JP2023170015A - 荷電粒子線装置および試料観察方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置を簡素化できる荷電粒子線装置を提供する。【解決手段】本発明に係る荷電粒子線装置は、荷電粒子線を試料に照射する照射光学系と、試料を透過した荷電粒子線を光に変換する蛍光面42を有する蛍光部材と、試料を透過した荷電粒子線で蛍光面42に結像する結像光学系と、蛍光面42に対して光軸A4が垂直に配置され、蛍光面で可視化された像を撮影するカメラ70と、蛍光面42で変換された光を検出する光検出器と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、荷電粒子線装置および試料観察方法に関する。
走査透過電子顕微鏡(STEM)では、電子プローブで試料を走査し、試料を透過した電子のうち試料で散乱した電子を円環状の検出器で検出することによって暗視野STEM像を取得できる。また、走査透過電子顕微鏡では、電子プローブで試料を走査し、試料を透過した電子のうち試料で散乱されずに透過した電子、および小さい角度で散乱した電子を円盤状の検出器で検出することによって明視野STEM像を取得できる。
特許文献1には、暗視野STEM像を取得するための円環状の検出器と、環状明視野STEM像を取得するための円環状の検出器と、明視野STEM像を取得するための円盤状の検出器を備えた走査透過電子顕微鏡が開示されている。
特許文献1では、暗視野STEM像を取得するための第1円環状検出器の下に、環状明視野STEM像を取得するための第2円環状検出器が配置され、第2円環状検出器の下に明視野STEM像を取得するための円盤状検出器が配置されている。特許文献1の走査透過電子顕微鏡では、第1円環状検出器の中心の孔を通過した電子のうちの小さい角度で散乱した電子を第2円環状検出器で検出し、第2円環状検出器の中心の孔を通過した電子を円盤状検出器で検出する。そのため、特許文献1の走査透過電子顕微鏡では、暗視野STEM像、環状明視野STEM像、および明視野STEM像を同時に取得できる。
特開2010-257883号公報
走査透過電子顕微鏡では、結晶性の試料を観察する場合に、電子線の入射方向を結晶の晶帯軸に合わせて観察を行う。電子線の入射方向を結晶の晶帯軸に合わせる方位合わせは、電子回折パターンを用いて行われる。走査透過電子顕微鏡では、例えば、蛍光板等で可視化された電子回折パターンをカメラで撮影することで、電子回折パターンを取得できる。
特許文献1の走査透過電子顕微鏡では、第1円環状検出器、第2円環状検出器、および円盤状検出器が光軸に沿って配置されている。このような走査透過電子顕微鏡において、電子回折パターンを撮影するために、電子回折パターンを可視化する蛍光板および蛍光板で可視化された電子回折パターンを撮影するカメラを追加すると、装置の部品点数が多くなってしまい、装置を簡素化できない。
本発明に係る荷電粒子線装置の一態様は、
荷電粒子線を試料に照射する照射光学系と、
前記試料を透過した荷電粒子線を光に変換する蛍光面を有する蛍光部材と、
前記試料を透過した荷電粒子線で前記蛍光面に結像する結像光学系と、
前記蛍光面に対して光軸が垂直に配置され、前記蛍光面で可視化された像を撮影するカメラと、
前記蛍光面で変換された光を検出する光検出器と、
を含む。
このような荷電粒子線装置では、蛍光部材が、カメラを用いて結像光学系で結像された像を可視化する機能と、光検出器を用いて荷電粒子線を検出するために荷電粒子線を光に変換する機能と、を兼ねている。したがって、このような荷電粒子線装置では、例えば、カメラ用の蛍光板と、光検出器用の蛍光板をそれぞれ設ける場合と比べて、部品点数を減らすことができ、装置を簡素化できる。
本発明に係る試料観察方法の一態様は、
荷電粒子線を試料に照射する照射光学系と、
前記試料を透過した荷電粒子線を光に変換する蛍光面を有する蛍光部材と、
前記試料を透過した荷電粒子線で前記蛍光面に結像する結像光学系と、
前記蛍光面に対して光軸が垂直に配置され、前記蛍光面で可視化された像を撮影するカメラと、
前記蛍光面で変換された光を検出する光検出器と、
を含む、荷電粒子線装置における試料観察方法であって、
前記照射光学系で荷電粒子線を偏向させて、荷電粒子線で前記試料を走査し、
前記試料を透過した荷電粒子線を前記蛍光面で光に変換し、変換された光を前記光検出器で検出して走査像を取得し、かつ、前記蛍光面で可視化された像を前記カメラで撮影して前記像を取得する。
このような試料観察方法では、蛍光部材が、カメラを用いて結像光学系で結像された像を可視化する機能と、光検出器を用いて荷電粒子線を検出するために荷電粒子線を光に変換する機能と、を兼ねている。そのため、このような試料観察方法では、光検出器を出し入れすることなく、走査像と蛍光面で可視化された像を取得できる。
第1実施形態に係る走査透過電子顕微鏡の構成を示す図。 電子光学系の構成を示す図。 蛍光板を模式的に示す断面図。 第1実施形態に係る走査透過電子顕微鏡における試料観察方法の一例を示す図。 第1実施形態に係る走査透過電子顕微鏡における試料観察方法を説明するための図。 第1実施形態に係る走査透過電子顕微鏡における試料観察方法を説明するための図。 比較例に係る走査透過電子顕微鏡の構成を示す図。 蛍光板の蛍光面に対してカメラの光軸が垂直でない場合を示す図。 第1実施形態に係る走査透過電子顕微鏡における試料観察方法の変形例を示す図。 第1実施形態に係る走査透過電子顕微鏡における試料観察方法の変形例を説明するための図。 第2実施形態に係る走査透過電子顕微鏡の構成を示す図。 蛍光板を模式的に示す断面図。 第3実施形態に係る走査透過電子顕微鏡の構成を示す図。 第4実施形態に係る走査透過電子顕微鏡の構成を示す図。 第5実施形態に係る走査透過電子顕微鏡の構成を示す図。 第5実施形態に係る走査透過電子顕微鏡の構成を示す図。 第5実施形態に係る走査透過電子顕微鏡における試料観察方法の一例を示す図。 第5実施形態に係る走査透過電子顕微鏡における試料観察方法を説明するための図。 第6実施形態に係る走査透過電子顕微鏡の構成を示す図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 第1実施形態
1.1. 走査透過電子顕微鏡
まず、第1実施形態に係る走査透過電子顕微鏡について図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る走査透過電子顕微鏡100の構成を示す図である。
走査透過電子顕微鏡100は、図1に示すように、鏡筒10と、試料ステージ20と、暗視野像検出器30と、蛍光板40(蛍光部材の一例)と、明視野像検出器60(光検出器の一例)と、カメラ70と、画像処理部72と、を含む。走査透過電子顕微鏡100では、プローブで試料Sを走査して得られる走査像として、暗視野STEM像、および明視野STEM像を取得できる。
鏡筒10は、電子光学系を収容している。図2は、電子光学系2の構成を示す図である。
電子光学系2は、電子線EBを発生させる電子線源11と、電子線EBを試料Sに照射する照射光学系4と、試料Sを透過した電子線EBで結像する結像光学系6と、を含む。照射光学系4は、電子線EBを収束して電子プローブを形成し、電子線EBを偏向させることによって電子プローブで試料Sを走査する。結像光学系6は、試料Sを透過した電子線EBで蛍光面42に結像する。
電子線源11は、電子線EBを放出する。電子線源11は、例えば、陰極から放出された電子を陽極で加速し電子線EBを放出する電子銃である。
照射光学系4は、照射レンズ12と、走査偏向器14と、を含む。
照射レンズ12は、電子線源11から放出された電子線EBを収束して電子プローブを形成する。対物レンズ16が試料Sの前方につくる前方磁界は、照射レンズ12とともに電子プローブを形成するためのレンズとして機能する。すなわち、対物レンズ16の前方磁界がつくるレンズは、照射光学系4を構成する。
走査偏向器14は、電子線EBを二次元的に偏向させる。走査偏向器14で電子線EBを二次元的に偏向させることによって、電子プローブで試料Sを走査できる。走査偏向器14は、例えば、磁場を発生させて電子線EBを偏向させる走査コイルである。
対物レンズ16は、試料Sの前方に前方磁界をつくり、試料Sの後方に後方磁界をつくる。対物レンズ16は、照射レンズ12とともに電子線EBを収束する。また、対物レンズ16は、試料Sを透過した電子で結像するための初段のレンズとして機能する。対物レンズ16の後焦点面には電子回折パターンが形成される。
結像光学系6は、結像レンズ系18を含む。結像レンズ系18は、対物レンズ16で形
成された電子回折パターンを拡大し、蛍光板40の蛍光面42上に結像する。対物レンズ16の後方磁界がつくるレンズは、結像光学系6を構成する。
試料ステージ20は、図1に示すように、試料ホルダー22に保持された試料Sを支持している。試料ステージ20は、試料Sを傾斜させる傾斜機構、および試料Sを水平方向に移動させる水平移動機構、および試料Sを鉛直方向に移動させる鉛直移動機構を有している。試料ステージ20によって試料Sを位置決めできる。
暗視野像検出器30、蛍光板40、明視野像検出器60、およびカメラ70は、検出室8に配置されている。検出室8は、鏡筒10に接続されている。
暗視野像検出器30は、試料Sで回折された電子を検出する。暗視野像検出器30で検出された電子の強度を電子プローブの位置に対応させることで、暗視野STEM像を得ることができる。暗視野像検出器30は、円環状の検出領域を有している。暗視野像検出器30では、試料Sを透過した電子のうち、散乱または回折を起こさずに透過した透過波を通過させ、試料Sを透過した電子のうち、回折を起こした回折波を検出する。
暗視野像検出器30は、円環状のシンチレータ32と、ライトガイド34と、光電子増倍管36と、を含む。暗視野像検出器30では、シンチレータ32が電子を光に変換し、ライトガイド34が光を光電子増倍管36に導き、光電子増倍管36が光を電気信号に変換する。
円環状のシンチレータ32の孔の中心は、電子光学系2の光軸A2上に位置している。電子光学系2の光軸A2は、照射光学系4の光軸、および結像光学系6の光軸と一致する。電子光学系2の光軸A2は、電子光学系2を構成する各光学素子(レンズや偏向器など)の中心を通る対称軸である。
シンチレータ32の蛍光面は、光軸A2に対して傾いている。例えば、シンチレータ32の蛍光面は、光軸A2に対して45°傾いている。シンチレータ32の蛍光面は、斜め上を向いている。シンチレータ32の蛍光面は円環状であり、当該蛍光面が電子を検出可能な検出領域となる。
ライトガイド34は、例えば、ガラスまたはアクリル樹脂などからなるパイプである。シンチレータ32が発した光は、ライトガイド34に入射する。ライトガイド34は、光が入射する入射端面と、光が射出される射出端面と、を有している。入射端面は、蛍光面を向いており、シンチレータ32が発した光が入射する。射出端面は光電子増倍管36に接続されている。ライトガイド34は、光軸A2に対して直交する方向に延在している。
光電子増倍管36は、ライトガイド34で導かれた光を電子に変換し、増幅して電気信号を得る。この電気信号を用いて、暗視野STEM像を取得できる。
走査透過電子顕微鏡100は、暗視野像検出器30(シンチレータ32)を検出室8に対して出し入れする機構を有している。暗視野像検出器30を使用する場合には、暗視野像検出器30を検出室8に挿入し、使用しないときは検出室8から引き出す。暗視野像検出器30を検出室8から引き出すことによって、試料Sを透過した電子が暗視野像検出器30(シンチレータ32)に遮られない。図1は、暗視野像検出器30を使用している状態を図示している。
蛍光板40は、試料Sを透過した電子を光に変換する。蛍光板40は、暗視野像検出器30の後方に配置されている。蛍光板40には、暗視野像検出器30の円環状のシンチレ
ータ32の中心の孔を通過した電子が入射する。すなわち、蛍光板40の蛍光面42には、円環状の検出領域の内側を通過した電子が入射する。
図3は、蛍光板40を模式的に示す断面図である。
蛍光板40は、図3に示すように、基板44と、シンチレータを含むシンチレータ層46と、を含む。基板44は、例えば、金属板である。シンチレータ層46は、基板44上に配置されている。シンチレータ層46は、例えば、シンチレータ(蛍光体)と、バインダー樹脂と、を含む。シンチレータは、入射した電子を光に変換する。シンチレータ層46(シンチレータ)によって蛍光面42に結像された像を可視化できる。
蛍光板40は、シンチレータ層46で構成された蛍光面42を有しており、結像光学系6によって蛍光面42に電子回折パターンが結像される。これにより、電子回折パターンを可視化できる。
蛍光板40の蛍光面42は、光軸A2に対して傾いている。例えば、蛍光面42は、光軸A2に対して45°傾いている。蛍光面42は、斜め上を向いている。蛍光面42は円盤状であり、電子を検出可能な検出領域となる。
蛍光板40は、明視野像検出器60に固定された支持部材50によって支持されている。蛍光板40は、例えば、蛍光面42の中心が光軸A2上に位置するように配置されている。
明視野像検出器60は、蛍光板40が発した光を検出する。明視野像検出器60は、ライトガイド64と、光電子増倍管66と、を含む。明視野像検出器60では、蛍光板40が電子を光に変換し、ライトガイド64が光を光電子増倍管66に導き、光電子増倍管66が光を電気信号に変換する。
ライトガイド64は、例えば、ガラスまたはアクリル樹脂などからなるパイプである。蛍光板40が発した光は、ライトガイド64に入射する。ライトガイド64は、光が入射する入射端面と、光が射出される射出端面と、を有している。入射端面は、蛍光面42を向いており、射出端面は光電子増倍管66に接続されている。ライトガイド64は、光軸A2に対して直交する方向に延在している。
光電子増倍管66は、ライトガイド64で導かれた光を電子に変換し、増幅して電気信号を得る。この電気信号を用いて、明視野STEM像を取得できる。
カメラ70は、CCD(charge coupled device)カメラやCMOS(complementary metal oxide semiconductor)カメラなどのデジタルカメラである。カメラ70は、蛍光板40で可視化された像を二次元画像として記録する。カメラ70は、例えば、蛍光板40に可視化された電子回折パターン等を撮影する。
カメラ70の光軸A4は、蛍光面42に対して垂直である。すなわち、カメラ70の光軸A4は、蛍光面42の垂線に平行である。図示の例では、カメラ70の光軸A4と電子光学系2の光軸A2とがなす角度は、45°である。光軸A4は、カメラ70を構成する光学系の中心を通る対称軸である。
画像処理部72は、カメラ70で撮影された画像を処理して、LCD(Liquid Crystal
Display)などの表示部に表示させる。
走査透過電子顕微鏡100では、蛍光面42が光軸A2に対して傾いている。そのため、蛍光面42に結像された像は、歪む。したがって、画像処理部72は、カメラ70で撮影された像を台形補正する。この結果、蛍光面42が光軸A2に対して傾いていることによる像の歪みを補正できる。
画像処理部72の機能は、例えば、各種プロセッサ(CPU、DSP等)で記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより実現できる。なお、画像処理部72の機能の少なくとも一部を、ASIC(ゲートアレイ等)などの専用回路により実現してもよい。
1.2. 試料観察方法
次に、走査透過電子顕微鏡100における試料観察方法について説明する。図4は、走査透過電子顕微鏡100における試料観察方法の一例を示す図である。図5および図6は、走査透過電子顕微鏡100における試料観察方法を説明するための図である。なお、図6では、便宜上、シンチレータ32の蛍光面を、光軸A2に対して垂直に図示している。
まず、図5に示すように、暗視野像検出器30を引き出す(S100)。これにより、シンチレータ32で試料Sを透過した電子が暗視野像検出器30に遮られない。したがって、蛍光板40の蛍光面42には、透過波および回折波が入射する。蛍光面42には、電子回折パターンが結像される。
次に、電子回折パターンで試料Sの結晶方位を確認する(S102)。
試料Sの目的の領域を電子プローブで走査し、結像レンズ系18によって試料Sを透過した電子で電子回折パターンを蛍光面42に結像させる。蛍光面42に結像された電子回折パターンは、蛍光板40で可視化される。可視化された電子回折パターンをカメラ70で撮影し、画像処理部72で台形補正することによって、表示部に電子回折パターンが表示される。表示部に表示された電子回折パターンから試料Sの結晶方位を確認できる。
次に、電子回折パターンに基づいて試料Sの結晶方位が電子線の入射方向にあっているか否かを判定する(S104)。具体的には、電子回折パターンを見て、所望の結晶方位が電子線の入射方向に一致しているか否かを判定する。図示の例では、電子線は、光軸A2に沿って試料Sに入射する。
結晶方位があっていないと判定した場合(S104のNo)、試料ステージ20で試料Sを傾斜させて、所望の結晶方位を電子線の入射方向に合わせる(S106)。試料Sを傾ける方向および試料Sの傾きの大きさは、電子回折パターンから判断できる。そのため、電子回折パターンに基づいて、所望の結晶方位が電子線の入射方向と一致するように試料Sを傾ける。
ここで、試料ステージ20を用いて試料Sを傾けると試料Sが水平方向に移動してしまい、試料Sの位置がずれてしまう。
そのため、試料ステージ20で試料Sを水平方向に移動させて、試料Sの位置合わせを行う(S108)。これにより、試料Sを傾斜させる前の位置に戻すことができ、目的の領域を観察できる。
本工程S108では、試料Sを透過した電子を明視野像検出器60で検出して得られたSTEM像を用いて、試料Sの位置を確認する。
試料Sを電子プローブで走査し、結像レンズ系18によって試料Sを透過した電子で蛍
光面42に電子回折パターンを結像させる。蛍光面42において電子は光に変換される。この光を明視野像検出器60で検出することによってSTEM像を取得できる。このSTEM像は、透過波の情報および回折波の情報を含む像となる。このSTEM像を見ながら、試料Sを傾斜させる前に観察していた領域が視野に含まれるように試料ステージ20を動作させる。これにより、試料Sの位置合わせを行うことができる。
工程S108の後、工程S102に戻って、結晶方位を確認し(S102)、電子回折パターンに基づいて試料Sの結晶方位が電子線の入射方向にあっているか否かを判定し(S104)、試料Sの結晶方位を合わせ(S106)、試料Sの位置合わせを行う(S108)。このように、目的の領域において結晶方位が合うまで、工程S102、工程S104、工程S106、工程S108を繰り返す。
目的の領域において結晶方位があった場合、すなわち、目的の領域において試料Sの結晶方位が電子線の入射方向に一致した場合(S104のYes)、図6に示すように、暗視野像検出器30を検出室8に挿入し(S110)、暗視野STEM像、明視野STEM像、および蛍光板40で可視化された像(ダイレクトスポットの画像)を取得する(S112)。
走査透過電子顕微鏡100では、暗視野STEM像、明視野STEM像、および蛍光板40で可視化された像を同時に取得できる。
図6に示すように、電子光学系2で電子線EBを試料Sに照射すると、試料Sで回折された回折波が暗視野像検出器30のシンチレータ32上に入射し、試料Sで回折されずに透過した透過波がシンチレータ32の中心の孔を通過して蛍光板40の蛍光面42に入射する。
照射光学系4によって電子プローブで試料Sを走査し、試料Sの各点の回折波を暗視野像検出器30で検出することによって、暗視野像を取得できる。さらに、試料Sの各点の透過波を、蛍光板40によって光に変換し、変換された光を明視野像検出器60で検出することによって、明視野STEM像を取得できる。さらに、蛍光板40で可視化された透過波をカメラ70で撮影することによって、透過波の画像、すなわち、ダイレクトスポットの画像を取得できる。ダイレクトスポットの画像は、画像処理部72において台形補正される。これにより、蛍光面42が光軸A2に対して傾いていることに起因する画像の歪みが補正される。
このようにして、走査透過電子顕微鏡100において、暗視野STEM像、明視野STEM像、およびダイレクトスポットの画像を取得できる。取得した暗視野STEM像、明視野STEM像、およびダイレクトスポットの画像は、表示部に表示される。
1.3. 効果
走査透過電子顕微鏡100では、電子線EBを試料Sに照射する照射光学系4と、試料Sを透過した電子を光に変換する蛍光面42を有する蛍光板40と、試料Sを透過した電子線EBで蛍光面42に結像する結像光学系6と、蛍光面42に対して光軸A4が垂直に配置され、蛍光面42で可視化された像を撮影するカメラ70と、蛍光面42で変換された光を検出する明視野像検出器60と、を含む。
走査透過電子顕微鏡100では、蛍光板40が、カメラ70を用いて結像光学系6で結像された像を可視化する機能と、明視野像検出器60を用いて試料Sを透過した電子を検出するために電子を光に変換する機能と、を兼ねている。したがって、走査透過電子顕微鏡100では、例えば、カメラ用の蛍光板と、明視野検出器用の蛍光板をそれぞれ設ける
場合と比べて、部品点数を減らすことができ、装置を簡素化できる。
走査透過電子顕微鏡100では、カメラ70を用いて蛍光面42で可視化された電子回折パターンを撮影でき、明視野像検出器60を用いて蛍光面42で変換された光を検出できる。そのため、走査透過電子顕微鏡100では、明視野像検出器60を出し入れすることなく、電子回折パターンとSTEM像を取得できる。したがって、走査透過電子顕微鏡100では、容易に、目的の領域の結晶方位を電子線の入射方向に合わせることができる。
図7は、比較例に係る走査透過電子顕微鏡101の構成を示す図である。走査透過電子顕微鏡101では、明視野像検出器160の後方に、カメラ170が配置されている。明視野像検出器160は、電子を光に変換するシンチレータと、シンチレータが発した光を伝搬するライトガイドと、ライトガイドで伝搬された光を検出する光電子増倍管と、を含む。カメラ170は、シンチレータと、シンチレータで可視化された像を撮影するCCDイメージセンサーと、を含む。
走査透過電子顕微鏡101では、図7に示すように、カメラ170が明視野像検出器160の後方に配置されているため、明視野像検出器160を引き出さなければ、カメラ170を使用できない。したがって、試料Sの結晶方位を合わせるためには、明視野像検出器160を引き出してカメラ170で電子回折パターンを撮影し、試料Sの結晶方位を合わせる工程と、明視野像検出器160を挿入して明視野像検出器160でSTEM像を取得し、試料Sの位置合わせを行う工程を繰り返さなければならない。
これに対して、走査透過電子顕微鏡100では、図6に示すように、明視野像検出器60を出し入れすることなく、電子回折パターンとSTEM像を取得できるため、容易に、目的の領域の結晶方位を電子線の入射方向に合わせることができる。
走査透過電子顕微鏡100では、蛍光板40が、像を可視化する機能と、試料Sを透過した電子を検出するために電子を光に変換する機能と、を兼ねているため、図7に示す走査透過電子顕微鏡101に比べて、装置を低くできる。
走査透過電子顕微鏡100では、蛍光面42に対してカメラ70の光軸A4が垂直に配置されているため、蛍光面42の広い範囲にピントをあわせることができる。
図8は、蛍光板40の蛍光面42に対してカメラ70の光軸A4が垂直でない場合を示す図である。
図8に示すように、蛍光面42に対して光軸A4が垂直でない場合、蛍光面42において、カメラ70の手前側と奥側でピントがずれてしまう。これに対して、走査透過電子顕微鏡100では、蛍光面42に対してカメラ70の光軸A4が垂直であるため、蛍光面42の広い範囲にピントをあわせることができる。
走査透過電子顕微鏡100は、試料Sを透過した電子を検出する円環状の検出領域を有する暗視野像検出器30を含み、蛍光面42には、円環状の検出領域(シンチレータ32)の内側を通過した電子線EBが照射される。そのため、走査透過電子顕微鏡100では、暗視野STEM像、明視野STEM像、およびダイレクトスポットの画像を同時に取得できる。
走査透過電子顕微鏡100では、蛍光板40の蛍光面42は、結像光学系6の光軸、すなわち、光軸A2に対して傾いている。これにより、カメラ70が電子線EBを遮ること
なく、光軸A4が蛍光面42に対して垂直になるようにカメラ70を配置できる。
走査透過電子顕微鏡100における試料観察方法は、照射光学系4で電子線EBを偏向させて、電子線EBで試料Sを走査し、試料Sを透過した電子線EBを蛍光面42で光に変換し、変換された光を明視野像検出器60で検出して走査像(明視野STEM像)を取得し、かつ、蛍光面42で可視化された像をカメラ70で撮影して、電子回折パターンを取得する。そのため、走査透過電子顕微鏡100における試料観察方法では、明視野像検出器60を出し入れすることなく、STEM像と、電子回折パターンと、を取得できる。
1.4. 変形例
次に、走査透過電子顕微鏡100における試料観察方法の変形例について説明する。図9は、走査透過電子顕微鏡100における試料観察方法の変形例を示す図である。図10は、走査透過電子顕微鏡100における試料観察方法の変形例を説明するための図である。以下では、上述した図4に示す走査透過電子顕微鏡100における試料観察方法の例と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
上述した実施形態では、試料Sの位置合わせを行う工程S108において、明視野像検出器60で得られたSTEM像を用いて、試料Sの位置合わせを行った。
これに対して、本変形例では、照射光学系4をデフォーカスさせて、蛍光面42に試料Sの像を結像することによって、試料Sの位置合わせを行う。
通常、STEM像を得る場合には、試料面上の1点に電子線が収束されるように、照射光学系4のフォーカスをジャストフォーカスにする。この状態からフォーカスをずらしてデフォーカスさせると、電子線の照射範囲が拡がり、試料面の一定範囲に電子線が照射される。この結果、回折ディスクには、試料S上における電子線の照射範囲の情報が含まれるため、試料Sの像(デフォーカス像)が得られる。このように照射光学系4をデフォーカスさせることによって、電子プローブで試料Sを走査しなくても、試料Sの情報が得られる。デフォーカス像を含む回折ディスクは、結像光学系6によって蛍光面42に結像され、カメラ70で撮影できる。
まず、図5に示すように、暗視野像検出器30を引き出す(S200)。
次に、図10に示すように、照射光学系4をデフォーカスする(S201)。照射光学系4をデフォーカスすることによって、試料Sの目的の領域の全体に電子線を照射する。このとき、電子線EBで試料Sを走査しない。照射光学系4をデフォーカスすることによって、電子回折パターンの回折ディスクには、デフォーカス像が形成される。
次に、電子回折パターンで試料Sの結晶方位を確認し(S202)、試料Sの結晶方位が電子線の入射方向にあっているか否かを判定する(S204)。
結晶方位があっていないと判定した場合(S204のNo)、試料ステージ20で試料Sを傾斜させて、所望の結晶方位を電子線の入射方向に合わせる(S206)。
次に、試料ステージ20で試料Sを水平方向に移動させて、試料Sの位置合わせを行う(S208)。
本工程S208では、工程S201でデフォーカスすることによって得られた試料Sの像(デフォーカス像)を見ながら、視野に試料Sを傾斜させる前に観察していた領域が含まれるように試料ステージ20を動作させる。これにより、試料Sの位置合わせを行うこ
とができる。
工程S208の後、工程S202に戻って、結晶方位を確認し(S202)、電子回折パターンに基づいて試料Sの結晶方位が電子線の入射方向にあっているか否かを判定し(S204)、試料Sの結晶方位を合わせ(S206)、試料Sの位置を合わせる(S208)。このように、目的の領域において結晶方位が合うまで、工程S202、工程S204、工程S206、工程S208を繰り返す。
目的の領域において結晶方位があった場合(S204のYes)、照射光学系4のフォーカスを調整する(S209)。ここでは、明視野STEM像および暗視野STEM像を得るために最適なフォーカス(例えばジャストフォーカス)となるように照射光学系4のフォーカスを調整する。
次に、図6に示すように、暗視野像検出器30を検出室8に挿入し(S210)、暗視野STEM像、明視野STEM像、および蛍光板40で可視化された像(ダイレクトスポットの画像)を取得する(S212)。
本変形例に係る試料観察方法では、照射光学系4をデフォーカスさせて試料像を蛍光面42に結像する。そのため、明視野像検出器60を出し入れすることなく、電子回折パターンとSTEM像を取得できる。したがって、容易に、目的の領域の結晶方位を電子線の入射方向に合わせることができる。
2. 第2実施形態
2.1. 走査透過電子顕微鏡
次に、第2実施形態に係る走査透過電子顕微鏡について、図面を参照しながら説明する。図11は、第2実施形態に係る走査透過電子顕微鏡200の構成を示す図である。なお、図11は、図6に対応している。以下、第2実施形態に係る走査透過電子顕微鏡200において、第1実施形態に係る走査透過電子顕微鏡100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述した図6に示す走査透過電子顕微鏡100では、蛍光板40の蛍光面42は、電子光学系2の光軸A2に対して傾いていた。これに対して、図11に示す走査透過電子顕微鏡200では、蛍光板40の蛍光面42は、電子光学系2の光軸A2に対して垂直である。
図12は、蛍光板40を模式的に示す断面図である。
蛍光板40は、図12に示すように、基板48と、シンチレータを含むシンチレータ層46と、を含む。基板48は、透明基板である。すなわち、基板48は、シンチレータが発した光を透過させる。透明基板としては、PET(Polyethyleneterephthalate)基板などの透明な樹脂基板、ガラス基板などを用いることができる。シンチレータ層46は、基板48上に配置されている。シンチレータ層46が発した光は、基板48を透過する。そのため、基板48側からシンチレータ層46で可視化された像を撮影できる。
蛍光板40の蛍光面42は、光軸A2に対して垂直である。蛍光面42は、上を向いている。
明視野像検出器60は、蛍光板40のシンチレータ層46側に配置されている。カメラ70は、蛍光板40の基板48側に配置されている。すなわち、蛍光板40は、明視野像検出器60とカメラ70の間に配置されている。
カメラ70の光軸A4は、蛍光板40の下に配置されたミラー202によって折り曲げられ、蛍光板40(基板)に対して垂直になる。図11に示す例では、カメラ70の光軸A4は、カメラ70から水平方向に延び、水平方向に対して45°傾いたミラー202によって蛍光板40の蛍光面42に垂直になる。カメラ70の光軸A4が蛍光面42に対して垂直な場合とは、ミラーなどの光学素子を用いて、光軸A4を折り曲げて蛍光面42に対して光軸A4を垂直にする場合を含む。カメラ70の光軸A4を蛍光面42に対して垂直にすることによって、蛍光面42の広い範囲にピントをあわせることができる。
カメラ70は、蛍光面42で可視化された像を、基板48を介して撮影する。また、明視野像検出器60は、蛍光板40が発した光を検出する。これにより、走査透過電子顕微鏡200では、走査透過電子顕微鏡100と同様に、暗視野STEM像、明視野STEM像、および蛍光板40で可視化された像を同時に取得できる。
走査透過電子顕微鏡200では、蛍光板40の基板48を透明基板とし、蛍光面42で可視化された像を、基板48を介して撮影するため、蛍光面42が光軸A2に垂直になるように蛍光板40を配置できる。このように、走査透過電子顕微鏡200では、蛍光板40の蛍光面42が、電子光学系2の光軸A2に対して垂直であるため、蛍光面42で可視化された像が歪まない。したがって、走査透過電子顕微鏡200では、画像処理部72においてカメラ70で撮影された像を台形補正する必要がない。
2.2. 試料観察方法
走査透過電子顕微鏡200における試料観察方法は、上述した図4に示す走査透過電子顕微鏡100における試料観察方法と同様であり、その説明を省略する。
3. 第3実施形態
3.1. 走査透過電子顕微鏡
次に、第3実施形態に係る走査透過電子顕微鏡について、図面を参照しながら説明する。図13は、第3実施形態に係る走査透過電子顕微鏡300の構成を示す図である。なお、図13は、図6に対応している。以下、第3実施形態に係る走査透過電子顕微鏡300において、第1実施形態に係る走査透過電子顕微鏡100および第2実施形態に係る走査透過電子顕微鏡200の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述した図6に示す走査透過電子顕微鏡100では、蛍光板40の蛍光面42は、電子光学系2の光軸A2に対して傾いていた。これに対して、図13に示す走査透過電子顕微鏡300では、蛍光板40の蛍光面42は、電子光学系2の光軸A2に対して垂直である。
蛍光板40の構成は、上述した図12に示す蛍光板40と同様である。すなわち、蛍光板40の基板48は、透明基板である。
カメラ70は、図13に示すように、蛍光板40の基板48側に配置されている。図13に示す例では、図11に示したミラー202などの光学素子を用いずに、光軸A4が蛍光面42に対して垂直に配置されている。カメラ70は、基板44を介して、蛍光面42で可視化された像を撮影する。
3.2. 試料観察方法
走査透過電子顕微鏡300における試料観察方法は、上述した図4に示す走査透過電子顕微鏡100における試料観察方法と同様であり、その説明を省略する。
4. 第4実施形態
4.1. 走査透過電子顕微鏡
次に、第4実施形態に係る走査透過電子顕微鏡について、図面を参照しながら説明する。図14は、第4実施形態に係る走査透過電子顕微鏡400の構成を示す図である。なお、図14は、図6に対応している。以下、第4実施形態に係る走査透過電子顕微鏡400において、第1実施形態に係る走査透過電子顕微鏡100、第2実施形態にかかる走査透過電子顕微鏡200、および第3実施形態に係る走査透過電子顕微鏡300の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述した走査透過電子顕微鏡100では、図3に示すように、電子を光に変換して像を可視化する蛍光部材として、基板44と、基板44上に配置されたシンチレータ層46と、を含む蛍光板40を用いた。これに対して、走査透過電子顕微鏡400では、図14に示すように、蛍光部材として、シンチレータ層が明視野像検出器60のライトガイド64の端面に配置されたものを用いる。
ライトガイド64の端面は、電子光学系2の光軸A2に対して傾いている。そのため、シンチレータ層で構成される蛍光面42は、光軸A2に対して傾いている。
走査透過電子顕微鏡400では、蛍光面42は、ライトガイド64の端面に設けられたシンチレータ層で構成されている。そのため、シンチレータ層が発した光を効率よく光電子増倍管66に導くことができる。
4.2. 試料観察方法
走査透過電子顕微鏡400における試料観察方法は、上述した図4に示す走査透過電子顕微鏡100における試料観察方法と同様であり、その説明を省略する。
5. 第5実施形態
5.1. 走査透過電子顕微鏡
次に、第5実施形態に係る走査透過電子顕微鏡について、図面を参照しながら説明する。図15および図16は、第5実施形態に係る走査透過電子顕微鏡500の構成を示す図である。なお、図15および図16は、図6に対応している。以下、第5実施形態に係る走査透過電子顕微鏡500において、第1実施形態に係る走査透過電子顕微鏡100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
走査透過電子顕微鏡500では、図6に示すように、暗視野像検出器30と明視野像検出器60を用いて暗視野STEM像と明視野STEM像を取得した。
これに対して、走査透過電子顕微鏡500では、図15および図16に示すように、2種類の絞りを切り替えることで、1つの検出器で暗視野STEM像と明視野STEM像を取得する。
走査透過電子顕微鏡500は、明視野STEM像を取得するための第1絞り502と、暗視野STEM像を取得するための第2絞り504と、蛍光板40で変換された光を検出する光検出器510と、を含む。
第1絞り502と第2絞り504は、切り替え可能である。すなわち、走査透過電子顕微鏡500では、図15に示す第1絞り502が光軸A2上に配置された状態と、図16に示す第2絞り504が光軸A2上に配置された状態と、を切り替えることができる。さ
らに、走査透過電子顕微鏡500では、第1絞り502および第2絞り504の両方を光軸A2上に配置しない状態にすることもできる。
第1絞り502と第2絞り504は、試料Sよりも後段に配置される。第1絞り502および第2絞り504は、例えば、検出室8に配置される。
第1絞り502は、図15に示すように、試料Sを透過した電子のうちの透過波を通過させ、散乱波を遮蔽する。第1絞り502は、絞り孔が光軸A2上に配置される。これにより、透過波を通過させ、散乱波を遮蔽できる。
第1絞り502を光軸A2上に配置することによって蛍光板40の蛍光面42には透過波が入射し、回折波は入射しない。第1絞り502を通過した透過波は、蛍光板40で光に変換され、光検出器510で検出される。これにより、明視野STEM像を取得できる。
第2絞り504は、図16に示すように、試料Sを透過した電子のうちの透過波を遮蔽し、散乱波を通過させる。第2絞り504は、円環状の絞り孔を有している。第2絞り504を光軸A2上に配置することによって、円環状の絞り孔を回折波が通過する。これにより、透過波を遮蔽し、散乱波を通過させることができる。
第2絞り504を光軸A2上に配置することによって、蛍光板40の蛍光面42には回折波が入射し、透過波は入射しない。第2絞り504を通過した回折波は、蛍光板40で光に変換され、光検出器510で検出される。これにより、暗視野STEM像を取得できる。
第1絞り502および第2絞り504の両方を光軸A2上に配置しない状態、すなわち、第1絞り502および第2絞り504の両方を光軸A2上から退避させた状態では、透過波および回折波の両方が蛍光面42に入射し、蛍光面42には電子回折パターンが結像される。
光検出器510は、蛍光板40が発した光を検出する。光検出器510の構成は、例えば、上述した図1に示す明視野像検出器60の構成と同じである。
5.2. 試料観察方法
図17は、走査透過電子顕微鏡500における試料観察方法の一例を示す図である。図17では、明視野STEM像を取得する場合を示している。図18は、走査透過電子顕微鏡500における試料観察方法を説明するための図である。以下では、上述した図4に示す走査透過電子顕微鏡100における試料観察方法の例と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
電子回折パターンで試料Sの結晶方位を確認する(S302)。図18に示すように、第1絞り502および第2絞り504を光軸A2上から退避させる。この状態で、試料Sの目的の領域を電子プローブで走査し、結像レンズ系18によって試料Sを透過した電子で電子回折パターンを蛍光面42に結像させる。蛍光面42に結像された電子回折パターンは、蛍光板40で可視化される。これにより、試料Sの結晶方位を確認できる。
電子回折パターンに基づいて試料Sの結晶方位が電子線の入射方向にあっているか否かを判定する(S304)。
結晶方位があっていないと判定した場合(S304のNo)、試料ステージ20で試料
Sを傾斜させて、所望の結晶方位を電子線の入射方向に合わせる(S306)。
次に、試料ステージ20で試料Sを水平方向に移動させて、試料Sの位置合わせを行う(S308)。これにより、試料Sを傾斜させる前の位置に試料Sを戻すことができる。
工程S308の後、工程S302に戻って、結晶方位を確認し(S302)、電子回折パターンに基づいて試料Sの結晶方位が電子線の入射方向にあっているか否かを判定し(S304)、試料Sの結晶方位を合わせ(S306)、試料Sの位置合わせを行う(S308)。このように、目的の領域において結晶方位が合うまで、工程S302、工程S304、工程S306、工程S308を繰り返す。
目的の領域において結晶方位があった場合(S304のYes)、図15に示すように、第1絞り502を光軸A2上に配置し(S310)、暗視野STEM像およびダイレクトスポットの画像を取得する(S312)。
電子光学系2で電子線EBを試料Sに照射すると、試料Sで回折された回折波は第1絞り502で遮蔽され、透過波は第1絞り502を通過する。
図15に示すように、照射光学系4によって電子プローブで試料Sを走査する。このとき、第1絞り502を通過した試料Sの各点の透過波を光検出器510で検出することによって、明視野STEM像を取得できる。さらに、蛍光板40で可視化された透過波をカメラ70で撮影することによって、透過波の画像、すなわち、ダイレクトスポットの画像を取得できる。
このようにして、走査透過電子顕微鏡500において、明視野STEM像およびダイレクトスポットの画像を取得できる。
なお、上記では、第1絞り502を光軸A2上に配置して明視野STEM像を取得する場合について説明したが、工程S310において、第1絞り502を挿入するかわりに第2絞り504を挿入することで暗視野STEM像を取得できる。
電子光学系2で電子線EBを試料Sに照射すると、試料Sで回折された回折波は第2絞り504を通過し、透過波は第2絞り504で遮蔽される。
図16に示すように、照射光学系4によって電子プローブで試料Sを走査する。このとき、第2絞り504を通過した試料Sの各点の回折波を光検出器510で検出することによって、暗視野STEM像を取得できる。さらに、蛍光板40で可視化された回折波をカメラ70で撮影することによって、回折ディスクの画像を取得できる。
このようにして、走査透過電子顕微鏡500において、明視野STEM像および回折ディスクの画像を取得できる。
5.3. 効果
走査透過電子顕微鏡500は、試料Sを透過した電子線EBのうちの透過波を通過させ、散乱波を遮蔽する第1絞り502と、透過波を遮蔽し、散乱波を通過させる第2絞り504と、を含み、第1絞り502を光軸A2上に配置して明視野STEM像を取得し、第2絞り504を光軸A2上に配置して暗視野STEM像を取得する。そのため、走査透過電子顕微鏡500では、1つの検出器で暗視野STEM像および明視野STEM像を取得できる。
5.4. 変形例
上述した第5実施形態では、図15に示すように第1絞り502を用いて透過波を取り出すことで光検出器510に透過波を入射させ、明視野STEM像を取得したが、明視野STEM像を取得する手法はこれに限定されない。例えば、カメラ長を長くすることによって、電子回折パターンを拡大し、光検出器510に透過波を入射させ、回折波を入射させないことで、明視野STEM像を取得してもよい。カメラ長は、試料から観察する電子回折パターンを形成する面までの有効距離である。カメラ長を長くすることによって、蛍光面42に結像される電子回折パターンの倍率が大きくなるため、ダイレクトスポット(透過波)を蛍光面42に入射させ、回折ディスク(回折波)を蛍光面42に入射させないことができる。
6. 第6実施形態
6.1. 走査透過電子顕微鏡
次に、第6実施形態に係る走査透過電子顕微鏡について、図面を参照しながら説明する。図19は、第6実施形態に係る走査透過電子顕微鏡600の構成を示す図である。以下、第6実施形態に係る走査透過電子顕微鏡600において、第1実施形態に係る走査透過電子顕微鏡100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
走査透過電子顕微鏡100では、図1に示すように、1つの暗視野像検出器30を備えていた。これに対して、走査透過電子顕微鏡600では、図19に示すように、互いに電子の取り込み角が異なる2つの暗視野像検出器を備えている。走査透過電子顕微鏡600は、高角暗視野像検出器610と、低角暗視野像検出器620と、を含む。
高角暗視野像検出器610は、試料Sによって高角度に非弾性散乱された電子を検出する。高角暗視野像検出器610で検出された電子の強度を電子プローブの位置に対応させることで、高角散乱暗視野(high angle annular dark field scanning transmission electron microscopy、HAADF-STEM)像を得ることができる。高角暗視野像検出器610は、円環状の検出領域を有している。
高角暗視野像検出器610は、円環状のシンチレータ612と、ライトガイド614と、光電子増倍管616と、を含む。高角暗視野像検出器610では、シンチレータ612が電子を光に変換し、ライトガイド614が光を光電子増倍管616に導き、光電子増倍管616が光を電気信号に変換する。高角暗視野像検出器610の構成は、図1に示す暗視野像検出器30の構成と同様である。
走査透過電子顕微鏡600は、高角暗視野像検出器610を検出室8に出し入れする機構を有している。高角暗視野像検出器610を使用する場合には、高角暗視野像検出器610を検出室8に挿入し、使用しないときは検出室8から引き出す。高角暗視野像検出器610を検出室8から引き出すことによって、試料Sを透過した電子が高角暗視野像検出器610に遮られない。図19では、高角暗視野像検出器610を使用している状態を図示している。
低角暗視野像検出器620は、高角暗視野像検出器610の後方に配置されている。低角暗視野像検出器620は、高角暗視野像検出器610の下に配置されている。低角暗視野像検出器620は、高角暗視野像検出器610の円環状のシンチレータ612の中心の孔を通過した電子の一部を検出する。
低角暗視野像検出器620は、試料Sによって25~60mrad程度の低角度に散乱した電子や非弾性散乱電子を検出する。低角暗視野像検出器620で検出された電子の強
度を電子プローブの位置に対応させることで、低角暗視野(low-angle annular dark field scanning transmission electron microscopy、LAADF-STEM)像を得ることができる。
低角暗視野像検出器620は、円環状の検出領域を有している。低角暗視野像検出器620は、円環状のシンチレータ622と、ライトガイド624と、光電子増倍管626と、を含む。低角暗視野像検出器620では、シンチレータ622が電子を光に変換し、ライトガイド624が光を光電子増倍管626に導き、光電子増倍管626が光を電気信号に変換する。低角暗視野像検出器620の構成は、円環状の検出領域の径が小さい点を除いて上述した高角暗視野像検出器610の構成と同様である。
走査透過電子顕微鏡600は、低角暗視野像検出器620を検出室8に出し入れする機構を有している。低角暗視野像検出器620を使用する場合には、低角暗視野像検出器620を検出室8に挿入し、使用しないときは検出室8から引き出す。低角暗視野像検出器620を検出室8から引き出すことによって、試料Sを透過した電子が低角暗視野像検出器620に遮られない。図19では、低角暗視野像検出器620を使用している状態を図示している。
6.2. 試料観察方法
走査透過電子顕微鏡600における試料観察方法は、図4に示す暗視野像検出器30を引き出す工程S100において高角暗視野像検出器610および低角暗視野像検出器620の両方を引き出し、暗視野像検出器30を挿入する工程S110において高角暗視野像検出器610および低角暗視野像検出器620の両方を挿入する点を除いて、図4に示す走査透過電子顕微鏡100における試料観察方法と同様であり、その説明を省略する。
走査透過電子顕微鏡600では、暗視野STEM像として、高角暗視野STEM像および低角暗視野STEM像を取得できる。すなわち、走査透過電子顕微鏡600では、高角暗視野STEM像、低角暗視野STEM像、明視野STEM像、およびダイレクトスポットの画像を同時に取得できる。
7. 変形例
上述した第1~第6実施形態では、電子線を試料Sに照射して像を取得する走査透過電子顕微鏡について説明したが、本願発明に係る荷電粒子線装置は、イオンビームなどの電子線以外の荷電粒子線を試料Sに照射して像を取得する装置であってもよい。
また、上述した実施形態及び変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが可能である。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成を含む。実質的に同一の構成とは、例えば、機能、方法、及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成である。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2…電子光学系、4…照射光学系、6…結像光学系、8…検出室、10…鏡筒、11…電子線源、12…照射レンズ、14…走査偏向器、16…対物レンズ、18…結像レンズ系、20…試料ステージ、22…試料ホルダー、30…暗視野像検出器、32…シンチレー
タ、34…ライトガイド、36…光電子増倍管、40…蛍光板、42…蛍光面、44…基板、46…シンチレータ層、48…基板、50…支持部材、60…明視野像検出器、64…ライトガイド、66…光電子増倍管、70…カメラ、72…画像処理部、100…走査透過電子顕微鏡、101…走査透過電子顕微鏡、160…明視野像検出器、170…カメラ、200…走査透過電子顕微鏡、202…ミラー、300…走査透過電子顕微鏡、400…走査透過電子顕微鏡、500…走査透過電子顕微鏡、502…第1絞り、504…第2絞り、510…光検出器、600…走査透過電子顕微鏡、610…高角暗視野像検出器、612…シンチレータ、614…ライトガイド、616…光電子増倍管、620…低角暗視野像検出器、622…シンチレータ、624…ライトガイド、626…光電子増倍管

Claims (11)

  1. 荷電粒子線を試料に照射する照射光学系と、
    前記試料を透過した荷電粒子線を光に変換する蛍光面を有する蛍光部材と、
    前記試料を透過した荷電粒子線で前記蛍光面に結像する結像光学系と、
    前記蛍光面に対して光軸が垂直に配置され、前記蛍光面で可視化された像を撮影するカメラと、
    前記蛍光面で変換された光を検出する光検出器と、
    を含む、荷電粒子線装置。
  2. 請求項1において、
    前記試料を透過した荷電粒子線を検出する円環状の検出領域を有する暗視野像検出器を含み、
    前記蛍光面には、前記円環状の検出領域の内側を通過した荷電粒子線が入射する、荷電粒子線装置。
  3. 請求項1において、
    前記試料を透過した荷電粒子線のうちの透過波を通過させ、散乱波を遮蔽する第1絞りと、
    前記透過波を遮蔽し、前記散乱波を通過させる第2絞りと、
    を含み、
    前記第1絞りを前記結像光学系の光軸上に配置して明視野像を取得し、
    前記第2絞りを前記結像光学系の光軸上に配置して暗視野像を取得する、荷電粒子線装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記蛍光面は、前記結像光学系の光軸に対して傾いている、荷電粒子線装置。
  5. 請求項4において、
    前記光検出器は、前記蛍光部材が発した光を前記光検出器に伝搬するライトガイドを含み、
    前記蛍光面は、前記ライトガイドの端面に設けられたシンチレータで構成されている、荷電粒子線装置。
  6. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記蛍光面は、前記結像光学系の光軸に対して垂直に配置されている、荷電粒子線装置。
  7. 請求項6において、
    前記蛍光部材は、基板と、前記基板上に配置されたシンチレータと、を含み、
    前記基板は、前記シンチレータが発した光を透過させ、
    前記カメラは、前記基板を介して、前記蛍光面で可視化された像を撮影する、荷電粒子線装置。
  8. 請求項7において、
    前記カメラの光軸を折り曲げるミラーを含む、荷電粒子線装置。
  9. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記照射光学系は、荷電粒子線で前記試料を走査するための走査偏向器を含む、荷電粒子線装置。
  10. 荷電粒子線を試料に照射する照射光学系と、
    前記試料を透過した荷電粒子線を光に変換する蛍光面を有する蛍光部材と、
    前記試料を透過した荷電粒子線で前記蛍光面に結像する結像光学系と、
    前記蛍光面に対して光軸が垂直に配置され、前記蛍光面で可視化された像を撮影するカメラと、
    前記蛍光面で変換された光を検出する光検出器と、
    を含む、荷電粒子線装置における試料観察方法であって、
    前記照射光学系で荷電粒子線を偏向させて、荷電粒子線で前記試料を走査し、
    前記試料を透過した荷電粒子線を前記蛍光面で光に変換し、変換された光を前記光検出器で検出して走査像を取得し、かつ、前記蛍光面で可視化された像を前記カメラで撮影して前記像を取得する、試料観察方法。
  11. 請求項10において、
    前記照射光学系をデフォーカスさせて試料像を前記蛍光面に結像する工程を含む、試料観察方法。
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