JP2023170442A - 液体吐出ヘッド、及び液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド、及び液体吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】同色の液体を吐出する複数の吐出口列に対する液体循環を小型な構成で行うことが可能な液体吐出ヘッドの提供を目的とする。【解決手段】液体吐出ヘッドは、吐出ユニットは、同種の液体を吐出する複数の吐出口列と当該複数の吐出口列に対応した複数の連通流路とを備える。また、液体吐出ヘッドは、連通流路に対して液体の供給及び回収を行うための流路を備える流路部材600と、流路部材600への液体の供給及び流路部材からの液体の回収を行う循環源と、を備える。流路部材600は、複数の連通流路のそれぞれと単一の循環源とを連通させるための複数の個別流路を含んでいる。【選択図】図9

Description

本発明は、液体を循環しながら記録を行なう液体吐出ヘッドを備えた液体吐出ヘッド及び液体吐出装置に関する。
インクジェット記録装置等の液体吐出装置では、液体吐出ヘッド内の液体に混入した気泡の滞留、及び吐出口近傍における液体の増粘が液体吐出ヘッドの吐出性能を低下させる要因となるため、これらに対する対策が必要となる。
特許文献1には、液体内の気泡の排出及び吐出口近傍の液体の増粘の抑制を目的として、液体吐出ヘッド内の液体を循環させる技術が開示されている。
また、液体吐出装置では、記録速度向上のため、液体吐出ヘッドの往走査と復走査の双方において液体の吐出を行う双方向記録が行われている。双方向記録を行う液体吐出装置において、吐出する液体の色毎に1列ずつ吐出口列を配置した液体吐出ヘッドを用いた場合、往走査と復走査とで2色の液体の重なる順序が異なるため、形成された画像に色むらが発生することがある。このため、複数色の吐出口列を配列した2つの吐出口列群を線対称に配置した双方向ヘッドを用いることが行われている。
このような双方向記録を行う液体吐出装置の液体ヘッドにおいて液体循環方式を導入することが考えられている。
特開2011-98491号公報
しかしながら、双方向記録を行う液体吐出ヘッドには、同色の液体を吐出する吐出口列が2つの吐出口列群のそれぞれに配置されている。このため、液体循環方式を導入する場合には、同色の吐出口列に対して2つの液体供給路が必要となる。そして、各液体供給路毎に循環源を設けた場合、液体吐出ヘッドが大型化するという課題がある。
本開示は、同色の液体を吐出する複数の吐出口列に対する液体循環を小型な構成で実現することが可能な液体吐出ヘッドの提供を目的とする。
本開示は、液体を吐出する吐出口を配列してなる吐出口列と当該吐出口列に連通する連通流路とを有する吐出ユニットと、前記連通流路に対して液体の供給及び回収を行うための流路を備える流路部材と、前記流路部材への液体の供給及び前記流路部材からの液体の回収を行う循環源と、を備え、前記吐出ユニットは、同種の液体を吐出する複数の吐出口列と当該複数の吐出口列に対応した複数の連通流路とを備え、前記流路部材は、前記複数の連通流路のそれぞれと単一の前記循環源とを連通させるための複数の個別流路を含むことを特徴とする液体吐出ヘッドである。
本開示によれば、同色の液体を吐出する複数の吐出口列に対する液体循環を小型な構成の液体吐出ヘッドによって実現することができる。
液体吐出装置を説明する図である。 液体吐出ヘッドの分解斜視図である。 循環ユニットの外観概略図である。 循環経路を示す縦断面図である。 循環経路を模式的に示すブロック図である。 吐出ユニットを吐出素子基板の吐出口面側から見た図である。 吐出素子基板の吐出口面とは反対側の面を示す図である。 支持部材の裏面を示す図である。 流路部材の全体構成を示す分解斜視図及び流路部材の断面図である。 第2流路基板の各流路を示す図である。 第3流路基板の各流路を示す図である。 第2実施形態における第3流路基板を示す図である。 第3実施形態における第2流路基板を示す図である。 第4実施形態における第2流路基板を示す図である。 圧力調整手段の具体的構成及び作用を示す図である。 液体吐出ヘッド内のインクの流れを説明する図である。
以下、添付図面を参照して本開示の好適な実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は本開示事項を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせすべてが本開示の解決手段に必須のものとは限らない。尚、同一の構成要素には同一の参照番号を付す。本実施形態では、液体を吐出する吐出素子として、電熱変換素子により気泡を発生させて液体を吐出するサーマル方式を採用した例を用いて説明するが、これに限られない。圧電素子(ピエゾ)を用いて液体を吐出する吐出方式、または、他の吐出方式が採用された液体吐出ヘッドにも適用することができる。更に、以下に説明する圧力調整手段等も、実施形態及び図面に記載されている構成自体に限定されるものではない。
<液体吐出装置>
図1(a)は、液体吐出ヘッド1を用いる液体吐出装置を模式的に示す斜視図である。本実施形態の液体吐出装置50は、液体吐出ヘッド1を走査しつつ液体としてのインクを吐出して記録媒体Pへの記録を行うシリアル型のインクジェット記録装置を構成している。
液体吐出ヘッド1は、キャリッジ60に搭載されている。キャリッジ60は、ガイド軸51に沿って主走査方向(X方向)に沿って往復移動する。記録媒体Pは、搬送手段を構成する搬送ローラ55、56、57、58によって、主走査方向と交差(本例の場合は、直交)する搬送方向(副走査方向(Y方向))に搬送される。尚、以下で参照する各図において、Z方向は鉛直方向を示しており、X方向及びY方向によって規定されるX-Y平面と交差(本例の場合は、直交)している。液体吐出ヘッド1は、ユーザによって、キャリッジ60に対し取り外し及び取り付けが可能に構成されている。
液体吐出ヘッド1は、循環源としての循環ユニット54と、後述する吐出ユニット700(図2参照)とを含み構成されている。具体的な構成については後述するが、吐出ユニット700には、複数の吐出口と、各吐出口から液体を吐出するための吐出エネルギーを発するエネルギー発生素子(以下、吐出素子と称す)とが設けられている。
また、液体吐出装置50には、インクの供給源であるインクタンク2及び外部ポンプ21が設けられており、インクタンク2に貯留されたインクは、外部ポンプ21の駆動力によってインク供給チューブ59を介して循環ユニット54に供給される。
液体吐出装置50は、キャリッジ60に搭載された液体吐出ヘッド1が主走査方向へと移動しつつインクを吐出して記録を行う記録走査と、記録媒体Pを副走査方向へと搬送する搬送動作とを繰り返すことにより、記録媒体Pに所定の画像を形成する。尚、本実施形態における液体吐出ヘッド1は、ブラック(k)、シアン(c)、マゼンタ(m)、イエロー(y)の4種類のインクを吐出可能としており、これらのインクによってフルカラー画像を記録することが可能である。但し、液体吐出ヘッド1から吐出可能とするインクは、上記の4種類のインクに限定されない。他の種類のインクを吐出するための液体吐出ヘッドにも本開示は適用可能である。すなわち、液体吐出ヘッドから吐出するインクの種類及びその数は限定されない。
また、液体吐出装置50には記録媒体Pの搬送路からX方向に外れた位置に、液体吐出ヘッドの吐出口が形成された吐出口面を覆うことが可能なキャップ部材(不図示)が設けられている。キャップ部材は、非記録動作時において液体吐出ヘッド1の吐出口面を覆い、吐出口の乾燥防止や保護、吐出口からのインク吸引動作等に使用される。
尚、図1(a)に示す液体吐出ヘッド1は、4種類のインクに応じた4つの循環ユニット54が液体吐出ヘッド1に備えられている例を示しているが、吐出する液体の種類に応じた循環ユニット54が備えられていればよい。また、同種類の液体に対して複数の循環ユニット54が備えられていてもよい。即ち、液体吐出ヘッド1は、1つ以上の循環ユニットを備える構成とすることができる。4種類のインク全てを循環せず、少なくとも1つのインクのみ循環する構成でもよい。
図1(b)は、液体吐出装置50の制御系を示すブロック図である。CPU103は、ROM101に格納された処理手順等のプログラムに基づいて液体吐出装置50の各部の動作を制御する制御手段としての機能を果す。RAM102は、CPU103が処理を実行する際のワークエリア等として用いられる。CPU103は、液体吐出装置50の外部のホスト装置400からの画像データを受信してヘッドドライバ1Aを制御し、吐出ユニット700に設けられた吐出素子の駆動を制御する。また、CPU103は、液体吐出装置に設けられた種々のアクチュエータのドライバの制御も行う。例えば、CPU103は、キャリッジ60を移動させるためのキャリッジモータ105のモータドライバ105A、及び、記録媒体Pを搬送させるための搬送モータ104のモータドライバ104A等の制御を行う。更に、CPU103は、後述の循環ポンプ500の駆動を行うポンプドライバ500A、及び、外部ポンプ21のポンプドライバ21A等の制御を行う。尚、図1(b)では、ホスト装置400からの画像データを受信した処理を行う形態を示しているが、ホスト装置400からのデータに拠らずに液体吐出装置50で処理が行われてもよい。
<液体吐出ヘッド>
図2は、本実施形態の液体吐出ヘッド1の構成を示す分解斜視図である。本実施形態における液体吐出ヘッド1は、液体吐出装置50のキャリッジ60に設けられている不図示の位置決め手段及び電気的接点によってキャリッジ60に固定支持される。液体吐出ヘッド1は、キャリッジ60と共に図1に示す主走査方向(X方向)に移動しながらインクを吐出し、記録媒体Pへの記録を行う。
図2に示すように液体吐出ヘッド1は、流路部材600と、循環源としての循環ユニット54と、循環ユニット54から流路部材600を介して供給されたインクを記録媒体Pに吐出するための吐出ユニット700とを有する。
流路部材600は、循環ユニット54を収容する箱型形状の収容部610と、収容部610の底部に設けられた4層の流路基板611~614(図9参照)によって構成されている。これら流路基板611~614の詳細については後述する。流路部材600の一側面には、4種類のインクに対応する4本のインク供給チューブ59(図1)のそれぞれに接続される4つのジョイント200が設けられている。
循環ユニット54は、複数種類(ここでは、ブラック(k)、シアン(c)、マゼンタ(m)、イエロー(y)の4種類)のインクのそれぞれ対応した循環ユニット54m、54y、54k、54cを備える。これらの循環ユニット54m、54y、54k、54c54は、流路部材600の収容部610内に固定される。各循環ユニット54が流路部材600に固定された状態において、各循環ユニット54は、その側面部に形成された不図示の接続口が流路部材600の4つのジョイント200に液体連通可能に接続される。また、各循環ユニット54の底部には不図示の液体供給口及び液体回収口が形成されている。この液体供給口及び液体回収口は、流路部材600の収容部610の底部を形成する第1流路基板611(図9参照)に形成される供給側の第1接続流路6111と、回収側の第1接続流路6211(図9参照)とに接続される。循環ユニット54と流路部材600との接続方法は、接続部において液体が漏出しないような接続方法であればよい。例えば、循環ユニット54と流路部材600との間にシール部材を挟み込んでビス締めによって接続してもよいし、溶着によって接続してもよい。
このように各循環ユニットは、ジョイント200を介してインク供給チューブ59に液体連通可能に接続され、かつ液体供給口及び液体回収口を介して第1流路基板611に接続される。従って、インク供給チューブ59から供給された各インクは、流路部材600のジョイント200を経て各循環ユニット54a~54dに供給される。さらに、流路部材600には、吐出ユニット700が接続されており、循環ユニット54に供給されたインクは流路部材600を経由して吐出ユニット700に供給される。
図2に示すように吐出ユニット700は、2つの吐出素子基板701、702、支持部材720、各吐出素子基板701、702へ電気信号を送るための電気配線基板730、電気配線基板730を覆うカバー部材740等を備える。吐出素子基板701、702には、液体を吐出するための吐出エネルギーを発生させる吐出素子をY方向に沿って複数配列してなる吐出口列がX方向に沿って複数配置されている。本実施形態では、各吐出素子基板701、702に、4種類(4色)のインクそれぞれに対応する吐出口列が配置されている。尚、吐出ユニット700の詳細は後述する。
2つの吐出素子基板701、702及び電気配線基板730は、支持部材720に接着固定されている。更に支持部材720には、その一面(図2おいて下面)を覆うようにカバー部材740が接着接合されている。吐出素子基板701、702と電気配線基板730とはワイヤボンディングにより電気接続されている。尚、吐出素子基板701、702と電気配線基板730との電気接続は、フライングリードボンディングにより行うことも可能である。カバー部材740のうち、吐出素子基板701、702に対応する箇所には、開口が形成されており、この開口から、吐出素子基板701、702の吐出口が形成されている吐出口面が露出している。尚、以上の構成を有する吐出ユニット700と流路部材600との接続は、接着剤を用いた接着でもよいし、シール部材を挟み込んだビス締めによる固定でもよい。
流路部材600において、ジョイント200が設けられている面と反対側の面には、電気基板810が固定されている。電気基板810の固定方法は、加締めや接着剤による固定、もしくは両面テープによる固定であってもよい。電気基板810は、電気配線基板730に電気接続されている。電気基板810と電気配線基板730との電気接続には、ACF圧着が用いられている。但し、この電気接続には、ワイヤボンディングやフライングリードボンディングを用いてもよい。また、電気基板810は、液体吐出ヘッド1がキャリッジ60に搭載された状態で、キャリッジ60の電気接続部に電気的に接続され、液体吐出装置本体からの電気信号を受信する。電気基板810にて受信された電気信号は、吐出ユニット700の電気配線基板730を介して吐出素子基板701、702に送信される。
<循環ユニットの構成要素>
図3は、本実施形態の記録装置に適用される1種類のインクに対応する1つの循環ユニット54の外観概略図である。循環ユニット54には、フィルタ110、第1圧力調整手段120、第2圧力調整手段150、及び循環ポンプ500が配置されている。これらの構成要素は、図4及び図5に示すように各流路によって接続され、液体吐出ヘッド1内においてインクの供給及び回収を行う循環経路を構成している。
<液体吐出ヘッド内の循環経路>
図4は、液体吐出ヘッド1内に構成される1種類のインク(1色のインク)の循環経路を模式的に示す縦断面図である。図5は、図4に示した循環経路を模式的に示すブロック図である。循環経路をより明確に説明するため、図5における各構成要素(第1圧力調整手段120、第2圧力調整手段150、循環ポンプ500、流路部材600及び吐出ユニット700等)の構成及び相対位置は簡略化している。そのため各構成要素の構成及び相対位置等は後述する具体的な構成とは異なる。
図4及び図5に示すように、第1圧力調整手段120は、第1バルブ室121及び第1圧力制御室122を備えている。第2圧力調整手段150は、第2バルブ室151及び第2圧力制御室152を備えている。第1圧力調整手段120は、第2圧力調整手段150よりも相対的に制御圧力が高くなるように構成されている。本実施形態では、この2つの圧力調整手段120、150を用いることで、循環経路内において一定の圧力範囲での循環を実現している。また、第1圧力調整手段120と第2圧力調整手段150との圧力差に応じた流量で圧力室12(吐出素子15)をインクが流れるように構成されている。以下、図4及び図5を参照しつつ、液体吐出ヘッド1における循環経路及び循環経路内におけるインクの流れを説明する。尚、各図中の矢印はインクの流れる方向を示している。
まず、液体吐出ヘッド1における各構成要素の接続状態を説明する。
液体吐出ヘッド1の外部に設けられたインクタンク2(図5)に収容されたインクを液体吐出ヘッド1へ送る外部ポンプ21は、インク供給チューブ59(図1)を介して循環ユニット54と接続されている。循環ユニット54の上流側に位置するインク流路にはフィルタ110が設けられている。フィルタ110の下流側に位置するインク供給路は、第1圧力調整手段120の第1バルブ室121に接続されている。第1バルブ室121は、バルブ190A(図4)により開閉される連通口191Aを介して第1圧力制御室122に連通している。
第1圧力制御室122は、供給流路130、バイパス流路160、及び循環ポンプ500のポンプ出口流路180に接続されている。供給流路130は、流路部材600に設けられた後述の流路を介して、吐出ユニット700の共通供給流路18に接続されている。また、バイパス流路160は、第2圧力調整手段150に設けられた第2バルブ室151に接続されている。第2バルブ室151は、図4に示すバルブ190B(図4)によって開閉する連通口191Bを介して第2圧力制御室152に連通している。尚、図4及び図5では、バイパス流路160の一端を第1圧力調整手段120の第1圧力制御室122に接続し、且つバイパス流路160の他端を第2圧力調整手段150の第2バルブ室151に接続した例を示している。しかし、バイパス流路160の一端を供給流路130に接続し、バイパス流路160の他端を第2バルブ室151に接続してもよい。
第2圧力制御室152は、回収流路140に接続されている。回収流路140は、流路部材600に設けられた後述の流路を介して吐出ユニット700の共通回収流路19に接続されている。更に、第2圧力制御室152は、ポンプ入口流路170を介して循環ポンプ500に接続されている。尚、図4において、170aはポンプ入口流路170の流入口を示している。
次に、上記構成を有する液体吐出ヘッド1におけるインクの流れについて説明する。図5に示すように、インクタンク2に収容されているインクは、液体吐出装置50に設けられた外部ポンプ21によって加圧され、正圧のインク流となって液体吐出ヘッド1の循環ユニット54に供給される。
循環ユニット54に供給されたインクは、フィルタ110を通過することにより塵埃などの異物や気泡が除去された後、第1圧力調整手段120に設けられた第1バルブ室121に流入する。フィルタ110を通過する際の圧力損失によってインクの圧力は低下するが、この段階でのインクの圧力は正圧の状態にある。その後、第1バルブ室121に流入したインクは、バルブ190A(図4)が開状態にあるとき、連通口191A(図4)を通過して第1圧力制御室122に流入する。連通口191Aを通過する際の圧力損失によって、第1圧力制御室122に流入したインクは、正圧から負圧へと切り替わる。
次に、循環経路内におけるインクの流れを説明する。循環ポンプ500は、その上流側となるポンプ入口流路170から吸引したインクを、下流側となるポンプ出口流路180へと送り出すように動作する。従って、循環ポンプ500が駆動されることにより、第1圧力制御室122に供給されたインクは、ポンプ出口流路180から送液されたインクと共に、供給流路130及びバイパス流路160に流入する。尚、本実施形態では送液可能な循環ポンプとして、ダイヤフラムに貼り付けた圧電素子を駆動源とする圧電ダイヤフラムポンプを用いている。圧電ダイヤフラムポンプは、圧電素子に駆動電圧を入力することでポンプ室内の容積を変化させ、圧力変動によって2つの逆止弁が交互に動くことにより送液を行うポンプである。
供給流路130に流入したインクは、図4に示すように、流路部材600の流路及び吐出ユニット700の共通供給流路18から連通流路14を経て圧力室12に流入し、その一部のインクは吐出素子15の駆動(発熱)によって吐出口13から吐出される。また、吐出に使用されなかった残りのインクは、圧力室12及び連通流路14を流動し、共通回収流路19を通過した後、流路部材600の流路に接続されている回収流路140に流入する。回収流路140に流入したインクは、第2圧力調整手段150の第2圧力制御室152に流入する。
一方、第1圧力制御室122からバイパス流路160に流入したインクは、第2バルブ室151に流入した後、図4に示す連通口191Bを通過して第2圧力制御室152に流入する。バイパス流路160を経由して第2圧力制御室152に流入したインクと回収流路140から回収されたインクとは、循環ポンプ500の駆動によってポンプ入口流路170を経て循環ポンプ500内に吸引される。そして、循環ポンプ500内に吸引されたインクは、ポンプ出口流路180へと送られ、第1圧力制御室122に再び流入する。
このように循環ポンプ500には、第1圧力制御室122から供給流路130及び流路部材600を経て第2圧力制御室152に流入したインクと、バイパス流路160及び第2バルブ室151を経て第2圧力制御室152に流入したインクとが流入する。そして、循環ポンプ500に流入したインクは、第1圧力制御室122に送られる。以上のようにして循環経路内でのインクの循環が行われることになる。
以上のように、本実施形態では、循環ポンプ500によって、液体吐出ヘッド1内に形成した循環経路に沿って液体を循環させることが可能になる。このため、流路部材600内でのインクの増粘や色材のインクの沈降成分の堆積を抑制することが可能となり、流路部材600におけるインクの流動性および吐出口における吐出特性を良好な状態に保つことが可能になる。
また本実施形態における循環経路は、液体吐出ヘッド1内で完結する構成を採るため、液体吐出ヘッド1の外部に設けられたインクタンク2と液体吐出ヘッド1との間でインクの循環を行う場合に比べ、循環経路長を大幅に短縮することができる。このため、インクの循環を小型な循環ポンプで行うことが可能になる。
更に、液体吐出ヘッド1とインクタンク2との接続流路としては、インクを供給する流路のみを備える構成となっている。即ち、液体吐出ヘッド1からインクタンク2へとインクを回収するための流路を不要とする構成を採る。このため、インクタンク2と液体吐出ヘッド1との接続にはインク供給用のチューブのみを設ければよく、インク回収用のチューブを設ける必要はない。従って、液体吐出装置50の内部を、チューブの本数が削減された簡潔な構成とすることができ、装置全体の小型化を実現することができる。更にチューブの本数が削減されることにより、液体吐出ヘッド1の主走査に伴うチューブの揺動に起因するインクの圧力変動を軽減することが可能になる。また、液体吐出ヘッド1の主走査時におけるチューブの揺動は、キャリッジ60を駆動するキャリッジモータの駆動負荷となる。このため、チューブの本数削減によってキャリッジモータの駆動負荷が低減され、キャリッジモータ等を含む主走査機構の簡略化を図ることが可能になる。更に、液体吐出ヘッドからインクタンクへのインクの回収が不要となるため、外部ポンプ21の小型化も可能となる。このように、本実施形態によれば、液体吐出装置50の小型化及びコスト低減を実現することができる。
(吐出ユニットの流路構成)
次に吐出ユニットの流路構成を図6ないし図8を参照しつつ説明する。
図6は、吐出ユニット700を、吐出素子基板701、702の吐出口が形成されている吐出口面(表面:図2における下面)側から見た図である。図6に示すように、吐出ユニット700には、2つの吐出素子基板701、702が主走査方向(X方向に沿って)配置されている。これら吐出素子基板701、702は、前述のように、支持部材720に接着固定され、カバー部材740の開口から吐出口面が露出している。この2つの吐出素子基板701、702は、4種類のインクに対応する吐出口列を有している。一方の吐出素子基板701には、吐出口列701c、701m、701y、701kが配置され、他方の吐出素子基板702には、吐出口列702c、702m、702y、702kが配置されている。ここで701c、702cはシアン色のインクを吐出する吐出口列を、701m、702mはマゼンタ色のインクを吐出する吐出口列を、701y、702yはイエロー色のインクを吐出する吐出口列をそれぞれ示している。これらの吐出口列は、各吐出素子基板に1列ずつ設けられている。また、701k、702kはブラック色のインクを吐出する吐出口列を示している。ブラック色のインクを吐出する吐出口列は、各吐出素子基板701、702に2列ずつ設けられている。従って、吐出素子基板701、702のそれぞれには、5本ずつ吐出口列が配置されている。
各吐出素子基板701、702に配置される吐出口列は、液体吐出装置50に搭載された状態において、主走査方向(X方向)に沿って配置されている。即ち、一方の吐出素子基板701には、図6の右側から吐出口列701c、701m、701y、701kが順次配置され、他方の吐出素子基板702には、図6の左側から吐出口列702c、702m、702y、702kが順次配置されている。このように、吐出素子基板701における吐出口列と、吐出素子基板702における吐出口列とは、一方の吐出素子基板701と他方の吐出素子基板702の間の副走査方向(Y方向)に沿った直線を基準として線対称に配置されている。
図7は吐出素子基板701、702における吐出口面とは反対側の面(裏面:図2における上面)を示す図である。図7に示すように、吐出素子基板701、702の裏面には、前述の複数の吐出口列のそれぞれに連通する複数の開口が形成されている。吐出素子基板701、702のINで示した開口(IN開口)711a、711bは、各吐出口列にインクを供給するための開口である。また、吐出素子基板701、702のOUTで示した開口(OUT開口)712a、712bは、各吐出口列からインクを回収するための開口である。尚、図中の(c)、(m)、(y)、(k)は、各開口に流れるインクの種類(色)を示している。
図8は、支持部材720の裏面(図2における上面)を示す図である。図8に示すように、支持部材720の裏面には、吐出素子基板701、702の開口に連通する複数の開口が形成されている。支持部材720のINで示した開口721a、721bは、吐出素子基板701、702の開口711a、711bにそれぞれ連通する開口である。また、支持部材720のOUTで示した開口722a、722bは、吐出素子基板701、702の開口712a、712bにそれぞれ連通する開口である。
支持部材720のIN開口721a、721bには、供給流路130(図4)から後述の流路部材600を介してインクが供給される。開口721a、721bに供給されたインクは、図7に示す吐出素子基板701、702のIN開口711a、711bから共通供給流路18(図4)に流入する。その後、共通供給流路18に流入したインクは、図4に示す連通流路14内に流入し、圧力室12及び吐出口13を通過した後、共通回収流路19に流入する。共通回収流路19に流入したインクは、図7に示す吐出素子基板701、702のOUT開口712a、712bから、図8に示す支持部材720内に流入する。支持部材720に流入したインクは、支持部材720のOUT開口722a、722bから後述の流路部材600を介して図4に示す循環ユニット54の回収流路140に流入する。
尚、図7及び図8では、各吐出口列毎にIN開口を4つ、OUT開口を3つ有している例を示しているが、これに限定されない。IN開口及びOUT開口の数は、他の任意の数に設定することが可能である。即ち、IN開口及びOUT開口の数を、図示の例より多くすることも少なくすることも可能である。また、IN開口及びOUT開口が吐出口列全域に亘る1つの大きな開口とすることの可能である。
ところで、本実施形態における液体吐出ヘッドでは、記録素子基板701の複数種のインクに対応する吐出口列と、記録素子基板702の複数種のインクに対応する吐出口列とが、互いに線対称となるような順序で配置されている。このような、いわゆる対称型の液体吐出ヘッドによれば、液体吐出ヘッド1の往走査においても復走査においても記録媒体に対してインクの付与順序(記録順序)を統一することが可能となり、良好な品質の画像を記録することが可能となる。また、往走査と復走査の双方で記録(インク吐出)を行う、いわゆる双方向記録を実施することにより、少ない走査回数で画像を形成することが可能になり、高速で記録を行うことが可能になる。これに対し、液体吐出ヘッドに、各インク色に対応した吐出口列が1列ずつ所定の順序で配列されている場合、往走査と復走査とで記録媒体に対する各インクの付与順序に相違が生じる。このため、2次色を形成する際にインクの重なる色順に差が生じ、画像に色ムラが発生する。本実施形態の対称型の液体吐出ヘッドによれば、このような色ムラの発生を抑制することが可能になる。
また、現在の液体吐出装置では、流路中の気泡の排出や、吐出口近傍のインク増粘防止を目的として液体吐出ヘッド内の液体を循環させる循環方式を導入することが考えられている。循環方式では、各吐出口列に対して液体を循環させるための循環源が必要となる。このため、同色のインクを吐出する2つの吐出口列が設けられている対称型の液体吐出ヘッドにおいて、各吐出口列毎に循環源を設けた場合、装置が大型化するという課題が生じる。そこで、本実施形態における液体吐出ヘッドでは、循環源である循環ユニット54と吐出ユニット700との間に、以下に説明する流路部材600を介在させた構成を備える。これにより、同一種類のインク(同色のインク)を吐出する複数の吐出口列に対し、単一の循環源を用いて適正なインク循環を行うことができる。
<流路部材の流路構成>
次に、流路部材600によって形成される流路構成を、図9ないし図11を参照しつつ説明する。図9(a)は流路部材600の全体構成を示す分解斜視図、図9(b)は図9(a)に示す流路部材600をIXb-IXb線に沿って切断した断面図である。また、図10は流路部材600に設けられる第2流路基板612の各流路を示す図、図11は第3流路基板613の各流路を示す図である。尚、図9ないし図11おいて、(c)、(m)、(y)、(k)は、各流路に流れるインク色を示している。
図9に示すように、本実施形態における流路部材600は、第1流路基板611、第2流路基板612、第3流路基板613、第4流路基板614の4つの基板からなる積層構造を有している。これら4つの基板のそれぞれに形成された流路によって、複数種のインクのそれぞれに対応した複数の積層流路が構成されている。この流路部材600は、循環ユニット54から吐出ユニット700の各吐出素子基板701、702に対するインクの供給及び回収を行う流路を形成する流路を形成する部材としての機能を果す。さらに、流路部材600は、循環ユニット54を収容する収容部610としての機能、及び電気基板810(図2)を支持する支持部材としての機能も果たす。
ここで、流路部材600に形成されるインクの積層流路について説明する。尚、以下では流路部材600に形成される複数種類のインクのうち、シアン色のインク(以下、単にインクと記す)の流れを中心に説明を行う。
循環ユニット54cの供給流路130(図4)を通過したインクは、図9に示す流路部材600の第1流路基板611に形成された供給側の第1接続流路6111に供給される。第1接続流路6111に供給されたインクは、図9に示すように、第2流路基板612に形成された共通流路6120に供給される。共通流路6120に供給されたインクは、分岐点(接続点)6123において吐出素子基板701の供給側に繋がる第1個別流路と、吐出素子基板702の共通側に繋がる第2個別流路とに分岐する。
分岐点6123で分岐した第1個別流路と、第2個別流路は、互いに独立した流路となる。詳細は後述するが、分岐点6123に達したインクは、分岐点6123の直下に位置する第2接続流路6122aに流入した後、第3流路基板613、第4流路基板614の供給側の流路を経て図2及び図7に示す吐出素子基板701に流入する。
吐出素子基板701に流入したインクは、図4に示す連通流路14に流入し、圧力室12及び吐出口13を通過した後、第4流路基板614、第3流路基板613の回収側の流路を経て第2流路基板612の回収側の接続流路6222aに流入する。回収側の接続流路6222aは合流点(接続点)6223の直下に位置し、ここを通過したインクは回収側の共通流路6220を経て、第1流路基板611の回収側の第1接続流路6211に流入し、循環ユニット54に戻る。これにより、循環源である単一の循環ユニット54と吐出素子基板701とを含むインクの循環流路が構成される。
一方、分岐点6123において第2接続流路6122aから分岐したインクは、平面方向において吐出口の配列方向(Y方向)と直交するX方向(主走査方向)に延在する供給側の第1水平流路(第1平面流路)6121を経て第2接続流路6122bに流入する。第2接続流路6122bに流入したインクは、第3流路基板613、第4流路基板614を経て図2及び図7に示す吐出素子基板702に流入する。
その後、吐出素子基板702を通過したインクは、第4流路基板614、第3流路基板613、及び第2素子基板702の回収側の第2接続流路6222bを経て、回収側の第1水平流路6221に流入する。第1水平流路6221に流入したインクは、合流点6223において第2接続流路6222aのインクと合流し、回収側の共通流路6220に流入する。共通流路6220に流入したインクは、前述のように第1流路基板611の回収側の第1接続流路6211に流入し、循環ユニット54に戻る。これにより、循環ユニット54と吐出素子基板702とを含むインクの循環流路が形成される。
上記のように流路部材600には、第1接続流路6111から分岐点6123に至る供給側の共通流路6120と、合流点(接続点)6223から第1接続流路6211に至る回収側の共通流路6220とが形成されている。さらに、分岐点6123から吐出素子基板701に至る供給側の個別流路と、吐出素子基板701から合流点6223に至る回収側の個別流路とによって第1個別流路が形成されている。また、分岐点6123から第2吐出素子基板701に至る供給側の個別流路と、吐出素子基板702から合流点6223に至る回収側の個別流路とによって第2個別流路が形成されている。
次に、流路部材600における具体的な流路構成およびインクの流れについてより具体的に説明する。尚、以下の説明及び参照図面において、末尾にaが付されている参照符号は、吐出素子基板701に連通する第1個別流路における流路を示し、末尾にbが付されている参照符号は、吐出素子基板702に連通する第2個別流路における流路を示す。
共通流路6120に流入したインクは、分岐点6123において、一方の第2接続流路6122aと、他方の第2接続流路6122bに連通する第1水平流路6121とに分岐される。第2接続流路6122a、6122bは、いずれも鉛直方向に形成されており、第2接続流路6122a、6122bに流入したインクは、第3流路基板613に供給される。
第3流路基板613に供給されたインクは、吐出口の配列方向(Y方向)に延在する第2水平流路6131a、6131bに流入する。第2水平流路6131a、6131bのそれぞれには、鉛直方向に延在する複数の第3接続流路6132a、6132bが連通している。本実施形態では、図9及び図11に示すように、第2水平流路6131a、6131bのそれぞれに対し、4つの供給側の第3接続流路6132a、6132bが連通している。これら4つの第3接続流路6132a、6132bは、図7に示す吐出素子基板701、702の4つのIN開口712a、712bにそれぞれ対応している。
第3接続流路6132a、6132bを通過したインクは、第4流路基板614に供給される。第4流路基板614には、吐出ユニット700の支持部材720に形成されたIN開口721a、721bに連通するように形成されたピッチ変換流路となっている。このため、第4流路基板614の供給側の流路に供給されたインクは、支持部材720に形成されているIN開口721a、721bに流入する。IN開口721a、721bに流入したインクは、吐出素子基板701、702のIN開口711a、711bを通過し、吐出素子基板701と吐出素子基板702のそれぞれの共通供給流路18(図4)に流入する。
吐出素子基板701と吐出素子基板702のそれぞれの共通供給流路18に流入したインクは、連通流路14に沿って圧力室12及び吐出口13を通過する。その後、共通回収流路19を経て吐出素子基板701、702のそれぞれに形成された3つのOUT開口712a、712b(図7)から支持部材720の3つのOUT開口722a、722bに流入する。
支持部材720の3つのOUT開口722a、722bは、流路部材600の第4流路基板614の回収側の流路に連通している。このため、支持部材720に流入したインクは、3つのOUT開口722a、722bから第4流路基板614の回収側の流路に流入する。第4流路基板614の回収側の流路は、第3流路基板613の回収側の第3接続流路6231a、6231b(図11参照)に連通し、第3接続流路6231a、6231bは、それぞれ、回収側の第2水平流路6231a、6231bに連通している。従って、第4流路基板614の回収側の流路に流入したインクは、第3流路基板613の3つの第3接続流路6232a、6232bを通過した後、回収側の第2水平流路6231a、6231bに流入する。
第2水平流路6231a、6231bのうち、一方の第2水平流路6231aは、図10に示す第2流路基板612の回収側の第2接続流路6222aに連通している。また、他方の第2水平流路6231bは、第2流路基板612の回収側の第2接続流路6222bに連通している。このため、一方の3つの第3接続流路6232aを通過したインクは、第2水平流路6231aにおいて1つのインク流となり、第2流路基板612の合流点6223に位置する一方の第2接続流路6222aを経て共通流路6220に流入する。また、他方の3つの第3接続流路6232b(図11)を通過したインクは、第2水平流路6231bにおいて1つのインク流となり、第2流路基板612の他方の第2接続流路6222bを経て回収側の第1水平流路6211に流入する。
この後、第1水平流路6211に流入したインクは、合流点6223において一方の第2接続流路6222aから流出したインクと合流し、回収側の共通流路6220に流入する。この共通流路6220は、第1流路基板611に形成された回収側の第1接続流路6211に連通している。このため、共通流路6220に流入したインクは第1接続流路6211を経て循環ユニット54に回収される。
このように、本実施形態では、吐出素子基板701と吐出素子基板702のそれぞれに設けられた同一種類のインクを吐出する2つの吐出口列に対し、単一の循環ユニット54を用いてインクの供給及び供給を行うことができる。このため、2つの吐出口列のそれぞれに対して循環ユニットを設ける場合に比べ、液体吐出ヘッド1を小型化することが可能になると共に、コストを大幅に削減することが可能になる。
ところで、上記のような単一の循環ユニットを用いる構成では、一方の吐出口列に連通する流路と、他方の吐出口列に連通する流路との流路長に差が生じることがある。この場合、流路長の長い流路は、流路長の短い流路に比べて流路抵抗が大きくなり、より大きな圧力損失を生じる。このような圧力損失の差は、吐出口列におけるインクの流動性及び吐出性能に不均一を生じさせる要因となる。そこで、本実施形態では、流路長の差に起因する圧力損失の差を以下の構成によって低減する。
<同色の流路間に生じる圧力損失の差>
前述のように、本実施形態の液体吐出ヘッド1では、同色のインクを吐出する2つの吐出口列と単一の循環ユニットとを連通させる流路の中に、2つの個別流路(第1個別流路と第2個別流路)が含まれる。ここで、第1個別流路の流路長と第2個別流路の流路長とを比較した場合、第2個別流路の流路長の方が第2個別流路の流路長より長い。即ち、第2個別流路には、第2流路基板612における供給側の第1水平流路6121と、回収側の第1水平流路6221とが含まれるのに対し、第1個別流路には、第2流路基板612において水平流路が含まれていない。従って、第2個別流路の流路長は、第1個別流路の流路長より長くなっている。この流路長の差によって第2個別流路の流路抵抗による圧力損失は、第1個別流路の流路抵抗による圧力損失より大きくなる。このため、圧力損失の少ない第1個別流路に接続されている吐出素子基板701の吐出口列には多くのインクが循環し、吐出素子基板702の吐出口列には十分な量のインクが循環されないという現象が発生する。この場合、第2吐出素子基板の吐出口列にはインクの増粘や気泡の滞留が生じ易くなり、吐出不良の発生頻度が高まる可能性がある。また、増粘インクや気泡を排除するため、各吐出口列の吐出口から強制的にインクを吸引、排出させる吸引回復処理を実施したとしても、圧力損失が低い流路に接続された吐出性能の高い吐出口列のみからインクが吸引、排出されてしまう。このため、吐出不良が生じている吐出口列の吐出性能を十分に回復することができない。従って、各吐出口列に連通する異なる個別流路の間に生じる圧力損失の差を低減する必要がある。
<同色の流路間の圧力損失差の低減>
本実施形態では、同色の吐出口列に対応する個別流路の間に生じる圧力損失の差を低減するため、流路部材600における第2流路基板612を、図10に示すように構成している。
第2流路基板612の供給側では、共通流路6120に供給されたインクが分岐点6123において分岐する。即ち、分岐点6123に達したインクは、分岐点の直下にある第2接続流路6122aと、第1水平流路6121を経て第1水平流路6121の端部に位置する第2接続流路6122bとに流入する。ここで、一方の第2接続流路6122aは、吐出素子基板701に繋がる第1個別流路の一部を構成する流路であり、第1水平流路6121及び第2接続流路6122bは、吐出素子基板702に繋がる第2個別流路の一部を構成する流路である。従って、第2流路基板612において、第1個別流路側の流路と第2個別流路側の流路との間には、流路長の差が生じる。その結果、第2個別流路側の第2接続流路6122bにおける圧力は、第1個別流路側の第2接続流路6122aにおける圧力より低下する。これは、分岐点6123から第2接続流路6122bに至る第1水平流路6121に生じる流路抵抗によって圧力損失が生じることによる。尚、第2接続流路6122aは、分岐点の直下にあるため、第2流路基板612において水平流路による圧力損失は生じない。
このような、流路長の差に起因する圧力損失の差を低減するため、第2接続流路6122bの断面積を、第2接続流路6122aの断面積より大きくしている。具体的には、図10に示すように、第2接続流路6122bの断面積のY方向における幅(開口幅)Wbを、第2接続流路6122aの断面積のY方向における幅(開口幅)Waより大きくしている。これにより、第2接続流路6122bにおける圧力損失は、第2接続流路6122aにおける圧力損失より小さくなり、供給側における第1個別流路と第2個別流路との圧力損失の差は低減される。
また、流路長の差に起因する圧力損失の差は、回収側の流路においても生じる。即ち、吐出素子基板701に繋がる第2接続流路6222aは合流点6223の直下に位置するのに対し、第2素子基板702に繋がる第2接続流路6222bと合流点6223の間には第1水平流路6221が存在する。このため、回収側においても、第2個別流路側の流路長は、第1個別流路側の流路長より長くなり、圧力損失の差が生じる。従って、回収側においても、第2接続流路6222bの開口幅を第2接続流路6222aの開口幅より大きくし、回収側における第1個別流路と第2個別流路との間の圧力損失の差を低減している。
このように第1個別流路と第2個別流路との流路長の差に起因する圧力損失の差を低減することにより、同色のインクを吐出する2つの吐出口列に対し均一なインク循環を行うことが可能になる。さらに、各吐出口列に対する吸引回復処理を適正に行うことが可能になる。従って、同色のインクを吐出する2つの吐出口列において適正かつ安定した吐出性能を長期に亘り維持することが可能になる。
尚、圧力損失の調整は、第2接続流路6222bに限らず、他の流路において行うことも可能である。例えば、第2水平流路6131b、第2接続流路6132b、及び第4流路基板614のピッチ変換流路等によって調整することも可能である。また、本実施形態の液体吐出ヘッド1は、主走査方向に沿って往復移動する走査型のヘッドであるため、流路断面の主走査方向の長さを拡大することによって流路の断面積を拡大した場合、主走査による揺動圧が大きくなる。このため流路の断面積を拡大する場合には、主走査方向に対して直交する方向に拡大させることが好ましい。
また、圧力損失の調整は、インク流量が大きい箇所で行うことが好ましい。つまり、吐出口列から遠く、且つ循環ユニット54に近い箇所ほどインク流量は大きいため、当該箇所で流路の断面積を調整すれば、圧力損失の調整によって、より大きな効果が得られる。本実施形態では、主走査方向に対し鉛直方向に延在し、かつ循環ユニットにも近い位置にある第2接続流路6122において断面積の調整を行っている。このため、揺動圧の影響も少なく、圧力損失の調整によってより大きな効果が得られる。
尚、圧力損失の調整を行う箇所は、前述のように第2接続流路6122b以外の流路で行うことも可能であり、本開示は、これらの箇所で圧力損失の調整を行うことを含む。但し、より好ましい箇所は、第2接続流路6122bである。例えば、第2水平流路6131bは主走査方向と直交する方向に延在する流路であり、主走査による揺動圧の影響は少ない。しかし、この第2水平流路6131bには複数の第3接続流路6132bが連通しており、第2水平流路6131bにおけるインク流量は徐々に減少していく。このため、圧力損失の調整が複雑化する。また、第4流路基板614に形成されているピッチ変換流路では、流路内の流量は一定であるが、流路の延在方向が走査方向と平行しているため揺動圧の影響が大きくなる。また、流路におけるインク流量が少ないため断面積の調整効果が低くなることも懸念される。これに対し、第2接続流路6122bにおいて圧力損失の調整を行った場合には、上記のような懸念が生じることもなく、より大きな効果が得られる。
<異色の流路間の圧力損失の差、及び供給側流路と回収側流路の圧力損失の差>
複数種類(複数色)のインクを吐出する液体吐出装置では、同色の流路間の圧力損失の差だけでなく、異色の流路間との圧力損失の差を低減することが、インク色毎の循環流量や吸引回復動作を均一化する上で好ましい。図9ないし図11に示すように、インク色毎に設けられた複数のインク流路は、いずれも略同様の流路構成を有している。例えば、供給側の流路では、いずれのインク色においても、第1接続流路6111aと、当該第1接続流路6111aから分岐点6123に至る共通流路6120と、分岐点6123から2つ吐出口列に繋がる第1個流路及び第2個別流路とを有している。回収側の流路についてもインク色毎に設けられている複数の流路は、いずれも同様の流路構成を有している。但し、インク色の異なる複数のインク流路は、互いに異なる流路長を有している。
ここで、図10に示すシアンインクのインク流路(c流路)と、マゼンタインクのインク流路(m流路)とに注目すると、c流路の第1水平流路6121の流路長L1は、m流路の第1水平流路6121と比べて長くなっている。即ち、L1>L2となっている。このため、第1水平流路6121に生じる圧力損失は、c流路の方がm流路より大きくなる。しかし本実施形態では、c流路の第2接続流路6122bの幅WbをM流路の第2接続流路6122bの幅Wcより大きく形成し、c流路の第2接続流路6122に生じる圧力損失をm流路の第2接続流路6122に生じる圧力損失より小さくなるよう調整している。このように本実施形態では、第1水平流路6121bの流路長が大きいほど、第2接続流路6122bの断面積を大きくし、第1水平流路6121bの流路長の差に起因する圧力損失の差を低減している。
また、供給側の流路と回収側の流路との間に流路長の差が生じる場合もある。例えば、図10に示す例では、c流路の供給側の第1水平流路6121は、m流路の回収側の第1水平流路6221より長い。このため、供給側の第1水平流路6121の圧力損失は、回収側の第1水平流路6221の圧力損失より大きい。そこで本実施形態では、供給側の第2接続流路6122aの幅Waを回収側の第2接続流路6222aの幅より大きく形成している。これにより、供給側の流路と回収側の流路の圧力損失の差も低減することが可能になる。
以上説明したように本実施形態では、同色の2つの流路間の圧力損失の差に加え、他色流路間の圧力損失の差、及び供給側の流路と回収側の流路との圧力損失の差を低減することが可能になっている。これにより、液体吐出ヘッド1における各流路の循環流量の均一化、及び各吐出口列の回復処理の適正化を図ることができる。このため、全ての吐出口列の吐出性能において適正かつ安定した吐出性能を長期に亘り維持することができる。
(第2実施形態)
次に、本開示における第2実施形態を説明する。尚、以下に述べる実施形態(第2実施形態ないし第4実施形態等)では、第1実施形態と相違する部分を中心に説明を行い、第1実施形態と同一部分に関する詳細説明は省略する。
図12は、本実施形態における液体吐出ヘッド1の第3流路基板613を示す図である。前述の第1実施形態と同様に、第3流路基板613の一方の第2水平流路6131aには第2流路基板612の一方の第2接続流路6122aからインクが供給され、他方の第2水平流路6131bには他方の第2接続流路6123bからインクが供給される。ここで、一方の第2接続流路6122aは分岐点6123の直下に位置する流路であり、他方の第2接続流路6122bは第1水平流路6121を介して分岐点6123に接続される流路である。よって、分岐点6123から第2接続流路6122aを経て第2水平流路6131aに至る流路と、分岐点6123から第2接続流路6122bを経て第2水平流路6132bに至る流路には圧力損失の差が生じる。この圧力損失の差を第1実施形態では、第2接続流路6122bの断面積を調整(拡大)することによって低減している。
これに対し、本実施形態では、第1水平流路6121を通過したインクが供給される第2水平流路6131bの断面積を、他方の第2水平流路6131aの断面積より大きくしている。具体的には、図12に示すように、第2水平流路6131bの断面積の幅W2を、他方の第2水平流路6131aの断面積の幅W1より大きくしている。これにより、分岐点6123から第2接続流路6122aを経て第2水平流路6132aに至る流路と、分岐点6123から第2接続流路6122bを経て第2水平流路6132bに至る流路との圧力損失の差を低減することが可能になる。尚、第2水平流路6131bは、主走査方向(X方向)と直交する方向(Y方向)に延在する流路であるため、この第2水平流路6131bにおいて圧力損失を調整することで、主走査による揺動圧の影響を軽減することができる。
尚、図12では、供給側のc流路における第2水平流路6131bの断面積を第2水平流路6131aより大きくする例を示したが、回収側のc流路における第2水平流路6231bを第2水平流路6231aより大きくしてもよい。さらに、c流路に限らず、その他のインク色の流路の第2水平流路6131b、6231bの断面積を、第2水平流路6131a、6231aの断面積より大きくしてもよい。また、第1実施形態による圧力損失の調整構造と、本実施形態による圧力損失の調整構造とを組み合わせてもよい。例えば第1個別流路と第2個別流路の流路長の差に基づき、第2接続流路6122b、6222b及び第2水平流路6131b、6231bの断面積を、第2接続流路6122a、6222a及び第2水平流路6131a、6231aの断面積より大きくしてもよい。
(第3実施形態)
次に、本開示の第3実施形態を説明する。図13は、本実施形態における第2流路基板612の各流路を示す図である。図13に示す第2流路基板612では、第1接続流路611から供給されたインクが、分岐点6123において第1水平流路6121aと第1水平流路6121bとに分岐する。分岐したインクは、それぞれ第2接続流路6122aと第2接続流路6122bに流入する。ここで、一方の第1水平流路6121aと他方の第1水平流路6121bとは同一の流路長となっている。
また、回収側の流路においても、第2接続流路6222aから合流点6223に至る第2水平流路6221aと、第2接続流路6222bから合流点6223に至る第2水平流路6221bとが同一の流路長となっている。このため、同色の2本の吐出口列のうち、一方の吐出口列に連通する第1個別流路の流路長と、他方の吐出口列に連通する第2個別流路の流路長とは同一であり、各個別流路に生じる圧力損失に差は生じない。従って、同色の各個別流路のインク循環、及び同色の各吐出口列の吸引回収動作の均一化を図ることができる。
尚、本実施形態における以下の説明、及び後述の第4実施形態における説明では、供給側の第2接続流路6122aと6122bを総称的に第2接続流路6122と表記し、第1水平流路6121aと6121bを第1水平流路6121と表記する。また回収側についても同様に、第2接続流路6222aと6222bを第2接続流路6222と表記し、第1水平流路6221aと6221bを第1水平流路6221と表記する。
本実施形態における第2流路基板612では、インク色毎に設けられている複数の流路のそれぞれの流路長に差が生じている。このため、インク色毎に設けられている複数の流路のそれぞれに生じる圧力損失には差が生じる。この圧力損失の差を低減するため、第1水平流路6121及び6221が長いほど、第2接続流路6122、6222の断面積を大きくしている。
例えば、c流路における第1水平流路6121の流路長L11は、m流路における第1水平流路6121の流路長L12より長い。即ち、L12>L12となっている。このため、c流路における第2接続流路6122、6222の断面積を、m流路における第2接続流路6122、6222の断面積より大きくしている。具体的にはc流路における第2接続流路6122の幅W11を、m流路における第2接続流路6122の幅W12より大きくしている。これにより、異色の流路の流路長の差に起因する圧力損失の差を低減することが可能になり、異色の流路における循環流量のばらつき、及び吸引回復処理におけるインク吸引量のばらつきを低減することができる。また、本実施形態においても、流路の断面積を、主走査方向と直交する方向(Y方向)において調整しているため、主走査による揺動圧の変動による影響を低減することができる。
尚、異色の複数の流路のそれぞれの流路長の差に起因する圧力損失の差は、第3流路基板613に形成されている第2水平流路6131a、6131b、及び6231a、62321bの断面積を調整することによっても低減することが可能になる。第3流路基板613に形成されている第2水平流路は主走査方向に延在する流路であるため、揺動圧の影響は少なく、図13に示す例と同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、シアン、マゼンタ、イエローの3色のインクを使用する液体吐出ヘッドを想定した流路構成となっているが、第1実施形態と同様に、ブラックのインクを使用する流路を備えることも可能である。この場合、ブラックの流路においても、他のインク色の流路の流路長との差に応じて、第2接続流路や第2水平流路の断面積を調整することにより、圧力損失の差を低減することができる。
(第4実施形態)
次に、本開示の第4実施形態を説明する。図14は、本実施形態における第2流路基板612の各流路を示す図である。第3実施形態と同様に、本実施形態における第2流路基板612では、同色の2つの吐出口列のうち、一方の吐出口列に連通する第1個別流路の流路長と、他方の吐出口列に連通する第2個別流路の流路長とは同一になっている。このため、同色の各個別流路に生じる圧力損失は同一であり、同色の各個別流路のインク循環及び同色の吐出口列に対する吸引回収処理を均等に行うことができる。
一方、異色の流路間では、第1水平流路6121の流路長に差が生じており、これによって異色の流路間には、圧力損失の差が生じる。このため、第1水平流路6121が長い流路ほど、第1水平流路6121の断面積を大きくしている。図14に示す例では、c流路における第1水平流路6121の流路長L21が、m流路における第1水平流路6121の流路長L22より長くなっている。このため、m流路における第1水平流路6121の幅W21を、c流路における第1水平流路の幅W22より大きくしている。
これにより異色の流路の流路長の差に起因する圧力損失の差を低減することが可能になり、異色の流路における循環流量のばらつき、及び吸引回復処理におけるインク吸引量のばらつきを低減することができる。また、本実施形態では、走査方向と平行する方向に延在する第1水平流路6121、6221の流路断面積を拡大するため、拡大した流路において主走査による揺動圧の影響が増す可能性がある。しかし、揺動圧の影響に比べて圧力損失の差による影響の方が大きいことから、本実施形態による圧力損失の調整は有効である。特に、第1、第2実施形態のような形態をとれない場合には、本実施形態は有効である。
次に、上記各実施形態に用いる圧力調整手段の具体例を説明する。
<圧力調整手段>
図15は、上述の液体吐出ヘッド1に内蔵される圧力調整手段(第1圧力調整手段120、第2圧力調整手段150)の具体的構成及び作用を示す図である。尚、図15に示す第1圧力調整手段120と第2圧力調整手段150とは実質的に同一の構成を有している。このため、以下では、第1圧力調整手段120を例に採り説明し、第2圧力調整手段150については、図15において第1圧力調整手段に対応する部分の符号を併記するにとどめる。第2圧力調整手段150の場合には、以下で説明する第1バルブ室121を第2バルブ室151と読み替え、第1圧力制御室122を第2圧力制御室152と読み替えることとする。
第1圧力調整手段120は、円筒状の筐体125内に形成された第1バルブ室121と第1圧力制御室122とを有する。第1バルブ室121と第1圧力制御室122とは、円筒状の筐体125内に設けられた隔壁123によって隔てられている。但し、第1バルブ室121は、隔壁123に形成された連通口191を介して第1圧力制御室122に連通している。第1バルブ室121には、連通口191における第1バルブ室121と第1圧力制御室122との連通及び遮断を切り替えるバルブ190が設けられている。バルブ190は、バルブばね200によって、連通口191に対向する位置に保持されており、バルブばね200の付勢力によって隔壁123と密接可能な構成を有している。バルブ190が隔壁123に密接することにより、連通口191におけるインクの流通は遮断される。尚、隔壁123との密接性を高めるため、バルブ190の隔壁123との接触部分は弾性部材によって形成されることが好ましい。また、バルブ190の中央部には連通口191に挿通されるバルブシャフト190aが突設されている。このバルブシャフト190aをバルブばね200の付勢力に抗して押圧することにより、バルブ190は隔壁123から離間し、連通口191におけるインクの流通が可能になる。以下、バルブ190によって連通口191におけるインクの流通が遮断される状態を「閉状態」、連通口191におけるインクの流通が可能な状態を「開状態」と称す。
円筒状の筐体125の開口部は、可撓性部材230と圧力板210とにより閉塞されている。この可撓性部材230と、圧力板210と、筐体125の周壁と、隔壁123とにより、第1圧力制御室122が形成されている。圧力板210は、可撓性部材230の変位に伴って変位可能に構成されている。圧力板210及び可撓性部材230の材質は、特に限定されないが、例えば、圧力板210を樹脂成形部品で構成し、可撓性部材230を樹脂フィルムで構成することが可能である。この場合、圧力板210は可撓性部材230に熱溶着によって固定することができる。
圧力板210と隔壁123との間には、圧力調整ばね220(付勢部材)が設けられている。圧力調整ばね220の付勢力によって、圧力板210及び可撓性部材230は、図15(a)に示すように、第1圧力制御室122の内容積が広がる方向に付勢されている。また、第1圧力制御室122内の圧力が減少すると、圧力板210及び可撓性部材230は、圧力調整ばね220の圧力に抗して、第1圧力制御室122の内容積が減少する方向に変位する。そして、第1圧力制御室122の内容積が一定量まで減少すると、圧力板210がバルブ190のバルブシャフト190aに当接する。その後、更に第1圧力制御室122の内容積が減少すると、バルブばね200の付勢力に抗してバルブシャフト190aと共にバルブ190が移動し、隔壁123から離間する。これにより、連通口191が開状態(図15(b)の状態)となる。
本実施形態では、連通口191が開状態となったときの第1バルブ室121の圧力を第1圧力制御室122の圧力よりも高くなるように、循環経路内における接続設定をする。これにより、連通口191が開状態となると、第1バルブ室121から第1圧力制御室122へとインクが流入する。このインク流入により、第1圧力制御室122の内容積が増加する方向へ可撓性部材230及び圧力板210が変位する。その結果、圧力板210がバルブ190のバルブシャフト190aから離間し、バルブ190はバルブばね200の付勢力によって隔壁123に密接し、連通口191は閉状態(図15(c)の状態)となる。
このように、本実施形態における第1圧力調整手段120では、第1圧力制御室122内の圧力が一定圧力以下まで減少すると(例えば負圧が強くなると)、第1バルブ室121から連通口191を介してインクが流入する。これにより、第1圧力制御室122の圧力がそれ以上減少しないように構成されている。従って、第1圧力制御室122は一定範囲内の圧力に保たれるよう制御される。
次に、第1圧力制御室122の圧力についてより詳細に説明する。
前述のように第1圧力制御室122の圧力に応じて可撓性部材230及び圧力板210が変位し、圧力板210がバルブシャフト190aに当接して連通口191が開状態となった状態(図15(b)の状態)を考える。このとき、圧力板210に働く力の関係は、次の式1によって表される。
P2×S2+F2+(P1-P2)×S1+F1=0・・・式1
更に、式1をP2について整理すると、
P2=-(F1+F2+P1×S1)/(S2-S1)・・・式2
となる。
P1:第1バルブ室121の圧力(ゲージ圧)
P2:第1圧力制御室122の圧力(ゲージ圧)
F1:バルブばね200のばね力
F2:圧力調整ばね220のばね力
S1:バルブ190の受圧面積
S2:圧力板210の受圧面積
ここで、バルブばね200のばね力F1及び圧力調整ばね220のばね力F2は、バルブ190及び圧力板210を押す方向を正(図15において左方向)とする。また、第1バルブ室121の圧力P1及び第1圧力制御室122の圧力P2に関し、P1が、P1≧P2の関係となるように構成する。
連通口191が開状態となるときの第1圧力制御室122の圧力P2は、式2によって決定され、連通口191が開状態となると、P1≧P2の関係に構成したことにより、第1バルブ室121から第1圧力制御室122へインクが流入する。その結果、第1圧力制御室122の圧力P2はそれ以上減少せず、P2は一定範囲内の圧力に保たれる。
一方、図15(c)に示すように、圧力板210がバルブシャフト190aと非当接状態となり、連通口191が閉状態となったときの圧力板210に働く力の関係は、式3のようになる。
P3×S3+F3=0・・・式3
ここで、式3をP3について整理すると
P3=-F3/S3・・・式4
となる。
F3:圧力板210とバルブシャフト190aとが非当接状態にあるときの圧力調整ばね220のばね力
P3:圧力板210とバルブシャフト190aとが非当接状態にあるときの第1圧力制御室122の圧力(ゲージ圧)
S3:圧力板210とバルブ190が非当接状態にあるときの圧力板210の受圧面積
ここで図15(c)では、圧力板210及び可撓性部材230が変位可能な限界まで図左方向へ変位した状態を表している。圧力板210及び可撓性部材230が図15(c)の状態へと変位する間の変位量に応じて、第1圧力制御室122の圧力P3、圧力調整ばね220のばね力F3、圧力板210の受圧面積S3は変化する。具体的には、図15(c)よりも圧力板210及び可撓性部材230が図15において右方向にあるとき、圧力板210の受圧面積S3は小さくなり、圧力調整ばね220のばね力F3は大きくなる。その結果、式4の関係により第1圧力制御室122の圧力P3は小さくなる。従って、式2及び式4により、図15(b)の状態から図15(c)の状態になるまでの間に、第1圧力制御室122の圧力は徐々に上昇していく(つまり、負圧が弱くなり、正圧側に近づく値になる)。即ち、連通口191が開状態となっている状態から、圧力板210及び可撓性部材230が左方向に徐々に変位していき、最終的に第1圧力制御室122の内容積が変位可能な限界に達するまでの間に、第1圧力制御室の圧力は徐々に上昇していく。つまり、負圧が弱まっていくことになる。
次に、図16を参照しつつ上記各実施形態に用いる液体吐出ヘッド全体のインクの流れについて説明する。
<液体吐出ヘッド全体のインクの流れ>
図16は、液体吐出ヘッド内のインクの流れを説明する図である。図16を参照しつつ液体吐出ヘッド1内で行われるインクの循環について説明する。インク循環経路をより明確に説明するため、図16における各構成(第1圧力調整手段120、第2圧力調整手段150、循環ポンプ500等)の相対位置は簡略化している。そのため各構成の相対位置は後述する図19の構成とは異なる。図16(a)は吐出口13からインクを吐出して記録を行う記録動作を行っているときのインクの流れを模式的に示したものである。図中の矢印はインクの流れを示している。本実施形態において、記録動作を行う際には外部ポンプ21及び循環ポンプ500の両方が駆動を開始する。尚、記録動作に関わらず、外部ポンプ21及び循環ポンプ500が駆動していてもよい。また、外部ポンプ21と循環ポンプ500との駆動は、連動して行われなくてもよく、別個に独立して駆動されてもよい。
記録動作中は循環ポンプ500がONの状態(駆動状態)となっており、第1圧力制御室122から流出したインクは供給流路130及びバイパス流路160に流入する。供給流路130に流入したインクは、流路部材600を通過した後、回収流路140に流入し、その後、第2圧力制御室152に供給される。
一方、第1圧力制御室122からバイパス流路160に流入したインクは、第2バルブ室151を経て第2圧力制御室152に流入する。第2圧力制御室152に流入したインクは、ポンプ入口流路170、循環ポンプ500、及びポンプ出口流路180を通過した後、再び第1圧力制御室122に流入する。このとき、第1バルブ室121による制御圧力は、前述した式2の関係に基づいて、第1圧力制御室122の制御圧力よりも高く設定されている。従って、第1圧力制御室122内のインクは、第1バルブ室121に流れずに再度供給流路130を介して流路部材600に供給される。流路部材600に流入したインクは、回収流路140、第2圧力制御室152、ポンプ入口流路170、循環ポンプ500、及びポンプ出口流路180を経て、再び第1圧力制御室122に流入する。以上により液体吐出ヘッド1内で完結するインク循環が行われる。
以上のインク循環において、流路部材600内のインクの循環量(流量)は第1圧力制御室122及び第2圧力制御室152の制御圧力の差圧によって決定される。そして、この差圧は、流路部材600内の吐出口近傍のインクの増粘を抑制可能な循環量となるように設定される。また、記録によって消費された分のインクは、インクタンク2からフィルタ110、第1バルブ室121を介して第1圧力制御室122に供給される。
ここで、消費されたインクが供給される仕組みを、詳細に説明する。記録によって消費されたインクの分だけ循環経路内からインクが減ることで、第1圧力制御室内の圧力が減少し、結果として第1圧力制御室122内のインクも減少する。第1圧力制御室122内のインクの減少に伴い、第1圧力制御室122の内容積が減少する。この第1圧力制御室122の内容積の減少により、連通口191Aが開状態となり、第1バルブ室121から第1圧力制御室122にインクが供給される。この第1圧力制御室122に供給されるインクには、第1バルブ室121から連通口191Aを通過する際に圧力損失が発生し、第1圧力制御室122に流入することで、正圧のインクは、負圧の状態に切り替わる。そして、第1圧力制御室122に第1バルブ室121からインクが流入することで、第1圧力制御室内の圧力が上昇することで第1圧力制御室の内容積が増加し、連通口191Aが閉状態となる。このように、インクの消費に応じて連通口191Aは、開状態と閉状態とを繰り返すことになる。また、インクが消費されない場合には、連通口191Aは、閉状態に維持される。
図16(b)は、記録動作が終了し、循環ポンプ500がOFFの状態(停止状態)となった直後のインクの流れを模式的に示したものである。記録動作が終了し、循環ポンプ500がOFFとなった時点では、第1圧力制御室122の圧力及び第2圧力制御室152の圧力は、いずれも記録動作中の制御圧となっている。このため、第1圧力制御室122の圧力と第2圧力制御室152の圧力との差圧に応じて、図16(b)に示すようなインクの移動が生じる。具体的には第1圧力制御室122から供給流路130を介して流路部材600に供給され、その後、回収流路140を経て第2圧力制御室152に至るインクの流れが引き続き発生する。また、第1圧力制御室122からバイパス流路160及び第2バルブ室151を経て第2圧力制御室152に至るインクの流れも引き続き発生する。
これらのインクの流れによって第1圧力制御室122から第2圧力制御室152へ移動したインク量が、インクタンク2からフィルタ110及び第1バルブ室121を経て第1圧力制御室122に供給される。このため第1圧力制御室122内の内容量は一定に保たれる。前述した式2の関係から、第1圧力制御室122の内容量が一定の時は、バルブばね200のばね力F1、圧力調整ばね220のばね力F2、バルブ190の受圧面積S1、圧力板210の受圧面積S2は一定に保たれる。このため、第1バルブ室121の圧力(ゲージ圧)P1の変化に応じて第1圧力制御室122の圧力が決定される。よって第1バルブ室121の圧力P1の変化がない場合には、第1圧力制御室122の圧力P2は記録動作中の制御圧と同じ圧力に保たれる。
一方、第2圧力制御室152の圧力は、第1圧力制御室122からのインクの流入に伴う内容量の変化に応じて経時的に変化する。具体的には、図16(b)の状態から、図16(c)に示すように、連通口191が閉状態となって第2バルブ室151と第2圧力制御室152とが非連通状態となるまでの間は、式2に従って第2圧力制御室152の圧力は変化する。その後、圧力板210とバルブシャフト190aとが非当接状態となって連通口191が閉状態となる。そして、図16(d)に示すように、回収流路140から第2圧力制御室152へインクが流入する。このインクの流入によって圧力板210及び可撓性部材230が変位し、第2圧力制御室152の内容積が最大に達するまでの間は、式4に従って第2圧力制御室152の圧力は変化する。即ち上昇する。
尚、図16(c)の状態になると、第1圧力制御室122からバイパス流路160及び第2バルブ室151を経て第2圧力制御室152に至るインクの流れは発生しない。従って、第1圧力制御室122内のインクが、供給流路130を介して流路部材600に供給された後、回収流路140を経て第2圧力制御室152に至る流れのみが生じる。前述のように、第1圧力制御室122から第2圧力制御室152へのインクの移動は、第1圧力制御室122内の圧力と第2圧力制御室152内の圧力との差圧に応じて生じる。このため、第2圧力制御室152内の圧力が第1圧力制御室122内の圧力と等しくなるとインクの移動は停止する。
また、第2圧力制御室152内の圧力が第1圧力制御室122内の圧力と等しくなる状態においては、第2圧力制御室152が、図16(d)に示す状態まで拡張する。図16(d)に示すように第2圧力制御室152が拡張した場合、第2圧力制御室152には、インクを貯留できる貯留部が形成される。尚、循環ポンプ500の停止から図16(d)の状態に移行するまでは、流路の形状及びサイズ並びにインクの性質に応じて変わり得るが、概ね1~2分程度の時間で移行する。貯留部にインクを貯留した図16(d)に示す状態から循環ポンプ500を駆動すると、貯留部のインクは循環ポンプ500によって第1圧力制御室122に供給される。これにより図16(e)に示すように第1圧力制御室122のインク量は増加し、可撓性部材230及び圧力板210は拡張方向へと変位する。そして、循環ポンプ500の駆動が引き続き行われると、図16(a)に示すように、循環経路内の状態が変化することになる。
尚、上記説明においては、図16(a)は、記録動作時の例として説明したが、前述したように、記録動作を伴わずにインクの循環が行われてもよい。この場合であっても、循環ポンプ500の駆動及び停止に応じて、図16(a)~(e)に示すようなインクの流れが生じることになる。
また上述したように、本実施形態では、第2圧力調整手段150における連通口191Bは、循環ポンプ500が駆動されてインクの循環が行われる場合に開状態になり、インクの循環が停止すると、閉状態になる例を用いるが、これに限られない。第2圧力調整手段150における連通口191Bは、循環ポンプ500が駆動されてインクの循環が行われている場合であっても、閉状態であるように制御圧力を設定してもよい。以下、バイパス流路160の役割と併せて具体的に説明する。
第1圧力調整手段120と第2圧力調整手段150とを接続するバイパス流路160は、例えば循環経路内に生じた負圧が既定値よりも強まる場合に、その影響を流路部材600に及ぼさないようにするために設けられている。また、バイパス流路160は、供給流路130及び回収流路140の両側から圧力室12にインクを供給するためにも設けられている。
まず、負圧が既定値よりも強まる場合に、バイパス流路160を設けていることで、その影響を流路部材600に及ぼさないようにする例を説明する。例えば、環境温度の変化によりインクの特性(例えば粘度)が変化することがある。インクの粘度が変化すると、循環経路内の圧力損失も変化する。例えば、インクの粘性が下がると、循環経路内の圧力損失分が減少する。この結果、一定の駆動量で駆動している循環ポンプ500の流量が増加し、流路部材600を流れる流量が増えることになる。一方で、流路部材600は、不図示の温度調整機構により一定温度に保たれるため、流路部材600内のインクの粘度は、環境温度が変化しても一定に維持される。流路部材600内のインクの粘度に変化がない一方で流路部材600内を流れるインクの流量が増加する分、流抵抗により、流路部材600における負圧が強まる。このようにして、流路部材600における負圧が既定値よりも強まると、吐出口13のメニスカスが破壊され、外部の空気が循環経路内に引き込まれて、正常な吐出が行えなくなる虞がある。また、メニスカスが破壊されないとしても、圧力室12の負圧が所定よりも強まり、吐出に影響を及ぼす虞がある。
このため、本実施形態では、バイパス流路160を循環経路内に形成している。バイパス流路160を設けることで、負圧が既定値よりも強まる場合には、バイパス流路160にもインクが流れるため、流路部材600の圧力を一定に保つことができる。従って、例えば第2圧力調整手段150における連通口191Bは、循環ポンプ500を駆動中の場合であっても、閉状態を維持するような制御圧力で構成してもよい。そして、既定値よりも負圧が強まる場合に、第2圧力調整手段150における連通口191が開状態となるように、第2圧力調整手段における制御圧力を設定してもよい。つまり、環境変化などの粘度変化によるポンプの流量変化によってもメニスカスが崩壊しないか、または、所定の負圧が維持されるのであれば、循環ポンプ500が駆動している場合に、連通口191Bが閉状態であってもよい。
次に、バイパス流路160が、供給流路130及び回収流路140の両側から圧力室12にインクを供給するために設けられている例を説明する。循環経路内の圧力変動は、吐出素子15による吐出動作によっても生じ得る。吐出動作に伴い、圧力室にインクを引き込む力が生じるからである。
以下、高いデューティの記録を続ける場合に、圧力室12に供給されるインクが、供給流路130側と回収流路140側との両側供給となる点を説明する。尚、デューティは、各種条件によって定義が変わり得るが、ここでは、1200dpi格子に4plのインク滴を1発記録した状態を100%として扱うものとする。高いデューティの記録とは、例えば100%のデューティで記録が行われるものとする。
高いデューティの記録を続けると、圧力室12から回収流路140を通じて第2圧力制御室152内に流入するインク量が減る。一方で、循環ポンプ500は一定量でインクの流出を行うため、第2圧力制御室152内での流入と流出とのバランスが崩れ、第2圧力制御室152内のインクが減少し、第2圧力制御室152内の負圧が強くなり、第2圧力制御室152が縮小する。そして、第2圧力制御室152内の負圧が強くなることで、バイパス流路160を介して第2圧力制御室152へ流入するインクの流入量が増え、流出と流入とがバランスした状態で第2圧力制御室152が安定する。このように、結果的に、デューティに応じて第2圧力制御室152内の負圧は強くなっていく。また、上述したように、循環ポンプ500が駆動している場合に、連通口191Bが閉状態である構成においては、デューティに応じて連通口191Bが開状態となり、バイパス流路160から第2圧力制御室152にインクが流入することになる。
そして、更に高いデューティの記録を続けると、圧力室12から回収流路140を通じて第2圧力制御室152に流入する量が減り、代わりに、バイパス流路160を経由して連通口191Bから第2圧力制御室152内に流入する量が増えていく。この状態が更に進むと、圧力室12から回収流路140を通じて第2圧力制御室152に流入するインク量が、ゼロになり、循環ポンプ500に流出するインクは全て連通口191Bから流入するインクとなる。この状態が更に進むと、今度は第2圧力制御室152から回収流路140を通じて圧力室12にインクが逆流する。この状態では、第2圧力制御室152から循環ポンプ500に流出するインクと圧力室12に流出するインクとが、バイパス流路160を通じて連通口191Bから第2圧力制御室152に流入することになる。この場合、圧力室12には、供給流路130のインク及び回収流路140のインクが充填されて、吐出されることになる。
尚、この記録デューティが高い場合に生じるインクの逆流は、バイパス流路160を設けていることで生じる現象である。また、上記では、インクの逆流に応じて第2圧力調整手段における連通口191Bが開状態となる例を説明したが、第2圧力調整手段における連通口191Bが開状態となっている状態においてインクの逆流が生じることもある。また、第2圧力調整手段を設けない構成においても、バイパス流路160を設けていることで、上記のインクの逆流は発生し得るものである。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、2つの吐出素子基板701と702のそれぞれに、複数種(複数色)の吐出口列を1組ずつ設け、各吐出素子基板701と702のそれぞれに設けられた吐出口列群を線対称に配置した例を示したが、これに限定されない。例えば、単一の吐出素子基板に、複数種の吐出口列を主走査方向に沿って配置した2つの吐出口列群を、線対称となるように2組配置した液体吐出ヘッドにも適用可能である。
さらに、液体吐出ヘッドは、同種のインクを吐出する吐出口列を線対称に配置する構成に限定されない。即ち、対称型の液体吐出ヘッドに限定されない。本開示は、同種の吐出口列を複数備え、当該同種の複数の吐出口列に対して異なる流路を介して液体を供給する液体吐出ヘッドに適用可能である。よって、3つ以上の吐出素子基板のそれぞれに同種の吐出口列を配置した液体吐出ヘッドにも本開示は適用可能である。
また、上記実施形態では、単一の循環ユニットと、同一種類のインクを吐出する2つの吐出口列とを接続する流路を、共通流路と2つの個別流路とにより構成した例を示したが、これに限定されない。単一の循環ユニットと2つの吐出口列との接続を、共通流路を介さずに2つの個別流路のみで行うことも可能である。つまり、2つの吐出口列に連通する2つの個別流路のそれぞれを単一の循環ユニットに直接的に接続する形態を採ることも可能である。
尚、本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)
液体を吐出する吐出口を配列してなる吐出口列と当該吐出口列に連通する連通流路とを有する吐出ユニットと、
前記連通流路に対して液体の供給及び回収を行うための流路を備える流路部材と、
前記流路部材への液体の供給及び前記流路部材からの液体の回収を行う循環源と、
を備え、
前記吐出ユニットは、同種の液体を吐出する複数の吐出口列と当該複数の吐出口列に対応した複数の連通流路とを備え、
前記流路部材は、前記複数の連通流路のそれぞれと単一の前記循環源とを連通させるための複数の個別流路を含むことを特徴とする液体吐出ヘッド。
(構成2)
前記複数の個別流路のうち、流路長の長い前記個別流路は、流路長の短い個別流路より断面積が大きい部分を有することを特徴とする構成1に記載の液体吐出ヘッド。
(構成3)
前記流路部材は、前記単一の循環源に連通する共通流路をさらに含み、
前記複数の連通流路のそれぞれと前記単一の循環源とを連通させるための前記複数の個別流路は、当該共通流路における所定の接続点に接続されることを特徴とする構成1または2に記載の液体吐出ヘッド。
(構成4)
前記個別流路は、前記共通流路に連通すると共に平面方向と直交する方向に延在する接続流路を含み、
前記複数の個別流路のうち、前記接続流路から前記接続点に至る流路長が長い前記個別流路は、前記接続流路から前記接続点に至る前記流路長が短い前記個別流路に比べて前記接続流路の断面積が大きいことを特徴とする構成3に記載の液体吐出ヘッド。
(構成5)
前記個別流路は、平面方向と直交する方向に延在する接続流路と、当該接続流路から前記接続点に亘って平面方向に延在する第1平面流路とを含み、
前記複数の個別流路のうち、前記第1平面流路の流路長が長い前記個別流路は、前記第1平面流路の流路長が短い前記個別流路に比べて前記接続流路の断面積が大きいことを特徴とする構成3または4に記載の液体吐出ヘッド。
(構成6)
前記複数の個別流路のうち、少なくとも1つの前記個別流路は、平面方向に延在する第1平面流路を介して前記接続流路が前記接続点において前記共通流路に連通し、
前記第1平面流路を介して前記共通流路に連通する前記個別流路は、前記第1平面流路を介さずに前記共通流路に連通する前記個別流路に比べ、前記接続流路の断面積が大きいことを特徴とする構成5に記載の液体吐出ヘッド。
(構成7)
前記個別流路は、平面方向と直交する方向に延在する接続流路と、当該接続流路から前記接続点に亘って平面方向に延在する第1平面流路とを含み、
前記複数の個別流路のうち、前記第1平面流路の流路長が長い前記個別流路は、前記第1平面流路の流路長が短い前記個別流路に比べて前記第1平面流路の断面積が大きいことを特徴とする構成3ないし6のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
(構成8)
前記個別流路は、前記接続流路及び前記第1平面流路を介して前記共通流路に連通すると共に前記平面方向に延在する複数の第2平面流路を含み、
前記複数の個別流路のうち、前記第2平面流路から前記接続点に至る流路長が長い前記個別流路は、前記第2平面流路から前記接続点に至る流路長が短い前記個別流路に比べて前記第2平面流路の断面積が大きいことを特徴とする構成5ないし7のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
(構成9)
前記個別流路は、平面方向と直交する方向に延在する接続流路と、当該接続流路から前記接続点に亘って平面方向に延在する第1平面流路とを含み、
前記複数の個別流路のそれぞれに含まれる前記第1平面流路は互いに同一の流路長を有していることを特徴とする構成3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
(構成10)
前記吐出ユニット、前記流路部材、前記循環源は、複数種の液体のそれぞれに対応して複数設けられていることを特徴とする構成1ないし9のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
(構成11)
複数種の液体のそれぞれに対応して設けられた前記複数の個別流路のうち、流路長の長い前記個別流路は、流路長の短い前記個別流路より断面積が大きい部分を有することを特徴とする構成10に記載の液体吐出ヘッド。
(構成12)
前記流路部材は、単一の前記循環源に連通する共通流路と、当該共通流路との接続点に接続される複数の個別流路とを含み、
前記個別流路は、平面方向と直交する方向に延在する接続流路と、当該接続流路から前記接続点に亘って平面方向に延在する第1平面流路とを含むことを特徴とする構成10または11に記載の液体吐出ヘッド。
(構成13)
異なる種類の液体のそれぞれに対応して設けられた前記個別流路のうち、前記第1平面流路の流路長が長い前記個別流路は、前記第1平面流路の流路長が短い前記個別流路に比べて前記接続流路の断面積が大きいことを特徴とする構成12に記載の液体吐出ヘッド。
(構成14)
異なる種類の液体のそれぞれに対応して設けられた前記個別流路のうち、前記第1平面流路の流路長が長い前記個別流路は、前記第1平面流路の流路長が短い前記個別流路に比べて前記第1平面流路の断面積が大きいことを特徴とする構成12または13に記載の液体吐出ヘッド。
(構成15)
前記共通流路は、前記単一の循環源に連通する供給側の共通流路と前記単一の循環源に連通する回収側の共通流路とを備え、
前記個別流路は、前記供給側の共通流路から供給された液体を前記連通流路に供給する供給側の個別流路と、前記連通流路から流出する液体を前記回収側の共通流路へと導く回収側の個別流路と、を備えることを特徴とする構成3ないし14のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
(構成16)
前記供給側の個別流路と前記回収側の個別流路のうち、流路長の長い個別側流路は、流路長の短い個別流路より断面積が大きいことを特徴とする構成15に記載の液体吐出ヘッド。
(構成17)
前記吐出ユニット、前記流路部材、及び前記循環源は、主走査方向に沿って移動するキャリッジに搭載されることを特徴とする構成1ないし16のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
(構成18)
前記複数の連通流路のそれぞれに連通する前記複数の個別流路のうち、流路長の長い前記個別流路は、流路長の短い個別流路より前記主走査方向において大きな幅の断面を有することを特徴とする構成17に記載の液体吐出ヘッド。
(構成19)
前記吐出ユニット、前記流路部材、及び前記循環源は、主走査方向に沿って移動するキャリッジに搭載され、
前記第2平面流路は、前記主走査方向と直交する方向に延在していることを特徴とする構成8ないし18のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
(構成20)
前記吐出ユニットは、異なる種類の液体を吐出する複数の吐出口列を主走査方向に沿って配置した2つの吐出口列群を備え、
前記2つの吐出口列群それぞれの前記吐出口列は、当該吐出口列群の間の主走査方向と直交する直線を基準として線対称となるように配置されていることを特徴とする構成1ないし19のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
(構成21)
前記2つの吐出口列群は、主走査方向に沿って配置された2つの吐出素子基板にそれぞれ配置されていることを特徴とする構成20に記載の液体吐出ヘッド。
(構成22)
記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段による記録媒体の搬送方向と交差する主走査方向に移動する液体吐出ヘッドとを備える液体吐出装置であって、
前記液体吐出ヘッドは、
液体を吐出する吐出口を配列してなる吐出口列と当該吐出口列に連通する連通流路とを有する吐出ユニットと、
前記連通流路に対して液体の供給及び回収を行うための流路を備える流路部材と、
前記流路部材への液体の供給及び前記流路部材からの液体の回収を行う循環源と、
を備え、
前記吐出ユニットは、同種の液体を吐出する複数の吐出口列と当該複数の吐出口列に対応した複数の連通流路とを備え、
前記流路部材は、前記複数の連通流路のそれぞれと単一の前記循環源とを連通させるための複数の個別流路を含むことを特徴とする液体吐出装置。
1 液体吐出ヘッド
13 吐出口
14 連通流路
54 循環ユニット
600 流路部材
700 吐出ユニット
701c、701m、701y、701k 吐出口列
701c、701m、701y、701k 吐出口列

Claims (22)

  1. 液体を吐出する吐出口を配列してなる吐出口列と当該吐出口列に連通する連通流路とを有する吐出ユニットと、
    前記連通流路に対して液体の供給及び回収を行うための流路を備える流路部材と、
    前記流路部材への液体の供給及び前記流路部材からの液体の回収を行う循環源と、
    を備え、
    前記吐出ユニットは、同種の液体を吐出する複数の吐出口列と当該複数の吐出口列に対応した複数の連通流路とを備え、
    前記流路部材は、前記複数の連通流路のそれぞれと単一の前記循環源とを連通させるための複数の個別流路を含むことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記複数の個別流路のうち、流路長の長い前記個別流路は、流路長の短い個別流路より断面積が大きい部分を有することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記流路部材は、前記単一の循環源に連通する共通流路をさらに含み、
    前記複数の連通流路のそれぞれと前記単一の循環源とを連通させるための前記複数の個別流路は、当該共通流路における所定の接続点に接続されることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記個別流路は、前記共通流路に連通すると共に平面方向と直交する方向に延在する接続流路を含み、
    前記複数の個別流路のうち、前記接続流路から前記接続点に至る流路長が長い前記個別流路は、前記接続流路から前記接続点に至る前記流路長が短い前記個別流路に比べて前記接続流路の断面積が大きいことを特徴とする請求項3項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記個別流路は、平面方向と直交する方向に延在する接続流路と、当該接続流路から前記接続点に亘って平面方向に延在する第1平面流路とを含み、
    前記複数の個別流路のうち、前記第1平面流路の流路長が長い前記個別流路は、前記第1平面流路の流路長が短い前記個別流路に比べて前記接続流路の断面積が大きいことを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記複数の個別流路のうち、少なくとも1つの前記個別流路は、平面方向に延在する第1平面流路を介して前記接続流路が前記接続点において前記共通流路に連通し、
    前記第1平面流路を介して前記共通流路に連通する前記個別流路は、前記第1平面流路を介さずに前記共通流路に連通する前記個別流路に比べ、前記接続流路の断面積が大きいことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記個別流路は、平面方向と直交する方向に延在する接続流路と、当該接続流路から前記接続点に亘って平面方向に延在する第1平面流路とを含み、
    前記複数の個別流路のうち、前記第1平面流路の流路長が長い前記個別流路は、前記第1平面流路の流路長が短い前記個別流路に比べて前記第1平面流路の断面積が大きいことを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記個別流路は、前記接続流路及び前記第1平面流路を介して前記共通流路に連通すると共に前記平面方向に延在する複数の第2平面流路を含み、
    前記複数の個別流路のうち、前記第2平面流路から前記接続点に至る流路長が長い前記個別流路は、前記第2平面流路から前記接続点に至る流路長が短い前記個別流路に比べて前記第2平面流路の断面積が大きいことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記個別流路は、平面方向と直交する方向に延在する接続流路と、当該接続流路から前記接続点に亘って平面方向に延在する第1平面流路とを含み、
    前記複数の個別流路のそれぞれに含まれる前記第1平面流路は互いに同一の流路長を有していることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 前記吐出ユニット、前記流路部材、前記循環源は、複数種の液体のそれぞれに対応して複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 複数種の液体のそれぞれに対応して設けられた前記複数の個別流路のうち、流路長の長い前記個別流路は、流路長の短い前記個別流路より断面積が大きい部分を有することを特徴とする請求項10に記載の液体吐出ヘッド。
  12. 前記流路部材は、単一の前記循環源に連通する共通流路と、当該共通流路との接続点に接続される複数の個別流路とを含み、
    前記個別流路は、平面方向と直交する方向に延在する接続流路と、当該接続流路から前記接続点に亘って平面方向に延在する第1平面流路とを含むことを特徴とする請求項10または11に記載の液体吐出ヘッド。
  13. 異なる種類の液体のそれぞれに対応して設けられた前記個別流路のうち、前記第1平面流路の流路長が長い前記個別流路は、前記第1平面流路の流路長が短い前記個別流路に比べて前記接続流路の断面積が大きいことを特徴とする請求項12に記載の液体吐出ヘッド。
  14. 異なる種類の液体のそれぞれに対応して設けられた前記個別流路のうち、前記第1平面流路の流路長が長い前記個別流路は、前記第1平面流路の流路長が短い前記個別流路に比べて前記第1平面流路の断面積が大きいことを特徴とする請求項12に記載の液体吐出ヘッド。
  15. 前記共通流路は、前記単一の循環源に連通する供給側の共通流路と前記単一の循環源に連通する回収側の共通流路とを備え、
    前記個別流路は、前記供給側の共通流路から供給された液体を前記連通流路に供給する供給側の個別流路と、前記連通流路から流出する液体を前記回収側の共通流路へと導く回収側の個別流路と、を備えることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
  16. 前記供給側の個別流路と前記回収側の個別流路のうち、流路長の長い個別側流路は、流路長の短い個別流路より断面積が大きいことを特徴とする請求項15に記載の液体吐出ヘッド。
  17. 前記吐出ユニット、前記流路部材、及び前記循環源は、主走査方向に沿って移動するキャリッジに搭載されることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  18. 前記複数の連通流路のそれぞれに連通する前記複数の個別流路のうち、流路長の長い前記個別流路は、流路長の短い個別流路より前記主走査方向において大きな幅の断面を有することを特徴とする請求項17に記載の液体吐出ヘッド。
  19. 前記吐出ユニット、前記流路部材、及び前記循環源は、主走査方向に沿って移動するキャリッジに搭載され、
    前記第2平面流路は、前記主走査方向と直交する方向に延在していることを特徴とする請求項8に記載の液体吐出ヘッド。
  20. 前記吐出ユニットは、異なる種類の液体を吐出する複数の吐出口列を主走査方向に沿って配置した2つの吐出口列群を備え、
    前記2つの吐出口列群それぞれの前記吐出口列は、当該吐出口列群の間の主走査方向と直交する直線を基準として線対称となるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  21. 前記2つの吐出口列群は、主走査方向に沿って配置された2つの吐出素子基板にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項20に記載の液体吐出ヘッド。
  22. 記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段による記録媒体の搬送方向と交差する主走査方向に移動する液体吐出ヘッドとを備える液体吐出装置であって、
    前記液体吐出ヘッドは、
    液体を吐出する吐出口を配列してなる吐出口列と当該吐出口列に連通する連通流路とを有する吐出ユニットと、
    前記連通流路に対して液体の供給及び回収を行うための流路を備える流路部材と、
    前記流路部材への液体の供給及び前記流路部材からの液体の回収を行う循環源と、
    を備え、
    前記吐出ユニットは、同種の液体を吐出する複数の吐出口列と当該複数の吐出口列に対応した複数の連通流路とを備え、
    前記流路部材は、前記複数の連通流路のそれぞれと単一の前記循環源とを連通させるための複数の個別流路を含むことを特徴とする液体吐出装置。
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