JP2023173122A - 座席装置 - Google Patents

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JP2023173122A JP2022085143A JP2022085143A JP2023173122A JP 2023173122 A JP2023173122 A JP 2023173122A JP 2022085143 A JP2022085143 A JP 2022085143A JP 2022085143 A JP2022085143 A JP 2022085143A JP 2023173122 A JP2023173122 A JP 2023173122A
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Hiroshi Nawa
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Abstract

【課題】リクライニング時の座り心地をよりいっそう向上させることができ、しかも、構成の簡素化により重量増加を抑え、コスト低減が可能となる座席装置を提供する。【解決手段】座部20の後端側で背凭れ30がリクライニング可能な座席装置10において、座部20は、前側が台枠12に定位置の枢軸22により支持され、後側が上下方向へ回動し、背凭れ30は、下側が台枠12に定位置の枢軸32により支持され、上側が前後方向へ傾動する。背凭れ30が後傾するリクライニングに連動して、リンク部40により座部20の後側が枢軸22を中心に下降して傾斜する。【選択図】図1

Description

本発明は、背凭れがリクライニング可能な座席装置に関する。
従来より、例えば鉄道車両に装備される旅客用の座席装置には、リクライニング機構を備えたものが知られている。このような座席装置は、通常は座部の後端側に背凭れが傾動可能に支持され、背凭れが後傾するリクライニングが可能であった。ところが、背凭れのみがリクライニングする場合、着座者の身体が前方へ押し出されるような前滑り感が問題であった。
このような前滑り感を緩和する従来の座席装置として、背凭れのリクライニングに連動して座部もリクライニングするものが知られている(例えば特許文献1,2参照)。特許文献1に記載の座席装置は、座部の前側が受座の上面に摺動可能に重ねられ、座部の後側にある摺動部がガイド面を前方かつ下方に摺動する。かかる構成によれば、背凭れのリクライニングに連動して、座部を前方に移動させると共に、座部の後側を沈み込ませていた。
また、特許文献2に記載の座席装置は、座部の前側が台枠に回転可能に結合され、座部の後側が、背凭れの下端より前方へ延びた支持部の先の傾動支点よりも後方で支持部上に載せられている。かかる構成によれば、背凭れのリクライニングに連動して、座部の後側が沈み込むと共に、背凭れの下側も座部の後側に追従して下降していた。
特開2020-131928号公報 特許6391089号公報
しかしながら、前述の特許文献1に記載の座席装置では、背凭れのリクライニングに連動して、座部の後側が沈み込むだけでなく座部が前方へ移動するから、座部の前端の位置が前方へ移動した分だけ、前の座席とのシートピッチが狭まる。そのため、元から前後の座席間のシートピッチが狭い場合には、リクライニング時にいっそう着座空間が狭くなるような圧迫感が生じて、座り心地が損なわれる虞があった。
また、前述の特許文献2に記載の座席装置では、背凭れのリクライニングに連動して、座部の後側が沈み込むだけでなく背凭れの下側も下降するから、背凭れ上端の高さ位置も傾斜角度以上に相対的に低くなる。そのため、リクライニング時に着座者によっては頭部のサポートに不安を感じる場合があり、座り心地が損なわれる虞があった。
このように、従来の座席装置では、リクライニング時に座部の前後位置を変更せずに、座部の後側を沈み込ませて、かつ背凭れの下端を元の高さ位置にほぼ維持することは困難であった。よって、このような条件を全て適える新たな座席装置の開発が希求されていた。しかも、新たな座席装置の開発においては、従来の座席装置よりも構成をいっそう簡素化して重量の増加を抑え、十分な強度も確保することが重要な課題であった。
本発明は、以上のような従来の技術の有する問題点に着目してなされたものであり、シートピッチが狭い場合であっても、リクライニング時の座り心地をよりいっそう向上させることができ、しかも、構成の簡素化により重量増加を抑え、コスト低減が可能となるだけでなく、十分な強度も確保することができる座席装置を提供することを目的としている。
前述した目的を達成するため、本発明の一態様は、
背凭れがリクライニング可能な座席装置において、
座部は、前側が座席の固定側に定位置の回動支点により支持され、後側が上下方向へ回動可能であり、
前記背凭れは、下側が座席の固定側に定位置の傾動支点により支持され、上側が前後方向へ傾動可能であり、
前記座部と前記背凭れを連動可能とし、座席の固定側に支持されたリンク部を備え、
前記背凭れが後傾するリクライニングに連動して、前記リンク部により前記座部の後側が前記回動支点を中心に下降して傾斜することを特徴とする。
本発明に係る座席装置によれば、シートピッチが狭い場合であっても、リクライニング時の座り心地をよりいっそう向上させることができ、しかも、構成の簡素化により重量増加を抑え、コスト低減が可能となるだけでなく、十分な強度も確保することができる。
本発明の実施形態に係る座席装置のアップライト状態を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る座席装置のリクライニング状態を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る座席装置のアップライト状態における内部構造の主要部を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る座席装置のリクライニング状態における内部構造の主要部を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る座席装置のアップライト状態における内部構造の主要部を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る座席装置のリクライニング状態における内部構造の主要部を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る座席装置の内部構造の主要部を示す背面図である。 本発明の実施形態に係る座席装置の内部構造の主要部を分解して示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る座席装置のアップライト状態を示す前方から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係る座席装置のリクライニング状態を示す前方から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係る座席装置のアップライト状態を示す後方から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係る座席装置のリクライニング状態を示す後方から見た斜視図である。
図1から図12は、本発明の一実施形態を示している。
本実施形態に係る座席装置10は、座席の固定側に座部20および背凭れ30が支持され、座部20の後端側で背凭れ30がリクライニング可能に構成されている。ここで座席の種類は、特に限定されるものではないが、以下、鉄道車両の客室内に装備する1人掛けの腰掛に適用した場合を例に説明する。なお、以下に説明する本実施形態の構成要素や形状等は、何れも本発明の一例であり、本発明を限定するものではない。
<座席装置10の概要>
図1に示すように、座席装置10は、座席の固定側として、フロア上に固定された脚台11および台枠12と、これら固定側に支持された座部20、背凭れ30、座部20および背凭れ30を連動可能とするリンク部40を備えている。なお、以下の説明で上下、前後、左右等の方向を表す用語は、着座者から見た方向であり、座席装置10の各部位の位置関係を説明するために便宜上用いるものである。
<座席の固定側>
図9から図12に示すように、脚台11は、座席をフロア上に支持する土台であり、例えば左右に対向して配置された一対の側板111,111を備えている。台枠12は、脚台11上に設けられて座席全体のベースをなし、例えば左右に対向して配置された一対の支持プレート121,121を備えている。ここで支持プレート121は、側板111と同様に金属板から形成されている。
台枠12は、両支持プレート121の前部間に前部シャフト122が架設され、両支持プレート121の後部間に後部シャフト123が架設されて、矩形状の枠組みとして形成されている。ここで前部シャフト122および後部シャフト123は、例えば金属製の丸パイプ材からなる。
また、両支持プレート121の後部には、それぞれ上方へ延びる一対の袖部プレート124,124が固定されている。ここで袖部プレート124の上部124aは、前方へ延出しており肘掛けのフレームをなす。なお、袖部プレート124は、例えば図示した形状に加工した金属板から形成されているが、支持プレート121と一体的に形成しても良い。
図5に示すように、前部シャフト122の左右両側には、上方に突出する一対の前支持ブラケット125,125が固定されている。また、後部シャフト123の左右両側にも、上方に延びる一対の後支持ブラケット126,126が固定されている。前支持ブラケット125は、前部シャフト122の周面に沿わせる固定部分より上方に突出した1枚の金属片から形成されている。一方、後支持ブラケット126は、後部シャフト123の周面に沿わせる固定部分より上方に突出した左右一対の金属片から形成されている
ここで前支持ブラケット125は、後述する座部20の前側を定位置で回動可能に支持する回動支点が配置される部位となる。また、後支持ブラケット126は、後述するリンク部材41を定位置で揺動可能に支持する揺動支点が配置される部位となる。さらに、前述した袖部プレート124は、後述する背凭れ30の下側を定位置で傾動可能に支持する傾動支点が配置される部位となる。
このような台枠12上に、座部20および背凭れ30は支持されている。また、台枠12の内側には、図示省略したがリクライニング機構が設けられている。リクライニング機構は、背凭れ30を所望の傾動角度に保持するものである。ここでリクライニング機構は、例えばガススプリング等のダンパー33(図10参照)と、そのロック機構を備えている。背凭れ30は、最も起立したアップライト状態(図1参照)と、最も後傾したリクライニング状態(図2参照)との間で、傾動可能に台枠12に支持されている。
背凭れ30をリクライニングするには、肘掛け等に設けられたレバーを操作してダンパー33(図7参照)のロックを解除すれば、着座者は背中で背凭れ30を後方に押し倒すことができ、再びロックすることで背凭れ30を所望の傾動角度に保持することができる。このようなリクライニング機構の構成は、一般的であるので詳細な説明は省略する。なお、本実施形態では台枠12を、脚台11上に直接固定しているが、周知の回転機構を介して座席の向きを180度など回転可能に脚台11上に支持しても良い。
<座席の座部20と背凭れ30>
図1および図2に示すように、座部20は、その前側が台枠12の定位置にある後述の回動支点により支持され、後側が上下方向へ回動可能である。一方、背凭れ30は、その下側が台枠12の定位置にある後述の傾動支点により支持され、上側が前後方向へ傾動可能である。ここで座部20の後側と背凭れ30の傾動支点より下側は、それぞれ後述のリンク部40によって支持され、背凭れ30のリクライニングに連動して、座部20の後側が前記回動支点を中心に下降して傾斜するように構成されている。
座部20は、そのフレームをなす座枠21上に、クッション体(図示省略)を装着し、クッション体の座面を含む表面をカバー材で被覆してなる。一方、背凭れ30は、そのフレームをなす背枠31に、クッション体30aを装着し、クッション体30aの背凭れ面を含む表面をカバー材で被覆してなる。また、座部20および背凭れ30の両側には、それぞれ前記袖部プレート124をフレームとする肘掛けが配設される。
<<座枠21>>
図7および図8に示すように、座枠21は、前後に延びる左右一対の側部材211,211と、両側部材211の前端間に架設された前部材212と、両側部材211の後端間に架設された後部材213とを備え、矩形状の枠組みとして構成されている。かかる座枠21は、例えばアルミニウム合金等の軽量金属により形成すると良い。なお、前部材212と後部材213の間には、前記クッション体を裏側から支える複数の波型バネ215が架け渡されている。
図3から図6に示すように、座枠21(すなわち座部20)は、その前側が座席の固定側である前支持ブラケット125の定位置にある回動支点により支持されている。詳しく言えば、座枠21の両側部材211の前側の箇所が、それぞれ内側から回転支点となる枢軸22を介して前支持ブラケット125の上端に支持されている。ここで座枠21の後側にある後部材213は、後述するリンク部材41の一端側の上に載置された状態で支持されている。よって、座部20は、その前側を定位置に支持する枢軸22(回転支点)を中心として、その後側が上下方向へ回動可能である。
<<背枠31>>
図11および図12に示すように、背枠31は、上下に延びる左右一対の側部材311,311と、両側部材311の下端間に架設された下部材312と、両側部材311の上端間に固定された上部材(図示省略)とを備え、矩形状の枠組みとして構成されている。また、下部材312の左右両側には、両側部材311の下端にある後述の傾動支点よりさらに下方へ延出する一対のアーム材313,313が一体に設けられている。
また、両側部材311の間は、互いに適所で左右に渡る連結材314を介して連結されている。なお、図8に示すように、一方の側部材311の下端には、下部材312との連結箇所よりさらに下方へ延出する取付ブラケット315が一体に設けられている。取付ブラケット315は、前記ダンパー33(図10参照)の一端側を取り付けるための部位となる。かかる背枠31も、前記座枠21と同様に例えばアルミニウム合金等の軽量金属により形成すると良い。
図3から図7に示すように、背枠31(すなわち背凭れ30)は、その下側が座席の固定側である袖部プレート124(図1参照)の定位置にある傾動支点により支持されている。詳しく言えば、背枠31の両側部材311の下端が前寄りに屈曲した箇所が、それぞれ内側から傾動支点となる枢軸32を介して袖部プレート124の定位置に支持されている。よって、背凭れ30は、その下側を定位置に支持する枢軸32(傾動支点)を中心として、その上側が前後方向へ傾動可能であり、ダンパー33によって所望の傾動角度に保持することができる。
<リンク部40>
リンク部40は、座部20と背凭れ30とを連動可能とし、座席の固定側である台枠12に支持されるものである。リンク部40により、背凭れ30が後傾するリクライニングに連動して、座部20の後側をその回動支点である枢軸22を中心に下降させて、座部20の座面が後方へ傾斜するように構成されている。図1および図2に示すように、リンク部40は、例えば座部20の後側と背凭れ30の下側との近傍に配置され、台枠12の定位置にある揺動支点により支持された左右一対のリンク部材41,41を備えている。
一対のリンク部材41,41は、それぞれ座枠21および背枠31の左右両側で、台枠12側にある一対の後支持ブラケット126,126と、背枠31側にある一対のアーム材313,313とに合致する位置に配置されている。ここで各リンク部材41は、例えば金属板を図示した略L字形に加工した同形状の一対の部材41a,41aが、背凭れ30の下側の連結箇所であるアーム材313を左右両側から支えるように一組として構成されている。なお、図8に示すように、リンク部材41をなす一対の部材41a,41aは、互いに平行に対向した状態で適所が連結されている。
図3および図4に示すように、リンク部材41(一対の部材41a,41a)は、略L字形の角部付近が、揺動支点となる枢軸42を介して台枠12の後支持ブラケット126の上端に支持されている。ここで枢軸42は、後支持ブラケット126をなす左右一対の金属片の間に両持ち状態で支持されている。リンク部材41は、その角部付近を定位置に支持する枢軸42(揺動支点)を中心として、枢軸42より前方へ延びる一端側と、枢軸42より上方へ延びる他端側とが、同期して揺動可能である。
図5および図6に示すように、リンク部材41の一端側の上に、座部20の後側の後部材213が載置された状態で支持されている。一方、リンク部材41の他端側は、背凭れ30の下側のアーム材313に対して回動可能、かつ回動中心がリンク部材41の揺動を許容する所定範囲で変位可能に連結されている。背凭れ30がリクライニングすると、前方へ揺動するアーム材313に押されてリンク部材41の他端側も前方へ押し出され、これに伴いリンク部材41の一端側は下方へ揺動するため、座部20の後側が下降して座面が後方へ傾斜するように構成されている。
詳しく言えば、リンク部材41の一端側には、座部20の後側の支持箇所である後部材213に対して転動可能に当接する載置ローラ43が軸支されている。ここで載置ローラ43は、例えば金属同士の衝突音の発生を防止すべく合成樹脂により形成され、一対の部材41a,41aの間に両持ち状態で転動可能に軸支されている。また、載置ローラ43の一側方(座席中央寄り)には、掛止ローラ44が軸支されている。ここで掛止ローラ44は、例えば合成樹脂により載置ローラ43よりも小径に形成され、掛止ローラ44と同軸上に片持ち状態で転動可能に軸支されている。
掛止ローラ44は、後部材213に対して直接は当接しないが、後部材213の下面に設けられた押え部材214に対して転動可能に当接している。押え部材214は、左右一対のリンク部材41,41に対応して、後部材213の下面の両側に互いに対向するように一対設けられている。押え部材214は、リンク部材41側の掛止ローラ44に下から当接することで、載置ローラー43上に載置した後部材213が上方へ離脱するのを防止する。ここで押え部材214は、例えば後部材213の下面に沿わせた固定部分より下方へL字形に折り曲げられた金属板から形成され、その下端部分が掛止ローラ44に下から当接している。
また、リンク部材41の他端側は、背凭れ30の下側の連結箇所であるアーム材313の下端に、当該下端の定位置にある回動支点を介して連結されている。詳しく言えば、アーム材313の下端には、その左右両側に突出して回動支点となる連結軸313aが軸支されている。一方、リンク部材41の他端側には、連結軸313aが回動可能に嵌合し、かつ所定範囲で移動可能に案内されるガイド溝45が設けられている。ここでガイド溝45は、リンク部材41をなす一対の部材41a,41aそれぞれの他端から角部(枢軸42)に向かって所定範囲の長さ分だけ延びている。
図5および図6に示すように、連結軸313aの両端は、その左右両側に位置するガイド溝45内を相対的に移動可能に嵌合している。このように、アーム材313の下端に対するリンク部材41の他端側の回動中心(連結軸313a)は、リンク部材41の他端側でリンク部材41全体の揺動を許容する遊びが設定されている。すなわち、背凭れ30が、図1に示すアップライト状態から図2に示すリクライニング状態に後傾すると、背凭れ30側の連結軸313aは、リンク部材41の他端側のガイド溝45内を相対的に移動することになる。
詳しく言えば、背枠31の傾動支点である枢軸32と、リンク部材41の揺動支点である枢軸42と、アーム材313をリンク部材41に連結する連結軸313aとの位置関係は、図3に示すように、背枠31がアップライト状態にあるとき、定位置にある枢軸32と枢軸42とを結ぶ線よりも連結軸313aは後方に位置している。このとき、アーム材313の定位置にある連結軸313aは、リンク部材41にあるガイド溝45の上端に位置している。
図4に示すように、背枠31がリクライニング状態まで倒れると、アーム材313の揺動に伴って連結軸313aは、ガイド溝45の下方に移動しながらリンク部材41の他端側を前方へ押すように設定されている。このように、連結軸313aは、定位置にある枢軸32と枢軸42とを結ぶ線上まで移動しつつ、リンク部材41は、図4中で枢軸42を中心とした反時計回りに揺動する。従って、背凭れ30のリクライニングに連動して、座部20の後側が下降して傾斜することになる。
なお、図7および図11に示すように、背凭れ30の傾動支点である枢軸32と、座席の固定側である支持プレート121で前記枢軸42よりも後上方の定位置との間に、リンク部材41と共に背凭れ30を支持する補助用の第2リンク部材46を設けても良い。ここで第2リンク部材46は、リンク部材41の枢軸41から他端までの部位と共に、背凭れ30の下端側を支持する四節リンクを構成することで、背凭れ30をより強固に支持することが可能となる。
<座席装置10の作用>
次に、本実施の形態に係る座席装置10の作用について説明する。
図1に示すように、背凭れ30が最も起立したアップライト状態のとき、座枠21(すなわち座部20)は、台枠12上で略水平な状態に保たれている。ここで座枠21の前側は、台枠12の前支持ブラケット125に枢軸22を介して連結されており、座枠21の後側は、リンク部材41の一端側に載置されている。座枠21の後側は、リンク部材41の一端側の載置ローラ43上に単に当接している状態であり、枢軸等で連結されてはいない。
図2に示すように、背凭れ30を後傾させてリクライニング状態にすると、背枠31は、両側部材311の下端が袖部プレート124に連結された枢軸32を傾動支点として後方へ揺動する。このとき、枢軸32より下方に延びたアーム材313は、前方へ揺動する。すると、アーム材313の下端に連結軸313aを介して連結されたリンク部材41の他端側は、そのガイド溝45内を上端から下方へ移動する連結軸313aによって前方へ押し出される。よって、リンク部材41は、図2中の枢軸42を中心とした反時計回りに揺動する。
すなわち、背凭れ30のリクライニングに連動して、リンク部材41は、枢軸42より前方へ延びる一端側が、やや上向きだった状態(図1参照)から下向きとなる状態(図2参照)まで揺動する。これにより、リンク部材41の一端側の載置ローラ43上に載置されていた座枠21の後側は、自重のみならず掛止ローラ44に押え部材214が押し下げられて、そのまま前側の枢軸22を中心に沈み込むよう下降し、座部20の座面は後下方へ傾斜する。従って、背凭れ30と座部20との角度が開き過ぎることがなく、着座者の前滑り感を解消することができ、長時間の着座でも快適な座り心地を得ることができる。
このとき、座部20は、その前側の枢軸22を回動支点として後側が下降するが、枢軸22は、座席の固定側である前支持ブラケット125の定位置にある。そのため、リクライニングに伴って、座部20全体が前方へ移動することはない。従って、前後の座席のシートピッチが狭い場合であっても、座席前方のスペースが狭くなることを防ぐことができる。一方、背凭れ30は、座部20の後端より上方の定位置にある枢軸32を傾動支点として後傾するから、リクライニング時における背凭れ30の後方突出量は比較的少なく、後部座席のスペースが狭くなることも防ぐことができる。
また、背凭れ30の傾動支点である枢軸32は、座席の固定側である袖部プレート124の定位置にあるため、リクライニング時における座部20の後側の沈み込みに追従して、背凭れ30の下端側も下方へ移動することはない。すなわち、座部20の後側が沈み込んでも、背凭れ30の下端の高さ位置はそのまま維持され、リンク部材41の他端側で確実に支えられている。従って、リクライニング時に着座者は、背凭れ30の上側に頚部から頭部をしっかりとサポートさせることができ、よりいっそう座り心地を向上させることが可能となる。
このような座席装置10は、前述したように簡素な構成によって実現することができ、座席全体の重量増加を抑えると共にコスト低減が可能となる。すなわち、座部20は、前側だけを台枠12の前支持ブラケット125に枢軸22を介して連結すれば、後側はリンク部材41の一端側の載置ローラ43上に単に載せた状態にすれば足りる。従って、座部20の前側から枢軸22を外すだけで、座枠21全体を前方へ引き出すようにスライドさせて簡単に取り外すことができ、メンテナンスや交換も容易に行うことができる。
背凭れ30も、座部20と同様に、既存のものをほぼそのまま流用することが可能であり、背枠31の下端に、リンク部材41の他端側に連結するアーム材313を追加すれば良い。そして、リンク部40は新設することになるが、リンク部40を構成する一対のリンク部材41,41は、比較的簡易な構成であり、既存の台枠12の後部シャフト123に、後支持ブラケット126を介して容易に後付けすることができる。
図3および図4に示すように、座部20の後側の後部材213は、リンク部材41の一端側の金属部分に直接接触することはなく、合成樹脂製の載置ローラ43上に載せている。かかる載置ローラ43の転動により、リンク部材41の一端側と後部材213との摺動抵抗を低減することができる。従って、リンク部材41の一端側の揺動に連動して、座部20の後側をスムーズに沈み込ませることができ、また金属同士が擦れる異音の発生も防ぐことができる。
また、図5および図6に示すように、座部20の後部材213には、リンク部材41の一端側の載置ローラ43から上方へ離脱するのを防止する押え部材214が設けられている。かかる押え部材214によれば、座部20の後部材213が、リンク部材41の一端側より上方に離脱しようとしても、押え部材214の下端部分がリンク部材41の一端側にある掛止ローラ44に引っ掛り浮き上がりが防止される。これにより、座席の安全性を高めることができる。
ここで掛止ローラ44は、押え部材214の下端部分に下から当接していれば足り、後部材213の下面に対して必ずしも接触させる必要はない。また、押え部材214は、後部材213自体ではなく、座部20の後側の他の部位に設けても良い。なお、掛止ローラ44と押え部材214を省いても、座部20の自重によって通常は座部20の後側が浮き上がることはないが、掛止ローラ44と押え部材214を設けた場合は、より確実に座部20の浮き上がりを防止することができる。
また、図3および図4に示すように、背凭れ30の下方の延びたアーム材313の下端に、リンク部材41の他端側と連結する連結軸313aが固定されているが、リンク部材41の他端側では、この連結軸313aの位置が移動する。すなわち、リンク部材41の他端側に、連結軸313aが移動可能に嵌合するガイド溝45を設けることで、アーム材313に対してリンク部材41の他端側は、所定範囲で変位可能な遊びを持たせて連結される。これにより、背凭れ30のリクライニングに追従するリンク部材41の揺動を実現することができる。
さらに、図5および図6に示すように、アーム材313の下端で連結軸313aは、左右両側に突出しており、リンク部材41をなす一対の部材41a,41aにより両持ち状態で支持されている。このようなリンク部材41の構成により、背凭れ30の下端側に延びたアーム材313の支持強度が高まると共に、連結軸313aがぶれにくくなり、背凭れ30を強固かつ安定して支持することができる。また、座部20の後側の荷重が集中するリンク部材41の一端側に関しても、座部20の後部材213を載せる載置ローラ43を両持ち状態で強固かつ安定して支持することができる。
<本発明の構成と作用効果>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。前述した実施形態から導かれる本発明について、以下に説明する。
先ず、本発明は、背凭れ30がリクライニング可能な座席装置10において、
座部20は、前側が座席の固定側(例えば台枠12)に定位置の回動支点(例えば枢軸22)により支持され、後側が上下方向へ回動可能であり、
前記背凭れ30は、下側が座席の固定側(例えば台枠12)に定位置の傾動支点(例えば枢軸32)により支持され、上側が前後方向へ傾動可能であり、
前記座部20と前記背凭れ30を連動可能とし、座席の固定側(例えば台枠12)に支持されたリンク部40を備え、
前記背凭れ30が後傾するリクライニングに連動して、前記リンク部40により前記座部20の後側が前記回動支点(例えば枢軸22)を中心に下降して傾斜することを特徴とする。
このような座席装置10によれば、リンク部40によって座部20と背凭れ30とが連動する。すなわち、背凭れ30のリクライニングに伴って、座部20は前側の回動支点(例えば枢軸22)を中心として後側が沈み込むように下降する。すなわち、背凭れ30が後傾すると座部20の座面も後傾するため、背凭れ30と座部20との角度が開き過ぎることはない。よって、リクライニング時における着座者の前滑り感を解消することができ、長時間の着座でも快適な座り心地を実現することができる。
座部20は、前側が座席の固定側(例えば台枠12)に定位置の回動支点(枢軸22)により支持され、後側が上下方向へ回動する。そのため、リクライニングに伴って、座部20全体が前方へ移動することはない。これにより、前後の座席のシートピッチが狭い場合であっても、座席前方のスペースが狭まることを防ぐことができる。
背凭れ30は、下側が座席の固定側(例えば台枠12)に定位置の傾動支点(枢軸32)により支持され、上側が前後方向へ傾動する。そのため、座部20の後側の沈み込みに追従して、背凭れ30の下端側も下方へ移動することはない。従って、リクライニング時に着座者は、背凭れ30の上側に頚部から頭部をしっかりとサポートさせることができ、よりいっそう座り心地を向上させることが可能となる。
また、本発明では、前記リンク部40は、前記座部20の後側と前記背凭れ30の下側との近傍で座席の固定側(例えば台枠12)で定位置の揺動支点(例えば枢軸42)により支持され、該揺動支点42(例えば枢軸42)より前方へ延びる一端側と、該揺動支点(例えば枢軸42)より上方へ延びる他端側と、が揺動可能なリンク部材41を備え、
前記リンク部材41の一端側に、前記座部20の後側が載置された状態で支持されると共に、前記リンク部材41の他端側は、前記背凭れ30の下側に対して回動可能、かつ回動中心(例えば連結軸313a)がリンク部材41の揺動を許容する所定範囲で変位可能に連結されたことを特徴とする。
このような簡素な構成のリンク部材41によれば、背凭れ30のリクライニングに連動して、背凭れ30の下側に連結された他端側は、前方へ押し出されるように揺動するため、座部20の後側を載置した一端側は下方へ揺動する。このとき、座部20の後側が沈み込むことで、背凭れ30の下側との間隔が開いても、背凭れ30の下側は、そのままの高さ位置にリンク部材41の他端側で確実に支えることができる。また、座部20の後側は、リンク部材41の一端側に単に載せた状態にすれば足り、枢軸等で連結する必要もないため、なおさら構成を簡素化することができる。
また、本発明では、前記リンク部材41は、前記座部20および前記背凭れ30の左右両側にそれぞれ配置されたことを特徴とする。
このような一対のリンク部材41,41の配置によって、座部20の後側と背凭れ30の下側とを確実に支持することが可能となり、リクライニング時にスムーズに連動させることができる。
また、本発明では、前記リンク部材41の一端側に、前記座部20の後側の支持箇所(例えば後部材213)に対して転動可能に当接するローラ43が軸支されたことを特徴とする。
このようにリンク部材41の一端側に対して、座部20の後側の支持箇所をローラ43上に重ねたことにより、ローラ43の転動によって、リンク部材41の一端側と座部20の支持箇所との摺動抵抗を低減することができる。また、リンク部材41の一端側の揺動に伴って、座部20の後側をスムーズに沈み込ませることができる。
また、本発明では、前記座部20の後側に、前記ローラ43に載置した支持箇所213(例えば後部材213)が上方へ離脱するのを防止する押え部材214が設けられたことを特徴とする。
このような押え部材214によれば、座部20の後側の支持箇所が、リンク部材41の一端側より上方に離脱しようとしても、押え部材214がリンク部材41の一端側に引っ掛かって浮き上がりが防止される。これにより、座席の安全性を高めることができる。
また、本発明では、前記リンク部材41の他端側に、前記背凭れ30の下側の連結箇所(例えばアーム材313)で定位置にある回動支点(例えば連結軸313a)が回動可能に嵌合し、かつ前記所定範囲で移動可能に案内されるガイド溝45が設けられたことを特徴とする。
このように背凭れ30の下側の回動支点を、リンク部材41の他端側のガイド溝45に移動可能に嵌合させることで、背凭れ30の連結箇所に対してリンク部材41の他端側は、所定範囲で変位可能な遊びを持たせて連結される。これにより、背凭れ30のリクライニングに追従するリンク部材41の揺動を実現することができる。
さらに、本発明では、前記リンク部材41の他端側は、前記連結箇所(例えばアーム材313)を左右両側から両持ち状態で支持することを特徴とする。
このような構成のリンク部材41によれば、背凭れ30の連結箇所の支持強度が高まると共に、回動支点(例えば連結軸313a)がぶれにくくなり、背凭れ30を強固かつ安定して支持することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、座部20および背凭れ30を支持する座席の固定側は、前述した台枠12に限られることなく、台枠12と脚台11を一体的に構成したものや、あるいは脚台11上に回転機構を介して取り付けた台枠12等であっても良い。
また、前記実施の形態では、鉄道車両用の1人掛け用の座席装置10を例に説明したが、2人掛け用や3人掛け用の座席装置として構成しても良い。また、座席装置10は、鉄道車両用の腰掛に限られるものでもなく、他に例えば航空機、自動車、船舶等の他の乗物用の座席や、あるいは映画館や劇場等に設置される観覧用の椅子に適用しても良い。
本発明は、鉄道車両、航空機、自動車、船舶等の客室内に設置される乗物用の座席の他、映画館や劇場等に設置される観覧用の椅子にも広く適用することができる。
10…座席装置
11…脚台
12…台枠
20…座部
21…座枠
22…枢軸(回動支点)
30…背凭れ
31…背枠
32…枢軸(傾動支点)
40…リンク部
41…リンク部材
42…枢軸(揺動支点)

Claims (7)

  1. 背凭れがリクライニング可能な座席装置において、
    座部は、前側が座席の固定側に定位置の回動支点により支持され、後側が上下方向へ回動可能であり、
    前記背凭れは、下側が座席の固定側に定位置の傾動支点により支持され、上側が前後方向へ傾動可能であり、
    前記座部と前記背凭れを連動可能とし、座席の固定側に支持されたリンク部を備え、
    前記背凭れが後傾するリクライニングに連動して、前記リンク部により前記座部の後側が前記回動支点を中心に下降して傾斜することを特徴とする座席装置。
  2. 前記リンク部は、前記座部の後側と前記背凭れの下側との近傍で座席の固定側に定位置の揺動支点により支持され、該揺動支点より前方へ延びる一端側と、該揺動支点より上方へ延びる他端側と、が揺動可能なリンク部材を備え、
    前記リンク部材の一端側に、前記座部の後側が載置された状態で支持されると共に、前記リンク部材の他端側は、前記背凭れの下側に対して回動可能、かつ回動中心がリンク部材の揺動を許容する所定範囲で変位可能に連結されたことを特徴とする請求項1に記載の座席装置。
  3. 前記リンク部材は、前記座部および前記背凭れの左右両側にそれぞれ配置されたことを特徴とする請求項2に記載の座席装置。
  4. 前記リンク部材の一端側に、前記座部の後側の支持箇所に対して転動可能に当接するローラが軸支されたことを特徴とする請求項2または3に記載の座席装置。
  5. 前記座部の後側に、前記ローラに載置した支持箇所が上方へ離脱するのを防止する押え部材が設けられたことを特徴とする請求項4に記載の座席装置。
  6. 前記リンク部材の他端側に、前記背凭れの下側の連結箇所で定位置にある回動支点が回動可能に嵌合し、かつ前記所定範囲で移動可能に案内されるガイド溝が設けられたことを特徴とする請求項2,3,4または5に記載の座席装置。
  7. 前記リンク部材の他端側は、前記連結箇所を左右両側から両持ち状態で支持することを特徴とする請求項6に記載の座席装置。
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