JP7048313B2 - 鉄道車両に備えられた蓄電装置の充放電を制御する制御装置及び制御方法 - Google Patents

鉄道車両に備えられた蓄電装置の充放電を制御する制御装置及び制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、概して、鉄道車両に備えられた蓄電装置の充放電の制御に関する。
近年、地球温暖化といった環境問題を背景に、様々な産業分野において、省エネルギー化が一層重要になってきており、同じ輸送システムである自動車や航空機と比べてエネルギー効率が高いとされている鉄道においても、更なる消費電力量の削減が求められている。このような状況を踏まえて、軽負荷時の回生電力を蓄電池に吸収する電車や、エンジンと蓄電池を組み合わせたハイブリッド気動車など、蓄電池を搭載した鉄道車両が普及してきている。
このような鉄道車両に搭載される蓄電装置は、高電圧かつ大容量が要求されるため、複数の蓄電池(以下、電池セルと呼ぶ)を直列に接続して高電圧化し、更にこの直列体(以下、組電池と呼ぶ)を複数並列に接続して大容量化している。
このような電池セルを多直多並列に接続して構成される電池ブロックにおいては、組電池を充放電するとき、組電池に含まれる複数の電池セルのうち、初めに上限電圧又は下限電圧に到達した電池セルによって組電池全体の充放電可能範囲が決まる。
組電池に含まれる複数の電池セル間で充電率(以下、SOC(State Of Charge)と呼ぶ)にばらつきがあると、組電池の実使用範囲が狭くなり、電池セルの性能を十分に発揮することができなくなる場合がある。よって電池ブロック内の複数の電池セルのSOCを均等化しながら運用する必要がある。
複数の電池セルを多直多並列に接続して構成される電池ブロック内の電池セルのSOC均等化の手法(以下、バランシング制御と呼ぶ)としては、例えば下記の特許文献1に記載の技術がある。特許文献1には、電池セルが開放状態にある場合の電圧(以下、OCV(Open Circuit Voltage)と呼ぶ)に対しSOCが単調増加する特性を利用して、電池セル毎に電圧を検出し、最小電圧の電池セルとほぼ同じ電圧となるよう他の電池セルを放電することにより、各電池セルのSOCを均等化するバランシング制御方式が開示されている。
また、各セル電圧を基にSOCを均等化する場合は、各電池セルのSOCに対応するOCVをなるべく正確に測定することが重要である。充放電中の電池セルは、OCVに電圧降下分に加わる。そして、充放電停止後も分極によりOCVに残留電圧が加わっている。そこで特許文献2には、電動車両のイグニッションスイッチがオフとなってから一定時間経過後にSOCの均等化を実施するバランシング制御方式が開示されている。
特開2002-025628号公報 特開2015-154630号公報
特許文献1、及び特許文献2に開示された従来技術の手法によれば、例えば正極材に3元系、負極材に非晶質炭素を用いたリチウムイオン電池の場合、どのSOC領域においてもOCVに対するSOCの傾き(以下、|ΔOCV/ΔSOC|と呼ぶ)が大きい。そのため、OCVの計測誤差がわずかであればSOC値の差異もわずかである。故に、精度よくSOCを均等化することは難しくない。
しかし、例えば負極材に黒鉛やチタン酸リチウムを用いたリチウムイオン電池の場合、中央のSOC50%前後のSOC領域において、|ΔOCV/ΔSOC|が小さい。そのため、中央付近のSOC領域でバランシング制御を実施した場合、僅かなOCVの計測誤差であっても大幅にSOC値が異なってしまう。故に、精度よくSOCを均等化することが困難である。ハイブリッド車両のように充電と放電の両方を行う車両では、通常、充電と放電のバランスを適切にするためにSOCは中央付近のSOC領域に維持されるが、SOCが中央付近のSOC領域であると、|ΔOCV/ΔSOC|が小さい中央付近のSOC領域を持つ電池が採用された場合、精度よくSOCを均等化することが困難である。
本発明はこのような従来技術の実情からなされたもので、その目的は、鉄道車両に備えられる蓄電装置内の蓄電池の種類に関わらずに精度よくSOCを均等化することにある。
上記の目的を達成するために、鉄道車両に備えられる蓄電装置のバランシング制御を含む充放電制を行う制御装置が、蓄電装置の充電率が第1閾値以上の場合に蓄電装置を放電し蓄電装置の充電率が第2閾値(第2閾値<第1閾値)以下の場合に蓄電装置を充電する充放電制御部と、鉄道車両が停車中である場合に当該停車中の場所がバランシング制御を行う可能性のある予め指定した停車場であるかの停車場判定を行う停車場判定部と、停車場判定の結果が真の場合に第1の閾値及び第2の閾値の少なくとも1つを変更する閾値決定部とを備える。
本発明に係る制御装置は、鉄道車両毎に備えられてもよいし、連結した複数の鉄道車両のうちの特定の鉄道車両(例えば運転台のある鉄道車両)にのみ備えられてもよい。
本発明によれば、鉄道車両に備えられる蓄電装置内の蓄電池の種類に関わらずに精度よくSOCを均等化することができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1実施形態に係る鉄道車両用駆動システムのシステム構成を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る制御装置の機能構成を示す図である。 本発明の第1実施形態に係るバランシング判定部の制御処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係るSOC-OCVテーブルの一例であって、負極に非晶質炭素を用いたリチウムイオン電池のSOC-OCV特性を示すSOC-OCVテーブルを示す図である。 本発明の第1実施形態に係るセルコントローラの制御処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る電池セルの必要放電時間演算を説明するための図である。 本発明の第1実施形態に係るSOC-OCVテーブルの一例であって、負極に非晶質炭素又は黒鉛を適用したリチウムイオン電池のSOC-OCV特性を示すSOC-OCVテーブルを示す図である。 本発明の第1実施形態に係る電圧センサに計測誤差を含む場合のOCVとSOCの関係を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る停車場と駅コード、駅間距離、走行経路の関係を示す一例である。 本発明の第1実施形態に係る走行距離-駅コードテーブルの一例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る駅コード-停車場対応テーブルの一例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る動作モード判定の説明図である。 本発明の第1実施形態に係る指令値対応テーブルの一例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係るエンジンノッチ指令値とコンバータ発電電力指令値の対応関係を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る電動機用インバータ指令値算出の説明図である。 本発明の第1実施形態に係る停車中のエンジンノッチ指令値切り替えの説明図である。 本発明の第1実施形態に係る鉄道車両の一例であるハイブリッド気動車に搭載された蓄電装置のSOC推移の一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るシステム停止信号入力前後のタイムチャートである。 本発明の第2実施形態に係る鉄道車両の一例であるハイブリッド気動車に搭載された蓄電装置のSOC推移の一例を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る鉄道車両の運用方法の一例を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る制御装置の機能構成を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る運用パターンの一例を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る駅コード-停車場対応テーブルの一例を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る鉄道車両用駆動システムのシステム構成を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る制御装置の機能構成を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る停車中の架線供給電力指令値の切り替えの説明図である。 本発明の第5実施形態に係る軽負荷回生システム電車に搭載された蓄電装置のSOC推移の一例を示す図である。 本発明の第6実施形態に係るシステム停止信号入力前後のタイムチャートである。 本発明の第6実施形態に係る軽負荷回生システム電車に搭載された蓄電装置のSOC推移の一例を示す図である。
以下、本発明に係る鉄道車両用駆動システムを実施するための形態を図に基づいて説明する。
以下に説明する実施形態では、エンジンと蓄電装置を搭載したハイブリッド気動車や力行中の鉄道車両が少ない軽負荷時に回生電力を蓄電装置に蓄電する軽負荷回生システムを搭載した鉄道車両(以下、軽負荷回生システム電車と呼ぶ)に対して適用した場合を例に挙げて説明する。しかし、本実施形態は、蓄電装置を電車に搭載して非電化区間を蓄電装置の放電電力で走行する蓄電池電車や、停電などの非常時に蓄電装置の放電電力で走行する非常走行システムを搭載した鉄道車両にも同様に適用できる。
また以下に説明する実施形態は、蓄電装置を構成する蓄電池にリチウムイオン電池を適用した場合を例に挙げて説明するが、鉛電池やニッケル水素電池など、その他の蓄電池にも、同様に適用できる。
また以下に説明する実施形態では、「記憶部」は、1以上のメモリを含む。記憶部における少なくとも1つのメモリは、揮発性メモリであってもよいし不揮発性メモリであってもよい。
また以下に説明する実施形態では、「プロセッサ部」は、1以上のプロセッサである。少なくとも1つのプロセッサは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサであるが、GUP(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、処理の一部又は全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサでもよい。
また以下に説明する実施形態では、「kkk部」(記憶部及びプロセッサ部を除く)の表現にて機能を説明することがあるが、機能は、1以上のコンピュータプログラムがプロセッサ部によって実行されることで実現されてもよいし、1以上のハードウェア回路によって実現されてもよい。各機能の説明は一例であり、複数の機能が1つの機能にまとめられたり、1つの機能が複数の機能に分割されたりしてもよい。また、kkk部は、kkk手段と呼ばれてもよい。
また、以下の説明では、「xxxテーブル」といった表現にて情報を説明することがあるが、情報は、どのようなデータ構造で表現されていてもよい。すなわち、情報がデータ構造に依存しないことを示すために、「xxxテーブル」を「xxx情報」と言うことができる。また、以下の説明において、各テーブルの構成は一例であり、1つのテーブルは、2以上のテーブルに分割されてもよいし、2以上のテーブルの全部又は一部が1つのテーブルであってもよい。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る制御装置を含んだ鉄道車両用駆動システムのシステム構成を示す図である。初めに、鉄道車両用駆動システム(以下、駆動システム)1Aの各機器の構成について説明する。尚、駆動システム1Aは、ハイブリッド気動車を想定した際の駆動システムである。
駆動システム1Aは、エンジン2と、エンジン2によって駆動され交流電力を出力する発電機3と、発電機3からの交流電力を直流電力に変換するコンバータ4と、コンバータ4からの直流電力を交流電力に変換する電動機用インバータ5と、電動機用インバータ5からの交流電力を基に鉄道車両を駆動する電動機6と、電動機6の出力を減速して輪軸8に伝達する減速機7と、コンバータ4からの直流電力を交流電力に変換する補機用インバータ9と、補機用インバータ9からの交流電力を基に車両の照明や空調装置等のサービスに用いる補機10と、充放電によりエンジン2の出力を平準化する蓄電装置11と、運転士のノッチ操作に応じて運転指令を生成する運転台12と、運転台12から送信された運転指令や蓄電装置11の状態などを基に、コンバータ4、電動機用インバータ5及び補機用インバータ9についての制御指令を生成する制御装置13と、を有する。
エンジン2は、制御装置13からのエンジンノッチ指令値に従って軸トルクを出力する。発電機3は、エンジン2の軸トルクを入力として、これを三相交流電力に変換して出力する。コンバータ4は、発電機3から出力される三相交流電力を入力として、これを指令された電力量に対応した直流電力に変換して出力する。
電動機用インバータ5は、コンバータ4を介して供給される直流電力を三相交流電力に変換して電動機6を駆動する。電動機6は、電動機用インバータ5が出力する三相交流電力を入力として、これを軸トルクに変換して出力する。減速機7は、電動機6の回転速度を、異なる歯数の歯車の組合せ等で減速し、それにより増幅した軸トルクで輪軸8を駆動して車両を加減速する。また、輪軸8には、車両速度を計測するための速度発電機(図示せず)が取り付けられている。
補機用インバータ9は、コンバータ4と電動機用インバータ5間の直流電力を入力としてこれを三相交流電力に変換して出力する。補機10は、車両の照明や空調装置等のサービス機器であり、補機用インバータ9より供給された電力で稼働する。
蓄電装置11は、複数のリチウムイオン電池セル(以下、電池セルと呼ぶ)を直並列に接続し、高圧化及び大容量化した電池ブロック11Aと、各電池セルの電圧(以下、セル電圧と呼ぶ)を測定し、電池ブロック11A内の電池セルのSOCにばらつきが生じた場合に、SOCの均等化を図る機能を有するセルコントローラ11Bとを有する。
運転台12は、時刻、出力制限状態を表示する表示器のような出力装置(図示せず)や、ボタンのような入力装置を備える。出力装置及び入力装置の少なくとも一部は、マンマシンインターフェースである。
制御装置13は、運転指令や蓄電装置11のSOCなどを基に、エンジン2、コンバータ4、電動機用インバータ5及び補機用インバータ9の少なくとも1つへ制御信号を出力し、駆動システム1A全体の電力フローを制御する。
ここで、セルコントローラ11B及び制御装置13の少なくとも1つは、マイコン、アナログ回路、及びIC素子により構成される電子回路でよい。
図2は、本発明の第1実施形態に係る制御装置の機能構成を示す図である。
制御装置13は、記憶部13Aを有する。制御装置13の機能としては、SOC推定部13B、バランシング判定部13C、駅コード判定部13D、停車場判定部13E、計時部13T、閾値決定部13Y、及び、充放電制御部13Xがある。充放電制御部13Xは、駆動制御部13F及び補機制御部13Gを有する。
記憶部13Aには、後述の指令値対応テーブル、SOC閾値1(第1の閾値の一例)、SOC閾値2(第2の閾値の一例)、走行距離-駅コード対応テーブル、駅コード--停車場対応テーブル、SOC-OCVテーブルなどのデータが予め格納されている。また、記憶部13Aには、制御装置13の停止シーケンスで、SOC推定部13Bで推定したSOCがSOC推定部13BによりSOC初期値として格納される(矢印201)。また、制御装置13の次回起動シーケンスで、SOC推定部13Bにより記憶部13AからSOC初期値が読み出される。更に、記憶部13Aには、計時部13Tにより測定された時刻(例えば、年月日時分秒で表現される時刻)を示す日時情報も必要に応じて格納されてよい(矢印270)。計時部13Tにより測定された時刻は、記憶部13Aに格納されることに代えて又は加えて、バランシング判定部13Cや停車場判定部13Eといった機能に入力されてもよい。
SOC推定部13Bは、電池ブロック11Aに具備された電流センサ(図示せず)で計測したバッテリ電流を特定する(矢印202)。また、SOC推定部13Bは、記憶部13Aから満充電容量、及びSOC初期値を読み出す(矢印203)。SOC推定部13Bは、バッテリ電流、満充電容量、及びSOC初期値を基に、SOCを算出し、算出したSOCを駆動制御部13Fに出力する(矢印204)。SOCの算出式は、数1の通りである。
Figure 0007048313000001
ここで、SOCはSOC初期値、Iはバッテリ電流、Qmaxはバッテリ(電池ブロック11A)の満充電容量である。
バランシング判定部13Cは、各電池セルの電圧(以下、セル電圧)を特定し(矢印205)、記憶部13AからSOC-OCVテーブルを読み出し(矢印206)、各セル電圧とSOC-OCVテーブルとを基に、セル電圧を均等化するバランシング制御の実施可否を判定する。その判定結果が真の場合に、バランシング判定部13Cは、バランシング目標電圧をセルコントローラ11Bに送信する(矢印207)。第1実施形態では簡略化のため、セルコントローラ11Bを一つのブロックとして書いているが、実際の大規模な蓄電装置11においてはセルコントローラ11Bが複数搭載されていることが多いため、一度、制御装置13に複数のセルコントローラ11Bでそれぞれ取得した各セル電圧を集約し、バランシング目標電圧を規定して各セルコントローラ11Bに送信することで、電池ブロック11A内の全電池セルの容量均等化を図ることができる。
図3は、本発明の第1実施形態に係るバランシング判定部の制御処理の流れを示すフローチャートである。
まず、バランシング判定部13Cは、全電池セルのセル電圧をセルコントローラ11Bから受信する(S101)。
次に、バランシング判定部13Cは、S102~S104でバランシングを実施するのに適した条件が満たされているか判定する。バランシング制御の実施可否の判定(後述のS106)では、例えば、OCV(電池セルが開放状態にある場合の電圧)に対し、SOCが単調増加する特性を利用して、SOCのばらつきが判定される。そのため、バランシング制御は、起動時の回路が開放状態にある高電圧リレー投入前に判定するのが望ましく、また、分極の影響が小さいと考えられる前回システム停止から一定時間(例えば数時間)経過後に実施するのが最適である。そこで、S102において、バランシング判定部13Cは、起動時の高電圧リレー投入前か判定する。S102の判定結果が真の場合に、S103において、バランシング判定部13Cは、前回のシステム停止からの経過時間がP時間(P>0、例えばP=3)以上か判定する。S103の判定結果が真の場合に、S104において、バランシング判定部13Cは、停車場フラグ(Fst)が“1”(指定停車場)かを判定する。Fstは、停車場判定部13Eから入力される(図2の矢印211)。S104の判定結果が真の場合に、バランシングを実施するのに適した条件が満たされているとの評価であるため、処理がS105に移行する。S102~S104の少なくとも1つの判定結果が偽の場合に、処理がS108に移行する。
S105において、バランシング判定部13Cは、バランシング制御の実施可否の判定を行う。S105において、バランシング判定部13Cは、記憶部13AからSOC-OCVテーブルを読み出し、全電池セルのセル電圧のうち、最高値と最低値をそれぞれセルSOCに変換する。図4は、本発明の第1実施形態に係るSOC-OCVテーブルの一例を示す図である。図4は、蓄電池を正極に3元系、負極に非晶質炭素を用いたリチウムイオン電池のSOC-OCV特性を示すSOC-OCVテーブルの一例を示す図である。全電池セルのセル電圧の最高値及び最低値がそれぞれ3.78V及び3.60Vであると仮定した場合、全電池セルのセルSOCの最高値及び最低値はそれぞれ65%及び50%となる。
次に、図3に示すように、S106において、バランシング判定部13Cは、セルSOC最高値とセルSOC最低値の差分(セルSOC差)がQ%(Q>0、例えばQ=10)以上か判定する。S106の判定結果が真の場合に、バランシング制御が実施すべき状態のため、処理がS107に移行する。S106の判定結果が偽の場合に、処理がS108に移行する。
S107において、バランシング判定部13Cは、バランシング目標電圧として全電池セルのセル電圧の最低値を設定する。
一方、S108において、バランシング判定部13Cは、バランシング制御を実施するのに不適切な条件が満たされているため、バランシング目標電圧として“-1”(無効値)を設定する。
最後に、バランシング判定部13Cは、S107又はS108で設定したバランシング目標電圧をセルコントローラ11Bに送信する(S109)。
セルコントローラ11Bでは、バランシング判定部13Cより受信したバランシング目標電圧を基に、セルコントローラ11Bの基板上に搭載しているバランシングスイッチ(図示せず)と放電抵抗(図示せず)を用いて各電池セルのSOCを均等化する。
図5は、本発明の第1実施形態に係るセルコントローラの制御処理の流れを示すフローチャートである。
S201で、セルコントローラ11Bは、バランシング判定部13Cからバランシング目標電圧を受信する。S202において、セルコントローラ11Bは、バランシング目標電圧が“-1”(無効値)の場合、容量調整を行わずに本制御を終了とする。一方、S202において、バランシング目標電圧が“-1”(無効値)でない場合、処理がS203に移行する。セルコントローラ11Bは、記憶部13Aと同様にSOC-OCVテーブルをメモリ(図示せず)に保有しており、S203で、SOC-OCVテーブルを参照し、各セル電圧及びバランシング目標電圧それぞれ各セルSOC、バランシング目標SOCに変換する。次に、S204で、セルコントローラ11Bは、電池セル毎にΔSOC(セルSOCとバランシング目標SOCの差)を計算し、ΔSOC、満充電容量及び容量調整電流からそれぞれ必要放電時間を算出する。ここで、「容量調整電流」とは、セルコントローラ11Bの基板上に搭載しているバランシングスイッチを“ON”とした際に、放電抵抗に印加される電流値である。最後に、S205で、セルコントローラ11Bは、電池セル毎に必要放電時間分だけバランシングスイッチをそれぞれ“ON”とすることで、各電池セルの容量を均等化する。
図6は、本発明の第1実施形態に係る電池セルの必要放電時間演算を説明するための図である。セルコントローラ11Bが管理する電池セルはセル1~7(No.1~No.7の7個の電池セル)であり、バランシング目標SOCはセル5の50%と仮定した時のセル2の必要放電時間を一例とする。ここで、電池セルの満充電容量を10Ah、セルコントローラ11Bの容量調整電流を50mAとする。まず、セル2のセルSOCは65%であることから、セル2のΔSOCは15%である。これより、セル2をバランシング目標SOCとするために必要な放電容量(以下、必要放電容量と呼ぶ)の計算式は、数2の通りである。
Figure 0007048313000002
数2において、満充電容量10Ah、ΔSOC15%より、セル2の必要放電容量は1,500mAhとなる(必要放電容量=10Ah(満充電容量)×0.15(ΔSOC)=1.5Ah=1,500mAh)。また、必要放電容量より、バランシング目標SOCとするために必要なバランシングスイッチの“ON”継続時間(以下、必要放電時間と呼ぶ)の計算式は、数3の通りである。
Figure 0007048313000003
数3において、必要放電容量1,500mAh、容量調整電流50mAより、セル2の必要放電時間は30時間となる(必要放電時間=1,500mAh(必要放電容量)÷50mA(容量調整電流)=30h)。同様にして、各電池セルについて必要放電時間を計算し、この時間分バランシングスイッチを“ON”とすることで、電池ブロック11A内の全電池セルの容量均等化を図る。
図4では、正極に3元系、負極に非晶質炭素を用いたリチウムイオン電池のSOC-OCVテーブルが例として挙げられた。しかし、SOC-OCV特性は電池種や正極及び負極の材料の組合せにより変化する。
図7は、本発明の第1実施形態に係る負極に非晶質炭素又は黒鉛を適用したリチウムイオン電池のSOC-OCV特性を示すSOC-OCVテーブルの一例を示す図である。図7において、負極に非晶質炭素を適用したリチウムイオン電池(破線701)の場合、どのSOC領域においても、OCVに対するSOCの傾き(|ΔOCV/ΔSOC|)が大きい。一方、負極に黒鉛を適用したリチウムイオン電池(実線702)の場合、特にSOC20以上60%以下の領域(以下、中央付近SOC領域)700で|ΔOCV/ΔSOC|が相対的に小さい(負極が負極に非晶質炭素を適用したリチウムイオン電池についての中央付近SOC領域での|ΔOCV/ΔSOC|に比べて小さい)。この特徴は、負極がチタン酸リチウムのリチウムイオン電池や鉛電池、ニッケル水素電池も同様である。このような|ΔOCV/ΔSOC|が一定範囲のSOC領域について相対的に小さい(僅かなOCVの計測誤差であっても大幅にSOC値が異なってしまう)蓄電池が蓄電装置11に採用されている場合、バランシング制御の精度が、著しく悪化する可能性がある。
図8は、本発明の第1実施形態に係る電圧センサに計測誤差を含む場合のOCVとSOCの関係を示す図である。参照符号800Aは、負極に非晶質炭素を適用したリチウムイオン電池についてのSOC-OCVテーブルを示す。参照符号800Bは、負極に黒鉛を適用したリチウムイオン電池についてのSOC-OCVテーブルを示す。
電圧センサやセル監視IC(Integrated Circuit)でセル電圧を計測する場合、センサのオフセット誤差やゲイン誤差、量子化誤差の影響により、測定値には数mV~数十mVの計測誤差が重畳する。この計測誤差はセンサにより様々だが、電池ブロック内の全ての電池セルのセル電圧を計測する必要があるため、精度の良い高価な電圧センサを適用することは難しく、通常数十mV程度の誤差が計測値に含まれる。図8では、この電圧センサの計測誤差を20mVとした場合を例に、負極が非晶質炭素と黒鉛の場合について、それぞれSOC-OCVテーブルを参照してセル電圧をセルSOCに変換したことを示す。
まず、テーブル800Aによれば、負極が非晶質炭素の場合、セル電圧がそれぞれ3.60V(真値)及び3.62V(電圧計測誤差含)に対応するセルSOCは50%(真値)及び51%(電圧計測誤差含)であり、電圧計測誤差に基づくSOCの誤差(以下、SOC誤差と呼ぶ)は1%となる。一方、テーブル800Bによれば、負極が黒鉛の場合、セル電圧がそれぞれ3.60V(真値)及び3.62V(電圧計測誤差含)に対応するセルSOCは40%(真値)及び55%(電圧計測誤差含)であり、SOC誤差は15%となり、負極が非晶質炭素の場合と比べてかなり大きい。そのため、負極が黒鉛の場合にSOC20~60%の|ΔOCV/ΔSOC|が小さい領域でバランシングの判定をしてしまうと、各電池セルのセルSOCに非常に大きなSOC誤差が含まれてしまうため、精度よくSOCを均等化することができない。
そこで、図2に示した駅コード判定部13D、停車場判定部13E、閾値決定部13Y及び充放電制御部13X(駆動制御部13F及び補機制御部13G)を用いて、バランシング制御を行う可能性のある特定の停車場に停車中に、電池ブロック11AのSOCを、上述した中央付近SOC領域の最大SOC60%以上、又は、最低SOC20%以下とすることで、計測精度の高くない安価な電圧センサやセル監視ICであっても、精度よくSOCを均等化することが図られる。以降、図2の制御装置の機能構成を基に、その実現方法について説明する。
駅コード判定部13Dは、輪軸8に取り付けられている速度発電機(図示せず)から受信した車両速度を積算し(矢印208)、走行距離を算出する。そして、駅コード判定部13Dは、走行距離-駅コード対応テーブルを記憶部13Aから読み出し(矢印209)、積算された走行距離と読み出された走行距離-駅コード対応テーブルとを基に、停車場の駅コードを識別する。
図9は、本発明の第1実施形態に係る停車場と駅コード、駅間距離、走行経路の関係を示す一例である。路線の区間内に、A駅、B駅、C駅、D駅、E駅、F駅、及び車両基地があり、駅コードがそれぞれ“1”、“2”、“3”、“4”、“5”、“6”、及び“7”と割り当てられている。走行経路は、A駅を出発し、F駅で折り返し、再度A駅で折り返し、車両基地まで走行する経路である。
図10は、本発明の第1実施形態に係る走行距離-駅コードテーブルの一例を示す図である。
走行距離-駅コード対応テーブル1000は、鉄道車両走行中に随時更新される走行距離xを入力として、走行距離xに応じた駅コードを出力とする。例えば、走行距離の計測値が10kmを超えた時点で、出力される駅コードが1(A駅)から2(B駅)に切替わる。これにより鉄道車両がどこの位置にいるかを識別することができる。
尚、第1実施形態では、走行距離を基に鉄道車両の位置が識別されるが、線路上に設置された地上子から送信された位置情報を鉄道車両の車上子で受信することで、位置情報が取得されてもよい。
図2に示すように、停車場判定部13Eは、駅コード判定部13Dから駅コードを受信し(矢印210)、駅コード-停車場対応テーブルを記憶部13Aから読み出し(矢印230)、受信した駅コード及び読み出した駅コード-停車場対応テーブルを基に、走行中又は停車中の場所が、予め指定した場所であるか判定する。
図11は、本発明の第1実施形態に係る駅コード-停車場対応テーブルの一例を示す図である。
駅コード-停車場対応テーブル1100は、駅コードを入力として、駅コードに応じた停車場フラグ(Fst)を出力とする。第1実施形態では、バランシング制御の実施条件となるシステムの停止及び起動操作を行う可能性の高い、折り返し駅のA駅とF駅、及び車両基地について、Fstが“1”であり、それ以外の場所についてはFstが“0”である。Fst“1”に対応した駅コードが、予め指定された停車場の駅コードに相当する。
図2に示す閾値決定部13Yは、停車場判定部13Eから判定結果としてのFstを受信し(矢印212)、Fstが“1”の場合に、記憶部13AにおけるSOC閾値1及び2のうちの少なくとも1つを変更する(矢印213)。駆動制御部13Fは、SOC推定部13BからSOCを受信したり(矢印204)、停車場判定部13Eから判定結果としてのFstを受信したり(矢印214)、記憶部13Aから指令値対応テーブル、SOC閾値1及び2等を読み出したり(矢印215)、運転台12から運転指令又はシステム停止信号などを受信したり(矢印216)、輪軸8から車両速度を受信したりする(矢印217)。駆動制御部13Fは、受信した情報や読み出した情報などを基に、エンジン2に対する制御指令値(ノッチ指令値)を生成してエンジン2に送信したり(矢印218)、コンバータ4に対する指令値(発電電力指令値)を生成してコンバータ4に送信したり(矢印219)、電動機用インバータ5に対する指令値(出力指令値)を生成して電動機用インバータ5に送信したりする(矢印220)。
図12は、本発明の第1実施形態に係る動作モード判定の説明図である。
動作モードは、エンジンノッチ指令を選択するためのモード判定であって、車両速度とSOCを基に、4モードに分類される。リチウムイオン電池など蓄電池は、SOCが100%や0%付近で使用すると、劣化が加速される傾向があることから、蓄電池メーカーによって推奨するSOCの使用範囲(以下、SOC推奨使用範囲)が規定されている。モードA及びモードBは、このSOC推奨使用範囲内でのモード選択である。車両速度が10km未満の停車に近い状態の場合はモードAが選択され、車両速度が10km以上の走行状態である場合はモードBが選択されるとする。一方、SOC推奨使用範囲外である場合は、車両速度に関わらずSOCによってモードが選択される。SOCが使用上限SOCであるSOC閾値1(90%)より大きい場合はモードCが選択され、SOCが使用下限SOCであるSOC閾値2(10%)未満の場合はモードDが選択されるとする。次に、駆動制御部13Fは、動作モードと運転指令を基にエンジンノッチ指令値を生成する。
図13は、本発明の第1実施形態に係る指令値対応テーブルの一例を示す図である。
第1実施形態では、説明の簡略化のため、運転指令を“1”(力行)、“2”(回生)、“3”(惰行)、“4”(抑速)、“5”(停止)の5種としたが、定速運転などの運転指令を加えてもよい。図12を基に判定した動作モードと、運転台12から受信した運転指令を基に、駆動制御部13Fは、図13の対応テーブル1300を参照してエンジンノッチ指令値を設定する。また、エンジンノッチ指令値は、“1”(エンジン1N)、“2”(エンジン2N)、“3”(エンジン3N)、“4”(アイドルアップ発電)、“5”(エンジン停止)の5段階とする。
ここで、各、エンジンノッチ指令値における動作を説明する。
エンジンノッチ指令値が“1”(エンジン1N)、“2”(エンジン2N)、及び“3”(エンジン3N)のいずれかの場合は、駆動制御部13Fは、それぞれエンジン出力と発電機負荷出力がバランスする点となるようエンジン2を制御する。エンジンノッチ指令値が“4”(アイドルアップ発電)の場合、駆動制御部13Fは、エンジン2をアイドルアップ時の回転速度(例えば800rpm)程度で安定するようにエンジン2を制御する。エンジンノッチ指令値が“5”(エンジン停止)の場合、駆動制御部13Fは、エンジン2への燃料供給を完全に停止し、エンジン回転自体を停止する。ここで、基本的にエンジンノッチ指令値は運転指令と動作モードにより一意に定まるが、動作モードがモードAで運転指令が5(停止)の停車中を想定した場合のみ、本実施形態では、“4”(アイドルアップ発電)と“5”(エンジン停止)をSOCに基づいて切り替える仕様が採用される。
図14は、本発明の第1実施形態に係るエンジンノッチ指令値とコンバータ発電電力指令値の対応関係を示す図である。
通常、エンジン回転速度が一定以上の領域では、エンジン2とコンバータ4の協調制御を行い、コンバータ発電電力指令値を無段階に制御するが、第1実施形態では説明の簡略化のため、コンバータ発電電力指令値をエンジンノッチ指令値に対し、それぞれ一定の値とする。
図15は、本発明の第1実施形態に係る運転指令とインバータ指令値算出の説明図である。ここで、インバータ指令値についても説明の簡略化のため、無段階の値でなく、それぞれ一定の値とする。インバータ指令値は、正値の際は蓄電池が放電、負値の際は蓄電池が充電動作となる極性とする。ここで、基本的にエンジンノッチ指令値は運転指令と動作モードにより一意に定まるが、動作モードがモードAで運転指令が5(停止)の停車中を想定した場合のみ、-30kWと30kWをSOCに基づいて切り替える仕様とする。
図16は、本発明の第1実施形態に係る停車中のエンジンノッチ指令値切り替えの説明図である。
上述したように、SOC閾値1及び2が存在する。SOCがSOC閾値1以上であった場合に、充放電制御部13Xが、蓄電装置11を強制的に放電する。SOC閾値2は、SOC閾値1よりも低く設定される。SOCがSOC閾値2以下であった場合に、充放電制御部13Xが、蓄電装置11を強制的に充電する。
第1実施形態の場合、SOC閾値1は、Fstに関わらず、固定値90%とする。
一方、SOC閾値2は、Fst“0”の場合は45%であり、Fst“1”の場合は閾値決定部13YによりFst“0”よりも高い値、例えば、中央付近SOC領域の最高値60%とする。
また、指令値(エンジンノッチ指令値)の切り替えの際は、図の通りSOCに所定範囲(例えば10%)のヒステリシス領域を設定することで、エンジン2の動作を安定化させることができる。
図2に示す補機制御部13Gは、運転台12から扉開閉指令やシステム停止信号を受信した場合に(矢印221)、扉開閉に必要な動力を計算する。また、補機制御部13Gは、鉄道車両内に設置した温度センサ(図示せず)からの車内温度から空調機器に必要な動力を計算する。そして、補機制御部13Gは、扉開閉と空調機器に必要な動力から補機用インバータ出力指令値を算出し、当該指令値を補機用インバータ9に送信する(矢印222)。尚、補機制御部13Gは、SOC閾値1及び2の少なくとも1つやSOCやFstを駆動制御部13Fから受信してもよい(矢印283)。それに代えて、補機制御部13Gは、SOC閾値1及び2の少なくとも1つを記憶部13Aから読み出したり、SOCをSOC推定部13Bから受信したり、Fstを停車場判定部13Eから受信したりしてもよい。例えば、補機制御部13Gは、SOCがSOC閾値1以上の場合に、補機10を稼働させることで蓄電装置11を放電してもよい。これにより、補機10を稼働させることで強制的な放電が可能である。
図17は、本発明の第1実施形態に係る鉄道車両の一例であるハイブリッド気動車に搭載された蓄電装置11のSOC推移の一例を示す図である。
経過時間0~15分、22~42分、252分以降は、いずれも、車両走行中である。駅出発直後は、エンジンアシストによる力行動作を行うためSOCが低下する。駅到着直前は、電動機6を発電機として回生動作を行うためSOCが上昇する。
経過時間15~22分、42~252分は、いずれも、車両停車中である。経過時間15~22分は、停車時間が短いE駅に停車中のため、バランシング制御の実施条件となるシステムの停止及び起動操作を行う可能性の低いことから、E駅に対応したFstは“0”とされ、故に、SOC閾値2が45%に維持される。これにより、停車中において、駆動制御部13Fは、SOCが45%を下回ることを検出した場合、エンジン2をアイドルアップすることでアイドルアップ充電を行う。結果として、SOCが上昇する。SOCが55%(45%+10%(ヒステリシス範囲))を上回ると、駆動制御部13Fによりエンジン2が停止し、補機10への電力供給のみとなるためSOCが低下する。そのため、停車中はSOCが45%~55%の範囲を行き来する推移となる。
通常、ハイブリッド気動車に搭載する高出力タイプのリチウムイオン電池は、充電側と放電側の両側で高出力が得られるようSOC範囲の中央(50%)付近で最適となるよう設計されている。そのため、高いSOC領域や低いSOC領域では、充放電サイクルによる劣化や経時劣化がSOC範囲中央付近の場合と比べて大きくなる傾向がある。また、停車時間の短い駅で高いSOC領域まで急速充電を行うと、電池温度が高くなり、駅出発直後のエンジンアシストを十分にできない可能性がある。そのため、Fst“0”に対応した通常の駅では、使用するSOC範囲が、45%~55%の中央付近に維持される。
一方、経過時間42~252分は、停車時間が長いF駅に停車中のため、バランシング制御の実施条件となるシステムの停止及び起動操作を行う可能性の高いことから、F駅に対応したFstは“1”とされ、故に、SOC閾値2が、閾値決定部13Yにより、通常の閾値(40%)よりも高い60%とされる。従って、停車中において、駆動制御部13Fは、SOCが60%を下回ることを検出した場合、SOCが70%(60%+10%(ヒステリシス範囲))に達するまでアイドルアップ充電を行う(符号1700を参照)。これにより、ハイブリッド気動車の場合の強制充電が行われ、停車中はSOCが60%~70%(60%+10%(ヒステリシス範囲))の範囲を行き来する推移となる。結果として、停車中のどのタイミングでシステム停止が入ってもSOCは60%以上の状態となる。このため、システム起動時のバランシング制御時のSOCを60%以上(すなわち、蓄電池の種類によっては|ΔOCV/ΔSOC|が相対的に小さいSOC領域(中央付近SOC領域)の最高値以上)とすることができ、結果として、バランシング制御の判定を高精度に行うことができる。尚、図17では、経過時間240分でシステムが起動しバランシング制御が行われる(符号1701を参照)。
以上の制御により、車両停車中のSOCを常にSOC範囲の中央付近とする場合と比べて、駅出発直後のエンジンアシスト性能維持や劣化抑制を図りつつ、バランシング制御の判定を高精度に行うことができる。
[第2実施形態]
第2実施形態では、閾値決定部13Yは、停車中の場所が予め指定した停車場である場合に(停車中にFst“1”が入力された場合に)必ず停車中のSOC使用範囲(例えばSOC閾値2)を高く設定するのではなく、停車中の場所が予め指定した停車場であり且つシステム停止(典型的にはエンジン停止)が入力された場合にSOC使用範囲を高く設定する。
図18は、本発明の第2実施形態に係るシステム停止信号入力前後のタイムチャートである。
通常、運転台12から受信したシステム停止信号が“0”(稼働)から“1”(停止)に切り替わった後は、駆動制御部13Fは、即座にエンジン2を停止させる。第2実施形態では、閾値決定部13Yは、停車中の場所が予め指定した停車場であり且つシステム停止が入力された場合にSOC閾値2を60%に高める。これにより、システム停止入力後もSOCが60%となるまでは、駆動制御部13Fは、エンジン2のアイドルアップ充電を継続し、蓄電装置11を充電する(符号1800を参照)。
図19は、本発明の第2実施形態に係る鉄道車両の一例であるハイブリッド気動車に搭載された蓄電装置のSOC推移の一例を示す図である。
第1実施形態では、F駅到着後(42分付近)にSOC閾値2が45%から60%に変更され、故に、アイドルアップ充電でSOCが70%まで充電される。第2実施形態では、F駅到着後でもシステム停止信号が“1”(停止)とならなければ、SOC閾値2の変更は行われず、故に、SOC使用範囲が45~55%に維持される。そして、F駅到着後でシステム停止信号が“1”(停止)となったタイミングで、閾値決定部13Yが、SOC閾値2を60%に変更し、故に、駆動制御部13Fが、SOCが60%(又は、ヒステリシス範囲10%を加えた70%)となるまで蓄電装置11を充電し(符号1900を参照)、その後システムを完全に停止させる。
以上の制御により、第1実施形態ではシステムの停止及び起動操作を行う可能性の高い駅では常にSOC使用範囲が高くされるが、第2実施形態では実際にシステムの停止が行われた場合のみSOC使用範囲が高くされる。このため、より劣化抑制の効果を高めながらバランシング制御の判定を高精度に行うことができる。
その他の第2実施形態の構成は、上述した第1実施形態の構成と同じであり、重複する説明を省略している。
[第3実施形態]
第3実施形態では、停車場の判定に、駅コードに加えて運用情報と時刻が用いられる。電池セルの自己放電量などの個体差により発生する。SOCのばらつきは、数時間で10%以上差が出ることは珍しく、通常は一日一回程度バランシング制御の判定を実施していれば十分運用できると考えられる。しかし、第1実施形態ではシステムの停止及び起動操作を行う可能性の高い駅(予め指定された停止場の一例)では常にSOC使用範囲が高くされる。そこで、第3の実施形態では、停車場判定部13Eが、日毎の最終停車場を特定し、停車中の場所が最終停車場の場合のみ、SOC使用範囲(例えばSOC閾値2)を高く設定する。
図20は、本発明の第2実施形態に係る鉄道車両の運用方法の一例を示す図である。
通常、鉄道運営においては、一つの路線間を同時に複数の鉄道車両が走行するため、編成ごとに運用パターンを割り当て、ローテーションすることで、路線全体の運用を行う。第3実施形態では、3編成の鉄道車両で運用する場合を例に説明する。1編成目の鉄道車両はA駅を出発してF駅で折り返し、更にA駅でもう一度折り返して車両基地で停泊する(運用1)。2編成目の鉄道車両は車両基地を出発してF駅-A駅間を2往復し、F駅で停泊する(運用2)。3編成目の鉄道車両はF駅を出発してA駅で折り返し、更にF駅でもう一度折り返してA駅で停泊する(運用3)。このように、編成ごとに運用パターンを割り当て、ローテーションすることで、路線全体の車両管理を行う。このようにローテーションすることで路線全体の車両管理を行うため、運用毎に、停泊する最終停車場(予め指定された停車場の一例)は異なる。そこで、停車場判定部13Eは、運用情報(運用毎に運用パターン(例えば、始発駅、折り返し駅、最終停車駅、及び、少なくとも1つの駅(例えば最終停車駅)での時刻)を示す情報)と日時情報(例えば現在時刻を示す情報)と基に、最終停車場を特定する。
図21は、本発明の第3実施形態に係る制御装置の機能構成を示す図である。
第1実施形態との差分は、例えば、主に、運用番号判定部13Hの追加と、停車場判定部13Eが記憶部13Aから日時情報及び運用情報を読み出すことと(矢印231)、停車場判定部13Eが運用番号判定部13Hから運用番号を受信すること(矢印232)である。
運用番号判定部13Hは、運用番号を出力するカウンタ(図示せず)を保有する。運用番号判定部13Hは、記憶部13Aから日時情報を読み出し(矢印233)、読み出した日時情報を基に(例えば、午前3時などの予め規定した時刻を跨ぐと)、カウンタが保有の運用番号の値をインクリメントする(処理前の運用番号が上限値の場合は1に戻す処理を行う)。このようにして、運用番号判定部13Hは、複数の運用のうちの採用されている運用を判定する。例えば、運用番号として“1”、“2”及び“3”があるとする。運用番号判定部13Hは、始発駅でシステム起動した際に、処理前の運用番号が“1”だった場合は“2”に、処理前の運用番号が“2”だった場合は“3”に、処理前の運用番号が“3”だった場合は“1”にそれぞれ更新する。
図22は、本発明の第3実施形態に係る運用パターンの一例を示す図である。
停車場判定部13Eは、運用番号と日時情報を基に、停車中の場所が、採用されている運用に対応した最終停車場であるかを判定する。第3実施形態では、運用3(運用番号“3”に対応した運用)の場合を例として説明する。運用3の場合(図20参照)、最終停車場は駅コード“1”のA駅である。第1実施形態では、停車中の場所がA駅の場合は常にFstは“1”である。一方、第3実施形態では、最終停車場の到着予定時刻23:30(運用情報における、運用3に対応した情報)を基に、停車場判定部13Eは、例えば、日時情報が23:00~24:00内の時刻を示し、且つ、受信した駅コードが“1”の場合に、Fstを“1”として出力する(符号2200を参照)。
以上の制御により、第1実施形態ではシステムの停止及び起動操作を行う可能性の高い駅では常にSOC使用範囲が高くされるが、第3実施形態では最終停車場といったより限られた状況でのみSOC使用範囲が高くされる。このため、より劣化抑制の効果を高めながらバランシング制御の判定を高精度に行うことができる。
その他の第3実施形態の構成は、上述した第1実施形態の構成と同じであり、重複する説明を省略している。
[第4実施形態]
第4実施形態では、停車場の判定に、駅コードに加えて運用情報と駅到着毎にカウントアップするカウンタを用いた場合について説明する。
図23は、本発明の第4実施形態に係る駅コード-停車場対応テーブルの一例を示す図である。
第4実施形態に係る駅コード-停車場対応テーブル2300によれば、駅カウンタ毎に、停車場、駅コード及びFstが記録されている。
第4実施形態において、停車場判定部13Eは、駅到着毎にカウントアップする駅カウンタを保有している。停車場判定部13Eは、駅カウンタとして、始発駅では“1”をセットし、駅到着毎に駅カウンタをインクリメントしていく。第4実施形態では、運用3の場合を例として説明する。運用3の場合(図20参照)、最終停車場は16番目の停車場であり、駅コード“1”のA駅である。そこで、最終停車場でのみSOC使用範囲を高くするには、駅カウンタが“1”~“15”の場合は、停車場判定部13Eは、Fst“0”を出力し、駅カウンタが“16”の場合に、停車場判定部13Eは、Fst“1”を出力すればよい。
以上の制御により、第1実施形態ではシステムの停止及び起動操作を行う可能性の高い駅では常にSOC使用範囲が高くされるが、第4実施形態では最終停車場といったより限られた状況でのみSOC使用範囲が高くされる。このため、より劣化抑制の効果を高めながらバランシングの判定を高精度に行うことができる。
その他の第4実施形態の構成は、上述した第1実施形態の構成と同じであり、重複する説明を省略している。
[第5実施形態]
第5実施形態では、鉄道車両は、ハイブリッド気動車ではなく、力行中の鉄道車両が少ない軽負荷時に回生電力を蓄電装置に蓄電する軽負荷回生システムを搭載した鉄道車両(つまり、軽負荷回生システム電車)である。
図24は、本発明の第5実施形態に係る駆動システムのシステム構成を示す図である。尚、駆動システム1Bは、軽負荷回生システム電車を想定した際の鉄道車両用駆動システムである。
駆動システム1Bは、エンジン2、発電機3及びコンバータ4を有さず、集電装置14と昇降圧チョッパ15を有する。駆動システム1Bは、電動機用インバータ5、補機用インバータ9、及び昇降圧チョッパ15の出力を制御することで、駆動システム1B全体のエネルギーフローを管理する。
図25は、本発明の第5実施形態に係る制御装置の機能構成を示す図である。
ハイブリッド気動車では、制御装置13は、コンバータ4の発電電力指令値を基に、エネルギー供給源であるエンジン2の軸トルクから得られる供給電力を制御するが、軽負荷回生システム電車では、制御装置13は、昇降圧チョッパ15の昇降圧チョッパ出力指令値を基にエネルギー供給源である集電装置14に接続されている架線(図示せず)から供給される電力を制御する(矢印250)。
図26は、本発明の第5実施形態に係る停車中の架線供給電力指令値の切り替えの説明図である。尚、図26において、指令値(架線供給電力指令値)“4”は、架線供給電力で充電を意味する。指令値“5”は、架線供給電力による充電の停止を意味する。指令値“6”は、架線供給電力を増やして強制充電を意味する(モードD)。
SOC推奨使用範囲内で車両速度10km/h以下のモードAの領域において、軽負荷回生システム電車では、充放電制御部13Xは、SOCがSOC閾値1以上となった場合に、架線供給電力による充電を停止しつつ補機10を稼働させることでSOCを低下させる。また、SOCがSOC閾値2(10%)未満の場合(状態がモードDの場合)は、充放電制御部13Xは、架線供給電力を増やすことで電池ブロック11Aを強制的に充電する。
第5実施形態の場合、SOC閾値2は、Fstに関わらず、固定値10%とする。
一方、SOC閾値1は、Fst“0”の場合は55%であり、Fst“1”の場合は閾値決定部13YによりFst“0”よりも低い値、例えば、中央付近SOC領域の最低値20%とする。
また、架線供給電力指令値を切り替えの際は、図の通りSOCに所定範囲(例えば10%)のヒステリシス領域を設定することで、車両動作の安定化を図る。
図27は、本発明の第5実施形態に係る軽負荷回生システム電車に搭載された蓄電装置のSOC推移の一例を示すである。
経過時間0~15分、22~42分、252分以降は、いずれも、車両走行中である。
経過時間15~22分、42~252分は、いずれも、車両停車中である。経過時間15~22分は、停車時間が短いE駅に停車中のため、バランシング制御の実施条件となるシステムの停止及び起動操作を行う可能性の低いことから、Fstは“0”とされ、故に、SOC閾値1が55%に維持される。これにより、停車中において、駆動制御部13Fは、SOCが55%を上回ると架線供給電力による充電を停止する。結果として、補機10を稼働させるためSOCが低下する。SOCが45%(55%-10%(ヒステリシス範囲))を下回ると、駆動制御部13Fが架線供給電力による充電を再開するため、SOCが上昇する。そのため、停車中はSOCが45%~55%の範囲を行き来する推移となる。
一方、経過時間42~252分は、停車時間が長いF駅に停車中のため、バランシング制御の実施条件となるシステムの停止及び起動操作を行う可能性の高いことから、F駅に対応したFstは“1”とされ、故に、SOC閾値1が、閾値決定部13Yにより、通常の閾値(55%)よりも低い20%とされる。これにより、軽負荷回生システム電車の場合の強制放電が行われ(符号2700を参照)、停車中はSOCが10%(20%-10%(ヒステリシス範囲))~20%の範囲を行き来する推移となる。結果として、停車中のどのタイミングでシステム停止が入ってもSOCは20%以下の状態となる。このため、システム起動時のバランシング制御時のSOCを20%以下(すなわち、蓄電池の種類によっては|ΔOCV/ΔSOC|が相対的に小さいSOC領域(中央付近SOC領域)の最低値以下)とすることができ、結果として、バランシング制御の判定を高精度に行うことができる。
以上の制御により、車両停車中のSOCを常にSOC範囲の中央付近とする場合と比べて、劣化抑制を図りつつ、バランシングの判定を高精度に行うことができる。
その他の第5実施形態の構成は、上述した第1実施形態の構成と同じであり、重複する説明を省略している。
[第6実施形態]
第6実施形態では、閾値決定部13Yは、停車中の場所が予め指定した停車場である場合に(停車中にFst“1”が入力された場合に)必ず停車中のSOC使用範囲(例えばSOC閾値1)を低く設定するのではなく、停車中の場所が予め指定した停車場であり且つシステム停止が入力された場合にSOC使用範囲を低く設定する。
図28は、本発明の第6実施形態に係るシステム停止信号入力前後のタイムチャートである。
通常、運転台12から受信したシステム停止信号が“0”(稼働)から“1”(停止)に切り替わった後は、補機制御部13Gは、即座に補機10を停止させる。第6実施形態では、閾値決定部13Yは、停車中の場所が予め指定した停車場であり且つシステム停止が入力された場合にSOC閾値1を20%に低くする。これにより、システム停止入力後もSOCが20%となるまでは、補機制御部13Gは、補機10の使用を継続し、蓄電装置11を放電する(符号2800を参照)。
図29は、本発明の第6実施形態に係る軽負荷回生システム電車に搭載された蓄電装置のSOC推移の一例を示すである。
第5実施形態では、F駅到着後(42分付近)にSOC閾値1が55%から20%に変更され、故に、架線供給電力による充電が停止することでSOCが10%になるまで放電される。第6実施形態では、F駅到着後でシステム停止信号が“1”(停止)となったタイミングで、閾値決定部13Yが、SOC閾値2を20%に変更し、故に、補機制御部13Gが、SOCが20%(又は、ヒステリシス範囲10%を引いた10%)となるまで放電し(符号2900を参照)、その後システムを完全に停止させる。
以上の制御により、第5実施形態ではシステムの停止及び起動操作を行う可能性の高い駅では常にSOC使用範囲が低くされるが、第6実施形態では実際にシステムの停止が行われた場合のみSOC使用範囲が低くされる。このため、より劣化抑制の効果を高めながらバランシング制御の判定を高精度に行うことができる。
その他の第6実施形態の構成は、上述した第5実施形態の構成と同じであり、重複する説明を省略している。
尚、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、様々な変形形態が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。具体的には、例えば、本発明は、鉄道車両以外の車両として、鉄道車両のように決まったルートで走行する他種の車両(例えばバス)にも適用可能である。また、第1実施形態~第6実施形態のうちの任意の2以上の実施形態が組み合わされてもよい。例えば、第3又は第4の実施形態の観点が、軽負荷回生システム電車に適用された場合、最終停車場といったより限られた状況でのみSOC使用範囲が低くされる(例えばSOC閾値1が低くされる)。
1A、1B…鉄道車両用駆動システム、2…エンジン、3…発電機、4…コンバータ、5…電動機用インバータ、6…電動機、7…減速機、8…輪軸、9…補機用インバータ、10…補機、11…蓄電装置、12…運転台、13…制御装置、13A…記憶部、13B…SOC推定部、13C…バランシング判定部、13D…駅コード判定部、13E…停車場判定部、13X…充放電制御部、13Y…閾値決定部

Claims (15)

  1. 複数の蓄電池から構成され鉄道車両に備えられる蓄電装置のバランシング制御を含む充放電制御を行う制御装置において、
    前記蓄電装置の充電率が第1の閾値以上の場合に前記蓄電装置を放電し、前記蓄電装置の充電率が第2の閾値(第2の閾値<第1の閾値)以下の場合に前記蓄電装置を充電する充放電制御部と、
    前記鉄道車両が停車中である場合に、当該停車中の場所がバランシング制御を行う可能性のある予め指定した停車場であるかの停車場判定を行う停車場判定部と、
    前記停車場判定の結果が真の場合に、前記第1の閾値及び前記第2の閾値の少なくとも1つを変更する閾値決定部と
    を備えることを特徴とする制御装置。
  2. 請求項1に記載の制御装置において、
    前記停車場判定は、複数の駅にそれぞれ割り当てられている駅コードのうち前記停車中の場所の駅コードが前記予め指定した停車場の駅コードであるかの判定である
    ことを特徴とする制御装置。
  3. 請求項2に記載の制御装置において、
    同一路線間を走行する複数の鉄道車両にそれぞれ割り当てられた複数の運用のうちの各々について、予め停車場が指定されており、
    前記複数の鉄道車両の各々は、当該鉄道車両に割り当てられた運用に従って走行し、
    前記停車中の場所の駅コードは、前記複数の運用の各々についてどの駅をどの時刻に出発又は停車するかを示す運用情報と、現在時刻とから、採用されている運用について推定される場所の駅コードであり、
    前記停車場判定は、前記停車中の場所の駅コードが、前記採用されている運用に対応した予め指定した停車場の駅コードであるかの判定である
    ことを特徴とする制御装置。
  4. 請求項2に記載の制御装置において、
    前記停車場判定は、前記停車中の場所の駅コードが前記予め指定した停車場の駅コードであって、駅に到着する都度に更新されるカウント値が、前記予め指定した停車場の駅コードに対応した所定のカウント値であるかの判定である
    ことを特徴とする制御装置。
  5. 請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の制御装置において、
    前記鉄道車両は、発電機と、前記発電機を駆動するエンジンとを備え、
    前記充放電制御部は、前記蓄電装置の充電率が前記第2の閾値以下の場合に、前記エンジンをアイドルアップすることで前記蓄電装置を充電する
    ことを特徴とする制御装置。
  6. 請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の制御装置において、
    前記蓄電装置は、架線からの供給電力で充電可能であり、
    前記充放電制御部は、前記蓄電装置の充電率が前記第2の閾値以下の場合に、前記架線からの供給電力を増やすことで前記蓄電装置を充電する
    ことを特徴とする制御装置。
  7. 請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の制御装置において、
    前記鉄道車両は、前記鉄道車両の照明又は空調に用いられる補機を備え、
    前記充放電制御部は、前記蓄電装置の充電率が前記第1の閾値以上の場合に、前記補機を稼働させることで前記蓄電装置を放電する
    ことを特徴とする制御装置。
  8. 請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載の制御装置において、
    前記鉄道車両は、発電機と、前記発電機を駆動するエンジンとを備え、
    前記閾値決定は、前記鉄道車両が前記予め指定した停車場で停車中にエンジン停止が入力された場合に、前記第2の閾値を他の停車場に比して高く設定する
    ことを特徴とする制御装置。
  9. 請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載の制御装置において、
    前記鉄道車両は、発電機と、前記発電機を駆動するエンジンとを備え、
    前記閾値決定は、前記鉄道車両が前記予め指定した停車場で停車中にエンジン停止が入力された場合に、前記第1の閾値を他の停車場に比して低く変更する
    ことを特徴とする制御装置。
  10. 請求項1乃至9のうちのいずれか1項に記載の制御装置において、
    前記閾値決定部は、前記停車場判定の結果が真の場合に、前記第2の閾値を、前記予め指定した停車場以外の停車場と比べて、高くする
    ことを特徴とする制御装置。
  11. 請求項10に記載の制御装置において、
    前記閾値決定部は、前記第2の閾値を60%以上とする
    ことを特徴とする制御装置。
  12. 請求項1乃至9のうちのいずれか1項に記載の制御装置において、
    前記閾値決定部は、前記停車場判定の結果が真の場合に、前記第1の閾値を、前記予め指定した停車場以外の停車場と比べて、低くする
    ことを特徴とする制御装置。
  13. 請求項12に記載の制御装置において、
    前記閾値決定部は、前記第1の閾値を20%以下とする
    ことを特徴とする制御装置。
  14. 請求項1乃至13のうちのいずれか1項に記載の制御装置において、
    前記複数の蓄電池の各々は、負極材が黒鉛又はチタン酸リチウムのリチウムイオン電池、鉛電池、又は、ニッケル水素電池である
    ことを特徴とする制御装置。
  15. 複数の蓄電池から構成され鉄道車両に備えられる蓄電装置のバランシング制御を含む充放電制御を行う制御装置において、
    前記鉄道車両が停車中である場合に、当該停車中の場所がバランシング制御を行う可能性のある予め指定した停車場であるかの停車場判定を行うステップと、
    前記停車場判定の結果が真の場合に、第1の閾値と第2の閾値との少なくとも1つを変更するステップと
    前記蓄電装置の充電率が前記第1の閾値以上の場合に前記蓄電装置を放電し、前記蓄電装置の充電率が前記第2の閾値(第2の閾値<第1の閾値)以下の場合に前記蓄電装置を充電するステップと
    を備えることを特徴とする制御方法。
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