JP2023167594A - 端子付電線 - Google Patents

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Abstract

【課題】銅又は銅合金によって形成された端子に、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成された導電線を有する電線を接続する場合に、より低抵抗かつ安定した電気的接続を実現することを目的とする。【解決手段】端子付電線10は、銅又は銅合金によって形成された端子20と、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成された導電線32を有する電線30と、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成された接続膜40とを備え、端子は、導電線に圧着される圧着部22を含み、接続膜40は、端子の非酸化部分と、導電線の非酸化部分とに直接接した状態で、導電線の表面から圧着部の表面に至る領域に広がっている。【選択図】図3

Description

本開示は、端子付電線に関する。
特許文献1は、銅又は銅合金から成る端子エレメントを、アルミニウムから成る電気ケーブルに結合する結合方法であって、端子エレメントが表面にニッケルコーティングを有しており、当該端子エレメントを亜鉛によってアルミニウム導体に溶接する結合方法を開示している。
特表2007-531208号公報
銅又は銅合金によって形成された端子に、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成された導電線を有する電線を接続する場合に、より低抵抗かつ安定した電気的接続を実現することが望まれている。
そこで、本開示は、銅又は銅合金によって形成された端子に、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成された導電線を有する電線を接続する場合に、より低抵抗かつ安定した電気的接続を実現することを目的とする。
本開示の端子付電線は、銅又は銅合金によって形成された端子と、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成された導電線を有する電線と、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成された接続膜と、を備え、前記端子は、前記導電線に圧着される圧着部を含み、前記接続膜は、前記端子の非酸化部分と、前記導電線の非酸化部分とに直接接した状態で、前記導電線の表面から前記圧着部の表面に至る領域に広がっている、端子付電線である。
本開示によれば、銅又は銅合金によって形成された端子に、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成された導電線を有する電線を接続する場合に、より低抵抗かつ安定した電気的接続を実現できる。
図1は実施形態1係る端子付電線を示す側面図である。 図2は端子付電線を示す正面図である。 図3は図2のIII-III線断面図である。 図4は端子付電線の製造方法例を示す説明図である。 図5は端子付電線の製造方法例を示す説明図である。 図6は第1から第3実験例に対する評価結果を示す図である。 図7は第1から第3実験例に係る試験対象物の耐久後の断面を示す図である。 図8は第4及び第5実験例に対する評価結果を示す図である。 図9は第4及び第5実験例に係る試験対象物の初期及び耐久後の断面を示す図である。 図10は第6実験例から第9実験例の評価結果を示す図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の端子付電線は、次の通りである。
(1)銅又は銅合金によって形成された端子と、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成された導電線を有する電線と、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成された接続膜と、を備え、前記端子は、前記導電線に圧着される圧着部を含み、前記接続膜は、前記端子の非酸化部分と、前記導電線の非酸化部分とに直接接した状態で、前記導電線の表面から前記圧着部の表面に至る領域に広がっている、端子付電線である。
この端子付電線によると、接続膜は、端子の非酸化部分と、導電線の非酸化部分とに直接接した状態で、前記導電線の表面から前記圧着部の表面に至る領域に広がっているため、端子と導電線との間の電気抵抗を小さくできる。また、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成された接続膜と、銅又は銅合金によって形成された端子との間ではクラックが生じ難い。さらに、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成された接続膜と、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成された導電線との間でもクラックが生じ難い。このため、端子と導電線との間で安定した電気的接続を実現できる。なお、安定した電気的接続とは、耐久条件に曝されても端子と導電線との間接続抵抗の変化が少ない状態に保たれることをいう。よって、低抵抗かつ安定した電気的接続とは、耐久条件に曝されても端子と導電線との間接続抵抗が低いままで変動が少ない状態に保たれることをいう。
(2)(1)の端子付電線であって、前記接続膜は、前記導電線の端面から前記圧着部の端面に至る領域に広がっていてもよい。
この場合、主に導電線の端面に向う1方向からの成膜作業によって、容易に接続膜を形成できる。
(3)(1)又は(2)の端子付電線であって、前記導電線の端面は、前記圧着部の端面と面一か凹んで位置しており、前記接続膜は、前記導電線の端面から前記圧着部のうち前記導電線の端面の周りの部分に至る領域に広がっていてもよい。
これにより、接続膜を導電線の端面から圧着部の表面にかけて容易に形成できる。
(4)(1)から(3)のいずれか1つの端子付電線であって、前記接続膜は、コールドスプレー法によって形成された膜であってもよい。
これにより、コールドスプレー法によって、端子及び導電線の表面に形成された酸化膜を破壊しつつ、上記接続膜を容易に形成できる。
(5)(1)から(4)のいずれか1つの端子付電線であって、前記接続膜は、0.5mm以下の膜厚であってもよい。
このように、0.5mm以下の膜厚の接続膜によっても、低抵抗かつ安定した電気的接続を実現できる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の端子付電線の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[実施形態1]
以下、実施形態1に係る端子付電線について説明する。図1は端子付電線10を示す側面図である。図2は端子付電線10を示す正面図である。図3は図2のIII-III線断面図である。
端子付電線10は、端子20と、電線30と、接続膜40とを備える。
端子20は、銅又は銅合金によって形成された部品である。端子20は、例えば、銅製又は銅合金製の板材をプレス成形等することによって形成される。端子は、銅又は銅合金の母材を削り出し等することによって形成されてもよい。
端子20は、電線30の導電線32を接続先となる部品に接続する部品である。本実施形態では、端子20は、圧着部22と、相手側接続部24とを有する。圧着部22の先端側に相手側接続部24が直線的に連なっている。圧着部22と相手側接続部24との間が曲っていてもよい。
圧着部22は、導電線32に圧着される部分である。本実施形態では、圧着部22は、いわゆるクローズドバレル型の圧着部であり、筒状に形成されている。例えば、圧着前の状態では圧着部22は円筒状に形成されており、内部に導電線32を配置した状態で、内部空間を小さくするように圧着部22が圧縮変形されて、当該圧着部22内に導電線32が保持されることが想定される。圧縮変形後の圧着部22の形状は、多角形筒状(例えば、六角形筒状(図3参照))又は楕円等の扁平形状等であることが想定される。
圧着部22は、外周が切れ目無く連なった筒状に形成される必要は無い。例えば、圧着前の状態で、圧着部は、底部の両側から一対の圧着片が立上がる形状、いわゆるオープンバレル型又はFクリンプ型の圧着部であってもよい。この場合、底部上でかつ一対の圧着片の間に導電線を配置した状態で、一対の圧着片が導電線に向けて圧縮変形されて、底部と一対の圧着片との間に導電線が保持されるとよい。
相手側接続部24は、電線30の接続先となる部品に接続される部分である。本実施形態では、相手側接続部24は、孔を有する板状部分である。例えば、ネジによって相手側接続部24が接続先部品にネジ止されることが考えられる。接続先部品は、電気機器の端子、金属筐体、車両の金属ボディ等であることが想定される。相手側接続部24は、相手側の端子の筒状部分に挿入されるピン状若しくは棒状部分、又は、相手側端子が挿入される筒状部分であってもよい。
電線30は、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成された導電線32を有する。導電線32は、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成された素線32aが集合した集合線であってもよいし、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成された単芯線であってもよい。本実施形態では、導電線32は集合線であることが想定される。
電線30は、導電線32を覆う被覆34を備える。被覆34は、例えば、導電線32の周りに押出被覆された絶縁樹脂である。よって、本実施形態では、電線30は、被覆付電線であり、導電線32は被覆付電線の内部を通る芯線である例が説明される。
導電線は、内部の芯線の周りを、絶縁層を介して覆うシールド層であってもよい。電線は、被覆付電線でなくてもよい。例えば、導電線は、金属細線が筒状に編まれた編組であり、当該編組そのものが電線であると把握されてもよい。
電線30の端部に導電線32の端部が露出しており、当該露出した導電線32の端部が圧着部22内に保持されている。導電線32の端面が相手側接続部24側を向いている。よって、接続膜40が無いと想定して端子付電線10の先端側(つまり、相手側接続部24側)から端子付電線10を観察すると、相手側接続部24が存在する箇所を除いて、導電線32の端面の周りを圧着部22の端面が囲んだ状態となっている。
導電線32の軸方向において、導電線32の端面は、圧着部22の端面に対して面一上に位置していてもよいし、圧着部22の端面とは異なる位置に位置していてもよい。後で説明するように、導電線32の軸方向において、導電線32の端面は、圧着部22の端面に対して面一上に位置するか、当該圧着部22の端面に対して凹んで位置していることが好ましい。導電線32の端面が圧着部22の端面に対して面一上に位置する場合とは、導電線32の端面を圧着部22の端面に対して面一上に位置するように製造したが製造誤差等の要因により面一とならなかった場合、例えば、0.5mmの範囲内で導電線32の端面が圧着部22の端面に対して突出するか凹んでいる場合を含む。
接続膜40は、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成された膜である。接続膜40は、端子20の非酸化部分と導電線32の非酸化部分とに直接接した状態で、導電線32の表面から圧着部22の表面に至る領域に広がっている。
導電線32を空気中に放置しておくと、その表面に酸化膜が形成されることが想定される。本実施形態では、当該導電線32の端面の酸化膜が除去されて、接続膜40が導電線32の端面の非酸化部分に直接接した状態となっている。
同様に端子20を空気中に放置しておくと、その表面に酸化膜が形成されることが想定される。本実施形態では、圧着部22の端面の酸化膜が除去され、接続膜40が圧着部22の端面の非酸化部分に直接接した状態となっている。
後で説明するように、導電線32の端面の酸化膜及び圧着部22の端面の酸化膜の除去は、接続膜40の成膜時に除去されてもよいし、成膜前の前処理時に除去されてもよい。
なお、導電線32の端面と接続膜40との間で酸化膜が完全に除去されることが好ましいが、部分的に酸化膜が残存してもよい。よって、接続膜40が、端子20の非酸化部分に直接接した状態は、接続膜40と端子20との間で少なくとも部分的に成立していればよい。また、圧着部22の端面と接続膜40との間についても酸化膜が完全に除去されることが好ましいが、部分的に酸化膜が残存してもよい。よって、接続膜40が、導電線32の非酸化部分に直接接した状態は、接続膜40と導電線32との間で少なくとも部分的に成立していればよい。
本実施形態では、接続膜40は、導電線32の端面から圧着部22の端面に至る領域に広がっている。図3では、導電線32の端面は、圧着部22の端面に対して凹むように位置している。このため、接続膜40は、導電線32の端面から圧着部22の内周面のうち相手側接続部24寄りの部分を経て圧着部22の端面に至る領域に広がっている。導電線32の端面が圧着部22の端面に対して面一上に位置する場合、接続膜40は、導電線32の端面から直接圧着部22の端面に至る領域に広がることも考えられる。
接続膜40が導電線32の端面から圧着部22の端面に至る領域に広がっていることによって、導電線32と端子20とを電気的に接続する接続膜40を容易に成膜できる。
すなわち、接続膜40を形成するための材料を一方向から端子20と導電線32との接続箇所に供給することで、容易に接続膜40を成膜できる。この際、導電線32の端面と圧着部22の端面とは同じ方向を向いているため、それらの端面に対して容易に材料を供給して接続膜40を成膜し易い。
また、接続膜40の成膜箇所及びその周辺部位は、成膜に適した高熱環境に曝されることが想定される。端子付電線10のうち被覆34から離れた部位の方が、高熱に対する耐性に優れていることが想定される。この点、上記接続膜40の端面及び圧着部22の端面は、被覆34から離れており、耐熱性に優れた部位であり、接続膜40を成膜する部位として適している。
もっとも、接続膜は、圧着部22から被覆34側に延びる導電線32の周囲に至る領域に形成されてもよい。圧着部の周囲の一部に導電線が露出している場合、圧着部の表面から導電線の露出部位表面に至る領域に接続膜が形成されてもよい。
また、本実施形態では、導電線32の端面が圧着部22の端面よりも凹んでいる。このため、接続膜40を形成するための材料を、導電線32の端面に向けて供給すれば、接続膜40を、当該導電線32の端面と、圧着部22の内周面のうち導電線32の端面を囲む部分に容易に形成できる。また、導電線32の端面が圧着部22の端面と面一上に位置する場合でも、接続膜40を形成するための材料を、導電線32の端面に向けて供給すれば、接続膜40を、当該導電線32の端面と、圧着部22の端面とに容易に形成できる。このため、導電線32と端子20とを接続する接続膜40を容易に成膜できる。
仮に、導電線32の端面が圧着部22の端面よりも突出していると、接続膜によって導電線32と端子20とを電気的に接続するためには、当該接続膜を、導電線32の端面からその周りの面を経て圧着部22の端面に至る領域に形成することが想定される。この場合、接続膜を形成するための材料を、導電線32の端部の周りの面に供給することとなるため、当該材料を一方向から供給することによっては接続膜を成膜することが困難となる可能性がある。
導電線32の端面が圧着部22の端面と面一上に位置するか凹んでいると、導電線32の端面に対する一方向からの材料供給によって、導電線32の表面から端子20の表面に至る領域に接続膜40を成膜することが容易となる。
上記接続膜40を成膜する方法は、特に限定されない。接続膜40は、アルミニウム又はアルミニウム合金による膜を形成可能な各種成膜方法によって形成されればよい。接続膜40は、例えば、溶射、蒸着(スパッタリング等)、めっき等によって形成されてもよい。
溶射は、成膜の材料となる溶射材を加熱して成膜対象に吹付けて膜を形成する成膜方法である。溶射は、例えば、コールドスプレー法(低温溶射)、アーク溶射、プラスマ溶射であってもよい。つまり、ここでの溶射は、必ずしも溶射材を溶融させるまで加熱することを意味しない。
本実施形態では、接続膜40は、コールドスプレー法によって製造された膜である。コールドスプレー法とは、溶射材を溶融させない程度の高温に加熱した動作用ガスを用いて高速で成膜対象に吹付けて膜を形成する方法である。コールドスプレー法を利用することで、溶射材の衝突の勢いによって導電線32及び端子20の表面の酸化膜を破壊しつつ、当該導電線32及び端子20の表面に接続膜40を形成することができる。コールドスプレー法によると、アルミニウム又はアルミニウム合金の粉が導電線32及び端子20の表面に密着して積層されるため、導電線32及び端子20に対する電気抵抗を小さくすることができる。また、コールドスプレー法によると、他の溶射法と比較して加工温度を低くでき、端子20及び電線30への熱影響を少なくして成膜することができる。
接続膜40の膜厚は任意である。接続膜40の膜厚は、0.5mm以下であってもよい。これにより、短時間の加工で、導電線32及び端子20との電気抵抗を小さくする接続膜40を素早くかつ低コストで形成することができる。
本端子付電線10の用途は、電力用伝送用であってもよいし、信号伝送用であってもよい。大電流を通電する回路において、低抵抗かつ安定した接続がより望まれているため、本端子付電線10を電力伝送用として用いることが効果的である。
図4及び図5は端子付電線10の製造方法例を示す説明図である。
図4に示すように、端子20と、端部に導電線32が露出した電線30を準備する。導電線32の露出端部を端子20の圧着部22内に配置して、圧着部22を導電線32の端部に圧着接続する。
次に、図5に示すように、コールドスプレーのためのノズル50に、作動ガスと、アルミニウム又はアルミニウム合金の粉末とを供給する。作動ガスは、ガス供給装置54からヒータ56を介してノズル50内に供給される。作動ガスは、ノズル50内で加速されてノズル50の先端から噴射される。アルミニウム又はアルミニウム合金の粉末は、粉末供給装置52からノズル50内の作動ガス内に供給される。これにより、当該粉末が高速に加速されて、ノズル50の先端から噴出される。ノズル50の先端は、導電線32の先端に対向するように配置される。ノズル50から噴出されたアルミニウム又はアルミニウム合金の粉末は、導電線32の端面及び圧着部22の端面に高速で衝突し、当該各端面の酸化膜を破壊しつつ当該各端面に露出する非酸化部分上に密着しつつ堆積していく。これにより、導電線32の端面及び圧着部22の端面に至る領域に、当該各端面の非酸化部分に直接接する接続膜40が形成される。
以上のように構成された端子付電線10によると、接続膜40は、端子20の非酸化部分と、導電線32の非酸化部分とに直接接した状態で、導電線32の表面から圧着部22の表面に至る領域に広がっている。このため、端子20と導電線32との間の電気抵抗を小さくできる。
特に電動車両の大電流化に伴って電線の導体断面積を大きくすることが構成されている。また、導体断面積を大きくすると軽量化の観点から導体をアルミニウム又はアルミニウム合金とすることが要請されている。このため、アルミニウム又はアルミニウム合金製の導体を、銅又は銅合金製の端子に接続することに対する要請が高まっている。
この場合において、アルミニウム又はアルミニウム合金製の導体の表面には強固な酸化膜が形成されているため、圧着のみでは、低抵抗かつ安定した電気的接続を実現することが難しい可能性がある。大電流が流れる端子と導体との接触箇所については、特に、低抵抗かつ安定した電気的接続が求められる。
本実施形態で説明したように、接続膜40が、端子20の非酸化部分と導電線32の非酸化部分とに直接接した状態で、導電線32の表面から圧着部22の表面に至る領域に広がる構成とすることで、アルミニウム又はアルミニウム合金製の導電線32と銅又は銅合金製の端子20との接続箇所であって、かつ、大電流が流れる接続箇所において、低抵抗かつ安定した電気的接続を容易に実現できる。
また、発明者によって、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成された接続膜40は、銅又は銅合金によって形成された端子20と、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成された導電線32との両方の境界においてクラックを生じさせ難いことが見出された。このため、端子20と導電線32との間で安定した電気的接続を実現できる。
また、接続膜40は、導電線32の端面から圧着部22の端面に至る領域に広がっているため、主に導電線32の端面に向う1方向からの成膜作業によって、接続膜40を容易に形成できる。
また、導電線32の端面が圧着部22の端面から突出していると、導電線32の端部の周りに対して成膜作業を実施することとなる。導電線32の端面が、圧着部22の端面と面一から凹んで位置していると、導電線32の周囲に対する成膜処理を行わなくてもよいので、導電線32の端面から圧着部22の端面に至る接続膜40を容易に形成できる。
接続膜40と端子20との間の酸化膜、並びに、接続膜40と導電線32との間の酸化膜は、接続膜40を成膜する前の処理時及び成膜処理時のいずれにおいて除去されてもよい。接続膜40がコールドスプレー法によって成膜される場合、端子20及び導電線32の表面に形成された酸化膜を破壊しつつ、当該接続膜40を容易に形成できる。
また、発明者によって、0.5mm以下の膜厚の接続膜40によっても、低抵抗かつ安定した電気的接続を実現できることが見出された。接続膜40を0.5mm以下の膜厚とすることによって、当該接続膜40を容易かつ低コストで形成することができる。
なお、接続膜40の膜厚は、例えば、平均膜厚であり、より具体的には、導電線32の端面全体における平均膜厚であってもよい。
[実験例]
発明者は、圧着部と導電線との電気的接続性能を評価するため、下記の実験を行った。
端子20の圧着部22と同じ形状の圧着試験片を製作し、当該圧着試験片を導電線の端部に圧着した。第1から第3実験例では、導電線はアルミニウム素線の集合線であり、その合計断面積は70mmである。第1から第3実験例では、圧着試験片はタフピッチ銅製である。第1実験例では接続膜40はアルミニウムであり、第2実験例では接続膜40はニッケルであり、第3実験例では接続膜40は亜鉛である。
それぞれの実験例について複数の試験対象物を製作し、導電線と圧着試験片との間の初期接続抵抗と、所定の耐久条件経過後の接続抵抗とを測定した。所定の耐久条件は、試験対象物を低温環境と高温環境とに繰返し曝す条件であり、各実験例について同じ耐久条件に試験対象物を曝すことで、耐久後の電気的接続の安定性を評価することができる。
第1から第3実験例に対する評価結果が図6に示される。
同図に示すように、接続膜40がアルミニウムである第1実験例の場合、初期接続抵抗は0.01mΩ以下と低い値であり、かつ、耐久後においても0.01mΩ以下の低い接続抵抗となることが判明した。
なお、接続膜40を成膜しない場合の実験例では、初期抵抗は2.0mΩ、耐久後の抵抗は600mΩとなった。よって、第1実験例の場合、より低抵抗かつ安定した電気的接続を実現できることが判明した。
接続膜40がニッケルである第2実験例の場合、及び、接続膜40が亜鉛である第3実験例の場合のいずれにおいても、耐久後において0.035mΩを越える接続抵抗となる場合があり、第1実験例と比較して、電気的接続が不安定となることがわかる。
第1から第3実験例に係る試験対象物の耐久後の断面写真が図7に示される。同図に示すように、接続膜40がアルミニウムである第1実験例の場合、接続膜と導電線及び圧着試験片との間にクラックは観察されなかった。しかしながら、接続膜40がニッケルである第2実験例の場合、及び、接続膜40が亜鉛である第3実験例の場合のいずれにおいても、接続膜と圧着試験片との間にクラックが観察された。
このため、第2実験例及び第3実験例においては、試験対象物が耐久条件に曝されることによって接続膜と圧着試験片との間にクラックが生じ、当該クラックが電気的接続の安定性を妨げていると予測される。
上記第1実験例及び第2実験例について、導電線の合計断面積200mmに変更し、圧着試験片についても当該断面積に応じた大きさに変更し、他は上記と同じとして、初期接続抵抗及び耐久後の接続抵抗を測定した。第1実験例と同じく接続膜40がアルミニウムである場合を第4実験例、第2実験例と同じく接続膜40がニッケルである場合を第5実験例とする。
第4及び第5実験例に対する評価結果が図8に示される。
同図に示すように、接続膜40がアルミニウムである第4実験例の場合、初期接続抵抗は0.01mΩ以下と低い値であり、かつ、耐久後においても0.01mΩ以下の低い接続抵抗となることが判明した。よって、第4実験例の場合、より低抵抗かつ安定した電気的接続を実現できることがわかる。
接続膜40がニッケルである第5実験例の場合、耐久後において0.025mΩを越える接続抵抗となる場合があり、第4実験例と比較して、電気的接続が不安定となることがわかる。
第4及び第5実験例に係る試験対象物の初期及び耐久後の断面写真が図9に示される。同図に示すように、接続膜40がアルミニウムである第4実験例の場合、接続膜と導電線及び圧着試験片との間にクラックは観察されなかった。しかしながら、接続膜40がニッケルである第5実験例の場合、耐久後において接続膜と導電線との間にクラックが観察された。
このため、第5実験例においては、試験対象物が耐久条件に曝されることによって接続膜と導電線との間にクラックが生じ、当該クラックが電気的接続の安定性を妨げていると予測される。
上記クラックは、高温と低温とが繰返される耐久条件下における、接続膜と圧着試験片若しくは導電線との熱膨張量の差に起因すると想定される。例えば、銅の線膨張係数は16.5×10-6/℃であり、アルミニウムの線膨張係数は23.9×10-6/℃である。
接続膜の材料がアルミニウムであれば、接続膜と導電線との線膨張係数との差は0であり、接続膜と圧着試験片との線膨張係数の差は7.4×10-6/℃である。
これに対して、ニッケルの線膨張係数は13.3-6/℃である。このため、接続膜の材料がニッケルであれば、接続膜と導電線との線膨張係数との差は10.6×10-6/℃となり、上記各場合よりも明らかに大きくなる。また、亜鉛の線膨張係数は39.7-6/℃である。このため、接続膜の材料が亜鉛であれば、接続膜と圧着試験片との線膨張係数との差は23.2×10-6/℃となり、上記各場合よりもさらに大きくなる。
このように線膨張係数の差という観点からも、接続膜の材料がアルミニウムであれば、接続膜と導電線との間及び接続膜と圧着試験片との間でクラックが生じ難いことが想定される。
上記第1実験例において、接続膜の膜厚を変更して、初期接続抵抗及び耐久後の接続抵抗を測定した。膜厚を0.5mm以下とした場合を第6実験例、1.0mmとした場合を第7実験例、1.6mmとした場合を第8実験例、2.5mmの場合を第9実験例とする。なお、接続膜の膜厚は、導電線の端面全体における平均膜厚である。第6実験例から第9実験例の評価結果が図10に示される。
この場合、いずれの膜厚においても、初期接続抵抗は0.015mΩ以下となり、耐久後においても大きな増加は見られず接続抵抗は0.015mΩ以下となった。このため、膜厚を0.5mm以下とした場合でも、実用上差支えない十分に低い接続抵抗が得られ、かつ、安定した電気的接続を実現できることがわかる。
10 端子付電線
20 端子
22 圧着部
24 相手側接続部
30 電線
32 導電線
32a 素線
34 被覆
40 接続膜
50 ノズル
52 粉末供給装置
54 ガス供給装置
56 ヒータ

Claims (5)

  1. 銅又は銅合金によって形成された端子と、
    アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成された導電線を有する電線と、
    アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成された接続膜と、
    を備え、
    前記端子は、前記導電線に圧着される圧着部を含み、
    前記接続膜は、前記端子の非酸化部分と、前記導電線の非酸化部分とに直接接した状態で、前記導電線の表面から前記圧着部の表面に至る領域に広がっている、端子付電線。
  2. 請求項1に記載の端子付電線であって、
    前記接続膜は、前記導電線の端面から前記圧着部の端面に至る領域に広がっている、端子付電線。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の端子付電線であって、
    前記導電線の端面は、前記圧着部の端面と面一か凹んで位置しており、
    前記接続膜は、前記導電線の端面から前記圧着部のうち前記導電線の端面の周りの部分に至る領域に広がっている、端子付電線。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の端子付電線であって、
    前記接続膜は、コールドスプレー法によって形成された膜である、端子付電線。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の端子付電線であって、
    前記接続膜は、0.5mm以下の膜厚である、端子付電線。
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