JP2023173565A - 計画生成装置、計画生成方法、およびプログラム - Google Patents

計画生成装置、計画生成方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】経路についての予想走行負荷と実走行負荷との間の乖離が発生した場合であっても、適切に走行計画を生成することによって燃費を改善すること。【解決手段】少なくとも内燃機関と電動機とバッテリを備え、前記内燃機関と前記電動機の動作状態の組み合わせに対応する複数のモードから一つを選択して走行可能なハイブリッド車両を制御するための計画を生成する計画生成装置であって、出発地から目的地までの走行経路について、予想走行出力に基づく前記バッテリのSOC計画を生成するSOC計画部と、前記走行経路の区間のうち、前記ハイブリッド車両の過去の走行出力に基づく第1値と前記予想走行出力に基づく第2値との間の乖離が基準値以上である区間を乖離区間として特定する乖離区間特定部と、を備え、前記SOC計画部は、前記乖離区間に関して、予想走行出力に依存せずに前記バッテリのSOC計画を生成する、計画生成装置。【選択図】図11

Description

本発明は、計画生成装置、計画生成方法、およびプログラムに関する。
従来、ハイブリッド車両の燃費を向上させる技術が知られている。例えば、特許文献1には、目的地までの経路について予想された走行負荷情報に基づいて、ハイブリッド車両の駆動モードを含む走行計画を算出する技術が開示されている。
特許第5780354号公報
しかしながら、従来の技術は、経路についての予想走行負荷と実走行負荷との間の乖離が発生した場合に、適切に走行計画を生成することができず、燃費が悪化する場合があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、経路についての予想走行負荷と実走行負荷との間の乖離が発生した場合であっても、適切に走行計画を生成することによって燃費を改善することができる計画生成装置、計画生成方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
この発明に係る計画生成装置、計画生成方法、およびプログラムは、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る計画生成装置は、少なくとも内燃機関と電動機とバッテリを備え、前記内燃機関と前記電動機の動作状態の組み合わせに対応する複数のモードから一つを選択して走行可能なハイブリッド車両を制御するための計画を生成する計画生成装置であって、出発地から目的地までの走行経路について、予想走行出力に基づく前記バッテリのSOC計画を生成するSOC計画部と、前記走行経路の区間のうち、前記ハイブリッド車両の過去の走行出力に基づく第1値と前記予想走行出力に基づく第2値との間の乖離が基準値以上である区間を乖離区間として特定する乖離区間特定部と、を備え、前記SOC計画部は、前記乖離区間に関して、予想走行出力に依存せずに前記バッテリのSOC計画を生成するものである。
(2):上記(1)の態様において、前記SOC計画部は、前記乖離区間に関して、前記予想走行出力に基づく前記バッテリのSOC計画に代えて、前記バッテリの目標SOCが所定値に設定されたSOC計画を生成するものである。
(3):上記(1)の態様において、前記SOC計画部は、前記乖離区間について、前記予想走行出力に基づく前記バッテリのSOC計画に代えて、前記乖離区間の始点と終点の目標SOCが同一の値に設定されたSOC計画を使用するものである。
(4):上記(1)の態様において、前記複数のモードは、前記内燃機関を停止させて前記電動機の出力で走行する第1モード、前記内燃機関の出力を利用して発電機によって発電すると共に前記電動機の出力で走行する第2モード、前記内燃機関の出力を機械的に駆動輪に伝達する第3モードを含むものである。
(5):この発明の別の態様に係る計画生成方法は、一以上のプロセッサにより実現され、少なくとも内燃機関と電動機とバッテリを備え、前記内燃機関と前記電動機の動作状態の組み合わせに対応する複数のモードから一つを選択して走行可能なハイブリッド車両を制御する計画生成方法であって、前記複数のモードは、前記内燃機関の出力を利用して発電機によって発電すると共に前記電動機の出力で走行する所定モードを含み、前記計画生成方法は、出発地から目的地までの走行経路について、予想走行出力に基づく前記バッテリのSOC計画を生成することと、前記走行経路の区間のうち、前記ハイブリッド車両の過去の走行出力に基づく第1値と前記予想走行出力に基づく第2値との間の乖離が基準値以上である区間を乖離区間として特定することと、前記乖離区間に関して予想走行出力に依存せずに前記バッテリのSOC計画を生成することと、を備えるものである。
(6):この発明の別の態様に係るプログラムは、少なくとも内燃機関と電動機とバッテリを備え、前記内燃機関と前記電動機の動作状態の組み合わせに対応する複数のモードから一つを選択して走行可能なハイブリッド車両を制御するプログラムであって、前記プログラムは、コンピュータに、出発地から目的地までの走行経路について、予想走行出力に基づく前記バッテリのSOC計画を生成させ、前記走行経路の区間のうち、前記ハイブリッド車両の過去の走行出力に基づく第1値と前記予想走行出力に基づく第2値との間の乖離が基準値以上である区間を乖離区間として特定させ、前記乖離区間に関して予想走行出力に依存せずに前記バッテリのSOC計画を生成させるものである。
上記(1)~(6)の態様によれば、車両による低車速での走行に起因する燃費悪化を防ぐことができる計画生成装置、計画生成方法、およびプログラムを提供することができる。
車両制御装置100が搭載された車両Mの構成図である。 車両Mにおける車両制御装置100を中心とした制御系の構成を示す構成図である。 長期最適化部110により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。 SOCref(X)の一例を示す図である。 短期最適化部120の構成図である。 短期車速予測部123の処理内容の一例について説明するための図である。 モードごと最適動作点決定部140が導出する情報の内容を示す図である。 モード選択部150の処理について説明するための図である。 モード選択部150の機能によってモードM(t)が選択されることの効果を説明するための図である。 予想仕事量と実際の仕事量との間の乖離と、燃費改善率との間の関係を説明するためのグラフである。 SOC計画算出部116が乖離区間に設定するSOC計画の一例を示す図である。 車両制御装置100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照し、本発明の計画生成装置、計画生成方法、およびプログラムの実施形態について説明する。
<車両>
図1は、車両制御装置100が搭載された車両Mの構成図である。車両Mは、シリーズ方式とパラレル方式とを切り換え可能なハイブリッド車両である。シリーズ方式とは、エンジンと駆動輪が機械的に連結されておらず、エンジンの動力は専ら発電機による発電に用いられ、発電電力が走行用の電動機に供給される方式である。パラレル方式とは、エンジンと駆動輪を機械的に(或いはトルクコンバータなどの流体を介して)連結可能であり、エンジンの動力を駆動輪に伝えたり発電に用いたりすることが可能な方式である。車両Mは、ロックアップクラッチ14を接続したり、切り離したりすることで、シリーズ方式とパラレル方式とを切り換えることができる。車両Mは、バッテリをプラグイン充電可能な車両であってよい。
車両Mには、例えば、エンジン10と、第1モータ(発電機)12と、ロックアップクラッチ14と、ギアボックス16と、第2モータ(電動機)18と、ブレーキ装置20と、駆動輪25と、第1変換器30と、第2変換器32と、VCU(Voltage Control Unit)40と、バッテリ50と、バッテリECU(Electronic Control Unit)54とが搭載される。その他の構成については適宜、以降の文面あるいは図2を参照しながら説明する。
エンジン10は、ガソリンなどの燃料を燃焼させることで動力を出力する内燃機関である。エンジン10は、例えば、シリンダとピストン、吸気バルブ、排気バルブ、燃料噴射装置、点火プラグ、コンロッド、クランクシャフトなどを備えるレシプロエンジンである。また、エンジン10は、ロータリーエンジンであってもよい。
第1モータ12は、例えば、三相交流発電機である。第1モータ12は、エンジン10の出力軸(例えばクランクシャフト)にロータが連結され、エンジン10により出力される動力を用いて発電する。エンジン10の出力軸および第1モータ12のロータは、ロックアップクラッチ14を介して駆動輪25の側に接続される。
ロックアップクラッチ14は、PCU30からの指示に応じて、エンジン10の出力軸および第1モータ12のロータを駆動輪25の側に接続した状態(以下、接続状態)と、駆動輪25の側とは切り離した状態(以下、分離状態)とを切り替える。
ギアボックス16は、変速機である。ギアボックス16は、エンジン10により出力される動力を変速して駆動輪25の側に伝える。ギアボックス16の変速比は、車両制御装置100によって指定される。
第2モータ18は、例えば、三相交流電動機である。第2モータ18のロータは、駆動輪25に連結される。第2モータ18は、供給される電力を用いて動力を駆動輪25に出力する。第2モータ18と駆動輪25との間に減速比を変更可能な減速機が設けられてもよい。第2モータ18は、車両の減速時に車両の運動エネルギーを用いて発電する。以下、第2モータ18による発電動作を回生と称する場合がある。
ブレーキ装置20は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータとを備える。ブレーキ装置20は、ブレーキペダルの操作によって発生した油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置20は、上記説明した構成に限らず、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。
第1変換器30および第2変換器32は、例えば、AC-DC変換器である。第1変換器30および第2変換器32の直流側端子は、直流リンクDLに接続されている。直流リンクDLには、VCU40を介してバッテリ50が接続されている。第1変換器30は、第1モータ12により発電された交流を直流に変換して直流リンクDLに出力したり、直流リンクDLを介して供給される直流を交流に変換して第1モータ12に供給したりする。同様に、第2変換器32は、第2モータ18により発電された交流を直流に変換して直流リンクDLに出力したり、直流リンクDLを介して供給される直流を交流に変換して第2モータ18に供給したりする。
VCU40は、例えば、DC―DCコンバータである。VCU40は、バッテリ50から供給される電力を昇圧してDCリンクDLに出力する。
バッテリ50は、リチウムイオン電池や全固体電池などの二次電池である。バッテリ50にはバッテリセンサ52が取り付けられている。バッテリセンサ52は、電圧センサ、電流センサ、温度センサなどを含む。バッテリセンサ52の検出値はバッテリECU54に出力される。バッテリECU54は、充放電電流の積分値と電圧から簡易的に導出したΔSOCとを比較する手法等、種々の手法によってバッテリ50のSOCを計算し、SOCの情報を車両制御装置100に出力する。
[各種走行モード]
以下、車両Mにおける走行モード(以下、単にモードと)称するについて説明する。モードには、以下のものが存在する。
(1)EV走行モード(EV)
EV走行モードにおいて、車両制御装置100は、ロックアップクラッチ14を分離状態にし、バッテリ50から供給される電力を用いて第2モータ18を駆動し、第2モータ18からの動力によって車両を走行させる。
(2)シリーズハイブリッド走行モード(ECVT)
シリーズハイブリッド走行モードにおいて、車両制御装置100は、ロックアップクラッチ14を分離状態にし、エンジン10に燃料を供給して動作させ、第1モータ12で発電した電力をバッテリ50および第2モータ18に提供する。そして、第1モータ12またはバッテリ50から供給される電力を用いて第2モータ18を駆動し、第2モータ18からの動力によって車両を走行させる。
(3)エンジンドライブ走行モード(LU)
エンジンドライブ走行モードにおいて、車両制御装置100ロックアップクラッチ14を接続状態にし、エンジン10に燃料を消費して動作させ、エンジン10の出力する動力の少なくとも一部を駆動輪25に伝達して車両を走行させる。この際に、第2モータ18は、エンジン10の出力する動力だけでは不足する分の動力を駆動輪25に出力してもよい。エンジンドライブ走行モードは、パラレル方式を実現するものである。
(4)回生
回生時において、車両制御装置100は、ロックアップクラッチ14を分離状態にし、第2モータ18に車両の運動エネルギーを用いて発電させる。回生時の発電電力は、バッテリ50に蓄えられたり、廃電動作によって破棄されたりする。
図2は、車両Mにおける車両制御装置100を中心とした制御系の構成を示す構成図である。車両Mには、更に、運転操作子60と、操作検出センサ62と、車両センサ64と、カメラ70と、通信装置72と、ナビゲーション装置80とが搭載される。なお制御対象機器200とは、エンジン10、ブレーキ装置20、第1変換器30、第2変換器32、VCU40のうち一部または全部を含むものである。これらの制御対象機器200を制御する際に、エンジンECUやモータECUといった個別制御装置が間に介在してもよいが、本明細書ではこれについて説明を省略し、車両制御装置100が制御対象機器200を直接的に制御するものとして説明する。また、車両制御装置100は個別制御装置を包含する概念であってもよい。
運転操作子60は、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、ステアリングホイールなどを含む。運転操作子60には操作検出センサ62が取り付けられている。操作検出センサ62は、アクセル開度センサ、ブレーキ踏量センサ、シフト位置検出センサ、ステアリングトルクセンサなどを含む。操作検出センサ62は、運転操作子60に対してなされた操作の量(変位量の単位であってもよいし、力の単位であってもよい)を検出し、操作の量の情報を車両制御装置100に出力する。操作の量は、アクセル開度(以下、アクセル開度AC)、ブレーキ踏量、シフト位置、ステアリングトルクなどを含む。
車両センサ64は、例えば、車速センサ、加速度センサ、角速度センサなどを含む。車両センサ64は、検出した車速(以下、車速V)、加速度、角速度の情報を車両制御装置100に出力する。
カメラ70は、車両Mの進行方向(前方)の風景を撮像する。カメラ70は、車両Mと同じ車線を車両Mと同じ方向に移動する、前走車両を撮像可能な位置に取り付けられる。カメラ70は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などのイメージセンサを有するデジタルカメラであり、車両Mの進行方向の風景を繰り返し撮像する。
通信装置72は、例えば、セルラー網やWi-Fi網、或いはDSRC(Dedicated Short Range Communications)などの狭域通信規格を利用して車両Mの外部の通信装置と通信する。外部の通信装置には、路側設備、他車両などが含まれてよい。
ナビゲーション装置80は、例えば、位置測位部81、HMI(Human machine Interface)82、目的地推定部83、経路探索部84、および経路案内部85を備える。ナビゲーション装置80は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に地図情報87を保持している。位置測位部81は、例えばGNSS受信機を含む。位置測位部81は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、車両Mの位置を特定する。車両Mの位置は、車両センサ64の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。HMI82は、表示装置、スピーカ、タッチパネル、キーなどを含む。目的地推定部83は、車両Mの普段の経路などから、車両Mの目的地を推定する。経路探索部84は、例えば、位置測位部81により特定された車両Mの位置(或いは入力された任意の位置)から、HMI82を用いて乗員により入力され、或いは目的地推定部83によって推定された目的地までの経路を、地図情報87を参照して決定する。地図情報87は、例えば、道路を示すリンクと、リンクによって接続されたノードとによって道路形状が表現された情報である。地図情報87には、リンク事の法定速度や道路勾配、道路曲率の情報が付加されていてもよい。経路案内部85は、経路に沿って車両Mが移動できるように、HMI52を用いた経路案内を行う。ナビゲーション装置80は、例えば、乗員の保有するスマートフォンやタブレット端末等の端末装置の機能によって実現されてもよい。ナビゲーション装置80は、通信装置72を介してナビゲーションサーバに現在位置と目的地を送信し、ナビゲーションサーバから経路を取得してもよいし、地図情報87も必要に応じて通信装置72を介して地図提供サーバから適宜取得されるものであってもよい。ナビゲーション装置80は、上記の機能の他、車両制御装置100からの問い合わせに応じて、必要な情報を車両制御装置100に出力する。ナビゲーション装置80の機能の一部は車両制御装置100に包含されてもよい。
<車両制御装置>
車両制御装置100は、例えば、長期最適化部110と、短期最適化部120と、乖離区間学習情報170を備える。長期最適化部110は、例えば、長期車速予測部112と、乖離区間特定部114と、SOC計画算出部116とを備える。短期最適化部120の詳細な構成については図4を用いて説明する。これらの構成要素は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。長期最適化部110は、「計画生成装置」の一例である。
<長期最適化>
長期最適化部110は、例えば、車両Mのシステムが起動されたタイミング、車両Mの目的地が決定されたタイミングなど、これから車両Mが走行を開始するタイミングで処理を開始する。
長期車速予測部112は、経路探索部84により決定された経路上の各地点を通過する際の車両Mの車速を予測する。例えば、長期車速予測部112は、地図情報87に含まれる法定速度や道路勾配、道路曲率の情報、通信装置72を介して受信した渋滞情報などに基づいて車速を予測する。以下、これを長期予測車速V#と称する。長期車速予測部112は、例えば、所定刻みの離散値として設定される走行距離Xごとに(あるいは単位時間ごとに、以下同様)長期予測車速V#を予測する。
SOC計画算出部116は、走行距離Xごとに、長期予測車速V#を前提として、エネルギー消費量を良好にしつつ、バッテリ50の劣化を抑制するためのSOCの推移を決定する。
図3は、長期最適化部110により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、長期最適化部110は、出発地から目的地までの車両Mの走行経路を特定する(ステップS300)。出発地とは、例えば、車両Mが居る地点(現在地)である。例えば、長期最適化部110は、ナビゲーション装置80から走行経路を取得することで、車両Mの走行経路を特定する。
次に、長期車速予測部112が、地図情報87と走行経路を参照し、前述のように長期予測車速V#を予測する(ステップS302)。次に、SOC計画算出部116が、地図情報87と車両モデル、長期予測車速V#を参照し、走行経路における予想走行出力を計算する(ステップS304)。車両モデルとは、長期予測車速V#を実現するために出力されるべき駆動軸出力パワーPdと、長期予測車速V#および車両Mの諸元情報との関係を示す関数である。車両モデルは、例えば以下の式(1)、(2)で表される。式中、MFは第2モータ18の軸端駆動力、a、b及びcは走行抵抗算出係数、Mは車両Mの想定重量(2名乗車を想定)、gは重力加速度、θは道路勾配、TMEはギアボックス16の効率、MLは第2モータ18の損失である。例えば、SOC計画算出部116は、車両モデルを参照して長期予測車速V#を実現するための走行距離Xごとの車両Mの出力Pd(X)を求め、予想走行出力とする。
MF={(a+b・V#+c・V#)+M・g・sinθ}/TME …(1)
Pd=MF・V+ML ・・・(2)
次に、SOC計画算出部116が、係数λの初期設定を行う(ステップS306)。係数λは、車両Mの走行状態を評価する評価関数Hにおいて、エネルギー消費量と、SOCを目標値に近づけること(その結果、バッテリ50の劣化を抑制すること)とのいずれを重視するかを決定するための係数である。詳しくは、短期最適化部120のところで説明する。SOC計画算出部116は、係数λの初期値を固定値で定めてもよいし、気温等を参照して定めてもよい。
そして、SOC計画算出部116は、サイクルシミュレーションを実施する(ステップS308)。例えば、SOC計画算出部116は、走行距離Xごとに後述する短期最適化部120と同様の手法によってモード(EV/ECVT/LUのいずれか)を決定し、その結果として算出されるバッテリ50の充放電電流に基づいて走行距離XごとのSOC(X)を算出する。このとき、SOC計画算出部116は、SOC(X)が上限値を超え、または下限値を下回った場合には、係数λを調整して(増加させて)以降のサイクルシミュレーションを継続するようにしてもよいし、一定時間、上限値と下限値の間に収まっている場合は、係数λを増加させた分を元に戻してもよい。
一回のサイクルシミュレーションを終了すると、SOC計画算出部116は、収束条件を満たすか否かを判定する(ステップS310)。収束条件とは、車両Mが目的地に到達したときのSOCが目標値(例えば50[%])に十分に近くなることである。収束条件が満たされない場合、係数λの初期値を変更し(ステップS312)、再度サイクルシミュレーションを実施する(ステップS308)。収束条件が満たされると、走行距離XごとのSOC(X)および係数λ(X)を確定し、SOC計画を完成させる(ステップS314)。確定したSOC(X)および係数λ(X)を、SOCref(X)および係数λref(X)と称する。SOC計画算出部116は、SOCref(X)および係数λref(X)を短期最適化部120に出力する。
図4は、SOCref(X)と係数λ(X)の一例を示す図である。図中、時刻T1においてSOCref(X)が下限値SOClowを下回ったため、λref(X)が増加する方向に調整されている。なお、SOCref(X)が徐々に減少し50[%]前後に漸近する傾向にあるのは、プラグインハイブリッド車両の場合は駐車中に充電され、SOCが高い状態で発進することが多く、その後、最もバッテリ50の劣化が進行しない状態に近づけられることを表している。乖離区間特定部114と乖離区間学習情報170の詳細については後述する。
<短期最適化>
図5は、短期最適化部120の構成図である。短期最適化部120は、例えば、前方状況取得部121と、前走車両認識部122と、短期車速予測部123と、SOC/λ指示部130と、積分部131と、フィードバック演算部132と、モードごと最適動作点決定部140と、モード選択部150と、制御部160とを備える。なお本図に示す車両センサ64は、アクセル開度AC等に基づいて駆動軸出力パワーPd(t)を計算する主体を含むものとする。
前方状況取得部121は、例えば、法定速度、道路勾配、道路曲率、信号機までの距離、信号機の状態、信号機の状態が切り替わるまでの時間、一時停止位置までの距離等の情報を取得する。前方状況取得部121は、これらの情報を、位置測位部81の測位結果を用いて地図情報87を参照することで、或いは通信装置72を介して受信される情報から取得する。信号機の状態に関してはカメラ70の撮像した画像を解析して取得されてもよい。
前走車両認識部122は、例えば、カメラ70の撮像した画像を解析することで、車両Mと前走車両との距離および相対速度を認識する。前走車両認識部122は、図示しないレーダー装置やLIDAR(Light Detection and Ranging)の出力を参照して車両Mと前走車両との距離および相対速度を認識してもよい。
図6は、短期車速予測部123の処理内容の一例について説明するための図である。短期車速予測部123は、例えば、前方状況取得部121と前走車両認識部122のそれぞれによって取得された各種情報と、繰り返し発生する制御タイミングのうち少なくとも1回前の制御タイミングにおける車速とを、RNN(Recurrent Neural Network)に入力することで、今回の(Coming)制御タイミングから、今回の制御タイミングのn回後の制御タイミングまでの各制御タイミングの車速(将来の車速)を予測する。以下、これを予測車速V(t)~V(t+n)と称する。現在の制御タイミングよりも将来の各種情報は、先読み情報である。先読み情報は、カルマンフィルタ等の手法で生成されてもよいし、例えば信号機の状態が切り替わるまでの時間に関しては制御タイミングの周期分の時間を差し引いて計算されてもよいし、一時停止位置までの距離に関しては現在の車速V(t)が継続すると仮定して計算されてもよい。
予測車速V(t)~V(t+n)が決まると、前述した車両モデルや勾配情報等を用いて、予測車速V(t)~V(t+n)を実現するための駆動軸出力パワーが求められる。以下、これを予測駆動軸出力パワーPd(t)~Pd(t+n)と称する。短期車速予測部123は、これを計算し、予測車速V(t)~V(t+n)と予測駆動軸出力パワーPd(t)~Pd(t+n)とをモードごと最適動作点決定部140に出力する。
SOC/λ指示部130は、現在の制御タイミングにおける指示値SOCref(t)と指示値λref(t)を決定する。SOC/λ指示部130には、車両センサ64から取得される車速V(t)が積分部131によって積分されることで計算される車両Mの走行距離(現在までの積算値)X(t)が入力される。前述したようにSOCref(X)は走行距離Xごとの値として決定されているため、SOC/λ指示部130は、SOCref(X)のうち走行距離Xに対応する値を今回の制御タイミングの指示値SOCref(t)として決定する。
また、SOC/λ指示部130は、指示値λref(t)を任意の手法で決定する。SOC/λ指示部130は、指示値λref(t)を固定値としてもよいし、バッテリ50の温度等に応じて決定してもよい。
SOCref(t)から、バッテリECU54から入力される測定値のSOC(t)が減算された値ΔSOC(t)が、フィードバック演算部132に入力される。フィードバック演算部132は、ΔSOC(t)がゼロに近づくように係数λの補正量Δλ(t)を決定する。フィードバック演算部132の処理は、例えば式(3)で示すPI制御の式で表される。Kpは比例項のゲイン、Kiは積分項のゲインであり、いずれも正の値である。
Δλ(t)=-Kp×ΔSOC(t)-Ki×∫ΔSOC(t)dt …(3)
係数λの補正量Δλ(t)は、指示値λref(t)と加算されて、今回の制御タイミングの係数λ(t)としてモードごと最適動作点決定部140に入力される。
モードごと最適動作点決定部140は、複数のモードごとに、評価関数Hを最小にする最適動作点を決定する。モードごと最適動作点決定部140には、現在サイクルのSOC(t)および係数λ(t)、予測車速V(t)~V(t+n)および予測駆動軸出力パワーPd(t)~Pd(t+n)、並びにバッテリECU54からのバッテリ出力上限値Pblim(t)が入力される。バッテリ出力上限値Pblim(t)は、バッテリ50の温度やSOCなどに基づいてバッテリECU54が計算した値であり、単位時間あたりにバッテリ50が充放電できるパワーの上限を示している。
モードごと最適動作点決定部140は、入力された情報を制約条件とし、事前演算結果マップ141を参照して、モードごと、今回の制御タイミングからn回後の制御タイミングまでの制御タイミングごとに、式(4)で表される評価関数Hを最小にする駆動軸出力パワーPd(t)~Pd(t+n)およびエンジン回転数ωg(t)~ωg(t+n)、並びに最小となった評価関数H(t)~H(t+n)を導出する。式中、u(t)はエネルギー消費量(または、走行距離あるいは時間あたりのエネルギー消費率)であり、mf(ドット)(u(t))は消費燃料流量[g/s]である。x(t)=SOC(t)であり、x(ドット)(t)は式(5)で表されるように、SOCが増加傾向である場合にプラスの値、SOCが減少傾向である場合にマイナスの値を返す関数であり、SOCのダイナミクスと称されることがある。式中、Voc(SOC)はSOCを引数としてバッテリ50の開放端電圧を返す関数であり、rb(SOC)はSOCを引数としてバッテリ50の内部抵抗を返す関数であり、Qbmaxはバッテリ50の満充電容量である。
式(4)のmf(ドット)(u(t))は消費燃料流量であり、x(ドット)(t)は上記のような傾向を示す関数であることから、例えばエンジン10を動作させてバッテリ50を充電する状態である場合、mf(ドット)(u(t))、x(ドット)(t)共に正の値となり、-λ(t)を介して結合されたこれらが釣り合っていれば評価関数Hはゼロに近い値となる(実際は走行抵抗や損失があるので回生時以外でゼロ以下になることは生じ得ない)。また、エンジン10を動作させてバッテリ50を放電させる状態である場合、mf(ドット)(u(t))が正の値、x(ドット)(t)が負の値となり、エンジン10を停止させてバッテリ50を放電させる状態である場合、mf(ドット)(u(t))がゼロ、x(ドット)(t)が負の値となる。mf(ドット)(u(t))と-λ(t)・x(ドット)(t)の合計がゼロに近いほど、車両Mのエネルギー収支が良好であることを意味する。このように、評価関数Hは、与えられた走行状態(速度、出力その他で表現される)を実現することを前提に、車両Mにおけるエネルギー収支が効率良い状態であるか否かを評価するものである。そして、係数λ(t)は、バッテリ50のSOCを上昇させることを高く評価する度合いを調整する係数である。係数λ(t)が高い程、バッテリ50のSOCの変化量が、評価関数Hに大きく反映されることになる。
Figure 2023173565000002
Figure 2023173565000003
ここで式(3)を振り返って係数λ(t)の作用について説明する。係数λ(t)は、フィードバック制御の性質より、ΔSOCが正の大きい値になると小さくなるように調整され、ΔSOCが負の小さい値(負でありかつ絶対値が大きい値)になると大きくなるように調整される。つまり、ΔSOCをゼロに近づけるフィードバック制御により係数λ(t)が調整されることで、バッテリ50のSOC(t)が当初目標値として設定されたSOCref(t)に沿って推移するように作用する。
図7は、モードごと最適動作点決定部140が導出する情報の内容を示す図である。以降の説明においてn=4とする。モードごと最適動作点決定部140は、モードごとの駆動軸出力パワーPd(t)およびエンジン回転数ωg(t)(以上、最適動作点)を制御部160に、モードごとの最小となった評価関数minH(t)~H(t+4)をモード選択部150に、それぞれ出力する。
事前演算結果マップ141は、モードごと、係数λごとに、車速、駆動軸出力パワー、およびバッテリ出力上限値の色々な組み合わせに対して、評価関数Hを最小にする駆動軸出力パワーおよびエンジン回転数、及び最小となった評価関数Hが対応付けられた情報である。事前演算結果マップ141は、予め、車両制御装置100とは別体の演算装置によってシミュレーション演算等が行われた結果として得られた情報である。
モード選択部150は、入力された情報に基づいて、制御タイミングt~t+4の間の最適なモード遷移を選択し、その選択したモード遷移の中で今回の制御タイミングtに対応する部分を、モードM(t)として制御部160に出力する。図8は、モード選択部150の処理について説明するための図である。制御タイミングt~t+4のそれぞれでモードを任意に選択できると仮定すると、モード選択の組み合わせ(以下、これをパスと称する)は3の5乗で243通り存在する。モード選択部150は、網羅的かつ時系列に(一つの制御タイミングに関して一つのモードのみ選択することを意味する)想定した複数のパスについて、評価関数Hの最小値minHを合計したΣminHと、サイクル間のモード変更に対するペナルティ値ΣPtとを加算した評価値Epathを求め(式(6))、評価値Epathが最も小さいパスを選択する。なお、モード選択部150は、想定される全てのパスについて評価値Epathを求めてもよいし、何らかの制約で一部のパスを処理対象から除外してもよい。
Epath=ΣminH+ΣPt …(6)
ペナルティ値Ptは、前回の制御タイミングと比較して、どのモードからどのモードに変更したのかによって値が異なるように予め設定されている。例えば、モード変更の際に、エンジン10の始動と回転数・トルク合わせに最も時間がかかるため、EVからLUへのモード変更に対して最も大きいペナルティ値が、次いでエンジン10の回転数・トルク合わせが必要なECVTからLUへのモード変更に対して二番目に大きいペナルティ値が、エンジン始動のみ必要なEVからECVTへのモード変更に対して三番目に大きいペナルティ値が課せられる。一方、EVへの変更に関しては、第2モータ18の動作開始に時間が余りかからないことから、小さいペナルティ値が課せられる(或いはペナルティ値が課せられない)。
このようにして、評価関数の最小値minHとモード変更に対するペナルティ値Ptを考慮した評価値Epathが最も小さいパスを選択すると、モード選択部150は、選択したパスにおける現在の制御タイミングtに対応するモードを、現在の制御タイミングのモードM(t)として出力する。
制御部160は、モードごと最適動作点決定部140から入力されたモードごとの駆動軸出力パワーPd(t)およびエンジン回転数ωg(t)のうち、モード選択部150から入力されたモードM(t)に該当するものを選択し、選択した駆動軸出力パワーPd(t)およびエンジン回転数ωg(t)に基づいて制御対象機器200を制御する。
このように制御が行われることで、単に「現在の制御タイミングtにおいて評価関数Hが最も小さいモード」を選択するのではなく、「将来のn回後の制御タイミングまでの間の動作を評価した評価値Epathを最も良好な値にするために、現在の制御タイミングtでどのモードを選択すべきか」という指針に基づいて、現在の制御タイミングのモードM(t)が選択されることになる。図9は、モード選択部150の機能によってモードM(t)が選択されることの効果を説明するための図である。図中、累積評価値とは、制御タイミングtから当該制御タイミングまでに限定して求めた評価値Epathを意味する。図示するように、制御タイミングtにおける最小値minHは、minH_EVが最も小さく、minH_ECVTとminH_LUが同じである。しかしながら、制御タイミングt+1以降においてはminH_ECVTまたはminH_LUの方がminH_EVよりも大きい。この結果、最小値minHに着目した場合は制御タイミングtでEV、t+1以降でECVTまたはLUを選択するのが最善であるが(パス(1))、制御タイミングt+1でEVからECVTまたはLUに変更される結果、制御タイミングt+1においてエンジン10を始動する必要性が生じることからペナルティが発生し、結果として、制御タイミングtから一貫してECVTまたはLUを選択する場合(パス(2))よりも評価値Epathが大きくなってしまう。モード選択部150は、このようなケースにおいてEVをモードM(t)として選択するのではなく、ECVTまたはLUをモードM(t)として選択する。これによって、エネルギー消費量の削減とSOC計画に沿ったバッテリ50の充放電制御との両立を、より好適に実現することができる。
上述した通り、SOC計画算出部116は、予想走行出力に基づくSOC計画を算出し、短期最適化部120は、SOC値が、算出されたSOC計画に追従するようフィードバック処理を実行する。しかし、走行経路のある区間において予想走行出力と実際の走行出力とが乖離し、その結果、走行出力を積算した予想仕事量と実際の仕事量も乖離している場合、短期最適化部120がSOC値をSOC計画に追従させることは、燃費の悪化につながることとなる。
図10は、予想仕事量と実際の仕事量との間の乖離と、燃費改善率との間の関係を説明するためのグラフである。図10の横軸は、走行経路のある区間における予想仕事量と実際の仕事量との間の誤差率を表し、図10の縦軸は、車両Mが予想走行出力に基づくSOC計画に沿って走行した場合の燃費改善率を表す。
図10に示す通り、予想仕事量と実際の仕事量との間の誤差率の絶対値がゼロに近いほど、燃費改善率は高くなる傾向にある。予想仕事量と実際の仕事量との間の誤差率が大きくなるタイミングは、例えば、信号待ちや渋滞など、加減速が頻繁に発生することに起因して、長期車速の予測精度が悪化するタイミングである。長期車速の予測精度が悪化する場合、予測された長期車速に基づいて算出される予想走行出力の精度も悪化し、結果的に、予想走行出力に基づくSOC計画に沿って走行した場合の燃費改善率も低くなることとなる。
このような問題に対応するために、乖離区間特定部114は、車両Mが走行経路を走行中、出力された駆動軸出力パワーPdを積算し、得られた仕事量を走行経路の区間ごとに記録する。この場合の区間とは、例えば、地図情報87に記録されたリンクの単位であってもよいし、市街地や高速道路などの属性に基づいて分類された道路区間の単位であってもよい。乖離区間特定部114は、車両Mが実際に走行した結果として、記録した仕事量と、予想走行出力を積算した予想仕事量との間の乖離が基準値以上であった区間を乖離区間として特定し、乖離区間学習情報170として記録する。例えば、乖離区間特定部114は、単位期間(例えば、1ヶ月)内に、記録した仕事量と予想仕事量との間の乖離が基準値以上となった回数が所定回数以上である区間を、乖離区間として特定しても良い。また、例えば、乖離区間特定部114は、上述した走行距離Xなどの単位区間を様々に組み合わせることによって試行区間を設定し、乖離が基準値以上となった試行区間を乖離区間として特定してもよい。
なお、上記の説明では、乖離区間特定部114は、過去の走行時に予測した仕事量と、過去の走行時に記録した仕事量の実績値とを比較し、乖離が基準値以上であった区間を乖離区間として特定し、乖離区間学習情報170に記録している。しかし、代替的に、乖離区間特定部114は、予想走行出力に基づいて今回の走行時に予測した仕事量と、過去の走行時に記録した仕事量の実績値とを比較し、乖離が基準値以上であった区間を乖離区間として特定し、乖離区間学習情報170に記録しても良い。
SOC計画算出部116は、長期最適化部110によって走行経路が特定された場合、乖離区間学習情報170を参照し、走行経路に含まれる区間が乖離区間に該当するか否かを判定する。SOC計画算出部116は、走行経路に含まれる区間が乖離区間に該当すると判定した場合、当該区間に対応するSOC計画(SOCref(X))を所定値(例えば、50%)に設定する。短期最適化部120は、所定値に設定されたSOC計画を用いて、上述した短期最適化処理を実行することによって、SOC値をSOC計画に追従させる。より一般的に、SOC計画算出部116は、乖離区間に対応するSOC計画の始点と終点の値を同一の値に設定すればよい。これにより、乖離区間に関して、長期最適化部110および短期最適化部120に対する計算負荷を軽減することができる。
図11は、SOC計画算出部116が乖離区間に設定するSOC計画の一例を示す図である。図11において、符号DIは、予想仕事量と実際の仕事量との間に基準値以上の乖離が発生した、P1を始点としP2を終点とする乖離区間を表す。
図11に示す通り、SOC計画算出部116が乖離区間学習情報170を参照して区間DIを乖離区間として特定した場合、長期最適化部110は、出発地から区間DIの始点P1までの区間と、区間DIの終点P2から目的地までの区間をそれぞれ抽出する。長期最適化部110は、抽出したこれら2つの区間に対して、上述した長期最適化処理を独立して施し、2つの別個のSOC計画を得る。短期最適化部120は、2つの別個のSOC計画に対して、独立して上述した短期最適化処理を施すことによって、SOC値をSOC計画に追従させる。
一方、SOC計画算出部116は、乖離区間DIに対応するSOC計画を所定値に設定する。短期最適化部120は、所定値に設定されたSOC計画を用いて、上述した短期最適化処理を実行し、SOC値を所定値に追従させる。これにより、乖離区間に対する計算負荷を軽減しつつ、車両Mの燃費を改善することができる。
次に、図12を参照して、車両制御装置100により実行される処理の流れについて説明する。図12は、車両制御装置100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、長期最適化部110は、出発地から目的地までの車両Mの走行経路を特定する(ステップS100)。次に、乖離区間特定部114は、乖離区間学習情報170を参照して、特定された走行経路のうちに、乖離区間が含まれているか否かを判定する(ステップS102)。
走行経路のうちに、乖離区間が含まれていると判定された場合、長期最適化部110は、当該乖離区間のSOC計画を所定値に設定し、残りの区間に対して、上述した長期最適化処理によってSOC計画を生成する(ステップS104)。このとき、長期最適化部110は、上述した通り、残りの区間が複数存在する場合、これら複数の区間に対して、独立にSOC計画を生成する。
一方、走行経路のうちに、乖離区間が含まれていないと判定された場合、長期最適化部110は、走行経路全体に対して長期最適化処理を施し、SOC計画を生成する(ステップS106)。次に、短期最適化部120は、生成されたSOC計画に対して、上述した短期最適化処理を施し、SOC値をSOC計画に追従させる。これにより、本フローチャートの処理が終了する。
以上の通り説明した本実施形態によれば、車両の走行時に、駆動軸出力パワーを積算して仕事量を記録し、予想した仕事量と実際の仕事量との間の乖離が基準値以上である区間を乖離区間として学習する。その後、走行経路に乖離区間が含まれる場合には、当該乖離区間のSOC計画を所定値に設定する一方、残りの区間に対しては長期最適化処理によりSOC計画を生成する。これにより、経路についての予想走行負荷と実走行負荷との間の乖離が発生した場合であっても、適切に走行計画を生成することによって燃費を改善することができる。
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
コンピュータによって読み込み可能な命令(computer-readable instructions)を格納する記憶媒体(storage medium)と、
前記記憶媒体に接続されたプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記コンピュータによって読み込み可能な命令を実行することにより(the processor executing the computer-readable instructions to:)、
少なくとも内燃機関と電動機とバッテリを備え、前記内燃機関と前記電動機の動作状態の組み合わせに対応する複数のモードから一つを選択して走行可能なハイブリッド車両を制御し、
出発地から目的地までの走行経路について、予想走行出力に基づく前記バッテリのSOC計画を生成し、
前記走行経路の区間のうち、前記ハイブリッド車両の過去の走行出力に基づく第1値と前記予想走行出力に基づく第2値との間の乖離が基準値以上である区間を乖離区間として特定し、
前記乖離区間に関して予想走行出力に依存せずに前記バッテリのSOC計画を生成する、
計画生成装置。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
10 エンジン
12 第1モータ
14 ロックアップクラッチ
18 第2モータ
50 バッテリ
100 車両制御装置
110 長期最適化部
120 短期最適化部
121 前方状況取得部
122 前走車両認識部
123 短期車速予測部
130 SOC/λ指示部
131 積分部
132 フィードバック演算部
140 モードごと最適動作点決定部
150 モード選択部
160 制御部

Claims (6)

  1. 少なくとも内燃機関と電動機とバッテリを備え、前記内燃機関と前記電動機の動作状態の組み合わせに対応する複数のモードから一つを選択して走行可能なハイブリッド車両を制御するための計画を生成する計画生成装置であって、
    出発地から目的地までの走行経路について、予想走行出力に基づく前記バッテリのSOC計画を生成するSOC計画部と、
    前記走行経路の区間のうち、前記ハイブリッド車両の過去の走行出力に基づく第1値と前記予想走行出力に基づく第2値との間の乖離が基準値以上である区間を乖離区間として特定する乖離区間特定部と、を備え、
    前記SOC計画部は、前記乖離区間に関して、前記予想走行出力に依存せずに前記バッテリのSOC計画を生成する、
    計画生成装置。
  2. 前記SOC計画部は、前記乖離区間に関して、前記予想走行出力に基づく前記バッテリのSOC計画に代えて、前記バッテリの目標SOCが所定値に設定されたSOC計画を生成する、
    請求項1に記載の計画生成装置。
  3. 前記SOC計画部は、前記乖離区間について、前記予想走行出力に基づく前記バッテリのSOC計画に代えて、前記乖離区間の始点と終点の目標SOCが同一の値に設定されたSOC計画を使用する、
    請求項1に記載の計画生成装置。
  4. 前記複数のモードは、前記内燃機関を停止させて前記電動機の出力で走行する第1モード、前記内燃機関の出力を利用して発電機によって発電すると共に前記電動機の出力で走行する第2モード、前記内燃機関の出力を機械的に駆動輪に伝達する第3モードを含む、
    請求項1に記載の計画生成装置。
  5. 一以上のプロセッサにより実現され、少なくとも内燃機関と電動機とバッテリを備え、前記内燃機関と前記電動機の動作状態の組み合わせに対応する複数のモードから一つを選択して走行可能なハイブリッド車両を制御する計画生成方法であって、
    前記複数のモードは、前記内燃機関の出力を利用して発電機によって発電すると共に前記電動機の出力で走行する所定モードを含み、
    前記計画生成方法は、
    出発地から目的地までの走行経路について、予想走行出力に基づく前記バッテリのSOC計画を生成することと、
    前記走行経路の区間のうち、前記ハイブリッド車両の過去の走行出力に基づく第1値と前記予想走行出力に基づく第2値との間の乖離が基準値以上である区間を乖離区間として特定することと、
    前記乖離区間に関して予想走行出力に依存せずに前記バッテリのSOC計画を生成することと、を備える、
    計画生成方法。
  6. 少なくとも内燃機関と電動機とバッテリを備え、前記内燃機関と前記電動機の動作状態の組み合わせに対応する複数のモードから一つを選択して走行可能なハイブリッド車両を制御するプログラムであって、
    前記プログラムは、コンピュータに、
    出発地から目的地までの走行経路について、予想走行出力に基づく前記バッテリのSOC計画を生成させ、
    前記走行経路の区間のうち、前記ハイブリッド車両の過去の走行出力に基づく第1値と前記予想走行出力に基づく第2値との間の乖離が基準値以上である区間を乖離区間として特定させ、
    前記乖離区間に関して予想走行出力に依存せずに前記バッテリのSOC計画を生成させる、
    プログラム。
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