作を実施する。電池状態解析部206から電池異常判定を入力されている場合は、接触器操作指令にかかわらず、異常に応じて各群接触器112と各箱接触器113を開操作する。加えて、各群接触器状態、各箱接触器状態が接触器操作指令に合致しない場合は、再度接触器の操作指令を送信する。接触器操作指令に合致しない状況が長時間続く場合は、接触器故障判定を車両制御装置13へ送信する。
一般に電箱制御基板206は、これら以外にも様々な機能を有するが、ここには詳述しない。車両制御装置13は本蓄電池電車駆動システム1A全体を制御する装置である。並列化制御系統200においては、システム全体の情報を統合し、接触器の開閉操作と、電池の充放電指示を実施する。
車両制御装置13は、横流演算部208と、電圧調整目標値演算部209と、並列化制御部210を有する。一般に車両制御装置13はこれら以外にも様々な機能を有するが、ここには詳述しない。横流演算部208は全ての電池箱101の電池状態情報(各群抵抗、各群電圧、セル抵抗、セル電圧)を入力として、各接触器の閉操作可否を判定し、出力する。接触器の閉操作可否は、例えば電池セルが過電圧になると予測されるかによって判定する。
この場合まず、横流演算部208は上式(1)によって横流を演算し、電池セルiに対して、横流が流れた際の閉回路電圧CCVを下式(2)で演算する。ここでOCVはセルの開放電圧、Rは電池セルiの抵抗値、Nは畜電池群111内での電池セルの並列数である。
Figure 2023175463000003
上式(2)で定義される横流発生時の閉回路電圧CCVが、接触器操作で電流が流れる全ての電池セルiに対して、横流が充電電流の場合は高電圧異常判定の閾値未満である場合、又は横流が放電電流の場合は低電圧異常判定の閾値より大きい場合は、接触器閉操作を可能とし、そうでない場合は不可とする。
全ての電池セルiに対して演算することが不可能である場合は、例えば充電される畜電池群111の開放電圧OCVが最も高い電池セルで高電圧異常が生じないこと、放電される畜電池群111の開放電圧OCVは最も低い電池セルで低電圧異常が生じないことをもって接触器操作の可否を判定する。
また接触器閉操作には、過電流が電池セルやモジュール、接触器、ケーブル、図示しないヒューズ等の上限電流を超えていないことも同時に満たしている状態で閉操作を可能とする。電圧調整目標値演算部209は横流演算部208が横流発生によって接触器閉操作を不可と判定した場合、並列化制御部210は並列化する畜電池群111、又は電池箱101を充電又は放電し、並列化する畜電池群111又は電池箱101の電圧を同等に揃える電圧目標値を演算する演算部である。
全ての電池箱101の電池状態情報(各群抵抗、各群電圧、セル抵抗、セル電圧)と、パンタグラフ2の出力する充電可否車両状況を入力としての各畜電池群111と、各蓄電池箱101内101と、それぞれの電圧調整目標値を個別に出力する。蓄電池電車では、車両の在線位置によって、充電可能であるかどうかが異なる。
車両上に架線14が存在し、パンタグラフ2が架線14に接触している場合は充電可能であるため、コンバータ5の充電動作によって電圧を揃える。そのため、各畜電池群111の電圧調整目標値はそれぞれの箱101内の最大畜電池群111電圧となり、各蓄電池箱101の電圧調整目標値は本蓄電池システム100内の最大蓄電池箱101電圧となる。
これに対し、車両上に架線が存在せず、パンタグラフ2が架線14に接触していない場合は、充電不可能であるため、補器用インバータ10の放電動作によって電圧を揃える。そのため、各畜電池群111の電圧調整目標値はそれぞれの箱101内の最低畜電池群111電圧となり、各蓄電池箱101の電圧調整目標値は本蓄電池システム100内の最低蓄電池箱101電圧となる。電圧調整目標値は最も安全には前述の最低電圧ないし最高電圧であるが、電圧調整時間の短縮のため横流が安全値である範囲であれば、横流が生じる電圧であっても問題はない。
並列化制御部210は、接触器の開閉操作と、電池の充放電指示を実施する制御部である。パンタグラフ2から出力される充電可否車両状況、全ての電池箱101から出力される電池異常判定と接触器異常判定、横流演算部か208ら出力される接触器閉操作可否判定、電圧調整目標値演算部209から出力される電圧調整目標値、運転台12から出力されるシステム起動指令・走行割込指令を入力とし、全ての電池箱101の接触器操作指令、パンタグラフ2の操作指令、コンバータ5の出力指令、補器用インバータ10の出力指令、運転台12の表示情報を出力する。
運転台12のモニタに表示される運転台12表示情報を運転士が判断し、運転台12から発令する。並列化制御部210の主要な動作は、接触器の開閉指令と、横流発生予想時の電圧調整である。接触器開閉指令は、運転台12のシステム起動指令を受けた後、閉操作対象の接触器に対して、横流演算部208が接触器閉操作可否判定で可能と判定し、電池異常判定、接触器異常判定で問題ない場合に、接触器を閉操作する。
横流演算部208が横流発生によって接触器閉操作を不可と判定した場合、並列化制御部210は並列化する畜電池群111、又は電池箱101を充電又は放電し、並列化する畜電池群111又は電池箱101の電圧を同等に揃える。ここで並列化の順序は、各箱内の畜電池群111を並列化した後、蓄電池箱101を並列化する。
架線が車両上に存在する区間では充電可能であるため、並列化制御部はパンタグラフ2を上昇接触させ、コンバータ5を稼働させたうえで、低電圧の畜電池群111、又は電池箱を個別に接触器操作し接続し、電圧調整目標値演算部209の目標値まで充電する。充電後には横流演算部208は接触器閉可能判定を出すため、並列接続を実施する。
対して架線が車両上に存在しない区間では充電不可能であるため、並列化制御部は補器用インバータ10を稼働させたうえで、高電圧の畜電池群111、又は電池箱を個別に接触器操作し接続し、電圧調整目標値演算部209の目標値まで放電する。充電後には横流演算部208は接触器閉可能判定を出すため、並列接続を実施する。
箱内の畜電池群111、又は蓄電池箱101が3つ以上あり、横流演算部208が並列化可能と判定しているが電圧は一致せず一定の横流値が発生する場合、並列化の順序は特許文献2に示されているように、一般に低い電圧側から並列接続することが望ましい。これは、実際の横流の起こす問題は、リチウムイオン電池内部の電気化学的な特性から、上式(2)によって電池が上限閉回路電圧を超過することの方が、下限閉回路電圧を超過することよりも深刻なため、横流が充電電流となる低電圧側から順番に少しずつ電圧を揃えるほうが安全となるためである。
図6は、図5の並列化制御部210の処理手順を示すフローチャート300である。すなわち、図6に示す実施例1の並列化制御は、並列化制御部210により、車両システムの起動(S2)から蓄電池システムの並列化処理を完了し(S30)、蓄電池走行可能状態に入るまでの全体の並列化制御である。走行割込指令(S8)は、図6に示す並列化制御フローチャート300の途中で、並列化制御部210が電圧調整を中断し、割り込んで走行状態に移行する指令である。開始ステップS1では、並列化制御部210による並列化制御のフローチャート300が開始する。この時、本蓄電池電車駆動システム1Aはオフの状態であり、全ての各群接触器112と全ての各箱接触器113は開放状態にある。なお、優先的に揃える順番は、各箱内で揃えてから、箱別を揃える、という順番の方が緊急走行に都合良く、例えば、蓄電池電車は、1箱だけでも力行できる。
並列化制御部210は、車両システムオン判定ステップS2で、車両システムのキーがオンになっているか否かを判定する。並列化制御部210は、オンの場合は次のステップに進み、オフの場合はS2に戻る。電池状態解析ステップS3では、全ての箱内の電池箱制御基板205が、各電池箱101の電池状態(各群抵抗、各群電圧、セル抵抗、セル電圧)、電池異常判定を解析し、車両制御装置13へ送信する。
並列化制御部210は、対象箱選択ステップS4で、蓄電池箱101内の畜電池群111を並列化する対象箱iを選択する。iの順序は、任意で良いが、走行割込に移った場合の使用可能な電池箱101の数を最大化するため、箱内の畜電池群111の電圧調整に必要な充放電電荷量が少ない順に実施することが望ましい。また、電池異常判定や接触器異常判定が生じているものは、緊急走行に不利であるため、並列化制御を後回しにすることが望ましい。
並列化制御部210は、群間横流演算ステップS5で、横流演算部208が蓄電池箱101内の各群接触器112を閉操作した場合の横流値を計算し、群間の横流値が小さく、安全に並列化可能かどうかを判定する。並列化制御部210は、畜電池群111が3つ以上ある場合、低電圧側から並列化する操作をした場合の横流値を計算する。
群間横流安全判定ステップS6において、群間横流演算ステップS5で群間横流値が小さく安全に並列接続可能と判定した場合、各群接触器閉ステップS7へ進む。群間横流安全判定ステップS6において、群間横流値が大きく安全に並列接続不可能と判定した場合、走行割込判定ステップS8から各箱接触器開ステップS16までの群間電圧調整に進む。
並列化制御部210は、各群接触器閉ステップS7で、横流演算部208が演算した接触器閉可否判定に基づき、群間横流値が小さく安全に並列接続可能な範囲で、各電池箱iの中の各群接触器112を閉操作して畜電池群111を並列接続する。並列化制御部210は、走行割込判定ステップS8で、群間電圧調整の最初の段階として、運転台12から走行割込指令を受ける場合、群間電圧調整を中断して各群接触器閉ステップS7に進む。
並列化制御部210は、走行割込判定ステップS8で、必ずしもステップS6からS8の間の一点で動作するのではなく、電圧調整操作であるS8~S16までの間において常に動作し、走行割込指令が発せられたならば、各群接触器閉ステップS7へ進めば良い。並列化制御部210は、対象群選択ステップS9で、箱内の畜電池群111を並列化する対象群kを選択する。kの順序は任意で良いが、電池異常判定や接触器異常判定が生じているものを後回しにすることが望ましい。
並列化制御部210は、充電可能状況判定ステップS10で、パンタグラフ2の架線接触状況に対応する充電可否車両状況を判定、電圧調整を充電又は放電のどちらで実施するかを判断し、電圧調整目標値演算部209は電圧調整目標値を算出する。並列化制御部210は、パンタグラフ2が架線14に接触中で、充電が可能な場合、電圧調整目標値を最高畜電池群111電圧とし、充電群接続ステップS11へ進む。その逆に、パンタグラフ2が架線14に非接触中で、充電が不可能な場合、電圧調整目標値を最低畜電池群111電圧とし、放電群接続ステップS13へ進む。
並列化制御部210は、充電群接続ステップS11で、対象畜電池群111kが電圧調整目標値より低電圧で充電が必要である場合、対象畜電池群111kに対応する各群接触器112と各箱接触器113を接続し、本蓄電池電車駆動システム1Aに接続し、充電可能な状態とする。並列化制御部210は、対象畜電池群111kが電圧調整目標値より高電圧であり、充電が不要である場合、次のステップへ進む。
並列化制御部210は、畜電池群111充電ステップS12で、対象畜電池群111kが電圧調整目標値より低電圧で充電が必要である場合、コンバータ5を起動させて、対象畜電池群111kを電圧調整目標値まで充電する。その逆に、対象畜電池群111kが電圧調整目標値より高電圧であり、充電が不要である場合、次のステップに進む。
並列化制御部210は、放電群接続ステップS13で、対象畜電池群111kが電圧調整目標値より高電圧であるため、放電が必要である場合、対象畜電池群111kに対応する各群接触器112と各箱接触器113を接続し、本蓄電池電車駆動システム1Aに接続して、放電可能な状態とする。その逆に、対象畜電池群111kが電圧調整目標値より低電圧で放電が不要である場合、次のステップに進む。
並列化制御部210は、畜電池群111放電ステップS14で、対象畜電池群111kが電圧調整目標値より高電圧であるため、放電が必要である場合、補器用インバータ10を起動させ対象畜電池群111kを電圧調整目標値まで放電する。その逆に、対象畜電池群111kが電圧調整目標値より低電圧で放電が不要である場合、次のステップに進む。
並列化制御部210は、群間電圧調整完了判定ステップS15で、横流演算部208が再度接触器閉可否判定を判定する。その判定結果が、箱内の各畜電池群111の電圧調整未完了で全ての各群接触器112が閉不可能であれば、走行割込判定ステップS8の前に戻り、次の畜電池群111の電圧調整へ進む。その逆に、全ての畜電池群111の電圧調整が完了して、各群接触器112が閉可能と判定されたならば、各箱接触器開ステップS16へ進む。
並列化制御部210は、各箱接触器開ステップS16で、各箱接触器113を開操作する。これは蓄電池箱101iを本蓄電池電車駆動システム1Aから分離し、次の蓄電池箱101i+1の電圧調整時に、蓄電池箱101iと蓄電池箱101i+1との間で横流を流さないようにするためである。この時、各群接触器112は閉状態で良い。
並列化制御部210は、各箱接触器開ステップS16の後、各群接触器閉ステップS7に合流する。全箱群間電圧調整完了判定ステップS17では、全ての電池箱101で箱内の畜電池群111間の電圧調整が完了したか否かを判定する。並列化制御部210は、完了していなければ、対象箱選択ステップS4に戻り、電圧調整の対象電池箱を次のi+1にし、箱内の電圧調整プロセスを繰り返す。その逆に、全ての電池箱101で各畜電池群111の電圧調整が完了した場合、次のステップに進む。
並列化制御部210は、箱間横流演算ステップS18で、横流演算部208が、ステップ17終了時点での各群接触器112の閉状態で、本蓄電池システム100内の各箱接触器113を閉操作した場合の横流値を計算し、箱間の横流値が小さく、安全に並列化可能かどうかを判定する。その判定結果、電池箱101が3つ以上ある場合、並列化制御部210は、低電圧側から並列化する操作をした場合の横流値を計算する。
並列化制御部210は、箱間横流安全判定ステップS19で、並列化制御部210が、箱間横流演算ステップS18で箱間横流値が小さく安全に並列接続可能と判定した場合、各箱接触器閉ステップS20へ進む。逆に、箱間横流値が大きく安全に並列接続不可能と判定した場合、走行割込判定ステップS21から箱間電圧調整完了判定ステップS29までの箱間電圧調整へ進む。
並列化制御部210は、各箱接触器閉ステップS20で、横流演算部208が演算した接触器閉可否判定に基づき、箱間横流値が小さく安全に並列接続可能な範囲で、電池システム100の中の各箱接触器113を閉操作し電池箱101の並列接続を行う。
図7は、図2の本蓄電池電車駆動システム1Aにおける、走行割込の制御手順を示すフローチャート400である。並列化制御部210は、図6における走行割込判定ステップS21で、走行割込判定ステップS8と同様に、箱間電圧調整の最初の段階として、運転台12から走行割込指令を受ける場合、箱間電圧調整を中断し、図7の走行割込の制御フローチャート400の走行割込開始ステップT1に進む。並列化制御部210は、電圧の高い箱の電力を使って力行させ、その電圧が低下して全体が揃えば結合する。
並列化制御部210は、走行割込判定ステップS21を、必ずしもステップS19からS22の間の一点で動作するのではなく、電圧調整操作であるS22~S29までの間、常に動作させれば良い。並列化制御部210は、走行割込指令が発せられたとき、走行割込の制御フローチャート400の開始ステップT1に進めば良い。
並列化制御部210は、対象箱選択ステップS22で、電池システム内の蓄電池箱101を並列化する対象箱iを選択する。iの順序は、任意で良いが、電池異常判定や接触器異常判定が生じているものは後にすることが望ましい。並列化制御部210は、充電可能状況判定ステップS23で、充電可能状況判定ステップS10と同様に、パンタグラフ2の架線接触状況に対応する充電可否車両状況を判定する。並列化制御部210は、その判定結果に基づいて、電圧調整を充電又は放電のどちらで実施するかを判断する。その時、電圧調整目標値演算部209は電圧調整目標値を算出する。
並列化制御部210は、パンタグラフ2が架線14に接触して充電が可能である場合は、電圧調整目標値は最高電池箱電圧となり充電箱接続ステップS24へ進む。その逆に、パンタグラフ2が架線14に接触していないため、充電が不可能である場合は、電圧調整目標値は最低電池箱電圧となり放電箱接続ステップS26へ進む。
並列化制御部210は、充電箱接続ステップS24で、充電群接続ステップS11と同様に、対象電池箱iが電圧調整目標値より低電圧で充電が必要である場合、対象電池箱iに対応する各箱接触器113を接続(この時各群接触器112は既に閉となっている)する。それから、並列化制御部210は、対象電池箱iに対応する各箱接触器113を、本蓄電池電車駆動システム1Aに接続し、充電可能な状態とする。その逆に、対象電池箱iが電圧調整目標値より高電圧で充電が不要である場合、次のステップに進む。
並列化制御部210は、電池箱充電ステップS25で、畜電池群111充電ステップS12と同様に、対象電池箱iが電圧調整目標値より低電圧で充電が必要である場合、コンバータ5を起動させ対象電池箱iを電圧調整目標値まで充電する。その逆に、対象電池箱iが電圧調整目標値より高電圧で充電が不要である場合、次のステップに進む。
並列化制御部210は、放電箱接続ステップS26で、放電群接続ステップS13と同様に、対象電池箱iが電圧調整目標値より高電圧で放電が必要である場合、対象電池箱iに対応する各箱接触器113を接続する(この時各群接触器112は既に閉となっている)。それから、並列化制御部210は、対応する各箱接触器113を本蓄電池電車駆動システム1Aに接続し、放電可能な状態とする。その逆に、対象電池箱iが電圧調整目標値より低電圧で放電が不要である場合、次のステップに進む。
並列化制御部210は、電池箱放電ステップS27で、電池箱放電ステップS14と同様に、対象電池箱iが電圧調整目標値より高電圧で放電が必要である場合、補器用インバータ10を起動させ対象電池箱iを電圧調整目標値まで放電する。その逆に、対象電池箱iが電圧調整目標値より低電圧で放電が不要である場合、次のステップに進む。
並列化制御部210は、各箱接触器開ステップS28で、蓄電池箱101iの各箱接触器113を開操作する。これは蓄電池箱101iを本蓄電池電車駆動システム1Aから分離し、次の蓄電池箱101i+1の電圧調整時に蓄電池箱101iと蓄電池箱101i+1との間で横流を流さないようにするためである。この時各群接触器112は閉状態で良い。
並列化制御部210は、箱間電圧調整完了判定ステップS29で、全箱群間電圧調整完了判定ステップS17と同様に、全ての電池箱101で電圧調整が完了したか否かを判定する。完了していなければ対象箱選択ステップS22に戻り、電圧調整の対象電池箱を次のi+1にし、箱内の電圧調整プロセスを繰り返す。全ての電池箱101で電圧調整が完了した場合、並列化制御部210は、各箱接触器閉ステップS20に進む。
並列化制御部210は、終了ステップS30で、並列化処理を完了し、本蓄電池システム100が本蓄電池電車駆動システム1Aに接続され、蓄電池走行可能状態に入っている。このように、全ての畜電池群111と全ての電池箱を個別に電圧調整することが可能になることで、本畜電池システム100は、その畜電池群111と電池箱101の電圧がどのような組合せであっても良い。さらに、鉄道車両が充電可能な状態であるか否かにかかわらず、自動的に全ての畜電池群111と電池箱101の電圧を個別に調整し、安全な横流値の範囲で並列接続することが可能である。
さて、これらの電圧調整のための充放電操作には一定の時間が必要になる。本蓄電池電車駆動システム1Aは、望ましくは本蓄電池システム100内の全ての蓄電池箱101とその内部の畜電池群111とが並列接続された後に走行開始することが望ましいが、緊急時には、たとえ最高出力が出せない状態であっても走行を開始できる必要が有る。
そこで運転台12から走行割込指令が出力された場合は、フローチャート300に示す電圧調整作業を中断し本蓄電池システム100を直ちに充放電可能な状態にする必要が有る。この場合、たとえ全ての蓄電池が並列接続されていなくても、それぞれの畜電池群111は電動機用インバータ6を動作可能な電圧を有しているため、低出力の走行が可能となる。
さらに、実際の本蓄電池システム100において、制御の区切り等の問題から、電池箱101内の畜電池群111が全て並列接続していないと、電池箱101が本蓄電池システム100に接続できない場合がある。このような場合、まず電池箱101内の畜電池群111間の電圧を調整し、各電池箱101を本蓄電池システム100に接続可能な状態にすることが緊急時に重要になる。
そのため、図6に示した並列化制御のフローチャート300は、各蓄電池箱101内の畜電池群111の電圧調整を全て終了してから、蓄電池箱101間の電圧調整を行うことを特徴としている。これによって1つ1つの電池箱内の電圧が揃うことが最も早くなり、仮に電圧調整の途中で走行割込指令が発せられた場合であっても、高電圧の電池箱101から1つずつを順番に使用し、使用している電池箱101が使用に伴い電圧低下し、不使用状態の電池箱101と電圧が揃う度に、並列接続を重ねることで、走行可能な距離を最大化することが可能となる。
これについて、走行割込の制御フローチャート400を用いて説明する。図7は、本発明の実施例1に係る走行割込の制御フローチャート400である。図6の並列化制御フローチャート300の任意の時点で、車両システムにより走行割込が発令され、走行割込開始ステップT1から、走行割込する際の蓄電池使用方法を示している。
車両システムは、図7における走行割込開始ステップT1で、走行割込の制御フローチャート400の制御手順を開始する。図7の走行割込開始ステップT1は、図6のそれと等しい。この時、並列化制御フローチャート300に従い、本蓄電池システム100は、全ての蓄電池箱101で横流値の問題がない範囲で各群接触器112が閉状態であり、全ての各箱接触器113は開状態にある。
並列化制御部210は、使用可能電池箱判定ステップT2で、各電池箱101を個別に使用可能であるか否かを判定する。個別に使用可能かであるとは、電池箱101を個別に本蓄電池電車駆動システム1Aに接続すれば走行可能であることを示し、箱間を並列接続した際の横流値は関係ない。
判定基準は、電池箱制御基板205(図5)が出力する電池異常判定、接触器異常判定、各群接触器の閉状態である。各群接触器の閉状態とは、実際の蓄電池システムの制御の区切り等の問題から、電池箱内の畜電池群111が全て並列接続していないと、電池箱101が本蓄電池システム100に接続できない場合を想定している。
電池箱制御基板205は、最高電圧箱接続ステップT3において、そのステップT3で判定した使用可能な蓄電池箱101の中で、最高電圧箱の電池箱101をはじめに、横流演算部208が並列接続可能と判定した蓄電池箱101の各箱接触器113を閉操作し、本蓄電池電車駆動システム1Aに接続して走行可能状態とする。
本蓄電池電車駆動システム1Aは、走行ステップT4で、本蓄電池システム100の電力を使用し走行する。この間、使用されている蓄電池101は充電率の低下に伴い、電圧が低下する。箱電圧一致ステップT5では、走行によって電圧低下した電池箱101と、使用可能な蓄電池箱101のうちまだ箱間接触器113が開状態で使用されていない電池箱101と、両者の電圧が同一となったことを判定する。
この判定は、電池の開放電圧の精度に依存するが、この制度は電流値が大きい程に低下するため、一定以下の電流値で判定することが望ましい。並列化制御部210は、各箱接触器閉ステップT6で、箱電圧一致ステップT5で判定された同電圧となった使用されていない電池箱101の箱間接触器113を閉操作することにより、その電池箱101を本蓄電池システム100へ並列接続する。この時、使用中の電池箱と、新たに接続する電池箱の電圧とは、ほぼ同一なので横流は小さい。
並列化制御部210は、全箱並列化判定ステップT7で、使用可能な蓄電池箱101を全て並列接続しているか否かを判定する。並列化制御部210は、全てを並列接続していなければ、走行ステップT4の前に戻り、全て並列接続していれば、次のステップに進む。
並列化制御部210は、終了ステップT8で、走行割込制御フローチャートを終了する。この時、使用可能な蓄電池箱101は、全て並列化されている。ここからは、図5の並列化制御系統200を示す。並列化制御部210から運転台12に発せられる運転台送信情報について説明する。
運転台送信情報は、運転士が並列化制御の進捗を確認し、並列化制御フローチャート300の途中で走行割込指令を発令するか否かの情報を与えるものである。代表的な運転台送信情報として、接触器開閉状況、各畜電池群111電圧、各蓄電池箱101電圧、電圧調整残り時間、航続可能距離、最大加速力がある。
接触器開閉情報、各畜電池群111電圧、各蓄電池箱101電圧は、本蓄電池システム100内の全ての接触器開閉情報、各畜電池群111電圧、各蓄電池箱101電圧である。電圧調整残り時間は、並列化制御フローチャート300が完了するまでの残り時間であり、各畜電池群111と各蓄電池箱101の電圧及び、それらの電池容量、コンバータ5の充電可能速度、補器用インバータ10の放電可能速度に応じて演算される値である。
電圧調整の速度は、予想可能であるため、未来の各時点で電圧調整が継続される場合の並列化可能な畜電池群111、電池箱の個数と、その時の電圧は予想可能である。航続可能距離は現在から未来の各時点において、走行割込指令が発令された時点の電池システム100の状態で使用可能な畜電池群111、電池箱を用いて、走行割り込み制御フローチャート400の制御手順により走行した場合の航続可能距離を示す。
最大加速力は、現在から未来の各時点において、走行割込指令が発令された時点の電池システム100の状態で使用可能な畜電池群111、電池箱を用いた最大加速力を示す。この最大加速力は、走行割り込み制御フローチャート400の制御手順により、並列される箱が増えるたびに増加する値であるが、多くの場合、最も並列数が少ない段階の最大加速力が問題となるため、初期の値を表示すれば良い。
航続可能距離と最大加速力は、電圧調整の進展によって変化する値であるので、運転台12には電圧調整の継続時間に対してどのようになるかを示す必要がある。さらに、電圧調整を充電と、放電と、いずれで対応するかで、その振舞いが異なる。その充放電別の電圧調整について、図8及び図9を用いて後述する。ここで、図4の例示とは異なるが、本蓄電池システム100として、2個の蓄電池箱101を有し、その蓄電池箱101それぞれには、2個ずつの畜電池群111が格納されているものを一例に挙げて説明する。
また、図示を省略するが、箱内の畜電池群111の電圧は群1>群2であり、各群の電圧を調整後の各箱の電圧も箱1>箱2とする。各群の電圧調整に必要な時間は、箱1の方が箱2より短く、箱1内部の各群の電圧調整から始まるとする。なお、各群、各箱の電圧差は大きく、電圧調整しなければ並列接続できないとする。本蓄電池電車駆動システム1Aの駆動には、箱内の全畜電池群111が並列接続された電池箱の1つ以上を必要とする。従って、電圧調整をしない場合は、本蓄電池電車駆動システム1Aを稼働可能な蓄電池箱101は存在せず、最大加速力Pと航続可能距離Lは0となる。
図8は、図5及び図6の並列化制御により充電中の航続可能距離と加速力について、時系列のスイッチ開閉表とグラフである。図8は、充電しながらの走行を例示し、図6の並列化制御フローチャート300の制御手順を充電により実行している。図8の表は、2つの蓄電池箱101の、各群接触器112と各箱接触器113とコンバータ5の動作を示したものであり、図8のグラフは、最大加速力Pと航続可能距離Lの電圧調整時間依存性を示したものである。
最大加速力Pと航続可能距離Lは、その時点で走行割込み指令が入った場合の値に対応する。表の横位置と、グラフの電圧調整時間軸は一致するとする。本図に対し、電圧調整時間軸に従って、その動作を解説する。なお、最大加速力Pと航続可能距離Lは、以降、P,Lと略す。
開始ステップV1は、並列化制御フローチャート300の開始状態を示すステップである。本蓄電池システム100内の全ての各群接触器112と各箱接触器113は開状態にあり、コンバータ5は停止状態である。この時、開始時の前提条件から本蓄電池電車駆動システム1Aを稼働可能な蓄電池箱101は存在せず、PとLは0となる。
第1箱内群間電圧調整ステップV2は、第1の箱内の各群電圧を調整し、その調整後に第1の箱内を並列接続する。この時、箱1の群2を充電するため、箱1の群1の各群接触器112は開、箱1の群2の各群接触器112と各箱接触器113は閉、箱2の全ての接触器は開となり、コンバータ5は充電動作している。
この時、箱1の群2は充電されていくが、しばらくの間は群間を並列接続できない段階であるので、PとLは0となる。電圧が十分近づき、並列接続可能になる時刻をtとすれば、時刻tまではPとLは0である。時刻t以降は、定の横流が発生するが、接続可能な状態となり、PとLは非連続的に増加する。
以降、1の群2が充電されるにしたがって、PとLは連続的に増加する。箱1の群間電圧調整が完了したときのPをP、LをLとする。ステップV2の終了時、箱1の各箱接触器113は開にし、全ての各群接触器112を閉とし、箱1内を並列接続する。第2箱内群間電圧調整ステップV3は、第2の箱内の各群電圧を調整し、その調整後に第2の箱内を並列接続する。
この時、箱2の群2を充電するため、箱2の群1の各群接触器112は開、箱2の群2の各群接触器112と各箱接触器113は閉、箱1の全ての各群接触器112は閉、各箱接触器113は開となり、コンバータ5は充電動作している。この時、箱2の群2は充電されていく、箱1と同様に群間の電圧が十分近づき、並列接続可能になる時刻をtとすれば、時刻tまではPとLは、P、Lであり、時刻t以降は一定の横流が発生するも並列接続可能な状態となり、Lは走行割込み制御400に従い、2つの蓄電池箱101が使用可能となったため、非連続的に増加する。以降は箱2の群2が充電されるにしたがって、Lは連続的に増加する。
一方、Pは走行割込み直後の状況で使用可能な値であるため、Pから変化しない。箱2の群間電圧調整が完了したときのPをP、LをLとすれば、本蓄電池システム100全体において、PはP,LはL+Lとなる。ステップV3の終了時、箱2の各箱接触器113は開にし、全ての各群接触器112を閉とし、箱2内を並列接続する。
箱間電圧調整ステップV4は、システム内の各箱電圧を調整し、その調整後に各箱を並列接続する。この時、箱2の全群を充電するため、箱2の全ての接触器を閉、箱1の全ての各群接触器112は閉、各箱接触器113は開となり、コンバータ5は充電動作している。この時、箱2は充電され、箱1と電圧が十分近づき、並列接続可能になる時刻をtとすれば、時刻tまではPとLは、P、L+Lであり、時刻t以降は一定の横流が発生するも並列接続可能な状態となる。
Lは、2つの蓄電池箱101が使用可能であるため、時刻tであるにもかかわらずLは連続的に増加する。一方、Pは走行割込み直後の状況で使用可能な値であるため、2つの箱が並列可能な時刻tまでPから変化せず、tでは非連続的に増加し、以降は連続的に増加する。
ステップV4の終了時点において、箱2の電圧状態は、高電圧の箱1と同一になるため、本蓄電池システム100全体において、Pは2P、Lは2Lとなる。ステップV5は、電圧調整が完了して走行待機状態となった状態である。この時、本蓄電池システム100内の全ての接触器112,113は閉であり、コンバータ5は停止する。
図9は、図5及び図6の並列化制御が放電中における、航続可能距離と加速力の時系列グラフである。つまり、図6の並列化制御フローチャート300の制御手順を放電により実行している。ここで、コンバータ5の充電に代わって、補器用インバータ10を動作させることにより放電する。開始ステップW1は、並列化制御フローチャート300の開始状態を示すステップである。本蓄電池システム100内の全ての各群接触器112と、各箱接触器113と、は開状態であり、補器用インバータ10は停止状態である。この時、開始時の前提条件から本蓄電池電車駆動システム1Aを稼働可能な蓄電池箱101は存在せず、PとLは0となる。
第1箱内群間電圧調整ステップW2は、第1の箱内の各群電圧を調整し、その調整後に第1の箱内を並列接続する。この時、箱1の群1を放電するため、箱1の群2の各群接触器112は開、箱1の群1の各群接触器112と各箱接触器113は閉、箱2の全ての接触器は開となり、補器用インバータ10は放電動作している。
この時、箱1の群1は放電されていくが、しばらくの間は群間を並列接続できない段階であるので、PとLは0となる。電圧が十分近づき、並列接続可能になる時刻をtとすれば、時刻tまではPとLは0である。時刻t以降、一定の横流が発生するが、並列接続可能な状態となり、PとLは非連続的に増加する。
それ以降は、箱1の群1が放電されるにしたがって、PとLは連続的に減少する。箱1の群間電圧調整が完了したときのPをP、LをLとする。ステップW2の終了時、箱1の各箱接触器113は開にし、全ての各群接触器112を閉とし、箱1内を並列接続する。第2箱内群間電圧調整ステップW3は、第2の箱内の各群電圧を調整し、その調整後に第2の箱内を並列接続する。
この時、箱2の群1を放電するため、箱2の群2の各群接触器112は開、箱2の群1の各群接触器112と各箱接触器113は閉、箱1の全ての各群接触器112は閉、各箱接触器113は開となり、補器用インバータ10は放電動作している。この時、箱2の群1は放電されていく、箱1と同様に群間の電圧が十分近づき、並列接続可能になる時刻をtとすれば、時刻tまではPとLは、P、Lである。時刻t以降、一定の横流が発生するが、並列接続可能な状態となり、Lは走行割込み制御400に従い、2つの蓄電池箱101が使用可能となり、非連続的に増加する。
以降、箱2の群2が放電されるにしたがって、Lは連続的に減少する。一方でPは走行割込み直後の状況で使用可能な値であるため、Pから変化しない。箱2の群間電圧調整が完了したときのPをP、LをLとすれば、本蓄電池システム100全体ではPはP、LはL+Lとなる。ステップW3の終了時、箱2の各箱接触器113は開にし、全ての各群接触器112を閉とし、箱2内を並列接続する。
箱間電圧調整ステップW4は、システム内の各箱電圧を調整し、その調整後に各箱を並列接続する。この時、箱1の全群を放電するため、箱1の全ての接触器を閉、箱2の全ての各群接触器112は閉、各箱接触器113は開となり、補器用インバータ10は放電動作している。この時、箱1は放電され、箱2と電圧が十分近づき、並列接続可能になる時刻をtとすれば、時刻tまではPとLは、P、L+Lであり、時刻t以降は、一定の横流が発生するも並列接続可能な状態となる。
Lは2つの蓄電池箱101が使用可能であるため、時刻tにかかわらずLは連続的に減少する。一方で、Pは走行割込み直後の状況で使用可能な値であるため、2つの箱が並列可能な時刻tまでPから変化せず、tでは非連続的に増加し、以降は連続的に減少する。ステップW4の終了時点では、箱1の電圧状態は低電圧の箱2と同一になるため、本蓄電池システム100全体では、Pは2P、Lは2Lとなる。
ステップW5は、電圧調整が完了し、走行待機状態となった状態である。この時、システム内の全ての接触器は閉であり、補器用インバータ10は停止する。ここで示したように、放電で電圧調整する場合、並列化が可能になった時点から放電時間が延びるほどPとLが小さくなる。そこで放電で電圧調整する場合は、電池システムを構成する部品が損傷しない範囲で、多少横流が発生する条件でも並列接続を許容する範囲を、充電で電圧調整する場合よりも緩和して良い。
ここで車両制御装置13は、走行可能距離Lが、次の充電可能駅や、トンネルや橋での乗客降車可能位置等重要な拠点に対する残り距離以上かを判定し、運転台12に表示し、運転士に走行割込みするか否かの判断を支援する。ここからは実施例1で示した図4の蓄電池箱101の回路構成の特徴と利点について説明する。
図10~図13は、変形例a~dに係る回路構成の蓄電池箱101a,101b,101c,101dを示す回路図である。図14は、図4の蓄電池箱101に対し、変形例a~dの蓄電池箱101a,101b,101c,101dの効果を比較する表である。以下、それぞれの特徴について回路構成と効果について1つずつ説明する。
図4の蓄電池箱101において、各群接触器112は、各畜電池群111よりP側、かつ畜電池群111P側の接続点115PよりN側寄りに、複数の畜電池群111毎に設置される。また、蓄電池箱101において、各箱接触器113は、畜電池群111N側の接続点115NよりN側、かつ蓄電池箱101N端子101NよりP側寄りに蓄電池箱101当たり1つ設置される。
このような回路構成の特徴を図14のNo.1(第1)~No.7(第7)行に対し、1つずつ解説する。第1に、箱内の畜電池群111間の並列接続を接触器で実施可能か否かについては、各群接触器112を閉操作することで実施可能である。第2に、箱間の並列接続を接触器で実施可能か否かについては、箱内全ての各群接触器112と各箱接触器113を閉操作することで実施可能である。
第3に、箱内畜電池群111を個別に電圧調整可能か否かについては、対象の畜電池群111と直列接続された各群接触器112と各箱接触器113を閉操作し、対象外の畜電池群111に直列接続された各群接触器112を開とすることで実施可能である。第4に、箱内畜電池群111の並列接続と箱間並列接続を、別々に実施可能か否かについては、畜電池群111は各群接触器112を閉操作することで、箱間は各箱接触器113を閉操作することで別々に実施可能である。
第5に、電池箱の外部接続端子101P、101Nを停電状態にできるかについては、101Pは各群接触器112を開操作することで、101Nは各箱接触器113を開操作することで実施可能である。第6に、地絡電流を遮断可能か否かについては、各箱接触器113を開操作することで実施可能である。第7に、箱内の接触器数[個/箱]は畜電池群111数をNとし、N+1[個/箱]である。
図10は、変形例に係る蓄電池箱101aを示す回路図である。電池箱101aでは、各群接触器112は存在せず、各箱接触器113は各畜電池群111よりP側かつ畜電池群111P側接続点115PよりN側と、各畜電池群111よりN側かつ畜電池群111N側接続点115NよりP側に、蓄電池箱101当たり2つ設置する。
このような回路構成の特徴を図14のNo.(第1)1~No.7(第7)行に対し、1つずつ解説する。第1に、箱内の畜電池群111間の並列接続を接触器で実施可能か否かについては、実施不可能である。第2に、箱間の並列接続を接触器で実施可能か否かについては、各箱接触器113のP側と、N側と、両方共に閉操作することで実施可能である。
第3に、箱内畜電池群111を個別に電圧調整可能か否かについては、実施不可能である。第4に、箱内畜電池群111の並列接続と箱間並列接続を、別々に実施可能か否かについては、箱内の畜電池群111間の並列接続を接触器で実施不可能なので、実施不可能である。第5に、電池箱の外部接続端子101P、101Nを停電状態にできるかについては、各箱接触器113のP側と、N側と、両方共に開操作することで実施可能である。
第6に、地絡電流を遮断可能か否かについては、N側の各箱接触器113を開操作することで実施可能である。第7に、箱内の接触器数[個/箱]は畜電池群111数をNとし、2[個/箱]と最小値である。図11は、実施例1の変形例に係る回路構成の蓄電池箱101bを示す回路図である。電池箱101bでは各畜電池群111のP側とN側にそれぞれ1つずつ、各群接触器113を設置する。
このような回路構成の特徴を図14のNo.1(第1)~No.7(第7)行に対し、1つずつ解説する。第1に、箱内の畜電池群111間の並列接続を接触器で実施可能か否かについては、各群接触器112を対象の畜電池群111でP側N側両方を閉操作することで実施可能である。第2に、箱間の並列接続を接触器で実施可能か否かについては、各群接触器112を箱内全ての畜電池群111のP側と、N側と、両方共に閉操作することで実施可能である。
第3に、箱内畜電池群111を個別に電圧調整可能か否かについては、対象の畜電池群111と直列接続されたP側N側両方の各群接触器112を閉操作し、対象外の畜電池群111に直列接続された各群接触器112のP側と、N側と、少なくともどちらか1つ以上を開とすることで実施可能である。第4に、箱内畜電池群111の並列接続と箱間並列接続を、別々に実施可能か否かについては、P側N側の各群接触器112を閉操作することで、畜電池群111間が並列接続されるとともに、電池箱101が電池システム100に接続されるため、実施不可能である。
限定的には他の蓄電池箱101の接触器を全て開にしていれば可能であるが、他の蓄電池箱101の接触器状態に対して一般性が無い。第5に、電池箱の外部接続端子101P、101Nを停電状態にできるかについては、全ての各群接触器112を開操作することで実施可能である。第6に、地絡電流を遮断可能か否かについては、N側の各群箱接触器112を開操作することで実施可能である。第7に、箱内の接触器数[個/箱]は畜電池群111数をNとし、2N[個/箱]である。
図12は、実施例1の変形例に係る回路構成の蓄電池箱101cを示す回路図である。各群接触器112は、各畜電池群111よりN側かつ、畜電池群111N側接続点115NよりP側の畜電池群111毎に設置し、各箱接触器113は、畜電池群111N側接続点115NよりN側かつ、蓄電池箱101N端子101NよりP側に蓄電池箱101当たり1つ設置する。
このような回路構成の特徴を図14のNo.1~No.7に対し1つずつ解説する。第1に、箱内の畜電池群111間の並列接続を接触器で実施可能か否かについては、対象の各群接触器112を閉操作することで実施可能である。第2に、箱間の並列接続を接触器で実施可能か否かについては、箱内全ての各群接触器112と各箱接触器113を閉操作することで実施可能である。
第3に、箱内畜電池群111を個別に電圧調整可能か否かについては、対象の畜電池群111と直列接続された各群接触器112と各箱接触器113を閉操作し、対象外の畜電池群111に直列接続された各群接触器112を開とすることで実施可能である。第4に、箱内畜電池群111の並列接続と箱間並列接続を、別々に実施可能か否かについては、畜電池群111は各群接触器112を閉操作することで、箱間は各箱接触器113を閉操作することで別々に実施可能である。
第5に、電池箱の外部接続端子101P、101Nを停電状態にできるかについては、101Pについて実施不可能である。第6に、地絡電流を遮断可能か否かについては、各箱接触器113を開操作することで実施可能である。第7に、箱内の接触器数[個/箱]は畜電池群111数をNとし、N+1[個/箱]である。
図13は、実施例1の変形例に係る回路構成の蓄電池箱101dを示す回路図である。各群接触器112は各畜電池群111よりN側かつ、畜電池群111N側接続点115NよりP側に、1つを除き各畜電池群111毎に設置し、各箱接触器113は、畜電池群111N側接続点115NよりN側かつ、蓄電池箱101N端子101NよりP側に蓄電池箱101当たり1つ設置する。
このような回路構成の特徴を図14のNo.1~No.7に対し1つずつ解説する。第1に、箱内の畜電池群111間の並列接続を接触器で実施可能か否かについては、各群接触器112を閉操作することで実施可能である。ただし、畜電池群111が3つ以上ある場合でも、各群接触器12が無い畜電池群111は必ず同時に並列接続される。第2に、箱間の並列接続を接触器で実施可能か否かについては、箱内全ての各群接触器112と各箱接触器113を閉操作することで実施可能である。
第3に、箱内畜電池群111を個別に電圧調整可能か否かについては、各群接触器12が無い畜電池群111は必ず接続されるので実施不可能である。第4に、箱内畜電池群111の並列接続と箱間並列接続を、別々に実施可能か否かについては、畜電池群111は各群接触器112を閉操作することで、箱間は各箱接触器113を閉操作することで別々に実施可能である。
第5に、電池箱の外部接続端子101P、101Nを停電状態にできるかについては、101Pでは実施不可能である。第6に、地絡電流を遮断可能か否かについては、各箱接触器113を開操作することで実施可能である。第7に、箱内の接触器数[個/箱]は畜電池群111数をNとし、N[個/箱]である。
以上から、図4の蓄電池箱101は、接触器数がN+1[個/箱]と少なく抑えられながら、No.1~6の機能を全て備えることができる。特に、全ての畜電池群111のP側とN側に接触器を有し、接触器数が多い蓄電池箱101bでは実施できない、箱内畜電池群111の並列接続と箱間並列接続を、別々に実施可能という特徴を有する。
以上から、本発明の効果は、第1に接触器のコストや搭載空間を削減すること。第2に、蓄電池システム内の任意の畜電池群111と蓄電池箱101を個別に電圧調整可能とし、任意の横流が生じる電圧条件で、自動的に並列化することが可能となること。第3に横流抑制のための電圧調整の途中で走行割込することがあったとしても、箱内の電圧調整は早期に終了するため、高電圧の蓄電池箱101から順に使用することで、蓄電池システムの容量を最大限使用可能となり、走行可能距離を確保することである。
実施例1は、各群接触器112と各箱接触器113は全てそれぞれ1つの接点と開閉機構をする1極対応品であり、全ての接触器は独立に動作することが可能であった。一方で実施例2では接触器が複数の接点を有し、全ての接点が同時に開閉する場合を考える。図15以降に示す実施例2の方が、実際に製造するには好適とされている。理由の1つとして、接触器の連動開閉接点数について、3接点同時開閉型は三相同時開閉用として既存品の調達が容易である。
図15は、本発明の実施例2に係る多極接触器116の構成を示す図である。多極接触器は複数の接点116aと、それを開閉する1つの開閉機構116bを有している。開閉機構116bはバネで接点を開放する力を、通電した電磁石で閉じるような機構が一般的である。多極接触器の複数の接点116aを個別に操作させるには、開閉機構116bを複数個搭載することが必要である。
市場では、1つの開閉機構116bが複数の接点を開閉する多極接触器が流通しており、大電流を流す用途であっても電気回路のPN両端を開閉する2極品や、三相交流用の3極品が、安価に入手できる。多極接触器を用いると、電池箱内の同数の接点を1極品の接触器で構成するより、安価で小さな接触器構成とすることが出来る。
図16は、本発明の実施例2に係る鉄道車両用蓄電池システム199の回路図である。図15の多極接触器116の接点116aを、回路上の接続位置に応じて、1つの畜電池群111に対し1つ設けられた各群接点112aと、1つの電池箱101に対し1つ設けられた各箱接点113bに振り分ける。回路上の位置は、各群接点112aは実施例1の各群接触器112に、各群接点112bは実施例1の各箱接触器113に等しい。このような構成では、各畜電池群111単位での充放電は実施不可能となる。
図17は、図16の本蓄電池システム199に適用される並列化制御系統299を示すブロック図である。図5に示した実施例1の並列化制御系統200に対し、並列化制御系統299は、箱内接触器制御部207が1台の多極接触器116に対し接触器開閉操作を送信している点が異なる。
図18は、図16の本蓄電池システム199による並列化制御の前半の手順を示すフローチャート300である。図19は、図18の並列化制御の後半の手順を示すフローチャート300である。図18及び図19に示す実施例2は、多極接触器116を使用しているため、図6に示した実施例1のフローチャート300とは異なる。各ステップを順に説明する。開始ステップU1では、並列化制御のフローチャート300が開始する。この時、本蓄電池電車駆動システム1Aはオフの状態であり、全ての各群接触器112と全ての各箱接触器113は開放状態にある。
車両システムオン判定ステップU2では、車両制御装置13は、車両システムのキーがオンになっているか否かを判定する。オンの場合は次のステップに進み、オフの場合はS2に戻る。電池状態解析ステップU3では、全ての箱内の電池箱制御基板205が、各電池箱101の電池状態(各群抵抗、各群電圧、セル抵抗、セル電圧)、電池異常判定を解析し、車両制御装置13へ送信する。
対象箱選択ステップU4では、電池箱制御基板205が、箱内の畜電池群111を並列化する対象箱iを選択する。群間横流演算ステップU5では、横流演算部208が、電池箱101内の各群接触器112を閉操作した場合の横流値を計算し、群間の横流値が小さく、安全に並列化可能かどうかを判定する。多極接触器116の動作上、畜電池群111が3つ以上ある場合では、全ての畜電池群111が同時に並列接続された場合の横流を計算する。
群間電圧一致判定ステップU6では、群間横流演算ステップU5で群間電圧が一致と電池箱制御基板205が、判定した場合は全箱群間電圧調整完了判定ステップU7へ進み、電圧が不一致の場合は群間横流安全値判定ステップU8へ進む。電圧の一致とは、横流の発生を無視して良い閾値以下を示す。全箱群間電圧調整完了判定ステップU7では、全箱の群間電圧調整が完了したか否かを並列化制御部210が判定する。
群間横流安全値判定ステップU8で、横流値が大きく電圧調整不可と横流演算部208が判定した場合も、完了に含める。完了している場合は、箱間横流演算ステップU12へ進み、完了していない場合は、群間横流安全値判定ステップU8へと進む。群間横流安全値判定ステップU8では、群間電圧一致判定ステップU6において、群間の電圧が不一致と判定された内で、多極接触器116を閉操作ししても群間の横流が安全値以内であるか否かを横流演算部208が判定する。
安全値以内の場合、多極接触器閉ステップU9へ進み、安全値より大きい場合は、全箱群間電圧調整完了判定ステップU7へ進む。多極接触器閉ステップU9では、箱内接触部制御部207が、箱iの多極接触器116を閉操作する。この時、箱内接触部制御部207が、箱i内部の全ての畜電池群111を並列接続させる。一方、箱i以外の多極接触器116は、開状態であるため、箱間の横流は流れない。
電圧平坦化待ちステップU10では、箱i内部の畜電池群111の間に横流が流れ、横流によって高電圧な畜電池群111の充電率は下がり、逆に低電圧の畜電池群111の充電率が上昇することにより、開放電圧が均一になるまで、並列化制御部210が待機させる。待機は、例えば電流センサ203に流れる電流が閾値以下になるまで継続する。
多極接触器開ステップU11では、箱内接触部制御部207が、箱iの多極接触器116を開操作する。これによって、次の蓄電池箱101で電圧調整を実施した場合でも、箱間の横流は発生しない。箱間横流演算ステップU12では、横流演算部208が、組電池内の多極接触器116を閉操作した場合の横流値を計算し、箱間の横流値が小さく、安全に並列化可能かどうかを判定する。電池箱101が3つ以上ある場合は、低電圧側から並列化する操作をした場合の横流値を横流演算部208が計算する。
図19において、箱間横流安全値判定ステップU13では、箱間横流演算ステップU12で箱間横流値が小さく安全に並列接続可能と判定した場合、各箱接触器閉ステップS20へ進み、箱間横流値が大きく安全に並列接続不可能と判定した場合、走行割込判定ステップU15から箱間電圧調整完了判定ステップU23までの箱間電圧調整に進む。実施例2では畜電池群111を個別に充電する手段がないため、この段階で畜電池群111間の並列接続が不可能と判定された蓄電池箱101は、自動的な制御では使用することができず、畜電池群111を手動で個別に充放電回路に接続し、電圧調整する必要が有る。
全多極接触器閉ステップU14では、横流演算部208が演算した接触器閉可否判定に基づき、箱間横流値が小さく安全に並列接続可能な範囲で、組電池の中の多極接触器116を閉操作し電池箱101の並列接続を行う。走行割込み判定ステップU15では、箱間電圧調整の最初の段階として、運転台12から車両制御装置13の並列制御部210が、走行割込指令を受ける場合、箱間電圧調整を中断し、図7の走行割込の制御フローチャート400の走行割込開始ステップT1へ進む。
なお、群間横流安全値判定ステップU8から多極接触器開ステップU11までの群間の電圧調整で走行割込み判定ステップが無いのは、群単位での充放電による電圧調整が無いために、中断を必要とする操作が無いためである。対称箱選択ステップU16では、電池システム内の蓄電池箱101を並列化する対象箱iを選択する。iの順序は任意で良いが、電池異常判定や接触器異常判定が生じているものは後にすることが望ましい。
充電可能状況判定ステップU17では、パンタグラフ2の架線接触状況に対応する充電可否車両状況を判定、電圧調整を充電又は放電のどちらで実施するかを判断し、電圧調整目標値演算部209が電圧調整目標値を算出する。充電箱接続ステップU18では、対象電池箱iが電圧調整目標値より低電圧で充電が必要である場合、対象電池箱iに対応する多極接触器116を閉操作し、本蓄電池電車駆動システム1Aに接続し、充電可能な状態とする。対象電池箱iが電圧調整目標値より高電圧で充電が不要である場合、次のステップに進む。
電池箱充電ステップU19では、対象電池箱iが電圧調整目標値より低電圧で充電が必要である場合、コンバータ5を起動させ対象電池箱iを電圧調整目標値まで充電する。対象電池箱iが電圧調整目標値より高電圧で充電が不要である場合、次のステップに進む。放電箱接続ステップU20では、対象電池箱iが電圧調整目標値より高電圧で放電が必要である場合、箱内接触部制御部207が、対象電池箱iに対応する多極接触器116を閉操作し、本蓄電池電車駆動システム1Aに接続し、放電可能な状態とする。対象電池箱iが電圧調整目標値より低電圧で放電が不要である場合、次のステップに進む。
電池箱放電ステップU21では、対象電池箱iが電圧調整目標値より高電圧で放電が必要である場合、並列化制御部210が、補器用インバータ10を起動させ対象電池箱iを電圧調整目標値まで放電する。対象電池箱iが電圧調整目標値より低電圧で放電が不要である場合、次のステップに進む。多極接触器開ステップU22では、箱内接触部制御部207が、蓄電池箱101iの多極接触器116を開操作する。これは蓄電池箱101iを本蓄電池電車駆動システム1Aから分離し、次の蓄電池箱101i+1の電圧調整時に蓄電池箱101iと蓄電池箱101i+1との間で横流を流さないようにするためである。
箱間電圧調整完了判定ステップU23では、並列化制御部210が、全ての電池箱101で電圧調整が完了したか否かを判定する。完了していなければ対象箱選択ステップU16に戻り、電圧調整の対象電池箱を次のi+1にし、箱内の電圧調整プロセスを繰り返す。全ての電池箱101で電圧調整が完了した場合は、全多極接触器閉ステップU14に進む。終了ステップU24では、並列化処理を完了し、本蓄電池システム199は、本蓄電池電車駆動システム1Aに接続され、蓄電池走行可能状態に入っている。
図20は、図16の蓄電池箱101に対し、変形例a~dの蓄電池箱101a,101b,101c,101dの効果を比較する表である。図16に示す実施例2の蓄電池箱101に対し、図10~図13に示す変形例の蓄電池箱101a,101b,101c,101dの効果を比較する表である。実施例2において、箱101内の全ての接触器112a,113aの接点は、多極接触器で同時に開閉するとする。図14に示した実施例1における変形例との効果比較表に対し、図19の相違点は、No.3,4の各行に示した項目のみであり、その他は同一である。
第3(No.3)の項目、箱内畜電池群111を個別に電圧調整可能か否かについては、多極接触器の各畜電池群111接点112aが箱内で同時に動作するため、全ての回路構成で不可能になる。第4(No.4)の項目、箱内畜電池群111の並列接続と箱間並列接続を、別々に実施可能か否かについては、多極接触器の各畜電池群111接点112aと各箱接点113aが同時に動作するため、一般には不可能であるが、限定的には他の蓄電池箱101の接触器を全て開にしていれば可能である。
以上より、多極接触器を用いる実施例2においても、図4の蓄電池箱101は、接触器数がN+1[個/箱]と少なく抑えられ、かつNo.1,2~4~6の機能を発揮できる。No.3においても、他の箱の接触器を開にすれば対応可能である。全ての畜電池群111のP側とN側に接触器を有し、接触器数が多い蓄電池箱101bと同等の効果を、接点数を減らしながら実現できる。
ただし、実施例2において、畜電池群111を個別に充電する手段がないため、畜電池群111間で並列接続不可能と判定された蓄電池箱101は、自動的な制御では使用することができず、畜電池群111を手動で個別に充放電回路に接続し、電圧調整する必要が有る。
上述した鉄道車両用蓄電池システム100,199は、自動車よりも多数の電池量を必要としている。蓄電池は、単一の電池セルの複数をパッケージ化された電池モジュール(畜電池群111)の形態で蓄電池箱101の内部に格納されており、鉄道車両の性能を満たすように、直列接続された畜電池群111をさらに並列に接続する。
組電池の最大電流値や電荷容量を増やすためには、畜電池群111の並列数を増やす必要があり、箱内で複数の畜電池群111が並列接続され、さらに複数の蓄電池箱101が並列接続される。蓄電池箱101内には、蓄電池箱101と周辺回路を接続又は遮断する接触器が配設されている。接触器は、例えば、車両システムがオフの時は遮断(開操作)し、車両システムがオンの時は接続(閉操作)する。
なお、上述の実施例では、鉄道車両に搭載される蓄電池システムを例示したが、その用途は鉄道車両に限定されない。本発明の技術思想は、定置用その他の様々なシステム内の蓄電池システムに対しても適用できる。また、上述の実施例では、蓄電装置を構成する蓄電池にリチウムイオン電池を適用した場合を例示したが、鉛電池やニッケル水素電池、又はコンデンサ等、その他の蓄電素子にも、同様に適用できる。
蓄電池システム100は、つぎのように総括できる。
[1]図2~図5に示す本蓄電池システム100は、組電池と、組電池への充電装置(コンバータ5)及び放電装置(補機用インバータ10)と、蓄電池箱101に配設された各群別の群開閉装置112と、並列化制御部210と、を備える。組電池は、蓄電池箱101を1つ以上有して本蓄電池システム100を主要構成する。
蓄電池箱101は、複数の畜電池群111が並列接続されて格納される。並列化制御部210は、複数の畜電池群111それぞれを均等な電圧に維持させる。群開閉装置112は、畜電池群111それぞれの少なくとも一方の極(例えば正極)に、各群別に直列接続される。また、その反対の負極は、複数の畜電池群111それぞれが接続点115Nに並列接続される。その接続点115Nには、各箱開閉装置113が1つ直列接続される。
並列化制御部210は、各群別に直列接続された群開閉装置112それぞれを閉じることで、蓄電池箱101内の畜電池群111を並列接続する。すなわち、並列化制御部210は、群開閉装置112それぞれの全部と、箱開閉装置113と、を閉じることで組電池内の蓄電池箱101を並列接続する。
本蓄電池システム100は、複数の畜電池群111を内部に有した蓄電池箱101の複数を並列接続する際に、横流を制御する接触器112,113の総数を削減することが可能である。すなわち、開閉装置の数について、従来のものでは、各郡各極に1個ずつ不可欠であった。それに比べ、図4に示すように、本蓄電池システム100は、2群1箱なら4個のところ3個とし、3群1箱なら6個のところ4個に減らせる。
そのように簡素化したにも関わらず、本蓄電池システム100は、電池交換作業に伴う危険防止(遠隔操作)も配慮しながら、なおかつ、各群開閉装置112と、各箱開閉装置113と、の合計を少数化できる。主に整備停車中に、一部の劣化畜電池群111のみ交換した直後、各郡各箱の電圧差を横流少なく電圧均等化させるために必要最小限のスイッチ数を実現できる。
[2]図4に示した上記[1]において、並列化制御部210は、特定の畜電池群111を組電池に接続して充電又は放電する場合、特定の畜電池群111と直列に接続された群開閉装置112を閉とし、特定の畜電池群111を有する蓄電池箱101の箱開閉装置113を閉とし、特定の畜電池群111を有する蓄電池箱101の他の群開閉装置112を開とし、特定の畜電池群111を有する蓄電池箱101以外の蓄電池箱101の箱開閉装置113を開とする。このような本蓄電池システム100は、特定の畜電池群111及びそれを含む蓄電池箱101を他のものから区別するように切り分けて充放電することにより、横流の原因となる充電率の差又は電圧差を解消できる。特に整備停車中に、一部の劣化畜電池群111のみ交換する作業の効率化にも都合が良い。
[3]図6~図9に示すように、上記[1]において、並列化制御部210は、蓄電池箱101内で並列接続する畜電池群111の相互間の電圧差から発生する電流値を電流計算値として計算し、電流計算値が安全上の閾値を超過して電圧調整が必要な場合に組電池が充電可能状態であるか否かを判定し、充電可能である場合は低電圧の畜電池群111を最高電圧の畜電池群111の電圧まで充電し、充電不可能である場合は高電圧の畜電池群111を最低電圧の畜電池群111の電圧まで放電する。
つまり、本蓄電池システム100は、架線に繋がって充電可能なとき、低電圧を高電圧に揃える方向に充電して並列化制御する。逆に、本蓄電池システム100は、架線に繋がっていないとき、充電不可能と判断して、高電圧を低電圧に揃える方向に放電して並列化制御する。したがって、本蓄電池システム100は、蓄電池電車ばかりか、ハイブリッド気動車にも好適である。本蓄電池システム100は、複数の畜電池群111と、1つ以上の電池箱101と、それぞれの電圧がいかなる値であっても、自動的な電圧調整で過大な横流を避けて並列接続を実現できる。
[4]上記[1]において、並列化制御部210は、並列接続する蓄電池箱101の相互間の電圧差から発生する電流値を計算し、電流計算値が安全上の閾値を超過して電圧調整が必要な場合に組電池が充電可能状態であるか否かを判定し、充電可能である場合は低電圧の蓄電池箱101を最高電圧の蓄電池箱101の電圧まで充電し、充電不可能である場合は高電圧の蓄電池箱101を最低電圧の蓄電池箱101の電圧まで放電する。このような本蓄電池システム100は、蓄電池箱101の単位で横流を抑制するように構成されており、実際の車上装置としての設計、製造、及び保守が容易である。
図6、図18及び図19に示すように、上記[3],[4]の本蓄電池システム100は、畜電池群111又は蓄電池箱101を並列接続する際の横流値が安全上の閾値を逸脱する場合、各群接触器112と各箱接触器113を個別に操作し、電圧調整対象の畜電池群111や電池箱101を外部の回路に接続し、充電又は放電することで電圧調整する。鉄道車両へ適応される本蓄電池システム100によれば、横流を少なく電圧均等化させるため、走行割り込みのほか、回生電力による過電圧対策として補機への放電も含む具体的なスイッチ切替制御を確実に実現できる。
[5]上記[3]又は[4]において、並列化制御部210は、先に全ての蓄電池箱101内の畜電池群111を電圧調整し並列接続した後、組電池全体の蓄電池箱101を電圧調整して並列接続する。蓄電池電車の場合、組電池全体を並列化制御するための所要時間が、例えば10分程度かかるとしても、蓄電池箱101が複数あるうちの1つだけ短時間で並列化を完了して有効に機能できれば、とりあえず力行させられるので、可用性を維持し易い。つまり、先に全ての蓄電池箱101内の畜電池群111を電圧調整すれば、同時完了でなくても、一番早く電圧調整の完了した蓄電池箱101だけを利用可能に選択すれば良い。
[6]図5及び図17に示すように、上記[3]又は[4]において、並列化制御部210は、電圧調整の途中で運転台12から走行指令の割り込みを受けた場合、電圧調整を中断すると同時に、並列接続可能な畜電池群111に直結する開閉装置を全て閉操作する。このような本蓄電池システム100によれば、続可能な畜電池群111だけを選択的に接続して力行させられるので、緊急時にも立ち往生することが少なくて済む。
[7]図9に示すように、上記[6]において、並列化制御部210は、まず最も高電圧な蓄電池箱101を組電池に接続し、走行中接続した蓄電池箱101が電圧低下し、非接続の蓄電池箱101と同電圧となった場合、非接続の蓄電池箱101を新たに組電池に接続する。架線からの電力供給が得られずに、放電する一方の蓄電池電車において、このような本蓄電池システム100は、使えるものと使えないものが混在するなかで、電圧差が無くなって使用可能になったものを順次接続して組電池に組み入れるので、航続可能距離を最大限に伸ばせる。
[8]上記[3]において、並列化制御部210は、電圧調整の対象とする畜電池群111を、電圧調整に要する充放電電荷量が少ないものから順に選択する。このような本蓄電池システム100を適用した車両は、緊急時に、まず走れるようにするための合理的で最適な並列化制御を実現できる。
[9]上記[3]又は[4]において、並列化制御部210は、電圧調整の対象とする蓄電池箱101又は畜電池群111を、電池異常判定と開閉装置異常判定が生じていないものから選択する。このような本蓄電池システム100を適用した車両は、冗長構成された組電池において、使えるものと使えないものが混在すれば、とりあえず走れるようにするための合理的で最適な制御を実現し、ダイヤどおりに運行し易く可用性維持できる。
[10]図5、図8、図9及び図17に示すように、上記[3]又は[4]において、並列化制御部210は、組電池内の接触器開閉状況と、各畜電池群111電圧と、各蓄電池箱101電圧と、電圧調整残り時間と、航続可能距離と、最大加速力と、の少なくとも何れかを有する情報を運転台12へ送信し、運転台12に配設されたモニタで情報を表示する。このような本蓄電池システム100を適用した車両は、運転士に対する畜電池制御の負担を軽減できる。
[11]図8及び図9に示すように、上記[10]において、モニタ表示する情報は、さらに、現在時刻から電圧調整が継続され将来時間で走行指令が発せれられた場合の接触器開閉状況と、航続可能距離と、加速力と、の少なくとも何れかを有する。このような本蓄電池システム100を適用した車両は、発車を待つ運転士に車両の状態を示すので、余裕と安心感を与える。
[12]上記[11]において、モニタ表示する情報は、電池箱101を並列化した時点の値が適用され、電圧調整の途中で走行開始した時点から航続可能距離の算出に供される。このような本蓄電池システム100を適用した車両は、運転士にとって、畜電池の残量を管理する負担を軽減できる。なお、実際の車両における並列化制御は、主に電池箱101の単位が多いものの、畜電池群111の単位でも可能である。
[13]上記[10]において、モニタ表示する情報は、路線上の所定地点まで到達可能であるか否かの判定材料に供される。このような本蓄電池システム100を適用した車両は、トンネル、橋梁、及びデッドセクション等から脱出し易くなるだけでなく、駅までたどり着けるか否かの判断にも信頼性を高められる。
[14]図15に示すように、上記[4]において、畜電池群111に備わる開閉装置の全てと、箱開閉装置それぞれが1つの箱共有の開閉動作機構を共有し、同時に開閉動作可能である。このような接触器112,113は、単相両極開閉用のほか、三相回路用として、信頼性が高く、調達容易で、周知の既製品を流用できる。それを適用する本蓄電池システム100は、その設計、製造及び保守が容易であり、実用性を高められる。
[15]図6、図7、図18及び図19に示すように、上記[14]において、組電池内で箱内の全ての畜電池群111を並列したい蓄電池箱101を蓄電池箱101として、並列化制御部210は蓄電池箱101内で同時に並列接続される全ての畜電池群111の相互間の電圧差から発生する電流値を計算し、電流計算値が安全上の閾値以内で並列接続が可能である場合、蓄電池箱101の箱共有の開閉動作機構を閉操作し、蓄電池箱101以外の箱共有の開閉動作機構を開操作することで、蓄電池箱101内の畜電池群111の並列接続を、蓄電池箱101以外の蓄電池箱101と分離する。このような本蓄電池システム100は、合理的で最適な並列化制御を実現できる。
本発明の実施形態に係る鉄道車両用蓄電池制御方法(本方法)は、つぎのように総括できる。
[16]図2~図7、図18及び図19に示すように、本方法は、並列接続された複数の畜電池群111が格納された蓄電池箱101を1つ以上により形成される組電池に対し、並列化制御部210が、複数の畜電池群111それぞれの電圧を均等に維持させるように並列化制御する。
その並列化制御は、蓄電池箱101の中で、畜電池群111それぞれの少なくとも一方の極に直列接続された各群別の群開閉装置112を開閉制御する。このような本方法において、群開閉装置112それぞれが直列接続された(例えば正)極に対する反対の(例えば負)極で、複数の畜電池群111それぞれが並列接続された接続点115Nに、1つ直列接続された各箱開閉装置113を用いる。
また、並列化制御部210は、群開閉装置112それぞれを閉じれば、蓄電池箱101内に限って畜電池群111を並列接続できる。さらに、並列化制御部210は、群開閉装置112それぞれに加えて、箱開閉装置113まで閉じたならば、それを閉じた蓄電池箱101を組電池内に並列接続できる。このような本方法によれば、畜電池群111相互間又は蓄電池箱101相互間の横流を抑制するために必要な接触器112,113の数を最少化できる。また、並列化制御のために充放電を必要とされる特定の畜電池群111を組電池から安全に脱着させられる。つまり、横流によるアーク発生等の危険を防ぎながら、劣化した畜電池群111を安全に交換できる。
1A…蓄電池電車駆動システム、1B…ハイブリッド気動車用駆動システム(本ハイブリッド駆動システム)、2…パンタグラフ、3…エンジン、4…発電機、5…コンバータ、6…電動機用インバータ、7…電動機、8…減速機、9…輪軸、10…補機用インバータ、11…補機、12…運転台12、13…車両制御装置、14…架線、15…アース、100…鉄道車両用蓄電池システム(組電池)、100P…蓄電池システムP端子、100N…蓄電池システムN端子、101,101a,101b,101c,101d…蓄電池箱、101P…蓄電池箱P端子、101N…蓄電池箱N端子、111…畜電池群、112…各群接触器、112a…各群接点、113…各箱接触器、113a…各箱接点、114…サービスコネクタ、115P…畜電池群P側接続点、115N…畜電池群N側接続点、116…多極接触器、116a…接点、116b…開閉機構、200,299…並列化制御系統、201…電池モジュール、202…セルコン基板、203…電流センサ、204…電圧センサ、205…電池箱制御基板、206…電池状態解析部、207…箱内接触器制御部、208…横流演算部、209…電圧調整目標値演算部、210…並列化制御部、300…並列化制御フローチャート、400…走行割込フローチャート、S1…開始ステップ、S2…車両システムオン判定ステップ、S3…電池状態解析ステップ、S4…対象箱選択ステップ、S5…群間横流演算ステップ、S6…群間横流安全判定ステップ、S7…各群接触器閉ステップ、S8…走行割込判定ステップ、S9…対象群選択ステップ、S10…充電可能状況判定ステップ、S11…充電群接続ステップ、S12…畜電池群充電ステップ、S13…放電群接続ステップ、S14…畜電池群放電ステップ、S15…群間電圧調整完了判定ステップ、S16…各箱接触器開ステップ、S17…全箱群間電圧調整完了判定ステップ、S18…箱間横流演算ステップ、S19…箱間横流安全判定ステップ、S20…各箱接触器閉ステップ、S21…走行割込判定ステップ、S22…対象箱選択ステップ、S23…充電可能状況判定ステップ、S24…充電箱接続ステップ、S25…電池箱充電ステップ、S26…放電箱接続ステップ、S27…電池箱放電ステップ、S28…各箱接触器開ステップ、S29…箱間電圧調整完了判定ステップ、S30…終了ステップ、T1…走行割込開始ステップ、T2…使用可能電池箱判定ステップ、T3…最高電圧箱接続ステップ、T4…走行ステップ、T5…箱電圧一致ステップ、T6…各箱接触器閉ステップ、T7…全箱並列化判定ステップ、T8…終了ステップ、U1…開始ステップ、U2…車両システムオン判定ステップ、U3…電池状態解析ステップ、U4…対象箱選択ステップ、U5…群間横流演算ステップ、U6…群間電圧一致判定ステップ、U7…全箱群間電圧調整完了判定ステップ、U8…群間横流安全値判定ステップ、U9…多極接触器閉ステップ、U10…電圧平坦化待ちステップ、U11…多極接触器開ステップ、U12…箱間横流演算ステップ、U13…箱間横流安全値判定ステップ、U14…全多極接触器閉ステップ、U15…走行割込み判定ステップ、U16…対称箱選択ステップ、U17…充電可能状況判定ステップ、U18…充電箱接続ステップ、U19…電池箱充電ステップ、U20…放電箱接続ステップ、U21…電池箱放電ステップ、U22…多極接触器開ステップ、U23…箱間電圧調整完了判定ステップ、U24…終了ステップ

Claims (30)

  1. 並列接続された複数の畜電池群が格納された1つ以上の蓄電池箱と、
    複数の前記畜電池群それぞれを均等な電圧に維持させる並列化制御部と、
    前記蓄電池箱に配設されて、
    前記畜電池群それぞれの少なくとも一方の極に直列接続された各群別の群開閉装置と、
    を備えて組電池を構成する鉄道車両用蓄電池システムにおいて、
    前記群開閉装置それぞれが直列接続された極と反対の極で、複数の前記畜電池群が並列接続された接続点に直列接続された各箱開閉装置を1つ有し、
    前記並列化制御部は、前記群開閉装置それぞれを閉じることで、前記蓄電池箱内の前記畜電池群を並列接続し、前記群開閉装置それぞれと、前記箱開閉装置と、を閉じることで前記蓄電池箱を並列接続する、
    鉄道車両用蓄電池システム。
  2. 前記並列化制御部は、
    特定の前記畜電池群を前記組電池に接続して充電又は放電する場合、
    特定の前記畜電池群と直列に接続された前記群開閉装置を閉とし、
    特定の前記畜電池群を有する前記蓄電池箱の前記箱開閉装置を閉とし、
    特定の前記畜電池群を有する前記蓄電池箱の他の前記群開閉装置を開とし、
    特定の前記畜電池群を有する前記蓄電池箱以外の前記蓄電池箱の箱開閉装置を開とする、
    請求項1に記載の鉄道車両用蓄電池システム。
  3. 前記並列化制御部は、
    前記蓄電池箱内で並列接続する前記畜電池群の相互間の電圧差から発生する電流値を電流計算値として計算し、
    前記電流計算値が安全上の閾値を超過して電圧調整が必要な場合に前記組電池が充電可能状態であるか否かを判定し、
    充電可能である場合は低電圧の前記畜電池群を最高電圧の前記畜電池群の電圧まで充電し、
    充電不可能である場合は高電圧の前記畜電池群を最低電圧の前記畜電池群の電圧まで放電する、
    請求項1に記載の鉄道車両用蓄電池システム。
  4. 前記並列化制御部は、
    並列接続する前記蓄電池箱の相互間の電圧差から発生する電流値を計算し、
    前記電流値が安全上の閾値を超過して電圧調整が必要な場合に前記組電池が充電可能状態であるか否かを判定し、
    充電可能である場合は低電圧の前記蓄電池箱を最高電圧の前記蓄電池箱の電圧まで充電し、
    充電不可能である場合は高電圧の前記蓄電池箱を最低電圧の前記蓄電池箱の電圧まで放電する、
    請求項1に記載の鉄道車両用蓄電池システム。
  5. 前記並列化制御部は、
    先に全ての前記蓄電池箱内の前記畜電池群を電圧調整し並列接続した後、
    前記組電池全体の前記蓄電池箱を電圧調整して並列接続する、
    請求項3又は4に記載の鉄道車両用蓄電池システム。
  6. 前記並列化制御部は、
    前記電圧調整の途中で運転台から走行指令を受けた場合、
    前記電圧調整を中断すると同時に並列接続可能な前記畜電池群に直結する開閉装置を全て閉操作する、
    請求項3又は4に記載の鉄道車両用蓄電池システム。
  7. 前記並列化制御部は、
    まず最も高電圧な前記蓄電池箱を前記組電池に接続し、
    走行中前記接続した蓄電池箱が電圧低下し、非接続の蓄電池箱と同電圧となった場合、
    前記非接続の蓄電池箱を新たに前記組電池に接続する、
    請求項6に記載の鉄道車両用蓄電池システム。
  8. 前記並列化制御部は、
    前記電圧調整の対象とする前記畜電池群を、
    前記電圧調整に要する充放電電荷量が少ないものから順に選択する、
    請求項3に記載の鉄道車両用蓄電池システム。
  9. 前記並列化制御部は、
    前記電圧調整の対象とする前記蓄電池箱又は前記畜電池群を、
    電池異常判定と開閉装置異常判定が生じていないものから選択する、
    請求項3又は4に記載の鉄道車両用蓄電池システム。
  10. 前記並列化制御部は、
    前記組電池内の接触器開閉状況と、各畜電池群電圧と、各蓄電池箱電圧と、電圧調整残り時間と、航続可能距離と、最大加速力と、の少なくとも何れかを有する情報を運転台へ送信し、
    該運転台に配設されたモニタで前記情報を表示する、
    請求項3又は4に記載の鉄道車両用蓄電池システム。
  11. 前記情報は、さらに、現在時刻から前記電圧調整が継続され将来時間で走行指令が発せれられた場合の接触器開閉状況と、航続可能距離と、加速力と、の少なくとも何れかを有する、
    請求項10に記載の鉄道車両用蓄電池システム。
  12. 前記情報は、電池箱を並列化した時点の値が適用され、前記電圧調整の途中で走行開始した時点から前記航続可能距離の算出に供される、
    請求項11に記載の鉄道車両用蓄電池システム。
  13. 前記情報は、路線上の所定地点まで到達可能であるか否かの判定材料に供される、
    請求項10に記載の鉄道車両用蓄電池システム。
  14. 前記畜電池群に備わる開閉装置の全てと、前記箱開閉装置それぞれが1つの箱共有の開閉動作機構を共有し、同時に開閉動作可能な、
    請求項4に記載の鉄道車両用蓄電池システム。
  15. 前記組電池内で箱内の全ての前記畜電池群を並列したい蓄電池箱を蓄電池箱として、
    前記並列化制御部は前記蓄電池箱内で同時に並列接続される全ての前記畜電池群の相互間の電圧差から発生する電流値を計算し、
    前記電流値が安全上の閾値以内で並列接続が可能である場合、
    前記蓄電池箱の箱共有の前記開閉動作機構を閉操作し、前記蓄電池箱以外の箱共有の前記開閉動作機構を開操作することで、
    前記蓄電池箱内の畜電池群の並列接続を、前記蓄電池箱以外の前記蓄電池箱と分離する、
    請求項14に記載の鉄道車両用蓄電池システム。
  16. 並列接続された複数の畜電池群が格納された蓄電池箱の1つ以上を並列接続して組電池に形成し、
    並列化制御部が、複数の前記畜電池群それぞれの電圧を均等に維持させるように並列化制御するために、
    前記蓄電池箱の中で、前記畜電池群それぞれの少なくとも一方の極に直列接続された各群別の群開閉装置を開閉制御する、
    鉄道車両用蓄電池制御方法において、
    前記群開閉装置それぞれが直列接続された極と反対の極を複数の前記畜電池群が並列接続される接続点とし、
    該接続点に各箱開閉装置が1つ直列接続され、
    前記並列化制御部が、前記群開閉装置それぞれを閉じることで、前記蓄電池箱内の前記畜電池群を並列接続し、前記群開閉装置それぞれと、前記箱開閉装置と、を閉じることで前記蓄電池箱を並列接続する、
    鉄道車両用蓄電池制御方法。
  17. 前記並列化制御部は、
    特定の前記畜電池群を前記組電池に接続して充電又は放電する場合、
    特定の前記畜電池群と直列に接続された前記群開閉装置を閉とし、
    特定の前記畜電池群を有する前記蓄電池箱の前記箱開閉装置を閉とし、
    特定の前記畜電池群を有する前記蓄電池箱の他の前記群開閉装置を開とし、
    特定の前記畜電池群を有する前記蓄電池箱以外の前記蓄電池箱の箱開閉装置を開とする、
    請求項16に記載の鉄道車両用蓄電池制御方法。
  18. 前記並列化制御部は、
    前記蓄電池箱内で並列接続する前記畜電池群の相互間の電圧差から発生する電流値を電流値として計算し、
    前記電流値が安全上の閾値を超過して電圧調整が必要な場合に前記組電池が充電可能状態であるか否かを判定し、
    充電可能である場合は低電圧の前記畜電池群を最高電圧の前記畜電池群の電圧まで充電し、
    充電不可能である場合は高電圧の前記畜電池群を最低電圧の前記畜電池群の電圧まで放電する、
    請求項16に記載の鉄道車両用蓄電池制御方法。
  19. 前記並列化制御部は、
    並列接続する前記蓄電池箱の相互間の電圧差から発生する電流値を計算し、
    前記電流値が安全上の閾値を超過して電圧調整が必要な場合に前記組電池が充電可能状態であるか否かを判定し、
    充電可能である場合は低電圧の前記蓄電池箱を最高電圧の前記蓄電池箱の電圧まで充電し、
    充電不可能である場合は高電圧の前記蓄電池箱を最低電圧の前記蓄電池箱の電圧まで放電する、
    請求項18に記載の鉄道車両用蓄電池制御方法。
  20. 前記並列化制御部は、
    先に全ての前記蓄電池箱内の前記畜電池群を電圧調整し並列接続した後、
    前記組電池全体の前記蓄電池箱を電圧調整して並列接続する、
    請求項18又は19に記載の鉄道車両用蓄電池制御方法。
  21. 前記並列化制御部は、
    前記電圧調整の途中で運転台から走行指令を受けた場合、
    前記電圧調整を中断すると同時に並列接続可能な前記畜電池群に直結する開閉装置を全て閉操作する、
    請求項18又は19に記載の鉄道車両用蓄電池制御方法。
  22. 前記並列化制御部は、
    まず最も高電圧な前記蓄電池箱を前記組電池に接続し、
    走行中前記接続した蓄電池箱が電圧低下し、非接続の蓄電池箱と同電圧となった場合、
    前記非接続の蓄電池箱を新たに前記組電池に接続する、
    請求項21に記載の鉄道車両用蓄電池制御方法。
  23. 前記並列化制御部は、
    前記電圧調整の対象とする前記畜電池群を、
    前記電圧調整に要する充放電電荷量が少ないものから順に選択する、
    請求項18に記載の鉄道車両用蓄電池制御方法。
  24. 前記並列化制御部は、
    前記電圧調整の対象とする前記蓄電池箱又は前記畜電池群を、
    電池異常判定と開閉装置異常判定が生じていないものから選択する、
    請求項18又は19に記載の鉄道車両用蓄電池制御方法。
  25. 前記並列化制御部は、
    前記組電池内の接触器開閉状況と、各畜電池群電圧と、各蓄電池箱電圧と、電圧調整残り時間と、航続可能距離と、最大加速力と、の少なくとも何れかを有する情報を運転台へ送信し、
    該運転台に配設されたモニタで前記情報を表示する、
    請求項18又は19に記載の鉄道車両用蓄電池制御方法。
  26. 前記情報は、さらに、現在時刻から前記電圧調整が継続され将来時間で走行指令が発せれられた場合の接触器開閉状況と、航続可能距離と、加速力と、の少なくとも何れかを有する、
    請求項25に記載の鉄道車両用蓄電池制御方法。
  27. 前記情報は、電池箱を並列化した時点の値が適用され、前記電圧調整の途中で走行開始した時点から前記航続可能距離の算出に供される、
    請求項26に記載の鉄道車両用蓄電池制御方法。
  28. 前記情報は、路線上の所定地点まで到達可能であるか否かの判定材料に供される、
    請求項25に記載の鉄道車両用蓄電池制御方法。
  29. 前記畜電池群に備わる開閉装置の全てと、前記箱開閉装置それぞれが1つの箱共有の開閉動作機構を共有し、同時に開閉動作可能な、
    請求項19に記載の鉄道車両用蓄電池制御方法。
  30. 前記組電池内で箱内の全ての前記畜電池群を並列したい蓄電池箱を蓄電池箱として、
    前記並列化制御部は前記蓄電池箱内で同時に並列接続される全ての前記畜電池群の相互間の電圧差から発生する電流値を計算し、
    前記電流値が安全上の閾値以内で並列接続が可能である場合、
    前記蓄電池箱の箱共有の前記開閉動作機構を閉操作し、前記蓄電池箱以外の箱共有の前記開閉動作機構を開操作することで、
    前記蓄電池箱内の畜電池群の並列接続を、前記蓄電池箱以外の前記蓄電池箱と分離する、
    請求項29に記載の鉄道車両用蓄電池制御方法。
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