JP2023173601A - ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物、ポリウレタンフォーム製造用反応液セット、ポリウレタンフォーム、及びポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物、ポリウレタンフォーム製造用反応液セット、ポリウレタンフォーム、及びポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】汎用性が高く、ポリウレタンフォームの熱伝導率を低減できる技術を提供する。【解決手段】ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物は、ポリオールと、尿素化合物の溶液と、を含む。【選択図】なし

Description

本開示は、ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物、ポリウレタンフォーム製造用反応液セット、ポリウレタンフォーム、及びポリウレタンフォームの製造方法に関する。
特許文献1には、所定量の芳香族ポリエステルジオールと、特定のビニル重合性化合物とを含む原料を反応させる硬質ポリウレタンフォームの製造方法が開示されている。この方法によれば、硬質ポリウレタンフォームの燃焼性(難燃性)を悪化させず、断熱性(熱伝導率)に優れたフォームを得ることができる、と記載されている。
特開2015-199937号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、ポリオールとして使用できる原料の種類及び配合量が制限され、汎用性に欠けるという課題がある。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、汎用性が高く、ポリウレタンフォームの熱伝導率を低減できる技術を提供することを目的とする。本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
ポリオールと、尿素化合物の溶液と、を含む、ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
本開示によれば、汎用性が高く、ポリウレタンフォームの熱伝導率を低減できる技術を提供できる。
ここで、本開示の望ましい例を示す。
・前記溶液の溶媒は、-OHを有する溶媒である、ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
・前記溶液の溶媒は、水である、ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
・ハイドロハロオレフィンを含む、ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
・炭素数4-8のアルカンを含む、ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
・上記のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物と、イソシアネート成分と、を備えた、ポリウレタンフォーム製造用反応液セット。
・上記のポリウレタンフォーム製造用反応液セットから得られた、ポリウレタンフォーム。
・上記のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物と、イソシアネート成分と、を混合する、ポリウレタンフォームの製造方法。
以下、本開示を詳しく説明する。なお、本明細書において、数値範囲について「-」を用いた記載では、特に断りがない限り、下限値及び上限値を含むものとする。例えば、「10-20」という記載では、下限値である「10」、上限値である「20」のいずれも含むものとする。すなわち、「10-20」は、「10以上20以下」と同じ意味である。
1. ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物
ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物(以下、ポリオール組成物とも称する)は、ポリウレタンフォームは、ポリオールと、尿素化合物の溶液と、を含む。
(1)ポリオール
ポリオールは、特に限定されない。各種のポリオールは単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。ポリオールの数平均分子量、官能基数、水酸基価は特に限定されない。ポリオールとしては、数平均分子量350-3000、官能基数が2-8、水酸基価(OHV)が150mgKOH/g-500mgKOH/gであるポリオールが好ましい。
ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、主鎖が炭素-炭素結合系ポリオールが例示される。これらの中でも、耐加水分解性の観点から、ポリエーテルポリオールが用いられることが好ましい。
ポリエーテルポリオールは、例えば、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレンポリオール、ポリマーポリオール、ポリオキシテトラメチレングリコールが挙げられる。
ポリエステルポリオールは、例えば、脂肪族系又は芳香族系の重縮合系ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオールが挙げられる。
主鎖が炭素-炭素結合系ポリオールは、例えば、ポリブタジエンポリオール、イソプレンポリオール等のポリオレフィン系ポリオール、植物由来ポリオール、アクリルポリオールが挙げられる。
(1.1)ポリエーテルポリオール
ポリエーテルポリオールとして、以下の開始剤(化合物)の1種又は2種以上に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、エピクロロヒドリン、スチレンオキシド等の1種又は2種以上を付加せしめて得られるポリエーテルポリオール、又はポリテトラメチレンエーテルグリコールが例示される。以下の開始剤の中でも、ポリウレタンフォームに適度な硬さを付与し、耐燃焼性を向上する観点から、開始剤の少なくとも1種として4官能以上8官能以下のアルコールが用いられることが好ましい。
(1.1.1)開始剤
(1.1.1.1)多価アルコール、及び多価アルコールのアルキレンオキシド付加物
多価アルコールの例:
〔2官能アルコール〕エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール
〔3官能アルコール〕グリセリン、トリメチロールプロパン
〔4官能アルコール〕ペンタエリスリトール
〔6官能アルコール〕ソルビトール
〔8官能アルコール〕ショ糖
(1.1.1.2)多価フェノール類のアルキレンオキシド付加物
多価フェノール類のアルキレンオキシド付加物の例:ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物
(1.1.1.3)多価ヒドロキシ化合物
多価ヒドロキシ化合物の例:りん酸、ベンゼンりん酸、ポリりん酸(例えばトリポリりん酸およびテトラポリりん酸)等
(1.1.1.4)フェノール-アニリン-ホルムアルデヒド三元縮合生成物
(1.1.1.5)アニリン-ホルムアルデヒド縮合生成物
(1.1.1.6)ポリアミン類
ポリアミン類の例:エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メチレンビスオルソクロルアニリン、4,4-および2,4’-ジフェニルメタンジアミン、2,4-トリレンジアミン、2,6-トリレンジアミン等
(1.1.1.7)アルカノールアミン類
アルカノールアミン類の例:トリエタノールアミン、ジエタノールアミン等
(1.1.2)ポリマーポリオール
ポリマーポリオールは、既述のポリエーテルポリオールに、アクリロニトリル、スチレン、アルキルメタクリレート等のエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させたポリオールである。
(1.2)ポリエステルポリオール
ポリエステルポリオールは、少なくとも2個のヒドロキシ基を有する化合物の1種又は2種以上と、少なくとも2個のカルボキシル基を有する化合物の1種又は2種以上との縮合により得られるポリエステルポリオール、又はカプロラクトン、メチルバレロラクトン等の環状エステルの開環重合体類である。
(1.2.1)少なくとも2個のヒドロキシ基を有する化合物の例
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール1,3-および1,4-ブタンジオール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール
(1.2.2)少なくとも2個のカルボキシル基を有する化合物の例
マロン酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シュウ酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ヘメリット酸
(1.3)ポリカーボネートジオール
ポリカーボネートポリオールとしては、例えばブタンジオールやヘキサンジオール等の低分子ポリオールと、プロピレンカーボネートやジエチルカーボネート等の低分子カーボネートとのエステル交換反応よって得られるもの等が挙げられる。
(1.4)ポリオレフィン系ポリオール
ポリオレフィン系ポリオールとしては、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、水素添加ポリブタジエンポリオール、水素添加ポリイソプレンポリオールが例示される。
(1.5)植物由来ポリオール
ポリオールとして、上記のポリオールに加え、植物由来ポリオールを含んでもよい。植物由来ポリオールとしては、例えば、ひまし油系ポリオール、大豆油系ポリオール、パーム油系ポリオール、パーム核油系ポリオール、ヤシ油系ポリオール、カシュー油系ポリオール、オリーブ油系ポリオール、綿実油系ポリオール、サフラワー油系ポリオール、ごま油系ポリオール、ひまわり油系ポリオール、アマニ油系ポリオール等が挙げられる。植物由来のポリオール類は、1分子中の水酸基の官能基数が通常2~3である。
ひまし油系ポリオールとしては、ひまし油、ひまし油とポリオールとの反応物、ひまし油脂肪酸とポリオールとのエステル化反応物等を挙げることができる。ひまし油又はひまし油脂肪酸と反応させるポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロプレングリコールなどの2価のポリオール、あるいはグリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ソルビトール等の3価以上のポリオールなどを挙げることができる。
大豆油系ポリオールとしては、大豆油に由来するポリオール、例えば、大豆油とポリオールとの反応物、大豆油脂肪酸とポリオールとのエステル化反応物等が挙げられる。大豆油又は大豆油脂肪酸と反応させるポリオールとしては、上記ひまし油の場合と同様のものを用いることができる。パーム油系ポリオール、カシュー油系ポリオール等についても、大豆油系ポリオールの場合と同様である。なお、植物由来ポリオールとして例示した各種のポリオールは、単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
(2)尿素化合物の溶液
ポリオール組成物には、ポリウレタンフォームの熱伝導率を低減する観点から、尿素化合物の溶液が含まれている。尿素化合物の溶液を用いることで、得られるポリウレタンフォームの難燃性を向上する作用も期待できる。
尿素化合物としては、尿素、チオ尿素などを挙げることができる。尿素は、化学式CO(NHで示される化合物である。チオ尿素は、化学式CS(NHで示される化合物である。尿素化合物は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。尿素化合物の溶液は、尿素化合物と溶媒を含む液体状態の混合物である。ポリオール組成物が尿素化合物を固体ではなく、溶媒との液体状態の混合物として含むことで、ポリウレタンフォーム原料中に尿素化合物を好適に分散させ得る。
ポリウレタンフォームの熱伝導率が低減する推測理由を以下に説明する。ポリオール組成物中に尿素化合物の溶液が含まれることで、ポリオール組成物とイソシアネート成分が反応する際のライズタイムが短縮されると推測される。ライズタイムの短縮に起因して、ポリウレタンフォームのセル径が小さくなったりセル同士の連通が抑制されたりして、熱伝導率が低下すると考えられる。
ポリオール組成物とイソシアネート成分が反応する際のライズタイムを短縮する別の手段としては、触媒の添加量を増やすことが考えられる。しかし、触媒を増やした場合には、全体的な反応性が高くなり、例えば、ポリオール組成物とイソシアネート成分が反応する際のクリームタイムが短くなって、ポリウレタンフォームの成形性が損なわれる懸念がある。他方、ポリオール組成物中に尿素化合物の溶液が含まれる構成では、ポリオール組成物とイソシアネート成分が反応する際のクリームタイムはライズタイム程短縮されない。このため、尿素化合物の溶液が含まれる場合であっても、ポリウレタンフォームの成形性を確保できる。
このように、尿素化合物の溶液は、ポリウレタンフォームの成形性を確保しつつ熱伝導率を低減する手段として特に有用である。
溶媒は特に限定されない。溶媒としては、-OHを有する溶媒、エステル結合を有する溶媒(例えば可塑剤)等が挙げられる。溶媒は、-OHを有する溶媒であることが好ましい。具体的には、溶媒は、水、炭素数1-6の1価又は多価のアルコール、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類からなる群より選ばれることが好ましい。溶媒は、尿素化合物の溶解度が高く、発泡剤としても用いられる水であることがより好ましい。すなわち、尿素化合物の溶液は尿素化合物水溶液であるとよい。
炭素数1-6の1価アルコールとしては、例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等が挙げられ、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビット等が挙げられる。
ポリエチレングリコール類又はポリプロピレングリコール類の分子量は、尿素化合物の量等に応じて適宜選択できる。ポリエチレングリコール類の分子量は、尿素化合物の溶解性の観点から、分子量200未満であることが好ましい。ポリプロピレングリコール類分子量は、尿素化合物の溶解性の観点から、分子量200未満であることが好ましい。ポリエチレングリコール類又はポリプロピレングリコール類としては、例えばジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられる。
尿素化合物の溶液の濃度は、5%以上が好ましく、10%以上、20%以上、30%以上、35%以上がより好ましい。尿素化合物の溶液の濃度の上限は特に限定されない。例えば、尿素の溶液の濃度は、溶媒が水である場合に、20℃で52%以下である。なお、尿素の溶液の濃度(%)は、(尿素化合物の質量/溶液の質量)×100として求める。
ポリオール組成物における尿素化合物の含有量は、特に限定されない。尿素化合物の含有量は、ポリウレタンフォームの熱伝導率を低減する観点から、ポリオール100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1.0質量部以上が更に好ましい。他方、ポリウレタンフォームの諸物性を保持する観点、及び製造コストの観点から、8質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、3質量部以下が更に好ましい。これらの観点から、尿素化合物の合計の配合量は、ポリオール100質量部に対して0.05質量部以上8質量部以下が好ましく、ポリオール100質量部に対して0.1質量部以上5質量部以下がより好ましく、0.5質量部以上3質量部以下が更に好ましい。
(3)発泡剤(任意成分)
ポリオール組成物には、発泡剤が含まれていることが好ましい。発泡剤は、水、ハイドロハロオレフィン、炭素数4-8のアルカンからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
発泡剤としては、少なくとも水が用いられることが好ましい。発泡剤としての水は、尿素化合物の溶液の溶媒として存在しているとよい。
水の含有量は、ポリオール組成物中の尿素化合物の量を確保する観点から、ポリオール100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1.0質量部以上が更に好ましい。他方、水の含有量は、熱伝導率を低減する観点から、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、12質量部以下が更に好ましい。これらの観点から、水の含有量は、ポリオール100質量部に対して0.1質量部以上20質量部以下が好ましく、0.5質量部以上15質量部以下がより好ましく、1.0質量部以上12質量部以下が更に好ましい。
ハイドロハロオレフィンとしては、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、ハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)等を挙げることができる。
ハイドロフルオロオレフィンとしては、例えば、炭素数3-6のフルオロアルケンを挙げることができる。ハイドロクロロフルオロオレフィンとしては、例えば、炭素数3-6のクロロフルオロアルケンを挙げることができる。
より具体的には、トリフルオロプロペン、HFO-1234等のテトラフルオロプロペン、HFO-1225等のペンタフルオロプロペン、HFO-1233等のクロロトリフルオロプロペン、HCFO-1242zf等のクロロジフルオロプロペン、及びHCFO-1224yd等のクロロテトラフルオロプロペン等が挙げられる。より具体的には、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)、1,1,3,3-テトラフルオロプロペン、1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye)、1,1,1-トリフルオロプロペン、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロブト-2-エン、1,1,2,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225yc)、1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225yez)、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zd)、及び1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エン等が挙げられる。これらの中ではHFO-1233zdが好ましい。
これらのハイドロハロオレフィンは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ハイドロハロオレフィンの含有量は、セルを微細化して、熱伝導率を低減する観点から、ポリオール100質量部に対して5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、20質量部以上が更に好ましい。他方、ハイドロハロオレフィンの含有量は、コストの面や触媒の失活を抑制する観点から、60質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、45質量部以下が更に好ましい。これらの観点から、ハイドロハロオレフィンの含有量は、ポリオール100質量部に対して5質量部以上60質量部以下が好ましく、10質量部以上50質量部以下がより好ましく、20質量部以上45質量部以下が更に好ましい。
炭素数4-8のアルカンとしては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン等の環状アルカン、n-ペンタン、イソペンタンを挙げることができる。これらの中ではシクロペンタンが好ましい。
これらの炭素数4-8のアルカンは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
炭素数4-8のアルカンの含有量は、セルを微細化して、熱伝導率を低減する観点から、ポリオール100質量部に対して1質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、10質量部以上が更に好ましい。他方、ハイドロハロオレフィンの含有量は、コストの面から、50質量部以下が好ましく、35質量部以下がより好ましく、25質量部以下が更に好ましい。これらの観点から、ハイドロハロオレフィンの含有量は、ポリオール100質量部に対して1質量部以上50質量部以下が好ましく、5質量部以上35質量部以下がより好ましく、10質量部以上25質量部以下が更に好ましい。
(4)触媒(任意成分)
ポリオール組成物には、触媒が含まれていてもよい。従来公知の触媒を特に限定なく採用できる。各種の触媒は単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
触媒として、アミン触媒を用いることができる。アミン触媒の具体例を示す。
N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジシクロヘキシルメチルアミン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン等のモノアミン類、ピリジン、N-メチルモルフォリン、N-エチルモルフォリン等の環状モノアミン類、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,3-プロパンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,3-ブタンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサンジアミン、メチレン-ビス(ジメチルシクロヘキシルアミン)、N,N,N’,N’-テトラエチルエチレンジアミン等のジアミン類、N,N,N’,N’,N"-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’,N"-ペンタメチルジプロピレントリアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)-フェノール等のトリアミン類、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル-3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピルエーテル、4,4’-オキシジメチレンジモルフォリン等のエーテルジアミン類、トリエチレンジアミン、N,N’-ジメチルピペラジン、N,N’-ジエチルピペラジン、N,N-ジメチルアミノエチルモルフォリン、1-メチルイミダゾール、1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、1-ブトキシ-2-メチルイミダゾール等の環状ポリアミン類、N,N,N’-トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N,N’-トリメチルアミノプロピルエタノールアミン、2-(2-ジメチルアミノ-エトキシ)エタノール、N,N-ジメチルアミノエタノール、N,N-トリメチル-1,3-ジアミノ-2-プロパノール、N-メチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)-ピペラジン等のアルカノールアミン類等が挙げられる。
ポリオール組成物における、アミン触媒の合計の配合量は、特に限定されない。アミン触媒の合計の配合量は、ポリウレタンの生成反応を十分に促進させる観点から、ポリオール100質量部に対して0.05質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上が更に好ましい。他方、ポリウレタンフォームの諸物性を保持する観点、及び製造コストの観点から、8質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、3質量部以下が更に好ましい。これらの観点から、アミン触媒の合計の配合量は、ポリオール100質量部に対して0.05質量部以上8質量部以下が好ましく、ポリオール100質量部に対して0.1質量部以上5質量部以下がより好ましく、0.5質量部以上3質量部以下が更に好ましい。
触媒として、金属触媒(有機金属触媒)を用いることができる。金属触媒の具体例を示す。
ジブチルチンオキサイド、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジオクテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンオレイルマレート、ジブチルチンジブチルマレート、ジブチルチンアセチルアセテート、1,1,3、3-テトラブチル-1,3-ジラウリルオキシカルボニル-ジスタノキサン、オクチル酸スズ、ステアリン酸スズ、オクチル酸ビスマス、ビスマスバーサテイト等の有機金属化合物等が挙げられる。
ポリオール組成物における、金属触媒の合計の配合量は、特に限定されない。金属触媒の合計の配合量は、例えば、ポリオール100質量部に対して0.01質量部以上0.50質量部以下とすることができる。
触媒として、イソシアネート三量化触媒を適宜用いてもよい。イソシアネート三量化触媒を用いる場合において、ポリオール組成物における、イソシアネート三量化触媒の合計の配合量は、特に限定されない。イソシアネート三量化触媒の合計の配合量は、例えば、ポリオール100質量部に対して0.01質量部以上0.50質量部以下とすることができる。
(5)その他の成分(任意成分)
ポリオール組成物には、その他の成分として、難燃剤、溶剤、整泡剤、界面活性剤、着色剤、酸化防止剤等の添加剤が含まれていてもよい。
難燃剤は、ポリウレタンフォームの製造において公知のものを用いることができる。例えば、トリス(2,3-ジクロロプロピル)フォスフォネート、水酸化アルミニウム、金属/アミン複合体、アンモニウムポリフォスフェート、フォスフィン、ネオペンチル臭化ポリエーテル、ジブロモプロパノール及びジブロモネオペンチルグリコール等が挙げられる。
溶剤は、ポリオール組成物中の各成分を均一に混合する観点から、必要に応じて用いることができる。溶剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられる。これらの溶剤は、尿素化合物の溶液の溶媒として存在していてもよい。
整泡剤は、ポリウレタンフォームの製造において公知のものを用いることができる。整泡剤としては、例えば、シロキサン-ポリアルキレンオキサイド共重合体等のシリコーン系整泡剤が挙げられる。
界面活性剤、着色剤及び酸化防止剤も、ポリウレタンフォームの製造において公知のものを用いることができ、特に限定されない。
これらの添加剤の含有量は、ポリウレタン樹脂の泡化反応及び樹脂化反応に影響を及ぼさない範囲内において、得られるポリウレタンフォームの所望の物性に応じて適宜調整することができる。添加剤の合計の配合量は、例えば、ポリオール100質量部に対して1質量部以上30質量部以下とすることができる。
2. ポリウレタンフォーム製造用反応液セット
上記ポリオール組成物を用いて、2液型ポリウレタンフォーム製造用反応液セットを構成してもよい。ポリウレタンフォーム製造用反応液セットは、例えば、A液として上記ポリオール組成物と、B液としてイソシアネート成分と、を備えている。
(2.1)イソシアネート成分
イソシアネート成分は、特に限定されない。イソシアネート成分としては、芳香族系イソシアネート、脂環式イソシアネート、及び脂肪族系イソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が好適に採用される。脂肪族系イソシアネートの1種類以上と、芳香族系イソシアネートの1種類以上を併用してもよい。
また、イソシアネート成分は、1分子中に2個のイソシアネート基を有する2官能のイソシアネート、1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する3官能以上のイソシアネートのいずれであってもよく、単独であるいは複数組み合わせて使用してもよい。
例えば、2官能のイソシアネートとしては、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート等の芳香族系イソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等の脂環式イソシアネート、ブタン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、リジンイソシアネート等の脂肪族系イソシアネートを挙げることができる。
また、3官能以上のイソシアネートとしては、1-メチルベンゾール-2,4,6-トリイソシアネート、1,3,5-トリメチルベンゾール-2,4,6-トリイソシアネート、ビフェニル-2,4,4’-トリイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4,4’-トリイソシアネート、メチルジフェニルメタン-4,6,4’-トリイソシアネート、4,4’-ジメチルジフェニルメタン-2,2’,5,5’テトライソシアネート、トリフェニルメタン-4,4’,4"-トリイソシアネート、ポリメリックMDI等を挙げることができる。
なお、その他ウレタンプレポリマーやカルボジイミド変性イソシアネート、イソシアヌレート変性イソシアネート、ビュレット変性イソシアネートも使用することができる。
ポリウレタンフォーム製造用反応液セットは、ポリオール組成物(A液)とイソシアネート成分(B液)とを所定の混合割合で混合して使用できる。
ポリオール組成物とイソシアネート成分の混合割合は、特に限定されない。ポリオール組成物とイソシアネート成分の混合割合は、イソシアネートインデックスに応じて規定できる。イソシアネートインデックスは80以上300以下が好ましく、105以上115以下がより好ましい。イソシアネートインデックス(INDEX)は、ポリオール組成物中に含まれる活性水素基1モルに対するイソシアネート成分のモル数を100倍した値であり、[(イソシアネート成分のイソシアネート当量/ポリオール組成物中の活性水素の当量)×100]で計算される。
3. ポリウレタンフォームの製造方法
ポリウレタンフォームの製造方法は特に限定されない。ポリウレタンフォームの製造方法は、例えば、上記ポリオール組成物(A液)と、イソシアネート成分(B液)と、を混合する。
ポリウレタンフォームを製造するにあたって、A液とB液を混合する手法は特に限定されない。例えば、A液とB液は、小型ミキサーや、一般のウレタンフォームを製造する際に使用する、注入発泡用の低圧、または高圧発泡機、スラブ発泡用の低圧、または高圧発泡機、連続ライン用の低圧、または高圧発泡機、吹き付け工事用のスプレー発泡機等を用いて混合できる。ポリウレタンフォームを発泡成形する場合には、A液とB液を混合した所定量の混合液を、所定の液温にてモールドに注入すればよい。
4. ポリウレタンフォーム
ポリウレタンフォームは、ポリウレタンフォーム製造用反応液セットから得られる。なお、ポリウレタンフォーム製造用反応液セットは、現場発泡に用いられてもよく、製造工場内でA液とB液を混合してポリウレタンフォームを製造する際に用いられてもよい。
ポリウレタンフォームは、軟質ポリウレタンフォーム、半硬質ポリウレタンフォーム、硬質ポリウレタンフォームのいずれであってもよい。ポリウレタンフォームは、断熱性の観点から、硬質ポリウレタンフォームであることが好ましい。なお、本開示においてポリウレタンフォームとは、ポリイソシアヌレートフォームを含むものとする。
得られるポリウレタンフォームの物性は、用途等に応じて適宜設定できる。ポリウレタンフォームは、以下の物性を備えることが好ましい。
(4.1)見かけ全体密度
見かけ全体密度(JIS K7222:2005準拠)は、20kg/m-120kg/mが好ましく、25kg/m-80kg/mがより好ましく、30kg/m-60kg/mが更に好ましい。
(4.2)熱伝導率
熱伝導率(JIS A 1412-2:1999準拠)は、0.030W/mK以下が好ましく、0.025W/mK以下がより好ましく、0.023W/mK以下が更に好ましい。熱伝導率の下限値は特に限定されない。熱伝導率は、通常、0.018W/mK以上である。
(4.3)圧縮強さ
圧縮強さ(JIS K7220:2006準拠)は、5N/cm以上が好ましく、7.5N/cm以上がより好ましく、9.5N/cm以上が更に好ましい。圧縮強さの上限値は特に限定されない。圧縮強さの上限値は、通常、100N/cm以下である。
(4.4)曲げ強さ
曲げ強さ(JIS K 7221-2:2006準拠)は、10N/cm以上が好ましく、20N/cm以上がより好ましく、30N/cm以上が更に好ましい。曲げ強さの上限値は特に限定されない。曲げ強さの上限値は、通常、200N/cm以下である。
(4.5)独立気泡率
ポリウレタンフォームは、独立気泡構造を有していてもよく、連続気泡構造を有していてもよい。独立気泡構造を有している場合において、独立気泡率(ASTM D 2856準拠)は、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、85%以上が更に好ましい。独立気泡率の上限値は特に限定されず、例えば100%以下である。測定用の試験片は、発泡体中心部(コア部)から切り出した。
ポリウレタンフォームの用途は特に限定されない。ポリウレタンフォームは、上記のような物性を備えるから、断熱材として有効である。それ以外にも、ポリウレタンフォームは、梱包材、充填材、緩衝材として好適である。
1. ポリオール組成物(A液)の製造
表1の割合で配合したポリオール組成物を調製した。
各原料の詳細は以下の通りである。
・ポリエーテルポリオール1:ペンタエリスリトールを開始剤としたポリエーテルポリオール、分子量550、水酸基価410mgKOH/g
・ポリエーテルポリオール2:スクロースを開始剤としたポリエーテルポリオール、分子量650、水酸基価450mgKOH/g
・ポリエーテルポリオール3:グリセリンを開始剤としたポリエーテルポリオール、分子量1000、水酸基価168mgKOH/g
・ポリエーテルポリオール4:トルエンジアミンを開始剤としたポリエーテルポリオール、分子量561、水酸基価400mgKOH/g
・ポリエーテルポリオール5:トルエンジアミンを開始剤としたポリエーテルポリオール、分子量561、水酸基価400mgKOH/g
・ポリエステルポリオール:無水フタル酸とジエチレングリコールを用いたポリエステルポリオール、分子量360、水酸基価315mgKOH/g
・難燃剤:トリス(2,3-ジクロロプロピル)フォスフォネート
・整泡剤1:シリコーン系界面活性剤、SZ1677、東レ・ダウコーニング社製
・整泡剤2:シリコーン系界面活性剤、SF2937F、東レ・ダウコーニング社製
・アミン触媒1:N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン
・アミン触媒2:N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン
・アミン触媒3:1-メチルイミダゾール
・アミン触媒4:ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル
・イソシアネート三量化触媒:N,N’,N"-トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン
・シクロペンタン(CP)
・ハイドロハロオレフィン:ハイドロフルオロオレフィン HFO-1233zd、Solstice LBA、Honeywell社製
・水
・尿素化合物の溶液:40%尿素水溶液
なお、表1中、尿素化合物の溶液の欄における括弧内の数値は、尿素の溶液における尿素と水の量(質量部)を表している。
Figure 2023173601000001
イソシアネート成分(B液)として、以下の原料を用いた。
・イソシアネート成分:ポリメリックMDI、フォームライト200B、BASF INOAC ポリウレタン社製
上記のポリオール組成物(A液)と、上記のイソシアネート成分(B液)とを混合して、フリー発泡によってポリウレタンフォームを得た。A液とB液は、表2に記載の比率(A液/B液、質量比)で混合した。
フリー発泡は次の手順により行った。
ポリオール組成物(A液)と、イソシアネート成分(B液)とを所定の液温に調整した。実施例1及び比較例1では、A液とB液の液温を25℃に調整した。実施例2,3及び比較例2,3では、A液とB液の液温を20℃に調整した。
フリー発泡用の型として、サイズ150mm×150mm×200mmのプラスチックボックスを用いた。
上記の型内で上記のポリオール組成物(A液)とイソシアネート成分(B液)を混合した混合液をフリー発泡させ、ポリウレタンフォームを得た。得られたポリウレタンフォームから100mm×100mm×100mmの試験片を切り出して、フリー密度を測定した。
ポリオール組成物(A液)と、イソシアネート成分(B液)との反応性(クリームタイム、ゲルタイム、ライズタイム)を以下の手法により測定した。
クリームタイム:上記混合液において、クリーム状には白濁して立ち上がってくるまでの時間をクリームタイム(秒)として測定した。
ゲルタイム:上記混合液において、増粘しゲル化が始まるまでの時間をゲルタイム(秒)として測定した。
ライズタイム:上記混合液において、発泡によるフォームの上昇が停止するまでの時間をライズタイム(秒)として測定した。
なお、上記測定においては、ポリオール組成物(A液)と、イソシアネート成分(B液)との混合を開始した時間をゼロ秒として測定した。判定は、目視により行った。
上記のポリオール組成物(A液)と、上記のイソシアネート成分(B液)とを混合して、モールド発泡によってポリウレタンフォームを得た。A液とB液は、表2に記載の比率(A液/B液、質量比)で混合した。モールド発泡用の型として、サイズ300mm×300mm×50mmの型枠を用いた。
Figure 2023173601000002
2. 評価方法
(1)フリー密度、見かけ全体密度
フリー発泡によって得られたポリウレタンフォームのフリー密度は、JIS K7222:2005に準拠して測定した。モールド発泡によって得られたポリウレタンフォームの見かけ全体密度は、JIS K7222:2005に準拠して測定した。
(2)熱伝導率
JIS A1412-2:1999にしたがい、モールド発泡によって得られた300mm×300mm×50mmのポリウレタンフォームを、200mm×200mm×25mmのサイズに切り出した。その後、熱伝導率測定機「AUTO-Λ HC-074」英弘精機株式会社製を使用して熱伝導率を測定した。
(3)圧縮強さ
モールド発泡によって得られたポリウレタンフォームの圧縮強さは、JIS K7220:2006に準拠して測定した。
(4)曲げ強さ
モールド発泡によって得られたポリウレタンフォームの曲げ強さは、JIS K 7221-2:2006に準拠して測定した。
(5)独立気泡率
モールド発泡によって得られたポリウレタンフォームの独立気泡率は、ASTM D 2856準拠に準拠して測定した。
(6)燃焼距離及び燃焼時間
燃焼距離及び燃焼時間は、JIS A 9521の燃焼性試験に準拠し、測定を行った。
3. 結果
結果を表2に併記する。実施例1-3は、尿素化合物の溶液を含むポリオール組成物を用いた場合の結果である。比較例1-3は、尿素化合物の溶液を含まないポリオール組成物を用いた場合の結果である。
発泡剤の処方が同じ実施例と比較例を比較すると、実施例の熱伝導率は比較例の熱伝導率よりも低かった。具体的には、発泡剤として水を用いた実施例1の熱伝導率24.31mW/mKは比較例1の熱伝導率24.58mW/mKよりも低かった。発泡剤としてシクロペンタンと水を用いた実施例2の熱伝導率20.09mW/mKは比較例2の熱伝導率20.62mW/mKよりも低かった。発泡剤としてハイドロハロオレフィンと水を用いた実施例3の熱伝導率20.72mW/mKは比較例3の熱伝導率21.52mW/mKよりも低かった。よって、尿素化合物の溶液を含むポリオール組成物を用いることで、ポリウレタンフォームの熱伝導率を低減できることが確認された。
また、発泡剤の処方が同じ実施例と比較例を比較すると、実施例のライズタイムは比較例のライズタイムよりも短かった。他方、実施例2のクリームタイムは比較例2のクリームタイムと同等であり、実施例1及び実施例3のクリームタイムはそれぞれ比較例1及び比較例3のクリームタイムよりもやや短いものの、ライズタイム程短縮されないことが確認された。よって、ポリオール組成物に尿素化合物の溶液を添加した場合であっても、ポリオール組成物とイソシアネート成分が反応する際のクリームタイムを確保することが出来るため、型への注入に問題がなく、成形性を向上できることが確認された。
以上の実施例によれば、汎用性が高く、ポリウレタンフォームの熱伝導率を低減できる技術を提供できる。
本開示は上記で詳述した実施例に限定されず、本開示の範囲で様々な変形又は変更が可能である。

Claims (8)

  1. ポリオールと、尿素化合物の溶液と、を含む、ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
  2. 前記溶液の溶媒は、-OHを有する溶媒である、請求項1に記載のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
  3. 前記溶液の溶媒は、水である、請求項2に記載のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
  4. ハイドロハロオレフィンを含む、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
  5. 炭素数4-8のアルカンを含む、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
  6. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物と、イソシアネート成分と、を備えた、ポリウレタンフォーム製造用反応液セット。
  7. 請求項6に記載のポリウレタンフォーム製造用反応液セットから得られた、ポリウレタンフォーム。
  8. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物と、イソシアネート成分と、を混合する、ポリウレタンフォームの製造方法。
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